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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】電気機械
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/08 20060101AFI20240405BHJP
【FI】
H02K9/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023547086
(86)(22)【出願日】2022-02-08
(85)【翻訳文提出日】2023-09-14
(86)【国際出願番号】 AT2022060038
(87)【国際公開番号】W WO2022226555
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】A50314/2021
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519072903
【氏名又は名称】アンドリッツ ハイドロ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カストナー、ゲプハルト
(72)【発明者】
【氏名】ラングマイヤー、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ブレイズヴィッチ、エネス
【テーマコード(参考)】
5H609
【Fターム(参考)】
5H609PP02
5H609PP09
5H609QQ02
5H609QQ10
5H609RR02
5H609RR17
5H609RR36
5H609RR42
5H609RR43
5H609RR51
5H609RR67
(57)【要約】
本発明は電気機械、特に発電機に関し、巻線オーバーハング(1)を含むステータ、前記ステータにおけるロータ軸(3)の周りを回転可能に配置されたロータ(13)、および熱交換器(6)を備え、前記熱交換器(6)は流体的に冷却材シャフト(17)を介して巻線オーバーハング(1)に接続され、前記冷却材シャフト(17)は巻線オーバーハング(1)の半径方向外側に配置され、少なくとも部分的にほぼ円周方向(9)に沿って広がり、外面によって半径方向(8)に区切られ、したがって、巻線オーバーハング(1)が熱交換器(6)および巻線オーバーハング(1)を覆う流体の連続的な流れによって冷却され得る。巻線オーバーハング(1)の特に均一な冷却を得るために、円周方向(9)に沿って分散して配置された複数のガイド要素(11)が、冷却材シャフト(17)において円周方向(9)に方向付けられた流体の流れを、巻線オーバーハング(1)に向かう放射状の流れに、少なくとも部分的に方向変更するために、および、巻線オーバーハング(1)の複数の領域に流れを分配するために、冷却材シャフト(17)において提供されることが、本願発明に従って提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に発電機であり、巻線オーバーハングを含むステータ、前記ステータにおいてロータ軸の周りを回転可能に配置されたロータ、および熱交換器を備え、前記熱交換器は冷却材シャフトを介して前記巻線オーバーハングに流体的に接続され、前記冷却材シャフトは前記巻線オーバーハングの半径方向外側に配置され、少なくとも部分的にほぼ円周方向に沿って広がり、外面によって半径方向において区切られ、したがって、前記巻線オーバーハングは前記熱交換器および前記巻線オーバーハングを覆う流体の連続的な流れによって冷却され得、円周方向に沿って分散して配置された複数のガイド要素が、前記冷却材シャフトにおいて円周方向に方向付けられた流体の流れを、前記巻線オーバーハングに向かう放射状の流れに少なくとも部分的に方向変更するために、および、前記巻線オーバーハングの複数の領域に前記流れを分配するために、前記冷却材シャフトに提供される、電気機械。
【請求項2】
前記ガイド要素がおおよそ半径方向に方向付けられている、請求項1に記載の電気機械。
【請求項3】
前記外面は、おおよそ前記ロータ軸による回転面として、特に外側円筒面または外側円錐面として、少なくとも部分的に具現化されている、請求項1または2に記載の電気機械。
【請求項4】
