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特表2024-516092整形外科用デバイス、整形外科用キット、及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】整形外科用デバイス、整形外科用キット、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/01 20060101AFI20240405BHJP
   A61F 13/00 20240101ALI20240405BHJP
【FI】
A61F5/01 Z
A61F13/00 301Q
A61F13/00 301A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561033
(86)(22)【出願日】2022-03-28
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 FI2022050197
(87)【国際公開番号】W WO2022207973
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】63/167,229
(32)【優先日】2021-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523374817
【氏名又は名称】ダシエット・オサケイフティオ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジミー・タッキ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・リンドロース
(72)【発明者】
【氏名】ケルッコ・ヴィスリ
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA10
4C098BC08
(57)【要約】
整形外科用デバイス、前記整形外科用デバイスを備えるキット、及び方法。整形外科用デバイスは、サポートプレートと布とを備える。サポートプレートは、整形外科的にサポートする形状になるように柔軟性があり、サポートプレートは、サポートされる対象物に向かって配置されるサポート面と、反対側の遠位面とを有する。サポートプレートのサポート面は、布の受容領域に接着され、それにより、サポートプレートの遠位面は、デバイスの遠位面の一部を構成する。布は、サポートプレートより大きく、したがって整形外科用デバイスを固定するための取付領域を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サポートプレートと布とを備えている整形外科用デバイスであって、
前記サポートプレートは、整形外科的にサポートする形状になるように柔軟性があり、前記サポートプレートは、サポートされる対象物に向かって配置されるサポート面と、反対側の遠位面とを有しており、
前記サポートプレートの前記サポート面は、前記サポートプレートの前記遠位面が前記整形外科用デバイスの遠位面の一部を構成するように、前記布の受容領域に接着されており、
前記布は、前記サポートプレートより大きく、これにより前記整形外科用デバイスを固定するための取付領域が提供される、整形外科用デバイス。
【請求項2】
前記サポートプレートが、
熱可塑性ポリマーと、
顆粒、プレート、及び/又はファイバの形態の木材粒子とを含む組成物で作製される、請求項1に記載の整形外科用デバイス。
【請求項3】
前記熱可塑性ポリマーが、非生物分解性ポリマーである、請求項2に記載の整形外科用デバイス。
【請求項4】
前記熱可塑性ポリマーが、生物分解性ポリマーである、請求項2に記載の整形外科用デバイス。
【請求項5】
前記熱可塑性ポリマーが、カプロラクトンホモポリマーを含み、補強材料が、板状の木材粒子を含む、請求項4に記載の整形外科用デバイス。
【請求項6】
前記サポートプレートが、例えばアルミニウムのような金属又は合金で作製される、請求項1に記載の整形外科用デバイス。
【請求項7】
前記サポートプレートが、中実とされるか、又は少なくとも1つの開口部を備えている、請求項1に記載の整形外科用デバイス。
【請求項8】
前記布が、好ましくは100%ポリエステルの熱可塑物を含む材料で作製される、請求項1に記載の整形外科用デバイス。
【請求項9】
前記布が、前記布自体で固定可能とされる自己取付面構造を有している、請求項1に記載の整形外科用デバイス。
【請求項10】
