(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-11
(54)【発明の名称】半導体パッケージング装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240404BHJP
C23C 14/14 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
H01L21/68 A
C23C14/14 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564251
(86)(22)【出願日】2022-04-01
(85)【翻訳文提出日】2023-10-19
(86)【国際出願番号】 KR2022004671
(87)【国際公開番号】W WO2022225222
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0052911
(32)【優先日】2021-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504210651
【氏名又は名称】ジュスン エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム スン ウック
(72)【発明者】
【氏名】ケウム ミン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】パク ジョン シク
(72)【発明者】
【氏名】オォ ソク ユン
(72)【発明者】
【氏名】リム エイク ヒュン
【テーマコード(参考)】
4K029
5F131
【Fターム(参考)】
4K029AA06
4K029AA24
4K029BA03
4K029BA04
4K029BA07
4K029BA08
4K029BA12
4K029BA17
4K029BA21
4K029BB03
4K029BC03
4K029BD01
4K029CA05
4K029DC03
4K029DC04
4K029DC33
4K029HA01
4K029JA01
4K029KA02
4K029KA03
4K029KA09
5F131AA02
5F131BA35
5F131BA51
5F131BB03
5F131BB13
5F131CA32
5F131CA42
5F131DA22
5F131DA42
(57)【要約】
本発明は、半導体パッケージング装置に関し、より詳細には、ウェーハレベルパッケージング方式により半導体素子をパッケージングするための半導体パッケージング装置に関する。
本発明の実施形態に係る半導体パッケージング装置は、複数の半導体素子を備えるウェーハの上にマスク部材を配置する工程を行うことが可能な空間を有するローディング部と、前記ローディング部からウェーハ及びマスク部材を受け渡されてウェーハの上に導電パターン層を形成する工程を行うことが可能な空間を有し、前記ローディング部と連結される蒸着部と、前記蒸着部からウェーハ及びマスク部材を受け渡されてウェーハの上においてマスク部材を分離する工程を行うことが可能な空間を有し、前記蒸着部と連結されるアンローディング部と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の半導体素子を備えるウェーハの上にマスク部材を配置する工程を行うことが可能な空間を有するローディング部と、
前記ローディング部からウェーハ及びマスク部材を受け渡されてウェーハの上に導電パターン層を形成する工程を行うことが可能な空間を有し、前記ローディング部と連結される蒸着部と、
前記蒸着部からウェーハ及びマスク部材を受け渡されてウェーハの上においてマスク部材を分離する工程を行うことが可能な空間を有し、前記蒸着部と連結されるアンローディング部と、
を備える、半導体パッケージング装置。
【請求項2】
前記ローディング部は前記蒸着部の一方の側に連結され、前記アンローディング部は前記蒸着部の一方の側とは反対側である前記蒸着部の他方の側に連結される、請求項1に記載の半導体パッケージング装置。
【請求項3】
前記ローディング部は、
前記蒸着部と連結される第1のロードロック部と、
複数枚のウェーハを貯蔵するための空間を有し、前記第1のロードロック部と連結される第1のウェーハ貯蔵部と、
複数枚のマスク部材を貯蔵するための空間を有し、前記第1のロードロック部と連結される第1のマスク貯蔵部と、
前記第1のウェーハ貯蔵部及び第1のマスク貯蔵部からそれぞれウェーハ及びマスク部材を受け渡されてウェーハの上にマスク部材を整列して固定するための空間を有し、前記第1のロードロック部と連結される整列部と、
を備える、請求項1に記載の半導体パッケージング装置。
【請求項4】
前記蒸着部は、
ウェーハの上に導電パターン層を形成する工程を行うことが可能な空間の少なくとも一部を提供する蒸着チャンバーと、
受け渡されたウェーハ及びマスク部材を支持可能なように前記蒸着チャンバー内に配設される支持部と、
前記支持部と対向するように前記蒸着チャンバー内に配設されるスパッターリングターゲット部と、
前記スパッターリングターゲット部に電力を供給するための電源部と、
を備える、請求項1に記載の半導体パッケージング装置。
【請求項5】
前記支持部は、受け渡されたウェーハ及びマスク部材を移動させるための移動部材を備える、請求項4に記載の半導体パッケージング装置。
【請求項6】
前記移動部材は、ローラープレートまたはコンベヤーベルトを備える、請求項5に記載の半導体パッケージング装置。
【請求項7】
前記支持部は、複数枚のウェーハが載置可能な載置面を有する、請求項4に記載の半導体パッケージング装置。
【請求項8】
前記蒸着部は、
前記ローディング部と連結されて、ウェーハの上に形成されたパッシベーション層の上に下導電パターン層を形成するための第1の蒸着部と、
