(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-11
(54)【発明の名称】エアロゾル生成物品及びそれを含むエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20240404BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240404BHJP
A24F 40/30 20200101ALI20240404BHJP
A24D 1/02 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/20
A24F40/30
A24D1/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565632
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2023-10-25
(86)【国際出願番号】 KR2022006912
(87)【国際公開番号】W WO2022240246
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】10-2021-0063009
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イ、チュ ファン
(72)【発明者】
【氏名】キム、チョン フ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン キュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、チュン ホ
(72)【発明者】
【氏名】パク、チュ オン
(72)【発明者】
【氏名】イ、チョン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ピョン スン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、チュン ホ
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA50
4B045AB02
4B045AB11
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA07
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AC14
4B162AC16
4B162AC27
4B162AC41
(57)【要約】
本発明の一側面に係るエアロゾル生成物品は、タバコ媒質部、前記タバコ媒質部から離隔して配置されるフィルター部、前記タバコ媒質部と前記フィルター部を囲むラッパー及び前記タバコ媒質部、前記フィルター部及び前記ラッパーによって囲まれて内部に空間が形成される冷却部を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ媒質部と、
前記タバコ媒質部から離隔して配置されるフィルター部と、
前記タバコ媒質部と前記フィルター部を囲むラッパーと、及び
前記タバコ媒質部、前記フィルター部及び前記ラッパーによって囲まれて内部に空間が形成される冷却部と、を含む、エアロゾル生成物品。
【請求項2】
前記冷却部において、前記タバコ媒質部と前記フィルター部のそれぞれの端部が互いに向き合う、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項3】
前記冷却部の前記空間は、前記タバコ媒質部と前記フィルター部の前記それぞれの端部と前記ラッパーによって形成される、請求項2に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項4】
前記冷却部は、前記タバコ媒質部と前記フィルター部との間に位置する、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項5】
前記ラッパーが、前記タバコ媒質部と前記フィルター部のそれぞれの外周面の少なくとも一部を囲む、請求項4に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項6】
前記ラッパーが、前記タバコ媒質部と前記フィルター部のそれぞれの前記外周面全体を囲む、請求項5に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項7】
前記ラッパーは、前記フィルター部の外側にさらに延長された、請求項5に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項8】
前記ラッパーの厚さは、100μm~350μmである、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項9】
前記ラッパーの坪量は、80g/m
2~150g/m
2である、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項10】
前記タバコ媒質部は、複数のセグメントを含む、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項11】
前記複数のセグメントのうちの少なくとも一つのセグメントは、タバコ媒質を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項12】
請求項1に記載のエアロゾル生成物品の少なくとも一部を加熱する加熱部と、
前記加熱部に電源を供給する電源部と、及び
前記電源部に供給される電源を制御する制御部と、を含む、エアロゾル生成装置。
【請求項13】
液状組成物を加熱してエアロゾルを生成するエアロゾル生成部をさらに含み、
前記エアロゾル生成部から生成された前記エアロゾルは、前記エアロゾル生成物品の内部に流入される、請求項12に記載のエアロゾル生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成物品及びエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、タバコは双子葉植物目、ナス科の多年草のことを言うが、最近ではタバコの葉を巻紙で包み、一側にフィルター部が構成されて、喫煙を目的に製造された製品を通称することもある。このようなタバコは、世界中に数千種にも及び、様々な模様や形で発売されている。
【0003】
この中でも、巻きタバコ、葉巻きタバコ、パイプタバコのように火をつけて吸う燃焼式タバコの場合、煙にニコチンが含まれたエアロゾル以外に、タール、ニトロアミン、炭化水素、一酸化炭素などの成分が多く含まれている。
【0004】
