(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-11
(54)【発明の名称】ドア、リーフなどの制御された回転移動のためのシステム
(51)【国際特許分類】
E05F 1/12 20060101AFI20240404BHJP
E05D 7/081 20060101ALI20240404BHJP
E05F 1/14 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
E05F1/12
E05D7/081
E05F1/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567908
(86)(22)【出願日】2022-05-05
(85)【翻訳文提出日】2023-12-25
(86)【国際出願番号】 IB2022054145
(87)【国際公開番号】W WO2022234499
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】102021000011666
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102021000011669
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102021000011678
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519224155
【氏名又は名称】コルコム グループ エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メサロス,ミハイ
【テーマコード(参考)】
2E030
2E050
【Fターム(参考)】
2E030AB02
2E030BB03
2E030HC01
2E050AA03
2E050BA04
2E050CA04
2E050EA02
2E050EB02
(57)【要約】
ドアリーフ、ドアなどの閉鎖要素(A)と、フレーム、壁などの固定支持構造(S)との、回転軸(X)の周りでの回転可能な結合のためのシステムであって、システムが、少なくとも1つの第1のヒンジ装置と、少なくとも1つの第2のヒンジ装置と、を備えている。ヒンジ装置(100、200)は、固定支持構造(S)と閉鎖要素(A)との一方に係留することができる固定要素と、固定支持構造(S)と閉鎖要素(A)との他方に係留することができる可動要素と、を備えている。可動要素は、ヒンジ本体(130)を含み、固定要素は、それぞれの第1および第2の軸(X1、X2)を画定するピボット(120、220)を含む。ヒンジ本体(130)およびピボット(100、200)は、閉鎖要素(A)の開放位置と閉鎖要素(A)の閉鎖位置との間で相互に回転するように互いに回転可能に結合される。ヒンジ装置(100、200)は、ドア開放位置とドア閉鎖位置との間の回転軸(X)を中心とした閉鎖要素(A)の回転を制御するように協働するように、同じ結合要素(A)と結合することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム、壁などの固定支持構造(S)に対する回転軸(X)を中心とした、ドアリーフ、ドアなどの閉鎖要素(A)の制御された回転運動のためのシステムであって、
前記システムが、少なくとも1つの第1のヒンジ装置(100)と、少なくとも1つの第2のヒンジ装置(200)と、を備え、
前記第1および第2のヒンジ装置(100、200)の各々が、
前記固定支持構造(S)と前記閉鎖要素(A)との一方に係留することができる固定要素と、
前記固定支持構造(S)と前記閉鎖要素(A)との他方に係留することができる可動要素と、を備え、
前記可動要素と前記固定要素との一方が、それぞれ第1および第2のヒンジ本体(130、230)を含み、前記可動要素または前記固定要素の他方が、ぞれぞれの第1および第2の軸(X1、X2)を規定するそれぞれ第1および第2のピボット(120、220)を備え、前記第1および第2のヒンジ本体(130、230)、ならびに第1および第2のピボット(100、200)が、前記第1および第2の軸(X1、X2)周りに、前記閉鎖要素(A)の解放位置または閉鎖位置に対応するそれぞれの第1の動作位置と、前記閉鎖要素(A)の前記閉鎖位置または解放位置に対応する第2の動作位置との間で、相互に回転するように相互に回転可能に結合されており、
前記第1および第2のヒンジ装置(100、200)が、長手方向に互い違いの位置で同じ前記閉鎖要素(A)に結合することができ、それにより、前記第1および第2の軸(X1、X2)が互いに、および前記回転軸(X)と一致するようになっており、
前記第1および第2のヒンジ装置(100、200)が、前記ドア閉鎖位置と前記ドア解放位置との間で、前記回転軸(X)の周りの前記閉鎖要素(A)の前記回転を制御するように協働する、システム。
【請求項2】
前記第1および前記第2のヒンジ装置(100、200)が、前記第1および前記第2のヒンジ本体(130、230)ならびに前記第1および前記第2のピボット(120、220)が前記第1の動作位置と前記第2の動作位置との一方から前記第1の動作位置と前記第2の動作位置との他方に移動すると、前記閉鎖要素(A)が所定の回転速度を有するように、前記閉鎖要素(A)の回転を制御するように協働する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記所定の回転速度が、前記第1の動作位置と前記第2の動作位置との一方から前記第1の動作位置と前記第2の動作位置との他方への前記回転の少なくとも1つのセクションに沿った前記第1および前記第2のヒンジ本体(130、230)ならびに前記第1および前記第2のピボット(120、220)の移動時に一定である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1および第2のヒンジ本体(130、230)の各々が、前記第1および第2の軸(X1、X2)ならびに前記作動チャンバ(135)内で摺動可能なそれぞれのスライダ要素(140、240)に対して実質的に垂直であるそれぞれの第3の軸(Y1、Y2)を画定する作動チャンバ(135)を備え、前記第1および第2のピボット(120、220)が第1および第2のカム手段(125、225)を含み、前記第1および第2のスライダ要素(140、240)が、前記第1および第2のピボット(120、220)ならびに前記第1および第2のヒンジ本体(130、230)の相対回転に対して前記第1および第2のスライダ要素(140、240)の摺動に対応するように、前記第1および第2のカム手段(125、225)と動作可能に接続された第1および第2のカム従動手段(145、245)を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1および第2のヒンジ装置の一方(100)が、それぞれの前記第1および第2のスライダ要素(140)に作用して、それぞれの前記第1または第2のヒンジ本体(130)および第1または第2のピボット(120)の相互回転を制動する制御手段(150)を備え、前記第1および第2のヒンジ装置の他方(200)が、それぞれの前記第1または第2のスライダ要素(240)に作用して、それぞれの前記第1または第2のヒンジ本体(230)および第1または第2のピボット(220)の相互回転を促進する運動促進手段(250)を備える、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1のカム(125)およびカム従動手段(225)ならびに前記第2のカム(125)およびカム従動手段(225)は、前記制御手段(150)の作用によって打ち消される前記運動促進手段(250)の作用が、前記開放位置と前記閉鎖位置との間の、好ましくは前記開放位置から前記閉鎖位置に向かう前記閉鎖要素(A)の回転の少なくとも1つのセクションに沿って所定の回転速度を前記閉鎖要素(A)に与えるように相互に構成される、請求項4または5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1および第2のヒンジ装置の前記一方(100)の前記第1または第2のスライダ(140)が、それぞれの前記作動チャンバ(135)を第1および第2の可変容積区画(176、177)に仕切るためにそれぞれの前記作動チャンバ(135)の少なくとも1つの部分(137)に挿入される少なくとも1つのプランジャ要素(160)を備え、前記制御手段(150)は油圧式である、請求項5または6に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプランジャ要素(160)が、それぞれの前記作動チャンバ(135)の前記少なくとも1つの部分(137)に密封式に挿入され、前記油圧制御手段(150)が、前記第1および第2の可変容積区画(176、177)と流体連通して配置されるための少なくとも1つの油圧回路(171、172)と、前記少なくとも1つの油圧回路(171、172)内の流れを制御するための弁手段(180、181)とを備える、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1および第2のヒンジ装置(200)の前記他方の前記作動チャンバ(135)が底壁(138)を備え、前記スライダ要素(240)が、前記底壁(138)からの近位位置と前記底壁(138)への遠位位置との間で摺動可能であり、前記運動促進手段(250)が、前記近位位置と前記遠位位置との間の前記底壁(138)の摺動を促進するために、それぞれの前記第1または第2のスライダ要素(240)と前記底壁(138)との間に介在する弾性反作用手段(251)を含む、請求項5から8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1および第2のヒンジ装置(100)の前記一方の前記第1および第2のカム手段(125)が、少なくとも1つの第1の実質的に凸状の作用部分(128)を有する第1の作用表面(126)を備え、前記第1および第2のヒンジ装置(200)の前記他方の前記第1または第2のカム手段(225)が、実質的に凸状であり、前記第1の作用部分(128)とは異なる少なくとも1つの第2の作用部分(228)を有する少なくとも1つの第2の作用表面(226)を備え、前記第1および第2の作用部分(128、228)が、角度セクションにわたって前記第1および第2の作用位置の前記一方から前記第1のヒンジ本体(130)および前記第1のピボット(120)が回転すると、前記第1のスライダ(140)および前記第2のスライダ(240)が異なる長さセクションにわたって摺動するように相互に構成されている、請求項5から9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1および第2の作用部分(128、228)が、前記閉鎖要素(A)の前記開放位置から前記閉鎖位置への回転の前記少なくとも1つのセクションに沿って、前記第2のヒンジ装置(200)が第1の対を用いて前記閉鎖要素に作用し、前記第2のヒンジ装置(100)が前記第1の対に対抗する第2の対を用いて前記閉鎖要素に作用するように相互に構成され、前記第2の対が、前記閉鎖要素(A)の前記開放位置から前記閉鎖位置への回転の前記少なくとも1つのセクションに沿った回転を可