前記第1の蒸着部と連結されて、前記下導電パターン層の上に前記下導電パターン層とは異なる物質からなる上導電パターン層を形成するための第2の蒸着部と、
を備える、請求項1に記載の半導体パッケージング装置。
【請求項9】
前記第2の蒸着部は、複数が互いに連結されて設けられる、請求項8に記載の半導体パッケージング装置。
【請求項10】
前記アンローディング部は、
前記蒸着部と連結される第2のロードロック部と、
複数枚のウェーハを貯蔵するための空間を有し、前記第2のロードロック部と連結される第2のウェーハ貯蔵部と、
複数枚のマスク部材を貯蔵するための空間を有し、前記第2のロードロック部と連結される第2のマスク貯蔵部と、
前記第2のロードロック部からウェーハ及びマスク部材を受け渡されてウェーハ上においてマスク部材を分離するための空間を有し、前記第2のロードロック部と連結される分離部と、
を備える、請求項1に記載の半導体パッケージング装置。
【請求項11】
前記アンローディング部からマスク部材を搬出して前記ローディング部に搬入するために、前記アンローディング部とローディング部とをつなぐ搬送部をさらに備える、請求項1に記載の半導体パッケージング装置。
【請求項12】
前記ローディング部は、複数枚のマスク部材を貯蔵するための空間を有する第1のマスク貯蔵部を備え、
前記アンローディング部は、複数枚のマスク部材を貯蔵するための空間を有する第2のマスク貯蔵部を備え、
前記搬送部は、前記第1のマスク貯蔵部と第2のマスク貯蔵部とをつなぐ、請求項11に記載の半導体パッケージング装置。
【請求項13】
前記搬送部は、前記アンローディング部から搬出されたマスク部材を洗浄するための洗浄部を備える、請求項11に記載の半導体パッケージング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージング装置に関し、より詳細には、ウェーハレベルパッケージング方式により半導体素子をパッケージングするための半導体パッケージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パッケージング工程とは、外部の環境から半導体素子を保護するために半導体素子をパッケージングする工程のことをいう。このようなパッケージング工程には、外部機器と信号をやり取りするように半導体素子の配線を整理するために導電パターンを形成する過程が伴われる。
【0003】
既存のパッケージング工程は、複数の半導体素子を備えるウェーハをダイシングライン(dicing line)に沿って切断して個々の半導体素子に分離した後、分離した個々の半導体素子ごとにパッケージング工程を行っていた。このような既存のパッケージング工程は、チップ単位にてパッケージング工程を行うことを余儀なくされるため、すべての半導体素子をパッケージングするのに非常に長い時間がかかっていた。
【0004】
このため、最近には、まず、複数の半導体素子を備えるウェーハの状態でパッケージング工程を行った後、半導体素子ごとにウェーハをダイシング(dicing)するウェーハレベルパッケージング方式が利用されている。
【0005】
このようなウェーハレベルパッケージング方式を利用する半導体パッケージング装置は、一般に、フォトリソグラフィ(photolithography)工程により半導体素子の配線を整理するための導電パターンを形成する。しかしながら、このようなフォトリソグラフィ工程は、半導体パッケージング装置がウェーハの上にフォトレジスト(photoresist)をコートし、露光(exposure)、現像(develop)及びエッチング(etching)工程を行った後、フォトレジストを取り除くといった複雑な工程をそれぞれ行うことを余儀なくされるため、半導体素子をパッケージングするのにかかる時間を効果的に短縮させ難いという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国公開特許第10-2001-0061786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、半導体素子の生産性を向上させることのできる半導体パッケージング装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係る半導体パッケージング装置は、複数の半導体素子を備えるウェーハの上にマスク部材を配置する工程を行うことが可能な空間を有するローディング部と、前記ローディング部からウェーハ及びマスク部材を受け渡されてウェーハの上に導電パターン層を形成する工程を行うことが可能な空間を有し、前記ローディング部と連結される蒸着部と、前記蒸着部からウェーハ及びマスク部材を受け渡されてウェーハの上においてマスク部材を分離する工程を行うことが可能な空間を有し、前記蒸着部と連結されるアンローディング部と、を備える。
【0009】
前記ローディング部は前記蒸着部の一方の側に連結され、前記アンローディング部は前記蒸着部の一方の側とは反対側である前記蒸着部の他方の側に連結されてもよい。
【0010】
前記ローディング部は、前記蒸着部と連結される第1のロードロック部と、複数枚のウェーハを貯蔵するための空間を有し、前記第1のロードロック部と連結される第1のウェーハ貯蔵部と、複数枚のマスク部材を貯蔵するための空間を有し、前記第1のロードロック部と連結される第1のマスク貯蔵部と、前記第1のウェーハ貯蔵部及び第1のマスク貯蔵部からそれぞれウェーハ及びマスク部材を受け渡されてウェーハの上にマスク部材を整列して固定するための空間を有し、前記第1のロードロック部と連結される整列部と、を備えていてもよい。
【0011】
前記蒸着部は、ウェーハの上に導電パターン層を形成する工程を行うことが可能な空間の少なくとも一部を提供する蒸着チャンバーと、受け渡されたウェーハ及びマスク部材を支持可能なように前記蒸着チャンバー内に配設される支持部と、前記支持部と対向するように前記蒸着チャンバー内に配設されるスパッターリングターゲット部と、前記スパッターリングターゲット部に電力を供給するための電源部と、を備えていてもよい。
