(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】酸化剤として分子状酸素と燃焼ヒュームから得られた除湿されたガスとの混合物を使用する燃焼システム
(51)【国際特許分類】
F23J 15/06 20060101AFI20240405BHJP
B01D 53/50 20060101ALI20240405BHJP
B01D 53/56 20060101ALI20240405BHJP
B01D 53/40 20060101ALI20240405BHJP
B01D 53/58 20060101ALI20240405BHJP
B01D 53/64 20060101ALI20240405BHJP
B01D 53/44 20060101ALI20240405BHJP
B01D 53/26 20060101ALI20240405BHJP
F23J 15/04 20060101ALI20240405BHJP
F23C 9/08 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
F23J15/06
B01D53/50 ZAB
B01D53/56
B01D53/40
B01D53/58
B01D53/64
B01D53/44 100
B01D53/26 100
F23J15/04
F23C9/08 500
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562252
(86)(22)【出願日】2022-04-04
(85)【翻訳文提出日】2023-10-06
(86)【国際出願番号】 EP2022058847
(87)【国際公開番号】W WO2022214421
(87)【国際公開日】2022-10-13
(32)【優先日】2021-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523381871
【氏名又は名称】カーボダウン
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】ゼムーリ, ジャウアド
【テーマコード(参考)】
3K070
3K091
4D002
4D052
【Fターム(参考)】
3K070DA01
3K070DA12
3K070DA36
3K070DA76
3K091AA07
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3K091CC02
3K091CC06
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3K091DD01
4D002AA02
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4D002DA12
4D002DA26
4D002DA52
4D002EA04
4D002GA02
4D002GA03
4D002GB02
4D002GB03
4D002GB09
4D002GB20
4D002HA01
4D002HA04
4D052AA02
4D052BA05
4D052GA01
4D052GA03
4D052GB02
4D052GB03
(57)【要約】
本発明は、酸化性ガス(GC)を製造するユニット(3)、燃焼装置(1)、燃焼ヒューム(F;F’)を少なくとも一種の冷却液(L)と接触させることによって燃焼ヒューム(F;F’)を凝縮させる凝縮ユニット(4)、リサイクル手段(5)、分子状酸素を与えるユニット(6)を含む燃焼システムである。酸化性ガス製造ユニット(3)が、分子状酸素と除湿されたガス(GD)のリサイクルされた部分(GDR)との混合から生じる酸化性ガス(GC)を燃焼装置(1)に供給できる。燃焼システムはさらに、凝縮ユニット(4)の冷却液(L)の温度(TL)を自動的に調整する機能を有する調整ユニット(7)及び/又は除湿されたガス(GD)のリサイクルされた部分(GDR)を加熱するための手段を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化性ガス(GC)を製造するためのユニット(3)、前記酸化性ガス(GC)によって燃料(C)の燃焼を可能にする燃焼装置(1)、燃焼ヒューム(F;F’)を少なくとも一種の冷却液(L)と接触させて除湿されたガス(GD)を製造することによって、燃焼装置(1)によって製造された燃焼ヒューム(F;F’)を凝縮させるために適した凝縮ユニット(4)、凝縮ユニット(4)の出口で除湿されたガスの少なくとも一つのリサイクルされた部分(GDR)を酸化性ガス製造ユニット(3)に供給するためのリサイクル手段(5)、及び分子状酸素を与え、分子状酸素を酸化性ガス製造ユニット(3)に供給するためのユニット(6)を含む燃焼システムであって、酸化性ガス製造ユニット(3)が、分子状酸素と前記除湿されたガス(GD)のリサイクルされた部分(GDR)との混合から生じる酸化性ガス(GC)を燃焼装置(1)に供給し、燃焼システムがさらに、凝縮ユニット(4)の冷却液(L)の温度(T
