(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-11
(54)【発明の名称】アルペリシブ製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4439 20060101AFI20240404BHJP
A61P 19/00 20060101ALI20240404BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20240404BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240404BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20240404BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240404BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20240404BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20240404BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240404BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240404BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20240404BHJP
【FI】
A61K31/4439
A61P19/00
A61P21/00
A61P17/00
A61K9/16
A61K47/26
A61K47/38
A61K47/32
A61K47/36
A61K47/12
A61K47/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566872
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-11-13
(86)【国際出願番号】 IB2022053968
(87)【国際公開番号】W WO2022234408
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】202111020206
(32)【優先日】2021-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504389991
【氏名又は名称】ノバルティス アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100196966
【氏名又は名称】植田 渉
(72)【発明者】
【氏名】チェルクパリー,ラックスマン
(72)【発明者】
【氏名】ゴールド,サラ
(72)【発明者】
【氏名】コチャー,チャル
(72)【発明者】
【氏名】タリク,ムザムミル
【テーマコード(参考)】
4C076
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076AA32
4C076BB01
4C076CC09
4C076DD38
4C076DD41C
4C076DD46C
4C076DD47C
4C076DD67
4C076EE16B
4C076EE31
4C076EE32B
4C076EE38B
4C076FF02
4C076FF05
4C076FF06
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4C086NA10
4C086ZA89
4C086ZA94
4C086ZA96
4C086ZC20
4C086ZC54
(57)【要約】
アルペリシブ製剤。本発明は、有効医薬成分としてのアルペリシブ又はその医薬的に許容される塩及び少なくとも1種の医薬的に許容される担体材料を含む自由流動性顆粒からなる内相と、好ましくは、加えて、少なくとも1種の医薬的に許容される担体材料を含む、前記APIなしの外相とを含む顆粒状製剤並びに関連する発明の実施形態を特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効医薬成分としてのアルペリシブ又はその医薬的に許容される塩及び少なくとも1種の医薬的に許容される担体材料を含む顆粒の形態の内相と、加えて、少なくとも1種の医薬的に許容される担体材料を含む、前記有効医薬成分なしの外顆粒相とを含む自由流動性顆粒状製剤。
【請求項2】
嚥下障害を有する患者の治療に使用するためのものであり、前記患者は、老人患者及び小児患者から選択される、請求項1に記載の自由流動性顆粒状製剤。
【請求項3】
前記患者は、小児患者である、請求項2に記載の自由流動性顆粒状製剤。
【請求項4】
スティックパック医薬用単回用量レセプタクルに充填された内相及び外相を含み、前記内相は、(i)1%~5%、2~5%、3%~4%若しくは3.33%のアルペリシブ若しくはその医薬的に許容される塩;又は代わりに20mg~200mg、25mg~150mg、20mg、若しくは25mg、若しくは50mg、若しくは100mg、若しくは125mgのアルペリシブ若しくはその医薬的に許容される塩と;(ii)25%~45%、28~42%、30~40%若しくは36.17%の量のラクトース、ソルビトール及び微結晶セルロース並びに/又は25%~45%、28~42%、30~40%若しくは34%の量のマンニトールから選択される希釈剤と;(iii)2~7%、3~6%、3~7%又は5%の量の、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン及びカルボキシメチルスターチナトリウムから選択される崩壊剤と;(iv)1~5%、1.5~4.5%、2~4%又は3%の量の、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、デンプン及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択される結合剤とを含有し;
前記外相は、(i)10~30%、10~25%、15~20%又は17.5%の量の、ラクトース、ソルビトール、マンニトール及び微結晶セルロースから選択される希釈剤と;(ii)0.25~4%、0.3~3%、0.5~1.5%又は1%の量の、コンプリトール888、ステアリルフマル酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムから選択される潤滑剤とを含有し;全ての量は、前記最終的な顆粒状製剤中で合計して100%になるように選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の自由流動性顆粒状製剤。
【請求項5】
スティックパック医薬用単回用量レセプタクルに充填された内相及び外相を含み、前記内相は、(i)3%~4%若しくは3.33%のアルペリシブ若しくはその医薬的に許容される塩;又は代わりに20mg、若しくは25mg、若しくは50mg、若しくは100mgのアルペリシブ若しくはその医薬的に許容される塩と;(ii)30~40%若しくは36.17%の量のラクトース、ソルビトール及び微結晶セルロース並びに/又は30~40%若しくは34%の量のマンニトールから選択される希釈剤と;(iii)3~7%又は5%の量の、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン及びカルボキシメチルスターチナトリウムから選択される崩壊剤と;(iv)2~4%又は3%の量の、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、デンプン及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択される結合剤とを含有し;前記外相は、(i)15~20%又は17.5%の量の、ラクトース、ソルビトール、マンニトール及び微結晶セルロースから選択される希釈剤と;(ii)0.5~1.5%又は1%の量の、コンプリトール888、ステアリルフマル酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムから選択される潤滑剤とを含有し;全ての量は、前記最終的な顆粒状製剤中で合計して100%になるように選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の自由流動性顆粒状製剤。