【0012】
前記支持部は、受け渡されたウェーハ及びマスク部材を移動させるための移動部材を備えていてもよい。
【0013】
前記移動部材は、ローラープレートまたはコンベヤーベルトを備えていてもよい。
【0014】
前記支持部は、複数枚のウェーハが載置可能な載置面を有していてもよい。
【0015】
前記蒸着部は、前記ローディング部と連結されて、ウェーハの上に形成されたパッシベーション層の上に下導電パターン層を形成するための第1の蒸着部と、前記第1の蒸着部と連結されて、前記下導電パターン層の上に前記下導電パターン層とは異なる物質からなる上導電パターン層を形成するための第2の蒸着部と、を備えていてもよい。
【0016】
前記第2の蒸着部は、複数が互いに連結されて設けられてもよい。
【0017】
前記アンローディング部は、前記蒸着部と連結される第2のロードロック部と、複数枚のウェーハを貯蔵するための空間を有し、前記第2のロードロック部と連結される第2のウェーハ貯蔵部と、複数枚のマスク部材を貯蔵するための空間を有し、前記第2のロードロック部と連結される第2のマスク貯蔵部と、前記第2のロードロック部からウェーハ及びマスク部材を受け渡されてウェーハ上においてマスク部材を分離するための空間を有し、前記第2のロードロック部と連結される分離部と、を備えていてもよい。
【0018】
前記半導体パッケージング装置は、前記アンローディング部からマスク部材を搬出して前記ローディング部に搬入するために、前記アンローディング部とローディング部とをつなぐ搬送部をさらに備えていてもよい。
【0019】
前記搬送部は、前記アンローディング部から搬出されたマスク部材を洗浄するための洗浄部を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施形態に係る半導体パッケージング装置によれば、複数の半導体素子を備えるウェーハ上において、ウェーハとは別途に設けられたマスク部材を用いる単一の工程によって導電パターン層を形成することにより、導電パターン層を形成するための工程数を最小限に抑えることができる。
【0021】
これにより、半導体素子をパッケージングするのにかかる時間を最小限に抑えることができ、工程に用いる資材のコストを最小限に抑えて半導体チップの生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係る半導体パッケージング装置を概略的に示す図である。
【
図2】本発明の実施形態によりウェーハの上に導電パターン層を形成する様子を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態によりウェーハの上に導電パターン層を形成する様子を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る半導体パッケージング装置の具体的な構造を示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る蒸着部を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態をより詳しく説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化されることが可能なものであって、以下の実施形態は、単に本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範ちゅうを完全に知らせるために提供されるものである。なお、本発明ついて詳しく説明するために図面は誇張されて示されていてもよく、図中、同じ参照符号は、同じ構成要素を示す。
【0024】
図1は、本発明の実施形態に係る半導体パッケージング装置を概略的に示す図であり、
図2及び
図3は、本発明の実施形態によりウェーハの上に導電パターン層を形成する様子を示す図である。
【0025】
図1から
図3を参照すると、本発明の実施形態に係る半導体パッケージング装置は、複数の半導体素子を備えるウェーハWの上にマスク部材M1またはM2を配置する工程を行うことが可能な空間を有するローディング部100と、前記ローディング部100からウェーハW及びマスク部材M1またはM2を受け渡されてウェーハWの上に導電パターン層MP1またはMP2を形成する工程を行うことが可能な空間を有し、前記ローディング部100と連結される蒸着部200、及び前記蒸着部200からウェーハW及びマスク部材M1またはM2を受け渡されてウェーハW上においてマスク部材M1またはM2を分離する工程を行うことが可能な空間を有し、前記蒸着部200と連結されるアンローディング部300を備える。
【0026】
既存のパッケージング工程は、複数の半導体素子を備えるウェーハをダイシングライン(dicing line)に沿って切断して個々の半導体素子に分離した後、分離した個々の半導体素子ごとにパッケージング工程を行っていた。このような既存のパッケージング工程は、チップ単位にてパッケージング工程を行うことを余儀なくされるため、すべての半導体素子をパッケージングするのに非常に長い時間がかかっていた。
【0027】
ここで、本発明の実施形態に係る半導体パッケージング装置は、ウェーハレベルパッケージング(wafer level pakaging)方式によりパッケージング工程を行う装置であってもよい。ここで、ウェーハレベルパッケージング方式は、複数の半導体素子を備えるウェーハの状態で、まずパッケージング工程を行った後、半導体素子ごとにウェーハをダイシング(dicing)する方式を意味する。
【0028】
