IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 江▲蘇▼新元素医▲薬▼科技有限公司の特許一覧

<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-11
(54)【発明の名称】キサンチンオキシダーゼ抑制剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 231/56 20060101AFI20240404BHJP
   C07D 403/04 20060101ALI20240404BHJP
   C07D 409/04 20060101ALI20240404BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 31/4192 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 31/416 20060101ALI20240404BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20240404BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240404BHJP
   A61P 19/06 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
C07D231/56 D
C07D403/04 CSP
C07D409/04
C07D231/56 Z
C07D405/14
A61K31/4192
A61K31/416
A61K31/4439
A61P43/00 111
A61P19/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568190
(86)(22)【出願日】2022-04-28
(85)【翻訳文提出日】2023-11-06
(86)【国際出願番号】 CN2022089979
(87)【国際公開番号】W WO2022233264
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】202110493446.2
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517390926
【氏名又は名称】江▲蘇▼新元素医▲薬▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU ATOM BIOSCIENCE AND PHARMACEUTICAL CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】史▲東▼方
(72)【発明者】
【氏名】傅▲長▼金
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼▲艶▼
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB01
4C063BB02
4C063CC42
4C063CC73
4C063CC92
4C063DD06
4C063DD12
4C063DD22
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC37
4C086BC60
4C086GA04
4C086GA07
4C086GA08
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZC20
4C086ZC31
(57)【要約】
本発明は、式(I)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩であるキサンチンオキシダーゼ抑制剤に関し、優れたキサンチンオキシダーゼ抑制活性を有し、抗痛風薬物、抗高尿酸血症薬物などの方面で潜在的な応用価値がある。
【化1】
(I)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩:
【化1】
(I)

式中、
YはNまたはC-Rであり;
はシアノ基、ニトロ基またはハロゲンであり;
、RまたはRはそれぞれ独立して水素、重水素、シアノ基、ハロゲン、水酸基、アミノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基、置換C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基または置換C1-6アルコキシ基であり、ただし、R、RまたはRに関する各基の置換基はそれぞれ独立して重水素、水酸基、シアノ基、ハロゲン、C1-4アルキル基またはC1-4アルコキシ基から選ばれる1種または複数種であり;
はC1-6アルキル基、置換C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、置換C3-6シクロアルキル基、C3-6ヘテロシクロアルキル基または置換C3-6ヘテロシクロアルキル基であり、ただし、Rに関する各基の置換基は重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基またはC3-6ヘテロシクロアルキル基から選ばれる1種または複数種であり;
は水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-6アルキル基、置換C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、置換C1-6アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基または置換C3-6シクロアルキル基であり、ただし、Rに関する各基の置換基は重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C1-4アルキルチオ基またはC3-6シクロアルキル基から選ばれる1種または複数種であり;
Arは非置換または置換の、1,2,3-トリアゾール、ピラゾリル、ピリジルまたはチエニルであり、ただし、Arに関する各基の置換基は重水素、ハロゲンまたはC1-3アルキル基から選ばれる1種または複数種であり、YがC-Rである場合、Arは非置換または置換の1,2,3-トリアゾールのみであり;
はカルボキシル基またはC2-6エステル基である。
【請求項2】
Arは置換または非置換の下記基である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩:
【化2】


(ただし、Arに関する各基の置換基は重水素、ハロゲンまたはC1-3アルキル基から選ばれる1種または複数種である。)
【請求項3】
、RまたはRはそれぞれ独立して、水素、重水素、シアノ基またはハロゲンである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
は、C3-6アルキル基、置換C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、置換C3-6シクロアルキル基、C3-6ヘテロシクロアルキル基または置換C3-6ヘテロシクロアルキル基であり、ただし、Rに関する各基の置換基は重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン、C1-5アルキル基、C1-5アルコキシ基またはC3-6シクロアルキル基から選ばれる1種または複数種である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
は、C3-6アルキル基、置換C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、置換C3-6シクロアルキル基、テトラヒドロフラン、置換テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、置換テトラヒドロチオフェン、ピロリジンまたは置換ピロリジンであり、ただし、Rに関する各基の置換基は重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン、C1-5アルキル基、C1-5アルコキシ基またはC3-6シクロアルキル基から選ばれる1種または複数種である、請求項4に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項6】
は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基またはC1-5アルキル基である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項7】
はカルボキシル基である、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項8】
化合物は下記から選ばれるものである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩:
【化3】

【請求項9】
請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩を活性物質とし、薬学的に許容される補助成分を補助的なものとする、薬物組成物。
【請求項10】
キサンチンオキシダーゼ抑制剤薬物、特に抗痛風薬物または抗高尿酸血症薬物を製造するための、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医薬技術分野に属し、具体的には、キサンチンオキシダーゼに対して抑制作用を有する化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
痛風(gout)は、人体内の長期プリン代謝障害により、尿酸生成過剰及び/又は尿酸排泄障害を引き起こし、血清尿酸(sUA)レベルが上昇し続け、尿酸ナトリウム塩が結晶化し、体内に沈積することにより引き起こされる疾患である。その主な症状は、繰り返し発作の、関節が赤く腫れ上がり、熱く痛むこと及び機能障害があり、さらに、関節奇形、腎結石症と尿酸性腎臓病もある。
【0003】
近年、生活水準の向上に伴って、人々の食事構成も変化し、痛風患者の数が顕著に増加する。痛風はすでに、糖尿病の後の2番目多い代謝疾患になった。このような疾患はすでに、国連により21世紀における二十難症の一に見なされる。米国国家健康と栄養の調査データによれば、2007年~2008年の間、米国の成人において、痛風有病率が3.9%(約830万人)である(非特許文献1)。Meta分析によれば、中国において、高尿酸血症の全体有病率が13.3%であり、痛風が1.1%である(非特許文献2)。過去数十年内、高尿酸血症を促進する合併疾患(例えば、高血圧、肥満、代謝症候群、2型糖尿病、慢性腎臓病)の流行により、痛風の発病率が徐々に上昇した(非特許文献3)。
【0004】
痛風治療は薬物治療と非薬物治療の両方面を含む。非薬物治療は痛風治療の重要な構成要素であり、飲食制御とライフスタイル調整(例えば、ダイエット、運動)を含む。慢性痛風の薬物治療は通常、sUAレベルの低減に注目する(非特許文献4)。現在、痛風の薬物は主に、抗急性痛風性関節炎薬、尿酸排泄促進薬及び尿酸生成抑制薬の3種類がある。
【0005】
抗急性痛風性関節炎薬物は、例えば、コルヒチン、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)、副腎皮質刺激ホルモン、糖質コルチコイドなどがあり、主に急性痛風性関節炎の治療に用いられ、病人の暫時の疼痛を緩和できる。コルヒチンは常に下痢、嘔吐、腹痛による痙攣などの不良反応を伴う。NSAIDSは短期的に疼痛を緩和できるが、大部分のNSAIDSは深刻な消化管反応を伴う。副腎皮質刺激ホルモンと糖質コルチコイドは非感染性炎症を抑制でき、鬱血性浮腫を緩和でき、炎症細胞移動を抑制でき、自体免疫レベルを低減させ、深刻な急性痛風とともに全身症状を伴う患者の治療に用いられるが、このような薬物は強烈なリバウンド作用を有する。
【0006】
尿酸排泄促進薬は主に、プロベネシド、Lesinuradとベンズブロマロンなどがある。このような薬は、腎細管が尿酸に対する再吸収を抑制でき、近位尿細管の尿酸輸送体に作用し、これで尿酸の再吸収を抑制し、その排泄を増加させ、これによって、体内の尿酸濃度を低減させる。プロベネシドは、米国ガイドでは、単一薬尿酸低減治療において尿酸排泄薬を促進する第一選択であるが、それが一部の常用薬物(例えば、非ステロイド性抗炎症薬、β-ラクタム系抗菌薬、ヘパリンなど)との間に多重顕著の相互作用が存在し、その応用が制限される。Lesinuradは、FDAが2015年に批准した新規の尿酸塩輸送タンパク1(URAT1)抑制剤であり、その薬品説明書にそれが急性腎不全と心血管疾患のリスク(致死可能性もある)を招くことを黒枠警告している。以上の原因により、Lesinuradは高血圧を制御できないこと、不安定心絞痛、近日心筋梗塞または心機能NYHA分類がIII~IV級である心不全患者に推薦されない。末期腎不全、腎臓移植または透析患者が使用禁止されている(非特許文献5)。ベンズブロマロンは有効な尿酸排泄促進薬であり、すでに多国で市販されているが、米国ではまだ認可されていない。深刻な肝毒性のせいで、2003年に、ベンズブロマロンはヨーロッパのある国家で市場から撤退されたが、一部の国家では依然として痛風の治療に用いられている。今まで、日本、オーストラリア、ニュージーランド及びヨーロッパのある国家では、ベンズブロマロンは有効な薬物と見なされ、器官移植後、シクロスポリン治療を受けて招いたアロプリノールに対する過敏の痛風患者に用いられる。ベンズブロマロンに係る肝臓に関する不良事件には人種差異が存在するため、中国高尿酸血症と痛風診療指南(2019)には第一線の尿酸低減薬物としてベンズブロマロンを推薦する。
【0007】
人体の代謝過程において、キサンチンオキシダーゼはプリン代謝過程における最後の2工程に対して触媒作用を果たし、ヒポキサンチンを酸化してキサンチンになり、キサンチンを酸化して尿酸になり、血液における尿酸濃度の持続向上により、痛風を含む多種類の疾患の発生を招く。このため、キサンチンオキシダーゼは痛風の発生に密接に関係し、キサンチンオキシダーゼを抑制することにより、人体内プリンが尿酸に代謝する通路を遮断し、sUAレベルを効果的に低減でき、痛風と高尿酸血症の発生と発展を予防と治療することができる。すでに開示された、キサンチンオキシダーゼ抑制活性を有する化合物は、特許文献1に開示された式(G)で表される構造の化合物、及び出願者が早期にすでに出願した特許文献2に開示された式(F)で表される構造の化合物などを含む。現在、このようなすでに市販された薬物は主にアロプリノールとフェブキソスタットを含む。
【0008】
【化1】