能にするように前記第1の対よりも低く、前記作用部分(128、228)は、前記第1および第2の対が、前記第1および第2のヒンジ本体(130、230)ならびに前記第1および第2のピボット(120、220)の、前記第1および第2の作用位置の前記一方から前記第1および第2の作用位置の前記他方への前記回転の前記少なくとも1つのセクションに沿った回転時に、可変であり、それにより、前記閉鎖要素(A)の前記少なくとも1つの所定の速度での前記開放位置から前記閉鎖位置への前記少なくとも1つのセクションに沿った回転を可能にするように相互に構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1および第2の作用部分(128、228)は、前記閉鎖要素(A)が、前記開放位置から前記閉鎖位置への前記回転の少なくとも1つのセクションについて第1の所定の速度で回転し、前記閉鎖要素(A)の前記開放位置と前記閉鎖要素(A)の前記閉鎖位置との間の前記閉鎖要素の前記回転の少なくとも1つの第2のセクションについて第2の所定の速度で回転するように、相互に成形されている、請求項10または11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの第1および1つの第2のヒンジ装置の少なくとも一方(100)が、それぞれの前記固定支持構造(S)または閉鎖要素(A)に固定するためのそれぞれの手段(190)を備え、前記少なくとも1つの第1および1つの第2のヒンジ装置の前記少なくとも一方(100)と、それぞれの前記固定手段(190)とが、相互の所定の距離(d)を有するように互いに相互に係合可能であり、前記少なくとも1つの第1および1つの第2のヒンジ装置の前記少なくとも一方(100)とそれぞれの前記固定手段(190)とが、係合されると、前記所定の動作距離(d)を変化させるためにそれぞれの軸(X1)に沿って互いに摺動可能であるように相互に構成され、前記固定手段(190)が、好ましくは固定プレートを備えるか、または好ましくは固定プレートからなる、請求項1から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの第1および1つの第2のヒンジ装置の前記少なくとも一方(100)が、前記少なくとも1つの第1および1つの第2のヒンジ装置の他方(200)に対して上部に配置される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの第1および1つの第2のヒンジ装置の前記少なくとも一方(100)の前記第1または第2のピボット(120)が、それぞれの前記固定手段(190)と一体的に結合され、それぞれの前記ヒンジ本体(130)が、それぞれの前記ヒンジ本体(130)がそれぞれの前記ピボット(120)に対してそれぞれの前記軸(X1)に沿って摺動して前記所定の動作距離(d)の最大変動を画定するように構成されたそれぞれの前記ピボット(120)のためのそれぞれの座部(110)を備える、請求項13または14に記載のシステム。
【請求項16】
それぞれの前記作動チャンバ(135)が、それぞれの前記ピボット(120)のためのそれぞれの前記座部(110)と前記少なくとも1つのプランジャ要素(160)が挿入される前記少なくとも1つの部分(137)との間に介在する仕切り要素(1000)を含み、それによって前記油圧作動流体が前記少なくとも1つのプランジャ要素(160)から流出するのを防止する、請求項7から12の1つまたは複数に従属する請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1および第2のヒンジ装置の前記一方(100)の前記第1または第2のスライダ(140)が、それぞれの前記作動チャンバ(135)を第1および第2の可変容積区画(176、177)に仕切るためにそれぞれの前記作動チャンバ(135)の少なくとも1つの部分(137)に挿入される少なくとも1つのプランジャ要素(160)を備え、前記制御手段(150)が油圧式である、請求項13から16の1つまたは複数に記載のシステム。
【請求項18】
それぞれの前記ピボット(120)が、それぞれの固定手段(190)と一体的に結合するための部分(121)を備え、それぞれの前記ヒンジ本体(130)が、それぞれの固定手段(190)に面するように設計された上壁(131)を有し、前記上壁(131)が、それぞれの前記ピボット(120)の前記結合部分(121)のための貫通開口(132)を備え、それぞれの前記ピボット(120)が、それぞれの前記ピボット(120)に対するそれぞれの前記ヒンジ本体(130)の摺動時に、前記貫通開口(132)に対して摺動可能である、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
それぞれの前記ヒンジ本体(130)が、一対の第1および第2の対向する当接面(111、111´)を有し、それぞれの前記ピボット(120)が、それぞれの前記ヒンジ本体(130)の前記第1および第2の当接面(111、111´)と相互作用するように設計されたそれぞれの第1および第2の当接面(122、122´)を備え、それぞれの前記ピボット(120)が、前記第1の当接面(111)と端部ストローク面(122)とが互いに接触し、前記第2の当接面(111´)と端部ストローク面(122´)とが互いに離間している後退位置と、前記第1の当接面(111)と端部ストローク面(122)とが互いに離間し、前記第2の当接面(111´)と端部ストローク面(122´)とが互いに接触している拡張位置との間で移動可能である、請求項17または18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1の当接面(111)と端部ストローク面(122)との間の最大距離が、前記作動距離(d)の最大変化を規定する、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記作動距離(d)の前記最大変化が、1mm~
10mmの間に含まれ、好ましくは約7mmである、請求項13から20の1つまたは複数に記載のシステム。
【請求項22】
前記座部(110)が、それぞれの前記軸(X1)に沿ったそれぞれの前記ヒンジ本体(130)の摺動およびそれぞれの前記軸(X1)の周りの相対回転をガイドするためにそれぞれの前記ピボット(120)と接触するガイド壁(112、113)を備える、請求項13から21の1つまたは複数に記載のシステム。
【請求項23】
それぞれの前記ピボット(120)が、第1および第2の実質的に円筒形の作動部分(121、123)と、前記カム手段を含む前記第1の部分(121)と前記第2の部分(123)との間に介在する第3の作動部分(125)とを備え、前記座部(110)が、前記ガイド壁を含む第1および第2の部分(121、123)とそれぞれ相互作用するように設計された対応する第4および第5の成形部分(112、113)を有する、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記座部(110)が、前記カム手段(125)を収容するように設計された第6の中央部分(115)をさらに備え、前記第6の部分(115)が、それぞれの前記軸(X1)に対して実質的に垂直な前記当接面(111、111´)を備え、前記当接面(111、111´)が、前記当接面(111、111´)間のそれぞれの前記軸(X1)に沿った前記ピボット(120)の摺動を可能にするように、前記ピボット(120)の前記第3の部分(125)の高さよりも実質的に大きい距離を有する、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記少なくとも1つのプランジャ要素(160)が、それぞれの前記ピボット(120)の回転に対して前記少なくとも1つのプランジャ要素(160)の摺動に対応するようにそれぞれの前記ピボット(120)と動作可能に結合され、前記少なくとも1つのプランジャ要素(160)が、前記第1の区画(176)が最大容積を有しかつ前記第2の区画(177)が最小容積を有する少なくとも1つの第1の動作位置と、前記第1の区画(176)が最小容積を有しかつ前記第2の区画(177)が最大容積を有する少なくとも1つの第2の動作位置との間でそれぞれの前記第2の軸(Y)に沿って摺動可能である、請求項7から24の1つまたは複数に記載のシステム。
【請求項26】
前記プランジャ要素(160)が、前記第1の可変容積区画(176)と前記第2の可変容積区画(177)とを流体的に接続するための回路(172)と、前記回路(172)に作用して前記流体が前記回路(172)を通って流れることを選択的に可能/防止する弁手段(181)とを含む、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記弁手段(181)が通常閉じており、前記弁手段(181)が、前記第2の区画(177)内の圧力が所定の閾値を超えたとき、および/または前記プランジャ要素(160)が前記第2の作動位置に近接したときに開くように構成されている、請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記プランジャ要素(160)が前記弁手段(181)を含むか、または前記回路(172)および前記弁手段(181)を含む、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
前記回路(172)が開口(175)を備え、作動流体が前記第2の区画(177)から前記第1の区画(176)に流れるのを防止するように前記開口(175)を閉じる第1の閉鎖位置と、前記作動流体が前記第2の区画(177)から前記第1の区画(176)に流れることを可能にするように前記開口(175)から遠位の第2の位置との間で移動可能なシャッタ(184)が設けられ、前記シャッタ(184)を前記開口(175)に対して閉じるように強制するための弾性手段(189)がさらに設けられる、請求項25から28のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項30】
前記回路(172)が、前記開口(175)を画定する第1の端部と、前記第2の区画(177)に接続される第2の反対側の端部(175´)とを有するダクト(173)を備え、それにより、前記第2の区画(177)内の圧力が前記閾値を超えると、前記作動流体が、前記シャッター(184)を強制的に開放させて、前記作動流体が前記第2の区画(177)から前記開口(175)を通って流出することを可能にする、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記作動チャンバ(137)が底壁(138)を備え、前記プランジャ要素(160)が、少なくとも1つの貫通開口(167)を含むディスク形状要素(166)を備え、少なくとも1つのピン(168)が、前記底壁(138)と相互作用するように設計された第1の端部(169)と、前記第1の端部(169)が前記底壁(138)に当接したときに前記シャッター(184)を開くように前記シャッター(184)と動作可能に接続された第2の反対側の端部(169´)とを有する前記少なくとも1つの貫通開口(167)に挿入されるようにさらに設けられている、請求項29または30に記載のシステム。
【請求項32】
