(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材を使用する物理・化学的水処理工法
(51)【国際特許分類】
B01D 24/00 20060101AFI20240405BHJP
G21F 9/06 20060101ALI20240405BHJP
B01D 24/36 20060101ALI20240405BHJP
B01D 24/46 20060101ALI20240405BHJP
B01D 21/01 20060101ALN20240405BHJP
【FI】
B01D29/08 540A
G21F9/06 521E
B01D29/08 510B
B01D29/08 520C
B01D29/38 510B
B01D21/01 101A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023507504
(86)(22)【出願日】2022-09-29
(85)【翻訳文提出日】2023-02-01
(86)【国際出願番号】 KR2022014613
(87)【国際公開番号】W WO2023182600
(87)【国際公開日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0036236
(32)【優先日】2022-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523036410
【氏名又は名称】ロペン カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ROPEN CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】619-48,Toseong-ro,Yanggam-myeon Hwaseong-si Gyeonggi-do 18628,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】チェ、チュン ヒョン
【テーマコード(参考)】
4D015
4D116
【Fターム(参考)】
4D015BA17
4D015BB06
4D015BB08
4D015DA03
4D015DA04
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4D116VV09
(57)【要約】
本発明は、a)凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材を含む加圧式マイクロファイバー濾過器の上部に原水を供給して加圧式濾過を行う段階、b)前記マイクロファイバー濾過器の下部から逆洗浄水及び空気を供給してマイクロファイバー濾材を逆洗浄する段階、及び、c)前記マイクロファイバー濾材の逆洗浄が完了した後、凝集剤を逆洗浄水と共に供給して前記マイクロファイバー濾材を凝集剤でコーティングする段階を含み、前記加圧式凝集剤でコーティングされたファイバー濾過器の逆洗浄廃水を、吸引式マイクロファイバー濾過器によって濃縮して脱水器に移送する、凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材を使用する物理・化学的水処理工法を提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材を含む加圧式マイクロファイバー濾過器の上部に原水を供給して加圧式濾過を行う段階、
b)前記マイクロファイバー濾過器の下部から逆洗浄水及び空気を供給してマイクロファイバー濾材を逆洗浄する段階、及び
c)前記マイクロファイバー濾材の逆洗浄が完了した後、凝集剤を逆洗浄水と共に供給して前記マイクロファイバー濾材を凝集剤でコーティングする段階、を含み、
前記加圧式マイクロファイバー濾過器は、
上部に原水供給口が連結された加圧ハウジングと、
前記加圧ハウジングの内側に設置されて原水を濾過する、上端部が流動ホルダーに固定されたマイクロファイバー濾材、
前記マイクロファイバー濾材の内側下部に配置され濾過された処理水、逆洗浄水及び空気を通過させる多孔性透過管、
前記多孔性透過管の下部と連結されて濾過水を排出し、逆洗浄水を供給する濾過水及び逆洗浄水流通口、及び
前記多孔性透過管の下部と連結され空気を供給する空気供給管、を含み、
加圧式濾過処理が完了した処理水は、処理水貯蔵タンクに移送され、一部は逆洗浄水として使用するために逆洗浄水貯蔵槽に移送され、
マイクロファイバー濾材を逆洗浄した逆洗浄廃水は、吸引式濾過タンクに移送され、前記吸引式濾過タンクに貯蔵される逆洗浄廃水は、吸引式マイクロファイバー濾過器に供給されて濾過され、