【請求項6】
スティックパック医薬用単回用量レセプタクルに充填された内相及び外相を含み、前記内相は、(i)3%~4%若しくは3.33%のアルペリシブ若しくはその医薬的に許容される塩;又は代わりに20mg、若しくは25mg、若しくは50mg、若しくは100mgのアルペリシブ若しくはその医薬的に許容される塩と;(ii)30~40%若しくは36.17%の量の微結晶セルロース(例えば、Avicel PH101)及び/又は30~40%若しくは34%の量のマンニトール(例えば、Mannitol Pharma)である希釈剤と;(iii)3~7%又は5%の量の、カルボキシメチルスターチナトリウムである崩壊剤と;(iv)2~4%又は3%の量の、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである結合剤とを含有し;前記外相は、(i)15~20%又は17.5%の量の、微結晶セルロース(例えば、セルロースMK GR)である希釈剤と;(ii)0.5~1.5%又は1%の量の、ステアリン酸マグネシウムである潤滑剤とを含有し;全ての量は、前記最終的な顆粒状製剤中で合計して100%になるように選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の自由流動性顆粒状製剤。
【請求項7】
スティックパック医薬用単回用量レセプタクルに充填された内相及び外相を含み、前記内相は、(i)3%~4%若しくは3.33%のアルペリシブ若しくはその医薬的に許容される塩;又は代わりに20mg、若しくは25mg、若しくは50mg、若しくは100mgのアルペリシブ若しくはその医薬的に許容される塩と;(ii)36.17%の量の微結晶セルロース(例えば、Avicel PH101)及び/又は34%の量のマンニトール(例えば、Mannitol Pharma)である希釈剤と;(iii)5%の量の、カルボキシメチルスターチナトリウムである崩壊剤と;(iv)3%の量の、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである結合剤とを含有し;前記外相は、(i)17.5%の量の、微結晶セルロース(例えば、セルロースMK GR)である希釈剤と;(ii)1%の量の、ステアリン酸マグネシウムである潤滑剤とを含有し;全ての量は、前記最終的な顆粒状製剤中で合計して100%になるように選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の自由流動性顆粒状製剤。
【請求項8】
老人患者又は小児患者から選択される、嚥下障害を有するヒト患者の治療に使用するためのものであり、前記治療は、PIK3CA関連過成長スペクトラム(PROS)に関連する変異主導形態異常を伴う増殖性疾患の治療における、前記顆粒状製剤を含むスティックパック医薬用単回用量単位レセプタクルから前記患者への単位用量を含む、前記顆粒状製剤の投与を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の顆粒状製剤。
【請求項9】
嚥下障害を有する小児患者の治療における、請求項1~7のいずれか一項に記載の顆粒状製剤の使用であって、PIK3CA関連過成長スペクトラム(PROS)に関連する変異主導形態異常を伴う増殖性疾患の治療における前記顆粒状製剤の投与を含む使用。
【請求項10】
前記顆粒状製剤は、前記顆粒状製剤を含む、請求項4~7のいずれか一項に記載のスティックパック医薬用単回用量単位レセプタクルを使用して投与される、請求項9に記載の使用。
【請求項11】
増殖性疾患又はPROSと称される変異主導形態異常の治療の方法であって、老人患者又は小児患者から選択される、嚥下障害を有する、前記治療を必要とするヒト患者に、請求項1~7のいずれか一項に記載の顆粒状製剤の治療有効量を投与することを含む方法。
【請求項12】
前記顆粒状製剤は、請求項4~7のいずれか一項に記載の医薬用単回用量単位レセプタクルを使用して投与される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~4のいずれか一項に記載の顆粒状製剤の、増殖性疾患又はPROSの治療に使用するための、自由流動性顆粒の形態の前記製剤を含む医薬品の製造における使用。
【請求項14】
前記医薬品は、請求項4~7のいずれか一項に記載の医薬用単回用量単位レセプタクルに前記顆粒状製剤を含むように製造される、請求項13に記載の使用。
【請求項15】
請求項1~7のいずれか一項に記載の顆粒状製剤を製造するプロセスであって、内相及び外相を有する顆粒を、
(i)アルペリシブ又はその医薬的に許容される塩を含む内相を湿式造粒によって調製し、1種又は複数の希釈剤を添加し、崩壊剤を添加し、且つ結合剤を添加し、及び次いで混合物を乾燥させることと;
(ii)希釈剤及び潤滑剤を含む前記外相を調製することと
によって形成することを含むプロセス。
【請求項16】
ステップ(iii)において、前記得られた乾燥顆粒状製剤をスティックパック医薬用単回用量単位レセプタクルに充填することをさらに含む、請求項15に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物(S)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸2-アミド1-({4-メチル-5-[2-(2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチル-エチル)-ピリジン-4-イル]-チアゾール-2-イル}-アミド)、別名(S)-N1-(4-メチル-5-(2-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)ピリジン-4-イル)チアゾール-2-イル)ピロリジン-1,2-ジカルボキサミド、別名BYL719若しくはアルペリシブ又はその医薬的に許容される塩をそれぞれ含む新規な顆粒状製剤及びPIK3CA関連過成長スペクトラム(PROS)の治療におけるその使用又は使用のための前記顆粒状製剤並びに他の関連する発明の実施形態に関する。
【背景技術】
【0002】
