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特表2024-515945透明歯列矯正装置の製造方法およびその方法により製造された透明歯列矯正装置の製造方法
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  • 特表-透明歯列矯正装置の製造方法およびその方法により製造された透明歯列矯正装置の製造方法 図1
  • 特表-透明歯列矯正装置の製造方法およびその方法により製造された透明歯列矯正装置の製造方法 図2
  • 特表-透明歯列矯正装置の製造方法およびその方法により製造された透明歯列矯正装置の製造方法 図3
  • 特表-透明歯列矯正装置の製造方法およびその方法により製造された透明歯列矯正装置の製造方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-11
(54)【発明の名称】透明歯列矯正装置の製造方法およびその方法により製造された透明歯列矯正装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61C 7/02 20060101AFI20240404BHJP
   B29C 64/379 20170101ALI20240404BHJP
   B33Y 40/20 20200101ALI20240404BHJP
【FI】
A61C7/02
B29C64/379
B33Y40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561904
(86)(22)【出願日】2022-09-07
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 KR2022013440
(87)【国際公開番号】W WO2023054933
(87)【国際公開日】2023-04-06
(31)【優先権主張番号】10-2021-0131145
(32)【優先日】2021-10-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】323009689
【氏名又は名称】オーディーエス カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】シン ミヨン
【テーマコード(参考)】
4C052
4F213
【Fターム(参考)】
4C052JJ01
4C052JJ09
4F213AH63
4F213WA25
4F213WA54
4F213WA67
4F213WA83
4F213WA87
4F213WB01
4F213WW05
4F213WW38
(57)【要約】
透明歯列矯正装置および透明歯列矯正装置の製造方法が開示される。開示された透明歯列矯正装置の製造方法は、透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、歯列矯正装置を3Dプリンティングする段階(S10)、上記段階(S10)で得られた歯列矯正装置から未硬化樹脂および液体を除去する段階(S20)、上記段階(S20)で得られた上記歯列矯正装置を後硬化する段階(S30)、上記段階(S30)で得られた上記歯列矯正装置を後熱処理する段階(S40)および上記段階(S40)で得られた上記歯列矯正装置を洗浄する段階(S50)を含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、歯列矯正装置を3Dプリンティングする段階(S10);
上記段階(S10)で得られた上記歯列矯正装置から未硬化樹脂および液体を除去する段階(S20);
上記段階(S20)で得られた上記歯列矯正装置を後硬化する段階(S30);
上記段階(S30)で得られた上記歯列矯正装置を後熱処理する段階(S40); および
上記段階(S40)で得られた上記歯列矯正装置を洗浄する段階(S50)を含み、
上記段階(S20)は5~12barの圧縮空気を上記歯列矯正装置に噴射することによって行われ、
上記段階(S30)は60~90℃の温度で行われ、
上記段階(S40)は60~90℃の温度を出発温度として25℃/min以下の降温下で行い、
