(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-11
(54)【発明の名称】サスペンダ付き衛生物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/511 20060101AFI20240404BHJP
A61F 13/66 20060101ALI20240404BHJP
A61F 13/512 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A61F13/511 300
A61F13/511 400
A61F13/66
A61F13/512
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567164
(86)(22)【出願日】2022-05-03
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 EP2022061745
(87)【国際公開番号】W WO2022233805
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512131140
【氏名又は名称】コンセプツ フォー サクセス(シー4エス) アインゲトラー カウフマン
(74)【代理人】
【識別番号】100163991
【氏名又は名称】加藤 慎司
(72)【発明者】
【氏名】シュミッツ,クリストフ
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200BA12
3B200BB11
3B200CA03
3B200DA01
3B200DC02
3B200DC06
3B200DC10
3B200DE03
(57)【要約】
本発明は、衛生物品の分野に関し、特に、排便時の着用者の皮膚の汚れを低減するための手段に関する。特に、本発明は、開口又はスリットなどの糞便通路として不連続性を有する皮膚保護シートを含む衛生物品に関する。使用中、シート及び不連続部は、プル手段によって肛門に向かって促され、展開手段によって広げられて、糞便が不連続部を通過できるが、他の場所で着用者の皮膚から分離されるようにする。物品のプル手段は、使い捨て物品及びサスペンダシステムが改良された複合システム又はキットを示すように、着用者への物品の固定から独立してプル手段の引張りを可能にするサスペンダシステムに接続されるように適合される。
【選択図】
図8A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の下半身に着用され、身体滲出物を受け取り且つ保持するように適合された衛生物品であって、
-前記物品は、
長さ/長手/x方向及び長手方向中心線と、
それに垂直で、前記着用者の左右方向に対応する、幅/交差/y方向と、
両方に垂直な厚さ又はz方向と、
を示し、
-前記物品は、意図された使用中における着用者に関連して、
後部ウエスト領域及び前部ウエスト領域と、
前記ウエスト領域の間に長手方向に配置された股点領域であって、
意図された使用中において、着用者の肛門開口部と生殖器との間に配置された股点を含んだ股点領域と、
を備え、
-前記物品は、
製造構成から、
使用中の構成へと
変換されるように適合されており、
前記物品は、着用者の前記前部又は後部ウエスト領域から前記股点領域を通って着用者の反対側のウエスト領域に延びる前記長手方向に延びる中心線によって一般的なU字形を採用し、
前記前部及び後部ウエスト領域は、着用者のウエストを取り囲むように適合されており、
-前記物品は、
皮膚保護シート(SPS)であって、
着用者の皮膚から身体滲出物を分離するように適合され、
身体滲出物を放出する身体開口部又は生殖器と位置合わせされるように適合された少なくとも1つの開口部を備えており、
前記前部又は前記後部ウエスト領域から、少なくとも前記物品の前記股点領域に、任意選択的に反対側のウエスト領域に、延びている、
皮膚保護シート(SPS)と、
前記身体滲出物を保持するように適合されたバックシートと、
任意選択的に、サイドパネルと、
任意選択的に、前記身体滲出物の液体を吸収するように適合された吸収性コアと、
任意選択的に、滲出物を互いに又は前記物品の所定の部分から分離するように適合された滲出物分離シート(ESS)と、
を備え、
前記SPS及び存在する場合には前記ESSの少なくとも1つは、前記物品の長手方向中心線に向かって、但し長手方向中心線を越えないように、長手方向折り線に沿って折り返される長手方向サイドマージンを備えており、
-前記物品は、
前記物品の意図された使用中に、前記開口部の少なくとも1つを横方向に開いた状態に維持するように適合された展開手段(SM)と、
プル手段(PM)であって、
前記物品の意図された使用中に前記SPSを着用者の肛門の裂け目に押し込むように適合され、任意選択的にPMサブストリップを含んでいる、長手方向に延在する少なくとも1つのプル手段ストリップと、
前記物品に接続可能であるが、前記物品とは別個のサスペンダシステムに接続されるように適合された1つ又は複数のサスペンダ接続手段と、
を備えたプル手段(PM)と、
を更に備えている、
衛生物品。
【請求項2】
前記PMストリップの前記サスペンダ接続手段は、前記プル手段ストリップの前端及び/又は後端に配置されている、請求項1に記載の衛生物品。
【請求項3】
前記PMストリップの前記サスペンダ接続手段は、前記前部又は前記後部ウエスト領域に配置されている、請求項1に記載の衛生物品。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の衛生物品であって、
前記少なくとも1つのプル手段ストリップは、前記SPS又はESSの前部又は後部ウエスト領域の前記交差方向に延びるマージンの少なくとも1つから前記股点に向かって延びており、
任意選択的に、反対側のウエスト領域に向かって又はその中へと更に延び、
前記SPSの前記開口部を覆う場合、前記SPSの前記開口部に位置合わせされたプル手段開口部を更に備えている、
衛生物品。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の衛生物品であって、前記展開手段(SM)は、前記プル手段と一体であり、
-前記展開手段及び前記PMは、
分離線によって前記プル手段から部分的に切断され、
前記分離線は、
前記プル手段の長手方向サイドマージンから延びて交差し、
前記プル手段の開口部と交差する前に、終端点に向かって延びて、しかし終端点で終端しており、
それによって、
前記長手方向に延びるサイドマージンの前記交差点が、
前記股点から、
前記分離線の前記終端点よりも更に離れており、
その交差方向の外側の端で、前記SPS又はESSの前記折り畳まれた部分に接続されているか、又は、
プレカットされた開口部を交差方向に開いた状態に維持するように適合され、任意選択的に皮膚接着剤タイプの、任意選択的に取り付け手段を備えた補強手段である、
衛生物品。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載の衛生物品であって、前記PMは、
-前記ウエスト領域の少なくとも1つにおいて前記物品に永久的に接続される第1のプル手段ストリップと;
-前記第1のプル手段ストリップにz方向に隣接して配置され、サスペンダ接続手段を備えている、第2のプル手段ストリップと、
を具備している、衛生物品。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の衛生物品と、サスペンダシステム、好ましくは再利用可能なサスペンダシステムと、を含んだキット。
【請求項8】
請求項7に記載のキットであって、前記サスペンダシステムは、
-ウエストガードル;
-着用者の肩の上を走るブレース(braces)システム;
-ネックホルダーシステム、
からなる群より選択され、
それにより、これらのシステムの各々は、前記物品の前記プル手段ストリップの前記サスペンダ接続手段に再締結可能に接続されるように構成されたサスペンダストラップによって前記物品に接続されている、キット。
【請求項9】
請求項7又は8に記載のキットであって、
-センサ素子と;
-エネルギー供給源と;
-接続要素と;
-シグナル送信機と;
を備えたセンサシステムを更に備え、
それにより、少なくとも前記エネルギー供給源及び前記シグナル送信機が、前記サスペンダシステムに接続されているか、又は、前記サスペンダシステムと一体化されている、キット。
【請求項10】
請求項9に記載のセンサシステムを含んだキットであって、
前記センサ素子は、前記使い捨て物品又はその中に堆積した浸出物の物理的、化学的、又は生物学的特性を検出するように適合されている、キット。
【請求項11】
