(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-11
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置及び媒質収容ロッド
(51)【国際特許分類】
A24F 40/30 20200101AFI20240404BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20240404BHJP
A24B 15/16 20200101ALI20240404BHJP
A24D 3/17 20200101ALI20240404BHJP
A24D 3/04 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A24F40/30
A24D1/20
A24B15/16
A24D3/17
A24D3/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565624
(86)(22)【出願日】2022-10-27
(85)【翻訳文提出日】2023-10-25
(86)【国際出願番号】 KR2022016517
(87)【国際公開番号】W WO2023080537
(87)【国際公開日】2023-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0150307
(32)【優先日】2021-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、インス
(72)【発明者】
【氏名】クォン、チャン ミン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン キュ
(72)【発明者】
【氏名】イ、ミ チョン
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B043BB10
4B043BB16
4B043BB28
4B045AA43
4B045AB02
4B045BA02
4B045BA08
4B045BB03
4B045BC07
4B045BC16
4B162AA03
4B162AA07
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AB23
4B162AB28
4B162AC12
4B162AC17
4B162AC18
4B162AC22
4B162AC27
(57)【要約】
一実施例に係るエアロゾル発生装置は、媒質収容ロッドを収容する収容部と、エアロゾルを生成させる霧化部と、前記霧化部を加熱するのに必要な電力を伝達する電源部と、を含み、前記エアロゾル発生装置の前記霧化部から生成されたエアロゾルが前記媒質収容ロッドを通過して媒質が移行し、前記収容部に収容される媒質収容ロッドが入れ替えられて使用できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
媒質収容ロッドを収容する収容部と、
エアロゾルを生成させる霧化部と、
前記霧化部を加熱するのに必要な電力を伝達する電源部と、
を含み、
前記エアロゾル発生装置の前記霧化部から生成されたエアロゾルが前記媒質収容ロッドを通過して媒質が移行し、前記収容部に収容される媒質収容ロッドが入れ替えられて使用可能であり、
前記媒質収容ロッドに含まれるフィルタセグメント内に媒質顆粒が充填される、
エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記媒質収容ロッドは、
前記媒質収容ロッドの最上流に配置される第1のフィルタセグメントと、
前記第1のフィルタセグメントの下流に配置され媒質顆粒を含む第2のフィルタセグメントと、
前記媒質収容ロッドの最下流に配置されるフィルタロッドと、
を含み、
前記フィルタロッドは冷却セグメント及びマウスピースセグメントを含む、
請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記媒質収容ロッドは塩基性pH調整剤を含む、
請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記媒質顆粒はタバコ顆粒を含み、前記タバコ顆粒は圧着式工程によって製造される、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記媒質収容ロッドは使い捨てシガレットを含む、
請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記霧化部は、
エアロゾルを発生させる液状組成物質を貯蔵する液状貯蔵槽と、
前記液状組成物質の移送を促進する液状伝達手段と、
前記液状組成物質を加熱するヒーターと、
を含む、
請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