前記布の前記自己取付面構造が、ファイバループ束ね布を含む、請求項9に記載の整形外科用デバイス。
【請求項11】
前記布が、常温において、例えば20℃~25℃の温度において前記布自体で固定する能力を有する、請求項1に記載の整形外科用デバイス。
【請求項12】
前記整形外科用デバイスの早期の取り外しを露出するために配置された露出要素を備える、請求項1に記載の整形外科用デバイス。
【請求項13】
前記サポートプレートと同じ側で、又は前記サポートプレートに対して反対側で前記布の前記受容領域に固定された、例えば布の層のようなさらなる材料層を備える、請求項1に記載の整形外科用デバイス。
【請求項14】
サポートプレートと布とを備えている整形外科用キットであって、
前記サポートプレートは、整形外科的にサポートする形状になるように柔軟性があり、前記サポートプレートは、サポートされる対象物に向かって配置されるサポート面と、反対側の遠位面とを有しており、
前記布のサイズは、前記サポートプレートのサイズより大きく、
前記整形外科用キットは、
前記サポートプレートを整形外科的にサポートする形状に成形するための指示、
前記サポートプレートの前記サポート面を布に固定するための指示、
前記サポート面を前記対象物上のそのサポート位置に配置するための指示、及び
前記布を前記対象物の周りに巻くための指示、
を含む指示文書をさらに備えている、整形外科用キット。
【請求項15】
前記サポートプレート及び前記布が、次の症状又は身体部分、すなわち上腕骨、手首、親指、肘、膝、足首、中足骨骨折、中手骨骨折、指、指骨、前腕、上腕、首、脊椎から選択された症状をサポートするように成形及びサイズ設定される、請求項14に記載のキット。
【請求項16】
一時的な整形外科的サポート又は保護を提供するための方法であって、
サポートプレートと布とを提供するステップであって、前記サポートプレートは、整形外科的にサポートする形状になるように柔軟性があり、前記サポートプレートは、サポートされる対象物に向かって配置されるサポート面と、反対側の遠位面とを有し、前記布のサイズは、前記サポートプレートのサイズより大きい、ステップと、
前記サポートプレートをサポート又は保護される対象物の形状に成形するステップと、
前記サポートプレートの前記サポート面を前記布に固定するステップと、
前記布が前記サポートプレートと前記対象物との間に位置するように、前記サポート面を前記対象物上のそのサポート位置に配置するステップと、
前記布を使用して前記サポートプレートを前記対象物上に固定するステップとを含む、方法。
【請求項17】
前記サポートプレートの成形を容易にすること、及び/又は前記布に取り付けることのうちの少なくとも1つのために、より高い温度に至るまで、例えば約65℃に至るまで前記サポートプレートを加熱するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整形外科用デバイスに関する。
【0002】
本発明は、さらに、整形外科用キットに関する。
【0003】
本発明は、さらに、一時的な整形外科的サポート又は保護を提供するための方法に関する。
【背景技術】
【0004】
知られている整形外科用デバイスに関する問題は、それを使用するには高いレベルの技術及び熟練が必要であるということである。本開示では、用語「整形外科用デバイス」は、例えば、骨、関節、靱帯、腱、及び筋肉の障害の保護及び治療のために整形外科手術で使用されるデバイス、ならびに例えばスポーツにおいて圧縮、サポート及び/又は関節の安定性を提供するために使用されるブレース及びサポートなどの保護装置を対象とする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様の観点から見ると、整形外科用デバイスであって、サポートプレートと布とを備え、サポートプレートは、整形外科的にサポートする形状になるように柔軟性があり、サポートプレートは、サポートされる対象物に向かって配置されるサポート面と、反対側の遠位面とを有し、サポートプレートのサポート面は、布の受容領域に接着され、それにより、サポートプレートの遠位面は、デバイスの遠位面の一部を構成し、布は、サポートプレート(1)より大きく、したがって整形外科用デバイス(100)を固定するための取付領域を提供する、整形外科用デバイスを提供することができる。
【0006】
それにより、高度な技術を有さない人でもすぐに使用しやすい整形外科用デバイスが達成され得る。
【0007】
