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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】呼吸療法ベスト
(51)【国際特許分類】
   A61M 16/00 20060101AFI20240405BHJP
   A61B 5/107 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
A61M16/00 325
A61B5/107 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562170
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 EP2022059239
(87)【国際公開番号】W WO2022223307
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】63/176,551
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【弁理士】
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】ブランス ハロルト ヨハネス アントニウス
(72)【発明者】
【氏名】デリモア キラン ハミルトン ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャウデ サメル ボー
(72)【発明者】
【氏名】バラゴナ マルコ
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA04
(57)【要約】
治療ベストによって送達される呼吸療法のための方法、装置及びシステムが本明細書に記載される。身体フィット層又は区画を使用することによって独立した身体フィット機能が提供される治療ベストが提供される。身体フィット層又は区画は、治療ベストのフィット性は、治療ベストの治療送達構成要素とより対等な立場にあるように、治療層又は区画から独立して制御される。他の例が開示され、特許請求される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の身体フィット区画、及び
1つ以上の治療区画
を含むベスト本体を有する治療ベストにおいて、
前記1つ以上の身体フィット区画の1つ以上、及び前記1つ以上の治療区画の1つ以上は、独立して制御可能であるように構成される、治療ベスト。
【請求項2】
前記1つ以上の身体フィット区画に関連付けられるセンサを有し、
前記センサは、センサデータをコントローラに提供するように構成される、
請求項1に記載の治療ベスト。
【請求項3】
前記1つ以上の身体フィット区画の1つ以上は、患者が前記治療ベストを装着した状態で、前記1つ以上の治療区画の1つ以上の上に配される、
請求項1に記載の治療ベスト。
【請求項4】
前記1つ以上の身体フィット区画の1つ以上は、患者が前記治療ベストを装着した状態で、前記1つ以上の治療区画の1つ以上の下に配される、
請求項1に記載の治療ベスト。
【請求項5】
前記1つ以上の身体フィット区画の少なくとも1つは、膨張可能である、請求項1に記載の治療ベスト。
【請求項6】
前記1つ以上の身体フィット区画は、2つ以上の身体フィット区画を有する、請求項1に記載の治療ベスト。
【請求項7】
前記2つ以上の身体フィット区画は、独立して制御するために構成される、請求項6に記載の治療ベスト。
【請求項8】
前記2つ以上の身体フィット区画の間に配されるセパレータを有する、請求項6に記載の治療ベスト。
【請求項9】
前記セパレータは、前記2つ以上の身体フィット区画の間の流体連通を制御するように構成される弁を有する、請求項8に記載の治療ベスト。
【請求項10】
前記1つ以上の身体フィット区画及び前記1つ以上の治療区画の各々は、膨張可能である、請求項1に記載の治療ベスト。
【請求項11】
セパレータを有し、
前記1つ以上の治療区画は、前記セパレータによって分離される2つ以上の治療区画を有する、請求項1に記載の治療ベスト。
【請求項12】
前記1つ以上の治療区画内に配される1つ以上のアクチュエータを有する、請求項1に記載の治療ベスト。
【請求項13】
電源、
プロセッサ、及び
1つ以上のセンサ
を有し、前記プロセッサは、前記1つ以上のセンサから取得されるセンサデータを用いて、前記1つ以上の治療区画から独立して前記1つ以上の身体フィット区画を制御するように構成される、請求項1に記載の治療ベスト。
【請求項14】
気流発生器、及び
治療ベスト
を有するシステムにおいて、前記治療ベストは、
1つ以上の身体フィット区画、及び
1つ以上の治療区画
を含むベスト本体を有し、
前記1つ以上の身体フィット区画の1つ以上、及び前記1つ以上の治療区画の1つ以上は、気流発生器からの気流を用いて独立して制御可能であるように構成される、システム。
【請求項15】
1つ以上の身体フィットパラメタを取得するように構成されるコントローラ、及び
治療ベスト
を有するシステムにおいて、前記治療ベストは、
1つ以上の身体フィット区画、
1つ以上のセンサ、及び
1つ以上の治療区画
を含むベスト本体を有し、