エアロゾル発生装置と共に使用される媒質収容ロッドであって、
前記媒質収容ロッドの最上流に配置される第1のフィルタセグメントと、
前記第1のフィルタセグメントの下流に配置されフィルタ部材上に媒質顆粒が充填される第2のフィルタセグメントと、
を含み、
前記第2のフィルタセグメントにはpH調整剤が配置される、
媒質収容ロッド。
【請求項8】
前記媒質顆粒を含む第2のフィルタセグメントは、フィルタ部材の一面にバインダーが塗布され、前記バインダーが塗布された前記フィルタ部材の一面に複数の前記媒質顆粒を配置した後、前記フィルタ部材の一面が互いに対向するように折れた後、さらに複数回折れ、複数回折れた前記フィルタ部材がラッパーによって包まれて形成される、
請求項7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記pH調整剤は塩基性塩を含む、
請求項8に記載の媒質収容ロッド。
【請求項10】
前記媒質収容ロッドの最下流に配置されるフィルタロッドをさらに含み、
前記フィルタロッドは冷却セグメント及びマウスピースセグメントを含む、
請求項8に記載の媒質収容ロッド。
【請求項11】
前記第1のフィルタセグメント及び前記第2のフィルタセグメントはアセテート物質を含む、
請求項8に記載の媒質収容ロッド。
【請求項12】
前記媒質顆粒はタバコ顆粒を含む、
請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下、実施例は、エアロゾル発生装置及び媒質収容ロッドに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、伝統的なシガレットの短所を克服する代替物品に関する需要が高まっている。例えば、シガレットスティックを電気的に加熱することによってエアロゾルを発生させる装置(例えば、シガレット型電子タバコ)に関する需要が高まっている。これにより、電気加熱式エアロゾル発生装置とそれに適用されるシガレットスティック(又はエアロゾル発生物品)に関する研究が活発に進められている。例えば、公開特許公報第10-2017-0132823号は、非燃焼型香味吸引器、香喫味源ユニット及び霧化ユニットを開示する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
一実施例に係る目的は、エアロゾルによる媒質の間接加熱によってニコチンを移行させるエアロゾル発生装置及び媒質収容ロッドを提供することである。
【0004】
一実施例に係る目的は、使い捨てスティックを用いた間接加熱式(非加熱式)電子タバコを構成して衛生性を向上させ、ニコチン移行時に均一な風味を提供するエアロゾル発生装置及び媒質収容ロッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施例に係るエアロゾル発生装置は、媒質収容ロッドを収容する収容部と、エアロゾルを生成させる霧化部と、前記霧化部を加熱するのに必要な電力を伝達する電源部と、を含み、前記エアロゾル発生装置の前記霧化部から生成されたエアロゾルが前記媒質収容ロッドを通過して媒質が移行し、前記収容部に収容される媒質収容ロッドが入れ替えられて使用可能であり、前記媒質収容ロッドに含まれるフィルタセグメント内に媒質顆粒が充填されることができる。
【0006】
前記媒質収容ロッドは、前記媒質収容ロッドの最上流に配置される第1のフィルタセグメントと、前記第1のフィルタセグメントの下流に配置されて媒質顆粒を含む第2のフィルタセグメントと、前記媒質収容ロッドの最下流に配置されるフィルタロッドと、を含み、前記フィルタロッドは冷却セグメント及びマウスピースセグメントを含むことができる。
【0007】
前記媒質収容ロッドは塩基性pH調整剤を含むことができる。
【0008】
前記媒質収容ロッドはタバコ顆粒を含むことができ、前記タバコ顆粒は圧着式工程によって製造されることができる。
【0009】
前記媒質収容ロッドは使い捨てシガレットを含むことができる。
【0010】
前記霧化部は、エアロゾルを発生させる液状組成物質を貯蔵する液状貯蔵槽と、前記液状組成物質の移送を促進する液状伝達手段と、前記液状組成物質を加熱するヒーターと、を含むことができる。
【0011】
前記媒質顆粒を含む第2のフィルタセグメントは、フィルタ部材の一面に保湿剤が塗布され、前記保湿剤が塗布された前記フィルタ部材の一面に複数の前記媒質顆粒を配置した後、前記フィルタ部材の一面が互いに対向するように折れた後にさらに複数回折れ、複数回折れた前記フィルタ部材がラッパーによって包まれて形成されることができる。
【0012】
一実施例に係るエアロゾル発生装置と共に使用される媒質収容ロッドは、前記媒質収容ロッドの最上流に配置される第1のフィルタセグメントと、前記第1のフィルタセグメントの下流に配置され、フィルタ部材に媒質顆粒が充填される第2のフィルタセグメントと、を含み、前記第2のフィルタセグメントにはpH調整剤が配置されることができる。