前記吸引濾過された処理水は、原水貯蔵槽に搬送され、一部は吸引式マイクロファイバー濾過器の逆洗浄水貯蔵槽に移送されることを特徴とする、凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材を使用する物理・化学的水処理工法。
【請求項2】
吸引式マイクロファイバー濾過器は、前記加圧式マイクロファイバー濾過器と同一の構造を有し、同一の方式で逆洗浄を行い、逆洗浄廃水は前記吸引式濾過タンクに移送されることを特徴とする、請求項1に記載の凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材を使用する物理・化学的水処理工法。
【請求項3】
吸引式濾過タンクで吸入口の上部に浮標が装着されて、吸引式タンクの水位に応じて吸入口が上昇、下降することを特徴とする、請求項2に記載の凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材を使用する物理・化学的水処理工法。
【請求項4】
逆洗浄時、流動ホルダーの浮上によりマイクロファイバーが垂直に整列され、次いで注入される逆洗浄空気によってマイクロファイバーが上下左右に振動して捕捉された汚染粒子が脱離することを特徴とする、請求項1に記載の凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材を使用する物理・化学的水処理工法。
【請求項5】
逆洗浄が完了した後、凝集剤貯蔵タンクに貯蔵された凝集剤が凝集剤定量ポンプによって逆洗浄水供給管に供給され、逆洗浄水移送ポンプが同時に作動して逆洗浄水と凝集剤の混合物が供給されて、マイクロファイバー濾材の表面を凝集剤でコーティングすることを特徴とする、請求項1に記載の凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材を使用する物理・化学的水処理工法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物理・化学的水処理工法に関するもので、既存の凝集槽と混和槽、沈殿槽、砂濾過槽を、凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材を含む加圧式マイクロファイバー濾過器1つで代替する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
沈殿及び濾過のような物理的処理工程は、井水、下水または廃水の処理工程で主処理手段または補助的処理手段として使用されてきた。また、沈殿及び濾過の方法によって分離されない溶存性コロイド粒子を含む微粒子は、化学処理工程である凝集剤による凝集及び粗大化後に、沈殿及び濾過のような物理的処理によって処理されてきた。
【0003】
凝集工程は、凝集剤が微細コロイドの表面電荷二重層の厚さを減少させてコロイド粒子の凝集を助ける役割をするところ、凝集の効率は、撹拌及び混和による凝集剤とコロイド粒子間の衝突回数、pH、アルカリ度、凝集剤の酸化数によって変わり得る。
【0004】
そのため、最適の凝集のためには、凝集剤と原水の混和及び強力な撹拌によってコロイド粒子と凝集剤の衝突回数を増加させなければならないが、低濃度(濁度)原水の流入時、コロイド粒子の絶対数が足らないため、凝集剤の投与量が過多に注入し、混和撹拌時間を長くしても凝集がうまくなされない問題点があった。
【0005】
また、凝集後に凝集物の分離のために使用される沈殿工程は、広い敷地が必要であり、加圧浮上法は過多なエネルギーと薬品が要される問題点があった。
【0006】
また、従来の物理・化学的処理工程を適用する井水、下水、及び廃水処理場は広い面積が要求され、スラッジの発生量が多く、維持管理が難しいという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】大韓民国特許登録第10-1879845号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するために案出されたものであって、
【0009】
既存の凝集工程よりはるかに少ない量の凝集剤による化学処理が可能であり、
【0010】
凝集及び沈殿(または浮上)が1つの濾過器でリアルタイムに具現され、所要敷地を大幅に減少させ、
【0011】
既存の化学工程で必須に要求される凝集、沈殿(浮上)処理後の追加的な濾過処理を省略することができ、
【0012】
加圧浮上による過多なエネルギーと薬品の消耗が不要であり、
【0013】
低濃度(低濁度)原水の流入時の凝集不良、沈殿不良等の問題が防止され効率的な水処理が可能であり、
【0014】
維持管理が容易な物理・化学的水処理工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を達成するために、本発明は、
