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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-11
(54)【発明の名称】サンプル注入プローブ洗浄
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/10 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
G01N35/10 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565848
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 US2022026281
(87)【国際公開番号】W WO2022232099
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】63/180,142
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502221282
【氏名又は名称】ライフ テクノロジーズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】キグリー,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】セルバーグ,サウル
(72)【発明者】
【氏名】ロビンソン,デレク
(72)【発明者】
【氏名】フィナン,エリック
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058FB06
2G058FB07
2G058FB12
(57)【要約】
サンプル処理のためのハンドリングシステム及び方法が提供される。システムは、サンプル容器(106)及びプローブ(104)を含むことができる。システムは、ユーザがサンプルをサンプル容器内に装填する装填状態と、サンプル容器とプローブとの間の相対運動がプローブ及びサンプル容器を互いに流体連通させ、その結果、プローブがサンプル容器からサンプルを吸引することができるサンプリング状態と、プローブ内から不要な物質を除去するように、プローブを通してすすぎ流体が圧搾され、すすぎ流体が洗浄マニホールドによって収集される洗浄状態との間で転換可能であってもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体サンプルハンドリングシステムであって、
サンプル容器を受容するように構成されたサンプル容器ホルダであって、
前記サンプル容器ホルダが、少なくとも、第1のサンプルホルダ位置と、第2のサンプルホルダ位置との間で移動可能である、
前記サンプル容器ホルダと、
サンプルプローブであって、
前記サンプルプローブが、前記サンプル容器と流体連通するように構成された近位端を画定しており、
前記サンプルプローブが、前記サンプル容器から吸引された流体を第1の方向に内部を通って伝達するように構成されており、
前記サンプルプローブが、サンプルプローブ軸を画定しており、前記サンプルプローブ軸に沿って前記サンプルプローブが、任意選択的に、少なくとも、前記サンプルホルダが前記第1のサンプルホルダ位置に位置しているときに、前記サンプル容器から流体を吸引するための第1のサンプルプローブ位置と、洗浄するための第2のサンプルプローブ位置との間で移動可能である、
前記サンプルプローブと、
洗浄マニホールドであって、
前記洗浄マニホールドが、少なくとも第1の洗浄マニホールド位置と、第2の洗浄マニホールド位置との間で洗浄マニホールド経路に沿って移動可能であり、
前記第2の洗浄マニホールド位置は、前記洗浄マニホールドが前記第2の位置に位置しているときに、前記洗浄マニホールドが、前記サンプルプローブが前記第2のプローブ位置に位置しているときに前記サンプルプローブの前記近位端から伝達された流体を受容し、かつ前記洗浄マニホールドが、前記サンプルプローブの前記近位端と前記サンプルホルダによって受容されたサンプル容器との間の流体連通を遮断するような位置であり、
前記洗浄マニホールド経路が、任意選択的に、前記サンプルプローブ軸に対して垂直である、
前記洗浄マニホールドと、を備える、
流体サンプルハンドリングシステム。
【請求項2】
すすぎ流体源を更に備え、前記すすぎ流体源が、前記サンプルプローブを通してすすぎ流体を伝達するように構成されている、請求項1に記載の流体サンプルハンドリングシステム。
【請求項3】
前記洗浄マニホールドによって受容された流体の運動をもたらすように構成された真空源を更に備える、請求項1又は2に記載の流体サンプルハンドリングシステム。
【請求項4】
前記第1のサンプルホルダ位置と前記第2のサンプルホルダ位置との間で前記サンプルプローブの運動をもたらすように構成された直線運動ステージを更に備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の流体サンプルハンドリングシステム。
【請求項5】
前記第1の洗浄マニホールド位置と前記第2の洗浄マニホールド位置との間で前記洗浄マニホールドの運動をもたらすように構成された運動ステージを更に備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の流体サンプルハンドリングシステム。
【請求項6】
前記サンプル容器ホルダが、前記第1のサンプルホルダ位置と前記第2のサンプルホルダ位置との間で、手動で移動可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載の流体サンプルハンドリングシステム。
【請求項7】
ハウジングを更に備え、前記ハウジングは、前記サンプル容器ホルダがユーザに対して視認可能であり、前記洗浄マニホールドが前記ユーザから分離されるように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の流体サンプルハンドリングシステム。
【請求項8】
前記ハウジングは、前記プローブが前記第2のサンプルプローブ位置にあるときに前記プローブを前記ユーザから分離するように構成されている、請求項7に記載の流体サンプルハンドリングシステム。
【請求項9】
復元ばねを更に備え、前記復元ばねが、障害物に向かう前記サンプルプローブの前記運動に対抗するように構成されている、請求項1~8のいずれか一項に記載の流体サンプルハンドリングシステム。
【請求項10】
前記復元ばねが、金属ばね、磁石、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項9に記載の流体サンプルハンドリングシステム。
【請求項11】
前記復元ばねが、金属ばねを含む、請求項10に記載の流体サンプルハンドリングシステム。
【請求項12】
前記サンプルプローブの場所を検出するように構成されたセンサを更に備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の流体サンプルハンドリングシステム。
【請求項13】
前記流体サンプルハンドリングシステムが、前記プローブの場所に関連付けられた信号に応答して、前記プローブの運動を停止するように構成されている、請求項9~12のいずれか一項に記載の流体サンプルハンドリングシステム。
【請求項14】
サンプル容器から前記サンプルプローブ内に流体を吸引するように、請求項1~13のいずれか一項に記載の流体サンプルシステムを動作させることを含む方法。
【請求項15】
前記サンプル容器から前記サンプルプローブ内への流体の吸引に続いて、前記サンプルプローブを通してすすぎ流体の伝達をもたらすように、前記流体サンプルシステムを動作させることを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
流体サンプルハンドリングシステムであって、
サンプル容器領域と、
前記サンプル容器領域に位置するサンプル容器から流体サンプルを吸引するように構成されたプローブと、
洗浄マニホールドと、を備え、
前記流体サンプルハンドリングシステムは、
(a)前記プローブがサンプリング位置内にあり、前記サンプル容器領域がサンプリング位置内にあり、それによって、前記プローブが前記サンプル容器領域に位置する容器と流体連通するサンプリング状態と、
(b)前記プローブが洗浄位置内にあり、前記洗浄マニホールドが洗浄位置内にあり、それによって、前記プローブが前記洗浄マニホールドと流体連通しており、前記プローブが前記サンプル容器領域に位置する容器と流体連通していない洗浄状態と、
