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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-10
(54)【発明の名称】シャンプー組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/60 20060101AFI20240403BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20240403BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20240403BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A61K8/60
A61Q5/02
A61K8/73
A61K8/81
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567121
(86)(22)【出願日】2022-05-09
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 US2022028255
(87)【国際公開番号】W WO2022240710
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】63/188,517
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/276,108
(32)【優先日】2021-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ローレン エリザベス バルハウス
(72)【発明者】
【氏名】ジーン ジエンチュン ジャオ
(72)【発明者】
【氏名】ニコール マリー マッツェイ
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA111
4C083AA112
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD201
4C083AD202
4C083AD351
4C083AD352
4C083AD391
4C083AD392
4C083BB48
4C083CC38
(57)【要約】
消費者が望むウェットコンディショニング、潤い感、及び粘度をもたらす安定な刺激の少ないシャンプー組成物。シャンプーは、5重量%~35重量%のアルキルポリグルコシドと、0.15重量%~1.05重量%のスクレロチウムガムと、0.05重量%~3重量%のカチオン性ポリマーと、を含有し得る。シャンプーは、0.6Pa・s~20Pa・sの粘度を有し、これにより消費者の使い勝手がよくなる。シャンプーは、1重量%未満のイオン性界面活性剤を含有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャンプー組成物であって、
a)5重量%~35重量%、好ましくは5重量%~25重量%、より好ましくは7重量%~20重量%のアルキルポリグルコシドと、
b)0.15重量%~1.05重量%のスクレロチウムガムと、
c)0.05重量%~3重量%、好ましくは0.2重量%~1.0重量%のカチオン性ポリマーと、を含み、0.6Pa・s~20Pa・s、好ましくは1Pa・s~18Pa・s、より好ましくは2Pa・s~15Pa・sの粘度を有し、1重量%未満のイオン性界面活性剤を含む、シャンプー組成物。
【請求項2】
前記カチオン性ポリマーが、グアーポリマー、非グアーガラクトマンナンポリマー、デンプンポリマー、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのコポリマー、洗浄性界面活性剤と組み合わせるとリオトロピック液晶を形成する合成非架橋ポリマー、及びセルロースポリマーから選択される、請求項1に記載のシャンプー組成物。
【請求項3】
前記アルキルポリグルコシドが、デシルグルコシド、カプリリルグルコシド、カプリリル/カプリルグルコシド、ウンデシルグルコシド、オクチルグルコシド、及びこれらの組み合わせから選択され、好ましくは、前記アルキルポリグルコシドが、デシルグルコシドを含む、請求項1又は2に記載のシャンプー組成物。
【請求項4】
前記組成物が、アルキル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムを実質的に含まない、請求項1~3のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項5】
前記非イオン性界面活性剤が、構造:
【化1】
(式中、Rは、10個の炭素を有するアルキル又はアルケニル基であり、mは1である)を有するデシルグルコシドである、請求項1~4のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項6】
茶抽出物、ブドウ種子抽出物、ベニバナ油、ホホバ油、アルゴン油、又はこれらの組み合わせを更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項7】
前記組成物が、アゾール、クリムバゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、エコナゾール、エルビオール、ヒドロキシピリドン、ピロクトンオラミン、シクロピロックス、リロピロックス、MEA-ヒドロキシオクチルオキシピリジノン、角質溶解剤、サリチル酸、ヒドロキシ酸、ストロビルリン、アゾキシストロビン、金属キレート剤、1,10-フェナントロリン、及びこれらの組み合わせから選択される抗菌剤を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項8】
前記スクレログルカンガムの一次構造が、β(1-3)結合によって連結されたグルコース分子からなり、3単位ごとに、追加のグルコース分子がβ(1-6)結合によって連結されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項9】
前記スクレログルカンガムが、三重らせんの形態である、請求項1~8のいずれか一項に記載のシャンプー組成物。
【請求項10】
ウェットコンディショニング、潤い感、及びこれらの組み合わせから選択される美容毛髪効果のための、請求項1~9のいずれか一項に記載のシャンプー組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、アルキルポリグルコシド、スクレロチウムガム、及びカチオン性ポリマーを含み、消費者が望むウェットコンディショニング及び使い勝手の良い適度な粘度をもたらす、刺激の少ないシャンプー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトの毛髪は、周囲の環境との接触及び頭皮によって分泌される皮脂が原因で汚れる。汚れた毛髪は、不潔な感触及び魅力のない外観を有する。汚れた毛髪にシャンプー組成物を塗布し、洗浄することによって、毛髪から油及び他の汚れを除去することにより毛髪に清潔で魅力的な外観を回復させることができる。公知のシャンプー組成物は、典型的には、アニオン性界面活性剤で毛髪から油及び汚れを除去する。しかしながら、アニオン性界面活性剤を含むシャンプーは、毛髪の感触の質が悪い等の多数の望ましくない特性をもたらす恐れがある。カチオン性ポリマーは、アニオン性界面活性剤洗浄組成物に一般的に使用され、毛髪に保湿を提供し、濡らしたときの毛髪のもつれを解く。非イオン性界面活性剤は、皮膚に対する刺激が少ないことが知られているが、組成物を不安定にする荷電ポリマー(カチオン性ポリマー)との組み合わせで使用することが困難であることも知られている。更に、非イオン性界面活性剤系は、典型的にはさらさらしており(低粘度)、毛髪に塗布する前に消費者の手から溶液の滴が垂れるのを防ぐためには、粘度を増加させるための増粘ポリマーを必要とする場合がある。しかしながら、カチオン性ポリマーとグアーガム等の一般的に使用される増粘剤との組み合わせは、典型的には組成物を不安定にする。驚くべきことに、独特の三重らせん構造を有するスクレロチウムガムは、カチオン性ポリマーを安定させて、ある範囲の所望のウェットコンディショニング効果及び所望の粘度をもたらす単相安定性洗浄組成物を実現できることが見出された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
アニオン性界面活性剤を使用せずに洗浄し、また、所望の毛髪効果を実現しながら良好な使用時の物性ももたらすシャンプー組成物を有することが望ましい。驚くべきことに、非イオン性界面活性剤であるアルキルポリグルコシド、スクレロチウムガム、及びカチオン性ポリマーを含むシャンプー組成物は、相安定性であり、消費者が望むウェットコンディショニング及び使い勝手のよい適度な粘度をもたらすことが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0004】
5重量%~35重量%のアルキルポリグルコシドと、0.15重量%~1.05%のスクレロチウムガムと、0.15重量%~1.05%のカチオン性ポリマーとを含み、0.6Pa・s~20Pa・sの粘度を有し、1重量%未満のイオン性界面活性剤を含む、シャンプー組成物。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】典型的なスクレロチウムガム構造の例を示す図である。
図2】スクレログルカンの(3:1)側鎖分岐比を示すβ-(1,3)-β-(1,6)グルカン構造の例を示す図である。
図3】スクレログルカン三重鎖の三次元立体構造の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本明細書は、本発明を具体的に示しかつ明確に主張する特許請求の範囲で完結するが、本開示は以下の説明によってより深く理解されると考えられる。
【0007】
定義
本開示の全ての実施形態では、全てのパーセンテージは、特に記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。特に記載のない限り、全ての比率は重量比である。全ての範囲は、端点を含み、組み合わせ可能である。有効桁数は、表示された量に対する限定を表すものでも、測定値の精度に対する限定を表すものでもない。特に別途記載のない限り、全ての数量は、単語「約」によって修飾されるものと理解される。特に断らない限り、測定は全て、25℃で周囲条件において行われるものと理解され、「周囲条件」とは、1気圧及び相対湿度50%の条件を意味する。列挙された成分に関連するそのような重量は、全て、活性レベルに基づいており、特に記載されない限り、市販の材料に含まれ得る担体又は副生成物を含まない。
【0008】
本明細書で使用するとき、「分子量(molecular weight又はMolecular weight)」は、特に記述のない限り、重量平均分子量を指す。分子量は、業界標準法であるゲル浸透クロマトグラフィ(gel permeation chromatography、「GPC」)を使用して測定される。
【0009】
本明細書で使用するとき、用語「電荷密度」は、ポリマーにおける正電荷数と当該ポリマーの分子量との比を指す。
【0010】
本明細書で使用するとき、用語「含む(comprising)」は、最終結果に影響を及ぼさない他の工程及び他の成分を追加できることを意味する。この用語は、「からなる(consisting of)」及び「から本質的になる(consisting essentially of)」という用語を包含する。本開示の組成物及び方法/プロセスは、本明細書に記載する本発明の要素及び限定、並びに本明細書に記載する追加の若しくは任意選択の成分、構成成分、工程、又は限定のいずれかを含み、これらからなり、及びこれらから本質的になり得る。
【0011】
本明細書で使用するとき、「ポリマー」という用語は、1種類のモノマーの重合によって製造される物質、又は2種類以上のモノマーによって製造される物質(すなわち、コポリマー)を含むものとする。
【0012】
本明細書で使用するとき、「ヒトの毛髪への塗布に好適」という用語は、パーソナルケア組成物又はその成分が、過度の毒性、不適合性、不安定性、アレルギー反応などを伴わず、ヒトの毛髪及び頭皮及び皮膚と接触して使用するのに許容可能であることを意味する。
【0013】
本明細書で使用するとき、「水溶性」という用語は、物質が水に可溶であることを意味する。物質は、0.1重量%の水溶媒、1重量%の水溶媒、5重量%の水溶媒、及び15重量%以上の水溶媒濃度で、25℃において可溶であり得る。
【0014】
用語「サルフェートを含まない」及び「サルフェートを実質的に含まない」とは、偶発的に微量成分として組み込まれたときを除いて、サルフェート含有化合物を本質的に含まないことを意味する。用語「硫酸化界面活性剤」は、硫酸基を含有する界面活性剤を意味する。用語「硫酸化界面活性剤を実質的に含まない」とは、偶発的に微量成分として組み込まれたときを除いて、硫酸基を含有する界面活性剤を本質的に含まないことを意味する。
【0015】
シャンプー組成物
本明細書に記載のシャンプー組成物は、消費者が望むヘアコンディショニング感触を消費者に提供し、シャンプー組成物は安定であり、良好な使用時の体験をもたらす粘度を有する。シャンプー組成物は、アルキルポリグルコシド等の非イオン性界面活性剤を含む。シャンプー組成物は、スクレロチウムガム及びカチオン性ポリマーを更に含む。この組成物は相安定性であり続け、良好な粘度を有し、所望の洗浄のための泡立ち、迅速なすすぎ、及び清潔な毛髪の感触を継続して提供する。シャンプー組成物の好適な粘度は、0.6Pa・s~20Pa・s、0.7Pa・s~18Pa・s、0.8Pa・s~18Pa・s、及び1.0Pa・s~16Pa・sである。