前記シャッタ(184)と前記弾性手段(189)との間に介在する環状要素(185)を備え、前記環状要素(185)が、前記シャッタ(184)の前記開放位置と前記閉鎖位置とに対応する第1の動作位置と第2の動作位置との間で摺動可能であり、前記少なくとも1つのピン(168)の前記第2の端部(169´)が、前記少なくとも1つのピン(168)の前記第1の端部(169)が前記底壁(138)に当接すると、前記環状要素(185)と相互作用して、前記環状要素の前記第2の動作位置から前記第1の動作位置への通過を促進するように設計される、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
前記ディスク形状要素(166)が、前記少なくとも1つの貫通開口(167)を画定する中央貫通孔(173)を備え、前記貫通孔(173)が前記開口(175)を含み、前記ピン(168)が、前記ピン(168)の前記第1の端部(169)が前記底壁(138)に当接すると、前記第2の反対側の端部(169´)が前記シャッタ(184)に衝突して前記シャッタ(184)を開くように、前記貫通孔(173)に挿入されており、前記ピン(168)が、前記貫通孔(173)の直径よりもわずかに小さい直径を有し、それにより、前記シャッタ(184)を開くと、前記作動流体が、前記貫通開口(173)および前記開口(175)を通って前記第2の可変容積区画(177)から前記第1の可変容積区画(176)に流出する、請求項31または32に記載のシステム。
【請求項34】
前記シャッタ(184)と前記弾性手段(189)との間に介在する環状要素(185)を備え、前記プランジャ要素(160)が、環状リリーフ(162)を有するステム(161)を備え、前記環状要素(185)が前記ステム(161)上に嵌合され、前記弾性手段(189)が、前記環状リリーフ(162)と前記環状要素(185)との間に介在され、前記少なくとも1つのピン(168)の前記第2の端部(169´)が、前記少なくとも1つのピン(168)の前記第1の端部(169)が前記底壁(138)に当接すると、前記環状要素(185)と相互作用して、前記環状要素(185)の前記第2の動作位置から前記第1の動作位置への通過を促進するように設計される、請求項31または32に記載のシステム。
【請求項35】
前記少なくとも1つのピン(168)が、前記環状要素(185)が前記第1の作動位置にあるときに前記作動流体が前記少なくとも1つの貫通開口(167)を通って前記第2の区画(177)から流出するように、前記少なくとも1つの貫通開口(167)の直径よりもわずかに小さい直径を有する、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記少なくとも1つのピン(168)が前記少なくとも1つの開口(167)に挿入されると、前記少なくとも1つのピン(168)が、前記ヒンジ本体(130)および前記ピボット(120)の回転のセクションの長さを画定するために所定の長さに関して前記ディスク形状要素(166)から突出する部分(168´)を有し、前記弁手段(181)が、前記閉鎖要素(A)のスナップを画定するために開いている、請求項31から35のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項37】
ドアリーフ、ドアなどの閉鎖要素(A)と、フレーム、壁などの固定支持要素(S)との、回転軸(X)の周りでの回転可能な結合のためのアセンブリであって、
前記固定支持構造(S)と前記閉鎖要素(A)との一方に係留することができる結合要素(190)と、
前記固定支持構造(S)と前記閉鎖要素(A)との他方に係留することができるヒンジ装置(100)と、を備え、
前記結合要素(190)と前記ヒンジ装置(100)とが回転可能に互いに結合されて、前記閉鎖要素の少なくとも1つの開放位置と、前記閉鎖要素(A)の閉鎖位置との間で前記軸(X)周りに相互に回転し、
前記結合要素(190)と前記ヒンジ装置(100)とが相互に係合する場合、前記結合要素(190)と前記ヒンジ装置(100)とが所定の動作距離(d)を有し、前記結合要素(190)と前記ヒンジ装置(100)とが、係合すると前記結合要素(190)と前記ヒンジ装置(100)とが前記軸(X)に沿って相互に摺動して、前記所定の動作距離(d)を変化させるように相互に構成されている、前記アセンブリ。
【請求項38】
前記ヒンジ装置(100)が、ヒンジ装置(130)と、前記軸(X)を画定するピボット(120)とを含み、前記ヒンジ装置(130)と前記ピボット(120)とが、前記閉鎖要素(A)の前記開放位置または前記閉鎖位置に対応する少なくとも1つの第1の動作位置と前記閉鎖要素(A)の前記閉鎖位置または前記開放位置に対応する第2の動作位置との間で前記軸(X)を中心に相互に回転するように互いに対して相互に回転可能に結合され、
前記ピボット(120)が、前記結合要素(190)と一体的に結合され、前記ヒンジ本体(130)が、前記ピボット(120)用の座部(110)を備え、前記座部(110)と前記ピボット(120)とが、前記ピボット(120)が前記座部(110)において軸(X)に沿って摺動可能であるように相互に構成され、前記座部(110)における前記ピボット(120)の摺動が、前記所定の動作距離(d)の最大変化を画定する、請求項37に記載のアセンブリ。
【請求項39】
前記ピボット(120)が、前記結合要素(190)と一体的に結合するための部分(121)を備え、前記ヒンジ本体(130)が、前記結合要素(190)に面するように設計された上壁(131)を有し、前記壁(131)が、前記ピボット(120)の前記結合部分(121)のための貫通開口(132)を備え、前記ピボット(120)が、前記貫通開口(132)を通って摺動可能である、請求項38に記載のアセンブリ。
【請求項40】
前記ヒンジ本体(130)が、一対の第1および第2の対向する当接面(111、111´)を有し、前記ピボット(120)が、前記ヒンジ本体(130)の前記第1および第2の当接面(111、111´)と相互作用するように設計されたそれぞれの第1および第2の当接面(122、122´)を備え、前記ピボット(120)が、前記ヒンジ本体(130)および前記ピボット(120)のそれぞれの前記第1の当接面(111、122)が互いに当接し、前記ヒンジ本体(130)および前記ピボット(120)のそれぞれの前記第2の表面(111´、122´)が互いに離間している後退構成と、前記ヒンジ本体(130)および前記ピボット(120)のそれぞれの前記第1の当接面(111、122)が離間し、前記ヒンジ本体(130)および前記ピボット(120)のそれぞれの前記第2の表面(111´、122´)が互いに当接する拡張構成との間で移動可能である、請求項38または39に記載のアセンブリ。
【請求項41】
前記ヒンジ本体(130)および前記ピボット(120)のそれぞれの前記第1の表面(111、122)間の距離が、前記動作距離(d)の最大変化を規定する、請求項40に記載のアセンブリ。
【請求項42】
前記作動距離(d)の前記最大変化が、1mm~10mmの間に含まれ、好ましくは約7mmである、請求項38から41の1つまたは複数に記載のアセンブリ。
【請求項43】
前記ヒンジ本体(130)が、前記回転軸(X)に対して実質的に垂直な第2の軸(Y)を画定する作動チャンバ(135)と、前記作動チャンバ(135)内で摺動可能なスライダ要素(140)とを備え、前記ピボット(120)がカム手段(125)を含み、前記スライダ要素(140)が、前記ピボット(120)と前記ヒンジ本体(130)との相互回転に対して前記スライダ要素(140)の摺動に対応するように、前記カム手段(125)と動作可能に接続されたカム従動手段(145)をさらに備える、請求項38から42のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項44】
前記座部(110)が、前記ピボット(120)を軸(X)に沿って摺動しかつ軸(X)に対して回転するようにガイドするためのガイド手段(112、113)を備える、請求項43に記載のアセンブリ。
【請求項45】
前記ピボット(120)が、第1の実質的に円筒形の動作部分(121)および第2の実質的に円筒形の動作部分(123)と、前記カム手段を含む前記第1の部分(121)と前記第2の部分(123)との間に介在する第3の動作部分(125)とを備え、前記座部(110)が、前記第1および第2の動作部分(121、123)をガイドするためにそれぞれ前記第1および第2の動作部分(121、123)と相互作用するように設計された対応する第4の成形部分および第5の成形部分(112、113)を有する、請求項44に記載のアセンブリ。
【請求項46】
前記座部(110)が、前記カム手段(125)を収容するように設計された第6の中央部分(115)をさらに備え、前記第6の部分(115)が、前記軸(X)に対して実質的に垂直な前記当接面(111、111´)を備え、前記当接面(111、111´)が、前記当接面(111、111´)間の前記軸(X)に沿った前記ピボット(120)の摺動を可能にするように、前記ピボット(120)の前記第3の部分(125)の高さよりも実質的に大きい距離を有する、請求項45に記載のアセンブリ。
【請求項47】
ドアリーフ、ドアなどの閉鎖要素(A)と、フレーム、壁などの固定支持要素(S)との、回転軸(X1)の周りでの制御された回転移動のための油圧ヒンジ装置であって、
前記固定支持構造と前記閉鎖要素との一方に係留することができるヒンジ本体(130)と、
前記固定支持構造と前記閉鎖要素との他方に係留することができるピボット(120)と、を備え、
前記ヒンジ本体(130)と前記ピボット(120)とが、相互に結合されて、第1の長手軸(X1)周りに相互に回転し、
前記ヒンジ本体(130)が、第2の長手軸を規定する、作動流体のための少なくとも1つの作動チャンバ(137)を含み、前記少なくとも1つの作動チャンバ(137)が、前記第2の軸(Y)に沿って摺動可能な少なくとも1つのプランジャ要素(160)を含み、前記少なくとも1つのプランジャ要素(160)が、前記ピボット(120)の回転に対し、前記プランジャ要素(160)の摺動に対応するように、前記ピボット(120)と動作可能に結合されており、
前記プランジャ要素(160)が、前記作動チャンバ(137)に密閉式に挿入されて、前記作動チャンバ(137)を、流体的に独立している第1の可変容積区画(176)と第2の可変容積区画(177)とに区分けするヘッド(165)を含み、
前記プランジャ要素(160)が、前記第1の区画(176)が最大容積を有しかつ前記第2の区画(177)が最小容積を有する少なくとも1つの第1の動作位置と、前記第1の区画(176)が最小容積を有しかつ前記第2の区画(177)が最大容積を有する少なくとも1つの第2の動作位置との間で前記第2の軸(Y)に沿って摺動可能であり、
前記プランジャ要素(160)が、前記第1の可変容積区画(176)と前記第2の可変容積区画(177)とを流体的に接続するための回路(172)と、前記回路(172)に作用して前記流体が前記回路(172)を通って流れることを選択的に可能/防止する弁手段(181)とを含み、
前記弁手段(181)が通常閉じており、前記弁手段(181)が、前記第2の区画(177)内の圧力が所定の閾値を超えたとき、および/または前記プランジャ要素(160)が前記第2の作動位置に近接したときに開くように構成されている、装置。
【請求項48】