上記段階(S50)は洗浄液洗浄段階(S50-1)および水洗浄段階(S50-2)を含み、
上記洗浄液洗浄段階(S50-1)および上記水洗浄段階(S50-2)の間には上記洗浄液が完全に乾燥する時間として5分以上の間隔が存在する透明歯列矯正装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
透明歯列矯正装置の製造方法およびその方法によって製造された透明歯列矯正装置が開示される。より詳しくは、透明度に優れた透明歯列矯正装置を製造できる透明歯列列矯正装置の製造方法およびその方法によって製造された透明歯列矯正装置が開示される。
【背景技術】
【0002】
既存の透明歯列矯正装置は、ほとんどが熱可塑性であり、板状の透明な高分子複合樹脂(以下「樹脂」という)を熱加圧成形して所望の歯の移動を成す装置を指す。透明歯列矯正装置は、一般的な矯正装置のように歯に付着して突出し目立つ構造物や金属製ワイヤ-がなく、色がほとんど透明で、一般的な矯正装置に比べて非常に審美的である。したがって、矯正治療を受けたいが、矯正装置を歯に付けることが職場生活や対人関係および自信に悪影響を与えることを懸念して矯正治療を選択できない場合が多いが、このような負担をかけずに楽に矯正治療を受けることができる。また、装置の厚さが薄くて着用が楽なうえ、食事や歯磨きの際にはしばらく口腔から除去できるため、日常生活の不便感も著しく少ない。したがって、不正咬合は、透明歯列矯正装置を用いた矯正治療に対する大衆の関心と需要が大きくならざるを得ず、透明歯列矯正装置関連市場の規模は持続的に拡大している。
しかし、従来の透明歯列矯正装置は、透明度が十分に高くなく、審美的な側面で使用者の要求を満たすことができず、熱可塑性樹脂ではなく3Dプリンティングを用いた透明矯正装置も、透明度を十分に高く後処理するのに困難があり、審美的な側面で使用者の要求を満たすことができない問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の一実施例は、透明度に優れた透明歯列矯正装置を製造できる透明歯列矯正装置の製造方法を提供する。本発明の別の実施例は、上記透明歯列矯正装置の製造方法によって製造された透明歯列矯正装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以下、本発明の一実施例による透明歯列矯正装置の製造方法を詳しく説明する。
本明細書において、「透明歯列矯正装置形成用組成物」とは、光硬化性化合物、光開始剤および液体を含むが顔料を含まない溶液、懸濁液またはペ-スト状の物質を意味する。例えば、上記透明歯列矯正装置形成用組成物は、韓国特許出願第10-2020-0107965号に開示されたものでありうる。韓国特許出願第10-2020-0107965号は、その全体が本明細書に統合される。
また、本明細書において、「部分硬化(partial curing)」とは、硬化率が40%~90%であることを意味する。
また、本明細書において、「完全硬化(complete curing)」とは、硬化率が99%~100%であることを意味する。
本発明の一実施例による透明歯列矯正装置の製造方法は、透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用して歯列矯正装置を3Dプリンティングする段階(S10)、上記段階(S10)で得られた歯列矯正装置から未硬化樹脂および液体(例えば水)を除去する段階(S20)、上記段階(S20)で得られた上記歯列矯正装置を後熱処理する段階(S40)および上記段階(S40)で得られた上記歯列矯正装置を洗浄する段階(S50)を含めることができる。
上記段階(S20)は、5~12barの圧縮空気を上記歯列矯正装置に噴射することによって行うことができる。上記圧縮空気の圧力が上記範囲内であれば、上記歯列矯正装置の透明度が向上し得る。
【0005】
例えば、上記段階(S20)はエアガン(air gun)を使用して行うことができる。
上記段階(S30)は、60~90℃の温度で行うことができる。上記段階(S30)の後硬化温度が上記範囲内であれば、上記歯列矯正装置の透明度が向上し得る。
