(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-11
(54)【発明の名称】月経周期追跡
(51)【国際特許分類】
A61B 10/00 20060101AFI20240404BHJP
A61B 5/0245 20060101ALI20240404BHJP
A61B 5/08 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A61B10/00 305B
A61B10/00 305Z
A61B5/0245 100B
A61B5/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023555656
(86)(22)【出願日】2022-03-11
(85)【翻訳文提出日】2023-11-09
(86)【国際出願番号】 US2022019972
(87)【国際公開番号】W WO2022192684
(87)【国際公開日】2022-09-15
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522496220
【氏名又は名称】オーラ ヘルス オサケユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シグペン,ニーナ ニコル
(72)【発明者】
【氏名】ゴットリーブ,ネータ アー.
(72)【発明者】
【氏名】ポー,ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】アッシュバッハー,キルスティン エリザベス
【テーマコード(参考)】
4C017
4C038
【Fターム(参考)】
4C017AA09
4C017AA10
4C017AB03
4C017AC28
4C017BC20
4C017BC21
4C017BD04
4C017CC02
4C017DD17
4C017FF05
4C038SS08
4C038VB13
4C038VC02
(57)【要約】
月経周期フェーズ識別のための方法、システム、およびデバイスが説明される。システムは、複数の日にわたって収集された生理学的データを受信するように構成され得、生理学的データは少なくとも温度データを含む。追加的に、システムは、複数の日にわたって取得された温度値の時系列を決定するように構成され得、ここで、時系列は、ユーザの複数の月経周期を含む。次いで、システムは、時系列中の形態学的特徴を識別し、形態学的特徴に基づいて時系列中の月経周期フェーズを識別し得る。システムは、グラフィカルユーザインターフェースに、識別された月経周期フェーズを表示させ得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザデバイスにおいて月経周期フェーズを識別するための方法であって、
ユーザに関連付けられた生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することであって、前記生理学的データは少なくとも温度データを含む、受信することと、
前記受信された温度データに少なくとも部分的に基づいて、複数の日にわたって取得された複数の温度値の時系列を決定することであって、前記時系列は前記ユーザの複数の月経周期を含む、決定することと、
前記時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の温度値の前記時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することと、
前記時系列の前記1つまたは複数の形態学的特徴を識別することに少なくとも部分的に基づいて、前記時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することであって、前記1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、前記時系列中の形態学的特徴に関連付けられる、識別することと、
前記ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、前記識別された1つまたは複数の月経周期フェーズを表示させることと
を含む方法。
【請求項2】
前記複数の温度の前記時系列の導関数を計算することと、
前記時系列の前記導関数の1つもしくは複数の極大値または1つもしくは複数の極小値を識別することと
をさらに含み、前記1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、前記時系列の前記導関数の前記1つもしくは複数の極大値または前記1つもしくは複数の極小値に関連付けられる、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記時系列の導関数を計算することに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の温度の前記時系列の前記導関数を反転させることと、
前記時系列の前記反転された導関数の1つまたは複数の極大値を識別することと
をさらに含み、前記1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、前記時系列の前記反転された導関数の前記1つまたは複数の極大値に関連付けられる、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の温度値の前記時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの睡眠期間を識別することと、
前記ユーザの前記睡眠期間の一部を選択することと
をさらに含み、前記複数の温度値の前記時系列の前記1つまたは複数の形態学的特徴を識別することは、前記睡眠期間の前記一部を選択することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記温度データを受信することに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の温度値の各温度値を決定することをさらに含み、前記温度データは連続夜間温度データを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ユーザの履歴温度パターンに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザの睡眠期間の一部を選択することをさらに含み、前記複数の温度値の各温度値を決定することは、前記睡眠期間の前記一部を選択することに少なくとも部分的に基づく、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記1つまたは複数の形態学的特徴を識別することに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の温度値の前記時系列の1つまたは複数の最大負勾配を識別することをさらに含み、前記1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは最大負勾配に関連付けられる、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記生理学的データは心拍数データをさらに含み、前記方法は、
前記受信された心拍数データが前記複数の日の少なくとも一部について閾値を満たすと決定すること
をさらに含み、前記時系列中の前記1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することは、前記受信された心拍数データが前記閾値を満たすと決定することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記生理学的データは呼吸数データをさらに含み、前記方法は、
前記受信された呼吸数データが前記複数の日の少なくとも一部について閾値を満たすと決定すること
をさらに含み、前記時系列中の前記1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することは、前記受信された呼吸数データが前記閾値を満たすと決定することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記温度データを受信することに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の温度値の各温度値を決定することをさらに含み、前記温度データは連続日中温度データを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の温度値の前記時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、追加の月経周期イベントを識別することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも前記複数の温度値の前記時系列、前記識別された1つまたは複数の月経周期フェーズ、またはその両方に少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザが月経周期の初日を経験する将来の月経周期フェーズを推定することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記将来の月経周期フェーズに少なくとも部分的に基づいて、前記ユーザに関連付けられたレディネススコアを更新することをさらに含む、
請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ユーザデバイスの前記グラフィカルユーザインターフェースに、前のユーザ症状タグと前記1つまたは複数の月経周期フェーズのタイミングとの間の相関に少なくとも部分的に基づいて、月経周期症状タグを表示させることをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前の月経周期後の前記複数の温度値の前記時系列の形態に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの現在の月経周期の長さを推定することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記複数の温度値の前記時系列に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の日の間の卵巣周期イベントを識別することをさらに含み、前記1つまたは複数の月経周期フェーズは前記卵巣周期イベントを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項17】
心拍数データ、呼吸数データ、または両方に少なくとも部分的に基づいて、前記複数の日の間の卵巣周期イベントを識別することをさらに含み、前記1つまたは複数の月経周期フェーズは前記卵巣周期イベントを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記生理学的データを機械学習分類器に入力することをさらに含み、前記1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することは、前記生理学的データを前記機械学習分類器に入力することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することに応答して、前記ユーザデバイスを介して、前記識別された1つまたは複数の月経周期フェーズの確認を受信することをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記ユーザデバイスを介して、月経周期フェーズの指示、前記月経周期フェーズに関連付けられた1つまたは複数の症状、または両方を受信することをさらに含み、前記1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することは、前記月経周期フェーズの前記指示、前記月経周期フェーズに関連付けられた前記1つまたは複数の症状、または両方を受信することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記ユーザデバイスの前記グラフィカルユーザインターフェースに、前記識別された1つまたは複数の月経周期フェーズに関連付けられたメッセージを表示させることをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記メッセージは、前記識別された1つまたは複数の月経周期フェーズが発生した時刻、将来の月経周期フェーズと前の月経周期フェーズとの間の持続時間、将来の月経周期フェーズが発生すると予測される時間間隔、前記識別された1つまたは複数の月経周期フェーズに関連付けられた症状を入力する要求、前記識別された1つまたは複数の月経周期フェーズに関連付けられた医学的状態、前記識別された1つまたは複数の月経周期フェーズに関連付けられた教育コンテンツ、またはそれらの組み合わせを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいて前記ユーザから前記生理学的データを収集する、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
ユーザデバイスにおいて月経周期フェーズを識別するための装置であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
前記メモリに記憶された命令と
を備え、前記命令は、前記装置に、
ユーザに関連付けられた生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することであって、前記生理学的データは少なくとも温度データを含む、受信することと、
前記受信された温度データに少なくとも部分的に基づいて、複数の日にわたって取得された複数の温度値の時系列を決定することであって、前記時系列は前記ユーザの複数の月経周期を含む、決定することと、
前記時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の温度値の前記時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することと、
前記時系列の前記1つまたは複数の形態学的特徴を識別することに少なくとも部分的に基づいて、前記時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することであって、前記1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、前記時系列中の形態学的特徴に関連付けられる、識別することと、
前記ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、前記識別された1つまたは複数の月経周期フェーズを表示させることと
を行わせるように前記プロセッサによって実行可能である、装置。
【請求項26】
ユーザデバイスにおいて月経周期フェーズを識別するためのコードを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コードは、
ユーザに関連付けられた生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することであって、前記生理学的データは少なくとも温度データを含む、受信することと、
前記受信された温度データに少なくとも部分的に基づいて、複数の日にわたって取得された複数の温度値の時系列を決定することであって、前記時系列は前記ユーザの複数の月経周期を含む、決定することと、
前記時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、前記複数の温度値の前記時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することと、
前記時系列の前記1つまたは複数の形態学的特徴を識別することに少なくとも部分的に基づいて、前記時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することであって、前記1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、前記時系列中の形態学的特徴に関連付けられる、識別することと、
前記ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、前記識別された1つまたは複数の月経周期フェーズを表示させることと
を行うようにプロセッサによって実行可能な命令を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[相互参照]
本出願は、譲受人に譲渡され、参照により本明細書に明示的に組み込まれる、2021年3月12日に出願された「MENSTRUAL AND OVARIAN CYCLE TRACKING」と題するAschbacherらによる米国仮特許出願第63/160,315号の利益を主張する、2022年3月11日に出願された「MENSTRUAL CYCLE TRACKING」と題するThigpenらによる米国非仮特許出願第17/692,407号の利益を主張する。
【0002】
[技術分野]
下記は、月経周期追跡を含む、ウェアラブルデバイスおよびデータ処理に関する。
【背景技術】
【0003】
一部のウェアラブルデバイスは、体温および心拍数に関連付けられたデータをユーザから収集するように構成され得る。例えば、一部のウェアラブルデバイスは、女性の健康に関連付けられた周期を検出するように構成され得る。しかしながら、ウェアラブルデバイスによって実装される従来の周期検出技法は不十分である。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【
図1】本開示の態様による、月経周期追跡をサポートするシステムの一例を示す。
【
図2】本開示の態様による、月経周期追跡をサポートするシステムの一例を示す。
【
図3】本開示の態様による、月経周期追跡をサポートするシステムの一例を示す。
【
図4】本開示の態様による、月経周期追跡をサポートするタイミング図の一例を示す。
【
図5】本開示の態様による、月経周期追跡をサポートするタイミング図の一例を示す。
【
図6】本開示の態様による、月経周期追跡をサポートするタイミング図の一例を示す。
【
図7】本開示の態様による、月経周期追跡をサポートするグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の一例を示す。
【
図8】本開示の態様による、月経周期追跡をサポートする装置のブロック図を示す。
【
図9】本開示の態様による、月経周期追跡をサポートするウェアラブルアプリケーションのブロック図を示す。
【
図10】本開示の態様による、月経周期追跡をサポートするデバイスを含むシステムの図を示す。
【
図11】本開示の態様による、月経周期追跡をサポートする方法を示すフローチャートを示す。
【
図12】本開示の態様による、月経周期追跡をサポートする方法を示すフローチャートを示す。
【
図13】本開示の態様による、月経周期追跡をサポートする方法を示すフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
一部のウェアラブルデバイスは、温度データ、心拍数データなどを含む生理学的データをユーザから収集するように構成され得る。取得された生理学的データは、ユーザの動きおよび睡眠パターンなどの他の活動を分析するために使用され得る。多くのユーザは、自身の睡眠パターン、活動、および全体的な身体の健康を含む、自分の身体的健康に関するより多くの洞察を望んでいる。特に、多くのユーザは、自身の月経周期、排卵、および生殖パターンを含む、女性の健康に関するより多くの洞察を望み得る。しかしながら、典型的な周期追跡または女性の健康デバイスおよびアプリケーションは、いくつかの理由で、ロバストな予測および洞察を提供する能力を欠いている。
【0006】
第1に、典型的な周期予測アプリケーションでは、ユーザが毎日個別の時間にデバイスを用いて手動で自分の体温を測る必要がある。この単一の温度データポイントは、女性の健康周期パターンを示す真の温度変動を正確に捉えたり予測したりするのに十分なコンテキストを提供しない可能性があり、ユーザの動きまたは労力に対する測定デバイスの感度を考慮すると、正確に捉えることは困難であり得る。第2に、着用可能なデバイス、または1日を通してより頻繁にユーザの温度を測るデバイスであっても、典型的なデバイスおよびアプリケーションは、測定された温度と組み合わせて、女性の周期に対する生理学的誘因の完全なセットをより包括的に理解することができる、ユーザからの他の生理学的、行動的、または状況的入力を収集する能力を欠いている。
【0007】
本開示の態様は、月経周期追跡のための技法を対象とする。特に、本開示のコンピューティングデバイスは、生理学的データの他の形態の中でも、温度データを含む生理学的データを、ユーザに関連付けられたウェアラブルデバイスから受信し、複数の日にわたって取得された温度値の時系列を決定し得る。例えば、本開示の態様は、生理学的データの時系列の負勾配、正勾配、最高温度、最低温度、パターン、軸交差、またはそれらの組み合わせなど、収集された生理学的データの時系列のグラフィカル表現から1つまたは複数の形態学的特徴を識別し得る。そのため、本開示の態様は、形態学的特徴を識別することに基づいて、時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別する。月経周期フェーズは、月経、卵巣周期、子宮周期、月経、卵巣周期、子宮周期のうちのいずれか1つのサブフェーズ、またはそれらの組み合わせを表し得る。場合によっては、月経周期フェーズは、生殖周期および/または生殖周期のサブフェーズを表し得る。
【0008】
1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、温度値の時系列中の形態学的特徴および/または時系列中の1つまたは複数の追加の形態学的特徴に関連付けられ得る。いくつかの実装形態では、システムは、ユーザからの過去の温度データを分析し、複数の以前の月経周期に対する複数の月経周期フェーズを識別し得、ユーザの以前の月経周期を示す、ユーザへの指示を生成し得る。ユーザは、履歴データについてシステムによって示された日付に月経周期フェーズが実際に発生したかどうかを確認し得、システムは、このユーザ入力を予測関数(例えば、将来の月経周期フェーズを予測するための機械学習モデル)に組み込み得る。システムはまた、温度系列データをリアルタイムで分析し得、温度データの時系列中の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することに基づいて、および/または以前の月経周期からのユーザの入力に基づいて、次回の月経周期フェーズ(例えば、月経周期の初日)を予測し得る。
【0009】
本開示の目的のために、「月経周期」という用語は、妊娠を可能にする女性生殖器系の子宮および卵巣の構造ならびにホルモン産生における一連の自然変化を含む、ユーザの周期を指すために使用され得る。月経周期は、ユーザの生理、すなわち月経、の初日から始まり、次の生理が開始するときに再び始まる。月経は、女性の毎月の出血であり、生理と呼ばれることが多い。例えば、ユーザの身体が、毎月蓄積される子宮の内層を廃棄するとき、ユーザは、月経周期の初日を経験している場合がある。月経周期は、月経、卵巣周期、子宮周期、卵胞期、黄体期、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0010】
本開示のいくつかの態様は、ユーザが月経周期開始の症状および影響を経験する前に月経周期開始を検出することを対象とする。しかしながら、本明細書で説明される技法は、ユーザが症状を示さない場合またはその症状を認識しない場合に月経周期開始を検出するためにも使用され得る。いくつかの実装形態では、コンピューティングデバイスは、温度センサを使用して月経周期フェーズを識別し得る。そのような場合、コンピューティングデバイスは、ユーザがこれらのイベントにタグ付けまたはラベル付けすることなしに、生理開始および排卵の遡及的な日付を推定し得る。
【0011】
従来のシステムでは、ユーザは、月経周期に関連付けられたイベントにタグ付けまたはラベル付けし、月経周期間の平均長に基づいて将来の月経開始日を計算し得る(例えば、カレンダー法と呼ばれる)。他のシステムでは、遡及的イベント(例えば、生理および排卵)は、口腔体温計を用いて1日1回(例えば、朝に)測定される基礎体温を使用して推定され得る。本明細書で説明される技法は、ユーザの表面温度を連続的に測定するウェアラブルから取得された測定値と、動脈血流などの血流から抽出された信号とに基づいて、ユーザから生理学的データを連続的に収集し得る。いくつかの実装形態では、コンピューティングデバイスは、昼夜を通して連続的にユーザの温度をサンプリングし得る。夜間を通して(または、以下により詳細に説明されるように、夜間のあるフェーズにおいて、および/または睡眠周期の特定のフェーズ中に)十分な速度(例えば、1分あたり1サンプル)でサンプリングすることにより、本明細書で説明される分析に十分な温度データが得られ得る。
【0012】
場合によっては、指での連続温度測定は、深部温度では明らかにならない可能性がある温度変動(例えば、小さいまたは大きい変動)を捉え得る。例えば、指での連続温度測定は、身体の他の場所での他の温度測定によって、またはユーザが1日に1回温度を手動で測定していた場合に提供されない可能性がある追加の洞察を提供する、分単位または時間単位の温度変動を捉え得る。そのため、コンピューティングデバイスによって収集されたデータは、ユーザがいつ月経周期の初日を経験するかを識別するために使用され得る。
【0013】
本明細書で説明される技法は、識別された月経周期フェーズを様々な方法でユーザに通知し得る。例えば、システムは、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)に、メッセージまたは他の通知を表示させて、識別された月経周期フェーズをユーザに通知し、推定された将来の月経周期フェーズをユーザに通知し、ユーザに推奨を行い得る。一例では、GUIは、将来の月経周期フェーズが発生すると予測される時間間隔と、以前に入力された症状に基づいてユーザが月経周期の初日に備えるよう勧める推奨とを表示し得る。いくつかの実装形態では、システムは、ユーザにタグの推奨を行い得る。例えば、システムは、周期、気分、および症状タグ(例えば、生理痛、頭痛)を、ユーザの周期内の決定された時間に(例えば、パーソナライズされた方法で)ユーザに推奨し得る。システムは、温度データの過去の履歴、パーソナライズされた周期パターン(cycling pattern)、および/または過去の症状歴に基づいて、タグを推奨し得る。
【0014】
システムはまた、次回の月経周期フェーズの検出/予測を行うために使用されるデータを示すグラフィックス/テキストを含み得る。例えば、GUIは、正常な基準値からの温度偏差に基づいて、次回の月経周期フェーズが予測されたという通知を表示し得る。場合によっては、GUIは、正常な基準値からの心拍数偏差、正常な基準値からの呼吸数偏差、またはその両方に基づいて、次回の月経周期フェーズが予測されたという通知を表示し得る。早期警告(例えば、ユーザが症状を経験する前の)に基づいて、ユーザは、月経周期フェーズに関連付けられた次回の症状の重症度を軽減するのに役立ち得る早期措置を講じ得る。追加的に、ユーザは、早期警告および推定される将来の月経周期フェーズ(例えば、月経の開始)に基づいて、ユーザの日常活動(例えば、勤務時間および余暇時間)を修正/スケジューリングし得る。
【0015】
