(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】自動化シリンジ品質評価のための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
A61M 5/28 20060101AFI20240405BHJP
【FI】
A61M5/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562211
(86)(22)【出願日】2022-04-12
(85)【翻訳文提出日】2023-11-02
(86)【国際出願番号】 US2022024331
(87)【国際公開番号】W WO2022225736
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500049716
【氏名又は名称】アムジエン・インコーポレーテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パドマクマール,ビカシュニ
(72)【発明者】
【氏名】クルチョーイー,エバン
(72)【発明者】
【氏名】コラー,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ババトラ,オペイエミ
(72)【発明者】
【氏名】ロサス,オスカー
(72)【発明者】
【氏名】エバンス,グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】フロレス,スティーブン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD08
4C066EE06
4C066PP02
(57)【要約】
自動シリンジ品質管理システム、装置及び方法が提供される。自動シリンジ品質管理システム、装置及び方法は、薬物で事前充填されたシリンジ内のプランジャ深さを決定することができる。プランジャ深さは、デジタル画像データに基づいてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像表面及びプロセッサを含む撮像システムを提供することと、
少なくとも1つのシリンジを前記撮像表面上で前記撮像システムに対して整列させることであって、前記シリンジは、遠位端及び近位端を含む透明又は半透明のシリンジバレルと、前記バレル内に配置され前記シリンジバレルの前記遠位端に対してプランジャ深さに位置するプランジャとを有する、ことと、
前記プランジャと、前記シリンジの前記近位端とを含む、前記シリンジの画像を捕捉することと、
前記プロセッサを介して、前記プランジャ深さを測定することと、
前記プロセッサを介して、前記プランジャ深さが所定の許容誤差内にあるかどうかを判定することと
を含む、迅速シリンジ品質検証方法。
【請求項2】
前記撮像システムはデジタル光コンパレータを備える、請求項1に記載の迅速シリンジ品質検証方法。
【請求項3】
前記シリンジは、前記シリンジの前記遠位端に配置されたフランジを更に含む、請求項1又は2に記載の迅速シリンジ品質検証方法。
【請求項4】
前記プランジャは、遠位端と、前記遠位端の反対側の近位端とを含み、
前記フランジは、遠位端と、前記遠位端の反対側の近位端とを含み、
前記プランジャ深さは、前記フランジの前記遠位端と、前記プランジャの前記遠位端と間の距離として測定される、請求項3に記載の迅速シリンジ品質検証方法。
【請求項5】
前記シリンジバレルの平坦部分を前記撮像システムシリンジに対して整列させることを更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の迅速シリンジ品質検証方法。
【請求項6】
前記画像は、照明された陰影を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の迅速シリンジ品質検証方法。
【請求項7】
シリンジ品質データを生成することと、シリンジ品質データを格納することとを更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の迅速シリンジ品質検証方法。
【請求項8】
前記シリンジ品質データは、前記撮像システムから遠隔に格納される、請求項7に記載の迅速シリンジ品質検証方法。
【請求項9】
複数のシリンジを担持する整列デバイスを提供することであって、各シリンジは、遠位端及び近位端を有する透明又は半透明のシリンジバレルを含み、前記バレル内にプランジャが配置されている、ことと、
少なくとも1つの整列タブを有する撮像表面を含む撮像システムを提供することと、
前記整列デバイス及び前記複数のシリンジを、前記少なくとも1つの整列タブに接するように前記撮像表面上に配置することと、
前記整列デバイスの画像及び前記複数のシリンジの画像をカメラを介して捕捉することと、
プロセッサを介して、前記複数のシリンジの各々の中に配置された各プランジャの前記シリンジバレルの前記遠位端に対するプランジャ深さを測定することと、
前記プロセッサを介して、各プランジャの前記プランジャ深さが所定の許容誤差内にあるかどうかを判定することと
を含む、複数のシリンジを分析する方法。
【請求項10】
前記撮像システムは、デジタル光コンパレータを備える、請求項9に記載の複数のシリンジを分析する方法。
【請求項11】
前記画像は、各シリンジの照明された陰影を含む、請求項9又は10に記載の複数のシリンジを分析する方法。
【請求項12】
各シリンジは、前記シリンジの前記遠位端に配置されたフランジを更に含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の複数のシリンジを分析する方法。
【請求項13】
各プランジャの前記プランジャ深さは、前記プランジャと前記フランジとの間の距離として測定される、請求項12に記載の複数のシリンジを分析する方法。
【請求項14】
各プランジャは、遠位端と、前記遠位端の反対側の近位端とを含み、各フランジは、遠位端と、前記遠位端の反対側の近位端とを含み、各プランジャ深さは、対応する前記フランジの前記遠位端と、対応する前記プランジャの前記遠位端との間の距離として測定される、請求項12又は13に記載の複数のシリンジを分析する方法。
【請求項15】
各シリンジバレルの平坦部分を前記撮像システムシリンジに対して整列させることを更に含む、請求項9~14のいずれか一項に記載の複数のシリンジを分析する方法。
【請求項16】
シリンジ品質データを生成することと、シリンジ品質データを格納することとを更に含む、請求項9~15のいずれか一項に記載の複数のシリンジを分析する方法。
【請求項17】
前記シリンジ品質データは、前記撮像システムから遠隔に格納される、請求項9~16のいずれか一項に記載の複数のシリンジを分析する方法。
【請求項18】
カメラ、撮像表面、及び照明光源を含む、撮像データを生成することが可能な撮像システムと、
少なくとも1つのシリンジを前記撮像システムに対して整列させるための整列デバイスと、
前記撮像システムから前記撮像データを受信し前記少なくとも1つのシリンジのバレル内のプランジャ深さが所定の許容誤差内にあるかどうかを判定するように構成されたプロセッサと
を備える、自動シリンジ測定システム。
【請求項19】
前記撮像表面上に配置され、前記整列デバイスを前記撮像システムに対して整列させるように構成された、整列タブを更に備える、請求項18に記載の自動シリンジ測定システム。
【請求項20】
前記撮像システムは、デジタル光コンパレータを備える、請求項18又は19に記載の自動シリンジ測定システム。
【請求項21】
前記撮像システムにより生成される前記撮像データは、前記少なくとも1つのシリンジの照明された陰影画像を含む、請求項18~20のいずれか一項に記載の自動シリンジ測定システム。
【請求項22】
前記撮像表面は、前記カメラと前記照明光源との間に配置される、請求項18~21のいずれか一項に記載の自動シリンジ測定システム。
【請求項23】
前記整列デバイスは、8個~25個のシリンジを保持するように構成されている、請求項18~22のいずれか一項に記載の自動シリンジ測定システム。
【請求項24】
前記整列デバイスは、前記少なくとも1つのシリンジを保持するばね作動機構を含む、請求項18~23のいずれか一項に記載の自動シリンジ測定システム。
【請求項25】
前記プロセッサは、前記撮像データ及び前記プランジャ深さのうちの少なくとも1つを外部メモリに送信するように更に構成されている、請求項18~24のいずれか一項に記載の自動シリンジ測定システム。
【請求項26】
シリンジ担持容器アセンブリであって、前記アセンブリは、
複数のシリンジを収容するように構成された容器と、
複数のアパーチャを有するシリンジキャリアプレートであって、前記複数のアパーチャは、前記シリンジキャリアプレートの上面から前記シリンジキャリアプレートの底面まで延び、前記複数のアパーチャの各々が、複数のシリンジのうちの1つを収容するように構成されている、シリンジキャリアプレートと、
前記複数のシリンジが前記容器内に置かれる前に、前記容器内に置かれるように構成された容器インサートであって、前記容器インサートは、前記複数のシリンジのうちの少なくとも1つに整列された少なくとも1つのシリンジエレベータを含み、前記シリンジキャリアプレート、前記容器インサート、及び前記複数のシリンジが前記容器内に配置されたとき、前記少なくとも1つのシリンジエレベータは、前記シリンジエレベータに整列された前記少なくとも1つのアパーチャ内に収容されるように構成された前記少なくとも1つのシリンジを、前記複数のシリンジの残りの前記シリンジに対して上昇させるように構成されている、容器インサートと
を備えるアセンブリ。
【請求項27】
前記シリンジキャリアプレート内の前記複数のアパーチャは、複数の行及び複数の列に配置される、請求項26に記載のアセンブリ。
【請求項28】
前記容器インサートは、2つのシリンジエレベータを含み、第1のシリンジエレベータが前記複数のアパーチャの第1の列に整列され、第2のシリンジエレベータが前記複数のアパーチャの第2の列に整列されている、請求項27に記載のアセンブリ。
【請求項29】
前記容器インサートは上唇を含み、前記上唇は、前記シリンジキャリアプレートの周辺部が前記上唇内に収容されているときに、前記シリンジキャリアプレートを前記容器に整列させるように構成されている、請求項26~28のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項30】
シリンジ担持容器アセンブリであって、前記アセンブリは、
複数のシリンジを収容するように構成された容器であって、前記容器は、前記複数のシリンジのうちの少なくとも1つに整列された少なくとも1つのシリンジエレベータを含む、容器と、
複数のアパーチャを有するシリンジキャリアプレートであって、前記複数のアパーチャは、前記シリンジキャリアプレートの上面から前記シリンジキャリアプレートの底面まで延び、前記複数のアパーチャの各々が、前記複数のシリンジのうちの対応する1つを収容するように構成され、前記シリンジキャリアプレートと前記複数のシリンジが前記容器内に配置されたとき、前記少なくとも1つのシリンジエレベータは、前記シリンジエレベータに整列された前記アパーチャ内に収容されるように構成された前記少なくとも1つのシリンジを、前記複数のシリンジの残りの前記シリンジに対して上昇させるように構成されている、シリンジキャリアプレートと
を備えるアセンブリ。
【請求項31】
前記シリンジキャリアプレート内の前記複数のアパーチャは、複数の行及び複数の列に配置される、請求項30に記載のアセンブリ。
【請求項32】
前記容器は、2つのシリンジエレベータを含み、第1のシリンジエレベータが前記複数のアパーチャの第1の列に整列され、前記シリンジエレベータのうちの第2のシリンジエレベータが前記複数のアパーチャの第2の列に整列されている、請求項31に記載のアセンブリ。
【請求項33】
前記容器は上唇を含み、前記上唇は、前記シリンジキャリアプレートの周辺部が前記上唇内に収容されているときに、前記シリンジキャリアプレートを前記容器に整列させるように構成されている、請求項32に記載のアセンブリ。
【請求項34】
シリンジ取出しツールであって、
シリンジキャリアであって、前記シリンジキャリアは、第1の端部、第2の端部、及び前記第1の端部から前記第2の端部まで前記シリンジキャリアの縁部に沿って直線的に配置された複数のシリンジレセプタクルを有する、シリンジキャリアと、
第1の端部及び第2の端部を有する静止把持部であって、前記シリンジキャリアの前記第1の端部は、第1のスライドロッドを介して前記静止把持部の前記第1の端部に接続され、前記シリンジキャリアの前記第2の端部は、第2のスライドロッドを介して前記静止把持部の前記第2の端部に接続されている、静止把持部と、
シリンジリテーナ部分であって、前記シリンジリテーナ部分は、第1の端部、第2の端部、及び前記第1の端部から前記第2の端部まで前記シリンジリテーナ部分に沿って直線的に配置された複数のばね付勢シリンジリテーナを有し、各ばね付勢シリンジリテーナは、前記複数のばね付勢シリンジリテーナ内の他のいかなるばね付勢シリンジリテーナとも無関係に、対応するシリンジを対応するシリンジレセプタクル内に保持するように構成されている、シリンジリテーナ部分と、を備え、
前記シリンジリテーナ部分の前記第1の端部は、前記第1のスライドロッドに沿って摺動するように構成され、前記シリンジリテーナ部分の前記第1の端部は、第1のシリンジリテーナ部分付勢ばねを介して、前記シリンジキャリア部分の前記第1の端部に向かって付勢され、
前記シリンジリテーナ部分の前記第2の端部は、前記第2のスライドロッドに沿って摺動するように構成され、
前記シリンジリテーナ部分の前記第2の端部は、前記第2のシリンジリテーナ部分付勢ばねを介して、前記シリンジキャリア部分の前記第2の端部に向かって付勢されている、シリンジ取出しツール。
【請求項35】
前記シリンジキャリア及び前記複数のシリンジリテーナは、複数のシリンジに接触する非金属表面を含む、請求項34に記載のツール。
【請求項36】