このような燃焼式タバコの欠点を補うための代替案として、巻きタバコを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではなく、巻きタバコ内のエアロゾル生成物質が加熱されることでエアロゾルが生成する方法が広く用いられており、これに対する需要が増加している。これにより、加熱式巻きタバコまたは加熱式エアロゾル生成装置に関する研究が盛んに行われている。
【0005】
具体的には、エアロゾル生成装置は、従来の燃焼式タバコと類似した形態を有し、加熱式巻きタバコ内のエアロゾル生成物質をヒーターや超音波振動などの方式を通じて加熱されることで、エアロゾルを含む主流煙を生成するため、喫煙者の喫煙欲求を満たす機能を果たしながらも、タールのような成分の排出を最小化できるという利点があって、通常の燃焼式巻きタバコに取って代わる新しい市場を形成している。
【0006】
このようなエアロゾル生成装置に使用される加熱式巻きタバコ、すなわちエアロゾル生成物品は、従来の燃焼式タバコとは異なり、内部が様々なセグメントで構成されて製造コストが増加する。また、エアロゾル生成物品を製造する過程で、様々なセグメントが高速で連続的に供給することにより、生産過程においてセグメントがきちんと供給されず、生産が中断されることが頻繁に発生する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記の問題を解決するために、本発明の目的は、生産コストを減らすことができるエアロゾル生成物品を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、生産効率が増加され得るエアロゾル生成物品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一側面に係るエアロゾル生成物品は、タバコ媒質部、前記タバコ媒質部から離隔して配置されるフィルター部、前記タバコ媒質部と前記フィルター部を囲むラッパー及び前記タバコ媒質部、前記フィルター部及び前記ラッパーによって囲まれて内部に空間が形成される冷却部を含むことができる。
【発明の効果】
【0010】
前記のように、本発明の一側面に係るエアロゾル生成物品は、生産コストを減らすことができる。
【0011】
また、エアロゾル生成物品を製造する過程で、生産が中断されることを防止して生産効率を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施例に係るエアロゾル生成物品の概略分解斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施例に係るエアロゾル生成物品の概略斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施例に係るエアロゾル生成物品の断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施例のエアロゾル生成物品の変形例である。
【
図6】
図6は、本発明の第1実施例のエアロゾル生成物品の変形例である。
【
図7】
図7は、本発明の第1実施例のエアロゾル生成物品の変形例である。
【
図8】
図8は、本発明の第2実施例に係るエアロゾル生成物品の断面図である。
【
図9】
図9は、本発明の第1実施例に係るエアロゾル生成物品が挿入されたエアロゾル生成装置の概略構成図である。
【
図10】
図10は、本発明の第1実施例に係るエアロゾル生成物品を製造する過程を示す図面である。
【
図11】
図11は、本発明の第1実施例に係るエアロゾル生成物品を製造する過程を示す図面である。
【
図12】
図12は、本発明の第1実施例に係るエアロゾル生成物品を製造する過程を示す図面である。
【
図13】
図13は、本発明の第1実施例に係るエアロゾル生成物品を製造する過程を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
一般的な慣例によれば、図面に例示されている様々な特徴は、スケールに合わせて描かれていない可能性もある。したがって、様々な特徴の寸法は、明確にするために任意に拡大または縮小される可能性がある。さらに、図面の一部は、与えられたシステム、方法、または装置の全ての構成要素を描写しない可能性もある。最後に、明細書及び図面全体にわたって類似の特徴を示すために類似の参照番号が使用される可能性がある。
【0014】
本発明の一側面に係るエアロゾル生成物品は、タバコ媒質部、前記タバコ媒質部から離隔して配置されるフィルター部、前記タバコ媒質部と前記フィルター部を囲むラッパー及び前記タバコ媒質部、前記フィルター部及び前記ラッパーによって囲まれて内部に空間が形成される冷却部を含むことができる。
【0015】
本実施例によれば、前記冷却部において、前記タバコ媒質部と前記フィルター部のそれぞれの端部が互いに向き合うことができる。
【0016】
本実施例によれば、前記冷却部の前記空間は、前記タバコ媒質部と前記フィルター部の前記それぞれの端部と前記ラッパーによって形成され得る。
【0017】
本実施例によれば、前記冷却部は、前記タバコ媒質部と前記フィルター部との間に位置し得る。
【0018】
本実施例によれば、前記ラッパーが、前記タバコ媒質部と前記フィルター部のそれぞれの外周面の少なくとも一部を囲むことができる。
【0019】
本実施例によれば、前記ラッパーが、前記タバコ媒質部と前記フィルター部のそれぞれの前記外周面全体を囲むことができる。
【0020】
本実施例によれば、前記ラッパーは、前記フィルター部の外側にさらに延長され得る。
【0021】
本実施例によれば、前記ラッパーの厚さは、100μm~350μmであり得る。
【0022】
本実施例によれば、前記ラッパーの坪量は、80g/m2~150g/m2であり得る。
【0023】
本実施例によれば、前記タバコ媒質部は、複数のセグメントを含むことができる。
【0024】
本実施例によれば、前記複数のセグメントのうちの少なくとも一つのセグメントは、タバコ媒質を含むことができる。
【0025】
本発明の他の側面に係るエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成物品の少なくとも一部を加熱する加熱部、前記加熱部に電源を供給する電源部、及び前記電源部に供給される電源を制御する制御部を含むことができる。
【0026】
本実施例によれば、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成するエアロゾル生成部をさらに含み、前記エアロゾル生成部から生成された前記エアロゾルは、前記エアロゾル生成物品の内部に流入され得る。
【0027】
本発明は、様々な変換を加えることができ、様々な実施例を有することができるので、特定の実施例を例示し、発明の概要にて詳しく説明する。しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物ないし代替物を含むものとして理解されなければならない。
【0028】