いくつかの実装形態では、システムは、ユーザの症状とユーザの月経周期との間の関係に関するパーソナライズされた洞察をユーザに提供する、症状相関を提供し得る。いくつかの実装形態では、システムは、行動修正提案を提供し得る。例えば、システムは、ユーザの周期長、規則性を修正し、および/または周期関連症状を軽減することに役立ち得る、健康行動のタイプに関するパーソナライズされた提案をユーザに提供し得る。一例では、高強度インターバルトレーニング(HIIT)、レジスタンストレーニング、ファスティング/カロリー制限、低血糖負荷食、ケトン炭水化物食、時間制限摂食、就寝時刻前の心拍変動(HRV)を高めるバイオフィードバック、メラトニン摂取、およびカンナビジオール(CBD)のような行動は、周期パラメータを修正し、関連する症状を改善する行動手段を提供し得る。
【0016】
本開示の態様は、最初に、ウェアラブルデバイスを介したユーザからの生理学的データ収集をサポートするシステムの文脈で説明される。本開示の追加の態様は、例示的なタイミング図および例示的なGUIの文脈で説明される。本開示の態様は、月経周期追跡に関係する装置図、システム図、およびフローチャートによってさらに示され、それらを参照して説明される。
【0017】
図1は、本開示の態様による、月経周期追跡をサポートするシステム100の一例を示す。システム100は、1人以上のユーザ102が着用および/または操作し得る複数の電子デバイス(例えば、ウェアラブルデバイス104、ユーザデバイス106)を含む。システム100は、ネットワーク108および1つまたは複数のサーバ110をさらに含む。
【0018】
電子デバイスは、ウェアラブルデバイス104(例えば、リング型ウェアラブルデバイス、腕時計型ウェアラブルデバイスなど)、ユーザデバイス106(例えば、スマートフォン、ラップトップ、タブレット)を含む、当技術分野で知られている任意の電子デバイスを含み得る。それぞれのユーザ102に関連付けられた電子デバイスは、以下の機能性のうちの1つまたは複数を含み得る:1)生理学的データを測定すること、2)測定されたデータを記憶すること、3)データを処理すること、4)処理されたデータに基づいて、ユーザ102に(例えば、GUIを介して)出力を提供すること、5)互いにおよび/または他のコンピューティングデバイスとデータを通信すること。異なる電子デバイスが、機能性の1つまたは複数を実行してもよい。
【0019】
例示的なウェアラブルデバイス104は、ユーザ102の指に着用されるように構成されたリング型コンピューティングデバイス(以下、「リング」)、ユーザ102の手首に着用されるように構成された手首コンピューティングデバイス(例えば、スマートウォッチ、フィットネスバンド、またはブレスレット)、および/またはヘッドマウントコンピューティングデバイス(例えば、眼鏡/ゴーグル)などのウェアラブルコンピューティングデバイスを含み得る。ウェアラブルデバイス104はまた、バンド、ストラップ(例えば、柔軟性のあるまたは柔軟性のないバンドまたはストラップ)、スティックオンセンサなどを含み得、これらは、頭に巻くバンド(例えば、額のヘッドバンド)、腕に巻くバンド(例えば、前腕のバンドおよび/または二頭筋のバンド)、および/または脚に巻くバンド(例えば、大腿またはふくらはぎのバンド)、耳の後ろのバンド、脇の下のバンドなど、他のロケーションに配置され得る。ウェアラブルデバイス104はまた、衣料品に取り付けられてもよいし、衣料品に含まれてもよい。例えば、ウェアラブルデバイス104は、衣服のポケットおよび/またはポーチに含まれ得る。別の例として、ウェアラブルデバイス104は、衣服にクリップ留めおよび/またはピン留めされてもよいし、他の方法でユーザ102の近傍内に維持されてもよい。衣料品の例としては、帽子、シャツ、手袋、ズボン、靴下、上着(例えば、ジャケット)、および下着が挙げられ得るが、これらに限定されない。いくつかの実装形態では、ウェアラブルデバイス104は、身体活動中に使用されるトレーニング/スポーツデバイスなどの他のタイプのデバイスとともに含まれ得る。例えば、ウェアラブルデバイス104は、自転車、スキー板、テニスラケット、ゴルフクラブ、および/またはトレーニング用のウェイトに取り付けられてもよいし、含まれてもよい。
【0020】
本開示の多くは、リング型ウェアラブルデバイス104の文脈で説明され得る。したがって、「リング104」、「ウェアラブルデバイス104」という用語、および同様の用語は、本明細書で別段の記載がない限り、交換可能に使用され得る。しかしながら、「リング104」という用語の使用は、本開示の態様が他のウェアラブルデバイス(例えば、腕時計型ウェアラブルデバイス、ネックレス型ウェアラブルデバイス、ブレスレット型ウェアラブルデバイス、イヤリング型ウェアラブルデバイス、アンクレット型ウェアラブルデバイスなど)を使用して実行され得ることが本明細書で企図されるので、限定するものと見なされるべきではない。
【0021】
いくつかの態様では、ユーザデバイス106は、スマートフォンおよびタブレットコンピューティングデバイスなどのハンドヘルドモバイルコンピューティングデバイスを含み得る。ユーザデバイス106はまた、ラップトップおよびデスクトップコンピューティングデバイスなどのパーソナルコンピュータを含み得る。他の例示的なユーザデバイス106は、他の電子デバイスと(例えば、インターネットを介して)通信し得るサーバコンピューティングデバイスを含み得る。いくつかの実装形態では、コンピューティングデバイスは、外部ウェアラブルコンピューティングデバイス(例えば、ホルターモニタ)などの医療デバイスを含み得る。医療デバイスはまた、ペースメーカおよび除細動器などの埋め込み型医療デバイスを含み得る。他の例示的なユーザデバイス106は、モノのインターネット(IoT)デバイス(例えば、IoTデバイス)、スマートテレビ、スマートスピーカ、スマートディスプレイ(例えば、ビデオ通話ディスプレイ)、ハブ(例えば、ワイヤレス通信ハブ)、セキュリティシステム、スマート家電(例えば、サーモスタットおよび冷蔵庫)、およびフィットネス機器などのホームコンピューティングデバイスを含み得る。
【0022】
いくつかの電子デバイス(例えば、ウェアラブルデバイス104、ユーザデバイス106)は、フォトプレチスモグラフィ波形、連続皮膚温度、パルス波形、呼吸数、心拍数、心拍変動(HRV)、アクティグラフィー、電気皮膚反応、パルスオキシメトリ、および/または他の生理学的パラメータなど、それぞれのユーザ102の生理学的パラメータを測定し得る。生理学的パラメータを測定するいくつかの電子デバイスはまた、本明細書で説明される計算の一部/全部を実行し得る。いくつかの電子デバイスは、生理学的パラメータを測定するのではなく、本明細書で説明される計算の一部/全部を実行し得る。例えば、リング(例えば、ウェアラブルデバイス104)、モバイルデバイスアプリケーション、またはサーバコンピューティングデバイスは、他のデバイスによって測定された受信した生理学的データを処理し得る。
【0023】
いくつかの実装形態では、ユーザ102は、いくつかが生理学的パラメータを測定し得、いくつかが測定された生理学的パラメータを処理し得る複数の電子デバイスを操作し得るか、またはそれらに関連付けられ得る。いくつかの実装形態では、ユーザ102は、生理学的パラメータを測定するリング(例えば、ウェアラブルデバイス104)を有し得る。ユーザ102はまた、ユーザデバイス106(例えば、モバイルデバイス、スマートフォン)を有するか、またはそれに関連付けられ得、ウェアラブルデバイス104およびユーザデバイス106は、互いに通信可能に結合される。場合によっては、ユーザデバイス106は、ウェアラブルデバイス104からデータを受信し、本明細書で説明される計算の一部/全部を実行し得る。いくつかの実装形態では、ユーザデバイス106はまた、動き/活動パラメータなど、本明細書で説明される生理学的パラメータを測定し得る。
【0024】
例えば、
図1に示すように、第1のユーザ102-a(ユーザ1)は、本明細書で説明されるように動作し得るウェアラブルデバイス104-a(例えば、リング104-a)およびユーザデバイス106-aを操作し得るか、またはそれらに関連付けられ得る。この例では、ユーザ102-aに関連付けられたユーザデバイス106-aは、リング104-aによって測定された生理学的パラメータを処理/記憶し得る。これに対し、第2のユーザ102-b(ユーザ2)は、リング104-b、腕時計型ウェアラブルデバイス104-c(例えば、腕時計104-c)、およびユーザデバイス106-bに関連付けられ得、ユーザ102-bに関連付けられたユーザデバイス106-bは、リング104-bおよび/または腕時計104-cによって測定された生理学的パラメータを処理/記憶し得る。さらに、第nのユーザ102-n(ユーザN)は、本明細書で説明される電子デバイス(例えば、リング104-n、ユーザデバイス106-n)の配置に関連付けられ得る。いくつかの態様では、ウェアラブルデバイス104(例えば、リング104、腕時計104)および他の電子デバイスは、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、および他のワイヤレスプロトコルを介して、それぞれのユーザ102のユーザデバイス106に通信可能に結合され得る。
【0025】
いくつかの実装形態では、システム100のリング104(例えば、ウェアラブルデバイス104)は、ユーザの指の動脈血流に基づいて、それぞれのユーザ102から生理学的データを収集するように構成され得る。特に、リング104は、ユーザの指の手のひら側に光を放出する1つまたは複数のLED(例えば、赤色LED、緑色LED)を利用して、ユーザの指の動脈血流に基づいて生理学的データを収集し得る。いくつかの実装形態では、リング104は、緑色LEDおよび赤色LEDの両方の組み合わせを使用して、生理学的データを取得し得る。生理学的データは、限定はしないが、温度データ、加速度計データ(例えば、動き/モーションデータ)、心拍数データ、HRVデータ、血中酸素濃度データ、またはそれらの任意の組み合わせを含む、当技術分野で知られている任意の生理学的データを含み得る。
【0026】
赤色LEDおよび緑色LEDは、異なる条件(例えば、明/暗、活動的/非活動的)下で、身体の異なる部分などを介して生理学的データを取得する際、それら自体の明確な利点を有することが判明しているので、緑色LEDおよび赤色LEDの両方の使用により、他の解決策よりも優れたいくつかの利点が提供され得る。例えば、緑色LEDは、運動中により良好な性能を発揮することが分かっている。さらに、リング104の周りに分散された複数のLED(例えば、緑色および赤色LED)を使用することで、腕時計型ウェアラブルデバイス内など、互いに近接して配置されたLEDを利用するウェアラブルデバイスと比較して、優れた性能を発揮することが分かっている。さらに、指の血管(例えば、動脈、毛細血管)は、手首の血管と比較してLEDを介したアクセスがより容易である。特に、手首の動脈は、手首の下部(例えば、手首の手のひら側)に位置しており、これは、典型的にウェアラブル腕時計型デバイスおよび同様のデバイスが着用される手首の上部(例えば、手首の手の甲側)では毛細血管のみアクセス可能であることを意味する。このように、リング104は、(毛細血管と比較して)動脈へのより大きなアクセスを有し、それによって、より強い信号およびより有益な生理学的データが得られるので、リング104内でLEDおよび他のセンサを利用することは、手首に着用されるウェアラブルデバイスと比較して優れた性能を発揮することが分かっている。
【0027】
システム100の電子デバイス(例えば、ユーザデバイス106、ウェアラブルデバイス104)は、ワイヤードまたはワイヤレス通信プロトコルを介して1つまたは複数のサーバ110に通信可能に結合され得る。例えば、
図1に示すように、電子デバイス(例えば、ユーザデバイス106)は、ネットワーク108を介して1つまたは複数のサーバ110に通信可能に結合され得る。ネットワーク108は、インターネットなどの転送制御プロトコルおよびインターネットプロトコル(TCP/IP)を実装し得るか、または他のネットワーク108プロトコルを実装し得る。ネットワーク108とそれぞれの電子デバイスとの間のネットワーク接続は、電子メール、ウェブ、テキストメッセージ、メール、またはコンピュータネットワーク108内の任意の他の適切な形態の対話を介したデータの移送を容易にし得る。例えば、いくつかの実装形態では、第1のユーザ102-aに関連付けられたリング104-aは、は、ユーザデバイス106-aに通信可能に結合され得、ユーザデバイス106-aは、ネットワーク108を介してサーバ110に通信可能に結合される。追加的または代替的な場合では、ウェアラブルデバイス104(例えば、リング104、腕時計104)は、ネットワーク108に直接通信可能に結合されてもよい。
【0028】
システム100は、ユーザデバイス106と1つまたは複数のサーバ110との間でオンデマンドのデータベースサービスを提供し得る。場合によっては、サーバ110は、ネットワーク108を介してユーザデバイス106からデータを受信し得、データを記憶および分析し得る。同様に、サーバ110は、ネットワーク108を介してユーザデバイス106にデータを提供し得る。場合によっては、サーバ110は、1つまたは複数のデータセンタに位置していてもよい。サーバ110は、データ記憶、管理、および処理のために使用され得る。いくつかの実装形態では、サーバ110は、ウェブブラウザを介してユーザデバイス106にウェブベースのインターフェースを提供し得る。
【0029】
いくつかの態様では、システム100は、ユーザ102が眠っている期間を検出し、ユーザ102が眠っている期間を1つまたは複数の睡眠段階に分類し得る(例えば、睡眠段階分類)。例えば、
図1に示すように、ユーザ102-aは、ウェアラブルデバイス104-a(例えば、リング104-a)およびユーザデバイス106-aに関連付けられ得る。この例では、リング104-aは、温度、心拍数、HRV、呼吸数などを含む、ユーザ102-aに関連付けられた生理学的データを収集し得る。いくつかの態様では、リング104-aによって収集されたデータは、機械学習分類器に入力され得、機械学習分類器は、ユーザ102-aが眠っている(または眠っていた)期間を決定するように構成される。さらに、機械学習分類器は、覚醒睡眠段階、急速眼球運動(REM)睡眠段階、浅い睡眠段階(ノンレム(NREM))、および深い睡眠段階(NREM)を含む異なる睡眠段階に期間を分類するように構成され得る。いくつかの態様では、分類された睡眠段階は、ユーザデバイス106-aのGUIを介してユーザ102-aに表示され得る。睡眠段階分類は、推奨就寝時刻(bedtime)、推奨覚醒時刻(wake-up time)などのユーザの睡眠パターンに関するフィードバックをユーザ102-aに提供するために使用され得る。さらに、いくつかの実装形態では、本明細書で説明される睡眠段階分類技法は、睡眠スコア(sleep score)、レディネススコア(readiness score)などのそれぞれのユーザのスコアを計算するために使用され得る。
【0030】
いくつかの態様では、システム100は、生理学的データ収集、データ処理手順、および本明細書で説明される他の技法をさらに改善するために、概日リズム由来の特徴を利用し得る。概日リズムという用語は、約24時間ごとに繰り返される個人の睡眠-覚醒サイクルを調整する自然な内部プロセスを指し得る。この点に関して、本明細書で説明される技法は、生理学的データ収集、分析、および処理を改善するために、概日リズム調整モデルを利用し得る。例えば、概日リズム調整モデルは、ウェアラブルデバイス104-aを介してユーザ102-aから収集された生理学的データとともに機械学習分類器に入力され得る。この例では、概日リズム調整モデルは、ユーザの自然な略24時間の概日リズムを通して収集された生理学的データを「重み付け」または調整するように構成され得る。いくつかの実装形態では、システムは、最初に、「ベースライン」概日リズム調整モデルから開始し得、各ユーザ102から収集された生理学的データを使用してベースラインモデルを修正し、それぞれの各ユーザ102に固有の、調整された個別の概日リズム調整モデルを生成し得る。
【0031】
いくつかの態様では、システム100は、これらの他のリズムのフェーズによる生理学的データ収集、分析、および処理をさらに改善するために、他の生体リズムを利用し得る。例えば、週単位のリズムが個人のベースラインデータ内で検出された場合、モデルは、曜日別にデータの「重み」を調整するように構成され得る。この方法によるモデルの調整を必要とし得る生体リズムは、以下を含む:1)ウルトラディアン(1日よりも速いリズムであり、睡眠状態における睡眠周期と、覚醒状態の間の測定される生理学的変数における1時間未満から数時間の周期性の振動とを含む)、2)概日リズム、3)作業スケジュールのように、概日リズムの上に課されることが示される非内因性の日周リズム、4)週単位のリズム、または外因的に課される他の人為的な時間周期性(例えば、12日の「週」を持つ仮定上の文化であれば、12日リズムが使用され得る)、5)女性の場合の数日間の卵巣リズムおよび男性の場合の精子形成リズム、6)月齢リズム(人工光が少ないかまたは全くない状態で生活している個人に関連がある、7)季節的リズム。
【0032】
生体リズムは、必ずしも定常リズムとは限らない。例えば、多くの女性は、周期間で卵巣周期の長さのばらつきを経験し、ウルトラディアンリズムは、ユーザ内であっても、全く同じ時間にまたは日をまたいで全く同じ周期性では起きるとは考えられていない。そのため、生理学的データにおいてこれらのリズムの時間分解能を維持しながら周波数組成を定量化するのに十分な信号処理技法を使用して、これらのリズムの検出を改善し、測定された時間の各瞬間に各リズムの位相を割り当て、それによって調整モデルおよび時間間隔の比較を修正し得る。生体リズム調整モデルおよびパラメータは、個人または個人のグループの動的な生理学的ベースラインをより正確に捉えるために、必要に応じて線形または非線形の組み合わせで追加され得る。
【0033】
いくつかの態様では、システム100のそれぞれのデバイスは、ウェアラブルデバイス104によって収集されたデータに基づく月経周期および卵巣周期追跡のための技法をサポートし得る。特に、
図1に示されるシステム100は、ユーザ102の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別し、ユーザ102に対応するユーザデバイス106に、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズの指示を表示させるための技法をサポートし得る。例えば、
図1に示すように、ユーザ1(ユーザ102-a)は、ウェアラブルデバイス104-a(例えば、リング104-a)およびユーザデバイス106-aに関連付けられ得る。この例では、リング104-aは、温度、心拍数、呼吸数などを含む、ユーザ102-aに関連付けられたデータを収集し得る。いくつかの態様では、リング104-aによって収集されたデータは、1つまたは複数の月経周期フェーズ(例えば、ユーザ1が月経周期の初日を経験する月経周期フェーズ、ユーザ1が排卵を経験する月経周期フェーズ、ユーザ1が子宮周期の開始を経験する月経周期フェーズ、など)を識別するために使用され得る。月経周期フェーズを識別することは、リング104-a、ユーザ1に関連付けられたユーザデバイス106-a、1つまたは複数のサーバ110、またはそれらの任意の組み合わせを含む、システム100の構成要素のいずれかによって実行され得る。月経周期フェーズを識別すると、システム100は、ユーザデバイス106-aのGUIに、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズの指示を選択的に表示させ得る。
【0034】
いくつかの実装形態では、生理学的データ(例えば、温度データを含む)を受信すると、システム100は、複数の日にわたって取得された温度値の時系列を決定し得る。システム100は、複数の温度値の時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別し得る。そのような場合、システム100は、1つまたは複数の月経周期フェーズを識別し得、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、時系列中の形態学的特徴に関連付けられる。時系列の形態学的特徴は、負勾配、正勾配、時系列の最小値、時系列の最大値、時系列の偏差、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0035】
場合によっては、システム100は、ユーザ102-aが月経周期(例えば、月経)の初日を経験したか否かを確認するように(例えば、ユーザデバイス106のGUIを介して)ユーザ1に促し得、ユーザが月経周期の初日を経験したという確認に基づいて、ユーザ102-aのレディネススコアを選択的に調整し得る。いくつかの実装形態では、システム100は、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズに基づいて、(例えば、リング104-a、ユーザデバイス106-a、または両方を介して)ユーザ1のためのアラート、メッセージ、または推奨を生成し得、アラートは、識別された月経周期フェーズのタイミングおよび/または持続時間などの識別された月経周期フェーズに関する洞察を提供し得る。場合によっては、メッセージは、識別された月経周期フェーズに関連付けられた症状、識別された月経周期フェーズに関連付けられた1つまたは複数の医学的状態、識別された月経周期フェーズに関連付けられた教育ビデオおよび/またはテキスト(例えば、コンテンツ)、または月経周期の任意のフェーズに関連付けられたそれらの組み合わせ関する洞察を提供し得る。
【0036】
本開示の1つまたは複数の態様が、上記で説明した問題以外の問題を追加的または代替的に解決するためにシステム100において実装され得ることが、当業者によって理解されるべきである。さらに、本開示の態様は、本明細書で説明されるような「従来の」システムまたはプロセスに技術的な改善を提供し得る。しかしながら、説明および添付の図面は、本開示の態様の実装から生じる例示的な技術的改善を含むにすぎず、したがって、特許請求の範囲内で提供される技術的改善のすべてを表すものではない。
【0037】
図2は、本開示の態様による、月経周期追跡をサポートするシステム200の一例を示す。システム200は、システム100を実装してもよいし、それによって実装されてもよい。特に、システム200は、
図1を参照して説明したように、リング104(例えば、ウェアラブルデバイス104)、ユーザデバイス106、およびサーバ110の例を示す。
【0038】
いくつかの態様では、リング104は、ユーザの指の周りに着用されるように構成され得、ユーザの指の周りに着用されたときに1人以上のユーザ生理学的パラメータを決定し得る。例示的な測定および決定は、ユーザの皮膚温度、パルス波形、呼吸数、心拍数、HRV、血中酸素濃度などを含み得るが、これらに限定されない。
【0039】
システム200は、リング104と通信するユーザデバイス106(例えば、スマートフォン)をさらに含む。例えば、リング104は、ユーザデバイス106とワイヤレスおよび/またはワイヤード通信し得る。いくつかの実装形態では、リング104は、測定および処理されたデータ(例えば、温度データ、フォトプレチスモグラム(PPG)データ、モーション/加速度計データ、リング入力データなど)をユーザデバイス106に送信し得る。ユーザデバイス106はまた、リング104ファームウェア/構成更新などのデータをリング104に送信し得る。ユーザデバイス106は、データを処理し得る。いくつかの実装形態では、ユーザデバイス106は、処理および/または記憶のために、データをサーバ110に送信し得る。
【0040】
リング104は、ハウジング205を含み得、これは、内側ハウジング205-aおよび外側ハウジング205-bを含み得る。いくつかの態様では、リング104のハウジング205は、デバイス電子機器、電源(例えば、バッテリ210および/またはコンデンサ)、デバイス電子機器および/または電源を相互接続する1つまたは複数の基板(例えば、プリント可能回路基板)などを含むが、これらに限定されない、リングの様々な構成要素を記憶するか、または別の方法で含み得る。デバイス電子機器は、処理モジュール230-a、メモリ215、通信モジュール220-a、電力モジュール225などのデバイスモジュール(例えば、ハードウェア/ソフトウェア)を含み得る。デバイス電子機器はまた、1つまたは複数のセンサを含み得る。例示的なセンサは、1つまたは複数の温度センサ240、PPGセンサアセンブリ(例えば、PPGシステム235)、および1つまたは複数のモーションセンサ245を含み得る。
【0041】
センサは、リング104のそれぞれの構成要素/モジュールと通信し、それぞれのセンサに関連付けられた信号を生成するように構成された関連するモジュール(図示せず)を含み得る。いくつかの態様では、リング104の構成要素/モジュールの各々は、ワイヤード接続またはワイヤレス接続を介して互いに通信可能に結合され得る。さらに、リング104は、光センサ(例えば、LED)、オキシメータなどを含む、ユーザから生理学的データを収集するように構成された追加および/または代替のセンサまたは他の構成要素を含み得る。
【0042】
図2を参照して図示および説明されたリング104は、単に例示の目的で提供されている。そのため、リング104は、
図2に示されるような追加のまたは代替の構成要素を含み得る。本明細書で説明される機能性を提供する他のリング104が製造され得る。例えば、構成要素(例えば、センサ)がより少ないリング104が製造され得る。特定の例では、単一の温度センサ240(または他のセンサ)、電源、および単一の温度センサ240(または他のセンサ)を読み取るように構成されたデバイス電子機器を有するリング104が製造され得る。別の特定の例では、温度センサ240(または他のセンサ)は、(例えば、クランプ、ばね式クランプなどを使用して)ユーザの指に取り付けられ得る。この場合、センサは、温度センサ240(または他のセンサ)を読み取る手首着用型コンピューティングデバイスなどの別のコンピューティングデバイスに配線され得る。他の例では、追加のセンサおよび処理機能性を含むリング104が製造され得る。
【0043】
ハウジング205は、1つまたは複数のハウジング205の構成要素を含み得る。ハウジング205は、外側ハウジング205-b構成要素(例えば、シェル)および内側ハウジング205-a構成要素(例えば、成形品)を含み得る。ハウジング205は、
図2に明示的には示されていない追加の構成要素(例えば、追加の層)を含み得る。例えば、いくつかの実装形態では、リング104は、デバイス電子機器および他の導電材料(例えば、電気トレース)を外側ハウジング205-b(例えば、金属製の外側ハウジング205-b)から電気的に絶縁する、1つまたは複数の絶縁層を含み得る。ハウジング205は、デバイス電子機器、バッテリ210、基板(複数可)、および他の構成要素のための構造的支持を提供し得る。例えば、ハウジング205は、圧力および衝撃などの機械力から、デバイス電子機器、バッテリ210、および基板(複数可)を保護し得る。ハウジング205はまた、水および/または他の化学物質から、デバイス電子機器、バッテリ210、および基板(複数可)を保護し得る。
【0044】
外側ハウジング205-bは、1つまたは複数の材料から製造され得る。いくつかの実装形態では、外側ハウジング205-bは、比較的軽量で強度および耐摩耗性を提供し得るチタンなどの金属を含み得る。外側ハウジング205-bはまた、他の材料(例えば、ポリマー)から製造され得る。いくつかの実装形態では、外側ハウジング205-bは、保護的ならびに装飾的であり得る。
【0045】
内側ハウジング205-aは、ユーザの指とインターフェースするように構成され得る。内側ハウジング205-aは、ポリマー(例えば、医療グレードポリマー)または他の材料から形成され得る。いくつかの実装形態では、内側ハウジング205-aは透明であり得る。例えば、内側ハウジング205-aは、PPG発光ダイオード(LED)によって放出される光に対して透明であり得る。いくつかの実装形態では、内側ハウジング205-a構成要素は、外側ハウジング205-b上に成形され得る。例えば、内側ハウジング205-aは、外側ハウジング205-b金属シェル内に合うように成形(例えば、射出成形)されたポリマーを含み得る。
