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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-11
(54)【発明の名称】壁掛け型洗濯機器
(51)【国際特許分類】
   D06F 58/02 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
D06F58/02 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565618
(86)(22)【出願日】2022-03-29
(85)【翻訳文提出日】2023-10-25
(86)【国際出願番号】 CN2022083677
(87)【国際公開番号】W WO2022227989
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202110454281.8
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516335290
【氏名又は名称】青▲島▼海▲尓▼洗衣机有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】520514414
【氏名又は名称】海尓智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Haier Industrial Park No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】方 相九
(72)【発明者】
【氏名】楊 龍
(72)【発明者】
【氏名】李 涛
(72)【発明者】
【氏名】冉 慶
【テーマコード(参考)】
3B166
【Fターム(参考)】
3B166AA05
3B166AB22
3B166AE01
3B166AE02
3B166BA23
3B166BA43
3B166BA85
3B166CB01
3B166CB02
3B166CB11
3B166CB13
3B166CC02
3B166EA03
3B166EA12
3B166EA17
3B166EB03
3B166EB16
3B166EB27
3B166EC44
(57)【要約】
壁掛け型洗濯機器(1)である。壁掛け型洗濯機器(1)は、外槽(10)の側壁(121)に配置され鉛直方向に沿って延在するエアダクト本体(41)と、エアダクト本体(41)に着脱可能に固定されエアダクト本体(41)と密閉した凝縮室(43)を囲むエアダクトカバー(42)であって、エアダクトカバー(42)の内壁(422)に排液口(4221)が設置され、内壁(422)に反らせ板(4222)と、排液口(4221)の下方に位置し且つ互いに間隔を置いて配置されて導流口(4224)を形成する複数の導流板(4223)とが形成されるエアダクトカバー(42)と、を含み、ここで、反らせ板(4222)は排液口(4221)から凝縮室(43)に入る液体の流れ方向を変更でき、液体の少なくとも一部を導流口(4224)から流出可能にするように、液体を複数の導流板(4223)上に導流できるように配置及び位置決めされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外槽及び凝縮アセンブリを含み、前記凝縮アセンブリは、
前記外槽の側壁に配置され鉛直方向に沿って延在するエアダクト本体と、
前記エアダクト本体に着脱可能に固定され前記エアダクト本体と密閉した凝縮室を囲むエアダクトカバーであって、前記エアダクトカバーの内壁に排液口が設置され、前記内壁に反らせ板と、前記排液口の下方に位置し且つ互いに間隔を置いて配置されて導流口を形成する複数の導流板とが形成されるエアダクトカバーと、を含み、
ここで、前記反らせ板は前記排液口から前記凝縮室に入る液体の流れ方向を変更でき、前記液体の少なくとも一部を前記導流口から流出可能にするように、前記液体を前記複数の導流板上に導流できるように配置及び位置決めされることを特徴とする壁掛け型洗濯機器。
【請求項2】
前記エアダクトカバーに前記エアダクトカバーと一体成形された継手管が設置され、前記継手管は、前記液体を前記凝縮室に導入するように、液体管に接続可能な給液端と、前記排液口に連通する排液端とを有することを特徴とする請求項1に記載の壁掛け型洗濯機器。
【請求項3】
前記継手管は前記給液端からそれ自体の中心線に沿って水平に又は下向きに傾斜して前記内壁まで延在するように配置され、それにより、前記中心線とその前記エアダクトカバー上における垂直投影線とは第1の所定角度αを形成し、前記垂直投影線と前記エアダクトカバーの長手方向とは第2の所定角度βを形成し、前記第1の所定角度αの範囲は5°~10°であり、前記第2の所定角度βの範囲は0°~10°であることを特徴とする請求項2に記載の壁掛け型洗濯機器。
【請求項4】
前記反らせ板は、前記排液口に近接し前記排液口に向かって突出する円弧板として配置され、前記中心線は延伸して前記円弧板を貫通することを特徴とする請求項3に記載の壁掛け型洗濯機器。
【請求項5】
前記円弧板は前記内壁から垂直で外向きに第1の所定高さH延在するように配置され、前記第1の所定高さHの範囲は12mm~15mmであることを特徴とする請求項4に記載の壁掛け型洗濯機器。
【請求項6】
前記継手管の内径はdであり、前記円弧板の径方向反らせ外弧面は第1の半径R及び第1の弧度θを有し、ここで、R=(3~5)×dであり、前記第1の弧度θの範囲は0.5rad~1radであることを特徴とする請求項5に記載の壁掛け型洗濯機器。
【請求項7】
前記径方向反らせ外弧面は前記内壁と交差して外弧線を形成し、前記外弧線の鉛直方向に位置する上端点における接線は前記垂直投影線と第3の所定角度γを形成し、前記第3の所定角度γの範囲は15°~25°であることを特徴とする請求項6に記載の壁掛け型洗濯機器。
【請求項8】
各前記導流板は前記内壁から垂直で外向きに第2の所定高さH延在するように配置され、前記第2の所定高さHの範囲は8mm~10mmであることを特徴とする請求項6に記載の壁掛け型洗濯機器。
【請求項9】