一方、従来のウェーハレベルパッケージング方式は、フォトリソグラフィ(photolithography)方式により半導体素子の配線を整理するための導電パターンを形成していた。しかしながら、このようなフォトリソグラフィ方式は、ウェーハWの上にフォトレジスト(photoresist)をコートし、露光(exposure)、現像(develop)及びエッチング(etching)工程を行った後、フォトレジストを取り除くといった複雑な工程を通じて行われるため、ウェーハWをパッケージングするのに非常に長い時間がかかってしまうという問題があった。
【0029】
したがって、本発明の実施形態に係る半導体パッケージング装置は、複数の半導体素子が形成されたウェーハWの上にマスク部材M1またはM2を用いて導電パターン層を形成することにより、導電パターン層を形成するための工程数を最小限に抑えることができる。
【0030】
例えば、
図2に示すように、本発明の実施形態に係る半導体パッケージング装置は、第1のパッシベーション層P1に形成された露出領域の上に第1の導電パターン層MP1を形成することができる。
【0031】
第1の導電パターン層MP1を形成するために、まず、複数の半導体素子が形成されたウェーハWを用意する。ここで、ウェーハWは、複数の単位回路が一枚の基板に並べられた形態のものを意味する。このとき、単位回路は、情報の切り換え、記憶及び演算などの機能を行うための半導体素子及びこの配線構造を意味することがある。
【0032】
一方、用意されたウェーハWの上には複数の半導体素子の入出力パッドDの少なくとも一部を露出させる第1のパッシベーション層P1が形成されてもよい。複数の半導体素子は、外部機器との電気的な接続のための入出力パッドDをそれぞれ有していてもよい。このとき、第1のパッシベーション層P1は、各半導体素子の入出力パッドDを露出させるように複数の半導体素子Dの上に形成される。
【0033】
ここで、第1のパッシベーション層P1は、まず、ウェーハWの上に第1のパッシベーション膜を形成し、形成された第1のパッシベーション膜をレーザードリリングまたはフォトリソグラフィ工程によってパターニングしたり、マスクを用いてパターニングしたりすることにより形成することができる。このとき、第1のパッシベーション層は、ポリイミド(PI:PolyImide)、ベンゾシクロブテン(BCB:Benzo Cyclo Butene)、ポリベンズオキサゾール(PBO:Poly Benz Oxazole)、(BT:BismaleimideTriazine)、フェノール樹脂(phenolic resin)、エポキシ(epoxy)、シリコーン(silicone)、酸化膜(SiOx)及び窒化膜(SiNx)のうちの少なくともいずれか一種の材質から形成されてもよい。
【0034】
第1の導電パターン層MP1は、第1のマスク部材M1を用いてウェーハWの上に形成されてもよい。ここで、第1の導電パターン層MP1は、伝導性を有する金属パターン層を備えていてもよく、第1のマスク部材M1は、ウェーハWとは別途に設けられたシャドウマスク(shadow mask)を備えていてもよい。
【0035】
第1の導電パターン層MP1は、半導体素子の電気的な経路の配線引き回しを再び行う役割を果たす。すなわち、第1の導電パターン層MP1は、半導体素子の入出力パッドDの位置とは無関係に半導体チップを外部機器と電気的に接続するために半導体素子の電気的な経路の配線引き回しを再び行う。このような第1の導電パターン層MP1は、伝導性の高い銅、銀、アルミニウム、ニッケルなどの金属材質や、これらの以外の他の成分を含む合金材質からなり得る。
【0036】
第1の導電パターン層MP1は、ウェーハWの上に第1のマスク部材M1を配置し、第1のマスク部材M1を通過するようにウェーハWに金属物質などの導電物質を供給して、第1のマスク部材M1のパターンと同じ形状に前記ウェーハWの上に導電物質を蒸着してもよい。
【0037】
また、
図3に示すように、本発明の実施形態に係る半導体パッケージング装置は、第2のパッシベーション層P2に形成された露出領域の上に第2の導電パターン層MP2を形成してもよい。
【0038】
第2の導電パターン層MP2を形成するために、まず、第1の導電パターン層MP1の上に第2のパッシベーション層P2を形成する。ここで、第2のパッシベーション層P2は、まず、第1の導電パターン層MP1の上に第2のパッシベーション膜を形成し、形成された第2のパッシベーション膜をレーザードリリングまたはフォトリソグラフィ工程によってパターニングして形成してもよいし、マスクを用いて直接的にパターニングされた第2のパッシベーション層P2を形成してもよい。このとき、第2のパッシベーション層P2は、ポリイミド(PI:PolyImide)、ベンゾシクロブテン(BCB:Benzo Cyclo Butene)、ポリベンズオキサゾール(PBO:Poly Benz Oxazole)、(BT:BismaleimideTriazine)、フェノール樹脂(phenolic resin)、エポキシ(epoxy)、シリコーン(silicone)、酸化膜(SiOx)及び窒化膜(SiNx)のうちの少なくともいずれか一種の材質から形成可能である。
【0039】
このとき、第2のパッシベーション層P2は、第1のパッシベーション層P1とは異なる材質から形成されてもよい。第1のパッシベーション層P1と第2のパッシベーション層P2を互いに異なる材質から形成する場合、浸透した水分などが互いに異なる材質を有する膜の境界に沿って移動してしまう結果、移動距離が伸び、これにより、水分などの浸透を防ぐことが可能になる。
【0040】
第2のパッシベーション層P2が形成された後、第2のパッシベーション層P2の上には第2の導電パターン層MP2が形成されてもよい。第2の導電パターン層MP2は、第2のパッシベーション層P2に形成された露出領域の上に形成されてもよく、第2の導電パターン層MP2は、第2のマスク部材M1を用いて形成されてもよい。ここで、第2の導電パターン層MP2は、伝導性を有する金属パターン層を備えていてもよいし、第2のマスク部材M1は、ウェーハWとは別途に設けられたシャドウマスク(shadow mask)を備えていてもよいということは第1の導電パターン層MP1の場合と同様である。
