(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-11
(54)【発明の名称】抗GAL3抗体製剤およびその使用法
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20240404BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20240404BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20240404BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240404BHJP
A61K 47/20 20060101ALI20240404BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20240404BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240404BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240404BHJP
C07K 16/18 20060101ALN20240404BHJP
【FI】
A61K39/395 N
A61P25/28
A61K9/08
A61K47/26
A61K47/20
A61K47/22
A61K47/02
A61K47/10
C07K16/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565628
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 US2022026005
(87)【国際公開番号】W WO2022231978
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520030899
【氏名又は名称】トゥルーバインディング,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サン,ドンフ
(72)【発明者】
【氏名】ヘ,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ファン
(72)【発明者】
【氏名】チャンダリア,アプルヴァ
(72)【発明者】
【氏名】シチョルス,クセニヤ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C085
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA12
4C076BB11
4C076BB13
4C076BB21
4C076CC01
4C076DD23
4C076DD38
4C076DD55
4C076DD60
4C076DD67
4C076EE23
4C076FF63
4C085AA14
4C085BB11
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4C085EE01
4C085EE05
4C085GG02
4C085GG04
4H045AA11
4H045AA30
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA74
4H045GA26
(57)【要約】
疾患治療用の抗体医薬製剤が本明細書で開示される。これらの抗体医薬製剤は、ガレクチン-3(Gal3)に結合する抗体、および1または複数の賦形剤、希釈剤、塩、緩衝剤などを含む。また、これらの抗体医薬製剤を、所望により投与前に希釈される濃縮形態で含む滅菌バイアルも、本明細書で開示される。これらの抗体医薬製剤は、神経変性疾患、プロテオパチーなどの疾患、および/または前記疾患と関連した炎症を治療するために使用される(The pharmaceutical antibody formulations are used to treat a disease
such as a neurodegenerative disease, proteopathy, and/or inflammation associated with the aforementioned diseases)。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号2の配列を有する重鎖CDR1(HCDR1)、配列番号3の配列を有する重鎖CDR2(HCDR2)、配列番号4の配列を有する重鎖CDR3(HCDR3)、配列番号5の配列を有する軽鎖CDR1(LCDR1)、配列番号6の配列を有する軽鎖CDR2(LCDR2)、および配列番号7の配列を有する軽鎖CDR3(LCDR3)を含む、抗体の治療有効量;
ヒスチジン;
メチオニン;
NaCl;並びに
ポリソルベート、
を含み、
pH5.3~6.3である、
抗体医薬製剤。
【請求項2】
前記ヒスチジンがL-ヒスチジンである、請求項1に記載の抗体医薬製剤。
【請求項3】
前記L-ヒスチジンが10~50mMで存在する、請求項2に記載の抗体医薬製剤。
【請求項4】
前記L-ヒスチジンが約20mMで存在する、請求項2に記載の抗体医薬製剤。
【請求項5】
前記メチオニンが2~10mMで存在する、請求項1~4のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項6】
前記メチオニンが5mMで存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項7】
前記NaClが50~150mMで存在する、請求項1~6のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項8】
前記NaClが100mMで存在する、請求項1~7のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項9】
前記ポリソルベートが、ポリソルベート-20、ポリソルベート-40、ポリソルベート-60、ポリソルベート-80、またはこれらの任意の組み合わせを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項10】
前記ポリソルベートがポリソルベート-80である、請求項1~9のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項11】
前記ポリソルベート80が0.01~0.04%または約0.01%~約0.04%で存在する、請求項10に記載の抗体医薬製剤。
【請求項12】
前記ポリソルベート80が0.02%~約0.02%で存在する、請求項11に記載の抗体医薬製剤。
【請求項13】
pHが約5.8である、請求項1~12のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項14】
pHが5.8である、請求項1~13のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項15】
スクロース、マンニトール、またはその両方をさらに含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項16】
前記スクロースが2%~5%または約2%~約5%で存在する、請求項15に記載の抗体医薬製剤。
【請求項17】
マンニトールが2%~5%または約2%~約5%で存在する、請求項15または請求項16に記載の抗体医薬製剤。
【請求項18】
前記抗体が単位用量として70~7500mgの量で存在する、請求項1~17のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項19】
前記抗体が単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、および7500mgのうちの1つの量で存在する、請求項1~18のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項20】
前記抗体が単位用量として75mg、450mg、1500mg、3750mg、および7500mgのうちの1つの量で存在する、または、前記量のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の量で存在する、請求項1~19のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項21】
前記抗体が単位用量として70mg、140mg、200mg、420mg、700mg、2100mg、および5000mgのうちの1つの量で存在する、または、前記量のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の量で存在する、請求項1~20のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項22】
前記抗体が1mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、20mg/mL、40mg/mL、および50mg/mLのうちの1つの濃度で存在する、または前記濃度の任意の2つによって規定される範囲内の任意の濃度で存在する、請求項1~21のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項23】
L-ヒスチジンが約20mMで存在し、メチオニンが約5mMで存在し、NaClが約100mMで存在し、ポリソルベート80が約0.02%で存在し、スクロースが2~5%で存在し、マンニトールが2~5%で存在し、pHが約5.8であり、前記抗体の治療有効量が、単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、および7500mgのうちのいずれか1つ、または前記量のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の量である、請求項1~22のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項24】
前記抗体の治療有効量が単位用量として75mg、450mg、1500mg、3750mg、および7500mgのうちの1つである、請求項23に記載の抗体医薬製剤。
【請求項25】
前記抗体の治療有効量が単位用量として70mg、140mg、200mg、420mg、700mg、2100mg、および5000mgのうちの1つである、請求項23に記載の抗体医薬製剤。
【請求項26】
抗体の治療有効量を含む抗体医薬製剤であって、
前記抗体が、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCD
R2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、前記抗体は、単位用量としての70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、または7500mgという量で存在し;
L-ヒスチジンが20mMで存在し;
メチオニンが5mMで存在し;
NaClが100mMで存在し;
ポリソルベート80が0.02%で存在し;
pHが約5.8である、
抗体医薬製剤。
【請求項27】
前記抗体が単位用量として75mg、450mg、1500mg、3750mg、または7500mgという量で存在する、請求項26に記載の抗体医薬製剤。
【請求項28】
前記抗体が単位用量として70mg、140mg、200mg、420mg、700mg、2100mg、または5000mgという量で存在する、請求項26に記載の抗体医薬製剤。
【請求項29】
スクロースが2~5%で存在し、マンニトールが2~5%で存在する、請求項1~28のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項30】
非経口投与用に構成されている、請求項1~29のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項31】
皮下投与用に構成されている、請求項1~30のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項32】
皮下投与用に構成されている製剤が、スクロースもしくはマンニトール、またはその両方を含む、請求項31に記載の抗体医薬製剤。
【請求項33】
静脈内投与用に構成されている、請求項1~32のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項34】
静脈内投与用に構成されている製剤がスクロースもしくはマンニトール、またはその両方を含まない(wherein the formulation configured for intravenous administration does not comprise sucrose or mannitol, or both)、請求項33に記載の抗体医薬製剤。
【請求項35】
20mg/mLまたは50mg/mLの抗体濃度に調製されている、請求項1~34のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項36】
5℃または25℃/60%相対湿度(RH)において3か月間に亘って、60%の安定性を維持する(wherein the pharmaceutical antibody formulation remains 60% stable
over 3 months at either 5℃ or 25℃/60% relative humidity (RH))、請求項1~3
5のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項37】
配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2;および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、各CDRが
、最大で1つ、2つ、3つ、4つ、または5つのアミノ酸が記載された配列から変化していることがある、抗体の治療有効量;
ヒスチジン;
メチオニン;
NaCl;並びに
ポリソルベート、
を含み、
pH5.3~6.3である、
抗体医薬製剤。
【請求項38】
スクロースもしくはマンニトール、またはその両方をさらに含む、請求項37に記載の抗体医薬製剤。
【請求項39】
前記抗体が単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、または7500mgという量で存在する、請求項37または請求項38に記載の抗体医薬製剤。
【請求項40】
前記抗体が単位用量として75mg、450mg、1500mg、3750mg、または7500mgという量で存在する、請求項37~39のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項41】
前記抗体が単位用量として70mg、140mg、200mg、420mg、700mg、2100mg、または5000mgという量で存在する、請求項37~40のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項42】
抗体医薬製剤を含む滅菌バイアルであって、前記抗体医薬製剤は抗体の治療有効量を含み、前記抗体は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2;および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む、滅菌バイアル。
【請求項43】
前記抗体医薬製剤がヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートをさらに含み、前記製剤がpH5.3~6.3である、請求項37に記載の滅菌バイアル。
【請求項44】
5mLまたは10mLの滅菌バイアルである、請求項37または請求項38に記載の滅菌バイアル。
【請求項45】
2mL、3mL、4mL、5mL、6mL、7mL、8mL、9mL、または10mLの前記抗体医薬製剤を含む、請求項37~39のいずれか一項に記載の滅菌バイアル。
【請求項46】
2mLまたは少なくとも2mLの前記抗体医薬製剤を含む、請求項37~40のいずれか一項に記載の滅菌バイアル。
【請求項47】
8mLまたは少なくとも8mLの前記抗体医薬製剤を含む、請求項37~40のいずれか一項に記載の滅菌バイアル。
【請求項48】
前記抗体医薬製剤が請求項1~36のいずれか一項に記載の抗体医薬製剤の濃縮形態である、請求項37~42のいずれか一項に記載の滅菌バイアル。
【請求項49】
前記抗体医薬製剤の濃縮形態が20mg/mL、30mg/mL、40mg/mL、50mg/mL、60mg/mL、70mg/mL、80mg/mL、90mg/mL、もしくは100mg/mLの抗体濃度、または前記濃度のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の濃度である、請求項43に記載の滅菌バイアル。
【請求項50】
前記抗体医薬製剤の濃縮形態が20mg/mLまたは少なくとも20mg/mLの抗体濃度である、請求項43または請求項44に記載の滅菌バイアル。
【請求項51】
前記抗体医薬製剤の濃縮形態が50mg/mLまたは少なくとも50mg/mLの抗体濃度である、請求項43~45のいずれか一項に記載の滅菌バイアル。
【請求項52】
前記抗体医薬製剤の濃縮形態が、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、17倍、18倍、19倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、もしくは100倍、または前記倍率のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の倍率の希釈がなされることが意図されている、請求項43~46のいずれか一項に記載の滅菌バイアル。
【請求項53】
前記抗体医薬製剤の濃縮形態が、0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.4mg/mL、0.5mg/mL、0.6mg/mL、0.7mg/mL、0.8mg/mL、0.9mg/mL、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、7mg/mL、8mg/mL、9mg/mL、10mg/mL、11mg/mL、12mg/mL、13mg/mL、14mg/mL、15mg/mL、16mg/mL、17mg/mL、18mg/mL、19mg/mL、もしくは20mg/mL、または前記濃度のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の濃度に希釈されることが意図されている、請求項43~47のいずれか一項に記載の滅菌バイアル。
【請求項54】
前記抗体医薬製剤の濃縮形態が、200mL、210mL、220mL、230mL、240mL、250mL、260mL、270mL、280mL、290mL、300mL、310mL、320mL、330mL、340mL、350mL、360mL、370mL、380mL、390mL、400mL、410mL、420mL、430mL、440mL、450mL、460mL、470mL、480mL、490mL、500mL、510mL、520mL、530mL、540mL、550mL、560mL、570mL、580mL、590mL、もしくは600mLという最終体積、または前記体積のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の体積に希釈されることが意図されている、請求項43~48のいずれか一項に記載の滅菌バイアル。
【請求項55】
前記抗体医薬製剤の濃縮形態が生理食塩水で希釈されることが意図されている、請求項43~49のいずれか一項に記載の滅菌バイアル。
【請求項56】
前記抗体医薬製剤が非経口投与用に構成されている、請求項43~50のいずれか一項に記載の滅菌バイアル。
【請求項57】
前記抗体医薬製剤が皮下投与用に構成されている、請求項43~51のいずれか一項に記載の滅菌バイアル。
【請求項58】
前記皮下投与用に構成されている抗体医薬製剤がスクロースもしくはマンニトール、またはその両方を含む、請求項52に記載の滅菌バイアル。
【請求項59】
前記抗体医薬製剤が静脈内投与用に構成されている、請求項43~51のいずれか一項に記載の滅菌バイアル。
【請求項60】
静脈内投与用に構成されている抗体医薬製剤がスクロースもしくはマンニトール、またはその両方を含まない、請求項54に記載の滅菌バイアル。
【請求項61】
前記抗体医薬製剤が、5℃または25℃/60%相対湿度(RH)において3か月間に亘って、60%の安定性を維持する、請求項37~55のいずれか一項に記載の滅菌バイアル。
【請求項62】
前記抗体が配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有する重鎖可変ドメイン(VH)領域を含む、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項63】
前記抗体が配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有する軽鎖可変ドメイン(VL)領域を含む、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項64】
前記抗体が配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域を含み、前記抗体が配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含む、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項65】
前記抗体が配列番号8の配列を有するVH領域を含む、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項66】
前記抗体が配列番号9の配列を有するVL領域を含む、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項67】
前記抗体が配列番号8の配列を有するVH領域を含み、且つ、前記抗体が配列番号9の配列を有するVL領域を含む、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項68】
前記抗体が配列番号10の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有する重鎖(HC)を含む、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項69】
前記抗体が配列番号11の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有する軽鎖(LC)を含む、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項70】
前記抗体が配列番号10の配列を有するHCを含む、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項71】
前記抗体が配列番号11の配列を有するLCを含む、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項72】
前記抗体が配列番号12の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列によってコードされるVHを含む、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項73】
前記抗体が配列番号13の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列によってコードされるVLを含む、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項74】
前記抗体が配列番号12の核酸配列によってコードされるVHを含む、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項75】
前記抗体が配列番号13の核酸配列によってコードされるVLを含む、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項76】
前記抗体が配列番号14の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列によってコードされるHCを含む、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項77】
前記抗体が配列番号15の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列によってコードされるLCを含む、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項78】
前記抗体が配列番号14の核酸配列によってコードされるHCを含む、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項79】
前記抗体が配列番号15の核酸配列によってコードされるLCを含む、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項80】
a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、pHが5.7~5.9または約5.7~5.9である、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項81】
a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、分子ふるいクロマトグラフィーにより求められた場合に、単量体純度が97.5~99.7%または約97.5~99.7%である、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項82】
a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、キャピラリー等電点電気泳動(cIEF)により求められた場合に、pIが7.0または約7.0である、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項83】
a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、cIEFにおける酸性側ピーク(cIEF acidic peak)が15.0~54.7%または約15.0~54.7%である、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項84】
a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、cIEFにおける主ピーク(cIEF main peak)が39.7~78.8%または約39.7~78.8%である、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項85】
a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、cIEFにおける塩基性側ピーク(cIEF basic peak)
が5.5~8.9%または約5.5~8.9%である、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項86】
a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、キャピラリー電気泳動(CE)により求められた場合に、非還元型(NR)単量体のピークが98.1~100%または約98.1~100%である、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項87】
a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80
℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、CEにより求められた場合に、還元型(R)の重鎖および軽鎖(HC+LC)のピークが97.8~100%または約97.8~100%である、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項88】
a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、バイオレイヤー干渉(BLI)により求められた場合に、解離定数(KD)が1.7~4.2または約1.7~4.2である、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項89】
a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、cIEFにより求められた場合に、pIが7.0または約7.0である、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項90】
a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、cIEFにおける酸性側ピークが17~26%または約17~26%である、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項91】
a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、cIEFにおける主ピークが66~77%または約66~7%である、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項92】
a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、cIEFにおける塩基性側ピークが6~8%または約6~8%である、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項93】
a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、超高速液体クロマトグラフィー-分子ふるいクロマトグラフィー(UPLC-SEC)により求められた場合に、単量体純度が99.3~99.5%または約99.3~99.5%である、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項94】
a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、CEにより求められた場合に、非還元型(NR)単量体のピークが98~99%または約98~99%である、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項95】
a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、
b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、CEにより求められた場合に、還元型(R)の重鎖および軽鎖(HC+LC)のピークが99.1~100%または約99.1~100%である、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項96】
a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、バイオレイヤー干渉(BLI)により測定された場合に、解離定数(KD)が2.0~3.7nMまたは約2.0~3.7nMである、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項97】
a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、ELISAにより求められた場合に、IC50が1.2~2.5μg/mLまたは約1.2~2.5μg/mLである、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項98】
a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、pHが5.8~5.9または約5.8~5.9である、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項99】
a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、粒子を本質的に含まない無色透明の溶液という外観を含んでいる(wherein the formulation comprises an appearance of a clear, colorless solution essentially free of particles when stored
at a) 5℃ for 1, 3, 6, 9, 12, or 18 months, or b) 25℃for 1, 3, or 6 months)、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項100】
a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、重量モル浸透圧濃度が226~231mOsm/kgまたは約226~231mOsm/kgである、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項101】
a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、無菌状態を維持している、且つ/または菌体内毒素を含んでいない、前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤。
【請求項102】
前述の抗体医薬製剤の請求項または滅菌バイアルの請求項のうちのいずれか一項に記載の抗体医薬製剤をアルツハイマー病の治療を必要としている対象に投与すること、
を含む、アルツハイマー病を治療する方法。
【請求項103】
前記抗体医薬製剤が毎日、毎週、隔週、または10日毎に投与される、請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記対象が単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg
、もしくは7500mgの抗体、または単位用量として前記量のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の量の抗体を投与される、請求項102または103に記載の方法。
【請求項105】
前記抗体の治療有効量、を含む抗体医薬製剤であって、
前記抗体は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、前記抗体は、単位用量としての70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、または7500mgという量で存在し;
L-ヒスチジンが20mMで存在し;
メチオニンが5mMで存在し;
NaClが100mMで存在し;
ポリソルベート80が0.02%で存在し;
pHが約5.8である、
抗体医薬製剤を前記対象が投与される、請求項102~104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
前記対象が単位用量として75mg、450mg、1500mg、3750mg、または7500mgの抗体を投与される、請求項102~105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
前記対象が単位用量として70mg、140mg、200mg、420mg、700mg、2100mg、または5000mgの抗体を投与される、請求項102~105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
前記単位用量が10分間、20分間、30分間、40分間、50分間、60分間、70分間、80分間、90分間、100分間、120分間、130分間、140分間、150分間、160分間、170分間、180分間、190分間、または200分間の間に投与される、請求項102~107のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
前記単位用量が60分間の間に投与される、請求項102~108のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
前記抗体が0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.4mg/mL、0.5mg/mL、0.6mg/mL、0.7mg/mL、0.8mg/mL、0.9mg/mL、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、7mg/mL、8mg/mL、9mg/mL、10mg/mL、11mg/mL、12mg/mL、13mg/mL、14mg/mL、15mg/mL、16mg/mL、17mg/mL、18mg/mL、19mg/mL、もしくは20mg/mLという濃度、または前記濃度のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の濃度となるように、前記抗体医薬製剤が最初に希釈されてから投与される、請求項102~109のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
前記抗体医薬製剤が200mL、210mL、220mL、230mL、240mL、250mL、260mL、270mL、280mL、290mL、300mL、310mL、320mL、330mL、340mL、350mL、360mL、370mL、380mL、390mL、400mL、410mL、420mL、430mL、440mL、450mL、460mL、470mL、480mL、490mL、500mL、510m
L、520mL、530mL、540mL、550mL、560mL、570mL、580mL、590mL、もしくは600mLという体積、または前記体積のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の体積で投与されるように、前記抗体医薬製剤が最初に希釈されてから投与される、請求項102~110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
前記抗体医薬製剤が生理食塩水で希釈される、請求項110または111に記載の方法。
【請求項113】
アルツハイマー病の治療を必要としている対象を特定する工程をさらに含む、請求項102~112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記アルツハイマー病の治療を必要としている対象を特定する工程が、対象においてアルツハイマー病疑い症例(probable Alzheimer’s disease)を確認すること、対象にお
いてアルツハイマー病タイプの認知症を確認すること、または、対象が14以上26以下のミニメンタルステート検査(MMSE)スコアを有すると判定すること、のうちの1または複数を含む、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記治療工程が、アルツハイマー病の症状が既にある患者に対するものである、請求項102~114のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
前記治療工程が予防的なものである、請求項102~115のうちのいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
前記投与工程後に前記アルツハイマー病に改善があるかについて前記対象をモニターすることをさらに含む、請求項102~116のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
前記対象をモニターすることが、血漿中および脳脊髄液中のAβ40、リン酸化tau、ニューロフィラメント軽鎖タンパク質(NfL)、ニューロフィラメント重鎖タンパク質(NfH)、もしくはGal3を測定すること、前記対象のMMSEスコアにおける改善を判定すること、前記対象の神経認知的フレイルインデックス(neurocognitive fragility index)(NFI)における改善を判定すること、前記対象における脳萎縮の低減を観察すること、もしくは、前記対象におけるアミロイドプラークの減少を観察すること、または、これらの任意の組み合わせを含む、請求項117に記載の方法。
【請求項119】
前記抗体医薬製剤が10~18か月間投与される、請求項102~118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
前記抗体医薬製剤が静脈内投与される、請求項102~119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
前記抗体医薬製剤が皮下投与される、請求項102~120のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2021年4月26日に出願された米国仮特許出願第63/179,879号の優先権の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に明示的に援用されるものとする。
【0002】
配列表の参照
本出願は電子書式の配列表と共に出願中である。この配列表は、16,357バイトのサイズの、2022年4月22日に作成され最終更新された、IMMUT028WOSeqListing.TXTと題されたファイルとして、提供される。この電子配列表中の情報は、その全体が参照により本明細書に援用されるものとする。
【0003】
分野
本開示の態様は、全体として、ガレクチン-3(Gal3)に結合する抗体と、1または複数の賦形剤、希釈剤、塩、緩衝剤などを含む、抗体医薬製剤に関する。これらの抗体医薬製剤は、神経変性疾患、プロテオパチー、および/または前記疾患と関連した炎症などの疾患を治療するために使用される。
【背景技術】
【0004】
ガレクチン-3(Gal3、GAL3)は、β-ガラクトシドに対し特異性があるレクチン、すなわち糖結合性タンパク質である。ヒト細胞において、Gal3は発現されており、核、細胞質、細胞表面、および細胞外間隙に存在している可能性がある。Gal3は、様々なタンパク質上のβ-ガラクトース複合体を認識し、それと相互作用する。
【0005】
抗体によるGal3の遮断は、炎症を低減し、様々な細胞種の再生を促進するなどの、有益な作用を有する。哺乳動物、所望によりヒトにおける投与に最適化されたものなど、上記抗体製剤の改善が現在必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
抗体医薬製剤の実施形態が本明細書で開示される。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量を含む。いくつかの実施形態において、抗体は抗Gal3抗体であり、且つ/または抗Gal3抗体を含む。いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号2の配列を有する重鎖CDR1(HCDR1)、配列番号3の配列を有する重鎖CDR2(HCDR2)、配列番号4の配列を有する重鎖CDR3(HCDR3)、配列番号5の配列を有する軽鎖CDR1(LCDR1)、配列番号6の配列を有する軽鎖CDR2(LCDR2)、および配列番号7の配列を有する軽鎖CDR3(LCDR3)を含む。いくつかの実施形態において、抗体はTB006(4A11.H3L1、IMT006a、IMT006-5)である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、又はポリソルベートのうちの1または複数をさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートを含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、pH5.3~6.3である。
【0007】
また、抗体医薬製剤の実施形態が本明細書で開示される。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量を含む。いくつかの実施形態において、抗体は抗Gal3抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3
、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2;および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む。いくつかの実施形態において、前記抗体は、単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、もしくは7500mgという量で、または単位用量として前記量のうちの任意の2つによって規定される範囲内の単位用量としての任意の量で、存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として70mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として75mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として140mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として200mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として420mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として450mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として700mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として1500mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として2100mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として3750mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として7500mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、および0.02%で存在するポリソルベート80をさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は約pH5.8を構成している。
【0008】
また、抗体医薬製剤を含む滅菌バイアルの実施形態が本明細書で開示される。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量を含む。いくつかの実施形態において、抗体は抗Gal3抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2;および配列番号7の配列を有するLCDR3である。
【0009】
また、アルツハイマー病を治療する方法の実施形態が本明細書で開示される。いくつかの実施形態において、この方法は、本明細書で開示される抗体医薬製剤のいずれか1つを、アルツハイマー病の治療を必要としている対象に投与することを含む。
【0010】
また、抗体医薬製剤の実施形態が本明細書で開示される。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量を含む。いくつかの実施形態において、抗体は抗Gal3抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2;および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む。いくつかの実施形態において、各CDRは、最大で1個、2個、3個、4個、または5個のアミノ酸が、記載された配列から変化していることがある。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートのうちの1または複数をさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートを含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、pH5.3~6.3である。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、または7500mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として70mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として75mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として140mgという量で存在する。いくつかの実施形態におい
て、抗体は単位用量として200mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として420mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として450mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として700mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として1500mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として2100mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として3750mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として5000mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として7500mgという量で存在する。
【0011】
上記の特徴に加えて、さらなる特徴および変更が、以下の図面および例示的な実施形態の説明から容易に明らかとなる。これらの図面が、典型的な実施形態を図示しており、範囲の限定を意図するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1はGal3のペプチド配列を示している。
【
図2A】
図2Aは、本明細書で開示される抗Gal3抗体の、例示的な重鎖および軽鎖の相補性決定領域(CDR)を示している。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤はいずれも、本明細書で提供される1または複数のCDRを有する抗体を含み得る。
【
図2B】
図2Bは、例示的な重鎖可変領域および軽鎖可変領域(それぞれVHおよびVL)、重鎖(HC)、および軽鎖(LC)のポリペプチド配列を示している。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤はいずれも、本明細書で提供される1または複数のVH、VL、HC、および/またはLCを有する抗体を含み得る。
【
図2C】
図2Cは、抗Gal3抗体のVH、VL、HC、および/またはLCのポリペプチド配列をコードする例示的な核酸配列を示している。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤はいずれも、本明細書で提供される核酸配列のいずれかによりコードされた抗体を含み得る。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は抗体医薬製剤に関する。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量を含み、前記抗体は抗Gal3抗体である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、1または複数の賦形剤、希釈剤、塩、緩衝剤などをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、ある特定のpHである。