【0016】
シャンプー組成物は、アルキル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、及びこれらの混合物を含むイオン性界面活性剤を実質的に含まないものである。本明細書で使用するとき、イオン性界面活性剤を実質的に含まないとは、1重量%未満、0重量%~1重量%、0重量%~0.5重量%、0.1重量%~0.2重量%、あるいは0重量%~0.3重量%のイオン性界面活性剤しか含まないことを意味する。
【0017】
非イオン性界面活性剤
シャンプー組成物は、5%~35%の非イオン性界面活性剤アルキルポリグルコシドを含む。シャンプー組成物は、5重量%~35重量%のアルキルポリグルコシド、5重量%~25重量%のアルキルポリグルコシド、7重量%~20重量%のアルキルポリグルコシド、及びこれらの任意の組み合わせを含む。非イオン性界面活性剤は、デシルグルコシド、カプリリルグルコシド、カプリリル/カプリルグルコシド、ウンデシルグルコシド、オクチルグルコシド、及びこれらの混合物から選択されるポリグルコシドであり得る。
【0018】
非イオン性界面活性剤は、以下の構造:
【0019】
【化1】
(式中、「R」は、8~20個の炭素を有するアルキル又はアルケニル基であり、「m」は、1~5の重合度である)を有するアルキルポリグルコシドであってよい。あるいは、Rは8~16個の炭素であり、あるいは、Rは8~12個の炭素である。
【0020】
非イオン性界面活性剤は、以下の構造:
【0021】
【化2】
(式中、Rは、C10アルキル又はアルケニル基であり、重合度(m)は、1である)を有するデシルグルコシドであってよい。
【0022】
スクレロチウムガム
シャンプー組成物は、0.15重量%~1.05重量%のスクレロチウムガム、0.15重量%~1.0重量%のスクレロチウムガム、0.2重量%~0.8重量%のスクレロチウムガム、0.4重量%~0.8重量%のスクレロチウムガム、及び/又は0.4重量%~0.6重量%のスクレロチウムガム、並びにこれらの任意の組み合わせを含む。スクレロチウムガムは、スクレログルカンとも呼ばれ、分枝多糖である。いくつかの例において、スクレログルカンの一次構造は、β-(1,3)結合によって連結されたグルコース分子からなり、3つごとに、一次構造におけるグルコース分子はβ-(1,6)結合によって連結された追加のグルコース分子を含有する。特定の溶液において、スクレログルカンは三重らせん形状を形成する。
【0023】
図1は、典型的なスクレロチウムガム構造の例を示す。図2は、スクレログルカンの(3:1)側鎖分岐比を示すβ-(1,3)-β-(1,6)グルカン構造の例を示す(Martin et al.,2007)。図3は、スクレログルカン三重鎖の三次元立体構造の例を示す(Crescenzi et al.,1988)。スクレロチウムガムの具体例としては、Alban Mullerから市販されているAmigum ER及びCargillから市販されているActigum CS 11 QDが挙げられる。
【0024】
カチオン性ポリマー
シャンプー組成物は、ウェットコンディショニング効果のためにカチオン性ポリマーを含み得る。好適なカチオン性ポリマーは、(a)カチオン性グアーポリマー、(b)カチオン性非グアーガラクトマンナンポリマー、(c)カチオン性デンプンポリマー、(d)アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマー、(e)洗浄性界面活性剤と組み合わせた際にリオトロピック液晶を形成してもしなくてもよい、合成非架橋型カチオン性ポリマー、及び(f)カチオン性セルロースポリマーを含み得る。特定の例では、2種以上のカチオン性ポリマーが含有され得る。
【0025】
カチオン性ポリマーは、シャンプー組成物の0.05重量%~3重量%、0.075重量%~2.0重量%、又は0.1重量%~1.0重量%含まれ得る。カチオン性ポリマーは、0.9meq/g以上、1.2meq/g以上、及び1.5meq/g以上のカチオン電荷密度を有し得る。しかし、カチオン電荷密度はまた、約7meq/g以下、あるいは5meq/g以下であってもよい。電荷密度は、シャンプー組成物の意図する用途のpHで測定することができる。(例えば、pH3~pH9、又はpH4~pH8)。カチオン性ポリマーの平均分子量は、一般に、10,000~10,000,000、50,000~5,000,000、及び100,000~3,000,000、及び100,000~2,500,000であり得る。低分子量のカチオン性ポリマーを用いてもよい。低分子量のカチオン性ポリマーは、シャンプー組成物の液体担体内でより高い透光性を有することができる。カチオン性ポリマーは、2,500,000g/モル以下の重量平均分子量を有するカチオン性グアーポリマーグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド等の単一の種類であってよく、シャンプー組成物は、追加のカチオン性ポリマーを実質的に含んでいなくてもよい。本明細書で使用するとき、追加のカチオン性ポリマーを実質的に含まないとは、0~0.05の追加のカチオン性ポリマーポリマーを意味する。
【0026】
カチオン性グアーポリマー
カチオン性ポリマーは、カチオン置換したガラクトマンナン(グアー)ガム誘導体であるカチオン性グアーポリマーであってもよい。グアーガム誘導体のための好適なグアーガムは、グアープラントの種から天然に産出される材料として得ることができる。理解され得るように、グアー分子は、交互に位置するマンノース単位上の単員ガラクトース単位が一定の間隔で分枝する直鎖状マンナンである。マンノース単位は、β(1-4)グリコシド結合によって互いに連結している。ガラクトース分岐は、α(1-6)結合によって生じる。グアーガムのカチオン性誘導体は、ポリガラクトマンナンのヒドロキシル基と反応性第四級アンモニウム化合物との間の反応を介して得ることができる。グアー構造へのカチオン性基の置換の程度は、上述の必要なカチオン電荷密度を提供するのに十分であり得る。
【0027】
カチオン性グアーポリマーは、2,500,000g/モル未満の重量平均分子量(「M.Wt.」)を有していてよく、0.05meq/g~2.5meq/gの電荷密度を有していてよい。あるいは、カチオン性グアーポリマーは、1,500,000g/モル未満、150,000g/モル~1,500,000g/モル、200,000g/モル~1,500,000g/モル、300,000g/モル~1,500,000g/モル、及び700,000,000g/モル~1,500,000g/モルの重量平均分子量を有していてもよい。カチオン性グアーポリマーは、0.2meq/g~2.2meq/g、0.3meq/g~2.0meq/g、0.4meq/g~1.8meq/g、及び0.5meq/g~1.7meq/gの電荷密度を有していてよい。
【0028】
カチオン性グアーポリマーは、1,000,000g/モル未満の重量平均分子量を有していてよく、0.1meq/g~2.5meq/gの電荷密度を有していてよい。カチオン性グアーポリマーは、900,000g/モル未満、150,000~800,000g/モル、200,000g/モル~700,000g/モル、300,000~700,000g/モル、400,000~600,000g/モル、150,000g/モル~800,000g/モル、200,000g/モル~700,000g/モル、300,000g/モル~700,000g/モル、及び400,000g/モル~600,000g/モルの重量平均分子量を有していてよい。カチオン性グアーポリマーは、0.2meq/g~2.2meq/g、0.3meq/g~2.0meq/g、0.4meq/g~1.8meq/g、及び0.5meq/g~1.5meq/gの電荷密度を有する。
【0029】
シャンプー組成物は、シャンプー組成物の0.01重量%~0.7重量%未満、0.04重量%~0.55重量%、0.08重量%~0.5重量%、0.16重量%~0.5重量%、0.2重量%~0.5重量%、0.3重量%~0.5重量%、及び0.4重量%~0.5重量%のカチオン性グアーポリマーを含み得る。
【0030】
カチオン性グアーポリマーは、一般式IIに適合する第四級アンモニウム化合物から形成することができ:
【0031】
【化3】
式中、R、R、及びRは、メチル又はエチル基であり、Rは、一般式IIIのエポキシアルキル基である:
【0032】
【化4】
又は、Rは、一般式IVのハロヒドリン基である:
【0033】
【化5】
のいずれかであり、式中、Rは、C~Cアルキレンであり、Xは、塩素又は臭素であり、Zは、Cl-、Br-、I-、又はHSO-などのアニオンである。
【0034】
好適なカチオン性グアーポリマーは一般式Vに適合することができ:
【0035】
【化6】
式中、Rは、グアーガムであり、R、R、R、及びRは、上の定義と同様であり、Zは、ハロゲンである。
【0036】
好適なカチオン性グアーポリマーは式VIに適合することができ:
【0037】
【化7】
式中、Rはグアーガムである。
【0038】
好適なカチオン性グアーポリマーとしてはまた、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドなどのカチオン性グアーガム誘導体を挙げることができる。グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドの好適な例としては、Solvay S.A.から市販されているJaguar(登録商標)シリーズ、Rhodiaから市販されているHi-Careシリーズ、並びにAshland Inc.から市販されているN-Hance及びAquaCatを挙げることができる。Jaguar(登録商標)C-500は、0.8meq/gの電荷密度及び500,000g/モルの分子量を有し、Jaguar(登録商標)C-17は、0.6meq/gのカチオン電荷密度及び2,200,000g/モルの分子量を有し、Jaguar(登録商標)C13Sは、2,200,000g/モルの分子量及び0.8meq/gのカチオン電荷密度を有し、Hi-Care1000は、0.7meq/gの電荷密度及び600,000g/モルの分子量を有し、N-Hance3269及びN-Hance3270は、0.7meq/gの電荷密度及び425,000g/モルの分子量を有し、N-Hance3196は、0.8meq/gの電荷密度及び1,100,000gモルの分子量を有し、AquaCat CG518は、0.9meq/gの電荷密度及び50,000g/モルの分子量を有する。N-Hance BF-13及びN-Hance BF-17は、ホウ酸塩(ボロン)非含有グアーポリマーである。N-Hance BF-13は1.1meq/gの電荷密度及び800,000の分子量を有し、N-Hance BF-17は1.7meq/gの電荷密度及び800,000の分子量を有する。
【0039】
カチオン性非グアーガラクトマンナンポリマー
カチオン性ポリマーは、ガラクトマンナンポリマー誘導体であってもよい。好適なガラクトマンナンポリマーは、モノマー対モノマー基準で2:1よりも大きいマンノース対ガラクトース比を有していてよく、カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体、又は正味の正電荷を有する両性ガラクトマンナンポリマー誘導体であってよい。本明細書で使用するとき、用語「カチオン性ガラクトマンナン」は、カチオン性基が付加されたガラクトマンナンポリマーを指す。用語「両性ガラクトマンナン」は、ポリマーが正味の正電荷を有するようにカチオン性基及びアニオン性基が付加されたガラクトマンナンポリマーを指す。
【0040】
ガラクトマンナンポリマーは、マメ科植物の種子の内胚乳に存在し得る。ガラクトマンナンポリマーは、マンノースモノマーとガラクトースモノマーとの組み合わせから構成される。ガラクトマンナン分子は、特定のマンノース単位上の単員ガラクトース単位が一定の間隔で分岐した直鎖状マンナンである。マンノース単位は、β(1-4)グリコシド結合によって互いに連結されている。ガラクトース分岐は、α(1-6)結合によって生じる。マンノースモノマーとガラクトースモノマーとの比は、植物種によって様々であり、気候の影響も受ける場合がある。非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、モノマー対モノマー基準で2:1よりも大きいマンノース対ガラクトース比を有していてよい。マンノース対ガラクトースの好適な比はまた、3:1超、又は4:1超であってもよい。マンノース対ガラクトース比の分析は、当該技術分野において周知であり、典型的には、ガラクトース含量の測定に基づく。
【0041】
非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体の調製に用いられるガムは、植物の種又はマメなどの天然に産出される材料から得ることができる。様々な非グアーガラクトマンナンポリマーの例としては、タラガム(マンノース3部/ガラクトース1部)、イナゴマメ又はカロブ(マンノース4部/ガラクトース1部)、及びカッシアガム(マンノース5部/ガラクトース1部)が挙げられる。
【0042】
非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、1,000g/モル~10,000,000g/モルの分子量及び5,000g/モル~3,000,000g/モルの分子量を有し得る。
