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特表2024-516018ブロックコポリマーを含む口腔ケア組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-11
(54)【発明の名称】ブロックコポリマーを含む口腔ケア組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/90 20060101AFI20240404BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A61K8/90
A61Q11/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567065
(86)(22)【出願日】2022-05-10
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 US2022072222
(87)【国際公開番号】W WO2022241412
(87)【国際公開日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】63/186,819
(32)【優先日】2021-05-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100187159
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 英明
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ、アルバート、ベルタ
(72)【発明者】
【氏名】ミン、マオ
(72)【発明者】
【氏名】メリッサ、シェリー、ペイン
(72)【発明者】
【氏名】ポール、アルバート、セーゲル
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB171
4C083AB172
4C083AB281
4C083AB282
4C083AB471
4C083AB472
4C083AC131
4C083AC132
4C083AC711
4C083AC712
4C083AC781
4C083AC782
4C083AC862
4C083AD041
4C083AD042
4C083AD051
4C083AD052
4C083AD111
4C083AD112
4C083AD222
4C083AD531
4C083AD532
4C083BB32
4C083BB41
4C083BB55
4C083CC41
4C083DD12
4C083DD22
4C083DD39
4C083EE31
(57)【要約】
ポロキサマー等のブロックコポリマーを含む、口腔ケア組成物。ポロキサマー等のブロックコポリマー及びフレーバを含む、低水分口腔ケア組成物。フレーバ及びブロックコポリマーを含む低水分口腔ケア組成物と、不織布ウェブ組成物とを含む、口腔ケア物品。ポロキサマー等のブロックコポリマー及びフレーバを含む、低水分口腔ケア組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔ケア組成物であって、
(a)前記口腔ケア組成物の約0.01重量%~約50重量%のブロックコポリマーであって、好ましくは疎水性部分及び親水性部分を含み、より好ましくは両親媒性ブロックコポリマーを含む、ブロックコポリマー、
(b)前記口腔ケア組成物の約0.01重量%~約5重量%のフレーバ、並びに
(c)前記口腔ケア組成物の約1重量%以下の水
を含む、口腔ケア組成物。
【請求項2】
前記ブロックコポリマーが、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、テトラブロックコポリマー、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の口腔ケア組成物。
【請求項3】
前記ブロックコポリマーが、中央の疎水性部分、第1の親水性部分、及び第2の親水性部分を含み、好ましくは、前記ブロックコポリマーが、ポロキサマーを含む、請求項1又は2に記載の口腔ケア組成物。
【請求項4】
前記ブロックコポリマーが、非イオン性ブロックポリマーを更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項5】
添加水を含まないか、無水であるか、又は水を含まない、実質的に含まない、若しくは本質的に含まない、請求項1~4のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項6】
イオン性界面活性剤を含まない、実質的に含まない、又は本質的に含まない、請求項1~5のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項7】
フッ化物を含み、好ましくは、前記フッ化物が、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第一スズ、フッ化アミン、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項8】
ポリホスフェートを含み、好ましくは、前記ポリホスフェートが、ピロホスフェート、トリポリホスフェート、ヘキサメタホスフェート、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項9】
金属を含み、好ましくは、前記金属が、スズ、亜鉛、銅、若しくはこれらの組み合わせを含み、又はより好ましくは、前記スズが、フッ化第一スズ、塩化第一スズ、若しくはこれらの組み合わせを含み、及び/又は前記亜鉛が、クエン酸亜鉛、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、塩化亜鉛、若しくはこれらの組み合わせを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物。
【請求項10】
研磨剤を含み、好ましくは、前記研磨剤が、シリカ研磨剤、カルシウム研磨剤、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1~9に記載の口腔ケア組成物。
【請求項11】
前記カルシウム研磨剤が、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸カルシウム、又はこれらの組み合わせを含む、請求項10に記載の口腔ケア組成物。
【請求項12】
口腔ケア物品であって、
(a)不織布ウェブ組成物と、
(a)請求項1~11のいずれか一項に記載の口腔ケア組成物と、
を含む、口腔ケア物品。
【請求項13】
前記不織布ウェブ組成物が、ウェブ形成材料を含み、好ましくは、前記口腔ケア物品が、前記口腔ケア物品の約1重量%~約50重量%の前記ウェブ形成材料を含み、より好ましくは、前記ウェブ形成材料が、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテルマレイン酸コポリマー、又はこれらの組み合わせを含む、請求項12に記載の口腔ケア物品。
【請求項14】
前記不織布ウェブ組成物が、ポリオールを含み、好ましくは、前記ポリオールが、糖アルコールを含み、より好ましくは、前記糖アルコールが、ソルビトール、グリセリン、キシリトール、エリスリトール、又はこれらの組み合わせを含む、請求項12又は13に記載の口腔ケア物品。
【請求項15】
前記不織布ウェブ組成物が、界面活性剤を含み、好ましくは、前記界面活性剤が、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含み、より好ましくは、前記界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム及び/又はベタインを含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の口腔ケア物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックコポリマーを含む、口腔ケア組成物に関する。本発明はまた、水を少ししか又は全く含まない、ブロックコポリマー及びフレーバを含む、口腔ケア組成物に関する。本発明はまた、不織布ウェブと、水を少ししか又は全く含まない、ブロックコポリマー及びフレーバを含む口腔ケア組成物と、を含む、口腔ケア物品に関する。
【背景技術】
【0002】
口腔ケア組成物は、チューブから絞り出すことができるペースト及び/又はスラリーとして配合される。口腔ケア組成物は、金属イオン、フッ化物イオン、研磨剤、カルシウム源、界面活性剤、ホワイトニング剤、保湿剤、増粘剤、及び他の配合成分を含み得る。典型的には、口腔ケア組成物は、チューブ又はボトル内での反応性は回避するが、口腔内での反応性は保持するように慎重に配合するべきである。多くの場合、チューブ内の反応性の口内効果とのバランスを保つために、成分を置換又は除去するべきである。
【0003】
口腔ケア活性物質間の反応性を軽減するための1つの戦略は、水を少ししか含まない組成物を使用すること、水を添加しないこと、又は無水組成物を使用することであり得る。口腔ケア組成物中の水の量を減少させると、口腔ケア活性物質間の反応性を減少させることができる。しかしながら、多くの低水分組成物では、フレーバ化合物及び/又は固体研磨粒子が口腔ケア組成物の残りの液体構成成分から分離する場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、フレーバ構成成分を効果的に可溶化することができる低水分口腔ケア組成物が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
口腔ケア組成物であって、(a)当該口腔ケア組成物の約0.01重量%~約50重量%のブロックコポリマーと、(b)当該口腔ケア組成物の約0.01重量%~約5重量%のフレーバと、(c)当該口腔ケア組成物の約1重量%以下の水と、を含む、口腔ケア組成物が本明細書に開示される。
【0006】
また、(a)不織布ウェブ組成物と、
(b)(i)口腔ケア組成物の約0.01重量%~約50重量%のブロックコポリマー、(ii)口腔ケア組成物の約0.01重量%~約5重量%のフレーバ、及び(c)口腔ケア組成物の約1重量%以下の水を含む口腔ケア組成物と、を含む、口腔ケア物品も本明細書に開示される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、ポロキサマー等のブロックコポリマーとフレーバとを含む、口腔ケア組成物に関する。口腔ケア組成物は、無水、低水分、及び/又は添加水なしであってよい。本発明はまた、不織布ウェブ組成物と、フレーバを含む口腔ケア組成物と、を含み、口腔ケア組成物から不織布ウェブ組成物へのフレーバの吸い上げを最小限に抑える、口腔ケア物品に関する。
【0008】
フレーバは、非水性組成物への溶解度が低いことから、低水分又は水不含口腔ケア組成物に配合することが困難である場合がある。したがって、時間が経つにつれて、フレーバは、口腔ケア組成物の残部から分離する場合がある。歯磨剤ペースト等の液体又はペーストの実施においては、フレーバが分離し、二相系を形成する場合がある。
【0009】
単位用量口腔ケア組成物には、繊維性組成物及び非繊維性組成物が存在し得る。非繊維性組成物は、低水分及び/又は無水組成物であってよく、これは、非繊維性組成物からのフレーバの分離及び/又は繊維性組成物へのフレーバの吸い上げを引き起こし得る。
【0010】
ラウリル硫酸ナトリウム及び/又はコカミドプロピルベタイン等のイオン性界面活性剤を口腔ケア組成物に添加して、他の成分の可溶化を支援することができる。しかしながら、イオン性界面活性剤は、低水分及び/又は無水シャーシへの溶解度が低いことにも悩まされる場合があるため、有用ではない場合がある。
【0011】
予想外にも、ポロキサマー等の特定のブロックコポリマーは、低水分又は無水シャーシ中でフレーバを効果的に安定化できることが見出された。理論に束縛されるものではないが、ブロックコポリマーは、非イオン性でありながら、両親媒性であるようにコポリマー中の各ブロックを個別化及び/又は設計することができるため、低水分及び/又は無水口腔ケア組成物からのフレーバの分離を制限することができると考えられる。両親媒性ブロックコポリマーは、フレーバ油と、水溶性溶媒、例えば、PEG、グリセリン、及び/又はプロピレングリコールとの混合物を安定化させるための界面活性剤として作用することができる。
【0012】
更に、シリカ及び/又は炭酸カルシウム等の固体研磨粒子は、水溶性溶媒よりも高い密度を有することができる。時間が経つにつれて、より高密度の固体粒子が、より低密度の水溶性溶媒から分離する場合がある。予想外にも、特定のブロックコポリマーが、低水分又は無水シャーシ中で固体粒子の分散を安定化できることが見出された。理論に束縛されるものではないが、ブロックコポリマーは、組成物の降伏応力を増加させることによって、高密度固体粒子が低水分及び/又は無水口腔ケア組成物から相分離するのを制限することができると考えられる。
【0013】
定義
本明細書で使用される用語をより明確に定義するために、以下の定義が提供される。別途記載のない限り、以下の定義は、本開示に適用可能である。ある用語が本開示で使用されているが本明細書で具体的に定義されていない場合、その定義が、本明細書に適用される任意の他の開示又は定義と矛盾しない限り、又はその定義が適用される任意の請求項を不明確に又は不可能にしない限り、IUPAC Compendium of Chemical Terminology,2nd Ed(1997)からの定義を適用することができる。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「口腔ケア組成物」とは、通常の使用過程において、口腔の健康を目的として、一部若しくは全ての、歯の表面及び/又は口腔組織と接触させるのに十分な時間にわたって、口腔内に保持される製品を意味する。一実施形態では、口腔ケア活性剤を送達するために、組成物は口腔内に保持される。本発明の口腔用組成物は、練り歯磨き、歯磨剤、歯科用ゲル、歯磨き粉、錠剤、すすぎ剤、歯肉下用ゲル、発泡体、ムース、チューインガム、リップスティック、スポンジ、フロス、予防ペースト、ワセリンゲル、義歯用製品、不織布ウェブ、又はフォームを含む各種形態であってもよい。一実施形態では、口腔用組成物は、不織布ウェブの形態である。別の実施形態では、口腔用組成物は、歯磨剤の形態である。また、口腔用組成物は、口腔表面に直接適用するか若しくは付着させるために、又はフロス内に組み込むために、ストリップ片若しくはフィルム上に組み込まれてもよい。口腔ケア組成物はまた、口腔の表面に直接適用できるストリップであってもよい。ストリップは、水分と接触する又はブラッシングすると、少なくとも部分的に溶解することができる。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「口腔使用が可能な担体」とは、本発明の組成物の形成、及び/若しくは安全かつ効果的な方法での本発明の組成物の口腔への適用に使用できる、好適な賦形剤又は成分を意味する。