本発明で使用された用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を持たない限り、複数の表現を含む。本発明で、「含む」または「有する」などの用語は、本明細書に記載の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除しないこととして理解されなければならない。
【0029】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。このとき、添付の図面において同じ構成要素は、なるべく同じ符号で示していることに留意しなければならない。また、本発明の要旨を曖昧にする可能性のある公知機能及び構成に関する詳しい説明は省略する。同様の理由から、添付の図面において一部の構成要素は、誇張されるか、省略されるか、または概略的に図示されている。
【0030】
以下、本発明の第1実施例に係るエアロゾル生成物品について説明する。
【0031】
図1は、本発明の第1実施例に係るエアロゾル生成物品の概略分解斜視図であり、
図2は、本発明の第1実施例に係るエアロゾル生成物品の概略斜視図である。
図3は、
図2のA領域の内部を拡大した図面であり、
図4は、本発明の第1実施例に係るエアロゾル生成物品の断面図である。
【0032】
図1~
図4を参照すると、本発明の第1実施例に係るエアロゾル生成物品(100)は、タバコ媒質部(110)、冷却部(130)、フィルター部(150)、及びラッパー(170)を含むことができる。ここで、
図1~
図4に図示されている構成要素の他に、他の汎用の構成要素がエアロゾル生成物品(100)にさらに含まれ得るということを、本実施例と関連のある技術分野における通常の知識を有する者なら理解することができる。
【0033】
本実施例に係るエアロゾル生成物品(100)は、後述するエアロゾル生成装置(300、
図9参照)に挿入して加熱することができる。このとき、エアロゾル生成物品(100)が加熱されると、使用者に主流煙(mainstream smoke)が伝達され得る。主流煙は、エアロゾル生成物品(100)の内部で上流から下流に流れる気流であり得る。ここで、上流はタバコ媒質部(110)側を意味し、下流はフィルター部(150)側を意味することができる。エアロゾル生成物品(100)の使用者は、エアロゾル生成物品(100)の下流側の端部を介して主流煙を吸入することができる。
【0034】
エアロゾル生成物品(100)は円筒形状からなり得る。このとき、エアロゾル生成物品(100)の直径は、4.7mm~9.9mmであり得る。タバコ媒質部(110)、冷却部(130)及びフィルター部(150)も、4.7mm~9.9mmの直径を有する円筒形状であり得る。
【0035】
また、エアロゾル生成物品(100)は、31mm~60mmの長さを有し得る。タバコ媒質部(110)の長さは、17mm~30mmであり得る。冷却部(130)の長さは、4mm~10mmであり得、フィルター部(150)の長さは、10mm~20mmであり得る。
【0036】
エアロゾル生成物品(100)と構成要素の形状、直径及び長さに対する数値が例示されているが、必ずしもこれに限定されるものではない。エアロゾル生成物品(100)の形成と数値は、当業者によって採用され得る範囲で一部変更することができる。
【0037】
タバコ媒質部(110)は、エアロゾル生成物品(100)の上流側に位置するが、エアロゾルを生成するタバコ媒質を含むことができる。タバコ媒質部(110)のタバコ媒質はニコチンを含むため、主流煙を喫煙する使用者に巻きタバコ特有の味と香りを感じてもらうことができる。
【0038】
本実施例に係るエアロゾル生成物品(100)が、後述するエアロゾル生成装置(300)によって加熱され、エアロゾル生成装置(300)で生成されたエアロゾルが、エアロゾル生成物品(100)の内部に流入される場合、流入されたエアロゾルがタバコ媒質部(110)を通過する過程で、ニコチンがエアロゾル表面に吸着して使用者に伝達され得る。
【0039】
このとき、タバコ媒質に含まれるニコチンは、フリーベースニコチン(free base nicotine)及びニコチン塩(nicotine salt)のうちの一つ以上であり得、ニコチンは自然に発生するニコチンであり得、合成ニコチンでもあり得る。
【0040】
ニコチン塩は、ニコチンに有機酸または無機酸を含む適切な酸を添加することで形成され得る。ニコチン塩を形成するための酸は、血中のニコチン吸収速度、ヒーターの加熱温度、香味または風味、溶解度などを考慮して適切に選択することができる。例えば、ニコチン塩を形成するための酸は、安息香酸、乳酸、サリチル酸、ラウリン酸、ソルビン酸、レブリン酸、ピルビン酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、クエン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、フェニル酢酸、酒石酸、コハク酸、フマル酸、グルコン酸、サッカリン酸、マロン酸、またはリンゴ酸で構成される群から選択される単独の酸、または前記群から選択される二つ以上の酸の混合となり得るが、これに限定されない。
【0041】
一方、タバコ媒質部(110)のタバコ媒質は様々な形態に作製することができる。例えば、タバコ媒質はシート(sheet)に作製することができ、ストランド(strand)に作製することもできる。また、タバコ媒質は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコに作製することもできる。また、タバコ媒質は、タバコを含む顆粒形態に作製することもできる。
【0042】
タバコ媒質部(110)は円筒形状からなり得る。しかし、タバコ媒質部(110)の形状は必ずしもこれに限定されず、様々な形状の断面を有するバー(BAR)形状からなり得る。
【0043】
このとき、タバコ媒質部(110)は、タバコシートをシワができるように折って円筒形状に作製するか、タバコストランド、刻みタバコ、またはタバコ顆粒を円筒形状に成形して作製することができる。
【0044】
タバコ媒質部(110)が、タバコシートが細切された複数のタバコストランドからなる場合、タバコ媒質部(110)は、複数のタバコストランドが互いに同じ方向(平行)に、またはランダムに合わせられて形成され得る。具体的には、タバコ媒質部(110)は、複数のタバコストランドが平行に合わせられて形成され、エアロゾルが通過できる縦方向の複数のチャネルが形成され得る。このとき、タバコストランドのサイズ及び配列によって、縦方向のチャネルは 均一であり得、不均一であり得る。
【0045】
タバコ媒質部(110)は、霧化量を増加させるためにエアロゾル生成物質をさらに含むことができる。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びオレイルアルコールのうちの少なくとも一つを含むことができるが、これに限定されない。