請求項9又は10に記載のセンサシステムを含んだキットであって、前記衛生用品は使い捨ての衛生用品であり、前記サスペンダシステムは再利用可能なサスペンダシステムである、キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生器具の分野に関し、特に、糞便、尿又は月経などの身体滲出物による着用者の皮膚の汚れを低減するための手段を含む衛生物品に関する。特に、皮膚保護シートを備えた物品であって、身体滲出物を放出する身体開口部又は生殖器官に位置合わせされた少なくとも1つの開口を備え、この開口は、長手方向に作用するプル手段によって付勢される一方で、展開手段によって交差方向に広げられ、それにより、物品がサスペンダと結合されてプル手段の動きを改善するように適合されている物品に関する。このような衛生物品は、好適には、赤ちゃん若しくは大人のおむつ若しくはパンツ、トレーニングパンツ、又は月経パンツであり得る。
【背景技術】
【0002】
身体上での位置を維持するために吸収性物品をストラップ又はサスペンダと組み合わせることが古くから知られている。これは使い捨ておむつの時代よりはるかに前である(例えば、おむつ用の改良されたサスペンダについて記述している米国特許第852076号(1905)を参照のこと)。実際、このようなアプローチは、動物の吸収性物品を維持するためにも提案されている。例えば、犬の腰及び胸の周りにサスペンダを備えた犬用おむつを記載している米国特許第10506797B2号を参照されたい。
【0003】
ストラップはまた、着用者の腰の周りのガードルに接続することもできる。例えば、吸収性パッド及びストラップとスナップ留め具とが付いたウエストベルトを備えた洗浄可能で湿気を通さない柔軟なホルダを含んだ吸収性物品を記載している米国再発行特許第32483号を参照されたい。
【0004】
同様に、GB406158A又はUS6520947(Willms)には、着用者の腰の周りに取り外し可能に取り付け可能なサスペンダを備えたおむつが記載されている。また、国際公開第2008026089号(K-C)には、長さ調節可能で再締め可能なストラップを備えたウエスト周りのサスペンダが示されている。
【0005】
他のアプローチは、おむつとストッキングとを同時に保持するために、肩又は首にかけるブリーチ(breeches)又はブレース(braces)タイプのストラップを提供する(例えば、米国特許第1010703号)。
【0006】
米国特許第3729004号には、外側の不浸透性シートと不浸透性材料のストリップとの間に吸収性材料の層を含むナプキンが記載されており、このナプキンは、尿と排泄物が吸収層に別々に通過できるように、長手方向軸上に間隔を置いて配置された2つの開口部を有している。
【0007】
しかしながら、腰周りのフィット感の向上や漏れを防止するその他の機能を含む現代のおむつの設計では、そのようなストラップは不要になった。例えば、EP1247506B1における多数のデザインを参照のこと。これらはすべて、吸収性物品の平らな構造を吸収性物品の三次元形状に近似させることを目的としており、ウエスト及び脚周りに伸縮性のある素材を使用し、ボディを引き締めている。
【0008】
更に別のアプローチは、テーラリングの原理、特にウエスト領域のダーツを採用することにより、弾性的特徴の必要性を最小限に抑えることを目的としており、例えばEP25039731B1(C4S)を参照して、着用期間にわたって更に維持される著しいフィット感の改善を提供している。
【0009】
特に、物品を身体上に正確に配置することにより、これまで衛生業界では対処できたとしても満足のいくものではなかった更なる問題、即ち糞便の取り扱いに関する問題に対処することが可能となる。例えば、EP2424479B1(C4S)を参照のこと。これは、特に肛門に一致する開口部を有する糞便分離シートを記述している。
【0010】
そこに記載されている解決策は従来の物品に比べて大幅な改善を提供するが、依然として完全に満足できるものではない。未公開のPCT/EP2019/073716(C4S;以下、PCT716と呼ぶ)に記載されているように、EP2424479B1の解決策の欠点のひとつは、糞便分離シートが肛門裂孔上の一方の臀部から他方の臀部にまたがることであることが分かった。したがって、PCT716に記載の解決策は、便の通過を可能にするために展開手段が開口部を横方向に開いた状態に維持しながら、分離シートを肛門裂け目に引き込む「プル手段ストリップ」を提供することによってこの問題に対処している。説明したように、プル手段ストリップは、2つの方法によって締め付けることができ、また、それらを組み合わせることもできる。第1の方法では、プル手段ストリップは、着用時に横方向に外側に展開される物品の部分にウエスト領域に恒久的に取り付けられ、横方向の動きが自動的に長さ方向延長を短縮し、プル手段及び分離シートを本体の裂け目に押し込むようにする。第2の方法では、プル手段ストリップは、着用時に手動で引っ張られ、例えば取り付け手段によって物品の横方向外側に取り付けられる。しかしながら、特定の状況下では、例えば、物品に大きな荷重がかかっている場合、これらの解決策は、着用者上の物品の位置を所望どおりに維持できない可能性がある。
【0011】
本発明は、たとえ製品に大きな負荷がかかっていたとしても、使用中にプル手段ストリップを適切な位置に維持するための代替手段を提供する。この目的のために、プル手段ストリップは、着用者の腰の周り及び/又は首若しくは肩の周りに配置されてもよいように、サスペンダ手段に接続されている1つ又は複数のストラップに排他的に又は追加的に接続されている。
【0012】
上記参照文献は、生殖器又は他の身体滲出物放出器官と位置合わせして分離シートに更なる開口部を設けることも考慮しているため、本発明は、そのような設計に対するアプローチも提供する。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、着用者の下半身に着用され、身体滲出物を受け取り且つ保持するように適合された衛生物品であり、長さ/長手/x方向及び長手方向中心線と、それに垂直で、前記着用者の左右方向に対応する、幅/交差/y方向と、両方に垂直な厚さ又はz方向と、を示す。前記物品は、意図された使用中における着用者に関連して、後部ウエスト領域及び前部ウエスト領域と、前記ウエスト領域の間に長手方向に配置された股点領域であって、意図された使用中において、着用者の肛門開口部と生殖器との間に配置された股点を含んだ股点領域と、を備えている。本発明の物品は、製造形態から使用形態に変換されるように構成され、この物品は、着用者の前部又は後部ウエスト領域から股点領域を通って着用者の反対側のウエスト領域に延びる長手方向に延びる中心線に沿って一般的なU字形を採用し、前部及び後部ウエスト領域は、着用者のウエストを取り囲むように適合されている。更に、この物品は、皮膚保護シート(SPS)であって、着用者の皮膚から身体滲出物を分離するように適合され、身体滲出物を放出する身体開口部又は生殖器と位置合わせされるように適合された少なくとも1つの開口部を備えており、前記前部又は前記後部ウエスト領域から、少なくとも前記物品の前記股点領域に、任意選択的に反対側のウエスト領域に、延びている、皮膚保護シートを備えている。更に、この物品は、身体滲出物を保持するように適合されたバックシートと、任意選択的に、サイドパネルと、任意選択的に、身体滲出物の液体を吸収するように適合された吸収性コアと、任意選択的に、滲出物を互いに又は物品の所定の部分から分離するように適合された滲出物分離シート(ESS)と、を備えている。前記SPS及び存在する場合には前記ESSの少なくとも1つは、前記物品の長手方向中心線に向かって、但し長手方向中心線を越えないように、長手方向折り線に沿って折り返される長手方向サイドマージンを備えている。また更に、この物品は、前記物品の意図された使用中に、前記開口部の少なくとも1つを横方向に開いた状態に維持するように適合された展開手段(SM)と、プル手段(PM)であって、前記物品の意図された使用中に前記SPSを着用者の肛門の裂け目に押し込むように適合され、任意選択的にPMサブストリップを含んでいる、長手方向に延在する少なくとも1つのプル手段ストリップと、前記物品に接続可能であるが、前記物品とは別個のサスペンダシステムに接続されるように適合された1つ又は複数のサスペンダ接続手段と、を備えたプル手段(PM)と、を更に備えている。
【0014】
衛生物品のPMストリップのサスペンダ接続手段は、プル手段ストリップの前端及び/又は後端に配置されていてもよく、前部及び/又は後部ウエスト領域に配置されていてもよい。
【0015】
本発明に係る衛生物品において、前記少なくとも1つのプル手段ストリップは、前記SPS又はESSの前部又は後部ウエスト領域の前記交差方向に延びるマージンの少なくとも1つから前記股点に向かって延びていてもよく、任意選択的に、反対側のウエスト領域に向かって又はその中へと更に延び、前記SPSの前記開口部を覆う場合、前記SPSの前記開口部に位置合わせされたプル手段開口部を更に備えていてもよい。