前記ばね付勢シリンジリテーナのうちの少なくとも1つは、シリンジ保持部分のシリンジフランジ接触部、スライドロッド、付勢ばね、及び締結具を含む、請求項34又は35に記載のツール。
【請求項37】
前記付勢ばねは、前記シリンジフランジ接触部を対応するシリンジレセプタクルの上側表面に向かって付勢するように構成されている、請求項36に記載のツール。
【請求項38】
前記シリンジは、前記シリンジレセプタクルに固定されている、請求項37に記載のツール。
【請求項39】
前記ばね付勢シリンジリテーナの下側表面は、プラスチック表面、ナイロン表面、又はゴム表面を含む群から選択される非金属表面を含む、請求項36~38のいずれか一項に記載のツール。
【請求項40】
請求項34~39のいずれか一項に記載のシリンジ取出しツールと、
前記シリンジ取出しツールを測定デバイスに整列させるように構成されている、アダプタと
を備える、シリンジラックアセンブリ。
【請求項41】
複数のシリンジレセプタクルを備えるシリンジラックであって、少なくとも1つのシリンジレセプタクルは、シリンジバレルレセプタクルを画定する開放端を含み、前記シリンジバレルレセプタクルは、シリンジバレルを収容するように構成され、各シリンジレセプタクルは、対応するシリンジを前記シリンジラックに対して所定の向きで整列させるように構成されている、シリンジラック。
【請求項42】
前記ラックをシリンジプランジャ深さ測定デバイスに整列させるように構成された少なくとも1つのラック整列フィーチャを更に備える、請求項41に記載のラック。
【請求項43】
前記複数のシリンジレセプタクルは前記ラックの長さに沿って直線的に配置され、前記複数のシリンジレセプタクルは、複数のシリンジのニードル端部が前記ラックの第1の側部の方に向くように、前記複数のシリンジを横並びで保持するように構成されている、請求項41又は42に記載のラック。
【請求項44】
前記複数のシリンジレセプタクルは前記ラックの長さに沿って直線的に配置され、前記複数のシリンジレセプタクルは、複数のシリンジの1つおきのニードル端部が前記ラックの第1の側部の方に向けられ、前記複数のシリンジの他のニードル端部が前記ラックの第2の側部の方に向けられるように、前記複数のシリンジを横並びで保持するように構成されている、請求項41~43のいずれか一項に記載のラック。
【請求項45】
シリンジのフランジ端部の底面が、前記開放端の周辺部に載置され得る、請求項41~44のいずれか一項に記載のラック。
【請求項46】
少なくとも1つのシリンジレセプタクルが、シリンジ位置合わせタブを含み、前記シリンジ位置合わせタブは、対応するシリンジバレルの遠位端を係合するように構成されている、請求項41~45のいずれか一項に記載のラック。
【請求項47】
少なくとも1つのシリンジレセプタクルが閉鎖端を含み、前記閉鎖端は、前記シリンジのキャップ付きニードル端部を収容するように構成されたキャップ付きニードルレセプタクルを画定する、請求項41~46のいずれか一項に記載のラック。
【請求項48】
キャップ付きニードルレセプタクルはバレルレセプタクルよりも短い、請求項47に記載のラック。
【請求項49】
少なくとも1つのシリンジバレルレセプタクルは、湾曲した側面を含み、前記湾曲した側面は、関連するシリンジバレル周辺部の一部分に適合するように構成されている、請求項41~48のいずれか一項に記載のラック。
【請求項50】
前記湾曲した側面間の前記バレルレセプタクルの一部分が開放されており、バックライト源を介して裏面から照明される、シリンジバレル及びプランジャの長さの少なくとも一部分を、測定デバイスのカメラが撮像することができる、請求項41~49のいずれか一項に記載のラック。
【請求項51】
所定の測定許容誤差が、シリンジ対ラックの位置合わせ許容誤差と、ラック対撮像デバイスの位置合わせ許容誤差と、測定デバイスの許容誤差との合計である、請求項41~50のいずれか一項に記載のラック。
【請求項52】
前記シリンジ対ラックの位置合わせ許容誤差と、前記ラック対撮像デバイスの位置合わせ許容誤差と、前記測定デバイスの許容誤差との合計が、前記所定の測定許容誤差よりも小さい、請求項51に記載のラック。
【請求項53】
前記測定精度許容誤差は、シリンジに対するプランジャ深さ測定に関連する、請求項51又は52に記載のラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
2021年4月22日に出願された米国特許出願第63/178,339号に対する優先権が主張され、その全内容が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は、シリンジ製造及び品質管理に関し、より詳細には、自動化シリンジ品質管理撮像のための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0003】
多数の医薬品が製造され、シリンジ内に格納され、最高品質基準で製造される。いくつかの医薬品が、シリンジバレル内に格納された予め測定された用量を有するプレフィルドシリンジを含む。適切に製造されたプレフィルドシリンジは、固有のプランジャ深さ要件を有する。プランジャ深さは、薬物、入れ物、及び充填容積に基づいて固有である。したがって、所与の薬物、入れ物、及び充填容積について、シリンジバレル内にプランジャが配置される深さは、制御変数である。
【0004】
プランジャ深さは、全てのプレフィルドシリンジカートリッジにとって制御変数であるため、品質管理プロセスの1つの態様が、製造されたシリンジ内のプランジャの深さを検証することである。現在は、プランジャ深さは、キャリパを使用して実験技術者により手動で測定される。プランジャ深さが固有の医薬品に対応するプランジャ深さに整合しない場合、シリンジはこの品質管理プロセスに不合格となる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
自動シリンジ測定システムが、撮像データを生成することが可能な撮像システムを含んでもよい。撮像システムは、カメラ、撮像表面、及び照明光源を含んでもよい。自動シリンジ測定システムはまた、少なくとも1つのシリンジを撮像システムに対して整列させるための整列デバイスを含んでもよい。自動シリンジ測定システムは、撮像システムから撮像データを受信し少なくとも1つのシリンジのバレル内のプランジャの深さが所定の許容誤差内にあるかどうかを判定するように構成されたプロセッサを更に含んでもよい。
【0006】
別の実施形態では、シリンジ担持容器アセンブリは、複数のシリンジを収容するように構成された容器を含んでもよい。シリンジ担持容器アセンブリはまた、シリンジキャリアプレートを含んでもよく、シリンジキャリアプレートは、シリンジキャリアプレートの上面からシリンジキャリアプレートの底面まで延びる複数のアパーチャを有する。複数のアパーチャの各々が、複数のシリンジのうちの1つを収容するように構成されてもよい。シリンジ担持容器アセンブリは、複数のシリンジが容器内に置かれる前に、容器内に置かれるように構成された容器インサートを更に含んでもよい。容器インサートは、複数のシリンジのうちの少なくとも1つに整列された少なくとも1つのシリンジエレベータを含んでもよい。シリンジキャリアプレート、容器インサート、及び複数のシリンジが容器内に置かれた場合、少なくとも1つのシリンジエレベータは、シリンジエレベータに整列された少なくとも1つのアパーチャ内に収容されるように配置された少なくとも1つのシリンジを、複数のシリンジの残りのシリンジに対して上昇させるように構成されてもよい。
【0007】
更なる実施形態では、シリンジ取出しツールはシリンジキャリアを含んでもよく、シリンジキャリアは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部から第2の端部までシリンジキャリアの縁部に沿って直線的に構成された複数のシリンジレセプタクルとを有する。シリンジ取出しツールはまた、第1の端部及び第2の端部を有する静止把持部を含んでもよい。シリンジキャリアの第1の端部は、第1のスライドロッドを介して静止把持部の第1の端部に接続されてもよい。シリンジキャリアの第2の端部は、第2のスライドロッドを介して静止把持部の第2の端部に接続されてもよい。シリンジ取出しツールは、シリンジリテーナ部分を更に含んでもよく、シリンジリテーナ部分は、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部から第2の端部までシリンジ保持部に沿って直線的に配置された複数のばね付勢シリンジリテーナとを有する。各ばね付勢シリンジリテーナは、複数のばね付勢シリンジリテーナにおける、いかなる他のばね付勢シリンジリテーナとも無関係に、対応するシリンジを対応するシリンジレセプタクル内に保持するように構成されてもよい。シリンジリテーナ部分の第1の端部は、第1のスライドロッドに沿って摺動するように構成されてもよい。シリンジリテーナ部分の第1の端部は、第1のシリンジリテーナ部分付勢ばねを介して、シリンジキャリア部分の第1の端部に向かって付勢されてもよい。シリンジリテーナ部分の第2の端部は、第2のスライドロッドに沿って摺動するように構成されてもよい。シリンジリテーナ部分の第2の端部は、第2のシリンジリテーナ部分付勢ばねを介して、シリンジキャリア部分の第2の端部に向かって付勢されてもよい。
【0008】
更に別の実施形態では、シリンジラックは、複数のシリンジレセプタクルを含んでもよい。少なくとも1つのシリンジレセプタクルは、シリンジバレルレセプタクルを画定する開放端を含んでもよい。シリンジバレルレセプタクルは、シリンジバレルを収容するように構成されてもよい。各シリンジレセプタクルは、対応するシリンジをシリンジラックに対して所定の向きで整列させるように構成されてもよい。
【0009】
本開示は、以下の説明を添付図面と併せて解釈することで、より完全に理解されると考えられる。図面のいくつかは、他の要素をより明確に示すために、選択した要素を省略することにより簡略化されている場合がある。いくつかの図面における要素のこのような省略は、対応する記述で明示的に表現されている場合を除き、例示的な実施形態のいずれにおいても特定の要素の存在又は不在を必ずしも示すものではない。また、いずれの図面も必ずしも一律の縮尺に従っていない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】例示的な自動デジタル画像センサベースのシリンジプランジャ深さ決定システムを示す。
【
図1B】例示的な自動デジタル画像センサベースのシリンジプランジャ深さ決定システムの高レベルブロック図を示す。
【
図1C】例示的な自動デジタル画像センサベースのシリンジプランジャ深さ決定デバイスの様々な図を示す。
【
図1D】例示的な自動デジタル画像センサベースのシリンジプランジャ深さ決定デバイスの様々な図を示す。
【
図1E】例示的な自動デジタル画像センサベースのシリンジプランジャ深さ決定デバイスの様々な図を示す。
【
図1F】自動デジタル画像センサベースのシリンジプランジャ深さ決定システム内で使用する例示的な遠隔コンピューティングデバイスを示す。
【
図2C】対応するシリンジに対する例示的な整列ラックの一部分を示す斜視図を示す。
【
図3A】シリンジで満たされている例示的な容器の斜視図を示す。
【
図4A】例示的なシリンジ取出しツールの斜視図を示す。
【
図4B】対応するシリンジに対する例示的なシリンジ取出しツールの一部分の斜視図を示す。
【
図4C】シリンジの対応する一部分に対して動作可能関係にある、例示的なシリンジ取出しツールの展開された一部分のプロファイル図を示す。
【
図4D】シリンジの容器に対して動作可能関係にある、例示的なシリンジ取出しツールの斜視図を示す。
【
図4F】複数の例示的なシリンジの例示的な側面図を示す。
【
図5】例示的な撮像デバイスシリンジ整列アダプタの斜視図を示す。
【
図6A】例示的な撮像デバイスの撮像表面上に配置されている複数の例示的なシリンジの斜視図を示す。
【
図6B】例示的な撮像デバイスの撮像表面上で整列された複数の例示的なシリンジの斜視図を示す。
【
図7A】カメラに対する例示的なシリンジの整列の側面図を示す。
【
図7B】複数のシリンジのプランジャ深さ測定の例示的なディスプレイを示す。
【
図7C】正しい及び正しくないプランジャ深さ測定の例示的なディスプレイを示す。
【
図7D】シリンジプランジャ挿入及び平衡化の例示的な方法を示す。
【
図7E】例示的なプランジャ深さ測定の側面図を示す。
【
図8A】例示的な測定デバイスのブロック図を示す。
【
図8B】測定デバイスを操作する例示的方法を示す。
【
図9A】シリンジ検査システムにて使用する遠隔コンピューティングデバイスのブロック図を示す。
【
図9B】シリンジ検査システムにて使用する遠隔コンピューティングデバイスを操作する例示的方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
当業者であれば、図中の要素は簡略化及び明確化のために描かれているものであり、必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを理解するであろう。例えば、図中の要素のうちのいくつかの要素の寸法及び/又は相対位置は、本発明の様々な実施形態の理解を向上させるのに役立つように他の要素に対して誇張されている場合がある。また、商業的に実現可能な実施形態において有用な又は必要な、一般的ではあるが十分に理解されている要素は、これら様々な実施形態の図をあまり妨げないようにするために、多くの場合、図示されていない。更に、特定の行為及び/又は工程が特定の発生順序で記載される又は示される場合があるが、当業者は、順序に関するこのような特定性は実際には必要ないことを理解するであろうことが、理解されるであろう。更に、特定の行為及び/又は工程が特定の発生順序で記載される又は示される場合があるが、当業者は、順序に関するこのような特定性は実際には必要ないことを理解するであろうことが、理解されるであろう。本明細書で使用される用語及び表現は、異なる特定の意味が本明細書で説明される場合を除き、上述のように、こうした用語及び表現に当業者が与えるような通常の技術的な意味を有することも理解されるであろう。