【0043】
本明細書に記載のシャンプー組成物は、0.5meq/g~7meq/gのカチオン電荷密度を有するガラクトマンナンポリマー誘導体を含み得る。ガラクトマンナンポリマー誘導体は、1meq/g~5meq/gのカチオン電荷密度を有し得る。ガラクトマンナン構造へのカチオン性基の置換度は、必要なカチオン電荷密度をもたらすのに十分であり得る。
【0044】
ガラクトマンナンポリマー誘導体は、非グアーガラクトマンナンポリマーのカチオン性誘導体であってもよく、これは、ポリガラクトマンナンポリマーのヒドロキシル基と反応性第四級アンモニウム化合物との反応によって得られる。カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体の形成に使用する好適な第四級アンモニウム化合物としては、上記で定義された一般式II~VIに適合するものが挙げられる。
【0045】
上記の試薬から形成されるカチオン性非グアーガラクトマンナンポリマー誘導体は、一般式VIIにより表すことができ:
【0046】
【化8】
式中、Rはガムである。カチオン性ガラクトマンナン誘導体は、ガムヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロリドであることができ、これは、より具体的には、一般式VIIIによって表すことができる;
【0047】
【化9】
【0048】
ガラクトマンナンポリマー誘導体は、正味の正電荷を有する両性ガラクトマンナンポリマー誘導体であってもよく、これは、カチオン性ガラクトマンナンポリマー誘導体がアニオン性基を更に含む場合に得られる。
【0049】
カチオン性非グアーガラクトマンナンは、4:1よりも大きいマンノース対ガラクトース比、100,000g/モル~500,000g/モルの分子量、50,000g/モル~400,000g/モルの分子量、並びに1meq/g~5meq/g及び2meq/g~4meq/gのカチオン電荷密度を有し得る。
【0050】
シャンプー組成物は、組成物の少なくとも0.05重量%のガラクトマンナンポリマー誘導体を含み得る。シャンプー組成物は、組成物の0.05重量%~2重量%のガラクトマンナンポリマー誘導体を含み得る。
【0051】
カチオン性デンプンポリマー
好適なカチオン性ポリマーはまた、水溶性カチオン性変性デンプンポリマーであってもよい。本明細書で使用するとき、用語「カチオン性変性デンプン」とは、デンプンがより小さい分子量に分解される前にカチオン性基が付加されたデンプン、又はデンプンの変性後にカチオン性基が付加されて所望の分子量に達したデンプンを指す。用語「カチオン変性デンプン」の定義には、両性変性デンプンも含まれる。用語「両性変性デンプン」とは、カチオン性基及びアニオン性基が付加されたデンプン加水分解物を指す。
【0052】
本明細書に記載のシャンプー組成物は、組成物の0.01重量%~10重量%及び/又は0.05重量%~5重量%の範囲のカチオン変性デンプンポリマーを含み得る。
【0053】
本明細書に開示されるカチオン変性デンプンポリマーは、0.5%~4%の結合窒素率を有する。
【0054】
カチオン変性デンプンポリマーは、850,000g/モル~15,000,000g/モル及び900,000g/モル~5,000,000g/モルの分子量を有し得る。
【0055】
カチオン変性デンプンポリマーは、0.2meq/g~5meq/g及び0.2meq/g~2meq/gの電荷密度を有し得る。このような電荷密度を得るための化学変性としては、デンプン分子にアミノ基及び/又はアンモニウム基を付加することを挙げることができる。このようなアンモニウム基の非限定的な例としては、ヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリド、ジメチルステアリルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリド、及びジメチルドデシルヒドロキシプロピルアンモニウムクロリドなどの置換基を挙げることができる。更なる詳細は、Solarek,D.B.,Cationic Starches in Modified Starches:Properties and Uses,Wurzburg,O.B.,Ed.,CRC Press,Inc.(Boca Raton,Fla.),1986,pp113-125に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。カチオン性基は、より小さな分子量に分解される前にデンプンに付加されてもよく、又は、カチオン性基は、このような変性の後に付加されてもよい。
【0056】
カチオン変性デンプンポリマーは、0.2~2.5のカチオン性基の置換度を有していてよい。本明細書で使用するとき、カチオン変性デンプンポリマーの「置換度」とは、置換基によって誘導体化された各無水グルコース単位上のヒドロキシル基の数の平均値である。各無水グルコース単位は、置換に利用できる3個の可能なヒドロキシル基を有しているため、可能な最大置換度は3である。置換度は、無水グルコース単位1モル当たりの置換基のモル数として、モル平均基準で表される。置換度は、当該技術分野で周知のプロトン核磁気共鳴分光(「H NMR」)法を使用して決定することができる。好適なH NMR法としては、「Observation on NMR Spectra of Starches in Dimethyl Sulfoxide,Iodine-Complexing,and Solvating in Water-Dimethyl Sulfoxide」,Qin-Ji Peng and Arthur S.Perlin,Carbohydrate Research,160(1987),57-72;及び「An Approach to the Structural Analysis of Oligosaccharides by NMR Spectroscopy」,J.Howard Bradbury and J.Grant Collins,Carbohydrate Research,71,(1979),15-25に記載されているものが挙げられる。
【0057】
化学変性前のデンプン源は、塊茎、マメ科植物、穀草、及び穀物などの様々な供給源から選択され得る。例えば、デンプン源としては、コーンデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、ワキシーコーンスターチ、オートムギデンプン、キャッサバデンプン、もち麦、もち米(waxy rice)デンプン、グルテン状ライススターチ、もち米(sweet rice)デンプン、アミオカ、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、オートムギデンプン、サゴデンプン、もち米(sweet rice)、又はこれらの混合物を挙げることができる。好適なカチオン性変性デンプンポリマーは、分解カチオン性トウモロコシデンプン、カチオン性タピオカ、カチオン性ジャガイモデンプン、及びこれらの混合物から選択され得る。カチオン性変性デンプンポリマーは、カチオン性コーンスターチ及びカチオン性タピオカである。
【0058】
デンプンは、より小さな分子量へと分解する前又は変性させた後に、1つ以上の追加の変性を含むことができる。例えば、これらの変性としては、架橋、安定化反応、リン酸化反応、及び加水分解を挙げることができる。安定化反応としては、アルキル化及びエステル化を挙げることができる。
【0059】
カチオン性変性デンプンポリマーは、加水分解デンプン(例えば、酸、酵素、若しくはアルカリ分解)、酸化デンプン(例えば、過酸化物、過酸、次亜塩素酸塩、アルカリ、若しくは任意の他の酸化剤)、物理的/機械的に分解させたデンプン(例えば、加工装置のサーモメカニカルエネルギー入力によるもの)、又はこれらの組み合わせの形態でシャンプー組成物に含まれてもよい。
【0060】
デンプンは水に容易に溶解することができ、水中で実質的に半透明な溶液を形成することができる。組成物の透過率は、紫外可視(「UV/VIS」)吸光度測定法によって測定される。この測定法は、Gretag Macbeth Colorimeter Colorを用いて、サンプルによるUV/VIS光の吸収率又は透過率を測定する。600nmの光波長が、シャンプー組成物の透明度を特徴付けるのに適していることが示されている。
【0061】
アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマー
シャンプー組成物は、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのカチオン性コポリマーを含んでいてよく、コポリマーは、1.0meq/g~3.0meq/gの電荷密度を有する。カチオン性コポリマーは、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとの合成カチオン性コポリマーであってよい。
【0062】
好適なカチオン性ポリマーは、以下を含むことができる。
(i)次式IXのアクリルアミドモノマー:
【0063】
【化10】
式中、Rは、H又はC1~4アルキルであり、R10及びR11は、独立して、H、C1~4アルキル、CHOCH、CHOCHCH(CH、及びフェニルからなる群から選択されるか、一緒になってC3~6シクロアルキルである。
(ii)式Xに適合するカチオン性モノマー:
【0064】
【化11】
式中、k=1であり、v、v’、及びv’’はそれぞれ、独立して、1~6の整数であり、wは0、又は1~10の整数であり、Xはアニオンである。
【0065】
カチオン性モノマーは、式Xに適合することができ、式中、k=1、v=3で、w=0、z=1であり、XがClであって、次の構造(式XI)を形成する:
【0066】
【化12】
理解され得るように、上記の構造は、ジクワットと称されてもよい。
【0067】
カチオン性モノマーは、式Xに適合することができ、式中、v及びv’’はそれぞれ3であり、v’=1、w=1、y=1であり、XはClであって、次の式XIIの構造を形成する:
【0068】
【化13】
式XIIの構造は、トリクワットと称することができる。
【0069】
アクリルアミドモノマーは、アクリルアミド又はメタクリルアミドのいずれかであり得る。
【0070】
カチオン性コポリマーは、AM:TRIQUATであり得、これは、アクリルアミドと1,3-プロパンジアミニウム,N-[2-[[[ジメチル[3-[(2-メチル-1-オキソ-2-プロペニル)アミノ]プロピル]アンモニオ]アセチル]アミノ]エチル]2-ヒドロキシ-N,N,N’,N’,N’-ペンタメチル-,トリクロリドとのコポリマーであってもよい。AM:TRIQUATはまた、ポリクオタニウム76(polyquaternium 76、PQ76)としても既知である。AM:TRIQUATは、1.6meq/gの電荷密度及び1,100,000g/モルの分子量を有し得る。
【0071】
カチオン性コポリマーは、アクリルアミドモノマー及びカチオン性モノマーを含んでもよく、カチオン性モノマーは、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジテルチオ(ditertio)ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド;エチレンイミン、ビニルアミン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン;トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4-ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0072】
カチオン性コポリマーは、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4-ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、及びこれらの混合物からなる群から選択されるカチオン性モノマーを含むことができる。
【0073】
カチオン性コポリマーは、(1)(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマー、並びに/又は加水分解に対して安定なカチオン性モノマーのコポリマーと、(2)(メタ)アクリルアミド、カチオン性(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマー、及び(メタ)アクリルアミドを主成分とするモノマー、並びに/又は加水分解に対して安定なカチオン性モノマーのターポリマーと、から形成され得る。カチオン性(メタ)アクリル酸エステルを主成分とするモノマーは、四級化窒素原子を含む(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルであってもよい。四級化窒素原子を含む(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、アルキル基及びアルキレン基内のC~Cで四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートであってもよい。四級化窒素原子を含む(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、及びメチルクロリドで四級化されたジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートのアンモニウム塩からなる群から選択され得る。四級化窒素原子を含む(メタ)アクリル酸のカチオン化エステルは、アルキルハライドで、又はメチルクロリド若しくはベンジルクロリド若しくはジメチルサルフェート(ADAME-Quat)で四級化されたジメチルアミノエチルアクリレートであってもよい。カチオン性モノマーは、(メタ)アクリルアミドを主成分とする場合、アルキル基及びアルキレン基内のC~Cで四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドである、又はアルキルハライドで、若しくはメチルクロリド若しくはベンジルクロリド若しくはジメチルサルフェートで四級化されたジメチルアミノプロピルアクリルアミドである。