【0009】
アロプリノールはヒポキサンチンの類似物であり、第一線の治療薬物として慢性痛風の治療に推薦される。しかしながら、アロプリノールの治療効果が悪く、関連する研究によれば、アロプリノールを最大用量まで使っても、治療エンドポイントに達する受試者も50%未満であった(非特許文献6)。また、アロプリノールは、Stevens-Johnson症候群、中毒性表皮壊死症を含む皮疹とその他の希少であるが致命的な副反応を招き、致死率が約10%~30%であった(非特許文献7)。アロプリノールのその他の副反応は、胃の調子が悪いこと、吐き気、腹痛、下痢、白血球と血小板減少、頭痛、発熱、食欲不振、体重減少、排尿時痛、血尿、掻痒と嗜眠を含む。
【0010】
フェブキソスタットは新一代XOIであり、キサンチンオキシダーゼの酸化態と還元態を抑制できるが、その心血管毒性(例えば、突然死のリスク)により、アメリカ食品医薬品局は、その薬品説明書に黒枠警告を加えるように要求し、さらに、2019年に、処方情報を調整し、第一線用薬を第二線用薬に変えた。2018年3月に、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンは6190例痛風患者の研究結果を発表した。研究者は、平均的に32か月治療した後、フェブキソスタットとアロプリノール治療組全体の不良心血管事件の発生リスクが類似するが(HR1.03、95%CI、0.87-1.23)、フェブキソスタット組の全死因死亡率と心血管疾患死亡率がアロプリノール組より高い。フェブキソスタット組の患者は心血管死亡率が34%増加し(HR1.34、95%CI、1.03-1.73)、全因死亡率が22%増加した(HR1.22、95%CI、1.01-1.47)。心血管死亡原因において、心臓性突然死が最もよく見られ、フェブキソスタット組は83例があり(2.7%)、アロプリノール組は56例があった(1.8%)(非特許文献8)。また、フェブキソスタットも深刻な消化管中毒性副作用、腎臓中毒性副作用、肝臓機能異常などを招く恐れがある。
【0011】
今まで、キサンチンオキシダーゼ抑制剤は、アロプリノールとフェブキソスタットを含み、大きな突然死リスクが存在し、腎臓、肝臓、消化管などの多種類の深刻な毒性問題が存在し、このような薬物の使用を大いに制限し、標的としてキサンチンオキシダーゼを用いる抑制剤類の薬品の開発種類が依然として少ないことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】中国特許公開102574839A号公報
【特許文献2】中国特許公開103980267A号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Zhu Y, Pandya BJ, Choi HK. Prevalence of Gout and Hyperuricemia in the US General Population: The National Health and Nutrition Examination Survey 2007-2008[J]. Arthritis Rheum, 2011, 63(10): 3136-3141
【非特許文献2】Liu R, Han C, Wu D, et al. Prevalence of hyperuricemia and gout in mainland China from 2000 to 2014: A systematic review and meta-analysis[J]. Biomed Research International, 2015: 1-12
【非特許文献3】Khanna D, Fitzgerald JD, Khanna PP, et al. American College of Rheumatology Guidelines for Management of Gout. Part 1: Systematic Nonpharmacologic and Pharmacologic Therapeutic Approaches to Hyperuricemia[J]. Arthritis Care & Research, 2012, 64(10): 1432-1446
【非特許文献4】Qaseem A, Harris R, Foricea MA. Clinical Guidelines Committee of the ACP. Management of Acute and Recurrent Gout: A Clinical Practice Guideline from the American College of Physicians[J]. Annalsof Internal Medicine, 2017, 166(1): 58-68
【非特許文献5】Bardin T, Richette P. Novel uricosurics[J]. Rheumatology, 2018, 57(suppl. 1): i42-i46
【非特許文献6】Robert M, Douglas CA, Scott B. Less than half of patients treated with high-Dose allopurinol reach serum uric acid target[J]. ACR/ARHP Annual Meeting, 2017, Abstract Number: 1120
【非特許文献7】Bocquet H, Bagot M, Roujeau JC. Drug-induced pseudolymphoma and drug hypersensitivity syndrome (drug rash with eosinophilia and systemic symptoms: DRESS[J]. Seminars in Cutaneous Medicine and Surgery, 1996, 15(4): 250-257
【非特許文献8】William B, Kenneth G, Michael A, et al. Cardiovascular safety of febuxostat or allopurinol in patients with gout[J]. The New England Journal of Medicine, 2018, 378: 1200-1210
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、従来技術の基礎で、キサンチンオキシダーゼ抑制性を有する化合物を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、上述した化合物の製造及びその医薬分野の用途を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の技術的方案は以下の通りである。
【0017】
式(I)で表される化合物またはその薬学的に許容される塩:
【化2】
(I)
【0018】
式中、
Yは、NまたはC-Rであり;
は、シアノ基、ニトロ基またはハロゲンであり;
、RまたはRはそれぞれ独立して、水素、重水素、シアノ基、ハロゲン、水酸基、アミノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基、置換C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基または置換C1-6アルコキシ基であり、ただし、R、RまたはRに関する各基の置換基はそれぞれ独立して、重水素、水酸基、シアノ基、ハロゲン、C1-4アルキル基またはC1-4アルコキシ基から選ばれる1種または複数種であり;
は、C1-6アルキル基、置換C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、置換C3-6シクロアルキル基、C3-6ヘテロシクロアルキル基または置換C3-6ヘテロシクロアルキル基であり、ただし、Rに関する各基の置換基は、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基またはC3-6ヘテロシクロアルキル基から選ばれる1種または複数種であり;
は、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基、C1-6アルキル基、置換C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、置換C1-6アルコキシ基、C3-6シクロアルキル基または置換C3-6シクロアルキル基であり、ただし、Rに関する各基の置換基は、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン、C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、C1-4アルキルチオ基またはC3-6シクロアルキル基から選ばれる1種または複数種であり;
Arは、非置換または置換の、1,2,3-トリアゾール、ピラゾリル、ピリジルまたはチエニルであり、ただし、Arに関する各基の置換基は、重水素、ハロゲンまたはC1-3アルキル基から選ばれる1種または複数種であり、YがC-Rであるとき、Arは非置換または置換の1,2,3-トリアゾールのみであり;
は、カルボキシル基またはC2-6エステル基である。
【0019】
好ましい方案において、Arは、置換または非置換の下記基である。
【化3】

【0020】
好ましい方案において、Arは、置換または非置換の下記基であり、ただし、「*」はArとベンゼン環の結合部位である。
【化4】

【0021】
好ましい方案において、Arに関する各基の置換基は、重水素、ハロゲンまたはC1-3アルキル基から選ばれる1種または複数種である。
【0022】
好ましい方案において、R、RまたはRはそれぞれ独立して、水素、重水素、シアノ基またはハロゲンである。
【0023】
好ましい方案において、Rは、C3-6アルキル基、置換C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、置換C3-6シクロアルキル基、C3-6ヘテロシクロアルキル基または置換C3-6ヘテロシクロアルキル基であり、ただし、Rに関する各基の置換基は、重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン、C1-5アルキル基、C1-5アルコキシ基またはC3-6シクロアルキル基から選ばれる1種または複数種である。
【0024】
好ましい方案において、RはC3-6アルキル基、置換C1-6アルキル基、C3-6シクロアルキル基、置換C3-6シクロアルキル基、テトラヒドロフラン、置換テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、置換テトラヒドロチオフェン、ピロリジンまたは置換ピロリジンであり、ただし、Rに関する各基の置換基は重水素、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン、C1-5アルキル基、C1-5アルコキシ基またはC3-6シクロアルキル基から選ばれる1種または複数種である。
【0025】
より好ましい方案において、Rは、イソプロピル、n-ブチル基、イソブチル基、シクロプロピル、シクロブチル、シクロプロピルメチル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェンまたはピロリジンである。
【0026】
好ましい方案において、Rは、水素、重水素、ハロゲン、シアノ基またはC1-5アルキル基である。
【0027】
好ましい方案において、本発明の化合物は下記から選ばれるものである。
【化5】