【0013】
前記pH調整剤は塩基性塩を含むことができる。
【0014】
前記媒質収容ロッドの最下流に配置されるフィルタロッドをさらに含み、前記フィルタロッドは冷却セグメント及びマウスピースセグメントを含むことができる。
【0015】
前記第1のフィルタセグメント及び前記第2のフィルタセグメントはアセテート物質を含むことができる。
【発明の効果】
【0016】
一実施例に係るエアロゾル発生装置及び媒質収容ロッドは、エアロゾルによる媒質の間接加熱によってニコチンを移行させることができる。
【0017】
一実施例に係るエアロゾル発生装置及び媒質収容ロッドは、使い捨てスティックを用いた間接加熱式(非加熱式)電子タバコを構成して衛生性を向上させ、ニコチン移行時に均一な風味を提供することができる。
【0018】
一実施例に係るエアロゾル発生装置及び媒質収容ロッドの効果は、以上で言及されたものに限定されず、言及されていない他の効果は、以下の記載から通常の技術者に明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1A】一実施例に係るエアロゾル発生装置を概略的に示す図である。
【
図1B】他の実施例に係るエアロゾル発生装置を概略的に示す図である。
【
図2】一実施例に係る媒質収容ロッドの構造を概略的に示す図である。
【
図3A】一実施例に係る複数の媒質顆粒が第2のフィルタセグメントのフィルタ部材上に配置された状態を概略的に示す図である。
【
図3B】一実施例に係る第2のフィルタセグメントで複数の媒質顆粒がフィルタ部材内に配置された状態を示す断面図である。
【
図4A】一実施例に係る媒質収容ロッドの構造を概略的に示す図である。
【
図4B】他の実施例に係る媒質収容ロッドの構造を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して実施例を詳細に説明する。しかし、実施例には様々な変更が加えられるので、特許出願の権利範囲はこれらの実施例によって制限又は限定されない。実施例に対する全ての変更、均等物ないし代替物が権利範囲に含まれると理解されるべきである。
【0021】
実施例で使用した用語は単に説明を目的として使用されたものであり、限定しようとする意図として解釈されるべきではない。単数の表現は、文脈上明白に別段の意味を持たない限り、複数の表現を含む。本明細書において「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数、ステップ、動作、構成要素、部品、又はそれらの組み合わせが存在することを指定するものであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数、ステップ、動作、構成要素、部品、又はそれらの組み合わせの存在又は付加可能性を予め排除するものではないと理解されるべきである。
【0022】
別途の定義がない限り、技術的又は科学的用語を含めて、ここで使用される全ての用語は、実施例が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されているなどの用語は、関連技術の文脈上有している意味と一致するものと解釈されるべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されない。
【0023】
なお、添付図面を参照して説明するにあたって、図面符号にかかわらず、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、これについての重複する説明は省略する。実施例を説明するにあたって関連する公知技術についての具体的な説明が実施例の要旨を不要に濁す恐れがあると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0024】
さらに、実施例の構成要素を説明するにあたって、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって該当構成要素の本質や順番又は順序などが限定されない。ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載された場合、その構成要素は他の構成要素に直接的に連結又は接続されるが、各構成要素の間に他の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」されるとも理解されるべきである。
【0025】
いずれかの実施例に含まれた構成要素と、共通的な機能を含む構成要素は、他の実施例において同一の名称を使用して説明する。反対の記載がない限り、いずれかの実施例に記載の説明は他の実施例にも適用でき、重複する範囲で具体的な説明は省略する。
【0026】