(c)前記サンプル容器領域が装填位置内にあり、それによって、容器を前記プローブと流体連通させることなく、ユーザが前記サンプル容器領域に前記容器を位置付けることができる装填状態と、
の間で転換可能である、
流体サンプルハンドリングシステム。
【請求項17】
前記装填状態では、前記プローブが装填位置内にあり、それによって、前記サンプル容器領域がその装填位置内にあるとき、前記プローブが、前記サンプル容器領域に位置する容器と流体連通していない、請求項16に記載の流体サンプルハンドリングシステム。
【請求項18】
ハウジングを更に備え、前記ハウジングは、前記サンプル容器ホルダがユーザに対して視認可能であり、前記洗浄マニホールドが前記ユーザから分離されるように構成されている、請求項16又は17に記載の流体サンプルハンドリングシステム。
【請求項19】
プローブがサンプリング位置内にある状態で、サンプリング位置内にあるサンプル容器からサンプルを収集することと、
前記プローブを洗浄位置までプローブ並進方向に並進させることと、
前記プローブが前記洗浄位置内にある間に、前記プローブをすすぎ流体で洗浄することと、
前記プローブから前記すすぎ流体を収集することと、を含む、
方法。
【請求項20】
前記プローブは、前記プローブが前記サンプリング位置内にあるときにユーザに対して視認可能であり、前記プローブは、前記プローブが前記洗浄位置内にあるときに前記ユーザから分離されている、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記サンプリング容器をサンプリング位置から装填位置に並進させることを更に含む、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
前記サンプル容器が、前記サンプル容器を前記サンプリング位置内及び前記装填位置内に配置するように移動可能なサンプル容器ホルダと係合される、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記すすぎ流体が、収集位置に位置する洗浄マニホールドによって収集される、請求項19~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記洗浄マニホールドを、前記収集位置から待機位置まで洗浄マニホールド並進方向に並進させることを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記洗浄マニホールドを前記並進させることが、前記プローブ並進方向に対して本質的に垂直な方向である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
サンプル容器に向かうプローブの移動をもたらすことであって、
前記サンプルプローブが第1のサンプルプローブ位置に位置していることに応答し、第1の復元ばねが、前記サンプル容器に向かう前記プローブの前記移動に対する抵抗をもたらす、
サンプル容器に向かうプローブの移動をもたらすことと、
前記プローブを用いてサンプル容器からサンプルを収集することと、
洗浄マニホールドに向かう前記サンプルプローブの移動をもたらすことであって、
前記サンプルプローブが第2のサンプルプローブ位置に位置していることに応答し、第2の復元ばねが、前記洗浄マニホールドに向かう前記プローブの前記移動に対する抵抗をもたらす、
洗浄マニホールドに向かう前記サンプルプローブの移動をもたらすことと、
前記プローブが前記洗浄位置内にある間に、前記プローブをすすぎ流体で洗浄することと、
前記プローブから前記すすぎ流体を収集することと、を含む、
方法。
【請求項27】
前記プローブから前記サンプルを伝達することを更に備える、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の復元ばね及び前記第2の復元ばねのうちの少なくとも1つが、金属ばね、磁石、又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
前記サンプルプローブの前記第1の位置及び前記サンプルプローブの前記第2の位置のうちの少なくとも1つが、ホール効果センサ、静電容量センサ、インピーダンスセンサ、光学センサ、変位センサ、圧力センサ、又はそれらの任意の組み合わせによって検出される、請求項26~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
(a)前記プローブの位置を示す信号に応答して、前記サンプル容器に向かう前記プローブの前記移動の停止をもたらすこと、(b)前記プローブの位置を示す信号に応答して、前記洗浄マニホールドに向かう前記プローブの前記移動の停止をもたらすこと、又は(a)及び(b)の両方を更に含む、請求項26~29のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許出願第63/180,142号「Sample Injection Probe Washing」(2021年4月27日出願)の優先権及び利益を主張し、その出願の全体は、任意及び全ての目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、流体サンプルハンドリングの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
フローサイトメータは、ユーザ供給サンプルとデバイスとの間のインターフェースとしてプローブ又は他のチューブを使用することが多く、プローブは、更なる分析のためにサンプル材料を(例えば、吸引を介して)デバイスの中へ搬送する。このようなデバイスは、複数のサンプルを次々と順次処理するために使用されることが多い。
【0004】
しかしながら、ユーザが複数のサンプルを次々に分析する場合、「キャリーオーバ」として知られる問題が生じる可能性があり、ある量の第1のサンプルがシステム内のプローブ又は他の場所のいずれかに残り、この量の第1のサンプルが、第2の(すなわち、後続の)サンプルの分析中に存在し、この量の第1のサンプルが、第2のサンプルの分析を汚染するか、又は別様に影響を及ぼす可能性がある。
【0005】
キャリーオーバを低減又は排除するために多くの試みがなされてきたが、これらの試みにはいくつかの欠点がある。いくつかのシステムは、ユーザに特定のシステム構成要素を洗い流させる、及び/又は拭き取らせるなどの手動アプローチを利用するが、これらの手動アプローチは、時間がかかり、信頼性が低く、ユーザを危険にさらし、また、ユーザが引き起こした汚染にシステムをさらす可能性がある。他のシステムには、移動する自動洗浄構成要素を組み込まれているが、これらの移動構成要素は、ユーザにさらされるので、ユーザが怪我をする(例えば、挟み込み)リスク、並びにユーザがシステム内に存在する物質(例えば、キャリーオーバした物質)にさらされるリスクがある。したがって、連続したサンプル実行間のキャリーオーバ、特にフローサイトメトリー操作の状況で発生するキャリーオーバを低減するか、又は更には排除するシステム及び方法に対する長年にわたるニーズがある。
【発明の概要】
【0006】
記載された長年にわたるニーズを満たすために、本開示は、流体サンプルハンドリングシステムであって、
-サンプル容器を受容するように構成されたサンプル容器ホルダであって、少なくとも(1)第1のサンプルホルダ位置と、(2)第2のサンプルホルダ位置との間で移動可能である、サンプル容器ホルダと、
-サンプルプローブであって、サンプルプローブが、サンプル容器と流体連通するように構成された近位端を画定しており、サンプルプローブが、サンプル容器から吸引された流体を第1の方向に内部を通って伝達するように構成されており、サンプルプローブが、サンプルプローブ軸を画定しており、サンプルプローブ軸に沿ってサンプルプローブが、任意選択的に、少なくとも(1)サンプルホルダが第1のサンプルホルダ位置に位置しているときに、サンプル容器から流体を吸引するための第1のサンプルプローブ位置と、(2)洗浄するための第2のサンプルプローブ位置との間で移動可能である、サンプルプローブと、
-洗浄マニホールドであって、洗浄マニホールドが、少なくとも第1の洗浄マニホールド位置と、第2の洗浄マニホールド位置との間で洗浄マニホールド経路に沿って移動可能であり、第2の洗浄マニホールド位置は、洗浄マニホールドが第2の位置に位置しているときに、洗浄マニホールドが、サンプルプローブが第2のプローブ位置に位置しているときにサンプルプローブの近位端から伝達された流体を受容し、かつ洗浄マニホールドが、サンプルプローブの近位端とサンプルホルダによって受容されたサンプル容器との間の流体連通を遮断するような位置であり、洗浄マニホールド経路が、任意選択的に、サンプルプローブ軸に対して垂直である、洗浄マニホールドと、を備える、流体サンプルハンドリングシステムを提供する。