【0028】
本発明はさらに、活性物質として本願に係る化合物またはその薬学的に許容される塩を用い、薬学的に許容される補助成分を補助的なものとする薬物組成物を含む。
【0029】
本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩は、キサンチンオキシダーゼ抑制剤薬物の製造、特に、抗痛風薬物または抗高尿酸血症薬物の製造に用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明に記載の各基は、特に限定しない限り、以下の意味を有する。
【0031】
「H」は、水素であり、プロチウム(1H)を指し、水素の主な安定同位体である。
【0032】
「D」、または「重水素」は、水素の安定形態同位体を指し、重水素とも称し、その元素記号はDである。
【0033】
「ハロゲン」はフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を指す。
【0034】
「水酸基」は-OH基を指す。
【0035】
「アミノ基」は-NH基を指す。
【0036】
「アルキル基」は炭素数1~10の飽和脂肪族ラジカルを指し、直鎖型と分枝型の基を含む(本願に記載の数字範囲、例えば「1-10」は、この基がこの時にアルキル基であり、炭素数が1、炭素数が2、炭素数が3であるなどのように、炭素数が10までの場合を含む)。1~4の炭素原子を含むアルキル基を低級アルキル基と称する。低級アルキル基は置換基がないとき、無置換の低級アルキル基と称する。アルキル基はC1-6アルキル基、C1-5アルキル基、C1-4アルキル基、C1-3アルキル基、C1-2アルキル基、C2-3アルキル基、C2-4アルキル基などを選択することができる。具体的なアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、2-プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基またはtertブチルなどを含むが、これらに限られない。アルキル基は置換または無置換のものでよい。
【0037】
「シクロアルキル基」は炭素数3~10の飽和環状脂肪族ラジカルを指し、本願に記載の数字範囲、例えば「3-10」は、このときにシクロアルキル基であるこの基が、環状原子として炭素数が3、炭素数が4、炭素数が5であるなどのように、炭素数が10までの場合を含む。シクロアルキル基は、C3-8シクロアルキル基、C3-6シクロアルキル基、C3-5シクロアルキル基、C3-4シクロアルキル基、C3-9シクロアルキル基、C4-6シクロアルキル基などを選択することができる。具体的なアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどを含むが、これらに限られない。シクロアルキル基は置換または無置換のものでよい。
【0038】
「ヘテロシクロアルキル基」は環状原子数3~10の飽和の環状基を指し、その環状原子に、N、O、Sから選ばれる1つまたは複数のヘテロ原子が含まれる。本願に記載の数字範囲、例えば「3-6」は、このときにヘテロシクロアルキル基であるこの基が、環状原子として炭素数が3、炭素数が4、炭素数が5であるなどのように、炭素数が6までの場合を含む。ヘテロシクロアルキル基は、C3-8ヘテロシクロアルキル基、C3-6ヘテロシクロアルキル基、C3-5ヘテロシクロアルキル基、C3-4ヘテロシクロアルキル基、C3-9ヘテロシクロアルキル基、C4-6ヘテロシクロアルキル基などを選択することができる。具体的なアルキル基は、テトラヒドロフラン、ピロリジン、テトラヒドロチオフェン、1,4-ジオキサン、オキサスピロ[3,3]ヘプチル、オキサスピロ[4,4]ノニル、オキサスピロ[5,5]ウンデシル、オキサスピロ[6,6]トリデシル、オキサビシクロ[1,1,1]ペンチル、オキサビシクロ[2,2,2]オクチル、オキサビシクロ[3,2,1]オクチル、アザスピロ[3,3]ヘプチル、アザスピロ[4,4]ノニル、アザスピロ[5,5]ウンデシル、アザスピロ[6,6]トリデシル、アザビシクロ[1,1,1]ペンチル、アザビシクロ[2,2,2]オクチルまたはアザビシクロ[3,2,1]オクチルなどを含むが、これらに限られない。ヘテロシクロアルキル基は置換または無置換のものでよい。
【0039】
「ハロアルキル基」はアルキル基のうちの1個、2個、3個、4個またはもっと多い水素が1種または複数種のハロゲンに置換されるアルキル基を指し、そのうち、アルキル基はC1-6アルキル基、C1-5アルキル基、C1-4アルキル基、C1-3アルキル基、C1-2アルキル基、C2-3アルキル基、C2-4アルキル基などを選択することができる。それはフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、モノクロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、モノブロモメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基などを含むが、これらに限られない。
【0040】
「アルコキシ基」は-O-(無置換のアルキル基)と-O-(無置換のシクロアルキル基)基を示し、-O-(無置換のアルキル基)をさらに示す。アルキル基はC1-6アルキル基、C1-5アルキル基、C1-4アルキル基、C1-3アルキル基、C1-2アルキル基、C2-3アルキル基、C2-4アルキル基などを選択することができる。代表的な実施例はメトキシ基、エトキシ、プロポキシ、シクロプロピルオキシなどを含むが、これらに限られない。
【0041】
「アルキルチオ基」は-S-(無置換のアルキル基)と-S-(無置換のシクロアルキル基)基を示し、-S-(無置換のアルキル基)をさらに示す。アルキル基はC1-6アルキル基、C1-5アルキル基、C1-4アルキル基、C1-3アルキル基、C1-2アルキル基、C2-3アルキル基、C2-4アルキル基などを選択することができる。代表的な実施例はメチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、シクロプロピルチオなどを含むが、これらに限られない。
【0042】
「シアノ基」は-CN基を指す。
【0043】
「ニトロ基」は-NO基を指す。
【0044】
「カルボキシル基」は-COOH基を指す。
【0045】
「1,2,3-トリアゾール」は、
【化6】


のうちのいずれか1種を指す。
【0046】
「ピラゾール」は、
【化7】


のうちのいずれか1種を指す。
【0047】
「チオフェン」は、
【化8】


のうちのいずれか1種を指す。
【0048】
「エステル基」は「-C(=O)-O-アルキル基」の基を指し、アルキル基はC1-6アルキル基、C1-5アルキル基、C1-4アルキル基、C1-3アルキル基、C1-2アルキル基、C2-3アルキル基、C2-4アルキル基などを選択することができる。代表的な実施例はギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸n-プロピル、ギ酸イソプロピルなどを含むが、これらに限られない。置換のエステル基は、エステル基における水素が置換基に置換され、またはエステル基における複数の水素がそれぞれ同じまたは異なっている置換基に置換されることを指す。
【0049】
「薬学的に許容される塩」は式(I)の化合物と有機酸または無機酸とからなる塩であり、親化合物の生物有効性と性質を保留する塩である。これらの塩は以下のものを含むが、これらに限られない。
【0050】
(1)酸との塩であって、親化合物の遊離アルカリと無機酸または有機酸との反応により得られるものである。無機酸は、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、リン酸、メタリン酸、硫酸、亜硫酸と過塩素酸などを含むがこれらに限られない。有機酸は、例えば酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、シュウ酸、(D)または(L)リンゴ酸、フマル酸、マレイン酸、ヒドロキシ安息香酸、γ-ヒドロキシ酪酸、メトキシ安息香酸、フタル酸、メタンスルフォン酸、エチルスルホン酸、ナフチル-1-スルホン酸、ナフチル-2-スルホン酸、パラトルエンスルホン酸、サリチル酸、酒石酸、クエン酸、乳酸、マンデル酸、コハク酸またはマロン酸などを含むが、これらに限られない。
【0051】
(2)親化合物に存在する酸性プロトンが金属イオンにより取り替えられるものまたは有機アルカリ錯体化合物と生成した塩である。金属イオンは、例えばアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオンまたはアルミニウムイオンが挙げられ、有機アルカリは、例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N-メチルグルコサミンなどが挙げられる。
【0052】
「薬用組成物」はここで記載の1種または複数種の化合物またはそれらの薬学的に許容される塩およびプロドラッグとその他の化学成分を指し、例えば、薬学的に許容されるキャリアおよび賦形剤の混合物が挙げられる。薬用組成物の目的は生物体に対する化合物の投与を促進する。
【0053】
本発明はさらに、上述したいずれかの化合物、その薬学的に許容される塩またはその加水分解しやすいプロドラッグとその他の薬用活性成分を含む薬物組成物を保護しようとする。
【0054】
本発明はさらに上述したいずれかの化合物、その薬学的に許容される塩を含み、本分野の既知の方式により調製される臨床上または薬学的に許容されるいずれかの剤形に用いることができる。経口投与に用いるとき、普通の固体調剤に調製することができ、例えば、錠剤、カプセル、丸薬、顆粒剤などが挙げられる。経口液体調剤にも調製することができ、例えば、経口溶液剤、経口懸濁剤、シロップなどが挙げられる。経口調剤に調製するとき、適当な充填剤、粘着剤、崩壊剤、潤滑剤などを入れることができる。胃腸外の投与に用いるとき、注射剤に調製することができ、注射液、注射用無菌粉末と注射用濃溶液を含む。注射剤に調製するとき、従来の製薬分野におけるよく使われる方法により調製することができ、注射剤を調製するとき、付加剤を入れなくてもよく、薬物の性質により適当な付加剤を入れてもよい。
【0055】
本発明により提供される化合物は、優れたキサンチンオキシダーゼ抑制活性を有し、それらは高尿酸血症マウスモデルの血清尿酸レベルを顕著に低減でき、抗痛風薬物、抗高尿酸血症薬物などの方面に潜在的応用価値を有する。フェブキソスタットには深刻な心臓突然死、深刻な腎臓毒性と肝臓毒性が存在するため、本発明により提供される化合物は、薬物毒性を低減する方面にある程度のメリットがあり、良好な薬物開発見通しを有する。
【実施例
【0056】
以下の実施例により、本発明の検測方法をさらに説明するが、これらの実施例は本発明を限定するものではない。
【0057】
実施例1:2-(3-シアノ-1-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-5-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸(7)の合成
【化9】

