(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-11
(54)【発明の名称】閉鎖システム移注装置
(51)【国際特許分類】
A61J 1/20 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
A61J1/20 314C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566725
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 US2022026752
(87)【国際公開番号】W WO2022232405
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517371969
【氏名又は名称】ビー.ブラウン メディカル インク.
(71)【出願人】
【識別番号】508240177
【氏名又は名称】ビー.ブラウン メルズンゲン アーゲー
【氏名又は名称原語表記】B.BRAUN MELSUNGEN AG
【住所又は居所原語表記】Carl-Braun-Str. 1, 34212 Melsungen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カール-マーティン バーグ
(72)【発明者】
【氏名】フロリン コップ
(72)【発明者】
【氏名】ウーベ エリック シュナイダー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァラプラサド シヒレ
(72)【発明者】
【氏名】クリスチャン ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】ブルース ダブリュ. ブルネッティ
(72)【発明者】
【氏名】スコット アラン モイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ギャリー ヒギンス
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス アルバート ニクソン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス パニック
【テーマコード(参考)】
4C047
【Fターム(参考)】
4C047HH01
4C047HH03
(57)【要約】
閉鎖システム移注装置は、結合状態において互いと取り付いて、2つの貯槽間に封止された流体通路を形成する、第1のアダプタ及び第2のアダプタを含む。第1のアダプタは、第1の貯槽に取り付けることができ、第2のアダプタは、第2の貯槽に取り付けることができる。アダプタの一方又は両方は、隔壁を含むことができ、当該隔壁は、結合及び結合解除中に別の隔壁と係合して、液体又は蒸気が環境に放出されることを防止する。当該装置は、これら2つの貯槽間の圧力を均等化する通気ラインも含むことができる。通気ラインは、少なくとも1つのフィルタを含んで、当該装置内の気体を濾過することができる。追加的に又は代替的に、通気ラインは、当該装置の内側において気体を貯蔵するとともに圧力の均等化を補助する膨張可能膜と、流体連通して接続することができる。
【選択図】
図87
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖システム移注装置であって、
第1の貯槽に取り付くように構成された第1のアダプタであって、第1の通路を規定しており、前記第1の通路の端を封止する第1の隔壁を備える前記第1のアダプタと、
第2の貯槽に取り付くように構成された第2のアダプタであって、内部を有する筐体を備えており、前記筐体が第2の通路を規定しており、前記第2の通路の端を封止する第2の隔壁を備える前記第2のアダプタと、
前記第2のアダプタの前記内部において移動可能であるキャリアであって前記第2の隔壁の少なくとも一部分を収容するチャンバを規定している前記キャリアと、
前記第2のアダプタの前記内部内に配設された針であって、針開口部を有する前記針と、を備えており、
前記第2のアダプタの前記内部は、前記第1のアダプタを嵌合様態で受容するように適合されており、前記第1のアダプタは、前記第2のアダプタへ挿入可能であり、
前記キャリアは、前記第1のアダプタが前記第2のアダプタ内へ挿入されると、前記第2のアダプタの前記内部において前記針を基準として、前記第1のアダプタによって変位可能であり、
前記キャリアは、前記第2のアダプタ内において、前記第1の隔壁が前記第2の隔壁に当接しているとともに前記針開口部が前記第2の通路の内側において封止されている第1の位置と、前記第1の隔壁が前記第2の隔壁に当接しているとともに前記針開口部が前記第1の通路と流体連通して前記第1のアダプタ及び前記第2のアダプタを流体経路開放状態において接続する第2の位置と、の間で変位可能である、閉鎖システム移注装置。
【請求項2】
前記第1のアダプタが前記第2のアダプタ内へ挿入された後に、前記第2のアダプタの内側において前記第1のアダプタをロックする解除可能ロックを備える、請求項1に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項3】
前記解除可能ロックは、前記キャリアが前記第2の位置に変位されると前記第2のアダプタの内側において前記第1のアダプタをロックする、請求項2に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項4】
前記解除可能ロックは、前記キャリア上の第1のロッキング要素と、前記筐体内の第2のロッキング要素と、を備える、請求項2又は3に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項5】
前記解除可能ロックは、前記第1のアダプタ上の第1のロッキング要素と、前記第2のアダプタ上の第2のロッキング要素と、を備える、請求項2から4のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項6】
前記解除可能ロックは、前記筐体の少なくとも1つの側面を径方向内方に押圧することによって解除される、請求項2から5のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項7】
前記筐体の前記少なくとも1つの側面は、少なくとも1つの押しボタンを備える、請求項6に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの押しボタンは、前記筐体のセクションから前記キャリアの一部分を係合解除するように、径方向内方に押し下げ可能である、請求項7に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項9】
前記キャリアの前記一部分は、少なくとも1つのロッキングラグを備えており、前記筐体の前記セクションは、前記筐体の内側において少なくとも1つのロッキングランプを備える、請求項8に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つの押しボタンは、前記第2のアダプタのセクションから前記第1のアダプタの一部分を係合解除するように、径方向内方に押し下げ可能である、請求項7に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項11】
前記第1のアダプタの前記部分は、少なくとも1つのフランジを備えており、前記第2のアダプタの前記セクションは、前記少なくとも1つの押しボタンに取り付けられた少なくとも1つの保持クリップを備える、請求項10に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項12】
前記解除可能ロックは、前記第1のアダプタを基準として前記第2のアダプタを回転させることによって解除される、請求項2又は3に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項13】
前記第2のアダプタは、前記第2の隔壁から軸方向に離間させた第3の隔壁を備える、請求項1から12のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項14】
前記針開口部は、前記キャリアが前記第1の位置にあるときに前記第2の隔壁と前記第3の隔壁との間で封止されている、請求項13に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項15】
前記第2の隔壁は、前記キャリア内に少なくとも部分的に収容されたピストンヘッドと、折り畳み可能中央セクションと、を有するピストンを備える、請求項1から12に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項16】
前記ピストンの前記折り畳み可能中央セクションは、中空コアを規定しており、前記針は、前記中空コアの内側において少なくとも部分的に収容されている、請求項15に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項17】
前記第2のアダプタの前記筐体に回転可能に搭載された雌ルアーコネクタをさらに備える、請求項1から16のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項18】
前記雌ルアーコネクタは、前記第2の貯槽上におけるねじ山付き接続部と噛み合うように構成されたねじ山を備える、請求項17に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項19】
前記筐体は、前記第1の位置及び前記第2の位置の一方において前記キャリアを保持するように構成されたロッキング窓を規定しており、前記キャリアが前記第1の位置及び前記第2の位置の前記一方にあることを視覚的に確認するように、前記キャリアの少なくとも一部分が前記ロッキング窓を経由して視認可能である、請求項1から18のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項20】
前記第1のアダプタは、雄ルアーコネクタ又はバイアルスパイクを備える、請求項1から18のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項21】
前記第1のアダプタ及び前記第2のアダプタは、矩形である、請求項1から20のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項22】
前記第1のアダプタ及び前記第2のアダプタは、円筒形である、請求項1から21のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項23】
前記針は、前記第2のアダプタの前記内部内に固定されている、請求項1から22のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項24】
前記解除可能ロックは、前記キャリア上において第1のロッキング要素と、前記第1のアダプタ上において第2のロッキング要素と、を備える、請求項2又は3に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項25】
前記解除可能ロックは、前記筐体の少なくとも1つの側面を径方向内方に押圧することによって解除される、請求項24に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項26】
前記筐体の前記少なくとも1つの側面は、押しボタンを備える、請求項25に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項27】
前記押しボタンは、前記キャリアのセクションから前記筐体の一部分を係合解除するように、径方向内方に押し下げ可能である、請求項26に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項28】
前記キャリアの前記セクションは、少なくとも1つのロッキング開口を備えており、前記筐体の前記部分は、少なくとも1つのデテントを備える、請求項27に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項29】
前記解除可能ロックは、前記筐体の壁におけるスロットを経由して延在するロッキングアームを備える、請求項24から27のいずれか一項に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項30】
前記ロッキングアームは、少なくとも1つのヒンジ上において前記スロット内に旋回式に搭載されている、請求項29に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項31】
前記第2のアダプタの内側において前記第1のアダプタをロックするロッキング位置と、前記第2のアダプタから前記第1のアダプタが取り外されることを許容する解除位置と、の間で、前記ロッキングアームが前記スロット内に旋回式に搭載されている、請求項29に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項32】
前記ロッキングアームは、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに前記筐体の前記壁から径方向外方に突出する第1の端を備える、請求項31に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項33】
前記第1の端は、ボタンを備える、請求項32に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項34】
前記ロッキングアームは、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに前記筐体の前記壁から径方向内方に突出する第2の端を備える、請求項31から33のいずれか一項に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項35】
前記第2の端は、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに前記キャリアに係合するデテントを備える、請求項34に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項36】
前記デテントは、ランプ付き面及び当接面を備える、請求項35に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項37】
前記キャリアは、前記キャリアが前記第2の位置にあるときであって、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに、前記デテントを受容するように適合されたロッキング開口を備える、請求項36に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項38】
前記ロッキング開口は、前記キャリアが前記第2の位置にあるときであって、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに、前記デテントの前記当接面に係合して前記第2の位置から出る前記キャリアの変位を防止する当接縁を備える、請求項37に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項39】
前記第2のアダプタは、前記第2の隔壁から軸方向に離間させた第3の隔壁を備える、請求項24から38のいずれか一項に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項40】
前記針開口部は、前記キャリアが前記第1の位置にあるときに前記第2の隔壁と前記第3の隔壁との間で封止されている、請求項39に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項41】
前記第1のアダプタは、雄ルアーコネクタ又はバイアルスパイクを備える、請求項24から40のいずれか一項に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項42】
閉鎖システム移注装置であって、
第1の貯槽に取り付くように構成された第1のアダプタであって、第1の通路を規定しており、且つ、前記第1の通路の端を封止する第1の隔壁を備える前記第1のアダプタと、
第2の貯槽に取り付くように構成された第2のアダプタであって、内部を有する筐体を備えており、前記筐体が第2の通路を規定しており、前記第2の通路の端を封止する第2の隔壁を備える前記第2のアダプタと、
前記第2のアダプタの前記内部内において移動可能であるとともに、前記第2の隔壁に取り付けられるキャリアと、
前記第2のアダプタの前記内部内に固定された針であって、針開口部を有する前記針と、を備えており、
前記第1のアダプタの前記内部は、前記第2のアダプタを嵌合様態で受容するように適合されており、
前記キャリアは、前記第2のアダプタが前記第1のアダプタ内へ挿入されると、前記第2のアダプタの前記内部内において前記針を基準として、前記第1のアダプタの内側部分によって変位可能であり、
前記キャリアは、前記第2のアダプタ内において、前記第1の隔壁が前記第2の隔壁に当接しているとともに前記針開口部が前記第2の通路の内側において封止されている第1の位置と、前記第1の隔壁が前記第2の隔壁に当接しているとともに前記針開口部が前記第1の通路と流体連通して前記第1のアダプタ及び前記第2のアダプタを流体経路開放状態において接続する第2の位置と、の間で、変位可能である、閉鎖システム移注装置。
【請求項43】
前記第2のアダプタが前記第1のアダプタ内へ挿入された後に、前記第1のアダプタの内側において前記第2のアダプタをロックする解除可能ロックを備える、請求項42に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項44】
前記解除可能ロックは、前記キャリアが前記第2の位置に変位されると前記第1のアダプタの内側において前記第2のアダプタをロックする、請求項43に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項45】
前記解除可能ロックは、前記第1のアダプタ上の第1のロッキング要素と、前記第2のアダプタ上の第2のロッキング要素と、を備える、請求項43又は44に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項46】
前記解除可能ロックは、前記第1のアダプタの側面を径方向内方に押圧することによって解除される、請求項43から45のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項47】
前記第1のアダプタの前記側面は、押しボタンを備える、請求項46に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項48】
前記押しボタンは、前記筐体のセクションから前記第1のアダプタの一部分を係合解除するように、径方向内方に押し下げ可能である、請求項47に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項49】
前記第1のアダプタの前記部分は、少なくとも1つのロッキング開口を備えており、前記筐体の前記セクションは、前記筐体から径方向外方に延在する少なくとも1つのロッキングランプを備える、請求項48に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項50】
前記少なくとも1つのロッキングランプは、始端、終端、及び、前記始端と前記終端との間のランプ付き面を備える、請求項49に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項51】
前記少なくとも1つのロッキング開口内の当接面は、前記少なくとも1つのロッキングランプの前記終端に係合して、前記第2のアダプタを前記第1のアダプタにロックする、請求項50に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項52】
前記ランプ付き面は、前記始端に隣接する真直セクション、及び、前記真直セクションと前記終端との間に延在する湾曲セクションを備える、請求項49又は50に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項53】
前記湾曲セクションは、凹状部分及び凸状部分を規定している複合曲率を有する、請求項52に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項54】
前記解除可能ロックは、前記第1のアダプタの壁におけるスロットを経由して延在するロッキングアームを備える、請求項45から53のいずれか一項に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項55】
前記ロッキングアームは、少なくとも1つのヒンジ上において前記スロット内に旋回式に搭載されている、請求項54に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項56】
前記第1のアダプタの内側において前記第2のアダプタをロックするロッキング位置と、前記第1のアダプタから前記第2のアダプタが取り外されることを許容する解除位置と、の間で、前記ロッキングアームが前記スロット内に旋回式に搭載されている、請求項54又は55に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項57】
前記ロッキングアームは、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに前記筐体の前記壁から径方向外方に突出する第1の端を備える、請求項56に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項58】
前記第1の端は、ボタンを備える、請求項57に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項59】
前記ロッキングアームは、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに前記スロット内に位置決めされた第2の端を備える、請求項56から58のいずれか一項に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項60】
前記第2の端は、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに前記筐体に係合する当接面を備える、請求項59に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項61】
前記第2のアダプタは、前記第2の隔壁から軸方向に離間させた第3の隔壁を備える、請求項42から60のいずれか一項に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項62】
前記針開口部は、前記キャリアが前記第1の位置にあるときに前記第2の隔壁と前記第3の隔壁との間で封止されている、請求項61に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項63】
前記筐体は、前記第1の位置及び前記第2の位置の一方において前記キャリアを保持するように構成されたロッキング窓を規定しており、前記キャリアが前記第1の位置及び前記第2の位置の前記一方にあることを視覚的に確認するように、前記キャリアの少なくとも一部分が、前記ロッキング窓を経由して視認可能である、請求項42から62のいずれか一項に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項64】
バイアルスパイクであって、
筐体と、
前記筐体から延在するスパイクコネクタと、を備えており、
前記筐体及び前記スパイクコネクタは、通気ラインと、前記通気ラインとは別個の移注ラインと、を規定しており、
前記通気ラインは、前記筐体内において疎水性フィルタを備える、バイアルスパイク。
【請求項65】
前記通気ラインは、さらに、前記疎水性フィルタと並ぶ活性炭フィルタを備える、請求項64に記載のバイアルスパイク。
【請求項66】
前記筐体は、前記移注ラインと流体接続されたドライブレイクカップリングを有する第1の筐体部分を備える、請求項65に記載のバイアルスパイク。
【請求項67】
前記ドライブレイクカップリングは、前記バイアルスパイクを第1の流体貯槽に接続するための噛み合い要素を備える、請求項66に記載のバイアルスパイク。
【請求項68】
前記筐体は、第2の筐体部分を備えており、前記スパイクコネクタは、前記第2の筐体部分から延在する、請求項66又は67に記載のバイアルスパイク。
【請求項69】
前記第1の筐体部分は、第1のカバー片を備えており、前記第2の筐体部分は、第2のカバー片を備えており、前記第2のカバー片は、前記第1のカバー片と接続するとともに前記第2のカバー片と前記第1のカバー片との間に狭い空間を形成するように構成されている、請求項68に記載のバイアルスパイク。
【請求項70】
前記第1のカバー片は、前記第1のカバー片の周辺部の少なくとも部分的に周囲に延在するリング形状のリップ部分を備えており、前記第2のカバー片は、前記第2のカバー片の周辺部の少なくとも部分的に周囲に延在するリング形状の壁部分を備えており、前記リング形状の壁部分は、リング形状のリップ部分を前記受容して、前記第1の筐体部分を、噛み合わされた配置において前記第2の筐体部分に接合するように適合されている、請求項69に記載のバイアルスパイク。
【請求項71】
前記第1のカバー片の前記リング形状のリップ部分は、前記第1のカバー片及び前記第2のカバー片によって形成された前記狭い空間内へ延在する仕切り壁を備える、請求項70に記載のバイアルスパイク。
【請求項72】
前記仕切り壁は、前記仕切り壁の第1の側に、前記狭い空間内の第1のチャンバと、前記仕切り壁の第2の側に、前記狭い空間内の第2のチャンバと、を規定している、請求項71に記載のバイアルスパイク。
【請求項73】
前記第1のチャンバは、前記通気ラインと流体接続しているものの前記移注ラインとは流体接続しておらず、前記第2のチャンバは、前記移注ラインと流体接続しているものの前記通気ラインとは流体接続していない、請求項72に記載のバイアルスパイク。
【請求項74】
前記疎水性フィルタは、前記第1のチャンバ内に収納されている、請求項72又は73に記載のバイアルスパイク。
【請求項75】
前記スパイクコネクタは、前記第1のチャンバに流体接続されているもの前記第2のチャンバには流体接続されていない第1の通路と、前記第2のチャンバに流体接続されているものの前記第1のチャンバには流体接続されていない第2の通路と、を規定している、請求項72から74のいずれか一項に記載のバイアルスパイク。
【請求項76】
前記第1の通路は、前記スパイクコネクタ内において前記第2の通路に対して平行に延在する、請求項75に記載のバイアルスパイク。
【請求項77】
前記移注ラインは、粒子フィルタを備える、請求項75又は76に記載のバイアルスパイク。
【請求項78】
前記粒子フィルタは、前記疎水性フィルタと並んで配置されて、前記第2のチャンバ内に収納されている、請求項77に記載のバイアルスパイク。
【請求項79】
前記筐体は、さらに、前記活性炭フィルタを収納する第3の筐体部分を備えており、前記通気ラインが、前記第1の筐体部分から前記第3の筐体部分内へ進んでおり、前記第3の筐体部分の壁を経由して形成された出口を経由して大気へ出ている、請求項66から78のいずれか一項に記載のバイアルスパイク。
【請求項80】
前記通気ラインは、さらに、逆止弁を備える、請求項64に記載のバイアルスパイク。
【請求項81】
前記筐体は、前記移注ラインと流体接続されたドライブレイクカップリングを有する第1の筐体部分を備える、請求項80に記載のバイアルスパイク。
【請求項82】
前記ドライブレイクカップリングは、前記バイアルスパイクを第1の流体貯槽に接続するための噛み合い要素を備える、請求項81に記載のバイアルスパイク。
【請求項83】
前記筐体は、第2の筐体部分を備えており、前記スパイクコネクタは、前記第2の筐体部分から延在する、請求項81又は82に記載のバイアルスパイク。
【請求項84】
前記第1の筐体部分は、第1のカバー片を備えており、前記第2の筐体部分は、第2のカバー片を備えており、前記第2のカバー片は、前記第1のカバー片と接続するとともに前記第2のカバー片と前記第1のカバー片との間に狭い空間を形成するように構成されている、請求項83に記載のバイアルスパイク。
【請求項85】
前記第1のカバー片は、前記第1のカバー片の周辺部の少なくとも部分的に周囲に延在するリング形状のリップ部分を備えており、前記第2のカバー片は、前記第2のカバー片の周辺部の少なくとも部分的に周囲に延在するリング形状の壁部分を備えており、前記リング形状の壁部分は、リング形状のリップ部分を前記受容して、前記第1の筐体部分を、噛み合わされた配置において前記第2の筐体部分に接合するように適合されている、請求項84に記載のバイアルスパイク。
【請求項86】
前記第1のカバー片の前記リング形状のリップ部分は、前記第1のカバー片及び前記第2のカバー片によって形成された前記狭い空間内へ延在する仕切り壁を備える、請求項85に記載のバイアルスパイク。
【請求項87】
前記仕切り壁は、前記仕切り壁の第1の側に、前記狭い空間内の第1のチャンバと、前記仕切り壁の第2の側に、前記狭い空間内の第2のチャンバと、を規定している、請求項86に記載のバイアルスパイク。
【請求項88】
前記第1のチャンバは、前記通気ラインと流体接続しているものの前記移注ラインとは流体接続しておらず、前記第2のチャンバは、前記移注ラインと流体接続しているものの前記通気ラインとは流体接続していない、請求項87に記載のバイアルスパイク。
【請求項89】
前記疎水性フィルタは、前記第1のチャンバ内に収納されている、請求項87又は88に記載のバイアルスパイク。
【請求項90】
前記スパイクコネクタは、前記第1のチャンバに流体接続されているもの前記第2のチャンバには流体接続されていない第1の通路と、前記第2のチャンバに流体接続されているものの前記第1のチャンバには流体接続されていない第2の通路と、を規定している、請求項87から89のいずれか一項に記載のバイアルスパイク。
【請求項91】
前記第1の通路は、前記スパイクコネクタ内において前記第2の通路に対して平行に延在する、請求項90に記載のバイアルスパイク。
【請求項92】
前記移注ラインは、粒子フィルタを備える、請求項87から91のいずれかに記載のバイアルスパイク。
【請求項93】
前記粒子フィルタは、前記疎水性フィルタと並んで配置されて、前記第2のチャンバ内に収納されている、請求項92に記載のバイアルスパイク。
【請求項94】
前記筐体は、さらに、前記通気ラインと流体連通している第3の筐体部分を備えており、前記第3の筐体部分は、可撓性膜に接続されており、前記可撓性膜は、前記第3の筐体部分と前記可撓性膜との間に気体貯蔵容積を形成している、請求項83から93のいずれか一項に記載のバイアルスパイク。
【請求項95】
請求項64から94のいずれか一項に記載のバイアルスパイクと、
前記バイアルスパイクに接続可能なバイアルクリップと、を備える、バイアルアダプタ。
【請求項96】
前記バイアルクリップは、前記バイアルスパイクに接続するように構成された締結具機構を備える近位端を備える、請求項95に記載のバイアルアダプタ。
【請求項97】
前記締結具機構は、複数の可撓性アームを備えており、各可撓性アームは、返し付き端を有する、請求項96に記載のバイアルアダプタ。
【請求項98】
前記可撓性アームは、前記バイアルスパイクの前記筐体の一部分に係合して、前記バイアルクリップを前記バイアルスパイクに接続している、請求項97に記載のバイアルアダプタ。
【請求項99】
前記バイアルクリップは、レセプタクルを形成する少なくとも1つのアーチ形フランジを備える、請求項95から98のいずれか一項に記載のバイアルアダプタ。
【請求項100】
前記スパイクコネクタは、前記レセプタクル内へ延在し、前記少なくとも1つのアーチ形フランジは、ユーザを前記スパイクコネクタによる誤刺から保護するガードを形成している、請求項99に記載のバイアルアダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年4月29日に出願された米国仮特許出願第63/181,313号、2021年4月29日に出願された米国仮特許出願第63/181,387号、2021年4月29日に出願された米国仮特許出願第63/181,429号、2021年4月29日に出願された米国仮特許出願第63/181,446号、2021年4月29日に出願された米国仮特許出願第63/181,457号、及び、2021年6月4日に出願された米国仮特許出願第63/196,735号の優先権を主張する。これらの出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、閉鎖システム内において、容器間で有害薬剤を安全に移注するための装置であって、当該閉鎖システムが、当該システム内への汚染物質の流入を防止するとともに当該システムから環境内への有害蒸気の放出を防止する、装置、に関する。
【背景技術】
【0003】
閉鎖システム移注装置(CSTD)とは、薬剤エーロゾル化、薬剤汚染、鋭利物への暴露、及び、有害薬剤への暴露の可能性を抑制しつつ、1つの貯槽又はベッセル(例えば、注射器)から別の貯槽又はベッセル(例えば、バイアル)への薬物の移注用に使用されるシステムである。CSTD装置は、貯槽間に一旦接続されると、貯槽間の圧力勾配を均等化することができる。圧力均等化システムが無ければ、圧力差によって、空気中へ漏れて、且つ、環境、患者、及び、医療従事者を有害薬剤に暴露するような微細エーロゾルの生成を招き得る。
【発明の概要】
【0004】
閉鎖システム移注装置は、結合状態で互いに取り付いて、2つの貯槽間に封止された流体通路を形成する第1のアダプタ及び第2のアダプタを含む。
【0005】
この開示の1つの態様において、閉鎖システム移注装置は、第1の貯槽に取り付くことができる第1のアダプタを含む。第1のアダプタは、第1の通路を規定しており、且つ、第1の通路の端を封止する第1の隔壁を有することができる。この装置は、第2の貯槽に取り付くように構成された第2のアダプタも有することができる。第2のアダプタは、内部を有するとともに第2の通路を規定している筐体を含むことができる。第2の隔壁が、第2の通路の端を封止することができる。
【0006】
この開示の別の態様において、この装置は、第2のアダプタの内部内において移動可能であるキャリアを含むことができる。キャリアは、第2の隔壁の少なくとも一部分を収容するチャンバを規定することができる。第2のアダプタの内部内に、針開口部を備えた針を配設することができる。
【0007】
この開示の別の態様において、第2のアダプタの内部は、第1のアダプタを嵌合様態で受容するように適合されることが可能であり、第1のアダプタは、第2のアダプタ内へ挿入可能である。
【0008】
この開示の別の態様において、キャリアは、第1のアダプタが第2のアダプタ内へ挿入されると、第2のアダプタの内部内において針を基準として、第1のアダプタによって変位可能であることができる。
【0009】
この開示の別の態様において、キャリアは、第2のアダプタ内において、第1の隔壁が第2の隔壁に当接しているとともに針開口部が第2の通路の内側において封止されている第1の位置と、第1の隔壁が第2の隔壁に当接しているとともに針開口部が第1の通路と流体連通して第1のアダプタ及び第2のアダプタを流体経路開放状態において接続する第2の位置と、の間で、変位可能であり得る。
【0010】
この開示の別の態様において、前記装置は、前記第1のアダプタが前記第2のアダプタ内へ挿入された後に、前記第2のアダプタの内側において前記第1のアダプタをロックする解除可能ロックを含み得る。
【0011】
この開示の別の態様において、前記解除可能ロックは、前記キャリアが前記第2の位置に変位されると前記第2のアダプタの内側において前記第1のアダプタをロックし得る。
【0012】
この開示の別の態様において、前記解除可能ロックは、前記キャリア上の第1のロッキング要素と、前記筐体内の第2のロッキング要素と、を含み得る。
【0013】
この開示の別の態様において、前記解除可能ロックは、前記第1のアダプタ上の第1のロッキング要素と、前記第2のアダプタ上の第2のロッキング要素と、を含み得る。
【0014】
この開示の別の態様において、前記解除可能ロックは、前記筐体の少なくとも1つの側面を径方向内方に押圧することによって解除され得る。
【0015】
この開示の別の態様において、前記筐体の前記少なくとも1つの側面は、少なくとも1つの押しボタンを含み得る。
【0016】
この開示の別の態様において、前記少なくとも1つの押しボタンは、前記筐体のセクションから前記キャリアの一部分を係合解除するように、径方向内方に押し下げ可能であり得る。
【0017】
この開示の別の態様において、前記キャリアの前記一部分は、少なくとも1つのロッキングラグを備えており、前記筐体の前記セクションは、前記筐体の内側において少なくとも1つのロッキングランプを含み得る。
【0018】
この開示の別の態様において、前記少なくとも1つの押しボタンは、前記第2のアダプタのセクションから前記第1のアダプタの一部分を係合解除するように、径方向内方に押し下げ可能であり得る。
【0019】
この開示の別の態様において、前記第1のアダプタの前記部分は、少なくとも1つのフランジを備えており、前記第2のアダプタの前記セクションは、前記少なくとも1つの押しボタンに取り付けられた少なくとも1つの保持クリップを含み得る。
【0020】
この開示の別の態様において、前記解除可能ロックは、前記第1のアダプタを基準として前記第2のアダプタを回転させることによって解除され得る。
【0021】
