IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ズークス インコーポレイテッドの特許一覧

<>
  • 特表-低エネルギー衝撃の衝突検出 図1
  • 特表-低エネルギー衝撃の衝突検出 図2
  • 特表-低エネルギー衝撃の衝突検出 図3
  • 特表-低エネルギー衝撃の衝突検出 図4
  • 特表-低エネルギー衝撃の衝突検出 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-11
(54)【発明の名称】低エネルギー衝撃の衝突検出
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/08 20120101AFI20240404BHJP
   B60R 21/00 20060101ALI20240404BHJP
   B60R 21/0136 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
B60W30/08
B60R21/00 322
B60R21/0136 310
B60R21/0136
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566747
(86)(22)【出願日】2022-04-29
(85)【翻訳文提出日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 US2022026968
(87)【国際公開番号】W WO2022232532
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】17/245,963
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518156417
【氏名又は名称】ズークス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マリーナ カミーユ ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】マーク アラン ベイツ
(72)【発明者】
【氏名】ナム グック チョ
(72)【発明者】
【氏名】サブハシス ダス
(72)【発明者】
【氏名】マーカス ジョスト
(72)【発明者】
【氏名】アマンダ ブラウン プレスコット
(72)【発明者】
【氏名】バレリー バムバカ ランドルフ
(72)【発明者】
【氏名】スバシンハ シャミンダ スバシンハ
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA35
(57)【要約】
本開示は、自律車両が関与する比較的低エネルギーの衝撃の衝突などの衝突を識別するシステム及び技術に関する。第1のアレイ内の第1のセンサモダリティからのセンサデータを使用して、第1の推定された衝突位置を判定することができ、第2のアレイ内の第2のセンサモダリティからの第2のセンサデータを使用して、第2の推定された衝突位置を判定することができる。低エネルギー衝突イベントは、第1の推定された衝突位置が第2の推定された衝突位置に対応する場合に構成され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械センサと、
音響センサと、
1つ以上のプロセッサと、
命令を格納する1つ以上のコンピュータ可読媒体と
を備えた自律車両であって、
前記命令は、実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、
前記電気機械センサから、前記自律車両に関連付けられる第1の衝突を示す電気機械センサデータを受信することと、
前記電気機械センサデータに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の衝突の第1の位置を判定することと、
前記音響センサから、前記自律車両に関連付けられる第2の衝突を示す音響センサデータを受信することと、
前記音響センサデータに少なくとも部分的に基づいて、第2の衝突の第2の位置を判定することと、
前記第1の位置が前記第2の位置に対応することに少なくとも部分的に基づいて、前記自律車両に関連付けられる衝突イベントを判定することと、
前記衝突イベントに少なくとも部分的に基づいて、前記自律車両を制御することと
を含む動作を実行させる、自律車両。
【請求項2】
前記電気機械センサは、前記自律車両のボディパネルに結合された衝撃センサを含み、前記衝撃センサは、衝撃の大きさに対応する信号を生成するように構成されており、
前記第1の位置を判定することは、閾値以上の大きさを有する前記信号に少なくとも部分的に基づく、
請求項1に記載の自律車両。
【請求項3】
前記音響センサは、前記自律車両に結合された第1のマイクロフォンと、前記自律車両に結合され、前記第1のマイクロフォンから間隔を置いて配置された第2のマイクロフォンとを含み、
前記第2の位置を判定することは、前記第1のマイクロフォンで受信された音に対応する第1のオーディオ信号と、前記第2のマイクロフォンで受信された音に対応する第2のオーディオ信号とを分析することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1または請求項2に記載の自律車両。
【請求項4】
前記自律車両の環境内のオブジェクトに関連付けられる知覚データを生成するように構成された知覚システムをさらに備え、
前記動作は、
前記知覚データに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の位置及び前記第2の位置の少なくとも1つに近接するオブジェクトを検出することをさらに含み、
前記衝突イベントを判定することは、前記オブジェクトを検出することに少なくとも部分的に基づく、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の自律車両。
【請求項5】
前記動作は、
前記衝突イベントに少なくとも部分的に基づいて、前記自律車両を制御することであって、前記自律車両を制御することは、
停止するように前記自律車両を制御することと、
前記自律車両に関連付けられる乗客及び遠隔操作者のうちの少なくとも1つと関連付けられるコンピューティングデバイスと通信することと、
第1の推定される位置及び第2の推定される位置のうちの少なくとも1つに関連付けられるさらなるセンサデータを検索することと、
衝突イベントデータを生成することと
のうちの少なくとも1つを含む、こと
をさらに含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の自律車両。
【請求項6】
車両に関連付けられる第1のシステムから、第1のデータを受信することと、
前記車両に関連付けられる第2のシステムから、第2のデータを受信することと、
前記第1のデータに少なくとも部分的に基づいて、第1の推定される衝突位置を判定することと、
前記第2のデータに少なくとも部分的に基づいて、第2の推定される衝突位置を判定することと、
前記第1の推定される衝突位置が前記第2の推定される衝突位置に対応することに少なくとも部分的に基づいて、前記車両に関連付けられる衝突イベントを判定することと
を含む方法。
【請求項7】
前記第1のデータを受信することは、複数の電気機械センサから第1のセンサデータを受信することを含むことと、
前記第2のデータを受信することは、複数の音響センサから第2のセンサデータを受信することを含むことと
のうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
複数の電気機械センサは、
前記車両のボディパネルに結合された衝撃センサ、
前記車両に埋め込まれた薄膜センサ、
前記車両のダッシュボードに関連付けられる導電性要素
のうちの1つ以上を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
複数の電気機械センサは、前記車両の周囲に配置され、前記第1の推定される衝突位置を判定することは、
複数の衝撃センサのうちの第1の衝撃センサによって生成された第1の衝撃センサデータを受信することと、
複数の衝撃センサのうちの第2の衝撃センサによって生成された第2の衝撃センサデータを受信することと、
前記第1の衝撃センサデータ、前記第2の衝撃センサデータ、アレイにおける前記第1の衝撃センサの第1の位置、及びアレイにおける前記第2の衝撃センサの第2の位置に基づいて、前記第1の推定される衝突位置を判定することと
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2のセンサデータを受信することは、前記車両に結合された複数の音響センサから前記第2のセンサデータを受信することを含む、請求項7乃至9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の推定される衝突位置を判定することは、
複数の音響センサのうちの第1の音響センサによって生成された第1の音響センサデータを受信することと、
複数の音響センサのうちの第2の音響センサによって生成された第2の音響センサデータを受信することと、
前記第1の音響センサデータ及び前記第2の音響センサデータに基づいて、前記第1の推定される衝突位置を判定することと
を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のデータを受信することは、前記車両に関連付けられる知覚システムから知覚データを受信することを含み、前記知覚データは、前記車両の近くのオブジェクトに関する情報を含む、請求項6乃至11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の推定される衝突位置が前記第2の推定される衝突位置から閾値距離以下にあることを判定することを含む、請求項6乃至12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のデータは、複数の信号値を含み、前記第1の推定される衝突位置を判定することは、
k平均法を使用して、より高い平均値を有する前記第1のシステムに関連付けられるセンサのクラスタを判定することと、
前記第1の推定される衝突位置を、前記センサのクラスタの空間中心として判定することと
を含む、請求項6乃至13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
請求項6乃至14のいずれか一項に記載の方法を行うように1つ以上のプロセッサによって実行可能である命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
このPCT国際特許出願は、2021年4月30日に出願された米国特許出願第17/245,963号の優先権の利益を主張し、その開示は、参照により本明細書に完全に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
衝突が発生した場合、旅客輸送車両上の安全システムは、例えば、エアバッグを膨張させる、または身体的拘束を強化することによって、衝突の影響を軽減するように設計され得る。多くのそのような安全システムでは、加速度計及び/または他のセンサは、車両の前部に設置され、オブジェクトとの正面衝突などによる車両の加速度やその他の動きの突然の大きな変化を検出し、検出された状態は、例えば、エアバッグを膨張させることによって、安全システムを展開するために使用される。従来の安全システムは、低エネルギー衝突を検出するために最適化されていないことが多く、そこでは、車両の乗客の安全を確保するために従来の安全装置を展開する必要はない。しかしながら、車両の運転中に低エネルギーの衝突が頻繁に発生する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
詳細な説明は、添付図面を参照して説明される。図面において、参照番号の左端の数字は、その参照番号が最初に現れる図を識別する。異なる図面における同一の参照番号は、類似または同一の項目を示す。
【0004】
図1図1は、本明細書で説明される技術が実装され得る例示的な環境を示す。
図2図2は、本開示の例示的な実施形態による、低エネルギー衝撃衝突検出システムを備えた車両の詳細を示す。
図3図3は、本明細書で説明される技術を実装するための例示的なシステムのブロック図を示す。
図4図4は、衝突イベントを判定し、イベントに基づいて車両を制御する例示的なプロセスを示す。
図5図5は、衝突イベントを判定するための例示的なプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示は、低エネルギー衝突検出システムを含む車両を対象とする。低エネルギー衝撃衝突検出システムは、低エネルギー衝撃の衝突を検出し、低エネルギー衝撃の衝突の場合に車両を制御するように構成される。衝突検出システムは、車両に関連付けられたセンサシステムに通信可能に結合され、センサシステムから情報を受信するように構成され得る。衝突検出システムはまた、衝突検出システムによって生成されたアクションに従って車両を制御するように構成されたシステムコントローラにも動作可能に結合される。例では、低エネルギー衝撃衝突検出システムは、例えば、エアバッグなどを配備するために、比較的高い衝撃の衝突を検出し、及び/またはそれらに応答するために使用される従来のまたは高エネルギー衝撃の衝突検出システムに加えられてもよい。
【0006】
低エネルギー衝撃衝突検出システムは、低エネルギー衝撃の衝突を検出し、それに応答するように構成される。例えば、低エネルギー衝撃の衝突は、自転車若しくはスクーター、動物、歩行者または小さなオブジェクトとの衝突など、低質量オブジェクトとの中速度衝突を含み得る。低エネルギー衝撃の衝突はまた、車両が静止またはゆっくりと移動している間に、別の車両との衝突または駐車場内の障害物など、高質量オブジェクトとの低速衝突を含み得る。
【0007】
低エネルギー衝撃衝突イベントは、典型的には、エアバッグ及びエアカーテンシステムまたは自動車の自動安全装置などの従来の車両安全システムの配備を必要としないが、例えば、停止またはオペレータとの通信などのいくつかの他のアクションを車両が実行することを必要とし得る。一方、一次(primary)衝突検出システムは、従来の車両安全システムに関連付けられ、比較的高い衝撃の衝突の場合に車両内の乗客の安全を確保するのに役立つことが知られているいくつかのアクション、例えば、エアバッグの配備または安全装置の締め付けを行うように構成される。
