(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】ダイヤフラムアセンブリ及びスピーカ
(51)【国際特許分類】
H04R 9/00 20060101AFI20240403BHJP
H04R 7/02 20060101ALI20240403BHJP
H04R 7/04 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
H04R9/00 B
H04R7/02 D
H04R7/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567014
(86)(22)【出願日】2021-10-18
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 CN2021124329
(87)【国際公開番号】W WO2023015718
(87)【国際公開日】2023-02-16
(31)【優先権主張番号】202110930373.9
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202121893612.X
(32)【優先日】2021-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510113782
【氏名又は名称】ベイジン エディファイア テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003694
【氏名又は名称】弁理士法人有我国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン ウェンドン
(72)【発明者】
【氏名】ヂャオ ジュン
【テーマコード(参考)】
5D012
5D016
【Fターム(参考)】
5D012AA02
5D016AA01
5D016EC06
(57)【要約】
【課題】ダイヤフラムアセンブリ及びスピーカを提供する。
【解決手段】ダイヤフラムアセンブリはフィルム本体と、前記フィルム本体に固定配置される回路パターンとを備える。フィルム本体にはいくつかの磁化領域が設けられる。回路パターンは、各前記磁化領域に一々対応するように配置されるいくつかの銅シートを備え、隣接する2つの前記銅シートの間には隔離隙間が設けられる。少なくとも一部の前記銅シートには、幅方向に沿って配列されるいくつかの平衡隙間が設けられることで、前記銅シートをいくつかのストリップに仕切る。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイヤフラムアセンブリであって、
いくつかの磁化領域が設けられるフィルム本体と、
前記フィルム本体に固定配置される回路パターンであって、各前記磁化領域に一々対応するように配置されるいくつかの銅シートを備え、隣接する2つの前記銅シートの間には隔離隙間が設けられる回路パターンと、を備え、
少なくとも一部の前記銅シートには、幅方向に沿って配列されるいくつかの平衡隙間が設けられることで、前記銅シートをいくつかのストリップに仕切る、ダイヤフラムアセンブリ。
【請求項2】
幅サイズが最小である銅シートには前記平衡隙間が設けられていない、請求項1に記載のダイヤフラムアセンブリ。
【請求項3】
各前記ストリップの幅サイズは何れも、前記幅サイズが最小である銅シートの幅サイズに等しい、請求項2に記載のダイヤフラムアセンブリ。
【請求項4】
前記隔離隙間と前記平衡隙間との幅サイズは等しい、請求項3に記載のダイヤフラムアセンブリ。
【請求項5】
前記ストリップの幅サイズは前記隔離隙間の幅サイズより大きい、請求項1に記載のダイヤフラムアセンブリ。
【請求項6】
同一銅シートに属する全ての前記ストリップは並列接続されるように配置される、請求項1に記載のダイヤフラムアセンブリ。
【請求項7】
前記いくつかの銅シートは並列接続されるように配置される、請求項1に記載のダイヤフラムアセンブリ。
【請求項8】
前記回路パターンは粘着工程で、前記フィルム本体に固定接続される、請求項1に記載のダイヤフラムアセンブリ。
【請求項9】
前記フィルム本体は変形性を有する材料から製造される、請求項1に記載のダイヤフラムアセンブリ。
【請求項10】
スピーカであって、磁界を提供するための磁性体と、電流を提供するための回路基板と、請求項1~9の何れか1項に記載のダイヤフラムアセンブリとを備え、前記回路パターンの端部は前記回路基板に電気接続される、スピーカ。
【請求項11】
前記回路基板が同一時間で、各前記銅シートに提供する電流は等しい、請求項10に記載のスピーカ。
【請求項12】
前記回路基板の中間部にはすかし溝が設けられ、前記フィルム本体は前記すかし溝に固定配置される、請求項10に記載のスピーカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