組織増殖は、胚発生から成体まで生物において厳密に制御されたプロセスである。細胞増殖の主要な調節因子の1つは、PI3K/AKT/mTORシグナル伝達経路である。PI3K/AKT/mTOR経路の過剰活性化により、細胞機能の有意な調節不全が生じ、その結果、競争的な増殖優位性がもたらされる。体細胞突然変異及びこれらの遺伝子の獲得又は欠損は、多くの異なる固形及び血液腫瘍に関連している。癌におけるPIK3CAのよく知られた役割に加えて、PIK3CAの接合後体細胞突然変異も様々な過成長障害で同定されている。これらの障害は、PIK3CA関連過成長スペクトラム(PROS)と称される、臨床的に認識可能な変異主導形態異常の幅広い群を含む。PROSは、限定されないが、脂肪、筋肉、皮膚、骨、神経、血液又はリンパ管を含む組織の過成長と関連する。PROSは、先天性又は小児期早期発症の過成長、散発性発症及びモザイク分布によって特徴付けられる。分節性過成長は、多くの場合、発症が先天性であるが、通常、1歳までに認められ、一部の症例では進行性の組織の過成長が成人期まで持続する。PROSの合併症は、解剖学的部位及び過成長の程度によって異なるが、様々な症状の中でも、機能障害(例えば、歩行又は嚥下)、疼痛、心機能障害、肺高血圧症、痙攣、神経発達障害、再発性表在性感染症、血栓塞栓症及び/又は出血が含まれ得、これらは、全て衰弱させ、早期死亡の原因となり得る。現在の治療は、主に切断術及び/又は血管内閉塞術などのデバルキングを目的とした手術に依存する。手術後の再増殖は、頻繁に起こり、多くの場合に再手術を必要とする。PROSに対処するために、標的を絞った新しい治療アプローチ及び効果的な治療に対する大きい満たされていない要求がある。
【0003】
アルペリシブ(BYL719)は、内分泌療法であるフルベストラントと組み合わせて、進行後又は内分泌療法に基づくレジメン後にFDA承認検査によって検出された、ホルモン(HR)陽性、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性、PIK3CA変異の進行性又は転移性乳癌の閉経後女性及び男性を治療するために使用することが米国で承認されている(米国FDA:2019年5月24日)。さらに、アルペリシブは、PROSの重篤な臨床症状を患う患者に投与されている。大幅な改善を示した患者は、PROSに関連する合併症の部分的又は完全な回復と関連していた。アルペリシブの良好な効果の結果、治療開始前に手術が選択肢として考えられていた少数の患者において、レスキュー手術を回避することが可能となった。
【0004】
本発明の製剤は、アルペリシブ又はその医薬的に許容される塩を顆粒の形態で含有する、新規な、防腐剤を含まない湿式顆粒状製品であり、良好な溶解プロフィールを有し、特に小児集団により、薬理学的に有効な1日用量で簡便且つ安全に摂取することができる、患者に合わせた投与を可能にする。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、特にPIK3CA関連過成長スペクトラム(PROS)の治療に使用するための、(S)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸2-アミド1-({4-メチル-5-[2-(2、2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチル-エチル)-ピリジン-4-イル]-チアゾール-2-イル}-アミド)(又はアルペリシブ若しくはBYL719)又はその医薬的に許容される塩を含む、嚥下障害を有する患者、老人患者及び特に小児患者への投与のために適切な顆粒状製剤を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明は、第1の実施形態では、特に嚥下障害を有する患者、老人患者又は特に小児患者の治療のための、有効医薬成分(API)としての(S)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸2-アミド1-({4-メチル-5-[2-(2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチル-エチル)-ピリジン-4-イル]-チアゾール-2-イル}-アミド(アルペリシブ又はBYL719としても知られている)又はその医薬的に許容される塩、好ましくは遊離塩基としてのアルペリシブ及び少なくとも1種の医薬的に許容される担体材料と、好ましくは、加えて、少なくとも1種の医薬的に許容される担体材料を含む、前記APIなしの外顆粒相とを含む自由流動性(滴下可能であることを意味する)顆粒状製剤を提供する。
【0007】
第2の実施形態では、本発明は、第1の実施形態による又は本明細書の他の箇所で定義されるような顆粒状製剤を含む医薬用単回用量単位レセプタクルを提供する。
【0008】
第3の実施形態では、本発明は、ヒト患者、特に嚥下障害を有する任意の患者、老人患者又は特に小児患者の治療で使用するための、先の実施形態による又は本明細書の他の箇所で定義される顆粒状製剤又は医薬用単回単位用量レセプタクルであって、前記使用は、増殖性疾患、特にPIK3CA関連過成長スペクトラム(PROS)と称される変異主導形態異常の治療における(又はそれに罹患している患者への)、好ましくは第1の発明の実施形態による又は本明細書の他の箇所で定義される顆粒状製剤を含む医薬用単回用量単位レセプタクルからの単位用量を含む、前記顆粒状製剤の投与を含む。
【0009】
第4の実施形態では、本発明は、ヒト患者、特に嚥下障害を有する任意の患者、老人患者又は特に小児患者の治療における、先の第1若しくは第2の実施形態による又は本明細書の他の箇所で定義される顆粒状製剤又は医薬用単回単位用量レセプタクルの使用であって、前記使用は、増殖性疾患、特にPIK3CA関連過成長スペクトラム(PROS)と称される変異主導形態異常の治療における(又はそれに罹患している患者への)、好ましくは第1の発明の実施形態による又は本明細書の他の箇所で定義される顆粒状製剤を含む医薬用単回用量単位レセプタクルからの単位用量を含む、前記顆粒状製剤の投与を含む。
【0010】
第5の実施形態では、本発明は、増殖性疾患又は特にPIK3CA関連過成長スペクトラム(PROS)と称される変異主導形態異常の治療の方法であって、特にそのような治療を必要とするヒト患者、特に嚥下障害を有する任意の患者、老人患者又は特に小児患者に、好ましくは第2の実施形態又は本明細書の他の箇所で定義される医薬用単回用量単位レセプタクルを使用して、第1の実施形態又は本明細書の他の箇所で定義される顆粒状製剤の治療有効量を投与することを含む方法を提供する。
【0011】
第6の実施形態では、本発明は、増殖性疾患、特にPIK3CA関連過成長スペクトラム(PROS)と称される変異主導形態異常の治療で使用するための、自由流動性顆粒の形態の前記顆粒製剤を含む医薬品の製造、特に前記治療のための、第2の実施形態又は本明細書の他の箇所で定義されるような医薬用単回単位用量レセプタクルの製造における使用のための、第1の実施形態又は本明細書の他の箇所で定義されるような顆粒製剤の使用を提供する。
【0012】
第7の実施形態では、本発明は、本発明の顆粒状製剤を製造するプロセスであって、内相及び外相を有する顆粒を、
(i)(S)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸2-アミド1-({4-メチル-5-[2-(2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチル-エチル)-ピリジン-4-イル]-チアゾール-2-イル}-アミド(アルペリシブとも呼ばれる)又はその医薬的に許容される塩、特に遊離塩基としてのアルペリシブを含む内相を湿式造粒によって調製し、1種又は複数の希釈剤を添加し、崩壊剤を添加し、且つ結合剤を添加し、及び次いで前記混合物を乾燥させることと;
(ii)希釈剤及び潤滑剤を含む外相を調製することと、好ましくは、
(iii)得られた顆粒状(乾燥)製剤を医薬用単回用量単位レセプタクルに充填することと
によって形成することを含むプロセスを提供する。
【0013】
上記の第1~第7の実施形態及び本明細書における他の実施形態の好ましい実施形態では、医薬有効成分アルペリシブを内相から遊離させるために崩壊剤が必要とされないため、顆粒状製剤は、より好ましくは崩壊剤を含まない外相を含む。
【0014】