【0014】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、抗体の治療有効量、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートを含み、pH5.3~6.3である、抗体医薬製剤に関する。いくつかの実施形態において、このヒスチジンはL-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、このポリソルベートはポリソルベート80である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤はスクロースもしくはマンニトール、またはその両方をさらに含む。
【0015】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、抗体の治療有効量、20mMの濃度で存在するヒスチジン、5mMの濃度で存在するメチオニン、100mMの濃度で存在するNaCl、0.02%の濃度で存在するポリソルベートを含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤に関する。いくつかの実施形態において、このヒスチジンはL-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、このポリソルベートはポリソルベート80である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤はスクロースもしくはマンニトール、またはその両方をさらに含む。いくつかの実施形態において、このスクロースは2~5%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、このマンニトールは2~5%の濃度で存在す
る。
【0016】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、抗体の治療有効量、20mMの濃度で存在するヒスチジン、5mMの濃度で存在するメチオニン、100mMの濃度で存在するNaCl、0.02%の濃度で存在するポリソルベートを含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤に関する。いくつかの実施形態において、このヒスチジンはL-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、このポリソルベートはポリソルベート80である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤はスクロースもしくはマンニトール、またはその両方をさらに含む。いくつかの実施形態において、このスクロースは2~5%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、このマンニトールは2~5%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は抗Gal3抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は本明細書で開示される抗Gal3抗体のうちのいずれか1つであるか、または、国際公開第2020/160156号に記載のものなどの、当該技術分野において公知の他のものである。いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2;および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む。
【0017】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、抗体の治療有効量、20mMの濃度で存在するヒスチジン、5mMの濃度で存在するメチオニン、100mMの濃度で存在するNaCl、0.02%の濃度で存在するポリソルベートを含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤に関する。いくつかの実施形態において、このヒスチジンはL-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、このポリソルベートはポリソルベート80である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤はスクロースもしくはマンニトール、またはその両方をさらに含む。いくつかの実施形態において、このスクロースは2~5%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、このマンニトールは2~5%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は抗Gal3抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は本明細書で開示される抗Gal3抗体のうちのいずれか1つであるか、または、国際公開第2020/160156号に記載のものなどの、当該技術分野において公知の他のものである。いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2;および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、または7500mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として70mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として75mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として140mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として200mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として420mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として450mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として700mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として1500mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として2100mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として3750mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として5000mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として7500mgという量で存在する。
【0018】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、抗体の治療有効量、20mMの濃度で存
在するヒスチジン、5mMの濃度で存在するメチオニン、100mMの濃度で存在するNaCl、0.02%の濃度で存在するポリソルベートを含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤に関する。いくつかの実施形態において、このヒスチジンはL-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、このポリソルベートはポリソルベート80である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤はスクロースもしくはマンニトール、またはその両方をさらに含む。いくつかの実施形態において、このスクロースは2~5%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、このマンニトールは2~5%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は抗Gal3抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は本明細書で開示される抗Gal3抗体のうちのいずれか1つであるか、または、国際公開第2020/160156号に記載のものなどの、当該技術分野において公知の他のものである。いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2;および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む。
【0019】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、抗体の治療有効量、20mMの濃度で存在するヒスチジン、5mMの濃度で存在するメチオニン、100mMの濃度で存在するNaCl、0.02%の濃度で存在するポリソルベートを含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤に関する。いくつかの実施形態において、このヒスチジンはL-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、このポリソルベートはポリソルベート80である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤はスクロースもしくはマンニトール、またはその両方をさらに含む。いくつかの実施形態において、このスクロースは2~5%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、このマンニトールは2~5%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は抗Gal3抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は本明細書で開示される抗Gal3抗体のうちのいずれか1つであるか、または、国際公開第2020/160156号に記載のものなどの、当該技術分野において公知の他のものである。いくつかの実施形態において、抗体は配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域を含む。いくつかの実施形態において、抗体は配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含む。いくつかの実施形態において、抗体は配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含む。
【0020】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、抗体の治療有効量、20mMの濃度で存在するヒスチジン、5mMの濃度で存在するメチオニン、100mMの濃度で存在するNaCl、0.02%の濃度で存在するポリソルベートを含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤に関する。いくつかの実施形態において、このヒスチジンはL-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、このポリソルベートはポリソルベート80である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤はスクロースもしくはマンニトール、またはその両方をさらに含む。いくつかの実施形態において、このスクロースは2~5%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、このマンニトールは2~5%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は抗Gal3抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は本明細書で開示される抗Gal3抗体のうちのいずれか1つであるか、または、国際公開第2020/160156号に記載のものなどの、当該技術分野において公知の他のものである。いくつかの実施形態において、抗体は配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域を含む。いくつかの実施形態において、抗体は配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配
列を有するVL領域を含む。いくつかの実施形態において、抗体は配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含む。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、または7500mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として70mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、前記抗体は単位用量として75mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として140mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として200mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として420mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として450mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として700mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として1500mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として2100mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として3750mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として5000mgという量として存在する。いくつかの実施形態において、抗体は単位用量として7500mgという量で存在する。
【0021】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、抗体の治療有効量、20mMの濃度で存在するヒスチジン、5mMの濃度で存在するメチオニン、100mMの濃度で存在するNaCl、0.02%の濃度で存在するポリソルベートを含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤に関する。いくつかの実施形態において、このヒスチジンはL-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、このポリソルベートはポリソルベート80である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤はスクロースもしくはマンニトール、またはその両方をさらに含む。いくつかの実施形態において、このスクロースは2~5%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、このマンニトールは2~5%の濃度で存在する。いくつかの実施形態において、抗体は抗Gal3抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は本明細書で開示される抗Gal3抗体のうちのいずれか1つであるか、または、国際公開第2020/160156号に記載のものなどの、当該技術分野において公知の他のものである。いくつかの実施形態において、抗体は配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域を含む。いくつかの実施形態において、抗体は配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含む。いくつかの実施形態において、抗体は配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含む。
【0022】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、本明細書で開示される抗体医薬製剤のうちのいずれかを含む滅菌バイアルに関する。いくつかの実施形態において、滅菌バイアルはある特定の体積を含有することができる。いくつかの実施形態において、滅菌バイアルはある特定の体積の抗体医薬製剤を含有する。いくつかの実施形態において、滅菌バイアルはある特定の量の抗体を含有する。いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは本明細書で開示される抗体医薬製剤のうちのいずれか1つの濃縮形態を含有する。
【0023】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、アルツハイマー病を治療する方法に関する。いくつかの実施形態において、この方法は、本明細書で開示される抗体医薬製剤のいずれか1つを、アルツハイマー病の治療を必要としている対象に投与することを含む。い
くつかの実施形態では、対象は哺乳動物である。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【0024】
ガレクチン-3(Gal3、GAL3)は、細胞の増殖、接着、分化、血管新生、およびアポトーシスにおいて重要な役割を演じる。この活性は、少なくとも部分的には、免疫調節特性と、他の免疫調節タンパク質、シグナル伝達タンパク質、および他の細胞表面マーカーへの結合親和性とに起因するものである。Gal3は全く異なるN末端ドメインとC末端ドメインとにより機能する。N末端ドメイン(アイソフォーム1:第1~第111アミノ酸)は、タンデム型反復ドメイン(TRD、アイソフォーム1:第36~第109アミノ酸)を含み、Gal3のオリゴマー化に大きく関与している。C末端ドメイン(アイソフォーム1:第112~第250アミノ酸)は炭水化物認識結合ドメイン(CRD)を含んでおり、これがβ-ガラクトシドに結合する。
【0025】
ガレクチン-3(Gal3)は免疫調節活性を有することが示唆されている。この一例として、Gal3とT細胞免疫グロブリンおよびムチンドメイン含有分子3(TIM-3)との間の相互作用があり、この相互作用は、T細胞活性化などの免疫応答の抑制を引き起こし、がん細胞が免疫クリアランスを回避することを可能にする場合がある。この現象、およびそれを阻害する方法が、国際公開第2019/023247号(その全体が参照により本明細書に明示的に援用される)において探求されている。また、抗Gal3抗体およびその使用法が、例えば、国際公開第2020/160156号(その全体が参照により本明細書に明示的に援用される)において探求されている。
【0026】
抗Gal3抗体製剤が本明細書で提供されるが、そのうちのいくつかは各種疾患の治療用であり得る。ある特定の疾患を対象とした製剤形態は、抗体の量および濃度などの品質、賦形剤の量および濃度、投与の回数、並びに投与の頻度および期間の点で異なっている場合がある。
【0027】
定義
以下の詳細な説明では、添付の図面を参照しているが、これらの図面も本明細書の一部を形成するものである。これらの図面において、文脈上の指示がない限り、同様のシンボルは、通常、同様の成分を識別するものである。発明を実施するための形態、図面、および特許請求の範囲に記載された例示的な実施形態は、限定することを意図していない。本明細書で提示された発明の主題の精神および範囲から逸脱しない範囲で、他の実施形態が利用されてもよく、また他の変更がなされてもよい。本開示の態様は、通常は本明細書に記載され、図に例示された通りであるが、種々様々な異なる構成で、配置、置換、組み合わせ、分離、および設計することが可能であり、これら全てが本明細書において明示的に意図されたものであることは、容易に理解されよう。
【0028】
別途の定義がない限り、本明細書で使用される全ての専門用語および科学用語は、特許請求された発明の主題が属する技術分野の当業者により通常理解されるものと同じ意味を有する。上記の概要と下記の詳細な説明は例示と説明のみを目的としており、特許請求された発明の主題を制限するものではないことを理解されたい。
【0029】
本明細書で使用される節の見出しは構成のみを目的としており、記載された主題を限定するものと解釈されるべきではない。
【0030】
本明細書で使用される場合、冠詞「a」および「an」は、その冠詞の文法上の対象が1つであること、または2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)であることを指す。例として、「an element」は、1つの要素または2つ以上の要素を意味する。
【0031】
「約」とは、量、レベル、値、数、頻度、割合、寸法、大きさ、含量、重量、または長さであって、基準となる量、レベル、値、数、頻度、割合、寸法、大きさ、含量、重量、または長さに対し、30、25、20、15、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1%ほどの変動があるものを意味する。
【0032】
本明細書中、文脈上の別途の必要がない限り、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、および「含むこと(comprising)」という語は、記載された工程もしくは要素または工程群もしくは要素群の包含を意味し、いかなる他の工程もしくは要素または工程群もしくは要素群の排除を意味しないことを理解されたい。「からなる(consisting of)」とは、「からなる」というフレーズの後に続くものを包含し、且つそれに限定されることを意味する。すなわち、「からなる」というフレーズは、列挙された要素が必要である、すなわち必須条件であること、且つ、他の要素は存在してはならないことを示している。「から本質的になる(consisting essentially of)」とは、そのフレーズの後に列挙された要素を包含し、且つ、列挙された要素について本開示で指定された活性や作用に干渉も寄与もしない他の要素に限定されること、を意味する。すなわち、「から本質的になる」というフレーズは、列挙された要素が必要である、すなわち必須条件であること、ただし、他の要素が任意であり、他の要素が上記の列挙された要素の活性や作用に実質的に影響するか否かによっては存在しても存在しなくてもよいこと、を示す。
【0033】
本明細書で使用される場合、「個体」、「対象」、および「患者」という語は、任意の哺乳動物を意味する。いくつかの実施形態において、この哺乳動物はヒトである。いくつかの実施形態において、この哺乳動物はヒト以外である。上記の語のいずれも、医療従事者(例えば、医師、正看護師、ナースプラクティショナー、医師助手、オーダリー、またはホスピス職員)の監督(例えば、恒常的または断続的な監督)によって特徴付けられる状況を要さず、またそれに限定もされない。
【0034】
「ポリペプチド」、「ペプチド」、および「タンパク質」という用語は、本明細書では同義的に使用され、任意の長さのアミノ酸重合体を指す。この重合体は、直鎖状、環状、または分岐鎖状であってよく、修飾アミノ酸を含んでいてもよく、アミノ酸以外のもので中断されていてもよい。これらの語は、修飾を受けた、例えば、硫酸化、グリコシル化、脂質化、アセチル化、リン酸化、ヨウ素化、メチル化、酸化、タンパク質プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、アルギニル化などのトランスファーRNAを介したタンパク質へのアミノ酸付加、ユビキチン化、または、標識成分との結合などの任意の他の操作を受けた、アミノ酸重合体も包含する。
【0035】
本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という語は、グリシン、並びにD型光学異性体およびL型光学異性体の両方、並びにアミノ酸類似体およびペプチドミメティックを含む、天然および/または非天然すなわち合成のアミノ酸を指す。
【0036】
指定のタンパク質「に由来する」ポリペプチド配列またはアミノ酸配列とは、当該ポリペプチドの起源についての言及である。好ましくは、上記ポリペプチドは、上記配列、もしくは、少なくとも10~20個のアミノ酸、もしくは少なくとも20~30個のアミノ酸、もしくは少なくとも30~50個のアミノ酸からなるその一部、にコードされているポリペプチドのアミノ酸配列と本質的に同一である、または、上記配列にコードされているポリペプチドにより免疫学的に同定可能である、アミノ酸配列を有する。この用語は、指定の核酸配列から発現されたポリペプチドも包含する。本明細書で開示されるペプチド配列のいずれか1つに対して少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の相同性を有し、同一または類似の機能特性を有するペプチド配列が企図される。相同性(%)は、2つのペプチド配列間のアミノ酸の置換、欠失、または付加に応じ
て、決定される場合がある。当業者であれば、従来法により、本明細書で開示されるペプチド配列のいずれか1つに対していくらかの相同性(%)を有するペプチド配列を製造および試験することができる。2つの配列の相同性(%)または同一性(%)は、当該技術分野においては十分に理解されており、保存アミノ酸配列または配列の長さに関連するヌクレオチドの数によって算出できる。
【0037】
本明細書で使用される場合、「抗体」という語は、当業者がそれに帰属すると考える意味を示し、さらに、エピトープにフィットしそれを認識する特定の形を有するポリペプチド鎖含有分子構造であって、1または複数の非共有結合相互作用が該分子構造と該エピトープの複合体を安定化させる、あらゆるポリペプチド鎖含有分子構造を包含することが意図される。本発明で使用される抗体は、ポリクローナル抗体であってもよいが、モノクローナル抗体が、細胞培養または組み換え技術により再現でき、修飾することでその抗原性を低減できることから、好ましい。
【0038】
免疫グロブリン全体(またはその組換え型の対応物)に加えて、エピトープ結合部位(例えば、Fab’、F(ab’)2、単鎖可変領域フラグメント(scFv)、ダイアボディ、ミニボディ、ナノボディ、シングルドメイン抗体(sdAb)、または他のフラグメント)を含む免疫グロブリンフラグメントまたは「結合性フラグメント」が、本発明における抗体部分として有用である。このような抗体フラグメントは、免疫グロブリン全体から、リシン、ペプシン、パパインなどのプロテアーゼ切断によって生成される場合がある。組み換え免疫グロブリン技術を利用して、最小の免疫グロブリンが設計される場合がある。例えば、本発明で使用するための「Fv」免疫グロブリンは、軽鎖可変領域を重鎖可変領域に、ペプチドリンカー(例えば、ポリグリシン、またはαヘリックスモチーフもβシートモチーフも形成しない別の配列)を介して連結することで、作製される場合がある。また、ナノボディまたはシングルドメイン抗体を、ヒトコブラクダ、ラクダ、ラマ、アルパカ、またはサメなどの別の動物から得ることもできる。いくつかの実施形態において、抗体は複合体であることがあり、例えば、ペグ化抗体、薬剤複合体、放射性同位元素複合体、または毒素複合体などである。特定のエピトープ、またはエピトープの組み合わせを対象とするモノクローナル抗体は、当該マーカーを発現する細胞集団の標的化および/または減少(depletion)を可能にする。マーカーを発現する細胞集団をスクリーニングするためにモノクローナル抗体を用いる様々な技術が利用可能であり、抗体被覆磁気ビーズを用いた磁気分離、固体マトリックス(すなわち、プレート)に取り付けられた抗体による「パニング」、およびフローサイトメトリーが挙げられる(例えば、その全体が参照により本明細書に明示的に援用される、米国特許第5,985,660号)。
【0039】
当該技術分野で公知であるように、「Fc領域」という語は、免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。この「Fc領域」は、天然配列のFc領域またはバリアントFc領域である場合がある。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は一様ではないかもしれないが、ヒトIgG重鎖のFc領域は、通常、Cys226位のアミノ酸残基から、またはPro230位のアミノ酸残基から、そのカルボキシル末端まで伸びていると定義される。Fc領域内の残基の番号付けは、KabatにあるようなEUインデックスの番号付けである。Kabat et al., Sequences of Proteins of Immunological Interest, 5th Ed. Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, Md., 1991。免疫グロブリンのFc領域は通常、CH2およびCH3という2つの定常ドメインから構成される。当該技術分野で公知であるように、Fc領域は、二量体型または単量体型で存在する可能性がある。
【0040】
当該技術分野において公知であるように、抗体の「定常領域」とは、抗体軽鎖の定常領
域または抗体重鎖の定常領域の、単独または組み合わせを指す。
【0041】
抗体の「可変領域」とは、抗体軽鎖の可変領域または抗体重鎖の可変領域の、単独または組み合わせを指す。当該技術分野において公知であるように、重鎖および軽鎖の可変領域は、それぞれ、4つのフレームワーク領域(FR)が、超可変領域としても知られている相補性決定領域(CDR)3つにより接続されたものからなり、抗体の抗原結合部位の形成に寄与する。対象可変領域のバリアント、特にCDR領域の外側(すなわち、フレームワーク領域内)のアミノ酸残基における置換によるバリアントが望まれる場合、当該対象可変領域を、当該対象可変領域と同じカノニカルクラスでCDR1配列およびCDR2配列を含有する他の抗体の可変領域と比較することで、適切なアミノ酸置換、好ましくは、保存的アミノ酸置換を特定できる(Chothia and Lesk, J Mol
Biol 196(4): 901-917, 1987)。
【0042】
ある実施形態において、CDRの明確な線引きと、抗体の結合部位を構成する残基の特定は、抗体の構造を解析すること、および/または抗体リガンド複合体の構造を解析することによって達成される。ある実施形態において、上記は、X線結晶解析などの、当業者に公知の様々な技術のいずれかにより達成できる。ある実施形態において、CDR領域を特定する、または見積もるために、様々な解析方法が採用できる。ある実施形態において、CDR領域を特定する、または見積もるために、様々な解析方法が採用できる。そのような方法の例としては、Kabat法による定義、Chothia法による定義、IMGTアプローチ(Lefranc et al., 2003 Dev Comp Immunol. 27:55-77)、Paratomeなどの計算プログラム(Kunik
et al., 2012, Nucl Acids Res. W521-4)、AbM法による定義、およびコンホメーションによる定義が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0043】
Kabat法による定義は、抗体内の残基を番号付けするためのスタンダードであり、CDR領域を特定するために典型的に用いられる。例えば、Johnson & Wu,
2000, Nucleic Acids Res., 28: 214-8を参照されたい。Chothia法による定義は、Kabat法による定義と似ているが、Chothia法による定義は、ある特定のループ構造領域の位置を考慮に入れる。例えば、Chothia et al., 1986, J. Mol. Biol., 196:
901-17; Chothia et al., 1989, Nature, 342: 877-83を参照されたい。AbM法による定義は、オックスフォード・モレキュラー・グループ社(Oxford Molecular Group)により製作された、抗体構造をモデル化する統合型のコンピュータープログラム一式を用いる。例えば、Martin et al., 1989, Proc Natl Acad Sci
(USA), 86:9268-9272; “AbM.TM., A Computer Program for Modeling Variable Regions
of Antibodies,” Oxford, UK; Oxford Molecular, Ltdを参照されたい。AbM法による定義は、Samudrala et al., 1999, “Ab Initio Protein Structure Prediction Using a Combined Hierarchical Approach,” in PROTEINS, Structure, Function and Genetics Suppl., 3:194-198によって記載されたものなど、知識データベースとアブイニシオ法の組み合わせを用いて、一次配列から、抗体の三次構造をモデル化する。Contact法による定義は、利用可能な複合結晶構造の解析に基づくものである。例えば、MacCallum et al.,
1996, J. Mol. Biol., 5:732-45を参照されたい。本明細書ではCDRの「コンホメーションによる定義」と称される別のアプローチでは、各C
DRの位置は、抗原結合にエンタルピー的な寄与をしている残基と見なされる場合がある。例えば、Makabe et al., 2008, Journal of Biological Chemistry, 283:1156-1166を参照されたい。さらに他のCDR境界定義は、上記アプローチのどれにも厳密には従っていないかもしれないが、Kabat法によるCDRの少なくとも一部とは重複するであろうし、それを、特定の残基や残基群が抗原結合に大きな影響を与えないという予測や実験的発見に照らし合わせて、短くしたり長くしたりすることはできる。本明細書で使用される場合、CDRとは、アプローチの組み合わせを含む、当該技術分野において公知の任意のアプローチによって定義されたCDRを指している場合がある。本明細書で使用される方法は、これらのアプローチのいずれかに従って定義されたCDRを利用する場合がある。2つ以上のCDRを含む任意の所与の実施形態においては、Kabat法による定義、Chothia法による定義、Extended法による定義、IMGT法による定義、Paratome法による定義、AbM法による定義、および/もしくはコンホメーションによる定義のいずれか、または上記のいずれかの組み合わせに従って、CDRを定義する場合がある。
【0044】
本明細書において抗体に関して使用されている場合、「競合する」という語は、第1の抗体がその同族(cognate)エピトープと結合する結果が、第2の抗体が存在しない場合
の第1の抗体の結合と比較して、第2の抗体が存在する場合に検出可能な程度に減少するほど、十分に類似した様式で、第1の抗体、またはその抗原結合性部分が、第2の抗体、またはその抗原結合性部分の結合とエピトープに結合すること、を意味する。第2の抗体のそのエピトープへの結合が、第1の抗体の存在下で検出可能な程度に減少するという別の選択肢もあるが、必ずしもそうである必要はない。すなわち、第1の抗体は、第2の抗体がそのエピトープに結合することを阻害でき、当該第2の抗体は、当該第1の抗体がそのそれぞれのエピトープに結合することを阻害しない。しかし、それぞれの抗体が、その他の抗体がその同族エピトープまたは同族リガンドと結合することを、同程度であれ、より大きい程度であれ、またはより小さい程度であれ、検出可能な程度に阻害する場合、これらの抗体は、そのそれぞれのエピトープの結合において、互いと「交差競合する(cross-compete)」と言う。競合し合う抗体も交差競合し合う抗体も、両方、本発明に包含される。このような競合または交差競合が発生する仕組み(例えば、立体障害、立体構造変化、または共通のエピトープ、もしくはその一部への結合)についてはさておき、当業者であれば、本明細書で提供される教示に基づいて、このような競合し合う、および/または交差競合し合う抗体が、包含され、本明細書で開示される方法に有用であり得ることを、理解するであろう。
【0045】
抗体が、エピトープに「優先的に結合する」または「特異的に結合する」(本明細書では同義的に使用される)とは、当該技術分野においては十分に理解されている用語であり、そのような特異的または優先的な結合を決定する方法も、当該技術分野において周知である。ある分子が、特定の細胞または物質と、別の細胞または物質と反応または結合するよりも、より頻繁に、および/またはより急速に、および/またはより長い期間、および/またはより大きな親和性で、反応または結合する場合、この分子は「特異的結合」または「優先的結合」を示すと言う。抗体が、他の物質に結合するよりも、より大きな親和性で、および/またはより大きなアビディティーで、および/またはより急速に、および/またはより長い期間、結合するならば、この抗体は、標的に「特異的に結合する」または「優先的に結合する」。例えば、CFDエピトープに特異的または優先的に結合する抗体は、他のCFDエピトープまたは非CFDエピトープに結合するよりも、より大きな親和性および/もしくはアビディティーで、並びに/またはより容易に、並びに/またはより長い期間、このエピトープに結合する(binds this epitope)抗体である。この定義を読むことで、例えば、第1の標的に特異的または優先的に結合する抗体(または部分もしくはエピトープ)が、第2の標的に特異的または優先的に結合する場合もしない場合もあることが理解される。したがって、「特異的結合」または「優先的結合」は、必ずしも排他
的な結合を必要とするわけではない(ただし、それを包含することはある)。通常、ただし必ずしもそうであるわけではないが、結合という場合、優先的結合を意味する。
【0046】
本明細書で使用される場合、「抗原結合性分子」という語は、抗原に結合する抗原結合部分と、所望により、当該抗原結合部分が当該抗原結合部分の結合を促進する高次構造をとることを可能にする、またはいくつかの追加の特性を当該抗原結合性分子に与える、足場またはフレームワーク部分と、を含む分子を指す。いくつかの実施形態において、この抗原は、Gal3である。いくつかの実施形態において、この抗原結合部分は、当該抗原に結合する抗体由来のCDRを少なくとも1つ含む。いくつかの実施形態において、この抗原結合部分は、当該抗原に結合する抗体の重鎖由来の3つ全てのCDR、または当該抗原に結合する抗体の軽鎖由来の3つ全てのCDRを含む。いくつかの実施形態において、この抗原結合部分は、当該抗原に結合する抗体由来の6つ全てのCDR(重鎖由来の3つと軽鎖由来の3つ)を含む。いくつかの実施形態において、この抗原結合部分は、抗体フラグメントである。
【0047】
抗原結合性分子の非限定例としては、抗体、抗体フラグメント(例えば、抗体の抗原結合性フラグメント)、抗体誘導体、および抗体類似体が挙げられる。さらなる具体例としては、限定はされないが、単鎖可変領域フラグメント(scFv)、ナノボディ(例えば、ラクダ科動物重鎖抗体のVHドメイン;VHHフラグメント、Cortez-Retamozo et al., Cancer Research, Vol. 64:2853-57, 2004参照)、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)2フラグメント、Fvフラグメント、Fdフラグメント、および相補性決定領域(CDR)フラグメントが挙げられる。これらの分子は、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、ブタ、イヌ、ネコ、ウマ、ロバ、モルモット、ヤギ、またはラクダ科動物などの、いかなる哺乳類供給源からも得ることができる。抗体フラグメントは、標的抗原と完全抗体の結合に競合する場合があり、このフラグメントは、完全抗体の修飾(例えば、酵素的または化学的な切断)により作製される場合や、または、組換えDNA技術もしくはペプチド合成を用いて新規に合成される場合がある。抗原結合性分子は、例えば、グラフティングされたCDRまたはCDR誘導体を有する別のタンパク質足場または人工足場を含むことがある。そのような足場としては、抗原結合性分子の三次元構造を安定化するなどのために導入される変異を含む抗体由来足場、および、生体適合性高分子などを含む完全合成足場が挙げられるが、これらに限定はされない。例えば、Korndorfer et al., 2003, Proteins: Structure, Function, and Bioinformatics, Volume 53, Issue 1:121-129 (2003); Roque et al., Biotechnol. Prog. 20:639-654 (2004)を参照されたい。加えて、ペプチド抗体模倣剤(「PAM」)も使用でき、さらに、フィブロネクチン成分を足場として利用した抗体模倣剤をベースにした足場も使用できる。
【0048】
抗原結合性分子は、1または複数の抗体フラグメントを1本鎖ポリペプチドに、または複数のポリペプチド鎖に組み込んだものを含む、タンパク質を包含することもある。例えば、抗原結合性分子としては、ダイアボディ(例えば、欧州特許第404,097号;国際公開第93/11161号;およびHollinger et al., Proc.
Natl. Acad. Sci. USA, Vol. 90:6444-6448, 1993参照);細胞内抗体;ドメイン抗体(単一のVLドメインもしくはVHドメインまたはペプチドリンカーで連結された2つ以上のVHドメイン;Ward et al., Nature, Vol. 341:544-546, 1989参照);マキシボディ(Fc領域に融合された2つのscFv、Fredericks et al., Protein Engineering, Design & Selection, Vol. 17:95-106, 2004およびPowers et al.,
Journal of Immunological Methods, Vol. 251:123-135, 2001参照);トリアボディ;テトラボディ;ミニボディ(CH3ドメインに融合されたscFv;Olafsen et al., Protein Eng Des Sel. , Vol.17:315-23, 2004参照);ペプチボディ(Fc領域に取り付けられた1または複数のペプチド、国際公開第00/24782号参照);リニア抗体(相補的軽鎖ポリペプチドと一緒に、抗原結合領域対を形成する、直列Fdセグメント対(VH-CH1-VH-CH1)、Zapata et
al., Protein Eng., Vol. 8:1057-1062, 1995参照);小型モジュール式免疫医薬品(米国特許出願公開第20030133939号参照);並びに、免疫グロブリン融合タンパク質(例えば、IgG-scFv、IgG-Fab、2scFv-IgG、4scFv-IgG、VH-IgG、IgG-VH、およびFab-scFv-Fc)を挙げることができるが、これらに限定はされない。
【0049】
ある実施形態において、抗原結合性分子は、例えば、免疫グロブリンの構造を有することがある。「免疫グロブリン」は、四量体分子であって、それぞれの四量体(each tetramer)は2つの同一のポリペプチド鎖対を含み、それぞれの対は1つの「軽鎖」(約25
kDa)と1つの「重鎖」(約50~70kDa)を有する。各鎖のアミノ末端部は、主に抗原認識に関与する、約100~110またはそれ以上のアミノ酸の可変領域を含む。各鎖のカルボキシ末端部は、主にエフェクター機能に関与する定常領域を規定している。
【0050】
特に記載がない限り、本明細書で開示される相補性決定領域は、IMGT定義に従う。いくつかの実施形態において、CDRは、代わりにKabat、Chothia、または当業者が認める他の定義によって、定義できる(In some embodiments, the CDRs can instead by Kabat, Chothia, or other definitions accepted by those of skill in the art)。
【0051】
本明細書で使用される場合、「治療する」または「治療」という語は(当該技術分野において十分に理解されているように)、臨床結果を含む、対象の条件における有益または望ましい結果を得るためのアプローチを意味する。有益または望ましい臨床結果としては、1または複数の症状または状態の軽減または改善、疾患の程度の縮小、疾患の状態の安定化(すなわち、悪化させないこと)、疾患の伝染または拡散の予防、疾患増悪の遅延または減速、病状の改善または一時的緩和、疾患の再発の縮小、および、部分であれ完全であれ、また、検出可能であれ検出不可であれ、寛解、を挙げることができるが、これらに限定はされない。「治療する」および「治療」には、本明細書で使用される場合、予防的治療も包含される。治療法は、活性薬剤の治療有効量を対象に投与することを含む。投与工程は、1回の投与からなっていてもよいし、一連の投与から構成されてもよい。組成物は、対象を治療するのに十分な、量および期間で、対象に投与される。治療期間の長さは、状態の重症度、対象の年齢および遺伝的プロファイル、活性薬剤の濃度、治療に使用される組成物の活性などの種々の要素、またはこれらの組み合わせに依存する。また、治療または予防に使用される薬剤の有効薬量が、特定の治療的または予防的レジメ(regime)の経過中に、増加または減少し得ることも理解されよう。用量の変更が結果として現れる場合があり、当該技術分野において公知の標準的な診断検査によって明らかとなり得る(Changes in dosage may result and become apparent by standard diagnostic assays known in the art)。いくつかの実施形態において、慢性投与が必要となる場合が
ある。
【0052】
本明細書で使用される場合、「有効量」または「有効用量」という語は、本明細書に照らして理解されるように、その平明かつ通常の意味を有し、観察可能な指定効果をもたらす記載された組成物または化合物の量を指す。本開示の発明の主題の活性組成物中の有効成分の実際の用量レベルは、特定の対象および/または適用に対して指定の反応を達成す
るのに有効な量の活性組成物または活性化合物を投与するように、変化させることができる。選択される用量レベルは、組成物の活性、製剤、投与経路、他の薬剤または治療との組み合わせ、治療される状態の重症度、および治療される対象の身体状態および既往歴を含むがこれらに限定されない様々な要因に基づいて変化する可能性がある。いくつかの実施形態では、最小量を投与し、用量制限毒性が存在しない場合は最小有効量まで、用量を段階的に増やしていく。有効量の決定および調整、並びに、そのような調整をいつどのように行うかの評価が、本明細書において企図されている。いくつかの非限定例において、組成物または化合物の有効量または有効用量は、アルツハイマー病などの神経系疾患もしくはプロテオパチー、またはその症状の治療に対し有意、測定可能、または十分な治療効果をもたらす量または用量に関連している場合がある。いくつかの実施形態において、組成物または化合物の有効量または有効用量は、記憶喪失、認知症、失見当識、またはアルツハイマー病の他のあらゆる症状を、治療、改善、またはその進行を予防し得る。
【0053】
「投与する」という語は、対象への、経口投与、局所的な接触、坐剤としての投与、静脈内投与、腹腔内投与、筋肉内投与、病巣内投与、髄腔内投与、鼻腔内投与、もしくは皮下投与、または、徐放性デバイス(例えばミニ浸透圧ポンプ)の移植を含む。投与は、非経口経路および経粘膜経路(例えば、頬側、舌下、口蓋、歯肉、経鼻、経腟、経直腸、または経皮)を含む、任意の経路によるものである。非経口投与は、例えば、静脈内投与、筋肉内投与、細動脈内投与、皮内投与、皮下投与、腹腔内投与、心室内投与、および頭蓋内投与を含む。他の送達様式としては、リポソーム製剤、点滴静注、経皮パッチなどの使用が挙げられるが、これらに限定はされない。「同時投与する」とは、本明細書に記載の第1の化合物を、本明細書に記載の第2の化合物の投与と同時に、その直前に、またはその直後に、投与することを意味する。
【0054】
本明細書で使用される場合、「治療標的」という語は、その活性を変化させると(例えば、発現、生物活性などの変化により)、疾患表現型の変化をもたらす可能性がある遺伝子または遺伝子産物を指す。全体を通じて用いられているように(As used throughout)、「変化」とは、示されている現象の増加または減少を指すことが意図される(例えば、生物活性の変化は、生物活性の増加または生物活性の減少を指す)。
【0055】
本明細書で使用される場合、「標準的治療」、「ベストプラクティス」、および「標準治療」という語は、ある特定の疾患に対する、適切な、正しい、有効な、且つ/または広く使用されている治療であると医師に認められている治療を指す。ある特定の疾患の標準的治療は、多くの様々な要因に依存しており、治療の生物学的効果、身体内の領域または位置、患者の状態(例えば、年齢、体重、性別、遺伝的リスク、他の身体障害、二次的状態)、毒性、代謝、生物蓄積、治療指数、用量などの当該技術分野において公知の要因が挙げられる。疾患に対する標準的治療の決定は、米国食品医薬品局、調和国際会議、カナダ保健省、欧州医薬品庁、薬品・医薬品行政局、中央医薬品基準管理機構、国家薬品監督管理局、医薬品医療機器総合機構、食品医薬品安全処、および世界保健機関などの規制機関によって標準化された臨床試験で安全性および効力を確立することにも左右される。疾患の標準的治療としては、外科手術、放射線療法、化学療法、標的療法、または免疫療法(例えば、PD1/PDL1またはCTLA4遮断療法)を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0056】
本明細書で使用される場合、「薬剤的に許容できる」は、本明細書に照らし合わせて理解されるように、その平明かつ通常の意味を有し、使用される用量および濃度においてそれに暴露される細胞または哺乳動物に無毒な、または許容できる毒性レベルを有する、担体、賦形剤、および/または安定剤を指す。本明細書で使用される場合、「薬剤的に許容できる」「希釈剤」、「賦形剤」、および/または「担体」は、本明細書に照らし合わせて理解されるように、それらの平明かつ通常の意味を有し、ヒト、ネコ、イヌなどの脊椎
動物ホストへの投与に適合した、あらゆる全ての溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含むことが意図される。典型的に、薬剤的に許容できる希釈剤、賦形剤、および/または担体は、ヒト、並びにネコおよびイヌなどのヒト以外の哺乳類を含む動物で使用するための、連邦政府、州政府、もしくは他の規制機関の規制当局によって承認された、または、米国薬局方もしくは他の一般に認められた薬局方に記載された、希釈剤、賦形剤、および/または担体である。希釈剤、賦形剤、および/または担体という語は、医薬製剤を一緒に投与する希釈剤、補助剤、賦形剤、またはビヒクルを指し得る。このような医薬品希釈剤、賦形剤、および/または担体は、水、および石油由来、動物由来、野菜由来、または合成由来の油を含む油などの滅菌液であり得る。水、生理食塩水、並びにブドウ糖水溶液およびグリセロール水溶液を、液体の希釈剤、賦形剤、および/または担体として、特に注射剤用に、用いることができる。好適な医薬品希釈剤および/または賦形剤としては、糖、デンプン、グルコース、フルクトース、ラクトース、スクロース、マルトース、ゼラチン、麦芽、米、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアレート、タルク、塩、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが挙げられる。生理学的に許容される担体の非限定例は、pH緩衝水溶液である。生理学的に許容される担体は、以下のうちの1または複数を含む場合もある:アスコルビン酸、低分子量(約10残基未満)ポリペプチドなどの抗酸化剤、血清アルブミン、ゼラチン、免疫グロブリンなどのタンパク質、ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー、アミノ酸、グルコース、マンノース、またはデキストリンなどの炭水化物、EDTAなどのキレート化剤、グリセロール、エリスリトール、トレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、イソマルト、マルチトール、またはラクチトールなどの糖アルコール、ナトリウムなどの塩形成対イオン、並びにTWEEN(登録商標)、ポリエチレングリコール(PEG)、およびPLURONICS(登録商標)などの非イオン性界面活性剤。製剤は、必要であれば、少量の湿潤剤、増量剤、乳化剤、またはpH緩衝剤を含有することもできる。これらの製剤は、水剤、懸濁剤、乳濁剤、徐放性製剤などの形態をとり得る。製剤は、投与様式に適合したものであるべきである。