上記段階(S40)は、60~90℃の温度を出発温度として25℃/min以下の降温下で行うことができる。例えば、上記段階(S40)は、15~50℃の終結温度まで行うことができる。上記段階(S40)の後熱処理条件が上記範囲内であれば、上記歯列矯正装置の透明度が向上し得る。
上記段階(S50)は、洗浄液洗浄段階(S50-1)および水洗浄段階(S50-2)を含めることができる。例えば、上記洗浄液洗浄段階(S50-1)は、アルコ-ル、イソプロピルアルコ-ル、エタノ-ル、トリプロピレングリコ-ルモノメチルエ-テル(TPM)またはこれらの組み合わせを含む洗浄液を使用して行うことができる。
上記洗浄液洗浄段階(S50-1)および上記水洗浄段階(S50-2)の間には、上記洗浄液が完全に乾燥する時間として5分以上の間隔が存在し得る。上記洗浄液洗浄段階(S50-1)および上記水洗浄段階(S50-2)の間の洗浄時間差が上記範囲内であれば、上記歯列矯正装置の透明度は向上し得る。
本発明の別の側面は、透明歯列矯正装置の製造方法によって製造された透明歯列矯正装置を提供する。
上記製造された透明歯列矯正装置は、従来の透明歯列矯正装置に比べて透明度に優れた利点を持つ。
【0006】
製造例1:透明歯列矯正装置形成用組成物の製造
光硬化性化合物として上記化学式1で示されるジウレタンジメタクリレ-ト(Cas No. 72869-86-4、R=Hである物質およびR=CH3である物質の混合物、分子式:C23H38N2O8)(PP1)、上記化学式2で示されるビスフェノ-ルAエトキシレ-トジメタクリレ-ト(Cas No. 41637-38-1)(PP2)、上記化学式3で示されるヒドロキシエチルメタクリレ-ト(Cas No. 868-77-9)(PP3)、上記化学式4で示されるウレタンアクリレ-トオリゴマ-(Cas No. 106556-00-7)(PP4)、および上記化学式5で示されるトリエチレングリコ-ルジメタクリレ-ト(Cas No. 109-16-0)(PP5)、アクリル樹脂としてDianal BR-83(三菱レ-ヨン製造、ガラス転移温度105℃、重量平均分子量40,000)、光重合開始剤としてフェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(Cas No. 162881-26-7)、および酸化防止剤として2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾ-ルを含む透明歯列矯正装置形成用組成物を製造した。各実施例および比較例で使われた物質および含量を下の表1に示した。下の表1において、各数値の単位は重量部である。また、アクリル樹脂、光開始剤および酸化防止剤の含量は、上記5種の光重合成化合物の総重量100重量部に対する含量である。
【0007】
[化学式1]
R'CH2[C(CH3)(R)CH2]2CH2R'(R=H or CH3, R'=NHCO2CH2CH2O2CC(CH3)=CH2)
[化学式2]
【化1】

[化学式3]
CH2=C(CH3)COOCH2CH2OH
[化学式4]
【化2】

[化学式5]
CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)3COC(CH3)=CH2.

【表1】
【0008】
実施例1:透明歯列矯正装置の製造
*まず、上記製造例1で製造された透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、3Dプリンタ-で第1歯列矯正装置を出力した。上記第1歯列矯正装置は、部分硬化したものである。その後、上記第1歯列矯正装置にエアガンで8barの圧縮空気を噴射して未硬化樹脂および液体を除去し、第2歯列矯正装置を得た。その後、上記第2歯列矯正装置を75℃で後硬化して第3歯歯列矯正装置を得た。その後、上記第3歯列矯正装置を75℃の温度を出発温度として25℃/minの降温下で25℃まで後熱処理して第4歯列矯正装置を得た。その後、上記第4歯列矯正装置をイソプロピルアルコ-ルで完全に洗浄して第5歯列矯正装置を得た。5分経過後、上記第5歯列矯正装置を水で完全に洗浄して第6歯列矯正装置を得た。
