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特表2024-516063燃料電池における空気流を制御するシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】燃料電池における空気流を制御するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04694 20160101AFI20240405BHJP
   H01M 8/04313 20160101ALI20240405BHJP
   H01M 8/0432 20160101ALI20240405BHJP
   H01M 8/04858 20160101ALI20240405BHJP
   H01M 8/04828 20160101ALI20240405BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20240405BHJP
   H01M 8/0438 20160101ALI20240405BHJP
   H01M 8/04492 20160101ALI20240405BHJP
   B64U 20/96 20230101ALI20240405BHJP
【FI】
H01M8/04694
H01M8/04313
H01M8/0432
H01M8/04858
H01M8/04828
H01M8/04746
H01M8/0438
H01M8/04492
B64U20/96
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023553534
(86)(22)【出願日】2022-03-05
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 IB2022051962
(87)【国際公開番号】W WO2022185287
(87)【国際公開日】2022-09-09
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FIREWIRE
(71)【出願人】
【識別番号】504175659
【氏名又は名称】インテリジェント エナジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】INTELLIGENT ENERGY LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100093241
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 正昭
(74)【代理人】
【識別番号】100101801
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 英治
(74)【代理人】
【識別番号】100095496
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 榮二
(72)【発明者】
【氏名】カーク、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ハンサー、スティーブン
【テーマコード(参考)】
5H127
【Fターム(参考)】
5H127AB04
5H127AB29
5H127BA02
5H127BA22
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB37
5H127CC02
5H127DB22
5H127DB32
5H127DB92
5H127DB93
5H127DC22
5H127DC27
5H127DC32
5H127DC37
5H127DC43
5H127DC68
5H127EE18
(57)【要約】
システムは、第1の量の流体を動作可能に受け取るように構成された複数のFCを含むオープンカソードプロトン交換膜(PEM)燃料電池(FC)スタックを冷却し、酸化剤を供給するように構成されて良い。いくつかの実施例において、第1の量は非ゼロであり、コントローラは、第1の量より実質的に多い第2の量の流体がFCで受け取られるように第1の量を調整するように構成されて良い。調整は、(i)危険基準を満たす量だけ変化する1つまたは複数のFCの感知された属性、および(ii)周期基準を満たすFCスタックの動作の経過時間のうちの少なくとも1つに応答して実行されて良い。調整により、経過時間が耐久基準を満たして良い。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゼロではない第1の量の流体を動作可能に受け取るように構成された複数のFCを有するオープンカソードプロトン交換膜(PEM)燃料電池(FC)スタックと、
第1の量より実質的に多い第2の量の流体がFCで受け取られるように、第1の量を調整するように構成されたコントローラとを有し、
調整は、(i)危険基準を満たす量だけ変化する1または複数のFCの感知された属性、および(ii)周期基準を満たすFCスタックの動作の経過時間のうちの少なくとも1つに応答して実行され、調整により経過時間が耐久基準を満たすようになることを特徴とするシステム。
【請求項2】
上記調整により、上記流体が各電極へ拡散するのを湿気が妨げないように、1つ以上のカソード側電極から水分が除去または蒸発される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
上記感知された属性は、電圧および湿度表示のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
上記調整の性能が、寒冷基準を満たす上記FCスタックの外部の周囲温度にさらに応答する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
上記調整の性能は、湿度基準を満たす上記FCスタックの外部の周囲湿度にさらに応答する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
上記実行される調整の継続時間は、受け取った流体の毎分立方メートル(CMM)流量に基づいて決定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
上記実行される調整の期間は、(i)上記第1の量から上記第2の量まで増加するのに必要な時間、および(ii)上記第2の量から上記第1の量まで減少するのに必要な時間に基づいてさらに決定される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
上記実行された調整の期間および上記実行された調整の周期性のうちの少なくとも1つは、上記FCスタックが前の調整に応答した対応に基づいて決定される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
上記周期基準は、上記感知された属性が上記危険基準を満たすことが妨げられるように予め定められる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
上記第2の量が、上記第1の量よりも3倍以上大きい、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
上記流体は、上記FCスタックの表面上で受け取られる、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
上記寒冷基準は5℃である、請求項4に記載のシステム。
【請求項13】
上記コントローラは、エアムーバのデューティサイクルを制御することによって上記調整を実行する、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
上記コントローラは、上記FCスタックまたは上記FCスタックのダクトに結合されたリストリクタおよびダイバータのうちの少なくとも1つを制御することによって上記調整を実行する、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
上記コントローラは、一組の加圧ベローズを制御することによって上記調整を実行する、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
上記システムは無人航空機(UAV)に搭載される、請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