別の実施形態、特に全ての実施形態において、自由流動性顆粒状製剤は、特に医薬用単回用量レセプタクル、特にスティックパックに充填される場合、希釈剤、特に25%~45%、好ましくは28%~42%、例えば30~40%、例えば36.17%の量のラクトース、ソルビトール又は特に微結晶セルロース、例えばAvicel PH101及び/又は特に25%~45%、好ましくは28%~42%、例えば30~40%、例えば34%の量のマンニトール(特にMannitol Pharma)、特に2%~7%、好ましくは3%~6%、例えば3%~7%、例えば5%の量の崩壊剤、特にクロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン又は好ましくはカルボキシメチルスターチナトリウム並びに特に1~5%、好ましくは1.5~4.5%、例えば2~4%、例えば3%の量の結合剤、特にヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、デンプン又は好ましくはヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む内相中において、特に1%~5%、好ましくは2%~5%、例えば3%~4%、例えば3.33%;又は代わりに特に20mg~200mg、好ましくは25mg~150mg、例えば20mg、若しくは25mg、若しくは50mg、若しくは100mgのアルペリシブ若しくはその医薬的に許容される塩(従って、記載された量は、アルペリシブの塩の場合、塩のアルペリシブ部分を指す)、特に遊離形態のアルペリシブを含有し、
外相は、特に10~30%、好ましくは10~25%、例えば15~20%、例えば17.5%の量の希釈剤、特にラクトース、ソルビトール、マンニトール又は特に(好ましくは微結晶)セルロース、例えばセルロースMKGR及び特に0.25~4%、好ましくは0.3~3%、例えば0.5~1.5%、例えば1%の量の潤滑剤、例えばコンプリトール(compritol)888、ステアリルフマル酸ナトリウム又は好ましくはステアリン酸マグネシウムを含有し;
全ての量は、最終的な顆粒状製剤(内相及び存在する場合には外相を含む粉末)中でそれぞれ合計して100%になるように選択される。
【0015】
成分のパーセンテージ(%)が記載されている場合、これは、顆粒状製剤全体の重量パーセンテージ(%)を意味する。
【0016】
同じ定義レベルの範囲(レベル1)=優先順位なし、レベル2)=「特に」の後、レベル3)=「好ましくは」の後、レベル4)=「例えば」の後、レベル5)=「例えば」の後)を有する実施形態は、直前の実施形態で定義された範囲の好ましい実施形態を定義する。
【0017】
さらなる実施形態では、自由流動性顆粒状製剤は、スティックパック医薬用単回用量レセプタクルに充填された内相及び外相を含み、内相は、(i)1%~5%、2~5%、3%~4%若しくは3.33%のアルペリシブ若しくはその医薬的に許容される塩;又は代わりに20mg~200mg、25mg~150mg、20mg、若しくは25mg、若しくは50mg、若しくは100mgのアルペリシブ若しくはその医薬的に許容される塩(従って、記載された量は、アルペリシブの塩の場合、塩のアルペリシブ部分を指す)、特に遊離形態のアルペリシブと;(ii)25%~45%、28~42%、30~40%若しくは36.17%の量のラクトース、ソルビトール及び微結晶セルロース並びに/又は25%~45%、28~42%、30~40%若しくは34%の量のマンニトールから選択される希釈剤と;(iii)2~7%、3~6%、3~7%又は5%の量の、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン及びカルボキシメチルスターチナトリウムから選択される崩壊剤と;(iv)1~5%、1.5~4.5%、2~4%又は3%の量の、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、デンプン及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択される結合剤とを含有し;外相は、(i)10~30%、10~25%、15~20%又は17.5%の量の、ラクトース、ソルビトール、マンニトール及び微結晶セルロースから選択される希釈剤と;(ii)0.25~4%、0.3~3%、0.5~1.5%又は1%の量の、コンプリトール888、ステアリルフマル酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムから選択される潤滑剤とを含有し;全ての量は、最終的な顆粒状製剤中で合計して100%になるように選択される。
【0018】
さらなる実施形態では、自由流動性顆粒状製剤は、スティックパック医薬用単回用量レセプタクルに充填された内相及び外相を含み、内相は、(i)3%~4%若しくは3.33%のアルペリシブ若しくはその医薬的に許容される塩;又は代わりに20mg、若しくは25mg、若しくは50mg、若しくは100mgのアルペリシブ若しくはその医薬的に許容される塩(従って、記載された量は、アルペリシブの塩の場合、塩のアルペリシブ部分を指す)、特に遊離形態のアルペリシブと;(ii)30~40%若しくは36.17%の量のラクトース、ソルビトール及び微結晶セルロース並びに/又は30~40%若しくは34%の量のマンニトールから選択される希釈剤と;(iii)3~7%又は5%の量の、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン及びカルボキシメチルスターチナトリウムから選択される崩壊剤と;(iv)2~4%又は3%の量の、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、デンプン及びヒドロキシプロピルメチルセルロースから選択される結合剤とを含有し;外相は、(i)15~20%又は17.5%の量の、ラクトース、ソルビトール、マンニトール及び微結晶セルロースから選択される希釈剤と;(ii)0.5~1.5%又は1%の量の、コンプリトール888、ステアリルフマル酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムから選択される潤滑剤とを含有し;全ての量は、最終的な顆粒状製剤中で合計して100%になるように選択される。
【0019】
さらなる実施形態では、自由流動性顆粒状製剤は、スティックパック医薬用単回用量レセプタクルに充填された内相及び外相を含み、内相は、(i)3%~4%若しくは3.33%のアルペリシブ若しくはその医薬的に許容される塩;又は代わりに20mg、若しくは25mg、若しくは50mg、若しくは100mg、若しくは125mgのアルペリシブ若しくはその医薬的に許容される塩(従って、記載された量は、アルペリシブの塩の場合、塩のアルペリシブ部分を指す)、特に遊離形態のアルペリシブと;(ii)30~40%若しくは36.17%の量の微結晶セルロース(例えば、Avicel PH101)及び/又は30~40%若しくは34%の量のマンニトール(例えば、Mannitol Pharma)である希釈剤と;(iii)3~7%又は5%の量の、カルボキシメチルスターチナトリウムである崩壊剤と;(iv)2~4%又は3%の量の、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである結合剤とを含有し;外相は、(i)15~20%又は17.5%の量の、微結晶セルロース(例えば、セルロースMK GR)である希釈剤と;(ii)0.5~1.5%又は1%の量の、ステアリン酸マグネシウムである潤滑剤とを含有し;全ての量は、最終的な顆粒状製剤中で合計して100%になるように選択される。
【0020】