以下の実施例において「保湿剤」は、可視的な煙(smoke)及び/又はエアロゾル(aerosol)の形成を容易にし得る物質を意味することができる。保湿剤の例としては、グリセリン(GLY)、プロピレングリコール(PG)、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールが挙げられ、これらに限定されない。当該技術分野において、保湿剤は、エアロゾル形成剤、湿潤剤などの用語と混用されて使用できる。
【0027】
以下の実施例において「エアロゾル形成基材」は、エアロゾルを形成し得る物質を意味することができる。エアロゾルは揮発性化合物を含むことができる。エアロゾル形成基材は固体又は液状であることができる。
【0028】
例えば、固体のエアロゾル形成基材は、板状葉タバコ、刻草、再構成タバコなどのタバコ原料に基づく固体物質を含むことができ、液状のエアロゾル形成基材は、ニコチン、タバコ抽出物及び/又は様々な香味剤に基づく液状組成物質を含むことができる。しかし、本開示の範囲はこれらの例示に限定されない。
【0029】
以下の実施例において「エアロゾル発生装置」は、ユーザの口を通じてユーザの肺に直接的に吸入可能なエアロゾルを発生させるためにエアロゾル形成基材を用いてエアロゾルを発生させる装置を意味することができる。
【0030】
以下の実施例において「媒質収容ロッド」は、媒質を収容する物品を意味することができる。媒質収容ロッドの代表的な例としてはシガレットが挙げられるが、本開示の範囲はこれに限定されない。
【0031】
以下の実施例において「上流」(upstream)又は「上流方向」は、ユーザ(喫煙者)の口部から離れる方向を意味し、「下流」(downstream)又は「下流方向」は、ユーザの口部から近づく方向を意味することができる。上流及び下流という用語は、媒質収容ロッドを構成する要素の相対的位置を説明するために用いられる。例えば、
図2に示す媒質収容ロッド100において、顆粒ロッド120は、フィルタロッド140の上流又は上流方向に位置し、フィルタロッド140は、顆粒ロッド120の下流又は下流方向に位置する。
【0032】
以下の実施例において「パフ(puff)」とは、ユーザの吸入(inhalation)を意味し、吸入とは、ユーザの口や鼻を通じてユーザの口腔内、鼻腔内又は肺に引き寄せる状況を意味する。
【0033】
以下では、添付の図面による様々な実施例について説明する。
【0034】
図1A及び
図1Bは、いくつかの実施例に係るエアロゾル発生装置を概略的に示す図である。
図1Aは、カートリッジ222及びヒーター224が一列に配置されたことを示し、
図1Bは、カートリッジ222及びヒーター224が並列に配置されたことを示している。
【0035】
図1A及び
図1Bを参照すると、本実施例に係るエアロゾル発生装置200は、ハウジング、収容部210、霧化部220及び電源部230を含むことができる。ここで、霧化部220は、カートリッジ222及びヒーター224を含むことができ、霧化部220はエアロゾルを生成することができる。ただし、
図1A及び
図1Bには、本実施例に関する構成要素のみ示されており、本開示が属する技術分野における通常の技術者であれば、
図1A及び
図1Bに示す構成要素に加えて他の汎用的な構成要素がさらに含まれることが分かる。例えば、エアロゾル発生装置200は、ユーザから命令などを入力されるための入力モジュール及び装置の状態、喫煙情報などの情報を出力するための出力モジュールをさらに含むことができる。以下、エアロゾル発生装置200の各構成要素について説明する。
【0036】
ハウジングは、エアロゾル発生装置200の外観を形成することができる。さらに、ハウジングは、媒質収容ロッド100を収容するための収容部210を形成することができる。ハウジングは、内部の構成要素を保護することができる素材で実現されるのが好ましいことがある。
【0037】
次に、収容部210は、媒質収容ロッド100を収容し得る空間であることができる。収容部210に媒質収容ロッド100が収容されたとき、媒質収容ロッドが抜けずにしっかり結合されるようにするために、収容部210は結合構造を含むことができる。結合構造は、例えば、抑止嵌合を用いた結合構造、磁性物質を用いた結合構造、電磁気力性物質を用いた結合構造などを含むことができる。また、収容部210に収容される媒質収容ロッド100は、後述するように1回使用後に入れ替えられるスティック又はシガレットの形態であることができる。
【0038】
次に、霧化部220は、液状貯蔵槽、液状伝達手段及びヒーターをさらに含むことができる。しかし、これらに限定されることなく、霧化部220は他の構成要素をさらに含むこともできる。また、カートリッジ222は、ヒーター224から脱着可能に作製されてもよく、ヒーター224と一体として作製されてもよい。
【0039】