【0012】
プレフィルドシリンジ(例えば、プレフィルド1mLシリンジ、プレフィルド0.5mL(テルモ)シリンジ、製品、プレフィルド2.25mLシリンジ、5mLカートリッジなど)用のいくつかの品質管理プロセスは、現在、技術者によって手動で取り扱われている。例えば、プレフィルドシリンジ用の1つの品質管理プロセスは、プランジャがシリンジバレル内に挿入された深さを測定することを伴う。シリンジバレル内のプランジャの深さは、薬物、入れ物、及び充填容積に基づいて、所与の医薬品ごとに固有である。その結果、所与の医薬品について、プランジャが正しくない深さにある場合、シリンジは品質管理に不合格となる。現在、プランジャの深さは、典型的にはキャリパを用いて手動で測定される。薬物送達との関連で多くの場合に使用されるように、本明細書では、シリンジの「遠位」端は、患者から離れること、そして「近位」は患者に向かうことを一般に意味する。
【0013】
本開示によると、シリンジプランジャを撮像することができ、シリンジの画像を表すデジタル画像データを使用してプランジャ深さを測定することができる。例えば、複数のシリンジをカメラにより撮像することができ、プロセッサが複数のシリンジを同時に測定できる。そのような実施例では、シリンジは、測定デバイスの撮像表面上に置かれて、複数のシリンジが整列され得る。次いで、シリンジは適切に照明されてもよく、照明されたシリンジの画像が撮られてもよい。次いで、プロセッサが、画像データに基づいて、対応するシリンジ内の少なくとも1つのプランジャの深さを測定することができる。その結果、各プランジャの深さを手動で測定する代わりに、複数のシリンジを、同時に且つ以前よりも正確に測定することができる。
【0014】
自動化シリンジ測定システムは一般に、手動測定方法よりも精密且つ正確である。加えて、自動化シリンジ測定システムを使用することにより、品質データ及びバッチ番号を自動的に確実に記録できる。更に、自動化シリンジ測定システムは、手動測定技術よりも、毎分、より多くのシリンジを処理する。更に、本開示によるいくつかの自動化システムは、より少数の操作人員を必要とする。その結果、本開示の自動化シリンジ測定システムは、現在の手動シリンジ品質管理手順より優れている可能性がある。
【0015】
図1Aを参照すると、測定デバイス105a(例えば、Keyence Corporation(America,500 Park Boulevard,Suite 200,Itasca,Il 60143)から入手可能なKeyence IM-7030;PID TRPT-031206 vision system;DASI vision system、等)が、少なくとも1つのシリンジ152a、120a、127a内のプランジャ深さを決定するように構成することができる。複数のシリンジ152a(例えば、複数のプレフィルドシリンジ、複数のプレフィルドシリンジカートリッジ、等)が、例えば容器150a及びシリンジキャリアプレート151aを介して生産プロセスから搬送されてもよい。シリンジ152aは、例えばシリンジ取出しツール170aを介して、容器150a及びシリンジキャリアプレート151aから取り出されてもよい。測定デバイス105aは、シリンジ140aのラックを使用して、較正(例えば、訓練、等)されてもよい。測定デバイス105aは、遠隔コンピューティングデバイス125aに通信可能に接続されてもよい。
【0016】
測定デバイス105aはまた、デジタルカメラ106a(例えば、CMOS又はCCD撮像センサを含むカメラ、等)、標的配向センサ107a、少なくとも1つの整列フィーチャ117aを有する撮像表面108a、多数のユーザインターフェースディスプレイ120aを有するディスプレイデバイス110a、ユーザ制御パネル111a、手動撮像表面/カメラ配向/焦点制御部112a、マウス113a、キーボード114a、及びプリンタ121aを含んでもよい。遠隔デバイス125aは、複数のユーザインターフェース127aを有するディスプレイデバイス126a、キーボード128a、マウス129a、及びプリンタ134aを含んでもよい。シリンジ取出しツール170aは、複数のシリンジレセプタクル173a、及びばね付勢シリンジ保持部分171a/172aを含んでもよい。シリンジラック140aは、対応するシリンジラック140aに所定の向きで固定された複数のシリンジ141a、142aを含んでもよい。測定デバイス105a、遠隔デバイス125a、容器/キャリアプレート150a、151a、シリンジ取出しツール170a、及びシリンジラック142aの更なる詳細が、本明細書に含まれる。
【0017】
図1Bを参照すると、測定システム100bは、ネットワーク135bを介して遠隔デバイス(例えば、サーバ)125bと通信状態にある測定デバイス105bを含んでもよい。測定デバイス105bは、例えば、
図1Aの測定デバイス105aに類似していてもよい。遠隔デバイス125bは、例えば、
図1Aの遠隔デバイス125aに類似していてもよい。
【0018】
システム100bは、測定デバイス105bと遠隔デバイス125b(例えば、リモートサーバ)との間の通信を実装して、例えば、シリンジデータ及び/又は所望の測定データをデジタル画像ベースの測定データベース127bに提供してもよい。
【0019】
例えば、システム100bは、例えば測定デバイス105b(例えば、デジタル画像ベースの測定デバイス、等)のユーザからシリンジデータ及び/又は所望の測定データを取得してもよい。代わりに又は加えて、
図1Bには示されていないが、シリンジデータ及び/又は所望の測定データが、サードパーティデータソース(例えば、シリンジ製造、薬物製造業者、等)から自動的に得られてもよい。本明細書で詳述されるように、システム100bは、少なくとも1つのシリンジ等の中のプランジャの深さを自動的に決定することができる。
【0020】
明確にするために、
図1Bでは、1つの測定デバイス105bだけが示されている。
図1Bは、1つの測定デバイス105bだけを示すが、任意の数の測定デバイス105bがサポートされてもよいこと、及び各測定デバイス105bが任意の適切なデジタル画像ベースの測定デバイスでもあってもよいことが理解されるべきである。測定デバイス105bは、モジュール123bを格納及び実行するための、対応するメモリ122b及びプロセッサ124bを含んでもよい。コンピュータ可読命令のセットとしてメモリ122bに格納されるモジュール123bは、少なくとも1つのシリンジ内のプランジャ深さを自動的に決定するためのアプリケーションに関連し得る。
【0021】
本明細書で詳述されるように、モジュール123bは、関連する測定デバイス105bと遠隔デバイス125bとの間の相互作用を促進する場合がある。例えば、プロセッサ124bは、モジュール123bを更に実行して、測定デバイスネットワークインターフェース115b、測定デバイス通信リンク136b、ネットワーク135b、遠隔デバイス通信リンク137b、及び遠隔デバイスネットワークインターフェース133bを介して、遠隔デバイス125bと測定デバイス105bとの間の通信を容易にすることができる。
【0022】
測定デバイス105bは、ユーザインターフェース111bを含んでもよく、ユーザインターフェース111bは、ユーザ入力デバイスと一緒の、タッチスクリーンディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、陰極線管(CRT)ディスプレイ、又は任意の他のタイプの既知の又は好適な電子ディスプレイなどの、任意のタイプの電子ディスプレイデバイスであってもよい。ユーザインターフェース111bは、測定デバイス105bを遠隔デバイス125bと通信するように構成するためのユーザインターフェースを示すユーザインターフェース(例えば、任意のユーザインターフェース120、127a、120c、127c、120d、127f、等)を示すことができる。
【0023】
ネットワークインターフェース133bは、例えば、無線LAN、MAN又はWAN、WiFi、インターネット、又はこれらの任意の組合せを含む任意の無線通信ネットワーク135bを介して、測定デバイス105bと遠隔デバイス125bとの間の通信を容易にするように構成されてもよい。更に、測定デバイス105bは、任意の好適な通信システムを介して、例えば、無線通信ネットワークなどの無線通信構造を使用するものを含み、例えば、無線LAN及びWAN、衛星及びセルラー電話通信システム等を含む、任意の一般公開されている又は私有の通信ネットワークを介して、遠隔デバイス125bに通信可能に接続されていてもよい。測定デバイス105bは、例えば、発射体及び/又はスタビライザ関連のデータを、例えば、遠隔デバイス125b、メモリ130b、及び/又は遠隔デジタル画像ベースの測定データベース127bに送信又は格納させることができる。
【0024】
遠隔デバイス125bは、モジュール131bを、格納すること及び実行することそれぞれのための、ユーザインターフェース126b、メモリ130b、及びプロセッサ132bを含んでもよい。コンピュータ可読命令のセットとしてメモリ132bに格納されるモジュール131bは、少なくとも1つのシリンジ内のプランジャ深さを自動的に決定することに関連するアプリケーションを容易にすることができる。モジュール131bは、ネットワークインターフェース133b及びネットワーク135bを介する遠隔デバイス125bと測定デバイス105bとの間の通信、並びに他の機能及び命令を容易にすることもできる。
【0025】
遠隔デバイス125bは、デジタル画像ベースの測定データベース127bに通信可能に結合されてもよい。
図1Bでは、デジタル画像ベースの測定データベース127bが遠隔デバイス125bに通信可能に結合されているものとして示されているが、デジタル画像ベースの測定データベース127bは、遠隔デバイス125bに通信可能に結合されている別個の遠隔サーバ(又は任意の他の好適なコンピューティングデバイス)内に位置していてもよいことが理解されるべきである。任意選択で、デジタル画像ベースの測定データベース127bの一部分が、測定デバイス105bのメモリ122bなどの互いに別個であるメモリモジュールに関連していてもよい。
【0026】
図1Cを参照すると、自動イメージャ100cが、フレーム109c及び撮像システムを含んでもよい。測定デバイス105cは、例えば、
図1Aの測定デバイス105a又は
図1Bの測定デバイス105bに類似していてもよい。いくつかの実施例では、撮像システムはフレーム109cに対して移動可能である、又は撮像システムはフレーム109c上に固定されてもよい。加えて、
図1Cの実施例では、自動イメージャ105cは、デスクトップ又はワークベンチ上で動作するように設計されていてもよい。しかし、いくつかの実施例では、自動イメージャ105cは、より大きい研究室用装置であってもよい。
【0027】
撮像システム100cは、カメラ106c及び照明光源、並びに撮像表面108c及び照明光源を含んでもよい。
図1Cの実施例では、撮像表面108cは、カメラ106cと照明光源との間に配置されてもよい。図示するように、カメラ106cは撮像表面108cの上方に配置されてもよく、照明光源は撮像表面108cの下方に配置されてもよい。カメラ106c及び照明光源は、当該技術分野において既知のいかなるカメラ及び照明光源でもあり得る。例えば、カメラ106cは、任意の解像度の、ミラー有り又はミラー無しの、アナログ又はデジタルセンサ等であり得る。加えて、照明光源は、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)、白熱電球、蛍光、ミラーにより方向転換された光、などを含む任意の既知の光源であり得る。撮像表面108cは透明であって、照明光源からの光がカメラ106cにより受光されることを可能にしてもよい。撮像表面108cは、例えば、任意のプラスチック、セラミック、ガラス、又は他の透明材料であり得る。
【0028】
撮像システムは、フレーム109c上に配置されてもよい。自動イメージャ105cのフレーム109cは、ベース116c、ヘッド、及び支持アームを含んでもよい。図示するように、ベース116cとヘッドは、垂直方向に分離されていてもよい。本実施例では、ベース116cは、入力システム111cを含んでもよく、ヘッドは、ディスプレイ110cを含んでもよい。しかしながら、入力システム111c及びディスプレイ110cは、ベース116c又はヘッドのいずれかの上に配置されてもよい。代わりに、入力システム111c及びディスプレイ110cは、フレーム109cとは別個であってもよい。例えば、入力システム111cは、キーボード114a及びマウス113aを含んでもよく、ディスプレイ110cは、モニタ126aを含んでもよい。なお更なる実施例では、ディスプレイ110a及び入力システム111cは、タッチスクリーンディスプレイとして一緒に組み合わされてもよい。
【0029】
図示するように、ヘッドは、ベース116cの上の支持アーム109c上に配置されてもよい。支持アーム109cはヘッドをベース116cの上で垂直に配置された状態を保つことができるが、いくつかの実施例では、ヘッドは支持アーム109cの高さに沿って調整可能であり得る。したがって、ヘッドは、ベース116cに対して固定されているか又はベース116cに対して移動可能であるかのいずれかであり得る。加えて、いくつかの実施例では、ヘッドはコントローラ又はプロセッサ(例えば、
図1Bのプロセッサ125b)を含んでもよいが、プロセッサ124bは自動イメージャ100cの外部に配置されていてもよい。プロセッサ124bは、カメラ106cから画像データを受信し、更にネットワーク(例えば、
図1Bのネットワーク135b)との間でデータ送受信するための通信ユニットを含むように構成されていてもよい。
【0030】
