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特表2024-516088車両及びその熱管理制御方法、装置、並びに記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】車両及びその熱管理制御方法、装置、並びに記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   F01P 7/04 20060101AFI20240405BHJP
   F01P 7/16 20060101ALI20240405BHJP
   F01P 7/12 20060101ALI20240405BHJP
   F02D 45/00 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
F01P7/04 A
F01P7/16 505B
F01P7/16 502H
F01P7/12 C
F02D45/00 362
F02D45/00 364
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023560372
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 CN2022088512
(87)【国際公開番号】W WO2022228310
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202110458538.7
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】朱福堂
(72)【発明者】
【氏名】王春生
(72)【発明者】
【氏名】黄秋萍
【テーマコード(参考)】
3G384
【Fターム(参考)】
3G384BA01
3G384BA41
3G384FA28Z
3G384FA79Z
(57)【要約】
車両(100)及びその熱管理制御方法、装置(124)、並びに記憶媒体であって、車両(100)は、エンジン(110)及び熱管理システム(120)を含み、熱管理システム(120)は、ウォーターポンプ(121)を含み、エンジン(110)とウォーターポンプ(121)とは接続されて第1冷却サイクルを形成する。熱管理制御方法は、エンジン(110)の現在の温度が所定の温度閾値以下であり、エンジン(110)の総出力が所定の出力閾値以上であり、かつ現在の車速が所定の車速閾値以下である場合、始動状態と停止状態との間で周期的に切り替えるようにウォーターポンプ(121)を制御するステップを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の熱管理制御方法であって、前記車両がエンジン及び熱管理システムを含み、前記熱管理システムがウォーターポンプを含み、前記エンジンと前記ウォーターポンプとが接続されて第1冷却サイクルを形成する熱管理制御方法において、
エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以下であり、エンジンの総出力が所定の出力閾値以上であり、かつ現在の車速が所定の車速閾値以下である場合、始動状態と停止状態との間で周期的に切り替えるように前記ウォーターポンプを制御するステップを含む、ことを特徴とする車両の熱管理制御方法。
【請求項2】
前記エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以下であり、エンジンの総出力が所定の出力閾値以上であり、かつ現在の車速が所定の車速閾値以下である場合、始動状態と停止状態との間で周期的に切り替えるように前記ウォーターポンプを制御するステップは、
前記ウォーターポンプが始動状態にある場合、前記ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの安全回転数にするステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の熱管理制御方法。
【請求項3】
前記エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以下であり、エンジンの総出力が所定の出力閾値以上であり、かつ現在の車速が所定の車速閾値以下である場合、始動状態と停止状態との間で周期的に切り替えるように前記ウォーターポンプを制御するステップは、
前記ウォーターポンプが始動状態にあり、始動時間が経過した後、停止状態に切り替えるように前記ウォーターポンプを制御するステップと、前記ウォーターポンプが停止状態にあり、停止時間が経過した後、始動状態に切り替えるように前記ウォーターポンプを制御するステップと、を含み、
前記始動時間及び前記停止時間は、いずれも所定の固定値であり、或いは、前記始動時間と前記現在の車速とは、正の相関があり、かつ前記停止時間と前記現在の車速とは、逆の相関がある、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱管理制御方法。
【請求項4】
前記エンジンの現在の温度が前記所定の温度閾値以下であり、かつ前記エンジンの総出力が前記所定の出力閾値よりも小さい場合、前記ウォーターポンプを制御して停止させる、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の熱管理制御方法。
【請求項5】
前記エンジンの現在の温度が前記所定の温度閾値以下であり、前記エンジンの総出力が前記所定の出力閾値以上であり、かつ前記現在の車速が前記所定の車速閾値よりも大きい場合、前記ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの安全回転数に制御するか、或いは、
前記エンジンの現在の温度が前記所定の温度閾値以下であり、前記エンジンの総出力が前記所定の出力閾値以上であり、かつ前記現在の車速が前記所定の車速閾値よりも大きい場合、ウォーターポンプの安全回転数よりも大きく、かつ前記現在の車速と正の相関があるように前記ウォーターポンプの回転数を制御する、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の熱管理制御方法。
【請求項6】
前記熱管理システムは、空冷ラジエーター及びサーモスタットを更に含み、前記空冷ラジエーターは、前記サーモスタットによって前記エンジン及び前記ウォーターポンプに接続されて第2冷却サイクルを形成し、