【0016】
本明細書で使用するとき、「有効量」という用語は、当業者の妥当な判断の範囲内で、化合物又は組成物の好ましい利益、つまり口腔の健康の利益、を誘導するのに十分な量であり、かつ/又は重篤な副作用を回避するのに十分低い量である量、すなわち妥当な利益対リスク比を提供する量を意味する。口腔の健康効果の種類及び活性化合物の有効性に応じて、「有効量」は、組成物の少なくとも約0.0001重量%の材料、0.001重量%の材料、又は0.01重量の材料を意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、「歯磨剤」という用語は、特に指定されない限り、口腔表面の洗浄、処理、又は口腔表面に接触するために使用されるペースト、ゲル、粉剤、錠剤、又は液体配合物を意味する。更に、本明細書に開示されるように、歯磨剤は、口腔の表面を洗浄するために使用される不織布ウェブを意味する。本明細書で使用するとき、「歯」という用語は、天然歯、及び人工歯又は歯科補綴物を指す。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「フィラメント」は、本発明の種類の不織布ウェブを形成するために使用できる、薄い可撓性の糸様物を意味する。フィラメントの長さは、その直径を大きく超えることができ、すなわち、長さ対直径比は少なくとも約5、10、又は25である。
【0019】
本発明のフィラメントは、メルトブローイング又はスパンボンディングなどの好適な紡糸操作を介して、不織布ウェブ形成材料から紡糸することができる。
【0020】
フィラメントは、典型的には、本質的に連続的であるか又は実質的に連続的であるとみなされる。フィラメントは、繊維よりも相対的に長い。フィラメントの非限定的な例としては、メルトブローンフィラメント、スパンボンドフィラメント、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。一実施形態では、フィラメントはメルトブローンフィラメントである。
【0021】
一例では、フィラメントは、フィラメントがより短い長さに切断された場合など、繊維の形態であってもよい。したがって、一例では、本発明はまた、本発明のフィラメントの組成を含む繊維も含む。
【0022】
本明細書で使用するとき、「不織布ウェブ形成材料」とは、メルトブローイング、スパンボンディング、又は流体フィルムフィブリル化などによってフィラメントを作製するのに好適な組成物を意味する。不織布ウェブ形成材料は、1つ以上の不織布ウェブ形成材料を含み、それらの材料は、それらをフィラメントへと紡糸するために好適なものにさせる特性を呈する。
【0023】
フィラメントに関して本明細書で使用するとき、「長さ」とは、一方の終端部から他方の終端部までの、そのフィラメントの最長軸線に沿った長さを意味する。フィラメントが、その中に、捩れ、縮れ、又は屈曲部を有する場合には、長さは、そのフィラメントの経路全体に沿った長さである。
【0024】
フィラメントに関して本明細書で使用するとき、「平均直径」は、本明細書で説明される直径試験方法に従って測定される。
【0025】
本明細書で使用するとき、用語「崩壊可能」及び「崩壊」は、意図される使用条件に曝されたときに、口腔ケア組成物、フィラメント、又は不織布が、構成成分、断片、又は組成物に小さくなることを意味する。
【0026】
本明細書で使用するとき、用語「溶解する」は、口腔ケア組成物、フィラメント、又は不織布ウェブが、ほとんど又は完全に可溶化されることを意味する。口腔ケア組成物は、構成成分の一部が完全に溶解していない場合であっても、視覚的に溶解しているように見える場合があり、例えば、架橋されたポリアクリル酸ポリマーは、溶解しているように見える透明なゲルを形成するが、理論に束縛されるものではないが、透明ゲルは単に水和されているものである。別の例は、組成物の大部分を構成し得るが、全く溶解しない研磨剤である。研磨剤を含む口腔用組成物は、研磨剤のみが溶解していない場合、「溶解」しているとみなされる。任意の残りの粒子が2mm以下の直径を有するとき、口腔ケア組成物の溶解は完了する。
【0027】
本明細書で使用するとき、用語「適用する」は、噴霧、振りかけ、振りまき、コーティング、表面印刷(例えば、所望の装飾、飾り、又はパターンの形状)、注ぎ込み、内部への注入、浸漬、又は任意の他の好適な手段、例えば、堆積器、篩器、若しくは粉末床の使用によるものを含む。
【0028】
本明細書で使用するとき、「意図される使用条件」とは、本発明の1つ以上のフィラメントを含む口腔ケア組成物が、口腔ケア組成物がその設計された目的のために使用されるときに曝露される、温度、物理的、化学的、及び/又は機械的条件を意味する。本発明の口腔ケア組成物は、口腔、口、咽喉、及びこれらの組み合わせを介して哺乳動物に投与することができる。意図される使用条件は、哺乳動物の口腔、口、及び/又は喉における温度、物理的、化学的、及び/又は機械的条件であり得る。
【0029】
本明細書で使用するとき、「誘発条件」は、刺激として機能し、かつフィラメントの物理的構造の喪失若しくは変化などのフィラメントの変化、並びに/又は、溶解、水和、及び膨張を含む口腔ケア活性物質の放出を開始させるか又は引き起こす、作用又は事象としてのあらゆるものを意味する。いくつかの誘発条件としては、好適なpH、温度、剪断速度、又は含水量が挙げられる。
【0030】
フィラメントの形態変化に関して本明細書で使用されるとき、「形態変化」は、フィラメントが、その物理的構造の変化を経験することを意味する。本発明のフィラメントの形態変化の非限定的な例としては、溶解、融解、膨張、収縮、粉砕、延長、短縮、剥離、分離、破砕、崩壊、湾曲、及びこれらの組み合わせが挙げられる。本発明のフィラメントは、意図される使用条件に曝された場合に、それらのフィラメントの物理的構造を完全に又は実質的に失ってもよく、あるいは変化されたそれらの形態を有してもよく、あるいはそれらのフィラメントの物理的構造を保持するか、又は実質的に保持してもよい。
【0031】
本明細書で使用するとき、「ウェブ」は、任意の手段によってウェブに形成されており、かつ任意の手段によって互いに接合されている、任意の性質又は起源の連続フィラメント又は繊維のシートを意味する。
【0032】
本明細書で使用するとき、European Disposables and Nonwovens Association(EDANA)によって定義されるように、「不織布ウェブ」は、任意の手段によってウェブに成形されており、かつ製織又は編みを除く任意の手段によって互いに接合されている、任意の性質又は起源の連続フィラメント又は繊維のシートを意味する。湿式ミリングにより得られるフェルトは、不織布ではない。一例では、本発明による不織布ウェブは、ある機能を果たすための構造体内でのフィラメントの規則正しい配置を意味する。一例では、本発明の不織布ウェブは、互いに絡み合って又は別の方法で互いに結合して不織布ウェブを形成する、2つ以上及び/又は3つ以上の複数のフィラメントを含む配置である。
【0033】
用語RDAは、FDI-ISO 11609に定義される、相対的象牙質研磨効率(Relative Dentin Abrasion)又は放射性象牙質研磨効率(Radioactive Dentin Abrasion)を指す。用語PCRは、Stookey et al.(1982)による原著論文で定義され、後にSchemehorn et al.(2011)によって、実験室由来のヒト様ステインのエナメル質チップからの除去について、口腔ケア組成物の相対的有効性を特徴付けるために使用された、ペリクル清掃比(Pellicle Cleaning Ratio、PCR)を指す。これらの実験的手法は、以下でより詳細に説明される。
【0034】
本明細書で使用する場合、用語「~を実質的に含まない」は、組成物中に、かかる組成物の総重量の0.05%以下、好ましくは0.01%以下、より好ましくは0.001%以下の指示物質が存在することを指す。
【0035】
本明細書で使用する場合、用語「~を本質的に含まない」は、指示物質が組成物に意図的に添加されたものでないこと、又は好ましくは分析によって検出可能な濃度では存在しないことを意味する。これは、指示物質が、意図的に添加されたその他の物質のうちの1つの不純物としてのみ存在する、組成物を包含することを意味する。
【0036】
以下、本明細書において使用される全ての百分率及び比率は、特に指示がない限り、組成物全体の重量を基準とする。本明細書で言及される成分の百分率、比率、及び濃度は、特に指示がない限りかかる成分の実際の量に基づき、市販製品としてかかる成分に組み合わされている可能性がある溶媒、充填剤、又はその他の物質を含まない。本明細書において言及される全ての測定は、別途指定されない限り、25℃で行われる。
【0037】
本発明の組成物、プロセス及び方法は、本明細書に記載される本発明の必須要素及び制限、並びに、本明細書に記載されるあらゆる追加若しくは任意の成分、構成成分、若しくは制限、又はその他哺乳類による使用若しくは消費、好ましくはヒトによる消費若しくは使用を目的とする口腔ケア組成物において有用であるものを含む、これらからなる、又はこれらから本質的になることができる。
【0038】
用語「約」は、量、サイズ、配合、パラメータ、並びにその他の数量及び特性が正確ではなく、正確である必要はないが、所望に応じて、許容誤差、変換係数、四捨五入、測定誤差など、並びに当業者に既知のその他の要因を反映して、近似的及び/又はより大きいか若しくはより小さい場合があることを意味する。概して、量、サイズ、配合、パラメータ、又は他の数量若しくは特性は、そのようであると明示的に記載されているか否かに関わらず、「約」又は「近似的」である。「約」という用語はまた、特定の初期混合物から生じる組成物の異なる平衡状態に起因して異なる量も包含する。「約」という用語によって修飾されているか否かに関わらず、特許請求の範囲は、その量に対する均等物を含む。
【0039】
口腔ケア組成物は、固体、液体、粉末、ペースト、又はこれらの組み合わせなどの任意の適切な形態であり得る。口腔ケア組成物は、歯磨剤、歯磨ゲル、歯肉縁下用ゲル、マウスリンス、ムース、泡、マウススプレー、トローチ剤、チュアブル錠、チューインガム、歯用ホワイトニングストリップ、フロス及びフロスコーティング、口臭予防用溶解ストリップ、又は義歯用ケア若しくは付着性製品であり得る。歯磨剤組成物の構成成分は、フィルム、ストリップ、泡、又は繊維ベースの歯磨剤組成物に組み込まれることができる。口腔ケア組成物は、以下に記載の通り、例えば、ブロックコポリマー、低水分又は無水分、フレーバ、スズ、カルシウム、研磨剤、フッ化物、亜鉛、カリウム、ポリホスフェート、保湿剤、界面活性剤、他の成分等、並びにこれらの任意の組み合わせであるがこれらに限定されない、様々な活性成分及び不活性成分を含み得る。
【0040】
セクション見出しは、編成及び便宜上の目的のためだけに以下に提供される。セクション見出しは、化合物が1つより多いセクション内に存在し得ないことを示唆するものではない。実際、化合物は、1つより多いセクションに含まれる場合がある。例えば、いくつかのカテゴリー及び/又はセクションに適合し得る多数の化合物の中でもとりわけ、フッ化第一スズは、スズイオン源及びフッ化物イオン源の両方であり得、ポロキサマーは、ブロックコポリマー及びウェブ形成材料の両方であり得る。
【0041】
ブロックコポリマー
本発明の口腔ケア組成物は、低水分及び/又は無水口腔ケア組成物中のフレーバを効果的に安定化及び/又は可溶化することができるブロックコポリマーを含む。コポリマーは、1種を超えるモノマーに由来するポリマーであり得る。ブロックコポリマーは、共有結合によって連結された2つ以上のホモポリマーサブユニット(又は「ブロック」)を含み得る。
【0042】
ブロックコポリマーは、2つ以上のモノマーが一緒にクラスター化し、繰り返し単位のブロックを形成した場合に形成されるコポリマーであり得る。例えば、ブロックコポリマーは、-X-X-X-X-X-Y-Y-Y-Y-Y-X-X-X-X-X-Y-Y-Y-Y-Y-のパターンのX及びYモノマーのブロックで構成され得る。
【0043】
ブロックコポリマーは、モノマー化合物の約2~約10個、約2~約5個、又は約2~約4個のブロックを含み得る。ブロックコポリマーは、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、テトラブロックコポリマー、又はこれらの組み合わせを含み得る。ブロックは、約2~約1000、約5~約500、又は約50~約250の繰り返しモノマー単位を含み得る。
【0044】
ブロックコポリマーは、イオン性であっても非イオン性であってもよい。理論に束縛されるものではないが、イオン性化合物は、低水分及び/又は無水組成物に溶解することが困難である場合があるため、低水分及び/又は無水組成物で使用するには非イオン性ブロックコポリマーが好ましい場合があると考えられる。
【0045】
ブロックコポリマーは、両親媒性であってもよい。ブロックコポリマーは、親水性及び/又は疎水性部分を含み得る。ブロックコポリマーは、親水性ブロック及び疎水性ブロックを有するジブロックコポリマーであってもよい。ブロックコポリマーは、2つの親水性ブロック及び1つの疎水性ブロックを有するトリブロックコポリマーであってもよい。ブロックコポリマーは、2つの親水性ブロックによって囲まれた中央疎水性ブロックを有するトリブロックコポリマーであってもよい。ブロックコポリマーは、2つの疎水性ブロック及び1つの親水性ブロックを有するトリブロックコポリマーであってもよい。ブロックコポリマーは、2つの疎水性ブロックによって囲まれた中央親水性ブロックを有するトリブロックコポリマーであってもよい。ブロックコポリマーは、2つの疎水性ブロックと2つの親水性ブロック、1つの疎水性ブロックと3つの親水性ブロック、及び/又は3つの疎水性ブロックと1つの親水性ブロックを有するテトラブロックコポリマーであってもよい。
【0046】