各前記導流板は円弧状導流板として配置され、全ての前記円弧状導流板は共に前記排液口から離れる方向に向かって突出する径方向導流外弧面を形成し、前記径方向導流外弧面は第2の半径R及び第2の弧度θを有し、ここで、R=(2~3.2)×dであり、前記第2の弧度θの範囲は2.4rad~3.14radであることを特徴とする請求項8に記載の壁掛け型洗濯機器。
【請求項10】
前記導流口の幅の範囲は3mm~5mmであることを特徴とする請求項9に記載の壁掛け型洗濯機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、2021年4月26日に出願された、出願番号が202110454281.8である中国特許出願の優先権を主張する。当該出願の全ての内容が参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、洗濯の分野に関し、具体的には、壁掛け型洗濯機器に関する。
【背景技術】
【0003】
人々の生活レベルの向上に伴い、カスタマイズ家電が次々と登場する。壁掛け型洗濯機器(例えば壁掛け型ドラム洗濯機)は構造がコンパクトで、占有スペースが小さく、騒音が低く、製造コストが低いなどの利点を有するため、ますます多くのユーザに注目されている。例えば、壁掛け型洗濯機器の一部は小物の下着又は乳幼児の衣類などを洗浄することができ、軽量な衣類洗濯を実現できるだけでなく、また衣類間の細菌による交差感染を防止でき、良好な経済性及び実用性を有する。
【0004】
その多機能化のために、従来技術には、乾燥機能を有する壁掛け型洗濯機器が開発された。例えば、中国発明特許出願CN111809339Aは壁掛け型洗濯機を開示する。当該壁掛け型洗濯機は外槽と乾燥装置を含み、乾燥装置は少なくとも部分的に外槽の側壁に一体成形される。乾燥装置は第1のエアダクト及び第2のエアダクトを含み、第1のエアダクトは外槽吸込口に連通して、外槽の内部に乾熱空気を輸送し、第2のエアダクトは外槽吹出口及び第1のエアダクトにそれぞれ連通されて、第2のエアダクトにおいて外槽から受け入れた湿熱空気を乾冷空気に凝縮する。しかし、壁掛け型洗濯機の全体体積が小さく、内部空間が限られているため、第2のエアダクトのサイズが小さく、湿熱空気の第2のエアダクト内における凝縮効果が低く、それにより、第1のエアダクト内に入る空気の湿度が大きい。これは、第1のエアダクト内の加熱部材の加熱効率を低下させ、エネルギー消費を増加させるだけでなく、また湿度が大きすぎる乾燥空気は乾燥対象物品(例えば衣類、靴、キャップなど)内の水分を持ち去れる能力が低下し、乾燥効率を大幅に低下させる。
【0005】
凝縮アセンブリの凝縮効率を向上させるために、従来技術には、噴射装置を有する壁掛け型洗濯機器が開発された。例えば、中国特許出願CN107299486Bは洗濯機のドラム及びドラム洗濯機を開示する。当該洗濯機のドラムは外槽及び凝縮通路を含む。凝縮通路の上部に噴射装置を接続するための噴射口が設置され、凝縮通路の内壁面に流通隙間を形成でき、交差して配置される複数の凝縮シートが設置される。凝縮水は噴射口を経て凝縮通路内に入り、隣接する凝縮シートのうち上方に位置する凝縮シートから下方に位置する凝縮シートに流れ、それにより凝縮水の凝縮通路内における流通長さと流通時間を増加させ、さらに噴射口から噴き込まれた凝縮水と洗濯機の内槽から入った水蒸気との接触面積及び接触時間を増加させ、乾燥効率を向上させる。しかし、当該洗濯機のドラム内における複数の凝縮シートが凝縮通路内に交差して設置されることで、凝縮通路内における空気の風抵抗が顕著に増加し、凝縮通路内の送気効率が大幅に低下する。また、凝縮水は噴射口から凝縮通路に入った後、交差して配置された複数の凝縮シートに沿って順次流れ、その移動軌跡が規則的であり、凝縮水と湿熱空気との接触面積が限られ、凝縮効率が低く、そのため当該洗濯機のドラムには改善可能性がある。
【0006】
それに対応して、当分野は、上記問題点を解決するための新たな技術案を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術における壁掛け型洗濯機器における凝縮アセンブリの凝縮効率が低いという技術的問題を解決するために、本発明は壁掛け型洗濯機器を提供する。当該壁掛け型洗濯機器は外槽及び凝縮アセンブリを含み、前記凝縮アセンブリは、前記外槽の側壁に配置され鉛直方向に沿って延在するエアダクト本体と、前記エアダクト本体に着脱可能に固定され前記エアダクト本体と密閉した凝縮室を囲むエアダクトカバーであって、前記エアダクトカバーの内壁に排液口が設置され、前記内壁に反らせ板と、前記排液口の下方に位置し且つ互いに間隔を置いて配置されて導流口を形成する複数の導流板とが形成されるエアダクトカバーと、を含み、ここで、前記反らせ板は前記排液口から前記凝縮室に入る液体の流れ方向を変更でき、前記液体の少なくとも一部を前記導流口から流出可能にするように、前記液体を前記複数の導流板上に導流できるように配置及び位置決めされる。
【0008】
当業者であれば理解できるように、本発明の壁掛け型洗濯機器は外槽及び凝縮アセンブリを含む。凝縮アセンブリはエアダクト本体及びエアダクトカバーを含む。エアダクト本体は外槽の側壁に配置され鉛直方向に沿って延在し、エアダクトカバーはエアダクト本体に着脱可能に固定されエアダクト本体と密閉した凝縮室を囲む。エアダクト本体が鉛直方向に沿って延在するように配置されることにより、凝縮室も略鉛直方向に沿って延在し、湿熱空気が乾冷空気及び凝縮水に変換した後、凝縮水はそれ自体の重力作用で凝縮室から排出しやすいことを理解されたい。また、エアダクトカバーがエアダクト本体に着脱可能に固定されるように配置されることにより、エアダクトカバーとエアダクト本体はそれぞれ加工可能で製造しやすいだけでなく、またエアダクトカバーを取り外した後に凝縮室をクリーニング、保守及びメンテナンスしやすい。エアダクトカバーの内壁に排液口が設置され、排液口の下方に互いに間隔を置いて配置された複数の導流板が設置され、隣接する導流板の間に導流口が形成される。反らせ板は、排液口から凝縮室に入る液体(例えば凝縮水)の流れ方向を変更し、液体の少なくとも一部が導流口から流出するように、液体を複数の導流板上に導流することができるように配置及び位置決めされる。液体は排液口から凝縮室に流入した後、少なくとも大部分が反らせ板に衝突して流れの方向が導流板に向かうように変えられる。反らせ板と複数の導流板との組み合わせにより、液体は複数の導流板上に導流される。一部の液体は複数の導流板に衝突する時に散らされ、それにより凝縮室内に拡散し、分散した液体と湿熱空気との接触確率及び接触面積が顕著に増加し、さらに凝縮アセンブリの凝縮効率を向上させることを理解されたい。また、一部の液体が隣接する導流板間に設置された導流口から流出することにより、液体の分散程度が増加し、液体の凝縮室内における分布がより均一になり、さらに凝縮効率を向上させる。