【0046】
タバコ媒質部(110)は、エアロゾルに香味を追加するために香味物質をさらに含むことができる。例えば、タバコ媒質部(110)は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)などといった他の添加物質を含有することができる。また、タバコ媒質部(110)には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、タバコ媒質部(110)に噴射されることにより、添加することができる。
【0047】
このとき、風味剤は、甘草、ショ糖、果糖シロップ、イソ甘味剤(isosweet)、ココア、ラベンダー、シナモン、カルダモン、セロリ、コロハ、カスカリラ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エッセンス、バラオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、ミントオイル、ケイヒ、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモミール、メントール、ケイヒ、イランイラン、サルビア、スペアミント、ショウガ、コリアンダー、またはコーヒーなどを含むことができる。また、湿潤剤は、グリセリンまたはプロピレングリコールなどを含むことができる。
【0048】
タバコ媒質部(110)は熱伝導物質によって囲まれ得る。熱伝導物質は、タバコ媒質部(110)に伝達される熱を均一に分散させて、タバコ媒質部(110)に伝達される熱伝導率を向上させることができ、これによってタバコの味を向上させることができる。熱伝導物質は金属箔であり得、例えば、熱伝導物質はアルミニウムであり得る。しかし、熱伝導物質は、必ずしもこれに限定されず、熱伝導物質として使用される様々な材質が適用され得る。
【0049】
一方、本実施例では、タバコ媒質部(110)は、少なくとも一つのセグメントからなり得る。例えば、タバコ媒質部(110)は、一つのセグメント、二つのセグメント、または三つのセグメントからなり得る。具体的には、
図4に図示された本実施例に係るタバコ媒質部(110)は、一つのセグメントからなり得る。また、
図5及び
図6に図示されたように、タバコ媒質部(110)は、二つのセグメントからなり得る。また、
図7に図示されたように、タバコ媒質部(110)は三つのセグメントからなり得る。
【0050】
図4を参照すると、本実施例のタバコ媒質部(110)は、一つのセグメントからなり得る。タバコ媒質部(110)の前記セグメントは、タバコ媒質で満たされ得る。すなわち、本実施例では、タバコ媒質部(110)がタバコ媒質で満たされた一つのセグメントからなり得る。
【0051】
このとき、前記セグメントは、前述したようにタバコシートをシワができるように折って円筒形状に作製するか、タバコストランド、刻みタバコ、またはタバコ顆粒を円筒形状に成形して作製することができる。また、前記セグメントには霧化量を増加させることができるエアロゾル生成物質及び/または香味物質をさらに含むことができる。
【0052】
また、タバコ媒質部(110)の前記セグメントには、エアロゾル生成物品(100)を加熱するエアロゾル生成装置(300)の加熱部(370、
図9参照)が挿入され得る。
図9では、加熱部(370)がエアロゾル生成物品(100)の周囲に配置されていると図示されているが、これに限定されず、加熱部(370)がタバコ媒質部(110)の内部に挿入されてタバコ媒質部(110)を加熱することもできる。
【0053】
タバコ媒質部(110)は、エアロゾル生成物品(100)を識別するための構成をさらに含むことができる。エアロゾル生成物品(100)は、様々な味と香りなどを示すことができるが、そのような様々な種類のエアロゾル生成物品(100)を互いに識別するための構成(図示せず)を含むことができる。例えば、タバコ媒質部(110)は、エアロゾル生成装置(300)に含まれるエアロゾル生成物品認識用コイルのインダクタンス(inductance)を変化させる金属箔を含むことができる。このとき、金属箔はタバコ媒質部(110)の外周面に配置され得る。
【0054】
一方、
図5及び
図6に図示された変形例では、タバコ媒質部(110)は二つのセグメントからなり得る。二つのセグメントのうちの一つのセグメントはタバコ媒質を含み、もう一つのセグメントはタバコ媒質を含まない可能性がある。
【0055】
図5を参照すると、タバコ媒質部(110)は、第1セグメント(111)及び第2セグメント(119)を含むことができる。第1セグメント(111)は、タバコ媒質で満たされたセグメントであって、前述した
図4のタバコ媒質部(110)のセグメントと同じであり得る。
【0056】
第2セグメント(119)は、エアロゾル生成物品(100)の上流側の端部に位置して、タバコ媒質を含む第1セグメント(111)がエアロゾル生成物品(100)から外部に離脱することを防止することができる。すなわち、本変形例のタバコ媒質部(110)は、上流側から第2セグメント(119)、第1セグメント(111)の順に配置され得る。
【0057】
第2セグメント(119)は、外部から第1セグメント(111)に不純物が流入されることを防止し、喫煙中に液状化されたエアロゾルがエアロゾル生成装置(300、
図9参照)に流れ込むことを防止することができる。
【0058】
また、エアロゾル生成物品(100)がエアロゾル生成装置(300)に挿入される場合、第2セグメント(119)は、エアロゾル生成物品(100)がエアロゾル生成装置(300)に固定されるように、エアロゾル生成物品(100)を支えることができる。
【0059】
第2セグメント(119)は、セルロースアセテート(cellulose acetate)フィルターであり得る。例えば、第2セグメント(119)は、セルロースアセテートトウにトリアセチンなどの可塑剤が添加されて作製され得る。また、セルロースアセテートトウにエアロゾル生成物質が含まれ得る。
【0060】
第2セグメント(119)に含まれるエアロゾル生成物質には、ニコチンが除外され得る。例えば、第2セグメント(119)は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、及びオレイルアルコールのうちの少なくとも一つを含むことができる。しかし、第2セグメント(119)に含まれるエアロゾル生成物質は、必ずしもこれに限定されない。例えば、第2セグメント(119)は、グリセリンとプロピレングリコールとが約8:2の割合で混合された物質を含むことができる。ただし、前述した混合割合に限定されない。
【0061】
それだけでなく、第2セグメント(119)には、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)といった他の添加物質を含有され得る。しかし、第2セグメント(119)の材質及び種類は、必ずしもこれに限定されず、当業者によって採用され得る範囲内で変更することができる。