前記ガイド要素は、前記ロータ軸からほぼ等しい間隔で配置されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の電気機械。
【請求項5】
10個から100個、特に30個から60個のガイド要素が、周囲にわたって分散して配置されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の電気機械。
【請求項6】
前記ガイド要素は、前記外面から間隔をおいて配置されている、請求項1から5のいずれか1項に記載の電気機械。
【請求項7】
前記ガイド要素は、前記外面から異なる間隔を有し、前記ガイド要素は、流れの方向において前記熱交換器からの距離が増加するにつれて前記外面からより小さい間隔を有する、請求項6に記載の電気機械。
【請求項8】
前記外面とガイド要素の間のクリアフロー断面は、少なくともいくつかの領域において、流れの方向における前記熱交換器からの距離が増加するにつれて、1つのガイド要素から隣のガイド要素へと連続して減少する、請求項1から7のいずれか1項に記載の電気機械。
【請求項9】
前記ガイド要素は板状であるように具現化されている、請求項1から8のいずれか1項に記載の電気機械。
【請求項10】
少なくともいくつかのガイド要素が、前記外面および前記ガイド要素の間でクリアフロー断面を区切る端部において、好ましくは排出側に、丸みを帯びた縁部を含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の電気機械。
【請求項11】
前記ガイド要素は、前記巻線オーバーハングに固定されて接続された要素によって、特に接続タワーによって形成されている、請求項1から10のいずれか1項に記載の電気機械。
【請求項12】
ファン、特に軸流ファンが提供され、前記軸流ファンによって、前記熱交換器から前記冷却材シャフトを通って前記巻線オーバーハングへ、そして前記熱交換器へと戻る流体、特に空気の流れが、前記電気機械において生成され得る、請求項1から11のいずれか1項に記載の電気機械。
【請求項13】
前記ステータが、2つの巻線オーバーハングを含み、各巻線オーバーハングが、個別のフローパスを介して前記ファンおよび前記熱交換器に接続されている、請求項12に記載の電気機械。
【請求項14】
個別のフローパスが、前記巻線オーバーハングの上部領域および前記巻線オーバーハングの下部領域のために提供される、請求項1から13のいずれか1項に記載の電気機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気機械、特に、発電機に関し、巻線オーバーハングを含むステータ、前記ステータにおけるロータ軸の周りを回転可能に配置されたロータ、および熱交換器を備え、前記熱交換器は冷却材シャフトを介して巻線オーバーハングに流体的に接続され、前記冷却材シャフトは巻線オーバーハングの半径方向外側に配置され、少なくとも部分的にほぼ円周方向に沿って広がり、外面によって半径方向に区切られ、したがって、巻線オーバーハングは熱交換器および巻線オーバーハングを覆う流体の連続的な流れによって冷却され得る。
【0002】
最初に名づけられた種類の電気機械は、従来技術からよく知られている。巻線オーバーハングの温度は、この種類の機械を構成することに困難をもたらし続けている。これによって、巻線オーバーハングは、この領域に生じる損失に起因して、典型的には、動作の最中に大幅に発熱し、これは、この種類の機械が大抵は外部通気される機械として設計される理由であり、1または複数のファンが冷却流体の流路において配置され、その流路は熱交換器から巻線オーバーハングへと、例えば積層ステータコアを通る、異なる戻り流路を介して、熱交換器へと戻るようにつながる。したがって、循環する流れが機械において実現され、典型的には空気である冷却流体は、巻線オーバーハングにおいて熱を吸収し、熱交換器においてそれを解放する。
【0003】
この種類の機械において、熱交換器は、原則として、ステータの上部、下部、または側部領域に、原則として、回転軸の外側に配置され、したがって、冷却流体の流路に沿っている個別の巻線オーバーハング領域が、熱交換器およびファンからは他のものからより遠く離れて離間され、それによって、巻線オーバーハングの周囲全体にわたる均一な冷却は困難であり、絶縁体への損傷を特に発生させ得るホットスポットが、大抵、現れる。