実施例2:透明歯列矯正装置の製造
まず、上記製造例1で製造された透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、3Dプリンタ-で第1歯列矯正装置を出力した。上記第1歯列矯正装置は、部分硬化したものである。その後、上記第1歯列矯正装置にエアガンで5barの圧縮空気を噴射して未硬化樹脂および液体を除去し、第2歯列矯正装置を得た。その後、上記第2歯列矯正装置を75℃で後硬化して第3歯列矯正装置を得た。その後、上記第3歯列矯正装置を75℃の温度を出発温度として25℃/minの降温下で25℃まで後熱処理して第4歯列矯正装置を得た。その後、上記第4歯列矯正装置をイソプロピルアルコ-ルで完全に洗浄して第5歯列矯正装置を得た。5分経過後、上記第5歯列矯正装置を水で完全に洗浄して第6歯列矯正装置を得た。
実施例3:透明歯列矯正装置の製造
まず、上記製造例1で製造された透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、3Dプリンタ-で第1歯列矯正装置を出力した。上記の第1歯列矯正装置は、部分硬化したものである。その後、上記第1歯列矯正装置にエアガンで12barの圧縮空気を噴射して未硬化樹脂および液体を除去し、第2歯列矯正装置を得た。その後、上記第2歯列矯正装置を75℃で後硬化して第3歯列矯正装置を得た。その後、上記第3歯列矯正装置を75℃の温度を出発温度として25℃/minの降温下で25℃まで後熱処理して第4歯列矯正装置を得た。その後、上記第4歯列矯正装置をイソプロピルアルコ-ルで完全に洗浄して第5歯列矯正装置を得た。5分経過後、上記第5歯列矯正装置を水で完全に洗浄して第6歯列矯正装置を得た。
【0009】
実施例4:透明歯列矯正装置の製造
まず、上記製造例1で製造された透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、3Dプリンタ-で第1歯列矯正装置を出力した。上記第1歯列矯正装置は、部分硬化したものである。その後、上記第1歯列矯正装置にエアガンで8barの圧縮空気を噴射して未硬化樹脂および液体を除去し、第2歯列矯正装置を得た。その後、上記第2歯列矯正装置を60℃で後硬化して第3歯列矯正装置を得た。その後、上記第3歯列矯正装置を60℃の温度を出発温度として25℃/minの降温下で25℃まで後熱処理して第4歯列矯正装置を得た。その後、上記第4歯列矯正装置をイソプロピルアルコ-ルで完全に洗浄して第5歯列矯正装置を得た。5分経過後、上記第5歯列矯正装置を水で完全に洗浄して第6歯列矯正装置を得た。
実施例5:透明歯列矯正装置の製造
まず、上記製造例1で製造された透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、3Dプリンタ-で第1歯列矯正装置を出力した。上記第1歯列矯正装置は、部分硬化したものである。その後、上記第1歯列矯正装置にエアガンで8barの圧縮空気を噴射して未硬化樹脂および液体を除去し、第2歯列矯正装置を得た。その後、上記第2歯列矯正装置を90℃で後硬化して第3歯列矯正装置を得た。その後、上記第3歯列矯正装置を90℃の温度を出発温度として25℃/minの降温下で25℃まで後熱処理して第4歯列矯正装置を得た。その後、上記第4歯列矯正装置をイソプロピルアルコ-ルで完全に洗浄して第5歯列矯正装置を得た。5分経過後、上記第5歯列矯正装置を水で完全に洗浄して第6歯列矯正装置を得た。
実施例6:透明歯列矯正装置の製造
まず、上記製造例1で製造された透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、3Dプリンタ-で第1歯列矯正装置を出力した。上記第1歯列矯正装置は、部分硬化したものである。その後、上記第1歯列矯正装置にエアガンで8barの圧縮空気を噴射して未硬化樹脂および液体を除去し、第2歯列矯正装置を得た。その後、上記第2歯列矯正装置を75℃で後硬化して第3歯列矯正装置を得た。その後、上記第3歯列矯正装置を75℃の温度を出発温度として5℃/min以下の降温下で25℃まで後熱処理して第4歯列矯正装置を得た。その後、上記第4歯列矯正装置をイソプロピルアルコ-ルで完全に洗浄して第5歯列矯正装置を得た。5分経過後、上記第5歯列矯正装置を水で完全に洗浄して第6歯列矯正装置を得た。