【0009】
上記壁掛け型洗濯機器の好ましい技術案では、前記エアダクトカバーに前記エアダクトカバーと一体成形された継手管が設置され、前記継手管は、前記液体を前記凝縮室に導入するように、液体管に接続可能な給液端と、前記排液口に連通する排液端とを有する。継手管はエアダクトカバーと一体成形されるように配置され、製造プロセスを簡略化して加工しやすいだけでなく、またエアダクトカバーに孔を開けることを回避することができ、空気が孔隙から流出し、送気効率に影響を与え、騒音が発生することを防止する。継手管は、液体管内の液体を凝縮室内に導入するように、液体管に接続可能な給液端と、排液口に連通する排液端とを有する。
【0010】
上記壁掛け型洗濯機器の好ましい技術案では、前記継手管は前記給液端からそれ自体の中心線に沿って水平に又は下向きに傾斜して前記内壁まで延在するように配置され、それにより、前記中心線とその前記エアダクトカバー上における垂直投影線とは第1の所定角度αを形成し、前記垂直投影線と前記エアダクトカバーの長手方向とは第2の所定角度βを形成し、前記第1の所定角度αの範囲は5°~10°であり、前記第2の所定角度βの範囲は0°~10°である。継手管の中心線とその前記エアダクトカバー上における垂直投影線とは第1の所定角度αを形成し、すなわち継手管の中心線とエアダクトカバーが位置する平面とは第1の所定角度αを形成し、それにより、継手管とエアダクトカバーを一体成形する時に加工しやすい。また、継手管は給液端からそれ自体の中心線に沿って水平に又は下向きに傾斜してエアダクトカバーの内壁まで延在し、それにより、継手管はエアダクトカバーの略長手方向に沿って延在し、液体管と継手管を接続する時の管路配置に有利であり、壁掛け型洗濯機器の内部構造をよりコンパクトにさせる。さらに、継手管がエアダクトカバーの略長手方向に沿って配置されることにより、継手管から凝縮室に導入される液体の初期の流れの方向は略水平方向に沿って延在できる。重力の作用で、液体は略放物線運動を行い、それにより、液体は鉛直方向に分散する傾向を有し、液体をさらに分散させることに有利である。
【0011】
上記壁掛け型洗濯機器の好ましい技術案では、前記反らせ板は、前記排液口に近接し前記排液口に向かって突出する円弧板として配置され、前記中心線は延伸して前記円弧板を貫通する。反らせ板は、排液口に近接して配置され、それにより、排液口から噴出された液体は反らせ板に容易に衝突できる。円弧板の設置により、反らせ板はより大きい径方向外表面積を有し、液体と円弧板との接触確率が増加し、反らせ板の利用率が増加する。さらに、円弧板は排液口の方向に向かって突出するように配置され、それにより、液体は円弧板の径方向外表面に接触する時に反射され、流れ方向の変更範囲が大きくなり、液体がより均一に分散する。また、継手管の中心線が延伸して円弧板を貫通するように配置されることにより、反らせ板の位置を液体の流れ方向からずれないように確保することができ、反らせ板が液体を導流する有効性をさらに向上させる。
【0012】
上記壁掛け型洗濯機器の好ましい技術案では、前記円弧板は前記内壁から垂直で外向きに第1の所定高さH延在するように配置され、前記第1の所定高さHの範囲は12mm~15mmである。上記のような配置により、円弧板は適当な高さを有し、液体を効果的に導流しその流れ方向を変更することを満たすと共に、高さが大きすぎることにより風抵抗が大きくなって送気効率に影響を与えることを防止する。
【0013】
上記壁掛け型洗濯機器の好ましい技術案では、前記継手管の内径はdであり、前記円弧板の径方向反らせ外弧面は第1の半径R及び第1の弧度θを有し、ここで、R=(3~5)×dであり、前記第1の弧度θの範囲は0.5rad~1radである。上記のような配置により、円弧板の径方向外弧面は適当な弧長と弧度を有し、液体を効果的に導流してその流れ方向を変更することを満たすと共に、弧長が大きすぎることにより風抵抗が大きくなって送気効率に影響を与えることを防止することができ、弧度が大きすぎることにより一部の円弧板が液体と接触しなくて導流の機能をせず、円弧板全体の利用率を低下させることを回避することもできる。
【0014】
上記壁掛け型洗濯機器の好ましい技術案では、前記径方向反らせ外弧面は前記内壁と交差して外弧線を形成し、前記外弧線の鉛直方向に位置する上端点における接線は前記垂直投影線と第3の所定角度γを形成し、前記第3の所定角度γの範囲は15°~25°である。上記のような配置により、外弧線の上端点における接線と垂直投影線に挟まれた第3の所定角度γは適当な範囲を有し、さらに円弧板のその周方向における位置が相対的に固定され、比較的良好な導流効果を得る。
【0015】
上記壁掛け型洗濯機器の好ましい技術案では、各前記導流板は前記内壁から垂直で外向きに第2の所定高さH延在するように配置され、前記第2の所定高さHの範囲は8mm~10mmである。上記のような配置により、各導流板は適当な高さを有し、高さが小さすぎることにより導流板が液体を散らす機能をしないことを防止でき、高さが大きすぎることにより風抵抗が大きくなって送気効率に影響を与えることも防止できる。
【0016】
上記壁掛け型洗濯機器の好ましい技術案では、各前記導流板は円弧状導流板として配置され、全ての前記円弧状導流板は共に前記排液口から離れる方向に向かって突出する径方向導流外弧面を形成し、前記径方向導流外弧面は第2の半径R及び第2の弧度θを有し、ここで、R=(2~3.2)×dであり、前記第2の弧度θの範囲は2.4rad~3.14radである。導流板は円弧状導流板として配置され、全ての円弧状導流板は共に排液口から離れる方向に向かって突出する径方向導流外弧面を形成し、それにより、導流板はより大きい径方向外表面積を有し、液体と導流板との接触確率が増加し、導流板が液体を散らす効果が向上する。また、上記のような配置により、径方向導流外弧面は適当な弧長と弧度を有し、液体を効果的に散らすことを満たすと共に、弧長及び弧度が大きすぎることにより風抵抗が大きくなって送気効率に影響を与えることを防止することができ、また、一部の導流板が液体と接触しなくて液体を散らす機能をせず、導流板の利用率を低下させることを防止する。