【0041】
ここで、第2の導電パターン層MP2は、導電性バンプを形成するためのシード層の役割を果たす。このような第2の導電パターン層MP2は、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、タングステンなどの金属材質や、これらの以外の他の成分を含む合金材質からなり得る。また、第2の導電パターン層MP2は、複数の層が積層されて形成されてもよく、この場合、それぞれクロム、クロム-銅合金及び銅材質からなる複数の層、チタン-タングステン合金及び銅材質からなる複数の層またはアルミニウム、ニッケル及び銅材質からなる複数の層が積層されて形成されてもよい。
【0042】
第2の導電パターン層MP2は、第2のパッシベーション層P2が形成されたウェーハWの上に第2のマスク部材M2を配置し、第2のマスク部材M2を通過するようにウェーハWの上に導電物質を供給して、前記第2のマスク部材M2のパターンと同一の形状に第2のパッシベーション層P2の上に第2の導電パターン層MP2を形成してもよい。図示はしないが、第2の導電パターン層MP2を形成した後、第2の導電パターン層MP2の上には導電性バンプを形成してもよく、導電性バンプを形成した後、半導体素子ごとにウェーハWを切断して複数の半導体チップが形成されてもよい。
【0043】
このように、本発明の実施形態に係る半導体パッケージング装置は、複数の半導体素子が形成されたウェーハの上にマスク部材M1またはM2を用いて第1の導電パターン層MP1または第2の導電パターン層MP2を形成してもよい。第1の導電パターン層MP1または第2の導電パターン層MP2を形成するための本発明の実施形態に係る半導体パッケージング装置の細部構造に関しては、以下において
図4及び
図5を参照して詳しく説明する。
【0044】
図4は、本発明の実施形態に係る半導体パッケージング装置の具体的な構造を示す図であり、
図5は、本発明の実施形態に係る蒸着部を概略的に示す図である。
【0045】
前述したように、本発明の実施形態に係る半導体パッケージング装置は、複数の半導体素子を備えるウェーハWの上にマスク部材M(M1またはM2)を配置する工程を行うことが可能な空間を有するローディング部100と、前記ローディング部100からウェーハW及びマスク部材Mを受け渡されてウェーハWの上に導電パターン層MP1またはMP2を形成する工程を行うことが可能な空間を有し、前記ローディング部100と連結される蒸着部200、及び前記蒸着部200からウェーハW及びマスク部材Mを受け渡されてウェーハW上においてマスク部材Mを分離する工程を行うことが可能な空間を有し、前記蒸着部200と連結されるアンローディング部300を備える。
【0046】
本発明の実施形態に係る半導体パッケージング装置は、ローディング部100と、蒸着部200及びアンローディング部300がクラスター(cluster)タイプに配置されてもよいが、工程速度を高め、かつ、生産性を向上させるためにローディング部100が前記蒸着部200の一方の側に連結され、アンローディング部300が前記蒸着部200の他方の側に連結されるインライン(in-line)タイプに配置されてもよい。このとき、蒸着部200の一方の側と他方の側は、互いに反対の方向であってもよい。
【0047】
ローディング部100は、複数の半導体素子を備えるウェーハWの上にマスク部材Mを配置する工程を行うことが可能な空間を有する。このために、ローディング部100は、蒸着部200と連結される第1のロードロック部150と、複数枚のウェーハWを貯蔵するための空間を有し、前記第1のロードロック部150と連結される第1のウェーハ貯蔵部110と、複数枚のマスク部材Mを貯蔵するための空間を有し、前記第1のロードロック部150と連結される第1のマスク貯蔵部120と、前記第1のウェーハ貯蔵部110及び第1のマスク貯蔵部120からそれぞれウェーハW及びマスク部材Mを受け渡されてウェーハWの上にマスク部材Mを整列して固定するための空間を有し、前記第1のロードロック部150と連結される整列部140と、を備えていてもよい。ここで、整列部140は、第1のウェーハ貯蔵部110及び第1のマスク貯蔵部120と第1のロードロック部150の間においてウェーハW及びマスク部材Mを移動させるための第1のロボットアーム(図示せず)を備えていてもよい。
【0048】
第1のウェーハ貯蔵部110は、第1のウェーハ貯蔵チャンバー及び前記第1のウェーハ貯蔵チャンバーの内部に配置される第1のウェーハ貯蔵カセットを備えていてもよい。第1のウェーハ貯蔵カセットには、複数の単位回路が形成されたウェーハWが貯蔵されてもよい。このとき、ウェーハWは、複数の単位回路を覆うように第1のパッシベーション層P1が形成されているウェーハWであってもよく、第1のパッシベーション層P1の上に第1の導電パターン層MP1及び第2のパッシベーション層P2がさらに形成されているウェーハWであってもよい。第1のウェーハ貯蔵カセットには、このようなウェーハWが上下方向に沿って複数枚で貯蔵されてもよい。
【0049】
第1のマスク貯蔵部120は、第1のマスク貯蔵チャンバー及び前記第1のマスク貯蔵チャンバーの内部に配置される第1のマスク貯蔵カセットを備えていてもよい。第1のマスク貯蔵カセットには、第1のマスク部材M1または第2のマスク部材M2が貯蔵されてもよい。このようなマスク部材Mは、上下方向に沿って複数枚で貯蔵されてもよい。
【0050】