さらなる態様の観点から見ると、整形外科用キットであって、サポートプレートと布とを備え、サポートプレートは、整形外科的にサポートする形状になるように柔軟性があり、サポートプレートは、サポートされる対象物に向かって配置されるサポート面と、反対側の遠位面とを有し、布のサイズは、サポートプレートのサイズより大きく、整形外科用キットは、さらに、サポートプレートを整形外科的にサポートする形状に成形し、サポートプレートのサポート面を布に固定し、サポート面を対象物上のそのサポート位置に配置し、布を対象物の周りに完全に巻くための指示を含む指示文書をさらに備える、整形外科用キットを提供することができる。
【0008】
それにより、高度な技術を有さない人でもすぐに使用しやすい整形外科用デバイスが達成され得る。
【0009】
さらなる態様の観点から見ると、一時的な整形外科的サポート又は保護を提供するための方法であって、
-サポートプレートと布とを提供するステップであって、サポートプレートは、整形外科的にサポートする形状になるように柔軟性があり、サポートプレートは、サポートされる対象物に向かって配置されるサポート面と、反対側の遠位面とを有し、布のサイズは、サポートプレートのサイズより大きい、ステップと、
-サポートプレートをサポート又は保護される対象物の形状に成形するステップと、
-サポートプレートのサポート面を布に固定するステップと、
-布がサポートプレートと対象物との間に位置するように、サポート面を対象物上のそのサポート位置に配置するステップと、
-布を使用してサポートプレートを対象物上に固定するステップとを含む、方法を提供することができる。
【0010】
それにより、高度な技術を有さない人にとってもすばやく容易である方法が達成され得る。
【0011】
装置、キット、及び方法は、独立請求項において述べるものによって特徴付けられる。幾つかの他の実施形態は、他の請求項において述べるものによって特徴付けられる。本発明の実施形態はまた、本特許出願の明細書及び図において開示される。本特許出願の本発明の内容はまた、特許請求の範囲において定義されるものとは異なった方法で定義され得る。本発明の内容はまた、特に本発明が、明示又は示唆されるサブタスクに照らして、又は得られる利益又は利益群の観点から検討される場合、幾つかの別々の発明で形成され得る。そのため、特許請求の範囲に含まれる定義のいくつかは、その別々の発明的着想の観点から見て不必要である場合がある。本発明の異なる実施形態の特徴は、基本的な本発明の着想の範囲内で、組み合わせて又はその代わりに他の実施形態に適用されてもよい。
【0012】
1つの実施形態では、サポートプレートは、熱可塑性ポリマーと、顆粒、プレート及び/又はファイバの形態の木材粒子とを含む組成物で作製される。
【0013】
利点は、その材料が作業しやすく、必要な整形外科的サポートを維持しながら比較的軽量であることである。さらなる利点は、その材料は、創傷の治癒を促進し、サポートプレート下にある皮膚の炎症を低減する高い通気性を提供し得ることである。さらなる利点は、その材料は、再加熱及び再成形されてもよく、したがって材料の無駄が低減され得ることである。
【0014】
1つの実施形態では、布は、好ましくは100%ポリエステルの熱可塑物を含む材料で作製される。
【0015】
利点は、軽量で通気性があり、非濡れ性の布が達成され得ることである。
【0016】
1つの実施形態では、布は、自己取付面構造を有し、自己取付面構造は、したがってそれ自体で固定する能力を有する。
【0017】
利点は、デバイスの使用が簡単であり、その構成要素の数が低減され得ることである。
【0018】
1つの実施形態では、布の自己取付面構造は、ファイバループ束ね布を備える。
【0019】
利点は、弾性的で軟質の自己取付面構造が達成され得ることである。
【0020】
1つの実施形態では、布は、20℃~25℃の温度などの常温においてそれ自体で固定する能力を有する。
【0021】
利点は、整形外科用デバイスは、布を加熱する必要がなく標準室温において使用しやすいことである。
【0022】
1つの実施形態では、整形外科用デバイスは、整形外科用デバイスの早期の取り外しを露出するために配置された露出要素を備える。
【0023】
利点は、デバイスの間違った使用が意図的又は非意図的に行われていることが、容易に観察され得ることである。
【0024】
1つの実施形態では、整形外科用デバイスは、サポートプレートと同じ側で、又はサポートプレートに対して反対側で布の受容領域に固定された、布の層などのさらなる材料層を備える。
【0025】