【0016】
a)凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材を含む加圧式マイクロファイバー濾過器の上部に原水を供給して加圧式濾過を行う段階、
【0017】
b)前記マイクロファイバー濾過器の下部から逆洗浄水及び空気を供給してマイクロファイバー濾材を逆洗浄する段階、及び
【0018】
c)前記マイクロファイバー濾材の逆洗浄が完了した後、凝集剤を逆洗浄水と共に供給して前記マイクロファイバー濾材を凝集剤でコーティングする段階、を含む凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材を使用する物理・化学的水処理工法を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材を使用する物理・化学的水処理工法は
【0020】
第一に、凝集剤が逆洗浄周期毎にファイバーのコーティングにのみ少量ずつ使用されるため、既存の凝集工程よりはるかに少ない量の凝集剤による化学処理が可能であり、
【0021】
第二に、凝集、沈殿(または浮上)が1つの濾過器でリアルタイムに具現されることにより所要敷地を大幅に減少させることができ、
【0022】
第三に、既存の化学工程では凝集、沈殿(浮上)処理後の追加的な濾過処理が要求されるが、このような処理の省略が可能であり、
【0023】
第四に、加圧浮上による過多なエネルギーと薬品の消耗が不要であり、
【0024】
第五に、低濃度(低濁度)原水の流入時の凝集不良、沈殿不良等の問題が防止され効率的な水処理が可能であり、
【0025】
第六に、維持管理が容易な効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態として、凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材を含む加圧式マイクロファイバー濾過器モジュールを模式的に示した図である。
【
図2】本発明の一実施形態として、加圧式マイクロファイバー濾過器モジュール(マイクロファイバー濾材は図示なし)の切断斜視図である。
【
図3】本発明の凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材を使用する物理・化学的水処理工法に適用されることができる水処理システムを示した図である。
【
図4】本発明の一実施形態として、凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材を含む加圧式マイクロファイバー濾過器モジュールの加圧式濾過プロセスを模式的に示した断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態として、凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材を含む加圧式マイクロファイバー濾過器モジュールの逆洗浄プロセスを模式的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
まず、凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材を含む加圧式マイクロファイバー濾過器モジュールを模式的に示した
図1、及び本発明の物理・化学的水処理工法に適用されることができる水処理システムに関する
図3を参照して本発明を説明する。
【0029】
本発明の凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材を使用する物理・化学的水処理工法は、次の段階を含むことを特徴とする:
【0030】
a)凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材204を含む加圧式マイクロファイバー濾過器の上部201(原水供給口)に原水を供給して加圧式濾過を行う段階、
【0031】
b)前記マイクロファイバー濾過器103の下部から逆洗浄水411及び空気412を供給してマイクロファイバー濾材を逆洗浄する段階、及び
【0032】
c)前記マイクロファイバー濾材204の逆洗浄が完了した後、凝集剤を逆洗浄水と共に供給して前記マイクロファイバー濾材204を凝集剤でコーティングする段階。
【0033】
本発明の物理・化学的水処理工法は、前記a)段階~c)段階は反復的に行うことを特徴とする。
【0034】
