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特表2024-516104コアキシャルなCNT@TIN-TIO2スポンジをベースとした高面積容量の長寿命リチウム硫黄電池
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】コアキシャルなCNT@TIN-TIO2スポンジをベースとした高面積容量の長寿命リチウム硫黄電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/13 20100101AFI20240405BHJP
   H01M 10/052 20100101ALI20240405BHJP
   H01M 10/0568 20100101ALI20240405BHJP
   H01M 10/0569 20100101ALI20240405BHJP
   H01M 4/139 20100101ALI20240405BHJP
   H01M 10/058 20100101ALI20240405BHJP
【FI】
H01M4/13
H01M10/052
H01M10/0568
H01M10/0569
H01M4/139
H01M10/058
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561913
(86)(22)【出願日】2022-04-08
(85)【翻訳文提出日】2023-12-06
(86)【国際出願番号】 US2022024073
(87)【国際公開番号】W WO2022217090
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】63/172,253
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512155478
【氏名又は名称】学校法人沖縄科学技術大学院大学学園
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100119079
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 佐保子
(72)【発明者】
【氏名】ヤビン チー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン フイ
(72)【発明者】
【氏名】オオノ ルイス カツヤ
【テーマコード(参考)】
5H029
5H050
【Fターム(参考)】
5H029AJ03
5H029AJ05
5H029AK01
5H029AK02
5H029AK05
5H029AL12
5H029AM04
5H029AM07
5H029CJ02
5H029CJ22
5H029CJ28
5H029HJ02
5H029HJ04
5H029HJ14
5H050AA07
5H050AA08
5H050BA16
5H050BA17
5H050CA01
5H050CA02
5H050CA11
5H050CB12
5H050FA13
5H050FA18
5H050GA02
5H050GA22
5H050HA02
5H050HA04
5H050HA14
(57)【要約】
LiS電池は、カーボンナノチューブのスポンジ上に堆積され次いでアニーリングされたヘテロ構造を含む。該ヘテロ構造は、TiNおよびTiOの層を堆積、例えば、TiNに次いでTiOを堆積させることにより得られ得る。アニーリング後、TiNおよびTiOはヘテロ構造中に実質的に均一に分布し得る。ある実施形態では、TiN層の厚さは10nmであり、TiO層の厚さは5nmである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンナノチューブのスポンジと、
原子層堆積およびその後のアニーリングによって前記カーボンナノチューブ上に形成されたヘテロ構造と、を含む、電池。
【請求項2】
前記カーボンナノチューブのスポンジが前記電池のカソードを形成する、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
リチウム箔アノードと、エーテル系電解質と、前記アノードと前記カーボンナノチューブのカソードとの間に位置するセパレータと、硫化リチウムを含むエーテル系電解質とを更に含む、請求項2に記載の電池。
【請求項4】
前記電解質がLiを含む、請求項3に記載の電池。
【請求項5】
前記ヘテロ構造が第1の化合物および第2の化合物を含み、
前記第1の化合物および前記第2の化合物は、
前記スポンジ上に前記第1の化合物を堆積させること、
前記第2の化合物を前記スポンジ上に堆積させること、および、
前記第1の化合物および前記第2の化合物の分布がアニーリング前よりも均一になるように前記第1の化合物および前記第2の化合物をアニーリングすること
によって組み合わされている、請求項1に記載の電池。
【請求項6】
前記第1の化合物がTiNであり、前記第2の化合物がTiOである、請求項5に記載の電池。
【請求項7】
前記第1の化合物が7~13nmの厚さを有し、前記第2の化合物が3~7nmの厚さを有する、請求項6に記載の電池。
【請求項8】
前記第1の化合物が8~12nmの厚さを有し、前記第2の化合物が4~6nmの厚さを有する、請求項6に記載の電池。
【請求項9】
前記第1の化合物が9~11nmの厚さを有し、前記第2の化合物が4.5~5.5nmの厚さを有する、請求項6に記載の電池。
【請求項10】
前記第1の化合物が10nmの厚さを有し、前記第2の化合物が5nmの厚さを有する、請求項6に記載の電池。
【請求項11】
カーボンナノチューブのスポンジを作製するステップと、