ブロックコポリマーを作製するのに好適なモノマーとしては、プロピレングリコール、エチレングリコール、アクリロニトリル、グルタミン酸、乳酸、ラクチド、グリコリド、カプロラクトン、N-(2-ヒドロキシプロピル)-メタクリレート、エチレン、プロピレン、1,3-ブタジエン、スチレン、エチレン、酢酸ビニル、及び/又はこれらの組み合わせが挙げられる。好適なブロックコポリマーとしては、オキシドブロックコポリマー、ポリ(エチレングリコール)-b-ポリ(D,Lラクチド)、ポリ(エチレングリコール)-ブロック-ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)、ポリ(エチレングリコール)-b-ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリエチレン-ブロック-ポリ(エチレングリコール)、及び/又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0047】
他の好適なブロックポリマーとしては、ポロキサマーが挙げられる。ポロキサマーとしては、様々な分子量のPEOブロック及びPPOブロックを有する、Poloxamer 407、Pluronic P123、Pluronic P105、Pluronic L61、Pluronic L121、Pluronic F127、Pluronic F68、及び/又はPluronic F87等のBASF製のPluronic(登録商標)ブロックコポリマーを挙げ得る。
【0048】
口腔ケア組成物は、口腔ケア組成物の0.01重量%~約50重量%、約0.01重量%~約10重量%、約0.1重量%~約20重量%、約1重量%~約5重量%、約0.01重量%~約20重量%、又は約0.001重量%~約10重量%のブロックコポリマーを含み得る。
【0049】

本発明の口腔ケア組成物は、低水分及び/又は無水である。口腔ケア組成物は、口腔ケア組成物の約5重量%以下、5重量%以下、5重量%未満、約1重量%以下、1重量%以下、1重量%未満、約0.5重量%以下、0.5重量%以下、又は0.5重量%未満の水を含む。口腔ケア組成物は、水を含んでいなくてもよく、本質的に含んでいなくてもよく、又は実質的に含んでいなくてもよい。口腔ケア組成物は、別個に添加された水を含んでいなくてもよいが、口腔ケア組成物からの他の構成成分と共に組み込まれた最小量の水は含む。
【0050】
フレーバ
本発明の口腔ケア組成物は、フレーバを含む。フレーバとしては、ペパーミント、スペアミント、ウィンターグリーン、及び/又はそれらの組み合わせ等の1つ以上のミントフレーバを挙げ得る。各ミントフレーバファミリーは、異なるフレーバプロファイルを送る有機化合物の固有の組み合わせを含む。
【0051】
フレーバには、従来のフレーバ化合物及び感覚剤の両方が含まれ得る。フレーバ口腔ケア組成物において使用することができるいくつかの従来のフレーバ化合物の例は、ミントオイル、スペアミントオイル、サリチル酸メチル、丁子芽油、カッシア、セージ、オランダセリ油、マジョラム、レモン、オレンジ、プロペニルグアエトール、ヘリオトロピン、シス-4-ヘプテナール、ジアセチル、メチル-ρ-tert-ブチルフェニルアセテート、1-メンチルアセテート、オキサノン、α-イリソン、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸エチル、ケイ皮酸ブチル、酪酸エチル、酢酸エチル、アントラニル酸メチル、酢酸イソアミル、酪酸イソアミル、カプロン酸アリル、オイゲノール、ユーカリプトール、チモール、シンナミルアルコール、オクタノール、オクタナール、デカノール、デカナール、フェニルエチルアルコール、ベンジルアルコール、α-テルピネオール、リナロール、リモネン、シトラール、ネラール、ゲラニアール、ゲラニオール、ネロール、マルトール、エチルマルトール、アネトール、ジヒドロアネトール、カルボン、メントン、β-ダマセノン、イオノン、γ-デカラクトン、γ-ノナラクトン、γ-ウンデカラクトン、イソプレゴール、ピペリトン、又はこれらの組合せである。概して、好適な風味成分は、構造的特徴及びレドックス反応し難い官能基を有する化学物質である。これらとしては、飽和した、又は安定な芳香環若しくはエステル基を含有する、フレーバ化学物質の誘導体が挙げられる。
【0052】
フレーバは、感覚剤も含み得る。冷感剤、温感剤、及び刺感剤(tingling agent)等の感覚剤分子は、ユーザにシグナルを送達するのに有用である。感覚剤は、口腔ケア組成物の約0.001重量%~約2重量%、あるいは約0.01重量%~約1.75重量%、あるいは0.1重量%~約1.5重量%、あるいは0.5重量%~約1.25重量%の量で存在し得る。冷感剤化合物は、メントール、特にL-メントールを含み得、これは、天然ではペパーミント及びスペアミント油、とりわけペパーミント(Mentha piperita)、ハッカ(Mentha arvensis L)、及びスペアミント(Mentha viridis L)中にみられる。メントールの他の異性体(ネオメントール、イソメントール、及びネオイソメントール)は、幾分類似しているが、同一の臭い及び味ではなく、例えば、土臭い、ショウノウ臭い、かび臭い等と説明される不快な臭い及び味のノートを有する場合がある。異性体間での最も大きな違いは、それらの冷感効力にある。L-メントールは最も強力な冷感をもたらし、これは、冷感効果をはっきりと認識できる濃度レベルである、約800ppbの最低冷感閾値を有することによる。他の異性体では、この濃度では冷感効果がない場合がある。例えば、d-ネオメントールは、約25,000ppb、及びl-ネオメントールは、約3,000ppbの冷感閾値を有すると報告されている。
【0053】
メントール異性体のうち、l-異性体は自然界に最も広く存在し、典型的には、冷却剤特性を有するメントールという名称で呼ばれるものである。L-メントールは独特のペパーミントの香りを有し、かつさっぱりした爽やかな味を有し、皮膚及び粘膜表面に適用された際に冷感を与える。
【0054】
合成冷却剤のうち、多くは、メントールの誘導体であるか又はメントールと構造的に関連しており、例えば、シクロヘキサン部分を含有し、カルボキサミド、ケタール、エステル、エーテル、及びアルコールを含む官能基で誘導体化されている。例としては、「WS-3」として商業的に知られているN-エチル-ρ-メンタン-3-カルボキサミド等のρ-メンタンカルボキサミド化合物、並びにWS-5(N-エトキシカルボニルメチル-ρ-メンタン-3-カルボキサミド)、WS-12(1R,2S)-N-(4-メトキシフェニル)-5-メチル-2-(1-メチルエチル)シクロヘキサンカルボキサミド]、及びWS-14(N-tert-ブチル-ρ-メンタン-3-カルボキサミド)等のシリーズのその他のものが挙げられる。メンタンカルボキシエステルの例としては、WS-4及びWS-30が挙げられる。メントールと構造的に無関係の合成カルボキサミド冷却剤の例は、「WS-23」として既知のN,2,3-トリメチル-2-イソプロピルブタンアミドである。合成冷却剤の更なる例としては、全て高砂香料工業(東京)から入手可能なTK-10として知られる3-(1-メトキシ)-プロパン-1,2-ジオール、イソプレゴール(商標名Coolact P)、及びρ-メンタン-3,8-ジオール(商標名Coolact38D)等のアルコール誘導体;MGAとして知られるメントングリセロールアセタール;酢酸メンチル、アセト酢酸メンチル、Symrise AG(Holzminden,Germany)によって供給され、Frescolat(登録商標)として知られる乳酸メンチル、及びV.Mane FILS(Notre Dame,France)製の商標名Physcoolのコハク酸モノメンチル等のメンチルエステルが挙げられる。TK-10は、Amanoらの米国特許第4,459,425号に記載されている。メントールの他のアルコール及びエーテル誘導体は、英国特許第1,315,626号、並びに米国特許第4,029,759号、同第5,608,119号、及び同第6,956,139号に記載されている。WS-3及び他のカルボキサミド冷感剤は、米国特許第4,136,163号、同第4,150,052号、同第4,153,679号、同第4,157,384号、同第4,178,459号、及び同第4,230,688号に記載されている。
【0055】
追加のN-置換ρ-メンタンカルボキサミドは、国際公開第2005/049553(A1)号に記載されており、N-(4-シアノメチルフェニル)-ρ-メンタンカルボキサミド、N-(4-スルファモイルフェニル)-ρ-メンタンカルボキサミド、N-(4-シアノフェニル)p-メンタンカルボキサミド、N-(4-アセチルフェニル)-ρ-メンタンカルボキサミド、N-(4-ヒドロキシメチルフェニル)-ρ-メンタンカルボキサミド、及びN-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-ρ-メンタンカルボキサミドが挙げられる。他のN置換ρ-メンタンカルボキサミドとしては、国際公開第2006/103401号、並びに米国特許第4,136,163号、同第4,178,459号及び同第7,189,760号に開示されているものなどのアミノ酸誘導体、例えば、N-((5-メチル-2-(1-メチルエチル)シクロヘキシル)カルボニル)グリシンエチルエステル及びN-((5-メチル-2-(1-メチルエチル)シクロヘキシル)カルボニル)アラニンエチルエステルなどが挙げられる。グリシン及びアラニンなどのアミノ酸を含むメンチルエステルは、例えば、欧州特許第310,299号、並びに米国特許第3,917,613号、同第3,991,178号、同第5,703,123号、同第5,725,865号、同第5,843,466号、同第6,365,215号、及び同第6,884,903号に開示されている。ケタール誘導体は、例えば、米国特許第5,266,592号、同第5,977,166号、及び同第5,451,404号に記載されている。メントールに構造的には関連していないが、同様の生理学的冷感効果を有すると報告されている追加の剤としては、3-メチル-2-(1-ピロリジニル)-2-シクロペンテン-1-オン(3-MPC)、5-メチル-2-(1-ピロリジニル)-2-シクロペンテン-1-オン(5-MPC)、及び2,5-ジメチル-4-(1-ピロリジニル)-3(2H)-フラノン(DMPF)を含む、米国特許第6,592,884号に記載されるα-ケトエナミン誘導体、WeiらのJ.Pharm.Pharmacol.(1983),35:110-112に記載されているイシリン(AG-3-5としても知られている、化学名1-[2-ヒドロキシフェニル]-4-[2-ニトロフェニル]-1,2,3,6-テトラヒドロピリミジン-2-オン)が挙げられる。メントールの冷感剤活性及び合成冷感剤に関する総説としては、H.R.Watsonら、J.Soc.Cosmet.Chem.(1978)、29,185-200、及びR.Eccles、J.Pharm.R.Eccles,J.Pharm.Pharmacol.,(1994),46,618-630が挙げられる。米国特許第4,070,496号に報告されているホスフィンオキシド。
【0056】
温感剤のいくつかの例としては、エタノール、トウガラシ、ベンジルニコチネートなどのニコチネートエステル、多価アルコール、トウガラシ粉末、トウガラシチンキ、トウガラシ抽出物、カプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、ノナノイルバニリルアミド、ノナン酸バニリルエーテル、バニリルアルコールアルキルエーテル誘導体、例えば、バニリルエチルエーテル、バニリルブチルエーテル、バニリルペンチルエーテル、及びバニリルヘキシルエーテル、イソバニリルアルコールアルキルエーテル、エチルバニリルアルコールアルキルエーテル、ベラトリルアルコール誘導体、置換ベンジルアルコール誘導体、置換ベンジルアルコールアルキルエーテル、バニリンプロピレングリコールアセタール、エチルバニリンプロピレングリコールアセタール、ショウガ抽出物、ショウガ油、ジンジェロール、ジンゲロン、又はこれらの組み合わせが挙げられる。温感剤は、概ね、口腔ケア組成物中に、口腔ケア組成物の約0.05重量%~約2重量%の濃度で含まれる。
【0057】
口腔ケア組成物は、口腔ケア組成物の約0.01重量%~約5重量%、約0.4重量%~約5重量%、約0.8重量%~約4重量%、約1重量%~約3.5重量%、又は約1.5重量%~約3重量%のフレーバを含み得る。
【0058】
金属
本明細書に記載される口腔ケア組成物は、1つ以上の金属イオンを含む金属イオン源によって提供され得る金属を含み得る。金属イオン源は、本明細書に記載されるように、スズイオン源及び/又は亜鉛イオン源を含んでもよい、又はそれに加えられてもよい。好適な金属イオン源としては、Sn、Zn、Cu、Mn、Mg、Sr、Ti、Fe、Mo、B、Ba、Ce、Al、In及び/又はこれらの混合物などであるがこれらに限定されない金属イオンを有する化合物が挙げられる。金属イオン源は、好適な金属並びに任意の付随する配位子及び/又はアニオンを含む任意の化合物であり得る。
【0059】
金属イオン源と対をなすことができる好適な配位子及び/又はアニオンとしては、酢酸イオン、硫酸アンモニウムイオン、安息香酸イオン、臭化物イオン、ホウ酸イオン、炭酸イオン、塩化物イオン、クエン酸イオン、グルコン酸イオン、グリセロリン酸イオン、水酸化物イオン、ヨウ化物イオン、シュウ酸イオン、酸化物イオン、プロピオン酸イオン、D-乳酸イオン、DL-乳酸イオン、オルトリン酸イオン、ピロリン酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、酒石酸イオン、及び/又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0060】
口腔ケア組成物は、約0.01重量%~約10重量%、約1重量%~約5重量%、又は約0.5重量%~約15重量%の金属及び/又は金属イオン源を含み得る。金属イオン源は、繊維性組成物内に形成されても、繊維性組成物の表面に添加されても、又は非繊維性組成物中に含まれてもよい。
【0061】
スズ
本発明の口腔ケア組成物は、スズイオン源によって提供され得るスズを含み得る。スズイオン源は、口腔ケア組成物中にスズイオンを提供することができ、及び/又は口腔ケア組成物が口腔に適用されるときに、口腔にスズイオンを供給することができる任意の好適な化合物であり得る。スズイオン源は、フッ化第一スズ、塩化第一スズ、臭化第一スズ、ヨウ化第一スズ、酸化第一スズ、シュウ酸第一スズ、硫酸第一スズ、硫化第一スズ、フッ化第二スズ、塩化第二スズ、臭化第二スズ、ヨウ化第二スズ、硫化第二スズ、及び/又はこれらの混合物などの1つ以上のスズ含有化合物を含み得る。スズイオン源は、フッ化第一スズ、塩化第一スズ、及び/又はこれらの混合物を含み得る。スズイオン源はまた、塩化第一スズなどのフッ化物フリーのスズイオン源であってもよい。