整列部140は、前記第1のウェーハ貯蔵部110及び第1のマスク貯蔵部120からそれぞれウェーハW及びマスク部材Mを受け渡されてウェーハWの上にマスク部材Mを整列して固定するための空間を有する。このような整列部140は、整列チャンバーを備えていてもよく、整列チャンバー内に配置される第1のロボットアームを備えていてもよい。ここで、第1のロボットアームは、第1のウェーハ貯蔵部110及び第1のマスク貯蔵部120からそれぞれウェーハW及びマスク部材Mを引き出して第1のロードロック部150に移動させてもよい。以下では、整列部140が第1のロボットアームを備えて第1のウェーハ貯蔵部110及び第1のマスク貯蔵部120からそれぞれ引き出されたウェーハW及びマスク部材Mを第1のロードロック部150に移動させる間にウェーハWの上にマスク部材Mを整列する構成を例にとって説明するが、整列部140は、第1のロボットアームが配置される空間とは別途に設けられて、第1のロボットアームからウェーハW及びマスク部材Mを受け渡されてウェーハWの上にマスク部材Mを整列して固定することもできるということはいうまでもない。
【0051】
整列部140は、第1のウェーハ貯蔵部110及び第1のマスク貯蔵部120からそれぞれウェーハW及びマスク部材Mを引き出してウェーハWの上にマスク部材Mを整列し、整列されたウェーハW及びマスク部材Mを第1のロードロック部150に受け渡す。整列部140には、ウェーハWの上にマスク部材Mを整列して固定するための様々な構成が適用可能であるが、例えば、
図5に示すように、トレイTの上にウェーハWを載置し、ウェーハW上においてマスク部材Mを整列した後、トレイTとマスク部材Mを磁力により固定することにより、ウェーハW上においてマスク部材Mを整列して固定してもよい。このとき、トレイTは、整列部140内に複数で貯蔵されてもよく、整列部140とは別途に配置されたトレイ貯蔵部(図示せず)から第1のロボットアームを介して整列部140内に引き込まれてもよい。
【0052】
第1のロードロック部150は、一方の側が整列部140と連結され、他方の側が蒸着部200と連結されてもよい。このような第1のロードロック部150は、大気圧の状態で整列部140からトレイTを受け渡され、真空状態に切り換えられた後、蒸着部200にトレイTを受け渡してもよい。図示はしないが、例えば、第1のロードロック部150は、一方の側が前記整列部140と連結される第1の大気圧ロードロックと、一方の側が前記第1の大気圧ロードロックの他方の側に連結され、他方の側が蒸着部200と連結される第1の真空ロードロックと、を備えていてもよい。
【0053】
第1の大気圧ロードロックは、内部が大気圧に醸成され、前記第1の大気圧ロードロックと直接的にまたは間接的に連結される第1のウェーハ貯蔵部110と、第1のマスク貯蔵部120と、整列部140及び第1のロボットアーム部140の内部も大気圧に醸成されてもよい。第1の大気圧ロードロックは、第1のロボットアームからウェーハWの上にマスク部材Mが固定されたトレイTを受け渡されて第1の真空ロードロックに受け渡してもよい。このとき、第1の大気圧ロードロックは、ウェーハWの上にマスク部材Mが固定された複数のトレイTを同時にまたは順次に受け渡されて、第1の真空ロードロックに複数のトレイTを同時に受け渡してもよい。一方、第1の真空ロードロックは、内部が大気圧の状態から真空状態へと変わるように調節され、第1の大気圧ロードロックから複数のトレイTを受け渡されて蒸着部200に受け渡す。
【0054】
蒸着部200は、ローディング部100と連結され、ローディング部100からトレイTの上に載置されたウェーハW及びマスク部材Mを受け渡されてウェーハWの上に導電パターン層MP1またはMP2を形成する工程を行うことが可能な空間を有する。このために、蒸着部200は、
図5に示すように、ウェーハWの上に導電パターン層MP1またはMP2を形成する工程を行うことが可能な空間の少なくとも一部を提供する蒸着チャンバー201と、受け渡されたウェーハW及びマスク部材Mを支持可能なように前記蒸着チャンバー201内に配設される支持部202と、前記支持部202と対向するように前記蒸着チャンバー201内に配設されるスパッターリングターゲット部204及び前記スパッターリングターゲット部204に電力を供給するための電源部205を備えていてもよい。
【0055】
蒸着チャンバー201は、蒸着工程が行われる工程空間を形成するものであって、蒸着チャンバー201は、所定の真空ポンプ(図示せず)と連結されてその内部を真空状態に保持することができる。
【0056】
蒸着チャンバー201には、不活性ガス、例えば、アルゴン(Ar)ガスなどを供給するためのガス供給管(図示せず)が連結されてもよい。ガス供給管は、プラズマ放電が起こる領域、すなわち、スパッターリングターゲット部204とウェーハWとの間の領域に不活性ガスが供給されるように蒸着チャンバー201に連結されてもよい。
【0057】
支持部202は、蒸着チャンバー201の内部に位置して蒸着チャンバー201にローディングされるウェーハWを支持しながら搬送する。前述したように、ローディング部100からトレイTの上に載置されたウェーハW及びマスク部材Mを受け渡される場合、支持部202は、ウェーハW及びマスク部材Mが載置されたトレイTを支持しながら搬送してもよい。このために、支持部202は、受け渡されたウェーハWとマスク部材MまたはトレイTを移動させるための移動部材を備えていてもよく、このような移動部材は、ローラープレートまたはコンベヤーベルトを備えていてもよい。また、ローディング部100からウェーハWがそれぞれ載置された複数のトレイTを同時に受け渡される場合、支持部202は、複数枚のウェーハWが載置可能な載置面を有していてもよい。これにより、複数枚のウェーハWに対して同時に蒸着工程を行うことが可能になり、その結果、生産性を向上させることができる。
【0058】
また、蒸着部200は、バッキングプレート203をさらに備えていてもよい。バッキングプレート203は、スパッターリングターゲット部204を支持するとともに、スパッターリングターゲット部204に電力が供給されるようにする。このために、バッキングプレート203は、電源部205、例えば、DC電源、AC電源、またはRF電源に電気的に接続されて電源部205から供給されるプラズマ電源をスパッターリングターゲット部204に供給してもよい。