【0062】
第2セグメント(119)には、エアロゾル生成物品(100)の内部に主流煙を形成するために、外部からエアロゾルを流入させる通孔が形成され得る。第2セグメント(119)に形成される通孔は、円形またはY字形の断面を有し得る。しかし、通孔の断面形状は、必ずしもこれに限定されず、様々な断面形状を有し得る。
【0063】
一方、第2セグメント(119)が、エアロゾル生成物質が含浸された、捲縮されたシートを含む場合には、第2セグメント(119)には通孔が形成されない可能性がある。
【0064】
このとき、エアロゾル生成物品(100)の一部がエアロゾル生成装置(300)に挿入される場合、エアロゾル生成装置(300)で生成されたエアロゾルが、第2セグメント(119)を介してエアロゾル生成物品(100)の内部に流入され、前記エアロゾルが、エアロゾル生成物品(100)の内部で主流煙を形成して使用者に伝達され得る。また、エアロゾル生成物質を含む第2セグメント(119)の内部で生成されたエアロゾルが、主流煙を形成して使用者に伝達され得る。
【0065】
第2セグメント(119)は、エアロゾル生成物品(100)を識別するための構成をさらに含むことができる。エアロゾル生成物品(100)は、様々な味と香りなどを示すことができるが、そのような様々な種類のエアロゾル生成物品(100)を互いに識別するための構成を含むことができる。例えば、第2セグメント(119)は、エアロゾル生成装置(300)に含まれるエアロゾル生成物品認識用コイルのインダクタンス(inductance)を変化させる金属箔を含むことができる。しかし、必ずしもこれに限定されず、エアロゾル生成物品(100)を識別するための構成は、第2セグメント(119)の他にも、第1セグメント(111)に含まれ得る。
【0066】
図6を参照すると、タバコ媒質部(110)は、第1セグメント(111)及び第2セグメント(117)を含むことができる。
【0067】
第1セグメント(111)は上流側の端部に位置するものであって、第1セグメント(111)はタバコ媒質で満たされたセグメントであって、前述した
図5の第1セグメント(111)と同じ材質であり得る。
【0068】
第2セグメント(117)は、第1セグメント(111)のタバコ媒質が、後述する冷却部(130)に離脱することを防止することができる。例えば、第1セグメント(111)内にエアロゾル生成物品(100)を加熱する加熱部が挿入される場合、第1セグメント(111)内のタバコ媒質が離脱して冷却部(130)側に移動し得る。第1セグメント(111)と冷却部(130)との間に第2セグメント(117)が配置されることにより、第1セグメント(111)内のタバコ媒質が冷却部(130)側に離脱することを防止することができる。
【0069】
第2セグメント(117)は、前述した
図5の第2セグメント(119)と同じ材質からなり得る。
【0070】
また、第2セグメント(117)には、第1セグメント(111)で形成されるか、または第1セグメント(111)を貫通するエアロゾルを流入させる通孔が形成され得る。第2セグメント(117)に形成される通孔は、円形またはY字形の断面を有し得る。しかし、通孔の断面形状は、必ずしもこれに限定されず、様々な断面形状を有し得る。
【0071】
このように、タバコ媒質部(110)の第1セグメント(111)と第2セグメント(117)のそれぞれは、前述した
図5のタバコ媒質部(110)の第1セグメント(111)と第2セグメント(119)と同じ材質であり得る。ただし、タバコ媒質部(110)の第1セグメント(111)及び第2セグメント(117)は、
図5の第1セグメント(111)及び第2セグメント(119)とは異なる順序で配置され得る。すなわち、本変形例のタバコ媒質部(110)は、上流側から第1セグメント(111)、第2セグメント(117)の順に配置され得る。
【0072】
一方、
図7に図示された変形例では、タバコ媒質部(110)は三つのセグメントからなり得る。三つのセグメントのうちの少なくとも一つのセグメントはタバコ媒質を含むことができる。
【0073】
図7を参照すると、タバコ媒質部(110)は、第1セグメント(111)、第2セグメント(113)、及び第3セグメント(115)を含むことができる。本変形例では、タバコ媒質を含む第1セグメント(111)が中央に配置されて、上流側から第2セグメント(113)、第1セグメント(111)、及び第3セグメント(115)の順に配置され得る。
【0074】
第1セグメント(111)は、タバコ媒質部(110)の三つのセグメントの中で中央に位置するものであって、第1セグメント(111)はタバコ媒質で満たされたセグメントであって、前述した
図5の第1セグメント(111)と同じ材質であり得る。
【0075】
第2セグメント(113)及び第3セグメント(115)は、第1セグメント(111)を中心に両側に配置されるものであって、第2セグメント(113)と第3セグメント(115)は、前述した
図5の第2セグメント(119)と同じ材質からなり得る。
【0076】
第2セグメント(113)は、外部から第1セグメント(111)に不純物が流入されることを防止し、喫煙中に液状化されたエアロゾルがエアロゾル生成装置(300)に流れ込むことを防止することができる。この他に、第2セグメント(113)は、前述した
図5の第2セグメント(119)と同じ構造、機能及び材質を有し得る。
【0077】
第3セグメント(115)は、第1セグメント(111)のタバコ媒質が冷却部(130)に離脱することを防止することができる。この他に、第3セグメント(115)は、前述した
図6の第2セグメント(117)と同じ構造、機能及び材質を有し得る。
【0078】
このように、本変形例では、タバコ媒質を含む第1セグメント(111)を両側で第2セグメント(113)及び第3セグメント(115)が配置されることにより、タバコ媒質部(110)を構成することができる。
【0079】
再び
図1~
図4を参照すると、本実施例では、フィルター部(150)がタバコ媒質部(110)から離隔して下流側の端部に位置し得る。フィルター部(150)は、主流煙に含まれる物質のうちの少なくとも一つを濾過することができる。
【0080】
フィルター部(150)は、セルロースアセテート(cellulose acetate)フィルターであり得、セルロースアセテートトウにトリアセチンなどの可塑剤が添加されて作製され得る。しかし、フィルター部(150)の材質及び種類は、必ずしもこれに限定されず、当業者によって採用され得る範囲内で変更することができる。
【0081】
フィルター部(150)は円筒形のロッド形状であり得る。しかし、フィルター部(150)の形状は、必ずしもこれに限定されず、タバコ媒質部(110)の形状に対応して様々な形状を有し得る。
【0082】