出願の交差援用について
本出願は2021年08月13日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202121893612.Xであり、名称が「ダイヤフラムアセンブリ及びスピーカ」であり、及び2021年08月13日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202110930373.9であり、名称が「ダイヤフラムアセンブリ及びスピーカ」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は本出願に援用される。
【0002】
本出願は音響ダイアフラムの技術分野に関して、特にダイヤフラムアセンブリ及びスピーカに関する。
【背景技術】
【0003】
ダイヤフラムアセンブリはスピーカの主な部材の1つであり、主に振動及び音響発生に用いられる。伝統のダイヤフラムアセンブリは平均磁界強度に基づき、対応する銅シートの幅サイズを限定し、各銅シートの単位幅あたりの受力が等しくなり、一定の積極的な役割を具備する。但し、このような技術案にはまだ大きな欠陥が存在し、即ち、伝統のダイヤフラムアセンブリの隣接する2つの非銅被覆領域の間の距離が不均一であり、両側の銅箔の重量分布がひどく不均一である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願の各種の実施例によれば、ダイヤフラムアセンブリ及びスピーカを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ダイヤフラムアセンブリであって、
いくつかの磁化領域が設けられるフィルム本体と、
前記フィルム本体に固定配置される回路パターンであって、各前記磁化領域に一々対応するように配置されるいくつかの銅シートを備え、隣接する2つの前記銅シートの間には隔離隙間が設けられる回路パターンと、を備え、
少なくとも一部の前記銅シートには、幅方向に沿って配列されるいくつかの平衡隙間が設けられることで、前記銅シートをいくつかのストリップに仕切る。
【0006】
1つの実施例において、幅サイズが最小である銅シートには前記平衡隙間が設けられていない。
【0007】
1つの実施例において、各前記ストリップの幅サイズは何れも、前記幅サイズが最小である銅シートの幅サイズに等しい。
【0008】
1つの実施例において、前記隔離隙間と平衡隙間との幅サイズは等しい。
【0009】
1つの実施例において、前記ストリップの幅サイズは前記隔離隙間の幅サイズより大きい。
【0010】
1つの実施例において、同一銅シートに属する全ての前記ストリップは並列接続されるように配置される。
【0011】
1つの実施例において、前記いくつかの銅シートは並列接続されるように配置される。
【0012】
1つの実施例において、前記回路パターンは粘着工程で、前記フィルム本体に固定接続される。
【0013】
1つの実施例において、前記フィルム本体は変形性を有する材料から製造される。
【0014】
磁界を提供するための磁性体と、電流を提供するための回路基板と、上記実施例の何れか1項に記載のダイヤフラムアセンブリとを備え、前記回路パターンの端部は前記回路基板に電気接続される、スピーカをさらに提供する。
【0015】
1つの実施例において、前記回路基板が同一時間で、各前記銅シートに提供する電流は等しい。
【0016】
1つの実施例において、前記回路基板の中間部にはすかし溝が設けられ、前記フィルム本体は前記すかし溝に固定配置される。
【発明の効果】
【0017】
上記ダイヤフラムアセンブリ及びスピーカにおいて、少なくとも一部の銅シートに平衡隙間を配置し、広い銅シートを、間隔をあけて配置されるいくつかのストリップに仕切り、即ち、隣接する2つの隔離隙間の間にいくつかの平衡隙間を追加配置することは、隣接する2つの元の非銅被覆領域の間にいくつかの新たな非銅被覆領域を追加配置することに相当し、これによって、隣接する2つの非銅被覆領域の間の距離差を小さくし、フィルム本体での銅被覆の均一性を向上させ、結果として、ダイヤフラムアセンブリが振動する際の全体の穏やかさ及び安定性を向上させ、音の歪みを低減させる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本出願の実施例又は従来技術の技術案をより明らかに説明するために、以下は実施例又は従来技術の記載の必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の記載の図面は本出願のいくつかの実施例のみであり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしないことを前提として、これらの図面に基づき、他の図面を取得できる。