液状貯蔵槽は液状組成物質を貯蔵することができる。液状組成物質は、タバコ含有物質又はニコチン含有物質を含む液体であってもよく、非タバコ物質を含む液体であってもよい。例えば、液状組成物質は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物(例えば、タバコ抽出物)、香料、エアロゾル形成剤、香味剤又はビタミン混合物を含むことができる。香料は、メンソール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物香成分などを含むことができるが、これらに制限されない。香味剤は、ユーザに様々な香味又は風味を提供し得る成分を含むことができる。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも1つが混合されることができるが、これらに制限されない。液状組成物質は保湿剤をさらに含むことができる。保湿剤は、グリセリン(VG)、ポリプロピレングリコール(PG)、ソルビトール又はそれらの混合物であることができるが、これらに制限されない。
【0040】
液状伝達手段は液状貯蔵槽に貯蔵された液状組成物質をヒーター224に伝達することができる。例えば、液状伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラス繊維、多孔性セラミックなどのウィック(wick)要素であり得るが、これらに限定されない。
【0041】
次に、ヒーター224は、カートリッジ222に貯蔵された液状組成物質を加熱してエアロゾルを形成させることができる。例えば、ヒーター224は、液状伝達手段によって伝達された液状組成物質を加熱してエアロゾルを形成させることができる。形成されたエアロゾルは、媒質収容ロッド100を通過してユーザに伝達されることができる。すなわち、ヒーター224の加熱によって形成されたエアロゾルは、媒質収容ロッド100の空気流路に沿って移動することができ、空気流路は、カートリッジに貯蔵された液状組成物質によって形成されたエアロゾルが媒質収容ロッド100を通過してユーザに伝達できるように構成され得る。ヒーター224は、例えば、コイル、セラミック、金属メッシュ及び伝導性フィラメントなどで構成されるが、これらに限定されない。また、ヒーター224の加熱温度は、270℃以下であってもよく、好ましくは240℃以下であってもよく、さらに好ましくは200℃以下であってもよい。後述するように、媒質顆粒PがpH調整剤を含む場合、ニコチンが移行できる最小温度が低くなり、ヒーター224の加熱温度が低くなることができ、これによってより良い電気効率を有するエアロゾル発生システムを構成することができる。
【0042】
参考までに、当該技術分野におけるカートリッジ222及びヒーター224は、カトマイザー(catomizer)、アトマイザー(atomizer)、蒸気化器(vaporizer)などの用語と称することもできる。
【0043】
次に、電源部230は、エアロゾル発生装置200が動作するのに用いられる電力を供給することができる。例えば、電源部230は、ヒーター224が媒質収容ロッド100を加熱するように電力を供給することができる。また、電源部230は、エアロゾル発生装置200に設置されたディスプレイ(図示せず)、センサ(図示せず)、モータ(図示せず)などの電気的構成要素が動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0044】
以下では、
図2を参照して、いくつかの実施例に係る媒質収容ロッド100について説明する。
【0045】
図2は、いくつかの実施例に係る媒質収容ロッド100の構造を概略的に示す図である。
【0046】
図2に示すように、媒質収容ロッド100は、顆粒ロッド120及びフィルタロッド140を含むことができる。また、媒質収容ロッド100は媒質を収容することができ、後述するように充填される媒質の形態は、顆粒、再構成タバコ、一般刻草などの形態であることができ、好ましくは顆粒型媒質の形態であることができる。媒質が顆粒の形態で媒質収容ロッド100に収容される場合、一般刻草などの形態で収容される場合に比べて1回パフ当たりにユーザの口部に移行する媒質の量が均一であることができる。また、顆粒型媒質、すなわち、媒質顆粒Pは、媒質収容ロッド100のフィルタ上に充填されることで顆粒の分散性が向上することができ、これによって消費者に均一な喫味を提供することができる。さらに、媒質収容ロッド100は、ロッドをラッピングしているラッパーをさらに含むこともできる。ただし、
図2には、本開示の実施例に関する構成要素のみが示されており、本開示が属する技術分野における通常の技術者であれば、
図2に示す構成要素に加えて他の汎用的な構成要素がさらに含まれることが分かる。以下で媒質収容ロッド100の各構成要素について説明する。
【0047】
顆粒ロッド120は、媒質顆粒P又は媒質顆粒Pを含むセグメントを含むロッドであって、加熱されることによってニコチンなどのタバコ成分又は喫味成分を供給することができる。このとき、顆粒ロッド120に対する加熱は、ヒーターによる直接加熱又は高温のエアロゾルの流動による間接加熱であることができる。また、