【0017】
上記壁掛け型洗濯機器の好ましい技術案では、前記導流口の幅の範囲は3mm~5mmである。上記のような配置により、導流口は適当な幅(すなわち隣接する導流板間の隙間距離)を有し、幅が小さすぎることにより液体が導流口から流出する確率を低下させることを防止することができ、幅が大きすぎることにより大部分の液体が導流板に遮断されず導流口を直接流れ、液体を散らす効果に影響を与えることを回避することもできる。
【0018】
上記壁掛け型洗濯機器の好ましい技術案では、前記液体管に前記液体の流速を制御可能な電磁弁が配置される。電磁弁を設置することにより、異なる動作状況に応じて液体が凝縮室に入る時の流速を調整して、異なる動作状況での需要を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。
図1】本発明の壁掛け型洗濯機器の実施例の立体概略図である。
図2】本発明の壁掛け型洗濯機器の一部の構造の実施例の立体概略図である。
図3】本発明の壁掛け型洗濯機器の外槽の実施例の立体概略図である。
図4】本発明の壁掛け型洗濯機器のエアダクトカバーの実施例の正面概略図である。
図5図4に示される本発明の壁掛け型洗濯機器のエアダクトカバーの実施例のA部の部分拡大図である。
図6】本発明の壁掛け型洗濯機器のエアダクトカバーの実施例の裏面概略図である。
図7図6に示される本発明の壁掛け型洗濯機器のエアダクトカバーの実施例のB部の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について説明する。当業者であれば、これらの実施形態は本発明の技術原理を説明するためのものに過ぎず、本発明の保護範囲を限定するものではないことを理解すべきであろう。
【0021】
なお、本発明の説明において、用語の「上」、「下」、「左」、「右」、「内」、「外」などによって示される方向又は位置関係は、図面に示される方向又は位置関係に基づくものであり、これは、説明を容易にするためのものに過ぎず、前記装置又は要素が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作されることを指示又は暗示するものではなく、したがって、本発明を限定するものとして理解することができない。さらに、用語の「第1」及び「第2」は、説明の目的のみに使用され、相対的な重要性を指示又は暗示するものとして理解することができない。
【0022】
なお、本発明の説明において、特に明記及び限定されない限り、用語の「取付け」、「設置」、「接続」は、広い意味で理解されるべきであり、例えば、固定的に接続してもよいし、着脱可能に接続し、又は一体に接続してもよく、直接つながってもよいし、中間媒体を介して間接的につながってもよく、さらに、2つの要素の内部が連通してもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて、本発明における上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0023】
従来技術における壁掛け型洗濯機器の凝縮アセンブリの凝縮効率が低いという技術的問題を解決するために、本発明は壁掛け型洗濯機器1を提供する。当該壁掛け型洗濯機器1は外槽10及び凝縮アセンブリ40を含み、凝縮アセンブリ40は、外槽10の側壁121に配置され鉛直方向に沿って延在するエアダクト本体41と、エアダクト本体41に着脱可能に固定されエアダクト本体41と密閉した凝縮室43を囲むエアダクトカバー42であって、エアダクトカバー42の内壁422に排液口4221が設置され、内壁422に反らせ板4222と、排液口4221の下方に位置し互いに間隔を置いて配置される複数の導流板4223とが形成され、隣接する導流板4223の間に導流口4224が形成されるエアダクトカバー42と、を含み、ここで、反らせ板4222は排液口4221から凝縮室43に入る液体の流れ方向を変更でき、液体の少なくとも一部を導流口4224から流出可能にするように、液体を複数の導流板4223上に導流できるように配置及び位置決めされる。
【0024】
本明細書に言及される用語には、特に断らない限り、「長手方向」とは、図4に示す方位を基準として左右方向に水平に延伸する方向を意味し、「°」は角度の単位である度であり、「rad」は弧度の単位である弧度である。
【0025】
図1は本発明の壁掛け型洗濯機器の実施例の立体概略図であり、図2は本発明の壁掛け型洗濯機器の一部の構造の実施例の立体概略図であり、図3は本発明の壁掛け型洗濯機器の外槽の実施例の立体概略図であり、図4は本発明の壁掛け型洗濯機器のエアダクトカバーの実施例の正面概略図であり、図5図4に示される本発明の壁掛け型洗濯機器のエアダクトカバーの実施例のA部の部分拡大図であり、図6は本発明の壁掛け型洗濯機器のエアダクトカバーの実施例の裏面概略図であり、図7図6に示される本発明の壁掛け型洗濯機器のエアダクトカバーの実施例のB部の部分拡大図である。
【0026】
図1に示すように、1つ又は複数の実施例では、壁掛け型洗濯機器1は壁掛け型ドラム洗濯機である。代替的に、壁掛け型洗濯機器1は壁掛け型乾燥機又は他の適当な形式の洗濯機器であってもよい。当該壁掛け型洗濯機器1は外槽10、内槽(図示せず)、ファン20、送気エアダクト30及び凝縮アセンブリ40などの部材を含み、それにより当該壁掛け型洗濯機器1は、洗濯、すすぎ、脱水及び/又は乾燥などの機能を有するがそれらに限定されない。
【0027】