【0059】
スパッターリングターゲット部204は、支持部202と対向するように蒸着チャンバー201の内部に配設される。このとき、スパッターリングターゲット部204は、ウェーハWの上に導電パターン層MP1またはMP2を形成するための導電物質から形成されてもよく、ウェーハWよりも大きな面積を有していてもよい。このようなスパッターリングターゲット部204は、バッキングプレート203の背面に配設されてウェーハWから所定の距離だけ離れるとともに、対向していてもよい。
【0060】
図示はしないが、蒸着部200は、蒸着チャンバー201の内部に配設される磁界形成手段をさらに備えていてもよいということはいうまでもない。
【0061】
このような磁界形成手段は、スパッターリング工程に際して一定の周期(または、幅)にて振動するとともに、所定の方向に移動しながらスパッターリングターゲット部204の表面に磁界を形成することにより、磁界によるスパッターリングターゲット部204の浸食領域をスパッターリングターゲット部204の全体の面積にわたって一様に分布させてスパッターリングターゲット部204の使用効率を最大化させることができる。また、磁界形成手段は、磁界を用いてスパッターリングターゲット部204の表面に高密度プラズマを形成することにより、ウェーハWの上に蒸着される導電パターン層MP1またはMP2の蒸着速度を向上させることができる。このために、磁界形成手段は、磁石モジュール及び磁石移動モジュールを備えていてもよい。
【0062】
このような蒸着部200は、ローディング部100と連結されて、ウェーハWの上に形成されたパッシベーション層P1またはP2の上に下導電パターン層を形成するための第1の蒸着部210及び前記第1の蒸着部210と連結されて、前記下導電パターン層の上に前記下導電パターン層とは異なる物質からなる上導電パターン層を形成するための第2の蒸着部220を備えていてもよい。このとき、第1の蒸着部210及び第2の蒸着部220は、前述した蒸着チャンバー201と、支持部202と、バッキングプレート203と、スパッターリングターゲット部204及び電源部205をそれぞれ備えていてもよいということはいうまでもない。
【0063】
第1の蒸着部210は、トレイTの移動速度を調節する役割を果たす第1の搬送部410を介してローディング部100と連結されてもよい。ここで、第1の蒸着部210は、ウェーハWの上に形成されたパッシベーション層P1またはP2の上に下導電パターン層を形成してもよい。このとき、下導電パターン層は、第1のパッシベーション層P1または第2のパッシベーション層P2の上に形成される第1の導電パターン層MP1または第2の導電パターン層MP2の接着力を高めるためのものであって、チタン(Ti)などの物質からなり得る。
【0064】
第2の蒸着部220は、第1の蒸着部210と直結されてもよいが、バッファー部500を介して第1の蒸着部210と連結されてもよい。第1の蒸着部210は、ウェーハWの上に形成されたパッシベーション層P1またはP2の上に下導電パターン層を形成するためのものであり、第2の蒸着部220は、後述するように、第1の蒸着部210によって形成される下導電パターン層の上に上導電パターン層を形成するためのものである。このとき、第1の蒸着部210と第2の蒸着部220は、下導電パターン層または上導電パターン層を形成するために互いに異なる条件を有していてもよいが、第1の蒸着部210と第2の蒸着部220の圧力条件が互いに異なる場合、例えば、圧力差が大きな場合に第1の蒸着部210と第2の蒸着部220との間のバッファー部500において圧力を調節してもよい。
【0065】
第2の蒸着部220は、第1の蒸着部210によって形成される下導電パターン層の上に上導電パターン層を形成するためのものであって、上導電パターン層は、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、タングステンなどの金属材質や、これらの以外の他の成分を含む合金材質からなり得る。このとき、上導電パターン層は、下導電パターン層とは異なる物質からなり得るが、これにより、接着力を高めるとともに、優れた伝導性を有する導電パターン層MP1またはMP2を形成することができる。
【0066】
また、上導電パターン層は、接着力を高めるための下導電パターン層に比べて厚い厚さに形成される必要があるが、このために、上導電パターン層を形成するための第2の蒸着部220は、複数が互いに連結されて設けられてもよい。この場合、トレイTは、複数の第2の蒸着部220を順次に経由することになり、パッシベーション層P1またはP2の上には十分な厚さの上導電パターン層が形成されることが可能になる。ここで、第2の蒸着部220の配設数は、上導電パターン層の厚さに応じて種々に設定可能であるということはいうまでもない。
【0067】
アンローディング部300は、前記蒸着部200からトレイTを受け渡されてウェーハW上においてマスク部材Mを分離する工程を行うことが可能な空間を有する。このために、アンローディング部300は、前記蒸着部200と連結される第2のロードロック部310と、複数枚のウェーハWを貯蔵するための空間を有し、前記第2のロードロック部310と連結される第2のウェーハ貯蔵部340と、複数枚のマスク部材Mを貯蔵するための空間を有し、前記第2のロードロック部310と連結される第2のマスク貯蔵部350、及び前記第2のロードロック部310からウェーハW及びマスク部材Mを受け渡されてウェーハW上においてマスク部材Mを分離するための空間を有し、前記第2のロードロック部310と連結される分離部320を備えていてもよい。
【0068】