動作時、自動化イメージャ100cは、例えばユーザ制御部111cを介して、ユーザにより起動されてもよい。画像データを生成する準備をする場合、プロセッサ124bは、ベース116cの上に且つ撮像表面108cの下に配置された照明光源を起動させてもよい。次いで、ユーザは、シリンジ140aの容器150aなどの撮像される対象物を撮像表面108c上に配置することができる。入力システム111cを利用して、ユーザは、カメラ106cを介して写真を撮ることにより画像データを生成できる。画像データが生成された後、ディスプレイ110cは、カメラ106cを介して撮られた画像120c、及び他の測定された測定基準127cを提示してもよい。いくつかの実施例では、ピクチャ120c及び測定された測定基準127cは、ディスプレイ110c上に提示された後、例えばネットワーク接続部115eを介して、ネットワーク135cに送信される。ピクチャ及び/又は測定された測定基準の、ネットワーク135cへのこのような安全な送信は、例えば、シリンジ製造品質に関連するデータを追跡及び記録するためのバッチ番号を伴って送信されることもできる。ネットワーク135cは、ローカルデータサーバ、遠隔データサーバ125a、又は他のクラウドストレージソリューションに接続できる。
【0031】
図1D及び
図1Eを参照すると、測定システム100d、eは、測定デバイス105d、eを含んでもよく、更に、デジタルカメラ106d、e、標的配向センサ107d、e、少なくとも1つの整列フィーチャ117d、eを有する撮像表面108d、e、支持構造109e、多数のユーザインターフェースディスプレイ120dを有するディスプレイデバイス110d、e、ユーザ制御パネル111d、e、手動撮像表面/カメラ配向/焦点の制御部112d、ネットワーク接続部115e、及びベース116eを含んでもよい。ユーザ制御パネル111d、eは、電源投入ボタン101d、電源投入インジケータ102d、測定/画像配向制御部103d、印刷ボタン104d、測定値OKインジケータ118d、及び測定NGインジケータ119dを含んでもよい。
【0032】
図1Fを参照すると、遠隔デバイス125fは、複数のユーザインターフェース127fを有するディスプレイデバイス126f、キーボード128f、マウス129f、及びプリンタ134fを含んでもよい。測定デバイス105a~eは、例えば、ユーザが少なくとも1つのシリンジ140aを撮像表面108a上に配置したことに応答して、少なくとも1つのシリンジ内のプランジャのプランジャ深さを自動的に決定するように構成されてもよい。代わりに又は加えて、測定デバイス105a~eは、例えば、ユーザが少なくとも1つのシリンジ140aを撮像表面108a上に配置し、測定制御部103d又は印刷ボタン104dを起動させたことに応答して、少なくとも1つのシリンジ内のプランジャのプランジャ深さを自動的に決定するように構成されてもよい。より望ましくは、測定デバイス105a~eは、例えば、複数のシリンジの対応するシリンジ内のプランジャのプランジャ深さを自動的に決定するように構成されてもよい。
【0033】
図1A~
図1Fには示されていないが、シリンジ取出しツール170aは、例えばロボット制御シリンジ移送機械に固定されてもよく(又は、接続可能であってもよく)、ロボット制御シリンジ移送機械は、容器から複数のシリンジを取り出し、複数のシリンジを測定デバイスの撮像表面上に配置し、測定機械がシリンジごとに対応するプランジャ深さを決定し関連するプランジャ深さ測定結果を電子的に記録/表示/印刷した後に、複数のシリンジを容器に戻す、ように構成されている。
【0034】
図2Aを参照すると、シリンジ整列ラックアセンブリ200aが、複数のシリンジレセプタクル243a、245aを有するシリンジラック241aを含んでもよい。各シリンジレセプタクル243a、245aは、対応するシリンジ244a、246aをシリンジラック241aに対して所定の向きで整列させるように構成されてもよい。シリンジラックアセンブリ200aはまた、ラック241aをシリンジプランジャ深さ測定デバイス105aに整列させるように構成された少なくとも1つのラック整列フィーチャ242aを含んでもよい。複数のシリンジレセプタクル243a、245aは、ラック241aの長さに沿って直線的に配置されてもよい。複数のシリンジレセプタクル243a、245aは、複数のシリンジ244a、246aを横並びで保持して、複数のシリンジ244a、246aのうちの1つ置きのシリンジのニードル端部がラック241aの第1の側部の方に向くように構成されてもよい。複数のシリンジ244a、246aのうちの他のシリンジのニードル端部がラック241aの第2の側部の方に向いていてもよい。シリンジ整列ラックアセンブリ200aが20個のシリンジレセプタクル243a、245aを含むものとして
図1Aに示され得るが、シリンジ整列ラックアセンブリ200aは、任意の数のシリンジレセプタクル243a、245aを含んでもよい。
【0035】
シリンジ整列ラックアセンブリ200aは、少なくとも1つのハンドル部分247aを含んでもよい。図示するように、シリンジ整列ラックアセンブリ200aは、シリンジ整列ラックアセンブリ200aの各端部にハンドル部分247aを含んでもよい。いずれにせよ、ハンドル部分247aは、簡単な取扱いのために、例えば、シリンジ整列ラックアセンブリ200aの上側表面からある角度で上向き且つ外向きに延びていてもよい。シリンジ整列ラックアセンブリ200aは、例えば測定デバイス105a~e用の整列基準を提供するように構成された、少なくとも1つの目に見えるラック整列マーカ248aを更に含んでもよい。代わりに又は加えて、測定デバイス105a~eは、シリンジ整列ラックアセンブリ200aの縁部(例えば、第1の側部に沿ったシリンジ整列ラックアセンブリ200aの縁部、第2の側部に沿ったシリンジ整列ラックアセンブリ200aの縁部、等)を検出するように構成されてもよい。
【0036】
図2Bを参照すると、シリンジ整列ラックアセンブリ200bは、複数のシリンジレセプタクル243bを有するシリンジラック241bを含んでもよい。各シリンジレセプタクル243bは、対応するシリンジ244bをシリンジラック241bに対して所定の向きで整列させるように構成されてもよい。シリンジラックアセンブリ200bはまた、ラック241bをシリンジプランジャ深さ測定デバイス105aに整列させるように構成された少なくとも1つのラック整列フィーチャ242bを含んでもよい。複数のシリンジレセプタクル243bは、ラック241bの長さに沿って直線的に配置されてもよい。複数のシリンジレセプタクル243bは、複数のシリンジ244bを横並びで保持して、複数のシリンジ244bのニードル端部がラック241bの第1の側部の方に向くように構成されてもよい。シリンジ整列ラックアセンブリ200bが18個のシリンジレセプタクル243bを含むものとして
図1Bに示され得るが、シリンジ整列ラックアセンブリ200bは、任意の数のシリンジレセプタクル243bを含んでもよい。
【0037】
シリンジ整列ラックアセンブリ200bは、少なくとも1つのハンドル部分247aを含んでもよい。図示するように、シリンジ整列ラックアセンブリ200bは、シリンジ整列ラックアセンブリ200bの各端部にハンドル部分247bを含んでもよい。いずれにせよ、ハンドル部分247bは、簡単な取扱いのために、例えば、シリンジ整列ラックアセンブリ200bの上側表面からある角度で上向き且つ外向きに延びていてもよい。シリンジ整列ラックアセンブリ200bは、例えば測定デバイス105a~e用の整列基準を提供するように構成された、少なくとも1つの視認できるラック整列マーカ248bを更に含んでもよい。代わりに又は加えて、測定デバイス105a~eは、シリンジ整列ラックアセンブリ200bの縁部(例えば、第1の側部に沿ったシリンジ整列ラックアセンブリ200bの縁部、第2の側部に沿ったシリンジ整列ラックアセンブリ200bの縁部、等)を検出するように構成されてもよい。
【0038】
図2Cを更に参照すると、シリンジ整列ラック200cは、シリンジ整列ラック200aの一部分又はシリンジ整列ラック200bの一部分のいずれかに類似していてもよい。いずれにせよ、シリンジレセプタクル243a、245a、243bは、例えば、シリンジバレル252cを収容するように構成されたシリンジバレルレセプタクル243cを画定し得る開放端245cを含んでもよい。シリンジ244cのフランジ端部246cの底面(例えば、
図4B及び
図4Cの底面814)が、開放端245cの周辺部に載置されてもよい(すなわち、
図4Cに示すような、底面814と、対応するシリンジレセプタクル473cとの関係と同様に)。シリンジレセプタクル243a、245a、243bはまた、例えば、対応するシリンジバレル252cの遠位端249eを係合するように構成されてもよいシリンジ位置合わせタブ248cを含んでもよい。
【0039】
シリンジレセプタクル243a、245a、243bは、例えば、シリンジ244cのキャップ付きニードル端部251cを収容するように構成されたキャップ付きニードルレセプタクル250cを画定することができる閉鎖端を更に含んでもよい。図示するように、キャップ付きニードルレセプタクル250cは、例えば、バレルレセプタクル243cよりも短くてもよい(例えば、バレルレセプタクル243cの長さは、対応するシリンジバレル252cの長さに基づいてもよい;キャップ付きニードルレセプタクル250cの長さは、対応するキャップ付きニードル端部251cの長さに基づいてもよい、等)。
【0040】
シリンジバレルレセプタクル243cは、例えば、関連するシリンジバレル244cの周辺部表面の一部分に適合してもよい湾曲した側面247cを含んでもよい。図示するように、湾曲した側面247c間のバレルレセプタクルの一部分が開放されていてもよく、それにより、例えば、測定デバイス105a~eのカメラ(例えば、
図1A~
図1Eのカメラ105a~e)が、バックライト源(例えば、
図1Aのバックライト源156a)を介して裏面から照明されたシリンジバレル252c及びプランジャ253cの長さの少なくとも一部分を撮像することができる。
【0041】
シリンジラックアセンブリ200a~cは、少なくとも部分的にプラスチック、ゴムなどでできていてもよい。少なくとも1つの実施形態では、シリンジラックアセンブリ200a~cは、シリンジラックアセンブリ200a~cと、対応するシリンジ及び/又はカートリッジとの間に、いかなる金属-ガラス接触も生じない材料でできている。所定の測定許容誤差(例えば、シリンジに対するプランジャ深さ測定に関連する測定精度許容誤差)は、例えば、シリンジ対ラックの位置合わせ許容誤差と、ラック対撮像デバイスの位置合わせ許容誤差と、測定デバイス(例えば、
図1A~
図1Eの測定デバイス105a~e)の許容誤差との合計であってもよい。少なくとも1つの実施形態では、シリンジ対ラックの位置合わせ許容誤差と、ラック対撮像デバイスの位置合わせ許容誤差と、測定デバイス105a~eの許容誤差との合計は、所定の測定許容誤差よりも小さい。
【0042】
図3A及び
図3Bを参照すると、シリンジ搬送アセンブリ300a、bが、複数のシリンジ352aを収容するように構成された容器350aを含んでもよい。シリンジ搬送アセンブリ300a、bはまた、シリンジキャリアプレート351aを含んでもよく、シリンジキャリアプレートは、シリンジキャリアプレートの上面からシリンジキャリアプレートの底面まで延びる複数のアパーチャを有する。複数のシリンジ352aの各々が、例えば、複数のアパーチャの対応する1つの中に直線的に挿入されてもよい。シリンジ搬送アセンブリ300a、bは、複数のシリンジ352aが容器350a内に置かれる前に、容器350a内に置かれるように構成された容器インサート353bを更に含んでもよく、容器インサート353bは、複数のシリンジ352aのうちの少なくとも1つに直線的に整列された少なくとも1つのシリンジエレベータ355bを含んでもよい。シリンジキャリアプレート351a及び複数のシリンジ352aが容器350a内に置かれた場合、少なくとも1つのシリンジエレベータ355bに直線的に整列された少なくとも1つのシリンジは、複数のシリンジ352aの残りのシリンジに対して直線的に上昇されることができる。
【0043】
シリンジキャリアプレート351aにおける複数のアパーチャは、複数の行及び複数の列に配置されてもよい。容器インサート353bは、2つのシリンジエレベータ355bを含んでもよい。シリンジエレベータのうちの第1のシリンジエレベータが、複数のアパーチャの第1の列に整列されてもよい。シリンジエレベータ355bのうちの第2のシリンジエレベータが、複数のアパーチャの第2の列に整列されてもよい。容器インサート353bは上唇を含んでもよく、上唇354bは、シリンジキャリアプレート351aの周辺部が上唇354b内に収容されているときに、シリンジキャリアプレート351aを容器350aに整列させるように構成されている。シリンジ搬送アセンブリ300a、bは、
図3A及び
図3Bでは、10×10のシリンジ352aのアレイを含むものとして示され得るが、シリンジ搬送アセンブリ300a、bは、任意の数のシリンジ352aを含んでもよい。少なくとも1つの実施形態では、シリンジエレベータ355bに整列されているシリンジ352aの数は、関連するシリンジ取出しツール(例えば、
図4Aのシリンジ取出しツール470a)のシリンジレセプタクル(例えば、
図4Aのシリンジレセプタクル473a)の数に等しいか又はその数よりも少ない。
【0044】
図4Aを参照すると、シリンジ取出しツール470aはシリンジキャリア477aを含んでもよく、シリンジキャリア477aは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部から第2の端部まで延びるシリンジキャリア477aの縁部に沿って直線的に配置された複数のシリンジレセプタクル473aとを有する。
図4Aでは、シリンジ取出しツールが10個のシリンジレセプタクル473aを含むものとして示され得るが、シリンジ取出しツールは任意の数のシリンジレセプタクル473aを含んでもよい。少なくとも1つの実施形態では、シリンジレセプタクル473aの数は、シリンジエレベータ(例えば、
図3Bのシリンジエレベータ355b)に整列されている関連するシリンジ(例えば、