ファンパルスは、(i)上記ファンを一時的に停止すること、および/または(ii)空気遮断装置を使用することによって空気流量の一時的な減少を引き起こし、上記調整が上記ファンパルスの後に実行されるように上記調整が同期される、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
上記FCスタックのコア温度は、上記周囲温度に基づいて決定される、請求項4に記載のシステム。
【請求項19】
上記コントローラの制御に基づいて、上記システムの動作中にラムエアが上記FCで受け取られる、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
非ゼロである第1の量の流体を動作可能に受け取るように構成された複数のFCを備えるオープンカソード陽子交換膜(PEM)燃料電池(FC)スタックを提供するステップと、
第1の量より実質的に多い第2の量の流体がFCで受け取られるように第1の量を調整するように構成されたコントローラを提供するステップとを有し、
調整は、(i)危険基準を満たす量だけ変化する1つまたは複数のFCの感知された属性、および(ii)周期基準を満たすFCスタックの動作の経過時間のうちの少なくとも1つに応答して実行され、上記調整により経過時間が耐久基準を満たすようになることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の参照】
【0001】
本出願は、2021年3月5日に出願された英国特許出願第2103119.0号の利益および優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に、オープンカソード燃料電池(FC)の表面における空気流量を実質的に調整するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
FCは、2つの多孔質電極(負極またはアノードと正極またはカソード)を有し、これらは電解質(プロトン交換膜(PEM))の周囲において挟まれて一緒に膜電極アセンブリ(MEA)を形成する。水素などの還元燃料がアノードに供給され、酸化剤ストリームがカソードに供給されて、電気エネルギーが生成される。カソード拡散構造(例えば、カソードガス拡散層)は、MEAのカソード面に隣接する第1の面を具備し、アノード拡散構造(例えば、アノードガス拡散層)は、MEAのアノード面に隣接する第1の面を具備する。アノード拡散構造の第2の面は、電流を収集し、水素をアノード拡散構造の第2の面に分配するために、アノード流体フローフィールドプレートと接触する。カソード拡散構造の第2の面は、集電のため、カソード拡散構造の第2の面に酸素を分配するため、MEAから過剰な水を抽出するために、カソード流体フローフィールドプレートと接触する。アノードおよびカソード流体フローフィールドプレートの各々は、反応ガス(例えば、水素および酸素)の搬送および排気ガス(例えば、未使用の酸素と水蒸気)の除去のために、それぞれの拡散構造に隣接する表面において流体フローチャネルを伝統的に具備する、硬質で導電性の材料を有する。
【0004】
燃料と酸化剤の反応により電力、水、熱が発生するため、FCスタックは動作温度に達すると、FCへの損傷を避けるために冷却する必要がある。これを実現するには複数の方法がある。オープンカソードFCは、周囲の環境によって受動的に冷却されるか、ファンなどの送風機を使用してFCを通る空気の流れを促進する。液冷式FCには、流体的に隔離された1つ以上の冷却液ループがあり、FC間に冷却液を通すことでスタックからの熱の遮断を強化できる。蒸発冷却燃料電池システムは、水から蒸気への相変化を利用してFCスタックを冷却する。
【0005】
水素と酸素との間のFC電気化学反応中の重要な機能は、PEMを介したプロトン移動プロセスである。プロトン交換プロセスは、固体PEMが十分に水和されている場合にのみ発生する。存在する水が不十分な場合、膜の水抵抗特性によりプロトンの移動プロセスが制限され、セルの内部抵抗が増加する。PEMが過飽和になると、過剰な水がMEAの電極部分に溢れ、また、三相反応界面へのガスのアクセスが制限される可能性がある。これらの事象は両方ともFCの全体的なパフォーマンスに悪影響を及ぼし、後者は悪循環の一部となる(例えば、コールドスポットの増加と湿気の蓄積の増加)。スタックの端のFCは、これらのセルがスタックの中央のセルよりも温度が低いことが多く、フラッディングが起こりやすいという事実を緩和するために加熱される場合があるけれども、スタック内の1つ以上のFCの故障はランダムになる。予熱または再循環によって空気入口温度を上げることは既知の解決策であるけれども、これには追加の技術と複雑さが必要であり、多くの場合(軽量アプリケーションなど)には適さない可能性がある。
【発明の概要】
【0006】
複数のFCを備えるオープンカソードプロトン交換膜(PEM)燃料電池(FC)スタックを冷却し、酸化剤を供給するためのシステムおよび方法の側面が開示される。したがって、本開示の1つまたは複数の側面は、第1の量の流体を動作可能に受け取り、また、第1の量より実質的に多い第2の量の流体がFCで受け取られるように、コントローラを介して第1の量を調整する方法に関し、第1の量はゼロではない。調整は、(i)危険基準を満たす量だけ変化する1つまたは複数のFCの感知された属性、および(ii)周期基準を満たすFCスタックの動作の経過時間のうちの少なくとも1つに応答して実行されて良い。また、調整により経過時間が耐久基準を満たして良い。
【0007】
これらの冷却アプローチを容易にするために、燃料電池とそれに関連するプレートには一般に2つのアーキテクチャがある。空冷および液冷設計において、カソードプレートとアノードプレートは別個のコンポーネントであることが多く、モノポーラプレートと呼ばれることがよくある。これらは何らかの手段、例えば、圧縮、溶接、接着などによりアセンブリを形成して良い。蒸発冷却設計では、各プレートは最初のセルのカソードプレートとして機能し、隣接する2番目のセルのアノードプレートとして機能し、バイポーラプレートと呼ばれることがよくある。しかしながら、これらの一般化されたアーキテクチャは限定的ではなく、状況によっては、空冷FCスタックはバイポーラプレートで構成され、蒸発冷却FCスタックはモノポーラプレートで構成されて良い。ただし、これらの一般的な観察は、限定することを意図したものではない。
【0008】
この方法は、機械可読命令および/または他のコンポーネントによって構成される1つまたは複数のハードウェアプロセッサを備えるシステムによって実装される。このシステムは、1つまたは複数のプロセッサと、例えば機械可読命令を実行できる他のコンポーネントまたは媒体とを備える。説明された技術およびアーキテクチャのいずれかの実装には、方法またはプロセス、装置、デバイス、マシン、システム、またはコンピュータ可読記憶装置に格納された命令が含まれて良い。
【0009】
ここに開示されるシステムおよび方法の側面は、ゼロではない第1の量の流体を動作可能に受け取るように構成された複数のFCを有するオープンカソードプロトン交換膜(PEM)燃料電池(FC)スタックと、第1の量より実質的に多い第2の量の流体がFCで受け取られるように、第1の量を調整するように構成されたコントローラとを含み、調整は、(i)危険基準を満たす量だけ変化する1または複数のFCの感知された属性、および(ii)周期基準を満たすFCスタックの動作の経過時間のうちの少なくとも1つに応答して実行され、調整により経過時間が耐久基準を満たすようになる。いくつかの例において、上記調整により、上記流体が各電極へ拡散するのを湿気が妨げないように、1つ以上のカソード側電極から水分が除去または蒸発される。いくつかの例において、上記感知された属性は、電圧および湿度表示のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの例において、上記調整の性能が、寒冷基準を満たす上記FCスタックの外部の周囲温度にさらに応答する。いくつかの例において、上記調整の性能は、湿度基準を満たす上記FCスタックの外部の周囲湿度にさらに応答する。いくつかの例において、上記実行される調整の継続時間は、上記受け取った流体の毎分立方メートル(CMM)流量に基づいて決定される。いくつかの例において、上記寒冷基準は5℃である。いくつかの例において、上記FCスタックのコア温度は、上記周囲温度に基づいて決定される。
【0010】