前記プランジャ要素(160)の前記ヘッド(165)が前記弁手段(181)を含むか、または前記回路(172)および前記弁手段(181)を含む、請求項47に記載の装置。
【請求項49】
前記回路(172)が開口(175)を備え、作動流体が前記第2の区画(177)から前記第1の区画(176)に流れるのを防止するように前記開口(175)を閉じる第1の閉鎖位置と、前記作動流体が前記第2の区画(177)から前記第1の区画(176)に流れることを可能にするように前記開口(175)から遠位の第2の開放位置との間で移動可能なシャッタ(184)が設けられ、前記シャッタ(184)を前記開口(175)に対して閉じるように強制するための弾性手段(189)がさらに設けられる、請求項47から48に記載の装置。
【請求項50】
前記回路(172)が、前記開口(175)を画定する第1の端部と、前記第2の区画(177)に接続される第2の反対側の端部(175´)とを有するダクト(173)を備え、それにより、前記第2の区画(177)内の圧力が前記閾値を超えると、前記作動流体が、前記シャッター(184)を強制的に開放させて、前記作動流体が前記第2の区画(177)から前記開口(175)を通って流出することを可能にする、請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記作動チャンバ(137)が底壁(138)を備え、前記プランジャ要素(160)の前記ヘッド(165)が、少なくとも1つの貫通開口(167)を含むディスク形状要素(166)を備え、少なくとも1つのピン(168)が、前記底壁(138)と相互作用するように設計された第1の端部(169)と、前記第1の端部(169)が前記底壁(138)に当接したときに前記シャッター(184)を開くように前記シャッター(184)と動作可能に接続された第2の反対側の端部(169´)とを有する前記少なくとも1つの貫通開口(167)に挿入されるようにさらに設けられている、請求項49または50に記載の装置。
【請求項52】
前記シャッタ(184)と前記弾性手段(189)との間に介在する環状要素(185)を備え、前記環状要素(185)が、前記シャッタ(184)の前記開放位置と前記閉鎖位置とに対応する第1の動作位置と第2の動作位置との間で摺動可能であり、前記少なくとも1つのピン(168)の前記第2の端部(169´)が、前記少なくとも1つのピン(168)の前記第1の端部(169)が前記底壁(138)に当接すると、前記環状要素(185)と相互作用して、前記環状要素の前記第2の動作位置から前記第1の動作位置への通過を促進するように設計される、請求項51に記載の装置。
【請求項53】
前記ディスク形状要素(166)が、前記少なくとも1つの貫通開口(167)を画定する中央貫通孔(173)を備え、前記貫通孔(173)が前記開口(175)を含み、前記ピン(168)が、前記ピン(168)の前記第1の端部(169)が前記底壁(138)に当接すると、前記第2の反対側の端部(169´)が前記シャッタ(184)に衝突して前記シャッタ(184)を開くように、前記貫通孔(173)に挿入されており、前記ピン(168)が、前記貫通孔(173)の直径よりもわずかに小さい直径を有し、それにより、前記シャッタ(184)を開くと、前記作動流体が、前記貫通開口(173)および前記開口(175)を通って前記第2の可変容積区画(177)から前記第1の可変容積区画(176)に流出する、請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記シャッタ(184)と前記弾性手段(189)との間に介在する環状要素(185)を備え、前記プランジャ要素(160)が、環状リリーフ(162)を有するステム(161)を備え、前記環状要素(185)が前記ステム(161)上に嵌合され、前記弾性手段(189)が、前記環状リリーフ(162)と前記環状要素(185)との間に介在され、前記少なくとも1つのピン(168)の前記第2の端部(169´)が、前記少なくとも1つのピン(168)の前記第1の端部(169)が前記底壁(138)に当接すると、前記環状要素(185)と相互作用して、前記環状要素(185)の前記第2の動作位置から前記第1の動作位置への通過を促進するように設計される、請求項52に記載の装置。
【請求項55】
前記少なくとも1つのピン(168)が、前記環状要素(185)が前記第1の作動位置にあるときに前記作動流体が前記少なくとも1つの貫通開口(167)を通って前記第2の区画(177)から流出するように、前記少なくとも1つの貫通開口(167)の直径よりもわずかに小さい直径を有する、請求項54に記載の装置。
【請求項56】
前記少なくとも1つのピン(168)が前記少なくとも1つの開口(167)に挿入されると、前記少なくとも1つのピン(168)が、前記ヒンジ本体(130)および前記ピボット(120)の回転のセクションの長さを画定するために所定の長さに関して前記ディスク形状要素(166)から突出する部分(168´)を有し、前記弁手段(181)が、前記閉鎖要素(A)のスナップを画定するために開いている、請求項52から55のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ヒンジの技術分野に関し、特に、例えばフレーム、擬似フレームまたは床などの固定支持構造に対するドア、ドアリーフなどの閉鎖要素の制御された回転運動のためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特にガラス製のドアまたはドアリーフなどの閉鎖要素を支持構造に対して回転移動させるためのヒンジが知られている。
そのようなヒンジは、典型的には、互いに対して相互回転しやすい、支持構造に係留された固定要素と、ドアに関節接合される可動要素とを備える。
不注意なユーザによる衝撃または力によって引き起こされるガラス扉リーフの破損を回避するために、そのようなガラス扉の解放および/または閉鎖を減衰させる必要性が知られている。
これに関して、減衰、制動、最終スナップ、または必要に応じた他の機能を含む複数の機能を同時に実行することを可能にするヒンジが知られている。
この要件は、一般に、製造が困難であり、典型的にはヒンジの内部機械部品に作用する調整システムを使用することによって満たされる。このようなヒンジは、特に複雑であり、組み立てが困難である。さらに、そのようなヒンジは、いくつかの所定の方法でのみ、すなわちいわゆる単一の所定の「運動の法則」に従ってのみドアを移動させることを可能にする。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、非常に機能的で費用効果の高い閉鎖要素の制御された回転運動のためのシステムを提供することによって、上記で概説した欠点を少なくとも部分的に克服することである。
【0004】
本発明の別の目的は、特に効果的な方法で閉鎖要素の移動を制御することを可能にするシステムを提供することである。
別の目的は、組み立て中に閉鎖要素と固定支持構造との間の任意の隙間を補償することを可能にするシステムを提供することである。
【0005】
以下でより明らかになるこれらおよび他の目的は、本明細書に記載および/または請求および/または例示されるように達成される。
本発明の有利な実施形態は、従属請求項に従って定義される。
【0006】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面を参照して非限定的な例として示される、本発明のいくつかの好ましいが非排他的な実施形態の詳細な説明に照らしてより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】0°の相互回転角度で、固定プレート190および290が異なる動作ステップにある、ヒンジ100および200の概略断面図である。
【
図5】30°の相互回転角度で、固定プレート190および290が異なる動作ステップにある、ヒンジ100および200の概略断面図である。
【
図6】60°の相互回転角度で、固定プレート190および290が異なる動作ステップにある、ヒンジ100および200の概略断面図である。
【
図7】90°の相互回転角度で、固定プレート190および290が異なる動作ステップにある、ヒンジ100および200の概略断面図である。
【
図8】ヒンジ100、200がそれぞれの固定プレート190、290に対して角度0°を有するシステム1の異なる形状の断面図である。
【
図9】ヒンジ100、200がそれぞれの固定プレート190、290に対して角度90°を有するシステム1の異なる形状の断面図である。
【
図10】異なる動作位置における弁手段181の異なる実施形態を有するヒンジ100の断面図である。
【
図12】異なる動作位置における弁手段181の異なる実施形態を有するヒンジ100の断面図である。
【
図14】異なる動作位置における弁手段181の異なる実施形態を有するヒンジ100の断面図である。
【
図16】
図12のヒンジ100の弁手段181のいくつかの詳細の分解図である。
【
図17】弁手段181の異なる実施形態の断面図である。
【
図19】弁手段181の異なる実施形態の断面図である。
【
図21】
図17のヒンジ100の弁手段181のいくつかの詳細の分解図である。
【
図22】弁手段181の異なる実施形態を有する
図4のヒンジ100のいくつかの拡大された詳細の断面図である。
【
図23】弁手段181の異なる実施形態を有する
図4のヒンジ100のいくつかの拡大された詳細の断面図である。
【
図24】異なる動作位置にある弁手段181の異なる実施形態を有するヒンジ100の断面図である。
【
図26】異なる動作位置にある弁手段181の異なる実施形態を有するヒンジ100の断面図である。
【
図28】異なる動作位置にある弁手段181の異なる実施形態を有するヒンジ100の断面図である。
【
図30】近位位置にある固定プレート190を有するヒンジ100のいくつかの詳細の断面図である。
【
図32】遠位位置にある固定プレート190を有するヒンジ100のいくつかの詳細の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
上述の図を参照して、本明細書では、壁、床、フレームなどの固定支持構造Sに対して、ドアリーフ、ドアなどの閉鎖要素Aを回転移動させるためのシステム1について説明する。
本発明は、様々な部品および/または類似もしくは同一の要素を含むことができる。特に別様に明記しない限り、類似または同一の部品および/または要素は、単一の参照符号を使用して示され、記載された技術的特徴がすべての類似または同一の部品および/または要素に共通であることは明らかである。
【0009】
本質的に、システム1は、回転軸Xの周りでドアAを移動させるために協働することができる2つ以上のヒンジ装置100、200を備えることができる。
この目的のために、各ヒンジ装置100、200は、それぞれの固定手段、例えば固定プレート190、290によって固定支持構造に接続されてもよく、それぞれの軸X1、X2周りに回転してもよい。設置されると、ヒンジ装置100、200の軸X1、X2は、1つまたは複数の開放位置と閉鎖位置との間で閉鎖要素の回転軸Xを画定するように一致することができる。
【0010】