【0007】
また、流体サンプルハンドリングシステムであって、
サンプル容器領域と、
サンプル容器領域に位置するサンプル容器から流体サンプルを吸引するように構成されたプローブと、
洗浄マニホールドと、を備え、
流体サンプルハンドリングシステムが、
プローブがサンプリング位置内にあり、サンプル容器領域がサンプリング位置内にあり、それによって、プローブがサンプル容器領域に位置する容器と流体連通するサンプリング状態と、
プローブが洗浄位置内にあり、洗浄マニホールドが洗浄位置内にあり、それによって、プローブが洗浄マニホールドと流体連通し、プローブがサンプル容器領域に位置する容器と流体連通していない洗浄状態と、
サンプル容器領域が装填位置内にあり、それによって、容器をプローブと流体連通させることなく、ユーザがサンプル容器領域に容器を位置付けることができる装填状態との間で転換可能である、流体サンプルハンドリングシステムが提供される。
【0008】
更に、方法であって、
プローブがサンプリング位置内にある状態で、サンプリング位置にあるサンプル容器からサンプルを収集することと、
プローブを洗浄位置までプローブ並進方向に並進させることと、
プローブが洗浄位置内にある間に、プローブをすすぎ流体で洗浄することと、
プローブからすすぎ流体を収集することと、を含む、方法が提供される。
【0009】
加えて、方法であって、
サンプル容器に向かうプローブの移動をもたらすことであって、
サンプルプローブが第1のサンプルプローブ位置に位置していることに応答し、第1の復元ばねが、サンプル容器に向かうプローブの移動に対する抵抗をもたらす、移動をもたらすことと、
プローブを用いてサンプル容器からサンプルを収集することと、
洗浄マニホールドに向かうサンプルプローブの移動をもたらすことであって、
サンプルプローブが第2のサンプルプローブ位置に位置していることに応答し、第2の復元ばねが、洗浄マニホールドに向かうプローブの移動に対する抵抗をもたらす、移動をもたらすことと、
プローブが洗浄位置内にある間に、プローブをすすぎ流体で洗浄することと、
プローブからすすぎ流体を収集することと、を含む、方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない図面では、同じ数字が、異なる概観で同様の構成要素を表してもよい。異なる文字の接尾辞を持つ同様の数字は、同様の構成要素の異なるインスタンスを表すことができる。図面は、例示として、しかし限定としてではなく、本文書で論じられている様々な態様を一般的に示している。図面において、
【0011】
図1】本開示による例示的なシステムの図を提供する。
図2】本開示による例示的なシステムの図を提供する。
図3】本開示による例示的なシステムの図を提供する。
図4】本開示による例示的なシステムの図を提供する。
図5】第1の(装填解除)状態での本開示によるシステムの側面図を提供する。
図6】第2の(サンプル装填)状態での本開示によるシステムの側面図を提供する。
図7】第3の(サンプルがプローブと係合した)状態での本開示によるシステムの側面図を提供する。
図8】第4の(プローブがサンプルを吸引する)状態での本開示によるシステムの側面図を提供する。
図9】第5の(洗浄)状態での本開示によるシステムの側面図を提供する。
図10A】洗浄マニホールドがx方向の直線移動を介してプローブと係合させられる前の、本開示によるシステムを見下ろした図を提供する。
図10B】洗浄マニホールドがx方向の直線移動を介してプローブと係合させられた後の、本開示によるシステムを見下ろした図を提供する。
図11A】洗浄マニホールドがx-y平面での回転移動を介してプローブと係合させられる前の、本開示によるシステムを見下ろした図を提供する。
図11B】洗浄マニホールドがx-y平面での回転移動を介してプローブと係合させられた後の、本開示によるシステムを見下ろした図を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示は、所望の実施形態及びそこに含まれる実施例の以下の詳細な説明を参照することにより、より容易に理解され得る。
【0013】
別途規定されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般に理解される意味と同じ意味を有する。矛盾が生じる場合には、定義を含む、本文書が優先されるものとする。好ましい方法及び材料は以下に記載されるが、本明細書に記載されるものと類似又は同等の方法及び材料は、実践又は試験で使用することができる。本明細書中で言及された全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。本明細書で開示される材料、方法、及び例は、例示のみであり、限定することを意図していない。
【0014】
単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明確に別様に指示されない限り、複数形照応を含む。
【0015】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、用語「含む(comprising)」は、実施形態「からなる(consisting of)」及び「から本質的になる(consisting essentially of)」を含み得る。本明細書で使用される「備える(comprise)」、「含む(include)」、「有する(having)」、「有する(has)」、「することができる(can)」、「包含する(contain)」という用語、及びこれらの変形は、指定された成分/ステップの存在を必要とし、他の成分/ステップの存在を許容する、制約のない暫定的な語句、用語、又は語を意図する。しかしながら、そのような説明は、列挙された成分/ステップ「からなる」及び「本質的にからなる」として、組成物又はプロセスを説明するものと解釈されるべきであり、これは、結果として生じる可能性のある混入物を伴う、指定された成分/ステップのみの存在を可能にし、かつ他の成分/ステップを排除するものである。
【0016】
本明細書で使用される場合、「約」及び「およそ」という用語は、問題の量又は値が、ほぼ又はほぼ同じ他の値と指定された値であり得ることを意味する。本明細書で使用される場合、それは、他に示されないか又は推測されない限り、±10%の変動を示す公称値であると一般に理解されている。この用語は、類似の値が特許請求の範囲に記載された同等の結果又は効果を促進することを伝えることを意図している。すなわち、量、サイズ、配合、パラメータ、及び他の量及び特性は正確である必要はなく、正確である必要はないが、公差、変換係数、四捨五入、測定誤差など、及び当業者に知られている他の要因を反映して、必要に応じて概算及び/又はより大きく又はより小さくすることができることが理解される。一般に、量、サイズ、配合、パラメータ、又は他の量又は特性は、そのように明示的に述べられているかどうかにかかわらず、「約」又は「概算」である。量的値の前に「約」が使用される場合、特に明記しない限り、パラメータは特定の量的値自体も含むことが理解される。
【0017】
更に、反対の指示がない限り、数値は、同じ有効数字桁数に減らしたときに同じである数値と、値を決定するための、本出願に記載されているタイプの通常の測定技術の実験誤差よりも少ない値だけ、記述された値とは異なる数値とを含むと理解されるべきである。
【0018】
本明細書に開示される全ての範囲は、記載されたエンドポイントを含み、エンドポイントとは無関係である、2グラム及び10グラム、並びに全ての中間値)。本明細書に開示される範囲及び任意の値のエンドポイントは、正確な範囲又は値に限定されず、これらは、これらの範囲及び/又は値に近似する値を含むほど十分に不正確である。
【0019】
本明細書で使用される場合、近似用語は、関係する基本機能に変化をもたらすことなく変わり得る任意の定量的表現を修飾するために適用され得る。したがって、「約」及び「実質的に」などの用語によって修飾された値は、特定された明確な値に限定されない場合がある。少なくともいくつかの例では、近似用語は、値を測定するための機器の精度に対応し得る。修飾語「約」も、2つの端点の絶対値によって規定される範囲を開示していると見なされるべきである。例えば、表現「約2~約4」はまた、範囲「2~4」を開示する。「約」という用語は、示された数のプラス又はマイナス10%を指すことができる。例えば、「約10%」は9%~11%の範囲を示し得、「約1」は0.9~1.1を意味し得る。「約」の他の意味は、四捨五入など、文脈から明らかであり得、例えば「約1」は0.5~1.4も意味する可能性がある。更に、「含む(comprising)」という用語は、「含む(including)」というオープンエンドの意味を有するものとして理解されるべきであるが、この用語は、「からなる(consisting)」という用語のクローズドな意味も含む。例えば、成分A及びBを含む組成物は、A、B、及び他の成分を含む組成物であり得るが、A及びBのみからなる組成物であってもよい。本明細書で引用される任意の文書は、任意及び全ての目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