【0016】
任意選択的に、前記展開手段(SM)は、前記プル手段と一体であり、展開手段およびPMは、分離線によって前記プル手段から部分的に切断され、前記分離線は、前記プル手段の長手方向サイドマージンから延びて交差し、前記プル手段の開口部と交差する前に、終端点に向かって延びて、しかし終端点で終端しており、それによって、前記長手方向に延びるサイドマージンの前記交差点が、前記股点から、前記分離線の前記終端点よりも更に離れており、その交差方向の外側の端で、前記SPS又はESSの前記折り畳まれた部分に接続されているか、又は、プレカットされた開口部を交差方向に開いた状態に維持するように適合され、任意選択的に皮膚接着剤タイプの、任意選択的に取り付け手段を備えた補強手段である。
【0017】
任意選択的に、PMは、-前記ウエスト領域の少なくとも1つにおいて前記物品に永久的に接続される第1のプル手段ストリップと;-前記第1のプル手段ストリップにz方向に隣接して配置され、サスペンダ接続手段を備えている、第2のプル手段ストリップと、を備えていてもよい。
【0018】
別の態様では、本発明は、そのような衛生用品とサスペンダシステムとのキットである。
【0019】
サスペンダシステムは、任意選択的に再利用可能であり、
-ウエストガードル;
-着用者の肩の上を走るブレース(braces)システム;
-ネックホルダーシステム、
からなる群より選択され、それにより、これらのシステムの各々は、前記物品の前記プル手段ストリップの前記サスペンダ接続手段に再締結可能に接続されるように構成されたサスペンダストラップによって前記物品に接続されていてもよい。
【0020】
任意選択的に、使い捨て物品とサスペンダシステムとのキットは、センサシステムであって、センサ素子と、エネルギー供給源と、接続要素と、シグナル送信機と、を更に備え、それにより、少なくとも前記エネルギー供給源及び前記シグナル送信機が、前記サスペンダシステムに接続されているか、又は、前記サスペンダシステムと一体化されていてもよい。前記センサ素子は、前記使い捨て物品又はその中に堆積した浸出物の物理的、化学的、又は生物学的特性を検出するように適合されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【0022】
図2A乃至
図2Cは、プル手段を備えた従来技術の物品が着用者の胴体下部にどのようにフィットするかを示している。
【0023】
図3A乃至
図3Cは、本発明にも適用されるプル手段の原理を説明するための従来技術の物品を示している。
【0024】
【0025】
図5A乃至
図5Gは、当技術分野で知られているように、物品自体に接続されているプル手段ストリップを備えた物品を示している。
【0026】
【0027】
図7A及び
図7Bは、本発明による、物品及びウエストガードルタイプのサスペンダシステムを示している。
【0028】
図8A乃至
図8Dは、本発明による、物品及びブレースタイプのサスペンダシステムを記載している。
【0029】
図9A乃至
図9Cは、本発明による、物品及びネックホルダタイプのサスペンダシステムを記載している。
【0030】
図10A乃至
図10Dは、本発明による、物品のプルストリップとサスペンダ手段との間の接続の特定の実施形態を示している。
【0031】
【0032】
図12は、パッケージ内のより少ない数のサスペンダを備えた幾つかの物品の組み合わせを示している。
【0033】
図13A及び
図13Bは、本発明による使い捨て物品及びサスペンダのキットの特定の実施形態を示している。
【0034】
図は概略のみであり、縮尺通りではない。様々な図の同じ数字は同じ要素又は特徴を示し、アポストロフィは同じ要素又は特徴の複数の実施形態、例えば左右の要素を示している。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、以下「SPS」と略される皮膚保護シートを含んだ衛生物品に関する。このような製品は、通常、月経中又は着用者が排尿又は排便を制御できない場合など、身体滲出物による皮膚の汚れを減らすことを目的として、人間の下半身に適用される。
【0036】
このような衛生用品は、身体滲出物を保持し、衣類や寝具などの環境の汚れを防ぐバックシートを更に含んでいる。多くの場合、そのような物品は、液体吸収性も示す。必要に応じて、本発明による衛生物品は、例えば尿及び糞便の接触を防止すべき場合などに、互いから滲出物を分離することができ、又は、尿を受け取るように特に適合された部分が尿の吸収を妨げる可能性のある糞便によって汚染されてはならない場合などに、物品の所定の部分から滲出物を分離することができる、滲出物分離シート(ESS)を含んでいてもよい。このように、適切な衛生用品は、赤ちゃん又は大人のためのおむつであってもよく、テープなどの閉鎖手段を備えた「開放型」のおむつであってもよく、又は、腰の周りにベルトのようなシステムを作るために両側で閉鎖された「パンツ型」のおむつであってもよく、トレーニングパンツ又はフィルム若しくは他の材料で作られた固定パンツであってもよい。
【0037】
衛生用品は、使い捨てであってもよく、即ち、廃棄され、及び/又は、環境に優しい健全な方法で更に処理されていてもよく、また、再使用可能な材料から製造されてもよく、又は、再使用可能な材料を含んでいてもよい。本発明による物品が、本明細書で後述するようにサスペンダシステムと組み合わされている場合、両方の何れかが使い捨て若しくは再使用可能であり、これらは洗浄可能であるか、又は、限られた回数の再使用のために適合されている。
【0038】
本発明による衛生用品は、毎分100個より多く、毎分300個より多く、毎分600個より多く、更には毎分1000個より多く製造することができる製造システム、好ましくは高速製造システムで製造されつつある状態を示す「製造構成」とすることができる。製造ラインの終わりに、衛生物品は、切断されて折り畳まれる及び/又はサスペンダシステムと接続されるなどして「包装形態」に入れられ、その中で、着用者又はケアテイカーであってもよい使用者に引き渡され、使用者は、次いで、物品を展開するなどして「使用前形態」とする。着用者が着用すると、物品は「使用中構成」になる。
【0039】
典型的には、吸収性物品は、その意図された使用中の使用者の左右の向きに対応する幅又は交差又はy方向を示す。更に、物品の長さ又は長手又はx方向は、それに垂直に、使用時の構成において、第1のウエスト領域、例えば後部ウエスト領域から股点領域を通って反対側のウエスト領域まで延び、それによって、物品の各領域は、着用者の身体領域に対応する。したがって、この使用中の構成では、物品の長手方向の中心線はU字形の構成をとるが、製造構成では、長手方向の中心線はしばしば直線であり、少なくとも製造ラインの終わりまでは、折り畳まれていてもよい。更に、物品は、x方向及びy方向に垂直な厚さ又はz方向を示す。使用中の構成における物品の全長は、後述するバックシートである物品の最外側線に対応しており、このU字状に沿って、物品の後部ウエストマージンから股下領域を通って前部ウエストマージンまで延びている。個々の物品がまだ分離されていないが、連結された物品前駆体の本質的に無限のシーケンスを表す製造構成では、物品の全長は、製造プロセスの終わりに向けて物品が隣接するものから分離されるマークアップされた又は想像上の線の間の距離に対応するとみなすことができる。
【0040】
本発明は、上で参照したPCT716出願に記載されているように、着用者の胴体下部に着用される衛生物品の原理に基づくことができる。
【0041】
したがって、それは、着用者の皮膚から身体滲出物を分離するように適合された皮膚保護シート(SPS)と、身体滲出物を保持するように適合されたバックシートと、任意選択的に、サイドパネルと、任意選択的に、身体滲出物の液体を吸収するように適合された吸収性コアと、任意選択的に、滲出物を互いに又は物品の所定の部分から分離するように適合された滲出物分離シート(ESS)と、を備えている。
【0042】
少なくともSPSは、身体滲出物を放出する身体開口部又は生殖器と位置合わせされるように適合された少なくとも1つの開口部を含んでいる。物品は、物品の意図された使用の間、着用者の臀裂にSPSを押し込むように構成されたプル手段と、物品の意図された使用の間、少なくとも1つの開口部を交差方向に開いたままに維持するように構成された展開手段とを更に含んでいる。
【0043】
そのような衛生物品は、着用者の下半身に着用され、身体滲出物を受け取り且つ保持するように適合されていてもよい。その意図された使用中、物品は、着用者に対して、各々が交差方向に対向する第1及び第2のサイドパネル部分並びにそれらの間の中央部分を含む後部ウエスト領域及び前部ウエスト領域と、ウエスト領域の間に長手方向に配置され、着用者の肛門開口部と性器との間に配置された股点を含む股点領域とを含んでいる。
【0044】