利点は、サポートプレートとサポートされる対象物との間に詰め物が加えられ、したがってサポートプレート下の皮膚の擦傷が軽減され得ることである。サポートプレートが高温において加熱され、対象物に押しつけて成形される実施形態では、加熱されるサポートプレートと対象物の組織との間に、追加の断熱が作り出され得る。
【0026】
1つの実施形態では、キットのサポートプレート及び布は、次の症状又は身体部分、すなわち上腕骨、手首、親指、肘、膝、足首、中足骨骨折、中手骨骨折、指、指骨、前腕、上腕、首、脊椎から選択された症状をサポートするように特別に成形及びサイズ設定される。
【0027】
利点は、作業者がサポートプレート及び布を必要とされる形状に切断する必要がないため、対象物の最適なサポートがすばやく作り出され得ることである。
【0028】
本開示を示す幾つかの実施形態が、添付の図においてより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1a】プレートを布に接着する前の整形外科用デバイス及び方法の概略図である。
図1b】プレートが布に接着されている、図1aに示す整形外科用デバイス及び方法の概略図である。
図2】整形外科用デバイス及び方法の概略図である。
図3a】プレートの一実施形態の概略図である。
図3b】プレートの別の実施形態の概略図である。
図3c】プレートの別の実施形態の概略図である。
図3d】プレートの別の実施形態の概略図である。
図4a】布の一実施形態の概略図である。
図4b】布の別の実施形態の概略図である。
図5】整形外科用デバイスを備えるキットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図では、幾つかの実施形態が、明確にするために簡易化されて示される。類似の部分は、図内では同じ参照番号でマークされる。
【0031】
図1aは、プレートを布に取り付ける前の整形外科用デバイス及び方法の概略図であり、図1bは、プレートが布に接着されている、図1aに示す整形外科用デバイス及び方法の概略図である。
【0032】
整形外科用デバイス100は、サポートプレート1と布2とを備える。サポートプレート1は、サポートされる対象物に所望の整形外科的サポートを与える三次元形状に成形することができる。「対象物」は、人又は動物の身体の任意の部分であってもよい。
【0033】
サポートプレート1は、2つの表面又は側面、すなわちサポートされる対象物に向かって配置されるサポート面3と、反対側の遠位面4とを有する。
【0034】
1つの実施形態では、布2は、自己取付面構造5を有する。これは、したがってそれ自体で固定する能力を有する。
【0035】
1つの実施形態では、布の表面積すべてが、自己取付面構造5を含む。
【0036】
1つの実施形態では、布2内には、自己取付面構造5を有さない幾つかの領域又はセクションが存在し、又は換言すれば、布2の表面の一部分だけが、自己取付面構造5を備える。
【0037】
1つの実施形態では、布2は、自己取付面構造5を有さない。そのため、整形外科用デバイス100は、例えば接着剤、テープ又はステープルなどの追加の取り付け物質又は手段を使用して、及び/又は布をくくる/結ぶことによって対象物上に締め付けられる。
【0038】
整形外科用デバイス100は、サポートプレートのサポート面3を布の受容領域6に取り付けることによって構成される。
【0039】
1つの実施形態では、サポートプレート1は、接着剤などの追加の取り付け物質及び/又はステープルなどの追加の取り付け手段によって取り付けられる。
【0040】
1つの実施形態では、サポートプレート1は、いかなる追加の取り付け物質又は追加の取り付け手段も有さずに布2に取り付けられる。例えば、サポートプレート1の材料は、暖められたときに粘着状態に変わり、布2に付着してもよい。
【0041】
受容領域6は、有用な又は最適な整形外科用デバイス100を実現するためにサポートプレート1が取り付けられなければならない布2の一部である。受容領域6は、自己取付面構造5を備えてもよいが、これは必要ではない。
【0042】
図1bは、完成した整形外科用デバイス100の実施形態を示している。サポートプレートの遠位面4は、デバイスの遠位面の一部である。遠位面は、サポートされる対象物に対して遠位に配置される表面を意味する。布2は、サポートプレート1より大きい。したがって、遠位面上には、布2がそれ自体で前記遠位面に固定することを可能にする取付領域7、すなわち自由面が存在する。
【0043】