【0008】
例示的な自律車両などの例示的な車両は、低エネルギー衝撃の衝突を検出するための1つまたは複数のタイプのセンサモダリティを含み得る。これらのセンサは、車両が動作している環境に露出した表面上で、一般的に車両のボディに取り付けられてもよく、または車両のボディに埋め込まれてもよい。いくつかの例では、複数のセンサユニットは、車両のボディの空間カバレッジを提供するように構成されたボディの異なる部分に空間的に分散され得る。センサの密度はまた、車両の2つの端部(例えば、前部及び後部)に位置するより低い部分など、外部オブジェクトとの衝突の可能性がより高いボディの領域上でより高くなり得る。センサはまた、車両のホイールカバーまたはフェンダーに取り付けられてもよく、または車両のホイールカバーまたはフェンダーに埋め込まれてもよい。いくつかの例によれば、センサモダリティのタイプは、衝突から生じ得る機械的ストレス及び音/振動をそれぞれ捕捉するための電気機械センサ(例えば、衝撃センサ、慣性センサ)及び音響センサ(例えば、マイクロフォン)を含み得る。
【0009】
いくつかの例では、車両は、抵抗膜ストリップの形態の衝撃センサであってもよい電気機械センサを装備してもよい。このようなセンサは、ストリップが曲がったときに電気伝導率の変化を検出する。衝撃センサは、車両の下部に取り付けられ得、これは、低エネルギー衝撃の衝突に関連付けられる可能性がより高くなり得る。いくつかの例では、衝撃センサは、低エネルギー衝撃の衝突中に衝突する可能性がより高い領域で車両のボディパネルに組み込まれ得る。例えば、センサは、車両の端部、車両の側面、及び/または車両の車輪カバーに配置され得る。衝撃センサは、低エネルギー衝撃の衝突中にそれらが取り付けられている表面が変形すると、導電率の変化を検出する。いくつかの例では、電気機械センサは、アレイに配置される。
【0010】
車両はまた、音響センサを装備してもよい。例えば、音響センサは、車両の空間的に分離された位置に配置された複数のマイクロフォンを含むことができる。いくつかの例では、音響センサは、低エネルギー衝撃の衝突中に衝突する可能性がより高い車両の領域に配置することができる。音響センサは、車両のボディパネルに結合されてもよく、そのパネルはまた、電気機械センサを組み込んでもよい。音響センサは、衝突に関連付けられた音声を検出するように構成され得る。いくつかの例では、2つのオーディオセンサで受信されたオーディオを比較することによって、本明細書で説明される技術は、音源を推定するために空間位置確認技術(spatial localization technique)を実装し得る。
【0011】
本開示の態様では、低エネルギー衝撃の衝突検出システムは、機械及び/または音響センサからのようなセンサデータに基づいて、衝突の1つまたは複数の位置を推定し得る。例えば、本明細書で説明される技術は、センサ信号及びセンサの既知の位置に基づいて、車両に対する衝突位置の推定を判定し得る。例えば、衝突の例では、衝突点のセンサが最も高い信号を登録し、信号強度は衝突点からの距離が増加するにつれて低下する。一般に、センサ信号の強度は、センサ位置に対する衝突位置の近さに依存する。(例えば、衝突に関与しない)非衝突領域のセンサ信号は、衝突の近傍のセンサ信号よりもはるかに低い場合がある。1つの非限定的な例では、センサ信号は、例えば、k=2でk平均法(k-means clustering)を使用することによって、信号強度に基づいて2つのグループにクラスタリングされ得る。衝突位置は、より高い平均を有するセンサクラスタの空間中心として推定され得る。
【0012】
非衝突領域からのセンサ信号レベルはまた、典型的な車両動作中に収集された訓練データから学習され得る。非衝突領域に対応する学習された信号レベルは、基準信号として使用され得る。例えば、測定されたセンサ信号は、基準信号と比較され、その差が閾値よりも高い場合、センサは、衝突領域内にあると識別され得る。衝突の推定位置は、衝突領域内で識別されるセンサの空間中心として計算されてもよく、または衝突の推定位置は、最も高い信号を有するセンサの位置に対応してもよい。訓練されたモデルでは、他のデータも考慮され得る。例えば、限定されないが、車両の動き及び/または現在の大気条件に起因する車両に近接する風速は、センサで生成された信号に影響を与え得る。
【0013】
衝突位置推定コンポーネントはまた、センサ信号のセットから衝突の位置及びタイプを予測するために、機械学習などの様々な人工知能(AI)技術を実装し得る。低エネルギー衝撃の衝突に対応する訓練データセットは、関連するセンサを備えた車両の動作データから収集され得る。訓練データセットは、衝突の場所及びタイプでラベル付けされ得、衝突がないデータを含み得る。訓練されたモデルがデプロイされるとき、衝突位置推定コンポーネントは、センサ信号を訓練されたモデルに入力し、衝突位置の推定を受信し得る。例では、異なるタイプのセンサでそれぞれ訓練された複数のニューラルネットワークがデプロイされ得る。代わりに、入力として凝集された異なるタイプのセンサ信号を有する単一のニューラルネットワークも使用され得る。衝突位置を推定するために使用される技術は、センサモダリティの種類ごとに類似または異なる場合がある。
【0014】
本明細書に記載の技術はまた、異なるタイプのセンサシステムからの衝突インディケーション間の一貫性をチェックすることによって低エネルギー衝撃の衝突イベントを確認し得る。例えば、第1のタイプのセンサ(例えば、電気機械センサ)は、車両の1つの領域における衝突を示し得る。車両の同じ領域に配置された第2のタイプのセンサ(例えば、音響センサ)も、実際の衝突の例では、衝突を示すべきであると予想される。同じ領域内の衝突を示す第2のタイプのセンサからの対応する信号がない場合、本明細書に記載の技術は、低エネルギー衝撃の衝突イベントが発生していないと判定し得る。別の例では、第1のタイプのセンサ及び第2のタイプのセンサの両方が車両の同じ領域における可能性のある衝突を示す場合、低エネルギー衝撃の衝突イベントが発生している。
【0015】
いくつかの例では、知覚コンポーネントは、低エネルギー衝撃の衝突検出システムに追加の入力を提供することができる。知覚コンポーネントは、オブジェクト検出、セグメンテーション、及び/または分類を実行するための機能を含むことができる。いくつかの例では、知覚コンポーネントは、自律車両に近接する1つまたは複数のオブジェクトの存在及び/またはオブジェクトタイプ(例えば、車、歩行者、サイクリスト、建物、木、路面、縁石、歩道、未知など)としてのオブジェクトの分類を示す知覚データを出力し得る。さらに、知覚コンポーネントは、車両の位置及び軌道に基づいて、検出されたオブジェクトに関連付けられた位置及び軌道、並びに/またはオブジェクトとの衝突の可能性を示す処理されたセンサデータを提供し得る。非限定的な例では、知覚データは、第1のセンサ及び/または第2のセンサから決定された推定された衝突位置で車両と衝突した可能性のある検出されたオブジェクトを識別し得る。そのようなオブジェクトの存在は、低エネルギー衝撃の衝突イベントを確認し得、そのようなオブジェクトの不在は、低エネルギー衝撃の衝突イベントが発生していないことを示し得る。
【0016】
いくつかの例では、知覚コンポーネントは、車両に近接するオブジェクトを検出することができ、オブジェクトが車両に当たる可能性が高いと判定することができる。いくつかの例では、本明細書で説明される技術は、知覚データに基づいて、予想される衝突位置を判定することができる。可能性のある衝突(及びその可能性のある衝突位置)に関する情報は、本明細書に記載のシステムに、車両上の他のセンサからの信号を要求させ、例えば、そのデータが衝突を示唆するか、または確認するかを判定させ得る。第1のタイプのセンサまたは第2のタイプのセンサのいずれかが予想される衝突位置での衝突を示す場合、低エネルギー衝撃の衝突イベントは、イベント検出コンポーネントによって確認される。第1及び第2のタイプのセンサの両方が予想される位置での衝突を示さない場合、イベント検出コンポーネントは、低エネルギー衝撃の衝突が発生していないことを示し得る。
【0017】
本開示の実装はまた、衝突イベントを決定することに応答して行動することを含む。例えば、本明細書で説明される技術は、検出されたイベントに基づいて車両を制御するために車両のシステムコントローラのためのコマンドを生成することができる。例えば、低エネルギー衝撃の衝突イベントの場合、コマンド生成コンポーネントは、システムコントローラが1つまたは複数のアクションを実行するためのコマンドを生成し得、例えば、現在移動している場合に車両を停止させ、イベントに関連する動作データを収集及び送信または格納し、並びに/または車両内または車両の近くの遠隔オペレータまたは他の人間との通信を開始する。本明細書に記載の技術はまた、安全性の結果を改善する。例えば、低エネルギー衝撃を識別することによって、本明細書に記載の技術は、車両への潜在的な損傷を識別し、損傷に対する回復(fixing)をサポートし、車両に影響を与え得るオブジェクトへの潜在的な損傷を識別し、それに反応することができる。
【0018】
本明細書で説明される技術、アセンブリ及びシステムは、複数の方法で実装され得る。以下、図を参照しながら実施例を提示する。自律車両のコンテキストで説明されているが、いくつかの例では、本明細書で説明される方法、装置及びシステムは、様々なシステムに適用され得る。別の例において、方法、装置及びシステムは、航空または航海のコンテキストにおいて利用され得る。追加で、あるいは代替で、本明細書で説明される技術は、(例えば、センサを用いてキャプチャされた)実データ、(例えば、シミュレータによって生成された)模擬データ、またはその2つの任意の組合せで用いることができる。
【0019】
図1は、本明細書で論じられる技術が実装され得る自律車両100の例を示す。自律車両は、レベル5分類に従って動作するように構成され得る。レベル5分類は、米国運輸省道路交通安全局によって2016年に発行され、ドライバー(または乗員)が常に車両を制御することを期待されていない状態で、運行全体にわたって全ての安全上重要な機能を実行できる車両を説明する。その場合、車両は、全ての駐車機能を含む、開始から終了までの全ての機能を制御するように構成され得るので、車両は人が使用していない場合があり得る。これは単なる例であり、本明細書に記載のシステム及び方法は、全ての車両制御が運転者によって実行される従来の自動車及び部分的に自律的に制御される車両を含む任意の地上車両に組み込まれ得、その結果、例えば、アクセス制限のある高速道路上で動作している間など、特定の運転条件中に運転者の注意または支援なしに自律的に制御されることができる。そのような部分的に自律制御された車両は、例えば、都市部の街路上で動作している間、または少なくともいくつかの駐車機能中など、他の運転条件中に運転者の注意及び/または支援を必要とし得る。
【0020】
図1に示されるように、車両100は、車両の外部、例えば、車両100が動作している環境に露出した表面を概して画定するボディ102を有する。ボディ102は、従来知られているように、フレームまたは1つ以上の追加の支持構造(図示せず)上に配置されてもよく、またはより一般的にフレームまたは1つ以上の追加の支持構造(図示せず)を含んでもよい。例示的な車両100では、ボディは、一般に、第1の端部に第1の外面104を含み、第1の端部の反対側の第2の端部に第2の外面(図1では見えない)を含む。第1の外面104及び第2の外面は、車両の長さによって長手方向軸Xに沿って離れている。ボディ102はまた、車両100の第1の端部と第2の端部との間に延在し、横方向軸Yに沿って車両幅だけ離れた側面または横方向側面106(そのうちの1つが示されている)を含む。ボディ102は、車両100の内部空間への出入りを容易にするために、例えば、横方向側面106の一方または両方にある全部または一部のドアを含む1つ以上のドアをさらに含み得る。車両100はまた、例えば、外面104、106の一部または全てを含むフロントガラス及び/または他の窓を含み得る。車両100は、自律車両として具現化され得るので、フロントガラス及び/または窓は、必要とされなくてもよい。
【0021】
図1にさらに示されるように、車両100は、車輪108によって輸送される(車両は4つの車輪を有し、そのうちの2つが図1に示されている)。例示的な車両100は4つの車輪を有しているが、本明細書に記載のシステム及び方法は、より少ないまたはより多い数の車輪及び/またはトラックを有する車両に組み込まれ得る。車輪108の一部は、保護カバー、例えば、バンパーまたはフェンダー(図2に示される)を備えてもよい。そのような保護カバーは、ボディ102及び/または外面104、106の一部であってもよい。例示的な車両100は、4輪ステアリングを有してもよく、通常、全ての方向において、例えば、第1の端部が車両100の先端である第1の方向、及び第2の端部が車両100の先端である第1の方向とは反対の第2の方向において、等しい性能特性で動作してもよい。車両100は、1つ以上の内燃機関、1つ以上のバッテリ及び電気モータ、水素燃料電池、またはそれらの任意の組み合わせ(それらのいずれも示されていない)によって駆動され得る。
【0022】
例示的な車両100は、車両100のボディ102に取り付けられた、またはそうでなければ車両100のボディ102に結合された1つまたは複数の第1のセンサ110を含む。第1のセンサ110によって生成されたデータは、本明細書でさらに詳述されるように、車両100との低エネルギー衝撃の衝突を感知するために使用される。車両100に関連付けられる第1のセンサ110は、1つまたは複数の種類のモダリティを含み得る。例えば、第1のセンサ110は、衝撃センサ(例えば、光ファイバーセンサ、圧力管、圧電または抵抗薄膜センサ)、慣性センサ(例えば、慣性測定ユニット(IMU)、加速度計)、及び/または近接センサ(例えば、容量センサ、マイクロ波センサ、光学/赤外線センサ、または超音波近接センサ)などの電気機械センサを含み得る。第1のセンサ110はまた、抵抗型、容量型、光ファイバー型、圧電型またはエレクトレット型マイクロフォン、指向性マイクロフォン、及び/またはSAW(surface acoustic wave)デバイスなどの音響センサを含み得る。音響センサは、ワイヤレス音響センサネットワーク(WARS)として、または従来の(有線)アレイとして設定され得る。