ここに開示されるシステムおよび方法の側面は、ゼロではない第1の量の流体を動作可能に受け取るように構成された複数のFCを有するオープンカソードプロトン交換膜(PEM)燃料電池(FC)スタックと、第1の量より実質的に多い第2の量の流体がFCで受け取られるように、第1の量を調整するように構成されたコントローラとを含み、調整は、(i)危険基準を満たす量だけ変化する1または複数のFCの感知された属性、および(ii)周期基準を満たすFCスタックの動作の経過時間のうちの少なくとも1つに応答して実行され、調整により経過時間が耐久基準を満たすようになる。いくつかの例において、上記実行される調整の期間は、(i)上記第1の量から上記第2の量まで増加するのに必要な時間、および(ii)上記第2の量から上記第1の量まで減少するのに必要な時間に基づいてさらに決定される。いくつかの例において、上記実行された調整の期間および上記実行された調整の周期性のうちの少なくとも1つは、上記FCスタックが前の調整に応答した対応に基づいて決定される。いくつかの例において、上記周期性基準は、上記感知された属性が上記危険基準を満たすことが妨げられるように予め定められる。いくつかの例において、上記第2の量が、上記第1の量よりも3倍以上大きい。上記流体は、上記FCスタックの表面上で受け取られる。いくつかの例において、上記コントローラは、エアムーバのデューティサイクルを制御することによって上記調整を実行する。いくつかの例において、上記コントローラは、上記FCスタックまたは上記FCスタックのダクトに結合されたリストリクタおよびダイバータのうちの少なくとも1つを制御することによって上記調整を実行する。いくつかの例において、上記コントローラは、一組の加圧ベローズを制御することによって上記調整を実行する。いくつかの例において、上記システムは無人航空機(UAV)に搭載される。いくつかの例において、ファンパルスは、(i)上記ファンを一時的に停止すること、および/または(ii)空気遮断装置を使用することによって空気流量の一時的な減少を引き起こし、上記調整が上記ファンパルスの後に実行されるように上記調整が同期される。いくつかの例において、上記コントローラの制御に基づいて、上記システムの動作中にラムエアが上記FCで受け取られる。
【0011】
ここに開示されるシステムおよび方法の側面は、非ゼロである第1の量の流体を動作可能に受け取るように構成された複数のFCを備えるオープンカソード陽子交換膜(PEM)燃料電池(FC)スタックを提供するステップと、第1の量より実質的に多い第2の量の流体がFCで受け取られるように第1の量を調整するように構成されたコントローラを提供するステップとを含み、調整は、(i)危険基準を満たす量だけ変化する1つまたは複数のFCの感知された属性、および(ii)周期基準を満たすFCスタックの動作の経過時間のうちの少なくとも1つに応答して実行され、上記調整により経過時間が耐久基準を満たすようになる。
【0012】
本開示の他の特徴および利点は、部分的に、以下の説明および添付の図面に記載される。ここで、本開示の好ましい態様が説明され、また、当業者には、添付の図面と併せて理解される以下の詳細な説明を検討する際に、その一部が明らかになり、また、それを本開示の実施により学ぶことができるであろう。本開示の利点は、添付の特許請求の範囲で具体的に指摘されている手段および組み合わせによって実現および達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
具体的な実装の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載される。明細書全体を通じて、同様の参照番号は同様の要素を参照して良い。他の特徴は、図面および特許請求の範囲を含む以下の説明から明らかになるであろう。しかしながら、図面は例示および説明のみを目的としており、本開示の制限をなすことを意図したものではない。
図1A図1Aは、1または複数の実施例に従う空冷式オープンカソード燃料電池スタックを示す。
図1B図1Bは、1または複数の実施例に従う、空気流が制御されるシステムの一例を示す。
図2A図2Aは、1または複数の実施例に従う、低流量構成および高流量構成における例示的なエアムーバを示す。
図2B図2Bは、1または複数の実施例に従う、低流量構成および高流量構成における例示的なエアムーバを示す。
図2C図2Cは、1または複数の実施例に従う、空気吸引構成にある例示的なエアムーバを示す。
図3A図3Aは、1または複数の実施例に従う、高流量構成の例示的なエアムーバを示す。
図3B図3Bは、1または複数の実施例に従う、最低流量構成の例示的なエアムーバを示す。
図3C図3Cは、1または複数の実施例に従う、低流量構成の例示的なエアムーバを示す。
図3D図3Dは、1または複数の実施例に従う、空気吸引構成に調整された異なるタイプのエアムーバを示す。
図4A図4Aは、1または複数の実施例に従う、低流量構成における例示的なエアムーバを示す。
図4B図4Bは、1または複数の実施例に従う、高流量構成における例示的なエアムーバを示す。
図5図5は、1または複数の実施例に従う、実質的に異なる量の空気流を提供するためのプロセスを示す。
【0014】
図中のすべてのコールアウトは、あたかも、ここに完全に記載されているかのように、参照によりここに組み込まれる。
【詳細な説明】
【0015】
この出願全体で使用されているように、「良い」(「may」)という言葉は、強制的な意味(つまり、しなければならない)ではなく、許容的な意味(つまり、可能性があることを意味する)で使用される。「含む」(「include」、「includes」、「including」)の用語は、含むけれども、これらに限定されないことを意味する。ここで使用される場合、単数形(「a」、「an」、および「the」)は、文脈が明らかに、そうでないことを指示しない限り、複数形の参照を含む。ここで使用される場合、「数」(「number」)という用語は、1つまたは1より大きい整数(すなわち、複数)を意味する。
【0016】
ここで使用される場合、2つ以上の部品または構成要素が「結合されている」(「coupled」)という記述は、リンクが発生する限り、部品が直接または間接的に、すなわち1つまたは複数の中間部品または構成要素を介して結合または一緒に動作することを意味する。ここで使用される場合、「直接結合された」(「directly coupled」)とは、2つの要素が互いに直接接触していることを意味する。ここで使用される場合、「固定的に結合された」(「fixedly coupled」)または「固定された」(「fixed」)とは、2つの構成要素が、互いに対して一定の配向を維持しながら1つとして動くように結合されることを意味する。例えば限定するものではないが、上、下、左、右、上、下、前、後、およびそれらの派生語など、ここで使用される方向を示す表現は、図面に示される要素の向きに関連しており、明示的に記載されていない限り、特許請求の範囲を制約しない。
【0017】
これらの図面は、一定の縮尺で描かれておらず、いずれの所与の実施例の構造または性能特性を正確に反映していない可能性があり、例示的な実施例に包含される値または特性の範囲を定義または制限するものとして解釈されるべきではない。
【0018】
特に明記しない限り、議論から明らかなように、本明細書全体を通して、「演算」(processing)、「計算」(computing)、「算出」(calculating)、「決定」(determining)などの用語を利用する議論は、特殊用途のコンピュータまたは同様の特殊用途の電子処理/コンピューティングデバイスなどの特定の装置の動作またはプロセスを指すことを理解されたい。
【0019】
いくつかの例示的な実施例において、システム10の1または複数のコンポーネント(例えば、燃料電池スタックモジュール50、エアムーバコントローラ65(エアムーバ60(1または複数)を制御するためのもの)、センサ55(1または複数)、水素供給源45、オプションのペイロード30、電力コントローラ40、負荷コントローラ20(負荷25を制御するためのもの)、および、バッテリ35)は、フレームまたはハウジングの表面に固定されて良い。図1Bは、システム10の例を示す。
【0020】
いくつかの例示的な実施例において、システム10は、各FCのMEAのカソード側に酸化剤を提供するために各FCのカソード側に空気流が向けられるオープンカソードFCスタックを有して良い。オープンカソードPEMFCスタック50は、例えば、周囲空気に露出されたチャネルを備えたカソード流体フローフィールドプレートを具備して良い。したがって、その構造は単純で低コストであり、寄生損失も低いであろう。
【0021】
いくつかの例示的な実装において、オープンカソードFCシステム10は、自己加湿および/または空冷であって良い。例えば、1つまたは複数のエアムーバ60をFCハウジングに(例えば直接またはダクトを介して)取り付けて良く、強制対流または有向対流によってスタックから熱を除去して良く、同時にカソードに酸素を供給して良い。
