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▶ マイネッティ ソチエタ ペル アチオニの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-11
(54)【発明の名称】ハンガー用クリップ
(51)【国際特許分類】
   A47G 25/50 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
A47G25/50 ZBP
A47G25/50 ZAB
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564181
(86)(22)【出願日】2022-04-21
(85)【翻訳文提出日】2023-11-08
(86)【国際出願番号】 EP2022060632
(87)【国際公開番号】W WO2022223740
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】102021000010376
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522418783
【氏名又は名称】マイネッティ ソチエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マイネッティ、マリオ
【テーマコード(参考)】
3K099
【Fターム(参考)】
3K099AA04
3K099AA05
3K099BA03
3K099BA23
3K099BA30
3K099CB34
3K099DA09
3K099DA11
3K099DA13
(57)【要約】
バー(1、1’)に適用されるハンガー用クリップは、側部(5、6)及び湾曲爪(5’、6’)を有する弾性要素(4)で相互接続されたブレード(2、3)を有し、湾曲爪はブレード(2、3)の各々に存在する窪み(8)に挿入可能である。弾性要素(4)はブレード(2、3)の下端部を押して相互接触させる。弾性要素(4)は実質的に「U」形状で、ブレード(2、3)の各々は第1の内部要素(2’、3’)とこれに重ね合わせ可能でブレード(2、3)を構成する第2の外部要素(2”、3”)から構成され;各要素(2’、3’)及び対応する要素(2”、3”)は互いに同一であり;要素(2”、3”)の各々は、要素(2’、3’)と同一の形状及び寸法で、要素(2’、3’)の各々に完全重ね合わせ可能で;弾性要素(4)は、湾曲爪(5’、6’)の窪み(8)挿入前に、要素(2’、3’)の一部(30)と重なる区分を有する側部(5、6)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スカート及びズボンのような衣服のためのハンガーの長手方向全体に沿って存在するバー(1、1’)に適用されるハンガー用のクリップであって、前記クリップは、対向する側面(5、6)を備えた弾性要素(4)によって相互に接続された一対の対向するブレード(2、3)を有し、前記ハンガーの前記バー(1、1’)の上方にまたがって配置することができる前記弾性要素(4)の両端に、外側を向く凹部を有する湾曲した爪(5’、6’)が設けられており;前記弾性要素(4)の湾曲した爪(5’、6’)の各々は、前記ブレード(2、3)の各々に存在する窪み(8)に挿入可能であり、前記弾性要素(4)は、前記ブレード(2、3)の下端を押して相互接触するように作用し、
前記クリップは、
前記弾性要素(4)は実質的に「U」形状であり、前記ブレード(2、3)の各々は、平面形状を有する第1の内部要素(2’、3’)と、平面形状を有し前記第1の内部要素に重ね合わせることができて前記ブレード(2、3)を構成する第2の外部要素(2”、3”)とから構成され、前記第1の内部要素(2’、3’)は互いに同一であると共に対応する前記第2の外部要素(2”、3”)は互いに同一であり、前記第2の外部要素(2”、3”)の各々は、前記第1の内部要素(2’、3’)の各々に対して実質的に同一の周囲展開を有し、したがって、前記第2の外部要素(2”、3”)の各々は、それらの周囲縁部の実質的な一致により、前記第1の内部要素(2’、3’)の各々に対して完全に重ね合わせることができ、前記バー(1、1’)の上方にまたがって配置された前記弾性要素(4)は、前記湾曲した爪(5’、6’)が前記窪み(8)に挿入される前に、前記第1の内部要素(2’、3’)の一部分(30)と重なる少なくとも1つのセクションを、その対向する側面(5、6)に有する、ことを特徴とする、
ハンガー用クリップ。
【請求項2】
前記第1の内部要素(2’、3’)は、「U」形状の上側のノッチ(7)を有し、前記第2の外部要素(2”、3”)は、前記弾性要素(4)の部分が挿入可能な細長い形状の窓(9)を有することを特徴とする、請求項1に記載のハンガー用クリップ。
【請求項3】
前記第1の内部要素(2’、3’)の前記ノッチ(7)の下に、その外側を向いた面に前記窪み(8)があることを特徴とする、請求項2に記載のハンガー用クリップ。
【請求項4】
前記弾性要素(4)の前記対向する側面(5、6)の少なくとも一部が重ね合わされる、前記第1の内部要素(2’、3’)の部分(30)が、前記ノッチ(7)と前記窪み(8)との間に配置されていることを特徴とする、請求項3に記載のハンガー用クリップ。
【請求項5】