【0023】
車両100はまた、車両100のボディ102に取り付けられた、またはそうでなければ車両100のボディ102に結合された1つまたは複数の第2のセンサ112を備え得る。本開示の例では、第2のセンサ112によって生成されたデータは、例えば、車両ナビゲーション、障害物回避、衝突処理などのための自律車両動作または半自律車両動作を可能にする。第2のセンサ112は、LIDAR(light detection and ranging)センサ、RADARセンサ、超音波トランスデューサ、ソナーセンサ、位置センサ(例えば、GNSS(global navigation satellite system)(GPS(global positioning systems)を含む)、コンパスなど)、慣性センサ(例えば、慣性測定ユニット(IMU)、加速度計、磁力計、ジャイロスコープなど)、カメラ(例えば、RGB(red-green-blue)、赤外線(IR)、強度、深度など)、飛行時間センサ、マイク、ホイールエンコーダ、及び/または環境センサ(例えば、温度センサ、湿度センサ、光センサ、圧力センサなど)を含むが、これらに限定されない、いくつかのモダリティを含み得る。上記に提供される第1のセンサ110の例示的なモダリティは、第2のセンサ112の例示的なモダリティとは異なるが、いくつかの例では、第1のセンサ110及び第2のセンサ112は、同じモダリティ及び/または同じセンサを含み得る。この説明は、例えば、低エネルギー衝撃の衝突を決定するための第1の目的のために使用されるデータを生成するセンサとしての第1のセンサ110と、例えば、通常の運転動作のための第2の(異なる)目的のために使用されるデータを生成するセンサとしての第2のセンサ112とを区別し得る。しかしながら、いくつかの例では、第1のセンサ110及び第2のセンサ112は、同じセンサ及び/またはセンサモダリティであり得る。限定されないが、単一のセンサからのデータは、センサが第1のセンサ110及び第2のセンサ112の両方に関連付けられ得るように、第1の目的のためだけでなく、第2の目的のためにも使用され得る。
【0024】
車両100は、エアバッグ、エアカーテンシステム、シートベルトテンショナなどを含み得る安全システム(図示せず)を備え得る。例えば、従来の安全システムでは、第2のセンサ112は、車両100の前部に近接して、概して長手方向軸Xに沿って配置された加速度計を含み得る。車両100の前部が、例えば、正面衝突でオブジェクトと衝突すると、加速度計は加速度の劇的な変化を感知し、エアバッグが展開される。一般に、従来の安全システムは、車両によって運ばれる乗客及び/または貨物と直接相互作用するように設計された内部安全システムであり得る任意の車両衝撃緩和システム、及び/または車両及び/または車両内の乗客/貨物を保護するために車両の外側に展開または他の方法で作動するように設計され得る外部安全システムを含む。内部安全システムは、例えば、1つ以上のエアバッグ、エアカーテン、拘束システムなどを含み得る。外部安全システムは、外部ブラダー、アクティブバンパーデバイスなどを含み得る。
【0025】
説明した従来の安全システムは、一般に、比較的高い衝撃の衝突において、車両100への、車両100内の乗客への、及び/または車両100内の貨物への損傷を軽減するために使用される。例えば、フェンダーベンダー、駐車場事故、縁石バンプ、車両100のボディ102に衝突するオブジェクト、無速度または低速の衝突などのより低い衝撃のまたは比較的軽微な衝突は、これらの従来の安全システムを使用して検出されない場合がある。実際、いくつかの例では、これらの比較的小さな衝突に応答して従来の安全システムを使用することは望ましくない場合がある。例えば、風に吹かれたショッピングカートが車両100のドアにぶつかることに応答してエアバッグを展開することは望ましくない場合がある。
【0026】
従来の安全システムは、一般に、より高い衝撃の衝突を検出及び/または応答するために使用されるが、より低い衝撃の衝突を識別することが依然として望ましい場合がある。例えば、これらのより低い衝撃の衝突は依然として、車両100への損傷、車両100に当たるオブジェクトへの損傷などをもたらし得る。本開示の態様は、これらの低衝撃の衝突を識別することを対象とする。
【0027】
いくつかの例では、衝突は衝突の衝撃エネルギーレベルに基づいて特徴付けられ得る。例えば、閾値レベル(例えば、5000ジュール)以上の衝突の衝撃エネルギーを有する衝突は、「高い衝撃」または「比較的高い衝撃」の衝突であり得、一方、閾値レベルを下回る衝撃エネルギーを有する衝突は、「低い衝撃」または「比較的低い衝撃」タイプの衝突であり得る。低エネルギー衝撃の衝突は、自転車またはスクーターとの衝突などの中質量オブジェクトとの低速または中速度衝突、動物、歩行者または小さなオブジェクトなどの低質量オブジェクトとの低速または中速度衝突、または駐車場内のバリアまたは別のゆっくりと動くまたは静止した車両を含む高質量オブジェクトとの低速または速度なしの衝突から生じ得る。既に説明したように、比較的高い衝撃の衝突は、車両100の従来の安全システムによって検出され、応答され得る。しかしながら、従来の安全システムは、エアバッグやシートベルトなどの従来の衝撃緩和システムが、そのような低エネルギー衝撃の衝突の場合に乗客の安全を確保するために使用される必要がないため、低エネルギー衝撃の衝突を検出しない場合がある。しかしながら、低エネルギーの衝撃の衝突は、車両が応答していくつかの他のアクションを実行することを必要とし得る。
【0028】
本開示の態様は、そのような低エネルギー衝撃の衝突の例における改善された衝突検出及び応答システムを対象とする。より具体的には、図1は、車両100が環境を横断する際に、オブジェクト114(例では、ボール)が車両100と衝突するシナリオを示す。オブジェクトは、衝突位置116で車両100のボディ102に激突する。理解されるように、車両100と衝突するオブジェクト114は、例えば単に示されているにすぎず、オブジェクト及び/または低エネルギー衝撃の衝突の他の例が本明細書に提供され、そうでなければ、本開示の利益を得て理解されるであろう。
【0029】
図1に示されるように、本開示の例は、低エネルギー衝撃衝突検出システム118を含む。低エネルギー衝撃衝突検出システム118は、車両100の第1のセンサ110及び1つまたは複数のシステムコントローラ120に通信可能に結合される。以下でより詳細に説明されるように、低エネルギー衝撃衝突検出システム118は、第1のセンサ110からセンサデータ122を受信し、センサデータ122に少なくとも部分的に基づいて制御コマンド130を決定し得る。制御コマンド130は、例えば、車両を停止させる、テレオペレータと通信する、動作データを格納するなどの、取られるべきアクションを示す。車両100のシステムコントローラ120は、受信した制御コマンド130に基づいてアクションを実行する。
【0030】
システムコントローラ120は、自律車両100の1つ以上の駆動システム及び/または他のコンポーネントの対応するシステムと通信し、及び/またはそれらのシステムを制御し得る。例えば、システムコントローラ120は、車両100のステアリング、推進、ブレーキ、安全性、エミッタ、通信、及び/または他のシステムを制御し得る。
【0031】
低エネルギー衝撃衝突検出システム118は、一般に、環境内の車両100及び外部オブジェクト114を含む低エネルギー衝撃の衝突を検出及び/または応答するための様々な技術を実装し得る。図1に示されるように、低エネルギー衝撃衝突検出システム118は、衝突位置推定コンポーネント124、イベント検出コンポーネント126、及びコマンド生成コンポーネント128を含むことができる。例えば、低エネルギー衝撃衝突検出システム118の衝突位置推定コンポーネント124は、第1のセンサ110からのセンサデータ122を処理して、車両100のボディ102上の衝突位置、例えば、衝突位置116の推定を生成し得る。第1のセンサ110が、例えば機械的及び音響的な異なるタイプのセンサモダリティを含むとき、衝突位置推定コンポーネント124は、第1のセンサ110の異なるモダリティから異なるタイプのセンサデータ122を別々に処理し得る。例えば、第1のセンサ110が1つまたは複数の電気機械センサ及び1つまたは複数の音響センサを含む場合、衝突位置推定コンポーネント124は、オブジェクト114と車両100との接触に応答して1つまたは複数の電気機械センサによって生成されたデータに基づいて第1の推定された衝突位置を生成し得、オブジェクト114の接触に応答して1つまたは複数の音響センサによって生成されたデータに基づいて第2の推定された衝突位置を生成し得る。いくつかの例では、衝突位置推定コンポーネント124はまた、推定される位置に関連付けられる確率、確実性、または同様のメトリックを決定し得る。推定される位置を決定する例は、図2に関連する例を含んで以下でさらに詳細に説明される。
【0032】
衝突位置推定コンポーネント124によって使用されるセンサデータ122は、複数のセンサモダリティからのものであり得る。多くのタイプのセンサシステムは、本質的に、センサ信号が発生しなかった状態を示す誤判定(false positive)と、センサ信号が発生した状態を示さない検出漏れ(false negative)の両方を示す。さらに、車両100が動作する環境内の状態は、第1のセンサ110に、例えば、イベント検出コンポーネント126を介して、低エネルギー衝撃衝突検出システム118にイベントを誤って識別させ得るセンサデータを生成させ得る。例えば、音響センサは、ドアが閉じられていること、エンジンがバックファイアーすること、ホーンが鳴ること、車両100がくぼみを通過することなどに関連付けられたノイズに起因する大きな信号を示し得る。同様に、高い周囲ノイズを有する環境では、衝撃に関連付けられた音を分離すること、及び/または正確な推定位置を生成することが困難であり得る。異なるタイプのセンサを展開し、それらのセンサからのデータを分析することによって、誤判定及び検出漏れは、本明細書に開示されるように、システム内で低減され得る。
【0033】
例えば、衝突位置推定コンポーネント124によって決定されるような、センサモダリティのそれぞれのタイプからの推定される衝突位置は、車両100のボディ102上の同一の位置に対応する場合もあり、または対応しない場合もある。いくつかの例では、第1のモダリティのセンサ110のうちの1つまたは複数からのセンサデータ122は、衝突の場所、例えば衝突がないことを示し得、一方、センサ110のうちの1つまたは複数の他のセンサデータ122は、衝突を示し得る。他の例では、センサの位置、センサの忠実度、センサの精度、及び/または他の要因のために、衝突に関連付けられる推定される衝突位置は、異なるモダリティに基づいて変化し得る。
【0034】
低エネルギー衝撃衝突検出システム118のイベント検出コンポーネント126は、衝突位置推定コンポーネント124によって判定される推定衝突位置(複数可)に基づいてイベントを識別する。例えば、イベント検出コンポーネント126は、推定衝突場所に関する情報、及びいくつかの例では、それらの推定の確実性に関する情報を受信し、イベント、例えば、低衝撃衝突イベントが発生したかどうかを決定し得る。一例では、イベント検出コンポーネント126は、複数の推定衝突位置が所定の閾値距離内にあるイベントを判定することができる。別の例では、イベント検出コンポーネント126は、衝突位置の確実性が確実性の閾値以上であるときにイベントを判定することができる。イベント検出コンポーネント126は、イベントを識別するためにいくつかの異なる論理フローを実装し得、そのいくつかの例は、図4及び図5を参照して以下で説明される。
【0035】
イベント検出コンポーネント126はまた、追加の機能を実行し得る。例えば、イベント検出コンポーネント126は、車両100の他の衝突検出システムが衝突、例えば、比較的高い衝撃の衝突が発生したことを示すかどうかを判定する機能を含み得る。例えば、低エネルギー衝撃衝突検出システム118は、比較的低い衝撃の衝突を検出するのに有用であるが、比較的高い衝撃の衝突も検出し得る。しかしながら、これらの比較的大きい衝撃の衝突は、従来の衝突検出システム及び/または衝突緩和システムを使用して処理される可能性が高い。したがって、イベント検出コンポーネント126は、イベントが別のシステムを介して既に判定されている場合、イベントを判定しない(またはイベントに関連付けられるさらなるアクションをとらない)場合がある。低エネルギー衝撃の衝突イベントの例では、イベント検出コンポーネント126はまた、衝突時の車両速度、衝撃に関連する力など、低エネルギー衝撃の衝突を特徴付ける追加情報を含み得る。
【0036】
コマンド生成コンポーネント128は、イベント、例えば、低エネルギー衝撃の衝突イベントに応答するための1つ以上の制御コマンド130を生成する機能を含む。本明細書で詳細に説明されるように、制御コマンド130は、システムコントローラ120及び/または車両100の他の態様を構成して、1つまたは複数の動作を実行し、例えば、現在移動している場合に車両を停止させ、イベントに関連する動作データ(センサデータ、制御データ、及び生成された任意の中間メッセージデータを含むがこれらに限定されない)を収集及び送信または格納し、及び/または車両内または車両の近くの遠隔操作者または他の人間との通信を開始することができる。さらに別の例では、制御コマンド130は、他のセンサ、例えば、衝撃に関する追加情報を提供し得る第2のセンサ112でデータを生成及び/または格納するように車両コンピューティングシステムを構成することができる。限定されないが、制御コマンド130は、検出された衝突が衝突イベントに関するさらなる情報を提供し得るデータを生成及び/または格納するように決定された視野を有するカメラまたは他の撮像装置を構成し得る。例えば、制御コマンド130は、衝突の前及び/または後の所定の時間、例えば、30秒、90秒などの間、第2のセンサ112のうちの1つまたは複数によって生成されたデータを車両100に格納させ得る。
【0037】