【0057】
望ましい特性を有する追加の賦形剤としては、保存剤、補助剤、安定剤、溶媒、緩衝剤、希釈剤、溶解補助剤、洗剤、界面活性剤、キレート化剤、抗酸化剤、アルコール、ケトン、アルデヒド、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、トリス(ヒロドキシメチル)アミノメタン(Tris)、クエン酸、アスコルビン酸、酢酸、塩、ホスフェート、シトレート、アセテート、スクシネート、塩化物、バイカーボネート、ボレート、サルフェート、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム 糖、ブドウ糖、デキストラン40、フルクトース、マンノース、ラクトース、トレハロース、ガラクトース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、セルロース、血清、アミノ酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート、60、ポリソルベート80、ポロキサマー、ポロキサマー188、デオキシコール酸ナトリウム、タウロデオキシコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、オクチルフェノールエトキシレート、塩化ベンゼトニウム、チメロサール、ゼラチン、エステル、エーテル、2-フェノキシエタノール、尿素、もしくはビタミン、またはこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定はされない。いくつかの賦形剤は、血清、アルブミン、オボアルブミン、抗生剤、不活性化剤、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、β-プロピオラクトン、ゼラチン、細胞片、核酸、ペプチド、アミノ酸、もしくは増殖培地成分、またはこれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定はされない、製造工程からの、残留量または混入物である場合がある
。賦形剤の量は、0w/w%、0.1w/w%、0.2w/w%、0.3w/w%、0.4w/w%、0.5w/w%、0.6w/w%、0.7w/w%、0.8w/w%、0.9w/w%、1w/w%、2w/w%、3w/w%、4w/w%、5w/w%、6w/w%、7w/w%、8w/w%、9w/w%、10w/w%、20w/w%、30w/w%、40w/w%、50w/w%、60w/w%、70w/w%、80w/w%、90w/w%、95w/w%、100w/w%、または前記数字のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の重量パーセントである、およそそれである、少なくともそれである、少なくともおよそそれである、それ以下である、またはおよそそれ以下である、割合で、製剤中に存在する場合がある。
【0058】
本明細書で使用される、任意の所与の物質、化合物、または材料の「純度」という語は、予想される存在量と比較した場合の、当該物質、化合物、または材料の実際の存在量を指す。例えば、物質、化合物、または材料は、間に存在する全ての小数を含んで、少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%純粋であり得る。純度は、副生成物、異性体、鏡像異性体、分解生成物、溶媒、担体、ビヒクル、もしくは混入物、またはこれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定はされない、望まない不純物によって、影響を受ける場合がある。純度は、クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、分光法、紫外可視分光法、赤外分光法、質量分析、核磁気共鳴法、重量法、もしくは滴定法、またはこれらの任意の組み合わせを含むがこれらに限定はされない、技術で測定できる(Purity can be measured technologies including but not limited to chromatography, liquid chromatography, gas chromatography, spectroscopy, UV-visible spectrometry, infrared spectrometry, mass spectrometry, nuclear magnetic resonance,
gravimetry, or titration, or any combination thereof)。
【0059】
「製薬上許容される塩」という語は、本明細書に照らし合わせて理解されるように、その平明かつ通常の意味を有し、鎮痛剤、治療剤、他の物質などを含むがこれらに限定はされない、組成物または賦形剤の、比較的に無毒の、無機および有機の、酸付加塩または塩基付加塩を含む。製薬上許容される塩の例としては、塩酸および硫酸などの鉱酸由来のもの、並びにエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などの有機酸由来のものなどが挙げられる。塩の形成に適した無機塩基の例としては、アンモニア、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛などの、水酸化物、炭酸塩、および炭酸水素塩が挙げられる。塩は、無毒、且つ係る塩を形成するのに十分に強力な有機塩基を含む、好適な有機塩基により形成される場合もある。例えば、そのような有機塩基のクラスとしては、メチルアミン、ジメチルアミン、およびトリエチルアミンを含む、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、およびトリアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、およびトリエタノールアミンを含む、モノヒドロキシアルキルアミン、ジヒドロキシアルキルアミン、またはトリヒドロキシアルキルアミン;グリシン、アルギニン、およびリジンを含むアミノ酸;グアニジン;N-メチルグルコサミン;N-メチルグルカミン;L-グルタミン;N-メチルピペラジン;モルホリン;エチレンジアミン;N-ベンジルフェネチルアミン;トリヒロドキシメチルアミノエタンを挙げることができるが、これらに限定はされない。
【0060】
本明細書で使用される場合、「神経障害」という語は、患者の中枢神経系および/または末梢神経系に影響を及ぼす疾患を指す。神経障害は、身体的原因、例えば、外部または内部の機械的外傷(例えば、脳卒中または脳震盪)、生物学的外傷(例えば、感染)、化学的外傷(例えば、毒素または薬剤)、加齢および加齢性老化、遺伝的特質、および他の多くの原因を有する。いくつかの神経障害は、変異タンパク質またはミスフォールドしたタンパク質の作用または蓄積によって引き起こされる。これらの疾患は、神経系と関連したニューロンなどの細胞種の死を伴う場合がある。神経障害の非限定例としては、炎症、
脳炎、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、外傷性脳損傷、脊髄損傷、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、嗅覚機能障害、失語症、ベル麻痺、伝達性海綿状脳症、クロイツフェルト・ヤコブ病、致死性家族性不眠症、癲癇、発作、神経発生(neurodevelopment)、トゥレット症候群、神経感染症、髄膜炎、脳炎、ウシ海綿状脳症、西ナイルウイルス脳炎、神経エイズ、脆弱X症候群、ギラン・バレー症候群、脳への転移、もしくは脳がん、または当業者に公知の他の神経障害が挙げられる。いくつかの神経障害はプロテオパチーとして分類されることもある。
【0061】
本明細書で使用される場合、「プロテオパチー」という語は、タンパク質の異常なフォールディングまたは蓄積によって引き起こされる疾患を指す。異常なタンパク質は、有毒な機能を獲得するか、またはその正常な機能を喪失する場合がある。ミスフォールドしたタンパク質は、他の正常にフォールディングしたタンパク質のミスフォールディングを誘導し、疾患の増幅をもたらす可能性がある(例えば、プリオン病)。プロテオパチーのいくつかの非限定例としては、アルツハイマー病、脳アミロイドβ血管症、緑内障における網膜神経節細胞変性、パーキンソン病、Lewy認知症、多系統萎縮症、シヌクレイノパチー、ピック病、大脳皮質基底核変性症、タウパチー(taupathy)、前頭側頭葉変性症、ハンチントン病、歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症、バルバル脊髄性筋萎縮症(spinal and bulbal muscular atrophy)、脊髄小脳失調症、脆弱X症候群、Baratela-Scott症候群、フレイドライヒ運動失調症(Freidrich’s ataxia)、筋緊張性ジストロフィー、アレグザンダー病、家族性英国型認知症、家族性デンマーク型認知症、パリツェウス・メルツバッハー病(Palizaeus-Merzbacher disease)、セイピノパチー(seipinopathy)、AA(続発性)アミロイドーシス、II型糖尿病、フィブリノーゲンアミロイドーシス、透析アミロイドーシス、封入体筋炎/ミオパチー、家族性アミロイドポリニューロパチー、老人性全身性アミロイドーシス、セルピノパシー(serpinopathy)、心房アミロイドーシス、下垂体プロラクチノーマ、インスリンアミロイドーシス、角膜ラクトフェリンアミロイドーシス、肺胞タンパク症、精嚢アミロイド、皮膚アミロイド苔癬、マロリー小体、もしくは歯原性(ピンドボルグ)腫瘍アミロイド、またはタンパク質のミスフォールディングもしくは凝集によって引き起こされるあらゆる疾患、または当業者に公知の他の疾患が挙げられる。
【0062】
本明細書で使用される場合、「アルツハイマー病」という語は、記憶喪失、認知症を引き起こし、最終的には死に至る神経変性疾患を指す。アルツハイマー病の原因は、多因子性であり、完全には理解されていない。一般的に考えられている原因は、脳にアミロイドβ(Aβ)ペプチドが凝集および蓄積したことによる、神経変性および炎症である。アルツハイマー病は、現在治療不可能であり、コリンエステラーゼ阻害剤およびNDMA受容体アンタゴニストなどの現在利用可能な治療法は、この疾患の進行に対しわずかな影響しかなく、および/または、この疾患の二次的症状を治療するのみである。出願人は以前に、抗Gal3抗体が、Aβオリゴマー化の低減に効果があり、有望なアルツハイマー病治療薬であることを示している。
【0063】
「w/w%」または「wt/wt%」という語は、組成物の総重量に対する成分または薬剤の重量に100を乗じて表されたパーセンテージを意味する。
【0064】
例示的な抗Gal3抗体医薬製剤
抗体医薬製剤が本明細書で開示される。これらの抗体医薬製剤は治療用途に使用することができる。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗Gal3抗体などの抗体の治療有効量を含む。いくつかの実施形態において、抗体は本明細書で開示される抗Gal3抗体のうちのいずれかであるか、または、国際公開第2020/160156号に記載のものなどの、当該技術分野において公知の他のものである。抗体医薬製剤は、1また
は複数の賦形剤、希釈剤、塩、緩衝剤などを含んでいてもよく、これらは、安定性の向上、凝集の減少、並びに等張性およびpHの調節など、製剤に望ましい特性を付与する。当該技術分野において一般的に知られている1または複数の賦形剤、希釈剤、塩、緩衝剤などが、本明細書で開示される抗体医薬製剤中に使用でき、および/または、本明細書で開示される抗体医薬製剤中に使用される賦形剤、希釈剤、塩、緩衝剤などのうちのいずれかの許容できる代替として使用できることが想定され、賦形剤、希釈剤、塩、緩衝剤などの最適な処方の決定は当業者の能力の範囲内である。1または複数の賦形剤、希釈剤、塩、緩衝剤などの含有は、アルツハイマー病のような神経障害もしくはプロテオパチーなどのある特定の疾患、もしくは前記疾患と関連した炎症の治療用に調整されてよく、および/または、貯蔵時の抗体医薬製剤の安定性を改善するために最適化されてよい。
【0065】
抗Gal3抗体と、1または複数の賦形剤とを含む抗体医薬製剤が、いくつかの実施形態で開示される。この1または複数の賦形剤は、貯蔵条件下の抗Gal3抗体の安定性を改善し、および/または、対象に投与された場合の生体適合性が改善するために使用される場合がある。この1または複数の賦形剤は、小分子、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、核酸、DNA、RNA、脂質、イオン化合物、塩、炭水化物、糖、糖アルコール、酸、塩基、界面活性剤、洗剤などの当該技術分野において公知の賦形剤を含む場合がある。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、貯蔵条件下の抗Gal3抗体の安定性を改善し、および/または、対象に投与された場合の生体適合性を改善する、特定のpHである。いくつかの実施形態において、この1または複数の賦形剤は、pHを所望のレベルに調整するために使用される。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤のpHは、この1または複数の賦形剤の添加後に、所望のpHに調整される(例えば、HCl、H2SO4、酢酸、クエン酸、ホスフェート、NaOH、KOHなどの適合性の酸または塩基の添加により)。抗体医薬製剤は酸性、塩基性、または中性である場合がある。
【0066】
抗Gal3抗体および1または複数の賦形剤を含む、本明細書で開示される抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、この1または複数の賦形剤は、1もしくは複数のアミノ酸、1もしくは複数の塩、1もしくは複数の界面活性剤、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、この1または複数のアミノ酸は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、またはこれらの任意の組み合わせを含む場合がある。賦形剤として使用されるこの1または複数のアミノ酸は、L-立体異性体またはD-立体異性体である場合がある。いくつかの実施形態において、この1または複数のアミノ酸は、ジペプチド、トリペプチド、テトラペプチド、またはそれより大きなペプチドなどの、低分子ペプチドの形態である場合がある。抗体医薬製剤のいくつかの実施形態は、ヒスチジンもしくはメチオニン、またはその両方を含む。いくつかの実施形態において、このヒスチジンもしくはメチオニン、またはその両方は、L-立体異性体またはD-立体異性体である。いくつかの実施形態において、改善された安定性、pH調整、および目的の対象への適合性などの、製剤に付与される所望の特性に応じて、ヒスチジンもしくはメチオニン、またはその両方の代わりに、あるいは、ヒスチジンもしくはメチオニン、またはその両方に加えて、他のアミノ酸も想定される。抗体医薬製剤のいくつかの非限定的な実施形態は、1)ヒスチジンとメチオニン、2)ヒスチジンと1もしくは複数の他の任意のアミノ酸、3)メチオニンと1もしくは複数の他の任意のアミノ酸、4)ヒスチジンおよびメチオニン以外の、1または複数のアミノ酸(例えば、アルギニン、グリシン、およびグルタミン酸のうちの1または複数)、または、5)ヒスチジン、メチオニン、および1または複数の他のアミノ酸(例えば、アルギニン、グリシン、およびグルタミン酸のうちの1または複数)を含む場合がある。
【0067】
抗Gal3抗体と、本明細書において開示される1または複数のアミノ酸を含む賦形剤
を包含する、1または複数の賦形剤と、を含む本明細書で開示される抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、この1または複数の賦形剤は、1または複数の塩を含む。いくつかの実施形態において、この1または複数の塩は、賦形剤として従来的に使用されている塩を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、この1または複数の塩は、本開示中に開示されたものを含む、塩化物塩、リン酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、酢酸塩、コハク酸塩、トリス塩、ホウ酸塩、硫酸塩、アンモニア塩、金属塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、有機塩、アミノ酸塩、核酸塩、芳香族塩、難溶解性塩などを含んでいてもよい。賦形剤として1または複数の塩を使用する目的としては、安定性を改善し抗体の凝集を低減させること、製剤中の他の成分に対しイオン電荷の均等化を行うこと、製剤中の他の成分の溶解性を調整すること、pHおよび等張性を調整すること、並びに、対象に投与する場合の生体適合性を改善すること、が挙げられるが、これらに限定はされない。本明細書で開示される例示的な抗体医薬製剤は、NaClを含む。しかしながら、代わりの塩が、NaClの代わりに、またはNaClに加えて、使用されてもよく、代わりの塩としては、他の塩化物塩、他のナトリウム塩、アスコルビン酸塩、酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、トリス塩、およびコハク酸塩などの本明細書で提供されるもの、並びに当該技術分野において公知の他のものが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0068】
抗Gal3抗体と、本明細書において開示される1もしくは複数のアミノ酸および/または1もしくは複数の塩を含む賦形剤を包含する、1または複数の賦形剤と、を含む本明細書で開示される抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、この1または複数の賦形剤は、1または複数の界面活性剤を含む。いくつかの実施形態において、この1または複数の界面活性剤は、賦形剤として従来的に使用されている界面活性剤を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、この1または複数の界面活性剤は、ポリソルベート、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、油、ポロキサマー、ポロキサマー188、ポリグリコシド、セチルアルコール、コカミド、ステアレート、ラウレート、ノノキシノール、オクトキシノールなどの、当該技術分野において一般に知られており、賦形剤として用いられている、本開示中に開示されたものを含む、界面活性剤を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、この界面活性剤は、その具体的な界面活性剤と使用目的によっては、湿潤剤、洗剤、または乳化剤として作用してもよい。抗体医薬製剤におけるこれらの界面活性剤の目的としては、抗体または他の賦形剤の溶解性を改善すること、抗体の安定性を改善すること、および抗体の凝集を防ぐこと、を挙げることができるが、これらに限定はされない。本明細書で開示される例示的な抗体医薬製剤は、ポリソルベートを含む。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、もしくはポリソルベート80、またはこれらの任意の組み合わせである場合がある。いくつかの実施形態において、このポリソルベートはポリソルベート80である。しかしながら、ポリソルベートの代わりに、またはポリソルベートに加えて、別の界面活性剤が使用されてもよく、例えば、ポロキサマー188などの本明細書で提供されるもの、または当該技術分野において公知の他のものが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0069】
抗Gal3抗体と、本明細書において開示される1もしくは複数のアミノ酸、1もしくは複数の塩、および/または1もしくは複数の界面活性剤を含む賦形剤を包含する、1または複数の賦形剤と、を含む本明細書で開示される抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、この1または複数の賦形剤は、1または複数の糖または糖アルコールを含む。いくつかの実施形態において、この1または複数の糖または糖アルコールは、賦形剤として従来的に使用されているものを含む。いくつかの実施形態において、この糖としては、エリトロース、アラビノース、リボース、デオキシリボース、キシロース、ガラクトース、グルコース(ブドウ糖)、フルクトース、イソマルトース、ラクトース、マルトース、スクロース、トレハロース、マルトデキストリン、キトサン、デキストリン、デキストラン
、デキストラン40、セルロース、またはデンプンなどの、当該技術分野において一般に知られており、賦形剤として用いられている、本開示中に開示されたものを含む、糖が挙げられるが、これらに限定はされない。いくつかの実施形態において、この糖アルコールとしては、グリセロール、エリスリトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、デオキシリビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、イソマルト、マルチトール、またはラクチトールなどの、当該技術分野において一般に知られており、賦形剤として用いられている、本開示中に開示されたものを含む、糖アルコールが挙げられるが、これらに限定はされない。抗体医薬製剤におけるこれらの糖および糖アルコールの目的は、安定性を改善し抗体の凝集を防ぐことを挙げることができるが、これに限定はされない。本明細書で開示される例示的な抗体医薬製剤は、糖もしくは糖アルコール、またはその両方を含む場合がある。いくつかの実施形態において、例示的な抗体医薬製剤は、スクロースおよび/またはマンニトールを含む。しかしながら、スクロースおよび/もしくはマンニトールの代わりに、またはスクロースおよび/もしくはマンニトールに加えて、別の糖および糖アルコールが使用されてもよく、例えば、ソルビトール、トレハロース、ブドウ糖、デキストラン、またはデキストラン40などの、本明細書で提供されるものが挙げられるが、これらに限定はされない。いくつかの実施形態において、皮下注用である製剤は、スクロースおよび/またはマンニトールを包含する、本明細書で開示される糖または糖アルコールのうちのいずれか1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態において、静注用である製剤は、スクロースおよび/またはマンニトールを包含する、本明細書で開示される糖または糖アルコールのうちのいずれか1つまたは複数を含まない場合がある。
【0070】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は抗Gal3抗体を含む。いくつかの実施形態において、この抗Gal3抗体は本明細書で開示される抗Gal3抗体のうちのいずれか1つであるか、または、国際公開第2020/160156号に開示されたものなどの、当該技術分野において公知の他のものである。この抗Gal3抗体は、完全長抗体、Fabフラグメント、F(ab’)
2フラグメント、scFv、sdAb、一価フラグメント、または、二重特異性バリアント、三重特異性バリアントなどの多重特異性バリアントを含む当該技術分野において公知の任意の他の改変抗体である場合がある。この抗Gal3抗体は、相補性決定領域(CDR)を通常含む。いくつかの実施形態において、この抗Gal3抗体は、重鎖CDR1(HCDR1)、重鎖CDR2(HCDR2)、重鎖CDR3(HCDR3)、および/もしくは、軽鎖CDR1(LCDR1)、軽鎖CDR2(LCDR2)、もしくは軽鎖CDR3(LCDR3)、またはこれらの任意の組み合わせを含む場合がある。いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2;および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む。いくつかの実施形態において、例示的なCDR配列は、
図2Aに示されているものである。いくつかの実施形態において、各CDRは、最大で1個、2個、3個、4個、または5個のアミノ酸が、記載された配列から変化していることがある。いくつかの実施形態において、各CDRは、
図2Aに示されたものに対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有することがある。いくつかの実施形態において、抗Gal3抗体は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVHを含む。いくつかの実施形態において、抗Gal3抗体は、配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するを含む(In some embodiments, the anti-Gal3
antibody comprises having a sequence at least 80%, 85%, 90%, 95%, 99%, or 100% identical to that of SEQ ID NO: 9)。抗体医薬製剤は1または複数の賦形剤を含む場
合がある。いくつかの実施形態において、この1または複数の賦形剤は、安定性および/または対象に投与される場合の生体適合性を改善するために、ある特定の疾患または障害
用に最適化された量で存在する(In some embodiments, the one or more excipients are present in amounts that are optimized for a certain disease or disorder, to improve stability and/or biocompatibility when administered to a subject)。いくつかの実施形態において、この1または複数の賦形剤は、1mM、2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mM、11mM、12mM、13mM、14mM、15mM、16mM、17mM、18mM、19mM、20mM、21mM、22mM、23mM、24mM、25mM、26mM、27mM、28mM、29mM、30mM、31mM、32mM、33mM、34mM、35mM、36mM、37mM、38mM、39mM、40mM、41mM、42mM、43mM、44mM、45mM、46mM、47mM、48mM、49mM、50mM、51mM、52mM、53mM、54mM、55mM、56mM、57mM、58mM、59mM、60mM、61mM、62mM、63mM、64mM、65mM、66mM、67mM、68mM、69mM、70mM、71mM、72mM、73mM、74mM、75mM、76mM、77mM、78mM、79mM、80mM、81mM、82mM、83mM、84mM、85mM、86mM、87mM、88mM、89mM、90mM、91mM、92mM、93mM、94mM、95mM、96mM、97mM、98mM、99mM、100mM、101mM、102mM、103mM、104mM、105mM、106mM、107mM、108mM、109mM、110mM、111mM、112mM、113mM、114mM、115mM、116mM、117mM、118mM、119mM、120mM、121mM、122mM、123mM、124mM、125mM、126mM、127mM、128mM、129mM、130mM、131mM、132mM、133mM、134mM、135mM、136mM、137mM、138mM、139mM、140mM、141mM、142mM、143mM、144mM、145mM、146mM、147mM、148mM、149mM、150mM、151mM、152mM、153mM、154mM、155mM、156mM、157mM、158mM、159mM、160mM、161mM、162mM、163mM、164mM、165mM、166mM、167mM、168mM、169mM、170mM、171mM、172mM、173mM、174mM、175mM、176mM、177mM、178mM、179mM、180mM、181mM、182mM、183mM、184mM、185mM、186mM、187mM、188mM、189mM、190mM、191mM、192mM、193mM、194mM、195mM、196mM、197mM、198mM、199mM、もしくは200mM、または前記濃度のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の濃度、である濃度で、およそその濃度で、それ以下の濃度で、またはそれ以上の濃度で、存在する場合がある。この1または複数の賦形剤は、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、もしくは20%、または前記濃度のうちの任意の2つの内側の範囲内の任意の組み合わせである濃度で(or any combination within a range within any two of the aforementioned concentrations)、およそその
濃度で、それ以下の濃度で、またはそれ以上の濃度で、存在している場合もある。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、1もしくは複数のアミノ酸、1もしくは複数の塩、または1もしくは複数の界面活性剤(1または複数の賦形剤を構成し得る)をさらに含む。これらの1または複数のアミノ酸、1または複数の塩、および1または複数の界面活性剤は、本明細書で開示されるアミノ酸、塩、および界面活性剤のうちのいずれか1つである場合がある。いくつかの実施形態において、この1または複数のアミノ酸は、10~50mMまたは約10~約50mMで存在する。いくつかの実施形態において、この1または複数のアミノ酸は、20mMまたは約20mMで存在する。いくつかの実施形態において、この1または複数の塩は、50~150mMまたは約50~約150mMで存在する。いくつかの実施形態において、この1または複数の塩は、100mMまたは約10
0mMで存在する。いくつかの実施形態において、この1または複数の界面活性剤は、0.01%~0.04%または約0.01%~約0.04%で存在する。いくつかの実施形態において、この1または複数の界面活性剤は、0.02%または約0.02%で存在する。いくつかの実施形態において、製剤は、pH5.3~6.3である。いくつかの実施形態において、製剤は、pH5.8または約pH5.8である。
【0071】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は抗Gal3抗体を含む。いくつかの実施形態において、この抗Gal3抗体は本明細書で開示される抗Gal3抗体のうちのいずれか1つであるか、または、国際公開第2020/160156号に開示されたものなどの、当該技術分野において公知の他のものである。いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2;および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む。いくつかの実施形態において、例示的なCDR配列は、
図2Aに示されているものである。いくつかの実施形態において、各CDRは、最大で1個、2個、3個、4個、または5個のアミノ酸が、記載された配列から変化していることがある。いくつかの実施形態において、抗Gal3抗体は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVHを含む。いくつかの実施形態において、抗Gal3抗体は、配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するを含む(In some embodiments, the anti-Gal3 antibody comprises having a sequence at least 80%, 85%, 90%, 95%, 99%, or 100% identical to that of SEQ ID NO: 9)。いくつかの実施形態におい
て、抗体医薬製剤は、1もしくは複数のアミノ酸、1もしくは複数の塩、または1もしくは複数の界面活性剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、この1または複数のアミノ酸はヒスチジンおよび/またはメチオニンを含んでおり、この1または複数の塩は塩化ナトリウム(NaCl)を含んでおり、この1または複数の界面活性剤はポリソルベートを含んでおり、あるいは、これらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、もしくはポリソルベート、または、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートの全てを包含する、これらの任意の組み合わせを含む(In some embodiments, the pharmaceutical antibody
formulations comprise histidine, methionine, NaCl, or polysorbate, or any combination thereof, including all of histidine, methionine, NaCl, and polysorbate)
。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、L-ヒスチジンである場合がある。いくつかの実施形態において、このL-ヒスチジンは、10~50mMもしくは約10~約50mM、または本明細書において想定される任意の量もしくは濃度で存在する。いくつかの実施形態において、このL-ヒスチジンは、20mMまたは約20mMで存在する。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、2~10mMもしくは約2~約10mM、または本明細書において想定される任意の量もしくは濃度で存在する。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、5mMまたは約5mMで存在する。いくつかの実施形態において、このNaClは、50~150mMもしくは約50~約150mM、または本明細書において想定される任意の量もしくは濃度で存在する。いくつかの実施形態において、このNaClは、100mMまたは約100mMで存在する。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、ポリソルベート-20、ポリソルベート-40、ポリソルベート-60、ポリソルベート-80、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、ポリソルベート-80であるか、またはそれを含む。いくつかの実施形態において、このポリソルベート-80は、0.01%~0.04%もしくは約0.01%~約0.04%、または本明細書において想定される任意の量もしくは濃度で存在する。いくつかの実施形態において、このポリソルベート-80は、0.02%または約0.02%で存在する。いくつかの実施形態において、製剤は、pH5.3~6.3である。いくつかの実施形態において、製剤は、pH5.
8または約pH5.8である。
【0072】
いくつかの実施形態において、製剤は、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ポロキサマー188、マンニトール、ソルビトール、スクロース、トレハロース、ブドウ糖、デキストラン40、NaCl、アルギニン、グリシン、メチオニン、アスコルビン酸、NaOAc、ホスフェート、シトレート、アセテート、トリス、スクシネート、ヒスチジンのうちの1または複数を含む。
【0073】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤が提供される。上記製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む抗体の治療有効量、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、並びにポリソルベートを含むことがある。いくつかの実施形態において、上記製剤は、pH5.3~6.3であることがあり、このヒスチジン、メチオニン、NaCl、および/またはポリソルベートの添加で達成されても達成されなくてもよい。いくつかの実施形態において、この抗体は抗Gal3抗体であることがある。いくつかの実施形態において、この抗体は、本明細書で開示される抗Gal3抗体、または、国際公開第2020/160156号で開示されたものなどの、当該技術分野において公知の他のものであることがある。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有する重鎖可変ドメイン(VH)領域を含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有する軽鎖可変ドメイン(VL)領域を含む。いくつかの実施形態において、上記製剤は、列挙されたものに対して追加の成分および/または賦形剤を含むこともあり、あるいは、明確に記載されているオプションのうちの1または複数を排除していることもある。いくつかの実施形態において、この成分および/または賦形剤は、同じ結果を達成するように機能する1または複数の代替物と置き換えられることがあり、あるいは、追加でそれと共に使用されることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、適切なpKaを有する代替緩衝剤と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、同じ緩衝能を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、別のアミノ酸と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、同一または類似の抗体保護作用を示す代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、抗体の凝集を低減する同一または類似の能力を示す代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、同一または類似の凍結保護能を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、適切なpKaを有する代替緩衝剤と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、同一の緩衝能を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、別のアミノ酸と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、同一または類似の抗酸化作用を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、同一の抗体保護作用を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、同一または類似のタンパク質安定化作用を有する代替に置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、本明細書で提供される特性のうちの任意の1つまたは複数を示し得る代替を含む、抗体の凝集を低減する同一または類似の能力を示す代替に置き換えられることがある。このヒスチジンおよび/またはメチオニンの代替は、アルギニンもしくはグリシンなどの本明細書で提供されるもののうちのいずれか、または当該技術分野において公知の他のものである場合がある。いくつかの実施形態において、このNaClは、別の塩と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このNaClは、同一また
は類似の水溶解性を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このNaClは、製剤等張性に対し同一または類似の作用を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このNaClは、本明細書で提供される特性のうちの任意の1つまたは複数を示し得る代替を含む、同一または類似のタンパク質安定化作用を有する代替と置き換えられることがある。このNaClの代替は、他の塩化物塩、他のナトリウム塩、アスコルビン酸塩、酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、トリス塩、もしくはコハク酸塩などの本明細書で提供されるもののうちのいずれか、または当該技術分野において公知の他のものである場合がある。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、別の界面活性剤および/または洗剤と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、同一または類似の界面活性能/作用を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、抗体および/または他の賦形剤を可溶化する同一または類似の能力を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、抗体の凝集を低減する同一または類似の能力を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、本明細書で提供される特性のうちの任意の1つまたは複数を示し得る代替を含む、同一または類似のタンパク質安定化作用を有する代替と置き換えられることがある。このポリソルベートの代替は、ポロキサマー188などの本明細書で提供されるもののうちのいずれか、または当該技術分野において公知の他のものである場合がある。いくつかの実施形態において、pHは酸性、塩基性、または中性であることがある。いくつかの実施形態において、pHは塩基性であることがある。いくつかの実施形態において、pHは様々であることがある。いくつかの実施形態において、pHは、製剤中に使用されている成分、賦形剤、および/または緩衝剤、並びに、使用されている抗体種の詳細、および/または使用されている抗体、成分、もしくは賦形剤の量に則り、増減されることがある。いくつかの実施形態において、pHは、抗体、成分、または賦形剤を添加後に所望のpHに増減されることがある。本明細書において企図される代替は、本開示中で提供された賦形剤、希釈剤、塩、緩衝剤などのうちのいずれか1つまたは複数である場合がある。
【0074】
本明細書で提供される抗体医薬製剤の実施形態のいずれかにおいて、ヒスチジンはL-ヒスチジン、D-ヒスチジン、またはラセミ体ヒスチジンである。本明細書で提供される抗体医薬製剤の実施形態のいずれかにおいて、ヒスチジンはラセミ体ヒスチジンである。本明細書で提供される抗体医薬製剤の実施形態のいずれかにおいて、ヒスチジンはD-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、適切なpKaを有する代替緩衝剤と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、同じ緩衝能を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、別のアミノ酸と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、同一または類似の抗体保護作用を示す代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、抗体の凝集を低減する同一または類似の能力を示す代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、本明細書で提供される特性のうちの任意の1つまたは複数を示し得る代替を含む、同一または類似の凍結保護能を有する代替と置き換えられることがある。ヒスチジンの代替は、アルギニンもしくはグリシンなどの本明細書で提供されるもののうちのいずれか、または当該技術分野において公知の他のものである場合がある。
【0075】
本明細書で提供される抗体医薬製剤の実施形態のいずれかにおいて、このヒスチジンは、1mM、2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mM、11mM、12mM、13mM、14mM、15mM、16mM、17mM、18mM、19mM、20mM、21mM、22mM、23mM、24mM、25mM、26mM、27mM、28mM、29mM、30mM、31mM、32mM、33mM、34mM、35mM、36mM、37mM、38mM、39mM、40mM、41mM、42m
M、43mM、44mM、45mM、46mM、47mM、48mM、49mM、50mM、51mM、52mM、53mM、54mM、55mM、56mM、57mM、58mM、59mM、60mM、61mM、62mM、63mM、64mM、65mM、66mM、67mM、68mM、69mM、70mM、71mM、72mM、73mM、74mM、75mM、76mM、77mM、78mM、79mM、80mM、81mM、82mM、83mM、84mM、85mM、86mM、87mM、88mM、89mM、90mM、91mM、92mM、93mM、94mM、95mM、96mM、97mM、98mM、99mM、100mM、101mM、102mM、103mM、104mM、105mM、106mM、107mM、108mM、109mM、110mM、111mM、112mM、113mM、114mM、115mM、116mM、117mM、118mM、119mM、120mM、121mM、122mM、123mM、124mM、125mM、126mM、127mM、128mM、129mM、130mM、131mM、132mM、133mM、134mM、135mM、136mM、137mM、138mM、139mM、140mM、141mM、142mM、143mM、144mM、145mM、146mM、147mM、148mM、149mM、150mM、151mM、152mM、153mM、154mM、155mM、156mM、157mM、158mM、159mM、160mM、161mM、162mM、163mM、164mM、165mM、166mM、167mM、168mM、169mM、170mM、171mM、172mM、173mM、174mM、175mM、176mM、177mM、178mM、179mM、180mM、181mM、182mM、183mM、184mM、185mM、186mM、187mM、188mM、189mM、190mM、191mM、192mM、193mM、194mM、195mM、196mM、197mM、198mM、199mM、もしくは200mM、または前記濃度のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の濃度、である濃度で、およそその濃度で、それ以下の濃度で、またはそれ以上の濃度で、存在する場合がある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、10~50mM、例えば10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、または50mMで存在する。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、20mMまたは約20mMで存在する。いくつかの実施形態において、このヒスチジンがL-ヒスチジンである場合、このL-ヒスチジンは、10~50mM、例えば10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、または50mMで存在する。いくつかの実施形態において、このヒスチジンがL-ヒスチジンである場合、このL-ヒスチジンは、20mMまたは約20mMで存在する。
【0076】
本明細書で提供される抗体医薬製剤の実施形態のいずれかにおいて、このメチオニンは、L-メチオニン、D-メチオニン、またはラセミ体メチオニンである。本明細書で提供される抗体医薬製剤の実施形態のいずれかにおいて、このメチオニンはラセミ体メチオニンである。本明細書で提供される抗体医薬製剤の実施形態のいずれかにおいて、このメチオニンはD-メチオニンである。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、適切なpKaを有する代替緩衝剤と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、同一の緩衝能を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、別のアミノ酸と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、同一または類似の抗酸化作用を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、同一の抗体保護作用を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、同一または類似のタンパク質安定化作用を有する代替に置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、本明細書で提供される特性のうちの任意の1つまたは複数を示し得る代替を含む、抗体の凝集を低減する同一または類似の能力を示す代替に置き換えられることがある。メチオニンの代替は、アルギニンもしくはグリシンなどの本明細書で提供されるもののうちのいずれか、または当該技
術分野において公知の他のものである場合がある。
【0077】
本明細書で提供される抗体医薬製剤の実施形態のいずれかにおいて、このメチオニンは、1mM、2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mM、11mM、12mM、13mM、14mM、15mM、16mM、17mM、18mM、19mM、20mM、21mM、22mM、23mM、24mM、25mM、26mM、27mM、28mM、29mM、30mM、31mM、32mM、33mM、34mM、35mM、36mM、37mM、38mM、39mM、40mM、41mM、42mM、43mM、44mM、45mM、46mM、47mM、48mM、49mM、50mM、51mM、52mM、53mM、54mM、55mM、56mM、57mM、58mM、59mM、60mM、61mM、62mM、63mM、64mM、65mM、66mM、67mM、68mM、69mM、70mM、71mM、72mM、73mM、74mM、75mM、76mM、77mM、78mM、79mM、80mM、81mM、82mM、83mM、84mM、85mM、86mM、87mM、88mM、89mM、90mM、91mM、92mM、93mM、94mM、95mM、96mM、97mM、98mM、99mM、100mM、101mM、102mM、103mM、104mM、105mM、106mM、107mM、108mM、109mM、110mM、111mM、112mM、113mM、114mM、115mM、116mM、117mM、118mM、119mM、120mM、121mM、122mM、123mM、124mM、125mM、126mM、127mM、128mM、129mM、130mM、131mM、132mM、133mM、134mM、135mM、136mM、137mM、138mM、139mM、140mM、141mM、142mM、143mM、144mM、145mM、146mM、147mM、148mM、149mM、150mM、151mM、152mM、153mM、154mM、155mM、156mM、157mM、158mM、159mM、160mM、161mM、162mM、163mM、164mM、165mM、166mM、167mM、168mM、169mM、170mM、171mM、172mM、173mM、174mM、175mM、176mM、177mM、178mM、179mM、180mM、181mM、182mM、183mM、184mM、185mM、186mM、187mM、188mM、189mM、190mM、191mM、192mM、193mM、194mM、195mM、196mM、197mM、198mM、199mM、もしくは200mM、または前記濃度のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の濃度、である濃度で、およそその濃度で、それ以下の濃度で、またはそれ以上の濃度で、存在する場合がある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、2~10mM、例えば2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、または10mMで存在する。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、5mMまたは約5mMで存在する。