さらなる実施形態では、自由流動性顆粒状製剤は、スティックパック医薬用単回用量レセプタクルに充填された内相及び外相を含み、内相は、(i)3%~4%若しくは3.33%のアルペリシブ若しくはその医薬的に許容される塩;又は代わりに20mg、若しくは25mg、若しくは50mg、若しくは100mgのアルペリシブ若しくはその医薬的に許容される塩(従って、記載された量は、アルペリシブの塩の場合、塩のアルペリシブ部分を指す)、特に遊離形態のアルペリシブと;(ii)36.17%の量の微結晶セルロース(例えば、Avicel PH101)及び/又は34%の量のマンニトール(例えば、Mannitol Pharma)である希釈剤と;(iii)5%の量の、カルボキシメチルスターチナトリウムである崩壊剤と;(iv)3%の量の、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである結合剤とを含有し;外相は、(i)17.5%の量の、微結晶セルロース(例えば、セルロースMK GR)である希釈剤と;(ii)1%の量の、ステアリン酸マグネシウムである潤滑剤とを含有し;全ての量は、最終的な顆粒状製剤中で合計して100%になるように選択される。
【0021】
一実施形態では、本発明は、増殖性疾患の治療に使用するための本発明の自由流動性顆粒状製剤に関する。
【0022】
一実施形態では、本発明は、PROSの治療に使用するための本発明の自由流動性顆粒状製剤に関する。
【0023】
一実施形態では、本発明は、治療有効量の(S)-ピロリジン-1、2-ジカルボン酸2-アミド1-({4-メチル-5-[2-(2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチル-エチル)-ピリジン-4-イル]-チアゾール-2-イル}-アミド)(又はアルペリシブ)又はその医薬的に許容される塩を含む、本発明の自由流動性顆粒状製剤を、それを必要としている患者に投与することを含む、増殖性疾患、好ましくはPROSの治療の方法に関する。
【0024】
一実施形態では、本発明は、本発明による顆粒状製剤と、(S)-ピロリジン-1、2-ジカルボン酸2-アミド1-({4-メチル-5-[2-(2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチル-エチル)-ピリジン-4-イル]-チアゾール-2-イル}-アミド)(又はアルペリシブ)又はその医薬的に許容される塩を含有する、本発明の顆粒状製剤の投与を指示する印刷指示書とを含む医薬用レセプタクルにさらに関する。
【0025】
定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書では、特に指定のない限り、以下の一般的な定義を適用する。
【0026】
「アルペリシブ」という用語は、(S)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸2-アミド1-({4-メチル-5-[2-(2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチル-エチル)-ピリジン-4-イル]-チアゾール-2-イル}-アミド)又は(S)-N1-(4-メチル-5-(2-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)ピリジン-4-イル)チアゾール-2-イル)ピロリジン-1,2-ジカルボキサミド又はBYL719を意味する。アルペリシブ及びその医薬的に許容される塩は、PCT特許出願国際公開第2010/029082号パンフレット(参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。アルペリシブの調製方法は、その中の実施例15に記載されている。好ましくは、アルペリシブは遊離塩基の形態である(すなわち別の異なる酸又は塩基と塩を形成していない)。アルペリシブ又はその医薬的に許容される塩、特にアルペリシブ自体は、本発明による顆粒状製剤の必須の有効医薬成分(API)である。
【0027】
本明細書では、「含む」、「包含する」又は「含有する」という用語は、特に断りのない限り、変更可能であり且つ非限定的な意味で使用される。
【0028】
本発明を説明する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)「1つの(a)」及び「1つの(an)」並びに「その」という用語及び類似の参照は、本明細書で特に示されない限り又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を含むものと解釈される。化合物、塩などに複数形が使用される場合、これは、単一の化合物、塩なども意味するものとみなされる。
【0029】
「医薬的に許容される」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激性アレルギー反応及び合理的なベネフィット/リスク比に見合った他の問題の併発を伴わずに、対象、例えば哺乳類又はヒトの組織との接触に適した化合物、材料、賦形剤、組成物及び/又は剤形を指す。
【0030】
老人患者」という用語は、好ましくは、60歳以上の年齢、例えば70歳以上の年齢の患者である。
【0031】
「小児患者」とは、21歳未満、又は12~16歳(青年期)、又は2~12歳(小児)、又は1ヶ月~2歳(乳児)、又は新生児~1ヶ月(新生児)の患者を意味する。好ましくは、小児患者は、21歳未満、18歳以下、15歳以下、12歳以下、9歳以下、6歳以下、5歳以下の小児又は青年期患者である。
【0032】
嚥下障害を有する患者」とは、身体的及び/又は心理的抑制により、錠剤、カプセル剤などの形態の医薬製剤を嚥下することが困難な患者である。
【0033】
用語「(自由流動性)顆粒状製剤」(本明細書中、「本発明の製剤」などとも称される)は、本発明による製剤が投与中に乾燥状態で自由流動可能であることを意味する(ただし、患者に投与するために、ジュース、紅茶、コーヒー、スープ、牛乳、ヨーグルト、水又は他の食物若しくは飲料などの流体に投与し得る)。
【0034】
「自由流動性顆粒」という用語は、特に得られる粉末が乾燥状態で自由に流動することができるような、顆粒からなる乾燥粉末を指す。
【0035】
「内相」という用語は、有効成分(S)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸2-アミド1-({4-メチル-5-[2-(2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチル-エチル)-ピリジン-4-イル]-チアゾール-2-イル}-アミド)(アルペリシブ)又はその医薬的に許容される塩及び少なくとも1種の医薬的に許容される担体材料、例えば1種又は特に2種の希釈剤、1種の崩壊剤及び結合剤を含む顆粒相を指す。
【0036】
「外相」という用語は、APIを含まないが、少なくとも1種の医薬的に許容される担体材料のみを含む顆粒の外相を指し、例えば希釈剤及び潤滑剤を含む。
【0037】
用語「医薬用単回用量単位レセプタクル」は、1回の単回用量を含む任意の(好ましくは顆粒状製剤の充填後に密封される)容器、特にフラスコ(例えば、金属、ガラス又はプラスチック又はそれらの任意の組み合わせ;好ましくは例えば蓋又は箔によって充填後に密封される)、ボトル(例えば、金属、ガラス又はプラスチック又はそれらの任意の組み合わせからなる;好ましくは充填後に密封された、例えば好ましくは蓋又は箔で)(例えば、金属、ガラス又はプラスチック又はそれらの任意の組み合わせ;好ましくは例えば蓋又は箔によって充填後に密封される)、例えばプラスチック(好ましくは金属化されたもの)及び/又は金属のシートから作成されたバッグ、例えばプラスチック(好ましくは金属化されたもの)及び/又は金属のシートから作成されたポーチ、例えばプラスチック(好ましくは金属化されたもの)又は金属から作成されたサシェ又は特にスティックパックを指し、バッグ、ポーチ、サシェ又はスティックパックは、好ましくは、例えば熱処理によって密封され、密閉されたレセプタクルを形成する。