前記熱管理制御方法は、前記エンジンの現在の温度が前記所定の温度閾値以下である場合、前記空冷ラジエーターの回転数を0に制御し、前記サーモスタットの開度を0に制御するステップを更に含む、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の熱管理制御方法。
【請求項7】
前記熱管理システムは、空冷ラジエーター及びサーモスタットを更に含み、前記空冷ラジエーターは、前記サーモスタットを経由して前記エンジン及び前記ウォーターポンプに接続されて第2冷却サイクルを形成し、
前記熱管理制御方法は、
前記エンジンの現在の温度が前記所定の温度閾値よりも大きく、かつ前記サーモスタットの開度が所定の開度閾値以上である場合、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費MAPを検索して、総目標放熱量を決定するステップと、
前記総目標放熱量、前記空冷ラジエーターの吸気速度及び前記現在の環境温度に基づいて、熱管理システムの最低電力消費MAPを検索して、ウォーターポンプの目標回転数及び空冷ラジエーターの目標回転数を決定するステップと、
前記ウォーターポンプの回転数を前記ウォーターポンプの目標回転数に制御し、かつ前記空冷ラジエーターの回転数を前記空冷ラジエーターの目標回転数に制御するステップと、を更に含む、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の熱管理制御方法。
【請求項8】
前記エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以上であり、かつ前記サーモスタットの開度が所定の開度閾値以上である場合、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費MAPを検索して、前記エンジンの総目標放熱量を決定するステップは、
前記エンジンの現在の回転数、前記エンジンの現在のトルク及び前記現在の環境温度に基づいて、前記エンジンの最低燃料消費MAPを検索して、エンジンの目標温度を決定するステップと、
前記エンジンの現在の回転数及び前記エンジンの現在のトルクに基づいて、エンジンの発熱量を決定するステップと、
前記エンジンの現在の温度、前記エンジンの目標温度及び前記エンジンの発熱量に基づいて、前記総目標放熱量を決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項7に記載の熱管理制御方法。
【請求項9】
前記熱管理システムは、空冷ラジエーター及びサーモスタットを更に含み、前記空冷ラジエーターは、前記サーモスタットを経由して前記エンジン及び前記ウォーターポンプに接続されて第2冷却サイクルを形成し、
前記熱管理制御方法は、
前記エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以上であり、かつ前記サーモスタットの開度が所定の開度閾値よりも小さい場合、前記ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの安全回転数に制御し、かつ前記空冷ラジエーターの回転数を0に制御するステップと、
エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費MAPを検索して、エンジンの目標温度を決定するステップと、
前記エンジンの現在の温度及び前記エンジンの目標温度に基づいて、サーモスタットの目標開度を決定するステップと、
前記サーモスタットの開度を前記サーモスタットの目標開度に制御するステップと、を更に含む、ことを特徴とする請求項1~5に記載の熱管理制御方法。
【請求項10】
プロセッサによって実行されると、請求項1~9のいずれか一項に記載の熱管理制御方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
互いに接続されたプロセッサ及びメモリを含み、
前記メモリは、プログラム命令を含むコンピュータプログラムを記憶し、前記プロセッサは、前記プログラム命令を呼び出して、請求項1~9のいずれか一項に記載の熱管理制御方法を実行するように構成される、ことを特徴とする車両の熱管理制御装置。
【請求項12】
エンジン及び熱管理システムを含み、前記熱管理システムは、ウォーターポンプと、空冷ラジエーターと、サーモスタットと、請求項11に記載の熱管理制御装置とを含み、
前記エンジンと前記ウォーターポンプとは接続されて第1冷却サイクルを形成し、前記空冷ラジエーターは、前記サーモスタットを経由して前記エンジン及び前記ウォーターポンプに接続されて第2冷却サイクルを形成する、ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2021年4月27日に提出された、出願番号が202110458538.7で、名称が「車両及びその熱管理制御方法、装置及び記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張するものであり、その全ての内容は引用により本開示に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示は、車両の技術分野に属し、特に、車両及びその熱管理制御方法、装置、並びに記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術における車両エンジンの熱管理制御方法は、サーモスタットの開度、電子ウォーターポンプの回転数、ラジエーターファンの回転数を優先度の高い順に調整することにより、各動作状況における放熱ニーズを満たすが、どのようにエンジンの暖機過程においてエンジンが局所的に過熱しないことを保証するとともに、熱管理システムを最低電力消費にするかという問題を考慮していない。
【発明の概要】
【0004】
上記技術的課題に対して、本発明の第1目的は、エンジンが高出力、低車速の暖機モードにあるときに、始動状態と停止状態との間で周期的に切り替えるようにウォーターポンプを制御することにより、エンジンが局所的に過熱することを回避するとともに、熱管理システムを最低電力消費状態にする、車両の熱管理制御方法を提供することである。
【0005】
本開示の第2目的は、コンピュータ可読記憶媒体を提供することである。
【0006】
本開示の第3目的は、車両の熱管理制御装置を提供することである。
【0007】
本開示の第4目的は、車両を提供することである。
【0008】