前記スポンジ上に第1の化合物の第1の層を堆積させるステップと、
前記第1の層の上に第2の化合物の第2の層を堆積させるステップと、
前記スポンジ上の前記第1の層および前記第2の層の分布がアニーリング前よりも均一になるように、前記スポンジ、前記第1の層、および前記第2の層に対してアニーリングを行うステップと、を含む、方法。
【請求項12】
前記第1の層を堆積させるステップおよび前記第2の層を堆積させるステップが、原子層堆積を行うことを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の化合物がTiNであり、前記第2の化合物がTiOである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の層が7~13nmの厚さを有し、前記第2の層が3~7nmの厚さを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の層が8~12nmの厚さを有し、前記第2の層が4~6nmの厚さを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の層が9~11nmの厚さを有し、前記第2の層が4.5~5.5nmの厚さを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の層が10nmの厚さを有し、前記第2の層が5nmの厚さを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記アニーリング後の前記スポンジと、セパレータと、リチウム箔アノードと、エーテル系電解質と、硫化リチウムを含むエーテル系電解質とを備える電池を組み立てるステップを更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記硫化リチウムがLiを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記アニーリングは、窒素環境で、8~12℃ min-1の加熱速度で600~700℃の最終温度にアニーリングすることを含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
その高い理論エネルギー密度(2600Wh kg-1)のために、リチウム硫黄(Li-S)電池は、高エネルギー二次電池の絶え間ない需要を満たすための最も有望な候補の1つと考えられている[1-6]。しかしながら、速い容量減退および低クーロン効率を引き起こすリチウムポリスルフィドのシャトル効果により、Li-S電池の実用化が著しく妨げられている[1-3]。かかる問題に対処するために、リチウムポリスルフィドの物理的および化学的なシャトリングをそれぞれブロックするための多孔質ナノカーボン(例えば、グラフェンフォーム、カーボンナノチューブネットワーク)、および、極性化合物(例えば、非炭素酸化物、硫化物、窒化物)を含む、様々な硫黄ホスト材料が導入されている[7-12]。これらの戦略は、リチウムポリスルフィドの電解質中への溶解をある程度防ぐことができるものの、ポリスルフィドのシャトリング問題は、特に高硫黄量下では完全には解決されない[13]。近年の研究は、「ブロッキング」以外の「ドレッジング」がリチウムポリスルフィドのシャトリングの問題に対するより良い解決策であることを示している[14]。その主な理由は、リチウムポリスルフィドからLi/LiSへの変換は放電プロセス中では遅く、これは、溶解ポリスルフィドの大量の蓄積をもたらし、最終的に硫黄ホストのブロッキング能力を超えるためである。リチウムポリスルフィドを効率的にドレッジするために、触媒を導入し、ポリスルフィドとLi/LiSとの間の転化速度を促進すべきである[15,16]
【0002】
リチウムポリスルフィド変換のための理想的な触媒は、1)変換反応のための電子およびイオン輸送を促進するための高い導電率、2)ポリスルフィドを安定化するための適切な吸着能力、および3)ポリスルフィド変換を促進するための触媒能力という、3つの重要な特性と統合される必要がある[17]。しかしながら、これらの3つの要件すべてを同時に満たすことができるシンプルな材料を見出すことは困難である。例えば、金属酸化物(TiOなど)はポリスルフィドに対して強い吸着能力を示すものの[18,19]、本質的に導電率が低いためポリスルフィドの更なる電気化学反応への関与が妨げられる。同様に、金属窒化物(TiNなど)は良好な導電性を示すものの[20,21]、リチウムポリスルフィドとの親和性が弱いため十分なポリスルフィド吸着を保証することができない。近年、Li-S電池性能を向上させるための改良された触媒として、各成分の利点を組み合わせたヘテロ構造(例えば、TiN-TiO、およびWS-WO3)が導入されている[17,22]
【図面の簡単な説明】
【0003】
添付の図において、同様の参照符号は、同様の構成要素を指す。
図1図1は、CNT@TiN-TiOの製造プロセス、および、ポリスルフィド変換のためのその触媒プロセスを示す概略図である。
図2図2は、CNT@TiNハイブリッドのモルフォロジーを特徴付けるTEM画像を含む。
図3図3は、0.2CにおけるCNT@TiNハイブリッドの電気化学的性能を示す図である。
図4図4は、0.2CにおけるCNT@TiN@TiOのモルフォロジーおよび電気化学的性能を示す図である。
図5図5は、CNT@TiN-TiO-5のモルフォロジーを特徴付けるTEM画像を含む。
図6図6は、CNT@TiN-TiO-5のXRDパターンを示す。
図7図7は、CNT@TiN-TiO-5の光学顕微鏡画像およびSEM画像を含む。