図1に示すように、1つ又は複数の実施例では、外槽10はバックプレート11、槽体12、外槽カバー13、窓パッキング14及び観察窓16を含む。図1に示す方位に基づいて、槽体12の後端はバックプレート11の前端と一体に固定され、外槽カバー13は槽体12の前端を覆い、観察窓16は外槽カバー13に固定される。図1に示すように、バックプレート11は、略平板状である。バックプレート11の4つの対角にそれぞれ取付け孔(図示せず)が設置される。取付け孔は取付け部材(図示せず)と係合することができ、それにより、当該壁掛け型洗濯機器1はバックプレート11により所定壁に固定することができる。槽体12は、洗濯衣類やその他の洗濯物を収容可能な内槽の空間を画定するための略円筒状のキャビティである。好ましくは、バックプレート11及び槽体12はPP、ABS又は他の適切な樹脂材料で射出成形により一体成形することができる。代替的に、バックプレート11及び槽体12は別体に製造されてから一体に固定されてもよい。固定方式は溶着溶接、ネジ固定、ボルト固定又は他の適切な固定方式を用いることができる。外槽カバー13はPP、ABS又は他の適切な樹脂材料で射出成形により一体成形することができる。外槽カバー13は溶着溶接、ネジ、ボルトを含むがこれらに限定されない方式によって槽体12に固定することができる。図2に示すように、外槽カバー13に槽体12の中心軸線の周りに垂直で外向きに延在する環状壁131が形成され、それにより、略円形の開口15を画定する。図3に示すように、1つ又は複数の実施例では、送気エアダクト30に接続することにより槽体12内に衣類又は他の物品を乾燥するための乾熱空気を輸送できるように、環状壁131の頂部に外槽吸込口1311が形成される。1つ又は複数の実施例では、外槽吸込口1311は略矩形で、且つ面取り加工されるように設置される。代替的に、外槽吸込口1311は、例えば台形、楕円形など、他の適切な形状に設置されてもよい。図2に示すように、1つ又は複数の実施例では、環状壁131の内側に窓パッキング14が配置される。窓パッキング14は、略円環状の窓パッキング本体141と、窓パッキング本体141からその径方向に沿って垂直で外向きに延在し且つ中空となる接続部142とを含む。接続部142は、送気エアダクト30と突き合わせるために、外槽吸込口1311を貫通する。窓パッキング14はゴムなどの適切な材質を用いて射出成形プロセスにより一体成形することができる。図1に示すように、1つ又は複数の実施例では、観察窓16は外槽カバー13に枢着される。観察窓16は、開口15を密閉可能に配置される。観察窓16はABS、強化ガラス又は他の適切な材質で製造することができる。好ましくは、観察窓16は一定の透明度を有し、それにより、観察窓16から内槽内の洗濯対象衣類の洗濯状況を観察することができる。
【0028】
図1に示すように、1つ又は複数の実施例では、ファン20は槽体12の頂部に配置され槽体12の右側に近接する。代替的に、ファン20は、槽体12の頂部に配置され槽体12の左側に近接してもよい。ファン20はボリュート21、羽根車22(図2に示す)及びモータ(図示せず)を含む。図1に示すように、ボリュート21は、互いに突き合わせる上部ボリュート211と下部ボリュート212を含み、それにより、ファン吸気口(図示せず)及びファン排気口213(図2に示す)を有する吹出通路214(図2に示す)を画定する。製造プロセスを簡略化するために、上部ボリュート211及び下部ボリュート212はいずれもPP、ABS又は他の適切な樹脂材料を用いて射出成形により一体成形される。上部ボリュート211及び下部ボリュート212は、溶着、ネジ固定、ボルト固定又は他の適切な形式によって固定される。羽根車22はボリュート21内に配置される。1つ又は複数の実施例では、羽根車22は前向き羽根車として配置される。代替的に、羽根車22は径向き羽根車又は後向き羽根車として配置されてもよい。製造プロセスを簡略化するために、羽根車22はPP、PPS又は他の適合な樹脂材料を用いて射出成形により一体成形されてもよい。モータのモータ軸は羽根車22に固定され、モータは壁掛け型洗濯機器1のコントローラ(図示せず)と電気的に接続され、それにより、モータの電源オンと電源オフを制御することにより羽根車22の回転を駆動することができる。モータはステッピングモータ、ブラシレスモータ、サーボモータ又は他の適切な形式のモータを含むがそれらに限定されない。
【0029】
図2に示すように、1つ又は複数の実施例では、ボリュート21内においてファン排気口213に近接する位置に加熱部材23が設置される。加熱部材23は、ファン20が生じる空気を加熱して乾熱の乾燥空気に転化することができる。加熱部材23は、電気エネルギーを熱エネルギーに転化するヒータを含む。ヒータは加熱管、電熱線、加熱シート又は他の適切な素子を用いることができる。好ましくは、加熱部材23はさらにヒータの温度を制御するための温度制御スイッチ(図示せず)を含み、ヒータは温度制御スイッチにより壁掛け型洗濯機器1の制御システムと電気的に接続され、それによりヒータが過熱する時にヒータの電源オフを自動的に制御する。
【0030】
図1に示すように、1つ又は複数の実施例では、送気エアダクト30はボリュート21のファン排気口213に接続された吸込端31、及び外槽吸込口1311に接続された吹出端32を含む。1つ又は複数の実施例では、送気エアダクト30は上部送気エアダクトケース部及び下部送気エアダクトケース部(図示せず)を含み、且つ上部送気エアダクトケース部と上部ボリュート211、下部送気エアダクトケース部と下部ボリュート212はいずれも射出成形プロセスにより一体成形され、それにより、空気が吸込端31を通過する時、取付け隙間の存在により風抵抗が大きくなって送気効率に影響を与えることはない。送気エアダクト30の吹出端32は、矩形で面取り加工された断面を有する。代替的に、吹出端32は、例えば台形、楕円形など、他の適切な断面に設置されてもよい。送気エアダクト30の吹出端32は窓パッキング14の接続部142に挿入し外槽吸込口1311内に延在することが可能に配置され、それにより、送気エアダクト30は外槽吸込口1311との間の効果的なシールを実現することができ、乾燥空気が取付け隙間から流出し、乾燥効率に影響を与え、騒音が発生することを防止する。
【0031】