上記目的を達成するために、本開示の第1態様の実施例は、車両の熱管理制御方法であって、車両がエンジンと熱管理システムとを含み、熱管理システムがウォーターポンプを含み、エンジンとウォーターポンプとが接続されて第1冷却サイクルを形成する熱管理制御方法において、エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以下であり、エンジンの総出力が所定の出力閾値以上であり、かつ現在の車速が所定の車速閾値以下である場合、始動状態と停止状態との間で周期的に切り替えるように前記ウォーターポンプを制御するステップを含む熱管理制御方法を提供する。
【0009】
エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以下であり、エンジンの総出力が所定の出力閾値以上であり、かつ現在の車速が所定の車速閾値以下である場合、エンジンが高出力、低車速の暖機状態にあると考えられ、始動状態と停止状態との間で周期的に切り替えるようにウォーターポンプを制御することにより、エンジンが局所的に過熱することを回避するとともに、熱管理システムを最低電力消費状態にする。
【0010】
上記目的を達成するために、本開示の第2態様の実施例は、プロセッサによって実行されると、上記第1態様の実施例に係る熱管理制御方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されているコンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【0011】
上記目的を達成するために、本開示の第3態様の実施例は、互いに接続されたプロセッサ及びメモリを含み、メモリがプログラム命令を含むコンピュータプログラムを記憶し、プロセッサがプログラム命令を呼び出して、上記第1態様の実施例に係る熱管理制御方法を実行するように構成される、車両の熱管理制御装置を提供する。
【0012】
上記目的を達成するために、本開示の第4態様の実施例は、エンジン及び熱管理システムを含み、熱管理システムがウォーターポンプと、空冷ラジエーターと、サーモスタットと、上記第3態様の実施例に係る熱管理制御装置とを含む、車両を提供する。
【0013】
本開示の理論的な態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか又は本開示の実施により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の実施例に係る車両の概略図である。
図2】本開示の一実施例に係る熱管理制御方法のフローチャートである。
図3】本開示の別の実施例に係る熱管理制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は図面に示されるが、一貫して同一又は類似の符号は、同一又は類似の素子、或いは、同一又は類似の機能を有する素子を表す。以下、図面を参照しながら説明される実施例は、例示的なものであり、本開示を解釈するためのものであり、本開示を限定するものとして理解してはならない。
【0016】
以下、図1図2を参照しながら、本開示の実施例に係る車両100、その熱管理制御方法、熱管理制御装置及びコンピュータ可読記憶媒体を説明する。
【0017】
図1に示すように、車両100は、エンジン110及び熱管理システム120を含み、熱管理システム120は、ウォーターポンプ121、空冷ラジエーター122、サーモスタット123及び熱管理制御装置124を含む。熱管理制御装置124は、互いに接続されたプロセッサ124a及びメモリ124bを含み、メモリ124bは、プログラム命令を含むコンピュータプログラムを記憶し、プロセッサ124aは、プログラム命令を呼び出して、本実施例に係る熱管理制御方法を実行するように構成される。また、本開示の実施例に係るコンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサによって実行されると、本開示の実施例に係る熱管理制御方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている。
【0018】
図1に示すように、エンジン110とウォーターポンプ121とは接続されて第1冷却サイクルを形成し、即ち、冷却液は、ウォーターポンプ121により汲み出されてエンジン110を流れることで、エンジン110を冷却し、空冷ラジエーター122は、サーモスタット123によってエンジン110及びウォーターポンプ121に接続されて第2冷却サイクルを形成し、即ち、サーモスタット123が開く場合、冷却液は、ウォーターポンプ121により汲み出されてエンジン110を流れることで、エンジン110を冷却し、その後、サーモスタット123を流れて空冷ラジエーター122に入って冷却する。なお、第1冷却サイクルは、エンジン110を冷却する小サイクルであり、第2冷却サイクルは、エンジン110を冷却する大サイクルである。
【0019】
図2に示すように、本開示の実施例に係る熱管理制御方法は、エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以下であり、エンジンの総出力が所定の出力閾値以上であり、かつ現在の車速が所定の車速閾値以下である場合、始動状態と停止状態との間で周期的に切り替えるように上記ウォーターポンプを制御するステップS1を含む。
【0020】
エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以下である場合、エンジン110が暖機状態にあると考えられるが、エンジンの総出力が所定の出力閾値以上であり、かつ現在の車速が所定の車速閾値以下である場合、即ち、エンジン110が高出力、低車速の状態にあり、このとき、エンジン110の放熱ニーズが高くないが、局所的に過熱するリスクがあるため、始動状態と停止状態との間で周期的に切り替えるようにウォーターポンプ121を制御することにより、エンジン110が局所的に過熱することを回避し、かつ過度な放熱によりエンジン110の暖機時間が長すぎて熱管理システム120の電力消費が増加することを回避し、即ち、熱管理システム120の最低電力消費を保証する。なお、本開示では、エンジン110の温度に関するパラメータは、冷却液がエンジン110から流出するときの温度である。いくつかの実施例では、所定の温度閾値は60℃~80℃であってもよく、所定の出力閾値は5kW~8kWであってもよく、所定の車速閾値は5km/h~10km/hであってもよい。いくつかの実施例では、所定の温度閾値は80℃であってもよく、所定の出力閾値は5kWであってもよく、所定の車速閾値は5km/hであってもよい。
【0021】