図8図8は、(a)CNT@TiN-TiO-2、(b)CNT@TiN-TiO-5、および(c)CNT@TiN-TiO-10のTEM画像を含む。
図9図9は、CNT@TiN-TiO-5のリチウムポリスルフィド吸着試験の結果を特徴付ける画像およびグラフを含む。
図10図10は、リチウムポリスルフィド吸着前後のCNT@TiN-TiO-5のXPSスペクトルのグラフを含む。
図11図11は、2mV s-1の走査速度における、Liを有する場合と有さない場合のCNT@TiN-TiO-2、CNT@TiN-TiO-5およびCNT@TiN-TiO-10対称セルのCV曲線を含むグラフである。
図12図12は、定電位放電条件下でのLiS堆積のプロセスを示すグラフを含む。
図13図13は、CNT@TiNTiO-2、CNT@TiN-TiO2-5およびCNT@TiN-TiO-10の電気化学的性能を示すグラフを含む。
図14図14は、CNT@TiN-TiO-2、CNT@TiN-TiO-5およびCNT@TiN-TiO-10のサイクル性能を示すグラフを含む。
図15図15は、0.2Cおよび1CにおけるCNT@TiN@TiO-5の面積容量性能を示すグラフを含む。
図16図16は、CNT@TiN-TiOスポンジを組み込んだLi-S電池を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
TiN-TiOヘテロ構造触媒を製造するための複雑な作製プロセスは、ヘテロ構造の触媒能力において重要な役割を果たす、各成分の含有量および分布を合理的に制御および最適化することを困難にする。
【0005】
本明細書に記載されるヘテロ構造の例示的な実施態様は、リチウム硫黄(Li-S)電池におけるリチウムポリスルフィド変換のための理想的な触媒系としての新たな機会を開くものである。本明細書に記載されるアプローチは、作製プロセスの複雑さにもかかわらず、ヘテロ構造の各成分の含有量および分布の制御を可能にし得る。いくつかの実施態様では、原子層堆積法(ALD)を利用して、TiO-TiNヘテロ構造と3次元(3D)カーボンナノチューブ(CNT)スポンジとをハイブリッド化させた。いくつかの実施態様では、TiO層およびTiN層の堆積厚さの制御およびアニーリング後処理を採用することによって、得られたコアキシャルなCNT@TiN-TiOスポンジは、従来の手法と比較してTiN-TiOヘテロ構造の均一性を改善し、触媒能を改善した。本明細書に記載のアプローチに係るCNT@TiN-TiOを組み込んだLi-S電池では電気化学的性能が改善され、面積容量は15mg cm-2で20.5mAh cm-2と高く、また、500サイクル後の容量維持率は85%であった。さらに、CNTスポンジからの高多孔質構造および相互接続導電経路の恩恵を受けて、最大20.5mAh cm-2という面積容量を達成することができる。
【0006】
いくつかの実施態様では、原子層堆積法(ALD)を使用して、気相成長法(CVD)によって得られた3次元(3D)自立カーボンナノチューブ(CNT)骨格をベースとするコアキシャルなCNT@TiN-TiOスポンジを作製した。アニーリング後処理と組み合わせてCNT外面におけるTiO層およびTiN層の厚さを制御することにより、5nmのTiOで包まれた10nmのTiNを有するCNTハイブリッドから誘導されたコアキシャルなCNT@TiN-TiOスポンジは、0.2Cで1368mAh g-1という高い比容量と、1Cで500サイクル後に85%という高い容量維持率でLi‐S電池性能を改善する優れた性能を示した。性能が改善された理由としては、従来のアプローチと比較してTiN-TiOヘテロ構造中により連続的な界面を含ませることができ、これにより、TiOに最初にリチウムポリスルフィドを吸着させ、次いでポリスルフィドをTiNに容易に拡散させ、続く電気化学触媒作用を進行させることが挙げられ得る。一方、高導電性のCNTの相乗的寄与により、TiNは、ポリスルフィドのLi/LiSへの変換を効率的に触媒する。さらに、3次元CNTスポンジの多孔質構造および相互接続導電経路は、硫黄を大量に収容し、その効率的な利用を保証し得る。その結果、コアキシャルなCNT@TiN-TiOスポンジをベースとしたLi-S電池の面積容量は20.5mAh cm-2までに達することがわかり、これは、市販のリチウムイオン電池の面積容量(4mAh cm-2)よりもはるかに高く、硫黄含有量が8mg cm-2よりも高い近年発表されたLi-S電池システムと同等である[7,13,21,23,27-37]
【0007】
[設計および製造プロセス]
コアキシャルなCNT@TiN-TiOスポンジの作製は、図1に示すように、1)ALDの設定レシピ(詳しくは実験セクションを参照されたい)に従って、CNT上にTiNを堆積させてCNT@TiNを得るステップ、2)TiNの外面上にTiOを成長させるステップ、および、3)CNTハイブリッドをアニーリングしてTiN-TiOヘテロ構造の均一な分布を促進するステップという3つのステップを含み得る。TiN-TiOヘテロ構造の助けにより、リチウムポリスルフィドからLi/LiSへの変換プロセスは、吸着と触媒変換の2段階でスムーズに起こる。
【0008】
3次元多孔質CNTスポンジは、層毎に積層されてスポンジを構成する多数の多層CNTとその特別な管状構造により、TiN-TiOの堆積および特徴付けに適した基材であり得る。具体的には、大量のCNT(基材として作用)により豊富な材料の堆積が保証される。堆積されたTiN(またはTiO)は、平面(またはマイクロメートルスケール)基材ベースの試料における複雑な前処理なしに、透過型電子顕微鏡法(TEM)によってCNTから容易に同定することができ、これは構造改善に有益である。さらに、CNTスポンジ内の多数の多層CNTは互いに相互接続して、電子を輸送するための自由経路を提供することができ、これは、厚い粉末状電極における電子輸送問題を回避する。CNTスポンジは、さらに、Li-S電池の面積容量を改善する点で大きな利点を示す。