【0004】
これは、本発明によって対処される。本発明の目的は、巻線オーバーハングの特に均一な冷却を可能にする、最初に名づけられた種類の機械を特定することである。
【0005】
本発明に従って、この目的は、円周方向に沿って分散して配置された複数のガイド要素が、冷却材シャフトにおいて円周方向に方向付けられた流体の流れを、巻線オーバーハングに向かう放射状の流れに少なくとも部分的に方向変更するために、および、巻線オーバーハングの複数の領域に流れを分配するために、冷却材シャフトにおいて提供される、最初に名づけられた種類の電気機械によって達成される。
【0006】
本発明の過程において、対応して配置された、初期に冷却材シャフトの円周方向に方向付けられた流れを、各例における巻線オーバーハングに向かう放射状の流れに少なくとも部分的に方向変更するガイド要素によって、冷却材シャフトへの供給が原則として非対称に一方の側のみから生じる場合でさえも、特に、通常は空気から水への熱交換器として具現化される熱交換器が典型的には積層ステータコアの下に配置されるので、巻線オーバーハングの個々の領域への空気の均一な分配が可能にされることが、発見された。冷却流体もまた、冷却流体が冷却材シャフトに入る流入側から離れて向く巻線オーバーハングの側部に達すること、および、特にこの領域におけるホットスポットの形成を回避するために、側部もまた冷却されることが、したがって実現される。
【0007】
この種類の機械において、ロータ軸は典型的にはおおよそ水平に方向付けられるか、または、機械は水平方向機械として具現化されるが、ロータ軸はもちろん、水平線と角度をつけて、特に鉛直に、配置されることもできる。
【0008】
巻線オーバーハングにおける熱の吸収の後、冷却流体が熱交換器へと戻るように流れる戻り流路は、例えばステータを通って、特に積層ステータコアを通って広がることができる。
【0009】
したがって、冷却流体によって、巻線オーバーハングから熱交換器へ、および、熱交換器を介して機械の外へ、巻線オーバーハング領域で損失した熱、および場合によっては、積層コア領域で損失した熱を輸送するために、冷却流体は通常、巻線オーバーハングおよび熱交換器の間で機械内を連続的に循環する流れを形成する。
【0010】
好ましくは、ガイド要素がおおよそ半径方向に方向付けられることが規定される。好ましくは板状であるように具現化された、ガイド要素を半径方向に沿って方向付けることにより、冷却材シャフトへの接線方向の流入の、巻線オーバーハングの方向への放射状の流れへの、特に良好な方向変更が実現され得る。
【0011】
ここで、半径方向および円周方向という用語は、円周方向がロータ軸の周りのロータの可能な回転方向に対応するとして、機械のロータの円筒座標系の意味で理解されるべきである。
【0012】
ガイド要素によって巻線オーバーハングに向かう放射状の流れへと方向変更される流れの一部は、したがって、方向変更の後には方向変更の前よりも、ロータ軸に向かう速度成分が大きくなり、より大きい速度ベクトルを有する。円筒座標系の意味において、流れのこの一部、または対応する流れ体積は、したがって、方向変更の後には方向変更の前よりも、負の半径方向においてより大きい速度成分を有し、円周方向において、または円周方向とは逆に、より小さい速度成分の大きさを有する。
【0013】
外面が、少なくとも部分的に、おおよそロータ軸による回転面として、特に、外側円筒面または外側円錐面として具現化されることが、好ましくは規定される。結果として、冷却材シャフトへのおおよそ半径方向の流入は、特に効率的なやり方で、典型的には流入側ともまた称され得る巻線オーバーハングの側部に配置されたファンによって、円周方向に部分的に広がる流れへと、方向変更され得、その流れによって、巻線オーバーハングの一部もまた冷却するために、流入側と反対の巻線オーバーハングの側部にもまた達する。
【0014】
そうして、冷却流体の流れは、冷却材シャフトの外面を介しておおよそ接線方向または円周方向に沿って広がる流れへと方向変更され、その外面は、ロータ軸に回転対称であり、次いで、円周方向に広がる流れは、最も均一な可能なやり方で巻線オーバーハングを冷却するために、ガイド要素によって巻線オーバーハングの個々の領域において放射状の流れへと方向変更され得る。この文脈において、流入側と反対に位置する巻線オーバーハングの領域において、個別のガイド要素がそれぞれ半径方向へと、円周方向に広がる流れのほぼ等しい一部を方向変更する場合、特に有益であり、したがって、領域における個別のガイド要素が、円周方向に方向付けられた流れのほぼ等しい一部を方向変更し、または、円周方向に方向付けられた流れから内側に向かうほぼ等しい一部をそれぞれ短縮する。