この開示の別の態様において、前記第2のアダプタは、前記第2の隔壁から軸方向に離間させた第3の隔壁を含み得る。
【0022】
この開示の別の態様において、前記針開口部は、前記キャリアが前記第1の位置にあるときに前記第2の隔壁と前記第3の隔壁との間で封止され得る。
【0023】
この開示の別の態様において、前記第2の隔壁は、前記キャリア内に少なくとも部分的に収容されたピストンヘッドと、折り畳み可能中央セクションと、を有するピストンを含み得る。
【0024】
この開示の別の態様において、前記ピストンの前記折り畳み可能中央セクションは、中空コアを規定し得、前記針は、前記中空コアの内側において少なくとも部分的に収容され得る。
【0025】
この開示の別の態様において、前記装置は、前記第2のアダプタの前記筐体に回転可能に搭載された雌ルアーコネクタをさらに含み得る。
【0026】
この開示の別の態様において、前記雌ルアーコネクタは、前記第2の貯槽上におけるねじ山付き接続部と噛み合うように構成されたねじ山を含み得る。
【0027】
この開示の別の態様において、前記第1のアダプタは、雄ルアーコネクタを含み得る。
【0028】
この開示の別の態様において、前記第1のアダプタは、バイアルスパイクを含み得る。
【0029】
この開示の別の態様において、前記第1のアダプタ及び前記第2のアダプタは、矩形であり得る。
【0030】
この開示の別の態様において、前記第1のアダプタ及び前記第2のアダプタは、円筒形であり得る。
【0031】
この開示の別の態様において、前記針は、前記第2のアダプタの前記内部内に固定され得る。
【0032】
この開示の別の態様において、前記解除可能ロックは、前記キャリア上において第1のロッキング要素と、前記第1のアダプタ上において第2のロッキング要素と、を含み得る。
【0033】
この開示の別の態様において、前記キャリアのセクションは、少なくとも1つのロッキング開口を含み得、前記筐体の部分は、少なくとも1つのデテントを含み得る。
【0034】
この開示の別の態様において、前記解除可能ロックは、前記筐体の壁におけるスロットを経由して延在するロッキングアームを含み得る。
【0035】
この開示の別の態様において、前記ロッキングアームは、少なくとも1つのヒンジ上において前記スロット内に旋回式に搭載され得る。
【0036】
この開示の別の態様において、前記第2のアダプタの内側において前記第1のアダプタをロックするロッキング位置と、前記第2のアダプタから前記第1のアダプタが取り外されることを許容する解除位置と、の間で、前記ロッキングアームが前記スロット内に旋回式に搭載され得る。
【0037】
この開示の別の態様において、前記ロッキングアームは、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに前記筐体の前記壁から径方向外方に突出する第1の端を含み得る。
【0038】
この開示の別の態様において、前記第1の端は、ボタンを含み得る。
【0039】
この開示の別の態様において、前記ロッキングアームは、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに前記筐体の前記壁から径方向内方に突出する第2の端を含み得る。
【0040】
この開示の別の態様において、前記第2の端は、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに前記キャリアに係合するデテントを含み得る。
【0041】
この開示の別の態様において、前記デテントは、ランプ付き面及び当接面を含み得る。
【0042】
この開示の別の態様において、前記キャリアは、前記キャリアが前記第2の位置にあるときであって、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに、前記デテントを受容するように適合されたロッキング開口を含み得る。
【0043】
この開示の別の態様において、前記ロッキング開口は、前記キャリアが前記第2の位置にあるときであって、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに、前記デテントの前記当接面に係合して前記第2の位置から出る前記キャリアの変位を防止する当接縁を含み得る。
【0044】
この開示の別の態様において、前記第2のアダプタは、前記第2の隔壁から軸方向に離間させた第3の隔壁を含み得る。
【0045】
この開示の別の態様において、前記針開口部は、前記キャリアが前記第1の位置にあるときに前記第2の隔壁と前記第3の隔壁との間で封止され得る。
【0046】
この開示の別の態様において、閉鎖システム移注装置は、第1の貯槽に取り付くように構成された第1のアダプタを含む。第1のアダプタは、第1の通路を規定しており、且つ、第1の通路の端を封止する第1の隔壁を有することができる。この装置は、第2の貯槽に取り付くように構成された第2のアダプタも含むことができる。第2のアダプタは、内部を有するとともに第2の通路を規定している筐体を含むことができる。第2の隔壁は、第2の通路の端を封止することができる。
【0047】
この開示の別の態様において、この装置は、第2のアダプタの内部内において移動可能であるキャリアを含むことができる。キャリアは、第2の隔壁の少なくとも一部分を収容するチャンバを規定することができる。第2のアダプタの内部内に、針開口部を備えた針を固定することができる。
【0048】
この開示の別の態様において、第1のアダプタの内部は、第2のアダプタを入れ子の様態で受容するように適合されることが可能である。
【0049】
この開示の別の態様において、キャリアは、第2のアダプタが第1のアダプタ内へ挿入されると、第2のアダプタの内部内において針を基準として、第1のアダプタの内側部分によって変位可能であることができる。
【0050】
この開示の別の態様において、キャリアは、第2のアダプタ内において、第1の隔壁が第2の隔壁に当接しているとともに針開口部が第2の通路の内側において封止されている第1の位置と、第1の隔壁が第2の隔壁に当接しているとともに針開口部が第1の通路と流体連通して第1のアダプタ及び第2のアダプタを流体経路開放状態において接続する第2の位置と、の間で、変位可能であり得る。
【0051】
この開示の別の態様において、前記装置は、前記第2のアダプタが前記第1のアダプタ内へ挿入された後に、前記第1のアダプタの内側において前記第2のアダプタをロックする解除可能ロックを含み得る。
【0052】
この開示の別の態様において、前記解除可能ロックは、前記キャリアが前記第2の位置に変位されると前記第1のアダプタの内側において前記第2のアダプタをロックし得る。
【0053】
この開示の別の態様において、前記解除可能ロックは、前記第1のアダプタ上の第1のロッキング要素と、前記第2のアダプタ上の第2のロッキング要素と、を含み得る。
【0054】
この開示の別の態様において、前記解除可能ロックは、前記第1のアダプタの側面を径方向内方に押圧することによって解除され得る。
【0055】
この開示の別の態様において、前記第1のアダプタの前記側面は、押しボタンを含み得る。
【0056】
この開示の別の態様において、前記押しボタンは、前記筐体のセクションから前記第1のアダプタの一部分を係合解除するように、径方向内方に押し下げ可能であり得る。
【0057】
この開示の別の態様において、前記第1のアダプタの前記部分は、少なくとも1つのロッキング開口を含み得、前記筐体の前記セクションは、前記筐体から径方向外方に延在する少なくとも1つのロッキングランプを含み得る。
【0058】
この開示の別の態様において、前記少なくとも1つのロッキングランプは、始端、終端、及び、前記始端と前記終端との間のランプ付き面を含み得る。
【0059】
この開示の別の態様において、前記少なくとも1つのロッキング開口内の当接面は、前記少なくとも1つのロッキングランプの前記終端に係合して、前記第2のアダプタを前記第1のアダプタにロックし得る。
【0060】
この開示の別の態様において、前記ランプ付き面は、前記始端に隣接する真直セクション、及び、前記真直セクションと前記終端との間に延在する湾曲セクションを含み得る。
【0061】
この開示の別の態様において、前記湾曲セクションは、凹状部分及び凸状部分を規定している複合曲率を有し得る。
【0062】
この開示の別の態様において、前記解除可能ロックは、前記第1のアダプタの壁におけるスロットを経由して延在するロッキングアームを含み得る。
【0063】
この開示の別の態様において、前記ロッキングアームは、少なくとも1つのヒンジ上において前記スロット内に旋回式に搭載され得る。
【0064】
この開示の別の態様において、前記第1のアダプタの内側において前記第2のアダプタをロックするロッキング位置と、前記第1のアダプタから前記第2のアダプタが取り外されることを許容する解除位置と、の間で、前記ロッキングアームが前記スロット内に旋回式に搭載され得る。
【0065】
この開示の別の態様において、前記ロッキングアームは、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに前記筐体の前記壁から径方向外方に突出する第1の端を含み得る。
【0066】
この開示の別の態様において、前記第1の端は、ボタンを含み得る。
【0067】
この開示の別の態様において、前記ロッキングアームは、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに前記スロット内に位置決めされた第2の端を含み得る。
【0068】
この開示の別の態様において、前記第2の端は、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに前記筐体に係合する当接面を含み得る。
【0069】
この開示の別の態様において、前記第2のアダプタは、前記第2の隔壁から軸方向に離間させた第3の隔壁を含み得る。
【0070】
この開示の別の態様において、前記針開口部は、前記キャリアが前記第1の位置にあるときに前記第2の隔壁と前記第3の隔壁との間で封止され得る。
【0071】
この開示の別の態様において、第1のアダプタは、雄ルアーコネクタを含むことができる。
【0072】
この開示の別の態様において、バイアルスパイクは、筐体と、当該筐体から延在するスパイクコネクタと、を含むことができる。
【0073】
この開示の別の態様において、筐体及びスパイクコネクタは、通気ラインと、当該通気ラインとは別体の移注ラインと、を規定することができる。
【0074】
この開示の別の態様において、通気ラインは、筐体内において疎水性フィルタを含むことができる。
【0075】
この開示の別の態様において、前記通気ラインは、さらに、前記疎水性フィルタと並ぶ活性炭フィルタを含み得る。
【0076】
この開示の別の態様において、前記筐体は、前記移注ラインと流体接続されたドライブレイクカップリングを有する第1の筐体部分を含み得る。
【0077】
この開示の別の態様において、前記ドライブレイクカップリングは、前記バイアルスパイクを第1の流体貯槽に接続するための噛み合い要素を含み得る。
【0078】
この開示の別の態様において、前記筐体は、第2の筐体部分を含み得、前記スパイクコネクタは、前記第2の筐体部分から延在し得る。
【0079】
この開示の別の態様において、前記第1の筐体部分は、第1のカバー片を含み得、前記第2の筐体部分は、第2のカバー片を含み得、前記第2のカバー片は、前記第1のカバー片と接続するとともに前記第2のカバー片と前記第1のカバー片との間に狭い空間を形成するように構成され得る。
【0080】
この開示の別の態様において、前記第1のカバー片は、前記第1のカバー片の周辺部の少なくとも部分的に周囲に延在するリング形状のリップ部分を含み得、前記第2のカバー片は、前記第2のカバー片の周辺部の少なくとも部分的に周囲に延在するリング形状の壁部分を備えており、前記リング形状の壁部分は、リング形状のリップ部分を前記受容して、前記第1の筐体部分を、噛み合わされた配置において前記第2の筐体部分に接合するように適合され得る。
【0081】
この開示の別の態様において、前記第1のカバー片の前記リング形状のリップ部分は、前記第1のカバー片及び前記第2のカバー片によって形成された前記狭い空間内へ延在する仕切り壁を含み得る。
【0082】
この開示の別の態様において、前記仕切り壁は、前記仕切り壁の第1の側に、前記狭い空間内の第1のチャンバと、前記仕切り壁の第2の側に、前記狭い空間内の第2のチャンバと、を規定し得る。
【0083】
この開示の別の態様において、前記第1のチャンバは、前記通気ラインと流体接続しているものの前記移注ラインとは流体接続しておらず、前記第2のチャンバは、前記移注ラインと流体接続しているものの前記通気ラインとは流体接続していなくてもよい。
【0084】
この開示の別の態様において、前記疎水性フィルタは、前記第1のチャンバ内に収納され得る。
【0085】
この開示の別の態様において、前記スパイクコネクタは、前記第1のチャンバに流体接続されているもの前記第2のチャンバには流体接続されていない第1の通路と、前記第2のチャンバに流体接続されているものの前記第1のチャンバには流体接続されていない第2の通路と、を規定し得る。
【0086】
この開示の別の態様において、前記第1の通路は、前記スパイクコネクタ内において前記第2の通路に対して平行に延在し得る。
【0087】
この開示の別の態様において、前記移注ラインは、粒子フィルタを含み得る。
【0088】
この開示の別の態様において、前記粒子フィルタは、前記疎水性フィルタと並んで配置されて、前記第2のチャンバ内に収納され得る。
【0089】
この開示の別の態様において、前記筐体は、さらに、前記活性炭フィルタを収納する第3の筐体部分を含み得、前記通気ラインが、前記第1の筐体部分から前記第3の筐体部分内へ進んでおり、前記第3の筐体部分の壁を経由して形成された出口を経由して大気へ出てもよい。
【0090】
この開示の別の態様において、前記通気ラインは、逆止弁を含み得る。
【0091】
この開示の別の態様において、前記筐体は、前記移注ラインと流体接続されたドライブレイクカップリングを有する第1の筐体部分を含み得る。
【0092】
この開示の別の態様において、前記ドライブレイクカップリングは、前記バイアルスパイクを第1の流体貯槽に接続するための噛み合い要素を含み得る。
【0093】
この開示の別の態様において、前記筐体は、第2の筐体部分を含み得、前記スパイクコネクタは、前記第2の筐体部分から延在し得る。
【0094】
この開示の別の態様において、前記第1の筐体部分は、第1のカバー片を含み得、前記第2の筐体部分は、第2のカバー片を含み得、前記第2のカバー片は、前記第1のカバー片と接続するとともに前記第2のカバー片と前記第1のカバー片との間に狭い空間を形成するように構成され得る。
【0095】
この開示の別の態様において、前記第1のカバー片は、前記第1のカバー片の周辺部の少なくとも部分的に周囲に延在するリング形状のリップ部分を含み得、前記第2のカバー片は、前記第2のカバー片の周辺部の少なくとも部分的に周囲に延在するリング形状の壁部分を含み得、前記リング形状の壁部分は、リング形状のリップ部分を前記受容して、前記第1の筐体部分を、噛み合わされた配置において前記第2の筐体部分に接合するように適合され得る。
【0096】
この開示の別の態様において、前記第1のカバー片の前記リング形状のリップ部分は、前記第1のカバー片及び前記第2のカバー片によって形成された前記狭い空間内へ延在する仕切り壁を含み得る。
【0097】
この開示の別の態様において、前記仕切り壁は、前記仕切り壁の第1の側に、前記狭い空間内の第1のチャンバと、前記仕切り壁の第2の側に、前記狭い空間内の第2のチャンバと、を規定し得る。
【0098】
この開示の別の態様において、前記第1のチャンバは、前記通気ラインと流体接続しているものの前記移注ラインとは流体接続しておらず、前記第2のチャンバは、前記移注ラインと流体接続しているものの前記通気ラインとは流体接続していなくてもよい。
【0099】
この開示の別の態様において、前記疎水性フィルタは、前記第1のチャンバ内に収納され得る。
【0100】
この開示の別の態様において、前記スパイクコネクタは、前記第1のチャンバに流体接続されているもの前記第2のチャンバには流体接続されていない第1の通路と、前記第2のチャンバに流体接続されているものの前記第1のチャンバには流体接続されていない第2の通路と、を規定し得る。
【0101】
この開示の別の態様において、前記第1の通路は、前記スパイクコネクタ内において前記第2の通路に対して平行に延在し得る。
【0102】
この開示の別の態様において、前記移注ラインは、粒子フィルタを含み得る。
【0103】
この開示の別の態様において、前記粒子フィルタは、前記疎水性フィルタと並んで配置されて、前記第2のチャンバ内に収納され得る。
【0104】
この開示の別の態様において、前記筐体は、さらに、前記通気ラインと流体連通している第3の筐体部分を含み得、前記第3の筐体部分は、可撓性膜に接続されており、前記可撓性膜は、前記第3の筐体部分と前記可撓性膜との間に気体貯蔵容積を形成し得る。
【0105】
この開示の別の態様において、バイアルアダプタは、先行する態様のいずれか一項に記載のバイアルスパイクと、前記バイアルスパイクに接続可能なバイアルクリップと、を含み得る。
【0106】
この開示の別の態様において、前記バイアルクリップは、前記バイアルスパイクに接続するように構成された締結具機構を備える近位端を含み得る。
【0107】
この開示の別の態様において、前記締結具機構は、複数の可撓性アームを含み得、各可撓性アームは、返し付き端を有し得る。
【0108】
この開示の別の態様において、前記可撓性アームは、前記バイアルスパイクの前記筐体の一部分に係合して、前記バイアルクリップを前記バイアルスパイクに接続し得る。
【0109】
この開示の別の態様において、前記バイアルクリップは、レセプタクルを形成する少なくとも1つのアーチ形フランジを含み得る。
【0110】
この開示の別の態様において、前記スパイクコネクタは、前記レセプタクル内へ延在し、前記少なくとも1つのアーチ形フランジは、ユーザを前記スパイクコネクタによる誤刺から保護するガードを形成し得る。
【0111】
これらの図面は、1つ以上の実装物を、限定としてではなく例としてのみ描いている。これらの図では、同じ参照数字が、同じ又は同様の要素を指すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【
図3】断面で示された
図1のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが非結合状態で示された正面図である。
【
図4】断面で示された
図1のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが結合及び被ロック状態で示された正面図である。
【
図5】第1の区間における
図1のCSTDの断面図である。
【
図6】第2の区間における
図1のCSTDの断面図である。
【
図9】断面で示された
図7のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが非結合状態で示された正面図である。
【
図10】断面で示された
図7のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが結合及び被ロック状態で示された正面図である。
【
図13】断面で示された
図11のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが非結合状態で示された正面図である。
【
図14】断面で示された
図11のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが結合及び被ロック状態で示された正面図である。
【
図15】筐体の区間における
図11のCSTDの断面図である。
【
図16】別の実施形態のCSTDの切頭断面図である。
【
図18】
図17のCSTDの斜視図であって、CSTDのコンポーネントが非結合状態で示された斜視図である。
【
図20】断面で示された
図17のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが結合及び被ロック状態で示された正面図である。
【
図21】第1の区間における
図17のCSTDの断面図である。
【
図22】第2の区間における
図17のCSTDの断面図である。
【
図24】
図23のCSTDの斜視図であって、コンポーネントが非結合状態で示された斜視図である。
【
図26】第1の面における断面で示された
図23のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが非結合状態で示された正面図である。
【
図27】第2の面における断面で示された
図23のCSTDの側面図であって、CSTDのコンポーネントが非結合状態で示された側面図である。
【
図28】第1の面における断面で示された
図23のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが結合及び被ロック状態で示された正面図である。
【
図29】第2の面における断面で示された
図23のCSTDの側面図であって、CSTDのコンポーネントが結合及び被ロック状態で示された側面図である。
【
図30】第1の面及び第2の面に対して垂直な第3の面における
図23のCSTDの断面図であって、CSTDのコンポーネントが結合及び被ロック状態で示された断面図である。
【
図32】
図31のCSTDの斜視図であって、コンポーネントが非結合状態で示された斜視図である。
【
図34】第1の面における断面で示された
図31のCSTDの正面図であって、コンポーネントが非結合状態で示された正面図である。
【
図35】第1の面における断面で示された
図31のCSTDの正面図であって、コンポーネントが結合及び被ロック状態で示された正面図である。
【
図36】第1の面に対して垂直な第2の面における
図31のCSTDの断面図であって、コンポーネントが結合及び被ロック状態で示された断面図である。
【
図37】別の実施形態のCSTDの正面図であって、結合状態のバイアルスパイク及びバイアルクリップを示しており、内部コンポーネントを例示するためにバイアルスパイクの一部分が切り欠いてある正面図である。
【
図38】
図37のCSTDの斜視図であって、非結合状態のバイアルスパイク及びバイアルクリップを示している斜視図である。
【
図41】断面で示された
図37のバイアルスパイクの正面図である。
【
図42】
図37のバイアルスパイクの筐体部分の底面図である。
【
図43】断面で示された
図37のバイアルスパイクの側面図である。
【
図44】
図37のバイアルスパイクの斜視図であって、バイアルスパイクの内側における流れ方向を例示するために筐体部分が透明に示されている斜視図である。
【
図45】バイアルスパイクの別の実施形態の拡大断面図であって、代替的配置を示している拡大断面図である。
【
図46】別の実施形態のCSTDの正面図であって、結合状態の代替的バイアルスパイク及びバイアルクリップを示している正面図である。
【
図47】別の実施形態のCSTDの斜視図であって、結合状態のバイアルスパイク及びバイアルクリップを示している斜視図である。
【
図52】別の実施形態のCSTDを組み付けるためのモジュラーシステムの斜視図であって、コンポーネントが組み付け解除状態で示された斜視図である。
【
図53】
図52に示されるモジュラーシステムのコンポーネントのうちのいくつかの分解組立斜視図である。
【
図54】
図52に示されるモジュラーシステムのコンポーネントの断面図である。
【
図55】
図52に示されるコンポーネントのうちの1つの上面図である。
【
図56】
図52に示される別のコンポーネントの拡大斜視図である。
【
図57】部分断面で示された、
図52中のコンポーネントのうちのいくつかの上面図である。
【
図58】
図52のモジュラーシステムにおけるコンポーネントから組み付けることができるCSTDの正面図である。
【
図59】
図52のモジュラーシステムにおけるコンポーネントから組み付けることができる別のCSTDの正面図である。
【
図60】
図52のモジュラーシステムにおけるコンポーネントから組み付けることができる別のCSTDの正面図である。
【
図61】
図52のモジュラーシステムにおけるコンポーネントから組み付けることができる別のCSTDの正面図である。
【
図62】別の実施形態のCSTDを組み付けるためのモジュラーシステムの斜視図であって、コンポーネントが組み付け解除状態で示された斜視図である。
【
図63】
図62に示される、組み付けられてCSTDを形成することが可能なコンポーネントのうちのいくつかの分解組立斜視図である。
【
図64】
図63に示されるコンポーネントのうちのいくつかの上面図であって、コンポーネントが、組み付け状態において、部分断面で示されている、上面図である。
【
図65】
図62に示される、組み付けられて別のCSTDを形成することが可能な他のコンポーネントの分解組立斜視図である。
【
図66】
図65に示されるいくつかのコンポーネントの上面図であって、コンポーネントが、組み付け状態において、部分断面で示されている上面図である。
【
図67】別の実施形態に従ったCSTDの斜視図である。
【
図68】第1の面における断面で示された
図67のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが結合状態で示された正面図である。
【
図69】第2の面における断面で示された
図67のCSTDの側面図であって、CSTDのコンポーネントが結合状態で示された側面図である。
【
図72】第1の面における断面で示された
図71のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが結合状態で示された正面図である。
【
図73】第2の面における断面で示された
図71のCSTDの側面図であって、CSTDのコンポーネントが結合状態で示された側面図である。
【
図76】第1の面における断面で示された
図75のCSTDの側面図であって、CSTDのコンポーネントが結合状態で示された側面図である。
【
図77】第2の面における断面で示された
図75のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが結合状態で示された正面図である。
【
図78】第3の面における断面で示された、
図75のCSTDの上面図であって、CSTDのコンポーネントが結合状態において示された上面図である。
【
図81】第1の面における断面で示された
図80のCSTDの側面図であって、CSTDのコンポーネントが結合状態で示された側面図である。
【
図82】第2の面における断面で示された
図80のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが結合状態で示された正面図である。
【
図83】第3の面における断面で示された
図80のCSTDの上面図であって、CSTDのコンポーネントが結合状態において示された上面図である。
【
図86】
図85のCSTDの別の斜視図であって、CSTDのコンポーネントが非結合状態において示された斜視図である。
【
図88】断面で示された
図85のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが非結合状態で示された正面図である。
【
図89】断面で示された
図85のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが結合及び被ロック状態で示された正面図である。
【
図90】別の実施形態のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが非結合状態の示された正面図である。
【
図91】
図90のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが部分的挿入状態で示された正面図である。
【
図92】
図90のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが結合及び被ロック状態で示された、正面図である。
【
図93】別の実施形態のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが非結合状態で示された正面図である。
【
図94】
図93のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが部分的挿入状態で示された正面図である。
【
図95】
図93のCSTDの正面図であって、CSTDのコンポーネントが結合及び被ロック状態で示された、正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0113】
以下の詳細な説明においては、多数の特定的な詳細が、関連する教示内容の完全な理解をもたらすために、例として明記されている。理解されるであろうこととして、このような例は、非限定的なものである。多数の変形、変更、置換、及び、組み合わせが、本開示及びその教示内容の範囲から逸脱することなく当業者に見出されるであろうし、それらは、本開示の一部である。これには、1つの例において示された特徴の、別の例において示された特徴による置換、又は、1つの例において示された特徴の、別の例において示された特徴との組み合わせ、が含まれる。全ての置換及び組み合わせは、この、記載された説明の一部とみなされる。
【0114】
以下の説明は、個々の部品の物理的な配置及び/又は配向を記載するために、定義された様々な用語を使用している。用語「長手方向軸」は、要素の中心軸であって、当該要素の長寸法を経由して延在する中心軸、を意味するか又は指す。用語「軸方向の」及び「軸方向に」は、長手方向軸に対して平行な方向を意味するか又は指す。用語「径方向の」及び「径方向に」は、長手方向軸に対して垂直な方向を意味するか又は指す。「径方向に」と共に使用されるときの、用語「内方の」及び「内方に」は、径方向における、長手方向軸に向かう方向を指す。「径方向に」と共に使用されるときの、用語「外方の」及び「外方に」は、径方向における、長手方向軸から離れる方向を指す。
【0115】
図1及び
図2を参照すると、CSTD100が、第1の実施形態に従って示されている。CSTD100は、第1の流体貯槽に取り付くように構成された第1のアダプタ120と、第2の流体貯槽に取り付くように構成された第2のアダプタ140と、を有する。第1のアダプタ120は、例えば、バイアル、バッグ、又は、患者ラインに接続することができる。第2のアダプタ140は、注射器、又は、ポンプのような流体送達装置の任意の雄ルアーコネクタに接続することができる雌ルアーコネクタ180を有する。一旦、第1のアダプタ120及び第2のアダプタ140が、それぞれ第1の流体貯槽及び第2の流体貯槽に取り付けられるとともに、
図1に示される結合状態に互いに相互接続されると、CSTD100は、第1の流体貯槽と第2の流体貯槽との間に、閉鎖した流体通路を形成する。閉鎖した流体通路は、外側環境から封止されており、システム内への汚染物質の流入と、システムからの有害蒸気の放出と、を防止する。
【0116】
第1のアダプタ120は、概して矩形の本体121を有する。第2のアダプタ140は、概して矩形のレセプタクル又は筐体141を有する。筐体141は、これら2つのアダプタが噛み合い中に軸方向に整列されるとともに中心決めされるように、第1のアダプタ120の本体121を、ガイドされる様態で受容するように適合されている。筐体141は、噛み合い中に第1のアダプタ120を受容するように適合された、中空の内部143及びソケット145を有する。図示されるように、ソケット145の両側には、2つの切り抜き部が延在する。これらの切り抜き部は、従来のアダプタと比較すると、筐体141の内部への、より大きなアクセスをもたらす。内部へのより大きなアクセスは、装置の両方の側面の、より容易な殺菌を可能にする。
【0117】
図3は、共に結合される前における第1のアダプタ120及び第2のアダプタ140の断面を示している。第1のアダプタ120は、第1の通路126と、エラストマ材料で製作された第1の隔壁128と、を有する。第1の通路126は、第1の通路端126aと、第1の通路端の反対側に第2の通路端126bと、を有する。第1の通路端126aは、第1の開口部126cを規定しており、第2の通路端126bは、第2の開口部126dを規定している。第1の通路126は、第2の通路端126bにおいて広がり、円筒形のチャンバ又は台座129を形成している。第1の隔壁128は、台座129内に受容されて、第2の通路端126bを封止している。第1の隔壁128の一部分は、第2の開口部126dから軸方向に延在して、第1の突起128gを形成している。
【0118】
第2のアダプタ140は、第2の通路146と、エラストマ材料で製作された第2の隔壁148と、を有する。第2の通路146は、第1の通路端146aと、第1の通路端の反対側に第2の通路端146bと、を有する。第1の通路端146aは、第1の開口部146cを規定しており、第2の通路端146bは、第2の開口部146dを規定している。第1の通路146は、第2の通路端146bにおいて広がり、円筒形のチャンバ又は台座149を形成している。第2の隔壁148は、台座149内に受容されて、第2の通路端146bを封止している。第2の隔壁148の一部分は、台座149から軸方向に延在して、第2の突起148gを形成している。第2の突起148gは、第1の突起128gと当接するとともに第1の突起128gによって変形されるように構成され、逆の場合も同様であって、ドライブレイクカップリングを形成する。本明細書で使用されるような「ドライブレイクカップリング」は、2つのコンポーネントの結合又は結合解除中に、液体又は蒸気がCSTDから放出されることを防止するカップリングを意味する。
【0119】
第2の隔壁148は、第2の隔壁を移送するキャリア150内に収容されている。キャリア150は、筐体141の内側において、第1の位置と第2の位置との間で軸方向に摺動するように構成されている。
図3は、第1の位置にあるキャリア150を示している。キャリア150は、弾性可撓性材料で製作された2つの可撓性クリップ152を有する。クリップ152は、弛緩状態において、平行な配置において外方に延在する。しかしながら、本開示によるクリップは、弛緩状態において、非平行な配置において延在することもできる。例えば、クリップは、僅かに外方に、互いから離れて、自身の自由端に向けて外へ広がることもできる。このことは、解説されるように、クリップが、内方に撓ませたときにより多くのエネルギを蓄えることを可能にするであろう。
【0120】
各クリップ152は、クリップから径方向外方に延在する、丸められた突起154と、クリップから径方向内方に延在する尖端155と、を備えたクリップ端153を有する。各丸められた突起154は、キャリアが第1の位置にあるときに、筐体141内に形成されたテーパ付き着地部147上に静止している。クリップ152は、着地部147に係合してキャリアを第1の位置に維持しており、第2の隔壁は、筐体141のソケット145に隣接して位置付けられている。
図3は、第1の位置にあるキャリア150を示しており、クリップ152は、着地部147と係合して、外方の弛緩位置にある。
【0121】
第1のアダプタ120は、第1の隔壁128が第2の隔壁148に接触するまで、本体121を、第2のアダプタ140のソケット145と中空の内部143との内へ挿入することにより、第2のアダプタ140に接続される。第1の隔壁128が第2の隔壁148に一旦当接すると、キャリア150の第1の位置からの移動は、クリップ152と着地部147との間の係合によって抵抗を受ける。この抵抗は、第1のアダプタ120に対する手動力が抵抗力を上回るまで、手動力が軸方向に第2の隔壁148に向けて印加されることにより打ち消される。
【0122】
第1のアダプタ120内の台座129は、外側壁129aを有する。外側壁129aは、第1のアダプタ120がソケット145を経由して中空の内部143内へ移動するのに伴い、一時的に、クリップ152の尖端155に係合するとともに尖端155に接して摺動する。このことは、クリップ152を、着地部147の上におけるそれらの静止位置に維持し、且つ、クリップが内方に撓むことを防止する。外側壁129は、遷移部123において内方にテーパしている。この配置において、第1のアダプタ120は、外側壁129aがクリップ152間を通るとともに尖端155を経由して摺動するように、第2のアダプタ140内へ挿入可能である。
【0123】
外側壁129aが尖端155を一旦通過すると、尖端は、外側壁の上方を摺動して遷移部123に到達する。この位置において、外側壁129aは、クリップ152の内方への撓みをもはや防止しない。遷移部123における、より狭い寸法が、クリップの内方への撓みを可能にする隙間をもたらすためである。第2のアダプタ140の中空の内部143は、着地部147から内方に延在するのに伴って狭くなる。したがって、第1のアダプタ120の、第2のアダプタ140内へのさらなる前進は、クリップ端153が着地部147をもはや圧迫しないように、クリップ端153を内方に撓ませる。この位置において、キャリア150は、筐体141内における第1の位置から第2の位置に向けて自由に移動する。
図4は、第2のアダプタ140内へ完全に挿入された第1のアダプタ120を示しており、キャリア150は、第2の位置に移動されているとともに、クリップ152は、内方に撓んでいる。
【0124】
第2のアダプタ140の中空の内部143は、ソケット145において、より広いセクション143aを有し、より広いセクション143aは、
図4において着地部147よりも上に示されている。中空の内部143は、着地部よりも下において、より狭いセクション143bに遷移している。キャリア150が第1の位置から第2の位置に向けて押されるのに伴い、クリップ152上の丸められた突起154は、筐体141の内側壁141aに接して摺動するとともに内側壁141aを圧迫する。丸められた突起154と内側壁141aとの間の当接は、クリップ152が中空の内部143の、より狭いセクション143bに入るのに伴い、クリップ152を内方に撓ませる。クリップ152の尖端155は、内方に押されて、第1のアダプタ120の外側壁129a上の棚部分125上に静止する。