【0058】
工程A:氷水浴にて、亜硝酸ナトリウム(3.13g、45.4mmol)の水溶液(20mL)を、5-アミノインドール(5.0g、37.8mmol)、水(80mL)および6M塩酸(18.9mL)を含む混合物に滴下した。滴下した後、この温度で30分間撹拌した。その後、アセト酢酸エチル(10.8g,83.2mmol)を滴下し、次いで、酢酸ナトリウム(93.1g,1.13mol)の水溶液(100mL)を滴下し、pH値を中性までに調整した。滴下した後、この温度で30分間撹拌を続けた。ろ過し、ろ液をジクロロメタン(300mL×3)で抽出し、有機相を合併して飽和食塩水(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=1:10~2:3で溶出)、2-[2-(1H-インドール-5-イル)ヒドラジノ]-3-オキソ酪酸エチル(1)(1.77g)を得た。収率は14.3%であった。
【0059】
工程B:化合物1(1.50g、5.49mmol)、酢酸アンモニウム(4.23g、54.9mmol)、塩化銅(1.62g,12.1mmol)およびアルコール(20mL)を含む混合物を還流条件で一晩撹拌を続けた。室温まで冷却させ、1M塩酸でpH値を1~2に調整した。ろ過し、濾過ケーキをカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=1:10~1:2で溶出)、2-(1H-インドール-5-イル)-5-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸エチル(2)(700mg)を得た。収率は47.2%であった。
【0060】
工程C:氷水浴にて、DMF(30.5mg、0.418mmol)を塩化オキサリル(53.00mg、0.418mmol)のジクロロメタン(3mL)溶液に滴下した。滴下した後、混合物をこの温度で0.5時間撹拌を続けた。そして、化合物2(100mg、0.370mmol)を加え、得られた混合物を還流条件で1時間撹拌した。THF(8mL)および酢酸アンモニウム(1.80g、23.4mmol)の水溶液(8mL)を加えた。80℃までに昇温し、0.5時間撹拌した。室温まで冷却させ、水(10mL)を加え、酢酸エチル(10mL×2)で抽出し、有機相を合併して飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、2-(3-ホルミル-1H-インドール-5-イル)-5-メチル-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸エチル(3)の粗生成物(100mg)を得た。この化合物は精製せずに次の工程に直接反応させた。MS(ESI、m/z):299.2[M+H]
【0061】
工程D:化合物(3)の粗生成物(100mg)、塩化ヒドロキシルアンモニウム(26.5mg、0.381mmol)およびピリジン(3mL)を含む混合物を還流条件で1時間撹拌した。室温まで冷却させ、水(10mL)を加え、酢酸エチル(10mL×2)で抽出し、有機相を合併して飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=1:10~1:3で溶出)、2-{3-[(ヒドロキシイミノ)メチル]-1H-インドール-5-イル}-5-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸エチル(4)(80mg)を得た。工程CとDの反応合計収率は76.4%であった。MS(ESI、m/z):314.2[M+H]
【0062】
工程E:化合物4(80mg、0.255mmol)、THF(1mL)およびチオカルボニルジイミダゾール(132mg、0.740mmol)を含む混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=1:10~1:3で溶出)、2-(3-シアノ-1H-インドール-5-イル)-5-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸エチル(5)(75mg)を得た。収率は99.6%であった。H NMR(DMSO-d、400MHz)δ12.52(s、1H)、8.40(d、J=2.4Hz、1H)、8.19(d、J=1.6Hz、1H)、8.00-7.97(m、1H)、7.74(d、J=9.2Hz、1H)、4.39(q、J=6.8Hz、2H)、2.56(s、3H)、1.36(t、J=6.8Hz、3H)。
【0063】
工程F:化合物5(75mg、0.254mmol)、イソプロピルヨージド(95mg、0.559mmol)、炭酸セシウム(166mg、0.508mmol)およびアセトニトリル(3mL)を含む混合物を80℃で一晩撹拌した。室温まで冷却させ、水(15mL)を加え、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=1:15~1:4で溶出)、2-(3-シアノ-1-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-5-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸エチル(6)(70mg)を得た。収率は81.7%であった。
【0064】
工程G:化合物6(60mg、0.178mmol)、水酸化リチウム一水和物(30mg、0.715mmol)、水(0.8mL)およびTHF(3.2mL)を含む混合物を室温で一晩撹拌した。1M塩酸でpH値を3~4に調整した。溶媒を減圧下で蒸発させ、そして、分取HPLCで分離・精製し、2-(3-シアノ-1-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-5-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸(7)を得た。H NMR(DMSO-d、400MHz)δ8.60(s、1H)、8.18(d、J=2.0Hz、1H)、8.02-7.94(m、2H)、4.95-4.89(m、1H)、2.55(s、3H)、1.51(d、J=6.8Hz、6H)。MS(ESI、m/z):310.2[M+H]
【0065】
実施例2:2-(3-シアノ-1-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸エチル(14)の合成
【化10】

【0066】
工程A:5-ニトロ-1H-インドール(30.0g、185mmol)、イソプロピルヨージド(69.2g、407mmol)、炭酸セシウム(121g、370mmol)およびアセトニトリル(500mL)を含む混合物を80℃で一晩撹拌した。室温まで冷却させ、ろ過し、濾過ケーキを酢酸エチルで溶脱した。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=1:50~1:20で溶出)、1-イソプロピル-5-ニトロ-1H-インドール(8)(38.0g)を得た。収率は100%であった。
【0067】
工程B:化合物8(38.0g、185mmol)のTHF(50mL)とメタノール(200mL)溶液に10%パラジウム(4.0g)を加え、加えた後、得られた混合物を、水素下室温で60時間撹拌した。珪藻土でろ過し、ろ過ケーキを酢酸エチルで溶脱した。溶媒を減圧下で蒸発させ、5-アミノ-1-イソプロピル-1H-インドール(9)(30.0g)を得た。収率は93.1%であった。
【0068】
工程C:氷水浴にて、亜硝酸ナトリウム(4.40g、63.8mmol)の水溶液(30mL)を、化合物9(10g、57.4mmol)、水(200mL)および3M塩酸(54mL)を含む混合物に滴下し、滴下した後、この温度で1時間撹拌を続けた。そして、氷水浴でこの混合物を、3-(N,N-ジメチルアミン)アクリル酸エチル(15.2g、106mmol)、酢酸ナトリウム(78.5g、957mmol)と水(500mL)を含む混合物に滴下した。滴下した後、この温度で30分間撹拌を続けた。ジクロロメタン(300mL×3)で抽出し、有機相を合併して飽和食塩水(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=1:5で溶出)、2-[2-(1-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)ヒドラジノ]-3-オキソ-プロピオン酸エチル(10)(1.50g)を得た。収率は8.67%であった。
【0069】
工程D:化合物10(1.50g、4.98mmol)、酢酸アンモニウム(2.60g、33.7mmol)、塩化銅(1.26g、7.42mmol)およびアルコール(18mL)を含む混合物を還流条件で一晩撹拌した。室温まで冷却させ、水(80mL)を加えた。酢酸エチル(40mL×2)で抽出し、有機相を合併して飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=1:7で溶出)、2-(1-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸エチル(11)(310mg)を得た。収率は20.9%であった。H NMR(CDCl、400MHz)δ8.38(d、J=2.0Hz、1H)、8.23(s、1H)、8.00(dd、J=2.0、8.4Hz、1H)、7.44(d、J=8.8Hz、1H)、7.31(d、J=3.2Hz、1H)、6.61(d、J=3.2Hz、1H)、4.75-4.68(m、1H)、4.48(q、J=7.2Hz、2H)、1.56(d、J=6.8Hz、6H)、1.45(t、J=7.2Hz、3H)。MS(ESI、m/z):299.1[M+H]
【0070】
工程E、FとGの実験操作は、実施例1におけるC、DとEを順に参照し、2-(3-シアノ-1-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸エチル(14)を得た。H NMR(DMSO-d、400MHz)δ8.64(s、1H)、8.61(s、1H)、8.24(d、J=2.0Hz、1H)、8.08-7.98(m、2H)、4.98-4.89(m、1H)、8.40(q、J=7.2Hz、2H)、1.51(d、J=6.4Hz、6H)、1.36(t、J=7.2Hz、3H)。MS(ESI、m/z):324.2[M+H]
【0071】
実施例3:2-(3-シアノ-1-イソプロピル-1H-インドール-5-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸(15)の合成
【化11】