【0015】
好ましくは、ガイド要素がロータ軸からほぼ等しい間隔で配置されていることが、規定される。ガイド要素は、例えば、発電機のハウジングの部分であり得る通風孔に配置されたガイドプレートとして具現化され得る。しかしながら、ガイド要素はまた、巻線オーバーハングに向かう放射状の流れへと少なくとも部分的に流れを方向変更するのに適している巻線オーバーハングへと接続された要素、特に接続タワーであり得る。
【0016】
10個から100個、特に30個から60個のガイド要素が、周囲にわたって分散して配置されることが、有効であると判明した。結果として、典型的には熱交換器および巻線オーバーハングの間で機械内を循環する流体流の、巻線オーバーハングの個々の部分への、特に均一な分配が実現され得る。
【0017】
原則として、機械は、冷却流体を用いてそれぞれ冷却される2つの巻線オーバーハングを含む。好ましくは、冷却流体が、巻線オーバーハングを通った後でエアギャップを通ってステータの内部に移動することが規定され、その後で、それは積層ステータコアにおける通気スロットを通って半径方向外側に移動し、プロセスにおいて、積層ステータコアから熱を吸収し、次いで冷却流体は熱交換器およびファンへと戻るように移動し、それは1または複数のファンデバイスを含み得、特に、1または複数の軸流ファンまたは放射流ファンを含み得る。冷却流体は、これによって通常、熱交換器からファンを介して巻線オーバーハングへ、ステータへ、そして再び熱交換器へと戻るように、円周の流路に沿って循環する。
【0018】
それは、機械において循環する各冷却流体が巻線オーバーハングの1つと交わって移動することが、巻線オーバーハングを特に良好に冷却するために規定される場合、特に好ましい。この種類の機械はまた、連続通気機械とも称される。
【0019】
典型的には、前記ガイド要素は前記外面から間隔をおいて配置されていることが規定される。したがって、流れる流体は、流れの一部が個別のガイド要素を介して巻線オーバーハング領域に向かう半径方向に同時に方向変更されながら、流路に沿って流入側からさらにより遠い巻線オーバーハングの領域へ、外面およびガイド要素の間のクリアフロー断面を通って輸送される。そうして、特に、ガイド要素の半径方向外側に流れる体積流量がガイド要素によって実質的に影響を受けないので、巻線オーバーハングの個々の部分の均一な通気が、同時に単純な構成設計と共に可能となり、従ってガイド要素の効果は厳密に限定され得る。冷却材シャフトにおいて円周方向に沿って移動される体積流量の画定された一部は、したがって、ガイド要素を用いる目標とされるやり方で、短縮され得、半径方向内向きに方向変更され得る。
【0020】
それは、前記ガイド要素が異なる、前記外面から特に連続的に減少する間隔を有する場合、有益であり、前記ガイド要素は、流れの方向において前記熱交換器からの距離が増加するにつれて、前記外面からより小さい間隔を有する。したがって、流れの方向において熱交換器からの距離が増加するにつれて、すなわち、冷却材シャフトにおける流れの方向に沿って、好ましくは1つのガイド要素から隣のガイド要素へとほぼ等しい大きさで、例えば、1つのガイド要素から隣のガイド要素へと半径方向で1mmから20mmで増加するにつれて、冷却材シャフトに配置された外面およびガイド要素の間のクリアフロー断面は減少する。流れの方向において熱交換器からの距離が増加するにつれて、例えば、半径方向においてより長く延在するガイド要素によって、このことは前向きに実現され得、そのガイド要素は、例えば軸方向においておおよそ一定の断面積を有するように具現化され得る。
【0021】
好ましくは、ガイド要素は、巻線オーバーハングの長さに対応する、および/または冷却材シャフトの軸方向長さに対応する、長さにおおよそわたって軸方向に延在する。
【0022】
例えば、ガイド要素は板状であるように、特におおよそ立方体型であるように具現化され得、狭い側部はおおよそ半径方向に沿ってロータ軸と平行に延在し得、したがって、流れの特に有効な方向変更を生成するために、最大の表面積を有するガイド要素の表面が、円周方向におおよそ垂直に方向付けられる。