図1は、フレームSに固定された固定プレート190、290およびドアAを伴うヒンジ装置100、200を示す。以下では、簡略化のためにそのような実施形態を参照するが、後者が排他的ではないことは明らかである。実際には、ヒンジ装置100、200の一方または両方がフレームSに結合されてもよく、一方または両方の固定プレート190、290がドアAに結合されてもよい。
さらに、ヒンジ装置100、200および固定プレート190、290は、任意の閉鎖要素および任意の固定支持構造に固定されてもよい。
ドアAが単一のヒンジ装置、例えば装置100によって移動されてもよいことは明らかである。
【0011】
例えば、下部に取り付けられたヒンジ装置100と、上部に取り付けられたアイドルヒンジとを備える移動システムを設けることができる。
ヒンジ装置100、200は、添付の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、ドアAまたはフレームSに固定するための任意の手段を含むことができることも明らかである。
場合によっては、ヒンジ装置100、200の各々は、閉鎖ヒンジおよび/または制御ヒンジであってもよい。簡略化のため、添付図面では上部に位置するヒンジ装置を参照符号100で示し、下部に位置するヒンジ装置を参照符号200で示した。
有利には、ヒンジ装置100と200とは同期させることができる。具体的には、ヒンジ装置100と200との両方が協働して、ドアAの開放位置と閉鎖位置との間の移動のうちの1つまたは複数のセクションのためのドアAの移動を制御することができる。好ましくは、ヒンジ装置100と200とは協働して、ドアAの開放位置から閉鎖位置への、および/またはその逆の移動全体に沿った移動、またはその一部の移動を制御することができる。
【0012】
したがって、ヒンジ装置100、200の各々は、ドアAの開放位置と閉鎖位置との間の回転を減衰または促進することができる。好ましくは、以下によりよく説明されるように、ヒンジ装置100、200の各々は、ドアAの回転の異なるセクションに沿って異なる動作を及ぼすことができる。
したがって、ドアAの移動の制御は、ヒンジ装置100と200との両方の動作の結果であり得る。
言い換えれば、ドアAのいわゆる「運動の法則」、すなわち空間内の位置および時間の関数としてドアAの動きを記述する式は、個々のヒンジ装置100、200の「運動の法則」の組み合わせであってもよい。
ヒンジ装置100、200は、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、任意のタイプのものであり得ることは明らかである。
好ましくは、ヒンジ装置100、200は、ドアAとフレームSとの一方に固定することができるピボット120、220と、ドアAとフレームSとの他方に固定することができるヒンジ本体130、230とを備えることができる。
【0013】
したがって、ヒンジ本体130、230とピボット120、200とは、互いに回転可能に結合されて、閉鎖要素Aの開放位置または閉鎖位置に対応するそれぞれの動作位置と、閉鎖要素Aの閉鎖位置または開放位置に対応する動作位置との間でそれぞれ、軸X1、X2の周りでそれぞれ相互に回転することができる。
有利には、
図4から
図9に示すシステム1の非限定的な例では、両方のヒンジ装置100、200は、固定ピボット120、220と、ドア閉鎖位置(
図4および
図8)とドア開放位置(
図7および
図9)との間で回転するヒンジ本体130、233とを有することができる。
【0014】
好ましくは、ピボット120、220は、固定プレート190、290によってフレームSに固定されてもよく、一方、ヒンジ本体130、230は、それ自体公知の方法でドアAに固定されて、ドアAと一体的に回転することができる。
ヒンジ装置100、200の各々は、ピボット120、220とヒンジ本体130、230との相互回転を制御するための手段150、250を備えることができる。
一般に、機械式および/または油圧式であってもよい手段150、250は、ドアAの開放位置と閉鎖位置との間の回転の少なくとも1つのセクションについて、ピボット120、220に対するヒンジ本体130、230の回転を減衰または促進するように構成されてもよい。
【0015】
有利には、手段150、250は、ドアAを閉じるときに同時に動作することができる。
しかし、図示されていないが、システム1が異なる構成を有してもよいことは明らかである。例えば、手段150、250は、閉鎖における異なるセクションに沿って動作することができる。例えば、手段150が最初に動作し、手段250が最後に動作することができる。場合によっては、手段150と250との一方は、開くときに動作することができ、手段150と250との他方は、ドアAを閉じるときに動作することができる。
【0016】
一方、ヒンジ100およびヒンジ200は、手段150および/または250が、開放位置と閉鎖位置との一方から開放位置と閉鎖位置との他方へと向かうセクションについてのドアAの回転時にのみ動作し、開放位置と閉鎖位置との他方から開放位置と閉鎖位置との一方へ向かう同じセクションについてのドアAの回転時には動作しないが、手段250のみが動作するように構成されてもよい。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、ヒンジ200の手段250は、ドアAの閉鎖を促進するように構成されてもよく、一方、ヒンジ100の手段150は、ドアAの閉鎖を減衰させるように構成されてもよい。
すなわち、ヒンジ装置100は、ドアAを閉じる際に、ヒンジ装置200の動作に対抗する。
この構成は、異なるタイプの手段150、250を備えることができる異なるタイプのヒンジ装置100、200によって得ることができることは明らかである。
【0018】
好ましくは、ヒンジ装置100および200は、それぞれの軸X1およびX2に実質的に垂直なそれぞれの軸Y、Y´を画定する作動チャンバ135を内部に備えるヒンジ本体130、230を備えることができる。
さらに、ヒンジ装置100および200は、それぞれの作動チャンバ135内で摺動可能なスライダ要素140、240を備えることができる。特に、チャンバ135は、一対の対向する底壁138、138´を備えてもよい。次いで、スライダ140、240は、底壁138に近位の位置と底壁138から遠位の位置との間でそれぞれの軸Y、Y´に沿って摺動することができる。
適切には、ピボット120、220は、それぞれのカム手段125、225と動作可能に接続されるか、またはそれぞれのカム手段125、225を含むことができ、スライダ要素140、240は、カム従動手段145、245と動作可能に接続されるか、またはカム従動手段145、245を含むことができる。
【0019】
カム125、225およびカム従動手段145、245は、ヒンジ本体130、230の回転が遠位位置と近位位置との間のそれぞれのスライダ140、240の摺動に対応するように、互いに動作可能に接続されてもよい。
有利には、手段150および250は、スライダ140および240の摺動を制御することができ、したがってドアAの回転を制御することができる。
好ましくは、制御手段150は油圧式であってもよく、制御手段150は、少なくともドアが開放位置から閉鎖位置に移動するときにスライダ140の摺動を減衰させるように構成されてもよい。一方、制御手段250は機械式であってもよく、制御手段250は、少なくともドアが開放位置から閉鎖位置に移動すると、スライダ140の摺動を促進するように構成されてもよい。
【0020】
例えば、手段250は、スライダ240の近位位置から遠位位置への摺動を促進するように、スライダ要素240と底壁138との間に介在するばね251を備えることができる。
カム125およびカム従動手段145ならびにスライダ140の摺動を制御する手段150の構成によれば、カム225およびカム従動手段245ならびにスライダ240の摺動を制御する手段250の構成に適用されるのと同じ場合、それぞれのヒンジ装置100、200は、異なる方法でドアAの回転を制御することができることは明らかである。
有利には、以下でよりよく説明するように、ヒンジ装置200は、ドアAの閉鎖を促進することができ、一方、ヒンジ装置100は、所定のセクションに沿ったドアAの閉鎖速度が予め決定されるように、ヒンジ200の作用を打ち消すことができる。この速度は変化してもよいし、実質的に一定であってもよい。
【0021】
このセクションは、以下でよりよく説明されるように、ヒンジ装置100、200の構成に応じて変化し得る。例えば、そのような角度セクションは、0°から90°の間、または10°から90°の間(例えば、最終スナップの場合)、または0°から80°の間(ドア開放停止位置の場合)、または10°から80°の間(停止およびスナップの場合)に含まれるセグメントであってもよい。
言い換えれば、上述したように、ヒンジ装置100および200の運動法則を組み合わせてドアAの運動法則を定義することができる。ドアAの運動法則は、ヒンジ装置100、200の構成に応じて変化してもよく、好ましくは一定速度でドアAを閉じることを可能にしてもよい。
【0022】
以下は、上述の利点を有するヒンジ装置100および200のいくつかの好ましいが排他的ではない例の説明である。
カム手段125およびカム手段225は、互いに対して異なる形状であってもよい。このようにして、閉鎖する間の少なくとも1つのセクションのドアAの回転は、それぞれのスライダ140および240の異なる摺動に対応することができる。
適切には、カム手段125、245は、反対の方法でスライダ要素140、240の摺動を促進するように構成されてもよい。例えば、ドアAを閉じる際に、スライダ140が一方向に摺動し、スライダ240が逆方向に摺動してもよい。
【0023】
図4および
図8では、スライダ140は壁138に近位の位置にあり、スライダ240は壁138から遠位の位置にあり、
図7および
図9では、スライダ140は壁138から遠位の位置にあり、スライダ240は壁138に近位の位置にある。
好ましくは、ピボット120、220は、カム手段125、225を画定する作用表面126、226を含むことができ、一方、スライダ要素140、240は、表面126、226と相互作用するのに適したそれぞれの表面141、241を含むことができ、したがってカム従動手段145、245を画定する。
好ましくは、スライダ140、240は、それぞれの表面141、241を含む軸Y、Y´に実質的に垂直な軸を有するシリンダ142を備えることができる。
【0024】
このようにして、ばね251の作用は、遠位位置に向かうスライダ240の摺動、ピボット220の対応する回転、ピボット120の対応する回転、および近位位置に向かうスライダ140の対応する摺動を促進する。油圧手段150は、プランジャ140の遠位位置から近位位置への摺動を減衰させることができる。
ドアAが閉鎖される場合、ばね251は一定でなくてもよく、すなわち、ドアAが開いているときに最大であり、ドアAが閉じているときに最小であってもよく、一方、油圧手段150は、構成に応じて、ドアAの閉鎖を実質的に一定に減衰させることができる。
したがって、それぞれのピボット120および220の表面126および226は、ドアAが実質的に一定の回転速度を有するように、これらの不均衡を補償するように成形することができる。
【0025】
一般に、表面126および226の構成に応じて、または部分128、228の構成に応じて、ドアAは、開放位置から閉鎖位置への回転の少なくとも1つのセクションについて第1の所定の速度で回転し、ドア開放位置とドア閉鎖位置との間のドアAの回転の少なくとも1つの第2のセクションについて第2の所定の速度で回転することができる。