【0074】
(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマーは、アルキル基及びアルキレン基内のC~Cで四級化されたジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドであってもよい。(メタ)アクリルアミドを主成分とするカチオン性モノマーは、アルキルハライドで、特にメチルクロリド又はベンジルクロリド又はジメチルサルフェートで四級化されたジメチルアミノプロピルアクリルアミドであってもよい。
【0075】
カチオン性モノマーは、加水分解に対して安定なカチオン性モノマーであってよい。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド以外に、加水分解に対して安定なカチオン性モノマーは、OECD加水分解試験に対して安定であるとみなされ得るあらゆるモノマーであり得る。カチオン性モノマーは加水分解に対して安定であることができ、加水分解に対して安定なカチオン性モノマーは、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、及び水溶性カチオン性スチレン誘導体からなる群から選択され得る。
【0076】
カチオン性コポリマーは、アクリルアミドと、メチルクロリドで四級化された2-ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレート(ADAME-Q)と、メチルクロリドで四級化された3-ジメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミド(DIMAPA-Q)と、のターポリマーであり得る。カチオン性コポリマーは、アクリルアミド及びアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドから形成することができ、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリドは、1.0meq/g~3.0meq/gの電荷密度を有する。
【0077】
カチオン性コポリマーは、1.1meq/g~2.5meq/g、1.1meq/g~2.3meq/g、1.2meq/g~2.2meq/g、1.2meq/g~2.1meq/g、1.3meq/g~2.0meq/g、及び1.3meq/g~1.9meq/gの電荷密度を有し得る。
【0078】
カチオン性コポリマーは、100,000g/モル~2,000,000g/モル、300,000g/モル~1,800,000g/モル、500,000g/モル~1,600,000g/モル、700,000g/モル~1,400,000g/モル、及び900,000g/モル~1,200,000g/モルの分子量を有していてよい。
【0079】
カチオン性コポリマーは、トリメチルアンモニオプロピルメタクリルアミドクロリド-N-アクリルアミドコポリマーであり得、これは、AM:MAPTACとしても知られており、1.3meq/gの電荷密度及び1,100,000g/モルの分子量を有し得る。カチオン性コポリマーは、AM:ATPACであり得、1.8meq/gの電荷密度及び1,100,000g/モルの分子量を有し得る。
【0080】
合成ポリマー
カチオン性ポリマーは、
i)1つ以上のカチオン性モノマー単位、及び任意選択的に、
ii)負電荷を有する1つ以上のモノマー単位、及び/又は
iii)非イオン性モノマー、から形成される合成ポリマーであり得る。
ここで、コポリマーのその後の電荷は正電荷である。これらの3種のモノマーの比は「m」、「p」及び「q」で表され、「m」は、カチオン性モノマーの数であり、「p」は、負電荷を有するモノマーの数であり、「q」は、非イオン性モノマーの数である。
【0081】
カチオン性ポリマーは、式XIIIの構造を有する、水溶性又は分散性で、非架橋型の合成カチオン性ポリマーであり得、
【0082】
【化14】
式中、Aは、以下のカチオン性部分のうちの1つ以上であってよく、
【0083】
【化15】
@は、アミド、アルキルアミド、エステル、エーテル、アルキル、又はアルキルアリールであり、
Yは、C1~C22アルキル、アルコキシ、アルキリデン、アルキル、又はアリールオキシであり、
Ψは、C1~C22アルキル、アルキルオキシ、アルキルアリール、又はアルキルアリールオキシ(alkyl arylox)であり、
Zは、C1~C22アルキル、アルキルオキシ、アリール、又はアリールオキシであり、
R1は、H、C1~C4直鎖又は分枝鎖アルキルであり、
sは、0又は1であり、nは、0又は≧1であり、
T及びR7は、C1~C22アルキルであり、
X-は、ハロゲン、ヒドロキシド、アルコキシド、サルフェート、又はアルキルサルフェートであり、
負電荷を有するモノマーは、R2’がH、C~C直鎖又は分枝鎖アルキルであり、R3が下記のとおりであることによって定義され、
【0084】
【化16】
式中、Dは、O、N、又はSであり、
Qは、NH又はOであり、
uは、1~6であり、
tは、0~1であり、
Jは、以下の元素P、S、Cを含有する酸素化された官能基であり、
非イオン性モノマーは、R2’’がH、C~C直鎖又は分枝鎖のアルキルであり、R6が直鎖又は分枝鎖のアルキル、アルキルアリール、アリールオキシ、アルキルオキシ、アルキルアリールオキシであり、βが、
【0085】
【化17】
(式中、G’及びG’’は互いに独立して、O、S、又はN-Hであり、Lは、0又は1である)と定義されることによって定義される。
【0086】
好適なモノマーとしては、アミノアルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アミノアルキル(メタ)アクリルアミド;少なくとも1つの二級、三級、若しくは四級アミン官能基、又は窒素原子を含有する複素環基、ビニルアミン若しくはエチレンイミンを含むモノマー;ジアリルジアルキルアンモニウム塩;これらの混合物、これらの塩、及びこれらに由来するマクロモノマーを挙げることができる。
【0087】
好適なカチオン性モノマーの更なる例としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジテルチオブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、エチレンイミン、ビニルアミン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4-ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドを挙げることができる。
【0088】
好適なカチオン性モノマーとしては、式-NR (式中、各Rは、同一であっても、又は異なっていてもよく、水素原子、1~10個の炭素原子を含むアルキル基、又はベンジル基であってもよく、任意選択的にヒドロキシル基を有し、かつアニオン(対イオン)を含む)の四級モノマーを挙げることができる。好適なアニオンの例としては、塩化物、臭化物などのハロゲン化物、サルフェート、ヒドロサルフェート、アルキルサルフェート(例えば、1~6個の炭素原子を含む)、ホスフェート、シトレート、ホルメート、及びアセテートが挙げられる。
【0089】
好適なカチオン性モノマーとしてはまた、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートメチルサルフェート、ジメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレートベンジルクロリド、4-ベンゾイルベンジルジメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド、トリメチルアンモニウムエチル(メタ)アクリルアミドクロリド、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリド、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドも挙げることができる。更なる好適なカチオン性モノマーとしては、トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリルアミドクロリドを挙げることができる。
【0090】
負電荷を有するモノマーの例としては、ホスフェート又はホスホネート基を含むαエチレン性不飽和モノマー、αエチレン性不飽和モノカルボン酸、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、スルホン酸基を含むαエチレン性不飽和化合物、及びスルホン酸基を含むαエチレン性不飽和化合物の塩が挙げられる。
【0091】
負電荷を有する好適なモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、ビニルスルホン酸の塩、ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルベンゼンスルホン酸の塩、α-アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、α-アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸の塩、2-スルホエチルメタクリレート、2-スルホエチルメタクリレートの塩、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸(acrylamido-2-methylpropanesulphonic acid、AMPS)、アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸の塩、及びスチレンスルホネート(styrenesulphonate、SS)を挙げることができる。
【0092】
非イオン性モノマーの例としては、酢酸ビニル、αエチレン性不飽和カルボン酸のアミド、αエチレン性不飽和モノカルボン酸と水素化又はフッ素化アルコールとのエステル、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート(すなわちポリエトキシル化(メタ)アクリル酸)、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルエステル、αエチレン性不飽和ジカルボン酸のモノアルキルアミド、ビニルニトリル、ビニルアミンアミド、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、及びビニル芳香族化合物を挙げることができる。
【0093】
好適な非イオン性モノマーとしてはまた、スチレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n-プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n-プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、2-エチル-ヘキシルアクリレート、2-エチル-ヘキシルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、及び2-ヒドロキシエチルメタクリレートも挙げることができる。
【0094】
合成カチオン性ポリマーと結合するアニオン性対イオン(X)は、そのポリマーが、水、シャンプー組成物、又はシャンプー組成物のコアセルベート相に溶解可能又は分散可能なままである限り、かつ、その対イオンが、シャンプー組成物の必須成分と物理的にも化学的にも相溶性である、又は製品の性能、安定性、若しくは審美性を他の方法で著しく損なわない限り、いずれの既知の対イオンであってもよい。好適な対イオンの非限定例としては、ハロゲン化物(例えば、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素)、サルフェート、及びメチルサルフェートを挙げることができる。
【0095】
本明細書に記載されるカチオン性ポリマーはまた、代用の疎水性F層をもたらすことによって傷んだ毛髪、特に化学的に処理された毛髪を修復するのに役立ち得る。微視的に薄いF層は天然の耐候性を提供しつつ、水分の封じ込めを助け、更なる傷みを防ぐ。化学的な処理により、毛髪のキューティクルが傷み、その防御作用をもつF層が毛髪から剥がれ落ちてしまう。F層が剥がれ落ちるにつれ、毛髪は親水性が増すようになる。化学的に処理された毛髪にリオトロピック液晶を塗布すると、その毛髪は更に疎水性になり、外観も触感も、未処理の毛髪のようになることが分かった。いずれの理論にも束縛されるものではないが、リオトロピック液晶複合体は疎水性の層又は膜を形成し、天然のF層が毛髪を保護するのと同様に、毛髪繊維をコーティングして毛髪を保護すると考えられる。疎水層は、毛髪を、概ね未処理の毛髪のようなより健康的な状態に戻し得る。リオトロピック液晶は、本明細書に記載される合成カチオン性ポリマーをシャンプー組成物の前述のアニオン性洗浄性界面活性剤構成成分と合わせることにより形成される。合成カチオン性ポリマーの電荷密度は比較的高い。カチオン電荷密度が比較的高い一部の合成ポリマーは、主にそれらの異常な線形の電荷密度のためにリオトロピック液晶を形成しないことに留意されたい。このような合成カチオン性ポリマーは、参照により組み込まれる国際公開第94/06403号に記載されている。本明細書に記載される合成ポリマーは、傷んだ毛髪に対するコンディショニング性能を向上させる安定したシャンプー組成物に配合することができる。