本発明の物品は、製造形態から使用形態に変換されるように構成され、衛生物品は、着用者の前部又は後部ウエスト領域から股点領域を通って着用者の反対側のウエスト領域に延びる長手方向に延びる中心線に沿って一般的なU字形を採用し、前部及び後部ウエスト領域は、着用者のウエストを取り囲むように適合されている。
【0045】
この物品は、前部及び後部ウエスト部分の少なくとも一方並びに反対側のSPS表面の少なくとも1つの部分において着用者の皮膚と直接接触するように意図された外側SPS表面を含む皮膚保護シート(SPS)を含んでいる。SPSは、身体滲出物を放出する身体開口部又は生殖器と位置合わせされて使用中の構成に適合された少なくとも1つのSPS開口部を含み、前部又は後部ウエスト領域から少なくとも物品の股点領域内に、任意選択的に反対側のウエスト領域内に延びている。
【0046】
物品は、任意選択的に、反対側のSPS表面に向かってz方向に配置され、少なくとも股点領域内で直接又は間接にSPSに接続され、股点領域から前部及び後部ウエスト領域の少なくとも一方に向かって延びる滲出物分離シート(ESS)を含み得る。
【0047】
バックシート(BS)は、身体からの滲出液を物品内に保持するように構成されており、SPSの外面の反対側に配置されている。サイドパネル(SP)は、少なくとも使用中の構成において、前記SPSの外側に交差方向に延びていてもよい。必須ではないが、多くの場合、吸収性コアは、SPSとバックシートとのz方向の間に配置され得る。吸収性コアの設計は、本発明にとって本質的ではなく、液体吸収性材料及び少なくとも部分的に液体透過性のエンベロープウェブを含んでいてもよい。特定の要素の組み合わせは、吸収性コア又は少なくともBS及びサイドパネルを含むセンターピースなどの前駆体又は前駆体ウェブを形成することができ、これらはバックシートと一体であってもよく、又は分離してそれに接続されていてもよい。
【0048】
製造構成において、SPS及びESSの少なくとも1つは、前記物品の長手方向中心線に向かって、但し長手方向中心線を越えないように、長手方向折り線に沿って折り返される長手方向サイドマージンを含んでいる。
【0049】
更に、物品は、実質的に長手方向に延びる中心線に沿って、SPSの上面又は反対側の面に対向して配置される、プル手段を備えている。それによって、PMは、SPS又はESSの前部又は後部ウエスト領域における交差方向に延びるマージンの少なくとも1つから股点に向かって、任意選択的に更に反対側のウエスト領域に向かって、又は反対側のウエスト領域内に延び、その後にSPSの開口部を覆う場合、SPSの開口部に位置する1つ又は複数のプル手段開口を更に含んでいる。
【0050】
更に、物品は、プル手段ストリップと一体であってもよい展開手段を備えている。そして、プル手段ストリップは、SPS開口部の脇にあるSPS又はESSの折り重ねられた部分に直接に接続されていてもよい。任意選択的に、プル手段ストリップは、プル手段の長手方向側縁部から延び、且つ、これと交差する分離線を含み、プル手段の開口部と交差する前に終端点で終端することによって、長手方向に延びる側縁部の交点が、分離線の終端点よりも股点から遠く離れて、その交差方向外端でSPS又はESSの折り畳まれた部分に接続されている。
【0051】
使用中の構成では、SPSはz方向に持ち上げられ、PMによって着用者の臀裂に適合するように適合され、SPSの少なくとも1つの開口部は、SMによって開状態に維持される。
【0052】
好ましくは、ESSは、親水化不織布材料、疎水性不織布、フィルム、及び開孔フィルム、又はそれらの組み合わせからなる群より選択され得る。
【0053】
製造構成におけるこのような衛生物品の場合、PMは、センターピースの折り畳まれた長手方向に延びる側縁部の交差方向距離よりも大きい交差方向の延長を示し、それによってSPS又はESSは、少なくとも1つの不連続部に近接してPM又はSPSの上面に接続される。任意選択的に、特定の実施形態では、少なくともSPS、PM、SMは、実質的に非弾性である。
【0054】
衛生物品の前駆体は、製造構成において、製造構成における物品の1つに対応する物品全体の長さを示し、長手方向中心線に沿った特徴点によって分離された部分を含み、特徴点の間の距離は以下の範囲を示してもよく、それによって、特定の点A~Fが以下でより詳細に議論される。
後部ウエストマージン(点A)からウエスト分離ラインの前端(点B)まで:10%から25%;
分離線の前端(点B)から後部不連続部の中点(点C)まで:20%から40%;
後部不連続部の中点(点C)から前部不連続部の中点(点D)まで:15%から25%;
前部不連続部の中点(点D)から前部ウエスト分離線の後端(点E)から前部まで:5%から25%;
前部ウエスト分離線の後端(点E)から前部ウェストマージン(点F)まで:10%から25%、
これにより、各パーセンテージの数字は物品の全長に対応する100%まで加算され、特定の特徴が存在しない場合には、次の特徴点までの距離がカウントされる。
【0055】
本発明の特定の態様、特に使用中のプル手段と展開手段との相互作用は、PCT716の態様に類似しており、
図1及び2B、Cを参照して更に説明する。
図1は、体の矢状面の一部を概略的に示しており、胴体下部30、脚39の大腿上部、及び臀部32があり、臀部は臀裂(anal cleft)34によって分離されている。更に示されているのは、肛門33と生殖器であり、生殖器はここでは陰唇37として示されているが、男性の生殖器、陰嚢、陰茎の位置でもある。左右の股間裂38は、股点領域から前方に伸びている。股点35の会陰は、肛門と生殖器との間の領域である。会陰領域の長さは人によって異なり、性別や年齢にも多少依存する。通常、2.5cmから7cmの範囲がほとんどの成人をカバーし、中程度の長さは4cmから5cmであり、どちらの範囲も女性及び男性に適用できる。赤ちゃんの場合、会陰の長さは通常短くなるが、約1cm未満ではない。したがって、典型的には、着用者の股点は、肛門の前端の前方約0.5cmから約4cmの間に位置している。
【0056】
着用者の股点35に対応する物品の股点305は、物品が設計された物理的サイズの着用者であって、足を肩の幅だけ離して完全に直立した位置にある着用者の上に物品を置き、次いで、
図8の構成で、大腿上部の周りに伸長可能なフィラメントを置くことによって決定することができる。フィラメントの交点に対応する物品内の点が、物品の股点と見なされる。更に、物品の股点領域は、着用者の会陰領域に対応する股点の前後に長手方向に延在している。特定のユーザの具体的な数値がない場合、股点領域は、股点の前後に少なくとも1cm伸びると見なされる。
【0057】
更に、
図2Aは、縦方向13及び幅方向17を有する使用前構成におけるPCT716から知られる物品300の実施形態を示している。物品300は、前方交差方向に延びるマージン303を有する前方領域302と、後方交差方向に延びるマージン307を有する後方領域308と、それらの間に長手方向に沿って配置された股領域305とを含んでいる。さらに、前方サイドパネル320’及び320’’並びに後方サイドパネル330’及び330’’は、センターピース310から、交差方向外向きに延びている。サイドパネルは、バックシート材料に接続された別個の材料である場合もあれば、バックシート材料の交差方向の延長である場合もある。
【0058】
一般的に、物品の「左右」対称であってもよいように、長手方向中心線に対して本質的に対称である特徴を参照する場合、ここでサイドパネルに対して示されているように、それぞれの「左右」の特徴は、それぞれ一重引用符及び二重引用符で示されるが、特徴の一般的な議論においては、引用符は使用されない。サイドパネルは、前方及び後方サイドパネルをそれぞれ接続することによって、着用者の腰の周りに物品を取り付けることを可能にする閉鎖手段340’及び340’’を含むことができる。この文脈で使用するのに適した材料のほとんどは、実質的に平坦な又はウェブ材料であるため、それらは一般的に、厚さによって分離された2つの表面を示す。本文脈において、材料の第1の表面は、一般に、着用者に向けられ、第2の又は反対の表面は、少なくとも股点領域において、材料の特定の部分が折り畳まれているか又は着用者の足に向かって配置されている場合でも、着用者から離れて、又は外側に向けられている。
【0059】
PCT716のこの例示的な実施形態において、物品300は、後部又は肛門開口部306及び前部又は生殖器開口部304を更に含み、両方とも、展開手段(SM)1300によって交差方向に広げられ開かれている。以下でより詳細に説明するように、各展開手段は、ここでは前方1302’及び1302’’、並びに、後方1308’及び1308’’に対して示される一対の展開要素を含んでいる。全体的に1400として示され、ここでは後方引プル手段1408及び前方プル手段1402を有するプル手段ストリップ1410として示されているプル手段(PM)は、Y字形を呈するように示されており、「Y」字のステム部分はそれぞれ開口部306及び304に向けられ、「Y」字の脚部分は開口部から離れて横方向外側に向けられている。図示されているように、プル手段及び展開手段は、例えば、1つの材料片で作られることによって、単一であり得る。皮膚保護シート(SPS)1500は、開口部を除いて、センターピース310の領域に示されている。