【0038】
「スティックパック」という用語は、本発明の実施形態において非常に好ましい医薬用単回用量単位容器を指す。「単回用量容器中の顆粒」とも呼ばれ、この用語は、特にアルミニウムサシェを含み得るか又は特にアルミニウムシャシェを意味し得る。
【0039】
本発明によるレセプタクル封入製剤、特にスティックパック封入製剤は、例えば、より嵩張り、輸送がより問題となる小児のための懸濁製剤に比べて貯蔵及び輸送の点で利点を提供する。スティックパック製剤は、用量を測定するための投与カップ、スプーン、ボトル、ディスペンサーなどを必要としない。好ましいスティックパックは、本発明の実施形態の顆粒状製剤を含有し、比較的堅牢であり小児耐性のアルミニウム包装中の小さい単回用量のサシェである。
【0040】
「単位用量」という用語は、投与時に患者に投与される用量を意味する。
【0041】
「1日用量」という用語は、任意の1日又は24時間に特定の患者に投与される治療剤の総用量を指す。前記1日用量は、好ましくは、本発明による医薬用単回用量単位レセプタクルの1つ又は複数を使用して投与され得る。
【0042】
「有効量」又は「治療有効量」という語句は、本明細書において、好ましくはそれを必要とする被験体の活性、機能及び応答における臨床的に有意な欠損を特に少なくとも約5%、特に少なくとも15%、好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも90%低減し、且つ最も好ましくは予防するために十分な量を意味するために使用される。代わりに、有効量又は治療有効量は、治療を受けていない患者と比較した場合、疾患の臨床的に観察可能な徴候及び症状のベースラインに対する観察可能な改善を提供するのに十分な量である。
【0043】
本発明の顆粒状製剤の投与は、(レセプタクルから若しくは例えばスプーンなどを介して)各患者の口中に直接適用することによって行うことができるか、又は顆粒状製剤を液体若しくは食物に注ぎ、その後、経口摂取することによって行うことができる。
【0044】
「治療」という用語が使用される場合、これは、特に完全治癒、部分治癒、症状緩和、又は他のセラピー、又は他の有用な治療の形態を目的とするセラピー的治療を意味する。
【0045】
「約」という用語は、好ましくは、所定の値又は範囲の±10%以内、より好ましくは±5%以内、さらに好ましくは±2%以内又は±1%以内の意味を有するものとする。
【0046】
(S)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸2-アミド1-({4-メチル-5-[2-(2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチル-エチル)-ピリジン-4-イル]-チアゾール-2-イル}-アミド)は、クラスIAPI3Kの(α)-イソフォームを強力且つ選択的に標的とし、以下の化学構造を有する特定の2-カルボキサミドシクロアミノ尿素誘導体化合物である。
【化1】
【0047】
この化合物は、(S)-N1-(4-メチル-5-(2-(1,1,1-トリフルオロ-2-メチルプロパン-2-イル)ピリジン-4-イル)チアゾール-2-イル)ピロリジン-1,2-ジカルボキサミド又はBYL719又はアルペリシブとしても知られている。
【0048】
(S)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸2-アミド1-({4-メチル-5-[2-(2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチル-エチル)-ピリジン-4-イル]-チアゾール-2-イル}-アミド)及びその医薬的に許容される塩は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT特許出願国際公開第2010/029082号パンフレットに記載されており、その調製方法は、例えば、その中の実施例15に記載されている。好ましくは、アルペリシブは、遊離塩基の形態である。
【0049】
本発明の顆粒状製剤の内相及び/又は外相に使用するために適切な医薬的に許容される担体材料としては、希釈剤及び充填剤、崩壊剤、結合剤及び/又は潤滑剤が挙げられる。
【0050】
希釈剤は、好ましくは、マンニトール(アルファ、ベータ及びデルタ多形を含む)、ソルビトール、マロデキストリン、ラクトース(例えば、ラクトース一水和物)、微結晶セルロース、マルチトール、キシリトール及びそれらの任意の組合せからなる群から選択され、好ましくは内相では微結晶セルロース及び/又はマンニトールが使用され、外相ではセルロース、特に微結晶セルロースが使用される。
【0051】
崩壊剤は、好ましくは、ナトリウムスターチグリコレート、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ナトリウムクロスカルメロース、カルシウムクロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン(例えば、商品名Crospovidone(登録商標)又はPolyplasdone(登録商標)又はKollidone(登録商標)CLで市販されている)、架橋アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、ゲランガム、コーンスターチ、前ゼラチン化スターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウムグリシン及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される。好ましくは、カルボキシメチルスターチナトリウムが使用される。
【0052】
結合剤は、好ましくは、セルロース、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デンプン、スターチ1500、ポリビニルピロリドン(=ポビドン)及びそれらの任意の組合せから選択される。好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが使用される。
【0053】
潤滑剤は、好ましくは、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、水素化ヒマシ油、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、PEG4000-8000、タルク、モノステアリン酸グリセリル、ジベヘン酸グリセリル(例えば、Gattefosseから商品名Compritol(登録商標)888 ATOとして市販されている)、グリセリルパルミトステアリン酸エステル(例えば、Gattefosseにより商品名Precerol(登録商標)で市販されている)、水素化綿実油、ヒマシ油及びこれらの任意の組合せから選択される。好ましくは、ステアリン酸マグネシウムが使用される。
【0054】
顆粒状製剤(最終的に充填された状態で流動可能)のための他の医薬的に許容される賦形剤も可能である。例えば、医薬的に許容される甘味剤、医薬的に許容される着色剤(染料又は顔料)、医薬的に許容される香料、保存剤など、又はそれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0055】
老人患者用、特に小児患者のための製剤は、通常、保存剤及び香料を含み得る。本発明のスティックパック製剤は、保存剤を含まない。さらに、アルペリシブは、不快な味を有しない中性分子であるため、本発明の顆粒製剤では香料が必要とされない。
【0056】
薬理学及び有用性