L)を自動的に調整する機能を有する調整ユニット(7)を含み、燃焼システムがさらに、以下の技術的特徴(a)及び/又は(b)を有する、燃焼システム:
(a)燃焼システムが、除湿されたガスのリサイクルされた部分(GDR)における絶対湿度又は相対湿度を測定するための少なくとも一つのセンサー(C1)、及び/又は酸化性ガス(GC)における絶対湿度又は相対湿度を測定するための少なくとも一つのセンサー(C2)、及び/又は燃焼ヒュームにおける絶対湿度又は相対湿度を測定するための少なくとも一つのセンサー(C3)を含み、調整ユニット(7)が、少なくとも除湿されたガスのリサイクルされた部分(GDR)における前記センサー(C1)によって測定された絶対湿度又は相対湿度に基づいて、及び/又は少なくとも前記センサー(C2)によって酸化性ガス(GC)において測定された絶対湿度又は相対湿度に基づいて、及び/又は少なくとも前記センサー(C3)によって燃焼ヒュームにおいて測定された絶対湿度又は相対湿度に基づいて、凝縮ユニット(4)の冷却液(L)の温度(T
L)を自動的に調整する機能を有し、及び/又は
(b)燃焼装置(1)が、最大の絶対湿度又は相対湿度及び最小の絶対湿度又は相対湿度を規定する操作範囲によって特徴づけられ、調整ユニット(7)が、燃焼装置(1)の前記操作範囲内に酸化性ガス(GC)の絶対湿度又は相対湿度を維持するように凝縮ユニット(4)の冷却液(L)の温度(T
L)を自動的に調整する機能を有する。
【請求項2】
燃焼システムが、前記除湿されたガス(GD)のリサイクルされた部分(GDR)を加熱するための手段(8)を含む、請求項1に記載の燃焼システム。
【請求項3】
調整ユニット(7)が、除湿されたガス(GD)のリサイクルされた部分(GDR)の絶対湿度又は相対湿度(TH)を予め規定された操作範囲(TH
min;TH
max)内に維持するように凝縮ユニット(4)の冷却液(L)の温度(T
L)を自動的に調整する機能を有する、請求項1又は2に記載の燃焼システム。
【請求項4】
調整ユニット(7)が、酸化性ガス(GC)の絶対湿度又は相対湿度(TH)を予め規定された操作範囲(TH
min;TH
max)内に維持するように凝縮ユニット(4)の冷却液(L)の温度(T
L)を自動的に調整する機能を有する、請求項1~3のいずれかに記載の燃焼システム。
【請求項5】
調整ユニット(7)が、燃焼ヒュームの絶対湿度又は相対湿度(TH)を予め規定された操作範囲(TH
min;TH
max)内に維持するように凝縮ユニット(4)の冷却液(L)の温度(T
L)を自動的に調整する機能を有する、請求項1~4のいずれかに記載の燃焼システム。
【請求項6】
調整ユニット(7)が、凝縮ユニット(4)の冷却液(L)の温度(T
L)を予め規定された温度に、又は予め規定された温度範囲内に維持するように凝縮ユニット(4)の冷却液(L)の温度(T
L)を自動的に調整する機能を有する、請求項1~5のいずれかに記載の燃焼システム。
【請求項7】
加熱手段(8/8B)が、燃焼ヒュームから取り出されるカロリーによって前記除湿されたガス(GD)のリサイクルされた部分(GDR)を加熱するために適している、請求項1~6のいずれかに記載の燃焼システム。
【請求項8】
燃焼システムが、燃焼装置(1)の入口の酸化性ガス(GC)の温度が予め規定された温度範囲内であるように、及び/又は燃焼装置(1)の入口の酸化性ガス(GC)の温度が酸化性ガス(GC)の露点より上であるように、前記除湿されたガス(GD)のリサイクルされた部分(GDR)を加熱するために適する加熱手段(8)を含む、請求項1~7のいずれかに記載の燃焼システム。
【請求項9】
凝縮ユニット(4)が、冷却液(L)の浴(401)を含む少なくとも一つの凝縮装置(40)、及び冷却液(L)の浴(401)を通って燃焼ヒューム(F;F’)を動かすことを可能にする注入手段(403)を含み、好ましくは注入手段(403)が、この冷却液(L)の浴(401)の表面(S)の下に燃焼ヒューム(F;F’)を注入することを可能にする、請求項1~8のいずれかに記載の燃焼システム。
【請求項10】
燃焼システムが、冷却液(L)中に潜在的に捕獲された汚染物質を処理するために冷却液(L)中に一種以上の処理添加剤を導入するために適する供給装置(9)を含む、請求項1~9のいずれかに記載の燃焼システム。
【請求項11】
燃焼システムが、冷却液(L)のpHを測定するか、又は冷却液(L)中の少なくとも一種の汚染物質の濃度を測定する少なくとも一つのセンサー(C5)、及び測定されたpH又は測定された濃度に依存して、冷却液(L)中に一種以上の処理添加剤を自動的に導入するために適した供給装置(9)を含む、請求項1~10のいずれかに記載の燃焼システム。
【請求項12】
前記少なくとも一つの処理添加剤が、塩基、特にNaOH,KOH,Ca(OH)
2であるか、又は酸、特に硫酸であるか、又は過酸化水素であるか、又は凝集剤である、請求項10又は11に記載の燃焼システム。
【請求項13】