【0060】
図2Bは、サイドパネルが完全に外側に折りたたまれておらず、開口部、PM、及びSMが省略された
図2Aに示されるような使用前構成の物品を備えた、
図1のような体の矢状面の部分を示している。SPS1500及びバックシート318は、実質的に同じ長手方向の延長を示している。着用すると、
図2Cに示されているように、腰周りにおいて物品を閉鎖するためのサイドパネルの外側への折畳み及び展開は、Y字型プル手段1402及び1408の脚部の前後端部を外側に引っ張り、それにより、利用可能な長手方向の延長を縮め、その結果、開口部が肛門及び生殖器に向けて付勢されるように、プル手段1400及びそれに接続されたSPS1500を臀裂に押し込むが、バックシートは離間したままである。同時に、展開手段は、開口部への交差方向の引っ張りを誘発し、それにより、後部開口部が肛門にしっかりとはまり、前部開口部が生殖器が通過できるように適合されるように、所定のサイズでそれらのCD延長を広げる。したがって、滲出物は開口部を通過して、SPSとバックシートの間に作成されたスペースに入り、SPSによって皮膚から分離される。
【0061】
図3A及びBは、プル手段1400及び展開手段1300の特徴を参照し、
図2に関連して先に示したように、これらが単一である、すなわち、複合プル及び展開手段(Combined Pull and Spreading Means)CPSM1390と称される単一の材料からなる特定の実施形態を示している。
図3Aでは、それは製造構成で示されており、
図3Bでは、着用者に向けられた第1の表面を視野に入れて、使用中の構成(3次元のU字形を示していない)を概略的に示している。十分な強度を有する従来の不織材料などの皮膚に優しい材料の単純なストリップは、完全な切断線又は裂け目の開いた線(「perf’n pop」)とすることができるような複数の不連続又は分離線を備えている。
【0062】
前方(1402)及び後方(1408)のプル手段は、CPSMの前方(1392)及び後方(1398)の各々のマージンから延び、それぞれが点F及びAで示され、物品の前部及び後部マージン(それぞれ、
図2A、303、307に示す)と一致する不連続部1403及び1407を含んでいる。不連続部は、股点305に向かって延び、上記のY構造の結節点に対応する点E及びBで、それぞれ停止している。Y構造のステム、それぞれ、1404及び1406は、結節点E及びBから股点に向かう方向に、開口部304及び306の不連続部まで更に延びている。これらの不連続部は、股点305に向かう方向に更に延びるが、そこには到達せず、その結果、分離されていない領域が股点領域に残る。
【0063】
図2及び
図3に示されるような特有の実施形態について、展開手段1300は、前部開口304に対して一対の部分的に分離されたストリップ1312’及び1312’’として、後部開口306に対して1318’及び1318’’として、実行される。これらのストリップは、分離線1313及び1317によってCPSM材料から部分的に分離されており、これら分離線は、CPSMの長手方向サイドマージン1395’及び1395”から延びているが、それぞれが開口部304及び306のための不連続部と交差する前に終了している。これにより、展開手段ストリップ1311’、1311’’、1319’、1319’’の長手方向に延在するサイドマージンとの交差部分、即ち横方向外向きの端部1312、1218は、開口部のちょうど横方向外側に位置し、それぞれの不連続部の長さの中央付近(点Cについて示されるように)又はより股点の方に向かって(点Dについて示されるように)位置している点C及びDよりも股点305から更に離れている。
【0064】
これらの不連続部に加えて、CPSMは、衛生用品の他の要素に接続するための接続点を含んでいる。
【0065】
PCT716の従来技術の実施形態において、以下でより詳細に説明するように、前方マージン1412の近くで点Fに対応する前方プル手段連結領域1401’及び1401’’と、後方マージン1418の近くで点Aに対応する後方プル手段連結領域1409’及び1409’’とは、それぞれ、不連続部1403及び1407の横方向外側に位置し、センターピースの折り畳まれた部分及びサイドパネルに連結する。
【0066】
同様に、以下でより詳細に説明するように、展開機能は、各接続領域1314’、1314’’、1316’、1316’’における横方向外向き端部1311’、1311’’、1319’、1319’’をセンターピースの折り畳まれた部分及びサイドパネルに接続することによって、可能になる。
【0067】
更に、不連続部を形成する開口部304及び306の周辺部は、以下に説明するように、対応する不連続部を含むSPSの下側部分に接続される。
【0068】
図3Cに示されている通り、CPSM1390を含む衛生物品300は製造構成において示されており、使用前構成において
図2Aに示される物品に対応している。例示的な物品は、前方サイドパネル320’及び320’’と、閉鎖手段340’及び340’’を備えた後方サイドパネル330’及び330’’と、センターピース310とを含んでいる。センターピース310は、少なくとも上述したようにSPSシート1512と、バックシートとを備え、バックシート318は、典型的には、必ずしも吸収性コア(図示せず)である必要はないが、折り畳まれた「C字形」を呈し、長手方向に延びるサイドマージン314’及び314’’を有し、物品の長手方向中心線15に向かって、しかしそれを越えることなしに、長手方向の折曲げ線316’及び316’’に沿って、この折り畳み部分309においてバックシート318が観察者に対向するように、折り畳まれている。センターピース310は、トップシート側とも呼ばれる第1の表面313を示し、これは、折り畳まれた領域から離れて、使用中の構成において着用者の方を概して向いており、
図3Cの製造構成では、単に前方マージン303において見えるだけである。
図2及び
図3に例示的に示されるような実施形態において、この表面は、上記のようにSPSのものである。サイドパネルは、長手方向サイドマージン314に近接してこれらの折り畳まれた部分に接続されており、製造構成の別の変形例では、この製造構成が実質的に長方形になるように、センターピースの長手方向の折り畳み線の周りに下方に折り畳むこともできる。
【0069】
一般的に、物品は、サイドパネルエクステンション、バリア脚カフ、脚フープ、脚弾性部、腰弾性部、ランディングゾーン、並びに現在購入可能な製品に使用される関連するファスナ、ローション、印刷、及び他の要素などの、当技術分野では周知の様々な他の機能的又は美的要素を更に含み得る。
【0070】
CPSMストリップ1390は、上述したように分離線1313、1317、1403、1407が切断されるか又は他の方法でそれに適用された状態で、折り畳みの実行前に、センターピースの第1の表面又はSPSの第2の表面に位置決めされる。接着剤又は溶融融着ボンディングドット若しくはラインなどの接続手段を、開口部304及び306のための不連続部の周辺の接続領域1303及び1307に対して、センターピースの第1の表面313又はCPSMの対応する領域、即ちCPSMのユーザ指向表面1397の反対側に適用して、CPSMがセンターピース上に置かれたときに接続が確立され、任意選択的に、例えば加圧ローラによる圧縮によって強化されるようにすることができる。更に、接着点又は線などの接続手段は、接続領域1314、1316、1401、1409、又はセンターピースの第1の表面上の対応する領域に適用することができ、その結果、折り畳みによって接続が確立されるときに、任意選択的に例えば加圧ローラによる圧縮によって、強化される。したがって、この製造構成では、CPSMはセンターピースに、SPS及びCPSMに位置合わせされた開口部304及び306の周辺の中央部分において、及び、折り畳まれた部分の長手方向サイドマージンに沿って、接続される。
【0071】
PCT716から知られるこのような物品の原理は、ここで、製造構成からの変換を考慮することによって説明することができる。
図3A及びCの製造構成から
図2A及びBのような使用前の構成へ、そして
図2C及び
図3BにおけるCPSMの単純化した図に示される使用中の構成への変換を参照されたい。
【0072】
サイドパネルが交差方向外方に引っ張られると、サイドパネルがCPSMに接続されている点A’及びA’’も交差方向外方に引っ張られ、前方及び後方PMの「Y」字の脚部が交差方向外方にヒンジされて、その実効的な長手方向の長さ、即ち長手方向中心線15に射影される長さが縮められる。これを、装着及び実質的に平坦な形態から一般的にU字形の形態への変換(