前記弾性要素(4)は、その側面(5、6)の端部に、前記第1の内部要素(2’、3’)の外面に存在する前記窪み(8)に挿入可能で、前記第1の内部要素(2’、3’)の前記ノッチ(7)を通過し、前記第2の外部要素(2”、3”)の前記窓(9)を通過する、湾曲した爪(5’、6’)を有することを特徴とする、請求項4に記載のハンガー用クリップ。
【請求項6】
両方の前記第1の内部要素(2’、3’)は、前記バー(1)に対向する面において、少なくとも、対向する前記バーの部分の形状に対応する形状の凹部(20’、30’)又は(20”、30”)を有し、当該凹部において、前記バーの前記部分は、前記クリップに対して安定した位置決めを可能にし、したがって、前記バー(1)に対して一対の前記クリップ(2、3)の支点として作用するように、収容されることができる、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のハンガー用クリップ。
【請求項7】
前記ブレード(2、3)の前記第1の内部要素(2’、3’)の内部表面の下部が、柔らかい材料又は滑り止め特性を有するインサート(22’、23’)が固定可能な面取り部(12’、13’)を有することを特徴とする、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のハンガー用クリップ。
【請求項8】
前記第1の内部要素(2’、3’)及び前記第2の外部要素(2”、3”)は、接着操作によって、又は他の手段で固定することによって、固定可能であることを特徴とする、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のハンガー用クリップ。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のクリップの少なくとも1つを用いることを特徴とする、ハンガー。
【請求項10】
請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載のクリップの2つを使用することを特徴とする、ハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の全般的な部分に係るハンガー用クリップに関する。本発明はまた、前記クリップを使用するハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
スカートやズボンなどの衣類用のハンガーは、一般に、これらのハンガーの長手方向全体にバーを有するように形作られていることがよく知られている。クリップを、一対の対向するブレードを有する前述のハンガーに固定することができ、これらのブレードは、対向する側部を有する弾性要素によって相互に接続され、この弾性要素は、U字形の形成をとることがある。
【0003】
特に、この弾性要素は、ハンガーのバーの上方にまたがって配置され得ることがもたらされる。さらに、弾性要素の側面の各々は、ブレードの各々に存在する特別な穴に挿入可能であり、前述のものの下端を押して相互接触するように作用する。
【0004】
特にスカート及びズボン用のクリップは、大抵の場合、自動成形プロセスによってプラスチックで作られることも知られている。このことは、一方では、非常に短時間で大量に製造することができるこのようなハンガーを迅速かつ経済的に得ることを可能にする。
【0005】
他方では、生分解性で堆肥化可能な製品、及び/又は、いずれの場合にも、産業レベルだけでなく家庭でも容易にリサイクル可能な製品に対する市場の需要がますます広がっている。
【0006】
さらには、特に、セルロースパルプ又は一般的な紙材料から出発してハンガーを作製することができる多くのプロセス及び機械加工がますます普及しており、これらの材料は、これらのタイプの製品を管理する厳格な規則に従って、容易にリサイクル可能であり、かつ、生分解性及び堆肥化可能であると宣言することができる。言うまでもなく、これらのハンガーは、構成要素、特にその中に存在し得る任意のクリップを含めて、いずれの場合も、効果的に使用することができるように十分に剛性かつ堅牢でなければならない。
【0007】
しかしながら、現在市販されており、プラスチック材料で作られているブレードの現在の構成は、セルロースパルプなどの生分解性で堆肥化可能な材料の使用には適しておらず、実際には、これらのタイプの材料で作られている場合、これらのブレードは、あまりにも脆く、弾性である。
【0008】
この技術分野の最も重要な文献として、日本公開JP2000-051051Aを参照すると、そこで説明されているのは、特にその図2及び3(以下の符号はこの文献に関連する)において、スカート及びズボンなどの衣服用ハンガーに適用可能なハンガー用クリップであって、前記ハンガーは、一対のクリップを固定することができる前記ハンガーの長手方向全体に沿って存在するバーを有し、前記クリップの各々は、対向する側面(13)を有する弾性要素(7)によって相互に接続された、一対の対向するブレード(6)を有し(図2)、湾曲した爪(13)は、クリップの前記バーの上方にまたがって配置することができる前記弾性要素の両端において外側に面する凹部を備え、前記弾性要素の側面の各々は、各ブレードに存在する窪みに挿入可能であり(図2、3)、前記弾性要素は、ブレードの下端(8)を押して相互接触するように作用し、ここで、各ブレードは、第1の内部要素(スポンジタイプ10の弾性クッション)と、第1の内部要素に重ねられ、前記第1の内部要素と単一の本体を構成する第2の外部要素(アーム6の残りの部分)とから構成される(図2図3)。
【0009】