【0078】
本明細書で提供される抗体医薬製剤の実施形態のいずれかにおいて、このNaClは、1mM、2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、10mM、11mM、12mM、13mM、14mM、15mM、16mM、17mM、18mM、19mM、20mM、21mM、22mM、23mM、24mM、25mM、26mM、27mM、28mM、29mM、30mM、31mM、32mM、33mM、34mM、35mM、36mM、37mM、38mM、39mM、40mM、41mM、42mM、43mM、44mM、45mM、46mM、47mM、48mM、49mM、50mM、51mM、52mM、53mM、54mM、55mM、56mM、57mM、58mM、59mM、60mM、61mM、62mM、63mM、64mM、65mM、66mM、67mM、68mM、69mM、70mM、71mM、72mM、73mM、74mM、75mM、76mM、77mM、78mM、79mM、80mM、81mM、82mM、83mM、84mM、85mM、86mM、87mM、88mM、89mM、90mM、91mM、92mM、93mM、94mM、95mM、96mM、97mM、98mM
、99mM、100mM、101mM、102mM、103mM、104mM、105mM、106mM、107mM、108mM、109mM、110mM、111mM、112mM、113mM、114mM、115mM、116mM、117mM、118mM、119mM、120mM、121mM、122mM、123mM、124mM、125mM、126mM、127mM、128mM、129mM、130mM、131mM、132mM、133mM、134mM、135mM、136mM、137mM、138mM、139mM、140mM、141mM、142mM、143mM、144mM、145mM、146mM、147mM、148mM、149mM、150mM、151mM、152mM、153mM、154mM、155mM、156mM、157mM、158mM、159mM、160mM、161mM、162mM、163mM、164mM、165mM、166mM、167mM、168mM、169mM、170mM、171mM、172mM、173mM、174mM、175mM、176mM、177mM、178mM、179mM、180mM、181mM、182mM、183mM、184mM、185mM、186mM、187mM、188mM、189mM、190mM、191mM、192mM、193mM、194mM、195mM、196mM、197mM、198mM、199mM、もしくは200mM、または前記濃度のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の濃度、である濃度で、およそその濃度で、それ以下の濃度で、またはそれ以上の濃度で、存在する場合がある。いくつかの実施形態において、このNaClは、50~150mM、例えば50mM、60mM、70mM、80mM、90mM、100mM、110mM、120mM、130mM、140mM、または150mMで存在する。いくつかの実施形態において、このNaClは、100mMで存在する。いくつかの実施形態において、このNaClは、別の塩と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このNaClは、同一または類似の水溶解性を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このNaClは、製剤等張性に対し同一または類似の作用を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このNaClは、本明細書で提供される特性のうちの任意の1つまたは複数を示し得る代替を含む、同一または類似のタンパク質安定化作用を有する代替と置き換えられることがある。このNaClの代替は、他の塩化物塩、他のナトリウム塩、アスコルビン酸塩、酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、トリス塩、もしくはコハク酸塩などの本明細書で提供されるもののうちのいずれか、または当該技術分野において公知の他のものである場合がある。
【0079】
本明細書で提供される抗体医薬製剤の実施形態のいずれかにおいて、このポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、ポリソルベート80を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、もしくは20%、または前記濃度のうちの任意の2つの内側の範囲内の任意の組み合わせである濃度で、およそその濃度で、それ以下の濃度で、またはそれ以上の濃度で、存在している場合もある。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、0.01%~0.04%、例えば0.01%、0.02%、0.03%、または0.04%で存在する。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、約0.01%~約0.04%、例えば約0.01%、約0.02%、約0.03%、または約0.04%で存在する。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、0.02%または約0.02%で存在する。いくつかの実施形態において、このポリソルベートがポリソルベート80である場合、このポリソルベート80は、0.01%~0.04%、例えば0.01%、0.02%、0.0
3%、または0.04%で存在する。いくつかの実施形態において、このポリソルベートがポリソルベート80である場合、このポリソルベート80は、約0.01%~約0.04%、例えば約0.01%、約0.02%、約0.03%、または約0.04%で存在する。いくつかの実施形態において、このポリソルベート80は、0.02%または約0.02%で存在する。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、別の界面活性剤および/または洗剤と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、同一または類似の界面活性能/作用を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、抗体および/または他の賦形剤を可溶化する同一または類似の能力を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、抗体の凝集を低減する同一または類似の能力を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、本明細書で提供される特性のうちの任意の1つまたは複数を示し得る代替を含む、同一または類似のタンパク質安定化作用を有する代替と置き換えられることがある。このポリソルベートの代替は、ポロキサマー188などの本明細書で提供されるもののうちのいずれか、または当該技術分野において公知の他のものである場合がある。
【0080】
本明細書で提供される抗体医薬製剤の実施形態のいずれかにおいて、pHは、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、または6.3であるか、およそそのpHであるか、そのpH以下であるか、またはそのpH以上である。いくつかの実施形態において、pHは約5.8である。いくつかの実施形態において、pHは5.8である。いくつかの実施形態において、pHは酸性、塩基性、または中性であることがある。いくつかの実施形態において、pHは様々であることがある。いくつかの実施形態において、pHは、製剤中に使用されている成分、賦形剤、および/または緩衝剤、並びに、使用されている抗体種の詳細、および/または使用されている抗体、成分、もしくは賦形剤の量に則り、増減されることがある。いくつかの実施形態において、pHは、抗体、成分、または賦形剤を添加後に所望のpHに増減されることがある。
【0081】
本明細書で提供される抗体医薬製剤の実施形態のいずれかにおいて、製剤は、本明細書で開示される糖もしくは糖アルコール、または当該技術分野において公知の他のものなどの、1もしくは複数の糖もしくは1もしくは複数の糖アルコール、またはその両方をさらに含む。いくつかの実施形態において、この1または複数の糖は、スクロースを含む。いくつかの実施形態において、この1または複数の糖アルコールは、マンニトールを含む。いくつかの実施形態において、上記製剤は、スクロースもしくはマンニトール、またはその両方を含む。いくつかの実施形態において、上記製剤は、スクロースおよびマンニトールを含む。いくつかの実施形態において、このスクロースおよび/またはマンニトールは、別の糖および/または糖アルコールと置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このスクロースおよび/またはマンニトールは、同一または類似の抗体保護作用を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このスクロースおよび/またはマンニトールは、抗体の凝集を低減する同一または類似の能力を示す代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このスクロースおよび/またはマンニトールは、同一または類似の凍結保護能を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このスクロースおよび/またはマンニトールは、本明細書で提供される特性のうちの任意の1つまたは複数を示し得る代替を含む、等張性に対し同一の作用を有する代替と置き換えられることがある。このスクロースおよび/またはマンニトールの代替は、ソルビトール、トレハロース、ブドウ糖、デキストラン、もしくはデキストラン40などの、本明細書で提供されるもののうちのいずれか、または当該技術分野において公知の他のものである場合がある。
【0082】
いくつかの実施形態において、この1もしくは複数の糖または1もしくは複数の糖アル
コールは、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、もしくは20%、または前記濃度のうちの任意の2つの内側の範囲内の任意の組み合わせである濃度で、およそその濃度で、それ以下の濃度で、またはそれ以上の濃度で、存在している場合もある。いくつかの実施形態において、この1もしくは複数の糖または1もしくは複数の糖アルコールは、2%~5%、例えば2%、3%、4%、または5%で存在する。いくつかの実施形態において、この1もしくは複数の糖または1もしくは複数の糖アルコールは、約2%~約5%、例えば約2%、約3%、約4%、または約5%で存在する。この糖がスクロースであるいくつかの実施形態において、このスクロースは、2%~5%または約2%~5%で存在する。この糖アルコールがマンニトールであるいくつかの実施形態において、このマンニトールは、2%~5%または約2%~5%で存在する。
【0083】
本明細書で提供される抗体医薬製剤の実施形態のいずれかにおいて、製剤は非経口投与用に構成される。いくつかの実施形態において、製剤は皮下投与用に構成される。製剤が皮下投与用に構成される実施形態において、製剤は1もしくは複数の糖および/または1もしくは複数の糖アルコールを含む場合がある。いくつかの実施形態において、皮下投与用に構成された製剤は、スクロースもしくはマンニトール、またはその両方を含む。いくつかの実施形態において、製剤は静脈内投与用に構成される。製剤が静脈内投与用に構成される実施形態では、製剤は、1もしくは複数の糖および/または1もしくは複数の糖アルコールを含まない場合がある。いくつかの実施形態において、静脈内投与用に構成された製剤は、スクロースもしくはマンニトール、またはその両方を含まない。
【0084】
本明細書で提供される抗体医薬製剤の実施形態のいずれかにおいて、抗体は、単位用量として75mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、1000mg、1100mg、1200mg、1300mg、1400mg、1500mg、1600mg、1700mg、1800mg、1900mg、2000mg、2200mg、2400mg、2600mg、2800mg、3000mg、3200mg、3400mg、3600mg、3650mg、3700mg、3750mg、3800mg、4000mg、4200mg、4400mg、4600mg、4800mg、5000mg、5500mg、6000mg、6500mg、7000mg、7500mg、8000mg、8500mg、9000mg、もしくは10000mg、または前記量のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の量である、およそその量である、その量以下である、またはその量以上である量で存在する場合がある。いくつかの実施形態において、この抗体は、単位用量として70~7500mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は、単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、および7500mgのうちの1つの量、または前記量のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は70mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は75mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は140mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は200mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は420mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は450mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は700mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は1500mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は2100mgの量で存在する。いくつかの実施形態におい
て、この抗体は3750mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は5000mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は7500mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は、1mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、20mg/mL、40mg/mL、および50mg/mLのうちの1つの濃度、または前記濃度のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の濃度で製剤中に存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は、1mg/mLの濃度で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は、5mg/mLの濃度で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は、10mg/mLの濃度で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は、20mg/mLの濃度で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は、40mg/mLの濃度で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は、50mg/mLの濃度で存在する。
【0085】
抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、L-ヒスチジンは約20mMで存在し、メチオニンは約5mMで存在し、NaClは約100mMで存在し、ポリソルベート80は約0.02%で存在し、スクロースは2~5%で存在し、マンニトールは2~5%で存在し、製剤のpHは約5.8であり、抗体の治療有効量は単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、および7500mgのうちの1つ、または前記量のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の量である。抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、L-ヒスチジンは約20mMで存在し、メチオニンは約5mMで存在し、NaClは約100mMで存在し、ポリソルベート80は約0.02%で存在し、スクロースは2~5%で存在し、マンニトールは2~5%で存在し、製剤のpHは約5.8であり、抗体の治療有効量は単位用量として70mgである。抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、L-ヒスチジンは約20mMで存在し、メチオニンは約5mMで存在し、NaClは約100mMで存在し、ポリソルベート80は約0.02%で存在し、スクロースは2~5%で存在し、マンニトールは2~5%で存在し、製剤のpHは約5.8であり、抗体の治療有効量は単位用量として75mgである。抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、L-ヒスチジンは約20mMで存在し、メチオニンは約5mMで存在し、NaClは約100mMで存在し、ポリソルベート80は約0.02%で存在し、スクロースは2~5%で存在し、マンニトールは2~5%で存在し、製剤のpHは約5.8であり、抗体の治療有効量は単位用量として140mgである。抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、L-ヒスチジンは約20mMで存在し、メチオニンは約5mMで存在し、NaClは約100mMで存在し、ポリソルベート80は約0.02%で存在し、スクロースは2~5%で存在し、マンニトールは2~5%で存在し、製剤のpHは約5.8であり、抗体の治療有効量は単位用量として200mgである。抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、L-ヒスチジンは約20mMで存在し、メチオニンは約5mMで存在し、NaClは約100mMで存在し、ポリソルベート80は約0.02%で存在し、スクロースは2~5%で存在し、マンニトールは2~5%で存在し、製剤のpHは約5.8であり、抗体の治療有効量は単位用量として420mgである。抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、L-ヒスチジンは約20mMで存在し、メチオニンは約5mMで存在し、NaClは約100mMで存在し、ポリソルベート80は約0.02%で存在し、スクロースは2~5%で存在し、マンニトールは2~5%で存在し、製剤のpHは約5.8であり、抗体の治療有効量は単位用量として450mgである。抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、L-ヒスチジンは約20mMで存在し、メチオニンは約5mMで存在し、NaClは約100mMで存在し、ポリソルベート80は約0.02%で存在し、スクロースは2~5%で存在し、マンニトールは2~5%で存在し、製剤のpHは約5.8であり、抗体の治療有効量は単位用量として700mgである。抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、L-ヒスチジンは約20mMで存在し、メチオニンは約5mMで存在し、NaClは約100mMで存在し、ポリソルベート80は約0.02%で存在し、スクロースは2~5%で存在し、マンニトールは2~5%で存在し、
製剤のpHは約5.8であり、抗体の治療有効量は単位用量として1500mgである。抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、L-ヒスチジンは約20mMで存在し、メチオニンは約5mMで存在し、NaClは約100mMで存在し、ポリソルベート80は約0.02%で存在し、スクロースは2~5%で存在し、マンニトールは2~5%で存在し、製剤のpHは約5.8であり、抗体の治療有効量は単位用量として2100mgである。抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、L-ヒスチジンは約20mMで存在し、メチオニンは約5mMで存在し、NaClは約100mMで存在し、ポリソルベート80は約0.02%で存在し、スクロースは2~5%で存在し、マンニトールは2~5%で存在し、製剤のpHは約5.8であり、抗体の治療有効量は単位用量として3750mgである。抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、L-ヒスチジンは約20mMで存在し、メチオニンは約5mMで存在し、NaClは約100mMで存在し、ポリソルベート80は約0.02%で存在し、スクロースは2~5%で存在し、マンニトールは2~5%で存在し、製剤のpHは約5.8であり、抗体の治療有効量は単位用量として5000mgである。抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、L-ヒスチジンは約20mMで存在し、メチオニンは約5mMで存在し、NaClは約100mMで存在し、ポリソルベート80は約0.02%で存在し、スクロースは2~5%で存在し、マンニトールは2~5%で存在し、製剤のpHは約5.8であり、抗体の治療有効量は単位用量として7500mgである。
【0086】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量を含む。いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2;および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む。いくつかの実施形態において、抗体は、単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、もしくは7500mgという量で、または前記量のうちの任意の2つによって規定される範囲内の単位用量としての任意の量で、存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は70mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は75mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は140mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は200mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は420mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は450mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は700mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は1500mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は2100mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は3750mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は5000mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、この抗体は7500mgの量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80をさらに含む。いくつかの実施形態において、製剤のpHは約5.8である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤はスクロースおよび/またはマンニトールをさらに含む。いくつかの実施形態において、スクロースは2~5%で製剤中に存在する。いくつかの実施形態において、マンニトールは2~5%で製剤中に存在する。
【0087】
本明細書で開示される抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、製剤は非経口投与用に構成される。いくつかの実施形態において、製剤は皮下投与用に構成される。いくつかの実施形態において、皮下投与用に構成された製剤は、スクロースもしくはマンニトール、またはその両方を含む。いくつかの実施形態において、製剤は静脈内投与用に構成される。いくつかの実施形態において、静脈内投与用に構成された製剤は、スクロースもしくはマンニトール、またはその両方を含まない。
【0088】
本明細書で開示される抗体医薬製剤の実施形態のいずれかに適用されているように、抗体医薬製剤は、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、7mg/mL、8mg/mL、9mg/mL、10mg/mL、11mg/mL、12mg/mL、13mg/mL、14mg/mL、15mg/mL、16mg/mL、17mg/mL、18mg/mL、19mg/mL、20mg/mL、21mg/mL、22mg/mL、23mg/mL、24mg/mL、25mg/mL、26mg/mL、27mg/mL、28mg/mL、29mg/mL、30mg/mL、31mg/mL、32mg/mL、33mg/mL、34mg/mL、35mg/mL、36mg/mL、37mg/mL、38mg/mL、39mg/mL、40mg/mL、41mg/mL、42mg/mL、43mg/mL、44mg/mL、45mg/mL、46mg/mL、47mg/mL、48mg/mL、49mg/mL、50mg/mL、51mg/mL、52mg/mL、53mg/mL、54mg/mL、55mg/mL、56mg/mL、57mg/mL、58mg/mL、59mg/mL、60mg/mL、61mg/mL、62mg/mL、63mg/mL、64mg/mL、65mg/mL、66mg/mL、67mg/mL、68mg/mL、69mg/mL、70mg/mL、71mg/mL、72mg/mL、73mg/mL、74mg/mL、75mg/mL、76mg/mL、77mg/mL、78mg/mL、79mg/mL、80mg/mL、81mg/mL、82mg/mL、83mg/mL、84mg/mL、85mg/mL、86mg/mL、87mg/mL、88mg/mL、89mg/mL、90mg/mL、91mg/mL、92mg/mL、93mg/mL、94mg/mL、95mg/mL、96mg/mL、97mg/mL、98mg/mL、99mg/mL、もしくは100mg/mLである、およそその濃度である、その濃度以下である、もしくはその濃度よりも高い抗体濃度、または前記濃度のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の濃度で調製される。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、0.3mg/mL、0.8mg/mL、2.8mg/mL、8.4mg/mL、もしくは10mg/mL、または約0.3mg/mL、約0.8mg/mL、約2.8mg/mL、約8.4mg/mL、もしくは約10mg/mLの濃度で調製される。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの濃度で調製される。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの濃度で調製される。
【0089】
本明細書で開示される実施形態のいずれかに適用されているように、抗体医薬製剤は、3か月間に亘って、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の安定性を維持する。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、5℃または25℃/60%相対湿度(RH)において3か月間に亘って、少なくとも60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の安定性を維持する。
【0090】
本明細書で開示される抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有する重鎖可変ドメイン(VH)領域を含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有する軽鎖可変ドメイン(VL)領域を含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域を含み、この抗体は、配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号8の配列を有するVH領域を含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号9の配列を有するVL領域を含む。
いくつかの実施形態において、この抗体は配列番号8の配列を有するVH領域を含み、この抗体は配列番号9の配列を有するVL領域を含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号10の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有する重鎖(HC)を含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号11の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有する軽鎖(LC)を含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号10の配列を有するHCを含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号11の配列を有するLCを含む。いくつかの実施形態において、例示的なVH、VL、HC、およびLCのポリペプチド配列は、
図2Bに図示されているものである。いくつかの実施形態において、この抗体はTB006(4A11.H3L1、IMT006a、IMT006-5)である。2つの配列の同一性(%)は、当該技術分野においては十分に理解されており、保存アミノ酸配列または配列の長さに関連するヌクレオチドの数によって算出できる。
【0091】
本明細書で開示される抗体医薬製剤のいくつかの実施形態において、この抗体またはその成分は、1または複数の核酸にコードされている。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号12の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列にコードされるVHを含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号13の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列にコードされるVLを含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号12の核酸配列によってコードされるVHを含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号13の核酸配列によってコードされるVLを含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号14の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列にコードされるHCを含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号15の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列にコードされるLCを含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号14の核酸配列によってコードされるHCを含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号15の核酸配列によってコードされるLCを含む。いくつかの実施形態において、例示的なVH、VL、HC、およびLCの核酸配列は、
図2Cに図示されているものである。2つの配列の同一性(%)は、当該技術分野においては十分に理解されており、保存アミノ酸配列または配列の長さに関連するヌクレオチドの数によって算出できる。
【0092】
いくつかの実施形態において、医薬製剤としては、水性液分散液、自己乳化型分散液、固溶体、リポソーム分散液、エアゾール剤、固形剤、散剤、即放性製剤、徐放性製剤、速溶性製剤、錠剤、カプセル剤、丸剤、遅延放出製剤、持続放出製剤、パルス放出製剤、多粒子性製剤(例えば、ナノ粒子製剤)、および即放性粒子と徐放性粒子を混合した製剤(mixed immediate and controlled release formulation)が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0093】
いくつかの実施形態において、医薬製剤は、酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、および塩酸などの酸;水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、およびトリスヒロドキシメチルアミノメタンなどの塩基;並びに、クエン酸塩/ブドウ糖、炭酸水素ナトリウム、および塩化アンモニウムなどの緩衝剤を含む、pH調整剤または緩衝剤をさらに含む。このような酸、塩基、および緩衝剤は、製剤のpHを許容可能な範囲内に維持するために必要な量で含まれる。
【0094】
いくつかの実施形態において、医薬製剤は、1または複数の塩を、製剤の重量モル浸透
圧濃度を許容可能な範囲に至らせるために必要な量で含む。このような塩としては、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、またはアンモニウムカチオンと、塩素アニオン、クエン酸アニオン、アスコルビン酸アニオン、ホウ酸アニオン、リン酸アニオン、炭酸水アニオン、硫酸アニオン、チオ硫酸アニオン、または亜硫酸水アニオンと、を有する塩が挙げられ;好適な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、および硫酸アンモニウムが挙げられる。
【0095】
いくつかの実施形態において、化合物を安定化するために使用される希釈剤はより安定な環境を与えることができるため、医薬製剤はそれをさらに含む。当該技術分野においては、緩衝液中に溶解された塩(Salts dissolved in buffered solutions)(これもpH
の制御または維持を可能にする)が希釈剤として使用され、リン酸緩衝生理食塩水が挙げられるがこれらに限定はされない。ある特定の場合においては、希釈剤が製剤の嵩を増加させることで、圧縮を容易にしたり、または、均一に混合しカプセル充填を行うのに十分な嵩をつくる。このような化合物としては、例えば、ラクトース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖、Avicel(登録商標)などの微結晶性セルロース;リン酸水素カルシウム、リン酸二カルシウム二水和物;リン酸三カルシウム、リン酸カルシウム;無水ラクトース、噴霧乾燥ラクトース;アルファ化でんぷん、Di-Pac(登録商標)(アムスター社(Amstar))などの圧縮糖;マンニトール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートステアレート、スクロース系希釈剤、アイシングシュガー(confectioner’s sugar);硫酸カルシウム一水和物、硫酸カルシウム二水和物;乳酸カルシウム三水和物、デキストレート;穀類加水分解物の固形分(hydrolyzed cereal solid)、アミロース;粉末セルロース、炭酸カルシウム;グリシン、カオリン;マンニトール、塩化ナトリウム;イノシトール、ベントナイトなどを挙げることができる。
【0096】
いくつかの実施形態において、医薬製剤は、1または複数の投与経路による対象への投与用に製剤化される、投与経路としては、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、動脈内、皮内、腹腔内、硝子体内、脳内、または脳室内)、経口、鼻腔内、頬側、経直腸、および経皮投与経路が挙げられるが、これらに限定はされない。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の医薬製剤は、非経口(例えば、静脈内、皮下、筋肉内、動脈内、皮内、腹腔内、硝子体内、脳内、または脳室内)投与用に製剤化される。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、静脈内投与用に製剤化される。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、皮下投与用に製剤化される。どの製剤が適切であるかは、どの投与経路が選ばれるかに依存する。本明細書に記載の化合物の製剤化および投与の手法は、当業者に公知である。
【0097】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量を含む。
【0098】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートを含む。
【0099】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートを含み、pH5.3~6.3である。
【0100】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートを含み、pH5.3~6.3である。いくつかの実施形態において、このヒスチジンはL-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、このポリソルベートはポリソルベート80である。いくつかの実施形態において、このヒスチジンはL-ヒスチジンであり、このポリソルベートはポリソルベート80である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量、ヒスチジン、メ
チオニン、NaCl、およびポリソルベートを含み、pH5.3~6.3であり、このヒスチジンはL-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートを含み、pH5.3~6.3であり、このポリソルベートはポリソルベート80である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートを含み、pH5.3~6.3であり、このヒスチジンはL-ヒスチジンであり、このポリソルベートはポリソルベート80である。
【0101】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートを含み、pH5.3~6.3であり、このヒスチジンは10~50mMで存在する。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートを含み、pH5.3~6.3であり、このヒスチジンは20mMで存在する。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートを含み、pH5.3~6.3であり、このメチオニンは2~10mMで存在する。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートを含み、pH5.3~6.3であり、このメチオニンは5mMで存在する。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートを含み、pH5.3~6.3であり、このNaClは50~150mMで存在する。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートを含み、pH5.3~6.3であり、このNaClは100mMで存在する。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートを含み、pH5.3~6.3であり、このポリソルベートは0.01~0.04%で存在する。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートを含み、pH5.3~6.3であり、このポリソルベートは0.02%で存在する。いくつかの実施形態において、このヒスチジンはL-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、またはポリソルベート80である。いくつかの実施形態において、このポリソルベートはポリソルベート80である。いくつかの実施形態において、このpHは5.8である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤はスクロースをさらに含む。いくつかの実施形態において、このスクロースは2%~5%で存在する。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤はマンニトールをさらに含む。いくつかの実施形態において、このマンニトールは2%~5%で存在する。
【0102】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む抗体の治療有効量、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、並びにポリソルベートを含み、pH5.3~6.3である。
【0103】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む抗体の治療有効量、20mMで存在するヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、並びに0.02%で存在するポリソルベートを含み、pH5.3~6.3である。
【0104】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1
、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む抗体の治療有効量、20mMで存在するヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、並びに0.02%で存在するポリソルベートを含み、約pH5.8である。
【0105】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、並びに0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pH5.3~6.3である。
【0106】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、並びに0.02%で存在するポリソルベート80を含み、約pH5.8である。
【0107】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、または7500mgという量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、並びに0.02%で存在するポリソルベートを含み、pH5.3~6.3である。
【0108】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、または7500mgという量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、並びに0.02%で存在するポリソルベートを含み、約pH5.8である。
【0109】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、または7500mgという量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、並びに0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pH5.3~6.3である。
【0110】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1
、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、または7500mgという量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、並びに0.02%で存在するポリソルベート80を含み、約pH5.8である。
【0111】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、または7500mgという量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、並びに0.02%で存在するポリソルベートを含み、pH5.3~6.3である。
【0112】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、または7500mgという量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、並びに0.02%で存在するポリソルベートを含み、約pH5.8である。
【0113】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、または7500mgという量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、並びに0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pH5.3~6.3である。
【0114】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、または7500mgという量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、並びに0.02%で存在するポリソルベート80を含み、約pH5.8である。
【0115】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1
、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として70mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0116】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として75mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0117】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として140mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0118】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として200mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0119】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として420mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0120】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として450mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0121】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号
7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として700mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0122】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として1500mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0123】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として2100mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0124】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として3750mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0125】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として5000mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0126】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として7500mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0127】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として70mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで
存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0128】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として75mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0129】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として140mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0130】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として200mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0131】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として420mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0132】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として450mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0133】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として700mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0134】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として1500mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0135】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として2100mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0136】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として3750mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0137】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として5000mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0138】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として7500mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0139】