【0125】
図3及び
図4に示されるように、第2のアダプタ140は、針160を収納している。針160は、雌ルアーコネクタ180に、軸方向に固定されている。雌ルアーコネクタ180は、小さな軸方向距離にわたり、筐体141を基準として軸方向に移動可能であるが、小さな可動域を超えた移動は制限される。この配置において、針160は、第2のアダプタ140の筐体141内に係留式に保留されており、さらなる軸方向の動きを止められる前に、筐体を基準として小さな軸方向距離だけ移動することのみが許容される。対照的に、キャリア150及び第2の隔壁148は、中空の内部143の長さの略全長に亘って、筐体141を基準として軸方向に移動可能である。
【0126】
雌ルアーコネクタ及び針の、筐体を基準とした軸方向の動きを限定するために、多様な機構を使用することができる。例には、それらの内容が全文にわたり本明細書において引用により組み込まれている、米国特許第5,328,474号及び米国特許第7,857,805号に示されているように、スナップ嵌合配置が含まれる。
図16は、返し付き延長部182´を利用しているスナップ嵌合配置を備えた、改良版雌ルアーコネクタ180´を示している。返し付き延長部182´は、筐体141´の内部壁142´を経由して、当該筐体の中空の内部内へ突出している。筐体141´は、その内部内に環状デテント145´を備えたカラーリング143´を有する。返し付き延長部182´は、広がった外径を備えたテーパ付き始端183´を有する。環状デテント145´は、カラーリング143´の内側において、始端183´の外径よりも小さな直径を有する、狭窄した通路146´を形成している。この配置において、返し付き延長部182´を、内部壁142´及びカラーリング143´を経由して、力嵌合の様態で挿入して、雌ルアーコネクタ180´を筐体141´に取り付けることができる。環状デテント145´は、図示されるように、内部壁142´に面するテーパ付き面を有しており、当該テーパ付き面は、小さな量だけ反るか又は変形して、始端183´がデテントを通過してカラーリング143´から出現することを許容する。雌ルアーコネクタ180´のフランジ部分147´は、カラーリング143´とは反対側において、筐体141´の内部壁142´に当接して、雌ルアーコネクタ及び針160´の、筐体内へのさらなる軸方向の変位を限定する。雌ルアーコネクタ180´が挿入の方向とは反対の方向に変位された場合、始端183´は、カラーリング143´内に再び入るものの、環状デテント145´に当接する。この当接は、雌ルアーコネクタ180´が筐体141´から出て逆動されるか又は引き抜かれることを防止する。その結果、雌ルアーコネクタ180´及び針160´は、筐体141´の内部壁142´内において、係留配置に維持される。
【0127】
第1の隔壁128及び第2の隔壁148は、キャリア150が第2の位置に向けて押されるのに伴い、針160による貫通が可能なエラストマ材料で形成されている。針160は、第2のアダプタ140を第1のアダプタ120に結合する前にキャリア150の内側において封止されたままである側方開口部162を有する。側方開口部162は、第2の通路146の狭いセクション146eの内側において封止されている。狭いセクション146eは、第1の端においては第2の隔壁148によって封止されており、第2の端においては第3の隔壁158によって封止されている。
【0128】
第1のアダプタ120を筐体141内へ前進させるのに伴い、第1の隔壁128は、第2の隔壁148を押して、第2の隔壁及びキャリア150を、筐体内において下方に移動させる。第2の隔壁148及びキャリア150は、針160の上方において下方に移動され、針160は、さらなる軸方向の変位を止められる前に、筐体141を基準として小さな軸方向距離だけ移動する。針160は、第1の隔壁128及び第2の隔壁148を突き通すように構成された鋭利な針先端164を有する。針160がさらなる軸方向の動きを一旦止められると、キャリア150は、針先端164が第2の隔壁148を突き通すまで針160の上方において下方に移動し、その時点で、針先端は、第1の隔壁128に直ちに入る。この動作の間、針160の側方開口部162は、第2の隔壁148を通過して第1の隔壁128内へ直ちに進む。したがって、側方開口部162は、第2の隔壁148から出現して第1の隔壁128内へ進んだ後、CSTD100の内部エリア及び外部エリアから封止されたままである。
【0129】
側方開口部162は、キャリア150が針160の上方において下方に移動するのに伴い、他のコンポーネントを基準として3つの封止位置を経由して移動する。
図3に示される第1の封止位置において、側方開口部162は、第2の隔壁148と第3の隔壁158との間で封止されている。第2の封止位置において、側方開口部162は、第2の隔壁148の内側において封止されている。第3の封止位置において、側方開口部162は、第1の隔壁128の内側において封止されている。キャリア150がレセプタクル内で一旦底に達すると、第1の隔壁128は、側方開口部162を通り越して下に押され、それにより、側方開口部162は、第1の隔壁から出現して、第1のアダプタ120の第1の通路126内において露出するようになる。この状態において、側方開口部162は、第1のアダプタ120と第2のアダプタ140との間に、及び、これらアダプタが接続されているそれらのそれぞれの貯槽間に、流体連通経路を形成する。
【0130】
キャリア150が第2の位置に到達すると、第1の隔壁128の第1の突起128gは、第2の隔壁148の第2の突起148gと当接して、ドライブレイクカップリングを形成する。第1の隔壁128及び第2の隔壁148のエラストマ材料は、共に加圧し合い、これにより、装置からの液体及び蒸気の流出、漏出、又は、漏れが生じ得ないように、針開口部162とCSTD100の内部空間との間の空間を自動的に閉鎖及び封止する。
【0131】
第2のアダプタ140は、内側壁144に沿って、一対の固定されたロッキングランプ(ramp)170を有する。キャリア150は、対応する一対のラグ151を有する。ラグ151は、キャリア150が第2の位置に移動するのに伴い、ロッキングランプ170に摺動式に係合するように構成されている。キャリア150が第2の位置に一旦到達すると、ラグ151は、ランプ170にロックする様態で係合する。この係合は、針160が、第1のアダプタ120と第2のアダプタ140との間に、及び、それらのそれぞれの貯槽間に、流体経路をもたらす「流体経路開放」状態に、CSTD100をロックする。
【0132】
各ラグ151は、可撓性アーム156上において、径方向外方に突出している。キャリア150が第2の位置に向けて押されるのに伴い、ラグ151は、ロッキングランプ170に接触する。ロッキングランプ170は、筐体141の中空の内部143内において、雌ルアーコネクタ180に向けて延在するのに伴い、径方向内方に延在するランプ表面171を有する。この、ランプ表面171の配向は、ラグ151及び可撓性アーム156を径方向内方に撓ませ、エネルギが、可撓性アーム内に蓄えられる。ラグ151は、キャリア150が第2の位置に向けて移動されるのに伴い、ランプ表面171に沿って摺動し、ラグがロッキングランプ170の端を通り越すまで、さらに径方向内方に曲がる。このような時点において、キャリア150は、筐体141内において底に達し、
図4に示される第2の位置に到達する。加えて、ロッキングランプ170は、ラグ151にもはや接触しておらず、エネルギが可撓性アーム156から放出されるのに伴い、ラグが弛緩状態に外方にスナップすることを可能にする。この状態において、ラグ151は、ロッキングランプ170に係合して、キャリア150が第1の位置に向けて戻ることを防止する。このことは、キャリア150を第2の位置にロックし、装置は、先に記載した「流体経路開放」状態にロックされる。
【0133】
流体がCSTD100を経由して移注された後、第1のアダプタ120は、ロッキングランプ170及びラグ151の係合により、第2のアダプタ140の内側においてロックされたままである。第1のアダプタ120は、筐体141の側方壁内へ構築された一対の側方ボタン142に対して径方向内方の力Fを印加することにより、第2のアダプタ140から解除することができる。
図4では、矢印により、力Fの方向を示している。
【0134】
側方ボタン142が径方向内方に押圧されるのに伴い、側方ボタンは、ラグ151がロッキングランプ170ともはや軸方向に並ばなくなるまで、当該ラグを径方向内方に押す。この段階において、ロッキングランプ170は、キャリア150が第2の位置から第1の位置に向けて戻ることをもはや防止しない。したがって、側方ボタン142を内方に押圧してキャリア150を解除するとともに、第1のアダプタ120を第2のアダプタ140の中空の内部143及びソケット145から引き抜くことにより、当該第1のアダプタを、当該中空の内部から取り外すことができる。
【0135】
第1のアダプタ120が中空の内部143から引き出されるのに伴い、第1のアダプタ上の棚部分125は、クリップ端153の下側と係合されたままである。この係合は、第1のアダプタ120が筐体141から引き出されるのに伴い、キャリア150が、当該筐体内における第1の位置に、牽引されるか又は引き戻されることを生じる。キャリア150が第1の位置に到達すると、クリップ端153は、中空の内部143の、より狭いセクション143bから出て、より広いセクション143aに入る。これにより、クリップ端153を、
図3に示される位置に外方にスナップさせる。クリップ端153の外方への動きは、クリップ端を、第1のアダプタ120上の棚部分125から解除する。したがって、棚部分125は、クリップ152から解放されて、第1のアダプタ120が筐体141から完全に引き抜かれるとともに第2のアダプタ140から分離されることを可能にする。キャリア150は、筐体141の内側壁141aにおけるアンダーカット141bに係合するラグ151により、筐体141から引き抜かれることが防止される。
【0136】
本開示によるCSTDは、コンポーネントが互いを基準として移動するのに伴い、コンポーネントを適正な軸方向及び径方向のアライメントに維持する1つ以上のアライメント構造を含むことができる。例えば、CSTD100は、筐体141の内側壁141aに沿って長手方向リブ141dを含んでおり、これらは、
図2に部分的に示されている。リブ141dは、
図5に示されるように、キャリア150の上において長手方向に延在する窪み157に係合して、キャリアと筐体141との間の正しいアライメントを維持するように構成されている。加えて、リブ141dは、
図6に示されるように、第1のアダプタ120において長手方向に延在するスロット127に係合して、第1のアダプタと筐体141との間の正しいアライメントを維持するように構成されている。
【0137】
CSTD100は、本開示に記載される他の実施形態上における特徴及び特性と、構造的に及び/又は機能的に同一である特徴及び特性を有する。したがって、CSTD100上において記載されたいくつかの特徴は、このような特徴が他の実施形態上においても存在しているとの理解を伴った上で、簡潔性の目的のために、他の実施形態上においては記載されない。
【0138】
図7及び
図8を参照すると、CSTD200が、第2の実施形態に従って示されている。CSTD200は、第1の流体貯槽に取り付くように構成された第1のアダプタ220と、第2の流体貯槽に取り付くように構成された第2のアダプタ240と、を有する。第1のアダプタ220は、例えば、バイアル、バッグ、又は、患者ラインに接続することができる。第2のアダプタ240は、注射器、又は、ポンプのような流体送達装置の任意の雄ルアーコネクタに接続することができる雌ルアーコネクタ280を有する。一旦、第1のアダプタ220及び第2のアダプタ240が、それぞれ第1の流体貯槽及び第2の流体貯槽に取り付けられるとともに、
図7に示される結合状態に互いに相互接続されると、CSTD200は、第1の流体貯槽と第2の流体貯槽との間に、閉鎖した流体通路を形成する。
【0139】
第1のアダプタ220は、概して円筒形の本体221を有する。第2のアダプタ240は、概して円筒形のレセプタクル又は筐体241を有する。第2のアダプタ240の筐体241は、第1のアダプタ220の本体221を受容してこれら2つのアダプタを相互接続するように適合されている。第1のアダプタ220及び第2のアダプタ240の円筒形の幾何学的形状は、第1のアダプタが、第2のアダプタを基準として任意の配向で第2のアダプタ内へ挿入されることを可能にする。第1のアダプタ220を第2のアダプタ240内へ、これら2つを接続するために適正に挿入するのに、特定的な配向は必要とされない。このことは、アダプタの接続を簡素にするとともに、結果的に、アダプタの接続時におけるユーザエラーの危険を少なくする。
【0140】
図9は、共に結合される前における第1のアダプタ220及び第2のアダプタ240の断面を示している。第1のアダプタ220は、第1の通路226と、エラストマ材料で製作された第1の隔壁228と、を有する。第1の通路226は、第1の通路端226aと、第1の通路端の反対側に第2の通路端226bと、を有する。第1の通路端226aは、第1の開口部226cを規定しており、第2の通路端226bは、第2の開口部226dを規定している。第1の通路226は、第2の通路端226bにおいて広がり、円筒形のチャンバ又は台座229を形成している。第1の隔壁228は、台座229内に受容されて、第2の通路端226bを封止している。第1の隔壁228の一部分は、第2の通路開口部226dから軸方向に延在して、第1の突起228gを形成している。
【0141】
第2のアダプタ240は、第2の通路246と、エラストマ材料で製作された第2の隔壁248と、を有する。第2の通路246は、第1の通路端246aと、第1の通路端の反対側に第2の通路端246bと、を有する。第1の通路端246aは、第1の開口部246cを規定しており、第2の通路端246bは、第2の開口部246dを規定している。第2の通路246は、第2の通路端246bにおいて広がり、円筒形のチャンバ又は台座249を形成している。第2の隔壁248の一部分は、台座249内に受容されて、第2の通路端246bを封止している。
【0142】
第2の隔壁248は、折り畳み可能ピストン248aとして動作する細長い円筒形の本体を有する。ピストン248aは、ヘッド部分248bと、折り畳み可能中央セクション248cと、基部フランジ248dと、を有する。折り畳み可能中央セクション248cは、ヘッド部分248b及び基部フランジ248dよりも小さな直径を有する。折り畳み可能中央セクション248cの長さに沿って、一連の円周方向リブ248eが延在する。基部フランジ248dは、筐体241における円筒形の凹部242内へ嵌合されている。
【0143】
第2の隔壁248のヘッド部分248bは、キャリア250内に収容されている。キャリア250は、コレット部分252と、中空の円筒形基部部分254と、を有する。基部部分254は、先に述べた円筒形のチャンバ又は台座249を規定している。円筒形のチャンバ又は台座249は、ヘッド部分248bが基部部分254の内部に流体密封嵌合して係合するように、サイズ決定されている。基部部分254は、円筒形のチャンバ又は台座249をコレット部分252の内部と相互接続する開口部254aを有する。第2の隔壁248の端部分248fは、開口部254aを経由して突き出て、コレット部分252内へ延在する第2の突起248gを形成している。第2の突起248gは、第1の突起228gと当接するとともに第1の突起228gによって変形される、ように構成され、逆の場合も同様であって、ドライブレイクカップリングを形成する。
【0144】
キャリア250は、筐体241の内側において、第1の位置と第2の位置との間で軸方向に摺動するように構成されている。
図9は、第1の位置にあるキャリア250を示している。コレット部分252は、弾性可撓性材料で製作された4つの可撓性クリップ252aを有する。クリップ252aは、弛緩状態において、外向きに広がる配置において径方向外方に延在する。各クリップ252aは、径方向外方に延在する外側突起253aと、径方向内方に延在する内方デテント253bと、を備えたクリップ端253を有する。各外側突起253aは、キャリア250が第1の位置にあるときに、筐体241内のテーパ付き着地部247上に静止している。外側突起253aは、着地部247に係合して、キャリア250を第1の位置に維持している。
【0145】
第1のアダプタ220は、第1のアダプタ220の本体221を、第2のアダプタ240の筐体241内へ、且つ、キャリア250のクリップ252a間に、挿入することにより、第2のアダプタ240に接続される。本体221は、第1の隔壁228が第2の隔壁248の突起248gに接触するまで前進させる。第1の隔壁228が第2の隔壁248に一旦接触すると、キャリア250の第1の位置からの移動は、クリップ252aと着地部247との間の係合によって抵抗を受ける。この抵抗は、第1のアダプタ220に対する手動力が抵抗力を上回るまで、手動力が軸方向に第2の隔壁248に向けて印加されることにより打ち消される。
【0146】
第1のアダプタ220内の台座229は、楔形状のプラグセクション229aによって取り囲まれている。プラグセクション229aは、第1のアダプタ220がコレット部分252内へ移動するのに伴い、クリップ252a間を通る。筐体241の内側壁241aは、内側壁が着地部247から離れて延在するのに伴い、径方向内方にテーパしている。クリップ端253は、内側壁241aを圧迫しており、キャリア250が第1の位置から第2の位置に向けて移動されるのに伴い、蓄えられたエネルギ下において、内側壁によって径方向内方に加圧される。この、径方向の加圧は、プラグセクション229aの周囲を円周方向に延在する肩部229bに対し、デテント253bを径方向内方に押す。デテント253bと肩部229bとの間の係合は、キャリア250と第1のアダプタ220とを一時的に連結する。この条件において、キャリア250は、筐体241内における第1の位置から第2の位置に向けて自由に移動する。キャリア250が第2の位置に向けて移動するのに伴い、折り畳み可能中央セクション248cは、軸方向に加圧される。
図10は、第2のアダプタ240内へ完全に挿入された第1のアダプタ220を示しており、キャリア250は、第2の位置に移動されている。この位置において、クリップ252sは、蓄えられたエネルギ下において径方向内方に撓んでおり、折り畳み可能中央セクション248cは、蓄えられたエネルギ下において軸方向に加圧されている。
【0147】
図9及び
図10に示されるように、第2のアダプタ240は、針260を収納している。針260は、雌ルアーコネクタ280に、軸方向に固定されている。雌ルアーコネクタ280は、第1の実施形態において記載されたように、小さな軸方向距離にわたり、筐体241を基準として軸方向に移動可能であるが、スナップ嵌合配置又は他の係留構成により、小さな可動域を超えた移動は制限される。この配置において、針260は、第2のアダプタ240の筐体241内に係留式に保留されており、さらなる軸方向の動きを止められる前に、筐体を基準として小さな軸方向距離だけ移動することのみが許容される。対照的に、キャリア250及び第2の隔壁248のヘッド部分248bは、筐体241の長さの略全長に亘って、当該筐体を基準として軸方向に移動可能である。
【0148】
第1の隔壁228及び第2の隔壁248は、キャリア250が第2の位置に向けて押されるのに伴い、針260による貫通が可能なエラストマ材料で形成されている。針260は、第2のアダプタ240を第1のアダプタ220に結合する前に第2の隔壁248の内側において封止されたままである側方開口部262を有する。第1のアダプタ220を筐体241内へ前進させるのに伴い、第1の隔壁228は、第2の隔壁248を押して、ヘッド部分248b及びキャリア250を、筐体内において下方に移動させる。ヘッド部分248b及びキャリア250は、第1の実施形態において記載されたように、針260の上方において下方に移動され、針260は、スナップ嵌合配置又は他の係留構成により、さらなる軸方向の変位を止められる前に、筐体241を基準として小さな軸方向距離だけ移動する。針260は、第1の隔壁228及びヘッド部分248bを突き通すように構成された鋭利な針先端264を有する。針260がさらなる軸方向の動作を一旦止められると、キャリア250は、針先端264が第2の隔壁248を突き通して第1の隔壁228に入るまで針260の上方において下方に移動する。この動きの間、針260の側方開口部262は、第2の隔壁248を通過して第1の隔壁228内へ直ちに進む。
【0149】
側方開口部262は、キャリア250が針260の上方において下方に移動するのに伴い、他のコンポーネントを基準として3つの封止位置を経由して移動する。第1の封止位置において、側方開口部262は、第2の隔壁248の折り畳み可能中央セクション248cの内側で、狭い中空コア248hの内側において封止されている。
図9に、この位置を示す。第2の封止位置において、側方開口部262は、第2の隔壁248のヘッド部分248bの内側において封止されている。第3の封止位置において、側方開口部262は、第1の隔壁228の内側において封止されている。
図10に示されるように、キャリア250が第2のアダプタ240内で一旦底に達すると、第1の隔壁228は、側方開口部262を通り越して下に押され、それにより、側方開口部は、第1の隔壁から出現して、第1のアダプタ220の第1の通路226内において露出するようになる。この状態において、側方開口部262は、第2のアダプタ240と第1のアダプタ220との間に流体連通経路を形成する。キャリア250が第2の位置に到達すると、第1の隔壁228及び第2の隔壁248は、ドライブレイクカップリングを形成する。
【0150】
第1のアダプタ220は、本体221から径方向外方に延在する円周方向フランジ230を有する。第2のアダプタ240は、筐体241の壁245に旋回式に接続された一対の保持クリップ270を有する。各保持クリップ270は、弾性ヒンジ270aにおいて壁245に旋回式に接続されている。ヒンジ270aは、各保持クリップ270が、壁245における開口部245aを経由して旋回することを可能にする。第1のアダプタ220上のフランジ230は、第1のアダプタが第2のアダプタ240内へ挿入されるのに伴い、保持クリップ270間を通る。保持クリップ270は、弾性可撓性材料で形成されており、弛緩状態においては、それらの間に空間を規定しており、このことは、
図9に示されている。各保持クリップ270は、2つの係合面を備えた、返し形状のクリップ端271を有する。第1の係合面は、第2のアダプタ上において径方向内方に面するランプ付き接触面272である。第2の係合面は、長手方向軸に対して垂直に延在するアンダーカット面273である。
【0151】
フランジ230の直径は、保持クリップ270が弛緩状態にあるときのクリップ端271間の空間よりも大きい。したがって、フランジ230は、保持クリップ270間を通るのに伴い、ランプ付き接触面272を圧迫する。ランプ付き接触面272の配向は、第2のアダプタ240に向けて第1のアダプタ220に印加された軸方向の力が、保持クリップ270を、第2のアダプタの軸に対して径方向外方に変位させるような配向である。保持クリップ270は、蓄えられたエネルギ下で、径方向外方に撓むとともに離れて広がり、フランジがランプ付き接触面272を通過することを許容する。
【0152】
フランジ230がランプ付き接触面272を一旦越えると、クリップ270は、自身を外方に変位させる力の影響下にはもはや置かれてない。したがって、クリップ270は、エネルギが放出されるのに伴って弛緩状態にスナップバックし、
図10に示されるように、クリップのアンダーカット面273がフランジ230の上方に位置決めされる。アンダーカット面273とフランジ230との間の軸方向の係合は、第1のアダプタ220が第2のアダプタ220から取り外されることを防止し、それにより、それらを共にロックする。クリップ270がフランジ230の上方にスナップする時機は、側方開口部262が第1の隔壁から完全に出現することと好ましくは一致しており、ここで側方開口部262が、第1の通路226内において露出される。当該時機は、好ましくは、キャリア250が第2の位置に到達することにも一致する。したがって、キャリア250が第2の位置に到達すると、第1のアダプタ220及び第2のアダプタ240は、針が、第1のアダプタと第2のアダプタとの間に、及び、それらのそれぞれの貯槽間に、流体経路をもたらす「流体経路開放」状態に、共にロックされる。クリップ270は、自身の加圧状態にある折り畳み可能中央セクション248cによって加えられている軸方向の拡張力に抵抗しながらも、フランジ230を圧迫して、第1のアダプタ220及び第2のアダプタ240を共にロックする。このことは結果的に、第1のアダプタ220及び第2のアダプタ240が張力下で共にロックされることを生じる。フランジ230の上方においてクリップ270がスナップすることにより、いつCSTD200が流体経路開放状態にロックされたのかをユーザに通知する、可聴クリック音を生じる。
【0153】
流体がCSTD200を経由して移注された後、第1のアダプタ220は、保持クリップ270とフランジ230との間の係合により、第2のアダプタ240の内側においてロックされたままである。第1のアダプタ220は、保持クリップ270から径方向外方に延在する一対の側方ボタン274に対して径方向内方の力Fを印加することにより、第2のアダプタ240から解除することができる。
図10では、矢印により、力Fの方向を示している。
【0154】
側方ボタン274が径方向内方に押圧されるのに伴い、保持クリップ270は、壁245における開口部245aを通って旋回するとともに、ヒンジ270aにおいてエネルギを蓄える。クリップ端271は、径方向外方に、第1のアダプタ220から離れて旋回され、それにより、クリップ端は、自身のロッキング位置を出て解除位置に移動される。解除位置において、アンダーカット面273は、第1のアダプタ220上におけるフランジ230をもはや妨げず、それにより、フランジが保持クリップ270から引き出されることを許容するとともに、第1のアダプタが第2のアダプタ240から引き出されることを可能にする。
【0155】
キャリア250のクリップ端253は、上で注記したように、内方に押圧されているとともに、第1のアダプタ220のプラグセクション229aの周囲に巻き付いている。したがって、第1のアダプタ220の引き出しは、第1の位置に向かって戻るキャリア250の牽引又は引き出しも生じる。クリップ端253が着地部247と一旦軸方向に整列すると、クリップ端内における、蓄えられたエネルギが放出されて、クリップ端を、拡張させるとともに、
図9に示されるそれらの弛緩状態に戻す。このことは、プラグセクション229aをコレット部分252の把持から解除して、第1のアダプタ220が、第2のアダプタ240から分離されることを可能にする。
【0156】
側方ボタン274が内方に押圧されてフランジ230をクリップ270から解除すると、折り畳まれたピストン248aを加圧状態に保持している力が除去される。したがって、第2の隔壁248の折り畳み可能中央セクション248c内における、蓄えられたエネルギが放出されて、折り畳み可能中央セクションを拡張させる。折り畳み可能中央セクション248cが拡張するのに伴い、ヘッド部分248bは、キャリア250が第1の位置に戻ることを補佐するばね力を、当該キャリアに印加する。当該ばね力は、ヘッド部分248bを当初の位置に戻って推進もさせて、第1の隔壁228を針先端264から移動させた後に、第2の隔壁248の内側において当該針先端を直ちに封鎖する。このことは、第1のアダプタ220が筐体241から取り外された後に針先端264を遮蔽する安全性特徴をもたらす。針先端264は、CSTD200の使用前、使用中、又は使用後に、決して露出されない。
【0157】
図11及び
図12を参照すると、CSTD300が、第3の実施形態に従って示されている。CSTD300は、第1の流体貯槽に取り付くように構成された第1のアダプタ320と、第2の流体貯槽に取り付くように構成された第2のアダプタ340と、を有する。第1のアダプタ320は、例えば、バイアルに接続することができるスパイク322を有する。第2のアダプタ340は、注射器、又は、ポンプのような流体送達装置の任意の雄ルアーコネクタに接続することができる雌ルアーコネクタ380を有する。針360は、第2のアダプタ340の内側に収納されているとともに、解説されるように、第1のアダプタ320と連通する流体導管を形成する。一旦、第1のアダプタ320及び第2のアダプタ340が、それぞれ第1の流体貯槽及び第2の流体貯槽に取り付けられるとともに、
図11に示される結合状態に互いに相互接続されると、CSTD300は、第1の流体貯槽と第2の流体貯槽との間に、閉鎖した流体通路を形成する。
【0158】
第1のアダプタ320は、概して円筒形の本体321を有する。第2のアダプタ340は、円筒形の壁342を備えた、概して円筒形のレセプタクル又は筐体341を有する。第2のアダプタ340の筐体341は、第1のアダプタ320の本体321を受容してこれら2つのアダプタを相互接続するように適合されている。第1のアダプタ320及び第2のアダプタ340は、軸方向の一押しによって第1のアダプタを第2のアダプタ内に挿入し、その後、一方のアダプタを他方のアダプタを基準として回転させるか又は捩って、第1のアダプタ及び第2のアダプタを共にロックすることによって接続される。
【0159】
第1のアダプタ320は、円筒形のプラグ324と、当該プラグの周囲において円周方向に配置された複数の弾性可撓性スナップアーム326と、を有する。スナップアーム326は、小さな径方向の間隙328だけプラグ324の外部から離間する。第2のアダプタ340の円筒形の壁342は、プラグ324の外径よりも大きな内径を有する。スナップアーム326の内径は、円筒形の壁342の外径よりも大きい。この配置において、筐体341は、プラグ324を嵌合式に受容するようにサイズ決定されている。加えて、プラグ324とスナップアーム326との間の径方向の間隙328は、円筒形の壁342を入れ子式に受容するようにサイズ決定されている。
【0160】
第1のアダプタ320のスナップアーム326は、第1のアダプタが第2のアダプタ内へ一旦完全に挿入されると、第2のアダプタ340上の棚344の上方にスナップするように構成されている。
図13から
図15を参照すると、棚344は、円筒形の壁342から、その円周の一部分に沿って径方向外方に突出しており、テーパ付き外側側方壁344aを有する。各スナップアーム326は、テーパ付き先端面328を備えた返し付き端327を有する。各スナップアーム326のテーパ付き先行面328は、第1のアダプタ320が第2のアダプタ340内へ挿入されるのに伴い、棚344のテーパ付き外側側方壁344aに接触するように構成されている。
【0161】
各テーパ付き先行面328の配向には、テーパ付き先行面と棚344との間の接触がスナップアーム326を径方向外方に外向きに広げるか又は撓ませるように、角度が付けられている。第1のアダプタ320が第2のアダプタ340内へ前進するのに伴い、スナップアーム326は、返し付き端327が棚344を通り越して棚344を越えるまで、蓄えられたエネルギ下で径方向外方に撓む。返し付き端327が棚344を一旦越えると、スナップアーム326における、蓄えられたエネルギが放出されて、返し付き端が棚の上方に掛かった状態において、スナップアームを径方向内方にスナップさせる。
【0162】
第1のアダプタ320が第2のアダプタ340内へ一旦完全に挿入されると、第1のアダプタは、第2のアダプタを基準とした配向の範囲から成る軸方向被ロック位置と軸方向ロック解除位置との間で、第2のアダプタを基準として回転可能である。軸方向被ロック位置において、スナップアーム326の返し付き端327は、棚344の上方に掛かっている。軸方向ロック解除位置において、第1のアダプタ320は、スナップアーム326の返し付き端327が棚344を経由して開口部又は通路348のみと整列されるように、第2のアダプタ340を基準として配向されている。通路348は、第1のアダプタ320を第2のアダプタ340を基準として特定的な配向へ回転させるとスナップアーム326と整列するように、棚344をアーチ形状の棚セクション344aへ分けるとともに、棚の周囲に配置されている。第1のアダプタ320及び第2のアダプタ340は、任意の数の通路、棚セクション、及び、スナップアームを有することができ、図に示される例は、企図された配置のみを表している訳ではない。
【0163】
各通路348は、第1のアダプタ320が一旦ロック解除位置に回転されたときに、スナップアーム326の少なくとも1つの返し付き端327が通路を通過することを可能にするだけ十分に広い。第1のアダプタ320の被ロック位置及びロック解除位置は、視覚的に且つ触知感によって、検出することができる。第2のアダプタ340は、円筒形の壁342から突出して軸方向に延在する、一対の硬質止め347であって、直径方向に対向する硬質止め347を有する。硬質止め347は、第1のアダプタ320が第2のアダプタ340内へ挿入された後に回転リミッタを生じるように、棚セクション344a及び通路348を基準として位置決めされている。第1のアダプタ320が第2のアダプタ340内へ完全に挿入された後に、第1のアダプタを、返し付き端327のうちの1つが硬質止め347の一方と衝突するまで時計回りに回転させる。この相対的配向において、返し付き端327のうちの少なくともいくつかが棚344の上方で掛かり、第1のアダプタ320が第2のアダプタ340から引き抜かれることを防止する。時計回りの回転の後に返し付き端327と衝突する硬質止め347は、第1のアダプタが第2のアダプタにロックされたという触知標識をもたらす。
【0164】
第1のアダプタ320は、返し付き端327のうちの1つが他方の硬質止め347と衝突するまで、同様の様態で反時計回りの方向に回転させることもできる。この相対的配向において、返し付き端327の全ては通路348と軸方向に整列されており、第1のアダプタ320が第2のアダプタ340から引き抜かれることを可能にする。したがって、反時計回りの回転後に突き当たった硬質止め347は、第1のアダプタ320が第2のアダプタ340からロック解除されており、第2のアダプタから引き抜くことができる、という触知標識をもたらす。
【0165】
第1のアダプタ320及び第2のアダプタ340の円筒形の幾何学的形状は、第1のアダプタが、第2のアダプタを基準として任意の配向で第2のアダプタ内へ挿入されることを可能にする。第1のアダプタ320を第2のアダプタ340内へ、これら2つを接続するために適正に挿入するのに、特定的な配向は必要とされない。このことは、アダプタの接続を簡素にするとともに、結果的に、アダプタの接続時におけるユーザエラーの危険を少なくする。しかしながら、第1のアダプタ320は、硬質止め347の一方に突き当たって第1のアダプタがロックされたことを保証するまで時計回りに回転させなければならず、硬質止め347のうちの別のものに突き当たって、いつ第1のアダプタがロック解除されたのかが確定するまで、反時計回りに回転させなければならない。
【0166】
図13は、共に結合される前における第1のアダプタ320及び第2のアダプタ340の断面を示している。第1のアダプタ320は、第1の通路323と、エラストマ材料で製作された第1の隔壁325と、を有する。第1の通路323は、第1の通路端323aと、第1の通路端の反対側に第2の通路端323bと、を有する。第1の通路端323aは、第1の開口部323cを規定しており、第2の通路端323bは、第2の開口部323dを規定している。
図12に最も良好に示されている環状台座329は、第2の通路端323bを取り囲む外部壁323eの周囲に形成されている。第1の隔壁325は、台座329内に受容されているとともに、第2の開口部323dを閉鎖して、第2の通路端323bを封止している。
【0167】
第2のアダプタ340は、第2の通路346と、エラストマ材料で製作された第2の隔壁352と、を有する。第2の通路346は、第1の通路端346aと、第1の通路端の反対側に第2の通路端346bと、を有する。第1の通路端346aは、第1の開口部346cを規定しており、第2の通路端346bは、第2の開口部346dを規定している。第2の通路端346bは、円筒形のチャンバ又は台座349を形成している。第2の隔壁352は、台座349内に受容されて、第2の通路端346bを封止している。第1の隔壁325は、他の実施形態のように、第1の突起325gを有し、第2の隔壁352は、第1の突起とドライブレイクカップリングを形成するように構成された第2の突起352gを有する。
【0168】
第2の隔壁352は、折り畳み可能ピストン352aとして動作する細長い円筒形の本体を有する。ピストン352aは、ヘッド部分352bと、折り畳み可能中央セクション352cと、基部フランジ352dと、を有する。熱可塑性ケーシング又はキャリア350が、ヘッド部分352aを取り囲んでいる。キャリア350は、キャリアの拘束効果によって、針360に対して圧力を絶えず内方に印加することを可能にすることにより、ヘッド部分352aのエラストマが直径方向に拡張することを防止して、適切な封止を保証する。折り畳み可能中央セクション352cは、折り畳み可能中央セクション352cの長さに沿って延在する一連の円周方向リブ352eを有する。基部フランジ352dは、筐体341における円筒形の凹部343内へ嵌合されている。
【0169】