【0046】
リング104は、1つまたは複数の基板(図示せず)を含み得る。デバイス電子機器およびバッテリ210は、1つまたは複数の基板上に含まれ得る。例えば、デバイス電子機器およびバッテリ210は、1つまたは複数の基板上に搭載され得る。例示的な基板は、フレキシブルプリント回路基板(PCB)(例えば、ポリイミド)などの1つまたは複数のPCBを含み得る。いくつかの実装形態では、電子機器/バッテリ210は、フレキシブルPCB上に表面実装デバイス(例えば、表面実装技術(SMT)デバイス)を含み得る。いくつかの実装形態では、1つまたは複数の基板(例えば、1つまたは複数のフレキシブルPCB)は、デバイス電子機器間の電気通信を提供する電気トレースを含み得る。電気トレースはまた、バッテリ210をデバイス電子機器に接続し得る。
【0047】
デバイス電子機器、バッテリ210、および基板は、様々な方法でリング104内に配置され得る。いくつかの実装形態では、デバイス電子機器を含む1つの基板は、センサ(例えば、PPGシステム235、温度センサ240、モーションセンサ245、および他のセンサ)がユーザの指の内面とインターフェースするように、リング104の底部(例えば、下半分)に沿って搭載され得る。これらの実装形態では、バッテリ210は、リング104の上部に沿って(例えば、別の基板上に)含まれ得る。
【0048】
リング104の様々な構成要素/モジュールは、リング104に含まれ得る機能性(例えば、回路および他の構成要素)を表す。モジュールは、本明細書のモジュールに帰属する機能を生み出すことが可能なアナログおよび/またはデジタル回路を実装する、任意のディスクリートおよび/または集積電子回路構成要素を含み得る。例えば、モジュールは、アナログ回路(例えば、増幅回路、フィルタリング回路、アナログ/デジタル変換回路、および/または他の信号調整回路)を含み得る。モジュールはまた、デジタル回路(例えば、組み合わせ論理回路または順序論理回路、メモリ回路など)を含み得る。
【0049】
リング104のメモリ215(メモリモジュール)は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、不揮発性RAM(NVRAM)、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、または任意の他のメモリデバイスなど、任意の揮発性、不揮発性、磁気、または電気媒体を含み得る。メモリ215は、本明細書で説明されるデータのいずれかを記憶し得る。例えば、メモリ215は、それぞれのセンサおよびPPGシステム235によって収集されたデータ(例えば、モーションデータ、温度データ、PPGデータ)を記憶するように構成され得る。さらに、メモリ215は、1つまたは複数の処理回路によって実行されると、モジュールに、本明細書のモジュールに帰属する様々な機能を実行させる命令を含み得る。本明細書で説明されるリング104のデバイス電子機器は、例示的なデバイス電子機器にすぎない。そのため、デバイス電子機器を実装するために使用される電子構成要素のタイプは、設計考慮事項に基づいて変動し得る。
【0050】
本明細書で説明されるリング104のモジュールに帰属する機能は、1つまたは複数のプロセッサ、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組み合わせとして具現化され得る。モジュールとしての異なる特徴の描写は、異なる機能面を強調することを意図したものであり、そのようなモジュールが別個のハードウェア/ソフトウェア構成要素によって実現されなければならないことを必ずしも暗示するものではない。むしろ、1つまたは複数のモジュールに関連付けられた機能性は、別個のハードウェア/ソフトウェア構成要素によって実行されてもよいし、共通のハードウェア/ソフトウェア構成要素内に統合されてもよい。
【0051】
リング104の処理モジュール230-aは、1つまたは複数のプロセッサ(例えば、処理ユニット)、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ、システムオンチップ(SoC)、および/または他の処理デバイスを含み得る。処理モジュール230-aは、リング104に含まれるモジュールと通信する。例えば、処理モジュール230-aは、モジュールおよびセンサなどのリング104の他の構成要素に/からデータを送信/受信し得る。本明細書で説明されるように、モジュールは、様々な回路構成要素によって実装され得る。したがって、モジュールは、回路(例えば、通信回路および電力回路)とも呼ばれ得る。
【0052】
処理モジュール230-aは、メモリ215と通信し得る。メモリ215は、処理モジュール230-aによって実行されると、処理モジュール230-aに、本明細書において処理モジュール230-aに帰属する様々な機能を実行させるコンピュータ可読命令を含み得る。いくつかの実装形態では、処理モジュール230-a(例えば、マイクロコントローラ)は、通信モジュール220-aによって提供される通信機能性(例えば、統合されたBluetooth(登録商標)Low Energyトランシーバ)および/または追加のオンボードメモリ215などの、他のモジュールに関連付けられた追加の特徴を含み得る。
【0053】
通信モジュール220-aは、ユーザデバイス106(例えば、ユーザデバイス106の通信モジュール220-b)とのワイヤレスおよび/またはワイヤード通信を提供する回路を含み得る。いくつかの実装形態では、通信モジュール220-a、220-bは、Bluetooth(登録商標)回路および/またはWi-Fi回路などのワイヤレス通信回路を含み得る。いくつかの実装形態では、通信モジュール220-a、220-bは、ユニバーサルシリアルバス(USB)通信回路などのワイヤード通信回路を含むことができる。通信モジュール220-aを使用して、リング104およびユーザデバイス106は、互いに通信するように構成され得る。リングの処理モジュール230-aは、通信モジュール220-aを介してユーザデバイス106に/からデータを送信/受信するように構成され得る。例示的なデータは、限定ではないが、モーションデータ、温度データ、パルス波形、心拍数データ、HRVデータ、PPGデータ、およびステータス更新(例えば、充電ステータス、バッテリ充電レベル、および/またはリング104構成設定)を含み得る。リングの処理モジュール230-aはまた、ユーザデバイス106から更新(例えば、ソフトウェア/ファームウェア更新)およびデータを受信するように構成され得る。
【0054】
リング104は、バッテリ210(例えば、充電式バッテリ210)を含み得る。例示的なバッテリ210は、リチウムイオンまたはリチウムポリマータイプのバッテリ210を含み得るが、様々なバッテリ210の選択肢が可能である。バッテリ210は、ワイヤレス充電され得る。いくつかの実装形態では、リング104は、コンデンサなどのバッテリ210以外の電源を含み得る。電源(例えば、バッテリ210またはコンデンサ)は、リング104の湾曲に合致する湾曲した幾何学形状を有し得る。いくつかの態様では、充電器または他の電源は、リング104自体によって収集されたデータに加えて、またはそれを補完する、データを収集するために使用され得る、追加のセンサを含み得る。さらに、リング104のための充電器または他の電源は、ユーザデバイス106として機能し得、その場合、リング104のための充電器または他の電源は、リング104からデータを受信し、リング104から受信されたデータを記憶および/または処理し、リング104とサーバ110との間でデータを通信するように構成され得る。
【0055】
いくつかの態様では、リング104は、バッテリ210の充電を制御し得る電力モジュール225を含む。例えば、電力モジュール225は、リング104とインターフェースされたときにバッテリ210を充電する外部ワイヤレス充電器とインターフェースし得る。充電器は、104充電中にリング104との指定された向きを生むように、リング104の基準構造と嵌合する基準構造を含み得る。電力モジュール225はまた、デバイス電子機器の電圧(複数可)を調整し、デバイス電子機器に出力される電力を調整し、バッテリ210の充電状態を監視し得る。いくつかの実装形態では、バッテリ210は、高電流放電、104充電中の過電圧、および104放電中の不足電圧からバッテリ210を保護する保護回路モジュール(PCM)を含み得る。電力モジュール225はまた、静電放電(ESD)保護を含み得る。
【0056】
1つまたは複数の温度センサ240は、処理モジュール230-aに電気的に結合され得る。温度センサ240は、温度センサ240によって読み取られたまたは感知された温度を示す温度信号(例えば、温度データ)を生成するように構成され得る。処理モジュール230-aは、温度センサ240のロケーションにおけるユーザの温度を決定し得る。例えば、リング104において、温度センサ240によって生成された温度データは、ユーザの指におけるユーザの温度(例えば、皮膚温度)を示し得る。いくつかの実装形態では、温度センサ240は、ユーザの皮膚に接触し得る。他の実装形態では、ハウジング205の一部(例えば、内側ハウジング205-a)は、温度センサ240とユーザの皮膚との間にバリア(例えば、薄い熱伝導性バリア)を形成し得る。いくつかの実装形態では、ユーザの指に接触するように構成されたリング104の部分は、熱伝導性部分と熱絶縁性部分とを有し得る。熱伝導性部分は、ユーザの指から温度センサ240に熱を伝導し得る。熱絶縁性部分は、リング104の部分(例えば、温度センサ240)を周囲温度から絶縁し得る。
【0057】
いくつかの実装形態では、温度センサ240は、処理モジュール230-aが温度を決定するために使用し得るデジタル信号(例えば、温度データ)を生成し得る。別の例として、温度センサ240がパッシブセンサを含む場合、処理モジュール230-a(または温度センサ240モジュール)は、温度センサ240によって生成された電流/電圧を測定し、測定された電流/電圧に基づいて温度を決定し得る。例示的な温度センサ240は、負温度係数(NTC)サーミスタなどのサーミスタ、または抵抗器、トランジスタ、ダイオード、および/もしくは他の電気/電子構成要素を含む他のタイプのセンサを含み得る。
【0058】
処理モジュール230-aは、経時的にユーザの温度をサンプリングし得る。例えば、処理モジュール230-aは、サンプリングレートにしたがってユーザの温度をサンプリングし得る。例示的なサンプリングレートは、1サンプル/秒を含み得るが、処理モジュール230-aは、1サンプル/秒よりも高い/低い他のサンプリングレートで温度信号をサンプリングするように構成されてもよい。いくつかの実装形態では、処理モジュール230-aは、昼夜を通して連続的にユーザの温度をサンプリングし得る。1日を通して十分な速度(例えば、1サンプル/秒)でサンプリングすることにより、本明細書で説明される分析に十分な温度データが得られ得る。
【0059】
処理モジュール230-aは、サンプリングされた温度データをメモリ215に記憶し得る。いくつかの実装形態では、処理モジュール230-aは、サンプリングされた温度データを処理し得る。例えば、処理モジュール230-aは、ある期間にわたる平均温度値を決定し得る。一例では、処理モジュール230-aは、1分間に収集されたすべての温度値を合計し、その1分間のサンプルの数で割ることによって、平均温度値を毎分決定し得る。1サンプル/秒で温度がサンプリングされる特定の例では、平均温度は、1分間のすべてのサンプリングされた温度の合計を60秒で割ったものであり得る。メモリ215は、経時的に平均温度値を記憶し得る。いくつかの実装形態では、メモリ215は、メモリ215を節約するために、サンプリングされた温度の代わりに平均温度(例えば、1分あたり1つ)を記憶し得る。
【0060】
メモリ215に記憶され得るサンプリングレートは、構成可能であり得る。いくつかの実装形態では、サンプリングレートは、昼夜を通して同じであり得る。他の実装形態では、サンプリングレートは、昼夜を通して変更されてもよい。いくつかの実装形態では、リング104は、生理学的変化を示すものではない温度の大きなスパイク(例えば、熱いシャワーからの温度スパイク)などの温度読取り値をフィルタリング/拒否し得る。いくつかの実装形態では、リング104は、104運動中の過度の動き(例えば、モーションセンサ245によって示されるような)などの他の要因により信頼できない可能性がある温度読取り値をフィルタリング/拒否し得る。
【0061】
リング104(例えば、通信モジュール)は、サンプリングされたおよび/または平均の温度データを、記憶および/またはさらなる処理のためにユーザデバイス106に送信し得る。ユーザデバイス106は、サンプリングされたおよび/または平均の温度データを、記憶および/またはさらなる処理のためにサーバ110に転送し得る。
【0062】
リング104は、単一の温度センサ240を含むものとして示されているが、リング104は、ユーザの指の近くに内側ハウジング205-aに沿って配置されるなど、1つまたは複数のロケーションにおいて複数の温度センサ240を含み得る。いくつかの実装形態では、温度センサ240は、スタンドアロン温度センサ240であり得る。追加的または代替的に、1つまたは複数の温度センサ240は、加速度計および/またはプロセッサとともになど、他の構成要素とともに含まれてもよい(例えば、他の構成要素とともにパッケージ化されてもよい)。
【0063】
処理モジュール230-aは、単一の温度センサ240に関して説明されたものと同様の方法で、複数の温度センサ240からデータを取得し、処理し得る。例えば、処理モジュール230は、複数の温度センサ240の各々からの温度データを個別にサンプリングし、平均化し、記憶し得る。他の例では、処理モジュール230-aは、異なるレートでセンサをサンプリングし、異なるセンサについて異なる値を平均化/記憶し得る。いくつかの実装形態では、処理モジュール230-aは、指上の異なるロケーションにある2つ以上の温度センサ240によって決定された2つ以上の温度の平均に基づいて単一の温度を決定するように構成され得る。
【0064】
リング104上の温度センサ240は、ユーザの指(例えば、任意の指)における遠位温度を取得し得る。例えば、リング104上の1つまたは複数の温度センサ240は、指の下側から、または指上の異なるロケーションで、ユーザの温度を取得し得る。いくつかの実装形態では、リング104は、(例えば、サンプリングレートで)遠位温度を連続的に取得し得る。リング104によって指で測定される遠位温度が本明細書で説明されているが、他のデバイスが同じ/異なるロケーションで温度を測定してもよい。場合によっては、ユーザの指で測定された遠位温度は、ユーザの手首または他の外部身体ロケーションで測定される温度とは異なり得る。追加的に、ユーザの指で測定された遠位温度(例えば、「シェル」温度)は、ユーザの深部温度とは異なり得る。そのため、リング104は、身体の他の内部/外部ロケーションでは取得されない可能性がある有用な温度信号を提供し得る。場合によっては、指での連続温度測定は、深部温度では明らかにならない可能性がある温度変動(例えば、小さいまたは大きい変動)を捉え得る。例えば、指での連続温度測定は、身体の他の場所での他の温度測定によって提供されない可能性がある追加の洞察を提供する、分単位または時間単位の温度変動を捉え得る。
【0065】
リング104は、PPGシステム235を含み得る。PPGシステム235は、光を送信する1つまたは複数の光送信機を含み得る。PPGシステム235はまた、1つまたは複数の光送信機によって送信される光を受信する、1つまたは複数の光受信機を含み得る。光受信機は、光受信機によって受信された光の量を示す信号(以下では「PPG」信号)を生成し得る。光送信機は、ユーザの指の領域を照射し得る。PPGシステム235によって生成されたPPG信号は、照射領域における血液の灌流を示し得る。例えば、PPG信号は、ユーザの脈圧によって引き起こされる照射領域における血液量の変化を示し得る。処理モジュール230-aは、PPG信号をサンプリングし、PPG信号に基づいてユーザのパルス波形を決定する。処理モジュール230-aは、ユーザの呼吸数、心拍数、HRV、酸素飽和度、および他の循環パラメータなどの様々な生理学的パラメータをユーザのパルス波形に基づいて決定し得る。
【0066】
いくつかの実装形態では、PPGシステム235は、光受信機(複数可)がユーザの指の領域を通して反射された透過光を受信する反射型PPGシステム235として構成され得る。いくつかの実装形態では、PPGシステム235は、光がユーザの指の一部を通して光受信機(複数可)に直接送信されるように、光送信機(複数可)および光受信機(複数可)が互いに対向して配列される透過型PPGシステム235として構成され得る。
【0067】
PPGシステム235に含まれる送信機および受信機の数および比率は、変化し得る。例示的な光送信機は、発光ダイオード(LED)を含み得る。光送信機は、赤外線スペクトルおよび/または他のスペクトルの光を送信し得る。例示的な光受信機は、光センサ、フォトトランジスタ、および光ダイオードを含み得るが、これらに限定されない。光受信機は、光送信機から受信された波長に応答してPPG信号を生成するように構成され得る。送信機および受信機のロケーションは変化し得る。追加的に、単一のデバイスは、反射型および/または透過型PPGシステム235を含み得る。
【0068】
図2に示されるPPGシステム235は、いくつかの実装形態では、反射型PPGシステム235を含み得る。これらの実装形態では、PPGシステム235は、(例えば、リング104の底部において)中心に位置する光受信機と、光受信機の両側に位置する2つの光送信機とを含み得る。この実装形態では、PPGシステム235(例えば、光受信機)は、光送信機の一方または両方から受信された光に基づいてPPG信号を生成し得る。他の実装形態では、1つまたは複数の光送信機および/または光受信機の他の配置、組み合わせ、および/または構成が企図される。
【0069】
処理モジュール230-aは、光受信機によって生成されたPPG信号をサンプリングする間に光を送信するように光送信機の一方または両方を制御し得る。いくつかの実装形態では、処理モジュール230-aは、光受信機によって生成されたPPG信号をサンプリングする間に、より強い受信信号を持つ光送信機に、光を送信させ得る。例えば、選択された光送信機は、PPG信号がサンプリングレート(例えば、250Hz)でサンプリングされている間、光を連続的に放出し得る。
【0070】
PPGシステム235によって生成されたPPG信号をサンプリングすることで、「PPG」と呼ばれ得るパルス波形が得られ得る。パルス波形は、複数の心周期についての血圧対時間を示し得る。パルス波形は、心周期を示すピークを含み得る。追加的に、パルス波形は、呼吸数を決定するために使用され得る、呼吸誘発変動を含んでもよい。処理モジュール230-aは、いくつかの実装形態では、パルス波形をメモリ215に記憶し得る。処理モジュール230-aは、本明細書で説明されるユーザ生理学的パラメータを決定するために、生成されたときのおよび/またはメモリ215からのパルス波形を処理し得る。
【0071】
処理モジュール230-aは、パルス波形に基づいてユーザの心拍数を決定し得る。例えば、処理モジュール230-aは、パルス波形におけるピーク間の時間に基づいて心拍数(例えば、1分あたりの拍動数)を決定し得る。ピーク間の時間は、インタービート間隔(IBI)と呼ばれ得る。処理モジュール230-aは、決定された心拍数値およびIBI値をメモリ215に記憶し得る。
【0072】
処理モジュール230-aは、経時的にHRVを決定し得る。例えば、処理モジュール230-aは、IBlの変動に基づいてHRVを決定し得る。処理モジュール230-aは、経時的なHRV値をメモリ215に記憶し得る。さらに、処理モジュール230-aは、経時的にユーザの呼吸数を決定し得る。例えば、処理モジュール230-aは、ある期間にわたるユーザのIBI値の周波数変調、振幅変調、またはベースライン変調に基づいて、呼吸数を決定し得る。呼吸数は、1分あたりの呼吸数で、または別の呼吸数(例えば、30秒あたりの呼吸数)として計算され得る。処理モジュール230-aは、経時的なユーザ呼吸数値をメモリ215に記憶し得る。
【0073】
リング104は、1つまたは複数の加速度計(例えば、6D加速度計)および/または1つまたは複数のジャイロスコープ(ジャイロ)など、1つまたは複数のモーションセンサ245を含み得る。モーションセンサ245は、センサの動きを示すモーション信号を生成し得る。例えば、リング104は、加速度計の加速度を示す加速度信号を生成する1つまたは複数の加速度計を含み得る。別の例として、リング104は、角運動(例えば、角速度)および/または向きの変化を示すジャイロ信号を生成する1つまたは複数のジャイロセンサを含み得る。モーションセンサ245は、1つまたは複数のセンサパッケージに含まれ得る。例示的な加速度計/ジャイロセンサは、3つの垂直軸における角速度および加速度を測定し得るBosch BMl160慣性微小電気機械システム(MEMS)センサである。
【0074】
処理モジュール230-aは、サンプリングレート(例えば、50Hz)でモーション信号をサンプリングし、サンプリングされたモーション信号に基づいて、リング104の動きを決定し得る。例えば、処理モジュール230-aは、リング104の加速度を決定するために加速度信号をサンプリングし得る。別の例として、処理モジュール230-aは、角運動を決定するためにジャイロ信号をサンプリングし得る。いくつかの実装形態では、処理モジュール230-aは、モーションデータをメモリ215に記憶し得る。モーションデータは、サンプリングされたモーションデータ、ならびにサンプリングされたモーション信号(例えば、加速度および角度値)に基づいて計算されるモーションデータを含み得る。
【0075】
リング104は、本明細書で説明される様々なデータを記憶し得る。例えば、リング104は、生のサンプリングされた温度データおよび計算された温度データ(例えば、平均温度)などの温度データを記憶し得る。別の例として、リング104は、パルス波形およびパルス波形に基づいて計算されたデータ(例えば、心拍数値、IBI値、HRV値、および呼吸数値)などのPPG信号データを記憶し得る。リング104はまた、直線運動および角運動を示すサンプリングされたモーションデータなどのモーションデータを記憶し得る。
【0076】
リング104または他のコンピューティングデバイスは、サンプリングされた/計算された生理学的データに基づいて追加の値を計算し、記憶し得る。例えば、処理モジュール230は、睡眠メトリック(例えば、睡眠スコア)、活動メトリック、およびレディネスメトリックなどの様々なメトリックを計算し、記憶し得る。いくつかの実装形態では、追加の値/メトリックは、「導出値」と呼ばれ得る。リング104または他のコンピューティング/ウェアラブルデバイスは、動きに関して様々な値/メトリックを計算し得る。モーションデータについての例示的な導出された値は、動きカウント値、規則性値、強度値、代謝当量値(MET:metabolic equivalence of task)、および配向値(orientation value)を含み得るが、これらに限定されない。動きカウント、規則性値、強度値、およびMETは、経時的なユーザの動きの量(例えば、速度/加速度)を示し得る。配向値は、リング104がユーザの指上でどのように方向付けられているか、およびリング104が左手に着用されているか右手に着用されているかを示し得る。
【0077】
いくつかの実装形態では、動きカウントおよび規則性値は、1つまたは複数の期間(例えば、30秒から1分の1つまたは複数の期間)内の加速度ピークの数をカウントすることによって決定され得る。強度値は、動きの数および動きの関連強度(例えば、加速度値)を示し得る。強度値は、関連する閾値加速度値に応じて、低、中、および高に分類され得る。METは、ある期間(例えば、30秒)の間の動きの強度、動きの規則性/不規則性、および異なる強度に関連付けられた動きの数に基づいて決定され得る。
【0078】
いくつかの実装形態では、処理モジュール230-aは、メモリ215に記憶されたデータを圧縮し得る。例えば、処理モジュール230-aは、サンプリングされたデータに基づいて計算を行った後、サンプリングされたデータを削除し得る。別の例として、処理モジュール230-aは、記憶される値の数を減らすために、より長い期間にわたってデータを平均化し得る。特定の例では、1分間のユーザの平均温度がメモリ215に記憶されている場合、処理モジュール230-aは、記憶のために5分間の期間にわたって平均温度を計算し、その後、1分間の平均温度データを消去し得る。処理モジュール230-aは、使用される/利用可能なメモリ215の総量および/またはリング104が最後にデータをユーザデバイス106に送信してからの経過時間などの様々な要因に基づいて、データを圧縮し得る。
【0079】
ユーザの生理学的パラメータは、リング104上に含まれるセンサによって測定され得るが、他のデバイスが、ユーザの生理学的パラメータを測定してもよい。例えば、ユーザの温度は、リング104に含まれる温度センサ240によって測定されてもよく、他のデバイスがユーザの温度を測定してもよい。いくつかの例では、他のウェアラブルデバイス(例えば、手首デバイス)は、ユーザの生理学的パラメータを測定するセンサを含み得る。追加的に、外部医療デバイス(例えば、ウェアラブル医療デバイス)および/または埋め込み型医療デバイスなどの医療デバイスがユーザの生理学的パラメータを測定してもよい。任意のタイプのコンピューティングデバイス上の1つまたは複数のセンサが、本明細書で説明される技法を実装するために使用され得る。
【0080】
生理学的測定は、日中および/または夜間を通して連続的に行われ得る。いくつかの実装形態では、生理学的測定は、日中の部分および/または夜間の部分の間104に行われ得る。いくつかの実装形態では、生理学的測定は、ユーザが、活動状態、安静状態、および/または睡眠状態などの特定の状態にあるとの決定に応答して行われ得る。例えば、リング104は、よりクリーンな生理学的信号を取得するために、安静/睡眠状態で生理学的測定を行うことができる。一例では、リング104または他のデバイス/システムは、ユーザが安静にしているときおよび/または睡眠しているときを検出し、その検出された状態に対する生理学的パラメータ(例えば、温度)を取得し得る。デバイス/システムは、本開示の技法を実装するために、ユーザが他の状態にあるとき、安静/睡眠生理学的データおよび/または他のデータを使用し得る。
【0081】
いくつかの実装形態では、本明細書で前に説明したように、リング104は、データを収集、記憶、および/または処理するように構成され得、記憶および/または処理のために、本明細書で説明されるデータのいずれかをユーザデバイス106に転送し得る。いくつかの態様では、ユーザデバイス106は、ウェアラブルアプリケーション250、オペレーティングシステム(OS)、ウェブブラウザアプリケーション(例えば、ウェブブラウザ280)、1つまたは複数の追加のアプリケーション、およびGUI275を含む。ユーザデバイス106は、センサ、オーディオデバイス、触覚フィードバックデバイスなどを含む他のモジュールおよび構成要素をさらに含み得る。ウェアラブルアプリケーション250は、ユーザデバイス106上にインストールされ得るアプリケーション(例えば、「アプリ」)の例を含み得る。ウェアラブルアプリケーション250は、本明細書で説明されるように、リング104からデータを取得し、取得したデータを記憶し、取得したデータを処理するように構成され得る。例えば、ウェアラブルアプリケーション250は、ユーザインターフェース(UI)モジュール255、取得モジュール260、処理モジュール230-b、通信モジュール220-b、アプリケーションデータを記憶するように構成された記憶モジュール(例えば、データベース265)を含み得る。