いくつかの実施例では、ステップS1は、ウォーターポンプが始動状態にある場合、ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの安全回転数にするステップを含む。なお、ウォーターポンプの安全回転数は、安全流量での回転数であり、安全流量とは、一定の負荷下で、エンジンのシリンダブロック及びシリンダヘッドを冷却することができる最低流量値であり、即ち、局所的な過熱、沸騰を引き起こさない流量である。いくつかの実施例では、エンジンの現在の回転数及びエンジンの現在のトルクに基づいて、ウォーターポンプの安全回転数MAPを検索して、ウォーターポンプの安全回転数を決定する。ウォーターポンプの安全回転数MAPは、エンジン110の具体的な状況に応じて、研究開発設計段階において、エンジン110が局所的に過熱しない最低冷却流量を条件としてシミュレーション及び実験により定められ、かつ熱管理制御装置124において予め設定される。
【0022】
いくつかの実施例では、ステップS1は、ウォーターポンプが始動状態にあり、始動時間が経過した後、停止状態に切り替えるようにウォーターポンプを制御するステップと、ウォーターポンプが停止状態にあり、停止時間が経過した後、始動状態に切り替えるように上記ウォーターポンプを制御するステップと、を含む。いくつかの実施例では、始動時間及び停止時間は、いずれも所定の固定値であり、エンジン110が高出力、低車速の暖機状態にある時間は、それほど長くないため、エンジン110の具体的な状況に応じて、研究開発設計段階において、シミュレーション及び実験により始動時間及び停止時間が定められ、かつ熱管理制御装置124において予め設定され、基本的な要件を満たすことができ、かつ制御プログラムを簡単にすることができる。他の実施例では、始動時間と現在の車速とは、正の相関があり、かつ停止時間と現在の車速とは、逆の相関があり、明らかに、現在の車速が高いほど、エンジン110の放熱ニーズが高くなるため、始動時間を増加させ、停止時間を減少させ、熱管理システム120が最低電力消費状態にあることをより正確に保証することができる。
【0023】
いくつかの実施例では、本開示の実施例に係る熱管理制御方法は、エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以下である場合、空冷ラジエーターの回転数を0に制御し、サーモスタットの開度を0に制御するステップS2を更に含む。なお、空冷ラジエーター122の回転数とは、空冷ラジエーター122におけるファンの回転数を指す。
【0024】
エンジンの現在の温度が上記所定の温度閾値以下である場合、エンジン110が暖機状態にあると考えられ、即ち、エンジン110の放熱ニーズが小さく、エンジン110の自己発熱により暖機することができるため、空冷ラジエーター122の回転数を0に制御し、かつサーモスタット123の開度を0に制御することで、エンジン110が第2冷却サイクルの冷却に参加しないようにすることにより、熱管理システム120が最低電力消費状態にあることを保証する。
【0025】
いくつかの実施例では、本開示の実施例に係る熱管理制御方法は、エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以下であり、かつエンジンの総出力が所定の出力閾値よりも小さい場合、ウォーターポンプを制御して停止させるステップS3を更に含む。
【0026】
エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以下であり、かつエンジンの総出力が所定の出力閾値よりも小さい場合、エンジン110が低出力の暖機状態にあると考えられ、このとき、エンジン110の発熱量がより小さく、エンジン110の暖機ニーズに十分であり、かつ局所的に過熱するリスクがなく、即ち、冷却する必要がないため、ウォーターポンプ121を制御して停止させることにより、熱管理システム120が最低電力消費状態にあることを保証する。
【0027】
いくつかの実施例では、本開示の実施例に係る熱管理制御方法は、エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以下であり、エンジンの総出力が所定の出力閾値以上であり、かつ現在の車速が所定の車速閾値よりも大きい場合、ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの安全回転数に制御するステップS4を更に含む。
【0028】
エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以下であり、エンジンの総出力が所定の出力閾値以上であり、かつ現在の車速が所定の車速閾値よりも大きい場合、エンジン110が高出力、高車速の暖機状態にあり、高出力、低車速の状態に比べて、エンジン110が局所的に過熱するリスクが高いと考えられるため、ウォーターポンプの安全回転数に維持するようにウォーターポンプ121の回転数を制御することにより、エンジン110が局所的に過熱しない安全流量を保証し、かつ熱管理システム120が最低電力消費状態にあることを保証する。
【0029】
他の実施例では、ステップS4は、エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以下であり、エンジンの総出力が所定の出力閾値以上であり、かつ現在の車速が所定の車速閾値よりも大きい場合、ウォーターポンプの安全回転数以上であり、かつ現在の車速と正の相関があるようにウォーターポンプの回転数を制御するステップS4aに置き換えられてもよい。現在の車速が高くなるにつれて高くなるようにウォーターポンプの回転数を制御することで、エンジン110が局所的に過熱するリスクを更に低減することができる。
【0030】
いくつかの実施例では、本開示の実施例に係る熱管理制御方法は、以下のステップS5~S7を更に含む。
【0031】
S5では、エンジンの現在の温度が所定の温度閾値よりも大きく、かつサーモスタットの開度が所定の開度閾値以上である場合、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費MAPを検索して、総目標放熱量を決定する。いくつかの実施例では、所定の開度閾値は、95%~100%であってもよく、具体的には、所定の開度閾値は、100%であってもよく、即ち、サーモスタット123は、全開である。
【0032】