【0023】
半径方向に異なる長さを有するように具現化されたガイド要素を用いて、特に、各ガイド要素において、ほぼ等しい体積流量が短縮されるので、または巻線オーバーハングに向かう半径方向内向きに方向変更されるので、それの周囲にわたっての巻線オーバーハングの特に均一な冷却が、前向きで単純なやり方で実現される。特にそれにより、上流ガイド要素の後に配置された下流ガイド要素が、上流ガイド要素によるシャドーイング効果に起因する半径方向の体積流量の方向変更を、全く生成しないか、または不十分にしか生成しないことが、阻止される。
【0024】
前記外面およびガイド要素の間のクリアフロー断面は、少なくともいくつかの領域において、流れの前記方向における前記熱交換器からの距離が増加するにつれて、1つのガイド要素から隣のガイド要素へと連続して減少することが規定される場合が、特に好ましい。ロータ軸に垂直な区間において、冷却材シャフトが、少なくともいくつかの領域においておおよそ環状に、すなわち、好ましくあり得る、ロータ軸から外面に本質的に一定の間隔を開けて具現化される場合、流れの方向において熱交換器から距離が増加するにつれて半径方向におけるより大きい拡張を有するガイド要素によって、流れの方向に沿って外面およびガイド要素の間に、対応して、ますますより小さい間隔が実現され得、したがって、ロータ軸からほぼ等しい間隔で、ガイド要素は、流れの方向において熱交換器から距離が増加するにつれて、冷却材シャフトへと半径方向外側に、より長く突出する。そうして、熱交換器からの距離が増加するにつれて、ガイド要素は好ましくは、半径方向外側に、または冷却材シャフトへとより長く延在し、したがって、流れの方向に沿ってクリアフロー断面はより小さくなる。
【0025】
異なる長さを有するガイド要素の代替として、またはそれに加えて、流れの方向における熱交換器からの距離に応じて減少するクリアフロー断面は、もちろん、流れの方向に沿って減少する冷却材シャフトの、特に、少なくともいくつかの領域においておおよそ螺旋型に具現化された冷却材シャフトの断面によってもまた実現され得る。
【0026】
クリアフロー断面の寸法、または、ガイド要素および外面の間の間隔を用いて、流入する流れを、本質的に円周方向に方向付けられた、第1の部分および第2の部分に分割することを実現することが、したがって、容易に可能になり、第1の部分は、それぞれのガイド要素に割り当てられた巻線オーバーハング領域を冷却するために、半径方向内向きに方向変更され、流れの第2の部分は、流れの方向の下流側に位置する巻線オーバーハング領域を冷却するために、円周方向に方向付けられる。
【0027】
冷却材シャフトの、およびガイド要素の具体的な構造的な実施形態に関して、数値的な計算方法もまた流れシミュレーションのために用いられ得ることが、理解されるであろう。
【0028】
ガイド要素は、原則として、任意の所望のやり方で具現化され得る。前向きで単純な、および同時に機械的に安定した設計を実現するように、ガイド要素が板状であるように具現化されるならば有効であることが判明した。ガイド要素は、固定されて冷却材シャフトに、および/または固定されて巻線オーバーハングに、接続された要素によって、特に、巻線オーバーハングに接続された修正接続タワーによって、または、例えば冷却材シャフトを形成するハウジングの一部と共に溶接またはねじ止めされた、冷却材シャフトに配置されたガイドプレートによって、形成され得る。
【0029】
また、ガイド要素が、冷却材シャフトの異なる位置に、解放可能に取り付けられ得、および適所に固定され得、特に、現場での細かい調整を容易に実行することを可能にするために、回転され得、または枢動され得ることもまた、規定され得る。
【0030】
少なくともいくつかのガイド要素が、前記外面および前記ガイド要素の間でクリアフロー断面を区切る端部において、好ましくは排出側に、丸みを帯びた縁部を含む場合、巻線オーバーハングの、特に均一で有効な冷却が実現され得ることが示されている。このやり方において、方向変更に負の影響を与える排出側の乱流が、低減または回避される。例えば、ガイド要素は板として具現化され得、排出側の半径方向外側縁部において、すなわち、下流側に位置する側部において、0.5mmから10mmの半径を有する丸みを含み得る。
【0031】