【0022】
酸化剤は、拡散層を介してスタック50に提供されて良い。また、複数のFCを有するFCスタック全体にわたってFCへの均一な空気流を実現するために、たとえばスタックの対向面間のFCスタックにわたって空気流を提供して良い。この例または他の例において、空気流は、FCの一方の端から対向する端まで、各FCを横切って提供されて良い。
【0023】
ここに開示されるアプローチは、いくつかの非オープンカソードFC実装のパージを補完するために企図される。しかし、オープンカソードFC構成では、空気通路のカソードチャネルの形状が大きすぎるため、その影響はより顕著になるであろう。空気流に対して過大な幾何学的形状を示す空冷式オープンカソードFCスタックが、図1Aの2つの図に示されている。
【0024】
いくつかの例示的な実装において、オープンカソードFCスタック50は、送風機60によって空気流を提供可能にするストレートスルーカソードチャネルを具備して良い。例えば、空気流(例えば、ファン補助またはラムエア)は、反応、および、FC温度の冷却または維持という、少なくとも別の目的のために、FCのカソードに酸素を供給して良い。この例または他の例において、オープンカソードFCには直接取り付けられた冷却ファンがあり、強制対流によって熱を除去し、カソードに酸素を供給して良い。これらの冷却剤チャネルは、空気流路内に突出するバンプやフィンなどの構造を備えるか、スタックを通して、遮蔽のない直線状の空気流路が存在しないように正弦波チャネルなどの非線形チャネルを有することによって特徴付けられて良いことが理解されよう。
【0025】
いくつかの例示的な実装において、流体は、冷却機能と酸化剤(例えば、酸素)の供給の両方のためにFCスタック50に提供される。これらまたは他の例示的な実装において、エアムーバ60-1、60-2、60-3(図2A~4Bを参照)は、1つまたは複数の他の機能のために、例えば、蒸気を排出すること、凝縮器を冷却すること、空気を冷却モジュールおよび/または触媒ヒーターに導くこと、または他の目的のために、使用されて良い。エアムーバーは、対流的に作用して、FCスタック温度および反応物質の供給(ガス化学量論)を調節して良い。たとえば、周囲温度、相対湿度、負荷電流、経年変化などの広範囲の動作条件に対して、スタックシステムの最適なバランスと効率を確保するために、細かく適応された制御戦略を採用して良い。
【0026】
いくつかの例示的な実装において、エアムーバ60は、例えば、システム10の流体入口の周囲温度が低いとき(例えば、約摂氏約5度以下)、センサベースのおよび/または周期的な空気の噴射(ブラスト、送風ともいう)を空冷式FCに向けて、蒸発速度を高めて良い。たとえば、周囲温度が非常に低くなると、他の方法で管理できるよりもはるかに多くの液体の水が生成される。これら、または他の例示的な実装において、オープンカソード空冷スタック50は、(例えば、少なくとも部分的にコントローラ65によって制御される空気の動きにより)温度が維持され得る。
【0027】
いくつかの例示的な実装において、システム10は、吸気温度が低い環境(例えば、加熱された端部セル)にある場合がある。目標のセル温度は達成できても、カソードのフラッディングなどによりランダムなセル故障が発生する可能性がある。つまり、低い空気流量レベルとエンドセルヒーターを使用してセル温度が目標レベルに維持されている場合でも、場合によっては、ランダムなセルがカソードにおいて浸水状態になり、最終的に故障する可能性があることが実証されている。端部のFCが加熱されていない場合、スタック内のセルは故障する可能性が高くなる。このような故障は、セル全体の温度分布の変化や目標動作温度を維持するために必要な空気流量が非常に低いということのために、セルの一部の領域での蒸発速度がまだ不十分であることが原因である可能性があります。いくつかの例示的な実装において、空気流量を定期的に最大まで増加させることによって(例えば、ファンの送風によって)、蒸発速度を一時的に増加させて、これらの障害を緩和し、運転時間をさらに延長することができる。
【0028】
空冷式燃料電池を低い吸気温度(例えば、5℃以下)で動作させるときに、特にセル動作温度を十分なレベル(例えば、45℃以上)に維持できない場合、性能が不安定になることが多い。これは、低温ではカソードで生成される水の蒸発速度が不十分で、液体の水が蓄積してしまうためである。このような水たまりは、スタック50の電極への酸素の輸送を妨げ、性能を低下させ、最終的には1つ以上のFCの故障を引き起こす可能性がある。酸素が通過しないと、電極の化学反応が起こらず熱が生成されないため、その部分がさらに冷たくなり、悪循環が生じる。したがって、空気流の調整は、流体がカソード側のそれぞれの電極に拡散するのを湿気が妨げないように、1つまたは複数のカソード側電極から水分を除去または蒸発させ、有益であろう。
【0029】
この悪循環は、セルのパフォーマンスが低下するにつれてセルの熱が徐々に増加することに関連しており、これによりフラッディングが安定化するはずである。しかし、蒸発速度が低下し続けると(周囲温度が低下するなど)、水が蓄積する臨界点に達し、セルが発生する熱が増加しても安定した動作が不可能になる。その後、セルは故障する。言い換えれば、空気流およびセル温度の組み合わせが、カソードから水を排出する臨界レベルよりも低いということである。カソード上に水が蓄積し、活性表面積が減少し、電極への酸素の拡散が減少する。その後、セルのパフォーマンスが低下し、最終的にセルが故障する。
【0030】
いくつかの例示的な実装において、空気流を少なくとも1秒(または数秒)最大まで定期的に増加させることによって、カソードからの水の蒸発および除去を増加させることができる。これにより動作温度が大幅に低下するけれども、スタック50はすぐに回復するであろう。開示されたアプローチは、エアブラスト間の水分除去に重大な影響を及ぼさず、結果的に水分除去の純利益が得られるであろう。ブラストは、温度がそれほど低くない場合、および/または周囲湿度が高すぎない場合にはブラストが必要ないように、空気入口温度に基づいて実行して良い。例えば、ブラストは、温度が5℃以下のときに(例えば、定期的に)実行され始めて良いし、または、温度が高く湿度も高いときにブラストが実行され始めて良い。
【0031】
いくつかの例示的な実装において、コントローラ65は、冷却を遅くして(例えば、空気流を制限または再分配することによって、またはファンまたは冷却器の特性を調整することによって)スタックをより高温にすることによって、水の蓄積を防ぐのに役立ち得るけれども、実行されたブラストは、さらに有益であろう。例えば、コントローラは、1または複数のFCにおいて感知された属性(例えば、過度の電圧降下、過剰な水分を検出する湿気表示、または別の適切なパラメータが閾値を越える)が危険な量やレベルに変化したときに、この調整を実行することができる。その結果、流体の流れは、非常に短時間で最大容量まで劇的に増加し、その後再び減少して、FCの温度に大きな影響を与えることなく、水の蒸発および/または物理的な移動をより速く行うことができる。調整をごく短時間行うだけなので、FCの温度が下がりすぎず、さらなる問題(液体水の生成停止など)の発生を回避できる。
【0032】
いくつかの例示的な実装において、FCは、それぞれ、システム10の外部の環境から酸化剤および/または冷却剤を引き込むための空気入口を具備して良い。空気を実質的に引き込むために、1つまたは複数の送風機が空気入口に設けられて良い。空気入口は、例えば、空気を内部に引き込むためにシステム10の動きに依存する場合、実質的にファンまたは送風機なしで駆動され得る。各FCは、また、空気入口の下流に設けられる空気出口を具備して良い。
【0033】
いくつかの例示的な実装において、システム10のラムエア吸気口は、動的な空気圧(例えば、車両の運動によって生成され得る)が吸気マニホールド64内の静的な空気圧を増加させるように構成されて良く(図2A~4Bを参照)、もって、FCスタック50へのより大きな流量を可能にする。例えば、システム10は、無人航空機(UAV)、または空中に搭載されていてもいなくてもよい別のタイプの車両に搭載されて良い。
【0034】