【0072】
原料として化合物14を用い、化合物15を合成する実験操作は、実施例1における工程Gを参照した。H NMR(DMSO-d、400MHz)δ8.62(s、1H)、8.52(s、1H)、8.23(s、1H)、8.07-7.97(m、2H)、4.95-4.92(m、1H)、1.51(d、J=5.6Hz、6H)。MS(ESI、m/z):296.1[M+H]
【0073】
実施例4:2-(3-シアノ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸(24)の合成
【化12】

【0074】
工程A:氷水浴にて、亜硝酸ナトリウム(4.35g、63.1mmol)の水溶液(50mL)を、5-アミノ-1H-インダゾール(7.0g、52.6mmol)の3M塩酸(53mL)に滴下した。滴下した後、この温度で0.5時間撹拌を続けた。そして、氷水浴にてこの混合物を、3-(N,N-ジメチルアミン)アクリル酸エチル(15.1g,105mmol)、酢酸ナトリウム(77.6g,946mmol)、アルコール(40mL)と水(400mL)を含む混合物に滴下した。滴下した後、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。ろ過し、ろ過ケーキを水で溶脱し、2-[2-(1H-インダゾール-5-イル)ヒドラジノ]-3-オキソ-プロピオン酸エチル(16)の粗生成物(20.0g)を得た。この化合物は精製せずに次の工程に直接反応させた。
【0075】
工程B:塩化ヒドロキシルアンモニウム(8.01g、115mmol)および酢酸ナトリウム(18.9g、231mmol)を化合物16の粗生成物(20.0g)、アルコール(100mL)と水(50mL)を含む混合物に加えた。滴下した後、得られた混合物を室温で3時間を撹拌した。水(500mL)を加え、ジクロロメタン(200mL×2)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、2-[2-(1H-インダゾール-5-イル)ヒドラジノ]-3-(ヒドロキシイミノ)プロピオン酸エチル(17)の粗生成物(14.5g)を得た。この化合物は精製せずに次の工程に直接反応させた。
【0076】
工程C:化合物17の粗生成物(14.5g)、酢酸(100mL)および無水酢酸(100mL)を含む混合物を60℃で4時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=1:30~1:7で溶出)、2-(1-アセチル-1H-インダゾール-5-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸エチル(18)(1.80g)を得た。工程A、BとCの反応合計収率は11.4%であった。H NMR(CDCl、400MHz)δ8.59-8.56(m、1H)、8.52(d、J=1.6Hz、1H)、8.42-8.39(m、1H)、8.26(s、1H)、8.22(s、1H)、4.49(q、J=7.2Hz、2H)、2.82(s、3H)、1.46(t、J=7.2Hz、3H)。MS(ESI、m/z):300.2[M+H]
【0077】
工程D:化合物18(1.80g、6.01mmol)、メタノール(20mL)および水酸化ナトリウム(962mg、24.1mmol)を含む混合物を室温で一晩撹拌した。1M塩酸でpH1~2に調整した。ろ過し、ろ過ケーキを水で溶脱し、乾燥し、2-(1H-インダゾール-5-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸(19)(1.30g)を得た。収率は94.3%であった。
【0078】
工程E:氷水浴にて、塩化チオニル(3.37g、28.4mmol)を化合物19(1.30g、5.67mmol)のメタノール(20mL)溶液に滴下し、滴下した後、得られた混合物を還流条件で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、そして、ジクロロメタンでビートし、2-(1H-インダゾール-5-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸メチル(20)(1.30g)を得た。収率は94.2%であった。
【0079】
工程F:氷水浴にて、炭酸カリウム(2.73g、19.7mmol)およびヨウ素(2.50g、9.87mmol)を化合物20(1.2g、4.93mmol)のDMF(6mL)溶液に加え、滴下した後、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。水(50mL)を加え、チオ硫酸ナトリウム溶液で過剰なヨウ素をクエンチした。酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、有機相を合併して飽和食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、2-(3-ヨード-1H-インダゾール-5-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸メチル(21)(790mg)を得た。収率は43.4%であった。MS(ESI、m/z):370.0[M+H]
【0080】
工程G:化合物21(780mg、2.11mmol)、DMF(10mL)、シアン化亜鉛(520mg、4.43mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(244mg,0.211mmol)を含む混合物を窒素下、120℃で一晩撹拌した。ろ過し、不溶物を除去した。酢酸エチル(90mL)を加え、飽和食塩水(50mL×3)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、2-(3-シアノ-1H-インダゾール-5-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸メチル(22)(400mg)を得た。収率は70.7%であった。MS(ESI、m/z):269.1[M+H]
【0081】
工程HとIの実験操作は、実施例1における工程FとGを参照し、2-(3-シアノ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸(24)を得た。H NMR(DMSO-d、400MHz)δ13.74(s、1H)、8.58(s、1H)、8.42(s、1H)、8.31-8.23(m、2H)、5.32-5.22(m、1H)、1.55(d、J=6.4Hz、6H)。MS(ESI、m/z):296.9[M+H]
【0082】
実施例5:2-(3-シアノ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イル)チオフェン-2-ギ酸(28)の合成
【化13】

【0083】
工程A:5-ブロモ-1H-インダゾール-3-ベンゾニトリル(3.0g、13.5mmol)、イソプロピルヨージド(9.19g、54.1mmol)、炭酸セシウム(8.80g、27.0mmol)およびDMF(50mL)を含む混合物を80℃で1.5時間撹拌した。室温まで冷却させ、ろ過し、不溶物を除去した。水(200mL)を加え、酢酸エチル(80mL×3)で抽出し、有機相を合併して水(50mL×2)および飽和食塩水(50mL)で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=1:50~1:30で溶出)、5-ブロモ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-3-ベンゾニトリル(25)(2.10g)および5-ブロモ-2-イソプロピル-2H-インダゾール-3-ベンゾニトリル(26)(230mg)を得た。収率はそれぞれ58.9%および6.45%であった。化合物25:H NMR(CDCl、400MHz)δ7.95(d、J=1.2Hz、1H)、7.55(dd、J=1.2、8.8Hz、1H)、7.45(d、J=8.8Hz、1H)、4.93-4.87(m、1H)、1.61(d、J=6.4Hz、6H)。化合物26:HNMR(CDCl、400MHz)δ7.92(d、J=1.2Hz、1H)、7.72(d、J=8.8Hz、1H)、7.46-7.44(m、1H)、5.12-5.05(m、1H)、1.70(d、J=6.4Hz、6H)。
【0084】
工程B:酢酸パラジウム(16.6mg、0.0735mmol)、2-ジシクロヘキシルホスフィン-2’,6’-ジメトキシビフェニル(S-Phos)(60.3mg、0.147mmol)およびTHF(2mL)を含む混合物を窒素で30分間撹拌し、そして、化合物25(200mg、0.735mmol)、2-チオフェンギ酸メチル-5-ホウ酸(150mg、0.808mmol)および炭酸カリウム(508mg、3.67mmol)の水溶液(1mL)を加えた。滴下した後、得られた混合物を45℃で一晩撹拌した。水(20mL)を加え、酢酸エチル(30mL×2)で抽出し、有機相を合併して飽和食塩水(15mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=1:10で溶出)、2-(3-シアノ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イル)-チオフェン-2-ギ酸メチル(27)(160mg)を得た。収率は66.9%であった。
【0085】
工程Cの実験操作は実施例1における工程Gを参照し、2-(3-シアノ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イル)-チオフェン-2-ギ酸(28)を得た。HNMR(DMSO-d、400MHz)δ8.23(s、1H)、8.07(d、J=8.8Hz、1H)、7.96-7.93(m、1H)、7.75(s、2H)、5.27-5.17(m、1H)、1.53(d、J=6.4Hz、6H)。MS(ESI、m/z):312.2[M+H]
【0086】
実施例6:1-(3-シアノ-1-イソブチル基-1H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾール-4-ギ酸(32)の合成
【化14】