燃焼システムが、汚染除去ユニット(9A)を含み、汚染除去ユニット(9A)が、凝縮ユニット(4)と、除湿されたガスのリサイクルされた部分(GDR)のリサイクル場所の間に位置され、汚染除去ユニット(9A)が、酸化性ガス製造ユニット(3)の入口まで、汚染物質の少なくとも幾らかを除去した除湿されたガスのリサイクルされた部分(GDR)をリサイクルするように、凝縮ユニット(4)の出口で得られた除湿されたガス(GD)に含まれる汚染物質の少なくとも幾らかを除去する機能を有する、請求項1~12のいずれかに記載の燃焼システム。
【請求項14】
燃焼システムが、汚染除去ユニット(9B)を含み、汚染除去ユニット(9B)が、燃焼装置(1)と凝縮ユニット(4)の間に位置され、汚染除去ユニット(9B)が、燃焼ヒューム(F’)を凝縮ユニット(4)の入口内に導入させて燃焼ヒューム(F’)の汚染物質の少なくとも幾らかを除去するように、燃焼ヒューム(F’)が凝縮ユニット(4)を通過する前に燃焼ヒューム(F)に含まれる汚染物質の少なくとも幾らかを除去する機能を有する、請求項1~13のいずれかに記載の燃焼システム。
【請求項15】
汚染除去ユニット(9A;9B)が、微粒子、SOx、NOx、酸、重金属、アンモニア、VOCsから選択される一種以上の汚染物質を捕獲するために適する、請求項13又は14に記載の燃焼システム。
【請求項16】
汚染除去ユニット(9A;9B)が、汚染物質を除去することになる除湿されたガス(GD)又は汚染物質を除去することになる燃焼ヒューム(F)を洗浄液(902)と接触させるために適する少なくとも一つの洗浄装置(90)を含む、請求項13~15のいずれかに記載の燃焼システム。
【請求項17】
洗浄装置が、洗浄液(902)の浴(901)、及び汚染物質を除去することになる除湿されたガス(GD)又は汚染物質を除去することになる燃焼ヒューム(F)を洗浄液(902)の浴(901)を通って移動させることを可能にする注入手段を含み、好ましくは注入手段が、汚染物質を除去することになる除湿されたガス(GD)又は汚染物質を除去することになる燃焼ヒューム(F)を洗浄液の浴の表面の下に注入させることを可能にする、請求項16に記載の燃焼システム。
【請求項18】
燃焼システムが、除湿されたガス(GD)のリサイクルされていない部分(GDNR)から二酸化炭素(CO
2)を捕獲するためのユニット(10)を含む、請求項1~17のいずれかに記載の燃焼システム。
【請求項19】
請求項1~18のいずれかに記載の燃焼システムによって燃料(C)を燃焼するための方法であって、燃焼ユニット(1)が、燃料(C)、及び分子状酸素(O
2)と、燃焼ヒューム(F;F’)から得られた除湿されたガスのリサイクルされた部分(GDR)との混合から生じる酸化性ガス(GC)とを供給される、方法。
【請求項20】
冷却液(L)の温度が、自動的に調整される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
除湿されたガスのリサイクルされた部分(GDR)が、それが酸化性ガス(GC)を製造するためのユニット(3)中に導入される前に加熱される、請求項19又は20に記載の方法。
【請求項22】
カロリーが、燃焼ヒュームからとられ、カロリーが、除湿されたガス(GD)のリサイクルされた部分(GDR)を、それが酸化性ガス(GC)を製造するためのユニット(3)中に導入される前に加熱するために使用される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記除湿されたガス(GD)のリサイクルされた部分(GDR)が、燃焼装置(1)の入口における酸化性ガス(GC)の温度が予め規定された温度範囲内であるように、及び/又は燃焼装置(1)の入口における酸化性ガス(GC)の温度が酸化性ガス(GC)の露点より上であるように加熱される、請求項21又は22に記載の方法。
【請求項24】
燃料(C)が、燃焼装置(1)の出口において、二酸化炭素(CO
2)、水蒸気、及び任意選択的に分子状酸素を含む、好ましくはそれらからなる燃焼ヒューム(F)を製造するように選択される、請求項19~22のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
燃料(C)が、炭化水素、好ましくはアルカンタイプの飽和炭化水素(C
nH
2n+2)である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
燃焼装置(1)の出口で製造された燃焼ヒューム(F)が、二酸化炭素(CO
2)、水蒸気、任意選択的に分子状酸素、及び一種以上の汚染物質、より好ましくは微粒子、SOx、NOx、酸、重金属、アンモニア、VOCsから選択される一種以上の汚染物質を含む、請求項19~24のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
燃焼ヒュームが、凝縮ユニット(4)を通過するときにそれらの汚染物質の全て又は幾らかを除去されている、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
燃焼ヒュームが、凝縮ユニット(4)を通過する前にそれらの汚染物質の全て又は幾らかを除去されている、請求項26又は27に記載の方法。