例示的な製造品およびキット
いくつかの実施形態において、抗体の治療有効量を含み得る抗体医薬製剤を含む滅菌バイアルが提供される。いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、本明細書で開示される抗体医薬製剤のうちのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートをさらに含むことがある。いくつかの実施形態において、製剤は、pH5.3
~6.3であり得る。いくつかの実施形態において、この抗体は抗Gal3抗体であることがある。いくつかの実施形態において、この抗体は、本明細書で開示される抗Gal3抗体、または、国際公開第2020/160156号で開示されたものなどの、当該技術分野において公知の他のものであることがある。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有する重鎖可変ドメイン(VH)領域を含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有する軽鎖可変ドメイン(VL)領域を含む。いくつかの実施形態において、上記製剤は、列挙されたものに対して追加の成分および/または賦形剤を含むこともあり、あるいは、明確に記載されているオプションのうちの1または複数を排除していることもある。いくつかの実施形態において、この成分および/または賦形剤は、同じ結果を達成するように機能する1または複数の代替物と置き換えられることがあり、あるいは、追加でそれと共に使用されることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、適切なpKaを有する代替緩衝剤と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、同じ緩衝能を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、別のアミノ酸と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、同一または類似の抗体保護作用を示す代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、抗体の凝集を低減する同一または類似の能力を示す代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、本明細書で提供される特性のうちの任意の1つまたは複数を示し得る代替を含む、同一または類似の凍結保護能を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、適切なpKaを有する代替緩衝剤と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、同一の緩衝能を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、別のアミノ酸と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、同一または類似の抗酸化作用を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、同一の抗体保護作用を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、同一または類似のタンパク質安定化作用を有する代替に置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、本明細書で提供される特性のうちの任意の1つまたは複数を示し得る代替を含む、抗体の凝集を低減する同一または類似の能力を示す代替に置き換えられることがある。このヒスチジンおよび/またはメチオニンの代替は、アルギニンもしくはグリシンなどの本明細書で提供されるもののうちのいずれか、または当該技術分野において公知の他のものである場合がある。いくつかの実施形態において、このNaClは、別の塩と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このNaClは、同一または類似の水溶解性を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このNaClは、製剤等張性に対し同一または類似の作用を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このNaClは、本明細書で提供される特性のうちの1つまたは複数を示し得る代替を含む、同一または類似のタンパク質安定化作用を有する代替と置き換えられることがある。このNaClの代替は、他の塩化物塩、他のナトリウム塩、アスコルビン酸塩、酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、トリス塩、もしくはコハク酸塩などの本明細書で提供されるもののうちのいずれか、または当該技術分野において公知の他のものである場合がある。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、別の界面活性剤および/または洗剤と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、同一または類似の界面活性能/作用を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、抗体および/または他の賦形剤を可溶化する同一または類似の能力を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、抗体の凝集を低減する同一または類似の能力を有する代替と置き換えられることがある。い
くつかの実施形態において、このポリソルベートは、本明細書で提供される特性のうちの1つまたは複数を示し得る代替を含む、同一または類似のタンパク質安定化作用を有する代替と置き換えられることがある。このポリソルベートの代替は、ポロキサマー188などの本明細書で提供されるもののうちのいずれか、または当該技術分野において公知の他のものである場合がある。いくつかの実施形態において、pHは酸性であることがある。いくつかの実施形態において、pHは塩基性であることがある。いくつかの実施形態において、pHは様々であることがある。いくつかの実施形態において、pHは、製剤中に使用されている成分、賦形剤、および/または緩衝剤、並びに、使用されている抗体種の詳細、および/または使用されている抗体、成分、もしくは賦形剤の量に則り、増減されることがある。いくつかの実施形態において、pHは、抗体、成分、または賦形剤を添加後に所望のpHに増減されることがある。本明細書において企図される代替は、本開示中で提供された賦形剤、希釈剤、塩、緩衝剤などのうちのいずれか1つまたは複数である場合がある。
【0140】
本明細書で提供される抗体医薬製剤を含む滅菌バイアルの実施形態のいずれかにおいて、ヒスチジンはL-ヒスチジン、D-ヒスチジン、またはラセミ体ヒスチジンである。本明細書で提供される抗体医薬製剤の実施形態のいずれかにおいて、ヒスチジンはラセミ体ヒスチジンである。本明細書で提供される抗体医薬製剤の実施形態のいずれかにおいて、ヒスチジンはD-ヒスチジンである。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、適切なpKaを有する代替緩衝剤と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、同じ緩衝能を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、別のアミノ酸と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、同一または類似の抗体保護作用を示す代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、抗体の凝集を低減する同一または類似の能力を示す代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、本明細書で提供される特性のうちの1つまたは複数を示し得る代替を含む、同一または類似の凍結保護能を有する代替と置き換えられることがある。ヒスチジンの代替は、アルギニンもしくはグリシンなどの本明細書で提供されるもののうちのいずれか、または当該技術分野において公知の他のものである場合がある。
【0141】
本明細書で提供される抗体医薬製剤を含む滅菌バイアルの実施形態のいずれかにおいて、ヒスチジンは、10~50mM、例えば10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、または50mMで存在する。いくつかの実施形態において、このヒスチジンは、20mMまたは約20mMで存在する。いくつかの実施形態において、このヒスチジンがL-ヒスチジンである場合、このL-ヒスチジンは、10~50mM、例えば10mM、15mM、20mM、25mM、30mM、35mM、40mM、45mM、または50mMで存在する。いくつかの実施形態において、このヒスチジンがL-ヒスチジンである場合、このL-ヒスチジンは、20mMまたは約20mMで存在する。
【0142】
本明細書で提供される抗体医薬製剤を含む滅菌バイアルの実施形態のいずれかにおいて、このメチオニンはL-メチオニンである。本明細書で提供される抗体医薬製剤の実施形態のいずれかにおいて、このメチオニンはラセミ体メチオニンである。本明細書で提供される抗体医薬製剤の実施形態のいずれかにおいて、このメチオニンはD-メチオニンである。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、適切なpKaを有する代替緩衝剤と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、同一の緩衝能を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、別のアミノ酸と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、同一または類似の抗酸化作用を有する代替と置き換えられることがあ
る。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、同一の抗体保護作用を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、同一または類似のタンパク質安定化作用を有する代替に置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、本明細書で提供される特性のうちの1つまたは複数を示し得る代替を含む、抗体の凝集を低減する同一または類似の能力を示す代替に置き換えられることがある。メチオニンの代替は、アルギニンもしくはグリシンなどの本明細書で提供されるもののうちのいずれか、または当該技術分野において公知の他のものである場合がある。
【0143】
本明細書で提供される抗体医薬製剤を含む滅菌バイアルの実施形態のいずれかにおいて、このメチオニンは、2~10mM、例えば2mM、3mM、4mM、5mM、6mM、7mM、8mM、9mM、または10mMで存在する。いくつかの実施形態において、このメチオニンは、5mMまたは約5mMで存在する。
【0144】
本明細書で提供される抗体医薬製剤を含む滅菌バイアルの実施形態のいずれかにおいて、NaClは、50~150mM、例えば50mM、60mM、70mM、80mM、90mM、100mM、110mM、120mM、130mM、140mM、または150mMで存在する。いくつかの実施形態において、このNaClは、100mMで存在する。いくつかの実施形態において、このNaClは、別の塩と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このNaClは、同一または類似の水溶解性を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このNaClは、製剤等張性に対し同一または類似の作用を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このNaClは、本明細書で提供される特性のうちの1つまたは複数を示し得る代替を含む、同一または類似のタンパク質安定化作用を有する代替と置き換えられることがある。このNaClの代替は、他の塩化物塩、他のナトリウム塩、アスコルビン酸塩、酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩、トリス塩、もしくはコハク酸塩などの本明細書で提供されるもののうちのいずれか、または当該技術分野において公知の他のものである場合がある。
【0145】
本明細書で提供される抗体医薬製剤を含む滅菌バイアルの実施形態のいずれかにおいて、このポリソルベートは、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート80、またはこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、ポリソルベート80を含むか、それから本質的になるか、またはそれからなる。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、0.01%~0.04%、例えば0.01%、0.02%、0.03%、または0.04%で存在する。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、約0.01%~約0.04%、例えば約0.01%、約0.02%、約0.03%、または約0.04%で存在する。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、0.02%または約0.02%で存在する。いくつかの実施形態において、このポリソルベートがポリソルベート80である場合、このポリソルベート80は、0.01%~0.04%、例えば0.01%、0.02%、0.03%、または0.04%で存在する。いくつかの実施形態において、このポリソルベートがポリソルベート80である場合、このポリソルベート80は、約0.01%~約0.04%、例えば約0.01%、約0.02%、約0.03%、または約0.04%で存在する。いくつかの実施形態において、このポリソルベート80は、0.02%または約0.02%で存在する。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、別の界面活性剤および/または洗剤と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、同一または類似の界面活性能/作用を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、抗体および/または他の賦形剤を可溶化する同一または類似の能力を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、抗体の凝集を
低減する同一または類似の能力を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このポリソルベートは、本明細書で提供される特性のうちの1つまたは複数を示し得る代替を含む、同一または類似のタンパク質安定化作用を有する代替と置き換えられることがある。このポリソルベートの代替は、ポロキサマー188などの本明細書で提供されるもののうちのいずれか、または当該技術分野において公知の他のものである場合がある。
【0146】
本明細書で提供される抗体医薬製剤を含む滅菌バイアルの実施形態のいずれかにおいて、pHは約5.8である。いくつかの実施形態において、pHは5.8である。いくつかの実施形態において、pHは酸性であることがある。いくつかの実施形態において、pHは塩基性であることがある。いくつかの実施形態において、pHは様々であることがある。いくつかの実施形態において、pHは、製剤中に使用されている成分、賦形剤、および/または緩衝剤、並びに、使用されている抗体種の詳細、および/または使用されている抗体、成分、もしくは賦形剤の量に則り、増減されることがある。いくつかの実施形態において、pHは、抗体、成分、または賦形剤を添加後に所望のpHに増減されることがある。
【0147】
本明細書で提供される抗体医薬製剤を含む滅菌バイアルの実施形態のいずれかにおいて、製剤は、本明細書で開示される糖もしくは糖アルコールのうちの任意の1つ、または当該技術分野において公知の他のものを包含する、1もしくは複数の糖もしくは1もしくは複数の糖アルコール、またはその両方をさらに含む。いくつかの実施形態において、この1または複数の糖は、スクロースを含む。いくつかの実施形態において、この1または複数の糖アルコールは、マンニトールを含む。いくつかの実施形態において、製剤は、スクロースもしくはマンニトール、またはその両方を含む。いくつかの実施形態において、製剤は、スクロースおよびマンニトールを含む。いくつかの実施形態において、このスクロースおよび/またはマンニトールは、別の糖および/または糖アルコールと置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このスクロースおよび/またはマンニトールは、同一または類似の抗体保護作用を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このスクロースおよび/またはマンニトールは、抗体の凝集を低減する同一または類似の能力を示す代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このスクロースおよび/またはマンニトールは、同一または類似の凍結保護能を有する代替と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このスクロースおよび/またはマンニトールは、本明細書で提供される特性のうちの1つまたは複数を示し得る代替を含む、等張性に対し同一の作用を有する代替と置き換えられることがある。このスクロースおよび/またはマンニトールの代替は、ソルビトール、トレハロース、ブドウ糖、デキストラン、もしくはデキストラン40などの、本明細書で提供されるもののうちのいずれか、または当該技術分野において公知の他のものである場合がある。
【0148】
いくつかの実施形態において、この1もしくは複数の糖または1もしくは複数の糖アルコールは、2%~5%、例えば2%、3%、4%、または5%で存在する。いくつかの実施形態において、この1もしくは複数の糖または1もしくは複数の糖アルコールは、約2%~約5%、例えば約2%、約3%、約4%、または約5%で存在する。この糖がスクロースであるいくつかの実施形態において、このスクロースは、2%~5%または約2%~5%で存在する。この糖アルコールがマンニトールであるいくつかの実施形態において、このマンニトールは、2%~5%または約2%~5%で存在する。
【0149】
本明細書で提供される抗体医薬製剤を含む滅菌バイアルの実施形態のいずれかにおいて、製剤は非経口投与用に構成される。いくつかの実施形態において、製剤は皮下投与用に構成される。いくつかの実施形態において、皮下投与用に構成された製剤は、1もしくは複数の糖および/または1もしくは複数の糖アルコールを含む。いくつかの実施形態にお
いて、皮下投与用に構成された製剤は、スクロースもしくはマンニトール、またはその両方を含む。いくつかの実施形態において、製剤は静脈内投与用に構成される。いくつかの実施形態において、静脈内投与用に構成された製剤は、1もしくは複数の糖および/または1もしくは複数の糖アルコールを含まない。いくつかの実施形態において、静脈内投与用に構成された製剤は、スクロースもしくはマンニトール、またはその両方を含まない。
【0150】
抗Gal3抗体などの抗体の治療有効量を含む抗体医薬製剤を含む滅菌バイアルには、いくつかの実施形態がある(In some embodiments are sterile vials comprising a pharmaceutical antibody formulation comprising a therapeutically effective amount of an antibody, such as an anti-Gal3 antibody)。いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、本明細書で開示される抗体医薬製剤のうちのいずれかを含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体の治療有効量を含む。いくつかの実施形態において、抗体は抗Gal3抗体である。いくつかの実施形態において、抗体は本明細書で開示される抗Gal3抗体のうちのいずれか1つであるか、または、国際公開第2020/160156号に記載のものなどの、当該技術分野において公知の他のものである。いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む。いくつかの実施形態において、滅菌バイアル内の抗体医薬製剤は、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートをさらに含む。いくつかの実施形態において、滅菌バイアル内の抗体医薬製剤は、pH5.3~6.3である。いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、1mL、2mL、3mL、4mL、5mL、6mL、7mL、8mL、9mL、または10mLの滅菌バイアルである。いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは5mL滅菌バイアルである。いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは10mL滅菌バイアルである。いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、1mL、2mL、3mL、4mL、5mL、6mL、7mL、8mL、9mL、または10mLの抗体医薬製剤を含有する。いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、2mLまたは少なくとも2mLの抗体医薬製剤を含有する。いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、8mLまたは少なくとも8mLの抗体医薬製剤を含有する。いくつかの実施形態において、滅菌バイアル内の抗体医薬製剤は、本明細書で開示される抗体医薬製剤のうちのいずれか1つの濃縮形態である。いくつかの実施形態において、滅菌バイアル内の抗体医薬製剤の濃縮形態は、10mg/mL、11mg/mL、12mg/mL、13mg/mL、14mg/mL、15mg/mL、16mg/mL、17mg/mL、18mg/mL、19mg/mL、20mg/mL、21mg/mL、22mg/mL、23mg/mL、24mg/mL、25mg/mL、26mg/mL、27mg/mL、28mg/mL、29mg/mL、30mg/mL、31mg/mL、32mg/mL、33mg/mL、34mg/mL、35mg/mL、36mg/mL、37mg/mL、38mg/mL、39mg/mL、40mg/mL、41mg/mL、42mg/mL、43mg/mL、44mg/mL、45mg/mL、46mg/mL、47mg/mL、48mg/mL、49mg/mL、50mg/mL、51mg/mL、52mg/mL、53mg/mL、54mg/mL、55mg/mL、56mg/mL、57mg/mL、58mg/mL、59mg/mL、60mg/mL、61mg/mL、62mg/mL、63mg/mL、64mg/mL、65mg/mL、66mg/mL、67mg/mL、68mg/mL、69mg/mL、70mg/mL、71mg/mL、72mg/mL、73mg/mL、74mg/mL、75mg/mL、76mg/mL、77mg/mL、78mg/mL、79mg/mL、80mg/mL、81mg/mL、82mg/mL、83mg/mL、84mg/mL、85mg/mL、86mg/mL、87mg/mL、88mg/mL、89mg/mL、90mg/mL、91mg/mL、92mg/mL、93mg/mL、94mg/mL、95mg/mL、96mg/mL、97mg/mL、98mg/mL、99mg/mL、または100mg/mLの濃度である。いくつかの
実施形態において、滅菌バイアル内の抗体医薬構成(pharmaceutical antibody formation)の濃縮形態は、20mg/mLまたは約20mg/mLまたは少なくとも20mg/mLの濃度である。いくつかの実施形態において、滅菌バイアル内の抗体医薬製剤の濃縮形態は、50mg/mLまたは約50mg/mLまたは少なくとも50mg/mLの濃度である。いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、10mg/mL、11mg/mL、12mg/mL、13mg/mL、14mg/mL、15mg/mL、16mg/mL、17mg/mL、18mg/mL、19mg/mL、20mg/mL、21mg/mL、22mg/mL、23mg/mL、24mg/mL、25mg/mL、26mg/mL、27mg/mL、28mg/mL、29mg/mL、30mg/mL、31mg/mL、32mg/mL、33mg/mL、34mg/mL、35mg/mL、36mg/mL、37mg/mL、38mg/mL、39mg/mL、40mg/mL、41mg/mL、42mg/mL、43mg/mL、44mg/mL、45mg/mL、46mg/mL、47mg/mL、48mg/mL、49mg/mL、50mg/mL、51mg/mL、52mg/mL、53mg/mL、54mg/mL、55mg/mL、56mg/mL、57mg/mL、58mg/mL、59mg/mL、60mg/mL、61mg/mL、62mg/mL、63mg/mL、64mg/mL、65mg/mL、66mg/mL、67mg/mL、68mg/mL、69mg/mL、70mg/mL、71mg/mL、72mg/mL、73mg/mL、74mg/mL、75mg/mL、76mg/mL、77mg/mL、78mg/mL、79mg/mL、80mg/mL、81mg/mL、82mg/mL、83mg/mL、84mg/mL、85mg/mL、86mg/mL、87mg/mL、88mg/mL、89mg/mL、90mg/mL、91mg/mL、92mg/mL、93mg/mL、94mg/mL、95mg/mL、96mg/mL、97mg/mL、98mg/mL、99mg/mL、または100mg/mLの抗体濃度である、1mL、2mL、3mL、4mL、5mL、6mL、7mL、8mL、9mL、または10mLの抗体医薬製剤の濃縮形態を含有する。いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、10mg、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mg、210mg、220mg、230mg、240mg、250mg、260mg、270mg、280mg、290mg、300mg、310mg、320mg、330mg、340mg、350mg、360mg、370mg、380mg、390mg、400mg、410mg、420mg、430mg、440mg、450mg、460mg、470mg、480mg、490mg、500mg、510mg、520mg、530mg、540mg、550mg、560mg、570mg、580mg、590mg、600mg、610mg、620mg、630mg、640mg、650mg、660mg、670mg、680mg、690mg、700mg、710mg、720mg、730mg、740mg、750mg、760mg、770mg、780mg、790mg、800mg、810mg、820mg、830mg、840mg、850mg、860mg、870mg、880mg、890mg、900mg、910mg、920mg、930mg、940mg、950mg、960mg、970mg、980mg、990mg、もしくは1000mgの抗体、または前記量のうちの任意の2つによって規定される範囲内の抗体量を含む。いくつかの実施形態において、滅菌バイアル内の抗体医薬製剤の濃縮形態は、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、17倍、18倍、19倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、もしくは100倍、または前記倍率のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の倍率に希釈されることが意図されている。いくつかの実施形態において、滅菌バイアル内の抗体医薬製剤の濃縮形態は、0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.4mg/mL、0.5mg/mL、0.6mg/mL、0.7mg/mL、0.8mg/mL、0.9mg/mL、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg
/mL、6mg/mL、7mg/mL、8mg/mL、9mg/mL、10mg/mL、11mg/mL、12mg/mL、13mg/mL、14mg/mL、15mg/mL、16mg/mL、17mg/mL、18mg/mL、19mg/mL、もしくは20mg/mL、または前記濃度のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の濃度に希釈されることが意図されている。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤の濃縮形態は、200mL、210mL、220mL、230mL、240mL、250mL、260mL、270mL、280mL、290mL、300mL、310mL、320mL、330mL、340mL、350mL、360mL、370mL、380mL、390mL、400mL、410mL、420mL、430mL、440mL、450mL、460mL、470mL、480mL、490mL、500mL、510mL、520mL、530mL、540mL、550mL、560mL、570mL、580mL、590mL、もしくは600mLの最終体積、または前記体積のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の体積に希釈されることが意図されている。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤の濃縮形態は、250mLまたは500mLの最終体積に希釈されることが意図されている。いくつかの実施形態において、滅菌バイアル内の抗体医薬製剤の濃縮形態は、生理食塩水で希釈されることが意図されている。いくつかの実施形態において、この生理食塩水は0.9%生理食塩水である。いくつかの実施形態において、滅菌バイアル内の抗体医薬製剤は、非経口投与用に構成される。いくつかの実施形態において、滅菌バイアル内の抗体医薬製剤は、皮下投与用に構成される。いくつかの実施形態において、皮下投与用に構成された滅菌バイアル内の抗体医薬製剤は、スクロースもしくはマンニトール、またはその両方を含む。いくつかの実施形態において、滅菌バイアル内の抗体医薬製剤は、静脈内投与用に構成される。いくつかの実施形態において、静脈内投与用に構成された滅菌バイアル内の抗体医薬製剤は、スクロースもしくはマンニトール、またはその両方を含まない。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、3か月間に亘って、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の安定性を維持する。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、5℃または25℃/60%相対湿度(RH)において3か月間に亘って、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%、または100%の安定性を維持する。
【0151】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として70mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0152】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として75mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態に
おいて、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0153】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として140mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0154】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として200mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0155】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として420mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0156】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として450mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mL、約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0157】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として700mgの量で存在する、抗体の
治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0158】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として1500mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0159】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として2100mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0160】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として3750mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0161】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として5000mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実
施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0162】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として7500mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0163】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として70mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0164】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として75mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0165】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として140mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃
度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0166】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として200mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0167】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として420mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0168】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として450mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0169】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として700mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0170】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として1500mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0171】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として2100mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0172】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として3750mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0173】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として5000mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0174】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、配列番号8の配列に対し少なくとも8
0%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として7500mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である、抗体医薬製剤、または上記抗体医薬製剤の濃縮形態を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は濃縮形態である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mg/mLまたは約20mg/mLの抗体濃度である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、50mg/mLまたは約50mg/mLの抗体濃度である。
【0175】
いくつかの実施形態において、滅菌バイアルは、チューブ、袋、パック、シリンジ、またはディスペンサーなどの別の好適な容器と置き換えられることがある。いくつかの実施形態において、このバイアルまたは別の容器は、使用のためのキット内に含まれる場合がある。いくつかの実施形態において、このキットは、本明細書で開示される方法におけるその使用に関連する、識別用の記載、ラベル、または説明書を含む場合がある。いくつかの実施形態において、このキットはまた、ヒトまたは動物投与のための薬剤の形式の承認を示す、医薬品の製造、使用、または販売を規制する政府機関によって規定された通知を含む。
【0176】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、pHが5.7~5.9または約5.7~5.9であることがある。いくつかの実施形態において、製剤は、a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、pHが5.7~5.9または約5.7~5.9を示す。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0177】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、分子ふるいクロマトグラフィー(SEC)により求められた場合に、97.5~99.7%または約97.5~99.7%の単量体純度を有することがある。いくつかの実施形態において、製剤は、a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、SECにより求められた場合に、97.5~99.7%または約97.5~99.7%の単量体純度を示す。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0178】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、キャピラリー等電点電気泳動法(cIEF)で求められた場合に、7
.0または約7.0のpIを有することがある。いくつかの実施形態において、製剤は、a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、キャピラリー等電点電気泳動法(cIEF)で求められた場合に、7.0または約7.0のpIを示す。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0179】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、15.0~54.7%または約15.0~54.7%というcIEFにおける酸性側ピークを有することがある。いくつかの実施形態において、製剤は、a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、15.0~54.7%または約15.0~54.7%というcIEFにおける酸性側ピークを示す。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0180】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、39.7~78.8%または約39.7~78.8%というcIEFにおける主ピークを有することがある。いくつかの実施形態において、製剤は、a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、39.7~78.8%または約39.7~78.8%というcIEFにおける主ピークを示す。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0181】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、5.5~8.9%または約5.5~8.9%というcIEFにおける塩基性側ピークを有することがある。いくつかの実施形態において、製剤は、a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、5.5~8.9%または約5.5~8.9%というcIEFにおける塩基性側ピークを示す。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あ
るいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0182】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、98.1~100%または約98.1~100%という非還元型(NR)単量体のピークを有することがある。いくつかの実施形態において、製剤は、a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、キャピラリー電気泳動法(CE)で求められた場合に、98.1~100%または約98.1~100%という非還元型(NR)単量体のピークを示す。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0183】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、CEにより求められた場合に、97.8~100%または約97.8~100%という還元型(R)の重鎖および軽鎖(HC+LC)のピークを有する。いくつかの実施形態において、製剤は、a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、CEにより求められた場合に、97.8~100%または約97.8~100%という還元型(R)の重鎖および軽鎖(HC+LC)のピークを示す。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0184】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、バイオレイヤー干渉(BLI)により測定された場合に、1.7~4.2または約1.7~4.2という解離定数(KD)を有する。いくつかの実施形態において、製剤は、a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、バイオレイヤー干渉(BLI)により測定された場合に、1.7~4.2または約1.7~4.2という解離定数(KD)を示す。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0185】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、cIEFにより求められた場合に、7.0または約7.0のpIを有する。いくつかの実施形態において、製剤は、a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か
月保存された場合に、cIEFにより求められた場合に、7.0または約7.0のpIを示す。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0186】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、17~26%または約17~26%というcIEFにおける酸性側ピークを有する。いくつかの実施形態において、製剤は、a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、17~26%または約17~26%というcIEFにおける酸性側ピークを示す。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0187】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、66~77%または約66~7%というcIEFにおける主ピークを有する。いくつかの実施形態において、製剤は、a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、66~77%または約66~7%というcIEFにおける主ピークを示す。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0188】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、6~8%または約6~8%というcIEFにおける塩基性側ピークを有する。いくつかの実施形態において、製剤は、a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、6~8%または約6~8%というcIEFにおける塩基性側ピークを示す。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0189】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、超高速液体クロマトグラフィー-分子ふるいクロマトグラフィー(UPLC-SEC)で求められた場合に、99.3~99.5%または約99.3~99.5%という単量体純度を有する。いくつかの実施形態において、製剤は、a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、超高速液体クロマトグラフィー-分子ふるいクロマトグラフィー(UPLC-SEC)で求められた場合に、99.3~99.5%または約99.3~99.5%という単量体純度を示す。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0190】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、CEにより求められた場合に、98~99%または約98~99%という非還元型(NR)単量体のピークを有する。いくつかの実施形態において、製剤は、a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、CEにより求められた場合に、98~99%または約98~99%という非還元型(NR)単量体のピークを示す
。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0191】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、CEにより求められた場合に、99.1~100%または約99.1~100%という還元型(R)の重鎖および軽鎖(HC+LC)のピークを有する。いくつかの実施形態において、製剤は、a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、CEにより求められた場合に、99.1~100%または約99.1~100%という還元型(R)の重鎖および軽鎖(HC+LC)のピークを示す。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0192】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、バイオレイヤー干渉(BLI)により測定された場合に、2.0~3.7nMまたは約2.0~3.7nMという解離定数(KD)を有する。いくつかの実施形態において、製剤は、a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、バイオレイヤー干渉(BLI)により測定された場合に、2.0~3.7nMまたは約2.0~3.7nMという解離定数(KD)を示す。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0193】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、ELISAにより求められた場合に、1.2~2.5μg/mLまたは約1.2~2.5μg/mLというIC50を有する。いくつかの実施形態において、製剤は、a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、ELISAにより求められた場合に、1.2~2.5μg/mLまたは約1.2~2.5μg/mLというIC50を示す。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0194】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、5.8~5.9または約5.8~5.9のpHを有する。いくつかの実施形態において、製剤は、a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、5.8~5.9または約5.8~5.9というpHを示す。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0195】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、粒子を本質的に含まない無色透明の溶液という外観を含んでいる。いくつかの実施形態において、製剤は、a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、粒子を本質的に含まない無色透明の溶液という外観を含んでいる。これは、