第1のアダプタ320が第2のアダプタ340の筐体341内へ挿入されるのに伴い、第1の隔壁325は、第2の隔壁352を加圧する。加えて、プラグ324は、キャリア350を軸方向に圧迫する。第2の隔壁352のヘッド部分352b及びキャリア350に印加された軸方向の力は、第2の隔壁及びキャリアを、第2の隔壁の基部フランジ352dに向けて軸方向に移動させる。加えて、第2の隔壁352の折り畳み可能中央セクション352cは、ヘッド部分352bに印加された軸方向の荷重に応じて折り畳まれる。キャリア350は、最初に、筐体341の口において第1の位置に配設され、第2の位置に、筐体内へより深く進行する。この進行中に、キャリア350は、筐体341の内側壁345に沿って摺動する。内側壁345は、狭窄部345aにおいて、より大きな内径からより小さな内径へ急激に遷移する。狭窄部345aは、キャリア350が第2の位置に到達すると当該キャリア上において円周方向止めフランジ350aに当接する端壁又は止めを形成する。したがって、キャリア350は、キャリアが第2の位置に到達すると筐体341内において底に達し、さらに進行することができない。
【0170】
針360は、雌ルアーコネクタ380に、軸方向に固定されている。雌ルアーコネクタ380は、第1の実施形態において記載されたように、小さな軸方向距離にわたり、筐体341を基準として軸方向に移動可能であるが、スナップ嵌合配置又は他の係留構成により、小さな可動域を超えた移動は制限される。この配置において、針360は、筐体341内に係留式に保留されており、さらなる軸方向の動きを止められる前に、筐体を基準として小さな軸方向距離だけ移動することのみが許容される。対照的に、キャリア350及び第2の隔壁352のヘッド部分352bは、筐体341の長さの略全長に亘って、当該筐体を基準として軸方向に移動可能である。
【0171】
第1の隔壁325及び第2の隔壁352は、キャリア350及びヘッド部分352bが筐体341内へより深く押されるのに伴い、針360による貫通が可能なエラストマ材料で形成されている。針360は、示されるように、第2のアダプタ340を第1のアダプタ320に結合する前に第2の隔壁352によって封止されたままである側方開口部362を有する。針360は、第2の隔壁352のヘッド部分352b及び第1の隔壁325を突き通すように構成された鋭利な針先端364も有する。
【0172】
第1のアダプタ320が、当該第1のアダプタの、第2のアダプタ340内への挿入中に、キャリア350と第2の隔壁352のヘッド部分352bとを変位させるのに伴い、第2の隔壁352の折り畳み可能部分352cは、蓄えられたエネルギ下で、軸方向の荷重に応じて折り畳まれる。このことは、キャリア350及びヘッド部分352bを、筐体341の内側において基部フランジ352dに向けて進行させる。針360は、第1の実施形態において記載されたように、スナップ嵌合配置又は他の係留構成により、さらなる軸方向の変位を止められる前に、筐体341を基準として小さな軸方向距離だけ移動する。針360が、さらなる軸方向の動きを一旦止められると、針先端364は、当該先端が第2の隔壁352から出現するまで当該第2の隔壁を貫通するとともに、当該第2の隔壁に加圧されている第1の隔壁325を直ちに突き通す。針360の側方開口部362もまた、第2の隔壁352の内部から第1の隔壁325内へ移動する。継続した前進は、針開口部362が第1のアダプタ320内における第1の通路323と流体連通するまで、針先端364及び当該側方開口部に、第1の隔壁325を突き通させる。この段階において、キャリア350は、第2の位置に到達し、針360は、第1のアダプタ320と第2のアダプタ340との間に流体通路を形成する。このことは、スナップアーム326が棚344の上方にスナップするときと実質的に一致する。第1のアダプタ320は、この段階において、硬質止め347の一方に突き当たるまで、第2のアダプタ340を基準として時計回りに回転させることができる。硬質止め347の一方に突き当たると、第1のアダプタ320及び第2のアダプタ340は、針360が、第1のアダプタと第2のアダプタとの間に、及び、それらのそれぞれの貯槽間に、流体経路をもたらす「流体経路開放」状態に、共にロックされる。
【0173】
上で注記したように、第1の隔壁325及び第2の隔壁352は、共に加圧されるとドライブレイクカップリングを形成する。第1の隔壁325及び第2の隔壁352のエラストマ材料は、液体の流出、漏出、又は、漏れが生じ得ないように、針360とCSTD300の内部との間の空間を自動的に閉鎖及び封止する。
【0174】
液体がCSTD300を使用して貯槽間で移注された後、第1のアダプタ320は、スナップアーム326と棚344との間の係合により、第2のアダプタ340にロックされたままである。第1のアダプタ320を第2のアダプタ340から取り外すために、ユーザは、第1のアダプタを、硬質止め347の他方に突き当たるまで、第2のアダプタを基準として反時計回りの方向に回転させることができる。この段階において、スナップアーム326は、棚344を経由して通路348と整列されており、スナップアームが当該通路を通過することと、第2のアダプタからの第1のアダプタの分離を容易にすることと、を可能にする。
【0175】
第1のアダプタ320及び第2のアダプタ340が共にロックされると、折り畳み可能中央セクション352c内における、蓄えられたエネルギは、第1のアダプタ及び第2のアダプタを共に張力下に保留する軸方向のばね力を生じる。第1のアダプタ320が、ロック解除位置に回転されるとともに第2のアダプタ340から引き出されると、折り畳み可能中央セクション352cで蓄えられたエネルギは、放出されて、折り畳み可能中央セクションを拡張させるとともに第2の隔壁352のヘッド部分352bを針360の針先端364の上方に戻って推進させるばね力を生じる。このことは、第1のアダプタ320が第2のアダプタ340から取り外された後に針先端364を遮蔽する安全性特徴をもたらす。針先端360は、CSTD300の適正な使用前、使用中、又は、使用後のいかなる時点においても、針先端360がユーザに直接的に接触する可能性がある大気へ露出されない。
【0176】
本開示によるCSTDは、各アダプタを流体貯槽に接続するための多様なカップリング及び取り付け構造を有することができる。例えば、雌ルアーコネクタ180、280、及び、380は、それぞれ、自身の周囲の筐体に回転可能に搭載されているとともに、ねじ山182、282、及び、382を特徴として有する。筐体141及び241は、それぞれ、ルアーコネクタ180及び280の周囲に延在するシュラウド141c及び241cを特徴として有する。これらの筐体は、それぞれ、雌ルアーコネクタ180、280、及び、380上のタブに連携して係合するランプを備えたラチェット機構141d、241d、及び、341dも有する。ねじ山182、282、及び、382と、ラチェット機構141d、241d、及び、341dと、は、雄ルアーコネクタが雌ルアーコネクタ上へ第1の方向に(例えば、時計回りに)ねじ込まれることを可能にするものの、雄ルアーコネクタが雌ルアーコネクタから第1の方向とは反対の第2の方向に(例えば、反時計回りに)ねじ込み解除されることを防止する。これにより、液体が装置を経由して移注された後に、ユーザが第2のアダプタから注射器(又は他の貯槽)を接続解除することを防止する。ねじ山及びラチェット機構は、両方の特許の内容が、それらの全体にわたり本明細書において引用により組み込まれている、出願人の米国特許第7,857,805号及び米国特許第5,328,474号に記載された構成を含むもののこれらに限定されない、多様な構成を有することができる。
【0177】
本開示による筐体及びシュラウドは、別個に形成された部品として製造することができる。例えば、CSTD100は、共に組み付けられる、筐体141と、別個に形成されたシュラウド141cと、を有する。代替的実施形態において、筐体及びシュラウドは、ワンピースのコンポーネントとして製造することができる。
【0178】
図17から
図22を参照すると、CSTD100´が、別の実施形態に従って示されており、CSTD100´においては、筐体及びシュラウドがワンピースのコンポーネントとして製造されている。CSTD100の特徴に対応するCSTD100´の特徴は、同じ参照符合の後ろにプライム記号(´)を付けたものを用いて表記している。以前に記載した実施形態において同一又は同等の形で存在するCSTD100´のいくつかの特徴は、簡潔性を得るために記載されない。
【0179】
CSTD100´は、射出成形することが可能なワンピースの筐体141´を有する。シュラウド141c´は、単一の単体の本体として筐体141´と一体化されている。この一体化は、部品の総数と、CSTD100´の組み付けに必要とされるステップの総数と、を低減する。示されるように、ソケット145´の両側には、2つの切り抜き部が延在する。これらの切り抜き部は、従来のアダプタと比較すると、筐体141´の内部への、より大きなアクセスをもたらす。内部へのより大きなアクセスは、装置の両方の側面の、より容易な殺菌を可能にする。
【0180】
図20を参照すると、CSTD100´は、筐体141´の内側壁141a´において、一対のアンダーカット141e´を特徴として有する。アンダーカット141e´は、キャリア150´上のラグ151´と係合して、キャリアを筐体141´から取り外すことができないように当該キャリアを第1の位置に保持する。筐体141´は、
図20に示されるように、キャリア150´上のラグ151´にロックする様態で係合して当該キャリアを第2の位置にロックする、一対のロッキングランプ170´も有する。
【0181】
図85から
図89を参照すると、CSTD1000´が、別の実施形態に従って示されており、CSTD1000´においては、筐体及びシュラウドがワンピースのコンポーネントとして製造されている。CSTD100´の特徴に対応するCSTD1000´の特徴は、同じ参照番号に10を掛けて、後ろにプライム記号(´)を付けたものを用いて表記している。以前に記載した実施形態において同一又は同等の形で存在するCSTD1000´のいくつかの特徴は、簡潔性を得るために記載されない。
【0182】
CSTD1000´は、射出成形することが可能なワンピースの筐体1410´を有する。シュラウド1410c´は、単一の単体の本体として筐体1410´と一体化されている。シュラウド1410c´及び筐体1410´の一体化は、部品の総数と、CSTD1000´の組み付けに必要とされるステップの総数と、を低減する。
【0183】
CSTD1000´は、キャリア1500´を第1の位置及び第2の位置に保持するために使用される機構において、CSTD100´とは異なっている。
図88及び
図89を参照すると、筐体1410´は、筐体1410´を経由して延在する一対の第1のロッキング窓1732´と、当該筐体を経由して延在する一対の第2のロッキング窓1734´と、を特徴として有する。第1のロッキング窓1732´は、キャリア1500´上の一対のラグ1510´にロックする様態で係合して、当該キャリアを第1の位置に保持する。
図89に示されるように、第2のロッキング窓1734´は、キャリア1500´上のラグ1510´にロックする様態で係合して、当該キャリアを第2の位置に保持する。ラグ1510´は、CSTD1000´の外側から、第1のロッキング窓1732´及び第2のロッキング窓1734´を経由して視認可能であり、それにより、キャリア1500´の位置と、装置の動作状態と、の視認可能な標識をもたらす。
【0184】
図90から
図92を参照すると、CSTD1000´´が、別の実施形態に従って示されており、CSTD1000´´においては、筐体及びシュラウドがワンピースのコンポーネントとして製造されている。CSTD1000´の特徴に対応するCSTD1000´´の特徴は、同じ参照番号の後ろに2つのプライム記号(´´)を付けたものを用いて表記している。以前に記載した実施形態において同一又は同等の形で存在するCSTD1000´´のいくつかの特徴は、簡潔性を得るために記載されない。
【0185】
CSTD1000´´は、第1の流体貯槽に取り付くように構成された第1のアダプタ1200´´と、第2の流体貯槽に取り付くように構成された第2のアダプタ1400´´と、を有する。第1のアダプタ1200´´及び第2のアダプタ1400´´は、CSTD1000´上の第1のアダプタ1200´及び第2のアダプタ1400´と同様であるものの、各アダプタを保留するために、異なる側方フランジ1200f´´及び1400f´´を有する。加えて、第1のアダプタ1200´´は、バイアル又は他の貯槽を取り付けるために、異なるコネクタ1201´´を有する。
【0186】
第1のアダプタ1200´´及び第2のアダプタ1400´´は、結合及び被ロック状態に互いに相互接続されて、第1の流体貯槽と第2の流体貯槽との間に、閉鎖した流体通路を形成することができる。第2のアダプタ1400´´は、筐体1410´´と一体化されたシュラウド1410c´´を有して、単一の単体の本体を形成している。筐体1410´´は、
図87から
図89に示されるキャリア1500´と同じ構成において、一対のラグ1510´´を備えたキャリア1500´´を収容している。キャリア1500´´は、以前の実施形態のキャリアと同じ様態で、筐体1410´´内において第1の位置と第2の位置との間で摺動可能である。
【0187】
図90は、非結合又は「完全接続解除」状態にある第1のアダプタ1200´´及び第2のアダプタ1400´´を示しており、キャリア1500´´は、筐体1410´´内の第1の位置にある。
図91は、第2のアダプタ1400´´内へ部分的に挿入された第1のアダプタ1200´´を示しており、キャリア1500´´は、第1の位置と第2の位置との間の中間位置(視認不可能)に移動されている。
図92は、第2のアダプタ1400´´内へ完全に挿入された第1のアダプタ1200´´を示しており、キャリア1500´´は、第2の位置に保定されているとともに、第1のアダプタ及び第2のアダプタは、結合及び被ロック状態又は「完全接続」状態にある。
【0188】
筐体1410´´は、筐体1410´´を経由して延在する一対の第1のロッキング窓1732´´と、筐体の対向する側面を経由して開放されている一対の第2のロッキング窓1734´´と、を有する。第1のロッキング窓1732´´は、
図90に示されるように、キャリア1500´´上のラグ1510´´にロックする様態で係合して、当該キャリアを第1の位置に保持する。第2のロッキング窓1734´´は、
図92に示されるように、キャリア1500´´上のラグ1510´´にロックする様態で係合して、当該キャリアを第2の位置に保持する。ラグ1510´´は、CSTD1000´´の外側から、第1のロッキング窓1732´´及び第2のロッキング窓1734´´を経由して視認可能であり、それにより、キャリア1500´´の位置と、アダプタが完全接続解除状態にあるのかそれとも完全接続状態にあるのかと、の視認可能な標識をもたらす。ラグ1510´´は、キャリアが第1の位置又は第2の位置にあるときにのみ、筐体1410´´を経由して視認可能である。したがって、ラグ1510´´は、CSTD1000´´が完全接続状態又は完全接続解除状態にあるときにのみ、筐体1410´´を経由して見ることができる。ラグ1510´´の視認可能性を高めるために、筐体1410´´を1つの色又は色調で製造することができ、且つ、ラグ1510´´を対比色又は対比色調で製造することができ、それにより、ユーザは、いつCSTD1000´´が完全接続解除状態又は完全接続状態であることを容易に見ることができる。
【0189】
図93から
図95を参照すると、CSTD1000´´´が、別の実施形態に従って示されており、CSTD1000´´´においては、筐体及びシュラウドがワンピースのコンポーネントとして製造されている。CSTD1000´´の特徴に対応するCSTD1000´´´の特徴は、同じ参照番号の後ろに3つのプライム記号(´´´)を付けたものを用いて表記している。以前に記載した実施形態において同一又は同等の形で存在するCSTD1000´´´のいくつかの特徴は、簡潔性を得るために記載されない。
【0190】
CSTD1000´´´は、多くの点においてCSTD1000´´と同様又は同一であるものの、図示されるように、装置の前側において材料のフレームによって取り囲まれた第1のロッキング窓1732´´´を有する。
【0191】
戻って
図23から
図25を参照すると、CSTD100´´が、別の実施形態に従って示されている。CSTD100´´は、第1の流体貯槽に取り付くように構成された第1のアダプタ120´´と、第2の流体貯槽に取り付くように構成された第2のアダプタ140´´と、を有する。第1のアダプタ120´´は、例えば、バイアル、バッグ、又は、患者ラインに接続することができる。第2のアダプタ140´´は、注射器、又は、ポンプのような流体送達装置の任意の雄ルアーコネクタに接続することができる雌ルアーコネクタ180´´を有する。一旦、第1のアダプタ120´´及び第2のアダプタ140´´が、それぞれ第1の流体貯槽及び第2の流体貯槽に取り付けられるとともに、
図23に示される結合状態に互いに相互接続されると、CSTD100´´は、第1の流体貯槽と第2の流体貯槽との間に、閉鎖した流体通路を形成する。閉鎖した流体通路は、外側環境から封止されており、システム内への汚染物質の流入と、システムからの有害蒸気の放出と、を防止する。
【0192】
CSTD100´´は、第1のアダプタ120´´及び第2のアダプタ140´´が軸方向に整列及び/又は接続されると、当該第1のアダプタの中心軸と当該第2のアダプタの中心軸とを経由して延在する長手方向軸Xを有する。第1のアダプタ120´´は、概して矩形の本体121´´を有する。第2のアダプタ140´´は、概して矩形のレセプタクル又は筐体141´´を有する。筐体141´´は、これら2つのアダプタが噛み合い中に軸方向に整列されるとともに中心決めされるように、第1のアダプタ120´´の本体121´´を、ガイドされる様態で受容するように適合されている。筐体141´´は、噛み合い中に第1のアダプタ120´´を受容するように適合された、中空の内部143´´及びソケット145´´を有する。示されるように、ソケット145´´の両側には、2つの切り抜き部が延在する。これらの切り抜き部は、従来のアダプタと比較すると、筐体141´´の内部への、より大きなアクセスをもたらす。内部へのより大きなアクセスは、装置の両方の側面の、より容易な殺菌を可能にする。
【0193】
図26及び
図27は、共に結合される前における第1のアダプタ120´´及び第2のアダプタ140´´の断面を示している。第1のアダプタ120´´は、第1の通路126´´と、エラストマ材料で製作された第1の隔壁128´´と、を有する。第1の通路126´´は、第1の通路端126a´´と、第1の通路端の反対側に第2の通路端126b´´と、を有する。第1の通路端126a´´は、第1の開口部126c´´を規定しており、第2の通路端126b´´は、第2の開口部126d´´を規定している。第1の通路126´´は、第2の通路端126b´´において、円筒形のチャンバ又は台座129´´を形成している。第1の隔壁128´´は、台座129´´内に受容されて、第2の通路端126b´´を封止している。第1の隔壁128´´の一部分は、第2の開口部126d´´から軸方向に延在して、第1の突起128g´´を形成している。
【0194】
第2のアダプタ140´´は、第2の通路146´´と、エラストマ材料で製作された第2の隔壁148´´と、を有する。第2の通路146´´は、第1の通路端146a´´と、第1の通路端の反対側に第2の通路端146b´´と、を有する。第1の通路端146a´´は、第1の開口部146c´´を規定しており、第2の通路端146b´´は、第2の開口部146d´´を規定している。第1の通路146´´は、第2の通路端146b´´において、円筒形のチャンバ又は台座149´´を形成している。第2の隔壁148´´は、台座149´´内に受容されて、第2の通路端146b´´を封止している。第2の隔壁148´´の一部分は、台座149´´から軸方向に延在して、第2の突起148g´´を形成している。第2の突起148g´´は、第1の突起128g´´と当接するとともに第1の突起128g´´によって変形されるように構成され、逆の場合も同様であって、ドライブレイクカップリングを形成する。
【0195】
第2の隔壁148´´は、第2の隔壁を移送するキャリア150´´内に収容されている。キャリア150´´は、筐体141´´の内側において、第1の位置と第2の位置との間で軸方向に摺動するように構成されている。
図26及び
図27は、第1の位置にあるキャリア150´´を示している。キャリア150´´は、弾性可撓性材料で製作された2つの可撓性クリップ152´´を有する。クリップ152´´は、完全弛緩状態において、
図25に示されるように非平行な配置において径方向外方に延在する。キャリア150´´が筐体141´´の内側において第1の位置に組み付けられると、クリップ152´´は、
図26に示されるように、当該クリップが互いに対して平行に延在するように、僅かに内方に撓む。この平行状態において、クリップ152´´は、「相対的弛緩状態」において小さな量だけ内方に撓んでおり、「相対的弛緩状態」においては、何らかのエネルギがクリップ内に蓄えられる。
【0196】
各クリップ152´´は、クリップから径方向外方に延在する、丸められた突起154´´と、クリップから径方向内方に延在する尖端155´´と、を備えたクリップ端153´´を有する。各丸められた突起154´´は、キャリアが第1の位置にあるときに、筐体141´´内に形成されたテーパ付き着地部147´´上に静止しているか又はテーパ付き着地部147´´を圧迫する。クリップ152´´は、着地部147´´に係合してキャリアを第1の位置に維持しており、第2の隔壁148´´は、ソケット145´´に隣接して位置付けられている。
【0197】
第1のアダプタ120´´は、第1の隔壁128´´が第2の隔壁148´´に接触するまで、本体121´´をソケット145´´内へ挿入することにより、第2のアダプタ140´´に接続される。第1の隔壁128´´が第2の隔壁148´´に一旦当接すると、キャリア150´´の第1の位置からの移動は、クリップ152´´と着地部147´´との間の係合によって抵抗を受ける。この抵抗は、第1のアダプタ120´´に対する手動力が抵抗力を上回るまで、手動力が軸方向に第2の隔壁148´´に向けて印加されることにより打ち消される。
【0198】
第1のアダプタ120´´は、外側壁129a´´を有する。外側壁129a´´は、第1のアダプタ120´´がソケット145´´を経由して中空の内部143´´内へ移動するのに伴い、一時的に、クリップ152´´の尖端155´´に係合するとともに尖端155´´に接して摺動する。このことは、クリップ152´´を、着地部147´´の上におけるそれらの静止位置に維持し、且つ、クリップがさらに内方に撓むことを防止する。外側壁129´´は、遷移部123´´において内方にテーパしている。この配置において、第1のアダプタ120´´は、外側壁129a´´がクリップ152´´間を通るとともに尖端155´´を経由して摺動するように、第2のアダプタ140´´内へ挿入可能である。
【0199】
外側壁129a´´が尖端155´´を一旦通過すると、尖端は、外側壁の上方を摺動して遷移部123´´に到達する。この位置において、外側壁129a´´は、クリップ152´´の内方への撓みをもはや防止しない。遷移部123´´における、より狭い寸法が、クリップの内方への撓みを可能にする隙間をもたらすためである。第2のアダプタ140´´の中空の内部143´´は、着地部147´´から内方に延在するのに伴って狭くなる。したがって、第1のアダプタ120´´の、第2のアダプタ140´´内へのさらなる前進は、クリップ端153´´が着地部147´´をもはや圧迫しないように、クリップ端153´´を内方に撓ませる。この位置において、キャリア150´´は、筐体141´´内における第1の位置から第2の位置に向けて自由に移動する。
図28及び
図29は、第2のアダプタ140´´内へ完全に挿入された第1のアダプタ120´´を示しており、キャリア150´´は、第2の位置に移動されているとともに、クリップ152´´は、内方に撓んでいる。
【0200】
第2のアダプタ140´´の中空の内部143´´は、ソケット145´´において、より広いセクション143a´´を有し、より広いセクション143a´´は、着地部147´´よりも上に示されている。中空の内部143´´は、着地部よりも下において、より狭いセクション143b´´に遷移している。キャリア150´´が第1の位置から第2の位置に向けて前進されるのに伴い、クリップ152´´上の丸められた突起154´´は、筐体141´の内側壁141a´´に接して摺動するとともに内側壁141a´´を圧迫する。この、丸められた突起154´´と内側壁141a´´との間の当接は、クリップ152´´が中空の内部143´´の、より狭いセクション143b´´に入るのに伴い、クリップ152´´を、より撓ませた状態へさらに内方に曲げる。クリップ152´´の尖端155´´は、内方に押されて、第1のアダプタ120´´の外側壁129a´´上の棚部分125´´上に静止する。
【0201】
第2のアダプタ140´´は、針160´´を収納している。針160´´は、第2のアダプタ140´´の筐体141´´内に軸方向に固定される一方で、キャリア150´´及び第2の隔壁148´´は、筐体を基準として軸方向に移動可能である。第1の隔壁128´´及び第2の隔壁148´´は、キャリア150´´が第2の位置に向けて押されるのに伴い、針160´´による貫通が可能なエラストマ材料で形成されている。針160´´は、第2のアダプタ140´´を第1のアダプタ120´´に結合する前にキャリア150´´の内側において封止されたままである側方開口部162´´を有する。側方開口部162´´は、第2の通路146´´の狭いセクション146e´´の内側において封止されている。狭いセクション146e´´は、第1の端においては第2の隔壁148´´によって封止されており、第2の端においては第3の隔壁158´´によって封止されている。
【0202】
第1のアダプタ120´´を筐体141´´内へ前進させるのに伴い、第1の隔壁128´´は、第2の隔壁148´´を押すとともに、第2の隔壁及びキャリア150´´を筐体内において下方に(又は、雌ルアーコネクタ180´´に向けて)移動させる。第2の隔壁148´´及びキャリア150´´は、針160´´の上方において下方に移動され、針160´´は、筐体141´´内において固定されたままである。針160´´は、第1の隔壁128´´及び第2の隔壁148´´を突き通すように構成された鋭利な針先端164´´を有する。キャリア150´´が針160´´の上方において下方に移動されるのに伴い、針先端164´´は、第2の隔壁148´´を突き通すとともに、第1の隔壁128´´に直ちに入る。この動作の間、針160´´の側方開口部162´´は、第2の隔壁148´´を通過するとともに、第1の隔壁128´´内へ直ちに進む。したがって、側方開口部162´´は、第2の隔壁148´´から出現して第1の隔壁128´´内へ進んだ後、CSTD100´´の他の内部エリアから封止されたままである。
【0203】
側方開口部162´´は、キャリア150´´が針160´´の上方において下方に移動するのに伴い、他のコンポーネントを基準として3つの封止位置を経由して移動する。
図26及び
図27に示される第1の封止位置において、側方開口部162´´は、第2の隔壁148´´と第3の隔壁158´´との間で封止されている。第2の封止位置において、側方開口部162´´は、第2の隔壁148´´の内側において封止されている。第3の封止位置において、側方開口部162´´は、第1の隔壁128´´の内側において封止されている。キャリア150´´がレセプタクル内で一旦底に達すると、第1の隔壁128´´は、側方開口部162´´を通り越して下に押され、それにより、側方開口部162´´は、第1の隔壁から出現して、第1のアダプタ120´´の第1の通路126´´内において露出するようになる。
図28及び
図29に示されるこの状態において、側方開口部162´´は、第1のアダプタ120´´と第2のアダプタ140´´との間に、及び、これらアダプタが接続されている貯槽間に、流体連通経路を形成する。
【0204】
キャリア150´´が第2の位置に到達すると、第1の隔壁128´´上の第1の突起128g´´は、第2の隔壁148´´上の第2の突起148g´´に当接して、ドライブレイクカップリングを形成する。第1の隔壁128´´及び第2の隔壁148´´のエラストマ材料は、共に加圧し合い、これにより、装置からの液体及び蒸気の流出、漏出、又は、漏れが生じ得ないように、針開口部162´´とCSTD100´´の内部空間との間の空間を自動的に閉鎖及び封止する。
【0205】
戻って
図24を参照すると、第2のアダプタ140´´の筐体141´´は、前壁141b´´を有する。前壁141b´´は、ソケット145´´から雌ルアーコネクタ180´´に向けて延在する長手方向スロット141c´´を規定している。スロット141c´´内には、ロッキングアーム142´´が旋回式に搭載されており、前壁141b´´内において長手方向に延在する。ロッキングアーム142´´は、一対の弾性ヒンジ141d´´によって、前壁141b´´に旋回式に接続されている。この配置において、ロッキングアーム142´´は、前壁141b´´を基準として、
図5に示されるロッキング位置と解除位置との間において旋回可能である。
【0206】
ロッキングアーム142´´は、ボタン142a´´を形成する第1の端と、第1の端の反対側に、デテント142b´´を形成する第2の端と、を有する。ボタン142a´´は、ロッキングアーム142´´がロッキング位置にあるときに、前壁141b´´から径方向外方に突出している。デテント142b´´は、ロッキングアーム142´´がロッキング位置にあるときに、前壁141b´´から径方向内方に、筐体141´´内へ突出している。デテント142b´´は、キャリア150´´との接触に応じて、前壁141b´´を基準として径方向外方の方向に旋回可能である。デテント142b´´は、解説されるように、ボタン142a´´に印加された力に応じても、前壁141b´´を基準として径方向外方の方向に旋回可能である。
【0207】
デテント142b´´は、CSTD100´´の長手方向軸Xを基準として鋭角に配向されたランプ付き面142c´´を有する。デテント142b´´は、長手方向軸Xに対して垂直に延在する当接面142d´´も有する。キャリア150´´は、最底部にある縁159´´よりも上にロッキング開口151´´を有する。最底部にある縁159´´は、キャリア150´´が第2の位置に移動するのに伴い、ランプ付き面142c´´に摺動式に係合するように構成されている。最底部にある縁159´´とランプ付き面142c´´との間の係合は、弾性ヒンジ141d´´内にエネルギが蓄えられた状態において、ロッキングアーム142´´を径方向外方に旋回させる。最底部にある縁159´´は、デテント142b´´がロッキング開口151´´と径方向に整列するまで、ランプ付き面142c´´の上方において摺動する。このような時点において、キャリア150´´は、筐体141´´内で底に達し、
図29に示される第2の位置に到達する。この位置において、最底部にある縁159´´は、デテント142b´´をもはや圧迫しておらず、ロッキングアーム142´´が自身の弛緩位置に径方向内方にスナップすることを可能にし、デテントは、ロッキング開口151´´内へ延在する。当接面142d´´は、ロッキング開口151´´内で当接縁151a´´に係合する。この係合は、キャリア150´´が第1の位置に戻ることを防止する。第1のアダプタ120´´は、先に注記したように、クリップ152´´によってキャリア150´´と連結される。したがって、当接面142d´´と当接縁151a´´との間の係合は、第1のアダプタ120´´が第2のアダプタ140´´から引き出されることも防止する。このことは、針160´´が、第1のアダプタ120´´と第2のアダプタ140´´との間に、及び、それらのそれぞれの貯槽間に、流体経路をもたらす「流体経路開放」状態に、CSTD100´´をロックする。
【0208】
流体がCSTD100´´を経由して移注された後、第1のアダプタ120´´は、当接面142d´´と当接縁151a´´との間の係合により、及び、クリップ152´´と棚部分125´´との間の係合により、第2のアダプタ140´´の内側においてロックされたままである。第1のアダプタ120´´は、ボタン142a´´に対して径方向内方の力Fを印加することにより、第2のアダプタ140´´から解除することができる。
図29では、矢印により、力Fの方向を示している。ボタン142a´´が径方向内方に押圧されるのに伴い、デテント142b´´は、径方向外方に旋回するとともにロッキング開口151´´から出て、エネルギが、ヒンジ141d´´内に蓄えられる。この段階において、デテント142b´´上の当接面142d´´は、キャリア150´´が第2の位置から第1の位置に向けて戻ることを、もはや防止しない。また、当接面142d´´は、第1のアダプタ120´´がソケット145´´に向けて戻ることも、もはや防止しない。したがって、ボタン142a´´を内方に押圧してキャリア150´´を解除するとともに、第1のアダプタ120´´を第2のアダプタ140´´の中空の内部143´´及びソケット145´´から引き抜くことにより、当該第1のアダプタを、当該中空の内部から取り外すことができる。
【0209】
第1のアダプタ120´´が中空の内部143´´から引き出されるのに伴い、第1のアダプタ上の棚部分125´´は、クリップ端153´´の下側と係合されたままである。この係合は、第1のアダプタ120´´が筐体141´´から引き出されるのに伴い、第1の位置へのキャリア150´´の牽引又は引き戻しを生じる。キャリア150´´が第1の位置に到達すると、クリップ端153´´は、中空の内部143´´の、より狭いセクション143b´´から出て、より広いセクション143a´´に入る。このことは、クリップ端153´´を、
図26に示される相対的弛緩状態に外方にスナップさせる。クリップ端153´´の外方への動きは、クリップ端を、第1のアダプタ120´´上の棚部分125´´から解除する。したがって、棚部分125´´は、クリップ152´´から解放されて、第1のアダプタ120´´が筐体141´´から完全に引き抜かれることと、第2のアダプタ140´´から分離されることと、を可能にする。キャリア150´´は、最底部にある縁159´´から径方向外方に延在するフランジ159a´´によって、筐体141´´から引き抜かれることが防止される。フランジ159a´´は、筐体141´´の内側壁141a´´におけるアンダーカット141e´´に係合して止めを形成して、キャリア150´´が筐体から取り外されることを防止する。
【0210】
本開示によるCSTDは、コンポーネントが互いを基準として移動するのに伴い、コンポーネントを適正な軸方向及び径方向のアライメントに維持する1つ以上のアライメント構造を含むことができる。例えば、CSTD100´´は、筐体141´´の内側壁141a´´に沿って、
図30に示す、長手方向チャネル141f´´を含む。チャネル141f´´は、第1のアダプタ120´´上の長手方向延在レール127´´を受容して、第1のアダプタと筐体141´´との間の正しいアライメントを維持する、ように適合されている。
【0211】
雌ルアーコネクタ180´´は、ロッキングタブ181´´が固定配置にある状態において、筐体141´´と接続されている。代替的一実施形態において、雌ルアーコネクタは、ラチェット機構により、筐体に回転可能に搭載することができる。ラチェット機構は、雄ルアーコネクタが雌ルアーコネクタに第1の方向に(例えば、時計回りに)ねじ込まれることを可能にするものの、雄ルアーコネクタが雌ルアーコネクタから第1の方向とは反対の第2の方向に(例えば、反時計回りに)ねじ込み解除されることを防止するように構成することができる。このことは、液体が装置を経由して移注された後に、ユーザが第2のアダプタから注射器(又は他の貯槽)を接続解除することを防止する安全性特徴をもたらす。ねじ山及びラチェット機構は、両方の特許の内容が、それらの全体にわたり本明細書において引用により組み込まれている、米国特許第7,857,805号及び米国特許第5,328,474号に記載された構成を含むもののこれらに限定されない、多様な構成を有することができる。
【0212】
図31から
図33を参照すると、CSTD100´´´が、別の実施形態に従って示されている。CSTD100´´´は、第1の流体貯槽に取り付くように構成された第1のアダプタ120´´´と、第2の流体貯槽に取り付くように構成された第2のアダプタ140´´´と、を有する。第1のアダプタ120´´´は、例えば、バイアル、バッグ、又は、患者ラインに接続することができる。第2のアダプタ140´´´は、注射器、又は、ポンプのような流体送達装置の任意の雄ルアーコネクタに接続することができる雌ルアーコネクタ180´´´を有する。一旦、第1のアダプタ120´´´及び第2のアダプタ140´´´が、それぞれ第1の流体貯槽及び第2の流体貯槽に取り付けられるとともに、
図31に示される結合状態に互いに相互接続されると、CSTD100´´´は、第1の流体貯槽と第2の流体貯槽との間に、閉鎖した流体通路を形成する。閉鎖した流体通路は、外側環境から封止されており、システム内への汚染物質の流入と、システムからの有害蒸気の放出と、を防止する。
【0213】
CSTD100´´´は、第1のアダプタ120´´´及び第2のアダプタ140´´´が軸方向に整列及び/又は接続されると、当該第1のアダプタの中心軸と当該第2のアダプタの中心軸とを経由して延在する長手方向軸Xを有する。第1のアダプタ120´´´は、概して矩形の本体121´´´を有する。第2のアダプタ140´´´は、概して矩形のレセプタクル又は筐体141´´´を有する。第1のアダプタ120´´´の本体121´´´は、これら2つのアダプタが噛み合い中に軸方向にアライメントされるとともに中心決めされるように、筐体141´´´を、ガイドされる様態で受容するように適合されている。解説されるように、筐体141´´´は、噛み合い中に第1のアダプタ120´´´の内部部分を受容するように適合された、中空の内部143´´´及びソケット145´´´を有する。図示されるように、ソケット145´´´の両側には、2つの切り抜き部が延在する。これらの切り抜き部は、従来のアダプタと比較すると、筐体141´´´の内部への、より大きなアクセスをもたらす。内部へのより大きなアクセスは、装置の両方の側面の、より容易な殺菌を可能にする。
【0214】