【0010】
実施例7:透明歯列矯正装置の製造
まず、上記製造例1で製造された透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、3Dプリンタ-で第1歯列矯正装置を出力した。上記第1歯列矯正装置は、部分硬化したものである。その後、上記第1歯列矯正装置にエアガンで8barの圧縮空気を噴射して未硬化樹脂および液体を除去し、第2歯列矯正装置を得た。その後、上記第2歯列矯正装置を75℃で後硬化して第3歯列矯正装置を得た。その後、上記第3歯列矯正装置を75℃の温度を出発温度として25℃/minの降温下で50℃まで後熱処理して第4歯列矯正装置を得た。その後、上記第4歯列矯正装置をイソプロピルアルコ-ルで完全に洗浄して第5歯列矯正装置を得た。5分経過後、上記第5歯列矯正装置を水で完全に洗浄して第6歯列矯正装置を得た。
実施例8:透明歯列矯正装置の製造
まず、上記製造例1で製造された透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、3Dプリンタ-で第1歯列矯正装置を出力した。上記第1歯列矯正装置は、部分硬化したものである。その後、上記第1歯列矯正装置にエアガンで8barの圧縮空気を噴射して未硬化樹脂および液体を除去し、第2歯列矯正装置を得た。その後、上記第2歯列矯正装置を75℃で後硬化して第3歯列矯正装置を得た。その後、上記第3歯列矯正装置を75℃の温度を出発温度として25℃/minの降温下で25℃まで後熱処理して第4歯列矯正装置を得た。その後、上記第4歯列矯正装置をイソプロピルアルコ-ルで完全に洗浄して第5歯列矯正装置を得た。20分経過後、上記第5歯列矯正装置を水で完全に洗浄して第6歯列矯正装置を得た。
比較例1:透明歯列矯正装置の製造
まず、上記製造例1で製造された透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、3Dプリンタ-で第1歯列矯正装置を出力した。上記第1歯列矯正装置は、部分硬化したものである。その後、上記第1歯列矯正装置をイソプロピルアルコ-ルで完全に洗浄して第2歯列矯正装置を得た。その後、上記第2歯列矯正装置を75℃で後硬化して第3歯列矯正装置を得た。その後、上記第3歯列矯正装置を75℃の温度を出発温度として25℃/minの降温下で25℃まで後熱処理して第4歯列矯正装置を得た。
【0011】
比較例2:透明歯列矯正装置の製造
まず、上記製造例1で製造された透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、3Dプリンタ-で第1歯列矯正装置を出力した。上記第1歯列矯正装置は、部分硬化したものである。その後、上記第1歯列矯正装置にエアガンで3barの圧縮空気を噴射して未硬化樹脂および液体を除去し、第2歯列矯正装置を得た。その後、上記第2歯列矯正装置を75℃で後硬化して第3歯列矯正装置を得た。その後、上記第3歯列矯正装置を75℃の温度を出発温度として25℃/minの降温下で25℃まで後熱処理して第4歯列矯正装置を得た。その後、上記第4歯列矯正装置をイソプロピルアルコ-ルで完全に洗浄して第5歯列矯正装置を得た。5分経過後、上記第5歯列矯正装置を水で完全に洗浄して第6歯列矯正装置を得た。
比較例3:透明歯列矯正装置の製造
まず、上記製造例1で製造された透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、3Dプリンタ-で第1歯列矯正装置を出力した。上記第1歯列矯正装置は、部分硬化したものである。その後、上記第1歯列矯正装置にエアガンで14barの圧縮空気を噴射して未硬化樹脂および液体を除去し、第2歯列矯正装置を得た。その後、上記第2歯列矯正装置を75℃で後硬化して第3歯列矯正装置を得た。その後、上記第3歯列矯正装置を75℃の温度を出発温度として25℃/minの降温下で25℃まで後熱処理して第4歯列矯正装置を得た。その後、上記第4歯列矯正装置をイソプロピルアルコ-ルで完全に洗浄して第5歯列矯正装置を得た。5分経過後、上記第5歯列矯正装置を水で完全に洗浄して第6歯列矯正装置を得た。