前記a)段階において、凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材204は、その前段階で前記c)段階と同一の段階が行われることよって、マイクロファイバー濾材204に凝集剤コーティングが完了したものであり得る。もちろん、前記凝集剤でコーティングされたマイクロファイバー濾材204は、加圧式マイクロファイバー濾過器を構成する際、予め凝集剤でコーティングされた形態に組立てられたものでもあり得る。
【0035】
前記マイクロファイバー濾材204は、マイクロファイバーからなる濾材である場合、特に制限されない。例えば、マイクロファイバーで織造された形態であり得、多数個のマイクロファイバーが密に配列された形態でもあり得る。
【0036】
前記加圧式マイクロファイバー濾過器は、この分野に公知となった構造を有するものであり得る。すなわち、本発明は、加圧式マイクロファイバー濾過器の構造に特徴があるのではなく、プロセスに従って凝集剤でコーティングされるかコーティングされていないマイクロファイバー濾材204を含む加圧式マイクロファイバー濾過器を使用することに特徴があるため、凝集剤でコーティングされていない加圧式マイクロファイバー濾過器の構造は、この分野に公知となったもの(例:韓国特許登録第10-1879845号)と同一の形態であり得る。
【0037】
本発明は一実施形態として、前記加圧式マイクロファイバー濾過器は、上部に原水供給口201が連結された加圧ハウジング203と、前記加圧ハウジング203の内側に設置されて原水を濾過する、上端部が流動ホルダー202に固定されたマイクロファイバー濾材204、前記マイクロファイバー濾材204の内側下部に配置され濾過された処理水401、逆洗浄水411及び空気412を通過させる多孔性透過管205、前記多孔性透過管205の下部と連結されて濾過水を排出し、逆洗浄水411を供給する濾過水及び逆洗浄水流通口208、及び、前記多孔性透過管205の下部と連結され空気412を供給する空気供給管207を含むことができる。
【0038】
前記マイクロファイバー濾材204の下端部は、濾過器の内部空間の下端部に位置した固定ホルダー206に固定されることができる。また、多孔性透過管205に挿入された状態で固定されることもできる。
【0039】
前記でマイクロファイバー濾材204は、管状に形成されたものであり得る。
【0040】
本発明の一実施形態において、前記a)段階の加圧式濾過は、
図4に例示的に示されたように行われることができる。すなわち、原水供給口201から原水400が供給されて圧力が加えられると、流動ホルダー202が下の方向に加圧されて、マイクロファイバー濾材204が圧縮された状態で原水400を濾過させ、前記濾過された処理水401は多孔性透過管205を通過して、濾過水及び逆洗浄水流通口208を介して排出される。
【0041】
前記b)段階の逆洗浄段階は、
図5に例示的に示されたように行われることができる。すなわち、濾過水及び逆洗浄水流通口208を介して供給された逆洗浄水411が多孔性透過管205を通過した後、マイクロファイバー濾材204を通過しながら流動ホルダー202を加圧ハウジング203まで押し上げ、このとき、前記マイクロファイバー濾材204は垂直に整列されしっかり広がった形態となりながら捕捉された汚染粒子(単純汚染粒子及び/または凝集剤で凝集された粒子)を脱離させ、一方、次いで注入される逆洗浄空気412もマイクロファイバーを上下左右に振動させると、捕捉された汚染粒子(単純汚染粒子及び/または凝集剤で凝集された粒子)を脱離させる。
【0042】
本発明の一実施形態において、加圧式濾過処理が完了した処理水401は、
図3に示されたように、処理水貯蔵タンク140に移送され、一部は逆洗浄水として使用するために逆洗浄水貯蔵槽115に移送され、
【0043】
マイクロファイバー濾材204を逆洗浄した逆洗浄廃水410は、吸引式濾過タンク128に搬送され(また、一部は原水貯蔵槽101に移送されることもできる)、前記吸引式濾過タンク128に貯蔵される逆洗浄廃水410は、吸引式マイクロファイバー濾過器121に供給されて濾過され、
【0044】
前記吸引濾過された処理水は、原水貯蔵槽101に搬送され、一部は吸引式マイクロファイバー濾過器の逆洗浄水貯蔵槽127に移送されることができる(また、一部は吸引式濾過タンク128に搬送されることができる)。
【0045】
前記吸引式濾過タンク128から吸引式マイクロファイバー濾過器121に供給される逆洗浄廃水410は、浮標129に取付けられた吸引ホースホルダー130に固定された吸引ホースを介して供給される。したがって、吸引式濾過タンク128の逆洗浄廃水のうち上部に位置する逆洗浄廃水が供給される。
【0046】
すなわち、吸引式濾過タンク128で吸引ホースホルダー(吸入口含む)130の上部に浮標129が装着されて、吸引式濾過タンク128の水位に応じて吸入口が上昇、下降しながら、上部の逆洗浄廃水を吸引式マイクロファイバー濾過器121に供給する。