【
図1】従来技術が提供するダイヤフラムアセンブリの構成模式図である。
【
図3】本出願の1つの実施例が提供するダイヤフラムアセンブリの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本出願の目的、特徴、及び利点がより明瞭及び分かりやすくなるために、以下は本出願の実施例の図面を結合して、本出願の実施例の技術案を明らか且つ完全に記載し、明らかに、以下に記載の実施例は全ての実施例ではなく、本出願の一部の実施例のみである。本出願の実施例に基づき、当業者は進歩性に値する労働をしないことを前提として、取得した他の全ての実施例は何れも本出願の保護範囲に該当する。
【0020】
ここで、素子は別の素子に「固定」されると記載される場合、直接的に別の素子に位置し、又は中間素子が存在してもよい。1つの素子は別の素子に「接続」されるとみなされる場合、直接的に別の素子に接続され、又は同時に中間素子が存在する可能性がある。本明細書が使用する用語「内」、「外」、「左」、「右」及び類似表現は、唯一の実施形態であることを意味していなく、ただ説明を目的とする。
【0021】
また、用語「長」「短」「内」「外」などが指示する方位又は位置関係は、図面による方位又は位置関係であり、示される装置又は素子は当該特定の方位を具備し、特定の方位構造で操作しなければならないと指示又は暗示していなく、ただ本出願を便利に記載するため、本出願に対する限定として理解されるべきではない。
【0022】
図1及び
図2を参照し、従来技術が提供するダイヤフラムアセンブリはフィルム本体2と、フィルム本体2に固定配置される回路パターン3とを備える。回路パターン3は現像エッチング工程によって銅箔又はアルミ箔から製造され、銅箔を例として、間隔をあけて配置されるいくつかの銅シート301を備える。ダイヤフラムアセンブリを磁界に配置し、回路パターン3に通電すると、回路パターン3はアンペール力の作用で、フィルム本体2を上下に振動させ、結果として、音を出す。
【0023】
フィルム本体2での各位置に対応する磁界強度は異なって、フィルム本体2での各箇所の受力が不均一であると、フィルム本体2の各箇所の振動の周波数及び振幅の差が大きくなりすぎて、結果として、ひどい音の歪みという問題を招致する。
【0024】
図1の領域Mはアンペール力を受けて振動する主な領域であり、領域Mを例として紹介する。
図2を参照し、一般的に、磁界強度曲線Hは領域Mの磁界強度の大きさ状況を示し、フィルム本体の各箇所の受力をより均一にするために、従来のダイヤフラムアセンブリは以下の技術案を採用し:
(1)磁界強度に基づき、領域M内のフィルム本体をいくつかの磁化領域、例えば、磁化領域A1、磁化領域A2、磁化領域A3、磁化領域A4及び磁化領域A5などに区画する。いくつかの実施例において、領域M内のフィルム本体を3つ、6つ又は7つの磁化領域に区画してもよく、原理はいずれも同様であり、以下は主に、5つの磁化領域に区画される場合を紹介する;
(2)各磁化領域の平均磁界強度を演算し、例えば、磁化領域A1の平均磁界強度は1Hであり、磁化領域A2の平均磁界強度は2Hであり、磁化領域A3の平均磁界強度は5Hであり、磁化領域A4の平均磁界強度は2Hであり、磁化領域A5の平均磁界強度は1Hである;
(3)各磁化領域の平均磁界強度に基づき、対応する銅シートの幅サイズを演算し、前記銅シートの幅サイズは、対応する磁化領域の平均磁界強度に正比例する。例えば、磁化領域A1に対応する銅シートの幅サイズは1Lであり、磁化領域A2に対応する銅シートの幅サイズは2Lであり、磁化領域A3に対応する銅シートの幅サイズは5Lであり、磁化領域A4に対応する銅シートの幅サイズは2Lであり、磁化領域A5に対応する銅シートの幅サイズは1Lである;
(4)各銅シートの幅サイズに基づき、銅箔に対して現像エッチングを行うと、間隔をあけて配置されるいくつかの銅シートを含む回路パターンを取得できる。例えば、回路パターンは磁化領域A1に位置する銅シートB1、磁化領域A2に位置する銅シートB2、磁化領域A3に位置する銅シートB3、磁化領域A4に位置する銅シートB4、及び磁化領域A5に位置する銅シートB5を順に含む。隣接する2つの銅シートの間には隔離隙間302が設けられる;
(5)各銅シートに等しい的電流を導入し、各銅シートの単位幅あたりのサイズに対応する電流の大きさは、銅シートの幅サイズに反比例し、即ち、銅シートB1の単位幅あたりの電流は1Iであり、銅シートB2の単位幅あたりの電流は1/2Iであり、銅シートB3の単位幅あたりの電流は1/5Iであり、銅シートB4の単位幅あたりの電流は1/2Iであり、銅シートB5の単位幅あたりの電流は1Iである;