フィルター部(150)は香味を発生するように作製され得る。例えば、フィルター部(150)に加香液が噴射され得、加香液が塗布される別途の繊維がフィルター部(150)の内部に含まれ得る。
【0083】
または、フィルター部(150)には、少なくとも一つのカプセル(図示せず)が含まれ得る。カプセルは香味を発生させることもでき、エアロゾルを発生させることもできる。例えば、カプセルは、香料を含む液体を皮膜で包む構造であり得る。このとき、カプセルは球形または円筒形の形状を有し得るが、カプセルの形状は必ずしもこれに限定されない。
【0084】
一方、本実施例に係るエアロゾル生成物品(100)は、ラッパー(wrapper)170によって包装され得る。ラッパー(170)は、互いに離隔したタバコ媒質部(110)とフィルター部(150)を囲むことができる。このように、ラッパー(170)がタバコ媒質部(110)とフィルター部(150)を囲むと、エアロゾル生成物品(100)の固有の形状である円柱のロッド形状を維持することができる。
【0085】
ラッパー(170)は、互いに離隔したタバコ媒質部(110)とフィルター部(150)のそれぞれの外周面の少なくとも一部を囲むことができる。ラッパー(170)は、タバコ媒質部(110)とフィルター部(150)との間の空間を囲みながら、タバコ媒質部(110)とフィルター部(150)のそれぞれの外周面の少なくとも一部を囲むことができる。
【0086】
好ましくは、ラッパー(170)は、タバコ媒質部(110)とフィルター部(150)の外周面全体を囲むことができる。これにより、互いに離隔したタバコ媒質部(110)とフィルター部(150)との間の空間をラッパー(170)が囲むようになり、この空間が後述する冷却部(130)として形成され得る。
【0087】
ラッパー(170)には、エアロゾル生成物品(100)に外気が流入されたり、内部空気が流出されたりするように、少なくとも一つの開口(図示せず)が形成され得る。開口は、タバコ媒質部(110)の対応する位置に形成され得、冷却部(130)に対応する位置に形成され得、フィルター部(150)に対応する位置に形成され得る。
【0088】
一方、本実施例に係るエアロゾル生成物品(100)を構成するタバコ媒質部(110)及びフィルター部(150)のそれぞれは、別途のラッパー(図示せず)によって個別に包装され得る。タバコ媒質部(110)が複数のセグメントを含む場合、複数のセグメントのそれぞれが別途のラッパーで包装され得、複数のセグメントが一つのラッパーで包装され得る。このように、タバコ媒質部(110)とフィルター部(150)が個別に包装される場合、個別に包装されたタバコ媒質部(110)とフィルター部(150)がラッパー(170)によって再包装され得る。
【0089】
ラッパー(170)は、円形の断面を有する冷却部(130)の形状を維持できる強度を有する紙を含むことができる。
【0090】
ラッパー(170)は、複数の紙で構成される合紙からなり得る。例えば、ラッパー(170)は、外側紙、中間紙及び内側紙で構成される合紙であり得るが、必ずしもこれに限定されず、単一の紙であり得る。一方、ラッパー(170)が複数の紙からなる場合、内側紙の内側面は、所定の物質、例えば、ポリ乳酸によってコーティングされ得る。
【0091】
ラッパー(170)が紙である場合、ラッパー(170)の全体の厚さは100μm~350μmの範囲内に含まれ得る。好ましくは、ラッパー(170)の全体の厚さは約110μm~180μmであり得るが、これに制限されない。
【0092】
また、ラッパー(170)が紙である場合、ラッパー(170)の全体の坪量は80g/m2~150g/m2の範囲内に含まれ得る。好ましくは、ラッパー(170)の全体の坪量は約240g/m2であり得るが、これに制限されない。
【0093】
ラッパー(170)には所定の物質が内添され得る。所定の物質の例示としてはシリコンが該当し得、シリコンは温度による変化が少ない耐熱性、酸化されない耐酸化性、各種薬品に対する抵抗性、水に対する撥水性、及び電気絶縁性などの特性を有し得る。ただし、これに限定されるものではなく、前述した特性を有する物質であるならば、制限なくラッパー(170)に塗布され得、コーティングされ得る。
【0094】
ラッパー(170)がエアロゾル生成物品(100)の最外郭面を形成することにより、エアロゾル生成物品(100)の形状は、ラッパー(170)の形状に応じて変更され得る。例えば、ラッパー(170)には、文字、模様、記号、及び画像などが印刷され得、ラッパー(170)に印刷される文字、模様、記号、及び画像などが変更され得るので、エアロゾル生成物品(100)が互いに異なる視覚的情報を提供することができる。
【0095】
本実施例によれば、冷却部(130)がタバコ媒質部(110)とフィルター部(150)との間に配置されて、タバコ媒質部(110)で形成されるか、またはタバコ媒質部(110)を通過する高熱のエアロゾルを冷却させることができる。前記エアロゾルが冷却部(130)の内部を移動しながら冷却され、冷却されたエアロゾルがフィルター部(150)を貫通して使用者に伝達され得る。これにより、高熱のエアロゾルが使用者に直接伝達されることを防止することができる。
【0096】
冷却部(130)は、タバコ媒質部(110)とフィルター部(150)との間の空間をラッパー(170)が包みながら形成され得る。すなわち、冷却部(130)は、互いに向き合うタバコ媒質部(110)及びフィルター部(150)の端部とラッパー(170)が囲む空間と定義することができる。したがって、タバコ媒質部(110)を通過したエアロゾルが前記空間に沿って移動しながら、エアロゾルがフィルター部(150)に向かって流入され得る。
【0097】
本実施例では、冷却部(130)を構成するラッパー(170)は、タバコ媒質部(110)とフィルター部(150)との間にのみ配置されるわけではなく、タバコ媒質部(110)とフィルター部(150)の外周面を共に囲むように配置され得る。このとき、ラッパー(170)は、冷却部(130)の前記空間と共にタバコ媒質部(110)とフィルター部(150)の外周面全体を囲むことができる。しかし、必ずしもこれに限定されず、ラッパー(170)は、タバコ媒質部(110)とフィルター部(150)のそれぞれの外周面の一部のみを囲むこともできる。例えば、ラッパー(170)は、冷却部(130)の前記空間と共に、タバコ媒質部(110)の外周面の一部とフィルター部(150)の外周面の一部のみを囲むこともできる。
【0098】
本実施例によれば、冷却部(130)は、タバコ媒質部(110)とフィルター部(150)とを互いに離隔して配置した後、タバコ媒質部(110)とフィルター部(150)をラッパー(170)で包んで製造することができる。
【0099】