低エネルギー衝撃の衝突イベントが検出される例では、コマンド生成コンポーネント128は、車両を停止させるために制御コマンド130を発行し得る。システムコントローラ120は、車両100を停止するまで減速させること、例えば、車両100に対して可能である最大減速率よりも小さい減速率に関連付けられた穏やかな停止によって、この制御コマンドに応答し得る。例えば、穏やかな停止は、所定のレート、第1のレートよりも小さいレート(例えば、最大ブレーキレート)、第2のレートよりも大きいレート(例えば、最小ブレーキレート)、実質的に中央にある複数の利用可能なレートの中からのレート(例えば、5つのレートの中からの第3のレート)、複数のレートの中からの最小レートなどの特定のレートでのブレーキを含み得る。減速率は、毎秒平方メートルまたはフィートの数(m/s^2)などの経時的な測定単位を指し得る。一例では、穏やかな停止は、自律車両100が停止するまで、毎秒5フィートまたは10フィートの速度で減速することを含み得る。
【0038】
コマンド生成コンポーネント128はまた、遠隔操作者との通信を開始するために制御コマンド130を発行することによって低エネルギー衝撃の衝突イベントに応答し得る。システムコントローラ120は、例えば、ネットワークを介して、車両の通信ユニットと遠隔オペレータとの間の通信チャネルを可能にすることによって、この制御コマンドに応答し得る。通信チャネルは、遠隔操作者によって、車両100内及び車両100の周りに位置する人(複数可)と通信するために使用され得る。これは、低エネルギー衝撃の衝突時に車両100で移動している乗客、衝突の場面に対応する警察官、及び衝突時に車両の近傍に存在する他の人を含み得る。
【0039】
さらに、コマンド生成コンポーネント128は、低エネルギー衝撃の衝突イベントの後に車両動作データを格納または送信するための制御コマンド130を発行し得る。応答して、システムコントローラ120は、イベントの前後の時間間隔のために車両動作データを収集し、格納し得る。車両動作データは、車両速度、進行方向、ステアリング角度、並びに車両100上に配置されたセンサ110からのセンサデータ122を含み得る。動作データは、車両100のオンボードメモリにローカルに格納されてもよく、またはネットワークを介して外部コンピューティングシステムに送信されてもよい。
【0040】
イベント検出コンポーネント126が衝撃なしのイベントを生成する場合、コマンド生成コンポーネント128は、制御コマンド130を生成せず、システムコントローラ120によってアクションは実行されなくてもよい。しかしながら、いくつかの例では、コマンド生成コンポーネント128は、例えば、センサデータ122の一部に誤判定がある場合、センサデータ122及び/または他の動作データを格納するための制御コマンド(複数可)を生成し得る。応答して、システムコントローラ120は、上記のようにデータを収集し、格納し得る。
【0041】
車両100はまた、いくつかの例では、低エネルギー衝撃衝突検出システム118に追加の(任意の)入力を提供することができる知覚システム132を含み得る。知覚システム132は、車両100の環境に関連付けられた知覚データ134を生成する。例えば、知覚データ134は、第2のセンサ112からのセンサデータを使用して車両100に近接する環境で検出されたオブジェクト114などのオブジェクトに関する情報を含むことができる。知覚データ134は、検出されたオブジェクト(複数可)に関連付けられた1つまたは複数の属性を含むことができる。これらの属性は、オブジェクトタイプ(例えば、車、歩行者、サイクリストなど)としてのオブジェクトの分類、オブジェクトの位置(例えば、ローカルまたはグローバル座標系におけるx、y、及び/またはz位置、相対的な位置など)、オブジェクトの向き、オブジェクトの速度、オブジェクトの範囲(例えば、オブジェクトを表すバウンディングボックスであり得るサイズ)、オブジェクトに関連付けられた軌道、車両の位置及び軌道に基づいたオブジェクトとの衝突の可能性、及び/または車両100とオブジェクトの予想される衝突位置を含み得るが、これらに限定されない。いくつかの例では、オブジェクトの軌道は、RADAR処理及び/または他の技術から決定され得る。
【0042】
知覚データ134は、イベントを決定する信頼性を改善するために、低エネルギー衝撃衝突検出システム118によって使用され得る。例えば、衝突位置推定コンポーネント124は、センサデータ122に基づいて決定された推定された位置に加えて、知覚データ134に基づいて推定された衝突位置を生成し得る。他の例では、知覚データ134は、オブジェクトが車両の閾値距離、例えば、1メートル、0.1メートルなどの範囲内にあることを示し得る。イベント検出コンポーネント126は、例えば、図4及び図5を参照して以下に説明するように、この近接データを使用してイベントの尤度を確認し得る。
【0043】
次に、車両100に配置された低衝撃センサシステムを含む、車両に有用な低エネルギー衝撃衝突検出システムの追加の詳細を、残りの図面を参照して説明する。
【0044】
図2は、複数のセンサを有する例示的な車両200を示す。例では、車両200は、上述した車両100と同様であってもよく、または同じであってもよい。センサは、図1の第1のセンサ110及び/または第2のセンサ112に類似または同じであり得る。センサは、車両200を含む低エネルギー衝撃衝突に関連付けられるデータを生成するように構成される。
【0045】
図2に示されるように、車両200は、車両100を参照して上述したボディ102であり得るボディ202を含む。ボディ202は、一般に、車両の外部、例えば、車両200が動作している環境に露出した表面を画定する。ボディ202は、一般に、第1の端部に第1の外面204を含み、第1の端部の反対側の第2の端部に第2の外面(図2では見えない)を含む。ボディ202はまた、車両200の第1の端部と第2の端部との間に延びる側面または横方向側面206(そのうちの1つが示されている)を含む。車両200は、車輪208(そのうちの2つを図2に示す)によって輸送される。車輪208の一部は、図2に示されるように、保護車輪カバーを有してもよい。そのような保護カバーは、ボディ202及び/または外面204、206の一部であってもよい。より多くまたはより少ないボディセクションも含まれ得る。例えば、ボディ202はまた、フロントガラス、ドアパネル、バンパーなどのうちの1つまたは複数を含み得る。
【0046】
例示的な車両200は、車両200のボディ202に取り付けられた、またはそうでなければ車両200のボディ202に結合された1つまたは複数のセンサを含む。センサは、第1のセンサ110及び/または第2のセンサ112に対応し得る。センサによって生成されたセンサデータは、センサデータ122に対応し得、本明細書で詳述されるように、車両200との低エネルギー衝撃衝突を感知するために使用される。図2の例では、センサは、第1の電気機械センサ210、第2の電気機械センサ212、及び第3の電気機械センサ214を含む。センサはまた、第1の音響センサ216a、第2の音響センサ216b、第3の音響センサ216c、第4の音響センサ216d、第5の音響センサ216e、及び第6の音響センサ216fを含む複数の音響センサを含む。本明細書では、第1の音響センサ216aから第6の音響センサ216f、及び/または図2に示されていない他の音響センサ(複数可)のうちの2つ以上のセンサを「音響センサ216」と称することができる。電気機械センサ210、212、214及び/または音響センサ216は、車両200のボディ202上に所望のカバレッジ領域を提供するために、所定のパターンで配置され得る。センサは、車両200の周りで約360度の感知を可能にするパターンで配置され得る。これにより、車両200は、車両200の第1の端部204若しくは第2の端部、横方向側面206、または車輪208における衝突を検出することができる。より高い密度のセンサは、車両の他の領域よりも衝突に関与する可能性が高い車両の領域、例えば、ボディ202の下部に配置され得る。いくつかの例では、車両の一部は、任意のセンサを含まなくてもよい。限定されず、例えば単に、屋根は、電気機械センサ及び/または音響センサであってもよい。
【0047】
例では、電気機械センサ210、212、214は、ベンディングまたはフレクションに応答して導電性を変化させる薄膜抵抗センサであり得る。電気機械センサ210、212、214は、オブジェクト114によって引き起こされる衝撃などの衝撃によって引き起こされるボディ202上の歪みを感知するために、車両100のボディ202に取り付けられ得る。限定されないが、電気機械センサ210、212、214は、ボディ202を構成するボディパネルに固定され得る。例えば、電気機械センサ210、212、214は、ボディ202の部分の内面(目に見える、露出した、外面の反対側)に接着され得る。図示の抵抗センサの代わりに、またはそれに加えて、他のタイプの電気機械センサを使用してもよい。例えば、追加のまたは他の電気機械センサは、他の衝撃センサ(例えば、光ファイバーセンサ、圧力管、圧電薄膜センサ)、容量性塗料、電極、慣性センサ(例えば、慣性測定ユニット(IMU)、加速度計)、及び/または近接センサ(例えば、容量性、マイクロ波、光学/赤外線、または超音波近接センサ)を含み得る。電気機械センサ210、212、及び214は、同じタイプのものであってもよく、または異なるタイプのものであってもよい。
【0048】
示される実施形態では、第1の電気機械センサ210は、車両200の横方向側面206に配置され、第2の電気機械センサ212は、車両200の端部204に配置され、第3の電気機械センサ214は、車両200の車輪208の覆いに配置される。図2に示されるように、電気機械センサ210、212、214は、所定のアレイまたは配置にある複数の別個のセンサを含み得る。例えば、図2の拡大部分220は、第1の電気機械センサ210をより詳細に示す。図示されるように、第1の電気機械センサ210は、概して水平に配置され、垂直方向に間隔を置いて配置される第1のセンサストリップ210a及び第2のセンサストリップ210bを含む複数のセンサストリップを含む。第1の電気機械センサ210はまた、概して垂直に配置され、水平方向に間隔を置かれた第3のセンサストリップ210c、第4のセンサストリップ210d、第5のセンサストリップ210e、及び第6のセンサストリップ210fを含む。ストリップ210a~210fは、車両200の横方向側面206のカバレッジを提供するように配置されてもよい。例示される配置は、例えば単なるものであり、他のパターンが企図される。図2の例では、電気機械センサ212はまた、車両の第1の端部204を覆うように配置された、水平及び垂直のストリップとして示されている。センサは、衝突に関与する可能性がより高い車両の領域、例えば、ボディ202の下部に配置される。ストリップに配置された個々のセグメントが示されているが、横方向側面206及び/または端部202はまた、センサアレイによって覆われ得る。
【0049】
第1の電気機械センサ210及び第2の電気機械センサ212の配置は、単なる例である。例えば、より多くまたはより少ないストリップを含み得るストリップ210a~210fの他のパターンも企図される。さらに、ストリップ210a~210fは、概して水平及び垂直に配置されるが、他の例は、角度、オーバーラップ、及び/または他の構成を含み得る。ストリップ210~210fはそれぞれ、例えば、ストリップの長さ及び/またはストリップの幅に沿って間隔を置いて配置された複数の別個のセンサを含んでもよく、または単一のセンサであってもよい。本明細書で詳述されるように、いくつかの別個のセンサを含むことによって、車両200との衝突位置のより正確な推定が決定され得る。
【0050】
図2に示されるように、車両200はまた、音響センサ216を含む。音響センサ216は、例えば、抵抗型、容量型、光ファイバー型、圧電型またはエレクトレット型マイクロフォン、及び/またはSAWデバイスなどのマイクロフォンであってもよい。マイクロフォンは、任意のオブジェクトによる車両200との典型的な衝突によって生成される音をキャプチャするのに適した感度、周波数帯域幅、及び/またはダイナミックレンジを有し得る。音響センサ216はそれぞれ、同じまたは異なるタイプの個々のセンサであってもよく、または音響センサ216は、無線音響センサネットワーク(WARS)として、または従来の(有線)アレイとして設定されてもよい。
【0051】
示されるように、音響センサ216は、車両200の周りに分布される。例えば、第1の音響センサ216a~第4の音響センサ216dは、互いに離されて、横方向側面206に結合される。第5の音響センサ216e及び第6の音響センサ216fは、車両200の第1の端部202に配置されて示される。図示された例では、音響センサ216は、概して水平方向にのみ間隔を空けて置かれるように図示されているが、他の例では、間隔は他の方向及び/または追加の方向にあり得る。音響センサ216はまた、より多くのまたはより少ないセンサを含み得る。例では、音響センサ216は、車両200のボディ202、例えば、各側面に配置された複数の間隔を置いて配置されたセンサを含む。例では、音響センサ216は、環境ノイズに応答して信号を生成し、本明細書に記載されるように、複数の音響センサ216からの信号を使用して音源の場所を突き止めることができる。いくつかの例では、音響センサ216は、車両200の任意の外面で発信される音声を検出するように番号付けされてもよく、及び/または配置されてもよい。さらに、音響センサは、電気機械センサ210、212、214によって監視されるボディ202の領域と少なくとも部分的に重複するように配置され得る。
【0052】
図2に示されていない車両200の部分は、示されている側面206及び端部204と同じ分布でセンサを有し得、すなわち、車両及びセンサの位置は、双方向車両100のように、横方向及び長手方向軸について実質的に対称であり得る。他の実施態様では、車両200の第1の端部または先端204は、従来の車両のように第2の端部または後端部とは異なり得、及び/または異なるセンサの分布を含み得る。図2は、車両200上のセンサの配置を示すが、センサの他のタイプ及び配置も企図される。
【0053】
図2に示される例示的なセンサは、電気機械センサ及び音響センサを含むが、衝撃または衝撃から生じる副作用を検出できる他のタイプのセンサもまた、同じフレームワークに組み込むことができる。例えば、オブジェクトの近接性を検出するための超音波センサ及び光学/赤外線センサ、並びに加速度計及びマイクロフォンの両方を含む融合センサも、上述の機械式及び音響センサの代わりに、またはそれに加えて使用することができる。
【0054】