図1bに示すような1つの実施形態では、整形外科用デバイス100は、布2内に取り付けられた1つだけのサポートプレート1を備える。別の実施形態では、1枚の布2内に取り付けられた2つ又はさらにはそれ以上の別個のサポートプレート1が存在する。
【0044】
図2は、整形外科用デバイス及び方法の概略図である。
【0045】
デバイス100は、サポート面が対象物OBの方を向き、布2がサポートプレート1と対象物OBとの間に位置するようにサポートプレート1が対象物OB上のサポート位置に置かれるように、対象物OB上に配置される。
【0046】
1つの実施形態では、サポートプレート1は、サポートプレートを対象物に押さえつけることによって対象物OBの形状に合わせて成形される。サポートプレートの成形は、サポートプレートを布2に取り付ける前に、サポートプレートを布に取り付けるのと同時に、又はサポートプレートを布に取り付けた後に行うことができる。
【0047】
1つの実施形態では、サポートプレート1は、その成形を容易にするためにより高い温度に加熱される。例えば、熱可塑性ポリマーと、顆粒、プレート、及び/又はファイバの形態の木材粒子とを含む組成物から製造されたサポートプレートを、例えば約65℃まで加熱し、次いで、必要とされる形状に成形することができる。加熱は、例えば水浴内、オーブン内、又は電子レンジ内で実施されてもよい。
【0048】
取付領域7は、対象物に対して適切な圧縮が作り出されるように対象物OBの周りにくくられており、布2は、その重複セクション12上でそれ自体で固定されている。
【0049】
1つの実施形態では、装置100は、サポートプレート1と対象物OBとの間に位置するように布2の受容領域6に固定された、布の層などの少なくとも1つのさらなる材料層10を備える。さらなる材料層10は、サポートプレート1と布2との間、又はサポートプレート1に対して布2の反対側に配置されてもよい。1つの実施形態では、布2の両側にさらなる材料層10が存在する。装置100は、受容領域6内のような布の幾つかの他の部分内にさらなる材料層10を備えてもよいことに留意されたい。
【0050】
通常、サポートプレート1は、サポートされる対象物に向かって凹形状を有する。この種類の形状の1つの例が、図2に示される。しかし、別の実施形態では、サポートプレート1は、対象物に向かって凸形状もしくは平面、又は凹形状、凸形状、及び平面形状の任意の組合せを有してもよい。
【0051】
図3aから図3dは、プレートの幾つかの実施形態の概略図である。
【0052】
1つの実施形態では、サポートプレート1は、特有の対象物又は症状に合わせて成形及びサイズ設定されず、多くの用途で少なくとも満足に使用することができる、ユニバーサル形状を有する。そのような形状は、例えば、矩形形状又は円形状であってもよい。
【0053】
1つの実施形態では、サポートプレート1は、特有の対象物又は症状に合わせて成形及びサイズ設定される形状を有する。図3a~図3dは、特別に成形されたサポートプレートの幾つかの例を示している。
【0054】
図3aは、親指をサポートするように意図されたサポートプレートの実施形態を示している。
【0055】
1つの実施形態では、サポートプレート1は、中実であり、すなわち貫通孔を有さない。別の実施形態では、サポートプレート1は、少なくとも1つの開口部8、通常は複数の開口部を備える。開口部は、例えば、サポートプレートによって覆われた対象物の通気性を促進するためのさまざまな機能を有してもよい。少なくとも1つの開口部8が本開示で説明する任意のサポートプレート1に嵌合されてもよいことに留意されたい。
【0056】
1つの実施形態では、サポートプレート1内に配置された開口部8は、指又はつま先などの身体部分を受け入れるように寸法設定され、置かれてもよい。開口部の形状は変動してもよい。
【0057】
図3bは、背部又は手のひら方向から手首をサポートするように意図されたサポートプレートの実施形態を示している。
【0058】
図3cは、肘をサポートするように意図されたサポートプレートの実施形態を示している。サポートプレート1は、点線に沿って適切な角度に曲がることができる。
【0059】
図3dは、中手骨骨折を有する手をサポートするように意図されたサポートプレートの実施形態を示している。
【0060】
整形外科用デバイス100はまた、上腕骨、膝、足首、手首、中足骨、中手骨、指、指骨、前腕、上腕、首、脊椎などの他の症状に適用され、それに合わせて成形することもできる。
【0061】
整形外科用デバイス100は、人及び動物の骨、靱帯、神経系などの骨折及び歪み等の固定化に使用することができる。