別の重要な文献は、米国特許出願公開第2004/099700A1号によって構成され、その文献で説明されているのは、特に、その図1及び図5(以下の符号はこの文献に関連する)において、スカート及びズボンなどの衣服用ハンガーに適用可能なハンガー用のクリップであって、前記ハンガーは、一対のクリップを固定することができる前記ハンガーの長手方向全体に沿って存在するバーを有し、前記クリップの各々は、対向する側面を有する弾性要素(6)によって相互に接続された、一対の対向するブレードを有し(図5)、クリップの前記バーの上方にまたがって配置することができる前記弾性要素の両端において、実質的に「U」のように成形され、前記弾性要素の側面の各々は、各ブレードに存在する窪みに挿入可能であり、前記弾性要素は、ブレードの下端を押して相互接触するように作用し、ここで、各ブレードは、第1の内部要素(14)と、第1の内部要素に重ねられ、前記第1の内部要素と単一の本体を構成する第2の外部要素とから構成される(図4、5)。
【0010】
文献US7150381B2及びUS5241728Aも参照されたい。
【発明の概要】
【0011】
しかしながら、これらのタイプの構成では、その性質上平坦な形状であるプレスされた厚紙のシートからハンガー用のクリップを作成することはできない。上述の文献から分かるように、前記クリップを形成する要素には、補強リブ、弾性要素の通過のための窓、及びその座部が設けられ、また、指によってブレードを開くための力を及ぼす人間工学的領域が設けられている。
【0012】
本発明の主な目的は、スカートやズボンなどの衣類用のハンガーに適用可能な、ハンガー用の革新的なクリップを実現することであり、このクリップは、その構成のおかげで、セルロース又は一般的な紙材料などの生分解性で堆肥化可能なリサイクル可能な材料から作製されるのに特に適している。
【0013】
これは、本発明によれば、特に、ブレードの各々が、両方とも平坦な表面を有する第1の内部要素と第2の外部要素とから構成され、第2の外部要素は、第1の内部要素に重ね合わせ可能であり、前記第1の内部要素と単一の本体を構成することが提供されることによって達成される。さらに、第1の内部要素及び対応する第2の外部要素は、それらの間で同一であることがもたらされる。さらに、第2の外部要素のそれぞれが、第1の内部要素のそれぞれに対して同一の周囲展開を有し、したがって、前記外部要素のそれぞれは、実質的にそれぞれの周囲縁で、対応する第1の内部要素に対して完全に重ね合わせ可能であることがもたらされる。
【0014】
特に、ハンガーに存在するバーの上方にまたがって配置され得る弾性要素が、前記ブレードを有する特別な手段に密着し及び挿入されることがもたらされ、前記ブレードは、この目的のために、前記弾性要素の配置を可能にし、前記弾性要素がその機能を効果的に発揮できることを確実にするための、特別な窪み、切欠き、及び窓を有する。
【0015】
本発明はまた、上記の特徴に従って実現される1つ又は2つのクリップを使用してハンガーを実現することを提案する。
【0016】
本発明のこの特徴及び他の特徴を、添付の図面を用いて、非限定的な例としてのみ与えられる、その2つの特定の実施形態を参照して、以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による、円筒形状の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの各々のブレードの第2の外部要素の正面図である。
図2】本発明による、円筒形状の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの各々のブレードの第2の外部要素の側面図である。
図3】本発明による、円筒形状の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの各々のブレードの第2の外部要素の斜視図である。
図4】本発明による、円筒形状の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの各々のブレードに存在する内部要素の正面図である。
図5】本発明による、円筒形状の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの各々のブレードに存在する内部要素の側面図である。
図6】本発明による、円筒形状の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの各々のブレードに存在する内部要素の斜視図である。
図7】本発明による、円筒形状の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの全体分解図である。
図8】本発明による、円筒形状の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの分解側面図である。
図9】本発明による、円筒形状の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの全体斜視図である。
図10】本発明による、円筒形状の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの垂直断面図である。
図11】本発明による、円筒形状とは異なる構造の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの各々のブレードの第2の外部要素の正面図である。