【0062】
口腔ケア組成物は、口腔ケア組成物の約0.0025重量%~約15重量%、約0.01重量%~約10重量%、約0.2重量%~約1重量%、約0.4重量%~約1重量%、又は約0.3重量%~約0.6重量%のスズ及び/又はスズイオン源を含み得る。スズイオン源は、繊維性組成物内に形成されても、繊維性組成物の表面に添加されても、又は非繊維性組成物中に含まれてもよい。
【0063】
亜鉛
本発明の口腔ケア組成物は、亜鉛を含み得、その亜鉛は、亜鉛イオン源によって提供され得る。亜鉛イオン源は、フッ化亜鉛、乳酸亜鉛、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、ヘキサフルオロジルコン酸亜鉛、硫酸亜鉛、酒石酸亜鉛、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、リンゴ酸亜鉛、亜鉛グリシネート、ピロリン酸亜鉛、メタリン酸亜鉛、シュウ酸亜鉛、及び/又は炭酸亜鉛などの1つ以上の亜鉛含有化合物を含み得る。亜鉛イオン源は、リン酸亜鉛、酸化亜鉛、及び/又はクエン酸亜鉛などのフッ化物フリーの亜鉛イオン源であり得る。
【0064】
亜鉛及び/又は亜鉛イオン源は、全口腔ケア組成物中に、歯磨剤組成物の約0.01重量%~約10重量%、約0.2重量%~約1重量%、約0.5重量%~約1.5重量%、又は約0.3重量%~約0.6重量%の量で存在し得る。あるいは、口腔ケア組成物は、亜鉛を本質的に含まないか、実質的に含まないか、又は含まないものであり得る。
【0065】
亜鉛イオン源は、繊維性組成物内に形成されても、繊維性組成物の表面に添加されても、又は非繊維性組成物中に含まれてもよい。
【0066】
フッ化物
口腔ケア組成物は、フッ化物を含み得、そのフッ化物は、フッ化物イオン源によって提供され得る。フッ化物イオン源は、フッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アミン、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化亜鉛、及び/又はこれらの混合物などの1つ以上のフッ化物イオン含有化合物を含み得る。
【0067】
フッ化物イオン源及びスズイオン源は、スズイオン及びフッ化物イオンを生成することができる、例えば、フッ化第一スズなどの同じ化合物であり得る。加えて、フッ化物イオン源及びスズイオン源は、スズイオン源が塩化第一スズであり、フッ化物イオン源がモノフルオロリン酸ナトリウム又はフッ化ナトリウムである場合など、別個の化合物であり得る。
【0068】
フッ化物イオン源及び亜鉛イオン源は、亜鉛イオン及びフッ化物イオンを生成することができる、例えば、フッ化亜鉛などの同じ化合物であり得る。加えて、フッ化物イオン源及び亜鉛イオン源は、亜鉛イオン源がリン酸亜鉛であり、フッ化物イオン源がフッ化第一スズである場合など、別個の化合物であり得る。
【0069】
フッ化物イオン源は、フッ化第一スズを本質的に含まなくてもよいか、又は含まなくてもよい。したがって、口腔ケア組成物は、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アミン、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化亜鉛、及び/又はこれらの混合物を含み得る。
【0070】
口腔ケア組成物は、約50ppm~約5000ppm、好ましくは約500ppm~約3000ppmの遊離フッ化物イオンを提供することができるフッ化物イオン源を含み得る。所望の量のフッ化物イオンを送達するために、フッ化物イオン源は、口腔ケア組成物中に、口腔ケア組成物の約0.0025重量%~約5重量%、約0.01重量%~約10重量%、約0.2重量%~約1重量%、約0.5重量%~約1.5重量%、又は約0.3重量%~約0.6重量%の量で存在し得る。あるいは、口腔ケア組成物は、フッ化物イオン源を0.1%未満、0.01%未満含んでもよいか、本質的に含まなくてもよいか、実質的に含まなくてもよいか、又は含まなくてもよい。
【0071】
フッ化物イオン源及び金属イオン源は、スズイオン及びフッ化物イオンを生成することができる、例えばフッ化第一スズなど、同じ化合物であってよい。加えて、フッ化物イオン源及びスズイオン源は、金属イオン源が塩化第一スズであり、フッ化物イオン源がモノフルオロリン酸ナトリウム又はフッ化ナトリウムである場合など、別個の化合物であってもよい。
【0072】
フッ化物イオン源は、繊維性組成物内に形成されても、繊維性組成物の表面に添加されても、又は非繊維性組成物中に含まれてもよい。
【0073】
ポリホスフェート
口腔ケア組成物及び/又多座配位子は、ポリホスフェート源によって提供され得るポリホスフェートを含み得る。ポリホスフェート源は、1つ以上のポリホスフェート分子を含み得る。ポリホスフェートは、オルトホスフェートの脱水及び縮合によって様々な鎖長の直鎖ポリホスフェート及びフィチン酸などの環状ポリホスフェートをもたらすことにより得られる物質の部類である。したがって、ポリホスフェート分子は、概して、以下に記載されるように、ポリホスフェート分子の平均数(n)で同定される。ポリホスフェートは概ね、主に直鎖構造に配置された2つ以上のホスフェート分子からなると理解されているが、いくつかの環状誘導体が存在する場合もある。
【0074】
好ましいポリホスフェートは、有効濃度での表面吸着により十分な非結合のホスフェート官能基を生成し、これがアニオン性表面電荷並びに表面の親水性特徴を強化するように、平均して2つ以上のホスフェート基を有するものである。本発明において好ましいものは、式:XO(XPOX[式中、Xは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、又は任意の他のアルカリ金属カチオンであり、nは、平均約2~約21、約2~約14、又は約2~約7である]を有する直鎖状ポリホスフェートである。カルシウムなどのアルカリ土類金属カチオンは、フッ化物イオン及びアルカリ土類金属カチオンを含む水溶液から不溶性フッ化物塩を形成する傾向があるため、好ましくない。したがって、本明細書に開示される口腔ケア組成物は、ピロリン酸カルシウムを含まなくてもよいか、又は実質的に含まなくてもよい。
【0075】
好適なポリホスフェート分子のいくつかの例としては、例えば、ピロホスフェート(n=2)、トリポリホスフェート(n=3)、テトラポリホスフェート(n=4)、ソーダフォスポリホスフェート(n=6)、ヘキサフォスポリホスフェート(n=13)、ベネフォスポリホスフェート(n=14)、Glass Hとしても知られるヘキサメタホスフェート(n=21)を挙げ得る。ポリホスフェートとしては、FMC Corporation、ICL Performance Products、及び/又はAstarisによって製造されるポリホスフェート化合物を挙げ得る。
【0076】
口腔ケア組成物は、口腔ケア組成物の約0.01重量%~約15重量%、約0.1重量%~約10重量%、約0.5重量%~約5重量%、約1~約20重量%、又は約10重量%以下のポリホスフェート源を含み得る。あるいは、口腔ケア組成物は、ポリホスフェートを本質的に含まなくてもよいか、実質的に含まなくてもよいか、又は含まなくてもよい。口腔ケア組成物は、環状ポリホスフェートを本質的に含まなくてもよいか、実質的に含まなくてもよいか、又は含まなくてもよい。口腔ケア組成物は、不溶性のスズ及び/又は亜鉛化合物をもたらす可能性のあるフィチン酸を本質的に含まなくてもよいか、実質的に含まなくてもよいか、又は含まなくてもよい。ポリホスフェートは、繊維性組成物内で形成されてもよく、繊維性組成物の表面に添加されてもよく、又は非繊維性組成物中に含まれていてもよい。
【0077】
ジカルボン酸
口腔ケア組成物及び/又は多座配位子は、ジカルボン酸を含み得る。ジカルボン酸は、2つのカルボン酸官能基を有する化合物を含む。ジカルボン酸は、式Iによって定義される化合物又はこの塩を含み得る。
【0078】
【化1】
【0079】
Rは、存在しないか、アルキル、アルケニル、アリル、フェニル、ベンジル、脂肪族、芳香族、ポリエチレングリコール、ポリマー、O、N、P、及び/又はこれらの組み合わせであり得る。
【0080】
ジカルボン酸は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、タプシン酸、日本酸、フェロゲン酸、エキセトール酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、フタル酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、タルトロン酸、メソシュウ酸、ジヒドロキシマロン酸、フマル酸、テレフタル酸、グルタル酸、これらの塩、又はこれらの組み合わせを含み得る。ジカルボン酸は、モノアルカリ金属シュウ酸塩、ジアルカリ金属シュウ酸塩、シュウ酸一水素一カリウム、シュウ酸二カリウム、シュウ酸一水素一ナトリウム、シュウ酸二ナトリウム、シュウ酸チタン、及び/又はシュウ酸塩の他の金属塩などの、ジカルボン酸の好適な塩を含み得る。ジカルボン酸はまた、ジカルボン酸の水和物及び/又はジカルボン酸の塩の水和物も含み得る。
【0081】
口腔ケア組成物は、組成物の約0.01重量%~約10重量%、約0.1重量%~約15重量%、約1重量%~約5重量%、又は約0.0001~約25重量%のジカルボン酸を含み得る。
【0082】
ジカルボン酸は、繊維性組成物内で形成されてもよく、繊維性組成物の表面に添加されてもよく、又は非繊維性組成物中に含まれていてもよい。
【0083】
pH
本明細書に記載の口腔ケア組成物のpHは、約4~約7、約4.5~約6.5、又は約4.5~約5.5であり得る。本明細書に記載の口腔ケア組成物のpHはまた、少なくとも約6、少なくとも約6.5、又は少なくとも約7であり得る。マウスリンス溶液のpHは、未希釈溶液のpHとして決定され得る。歯磨剤組成物のpHは、スラリーpHとして決定され得るが、これは、歯磨剤組成物及び水の1:4、1:3、又は1:2混合物などの、歯磨剤組成物と水との混合物のpHである。本明細書に記載の口腔ケア組成物のpHは、約4~約10、約5~約9、約6~8、又は約7の好ましいpHを有する。
【0084】
口腔ケア組成物は、1つ以上の緩衝剤を含み得る。本明細書で使用するとき、緩衝剤とは、口腔ケア組成物のスラリーpHを調整するために使用することができる剤を指す。緩衝剤としては、アルカリ金属水酸化物、炭酸塩、セスキ炭酸塩、ホウ酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、イミダゾール、及びこれらの混合物が挙げられる。具体的な緩衝剤としては、リン酸一ナトリウム、リン酸三ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカリ金属炭酸塩、炭酸ナトリウム、イミダゾール、ピロリン酸塩、クエン酸、及びクエン酸ナトリウムが挙げられる。口腔ケア組成物は、1つ以上の緩衝剤をそれぞれ本組成物の約0.1重量%~約30重量%、約1重量%~約10重量%、又は約1.5重量%~約3重量%の濃度で含み得る。
【0085】
界面活性剤
口腔ケア組成物は、1つ以上の界面活性剤を含み得る。繊維性組成物は、1つ以上の界面活性剤を含み得る。低水分及び/又は無水口腔ケア組成物は、1つ以上の界面活性剤を含み得る。1つ以上の界面活性剤は、アニオン性、非イオン性、両性、双極性、カチオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせから選択されてもよい。
【0086】
口腔ケア組成物は、1つ以上の界面活性剤を、組成物の約0.01重量%~約20重量%、約1重量%~約15重量%、約0.1重量%~約15重量%、約5重量%~約15重量%、又は約5重量%%超の濃度で含んでよい。
【0087】
好適なアニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルラジカル中に8~20個の炭素原子を有するアルキルサルフェートの水溶性塩、及び8~20個の炭素原子を有する脂肪酸のスルホン化モノグリセリドの水溶性塩が挙げられる。ラウリル硫酸ナトリウム(sodium lauryl sulfate、SLS)及びココナツモノグリセリドスルホン酸ナトリウムは、この種類のアニオン性界面活性剤の例である。他の好適なアニオン性界面活性剤としては、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、タウレート、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウレスカルボン酸ナトリウム、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのサルコシネートが挙げられる。アニオン性界面活性剤の組み合わせも使用することができる。
【0088】
別の好適な部類のアニオン性界面活性剤は、アルキルホスフェートである。界面活性有機リン酸剤は、エナメル質表面に対して強い親和性を有し、かつペリクルタンパク質を脱着して、エナメル表面に付着したまま留まる十分な表面結合性を有し得る。有機リン酸化合物の好適な例としては、以下の一般構造(式中、Z、Z、又はZは同一であっても異なっていてもよく、少なくとも1つが有機部分である)によって表されるモノ-、ジ-又はトリエステルが挙げられる。Z、Z、又はZは、任意選択で1個以上のリン酸基により置換される、直鎖状若しくは分枝状の、1~22個の炭素原子のアルキル又はアルケニル基、アルコキシル化アルキル若しくはアルケニル、(ポリ)サッカライド、ポリオール又はポリエーテル基から選択され得る。
【0089】
【化2】
いくつかの他の剤としては、以下の構造:
【0090】
【化3】
(式中、Rは、任意選択で1個以上のリン酸基により置換される、直鎖状若しくは分枝状の、6~22個の炭素原子のアルキル又はアルケニル基を表し、n及びmは、独立してかつ別個に、2~4であり、a及びbは、独立してかつ別個に、0~20であり、Z及びZは、同一であっても又は異なってもよく、それぞれ、水素、アルカリ金属、アンモニウム、アルカノールアミンなどのプロトン化したアルキルアミン若しくはプロトン化した官能性アルキルアミン、又はR-(OCH2)(OCH)-基を表す)によって表されるアルキル又はアルケニルリン酸エステルが挙げられる。好適な剤の例としては、アルキル及びアルキル(ポリ)アルコキシホスフェート、例えば、ラウリルホスフェート;PPGSセテアレス-10ホスフェート;ラウレス-1ホスフェート;ラウレス-3ホスフェート;ラウレス-9ホスフェート;トリラウレス-4ホスフェート;C12~18 PEG9リン酸塩:及びジラウレス-10リン酸ナトリウムが挙げられる。アルキルホスフェートは、ポリマーであり得る。ポリマーアルキルホスフェートの例としては、ポリマー部分としての反復アルコキシ基、具体的には、3つ以上のエトキシ、プロポキシイソプロポキシ、又はブトキシ基を含有するものが挙げられる。