比較例4:透明歯列矯正装置の製造
まず、上記製造例1で製造された透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、3Dプリンタ-で第1歯列矯正装置を出力した。上記第1歯列矯正装置は、部分硬化したものである。その後、上記第1歯列矯正装置にエアガンで8barの圧縮空気を噴射して未硬化樹脂および液体を除去し、第2歯列矯正装置を得た。その後、上記第2歯列矯正装置を30℃で後硬化して第3歯列矯正装置を得た。その後、上記第3歯列矯正装置を30℃の温度を出発温度として25℃/minの降温下で25℃まで後熱処理して第4歯列矯正装置を得た。その後、上記第4歯列矯正装置をイソプロピルアルコ-ルで完全に洗浄して第5歯列矯正装置を得た。5分経過後、上記第5歯列矯正装置を水で完全に洗浄して第6歯列矯正装置を得た。
【0012】
比較例5:透明歯列矯正装置の製造
まず、上記製造例1で製造された透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、3Dプリンタ-で第1歯列矯正装置を出力した。上記第1歯列矯正装置は、部分硬化したものである。その後、上記第1歯列矯正装置にエアガンで8barの圧縮空気を噴射して未硬化樹脂および液体を除去し、第2歯列矯正装置を得た。その後、上記第2歯列矯正装置を120℃で後硬化して第3歯列矯正装置を得た。その後、上記第3歯列矯正装置を120℃の温度を出発温度として25℃/minの降温下で25℃まで後熱処理して第4歯列矯正装置を得た。その後、上記第4歯列矯正装置をイソプロピルアルコ-ルで完全に洗浄して第5歯列矯正装置を得た。5分経過後、上記第5歯列矯正装置を水で完全に洗浄して第6歯列矯正装置を得た。
比較例6:透明歯列矯正装置の製造
まず、上記製造例1で製造された透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、3Dプリンタ-で第1歯列矯正装置を出力した。上記第1歯列矯正装置は、部分硬化したものである。その後、上記第1歯列矯正装置にエアガンで8barの圧縮空気を噴射して未硬化樹脂および液体を除去し、第2歯列矯正装置を得た。その後、上記第2歯列矯正装置を75℃で後硬化して第3歯列矯正装置を得た。その後、上記第3歯列矯正装置を75℃の温度を出発温度として30℃/minの降温下で25℃まで後熱処理して第4歯列矯正装置を得た。その後、上記第4歯列矯正装置をイソプロピルアルコ-ルで完全に洗浄して第5歯列矯正装置を得た。5分経過後、上記第5歯列矯正装置を水で完全に洗浄して第6歯列矯正装置を得た。
【0013】
比較例7:透明歯列矯正装置の製造
まず、上記製造例1で製造された透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、3Dプリンタ-で第1歯列矯正装置を出力した。上記第1歯列矯正装置は、部分硬化したものである。その後、上記第1歯列矯正装置にエアガンで8barの圧縮空気を噴射して未硬化樹脂および液体を除去し、第2歯列矯正装置を得た。その後、上記第2歯列矯正装置を75℃で後硬化して第3歯列矯正装置を得た。その後、上記後硬化した第3歯列矯正装置を後熱処理せずに直ちにイソプロピルアルコ-ルで完全に洗浄して第4歯列矯正装置を得た。5分経過後、上記第4歯列矯正装置を水で完全に洗浄して第5歯列矯正装置を得た。
比較例8:透明歯列矯正装置の製造
まず、上記製造例1で製造された透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、3Dプリンタ-で第1歯列矯正装置を出力した。上記第1歯列矯正装置は、部分硬化したものである。その後、上記第1歯列矯正装置にエアガンで8barの圧縮空気を噴射して未硬化樹脂および液体を除去し、第2歯列矯正装置を得た。その後、上記第2歯列矯正装置を75℃で後硬化して第3歯列矯正装置を得た。その後、上記第3歯列矯正装置を75℃の温度を出発温度として25℃/minの降温下で25℃まで後熱処理して第4歯列矯正装置を得た。その後、上記第4歯列矯正装置をイソプロピルアルコ-ルで完全に洗浄して第5歯列矯正装置を得た。その後、時間の間隔を置かずに直ちに上記第5歯列矯正装置を水で完全に洗浄して第6歯列矯正装置を得た。