図12】本発明による、円筒形状とは異なる構造の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの各々のブレードの第2の外部要素の側面図である。
図13】本発明による、円筒形状とは異なる構造の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの各々のブレードの第2の外部要素の斜視図である。
図14】本発明による、円筒形状とは異なる構造の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの各々のブレードに存在する内部要素の正面図である。
図15】本発明による、円筒形状とは異なる構造の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの各々のブレードに存在する内部要素の側面図である。
図16】本発明による、円筒形状とは異なる構造の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの各々のブレードに存在する内部要素の斜視図である。
図17】本発明による、円筒形状とは異なる構造の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの全体分解図である。
図18】本発明による、円筒形状とは異なる構造の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの分解側面図である。
図19】本発明による、円筒形状とは異なる構造の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの全体斜視図である。
図20】本発明による、円筒形状とは異なる構造の長手方向バーを有するスカート及びズボン用のハンガーに適用可能なハンガー用のクリップの垂直断面図である。
図21】クリップが挿入されるバーにまたがる弾性要素を挿入する様々なステップの1つを、図21図25で連続して示す図である。
図22】クリップが挿入されるバーにまたがる弾性要素を挿入する様々なステップの1つを、図21図25で連続して示す図である。
図23】クリップが挿入されるバーにまたがる弾性要素を挿入する様々なステップの1つを、図21図25で連続して示す図である。
図24】クリップが挿入されるバーにまたがる弾性要素を挿入する様々なステップの1つを、図21図25で連続して示す図である。
図25】クリップが挿入されるバーにまたがる弾性要素を挿入する様々なステップの1つを、図21図25で連続して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1図3、及び図4図6は、それぞれ、要素2”及び2’を示し、これは、一旦接着され、固定され、又はいかなる場合も単一の本体を構成すると、1つのブレード2を構成し、これは、対向する同一のブレード3と共に本発明によるクリップを構成する。
【0019】
特に、第1の内部要素2’は、「U」のような形状の上側ノッチ7を有し、その下には、外側に向いた表面に窪み8がある。この窪みは、貫通孔又は貫通していない窪みから構成されてもよく、後述する弾性要素の端部を収容する形状でなければならない。
【0020】
他方、第2の外部要素2”は、特に図7及び図8に見られるように、第1の要素に重ね合わせ可能であり、細長い窓9を有する。この第2の外部要素2”は、第1の内部要素2’を補強する機能を有する。有利には、第2の外部要素2”、3”は、第1の内部要素2’、3’と同一の形状及び寸法を有する。この場合、前記第2の外部要素2’,3’は、前記第1の内部要素2’,3’に完全に重ね合わせ可能である。
【0021】
特に図7図10に見られるように、このクリップは、実質的に円筒形状の長手方向バー1を有するハンガーに使用するのに適している。
【0022】
この目的のために、特に図7図8及び図9に見られるように、第1の内部要素2’、3’の内側を向く表面には、バー1の外部表面の一部が挿入されるように適合された凹部20’、30’が存在する。
【0023】
すでに述べたように、クリップのブレード2、3を共に構成する、それぞれ内部と外部、2’と2”、及び3’と3”の要素の対は、単一の構造を形成するように相互に接続されることが保証される。
【0024】
有利には、これは、最初に、それぞれ内部及び外部、2’、2”、及び3’、3”の個々の要素を作成し、次に、これらの要素が圧着手段によって、又は固定接続もしくは可動接続などによって互いに固定されることを排除することができないとしても、それらを互いに接着することによって達成される。
【0025】
2つのブレード2、3の相互接続を可能にするために、ならびにそれらの両方をバー1に接続するために、また、クリップがその機能を果たすことができるようにクリップが弾性的に機能することを可能にするために、実質的に「U」の形状の弾性要素4が提供され、これは、クリップのバー1の上方にまたがって配置され得る。弾性要素4の対向する両側面5、6の端部には、外側を向く凹部を有する湾曲した爪5’、6’が設けられている。特に、前記弾性要素4の側面5、6の各々は、両方の第1の内部要素2’、3’の外面上に存在する窪み8に挿入される。特に、弾性要素4は、第1の内部要素2’、3’のノッチ7を通過し、第2の外部要素2”、3”の窓9を通過する。
【0026】