前記1つ以上の身体フィット区画は、前記1つ以上の身体フィットパラメタ、及び前記1つ以上のセンサから取得されるデータの1つ以上に基づいて、前記コントローラによって膨張する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、米国特許法第119条の下、2021年4月19日に出願された米国仮特許出願第63/176,551号の優先権を主張し、その内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本明細書に説明される主題は、一般に、呼吸状態の治療に関連して使用するために患者によって着用される治療ベストに関し、システム、方法及び製品の特定の例は、治療ベストのフィット性又は快適さに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば高頻度胸壁振動(HFCWO)のような気道クリアランス療法は、様々な種類の肺疾患(例えば、嚢胞性線維症(CF)、気管支拡張症及び慢性閉塞性肺疾患(COPD))を患う患者の肺から分泌物を取り除くことを助けることが実証されている気道クリアランス法である。HFCWOの目標は、患者が粘液をより簡単に取り除くことができるように、気道に溜まった粘液を緩めることである。治療は通常、1日に1回か又は2回行われ、典型的な持続時間は30分である。
【0004】
気道クリアランス療法を行う又は実施するために、例えばベストのような装置が使用され、この装置が胸部に振動圧力を加えることができる。この振動圧力は、例えばベストの膨張可能な区画(inflatable compartment)内への振動気流のような空気圧機構を使用することによって、又は例えば振動を供給する物理的機構或いはアクチュエータのような別の機構によって達成されることができる。
【0005】
一例として、膨張可能な区画内への振動気流を使用するベストにおいて、このベストは、2つのチューブを用いて気流発生器に接続される。治療セッションの個人化(personalization)は、気流、振動数及び時間を設定することによって行うことができる。前記ベストの区画を膨張させることに続いて、身体との適切なフィットを生じさせるために、幾つかのサイズ(例えば、小児用から成人用のサイズ)のベストが利用可能である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
様々な実施形態は、治療ベストによって送達される呼吸療法のための方法、装置及びシステムを提供する。一実施形態において、身体フィット層又は区画を使用することによって、独立した身体フィット機能が提供される治療ベストが提供される。身体フィット層又は区画は、治療ベストのフィット性が、この治療ベストの治療送達構成要素とより対等な立場にあるように、治療層又は区画から独立して(別々に)制御される。
【0007】
要約すると、ある実施形態は、1つ以上の身体フィット区画及び1つ以上の治療区画を含むベスト本体を有する治療ベストを提供し、前記1つ以上の身体フィット区画の1つ以上、及び前記1つ以上の治療区画の1つ以上は、独立して制御可能であるように構成される。
【0008】
別の実施形態は、気流発生器と、1つ以上の身体フィット区画及び1つ以上の治療区画を含むベスト本体を有する治療ベストとを有するシステムを提供し、前記1つ以上の身体フィット区画の1つ以上、及び前記1つ以上の治療区画の1つ以上は、前記気流発生器からの気流を用いて、独立して制御可能であるように構成される。
【0009】
さらなる実施形態は、1つ以上の身体フィットパラメタを取得するように構成されるコントローラと、1つ以上の身体フィット区画、1つ以上のセンサ及び1つ以上の治療区画を含むベスト本体を有する治療ベストとを有するシステムを提供し、前記1つ以上の身体フィット区画は、前記1つ以上の身体フィットパラメタ、及び前記1つ以上のセンサから取得されるデータの1つ以上に基づいて気流発生器によって膨張する。
【0010】
上述したことは、概要であり、従って、詳細の簡略化、一般化及び省略を含むことができ、それ故に、当業者は、その要約は、単に例示的な物であり、如何なる限定も意図するものではないことを理解するであろう。
【0011】
実施形態をより良く理解するために、その他の及びさらなる特徴並びにその利点とともに、添付の図面と併せて、以下の説明を参照する。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲において指摘される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、一実施形態による、例示的な治療システムを示す。
図1A図1Aは、一実施形態による、例示的な治療ベスト及び気流発生器を示す。
図2図2は、一実施形態による、治療ベストの構成要素の例示的な構成を示す。
図3A図3Aは、一実施形態による、体形及び身体フィット区画の例を示す。
図3B図3Bは、一実施形態による、治療ベストを制御する例示的な方法を示す。
図4図4は、一実施形態による、例示的な制御システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書において一般的に説明され、図示されるような実施形態の構成要素は、説明される例示的な実施形態に加えて、幅広い種類の異なる構成で配置及び設計され得ることが容易に理解されよう。従って、図に表されるような例示的な実施形態の以下のより詳細な説明は、特許請求の範囲を限定することを意図するものではなく、単にそれらの実施形態を代表するものである。
【0014】
本明細書全体を通して“実施形態”(又は同種のもの)への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全体を通して色々な場所に“実施形態による”又は“実施形態”(若しくは同種のもの)という語句が現れたとしても、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではない。