【0096】
リオトロピック液晶を形成することができるカチオン性合成ポリマーは、2meq/gm~7meq/gm、及び/又は3meq/gm~7meq/gm、及び/又は4meq/gm~7meq/gmのカチオン電荷密度を有する。カチオン電荷密度は、6.2meq/gmである。ポリマーはまた、1,000~5,000,000、及び/又は10,000~2,000,000、及び/又は100,000~2,000,000の分子量を有する。
【0097】
有益剤のコンディショニング及び付着を増強するが、必ずしもリオトロピック液晶を形成するわけではないカチオン性合成ポリマーは、0.7meq/gm~7meq/gm、及び/又は0.8meq/gm~5meq/gm、及び/又は1.0meq/gm~3meq/gmのカチオン電荷密度を有し得る。ポリマーはまた、1,000g/mol~5,000,000g/mol、10,000g/mol~2,000,000g/mol、及び100,000g/mol~2,000,000g/molの分子量を有する。
【0098】
カチオン性セルロースポリマー
好適なカチオン性ポリマーは、セルロースポリマーであってもよい。好適なセルロースポリマーとしては、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩を挙げることができ、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム10と呼ばれており、Dwo/Amerchol Corp.(Edison,N.J.,USA)より、Polymer LR、JR及びKGシリーズのポリマーとして入手可能である。カチオン性セルロースの他の好適な種類としては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム24と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー性四級アンモニウム塩を挙げることができる。これらの物質は、Dow/Amerchol Corp.から、Polymer LM-200の商品名で入手可能である。カチオン性セルロースの他の好適な種類としては、当業界(CTFA)ではポリクオタニウム67と呼ばれる、ラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシド及びトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースのポリマー性四級アンモニウム塩を挙げることができる。これらの物質は、Dow/Amerchol Corp.から、SoftCAT Polymer SL-5、SoftCAT Polymer SL-30、Polymer SL-60、Polymer SL-100、Polymer SK-L、Polymer SK-M、Polymer SK-MH、及びPolymer SK-Hという商品名で入手可能である。
【0099】
更なるカチオン性ポリマーは、参照により本明細書に組み込まれるCTFA Cosmetic Ingredient Dictionary,3rd edition,edited by Estrin、Crosley,and Haynes(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.(Washington,D.C.)(1982))にも記載されている。
【0100】
複合コアセルベートの形成について分析するための技術は、当該技術分野において既知である。例えば、任意の選択された希釈段階における組成物の顕微鏡分析を利用して、コアセルベート相が形成されたかどうかを確認することができる。こうしたコアセルベート相は、組成物における追加の乳化相として確認され得る。染料を使用すると、コアセルベート相を、組成物中に分散している他の不溶性相と区別するのを補助することができる。カチオン性ポリマーの使用及びコアセルベートに関する更なる詳細は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第9,272,164号に開示されている。
【0101】
シャンプー組成物のための液体担体
シャンプー組成物はまた、液体担体を含む。適切な量の液体担体を含めることにより、適度な粘度及びレオロジーを有するシャンプー組成物の形成を促進することができる。シャンプー組成物は、組成物の60重量%~95重量%の液体担体、65重量%~92重量%、70重量%~90重量%の液体担体、及び75重量%~90重量%の液体担体を含み得る。
【0102】
液体担体は、水であってもよく、又は水と有機溶媒との混和性混合物であってもよい。液体担体は、他の必須の又は任意成分の微量成分として組成物中に別に付随的に組み込む場合を除き、最小限の有機溶媒を有するか、又は有意の濃度の有機溶媒を有さない水であってもよい。好適な有機溶媒としては、低級アルキルアルコール及び多価アルコールの水溶液を挙げることができる。有用な低級アルキルアルコールとしては、エタノール及びイソプロパノールなどの1~6個の炭素を有する一価アルコールが挙げられる。例示的な多価アルコールとしては、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、及びプロパンジオールが挙げられる。
【0103】
任意成分
理解され得るように、本明細書に記載されるシャンプー組成物は、組成物の特性及び特徴を目的に合わせて調整するために種々の任意成分を含み得る。理解され得るように、好適な任意成分は周知であり、一般に、本明細書に記載されるシャンプー組成物の必須成分と物理的及び化学的に相溶性である任意の成分を含み得る。任意成分は、その他の点では、製品安定性、審美性、又は性能を過度に損なってはならない。任意選択の成分の個々の濃度は、概して、シャンプー組成物の0.001重量%~10重量%の範囲であってよい。
【0104】
シャンプー組成物に含めることができる好適な任意成分としては、茶抽出物などの天然成分、及びブドウ種子抽出物などの天然抗酸化剤、ベニバナ油、ホホバ油、アルゴン油などの天然ヘアコンディショニングオイル、並びにこれらの組み合わせが挙げられ得る。
【0105】
シャンプー組成物に含まれ得る好適な任意成分としては、付着補助剤、コンディショニング剤(炭化水素油、脂肪酸エステル、シリコーンなど)、抗ふけ剤、懸濁剤、粘度調整剤、染料、不揮発性溶媒又は希釈剤(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢助剤、起泡増進剤、殺シラミ剤、pH調整剤、香料、防腐剤、キレート剤、タンパク質、皮膚活性剤、日焼け止め剤、UV吸収剤、及びビタミンを挙げることができる。
【0106】
シリコーンエマルション
ヘアケア組成物は、0重量%~10重量%、0.1重量%~8重量%、0.1重量%~5重量%、0.1重量%~4重量%、0.1重量%~3重量%、0.1重量%~2重量%、0.1重量%~1.5重量%、及び/又は0.1重量%~1.2重量%の1つ以上のシリコーンポリマーを含み得る。シリコーンポリマーは、水性プレエマルションとしてヘアケア組成物に添加され得る。シリコーンプレエマルションは、1つ以上のシリコーンポリマー及び乳化系を含み得る。シリコーンプレエマルション中のシリコーンポリマー含有量は、10重量%~70重量%、又は15重量%~60重量%、又は18重量%~50重量であり得る。
【0107】
シリコーンエマルションは、500nm未満、あるいは300nm、あるいは200nm未満、あるいは100nm未満の平均粒径を有し得る。シリコーンエマルションは、5nm~500nm、10nm~400nm、及び/又は20nm~300nmの平均粒径を有し得る。シリコーンエマルションは、ナノエマルションの形態であり得る。
【0108】
1つ以上のシリコーンの粒径は、動的光散乱法(DLS)によって測定され得る。He-Neレーザー633nmを使用するMalvern Zetasizer Nano ZEN3600システムを、25℃での測定に使用することができる。
【0109】
自己相関関数は、Malvern Instrumentsが提供するZetasizer Softwareを使用して解析され得、Stokes-Einstein方程式を使用して、有効な流体力学的半径を判定する:
【0110】
【数1】
式中、kはボルツマン定数であり、Tは絶対温度であり、ηは媒体の粘度であり、Dは散乱種の平均拡散係数であり、Rは粒子の流体力学的半径である。
【0111】
粒径(すなわち、流体力学的半径)は、ブラウン運動によって生じる観察されたスペックルパターンと相関させ、Stokes-Einstein方程式を解くことによって得ることができ、これは、当該技術分野において既知であるように、粒径を測定された拡散定数と関連付ける。
【0112】
各サンプルについて、3回の測定が実施され得、Z平均値が粒径として報告され得る。
【0113】
1つ以上のシリコーンは、ナノエマルションの形態であり得る。ナノエマルションは、皮膚及び/又は毛髪への塗布に好適な任意のシリコーンを含み得る。
【0114】
1つ以上のシリコーンは、分子構造中に、Si-OH(ジメチコノール中に存在)、一級アミン、二級アミン、三級アミン、及び四級アンモニウム塩などの極性官能基を含み得る。1つ以上のシリコーンは、アミノシリコーン、ペンダント四級アンモニウムシリコーン、末端四級アンモニウムシリコーン、アミノポリアルキレンオキシドシリコーン、四級アンモニウムポリアルキレンオキシドシリコーン、及びアミノモルホリノシリコーンから選択され得る。
【0115】
1つ以上のシリコーンは以下を含み得る:
(a)式(XIV)に相当する少なくとも1つのアミノシリコーン:
【0116】
【化18】
式中、
Gは、水素原子、フェニル基、OH基、及びC~Cアルキル基、例えばメチルから選択され、
aは、0~3の範囲の整数であり、一実施形態では、aは0であり、
bは、0及び1から選択され、一実施形態では、bは1であり、
m及びnは、合計(n+m)が、例えば50~150などの、例えば1~2000の範囲となり得るような数であり、nは、例えば49~149などの、例えば0~1999の範囲の数から選択することができ、mは、例えば1~10などの、例えば1~2000の範囲の数から選択することができ、
R’は、式-C2qLの一価基であり、式中、qは、2~8の数であり、Lは、任意選択的に四級化された、以下の群から選択されるアミン基であり、
-NR’’-CH-CH-N’(R
-N(R’’)
-N(R’’)
-NH(R’’)
-N(R’’)A、及び
-N(R’’)-CH-CH-NR’’H
式中、R’’は、水素原子、フェニル基、ベンジル基、及び例えば1~20個の炭素原子を含むアルキル基等の飽和一価炭化水素系基から選択することができ、Aは、例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、及びヨウ化物等のハロゲン化物イオンから選択される。
【0117】
1つ以上のシリコーンは、式(XIV)に相当するものを含み得、式中、aは0であり、Gはメチルであり、m及びnは、合計(n+m)が、例えば1~2000の範囲、例えば50~150等になり得るような数であり、nは、例えば0~1999の範囲、例えば49~149等の数から選択することができ、mは、例えば1~2000の範囲、例えば1~10等の数から選択することができ、Lは、-N(CH又は-NH、あるいは-NHである。
本発明の追加の当該少なくとも1つのアミノシリコーンとしては、以下のものが挙げられる:
(b)式(XV)のペンダント四級アンモニウムシリコーン:
【0118】
【化19】
式中、
は、1~18個の炭素原子を含む一価炭化水素系基、例えばC~C18アルキル基及びC~C18アルケニル基、例えばメチルから選択され、
は、二価炭化水素系基、例えば、二価C~C18アルキレン基及び二価C~C18アルキレンオキシ基、例えばC~Cアルキレンオキシ基から選択され、当該Rは、SiC結合によってSiに結合され、
は、例えば、ハロゲン化物イオン、例えば塩化物、及び有機酸塩(例えば酢酸塩)から選択され得るアニオンであり、
rは、2~20、例えば2~8の範囲の平均統計値であり、
sは、20~200、例えば20~50の範囲の平均統計値である。
【0119】
かかるアミノシリコーンは、米国特許第4,185,087号により詳細に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0120】
この種に含まれるシリコーンは、Union Carbideから「Ucar Silicone ALE56」の名称で販売されるシリコーンである。
【0121】
当該少なくとも1つのアミノシリコーンの更なる例としては、以下のものが挙げられる:
c)式(XVI)の四級アンモニウムシリコーン:
【0122】
【化20】
式中、
基Rは、同一であっても、又は異なっていてもよく、各々が1~18個の炭素原子を含む一価炭化水素系基、例えばC~C18アルキル基、例えばメチル、C~C18アルケニル基、及び5個又は6個の炭素原子を含む環から選択され、