図2B及びC参照)と組み合わせる場合、この短縮化によって、プル手段が使用者の臀裂へと持ち上げられる。
【0073】
プル手段を通じたこの持ち上げと同時に、展開手段、特に接続領域1303及び1307もまた、臀部を横切って後方に股裂部を通って延びる線に沿って持ち上げられる。これは、SMストリップ1312及び1318に沿って、交差方向の牽引力を誘発し、これらの牽引力を開口の不連続部に更に伝達し、結果的に、交差方向に開口させ、それによって、前方及び後方PMよりも程度は少ないものの、更なる縮み効果を生じる。
【0074】
したがって、
図3Aと
図3Bとを比較すると、使用時の構成では、後方マージン点Aから前方マージン点Fまでの長手方向の距離は著しく減少するが、点BとEとの間の距離はわずかに短くなるだけである。
【0075】
図4Bに示されている特有の実施形態を参照すると、折り畳まれた部分は、開口部の周囲に直接的に接続されて、装着時に広がり効果を直接的に誘導するようにされていてもよい。
図4Bは同様の物品を示しており、PMは、SPSに対して下に、即ち着用者から離れて配置されている。
【0076】
これは、純粋に幾何学的な効果であり、使用される材料の伸張性や弾性を必要としないことに留意されたい。一般的に、本文脈において、材料は、通常の製造条件に対応するひずみの適用時に、計測された長さに対してその機械方向に5%を超えて、好ましくは2%を超えて伸びない場合に、非弾性とみなされる。
【0077】
PMがz方向にSPSの上(即ち着用者に向かって)に配置されるか又は下(即ち着用者から離れて)に配置されるかは、必須ではない。
図5A~Cは、
図8Aを用いた設計を概略的且つ例示的に示しており、
図8Aは、折り畳み前であるが接続線1700によってセンターピース(図示せず)に既に接続された図を示しており、
図5Bは折線316に沿った折り畳み後(
図5Aにおいて折り畳み矢印1800によって示されている)を示しており、
図5Cは中心線15に沿った折り畳まれていない物品の断面
図AAを示している。SPS1500は、全長にわたって延びており、3つの分離されていない部分1522、1525及び1528をそれぞれ除いて全長にわたって中心線15に沿って分離され、例えば、切断される。更に、SPS内の前方(1532)及び後方(1538)カットアウトは、好ましくはPMストリップ1410の幅とほぼ同じ幅で示されているように、前方(303)及び後方(308)マージンに向かって及びそれらに達するように設けられており、これにより、折り畳み後に露出したPMにサイドマージンを適切に結合することができる。更に、
図5Aには、SPSの下に、破線で示されている長手方向に延びるサイドマージン1405を有する、プル手段ストリップ1410が示されている。また、プル手段ストリップ1410は、3つの分離されていない部分1422、1425、1428(
図5C参照)を除いて、長手方向中心線15に沿って分離されている。更に、ESS1600は、SPS及びPMの下の前方に配置され、少なくともその前方マージンは、
図5A及びBに股点305のすぐ後方に示されている点線で表されるSPS及びその後方マージン1608のものと一致している。PM及びSPSは、前方開口部(304)及び後方開口部(306)のある部分の側方外側の前方及び後方(それぞれ1712及び1718)において互いに接続されている。SPSの第1の表面は、前方(1722)及び後方(1728)SPSの折り畳み接続における拡大を可能にするように、折り畳み部分に接続される。また、折り畳み部は、SPS内の前方(1532)及び後方(1538)カットアウトを介して、PMストリップに、それぞれ折り畳み-PM接続部1742及び1748で接続されている。装着時には、物品は、SPSがPMストリップの大部分を覆っていることによってより好ましい外観を与える点を除いて、上述し
図2Aに示されているのと同様に、展開される。
【0078】
前方及び後方カットアウト5132、1538の領域における潜在的な漏れを回避するために、ESSは、その股点マージン1608から前方に向かってSPSの前方マージンを越えて延びていてもよく、製造中において、先行する物品の後方マージンへと延びていてもよい。
図5D及びEに示されているように、これは、前方マスキング接続1912を追加して、前方マスキング接続1912に沿ってESSをSPSに接続することによって達成することができる。同様に、後部において、マスキングシート1900(別個に追加されてもよいが、好ましくは、製造中に、上記のようにESSをSPSの前方マージンを越えて延長することによって生成される)を追加し、カットアウト接続部1918によって、SPS横後方カットアウト1538に接続されてもよい。
【0079】
このような設計は非常にうまく機能するが、物品とは別のサスペンダシステムと組み合わせるように物品を適応させることにより、更に改善することができる。
【0080】
この目的のために、
図5F及びGに関連して説明されるような物品から出発する場合、固定手段2028は、物品に横方向外側に接続されておらず、それらはサスペンダシステムで使用されるように適合されたサスペンダ接続手段に置き換えられている。
【0081】
したがって、
図5F及びGの実施形態と同様に、プル手段は、前部から股点部分を通って物品の後部まで延びており、サスペンダ接続手段を更に含んでいる、少なくとも1つのプル手段ストリップを含んでいる。これらは、プル手段ストリップを物品とは別のサスペンダシステムに接続することを可能にする要素である。これについては、
図6Aに概略的に示されているように、PCT716の実施形態と対照的に見ていく。上記で一般的に説明されているように、物品300は、プル手段1400によって上方(即ち着用者の身体に向かって)に引き上げられているように示されているSPS1512を含み、引き上げられた第1及び第2の(例えば左右の)プル手段ストリップ1410’及び1410’は、それぞれ横方向外側に位置する接続点1490’及び1490’で接続されている。
【0082】
これとは対照的に、
図6Bに示されているように、本発明によるプル手段ストリップ1410は、以下に詳細に説明するように、接続点750を有するサスペンダシステム700に接続されるように適合されたサスペンダ接続点1450を含んでいる。
【0083】
本文脈におけるサスペンダシステムは、着用者の身体に着用するように適合され、プル手段及びSPSの位置決めの維持をサポートする要素を指している。第1の実施形態では、サスペンダシステムは、着用者の腰の周りのガードルであってもよい。別の実施形態では、サスペンダシステムは、ブレース(braces)とも呼ばれるように、着用者の肩の上に着用されるようにも適合され得る。更に別の実施形態では、サスペンダシステムは、着用者の首の周りに着用され、着用者の前腰部及び/又は後腰部まで延びるようにも適合され得る。
【0084】
重要なことは、プル手段ストリップに接続されるように適合されたサスペンダシステムが、物品の嵌合維持要素(fit sustaining elements)から独立して機能すること、即ち、物品は、サスペンダシステムが存在しない場合でも、ほとんどの従来の物品、特に上記参照EP2503973B1の教示に従った物品によって一定程度満足されるように、本体上で十分に維持されなければならないことである。したがって、本質的に2つの独立したフォースラインシステムが存在する。ひとつは、従来の物品、特にPCT716に記載されている物品から知られているような、典型的には着用者の臀部又は腰の周りを包囲する物品を着用者の身体上に維持するためのものであり、もうひとつは、物品とは別個の、プル手段及びSPSを選択的に引っ張るためのものである。
【0085】
サスペンダシステムのフォースラインがどのように走るかは重要ではないが、プル手段ストリップシステムと智に、着用者の腰、肩又は首の周りの閉じたフォースライン(ループ)で身体の一部を囲む必要がある。即ち、サスペンダシステムは、物品の外側にある着用者の身体の一部の周りを部分的に包囲する。
【0086】
この原理を更に説明するために、限定するものではないが、このようなサスペンダシステムの典型的な実施例を、着用者1、頭部2、頸部3、胸部4、肩5、第1及び第2の肩、例えば左右の肩5’及び5’、腰6、並びに下半身7を用いて
図7~9に示している。図示のように、着用者は正面を観察者に向ける。
【0087】
したがって、
図7A及び
図7Bは、サスペンダシステム700の特定の実施形態として着用者のウエスト部分6に位置するウエストガードル710を示しており、ウエストガードルサスペンダストラップ715は、サスペンダストラップの前部ガードルと、ガードルストラップ接続点752を介して、ウエストガードル710の下方(着用者に対して)に位置する物品300のプル手段ストリップ1410のサスペンダ接続点1450に接続されている。