従来のエアロゾル生成物品は、タバコ媒質部、別途のチューブ状の冷却部及びフィルター部を密着させた後、これら全体をラッパーで包んで製造することになる。すなわち、本実施例では別途の冷却部を投入しないが、従来はチューブ状の別途の冷却部を含む。この場合、別途のチューブ状の冷却部を使用することにより、製造コストが上昇する可能性がある。また、エアロゾル生成物品の製造過程において、広げられたラッパー上に高速でタバコ媒質部、チューブ状の冷却部、フィルター部を順次投入した後、ラッパーがタバコ媒質部、冷却部、フィルター部を包む過程を経る。しかし、ラッパー上に載せられたタバコ媒質部、冷却部、フィルター部のうちの少なくとも一つが定位置に置かれない場合、エアロゾル生成物品の製造工程を中断することになる。
【0100】
本実施例によれば、別途のチューブ状の冷却部を投入せずに、エアロゾル生成物品(100)を包装するラッパー(170)で冷却部(130)を形成することにより、別途のチューブ状の冷却部が省略されて製造コストを減少させることができる。また、エアロゾル生成物品の製造過程に別途のチューブ状の冷却部を投入しないため、投入された冷却部が定位置に置かれないことなど、製造工程中に生産を中断する要素が減り、これによってエアロゾル生成物品の生産効率が増加され得る。
【0101】
以下では、本発明の第2実施例に係るエアロゾル生成物品について説明する。
【0102】
図8は、本発明の第2実施例に係るエアロゾル生成物品の断面図である。
【0103】
図8を参照して説明すると、本第2実施例に係るエアロゾル生成物品は、リセス部(190)を除いては、前記第1実施例に係るエアロゾル生成物品(100)と同じ構造からなるため、同じ構成についての重複した説明は省略する。
【0104】
本実施例によれば、
図8に図示されたように、フィルター部(150)の下流側にリセス部(190)が形成され得る。リセス部(190)は、フィルター部(150)を囲むラッパー(170)がフィルター部(150)よりもさらに下流側に延長された構造である。すなわち、本実施例では、前述した第1実施例のエアロゾル生成物品(100)よりもラッパー(170)がフィルター部(150)の外側にさらに延長された形態である。
【0105】
このようなラッパー(170)の形状から、フィルター部(150)はリセス(recess)型のロッド形状を有し得る。
【0106】
リセス部(190)によって下流側のフィルター部(150)の端部に生じるニコチンの痕跡が外部に簡単に露出しやすくなることを防止することができる。したがって、喫煙中または喫煙完了後にエアロゾル生成物品(100)のフィルター部(150)に生じるニコチンの痕跡が外部に露出しないため、美観を損なわない可能性がある。
【0107】
以下、本発明の第1実施例に係るエアロゾル生成物品が挿入されたエアロゾル生成装置について説明する。
【0108】
図9は、本発明の第1実施例に係るエアロゾル生成物品が挿入されたエアロゾル生成装置の概略構成図である。
【0109】
図9を参照すると、本実施例に係るエアロゾル生成装置(300)は、加熱部(370)、電源部(330)、制御部(310)、及びエアロゾル生成部(350)を含むことができる。ここで、
図9に図示されている構成要素の他に、他の汎用の構成要素がエアロゾル生成装置(300)にさらに含まれ得るということを、本実施例と関連のある技術分野における通常の知識を有する者なら理解することができる。
【0110】
一方、
図9では、電源部(330)、制御部(310)及びエアロゾル生成部(350)が一列に配置されていると図示されているが、必要に応じて電源部(330)、制御部(310)及びエアロゾル生成部(350)の配置は変更され得る。また、
図9では、エアロゾル生成部(350)が含まれると図示されているが、エアロゾル生成部(350)が除外され、エアロゾル生成物品(100)が加熱部(370)によって加熱されることだけで作動され得る。
【0111】
エアロゾル生成装置(300)には、エアロゾル生成物品(100)が挿入され得る。エアロゾル生成物品(100)は、固定手段によってエアロゾル生成装置(300)に挿入固定され得る。本実施例では、エアロゾル生成物品(100)のタバコ媒質部(110)が固定手段に該当し得る。しかし、タバコ媒質部(110)の他に、他の固定手段を付加することもできる。
【0112】
加熱部(370)は、エアロゾル生成物品(100)を加熱することができる。電源部(330)から供給された電源によって加熱部(370)が加熱され、これによって加熱部(370)がエアロゾル生成物品(100)に熱を伝達することができる。
【0113】
加熱部(370)は電気抵抗性ヒーターであり得る。加熱部(370)は電気伝導性トラックを含むことができ、電源部(330)から供給される電源によって電気伝導性トラックに電流が流れることにより、加熱部(370)がエアロゾル生成物品(100)を加熱することができる。
【0114】
他の例として、加熱部(370)は誘導加熱式ヒーターであり得る。加熱部(370)は、エアロゾル生成物品(100)を誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含むことができ、エアロゾル生成物品(100)は、誘導加熱式ヒーターによって加熱され得るサセプター(susceptor)を含むことができる。
【0115】
図9の加熱部(370)は、エアロゾル生成物品(100)の外部に配置されると図示されているが、必ずしもこれに限定されない。加熱部(370)は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒状の加熱要素のうちの少なくとも一つを含むことができ、加熱部(370)に含まれる少なくとも一つの加熱要素の形状に応じてエアロゾル生成物品(100)の内部または外部を加熱することができ、内部及び外部を共に加熱することもできる。
【0116】
電源部(330)は、エアロゾル生成装置(300)に用いられる電力を供給する。例えば、電源部(330)は、加熱部(370)が加熱されるように電力を供給することができ、制御部(310)が動作するのに必要な電力を供給することができる。また、電源部(330)は、エアロゾル生成装置(300)のディスプレイ、センサー、モーターなどが動作するのに必要な電力を供給することができる。
【0117】
制御部(310)は、エアロゾル生成装置(300)の動作を全般的に制御する。具体的には、制御部(310)は、電源部(330)及びエアロゾル生成部(350)に含まれる他の構成の動作を制御する。また、制御部(310)は、エアロゾル生成装置(300)の構成のそれぞれの状態を確認して、エアロゾル生成装置(300)が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0118】
エアロゾル生成部(350)は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルはエアロゾル生成物品(100)を通過して使用者に伝達され得る。言い換えれば、エアロゾル生成部(350)によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成物品(100)のタバコ媒質部(110)に流入され得る。