図2に示すように、顆粒ロッド120はフィルタセグメントを含むことができ、好ましくは第1のフィルタセグメント122及び第2のフィルタセグメント124を含むことができる。
【0048】
第1のフィルタセグメント122は、媒質収容ロッド100の最上流に配置されることができる。第1のフィルタセグメント122は、媒質顆粒Pの脱落防止機能を行うことができ、媒質収容ロッド100がエアロゾル発生装置200に挿入される場合、媒質顆粒Pを含むセグメントがエアロゾル発生装置200内の適切な位置に配置されるようにすることができる。また、第1のフィルタセグメント122は、喫煙中に液状化されたエアロゾルがエアロゾル発生装置200に流れ込むのを防止することができる。第1のフィルタセグメント122は、紙フィルタ又はアセテートフィルタを含むことができ、円滑な空気流路の確保のためにフィルタ物質は長手方向に配置されることが好ましいが、これに限定されない。
【0049】
第2のフィルタセグメント124は第1のフィルタセグメント122の下流に配置されることができる。第2のフィルタセグメント124は媒質を含むことができ、充填される媒質の形態は、顆粒、再構成タバコ、一般刻草などの形態であることができ、好ましくは、顆粒型媒質の形態であることができる。媒質顆粒Pは、タバコ顆粒又はニコチン顆粒であることができるが、これらに限定されない。また、第2のフィルタセグメント124は、エアロゾルに対する濾過、冷却機能などをさらに行うことができる。また、第2のフィルタセグメント124は、紙フィルタ又はアセテートフィルタを含むことができ、円滑な空気流路の確保のためにフィルタ物質は長手方向に配置されることが好ましいが、これに限定されない。
【0050】
図3Aは、いくつかの実施例に係る複数の媒質顆粒Pが第2のフィルタセグメント124のフィルタ部材F上に配置された状態を概略的に示す図であり、
図3Bは、いくつかの実施例に係る第2のフィルタセグメント124で複数の媒質顆粒Pがフィルタ部材F内に配置された状態を示す断面図である。
図3A及び
図3Bのフィルタセグメント124と複数の媒質顆粒Pとが共に配置される媒質収容ロッド100は、キャビティ構造内に媒質顆粒が配置される構造に比べてセグメントの数が少なく、ロッド内に媒質顆粒を配置することが容易であるので、製造過程で工程を簡素化することができる。
【0051】
図3A及び
図3Bによれば、第2のフィルタセグメント124に含まれるフィルタ部材Fは、平らに広がった形態のフィルタシートであることができる。複数の媒質顆粒Pは、平らなフィルタシート上に不規則に散乱し、フィルタシートの一面が互いに対向するように折れた後、さらに複数回折れる方式で第2のフィルタセグメント124に配置されることができる。
【0052】
より具体的には、
図3Aを参照すると、第2のフィルタセグメント124を形成するために平らなフィルタシート上に媒質が配置されることができ、媒質は好ましくは複数の媒質顆粒Pであることができる。複数の媒質顆粒Pは、真円度(roundness)が低いほど、すなわち顆粒の形態が不規則であるほどフィルタシート上によく安着することができ、複数の媒質顆粒Pがフィルタシート上に均一に分布する一方、製造過程で媒質顆粒Pの一部が壊れて発生する微粉によってフィルタセグメントなどの外観が汚染する可能性が増加し得る。したがって、ここで顆粒の真円度は、好ましくは30%以上90%以下、さらに好ましくは60%以上90%以下であることができる。続いて、
図3Bを参照すると、第2のフィルタセグメント124は、媒質顆粒Pが配置されたフィルタシートを長手方向に複数回折ってラッパー(図示せず)で包む工程によって形成されることができる。媒質収容ロッド100にこのような方式で媒質が充填される場合、媒質が片側に偏ったり傾いたりする現象が減少して媒質収容ロッド100の断面内に均一に分布することによって喫味の均一性が向上する効果を得ることができる。
【0053】
このとき、媒質顆粒Pとフィルタシートとの付着性を向上させるために、フィルタシートの一面にバインダーが塗布されることができる。すなわち、第2のフィルタセグメント124は、フィルタシートの一面にバインダーが塗布され、バインダーが塗布されたフィルタ部材Fの一面に複数の媒質顆粒Pが散乱した後、フィルタ部材Fの一面が互いに対向するように折れた後、さらに複数回折れて折り畳まれたフィルタ部材Fの間の空間に複数の媒質顆粒Pが配置され、複数回折れた前記フィルタ部材Fがラッパー(図示せず)によって包まれて形成されることができる。
【0054】