開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0196】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、226~231mOsm/kgまたは約226~231mOsm/kgという重量モル浸透圧濃度を有する。いくつかの実施形態において、製剤は、a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、226~231mOsm/kgまたは約226~231mOsm/kgという重量モル浸透圧濃度を示す。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0197】
本開示の製剤(本明細書で提供される滅菌バイアルの実施形態の中に貯蔵されたもの、および実施例2~3に記載されるものを含む)のうちのいずれか1つは、抗Gal3抗体を含むことがあり、無菌のままであり、且つ/または菌体内毒素を含まない。いくつかの実施形態において、製剤は、a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、無菌のままであり、且つ/または菌体内毒素を含まない。これは、開示された製剤のうちのいずれかであることがあり、あるいは、他の実施形態においては、これらの特性を満たす任意の製剤であることがある。
【0198】
いくつかの実施形態において、本明細書で開示される抗体医薬製剤のいずれかが、治療用途のために投与される。いくつかの実施形態において、これらは、アルツハイマー病などの神経障害もしくはプロテオパチー、または前記疾患と関連した炎症の治療のために使用されることがある。
【0199】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として70mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0200】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として75mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0201】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として140mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0202】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として200mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0203】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として420mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0204】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として450mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0205】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として700mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0206】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として1500mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0207】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として2100mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0208】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号
2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として3750mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0209】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として5000mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0210】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、単位用量として7500mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0211】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として70mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0212】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として75mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0213】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として140mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0214】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、
85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として200mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0215】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として420mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0216】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として450mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0217】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として700mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0218】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として1500mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0219】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として2100mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0220】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として3750mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存
在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0221】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として5000mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0222】
いくつかの実施形態において、治療用途のために投与される抗体医薬製剤は、配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域、および配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含み、単位用量として7500mgの量で存在する、抗体の治療有効量、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、0.02%で存在するポリソルベート80を含み、pHが約5.8である。
【0223】
いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、1日1回、1日2回、1日3回、またはそれ以上の回数、投与される。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、毎日(daily)、1日毎(every day)、2日毎(every alternate day)、10日毎、週5日、
週1回、隔週、月2週、月3週、月1回、月2回、月3回、またはそれ以上の回数、投与される。抗体医薬製剤は、少なくとも1か月間、2か月間、3か月間、4か月間、5か月間、6か月間、7か月間、8か月間、9か月間、10か月間、11か月間、12か月間、13か月間、14か月間、15か月間、16か月間、17か月間、18か月間、19か月間、20か月間、2年間、3年間、またはそれ以上の期間、投与される。
【0224】
患者の状態が改善されている場合、医師の判断で、抗体医薬製剤の投与は継続的に行われ;あるいは、投与中の抗体医薬製剤の投薬が一時的に減らされるか、またはある特定の期間一時的に中止される(alternatively, the dose of the pharmaceutical antibody formulation being administered is temporarily reduced or temporarily suspended for a certain length of time)(すなわち、「休薬期間」)。いくつかの実施形態において、休薬期間の長さは2日間から1年間の間で変動する。いくつかの実施形態において、休薬期間の長さは、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、10日間、12日間、15日間、20日間、28日間、35日間、50日間、70日間、100日間、120日間、150日間、180日間、200日間、250日間、280日間、300日間、320日間、350日間、もしくは365日間、または前記時間のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の長さである。休薬期間中の投薬の減少は10%~100%である場合がある(The dose reduction during a drug holiday may be from 10%-100%)。いくつかの実施形態において、休薬期間中の投薬の減少は、10%、15%、20
%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、もしくは100%、または前記パーセンテージのうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意のパーセンテージである場合がある。
【0225】
患者の状態の改善が起こってから、必要であれば、維持量が投与される。その後、症状に応じて、治療された疾患、障害、または状態が維持されるレベルに、投与量もしくは投与頻度、またはその両方が減らされることがある。
【0226】
いくつかの実施形態において、そのような量に対応する所与の薬剤の量は、特定の化合物、疾患の重症度、治療を必要としている対象またはホストの独自性(identity)(例えば、体重)などの要因に応じて変わるものではあるが、通例、例えば、投与中の特定の薬剤、投与経路、および治療中の対象またはホストを含む、その症例を取り巻く特定の状況に従って、当該技術分野において公知の方法で求められる。いくつかの実施形態において、目的とする用量は、単回投与で与えられるか、または、同時に(または短期間に亘って)、もしくは、適切な間隔をおいて、例えば、1日に2回、3回、4回、もしくはそれ以上の分割量として投与される分割投与として与えられることが好都合である。
【0227】
個々の治療レジメ(regime)に関する変数の数は多く、これらの推奨値からかなり逸脱することも珍しいことではないため、上記の範囲は単なる提示である。このような用量は、使用される化合物の活性、治療される疾患または状態、投与様式、個々の対象の要求、治療されている疾患または状態の重症度、および実施者の判断に限定されない、変数の数に依存して変化する。
【0228】
いくつかの実施形態において、LD50(集団の50%にとって致死となる用量)およびED50(集団の50%において治療効果のある用量)の測定が挙げられるが、これらに限定はされない、このような治療計画の毒性および治療効果が、細胞培養物または実験動物において、標準的な薬学的手順により求められる。この毒性効果と治療効果の用量比が治療指数であり、治療指数はLD50とED50の比として表される。高い治療指数を示す化合物が好ましい。この細胞培養アッセイおよび動物試験から得られたデータは、ヒトで使用する場合の用量域を求める際に使用される。このような化合物の用量は、好ましくは、ED50を含む血中濃度の範囲内にあり、毒性は最小限である。用量は、採用される剤形および使用される投与経路に応じて、この範囲内で変更される。
【0229】
本明細書で開示される方法のうちのいずれかに適用されているように、いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、経腸、経口、鼻腔内、非経口、頭蓋内、皮下、筋肉内、皮内、もしくは静脈内に、またはこれらの任意の組み合わせで、投与される。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、静脈内または皮下に投与される。いくつかの実施形態では、対象は哺乳動物である。いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【0230】
いくつかの実施形態において、本明細書で提供される抗体医薬組成物のうちのいずれかが、アルツハイマー病を治療するための方法において使用される。いくつかの実施形態において、この方法は、本明細書で開示される抗体医薬組成物のうちのいずれかを、アルツハイマー病の治療を必要としている対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、この方法は、投与後の対象におけるアルツハイマー病の改善を検出することをさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、毎日、毎週、隔週、または10日毎に投与される。いくつかの実施形態において、抗体医薬組成物は、抗体の治療有効量を含む。いくつかの実施形態において、抗体は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2;および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬組成物は、ヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートをさらに含み、この製剤はpH5.3~6.3である。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、スクロース、マンニトール、またはその両方をさらに含む。いくつかの実施形態において、対象は、単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、もしくは7500mgの抗体、または単位用量として前記量のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の量の抗体を投与される。いくつかの実施形態において、対象は、単位用量として70mgの抗体を投与される。いくつかの実施形態において、対象は、単位用量として
75mgの抗体を投与される。いくつかの実施形態において、対象は、単位用量として140mgの抗体を投与される。いくつかの実施形態において、対象は、単位用量として200mgの抗体を投与される。いくつかの実施形態において、対象は、単位用量として420mgの抗体を投与される。いくつかの実施形態において、対象は、単位用量として450mgの抗体を投与される。いくつかの実施形態において、対象は、単位用量として700mgの抗体を投与される。いくつかの実施形態において、対象は、単位用量として1500mgの抗体を投与される。いくつかの実施形態において、対象は、単位用量として2100mgの抗体を投与される。いくつかの実施形態において、対象は、単位用量として3750mgの抗体を投与される。いくつかの実施形態において、対象は、単位用量として5000mgの抗体を投与される。いくつかの実施形態において、対象は、単位用量として7500mgの抗体を投与される。いくつかの実施形態において、この単位用量は、10分間、20分間、30分間、40分間、50分間、60分間、70分間、80分間、90分間、100分間、120分間、130分間、140分間、150分間、160分間、170分間、180分間、190分間、もしくは200分間、または前記時間のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の時間の間に投与される。いくつかの実施形態において、この単位用量は、60分間の間に投与される。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、抗体が0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.4mg/mL、0.5mg/mL、0.6mg/mL、0.7mg/mL、0.8mg/mL、0.9mg/mL、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、7mg/mL、8mg/mL、9mg/mL、10mg/mL、11mg/mL、12mg/mL、13mg/mL、14mg/mL、15mg/mL、16mg/mL、17mg/mL、18mg/mL、19mg/mL、もしくは20mg/mLという濃度、または前記濃度のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の濃度となるように、最初に希釈されてから投与される。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、200mL、210mL、220mL、230mL、240mL、250mL、260mL、270mL、280mL、290mL、300mL、310mL、320mL、330mL、340mL、350mL、360mL、370mL、380mL、390mL、400mL、410mL、420mL、430mL、440mL、450mL、460mL、470mL、480mL、490mL、500mL、510mL、520mL、530mL、540mL、550mL、560mL、570mL、580mL、590mL、もしくは600mLという体積、または前記体積のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の体積で投与されるように、最初に希釈されてから投与される。
【0231】
また、アルツハイマー病を治療する方法が本明細書で開示される。いくつかの実施形態において、この方法は、アルツハイマー病の治療を必要としている対象に抗体医薬製剤を投与することを含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む、抗体の治療有効量を含む。いくつかの実施形態において、この抗体は、単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、または7500mgという量で存在する。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、20mMで存在するL-ヒスチジン、5mMで存在するメチオニン、100mMで存在するNaCl、および0.02%で存在するポリソルベート-80をさらに含む。いくつかの実施形態において、抗体医薬製剤は、約pH5.8である。
【0232】
いくつかの実施形態において、この方法は、投与前に、アルツハイマー病を有する対象またはアルツハイマー病になるリスクがある対象など、アルツハイマー病の治療を必要と
している対象を特定することをさらに含む。いくつかの実施形態において、対象がアルツハイマー病の治療を必要としていると特定するこの工程は、以下の選択規準に準じて行われる場合がある:
【0233】
1)通院可能である。
【0234】
2)以下と一致するアルツハイマー病の臨床診断を受ける可能性がある:
【0235】
a)NINCDS-ADRDA(National Institute of Neurological and Communicative Disease and
Stroke and Alzheimer’s Disease and Related Disorders Association)に基づいたアルツハイマー病疑い症例(probable Alzheimer’s disease)
【0236】
b)精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)基準に基づいた、アルツハイマー型の認知症。
【0237】
3)対象または介護者が、試験の目的およびリスクを理解し、署名および日付付きのインフォームドコンセント(またはインフォームドアセント)を提出する能力を有する。
【0238】
4)14以上26以下のミニメンタルステート検査(MMSE)スコアを有する可能性がある。
【0239】
いくつかの実施形態において、このアルツハイマー病の治療を必要としている対象を特定する工程は、対象においてアルツハイマー病疑い症例を確認すること、対象においてアルツハイマー病タイプの認知症を確認すること、または、対象が14以上26以下のミニメンタルステート検査(MMSE)スコアを有すると判定すること、のうちの1または複数を含む。いくつかの実施形態において、このアルツハイマー病の治療を必要としている対象を特定する工程は、血漿中および脳脊髄のAβ40、リン酸化tau、ニューロフィラメント軽鎖タンパク質(NfL)、ニューロフィラメント重鎖タンパク質(NfH)、もしくはGal3を測定すること、対象のMMSEスコアを求めること、対象の神経認知的フレイルインデックス(NFI)を求めること、対象における脳萎縮を確認すること、もしくは、対象におけるアミロイドプラークを確認すること、または、これらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、この治療工程は、アルツハイマー病の症状が既にある患者に対するものである。いくつかの実施形態において、この治療工程は、予防的なものである。いくつかの実施形態において、アルツハイマー病を治療するための方法は、投与工程後にアルツハイマー病に改善があるかについて対象をモニターすることをさらに含む。いくつかの実施形態において、対象をモニターすることは、血漿中および脳脊髄液中のAβ40、リン酸化tau、ニューロフィラメント軽鎖タンパク質(NfL)、ニューロフィラメント重鎖タンパク質(NfH)、もしくはGal3を測定すること、対象のMMSEスコアにおける改善を判定すること、対象の神経認知的フレイルインデックス(NFI)における改善を判定すること、対象における脳萎縮の低減を観察すること、もしくは、対象におけるアミロイドプラークの減少を観察すること、または、これらの任意の組み合わせを含む。アルツハイマー病の治療を必要としている対象を特定すること、および/または、投与工程後にアルツハイマー病に改善があるかについて対象をモニターすること、のための例示的なベースラインレベルは、表1に示されているようなバイオマーカーのレベルを測定すること、または、表1に示されているようなバイオマーカーのレベルにおける改善を確認すること、を含む場合がある。
【0240】
ポリヌクレオチドおよびベクター
いくつかの実施形態において、本開示は、本明細書で開示される抗体医薬組成物に使用される抗Gal3抗体のうちのいずれかをコードする単離された核酸を提供する。別の実施形態において、本開示は、本明細書で開示される抗体医薬組成物に使用される任意の抗Gal3抗体をコードする核酸配列を含むベクターを提供する。いくつかの実施形態において、本開示は、抗Gal3抗体の重鎖CDR、軽鎖CDR、重鎖可変領域、軽鎖可変領域、重鎖、または軽鎖をコードする単離された核酸を提供する。
【0241】
いくつかの実施形態において、抗Gal3抗体の重鎖可変領域をコードする例示的な核酸配列は、配列番号12、または配列番号12に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列として表される。いくつかの実施形態において、抗Gal3抗体の軽鎖可変領域をコードする例示的な核酸配列は、配列番号13、または配列番号13に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列として表される。いくつかの実施形態において、抗Gal3抗体の重鎖をコードする例示的な核酸配列は、配列番号14、または配列番号14に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列として表される。いくつかの実施形態において、抗Gal3抗体の軽鎖をコードする例示的な核酸配列は、配列番号15、または配列番号15に対して少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、もしくは100%の同一性を有する配列として表される。これらの例示的な核酸配列が
図2Cに示されている。これらの核酸配列は、コドン交換により、同一または類似のペプチド配列が得られるように改変できることが企図される。2つの配列の同一性(%)は、当該技術分野においては十分に理解されており、保存アミノ酸配列または配列の長さに関連するヌクレオチドの数によって算出できる。
【0242】
本明細書に記載の抗Gal3抗体のうちのいずれか1つが、組換えDNA技術、合成化学技術、またはこれらの組み合わせによって作製され得る。例えば、軽鎖CDRおよび重鎖CDRを含む、抗Gal3抗体の所望の各成分をコードする各配列が、典型的には、当該技術分野において公知の標準的な分子技術を用いて、組み立てられ、発現ベクターにクローニングされる(For instance, sequences encoding the desired components of the
anti-Gal3 antibodies, including light chain CDRs and heavy chain CDRs are typically assembled cloned into an expression vector using standard molecular techniques known in the art)。これらの配列は、所望のタンパク質配列をコードする他のベクターから組み立てられてもよく、それぞれの鋳型核酸を用いてPCRで作製されたフラグメントから組み立てられてもよく、または、所望の配列をコードする合成オリゴヌクレオチドの組み立てによるものでもよい。発現系は、目的の抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントを含む発現ベクターを適切な細胞にトランスフェクトすることで、作成することができる。
【0243】
既存の抗体の軽鎖または重鎖の各種領域に対応するヌクレオチド配列は、ハイブリダイゼーション、PCR、およびDNAシーケンスを含むがこれらに限定はされない慣用技術を用いて、容易に入手およびシーケンスが可能である。モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞は、抗体ヌクレオチド配列の好ましい供給源として働く。大量のモノクローナル抗体を産生する膨大な数のハイブリドーマ細胞が、パブリックリポジトリまたはプライベートリポジトリから入手できる。最大の寄託機関はアメリカ合衆国培養細胞系統保存機関であり、十分な特徴付けがなされたハイブリドーマ細胞株の多種多様なコレクションを提供している。あるいは、抗体ヌクレオチドは、免疫化または非免疫化げっ歯類またはヒトから入手でき、脾臓などの臓器および末梢血リンパ球を形成できる(Alternatively, antibody nucleotides can be obtained from immunized or non-immunized rodents or humans, and form organs such as spleen and peripheral blood lymphocytes)。抗体ヌクレオチドの抽出および合成に適用できる具体的な技術は、Orlandi et
al. (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 86: 3833-3837; Larrick et al. (1989) Biochem. Biophys. Res. Commun. 160:1250-1255; Sastry et al. (1989) Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A. 86: 5728-5732;および米国特許第5,969,108号に記載されている。
【0244】
抗Gal3抗体をコードするポリヌクレオチドは、例えば、相同的な非ヒト配列の代わりにヒト重鎖定常領域およびヒト軽鎖定常領域のコード配列を代用することで、改変されることもある。そのようにして、元の抗Gal3抗体の結合特異性を保持するキメラ抗体が作製される。
【0245】
例示的な抗体産生
いくつかの実施形態において、抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントが、標準的なプロトコルにより、産生用動物に抗原性組成物を注射することで、産生される。例えば、Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, 1988を参照されたい。タンパク質全体や、そのタンパク質のより大型のセクションを利用する場合、産生用動物を当該タンパク質と適切なアジュバント(例えば、フロイントアジュバント、フロイント完全アジュバント、水中油型乳剤など)で免疫化することで、抗体が産生される場合がある。より小型のペプチドが利用される場合、そのペプチドをより大型の分子と複合体化させることで、免疫賦活性複合体にすることが有利となる。そのような用途に一般に使用されている、市販の複合体タンパク質としては、ウシ血清アルブミン(BSA)およびキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)が挙げられる。特定のエピトープに対する抗体を産生することを目的として、完全配列由来のペプチドが利用される場合がある。あるいは、タンパク質標的の比較的短いペプチド部分に対する抗体を作製することを目的として、ポリペプチドをオボアルブミン、BSA、またはKLHなどのキャリアタンパク質に結合させた場合に、より優れた免疫応答が惹起される場合がある。
【0246】
ポリクローナルもしくはモノクローナルな抗Gal3抗体、またはその結合性フラグメントは、ヒト免疫グロブリンを産生するように遺伝子改変された動物から、産生できる。トランスジェニック動物は、まず、その動物の天然の抗体を産生しない「ノックアウト」動物を作製し、その動物をヒト抗体遺伝子座で(例えば、ヒト人工染色体の使用により)安定に形質転換することで、作製できる。このような場合、ヒト抗体のみが、以後、その動物によって作られる。このような動物を作製し、それから抗体を発生させるための技術は、米国特許第6,162,963号および同第6,150,584号(それぞれ、その全体が参照により本明細書に完全に援用される)に記載されている。このような抗体はヒト異種抗体と呼ばれることがある。
【0247】
あるいは、抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントは、ヒト可変領域を含むファージライブラリーから作製できる。米国特許第6,174,708号(その全体が参照によって本明細書に完全に援用される)を参照されたい。
【0248】
本明細書で開示される実施形態のいずれかのいくつかの観点では、抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントは、ハイブリドーマによって産生される。
【0249】
抗Gal3モノクローナル抗体の場合、接種後動物の脾臓からの免疫細胞など、刺激された免疫細胞を単離することで、ハイブリドーマが形成される場合がある。次いで、これらの細胞を、細胞培養時に無限に複製可能である骨髄腫細胞または形質転換細胞などの不
死化細胞に融合することで、不死の免疫グロブリン分泌細胞株を作製することができる。使用される不死細胞株は、ある特定の栄養分を利用するために必要な酵素が欠乏するように選択され得る。多くのこのような細胞株(骨髄腫など)が、当業者に公知であり、例えば、チミジンキナーゼ(TK)またはヒポキサンチン・グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(hypoxanthine-guanine phosphoriboxyl transferase)(HGPRT)が挙げられる。これらの欠乏は、例えば、ヒポキサンチンアミノプテリンチミジン培地(HAT)上で増殖する能力に基づいた、融合細胞のセレクションを可能にする。
【0250】
加えて、抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントは、遺伝子操作によって作製される場合がある。
【0251】
本明細書で開示される抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントは、ヒトにおける望ましくない免疫応答、例えばアナフィラキシーショック、を誘導する性質を低減させることができ、また、抗体治療薬またはイメージング剤の反復投与の妨げとなるであろう免疫応答(例えば、ヒト抗マウス抗体「HAMA」反応)をプライミングする性質も低減させることができる。このような抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントとしては、ヒト型化、キメラ、または異種の、ヒト抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0252】
キメラ抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントは、例えば、ヒトドメインを主体とする抗体を作製することを目的として、マウス(または他の動物由来)ハイブリドーマクローンから得られたマウスの軽鎖可変領域および重鎖可変領域(VKおよびVH)を、ヒトの軽鎖定常領域および重鎖定常領域と組み合わせることによる、組み換え手段によって、作製することができる。このようなキメラ抗体の作製は当該技術分野において周知であり、標準的な手段(例えば、全体が参照によって本明細書に援用される、米国特許第5,624,659号に記載されているような手段)によって、達成されてよい。
【0253】
非ヒト(例えば、げっ歯類または霊長類)抗体に適用する「ヒト型化」という語は、非ヒト免疫グロブリン由来の配列を最小限含む、ハイブリッド型の免疫グロブリン、免疫グロブリン鎖、またはそのフラグメントである。大部分は、ヒト型化抗体は、レシピエントの相補性決定領域(CDR)からの残基が、マウス、ラット、ウサギ、または霊長類などの非ヒト種(ドナー抗体)のCDRからの残基に置き換えられている、所望の特異性、親和性、および容量(capacity)を有する、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。いくつかの実施形態では、ヒト免疫グロブリンのFvフレームワーク領域(FR)残基が、対応する非ヒト残基に置き換えられる。さらに、このヒト型化抗体は、レシピエント抗体にも、取り込まれたCDR配列やフレームワーク配列にも存在しない残基を含んでいてもよい。これらの改変を行うことで、抗体の性能がさらに洗練、最適化され、人体に導入された場合の免疫原性が最小限になる。いくつかの実施形態において、ヒト型化抗体は、CDR領域の全てまたは実質的に全てが非ヒト免疫グロブリンのCDR領域に対応しており、FR領域の全てまたは実質的に全てがヒト免疫グロブリン配列のFR領域である、少なくとも1つ、典型的には2つの、可変ドメイン、の実質的に全てを含む(In some embodiments, the humanized antibody will comprise substantially all of at least one, and typically two, variable domains, in which all or substantially all of the CDR regions correspond to those of a non-human immunoglobulin and all or substantially all of the FR regions are those of a human immunoglobulin sequence)。ヒト型化抗体は、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンの定常領域(Fc)の少なくとも一部を含んでいてもよい(The humanized antibody may also comprise at least a portion of an immunoglobulin constant region (Fc), typically that of a human immunoglobulin)。
【0254】
ヒト型化抗体は、ヒト様免疫グロブリン領域を含有し、動物由来抗体の相補性決定領域のみを取り入れるように操作することができる。これは、モノクローナル抗原結合ユニットまたはモノクローナル抗体の可変領域の超可変ループの配列を慎重に調べ、それらをヒト抗原結合ユニットまたはヒト抗体鎖の構造に適合させることによって、達成できる。例えば、米国特許第6,187,287号(参照によって本明細書に完全に援用される)を参照されたい。
【0255】
非ヒト抗体をヒト化する方法は当該技術分野において周知である。「ヒト型化」抗体は、よりヒト免疫グロブリンに似るように、配列の少なくとも一部をその初期の形態から変化させた抗体である。いくつかのバージョンでは、重鎖(H)および軽鎖(L)の定常(C)領域が、ヒト配列と置き換えられる。これは、可変(V)領域および異種免疫グロブリンC領域を含む融合ポリペプチドであり得る。いくつかのバージョンでは、相補性決定領域(CDR)が非ヒト抗体配列を含み、Vフレームワーク領域がヒト配列に変換される。例えば、欧州特許第0329400号を参照されたい。いくつかのバージョンでは、V領域は、ヒトV領域およびマウスV領域のコンセンサス配列を設計し、コンセンサス配列間で異なるCDRの外側の残基を変換することによって、ヒト型化される。
【0256】
原理的には、ヒト型化抗体由来のフレームワーク配列はCDRグラフティングのための鋳型の役割を果たすことができる。しかし、そのようなフレームワークにCDRをそのまま置換することは、抗原への結合親和性の著しい減少に繋がる可能性があることが分かっている。Glaser et al. (1992) J. Immunol. 149:2606; Tempest et al. (1992) Biotechnology 9:266;およびShalaby et al. (1992) J. Exp. Med. 17:217。ヒト抗体(HuAb)の元のマウス抗体(muAb)に対する相同性が高いほど、ヒトフレームワークがマウスCDRに親和性を低下させる可能性がある歪みを導入する可能性が低くなる。抗体配列データベースに対する配列相同性検索によれば、HuAb IC4が、muM4TS.22に対する良好なフレームワーク相同性を提供するが、他の高度に相同的なHuAbであれば、特にヒト亜群I由来のκL鎖またはヒト亜群III由来のH鎖は、適切である。Kabat et al. (1987)。ENCAD(Levitt et al. (1983) J. Mol. Biol. 168:595)などの様々なコンピュータープログラムが、V領域に理想的な配列の予測に利用できる。すなわち本開示は、異なる可変(V)領域を有するHuAbも包含する。適切なV領域配列を決定し、これらの配列を最適化することは、当業者の技能の範囲内である。免疫原性を低減させた抗体を得るための方法は、米国特許第5,270,202号および欧州特許第699,755号(それぞれ、その全体が参照により本明細書に援用される)にも記載されている。
【0257】
ヒト型化抗体は、親配列およびヒト型化配列の三次元モデルを用いた親配列および種々の概念的なヒト型化産物の解析法によって、作製できる。三次元免疫グロブリンモデルは当業者によく知られている。セレクション後の免疫グロブリン配列候補の可能な三次元立体構造を例示および表示するコンピュータープログラムが利用可能である。これらの表示を検討することで、免疫グロブリン配列候補の機能における残基の可能性として考えられる役割の解析、すなわち、免疫グロブリン候補のその抗原に結合する能力に影響を与える残基の解析が可能となる。このようにして、コンセンサス配列およびインポート配列からFR残基の選択および組み合わせを行うことで、標的抗原に対する親和性の増加など、所望の抗体特性が達成される。
【0258】
対象抗原結合ユニットのヒト型化のプロセスは以下の通りであり得る。ヒト抗体生殖系列の相同性、正準構造、および物理的性質に基づいて、最良適合生殖系列アクセプターの
重鎖可変領域および軽鎖可変領域を選択し、グラフティングを行う。mVH/VLとグラフティングされたhVH/VLを対比するコンピューターモデリングを行い、プロトタイプのヒト型化抗体配列を作成する。モデリングでフレームワーク復帰変異の必要性が示された場合、表示のFW変化を有する第2のバリアントを作成する。選択された生殖系列フレームワークおよびマウスCDRをコードするDNAフラグメントを合成する。この合成されたDNAフラグメントをIgG発現ベクターにサブクローニングし、DNAシーケンスによって配列を確認する。このヒト型化抗体を293Fなどの細胞で発現させ、例えばMDMファゴサイトーシスアッセイおよび抗原結合アッセイで、タンパク質を試験する。このヒト型化抗原結合ユニットを、抗原結合親和性において、例えば標的抗原を発現する細胞上でのFACSによって、親抗原結合ユニットと比較する。親和性が親抗原結合ユニットよりも2倍超低い場合、2回目のヒト型化バリアントを上記のように作成し試験することがある。
【0259】
いくつかの実施形態において、抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントは、二重特異性抗体またはその結合性フラグメントである。例示的な二重特異性抗体形式は、Knobs-into-Holes(KiH)、Asymmetric Re-engineering Technology-immunoglobulin(ART-Ig)、Triomabクアドローマ(Triomab quadroma)、二重特異性モノクローナル抗体(BiMAb、BsmAb、BsAb、bsMab、BS-Mab、またはBi-MAb)、Azymetric、Biclonics、Fab-scFv-Fc、Two-in-one/Dual Action Fab(DAF)、FinomAb、scFv-Fc-(Fab)融合体、Dock-aNd-Lock(DNL)、Tandem diAbody(TandAb)、Dual-affinity-ReTargeting(DART)、ナノボディ(nanobody)、トリプルボディ(triplebody)、タンデムscFv(taFv)、トリプルヘッド(triple heads)、タンデムdAb/VHH、トリプルdAb/VHH、または四価dAb/VHHが挙げられるが、これらに限定はされない。いくつかの実施形態において、抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントは、Brinkmann and Kontermann, “The making of bispecific antibodies,” MABS 9(2): 182-212 (2017)で例示されている二重特異性抗体フォーマットを含む、二重特異性抗体またはその結合性フラグメントである。
【0260】
いくつかの実施形態において、抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントは、IgMフレームワーク、IgG(例えば、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4)フレームワーク、IgAフレームワーク、またはIgEフレームワークを含むことがある。このIgGフレームワークは、IgG1、IgG2、IgG3、またはIgG4であることがある。いくつかの実施形態において、抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントは、IgG1フレームワークを含む。いくつかの実施形態において、抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントは、IgG2フレームワークを含む。いくつかの実施形態において、抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントは、IgG4フレームワークを含む。抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントは、Fc変異をさらに含むことがある。
【0261】
いくつかの実施形態において、Fc領域は、例えば、ADCCおよび/またはCDCなどのエフェクター機能を増強するために、Fc受容体相互作用を変化させる1または複数の変異を含む。このような場合、変異した場合にエフェクター機能を変化させる例示的な残基としては、S239、K326、A330、I332、またはE333が挙げられ、ここで、残基の位置はIgG1に対応しており、残基の番号付けはカバット番号付けに準拠する(In such instances, exemplary residues when mutated modulate effector functions include S239, K326, A330, I332, or E333, in which the residue position co
rrespond to IgG1 and the residue numbering is in accordance to Kabat numbering)(Kabat et al 1991 Sequences of Proteins of Immunological InterestのEUインデックス)。いくつかの実施形態において、1または複数の変異は、S239D、K326W、A330L、I332E、E333A、E333S、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、1または複数の変異は、S239D、I332E、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、1または複数の変異は、S239D、A330L、I332E、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、1または複数の変異は、K326W、E333S、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、変異は、E333Aを含む。
【0262】
いくつかの実施形態において、抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントは、「単一特異性」か「多特異性」かのいずれかであり得る。多特異性の抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントは、その結合特異性に基づいてさらに分類され得る。「単一特異性」の抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントは、同じ種類の1または複数の抗原に結合することが可能な分子である。「多特異性」の抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントは、少なくとも2つの異なる抗原に対する結合特異性を有する分子である。このような分子は通常は2つの異なる抗原のみと結合するが(すなわち、二重特異性抗Gal3抗体)、さらなる特異性を有する抗体(例えば、三重特異性抗体、四重特異性抗体など)も、本明細書で使用された場合はこの表現に包含される。本開示は、多特異的抗Gal3抗体をさらに提供する。多特異的な抗Gal3抗体またはその結合性フラグメントは、少なくとも2つの異なる抗原に結合することが可能な多特異的な分子、例えば、それぞれ2つおよび3つの異なる抗原に対する結合特異性を示す二重特異性分子および三重特異性分子、であり、少なくとも1つの抗原は、Gal3ではなく、また、その一部、フラグメント、誘導体、または修飾体でもない。
【0263】
ペイロード
いくつかの実施形態において、抗体医薬組成物のいずれかは、ペイロードをさらに含む抗Gal3抗体を含む。いくつかの実施形態において、このペイロードは、小分子、タンパク質もしくはその機能性フラグメント、ペプチド、または核酸高分子を含む。
【0264】
いくつかの実施形態において、抗Gal3抗体に結合したペイロードの数(例えば、薬物抗体比、すなわちDAR)は、約1:1であり、1つの抗Gal3抗体に対して1つのペイロードである。いくつかの実施形態において、ペイロードの抗Gal3抗体に対する比は、およそ、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、または20:1である。いくつかの実施形態において、ペイロードの抗Gal3抗体に対する比は、約2:1である。いくつかの実施形態において、ペイロードの抗Gal3抗体に対する比は、約3:1である。いくつかの実施形態において、ペイロードの抗Gal3抗体に対する比は、約4:1である。いくつかの実施形態において、ペイロードの抗Gal3抗体に対する比は、約6:1である。いくつかの実施形態において、ペイロードの抗Gal3抗体に対する比は、約8:1である。いくつかの実施形態において、ペイロードの抗Gal3抗体に対する比は、約12:1である。
【0265】
いくつかの実施形態において、このペイロードは小分子である。いくつかの実施形態において、この小分子は、細胞傷害性ペイロードである。例示的な細胞傷害性ペイロードとしては、微小管破壊剤、DNA改変剤、またはAkt阻害剤が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0266】
いくつかの実施形態において、このペイロードは、微小管破壊剤を含む。例示的な微小
管破壊剤としては、2-メトキシエストラジオール、アウリスタチン、カルコン、コルヒチン、コンブレタスタチン、クリプトフィシン、ジクチオスタチン、ジスコデルモリド、ドラスタイン(dolastain)、エリュテロビン、エポチロン、ハリコンドリン、ラウリマリド、メイタンシン、ノスカピノイド(noscapinoid)、パクリタキセル、ペロルシド、ホモプシン、ポドフィロトキシン、リゾキシン、スポンジスタチン、タキサン、ツブリシン、ビンカアルカロイド、ビノレルビン、またはこれらの誘導体もしくは類似体が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0267】