(6)一般的に、各銅シートの長さサイズは等しく、アンペール力の大きさは磁界強度に正比例し、電流の大きさに反比例するため、この場合、各銅シートの単位幅あたりのサイズに対応する受力は等しく、即ち、銅シートB1の単位幅あたりの受力は1L*1I=1Fであり、銅シートB2の単位幅あたりの受力は2L*1/2I=1Fであり、銅シートB3の単位幅あたりの受力は5L*1/5I=1であり、銅シートB4の単位幅あたりの受力は2L*1/2I=1Fであり、銅シートB5の単位幅あたりの受力は1L*1I=1Fである。
【0025】
従来技術が提供するこのようなダイヤフラムアセンブリは、平均磁界強度に基づき、対応する銅シートの幅サイズを限定することで、各銅シートの単位幅あたりの受力が等しくなり、一定の積極的な役割を具備する。但し、このようなダイヤフラムアセンブリにおけるフィルム本体の、隔離隙間302の両側での銅箔重量分布はひどく不均一である。
【0026】
例えば、磁化領域A2と磁化領域A3との間の隔離隙間C2-3を例として、隔離隙間C2-3の左側は、幅2L内で銅箔が設けられ、隔離隙間C2-3の右側は、幅5L内で何れも銅箔が設けられ、銅箔重量分布状況は明らかに対称ではない。
【0027】
回路パターンにより遮蔽されていない領域は非銅被覆領域と呼ばれて、従来技術のダイヤフラムアセンブリの隣接する2つの非銅被覆領域の間の距離は明らかに不均一である。
【0028】
以下は図面を結合して、具体的な実施形態を利用して本出願の技術案をさらに説明する。
【0029】
本出願はダイヤフラムアセンブリ、及び前記ダイヤフラムアセンブリを有するスピーカを提供する。ここで、本出願に記載のスピーカは自動車用ホーン、スマートスピーカー、イヤホン又は他の音響機器などとして機能できる。
【0030】
図3及び
図4に示すように、本実施例において、前記ダイヤフラムアセンブリをスピーカに適用することを例とする。スピーカは、中間部に位置しており、すかし溝が設けられる回路基板1と、前記すかし溝に固定配置されるダイヤフラムアセンブリと、前記ダイヤフラムアセンブリに対して配置されており、磁界を提供するための磁性体とを備える。ダイヤフラムアセンブリはPET(ポリエチレンテレフタレート)高分子材料などのような、一定の変形性を有する基材から製造されるフィルム本体2と、平面構成で広げられており、前記フィルム本体2に固定接続される回路パターン3とを備える。
【0031】
前記ダイヤフラムアセンブリにおける回路パターン3は前記回路基板1に電気接続され、通電された回路パターン3は前記磁性体による磁界作用で、フィルム本体2をダイヤフラムアセンブリの厚さ方向に沿って往復に変形させることより、振動及び音響発生を行う。
【0032】
いくつかの実施例において、前記ダイヤフラムアセンブリはフィルム本体2と、粘着工程で前記フィルム本体2に固定接続される回路パターン3とを備える。
【0033】
本実施例において、領域Nはダイヤフラムアセンブリの主な振動領域であり、領域Nを例として、前記フィルム本体2にはいくつかの磁化領域が設けられる。前記回路パターン3は、各磁化領域に一々対応するように配置されるいくつかの銅シート301を備え、隣接する2つの前記銅シート301の間には隔離隙間302が設けられる。
【0034】
少なくとも一部の前記銅シート301には、幅方向に沿って配列されるいくつかの平衡隙間3011が設けられ、前記銅シート301をいくつかのストリップ3012に仕切る。
【0035】
具体的に、少なくとも一部の銅シート301には平衡隙間3011が設けられ、広い銅シート301を、間隔をあけて配置されるいくつかのストリップ3012に仕切る。即ち、隣接する2つの隔離隙間302の間にいくつかの平衡隙間3011を追加配置することは、隣接する2つの元の非銅被覆領域の間にいくつかの新たな非銅被覆領域を追加配置することに相当し、これによって、隣接する2つの非銅被覆領域の間の距離差を小さくし、フィルム本体2での銅被覆の均一性を向上させ、結果として、ダイヤフラムアセンブリが振動する際の全体の穏やかさ及び安定性を向上させ、音の歪みを低減させる。
【0036】
いくつかの実施例において、幅サイズが最小である銅シート301を基準として、各ストリップ3012の幅サイズを指定し、即ち、幅サイズが最小である銅シート301に平衡隙間3011を配置していなく、そして、各前記ストリップ3012の幅サイズを何れも前記幅サイズが最小である銅シート301の幅サイズに等しくする。このように、隣接する2つの非銅被覆領域の間の距離が一致するように保証でき、ストリップ3012の分布の均一度をある程度で向上させる。
【0037】
他のいくつかの実施例において、前記隔離隙間302と平衡隙間3011との幅サイズを等しくし、即ち、隣接する2つのストリップ3012の間の距離も一致にして、ストリップ3012の分布の均一度をさらに向上させ、フィルム本体2の受力の均一度を大幅に高めて、音の歪みが顕著に低下する。