図7Bは、前面(1452)及び背面(1458)を介してサスペンダシステム(「x」で示される)に解放可能な接続部を介してサスペンダストラップ715(破線)に接続され、前面領域752及び背面領域758(「o」で示される)を介してプル手段ストリップ1410に解放可能な接続部を有するサスペンダストラップに接続されるプル手段ストリップ1410(実線で示される)を有する物品300(点線)の前面302及び背面308部分を概略的に示しており、前後のガードル接続点712,718でそれぞれ腰を囲むガードル710(破線)に、好ましくは永久的に接続されている(実線で示される)。ウエストガードルのサイズは、従来の手段(図示せず)によって調整することができる。代替実施形態では、プル手段ストリップセクションは、2つのストリップ1410に分離されず、単一の部品として接続されてもよい。
【0088】
同様に、
図8A及び
図8Bには、肩ひも又はブレースシステム720が示されており、そこでは、ブレースのストリップ725’および725’は、着用者1の肩5’及び5’の上を走り、物品300の前部(302)及び後部(308)の両方において、肩ひも接続部752及び758と、プル手段ストリップ1410のサスペンダ接続点1452及び1458とに接続されている。ブレースストリップの長さは、従来の手段(図示せず)によって調整することができる。
【0089】
着用者の背中を視野に入れて
図8C及び
図8Dに示されるこの実施形態の変形例では、ストリップ725は、物品の後部308のみでプル手段ストリップ1410に接続されるように、肩5’及び5’の上並びに脇の下8’及び8’の下を通っている。物品の前部では、PCT716に記載されているように、プル手段ストリップが接続点1460で物品に接続されている。
【0090】
更なる実施形態が
図9A~
図9Cに示されており、ネックホルダーストラップシステム730を備えた着用者の背面図も示されている。
図8C及び
図8Dに示される実施例と同様に、サスペンダストラップは、物品300の後部308においてのみプル手段ストリップに再締結可能に接続されている。
図9A及び
図9Bに示すように、2つのストリップ735がネック周囲ストリップ732をプル手段ストリップ1410に接続している。或いは、
図9Cに示されているように、単一のストリップ737が首の周りを走行していてもよい。
【0091】
サスペンダシステムは、プル手段が作動するとき、すなわち着用時に引っ張られるときの引っ張りに耐えるのに充分に強くて柔らかい任意の材料で作ることができる。したがって、適切な材料には、物品に使用するのにも適した不織布材料が含まれる。
【0092】
また、サスペンダシステムが単回又は複数回の使用を意図しており、後者がコスト及び環境(廃棄)上の理由で好ましい場合、又は限定された再利用性のために意図されている場合、即ち、サスペンダシステムが、対応する物品の2回以上約20回未満の変更を参照して、例えば数回の使用後に、汚れるまで再使用することができる場合などの違いは、本発明の機能にとって本質的ではない。
【0093】
好ましい実施形態では、サスペンダシステムは、覆われた皮膚の閉塞を避けるために通気性のある材料で作られている。好ましくは、サスペンダシステムは弾性ではないが、例えば調節可能な長さ又は円周径によって着用者のサイズに適合できるようにする。より好ましくは、このような適合化は、衛生用品の着用と同時にサスペンダシステムを着用する際に行うことができる。
【0094】
更に、サスペンダシステムと使い捨て物品とは、物品のプル手段ストリップのそれぞれの対向要素、即ちプル手段ストリップのサスペンダ接続手段とサスペンダシステムとの接続を可能にする接続システムを含むマッチングキットを提供するように互いに適合されていることが好ましい。
【0095】
図10A及び
図10Bは、プル手段ストリップの接続要素750が、物品の前部(それぞれ752若しくは1452と表記される)又は後部(それぞれ758若しくは1458と表記される)又はその両方に配置され得るサスペンダシステム1450の接続要素とどのように一致するかを模式的に示しており、
図10Aは「プレドニング」(着用前)構成を示し、
図10Bは使用中の構成を示している。前述の説明では、プル手段ストリップ及びサスペンダストラップは、2つの別々の、しばしば平行なストリップとして示されているが、当業者は、
図10Cに示されているように、ある種の実施のためには、ストリップが単一のストリップであってもよく、又は、2つの平行なストリップが単一のストリップに接続されてもよいことを容易に理解するであろう。
図10Dに示されるような更なる実施形態は、2つのプル手段ストリップを含み、それらは、それぞれ、第1及び第2のストリップセクション1411’及び1411’’への分割への接続点1409においてそれら自身に接続され、それらは、長手方向中心線の後方又は前方マージンの外側近くで物品に接続されている。更なるストリップセクション1411’’’も接続点1409で他の2つに接続されており、ここでは単一のサスペンダストラップ705によって示されるように、サスペンダシステムへの接続を可能にすべく、その他端に接続手段を更に備えている。
図11は、物品に恒久的に接続された第1のプル手段を備えたシステムと、物品には接続されていないがサスペンダに接続されるように適合されたプル手段との組み合わせを示している。
図11Aには、
図3Aと同様にPMストリップ1410に対応する第1のPMストリップ1413が示されており、それぞれの接続部を有する前部(304)及び後部(306)の開口部、前部(1403)及び後部(1407)の不連続部、並びにPMストリップを物品の側面部分に恒久的に接続するための前部及び後部それぞれの接続点1408及び1402を有している。
図4の文脈で説明したように、着用すると、これらは不連続部を広げる。不連続部の広がりは、長手方向の中心線に対する接続点の横方向の距離に依存し、特定の設計では、PM及びSPSを臀裂に更に引き寄せるために、より広い広がりを持つことが望ましい場合がある。この目的のために、第2のPMストリップ1416が、第1のPMストリップと平行に、好ましくは物品の全長にわたって配置されている。前方開口部304及び後方開口部306は、第1のPMストリップの開口部と位置合わせされており、股点領域における接続点も同様である。端部に向かって、二次PMストリップは必ずしも不連続部を備える必要はないが、サスペンダ接続点1450を有している。
図11Cは、第1のPMストリップ(1413)及び第2のPMストリップ(1416)を含む物品の断面図を示している。第1のPMストリップに対して、第2のPMストリップは、物品のバックシート側に配置され、SPSから切り出された前部(1532)及び後部(1538)を通っており、第2のPMストリップのサスペンダ接続点をサスペンダシステム(
図11には示されていない)に容易に接続することができ、それにより着用者がプル手段を適切に調節することが可能となる。
【0096】
PMストリップとサスペンダシステムとの間の接続は、ボタン、スナップファスナー、マクロファスナー(EP1009350A1では「スロット及びタブファスナー」として記述されている)、又は結び目などの多数の接続システムによって達成することができるが、特に好ましい実施態様は、当技術分野で周知であり、例えば3M(米国)、Aplix(フランス)、又はBender(ドイツ)から市販されているような機械的ファスナーシステムの使用に関する。「雄」フック要素又は「雌」ループ要素のどちらが物品又はサスペンダ側にあってもよい。一般に、雄型フック要素は雌型ループ要素よりも硬くて硬いので、外側に向けるなどして着用者の皮膚と直接接触しないことが好ましい。
【0097】
更なる態様において、
図12に概略的に示されているように、本発明は、充填されたパッケージ801に、異なる少数の半耐久性サスペンダシステム200と組み合わされた、このような使い捨て物品300の複数のアレイを有する組み合わせパッケージ800である。このようなサスペンダシステムは、必ずしも洗濯などによる再利用を意図したものではないが、使い捨て物品の幾つかの回数分で使用することができる。したがって、使い捨て物品のパッケージは、1つ又は複数のサスペンダシステムを含むことができるが、その数は使い捨て物品より少なく、例えば後者の数の5分の1程度である。
【0098】
当業者はまた、液体又は糞便収集手段などの更なる滲出物処理手段は、吸収性コアに組み込まれていてもよく、若しくは追加されていてもよく、又は吸収性コアとSPS若しくはESSとの間に配置されていてもよいことを理解するであろう。
【0099】