【0015】
明細書において、特に文脈上はっきりと述べていない限り、複数あると述べていなくても、それらが複数あることを含む。明細書において、2つ以上の部品又は構成要素が“結合される”、“接続される”又は“係合される”という表現は、連結している限り、これら部品が直接的に又は間接的に、すなわち、1つ以上の中間部品又は構成要素を介して、結合され、動作し又は協働することを意味する。本明細書における方向の表現、例えば、限定するものではないが、頂部、底部、左側、右側、上方、下方、前方、後方及びそれらの派生語は、図面に示される要素の向きに関連し、本明細書に明確に記載されない限り、特許請求される発明の範囲を限定するものではない。“有する”又は“含む”という言葉は、本明細書に記載される及び/又は請求項に挙げられる以外の要素又はステップの存在を除外しない。幾つかの手段から構成される装置において、これら手段の幾つかは、ハードウェアの同一のアイテムによって具現化されてもよい。本明細書における“約”又は“凡そ”という言葉は、最後の有効桁の従来の四捨五入を含む。
【0016】
さらに、1つ以上の実施形態において、記載される特徴、構造又は特性が、任意の適切な方法で組み合わされることができる。以下の説明において、例示的な実施形態の十分な理解を与えるために、多くの具体的な詳細が提供される。しかしながら、当業者は、前記具体的な詳細の1つ以上を用いることなく、又は他の方法、構成要素、材料などを用いて態様が実施され得ることを理解している。他の例において、混乱するのを避けるために、よく知られている構造、材料又は動作は、図示されない又は詳細に説明されない。
【0017】
HFCWO療法は主に自宅で行われる。気流発生器を伴う装置では、患者は、動きが制限され、気流発生器と治療ベストとを接続するチューブによって固定位置に留まらなければならない。携帯型の装置の使用は、患者により多くの自由度を生み出すが、ベストの重量及び利用可能な電力による制限を受ける。HFCWOベストは数十年にわたって使用されてきたが、例えばベストが患者に快適にフィットするように調整することのような、治療に関する態様は、一般的な焦点ではなかった。
【0018】
HFCWO療法に関する一つの態様は、治療に対する患者の順守である。患者の35%だけしか高い順守(規定の1日の使用の80%以上)ではないことが報告されている。対照的に、自己報告のデータは、高い順守が65%であることを示す。従って、自己報告の順守には大きな過大評価があると結論付けられている。さらに、長期にわたる持続的な順守が問題となることが報告されており、これは、例えば自信及び知覚される懸念のような社会的認知変数に一部は起因する。
【0019】
HFCWO療法に対する低い順守は、臨床医の関心を集めているが、改善は簡単ではない。20年以上にわたる標準的な処方は1日に2回で30分である。この歴史は、手動の胸部理学療法との類似性に基づいていて、患者が実際に必要とするものと何ら関連性がない(すなわち、根拠に基づくものではない)可能性がある。患者の順守を高めさせるために、治療自身を適応させることが提案されてきた、この手法が役に立ったとしても、この治療の不快感は減らないか又は直接対処されない。
【0020】
一実施形態は、良好な身体フィットをベストに提供することによって、例えばHFCWOベスト療法に対する不十分な順守のような従来の手法及びシステムの問題に対処する。一実施形態は、治療ベストを身体にフィットさせる機能と振動療法を行う機能とを分離することによって、前記治療ベストの個人的なフィット性を提供する。実施形態は、広範囲にわたる体形、姿勢、性別、BMI値(体重と身長の2乗との間の比率)及びBSI値(体重と身長の3乗との間の比率)に対応する。様々な実施形態は、ベストの着用者に対する快適さを増大させるだけでなく、治療の設定に影響も与え、例えば、必要とされる、圧力及び時間のようなパラメタの設定を減らすことは、所与の良好な治療に対する順守を実施する。
【0021】
説明を図面に移す。示される例示的な実施形態は、図面を参照することによって最もよく理解されるであろう。以下の説明は、単に例示を意図したものであり、特許請求される、本発明を代表する特定の選択された例示的な実施形態を単に例示する。
【0022】
図1を参照すると、一実施形態は、1つ以上の身体フィット区画又は層104、例えば1つ以上の膨張可能な層を、1つ以上の治療区画又は層105、例えば1つ以上の振動層から切り離すことによって、HFCWOベストの患者に対する個人化されるフィット性を取得する機能と、患者に治療を送達する機能とを分離するシステム100を提供する。これは、治療の送達を妨げることなく、ベストが患者にフィットすることを可能にする。
【0023】
一実施形態において、身体フィット区画又は層104、及び治療区画又は層105は、これらの区画が独立して制御されるような方法で提供される。空気圧式の身体フィット層104及び治療層105を利用する実施形態において、これらの層104、105を膨張させるための空気流は、気流発生器102、例えばポンプシステムによって生成される。この構成において、各層104、105は、1つ以上の膨張可能な区画を含み、1つ以上の圧力センサ107及び1つ以上の排気弁106を持つ。一実施形態において、1つ以上の選択弁103は、膨張可能な身体フィット層104及び治療層105の膨張を独立して制御することを可能にする。身体フィット層104及び治療層105の調節又は調整は、中央処理ユニット(CPU)101によって制御され、このCPUは、電源(バッテリ)と一緒にベスト内に組み込まれるか、又はベスト或いは別のシステム構成要素と通信する別の装置を介して提供される。