いくつかの実施形態において、このメイタンシンは、メイタンシノイドである。いくつかの実施形態において、このメイタンシノイドは、DM1、DM4、またはアンサマイトシンである。いくつかの実施形態において、このメイタンシノイドは、DM1である。いくつかの実施形態において、このメイタンシノイドは、DM4である。いくつかの実施形態において、このメイタンシノイドは、アンサマイトシンである。いくつかの実施形態において、このメイタンシノイドは、米国特許第5208020号、同第5416064号、同第7276497号、および同第6716821号、または米国特許出願公開第2013029900号および同第20130323268号に記載されているものなどの、メイタンシノイド(maytansionid)の誘導体または類似体である。
【0268】
いくつかの実施形態において、このペイロードは、ドラスタチン、またはその誘導体もしくは類似体である。いくつかの実施形態において、このドラスタチンは、ドラスタチン10もしくはドラスタチン15、またはそれらの誘導体もしくは類似体である。いくつかの実施形態において、このドラスタチン10類似体は、アウリスタチン、ソブリドチン、シンプロスタチン1、またはシンプロスタチン3である。いくつかの実施形態において、このドラスタチン15類似体は、セマドチンまたはタシドチンである。
【0269】
いくつかの実施形態において、このドラスタチン10類似体は、アウリスタチンまたはアウリスタチン誘導体である。いくつかの実施形態において、このアウリスタチンまたはアウリスタチン誘導体は、アウリスタチンE(AE)、アウリスタチンF(AF)、アウリスタチンE5-ベンゾイル吉草酸エステル(AEVB)、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)、モノメチルアウリスタチンF(MMAF)、もしくはモノメチルアウリスタチンD(MMAD)、アウリスタチンPE、またはアウリスタチンPYEである。いくつかの実施形態において、このアウリスタチン誘導体は、モノメチルアウリスタチンE(MMAE)である。いくつかの実施形態において、このアウリスタチン誘導体は、モノメチルアウリスタチンF(MMAF)である。いくつかの実施形態において、このアウリスタチンは、米国特許第6884869号、同第7659241号、同第7498298号、同第7964566号、同第7750116号、同第8288352号、同第8703714号、および同第8871720号に記載されているものなどの、アウリスタチン誘導体またはアウリスタチン類似体である。
【0270】
いくつかの実施形態において、このペイロードは、DNA改変剤を含む。いくつかの実施形態において、このDNA改変剤は、DNA切断剤、DNA挿入剤、DNA転写阻害剤、またはDNA架橋剤を含む。いくつかの実施形態において、このDNA切断剤は、ブレオマイシンA2、カリチアマイシン、またはその誘導体もしくは類似体を含む。いくつかの実施形態において、このDNA挿入剤は、ドキソルビシン、エピルビシン、PNU-159682、デュオカルマイシン、ピロロベンゾジアゼピン、オリゴマイシンC、ダウノルビシン、バルルビシン、トポテカン、またはその誘導体もしくは類似体を含む。いくつかの実施形態において、このDNA転写阻害剤は、ダクチノマイシンを含む。いくつかの実施形態において、このDNA架橋剤は、マイトマイシンCを含む。
【0271】
いくつかの実施形態において、このDNA改変剤は、アムサクリン、アントラサイクリ
ン、カンプトテシン、ドキソルビシン、デュオカルマイシン、エンジイン、エトポシド、インドリノベンゾジアゼピン、ネトロプシン、テニポシド、またはその誘導体もしくは類似体を含む。
【0272】
いくつかの実施形態において、このアントラサイクリンは、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン、イダルビシン、マイトマイシン-C、ダクチノマイシン、ミトラマイシン、ネモルビシン、ピクサントロン、サバルビシン、またはバルルビシンである。
【0273】
いくつかの実施形態において、このカンプトテシン類似体は、トポテカン、イリノテカン、シラテカン(silatecan)、コシテカン、エキサテカン、ラルトテカン、ジャイマテカン、ベロテカン、ルビテカン、またはSN-38である。
【0274】
いくつかの実施形態において、このデュオカルマイシンは、デュオカルマイシンA、デュオカルマイシンB1、デュオカルマイシンB2、デュオカルマイシンC1、デュオカルマイシンC2、デュオカルマイシンD、デュオカルマイシンSA、またはCC-1065である。いくつかの実施形態において、このエンジインは、カリチアマイシン、エスペラミシン、またはジネミシンAである。
【0275】
いくつかの実施形態において、このピロロベンゾジアゼピンは、アントラマイシン、アベイマイシン、チカマイシン、DC-81、マゼトラマイシン、ネオスラマイシンA、ネオスラマイシンB、ポロトラマイシン、プロトラカルシン、シバノミシン(DC-102)、シビロマイシン、またはトマイマイシンである。いくつかの実施形態において、このピロロベンゾジアゼピンは、米国特許第8404678号および同第8163736号に記載されているものなどの、トマイマイシン誘導体である。いくつかの実施形態において、このピロロベンゾジアゼピンは、米国特許第8426402号、同第8802667号、同第8809320号、同第6562806号、同第6608192号、同第7704924号、同第7067511号、同第7612062号、同第7244724号、同第7528126号、同第7049311号、同第8633185号、同第8501934号、および同第8697688号、並びに米国特許出願公開第20140294868号に記載されているものなどである。
【0276】
いくつかの実施形態において、このピロロベンゾジアゼピンは、ピロロベンゾジアゼピン二量体である。いくつかの実施形態において、このPBD二量体は、対称性二量体である。対称性PBD二量体の例としては、SJG-136(SG-2000)、ZC-423(SG2285)、SJG-720、SJG-738、ZC-207(SG2202)、およびDSB-120が挙げられるが、これらに限定はされない。いくつかの実施形態において、このPBD二量体は、非対称性二量体である。非対称性PBD二量体の例としては、米国特許第8697688号および同第9242013号、並びに米国特許出願公開第20140286970号に記載されているものなどの、SJG-136誘導体が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0277】
いくつかの実施形態において、このペイロードは、Akt阻害剤を含む。いくつかの実施形態において、このAkt阻害剤は、イパタセルチブ(GDC-0068)またはその誘導体を含む。
【0278】
いくつかの実施形態において、このペイロードは、α-アマニチンなどのポリメラーゼII阻害剤、およびポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤を含むがこれらに限定はされない、ポリメラーゼ阻害剤を含む。例示的なPARP阻害剤としては、イニパリブ(BSI201)、タラゾパリブ(BMN-673)、オラパリブ(AZD-2281)、オラパリブ、ルカパリブ(AG014699、PF-01367338)、ベリ
パリブ(ABT-888)、CEP9722、MK4827、BGB-290、または3-アミノベンズアミドが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0279】
いくつかの実施形態において、このペイロードは、検出可能な部分を含む。本明細書で使用される場合、「検出可能な部分」は、標的分子、細胞、組織、臓器などの場所および/または量を診断、検出、または可視化する際に有用な原子、分子、または化合物を含む場合がある。本明細書における実施形態において使用できる検出可能な部分としては、放射性物質(例えば、放射性同位元素、放射性核種、放射標識、または放射性トレーサ)、色素、造影剤(contrast agent)、蛍光化合物もしくは蛍光分子、生物発光化合物もしくは生物発光分子、酵素、および増強剤(enhancing agent)(例えば、常磁性イオン)、または、ストレプトアビジン、アビジン、もしくはビオチンなどの特異的結合性部分が挙げられるが、これらに限定はされない。また、一部のナノ粒子、例えば、量子ドットまたは金属ナノ粒子も、検出可能な部分としての使用に好適な可能性がある。
【0280】
本明細書における実施形態に即した検出可能な部分として使用できる例示的な放射性物質としては、18F、18F-FAC、32P、33P、45Ti、47Sc、52Fe、59Fe、62Cu、64Cu、67Cu、67Ga、68Ga、75Sc、77As、86Y、90Y、89Sr、89Zr、94Tc、94Tc、99mTc、99Mo、105Pd、105Rh、111Ag、111In、123I、124I、125I、131I、142Pr、143Pr、149Pm、153Sm、154-158Gd、161Tb、166Dy、166Ho、169Er、175Lu、177Lu、186Re、188Re、189Re、194Ir、198Au、199Au、211At、211Pb、212Bi、212Pb、213Bi、223Ra、および225Acが挙げられるが、これらに限定はされない。検出可能なマーカーとして使用できる例示的な常磁性イオン物質としては、遷移金属イオンおよびランタニド金属イオン(例えば、6~9、21~29、42、43、44、または57~71の原子番号を有する金属)が挙げられるが、これらに限定はされない。これらの金属には、Crイオン、Vイオン、Mnイオン、Feイオン、Coイオン、Niイオン、Cuイオン、Laイオン、Ceイオン、Prイオン、Ndイオン、Pmイオン、Smイオン、Euイオン、Gdイオン、Tbイオン、Dyイオン、Hoイオン、Erイオン、Tmイオン、Ybイオン、およびLuイオンが含まれる。
【0281】
この検出可能なマーカーが放射性金属イオンまたは常磁性イオンである場合、いくつかの実施形態において、このマーカーは、長い尾部を有し、これらのイオンと結合するための1または複数のキレート基がその長い尾部に結合している試薬と反応させることができる。この長い尾部は、これらのイオンと結合するためのキレート基に結合している場合がある側基を有する、ポリリジン、多糖類、または他の誘導体化されたもしくは誘導体化可能な鎖などの高分子であり得る。本明細書における実施形態において使用され得るキレート基の例としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、DOTA、NOTA、NOGADA、NETA、デフェロキサミン(DfO)、ポルフィリン、ポリアミン、クラウンエーテル、ビス-チオセミカルバゾン、ポリオキシムなどの基が挙げられるが、これらに限定はされない。このキレートは、抗原結合性構築物に、この分子への結合の形成を可能にする基によって、免疫反応性の喪失を最低限に、且つ、凝集および/または内部架橋結合を最小限に、連結できる。同キレートが、マンガン、鉄、およびガドリニウムなどの非放射性金属と複合体形成していると、本明細書に記載の抗原結合性構築物およびキャリアと共に使用される場合に、MRIに有用である。NOTA、NOGADA、DOTA、およびTETAなどの大環状キレートは、それぞれガリウム、イットリウム、および銅の放射性核種を含むがこれらに限定はされない、種々の金属および放射性金属と組み合わせる場合に有用である。放射免疫療法(RAIT)用のラジウム223などの放射性核種と安定に結合するという点で興味深い、大環状ポ
リエーテルなどの他の環型キレートも、使用できる。ある実施形態では、キレート部分は、アルミニウム-18F複合体などのPETイメージング剤を、PET解析で使用するためのターゲティング分子に取り付けるために使用できる。
【0282】
本開示の実施形態において検出可能な部分として使用できる例示的な造影剤としては、バリウム、ジアトリゾエート、ヨード化ケシ油エチルエステル、クエン酸ガリウム、イオカルミン酸、イオセタム酸、ヨーダミド、ヨージパミド、ヨードキサム酸、イオグラミド(iogulamide)、イオヘキシル(iohexyl)、イオパミドール、イオパノ酸、イオプロセム酸、イオセファム酸、イオセル酸、イオスラミドメグルミン、イオセム酸(iosemetic acid)、ヨータスル、ヨーテトル酸、イオタラム酸、イオトロクス酸、イオキサグル酸、イオキソトリゾ酸、イポダート、メグルミン、メトリザミド、メトリゾエート、プロピリオドン、塩化タリウム、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0283】
本開示の実施形態において検出可能な部分として使用できる、生物発光性の化合物または分子および色素、並びに蛍光性の化合物または分子および色素としては、アロフィコシアニン(APC)、フィコエリトリン(PE)、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、OREGON GREEN(商標)、ローダミン、Texas Red、テトラローダミンイソチオシアネート(TRITC)、Cy3、Cy5など、蛍光マーカー(例えば、緑色蛍光タンパク質(GFP)など)、腫瘍関連プロテアーゼによって活性化される自己消光型(autoquenched)蛍光化合物、酵素(例えば、ルシフェラーゼ、西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼなど)、ナノ粒子、ビオチン、ジゴキシゲニン、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0284】
本開示の実施形態において検出可能な部分として使用できる酵素としては、西洋わさびペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、酸性ホスファターゼ、グルコースオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、β-グルコロニダーゼ(β-glucoronidase)、またはβ-ラクタマーゼが挙げられるが、これらに限定はされない。このような酵素は、検出可能なシグナルを発生させるための色素原、蛍光原化合物、または発光原化合物と組み合わせて、使用されてもよい。
【0285】
いくつかの実施形態において、上記ペイロードはナノ粒子である。「ナノ粒子」という語は、ナノメートル単位で測定されるサイズの微粒子、例えば少なくとも一寸法が約100nm未満の粒子、を指す。ナノ粒子は、可視光を吸収するのではなく散乱させるのに十分小さいため、検出可能な物質として使用できる。例えば、金ナノ粒子は顕著な可視光減光特性を有し、溶液中ではディープレッドから黒に見える。そのため、ナノ粒子に結合した抗原結合性構築物を含む組成物は、対象におけるT細胞の生体内イメージングに使用できる。サイズ範囲の小さい方の端では、ナノ粒子はしばしば、クラスターと呼ばれる。金属ナノ粒子、誘電性ナノ粒子、および半導体ナノ粒子が形成されており、また、ハイブリッド構造(例えば、コアシェルナノ粒子)も形成されている。ナノスフェア、ナノロッド、およびナノカップは、形状を大きくしたもののほんの一部に過ぎない。半導体量子ドットおよび半導体ナノ結晶は、ナノ粒子の種類のさらなる例である。このようなナノスケール粒子が、本明細書で開示される抗Gal3抗体、または国際公開第2020/160156に記載されているものなどの当該技術分野において公知の他の抗Gal3抗体、のうちのいずれか1つに結合させるためのペイロードとして使用できる。
【0286】
いくつかの実施形態において、上記ペイロードは、抗菌剤、治療剤、プロドラッグ、ペプチド、タンパク質、酵素、脂質、生物学的応答調節物質、医薬品、リンホカイン、異種抗体もしくはそのフラグメント、検出可能な標識、ポリエチレングリコール(PEG)分
子、またはこれらの薬剤の2つ以上の組み合わせである。いくつかの実施形態において、上記ペイロードは、向神経活性ポリペプチドを含む。いくつかの実施形態において、この向神経活性ポリペプチドは、神経栄養因子、エンドクリン因子、増殖因子、パラクリン因子、視床下部放出因子、神経伝達ポリペプチド、CNS細胞により発現される受容体に対するポリペプチドアゴニスト、リソソーム蓄積症に関連するポリペプチド、またはこれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態において、上記ペイロードは、別の抗体、または重鎖および/もしくは軽鎖、またはこれらの任意の他のフラグメントである。いくつかの実施形態において、上記ペイロードは、異種抗体またはそのフラグメントを含む。
【0287】
いくつかの実施形態において、上記ペイロードは、免疫調節剤を含む。有用な免疫調節剤としては、腫瘍に対するホルモン作用を遮断する抗ホルモン、および、サイトカイン産生を抑制する、自己抗原発現をダウンレギュレートする、またはMHC抗原をマスクする免疫抑制剤が挙げられる。代表的な抗ホルモンとしては、例えば、タモキシフェン、ラロキシフェン、アロマターゼ阻害性4(5)-イミダゾール、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、およびトレミフェンを含む抗エストロゲン;並びにフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、リュープロリド、およびゴセレリンなどの抗アンドロゲン;並びに抗副腎剤(anti-adrenal agent)が挙げられる。例示的な免疫抑制剤としては、2-アミノ-6-アリール-5-置換ピリミジン、アザチオプリン、シクロホスファミド、ブロモクリプチン、ダナゾール、ダプソン、グルタルアルデヒド、MHC抗原およびMHCフラグメントに対する抗イディオタイプ抗体、シクロスポリンA、グルココルチコステロイドなどのステロイド、ストレプトキナーゼ、並びにラパマイシンが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0288】
いくつかの実施形態において、上記ペイロードは、免疫調節剤を含む。例示的な免疫調節剤としては、ガンシクロビル(gancyclovir)、エタネルセプト、タクロリムス、シロリムス、ボクロスポリン、シクロスポリン、ラパマイシン、シクロホスファミド、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル、メトトレキサート、グルココルチコイドおよびその類似体、キサンチン、幹細胞増殖因子、リンホトキシン、造血因子、腫瘍壊死因子(TNF)(例えば、TNFα)、インターロイキン(例えば、インターロイキン-1(IL-1)、IL-2、IL-3、IL-6、IL-10、IL-12、IL-18、およびIL-21)、コロニー刺激因子(例えば、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)および顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF))、インターフェロン(例えば、インターフェロン-α、インターフェロン-β、インターフェロン-γ)、「S1因子(S1 factor)」と命名された幹細胞増殖因子、エリスロポエチンおよびトロンボポエチン、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定はされない。
【0289】
いくつかの実施形態において、上記ペイロードは、免疫毒素を含む。免疫毒素としては、リシン、放射性核種、ヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、緑膿菌外毒素A、ジフテリア毒素、リシンA鎖、レストリクトシンなどの真菌性毒素、並びにホスホリパーゼ酵素が挙げられるが、これらに限定はされない。一般論としては、“Chimeric Toxins,” Olsnes and Pihl, Pharmac. Ther. 15:355-381 (1981); and “Monoclonal Antibodies for Cancer Detection and Therapy,” eds. Baldwin and Byers, pp. 159-179, 224-266, Academic Press (1985)を参照されたい。
【0290】
いくつかの実施形態において、上記ペイロードは、核酸高分子を含む。このような例で
は、この核酸高分子は、低分子干渉核酸(siNA)、低分子干渉RNA(siRNA)、二本鎖RNA(dsRNA)、マイクロRNA(miRNA)、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチドを含む。他の例では、この核酸高分子は、例えば、細胞傷害性のタンパク質もしくはペプチド、またはアポトーシス誘起性のタンパク質もしくはペプチドをコードするmRNAを含む。例示的な細胞傷害性タンパク質または細胞傷害性ペプチドとしては、α-膜孔形成毒素(例えば、大腸菌由来の細胞溶解素A)、β-膜孔形成毒素(例えば、α-ヘモリシン、PVL(パントンバレンタインロイコチジン)、アエロリジン、クロストリジウム菌ε毒素、ウェルシュ菌腸毒素)、二成分毒素(炭疽毒素、浮腫毒素、ボツリヌス菌C2毒素、クロストリジウム・スパイロフォルメ毒素、ウェルシュ菌イオタ毒素、クロストリジウム・ディフィシル細胞致死性毒素(AおよびB))、プリオン、パラスポリン、コレステロール依存性細胞溶解素(例えば、ニューモリシン)、低分子膜孔形成毒素(例えば、グラミシジンA)、シアノ毒素(例えば、ミクロシスチン、ノジュラリン)、血液毒、神経毒(例えば、ボツリヌス神経毒)、細胞毒、コレラ毒素、ジフテリア毒素、緑膿菌外毒素A、破傷風毒素、または免疫毒素(イダルビシン、リシンA、CRM9、ヤマゴボウ抗ウイルスタンパク質、DT)などの細菌性細胞毒が挙げられる。例示的なアポトーシス誘起性タンパク質またはアポトーシス誘起性ペプチドとしては、アポトーシスプロテアーゼ活性化因子-1(Apaf-1)、シトクロム-c、カスパーゼイニシエータータンパク質(CASP2、CASP8、CASP9、CASP10)、アポトーシス誘導因子(AIF)、p53、p73、p63、Bcl-2、Bax、グランザイムB、ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)、およびp21活性化キナーゼ2(PAK2)が挙げられる。さらなる例では、この核酸高分子は、核酸デコイを含む。いくつかの実施形態において、この核酸デコイは、RNAベースのタンパク質結合性模倣体などの、タンパク質結合性核酸の模倣体である。例示的な核酸デコイとしては、トランス活性化領域(TAR)デコイ(transactivating region (TAR) decoy)およびRev応答配列(RRE)デコイが挙げられる。
【0291】
いくつかの実施形態において、上記ペイロードは、アプタマーである。アプタマーは、特定の標的分子に結合する低分子オリゴヌクレオチドまたは低分子ペプチドである。例示的な核酸アプタマーとしては、DNAアプタマー、RNAアプタマー、または、1もしくは複数の非天然ヌクレオチドを含むRNAアプタマーおよび/もしくはDNAアプタマーであるXNAアプタマーが挙げられる。例示的な核酸アプタマーとしては、ARC19499(アーケミックス社(Archemix Corp.))、REG1(リガド・バイオサイエンシズ社)、およびARC1905(オプソテック社(Ophthotech))が挙げられる。
【0292】
本明細書に記載の実施形態における核酸は、所望により、天然起源の核酸を含むか、または、1もしくは複数のヌクレオチドアナログを含み、すなわち、天然起源の核酸の構造とは異なる構造を有する。例えば、2’-修飾として、ハロ基、アルコキシ基、およびアリルオキシ基が含まれる。いくつかの実施形態において、2’-OH基は、H、OR、R、ハロ、SH、SR、NH2、NHR、NR2、またはCNから選択される基によって置き換えられ、RはがC1~C6のアルキル、アルケニル、またはアルキニルであり、ハロはF、Cl、Br、またはIである。修飾された結合の例としては、ホスホロチオエート結合および5’-N-ホスホラミダイト結合が挙げられる。
【0293】
様々なヌクレオチドアナログ、修飾された骨格、または非天然起源ヌクレオシド間結合を有する核酸が、本明細書に記載の実施形態において利用される。いくつかの実施形態において、核酸は、天然ヌクレオシド(すなわち、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシン、およびデオキシシチジン)または修飾ヌクレオシドを含む。修飾ヌクレオチドの例としては、塩基修飾ヌクレオシド(例えば、アラシチジン(aracytidine)、イノシン、
イソグアノシン、ネブラリン、プソイドウリジン、2,6-ジアミノプリン、2-アミノプリン、2-チオチミジン、3-デアザ-5-アザシチジン、2’-デオキシウリジン、3-ニトーピロール(3-nitorpyrrole)、4-メチルインドール、4-チオウリジン、4-チオチミジン、2-アミノアデノシン、2-チオチミジン、2-チオウリジン、5-ブロモシチジン、5-ヨードウリジン、イノシン、6-アザウリジン、6-クロロプリン、7-デアザアデノシン、7-デアザグアノシン、8-アザアデノシン、8-アジドアデノシン、ベンズイミダゾール、M1-メチルアデノシン、ピロロ-ピリミジン、2-アミノ-6-クロロプリン、3-メチルアデノシン、5-プロピニルシチジン、5-プロピニルウリジン、5-ブロモウリジン、5-フルオロウリジン、5-メチルシチジン、7-デアザアデノシン、7-デアザグアノシン、8-オキソアデノシン、8-オキソグアノシン、O(6)-メチルグアニン、および2-チオシチジン)、化学修飾塩基および生物修飾塩基(例えば、メチル化塩基)、修飾糖(例えば、2’-フルオロリボース、2’-アミノリボース、2’-アジドリボース、2’-O-メチルリボース、L-鏡像異性ヌクレオシドアラビノース、およびヘキソース)、修飾リン酸基(例えば、ホスホロチオエート結合および5’-N-ホスホラミダイト結合)、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。核酸の化学合成のための天然ヌクレオチド単量体および修飾ヌクレオチド単量体は、容易に入手可能である。いくつかの実施形態において、このような修飾を含む核酸は、天然起源のヌクレオチドのみからなる核酸と比べて増強された特性を示す。いくつかの実施形態において、本明細書に記載の核酸修飾は、ヌクレアーゼ(例えば、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼなど)による消化を低減および/または防止するために利用される。例えば、一方または両方の鎖の3’末端にヌクレオチドアナログを含ませることで、核酸の構造を安定化させる場合がある、消化を低減する命令(For example, the
structure of a nucleic acid may be stabilized by including nucleotide analogs at the 3’ end of one or both strands order to reduce digestion)。
【0294】
異なるヌクレオチド修飾および/または骨格構造が、核酸内の様々な位置に存在していてもよい。このような修飾としては、モルホリノ、ペプチド核酸(PNA)、メチルホスホン酸ヌクレオチド、チオールホスホン酸ヌクレオチド、2’-フルオロN3-P5’-ホスホラミダイト、1’,5’-アンヒドロヘキシトール核酸(HNA)、またはこれらの組み合わせが挙げられる。
【0295】
本明細書で開示される抗Gal3抗体のいずれかは、1または複数(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、もしくは10、またはそれ以上)の本明細書に記載のペイロードに結合される場合がある。
【0296】
結合化学(Conjugation Chemistry)
いくつかの実施形態において、上記ペイロードは、本明細書に記載の抗Gal3抗体に、ネイティブライゲーションによって結合される。いくつかの実施形態において、この結合は、Dawson, et al. “Synthesis of proteins
by native chemical ligation,” Science 1994, 266, 776-779; Dawson, et al. “Modulation of Reactivity in Native Chemical Ligation through the Use of Thiol Additives,” J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 4325-4329; Hackeng, et al. “Protein synthesis by native chemical ligation: Expanded scope by using straightforward methodology.,” Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1999, 96,
10068-10073;またはWu, et al. “Building complex glycopeptides: Development of a cys
teine-free native chemical ligation protocol,” Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 4116-4125に記載されているようなものである。いくつかの実施形態において、この結合は、米国特許第8,936,910号に記載されているようなものである。
【0297】
いくつかの実施形態において、上記ペイロードは、本明細書に記載の抗Gal3抗体に、「トレースレス(traceless)」カップリング技術(フィロケム社(Philochem))を利用した部位特異的な方法によって、結合される。いくつかの実施形態において、この「トレースレス」カップリング技術は、結合性部分にN末端の1,2-アミノチオール基を利用しており、この基が、アルデヒド基を含有するポリ核酸分子と結合している。(Casi et al., “Site-specific traceless coupling of potent cytotoxic drugs to recombinant antibodies for pharmacodelivery,” JACS 134(13): 5887-5892 (2012)参照)
【0298】
いくつかの実施形態において、上記ペイロードは、本明細書に記載の抗Gal3抗体に、結合性部分に非天然アミノ酸を組み入れたものを利用した部位特異的な方法によって、結合される。いくつかの実施形態において、この非天然アミノ酸は、p-アセチルフェニルアラニン(pAcPhe)を含む。いくつかの実施形態において、pAcPheのケト基が、アルコキシ-アミンから誘導された結合性部分に選択的にカップリングされ、オキシム結合を形成する。(Axup et al., “Synthesis of site-specific antibody-drug conjugates using unnatural amino acids,” PNAS 109(40):
16101-16106 (2012)参照)。
【0299】
いくつかの実施形態において、上記ペイロードは、本明細書に記載の抗Gal3抗体に、酵素触媒プロセスを利用した部位特異的な方法によって、結合される。いくつかの実施形態において、この部位特異的な方法は、SMARTag(商標)技術(レッドウッド社(Redwood))を利用する。いくつかの実施形態において、このSMARTag(商標)技術は、アルデヒドタグ存在下の酸化プロセスを通じてホルミルグリシン生成酵素(FGE)によりシステインからホルミルグリシン(FGly)残基を生成し、それから、ヒドラジノ-Pictet-Spengler(HIPS)ライゲーションを介して、FGlyをアルキルヒドライン(alkylhydraine)官能化ポリ核酸分子に結合することを含む。(Wu et al., “Site-specific chemical modification of recombinant proteins produced in mammalian cells by using the genetically encoded aldehyde tag,” PNAS 106(9): 3000-3005 (2009); Agarwal, et
al., “A Pictet-Spengler ligation for protein chemical modification,” PNAS 110(1): 46-51 (2013)参照)。
【0300】
いくつかの実施形態において、上記酵素触媒プロセスは、微生物トランスグルタミナーゼ(mTG)を含む。いくつかの実施形態において、上記ペイロードは、微生物トランスグルタミナーゼにより触媒されるプロセスを利用して、抗Gal3抗体に結合される。いくつかの実施形態において、mTGは、認識配列内のグルタミンのアミド側鎖と、官能化ポリ核酸分子の一級アミンとの間の共有結合の形成を触媒する。いくつかの実施形態において、mTGは、ストレプトマイセス・モバラエンシス(Streptomyces mobarensis)から産生される。(Strop et al., “Locati
on matters: site of conjugation modulates stability and pharmacokinetics of antibody drug conjugates,” Chemistry and Biology 20(2) 161-167 (2013)参照)。
【0301】
いくつかの実施形態において、上記ペイロードは、配列特異的トランスペプチダーゼを利用する、その全体が参照により本明細書に明示的に援用される、PCT公開番号WO2014/140317に記載されているような方法によって、抗Gal3抗体に結合される。
【0302】
いくつかの実施形態において、上記ペイロードは、米国特許出願公開第2015/0105539号および同第2015/0105540号に記載されているような方法によって、本明細書に記載の抗Gal3抗体に結合される。
【0303】
リンカー
いくつかの実施形態において、本明細書に記載のリンカーは、分岐状もしくは非分岐状の単量体からなる長い鎖、および/または、2次元もしくは3次元の単量体からなる架橋結合ネットワーク、からなる天然または合成の重合体を含む。いくつかの実施形態において、このリンカーとしては、多糖、リグニン、ゴム、およびポリアルキレンオキシド(例えば、ポリエチレングリコール)が挙げられる。
【0304】
いくつかの実施形態において、このリンカーとしては、α-,ω-ジヒドロキシルポリエチレングリコール、生分解性ラクトン系重合体、例えばポリアクリル酸、ポリラクチド酸(polylactide acid)(PLA)、ポリグリコール酸(PGA)、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリシアノアクリレート、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(polyethylenterephthalat)(PET、PETG)、ポリエチレンテレフタレート(PETE)、ポリテトラメチレングリコール(PTG)、およびポリウレタン、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定はされない。本明細書で使用される場合、混合物とは、同じ化合物内で、並びに、ブロック共重合体に関して、異なる重合体が使用されていることを言う。いくつかの実施形態において、ブロック共重合体は、重合体の少なくとも1つのセクションが別の重合体の単量体から構成されている重合体である。いくつかの実施形態において、このリンカーは、ポリアルキレンオキシドを含む。いくつかの実施形態において、このリンカーは、PEGを含む。いくつかの実施形態において、このリンカーは、ポリエチレンイミド(PEI)またはヒドロキシエチルデンプン(HES)を含む。
【0305】
いくつかの実施形態において、このポリアルキレンオキシド(例えば、PEG)は、多分散化合物または単分散化合物である。いくつかの実施形態において、多分散物質は、平均重量(重量平均)サイズおよび分散度によって特徴付けられる、異なる分子量の当該物質の分散分布を含む。いくつかの実施形態において、単分散PEGは、1サイズの分子を含む。いくつかの実施形態において、上記リンカーは、多分散または単分散のポリアルキレンオキシド(例えば、PEG)であり、表示分子量は各ポリアルキレンオキシド(例えば、PEG)分子の分子量の平均を表す。
【0306】
いくつかの実施形態において、上記リンカーは、ポリアルキレンオキシド(例えば、PEG)を含み、このポリアルキレンオキシド(例えば、PEG)の分子量は、約200Da、約300Da、約400Da、約500Da、約600Da、約700Da、約800Da、約900Da、約1000Da、約1100Da、約1200Da、約1300Da、約1400Da、約1450Da、約1500Da、約1600Da、約1700Da、約1800Da、約1900Da、約2000Da、約2100Da、約2200
Da、約2300Da、約2400Da、約2500Da、約2600Da、約2700Da、約2800Da、約2900Da、約3000Da、約3250Da、約3350Da、約3500Da、約3750Da、約4000Da、約4250Da、約4500Da、約4600Da、約4750Da、約5000Da、約5500Da、約6000Da、約6500Da、約7000Da、約7500Da、約8000Da、約10,000Da、約12,000Da、約20,000Da、約35,000Da、約40,000Da、約50,000Da、約60,000Da、または約100,000Daである。
【0307】
いくつかの実施形態において、このポリアルキレンオキシド(例えば、PEG)は、離散PEGであり、この離散PEGは、2つ以上の反復エチレンオキシド単位を含む重合体PEGである。いくつかの実施形態において、離散PEG(dPEG)は、2~60個、2~50個、または2~48個の反復エチレンオキシド単位を含む。いくつかの実施形態において、dPEGは、約2個、約3個、約4個、約5個、約6個、約7個、約8個、約9個、約10個、約11個、約12個、約13個、約14個、約15個、約16個、約17個、約18個、約19個、約20個、約22個、約24個、約26個、約28個、約30個、約35個、約40個、約42個、約48個、約50個、またはそれ以上の反復エチレンオキシド単位を含む。いくつかの実施形態において、dPEGは、約2個またはそれ以上の反復エチレンオキシド単位を含む。いくつかの実施形態において、dPEGは、段階的に、純粋な(例えば、約95%、98%、99%、または99.5%)出発物質から、単一分子量の化合物として合成される。いくつかの実施形態において、dPEGは、平均分子量ではなく、特定の分子量を有する。
【0308】
いくつかの実施形態において、上記リンカーは、所望により2~60個、2~50個、または2~48個の反復エチレンオキシド単位を含む、離散PEGである。いくつかの実施形態において、上記リンカーは、約2個、約3個、約4個、約5個、約6個、約7個、約8個、約9個、約10個、約11個、約12個、約13個、約14個、約15個、約16個、約17個、約18個、約19個、約20個、約22個、約24個、約26個、約28個、約30個、約35個、約40個、約42個、約48個、約50個、またはそれ以上の反復エチレンオキシド単位を含むdPEGを含む。
【0309】
いくつかの実施形態において、上記リンカーは、ポリペプチドリンカーである。いくつかの実施形態において、このポリペプチドリンカーは、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、10個、15個、20個、25個、30個、35個、40個、45個、50個、60個、70個、80個、90個、100個、またはそれ以上のアミノ酸残基を少なくとも含む。いくつかの実施形態において、このポリペプチドリンカーは、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、またはそれ以上のアミノ酸残基を少なくとも含む。いくつかの実施形態において、このポリペプチドリンカーは、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、またはそれ以下のアミノ酸残基を高々含む。いくつかの実施形態において、このポリペプチドリンカーは、切断可能なポリペプチドリンカー(例えば、酵素切断または化学切断可能なポリペプチドリンカー)である。いくつかの実施形態において、このポリペプチドリンカーは、切断不可なポリペプチドリンカーである。いくつかの実施形態において、このポリペプチドリンカーは、Val-Cit(バリン-シトルリン)、Gly-Gly-Phe-Gly、Phe-Lys、Val-Lys、Gly-Phe-Lys、Phe-Phe-Lys、Ala-Lys、Val-Arg、Phe-Cit、Phe-Arg、Leu-Cit、Ile-Cit、Trp-Cit、Phe-Ala、Ala-Leu-Ala-Leu、またはGly-Phe-Leu-Glyを含む。いくつかの実施形態において、このポリペプチドリンカーは、Val-Cit(バリン-シトルリン)、Gly-Gly-Phe-Gly、Phe-Lys、Val-Lys、Gly-Phe-Lys、Phe-Phe-Lys、Ala-Lys、Val-Arg、Phe-C
it、Phe-Arg、Leu-Cit、Ile-Cit、Trp-Cit、Phe-Ala、Ala-Leu-Ala-Leu、またはGly-Phe-Leu-Glyなどのペプチドを含む。いくつかの実施形態において、このポリペプチドリンカーは、L-アミノ酸、D-アミノ酸、または、L-アミノ酸およびD-アミノ酸両方の混合物を含む。
【0310】
いくつかの実施形態において、上記リンカーは、ホモ二官能性リンカーを含む。例示的なホモ二官能性リンカーとしては、Lomant試薬 ジチオビス(サクシニミジルプロピオネート)DSP、3’3’-ジチオビス(スルホサクシニミジルプロプリオネート(DTSSP)、スベリン酸ジスクシンイミジル(DSS)、ビス(スルホサクシニミジル)スベレート(BS)、酒石酸ジサクシニミジル(DST)、酒石酸ジスルホサクシニミジル(スルホDST)、エチレングリコビス(サクシニミジルサクシネート)(EGS)、グルタル酸ジスクシンイミジル(DSG)、N,N’-ジサクシニミジルカーボネート(DSC)、アジプイミド酸ジメチル(DMA)、ピメルイミド酸ジメチル(DMP)、スベルイミノ酸ジメチル(DMS)、ジメチル-3,3’-ジチオビスプロピオンイミダート(DTBP)、1,4-ジ-3’-(2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミド)ブタン(DPDPB)、ビスマレイミドヘキサン(BMH)、ハロゲン化アリール含有化合物(DFDNB)(例えば1,5-ジフルオロ-2,4-ジニトロベンゼンまたは1,3-ジフルオロ-4,6-ジニトロベンゼンなど)、4,4’-ジフルオロ-3,3’-ジニトロフェニルスルホン(DFDNPS)、ビス-[β-(4-アジドサリチルアミド)エチル]ジスルフィド(BASED)、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジヒドラジド、カルボヒドラジド、o-トルイジン、3,3’-ジメチルベンジジン、ベンジジン、α,α’-p-ジアミノジフェニル、ジヨード-p-キシレンスルホン酸、N,N’-エチレン-ビス(ヨードアセトアミド)、またはN,N’-ヘキサメチレン-ビス(ヨードアセトアミド)が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0311】
いくつかの実施形態において、上記リンカーは、ヘテロ二官能性リンカーを含む。例示的なヘテロ二官能性リンカーとしては、アミン反応性およびスルフヒドリル架橋剤、例えば、N-サクシニミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(sPDP)、長鎖N-サクシニミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(LC-sPDP)、水溶性長鎖N-サクシニミジル3-(2-ピリジルジチオ)プロピオネート(スルホ-LC-sPDP)、サクシニミジルオキシカルボニル-α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルエン(sMPT)、スルホサクシニミジル-6-[α-メチル-α-(2-ピリジルジチオ)トルアミド]ヘキサノエート(スルホ-LC-sMPT)、サクシニミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(sMCC)、スルホサクシニミジル-4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(スルホ-sMCC)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBs)、m-マレイミドベンゾイル-N-ヒドロキシスルホスクシンイミドエステル(スルホ-MBs)、N-サクシニミジル(4-ヨードアクテイル)アミノベンゾエート(sIAB)(N-succinimidyl(4-iodoacteyl)aminobenzoate (sIAB))、スルホサクシニミジル(4-ヨードアクテイル)アミノベンゾエート(スルホ-sIAB)(sulfosuccinimidyl(4-iodoacteyl)aminobenzoate (sulfo-sIAB))、サクシニミジル-4
-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(sMPB)、スルホサクシニミジル-4-(p-マレイミドフェニル)ブチレート(スルホ-sMPB)、N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)スクシンイミドエステル(GMBs)、N-(γ-マレイミドブチリルオキシ)スルホスクシンイミドエステル(スルホ-GMBs)、サクシニミジル6-((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサノエート(sIAX)、サクシニミジル6-[6-(((ヨードアセチル)アミノ)ヘキサノイル)アミノ]ヘキサノエート(sIAXX)、サクシニミジル4-(((ヨードアセチル)アミノ)メチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(sIAC)、サクシニミジル6-((((4-ヨードアセチル)アミノ)メチル
)シクロヘキサン-1-カルボニル)アミノ)ヘキサノエート(sIACX)、p-ニトロフェニルヨードアセテート(NPIA)、カルボニル反応性およびスルフヒドリル反応性架橋剤、例えば、4-(4-N-マレイミドフェニル)酪酸ヒドラジド(MPBH)、4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサン-1-カルボキシル-ヒドラジド-8(M2C2H)、3-(2-ピリジルジチオ)プロピオニルヒドラジド(PDPH)、アミン反応性および光反応性架橋剤、例えば、N-ヒドロキシサクシニミジル-4-アジドサリチル酸(NHs-AsA)、N-ヒドロキシスルホサクシニミジル-4-アジドサリチル酸(スルホ-NHs-AsA)、スルホサクシニミジル-(4-アジドサリチルアミド)ヘキサノエート(スルホ-NHs-LC-AsA)、スルホサクシニミジル-2-(ρ-アジドサリチルアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(sAsD)、N-ヒドロキシサクシニミジル-4-アジドベンゾエート(HsAB)、N-ヒドロキシスルホサクシニミジル-4-アジドベンゾエート(スルホ-HsAB)、N-サクシニミジル-6-(4’-アジド-2’-ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート(sANPAH)、スルホサクシニミジル-6-(4’-アジド-2’-ニトロフェニルアミノ)ヘキサノエート(スルホ-sANPAH)、N-5-アジド-2-ニトロベンゾイルオキシスクシンイミド(ANB-NOs)、スルホサクシニミジル-2-(m-アジド-o-ニトロベンズアミド)-エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(sAND)、N-サクシニミジル-4(4-アジドフェニル)1,3’-ジチオプロピオネート(sADP)、N-スルホサクシニミジル(4-アジドフェニル)-1,3’-ジチオプロピオネート(スルホ-sADP)、スルホサクシニミジル4-(ρ-アジドフェニル)ブチレート(スルホ-sAPB)、スルホサクシニミジル2-(7-アジド-4-メチルクマリン-3-アセトアミド)エチル-1,3’-ジチオプロピオネート(sAED)、スルホサクシニミジル7-アジド-4-メチルクメイン-3-アセテート(スルホ-sAMCA)(sulfosuccinimidyl 7-azido-4-methylcoumain-3-acetate (sulfo-sAMCA))、ρ-ニトロフェニルジア
ゾピルベート(ρNPDP)、ρ-ニトロフェニル-2-ジアゾ-3,3,3-トリフルオロプロピオネート(PNP-DTP)、スルフヒドリル反応性および光反応性架橋剤、例えば、1-(ρ-アジドサリチルアミド)-4-(ヨードアセトアミド)ブタン(AsIB)、N-[4-(ρ-アジドサリチルアミド)ブチル]-3’-(2’-ピリジルジチオ)プロピオンアミド(APDP)、ベンゾフェノン-4-ヨードアセトアミド、ベンゾフェノン-4-マレイミド カルボニル反応性および光反応性架橋剤、例えば、ρ-アジドベンゾイルヒドラジド(ABH)、カルボキシレート反応性および光反応性架橋剤、例えば、4-(ρ-アジドサリチルアミド)ブチルアミン(AsBA)、並びに、アルギニン反応性および光反応性架橋剤、例えば、ρ-アジドフェニルグリオキサール(APG)が挙げられるが、これらに限定はされない。
【0312】
いくつかの実施形態において、上記リンカーは、安息香酸基、またはその誘導体を含む。いくつかの実施形態において、安息香酸基またはその誘導体は、パラアミノ安息香酸(PABA)を含む。いくつかの実施形態において、安息香酸基またはその誘導体は、γ-アミノ酪酸(GABA)を含む。
【0313】
いくつかの実施形態において、上記リンカーは、マレイミド基、ペプチド部分、および/または安息香酸基のうちの1または複数を、任意の組み合わせで含む。いくつかの実施形態において、上記リンカーは、マレイミド基、ペプチド部分、および/または安息香酸基の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、このマレイミド基は、マレイミドカプロイル(mc)である。いくつかの実施形態において、このペプチド基は、val-citである。いくつかの実施形態において、この安息香酸基は、PABAである。いくつかの実施形態において、このリンカーは、mc-val-cit基を含む。いくつかの実施形態において、このリンカーは、val-cit-PABA基を含む。別の場合では、上記リンカーは、mc-val-cit-PABA基を含む。
【0314】
いくつかの実施形態において、上記リンカーは、自壊性リンカー(self-immolative linker)または自滅性リンカー(self-elimination linker)である。いくつかの実施形態において、上記リンカーは、自壊性リンカーである。他の例では、上記リンカーは、自滅性リンカー(例えば、環化自滅性リンカー)である。いくつかの実施形態において、上記リンカーは、米国特許第9,089,614号またはPCT公開番号WO2015038426に記載されているリンカーを含む。
【0315】
いくつかの実施形態において、上記リンカーは、樹状リンカー(dendritic type linker)である。いくつかの実施形態において、この樹状リンカーは、分岐した多官能性リンカー部分を含む。いくつかの実施形態において、この樹状リンカーは、PAMAMデンドリマーを含む。
【0316】
いくつかの実施形態において、上記リンカーは、トレースレスリンカー、すなわち、切断後に抗体またはペイロードにリンカー部分(例えば、原子またはリンカー基)を残さないリンカーである。例示的なトレースレスリンカーとしては、ゲルマニウムリンカー、ケイ素リンカー、硫黄リンカー、セレンリンカー、窒素リンカー、リンリンカー、ホウ素リンカー、クロムリンカー、またはフェニルヒドラジドリンカーが挙げられるが、限定はされない。いくつかの実施形態において、上記リンカーは、Hejesen, et al., “A traceless aryl-triazene linker for