本発明の顆粒状製剤は、増殖性疾患、特に癌又はPIK3CA-関連過成長スペクトラム(PROS)と称されるPIK3CA変異主導形態異の治療に有用であり、好ましくは嚥下障害を有する患者、老人患者又は小児患者、特に小児患者の治療に有用である。本発明の顆粒状製剤による治療に適切な癌の例としては、限定されないが、乳癌、卵巣癌、頭頸部癌、膵臓癌及び大腸癌が挙げられる。好ましくは、本発明の顆粒状製剤で治療される増殖性疾患は、乳癌、卵巣癌及び頭頸部癌からなる群から選択される癌である。好ましくは、本発明の顆粒状製剤で治療される増殖性疾患は、PROSである。
【0057】
組織増殖は、胚発生から成体まで生物において厳密に制御されたプロセスである。細胞増殖の主要な調節因子の1つは、PI3K/AKT/mTORシグナル伝達経路であり、これは、複数の治療戦略の標的としてよく知られている。PI3K/AKT/mTOR経路の過剰活性化により、細胞機能の有意な調節不全が生じ、その結果、競争的な増殖優位性がもたらされる。体細胞突然変異及びこれらの遺伝子の獲得又は欠損は、多くの異なる固形及び血液腫瘍に関連している(De Santis MC et al.,(2017)PI3K Signaling in Tissue Hyper-Proliferation:From Overgrowth Syndromes to Kidney Cysts.Cancers(Basel);9(4):30)。癌におけるPIK3CAのよく知られた役割に加えて、PIK3CAの接合後体細胞突然変異も、PIK3CA関連過成長スペクトラム(PROS)と称される、臨床的に認識可能な変異主導形態異常の幅広い群を含む様々な過成長障害で同定されている。PIK3CA関連過成長スペクトラム(PROS)は、PIK3CA遺伝子の接合後変異体によって引き起こされる稀な非対称性過成長障害の不均一な群を指定する(Keppler-Noreuil KM,Sapp JC,Lindhurst MJ et al.,(2014)Clinical delineation and natural history of the PIK3CA-related overgrowth spectrum.Am.J.Med.Genet.p.1713-33)。PIK3CAは、ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)のp110α触媒サブユニットをコードし、これは、チロシンキナーゼ成長因子及びホルモン受容体の活性化をプロテインキナーゼB(AKT)及び哺乳類ラパマイシン標的(mTOR)シグナル伝達の活性化に変換し、組織の成長を促進する。PROSでは、この経路の活性化は、脂肪組織、筋肉、皮膚、骨、血管若しくはリンパ管又は神経組織を含み得る過成長と関連している(Kurek KC et al.,(2012)Somatic mosaic activating mutations in PIK3CA cause CLOVES syndrome.Am.J.Hum.Genet.90(6):1108-15;Lindhurst MJ,Parker VE,Payne F et al.,(2012)Mosaic overgrowth with fibroadipose hyperplasia is caused by somatic activating mutations in PIK3CA.Nat.Genet;44(8):928-33)。PROSの有病率は、その希少性、最近の特徴付け(すなわち2014年に米国国立衛生研究所により)、確認におけるばらつき、広範な表現型スペクトル及び誤診につながる非定型又は軽度の表現型の発生により、推定が困難である(Keppler-Noreuil KM et al.,Am.J.Med.Genet.Ap.1713-33;Mirzaa GM et al.,(2013)Megalencephaly syndromes and activating mutations in the PI3K-AKT pathway:MPPH and MCAP.Am J Med Genet C Semin Med Genet p.122-30)。PROSは、先天性又は小児期早期発症の過成長、散発性発症及びモザイク分布によって特徴付けられる。分節性過成長は、多くの場合、発症が先天性であるが、通常、1歳までに認められ、一部の症例では進行性の組織の過成長が成人期まで持続する。PROSにおける遺伝子型-表現型の相関が示唆されているが(Mirzaa G et al.,(2016)PIK3CA-associated developmental disorders exhibit distinct classes of mutations with variable expression and tissue distribution.JCI Insight;1(9):e87623;Keppler-Noreuil KM et al.,(2014)Clinical delineation and natural history of the PIK3CA-related overgrowth spectrum.Am.J.Med.Genet.A p.1713-33)、表現型の主な決定因子は、病原性変異の時期及び位置である。その結果、PROSは、個体間の表現型の異質性が高度であるという特徴がある。過成長の特徴は、未知の理由から大きく変動し、すなわち小児期に限定された過剰成長を示す病変もあれば、他の個体は、成人期に進行性の軟部組織の過成長を有することもある。PROSの合併症は、解剖学的部位及び過成長の程度によって異なるが、様々な症状の中でも、機能障害(例えば、歩行又は嚥下)、疼痛、心機能障害、肺高血圧症、痙攣、神経発達障害、再発性表在性感染症、血栓塞栓症及び/又は出血が含まれ得、これらは、全て衰弱させ、早期死亡の原因となり得る。現在の治療は、主に切断術及び/又は血管内閉塞術などのデバルキングを目的とした手術に依存する。手術後の再増殖は、頻繁に起こり、多くの場合に再手術を必要とする。PROSに対処するために、標的を絞った新しい治療アプローチ及び効果的な治療に対する大きい満たされていない要求がある。
【0058】
アルペリシブは、(S)-ピロリジン-1,2-ジカルボン酸2-アミド1-({4-メチル-5-[2-(2,2,2-トリフルオロ-1,1-ジメチル-エチル)-ピリジン-4-イル]-チアゾール-2-イル}-アミド)又はBYL719としても知られ、2-アミノチアゾール系化合物に属する経口α-特異的クラスIホスファチジルイノシトール-3-キナーゼ(PI3K)阻害剤である。生化学的アッセイでは、アルペリシブは、他のクラスIPI3Kアイソフォーム(例えば、p110β IC50=1156nM、p110δ IC50=290nM、p110γ IC50=250nM)と比較して50倍高くPI3Kのp110αサブユニット(IC50=4.6nM)を潜在的に抑制し、他のほとんどのキナーゼに対して不活性である(Fritsch C et al.,(2014)Characterization of the novel and specific PI3Kα inhibitor NVP-BYL719 and development of the patient stratification strategy for clinical trials.Mol.Cancer Ther.,p.1117-29)。
【0059】
アルペリシブは、コンパッショネート使用プログラムの下でPROS患者に投与されている。PIK3CA変異が確認され、PROSの重篤な臨床症状に苦しむ2人の患者(成人1人及び小児1人)に投与された。成人の参加者は、29歳の男性であり、以前にシロリムスによる治療を受けて進行した。小児患者は、PIK3CA c.3140A>G(H1047R)変異が確認された9歳の女児であり、PROS/CLOVES症候群に対する標的全身治療を受けていなかった。両方の患者とも治療に対する忍容性が良好であり、成人患者にみられた高血糖を除いて副作用がみられなかったが、栄養療法により良好にコントロールされ、アルペリシブは、小児患者の成長に影響を与えなかった。両方の患者において、PROS病変の体積縮小は、罹患臓器の機能改善及びパフォーマンスステータスの改善に関連していた。数人の成人及び小児のPROS患者は、コンパッショネート使用の下でアルペリシブによる治療に成功している。