【0082】
本明細書で説明される様々なデータ処理動作は、リング104、ユーザデバイス106、サーバ110、またはそれらの任意の組み合わせによって実行され得る。例えば、場合によっては、リング104によって収集されたデータは、事前処理され、ユーザデバイス106に送信され得る。この例では、ユーザデバイス106は、受信したデータに対していくつかのデータ処理動作を実行し得るか、データ処理のためにデータをサーバ110に送信し得るか、または両方を実行し得る。例えば、場合によっては、ユーザデバイス106は、比較的低い処理能力を必要とする処理動作および/または比較的低いレイテンシを必要とする動作を実行してもよいし、一方で、ユーザデバイス106は、比較的高い処理能力を必要とする処理動作および/または比較的高いレイテンシを許容し得る動作のためにサーバ110にデータを送信してもよい。
【0083】
いくつかの態様では、システム200のリング104、ユーザデバイス106、およびサーバ110は、ユーザの睡眠パターンを評価するように構成され得る。特に、システム200のそれぞれの構成要素は、リング104を介してユーザからデータを収集し、収集されたデータに基づいてユーザの1つまたは複数のスコア(例えば、睡眠スコア、レディネススコア)を生成するために使用され得る。例えば、本明細書で前述したように、システム200のリング104は、温度、心拍数、HRVなどを含むデータをユーザから収集するためにユーザによって着用され得る。リング104によって収集されたデータは、所与の「睡眠日」に対するユーザの睡眠を評価するために、ユーザが眠っているときを決定するために使用され得る。いくつかの態様では、スコアは、第1の睡眠日がスコアの第1のセットに関連付けられ、第2の睡眠日がスコアの第2のセットに関連付けられるように、それぞれの睡眠日ごとにユーザについて計算され得る。スコアは、それぞれの睡眠日の間にリング104によって収集されたデータに基づいて、それぞれの睡眠日ごとに計算され得る。スコアは、睡眠スコア、レディネススコアなどを含み得るが、これらに限定されない。
【0084】
場合によっては、「睡眠日」は、所与の睡眠日がそれぞれの暦日の午前0時から午前0時までとなるように、従来の暦日と一致し得る。他の場合では、睡眠日は、暦日に対してオフセットされてもよい。例えば、睡眠日は、暦日の6:00pm(18:00)から次の暦日の6:00pm(18:00)までであってもよい。この例では、6:00pmは、「カットオフ時間」として機能し得、6:00pmの前にユーザから収集されたデータは、現在の睡眠日にカウントされ、6:00pmの後にユーザから収集されたデータは、次の睡眠日にカウントされる。ほとんどの個人は夜に最もよく眠るという事実により、暦日に対して睡眠日をオフセットすることで、システム200は、ユーザの睡眠スケジュールと一致するような方法でユーザの睡眠パターンを評価することができる。場合によっては、ユーザは、暦日に対して睡眠日のタイミングを(例えば、GUIを介して)選択的に調整することが可能であり得、それにより、それぞれのユーザが通常睡眠する持続時間と睡眠日を一致させることができる。
【0085】
いくつかの実装形態では、それぞれの日のユーザの各総合スコア(例えば、睡眠スコア、レディネススコア)は、1つまたは複数の「誘因(contributor)」、「要因(factor)」、または「寄与因子(contributing factor)」に基づいて決定/計算され得る。例えば、ユーザの総合的な睡眠スコアは、総睡眠、効率、安らぎ度、レム睡眠、深い睡眠、レイテンシ、タイミング、またはそれらの任意の組み合わせを含む誘因のセットに基づいて計算され得る。睡眠スコアは、任意の数の誘因を含み得る。「総睡眠」誘因は、睡眠日のすべての睡眠期間の合計を指し得る。「効率」誘因は、ベッドにいる間の起きている時間と比較して眠っている時間の割合を反映し得、各睡眠期間の持続時間によって重み付けされて、睡眠日の長い睡眠期間(例えば、主睡眠期間)の効率平均を使用して計算され得る。「安らぎ度」誘因は、ユーザの睡眠がどの程度安らいでいるかを示し得、各期間の持続時間によって重み付けされて、睡眠日のすべての睡眠期間の平均を使用して計算され得る。安らぎ度の誘因は、「覚醒カウント」(例えば、異なる睡眠期間中に検出されたすべての覚醒(ユーザが目覚めたとき)の合計)、過剰な動き、および「起床カウント(go up count)」(例えば、異なる睡眠期間中に検出されたすべての覚醒(ユーザがベッドから出るとき)の合計)に基づき得る。
【0086】
「レム睡眠」誘因は、レム睡眠を含む睡眠日のすべての睡眠期間にわたるレム睡眠持続時間の合計を指し得る。同様に、「深い睡眠」誘因は、深い睡眠を含む睡眠日のすべての睡眠期間にわたる深い睡眠持続時間の合計を指し得る。「レイテンシ」誘因は、ユーザが眠りにつくまでにかかる時間(例えば、平均、中央値、最長)を表し得、各期間の持続時間およびそのような期間の数によって重み付けされて、睡眠日を通した長い睡眠期間の平均を使用して計算され得る(例えば、所与の1つまたは複数の睡眠段階の統合は、それ自体の誘因であってもよいし、他の誘因を重み付けしてもよい)。最後に、「タイミング」誘因は、睡眠日および/または暦日内の睡眠期間の相対的なタイミングを指し得、各期間の持続時間によって重み付けされて、睡眠日のすべての睡眠期間の平均を使用して計算し得る。
【0087】
別の例として、ユーザの全体的なレディネススコアは、睡眠、睡眠バランス、心拍数、HRVバランス、回復指数、温度、活動、活動バランス、またはそれらの任意の組み合わせを含む誘因のセットに基づいて計算され得る。レディネススコアは、任意の数の誘因を含み得る。「睡眠」誘因は、睡眠日内のすべての睡眠期間の組み合わされた睡眠スコアを指し得る。「睡眠バランス」誘因は、睡眠日内のすべての睡眠期間の累積持続時間を指し得る。特に、睡眠バランスは、ユーザがある期間の持続時間(例えば、過去2週間)にわたってとっていた睡眠がユーザのニーズとバランスがとれているかをユーザに示し得る。典型的には、成人が、健康で、常に注意を払い、精神的にも身体的にも最高の能力を発揮するためには、一晩に7~9時間の睡眠を必要とする。しかしながら、時折よく眠れない日があるのは普通のことであり、そのため、睡眠バランス誘因は、各ユーザの睡眠ニーズが満たされているかどうかを決定するために、長期的な睡眠パターンを考慮する。「安静時心拍数」誘因は、睡眠日の最長睡眠期間(例えば、主睡眠期間)からの最低心拍数、および/または主睡眠期間後に発生する一睡(nap)からの最低心拍数を示し得る。
【0088】
続けて、レディネススコアという「誘因」(例えば、要因、寄与因子)を参照すると、「HRVバランス」誘因は、主睡眠期間および主睡眠期間の後に起こる一睡からの最高HRV平均を示し得る。HRVバランス誘因は、第1の期間(例えば、2週間)にわたるユーザのHRV傾向を、ある第2のより長い期間(例えば、3ヶ月)にわたる平均HRVと比較することによって、ユーザがユーザの回復状態を追跡するのに役立ち得る。「回復指数」誘因は、最長睡眠期間に基づいて計算され得る。回復指数は、ユーザの安静時心拍数が夜間に安定するのにかかる時間を測定する。非常に良好な回復の徴候は、ユーザの安静時心拍数が、夜の前半の間で、ユーザが目を覚ます少なくとも6時間前に安定し、翌日のために身体を回復させる時間を残していることである。「体温」誘因は、最長睡眠期間(例えば、主睡眠期間)に基づいて、または一睡中のユーザの最も高い体温が最長期間中の最も高い体温よりも少なくとも0.5℃高い場合は、最長睡眠期間後に起こる一睡に基づいて計算され得る。いくつかの態様では、リングは、ユーザが眠っている間ユーザの体温を測定し得、システム200は、ユーザのベースライン体温に対するユーザの平均体温を表示し得る。ユーザの体温が正常範囲外(例えば、0.0より明らかに上または下)である場合、体温誘因は、強調表示される(例えば、「注意(Pay attention)」状態に進む)か、または別の方法でユーザに対するアラートを生成し得る。
【0089】
いくつかの態様では、システム200は、月経周期追跡のための技法をサポートし得る。具体的には、システム200のそれぞれの構成要素を使用して、経時的なユーザの温度を表す時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別し得る。ユーザの月経周期フェーズは、システム200のリング104上の温度センサを活用することによって予測され得る。場合によっては、月経周期フェーズは、経時的なユーザの温度を表す時系列の負勾配などの1つまたは複数の形態学的特徴を識別し、時系列の形態学的特徴に対応する1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することによって推定され得る。月経周期フェーズは、月経の段階、卵巣周期の段階、子宮周期の段階、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0090】
例えば、本明細書で前述したように、システム200のリング104は、温度、心拍数、呼吸データなどを含むデータをユーザから収集するために、ユーザによって着用され得る。システム200のリング104は、ユーザベースの温度センサおよび動脈血流から抽出された測定値から生理学的データを収集し得る。生理学的データは、連続的に収集され得る。いくつかの実装形態では、処理モジュール230-aは、昼夜を通して連続的にユーザの温度をサンプリングし得る。日中および/または夜間を通して十分な速度(例えば、1サンプル/秒)でサンプリングすることにより、本明細書で説明される分析に十分な温度データが得られ得る。いくつかの実装形態では、リング104は、(例えば、あるサンプリングレートで)温度データを連続的に取得し得る。いくつかの例では、温度が連続的に収集される場合であっても、システム200は、それが収集したかまたは他の方法で導出したユーザについての他の情報(例えば、睡眠段階、活動レベル、病気の発現など)を活用して、基礎をなす生理学的現象の正確な表現である特定の日の代表的な温度を選択し得る。対照的に、ユーザが毎日手動で自分の体温を測る必要があるシステム、および/または体温を連続的に測定するがユーザについての任意の他のコンテキスト情報を欠いているシステムは、ユーザの月経周期予測に対して不正確なまたは一貫性のない温度値を選択する可能性があり、不正確な予測およびユーザ経験の低下につながる。対照的に、リング104によって収集されたデータは、ユーザが、月経の初日、排卵の初日、または月経、排卵、および子宮周期を通じて任意の日をいつ経験するかを正確に決定するために使用され得る。識別された月経周期フェーズおよび関連する技法は、
図3を参照してさらに示され、説明される。
【0091】
図3は、本開示の態様による、月経周期追跡をサポートするシステム300の一例を示す。システム300は、システム100、システム200、または両方を実装してもよいし、それらによって実装されてもよい。特に、システム300は、
図1を参照して説明したように、リング104(例えば、ウェアラブルデバイス104)、ユーザデバイス106、およびサーバ110の例を示す。
【0092】
リング305は、温度データ320、心拍数データ325、および呼吸データ330を取得し得る。そのような場合、リング305は、温度データ320、心拍数データ325、および呼吸データ330をユーザデバイス310に送信し得る。温度データ320は、連続夜間温度データ、連続日中温度データ、または両方を含み得る。場合によっては、複数のデバイスが生理学的データを取得し得る。例えば、第1のコンピューティングデバイス(例えば、ユーザデバイス310)および第2のコンピューティングデバイス(例えば、リング305)は、温度データ320、心拍数データ325、呼吸データ330、またはそれらの組み合わせを取得し得る。
【0093】
例えば、リング305は、ユーザ温度データ320、呼吸数データ330、心拍数データ325、HRV、電気皮膚反応、血中酸素飽和度、アクティグラフィー、および/または他のユーザ生理学的データなどのユーザ生理学的データを取得し得る。リング305は、さらなる処理のために、モバイルデバイス(例えば、ユーザデバイス310)などの別のコンピューティングデバイスにデータを送信し得る。例えば、ユーザデバイス310は、受信したデータに基づいて、月経/卵巣/子宮周期追跡データを決定し得る。場合によっては、システム300は、温度データ320、呼吸数データ330、心拍数データ325、HRV、電気皮膚反応、血中酸素飽和度、活動、睡眠アーキテクチャ、またはそれらの組み合わせに基づいて、月経周期追跡データを決定し得る。システムは、リング305およびユーザデバイス310によって実装され得るが、本明細書で説明されるコンピューティングデバイスの任意の組み合わせが、システム300に帰属する特徴を実装してもよい。
【0094】
ユーザデバイス310は、リングアプリケーション335を含み得る。リングアプリケーション335は、少なくともモジュール340およびアプリケーションデータ345を含み得る。場合によっては、アプリケーションデータ345は、ユーザの履歴温度パターンおよび他のデータを含み得る。他のデータは、温度データ320、心拍数データ325、呼吸データ330、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0095】
リングアプリケーション335は、識別された月経周期フェーズをユーザに提示し得る。リングアプリケーション335は、データ処理を実行し得るアプリケーションデータ処理モジュールを含み得る。例えば、アプリケーションデータ処理モジュールは、システム300に帰属する機能を提供するモジュール340を含み得る。例示的なモジュール340は、日次温度決定モジュール、時系列処理モジュール、および月経周期モジュールを含み得る。日次温度決定モジュールは、日次温度値を(例えば、日中および/または夜間を通して連続的に収集された一連の温度値から当該日の代表的な温度値を選択することによって)決定し得る。時系列処理モジュールは、時系列データを処理して、月経周期開始イベント(例えば、月経周期フェーズ)を検出することができる。月経周期モジュールは、処理された時系列データに基づいて、月経周期フェーズ(例えば、生理開始イベント、月経周期の段階、卵巣周期、および子宮周期、またはそれらの組み合わせ)を識別し得る。リングアプリケーション335は、取得された温度データ、他の生理学的データ、および周期追跡データ(例えば、イベントデータ)などのアプリケーションデータ345を記憶し得る。
【0096】
場合によっては、システム300は、ユーザ生理学的データ(例えば、温度データ)320および/またはモーションデータに基づいて、周期追跡データ(例えば、月経周期フェーズ)を生成し得る。周期追跡データは、分析期間(例えば、数週間/数ヶ月の期間)にわたって取得されたユーザ温度データ(例えば、日次温度データ320)に基づいて決定され得る生理開始データ(例えば、月経周期フェーズ370)を含み得る。例えば、システム300は、ユーザに関連付けられた生理学的データをウェアラブルデバイス(例えば、リング305)から受信し得る。生理学的データは、少なくとも温度データ320、心拍数データ325、呼吸データ330、またはそれらの組み合わせを含み得る。例えば、システム300は、分析期間(例えば、複数の日)にわたってユーザ生理学的データを取得する。そのような場合、システム300は、分析期間にわたってユーザ生理学的データを取得し、処理して、ユーザ生理学的データの1つまたは複数の時系列350を生成し得る。
【0097】
場合によっては、システム300は、分析期間にわたって毎日のユーザ温度データ320を取得し得る。例えば、システム300は、各日について単一の温度値を計算し得る。システム300は、日中/夜間に複数の温度値355を取得し、取得された温度値355を処理して、単一の日次温度値を決定し得る。いくつかの実装形態では、システム300は、受信した温度データ320に少なくとも部分的に基づいて、複数の日にわたって取得された複数の温度値355の時系列350を決定し得る。図示の例では、時系列350は、10月から4月までの範囲の複数の日を含み得る。時系列350は、本明細書で説明されるように、複数の温度値355、月経周期フェーズ370(例えば、縦の破線)、およびユーザの少なくとも周期長375を含み得る。場合によっては、時系列350は、黄体期の長さ、卵胞期の長さ、排卵期の長さ、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0098】
場合によっては、システム300は、分析期間にわたって時系列350(例えば、時系列データ)を分析して、月経周期フェーズ370(例えば、ほぼ毎月のフェーズ)を含み得る月経周期追跡データを決定し得る。分析期間(例えば、数週間または数ヶ月)にわたる複数の温度値355は、処理され得る温度値355の時系列350を形成し得る。場合によっては、システムは、日次温度値355の時系列350を処理して、月経周期フェーズ370を示し得る温度値355の変化を識別し得る。
【0099】
いくつかの例では、システム300は、リング305によって取得された夜間温度に基づいて、分析期間にわたる日次温度値355の時系列350を決定し得る。システム300は、時系列データの導関数を決定し得る。例えば、システムは、時系列350を決定することに基づいて、複数の温度値355の時系列350の1つまたは複数の形態学的特徴360を識別し得る。時系列350は、ユーザの複数の月経周期(例えば、月経周期の周期長375および/または月経周期フェーズ370を含む)を含み得る。場合によっては、システム300は、時系列350を処理して、時系列350のデータを平滑化し得る(例えば、ローリング平均を使用して)。
【0100】
システム300は、時間制約(例えば、勾配360間の合計時間)を受ける時系列350における最大負勾配(例えば、最も急な勾配)365のうちの1つまたは複数を識別し得る。例えば、システム300は、1つまたは複数の形態学的特徴360を識別することに基づいて、複数の温度値355の時系列350の1つまたは複数の最大負勾配365を識別し得る。そのような場合、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズ370は、最大負勾配365に関連付けられる。例えば、システム300は、時系列350中の生理開始(例えば月経周期フェーズ370)を、最大負勾配(例えば、最も急な下向きの勾配)365として、識別し得る。このように、システム300は、時系列350中の月経周期フェーズ370を、形態学的特徴360に関連付けられた時系列350中の場所として識別し得る。
【0101】
場合によっては、システム300は、月経周期フェーズ370を識別し、それに応答して、生理開始日(例えば、月経開始日)を識別し得る。いくつかの例では、システム300は、月経周期フェーズ370を識別し、それに応答して、月経周期フェーズ370を識別することに基づいて、排卵開始日、排卵の長さ、子宮周期の長さ、卵胞期の長さ、黄体期の長さ、またはそれらの組み合わせを識別し得る。
【0102】
システム300は、時系列350の1つまたは複数の形態学的特徴360を識別することに基づいて、時系列350中の1つまたは複数の月経周期フェーズ370を識別し得る。そのような場合、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズ370は、時系列350中の形態学的特徴360に関連付けられる。システム300は、温度の変化に基づいて時系列350についての月経周期追跡データを決定し得る。例えば、システム300は、温度値355の時系列350における温度勾配(例えば、温度低下)に基づいて、月経周期フェーズ370を識別し得る。システム300は、温度上昇(例えば、正勾配)、ユーザの温度ベースラインからの温度偏差、または両方に基づいて、月経周期フェーズ370を識別し得る。
【0103】
いくつかの実装形態では、システム300は、受信した心拍数データ325が複数の日の少なくとも一部分について閾値を満たすと決定し得る。そのような場合、システム300は、受信した心拍数データ325が閾値を満たすと決定することに基づいて、時系列350中の1つまたは複数の月経周期フェーズ370を識別し得る。いくつかの例では、システム300は、受信した呼吸数データ330が複数の日の少なくとも一部について閾値を満たすと決定し得る。そのような場合、システム300は、受信した呼吸数データ330が閾値を満たすと決定することに基づいて、時系列350中の1つまたは複数の月経周期フェーズ370を識別し得る。閾値は、ユーザのベースライン(例えば、心拍数ベースライン、呼吸数ベースラインなど)の一例であり得る。
【0104】
システム300は、ユーザデバイス310のGUIに、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズ370を表示させ得る。場合によっては、システム300は、GUIに、時系列350を表示させ得る。システム300は、月経周期追跡データ出力を生成し得る。例えば、システム300は、生理学的データ(例えば、温度データ320)、タグ付けされたイベント、および/または
図7を参照して本明細書で説明される他のGUI要素を含む追跡GUIを生成し得る。そのような場合、システム300は、月経周期追跡GUIにおいて月経周期フェーズ370をレンダリングし得る。
【0105】
いくつかの実装形態では、リングアプリケーション335は、識別された月経周期フェーズをユーザに通知し、および/または活動GUI内で様々なタスクを実行するようにユーザを促し得る。例えば、通知は、最近識別された月経周期フェーズ370をユーザに通知し得る。いくつかの例では、プロンプトは、ユーザによる確認を要求し得る。通知およびプロンプトは、テキスト、グラフィックス、および/または他のユーザインターフェース要素を含み得る。通知およびプロンプトは、識別されたばかりの月経周期フェーズ370があるときなどに、リングアプリケーション335に含まれ得、リングアプリケーション335は、通知およびプロンプトを表示し得る。ユーザデバイス310は、通知およびプロンプトを、ホーム画面上の別個のウィンドウに、および/または他の画面上にオーバーレイして(例えば、ホーム画面の最上部に)表示し得る。場合によっては、ユーザデバイス310は、モバイルデバイス、ユーザの腕時計型デバイス、または両方に通知およびプロンプトを表示し得る。
【0106】
いくつかの実装形態では、ユーザデバイス310は、履歴ユーザデータを記憶し得る。場合によっては、履歴ユーザデータは、履歴データ380を含み得る。履歴データ380は、ユーザの履歴温度パターン、ユーザの履歴心拍数パターン、ユーザの履歴呼吸数パターン、ユーザの履歴月経周期フェーズ(例えば、周期長、月経開始日、排卵長など)、またはそれらの組み合わせを含み得る。履歴データ380は、ユーザの睡眠期間の一部を選択すること、ユーザの温度値を決定すること、月経周期フェーズを識別すること、またはそれらの組み合わせを行うために(例えば、ユーザデバイス310またはサーバ315によって)使用され得る。履歴データ380は、サーバ315によって使用され得る。履歴データ380を使用することにより、ユーザデバイス310および/またはサーバ315は、ユーザの履歴データ380を考慮に入れることでGUIをパーソナライズすることができる。
【0107】
そのような場合、ユーザデバイス310は、履歴データ380をサーバ315に送信し得る。場合によっては、送信された履歴データ380は、リングアプリケーション335に記憶された同じ履歴データであり得る。他の例では、履歴データ380は、リングアプリケーション335に記憶された履歴データとは異なり得る。サーバ315は、履歴データ380を受信し得る。サーバ315は、履歴データ380をサーバデータ385に記憶し得る。
【0108】
いくつかの実装形態では、ユーザデバイス310および/またはサーバ315はまた、ユーザ情報の一例であり得る他のデータを記憶し得る。ユーザ情報は、限定ではないが、ユーザの年齢、体重、身長、および性別を含み得る。いくつかの実装形態では、ユーザ情報は、月経周期フェーズを識別するための特徴として使用され得る。サーバデータ385は、ユーザ情報などの他のデータを含み得る。
【0109】
図4は、本開示の態様による、月経周期追跡をサポートするタイミング
図400の一例を示す。タイミング
図400は、システム100、システム200、システム300、またはそれらの組み合わせの態様を実装してもよいし、それらによって実装されてもよい。例えば、いくつかの実装形態では、タイミング
図400は、
図2に示すように、ユーザデバイス106のGUI275を介してユーザに表示され得る。
【0110】
本明細書にさらに詳細に説明されるように、システムは、月経、排卵周期、および子宮周期を含む、月経周期を追跡するように構成され得る。場合によっては、昼夜を通したユーザの中核体温パターンは、月経周期のフェーズを特徴付け得る指標であり得る。例えば、日中および夜間の皮膚温度により月経周期フェーズが識別され得る。このように、タイミング
図400-aは、(例えば、複数の日および/または月にわたる)ユーザの温度データと時間との間の関係を示す。この点に関して、タイミング
図400-aに示されている実線の曲線は、「温度値405」を指すと理解され得る。ユーザの温度値405は、ベースライン温度に対するものであってもよい。
【0111】
場合によっては、システム(例えば、リング104、ユーザデバイス106、サーバ110)は、ユーザに関連付けられた生理学的データをウェアラブルデバイスから受信し得る。生理学的データは、少なくとも温度データを含み得る。システムは、受信した温度データに基づいて、複数の日にわたって取得された複数の温度値405の時系列を決定し得る。タイミング
図400-aを参照すると、複数の日が7ヶ月の例であり得る。システムは、元の時系列温度データ(例えば、温度値405)を処理して、ユーザが3段階の月経周期のどの段階(例えば、月経、卵巣、子宮)に現在いるかを決定し得る。そのような場合、時系列は、ユーザの複数の月経周期を含み得る。
【0112】
温度値405は、ウェアラブルデバイスによって連続的に収集され得る。生理学的測定は、日中および/または夜間を通して連続的に行われ得る。例えば、いくつかの実装形態では、リングは、各日/睡眠日の全体を通して、1つまたは複数の測定周期性にしたがって、生理学的データ(例えば、温度データ、睡眠データ、心拍数、METデータなど)を連続的に取得するように構成され得る。言い換えると、リングは、そのような測定を実行するための「トリガ条件」に関係なく、ユーザから生理学的データを連続的に取得し得る。場合によっては、指での連続温度測定は、深部温度では明らかにならない可能性がある温度変動(例えば、小さいまたは大きい変動)を捉え得る。例えば、指での連続温度測定は、身体の他の場所での他の温度測定によって、またはユーザが1日に1回温度を手動で測定していた場合に提供されない可能性がある追加の洞察を提供する、分単位または時間単位の温度変動を捉え得る。
【0113】
場合によっては、システムは、時系列を決定した後に、複数の温度値405の時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別し得る。システムは、時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することに応答して、温度値405の時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別し得る。例えば、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、温度値405の時系列中の形態学的特徴に関連付けられる。
【0114】