図1に示すように、1つ又は複数の実施例では、凝縮アセンブリ40はエアダクト本体41及びエアダクトカバー42を含む。凝縮アセンブリ40は、外槽10内の湿熱空気を乾冷空気と凝縮水に転化可能に配置される。図1に示す方位に基づいて、エアダクト本体41は略鉛直方向に沿って延在するように配置され、外槽12の右側側壁121に位置決めされる。代替的に、エアダクト本体41は略鉛直方向に沿って延在するように配置され、外槽12の左側側壁121に位置決めされてもよい。エアダクト本体41は略鉛直方向に沿って延在するように配置され、それにより凝縮水はそれ自体の重力作用で凝縮室から排出しやすい。好ましくは、エアダクト本体41はPP、ABS又は他の適切な樹脂材料を用いて射出成形プロセスにより槽体12と一体に形成され、それにより、壁掛け型洗濯機器1全体の構造はよりコンパクトになる。図2及び図3に示すように、図3に示す方位に基づいて、エアダクト本体41は、槽体12の右側側壁121に形成された一部の円弧状壁411と、円弧状壁411の縁から略水平方向に沿って右側へ延在する逆L字形の周壁412と、逆L字形の周壁412の上部に形成された頂壁413と、を含む。円弧状壁411の底部に近接する位置に、底部入口416が設置される。底部入口416は外槽吹出口1211と重なる。頂壁413に、頂部出口415が設置される。頂部出口415は、ファン吸気口と突き合わせることが可能に配置される。図2及び図3に示すように、逆L字形の周壁412及び頂壁413は、略鉛直方向に沿って延在する側方開口414を画定する。
【0032】
図1に示すように、1つ又は複数の実施例では、エアダクトカバー42は、エアダクト本体41に着脱可能に固定され、側方開口414を密閉できるように配置される。エアダクトカバー42とエアダクト本体41とは、密閉した凝縮室43(図2に示す)を囲む。エアダクトカバー42とエアダクト本体41の固定方式はネジ接続、ボルト接続又はリベット接続を含むがそれらに限定されない。また、エアダクトカバー42をエアダクト本体41に着脱可能に固定するように配置することにより、エアダクト本体41と外槽10とを一体成形するプロセス要件を満たすことができ、また、ユーザはエアダクトカバー42を容易に取り外すことができ、それにより側方開口414から凝縮室43をクリーニング、保守及びメンテナンスしやすい。1つ又は複数の実施例では、製造プロセスを簡略化し、製造を容易にするために、エアダクトカバー42はPP、ABS又は他の適合な樹脂材料を用いて射出成形により一体成形されるように配置される。好ましくは、エアダクトカバー42と側方開口414との間にシール部材(図示せず)が配置され、それにより、エアダクトカバー42はエアダクト本体41を効果的に密閉することができ、空気が取り付け隙間から流出することを防止する。
【0033】
図4に示すように、エアダクトカバー42は、略平板状のエアダクトカバー本体424を有する。エアダクトカバー本体424は、外壁421と内壁422を有する。1つ又は複数の実施例では、外壁421に、エアダクトカバー42の長手方向(すなわち図4に示す左右方向)と、エアダクトカバー42の高さ方向(すなわち図4に示す上下方向)に沿って延在する補強リブ4211が形成される。補強リブ4211の設置はエアダクトカバー42の強度及び剛性を増加させて、エアダクトカバー4242の耐用年数を延長する。
【0034】
図4に示すように、1つ又は複数の実施例では、外壁421の上部且つ外壁421の右側寄りに継手管423が形成される。代替的に、継手管423は、外壁421の上部且つ外壁421の左側寄りに配置されてもよい。好ましくは、継手管423は適切な樹脂材料を用いてエアダクトカバー本体と射出成形プロセスにより一体成形され、製造プロセスを簡略化することに有利であり、エアダクトカバー本体424において孔を開けることを回避することができ、空気が孔隙から流出し、送気効率に影響を与え、騒音が発生することを防止する。図4に示すように、継手管423は中空の管状構造に配置され、且つ給液端4231と、対向する排液端4232と、を有する。図1に示すように、給液端4231は、液体管44から輸送された液体を受けるために、液体管44の第1の端441と接続可能に配置される。図4に示すように、給液端4231に給液口42311が形成される。給液口42311は円形の断面を有し、給液口42311の直径はd(図6に示す)である。直径dの範囲は7mm~11mmである。好ましくは、給液口42311の直径は9mmである。代替的に、給液口42311は、例えば楕円形、半円形など、他の適切な断面に設置されてもよい。排液端4232は、外壁421に形成され継手管423の中心線Cの方向に沿って内壁422まで延在し、それにより、内壁422に排液口4221が形成される。図4及び図5に示すように、1つ又は複数の実施例では、継手管423は、給液端4231から継手管423の中心線Cに沿って下向きに傾斜してエアダクトカバー42の外壁421まで延在するように配置され、すなわち、継手管423の中心線Cはエアダクトカバー42が位置する平面と一定の角度を挟む。具体的には、継手管423の中心線Cのエアダクトカバー42での垂直投影線はCであり、中心線Cは垂直投影線Cと第1の所定角度αを形成する。第1の所定角度αの範囲は5°~10°である。上記のような配置により、継手管423とエアダクトカバー本体424との間は所定角度を挟み、継手管423とエアダクトカバー本体424とを一体成形する時の加工製造が容易になる。さらに、継手管423は、給液端4231からその中心線Cに沿って下向きに傾斜してエアダクトカバー42まで延在するように配置され、すなわち、継手管423の中心線Cはエアダクトカバー42の長手方向Dと一定の角度を挟む。具体的には、継手管423の中心線Cのエアダクトカバー42での垂直投影線Cとエアダクトカバー42の長手方向Dは第2の所定角度βを形成する。第2の所定角度βの範囲は0°<β≦10°である。代替的に、継手管423は給液端4231からその中心線Cに沿って水平にエアダクトカバー42に延在するように配置されてもよい。このとき、第2の所定角度βは0°である。継手管423は給液端4231からその中心線Cに沿って水平又は下向きに傾斜してエアダクトカバー42に延在し、それにより、継手管423はエアダクトカバー42の略長手方向Dに沿って延在し、そのため、液体管44と継手管423を接続する時、エアダクト本体41の後側のスペースを利用することができ、管路配置に有利であり、それにより、壁掛け型洗濯機器1の内部構造がよりコンパクトになる。また、継手管423は、エアダクトカバー42の略長手方向Dに沿って延在するように配置され、継手管423から凝縮室43に導入される液体の初期の流れ方向を略水平方向に沿って延在するように配置されてもよい。重力の作用で、液体は略放物線運動を行い、それにより、液体は鉛直方向に分散する傾向を有し、液体をさらに分散することに有利である。
【0035】