第2のロードロック部310は、トレイTの移動速度を調節する役割を果たす第2の搬送部420を介して蒸着部200、例えば、第2の蒸着部220と連結されてもよい。第2のロードロック部310は、一方の側が第2の蒸着部220と連結され、他方の側が分離部320と連結されてもよい。このような第2のロードロック部310は、真空状態で第2の蒸着部220からトレイTを受け渡され、大気圧の状態に切り換えられた後、分離部320にトレイTを受け渡してもよい。図示はしないが、例えば、第2のロードロック部310は、第2の蒸着部220と連結される第2の真空ロードロックと、一方の側が前記第2の真空ロードロックに連結され、他方の側が後述する第2のロボットアームと連結される第2の大気圧ロードロックと、を備えていてもよい。
【0069】
第2の真空ロードロックは、内部が真空状態から大気圧の状態へと変わるように調節され、蒸着部200から導電パターン層MP1またはMP2が形成されたウェーハWが載置される複数のトレイTを受け渡されて第2の大気圧ロードロックに受け渡す。第2の大気圧ロードロックは、内部が大気圧に醸成され、前記第2の大気圧ロードロックと連結される分離部320と、第2のウェーハ貯蔵部340及び第2のマスク貯蔵部350の内部も大気圧に醸成されてもよい。
【0070】
分離部320は、第2の大気圧ロードロックからトレイTの上に載置されたウェーハW及びマスク部材Mを受け渡されてウェーハW上においてマスク部材Mを分離するための空間を有する。このような分離部320は、分離チャンバーを備えていてもよく、分離チャンバー内に配置される第2のロボットアームを備えていてもよい。ここで、第2のロボットアームは、第2の大気圧ロードロックからトレイTの上に載置されたウェーハW及びマスク部材Mを受け渡されてウェーハW及びマスク部材Mをそれぞれ第2のウェーハ貯蔵部340及び第2のマスク貯蔵部350に移動させてもよい。以下では、分離部320が第2のロボットアームを備えて第2の大気圧ロードロックから受け渡されてトレイTの上に載置されて固定されたウェーハW及びマスク部材Mを分離してそれぞれ第2のウェーハ貯蔵部340及び第2のマスク貯蔵部350に移動させる構成を例にとって説明するが、分離部320は、第2のロボットアームが配置される空間とは別途に設けられて、第2のロボットアームからトレイTの上に載置されて固定されたウェーハW及びマスク部材Mを受け渡されてウェーハW及びマスク部材Mを分離することもできるということはいうまでもない。
【0071】
このような分離チャンバー内において、ウェーハW上においてマスク部材Mは分離されることが可能になる。例えば、分離部320は、トレイTとマスク部材Mの固定を解除して分離することができ、分離されたトレイTは分離部320内に保管されたり、分離部320から前述したトレイ貯蔵部へと移動されたりすることができる。
【0072】
第2のウェーハ貯蔵部340は、第2のウェーハ貯蔵チャンバー及び前記第2のウェーハ貯蔵チャンバーの内部に配置される第2のウェーハ貯蔵カセットを備えていてもよい。第2のウェーハ貯蔵カセットには、導電パターン層の蒸着が完了し、第2のロボットアームから受け渡されたウェーハWが貯蔵されてもよいし、第2のウェーハ貯蔵カセットには、このように蒸着が完了したウェーハWが複数枚で貯蔵されてもよい。
【0073】
第2のマスク貯蔵部350は、第2のマスク貯蔵チャンバー及び前記第2のマスク貯蔵チャンバーの内部に配置される第2のマスク貯蔵カセットを備えていてもよい。第2のマスク貯蔵カセットには、蒸着の過程においてその使用が完了した使用済みの第1のマスク部材M1または第2のマスク部材M2が貯蔵されてもよい。このようなマスク部材Mは、上下方向に沿って複数枚で貯蔵されてもよい。
【0074】
一方、本発明の実施形態に係る半導体パッケージング装置は、アンローディング部300から使用済みのマスク部材Mを搬出してローディング部100に搬入するために、アンローディング部300とローディング部100とをつなぐ搬送部600をさらに備えていてもよい。このとき、搬送部600は、アンローディング部300の第2のマスク貯蔵部350とローディング部100の第1のマスク貯蔵部120とを互いにつないでもよい。また、搬送部600は、マスク部材Mを搬送するための搬送手段(図示せず)と、アンローディング部300から搬出されたマスク部材Mを洗浄するための洗浄部(図示せず)と、を備えていてもよい。このとき、搬送部600の搬送手段は、マスク部材Mをローディング部100に搬入可能なローラープレートまたはコンベヤーベルトを備えていてもよいことはいうまでもない。一方、洗浄部は、使用済みのマスク部材Mをウェット洗浄またはドライ洗浄する役割を果たす。このように、使用済みのマスク部材Mを洗浄してローディング部100に搬入することにより、以降の蒸着工程において導電パターン層が不純物によって汚れてしまうことを防ぎ、蒸着の均一性を向上させることができる。
【0075】
このように、本発明の実施形態に係る半導体パッケージング装置によれば、複数の半導体素子を備えるウェーハ上において、ウェーハとは別途に設けられたマスク部材を用いる単一の工程により導電パターン層を形成することにより、導電パターン層を形成するための工程数を最小限に抑えることができる。
【0076】
これにより、半導体素子をパッケージングするのにかかる時間を最小限に抑えることができ、工程に用いる資材のコストを最小限に抑えて半導体チップの生産性を向上させることができる。
【0077】
以上、本発明の好適な実施形態が特定の用語を用いて説明及び図示されたが、これらの用語は、単に本発明を明確に説明するためのものに過ぎず、本発明の実施形態及び記述された用語は、特許請求の範囲の技術的思想及び範囲から逸脱することなく、種々の変更及び変化が加えられるということは明らかである。これらの変形された実施形態は、本発明の思想及び範囲から個別的に理解されてはならず、本発明の特許請求の範囲内に属するものといえるべきである。
【国際調査報告】