【0009】
活物質としての固体硫黄の一般的なローディング法とは異なり、CNT@TiN-TiOスポンジをリチウムポリスルフィド溶液中に入れ、ポリスルフィドをスポンジ中に浸漬させて初期活物質として直接的に作用させ得る。これは、1)溶液浸透が、活物質を3次元硫黄ホストに均一にロードするための実行可能なアプローチであること、および、2)TiO(またはTiN)とポリスルフィドとの間の一致した極性が活物質の効率的な安定化を促進し、Li-S電池のサイクル安定性を促進すること、の一方または両方の結果であり得る。TiN-TiOヘテロ構造の統合された吸着能と触媒能の恩恵を受けて、CNT@TiN-TiO中にロードされたリチウムポリスルフィドは、図1に示すように、まず、ハイブリッド化されたナノチューブ上で安定化され得、次いで、Li/LiSへの転換反応を完了するために触媒TiNにスムーズに移動され得る。
【0010】
ALDの原子スケール堆積および内在的な適合性を使用して、TiN含有量は、CNT上の堆積厚さによって容易に制御することができる。堆積サイクルを制御することにより、5nm、10nm、20nmの3種類のTiN厚さを有する3種類のCNTハイブリッドを作製し、それぞれ、CNT@TiN-5、CNT@TiN-10、CNT@TiN-20とした。図2は、CNT@TiNハイブリッドのモルフォロジー特徴解析を示す。図2は、CNT@TiN-5のTEM画像((a)および(b))、CNT@TiN-10のTEM画像((c)および(d))、およびCNT@TiN-20のTEM画像((e)および(f))を含む。
【0011】
図2のTEM結果から、CNT@TiNハイブリッドのモルフォロジー、特にTiNとCNT間の界面は、堆積されたTiNの厚さによって大きく影響されると考えられる。CNT表面上への5nmのTiN層の堆積は、低倍率TEM画像(図2、画像(a))によって明確に識別することができる。しかし、いくつかの不連続領域を有するCNTの表面上の緩い堆積(図2、画像(b))が高倍率条件下で観察される。TiNの堆積厚さが10~20nmに増加すると、CNTとTiNとの間の界面は連続的かつ滑らかになる(図2、画像(c)~(f))。このモルフォロジー変化は多層CNTの不均一な表面に起因し得、これは、いくつかの欠陥のある場所でのTiNの原子堆積を妨げ、ホールおよびバンプが生じる。
【0012】
図3を参照して、これら3つのハイブリッドの電気化学的特性を評価するために、これらを硫黄ホストとして使用するLi-S電池を組み立てて試験する。図3は、0.2CにおけるCNT@TiNハイブリッドの電気化学的性能を示す。3つの試料のうち、CNT@TiN-5をベースとする電池は、最初の5サイクルで最高の比容量(約1300mAh g-1)を示すが、CNT@TiN-10は100サイクル後に1000mAh g-1を超える最良のサイクル安定性を有し、これは、CNT@TiN-5の762mAh g-1およびCNT@TiN-20の712mAh g-1より高い。このサイクル安定性のおかげで、5~20nm、例えば7~13nm、8~12nm、または9~11nmのTiNの厚さの範囲内で改善されたサイクル安定性が得られると結論付けることができる。連続的なTiN層を有するCNT@TiN-10は、硫黄ホストのための改善された構造である。CNT@TiN-20はCNT@TiN-10と同様のモルフォロジーを有するが、導電性の結果は、前者の電子伝達性が悪いことを示し(表1参照)、これは電子の輸送を実質的に制限し、また、ポリスルフィドの効率的な利用を妨げ、比容量の一層の低減およびサイクル安定性の悪化をもたらす。並行して、CNT@TiN-5の緩く不安定な構造は、繰返しの化学反応プロセス中に損傷を受けやすく、速い容量減退を引き起こす。
表1.4点プローブ法によるCNT@TiNハイブリッドの導電率試験結果
【表1】
【0013】
以上の結果から、CNT@TiN-10が好適な構造体であると考えられる。以下、TiN層の厚さは上述した範囲のいずれかの範囲内であり得、本明細書に記載したアプローチの利益の少なくとも一部を達成し得るという理解のもと、CNT@TiN-10を参照して例について議論する。
【0014】
図4を参照して、TiO堆積のための新しい基材としてCNT@TiN-10を適用した。次に、ALD法によりCNT@TiN-10上に5nmのTiOを成長させ、CNT@TiN@TiOのコアキシャルなハイブリッドを作製した。図4は、CNT@TiN@TiOのモルフォロジーと0.2Cにおける電気化学的性能を示す。図4の図(a)に示すように、TiNはTiOよりもはるかに粗く緩いため、このハイブリッドの外側TiO層から内側TiNを容易に区別することができる。しかしながら、Li-S電池の性能結果は、CNT@TiNの周辺にTiOを堆積させると、電池の電気化学的性能、とりわけサイクル安定性が著しく低下することを示している(図4、グラフ(b)参照)。おそらく、緻密なTiO層がTiNへのポリスルフィドの拡散および電子輸送をブロックし、Li/LiSへのポリスルフィドの触媒変換を妨げている。
【0015】