【0062】
1つの実施形態では、サポートプレート1は、金属又はポリマー材料又はその両方を含む材料で作製される。前記金属は、例えばアルミニウムであってもよい。前記ポリマー材料は、熱可塑性材料又は熱硬化性材料であってもよい。1つの実施形態では、前記材料は、ポリマー材料及び補強材料を含む複合材料である。1つの実施形態では、ポリマー材料は、熱可塑性ポリマーを含み、補強材料は、顆粒、プレート及び/又はファイバの形態の木材粒子を含む。1つの実施形態では、熱可塑性ポリマーは、非生物分解性ポリマーである。別の実施形態では、熱可塑性ポリマーは、生物分解性ポリマーである。1つの実施形態では、生物分解性ポリマーは、カプロラクトンホモポリマーを含み、補強材料は、板状の木材粒子を含む。この複合材料は、作業しやすく、軽量のものである。これはまた、必要であれば約65℃などの高温を使用することによって成形することもできる。
【0063】
1つの実施形態では、サポートプレート1の厚さは、0.8mm~8mm、好ましくは2mm~4mmの範囲内である。厚さは、本質的にプレート全体にわたって等しくてもよく、又は、例えばプレートの成形を楽にするために変動があってもよい。
【0064】
一態様によれば、サポートプレート1は、押出成形物を押出し、次いで適切な部分に切断することによって製造される。別の態様によれば、サポートプレート1は、鋳造によって製造される。
【0065】
図4a及び図4bは、布の幾つかの実施形態の概略図である。
【0066】
1つの実施形態では、布2は、特有の対象物又は症状に合わせて成形及びサイズ設定されず、多くの用途で少なくとも満足に使用することができる、ユニバーサル形状を有する。そのような形状は、例えば矩形形状であってもよい。
【0067】
1つの実施形態では、布2は、特有の対象物又は症状に合わせて成形及びサイズ設定された形状を有する。図4a、図4bは、特別に成形されたサポートプレートの幾つかの例を示している。
【0068】
1つの実施形態では、布2は、熱可塑物を含む材料で作製される。1つの実施形態では、布2は、100%ポリエステルなどのポリエステルで作製された織物材料である。1つの実施形態では、布2は、タイプ50/25 SDYのポリエステル糸を含む。
【0069】
1つの実施形態では、布2は、3Dエアメッシュタイプの布を含むか、又はこれからすべて作製される。このタイプの布の利点は、高い通気性及び水透過性である。それにしたがって、布2が濡れた場合でも、すばやく乾燥し、水がデバイス下の皮膚に対して問題を引き起こすことはない。
【0070】
1つの実施形態では、さらなる材料層10は、上記で説明した3Dエアメッシュタイプの布で作製される。
【0071】
布2は、好ましくは、サポートされた対象物が対象物の治癒を促進する範囲内で回転し得るように双方向に弾性又は伸縮性である。
【0072】
1つの実施形態では、布2の厚さは、2mm~4mmの範囲内である。厚さは、本質的に布全体にわたって等しくてもよく、又は厚さに変動があってもよい
【0073】
布2の構造は、好ましくは、布によって覆われた対象物の治癒を楽にするために好ましくは通気性である。
【0074】
1つの実施形態では、布の自己取付面構造5は、ファイバループ束ね布を備える。
【0075】
1つの実施形態では、布の自己取付面構造5は、フック及びループ固定具面(ベルクロ(登録商標))を備える。
【0076】
自己取付面構造5は、無段階の取り付け調整を提供し、したがって、例えば、対象物に向かう最適な圧縮が作り出され得る。
【0077】
1つの実施形態では、布2は、20℃~25℃の温度範囲内などの常温においてそれ自体で固定することができる。
【0078】
1つの実施形態では、布2は、サポートされた対象物に関連する可能性のある創傷の治癒を促進するために少なくとも1つの活性添加物を含む。1つの実施形態では、布2は、銀又は銀合金の粒子又はファイバを含む。
【0079】
図4aに示すような1つの実施形態では、布2は、サポートプレート1を布上の正しい位置に置くように作業者を案内する案内マーキング15を備える。
【0080】
1つの実施形態では、布2は、サポートプレート1の少なくとも2つの側に取付領域7を備える。別の実施形態では、布2は、サポートプレート1の1つの側だけに取付領域7を備える。
【0081】
図4bに示すような1つの実施形態では、取付領域7は、サポートされる対象物周りに巻き付くように適合された布2の指様突出部分である。取付領域7が、その形状に関係なく、サポートされる対象物の周りに少なくとも2回巻き付け可能であるように寸法され得ることに留意されたい。しかし、これは、デバイスのすべての実施形態において必要ではない。