場合によっては、システムは、リングを介して収集されたユーザの温度値405の時系列を決定した後に、ユーザの温度の最大値および/または最小値を決定、または推定し得る。システムは、最大値および/または最小値を決定することに基づいて、複数の温度値405の時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別し得る。場合によっては、最大値と最小値との間の差を計算することによって、形態学的特徴(例えば、勾配)を決定し得る。他の例では、複数の温度値405の時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することは、元の時系列温度データ(例えば、温度値405)の導関数を計算することに応答し得る。
【0115】
タイミング
図400-bは、(例えば、複数の日および/または月にわたる)ユーザの温度データと時間との間の関係を示す。この点に関して、タイミング
図400-bに示されている実線の曲線は、「微分温度値(derivative temperature value)410」を指すと理解され得る。タイミング
図400-bを参照すると、複数の日が7ヶ月の例であり得る。
【0116】
システムは、温度値405の元のデータの一次導関数を決定し得る。例えば、システムは、複数の温度値405の時系列の導関数を計算し得る。複数の温度値405の時系列の計算された導関数は、微分温度値410の一例であり得る。場合によっては、システムは、時系列の導関数(例えば、微分温度値410)の1つもしくは複数の極大値(local maximum)または1つもしくは複数の極小値(local minimum)を識別し得る。そのような場合、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、時系列の導関数の1つもしくは複数の極大値または1つもしくは複数の極小値に関連付けられ得る。温度値405の勾配は、微分温度値410に対応し得る(例えば、その一例であり得る)。
【0117】
タイミング
図400-cは、(例えば、複数の日および/または月にわたる)ユーザの温度データと時間との間の関係を示す。この点に関して、タイミング
図400-cに示されている実線の曲線は、「平均微分温度値415」を指すと理解され得る。タイミング
図400-cを参照すると、複数の日が7ヶ月の例であり得る。
【0118】
システムは、5日間のローリング平均をとることによって、微分温度値410のデータを平滑化し得る。場合によっては、システムは、平均微分温度値415の1つもしくは複数の極大値または1つもしくは複数の極小値420を識別し得る。そのような場合、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、平均微分温度値415の1つもしくは複数の極大値または1つもしくは複数の極小値に関連付けられ得る。温度値405の勾配は、平均微分温度値415に対応し得る(例えば、その一例であり得る)。
【0119】
タイミング
図400-dは、(例えば、複数の日および/または月にわたる)ユーザの温度データと時間との間の関係を示す。この点に関して、タイミング
図400-dに示されている実線の曲線は、「反転された温度値425」を指すと理解され得る。この点に関して、タイミング
図400-dに示されている縦の破線は、「月経周期フェーズ435」を指すと理解され得る。ユーザの温度データは、ベースライン温度に対するものであってもよい。タイミング
図400-dを参照すると、複数の日が7ヶ月の例であり得る。
【0120】
システムは、21日を超える距離内のピークを見つけるためにデータを反転させ得る。ピークは、生理開始日(例えば、月経周期フェーズ)として識別され得る。例えば、システムは、時系列の導関数を計算することに応答して、複数の温度の時系列の導関数(例えば、微分温度値410および/または平均微分温度値415)を反転させ得る。システムは、時系列の反転された導関数(例えば、反転された温度データ425)の1つまたは複数の極大値430を識別し得る。そのような場合、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズ435は、時系列の反転された導関数(例えば、反転された温度データ425)の1つまたは複数の極大値430に関連付けられ得る。
【0121】
図5は、本開示の態様による、月経周期追跡をサポートするタイミング
図500の一例を示す。タイミング
図500は、システム100、システム200、システム300、またはそれらの組み合わせの態様を実装してもよいし、それらによって実装されてもよい。例えば、いくつかの実装形態では、タイミング
図500は、
図2に示すように、ユーザデバイス106のGUI275を介してユーザに表示され得る。
【0122】
いくつかの実装形態では、システムは、睡眠期間の特定のフェーズからユーザ温度を取得して、周期的パターンを精緻化し、月経周期に沿った特定の点をより高い精度で検出することを可能にし、または生殖能力、生殖老化、閉経周辺期移行、およびホルモンもしくは行動療法と関連するカテゴリにユーザをセグメント化し得る。例えば、タイミング
図500に関して、システムは、主要な夜間温度傾向偏差変数を決定し得る。そのような場合、システムは、周期的な月経パターンを決定し得る。
【0123】
本明細書でさらに詳細に説明されるように、システムは、月経周期を追跡し、ユーザが経験している月経周期のフェーズ(例えば、月経、排卵、または子宮周期)を識別するように構成され得る。場合によっては、夜間を通したユーザの中核体温パターンは、月経周期を特徴付け得る指標であり得る。例えば、夜間の皮膚温度により月経周期フェーズを識別し得る。このように、タイミング
図500-aは、ユーザの温度データと時間(例えば、一晩および/または複数の日にわたる)との間の関係を示す。この点に関して、タイミング
図500-aに示されている実線の曲線は、「温度値505」を指すと理解され得る。
【0124】
場合によっては、システム(例えば、リング104、ユーザデバイス106、サーバ110)は、ユーザに関連付けられた生理学的データをウェアラブルデバイスから受信し得る。生理学的データは、少なくとも連続夜間温度データを含み得る。システムは、受信した連続夜間温度データに基づいて、複数の日にわたって取得された複数の温度値505の時系列を決定し得る。タイミング
図500-aを参照すると、時間期間は、一晩の間の睡眠期間であり得る。
【0125】
温度値505は、ウェアラブルデバイスによって連続的に収集され得る。生理学的測定は、夜間を通して連続的に行われ得る。例えば、いくつかの実装形態では、リングは、各睡眠日の全体を通して、1つまたは複数の測定周期性にしたがって、生理学的データ(例えば、温度データ、睡眠データ、心拍数、METデータなど)を連続的に取得するように構成され得る。言い換えると、リングは、そのような測定を実行するための「トリガ条件」に関係なく、ユーザから生理学的データを連続的に取得し得る。場合によっては、指での連続温度測定は、深部温度では明らかにならない可能性がある温度変動(例えば、小さいまたは大きい変動)を捉え得る。例えば、指での連続温度測定は、身体の他の場所での他の温度測定によって、またはユーザが1日に1回温度を手動で測定していた場合に提供されない可能性がある追加の洞察を提供する、分単位または時間単位の温度変動を捉え得る。
【0126】
システムは、複数の温度値505の時系列を決定することに基づいて、ユーザの睡眠期間を識別し得る。システムは、睡眠期間全体を通して温度値505の1つまたは複数の極大値510を識別し得る。場合によっては、システムは、温度データを受信したことに応答して、複数の温度値505の各温度値を決定し得る。そのような場合、温度データは、連続夜間温度データを含み得る。他の例では、温度データは、連続日中温度データを含み得る。
【0127】
タイミング
図500-bは、(例えば、一晩および/または複数の日にわたる)ユーザの温度データと時間との間の関係を示す。この点に関して、タイミング
図500-bに示されている実線の曲線は、「初期温度値515」を指すと理解され得る。タイミング
図500-bを参照すると、時間期間は、睡眠期間の一部あり得る。例えば、睡眠期間の一部は、ユーザの睡眠の最初の110~210分であり得る。
【0128】
システムは、ユーザの睡眠期間の一部を選択し得る。そのような場合、システムは、睡眠期間の初期温度値515を含む睡眠期間の第1の部分を選択し得る。場合によっては、複数の温度値の時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することは、睡眠期間の第1の部分を選択することに基づき得る。いくつかの例では、システムは、ユーザの履歴温度パターンに基づいてユーザの睡眠期間の一部を選択し得る。そのような場合、複数の温度値の各温度値を決定することは、睡眠期間の一部を選択することに基づき得る。システムは、睡眠期間の第1の部分を通して初期温度値515の1つまたは複数の極大値520を識別し得る。このようにして、システムは、その温度値についてのコンテキストを提供するユーザについての他の情報を活用することによって、特定の日についての代表的な温度を選択することが可能であり得(例えば、代表的な温度値は、睡眠の初期フェーズ、または睡眠の後期フェーズ、または特定の睡眠段階などから選択される)、これは、そのような追加のコンテキスト情報を欠き、1日全体についての最大または平均温度を単に盲目的に選択するシステムに勝る利点である。
【0129】
タイミング
図500-cは、(例えば、一晩および/または複数の日にわたる)ユーザの温度データと時間との間の関係を示す。この点に関して、タイミング
図500-cに示されている実線の曲線は、「後期温度値525」を指すと理解され得る。タイミング
図500-cを参照すると、時間期間は、睡眠期間の一部であり得る。例えば、睡眠期間の一部は、ユーザの睡眠の最後の110~210分であり得る。
【0130】
システムは、ユーザの睡眠期間の一部を選択し得る。そのような場合、システムは、睡眠期間の後期温度値525を含む睡眠期間の第2の部分を選択し得る。場合によっては、複数の温度値の時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することは、睡眠期間の第2の部分を選択することに基づき得る。いくつかの例では、システムは、ユーザの履歴温度パターンに基づいてユーザの睡眠期間の一部を選択し得る。そのような場合、複数の後期温度値の各温度値を決定することは、睡眠期間の一部を選択することに基づき得る。システムは、睡眠期間の第2の部分を通して後期温度値525の1つまたは複数の極大値530を識別し得る。
【0131】
タイミング
図500-bは、夕方(the early portion of the evening)(入眠後の最初の110~210分)から得られた第2の最大または高分位点(例えば、99分位点)をプロットし得る。対照的に、タイミング
図500-aおよびタイミング
図500-cは、温度が低下するにつれて発生する時々のより小さいピークを含み得る。温度のピークおよび最大降下を見つけることがシステム内の検出アルゴリズムのための特徴になり得るので、ホルモンおよび概日リズムが異なる広範囲のユーザにわたって規模で最良の精度を得ることは、睡眠期間の異なる部分から温度を測ることによって強化され得る。より小さいピーク(例えば、極大値510、520、530)は、覚醒応答を動機付け、卵巣および生殖器系に入力を送るのに役立つ交感神経媒介性内臓神経パルスに対応し得るので、システムによる周期検出のための生理学的に関連する特徴であり得る。
【0132】
いくつかの実装形態では、システムは、(信号処理ステップの後に)30分間隔ごとに極大値510、520、530温度を測り、次いで、それらの30分平均値の第2の最大値を抽出し得る。場合によっては、最高温度(例えば、極大値520)は、睡眠の初期部分(例えば、最初の110~210分)に発生し得る。他の例では、最高温度(例えば、極大値530)は、夜遅く(the later portion of the evening)に発生し得る。入眠後の最初の110~210分(例えば、初期温度値515)または覚醒前の最後の110~210分(例えば、後期温度値525)における99%分位点または第2の最大温度を抽出することによって、システムは、より粒度の細かい情報を取得し得る。
【0133】
睡眠期間の一部を選択することに基づいて粒度の細かい情報を取得することで、所与のユーザ(例えば、夕方のみに最も高い温度を有する傾向があるユーザ)に最も適したメトリックを使用することによってパーソナライゼーションが可能になり得る。粒度の細かい情報を取得することで、正確な生殖医療も可能になり得る。明らかな周期の間に、より誇張されたより小さな隆起(例えば、極大値)を有するユーザは、それらの黄体サージに差がある可能性がある。後期温度値525を使用してより小さいピーク(例えば、極大値530)を定量化することは、妊娠可能期間を予測するのに役立ち得る。また、粒度の細かい情報を取得することで、年齢および産児制限または外因性ホルモン作用における実質的な可変性を予測することができ、大規模な一般化が可能になり得る。例えば、プロゲステロン治療は、夜間にわたって温度を上昇させ、周期(cycling)を鈍らせ得る。
【0134】
場合によっては、システムは、睡眠の初期部分または睡眠の後期部分から温度メトリックを抽出するときに異なる温度値を取得し得る。場合によっては、睡眠の初期部分の間、タイミング
図500-bを参照して説明したように、ユーザの初期温度値515は、月経周期を検出する能力を駆動し得る第1の睡眠周期(例えば、最初の110分)における熱のパターンを含み得る。そのような場合、ユーザは、高い初期温度値515を経験し得る。いくつかの実装形態では、システムは、睡眠期間の初期部分(例えば、就寝時刻に対して)にわたる統計的分布のユーザの最大値、2番目の最大値、または高分位点をとることによって、この熱のパターンを検出し得る。いくつかの実装形態では、システムは、最も高い平均の初期温度値515を伴う夜間を通した半時間の期間を見つけ、夕方に最大が発生するのがどのユーザであるかを決定することによって、この熱のパターンを検出し得る。
【0135】
場合によっては、月経周期および温度パターンは、ユーザごとに異なり得る。温度パターンの差(例えば、全体的な熱、相対的な高温および低温のタイミング、ならびにウルトラディアンリズム)を使用して、ユーザのサブグループを識別し、システムをパーソナライズ(例えば、日次温度の決定をパーソナライズ)し得る。
【0136】
いくつかの実装形態では、システムは、温度の統計的分布または早期睡眠期間から後期睡眠期間までの温度の変化の勾配に基づく特徴を採用することによって、温度データを取り込み得る。いくつかの実装形態では、アルゴリズムは、特徴のタイミングをクロノロジカル時間に基づかせることができる。いくつかの例では、タイミングは、特定の夜のユーザの就寝時刻、およびレム睡眠、ノンレム睡眠、または深い睡眠などの検出される異なる睡眠段階のタイミングに固定され得る。いくつかの実装形態では、システムは、夜間の温度のウルトラディアンリズムを抽出し、アルゴリズムをパーソナライズするための特徴として、ピークタイミング、顕著性、幅、および他の信号処理特徴を使用し得る。
【0137】
場合によっては、温度データは、閉経周辺期移行を経験しているユーザ(例えば、45~55歳のユーザ)については異なり得る。閉経周辺期は、女性の生殖過程の最終段階を表し得、したがって、周期検出とは別個のものではなく、年齢に伴うその生殖軌道の最終段階である。システムは、月経周期の不規則性の検出を可能にすることができ、これは、周期長の分布、または標準偏差もしくは四分位範囲などの分散の尺度によって定量化され得る。加齢に伴う周期不規則性は、卵巣予備能の低下、抗ミュラー管ホルモン(AMH)レベルの低下、卵胞刺激ホルモン(FSH)レベルの上昇、および/または卵胞の質の低下(不妊治療の成功の予測因子)に関連付けられ得る。そのような場合、システムは、睡眠期間の初期部分に集中する典型的な高温の喪失を識別し得る。
【0138】
いくつかの実装形態では、システムは、ユーザの生殖健康に関連するパーソナライズされた情報をユーザに提供するために、潜在的に年齢別の基準と比較して、ユーザに対する周期長および不規則性に関連するメトリックを決定し得る。いくつかの実装形態では、システムは、子宮腔内授精(IUI)、体外受精(IVF)、またはホルモン補充療法(HRT)プロトコルなどのある種類の不妊治療/閉経周辺期治療、あるいは就寝時刻前のメラトニン、CBD、またはHRVバイオフィードバックの使用およびタイミングなどの行動介入から利益を享受する可能性がより高くあり得るユーザを分類するために、年齢調整された短縮周期長、規則性、および/または一般的なパターン化に関連するメトリックを使用し得る。
【0139】
システムは、本明細書で説明される特徴を実装するために、様々なモデルおよびアルゴリズムを実装し得る。例えば、システムは、精密医療/パーソナライズされた洞察のために、ニューラルネットワーク、画像分析、プロスペクティブ予測アルゴリズム、および/またはサブグループ検出およびクラスタリングを実装し得る。いくつかの実装形態では、システムは、代替アルゴリズムを使用して、月経周期のタイミングを検出し得る。例えば、システムは、ヒートマップを取得し、ヒートマップを畳み込みネットワーク(CNN)、オートエンコーダ、または画像分析に適した様々なディープラーニング手法に供給し、次いで、後続の特徴を時系列検出モデルに供給し得る。
【0140】
いくつかの実装形態では、システムは、ユーザの次の生理開始日を予測するために、温度分布、そのウルトラディアンリズム、または就寝時刻、睡眠段階、もしくは睡眠のフェーズ(早期、後期など)に対するそのタイミングなどの様々な温度特徴を使用し得る。いくつかの実装形態では、システムは、ユーザをサブグループにクラスタ化するために様々な温度特徴を使用し得る。例えば、システムは、ユーザをサブグループに割り当てるために、因子分析、主構成要素、K平均、K最近傍、または凝集クラスタリングなどの様々な機械学習クラスタリングアルゴリズムを適用し得る。サブグループは、リングアプリケーションにおけるパーソナライズされた洞察のための基礎を提供し得る。例えば、システムは、異なる種類の産児制限を使用するユーザ、早期卵巣老化または子宮内膜症のような様々な生殖関連状態を伴うユーザを検出すること、または月経または卵巣周期に対する薬物療法の影響を検出することが可能であり得る。
【0141】
いくつかの実装形態では、システムは、温度と組み合わせられた他の信号を使用し得る。例えば、システムは、様々な他のセンサおよび信号からの情報を組み合わせて、ユーザの周期のフェーズ、または様々な周期関連イベントのタイミングの検出または予測を改善し得る。一例では、システムは、とりわけ、PPG信号またはアクティグラフィーセンサおよび活動検出からの特徴または周波数抽出を含み得る。いくつかの実装形態では、システムは、HRV特徴を使用し得る。例えば、様々な心拍数およびHRV特徴が、PPGから導出され得、これは、周期検出において有用であり得る。システムは、連続する間隔間の二乗平均平方根差(RMSSD)、高周波数(HF)、低周波数(LF)、超低周波数(VLF)、および呼吸数周波数(PPG信号におけるRR間隔と区別するための呼吸数を表すBR)などの様々なHRV周波数帯域および特徴を抽出し得る。システムは、夜間の適切な間隔(例えば、HFに対して約1分、LFに対して約5分、など)にわたって測定された所与の周波数範囲におけるピーク電力を抽出し得る。システムは、これらの周波数ベースの特徴を使用して、周期フェーズ検出または予測アルゴリズムを強化し得る。いくつかの実装形態では、システムは、周期フェーズ検出または予測アルゴリズムを強化するために、様々なHRV特徴の周期的パターンと温度周期との間のコヒーレンスを抽出し得る。
【0142】
場合によっては、RMSSD HRV信号、または睡眠中の温度とのRMSSDのコヒーレンスは、周期間変動性を検出または予測するのを助けるためにシステムに対して使用される追加の特徴であり得る。睡眠中の高温とのRMSSDのコヒーレンスにおける明確なピークは、エストラジオール、黄体形成ホルモン(LH)、または卵胞刺激ホルモン(FSH)のピークに対応し得、これらは、排卵のタイミングを識別すること、周期不規則性を理解すること、受精成功を予測すること、および生殖老化を理解することに関連する。いくつかの実装形態では、PPGから導出されるHRVのHF構成要素およびその最低値(nadir)は、生殖器系への副交感神経入力の離脱を反映し得、これは、生理開始に先行するエストラジオールおよび/またはプロゲステロンの降下のマーカとしての役割を果たすか、またはそれと相関し得る。したがって、HF、LF、RMSSD、VLF、呼吸数、または他のHRV尺度の周期性に関連する、時間または周波数領域における特徴は、後続の生理開始時間および月経または卵巣周期の他の関連フェーズの検出または予測に寄与し得る。
【0143】
図6は、本開示の態様による、月経周期追跡をサポートするタイミング
図600の一例を示す。タイミング
図600は、システム100、システム200、システム300、またはそれらの組み合わせの態様を実装してもよいし、それらによって実装されてもよい。例えば、いくつかの実装形態では、タイミング
図600は、
図2に示すように、ユーザデバイス106のGUI275を介してユーザに表示され得る。
【0144】
システムは、追加/代替の時系列形態に基づいて月経/卵巣/子宮イベントを追跡し得る。いくつかの実装形態では、システムは、主要な温度ピーク間で時々発生し、周期フェーズ識別に対する追加の関連性を有する可能性がある2次ピーク(例えば、より小さい隆起)またはより低い極大値を識別し得る。例えば、タイミング
図600を参照すると、不規則な周期を有するユーザの場合、システムは、ユーザの中央値、平均、または典型的な周期長よりも短いおよび長い月経周期長を検出または予測するために、温度時系列の形態学的特徴を使用し得る。いくつかの例では、システムは、月経周期フェーズ610に続く温度のより低い極大値620(より鋭い隆起)をシステムが識別したときに、ユーザに警告し得る。より低い極大値620の識別は、次の生理開始日が通常よりも早く到来する可能性があることを示し得る(例えば、26および27日周期)。
【0145】
他の例では、月経周期フェーズ610に続く温度値605において長く平坦に見えるより低い極大値625(例えば、より平坦な隆起)のとき、システムは、次の生理開始日が通常よりも遅く到来する可能性があることをユーザに警告し得る(例えば、41~34日周期)。より低い極大値620または625はまた、夜の特定の時間(例えば、早期睡眠期間対後期睡眠期間)から導出された温度特徴によって検出され得る。例えば、睡眠後期の高温は、睡眠初期の高温よりも低い極大値620または月経開始後の二次ピークを含み得る。
【0146】
夜遅く、内臓神経系は、概日リズムに影響を与え、生殖器系および体温調節系を調節するのに役立つ交感神経パルスを送り得る。エストロゲンの離脱は、月経周期の間に発生し得、高齢のユーザでより顕著であり得、ノルアドレナリン作動性シグナル伝達およびセロトニン作動性シグナル伝達を変化させ得る。システムは、月経/卵巣周期の異なるフェーズを検出および予測するための特徴または代理バイオマーカのセットを提供するために、周期の過程にわたって温度値605の顕著性、幅、タイミング、または他の形態学的特性を使用し得る。例えば、月経周期フェーズ610の後の2~5日間により低い極大値620または625を示す温度曲線は、睡眠期間の後期でも検出可能であり、より不規則な周期を予測するための用途を有する代理マーカを提供し得る。そのような形態学的特徴は、体温調節系、交感神経系、および生殖器系の協調を反映し得、それによって、これらの系の欠損に関連付けられた生殖健康疾患または状態の代理マーカとしての役割を果たすことができ、これを使用して生殖健康を分析し得る。
【0147】
いくつかの実装形態では、システムは、月経周期内の他のイベント(例えば、月経周期フェーズ610以外)を検出し得る。例えば、後期の睡眠期間において顕著なより低い極大値620または625は、期間の長さ(例えば、周期長615)、妊娠可能期間内の周期間変動、LHサージのタイミング、および/または排卵のタイミングを定量化することに関連し得る。場合によっては、より低い極大値620または625は、温度値605において検出されるように、生理(例えば、月経周期フェーズ610)の開始直後に続くより低い極大値620としてタイミング
図600において見られ得るFSHの変動性と相関し得る。
【0148】
例えば、システムは、複数の温度値605の時系列を決定することに応答して、追加の月経周期イベントを識別し得る。そのような場合、システムは、複数の温度値605の時系列、心拍数データ、呼吸数データ、または両方に基づいて、複数の日の間の卵巣周期イベントを識別し得る。システムは、複数の温度値605の時系列、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズ610、またはその両方に基づいて、ユーザが月経の初日を経験する将来の月経周期フェーズ610を推定し得る。場合によっては、システムは、前の月経周期フェーズ610後の複数の温度値605の時系列の形態に基づいて、ユーザの現在の月経周期の長さ(例えば、周期長615)を推定し得る。
【0149】
いくつかの実装形態では、システムは、温度ベースの生理開始時系列と組み合わされた、ユーザによって報告された生理日(例えば、リングアプリケーション内で収集される)を使用して、個々のユーザに関する周期不規則性のメトリックを生成し得る。例えば、システムは、標準偏差、四分位範囲、分布の広がり、尖度/歪度パラメータ、分散係数、行列プロファイルベースの不規則性、および推定生理開始日の時系列の絶対値または二乗差などの分布の統計的または機械学習定量化を使用して、不規則性のメトリックを計算し得る。場合によっては、温度周期の不規則性は、ユーザの生殖周期が閉経周辺期移行に入りつつあるかまたは近づきつつあることを示す有力な(likely)バイオマーカであり得る。
【0150】
ユーザによって報告された生理日は、識別されたおよび/または予測された月経周期フェーズ610とオーバーレイされ得る。システムは、ユーザによって識別された実際の月経周期フェーズに基づいて妥当性確認および改善され得る。例えば、追跡アルゴリズムは、ユーザの実際の生理開始がシステムの推定開始とどの程度一致するか、またはユーザの排卵がシステムの推定排卵とどの程度一致するかに基づいて、個々のユーザに対してパーソナライズされ得る。場合によっては、実際の生理開始および/または排卵は、推定された開始から0~3日以内であり得る。
【0151】
図7は、本開示の態様による、月経周期追跡をサポートするGUI700の一例を示す。GUI700は、システム100、システム200、システム300、タイミング
図400、タイミング
図500、タイミング
図600、またはそれらの任意の組み合わせの態様を実装してもよいし、それらによって実装されてもよい。例えば、GUI700は、ユーザ102に対応するユーザデバイス106(例えば、ユーザデバイス106-a、106-b、106-c)のGUI275の一例であり得る。
【0152】
いくつかの例では、GUI700は、GUI700(例えば、
図2に示されるGUI275)を介してユーザに表示され得る一連のアプリケーションページ705を示す。システムのサーバは、ユーザデバイス(例えば、モバイルデバイス)のGUI700に、ユーザが生理モードを起動し、(例えば、アプリケーションページ705を介して)ユーザの月経周期を追跡することを望むかどうかの問い合わせを表示させ得る。そのような場合、システムは、コンテキストタグおよびユーザ質問に基づいて月経周期フェーズを識別するために、ユーザデバイスのGUI700上にパーソナライズされた周期追跡体験を生成し得る。
【0153】
上記の例を続けると、月経周期フェーズを識別する前に、ユーザは、ウェアラブルアプリケーションを開くとアプリケーションページが提示され得る。アプリケーションページ705は、生理モード、排卵モードなどを起動し、システムが月経周期を追跡することを可能にする要求を表示し得る。そのような場合、アプリケーションページ705は、月経周期追跡アプリケーションに登録するようにユーザを招待する招待カードを表示し得る。アプリケーションページ705は、月経周期を追跡し得るかどうかを検証するため、または月経周期を追跡しない場合、メッセージを却下するために、ユーザにプロンプトを表示し得る。