(図)
添付の図は例解にすぎず、本開示又は添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0021】
図1は、本開示による例示的なシステムの図を提供する。示されるように、システムは、プローブ104を含むことができる。プローブ104とサンプル容器106との間の相対運動は、例えば、プローブ104をサンプル容器106内に挿入するために使用することができる。相対運動は、例えば、プローブ104をサンプル容器106内に下方に移動させること、サンプル容器106をプローブ104に向かって上方に移動させること、又はそれらの任意の組み合わせによってもたらすことができる。プローブ104及びサンプル容器106は、一方又は両方が一方向のみ、例えばz方向の上方/下方に移動可能であるように構成することができるが、これは要件又は限定ではない。例えば、プローブ104及びサンプル容器106の一方又は両方は、他方に対して回転可能であり得る。例えば、サンプル容器106は、サンプル容器106がプローブ104と位置合わせされている第1の位置と、サンプル容器106がプローブ104と位置合わせされていない第2の位置との間でサンプル容器106が回転されるように、z方向に延在する軸を中心に回転可能であってもよい。同様に、プローブ104は、プローブ104がサンプル容器106と位置合わせされている第1の位置と、プローブ104がサンプル容器106と位置合わせされていない第2の位置との間でプローブ104が回転されるように、z方向に延在する軸を中心に回転可能であってもよい。
【0022】
洗浄マニホールド102は、プローブ104と係合するように、(例えば、108a及び108bとして示される1つ以上の運動ステージを介して)移動することができる。運動ステージは、プローブ104が移動する方向と平行でない方向に洗浄マニホールド102を並進させるように動作することができる。例えば、プローブ104は、z方向において上方及び/又は下方に移動することができ、洗浄マニホールドは、プローブ104との係合のために位置決めされるように、x-y平面内で移動することができる。任意の特定の実施形態に拘束されるものではないが、洗浄マニホールド102(又は少なくともその一部分)をプローブ104と位置合わせして配置するために、プローブ104がサンプル容器106からある距離において位置している間に、洗浄マニホールド102をx-y平面内で移動させることができる。次いで、プローブ104は、すすぎ流体(例えば、水、生理食塩水、緩衝剤、又は他の流体)ですすぐことができ、すすぎ流体は、洗浄マニホールド102によって収集される。図1には示されていないが、本開示によるシステムは、任意選択的に、過剰な流体を収集するために、洗浄マニホールド102の下にカップ、棚、トレイ、溝、又は他の流体コレクタ若しくはダイバータを含むことができる。そのような流体コレクタ及びダイバータは、例えば、プローブをすすいでいる間、それらがプローブとサンプル容器(又はサンプル容器ホルダ)との間に位置決めされ、次いで、プローブとサンプル容器との間のアクセスを許容するように除去されるように、移動可能であることができる。
【0023】
サンプル容器106は、サンプル容器106を1つ以上の方向に、例えばプローブ104に向かって、又はプローブ104から離れて並進させる(ラベル付けされていない)サンプル容器ホルダと係合させることができる。
【0024】
更なる例解を、図2によって提供する。図2に示されるように、プローブ104とサンプル容器106との間の相対運動は、プローブ104をサンプル容器106内に位置決めすることを許容することができ、この位置決めにより、プローブ104がサンプル容器からサンプルを吸引することが許容される。図示のように、サンプル容器106は、上下に並進する(ラベル付けされていない)サンプル容器ホルダと係合することができ、それにより、ユーザがサンプル容器を装填又は装填解除すること、並びにプローブ104がサンプル容器106からサンプルを吸引することができるように、サンプル容器106をプローブ104と係合するように配置することが許容される。また、図2に示されるように、洗浄マニホールド102は、洗浄マニホールドがプローブ104と係合し、プローブ104を通して圧搾されるすすぎ流体を受容することができるように、(例えば、直線的に、回転的に/回転可能に)移動することができる。洗浄マニホールド102は、すすぎ流体がサンプル容器106内に落下したり、別様にユーザがアクセスすることができるサンプル容器106の周囲の領域内に落下したりするのを軽減するように、固い底部を有することができ、この領域は「コーブ」と呼ぶことができる。
【0025】
更なる詳細が図3に提供され、この図は、プローブ104と係合された洗浄マニホールド102の例解を提供する。示されるように、プローブ104は、洗浄マニホールド102の受容部分112(漏斗形状である可能性がある)の中に挿入することができる。すすぎ流体は、プローブ104を通して圧搾させ、プローブ104から(同様に、プローブ104の上流にある可能性のある他の構成要素又は流体流路から)、以前のサンプル実行から残り得る任意のキャリーオーバ物質を除去することができる。すすぎ流体は、洗浄マニホールド102によって、例えば、洗浄マニホールド102のチャネル110を介して、(示されるように)収集することができる。プローブ104から圧搾されたすすぎ流体の洗浄マニホールド102内への収集を容易にするために、チャネル110に真空を適用することができる。
【0026】
図4は、図1図3の例示的なシステムの更なる図を提供し、ユーザの視点からのそのようなシステムの図を示す。示されるように、システムは、ユーザと洗浄マニホールド102との間に介在されるハウジング114又は他のパネルを含むことができる。このようにして、ユーザは洗浄マニホールド102のアクションを見る必要がない。更に、洗浄マニホールド102のアクションは、ユーザにとって物理的にアクセス可能ではなく、それによって、ユーザが、洗浄マニホールド102のアクション又はシステムのすすぎアクションに偶発的に干渉することを防止し、すすぎは、ハウジング114の背後で行われる可能性がある。図4には示されていないが、システム制御及び/又はシステムモニタが、ハウジング114の上又は近くに位置し得る。
【0027】
図4に示されるように、サンプル容器106は、ユーザによって(例えば、ピペット又は他のモダリティを介して)サンプルの装填のために位置決めされる。プローブ104は、下方位置に示されている(参照目的のため)。動作では、プローブ104は、システムの動作中、例えば、吸引のステップ中、またすすぎのステップ中に、ハウジング114の後方に位置することができる。実施例として、ユーザは、サンプル容器106にサンプルを装填することができ、次いで、サンプル容器106がプローブ104と係合し、プローブ104の端部がハウジング114の後方に位置するように、サンプル容器を(手動及び/又は自動方式方法で)移動させることができる。このようにして、プローブ104によるサンプル容器106からのサンプル吸引及びその後のプローブ104のすすぎのステップは、プローブ104がハウジング114の後方に位置している間に実行されるので、ユーザとシステムとの相互作用は、サンプル容器106の装填に限定される。
【0028】
図5図8は、種々の状態での本開示によるシステムの図を提供する。図5に示すように、場所Uに位置するユーザは、サンプル容器106にアクセスすることができ、その一方でハウジング114は、場所Uとプローブ104と洗浄マニホールド102との間に置かれる。(本明細書の他の箇所で説明されるように、洗浄マニホールド102は、受容部分112を含むことができる。)このようにして、場所Uに位置するユーザは、プローブ104及び/又は洗浄マニホールド102に干渉しない。
【0029】