アニーリングは、材料の結晶性および構造を改善するための最も一般的な後処理法の1つである。TiNとTiOの良好な分布を促進するために、CNT@TiN@TiOは窒素(N)雰囲気中でアニーリングされ得る。図5は、アニーリング後、TiN層とTiOi層とが混ざり、新しい結晶性化合物を生成することなく、CNT上にコーティングされた1つの統合層が形成されていること(これは、アニーリングされた生成物のXRDパターンによって確かめられる(CNT@TiN-TiO-5のXRDパターンを示す図6を参照されたい))を示すTEM画像を含む。図5において、画像(a)は、CNT表面上にコーティングされた統合TiN-TiOヘテロ構造を示すCNT@TiN-TiO-5のTEM画像である。画像(b)は、TiN-TiOヘテロ構造の混合および均一な分布を示す、CNT@TiN-TiO-5中のC、O、NおよびTiのTEMおよび対応する元素マッピングである。画像(c)は、TiN-TiOヘテロ構造の良好に一致した界面を示すCNT@TiN-TiO-5の高分解能TEMである。
【0016】
対応するEDXマッピング画像からの内側部分における炭素の主な分布は、CNTがTiNおよびTiO堆積のためのオリジナルな基材として適用されることを確認する。興味深いことに、CNTの周りを包むチタン元素、窒素元素および酸素元素が均一に示されている。これは、アニーリングされた外層がTiNとTiOの混合物に対応することを示し、これはTEMの結果とよく一致する。高分解能TEM写真(図5)から、間隔が0.244nmと0.324nmの格子縞は、TiNの(111)格子面とTiOの(110)面にそれぞれ対応していると考えられる。さらに、TiN-TiOヘテロ構造は連続的かつ原子的に一致した界面を有し、これはポリスルフィドの吸着、拡散および触媒変換の円滑な反応プロセスに有益である。
【0017】
説明を簡潔化するために、TiN-TiOヘテロ構造を有するアニーリングされたCNT@TiN@TiOをCNT@TiN-TiO-5と称し、数字は堆積されたTiOの厚さを表す。以下の例ではCNT@TiN-TiO-5について述べるが、TiOの厚さは、2~9nm、3~7nm、4~6nm、または4.5~5.5nmなど、本明細書に記載されるアプローチの利益の一部を依然として達成しつつ、一定の範囲を取り得ることを理解されたい。ALD法の内在的の適合性のため、全てのTiN-TiO層がCNTの外面周辺に均一に成長し得、そして、ハイブリッドCNT@TiN-TiO-5スポンジは多孔性と3次元構造を保持し得る。これは、高硫黄含有量と効率的な電解質浸透に有益である(CNT@TiN-TiO-5のSEM画像を示す図7を参照)。アニーリングされたTiN-TiOヘテロ構造を更に改善するために、2nmおよび10nmの更なる2種類の厚さでTiOを堆積およびアニーリングした。これらは、それぞれ、CNT@TiN-TiO-2およびCNT@TiN-TiO-10として示される。CNT@TiN-TiO-2は、CNT@TiN-TiO-5と同様に、CNT表面上に、統合されたTiN-TiOヘテロ構造層を有する(図8、TEM画像(a))。図8のTEM画像(b)はCNT@TiN-TiO-5を示す。CNT@TiN-TiO-10の外層に不連続で不規則な境界が現れている(図8、TEM画像(c))。したがって、堆積されたTiOの厚さ(すなわち、TiO含有量)は、TiN-TiOヘテロ構造に影響を与える重要なパラメータであると結論付けることができる。
【0018】
リチウムポリスルフィドの触媒変換プロセスは、吸着および触媒反応の2つのステップを含む。CNT@TiN-TiO-2、CNT@TiN-TiO-5およびCNT@TiN-TiO-10の吸着能を試験するために、これらの3つのハイブリッドをLi溶液中に入れ、一晩保持した(図9、画像(a))。外見試験結果は、Li吸着能がTiO>TiN>CNTの順であることを示し、これは従前の結果と一致する。また、TiO含有量の増加に伴い、CNTハイブリッドのポリスルフィド吸着能は徐々に増加する。堆積TiOの厚さが5nmの場合、Li溶液の色は透明になるが、CNT@TiN-TiO-2を含むLi溶液中では依然としてLi残渣が多少存在し、これはCNT@TiN-TiO-2のLi吸着能が制限されたことと、TiO含有量を選択することの重要性を示す(図9、画像(a))。
【0019】
ホスト材料とリチウムポリスルフィドとの間には、物理的吸着および化学的吸着という2つの主なタイプの吸着が存在する。純粋な物理的接触のために、物理的吸着の強度は、ポリスルフィドを効率的に安定化させるには常に弱すぎる。しかしながら、化学吸着における比較的強い化学的相互作用は、リチウムポリスルフィドを捕捉するという利点を有し、その後の触媒変換反応を促進する。TiN-TiOヘテロ構造とリチウムポリスルフィドとの相互作用を決定するために、吸着前後のCNT@TiN-TiO-5のX線光電子分光(XPS)測定を行った。Liを含む従来のエーテル系電解質に浸漬すると、吸着後にフッ素、イオウ、リチウムの新たなピークが出現する(リチウムポリスルフィド吸着前後のCNT@TiN-TiO-5のXPSスペクトルを示す図10を参照)。
【0020】
図9は、Li溶液に浸漬することによるCNT@TiN-TiO-2、CNT@TiN-TiO-5およびCNT@TiN-TiO-10のポリスルフィド吸着能の比較である画像(a)、Ti 2pのXPSスペクトルである画像(b)、およびポリスルフィド吸着前後のCNT@TiN-TiO-5中のN lsを示す画像(c)を含む。図9(b)に示すように、Li吸着後、Ti 2pの2つのスピン軌道分裂ピーク(465eVにおけるTi 2pl/2、459.4eVにおけるTi 2p3/2)が結合エネルギーの低い位置(464.6eVにおけるTi 2p 1/2、458.9eVにおけるTi 2p3/2)にシフトし、これは、LiとTiN-TiOヘテロ構造と間の化学的相互作用を示す。硫黄の方がTiよりも陰性度が強いため、Ti 2pはポリスルフィドから電子を受容する傾向があり、結合エネルギーが低くなる。N 1sコアレベル領域におけるLiNおよびN-Sの新しいピークの形成は、リチウムポリスルフィドのTiN-TiOヘテロ構造との化学結合を更に実証している(図9、画像(c))。