いくつかの例示的な実装において、システム10は、静止中または移動中に動作するように構成されて良い。例えば、一組のリストリクタ/ダイバータ60-2は、ラムエアが存在しない固定システムで使用されて良く、および/またはラムエアが存在する移動システムで使用されて良い。いくつかの実装において、空気流(例えば、ファンまたはその他の流量)は最小値まで低下する可能性があるけれども、それでもFCスタック50に供給するには多すぎるかもしれない。例えば、寒い条件では、一組のリストリクタ/ダイバータは、ファン60-1が回転する閉位置に係合する可能性がある。そして、送風したいときはファンをそのままにしておいて良い。そして、コントローラ65は、リストリクタ/ダイバータを開くことができる。したがって、調整を実行するためにラムエアと移動スタックは必要ないかもしれない。
【0035】
いくつかの例示的な実装においては、エアムーバコントローラ65による調整は定期的であって良い。例えば、30分ごと、または、センサに基づくものなどの不規則なものを含む別の間隔で、空気を、スタック50に向かって、またはスタック50から、数秒間吹き付けて良い。この例または他の例において、カソードの浸水は、例えば約35分程度の経過時間で始まる可能性があり、その後すぐに、例えば調整(ブラスト)によってカソードから水を吹き飛ばすまで、徐々に悪化する可能性がある。したがって、この利点は、同じ問題を解決するために追加の機器やキット(たとえば、再循環システムやヒーター)を用意することなく実現されて良い。
【0036】
いくつかの例示的な実装においては、エアムーバコントローラ65は、経過時間が周期性基準を満たしたときに出力通知をトリガする経過時間カウンタを有して良い。例えば、30分ごとに、エアムーバコントローラ65に調整を実行させて良い。
【0037】
いくつかの例示的な実装において、エアムーバコントローラ65による調整により、経過時間が耐久基準を満たすようにすることができる。例えば、システム10が動作できる時間は、吸気温度がー10℃であっても2時間以上である可能性がある。この経過時間は、調整が実行されなかった場合にシステム10が実行できる時間よりも長くなる可能性がある。たとえば、カソードのフラッディングは動作の約45分後に発生する可能性があり、調整が実行されていない場合は約75分後にセルの故障が発生する可能性があります。したがって、ここでは、燃料電池駆動システムの連続動作時間制限を延長する方法も開示する。高圧縮水素または凍結水素(これらは、より長い実行時間をサポートするのに十分な高いエネルギー密度を特徴とする)で実行されるシステムでは、実行時間は3時間を超える場合があり、12時間を超える場合もあり、場合によっては20時間を超える場合もある。それにより、この方法は、特に航空機において航続距離の延長を可能にし、また、動作時間は従来のシステムの動作時間を超える。
【0038】
そして、この調整は、FCスタック50に向けられる流体の流れを実質的に増加させ、スタック50の温度を低温基準を満たす量だけ低下させることなく、突然行うことができる。例えば、調整の継続時間が非常に短いため、スタック50の中心温度が約45℃(例えば、周囲温度が約5℃より高い場合)、および、約55℃(例えば、周囲温度が約5℃をより低い場合)約55℃に留まる場合がある。この例または他の例において、FCスタック50のコア温度は、周囲温度(および/または他の属性)に基づいて制御および/または決定されて良い。オープンカソードFCの性能は、動作温度の変化、および、調整される空気流量に基づく場合がある。コア温度は、例えばセルの出口に近い温度など、最も熱い温度であって良い。そして、コア温度の数値は、コントローラ65が当該温度を維持するために空気流を制御しようとする対象であって良い。
【0039】
いくつかの例示的な実装いおいて、調整を行わないと、電極のフラッディングに近い状態により、1つまたは複数のFCの電圧が低下し始める可能性がある。蓄積された水分を除去する調整の結果、電圧は急速に上昇し、正常で健全な動作を示す以前のレベルに戻るであろう。
【0040】
いくつかの例示的な実装において、調整の継続時間は、(i)継続時間の約25%を占める流量増加部分および流量減少部分と、(ii)継続時間の約75%を占める実質的に最大の流量部分とを有して良い。これらまたは他の実装において、調整時間の多くがランプアップおよびランプダウンで構成されるため、フルブラストの時間量が短くなるように、ゆっくりと調整するエアムーバを使用することができる。したがって、これらの後者の実装において、長時間にわたって十分な蒸発または水分の排出がすでに行われている可能性があるため、実際には実質的な最大値に決して到達しない可能性がある。
【0041】
いくつかの例示的な実装において、オープンカソードで提供される実質的により多くの空気流量は、公称量(または低温周囲温度に対して予め定められた別の適切な空気流量)よりも3倍以上、5倍以上、8倍以上、または10倍以上大きくなり得る。送風は、例えば、従来の空気流の少なくとも200%、少なくとも250%、および少なくとも300%のうちの1つを有して良い。
【0042】
いくつかの実装において、送風の継続時間は送風の量に関連して良い。たとえば、送風によって空気流量が10倍になる場合、持続時間は非常に短くて良い(たとえば、約1~2秒)。ただし、送風による空気流量がわずか約3倍の場合、持続時間は少し長くなる可能性がある(たとえば、約2~3秒)。そして、その持続時間は、代替的または追加的に、空気流がどのくらい速く加速または巻き上げられ、その後下降するかに基づいて良い。いくつかの実装において、エアムーバ60の構成は、どれだけ速く送風できるかに基づいて選択または決定して良い。したがって、実行される調整の継続時間は、スタック50で受け取られると推定される流体の毎分立方メートル(CMM)流量に基づいて決定して良い。いくつかの例示的な実装において、実行される調整の継続時間と、実行される調整の周期性は、FCスタックが以前の調整に応答した方法に基づいて決定されて良い。例えば、前回の送風量が不足していた場合に、次の期間の送風量を増加させて良い。周期性は、属性(例えば、電圧または湿度)が危険と考えられる値で感知されるのを防ぐように、事前に決定して良い。
【0043】
いくつかの例示的な実装において、その後パフォーマンスの向上が観察された場合、調整は成功したとみなされて良い。たとえば、ほんの数秒後にスタック電圧またはセル電圧が上昇する場合がある。
【0044】
いくつかの例示的な実装において、空気の移動は、FCスタック50(例えば、カソード電極入口または出口を備えて良い)の表面に向けて、および/または、そこから方向付けられて良い(例えば、図2A~4Bを参照)。この空気流の方向付けは、コントローラ65、ムーバ60、およびマニホールド64を介して実行することができ、例えば、マニホールド64は、流体をスタックに向けて、または、スタックから遠ざけるように流体の周りに形成される、境界、堺、パイプ、またはチャンバを有する。マニホールド64は、例えば、システム10の内部または入口、スタック50の表面または電極、1つまたは複数のエアムーバ60(1つまたは複数の異なるタイプの複数のエアムーバの組み合わせを含む)、ブリードオフ導管62、および/または他の開口部に、直接的に近接する、または直接的に接触する、複数の開口および/または経路を具備して良い。
【0045】
上述の空気の動きは、例えばコントローラ65を介して調整することができる。例えば、空気の噴流をカソード入口に吹き付けることができ、および/または噴流がカソード出口から空気を吸引することができる。空気を押すか引くかは、例えばシステム10の設計時の制約によって決定することができる。例えば、システム10を可能な限り最小の体積に押し込もうとする場合、あるアプローチを別のアプローチよりも選択せざるを得なくなる可能性がある。考慮すべき点の1つは、理想的にはカソード入口への空気の流れが均一である必要があるということである。ファンはそのすぐ下流で空気の流れに乱流を引き起こすため、空気を押し出すファンとカソード入口との間の距離が不十分な場合、カソード入口で受け取られる空気が完全に均一にならない可能性があり、スタック内部の冷却に問題のある変動を引き起こす可能性がある。このシナリオでは、図2Cおよび図3Dの例に示すように、空気はカソード出口からより良く吸引されるであろう。ただし、ファンをブロー構成にすることには利点がある。送風している場合、ファンは熱い排気ではなく、冷たい周囲の空気を移動させている可能性がある。冷気は熱気よりも密度が高いため、コントローラ65は、移動する空気の所定量に対して、より多くの分子/質量を移動させる可能性がある。したがって、スタックを冷却する能力はスタックを通過する空気の質量に関係するため、これにより冷却の可能性が大きくなる。
【0046】