【0082】
図4bに示す実施形態は、3つの指様突出部分を備える。しかし、指様突出部分の数は、1つから4つ以上の数まで変動してもよい。
【0083】
1つの実施形態では、布2は、例えば指又はつま先などの身体部分を受け入れるための少なくとも1つの開口部8を備える。開口部の形状は変動してもよい。
【0084】
図5は、整形外科用デバイスを備えるキットの概略図である。
【0085】
一態様によれば、本開示による整形外科用デバイス100の構成要素が、整形外科用キット200内に配置される。整形外科用キット200は、したがって、サポートプレート1と布2とを備える。整形外科用キット200はまた、少なくとも
a)サポートプレート1を整形外科的にサポートする形状に成形し、
b)サポートプレートのサポート面3を布2に固定し、
c)サポート面3を対象物上のそのサポート位置に配置し、
d)布2を対象物周りに巻き、
e)布2をそれ自体で固定するための指示を含む指示文書11も備える。
【0086】
指示文書11は、例えば紙形態又は電子形態であってもよい。
【0087】
キット200内に含まれるサポートプレート1及び布2は、好ましくは、特定の症状又は身体部分で使用するように成形及びサイズ設定される。指示文書11は、この特有の使用のための指示を含んでもよい。症状又は身体部分は、例えば、上腕骨、手首、親指、肘、膝、足首、中足骨骨折、中手骨骨折、指、指骨、前腕、上腕、首、及び脊椎の中で選択されてもよい。したがって、キットの使用は、簡単であり、高度な教育を受けた医療従事者の技術を必要としない。
【0088】
1つの実施形態では、整形外科用キット200は、パッケージ13内にパッキングされ、配布される。1つの実施形態では、パッケージ13は、防水性であり、したがって、サポートプレートを濡らす又は浸すことなく水浴を使用してパッケージ13内のサポートプレート1を加熱することが可能である。
【0089】
1つの実施形態では、整形外科用キット200は、少なくとも1つのアクセサリ14を備える。アクセサリ14は、例えば粘着テープなどの追加の固定手段を備えてもよい。
【0090】
1つの実施形態では、整形外科用キット200は、露出要素9を備える。この要素は、整形外科用デバイス100の早期の取り外しを露出するために配置することができる。1つの実施形態では、露出要素9は、正しいキー、ツール又はコード無しでは整形外科用デバイスを取り外すことを不可能にするか、又は少なくともより難しくする。この種類の露出要素9は、例えば、対象物OB上に配置された整形外科用デバイス100の周りに固定されたプラスチックベルトを備えることができる。ベルトは、正しいキー、ツール、又はコード無しでは開くことができないロック要素を備える。
【0091】
1つの実施形態では、露出要素9は、整形外科用デバイス100が取り外されたときにその外観が壊れるか、又は変化する表示マーキングを備える。表示マーキングは、例えばテープもしくは対応する要素、又は整形外科用デバイス100上に描かれた/印刷された単なる線又は他の幾何学的要素であってもよい。
【0092】
1つの実施形態では、露出要素9は、デバイスの適切な表面上に配置されたのり層又はポリマー層を備える。前記層は、デバイス100が取り外されたときに壊されるか、及び/又は綿毛が溜まる。
【0093】
本発明は、上記で説明した実施形態のみに限定されるのではなく、その代わりに、多くの変形形態が、特許請求の範囲によって定義された本発明の概念の範囲内で可能である。本発明の概念の範囲内で、異なる実施形態及び用途の特性は、別の実施形態又は用途の特性と併用して使用することができ、又はこれを置き換えることができる。
【0094】
図及び関連する説明は、本発明の着想を示すように意図されるにすぎない。本発明は、特許請求の範囲において定義された本発明の着想の範囲内で細かく変動してもよい。
【符号の説明】
【0095】
1 サポートプレート
2 布
3 サポート面
4 遠位面
5 自己取付面構造
6 受容領域
7 取付領域
8 開口部
9 露出要素
10 さらなる材料層
11 指示文書
12 重複セクション
13 パッケージ
14 アクセサリ
15 案内マーキング
100 整形外科用デバイス
200 整形外科用キット
OB 対象物
図1a-1b】
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図4a
図4b
図5
【国際調査報告】