エンジン110の温度が所定の温度閾値以上である場合、エンジン110の暖機が完了したと考えられ、このとき、熱管理システム120は、エンジン110の温度を継続的に制御する必要があり、かつサーモスタット123の開度が所定の開度閾値以上である場合、エンジン110が放熱ニーズの高い動作状態に入ったと考えられ、このとき、ウォーターポンプ121及び空冷ラジエーター122は、いずれもエンジン110の冷却に参加する必要があるため、エンジン110は、燃料消費量が最低であり、即ち、効率が最高である動作状態に達する。具体的には、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度を入力パラメータとして、エンジンの最低燃料消費MAPを検索して、エンジン110が、燃料消費が最低であり、即ち、効率が最高である動作状態に達することを可能にする総目標放熱量を最終的に出力する。エンジンの最低燃料消費MAPは、車両100の具体的な状況に応じて、研究開発設計段階において、エンジン110の燃料消費を最低にすることを条件としてシミュレーション及び実験により定められ、かつ熱管理制御装置124において予め設定される。現在の環境温度とは、車両外の空気温度、即ち、エンジン110の吸気温度と空冷ラジエーター122の吸気温度である。
【0033】
S6では、総目標放熱量、空冷ラジエーターの吸気速度及び現在の環境温度に基づいて、熱管理システムの最低電力消費MAPを検索して、ウォーターポンプの目標回転数と空冷ラジエーターの目標回転数を決定する。
【0034】
サーモスタット123の開度が所定の開度閾値以上である場合、第2冷却サイクルによりエンジン110を冷却し、エンジン110が、燃料消費が最低であり、即ち、効率が最高である動作状態に達することを可能にするウォーターポンプ121の回転数と空冷ラジエーター122の回転数の組み合わせは、無数あり、本開示の実施例では、総目標放熱量、空冷ラジエーター122の吸気速度及び現在の環境温度を入力パラメータとして、熱管理システムの最低電力消費MAPを検索して、ウォーターポンプの目標回転数と空冷ラジエーターの目標回転数の組み合わせを出力することにより、熱管理システム120は、最低電力消費状態で動作する。熱管理システムの最低電力消費MAPは、熱管理システム120の具体的な状況に応じて、研究開発設計段階において、熱管理システム120の電力消費を最低にすることを条件としてシミュレーション及び実験により定められ、かつ熱管理制御装置124において予め設定される。いくつかの実施例では、現在の車速及び環境風速に基づいて、空冷ラジエーター122の吸気速度を決定する。
【0035】
S7では、ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの目標回転数に制御し、かつ空冷ラジエーターの回転数を空冷ラジエーターの目標回転数に制御する。
【0036】
所定のエンジンの最低燃料消費MAPにより、現在の動作状況における、エンジンが最低燃料消費又は最高効率の状態に達するのに必要な総目標放熱量を決定し、そして、所定の熱管理システムの最低電力消費MAPにより、現在の環境における熱管理システム120の電力消費が最低であるときのウォーターポンプ121の回転数と空冷ラジエーター122の回転数の組み合わせ、即ち、ウォーターポンプの目標回転数と空冷ラジエーターの目標回転数を決定し、かつウォーターポンプ121と空冷ラジエーター122を制御してそれぞれウォーターポンプの目標回転数と空冷ラジエーターの目標回転数で運転させることにより、熱管理システムの電力消費とエンジンの燃料消費の共同最適化を実現する。
【0037】
いくつかの実施例では、ステップS5は、以下のステップS501~S503を含む。
【0038】
S501では、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費MAPを検索して、エンジンの目標温度を決定する。
【0039】
S502では、エンジンの現在の回転数及びエンジンの現在のトルクに基づいて、エンジンの発熱量を決定する。
【0040】
S503では、エンジンの現在の温度、エンジンの目標温度及びエンジンの発熱量に基づいて、総目標放熱量を決定する。
【0041】
エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度を入力パラメータとして、エンジンの最低燃料消費MAPを検索して、エンジン110が、燃料消費が最低であり、即ち、効率が最高である動作状態に達することを可能にするエンジンの目標温度を出力する。いくつかの実施例では、エンジンの現在の温度とエンジンの目標温度との差△Tに基づいて、エンジンの現在の温度から目標温度までに必要な熱量がC・M・△Tであることを算出することができ、Cは、冷却液の比熱容量であり、Mは、冷却液の質量であり、冷却液の質量は、流量に関連する。したがって、エンジンの発熱量とC・M・△Tの差を取って、エンジンを冷却する総目標放熱量を得ることができる。
【0042】
いくつかの実施例では、本開示の実施例に係る熱管理制御方法は、以下のステップS8~S11を更に含む。
【0043】
S8では、エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以上であり、かつサーモスタットの開度が所定の開度閾値よりも小さい場合、ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの安全回転数に制御し、かつ空冷ラジエーターの回転数を0に制御する。
【0044】
S9では、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費MAPを検索して、エンジンの目標温度を決定する。
【0045】
S10では、エンジンの現在の温度及びエンジンの目標温度に基づいて、サーモスタットの目標開度を決定する。
【0046】
S11では、サーモスタットの開度をサーモスタットの目標開度に制御する。
【0047】
エンジン110の温度が所定の温度閾値以上であり、かつサーモスタット123の開度が所定の開度閾値よりも小さい場合、エンジン110の暖機が完了したが、エンジン110が放熱ニーズの高い動作状態に入っていないと考えられ、このとき、サーモスタット123の開度を制御することにより、エンジン110が目標温度に達して最低燃料消費、最高効率の状態で動作し、また、ウォーターポンプ121が最低回転数で運転し、空冷ラジエーターの運転が停止するため、熱管理システム120が最低電力消費状態にある。
【0048】
図3に示すように、いくつかの実施例では、本開示の実施例に係る熱管理システムの制御方法は、以下のステップS101~S117を含む。
【0049】
S101では、エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以下であることを満たすか否かを判断し、Yesであれば、エンジン110が暖機段階にあると考えられ、ステップS102を実行し、Noであれば、エンジンが暖機段階を終了して走行段階に入ったと考えられ、ステップS108を実行する。