図3Aのシリンジ352a)の数に等しいか又はその数よりも多い。
【0045】
シリンジ取出しツール470aは、容器150aから複数のシリンジ152aを取り出すように構成されてもよい。シリンジ取出しツール470aはまた、第1の端部及び第2の端部を有する静止把持部471aを含んでもよい。シリンジキャリア477aの第1の端部は、第1のスライドロッド476aを介して静止把持部471aの第1の端部に接続されてもよい。シリンジキャリア471aの第2の端部は、第2のスライドロッド476aを介して静止把持部471aの第2の端部に接続されてもよい。シリンジリテーナ部分475aは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部から第2の端部までシリンジリテーナ部分475aに沿って直線的に配置された複数のばね付勢シリンジリテーナ478a/479aとを含んでもよい。各ばね付勢シリンジリテーナ478aは、複数のばね付勢シリンジリテーナ478aにおける、いかなる他のばね付勢シリンジリテーナ478aとも無関係に、対応するシリンジを対応するシリンジレセプタクル473a内に保持するように構成されてもよい。シリンジリテーナ部分475aの第1の端部は、第1のスライドロッド476aに沿って摺動するように構成されてもよい。シリンジリテーナ部分475aの第1の端部は、第1のシリンジリテーナ部分付勢ばね474aを介して、シリンジキャリア部分477aの第1の端部に向かって付勢されてもよい。シリンジリテーナ部分475aの第2の端部は、第2のスライドロッド476aに沿って摺動するように構成されてもよい。シリンジリテーナ部分475aの第2の端部は、第2のシリンジリテーナ部分付勢ばね474aを介して、シリンジキャリア部分477aの第2の端部に向かって付勢されてもよい。シリンジキャリア部分477a及び複数のシリンジリテーナ478aは、少なくとも部分的にプラスチック、ゴムなどでできていてもよい。少なくとも1つの実施形態では、シリンジキャリア部分477a及び複数のシリンジリテーナ478aは、複数のシリンジ(例えば、ガラス表面など)の各々と接触する非金属表面(例えば、プラスチック表面、ゴム表面、ナイロン表面など)を含んでもよい。
【0046】
ツール470aはまた、ツール470aをシリンジプランジャ深さ測定デバイス105aに整列させるように構成された少なくとも1つのツール整列フィーチャ471a1、471a2を含んでもよい(例えば、整列フィーチャ471a1は、ツール整列フィーチャ117a又は
図5Aの整列フィーチャ582aに係合してもよい)。所定の測定許容誤差(例えば、シリンジに対するプランジャ深さ測定に関連する測定精度許容誤差)は、例えば、シリンジ対シリンジ取出しツールの位置合わせ許容誤差と、シリンジ取出しツール対撮像デバイスの位置合わせ許容誤差と、測定デバイス(例えば、
図1A~
図1Eの測定デバイス105a~e)の許容誤差との合計であってもよい。少なくとも1つの実施形態では、シリンジ対シリンジ取出しツールの位置合わせ許容誤差と、シリンジ取出しツール対撮像デバイスの位置合わせ許容誤差と、測定デバイス105a~eの許容誤差との合計は、所定の測定許容誤差よりも小さい。
【0047】
図4Bを参照すると、測定システム400bが、シリンジ(例えば、
図7Eのシリンジ802)に近接するシリンジリテーナ部分475bの一部(例えば、
図4Aのシリンジリテーナ部分475aの一部)を含むように示される。
図4Aを参照して記載されるように、シリンジリテーナ部分475a、bは、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部から第2の端部までシリンジリテーナ部分475aに沿って直線的に配置された複数のばね付勢シリンジリテーナ478a/479aとを含んでもよい。各ばね付勢シリンジリテーナ478aは、複数のばね付勢シリンジリテーナ478aにおける、いかなる他のばね付勢シリンジリテーナ478aとも無関係に、対応するシリンジを対応するシリンジレセプタクル473a内に保持するように構成されてもよい。シリンジリテーナ部分475aの第1の端部は、第1のスライドロッド476aに沿って摺動するように構成されてもよい。シリンジリテーナ部分475aの第1の端部は、第1のシリンジリテーナ部分付勢ばね474aを介して、シリンジキャリア部分477aの第1の端部に向かって付勢されてもよい。シリンジリテーナ部分475aの第2の端部は、第2のスライドロッド476aに沿って摺動するように構成されてもよい。シリンジリテーナ部分475aの第2の端部は、第2のシリンジリテーナ部分付勢ばね474aを介して、シリンジキャリア部分477aの第2の端部に向かって付勢されてもよい。シリンジキャリア部分477a及び複数のシリンジリテーナ478aは、少なくとも部分的にプラスチック、ゴムなどでできていてもよい。少なくとも1つの実施形態では、シリンジキャリア部分477a及び複数のシリンジリテーナ478aは、複数のシリンジ(例えば、ガラス表面など)の各々と接触する非金属表面(例えば、プラスチック表面、ゴム表面、ナイロン表面など)を含んでもよい。
【0048】
図4Bに更に示すように(
図7Eと同様に)、シリンジ404は、ニードル(図示せず)を覆うニードルキャップ310、シリンジバレル312、プランジャ314、薬剤316、気泡318、及びフランジ810を含んでもよい。シリンジバレル312は、透明又は半透明であってもよい。通常、ニードルは、ニードルハブにてシリンジバレル312に結合され得る。ニードルハブは、例えば、バレル312と一体形成されニードルに直接結合された(一般に「ステイクニードル」と称されるものを形成する)シリンジショルダ、ルアーロック型コネクタ、及び/又はシリンジをニードルに直接的又は間接的に結合する任意の他の機構を含むことができる。フランジ810は、ニードル及びニードルキャップ310の反対側の、シリンジ802の近位端に配置されている。フランジ810は、近位端814及び遠位端812を含む。同様に、
図7Eに示すように、プランジャ314は、近位端822及び遠位端824を含んでもよく、遠位端824はフランジ810に最も近い。フランジ810は、下側表面814を含んでもよい。
【0049】
図4Cを参照すると、測定システム400cは、シリンジレセプタクル473c(例えば、
図4Bのシリンジレセプタクル473bの一部分に類似した)、ばね付勢シリンジリテーナ478c(例えば、
図4Bのばね付勢シリンジリテーナ478b/479bの一部分に類似した)、シリンジ保持部分475c(例えば、
図4A及び
図4Bのシリンジ保持部分475a、bの一部分に類似した)、及び、シリンジの一部(例えば、
図4B及び
図7Eのシリンジ404の一部)を含んでもよい。いずれにせよ、シリンジフランジ810の下側表面810は、例えば、対応するばね付勢シリンジリテーナ478cを介して、シリンジレセプタクル473cの上側表面に向かって付勢されてもよい。ばね付勢シリンジリテーナは、シリンジフランジ接触部478c、スライドロッド479c3、付勢ばね479c2、及び締結具479c1を含んでもよい。付勢ばね479c2は、シリンジフランジ接触部478cをシリンジレセプタクル473cの上側表面に向かって付勢するように構成されてもよく、それによりシリンジ404はシリンジレセプタクル473cに固定されてもよい。それに対応して、スライドロッド479c3は、アパーチャ475c1内でシリンジ保持部分475cに摺動してもよい。ばね付勢シリンジリテーナ478cの下側表面は、非金属表面(例えば、プラスチック表面、ナイロン表面、ゴム表面など)を含んでもよい。
【0050】
図4Dを参照すると、測定システム400dは、シリンジの容器204と動作可能関係にあるシリンジ取出しツール202を含んでもよい。品質管理のために、複数のシリンジ210を含む容器204が評価のために提供されてもよい。いくつかの実施例では、容器204内の複数のシリンジ210の各シリンジが評価される必要がある。他の実施例では、複数のシリンジ210のうちのサブセットだけが評価される必要がある。例えば、ユーザは、シリンジ212aの1列を取ること、又は単一のシリンジ212bを充填すること、だけが必要であり得る。全体で、容器204は、160を超えるシリンジを含む場合がある。
【0051】
図4E~
図4Fを参照すると、測定システム400e~f及び方法は、本開示に従ってユーザ(例えば、実験技術者、シリンジ製造業者など)が複数のシリンジ300を取り扱うことを含んでもよい。図示するように、複数のシリンジ300の各々は、ニードルキャップ310内に配置されたニードル、シリンジバレル312、プランジャ314、薬剤316、及び気泡318を含む。本開示によると、人(例えば、実験技術者、製造業者)が複数のシリンジ300を振動330させて、各シリンジ内の気泡318をシリンジバレル312内でニードル及びニードルキャップ310の近くに移動させることができる。
【0052】
図4Eに示すように、測定システム400eは、ニードル及びニードルキャップ310に近接して気泡318を有するシリンジ402を含んでもよい。対照的に、シリンジ404内の気泡318は、プランジャ314に近接して配置されている場合がある。振動330の後、
図4Fに示すように、測定システム400fが、ニードルキャップ310に近接して配置された、各シリンジ402及び404内の気泡318を検出することができ、薬剤316はプランジャ314に近接して配置される。
【0053】
図5を参照すると、シリンジ及び測定デバイス整列アセンブリ500が、整列アダプタ580を含んでもよい。整列アダプタ580は、例えば、測定デバイス105aの整列フィーチャ(例えば、
図1Aの整列フィーチャ117a)と係合するように構成された少なくとも1つの測定デバイス整列フィーチャ581を含んでもよい。整列アダプタ580はまた、例えば、シリンジラック241a、bの整列フィーチャ(例えば、それぞれ、
図2A及び
図2Bの整列フィーチャ242a、b)に係合するように構成された少なくとも1つのシリンジラック整列フィーチャ582を含んでもよい。シリンジ及び測定デバイス整列アセンブリ500は、例えば、シリンジラック241a、b又はシリンジ取出しツール(例えば、
図1Aのシリンジ取出しツール170a)をカメラ(例えば、
図1Aのカメラ106a)に互いに所定の向きで整列させるように構成されてもよい。
【0054】
図6A及び
図6Bを参照すると、複数のシリンジ300が、
図1Cの自動イメージャ100cの撮像表面108c上に置かれている。
図6A及び
図6Bに示すように、撮像表面108cは、前縁部612、後縁部614、及び側縁部616を含む。複数のシリンジ300(例えば、例えば
図1Aのシリンジ152aに類似したシリンジ)は、撮像表面114(例えば、例えば
図1Aの撮像表面108aなどに類似した撮像表面)上に概ね中央に配置されてもよいが、複数のシリンジ300は、カメラ110(例えば、
図1Aのカメラ106aに類似したカメラ)の視野内にある撮像表面114上のいかなる場所にも配置できる。図示するように、複数のシリンジ300は、撮像表面114及び前縁部612に平行に単一の列で配置されている。いくつかの実施例では、複数のシリンジは、整列機構630の手助けにより撮像表面114に対して整列されたシリンジ収容部内に配置され得る。整列フィーチャ630は、締結具710a及び710bを介してフレーム102に固定できる、又は撮像表面114若しくはベース122と一体形成されてもよい、又は任意の他の既知の方法により撮像システム104に結合されてもよい。
【0055】
図7Aを参照すると、カメラ110に対するシリンジの整列の側面図が示される。いくつかの実施例では、撮像システム104は、カメラ110に対するシリンジバレル312の回転角度1210に敏感な場合がある。例えば、シリンジバレル312は平坦部分1220を含んでもよく、平坦部分1220は、シリンジバレル312を通過した後にカメラ110により捕捉される光に影響を及ぼす。そのような実施例では、平坦部分1220がカメラ110に対して垂直に配置されることが好ましい場合がある。
図7Aの実施例では、シリンジバレル312が0、180、又は360度(°)であるとき、平坦部分1220はカメラに対して垂直である。
図7Aに示すように、シリンジ1232aは、カメラに対して垂直であり、0°又は360°であるのに対し、シリンジ1232bは、45°にあることが分かる。
【0056】
したがって、カメラ110がシリンジバレル312の角度に敏感である場合にのみ、カメラ110は、シリンジ1232aの正確なピクチャを得ることが可能であり得る。したがって、いくつかの実施例では、複数のシリンジ300が撮像表面114上に置かれている場合、シリンジ300の各々を回転させてカメラ110に整列させる必要があり得る。しかしながら、いくつかのカメラ110及び撮像システム104が、シリンジ1232a及び1232bの角度に関係なく、正確なピクチャを撮ることができる。
【0057】
図7Bを参照すると、複数のシリンジ300のプランジャ深さの測定された測定基準144のピクチャ142を提示する例示的なディスプレイ130(例えば、
図1Aのディスプレイ110aに類似したディスプレイ)が示される。例示的なディスプレイ130に示すように、第1のシリンジ902は、10.52ミリメートル(mm)のプランジャ深さ測定値910を有する。プランジャ深さ測定値は、第1の列912における測定された測定基準144に示される。したがって、ピクチャ142に示される複数のシリンジの各シリンジは、例示的なディスプレイ130上に提示される測定された測定基準144における列に対応する。
【0058】
本開示に従って、プロセッサ132は、ピクチャ142を処理し、プランジャ深さ910を測定する。カメラ110と撮像表面114との間の距離は既知であるため、プロセッサは、画像における距離を正確に測定できる。加えて、プロセッサ132は、ピクチャ142における各シリンジのプランジャ深さ910を測定できる。いくつかの実施例では、プロセッサ132が、所与の薬品シリンジの近位端に対してプランジャ深さ910を測定した後に、プロセッサ132は、所与の医薬品に対してプランジャ深さ910が正しいこと(例えば、所定の許容誤差内にあること)を検証する。