【0119】
エアロゾル生成部(350)は、液体貯蔵部、液体伝達手段、及び加熱要素を含むことができるが、これに限定されない。例えば、液体貯蔵部、液体伝達手段、及び加熱要素は、独立したモジュールとしてエアロゾル生成装置(300)に含まれ得る。
【0120】
前記液体貯蔵部は液状組成物を貯蔵することができる。例えば、液状組成物は、揮発性のタバコ香り成分を含むタバコ含有物質を含む液体であり得、非タバコ物質を含む液体でもあり得る。液体貯蔵部は、脱/着できるように作製され得、エアロゾル生成装置(300)と一体のものとして作製され得る。
【0121】
本発明の一実施例に係るエアロゾル生成部(350)が非タバコ物質を含む液体を含む場合、エアロゾル生成部(350)に含まれる液体貯蔵部に貯蔵された液状組成物がニコチンを含有しない可能性があり、エアロゾル生成部(350)から生成されたエアロゾルは、ニコチンを含有しないままタバコ媒質部(110)に流入され得る。この場合、ニコチンを含有しないエアロゾルは、タバコ媒質部(110)を通過し、ニコチンを吸着するようになり、タバコ媒質部(110)を通過したエアロゾルはニコチンを含有するようになる。
【0122】
エアロゾル生成部(350)に含まれる液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、またはビタミン混合物を含むことができる。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、様々な果物香り成分などを含むことができるが、これに制限されない。香味剤は、使用者に様々な香味または風味を提供できる成分を含むことができる。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、及びビタミンEのうちの少なくとも一つが混合されたものであり得るが、これに制限されない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールなどといったエアロゾル形成剤を含むことができる。
【0123】
以下では、本発明の第1実施例に係るエアロゾル生成物品(100)の製造方法について説明する。
【0124】
図10~
図13は、本発明の第1実施例に係るエアロゾル生成物品を製造する過程を示す図面である。
【0125】
図10~
図13を参照すると、本実施例に係るエアロゾル生成物品の製造方法は、構成部品を連続的に投入するステップ(
図10参照)、ラッパーで包装するステップ(
図11参照)、切断するステップ(
図12参照)、単位エアロゾル生成物品に分離するステップ(
図13参照)を含むことができる。
【0126】
本実施例に係るエアロゾル生成物品の製造方法においては、広げられた連続ラッパー(170L)上にタバコ媒質ロッド(110L)とフィルターロッド(150L)とを連続的に供給し、一定の大きさに切断して単位エアロゾル生成物品(100)を製造することができる。
【0127】
図10を参照すると、連続的に投入される連続ラッパー(170L)上にタバコ媒質ロッド(110L)とフィルターロッド(150L)とを交互に連続的に供給する。このとき、タバコ媒質ロッド(110L)とフィルターロッド(150L)とは、予め定められた間隔で互いに離隔するように供給する。ここで、予め定められた間隔は、前述したエアロゾル生成物品(100)で冷却部(130)が形成されるタバコ媒質部(110)とフィルター部(150)との間の間隔と同じであり得る。
【0128】
このとき、タバコ媒質ロッド(110L)は、前述したタバコ媒質部(110)の長さの2倍に相当する長さを有し得る。同様に、フィルターロッド(150L)も、前述したフィルター部(150)の長さの2倍に相当する長さを有し得る。
【0129】
切断過程において、タバコ媒質ロッド(110L)を二等分するように切断すれば、二つのタバコ媒質部(110)に分離することができる。また、切断過程において、フィルター部(150)を二等分するように切断すれば、二つのフィルター部(150)に分離することができる。
図10において、タバコ媒質ロッド(110L)とフィルターロッド(150L)に図示される点線は、それぞれ切断される切断線を図示したものである。
【0130】
図11を参照すると、予め定められた間隔で離隔したタバコ媒質ロッド(110L)とフィルターロッド(150L)とを連続ラッパー(170L)で囲むことができる。連続ラッパー(170L)の内部またはタバコ媒質ロッド(110L)とフィルターロッド(150L)の外周面に接着剤を塗布し、タバコ媒質ロッド(110L)とフィルターロッド(150L)とを連続ラッパー(170L)で包装することができる。前述したように、連続ラッパー(170L)の内部に位置するタバコ媒質ロッド(110L)は、タバコ媒質部(110)の2倍の長さを有し、フィルターロッド(150L)は、フィルター部(150)の2倍の長さを有し得る。
【0131】
図12を参照すると、連続ラッパー(170L)で包装されたタバコ媒質ロッド(110L)とフィルターロッド(150L)とを切断することができる。連続ラッパー(170L)に連続的に供給されたタバコ媒質ロッド(110L)とフィルターロッド(150L)とをそれぞれ二等分するように切断することができる。
【0132】
より具体的には、
図12に図示されたように、各タバコ媒質ロッド(110L)を二等分し、各フィルターロッド(150L)を二等分するように切断することができる。これにより、一つのタバコ媒質ロッド(110L)は二つのタバコ媒質部(110)に分離され、一つのフィルターロッド(150L)は二つのフィルター部(150)に分離され得る。
【0133】
図13を参照すると、タバコ媒質ロッド(110L)とフィルターロッド(150L)のそれぞれを切断して、単位エアロゾル生成物品(100A、100B、100C、100D)に分離することができる。ここで、単位エアロゾル生成物品(100A、100B、100C、100D)は、前述した実施例に係るエアロゾル生成物品(100)に該当し得る。このように、本実施例では、連続ラッパー(170L)上に供給されたタバコ媒質ロッド(110L)とフィルターロッド(150L)とをそれぞれ二等分するように切断して、複数の単位エアロゾル生成物品(100A、100B、100C、100D)として製造することができる。
【0134】
以上、本発明の一実施例について説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者なら、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から外れない範囲内で、構成要素の付加、変更、削除または追加などによって本発明を多様に修正及び変更することができ、これも本発明の権利範囲内に含まれるといえるだろう。
【国際調査報告】