【0021】
図11を参照して、リチウム金属アノードを考慮しない対称セルは、硫黄ホスト材料の電気化学的動力学(触媒能力を含む)を評価するための一般的な構成である。カソードおよびアノードの両方と同じ材料を用いて、CNT@TiN-TiO-2、CNT@TiN-TiO-5およびCNT@TiN-TiO-10の対称セルを組み立て、サイクリックボルタンメトリー(CV)法により2mV s-1の走査速度で試験した。図11はLi無しの電解質を対称セルに適用した場合に、顕著なまたは視覚的に検出可能な酸化還元ピークがないことを示し、これはLiのみが、一般的に使用されるエーテル系電解質からの影響を除いて、試験システムにおいて酸化還元反応を実施するための活性材料であることを示す。Liを電解質に加えた後、図11に示すように、2対の酸化還元ピークが現れる。具体的には、2つのアノードピークがLi/LiSのリチウムポリスルフィドへの、さらには硫黄元素(S)への酸化に対応し、2つのカソードピークは、逆反応プロセス(Sのポリスルフィドへの、さらにはLi/LiSへの還元)に割り当てられる。CNT@TiN-TiO-5では、これらのピークは狭い形状を示し、また、それらの分離は小さく、TiN-TiOヘテロ構造によって触媒されるリチウムポリスルフィド転化の増強を示している。これとは対照的に、CNT@TiNTiO-2は、より幅広い酸化還元ピークを示し、リチウムポリスルフィドに対する吸着能が制限されたために、触媒能力が悪いことを示唆している。CNT@TiN-TiO-10の場合、上記ピークが非常に幅広くなっただけでなく、電流強度も大きく減少し、凹凸界面を持つTiN-TiOヘテロ構造の弱い触媒活性を示した。これらの好ましくない欠陥は、ポリスルフィドの拡散を妨げ、したがって、触媒能を悪化させる。
【0022】
さらに、TiO含有量の増加によって誘起される導電性の悪化は、リチウムポリスルフィドの効率的な利用を制限する。LiS成長がリチウムポリスルフィド変換プロセスにおける重要なステップであることは注目に値する。LiS析出(すなわち成長)の動力学を調べるために、電解質としてLi溶液を用いたコインセルを、まず、2.06Vに定電流放電し、次に電流が10-5mAより低くなるまで2.05Vで定電位放電した。降水電流および容量は図12に示すように、定電位放電曲線に基づいて計算することができる(詳細については、実験セクションを参照されたい)。
【0023】
図12は、2.05Vにおける、CNT@TiN-TiO-2の定電位放電曲線(図(a))、CNT@TiN-TiO-5の定電位放電曲線(図(b))、およびCNT@TiN-TiO-10の定電位放電曲線(図(c))を示す。CNT@TiN-TiO-5は、CNT@TiN-TiO-2(0.15mA、250mAh g-1)およびCNT@TiN-TiO-10(0.75mA、153mAh g-1)と比較して、LiS析出に関して最も高い電流(0.2mA)および容量(328mAh g-1)を示した。これらの結果は、CNT@TiN-TiO-5が、ポリスルフィド転換反応(LiS析出を含む)を加速し、リチウムポリスルフィドの効率的利用を促進する最良の能力を有することを明らかにした。
【0024】
図13は、CNT@TiN-TiO-2、CNT@TiN-TiO-5、およびCNT@TiN-TiO-10の電気化学的性能を示す。グラフ(a)は、0.1mV s-1の走査速度でのCV曲線を含む。グラフ(b)は、定電流充電/放電曲線を含む。グラフ(c)は、EIS曲線を含む。グラフ(d)は、0.1Cから5Cのレート性能を含む。電気化学的測定は、硫黄ホストとしてCNT@TiN-TiO-5を用いたLi-S電池では、試験した他の厚さと比較して、比容量、レート能力、およびサイクル安定性を含む電気化学的性能が改善されたことを示す。図13(図(a))のCV結果(走査速度は0.1mV s-1)から、放電プロセス中、2つのカソードピークがあり、それぞれ、高電圧での硫黄のリチウムポリスルフィドへの還元と、低電圧でのLi/LiSの形成に対応している。さらに、充電プロセス中の2つの重なり合ったアノードピークは、Li/LiSのリチウムポリスルフィドおよび硫黄元素への酸化を意味する。CV曲線において、対応するカソードピークとアノードピークとの間の分離は分極を表し、分極は電池の電気化学的動力学に相関する。理論的には、より小さい分極はより良好な電気化学的動力学を反映する。図13(グラフ(a))から、CNT@TiN-TiO-5は、CNT@TiN-TiO-2やCNT@TiN-TiO-10に比べて、最も鋭いCVピーク、最高の電流強度、最小の分極を有することが明らかに観察される。さらに、CNT@TiN-TiO-5が最も高い放電容量を示す(図13、グラフ(b))。定電流充電/放電曲線において、放電/充電曲線のプラトーはLi-S電池の還元および酸化反応プロセスに起因し、これは、CV曲線における酸化還元ピークとよく一致する(図13、グラフ(b))。同様に、放電曲線と充電曲線との間の間隙も分極を表し、3つのハイブリッドの中でも、CNT@TiN-TiO-5が最も小さい。電荷移動抵抗は電池稼働プロセス中の電荷(例えば、電子およびリチウムイオン)輸送のための重要な指標である。電気化学インピーダンス分光法(EIS)結果は、CNT@TiN-TiO-5が最小の半円径を有し、これは試験した厚さで最良の電荷移動能力に対応し、硫黄ホストとしてCNT@TiN-TiO-5を用いたLi‐S電池における良好な電気化学的転換を明らかする(図5c)。CNT@TiN-TiO-10の場合、抵抗が大きく増加した2つの半円がある。