は、二価炭化水素系基、例えば二価C~C18アルキレン基及び二価C~C18アルキレンオキシ、例えばC~C、SiC結合によってSiと結合する基から選択され、
は、同一であっても、又は異なっていてもよく、水素原子、1~18個の炭素原子を含む一価炭化水素系基、特にC~C18アルキル基、C~C18アルケニル基、又は基-R-NHCORを表し、
は、ハロゲン化物イオン、特に塩化物、又は有機酸塩(酢酸塩など)などのアニオンであり、
rは、2~200、特に5~100の平均統計値を表す。
かかるシリコーンは、例えば、欧州特許出願公開第0530974(A)号に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
この種に含まれるシリコーンは、Eovnik社からAbil Quat 3270、Abil Quat 3272、Abil Quat 3474、及びAbil ME 45の名称で販売されるシリコーンである。
当該少なくとも1つのアミノシリコーンの更なる例としては、以下のものが挙げられる:
d)四級アンモニウム及びポリアルキレンオキシドシリコーン
(四級窒素基が、ポリシロキサン骨格中、末端、又は両方に位置する)。
かかるシリコーンは、国際公開第2002/010257号に記載されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
この種に含まれるシリコーンは、Momentive社からSilsoft Qの名称で販売されるシリコーンである。
(e)式(XVII)のモルホリノ基を有するアミノ官能性シリコーン:
【0123】
【化21】
式中、Aは、-O-を介して結合している構造単位(a)、(b)、若しくは(c)、
【0124】
【化22】
又は、式(I)、(II)、若しくは(III)の構造単位を含む-O-を介して結合されるオリゴマー若しくはポリマー残基、又は、構造単位(III)に連結している酸素原子の半分を示し、又は、-OHを示し、
は、構造単位(I)、(II)、若しくは(III)のうち1つへの結合を示し、又は、末端基B(Si結合)若しくはD(O結合)を示し、
Bは、-OH、-O-Si(CH、-O-Si(CHOH、-O-Si(CHOCH基を示し、
Dは、-H、-Si(CH、-Si(CHOH、-Si(CHOCH基を示し、
a、b、及びcは、0~1000の整数を示し、ただしa+b+c>0であり、
m、n、及びoは、1~1000の整数を示す。
【0125】
この種のアミノ官能性シリコーンは、INCI名:アモジメチコン/モルホリノメチルシルセスキオキサンコポリマーという名称が付けられている。特に好適なアモジメチコンは、商品名Wacker Belsil(登録商標)ADM 8301Eを有する製品である。
【0126】
かかるシリコーンの例は、以下の供給元から入手可能である:
Dow Corning社によって提供されるもの:流体:2-8566、AP 6087、AP 6088、DC 8040流体、流体8822A DC、DC 8803&8813ポリマー、7-6030、AP-8104、AP 8201、エマルション:CE-8170AFマイクロエマルション、2-8177、2-8194マイクロエマルション、9224エマルション、DC1872エマルション、939、949、959、DC 5-7113Quatマイクロエマルション、DC 5-7070エマルション、DC CE-8810、CE 8401エマルション、CE 1619、Dow Corning Toray SS-3551、Dow Corning Toray SS-3552、
Wacker社によって提供されるもの:Wacker Belsil ADM652、ADM 656、1100、1600、1650(流体)ADM 6060(直鎖アモジメチコン)エマルション、ADM 6057 E(分岐状アモジメチコン)エマルション、ADM 8020 VP(マイクロエマルション)、SLM28040(マイクロエマルション)、DM5500エマルション、
Momentive社によって提供されるもの:Silsoft 331、SF1708、SME 253&254(エマルション)、SM2125(エマルション)、SM 2658(エマルション)、Silsoft Q(エマルション)
Shin-Etsu社によって提供されるもの:KF-889、KF-867S、KF-8004、X-52-2265(エマルション)、
Siltech Silicones社によって提供されるもの:Siltech E-2145、E-Siltech 2145-35、
Evonik Industries社によって提供されるもの:Abil T Quat 60th
【0127】
アミノシリコーンのいくつかの非限定例としては、シリコーンクオタニウム-1、シリコーンクオタニウム-2、シリコーンクオタニウム-3、シリコーンクオタニウム-4、シリコーンクオタニウム-5、シリコーンクオタニウム-6、シリコーンクオタニウム-7、シリコーンクオタニウム-8、シリコーンクオタニウム-9、シリコーンクオタニウム-10、シリコーンクオタニウム-11、シリコーンクオタニウム-12、シリコーンクオタニウム-15、シリコーンクオタニウム-16、シリコーンクオタニウム-17、シリコーンクオタニウム-18、シリコーンクオタニウム-20、シリコーンクオタニウム-21、シリコーンクオタニウム-22、クオタニウム-80のINCI名を有する化合物、並びに、シリコーンクオタニウム-2パンテノールスクシナート及びシリコーンクオタニウム-16/グリシジルジメチコンクロスポリマーが挙げられる。
【0128】
アミノシリコーンは、ナノエマルションの形態で供給される場合があり、MEM9049、MEM8177、MEM0959、MEM8194、SME253、及びSilsoft Qが挙げられる。
【0129】
1つ以上のシリコーンとしては、ジメチコン、及び/又はジメチコノールが挙げられ得る。ジメチコノールは、以下の一般化学式によって表されるヒドロキシル末端化ジメチルシリコーンであり、
【0130】
【化23】
式中、Rは、アルキル基(好ましくは、Rはメチル又はエチルであり、より好ましくはメチルである)であり、xは、所望の分子量を達成するように選択される最大500の整数である。市販のジメチコノールは、典型的には、ジメチコン又はシクロメチコンとの混合物として販売される(例えば、Dow Coming(登録商標)1401、1402、及び1403流体)。
【0131】
シリコーンエマルションの別の態様によれば、エマルションは、粒径が30nm~10マイクロメートルの範囲である高内相粘度エマルションの提供に関与するアニオン性界面活性剤を更に含む。アニオン性界面活性剤は、有機スルホン酸から選択される。本プロセスで使用される最も一般的なスルホン酸は、アルキルアリールスルホン酸、アルキルアリールポリオキシエチレンスルホン酸、アルキルスルホン酸、及びアルキルポリオキシエチレンスルホン酸である。スルホン酸の一般式は以下に示すとおりである。
R16C6H4SO3H、
R16C6H4O(C2H4O)mSO3H、
R16SO3H、及び
R16O(C2H4O)mSO3H。
式中、R16は異なってもよく、少なくとも6個の炭素原子を有する一価炭化水素基である。R16の非限定例としては、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、セチル、ステアリル、ミリスチル、及びオレイルが挙げられる。「m」は1~25の整数である。例示的なアニオン性界面活性剤としては、オクチルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、セチルベンゼンスルホン酸、α-オクチルスルホン酸、α-ドデシルスルホン酸、α-セチルスルホン酸、ポリオキシエチレンオクチルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンドデシルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンセチルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンオクチルスルホン酸、ポリオキシエチレンドデシルスルホン酸、及びポリオキシエチレンセチルスルホン酸が挙げられるが、これらに限定されない。一般的には、1~15%のアニオン性界面活性剤がエマルションプロセスに使用される。例えば、3~10%のアニオン性界面活性剤を使用して、最善の結果を得ることができる。シリコーンエマルションはアニオン性界面活性剤以外に追加の乳化剤を更に含んでいてもよく、それにより、乳化及び重合の温度が制御されるとともに、単純でより迅速な方法でのエマルション製造が促される。10~19の親水性親油性バランス(hydrophilic lipophilic balance、HLB)値を有する非イオン性乳化剤が好適であり、それにはポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、及びポリオキシアルキレンソルビタンエステルが挙げられる。10~19のHLB値を有するいくつかの有用な乳化剤としては、ポリエチレングリコールオクチルエーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールトリデシルエーテル、ポリエチレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールドデシルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールセチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールソルビタンモノステアレート、及びポリエチレングリコールソルビタンモノオレエートが挙げられるが、これらに限定されない。
【0132】
非シリコーンコンディショニング剤
本明細書に記載されるヘアケア組成物のコンディショニング剤はまた、単独で、又は上記のシリコーンなどの他のコンディショニング剤と組み合わせてのいずれかで、少なくとも1つの有機コンディショニング剤を含み得る。有機コンディショニング剤の非限定例を下記で説明する。
【0133】
a.炭化水素油
ヘアケア組成物においてコンディショニング剤として用いるのに好適な有機コンディショニング剤としては、少なくとも10個の炭素原子を有する炭化水素油、例えば、環状炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)、及び分岐鎖脂肪族炭化水素(飽和又は不飽和)(これらのポリマー及びこれらの混合物を含む)が挙げられるが、これらに限定されない。直鎖炭化水素油は、C12~C19であってよい。分岐鎖炭化水素油(炭化水素ポリマーを含む)は、典型的には、19個より多い炭素原子を含有する。
【0134】
b.ポリオレフィン
本明細書に記載されるヘアケア組成物に用いるための有機コンディショニングオイルとしては、液体ポリ-α-オレフィン及び/又は水素添加液体ポリ-α-オレフィンを含む、液体ポリオレフィンも挙げられる。本明細書に用いるためのポリオレフィンは、C~C14、あるいはC~C12のオレフィン系モノマーを重合させることによって調製される。
【0135】
c.脂肪酸エステル
本明細書に記載されるヘアケア組成物でコンディショニング剤として用いるのに好適な他の有機コンディショニング剤としては、少なくとも10個の炭素原子を有する脂肪酸エステルが挙げられる。これら脂肪酸エステルとしては、脂肪酸又はアルコールに由来するヒドロカルビル鎖を有するエステルが挙げられる。本明細書における脂肪酸エステルのヒドロカルビル基は、アミド及びアルコキシ部分(例えば、エトキシ又はエーテル結合等)など、他の適合性官能基を含んでいてもよく、又はそれに共有結合していてもよい。不飽和グリセリルエステルから調製される他のオリゴマー又はポリマーのエステルも、コンディショニング材料として使用することができる。
【0136】
d.フッ素化コンディショニング化合物
有機コンディショニング剤として毛髪にコンディショニングを送達するのに好適なフッ素化化合物としては、ペルフルオロポリエーテル、ペルフルオロ化オレフィン、前述のシリコーン流体に類似する流体又はエラストマー形態であり得るフッ素系特殊ポリマー、及びペルフルオロ化ジメチコンが挙げられる。
【0137】
e.脂肪族アルコール
本明細書に記載されるヘアケア組成物で用いるのに好適な他の有機コンディショニングオイルとしては、少なくとも10個の炭素原子、10~22個の炭素原子、あるいは12~16個の炭素原子を有する脂肪族アルコールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0138】
f.アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体
本明細書に記載されるヘアケア組成物で使用するのに適した有機コンディショニングオイルとしては、アルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体が挙げられるが、これらに限定されない。好適なアルキルグルコシド及びアルキルグルコシド誘導体の非限定的な具体例としては、Amercholから市販されているGlucam E-10、Glucam E-20、Glucam P-10、及びGlucquat125が挙げられる。
【0139】
g.ポリエチレングリコール