【0024】
一実施形態において、図1に示されるシステム100は、図1Aに示されるように、気流発生器102aを備えるベスト本体110aで実施されることができる。一実施形態において、気流発生器110aは、例えば、チューブを介して、ベスト本体110aに気流を提供し、このベスト本体は、例えば、図1に示されるように、身体フィット層又は区画と、治療層又は区画とを順番に含む。
【0025】
図2は、収縮状態(図2の上段)及び膨張状態(図2の下段)の両方において、1つ又は複数の区画の間で達成可能なフィット性の違いの例を断面で示す。図2(第1の列)に示されるように、独立した連続的な身体フィット層201及び治療層202を使用することにより、患者203、例えば、特に空気圧ベストにおける患者の胴体に対する身体フィット性を別個に、独立して及びより正確に制御することを可能にする。ベストが膨張すると(図2の左下)、身体フィット層201は、治療層202に対して独立した制御で膨張され、身体フィット層201がより簡単に患者203に適応させることを可能にする。
【0026】
図2(第2の列)に示されるように、身体フィット層201において別個の膨張可能及び制御可能な区画201a、201bを使用することによって、各区画201a、201bが患者203の特定の身体領域に合致するまで膨張することができる。従って、膨張したとき(図2の真ん中の下)、区画201a及び201bは、患者203に対して独立して膨張する又はフィットする。一実施形態において、制御可能な構成要素を含むセパレータ204は、区画の間の空気流を制限し、その間に物理的地図を提供するために設けられ、身体フィットのより細かい制御を可能にする。セパレータ204は、区画201aと201bとの間、又は区画201a、201bと例えば、圧力センサ、例えば逆止弁、二方向弁のような受動弁などのような他の構成要素との間の流体連通を選択的に可能にするための制御可能弁のような構成要素を含むことができる。
【0027】
さらに、図2(第3の列)に示されるように、複数の身体フィット区画201a、201b及び複数の治療区画202a、202bを使用することによって、対応する区画201a、201b、202a、202bの設定は、その特定の患者203の必要性に応じて、調整又は整列される。これにより、実施形態は、膨張状態(図2の右下)における身体フィットをさらにより細かく制御することを可能にする。
【0028】
一実施形態において、例えば独立して膨張可能な区画201a、201bのような別個の制御可能な区画又は層が身体フィット層に設けられるので、各区画201a、201bは、その区画が特定の身体領域にうまく合致するまで制御される。例えば独立して膨張可能な区画202a、202bのような別個の制御可能な治療区画も使用される場合、全ての対応する区画(身体フィット区画及び治療区画)の設定が整列されることができる。他の様々な実施形態と同様に、この整列又は制御は、治療中に動的に行われてもよいし又は治療セッションの開始時に適用されてもよい。
【0029】
図3Aに示されるように、例えば301a、302aに示されるような患者固有の胴体の差は、303aに集合的に示される複数の身体フィット区画を用いることによって、分類され、それに応じてフィッティングされる。これにより、治療ベストが良好なフィット性を持つ、及び患者の必要性に合わせて調整されるために、実施形態は、区画303aを調整又は制御する、例えば各々の区画を個別化された量まで膨張又は収縮させることを可能にする。
【0030】
身体フィット区画303aの1つの例示的な配置の概略図が図3Aに示される。限定ではない例として、特定の患者301aは、身体フィット区画303aの所定の又は動的に決定される調整又は制御に関連付けられる解剖学的構造を持つことができる。具体的には、患者301aは、例えば、上胸部及び中胸部における、ベスト内にマッピング又は配置されるベスト区画が、不均等な方法で膨張する、例えば中胸部に比べて上胸部の方がより少ない膨張であるとき、最も快適である。一実施形態において、身体フィット区画303aは、異なるフィット性と関連付けられる患者集団の解剖学的変異と関連付けられる領域にマッピング又は配置されるベストの領域に設けられてもよく、各々の区画、又は区画の集合若しくはサブセットの差動調整が患者へのフィットを可能にする。
【0031】
一実施形態において、身体フィットパラメタは、前記ベストの層又は区画を制御するために使用されるデータを有する。例えば、身体フィットパラメタは、異なる患者集団の分類から得られるデータでもよく、全体的なフィット調整が最初に自動化されるのを可能にするために使用されてもよい。例えば、患者固有の胴体の差は分類され、身体フィット区画301aを制御する、例えば、その区画の膨張を変更する制御、調整又は設定に使用される身体フィットパラメタに関連付けられる。
【0032】