図34は、共に結合される前における第1のアダプタ120´´´及び第2のアダプタ140´´´の断面を示している。第1のアダプタ120´´´は、第1の通路126´´´と、エラストマ材料で製作された第1の隔壁128´´´と、を有する。第1の通路126´´´は、第1の通路端126a´´´と、第1の通路端の反対側に第2の通路端126b´´´と、を有する。第1の通路端126a´´´は、第1の開口部126c´´´を規定しており、第2の通路端126b´´´は、第2の開口部126d´´´を規定している。第1の通路126´´´は、第2の通路端126b´´´において、円筒形のチャンバ又は台座129´´´を形成している。第1の隔壁128´´´は、台座129´´´内に受容されて、第2の通路端126b´´´を封止している。第1の隔壁128´´´の一部分は、第2の開口部126d´´´から軸方向に延在して、第1の突起128g´´´を形成している。
【0215】
第2のアダプタ140´´´は、第2の通路146´´´と、エラストマ材料で製作された第2の隔壁148´´´と、を有する。第2の通路146´´´は、第1の通路端146a´´´と、第1の通路端の反対側に第2の通路端146b´´´と、を有する。第1の通路端146a´´´は、第1の開口部146c´´´を規定しており、第2の通路端146b´´´は、第2の開口部146d´´´を規定している。第1の通路146´´´は、第2の通路端146b´´´において、円筒形のチャンバ又は台座149´´´を形成している。第2の隔壁148´´´は、台座149´´´内に受容されて、第2の通路端146b´´´を封止している。第2の隔壁148´´´の一部分は、台座149´´´から軸方向に延在して、第2の突起148g´´´を形成している。第2の突起148g´´´は、第1の突起128g´´´と当接するとともに第1の突起128g´´´によって変形されるように構成され、逆の場合も同様であって、ドライブレイクカップリングを形成する。
【0216】
第2の隔壁148´´´は、第2の隔壁を移送するキャリア150´´´内に収容されている。キャリア150´´´は、筐体141´´´の内側において、第1の位置と第2の位置との間で軸方向に摺動するように構成されている。
図34は、第1の位置にあるキャリア150´´´を示している。キャリア150´´´は、弾性可撓性材料で製作された2つの可撓性クリップ152´´´を有する。クリップ152´´´は、完全弛緩状態において、互いに対して平行に延在する。
【0217】
各クリップ152´´´は、クリップから径方向外方に延在する、丸められた突起154´´´と、クリップから径方向内方に延在する尖端155´´´と、を備えたクリップ端153´´´を有する。各丸められた突起154´´´は、キャリアが第1の位置にあるときに、筐体141´´´内に形成されたテーパ付き着地部147´´´上に静止しているか又はテーパ付き着地部147´´´を圧迫する。クリップ152´´´は、着地部147´´´に係合してキャリアを第1の位置に維持しており、第2の隔壁148´´´は、ソケット145´´´に隣接して位置付けられている。
【0218】
第1のアダプタ120´´´は、第2のアダプタ140´´´の筐体141´´´を当該第1のアダプタの本体121´´´内へ挿入することにより、当該第2のアダプタに接続される。筐体141´´´は、第1の隔壁128´´´が第2の隔壁148´´´に接触するまで、本体121´´´内へ挿入される。第1の隔壁128´´´が第2の隔壁148´´´に一旦当接すると、キャリア150´´´の、第1の位置からの移動は、クリップ152´´´と着地部147´´´との間の係合によって抵抗を受ける。この抵抗は、第1のアダプタ120´´´に対する手動力が抵抗力を上回るまで、手動力が軸方向に第2の隔壁148´´´に向けて印加することにより打ち消される。
【0219】
第1のアダプタ120´´´は、外側壁129a´´´を有する。外側壁129a´´´は、外側壁がソケット145´´´を経由して中空の内部143´´´内へ移動するのに伴い、一時的に、クリップ152´´´の尖端155´´´に係合するとともに尖端155´´´に接して摺動する。このことは、クリップ152´´´を、着地部147´´´の上におけるそれらの静止位置に維持し、且つ、クリップがさらに内方に撓むことを防止する。この配置において、外側壁129a´´´及び第1の隔壁128´´´は、第2のアダプタ140´´´の中空の内部143´´´内へ挿入可能であり、尖端155´´´を通過する。
【0220】
外側壁129a´´´が尖端155´´´を一旦通過すると、尖端は、外側壁の上方を摺動して、外側壁が径方向内方にテーパしている遷移部123´´´に到達する。この位置に尖端155´´´が到達すると、外側壁129a´´´は、クリップ152´´´の内方への撓みをもはや防止しない。遷移部123´´´における、より狭い寸法が、クリップの内方への撓みを可能にする隙間をもたらすためである。第2のアダプタ140´´´の中空の内部143´´´は、着地部147´´´から内方に延在するのに伴って狭くなる。したがって、外側壁129a´´´及び第1の隔壁128´´´の筐体141´´´内へのさらなる前進は、クリップ端153´´´が着地部147´´´をもはや圧迫しないように、当該クリップ端を内方に撓ませる。この位置において、キャリア150´´´は、筐体141´´´内における第1の位置から第2の位置に向けて自由に移動する。
図35は、筐体141´´´内へ完全に挿入された外側壁129a´´´及び第1の隔壁128´´´を示しており、キャリア150´´´は、第2の位置に移動されているとともに、クリップ152´´´は、内方に撓んでいる。
【0221】
図34及び
図35を参照すると、第2のアダプタ140´´´の中空の内部143´´´は、ソケット145´´´において、より広いセクション143a´´´を有し、より広いセクション143a´´´は、着地部147´´´よりも上に示されている。中空の内部143´´´は、着地部よりも下において、より狭いセクション143b´´´に遷移している。キャリア150´´´が第1の位置から第2の位置に向けて前進されるのに伴い、クリップ152´´´上の丸められた突起154´´´は、筐体141´´´の内側壁141a´´´に接して摺動するとともに内側壁141a´´´を圧迫する。丸められた突起154´´´と内側壁141a´´´との間の当接は、クリップ152´´´がより狭いセクション143b´´´に入るのに伴い、エネルギが蓄えられた状態において、クリップ152´´´を、撓ませた状態へ内方に曲げる。クリップ152´´´の尖端155´´´は、内方に押されて、第1のアダプタ120´´´の外側壁129a´´´上の棚部分125´´´上に静止する。
【0222】
第2のアダプタ140´´´は、針160´´´を収納している。針160´´´は、第2のアダプタ140´´´の筐体141´´´内に軸方向に固定される一方で、キャリア150´´´及び第2の隔壁148´´´は、筐体を基準として軸方向に移動可能である。第1の隔壁128´´´及び第2の隔壁148´´´は、キャリア150´´´が第2の位置に向けて押されるのに伴い、針160´´´による貫通が可能なエラストマ材料で形成されている。針160´´´は、第2のアダプタ140´´´を第1のアダプタ120´´´に結合する前にキャリア150´´´の内側において封止されたままである側方開口部162´´´を有する。側方開口部162´´´は、第2の通路146´´´の狭いセクション146e´´´の内側において封止されている。狭いセクション146e´´´は、第1の端において第2の隔壁148´´´によって封止されており、第2の端において第3の隔壁158´´´によって封止されている。
【0223】
外側壁129a´´´及び第1の隔壁128´´´が筐体141´´´内へ前進するのに伴い、第1の隔壁は、第2の隔壁148´´´を押すとともに、第2の隔壁及びキャリア150´´´を筐体内において下方に(又は、雌ルアーコネクタ180´´´に向けて)移動させる。第2の隔壁148´´´及びキャリア150´´´は、針160´´´の上方において下方に移動され、針160´´´は、筐体141´´´内において固定されたままである。針160´´´は、第1の隔壁128´´´及び第2の隔壁148´´´を突き通すように構成された鋭利な針先端164´´´を有する。キャリア150´´´が針160´´´の上方において下方に移動されるのに伴い、針先端164´´´は、第2の隔壁148´´´を突き通すとともに、第1の隔壁128´´´に直ちに入る。この動作の間、針160´´´の側方開口部162´´´は、第2の隔壁148´´´を通過するとともに、第1の隔壁128´´´内へ直ちに進む。したがって、側方開口部162´´´は、第2の隔壁148´´´から出現して第1の隔壁128´´´内へ進んだ後、CSTD100´´´の他の内部エリアから封止されたままである。
【0224】
側方開口部162´´´は、キャリア150´´´が針160´´´の上方において下方に移動するのに伴い、他のコンポーネントを基準として3つの封止位置を経由して移動する。
図34に示される第1の封止位置において、側方開口部162´´´は、第2の隔壁148´´´と第3の隔壁158´´´との間で封止されている。第2の封止位置において、側方開口部162´´´は、第2の隔壁148´´´の内側において封止されている。第3の封止位置において、側方開口部162´´´は、第1の隔壁128´´´の内側において封止されている。キャリア150´´´がレセプタクル内で一旦底に達すると、第1の隔壁128´´´は、側方開口部162´´´を通り越して下に押され、それにより、側方開口部162´´´は、第1の隔壁から出現して、第1のアダプタ120´´´の第1の通路126´´´内において露出するようになる。
図35に示されるこの状態において、側方開口部162´´´は、第1のアダプタ120´´´と第2のアダプタ140´´´との間に、及び、これらアダプタが接続されている貯槽間に、流体連通経路を形成する。
【0225】
キャリア150´´´が第2の位置に到達すると、第1の隔壁128´´´上の第1の突起128g´´´は、第2の隔壁148´´´上の第2の突起148g´´´に当接して、ドライブレイクカップリングを形成する。第1の隔壁128´´´及び第2の隔壁148´´´のエラストマ材料は、共に加圧し合い、これにより、装置からの液体及び蒸気の流出、漏出、又は、漏れが生じ得ないように、針開口部162´´´とCSTD100´´´内の内部空間との間の空間を自動的に閉鎖及び封止する。
【0226】
戻って
図32を参照すると、第1のアダプタ120´´´の本体121´´´は、一対の側方壁121a´´´を有する。各側方壁121a´´´は、長手方向スロット121b´´´を規定している。各スロット121b´´´内には、ロッキングアーム122´´´が旋回式に搭載されており、各側方壁121a´´´内において長手方向に延在する。各ロッキングアーム122´´´は、一対の弾性ヒンジ121c´´´によって、自身のそれぞれの側方壁121a´´´に旋回式に接続されている。この配置において、各ロッキングアーム122´´´は、自身のそれぞれの側方壁121a´´´を基準として、
図35に示されるロッキング位置と解除位置との間において旋回可能である。各ロッキングアーム122´´´は、ボタン123´´´を形成する第1の端122a´´´と、第1の端の反対側に、ロッキング開口124´´´を規定している第2の端122b´´´と、を有する。各ロッキング開口124´´´は、第2のアダプタ140´´´のセクションに連携して係合して、第1のアダプタ120´´´を第2のアダプタ上へ解除可能にロックする、ように構成されている。
【0227】
図32を再度参照すると、第2のアダプタ140´´´は、筐体141´´´の外部から径方向外方に突出する2つのロッキングランプ142´´´を有する。各ロッキングランプ142´´´は、第1のアダプタ120´´´上のロッキング開口124´´´の一方を経由して突出して、第2のアダプタ140´´´を第1のアダプタに解除可能にロックするように構成されている。各ロッキングランプ142´´´は、始端142a´´´、終端142b´´´、及び、始端と終端との間に延在するランプ付き面142c´´´を有する。ランプ付き面142c´´´は、長手方向軸Xに対して平行な始端142a´´´に隣接する真直セクション142d´´´を有する。ランプ付き面142´´´は、真直セクション142d´´´と終端142b´´´との間に延在する湾曲セクション142e´´´も有する。湾曲セクション142e´´´は、凹状部分142f´´´及び凸状部分142g´´´を規定している複合曲率を有する。
【0228】
図34を参照すると、各ロッキングアーム122´´´は、径方向内方に面する摺動面122c´´´を有する。各摺動面122c´´´は、ロッキングアームの第2の端122b´´´において、丸められた凸状座面122d´´´を有する。座面122d´´´は、第1の隔壁128´´´が第2の隔壁148´´´及びキャリア150´´´を第2の位置に向けて移動させ始めた後に、ランプ付き面142c´´´の湾曲セクション142e´´´に、摺動式に係合するように構成されている。筐体141´´´が最初に第1のアダプタ120´´´の本体121´´´に入ると、ロッキングアーム122´´´の座面122d´´´は、ロッキングランプ142´´´の真直セクション142d´´´に沿って摺動する。ロッキングアーム122´´´は、この摺動係合中に、同じ全体的配向に置かれたままである。筐体141´´´が本体121´´´内へさらに前進するのに伴い、座面122d´´´は、ランプ付き面142c´´´上の湾曲セクション142e´´´に最終的に到達するとともに、湾曲セクションに沿って摺動する。湾曲セクション142e´´´の勾配付き幾何学的形状は、座面122d´´´上に径方向外方の力を加えて、ロッキングアーム122´´´の第2の端122b´´´を径方向外方に旋回させる。ロッキングアーム122´´´が側方壁121a´´´を経由して旋回するのに伴い、エネルギが弾性ヒンジ121c´´´内に蓄えられる。
【0229】
筐体141´´´は、ロッキングランプ142´´´が径方向においてロッキング開口124´´´と並ぶまで、本体121´´´内へ前進させる。このような時点において、ロッキングランプ142´´´の終端142b´´´は、座面122d´´´を通過する。座面122d´´´は、ロッキングランプ142´´´をもはや圧迫しておらず、ロッキングアーム122´´´が、弾性ヒンジ121c´´´内に蓄えられたエネルギを放出することと、自身のロッキング位置における、より弛緩した状態に、径方向内方にスナップバックすることと、を可能にする。ロッキングアーム122´´´は、
図35に示されるように、ロッキングランプ142´´´がロッキング開口124´´´の内側に捕捉された状態において、ロッキング位置に戻る。このことは、針160´´´の側方開口部162´´´が第1の隔壁128´´´から完全に出現するとともに第1のアダプタ120´´´内の第1の通路126´´´に入るときと同じ時機又はほぼ同じ時機に、発生する。
【0230】
ロッキングアーム122´´´がロッキング位置に内方にスナップすると、ロッキングランプ142´´´の終端142b´´´は、ロッキング開口124´´´の内側において当接面122e´´´に隣接して位置決めされる。当接面122e´´´は、ロッキングランプの終端122b´´´に係合する、軸方向の止め又は妨害物を形成する。そのため、当接面122e´´´は、ロッキングアーム142´´´がロッキング位置にあるときに、筐体141´´´が本体121´´´から出て逆動されることを防止する。このことは、針160´´´が、第1のアダプタ120´´´と第2のアダプタ140´´´との間に、及び、それらのそれぞれの貯槽間に、流体経路をもたらす「流体経路開放」状態に、CSTD100´´´をロックする。
【0231】
流体がCSTD100´´´を経由して移注された後、第2のアダプタの筐体141´´´は、当接面122e´´´とロッキングランプ142´´´の終端142b´´´との間の係合により、第1のアダプタ120´´´の内側においてロックされたままである。筐体141´´´は、各ボタン123´´´に対して径方向内方の力Fを印加することにより、第1のアダプタ120´´´から解除することができる。
図35では、矢印により、力F´´´の方向を示している。ボタン123´´´が径方向内方に押圧されるのに伴い、ロッキングアーム122´´´の第2の端122b´´´は、エネルギがもう一度ヒンジ121c´´´内に蓄えられた状態において、径方向外方に旋回する。ボタン123´´´は、当接面122e´´´がロッキングランプ142´´´の終端142b´´´を越えるだけ十分に外方に旋回するまで、径方向内方に押圧される。この段階において、ロッキングランプ142b´´´は、ロッキング開口124´´´によってもはや封鎖されておらず、当接面122e´´´は、第1のアダプタ120´´´を基準としたロッキングランプ142´´´の軸方向の動きをもはや妨げない。したがって、ボタン123´´´を径方向内方に押圧してロッキングランプ142´´´を解除するとともに、筐体141´´´を第1のアダプタから引き抜くことにより、第2のアダプタ140´´´を、第1のアダプタ120´´´から接続解除することができる。
【0232】
筐体141´´´が第1のアダプタ120´´´から引き出されるのに伴い、第1のアダプタ上の棚部分125´´´は、クリップ端153´´´の下側と係合されたままであり、クリップ端153´´´は、依然として内方に曲げられている。この係合は、筐体141´´´が第1のアダプタ120´´´から引き出されるのに伴い、第1の位置へのキャリア150´´´の牽引又は引き戻しを生じる。キャリア150´´´が第1の位置に到達すると、クリップ端153´´´は、中空の内部143´´´の、より狭いセクション143b´´´から出て、より広いセクション143a´´´に入る。このことは、クリップ端153´´´を、
図34に示される相対的弛緩状態に外方にスナップさせる。クリップ端153´´´の外方への動きは、クリップ端を、第1のアダプタ120´´´上の棚部分125´´´から解除する。したがって、棚部分125´´´は、クリップ152´´´から解放されて、外側壁129a´´´及び第1の隔壁128´´´が、キャリア150´´´から分離されることと、筐体141´´´から引き抜かれることと、を可能にする。
【0233】
キャリア150´´´は、径方向内方に延在する一対の端壁141b´´´によって、筐体141´´´から引き抜かれることが防止される。端壁141b´´´は、ソケット145´´´において、狭くされた開口部145a´´´を規定している。開口部145a´´´の幅は、キャリア150´´´が第1の位置にあるときの、丸められた突起154´´´間の間隔よりも小さい。そのため、端壁141b´´´は、丸められた突起154´´´に係合してキャリア150´´´が筐体141´´´から取り外されることを防止する、止めを形成する。
【0234】
本開示によるCSTDは、コンポーネントが互いを基準として移動するのに伴い、コンポーネントを適正な軸方向及び径方向のアライメントに維持する1つ以上のアライメント構造を含むことができる。例えば、CSTD100´´´は、
図36に示されるように、筐体141´´´の内側壁141a´´´に沿って長手方向リブ141f´´´を含む。リブ141f´´´は、キャリア150´´´上の長手方向延在凹部又は長手方向延在溝157´´´に当接して、キャリアと筐体141´´´との間の正しい位置を維持するように構成されている。
【0235】
雌ルアーコネクタ180´´´は、ラチェット機構170´´´により、筐体141´´´に回転可能に搭載されており、
図33から
図36には、ラチェット機構170´´´の要素を示している。雌ルアーコネクタ180´´´の頂端におけるフランジ182´´´は、雌ルアーコネクタ180´´´が筐体141´´´を基準として回転するのに伴い、ラチェット機構170´´´のランプ付き面172´´´に摺動する様態で係合するように構成されている。ランプ付き面172´´´は、フランジ182´´´に加え、結果的には雌ルアーコネクタ180´´´が、1つの方向に回転するものの反対方向には回転しないことを可能にする。雌ルアーコネクタ180´´´は、底端において、雄ルアーコネクタ上のねじ山と噛み合うように構成されたねじ山184´´´を有する。この配置において、ラチェット機構170´´´は、雄ルアーコネクタが雌ルアーコネクタ180´´´上へ第1の方向に(例えば、時計回りに)ねじ込まれることを可能にするものの、雄ルアーコネクタが雌ルアーコネクタから第1の方向とは反対の第2の方向に(例えば、反時計回りに)ねじ込み解除されることを防止する、ように構成されている。このことは、液体が装置を経由して移注された後に、ユーザが第2のアダプタから注射器(又は他の貯槽)を接続解除することを防止する安全性特徴をもたらす。ねじ山及びラチェット機構は、両方の特許の内容が、それらの全体にわたり本明細書において引用により組み込まれている、米国特許第7,857,805号及び米国特許第5,328,474号に記載された構成を含むもののこれらに限定されない、多様な構成を有することができる。
【0236】
図37及び
図38を参照すると、CSTD100´´´´が、別の実施形態に従って示されている。CSTD100´´´´は、バイアルを別の流体貯槽と接続するように構成された第1のアダプタ及び第2のアダプタを有する。このタイプのCSTDは、本明細書において「バイアルアダプタ」と称される。CSTD100´´´´は、「バイアルスパイク」120´´´´と称される第1のアダプタと、基部又は「バイアルクリップ」190´´´´と称される第2のアダプタと、を含む。CSTD100´´´´は、バイアルスパイク120´´´´及びバイアルクリップ190´´´´の中心部分を通過する長手方向軸Y´´´´を有する。バイアルスパイク120´´´´は、注射器といった第1の流体貯槽に流体接続するように構成された第1のコネクタ123´´´´を形成する近位端122´´´´を有する。バイアルスパイク120´´´´は、バイアルといった第2の流体貯槽に流体接続するように構成された第2のコネクタ125´´´´を形成する遠位端124´´´´も有する。バイアルスパイク120´´´´が、それぞれ、第1の流体貯槽及び第2の流体貯槽と流体連通して一旦接続されると、バイアルスパイクは、第1の流体貯槽と第2の流体貯槽との間に、閉鎖した流体通路を形成する。この閉鎖した流体通路は、本明細書において「移注ライン」とも称され、第1の流体貯槽と第2の流体貯槽との間において、環境内への有害薬剤の放出を防止する、封止された様態で、液体が移注されることを可能にする。
【0237】
本開示によるバイアルスパイクは、近位端及び遠位端において多様な流体コネクタを有することができる。本実施形態において、第1のコネクタ123´´´´は、第1の流体貯槽からのバイアルスパイクの結合又は結合解除中に液体又は蒸気がCSTDから放出されることを防止する、ドライブレイクカップリング126´´´´である。ドライブレイクカップリング126´´´´は、流体通路127a´´´´を規定している円筒形の本体127´´´´を有する。円筒形の本体127´´´´の内側には、流体通路127a´´´´内に隔壁128´´´´が搭載されている。円筒形の本体127´´´´は、注射器又は他の流体貯槽上の雌ねじと噛み合うように構成された雄ねじ129´´´´を有する。
【0238】
第2のコネクタ125´´´´は、円筒形のプロファイル132´´´´と、尖端134´´´´と、を有するスパイクコネクタ130´´´´である。スパイクコネクタ130´´´´は、解説されるように、CSTDを経由して液体及び気体を搬送する別個の流体通路を有する。
【0239】
図39から
図41を参照すると、バイアルスパイク120´´´´は、液体及び気体がCSTD100´´´´内において流れるための連絡通路を形成する三部構成の筐体140´´´´を有する。筐体140´´´´は、ドライブレイクカップリング126´´´´に隣接するとともにドライブレイクカップリング126´´´´と流体接続された、第1の筐体部分142´´´´を含む。また、筐体140´´´´は、スパイクコネクタ130´´´´に隣接するとともにスパイクコネクタ130´´´´と流体接続された、第2の筐体部分144´´´´も含む。また、筐体140´´´´は、第1の筐体部分142´´´´の1つの側面に取り付く第3の筐体部分又はケーシング146´´´´も含む。
【0240】
第1の筐体部分142´´´´は、ドライブレイクカップリング126´´´´の反対側に第1のカバー片143´´´´を有する。第2の筐体部分144´´´´は、スパイクコネクタ130´´´´の反対側に第2のカバー片145´´´´を有する。第2のカバー片145´´´´は、第1のカバー片143´´´´と接続して、第1の筐体部分142´´´´及び第2の筐体部分144´´´´を共に接合するように構成されている。第1のカバー片143´´´´及び第2のカバー片145´´´´は、第1の筐体部分142´´´´と第2の筐体部分144´´´´との間に、狭い間隙、空隙、又は、空間141´´´´を形成するように形作られている。リング形状のリップ部分147´´´´が、第1のカバー片143´´´´の周辺部の周囲に延在するとともに、第1の筐体部分142´´´´から突出している。リング形状の壁部分148´´´´が、第2のカバー片145´´´´の周辺部の周囲に延在して、リング形状のリップ部分147´´´´よりもサイズが僅かに大きなレセプタクルを形成している。リング形状の壁部分148´´´´は、リング形状のリップ部分147´´´´を受容して、第1の筐体部分142´´´´を、噛み合わされ且つ封止された配置において第2の筐体部分144´´´´に接合するように適合されている。
【0241】
図41から
図43を参照すると、第1のカバー片143´´´´は、図示されるように、リング形状のリップ部分147´´´´の中心にまたがる仕切り壁149´´´´を有する。第1のカバー片143´´´´が第2のカバー片145´´´´と噛み合わされると、リング形状の壁部分148´´´´及び仕切り壁149´´´´は、第1のカバー片及び第2のカバー片の内側に、2つの別個のチャンバを生じる。第1のチャンバ152´´´´は、仕切り壁149´´´´の第1の側に形成されており、第2のチャンバ154´´´´は、仕切り壁の第1の側とは反対側の第2の側に形成されている。
【0242】
第1のカバー片143´´´´及び第2のカバー片145´´´´は、第1のチャンバ152´´´´及び第2のチャンバ154´´´´を完全に封鎖し、且つ、これらのチャンバをバイアルスパイク120´´´´の外部から流体密封様態で封止するように互いに接続されている。加えて、第1のカバー片143´´´´及び第2のカバー片145´´´´は、第1のチャンバ152´´´´を第2のチャンバ154´´´´から流体密封様態で封止し、且つ、逆の場合も同様であるように互いに接続されている。この点に関し、第1のカバー片143´´´´は、これらのチャンバをバイアルスパイク120´´´´の外部から封止するとともにこれらのチャンバを互いから封止する任意の好適な手段を使用して、第2のカバー片145´´´´に接合することができる。このような封止された配置を確立するための好適な手段には、超音波溶接、ホットプレート溶接、及び、レーザ溶接といった溶接技術が含まれる。封止された配置を確立するための好適な手段には、オーバーモールド成形及び糊付けも含まれる。
【0243】
スパイクコネクタ130´´´´は、第1の通路136´´´´と、第1の通路に対して平行に延在する第2の通路138´´´´と、を有する。バイアルスパイク120´´´´が完全に組み付けられると、第1の通路136´´´´は、第1のチャンバ152´´´´と流体接続するものの、第2のチャンバ154´´´´とは流体接続しない。また、第2の通路138´´´´は、第2のチャンバ154´´´´に流体接続するものの、第1のチャンバ152´´´´には流体接続しない。第1の通路136´´´´は、スパイクコネクタ130´´´´の全長にわたって延在し、尖端134´´´´から出るが、尖端134´´´´において、第1の通路136´´´´は、第1の開口部137´´´´を形成している。第2の流体通路138´´´´もまた、スパイクコネクタ130´´´´の全長にわたって延在し、尖端134´´´´から出るが、尖端134´´´´において、第2の流体通路138´´´´は、第2の開口部139´´´´を形成している。第1のチャンバ152´´´´は、第1の筐体部分142´´´´内において、通気通路156´´´´に流体接続している。第2のチャンバ154´´´´は、ドライブレイクカップリング126´´´´の流体通路127a´´´´に流体接続している。この配置において、第1の通路136´´´´は、解説されるように、外側大気圧を用いてCSTD100´´´´内の圧力を均等化する通気ライン160´´´´の一部を形成し、一方で、第2の通路138´´´´は、第1の流体貯槽と第2の流体貯槽との間で液体を移注するための移注ライン170´´´´の一部を形成している。通気ライン160´´´´及び移注ライン170´´´´は、CSTD100´´´´内において互いから封止されており、それにより、通気ライン160´´´´で移送される気体は、移注ライン170´´´´に入らず、且つ、移注ライン内で移送される液体は、通気ラインに入らない。
【0244】
CSTD100´´´´内の各チャンバは、それぞれのラインの各々に専用のフィルタ材料又はフィルタコンポーネントを収容するように構成されている。しかしながら、これらのチャンバは、いかなるフィルタも収容する必要がない。本例において、第1のチャンバ152´´´´は、疎水性フィルタ162´´´´の形の第1のフィルタコンポーネントを収容しており、第2のチャンバ154´´´´は、当該疎水性フィルタと並列に、同一平面上の配置において配置された粒子フィルタ164´´´´の形の第2のフィルタコンポーネントを収容している。用途に応じて、疎水性フィルタ152´´´´はオプションであり、粒子フィルタ164´´´´はオプションである。
【0245】
通気ライン160´´´´は、大気からの空気がCSTD100´´´´に入ることを可能にする。疎水性フィルタ162´´´´は、大気からの空気が疎水性フィルタを通過することを可能にするように構成されているが、一方で、空気中の液体及びエーロゾルが疎水性フィルタを通過することは可能にしない。これにより、大気からの汚染物質が、第1のチャンバ152´´´´及び第1の通路136´´´´を通過して第2の流体貯槽内へ進むことを防止する。また、これにより、第2の流体貯槽からの液体及びエーロゾルが、第1のチャンバ152´´´´を越えていくことも、防止又は実質的に防止する。疎水性フィルタ162´´´´は、0.2ミクロンの孔隙径を含むがこれに限定されない、任意の好適な孔隙径を有することができる。
【0246】
粒子フィルタ164´´´´は、液体が粒子フィルタを通過することを可能にするものの、小さな粒子が粒子フィルタを通過することを可能にしないように構成されている。これにより、第1の流体貯槽内の粒子が第2の流体貯槽に移注されることを防止し、逆の場合も同様である。本開示による粒子フィルタは、微粒子を濾過するための任意の好適な材料で構成することができ、当該材料には、アクリル共重合体、ポリエーテルスルホン、又は、ポリフッ化ビニリデンで形成された膜が含まれるが、これに限定されない。
【0247】
通気ライン160´´´´は、第1の通路136´´´´から、第1のチャンバ152´´´´を経由して、第1の筐体部分142´´´´内へ延在する。通気ライン160´´´´は、第1の筐体部分142´´´´から出て、側方ポート164´´´´を経由して、第3の筐体部分146´´´´内へ入っている。第3の筐体部分146´´´´は、第1の筐体部分142´´´´の1つの側面と、側方ポート164´´´´の上方と、に接続する中空のシェル構造を有する。
図54を参照すると、第3の筐体部分146´´´´は透明に示されており、内部と、第3の筐体部分を経由して流れる気体の方向と、を例示している。
【0248】
第3の筐体部分146´´´´の内部は、通気ライン160´´´´のセクションを形成する流れ通路163´´´´をもたらす。第3の筐体部分146´´´´は、フィルタ筐体165´´´´も含む。フィルタ筐体165´´´´は、活性炭フィルタ166´´´´の形の第3のフィルタコンポーネントを収納している。第3の筐体部分146´´´´はさらに、活性炭フィルタ166´´´´に隣接する出口168´´´´を含む。出口168´´´´は、キャップ169´´´´によって被覆されて、第3の筐体部分146´´´´の内側に活性炭フィルタ166´´´´を保持及び保護する。キャップ169´´´´は、大気と接続する小さな出口開口169a´´´´を有する。流れ通路163´´´´は、側方ポート164´´´´から活性炭フィルタ166´´´´を経由して延在し、出口開口169a´´´´を経由して第3の筐体部分146´´´´から出る。
【0249】
この配置において、第2の流体貯槽内における陽圧下の気体は、流れ通路163´´´´及び活性炭フィルタ166´´´´を経由して流れ、その後、出口開口169a´´´´を経由して大気に出ることにより、CSTD100´´´´から排出することができる。
図54では、側方ポート164´´´´において開始するとともに出口開口169a´´´´において終了する点線矢印により、気体の排出を模式的に示している。この排出プロセス中に、活性炭フィルタ166´´´´は、気体を濾過して、毒性成分を捕捉するとともに毒性成分が大気に漏れることを防止する。活性炭フィルタ166´´´´は、疎水性フィルタ162´´´´と直列に協働して、第2の流体貯槽を退出する気体を、大気に吐出される前に濾過する。
【0250】
流れ通路163´´´´は、大気からの空気が、出口開口169a´´´´を経由して入り、活性炭フィルタ166´´´´を通過して、側方ポート164´´´´内へ進むことを可能にする、通気ライン160´´´´用の換気路ももたらす。これにより、CSTD内の圧力を均等化して流体の移注を容易にすることを補助することができる。
図54では、出口開口169a´´´´を側方ポート164´´´´に接続している実線矢印により、換気を模式的に示している。
【0251】
本開示による活性炭フィルタは、様々な幾何学的形状を有することができる。本例において、活性炭フィルタ166´´´´は、内部面166a´´´´と、外部面166b´´´´と、円周方向側方壁166c´´´´と、を有する円筒形状のフィルタ媒体である。
図44に示されるように、気体は、活性炭フィルタ166´´´´を経由して「横」方向に流れる。つまり、気体は、内部面166a´´´´又は外部面166b´´´´を通過しない。むしろ、気体は、側方壁166c´´´´を通過する。このことは、より長い流れ経路をもたらすことと、フィルタの全容積を利用した有害成分の濾過を保証することと、を可能にし、より多くの濾過の実施と、フィルタ容量の増大と、を可能にする。
【0252】
図45は、代替的配置を示しており、当該配置においては、活性炭フィルタ266´´´´が、両頭矢印によって示される「軸」方向に流れる気体を濾過する。フィルタ筐体265´´´´は、この実施形態においては円錐台形状を有する活性炭フィルタ266´´´´を収容しており、その軸方向の長さは、活性炭フィルタ166´´´´の軸方向の長さよりも長い。活性炭フィルタ266´´´´は、内部面266a´´´´と、外部面266b´´´´と、側方壁266c´´´´と、を有する。シリコーンといった気体不透過性材料で形成されたキャリア要素267´´´´が、内部面266a´´´´及び側方壁266c´´´´の一部分を取り囲んでいる。キャリア要素267´´´´は、内部面266a´´´´の一部分を露出して、気体が当該内部面の当該部分に入ること及び当該部分から出ることを可能にする開口部267a´´´´を有する。活性炭フィルタ266´´´´の外部面266b´´´´は、小さな出口開口269a´´´´を有するキャップ269´´´´によって被覆されている。キャリア要素267´´´´は、活性炭フィルタ266´´´´の軸方向の長さの一部分に対応する距離Xだけ延在する側方壁267b´´´´を有する。この配置において、キャリア要素267´´´´及びキャップ269´´´´は、気体が、内部面266a´´´´及び外部面266b´´´´の部分に入り、且つ、当該部分から出ることと、活性炭フィルタを経由して軸方向に流れることと、を可能にする。キャリア要素267´´´´は、活性炭フィルタ266´´´´の側方壁266c´´´´とフィルタ筐体265´´´´との間の空間内へ加圧されて、気体が、被覆されたエリア内において活性炭フィルタを経由して横方向に流れることを防止する、流体密封封止を形成する。内部面266a´´´´を経由して活性炭フィルタ266´´´´に入る気体は、フィルタを経由して少なくとも長さXにわたり、軸方向にガイドされる。
【0253】
本開示によるCSTDは、調整された様態でCSTDに空気が入ることを可能にするための1つ以上の機構を、オプションで含むことができる。例えば、本開示によるCSTDは、多様な逆止弁構成を有することができる。
図46は、活性炭フィルタ366´´´´を収容しているとともに出口開口369a´´´´を有する筐体340´´´´を特徴として有する、代替的一実施形態に従ったCSTD300´´´´を示している。出口開口369a´´´´の隣には、逆止弁380´´´´が位置決めされている。逆止弁380´´´´は、弁要素382´´´´と、弁開口部384´´´´と、を有する。弁要素382´´´´は、空気が弁開口部384´´´´を経由して1つの方向にのみ流れることを可能にするように構成された、ディスク状又は他のプレート状の要素である。弁要素382´´´´は、開放位置においては、空気が弁開口部382´´´´に入ってCSTD300´´´´内へ入ることを可能にするように、閉鎖位置においては、空気が弁開口部及びCSTDに入ることを防止するように、動作可能である。付勢要素386´´´´は、圧縮ばね、板ばね、又は、他のばね要素であってよく、当該付勢要素が弛緩状態又は相対的弛緩状態にあるときに、弁要素382´´´´を閉鎖位置に保留する。付勢要素386´´´´は、弁開口部384´´´´の外側の大気圧が、筐体340´´´´の内側の圧力を或る特定の閾値だけ上回ると、加圧するか、曲がるか、又はさもなければ、反るように構成されている。閾値を上回ると、付勢要素は、反って、弁要素382´´´´が開放位置に移動することと、弁開口部384´´´´を経由した筐体340´´´´内への空気の進入を許容することと、を可能にする。