【0091】
他の好適な界面活性剤は、サルコシネート、イセチオネート、及びタウレート、特にそれらのアルカリ金属又はアンモニウム塩である。例としては、ラウロイルサルコシネート、ミリストイルサルコシネート、パルミトイルサルコシネート、ステアロイルサルコシネート、オレオイルサルコシネート、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0092】
本発明で有用な双極性又は両性界面活性剤としては、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウム、及びスルホニウム化合物の誘導体が挙げられ、その脂肪族基は直鎖又は分枝鎖であってもよく、脂肪族置換基の1つは8~18個の炭素原子を含有し、1つはアニオン性水溶性基、例えばカルボキシ基、スルホネート基、サルフェート基、ホスフェート基、又はホスホネート基を含有する。好適なベタイン界面活性剤は、米国特許第5,180,577号に開示されている。典型的なアルキルジメチルベタインとしては、デシルベタイン、すなわち2-(N-デシル-N,N-ジメチルアンモニオ)アセテート、ココベタイン、すなわち2-(N-ココ-N,N-ジメチルアンモニオ)アセテート、ミリスチルベタイン、パルミチルベタイン、ラウリルベタイン、セチルベタイン、セチルベタイン、ステアリルベタインなどが挙げられる。アミドベタインは、ココアミドエチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン(cocoamidopropyl betaine、CADB)、及びラウラミドプロピルベタインによって例示され得る。
【0093】
本発明において有用なカチオン性界面活性剤としては、例えば、8~18個の炭素原子を含有する1本の長いアルキル鎖を有する四級アンモニウム化合物の誘導体、例えば、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム塩化セチルピリジニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、フッ化セチルピリジニウム、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0094】
本発明の組成物中で使用できる非イオン性界面活性剤としては、例えば、アルキレンオキシド基(性質上は親水性)と、性質上は脂肪族又はアルキル芳香族であってもよい有機疎水性化合物との縮合によって生成される化合物が挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤の例としては、ポロキサマーであるPluronics(登録商標)、アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物、エチレンオキシドとプロピレンオキシド及びエチレンジアミンの反応生成物との縮合から誘導される生成物、脂肪族アルコールのエチレンオキシド縮合物、長鎖三級アミンオキシド、長鎖三級ホスフィンオキシド、長鎖ジアルキルスルホキシド、並びにこのような材料の組み合わせを挙げ得る。
【0095】
1つ以上の界面活性剤はまた、1つ以上の天然界面活性剤を含んでもよい。天然界面活性剤としては、天然物由来の界面活性剤、及び/又は最低限の加工がされた、若しくは未加工の界面活性剤を挙げ得る。天然界面活性剤としては、水素添加、非水素添加、又は部分水素添加植物油、野菜油、チャボトケイソウ油、キャンデリラろう、ココ-カプリレート、カプレート、ジカプリリルエーテル、ラウリルアルコール、ミリスチルミリステート、ジカプリリルエーテル、カプリル酸、カプリルエステル、オクチルデカノエート、オクチルオクタノエート、ウンデカン、トリデカン、デシルオレエート、オレイン酸デシルエステル、セチルパルミテート、ステアリン酸、パルミチン酸、グリセリルステアレート、水素添加、非水素添加、又は部分水素添加植物グリセリド、ポリグリセリル-2ジポリヒドロキシステアレート、セテアリルアルコール、スクロースポリステアレート、グリセリン、オクタドデカノール、水素添加、部分水素添加、又は非水素添加植物タンパク質、水素添加、部分水素添加、又は非水素添加小麦タンパク質加水分解物、ポリグリセリル-3ジイソステアレート、グリセリルオレエート、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ナトリウムセテアリルサルフェート、セテアリルアルコール、グリセリルラウレート、カプリントリグリセリド、ココ-グリセリド、レシチン(lectithin)、ジカプリリルエーテル、キサンタンガム、ナトリウムココ-サルフェート、アンモニウムラウリルサルフェート、ナトリウムココイルサルフェート、ナトリウムココイルグルタメート、ポリアルキルグルコシド、例えば、デシルグルコシド、セテアリルグルコシド、セチルステアリルポリグルコシド、ココ-グルコシド、及びラウリルグルコシド、並びに/又はこれらの組み合わせを挙げ得る。天然界面活性剤としては、例えば、CegeSoft(登録商標)、Cetiol(登録商標)、Cutina(登録商標)、Dehymuls(登録商標)、Emulgade(登録商標)、Emulgin(登録商標)、Eutanol(登録商標)、Gluadin(登録商標)、Lameform(登録商標)、LameSoft(登録商標)、Lanette(登録商標)、Monomuls(登録商標)、Myritol(登録商標)、Plantacare(登録商標)、Plantaquat(登録商標)、Platasil(登録商標)、Rheocare(登録商標)、Sulfopon(登録商標)、Texapon(登録商標)、及び/又はこれらの組み合わせなどのBASFから販売される天然成分のうち任意のものを挙げ得る。
【0096】
界面活性剤は、繊維性組成物内に形成されても、繊維性組成物の表面に添加されても、かつ/又は非繊維性組成物中に含まれてもよい。繊維性組成物中に形成される界面活性剤は、繊維性組成物の約10重量%~約50重量%、約20重量%~約40重量%、約25量%~約40重量%、又は約30重量%~約40重量%の濃度であってよい。
【0097】
口腔ケア組成物は、1つ以上の界面活性剤を含み得る。口腔ケア組成物は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、及び/又は双極性界面活性剤を含み得る。
【0098】
口腔ケア組成物は、組成物の約0.1重量%~約10重量%、約0.1重量%~約8重量%、約5重量%~約8重量%、約4重量%~約9重量%、又は約3重量%~約10重量%のアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び/又は非イオン性界面活性剤を含み得る。
【0099】
口腔ケア組成物は、組成物の約0.01重量%~約20重量%、約0.01重量%~約10重量%、約0.1重量%~約1重量%、約0.01重量%~約1重量%、約0.01重量%~約0.5重量%、又は約0.1重量%~約0.2重量%の双極性界面活性剤を含み得る。
【0100】
本明細書に記載の通り、イオン性界面活性剤は低水分及び/又は無水口腔ケア組成物中で可溶化することが困難である場合があるため、口腔ケア組成物は、イオン性界面活性剤を含んでいなくても、実質的に含んでいなくても、及び/又は本質的に含んでいなくてもよい。
【0101】
増粘剤
口腔ケア組成物は、1つ以上の増粘剤を含み得る。増粘剤は、口腔ケア組成物において、練り歯磨きを相分離に対して安定化させるゼラチン構造を提供するのに有用である。好適な増粘剤としては、多糖類、ポリマー、及び/又はシリカ増粘剤が挙げられる。多糖類のいくつかの非限定例としては、デンプン;デンプンのグリセライト;ガム、例えば、カラヤガム(ステルクリアガム)、トラガカントガム、アラビアガム、ガティガム、アカシアガム、キサンタンガム、グアーガム、及びセルロースガム;ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Veegum);カラギーナン;アルギン酸ナトリウム;寒天;ペクチン;ゼラチン、セルロース化合物、例えば、セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルカルボキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、及び硫酸化セルロース;天然及び合成粘土、例えば、ヘクトライト粘土;並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0102】
増粘剤は、多糖類を含み得る。本明細書での使用に好適な多糖類としては、カラギーナン、ジェランガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、カルボマー、ポロキサマー、変性セルロース、及びこれらの混合物が挙げられる。カラギーナンは、海藻由来の多糖類である。その海藻源によって区別され得る、及び/又は硫酸化の程度及び位置によって区別され得る複数種類のカラギーナンが存在する。増粘剤としては、κ-カラギーナン、変性κ-カラギーナン、ι-カラギーナン、変性ι-カラギーナン、λ-カラギーナン、及びこれらの混合物を挙げ得る。本明細書での使用に好適なカラギーナンとしては、FMC Companyからシリーズ名「Viscarin」で市販されているものが挙げられ、限定するものではないが、Viscarin TP 329、Viscarin TP 388、及びViscarin TP 389が挙げられる。
【0103】
増粘剤は、1つ以上のポリマーを含み得る。ポリマーは、口腔ケア組成物の様々な重量パーセントの、及び様々な範囲の平均分子範囲の、ポリエチレングリコール(polyethylene glycol、PEG)、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone、PVP)、ポリアクリル酸、少なくとも1つのアクリル酸モノマーから誘導されたポリマー、無水マレイン酸とメチルビニルエーテルとのコポリマー、架橋ポリアクリル酸ポリマーであり得る。ポリマーは、ポリアクリレートクロスポリマー-6などのポリアクリレートクロスポリマーを含み得る。好適なポリアクリレートクロスポリマー-6源としては、Seppicから市販されている、Sepimax Zen(商標)が挙げられ得る。
【0104】
増粘剤は、無機増粘剤を含み得る。好適な無機増粘剤のいくつかの非限定的な例としては、コロイド状ケイ酸アルミニウムマグネシウム、シリカ増粘剤が挙げられる。有用なシリカ増粘剤としては、例えば、非限定的な例として、ZEODENT(登録商標)165シリカなどの非晶質沈降シリカが挙げられる。他の非限定的なシリカ増粘剤としては、全てEvonik Corporationから入手可能なZEODENT(登録商標)153、163、及び167、並びにZEOFREE(登録商標)177及び265シリカ製品、並びにAEROSIL(登録商標)ヒュームドシリカが挙げられる。
【0105】
口腔ケア組成物は、0.01%~約15%、0.1%~約10%、約0.2%~約5%、又は約0.5%~約2%の1つ以上の増粘剤を含み得る。
【0106】
研磨剤
本発明の口腔ケア組成物は、研磨剤を含み得る。研磨剤は、歯から表面の着色汚れを除去するのを助けるために口腔ケア配合物に添加され得る。研磨剤は、カルシウム研磨剤及び/又はシリカ研磨剤を含み得る。
【0107】
カルシウム研磨剤は、口腔ケア組成物中にカルシウムイオンを提供することができる、及び/又は、口腔ケア組成物が口腔に適用されるときに、口腔にカルシウムイオンを送達することができる、任意の好適な研磨剤化合物であり得る。口腔ケア組成物は、約5重量%~約70重量%、約10重量%~約60重量%、約20重量%~約50重量%、約25重量%~約40重量%、又は約1重量%~約50重量%のカルシウム研磨剤を含み得る。カルシウム研磨剤は、炭酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム(precipitated calcium carbonate、PCC)、粉砕炭酸カルシウム(ground calcium carbonate、GCC)、チョーク、リン酸二カルシウム、ピロリン酸カルシウム、及び/又はこれらの混合物などの1つ以上のカルシウム研磨剤化合物を含み得る。
【0108】
口腔ケア組成物はまた、シリカゲル(それ自体、及び任意の構造のもの)、沈降シリカ、非晶質沈降シリカ(それ自体、及び任意の構造のもの)、水和シリカ、及び/又はこれらの組み合わせ等のシリカ研磨剤を含み得る。口腔ケア組成物は、約5重量%~約70重量%、約10重量%~約60重量%、約10重量%~約50重量%、約20重量%~約50重量%、約25重量%~約40重量%、又は約1重量%~約50重量%のシリカ研磨剤を含み得る。
【0109】
研磨剤はまた、ベントナイト、パーライト、二酸化チタン、アルミナ、水和アルミナ、焼成アルミナ、ケイ酸アルミニウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、不溶性メタリン酸カリウム、不溶性炭酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、粒子状熱硬化性樹脂、及び/又は他の好適な研磨剤材料を含み得る。口腔ケア組成物は、約5重量%~約70重量%、約10重量%~約60重量%、約10重量%~約50重量%、約20重量%~約50重量%、約25重量%~約40重量%、又は約1重量%~約50重量%の別の研磨剤を含み得る。
【0110】
研磨剤は、繊維性組成物内に形成されても、繊維性組成物の表面に添加されても、又は非繊維性組成物中に含まれてもよい。
【0111】
アミノ酸
口腔ケア組成物は、アミノ酸を含み得る。アミノ酸は、本明細書に記載されるように、1つ以上のアミノ酸、ペプチド、及び/又はポリペプチドを含み得る。
【0112】