【0050】
S102では、エンジン110が暖機段階にあるとき、空冷ラジエーターの回転数を0に制御し、サーモスタットの開度を0に制御する。
【0051】
S103では、エンジンの総出力が所定の出力閾値以上であることを満たすか否かを判断し、Yesであれば、エンジン110が高出力の暖機モードにあると考えられ、ステップS104を実行し、Noであれば、エンジン110が低出力の暖機モードにあると考えられ、ステップS107を実行する。
【0052】
S104では、現在の車速が所定の車速閾値以下であることを満たすか否かを判断し、Yesであれば、エンジン110が高出力及び低車速の暖機モードにあると考えられ、ステップS105を実行し、Noであれば、エンジン110が高出力及び高車速の暖機モードにあると考えられ、ステップS106を実行する。
【0053】
S105では、エンジン110が高出力及び低車速の暖機モードにあるとき、始動状態と停止状態との間で周期的に切り替えるようにウォーターポンプを制御し、かつウォーターポンプが始動状態にあるとき、ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの安全回転数にする。いくつかの実施例では、ウォーターポンプが始動状態にあり、始動時間が経過した後、停止状態に切り替えるようにウォーターポンプを制御し、ウォーターポンプが停止状態にあり、停止時間が経過した後、始動状態に切り替えるように上記ウォーターポンプを制御し、始動時間及び停止時間は、所定の固定値である。
【0054】
S106では、エンジン110が高出力及び高車速の暖機モードにあるとき、ウォーターポンプを始動状態に制御し、かつウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの安全回転数にする。
【0055】
S107では、エンジン110が低出力の暖機モードにあるとき、ウォーターポンプを停止状態に制御する。
【0056】
S108では、S101に続いて、エンジン110が走行段階にある場合、サーモスタットの開度が所定の開度閾値以上であることを満たすか否かを判断し、Yesであれば、エンジン110の放熱ニーズが高いと考えられ、ステップS109を実行し、Noであれば、エンジン110の放熱ニーズが比較的低いと考えられ、ステップS114を実行する。
【0057】
S109では、エンジン110の放熱ニーズが高い場合、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費MAPを検索して、エンジンの目標温度を決定する。現在の状況におけるエンジン110の動作温度がエンジンの目標温度であるとき、エンジン110は、最低燃料消費状態にあると考えられる。
【0058】
S110では、エンジンの現在の回転数及びエンジンの現在のトルクに基づいて、エンジンの発熱量を決定する。
【0059】
S111では、エンジンの現在の温度、エンジンの目標温度及びエンジンの発熱量に基づいて、総目標放熱量を決定する。
【0060】
S112では、入力された総目標放熱量、空冷ラジエーターの吸気速度及び環境温度に基づいて、熱管理システムの最低電力消費MAPを検索して、ウォーターポンプの目標回転数及び空冷ラジエーターの目標回転数を決定する。現在の放熱ニーズ及び現在の環境において、ウォーターポンプ121の回転数がウォーターポンプの目標回転数であり、空冷ラジエーター122の回転数が空冷ラジエーターの目標回転数である場合、熱管理システム120が最低電力消費状態にあると考えられる。
【0061】
S113では、ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの目標回転数に制御し、かつ空冷ラジエーターの回転数を空冷ラジエーターの目標回転数に制御する。
【0062】
S114では、S108に続いて、エンジン110の放熱ニーズが比較的低い場合、ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの安全回転数に制御し、空冷ラジエーターの回転数を0に制御する。
【0063】
S115では、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費MAPを検索して、エンジンの目標温度を決定する。
【0064】
S116では、エンジンの現在の温度及びエンジンの目標温度に基づいて、サーモスタットの目標開度を決定する。
【0065】
S117では、サーモスタットの開度をサーモスタットの目標開度に制御する。
【0066】
本開示の実施例に係る熱管理制御方法において、エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以下である場合、エンジン110が暖機状態にあると考えられるが、エンジンの総出力が所定の出力閾値以上であり、かつ現在の車速が所定の車速閾値以下である場合、即ち、エンジン110が高出力、低車速の状態にあり、このとき、エンジン110の放熱ニーズが高くないが、局所的に過熱するリスクがあるため、始動状態と停止状態との間で周期的に切り替えるようにウォーターポンプ121を制御することにより、エンジン110が局所的に過熱することを回避し、かつ過度な放熱によりエンジン110の暖機時間が長すぎて熱管理システム120の電力消費が増加することを回避し、即ち、熱管理システム120の最低電力消費を保証する。
【0067】
本明細書の説明において、「一実施例」、「いくつかの実施例」、「例」、「具体例」又は「いくつかの例」などの用語を参照した説明は、該実施例又は例と組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本開示の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に限定されるものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。また、互いに矛盾しない場合、当業者であれば、本明細書で説明された異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合し、組み合わせることができる。
【0068】
また、用語「第1」、「第2」は、説明のためのものに過ぎず、相対的な重要性を示すか又は示唆したり、示された技術的特徴の数を暗示的に示したりするものとして理解すべきではない。これにより、「第1」、「第2」で限定された特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示的又は暗示的に含んでもよい。本開示の説明において、「複数」とは、別に明確かつ具体的な限定がない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどを意味する。