【0060】
本発明の顆粒状製剤は、小児患者におけるPIK3CA関連過成長スペクトラム(PROS)の治療に特に有用である。
【0061】
一実施形態では、本発明の顆粒状製剤は、PROS障害である線維脂肪過形成(FH)の治療に使用することができる。悪性ではないが、このPROS障害は、脚の長さが異なることによる歩行の問題、過成長による四肢の動きの問題及び変形による規則的な日常生活における課題などの健康及び医学的問題を引き起こす可能性がある。
【0062】
別の実施形態では、本発明の顆粒状製剤は、先天性、脂肪腫性、過成長、血管奇形、表皮母斑及び脊椎/骨格の異常及び/又は脊柱側弯症(総称してCLOVES症候群)の治療に使用することができる。CLOVES症候群は、皮膚、血管系及び筋骨格系を含む複数の臓器を伴う稀な進行性の先天性疾患である。
【0063】
別の実施形態では、本発明の顆粒状製剤は、巨大脳症-毛細血管奇形症候群の治療に使用することができる。巨頭症-毛細血管奇形症候群は、毛細血管皮膚奇形、巨頭症(MEG)又は半巨頭症(HMEG)、多毛症などの皮質脳異常、顔面異形、身体及び脳の非対称性を伴う体性成長異常、発達遅延及び指の異常を伴う、脳及び複数の体性組織の過成長を特徴とする稀な発達異常である。
【0064】
別の実施形態では、本発明の顆粒状製剤は、ヘミ過形成-多発性脂肪腫症症候群の治療に使用することができる。ヘミ過形成-多発性脂肪腫症症候群は、全身(特に背部、胴体、四肢、指及び腋窩)に分布する、成長が遅く、無痛性の、多発性の、再発性の、皮下脂肪腫性腫瘤を伴う、非進行性、非対称性、中等度のヘミ過形成を特徴とする稀な遺伝的過成長症候群である。
【0065】
別の実施形態では、本発明の顆粒状製剤は、片側巨脳症の治療に使用することができる。片側巨脳症は、脳の片側が関与する稀な奇形である。この障害を有する小児は、発作、部分麻痺及び認知発達障害を伴う、大きく非対称な頭部を有することがあり、多くの場合に半球切除手術を必要とする。
【0066】
別の実施形態では、本発明の顆粒状製剤は、顔面の先天性浸潤性脂肪腫症(CILF)の治療に使用することができる。成熟脂肪細胞が顔面領域の隣接組織に浸潤し、顔面の非対称性をもたらす非常に稀な疾患である。
【0067】
さらなる実施形態では、本発明は、治療有効量のアルペリシブ又はその医薬的に許容される塩を含む本発明の顆粒状製剤を、それを必要とする患者に投与することを含む、PIK3CA関連過成長スペクトラム(PROS)障害の治療の方法に関する。
【0068】
本発明の顆粒状製剤の活性及び特性は、標準的な臨床試験及び/又は動物試験で示すことができる。
【0069】
成人患者(例えば、老年患者又は嚥下障害を有する他の成人患者)では、アルペリシブは、ヒト成人において約1~6.5mg/kgの1日有効用量で経口投与され得る。アルペリシブは、体重50~70kgのヒト成人に、約70mg~455mg、例えば約100mg~400mg、約240mg~400mg、約125mg~400mg又は約125mg~300mgの1日用量で、単回用量又は1日4回までの分割投与で経口投与され得る。好ましくは、アルペリシブは、体重50~70kgのヒト成人(例えば、老人患者又は嚥下障害を有する成人)に、約125mg、200mg、250mg、300mg/日又は350mg~約400mgの1日用量で投与される。成人患者では、アルペリシブは、好ましくは、250mgを1日1回食事とともに経口投与する。
【0070】
小児患者では、アルペリシブは、患者1人あたり約10mg/日、又は20mg/日(好ましい)、又は25mg/日(好ましい)、又は30mg/日、又は40mg/日、又は50mg/日(好ましい)、又は60mg/日、又は70mg/日、又は75mg/日、又は80mg/日、又は90mg/日、又は100mg/日、又は110mg/日、又は120mg/日、又は125mg/日(好ましい)、又は130mg/日、140mg/日、又は150mg/日、又は175mg/日、又は200mg/日(好ましい)、又は250mg/日の1日有効用量で経口投与され得る。小児患者では、アルペリシブは、好ましくは、50mgを1日1回食事とともに経口投与する。
【0071】
任意の特定の患者に対する特定の用量レベルは、年齢、体重、一般的な健康状態、1つ又は複数の有効薬剤との薬剤の組み合わせ、疾患の種類及び重症度を含む様々な要因に依存することが理解されるであろう。本発明の教示により、当業者であれば、特定の患者の適切な用量レベルの治療を選択する経験及び技術を有するであろう。
【0072】
別の実施形態では、本発明は、本発明による顆粒状製剤と、PROSの治療のためのアルペリシブ又はその医薬的に許容される塩の投与を指示する印刷指示書とを含む医薬用単回用量単位レセプタクルにさらに関する。
【実施例】
【0073】
以下の実施例は、上述した本発明を説明するものであるが、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
【0074】
実施例1
20mg又は50mg顆粒製剤の製造
下記表1の単位量を用いて20mg及び50mgの顆粒状製剤を製造した。製造プロセスの環境条件は、22℃±3℃、55%RH±10%RHであった。
【0075】
Mannitol Pharma、アルペリシブ、natriumcarboxymethylstaerke(NA-カルボキシメチルスターチ)及びAvicel PH101(セルロース、微結晶PH101)を高剪断顆粒製造機中でブレンドした。ステンレス容器中で撹拌しながら、HPMC-603(HPMC、ヒプロメロース)を精製水中に溶解した。透明な溶液が得られるまで(約5時間)膨潤及び脱泡を許容した。次いで、溶解したHPMC-603を高剪断顆粒製造機中で0.8kg/分~1.0kg/分の速度において添加し、130~203rpmのインペラ速度及び1450rpmのチョッパー速度で顆粒を製造した。液体供給システムは、0.8kg/分~1.0kg/分の速度において、目標添加水量を満たすために必要な量の水で洗浄した。湿潤した塊を150~203rpmのインペラ速度及び1450rpmのチョッパー速度で10~60秒間、高剪断顆粒製造機中で混練した。顆粒を、流動床乾燥機中で約1.7%以下の乾燥損失(%LOD)を達成するまで乾燥した。乾燥した顆粒をスクリーニングミル(スクリーンサイズ1mm、丸線)でスクリーニングした。外相賦形剤セルロースMK GR(PH102)をスクリーニングミル(スクリーンサイズ1mm/丸線)に通してふるい分けし、顆粒に添加し、ブレンダー中で目標速度9rpmにおいて18分間ブレンドした。ステアリン酸マグネシウムをふるい分けし(0.5mm)、顆粒に添加し、ブレンダーで目標速度9rpmにおいて11分間混合した。最終ブレンドは、直ちに利用可能であり、包装材を使用してスティックパックに充填するために使用した(スティックパックの寸法は、両方の強度に関して90mm×25mm)。最終ブレンドの保存期間は、30日間であり、貯蔵温度は、25℃を超えなかった。
【0076】
【0077】
本発明の顆粒状製剤は、良好な流動性を有し、その結果、スティックパックなどの容器に均一に充填される。本発明の顆粒状製剤の特徴は、微粉(顆粒中に残存する粉末の量)の割合が減少していることであり、スティックパックの密封を阻害するスティックパック包装のシール部に付着した微粉粒子による粉塵の発生を回避するのに役立つ。
【国際調査報告】