アミノ酸は、式IIにあるように、アミン官能基、カルボキシル官能基、及びそれぞれのアミノ酸に特異的な側鎖(式IIではR)を含有する有機化合物である。好適なアミノ酸としては、例えば、正又は負の側鎖を有するアミノ酸、酸性又は塩基性の側鎖を有するアミノ酸、極性非荷電側鎖を有するアミノ酸、疎水性側鎖を有するアミノ酸、及び/又はこれらの組み合わせが挙げられる。好適なアミノ酸としては、例えば、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、スレオニン、アスパラギン、グルタミン、システイン、セレノシステイン、グリシン、プロリン、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シトルリン、オルニチン、クレアチン、ジアミノブタン酸、ジアミノプロピオン酸、これらの塩、及び/又はこれらの組み合わせも挙げられる。
【0113】
好適なアミノ酸としては、天然起源の又は合成的に誘導される、式IIに記載の化合物が挙げられる。アミノ酸は、R基及び環境に基づいて、双性イオン性であるか、中性であるか、正に帯電するか、又は負に帯電し得る。アミノ酸の電荷、及び特定の官能基が、ある特定のpH条件下でスズと相互作用することができるかどうかは、当業者には周知であろう。
【0114】
【化4】
【0115】
好適なアミノ酸としては、1つ以上の塩基性アミノ酸、1つ以上の酸性アミノ酸、1つ以上の中性アミノ酸、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0116】
口腔ケア組成物は、口腔ケア組成物の約0.01重量%~約20重量%、約0.1重量%~約10重量%、約0.5重量%~約6重量%、又は約1重量%~約10重量%のアミノ酸を含み得る。
【0117】
本明細書で使用するとき、用語「中性アミノ酸」には、アラニン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グリシン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン等の天然に存在する中性アミノ酸だけではなく、pH5.0~7.0の範囲の等電点を有する他のアミノ酸も含まれる。中性アミノ酸はまた、少なくとも部分的に水溶性であり得、25℃の蒸留水1000mL中1gの中性アミノ酸の水溶液において約7以下のpHを提供し得る。
【0118】
したがって、好適な中性アミノ酸としては、アラニン、アミノ酪酸、アスパラギン、システイン、シスチン、グルタミン、グリシン、ヒドロキシプロリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、タウリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、これらの塩、及びこれらの混合物も挙げ得る。好ましくは、本発明の組成物において使用される中性アミノ酸としては、アスパラギン、グルタミン、グリシン、これらの塩、及び/又はこれらの混合物を挙げ得る。
【0119】
アミノ酸は、繊維性組成物内で形成されてもよく、繊維性組成物の表面に添加されてもよく、又は非繊維性組成物中に含まれていてもよい。
【0120】
ホワイトニング剤
口腔ケア組成物は、口腔ケア組成物の約0.1重量%~約10重量%、約0.2重量%~約5重量%、約1重量%~約5重量%、又は約1重量%~約15重量%のホワイトニング剤を含み得る。ホワイトニング剤は、口腔内の少なくとも1本の歯をホワイトニングするのに好適な化合物であり得る。ホワイトニング剤としては、過酸化物、金属亜塩素酸塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過酸、過硫酸塩、ジカルボン酸及びこれらの組み合わせを挙げ得る。好適な過酸化物としては、固体過酸化物、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化カルシウム、過酸化ベンゾイル、過酸化ナトリウム、過酸化バリウム、無機過酸化物、ヒドロペルオキシド、有機過酸化物、及びこれらの混合物が挙げられる。好適な金属亜塩素酸塩としては、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、及び亜塩素酸カリウムが挙げられる。その他の好適なホワイトニング剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、peroxydone、6-フタルイミドペルオキシヘキサン酸、フタルアミドペルオキシカプロン酸、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0121】
ホワイトニング剤は、繊維性組成物内で形成されてもよく、繊維性組成物の表面に添加されてもよく、又は非繊維性組成物中に含まれていてもよい。
【0122】
保湿剤
口腔ケア組成物は、1つ以上の保湿剤を含んでいてもよく、低濃度の保湿剤を含んでいてもよく、保湿剤を含んでいなくてもよく、保湿剤を実質的に含んでいなくてもよく、又は保湿剤を本質的に含んでいなくてもよい。保湿剤は、口腔ケア組成物又は歯磨剤に粘性(body)又は「口当たり(mouth texture)」を加えるだけでなく、歯磨剤が乾燥するのを防止する役割を果たす。好適な保湿剤としては、ポリエチレングリコール(様々な異なる分子量で)、プロピレングリコール、グリセリン(グリセロール)、エリスリトール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ブチレングリコール、ラクチトール、加水分解水添デンプン、及び/又はこれらの混合物が挙げられる。口腔ケア組成物は、それぞれ口腔ケア組成物の0~約70重量%、約5重量%~約50重量%、約10重量%~約60重量%、又は約20重量%~約80重量%の濃度で1つ以上の保湿剤を含み得る。
【0123】
口腔ケア組成物の形態
ブロコポリマー(blocopolymer)によるフレーバの安定化に好適な組成物としては、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2018/0133121号のエマルジョン組成物等のエマルジョン組成物、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2019/0343732号の単位用量組成物等の単位用量組成物、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願第2020/0390676号等のリーブオン口腔ケア組成物、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第10,780,032号の閉塞式(jammed)水中油型エマルジョン等の閉塞式エマルジョン、歯磨剤組成物、マウスリンス組成物、マウスウォッシュ組成物、歯用ゲル、歯肉縁下用ゲル、マウスリンス、ムース、フォーム、マウススプレー、トローチ剤、チュアブル錠、チューインガム、歯用ホワイトニングストリップ、フロス及びフロスコーティング、口臭予防用溶解ストリップ、義歯ケア製品、義歯用接着剤製品、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0124】
口腔ケア物品
本発明は、単位用量口腔ケア組成物等の口腔ケア物品であり得る。単位用量口腔ケア組成物は、単回使用で患者又は消費者に投与される量の口腔ケア組成物である。単位用量口腔ケア組成物は、単位用量歯磨剤、単位用量口内洗浄剤、単位用量の歯科用ゲル、単位用量歯牙ホワイトニング組成物、又は口腔の健康を目的として、一部若しくは全ての、歯の表面及び/若しくは口腔組織と接触させるのに十分な時間にわたって、口腔内に保持することができる任意の他の好適な単位用量口腔ケア組成物であってよい。
【0125】
口腔ケア物品は、パウチ、液滴、固体連続気泡発泡体、固体独立気泡発泡体、繊維性組成物、ペースト組成物、ゲル組成物、錠剤組成物、ストリップ組成物、テープ組成物、及び/又は本段落に記載される形態のうちの1つ以上のアセンブリの形態であり得る。
【0126】
口腔ケア物品は、低水分及び/又は無水口腔ケア組成物と、不織布ウェブ組成物等の繊維性組成物と、を含み得る。
【0127】
低水分及び/又は無水口腔ケア組成物と、不織布ウェブ組成物等の繊維組成物とを含むアセンブリは、物品が同じ組成物内に非適合性構成成分を含めることを可能にすることができる。同じ溶液又は非固体混合物中にあるときに、構成成分のうちの少なくとも1つの有効性、安定性、又は生物学的利用能が顕著に低下する場合、構成成分は互いに非適合性とみなされる。非適合性構成成分は、互いに化学的に相互作用して新たな化合物、錯化体、及び/若しくは塩を生成する構成成分、並びに/又は、組成物の別個の部分若しくは相に分離して、好まれない相互作用を最小限に抑える構成成分であり得る。
【0128】
非適合性構成成分の例としては、金属イオン源とシリカ研磨剤、金属イオン源とポリホスフェート、金属イオン源とピロホスフェート、カルシウムイオン源とフッ化物イオン源、カルシウムイオン源とホスフェート、カルシウムイオン源とピロホスフェート、シュウ酸イオンと過酸化物化合物、フッ化第一スズと過酸化物化合物、カチオン性抗菌剤、例えば塩化セチルピリジニウムとフッ化物イオン源、酸と塩基、カルシウムイオン源とキレート剤、例えばEDTA、酸化剤と還元剤、疎水性構成成分、例えばワセリン、シリコーン、ポリブテンと親水性構成成分、例えば水及びアルコール、並びに/又は上で定義された任意の他の非適合性構成成分を挙げ得るが、これらに限定されない。
【0129】
本明細書に記載される口腔ケア物品は、成分間の反応性を最小限に抑えることによって成分の生物学的利用能、安定性、及び/又は有効性を最大化するように設計することができる。成分間の反応性を最小化することは、成分を組成物の別個の部分に物理的に分離することによって、又は反応性がより低い固相中に1つ以上の成分を配置することによって達成することができる。
【0130】
口腔ケア物品では、1つ以上の反応性構成成分が1つの不織布ウェブ組成物及び/又は繊維性組成物中に存在してよく、1つ以上の反応性構成成分が別の不織布ウェブ層/繊維性組成物中に存在してよい。加えて、1つ以上の反応性構成成分が1つ以上の不織布ウェブ層中に存在してよく、1つ以上の反応性構成成分が、本明細書に記載の非繊維性組成物及び/又は無水口腔ケア組成物等において1つ以上の不織布ウェブ層の間に存在してもよく、上に存在してもよく、下に存在してもよく、内部に折り畳まれていてもよく、隣接していてもよく、又は重なり合っていてもよい。例えば、フッ化物イオン源は、1つ以上の不織布ウェブ層を含む第1の繊維性組成物内に紡糸されるか、又はこれと混合されてもよく、カルシウムイオン源は、1つ以上の不織布ウェブ層を含む第2の繊維性組成物内に紡糸されるか、又はこれと混合されてもよい。第1及び第2の繊維性組成物は、任意の好適な手段を使用して単一の多プライ組成物に組み立てることができる。加えて、フッ化物イオン源は、1つ以上の不織布ウェブ層を含む繊維性組成物内に紡糸されるか、又はこれと混合されてもよく、カルシウムイオン源は、固体組成物として、又は液体組成物中に少なくとも部分的に溶解若しくは少なくとも部分的に分散されて、非繊維性組成物内にあってもよい。繊維性組成物及び非繊維性組成物は、多プライ組成物に組み立てられてもよく、又は非繊維性組成物は、繊維性組成物の間に存在してもよく、上に存在してもよく、下に存在してもよく、内部に折り畳まれていてもよく、隣接していてもよく、又は重なり合っていてもよい。
【0131】
イオン性界面活性剤は水なしで可溶化することが困難である場合があるので、低水分及び/又は無水口腔ケア組成物は、イオン性界面活性剤を含んでいなくてもよく、本質的に含んでいなくてもよく、及び/又は実質的に含んでいなくてもよい。しかしながら、低水分及び/又は無水口腔ケア組成物並びに繊維性組成物及び/又は不織布ウェブ組成物を含む口腔ケア物品では、イオン性界面活性剤は、繊維性組成物及び/又は不織布ウェブ組成物中に存在し得る。イオン性界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、及び/又は双性イオン性界面活性剤を挙げ得る。
【0132】
本明細書に記載される単位用量口腔ケア組成物の使用は、持ち運びの容易さ、及びより良好な投与制御性を可能にする。例えば、液体製品に関する航空会社の現在の制限事項により、乗客は、少量の口内洗浄剤若しくは歯磨剤のみを携行するか、又は口内洗浄剤若しくは歯磨剤を預け入れ荷物に入れるかに限定される。口腔ケア組成物が単位用量形態である場合、乗客は、航空会社の手荷物制限を気にする必要なく、機内持込荷物に正確に必要な量を詰めることができる。
【0133】
口腔ケア物品は、繊維性口腔ケア組成物を含み得る。口腔ケア物品は、繊維性組成物及び/又は非繊維性組成物を含み得る。繊維性組成物は、少なくとも1つの不織布ウェブを含み得る。繊維性組成物は、不織布ウェブ及び/又は織布ウェブを含み得る。
【0134】
繊維性組成物は、1つ以上のウェブ層を含み得る。1つ又はウェブ層は、1つ以上のフィラメント及び/又は繊維を含み得る。口腔ケア組成物は、第1のウェブ及び第2のウェブを含み得、第1及び第2のウェブは異なる構成成分を含む。
【0135】
繊維性組成物は、本明細書に記載の任意の好適な口腔ケア構成成分を含み得る。繊維性組成物は、本明細書に記載の任意の構成成分を含み得る。
【0136】
ウェブは、2つ以上のフィラメントを含み得る。ウェブは、両方とも口腔ケア活性物質を含む第1のフィラメント及び第2のフィラメントを含み得、口腔ケア活性物質は、同じ口腔ケア活性物質又は異なる口腔ケア活性物質であってもよい。ウェブは、即時送達口腔ケア活性物質を含む第1フィラメントと、徐放送達、遅延送達、及び/又は標的送達口腔ケア活性物質を含む第2フィラメントとを含み得る。ウェブは、第1のフィラメント、第2のフィラメント、及び第3のフィラメントを含み得、各フィラメントは、異なる口腔ケア構成成分を含む。
【0137】
ウェブ又は口腔ケア組成物は、複数の、組成上の観点で本発明によるフィラメントと同一又は実質的に同一のものを含み得る。ウェブ又は口腔ケア組成物は、本発明による2つ以上の異なるフィラメントを含み得る。フィラメントの相違点における非限定的な例は、直径、長さ、質感、形状、剛性、弾性の違いなどの物理的な違い;架橋レベル、溶解性、融点、ガラス転移温度(Tg)、ウェブ形成材料、色、口腔ケア活性物質の量、ウェブ形成材料の量、口腔ケア組成物上のコーティング組成物の存在、口腔ケア活性物質が即時送達、遅延送達、徐放送達、又は標的送達であるかどうかなどの口腔ケア活性物質の化学組成などの化学的な違い;フィラメントが意図する使用条件に曝されるときに、フィラメントが物理的構造を失うかどうかの違い;フィラメントが目的とする使用条件に曝されたときにフィラメントの形態が変化するかどうかの違い;並びに、口腔ケア活性物質による効果を経験する時間と場所の違いであり得る。一例では、口腔ケア組成物又はウェブ内の2つ以上のフィラメントは、同じウェブ形成材料を含むが、異なる口腔ケア活性物質を有してもよい。