DNA-directed chemistry,” Org Biomol Chem 11(15): 2493-2497 (2013)に記載されているような、トレースレスアリール-トリアゼンリンカーである。いくつかの実施形態において、上記リンカーは、Blaney, et al., “Traceless solid-phase organic synthesis,” Chem. Rev. 102: 2607-2024 (2002)に記載されているトレースレスリンカーである。いくつかの実施形態において、リンカーは、米国特許第6,821,783号に記載されているようなトレースレスリンカーである。
【0317】
本発明は、本明細書において、多数の実施形態を記載するために、概して肯定文を用いて開示されている。本発明は、物質もしくは材料、方法の工程および条件、プロトコル、または手順など、主題が完全または部分的に除外された実施形態も含む。
【0318】
本明細書で提供されるいくつかの実施形態は、以下に提供される番号付けされた構成によって説明され、また、可能な組み合わせまたは重複する実施形態として提供される。
【0319】
1. 配列番号2の配列を有する重鎖CDR1(HCDR1)、配列番号3の配列を有する重鎖CDR2(HCDR2)、配列番号4の配列を有する重鎖CDR3(HCDR3)、配列番号5の配列を有する軽鎖CDR1(LCDR1)、配列番号6の配列を有する軽鎖CDR2(LCDR2)、および配列番号7の配列を有する軽鎖CDR3(LCDR3)を含む、抗体の治療有効量;
ヒスチジン;
メチオニン;
NaCl;並びに
ポリソルベート、
を含み、
pH5.3~6.3である、
抗体医薬製剤。
【0320】
2. 前記ヒスチジンがL-ヒスチジンである、構成1に記載の抗体医薬製剤。
【0321】
3. 前記L-ヒスチジンが10~50mMで存在する、構成2に記載の抗体医薬製剤。
【0322】
4. 前記L-ヒスチジンが約20mMで存在する、構成2に記載の抗体医薬製剤。
【0323】
5. 前記メチオニンが2~10mMで存在する、構成1~4のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0324】
6. 前記メチオニンが5mMで存在する、構成1~5のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0325】
7. 前記NaClが50~150mMで存在する、構成1~6のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0326】
8. 前記NaClが100mMで存在する、構成1~7のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0327】
9. 前記ポリソルベートが、ポリソルベート-20、ポリソルベート-40、ポリソルベート-60、ポリソルベート-80、またはこれらの任意の組み合わせを含む、構成1~8のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0328】
10. 前記ポリソルベートがポリソルベート-80である、構成1~9のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0329】
11. 前記ポリソルベート80が0.01~0.04%または約0.01%~約0.04%で存在する、構成10に記載の抗体医薬製剤。
【0330】
12. 前記ポリソルベート80が0.02%~約0.02%で存在する、構成11に記載の抗体医薬製剤。
【0331】
13. pHが約5.8である、構成1~12のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0332】
14. pHが5.8である、構成1~13のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0333】
15. スクロース、マンニトール、またはその両方をさらに含む、構成1~14のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0334】
16. 前記スクロースが2%~5%または約2%~約5%で存在する、構成15に記載の抗体医薬製剤。
【0335】
17. マンニトールが2%~5%または約2%~約5%で存在する、構成15または構成16に記載の抗体医薬製剤。
【0336】
18. 前記抗体が単位用量として70~7500mgの量で存在する、構成1~17のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0337】
19. 前記抗体が単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、および7500mgのうちの1つの量で存在する、構成1~18のいずれか一
に記載の抗体医薬製剤。
【0338】
20. 前記抗体が単位用量として75mg、450mg、1500mg、3750mg、および7500mgのうちの1つの量で存在する、または、前記量のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の量で存在する、構成1~19のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0339】
21. 前記抗体が単位用量として70mg、140mg、200mg、420mg、700mg、2100mg、および5000mgのうちの1つの量で存在する、または、前記量のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の量で存在する、構成1~20のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0340】
22. 前記抗体が1mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、20mg/mL、40mg/mL、および50mg/mLのうちの1つの濃度で存在する、または前記濃度の任意の2つによって規定される範囲内の任意の濃度で存在する、構成1~21のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0341】
23. L-ヒスチジンが約20mMで存在し、メチオニンが約5mMで存在し、NaClが約100mMで存在し、ポリソルベート80が約0.02%で存在し、スクロースが2~5%で存在し、マンニトールが2~5%で存在し、pHが約5.8であり、前記抗体の治療有効量が、単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、および7500mgのうちのいずれか1つ、または前記量のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の量である、構成1~22のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0342】
24. 前記抗体の治療有効量が単位用量として75mg、450mg、1500mg、3750mg、および7500mgのうちの1つである、構成23に記載の抗体医薬製剤。
【0343】
25. 前記抗体の治療有効量が単位用量として70mg、140mg、200mg、420mg、700mg、2100mg、および5000mgのうちの1つである、構成23に記載の抗体医薬製剤。
【0344】
26. 抗体の治療有効量を含む抗体医薬製剤であって、
前記抗体が、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、前記抗体は、単位用量としての70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、または7500mgという量で存在し;
L-ヒスチジンが20mMで存在し;
メチオニンが5mMで存在し;
NaClが100mMで存在し;
ポリソルベート80が0.02%で存在し;
pHが約5.8である、
抗体医薬製剤。
【0345】
27. 前記抗体が単位用量として75mg、450mg、1500mg、3750mg、または7500mgという量で存在する、構成26に記載の抗体医薬製剤。
【0346】
28. 前記抗体が単位用量として70mg、140mg、200mg、420mg、700mg、2100mg、または5000mgという量で存在する、構成26に記載の抗体医薬製剤。
【0347】
29. スクロースが2~5%で存在し、マンニトールが2~5%で存在する、構成1~28のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0348】
30. 非経口投与用に構成されている、構成1~29のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0349】
31. 皮下投与用に構成されている、構成1~30のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0350】
32. 皮下投与用に構成されている製剤が、スクロースもしくはマンニトール、またはその両方を含む、構成31に記載の抗体医薬製剤。
【0351】
33. 静脈内投与用に構成されている、構成1~32のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0352】
34. 静脈内投与用に構成されている製剤がスクロースもしくはマンニトール、またはその両方を含まない、構成33に記載の抗体医薬製剤。
【0353】
35. 20mg/mLまたは50mg/mLの抗体濃度に調製されている、構成1~34のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0354】
36. 5℃または25℃/60%相対湿度(RH)において3か月間に亘って、60%の安定性を維持する、構成1~35のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0355】
37. 配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2;および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、各CDRが、最大で1つ、2つ、3つ、4つ、または5つのアミノ酸が記載された配列から変化していることがある、抗体の治療有効量;
ヒスチジン;
メチオニン;
NaCl;並びに
ポリソルベート、
を含み、
pH5.3~6.3である、
抗体医薬製剤。
【0356】
38. スクロースもしくはマンニトール、またはその両方をさらに含む、構成37に記載の抗体医薬製剤。
【0357】
39. 前記抗体が単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、または7500mgという量で存在する、構成37または構成38に記載の抗体医薬製剤。
【0358】
40. 前記抗体が単位用量として75mg、450mg、1500mg、3750mg、または7500mgという量で存在する、構成37~39のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0359】
41. 前記抗体が単位用量として70mg、140mg、200mg、420mg、700mg、2100mg、または5000mgという量で存在する、構成37~40のいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0360】
42. 抗体医薬製剤を含む滅菌バイアルであって、前記抗体医薬製剤は抗体の治療有効量を含み、前記抗体は、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2;および配列番号7の配列を有するLCDR3を含む、滅菌バイアル。
【0361】
43. 前記抗体医薬製剤がヒスチジン、メチオニン、NaCl、およびポリソルベートをさらに含み、前記製剤がpH5.3~6.3である、構成37に記載の滅菌バイアル。
【0362】
44. 5mLまたは10mLの滅菌バイアルである、構成37または構成38に記載の滅菌バイアル。
【0363】
45. 2mL、3mL、4mL、5mL、6mL、7mL、8mL、9mL、または10mLの前記抗体医薬製剤を含む、構成37~39のいずれか一に記載の滅菌バイアル。
【0364】
46. 2mLまたは少なくとも2mLの前記抗体医薬製剤を含む、構成37~40のいずれか一に記載の滅菌バイアル。
【0365】
47. 8mLまたは少なくとも8mLの前記抗体医薬製剤を含む、構成37~40のいずれか一に記載の滅菌バイアル。
【0366】
48. 前記抗体医薬製剤が構成1~36のいずれか一に記載の抗体医薬製剤の濃縮形態である、構成37~42のいずれか一に記載の滅菌バイアル。
【0367】
49. 前記抗体医薬製剤の濃縮形態が20mg/mL、30mg/mL、40mg/mL、50mg/mL、60mg/mL、70mg/mL、80mg/mL、90mg/mL、もしくは100mg/mLの抗体濃度、または前記濃度のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の濃度である、構成43に記載の滅菌バイアル。
【0368】
50. 前記抗体医薬製剤の濃縮形態が20mg/mLまたは少なくとも20mg/mLの抗体濃度である、構成43または構成44に記載の滅菌バイアル。
【0369】
51. 前記抗体医薬製剤の濃縮形態が50mg/mLまたは少なくとも50mg/mLの抗体濃度である、構成43~45のいずれか一に記載の滅菌バイアル。
【0370】
52. 前記抗体医薬製剤の濃縮形態が、1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、11倍、12倍、13倍、14倍、15倍、16倍、17倍、18倍、19倍、20倍、30倍、40倍、50倍、60倍、70倍、80倍、90倍、もしくは100倍、または前記倍率のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の倍率の希釈がなされることが意図されている、構成43~46のいずれか一に記載の滅菌
バイアル。
【0371】
53. 前記抗体医薬製剤の濃縮形態が、0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.4mg/mL、0.5mg/mL、0.6mg/mL、0.7mg/mL、0.8mg/mL、0.9mg/mL、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、7mg/mL、8mg/mL、9mg/mL、10mg/mL、11mg/mL、12mg/mL、13mg/mL、14mg/mL、15mg/mL、16mg/mL、17mg/mL、18mg/mL、19mg/mL、もしくは20mg/mL、または前記濃度のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の濃度に希釈されることが意図されている、構成43~47のいずれか一に記載の滅菌バイアル。
【0372】
54. 前記抗体医薬製剤の濃縮形態が、200mL、210mL、220mL、230mL、240mL、250mL、260mL、270mL、280mL、290mL、300mL、310mL、320mL、330mL、340mL、350mL、360mL、370mL、380mL、390mL、400mL、410mL、420mL、430mL、440mL、450mL、460mL、470mL、480mL、490mL、500mL、510mL、520mL、530mL、540mL、550mL、560mL、570mL、580mL、590mL、もしくは600mLという最終体積、または前記体積のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の体積に希釈されることが意図されている、構成43~48のいずれか一に記載の滅菌バイアル。
【0373】
55. 前記抗体医薬製剤の濃縮形態が生理食塩水で希釈されることが意図されている、構成43~49のいずれか一に記載の滅菌バイアル。
【0374】
56. 前記抗体医薬製剤が非経口投与用に構成されている、構成43~50のいずれか一に記載の滅菌バイアル。
【0375】
57. 前記抗体医薬製剤が皮下投与用に構成されている、構成43~51のいずれか一に記載の滅菌バイアル。
【0376】
58. 前記皮下投与用に構成されている抗体医薬製剤がスクロースもしくはマンニトール、またはその両方を含む、構成52に記載の滅菌バイアル。
【0377】
59. 前記抗体医薬製剤が静脈内投与用に構成されている、構成43~51のいずれか一に記載の滅菌バイアル。
【0378】
60. 静脈内投与用に構成されている抗体医薬製剤がスクロースもしくはマンニトール、またはその両方を含まない、構成54に記載の滅菌バイアル。
【0379】
61. 前記抗体医薬製剤が、5℃または25℃/60%相対湿度(RH)において3か月間に亘って、60%の安定性を維持する、構成37~55のいずれか一に記載の滅菌バイアル。
【0380】
62. 前記抗体が配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有する重鎖可変ドメイン(VH)領域を含む、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0381】
63. 前記抗体が配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95
%、99%、または100%の同一性を示す配列を有する軽鎖可変ドメイン(VL)領域を含む、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0382】
64. 前記抗体が配列番号8の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVH領域を含み、前記抗体が配列番号9の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有するVL領域を含む、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0383】
65. 前記抗体が配列番号8の配列を有するVH領域を含む、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0384】
66. 前記抗体が配列番号9の配列を有するVL領域を含む、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0385】
67. 前記抗体が配列番号8の配列を有するVH領域を含み、且つ、前記抗体が配列番号9の配列を有するVL領域を含む、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0386】
68. 前記抗体が配列番号10の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有する重鎖(HC)を含む、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0387】
69. 前記抗体が配列番号11の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を示す配列を有する軽鎖(LC)を含む、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0388】
70. 前記抗体が配列番号10の配列を有するHCを含む、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0389】
71. 前記抗体が配列番号11の配列を有するLCを含む、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0390】
72. 前記抗体が配列番号12の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列によってコードされるVHを含む、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0391】
73. 前記抗体が配列番号13の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列によってコードされるVLを含む、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0392】
74. 前記抗体が配列番号12の核酸配列によってコードされるVHを含む、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0393】
75. 前記抗体が配列番号13の核酸配列によってコードされるVLを含む、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0394】
76. 前記抗体が配列番号14の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列によってコードされるHCを含む、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0395】
77. 前記抗体が配列番号15の配列に対し少なくとも80%、85%、90%、95%、99%、または100%の同一性を有する核酸配列によってコードされるLCを含む、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0396】
78. 前記抗体が配列番号14の核酸配列によってコードされるHCを含む、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0397】
79. 前記抗体が配列番号15の核酸配列によってコードされるLCを含む、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0398】
80. a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、pHが5.7~5.9または約5.7~5.9である、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0399】
81. a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、分子ふるいクロマトグラフィーにより求められた場合に、単量体純度が97.5~99.7%または約97.5~99.7%である、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0400】
82. a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、キャピラリー等電点電気泳動(cIEF)により求められた場合に、pIが7.0または約7.0である、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0401】
83. a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、cIEFにおける酸性側ピークが15.0~54.7%または約15.0~54.7%である、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0402】
84. a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、cIEFにおける主ピークが39.7~78.8%または約39.7~78.8%である、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0403】
85. a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、cIEFにおける塩基性側ピークが5.5~8.9%または約5.5~8.9%である、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0404】
86. a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、キャピラリー電気泳動(CE)により求められた場合に、非還元型(NR)単量体のピークが98.1~100%または約98.1~100%である、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0405】
87. a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、CEにより求められた場合に、還元型(R)の重鎖および軽鎖(HC+LC)のピークが97.8~100%または約97.8~100%である、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0406】
88. a)40℃で7日間、14日間、21日間、もしくは28日間、b)25℃で14日間、もしくは1か月間、3か月間、6か月間、もしくは9か月間、c)4℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間、もしくは、d
)-80℃で1か月間、3か月間、6か月間、9か月間、12か月間、もしくは18か月間保存された場合に、および/または、シェアストレスもしくは凍結解凍、所望により3回もしくは5回の凍結解凍を受けた後に、バイオレイヤー干渉(BLI)により求められた場合に、解離定数(KD)が1.7~4.2または約1.7~4.2である、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0407】
89. a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、cIEFにより求められた場合に、pIが7.0または約7.0である、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0408】
90. a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、cIEFにおける酸性側ピークが17~26%または約17~26%である、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0409】
91. a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、cIEFにおける主ピークが66~77%または約66~7%である、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0410】
92. a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、cIEFにおける塩基性側ピークが6~8%または約6~8%である、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0411】
93. a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、超高速液体クロマトグラフィー-分子ふるいクロマトグラフィー(UPLC-SEC)により求められた場合に、単量体純度が99.3~99.5%または約99.3~99.5%である、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0412】
94. a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、CEにより求められた場合に、非還元型(NR)単量体のピークが98~99%または約98~99%である、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0413】
95. a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、CEにより求められた場合に、還元型(R)の重鎖および軽鎖(HC+LC)のピークが99.1~100%または約99.1~100%である、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0414】
96. a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、バイオレイヤー干渉(BLI)により測定された場合に、解離定数(KD)が2.0~3.7nMまたは約2.0~3.7nMである、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0415】
97. a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、ELISAにより求められた場合に、IC50が1.2~2.5μg/mLまたは約1.2~2.5μg/mLである、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0416】
98. a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、pHが5.8~5.9または約5.8~5.9である、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0417】
99. a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、粒子を本質的に含まない無色透明の溶液という外観を含んでいる、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0418】
100. a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、重量モル浸透圧濃度が226~231mOsm/kgまたは約226~231mOsm/kgである、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0419】
101. a)5℃で1か月、3か月、6か月、9か月、12か月、もしくは18か月、または、b)25℃で1か月、3か月、もしくは6か月保存された場合に、無菌状態を維持している、且つ/または菌体内毒素を含んでいない、前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤。
【0420】
102. 前述の抗体医薬製剤の構成または滅菌バイアルの構成のうちのいずれか一に記載の抗体医薬製剤をアルツハイマー病の治療を必要としている対象に投与すること、
を含む、アルツハイマー病を治療する方法。
【0421】
103. 前記抗体医薬製剤が毎日、毎週、隔週、または10日毎に投与される、構成102に記載の方法。
【0422】
104. 前記対象が単位用量として70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、もしくは7500mgの抗体、または単位用量として前記量のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の量の抗体を投与される、構成102または構成103に記載の方法。
【0423】
105. 前記抗体の治療有効量を含む抗体医薬製剤であって、
前記抗体が、配列番号2の配列を有するHCDR1、配列番号3の配列を有するHCDR2、配列番号4の配列を有するHCDR3、配列番号5の配列を有するLCDR1、配列番号6の配列を有するLCDR2、および配列番号7の配列を有するLCDR3を含み、前記抗体は、単位用量としての70mg、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、または7500mgという量で存在し;
L-ヒスチジンが20mMで存在し;
メチオニンが5mMで存在し;
NaClが100mMで存在し;
ポリソルベート80が0.02%で存在し;
pHが約5.8である、
抗体医薬製剤を前記対象が投与される、
構成102~104のいずれか一に記載の方法。
【0424】
106. 前記対象が単位用量として75mg、450mg、1500mg、3750mg、または7500mgの抗体を投与される、構成102~105のいずれか一に記載の方法。
【0425】
107. 前記対象が単位用量として70mg、140mg、200mg、420mg、700mg、2100mg、または5000mgの抗体を投与される、構成102~105のいずれか一に記載の方法。
【0426】
108. 前記単位用量が10分間、20分間、30分間、40分間、50分間、60分間、70分間、80分間、90分間、100分間、120分間、130分間、140分間、150分間、160分間、170分間、180分間、190分間、または200分間の間に投与される、構成102~107のいずれか一に記載の方法。
【0427】
109. 前記単位用量が60分間の間に投与される、構成102~108のいずれか一に記載の方法。
【0428】
110. 前記抗体が0.1mg/mL、0.2mg/mL、0.3mg/mL、0.4mg/mL、0.5mg/mL、0.6mg/mL、0.7mg/mL、0.8mg/mL、0.9mg/mL、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、6mg/mL、7mg/mL、8mg/mL、9mg/mL、10mg/mL、11mg/mL、12mg/mL、13mg/mL、14mg/mL、15mg/mL、16mg/mL、17mg/mL、18mg/mL、19mg/mL、もしくは20mg/mLという濃度、または前記濃度のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の濃度となるように、前記抗体医薬製剤が最初に希釈されてから投与される、構成102~109のいずれか一に記載の方法。
【0429】
111. 前記抗体医薬製剤が200mL、210mL、220mL、230mL、240mL、250mL、260mL、270mL、280mL、290mL、300mL、310mL、320mL、330mL、340mL、350mL、360mL、370mL、380mL、390mL、400mL、410mL、420mL、430mL、440mL、450mL、460mL、470mL、480mL、490mL、500mL、510mL、520mL、530mL、540mL、550mL、560mL、570mL、580mL、590mL、もしくは600mLという体積、または前記体積のうちの任意の2つによって規定される範囲内の任意の体積で投与されるように、前記抗体医薬製剤が最初に希釈されてから投与される、構成102~110のいずれか一に記載の方法。
【0430】
112. 前記抗体医薬製剤が生理食塩水で希釈される、構成110または構成111に記載の方法。
【0431】
113. アルツハイマー病の治療を必要としている対象を特定する工程をさらに含む、構成102~112のいずれか一に記載の方法。
【0432】
114. 前記アルツハイマー病の治療を必要としている対象を特定する工程が、対象
においてアルツハイマー病疑い症例を確認すること、対象においてアルツハイマー病タイプの認知症を確認すること、または、対象が14以上26以下のミニメンタルステート検査(MMSE)スコアを有すると判定すること、のうちの1または複数を含む、構成113に記載の方法。
【0433】
115. 前記治療工程が、アルツハイマー病の症状が既にある患者に対するものである、構成102~114のうちのいずれか一に記載の方法。
【0434】
116. 前記治療工程が予防的なものである、構成102~115のうちのいずれか一に記載の方法。
【0435】
117. 前記投与工程後に前記アルツハイマー病に改善があるかについて前記対象をモニターすることをさらに含む、構成102~116のいずれか一に記載の方法。
【0436】
118. 前記対象をモニターすることが、血漿中および脳脊髄液中のAβ40、リン酸化tau、ニューロフィラメント軽鎖タンパク質(NfL)、ニューロフィラメント重鎖タンパク質(NfH)、もしくはGal3を測定すること、前記対象のMMSEスコアにおける改善を判定すること、前記対象の神経認知的フレイルインデックス(neurocognitive fragility index)(NFI)における改善を判定すること、前記対象における脳萎縮の低減を観察すること、もしくは、前記対象におけるアミロイドプラークの減少を観察すること、または、これらの任意の組み合わせを含む、構成117に記載の方法。
【0437】
119. 前記抗体医薬製剤が10~18か月間投与される、構成102~118のいずれか一に記載の方法。
【0438】
120. 前記抗体医薬製剤が静脈内投与される、構成102~119のいずれか一に記載の方法。
【0439】
121. 前記抗体医薬製剤が皮下投与される、構成102~120のいずれか一に記載の方法。
【実施例】
【0440】
上述の実施形態のいくつかの局面が以下の実施例でより詳細に開示されるが、これらの実施例が本開示の範囲を限定することは全く意図されていない。本明細書の上記および特許請求の範囲に記載されているような、多くの他の実施形態も、本発明の範囲に含まれることは、当業者には理解される。
【0441】
実施例1.抗Gal3抗体の製剤はヒトにおけるアルツハイマー病の治療に使用することができる
アルツハイマー病を呈する患者は、アルツハイマー病の初期症状を発現しているか、または、アルツハイマー病を発症する危険性があるものである。この患者に、本明細書で開示される抗体医薬製剤のうちの1または複数が、経腸的、経口的、鼻腔内、非経口的、頭蓋内、皮下、筋肉内、皮内、または静脈内に投与される。いくつかの実施形態において、製剤は、静脈内または皮下に投与される。
【0442】
抗体医薬製剤は、単位用量として70mg(または、択一式で、75mg、140mg、200mg、420mg、450mg、700mg、1500mg、2100mg、3750mg、5000mg、もしくは7500mg)が患者に投与されるように、患者に投与される。製剤の単位用量は、60分間(または、択一式で、10分間、20分間、3
0分間、40分間、50分間、70分間、80分間、90分間、100分間、110分間、120分間、130分間、140分間、150分間、160分間、170分間、180分間、190分間、もしくは200分間)の期間に亘って投与される。製剤は、10か月間(または、択一式で、11か月間、12か月間、13か月間、14か月間、15か月間、16か月間、17か月間、または18か月間)の間、毎日(または、択一式で、毎週、隔週、もしくは10日間毎に)投与される。製剤の投与は、アルツハイマー病の別の治療法、例えば、コリンエステラーゼ阻害剤(例えば、タクリン、リバスチグミン、ガランタミン、ドネペジル)、NMDA受容体アンタゴニスト(例えばメマンチン)、またはこれらの両方と組み合わせて、行われる場合がある。
【0443】
抗体医薬製剤の投与後の患者において、アルツハイマー病またはアルツハイマー病に付随する症状の改善が観察される。疾患増悪をモニターするために、当該技術分野において一般的に知られている診断薬が使用される場合がある。患者は、患者の血漿中および脳脊髄液中のAβ40、リン酸化tau、ニューロフィラメント軽鎖タンパク質(NfL)、ニューロフィラメント重鎖タンパク質(NfH)、およびGal-3、患者のMMSEスコア、患者の神経認知的フレイルインデックス(NFI)、容積測定で(例えばMRIで)測定される脳萎縮、並びにアミロイドプラークの有無(例えば、MRI)についてモニターされる。アルツハイマー病患者におけるこれらの特徴の例示的なベースラインレベルを表1に示す。これらのベースラインレベルは異なる患者コホートで見出された所見であり、他のアルツハイマー病患者集団においては、当業者がこれらのレベルに差異を認めるであろうことが想定される。アルツハイマー病または症状の改善は、これらの特徴のうちの1または複数における改善を含む場合がある。アルツハイマー病患者のさらなる例示的なベースラインレベル研究は、以下に見出される場合がある:Sanchez-Valle et al. “Serum neurofilament light levels correlate with severity measures and neurodegeneration markers in autosomal dominant Alzheimer’s disease” Alzheimers Res. Ther. (2018) 10:113, Lehmann et al.
“Relevance of Aβ42/40 Ratio for Detection of Alzheimers Disease Pathology in Clinical Routine: The PLMR Scale” Front. Aging Neurosci. (2018) 10:138, Hanon et al. “Plasma amyloid levels within the Alzheimer’s process and correlations with central biomarkers” Alzheimer’s and Dementia (2018) 14:858-868, Seppala et al. “Plasma Aβ42 and Aβ40 as markers of cognitive change in follow-up: a prospective, longitudinal, population-based cohort study” J. Neurol. Neurosurg. Psychiatry (2010) 81:1123-1127、およびBaldeiras et al. “Addition of the Aβ42/40 ratio to the cerebrospinal fluid biomarker profile increases the predictive value for underlying Alzheimer’s disease dementia in mild cognitive impairment” Alzheimer’s Research & Therapy (2018) 10:33(これらのそれぞれはその全体が参照により本明細書に明示的に援用される)。
【0444】
【0445】
実施例2.抗体製剤の安定性試験
TB006抗体製剤および調製物の短期および長期の安定性を評価した。
【0446】
250mLの0.9%塩化ナトリウム注射液(USP)充填済み滅菌袋内の、0.31mg/mLに希釈したTB006の2つの袋を試験した。4mLの20mg/mL抗体溶液を使用した。この溶液は、実験開始前と時間経過中に無色であり、微粒子状物質を含んでいないことが確認された。希釈後の試料は25±3℃で保存し、0時間、0.5時間、1時間、2時間、および4時間の時点にサンプリングした。
【0447】
非経口投与用の袋内の希釈TB006抗体製剤の調製物を室温で0~4時間保存した。0~4時間後、調製物は少なくとも60%のバイアビリティを維持し、目に見える粒子は観察されなかった(表2)。
【0448】
【0449】
【0450】
TB006抗体製剤を、標準的なFDA条件に従って、長期安定性アッセイの場合は5
℃で、または、加速安定性アッセイの場合は25℃/60%相対湿度(RH)で、0~3か月間維持した。長期条件および加速条件の両製剤が、試験された各種パラメーターにおいて許容範囲内であることが分かった(表3および表4)。
【0451】
【0452】
【0453】
【0454】
【0455】
【0456】
【0457】
実施例3.抗体製剤の追加の安定性試験
様々な温度、期間、および取扱い(例えば、凍結融解)での安定性を含む、TB006抗体製剤の原薬(DS)および製品(DP)のさらなる安定性定量化を行った。
【0458】
表5は、20mM L-ヒスチジン、5mMメチオニン、100mM NaCl、および0.02%ポリソルベート-80の溶液(pH5.8)中の、濃度20mg/mLのTB006 DSの安定性試験を示している。TB006 DSは、シェアストレス、凍結融解、および40℃ストレス試験などの各種条件下において、安定状態を維持した。長期間の低温貯蔵後に、バイオレイヤー干渉(BLI)により測定された場合に、結合活性の減少のみが認められた。
【0459】
表6は、20mM L-ヒスチジン、5mMメチオニン、100mM NaCl、および0.02%ポリソルベート-80の溶液(pH5.8)中の、濃度20mg/mLのTB006 DSの第2の安定性試験を示している。全ての条件後で、製剤の外観は無色透明の液体であった。TB006 DSは、シェアストレス、凍結融解、および40℃ストレス試験などの各種条件下において、安定状態を維持した。長期間の低温貯蔵後に、BLIにより測定された場合に、結合活性の減少のみが認められた。
【0460】
表7は、20mM L-ヒスチジン、5mMメチオニン、100mM NaCl、および0.02%ポリソルベート-80の溶液(pH5.8)中の、濃度50mg/mLのTB006 DSの安定性試験を示している。全ての条件後で、製剤の外観は無色透明の液体であった。TB006 DSは、シェアストレス、凍結融解、および40℃ストレス試験などの各種条件下において、安定状態を維持した。ELISAで測定された場合、製剤中のTB006抗体は、ストレス条件後であっても、Gal3標的に対し安定な結合性を示した。
【0461】
表8は、20mM L-ヒスチジン、5mMメチオニン、100mM NaCl、および0.02%ポリソルベート-80の溶液(pH5.8)中の、濃度20mg/mLのTB006 DPの安定性試験を示している。TB006 DPは、一連の温度および期間の下で、安定状態を維持した。DPは、長期間の後のみ、微粒子状物質を発生させた。
【0462】
【0463】
【0464】
【0465】
【0466】
【0467】
【0468】
【0469】
【0470】
【0471】
【0472】
【0473】
【0474】
【0475】
【0476】
【0477】
【0478】
【0479】
【0480】
【0481】
前述の実施形態の少なくともいくつかにおいて、ある実施形態で使用された1または複数の要素は、置き換えが技術的に実行可能でない場合を除いて、別の実施形態において互換的に使用できる。当業者であれば、特許請求される発明の主題の範囲から逸脱しない範囲で、上記の方法および構成に、様々な他の省略、追加、および変更を為し得ることは理解されよう。全てのそのような変更および変形が、添付の特許請求の範囲によって定義されるような発明の主題の範囲内に含まれることが意図されている。
【0482】
本明細書における実質的に全ての複数形の語および/または単数形の語の使用に関して、当業者であれば、文脈および/または用途に適切となるように、複数形から単数形に、および/または、単数形から複数形に、言い換えることができる。この様々な単数形/複数形の置換は、明確さのために、本明細書で明示的に規定されている場合がある。
【0483】
当業者であれば、通常、本明細書、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲のボディ)で使用される語が、「オープンな」語として、通常は意図されるものであることは、理解されよう(例えば、「含む(including)」という語は、「を含むがこれらに限定はされない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有する(having)」という語は、「を少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、「含む(includes)」という語は、「を含むがこれらに限定はされない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきであることなど)。当業者にはさらに理解されることであるが、導入される請求項記載において特定の数が意図される場合、そのような意図は当該請求項に明示的に記載されることとなり、そのような記載がない場合はそのような意図は存在しない。例えば、理解の一助として、以下の添付の特許請求の範囲は、請求項記載の導入に、「少なくとも1つ」および「1または複数の」という前置きフレーズの使用を含む場合がある。しかしながら、このようなフレーズの使用は、たとえ同一の請求項が「1または複数の」または「少なくとも1つ」といった導入フレーズ、および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項記載の導入が、そのような導入された請求項記載を含む特定の請求項を、そのような記載を1つしか含まない例に限定することを示唆していると解釈されるべきではない(例えば、「a」および/または「an」は「少なくとも1つ」または「1または複数の」を意味すると解釈されるべきである)。請求項記載の導入に定冠詞の使用が用いられる場合も同様のことが当てはまる。加えて、導入された請求項記載において特定の数が明示的に記載されている場合であっても、そのような記載が、記載された数を少なくとも意味していると解釈されるべきであることは、当業者には理解されよう(例えば、他の修飾後もなく、「2つの記載事項」とだけ記載されている場合も、少なくとも2つの記載事項、または2つ以上の記載事項を意味する)。さらに、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つなど」に類した慣用的表現が使用されている場合では、通常、そのような構成は、当該慣用的表現を当業者が理解するであろう意味で、意図されている(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有する系」であれば、Aのみを、Bのみを、Cのみを、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、並びに/またはA、B、およびCを一緒に、有する系を含むがこれらに限定はされない、など)。「A、B、またはCのうちの少なくとも1つなど」に類した慣用的表現が使用されている場合では、通常、そのような構成は、当該慣用的表現を当業者が理解するであろう意味で、意図されている(例えば、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つを有する系」であれば、Aのみを、Bのみを、Cのみを、AおよびBを一緒に、AおよびCを一緒に、BおよびCを一緒に、並びに/またはA、B、およびCを一緒に、有する系を含むがこれらに限定はされない、など)。さらに、2つ以上の代替語を表す実質的にあらゆる離接語および/または離接句は、明細書、特許請求の範囲、または図面のいずれにあっても、それらの語の1つ、それらの語のいずれか、または両方の語を含む可能性を想定していると理解されるべきであると、当業者には理解されよう。例えば、「AまたはB」という句は、「A」という可能性、または「B」という可能性、または「AおよびB」という可能性を含むと理解されよう。
【0484】
加えて、本開示の特性または曲面がマーカッシュ群の観点から記載されている場合、当業者であれば、本開示がまた、当該マーカッシュ群の任意の個々の構成要素または構成要素の亜群の観点で記載されてもいることを認識するであろう。
【0485】
当業者には理解されるように、書面による明細を提供することに関してなど、あらゆる全ての目的において、本明細書で開示される全ての範囲は、あらゆる全ての可能な部分範囲およびそれらの部分範囲の組み合わせも包含する。列挙された範囲がいずれも、同範囲が少なくとも等しい2分の1、3分の1、4分の1、5分の1、10分の1などに分解されることを、十分に説明しており、また可能にすると、容易に認識できる。非限定例として、本明細書において開示されるそれぞれの範囲は、数字の小さい3分の1、中央の3分の1、および数字の大きい3分の1などに容易に分解できる。これもまた当業者には理解されることであるが、「最大で」、「少なくとも」、「よりも大きい」、「よりも小さい」などの語は全て、記載された数字を含み、前述の通りに部分範囲に後に分解可能な範囲を指している。最後に、当業者には理解されるように、ある範囲は、個々の構成要素をそれぞれ含む。すなわち、例えば、1~3個の物品を有する群は、1個の物品、2個の物品、または3個の物品を有する群を指す。同様に、1~5個の物品を有する群は、1個の物品、2個の物品、3個の物品、4個の物品、または5個の物品を有する群を指すなどである。
【0486】
様々な態様および実施形態が本明細書で開示されたが、他の態様および実施形態が当業者には明らかであろう。本明細書で開示された様々な態様および実施形態は、例示を目的としており、限定を意図するものではなく、真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲によって示される。
【0487】
公開および非公開の、出願、特許、および参照文献を含むがこれらに限定はされない、本明細書において引用された全ての参照は、それらの全体が参照によって本明細書に援用され、それにより、本明細書の一部をなす。参照により援用された刊行物、および特許または特許出願が本明細書に含まれる開示と矛盾する場合には、本明細書が、そのような矛盾する事柄にとって代わり、および/またはそれに優先することが意図される。
【配列表】
【国際調査報告】