図6に示されるように、サンプル容器106は、例えば、ユーザによって、サンプル118で充填されることが可能である。ユーザは、サンプル容器内にサンプル118を装填することができる。ユーザは、プローブ118がサンプル容器106から試料を吸引するために、サンプル容器106を所定の位置内へ上方に持ち上げることができ、あるいは、システムは、自動方式でサンプル容器を持ち上げるように動作することができる。システムは、洗浄動作及びタイミングを制御するように、洗浄マニホールド102adプローブ104の一方又は両方の自動化された独立した移動をもたらすことができる。上記は、例えば、プロセスを並列に実行し、ユーザの待ち時間を減少させるのに有用である可能性がある。
【0030】
図7に示すように、サンプル容器106は、プローブ104がサンプル容器106内に位置するサンプル118と流体連通するように、ハウジング114の後方で上方に並進させることができる。
【0031】
図8では、サンプル容器106とプローブ104との間の相対運動は、サンプル容器106内の、好ましくはハウジング114の背後のプローブ104の位置決めをもたらす。プローブ104は、例えば、サンプル118がシステムの分析部分に搬送されるように、サンプル118を吸引することができる。分析部分は、濃縮部分、例えば、音響放射、流体力学的集束、及び同様のものを介して粒子濃縮をもたらす部分であることができる。
【0032】
図9に示されるように、サンプル容器106とプローブ104との間の相対運動は、サンプル容器106とプローブ104との間の十分な空間を許容し、例えば、サンプル容器106とプローブ104との間の空間内への洗浄マニホールドの移動を介して、洗浄マニホールド102とプローブ104との間の係合を許容することができる。すすぎ流体116は、プローブ104を通して(例えば、すすぎ流体源から)伝達され、プローブ104から外部サンプルをすすぎ、次いで、洗浄マニホールド102によって収集される可能性がある。前述のことは、ハウジング114の後方で、例えば、ハウジング114によって洗浄マニホールド102から分離された場所(例えば、図5に示される場所U)に位置するユーザの視界から部分的又は完全に外れて行われる可能性がある。ハウジングによってもたらされる分離は、洗浄マニホールドがユーザにとって物理的にアクセス可能でないようなものであり得る。
【0033】
プローブ104及びサンプル容器106(及び/又はサンプル容器ホルダ)は、互いに独立して移動することができることを理解されたい。本明細書の他の箇所で説明されるように、サンプル容器(又はサンプル容器ホルダ)は、ユーザによって上昇又は下降させることができるが、自動方式で上昇又は下降させることもできる。サンプル容器がある場所に到達すると、システムは、プローブをサンプル容器内に自動的に下降させ、次いで、サンプル容器からサンプルの吸引を行うことができる。吸引がもたらされると、サンプル容器を下降させることができ、洗浄マニホールドを移動させてプローブと流体連通させ、プローブを通して圧搾された流体をすすいでプローブを洗い流すことができ、すすぎ流体をプローブから、例えば廃棄物収集場所に運ぶために、真空を使用することができる。このすすぎサイクル中に、ユーザは、新しいサンプル及び/又はサンプル容器をシステムに導入することができる。
【0034】
図10Aは、洗浄マニホールドがx方向の直線移動を介してプローブと係合させられる前の、本開示によるシステムを見下ろした図を提供する。示されるように、(場所Uに位置する)ユーザは、ハウジング114によって、システムの1つ以上の構成要素から分離されることができる。プローブ104は、サンプル容器106内へのプローブ104の挿入を許容するように、サンプル容器106と(x-y平面内で)位置合わせすることができる。
【0035】
プローブ104がサンプル容器106からサンプルを吸引した後、プローブ104とサンプル106との間の相対運動により、受容部分112をプローブ104と位置合わせして配置するように、(受容部分112とともに)洗浄マニホールド102が(例えば、x-y平面内で直線的に)移動することを可能にすることができる。これは図10Bに示されており、これは、洗浄マニホールドがx方向の直線移動を介してプローブと係合させられた後の、本開示によるシステムを見下ろした図を提供する。すすぎ流体(図示せず)は、プローブ104から望ましくない物質(例えば、前のサンプル実行からのキャリーオーバ)を除去するように、プローブ104を通して伝達され得る。次いで、すすぎ流体は、洗浄マニホールド102によって収集され、廃棄物収集場所に搬送されるか、又は更なる処理のために他の場所に伝達され得る。
【0036】
図11Aは、洗浄マニホールドがx方向の直線移動を介してプローブと係合させられる前の、本開示によるシステムを見下ろした図を提供する。示されるように、(場所Uに位置する)ユーザは、ハウジング114によって、システムの1つ以上の構成要素から分離されることができる。プローブ104は、サンプル容器106内へのプローブ104の挿入を許容するように、サンプル容器106と(x-y平面内で)位置合わせすることができる。
【0037】
プローブ104がサンプル容器106からサンプルを吸引した後、プローブ104とサンプル106との間の相対運動により、受容部分112をプローブ104と位置合わせして配置するように、(受容部分112とともに)洗浄マニホールド102が(例えば、x-y平面内で回転して)移動することを可能にすることができる。これは図11Bに示されており、これは、洗浄マニホールドがx方向の直線移動を介してプローブと係合させられた後の、本開示によるシステムを見下ろした図を提供する。すすぎ流体(図示せず)は、プローブ104から望ましくない物質(例えば、前のサンプル実行からのキャリーオーバ)を除去するように、プローブ104を通して(及び/又はその外部に沿って)伝達され得る。すすぎ流体は、プローブ内で(すなわち、プローブの内側表面に沿って)伝達され得るが、すすぎ流体はまた、プローブの外部で伝達され得ることも理解されるべきである。このようにして、サンプル実行の間にプローブの内部及び外部をすすぐことができる。
【0038】
次いで、すすぎ流体は、洗浄マニホールド102によって収集され、廃棄物収集場所に搬送されるか、又は更なる処理のために他の場所に伝達され得る。
【0039】
開示される技術はまた、流体を捕捉、収集、及び方向付けるための付加的特徴を含むことができる。例えば、本技術によるシステムは、1つ以上のカップ、ガター、又はプローブを出るか若しくはプローブを流れ落ちる流体を収集するように構成された他の流体コレクタ若しくはチャネルを含むことができる。
【0040】
開示された技術は、プローブの外面を少なくとも部分的に清掃することができるように構成され得る。いくつかの実施形態では、プローブ104の外面は、プローブの外面上に存在し得る液体が、例えば、液滴としてプローブの端部において蓄積することができるように、金属又は他の疎水性材料である。次いで、そのような液体は、真空が洗浄マニホールドによって適用されると、プローブの外面から除去されることができ、真空は、プローブの内部を通過した(又はプローブ内にある)流体、並びにプローブの外部表面上に存在し得る流体を収集するように作用することができる。任意の特定の理論又は実施形態に拘束されることなく、洗浄マニホールドを介した真空の適用は、そのような流体がプローブ上に液滴として蓄積していない場合であっても、プローブの内部及び/又は外部上の流体を(例えば、対流空気移動を介して)収集するように作用する。
【0041】
また、いかなる特定の理論又は実施形態にも束縛されることなく、プローブの内部を通してのすすぎ流体の伝達は、プローブの外部の少なくとも一部、特にプローブの端部又は先端を清掃するように作用することもできる。実施例として、プローブの端部から出るプローブの内部を通じて伝達されたすすぎ流体は、プローブの端部から出た後に、例えば、図3に示される受容部分112などの洗浄マニホールドの一部分によって偏向されることを介して、上方に飛び散るか又は噴霧される可能性がある。次いで、そのような飛び散った/噴霧されたすすぎ流体は、プローブの外部に接触し、それによってプローブ外部を洗浄する。これは、所望の噴霧/飛び散りを達成するのに十分な流量を達成するようにプローブを通るすすぎ流体の流量を調節すること、及び/又はプローブを通って伝達されるすすぎ流体の噴霧及び/又は飛び散りを促すように洗浄マニホールドの一部分に特定の形状を提供することを含む、種々の方法で調節することができる。
【0042】
本開示によるシステムはまた、プローブ104の外面を拭くか、又は別様に清掃するための1つ以上の付加的モダリティを含むことができる。そのようなモダリティとしては、例えば、空気流又はガス流、噴霧器、ワイパ、及び同様のものが挙げられ得る。
【0043】