したがって、より詳細には、ヒンジ装置100のピボット120の表面126およびヒンジ装置200のピボット220の表面226は、可変形状を有するように成形されてもよい。好ましくは、実質的に湾曲または凸状である。
特に、ヒンジ100のピボット120の表面126およびヒンジ装置200のピボット220の表面226は、初期セクション127、227と共に、最終セクション129、229および実質的に凸状の中間操作セクション128、228を含むことができる。
凸状表面128および228の輪郭は、ドアAの回転時に、ばね251の可変作用が油圧手段150の作用によって打ち消されるように相互に構成されてもよい。
言い換えれば、ヒンジ装置200は、ドアAを閉じるように動作するトルクを提供することができ、一方、ヒンジ装置100は、反対の方法で動作するトルクを提供することができ、すなわち、ドアAの閉鎖を制動するためにトルク200を打ち消す。したがって、ドアAを閉じるように動作するトルクは、反対の方法で動作するトルクよりも大きくてもよい。
【0026】
ヒンジ装置100および200は、2つの反対のトルクの結果として、ドアAの回転の少なくとも1つのセクションに沿って、ドアAの開放位置から閉鎖位置まで、好ましくは一定であるが排他的ではない所定の速度でドアAを移動させることができるように構成されてもよい。
例えば、2つのトルク間の差は、その開放位置から閉鎖位置への回転のそのようなセクションにわたって一定であってもよい。
ドアAの回転時、すなわちヒンジ本体230およびピボット120の回転時に、弾性手段が可変トルクを提供することを考えると、そのようなトルクは回転中に一定ではないことは明らかである。
例えば、第2のトルクが増加すると、第1のトルクも増加し得、逆もまた同様であり、第2のトルクが減少すると、第2のトルクも減少する。
ドアを閉じるために、例えば増分的もしくは減少的に、または高速セクションおよび低速セクションのために異なる速度が必要とされる場合、一方または両方のヒンジによって提供されるトルクは、手段150、250、または好ましくはカム手段125、225に作用することによって変化し得ることは明らかである。特に、カム手段125、225の表面226、126の形状を変えることができる。
【0027】
適切には、カム125、225およびカム従動手段145、245は、そのような第1および第2のトルクを提供するように相互に構成されてもよい。
具体的には、作用部分128、228は、ドアAの開放位置から閉鎖位置への回転のそのようなセクションに沿ったドアAの前述の少なくとも1つの所定速度での回転を可能にするために、開放位置から閉鎖位置への第1および第2のヒンジ本体130、230ならびにピボット120、220の回転のそのようなセクションに沿ったそれぞれの第1および第2のヒンジ本体130、230ならびにピボット120、220の回転時に第1および第2トルクが可変であるように相互に構成されてもよい。
例えば、表面228は、ドアが閉じると、ピボット220の回転角度で、スライダ240の大幅に大きな摺動に対応するように構成することができる。一方、表面128は、スライダ140の摺動がドアの閉鎖中に実質的に一定のままであるか、またはわずかに変化するように構成されてもよい。
【0028】
以下は、
図4から
図7を特に参照したシステム1の説明である。
特に、ピボット120は、初期角度セクション127、凸状操作セクション128、および最終凹状セクション129を有する外面126を含むことができ、ピボット220は、初期凹状セクション227、凸状操作セクション228、および最終凹状セクション229を有する外面226を含むことができる。
図7では、ドアAは開放位置にあり、カム125は凹状セクション129にあってもよく、カム225は凹状セクション229にあってもよい。したがって、この場合、ドアAは停止位置で安定している。この位置は、90°の位置で開いているドアに対応し得る。
ドアAを閉じると、
図6および
図5では、両方のヒンジ100、200のヒンジ本体130、230は、表面141が凸状セクション128にある一方で、表面241が凸状セクション228にあるように移動することができる。
適切には、セクション128および228は、上述したように、ばね251の減少作用が補償され、ドアAが一定または所定の速度で回転するように、異なる凸部を有することができる。
【0029】
図4では、ドアAは閉鎖位置にあってもよい。ヒンジ100は、角度セクション127と接触する表面141を有することができ、一方、ヒンジ200は、凹状セクション227と接触する表面241を有することができる。したがって、ドアAは、ドア閉鎖位置に対応する停止位置にあってもよい。
ドアは、ドア開放停止位置に打ち勝つために約10°回転されてもよい。この場合、ドアAの回転を、80°を始点に制御してもよい。
同様に、特に
図8(ドアが閉じられている)および
図9を参照すると、表面126は、凸状セクション127、第2の凸状セクション128および実質的に平坦なセクション129を含むことができ、表面226は、実質的に平坦なセクション227、第2の凸状セクション228およびわずかに凸状のセクション229を含むことができる。
ドアAが閉鎖位置にあるとき、表面241は平坦面227に当接し、それにより、ヒンジ200は安定しており、したがってドアAは閉鎖位置のままである。一方、ドアAが開放位置にあるとき、ヒンジ100が閉鎖位置に戻るように、表面241が実質的に凸状のセクション229に当接することができる。
ドアAの閉鎖に関して上述したことは、ドアAの開放に関しても同様に提供され得ることは明らかである。
【0030】
好ましくは、ピボット120および/または220は、ヒンジ100および/または200が両利きであるように実質的に対称であってもよい。
一般に、カム手段125、225および制御手段150、250の形状に応じて、ヒンジ100または200は異なる挙動をすることができ、したがって異なる運動法則、および結果としてのドアAの動きが異なり得ることは明らかである。
有利には、ヒンジ100または200の挙動は、単にカム手段125、225を交換することによって、例えばピボット120または220を交換することによって変更することができる。
さらに、同様に、異なるピボット120、220を設けることによって、好みに応じて異なる構成を有するドアAの移動のためのシステム1が提供されてもよい。
これらの特性のために、システム1は、特に多用途であり、同時に、製造するのが簡単で、迅速で、費用効果が高い。
【0031】
本発明の特定の実施形態によれば、ヒンジ100と固定プレート190との間の距離dは、最小距離d(
図30)と、距離dが最大である構成(
図32)との間で可変であり得る。
最大距離dは、5mmより大きく、好ましくは約8mmであってもよく、一方、最小距離dは、5mm未満、好ましくは1mm未満であってもよい。
いずれの場合でも、作動距離の最大変動は、1mmから10mmの間に含まれてもよく、好ましくは約7mmであってもよい。
特に、ヒンジ100および固定プレート190は、組み立て中にフレームとドアとの間の可能性のある隙間を補償するように、軸Xに沿って互いに摺動することができる。
より詳細には、ヒンジ本体130は、固定プレート190に面する上壁131を備えることができる。
固定プレート190は、プレート191を備えることができる。したがって、作動距離dの最大変動は、上壁131とプレート191との間の距離であり得る。
ヒンジ100は、ピボット120およびヒンジ本体130を備えることができる。ピボット120は、ヒンジ本体130と係合してもよく、固定プレート190と固定されてもよい。一方、ヒンジ本体130は、ピボット120のための座部110を備えることができる。
【0032】
ピボット120およびヒンジ本体130は、相互に回転可能に互いに結合されて、閉鎖要素の開放位置に対応する少なくとも1つの動作位置と閉鎖要素の閉鎖位置に対応する動作位置との間で軸X1の周りを回転することができる。
好ましくは、ピボット120は、固定プレート190と一体的に結合されてもよい。例えば、ピボット120は、例えば1つまたは複数のねじ192によってプレート191と一体的に結合することができる端部121´を含むことができ、一方、ヒンジ本体130は閉鎖要素Aと結合することができる。
好適には、ピボット120および座部110は、軸Xに沿って相互に摺動するように相互に構成され得る。好ましくは、ピボット120およびヒンジ本体130は、距離dに実質的に等しいセクションにわたって摺動し得る。
例えば、ピボット120の端部121´は、距離dの最大変動以上の長さにわたってヒンジ本体130の壁131から突出してもよい。したがって、ピボット120は、距離dが最大である拡張構成(
図32)と距離dが最小である後退位置(
図30)との間で移動可能であり得る。
【0033】
適切には、ヒンジ本体130は、ピボット120の摺動を可能にするための貫通開口132を備えることができる。より詳細には、壁131は、そのような貫通開口132を含むことができる。
したがって、ピボット120は、開口132を通過し、後退構成と拡張構成との間でその中を摺動可能な少なくとも1つの部分121を含むことができる。部分121は、端部121´を含むことができる。
好ましくは、ピボット120が後退構成にあるとき、部分121および部分131は実質的に同一平面上にあってもよく、最小距離dは特に小さくてもよい。例えば、最小距離dは1mm未満であってもよい。場合によっては、ピボット120が後退構成にあるとき、壁131とプレート191とは接触していてもよく、距離dは実質的にゼロに等しくてもよい。この場合、最小距離dは小さく、すなわちゼロに近くてもよく、一方、最大動作距離dは摺動の最大変動に実質的に等しくてもよい。
開口132における壁131の表面131´とプレート191の表面191´との間の距離dを考慮が好ましくは考慮され得ることは明らかである。
座部110およびピボット120は、相互の係合解除を回避するように相互に構成されてもよい。
【0034】
適切には、座部110は、ピボット120のための当接部として作用するように設計された一対の対向する当接面111、111´を備えることができる。ピボット120は、対応する表面111、111´に当接するように設計された対応する対向する当接面122、122´を備えることができる。
ピボット120が後退構成にあるとき、表面111および122は当接位置にあってもよく、表面111´および122´は離間していてもよい。一方、ピボット120が拡張構成にあるとき、表面111および122は離間していてもよく、表面111´および122´、それらは当接位置にあってもよい。
適切には、拡張位置と後退位置との間のピボット120の摺動をガイドするための手段と、軸Xを中心としたピンの回転をガイドするための手段とを設けることができる。
座部110は、ピボット120を回転でガイドし、軸Xに対して摺動するようにガイドするのに適した部分112および部分113を含むことができる。特に、部分112は、開口132を含むか、またはそれからなることができる。言い換えれば、開口132の側壁132´は、ピボット120の部分121を摺動可能かつ回転可能にガイドするための手段を画定することができる。
【0035】
一方、ピボット120は、座部110の部分113に残ることができる部分121の反対側の部分123を備えることができる。