また、全ての不連続部は、材料がプロセスの少なくとも一部の間接続されたままであるが、少なくとも着用時及び使用中の構成において容易に分離されるように、断続的な切断線又は穿孔線(「perf’pn pop」とも呼ばれる)などの分離が不完全である部分的に分離された線として実行されてもよい。前方開口部及び後方開口部については、x-y延長部は、製造構成から使用構成への移行時に、それぞれの分離線から形成される。不連続部は、しばしば好ましくは、カットなどの分離ラインとして実行されてもよいが、製造構成のこの時点で既に開口部を形成するようにウェブから材料を除去することによって形成されてもよい。種々の要素の接続は、熱若しくは圧力接合、又は音波、好ましくは超音波接合などの任意の従来の手段によって達成することができるが、特に、折り畳み領域を含む接続の場合、加工性の観点から適切な接着剤の使用が好ましい。
【0100】
当業者であれば容易に理解できるように、「点」、例えば「接続点」という用語は、例えば接続に適用される技術に対応する一定のサイズを示すことができる。それゆえ、接着剤タイプの接続点は、周囲領域の機能性に影響を与えない程度に十分に小さい接着剤のパッチを含んでいる。同様に、「線」、例えば「接続線」という用語は、特定の幅を示し得る。また、この用語は、例えば、ドット接着剤又は超音波接合線を含む中断された線、並びに多数の(サブ)線を含む線又は多数のより小さな接合点から形成される接合点などの接合パターンを含む。同様に、「領域」という用語は、「線」としても見られる可能性のある長いが狭い領域を包含している。
【0101】
CPSMの幅は、少なくとも、折り畳まれたサイドマージン部同士の距離としての折り畳みギャップ幅に、CPSMを折り畳まれた領域に位置決めして接続するための加工公差を加えたものでなければならない。この機械加工公差は、非常に小さくてもよく、例えば約5mm未満であってもよいが、材料使用効率の理由から、約10mm又は20mmを超えるべきではない。一般的に、SPS、PM、CPSM、又はSMは、快適性又は健康面に妥協しないなど、着用者の下胴部に着用される衛生用品に適用される一般的要件を満たす広範な原料から製造することができる。特定の用途への日常的な適応は、材料の強度、柔らかさ、空気及び液体透過性等を決定する。特に、物品が大規模生産を意図している場合、材料はウェブ材料であることが好ましい。
【0102】
一般に、用語「ウェブ」は、1つの方向(一般に「x方向」又は「機械方向」と称される)に実質的に無端であるか又は連続している任意の材料に関する。ウェブは、しばしば、必ずしもそうではないが、ロール形態で格納され、供給され、又は使用され、それゆえ、時には「ロール商品」とも称される。これらは厳密な意味で「無限」ではないが、このx方向への延長は、他の方向への延長よりもかなり大きい。連続したロール又は他のバッチを組み合わせることによって、このようなウェブは、あらゆる実際的な目的のために「無限」とみなすことができる。ウェブは、ロールが出荷されるときのような「バッチ」形態で輸送されてもよく、又は以下に説明するように、ウェブがロールから巻き戻されるときのような「ウェブ経路」に沿って輸送されてもよい。ウェブの典型的な例としては、プラスチックフィルム若しくはフォイル、任意選択的に開口部を設けたもの、織物、不織布、ネット、又はクリムが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0103】
SPS及びプルストリップ材料は、好ましくは、柔軟性があり、ソフトな感触であり、着用者の皮膚に刺激を与えないものであり、多孔質フォーム、網状フォーム、開口プラスチックフィルム、又は天然繊維の織網若しくは不織網(例えば、木又は綿繊維)、合成繊維(画例えば、プロエステル又はポリプロピレン繊維)、又は、天然及び合成繊維の混合物などの広い範囲の材料から製造され得る。それらが繊維を含む場合、繊維は、スパンボンド(spanbonded)、カード(carded)、ウエットレイド(wet-laid)、メルトブロウン(meltblown)、ハイドロエンタングルド(hydroentangled)、又は当技術分野で公知の他の方法で処理されていてもよい。それらは、スパンボンドされたウェブと組み合わせたオープンネット又はスクリム構造を含む場合などの複合材料であってもよい。
【0104】
好ましくは、SPSは、糞便の通過に対して低い傾向を示す。任意選択的に、SPSは、z又は厚さ方向勾配構造を示すことができ、又は、積層体若しくは複合材料であってもよく、例えば、使用者に向けられた表面上で特に皮膚に優しい特性、又は反対側の表面上で特定の便吸収性を示すことができ、これは、低粘度又は「さらさらした」便の場合に特に有益であり得る。
【0105】
任意選択的に、SPSは、ストリップ(y方向のバリエーション)又は接続されたパッチ(x方向のバリエーション)などの複合材料であってもよい。
【0106】
任意選択的に、SPSは、皮膚軟化剤等の皮膚親和性向上剤のような当技術分野で周知の添加剤を含んでいてもよい。
【0107】
SPSが前方開口部のない尿又は月経の領域により前方に延びている場合、少なくともこれらの領域では、使用される材料の性質又は処理によって親水性であるなど、良好な液体透過性を示すべきである。滲出物が通過することを可能にする前方開口部を含む実施形態の場合、SPSは、例えば、疎水性不織布、フィルム、又はそれらの複合体など、流体不透過性であることが好ましい。
【0108】
衛生物品及びサスペンダシステム、好ましくは再使用可能なサスペンダシステムを含むキットは、そのまま又は滲出液を装填した状態で物品の物理的、化学的又は生物学的特性を検出することができるセンサ要素を含むセンサシステムと組み合わせることに特に適している。
【0109】
そのような物品の物理的特性は、物品の着用時、又は物品の位置が変化したときのような使用中に、プルバンドに又はプルバンドによって加えられる歪みであってもよい。このような歪みは、他の応用分野でよく知られているように、歪みゲージによって検出することができる。更に、センサ素子は、例えば病気中の排尿や排便、又は体温そのものを示すような温度変化を検出することができる。化学的又は生物学的センサは、滲出液の内容物、例えばビタミンC、白血球、ウレアーゼ、ビリルビン、発生した血液、亜硝酸塩、pH値、タンパク質、尿比重、ケトン体、グルコース、微量アルブミン含有量などの尿の内容物を検出することができる。例えば、CN113932803から当技術分野で知られているように、物理的センサ要素は、例えば尿検出試験紙が色の変化と反応し、色検出センサが色の変化を電気信号に送信する場合、化学的又は生化学的センサと組み合わせることができる。CN113932803は、尿内容分析の電気信号への変換に関して明示的に参照される。
【0110】
センサ素子は、検出した特性を電気信号に変換する。この目的を達成するために、センサシステムは、更に、ケーブルを介してセンサ要素に接続されるバッテリなどの電気エネルギー供給源を必要とする。
【0111】
エネルギー供給源は再充電可能であり、好ましくはサスペンダストラップに接続又は一体化されており、再利用可能なストラップとして実行され、好ましくは例えば洗濯による洗浄が可能である。電気接続はサスペンダ接続手段に適切に組み込むことができ、それにより、電気接続は、ケアテイカーであれ着用者であれ、使用者に対する潜在的な危険を回避するように実行される。センサが一体型であるか、又はサスペンダストラップに接続されている場合には、使い捨て物品とサスペンダストラップとの間のこのような電気的接続は必要とされず、センサ素子としての歪みゲージのための好ましい実施形態であってもよい。
【0112】
センサシステムは、更に、エネルギー供給源に接続されるか、又は、任意選択的に、エネルギー供給源と一体化される信号送信要素を備えている。送信器要素は、信号を、当該技術分野で周知のBluetooth(登録商標)信号などの(ただしこれに限定されない)ユーザによって無線で受信可能な電磁信号に変換し、これは、携帯電話などの(これに限定されない)受信機で受信可能であり、ユーザに対する視覚情報又は音響情報に変換される。必要に応じて、リーダ(reader)による解釈を容易にするために、コンピュータプログラムでデータの更なる分析を実行することもできる。
【0113】
衛生用品及びサスペンダシステムのキットにセンサシステムを追加する原理は、
図13Aを参照することによって更に説明され、ここでは、例示的に、
図8A及び
図8Bの文脈で示され説明されるように、使い捨ておむつ300及びサスペンダシステム700を含むキットが示され、更に、使い捨ておむつ内に配置されたセンサ素子772を有するセンサシステム、サスペンダストラップ735の接続点750でコネクタ775を介してエネルギー供給778に接続するケーブル774によって補完される。エネルギー供給源と一体化して示されている送信機779は、信号を受信機780に送信するように適合されている。
【0114】
図13Bは、センサシステムの異なる実施形態を示しており、歪みゲージセンサ要素773は、エネルギー供給源及び送信機が接続され得る、又は、それらと一体化され得るサスペンダストラップに接続又は一体化されていてもよい。
【国際調査報告】