発電機の接続側において特に、前記ガイド要素が、前記巻線オーバーハングに固定されて接続された要素によって、特に接続タワーによって形成されることが規定され得る。絶縁材料で構成された接続タワーにおいて、電気接続が、巻線オーバーハングのステータの個別の導電体の間で、特に、接続側と称される発電機の側で生成し、したがって、例えば、接続タワーは、巻線オーバーハングの周囲にわたって規則的な間隔で位置し、従って、同時にガイド要素として用いるために適している。
【0032】
この目的のために、接続タワーは、おおよそ半径方向に方向付けられた板状要素を含み得、または、したがって冷却材シャフトへと延在する、対応して方向付けられた要素によって形成され得る。
【0033】
本発明に従う機械は、原則として、流れがロータの回転によってのみ生成する、外部との通気がない場合でもまた具現化され得る。しかしながら、ファン、特に軸流ファンまたは放射流ファンが提供され、前記軸流ファンによって、前記熱交換器から前記冷却材シャフトを通って前記巻線オーバーハングへ、そして前記熱交換器へと戻る流体、特に空気の流れが、前記機械において生成され得ることが、好ましくは規定される。ファンは、例えば、2000Paの圧力差および1.2kg/mの空気密度において、毎秒6mの体積流量を実現するように具現化され得るが、しかしながら具体的な実施形態は、もちろん、機械の構造的設計に依存する。
【0034】
通常、モータまたは発電機として具現化され得る回転電機の例において、例えば、2つの巻線オーバーハングがステータに提供され、ここに、原則として、圧力を増加させるための個別のファンまたは他のデバイス、および場合によってはまた個別の熱交換器が、もちろんまた、各巻線オーバーハングのためにも提供され得る。しかしながら、ステータが2つの巻線オーバーハングを含み、各巻線オーバーハングは、個別のフローパスを介して前記ファンおよび前記熱交換器と接続されることが、好ましくは提供される。結果として、特に、ファンおよび熱交換器は、例えば、2つまたは3つの個別のファンおよび熱交換器をそれぞれ含み得るので、単純な設計および冗長性が容易に実現され得、ここに、十分な冷却が、ファンまたは熱交換器の故障の事象においてさえも保証され得る。
【0035】
巻線オーバーハングの個々の領域への流れ体積の具体的な均一な分割を実現するために、好ましくは、個別のフローパスが、前記巻線オーバーハングの上部領域のために、および前記巻線オーバーハングの下部領域のために、提供されることが想定される。典型的には、巻線オーバーハングの上部領域は熱交換器からより大きい距離を有しており、または、熱交換器から巻線オーバーハングの上部領域への流路は、熱交換器から巻線オーバーハングの下部領域への流路より長く、したがって、均一な分配が、対応して分離された流路を介して、例えば、熱交換器を巻線オーバーハングの上部領域へと接続する流路の断面よりも、熱交換器を巻線オーバーハングの下部領域に接続する流路の断面がより小さい場合に、および、従って、対応する圧力損失がより大きい場合に、実現され得る。軸流ファンなどの1または複数のファンデバイスを含み得るファンによる体積流の分離は、例えば、ファンから下流側に位置する領域における分離要素によって生じ得る。
【0036】
加えて、左手および右手への部分体積流の分割もまた、例えば、特に巻線オーバーハングの上部領域に関して、または流入側からより遠くにある巻線オーバーハングの領域に関して、なおも好都合であり得る。
【0037】
さらに、体積流の分割は、好ましくは、巻線オーバーハングに関する個別の部分へと起こり、すなわち、機械の接続側における巻線オーバーハングの1つの部分と、機械の非接続側における巻線オーバーハングに関する1つの部分へと起こり、したがって、ファンによって、または機械において移動される冷却流体の体積流は、典型的には、4つの部分体積流に分割され、4つの部分体積流によって、2つの巻線オーバーハングは、それぞれ個別に頂部および底部で通気され、4つの部分体積流はそして、エアギャップを通って、ステータにおける通気スロットを介して、熱交換器およびファンへと戻るように移動し得る。特に、巻線オーバーハングの左手領域および巻線オーバーハングの右手領域に関する部分体積流への分割もまたある場合、4つより大きい部分体積流、例えば6つまたは8つの部分体積流への分割も、もちろん、また好都合であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0038】