電気機械センサ及び/または音響センサのそれぞれは、一意の識別子を有し得る。低エネルギー衝撃衝突検出システム118は、特定の位置を、車両またはそれが配置されている車両のセクションに関するセンサの位置を示す各センサと関連付けることができる。各センサに関連付けられた位置は、非限定的な例として、例えば、車両200の中心に対するセンサの中心の3次元座標、車両200の断面(例えば、横方向側面206)を表す平面上の原点に対するセンサの中心の2次元座標、または2次元または3次元のいずれかにおけるセンサの範囲を示す座標のセットなど、2次元または3次元で様々な方法で表現され得る。低エネルギー衝撃衝突検出システム118はまた、2次元または3次元におけるセンサの空間関係をキャプチャする内部表現、例えば、グリッド位置におけるセンサまたはセンサセグメントの存在/非存在を示すグリッドセルによるグリッド表現、及び/またはグリッドセル内に位置するセンサからの信号値を使用し得る。
【0055】
例えば、各電気機械センサセグメント210a~210fは、一意に識別され、車両200のボディ202上の特定の位置、例えば、横方向側面206上の210aに関連付けられ、第1の端部204に最も近い最上段の位置に関連付けられる。低エネルギー衝撃衝突検出システム118によって受信されたセンサデータ122は、車両200上に配置された電気機械センサ210、212、214及び音響センサ216のそれぞれについて、センサ識別子及びその対応する信号値を含む。
【0056】
一例として、図2は、衝突位置116であり得る衝突位置218を示す。衝突位置218は、横方向側面206に示されているが、衝突位置218は、車両の任意の側面上または車両200の車輪208上にあり得ることが理解される。示されるように、正確な衝突位置218に位置するセンサ(複数可)がなくてもよく、または衝突位置218は、1つまたは複数のセンサ位置に対応してもよい。衝突位置218における衝撃の結果として、様々な電気機械センサ210、212、214及び/または様々な音響センサ216からのセンサデータ122は、上昇した信号値を示し得る。例えば、電気機械センサ210は、衝突領域からより遠くに位置するセンサ212よりも高い信号値を生成し得る。さらに、電気機械センサ210を含むストリップの各々は、その位置に対するそれらの近接性に基づいて異なる信号を生成し得る。同様に、衝突位置218に最も近い音響センサ216である第2の音響センサ216b及び第3の音響センサ216cは、例えば、衝突位置218からより遠くに位置する第5の音響センサ216e及び第6の音響センサ216fよりも高い信号値を生成することが期待される。低エネルギー衝撃衝突検出システム118の衝突位置推定コンポーネント124は、センサデータ122に含まれるセンサ210、212、214、216からのセンサ信号値に基づいて、衝突位置218を推定する。例えば、以下で詳述されるように、衝突位置推定コンポーネント124は、電気機械センサ210、212、214からのセンサデータに基づいて第1の推定される衝突位置220を判定することができ、及び/または音響センサ216からのセンサデータに基づいて第2の推定される位置222を推定することができる。
【0057】
図2に示される例では、電気機械センサ210、212、214は、車両200の外面204、206、214の実質的な部分をカバーする。図示された例では、衝突位置218に正確に示されているセンサはない。しかし、他の例では、衝突はセンサの位置に直接位置づけられることができる。一般に、電気機械センサ210、212、214によって生成されるセンサ信号の値は、センサ位置に対する衝突位置の近接度に応じて変化する。例えば、衝突の例では、衝突位置218にあるセンサ(ある場合)は、最も高い信号値を記録し、信号値は、衝突位置218からの距離が増加するにつれて低下する。図2の拡大部分に示される例では、第1及び第5のストリップ210a、210eで最も高く、第3のストリップ210cで最も低い。車両200の他の側面の非衝突領域(例えば、衝突に関与していない)におけるセンサ信号値は、例えば、センサ212におけるセンサ信号値は、はるかに低い場合もあれば、ゼロであることもある。信号値は、衝撃のエネルギー、可撓性センサの歪みの程度、または衝撃の重大度の任意の他のインディケーションを示し得る。展開されたセンサのセンサ特性は、信号レベルと衝撃の重大度との間のマッピングを提供し得る。いくつかの例では、信号レベルは、衝撃を比較的高い衝撃衝突、または低エネルギーの衝撃衝突として分類するために使用され得る。
【0058】
低エネルギー衝撃衝突検出システム118の衝突位置推定コンポーネント124は、衝突の位置、例えば、図2の第1の推定される衝突位置220を電気機械センサ212、214、216から推定するための様々な方法を実装し得る。1つの非限定的な例では、センサ信号値は、例えば、k=2でk平均法を使用することによって、2つのグループにクラスタリングされ得る。この例では、より高い平均値を有するクラスタは、衝突領域内のセンサに対応し、より低い平均値を有するクラスタは、非衝突領域内のセンサに対応する。第1の推定される衝突位置220は、より高い平均値を有するセンサクラスタの空間的中心として推定され得る。この方法は、非衝突領域を示す信号から衝突を示す信号を区別するための閾値設定を決定する問題を回避する。しかしながら、他の例では、所定の閾値が使用され得る。
【0059】
例えば、非衝突領域からのセンサ信号レベルは、典型的な車両動作中に収集された訓練データから学習され得る。非衝突領域に対応する学習された信号レベルは、基準信号として使用され得る。例えば、測定されたセンサ信号は、基準信号と比較され得、その差が閾値よりも高い場合、センサは、衝突領域内にあると識別され得る。推定される衝突位置は、衝突領域内にあると識別されたセンサの空間的中心として計算され得る。別の例では、推定される衝突位置は、最も高い信号レベルを有するセンサの位置に対応し得る。
【0060】
別の例では、衝突位置推定コンポーネント124は、センサの空間分布を表すために内部グリッド表現を使用し得る。電気機械センサ210、212、214は、ストリップとして示されているが、それらはまた、グリッド上の別個の領域またはセルに関連付けられた個々のセンサとして表され得る。例えば、車両200の表面の一部、例えば、横方向側面206は、2次元グリッドとして表され得る。例では、センサ210の一意の識別子は、グリッド上のセンサの位置に関連付けられ得る。識別子は、非限定的な例として、位置情報をカプセル化し得る。別の例では、ルックアップテーブルは、車両200の横方向側面206を表すグリッド上の位置、例えば、グリッドの行x及び列yのセンサ210aに一意の識別子をマッピングするために利用可能であり得る。グリッドセルは、個々のセンサを表してもよく、または単一のセンサが複数のグリッドセルを占有してもよい。グリッドセルのサイズは、低エネルギー衝撃衝突検出システム118の衝突位置確認の粒度に基づいて変化し得る。全てのグリッドセルは、同じサイズでなくてもよく、例えば、グリッドは、より密度の高いセンサカバレッジを有する領域において、または衝突のより細かい位置決めが望ましい領域において、(より小さいセルを有する)相対的に精緻であってもよい。
【0061】
衝突位置推定コンポーネント124はまた、音響センサ216によって生成されたセンサデータから第2の推定される衝突位置222を決定する技術を実装し得る。センサデータ122の音響部分は、各音響センサ216によってキャプチャされた信号レベル、及びセンサの対応する一意の識別子を含む。一意の識別は、車両200のボディ202上のセンサの位置に関連付けられる。衝突位置推定コンポーネント124は、異なる点で測定された音波から、例えば、第2の推定された衝突位置222として、音の発生源を突き止める、または発生源位置の推定を計算するためにいくつかの技術を使用することができる。この場合、音の発生源は、衝突位置218にあり、音の発生源を突き止めることは、第2の推定された衝突位置222を提供する。ローカリゼーション技術は、エネルギーレベルまたは受信信号強度(RSS)、到着時間(TOA)測定値、到着時間差(TDOA)測定値、及び複数の空間的に分散された音響センサでの到着方向測定値に基づいたソース位置の推定値を含む。SRP(steered response power)機能などの信号処理技術はまた、空間的に分散された音響センサからの入力を用いたソース位置特定にも使用され得る。一例では、音響センサ216b及び216cからのデータを使用して、衝突位置の推定は、例えば、図2に示される第2の推定位置222で決定され得る。例では、衝突位置推定コンポーネント124は、衝突位置推定のために、閾値レベルを超える音、例えば、閾値デシベルレベルを超える音に関連付けられるデータを識別し得る。他の例では、衝突位置推定コンポーネント124は、例えば、実際のデシベルレベルが周囲のノイズに基づいて変化するように、周囲またはベースラインレベルの音から閾値を超えて変化する音に関連付けられるデータを識別し得る。
【0062】
図2の例では、第1の推定される衝突位置220は、実際の衝突位置218に比較的近くてもよく、第2の推定される衝突位置222は、実際の衝突位置218から比較的遠くてもよい。例えば、より精緻なアレイにはより多くの電気機械センサが存在するため、第1の推定される衝突位置220は、より高い忠実度(fidelity)を有し得る。あるいは、音響センサが直線に配置されているため、第2の推定される衝突位置は、概してその線に沿っていてもよい。もちろん、異なる配置は異なる結果を提供し得る。センサの配置及び数に加えて、第1の推定される衝突位置220及び/または第2の推定される衝突位置222の精度は、センサデータの質、使用される処理技術及び/または他の要因に基づいて変化し得る。さらに、図2の例は、異なるセンサデータタイプを使用して別々に考慮されるように第1及び第2の衝突位置220、222を示すが、他の例では、衝突位置推定コンポーネント214は、例えば、電気機械センサ210、212、214からのセンサデータ及び音響センサ216からのセンサデータに基づいて、推定される衝突位置を判定し得る。限定されないが、モデルは、単一の推定される衝突位置を判定するために、音響データ及び電気機械センサからのデータ上で訓練され得る。さらなる例では、単一の推定される衝突位置は、第1の推定される衝突位置220及び第2の推定される衝突位置の平均または他の機能であり得る。
【0063】
いくつかの例では、衝突位置推定コンポーネント124はまた、第3の推定される衝突位置224を生成することができる。限定されないが、第3の推定される衝突位置224は、知覚データ134などの知覚データに基づいてもよい。図2に示されるように、第3の推定される位置は、知覚データ134に示されるオブジェクト(複数可)及び/またはオブジェクトの対応する軌道に基づいて衝突のより高い確率が存在する領域であり得る。例えば、第3の推定される衝突位置224は、車両200に近接するオブジェクト、及び/またはそのオブジェクトの軌道に基づくオブジェクトが、車両200と衝突し得る領域に対応し得る。いくつかの例では、知覚データ134は、第3の推定される位置224に対応する予想される衝突領域を含み得る。
【0064】
衝突位置推定コンポーネント124はまた、センサ信号のセットから衝突の位置及びタイプを予測するために様々な人工知能(AI)技術を実装し得る。AI技術は、1つまたは複数のニューラルネットワークなどの機械学習(一般に、機械学習モデルとも呼ばれる)を含み得る。例えば、ニューラルネットワークは、センサ110のセンサ信号値を含む入力ベクトルを(非衝突を含む)衝突のタイプに分類するように訓練され得る。入力信号の空間分布を符号化する別個のニューラルネットワーク、例えば畳み込みニューラルネットワークは、センサデータ122からの衝突位置を推定するように訓練され得る。低エネルギー衝撃衝突に対応する訓練データセットは、関連するセンサを備えた車両の動作データから収集され得る。訓練データセットは、衝突の場所及びタイプでラベル付けされ得、衝突がないデータを含み得る。訓練されたモデル(複数可)が衝突位置推定コンポーネント124の実装としてデプロイされるとき、センサデータ122は、訓練されたモデルへの入力を形成し、衝突の位置及び衝突のタイプの推定は、出力として取得される。例では、異なるタイプのセンサモダリティでそれぞれ訓練された別個のニューラルネットワークは、例えば、音響センサデータで訓練された1つまたは複数のニューラルネットワーク、及び電気機械センサデータで訓練された別個のニューラルネットワークのセットをデプロイし得る。代わりに、入力として凝集された異なるタイプのセンサ信号を有する単一のニューラルネットワークも使用され得る。アーキテクチャのさらなる例は、ResNet50、ResNet101、VGG、DenseNet、PointNetなどのニューラルネットワークを含む。衝突位置を推定するために使用される技術は、センサの種類ごとに類似または異なる場合がある。
【0065】
ニューラルネットワークのコンテキストで説明されているが、任意のタイプの機械学習が本開示と整合するように用いられることが可能である。例えば、機械学習アルゴリズムは、限定はされないが、回帰アルゴリズム(例えば、通常最小二乗回帰(OLSR)、線形回帰、ロジスティック回帰、段階的回帰、MARS(multivariate adaptive regression splines)、LOESS(locally estimated scatterplot smoothing))、インスタンスベースアルゴリズム(例えば、リッジ回帰、LASSO(least absolute shrinkage and selection operator)、Elastic net、LARS(least-angle regression))、決定木アルゴリズム(例えば、分類及び回帰木(CART)、ID3(iterative dichotomiser 3)、カイ二乗自動相互作用検出(CHAID)、決定切り株、条件付き決定木)、ベイジアンアルゴリズム(例えば、ナイーブベイズ、ガウスナイーブベイズ、多項ナイーブベイズ、AODE(average one-dependence estimators)、ベイジアンビリーフネットワーク(BNN)、ベイジアンネットワーク)、クラスタリングアルゴリズム(例えば、k平均、kメジアン、期待値の最大化(EM)、階層的クラスタリング)、相関ルール学習アルゴリズム(例えば、パーセプトロン、誤差逆伝搬、ホップフィールドネットワーク、RBFN(Radial Basis Function Network))、深層学習アルゴリズム(例えば、深層ボルツマンマシン(DBM)、深層ビリーフネットワーク(DBN)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、積層オートエンコーダ)、次元縮小アルゴリズム(例えば、主成分分析(PCA)、主成分回帰(PCR)、部分最小二乗回帰(PLSR)、サモンマッピング、多次元尺度構成法(MDS)、射影追跡、線形判別分析(LDA)、混合判別分析(MDA)、二次判別分析(QDA)、柔軟判別分析(FDA))、アンサンブルアルゴリズム(例えば、ブースティング、ブートストラップアグリゲーション(バギング)、アダブースト、積層ジェネラリゼーション(ブレンディング)、勾配ブースティングマシン(GBM)、勾配ブースト回帰木(GBRT)、ランダムフォレスト)、SVM(サポートベクタマシン)、教師あり学習、教師なし学習、半教師あり学習などを含むことができる。