【0154】
場合によっては、ユーザが履歴データ(例えば、少なくとも60暦日分の温度データ)を有さない場合、システムは、システムが月経周期フェーズを識別し得るまで、および/または将来の月経周期フェーズを予測し得るまで、カレンダー法を利用し得る。システムは、ユーザが月経周期の追跡をオプトインすることを選択するか、または月経周期の追跡をオプトアウトすることを選択するかの指示を受信し得る。
【0155】
ユーザは、月経周期を追跡するために「はい」を選択すると、アプリケーションページ705が提示され得る。アプリケーションページ705は、周期を追跡する主な理由(例えば、生理、排卵、妊娠など)を検証するために、ユーザにプロンプトを表示し得る。そのような場合、アプリケーションページ705は、月経周期を追跡する意図を確認するようにユーザに促し得る。例えば、システムは、ユーザデバイスを介して、月経追跡システムの意図された使用の確認を受信し得る。
【0156】
場合によっては、ユーザは、意図を確認すると、アプリケーションページ705が提示され得る。アプリケーションページ705は、平均周期長(例えば、第1の月経周期の初日から第2の月経周期の初日までの持続時間)を検証するために、ユーザにプロンプトを表示し得る。場合によっては、アプリケーションページ705は、平均周期長を決定することができない不規則な周期をユーザが経験しているかどうかを示すために、ユーザにプロンプトを表示し得る。例えば、システムは、ユーザデバイスを介して、平均周期長の確認を受信し得る。
【0157】
ユーザは、平均周期長または不規則な周期を入力すると、アプリケーションページ705が提示され得る。アプリケーションページ705は、最後の周期開始日(例えば、直近の月経周期の初日)を検証するために、ユーザにプロンプトを表示し得る。アプリケーションページ705は、ユーザが最後の周期開始日を識別することができない可能性があるかどうかを示すために、ユーザにプロンプトを表示し得る。例えば、システムは、ユーザデバイスを介して、最後の周期開始日の確認を受信し得る。
【0158】
場合によっては、ユーザは、最後の周期開始日を確認すると、アプリケーションページ705が提示され得る。アプリケーションページは、ユーザがホルモン避妊薬を使用しているかどうかを検証するために、ユーザにプロンプトを表示し得る。例えば、システムは、ユーザデバイスを介して、ホルモン避妊薬が使用されているかどうかの確認を受信し得る。ホルモン避妊薬が使用されていないことを確認すると、ユーザは、アプリケーションページ705-aおよび/またはアプリケーションページ705-bを参照してさらに示され、説明され得る、GUI700が提示され得る。
【0159】
システムのサーバは、ユーザデバイス(例えば、モバイルデバイス)のGUI700に、(例えば、アプリケーションページ705-aまたは705-bを介して)識別された月経周期フェーズの指示を表示させ得る。そのような場合、システムは、ユーザが月経、排卵などの初日を経験していること、または月経、排卵などの初日を以前に経験したことを示すために、ユーザデバイスのGUI700上に識別された月経周期フェーズを出力し得る。
【0160】
上記の例を続けると、1つまたは複数の月経周期フェーズを識別すると、ユーザは、ウェアラブルアプリケーションを開くとアプリケーションページ705-aが提示され得る。
図7に示すように、アプリケーションページ705-aは、メッセージ720を介して1つまたは複数の月経周期フェーズが識別されたという指示を表示し得る。そのような場合、アプリケーションページ705-aは、ホームページ上にメッセージ720を含み得る。本明細書で説明されるように、ユーザの月経周期フェーズが識別され得る場合、サーバは、メッセージ720をユーザに送信し得、メッセージ720は、ユーザの識別された月経周期フェーズに関連付けられる。
【0161】
例えば、ユーザは、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズが発生した時刻、将来の月経周期フェーズと前の月経周期フェーズとの間の持続時間、将来の月経周期フェーズが発生すると予測される時間間隔などを示し得るメッセージ720を受信し得る。例えば、メッセージ720は、生理が、明日、5~7日後に開始する可能性が高いことを示し得るか、または予測された生理開始日の日付(例えば、予測された生理開始日は8月28日)もしくは予測された生理開始日の日付範囲(例えば、予測された生理開始日4月27~29日)を示し得る。そのような場合、範囲は、予測された生理開始日の日と予測された開始日の前後の日とを含み得る。いくつかの例では、メッセージ720は、ユーザが現在排卵しているか、または所与の日付範囲で排卵すると予測されることを示し得る。メッセージ720は、本明細書で前に説明したように、ユーザが、識別された月経周期フェーズに基づいて異なるメッセージ720を受信し得るように、構成可能/カスタマイズ可能であり得る。
【0162】
図7に示すように、アプリケーションページ705-aは、アラート710を介して、識別された月経周期フェーズの指示を表示し得る。ユーザは、識別された月経周期フェーズが発生したかどうかを検証するようにユーザを促し得るアラート710を受信し得、または識別された月経周期フェーズが発生していない場合、アラート710を却下し得る。そのような場合、アプリケーションページ705-aは、識別された月経周期フェーズを確認または却下する(例えば、システムが月経周期フェーズを正しく識別したかどうかを確認/拒否する)ようにユーザに促し得る。例えば、システムは、月経周期フェーズを識別することに応答して、ユーザデバイスを介して、識別された月経周期フェーズの確認を受信し得る。追加的に、いくつかの実装形態では、アプリケーションページ705-aは、それぞれの日についてユーザのための1つまたは複数のスコア(例えば、睡眠スコア、レディネススコアなど)を表示し得る。
【0163】
アプリケーションページ705は、識別された月経周期フェーズが記録されたことを示す「識別された月経周期フェーズ確認カード」などの生理カードまたは排卵カードを表示し得る。いくつかの実装形態では、識別された月経周期フェーズが有効であることを確認すると、月経周期フェーズは、それぞれの暦日に対するユーザの活動ログに記録/ログ記録され得る。さらに、場合によっては、月経周期フェーズは、ユーザに関連付けられた1つまたは複数のスコア(例えば、睡眠スコア、レディネススコアなど)を更新(例えば、修正)するために使用され得る。すなわち、識別された月経周期フェーズに関連付けられたデータを使用して、月経周期フェーズが確認された次の暦日に対するユーザのスコアを更新し得る。
【0164】
場合によっては、レディネススコアは、識別された月経周期フェーズに基づいて更新され得る。例えば、識別された月経周期フェーズの前に体温が上昇すると、システムは、アラート710を介して、ユーザの身体信号(例えば、体温の上昇)についてユーザに警告し得る。そのような場合、レディネススコアは、月経周期のフェーズに基づいて「注意を払う」こと(例えば、識別された月経周期フェーズが近づいていること)をユーザに示し得る。レディネススコアがユーザに対して変化した場合、システムは、周期の症状がディン国であり得るユーザに対して周期回復モードを実施し得、数日間の調整された活動およびレディネスガイダンスから利益を得ることができる。他の例では、レディネススコアは、睡眠スコアおよび体温の上昇に基づいて更新され得る。しかしながら、システムは、ユーザが月経期間を経験していると決定し得、月経周期の影響を相殺するためにレディネススコアおよび/または睡眠スコアを調整(例えば、増加)し得る。
【0165】
場合によっては、ユーザデバイスのGUI700を介してユーザに表示されるメッセージ720は、識別された月経周期フェーズが全体的なスコア(例えば、全体的なレディネススコア)および/または個々の寄与因子にどのように影響を与えたかを示し得る。例えば、メッセージは、「今、身体に負担がかかっているようですが、調子が悪くないようであれば、軽めの運動や中強度の運動を行って、身体が症状に対処するのを助けましょう」または「回復指標からは、あなたの身体は大丈夫そうなので、何らかの軽めの運動を行って、症状を緩和しましょう。明日には良くなっているといいですね。」を示し得る。識別された月経周期フェーズのタイミング/持続時間が最適でなかった場合、メッセージ720は、ユーザの総体的な健康を改善するためにユーザに提案を提供し得る。例えば、メッセージは、「実際にやる気がでないと感じているのであれば、今日は休憩モードに切り替えてみてはいかがですか」または「生理痛および頭痛があるのですから、今日は安静にしていてください」を示し得る。そのような場合、ユーザに表示されるメッセージ720は、月経周期の一部の間(例えば、月経、排卵、または子宮周期の間)にユーザがライフスタイルを調整するのを助けるために、ターゲットを絞った洞察を提供し得る。
【0166】
身体信号(例えば、体温、心拍数、HRVなど)が月経周期のフェーズに反応し得るユーザの場合、システムは、識別された月経周期フェーズ周辺に低活動目標を表示し得る。そのような場合、月経周期フェーズを正確に識別することで、レディネススコアおよび活動スコアの精度および効率が高まり得る。場合によっては、システムは、月経周期の一部の間に、アスリートおよび他のユーザに、トレーニングの洞察および推奨を提供し得る(すなわち、周期の前半の間には高い強度のワークアウトを提案し、周期の後半の間にはより低い強度のワークアウトを提案する)。
【0167】
ユーザがアプリケーションページ705-a上のプロンプト(例えば、アラート710)を却下した場合、プロンプトは消えてもよく、ユーザは、後でユーザ入力725を介して、生理の初日、排卵などの指示を入力し得る。例えば、ユーザの生理が予測された生理開始日の後に発生する場合、システムは、予測された数日の範囲の間、毎日メッセージ720を表示し得る。ユーザの生理が予測された数日の範囲の間に発生しない場合、システムは、生理が発生したときに、ユーザ入力725を介して、生理開始日を入力するようにユーザに促し得る。場合によっては、システムは、メッセージ720を介して、ユーザが妊娠しているかどうかをユーザに尋ねるプロンプトを表示し得るか、または代替モード(例えば、妊娠モード)への切り替えまたは生理モードもしくは排卵モードの解除を提案し得る。
【0168】
他の例では、ユーザの生理が早く開始する(すなわち、生理の初日が予測された生理開始の前に発生する)場合、ユーザは、ユーザ入力725を介して、生理開始の初日の指示(例えば、月経周期フェーズ)を提出し得る。場合によっては、1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することは、指示を受信することに基づき得る。例えば、システムのサーバは、ユーザ入力725を介して、月経周期フェーズに関連付けられた情報を受信し得る。
【0169】
アプリケーションページ705-aは、時系列715を介して、月経周期中にユーザが経験する温度、心拍数、HRVなどを含む、生理の1つまたは複数のパラメータを示し得る。時系列715は、
図3を参照して説明したように、時系列350の一例であり得る。
【0170】
場合によっては、ユーザは、ユーザ入力725を介して症状をログ記録し得る。例えば、システムは、ユーザ入力(例えば、タグ)を受信して、生理、排卵などに関連付けられた症状(例えば、月経血、生理痛、頭痛、顔面紅潮、片頭痛、疼痛、妊娠など)をログ記録し得る。システムは、ユーザ履歴および識別された月経周期フェーズに基づいて、ユーザにタグを推奨し得る。場合によっては、システムは、ユーザデバイスのGUI700に、前のユーザ症状タグと1つまたは複数の月経周期フェーズのタイミングとの間の相関に基づいて、月経周期症状タグを表示させ得る。
【0171】
アプリケーションページ705-aはまた、期間に関連付けられた洞察、推奨などを含むメッセージ720を含み得る。システムのサーバは、ユーザデバイスのGUI700に、識別された月経周期フェーズに関連付けられたメッセージ720を表示させ得る。ユーザデバイスは、メッセージ720を介して、期間に関連付けられた推奨および/または情報を表示し得る。本明細書で前述したように、正確に識別された月経周期フェーズは、ユーザの全体的な健康に有益であり得る。いくつかの実装形態では、ユーザデバイスおよび/またはサーバは、GUI700(例えば、アプリケーションページ705-a)を介してユーザに表示され得る、月経周期フェーズに関連付けられたアラート710を生成し得る。特に、生成され、GUI700を介してユーザに表示されるメッセージ720は、識別された月経周期フェーズの1つまたは複数の特性(例えば、時刻、持続時間)に関連付けられ得る。
【0172】
例えば、メッセージ720は、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズが発生した時刻、将来の月経周期フェーズと前の月経周期フェーズとの間の持続時間、将来の月経周期フェーズが発生すると予測される時間間隔、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズに関連付けられた症状を入力する要求、またはそれらの組み合わせを含み得る。場合によっては、メッセージ720は、特定された月経周期フェーズに至るまでの数日間、特定された月経周期フェーズの日、および/または特定された月経周期フェーズの後の数日間に、ユーザがどのように自分のライフスタイルを調整し得るかの推奨を表示し得る。いくつかの例では、ユーザが以前の周期の生理周期21日目に「生理痛」とタグ付けした場合、システムは、メッセージ720を介して、生理周期21日目にまたはその近くにユーザ入力725を介して「生理痛」をログ記録することを示唆するプロンプトを表示し得る。他の例では、システムは、ユーザが活動的である時間(例えば、暦日)を推奨するか、または識別された月経周期フェーズに続く回復時間を推定し得る。
【0173】
いくつかの実装形態では、システムは、ユーザの識別された月経周期フェーズに関する追加の洞察を提供し得る。例えば、アプリケーションページ705は、ユーザの特定された月経周期フェーズをもたらした1つまたは複数の生理学的パラメータ(例えば、寄与因子)(例えば、温度の上昇など)を示し得る。言い換えると、システムは、識別された月経周期フェーズに関する何らかの情報または他の洞察を提供するように構成され得る。パーソナライズされた洞察は、識別された月経周期フェーズを生成するために使用された、収集された生理学的データの態様(例えば、生理学的データ内の寄与因子)を示し得る。
【0174】
いくつかの実装形態では、システムは、分類器をトレーニングし(例えば、機械学習分類器のための教師あり学習)、生理決定および/または予測技法を改善するために、識別/予測された月経周期フェーズに関するユーザ入力を受信するように構成され得る。例えば、ユーザデバイスは、予測された生理開始日またはユーザが生理の初日を経験するであろう相対的な可能性を示す数日の範囲を表示し得る。その後、ユーザは、症状の発現、生理開始の確認などの1つまたは複数のユーザ入力を入力し得る。次いで、これらのユーザ入力725は、分類器をトレーニングするために分類器に入力され得る。言い換えると、ユーザ入力725は、月経周期フェーズを妥当性確認または確認するために使用され得る。
【0175】
場合によっては、システムは、月経周期のフェーズおよびフェーズに関連付けられた症状などのユーザ入力に基づいて月経周期フェーズを識別するように構成され得る。例えば、システムは、排卵および排卵に関連付けられた症状のユーザ入力725を受信し得る。システムは、識別された生理開始の10日前に発生する排卵を示すユーザ入力のパターンを識別し得る。そのような場合、システムは、識別された生理開始を、受信した排卵のユーザ入力から10日目になるように調整し得る。
【0176】
アプリケーションページ705-a上で1つまたは複数の月経周期フェーズを識別すると、GUI700は、アプリケーションページ705-bの一部分を表示し得る。場合によっては、アプリケーションページ705-bは、ユーザがアプリケーションページ705-bを閲覧している現在の日付735と、月経周期フェーズ(例えば、生理開始日、排卵)が予測される日740を含む日付範囲とを示し得るカレンダービュー730を含み得る。例えば、日付範囲は、破線構成を使用して暦日を囲み得、現在の日付735は、暦日を囲み得、月経周期フェーズ(例えば、生理開始、排卵)が予測される日740が囲まれ得る。カレンダービュー730はまた、現在の暦日およびユーザの生理周期の日(例えば、生理周期28日目)の指示を含むメッセージを含み得る。
【0177】
場合によっては、システムは、過去の月経周期フェーズを遡及的にラベル付けし得る。カレンダービュー730は、タグ付けされたイベントを含み得る。例えば、タグ付けされたイベントは、暦日の下の白丸/黒丸として示され得る。いくつかのタグ付けされたイベント(例えば、黒丸)は、生理開始イベント、排卵などの検出された周期イベントを示し得る。
【0178】
いくつかの実装形態では、システムは、異なるユーザのための1つまたは複数のコンピューティングデバイスを含み得る。例えば、システムは、一次ユーザおよび一次ユーザに関連付けられた第2のユーザ(例えば、パートナー)のためのコンピューティングデバイスを含み得る。コンピューティングデバイスは、異なるユーザの生理学的パラメータを測定し、異なるユーザにGUI700を提供し、異なるユーザからユーザ入力725を受信し得る。いくつかの実装形態では、異なるコンピューティングデバイスは、生理学的情報を取得し、月経、卵巣周期、病気、生殖能力、および/または妊娠などの女性の健康に関する出力を提供し得る。いくつかの実装形態では、異なるコンピューティングデバイスは、男性の病気および生殖能力などの第2のユーザに関連する生理学的情報を取得し得る。
【0179】
いくつかの実装形態では、システムは、第2のユーザに関連情報を知らせるGUI700を提供し得る。例えば、第2のユーザは、サーバデバイス、モバイルデバイス、または他のデバイスを介するなど、1つまたは複数のコンピューティングデバイスを介して、自身の情報を互いに共有し得る。いくつかの実装形態では、第2のユーザは、自身のアカウント(例えば、ユーザ名、ログイン情報など)および/または関連データのうちの1つまたは複数を互いに共有し得る。ユーザ間で情報を共有することによって、システムは、第2のユーザが生殖能力および妊娠に関する健康判断を行うのを支援し得る。いくつかの実装形態では、ユーザは、(例えば、GUI700において)特定の情報を共有するように促され得る。例えば、ユーザは、GUI700を使用して、自身の排卵情報を第2のユーザと共有することを選択し得る。そのような場合、ユーザおよび第2のユーザは、それぞれのコンピューティングデバイス上で排卵期間の通知を受信し得る。他の例では、第2のユーザは、通知または他の共有構成を介して、自身の情報(例えば、病気、生殖能力データなど)をユーザが利用できるようにし得る。
【0180】
場合によっては、システムは、睡眠パターンデータを使用して、GUI700を介してユーザ洞察(例えば、個人的な/集約的な洞察)を生成し得る。例えば、システムは、ユーザの深い睡眠が昨晩は少なかったが、ユーザの月経周期のこの時点では正常であり得ることを示し得る。別の例として、システムは、より多くの深い睡眠を得るために、早めに就寝すること、深夜のカフェイン、食事、および/またはアルコールを最小限に抑えることに焦点を当てるように勧める推奨などの推奨を提供し得る。
【0181】
いくつかの実装形態では、システムは、旅行、ファスティング、および他のユーザ活動に関する個人的/集約的なユーザパターンに基づいて(例えば、取得されたタグデータに基づいて)、メッセージ720を介して洞察を提供し得る。例示的な洞察は、限定ではないが、周期長などの1つまたは複数の周期変化特性への洞察を含み得る。旅行に関して、システムは、ユーザの周期長がユーザの最近の旅行に基づいて修正され得ることをユーザに示し得る。場合によっては、システムは、ユーザがファスティング中または旅行中であるかを示すタグをユーザが提供することを要求し得る。
【0182】
システムは、様々なパーソナライズされた洞察を提供し得る。例えば、システムは、より多くの深い睡眠をとったり、ユーザの周期内の特定の時間により頻繁に頭痛をタグ付けしたりしているように見えることをユーザに知らせるメッセージ720をユーザに提供し得る。洞察は、所与のタグが、温度で定義された周期内の所与の点に関連付けられる統計的尤度から導出され得る。いくつかの実装形態では、システムは、システムがユーザの周期のパターンにおいて統計的に定義可能な変化を識別すると、メッセージ720を介して、パーソナライズされた洞察をユーザに送信し得る。いくつかの実装形態では、システムは、アスリートまたは特殊部隊に対して、例えば、トレーニングを強化するかより多くの回復時間を構築するかを検討する可能性のある周期内の時間について推奨を行い得る。
【0183】
場合によっては、周期長の変化は、ファスティング中のユーザに対して決定され得る。例えば、一部のユーザは、ファスティングの形態として時間制限された摂食に従うことがあり、これは、食物摂取を日中の時間枠(例えば、6または8時間)に制限し、夜間のファスティング期間を延長することを含み得る。断続的なファスティングは、人の血糖およびインスリンが食後状態(例えば、上昇した状態)にある日中の時間量を減少させ得、酸化ストレスおよびインスリン感受性を減少させ得る。場合によっては、適度なファスティングとそれに続く十分な回復は、月経周期の長さに影響を与え得る(例えば、周期を長くする)。場合によっては、1~3ヶ月以内に効果が観察され得る。
【0184】
例えば、ファスティング後の月経周期は、より長い場合がある(例えば、ファスティングのタグ付け後、平均で1.4日長い)。この増加は、ファスティングの1~2周期または30~60日後に最も顕著であり得る。周期変化は、適切な回復(例えば、身体が飢餓モードになることを回避するため)を伴う適度なファスティングに続く代謝または酸化ストレスの変化に関連付けられ得る。時間の他の潜在的な交絡効果を制御するために、遅い食事タグに関連付けられたデータがファスティングタグと対比され得る。システムは、同様のユーザまたは個々のユーザのサブグループのレベルで月経周期フェーズを検出/予測し、パーソナライズされた傾向および洞察をユーザに表示し得る。例えば、システムは、ユーザが生殖能力への関心を示し、最近ファスティングタグを入力したことを識別し得る。そのような場合、システムは、断続的なファスティング、食事/栄養、生殖能力、排卵のタイミングなどの間の関係について述べているさらなる教育材料またはブログへのリンクを有する洞察をユーザに送ることができる。
【0185】
場合によっては、システムによって実装されるような生理学的ベースの周期推定は、ユーザの周期が典型的には毎月同じ長さであると仮定するカレンダーベースのアルゴリズムよりも有用であり得る。カレンダーベースのアルゴリズムに対する生理学的ベースの周期推定アルゴリズムの利点は、産児制限、高齢、医学的状態、または他の最近のイベントにより周期があまり規則的でない可能性のあるユーザにとってより大きくなり得る。より柔軟な生理学的ベースの周期フェーズ推定アルゴリズムは、特に、妊娠の開始または終了、流産からの回復、授乳の終了(または大幅な減少)、産児制限の変化、重大な病気、またはホルモン/閉経周辺期治療の開始など、ユーザの周期に劇的に影響を与える変化を経験しているユーザに対して、一意の価値獲得をもたらし得る。
【0186】
図8は、本開示の態様による、月経周期追跡をサポートするデバイス805のブロック
図800を示す。デバイス805は、入力モジュール810と、出力モジュール815と、ウェアラブルアプリケーション820とを含み得る。デバイス805はまた、プロセッサを含み得る。これらの構成要素の各々は、(例えば、1つまたは複数のバスを介して)互いに通信し得る。
【0187】
入力モジュール810は、パケット、ユーザデータ、様々な情報チャネル(例えば、制御チャネル、データチャネル、病気検出技法に関係する情報チャネル)に関連付けられた制御情報、またはそれらの任意の組み合わせなどの情報を受信するための手段を提供し得る。情報は、デバイス805の他の構成要素に渡され得る。入力モジュール810は、単一のアンテナまたは複数のアンテナのセットを利用し得る。
【0188】
出力モジュール815は、デバイス805の他の構成要素によって生成された信号を送信するための手段を提供し得る。例えば、出力モジュール815は、パケット、ユーザデータ、様々な情報チャネル(例えば、制御チャネル、データチャネル、病気検出技法に関係する情報チャネル)に関連付けられた制御情報、またはそれらの任意の組み合わせなどの情報を送信し得る。いくつかの例では、出力モジュール815は、トランシーバモジュールにおいて入力モジュール810とコロケートされ得る。出力モジュール815は、単一のアンテナまたは複数のアンテナのセットを利用し得る。
【0189】
例えば、ウェアラブルアプリケーション820は、データ取得構成要素825、温度データ構成要素830、計算構成要素835、フェーズ構成要素840、ユーザインターフェース構成要素845、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。いくつかの例では、ウェアラブルアプリケーション820またはその様々な構成要素は、入力モジュール810、出力モジュール815、または両方を使用して、または別様にそれと協働して、様々な動作(例えば、受信、監視、送信)を実行するように構成され得る。例えば、ウェアラブルアプリケーション820は、情報の受信、情報の送信、または本明細書で説明されるような様々な他の動作の実行を行うために、入力モジュール810から情報を受信するか、出力モジュール815に情報を送るか、または入力モジュール810、出力モジュール815、または両方と組み合わせて統合される。
【0190】
ウェアラブルアプリケーション820は、本明細書で開示される例にしたがってユーザデバイスにおいて月経周期フェーズを識別することをサポートし得る。データ取得構成要素825は、ユーザに関連付けられた生理学的データをウェアラブルデバイスから受信するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、生理学的データは少なくとも温度データを含む。温度データ構成要素830は、受信された温度データに少なくとも部分的に基づいて、複数の日にわたって取得された複数の温度値の時系列を決定するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、時系列はユーザの複数の月経周期を含む。計算構成要素835は、時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、複数の温度値の時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。フェーズ構成要素840は、時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することに少なくとも部分的に基づいて、時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、時系列中の形態学的特徴に関連付けられる。ユーザインターフェース構成要素845は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズを表示させるための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0191】
図9は、本開示の態様による、月経周期追跡をサポートするウェアラブルアプリケーション920のブロック