上記に加えて、本開示によるシステムはまた、例えば、プローブをすすぎ流体ですすいだ後に、プローブ内への気泡の導入をもたらすように構成されることができる。1つのそのような実施形態では、システムは、すすぎ流体によるプローブのすすぎ後に、ある量の空気(又は他の流体)をプローブ内に引き込むように構成することができる。いかなる特定の理論又は実施形態にも束縛されることなく、プローブ内への気泡は、プローブ内に引き込まれる次のサンプルのための緩衝剤又はスペーサとして作用することができる。1つの非限定的な実施例として、システムは、プローブをすすぎ流体ですすぎ、次いで、すすぎに続いて、気泡をプローブ内に引き込むように構成することができる。次いで、プローブが次のサンプルを収集するために使用されるとき、プローブ内の気泡は、気泡が次のサンプルの前にシステムの分析部分に入り得るように、次のサンプルを「導く」緩衝剤として作用することができる。気泡は多くの目的(例えば、新しいサンプルの開始を区切るか、又は別様にスペーサとして作用する)を果たすことができるが、気泡の存在は必須ではないことを理解されたい。
【0044】
開示されるシステム及び方法は、プローブの運動及び/又は位置を感知するように構成された構成要素(構成要素は、装置又はサブシステム内に組み立てられ得る)を含むことができることも理解されたい。例示的なそのような構成要素及び装置は、米国特許第10,890,596号(2021年1月12日発行)に見出され、その特許の全体は、任意及び全ての目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0045】
1つの非限定的な実施例として、本開示によるシステムは、復元ばねを含むことができ、復元ばねは、障害物に向かうサンプリングプローブの運動を停止するように構成されており、サンプリングプローブは、障害物を感知し、障害物に向かう運動を停止するように構成されている。
【0046】
システムは、サンプリングプローブの軸に沿った較正によってサンプリングプローブのドリフトを補償するように構成されたアナログセンサを含むことができる。システムはまた、プローブに関連付けられたセンサを含むことができ、センサは、例えば、容量性、インピーダンス、光学、変位、及び圧力センサのうちの1つ以上である。システムはまた、サンプリングプローブに復元力をかけるように構成された誘導力発生器を含むことができる。
【0047】
復元ばねは、例えば、単一の磁石、3つの磁石、又は金属ばねを含むことができる。本明細書に記載される様々な実施形態による復元ばねは、プローブを弛緩位置に戻すのに十分な復元力を提供することができる任意の物体又はアセンブリである可能性があることを認識されたい。復元ばねは、プローブを弛緩位置、例えば、洗浄位置など、プローブがサンプル容器に挿入されていない位置に戻すのに十分な復元力を提供するように構成することができる。このような実施形態では、力をプローブに作用させて、プローブを弛緩位置から伸長位置(例えば、サンプリング位置)に移動させることができ、この伸長位置では、プローブは、サンプル容器からサンプルを収集するように位置決めされるように下方に移動される。
【0048】
本開示によるシステムはまた、ホール効果センサなどのセンサを含むことができる。センサは、伸長位置での復元ばねの近接によって生成される場の強度を感知するように構成することができる。
【0049】
本開示によるシステムは、障害物検出機構を含むことができる。このような機構は、機器のダウンタイムを減らし、プローブの位置精度及び耐久性を向上させることで、コストを削減し、時間を節約することができる。本開示によるシステムは、衝突の場合にプローブの損傷を低減又は除去し、三次元空間でのプローブの場所を較正する位置フィードバックを提供するように構成することができる。
【0050】
一実施形態では、本開示によるシステムは、プローブが別の物体に接触して押し下げられた後、プローブを正常な状態に押し戻す力を提供する対向する磁石を有する磁石ベースのプローブを含むことができる。システムはまた、プローブが弛緩位置から押し下げられるにつれて、磁石が互いに近づくように押されたときの磁場の変化を検出するホール効果センサを含むことができる。プローブは、取付具を含むことができ、この取付具は、取付具から延在する細長い部分を含むことができる。そのようなシステムはまた、細長い部分に挿入された複数の磁石を含む復元ばねを含むことができる。
【0051】
復元ばねの1つ又は複数の磁石は、任意の磁石タイプのものである可能性がある。例えば、磁石を希土類磁石にして、より高密度の磁場強度及びより長い磁気寿命を提供することができる。本明細書の他の箇所で説明されるように、プローブ又はシステムはまた、磁石が一緒に押し付けられるか、又は離間を許容されることによる磁場の変化を検出するホール効果センサを含むことができる。プローブは、サンプルプレートからサンプルを引き出すために使用することができる。プローブは、ホール効果センサによるホール効果センサの読み取り値の変化の検出時に、障害物体との干渉によって移動させることができ、プローブを障害物体から後退させ、プローブの損傷を回避することができる。
【0052】
いくつかの実施形態では、プローブは通常、対向する磁石が強制的に離間し、それによってプローブが伸長位置に駆動される伸長位置にあることができる。ホール効果センサは、伸長位置にある復元ばねによって生成される磁界強度に関連する信号を送信することができる。プローブがサンプル容器(サンプルプレートである可能性もある)に向かって移動し、表面と接触すると、復元ばねの対向する磁石が互いに押し付けられ、それによってホール効果センサによって感知される磁界強度が増大し、ホール効果センサからの信号が変化する。
【0053】
この信号の変化は、システムの残りの部分に対するプローブの運動としてソフトウェアによって解釈することができる。次いで、ソフトウェアは、プローブが干渉物体に押し付けられることによって損傷されないように、プローブの運動を停止することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、プローブは磁石ベースでホール効果センサを使用することができ、信頼性及び密閉性を向上させることができる。センサは、予期せぬ接触があった場合に感知、反応、及び停止するために、検出に磁界を使用するホール効果センサを使用することができるが、一度表面に接触したプローブの変位を感知することができる任意のセンサを使用することもできる。例えば、容量性、インピーダンス、光学、変位、圧力、及び他のセンサを使用することができる。更に、プローブの復元力は磁石ベースとすることができるが、復元ばね、誘導力発生器、又はプローブに復元力をかける他の機構を含む他の復元力を使用することもできる。磁気反発は、ソフトな復元力を提供し、電界線をコンパクトにすることでセンサの感度を向上させるため、特に適していると考えられる。障害物が検出されたとき、ユーザは、障害物が存在し、サンプリングを進めるべきではないことを通知され得る。エラーが生成され、ユーザに示され得る。
【0055】
プローブの変位は、プローブの位置に関連付けられた1つ以上のマーカの場所を監視することによって感知され得ることを理解されたい。一実施例として、プローブ(及び/又はプローブに関連付けられた取付具)は、光学的に検出可能なマーカを含むことができる(マーカは、目に見える、及び/又は紫外線照明などの特定の照明条件下で視認可能である)。そのようなマーカは、光学センサによって感知することができ、その光学センサは、プローブの位置を示す信号を提供する。信号が、プローブの位置が特定の位置の範囲内にある(又は、状況によっては特定の位置の範囲外にある)ことを示す場合、システムは、プローブを移動させ、例えば、プローブが特定の場所に存在することが分かっている物体に当たらないようにプローブを後退させるように構成することができる。
【0056】
いくつかの実施形態では、プローブが干渉物体から後退させられるとき、ソフトウェアは、定常状態値に戻るホール効果信号を感知することができる。システムが静止位置内にあるとき、ソフトウェアは、ホール効果信号値に対して定常状態を較正することができ、システムが静止位置に戻るたびに、磁場、プローブの位置、又はホール効果センサの任意の変化を較正することができる。これはまた、プローブが、より長い期間にわたって生じる可能性がある電子信号の任意のドリフトを追跡し、破棄することを許容する。更に、プローブが物体に接触した可能性があるという知識を使用して、システムの三次元全てを較正することができる。これは、固有の三次元座標を有する一連の既知の場所にプローブを移動させることによって行うことができる。プローブが各既知の場所に接触すると、システムは、現在位置をその位置の既知の座標に較正することができる。次に、いくつかの場所に接触することによって、システムは、3つの動作軸全てでの場所を較正することができる。