コンディショニング剤として本明細書において有用な追加の化合物としては、最大2,000,000の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、例えば、CTFA名称がPEG-200、PEG-400、PEG-600、PEG-1000、PEG-2M、PEG-7M、PEG-14M、PEG-45Mであるもの、及びこれらの混合物等が挙げられる。
【0140】
2.乳化剤
種々のアニオン性及び非イオン性乳化剤をヘアケア組成物に用いることができる。アニオン性及び非イオン性乳化剤は、本質的にモノマー又はポリマーのいずれかであることができる。モノマーの例としては、アルキルエトキシレート、アルキルサルフェート、石鹸、及び脂肪酸エステル、並びにこれらの誘導体が例示として挙げられるが、これらに限定されない。ポリマーの例としては、ポリアクリレート、ポリエチレングリコール、及びブロックコポリマー、並びにこれらの誘導体が実例として挙げられるが、これらに限定されない。ラノリン、レシチン及びリグニンなどの天然に産出される乳化剤、並びにこれらの誘導体も、有用な乳化剤の非限定的な例である。
【0141】
抗ふけ活性物質
シャンプー組成物は、抗ふけ剤を含有することもできる。好適な抗ふけ剤としては、ピリジンチオン塩、アゾール、硫化セレン、粒子状硫黄、及びこれらの混合物を挙げることができる。このような抗ふけ粒子は、組成物の必須成分と物理的及び化学的に適合する必要があり、またそうでなくても、製品の安定性、審美性又は性能を過度に損なってはならない。シャンプー組成物は、抗ふけ活性物質の付着を強化するためにカチオン性ポリマーを含み得る。
【0142】
a.ピリジンチオン塩
抗ふけ剤は、1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン塩などのピリジンチオン粒子であってよい。ピリジンチオン抗ふけ粒子の濃度は、組成物の0.1重量%~4重量%、0.1重量%~3重量%、及び0.3重量%~2重量%の範囲であってよい。好適なピリジンチオン塩としては、亜鉛、スズ、カドミウム、マグネシウム、アルミニウム、及びジルコニウム等の重金属から形成されるものが挙げられ、特に好適なのは、1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオンの亜鉛塩(「ジンクピリジンチオン」又は「ZPT」として知られている)、粒子が20μ以下、5μ以下、2.5μ以下の平均サイズを有する平板状粒子の形態の1-ヒドロキシ-2-ピリジンチオン塩である。ナトリウムなどの他のカチオンから形成される塩も好適であり得る。ピリジンチオン抗ふけ剤は、米国特許第2,809,971号、同第3,236,733号、同第3,753,196号、同第3,761,418号、同第4,345,080号、同第4,323,683号、同第4,379,753号、及び同第4,470,982号に更に開示されており、これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。ZPTを抗ふけ粒子として使用したとき、毛髪の成長又は再生が刺激若しくは調節され得るか又はその両方であるか、あるいは脱毛が低減又は阻害され得るか、あるいは毛髪がより濃く又はより豊かに見え得ると想到される。
【0143】
b.他の抗菌活性物質
ピリチオンの多価金属塩から選択される抗ふけ活性物質に加えて、シャンプー組成物は、金属ピリチオン塩活性物質に加えて、1つ以上の抗真菌又は抗菌活性物質を更に含み得る。好適な抗菌活性物質としては、コールタール、硫黄、ウィットフィールド軟膏、カステラーニ塗布剤、塩化アルミニウム、ゲンチアナバイオレット、オクトピロックス(ピロクトンオラミン)、シクロピロックスオラミン、ウンデシレン酸及びその金属塩、過マンガン酸カリウム、硫化セレン、チオ硫酸ナトリウム、プロピレングリコール、ビターオレンジオイル、尿素調製物、グリセオフルビン、8-ヒドロキシキノリンシロキノール、チオベンダゾール、チオカルバメート、ハロプロジン、ポリエン、ヒドロキシピリドン、モルホリン、ベンジルアミン、アリルアミン(例えば、テルビナフィン)、ティーツリー油、クローブリーフ油、コリアンダー、パルマローザ、ベルベリン、タイムレッド、桂皮油、桂皮アルデヒド、シトロネル酸、ヒノキトール(hinokitol)、イクチオールペール(ichthyol pale)、Sensiva SC-50、Elestab HP-100、アゼライン酸、リチカーゼ、ヨードプロピニルブチルカルバメート(IPBC)、オクチルイソチアザリノンなどのイソチアザリノン及びアゾール、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。好適な抗菌剤としては、イトラコナゾール、ケトコナゾール、硫化セレン、及びコールタールを挙げることができる。
【0144】
c.可溶性抗ふけ剤
好適な抗菌剤は、クリムバゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、エコナゾール、及びエルビオール等のアゾール;ピロクトンオラミン、シクロピロックス、リロピロックス、及びMEA-ヒドロキシオクチルオキシピリジノンなどのヒドロキシピリドン;サリチル酸及び他のヒドロキシ酸などの角質溶解剤;アゾキシストロビンなどのストロビルリン、並びに1,10-フェナントロリンなどの金属キレート剤から選択される1種の材料又は混合物であってよい。アゾール抗菌剤の例としては、ベンズイミダゾールなどのイミダゾール、ベンゾチアゾール、ビフォナゾール、硝酸ブタコナゾール、クリムバゾール、クロトリマゾール、クロコナゾール、エベルコナゾール、エコナゾール、エルビオール、フェンチコナゾール、フルコナゾール、フルチマゾール、イソコナゾール、ケトコナゾール、ラノコナゾール、メトロニダゾール、ミコナゾール、ネチコナゾール、オモコナゾール、硝酸オキシコナゾール、セルタコナゾール、硝酸サルコナゾール、チオコナゾール、チアゾール、並びにテルコナゾール及びイトラコナゾールなどのトリアゾール、並びにこれらの組み合わせを挙げることができる。シャンプー組成物中に存在する場合、可溶性抗菌活性物質は、組成物の0.01重量%~5重量%、0.5重量%~6重量%、0.1重量%~3重量%、0.1重量%~9重量%、0.1重量%~1.5重量%、0.1重量%~2重量%、及び更に0.3重量%~2重量%の量で含まれ得る。
【0145】
d.硫化セレン
硫化セレンは、組成物の0.1重量%~4重量%、0.3重量%~2.5重量%、及び0.5重量%~1.5重量%の濃度で含まれるとき、抗菌組成物として使用するのに好適な粒子状抗ふけ剤である。硫化セレンは、一般に、セレン1モル及び硫黄2モルを有する化合物と考えられるが、一般式Se(式中、x+y=8)に一致する環状構造であってもよい。硫化セレンの平均粒径は、典型的には、前方レーザー光散乱装置(例えば、Malvern3600装置)によって測定したとき、15μm未満、10μm未満である。硫化セレン化合物は、例えば、米国特許第2,694,668号、同第3,152,046号、同第4,089,945号、及び同第4,885,107号に開示されており、これらはそれぞれ参照により本明細書に組み込まれる。
【0146】
e.硫黄
硫黄を粒子状抗菌剤/抗ふけ剤として使用してもよい。粒子状硫黄の有効濃度は、典型的には、組成物の1重量%~4重量%、あるいは2重量%~4重量%である。
【0147】
f.角質溶解剤
サリチル酸などの角質溶解剤もまた、本明細書に記載されるシャンプー組成物に含まれ得る。
【0148】
g.その他
更なる抗菌活性物質は、コバノブラシノキ(melaleuca)(ティーツリー)、ウィンターグリーン(ヒメコウジ(gaultheria procumbens)の葉など)、及び炭の抽出物を含み得る。理解され得るように、シャンプー組成物はまた、抗菌活性物質の組み合わせを含んでいてもよい。好適な組み合わせとしては、オクトピロックスとジンクピリチオンとの組み合わせ、パインタールと硫黄との組み合わせ、サリチル酸とジンクピリチオンとの組み合わせ、オクトピロックスとクリムバゾールとの組み合わせ、及びサリチル酸とオクトピロックスとの組み合わせ、並びにこれらの混合物を挙げることができる。
【0149】
保湿剤
シャンプー組成物はまた、水分蒸発速度を低下させるために保湿剤を含んでいてもよい。好適な保湿剤としては、多価アルコール、水溶性アルコキシル化非イオン性ポリマー、及びこれらの混合物を挙げることができる。保湿剤は、含まれるとき、組成物の0.1重量%~20重量%及び0.5重量%~5重量%の濃度で使用することができる。
【0150】
好適な多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシル化グルコース、1,2-ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ジプロピレングリコール、エリスリトール、トレハロース、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、グルコース、フルクトース、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アデノシンリン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカーボネート、グルコサミン、シクロデキストリン、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0151】
好適な水溶性アルコキシル化非イオン性ポリマーとしては、1,000以下の分子量を有するポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール、例えば、CTFA名称がPEG-200、PEG-400、PEG-600、PEG-1000を有するもの、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0152】
他の任意選択の成分
理解され得るように、シャンプー組成物はなお更なる任意成分を含んでいてもよい。例えば、アミノ酸を含むことができる。好適なアミノ酸としては、例えば、ビタミンB1、B2、B6、B12、C、パントテン酸、パントテニルエチルエーテル、パンテノール、ビオチン、及びこれらの誘導体などの水溶性ビタミン、アスパラギン、アラニン、インドール、グルタミン酸及びこれらの塩などの水溶性アミノ酸、ビタミンA、D、E、及びこれらの誘導体などの水不溶性ビタミン、チロシン、トリプタミン、及びこれらの塩などの水不溶性アミノ酸を挙げることができる。
【0153】
シャンプー組成物は、C.I.名称を有するもの等の水溶性成分を含む、無機、ニトロソ、モノアゾ、ジスアゾ、カロチノイド、トリフェニルメタン、トリアリールメタン、キサンテン、キノリン、オキサジン、アジン、アントラキノン、インジゴイド、チオンインジゴイド、キナクリドン、フタロシアニン(phthalocianine)、植物の天然色素等の顔料材料を含み得る。また、組成物は、ピロクトンオラミンなどの水溶性成分、3,4,4’-トリクロロカルバニリド(トリクロサン)などの水不溶性成分、トリクロカルバン、及びジンクピリチオンを含む、化粧品用の殺生物剤及びフケ防止剤として有用である抗菌剤を含んでもよい。
【0154】
1つ以上の安定剤及び防腐剤を含み得る。例えば、シャンプー組成物の寿命を改善するために、トリヒドロキシステアリン、エチレングリコールジステアレート、クエン酸、クエン酸ナトリウム二水和物、防腐剤、例えば、カトン、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、及びエチレンジアミン四酢酸(「EDTA」)のうちの1つ以上を含んでいてもよい。
【0155】
また、金属を捕捉し、紫外線への曝露によって引き起こされる毛髪のダメージを低減するために、キレート剤が含まれていてもよい。好適なキレート剤の例としては、ヒスチジン及びN,N’エチレンジアミンニコハク酸(「EDDS」)を挙げることができる。
【0156】
使用方法
本明細書に記載されるシャンプー組成物は、毛髪又は皮膚をクレンジング及びコンディショニングするために従来の方法で使用することができる。一般に、毛髪又は皮膚の処理方法は、シャンプー組成物を毛髪又は皮膚に塗布することを含み得る。例えば、水で濡らした毛髪又は皮膚に有効量のシャンプー組成物を塗布してよく、次いで、組成物をすすぎ落としてよい。有効量は、一般に、1g~50g及び1g~20gの範囲であり得る。毛髪への塗布は、典型的には、毛髪の大部分又は全てが組成物と接触するように、組成物を毛髪全体に行き渡らせることを含む。
【0157】
毛髪又は皮膚を処理する方法は、(a)毛髪又は皮膚を水で濡らす工程と、(b)毛髪又は皮膚に有効量のシャンプー組成物を塗布する工程と、(c)皮膚又は毛髪に塗布された箇所を水で洗い流す工程と、を含み得る。所望の洗浄及びコンディショニング効果を達成するために、所望に応じて何回でもこれらの工程を繰り返すことができる。
【0158】
ダメージを受けた毛髪を処理するために、本明細書に記載されるシャンプー組成物を使用してよい。ダメージを受けた毛髪としては、パーマをかけた毛髪、酸化的に染色された毛髪、及び機械的に損傷した毛髪を挙げることができる。
【0159】
シャンプー組成物は、添加された噴射剤と共に加圧容器に入れられた液体、固体、半固体、フレーク、ジェルとして使用することができ、又はポンプ式スプレーの形態で使用することができる。製品の粘度は、望ましい形態に対応するように選択することができる。
【0160】
試験方法
A.コーン/プレート粘度測定