1つ以上の身体フィット区画又は身体フィット層、例えば身体フィット区画301aを調整するために利用される身体フィットパラメタの例は、静的及び動的な身体フィットパラメタを含む。静的な身体フィットパラメタの例は、性別及び体形パラメタを含み、これらは、様々な機構を介して、例えば一般に体形に関連する数値(例えば、BMI又はBSI、年齢、体重、身長、腹囲、肩囲、脇下-臀部及び肩-臀部の計測値など)を取得することを介して取得される。追加又は代替の情報源は、例えば、身体スキャンデータを含み、これは、特定の患者の形状に関する詳細な情報を提供する。一実施形態において、例えば3Dモデルのようなモデルは、例えば、2020年5月20日に出願された国際特許出願公開第2020234339A1号として公開され、「被験者の身体又は身体部分の表面領域及び/又は体積の推定」という発明の名称を持つ特許出願第PCT/EP2020/064044号に記載されるようなデータ入力、例えば身体測定値及び/又は画像データに基づいて形成されることができ、上記出願の内容は、参照することにより本明細書に組み入れられる。一実施形態において、上述したことの組み合わせが使用されてもよい。例えば、静的な身体フィットパラメタは、ユーザが値(例えば、性別表記、BMI、BSIなど)を入力することによって取得される、外部システム(例えば、これらに限定されないが、台形、三角形、逆三角形、長方形、楕円形などを含む胴体と関連付けられる形状のような、患者の体形分類を出力する身体スキャナ、又は例えば、モデル、体形、大きさ、姿勢若しくは使用位置、患者が報告する快適性などに基づいてベストの大きさ或いは身体フィットパラメタを示すベスト設計ツール又はソフトウェアプログラムのような患者データを供給する他の外部システム)から取得されることができる、又は上述したことの適切な組み合わせから取得される。静的な身体フィットパラメタは、身体フィット層又はボディフィット区画を別々に調整するために、例えば、CPU101によって使用される。例えば、静的な身体フィットパラメタが供給される場合、CPU101は、身体フィット区画、例えば、身体フィット区画303aを、患者の一般的な体形、及び患者の身体組成、例えば、体形又は身体組成と関連付けられる組織差(筋肉組織、脂肪組織など)に起因する身体組成などに適合するように調整する。例えば、特定の組織は、区画303aを調整するために使用される特定の特性、例えば圧縮のレベル及び感度を持つ。
【0033】
動的な身体フィットパラメタの例は、体位データを含む。例えば、最初の身体フィットパラメタは、患者が現在もたれかかっていることを示すのに対し、後続して取得される身体フィットパラメタは、患者が背筋を伸ばして座っていることを示すことがある。治療セッション中、患者は、横たわっている、椅子を背にして背筋を伸ばして座っている、もたれかかっているなどでもよい。さらに、患者は、例えば、患者が体位を調整したり、姿勢を変更したり、移動可能なベストを使用している場合など、治療中に様々な体位に移行することができる。患者は、状態が原因で、又は使用される治療ベストの種類、例えば、特定のHFCWO装置は移動可能ではない(例えば、本明細書に記載されるように、気流発生器に繋がれている)ため、程度の差はあれ移動可能である。
【0034】
様々なシナリオを考慮するために、一実施形態は、例えば体位のような、動的な身体フィットパラメタを考慮することが可能であり、区画の調整が、体位の変化を可能にするか、又は動的に適応させることを可能にする。ここで、身体フィットパラメタを静的又は動的として分類することは、単に説明を目的とするためであり、状況に応じて、所与の身体フィットパラメタを静的又は動的の何れかとみなすことが可能であり、例えば、治療中、患者は常に特定の体位である場合、動的な体位パラメタは、静的であるか又は相対的に不変であるとみなすことができることに留意されたい。
【0035】
従来、使用状況の違いは、標準化したHFCWOベストの患者への低品質な個人的フィット性をもたらす。独立して制御可能な身体フィット層又は区画、例えば、複数の膨張可能なベストの区画を画定することによって、前記身体フィット層又は区画は、治療層又は区画とは独立して膨張し、患者の特定の必要性及び例えば、体位又は姿勢の変化のような状況を満足させることができる。
【0036】
図1に示される例に戻り参照すると、空気圧ベストは、膨張可能な身体フィット層又は区画を制御又は調整するために、ポンプシステムを含む気流発生器102を弁、例えば、選択弁103と組み合わせて利用する。この膨張を制御することは、膨張レベルの示度を提供する1つ以上の圧力センサ、例えば、圧力センサ107を持つことによって達成される。例えば、圧力センサは、各身体フィット区画、例えば図2の例における区画201a、201bと、患者203又は患者203に近接するベストの層との間に配されてもよい。1つ以上の排気弁、例えば、排気弁106を使用して、前記身体フィット層又は区画内の圧力を下げることができる。このようにして、患者の個々の必要性を満たすように、治療ベストが調整されることができる。
【0037】
身体フィット層又は区画に適用される設定のための入力データ(身体フィットパラメータ)は、様々な方法で取得されることができる。例えば、身体フィットパラメタは、(患者の履歴に特有な或いは別の方法で、例えば、患者集団に適用可能である)回顧的(retrospective)データ、治療(例えば、呼吸療法士の診察)を始めた当初に収集されたデータ、又は例えば、治療中に適切又は不適切なフィット性である領域を検出するためにベスト内に設けられる1つ以上の圧力センサ又は他の適切なセンサを介して、動的に収集されるデータを使用することによって取得される。例えば、ベスト又はシステムの構成要素が、適切又は不適切なフィット性である領域又は種類などを示すための入力要素を搭載している場合、動的な身体フィットパラメタは、患者又は療法士の入力を介して供給されることに留意されたい。他のデータと同様に、回顧的又は履歴データは、異なる起源を持つことができ、その起源は、例えば、(例えば、レーザスキャナ又は他の身体スキャナのような外部システムから取得される3Dレーザ身体スキャンを介した)体形分析、データが所与の患者、患者集団の履歴的なベストの設定から収集される診療(therapy intake visit)、患者の電子医療記録などである。
【0038】