【0038】
別のいくつかの実施例において、前記ストリップ3012の幅サイズは前記隔離隙間302の幅サイズよりも大きくされてもよく、空白にしすぎることによって、振動力の不足の発生を避ける。
【0039】
本実施例において、各前記銅シート301は並列接続されるように配置され、即ち、前記回路基板が同一時間で、各前記銅シート301に提供する電流は等しい。さらに、同一銅シート301に属する全ての前記ストリップ3012の同一端は互いに導通し、即ち、同一銅シート301に属する全ての前記ストリップ3012も並列接続されるように配置される。各銅シート301の仕切られたストリップ3012の数は、対応する磁化領域の平均磁界強度に正比例し、これによって、同一銅シート301に属する各ストリップ3012に通過する電流を何れも同様にして、さらに、各前記ストリップ3012の重量、受けたアンペール力も同様にする。
【0040】
以下は磁化領域の数が5つである場合に対して、例を挙げて説明し:
(1)
図4に示すように、フィルム本体を磁化領域A1、磁化領域A2、磁化領域A3、磁化領域A4及び磁化領域A5に区画し、対応する銅シートに対して、順に銅シートB1、銅シートB2、銅シートB3、銅シートB4及び銅シートB5と記され、隣接する2つの銅シート301の間には何れも隔離隙間302が設けられる;
(2)磁化領域A1の平均磁界強度は1H、磁化領域A2の平均磁界強度は2H、磁化領域A3の平均磁界強度は5H、磁化領域A4の平均磁界強度は2H、磁化領域A5の平均磁界強度は1Hであると仮定すると、銅シートB1及び銅シートB5はそのままで維持され、銅シートB2及び銅シートB4にはそれぞれ1本の平衡隙間3011が開けられることで、銅シートB2及び銅シートB4は何れも2本のストリップ3012に仕切られ、銅シートB3には4本の平衡隙間3011が開けられることで、銅シートB3は均一に5本のストリップ3012に仕切られ、銅シートB1、各ストリップ3012及び銅シートB5の幅サイズは何れも同様であり、各平衡隙間3011と各隔離隙間302との幅サイズも等しい;
(3)回路基板1は各銅シート301に等しい電流を導入した後、各ストリップ3012の対応する電流の大きさは、銅シート301の仕切られた数に反比例し、即ち、銅シートB1の電流は1Iであり、銅シートB2の電流は1/2Iであり、銅シートB3の電流は1/5Iであり、銅シートB4の電流は1/2Iであり、銅シートB5の電流は1Iである;
(4)一般的に、各ストリップ3012の長さサイズは等しく、アンペール力の大きさは磁界強度に正比例し、電流の大きさに反比例するため、この場合、各ストリップ3012の受力が等しく、即ち、銅シートB1の受力は1L*1I=1Fであり、銅シートB2での各ストリップの受力は2L*1/2I=1Fであり、銅シートB3での各ストリップの受力は5L*1/5I=1Fであり、銅シートB4での各ストリップの受力は2L*1/2I=1Fであり、銅シートB5での各ストリップの受力は1L*1I=1Fであり、さらに、各ストリップ3012の幅は同様であるため、重量も同様である。
【0041】
従って、本実施例が提供するダイヤフラムアセンブリにおいて、隣接する2つの非銅被覆領域の間のストリップ3012の重量は同様であり、受力状況も同様であるため、フィルム本体2の振動の穏やかさ及び安定性を大幅に向上させる。
【0042】
さらに、本出願の実施例が提供するダイヤフラムアセンブリにおいて、同じ質量銅シートはより大きな面積のフィルム本体を配置でき、材料を節約する。隣接する2つの非銅被覆領域の間の間隔は同様であり、隣接する2つの非銅被覆領域の間の距離差を小さくし、フィルム本体での銅被覆の均一性を向上させ、結果として、ダイヤフラムアセンブリが振動する際の全体の穏やかさ及び安定性を向上させ、音の歪みを低減させる。フィルム本体の形状は限定されず、例えば矩形、円形、楕円形、または不規則な多角形などであってもよく、合理な領域区画によって、相応的な磁化領域を取得でき、そして、配線設計を行って、ダイヤフラムアセンブリの適応性は強い。
【0043】
以上に記載の実施例の各技術特徴に対して任意の組み合わせを行ってもよく、記載を簡潔にするために、上記実施例の各技術特徴の全ての可能な組み合わせを何れも記載していないが、これらの技術特徴の組み合わせには矛盾が存在しなければ、何れも本明細書の記載範囲と見なされてもよい。
【0044】
以上に記載の実施例は本出願のいくつかの実施形態のみを示し、その記載は具体且つ詳細であるが、そのため、出願特許範囲に対する限定として理解されるべきではない。ここで、当業者にとって、本出願の構想から逸脱しないことを前提として、いくつかの変形及び改良を行うことができ、これらの変形及び改良は何れも本出願の保護範囲に該当する。従って、本出願特許の保護範囲は添付の請求項を基準とすべきである。
【国際調査報告】