本発明の、追加の特徴、利点、および効果は、以下に図示される例示的な実施形態から続く。それによって参照される図面において:
【0039】
図1】断面図において、本発明に従う機械を示す。
図2】本発明に従う機械の詳細を示す。
図3】本発明に従う機械のさらなる詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、断面図において、本発明に従う電気機械を示す。参照され得るように、モータ発電機として具現化された回転電機は、この場合、水平方向機械として具現化され、それは例えば水力発電所において用いられ得、したがって、水平ロータ軸3を含む。本発明に従う機械は、しかしながら、鉛直方向機械としてもまた具現化され得る。図示された機械は、外部通気される機械として具現化され、ファン5がステータの下方に配置される。ファン5を用いて、機械における連続流体流が得られ得、それによって空気または異なる冷却流体が、複数の部分体積流に分割され、ファン5から通風孔を介してステータの巻線オーバーハングへと4つの概略的に図示された流路4に沿って輸送され、それは巻線オーバーハングの上部領域および下部領域に個別に輸送され、そこで熱が巻線オーバーハング1によって冷却流体へと解放される。
【0041】
ロータ13およびステータの間のエアギャップ10を介して、次に冷却流体は、ステータに配置された通気スロットに達し、その通気スロットを介して、冷却流体は積層ステータコア14を通って半径方向外側に流れ、それにより、ステータから熱を吸収し、次いで、冷却流体は熱交換器6を介してファン5へと戻って流れ、熱交換器6はこの場合には空気から水への熱交換器6として具現化され、そこで冷却流体は熱を放出する。すべての4つの部分体積流の戻り流路は、したがって、この場合、エアギャップ10と積層ステータコア14を通ってつながる。
【0042】
図1に参照され得るように、機械全体は、この場合、ステータの下に配置されたファン5によって外部と通気され、ここで、ファン5ももちろんまた、複数のファンデバイス、例えば8つの軸流ファンまたは放射流ファンによって形成され得る。
【0043】
図示されるように、ファン5が作用する空気の全体は、好ましくは巻線オーバーハングにわたってガイドされ、したがって、連続的な冷却が実現され、それによって、連続的に冷却される水平方向機械が得られる。
【0044】
ファン出口領域において、機械の接続側における巻線オーバーハング1に関する体積流量は、機械の非接続側における巻線オーバーハング1の体積流量と同様に、2つの平行な分岐にそれぞれ分割され、ここで、1つの分岐は巻線オーバーハングの上部領域に冷却流体を供給し、1つの分岐は巻線オーバーハングの下部領域に供給する。これはこの場合に好都合である。特になぜなら、冷却流体が巻線オーバーハング1へと輸送される流入側が、ステータの下部のここに配置されるからである。したがって、巻線オーバーハング1の下部領域への流路4は、対応して、巻線オーバーハング1の上部領域への冷却流体の流路4より短い。上部領域への、および下部領域への流路4の適切な断面を選択することによって、異なる距離だけファン5から離隔されたこれらの領域への非常に均一な流れ、および従ってこれらの領域の冷却が、したがって、なおも保証され得る。特に、ファン5が下部に位置しておらず、ステータの側に位置していたならば、巻線オーバーハング1の左手領域および右手領域への分割もまた有益であろうことが、理解されるであろう。
【0045】
さらに、ステータの2つの巻線オーバーハングへの、すなわち、ステータの接続側における巻線オーバーハング1と、ステータの非接続側における巻線オーバーハング1への分割が起こる。機械内を循環する冷却流体の体積流量は、したがって、巻線オーバーハングへの個別のフローパス4に基づいて図1において参照され得るように、4つの部分体積流へと分割される。
【0046】
図2は、図1に図示された機械の接続側の一部を示す。参照され得るように、機械のハウジング2の一部は、冷却流体がファン5によって巻線オーバーハングへとガイドされる冷却材シャフト17を含み、それは下部領域に概略的に図示される。
【0047】