一実施形態において、空気圧治療層は、ベストの振動機能を達成する気流発生器に接続する別個の膨張可能な内層として提供される。この治療層は、身体フィット層と同様に、胴体を覆う1つの区画或いは層、又は複数の区画或いは構成要素である。複数の区画又は構成要素の構成において、前記区画或いは構成要素は、身体フィット層又は区画と同様に弁によって分離される。前記振動機能の制御は、例えば、選択弁を使用することによって、身体フィット機能から切り離されることができる。ベストの治療層又は区画の現在のサイズと比較して容量が小さいため、治療層を介した十分な振動を与えるためにあまり多くの流量を必要としない。
【0039】
一実施形態において、身体フィット層或いは構成要素、治療層或いは構成要素、又はそれらの組み合わせを調整又は制御するために使用される設定、例えば、弁の選択、圧力などが設定として記録されてもよい。身体フィット層及び治療層の両方の設定は、例えば、体形、使用位置などに基づいて、その後の再使用又は新しい類似の患者への適用のために保存されることができる。これらの設定のデータは、患者の将来の治療シナリオをより詳細に規定するために、呼吸療法士によって使用されることができる。状況に応じて、様々な設定が使用されることができる。例えば、体形及び体位に加えて、実施形態は、異なるシナリオに適切な設定、例えば、早朝の治療、昼日中の治療、患者の日常の状態に応じた高負荷又は低負荷治療、より良好な身体のフィットに基づく治療の調整(低出力振動)などのような適切な設定を提供することができる。
【0040】
ここで図3Bに示される例示的な方法を参照すると、前述したことを考慮して、システム100の構成要素、例えば、CPU101は、様々なシナリオに適応するように治療ベストの身体フィット性を調整するように構成されることが理解される。図3Bに示される例において、CPU101によって実行されるプログラムは、300bに示されるように、圧力センサ又は他のセンサによって検知される、療法士又は患者によって入力される又は外部システムから取得されるなどのような、例えば体形、体位、姿勢などのような身体フィットパラメタを取得又は決定するステップを含む方法を実装する。2つ以上の区画又は層が設けられる場合、前記方法は、310bに示されるように、身体フィットパラメタを考慮して調整又は制御され得る利用可能な区画又は層を識別するステップを含む。
【0041】
身体フィットパラメタを考慮して、前記方法は、例えば、320bに示されるように、身体フィット区画の膨張を制御する選択弁の操作、身体フィット区画を分離する弁を(受動的又は能動的に)制御するなどを介して身体フィット層の区画を調整することができる。現在は調整を必要としない(例えば、以前の又は最初の調整が依然として適切である)場合、前記方法は、身体フィットパラメタを監視するためにループバックする。320bにおいて、1つ以上の区画が調整される必要があるかどうかを決定するために、様々な機構が使用される。例えば、圧力センサから取得されるデータを使用する(例えば、しきい値、許容可能な範囲又はベースラインの値と比較する)、又はユーザ(患者又は療法士)の入力からデータを取得するなどである。
【0042】
330bに示されるように、1つ以上の調整が与えられた後、前記方法は、例えば、治療中に前記ベストを調整するために、1つ以上の動的な身体フィットパラメタが考慮されるシナリオにおいて、身体フィットパラメタを考慮に入れるために再びループバックする。別の例において、例えば、静的な治療セッションのように、前記ベストの最初のフィッティングだけが求められるのであれば、前記方法は終了してもよい。さらなる例として、前記方法は、モバイルアプリケーション又は接続されるコンピュータシステムを介して取得され、現在のフィット性を維持するか又はベストのフィット性を調整するために使用される治療の有効性又はフィードバックデータ、例えば、特定の身体フィット性の設定を使用する治療による隙間(clearance)に関する患者又は療法士の評価に基づいて、300bにおいて、身体フィットパラメタを決定する。
【0043】
上記の例は、空気圧による実施に部分的に焦点を当てているが、これらの示される例示的な実施形態に従って改善された身体フィットを達成するために、他の機構及び材料の構成要素が利用されてもよいことが、当業者によって理解されるであろう。例えば、治療を適用するための1つ以上の空気圧式の構成要素は、機械的又は電気活性式の構成要素に置き換えられてもよい。限定ではない実施例において、移動式又は半移動式のベストの構成において、振動又は他の治療の適用を行うためにアクチュエータが使用されてもよく、例えば、(例えば、磁気式、電気式、電気活性式又は圧電式)アクチュエータの使用が、空気圧式の治療層に取って代わってもよい。
【0044】
例示的な実施形態において、図1の気流発生器102は省略されてもよく、前記層又は区画の膨張は、使い捨て又は再充填可能である(例えば、空気、二酸化炭素、亜酸化窒素などの)ガスボンベ、ベストに組み込まれる埋め込み式のファン、空気を供給する手動ポンプなどによって行われてもよい。一実施形態において、1つの層、例えば、身体フィット層が膨張する一方、別の層、例えば、治療層は膨張しなくてもよい。
【0045】
例えば、治療を施すために通例使用される気流発生器のような空気圧式のシステムの構成要素を含まない実施形態の場合、患者がもはや気流発生器に繋がれていないので、HFCWOベストの有用性は増大する。異なるユーザのシナリオが可能であり、それらシナリオの各々は、異なる種類の患者の必要性(又は条件)に適している。
【0046】