これは、CNT@TiN-TiO-10ハイブリッドの不規則な境界が電荷輸送およびリチウムポリスルフィド転化反応を著しく制限し得ることを示している。良好な電気化学的動力学に起因して、CNT@TiN-TiO-5は優れたレート性能を示す。図5dに示すように、電流密度0.1C、0.5C、1C、2Cおよび5CでのCNT@TiN-TiO-5の比容量は、それぞれ、1350、1250、1000、900および800mAh g-1である。これらの数値はCNT@TiN-TiO-2およびCNT@TiN-TiO-10の数値よりはるかに高い。また、CNT@TiN-TiO-5は、CNT@TiN-TiO-2とCNT@TiN-TiO-10の他の2つのハイブリッドと比較して、最小の分極を有し、電流密度の増大に伴って分極値の変化が最も緩やかに増加する傾向を示す。さらに、試験した他のものと比較して、CNT@TiN-TiO-5が、ポリスルフィド変換を促進してLi-S電池の電気化学的性能を改善するための優れたホスト材料であることが実証される。
【0025】
図14を参照して、Li-S電池のサイクル性能の測定および比較を行った。グラフ(a)は、0.2Cで100サイクル後のCNT@TiN-TiO-2、CNT@TiN-TiO-5およびCNT@TiN-TiO-10のサイクル安定性の比較を示す。グラフ(b)は、1CにおけるCNT@TiN-TiO-5の長期サイクル性能を示す。図14は、0.2CにおけるCNT@TiN-TiO-2、CNT@TiN-TiO-5およびCNT@TiN-TiO-10の初期比容量が、それぞれ、1217mAh g-1、1368mAh g-1および1105mAh g-1であることを示す。100サイクル後、CNT@TiN-TiO-5では1250mAh g-1の容量が達成されたが、CNT@TiN-TiO-2では800mAh g-1、CNT@TiN-TiO-10では700mAh g-1しか保持されなかった。電流密度を1Cに増加させるにつれて、容量減退は、500サイクル後ではサイクル当たり0.03%に維持されたが、これは他の関連する研究(表2)と比較して、Li-S電池のサイクル性能として優れた値である[7,13,21,23,27-37]。3次元構造に起因して、CNT@TiN-TiO-5の面積硫黄含有量は15mg cm-2までに達することができ、したがって、0.2Cにおけるその最高対応面積容量は20.5mAh cm-2である。これは、高面積容量を有するLi-S電池に焦点を当てた関連研究よりもはるかに高い[23-26]。1Cであっても、13.9mAh cm-2という最高面積容量が得られる(0.2Cおよび1CにおけるCNT@TiN@TiO-5の面積容量性能を示す図15を参照されたい)。
表2.本研究のCNT@TiN-TiO-5、および他の近年報告されている高容量Li‐S電極の性能の比較
【表2】
【0026】
要約すると、ポストアニーリングと組み合わせたALD法による、TiN-TiOヘテロ構造でコーティングされた3次元のコアキシャルなCNTハイブリッドについて述べた。堆積TiOの厚さを選択することにより、連続的な界面を有する改善されたヘテロ構造を得ることができ、これは、リチウムポリスルフィドの吸着、拡散および触媒変換の円滑なプロセスを容易にする。その結果、Li‐S電池のレート性能とサイクル安定性が著しく向上した。さらに、3次元相互接続ネットワークの高い硫黄含有量に起因して、同時に、高い面積容量を達成することができる。層厚を選択するための実験的アプローチは、他のコアキシャル/層毎(layer-by-layer)ヘテロ構造のために使用され得、連続的でよく適合した界面の形成を促進し、エネルギー貯蔵および触媒作用における用途として有望である。
【0027】
図16を参照して、本明細書に記載のCNT@TiN-TiOヘテロ構造を組み込んだ例示的なLi-S電池は、図16に示すように配置された、Li箔などのLi金属製アノード、エーテル電解質、CELGARD 2400などのセパレータ、ポリスルフィド電解質、および、CNT@TiN-TiOヘテロ構造を備え得る。
【0028】
リチウム‐硫黄電池の放電プロセス中、ポリスルフィドは、まず、TiOにより安定に吸着され、次に、ヘテロ構造の連続性により促進され、TiNによりスムーズに触媒されて最終生成物としてのLi/LiSとなる。その後の充電プロセスにおいて、Li/LiSは長期サイクル安定性を達成しつつ、可逆的にポリスルフィドに酸化されることができる。
[実験セクション]
【0029】
材料
硝酸(HNO、AR)は和光純薬工業社によって提供されたものである。テトラグリム(99.5%)、硫黄(S8、99.9%)および二硫化リチウム(LiS、99.9%)をSigma-Aldrich社から注文した。テトラキス(ジメチルアミド)チタンは、ジャパン・アドバンスト・ケミカルズ社から購入した。すべての化学物質は、更なる精製なしで分析グレードのものである。
【0030】
CNT@TiN、CNT@TiN@TiO、CNT@TiN-TiO-2、CNT@TiN-TiO-5およびCNT@TiN-TiO-10の作製
CNTスポンジをCVD法により合成した。触媒および炭素前駆体は、それぞれ、フェロセンおよび1,2-ジクロロベンゼンである。TiNを堆積させる前に、CNTスポンジを硝酸(70質量%)で120°Cで12時間処理し、中性(pH~7)まで脱イオン水で洗浄した。凍結乾燥後、CNTスポンジをCNTの外表面上でカルボキシル基によって官能化した。これは、スポンジと他の極性材料(例えば、TiNおよびTiO)との安定なハイブリッド化に有益である。CNT@TiNおよびCNT@TiN@TiOを、ALDシステム(Cambridge Nanotechnology Savannah S200、表3および表4参照)において、ALD法により、150℃に設定したレシピで作製した。TiNおよびTiOの堆積のための前駆体は、テトラキス(ジメチルアミド)チタン、ならびにNHおよびHOのガスである。CNT@TiN-TiO-2、CNT@TiN-TiO-5、およびCNT@TiN-TiO-10は、窒素流(200s.c.c.m)下、CNT@TiN@TiOを10℃ min-1の加熱速度で650℃に炉内でアニーリングしたものである。例えば、加熱速度8~12℃ min-1、最終温度600~700℃であれば、許容できる結果が得られる。