【0254】
戻って
図38を参照すると、バイアルクリップ190´´´´は、締結具機構193´´´´を備えた近位端192´´´´を有する。締結具機構193´´´´は、バイアルクリップ190´´´´を、バイアルスパイク120´´´´といったバイアルスパイクに接続するように構成されている。本開示によるバイアルクリップは、1つ以上のスナップ嵌合コネクタを含む、バイアルクリップをバイアルスパイクに着脱可能に接続するための多様な締結具機構を特徴として有することができる。本実施形態において、締結具機構193´´´´は、4つの可撓性アーム196´´´´から製作されている。各可撓性アーム196´´´´は、弛緩状態と撓ませた状態との間で曲げ可能である。弛緩状態において、各可撓性アーム196´´´´は、長手方向軸Yに対して平行に延在する。撓ませた状態において、各可撓性アーム196´´´´は、当該アームにエネルギが蓄えられた状態で、径方向外方に、長手方向軸Yから離れて曲がる。各可撓性アーム196´´´´は、内方斜面198´´´´を備えた返し付き端197´´´´を有する。返し付き端197´´´´及び内方斜面198´´´´のうちのいくつかは、明瞭性を得るために表記していない。
【0255】
可撓性アーム196´´´´は、バイアルスパイク120´´´´がバイアルクリップ190´´´´に接続されるのに伴い、返し付き端197´´´´及び内方斜面198´´´´が当該バイアルスパイクの第2のカバー片145´´´´に当接するように離間させてある。第2のカバー片145´´´´が内方斜面198´´´´と接触するようになるのに伴い、可撓性アーム196´´´´は、蓄えられたエネルギ下で径方向外方に曲がって、第2のカバー片が返し付き端197´´´´間を通ることを可能にする。第2のカバー片145´´´´及び第1のカバー片143´´´´が返し付き端197´´´´を一旦越えると、可撓性アーム196´´´´内における、蓄えられたエネルギが放出されるとともに、可撓性アームは、自身の弛緩状態にスナップバックする。この点において、返し付き端197´´´´は、
図47に示されるように、第1のカバー片143´´´´の上方に位置決めされるとともに第1のカバー片を圧迫して、バイアルクリップ190´´´´をバイアルスパイク120´´´´上へ保定する。
【0256】
バイアルクリップ190´´´´は、概して円筒形のレセプタクル199´´´´を形成する、下方降下するアーチ形フランジ193´´´´を含む。組み付け状態において、レセプタクル199´´´´は、フランジ193´´´´がスパイクコネクタ130´´´´を取り囲んだ状態において、当該スパイクコネクタを受容する。この配置において、フランジ193´´´´は、ユーザを尖端134´´´´による誤刺から保護するガード195´´´´を形成している。レセプタクル199´´´´は、第2の流体貯槽の一部分(例えば、バイアルの頸部)を受容して取り囲み、バイアルスパイク120´´´´を第2の流体貯槽に接続するようにも構成されている。
【0257】
図47から
図50を参照すると、CSTD1000が、別の実施形態に従って示されている。CSTD1000は、基部又は「バイアルクリップ」1900に接続された「バイアルスパイク」1200と称されるアセンブリを含む。CSTD1000は、バイアルスパイク1200及びバイアルクリップ1900の中心部分を通過する長手方向軸Yを有する。バイアルスパイク1200は、注射器といった第1の流体貯槽に流体接続するように構成された第1のコネクタ1230を形成する近位端1220を有する。バイアルスパイク1200は、バイアルといった第2の流体貯槽に流体接続するように構成された第2のコネクタ1250を形成する遠位端1240も有する。バイアルスパイク1200が、それぞれ、第1の流体貯槽及び第2の流体貯槽と流体連通して一旦接続されると、バイアルスパイクは、第1の流体貯槽と第2の流体貯槽との間に、閉鎖した流体通路を形成する。この閉鎖した流体通路は、本明細書において「移注ライン」とも称され、第1の流体貯槽と第2の流体貯槽との間において、環境内への有害薬剤の放出を防止する、封止された様態で、液体が移注されることを可能にする。
【0258】
第1のコネクタ1230は、ドライブレイクカップリング1260である。ドライブレイクカップリング1260は、流体通路1270aを規定している矩形の本体1270を有する。矩形の本体1270の内側には、流体通路1270a内に隔壁1280が搭載されている。矩形の本体1270は、注射器又は他の流体貯槽と噛み合って注射器又は他の流体貯槽に流体接続するように構成されている。
【0259】
第2のコネクタ1250は、円筒形のプロファイル1320と、尖端1340と、を有するスパイクコネクタ1300である。スパイクコネクタ1300は、解説されるように、CSTDを経由して液体及び気体を搬送する別個の流体通路を有する。
【0260】
バイアルスパイク1200は、液体及び気体がCSTD1000内において流れるための連絡通路を形成する三部構成の筐体1400を有する。筐体1400は、ドライブレイクカップリング1260に隣接するとともにドライブレイクカップリング1260と流体接続された第1の筐体部分1420を含む。また、筐体1400は、スパイクコネクタ1300に隣接するとともにスパイクコネクタ1300と流体接続された、第2の筐体部分1440も含む。また、筐体1400は、第1の筐体部分1420の1つの端に取り付く第3の筐体部分1460も含む。
【0261】
第1の筐体部分1420は、ドライブレイクカップリング1260の反対側に第1のカバー片1430を有する。第2の筐体部分1440は、スパイクコネクタ1300の反対側に第2のカバー片1450を有する。第2のカバー片1450は、第1のカバー片1430と接続して、第1の筐体部分1420及び第2の筐体部分1440を共に接合するように構成されている。第1のカバー片1430及び第2のカバー片1450は、第1の筐体部分1420と第2の筐体部分1440との間に、狭い間隙、空隙、又は、空間1410を形成するように形作られている。リング形状のリップ部分1470が、第1のカバー片1430の周辺部の周囲に延在するとともに、第1の筐体部分1420から突出している。リング形状の壁部分1480が、第2のカバー片1450の周辺部の周囲に延在して、リング形状のリップ部分1470よりもサイズが僅かに大きなレセプタクルを形成している。リング形状の壁部分1480は、リング形状のリップ部分1470を受容して、第1の筐体部分1420を、噛み合わされ且つ封止された配置において第2の筐体部分1440に接合する、ように適合されている。
【0262】
第1のカバー片1430は、
図50に示される、リング形状のリップ部分1470の中心にまたがる仕切り壁1490を形成している。第1のカバー片1430が第2のカバー片1450と噛み合わされると、リング形状の壁部分1470及び仕切り壁1490は、第1のカバー片及び第2のカバー片の内側に、2つの別個のチャンバを生じる。第1のチャンバ1520は、仕切り壁1490の第1の側に形成されており、第2のチャンバ1540は、仕切り壁の、第1の側とは反対側の第2の側に形成されている。
【0263】
第1のカバー片1430及び第2のカバー片1450は、第1のチャンバ1520及び第2のチャンバ1540を完全に封鎖し、且つ、これらのチャンバをバイアルスパイク1200の外部から流体密封様態で封止するように互いに接続されている。さらに、第1のカバー片1430及び第2のカバー片1450は、第1のチャンバ1520を第2のチャンバ1540から流体密封様態で封止し、且つ、逆の場合も同様であるように互いに接続されている。この点に関し、第1のカバー片1430は、これらのチャンバをバイアルスパイク1200の外部から封止するとともにこれらのチャンバを互いから封止する任意の好適な手段を使用して、第2のカバー片1450に接合することができる。このような封止された配置を確立するための好適な手段には、超音波溶接、ホットプレート溶接、及び、レーザ溶接といった溶接技術が含まれる。封止された配置を確立するための好適な手段には、オーバーモールド成形及び糊付けも含まれる。
【0264】
スパイクコネクタ1300は、第1の通路1360と、第1の通路に対して平行に延在する第2の通路1380と、を有する。バイアルスパイク1200が完全に組み付けられると、第1の通路1360は、第1のチャンバ1520と流体接続するものの、第2のチャンバ1540とは流体接続しない。また、第2の通路1380は、第2のチャンバ1540に流体接続するものの、第1のチャンバ1520には流体接続しない。第1の通路1360は、スパイクコネクタ1300の全長にわたって延在し、尖端1340から出るが、尖端1340において、第1の通路1360は、第1の開口部1370を形成している。第2の流体通路1380もまた、スパイクコネクタ1300の全長にわたって延在し、尖端1340から出るが、尖端1340において、第2の流体通路1380は、第2の開口部1390を形成している。第1のチャンバ1520は、第1の筐体部分1420内において、通気通路1560に流体接続している。第2のチャンバ1540は、流体導管1580に接続しており、流体導管1580は次いで、ドライブレイクカップリング1260の流体通路1270aに流体接続している。この配置において、第1の通路1360は、解説されるように、CSTD1000内の圧力を均等化する通気ライン1600の一部を形成し、一方で、第2の通路1380は、第1の流体貯槽と第2の流体貯槽との間で液体を移注するための移注ライン1700の一部を形成している。通気ライン1600及び移注ライン1700は、CSTD1000内において互いから封止されており、それにより、通気ライン1600内で移送される気体は、移注ライン1700に入らず、且つ、移注ライン内で移送される液体は、通気ラインに入らない。
【0265】
CSTD1000内の各チャンバは、それぞれのラインの各々に専用のフィルタ材料又はフィルタコンポーネントを収容するように構成されている。しかしながら、これらのチャンバは、いかなるフィルタも収容する必要がない。本例において、第1のチャンバ1520は、疎水性フィルタ1620の形の第1のフィルタコンポーネントを収容しており、第2のチャンバ1540は、当該疎水性フィルタと並列に、同一平面上の配置において配置された粒子フィルタ1640の形の第2のフィルタコンポーネントを収容している。
【0266】
CSTD1000は、圧力勾配が、ベッセル間、又は、装置の内部と外部との間、に発生すると圧力を均等化するように設計された「圧力釣り合わせ」機構1800を有する。圧力勾配は、バイアルからの液体の抜き取り中、又は、バイアルへの液体の注入中といった、CSTD1000がバイアル及び注射器に取り付けられて液体がバイアルと注射器との間で装置を経由して移注されるときに、発生し得る。
【0267】
圧力釣り合わせ機構1800は、第1の筐体部分1420の1つの側面に接続された逆止弁1820と、第3の筐体部分1460に接続された膨張可能障壁又は膜1840と、を含む。膜1840は、気体が第3の筐体部分1460内へ流れ込むことに応じて拡張するように構成されるとともに、気体が第3の筐体部分から吐出されることに応じて折り畳まれるように構成されている。スパイクコネクタ1300によって突き通された後に、バイアルから気体が放出されると、気体は、スパイクコネクタ、第2の筐体部分1440、及び、第1の筐体部分1420を経由して第3の筐体部分1460内へ進行する。気体は、第3の筐体部分1460の内側に一旦入ると、膜1840によって捕集及び収集される。膜1840は、第3の筐体部分1460が気体を受容すると拡張して、CSTD1000内の圧力を釣り合わせるように構成されている。この気体は、CSTD1000内に圧力低下が発生するまで、第3の筐体部分1460及び膜1840内に貯蔵されたままであることができる。CSTD1000内において圧力低下が突如発生すると、第3の筐体部分1460及び膜1840内に貯蔵された気体が、第1の筐体部分1420内へ放出されて、圧力を釣り合わせる。圧力の釣り合わせに追加的な気体が必要とされる場合、逆止弁1820は、記載するように、CSTD1000の外側の空気が第1の筐体部分1420内へ流れ込むことを可能にして、圧力を釣り合わせるように構成されている。
【0268】
通気ライン1600は、第3の筐体部分1460及び膜1840からの気体が、CSTD1000の他の部品内へ流れ込むことを可能にして、圧力を釣り合わせる。さらに、通気ライン1600は、逆止弁1820を経由してCSTD1000に入った空気が、CSTD1000の異なる部品内へ流れ込むことを可能にして、圧力を釣り合わせる。疎水性フィルタ1620は、気体が疎水性フィルタを経由してスパイクコネクタ1300に、及び、スパイクコネクタ1300から流れることを可能にするように構成されているが、一方で、当該気体中の液体及びエーロゾルが疎水性フィルタを通過することは可能にしない。このことは、大気からの汚染物質が、第1のチャンバ1520及び第1の通路1360を通過して第2の流体貯槽内へ進むことを防止する。このことはまた、第2の流体貯槽からの液体及びエーロゾルが、第1のチャンバ1520を越えていくことも、防止又は実質的に防止する。疎水性フィルタ1620は、0.2ミクロンの孔隙径を含むがこれに限定されない、任意の好適な孔隙径を有することができる。
【0269】
粒子フィルタ1640は、液体が粒子フィルタを通過することを可能にするものの、小さな粒子が粒子フィルタを通過することを可能にしないように構成されている。これにより、第1の流体貯槽からの粒子が第2の流体貯槽に移注されることを防止し、逆の場合も同様である。本開示による粒子フィルタは、微粒子を濾過するための任意の好適な材料で形成することができ、当該材料には、アクリル共重合体、ポリエーテルスルホン、又は、ポリフッ化ビニリデン、で形成された膜が含まれるが、これに限定されない。
【0270】
図50及び
図51を参照すると、通気ライン1600は、第1の通路1360から、第1のチャンバ1520を経由して、第1の筐体部分1420の通気通路1560内へ延在する。第1の筐体部分1420の内部は、通気ライン1600のセクションを形成する細長い流れ通路1630をもたらす。第1の筐体部分1420は、流れ通路1630の1つの側に、逆止弁筐体1650を規定している。逆止弁筐体1650は、逆止弁1670を収容している。第1の筐体部分1420はさらに、逆止弁1670に隣接する入口1680を含む。入口1680は、キャップ1690によって被覆されて、逆止弁1670を逆止弁筐体1650の内側に保持している。キャップ1690は、大気と接続している小さな開口1690aを有する。
【0271】
本開示によるCSTDは、多様な逆止弁構成を有することができる。本例において、逆止弁1670は、逆止弁筐体1650の内側において弾性可撓性弁要素1670aを含む。弁要素1670aは、空気が逆止弁筐体1650を経由して1つの方向にのみ流れることを可能にするように構成された、カップ形状の要素である。特に、弁要素1670aは、空気が入口1680に入って第1の筐体部分1420内へ入ることを可能にする開放位置と、空気が入口を経由して第1の筐体部分から退出することを防止する閉鎖位置と、の間で移動可能である。弁要素1670aは、弁要素が弛緩状態又は相対的弛緩状態にあるときに、閉鎖位置を取る。閉鎖位置において、弁要素1670aは、入口1680に対して押圧されて、気体が第1の筐体部分1420に入ること又は気体が第1の筐体部分1420から退出することを防止する。弁要素1670aは、入口1680の外側の大気圧が、第1の筐体部分1420の内側の圧力を或る特定の閾値だけ上回ると、内方に、入口1680から離れて移動する。これにより、空気が入口1680に入って第1の筐体部分1420内へ流れ込むことを可能にして、CSTD1000内の圧力を釣り合わせる。
【0272】
第1の筐体部分1420は、第3の筐体部分1460上の第2の端1720と接続するように構成された第1の端1550を有する。第1の端1550は、第1の通路1630の1つの端において、端開口部1570を有する。端開口部1570は、第3の筐体部分1460が第1の筐体部分1420に接続されると、第2の端1720において口開口部1740と整列するように位置決めされている。この配置において、端開口部1570及び口開口部1740は、第1の筐体部分1420を第3の筐体部分1460と流体連通して相互接続する流体通路を形成している。第2の端1720は、超音波溶接、ホットプレート溶接、及び、レーザ溶接といった溶接技術を含む、複数個の好適な方式で、第1の端1550に接続することができる。他の好適な方式には、オーバーモールド成形及び糊付けが含まれる。
【0273】
逆止弁筐体1650は、接合部1710において第1の通路1630に流体接続している。第1の通路1630は、第1の筐体部分1420を経由して延在するとともに、接合部1710において2つの異なる方向に分裂又は分岐している。即ち、第1の通路1630は、逆止弁1670に向けて第1の分岐1630aと、ソケット1550に向けて第2の分岐1630bと、に分裂している。
【0274】
第2の流体貯槽1640内における正圧下の気体は、通気ライン1600を流れ、流れ通路1630に流れ込むことにより、CSTD1000から排出される。気体が接合部1710に一旦到達すると、気体は、第1の分岐1630aを経由してCSTD1000から出ることを防止される。逆止弁1670の弁要素1670aが閉鎖位置に移動されて、入口1680をブロックするためである。したがって、接合部1710における気体は、先に注記したように、当該気体が第3の筐体部分1460に入るまで、第2の分岐1630b及び端開口部1570を経由して進む。膜1840は、気体が第3の筐体部分1460内へ入ったことに応じて拡張するように構成されている。膜1840の容積又はサイズは、気体が膜に入ることに応じて変化する。膜1840のサイズの増大は、CSTD1000の外側から視認可能に検出可能であって、気体が、CSTDから出るのとは対照的に、第3の筐体部分1460内に貯蔵されていることをユーザに通知する。
図51では、破線矢印により、第2の流体貯槽1640から膜1840内への気体の排出を模式的に示している。
【0275】
負圧勾配が現れると、膜1840内に圧力下で貯蔵された気体は、圧力を釣り合わせることができる。気体は、口開口部1740を経由して第3の筐体部分1460から出て、第1の筐体部分1620内の流れ通路1630に入る。そこから、気体は、通気ライン1700に沿って進行するとともに第2の筐体部分1440に入って、圧力を釣り合わせることができる。CSTD1000内の圧力を釣り合わせるのに充分な量の気体が膜1840内に貯蔵されておらず、且つ、圧力勾配が残っている場合、外側大気から、より高い圧力の空気が、弁要素1670aを開放し、入口1680を経由して第1の筐体部分1620に入る。空気は、CSTD1000の内部と外側空気との間において圧力平衡に到達するまで、入口1680に入るとともに当該CSTDを満たす。これにより、CSTD内の圧力を均等化することを補助して、流体の移注を容易にすることができる。
図51では、実線矢印により、入口1680を経由した換気を模式的に示している。
【0276】
戻って
図48及び
図49を参照すると、バイアルクリップ1900は、締結具機構1930を備えた近位端1920を有する。締結具機構1930は、バイアルクリップ1900を、バイアルスパイク1200といったバイアルスパイクに接続するように構成されている。本開示によるバイアルクリップは、1つ以上のスナップ嵌合コネクタを含む、バイアルクリップをバイアルスパイクに着脱可能に接続するための多様な締結具機構を特徴として有することができる。本実施形態において、締結具機構1930は、可撓性アーム1960の形を有する。各可撓性アーム1960は、弛緩状態と撓ませた状態との間で曲げ可能である。弛緩状態において、各可撓性アーム1960は、長手方向軸Yに対して平行に又は概して平行に延在する。撓ませた状態において、各可撓性アーム1960は、当該アームにエネルギが蓄えられた状態で、径方向外方に、長手方向軸Yから離れて、曲がる。各可撓性アーム1960は、内方斜面1980を備えた返し付き端1970を有する。
【0277】
可撓性アーム1960は、バイアルスパイク1200がバイアルクリップ1900に接続されるのに伴い、返し付き端1970及び内方斜面1980が、当該バイアルスパイクの第2のカバー片1450に当接するように構成されている。第2のカバー片1450が内方斜面1980と接触するようになるのに伴い、可撓性アーム1960は、蓄えられたエネルギ下で径方向外方に曲がって、第2のカバー片が返し付き端1970間を通ることを可能にする。第2のカバー片1450及び第1のカバー片1430が返し付き端1970を一旦越えると、可撓性アーム1960に蓄えられたエネルギが放出されるとともに、可撓性アームは、自身の弛緩状態にスナップバックして、スナップフックのように作用する。この時点において、返し付き端1970は、第1の筐体部分1420の両側における小さな棚に係合して、バイアルクリップ1900をバイアルスパイク1200に接続する。
【0278】
バイアルクリップ1900は、概して円筒形のレセプタクル1990を形成する、下方降下するアーチ形フランジ1910を含む。組み付け状態において、レセプタクル1990は、フランジ1910がスパイクコネクタ1300を取り囲んだ状態において、当該スパイクコネクタを受容する。この配置において、フランジ1910は、ユーザを尖端1340による誤刺から保護するガード1950を形成している。レセプタクル1990は、第2の流体貯槽の一部分(例えば、バイアルの頸部)を受容して取り囲み、バイアルスパイク1200を第2の流体貯槽に接続するようにも構成されている。
【0279】
本開示によるいくつかのCSTDは、フィルタ用に特定的に設計されたコンポーネントを有するか、又は、膨張可能障壁用に特定的に設計されたコンポーネントを有する。
図37から
図51に、これらのCSTDの例を示す。本開示による他のCSTDは、フィルタ及び膨張可能障壁のいずれかに組み付けることが可能な汎用性コンポーネントを有する。この後者のタイプのCSTDは、異なるセットのコンポーネントの選択及び組み合わせを可能にするモジュラーシステムにおいて提供することができる。
【0280】
図52を参照すると、バイアルアダプタを特徴として有するモジュラーシステム2100´´の一例が示されている。モジュラーシステム2100´´は、そこから個々の部品を選択して所望の用途又は機能を有するCSTDを組み付けることができる、コンポーネントのセットを含む。コンポーネントは、特定的なタイプ又はサイズの流体容器又は貯槽と協働するCSTDを製造するように、選択し且つ組み付けることができる。さらに、コンポーネントは、圧力勾配を或る特定の方式で均等化するCSTDを製造するように、選択し且つ組み付けることができる。例えば、コンポーネントの1つのサブセットは、本明細書において「モジュール」と称され、有害気体の濾過と、濾過された気体の大気への吐出と、を行うように選択することができる。コンポーネントの別のサブセット又はモジュールは、有害気体の捕捉と、CSTDの内側における当該気体の貯蔵と、を行うように選択することができる。異なるCSTDを、コンポーネントの一般的セットからカスタマイズ及び製造することができ、製造効率を増大させることができる。
【0281】
モジュラーシステム2100´´は、コア又は「基本アセンブリ」2105´´と、4つの別個のモジュール2110A´´、2110B´´、2112A´´、及び、2112B´´と、を含む。基本アセンブリ2105´´は、その周囲において異なるCSTDを組み付けることが可能な中心構築物を形成している。モジュール2110A´´及び2110B´´は、どのクリップモジュールが選ばれるのかによって、基本アセンブリ2105´´が異なるサイズの容器に接続することを可能にする、互換性のクリップモジュール2110´´である。モジュール2112A´´及び2112B´´は、どの通気モジュールが選ばれるのかによって、CSTD内の圧力が或る特定の方式で均等化されることを可能にする、互換性の通気モジュール2112´´である。基本アセンブリ2105´´は、一度に1つのクリップモジュール2110´´と、一度に1つの通気モジュール2112´´と、に接続して、CSTDを形成するように構成されている。したがって、この例における、組み付けられたCSTDは、クリップモジュール2110´´の一方と、通気モジュール2112´´の一方と、に接続された基本アセンブリ2105´´で構成することができる。
【0282】
基本アセンブリ2105´´は、クリップモジュール2110´´及び通気モジュール2112´´を追加する前に組み付けることができる部品のサブアセンブリである。部品のサブアセンブリは、バイアルスパイク2120´´と、気体交換ユニット2180´´と、を含む。バイアルスパイク2120´´は、モジュール2110A´´及びモジュール2110B´´のいずれかに接続することができ、気体交換ユニット2180´´は、モジュール2112A´´かモジュール2112B´´のいずれかに接続することができる。バイアルスパイク2120´´及び気体交換ユニット2180´´は、射出成形によって別個に製造され、それに続き、超音波溶接又は他の接合技術を使用して、共に接合される。
【0283】
基本アセンブリ2105´´は、CSTDが第1の流体貯槽及び第2の流体貯槽に接続された後における、CSTDを経由した液体及び気体の両方の流れを管理する。バイアルスパイク2120´´は、第1の流体貯槽内の液体が、封止された環境内で第2の流体貯槽に進むことを可能にする移注通路を形成している。気体交換ユニット2180´´は、バイアルスパイク2120´´が第1の流体貯槽及び第2の流体貯槽に接続された後にCSTD内の圧力を均等化する通気通路の一部を形成している。移注通路及び通気通路は、解説されるように、互いから物理的に分離されている。
【0284】
図53及び
図54を参照すると、バイアルスパイク2120´´は、注射器といった第1の流体貯槽に流体接続するように構成された第1のコネクタ2123´´を形成する近位端2122´´を有する。バイアルスパイク2120´´は、バイアルといった第2の流体貯槽に流体接続するように構成された第2のコネクタ2125´´を形成する遠位端2124´´も有する。バイアルスパイク2120´´が、それぞれ、第1の流体貯槽及び第2の流体貯槽と流体連通して一旦接続されると、バイアルスパイクは、第1の流体貯槽と第2の流体貯槽との間に、閉鎖した流体通路を形成する。この閉鎖した流体通路は、本明細書において「移注ライン」とも称され、第1の流体貯槽と第2の流体貯槽との間において、環境内への有害薬剤の放出を防止する、封止された様態で、液体が移注されることを可能にする。
【0285】
本開示によるバイアルスパイクは、近位端及び遠位端において多様な流体コネクタを有することができる。本実施形態において、第1のコネクタ2123´´は、ルアーロックコネクタ2126´´である。ルアーロックコネクタ2126´´は、流体通路2127A´´を規定している本体2127´´を有する。本体2127´´の内側には、流体通路2127A´´内に隔壁2128´´が搭載されている。本体2127´´は、注射器又は他の流体貯槽上の雌ねじと噛み合うように構成された雄ねじ2129´´を有する。
【0286】
第2のコネクタ2125´´は、円筒形のプロファイル2132´´と、尖端2134´´と、を有するスパイクコネクタ2130´´である。スパイクコネクタ2130´´は、解説されるように、CSTDを経由して液体及び気体を搬送する別個の流体通路を有する。
【0287】
バイアルスパイク2120´´は、液体及び気体がCSTD内において流れるための連絡通路を形成する二部構成の筐体2140´´を有する。筐体2140´´は、ルアーロックコネクタ2126´´に隣接するとともにルアーロックコネクタ2126´´と流体接続された第1の筐体部分2142´´を含む。また、筐体2140´´は、スパイクコネクタ2130´´に隣接するとともにスパイクコネクタ2130´´と流体接続された第2の筐体部分2144´´も含む。
【0288】
第1の筐体部分2142´´は、ルアーロックコネクタ2126´´の反対側に第1のカバー片2143´´を有する。第2の筐体部分2144´´は、スパイクコネクタ2130´´の反対側に第2のカバー片2145´´を有する。第2のカバー片2145´´は、第1のカバー片2143´´と接続して、第1の筐体部分2142´´及び第2の筐体部分2144´´を共に接合するように構成されている。第1のカバー片2143´´及び第2のカバー片2145´´は、指止め又は指レストとして機能する拡大フランジセクションを形成して、装置が保留されたときに、より多くの快適性をもたらす。
【0289】
第1のカバー片2143´´及び第2のカバー片2145´´は、第1の筐体部分2142´´と第2の筐体部分2144´´との間に、狭い間隙、空隙、又は、空間2141´´も形成している。リング形状のリップ部分2147´´が、第1のカバー片2143´´の周辺部の周囲に延在するとともに、第1の筐体部分2142´´から突出している。リング形状の壁部分2148´´が、第2のカバー片2145´´の周辺部の周囲に延在して、リング形状のリップ部分2147´´よりもサイズが僅かに大きなレセプタクルを形成している。リング形状の壁部分2148´´は、リング形状のリップ部分2147´´を受容して、第1の筐体部分2142´´を、噛み合わされ且つ封止された配置において第2の筐体部分2144´´に接合するように適合されている。
【0290】
図54及び
図55を参照すると、第1のカバー片2143´´は、図示されるように、リング形状のリップ部分2147´´の中心に跨る仕切り壁2149´´を有する。第1のカバー片2143´´が第2のカバー片2145´´と噛み合わされると、リング形状の壁部分2148´´及び仕切り壁2149´´は、第1のカバー片及び第2のカバー片の内側に、2つの別個のチャンバを生じる。第1のチャンバ2152´´は、仕切り壁2149´´の第1の側に形成されており、第2のチャンバ2154´´は、仕切り壁の、第1の側とは反対側の第2の側に形成されている。
【0291】
第1のカバー片2143´´及び第2のカバー片2145´´は、第1のチャンバ2152´´及び第2のチャンバ2154´´を完全に封鎖し、且つ、これらのチャンバをバイアルスパイク2120´´の外部から流体密封様態で封止するように互いに接続されている。さらに、第1のカバー片2143´´及び第2のカバー片2145´´は、第1のチャンバ2152´´を第2のチャンバ2154´´から流体密封様態で封止し、且つ、逆の場合も同様であるように互いに接続されている。この点に関し、第1のカバー片2143´´は、これらのチャンバをバイアルスパイク2120´´の外部から封止するとともにこれらのチャンバを互いから封止する任意の好適な手段を使用して、第2のカバー片2145´´に接合することができる。このような封止された配置を確立するための好適な手段には、超音波溶接、ホットプレート溶接、及び、レーザ溶接といった溶接技術、又は、他の接合技術、が含まれる。封止された配置を確立するための好適な手段には、オーバーモールド成形及び糊付けも含まれる。
【0292】
スパイクコネクタ2130´´は、第1の通路2136´´と、第1の通路に対して平行に延在する第2の通路2138´´と、を有する。バイアルスパイク2120´´が完全に組み付けられると、第1の通路2136´´は、第1のチャンバ2152´´と流体接続するものの、第2のチャンバ2154´´とは流体接続しない。また、第2の通路2138´´は、第2のチャンバ2154´´に流体接続するものの、第1のチャンバ2152´´には流体接続しない。第1の通路2136´´は、スパイクコネクタ2130´´の全長にわたって延在し、尖端2134´´から出るが、尖端2134´´において、第1の通路2136´´は、第1の開口部2137´´を形成している。第2の流体通路2138´´もまた、スパイクコネクタ2130´´の全長にわたって延在し、尖端2134´´から出るが、尖端2134´´において、第2の流体通路2138´´は、第2の開口部2139´´を形成している。第1のチャンバ2152´´は、第1の筐体部分2142´´内において、通気通路2156´´に流体接続している。第2のチャンバ2154´´は、ルアーロックコネクタ2126´´の流体通路2127A´´に流体接続している。この配置において、第1の通路2136´´は、解説されるように、外側大気圧を用いてモジュラーシステム2100´´内の圧力を均等化する通気ライン2160´´の一部を形成し、一方で、第2の通路2138´´は、第1の流体貯槽と第2の流体貯槽との間で液体を移注するための移注ライン2170´´の一部を形成している。通気ライン2160´´及び移注ライン2170´´は、CSTD内において互いから封止されており、それにより、通気ライン2160´´内で移送される気体は、移注ライン2170´´に入らず、且つ、移注ライン内で移送される液体は、通気ラインに入らない。
【0293】
モジュラーシステム2100´´内の各チャンバは、それぞれのラインの各々に専用のフィルタ材料又はフィルタコンポーネントを収容するように構成されている。本例において、第1のチャンバ2152´´は、疎水性フィルタ2162´´の形の第1のフィルタコンポーネントを収容しており、第2のチャンバ2154´´は、当該疎水性フィルタと並列に、同一平面上の配置において配置された粒子フィルタ2164´´の形の第2のフィルタコンポーネントを収容している。用途によって、粒子フィルタ2164´´はオプションである。
【0294】
第1のカバー片2143´´及び第2のカバー片2145´´の拡大フランジ形状は、カバー片の内側において、拡大した断面積をもたらす。つまり、第1のチャンバ2152´´の断面積は、第1の通路2136´´の断面積よりも一段と大きく、第2のチャンバ2154´´の断面積は、第2の通路2138´´の断面積よりも一段と大きい。第1のチャンバ2152´´及び第2のチャンバ2154´´の大きな断面積は、より大きなフィルタの使用を可能にする。これにより、フィルタ表面積を増大させ、チャンバを経由する流量を増大させる。
【0295】
通気ライン2160´´は、解説されるように、大気からの空気がCSTDに入ることを可能にする。疎水性フィルタ2162´´は、大気からの空気が疎水性フィルタを通過することを可能にするように構成される一方で、空気中の液体及びエーロゾルが疎水性フィルタを通過することは可能にしない。これにより、大気からの汚染物質が、第1のチャンバ2152´´及び第1の通路2136´´を通過して第2の流体貯槽内へ進むことを防止する。このことはまた、第2の流体貯槽からの液体及びエーロゾルが、第1のチャンバ2152´´を越えていくことも、防止又は実質的に防止する。疎水性フィルタ2162´´は、0.2ミクロンの孔隙径を含むがこれに限定されない、任意の好適な孔隙径を有することができる。
【0296】
粒子フィルタ2164´´は、液体が粒子フィルタを通過することを可能にするものの、小さな粒子が粒子フィルタを通過することを可能にしないように構成されている。このことは、第1の流体貯槽内の粒子が第2の流体貯槽に移注されることを防止し、逆の場合も同様である。本開示による粒子フィルタは、微粒子を濾過するための任意の好適な材料で構成することができ、当該材料には、アクリル共重合体、ポリエーテルスルホン、又は、ポリフッ化ビニリデン、で形成された膜が含まれるが、これに限定されない。
【0297】
通気ライン2160´´は、第1の通路2136´´から、第1のチャンバ2152´´を経由して、第1の筐体部分2142´´内へ延在する。通気ライン2160´´は、側方ポート163を経由して第1の筐体部分2142´´から出て、気体交換ユニット2180´´内へ入る。
【0298】
図56及び
図57を参照すると、気体交換ユニット2180´´は、第1の筐体部分2142´´の1つの側面と、側方ポート163の上方と、に接続する中空のシェル構造又は本体2182´´を有する。本体2182´´は、本体幅2182W´´と、本体幅よりも有意に大きな本体長さ2182L´´と、を有し、狭いプロファイルを生じる。本体2182´´の内部は、通気ライン2160´´のセクションを形成する気体交換通路2181´´をもたらす。気体交換通路2181´´は、第1のポート2182A´´を経由して本体2182´´に入るとともに、本体の中心部分に位置付けられたプラグイン式レセプタクル2185´´と流体接続している。気体交換通路2181´´は、プラグイン式レセプタクル2185´´から出て、細長いソケット2186´´に流体接続している。ソケット2186´´は、第2のポート2182B´´を経由して本体2182´´から出て、本体の外部に至る。
【0299】
気体交換ユニット2180´´は、通気モジュール2112A´´又は通気モジュール2112B´´に接続し、且つ、通気モジュール2112A´´又は通気モジュール2112B´´を受容するように構成されている。通気モジュール2112A´´は、気体交換ユニット2180´´を、CSTDからの有害気体を大気に吐出する前に当該気体を濾過する、フィルタユニットに変換する。通気モジュール2112B´´は、気体交換ユニット2180´´を、CSTDの内側において有害気体を保持するとともに当該気体が大気に放出されることを防止する気体貯蔵ユニットに変換する。この配置において、通気モジュール2112A´´及び2112B´´は、基本アセンブリ2105´´と協働してCSTD内における有害気体及び換気を管理するための2つの異なるオプションをもたらす、互換性のサブアセンブリをもたらす。このことは、異なるCSTDが1つの基本アセンブリ設計を使用して製造され且つ組み付けられることを可能にし、先に注記したように、製造効率を増大させる。
【0300】
戻って