【0057】
したがって、開示されるシステムは、サンプル容器及び/又は洗浄マニホールドとのプローブ干渉を防止する(又は少なくとも低減する)ように構成することができる。一実施例にすぎないが、1つ以上の磁石は、サンプルプローブ上、及び/又はプローブと係合される取付具若しくは他の拡張部上に位置することができる。1つ以上の磁石は、システム内の他の場所、例えば、プローブに隣接して位置するフランジ又は他の取付具上に位置することができる。
【0058】
(態様)
以下の態様は例示にすぎず、本開示又は添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
【0059】
態様1.流体サンプルハンドリングシステムであって、
-サンプル容器を受容するように構成されたサンプル容器ホルダであって、少なくとも(1)第1のサンプルホルダ位置と、(2)第2のサンプルホルダ位置との間で任意選択的に移動可能である、サンプル容器ホルダと、
-サンプルプローブであって、サンプルプローブが、サンプル容器と流体連通するように構成された近位端を画定しており、サンプルプローブが、サンプル容器から吸引された流体を第1の方向に内部を通って伝達するように構成されており、サンプルプローブが、サンプルプローブ軸を画定しており、サンプルプローブ軸に沿ってサンプルプローブが、任意選択的に、少なくとも(1)サンプルホルダが第1のサンプルホルダ位置に位置しているときに、サンプル容器から流体を吸引するための第1のサンプルプローブ位置と、(2)洗浄するための第2のサンプルプローブ位置との間で移動可能である、サンプルプローブと、
-洗浄マニホールドであって、洗浄マニホールドが、少なくとも第1の洗浄マニホールド位置と、第2の洗浄マニホールド位置との間で洗浄マニホールド経路に沿って移動可能であり、第2の洗浄マニホールド位置は、洗浄マニホールドが第2の位置に位置しているときに、洗浄マニホールドが、サンプルプローブが第2のプローブ位置に位置しているときにサンプルプローブの近位端から伝達された流体を受容し、かつ洗浄マニホールドが、サンプルプローブの近位端とサンプルホルダによって受容されたサンプル容器との間の流体連通を遮断するような位置であり、洗浄マニホールド経路が、任意選択的に、サンプルプローブ軸に対して垂直である、洗浄マニホールドと、を備える、流体サンプルハンドリングシステム。
【0060】
本開示によるシステムはまた、ハウジングを含むことができ、ハウジングは、サンプル容器ホルダ、サンプルプローブ、及び洗浄マニホールドのうちの1つ以上を少なくとも部分的に囲むことができる。ハウジングは不透明であってもよいが、ハウジングを半透明又は更には透明にすることもできるため、これは必要条件ではない。ハウジングは、その上に装着された1つ以上の磁石を有し得(この1つ以上の磁石を、ハウジングに関連付けられた1つ以上の取付具上に装着することもできる)、本明細書の他の箇所に記載されているように、前述の磁石は、プローブの運動及び/又は位置を感知するように構成された装置又は配置の一部であることができる。例示的なそのような構成要素及び装置は、米国特許第10,890,596号(2021年1月12日発行)に見出され、その特許の全体は、任意及び全ての目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。
【0061】
サンプル容器ホルダは、サンプル容器をサンプル容器ホルダに固定するように構成されたクリップ、クランプ、又は他の把持モダリティを含むことができる。ばね装填モダリティが特に好適であると考えられるが、必須ではない。サンプル容器ホルダは、上下に(例えば、x-y-z座標系におけるz方向に)移動可能である可能性がある。サンプル容器ホルダの移動は、ユーザによって手動で、及び/又はサンプル容器ホルダの移動が自動方式で少なくとも部分的に調節される自動方式でもたらすことができる。サンプル容器ホルダの移動は、進行経路に沿った1つ以上の場所においてサンプルホルダの移動を遅らせるか又は更には停止させる1つ以上の停止部、戻り止め、又は他の機能によって調節することができる。例えば、サンプル容器ホルダを装填位置内に保持することができ、サンプル容器ホルダを外すか又は解放するように、ユーザがボタンを押すか、又はいくつかの他の要素を作動させることによってのみ、サンプル容器ホルダを装填位置から解放することができる。同様に、システムは、サンプル容器ホルダがサンプリング位置に移動することを可能にするように、ユーザがボタンを押すか、又はいくつかの他の要素を作動させるまで、サンプル容器ホルダがサンプリング位置(例えば、プローブがサンプル容器ホルダによって保持されたサンプル容器からサンプルを吸引する位置)に移動することができないように構成することができる。
【0062】
サンプルプローブ(いくつかの場所では「プローブ」とも呼ばれる)は、例えば、チューブ又は毛細管であり得る。サンプルプローブは、サンプルプローブをサンプル容器ホルダに係合されたサンプル容器に係合させるように、それ自体、軸に沿って(例えば、x-y-z座標系でのz軸に沿って上方及び下方に)移動可能であることができる。しかしながら、システムは、サンプルプローブとサンプルプローブホルダとの間の相対運動を介して動作することができること、すなわち、サンプルプローブ及びサンプルプローブホルダの一方又は両方が移動可能であるか、又は実際に移動することができることを理解されたい。一実施例として、サンプル容器ホルダがプローブに向かって移動し、プローブから離れる間、プローブは静止したままであることができる。別の実施例として、プローブは、サンプル容器ホルダに向かって、又はサンプル容器ホルダから離れるように移動するか、又は移動させることができる。
【0063】
洗浄マニホールドは(添付の図に示すように)1つ以上の直線経路に沿って移動させることができるが、回転方式で移動させることもできる。第1の位置では、洗浄マニホールドは、プローブと流体連通しないことが可能であり、第2の位置では、洗浄マニホールドは、プローブ内で又はプローブの外部に沿って伝達されるすすぎ流体(又は任意の他の材料)を受容するように位置決めすることができる。洗浄マニホールドは、すすぎ流体を捕捉又は保持するように構成された1つ以上の捕捉部分(例えば、タンク)を含むことができる。洗浄マニホールドは、真空源、廃棄物場所、又は洗浄マニホールドの外部の他の要素と流体連通している1つ以上のチャネル又は他の導管を含むことができる。
【0064】
態様2.すすぎ流体源を更に備え、すすぎ流体源が、サンプルプローブを通してすすぎ流体を伝達するように構成されている、態様1の流体サンプルハンドリングシステム。すすぎ流体の伝達は、プローブが、プローブをすすぎ流体源と流体連通させる任意の位置にあるときにもたらされる可能性がある。例えば、すすぎ流体源は、サンプルがある位置にある場合にのみ、すすぎ流体がサンプルプローブに送達されるように構成することができる。
【0065】
態様3.洗浄マニホールドによって受容された流体の運動をもたらすように構成された真空源を更に備える、態様1又は2の流体サンプルハンドリングシステム。
【0066】
態様4.第1のサンプルホルダ位置と第2のサンプルホルダ位置との間でサンプルプローブの運動をもたらすように構成された直線運動ステージを更に備える、態様1~3のいずれか1つの流体サンプルハンドリングシステム。
【0067】
態様5.第1の洗浄マニホールド位置と第2の洗浄マニホールド位置との間で洗浄マニホールドの運動をもたらすように構成された運動ステージを更に備える、態様1~4のいずれか1つの流体サンプルハンドリングシステム。運動ステージは、直線運動ステージであることができるが、回転運動ステージであることもできる。
【0068】
態様6.サンプル容器ホルダが、第1のサンプルホルダ位置と第2のサンプルホルダ位置との間で、手動で移動可能である、態様1~5のいずれか1つの流体サンプルハンドリングシステム。本明細書の他の箇所で説明されるように、サンプル容器ホルダは、位置間で、自動方式で移動させることができる。また、本明細書に説明されるように、システムは、サンプル容器ホルダの運動を遅延させるか、又は更には停止させるように構成された1つ以上のラッチ、戻り止め、又は他の特徴を含むことができる。実施例として、システムは、ユーザの承認なしにサンプル容器ホルダが第1の位置から第2の位置に移動されること、例えば、ボタンを押すこと、又は別様にサンプル容器ホルダを第1の位置から解放することを防止するように構成されたラッチを含むことができる。