図2A~2Bにおいて、60-1がファンとして示されているけれども、クロスフローファン、遠心ファン、および軸流ファンなどの空気移動ファンの代わりに、圧力送風機も採用可能である。同様に、60-2は、図3A~3Bにおいてルーバーとして示されているけれども、空気移動ルーバーの代わりに、別の流体遮断および/または流体方向転換装置(例えば、ストリップ、スラット、または別の適切な構造)も採用可能である。図4A~4Bは、スタック50を冷却する他の手段を示し、これは、加圧手段(例えば、1つのベローズ、一対のベローズ、空冷加圧(ACP)、または圧縮および膨張する別の装置)を介することを含む。PEMスタック50は空冷されて良いけれども、場合によっては、その代わりに、または追加として、冷却剤を使用して冷却が実行されて良い。図2A、2B、4A、および4Bにおいて、空気の流れが矢印で示されており、太い線はその周りの流体の流れがより多くなることを意味する。しかしながら、図4Bは、さらに、または、その代わりに、より多くの冷却が、冷却器60-3(例えば、加圧空気を提供するための手段、熱交換器、および/または凝縮器、コンプレッサー、エバポレーター、ポンプを含む冷凍サイクルを備える)を介して適用されていることを太い矢印で示して良い。図3A、3B、および3Cにおいて、空気の流れが矢印で示されているけれども、図3Cの例に示すように、少量の空気の流れがルーバー60-2を通過する可能性がある。(例えば、1つまたは複数のルーバーを開き、他のルーバーを閉じたままにすることによって)。そして、さらに少量の空気流が、図3Bの例のルーバー60-2を通過して滴り落ちる可能性があり、これは、名目上の、またはゼロでない値の空気流をスタック50に提供するためのものである。
【0047】
さらに、コアンダ効果、静電流体加速器、または別の適切な装置を使用する空気流発生器が、(単独でまたは別の前述の装置とともに)調整可能な空気移動装置として動作することが企図される。
【0048】
いくつかの実装において、エアムーバ60は、非常に高速で動作して良く、かつ/またはFCスタック50のオープンカソード面に対して空気を(例えば、異なる角度で)駆動するように構成されて良い。一例において、スタックに空気を吹き付けられて良い。他の例において、スタックから空気が吹き飛ばされて良い。軸流ファンが実装される場合、そのブレードは、広範囲にわたって、または具体的にはFCスタック50の1つまたは複数の位置で空気を強制的に遠ざけるために、任意の数、形状、および寸法を具備して良い。いくつかの実装において、ファン60-1は急速に加速し、および/または、より高い最大速度に達して良い。加速度が高いほど、および/または最大速度が高いほど、調整期間は短く決定される。
【0049】
いくつかの例示的な実装において、図2~4のマニホールド64は、その中に、ファンアセンブリ60-1、ルーバーアセンブリ60-2、および冷却アセンブリ60-3のうちの少なくとも1つを具備して良い。そして、これらの構成要素は、実質的に異なる体積の流体(例えば、圧力冷却空気、強制空気、または別の流体)が供給されるように、任意の適切な順序または配置(例えば、図1Bの例に示すように、流体入口とFCスタック50との間、またはシステム10の他の適切な位置)で構成されて良い。
【0050】
いくつかの例示的な実装において、ルーバーアセンブリ60-2は、(例えば、図2A図4Bに示すように、少なくとも上壁および下壁を具備するハウジングまたはマニホールド内にあることによって)FCスタック50に向けられる流体の流れを制御して良い。例えば、ハウジングは長方形の断面を有して良い。いくつかの例示的な実装において、ルーバーアセンブリ60-2は、ハウジングまたはマニホールドを通る流体の流れに対して実質的に垂直に延在し得る任意の自然数のルーバー(例えば、アレイ状に配置された)を有して良い。ルーバーの各々は、例えばハウジングの全幅にわたって延びるなど、任意の適切な形状を具備して良い。ルーバーは、それぞれ、FCスタック50の表面への流体の流れを制御するために回転可能であって良い。例えば、ルーバーは、それぞれ、図3A~3Cに示される図において、紙面の表裏に延びる軸の周りを回転可能であって良い。そして、それらは、ルーバーアセンブリ60-2が流体の流れの少なくとも一部を制限および/または迂回させることができる閉位置(図3B)と、アセンブリ60-2が実質的にすべての流体をFCスタック50に流れることを可能にする開位置(図3A)との間で回転可能であって良い。
【0051】
この閉位置において、図3Bに示すように、各ルーバーが互いに接触に近づくように回転し、また、ハウジングの上端および下端のルーバーがハウジングの壁に接触して良い。この位置では、ルーバー60-2は、流体の流れの少なくとも一部が(例えば、システム10での再利用のために)開口部62の外にそらされるように、ある程度の閉塞を形成して良い。回転位置などのルーバーの位置は、FCスタックの動作中に能動的に制御されて良い。さらに、ルーバーは、同時に回転するように互いに接続されて良い。
【0052】
いくつかの例示的な実装において、ブリードオフ導管62は、空気を再循環させるため、またはスタック50から空気を迂回させるために使用されて良い。例えば、低温条件下では、ファンなどの送風機の最小空気流量では依然としてスタック50に多すぎる空気が供給される可能性がある。送風を実行するときなどの他の状況において、導管62を遮断することによって最大の空気流を提供して良い。
【0053】
いくつかの例示的な実装において、エアムーバコントローラ65は、実質的に最大の空気流が提供されるように、図2A~2Bのエアムーバ60-1を絞り、または調整して良い。例えば、コントローラ65は、ファンの電圧または電流を調整して良い。この例または他の例において、パルス幅変調(PWM)を使用して、例えば、決定されたデューティサイクルに基づいて所望の回転速度を持たせることによってファンを制御して良い。たとえば、100%のファンPWMは、それを降下するまえの、約2秒で実現されて良い。これらまたは他の例示的な実装において、エアムーバコントローラ65は、例えば、図3A~3Cの点線で示されるように、エアムーバ60-2を調整して、もって、実質的に最大の利用可能な空気流を実現して良い。これらの調整のうちの1つまたは複数は、例えば、FCスタック50の外部の周囲温度が寒冷基準を満たすと判定されたときに実行されて良い。
【0054】
図1Bのシステム10の流体入口には、例えば、FCに酸化剤を提供する空気源があって良い。いくつかの例示的な実装において、ファンアセンブリ60-1は、ルーバーアセンブリ60-2の上流または下流にあって良い。これらまたは他の実装において、エアムーバ60は、図1Bの入口から流入する流体の流れを各FCスタックへ移動させるように構成されて良い。図2Aは、2つのファン60-1を示しているけれども、任意の数のファンnが考えられ、nは自然数である。各ファン60-1は、一緒にまたは個別に、選択的に作動され、および/またはその速度が制御されて良い。ファンアセンブリ60-1は、少なくともエアムーバコントローラ65に基づいて制御さて良く、例えば、センサ55の出力、時間指示、FCスタックの性能パラメータ、または別の属性に基づいてそのように制御されて良い。
【0055】
いくつかの例示的な実装において、エアブラストは、性能の低下を回避するために、感知されたパラメータ(例えば、電圧)が低下し始める前に予防的に実行されて良い。しかし、エアムーバコントローラ65は、代替的には、例えば、センサ55(セル電圧またはスタック電圧をリアルタイムで監視するように構成されている)がシステム10内に存在しないとき、定期的にエアブラストを引き起こすように構成されて良い。
【0056】
流体入口は、システム10に大気を導入することができ、例えばダクト64および/またはエアムーバ60がスタック50内のそれぞれのFCのカソードにおける流路に案内することができ、例えばスタックから外気に空気を排出することができる(例えば、排出空気から水が分離される凝縮器を介して)。いくつかの実装において、ファン60-1は、スタック上に取り付けられ得る吸気マニホールド64を介して大気または他の流体を流すことができる。
【0057】
図3Aの例において、ルーバーアセンブリ60-2は開位置に制御される。空気は、ファンを必要とせずに、システム10の入口から一組のルーバー60-2(例えば、60-2A、60-2B、60-2C、60-2N、Nは自然数)に直接流入(または流出)して良く、または、この流体はファンアセンブリ60-1から来ても良く(代わりに空気を直接受け取ることもできる)、これらの構成のいずれにおいても、ルーバーは、FCスタック50の表面に直接隣接するか、または結合されて良い。他の構成、例えば、ファンアセンブリがスタックの表面に直接隣接または結合され、ルーバーが空気入口とファンアセンブリとの間にある構成も考えられる。さらに、ダクト64内のルーバーアセンブリを必要とせずに、ファンアセンブリがシステム10の吸気口から空気を直接受け取る構成も考えられる。