【0059】
図7Cを参照すると、第1のシリンジ1002が正しいプランジャ深さ測定値1006を有し、第2のシリンジ1012が誤ったプランジャ深さ測定値1016を有するものとして、例示的なディスプレイが示される。図示するように、プランジャ深さ測定値1006は、プランジャ314の近位端820の正しい識別に基づいている。その結果、プランジャ深さ測定値1006は、フランジ(図示せず)の近位端からプランジャ314の近位端820までの距離を正しく測定している。対照的に、プランジャ深さ測定値1016は、フランジ(図示せず)の近位端と気泡318の縁部との間の距離を誤って測定している。
【0060】
図7Dを参照すると、シリンジプランジャ挿入及び平衡化の例示的な方法1100が示される。第1のステップ1102において、シリンジは薬剤316で充填される。第2のステップ1110において、シリンジバレル312及び薬剤316は、減圧1112に曝される。いくつかの実施例では、減圧1112は、真空であり得る又は真空に近い条件であり得る。その結果、第2のステップ1110の終わりには、シリンジバレル312の一部分1114が減圧された空気圧に曝される。
【0061】
第3のステップ1120において、ロッド1122がプランジャ314をシリンジのバレル312内に挿入する。プランジャ314は、バレル312が依然として減圧1112条件に、場合によっては真空又は真空に近い圧力に曝されている間に、バレル312内に挿入される。プランジャ314が挿入されている間、シリンジバレルは、減圧1112における液体蒸発に起因して再加圧された空洞1114を含む場合がある。
【0062】
第4のステップ1130において、シリンジバレル312は、通常の大気条件1132に再び曝される。そのような条件は、プランジャ314をシリンジバレル312内へと更に移動させ得る。プランジャ314は、第5のステップ1140に至るまでシリンジバレル312内へと更に押し込まれ続けてもよく、その時点で、プランジャ314の周りの圧力1142は最終的に均等になる。第5のステップ1140にて示すように、プランジャ314の両側の圧力1142はほぼ大気圧である。しかし、いくつかの実施例では、摩擦力が、空洞1114と大気圧との間に小さい圧力差を引き起こす場合がある。次いで、シリンジは、第6のステップ1150において、その後の検査のために容器に戻され得る。
【0063】
図7Eを参照すると、プランジャ深さ測定値800の側面図。図示するように、シリンジ402及びシリンジ404に実質的に同一の例示的なシリンジ802は、ニードル及びニードルキャップ310、シリンジバレル312、プランジャ314、薬剤316、気泡318、及びフランジ810を含む。フランジ810は、ニードル及びニードルキャップ310の反対側の、シリンジ802の近位端に配置されている。フランジ810は、近位端814及び遠位端812を含む。同様に、
図7Eに示すように、プランジャ314は、近位端820及び遠位端822も含み、近位端820はフランジ810に最も近い。
【0064】
本開示に従って、プランジャ深さ測定値800は、フランジ810の近位端812とプランジャ314の近位端820との間の距離として測定される。測定値800は、製造プロセス中に形成されプランジャ314の近位端820に配置されたいかなる隆起824又は不規則な突起をも除外する。プランジャ深さ測定値800は、それぞれの医薬品、入れ物、及び充填容積に固有である。その結果、プランジャ深さ測定値800は、製造された製品の品質検証に役立つ。
【0065】
図8Aを参照すると、測定デバイス805aは、ユーザインターフェース生成モジュール881a、シリンジデータ受信モジュール882a、所望の測定データ受信モジュール883a、画像データ受信モジュール884a、手動画像配向/焦点データ受信モジュール885a、プランジャ場所データ決定モジュール887a、測定入力受信モジュール886a、印刷測定入力受信モジュール888a、及び測定データ送信モジュール889aを含んでもよく、これらは、例えば、コンピュータ可読命令のセットとしてメモリ822aに格納されている。いずれにせよ、モジュール881a~889aは、例えば、
図1Bのモジュール123bに類似していてもよい。
【0066】
図8Bを参照すると、測定デバイス800bを操作する方法が、例えば、
図8Aのモジュール881a~889aの少なくとも一部分を実行する第1のプロセッサ(例えば、
図1Bの測定デバイス105bのプロセッサ124b)により、及び/又は、例えば、
図9Bのモジュール991b~996bの少なくとも一部分を実行する第2のプロセッサ(例えば、
図1Bの遠隔デバイス125bのプロセッサ132b)により実現されてもよい。特に、プロセッサ124bは、ユーザインターフェース生成モジュール881aを実行して、プロセッサ124bに、例えば、ユーザインターフェース120a、127a、120c、127c、120d、127fを生成させてもよい(ブロック881b)。
【0067】
プロセッサ124bは、シリンジデータ受信モジュール882aを実行して、例えば、プロセッサ124bに、させてもよい(ブロック882b)。プロセッサ124bは、所望の測定データ受信モジュール883aを実行して、プロセッサ124bに、例えば、遠隔デバイスから所望の測定データを受信させてもよい(ブロック883b)。プロセッサ124bは、画像データ受信モジュール884aを実行して、プロセッサ124bに、例えば、カメラ106aからの画像データ(例えば、リアルタイム画像データ)を受信させてもよい(ブロック884b)。プロセッサ124bは、手動画像配向/焦点データ受信モジュール885aを実行して、プロセッサ124bに、例えば、ユーザ入力デバイス111a、112aを介してユーザから手動画像配向/焦点データを受信させてもよい(ブロック885b)。プロセッサ124bは、測定入力受信モジュール886aを実行して、プロセッサ124bに、例えば、ユーザ入力111aを介してユーザから測定データを受信させてもよい(ブロック886b)。
【0068】
プロセッサ124bは、プランジャ場所データ決定モジュール887aを実行して、プロセッサ124bに、例えば、デジタル画像データに基づいてプランジャ場所データを決定させてもよい(ブロック887b)。プロセッサ124bは、印刷測定入力受信モジュール888aを実行して、プロセッサ124bに、例えば、ユーザインターフェース111aを介してユーザから印刷測定データを受信させてもよい(ブロック888b)。プロセッサ124bは、測定データ送信モジュール889aを実行して、プロセッサ124bに、例えば、測定データを遠隔デバイスに送信させてもよい(ブロック889b)。
【0069】
図9Aを参照すると、遠隔デバイス925aは、ユーザインターフェース生成モジュール991a、シリンジデータ受信モジュール992a、所望の測定データ受信モジュール993a、所望の測定データ送信モジュール994a、測定データ受信モジュール995a、及び測定データ分析モジュール996aを含んでもよく、これらは、例えば、コンピュータ可読命令のセットとしてメモリ930aに格納されている。いずれにせよ、モジュール1810d~1830dは、例えば、
図18Aのモジュール1898aに類似していてもよい。
【0070】
図9Bを参照すると、測定デバイス800bを操作する方法が、例えば、
図8Aのモジュール881a~889aの少なくとも一部分を実行する第1のプロセッサ(例えば、
図1Bの測定デバイス105bのプロセッサ124b)により、及び/又は、例えば、
図9Bのモジュール991b~996bの少なくとも一部分を実行する第2のプロセッサ(例えば、
図1Bの遠隔デバイス125bのプロセッサ132b)により実現されてもよい。特に、プロセッサ132bは、ユーザインターフェース生成モジュール991aを実行して、プロセッサ132bに、例えば、ユーザインターフェース120a、127b、120c、127c、120d、127fを生成させてもよい(ブロック991b)。
【0071】
プロセッサ132bは、シリンジデータ受信モジュール992aを実行して、プロセッサ132bに、例えば、ユーザインターフェースを介してユーザからシリンジデータを受信させてもよい(ブロック992b)。プロセッサ132bは、所望の測定データ受信モジュール993aを実行して、プロセッサ132bに、例えば、ユーザインターフェースを介してユーザから所望の測定データを受信させてもよい(ブロック993b)。
【0072】
プロセッサ132bは、所望の測定データ送信モジュール994aを実行して、プロセッサ132bに、例えば、所望の測定データを測定デバイスに送信させてもよい(ブロック994b)。プロセッサ132bは、測定データ受信モジュール995aを実行して、プロセッサ132bに、例えば、測定デバイスから測定データを受信させてもよい(ブロック995b)。プロセッサ132bは、測定データ分析モジュール996aを実行して、プロセッサ132bに、例えば、測定データを分析させてもよい(ブロック996b)。
【0073】
上述の記載では、プレフィルドシリンジなどの薬物送達デバイスに関連して使用するための様々なデバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム及び方法について説明している。デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、方法、又は薬物送達デバイス(すなわち、プレフィルドシリンジ)は、以下に特定される薬物、並びにそれらのジェネリック及びバイオシミラー同等品を含むがそれらに限定されない薬物を更に含むことができる、又はこれらとともに使用することができる。本明細書で使用する場合、薬物という用語は、他の類似の用語と交換可能に使用することができ、伝統的及び非伝統的な薬剤、栄養補助食品、サプリメント、生物製剤、生物学的活性剤及び組成物、大分子、バイオシミラー、生物学的同等物、治療用抗体、ポリペプチド、タンパク質、小分子、及びジェネリック薬剤を含む、任意のタイプの薬剤又は治療用材料を指すために使用することができる。非治療的な注入可能材料もまた包含される。薬物は、液体形態、凍結乾燥形態、又は凍結乾燥形態から再構成されたものであり得る。以下の例示的な薬物のリストは、網羅的又は限定的であると考えるべきではない。
【0074】
薬物は、例えば、プレフィルドシリンジ内のリザーバ内に収容されることになる。いくつかの場合では、リザーバは、治療のために薬物が充填されるか又は事前充填されるかのいずれかである、一次入れ物である。一次入れ物は、バイアル、カートリッジ、又はプレフィルドシリンジであり得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバには、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)などのコロニー刺激因子が充填されてもよく、又はそれらとともにデバイスを使用することができる。このようなG-CSF製剤には、Neulasta(登録商標)(ペグフィルグラスチム、PEG化フィルグラスチム、PEG化G-CSF、PEG化hu-Met-G-CSF)及びNeupogen(登録商標)(フィルグラスチム、G-CSF、hu-MetG-CSF)、UDENYCA(登録商標)(ペグフィルグラスチム-cbqv)、Ziextenzo(登録商標)(LA-EP2006;ペグフィルグラスチム-bmez)、又はFULPHILA(ペグフィルグラスチム-bmez)が含まれるが、それらに限定されない。
【0076】
他の実施形態では、薬物送達デバイスは、液体又は凍結乾燥形態であり得る赤血球造血刺激因子製剤(ESA)を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。ESAは、赤血球造血を刺激する任意の分子である。いくつかの実施形態では、ESAは、赤血球造血刺激タンパク質である。本明細書で使用する場合、「赤血球造血刺激タンパク質」とは、例えば、受容体に結合し、受容体の二量化を引き起こすことによってエリスロポエチン受容体の活性化を直接的又は間接的に引き起こす任意のタンパク質を意味する。赤血球造血刺激タンパク質としては、エリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるエリスロポエチン及びその変異体、類似体若しくは誘導体;エリスロポエチン受容体に結合し、この受容体を活性化させる抗体;又はエリスロポエチン受容体に結合し、これを活性化させるペプチドが挙げられる。赤血球造血刺激タンパク質としては、Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ)、Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ)、Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ)、Hematide(登録商標)、MRK-2578、INS-22、Retacrit(登録商標)(エポエチンゼータ)、Neorecormon(登録商標)(エポエチンベータ)、Silapo(登録商標)(エポエチンゼータ)、Binocrit(登録商標)(エポエチンアルファ)、エポエチンアルファHexal、Abseamed(登録商標)(エポエチンアルファ)、Ratioepo(登録商標)(エポエチンシータ)、Eporatio(登録商標)(エポエチンシータ)、Biopoin(登録商標)(エポエチンシータ)、エポエチンアルファ、エポエチンベータ、エポエチンイオタ、エポエチンオメガ、エポエチンデルタ、エポエチンゼータ、エポエチンシータ及びエポエチンデルタ、PEG化エリスロポエチン、カルバミル化エリスロポエチン並びにそれらの分子又は変異体又は類似体が挙げられるが、それらに限定されない。
【0077】