第1の例示的なシナリオでは、実施形態は、非携帯型システムとして実装される。ここで、ユーザは、ベスト(身体フィット層又は区画、及び治療層又は区画)を膨張させ、治療的振動を提供する気流発生器に繋がれ、両方が機能する場合、身体フィット及び振動は前記気流発生器によって行われる。移動性が低い(又は重度の治療設定を必要とする)患者には、この構成が好ましい場合がある。
【0047】
第2の例示的なシナリオでは、実施形態は、半携帯型システムとして実装される。このシステムは、自宅で移動することができる患者に適用可能である。一実施形態において、治療の開始時に、患者は、例えば、設定を選択する、手動でベストを膨張させることなどによって、適切にフィットするようベストを膨張させることができ、その後、ベストを気流発生器から切り離し、治療を開始する。そのような構成では、例えば、電気アクチュエータのようなアクチュエータを使用する治療層又は区画の種類が適切である。次いで、患者は、自由に家の周辺を移動し、他の活動を行うことができる。一実施形態において、治療を送達するために空気圧又は気流ベースの層の使用は、システムの構成要素においてモジュール性(modularity)を可能にすることによって促進される。例えば、可逆的に取り付け可能な気流発生器は、別個のユニット又はモジュールとして例えばバックパック又はキャリングケース内に設けられてもよく、このとき、これらバックパック又はキャリングケースは、携行することを容易にしながら、治療用のベストに取り付けるための移動可能な設定で患者によって搬送される。
【0048】
第3の例示的なシナリオでは、実施形態は、携帯型システムに提供される。ここで、従来の又は標準的な気流発生器は使用されず、身体フィット層及び治療層(例えば、振動区画)の1つ以上は、標準的な気流発生器からの支援を受けずに提供される必要がある。例えば、一実施形態において、身体フィット層を膨張させるためのファン、治療を送達するアクチュエータ、膨張レベルを制御する弁などの1つ以上の構成要素に電力を供給するためにバッテリが供給される。このような実施形態において、ベストは携帯可能である。例として、このシナリオは、日中に外での治療を必要とする患者に適用可能である。他の特定の実施形態と同様に、システムの構成要素又は部品は、モジュール方式で提供されてもよい。例えば、バッテリは、例えば、このバッテリがベストの様々な構成要素に電力を供給することを可能にするためのポート又は接続部を備えるベストに当該バッテリを収容するための区画を介して、ベストに可逆的に取り付けることができる。携帯型のシナリオでは、ユーザは、ベストにバッテリを追加して、移動式の治療のためのアクチュエータに電力を供給することができる一方、固定式の設定では、バッテリは、使用されても又は使用されなく(及び取り外され)てもよく、適切なポート又は接続部を介して同様に取り付けられる気流発生器の方が好まれる。従って、そのようなモジュラーシステムは、ハイブリッド解(ソリューション)において固定式及び携帯式のベストの利点を提供することができる。
【0049】
図4を参照すると、特定の実施形態は、多種多様な装置又は装置の組合せの何れかを用いて実施され得ることが容易に理解されるであろう。図4において、コンピュータ400に含まれる例示的なシステムオンチップ(SoC)が示され、これは、例えば、制御器として、1つ以上の実施形態を実施する際に使用される。図4に概説されるSoC又は同様の回路は、様々な装置に実装されることができ、例えば、同様の回路を、図1のCPU101の代わりに、図1に102で示されるような空気流発生器、又は別の装置若しくはプラットフォームに含んでもよい。加えて、SoC以外の回路は、その一例が図4に提供され、1つ以上の実施形態において利用されることができる。図4のSoCは、示されるように、特定のアプリケーション要件を満たすために単一の半導体チップ上に集積された機能ブロックを含む。
【0050】
1つ以上の画像処理ユニット(GPU)及び/又はマイクロ処理ユニット(MPU)を含む中央処理ユニット(CPU)410は、算術演算及び論理演算を行う算術論理演算ユニット(ALU)、命令を復号し、タイミング及び制御ユニットに情報を提供する命令デコーダ、並びに一時データを記憶するためのレジスタを含む。CPU410は、幾つかのユニットを有する単一の集積回路を有することができ、それらユニットの設計及び配置は、選択されるアーキテクチャに従って変化する。
【0051】
コンピュータ400は、例えば、メモリ450とハードウェア周辺機器との間でデータを転送するためのダイレクトメモリアクセス(DMA)コントローラを有するメモリコントローラ440も含む。メモリコントローラ440は、キャッシュ制御、メモリ保護及び仮想メモリに対処するように機能するメモリ管理ユニット(MMU)を含む。コンピュータ400は、様々な通信プロトコル(例えば、IC、USBなど)を用いて通信するためのコントローラを含むことができる。
【0052】
メモリ450は、様々なメモリの種類、揮発性及び不揮発性、例えば、読取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的消去可能なプログラマブル読取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ及びキャッシュメモリを含む。メモリ450は、組み込まれるプログラム及びダウンロードされるソフトウェア、例えば、身体フィット層、治療層などを操作するための身体フィット調整プログラムのような制御ソフトウェアを含むことができる。例として、及び限定ではなく、メモリ450は、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、他のプログラムモジュール、及びプログラムデータも含み、これらは、遠隔装置を介してダウンロード、更新又は修正されることができる。