【0069】
フローチャート又は本開示で他の方式で説明された任意のプロセス又は方法についての説明は、特定のロジック機能又はプロセスのステップを実現するための1つ以上の実行可能な命令を含むコードのモジュール、セグメント又は部分を示すと理解されてもよく、また、本開示の好ましい実施形態の範囲は、別の実現形態を含み、示されたか又は説明された順序ではなく、係る機能に応じてほぼ同時に又は逆の順序で機能を実行してもよく、これは、本開示の実施例の属する技術分野の当業者に理解されるべきである。
【0070】
フローチャートに示されるか又は本開示で他の方式で説明されたロジック及び/又はステップは、例えば、ロジック機能を実現するための実行可能な命令の順序付けられたリストとしてみなされてもよく、具体的には、任意のコンピュータ可読記憶媒体に具体的に実現されることにより、命令実行システム、装置若しくは機器(例えば、コンピュータに基づくシステム、プロセッサを含むシステム、又は命令実行システム、装置若しくは機器から命令を読み取って命令を実行できる他のシステム)によって使用されるか、又はこれらの命令実行システム、装置若しくは機器と組み合わせて使用されてもよい。本明細書において、「コンピュータ可読記憶媒体」は、命令実行システム、装置若しくは機器によって使用されるか、又はこれらの命令実行システム、装置若しくは機器と組み合わせて使用されるプログラムを格納、記憶、通信、伝播又は伝送することができる任意の装置であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、1つ以上の配線を有する電気接続部(電子装置)、ポータブルコンピュータディスクボックス(磁気装置)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ装置、及びポータブル読み取り専用メモリ(CDROM)を含む。また、コンピュータ可読記憶媒体は更に、例えば、紙又は他の媒体を光学的にスキャンし、次に編集し、解釈するか、又は必要に応じて他の適切な方式で処理することにより、上記プログラムを電子的に取得し、その後にコンピュータメモリに記憶することができるので、上記プログラムを印刷することができる紙又は他の適切な媒体であってもよい。
【0071】
なお、本開示の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの組み合わせによって実現することができることを理解されたい。上記実施形態では、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶され、かつ適切な命令実行システムにより実行されるソフトウェア又はファームウェアによって実現することができる。例えば、ハードウェアによって実現される場合、別の実施形態と同様に、データ信号に対してロジック機能を実現するためのロジックゲート回路を有する離散ロジック回路、適切な組み合わせロジックゲート回路を有する特定用途向け集積回路、プログラマブルゲートアレイ(PGA)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの本分野の公知技術のうちのいずれか1つ又はそれらの組み合わせによって実現することができる。
【0072】
当業者であれば理解できるように、上記実施例の方法に含まれる全部又は一部のステップは、プログラムにより関連ハードウェアに命令を出して完成することができ、上記プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶することができ、該プログラムが実行されるときに、方法の実施例のステップの1つ又はそれらの組み合わせを含む。
【0073】
また、本開示の各実施例における各機能ユニットは、1つの処理モジュールに統合されてもよく、別々に物理的に存在してもよく、2つ以上のユニットを1つのモジュールに統合してもよい。上記統合されたモジュールは、ハードウェアの形態で実現されてもよく、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現されてもよい。上記統合されたモジュールは、ソフトウェア機能モジュールの形態で実現され、かつ独立した製品として販売又は使用される場合、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。
【0074】
上記言及された記憶媒体は、読み取り専用メモリ、磁気ディスク又は光ディスクなどであってもよい。以上、本開示の実施例を示し説明したが、上記実施例は、例示的なものであり、本開示を限定するものであると理解すべきではなく、当業者であれば、本開示の範囲で上記実施例に対して変更、修正、交換及び変形を行うことができる。
【符号の説明】
【0075】
100 車両
110 エンジン
120 熱管理システム
121 ウォーターポンプ
122 空冷ラジエーター
123 サーモスタット
124 熱管理制御装置
124a プロセッサ
124b メモリ
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-11-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の熱管理制御方法であって、前記車両がエンジン及び熱管理システムを含み、前記熱管理システムがウォーターポンプを含み、前記エンジンと前記ウォーターポンプとが接続されて第1冷却サイクルを形成する熱管理制御方法において、
エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以下であり、エンジンの総出力が所定の出力閾値以上であり、かつ現在の車速が所定の車速閾値以下である場合、始動状態と停止状態との間で周期的に切り替えるように前記ウォーターポンプを制御するステップを含む、ことを特徴とする車両の熱管理制御方法。
【請求項2】
前記エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以下であり、エンジンの総出力が所定の出力閾値以上であり、かつ現在の車速が所定の車速閾値以下である場合、始動状態と停止状態との間で周期的に切り替えるように前記ウォーターポンプを制御するステップは、
前記ウォーターポンプが始動状態にある場合、前記ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの安全回転数にするステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の熱管理制御方法。