図900である。ウェアラブルアプリケーション920は、本明細書で説明されるように、ウェアラブルアプリケーションもしくはウェアラブルアプリケーション820または両方の態様の一例であり得る。ウェアラブルアプリケーション920、またはその様々な構成要素は、本明細書で説明されるような月経周期追跡の様々な態様を実行するための手段の一例であり得る。例えば、ウェアラブルアプリケーション920は、データ取得構成要素925、温度データ構成要素930、計算構成要素935、フェーズ構成要素940、ユーザインターフェース構成要素945、睡眠構成要素950、またはそれらの任意の組み合わせを含み得る。これらの構成要素の各々は、(例えば、1つまたは複数のバスを介して)互いに直接または間接的に通信し得る。
【0192】
ウェアラブルアプリケーション920は、本明細書で開示される例にしたがってユーザデバイスにおいて月経周期フェーズを識別することをサポートし得る。データ取得構成要素925は、ユーザに関連付けられた生理学的データをウェアラブルデバイスから受信するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、生理学的データは少なくとも温度データを含む。温度データ構成要素930は、受信された温度データに少なくとも部分的に基づいて、複数の日にわたって取得された複数の温度値の時系列を決定するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、時系列はユーザの複数の月経周期を含む。計算構成要素935は、時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、複数の温度値の時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。フェーズ構成要素940は、時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することに少なくとも部分的に基づいて、時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、時系列中の形態学的特徴に関連付けられる。ユーザインターフェース構成要素945は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズを表示させるための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0193】
いくつかの例では、計算構成要素935は、複数の温度の時系列の導関数を計算するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。いくつかの例では、計算構成要素935は、時系列の導関数の1つもしくは複数の極大値または1つもしくは複数の極小値を識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、時系列の導関数の1つもしくは複数の極大値または1つもしくは複数の極小値に関連付けられる。
【0194】
いくつかの例では、計算構成要素935は、時系列の導関数を計算することに少なくとも部分的に基づいて、複数の温度の時系列の導関数を反転させるための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。いくつかの例では、計算構成要素935は、時系列の反転された導関数の1つまたは複数の極大値を識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、時系列の反転された導関数の1つまたは複数の極大値に関連付けられる。
【0195】
いくつかの例では、睡眠構成要素950は、複数の温度値の時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの睡眠期間を識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。いくつかの例では、睡眠構成要素950は、ユーザの睡眠期間の一部を選択するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、複数の温度値の時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することは、睡眠期間の一部を選択することに少なくとも部分的に基づく。
【0196】
いくつかの例では、温度データ構成要素930は、温度データを受信することに少なくとも部分的に基づいて、複数の温度値の各温度値を決定するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、温度データは連続夜間温度データを含む。
【0197】
いくつかの例では、睡眠構成要素950は、ユーザの履歴温度パターンに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの睡眠期間の一部を選択するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、複数の温度値の各温度値を決定することは、睡眠期間の一部を選択することに少なくとも部分的に基づく。
【0198】
いくつかの例では、計算構成要素935は、1つまたは複数の形態学的特徴を識別することに少なくとも部分的に基づいて、複数の温度値の時系列の1つまたは複数の最大負勾配を識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは最大負勾配に関連付けられる。
【0199】
いくつかの例では、生理学的データは心拍数データをさらに含み、データ取得構成要素925は、受信された心拍数データが複数の日の少なくとも一部について閾値を満たすと決定するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することは、受信された心拍数データが閾値を満たすと決定することに少なくとも部分的に基づく。
【0200】
いくつかの例では、生理学的データは呼吸数データをさらに含み、データ取得構成要素925は、受信された呼吸数データが複数の日の少なくとも一部について閾値を満たすと決定するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することは、受信された呼吸数データが閾値を満たすと決定することに少なくとも部分的に基づく。
【0201】
いくつかの例では、温度データ構成要素930は、温度データを受信することに少なくとも部分的に基づいて、複数の温度値の各温度値を決定するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、温度データは連続日中温度データを含む。
【0202】
いくつかの例では、フェーズ構成要素940は、複数の温度値の時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、追加の月経周期イベントを識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0203】
いくつかの例では、フェーズ構成要素940は、少なくとも複数の温度値の時系列、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズ、またはその両方に少なくとも部分的に基づいて、ユーザが月経周期の初日を経験する将来の月経周期フェーズを推定するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0204】
いくつかの例では、計算構成要素935は、将来の月経周期フェーズに少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連付けられたレディネススコアを更新するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0205】
いくつかの例では、ユーザインターフェース構成要素945は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、前のユーザ症状タグと1つまたは複数の月経周期フェーズのタイミングとの間の相関に少なくとも部分的に基づいて、月経周期症状タグを表示させるための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0206】
いくつかの例では、フェーズ構成要素940は、前の月経周期後の複数の温度値の時系列の形態に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの現在の月経周期の長さを推定するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0207】
いくつかの例では、フェーズ構成要素940は、複数の温度値の時系列に少なくとも部分的に基づいて、複数の日の間の卵巣周期イベントを識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、1つまたは複数の月経周期フェーズは卵巣周期イベントを含む。
【0208】
いくつかの例では、フェーズ構成要素940は、心拍数データ、呼吸数データ、または両方に少なくとも部分的に基づいて、複数の日の間の卵巣周期イベントを識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、1つまたは複数の月経周期フェーズは卵巣周期イベントを含む。
【0209】
いくつかの例では、データ取得構成要素925は、生理学的データを機械学習分類器に入力するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することは、生理学的データを機械学習分類器に入力することに少なくとも部分的に基づく。
【0210】
いくつかの例では、フェーズ構成要素940は、1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することに応答して、ユーザデバイスを介して、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズの確認を受信するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0211】
いくつかの例では、フェーズ構成要素940は、ユーザデバイスを介して、月経周期フェーズの指示、月経周期フェーズに関連付けられた1つまたは複数の症状、または両方を受信するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することは、月経周期フェーズの指示、月経周期フェーズに関連付けられた1つまたは複数の症状、または両方を受信することに少なくとも部分的に基づく。
【0212】
いくつかの例では、ユーザインターフェース構成要素945は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズに関連付けられたメッセージを表示させるための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0213】
いくつかの例では、メッセージは、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズが発生した時刻、将来の月経周期フェーズと前の月経周期フェーズとの間の持続時間、将来の月経周期フェーズが発生すると予測される時間間隔、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズに関連付けられた症状を入力する要求、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズに関連付けられた医学的状態、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズに関連付けられた教育コンテンツ、またはそれらの組み合わせを含む。
【0214】
いくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む。
【0215】
いくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいてユーザから生理学的データを収集する。
【0216】
図10は、本開示の態様による、月経周期追跡をサポートするデバイス1005を含むシステム1000の図を示す。デバイス1005は、本明細書で説明されるようにデバイス805の構成要素の一例であるか、またはそれを含み得る。デバイス1005は、本明細書で前に説明したように、ユーザデバイス106の一例を含み得る。デバイス1005は、ウェアラブルアプリケーション1020、通信モジュール1010、アンテナ1015、ユーザインターフェース構成要素1025、データベース(アプリケーションデータ)1030、メモリ1035、およびプロセッサ1040など、ウェアラブルデバイス104およびサーバ110との通信を送信および受信するための構成要素を含む、双方向通信のための構成要素を含み得る。これらの構成要素は、1つまたは複数のバス(例えば、バス1045)を介して電子通信してもよいし、他の方法で(例えば、動作可能に、通信可能に、機能的に、電子的に、電気的に)結合されてもよい。
【0217】
通信モジュール1010は、アンテナ1015を介してデバイス1005のための入力信号および出力信号を管理し得る。通信モジュール1010は、
図2に示され説明されたユーザデバイス106の通信モジュール220-bの例を含み得る。この点に関して、通信モジュール1010は、
図2に示すように、リング104およびサーバ110との通信を管理し得る。通信モジュール1010はまた、デバイス1005に統合されていない周辺機器を管理し得る。場合によっては、通信モジュール1010は、外部周辺機器への物理的接続またはポートを表し得る。場合によっては、通信モジュール1010は、iOS(登録商標)、ANDROID(登録商標)、MS-DOS(登録商標)、MS-WINDOWS(登録商標)、OS/2(登録商標)、UNIX(登録商標)、LINUX(登録商標)などのオペレーティングシステムまたは別の既知のオペレーティングシステムを利用し得る。他の場合では、通信モジュール1010は、ウェアラブルデバイス(例えば、リング104)、モデム、キーボード、マウス、タッチスクリーン、または同様のデバイスを表すか、またはこれらと対話してもよい。場合によっては、通信モジュール1010は、プロセッサ1040の一部として実装され得る。いくつかの例では、ユーザは、通信モジュール1010、ユーザインターフェース構成要素1025を介して、または通信モジュール1010によって制御されるハードウェア構成要素を介して、デバイス1005と対話し得る。
【0218】
場合によっては、デバイス1005は、単一のアンテナ1015を含み得る。しかしながら、いくつかの他の場合では、デバイス1005は、複数のワイヤレス送信を同時に送信または受信することが可能であり得る、2つ以上のアンテナ1015を有し得る。通信モジュール1010は、本明細書で説明されるように、1つまたは複数のアンテナ1015、ワイヤードリンク、またはワイヤレスリンクを介して、双方向に通信し得る。例えば、通信モジュール1010は、ワイヤレストランシーバを表し得、別のワイヤレストランシーバと双方向に通信し得る。通信モジュール1010はまた、パケットを変調して、変調されたパケットを送信のために1つまたは複数のアンテナ1015に提供し、1つまたは複数のアンテナ1015から受信されたパケットを復調するためのモデムを含み得る。
【0219】
ユーザインターフェース構成要素1025は、データベース1030内のデータ記憶および処理を管理し得る。場合によっては、ユーザは、ユーザインターフェース構成要素1025と対話し得る。他の場合では、ユーザインターフェース構成要素1025は、ユーザ対話なしに自動的に動作してもよい。データベース1030は、単一のデータベース、分散データベース、複数の分散データベース、データストア、データレイク、または緊急バックアップデータベースの一例であり得る。
【0220】
メモリ1035は、RAMおよびROMを含み得る。メモリ1035は、実行されると、プロセッサ1040に、本明細書で説明される様々な機能を実行させる命令を含むコンピュータ可読、コンピュータ実行可能ソフトウェアを記憶し得る。場合によっては、メモリ1035は、とりわけ、周辺構成要素またはデバイスとの対話などの基本ハードウェアまたはソフトウェア動作を制御し得るBIOSを含み得る。
【0221】
プロセッサ1040は、インテリジェントハードウェアデバイス(例えば、汎用プロセッサ、DSP、CPU、マイクロコントローラ、ASIC、FPGA、プログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートもしくはトランジスタ論理構成要素、ディスクリートハードウェア構成要素、またはそれらの任意の組み合わせ)を含み得る。場合によっては、プロセッサ1040は、メモリコントローラを使用してメモリアレイを動作させるように構成され得る。他の場合では、メモリコントローラは、プロセッサ1040に統合され得る。プロセッサ1040は、様々な機能(例えば、睡眠段階分けアルゴリズムのための方法およびシステムをサポートする機能またはタスク)を実行するためにメモリ1035に記憶されたコンピュータ可読命令を実行するように構成され得る。
【0222】
ウェアラブルアプリケーション1020は、本明細書で開示される例にしたがってユーザデバイスにおいて月経周期フェーズを識別することをサポートし得る。例えば、ウェアラブルアプリケーション1020は、ユーザに関連付けられた生理学的データをウェアラブルデバイスから受信するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、生理学的データは少なくとも温度データを含む。ウェアラブルアプリケーション1020は、受信された温度データに少なくとも部分的に基づいて、複数の日にわたって取得された複数の温度値の時系列を決定するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、時系列はユーザの複数の月経周期を含む。ウェアラブルアプリケーション1020は、時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、複数の温度値の時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。ウェアラブルアプリケーション1020は、時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することに少なくとも部分的に基づいて、時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別するための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、時系列中の形態学的特徴に関連付けられる。ウェアラブルアプリケーション1020は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズを表示させるための手段として構成され得るか、または他の方法でそれをサポートし得る。
【0223】
本明細書で説明される例にしたがってウェアラブルアプリケーション1020を含むかまたは構成することによって、デバイス1005は、通信信頼性の向上、レイテンシの短縮、処理の低減に関連するユーザ経験の向上、電力消費の低減、通信リソースのより効率的な利用、デバイス間の協調の改善、より長いバッテリ寿命、および処理能力の利用の向上ための技法をサポートし得る。
【0224】
ウェアラブルアプリケーション1020は、リング104、サーバ110、他のユーザデバイス106などとの通信を容易にするように構成されたアプリケーション(例えば、「アプリ」)、プログラム、ソフトウェア、または他の構成要素を含み得る。例えば、ウェアラブルアプリケーション1020は、リング104からデータ(例えば、生理学的データ)を受信し、受信したデータに対して処理動作を実行し、サーバ110との間でデータを送受信し、ユーザ102にデータを提示させるように構成されたユーザデバイス106上で実行可能なアプリケーションを含み得る。
【0225】
図11は、本開示の態様による、月経周期追跡をサポートする方法1100を示すフローチャートを示す。方法1100の動作は、本明細書で説明されるようなユーザデバイスまたはその構成要素によって実装され得る。例えば、方法1100の動作は、
図1~
図10を参照して説明したように、ユーザデバイスによって実行され得る。いくつかの例では、ユーザデバイスは、説明された機能を実行するようにユーザデバイスの機能要素を制御するための命令のセットを実行し得る。追加的または代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを使用して、説明された機能の態様を実行してもよい。
【0226】
1105において、方法は、ユーザに関連付けられた生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することを含み得、生理学的データは少なくとも温度データを含む。1105の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1105の動作の態様は、
図9を参照して説明したように、データ取得構成要素925によって実行され得る。
【0227】
1110において、方法は、受信された温度データに少なくとも部分的に基づいて、複数の日にわたって取得された複数の温度値の時系列を決定することを含み得、時系列はユーザの複数の月経周期を含む。1110の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1110の動作の態様は、
図9を参照して説明したように、温度データ構成要素930によって実行され得る。
【0228】
1115において、方法は、時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、複数の温度値の時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することを含み得る。1115の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1115の動作の態様は、
図9を参照して説明したように、計算構成要素935によって実行され得る。
【0229】
1120において、方法は、時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することに少なくとも部分的に基づいて、時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することを含み得、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、時系列中の形態学的特徴に関連付けられる。1120の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1120の動作の態様は、
図9を参照して説明したように、フェーズ構成要素940によって実行され得る。
【0230】
1125において、方法は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズを表示させることを含み得る。1125の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1125の動作の態様は、
図9を参照して説明したように、ユーザインターフェース構成要素945によって実行され得る。
【0231】
図12は、本開示の態様による、月経周期追跡をサポートする方法1200を示すフローチャートを示す。方法1200の動作は、本明細書で説明されるようなユーザデバイスまたはその構成要素によって実装され得る。例えば、方法1200の動作は、
図1~
図10を参照して説明したように、ユーザデバイスによって実行され得る。いくつかの例では、ユーザデバイスは、説明された機能を実行するようにユーザデバイスの機能要素を制御するための命令のセットを実行し得る。追加的または代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを使用して、説明された機能の態様を実行してもよい。
【0232】
1205において、方法は、ユーザに関連付けられた生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することを含み得、生理学的データは少なくとも温度データを含む。1205の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1205の動作の態様は、
図9を参照して説明したように、データ取得構成要素925によって実行され得る。
【0233】
1210において、方法は、受信された温度データに少なくとも部分的に基づいて、複数の日にわたって取得された複数の温度値の時系列を決定することを含み得、時系列はユーザの複数の月経周期を含む。1210の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1210の動作の態様は、
図9を参照して説明したように、温度データ構成要素930によって実行され得る。
【0234】
1215において、方法は、複数の温度の時系列の導関数を計算することを含み得る。1215の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1215の動作の態様は、
図9を参照して説明したように、計算構成要素935によって実行され得る。
【0235】
1220において、方法は、時系列の導関数の1つもしくは複数の極大値または1つもしくは複数の極小値を識別することを含み得、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、時系列の導関数の1つもしくは複数の極大値または1つもしくは複数の極小値に関連付けられる。1220の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1220の動作の態様は、
図9を参照して説明したように、計算構成要素935によって実行され得る。
【0236】
1225において、方法は、時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、複数の温度値の時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することを含み得る。1225の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1225の動作の態様は、
図9を参照して説明したように、計算構成要素935によって実行され得る。
【0237】
1230において、方法は、時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することに少なくとも部分的に基づいて、時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することを含み得、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、時系列中の形態学的特徴に関連付けられる。1230の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1230の動作の態様は、
図9を参照して説明したように、フェーズ構成要素940によって実行され得る。
【0238】
1235において、方法は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズを表示させることを含み得る。1235の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1235の動作の態様は、
図9を参照して説明したように、ユーザインターフェース構成要素945によって実行され得る。
【0239】
図13は、本開示の態様による、月経周期追跡をサポートする方法1300を示すフローチャートを示す。方法1300の動作は、本明細書で説明されるようなユーザデバイスまたはその構成要素によって実装され得る。例えば、方法1300の動作は、