【0066】
上述したように、各センサに関連付けられた位置は、車両200の中心における原点に対するセンサの中心の3次元座標、車両200のセクション(例えば、側面206)を表す平面上の原点に対するセンサの中心の2次元座標、または2次元または3次元グリッド上のセル位置など、2次元または3次元の様々な方法で表現され得る。推定される衝突位置220、222、224は、同じまたは異なる粒度を使用して同じ座標系で表現されてもよく、または異なるスキームを使用して表現されてもよい。例えば、推定される衝突位置220、222、224は、車両200のボディ202上の領域、例えば、第1の側面、第2の側面、第1の端部、第2の端部、第3のホイールカバーなどの観点から表され得る。別の例では、推定される衝突位置220、222、224は、センサ位置を説明するために使用されるのと同じ2次元または3次元グリッド内のより低い粒度で表現され得る。推定される衝突位置220、222、224はまた、推定の確実性レベルに基づいて異なるスキームを使用して表現され得る。例えば、第3の推定される衝突位置224は、車両200のボディ202上の領域(例えば、第1の側面)の観点から表され得、第2の推定される位置222は、2次元グリッド上の位置として表され得、第1の推定される位置220は、より粗い粒度で2次元グリッド上の位置として表され得る。
【0067】
説明されるように、衝突位置推定コンポーネント124は、電気機械センサデータに基づいて第1の推定される衝突位置220を判定し得、音響データに基づいて第2の推定される衝突位置222を判定し得る。さらに、第3の推定される衝突位置224は、知覚データ134に基づいて判定され得る。衝突位置の単一の推定は、センサモダリティ/データソースのタイプごとに示されるが、各センサタイプからのゼロ、1つまたは複数の衝突位置の推定があり得る。
【0068】
イベント検出コンポーネント126は、衝突イベントが発生したかどうかを判定するために、第1、第2、及び第3の推定される位置220、222、224の一部または全てを使用することができる。いくつかの例では、イベント検出コンポーネント126は、第1の推定される衝突位置220と第2の推定される衝突位置222とを比較する。比較は、2つの位置220、222の間の空間距離の形態であってよい。距離が閾値を下回る場合、2つの位置は、互いに対応していると判定される。衝突位置220、222間の距離が閾値と同等またはそれ以上である場合、位置220、222は、互いに対応していないと判定され、非衝突イベント(no-impact event)が、イベント検出コンポーネント126によって判定される。例えば、知覚データ134に基づいて第3の推定される位置224が利用可能である場合、第1の推定される衝突位置220及び/または第2の推定される衝突位置222が第3の推定される衝突位置224によってカバーされる領域と重複するとき、衝突イベントは、イベント検出コンポーネント126によって判定され得る。それ以外の場合、非衝突イベントは、イベント検出コンポーネント126によって判定される。知覚データ134が利用可能でない場合、イベント検出コンポーネント126は、2つの位置220及び222が互いに対応していると判定される衝突イベントを判定する。電気機械センサまたは音響センサのいずれかが、衝突の位置の推定値を生成しない場合、例えば、衝突がセンサによって検出されない場合、イベント検出コンポーネント126は、衝突なしイベントを判定する。例では、対応を決定するために使用される閾値がなくてもよく、代わりに、2つの位置220、222の間の対応は、両方の位置が車両200のボディ202の同じ表面、例えば、第1の側面、第2の側面、第1の端部、第2の端部、第3のホイールカバーなど上にあることに基づいてもよい。
【0069】
イベント検出コンポーネント126の別の実施形態では、知覚データ134に基づく第3の推定される衝突位置224は、衝突位置推定コンポーネント124からの入力として受信される。上述したように、衝突220、222の推定位置(複数可)も、例えば、電気機械の、音響のセンサモダリティのタイプごとに取得される。推定される衝突位置224は、推定される衝突位置220、222と比較される。比較は、位置224と他の位置、例えば、220または222との間の重複を決定するという形態であってよい。位置224と位置220または222のいずれか1つとの間に重複がある場合、イベント検出コンポーネント126は、衝突イベントを判定する。それ以外の場合、重複がない場合、例えば、位置220及び222の両方が224に示される位置の外側にある場合、非衝突イベントが、イベント検出コンポーネント126によって判定される。説明されるように、異なるセンサモダリティ及び知覚データからの推定される位置の組み合わせを使用することは、衝突イベントをより高い確実性で確認することを可能にする。
【0070】
図3は、本明細書で説明される技術を実装するための例示的なシステム300のブロック図を示す。いくつかの例では、システム300は、図1の車両100及び/または図2の車両200に対応し得る車両302を含み得る。いくつかの例では、車両302は、米国運輸省道路交通安全局によって発行されたレベル5分類に従って動作するよう構成された自律走行車両であってよく、この分類は、運転者(または乗員)の常時車両制御を期待することなく全行程に対する全ての安全上重要な機能を実行することが可能な車両を説明する。しかしながら、他の例では、自律車両302は、他のレベルまたは分類を有する完全にまたは部分的な自律車両であり得る。さらに、場合によっては、本明細書に記載の技術は、非自律走行車両によっても使用可能であり得る。
【0071】
車両302は、車両コンピューティングデバイス304、1つまたは複数のセンサシステム306、1つまたは複数のエミッタ308、1つまたは複数の通信接続310、(例えば、データを交換する及び/または電力を供給するために車両302と物理的に結合するための)少なくとも1つの直接接続312、及び1つまたは複数の駆動システム314を含むことが可能である。
【0072】
いくつかの例では、センサシステム306は、LIDAR(light detection and ranging)センサ、RADARセンサ、超音波トランスデューサ、ソナーセンサ、位置センサ(例えば、GPS、コンパスなど)、慣性センサ(例えば、慣性測定ユニット(IMU)、加速度計、磁力計、ジャイロスコープなど)、カメラ(例えば、RGB、IR、強度、深度、飛行時間(TOF)など)、マイク、ホイールエンコーダ、環境センサ(例えば、温度センサ、湿度センサ、光センサ、圧力センサなど)などを含んでよい。センサシステム306は、これら、または他のタイプのセンサのそれぞれの複数のインスタンスを含み得る。例えば、LIDARセンサは、車両302の角部、前部、後部、側部、及び/または上部に位置する個々のLIDARセンサを含んでよい。別の例として、カメラは、車両302の外部及び/または内部に関する様々な場所に配置された複数のカメラを含み得る。センサ306は、車両コンピューティングデバイス304に入力を提供してよい。
【0073】
車両302はまた、上記のように、光及び/または音を放出するためのエミッタ308を含み得る。この例におけるエミッタ308は、車両302の乗客と通信するための内部オーディオ及びビジュアルエミッタを含み得る。限定ではなく例として、内部エミッタは、スピーカ、ライト、サイン、ディスプレイスクリーン、タッチスクリーン、触覚エミッタ(例えば、振動及び/または力フィードバック)、機械的アクチュエータ(例えば、シートベルトテンショナ、シートポジショナ、ヘッドレストポジショナなど)などを含み得る。この例におけるエミッタ308はまた、外部エミッタを含み得る。限定ではなく例として、この例における外部エミッタは、移動の方向の信号を送る照明、または車両の行動の他のインジケータ(例えば、インジケータライト、サイン、照明アレイなど)、並びに歩行者、または音響ビームステアリング技術を含む1つまたは複数の近隣の他の車両と音響で通信する1つまたは複数のオーディオエミッタ(例えば、スピーカ、スピーカアレイ、ホーンなど)を含む。
【0074】
車両302はまた、車両302と1つまたは複数の他のローカルまたは遠隔コンピューティングデバイスとの間の通信を可能とする通信接続310も含んでよい。例えば、通信接続310は、車両302及び/または駆動システム314上の他のローカルコンピューティングデバイスとの通信を促進することが可能である。通信接続310は、追加的または代替的に、車両302が他の近くのコンピューティングデバイス(例えば、他の近くの車両、交通信号など)と通信することを可能とすることができる。通信接続310は、追加的または代替的に、車両302がコンピューティングデバイス316と通信することを可能にし得る。
【0075】
車両コンピューティングデバイス304は、1つまたは複数のプロセッサ318、及び1つまたは複数のプロセッサ318に通信可能に結合されたメモリ320を含むことが可能である。図示の例では、車両コンピューティングデバイス304のメモリ320は、知覚コンポーネント322、1つまたは複数のシステムコントローラ324、及び高エネルギー衝突検出システム328及び低エネルギー衝撃衝突検出システム330を含む衝突検出システム326を格納する。例示的な目的のためにメモリ320に存在するものとして図3に示されているが、知覚コンポーネント322、1つまたは複数のシステムコントローラ324、及び衝突検出システム326は、追加的または代替的に、車両302にアクセス可能であり得る(例えば、遠隔に格納される)ことが企図される。
【0076】
場合によっては、知覚コンポーネント322は、オブジェクトの検出、セグメンテーション、及び/または分類を実行するための機能を含むことができる。ある例において、知覚コンポーネント322は、車両302に近接するエンティティの存在及び/またはエンティティタイプ(例えば、自動車、歩行者、サイクリスト、動物、建物、樹木、路面、縁石、歩道、不明なものなど)としてエンティティの分類を示す処理されたセンサデータを提供することができる。追加または代替の例では、知覚コンポーネント322は、検出されたエンティティ(例えば、追跡されたオブジェクト)及び/またはエンティティが配置されている環境に関連付けられた1つまたは複数の特性を示す処理されたセンサデータを提供することができる。いくつかの例では、エンティティに関連付けられた特性は、限定しないが、x位置(グローバル及び/またはローカル位置)、y位置(グローバル及び/またはローカル位置)、z位置(グローバル及び/またはローカル位置)、方向(例えば、ロール、ピッチ、ヨー)、エンティティタイプ(例えば分類)、エンティティの速度、エンティティの加速度、エンティティの範囲(サイズ)など、を含むことができる。環境に関連付けられた特性は、限定しないが、環境内の別のエンティティの存在、環境内の別のエンティティの状態、時刻、曜日、季節、気象条件、暗闇/光のインディケーションなどを含むことができる。
【0077】
少なくとも1つの例において、車両コンピューティングデバイス304は、1つまたは複数のシステムコントローラ324を含んでよく、これは、車両302のステアリング、推進、ブレーキ、安全性、エミッタ、通信、及び他のシステムを制御するよう構成されてよい。システムコントローラ324は、駆動システム314及び/または車両302の他のコンポーネントに対応するシステムと通信し、及び/またはそれらのシステムを制御することができる。
【0078】
システムコントローラ324は、車両のセンサシステム306の1つまたは複数のセンサに通信可能に結合され得る。非限定的な例として、センサは、車両の環境内のオブジェクトの存在を検出し、及び/またはそれらのオブジェクトの属性を決定し得る。システムコントローラ324はまた、安全システムが作動されるべきであると決定されたときに、車両302の安全システムの作動を引き起こし得る。例えば、システムコントローラ324は、1つ以上のエアバッグを展開するようにエアバッグ制御ユニットに指示してもよく、または1つ以上の拘束の張力を調整するように配置されたテンショナに信号を送信してもよい。他の安全システムは既知であり、有効にすることができる。他の実施形態では、システムコントローラ324は、複数の安全システムの作動を指示し得る。いくつかの実施形態では、安全システムコントローラ324のいくつかまたは全ての機能は、車両302から離れて、例えば、車両302のディスパッチまたは本部に関連付けられたリモートサーバで、またはクラウド内で実行され得る。他の実施形態では、システムコントローラ324の機能の一部または全ては、局所間のデータの伝送から生じ得る任意の遅延を最小限に抑えるために車両302で実行され得る。
【0079】
駆動システム314は、高電圧バッテリ、車両を推進するモータ、バッテリからの直流を他の車両システムで使用する交流に変換するインバータ、ステアリングモータ及びステアリングラック(電動とすることができる)を含むステアリングシステム、油圧または電気アクチュエータを含むブレーキシステム、油圧及び/または空気圧コンポーネントを含むサスペンションシステム、トラクションの損失を軽減し制御を維持するブレーキ力分散用の安定性制御システム、HVACシステム、照明(例えば、車両の外周を照らすヘッドライト/テールライトなどの照明)、及び1つまたは複数の他のシステム(例えば、冷却システム、安全システム、車載充電システム、DC/DCコンバータ、高電圧ジャンクション、高電圧ケーブル、充電システム、充電ポートなどの他の電気的コンポーネント)を含む多くの車両システムを含み得る。さらに、駆動システム314は、センサからデータを受信して前処理をすることができ、様々な車両システムの動作を制御するため駆動システムコントローラを含んでよい。いくつかの例では、駆動システムコントローラは、1つまたは複数のプロセッサ、及び1つまたは複数のプロセッサと通信可能に結合されたメモリを含んでよい。メモリは、駆動システム314の様々な機能を実行する1つまたは複数のモジュールを格納することができる。さらに、駆動システム314はまた、それぞれの駆動システムによる1つまたは複数の他のローカルまたはリモートコンピューティングデバイスとの通信を可能とする1つまたは複数の通信接続を含む。