【0087】
工程A:1H-ピラゾール-4-ギ酸エチル(3.79g、27.0mmol)、5-ブロモ-1H-インダゾール-3-ベンゾニトリル(3.0g、13.5mmol)、炭酸カリウム(3.73g、27.0mmol)、ヨウ化銅(2.57g、13.5mmol)、N,N’-ジメチルエチレンジアミン(1.19g、13.5mmol)およびDMF(30mL)を含む混合物を窒素下、110℃で一晩撹拌した。室温まで冷却させ、酢酸エチル(300mL)を加え、ろ過し、ろ液を飽和食塩水(300mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物を分取HPLCで精製し、1-(3-シアノ-1H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾール-4-ギ酸エチル(29)(600mg)を得た。収率は15.8%であった。
【0088】
工程B:化合物29(300mg、1.07mmol)、イソプロピルヨージド(328mg、1.78mmol)、炭酸セシウム(581mg、1.78mmol)およびアセトニトリル(3mL)を含む混合物を70℃で3時間撹拌した。室温まで冷却させ、ろ過し、不溶物を除去した。水(30mL)を加え、酢酸エチル(30mL×3)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=1:35~1:7で溶出)、1-(3-シアノ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾール-4-ギ酸エチル(30)(182mg)を得た。収率は50.4%であった。
【0089】
工程C:化合物30(100mg、0.296mmol)、水酸化リチウム一水和物(49.8mg、1.19mmol)、水(0.6mL)およびTHF(3.4mL)を含む混合物を40℃で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、水(20mL)を加え、1M塩酸でpH1~2に調製した。酢酸エチル(30mL×2)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、1-(3-アミノホルミル-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾール-4-ギ酸(31)の粗生成物(129mg)を得た。この化合物は精製せずに次の工程に直接反応させた。
【0090】
工程D:化合物31の粗生成物(120mg)のジクロロメタン(2mL)溶液にトリフルオロ無水酢酸(792mg、3.77mmol)およびピリジン(1.03g、13.0mmol)を加え、滴下した後、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。酢酸エチル(100mL)を加え、1M塩酸(50mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物を分取HPLCで精製し、1-(3-シアノ-1-イソブチル-1H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾール-4-ギ酸(32)を得た。H NMR(DMSO-d、400MHz)δ12.67(s、1H)、9.23(s、1H)、8.44(s、1H)、8.22-8.13(m、3H)、4.43(d、J=7.2Hz、2H)、2.30-2.23(m、1H)、0.88(d、J=6.4Hz、6H)。MS(ESI、m/z):310.3[M+H]
【0091】
実施例7:1-(3-シアノ-1-プロピル-1H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾール-4-ギ酸(35)の合成
【化15】

【0092】
化合物35を合成する実験操作は実施例6における工程B、CとDを参照し、実施例6の工程Bにおけるヨウ化イソブチルの代わりに1-ブロモプロパンを用いた。H NMR(DMSO-d、400MHz)δ9.22(s、1H)、8.43(d、J=1.6Hz、1H)、8.22-8.13(m、3H)、4.56(t、J=6.8Hz、2H)、1.95-1.88(m、2H)、0.85(t、J=7.2Hz、3H)。MS(ESI、m/z):296.3[M+H]
【0093】
実施例8:1-(3-シアノ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾール-4-ギ酸(38)の合成
【化16】

【0094】
化合物38を合成する実験操作は実施例6における工程B、CとDを参照し、実施例6の工程Bにおけるヨウ化イソブチルの代わりに臭化イソプロピルを用いた。H NMR(DMSO-d、400MHz)δ9.10(s、1H)、8.39(d、J=1.6Hz、1H)、8.21-8.12(m、2H)、8.05(s、1H)、5.27-5.20(m、1H)、1.53(d、J=6.4Hz、6H)。MS(ESI、m/z):296.2[M+H]
【0095】
実施例9:2-(3-シアノ-1-シクロプロピルメチル-1H-インドール-5-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸(41)の合成
【化17】
【0096】
工程A:5-ブロモ-1H-インドール-3-ベンゾニトリル(1.0g、4.52mmol)、シクロプロピルブロモメタン(1.83g、13.57mmol)、炭酸セシウム(4.42g、13.57mmol)およびアセトニトリル(10mL)を含む混合物を80℃で4時間撹拌した。室温まで冷却させ、ろ過し、濾過ケーキを酢酸エチルで溶脱した。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=1:4で溶出)、5-ブロモ-1-シクロプロピルメチル-1H-インドール-3-ベンゾニトリル(39)(1.18g)を得た。収率は94.9%であった。
【0097】
工程B:化合物39(940mg、3.42mmol)および1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸メチル(1.30g、10.3mmol)のベンゼン(25mL)溶液にリン酸カリウム(2.18g、10.25mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(295mg、0.512mmol)および2-ジ-tert-ブチルホスフィン-3,4,5,6-テトラメチル-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル(493mg、1.02mmol)を加え、加えた後、得られた混合物を窒素下、115℃で一晩撹拌した。酢酸エチル(100mL)を加え、ろ過し、ろ液を飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=2:7で溶出)、2-(3-シアノ-1-シクロプロピルメチル-1H-インドール-5-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸メチル(40)(211mg)を得た。収率は19.2%であった。
【0098】
工程C:化合物40(50mg、0.155mmol)、水酸化リチウム一水和物(26.1mg、0.622mmol)、水(1mL)およびTHF(4mL)を含む混合物を室温で一晩撹拌した。水(10mL)を加え、1M塩酸でpH1~2に調整した。酢酸エチル(20mL×3)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物を分取HPLCで精製し、2-(3-シアノ-1-シクロプロピルメチル-1H-インドール-5-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸(41)を得た。H NMR(DMSO-d、400MHz)δ8.54(s、1H)、8.52(s、1H)、8.24(d、J=2.0Hz、1H)、8.08-7.98(m、2H)、4.20(d、J=7.2Hz、2H)、1.37-1.32(m、1H)、0.59-0.55(m、2H)、0.48-0.45(m、2H)。MS(ESI、m/z):307.9[M+H]
【0099】
実施例10:2-[3-シアノ-1-(テトラヒドロフラン-3-イル)-1H-インドール-5-イル]-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸(44)の合成
【化18】

【0100】
化合物44を合成する実験操作は実施例9を参照し、実施例9の工程Aにおけるシクロプロピルブロモメタンの代わりに3-ヨードテトラヒドロフランを用いた。H NMR(DMSO-d、400MHz)δ8.53(s、1H)、8.48(s、1H)、8.24(d、J=2.0Hz、1H)、8.09-8.00(m、2H)、5.44-5.40(m、1H)、4.20-4.12(m、1H)、3.99-3.98(m、2H)、3.87-3.83(m、1H)、2.58-2.54(m、1H)、2.22-2.21(m、1H)。MS(ESI、m/z):323.9[M+H]
【0101】
実施例11:2-(3-シアノ-1-シクロブチル-1H-インドール-5-イル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-ギ酸(47)の合成
【化19】
【0102】
化合物47を合成する実験操作は実施例9を参照し、実施例9の工程Aにおけるシクロプロピルブロモメタンの代わりにシクロブチルブロミドを用いた。H NMR(DMSO-d、400MHz)δ8.69(s、1H)、8.51(s、1H)、8.22(s、1H)、8.04(dd、J=2.0、8.8Hz、1H)、7.91(d、J=8.8Hz、1H)、5.15-5.11(m、1H)、2.55-2.52(m、2H)、2.49-2.48(m、2H)、1.91-1.86(m、2H)。MS(ESI、m/z):308.0[M+H]
【0103】
実施例12:1-(3-シアノ-1-シクロプロピル-1H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾール-4-ギ酸(50)の合成
【化20】