好ましくは、部分121および123、ならびに部分112および113は、実質的に円筒形状であってもよく、実質的に同じ直径を有してもよい。このようにして、部分121および123と、部分112および113とは、ピボット120を軸X1に対する回転および並進でガイドするように相互作用することができる。
好ましくは、ヒンジ100は、自動および/または制御ヒンジであってもよい。
特に、ピボット120は、軸X1を中心とするピボット120の回転が摺動可能要素140の摺動を促進するようにカム手段を備えることができる。したがって、適切には、ヒンジ100は、摺動要素140の摺動を減衰させ、促進し、妨げ、または自由に許容するための手段を備えることができる。
【0036】
ヒンジ100は、機械式、油圧式であってもよく、または機械式手段と油圧式手段との両方を備えてもよい。例えば、
図30および
図30は、摺動要素140の摺動を制御および減衰させるための油圧手段150を有するヒンジ100を示す。
したがって、適切には、ピボット120は、カム手段を画定することができる部分121と部分123との間に介在する中央部分125を含むことができる。
一方、座部110は、中央部分125を収容するために部分112と部分113との間に介在する、対応する中央部分115を備えてもよい。
有利には、そのような中央部分115は、当接面111および111´を含むことができる。一方、ピボット120の中央部分125は、それぞれの当接面122および122´を含むことができる。
好ましくは、表面111および111´、122および122´は、軸Xに対して実質的に横方向または垂直であってもよい。
有利には、当接面111、111´間の距離は、面122と122´との間の距離よりも大きくてもよい。このようにして、部分125は、座部110の部分115内で軸X1に沿って摺動することができる。
好ましくは、当接面111、111´間の距離と表面122と122´との間の距離との間の差は、作動距離dの最大変動を規定することができる。
適切には、スライダ要素140は、軸X1に実質的に垂直な軸Yに沿って摺動することができる。スライダ要素140は、ピボット120の回転がスライダ要素140の摺動を促進し、その逆も同様であるように、ピボット120の部分125と相互作用するように設計された作用表面141を備えることができる。
言い換えれば、表面141は、カム従動手段145を画定することができる。
有利には、表面141は、後退位置と拡張位置との間のピボット120の任意の動作位置において表面141がカム要素125と相互作用するように、ある長さに関して軸X1に実質的に平行に延在することができる。
【0037】
好ましくは、排他的ではないが、システム1は、
図1に概略的に示されているように、距離dの調整を可能にし、したがって不均一な場所へのその設置を可能にするヒンジ100を備えることができる。
システム1で使用することができるか、または例えばドアAなどの閉鎖要素を移動させるように任意の方法で使用することができるヒンジ100のいくつかの実施形態を以下に説明する。
【0038】
以下でよりよく説明するように、ヒンジ100は油圧式であってもよく、過度の圧力の場合に開くように構成されたバルブアセンブリ181(いわゆる過圧弁)、および/または作動液の逆流を防止するように構成されたバルブアセンブリ(いわゆる逆止弁)、および/またはドアAの閉鎖付近での流体の流れの増加を可能にするように構成されたバルブアセンブリ(いわゆる最終スナップ)を備えてもよい。言い換えれば、有利には、単一の特にコンパクトなバルブアセンブリ181は、上述した機能のうちの1つまたは複数を提供することができる。
ヒンジ装置100は、作動チャンバ135を含むことができるヒンジ本体130を備えることができる。好ましくは、作動チャンバ135は、ピボット120を収容し、ひいては座部110を画定するための部分136と、摺動可能なスライダ要素140を収容するための軸Yを画定する細長い部分137とを含むことができる。
特に、チャンバ135は、一対の対向する底壁138、138´を備えてもよい。好ましくは、部分136は壁138´を含むことができ、一方、部分137は壁138を含むことができる。
【0039】
したがって、スライダ140は、壁138の遠位の位置(
図7、
図9、
図14、および
図28)と壁138の近位の位置(
図4、
図8、
図10、および
図24)との間で摺動することができる。
ピボット120はカム手段125を備えることができ、一方、スライダ140はカム従動手段145を備えることができ、それにより軸X1を中心としたピボット120の回転が軸Yに沿ったスライダ140の摺動を促進する。
適切には、軸Yに沿ってチャンバ135内で摺動することができるプランジャ要素160を設けることができる。
場合によっては、プランジャ要素160は、スライダ140とともに摺動するようにスライダ140に接続されてもよい。場合によっては、スライダ140はプランジャ要素160を含んでもよく、またはプランジャ要素160からなってもよい。
いずれの場合でも、プランジャ要素160は、ピボット120の回転がプランジャ要素160の摺動を促進し、その逆も同様であるように、カム従動手段145と動作可能に接続されてもよい。
有利には、ヒンジの油圧部分を画定する部分137と、乾式機械的部分を画定する座部110との間に仕切り要素1000を設けることができる。
【0040】
結果として、ピボット120は、作動液、特に油の漏れなしに距離dを調整するために垂直に移動することができるように、シート110内でドライ作動する。
例えば、仕切り要素1000は封止プラグであってもよい。場合によっては、仕切り要素1000は、ヒンジ本体130に対して固定され、シリンダ1020に作用するリターンスプリング1010用の環状座を備えた円筒形状であってもよい。
これにより、プランジャ160の近位位置から遠位位置への戻りを促進することができる。
好ましいが排他的ではない実施形態によれば、プランジャ要素160は、スライダ要素140とともに摺動するようにスライダ要素140に動作可能に接続されたステム161と、チャンバ135内で摺動可能なヘッド165とを備えることができる。
プランジャ160とスライダ140とは、例えばピンによって一体的に接続されてもよく、弾性手段によって互いに押し付けられてもよく、またはスライダ140とプランジャ160との動作可能な結合のために適切な手段149が設けられてもよい。
例えば、そのような接続は、問題の出願人に代わって特許出願WO2018116275およびWO2020044143の教示に従って得ることができる。
【0041】
添付の図面に示されるように、スライダ140は、チャンバ135をプランジャ120のための第1の半チャンバ136とプランジャ160のための第2の半チャンバ137とに仕切ることができる。
適切には、チャンバ135の部分137は、作動流体、例えば油を収容することができる閉じたチャンバを画定することができる。
したがって、プランジャ要素160は、ヘッド165が底壁138の近位にあるストローク終了動作位置と、ヘッド165が上述の遠位位置に対応する底壁138から遠位かつスライダ140の壁138の近位にある反対の動作位置との間でチャンバ137内を摺動することができる。
【0042】
ヘッド165は、チャンバ137を少なくとも1つの第1および第2の可変容積区画176、177に仕切るために、チャンバ137に密封的に挿入されてもよい。
このようにして、プランジャ要素160が近位位置にあるとき、区画176は最大容積を有することができ、区画177は最小容積を有することができ、一方、プランジャ要素160が遠位位置にあるとき、区画176は最小容積を有することができ、区画177は最大容積を有することができる。
したがって、ヒンジ100は、プランジャ要素160の摺動時に、したがってドアの開放位置と閉鎖位置との間のヒンジ本体130およびピボット120の回転時に作動流体が区画176、177の間を流れることを可能にするための1つまたは複数の油圧回路を備えることができる。
【0043】
特に、ヒンジ100は、プランジャ要素160が近位位置と遠位位置との間、すなわちドアAの開放位置と閉鎖位置との間を移動するときに流体が区画176と区画177との間を流れるように、区画176、177を流体連通させるための少なくとも1つの回路171を備えることができる。
好ましくは、この回路171は、それ自体既知のタイプのものであってもよく、区画176内の開口および区画177内の開口を有するヒンジ本体130の内側に配置された少なくとも1つのダクトを備えてもよい。
添付の図には示されていないが、回路171内の作動液の流れを制御するために手段180を設けることができる。例えば、プランジャ要素160を通って流れる作動流体の流量、したがってプランジャ要素160の摺動を調整するために、較正された開口を設けることができる。
【0044】
有利には、ドアAを閉じる際にプランジャ要素160が遠位位置から近位位置に通過するときに作動流体が区画177から区画176に流れるように、区画176、177を選択的に流体接続するための回路172を設けることもできる。
適切には、この回路172はプランジャ素子160の内側にあってもよい。好ましくは、この回路172は、プランジャ160のヘッド165を通過することができる。
ヒンジ100は、回路172に作用して、作動流体が回路172を通って流れることを選択的に可能にし、または防止する弁手段181をさらに備えることができる。
【0045】
場合によっては、ヘッド165は、回路172と弁手段181との両方を備えてもよい。
そのようなヒンジ100が上述のシステム1で使用される場合、油圧回路171および/または172は、それに作用する弁手段181に適用される同じ場合に、スライダ140の摺動を制御するための手段150を画定することができることは明らかである。
以下でよりよく説明するように、弁手段181の構成に応じて、弁手段181は、逆止弁、過圧弁、および/または最終スナップとして回路172に作用することができる。
図11から
図29までの図は、回路172および弁手段181の異なる構成を示す。
このような弁手段181は、特に上述のカム手段125およびカム従動手段145の構成に関係なく、および/またはピボット120の回転軸X1に沿ったピボット120の可能な摺動に関係なく、任意のヒンジ100に使用できることは明らかである。
【0046】
以下は、例えば
図10から
図15、
図22から
図23、および
図24から
図29に示される、弁手段181の特定の実施形態の説明である。
回路172は、区画177に開口175´を有することができるダクト173と、反対側の開口175とを備えることができる。
好ましくは、ダクト172は、区画177と流体接続される開口175´と、区画176と流体接続される開口174”とを備えてもよい。
ヒンジ100は、ダクト173を画定する内部貫通孔を有するディスク形状要素166と、ダクト173の端部開口175に作用するためのシャッタ184、例えばボールとをさらに備えることができる。好ましくは、開口175は円形であってもよく、ボール184の直径よりも小さい直径を有してもよい。
回路172は、チャンバ174を備えてもよい。好ましくは、シャッタ184をチャンバ174内に配置することができる。
【0047】