【0014】
参考例1:透明歯列矯正装置の製造
まず、上記製造例1で製造された透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、3Dプリンタ-で第1歯列矯正装置を出力した。上記第1歯列矯正装置は、部分硬化したものである。その後、上記第1歯列矯正装置にエアガンで8barの圧縮空気を噴射して未硬化樹脂および液体を除去し、第2歯列矯正装置を得た。その後、上記第2歯列矯正装置を75℃に後硬化して第3歯列矯正装置を得た。その後、上記第3歯列矯正装置を75℃の温度を出発温度として25℃/minの降温下で25℃まで後熱処理して第4歯列矯正装置を得た。その後、上記第4歯列矯正装置をイソプロピルアルコ-ルで完全に洗浄して第5歯列矯正装置を得た。1分経過後、上記第5歯列矯正装置を水で完全に洗浄して第6歯列矯正装置を得た。
評価例1:透明歯列矯正装置の透明度評価
上記の各実施例および比較例で製造された透明歯列矯正装置に対して官能検査を実施した。具体的には、訓練された5人の評価要員を対象に下記の方法で官能検査を実施した。すなわち、それぞれの透明歯列矯正装置の透明度の水準を肉眼観察により5点法で評価した後、各点数を平均して下の表2に示した。ここで、各項目の点数が高いほど当該項目の透明度が高いことを意味する。
また、実施例1、比較例1、比較例2および比較例6で製造された歯列矯正装置の写真を図1ないし図4にそれぞれ示した。

【表2】
上記の表2および図1ないし図4を参照すると、実施例1~8の透明歯列矯正装置が比較例1~8および参考例1の透明歯列矯正装置に比べて透明度が高いことが分かった。以上で図面および実施例を参照して本発明による望ましい具現例が説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当該技術分野で通常の知識を持つ者ならば、これから多様な変形および均等な他の具現例が可能だという点を理解できるだろう。したがって、本発明の保護範囲は添付された特許請求の範囲によって定められなければならない。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一具現例による透明歯列矯正装置の製造方法は、透明歯列矯正装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、実施例1で製造された透明歯列矯正装置を示した写真である。
図2図2は、比較例1で製造された透明歯列矯正装置を示した写真である。
図3図3は、比較例2で製造された透明歯列矯正装置を示した写真である。
図4図4は、比較例6で製造された透明歯列矯正装置を示した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一面は、
透明歯列矯正装置形成用組成物を原料として使用し、歯列矯正装置を3Dプリンティングする段階(S10);
上記段階(S10)で得られた前記歯列矯正装置から未硬化樹脂および液体を除去する段階(S20);
上記段階(S20)で得られた上記歯列矯正装置を後硬化する段階(S30);
上記段階(S30)で得られた上記歯列矯正装置を後熱処理する段階(S40); および
上記段階(S40)で得られた上記歯列矯正装置を洗浄する段階(S50)を含む透明歯列矯正装置の製造方法を提供する。
上記段階(S20)は、5~12barの圧縮空気を上記歯列矯正装置に噴射することによって行うことができる。
上記段階(S30)は、60~90℃の温度で行うことができる。
上記段階(S40)は、60~90℃の温度を出発温度として25℃/min以下の降温下で行うことができる。
上記段階(S50)は、洗浄液洗浄段階(S50-1)および水洗浄段階(S50-2)を含めることができる。
上記洗浄液洗浄段階(S50-1)および上記水洗浄段階(S50-2)の間には、上記洗浄液が完全に乾燥する時間として5分以上の間隔が存在し得る。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】