【0058】
上述したように、図3Aおよび3Bの各々の左側は、ファンの出力またはシステム10の空気入口であって良い。図3Aおよび図3Bの各々の右側は、FCスタックまたは別のタイプのエアムーバであって良い(例えば、ファンがルーバとFCスタックとの間に挟まれている場合、およびコントローラ65が複数のタイプのエアムーバの機能を調整して送風を実行する場合)。
【0059】
いくつかの例示的な実装において、システム10は、ファン60-1を作動させたままにし、単にルーバー60-2を閉じて(図3Bを参照)空気流を遮断することによって、ファンパルスを実行することができる。いくつかの実装において、ファンパルスは、スタック50がオンになって動作する過程にある間に実行されて良い。このようなパルスは、ファンを一時的にオフにする(またはルーバーを介して空気流を遮断する)ことが含まれて良い。
【0060】
いくつかの例示的な実装において、送風機コントローラ65によって引き起こされる調整は、当該調整がファンパルスの後に実行されるようにファンパルスと同期させて良く、これは、ファンパルスによってスタック50が加熱され、その後の送風によってスタック50が冷却されるためである。
【0061】
図5は、1または複数の実施例に従って、1または複数のFCスタックの1または複数のFCに関して一時的に空気を吹き付けるための方法100を示す。方法100は、1または複数のコンピュータプロセッサおよび/または他のコンポーネントを有するコンピュータシステムを用いて実行されて良い。プロセッサは、コンピュータプログラムコンポーネントを実行するための機械可読命令によって構成されている。以下に示す方法100の動作は、例示を目的とするものである。いくつかの実施例において、方法100は、説明されていない1または複数の追加の動作を用いて、および/または論じられた1または複数の動作なしで実現されて良い。さらに、図5に示され、以下に説明される方法100の動作の順序は、限定することを意図したものではない。いくつかの実施例において、方法100は、1または複数の処理装置(例えば、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、状態マシン、および/またはその他の情報を電子的に処理するためのメカニズム)で実装されて良い。処理装置は、電子記憶媒体に電子的に記憶された命令に応答して方法100の動作の一部またはすべてを実行する1または複数の装置を含んで良い。処理装置は、方法100の1または複数の動作を実行するために特別に設計されるハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアを通じて構成される1つ以上の装置を含んで良い。
【0062】
方法100の動作102において、オープンカソードPEMFCスタックが提供されて良い。このスタックは、第1の量の流体を動作可能に受け取るように構成されたFCを有して良く、第1の量は非ゼロである。一例として、流体がシステム10に進入して良く、FCスタック50に到達する前に、少なくとも少量の空気が誘導または強制されて良い。いくつかの実施例において、動作102は、システム10のプロセッサコンポーネントによって実行される。
【0063】
方法100の動作104において、第1の量より実質的に大きい第2の量の流体がFCで受け取られるように第1の量を調整するように構成されたコントローラが提供されて良い。一例として、流体流は、FCスタック50に到達する前に大幅に増加して良い。この例または他の例において、第1および第2の量は、(i)カソード電極出口および/または(ii)カソード流チャネルを含む表面において、その近くおよび/またはその周囲を通過する空気の体積である。この例または別の例では、調整は、アノード側での湿度パージをさらに有して良い。調整によって提供される空気のブラストはパージを引き起こす可能性があり、このパージは、液体をFCスタックから例えば貯水タンクに洗い流すことが知られているようなパージとは異なって良い。いくつかの実施例において、動作104は、システム10のプロセッサコンポーネントによって実行される。
【0064】
コントローラ65、20のうちの1または複数は、情報を電子的に記憶する電子記憶媒体などの電子記憶装置を具備して良い。電子ストレージの電子ストレージ媒体は、システム10と一体的に(すなわち、実質的に取り外し不可能に)提供されるシステムストレージ、および/または、例えばポート(例えばUSBポート、Firewireポートなど)またはドライブ(例えばディスクドライブなど)を介してシステム10に取り外し可能に接続可能なリムーバブルストレージを具備して良い。電子ストレージは、(全体的または部分的に)システム10内の別個のコンポーネントであってもよく、または電子ストレージは、(全体的または部分的に)システム10の1つまたは複数の他のコンポーネント(例えば、ユーザーインターフェースデバイス、プロセッサなど)と一体的に提供されて良い。電子記憶装置は、メモリコントローラと、光学的に読み取り可能な記憶媒体(例えば、光ディスクなど)、磁気的に読み取り可能な記憶媒体(例えば、磁気テープ、磁気ハードドライブ、フロッピードライブなど)、電荷ベースの記憶媒体(例えば、EPROM、RAMなど)、ソリッドステート記憶媒体(例えば、フラッシュドライブなど)、および/または他の電子的に読み取り可能な記憶媒体のうちの1つまたは複数とを有して良い。電子ストレージは、ソフトウェアアルゴリズム、プロセッサによって取得および/または決定された情報、ユーザーインターフェースデバイスおよび/または他の外部コンピューティングシステムを介して受信された情報、外部リソースから受信された情報、および/またはシステム10がここで説明したように機能することを可能にする他の情報を格納して良い。
【0065】
外部リソースは、情報源(例えば、データベース、ウェブサイトなど)、システム10に参加する外部エンティティ、システム10の外部の1つまたは複数のサーバ、ネットワーク、電子ストレージ、WiーFi技術に関連する機器、関連機器が含まれ得る。Bluetooth(商標)テクノロジー、データ入力デバイス、電源(例えば、バッテリ駆動、またはAC110ボルトに直接またはAC/DC変換を介して間接的に接続されたライン電源など)、送信/受信要素(例えば、無線信号を送信および/または受信するように構成されたアンテナ)、ネットワークインターフェイスコントローラー(NIC)、ディスプレイコントローラー、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、および/またはその他のリソースを含んで良い。いくつかの実装において、ここで外部リソースに起因するとされる機能の一部またはすべては、システム10に含まれる他のコンポーネントまたはリソースによって提供されて良い。プロセッサ、外部リソース、ユーザーインターフェースデバイス、電子記憶装置、ネットワーク、および/またはシステム10の他の構成要素は、有線および/または無線接続を介して、例えば、ネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、無線アクセスネットワーク(RAN)、公衆交換電話網(PSTN)など)、セルラーテクノロジー(例えばGSM、UMTS、LTE、5Gなど)、Wi-Fiテクノロジー、他の無線通信リンク(例えば、無線周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光線、cm波、ミリ波など)、基地局および/または他のリソースを介して、相互に通信するように構成されて良い。
【0066】
システム10のユーザーインターフェースデバイスは、1人または複数のユーザとシステム10との間のインターフェースを提供するように構成されて良い。ユーザーインターフェースデバイスは、1人または複数のユーザに情報を提供し、および/または1人または複数のユーザから情報を受信するように構成される。ユーザーインターフェースデバイスは、ユーザーインターフェースおよび/または他のコンポーネントを含む。ユーザーインターフェースは、システム10の特定の機能に関して入力および/または選択を受信するように構成されたビューおよび/またはフィールドを提示するように構成されたグラフィカルユーザーインターフェースであって良く、および/または、それを含んで良く、および/または、他の情報を提供、および/または、受信するように構成されて良い。いくつかの実施例において、ユーザーインターフェースデバイスのユーザーインターフェースは、システム10のプロセッサおよび/または他のコンポーネントに関連付けられた複数の別個のインターフェースを含んで良い。ユーザーインターフェースデバイスに含めるのに適したインターフェースデバイスの例としては、タッチスクリーン、キーパッド、タッチセンサー式および/または物理的なボタン、スイッチ、キーボード、ノブ、レバー、ディスプレイ、スピーカー、マイク、表示ライト、可聴アラーム、プリンター、および/または、その他のインターフェースデバイスが含まれる。本開示は、また、ユーザーインターフェース装置が取り外し可能な記憶インターフェースを含むことも企図している。この例において、情報はリムーバブル記憶装置(例えば、スマートカード、フラッシュドライブ、リムーバブルディスク)からユーザーインターフェースデバイスにロードされ、ユーザーがユーザーインターフェースデバイスの実装をカスタマイズできるようにして良い。