表3.CNT@TiN(5nm/10nm/20nm)のレシピ
【表3】
表4.CNT@TiN@TiO(2nm/5nm/10nm)のレシピ
【表4】
【0031】
Liの作製および対称セルの組み立て
Li電解質は、LiSと硫黄(モル比はLiの公称化学量論に対応する)を、1,3‐ジオキソランとジメトキシエタンとの1:1(体積比)混合液中の1Mリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)を含む電解質に添加し、60℃で24時間撹拌することにより作製した。CNT@TiN-TiO-2、CNT@TiN-TiO-5およびCNT@TiN-TiO-10の同一のアノードおよびカソードを有する得られたLi含有電解質(0.5M)を、ポリスルフィド変換メカニズム研究のために対称セルに組み立てた。
【0032】
目視試験
CNT@TiN-TiO-2、CNT@TiN-TiO-5およびCNT@TiN-TiO-10の電極を希釈Li電解質(0.005M)中に落とし、アルゴングローブボックス中に一晩保持した。
【0033】
Liの作製およびLiS析出試験
Liの公称化学量論量の硫黄およびLiSを、暗褐色がかった赤色のLi溶液が形成されるまで、70℃のテトラグライム溶液中で混合した。カソードとしてCNT@TiNTiO-2、CNT@TiN-TiO-5およびCNT@TiN-TiO-10、アノードとしてリチウム箔、セパレータとしてCelgard 2500メンブレンを適用することにより、セルを組み立てた。20pLのLi(0.2M)およびLi-S電池のブランク電解質を、それぞれ、カソードおよびアノード上に加えた。最初に、セルを固定電流(0.134mA)で2.06Vまで放電してLiをLiに完全に変換させた。続いて、2.05Vで定電位放電して、電流が1×10-5mAに減少するまでLiをLiSに変換させた。定電位放電プロセス中、LiからLiSへの変換を分析するために時間電流曲線を収集した。定電位放電曲線(図4)によれば、全放電プロセスはLiとLiの還元とLiSの析出を表す3つの部分に数学的にフィッティングされた。LiSの析出面積およびLi電解質中の硫黄の重量に基づいて、変換能力を計算した。
【0034】
材料の特性解析
調製した試料のモルフォロジーおよび構造をSEM(Hitachi,S-3000N)およびTEM(JEOL,JEM-ARM 200F)によって分析した。XRD測定は、Bruker D8 Discover回折計(Bruker AXS、Cu X線源)を用いて行った。X線光電子分光法(XPS)分析は、単色AlKα=1486.6eVのX線源を用いてX線光電子分光計(XPS-AXIS Ultra HAS, Kratos)で行った。CNT@TiN-TiO-2、CNT@TiN-TiO-5およびCNT@TiN-TiO-10の導電率を、4点抵抗率測定装置(Lucas Labs S-302-4)で4点プローブ法を用いて測定した。
【0035】
Li-S電池の組立と電気化学的特性評価
リチウム金属箔をアノード、ポリプロピレンフィルム(CELGARD 2400)をセパレータとし、Li電解質(1.2M)を有する得られたCNT@TiN-TiO-2、CNT@TiN-TiO-5、CNT@TiN-TiO-10を自立硫黄カソードとして使用した(図16参照)。1M LiTFSIおよび1wt%硝酸リチウムを含む1,3-ジオキソランとジメトキシエタンとの溶液(1:1体積比)を電解質として適用した。コイン型(CR 2032)セルを、合計150pLの電解質を添加して、アルゴンを充填したグローブボックス中で組み立てた。これは10pL mg-1の平均電解質対硫黄質量比に対応し、平均硫黄含有量は15mg cm-2である。方程式Ca=Cg×Maを用いてコインセルの面積容量を計算した。ここで、Ca、CgおよびMaは、それぞれ、面積容量、比容量および面積硫黄含有量を表す。0.1C~5Cの異なる放電/充電電流密度で1.5~3.0Vの電位域において、Newareシステムで組み立てセルの定電流電気化学試験を行った。CVおよびEISの測定は、Metrohm Autolab電気化学ワークステーションで行った。EIS曲線は、100kHz~0.01Hzの周波数範囲にわたって5mVの振幅を有する正弦波を印加することによって得られた。
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【0036】
以上、明細書中において、実施形態ごとに異なり得る多数の特定の詳細を参照して実施形態を説明した。したがって、発明であるもの、および、出願人によって発明として意図されているものの唯一かつ排他的な指標は、任意のその後の訂正を含む、特定の形態の本願の請求項のセットである。したがって、特許請求の範囲に明示的に記載されていない限定、要素、特性、特徴、利点または属性は、いかなる形であれ、上記特許請求の範囲を限定すべきではない。したがって、本明細書および図面は、制限的な意味ではなく例示的な意味に考えられるべきである。
図1
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【国際調査報告】