また、第2のフィルタセグメント124はpH調整剤を含むことができる。pH調整剤は、好ましくは塩基性塩であることができ、例えば、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、酸化カルシウムなどであることができるが、これらに限定されない。また、パフ時に否定的な香りが最も少なく発生するpH調整剤が選択されて使用できる。pH調整剤が第2のフィルタセグメント124に含まれると、第2のフィルタセグメント124に含まれたタバコ顆粒のpHが上昇し、これによって相対的に低い温度に媒質が加熱される場合にもタバコ顆粒からニコチンが十分に移行することができる。したがって、結果として第2のフィルタセグメント124を直接加熱せずに、エアロゾル発生装置200のヒーター224がカートリッジ222を加熱して生成された熱いエアロゾルが媒質収容ロッド100に空気流路に沿って流れながらタバコ顆粒に伝達する熱だけでもニコチンが移行することができる。pH調整剤は、媒質顆粒Pの製造時に一緒に混合して顆粒自体に含まれることもでき、媒質顆粒Pと別の位置に別に配置されることもでき、また、pH調整剤は、バインダー物質の代わりにフィルタシートに塗布されることで媒質顆粒Pのフィルタシートへの付着性を一時的に向上させることができる。
【0055】
媒質顆粒P、特にタバコ顆粒は、圧着式工程によって製造されることができる。圧着式顆粒化工程は湿式工程に該当し、相対的に流動層顆粒化工程に比べて生成されるタバコ顆粒のニコチン移行率が高い。したがって、媒質顆粒Pが加熱される温度が相対的に低い場合、流動層顆粒化工程によって製造されるタバコ顆粒よりも圧着式顆粒化工程によって製造されるタバコ顆粒Pを含むことがニコチンの移行にさらに有利であり得る。
【0056】
フィルタロッド140は、顆粒ロッド120の下流に位置してエアロゾルに対する濾過機能を行うことができる。このために、フィルタロッド140は、紙、セルロースアセテート繊維などのフィルタ物質を含むことができる。フィルタロッド140は、フィルタ物質を包んでいるラッパーをさらに含むことができる。
【0057】
フィルタロッド140は、冷却セグメント142及びマウスピースセグメント144を含むことができる。冷却セグメント142は、エアロゾルに対する冷却機能を行うことができ、マウスピースセグメント144は、エアロゾルに対する濾過機能を行うことができる。
【0058】
また、フィルタロッド140は香味が発生するように作製されることができる。例えば、フィルタロッド140に加香液が噴射されることができ、加香液が塗布された別途の繊維がフィルタロッド140の内部に挿入されることもでき、
図2Bを参照すると、マウスピースセグメント144は香味剤カプセル(C)を含むこともできる。場合によっては、フィルタロッド140は他の機能を行う少なくとも1つのセグメントをさらに含むことができる。
【0059】
このような媒質収容ロッド100は、エアロゾル発生装置200に収容されて1回使用後に廃棄される使い捨てシガレットであることができる。媒質収容ロッド100が使い捨てで構成される場合、約50回~100回ほどパフィングされる多回用カートリッジ形態と比較して喫味の均一性及び持続性が高い可能性がある。また、使い捨てで構成される場合、多回用で構成される場合に比べて衛生性が向上することができる。
【0060】
図4A及び
図4Bは、いくつかの実施例に係るエアロゾル発生システム10を示すものであって、媒質収容ロッド100がエアロゾル発生装置200に収容された状態を例示する。
図1Aは、カートリッジ222及びヒーター224が一列に配置されたエアロゾル発生システム10を示し、
図1Bは、カートリッジ222及びヒーター224が並列に配置されたエアロゾル発生システム10を示している。
【0061】
図4A及び
図4Bに示すように、本開示によるエアロゾル発生システム10は、エアロゾル発生装置200のヒーター224がカートリッジ222内部の液状組成物質を加熱してエアロゾルを発生させ、発生したエアロゾルが媒質収容ロッド100を通過し、媒質顆粒P、特にタバコ顆粒がエアロゾルによって間接的に加熱されながらニコチンが生成されることができる。上述するように、第2のフィルタセグメント124に含まれたpH調整剤によってニコチンの最小移行可能温度が低くなる効果が発生し、タバコ葉を燃焼してニコチンが移行する場合よりも相対的に低い温度がタバコ顆粒に伝達される場合にもニコチンが移行することができる。このように生成されたニコチンはエアロゾルと共に空気流路(
図4A及び
図4Bの矢印の方向参照)に沿ってユーザに伝達されることができる。
【0062】
以上のように、実施例がたとえ限られた図面によって説明されたが、該当技術分野における通常の知識を有する者であれば、上記に基づいて様々な技術的修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順序で行われるか、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態で結合又は組み合わせられるか、他の構成要素又は均等物によって代替又は置換されても、適切な結果を達成することができる。
【0063】
したがって、他の実施形態、他の実施例、及び特許請求の範囲と均等なものも後述する特許請求の範囲に属する。
【国際調査報告】