【0053】
システムバス422は、コンピュータ400の様々な構成要素間の通信を可能にする。I/Oインターフェース430、及び無線周波数(RF)装置420、例えばWiFi及び電気通信無線は、コンピュータ400が、有線又は無線機構を用いて、データを遠隔装置に送信する、及びデータを遠隔装置から受信することを可能にするために含まれる。コンピュータ400は、1つ以上の他の遠隔のコンピュータ又はデータベースとの論理結合を用いて、ネットワーク化した又は分散型の環境で動作することができる。この論理結合は、例えばローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)のようなネットワークを含むことができるが、他のネットワーク/バスを含むこともできる。例えば、コンピュータ400は、例えば身体スキャン装置又は電子医療記録システムのような遠隔装置460と、例えば、図1に示されるようなCPU101を含むベスト又はシステムの構成要素のような他の装置401とを用いて、及びこれらの間でデータを通信する。
【0054】
従って、コンピュータ400は、本明細書に説明されるように、身体フィット層又は構成要素、治療層又は構成要素、それらの組み合わせを記憶及び制御し、実施形態の他の機能を実行するように構成されるプログラム命令を実行することができる。ユーザは、I/Oインターフェース430に接続される入力装置を介してコンピュータ400と対話する(例えば、命令及び情報を入力する)ことができる。ディスプレイ又は他の種類の装置が、I/Oインターフェース430から選択されるインターフェースを介してコンピュータ400に接続されてもよい。
【0055】
本明細書に説明される様々な機能は、例えばCPU410のようなプロセッサに送信され、実行される、例えばメモリ450のようなメモリに記憶される命令を用いて実施されることに留意されたい。コンピュータ400は、プログラム及び他のデータを持続的に記憶する1つ以上の記憶装置を含む。本明細書に使用される記憶装置は、非一時的なコンピュータ可読の記憶媒体である。非一時的な記憶装置又はコンピュータ可読の記憶媒体の幾つかの例は、それらに限定されないが、例えば、メモリ450、ハードディスク又はソリッドステートドライブのようなコンピュータ400に組み込まれる記憶装置、及び例えば、光ディスク又はメモリスティックのようなリムーバブルストレージを含む。
【0056】
メモリ又は記憶装置に記憶されるプログラムコードは、これらに限定されないが、無線、有線、光ファイバケーブル、RF又は上述したものの如何なる適切な組み合わせを含む任意の適切な伝送媒体を用いて送信される。
【0057】
操作を行うためのプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の何れかの組合せで書かれる。プログラムコードは、全部が単一装置上で、スタンドアロン型のソフトウェアパッケージとして一部が単一装置上で、一部が単一装置上であり、一部が他の装置上で、又は全部が他の装置上で実行されることができる。一実施形態において、プログラムコードは、非一時的な媒体に記憶され、本明細書で指定される機能又は動作を実施するためにプロセッサによって実行される。幾つかの事例において、本明細書に参照される装置は、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む何れかの種類の接続又はネットワークを介して接続される、或いは、前記接続が、他の装置を介して(例えばインターネットサービスプロバイダ(ISP)を用いてインターネットを介して)、ワイヤレス接続を介して、若しくは例えばUSB接続を介するような、配線(hard wire)接続を介して行われる。
【0058】
例示的な実施形態は、様々な例示的な実施形態に従う例示的な方法、装置及びプログラム製品を示す図を参照して本明細書に説明される。動作及び機能は、プログラム命令によって少なくとも部分的に実施されると理解される。これらのプログラム命令(コンピュータコード)は、装置のプロセッサを介して実行される前記命令が指定される機能/動作を実施するように、前記装置のプロセッサに提供され、特殊用途のマシン、例えばコントローラを生成する。
【0059】
図において特定の要素が用いられ、これらの特定の順序が示されているが、これらは非限定的な実施例であることに留意する価値がある。ある状況において、明確に示される例は単に便宜的に用いられるだけであって、限定として解釈されるべきではないので、必要に応じて、2つ以上の要素が組み合わされる、要素が2つ以上の要素に分割される、又はある要素が、並べ替えられる、再編成される或いは省略されることができる。
【0060】
本開示は、例示及び説明を目的に提示されているが、網羅している又は限定しているとは意図されていない。当業者には、多数の修正例及び変形例が明らかであろう。例示的な実施形態は、原理及び実用的応用を説明する、及び当業者が、検討される特定用途に適した様々な修正を伴う様々な実施形態について本開示を理解することを可能にするために選択され、説明された。
【0061】
従って、例示的な実施形態が、添付の図面を参照して本明細書で説明されたとしても、この説明は、限定的なものではないこと、並びに様々な他の変更及び修正は、本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、当業者によって影響を受けることを理解されたい。
図1
図1A
図2
図3A
図3B
図4
【国際調査報告】