【0104】
工程A:化合物5-ブロモ-1H-インダゾール-3-ベンゾニトリル(2.0g、9.01mmol)、シクロプロピルホウ酸(1.55g、18.0mmol)、酢酸銅(1.64g、9.01mmol)、カリウムtert-ブトキシド(1.01g、9.01mmol)、DMAP(3.30g、27.0mmol)およびベンゼン(400mL)を含む混合物を窒素下、95℃で一晩撹拌した。室温まで冷却させ、酢酸エチル(400mL)を加え、珪藻土でろ過し、不溶物を除去した。ろ液を飽和食塩水(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=1:7で溶出)、5-ブロモ-1-シクロプロピル-1H-インダゾール-3-ベンゾニトリル(48)(630mg)を得た。収率は26.7%であった。
【0105】
工程B:1H-ピラゾール-4-ギ酸エチル(53.5mg、0.382mmmol)並びに化合物48(100mg、0.382mmol)、炭酸カリウム(105mg、0.763mmol)、ヨウ化銅(72.7mg、0.382mmol)、N,N’-ジメチルエチレンジアミン(33.6mg、0.382mmol)およびDMF(2mL)を含む混合物を窒素下、110℃で3時間撹拌した。室温まで冷却させ、水(20mL)を加え、酢酸エチル(30mL×2)で抽出し、有機相を合併して飽和食塩水(20mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=1:4で溶出)、1-(3-シアノ-1-シクロプロピル-1H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾール-4-ギ酸エチル(49)(100mg)を得た。収率は81.5%であった。
【0106】
工程C:化合物49(100mg、0.311mmol)、水酸化リチウム一水和物(26.1mg、0.622mmol)、水(0.5mL)およびTHF(2mL)を含む混合物を室温で一晩撹拌した。水(10mL)を加え、1M塩酸でpH値3~4に調整し、そして、酢酸エチル(10mL×3)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、そして、分取HPLCで精製し、1-(3-シアノ-1-シクロプロピル-1H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾール-4-ギ酸(50)を得た。H NMR(DMSO-d、400MHz)δ12.68(s、1H)、9.23(s、1H)、8.45(t、J=0.8Hz、1H)、8.26-8.23(m、1H)、8.11-8.09(m、2H)、4.10(t、J=5.2Hz、1H)、1.24-1.22(m、4H)。MS(ESI、m/z):293.9[M+H]
【0107】
実施例13:1-(7-フルオロ-3-ヨード-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾール-4-ギ酸(54)の合成
【化21】

【0108】
工程A:1H-ピラゾール-4-ギ酸エチル(1.30g、9.30mmol)並びに5-ブロモ-7-フルオロ-1H-インダゾール(2.0g、9.30mmol)、炭酸カリウム(2.57g、18.6mmol)、ヨウ化銅(1.77g、9.30mmol)、N,N’-ジメチルエチレンジアミン(820mg、9.30mmol)およびDMF(40mL)を含む混合物を窒素下、110℃で3時間撹拌した。室温まで冷却させ、水(120mL)を加え、酢酸エチル(50mL×2)で抽出し、有機相を合併して水(50mL)および飽和食塩水(50mL)で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=1:30~5:1で溶出)、1-(7-フルオロ-1H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾール-4-ギ酸エチル(51)(2.10g)を得た。収率は82.3%であった。
【0109】
工程B:氷水浴にて、炭酸カリウム(4.23g、30.6mmol)およびヨウ素(3.89g、15.3mmol)を化合物51(2.10g、7.66mmol)のDMF(40mL)溶液に加え、滴下した後、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。水(120mL)を加え、酢酸エチル(150mL×2)で抽出し、有機相を合併して水(100mL)と飽和食塩水(100mL)で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=1:5~5:1で溶出)、1-(7-フルオロ-3-ヨード-1H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾール-4-ギ酸エチル(52)(1.0g)を得た。収率は32.6%であった。
【0110】
工程C:化合物52(790mg、1.97mmol)、臭化イソプロピル(720mg、5.85mmol)、炭酸セシウム(1.92g、5.89mmol)およびアセトニトリル(14mL)を含む混合物を60℃で一晩撹拌した。室温まで冷却させ、ろ過し、不溶物を除去した。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=1:20~1:3で溶出)、1-(7-フルオロ-3-ヨード-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾール-4-ギ酸エチル(53)(550mg)を得た。収率は69.8%であった。
【0111】
工程D:化合物53(220mg、0.497mmol)、2M水酸化ナトリウム溶液(4mL)およびTHF(1mL)を含む混合物を50℃で0.5時間撹拌した。水(15mL)を加え、ジクロロメタン(10mL×2)で抽出し、生成物が水相にあった。水相を2M塩酸でpH値2~3に調整し、ろ過し、濾過ケーキを酢酸エチル/石油エーテルで再結晶し、1-(7-フルオロ-3-ヨード-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾール-4-ギ酸(54)を得た。H NMR(DMSO-d、400MHz)δ9.21(s、1H)、8.13(s、1H)、8.09(d、J=1.6Hz、0.5H)、8.06(d、J=1.6Hz、0.5H)、7.84(d、J=1.6Hz、1H)、5.11-5.05(m、1H)、1.54(d、J=6.4Hz、6H)。MS(ESI、m/z):414.9[M+H]
【0112】
実施例14:1-(3-シアノ-7-フルオロ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イル)-1H-ピラゾール-4-ギ酸(55)の合成
【化22】

【0113】
原料として化合物54を用い、化合物55を合成する実験操作は実施例4における工程Gを参照した。H NMR(DMSO-d、400MHz)δ9.28(s、1H)、8.34(d、J=1.6Hz、1H)、8.17-8.14(m、2H)、5.24-5.19(m、1H)、1.59(d、J=6.4Hz、6H)。MS(ESI、m/z):314.1[M+H]
【0114】
実施例15:2-(3-シアノ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イル)イソニコチン酸(57)の合成
【化23】