【0067】
いくつかの実施例において、ユーザーインターフェースデバイスは、システム10にユーザーインターフェース、処理能力、データベース、および/または電子ストレージを提供するように構成される。したがって、ユーザーインターフェースデバイスは、プロセッサ、電子ストレージ、外部リソース、および/またはシステム10の他のコンポーネントを含んで良い。いくつかの実施例において、ユーザーインターフェース装置はネットワーク(例えば、インターネット)に接続される。いくつかの実施例において、ユーザーインターフェースデバイスは、プロセッサ、電子記憶装置、外部リソース、および/またはシステム10の他のコンポーネントを含まず、代わりに、専用線、バス、スイッチ、ネットワーク、または他の通信手段を介してこれらのコンポーネントと通信する。通信は無線でも有線でもよい。いくつかの実施例において、ユーザーインターフェースデバイスは、ラップトップ、デスクトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、および/または他のユーザーインターフェースデバイスである。
【0068】
データおよびコンテンツは、多数の通信プロトコルのうちの任意の1つを使用して、通信インターフェースおよび通信経路を通じてシステム10の様々なコンポーネント間で交換されて良い。一例において、データは、例えば、TCP/IPとも呼ばれるインターネットプロトコルスイートを使用して、パケット交換インターネットワークを介してデータを通信するために使用されるプロトコルを使用して交換されて良い。データとコンテンツは、アドレスのみに基づいて、データグラム(またはパケット)を使用して送信元ホストから宛先ホストに配信されて良い。この目的のために、インターネットプロトコル(IP)は、データグラムのカプセル化のためのアドレス指定方法と構造を定義する。もちろん、他のプロトコルも使用して良い。インターネットプロトコルの例には、インターネットプロトコルバージョン4(IPv4)およびインターネットプロトコルバージョン6(IPv6)が含まれる。
【0069】
いくつかの実施例において、エアムーバコントローラ65(および/または負荷コントローラ20)のプロセッサは、ユーザデバイス、家庭用電化製品、携帯電話、スマートフォン、パーソナルデータアシスタント、デジタルタブレット/パッドコンピュータ、ウェアラブルデバイス(時計など)、拡張現実(AR)グーグル、仮想現実(VR)グーグル、反射型ディスプレイ、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ノートブックコンピュータ、ワークステーション、サーバー、高性能コンピュータ(HPC)、車両(例えば、車や飛行機のダッシュボードや座っている乗員の前などにある組み込みコンピュータ)、ゲームまたはエンターテイメントシステム、セットトップボックス、モニター、テレビ(TV)、パネル、宇宙船、またはその他のデバイスの一部(例えば、同じまたは別の筐体内)を形成して良い。いくつかの実施例において、プロセッサは、システム10において情報処理機能を提供するように構成される。プロセッサは、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、状態マシン、および/または情報を電子的に処理するための他の機構のうちの1つまたは複数を有して良い。いくつかの実施例において、プロセッサは複数の処理ユニットを有して良い。これらの処理ユニットは、物理的に同じデバイス(例えば、サーバー)内に配置されて良く、また、プロセッサは、連携して動作する複数のデバイス(例えば、1つ以上のサーバー、ユーザーインターフェースデバイス、外部リソース、電子ストレージ、および/またはその他のデバイスの一部をなすデバイス)の処理機能を表して良い。
【0070】
エアムーバコントローラ65(および/または負荷コントローラ20)のプロセッサは、1つまたは複数のコンピュータプログラムコンポーネントを実行するように機械可読命令を介して構成される。プロセッサは、ソフトウェアと、ハードウェアと、ファームウェアと、ソフトウェア、ハードウェア、および/またはファームウェアのいくつかの組み合わせと、および/または、プロセッサの処理機能を構成するためのその他のメカニズムとによってコンポーネントを実行するように構成されて良い。
【0071】
ここに記載される技術は、デジタル電子回路、またはコンピュータのハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせで実装できる。当該技術は、データ処理装置、例えば、プログラム可能なプロセッサ、コンピュータ、または複数のコンピュータによって実行され、または、その動作を制御するためのコンピュータプログラム製品として、すなわち、情報キャリア、例えば、機械可読記憶装置、機械可読記憶媒体、コンピュータ可読記憶装置、またはコンピュータ可読記憶媒体において具体的に実装されたコンピュータプログラムとして実装できる。コンピュータプログラムは、コンパイル言語またはインタープリター言語を含む任意の形式のプログラミング言語で記述でき、スタンドアロンプログラムとして、またはモジュール、コンポーネント、サブルーチン、または、コンピューティング環境において使用に適した他のユニットにおいて、任意の形式で展開されて良い。コンピュータプログラムは、1台のコンピュータまたは1つのサイトの複数のコンピュータで実行するように展開しても良く、複数のサイトに分散して通信ネットワークで相互接続しても良い。
【0072】
当該技術の方法ステップは、1つまたは複数のプログラム可能なプロセッサによって実行されて良く、当該プロセッサは、コンピュータプログラムを実行して、入力データを操作して出力を生成することによって、当該技術の複数の機能を実現して良い。方法ステップ、および当該技術の装置は、また、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)やASIC(特定用途向け集積回路)などの特殊用途の論理回路によって実行して良い。
【0073】
コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用マイクロプロセッサと専用マイクロプロセッサの両方、および任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つまたは複数のプロセッサを含む。一般的には、プロセッサは読み取り専用メモリまたはランダムアクセスメモリ、あるいはその両方から命令とデータを受け取る。コンピュータの重要な要素は、命令を実行するためのプロセッサと、命令およびデータを格納するための1つまたは複数のメモリデバイスである。一般的には、コンピュータは、また、磁気、光磁気ディスク、または光ディスクなどのデータを格納するための1つまたは複数の大容量記憶装置を含むか、またはデータを受信するか、またはデータを転送するか、あるいはその双方のために動作可能に結合される。コンピュータプログラムの命令およびデータを具体化するのに適した情報キャリアは、あらゆる形態の不揮発性メモリを含み、これは、事例を挙げると、半導体メモリデバイス、例えば、EPROM、EEPROM、およびフラッシュメモリデバイス;磁気ディスク、例えば、内蔵ハードディスクまたはリムーバブルディスク;光磁気ディスク;およびCD-ROMおよびDVD-ROMディスクを含む。プロセッサおよびメモリは、特殊目的論理回路によって補充されて良い。
【0074】
本開示のいくつかの実施例が、ここに、具体的に例示および/または記載されている。しかしながら、修正および変形が企図され、これが、添付の特許請求の範囲内であることが理解されよう。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5
【国際調査報告】