【0080】
衝突検出システム326は、センサシステム306の1つまたは複数のセンサからの入力を使用して比較的高い衝撃の衝突を検出するように構成された高エネルギー衝突検出システム328を備える。例えば、車両の前部に近接して配置された加速度計からの入力は、オブジェクトとの正面衝突を示し得る。高エネルギー衝突検出システム328からの衝突インディケーションは、システムコントローラ324に、例えば、1つまたは複数のエアバッグ、エアカーテン、拘束システムなどの車両安全システムを展開させる。
【0081】
低エネルギー衝撃衝突検出システム330は、図1の低エネルギー衝撃衝突検出システム118に対応し得、そのコンポーネント332及び334は、それぞれ衝突位置推定コンポーネント124及びイベント検出コンポーネント126に対応し得る。低エネルギー衝撃衝突検出システム330は、低エネルギー衝撃衝突を検出するように構成され、システムコントローラ324と動作可能に結合される。
【0082】
低エネルギー衝撃衝突検出システム330からの衝突イベントインディケーションに応答して、システムコントローラ324は、非限定的な例として、以下のアクションのうちの1つまたは複数をとり得る。システムコントローラ324は、車両302を停止させるために駆動システム314に係合し(engage)得る。システムコントローラ324は、ネットワーク336を介して、車両302の通信ユニットと遠隔オペレータとの間の通信接続310を開いてもよい。この接続は、遠隔操作者と車両302内及び車両302の周りに位置する人(複数可)との間の双方向通信を可能にし得る。システムコントローラ324はまた、車両速度、進行方向、ステアリング角度などの車両動作データ、並びに低エネルギー衝撃衝突イベントの前後の時間間隔のセンサシステム306からのデータを格納し得る。動作データは、車両302のオンボードメモリ320にローカルに記憶されてもよく、またはネットワーク336を介して外部コンピューティングデバイス316に送信されて外部メモリ342に記憶されてもよい。システムコントローラ324はまた、低エネルギー衝撃衝突インディケーションが受信されたときにハザード状態を示すために、車両302上のエミッタ308と係合してもよい。例えば、音声エミッタは、ホーンを鳴らしてもよく、または車両302の内部でアナウンスをしてもよい。車両302の外部のハザードライトなどの視覚的なエミッタも作動され得る。車両302の内部の照明はまた、衝突イベントを示し得る。
【0083】
いくつかの例では、車両302は、ネットワーク336を介して、センサシステム306から生データまたは処理されたセンサデータを含む動作データを1つまたは複数のコンピューティングデバイス316に送信することができる。動作データは、衝突検出システム326によって検出された衝突イベントに応答して送信され得る。他の例では、車両302は、所定の期間の経過後、ほぼリアルタイムで、特定の周波数で、処理された動作データ及び/または動作データの表現をコンピューティングデバイス316に送信することができる。場合によっては、車両302は、生データまたは処理された動作データを1つまたは複数のログファイルとしてコンピューティングデバイス316に送信することができる。
【0084】
いくつかの例では、本明細書で説明されるコンポーネントのいくつかまたは全ての態様は、任意のモデル、アルゴリズム、及び/または機械学習アルゴリズムを含み得る。例えば、メモリ320、342内のコンポーネントは、ニューラルネットワークとして実装され得る。本開示の文脈で理解できるように、ニューラルネットワークは、機械学習を利用でき、これは、学習されたパラメータに基づいて出力が生成されるそのようなアルゴリズムの広範囲のクラスを指すことができる。
【0085】
図4及び図5は、本開示の実施形態による例示的なプロセスを示す。これらのプロセスは論理フローグラフとして示され、このそれぞれの動作は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせにおいて実装できる一連の動作を表現する。ソフトウェアのコンテキストにおいては、動作は、1つまたは複数のプロセッサで実行したときに、列挙した動作を実行する1つまたは複数のコンピュータ可読記録媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を表す。一般に、コンピュータ実行可能命令は、特定の機能を実行するまたは特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含む。動作が記載される順序は限定して解釈されることを意図するものではなく、任意の数の記載される動作を任意の順序で及び/又は並行し結合して、プロセスを実装することができる。
【0086】
本明細書に提示される主題は、コンピュータプロセス、コンピュータ制御装置、コンピューティングシステム、またはコンピュータ可読記憶媒体のような製品として実装されることができることを理解されたい。プロセス400及びプロセス500に関して説明される主題は、1つまたは複数のコンピューティングデバイス上及び/または1つまたは複数のコンピューティングデバイスと共に実行され得る動作の一般的な文脈で提示されるが、当業者は、他の実装が様々なプログラム/制御モジュールと組み合わせて実行され得ることを認識するであろう。一般に、そのようなモジュールは、ルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造、及び具体的なタスクを実行するか、または具体的な抽象データ型を実装した他のタイプの構造を含む。
【0087】
当業者はまた、プロセス400及びプロセス500に関して説明される主題の態様が、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースまたはプログラム可能な家庭用電化製品、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、携帯電話デバイス、タブレットコンピューティングデバイス、専用ハードウェアデバイス、ネットワーク機器などを含む本明細書で説明されるそれらを超える他のコンピュータシステム構成と併せて、実施または組み合わせられることを理解することとなる。
【0088】
図4は、イベントを確認することに基づいて、車両100、200、302のうちの1つなどの車両を制御する例示的なプロセス400を示すフロー図である。いくつかの例では、プロセス400は、本開示の低エネルギー衝撃衝突検出システム118、330、及びシステムコントローラ120、324によって制御される車両によって実行され得る。
【0089】
より具体的には、例示的なプロセス400は、動作402において、車両のボディに配置された電気機械センサ(複数可)からセンサデータを受信することを含む。例えば、センサデータは、本明細書に記載される電気機械センサ110、210、212、214、306のうちの1つまたは複数から受信され得る。電気機械センサは、車両の外面、例えば、車両のボディパネルに関連付けられ得る。電気機械センサは、車両との衝突に応答して信号を生成する。いくつかの実施態様では、センサデータは、衝撃センサによって検出された信号値であってもよい。
【0090】
動作404において、プロセス400はまた、第1の推定される衝突位置を判定することを含む。例では、動作404は、複数の電気機械センサからの感知された衝突に対応する信号を比較し、それらの信号に基づいて位置を推定することを含むことができる。動作404は、上記の機能に従って、衝突位置推定コンポーネント124、332によって実装され得る。いくつかの例では、第1の推定される位置は、図2の第2の推定される位置222であってもよい。
【0091】
プロセス400はまた、動作406において、1つまたは複数の音響センサからセンサデータを受信することを含み得る。例えば、センサデータは、車両200上に配置された音響センサ216から受信され得る。例では、音響センサは、車両の周囲の周りに配置された複数のセンサを含むことができる。音響センサは、音、例えば、車両の衝突に関連付けられた音の検出に応答して音声信号を生成するように構成される。例えば、音声信号の強度または値は、車両への衝撃の重大度に対応し得る。
【0092】
動作408において、プロセス400は、第2の推定される衝突位置を判定することを含む。例では、動作408は、動作406で受信された音声信号を複数の音響センサの信号と比較し、それらの信号に基づいて第2の位置を推定することを含むことができる。動作408は、上記の機能に従って、衝突位置推定コンポーネント124、332によって実装され得る。いくつかの例では、第2の推定される位置は、図2の第1の推定される位置220であってもよい。
【0093】
プロセスはまた、動作410において、第1の推定される衝突位置が第2の推定される衝突位置に対応するかどうかを判定することを含む。例えば、動作410は、第1の推定される位置と第2の推定される位置とを比較し、それらの位置が互いの閾値距離内にあるかどうかを判定し得る。動作410は、本開示の低エネルギー衝撃衝突検出システム118、330のイベント検出コンポーネント126、334によって実装され得る。
【0094】
動作410において、第1の推定される衝突位置が第2の推定される衝突位置に対応すると判定される場合、動作412において、プロセス400は、衝突イベントを判定する。例えば、プロセス400は、第1のセンサデータ及び第2のセンサデータの両方が近接する衝突を確認するときに衝突を決定する。限定されるわけではないが、少なくともいくつかの例では、検出の前及び/または後の時間量のセットに関連付けられたセンサデータを格納すること、速度を低下させること、1つまたは複数の情報または確認要求を遠隔オペレータシステムに送信することなど、いくつかの制御が、衝突の決定に少なくとも部分的に基づいて適用され得る。
【0095】
あるいは、動作410において、第1の推定される衝突位置が衝撃の第2の推定される衝突位置に対応しないと判定される場合、非衝突イベント(no-impact event)が、プロセス400の動作414において判定される。具体的には、センサが互いに関連付けられていない位置の衝突を判定した場合、またはセンサモダリティのうちの1つだけが衝突に関連付けられたデータを生成した場合、プロセス400は、車両との衝突が発生していないと判定する。例えば、イベントが判定されない場合、衝突に関連付けられるアクションは実行されない。
【0096】
任意選択の動作416において、プロセス400は、任意選択で知覚データを受信し得る。例えば、知覚データは、知覚システム132からの知覚データ134であり得る。本明細書に記載されるように、車両の知覚システムは、例えば、車両上に配置された1つまたは複数のセンサからのセンサデータを使用して、車両の環境内のオブジェクトに関するデータを生成し得る。例では、知覚データは、上述の動作402、406で受信されたセンサデータ以外のデータから決定され得る。
【0097】
動作418において、プロセス400が知覚データを受信することを含む例では、プロセス400は、知覚データが衝突イベントを確認するかどうかを判定することを含む。例えば、動作418は、知覚データが第1の推定される位置及び第2の推定される位置の近くにある車両に近接するオブジェクトを示すかどうかを判定することを含むことができる。例えば、知覚データ内のオブジェクトが、車両の閾値距離(例えば、1メートル)内に、並びに/または、第1の推定される衝突位置及び/または第2の推定される衝突位置に基づいて、動作412で判定された衝突イベントの車両上の推定される位置の閾値距離内にある場合、動作418は、知覚データが衝突イベントを確認すると判定し得る。動作418は、本開示の低エネルギー衝撃衝突検出システム118、330のイベント検出コンポーネント126、334によって実装され得る。
【0098】
動作418において、知覚データが衝突イベントを確認すると判定される場合、プロセス400は、衝突イベントに基づいて車両を制御することを含む。本明細書で詳述されるように、動作420は、停止するように車両を制御すること、乗客、当局、及び/または近くの人からの支援を要求するように車両を制御すること、インシデントレポートを生成するように車両を制御すること、遠隔操作者からの支援を要求するように車両を制御すること、より少ないセンサなどからのデータに基づいて、第2の方向にのみ前進することによって、例えば、より低い最大速度などの低減された機能性を有する車両を制御すること、またはそうでなければ車両を制御することを含むことができる。上記のように、動作416、418は任意選択であり得、プロセスがそれらの動作を含まない場合、プロセス400は、例えば、決定された衝突イベントに基づいて車両を制御するために、動作412から動作420に直接進み得る。
【0099】
いくつかの例では、動作416、418は、第1の推定される位置で検出された衝突及び/または第2の推定される位置で検出された衝突のさらなるチェックまたは確認として機能し得る。知覚データ以外のデータもまた、または代替的に、プロセス400と併せて受信され、及び/または考慮され得る。例えば、プロセスはまた、または代替的に、比較的高い衝撃衝突が発生したかどうかを示す一次衝突検出システムからの入力を受信することを含むことができる。例えば、車両がより深刻な事故に巻き込まれた場合、車両は、より大きな衝撃衝突のためのプロトコルに従って制御され得る。本開示の態様は、例えば、低衝撃衝突に応答して、動作420において、車両を制御することに関することができ、一方、機能性は、より高い衝撃衝突の場合に、別の処理システムによって取って代わられることができる。したがって、いくつかの例では、比較的高い衝撃衝突のインディケーションがない場合、低エネルギー衝撃衝突イベントに対応する衝突イベントは、動作412で判定され得る。
【0100】