【請求項3】
前記エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以下であり、エンジンの総出力が所定の出力閾値以上であり、かつ現在の車速が所定の車速閾値以下である場合、始動状態と停止状態との間で周期的に切り替えるように前記ウォーターポンプを制御するステップは、
前記ウォーターポンプが始動状態にあり、始動時間が経過した後、停止状態に切り替えるように前記ウォーターポンプを制御するステップと、前記ウォーターポンプが停止状態にあり、停止時間が経過した後、始動状態に切り替えるように前記ウォーターポンプを制御するステップと、を含み、
前記始動時間及び前記停止時間は、いずれも所定の固定値であり、或いは、前記始動時間と前記現在の車速とは、正の相関があり、かつ前記停止時間と前記現在の車速とは、逆の相関がある、ことを特徴とする請求項に記載の熱管理制御方法。
【請求項4】
前記エンジンの現在の温度が前記所定の温度閾値以下であり、かつ前記エンジンの総出力が前記所定の出力閾値よりも小さい場合、前記ウォーターポンプを制御して停止させる、ことを特徴とする請求項に記載の熱管理制御方法。
【請求項5】
前記エンジンの現在の温度が前記所定の温度閾値以下であり、前記エンジンの総出力が前記所定の出力閾値以上であり、かつ前記現在の車速が前記所定の車速閾値よりも大きい場合、前記ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの安全回転数に制御するか、或いは、
前記エンジンの現在の温度が前記所定の温度閾値以下であり、前記エンジンの総出力が前記所定の出力閾値以上であり、かつ前記現在の車速が前記所定の車速閾値よりも大きい場合、ウォーターポンプの安全回転数よりも大きく、かつ前記現在の車速と正の相関があるように前記ウォーターポンプの回転数を制御する、ことを特徴とする請求項に記載の熱管理制御方法。
【請求項6】
前記熱管理システムは、空冷ラジエーター及びサーモスタットを更に含み、前記空冷ラジエーターは、前記サーモスタットによって前記エンジン及び前記ウォーターポンプに接続されて第2冷却サイクルを形成し、
前記熱管理制御方法は、前記エンジンの現在の温度が前記所定の温度閾値以下である場合、前記空冷ラジエーターの回転数を0に制御し、前記サーモスタットの開度を0に制御するステップを更に含む、ことを特徴とする請求項に記載の熱管理制御方法。
【請求項7】
前記熱管理システムは、空冷ラジエーター及びサーモスタットを更に含み、前記空冷ラジエーターは、前記サーモスタットを経由して前記エンジン及び前記ウォーターポンプに接続されて第2冷却サイクルを形成し、
前記熱管理制御方法は、
前記エンジンの現在の温度が前記所定の温度閾値よりも大きく、かつ前記サーモスタットの開度が所定の開度閾値以上である場合、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費MAPを検索して、総目標放熱量を決定するステップと、
前記総目標放熱量、前記空冷ラジエーターの吸気速度及び前記現在の環境温度に基づいて、熱管理システムの最低電力消費MAPを検索して、ウォーターポンプの目標回転数及び空冷ラジエーターの目標回転数を決定するステップと、
前記ウォーターポンプの回転数を前記ウォーターポンプの目標回転数に制御し、かつ前記空冷ラジエーターの回転数を前記空冷ラジエーターの目標回転数に制御するステップと、を更に含む、ことを特徴とする請求項に記載の熱管理制御方法。
【請求項8】
前記エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以上であり、かつ前記サーモスタットの開度が所定の開度閾値以上である場合、エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費MAPを検索して、前記エンジンの総目標放熱量を決定するステップは、
前記エンジンの現在の回転数、前記エンジンの現在のトルク及び前記現在の環境温度に基づいて、前記エンジンの最低燃料消費MAPを検索して、エンジンの目標温度を決定するステップと、
前記エンジンの現在の回転数及び前記エンジンの現在のトルクに基づいて、エンジンの発熱量を決定するステップと、
前記エンジンの現在の温度、前記エンジンの目標温度及び前記エンジンの発熱量に基づいて、前記総目標放熱量を決定するステップと、を含む、ことを特徴とする請求項7に記載の熱管理制御方法。
【請求項9】
前記熱管理システムは、空冷ラジエーター及びサーモスタットを更に含み、前記空冷ラジエーターは、前記サーモスタットを経由して前記エンジン及び前記ウォーターポンプに接続されて第2冷却サイクルを形成し、
前記熱管理制御方法は、
前記エンジンの現在の温度が所定の温度閾値以上であり、かつ前記サーモスタットの開度が所定の開度閾値よりも小さい場合、前記ウォーターポンプの回転数をウォーターポンプの安全回転数に制御し、かつ前記空冷ラジエーターの回転数を0に制御するステップと、
エンジンの現在の回転数、エンジンの現在のトルク及び現在の環境温度に基づいて、エンジンの最低燃料消費MAPを検索して、エンジンの目標温度を決定するステップと、
前記エンジンの現在の温度及び前記エンジンの目標温度に基づいて、サーモスタットの目標開度を決定するステップと、
前記サーモスタットの開度を前記サーモスタットの目標開度に制御するステップと、を更に含む、ことを特徴とする請求項に記載の熱管理制御方法。
【請求項10】
プロセッサによって実行されると、請求項1~9のいずれか一項に記載の熱管理制御方法を実現するコンピュータプログラムが記憶されている、ことを特徴とするコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
互いに接続されたプロセッサ及びメモリを含み、
前記メモリは、プログラム命令を含むコンピュータプログラムを記憶し、前記プロセッサは、前記プログラム命令を呼び出して、請求項1~9のいずれか一項に記載の熱管理制御方法を実行するように構成される、ことを特徴とする車両の熱管理制御装置。
【請求項12】
エンジン及び熱管理システムを含み、前記熱管理システムは、ウォーターポンプと、空冷ラジエーターと、サーモスタットと、請求項11に記載の熱管理制御装置とを含み、
前記エンジンと前記ウォーターポンプとは接続されて第1冷却サイクルを形成し、前記空冷ラジエーターは、前記サーモスタットを経由して前記エンジン及び前記ウォーターポンプに接続されて第2冷却サイクルを形成する、ことを特徴とする車両。
【国際調査報告】