図6に示すように、1つ又は複数の実施例では、内壁422の上部に、排液口4221が形成される。排液口4221は、継手管423の略中心線C方向に沿って延在し、略楕円形状を有するように配置され、それにより、排液口4221は大きい開口面積を有する。液体は排液口4221から凝縮室43に入る時、排液口4221から強い拘束作用を受け、排液口4221の液体に対するガイド作用が強化される。
【0036】
図6に示すように、1つ又は複数の実施例では、内壁422に、反らせ板4222が設置される。反らせ板4222は、排液口4221に近接する位置に位置決めされ、それにより、排液口4221から凝縮室43内に流入した液体は反らせ板4222に容易に衝突できる。1つ又は複数の実施例では、反らせ板4222は、排液口4221に向かって突出する円弧板42221として配置される。円弧板42221の設置は、同じ横方向の長さ(すなわち、エアダクトカバー42の長手方向Dでの投影長さ)において、直線板よりも大きい径方向外表面積を有する。そのため、同じ風抵抗条件で、液体と円弧板42221との接触確率がより大きい。代替的に、反らせ板4222は、例えば直線板、波板など、他の適切な構造に配置されてもよい。1つ又は複数の実施例では、継手管423の中心線Cは延伸して円弧板42221を貫通し、円弧板42221を液体からずれない流れ方向に位置決めさせ、さらに円弧板42221の導流の有効性を向上させる。1つ又は複数の実施例では、円弧板42221は内壁422から垂直で外向きに第1の高さH延在するように配置される。第1の高さHの範囲は12mm~15mmであり、それにより、円弧板42221は適当な高さを有し、液体を効果的に導流することを満たすと共に、高さが大きすぎることにより、風抵抗が大きくなって送気効率に影響を与えることを防止する。円弧板42221は円弧状の径方向反らせ外弧面221を有する。径方向反らせ外弧面221の円心はOであり、第1の半径R及び第1の弧度θを有する。ここで、第1の半径R=(3~5)×dであり、第1の弧度θの範囲は0.5rad~1radである。上記のような配置により、円弧板42221は適当な弧長と弧度を有し、液体を効果的に導流してその流れ方向を変更することを満たすと共に、弧長が大きすぎることにより、風抵抗が大きくなって送気効率に影響を与えることを防止し、弧度が大きすぎることにより一部の円弧板42221が液体と接触しなくて導流の機能をせず、円弧板42221全体の利用率を低下させることを回避することができる。径方向反らせ外弧面221は内壁422と交差して外弧線2211を形成する。外弧線2211は、鉛直方向における上端点2211aと、対向する下端点2211bとを有する。図7に示すように、外弧線2211の上端点2211aを通る接線Eと継手管423の中心線Cのエアダクトカバー42での垂直投影線Cとは第3の所定角度γを形成する。第3の所定角度γの範囲は15°~25°であり、それにより、円弧板42221の周方向における位置が相対的に固定されて、比較的良好な導流効果を得る。
【0037】
図6に示すように、1つ又は複数の実施例では、排液口4221の下方に、互いに間隔を置いて配置された3つの導流板4223が配置される。導流板4223は反らせ板4222によって導流されてきた一部の液体を散らすことができ、それにより湿熱空気と液体との接触確率及び接触面積を大幅に増加させ、凝縮アセンブリ40の凝縮効率を向上させる。代替的に、導流板4223の数は3つより多いか又は少ない他の適切な数に配置されてもよい。各導流板4223は内壁422から垂直で外向きに第2の所定高さH延在するように配置される。第2の所定高さHの範囲は8mm~10mmであり、それにより、各導流板4223は適当な高さを有し、高さが小さすぎることにより導流板4223が液体を散らす機能をしないことを防止することができ、高さが大きすぎることにより風抵抗が大きくなって送気効率に影響を与えることを防止することもできる。隣接する導流板4223の間に導流口4224が形成され、順に第1の導流口224a及び第2の導流口224bである。導流口4224の設置により、反らせ板4222によって導流されてきた一部の液体が導流口4224から流出でき、液体の分散度を向上させ、液体の凝縮室43内における分布がより均一であり、凝縮効率がさらに向上する。各導流口4224の幅範囲は3mm~5mmであり、それにより、導流口4224は適当な幅を有し、幅が小さすぎることにより液体が導流口4224から流出する確率を低下させることを防止することができ、幅が大きすぎることにより大部分の液体が導流板に遮断されず導流口4224を直接流れ、液体を散らす効果に影響を与えることを防止することもできる。好ましくは、各導流口4224は同じ幅に設置される。代替的に、各導流口4224は異なる幅に設置されてもよく、例えば、第1の導流口224aの幅は3mmであり、第2の導流口224bの幅は5mmであり、それにより、より豊富な製品を得て実際の需要を満たすために用いる。図7に示すように、1つ又は複数の実施例では、各導流板4223は円弧状導流板42231として配置され、順に第1の円弧状導流板231a、第2の円弧状導流板231b及び第3の円弧状導流板231cであり、全ての円弧状導流板42231は排液口4221から離れる方向に向かって突起する径方向導流外弧面4225を形成する。円弧状導流板42231の設置により、導流板4223はより大きい径方向外表面積を有し、液体と導流板4223との接触確率が増加し、導流板4223が液体を散らす効果が高くなる。図7に示すように、径方向導流外弧面4225の円心はOであり、第2の半径R及び第2の弧度θを有する。ここで、第2の半径R=(1~1.6)×dであり、第2の弧度θの範囲は2.4rad~3.14radである。上記のような配置により、円弧状導流板42231は適当な弧長及び弧度を有する。液体を効果的に散らすことを満たすと共に、弧長及び弧度が大きすぎることにより風抵抗が大きくなって送気効率に影響を与えることを防止することができ、また、一部の導流板4223が液体と接触しなくて液体を散らす機能をせず、導流板4223の利用率を低下させることを回避することができる。
【0038】