特に、シャッタ184は、シャッタ184が開口175を閉鎖して作動流体がダクト173を通って流れるのを防止する、開口175の近傍の閉鎖位置と、シャッタ184が、作動流体がダクト173を通って流れることを可能にする、開口175から離れた開放位置との間で移動可能であってもよい。
適切には、シャッタ184を強制的に閉じるように構成された手段189を設けることができる。手段189は、例えば、ばねを備えてもよく、またはばねからなってもよい。
このようにして、弁手段181は通常閉じられてもよく、油が回路172を通って区画177から区画176に流れるのを防止することができ、したがって逆止弁を画定する。
有利には、チャンバ174内に配置された環状要素185を設けることができ、環状要素185はシャッタ184とばね189との間に介在する。好ましくは、環状要素185は、ディスク形状要素166の円筒部分166”に嵌合することができる。
【0048】
場合によっては、環状要素185は、シャッタ184を開放位置と閉鎖位置との間でガイドするように構成されてもよい。例えば、環状要素は、軸Yに沿ったシャッタ184の摺動をガイドするように、実質的に円筒形であるとともに軸Yと同軸である内側部分を備えてもよい。
したがって、チャンバ174は、ばね189に当接するための当接壁174´を備えることができ、環状要素185は、対応する環状リリーフ186を備えることができる。したがって、ばね189は、部分174´とリリーフ186の表面186´との間に介在したままで、環状要素185をボール184に、したがって開口175に押し付けることができる。
【0049】
したがって、環状要素185は、シャッタ184の流体が流れることを可能にする開口175から遠位の位置と、シャッタ184が流体の流れることを防止する開口175に近位の位置との間で軸Yに沿って摺動することができる。
チャンバ174は、流体が流れることを可能にする開口174”を含むことができる。したがって、特に、回路172は、開口175´および175、チャンバ174、ならびに開口174”を有するダクト173を備えることができる。
環状要素185は、ボール184と協働して、流体が回路172を通って流れることを選択的に防止または可能にすることができる。
区画177内の圧力が特に高い場合、流体はダクト173に流入し、ボール184に力を加える。加えられる力がばね189によって加えられる力よりも大きいとき、ボール184は開口175から外方に移動することができ、したがって作動流体が開口175を通って流れることを可能にする。
【0050】
したがって、流体は、開口174”を通って区画176内に流れることができる。そのような開口174”は、例えば、プランジャ160のステム161上に得ることができる。
したがって、この場合、弁手段181は、所定の圧力値を超えると開くように構成することができ、したがって、過圧弁として作用する。この過圧値は、ばね189の抵抗に依存し得る。
【0051】
本発明の特定の態様によれば、
図10から
図15の図に示すように、ディスク形状要素166は、対応するピン168の対を収容するように設計された、1つまたは複数の貫通開口167、好ましくは一対の貫通開口167を備えることができる。開口167は、軸Yに実質的に平行であってもよく、および/または軸Yと同軸であってもよい。
ピン168は、環状要素185と相互作用するように設計された端部169´と、底壁138と相互作用するように設計された反対側の端部169とを有することができる。特に、ピン168は、ディスク形状要素166の厚さよりも実質的に大きい長さを有することができる。
貫通孔167は、ピン168が挿入されると、端部169´が表面186´の反対側のリリーフ186の表面186”にあるように構成されてもよい。
図11、
図13、および
図15に示す実施形態では、周辺開口167を通過する2つのピン168が存在する。好ましくは、ピン168は、オイルがダクト173のみを通って流れるように、開口167の直径に実質的に等しい直径を有することができる。
【0052】
場合によっては、環状要素185は、ピン168の端部169´のための止まり穴185´を備えてもよい。止まり穴185´は、表面186”を含んでもよい。特に、ピン168の端部169´は、ピン168が環状リリーフ185と結合され、環状リリーフ185と一体的に移動するように、干渉によって穴185´に挿入されてもよい。
任意の数のピン168および周辺開口167を設けることができることは明らかである。好ましくは、ヘッド165の摺動軸Yに垂直な平面内でのヘッド165の回転を促進しないように角度的に等間隔に配置された3つのピン168を設けることができる。
一方、
図22および
図23に示される実施形態ならびに
図25、
図27および
図29に示される実施形態では、単一のピン168が存在する。この場合、ピン168は、その端部169´がダクト173の内側にあり、反対側の端部169が壁138に当接したときにボール184に当接するように、ダクト173を通過することができる。言い換えれば、したがって、ダクト173は、貫通開口167を画定することができる。
この場合、ピン168は、孔173の直径よりも実質的に小さい直径を有してもよく、それにより、オイルは、孔173との間の間隙を通って開口175まで流れることができる。言い換えれば、回路172は、このような間隔を含んでもよい。
【0053】
特に、
図22および
図23に示す実施形態では、ピン168の端部169´は、ピン168がヘッド165とともに摺動するように、ディスク形状要素166、好ましくはその環状部分166”で固定されるが、
図25、
図27および
図29に示す実施形態では、ピン168の端部169は、ヘッド165の摺動時にピン168が実質的に静止したままであるように、壁138に固定されてもよい。
端部169は、それ自体既知の方法で、例えば干渉によって壁138に固定されてもよい。
一方、
図18および
図20に示す異なる実施形態によれば、ステム161は、したがってばね189のための当接面174”を含むことができる環状リリーフ162を含むことができる。さらに、ディスク形状要素166は、ピン168のための1つまたは複数の周辺貫通開口167を備えることができる。場合によっては、環状要素185は、ピン168の端部169´のための止まり穴185´を備えてもよい。止まり穴185´は、表面186”を含んでもよく、1つまたは複数の貫通開口167にあってもよい。
適切には、ピン168は、開口167の直径よりも実質的に小さい直径を有することができ、それにより、オイルが開口167の間の間隙に浸透することができる。特に、環状要素185がディスク形状要素166から離間している場合(
図20)、オイルは、ピン168と貫通孔167との間の隙間に浸透し、ステム161の開口174”を通って流出することができる。一方、環状要素185がディスク形状要素166(
図18)に当接すると、オイルは区画177から区画176に流出することができない。
したがって、回路172が間隙とダクト173との両方を含むことができることは明らかである。
【0054】
したがって、ピン168の端部169が壁138に当接すると、ピン168は、ディスク形状要素166からの環状要素185の移動を促進することができ、したがって、それらは、オイルが回路172を通って区画177から区画176に流出することを可能にすることができ、したがって、以下によりよく説明するように、弁手段181の最終スナップの機能を画定する。
さらに、この場合、ばね189は、ひいては上述のようにシャッタとして作用することができる環状要素185と、ボール184との両方に対して作用することができる。これにより、弁手段181の逆止機能を得ることを可能にすることができる。
最後に、過圧の場合には、油がダクト173に流入し、ボール184を強制的に開き、したがって弁手段181の過圧機能を可能にすることができる。
いずれの場合でも、プランジャ160が壁138から遠位の位置にあるとき、弁手段181は、ばね189(
図15、
図18、
図23および
図29)の作用によって通常は閉じられ得る。
【0055】
適切には、弁手段181が閉じているとき、ピン168は、ディスク形状要素166から突出する部分168´を有することができる。特に、ピン168は、底壁138に面するディスク形状要素166の表面166´に対して突出してもよい。
プランジャ要素160が底壁138に向かって移動すると、ピンまたは複数のピン168の端部169は、底壁138と相互作用し得る、すなわち、それに当接し得る。
プランジャ要素160のそのような位置は、所定の角度αに対応することができる。そのような角度αは、ディスク形状要素166の壁166´から突出するピン168の部分168´の長さに応じて変化し得る。
図24の実施形態では、部分168´は、底壁138から突出する部分であってもよいことは明らかである。
【0056】
場合によっては、ピン168の長さを変更することによって、異なるスナップ角度を有するヒンジ100を得ることができる。
例えば、図示の図では、スナップ角度は約10°である。したがって、ドアAは、80°から10°の間で閉じるように制御され得る。そのような角度は、必要に応じて変化し得ることは明らかである。
プランジャ要素160が底壁138に向かってそのストロークを継続する場合、ピン168は、弁手段181の開放を促進し、例えば、開口175から離れるシャッタ184の移動、またはディスク形状要素166から離れる環状要素185の移動を促進し、したがって回路172を通る作動流体の区画177から区画176への流れを可能にし、したがって、プランジャ160のストローク終了位置までのいわゆる最終スナップを得る(
図11、
図20、
図22および
図25)。
【0057】
特に、後者の構成では、
図4から
図7の実施形態では、端部169が底壁138に当接することができる一方で、反対側の端部169´がボール184に当接することができ、
図10から
図16の実施形態では、端部169が底壁138に当接することができる一方で、反対側の端部169´が環状リリーフ186の表面186”に当接することができ、
図17から
図21の実施形態では、端部169が底壁138に当接することができる一方で、反対側の端部169´が環状要素185の止まり穴内にあることができ、
図24から
図29の実施形態では、端部169が底壁138に固定されることができる一方で、反対側の端部169´がボール184に当接することができる。
上記に照らして、プランジャ160のヘッド165は、逆止弁、過圧弁、および最終スナップとして機能するように構成されてもよい。
このようにして、ヒンジ100は、特にコンパクトであり得る。
上述した弁手段181を有するプランジャ要素160は、任意の油圧ヒンジに使用され得ることは明らかである。好ましくは、ヒンジ100は、チャンバを2つの区画176、177に仕切るためにチャンバ135に密封的に挿入されるヘッド165を有するプランジャ160を備えてもよい。
【0058】
本発明は、添付の特許請求の範囲に概説されている本発明の概念にすべて含まれる多数の修正および変形が可能である。すべての詳細は、他の技術的に均等の要素で置き換えることができ、材料は、本発明の保護の範囲から逸脱することなく、必要に応じて異なり得る。
本発明を特に添付の図面を参照して説明してきたが、明細書および特許請求の範囲で利用される参照符号は、本発明の理解度を改善するためのものであり、したがって、特許請求される保護の範囲をいかなる方法でも限定するものではない。
【国際調査報告】