【0138】
ウェブは、2つ以上のフィラメントを含み得、フィラメントは、異なる速度で口腔ケア活性物質を放出する。異なる速度は、ウェブの外側表面に配置されているフィラメントによって引き起こされ得る。
【0139】
口腔ケア組成物は、繊維性組成物よりも口腔ケア組成物内の重量パーセントが大きくても、大きくなくてもよい、非繊維性組成物を含み得る。非繊維性組成物は、第1のウェブと第2のウェブとの間にあってもよい。非繊維性組成物の少なくとも一部分は、繊維組成物の表面と接触し得る。非繊維性組成物は単一のウェブ層上に配置することができ、ウェブ層は、非繊維性組成物の上に折り畳まれ、繊維性組成物と共に巻かれ、繊維性組成物の上又は下に配置されてよく、かつ/又は、繊維性組成物を繊維性組成物の周囲に巻き付けることができる。
【0140】
非繊維性組成物は、任意の好適な口腔ケア構成成分を含み得る。非繊維性組成物は、本明細書に記載の任意の構成成分を含み得る。非繊維性組成物は、液体、固体、水性、及び/又はこれらの組み合わせであり得る。
【0141】
本発明の口腔ケア組成物は、約10グラム/平方メートル(g/m)~約5000g/m、約25g/m~約2500g/m、約40g/m~約1500g/m、又は約500g/m~約2000g/mの坪量を有することができる。
【0142】
繊維性口腔ケア組成物は、本明細書に記載されるように、概して非適合性であると考えられる2つ以上の構成成分又は口腔ケア活性物質を含み得る。例えば、第1のウェブ層はフッ化物イオン源を含み得、第2のウェブ層はカルシウムイオン源を含み得る。別の例では、第1のウェブ層は第一スズイオン源などの金属イオン源を含み得、非繊維性組成物はシリカ研磨剤又はポリホスフェートを含み得る。
【0143】
口腔ケア組成物又はウェブは、異なる領域、例えば、坪量、密度、及び/又は厚さの異なる領域を呈し得る。口腔ケア組成物又はウェブは、ウェブの他の部分とは異なるフィラメントの別個の領域を含み得る。
【0144】
口腔ケア組成物又はウェブは、文字、ロゴ又は図形を含む1つ以上のテクスチャ加工された、窪みを有する、ないしは別の方法で形状的にパターン化された表面を含み得る。テクスチャ加工された口腔ケア組成物は、組成物の最も外側表面が表面の他の領域に対して隆起部分を含有するという点で、フィラメント又はウェブの形状に起因し得る。隆起部分は、口腔ケア組成物の形成された形状から生じることができ、例えば、ウェブは、窪み又はワッフルパターンで形成され得る。隆起部分はまた、クレーピングプロセス、インプリントコーティング、エンボスパターン、又は組成物自体の物理的形態の結果であり得る。
【0145】
本発明のウェブは、口腔ケア組成物を形成するためにプレスしてフィルムにしてもよく、これは、ウェブをフィルムに変換するためにウェブに圧縮力を印加する及び/又はウェブを加熱することによって行うことができる。フィルムは、本発明のフィラメント中に存在した口腔ケア活性物質を含み得る。ウェブは、フィルムに完全に変換されてもよく、又はウェブの一部は、ウェブをフィルムに部分的に変換した後に、フィルムの形態のままであってもよい。口腔ケア組成物は、ウェブのうちの少なくとも1つがプレス加工されてフィルムになった1つ以上のウェブを構成してもよい。口腔ケア組成物は、プレス加工されてフィルムになった2つ以上のウェブを含み得る。
【0146】
ウェブは、3次元口腔ケア組成物を形成するために、ロール処理、圧縮、切断、又は積層され得る。例えば、ウェブを、圧縮して丸剤又は錠剤に、ロール処理して円柱状に、又は圧縮若しくは積層して角柱形にして、口腔ケア組成物を形成してもよい。
【0147】
口腔ケア組成物は、結合手段(熱、水分、超音波、圧力などを含む)を介して互いに任意に結合される1つ以上のウェブ層を構成してもよい。口腔ケア組成物は、圧縮を介して互いに任意に結合される1つ以上のウェブ層を構成してもよい。
【0148】
口腔ケア組成物又は不織布ウェブは、口腔ケア組成物の中に又はそれを貫通して、1つ以上のウェブ層内全体に又は部分的にある孔又は溝で穿孔することができる。これらの穿孔は、隣接するベルト、ドラム、ローラーの表面、又は他の表面から延在するスパイク部を介してウェブ又は口腔ケア組成物作製の一部として形成され得る。あるいは、これらの穿孔は、多孔質固体物をピン、針、又は他の鋭利な物体で突く又は突き刺すプロセスによって、ウェブ又は口腔ケア組成物を形成した後に形成され得る。
【0149】
フィラメント
繊維性組成物は、1つ以上のフィラメントを含み得る。ある実施形態では、本発明のフィラメントは、約0.1インチ超、代替の実施形態では、約0.2超、更に別の実施形態では約0.3インチ超、別の実施形態では約2インチ超の長さを呈する。
【0150】
フィラメントは、約150マイクロメートル(μm)未満、約100μm未満、約10μm未満、又は約1μm未満の平均直径を有することができ、相対標準偏差は、100%未満、80%未満、60%未満、又は50%未満、例えば10%~50%の範囲などである。本明細書に記載されるように、有意な数とは、全てのフィラメントの少なくとも10%、別の実施形態では全てのフィラメントの少なくとも25%、別の実施形態では全てのフィラメントの少なくとも50%、更に別の実施形態では全てのフィラメントの少なくとも75%を意味する。有意な数は、全てのフィラメントの少なくとも99%であってもよい。全てのフィラメントの少なくとも50%は、約10μm未満の平均直径を有してもよい。本開示の方法により生成されるフィラメントは、約1マイクロメートル未満の平均直径を有する有意な数のフィラメント、すなわちサブマイクロメートルフィラメントを有し得る。ある実施形態では、口腔ケア組成物は、約1μm未満の平均直径を有する全てのフィラメントの少なくとも25%、約1μm未満の平均直径を有する全てのフィラメントの少なくとも35%、約1μm未満の平均直径を有する全てのフィラメントの少なくとも50%、又は約1μm未満の平均直径を有する全てのフィラメントの少なくとも75%を含み得る。
【0151】
フィラメントは、フィラメントの30重量%未満の水分、フィラメントの20重量%未満の水分、フィラメントの約10重量%未満の水分、フィラメントの約5重量%未満の水分、フィラメントの約3%重量未満、フィラメントの約1重量%未満、又は約0.1重量%未満を含み得る。
【0152】
本発明のフィラメントは、単一構成成分又は多構成成分であり得る。フィラメントは、2構成成分フィラメントであり得る。フィラメントは、3構成成分フィラメントであり得る。多構成成分フィラメントは、サイドバイサイド、芯鞘型、海島型などの任意の形態であり得る。
【0153】
本発明のフィラメントは、メルトブローンフィラメントであり得る。本発明のフィラメントは、スパンボンドフィラメントであり得る。フィラメントは、1つ以上のその活性剤が放出される前及び/又は放出された後に中空のフィラメントであり得る。
【0154】
フィラメントは、フィラメント内の口腔ケア活性物質と、フィラメントの外側表面上の口腔ケア活性物質、例えばフィラメント上のコーティングと、を含み得る。フィラメントの外側表面上の口腔ケア活性物質は、フィラメント中に存在する活性剤と同じであってもよく、異なっていてもよい。異なる場合、口腔ケア活性物質は互いに適合性であってもよく、又は非適合性であってもよい。
【0155】
ウェブ形成材料
不織布ウェブ及び/又は繊維性組成物は、任意の好適な手段によって形成することができる。ウェブは、紡糸繊維及び/又は紡糸フィラメントを含み得る。不織布ウェブは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第16/250,455号、同第16/250,484号、米国特許第9,139,802号、同第9,175,250号、及び/又は同第8,785,361号に記載されている、ウェブ形成材料又は不織布ウェブ形成材料から作製することができる。
【0156】
ウェブ形成材料は、繊維又はフィラメントを作製するのに好適な特性を呈する任意の好適な材料を含み得る。ウェブ形成材料の非限定的な例としては、ポリマー、ポリオール、糖、糖アルコール、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。ウェブは、2つ以上の異なるウェブ形成材料を含み得る。ウェブは、3つ以上の異なるウェブ形成材料を含み得る。ポリマーは、ウェブ形成材料として機能することができ、特定の実施形態では、口腔の健康効果も提供することができる。
【0157】
繊維性組成物は、繊維性組成物の約1重量%~約100重量%、約2重量%~約50重量%、約5重量%~約35重量%、約5重量%~約20重量%、約1重量%~約15重量%、又は約5重量%~約10重量%の不織布ウェブ形成材料を含み得る。
【0158】
口腔ケア組成物は、口腔ケア組成物の総重量に対して、約1重量%~約80重量%、約1重量%~約50重量%、約1重量%~約25重量%、約2重量%~約20重量%、約3重量%~約15重量%、約10重量%未満、又は約5重量%~約10重量%のウェブ形成材料を含み得る。
【0159】
ポリマー
口腔ケア組成物は、ポリマーを含み得る。ウェブ形成材料は、ポリマーを含み得る。繊維性組成物又は非繊維性組成物は、ポリマーを含み得る。発泡体組成物は、ポリマーを含み得る。ポリマーの非限定的な例としては、天然起源ポリマー、合成ポリマー、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。
【0160】
天然起源ポリマーの非限定例としては、アルギネート、ガム、タンパク質系ポリマー、デンプン系ポリマー、未変性デンプン、変性デンプン、繊維ポリマー、他の天然起源ポリマー、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。
【0161】
アルギネートの非限定的な例としては、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸プロピレングリコール、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。
【0162】
ガムの非限定的な例としては、アカシアガム、カラギーナン、トラガカントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、ジェランガム、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。
【0163】
タンパク質系ポリマーの非限定的な例としては、乳清タンパク質分離物、大豆タンパク質単離物、卵アルブミン、カゼイン、コラーゲン、グルテリン、ゼラチン、グルテン、ゼイン、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。
【0164】
デンプン系ポリマーの非限定的な例としては、穀物、塊茎、根、マメ科植物、果実、及びこれらの組み合わせから供給されるデンプン系ポリマーを挙げ得る。デンプン系ポリマーとしては、α1,4結合、アミロース、アミロペクチン、及びこれらの組み合わせで結合されたグルコースモノマーを挙げ得る。
【0165】
未変性デンプンの非限定的な例としては、トウモロコシ、エンドウ、ジャガイモ、バナナ、オオムギ、コムギ、米、サゴ、アマランス、タピオカ、クズウコン、カンナ、ソルガム、及びこれらの組み合わせのろう質又は高アミラーゼ種を挙げ得る。
【0166】
変性デンプンの非限定的な例としては、ヒドロキシプロピルデンプン、マルトデキストリン、高アミロースデンプン、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。
【0167】
繊維ポリマーの非限定的な例としては、ペクチン、フルクトオリゴ糖、イヌリン、寒天、β-グルカン、デキストリン、リグニン、セルロース、非デンプン多糖類、還元デンプン、ポリカルボフィル、柑橘類繊維、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。
【0168】
他の天然起源ポリマーの非限定的な例としては、寒天、プルラン、キチン、キトサン、セラック、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。
【0169】
合成ポリマーの非限定的な例としては、セルロース誘導体、カルボマー、ポリメタクリレート、他の合成ポリマー、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。
【0170】
セルロース誘導体の非限定例としては、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。
【0171】
カルボマーの非限定的な例としては、カルボマー934,カルボマー934P、カルボマー940、カルボマー94、カルボマー1342、カルボマーコポリマー、カルボマーホモポリマー、カルボマーインターポリマー、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。いくつかのカルボマーは、Carbopol(登録商標)934P NFポリマー、Carbopol(登録商標)971P NFポリマー、及びCarbopol(登録商標)974P NFポリマーとして市販されている。
【0172】
ポリメタクリレートの非限定的な例としては、アンモニウムメタクリレートコポリマー、塩基性ブチル化メタクリレートコポリマー、メタクリル酸-メチルメタクリレートコポリマー(1:1)、メタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー(1:1)、メタクリル酸-エチルアクリレートコポリマー(1:1)、メタクリル酸-メチルメタクリレートコポリマー(1:2)、ポリアクリレート分散体30%、メタクリル酸コポリマー、アミノメタクリレートコポリマー、アンモニオメタクリレートコポリマー、アンモニウムメタクリレートコポリマー分散体、エチルアクリレート、及びメチルメタクリレートコポリマー、並びにこれらの組み合わせを挙げ得る。いくつかのポリメタクリレートは、Eudragit(登録商標)E 12.5、Eudragit(登録商標)E 100、Eudragit(登録商標)E PO、Eudragit(登録商標)L 12.5 P、Eudragit(登録商標)L 12.5、Eudragit(登録商標)L 100、Eudragit(登録商標)L 100-55、Eudragit(登録商標)L 30 D-55、Eudragit(登録商標)S 12.5 P、Eudragit(登録商標)S 12.5、Eudragit(登録商標)S 100、Eudragit(登録商標)FS 30 D、Eudragit(登録商標)RL 12.5、Eudragit(登録商標)RL 100、Eudragit(登録商標)RL PO、Eudragit(登録商標)RL 30 D、Eudragit(登録商標)RS 12.5、Eudragit(登録商標)RS 100、Eudragit(登録商標)RS PO、Eudragit(登録商標)RS 30 D、Eudragit(登録商標)NE 30 D、Eudragit(登録商標)NE 40 D、Eudragit(登録商標)NM 30 D、Eastacryl(商標)30 D、Kollicoat(登録商標)MAE 30 DP、Kollicoat(登録商標)MAE 100 P、Acryl-EZE(登録商標)、Acryl-EZE(登録商標)93 A、及びAcryl-EZE(登録商標)MPとして市販されている。