【0069】
態様7.ハウジングを更に備え、ハウジングが、サンプル容器ホルダがユーザに対して視認可能であり、洗浄マニホールドがユーザから分離されるように構成されている、態様1~6のいずれか1つの流体サンプルハンドリングシステム。
【0070】
態様8.ハウジングが、プローブが第2のサンプルプローブ位置にあるときにプローブをユーザから分離するように構成されている、態様7の流体サンプルハンドリングシステム。
【0071】
態様9.復元ばねを更に備え、復元ばねが、障害物に向かうサンプルプローブの運動に対抗するように構成されている、態様1~8のいずれか1つの流体サンプルハンドリングシステム。
【0072】
態様10.復元ばねが、金属ばね、磁石、又はそれらの任意の組み合わせを含む、態様9の流体サンプルハンドリングシステム。
【0073】
態様11.復元ばねが、金属ばねを含む、態様10の流体サンプルハンドリングシステム。
【0074】
態様12.サンプルプローブの場所を検出するように構成されたセンサを更に備える、態様1~11のいずれか1つの流体サンプルハンドリングシステム。
【0075】
態様13.流体サンプルハンドリングシステムが、プローブの場所に関連付けられた信号に応答して、プローブの運動を停止するように構成されている、態様9~12のいずれか1つの流体サンプルハンドリングシステム。
【0076】
態様14.サンプル容器からサンプルプローブ内に流体を吸引するように、態様1~13のいずれか1つの流体サンプルシステムを動作させることを含む方法。
【0077】
態様15.サンプル容器からサンプルプローブ内への流体の吸引に続いて、サンプルプローブを通してすすぎ流体の伝達をもたらすように、流体サンプルシステムを動作させることを更に含む、態様9の方法。また、すすぎ流体をサンプルプローブの外部表面上に伝達するようにシステムを動作させることもできる。
【0078】
態様16.流体サンプルハンドリングシステムであって、
サンプル容器領域と、
サンプル容器領域に位置するサンプル容器から流体サンプルを吸引するように構成されたプローブと、
洗浄マニホールドと、を備え、
流体サンプルハンドリングシステムが、
プローブがサンプリング位置内にあり、サンプル容器領域がサンプリング位置内にあり、それによって、プローブがサンプル容器領域に位置する容器と流体連通するサンプリング状態、
プローブが洗浄位置内にあり、洗浄マニホールドが洗浄位置内にあり、それによって、プローブが洗浄マニホールドと流体連通し、プローブがサンプル容器領域に位置する容器と流体連通していない洗浄状態、及び
サンプル容器領域が装填位置内にあり、それによって、容器をプローブと流体連通させることなく、ユーザがサンプル容器領域に容器を位置付けることができる装填状態の間で転換可能である、流体サンプルハンドリングシステム。
【0079】
サンプル容器領域は、サンプル容器ホルダ、又はサンプル容器によって占有されるか、若しくは別様にサンプル容器と係合する他の要素である可能性がある。
【0080】
サンプリング状態は、プローブとサンプルを包含する容器との間の相対運動によって達成することができる。実施例として、プローブを容器内に挿入するようにプローブを移動させることができ、プローブが容器内に挿入されるように容器を移動させることができ、又はそれらの任意の組み合わせであることができる。
【0081】
装填状態は、プローブとサンプルを包含する容器との間の相対運動によって達成することができる。そのような相対運動により、プローブ及びサンプル容器を互いからある距離で位置付けることができるようになり、その距離は、ユーザがプローブによる(又はプローブとの)干渉なしにサンプルをサンプル容器内に導入することを許容するのに十分である。
【0082】
態様17.装填状態では、プローブが装填位置内にあり、それによって、サンプル容器領域がその装填位置内にあるとき、プローブがサンプル容器領域に位置する容器と流体連通していない、態様16の流体サンプルハンドリングシステム。装填状態は、例えば、プローブとサンプル容器領域との間の相対運動をもたらすことによって達成することができる。
【0083】
態様18.ハウジングを更に備え、ハウジングが、サンプル容器ホルダがユーザに対して視認可能であり、洗浄マニホールドがユーザから分離されるように構成されている、態様16又は17の流体サンプルハンドリングシステム。(ハウジングは不透明であることができるが、半透明又は更に透明でもあることができる。)
【0084】
態様19.方法であって、
プローブがサンプリング位置内にある状態で、サンプリング位置にあるサンプル容器からサンプルを収集することと、
プローブを洗浄位置までプローブ並進方向に並進させることと、
プローブが洗浄位置内にある間に、プローブをすすぎ流体で洗浄することと、
プローブからすすぎ流体を収集することと、を含む、方法。
【0085】
サンプル容器から収集されたサンプルは、プローブによってシステムの別のセクション(例えば、音響放射圧によって動作する濃縮トレイン、流体力学的集束によって動作する濃縮トレインなどの粒子濃縮トレイン)に伝達することができる。
【0086】
態様20.プローブがサンプリング位置内にあるときに、プローブがユーザに対して視認可能であり、プローブが洗浄位置内にあるときに、プローブがユーザから分離される、態様19の方法。分離は、ユーザがプローブに物理的にアクセスすることができないようなものであってもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、プローブがサンプリング位置にあるときに、プローブがユーザから分離することができ、プローブが洗浄位置にあるときにも、プローブがユーザから分離することができる。
【0088】
態様21.サンプリング容器をサンプリング位置から装填位置に並進させることを更に含む、態様19又は20の方法。
【0089】
態様22.サンプル容器が、サンプル容器をサンプリング位置内及び装填位置内に配置するように移動可能なサンプル容器ホルダと係合される、態様19の方法。
【0090】
態様23.すすぎ流体が、収集位置に位置する洗浄マニホールドによって収集される、態様19~22のいずれか1つの方法。
【0091】
態様24.洗浄マニホールドを、収集位置から待機位置まで洗浄マニホールド並進方向に並進させることを更に含む、態様23の方法。
【0092】
態様25.洗浄マニホールドを並進させることが、プローブ並進方向に対して本質的に垂直な方向である、態様24の方法。
【0093】
態様26.方法であって、
サンプル容器に向かうプローブの移動をもたらすことであって、
サンプルプローブが第1のサンプルプローブ位置に位置していることに応答し、第1の復元ばねが、サンプル容器に向かうプローブの移動に対する抵抗をもたらす、移動をもたらすことと、
プローブを用いてサンプル容器からサンプルを収集することと、
洗浄マニホールドに向かうサンプルプローブの移動をもたらすことであって、
サンプルプローブが第2のサンプルプローブ位置に位置していることに応答し、第2の復元ばねが、洗浄マニホールドに向かうプローブの移動に対する抵抗をもたらす、移動をもたらすことと、
プローブが洗浄位置内にある間に、プローブをすすぎ流体で洗浄することと、
プローブからすすぎ流体を収集することと、を含む、方法。
【0094】
態様27.プローブからサンプルを伝達することを更に備える、態様26の方法。
【0095】
態様28.第1の復元ばね及び第2の復元ばねのうちの少なくとも1つが、金属ばね、磁石、又はそれらの任意の組み合わせを備える、態様26又は27の方法。
【0096】
態様29.サンプルプローブの第1の位置及びサンプルプローブの第2の位置のうちの少なくとも1つが、ホール効果センサ、静電容量センサ、インピーダンスセンサ、光学センサ、変位センサ、圧力センサ、又はそれらの任意の組み合わせによって検出される、態様26~28のいずれか1つの方法。
【0097】
態様30.(a)プローブの位置を示す信号に応答して、サンプル容器に向かうプローブの移動の停止をもたらすこと、(b)プローブの位置を示す信号に応答して、洗浄マニホールドに向かうプローブの移動の停止をもたらすこと、又は(a)及び(b)の両方を更に含む、態様26~29のいずれか1つの方法。
図1
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図5
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図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
【国際調査報告】