実際には、弾性要素4が正しく位置決めされると、図9図10に示すクリップ構造が得られ、2つのブレード2、3の上部は、バー1の存在によって離れて広がるが、前記のものの下部は、相互接触して配置される。この結合は、正確には、2つのブレード2、3を前記図9、10に示される位置で互いに押し付ける弾性要素4の存在に起因する。この位置では、2つのブレード2、3の下側部分の相互付着によって、任意の衣類等を所定の位置に保持することができる。この付着は、2つのブレード2、3の両方のクリップの上部(バー1よりも高い位置に配置された部分)を手動で作用させることによって簡単に離すことができ、このようにして、ブレード2、3の下部の内側に存在する衣類を解放する。
【0027】
特に図6、7、及び8に見られるように、ブレード2、3の第1の内部要素2’、3’の内部表面の下部は、有利には、十分に柔らかい材料のインサートを固定することが可能な面取り部12’、13’を示し、これは、2つのブレード2、3の間に配置された衣類に皺などが形成される可能性を低減することができ、また、特に吊り下げ位置にあるときに、衣類自体を所定の位置に保持することを容易にするために、前述の要素間のより大きな摩擦係数を保証することができる。
【0028】
一方で、図11~20は、別の実施形態にて、本発明において言及されるクリップを構成する様々な要素、及びその複雑さにおける前述のクリップを示す。特に、このクリップは、バーが異なる形状を有する衣類ハンガーに適用することができるが、それは、上に示された円筒形のものに対して構造的に類似しており機能的に同一であるが、実際には、この場合、参照番号1’で識別されている。実際には、個々の図は、前の図に示され、上述したものと同じ実体を示す。
【0029】
図17~19は、この場合、バー1’が側方フィン1”を備える構造を有することを示しており、この場合、特に、内側を向いていてそれゆえに実際にはバー1’に向いている第1の内部要素2’、3’の表面において、バー1’に属するフィン1”が収容され旋回される単純な溝によって構成された凹部30”が存在することが与えられている。
【0030】
内部要素2’、3’及び外部要素2”、3”それぞれの様々な構成要素、並びに弾性要素4に対するそれらの位置決め、さらにクリップの全体的な動作は、上記に図示及び説明したものと同一である。
【0031】
操作上の観点から、本発明において言及されるクリップは、それが適用されるバーのタイプにかかわらず、リサイクル可能な材料、主にパルプベースの材料、又は一般的な紙タイプの材料から作られるのに本質的に適している。これは、主に、クリップ2、3のさまざまな内部要素2’、3’及び外部要素2”、3”を、これらの材料から別々に作ることが容易であることによる。本質的に平坦である紙材料のシートから出発して、内部要素2’、3’及び外部要素2”、3”それぞれを、せん断、打ち抜き又はレーザ切断作業によって、及び/又は他のシステムによって、得ることができる。両方とも上側ノッチ7を有する第1の内部要素2’及び3’の特定の設計により、図21~25に示されるように、弾性要素4をその座部に挿入することができる。
【0032】
さらに図21乃至図25を参照すると、弾性要素4は、湾曲した爪5’及び6’の内部部分がバー1に接触するまで、第1の内部要素2’及び3’の部分と干渉することなく挿入される。
【0033】
弾性要素を押し込むことにより、弾性要素4の側面5及び6は開き、湾曲した爪5’及び6’が第1の内部要素2’及び3’の窪み8内に安定に配置されるまで進むことができる。
【0034】
第2の外部要素2”及び3”は、第1の内部要素2’及び3’の補強手段として機能し、また、ばねの突出部を覆い、その全体寸法は、第2の外部要素2”及び3”の外面の内側に残る。
【0035】
実際には、ブレードを、圧縮された厚紙のシートから実質的に出発して作る場合、ちょうど指を押してクリップを開くことができる支点の上に人間工学的表面を作ることが実際的には不可能であるように、プラスチック材料の射出によって製造される対応するブレードに通常存在する補強リブを作ることは不可能であることは明らかである。したがって、第2の外部要素2”、3”は、第1の内部要素2’、3’の助けを借りて構成されるブレードの本体を強固にし補強する機能を有する。第2の外部要素2”、3”は、弾性要素4、より正確には側面5、6及び爪5’、6’を覆う要素としても機能する。
【0036】
ここでも、第2の外部要素2”、3”が存在することにより、弾性要素4は、ハンガーに掛けられた衣類を破損しないように、窪んでいてブレードの本体から突出していない状態で、窓9の内側に位置決めされたままになる。
【0037】
実際には、クリップが、残念ながら破損するか、捨てられることが望まれる場合、仕分けられた紙の収集用容器の中に捨てることができるようにするために、一般に金属材料で作られた弾性要素4から分離するようにそれを引き裂けば十分である。
【0038】
とりわけ、バー1、1’は、セルロース系又は紙系材料から容易に製造することができ、これにより、容易にリサイクル可能になっている。
【0039】
しかしながら、本発明において言及されるクリップは、当然、異なる材料、例えば、プラスチック材料、木材、金属材料などで製造することができる。
【0040】
本発明は、特許の範囲から逸脱することなく、以下の特許請求の範囲において定義されるという条件で、その本質的な特徴を損なうことなく、先に例示され説明されたもの以外の態様を取り得ることに留意されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
【国際調査報告】