【0173】
他の合成ポリマーの非限定的な例としては、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、ポリオキシエチレン、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。
【0174】
本発明のポリマーは、その重量平均分子量が、約20,000ダルトン(Da)~約10,000,000Da、約100,000Da~約5,000,000Da、約500,000Da~約4,000,000Da、又は約1,000,000Da~約3,000,000Daであるように選択することができる。重量平均分子量は、各不織布ウェブ形成材料の重量平均分子量を加算し、フィラメント中に存在するポリマーの総重量の重さによるそれらのそれぞれの相対的重量パーセントを乗算することによって計算される。
【0175】
ポリマーは、約10,000Da~約250,000Da、別の実施形態では約15,000Da~約200,000Da、別の実施形態では約20,000Da~約150,000Daの重量平均分子量を有するポリビニルアルコールであり得る。
【0176】
ポリビニルアルコールは、約60%~100%、約65%~約85%、85%未満、約70%~約80%、又は約65%~約95%の加水分解度を有し得る。
【0177】
ポリマーは、約1,000,000Da~約6,000,000Da、約1,500,000Da~約5,000,000Da、又は約2,000,000Da~約4,000,000Daの重量平均分子量を有する、アルギネート、デンプン系ポリマー、未変性デンプン、変性デンプン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0178】
ポリマーは、ポリビニルアルコール、プルラン、ペクチン、トウモロコシデンプン、変性トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0179】
繊維性組成物は、繊維性組成物の約0.1重量%~約50重量%、約5重量%~約40重量%、約15重量%~約35重量、約20重量%~約30重量%、又は約15重量%~約30重量%のポリマーを含み得る。
【0180】
非繊維性組成物は、非繊維性組成物又は口腔ケア組成物の約0.1重量%~約50重量%、約5重量%~約40重量%、約15重量%~約35重量、約20重量%~約30重量%、又は約15重量%~約30重量%のポリマーを含み得る。
【0181】
ポリオール
繊維性組成物及び/又は不織布ウェブは、ポリオールを含み得る。繊維性組成物又は非繊維性組成物は、ポリオールを含み得る。ウェブ形成材料は、ポリオールを含み得る。発泡体形成材料は、ポリオールを含み得る。ポリオールは、2つ以上のヒドロキシル官能基を有する有機化合物である。ポリオールは、糖アルコール、非還元糖、単糖類、二糖類、多糖類、及び/又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0182】
糖アルコールは、糖化合物の水素化によって得ることができるポリオールの部類であり、式(CHOH)を有し、好ましくはn=2~6である。好適な糖アルコールとしては、エチレングリコール、グリセリン、エリスリトール、スレイトール、アラビトール、キシリトール、リビトール、マンニトール、ソルビトール、ガラクチトール、フシトール、イジトール、イノシトール、ボレミトール、イソマルト、マルチトール、ラクチトール、マルトトリイトール(maltomtriitol)、マルトテトライトール、及び/又はポリグリシトールが挙げられる。
【0183】
非還元糖は、アルデヒド官能基を含有する任意の化合物を生成しない糖類の部類である。非還元糖は水中で安定であり、弱い酸化剤と反応して糖アルコールを生成しない。
【0184】
単糖類の非限定的な例としては、グルコース、フルクトース、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。
【0185】
二糖類の非限定的な例としては、スクロース、マルトース、ラクトース、高フルクトースコーンシロップ固形物、トレハロース、セロビオース、ゲンチオビオース、イソマルトース、コウジビオース、ラミナリビオース、マンノビオース、メリビオース、ニゲロース、ルチノース、キシロビオース、ラクツロース、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。
【0186】
トリオースの非限定的な例としては、グリセルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。
【0187】
テトロースの非限定的な例としては、エリトロース、トレオース、エリトルロース、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。
【0188】
ペントースの非限定的な例としては、アラビノース、リキソース、リボース、キシロース、リブロース、キシルロース、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。
【0189】
ヘキソースの非限定的な例としては、アロース、アルトロース、ガラクトース、グルコース、グロース、イドース、マンノース、タロース、フルクトース、プシコース、ソルボース、タガトース、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。
【0190】
ヘプトースの非限定的な例としては、マンノヘプツロース、セドヘプツロース、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。
【0191】
オクトースの非限定的な例としては、オクトロース、2-ケト-3-デオキシ-マンノ-オクトネート、及びこれらの組み合わせを挙げ得る。ノノースの非限定的な例としては、シアロースを挙げ得る。
【0192】
口腔ケア組成物は、口腔ケア組成物の重量に対して、約0.01重量%~約50重量%、約0.1重量%~約50重量%、約1重量%~約40重量%、約2重量%~約25重量%、約5重量%~約15重量%、又は約5重量%~約10重量%のポリオールを含み得る。
【実施例
【0193】
本発明は、以下の実施例によって更に例示され、これは、いかなる方法であっても本発明の範囲に制限を課すものとして解釈されるべきではない。本明細書の説明を読んだ後に、本発明の趣旨又は添付の特許請求の範囲の範疇から逸脱することなく、それらの様々な他の態様、修正、及び均等物が、当業者に想到され得る。
【0194】
【表1】
【0195】
表1は、実施例1~4を示し、これらは、低水分及び/又は無水口腔ケア組成物へのブロックコポリマーの添加の影響を判定するために調製された。実施例2は、PEG 600の一部分をポロキサマーP407の一部分で置換したことを除いて、実施例1と同じ口腔ケア組成物である。実施例4は、PEG 600の一部分をポロキサマーP123の一部分で置換したことを除いて、実施例3と同じ口腔ケア組成物である。
【0196】
降伏応力
平行板形状を有するDiscovery HR-3ハイブリッドレオメータ(TA Instruments)でレオロジー測定を行った。0.01%~100%の範囲について、1rad/s及び25℃で歪み掃引を行った。貯蔵弾性率G’とG’が減少し始める歪との積から降伏応力を計算した。
【0197】
【表2】
【0198】
表2は、ポロキサマー等のブロックコポリマーの低水分及び/又は無水口腔ケア組成物への添加の影響を示す。ブロックコポリマーを添加すると、実施例2(ポロキサマーP407を含む)を実施例1(いかなるブロックコポリマーも含まない)と比較した場合降伏応力が86500%増加した。更に、実施例4(ポロキサマーP123を含む)を実施例3(いかなるブロックコポリマーも含まない)と比較した場合降伏応力の420%増加が観察された。降伏応力の増加は、寸法安定性の増大を示す。それはまた、フレーバ油が通常の貯蔵中に分離する可能性が低いことを示すこともできる。
【0199】
【表3】
【0200】
表3は、繊維性又は不織布ウェブ組成物と、ブロックコポリマーを含む無水口腔ケア組成物とを含む、口腔ケア物品の実施例5を示す。
【0201】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示されない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0202】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することが明言されない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いずれの文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいずれの発明に対する先行技術であるとみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないずれの発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語のいずれの意味又は定義も、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0203】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔ケア組成物であって、
(a)前記口腔ケア組成物の約0.01重量%~約50重量%のブロックコポリマーであって、好ましくは疎水性部分及び親水性部分を含み、より好ましくは両親媒性ブロックコポリマーを含む、ブロックコポリマー、
(b)前記口腔ケア組成物の約0.01重量%~約5重量%のフレーバ、並びに
(c)前記口腔ケア組成物の約1重量%以下の水
を含む、口腔ケア組成物。
【請求項2】
前記ブロックコポリマーが、ジブロックコポリマー、トリブロックコポリマー、テトラブロックコポリマー、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の口腔ケア組成物。
【請求項3】
前記ブロックコポリマーが、中央の疎水性部分、第1の親水性部分、及び第2の親水性部分を含み、好ましくは、前記ブロックコポリマーが、ポロキサマーを含む、請求項1又は2に記載の口腔ケア組成物。
【請求項4】
前記ブロックコポリマーが、非イオン性ブロックポリマーを更に含む、請求項1又は2に記載の口腔ケア組成物。
【請求項5】
添加水を含まないか、無水であるか、又は水を含まない、実質的に含まない、若しくは本質的に含まない、請求項1又は2に記載の口腔ケア組成物。
【請求項6】
イオン性界面活性剤を含まない、実質的に含まない、又は本質的に含まない、請求項1又は2に記載の口腔ケア組成物。
【請求項7】
フッ化物を含み、好ましくは、前記フッ化物が、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化第一スズ、フッ化アミン、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1又は2に記載の口腔ケア組成物。
【請求項8】
ポリホスフェートを含み、好ましくは、前記ポリホスフェートが、ピロホスフェート、トリポリホスフェート、ヘキサメタホスフェート、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1又は2に記載の口腔ケア組成物。
【請求項9】
金属を含み、好ましくは、前記金属が、スズ、亜鉛、銅、若しくはこれらの組み合わせを含み、又はより好ましくは、前記スズが、フッ化第一スズ、塩化第一スズ、若しくはこれらの組み合わせを含み、及び/又は前記亜鉛が、クエン酸亜鉛、酸化亜鉛、リン酸亜鉛、塩化亜鉛、若しくはこれらの組み合わせを含む、請求項1又は2に記載の口腔ケア組成物。
【請求項10】
研磨剤を含み、好ましくは、前記研磨剤が、シリカ研磨剤、カルシウム研磨剤、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1又は2に記載の口腔ケア組成物。
【請求項11】
前記カルシウム研磨剤が、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸カルシウム、又はこれらの組み合わせを含む、請求項10に記載の口腔ケア組成物。
【請求項12】
口腔ケア物品であって、
(a)不織布ウェブ組成物と、
(b)請求項1又は2に記載の口腔ケア組成物と、
を含む、口腔ケア物品。
【請求項13】
前記不織布ウェブ組成物が、ウェブ形成材料を含み、好ましくは、前記口腔ケア物品が、前記口腔ケア物品の約1重量%~約50重量%の前記ウェブ形成材料を含み、より好ましくは、前記ウェブ形成材料が、デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキシド、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテルマレイン酸コポリマー、又はこれらの組み合わせを含む、請求項12に記載の口腔ケア物品。
【請求項14】
前記不織布ウェブ組成物が、ポリオールを含み、好ましくは、前記ポリオールが、糖アルコールを含み、より好ましくは、前記糖アルコールが、ソルビトール、グリセリン、キシリトール、エリスリトール、又はこれらの組み合わせを含む、請求項12に記載の口腔ケア物品。
【請求項15】
前記不織布ウェブ組成物が、界面活性剤を含み、好ましくは、前記界面活性剤が、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含み、より好ましくは、前記界面活性剤が、ラウリル硫酸ナトリウム及び/又はベタインを含む、請求項12に記載の口腔ケア物品。
【国際調査報告】