特定の例示的なタンパク質の中には、その融合物、断片、類似体、変異体又は誘導体を含む、以下で説明する特定のタンパク質がある:完全ヒト化及びヒトOPGL特異抗体、特に、完全ヒト化モノクローナル抗体を含む、(RANKL特異抗体、ペプチボディなどとも称される)OPGL特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;ミオスタチン特異的ペプチボディを含む、ミオスタチン結合タンパク質、ペプチボディ、関連タンパク質など;特に、IL-4及び/又はIL-13の受容体への結合によって媒介される活性を阻害する、IL-4受容体特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;インターロイキン1-受容体1(「IL1-R1」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;Ang2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;NGF特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;CD22特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、特に、ヒト-マウスモノクローナルhLL2カッパ鎖に結合したヒト-マウスモノクローナルhLL2ガンマ鎖二硫化物の二量体、例えば、エプラツズマブ(CAS登録番号501423-23-0)のヒトCD22特異完全ヒト化抗体などのヒトCD22特異IgG抗体を特に含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒトモノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、ヒト化及び完全ヒト抗体などであるがそれに限定されない、ヒトCD22特異抗体;抗IGF-1R抗体を含むがそれに限定されない、IGF-1受容体特異抗体、ペプチボディ及び関連タンパク質など;B7RP特異完全ヒトモノクローナルIgG2抗体を含むがそれに限定されない、B7RP-1の最初の免疫グロブリン様ドメインのエピトープと結合する完全ヒトIgG2モノクローナル抗体を含むがそれに限定されない、B7RP-1と活性化T細胞上のその天然の受容体であるICOSとの相互作用を阻害するものを含むがそれに限定されない、B-7関連タンパク質1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など(「B7RP-1」並びにB7H2、ICOSL、B7h及びCD275とも称される);例えば145c7など、HuMax IL-15抗体及び関連タンパク質を含むがそれらに限定されない、特にヒト化モノクローナル抗体などのIL-15特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;ヒトIFNガンマ特異抗体を含むがそれに限定されない、且つ完全ヒト抗IFNガンマ抗体を含むがそれに限定されないIFNガンマ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;TALL-1特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など、並びに他のTALL特異結合タンパク質;副甲状腺ホルモン(「PTH」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;トロンボポチエン受容体(「TPO-R」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;肝細胞増殖因子/分散因子(HGF/SF)を中和する完全ヒトモノクローナル抗体などのHGF/SF:cMet軸(HGF/SF:c-Met)を標的とするものを含む、肝細胞増殖因子(「HGF」)特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;TRAIL-R2特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;アクチビンA特異抗体、ペプチボディ、タンパク質など;TGF-ベータ特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;アミロイド-ベータタンパク質特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;c-Kit及び/又は他の幹細胞因子受容体と結合するタンパク質を含むが、それらに限定されない、c-Kit特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;OX40L及び/又はOX40受容体の他のリガンドと結合するタンパク質を含むが、それに限定されない、OX40L特異抗体、ペプチボディ、関連タンパク質など;Activase(登録商標)(アルテプラーゼ、tPA);Aranesp(登録商標)(ダルベポエチンアルファ)、エリスロポエチン[30-アスパラギン、32-スレオニン、87-バリン、88-アスパラギン、90-スレオニン]、ダルベポエチンアルファ、新しい赤血球造血刺激タンパク質(NESP);Epogen(登録商標)(エポエチンアルファ又はエリスロポエチン);GLP-1、Avonex(登録商標)(インターフェロンベータ-1a);Bexxar(登録商標)(トシツモマブ、抗CD22モノクローナル抗体);Betaseron(登録商標)(インターフェロン-ベータ);Campath(登録商標)(アレムツズマブ、抗CD52モノクローナル抗体);Dynepo(登録商標)(エポエチンデルタ);Velcade(登録商標)(ボルテゾミブ);MLN0002(抗α4β7 mAb);MLN1202(抗CCR2ケモカイン受容体mAb);Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬);Eprex(登録商標)(エポエチンアルファ);Erbitux(登録商標)(セツキシマブ、抗EGFR/HER1/c-ErbB-1);Genotropin(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Herceptin(登録商標)(トラスツズマブ、抗HER2/neu(erbB2)受容体mAb);Kanjinti(商標)(トラスツズマブ-anns)抗HER2モノクローナル抗体、Herceptin(登録商標)のバイオシミラー又は乳癌若しくは胃癌治療用のトラスツズマブを含有する別の製品;Humatrope(登録商標)(ソマトロピン、ヒト成長ホルモン);Humira(登録商標)(アダリムマブ);Vectibix(登録商標)(パニツムマブ)、Xgeva(登録商標)(デノスマブ)、Prolia(登録商標)(デノスマブ)、RANKリガンドに対する免疫グロブリンG2ヒトモノクローナル抗体、Enbrel(登録商標)(エタネルセプト、TNF受容体/Fc融合タンパク質、TNF遮断薬)、Nplate(登録商標)(ロミプロスチム)、リロツムマブ、ガニツマブ、コナツムマブ、ブロダルマブ、溶液中のインスリン;Infergen(登録商標)(インターフェロンアルファコン-1);Natrecor(登録商標)(ネシリチド;遺伝子組換え型ヒトB型ナトリウム利尿ペプチド(hBNP);Kineret(登録商標)(アナキンラ);Leukine(登録商標)(サルガモスチム、rhuGM-CSF);LymphoCide(登録商標)(エプラツズマブ、抗CD22 mAb);Benlysta(商標)(リンフォスタットB、ベリムマブ、抗BlyS mAb);Metalyse(登録商標)(テネクテプラーゼ、t-PA類似体);Mircera(登録商標)(メトキシポリエチレングリコール-エポエチンベータ);Mylotarg(登録商標)(ゲムツズマブオゾガマイシン);Raptiva(登録商標)(エファリズマブ);Cimzia(登録商標)(セルトリズマブペゴル、CDP 870);Soliris(商標)(エクリズマブ);ペキセリズマブ(抗補体C5);Numax(登録商標)(MEDI-524);Lucentis(登録商標)(ラニビズマブ);Panorex(登録商標)(17-1A、エドレコロマブ);Trabio(登録商標)(レルデリムマブ);TheraCim hR3(ニモツズマブ);Omnitarg(ペルツズマブ、2C4);Osidem(登録商標)(IDM-1);OvaRex(登録商標)(B43.13);Nuvion(登録商標)(ビジリズマブ);カンツズマブメルタンシン(huC242-DM1);NeoRecormon(登録商標)(エポエチンベータ);Neumega(登録商標)(オプレルベキン、ヒトインターロイキン-11);Orthoclone OKT3(登録商標)(ムロモナブ-CD3、抗CD3モノクローナル抗体);Procrit(登録商標)(エポエチンアルファ);Remicade(登録商標)(インフリキシマブ、抗TNFαモノクローナル抗体);Reopro(登録商標)(アブシキシマブ、抗GP lIb/Ilia受容体モノクローナル抗体);Actemra(登録商標)(抗IL6受容体mAb);Avastin(登録商標)(ベバシズマブ)、HuMax-CD4(ザノリムマブ);Mvasi(商標)(ベバシズマブ-awwb);Rituxan(登録商標)(リツキシマブ、抗CD20 mAb);Tarceva(登録商標)(エルロチニブ);Roferon-A(登録商標)-(インターフェロンアルファ-2a);Simulect(登録商標)(バシリキシマブ);Prexige(登録商標)(ルミラコキシブ);Synagis(登録商標)(パリビズマブ);145c7-CHO(抗IL15抗体、米国特許第7,153,507号明細書を参照);Tysabri(登録商標)(ナタリズマブ、抗α4インテグリンmAb);Valortim(登録商標)(MDX-1303、抗炭疽菌(B.anthracis)防御抗原mAb);ABthrax(商標);Xolair(登録商標)(オマリズマブ);ETI211(抗MRSA mAb);IL-1 trap(ヒトIgG1のFc部分及び両IL-1受容体成分(I型受容体及び受容体補助タンパク質)の細胞外ドメイン);VEGF trap(IgG1 Fcと融合したVEGFR1のIgドメイン);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ);Zenapax(登録商標)(ダクリズマブ、抗IL-2Rα mAb);Zevalin(登録商標)(イブリツモマブチウキセタン);Zetia(登録商標)(エゼチマイブ);Orencia(登録商標)(アタシセプト、TACI-Ig);抗CD80モノクローナル抗体(ガリキシマブ);抗CD23 mAb(ルミリキシマブ);BR2-Fc(huBR3/huFc融合タンパク質、可溶性BAFF拮抗薬);CNTO 148(ゴリムマブ、抗TNFα mAb);HGS-ETR1(マパツズマブ;ヒト抗TRAIL受容体-1 mAb);HuMax-CD20(オクレリズマブ、抗CD20ヒトmAb);HuMax-EGFR(ザルツムマブ);M200(ボロシキシマブ、抗α5β1インテグリンmAb);MDX-010(イピリムマブ、抗CTLA-4 mAb及びVEGFR-1(IMC-18F1);抗BR3 mAb;抗C.ディフィシル(C.difficile)毒素A並びに毒素B C mAb MDX-066(CDA-1)及びMDX-1388);抗CD22 dsFv-PE38コンジュゲート(CAT-3888及びCAT-8015);抗CD25 mAb(HuMax-TAC);抗CD3 mAb(NI-0401);アデカツムマブ;抗CD30 mAb(MDX-060);MDX-1333(抗IFNAR);抗CD38 mAb(HuMax CD38);抗CD40L mAb;抗Cripto mAb;抗CTGF特発性肺線維症第1期フィブロゲン(FG-3019);抗CTLA4 mAb;抗エオタキシン1 mAb(CAT-213);抗FGF8 mAb;抗ガングリオシドGD2 mAb;抗ガングリオシドGM2 mAb;抗GDF-8ヒトmAb(MYO-029);抗GM-CSF受容体mAb(CAM-3001);抗HepC mAb(HuMax HepC);抗IFNα mAb(MEDI-545、MDX-198);抗IGF1R mAb;抗IGF-1R mAb(HuMax-Inflam);抗IL12 mAb(ABT-874);抗IL12/IL23 mAb(CNTO 1275);抗IL13 mAb(CAT-354);抗IL2Ra mAb(HuMax-TAC);抗IL5受容体mAb;抗インテグリン受容体mAb(MDX-018、CNTO 95);抗IP10潰瘍性大腸炎mAb(MDX-1100);BMS-66513;抗マンノース受容体/hCGβ mAb(MDX-1307);抗メソテリンdsFv-PE38コンジュゲート(CAT-5001);抗PD1mAb(MDX-1106(ONO-4538));抗PDGFRα抗体(IMC-3G3);抗TGFβ mAb(GC-1008);抗TRAIL受容体-2ヒトmAb(HGS-ETR2);抗TWEAK mAb;抗VEGFR/F
lt-1 mAb;及び、抗ZP3 mAb(HuMax-ZP3)。
【0078】
いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ロモソズマブ、ブロソズマブ、BPS 804(Novartis)、Evenity(商標)(ロモソズマブ-aqqg)、閉経後の骨粗鬆症及び/又は骨折治癒の治療のためのロモソズマブを含有する別の製品などであるがそれらに限定されないスクレロスチン抗体、並びに他の実施形態では、ヒトプロタンパク転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)に結合するモノクローナル抗体(IgG)、を収容してもよい、又はこれらとともに使用されてもよい。このようなPCSK9特異抗体としては、Repatha(登録商標)(エボロクマブ)及びPraluent(登録商標)(アリロクマブ)が挙げられるが、それらに限定されない。他の実施形態では、薬物送達デバイスは、リロツムマブ、ビキサロマー、トレバナニブ、ガニツマブ、コナツムマブ、モテサニブニリン酸塩、ブロダルマブ、ヴィデュピプラント、又はパニツムマブを収容してもよい、又はこれらとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスのリザーバには、OncoVEXGALV/CD;OrienX010;G207、1716;NV1020;NV12023;NV1034;及びNV1042を含むがそれらに限定されない、黒色腫又は他の癌の治療用のIMLYGIC(登録商標)(タリモジーンラハーパレプベック)又は別の腫瘍溶解性HSVが充填されてもよい、又はこれらとともにデバイスを使用することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、TIMP-3などであるがそれらに限定されないメタロプロテイナーゼの内在性組織阻害剤(TIMP)を収容してもよい、又はそれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Aimovig(登録商標)(エレヌマブ-aooe)、抗ヒトCGRP-R(カルシトニン遺伝子関連ペプチド1型受容体)又は片頭痛の治療のためのエレヌマブを含有する別の製品を収容してもよい、又はこれとともに使用されてもよい。エレヌマブ、並びにCGRP受容体及び他の頭痛標的を標的とする二重特異性抗体分子などであるがそれらに限定されないヒトカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体の拮抗的抗体もまた、本開示の薬物送達デバイスを用いて送達されてもよい。加えて、BLINCYTO(登録商標)(ブリナツモマブ)などであるがそれらに限定されない二重特異性T細胞エンゲージャ(BiTE(登録商標))抗体を、本開示の薬物送達デバイスにおいて又はこれとともに使用することができる。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、アペリン又はその類似体などであるがそれらに限定されないAPJ大分子アゴニストを収容してもよい又はこれとともに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、治療的有効量の抗胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)又はTSLP受容体抗体が本開示の薬物送達デバイスにおいて又はこれとともに使用される。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Avsola(商標)(インフリキシマブ-axxq)、抗TNF αモノクローナル抗体、Remicade(登録商標)(インフリキシマブ)のバイオシミラー(Janssen Biotech,Inc.)若しくは自己免疫疾患の治療のためのインフリキシマブを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Kyprolis(登録商標)(カルフィルゾミブ)、(2S)-N-((S)-1-((S)-4-メチル-1-((R)-2-メチルオキシラン-2-イル)-1-オキソペンタン-2-イルカルバモイル)-2-フェニルエチル)-2-((S)-2-(2-モルホリノアセトアミド)-4-フェニルブタンアミド)-4-メチルペンタンアミド、若しくは多発性骨髄腫の治療のためのカルフィルゾミブを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Otezla(登録商標)(アプレミラスト)、N-[2-[(1S)-1-(3-エトキシ-4-メトキシフェニル)-2-(メチルスルホニル)エチル]-2,3-ジヒドロ-1,3-ジオキソ-1H-イソインドール-4-イル]アセトアミド、若しくは様々な炎症性疾患の治療のためのアプレミラストを含有する別の製品を含有し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Parsabiv(商標)(エテルカルセチドHCl、KAI-4169)若しくは血液透析中の慢性腎疾患(KD)を有する患者などにおける二次性副甲状腺機能亢進症(sHPT)の治療のためのエテルカルセチドHClを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 798(リツキシマブ)、Rituxan(登録商標)/MabThera(商標)のバイオシミラー候補、若しくは抗CD20モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、非抗体VEGF拮抗薬などのVEGF拮抗薬、及び/又はアフリベルセプトなどのVEGFトラップ(IgG1のFcドメインに縮合した、VEGFR1からのIgドメイン2及びVEGFR2からのIgドメイン3)を収容し得る、又はこれともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 959(エクリズマブ)、Soliris(登録商標)のバイオシミラー候補、若しくは補体タンパク質C5に特異的に結合するモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ICOSL及びBAFF活性を同時に遮断する新規の二重特異性抗体-ペプチドコンジュゲートであるロジバフスプアルファ(以前はAMG 570)を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、心臓の収縮機構を直接的に標的化するオメカムチブメカルビル、小分子選択的心筋ミオシン活性化因子、若しくはミオトロープ、又は小分子選択的心筋ミオシン活性化因子を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ソトラシブ(以前はAMG 510として知られる)、KRASG12C小分子阻害剤、又はKRASG12C小分子阻害剤を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)の作用を阻害するテゼペルマブ、ヒトモノクローナル抗体、又はTSLPの作用を阻害するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、インターロイキン-15(IL-15)に結合するAMG 714、ヒトモノクローナル抗体又はインターロイキン-15(IL-15)に結合するヒトモノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Lp(a)としても知られるリポタンパク質(a)を減らすAMG 890、低分子干渉RNA(siRNA)、又はリポタンパク質(a)を減らす低分子干渉RNA(siRNA)を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、ABP 654(ヒトIgG1カッパ抗体)、Stelara(登録商標)のバイオシミラー候補、又はヒトIgG1カッパ抗体を含有し及び/又はヒトサイトカインインターロイキン(IL)-12及びIL-23のp40サブユニットに結合する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、Amjevita(商標)若しくはAmgevita(商標)(以前はABP 501)(mab抗TNFヒトIgG1)、Humira(登録商標)のバイオシミラー候補、又はヒトmab抗TNFヒトIgG1を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 160、又は半減期延長(HLE)抗前立腺特異的膜抗原(PSMA)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャ)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 119、又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 119、又はデルタ様リガンド3(DLL3)CAR T(キメラ抗原受容体T細胞)細胞療法を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 133、又は胃抑制ポリペプチド受容体(GIPR)アンタゴニスト及びGLP-1Rアゴニストを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 171、又は増殖分化因子15(GDF15)類似体を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 176、又は骨髄細胞白血病1(MCL-1)の小分子阻害剤を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 199、又は半減期延長(HLE)二重特異性T細胞エンゲージャコンストラクト(BiTE(登録商標))を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 256、又はプログラム細胞死-1(PD-1)陽性細胞においてインターロイキン21(IL-21)経路を選択的に活性化するように設計された抗PD-1×IL21ムテイン及び/若しくはIL-21受容体アゴニストを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 330、又は抗CD33×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャ)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 404、又は固形腫瘍を有する患者のための治療として調査されているヒト抗プログラム細胞死-1(PD-1)モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 427、又は半減期延長(HLE)抗fms様チロシンキナーゼ3(FLT3)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャ)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 430又は抗Jagged-1モノクローナル抗体を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 506、又は固形腫瘍のための治療として研究されている多重特異性FAP×4-1BB標的化DARPin(登録商標)生物製剤を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 509、又は二価T細胞エンゲージャを含有し及びXmAb(登録商標)2+1技術を使用して設計される別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 562、又は半減期延長(HLE)CD19×CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャ)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、エファバリューキンアルファ(以前は
AMG 592)又はIL-2ムテインFc融合タンパク質を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 596、又はCD3×上皮増殖因子受容体vIII(EGFRvIII)BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャ)分子を含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 673、又は半減期延長(HLE)抗CD33×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャ)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 701、又は半減期延長(HLE)抗B細胞成熟抗原(BCMA)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャ)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 757、又は半減期延長(HLE)抗デルタ様リガンド3(DLL3)×抗CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャ)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、AMG 910、又は半減期延長(HLE)上皮細胞タイトジャンクション構成タンパク質クローディン18.2×CD3 BiTE(登録商標)(二重特異性T細胞エンゲージャ)コンストラクトを含有する別の製品を収容し得る、又はこれとともに使用され得る。
【0079】
薬物送達デバイス、アセンブリ、構成要素、サブシステム、及び方法を、例示的な実施形態の観点から説明してきたが、これらに限定されるものではない。発明を実施するための形態は、単に例として解釈されるべきであり、本開示の考え得る全ての実施形態を説明しているわけではない。現在の技術又は本特許の申請日以降に開発された技術のいずれかを使用して、多くの代替的な実施形態を実施することができるが、このような実施形態はなお、本明細書に開示される本発明を定義する請求項の範囲内に含まれる。
【0080】
当業者であれば、本明細書に開示される発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく上記の実施形態に対して多種多様な修正、変更、及び組合せを施すことができ、そうした修正、変更、及び組合せは本発明の概念の範囲内にあると解釈されることを理解するであろう。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】
【国際調査報告】