図52を参照すると、通気モジュール2112A´´は、通気ライン2160´´内において有害気体を濾過するように設計された活性炭フィルタ2166´´を含む。プラグイン式レセプタクル2185´´は、活性炭フィルタ2166´´を受容するように適合されたフィルタ筐体2165´´を形成している。通気モジュール2112A´´は、活性炭フィルタ2166´´がフィルタ筐体2165´´内に受容された後にプラグイン式レセプタクル2185´´を気密配置において閉鎖して、気体交換ユニット2180´´の内側に活性炭フィルタを保持及び保護するキャップ169も含む。動作中に、通気ライン2160´´内の有害気体は、気体交換通路2181´´内へ進み、活性炭フィルタ2166´´を通過するが、活性炭フィルタ2166´´において、有害気体は、毒素を除去するために濾過される。濾過された気体は、その後、フィルタ筐体2165´´から出て、細長いソケット2186´´を通過して第2のポート2182B´´に至り、第2のポート2182B´´において、当該気体は大気に放出される。
【0301】
気体交換通路2181´´は、通気モジュール2112A´´が気体交換ユニット2180´´と共に使用されるときに、通気ライン2160´´用の二方向換気路をもたらす。つまり、気体は、気体交換通路2181´´を経由して第1の方向に流れることができ、ここで気体は、上で記載されたように、活性炭フィルタ2166´´を経由して濾過されて、大気に放出される。加えて、気体交換通路2180´´は、大気からの空気が第2のポート2182B´´を経由して入ることと、通気ライン2160´´を経由して第1の方向とは反対の第2の方向に流れることと、を可能にして、CSTD内の圧力を均等化する。
【0302】
本開示による活性炭フィルタは、様々な幾何学的形状を有することができる。本例において、活性炭フィルタ2166´´は、円筒形状のフィルタ媒体である。気体は、活性炭フィルタ2166´´の側方壁167を経由して「横」方向に流れる。これにより、より長い流れ経路をもたらすことと、フィルタの全容積を利用した有害成分の濾過を保証することと、を行い、より多くの濾過の実施と、フィルタ容量の増大と、を可能にする。
【0303】
通気モジュール2112B´´は、膨張可能障壁又は貯槽2174´´と組み合わせて、逆止弁2172´´を含む。プラグイン式レセプタクル2185´´は、逆止弁2172´´に接続するとともに逆止弁2172´´を受容するように構成されている。逆止弁2172´´は、大気からの空気が気体交換ユニット2180´´に入ることを可能にするものの、気体が気体交換ユニットから出ることを防止する一方向弁である。これにより、逆止弁2172´´は、開放されて、大気からの空気が気体交換ユニット2180´´に入ることと、通気ライン2160´´内へ流れ込むことと、を可能にして、CSTD内の圧力を均等化するように構成されている。また、逆止弁2172´´は、貯槽から気体交換通路内への有害気体の放出時といった、気体交換通路2182´´内の陽圧に応じて、閉鎖されるようにも構成されており、有害気体が逆止弁を経由して大気に漏れることを防止する。
【0304】
貯槽2174´´は、第2のポート2182B´´に接続して、気体交換ユニット2180´´に取り付けられた拡張可能貯蔵バルーンを形成する、ように構成されている。この配置において、貯槽2174´´は、通気ライン2160´´から気体交換ユニット2180´´に入る気体を収集するように構成されている。また、貯槽2174´´は、CSTD内の圧力低下時に、貯蔵された気体を気体交換通路2181´´及び通気ライン2160´´内へ吐出して、圧力を釣り合わせる、ようにも構成されている。貯槽2174´´が気体を収集すると、膜が拡張して有害気体が貯槽の一方から放出されているとともにCSTDの内側において貯蔵されている、という視認可能な標識又は警告をもたらす。貯槽2174´´が気体を吐出すると、膜が折り畳まれて、圧力がCSTD内において均等化されている、という視認可能な標識又は警告を生じる。
【0305】
スパイクコネクタ2130´´によって突き通された後に、バイアルから気体が放出されると、気体は、バイアルスパイク2120´´を経由して気体交換ユニット2180´´内へ進行する。気体は、気体交換ユニット2180´´の内側に一旦入ると、プラグイン式レセプタクル2185´´を経由して流れ、貯槽2174´´によって捕集及び収集される。捕集された気体は、CSTD内に圧力低下が発生するまで、貯槽2174´´内に貯蔵されたままであることができる。CSTD内において圧力低下が発生すると、貯槽2174´´内に貯蔵された気体が、気体交換通路2181´´及び通気ライン2160´´内へ放出されて、圧力を釣り合わせる。圧力の釣り合わせに追加的な気体が必要とされる場合、逆止弁2172´´は、CSTD2100´´の外側の空気が第1の筐体部分2142´´内へ流れ込むことを可能にして、圧力を釣り合わせるように構成されている。
【0306】
図58から
図61は、モジュラーシステム2100´´を使用して組み付けることが可能な、4つの異なるCSTDを示している。
図58においては、CSTD2101A´´は、クリップモジュール2110A´´及び通気モジュール2112A´´に取り付けられた基本アセンブリ2105´´を含む。
図59においては、CSTD2101B´´は、クリップモジュール2110B´´及び通気モジュール2112A´´に取り付けられた基本アセンブリ2105´´を含む。
図60においては、CSTD2101C´´は、クリップモジュール2110A´´及び通気モジュール2112B´´に取り付けられた基本アセンブリ2105´´を含む。
図61においては、CSTD2101D´´が、クリップモジュール2110B´´及び通気モジュール2112B´´に取り付けられた基本アセンブリ2105´´を含む。よって、各クリップモジュールの選択は、どの通気モジュールが使用されるかとは無関係に行うことができ、逆の場合も同様である。
【0307】
クリップモジュール2110A´´は、13から20mmバイアルに接続するように設計されている。クリップモジュール2110B´´は、32mmバイアルに接続するように設計されている。認識されるであろうこととして、本開示によるクリップモジュールは、他のタイプの容器だけではなく、任意のバイアルサイズ又はサイズの範囲に接続するように構成することができる。したがって、クリップモジュール2110A´´及び2110B´´は、本開示による基本アセンブリと共に使用することができるモジュールの2つの例のみを表していることを理解されるべきである。
【0308】
図62は、代替的一実施形態に従ったモジュラーシステム2200´´を示している。モジュラーシステム2200´´は、モジュラーシステム2100´´のように、そこから個々の部品を選択して所望の用途又は機能を有するCSTDを組み付けることができる、コンポーネントのセットを含む。コンポーネントは、特定的なタイプ又はサイズの流体容器と協働するCSTDを製造するように、選択し且つ組み付けることができる。さらに、コンポーネントは、圧力勾配を或る特定の方式で均等化するCSTDを製造するように、選択し且つ組み付けることができる。例えば、コンポーネントの1つのサブセットは、有害気体の濾過と、濾過された気体の大気への吐出と、を行うように選択することができる。コンポーネントの別のサブセットは、有害気体の捕捉と、CSTDの内側における当該気体の貯蔵と、を行うように選択することができる。異なるCSTDを、コンポーネントの一般的セットからカスタマイズ及び製造することができ、製造効率を増大させる。
【0309】
モジュラーシステム2200´´は、モジュラーシステム2100´´とは異なり、気体交換ユニット2280´´がバイアルスパイク2220´´へ一体化された状態の、コア又は基本アセンブリ2205´´を特徴として有する。この配置は、基本アセンブリ2205´´を形成するために製造されなければならない部品の数を低減するとともに、気体交換ユニット2280´´をバイアルスパイク2220´´に接合するスッテプを省く。
【0310】
モジュラーシステム2200´´は、モジュラーシステム2100´´と同様に、基本アセンブリ2205´´に接続するために個々に選択することが可能な、4つの別個のモジュール2210A´´、2210B´´、2212A´´、及び、2212B´´も含む。基本アセンブリ2205´´は、異なるモジュールへの取り付けを介して、そこから異なるCSTDを組み付けることが可能な、中心構築物を形成している。モジュール2210A´´及び2210B´´は、どのクリップモジュールが選ばれるのかに依存して、基本アセンブリ2205´´が異なるサイズの容器に接続することを可能にする、互換性のクリップモジュール2210´´である。モジュール2212A´´及び2212B´´は、どの通気モジュールが選ばれるのかによって、CSTD内の圧力が或る特定の方式で均等化されることを可能にする、互換性の通気モジュール2212´´である。
【0311】
基本アセンブリ2205´´は、1つのクリップモジュール2210´´及び1つの通気モジュール2212´´と接続してCSTDを形成するように構成されている。したがって、この例における、組み付けられたCSTDは、基本アセンブリ2205´´と、1つのクリップモジュール2210´´と、1つの通気モジュール2212´´と、から成ることができる。バイアルスパイク2220´´は、モジュール2210A´´及びモジュール2210B´´のいずれかに接続することができ、気体交換ユニット280は、モジュール2212A´´かモジュール212Bのいずれかに接続することができる。基本アセンブリ2205´´は、CSTDが第1の流体貯槽及び第2の流体貯槽に接続された後における、CSTDを経由した液体及び気体の両方の流れを管理する。
【0312】
この実施形態による基本アセンブリは、モジュラーシステム2100´´内のコンポーネント及び特徴と同じ又は同様のコンポーネント及び特徴を用いて、製造することができる。したがって、基本アセンブリ2205´´のコンポーネント及び特徴のうちのいくつかは、それらのコンポーネント及び特徴が、基本アセンブリ2105´´内の同じコンポーネント及び特徴であること、又は、それらのコンポーネント及び特徴と実質的に同様であること、が可能であるという理解の下、簡潔性を得るために記載されない。
【0313】
バイアルスパイク2220´´は、第1の流体貯槽内の液体が、封止された環境内で第2の流体貯槽に進むことを可能にする移注ライン2270´´を形成している。気体交換ユニット2280´´は、バイアルスパイク2220´´が第1の流体貯槽及び第2の流体貯槽に接続された後にCSTD内の圧力を均等化する通気ライン2260´´の一部を形成している。移注ライン2270´´及び通気ライン2260´´は、互いから物理的に分離されている。
【0314】
基本アセンブリ2205´´は、バイアルスパイク2220´´及び気体交換ユニット2280´´の頂部の上方に取り付け可能な外付け筐体2206´´も含む。バイアルスパイク2220´´は、流体通路2227A´´を規定しているドライブレイクカップリング2260´´を特徴として有する。ドライブレイクカップリング2260´´は、第1の流体貯槽からのバイアルスパイクの結合又は結合解除中に、CSTDから液体又は蒸気が放出されることを防止する。ドライブレイクカップリング2260´´は、流体通路2227A´´を規定している円筒形の本体2227´´を有する。流体通路2227A´´は、移注ライン2270´´の一部を形成している。流体通路2227A´´内には、隔壁2228´´が搭載されている。隔壁2228´´は、第1の流体貯槽上の好適なカップリングと組み合わせて作用して、封止接続を形成する。
【0315】
気体交換ユニット2280´´は、第1の開放端2282A´´及び第2の開放端2282B´´を備えた円筒形の本体2282´´を有する。
図64及び
図66を参照すると、本体2282´´の内部は、移注ライン2270´´の一部を形成している。また、本体2282´´の内部は、移注ライン2270´´から封止されているとともに移注ライン2270´´から流体分離した気体交換通路2283´´も形成している。気体交換通路2283´´は、通気ライン2260´´のセクションを形成しており、第1のポート2281´´を経由して本体2282´´に入る。
【0316】
戻って
図62を参照すると、第1の開放端2282A´´及び第2の開放端2282B´´は、通気モジュール2212A´´と、又は代替的に、通気モジュール2212B´´と、接続するように構成されている。気体交換通路2283´´を経由した気体の流れは、変えられるとともに、通気モジュール2212´´のうちのどちらが気体交換ユニット2280´´に接続されるのかに依存する。通気モジュール2212A´´は、気体交換ユニット2280´´を、CSTDからの有害気体を大気に吐出する前に当該気体を濾過する、フィルタユニットに変換する。通気モジュール2212B´´は、気体交換ユニット2280´´を、CSTDの内側において有害気体を保持するとともに当該気体が大気に放出されることを防止する、気体貯蔵ユニットに変換する。この配置において、通気モジュール2212A´´及び2212B´´は、基本アセンブリ2205´´と協働してCSTD内における有害気体及び換気を管理するための2つの異なるオプションをもたらす、互換性のサブアセンブリをもたらす。
【0317】
図63は、通気モジュール2212A´´のコンポーネントを示しており、
図64は、通気モジュール2212A´´が設置された状態の、気体交換ユニット2280の内部を示している。通気モジュール2212A´´は、気体交換ユニット2280´´の内側において第1のポート2281´´の上方に位置決めされた疎水性空気フィルタ2262´´を含む。第1の貯槽から気体交換通路2283´´に入った気体は、疎水性空気フィルタ2262´´によって直ちに濾過される。矢印A1により、疎水性空気フィルタ2262´´を経由した気体の流れを示す。通気モジュール2212A´´は、第1の開放端2282A´´を気密配置において閉鎖して、気体が第1の開放端から出ることを防止する、カバー2263´´も含む。気体交換ユニット2280´´に入った気体は、矢印A2に表されるように、空気フィルタ2262´´を通過して、気体交換通路2283´´の内側において、第2の開放端2282B´´に向けて流れる。
【0318】
第2の開放端2282B´´は、空気フィルタ2262´´を通過する気体からの毒素を受容及び濾過するフィルタ筐体2265´´を形成している。通気モジュール2212A´´は、フィルタケース2269A´´と、フィルタキャップ2269B´´と、活性炭フィルタ2266´´と、を含む。フィルタケース2269A´´は、第2の開放端2282B´´内において、フィルタ筐体2265´´内へ挿入可能である。活性炭フィルタ2266´´は、フィルタケース2269A´´が第2の開放端2282B´´内へ挿入された後に当該フィルタケース内へ挿入することができる、ディスク形状のフィルタ媒体である。フィルタキャップ2269B´´は、活性炭フィルタ2266´´がフィルタケース2269A´´内に受容された後に、当該フィルタケースへの接着、当該フィルタケース上へのスナップ、又はさもなければ、当該フィルタケースへの取り付け、が行われて、気体交換ユニット2280´´の内側に活性炭フィルタを保持及び保護することができる。
【0319】
フィルタケース2269A´´及びフィルタキャップ2269B´´は、気体交換ユニット2280´´の内部に向けて位置決めされた第1の開口部2269C´´と、気体交換ユニットの外部に隣接する第2の開口部2269D´´と、を形成している。動作中に、空気フィルタ2262から受容された気体は、矢印A3により示されるように、第1の開口部2269C´´を経由してフィルタケース2269A´´に入る。ここから、気体は、活性炭フィルタ2266´´を経由して横に流れ、活性炭フィルタ2266´´において、当該気体は、毒素を除去するために濾過される。濾過された気体はその後、活性炭フィルタ2266´´から出て、フィルタケース2269A´´から第2の開口部2269D´´を経由して吐出され、第2の開口部2269D´´において、当該気体は、矢印A4により示されるように、大気に放出される。
【0320】
気体交換通路2283´´は、通気モジュール2212A´´が気体交換ユニット2280´´と共に使用されるときに、通気ライン2260´´用の二方向換気路をもたらす。つまり、気体交換通路2283´´は、上で注記したように、気体が活性炭フィルタ2266´´を経由して濾過されることと、大気に放出されることと、を可能にする。加えて、気体交換通路2280´´は、矢印A5が表すように、大気からの空気が第2の開口部2269D´´を経由して入ることと、第1のポート2281´´内へ流れ込むことと、を可能にし、その後、空気は、通気ライン2260´´内へ進んで、CSTDに接続された2つの貯槽間において流体の移注が可能になるようにCSTD内の圧力を均等化する。
【0321】
図65は、通気モジュール2212B´´のコンポーネントを示しており、
図66は、通気モジュール2212B´´が設置された状態の、気体交換ユニット2280´´の内部を示している。通気モジュール2212B´´は、一方向逆止弁2272´´と、疎水性空気フィルタ2273´´と、膨張可能貯槽、障壁、又は、貯槽2274´´と、アダプタ2275´´と、を含む。アダプタ2275´´は、第2の開放端2282B´´内へ挿入されるように構成されている。アダプタ2275´´が気体交換ユニット2280´´に接続されると、筒状ステム2275A´´が、第2の開放端2282B´´から外方に突出する。この配置において、貯槽2274´´は、膜を気体交換ユニット2280´´に接続するように、ステム2275A´´に取り付け可能である。
【0322】
第1の開放端2282A´´は、図示されるように、疎水性空気フィルタ2273´´及び逆止弁2272´´を受容するように構成されている。疎水性空気フィルタ2273´´は、疎水性空気フィルタ2262´´と同様に、第1のポート2281´´(
図64に図示)の上方に接続している。この点に関し、疎水性空気フィルタ2273´´は、疎水性空気フィルタ2262´´と同一であることが可能である。第1の貯槽から気体交換通路2283´´に入った有害気体は、疎水性空気フィルタ2273´´によって直ちに濾過される。矢印B1により、疎水性空気フィルタ2262´´を経由した気体の流れを示す。逆止弁2272´´は、大気からの空気が気体交換ユニット2280´´に入ることは可能にするものの、気体が気体交換ユニットから出ることを防止する、一方向弁である。したがって、第1のポートから気体交換通路2283´´に入った有害気体は、第1の開放端2282A´´から出ることが防止され、むしろ、矢印B2により示されるように、第2の開放端2282B´´に向けて方向付けられる。ここから有害気体は、矢印B3により示されるように、筒状ステム2275A´´を通過して障壁2274´´内へ進み、障壁2274´´において、当該気体は、封止された環境内で捕集される。
【0323】
逆止弁2272´´は、開放されて、大気からの空気が気体交換ユニット2280´´に入ることと、通気ライン2260´´内へ流れ込むことと、を可能にして、CSTD内の圧力を均等化するように構成されている。また、逆止弁2272´´は、第1のポート2281´´から気体交換通路内に有害気体が入るときといった、気体交換通路2283´´内の正圧に応じて、閉鎖されるようにも構成されている。このことは、有害気体が逆止弁を経由して大気に漏れることを防止する。
【0324】
貯槽2274´´は、第2の開放端2282B´´に接続して、貯槽2174´´と同様の拡張可能貯蔵バルーンを形成するように構成されている。この配置において、貯槽2274´´は、通気ライン2260´´から気体交換ユニット2280´´に入る気体を収集するように構成されている。また、貯槽2274´´は、CSTD内の圧力の低下時に、貯蔵された気体を気体交換通路2283´´及び通気ライン2260´´内へ吐出して、圧力を釣り合わせるようにも構成されている。貯槽2274´´が気体を収集すると、膜が拡張して、有害気体が貯槽の一方から放出されているとともにCSTDの内側において貯蔵されている、という視認可能な標識又は警告をもたらす。貯槽2274´´が気体を吐出すると、膜が折り畳まれて、圧力がCSTD内において均等化されているという視認可能な標識又は警告をを生じる。よって、例えば、スパイクコネクタ2230´´によって突き通された後に、バイアルから気体が放出されると、気体は、バイアルスパイク2220´´を経由して気体交換ユニット2280´´内へ進行する。気体は、気体交換ユニット2280´´の内側に一旦入ると、筒状ステム2275A´´を経由して流れ、貯槽2274´´によって捕集及び収集される。捕集された気体は、CSTD内に圧力低下が発生するまで、貯槽2274´´内に貯蔵されたままであることができる。CSTD内において圧力低下が発生すると、貯槽2274´´内に貯蔵された気体が、気体交換通路2283´´及び通気ライン2260´´内へ放出されて、圧力を釣り合わせる。圧力の釣り合わせに追加的な気体が必要とされる場合、逆止弁2272´´は、CSTDの外側の空気が気体交換ユニット2280´´及び通気ライン2260´´内へ流れ込むことを可能にして、圧力を釣り合わせるように構成されている。
【0325】
クリップモジュール2210A´´及び2210B´´は、クリップモジュール2110A´´及び2110B´´と同等である。したがって、モジュール2210A´´は、13から20mmバイアルに接続するように設計されており、クリップモジュール2210B´´は、32mmバイアルに接続するように設計されている。各クリップモジュールの選択は、どの通気モジュールが使用されるのかとは無関係に行うことができ、逆の場合も同様である。
【0326】
図67から
図84を参照すると、バイアルアダプタを特徴として有するモジュラーCSTD2100の別の例が示されている。モジュラーCSTD2100は、
図52から
図61に示されるモジュラーシステム2100´´内において組み付けることが可能なCSTDと同様である。モジュラーCSTD2100の多くの特徴は、モジュラーシステム2100´´の特徴と同一又は実質的に同様であり、簡潔性を得るために記載されない。
【0327】
モジュラーCSTD2100は、
図70に示されるように、コア又は「基本アセンブリ」2105を含む。基本アセンブリ2105は、2つの互換性のクリップモジュール及び2つの互換性の通気モジュールに接続することができる。モジュラーCSTD2100内の基本アセンブリ2105は、モジュラーCSTD2100´´とは異なり、3つのコンポーネント、即ち、バイアルスパイク2120と、気体交換ユニット2180と、モジュラーアダプタ2800と、を含む。
【0328】
モジュラーアダプタ2800は、第1の端2812及び第2の端2814を有する外付け筐体2810を含む。第1の端2812は、バイアルクリップ2900に取り付き、第2の端2814は、注射器アダプタを受容するように適合されている。モジュラーアダプタ2800は、第1の端2822及び第2の端2824を有するアダプタ部材2820も含む。第1の端2822は、バイアルスパイク2120上のカップリング2260を受容するように構成されたソケット2823を有する。アダプタ部材2820の第2の端2824内には、隔壁2830が設けられている。第2の端2824及び隔壁2830は、注射器アダプタが外付け筐体2810の第2の端2814内へ挿入されると、バイアルスパイク2120と注射器アダプタとの間でドライブレイクカップリングを形成するように構成されている。
【0329】
外付け筐体2810の第2の端2814は、注射器アダプタが第2の端に入るのに伴い、注射器アダプタをモジュラーアダプタ2800を基準として中心決めするように構成されている。外付け筐体2810の内側の幾何学的形状は、注射器アダプタの隔壁を、アダプタ部材2820内の隔壁2830と整列させて維持している。したがって、外付け筐体2810は、注射器アダプタの挿入中における位置を制御する、中心決め機構又はガイドとして働く。
【0330】
モジュラーアダプタ2800は、活性フィルタ筐体か膨張可能膜のいずれかを特徴として有する通気モジュールと協働するように構成されている。
図70を参照すると、外付け筐体2810は、各タイプの通気モジュールを収める開口部2816を有する。CSTD2100に活性フィルタ筐体が装着されると、開口部2816は、濾過された気体がCSTDから出ることを可能にする排出ポートと、大気からの空気がCSTD内へ入ることを可能にして圧力を均等化する換気ポートと、の両方として働く。CSTD2100に膨張可能膜が装着されると、開口部2816は、膨張可能膜が外付け筐体2810の内側において気体交換ユニット2180内へプラグ接続されることを可能にする通路をもたらす。
【0331】
モジュラーアダプタ2800は、
図37及び
図47に示されるバイアルスパイクといった、他のバイアルアダプタのコンポーネントと協働することができる。このようなケースにおいては、ドライブレイクカップリングを形成するための隔壁が、アダプタ部材2820内に位置付けられており、バイアルスパイク内には位置付けられていない。
【0332】
基本アセンブリ2105は、その周囲において異なるCSTDを組み付けることが可能な、中心構築物を形成している。基本アセンブリ2105は、一度に1つのクリップモジュールと、一度に1つの通気モジュールと、に接続して、CSTDを形成するように構成されている。したがって、組み付けられたCSTDは、1つのクリップモジュールと、1つの通気モジュールと、に接続された基本アセンブリ2105から成ることができる。
【0333】
基本アセンブリ2105は、CSTDが第1の流体貯槽及び第2の流体貯槽に接続された後における、CSTDを経由した液体及び気体の両方の流れを管理する。バイアルスパイク2120は、第1の流体貯槽内の液体が、封止された環境内で第2の流体貯槽に進むことを可能にする移注通路を形成している。気体交換ユニット2180は、バイアルスパイク2120が第1の流体貯槽及び第2の流体貯槽に接続された後にCSTD内の圧力を均等化する通気通路の一部を形成している。移注通路及び通気通路は、互いから物理的に分離されている。
【0334】
図68及び
図69を参照すると、アダプタ部材2820は、注射器に流体接続するように構成された第1のコネクタ2123を形成している。バイアルスパイク2120の遠位端2124は、バイアルといった第2の流体貯槽に流体接続するように構成された第2のコネクタ2125を形成している。バイアルスパイク2120が、それぞれ、第1の流体貯槽及び第2の流体貯槽と流体連通して一旦接続されると、バイアルスパイクは、第1の流体貯槽と第2の流体貯槽との間に、閉鎖した流体通路又は移注ラインを形成する。移注ラインは、第1の流体貯槽と第2の流体貯槽との間において、環境内への有害薬剤の放出を防止する、封止された様態で、液体が移注されることを可能にする。
【0335】
第2のコネクタ2125は、円筒形のプロファイル2132と、尖端2134と、を有するスパイクコネクタ2130である。スパイクコネクタ2130は、CSTDを経由して液体及び気体を搬送する別個の流体通路を有する。バイアルスパイク2120は、液体及び気体がCSTD内において流れるための連絡通路を形成する二部構成の筐体2140を有する。筐体2140は、アダプタ部材2820に隣接するとともにアダプタ部材2820と流体接続された、第1の筐体部分2142を含む。また、筐体2140は、スパイクコネクタ2130に隣接するとともスパイクコネクタ2130と流体接続された、第2の筐体部分2144も含む。
【0336】
第1の筐体部分2142は、第1のカバー片2143を有し、第2の筐体部分2144は、第2のカバー片2145を有する。第2のカバー片2145は、第1のカバー片2143と接続して、第1の筐体部分2142及び第2の筐体部分2144を共に接合するように構成されている。第1のカバー片2143及び第2のカバー片2145は、指止め又は指レストとして機能する拡大フランジセクションを形成して、装置が保留されたときに、より多くの快適性をもたらす。
【0337】
第1のカバー片2143及び第2のカバー片2145は、第1の筐体部分2142と第2の筐体部分2144との間に、狭い間隙、空隙、又は、空間2141も形成している。リング形状のリップ部分2147が、第1のカバー片2143の周辺部の周囲に延在するとともに、第1の筐体部分2142から突出している。リング形状の壁部分2148が、第2のカバー片2145の周辺部の周囲に延在して、リング形状のリップ部分2147よりもサイズが僅かに大きなレセプタクルを形成している。リング形状の壁部分2148は、リング形状のリップ部分2147を受容して、第1の筐体部分2142を、噛み合わされ且つ封止された配置において第2の筐体部分2144に接合するように適合されている。
【0338】
第1のカバー片2143及び第2のカバー片2145は、第1のカバー片及び第2のカバー片が共に噛み合わされると仕切り壁2149によって分離される、第1のチャンバ2152及び第2のチャンバ2154を生じる。第1のカバー片2143及び第2のカバー片2145は、これらのチャンバをバイアルスパイク2120の外部から流体密封様態で完全に封鎖及び封止するように、互いに接続されている。さらに、第1のカバー片2143及び第2のカバー片2145は、2つのチャンバを互いから封止するように、互いに接続されている。
【0339】
図72を参照すると、スパイクコネクタ2130は、第1の通路2136と、第1の通路に対して平行に延在する第2の通路2138と、を有する。バイアルスパイク2120が完全に組み付けられると、第1の通路2136は、第1のチャンバ2152と流体接続するものの、第2のチャンバ2154とは流体接続しない。加えて、第2の通路2138は、第2のチャンバ2154に流体接続するものの、第1のチャンバ2152には流体接続しない。第1の通路2136は、スパイクコネクタ2130の全長にわたって延在し、尖端2134から出るが、尖端2134において、第1の通路2136は、第1の開口部2137を形成している。第2の流体通路2138もまた、スパイクコネクタ2130の全長にわたって延在し、尖端2134から出るが、尖端2134において、第2の流体通路2138は、第2の開口部2139を形成している。第1のチャンバ2152は、第1の筐体部分2142内において、通気通路2156に流体接続している。第2のチャンバ2154は、カップリング2260内において流体通路2127に流体接続している。この配置において、第1の通路2136は、外側大気圧を用いてモジュラーCSTD2100内の圧力を均等化する通気ライン2160の一部を形成する一方で、第2の通路2138は、第1の流体貯槽と第2の流体貯槽との間で液体を移注するための移注ライン2170の一部を形成している。通気ライン2160及び移注ライン2170は、CSTD内において互いから封止されており、それにより、通気ライン2160内で移送される気体は、移注ライン2170に入らず、且つ、移注ライン内で移送される液体は、通気ラインに入らない。
【0340】
モジュラーCSTD2100内の各チャンバは、それぞれのラインの各々に専用のフィルタ材料又はフィルタコンポーネントを収容するように構成されている。
図70、
図74、
図79、及び、
図84の各々は、通気ライン2160内に据え付けるための疎水性フィルタコンポーネント2162のみを示している。認識されるであろうこととして、モジュラーCSTD2100は、移注ライン2170内に粒子フィルタを含むこともできる。
【0341】
通気ライン2160は、大気からの空気がCSTDに入ることを可能にする。疎水性フィルタ2162は、大気からの空気が疎水性フィルタを通過することを可能にするように構成されているが、一方で、空気中の液体及びエーロゾルが疎水性フィルタを通過することは可能にしない。このことは、大気からの汚染物質が、第1のチャンバ2152及び第1の通路2136を通過して第2の流体貯槽内へ進むことを防止する。このことはまた、第2の流体貯槽からの液体及びエーロゾルが、第1のチャンバ2152を越えていくことも、防止又は実質的に防止する。疎水性フィルタ2162は、0.2ミクロンの孔隙径を含むがこれに限定されない、任意の好適な孔隙径を有することができる。
【0342】
通気ライン2160は、第1の通路2136から、第1のチャンバ2152を経由して、第1の筐体部分2142内へ延在する。通気ライン2160は、第1の筐体部分2142から出て、側方ポート2163を経由して、気体交換ユニット2180内へ入っている。
【0343】
気体交換ユニット2180は、第1の筐体部分2142の1つの側面と、側方ポート2163の上方と、に接続する中空のシェル構造又は本体2182を有する。本体2182の内部は、通気ライン2160のセクションを形成する気体交換通路2181をもたらす。気体交換通路2181は、細長いソケット2186を経由して気体交換ユニット2180から出る。ソケット2186内の気体は、ポート2183を経由して本体2182から出て、本体の外部に至る。
【0344】
気体交換ユニット2180は、上で注記したように、異なる通気モジュールに接続するように構成されている。特に、気体交換ユニット2180は、CSTDからの有害気体が大気に吐出される前に当該気体を濾過する、フィルタユニットに接続することができる。代替的に、気体交換ユニット2180は、CSTDの内側において有害気体を保持するとともに、当該気体が大気に放出されることを防止する、気体貯蔵ユニットに接続することができる。この汎用性は、異なるCSTDが1つの基本アセンブリ設計を使用して製造され且つ組み付けられることを可能にし、先に注記したように、製造効率を増大させる。
【0345】
図67から
図74は、基本アセンブリ2105をフィルタユニットと組み合わせるモジュラーアセンブリを示している。
図70及び
図74を参照すると、フィルタユニットは、通気ライン2160内において有害気体を濾過するように設計された活性炭フィルタ2166を含む。プラグイン式レセプタクル2185は、活性炭フィルタ2166を受容するように適合されたフィルタ筐体を形成している。キャップ2169は、活性炭フィルタ2166がフィルタ筐体内に受容された後にプラグイン式レセプタクル2185を気密配置において閉鎖して、気体交換ユニット2180の内側に活性炭フィルタを保持及び保護する。動作中に、通気ライン2160内の有害気体は、気体交換通路2181内へ進み、活性炭フィルタ2166を通過するが、活性炭フィルタ2166において、有害気体は、毒素を除去するために濾過される。濾過された気体は、その後、フィルタ筐体から出て、細長いソケット2186を通過してポート2183に至る。そこから、気体は、外付け筐体2810における開口部2816を経由して流れ、大気に吐出される。
【0346】
気体交換通路2181は、フィルタユニットが気体交換ユニット2180と共に使用されるときに、通気ライン2160用の二方向換気路をもたらす。つまり、気体は、気体交換通路2181を経由して第1の方向に流れることができ、ここで気体は、上で記載されたように、活性炭フィルタ2166を経由して濾過されて、大気に放出される。加えて、気体交換通路2180は、大気からの空気が第2のポート2182を経由して入ることと、通気ライン2160を経由して第1の方向とは反対の第2の方向に流れることと、を可能にして、CSTD内の圧力を均等化する。
【0347】
本開示による活性炭フィルタは、様々な幾何学的形状を有することができる。本例において、活性炭フィルタ2166は、円筒形状のフィルタ媒体である。気体は、活性炭フィルタ2166の側方壁2167を経由して「横」方向に流れる。このことは、より長い流れ経路をもたらすことと、フィルタの全容積を利用した有害成分の濾過を保証することと、を行い、より多くの濾過の実施と、フィルタ容量の増大と、を可能にする。
【0348】
図75から
図84は、基本アセンブリ2105を膨張可能貯槽2174と組み合わせるモジュラーアセンブリを示している。膨張可能貯槽2174の膜部分は、
図47及び
図52に掲載されるもののような膜を取り付けることが可能であるという理解の下、明瞭性を得るために作図中では割愛されている。
【0349】
図79及び
図84を参照すると、通気モジュールは、逆止弁2172を含む。プラグイン式レセプタクル2185は、逆止弁2172に接続するとともに逆止弁2172を受容するように構成されている。逆止弁2172は、大気からの空気が気体交換ユニット2180に入ることを可能にするものの、気体が気体交換ユニットから出ることを防止する、一方向弁である。よって、逆止弁2172は、開放されて、大気からの空気が気体交換ユニット2180に入ることと、通気ライン2160内へ流れ込むことと、を可能にして、CSTD内の圧力を均等化するように構成されている。また、逆止弁2172は、貯槽から気体交換通路内への有害気体の放出時といった、気体交換通路2181内の正圧に応じて、閉鎖されるようにも構成されており、有害気体が逆止弁を経由して大気に漏れることを防止する。
【0350】
貯槽2174は、気体交換ユニット2180上のポート2183に接続して、気体の貯蔵用の拡張可能バルーンを形成するように構成されている。
図78、
図79、
図83、及び、
図84を参照すると、貯槽2174は、貯槽内に入る及び貯槽から出る通路を規定している中空の筒状ステム2176を有する。筒状ステム2176は、外付け筐体2810における開口部2816を経由して挿入されるとともに、ソケット2186内へプラグ接続されて、貯槽2174を気体交換ユニット2180に接続することが可能である。この配置において、貯槽2174は、通気ライン2160から気体交換ユニット2180に入る気体を収集するように構成されている。また、貯槽2174は、CSTD内の圧力低下時に、貯蔵された気体を気体交換通路2181及び通気ライン2160内へ吐出して、圧力を釣り合わせるようにも構成されている。貯槽2174が気体を収集すると、膜が拡張して、有害気体が貯槽の一方から放出されているとともにCSTDの内側において貯蔵されている、という視認可能な標識又は警告をもたらす。貯槽2174が気体を吐出すると、膜が折り畳まれて、圧力がCSTD内で均等化されている、という視認可能な標識又は警告を生じる。
【0351】