【0115】
工程A:化合物25(500mg、1.89mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(721mg、2.84mmol)、酢酸カリウム(557mg、5.68mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(139mg,0.190mmol)およびジオキサン(10mL)を含む混合物を80℃で一晩撹拌した。室温まで冷却させ、ろ過し、ろ過ケーキを酢酸エチルで溶脱した。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製し(200~300メッシュシリカゲル、酢酸エチル:石油エーテル=1:10で溶出)、1-イソプロピル-5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)1H-インダゾール-3-ベンゾニトリル(56)(360mg)を得た。収率は61.2%であった。
【0116】
工程B:化合物56(200mg、0.642mmol)、2-ブロモピリジン-4-ギ酸(130mg、0.643mmol)、炭酸カリウム(178mg、1.29mmol)、ジオキサン(2.5mL)および水(0.5mL)を含む混合物に、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリドジクロロメタン付加物(52mg、0.064mmol)を加え、加えた後、得られた混合物を窒素下、85℃で2時間撹拌した。室温まで冷却させ、水(50mL)を加え、酢酸エチル(30mL×2)で抽出し、生成物が水相にあった。水相を1M塩酸でpH値3~4に調整し、そして、酢酸エチル(30mL×2)で抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で蒸発させ、生成物を分取HPLCで精製し、2-(3-シアノ-1-イソプロピル-1H-インダゾール-5-イル)イソニコチン酸(57)を得た。H NMR(DMSO-d、400MHz)δ8.88(d、J=4.8Hz、1H)、8.65(s、1H)、8.50(s、1H)、8.40(dd、J=1.6、9.2Hz、1H)、8.13(d、J=8.8Hz、1H)、7.82(d、J=8.8Hz、1H)、5.30-5.23(m、1H)、1.58(d、J=6.8Hz、6H)。MS(ESI、m/z):307.3[M+H]
【0117】
実施例16:キサンチンオキシダーゼ活性抑制試験
【0118】
一、原理
キサンチンオキシダーゼ(Xanthine Oxidase、XO)、ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ(Horseradish Peroxidase、HRP)及びその基質である二重酵素をカップリング反応させてキサンチンオキシダーゼの活性抑制を測定する。まず、キサンチンオキシダーゼがヒポキサンチンを酸化し、キサンチンと過酸化水素を生成させ、さらに、酸化キサンチンが尿酸と過酸化水素を生成させる。そして、ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼが過酸化水素と10-acetyl-3,7-dihydroxyphenoxazine(Ampliflu Red)を触媒反応させ、強蛍光化合物レゾルフィン(Resorufin)を生成させ、蛍光マイクロプレートリーダーによりレゾルフィンの蛍光強度とキサンチンオキシダーゼ活性とが正比になるかを測定する。
【0119】
二、試験試薬と装置
フェブキソスタット(Febuxostat)は北京聯本医薬化学技術有限公司から購入した。XO、Ampliflu RedとヒポキサンチンはSigma-Aldrich Co.,LLCから購入した。HRPは上海源葉生物技術有限公司から購入した。96穴ポリプロピレン反応プレートはGreiner BioOneから購入した。DMSOは国薬集団化学試薬有限公司から購入した。
【0120】
Vitor X4マイクロプレートリーダーはPerkin Elmer,Incから購入した。
【0121】
三、試験化合物及び反応溶液の調製
特定量の試験化合物15、24、28、32、35、38、41、44、47、50、57と参照化合物フェブキソスタットをDMSO(国薬集団化学試薬有限公司製品)に溶解させた。96穴ポリプロピレン反応プレートに、DMSOで試験化合物を2.5倍系列希釈で200倍濃度溶液にした。さらに、超純水で希釈し、3倍濃度の系列希釈溶液を得た。
【0122】
反応溶液A:0.1MTris-HCl(pH7.5)緩衝液で6mU/mLのキサンチンオキシダーゼ溶液を調製した。
【0123】
反応溶液B:0.1MTris-HCl(pH7.5)緩衝液で0.6U/mLのホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ溶液、0.15mMのAmplifluRedと0.3mMのヒポキサンチンの混合液を調製した。この溶液は4℃で遮光し、調製次第に使用した。
【0124】
四、試験方法と結果
9μL反応溶液Aおよび9μL試験化合物の3倍濃度系列希釈溶液を96穴のテストプレートに混合させ、プレート発振器に置き、30℃、100rpmで30分間混合させた。そして9μL反応溶液Bを加えた。30℃で30分間の酵素反応を行った。マイクロプレートリーダーにより激発光530nmと発射光590nmの箇所の蛍光強度を測定した。キサンチンオキシダーゼがない場合の蛍光強度が0%であり、試験化合物を含まない場合の蛍光強度が100%であり、ソフトウェアであるGraphPadPrism5により試験化合物と参照化合物の50%抑制濃度(IC50)を算出した。
【0125】
試験結果は表1を参照した。表1の結果から見れば、本発明により提供された化合物は、体外薬理試験で、優れたキサンチンオキシダーゼ抑制作用を示した。
【0126】
【表1】
【0127】
実施例17:化合物のマウス高尿酸血症に治療する実験研究
【0128】
一、実験材料
1.受試薬物
化合物15、24および38はいずれも白色粉末であり、化合物57は淡黄色粉末であり、使う直前に0.5%CMC-Naで研磨し、胃内投与のために、対応濃度(0.2と0.4mg/mL)懸濁液に調製した。
【0129】
フェブキソスタットは、Sigmaから購入し、胃内投与のために、使う直前に0.5%CMC-Naで研磨し、対応濃度(0.2と0.4mg/mL)懸濁液に調製した。
【0130】
2.動物及び飼育
2.1 動物種属とソース
SDマウスは、SPF級で、雄性であり、体重が180-220gであり、上海スラク実験動物有限責任公司から購入し、生産許可証番号がSCXK()2017-0005であり、品質合格証番号が20170005050604である。
【0131】
2.2 飼育条件
マウスがいずれも独立送風籠に飼育され、空気清潔度が10000級であり、実験室温度が26±2℃であり、相対湿度が60%~80%であり、1時間当たりの空気交換回数が10-15回/時間であり、光照周期が12(日)/12(夜)時間であり、各籠に3匹がある。
【0132】
飼料は、マウスの完全飼料であり、江蘇省協同医薬生物工程有限責任公司から購入し、その品質がGB14924.1-2001《実験動物配合飼料通用品質標準》に合致している。
【0133】
敷材は、滅菌顆粒敷材であり、江蘇省協同医薬生物工程有限責任公司から購入した。
飲水は、純化水を飲用させ、酸性化後に自由に飲用させた。
【0134】
3.主な計器・装置
Varioskan LUX多機能ミクロ孔板マイクロプレートリーダーは米国Thermoから購入し、BS210S精密電子天秤(0.1mg~10g)はドイツのザルトリウスから購入し、FEJ-200電子天秤(0.1~200g)は福州富日衡衡之宝電子有限公司から購入し、Pacific TII+Genpure XCAD PLUS UV/TOC/UF純水超純水システムは米国Thermoから購入した。
【0135】
4.主な試薬
尿酸測定キット(リンタングステン酸還元法)は、ロット番号が20210515であり、南京建成生物工程研究所から購入し、オキソン酸カリウムは、製品番号がO0164であり、ロット番号がT6GKM-TAであり、日本東京化成工業株式会社(TCI)から購入し、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC-Na)は、ロット番号が20170810であり、CPであり、国薬集団化学試薬有限公司から購入した。
【0136】
二、実験方法
1.グループ分け
SDマウスは72匹があり、雄性であり、一周間適応した後、体重が約200-230gであった。体重で無作為に10グループを分け、グループごとに6匹があり、それぞれは以下の通りであった。(1)正常グループ(0.5%CMC-Na)、(2)モデルグループ(0.5%CMC-Na)、(3)フェブキソスタット1mg/kg、(4)フェブキソスタット2mg/kg、(5)化合物15、1mg/kg、(6)化合物15、2mg/kg、(7)化合物24、1mg/kg、(8)化合物24、2mg/kg、(9)化合物38、1mg/kg、(10)化合物38、2mg/kg、(11)化合物57、1mg/kg、(12)化合物57、2mg/kg。各グループ薬物を対応濃度懸濁液に調製し、投与体積がいずれも0.5mL/100gであった。
【0137】
2.モデル確立、投与方案および検測指標
各グループマウスを適応して飼育した後、12h禁食させ、それぞれオキソン酸カリウムを300mg/kg用量でipモールディングし、モールディング後0.5hを経過し、各受試薬物グループにそれぞれ胃内投与を1回行った。それぞれオキソン酸カリウム注射前及びオキソン酸カリウム注射後1、3、5hに、眼窩後静脈叢から採血し、3500rpmで10min遠心を行い、血清30μLを取り、各時間点の尿酸レベルを測定した。
【0138】
その後、2日連続し、毎日マウスに対してオキソン酸カリウムを用い、300mg/kg用量でipモールディングを行い、それとともに、モールディング後、各受試薬物グループについてそれぞれ胃内投与1回を行った。投与して3日目のとき、12h禁食後のマウスを取り、1日目の試験方法と同じ、それぞれオキソン酸カリウム注射前及びオキソン酸カリウム注射投与後1、3、5hに、眼窩後静脈叢から採血し、3500rpmで10min遠心を行い、血清30μLを取り、各時間点の尿酸レベルを測定した。
【0139】
3.データ処理と統計方法
各試験計量データはいずれも(平均数)±s(標準差)で示され、グループ間の比較はANOVA-Dunnett Tで顕著性を検測して考察し、顕著性指標としてP<0.05を用い、極めて顕著性指標としてP<0.01を用いた。
【0140】
三、実験結果
1.1日投によるマウス血清尿酸レベルの影響
正常グループに比べて、モデルグループは、モールディング後1、3、5hの血清尿酸レベルが顕著に上がった(P<0.01)。同じ時間点モデルグループに比べて、フェブキソスタットの1と2mg/kgグループはいずれもモールディング後1、3、5hの血清尿酸レベルを顕著に下げた(P<0.01)。モデルグループに比較し、化合物15の2mg/kgグループはモールディング後1hの血清尿酸レベルを顕著に下げ(P<0.01)、化合物24の1と2mg/kgグループはモールディング後1hの血清尿酸レベルを顕著に下げ(P<0.01)、化合物38の1と2mg/kgグループはいずれもモールディング後1、3、5hの血清尿酸レベルを顕著に下げ(P<0.01)、化合物57の1と2mg/kgはモールディング後1、3、5hの血清尿酸レベルを顕著に下げた(P<0.01またはP<0.05)。結果は表2を参照した。
【0141】
【表2】
【0142】
2.3日投与によるマウス血清尿酸レベルの影響
正常グループに比べて、オキソン酸カリウムモデルグループは、モールディング後1、3hの血清尿酸レベルが顕著に上がった(P<0.01)。同じ時間点モデルグループに比べて、フェブキソスタットの1と2mg/kgグループはモールディング後1、3、5hの血清尿酸レベルを顕著に下げた(P<0.05またはP<0.01)。モデルグループに比較し、化合物24の2mg/kgグループはいずれもモールディング後3hの血清尿酸レベルを顕著に下げ(P<0.01)、化合物38の1と2mg/kgグループはいずれもモールディング後1、3、5hの血清尿酸レベルを顕著に下げ(P<0.01)、化合物57の1と2mg/kgはモールディング後1、3hの血清尿酸レベル(P<0.01)を顕著に下げた。結果は表3を参照した。
【0143】
【表3】
【国際調査報告】