実施例の粘度を、Brookfield Engineering Laboratories(Stoughton,MA)製のCone/Plate Controlled Stress Brookfield Rheometer R/S Plusで測定した。使用したコーン(Spindle C-75-1)は、75mmの直径及び1°の角度を有する。粘度は、一定の剪断速度2s-1及び温度26.5℃で定常状態の流動実験を使用して判定する。試料サイズは2.5mLであり、合計測定読み取り時間は3分である。
【0161】
B.pH法
まず、Mettler Toledo Seven Compact pHメータを較正する。これを行うには、pHメータの電源を入れて、30秒間待つ。次に電極を保存溶液から取り出し、電極を蒸留水ですすぎ、Kimwipe(登録商標)などの科学用洗浄ワイプで電極を慎重に拭く。電極をpH4の緩衝液に浸漬し、較正ボタンを押す。pHアイコンの点滅が停止するまで待ち、較正ボタンをもう1度押す。電極を蒸留水ですすぎ、電極を科学用洗浄ワイプで慎重に拭く。次に電極をpH7の緩衝液に浸漬し、較正ボタンをもう1度押す。pHアイコンの点滅が停止するまで待ち、較正ボタンを更にもう1度押す。電極を蒸留水ですすぎ、電極を科学用洗浄ワイプで慎重に拭く。次に電極をpH10の緩衝液に浸漬し、較正ボタンを更にもう1度押す。pHアイコンの点滅が停止するまで待ち、測定ボタンを押す。電極を蒸留水ですすぎ、科学用洗浄ワイプで慎重に拭く。
【0162】
電極を試験試料に浸漬し、読み取りボタンを押す。pHアイコンの点滅が停止するまで待ち、値を記録する。
【0163】
C.外観方法
バッチ終了後、まずバッチを保存容器に移す。次に、ガラスバイアルのバッチをサンプリングする。そして、サンプルを目視検査する。背景がはっきり見える場合は、その外観を透明と記録する。背景が見えても歪んでいたり、かすんでいたりする場合は、半透明として記録する。背景が見えない場合は、不透明として記録する。
【0164】
D.相安定法
バッチ終了後、まずバッチを保存容器に移す。次に、ガラスバイアルのバッチをサンプリングする。そして、サンプルを目視検査する。サンプルが均質な場合は、単相として記録する。サンプルに2つ以上の異なる相がある場合、存在する相の数を含めて相分離したものとして記録する。異なる相は、視覚的に異なる(かすみ具合、色、テクスチャの変化)。これらの異なる相は、底に沈むか、上にあるか、又は浮遊している。
【0165】
E.ヘアピース(hair switch)の評価
この方法は、ヘアピースで最終製品を評価する方法を説明する。まず、髪を15秒間濡らす。次に、シャンプーをヘアピースに、髪1グラムあたりシャンプー0.1グラムで塗布する。次に、洗髪中のシャンプーの性能について、様々な属性を評価する。ヘアピースを30秒間上下に動かす。この30秒間に、以下のような評価が行われる。
1.)泡立ち速度-泡立ちの速さの評価(スケール:0=遅い~10=速い)
2.)泡立ち量-泡立ちがどのくらい発生したかの視覚的評価(スケール:0=低~10=高)
【0166】
次に、ピースに水を流し、すすぎを開始する。30秒間すすぐ。すすぎ中は、すすぎ感触/すすぎ抵抗回数(Rinse Feel/Rinse Count Drag)を評価する。濡らし始めたらすぐに、利き手ではない方の手で、親指と2本の指との間で髪を上から下へ、中程度の力で往復動作を行う。ヘアピースの中央部分に抵抗/跳ね(drag/skip)が2回連続して一貫して感じられるまで、往復動作数を数える。この往復動作数がすすぎ抵抗回数として記録される。1秒間に1往復動作の割合で、合計20往復動作まで行う必要がある(スケール:1=すすぎが速い/清潔感~20=すすぎが遅い/不潔感)。
【0167】
30秒のすすぎの後、利き手ではない方の手で親指と2本の指との間で髪を上から下へ中程度の力で往復動作を行い、付着した水分を落とす。ヘアピースの往復動作を繰り返し、髪の清潔感を評価する。これは、すすぎ後-清潔感(スケール:0=低/不潔~10=高/清潔)として記録される。
【0168】
F.パフ泡立ち法
まず、水を入れて、所望の温度37.5~38℃に到達させる。次に、パフを毛羽状にし、水で濡らす。パフの上から円を描くようにシャンプーを塗布する。その後、泡立てられた製品のついたパフをビーカーの上に移動させる。次に、パフを前方向に半回転させて10回絞り出す。絞り出しと逆方向への半回転を10回繰り返す。最後にパフを絞り出して、残った泡を全て出す。発生した泡立ち量をビーカー内で測定する。
【0169】
G.シリンダー泡立て法-泡立ち量
1,000mLメスシリンダーに水100mLを入れる。その後、シャンプーを0.5g加える。メスシリンダーは回転装置上にある。18秒間に10回転の速度でシリンダーを完全に25回転させて泡を作り、水平で垂直な位置で停止させる。排水のためにタイマーが15秒に設定されている。15秒後、泡立ちの高さを10mL単位で記録し、泡立ち量を測定する(底に水が溜まり、上に泡が浮いていれば、その水も含む)。
【0170】
H.Kruss泡立て法
泡立ちの評価には、KRUSS動的泡分析器が使用されている。1(シャンプー):9(水)の希釈でシャンプーと水を装置に入れる。チャンバを通過する空気が泡を発生させる。泡立ち速度、泡立ち量、気泡サイズを記録する。
【実施例
【0171】
以下の実施例に示すシャンプー組成物は、本明細書に記載のシャンプー組成物の具体的な実施形態を説明するものであるが、これらに限定することを意図するものではない。当業者によって、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の修正を行うことができる。シャンプー組成物のこれらの例示される実施形態は、消費者が望む刺激の少なさ、水分、滑り感、洗浄性、及び粘度を提供する。
【0172】
以下の実施例に示されたシャンプー組成物は、従来の配合及び混合方法により調製され、その実施例は以下に記載される。別途記載のない限り、例示される量は全て重量パーセントで列記され、希釈剤、防腐剤、着色剤溶液、画像成分、植物性物質などの微量物質は除外する。特に規定のない限り、全てのパーセンテージは重量に基づく。
【0173】
【表1】
【0174】
【表2】
1.BASF製のPLANTAREN 2000
2.Solvay製のJAGUAR EXCEL
3.Alban Muller製のAMIGUM ER
4.Cargill製のACTIGUM CS 11 QD
5.FMC製のNUTRICOL XP3464
6.Seppic製のSOLAGUM TARA
7.Ashland製のSUPERCOL U2
【0175】
実施例及び比較例のデータから分かるように、比較例C1~C4は、相安定性ではないカチオン性グアーと組み合わせてガムを含有する。比較例C5は相安定性であるが、粘性が高すぎる。消費者は、手の中で広がりやすいようにシャンプーが20Pa-s未満であることを望む。比較例C6は相安定性であるが、低粘度である。使用中に手から流れ落ちるのを避けるためにシャンプーが0.6Pa-sよりも大きいことを消費者は望む。
【0176】
組み合わせの例
1.シャンプー組成物であって、
a)約5重量%~約35重量%のアルキルポリグルコシドと、
b)約0.15重量%~約1.05%のスクレロチウムガムと、
c)約0.15重量%~約1.05%のカチオン性ポリマーと、
を含み、
約600cps~20,000cpsの粘度を有し、1重量%未満のイオン性界面活性剤を含む、シャンプー組成物。
2.約0.15重量%~約1.05重量%のカチオン性グアーを含む、段落1に記載のシャンプー組成物。
3.約0.2重量%~約1.0重量%のカチオン性グアーを含む、段落1又は2に記載のシャンプー組成物。
4.アルキルポリグルコシドがデシルグルコシドである、段落1~3のいずれかに記載のシャンプー組成物。
5.約5重量%~約25重量%のデシルグルコシドを含む、段落1~4のいずれかに記載のシャンプー組成物。
6.約7重量%~約20重量%のデシルグルコシドを含む、段落1~5のいずれかに記載のシャンプー組成物。
7.組成物が、アルキル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、及びこれらの混合物から選択される界面活性剤を実質的に含まない、段落1~6のいずれかに記載のシャンプー組成物。
8.非イオン性界面活性剤が、構造:
【0177】
【化24】
(式中、「R」は10個の炭素を有するアルキル基又はアルケニル基であり、「m」の重合度は1である)を有するデシルグルコシドである、段落1~7のいずれかに記載のシャンプー組成物。
9.粘度が、1000cps~18,000cpsである、段落1~8のいずれかに記載のシャンプー組成物。
10.粘度が、2000cps~15,000cpsである、段落1~9のいずれかに記載のシャンプー組成物。
11.組成物が、茶抽出物、ブドウ種子抽出物、ベニバナ油、ホホバ油、アルゴン油、及びこれらの組み合わせから選択される材料を更に含む、段落1~10のいずれかに記載のシャンプー組成物。
12.組成物が、アゾール、クリムバゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、エコナゾール、エルビオール、ヒドロキシピリドン、ピロクトンオラミン、シクロピロックス、リロピロックス、MEA-ヒドロキシオクチルオキシピリジノン、角質溶解剤、サリチル酸、ヒドロキシ酸、ストロビルリン、アゾキシストロビン、金属キレート剤、1,10-フェナントロリン、及びこれらの組み合わせから選択される抗菌剤を更に含む、段落1~11のいずれかに記載のシャンプー組成物。
13.ウェットコンディショニング及び潤い感から選択される消費者利益をもたらすための、段落1~12のいずれかに記載の製剤の使用。
【0178】
ヘアケア製剤分野の当業者の技術範囲内での本開示の他の修正が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されよう。本明細書における全ての部、パーセンテージ及び比は、特に指定しない限り、重量基準である。いくつかの構成成分は、供給源から希釈溶液として供給され得る。記載した濃度は、特に規定のない限り、活性物質の重量パーセントを表す。また、香料及び/又は防腐剤の濃度は、以下の実施例に含まれてもよい。
【0179】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「40mm」を意味することが意図される。
【0180】
相互参照される文書又は関連特許若しくは出願を含めた、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか又は特に限定されない限り、参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献又は複数の参考文献と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャンプー組成物であって、
a)5重量%~35重量%、好ましくは5重量%~25重量%、より好ましくは7重量%~20重量%のアルキルポリグルコシドと、
b)0.15重量%~1.05重量%のスクレロチウムガムと、
c)0.05重量%~3重量%、好ましくは0.2重量%~1.0重量%のカチオン性ポリマーと、を含み、0.6Pa・s~20Pa・s、好ましくは1Pa・s~18Pa・s、より好ましくは2Pa・s~15Pa・sの粘度を有し、1重量%未満のイオン性界面活性剤を含む、シャンプー組成物。
【請求項2】
前記カチオン性ポリマーが、グアーポリマー、非グアーガラクトマンナンポリマー、デンプンポリマー、アクリルアミドモノマーとカチオン性モノマーとのコポリマー、洗浄性界面活性剤と組み合わせるとリオトロピック液晶を形成する合成非架橋ポリマー、及びセルロースポリマーから選択される、請求項1に記載のシャンプー組成物。
【請求項3】
前記アルキルポリグルコシドが、デシルグルコシド、カプリリルグルコシド、カプリリル/カプリルグルコシド、ウンデシルグルコシド、オクチルグルコシド、及びこれらの組み合わせから選択され、好ましくは、前記アルキルポリグルコシドが、デシルグルコシドを含む、請求項1又は2に記載のシャンプー組成物。
【請求項4】
前記組成物が、アルキル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウムを実質的に含まない、請求項1に記載のシャンプー組成物。
【請求項5】
前記非イオン性界面活性剤が、構造:
【化1】
(式中、Rは、10個の炭素を有するアルキル又はアルケニル基であり、mは1である)を有するデシルグルコシドである、請求項1に記載のシャンプー組成物。
【請求項6】
茶抽出物、ブドウ種子抽出物、ベニバナ油、ホホバ油、アルゴン油、又はこれらの組み合わせを更に含む、請求項1に記載のシャンプー組成物。
【請求項7】
前記組成物が、アゾール、クリムバゾール、ケトコナゾール、イトラコナゾール、エコナゾール、エルビオール、ヒドロキシピリドン、ピロクトンオラミン、シクロピロックス、リロピロックス、MEA-ヒドロキシオクチルオキシピリジノン、角質溶解剤、サリチル酸、ヒドロキシ酸、ストロビルリン、アゾキシストロビン、金属キレート剤、1,10-フェナントロリン、及びこれらの組み合わせから選択される抗菌剤を更に含む、請求項1に記載のシャンプー組成物。
【請求項8】
前記スクレログルカンガムの一次構造が、β(1-3)結合によって連結されたグルコース分子からなり、3単位ごとに、追加のグルコース分子がβ(1-6)結合によって連結されている、請求項1に記載のシャンプー組成物。
【請求項9】
前記スクレログルカンガムが、三重らせんの形態である、請求項1に記載のシャンプー組成物。
【請求項10】
ウェットコンディショニング、潤い感、及びこれらの組み合わせから選択される美容毛髪効果のための、請求項1に記載のシャンプー組成物の使用。
【国際調査報告】