さらに、巻線オーバーハング1の上部領域に関連して、巻線オーバーハング1の右手領域に関する部分体積流および巻線オーバーハング1の左手領域に関する部分体積流への体積流量の分割が起こる。図2は、これら2つの部分のうち1つ、例えば左手部分の通気を示す。第2の部分の機械領域は、したがって、図2に図示された部分の鉛直方向中央平面に対称に構成され、したがって、部分の巻線オーバーハング1の上部領域の流れは、図示された部分と逆のやり方で広がる。
【0048】
ハウジング2の図示された部分は、図示されない巻線オーバーハング1が配置される、ほぼ回転対称な内部領域を含む。ファン5が、参照され得るように、巻線オーバーハング1の下に位置するので、ファン5から巻線オーバーハング1の上部領域への流路4は、巻線オーバーハング1の下部領域への流路4より長い。それでもなお、巻線オーバーハング1の個々の領域の最も均一な可能な冷却を達成するために、ファン5から巻線オーバーハング1の下部領域への、および巻線オーバーハング1の上部領域への、個別のフローパス4が、一方で提供される。対応する分割は、この場合、分離デバイス7によって実現され、それは、例えば、冷却材シャフト17における板として具現化され得る。
【0049】
他方では、ガイド要素11が冷却材シャフト17において位置し、冷却空気または異なる流体を巻線オーバーハング1に半径方向に適用するために、そのガイド要素11は、冷却材シャフト17における流れをそれぞれ1つの部分に方向変更するために、ほぼ半径方向に方向付けられる。図示された接続側において、ガイド要素11は、ステータの巻線オーバーハング1の個別のバーが接続側で電気的に接続される、接続タワーによって形成される。
【0050】
接続側とは反対に位置する非接続側において、ガイド要素11は、冷却材シャフト17において配置されるガイドプレートによって形成され得る。
【0051】
図3は、発電機のロータ軸3に対しておおよそ回転対称な外面を有する、図2に図示された冷却材シャフト17の上部領域を詳細に示し、したがって、冷却材シャフト17が、ほぼ円弧型でここに具現化される。
【0052】
巻線オーバーハング1の均一な冷却を実現するために、ガイド要素11は、描かれたように、流れの方向に熱交換器6から距離が増加するにつれて、半径方向外側により長く延び、したがって、各ガイド要素11において、冷却材シャフト17における円周方向9に広がる流れのさらなる領域が短縮されるか、または、巻線オーバーハング1を冷却するために、巻線オーバーハング1の各領域に加えられる放射状の流れへと内向きに方向変更される。
【0053】
図3は、図2のように、巻線オーバーハング1の左手部分を通気するための冷却材シャフト17の部分のみを示し、対応する右手部分は対称的に具現化される。したがって、図示されない右手部分において、ガイド要素11はまた、流れの方向において熱交換器6から距離が増加するにつれて半径方向外側により長く延び、右手部分における流れは、示された流れの方向とは逆のやり方で広がる。
【0054】
ガイド要素11および外面の間のクリアフロー断面12は、したがって、流れの方向に沿って1つのガイド要素11から隣のガイド要素11へと連続的に減少し、流れの前記方向は、円周方向9と、円周方向9に反対の両者に方向付けられ得る。結果として、ガイド要素11のそれぞれが流れの一部を巻線オーバーハング1に向かう内向きの放射状の流れに方向変更し、下流側に位置するガイド要素11のシャドーイングが補償されることが、容易に保証される。
【0055】
個別のガイド要素11はそうして、描かれるように、おのおの外面から離隔され、それによって、円周方向9において流れる体積流量の一部のみが半径方向8の内向きに方向変更されることが保証され、したがって、体積流量はまた、流れの方向の下流側に位置する巻線オーバーハング1の一部のために残る。これを視覚化するために、冷却流体または冷媒の速度ベクトル16が、冷却材シャフト17に図示される。
【0056】
さらに、ガイド要素11が半径方向外側端部、すなわち排出側において丸みを帯びるように具現化されることが、見られ得る。下流側に配置されたガイド要素11の側部の縁の丸み15は、それにより、例えば、1mmから20mmの半径を有し得る。結果として、方向変更に負の効果を与え得る乱流が、この領域において回避される。
【0057】
本発明に従って具現化される機械は、巻線オーバーハング領域に特に均一な冷却を提示し、したがって、損傷をもたらし得るホットスポットが効果的に回避される。
図1
図2
図3
【国際調査報告】