図4にも示されるように、動作418において、知覚データが衝突イベントを確認しないと決定される場合、プロセス400は、上述したように、衝突が判定されない動作414に進んでもよい。すなわち、動作410において第1の位置が第2の位置に対応すると判定された場合でも、任意選択の知覚データは、衝突イベントを無効にし得る。他の例では、第1の位置及び第2の位置の知覚データの不一致に応答して、他のアクションが実行され得る。例えば、衝突位置の領域は、例えば、電気機械センサ(複数可)及び/または音響センサ(複数可)以外のセンサを使用して、フラグ付けされ、より密接に監視され得る。さらに、衝突位置に関する追加のデータは、電気機械センサ及び/または音響センサ以外のセンサから要求され得る。
【0101】
図5は、イベントを確認することに基づいて車両100、200、302を制御する例示的なプロセス500を示すフロー図である。いくつかの例では、プロセス500は、本開示の低エネルギー衝撃衝突検出システム118、330によって実行されることが可能であり、車両は、上述したシステムコントローラ120、324によって制御されることが可能である。
【0102】
より具体的には、動作502において、プロセス500は、知覚データを受信することを含む。例えば、知覚データは、車両100の知覚システム132からの知覚データ134であり得る。本明細書に記載されるように、車両の知覚システムは、例えば、車両上に配置された1つまたは複数のセンサからのセンサデータを使用して、車両の環境内のオブジェクトに関するデータを生成し得る。例では、知覚データは、上述の動作402、406で受信されたセンサデータ以外のデータから決定され得る。
【0103】
動作504において、プロセス500は、知覚データから、車両に近接するオブジェクトを識別することを含む。例えば、知覚データは、車両の環境内の感知された位置にあるオブジェクトの表現を含み得る。少なくともいくつかの例では、動作504は、車両の閾値距離(例えば、10センチメートル、0.5メートル、1メートルなど)内のオブジェクトを識別することを含むことができる。
【0104】
動作506において、プロセス500は、センサデータを受信することを含む。例えば、センサデータは、第1のセンサ110によって生成されたセンサデータ122であり得、図1に関連して上述したように、車両との低エネルギー衝撃衝突を判定するために使用される。また、例では、センサデータは、上述した動作402で受信したセンサデータ及び/または動作406で受信したセンサデータに対応し得る。限定されないが、センサデータは、単一のモダリティ、例えば、電気機械センサ、音響センサなどからであり得、または複数のモダリティからであり得る。
【0105】
動作508において、プロセス500は、センサデータから、推定される衝突位置を判定することを含む。例えば、動作508は、上述したプロセス400の動作404及び/または動作408に対応し得る。例えば、動作508は、第1のセンサモダリティによって生成されたデータに基づいて第1の推定される位置を判定すること、及び/または第2のセンサモダリティによって生成されたデータに基づいて第2の推定される位置を判定することを含むことができる。他の例では、推定される位置は、1つまたは複数のセンサモダリティからのセンサデータに基づいてもよい。
【0106】
動作510において、プロセス500は、推定される位置がオブジェクト位置に対応するかどうかを判定することを含む。例えば、動作510は、オブジェクト位置が推定される位置の閾値距離内にあるかどうかを判定することを含むことができる。他の例では、動作510は、推定される位置がボディパネル上にあるか、またはオブジェクトが近接している領域内にあるかを判定することを含むことができる。
【0107】
動作510において、推定される位置がオブジェクト位置に対応すると判定される場合、動作512において、プロセスは、衝突イベントを判定する。例えば、動作512は、上述した動作412に対応し得る。図5には示されていないが、プロセス500はまた、例えば、上述した動作420のように、衝突イベントに基づいて車両を制御することを含むことができる。
【0108】
あるいは、動作510において、推定される位置がオブジェクト位置に対応しないと判定される場合、動作514において、プロセス500は、非衝突イベントを判定することを含む。例えば、動作514は、上述した動作414に対応し得る。
【0109】
上記に基づいて、本明細書に提示される主題は、例示的な車両システム100、200、302の構造コンポーネント、方法論的行為、コンピュータ可読媒体、及び/またはシステムコントローラ120、324に動作可能に接続された他の構造コンポーネントに固有の言語で説明されているが、添付の特許請求の範囲で定義される本発明は、必ずしも本明細書に記載される特定の特徴、行為、または媒体に限定されないことを理解されたい。むしろ、特定の機能、行為、及びメディアは、特許請求の範囲に列挙されている主題を実装する例示的な形態として開示されている。
【0110】
(例示的な条項)
A:電気機械センサと、
音響センサと、
1つ以上のプロセッサと、
命令を格納する1つ以上のコンピュータ可読媒体と
を備えた自律車両であって、
命令は、実行されると、1つ以上のプロセッサに、
電気機械センサから、自律車両に関連付けられる第1の衝突を示す電気機械センサデータを受信することと、
電気機械センサデータに少なくとも部分的に基づいて、第1の衝突の第1の位置を判定することと、
音響センサから、自律車両に関連付けられる第2の衝突を示す音響センサデータを受信することと、
音響センサデータに少なくとも部分的に基づいて、第2の衝突の第2の位置を判定することと、
第1の位置が第2の位置に対応することに少なくとも部分的に基づいて、自律車両に関連付けられる衝突イベントを判定することと、
衝突イベントに少なくとも部分的に基づいて、自律車両を制御することと
を含む動作を実行させる、自律車両。
【0111】
B:電気機械センサは、自律車両のボディパネルに結合された衝撃センサを含み、衝撃センサは、衝撃の大きさに対応する信号を生成するように構成されており、
第1の位置を判定することは、閾値以上の大きさを有する信号に少なくとも部分的に基づく、例Aの自律車両。
【0112】
C:音響センサは、自律車両に結合された第1のマイクロフォンと、自律車両に結合され、第1のマイクロフォンから間隔を置いて配置された第2のマイクロフォンとを含み、
第2の位置を判定することは、第1のマイクロフォンで受信された音に対応する第1のオーディオ信号と、第2のマイクロフォンで受信された音に対応する第2のオーディオ信号とを分析することに少なくとも部分的に基づく、例Aまたは例Bの自律車両。
【0113】
D:自律車両の環境内のオブジェクトに関連付けられる知覚データを生成するように構成された知覚システムをさらに備え、当該動作は、
知覚データに少なくとも部分的に基づいて、第1の位置及び第2の位置の少なくとも1つに近接するオブジェクトを検出することをさらに含み、
衝突イベントを判定することは、オブジェクトを検出することに少なくとも部分的に基づく、例A乃至例Cのいずれか一項に記載の自律車両。
【0114】
E:当該動作は、
衝突イベントに少なくとも部分的に基づいて、自律車両を制御することであって、当該自律車両を制御することは、
停止するように自律車両を制御することと、
自律車両に関連付けられる乗客及び遠隔操作者のうちの少なくとも1つと関連付けられるコンピューティングデバイスと通信することと、
第1の推定される位置及び第2の推定される位置のうちの少なくとも1つに関連付けられるさらなるセンサデータを検索することと、
衝突イベントデータを生成することと
のうちの少なくとも1つを含む、こと
をさらに含む、例A乃至例Dのいずれか一項に記載の自律車両。
【0115】
F:車両に関連付けられる第1のシステムから、第1のデータを受信することと、
車両に関連付けられる第2のシステムから、第2のデータを受信することと、
第1のデータに少なくとも部分的に基づいて、第1の推定される衝突位置を判定することと、
第2のデータに少なくとも部分的に基づいて、第2の推定される衝突位置を判定することと、
第1の推定される衝突位置が第2の推定される衝突位置に対応することに少なくとも部分的に基づいて、車両に関連付けられる衝突イベントを判定することと
を含む方法。
【0116】
G:第1のデータを受信することは、複数の電気機械センサから第1のセンサデータを受信することを含むこと、または
第2のデータを受信することは、複数の音響センサから第2のセンサデータを受信することを含むことと
のうちの少なくとも1つを含む、例Fの方法。
【0117】
H:複数の電気機械センサは、車両のボディパネルに結合された衝撃センサ、車両に埋め込まれた薄膜センサ、及び車両のダッシュボードに関連付けられる導電性要素のうちの1つ以上を含む、例Fまたは例Gの方法。
【0118】
I:複数の電気機械センサは、車両の周囲に配置されており、第1の推定される衝突位置を判定することは、
複数の衝撃センサのうちの第1の衝撃センサによって生成された第1の衝撃センサデータを受信することと、
複数の衝撃センサのうちの第2の衝撃センサによって生成された第2の衝撃センサデータを受信することと、
第1の衝撃センサデータ、第2の衝撃センサデータ、アレイにおける第1の衝撃センサの第1の位置、及びアレイにおける第2の衝撃センサの第2の位置に基づいて、第1の推定される衝突位置を判定することと
を含む、例F乃至例Hのいずれか一項に記載の方法。
【0119】
J:第2のセンサデータを受信することは、車両に結合された複数の音響センサから第2のセンサデータを受信することを含む、例F乃至例Iのいずれか一項に記載の方法。
【0120】
K:第2の推定される衝突位置を判定することは、
複数の音響センサのうちの第1の音響センサによって生成された第1の音響データを受信することと、
複数の音響センサのうちの第2の音響センサによって生成された第2の音響データを受信することと、
第1の音響データ及び第2の音響データに基づいて、第1の推定される衝突位置を判定することと
を含む、例F乃至例Jのいずれか一項に記載の方法。
【0121】
L:第1のデータを受信することは、車両に関連付けられる知覚システムから知覚データを受信することを含み、知覚データは、車両の近くのオブジェクトに関する情報を含む、例F乃至例Kのいずれか一項に記載の方法。
【0122】
M:第1の推定される衝突位置が第2の推定される衝突位置から閾値距離以下にあることを判定することを含む、例F乃至例Lのいずれか一項に記載の方法。
【0123】
N:第1のデータは、複数の信号値を含み、第1の推定される衝突位置を判定することは、
k平均法を使用して、より高い平均値を有する第1のシステムに関連付けられるセンサのクラスタを判定することと、
第1の推定される衝突位置を、センサのクラスタの空間中心として判定することと
を含む、例F乃至例Mのいずれか一項に記載の方法。
【0124】
O:車両に関連付けられる第1のシステムであって、車両に関連付けられる第1のデータを生成するように構成された第1のシステムと、
車両に関連付けられる第2のシステムであって、車両に関連付けられるセンサデータを生成するように構成された第2のシステムと、
1つ以上のプロセッサと、
命令を格納する1つ以上のコンピュータ可読媒体と
を備えた例示の車両であって、
当該命令は、実行されると、1つ以上のプロセッサに、
第1のデータを受信することと、
第1のデータに少なくとも部分的に基づいて、第1の推定される衝突位置を判定することと、
第2のデータを受信することと、
第2のセンサデータに少なくとも部分的に基づいて、第2の推定される衝突位置を判定することと、
第1の推定される位置が第2の推定される位置に対応することに少なくとも部分的に基づいて、車両に関連付けられる衝突データを判定することと、
衝突データに少なくとも部分的に基づいて、車両を制御することと
を含む動作を実行させる車両。
【0125】
P:第1のデータを受信することは、センサからセンサデータを受信することを含むこと、または
第1のデータを受信することは、知覚システムから知覚データを受信することを含むこと
のうちの少なくとも1つを含む、例Oの車両。
【0126】
Q:第1の推定される位置を判定することは、複数の衝撃センサのうちの第1の衝撃センサによって生成される第1の衝撃センサデータを第1のデータとして受信することと、複数の衝撃センサのうちの第2の衝撃センサによって生成される第2の衝撃センサデータを受信することと、第1の衝撃センサデータ、第2の衝撃センサデータ、アレイにおける第1の衝撃センサの第1の位置、及びアレイにおける第2の衝撃センサの第2の位置に基づいて第1の推定される位置を判定することを含む、例O乃至例Pのいずれか一項に記載の車両。
【0127】
R:1つ以上のセンサは、車両の表面の近くのアレイに配置された複数の音響センサを含み、推定される位置を判定することは、
複数の音響センサのうちの第1の音響センサによって生成される第1の音響データを受信することと、
複数の音響センサのうちの第2の音響センサによって生成される第2の音響データを受信することと、
第1の音響データ、第2の音響データ、アレイにおける第1の音響センサの第1の位置、及びアレイにおける第2の音響センサの第2の位置に基づいて第1の推定される位置を判定することと
を含む、例O乃至例Qのいずれか一項に記載の車両。
【0128】
1つ以上のセンサは、複数の電気機械センサ及び複数の音響センサを含み、
推定される位置は、複数の電気機械センサ及び複数の音響センサの車両上の位置に少なくとも部分的に基づいている、例O乃至例Rのいずれか一項に記載の車両。
【0129】
T:車両を制御することは、車両を停止させること、操作データを送信すること、及び遠隔操作者と車両に関連付けられる通信ユニットの間の双方向通信を可能にすることのうちの少なくとも1つを含む、例O乃至例Sのいずれか一項に記載の車両。
【0130】
上述の発明の主題は、例示のみを目的として提供されており、限定として解釈されるべきではない。特許請求の範囲に記載された発明の主題は、本開示のいずれかの部分に記載された欠点の一部または全てを解決する実装に限定されない。図示され説明された実施例及び応用例に従うことなく、また特許請求の範囲に記載される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載される主題に対して様々な修正及び変更を行うことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】