図1~
図10を参照して説明したように、ユーザデバイスによって実行され得る。いくつかの例では、ユーザデバイスは、説明された機能を実行するようにユーザデバイスの機能要素を制御するための命令のセットを実行し得る。追加的または代替的に、ユーザデバイスは、専用ハードウェアを使用して、説明された機能の態様を実行してもよい。
【0240】
1305において、方法は、ユーザに関連付けられた生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することを含み得、生理学的データは少なくとも温度データを含む。1305の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1305の動作の態様は、
図9を参照して説明したように、データ取得構成要素925によって実行され得る。
【0241】
1310において、方法は、受信された温度データに少なくとも部分的に基づいて、複数の日にわたって取得された複数の温度値の時系列を決定することを含み得、時系列はユーザの複数の月経周期を含む。1310の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1310の動作の態様は、
図9を参照して説明したように、温度データ構成要素930によって実行され得る。
【0242】
1315において、方法は、複数の温度値の時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの睡眠期間を識別することを含み得る。1315の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1315の動作の態様は、
図9を参照して説明したように、睡眠構成要素950によって実行され得る。
【0243】
1320において、方法は、ユーザの睡眠期間の一部を選択することを含み得、複数の温度値の時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することは、睡眠期間の一部を選択することに少なくとも部分的に基づく。1320の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1320の動作の態様は、
図9を参照して説明したように、睡眠構成要素950によって実行され得る。
【0244】
1325において、方法は、時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、複数の温度値の時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することを含み得る。1325の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1325の動作の態様は、
図9を参照して説明したように、計算構成要素935によって実行され得る。
【0245】
1330において、方法は、時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することに少なくとも部分的に基づいて、時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することを含み得、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、時系列中の形態学的特徴に関連付けられる。1330の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1330の動作の態様は、
図9を参照して説明したように、フェーズ構成要素940によって実行され得る。
【0246】
1335において、方法は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズを表示させることを含み得る。1335の動作は、本明細書で開示される例にしたがって実行され得る。いくつかの例では、1335の動作の態様は、
図9を参照して説明したように、ユーザインターフェース構成要素945によって実行され得る。
【0247】
上記で説明した方法は可能な実装形態について説明しており、動作およびステップは並べ替えられるか他の方法で修正され得ること、ならびに、他の実装形態が可能であることに留意されたい。さらに、これらの方法の2つ以上の方法からの態様が組み合わされてもよい。
【0248】
ユーザデバイスにおいて月経周期フェーズを識別するための方法が説明される。方法は、ユーザに関連付けられた生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することであって、生理学的データは少なくとも温度データを含む、受信することと、受信された温度データに少なくとも部分的に基づいて、複数の日にわたって取得された複数の温度値の時系列を決定することであって、時系列はユーザの複数の月経周期を含む、決定することと、時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、複数の温度値の時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することと、時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することに少なくとも部分的に基づいて、時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することであって、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、時系列中の形態学的特徴に関連付けられる、識別することと、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズを表示させることとを含み得る。
【0249】
ユーザデバイスにおいて月経周期フェーズを識別するための装置が説明される。装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリと、メモリに記憶された命令とを含み得る。命令は、装置に、ユーザに関連付けられた生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することであって、生理学的データは少なくとも温度データを含む、受信することと、受信された温度データに少なくとも部分的に基づいて、複数の日にわたって取得された複数の温度値の時系列を決定することであって、時系列はユーザの複数の月経周期を含む、決定することと、時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、複数の温度値の時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することと、時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することに少なくとも部分的に基づいて、時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することであって、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、時系列中の形態学的特徴に関連付けられる、識別することと、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズを表示させることとを行わせるようにプロセッサによって実行可能であり得る。
【0250】
ユーザデバイスにおいて月経周期フェーズを識別するための別の装置が説明される。装置は、ユーザに関連付けられた生理学的データをウェアラブルデバイスから受信するための手段であって、生理学的データは少なくとも温度データを含む、手段と、受信された温度データに少なくとも部分的に基づいて、複数の日にわたって取得された複数の温度値の時系列を決定するための手段であって、時系列はユーザの複数の月経周期を含む、手段と、時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、複数の温度値の時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別するための手段と、時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することに少なくとも部分的に基づいて、時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別するための手段であって、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、時系列中の形態学的特徴に関連付けられる、手段と、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズを表示させるための手段とを含み得る。
【0251】
ユーザデバイスにおいて月経周期フェーズを識別するためのコードを記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が説明される。コードは、ユーザに関連付けられた生理学的データをウェアラブルデバイスから受信することであって、生理学的データは少なくとも温度データを含む、受信することと、受信された温度データに少なくとも部分的に基づいて、複数の日にわたって取得された複数の温度値の時系列を決定することであって、時系列はユーザの複数の月経周期を含む、決定することと、時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、複数の温度値の時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することと、時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することに少なくとも部分的に基づいて、時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することであって、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、時系列中の形態学的特徴に関連付けられる、識別することと、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズを表示させることとを行うようにプロセッサによって実行可能な命令を含み得る。
【0252】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、複数の温度の時系列の導関数を計算し、時系列の導関数の1つもしくは複数の極大値または1つもしくは複数の極小値を識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、時系列の導関数の1つもしくは複数の極大値または1つもしくは複数の極小値に関連付けられ得る。
【0253】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、時系列の導関数を計算することに少なくとも部分的に基づいて、複数の温度の時系列の導関数を反転させ、時系列の反転された導関数の1つまたは複数の極大値を識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは、時系列の反転された導関数の1つまたは複数の極大値に関連付けられ得る。
【0254】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、複数の温度値の時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの睡眠期間を識別し、ユーザの睡眠期間の一部を選択するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、複数の温度値の時系列の1つまたは複数の形態学的特徴を識別することは、睡眠期間の一部を選択することに少なくとも部分的に基づき得る。
【0255】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、温度データを受信することに少なくとも部分的に基づいて、複数の温度値の各温度値を決定するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、温度データは連続夜間温度データを含む。
【0256】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザの履歴温度パターンに少なくとも部分的に基づいて、ユーザの睡眠期間の一部を選択するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、複数の温度値の各温度値を決定することは、睡眠期間の一部を選択することに少なくとも部分的に基づき得る。
【0257】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、1つまたは複数の形態学的特徴を識別することに少なくとも部分的に基づいて、複数の温度値の時系列の1つまたは複数の最大負勾配を識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の月経周期フェーズの各月経周期フェーズは最大負勾配に関連付けられ得る。
【0258】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、生理学的データは心拍数データをさらに含み、方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体は、受信された心拍数データが複数の日の少なくとも一部について閾値を満たすと決定するためのさらなる動作、特徴、手段、または命令を含み得、時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することは、受信された心拍数データが閾値を満たすと決定することに少なくとも部分的に基づき得る。
【0259】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、生理学的データは呼吸数データをさらに含み、方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体は、受信された呼吸数データが複数の日の少なくとも一部について閾値を満たすと決定するためのさらなる動作、特徴、手段、または命令を含み得、時系列中の1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することは、受信された呼吸数データが閾値を満たすと決定することに少なくとも部分的に基づき得る。
【0260】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、温度データを受信することに少なくとも部分的に基づいて、複数の温度値の各温度値を決定するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、温度データは連続日中温度データを含む。
【0261】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、複数の温度値の時系列を決定することに少なくとも部分的に基づいて、追加の月経周期イベントを識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0262】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、少なくとも複数の温度値の時系列、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズ、またはその両方に少なくとも部分的に基づいて、ユーザが月経周期の初日を経験する将来の月経周期フェーズを推定するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0263】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、将来の月経周期フェーズに少なくとも部分的に基づいて、ユーザに関連付けられたレディネススコアを更新するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0264】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、前のユーザ症状タグと1つまたは複数の月経周期フェーズのタイミングとの間の相関に少なくとも部分的に基づいて、月経周期症状タグを表示させるための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0265】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、前の月経周期後の複数の温度値の時系列の形態に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの現在の月経周期の長さを推定するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0266】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、複数の温度値の時系列に少なくとも部分的に基づいて、複数の日の間の卵巣周期イベントを識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の月経周期フェーズは卵巣周期イベントを含む。
【0267】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、心拍数データ、呼吸数データ、または両方に少なくとも部分的に基づいて、複数の日の間の卵巣周期イベントを識別するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の月経周期フェーズは卵巣周期イベントを含む。
【0268】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、生理学的データを機械学習分類器に入力するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することは、生理学的データを機械学習分類器に入力することに少なくとも部分的に基づき得る。
【0269】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することに応答して、ユーザデバイスを介して、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズの確認を受信するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0270】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザデバイスを介して、月経周期フェーズの指示、月経周期フェーズに関連付けられた1つまたは複数の症状、または両方を受信するための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得、1つまたは複数の月経周期フェーズを識別することは、月経周期フェーズの指示、月経周期フェーズに関連付けられた1つまたは複数の症状、または両方を受信することに少なくとも部分的に基づき得る。
【0271】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例は、ユーザデバイスのグラフィカルユーザインターフェースに、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズに関連付けられたメッセージを表示させるための動作、特徴、手段、または命令をさらに含み得る。
【0272】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、メッセージは、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズが発生した時刻、将来の月経周期フェーズと前の月経周期フェーズとの間の持続時間、将来の月経周期フェーズが発生すると予測され得る時間間隔、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズに関連付けられた症状を入力する要求、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズに関連付けられた医学的状態、識別された1つまたは複数の月経周期フェーズに関連付けられた教育コンテンツ、またはそれらの組み合わせを含む。
【0273】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、ウェアラブルリングデバイスを含む。
【0274】
本明細書で説明される方法、装置、および非一時的コンピュータ可読媒体のいくつかの例では、ウェアラブルデバイスは、動脈血流に基づいてユーザから生理学的データを収集する。
【0275】
添付の図面に関して本明細書に記載された説明は、例示的な構成について説明するものであり、実装され得るまたは特許請求の範囲内にあるすべての例を表すとは限らない。本明細書で使用される「例示的」という用語は、「例、事例、または例示として機能すること」を意味し、「好ましい」または「他の例よりも有利である」ことを意味しない。詳細な説明は、説明された技法の理解を与えるための具体的な詳細を含む。しかしながら、これらの技法は、これらの具体的な詳細なしに実践され得る。いくつかの事例では、説明される例の概念を不明瞭にしないために、周知の構造およびデバイスがブロック図の形態で示される。
【0276】
添付の図では、同様の構成要素または特徴は、同じ参照ラベルを有し得る。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、参照ラベルの後に、ダッシュと、同様の構成要素を区別する第2のラベルとを続けることによって区別され得る。第1の参照ラベルのみが本明細書で使用される場合、説明は、第2の参照ラベルにかかわらず、同じ第1の参照ラベルを有する同様の構成要素のいずれにも適用可能である。
【0277】
本明細書で説明される情報および信号は、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表され得る。例えば、上記の説明全体を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁性粒子、光場もしくは光学粒子、またはそれらの任意の組み合わせによって表され得る。
【0278】
本明細書の開示に関連して説明された様々な例示的なブロックおよびモジュールは、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGAまたは他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタ論理、ディスクリートハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明される機能を実行するように設計されたそれらの任意の組み合わせを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであり得るが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ(例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成)として実装され得る。
【0279】
本明細書で説明される機能は、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実装され得る。プロセッサによって実行されるソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の1つまたは複数の命令またはコードとして記憶または送信され得る。他の例および実装形態は、本開示および添付の特許請求の範囲の範囲内である。例えば、ソフトウェアの性質により、上記で説明した機能は、プロセッサによって実行されるソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、ハードワイヤリング、またはこれらのいずれかの組み合わせを使用して実装され得る。機能を実装する特徴はまた、様々な位置に物理的に位置してもよく、これには、機能の部分が異なる物理的ロケーションで実装されるように分散されることが含まれる。また、特許請求の範囲を含む本明細書で使用される場合、項目のリスト(例えば、「~のうちの少なくとも1つ」または「~のうちの1つまたは複数」などの語句が前に付く項目のリスト)で使用される「または」は、例えば、A、B、またはCのうちの少なくとも1つのリストが、AまたはBまたはCまたはABまたはACまたはBCまたはABC(すなわち、AおよびBおよびC)を意味するような包括的なリストを示す。また、本明細書で使用される場合、「~に基づく」という語句は、条件の閉じたセットへの言及として解釈されるべきではない。例えば、「条件Aに基づいて」と記載される例示的なステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、条件Aおよび条件Bの両方に基づき得る。言い換えると、本明細書で使用される場合、「~に基づいて」という語句は、「~に少なくとも部分的に基づいて」という語句と同様に解釈されるものとする。
【0280】
コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体と非一時的コンピュータ記憶媒体の両方を含む。非一時的記憶媒体は、汎用コンピュータまたは専用コンピュータによってアクセスされ得る任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、非一時的コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、電気的消去可能プログラマブルROM(EEPROM)、コンパクトディスク(CD)ROMもしくは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形態で所望のプログラムコード手段を搬送もしくは記憶するために使用され得、汎用もしくは専用コンピュータ、または汎用もしくは専用プロセッサによってアクセスされ得る任意の他の非一時的媒体を備えることができる。また、任意の接続は、コンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他の遠隔ソースから伝送される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用されるディスク(disk)およびディスク(disc)は、CD、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスクを含み、diskは、通常、データを磁気的に再生し、discは、データをレーザで光学的に再生する。上記の組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれる。
【0281】
本明細書の説明は、当業者が本開示を作成または使用することを可能にするために提供される。本開示に対する様々な修正が当業者には容易に明らかになり、本明細書で定義された一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書で説明される例および設計に限定されず、本明細書で開示した原理および新規の特徴に一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【国際調査報告】