図1に示すように、1つ又は複数の実施例では、管路配置を容易にするために、液体管44は中空のホースとして配置される。液体管44はPVC、PU又は他の適切な材質で製造することができる。液体管44は、対向する第1の端441と第2の端442を有する。第1の端441は継手管423の給液端4231に接続されるように配置され、第2の端442は電磁弁(図示せず)の出力端に連通するように配置される。電磁弁は壁掛け型洗濯機器1の制御システムと電気的に接続され、それにより電磁弁の開度を制御することにより液体管44内の液体の流速を調整して、異なる動作状況での需要を満たす。電磁弁は直動式電磁弁、ステップ直動式電磁弁、パイロット式電磁弁などを含むがそれらに限定されない。1つ又は複数の実施例では、液体管44を通して凝縮水を凝縮室43内に輸送するように、電磁弁の入力端(図示せず)は壁掛け型洗濯機器1における凝縮水収集ボックス(図示せず)に連通する。代替的に、電磁弁の入力端は、例えば水道水給水管など、他の適切な液体管路に接続されてもよい。
【0039】
1つ又は複数の実施例では、当該壁掛け型洗濯機器1はさらに濾過アセンブリ(図示せず)を含む。濾過アセンブリは、凝縮室43内の適切な位置、例えば底部入口416の上部近傍に配置されてもよく、それにより、底部入口416から流入した湿熱空気を濾過し、糸屑などの異物が凝縮室43を塞いだり、凝縮室43内の清浄度に影響を与えたりすることを防止する。濾過アセンブリは送気エアダクト30内の適切な位置、例えば送気端31に近接する位置に配置されてもよく、それにより、ファン排気口から流入した乾熱空気を濾過し、糸屑などの異物が送気エアダクト30を塞いだり、外槽10内に流入したりすることを防止する。濾過アセンブリは濾過器(図示せず)を有し、濾過器は金属ゴム濾過網、ナイロン濾過網、又は他の適切な濾過器を用いることができる。また、濾過効果を向上させるために、濾過アセンブリは凝縮室43と送気エアダクト30内に同時に配置されてもよい。
【0040】
本発明の壁掛け型洗濯機器1が乾燥動作状態にある場合、ユーザは制御システムによって異なるプリセット乾燥プログラムを選択することができる。代替的に、ユーザのカスタマイズ需要を満たすために、例えば乾燥温度、乾燥時間など、乾燥プロセスの各パラメータは、手動で設定されてもよい。乾燥機能がオンになると、羽根車22はモータの駆動で回転し、凝縮室43内の空気を吸引してボリュート21に入れる。空気は、加熱部材23の表面を通過する時に、乾熱の乾燥空気に加熱される。乾燥空気は送気エアダクト30により導かれ、外槽吸込口1311を介して外槽10内に輸送される。乾燥空気は内槽内の乾燥対象物品と熱交換を行い、乾燥対象物品内の水分を持ち去り湿熱空気に変換し、乾燥対象物品を乾燥する目的を実現する。湿熱空気は、側壁121に設置された外槽吹出口1211から槽体12を排出され、再び凝縮室43内に入る。このとき、電磁弁は電源オン状態にあり、小さい開度を有し、液体管(44)内の液体(例えば凝縮水)の流速は遅い。液体は、継手管423を通して凝縮室43内に輸送される。液体は排液口4221から流出した後に排液口4221に近接する反らせ板4222に衝突し、その流れ方向が変化して導流板4223上に導流される。一部の液体は導流板4223に衝突して散らされ、一部の液体は間隔を置いて配置された導流板4223の間の導流口4224を通過し、凝縮室43内の液体を均一に分散させる。湿熱空気と液体が十分に接触することで、湿熱空気は乾冷空気及び凝縮水に変換される。乾冷空気は羽根車22の作用で再びボリュート21に吸引され、それにより、壁掛け型洗濯機器1内の空気循環を実現する。また、凝縮水と液体は自重の作用で、エアダクト本体41の底部の底部開口416(すなわち外槽吹出口1221)から槽体12内に入り、槽体12の底壁に沿って排液口(図示せず)に流れ、凝縮水収集ボックス内に集まり、それにより、凝縮水の循環使用を実現する。
【0041】
本発明の壁掛け型洗濯機器1が清潔な動作状況にある場合、電磁弁は電源オン状態にあり、比較的大きい開度を有し、液体管44内の液体の流速が比較的速い。液体は、継手管423を通して凝縮室43内に輸送され、大きい衝撃力を有する。液体は反らせ板4222に衝突し、その流れ方向が変更されて導流板4223に進み、一部の液体は導流板4223に衝突して、反らせ板4222及び導流板4223上の糸屑などの異物を洗い流し、それにより、エアダクトカバー42を取り外さなくても凝縮室43を容易に、効果的にクリーニングでき、ユーザ体験を大幅に向上させる。
【0042】
ここまで、図面に示された好ましい実施形態を参照しながら本発明の技術案について説明したが、当業者であれば、本発明の保護範囲は明らかにこれらの具体的な実施形態に限定されるものではないことを容易に理解できる。本発明の原理から逸脱しない前提で、当業者は、異なる実施例からの技術的特徴を組み合わせることができ、また関連技術的特徴に対して同等の変更又は置換を行うことができ、これらの変更又は置換後の技術案はいずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
1…壁掛け型洗濯機器、10…外槽、11…バックプレート、12…槽体、121…側壁、1211…外槽吹出口、13…外槽カバー、131…環状壁、1311…外槽吸込口、14…窓パッキング、141…窓パッキング本体、142…接続部、15…開口、16…観察窓、20…ファン、21…ボリュート、211…上部ボリュート、212…下部ボリュート、213…ファン排気口、214…吹出通路、22…羽根車、23…加熱部材、30…送気エアダクト、31…吸込端、32…吹出端、40…凝縮アセンブリ、41…エアダクト本体、411…円弧状壁、412…逆L字形の周壁、413…頂壁、414…側方開口、415…頂部出口、416…底部入口、42…エアダクトカバー、421…外壁、4211…補強リブ、422…内壁、4221…排液口、4222…反らせ板、42221…円弧板、221…径方向反らせ外弧面、2211…外弧線、2211a…上端点、2211b…下端点、4223…導流板、42231…円弧状導流板、231a…第1の円弧状導流板、231b…第2の円弧状導流板、231c…第3の円弧状導流板、4224…導流口、224a…第1の導流口、224b…第2の導流口、4225…径方向導流外弧面、423…継手管、4231…給液端、42311…給液口、4232…排液端、424…エアダクトカバー本体、43…凝縮室、44…液体管、441…第1の端、442…第2の端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】