スパイクコネクタ2130によって突き通された後に、バイアルから気体が放出されると、気体は、バイアルスパイク2120を経由して気体交換ユニット2180内へ進行する。気体は、気体交換ユニット2180の内側に一旦入ると、プラグイン式レセプタクル2185を経由して流れ、貯槽2174によって捕集及び収集される。捕集された気体は、CSTD内に圧力低下が発生するまで、貯槽2174内に貯蔵されたままであることができる。CSTD内において圧力低下が発生すると、貯槽2174内に貯蔵された気体が、気体交換通路2181及び通気ライン2160内へ放出されて、圧力を釣り合わせる。圧力の釣り合わせに追加的な気体が必要とされる場合、逆止弁2172は、CSTD2100の外側の空気が第1の筐体部分2142内へ流れ込むことを可能にして、圧力を釣り合わせるように構成されている。
【0352】
図67、
図71、
図75、及び、
図80は、モジュラーシステム2100内における異なるモジュールを使用して組み付けることが可能な4つの異なるCSTDを示している。
図67及び
図75のCSTDは、13から20mmバイアルに接続するように設計されたバイアルクリップ2900Aを有する。
図71及び
図80のCSTDは、32mmバイアルに接続するように設計されたバイアルクリップ2900Bを有する。認識されるであろうこととして、本開示によるモジュラーシステムは、他のタイプの容器だけではなく、任意のバイアルサイズ又はサイズの範囲に接続するように設計された、他のクリップモジュールを含むことができる。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖システム移注装置であって、
第1の貯槽に取り付くように構成された第1のアダプタであって、第1の通路を規定しており、前記第1の通路の端を封止する第1の隔壁を備える前記第1のアダプタと、
第2の貯槽に取り付くように構成された第2のアダプタであって、内部を有する筐体を備えており、前記筐体が第2の通路を規定しており、前記第2の通路の端を封止する第2の隔壁を備える前記第2のアダプタと、
前記第2のアダプタの前記内部において移動可能であるキャリアであって前記第2の隔壁の少なくとも一部分を収容するチャンバを規定している前記キャリアと、
前記第2のアダプタの前記内部内に配設された針であって、針開口部を有する前記針と、を備えており、
前記第2のアダプタの前記内部は、前記第1のアダプタを嵌合様態で受容するように適合されており、前記第1のアダプタは、前記第2のアダプタへ挿入可能であり、
前記キャリアは、前記第1のアダプタが前記第2のアダプタ内へ挿入されると、前記第2のアダプタの前記内部において前記針を基準として、前記第1のアダプタによって変位可能であり、
前記キャリアは、前記第2のアダプタ内において、前記第1の隔壁が前記第2の隔壁に当接しているとともに前記針開口部が前記第2の通路の内側において封止されている第1の位置と、前記第1の隔壁が前記第2の隔壁に当接しているとともに前記針開口部が前記第1の通路と流体連通して前記第1のアダプタ及び前記第2のアダプタを流体経路開放状態において接続する第2の位置と、の間で変位可能である、閉鎖システム移注装置。
【請求項2】
前記第1のアダプタが前記第2のアダプタ内へ挿入された後に、前記第2のアダプタの内側において前記第1のアダプタをロックする解除可能ロックを備える、請求項1に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項3】
前記解除可能ロックは、前記キャリアが前記第2の位置に変位されると前記第2のアダプタの内側において前記第1のアダプタをロックする、請求項2に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項4】
前記解除可能ロックは、前記キャリア上の第1のロッキング要素と、前記筐体内の第2のロッキング要素と、を備える、請求項
2に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項5】
前記解除可能ロックは、前記第1のアダプタ上の第1のロッキング要素と、前記第2のアダプタ上の第2のロッキング要素と、を備える、請求項
2に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項6】
前記解除可能ロックは、前記筐体の少なくとも1つの側面を径方向内方に押圧することによって解除される、請求項
2に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項7】
前記筐体の前記少なくとも1つの側面は、少なくとも1つの押しボタンを備える、請求項6に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの押しボタンは、前記筐体のセクションから前記キャリアの一部分を係合解除するように、径方向内方に押し下げ可能である、請求項7に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項9】
前記第2のアダプタは、前記第2の隔壁から軸方向に離間させた第3の隔壁を備える、請求項
1に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項10】
前記針開口部は、前記キャリアが前記第1の位置にあるときに前記第2の隔壁と前記第3の隔壁との間で封止されている、請求項
9に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項11】
前記第2のアダプタの前記筐体に
接続される雌ルアーコネクタをさらに備える、請求項
1に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項12】
前記筐体は、前記第1の位置及び前記第2の位置の一方において前記キャリアを保持するように構成された
少なくとも1個のロッキング窓を規定しており、前記キャリアが前記第1の位置及び前記第2の位置の前記一方にあることを視覚的に確認するように、前記キャリアの少なくとも一部分が前記
少なくとも1個のロッキング窓を経由して視認可能である、請求項
1に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項13】
前記第1のアダプタは、雄ルアーコネクタ又はバイアルスパイクを備える、請求項
1に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項14】
前記第1のアダプタ及び前記第2のアダプタは、矩形である、請求項
1に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項15】
前記針は、前記
雌ルアーコネクタの内部内に固定されている、請求項
11に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項16】
前記解除可能ロックは、前記キャリア上において第1のロッキング要素と、前記第1のアダプタ上において第2のロッキング要素と、を備える、請求項
2に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項17】
前記解除可能ロックは、前記筐体の少なくとも1つの側面を径方向内方に押圧することによって解除される、請求項
16に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項18】
前記筐体の前記少なくとも1つの側面は、押しボタンを備える、請求項
17に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項19】
前記少なくとも1個のロッキング窓は、前記筐体を通じて延びる一対の第1のロッキング窓を備え、
前記一対の第1のロッキング窓は、前記キャリアの一対のラグにロックする様態で係合して、前記キャリアを前記第1の位置に保持するように構成されている、請求項12に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項20】
前記少なくとも1個のロッキング窓は、前記筐体を通じて延びる一対の第2のロッキング窓をさらに備え、
前記一対の第2のロッキング窓は、前記キャリアの前記一対のラグにロックする様態で係合して、前記キャリアを前記第2の位置に保持するように構成されている、請求項19に記載の閉鎖システム移注装置。
【請求項21】
前記一対のラグは、前記閉鎖システム移注装置の外側から前記第1のロッキング窓と前記第2のロッキング窓を通じて視認可能であり、前記キャリアの位置及び前記閉鎖システム移注装置の動作状態の視認可能な標識を提供する、請求項20に記載の閉鎖システム移注装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0352
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0352】
図67、
図71、
図75、及び、
図80は、モジュラーシステム2100内における異なるモジュールを使用して組み付けることが可能な4つの異なるCSTDを示している。
図67及び
図75のCSTDは、13から20mmバイアルに接続するように設計されたバイアルクリップ2900Aを有する。
図71及び
図80のCSTDは、32mmバイアルに接続するように設計されたバイアルクリップ2900Bを有する。認識されるであろうこととして、本開示によるモジュラーシステムは、他のタイプの容器だけではなく、任意のバイアルサイズ又はサイズの範囲に接続するように設計された、他のクリップモジュールを含むことができる。
本明細書に開示の技術の態様を列挙する。
(態様1)
閉鎖システム移注装置であって、
第1の貯槽に取り付くように構成された第1のアダプタであって、第1の通路を規定しており、前記第1の通路の端を封止する第1の隔壁を備える前記第1のアダプタと、
第2の貯槽に取り付くように構成された第2のアダプタであって、内部を有する筐体を備えており、前記筐体が第2の通路を規定しており、前記第2の通路の端を封止する第2の隔壁を備える前記第2のアダプタと、
前記第2のアダプタの前記内部において移動可能であるキャリアであって前記第2の隔壁の少なくとも一部分を収容するチャンバを規定している前記キャリアと、
前記第2のアダプタの前記内部内に配設された針であって、針開口部を有する前記針と、を備えており、
前記第2のアダプタの前記内部は、前記第1のアダプタを嵌合様態で受容するように適合されており、前記第1のアダプタは、前記第2のアダプタへ挿入可能であり、
前記キャリアは、前記第1のアダプタが前記第2のアダプタ内へ挿入されると、前記第2のアダプタの前記内部において前記針を基準として、前記第1のアダプタによって変位可能であり、
前記キャリアは、前記第2のアダプタ内において、前記第1の隔壁が前記第2の隔壁に当接しているとともに前記針開口部が前記第2の通路の内側において封止されている第1の位置と、前記第1の隔壁が前記第2の隔壁に当接しているとともに前記針開口部が前記第1の通路と流体連通して前記第1のアダプタ及び前記第2のアダプタを流体経路開放状態において接続する第2の位置と、の間で変位可能である、閉鎖システム移注装置。
(態様2)
前記第1のアダプタが前記第2のアダプタ内へ挿入された後に、前記第2のアダプタの内側において前記第1のアダプタをロックする解除可能ロックを備える、態様1に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様3)
前記解除可能ロックは、前記キャリアが前記第2の位置に変位されると前記第2のアダプタの内側において前記第1のアダプタをロックする、態様2に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様4)
前記解除可能ロックは、前記キャリア上の第1のロッキング要素と、前記筐体内の第2のロッキング要素と、を備える、態様2又は3に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様5)
前記解除可能ロックは、前記第1のアダプタ上の第1のロッキング要素と、前記第2のアダプタ上の第2のロッキング要素と、を備える、態様2から4のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
(態様6)
前記解除可能ロックは、前記筐体の少なくとも1つの側面を径方向内方に押圧することによって解除される、態様2から5のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
(態様7)
前記筐体の前記少なくとも1つの側面は、少なくとも1つの押しボタンを備える、態様6に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様8)
前記少なくとも1つの押しボタンは、前記筐体のセクションから前記キャリアの一部分を係合解除するように、径方向内方に押し下げ可能である、態様7に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様9)
前記キャリアの前記一部分は、少なくとも1つのロッキングラグを備えており、前記筐体の前記セクションは、前記筐体の内側において少なくとも1つのロッキングランプを備える、態様8に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様10)
前記少なくとも1つの押しボタンは、前記第2のアダプタのセクションから前記第1のアダプタの一部分を係合解除するように、径方向内方に押し下げ可能である、態様7に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様11)
前記第1のアダプタの前記部分は、少なくとも1つのフランジを備えており、前記第2のアダプタの前記セクションは、前記少なくとも1つの押しボタンに取り付けられた少なくとも1つの保持クリップを備える、態様10に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様12)
前記解除可能ロックは、前記第1のアダプタを基準として前記第2のアダプタを回転させることによって解除される、態様2又は3に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様13)
前記第2のアダプタは、前記第2の隔壁から軸方向に離間させた第3の隔壁を備える、態様1から12のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
(態様14)
前記針開口部は、前記キャリアが前記第1の位置にあるときに前記第2の隔壁と前記第3の隔壁との間で封止されている、態様13に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様15)
前記第2の隔壁は、前記キャリア内に少なくとも部分的に収容されたピストンヘッドと、折り畳み可能中央セクションと、を有するピストンを備える、態様1から12に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様16)
前記ピストンの前記折り畳み可能中央セクションは、中空コアを規定しており、前記針は、前記中空コアの内側において少なくとも部分的に収容されている、態様15に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様17)
前記第2のアダプタの前記筐体に回転可能に搭載された雌ルアーコネクタをさらに備える、態様1から16のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
(態様18)
前記雌ルアーコネクタは、前記第2の貯槽上におけるねじ山付き接続部と噛み合うように構成されたねじ山を備える、態様17に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様19)
前記筐体は、前記第1の位置及び前記第2の位置の一方において前記キャリアを保持するように構成されたロッキング窓を規定しており、前記キャリアが前記第1の位置及び前記第2の位置の前記一方にあることを視覚的に確認するように、前記キャリアの少なくとも一部分が前記ロッキング窓を経由して視認可能である、態様1から18のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
(態様20)
前記第1のアダプタは、雄ルアーコネクタ又はバイアルスパイクを備える、態様1から18のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
(態様21)
前記第1のアダプタ及び前記第2のアダプタは、矩形である、態様1から20のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
(態様22)
前記第1のアダプタ及び前記第2のアダプタは、円筒形である、態様1から21のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
(態様23)
前記針は、前記第2のアダプタの前記内部内に固定されている、態様1から22のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
(態様24)
前記解除可能ロックは、前記キャリア上において第1のロッキング要素と、前記第1のアダプタ上において第2のロッキング要素と、を備える、態様2又は3に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様25)
前記解除可能ロックは、前記筐体の少なくとも1つの側面を径方向内方に押圧することによって解除される、態様24に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様26)
前記筐体の前記少なくとも1つの側面は、押しボタンを備える、態様25に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様27)
前記押しボタンは、前記キャリアのセクションから前記筐体の一部分を係合解除するように、径方向内方に押し下げ可能である、態様26に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様28)
前記キャリアの前記セクションは、少なくとも1つのロッキング開口を備えており、前記筐体の前記部分は、少なくとも1つのデテントを備える、態様27に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様29)
前記解除可能ロックは、前記筐体の壁におけるスロットを経由して延在するロッキングアームを備える、態様24から27のいずれか一項に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様30)
前記ロッキングアームは、少なくとも1つのヒンジ上において前記スロット内に旋回式に搭載されている、態様29に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様31)
前記第2のアダプタの内側において前記第1のアダプタをロックするロッキング位置と、前記第2のアダプタから前記第1のアダプタが取り外されることを許容する解除位置と、の間で、前記ロッキングアームが前記スロット内に旋回式に搭載されている、態様29に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様32)
前記ロッキングアームは、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに前記筐体の前記壁から径方向外方に突出する第1の端を備える、態様31に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様33)
前記第1の端は、ボタンを備える、態様32に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様34)
前記ロッキングアームは、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに前記筐体の前記壁から径方向内方に突出する第2の端を備える、態様31から33のいずれか一項に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様35)
前記第2の端は、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに前記キャリアに係合するデテントを備える、態様34に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様36)
前記デテントは、ランプ付き面及び当接面を備える、態様35に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様37)
前記キャリアは、前記キャリアが前記第2の位置にあるときであって、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに、前記デテントを受容するように適合されたロッキング開口を備える、態様36に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様38)
前記ロッキング開口は、前記キャリアが前記第2の位置にあるときであって、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに、前記デテントの前記当接面に係合して前記第2の位置から出る前記キャリアの変位を防止する当接縁を備える、態様37に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様39)
前記第2のアダプタは、前記第2の隔壁から軸方向に離間させた第3の隔壁を備える、態様24から38のいずれか一項に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様40)
前記針開口部は、前記キャリアが前記第1の位置にあるときに前記第2の隔壁と前記第3の隔壁との間で封止されている、態様39に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様41)
前記第1のアダプタは、雄ルアーコネクタ又はバイアルスパイクを備える、態様24から40のいずれか一項に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様42)
閉鎖システム移注装置であって、
第1の貯槽に取り付くように構成された第1のアダプタであって、第1の通路を規定しており、且つ、前記第1の通路の端を封止する第1の隔壁を備える前記第1のアダプタと、
第2の貯槽に取り付くように構成された第2のアダプタであって、内部を有する筐体を備えており、前記筐体が第2の通路を規定しており、前記第2の通路の端を封止する第2の隔壁を備える前記第2のアダプタと、
前記第2のアダプタの前記内部内において移動可能であるとともに、前記第2の隔壁に取り付けられるキャリアと、
前記第2のアダプタの前記内部内に固定された針であって、針開口部を有する前記針と、を備えており、
前記第1のアダプタの前記内部は、前記第2のアダプタを嵌合様態で受容するように適合されており、
前記キャリアは、前記第2のアダプタが前記第1のアダプタ内へ挿入されると、前記第2のアダプタの前記内部内において前記針を基準として、前記第1のアダプタの内側部分によって変位可能であり、
前記キャリアは、前記第2のアダプタ内において、前記第1の隔壁が前記第2の隔壁に当接しているとともに前記針開口部が前記第2の通路の内側において封止されている第1の位置と、前記第1の隔壁が前記第2の隔壁に当接しているとともに前記針開口部が前記第1の通路と流体連通して前記第1のアダプタ及び前記第2のアダプタを流体経路開放状態において接続する第2の位置と、の間で、変位可能である、閉鎖システム移注装置。
(態様43)
前記第2のアダプタが前記第1のアダプタ内へ挿入された後に、前記第1のアダプタの内側において前記第2のアダプタをロックする解除可能ロックを備える、態様42に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様44)
前記解除可能ロックは、前記キャリアが前記第2の位置に変位されると前記第1のアダプタの内側において前記第2のアダプタをロックする、態様43に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様45)
前記解除可能ロックは、前記第1のアダプタ上の第1のロッキング要素と、前記第2のアダプタ上の第2のロッキング要素と、を備える、態様43又は44に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様46)
前記解除可能ロックは、前記第1のアダプタの側面を径方向内方に押圧することによって解除される、態様43から45のいずれかに記載の閉鎖システム移注装置。
(態様47)
前記第1のアダプタの前記側面は、押しボタンを備える、態様46に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様48)
前記押しボタンは、前記筐体のセクションから前記第1のアダプタの一部分を係合解除するように、径方向内方に押し下げ可能である、態様47に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様49)
前記第1のアダプタの前記部分は、少なくとも1つのロッキング開口を備えており、前記筐体の前記セクションは、前記筐体から径方向外方に延在する少なくとも1つのロッキングランプを備える、態様48に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様50)
前記少なくとも1つのロッキングランプは、始端、終端、及び、前記始端と前記終端との間のランプ付き面を備える、態様49に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様51)
前記少なくとも1つのロッキング開口内の当接面は、前記少なくとも1つのロッキングランプの前記終端に係合して、前記第2のアダプタを前記第1のアダプタにロックする、態様50に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様52)
前記ランプ付き面は、前記始端に隣接する真直セクション、及び、前記真直セクションと前記終端との間に延在する湾曲セクションを備える、態様49又は50に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様53)
前記湾曲セクションは、凹状部分及び凸状部分を規定している複合曲率を有する、態様52に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様54)
前記解除可能ロックは、前記第1のアダプタの壁におけるスロットを経由して延在するロッキングアームを備える、態様45から53のいずれか一項に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様55)
前記ロッキングアームは、少なくとも1つのヒンジ上において前記スロット内に旋回式に搭載されている、態様54に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様56)
前記第1のアダプタの内側において前記第2のアダプタをロックするロッキング位置と、前記第1のアダプタから前記第2のアダプタが取り外されることを許容する解除位置と、の間で、前記ロッキングアームが前記スロット内に旋回式に搭載されている、態様54又は55に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様57)
前記ロッキングアームは、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに前記筐体の前記壁から径方向外方に突出する第1の端を備える、態様56に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様58)
前記第1の端は、ボタンを備える、態様57に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様59)
前記ロッキングアームは、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに前記スロット内に位置決めされた第2の端を備える、態様56から58のいずれか一項に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様60)
前記第2の端は、前記ロッキングアームが前記ロッキング位置にあるときに前記筐体に係合する当接面を備える、態様59に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様61)
前記第2のアダプタは、前記第2の隔壁から軸方向に離間させた第3の隔壁を備える、態様42から60のいずれか一項に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様62)
前記針開口部は、前記キャリアが前記第1の位置にあるときに前記第2の隔壁と前記第3の隔壁との間で封止されている、態様61に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様63)
前記筐体は、前記第1の位置及び前記第2の位置の一方において前記キャリアを保持するように構成されたロッキング窓を規定しており、前記キャリアが前記第1の位置及び前記第2の位置の前記一方にあることを視覚的に確認するように、前記キャリアの少なくとも一部分が、前記ロッキング窓を経由して視認可能である、態様42から62のいずれか一項に記載の閉鎖システム移注装置。
(態様64)
バイアルスパイクであって、
筐体と、
前記筐体から延在するスパイクコネクタと、を備えており、
前記筐体及び前記スパイクコネクタは、通気ラインと、前記通気ラインとは別個の移注ラインと、を規定しており、
前記通気ラインは、前記筐体内において疎水性フィルタを備える、バイアルスパイク。
(態様65)
前記通気ラインは、さらに、前記疎水性フィルタと並ぶ活性炭フィルタを備える、態様64に記載のバイアルスパイク。
(態様66)
前記筐体は、前記移注ラインと流体接続されたドライブレイクカップリングを有する第1の筐体部分を備える、態様65に記載のバイアルスパイク。
(態様67)
前記ドライブレイクカップリングは、前記バイアルスパイクを第1の流体貯槽に接続するための噛み合い要素を備える、態様66に記載のバイアルスパイク。
(態様68)
前記筐体は、第2の筐体部分を備えており、前記スパイクコネクタは、前記第2の筐体部分から延在する、態様66又は67に記載のバイアルスパイク。
(態様69)
前記第1の筐体部分は、第1のカバー片を備えており、前記第2の筐体部分は、第2のカバー片を備えており、前記第2のカバー片は、前記第1のカバー片と接続するとともに前記第2のカバー片と前記第1のカバー片との間に狭い空間を形成するように構成されている、態様68に記載のバイアルスパイク。
(態様70)
前記第1のカバー片は、前記第1のカバー片の周辺部の少なくとも部分的に周囲に延在するリング形状のリップ部分を備えており、前記第2のカバー片は、前記第2のカバー片の周辺部の少なくとも部分的に周囲に延在するリング形状の壁部分を備えており、前記リング形状の壁部分は、リング形状のリップ部分を前記受容して、前記第1の筐体部分を、噛み合わされた配置において前記第2の筐体部分に接合するように適合されている、態様69に記載のバイアルスパイク。
(態様71)
前記第1のカバー片の前記リング形状のリップ部分は、前記第1のカバー片及び前記第2のカバー片によって形成された前記狭い空間内へ延在する仕切り壁を備える、態様70に記載のバイアルスパイク。
(態様72)
前記仕切り壁は、前記仕切り壁の第1の側に、前記狭い空間内の第1のチャンバと、前記仕切り壁の第2の側に、前記狭い空間内の第2のチャンバと、を規定している、態様71に記載のバイアルスパイク。
(態様73)
前記第1のチャンバは、前記通気ラインと流体接続しているものの前記移注ラインとは流体接続しておらず、前記第2のチャンバは、前記移注ラインと流体接続しているものの前記通気ラインとは流体接続していない、態様72に記載のバイアルスパイク。
(態様74)
前記疎水性フィルタは、前記第1のチャンバ内に収納されている、態様72又は73に記載のバイアルスパイク。
(態様75)
前記スパイクコネクタは、前記第1のチャンバに流体接続されているもの前記第2のチャンバには流体接続されていない第1の通路と、前記第2のチャンバに流体接続されているものの前記第1のチャンバには流体接続されていない第2の通路と、を規定している、態様72から74のいずれか一項に記載のバイアルスパイク。
(態様76)
前記第1の通路は、前記スパイクコネクタ内において前記第2の通路に対して平行に延在する、態様75に記載のバイアルスパイク。
(態様77)
前記移注ラインは、粒子フィルタを備える、態様75又は76に記載のバイアルスパイク。
(態様78)
前記粒子フィルタは、前記疎水性フィルタと並んで配置されて、前記第2のチャンバ内に収納されている、態様77に記載のバイアルスパイク。
(態様79)
前記筐体は、さらに、前記活性炭フィルタを収納する第3の筐体部分を備えており、前記通気ラインが、前記第1の筐体部分から前記第3の筐体部分内へ進んでおり、前記第3の筐体部分の壁を経由して形成された出口を経由して大気へ出ている、態様66から78のいずれか一項に記載のバイアルスパイク。
(態様80)
前記通気ラインは、さらに、逆止弁を備える、態様64に記載のバイアルスパイク。
(態様81)
前記筐体は、前記移注ラインと流体接続されたドライブレイクカップリングを有する第1の筐体部分を備える、態様80に記載のバイアルスパイク。
(態様82)
前記ドライブレイクカップリングは、前記バイアルスパイクを第1の流体貯槽に接続するための噛み合い要素を備える、態様81に記載のバイアルスパイク。
(態様83)
前記筐体は、第2の筐体部分を備えており、前記スパイクコネクタは、前記第2の筐体部分から延在する、態様81又は82に記載のバイアルスパイク。
(態様84)
前記第1の筐体部分は、第1のカバー片を備えており、前記第2の筐体部分は、第2のカバー片を備えており、前記第2のカバー片は、前記第1のカバー片と接続するとともに前記第2のカバー片と前記第1のカバー片との間に狭い空間を形成するように構成されている、態様83に記載のバイアルスパイク。
(態様85)
前記第1のカバー片は、前記第1のカバー片の周辺部の少なくとも部分的に周囲に延在するリング形状のリップ部分を備えており、前記第2のカバー片は、前記第2のカバー片の周辺部の少なくとも部分的に周囲に延在するリング形状の壁部分を備えており、前記リング形状の壁部分は、リング形状のリップ部分を前記受容して、前記第1の筐体部分を、噛み合わされた配置において前記第2の筐体部分に接合するように適合されている、態様84に記載のバイアルスパイク。
(態様86)
前記第1のカバー片の前記リング形状のリップ部分は、前記第1のカバー片及び前記第2のカバー片によって形成された前記狭い空間内へ延在する仕切り壁を備える、態様85に記載のバイアルスパイク。
(態様87)
前記仕切り壁は、前記仕切り壁の第1の側に、前記狭い空間内の第1のチャンバと、前記仕切り壁の第2の側に、前記狭い空間内の第2のチャンバと、を規定している、態様86に記載のバイアルスパイク。
(態様88)
前記第1のチャンバは、前記通気ラインと流体接続しているものの前記移注ラインとは流体接続しておらず、前記第2のチャンバは、前記移注ラインと流体接続しているものの前記通気ラインとは流体接続していない、態様87に記載のバイアルスパイク。
(態様89)
前記疎水性フィルタは、前記第1のチャンバ内に収納されている、態様87又は88に記載のバイアルスパイク。
(態様90)
前記スパイクコネクタは、前記第1のチャンバに流体接続されているもの前記第2のチャンバには流体接続されていない第1の通路と、前記第2のチャンバに流体接続されているものの前記第1のチャンバには流体接続されていない第2の通路と、を規定している、態様87から89のいずれか一項に記載のバイアルスパイク。
(態様91)
前記第1の通路は、前記スパイクコネクタ内において前記第2の通路に対して平行に延在する、態様90に記載のバイアルスパイク。
(態様92)
前記移注ラインは、粒子フィルタを備える、態様87から91のいずれかに記載のバイアルスパイク。
(態様93)
前記粒子フィルタは、前記疎水性フィルタと並んで配置されて、前記第2のチャンバ内に収納されている、態様92に記載のバイアルスパイク。
(態様94)
前記筐体は、さらに、前記通気ラインと流体連通している第3の筐体部分を備えており、前記第3の筐体部分は、可撓性膜に接続されており、前記可撓性膜は、前記第3の筐体部分と前記可撓性膜との間に気体貯蔵容積を形成している、態様83から93のいずれか一項に記載のバイアルスパイク。
(態様95)
態様64から94のいずれか一項に記載のバイアルスパイクと、
前記バイアルスパイクに接続可能なバイアルクリップと、を備える、バイアルアダプタ。
(態様96)
前記バイアルクリップは、前記バイアルスパイクに接続するように構成された締結具機構を備える近位端を備える、態様95に記載のバイアルアダプタ。
(態様97)
前記締結具機構は、複数の可撓性アームを備えており、各可撓性アームは、返し付き端を有する、態様96に記載のバイアルアダプタ。
(態様98)
前記可撓性アームは、前記バイアルスパイクの前記筐体の一部分に係合して、前記バイアルクリップを前記バイアルスパイクに接続している、態様97に記載のバイアルアダプタ。
(態様99)
前記バイアルクリップは、レセプタクルを形成する少なくとも1つのアーチ形フランジを備える、態様95から98のいずれか一項に記載のバイアルアダプタ。
(態様100)
前記スパイクコネクタは、前記レセプタクル内へ延在し、前記少なくとも1つのアーチ形フランジは、ユーザを前記スパイクコネクタによる誤刺から保護するガードを形成している、態様99に記載のバイアルアダプタ。
【国際調査報告】