【0047】
本発明の一実施形態において、
図3に示されたように、加圧式マイクロファイバー濾過器103に対する原水の供給は、原水貯蔵槽101によってなされる。また、加圧式マイクロファイバー濾過器103及び吸引式マイクロファイバー濾過器121に対する空気の供給は、空気供給装置150によってなされることができる。
【0048】
本発明の一実施形態において、前記吸引式マイクロファイバー濾過器121は、前記加圧式マイクロファイバー濾過器103と同一の構造を有し、同一の方式で逆洗浄を行い、逆洗浄に使用された逆洗浄廃水は、前記吸引式濾過タンク128に搬送されることができる。
【0049】
本発明の一実施形態において、液体状態の凝集剤を、逆洗浄が完了した後のマイクロファイバーの表面にコーティングした後、
図4に示されたように、加圧式濾過が行われる。すなわち、流入する原水400の圧力により濾材層が圧搾され、原水400にあるコロイド及び微粒子は、凝集剤がコーティングされたマイクロファイバーの間の空隙を通過しながらマイクロファイバー表面の凝集剤によってゼータポテンシャルが減少して、コロイド粒子間の凝集、コーティングファイバー表面の吸着及び空隙による濾過がなされるようになる。マイクロファイバーに捕捉された凝集フロックは、逆洗浄工程時にマイクロファイバーから脱離して吸引式濾過タンク128に搬送され、吸引式マイクロファイバー濾過器121によって濃縮され、脱水器161による脱水後に脱水ケーキ形態で廃棄物貯蔵槽に移送される。
【0050】
本発明の一実施形態において、前記加圧式マイクロファイバー濾過器モジュールは、
図1に示されたように、加圧ハウジング203内に流動ホルダー202と固定ホルダー206にマイクロファイバー濾材204が固定され、このとき、多孔性透過管205管は、前記マイクロファイバー濾材204の下端部に挿入された状態で前記固定ホルダー206と共に前記マイクロファイバー濾材204の下端部を固定する機能を行う。前記加圧式マイクロファイバー濾過器モジュールに逆洗浄水が注入されると、マイクロファイバーの流動ホルダー202の浮上によりマイクロファイバーが垂直に整列され、次いで注入される逆洗浄空気によってマイクロファイバーは上下左右に振動して捕捉された汚染粒子を脱離させる逆洗浄が行われる。前記逆洗浄が終わったマイクロファイバーは、逆洗浄ポンプ及び凝集剤注入定量ポンプが稼動して凝集剤をマイクロファイバーモジュール内部に注入することによりマイクロファイバーの表面が凝集剤でコーティングされ、この後逆洗浄ポンプと定量ポンプは稼動を止め、加圧ポンプが稼動してコーティングされたマイクロファイバーを圧搾して濾過層を形成し、濾過層が形成されるまでの初期処理水は、凝集剤貯蔵タンク114に搬送される。この後、処理水は処理水貯蔵タンクに貯蔵され、定められた一定時間の濾過後に逆洗浄を繰り返すことにより、連続的な繰り返し運転が行われる。
【0051】
本発明の一実施形態において、前記凝集剤は、凝集剤貯蔵タンク114に貯蔵され、凝集剤定量ポンプ113によって逆洗浄供給管に供給されることができる。
【0052】
具体的には、逆洗浄が完了した後、凝集剤貯蔵タンク114に貯蔵された凝集剤が凝集剤定量ポンプ113によって逆洗浄水供給管に供給され、逆洗浄水移送ポンプが同時に作動して逆洗浄水と凝集剤の混合物が供給されて、マイクロファイバー濾材204の表面を凝集剤でコーティングするようになる。
【0053】
前記凝集剤としては、水処理工程で凝集を目的として使用する汎用凝集剤であって有機、無機区分なしに適用されることができる。
【0054】
前記凝集剤は、具体的には、Al2(SO4)3・16H2O、Al2(SO4)3・18H2O、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、ポリ硫酸アルミニウム(PAS)、ポリ硫酸アルミニウムシリケート(PAS)、及びポリ塩化アルミニウムシリケート(PACS)からなる群より選択される1種以上を含むことができる。
【0055】
また、前記凝集剤は、Al2(SO4)3・16H2O、Al2(SO4)3・18H2O、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、ポリ硫酸アルミニウム(PAS)、ポリ硫酸アルミニウムシリケート(PAS)、及びポリ塩化アルミニウムシリケート(PACS)からなる群より選択される1種以上100重量部を基準として、ポリドーパミン及びドーパミンメタクリルアミド(PDMA)からなる群より選択される1種以上2~10重量部及び水20~40重量部を混合した組成物形態で供給されることが好ましくあり得る。前記組成物は、溶液形態であるかスラリー形態であり得る。
【国際調査報告】