【請求項29】
除湿されたガス(GD)が、除湿されたガス(GD)のリサイクルされた部分(GDR)が酸化性ガス製造ユニット(3)の入口でリサイクルされる前にその汚染物質の全て又は幾らかを除去されている、請求項26~28のいずれかに記載の方法。
【請求項30】
二酸化炭素(CO
2)が、除湿されたガス(GD)のリサイクルされていない部分(GDNR)から捕獲される、請求項19~29のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分子状酸素(O2)と燃焼ヒュームから得られた除湿されたガスとの混合物からの酸化剤による燃料の燃焼の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の燃焼は、酸化を作るために高温条件下で燃料と燃焼装置(炉、ボイラーなど)において空気(酸化剤)を混合することにある。反応は、発熱し、自然に持続される。空気は、18%の分子状酸素(O2)を含み、使用される空気の容積は、分子状酸素の量が燃焼のために十分であるように制御される。
【0003】
従来の燃焼では、燃焼ヒュームは、主に分子状窒素(N2)、水蒸気(H2O)、及び二酸化炭素(CO2)から構成される。もしこれらのヒュームからCO2を捕獲することが望ましいなら、これらの燃焼ヒュームを凝縮し、水を液体形態で収集することによって水蒸気を除去することが容易である。他方、主な困難性は、窒素と二酸化炭素を分離することにある。さらに、従来の燃焼では、使用される燃料のタイプに依存して、燃焼ヒュームはまた、他の汚染ガス、例えばSOx(硫黄酸化物)、NOx(窒素酸化物)、HCl(塩化水素)、HF(フッ化水素)などを多かれ少なかれ含む。結果として、もしこれらのヒュームからCO2を捕獲することが望ましいなら、これらの他の汚染物質からCO2を分離することも必要である。
【0004】
従来の燃焼からのヒュームからCO2を捕獲するためには幾つかの解決策が考えられているが、それらのコストは、極めて高いままである。
【0005】
燃焼ヒューム中の汚染物質の放出を減少するためには、上述の従来の燃焼を「酸素燃焼(oxycombustion)」として言及される燃焼に置き換えることが知られている。酸素燃焼では、空気(酸化剤)は、化学量論割合で純粋な分子状酸素と置き換えられ、酸素原子の数は、燃料の原子の全てを酸化するために必要であるものに等しい。
【0006】
酸素燃焼を実施するための分子状酸素の製造は、例えば水の電気分解によって又は低温工学によって公知の方法で得られることができる。
【0007】
例えばメタン(CH4)の酸化燃焼の場合には、1/3容積のCO2及び2/3容積の水からなる燃焼ヒュームが製造される。他の燃料の場合には、HCl,SOxなどの燃焼から生じる汚染物質もまた、存在するだろう。もし燃料が窒素を含有しないなら、有利にはヒュームは、NOxを当然含有しないだろう。
【0008】
メタン(CH4)の酸素燃焼の化学反応の式は、以下の通りである:
CH4+2O2→CO2+2H2O CH4のモルあたり891kJ
【0009】
これは、CH4の1モルごとに891kJのエネルギーを外部に生成することを意味する。
【0010】
他の燃料について、反応は、燃料が炭素及び水素以外の原子を含むなら他の化合物の外観と類似する。
【0011】
例えばメタンの酸素燃焼の場合には、CO2を捕獲することが顕著に容易である。この目的のため、ガス状態でCO2を得るために冷却又は乾燥プロセスによってヒュームの水を凝縮することで十分である。
【0012】
それゆえ、CO2の捕獲を容易にするために酸素燃焼ヒュームを凝縮するための凝縮器を使用することが現在知られている。
【0013】
しかしながら、酸素燃焼における有意な困難性は、燃焼を制御する困難性にある。なぜなら従来の燃焼と違って、酸素燃焼温度は、燃焼室内で迅速かつ制御不可能に極めて高くなり、従来の燃焼装置が耐えることができない程度まで高くなりうるからである。
【0014】
この困難性を克服するために、酸素燃焼は、CO2を含む燃焼ヒュームの少なくとも一部分を純粋な分子状酸素と混合して酸化性ガス(O2-CO2)を得ることによって燃焼ヒュームの少なくとも一部分をリサイクルすることによって既に改良されている。それは、燃焼温度を有利に低下することができる。
【0015】
この改良は、従来の燃焼と比較して汚染物質の放出を減少し、CO2の捕獲を容易にしながら、酸化剤として純粋な分子状酸素のみを使用する酸素燃焼と比較して、より容易に制御された分子状酸素ベースの燃焼を可能にする。
【0016】
燃焼ヒュームの一部をリサイクルする解決策では、燃焼ヒュームが必ず水蒸気(H2O)を含む場合、必然的に湿った酸化性ガスを燃焼装置中に導入することになり、その水含有量は、高すぎるか及び/又は制御されず、それは、燃焼装置の信頼性及び適切な機能にとって有害であり、さらに燃焼装置の危険な腐食を経時的に起こしうる。
【0017】
さらに、使用される燃料が例えばSOx(硫黄酸化物)、NOx(窒素酸化物)、HCl(塩化水素)、HF(フッ化水素)などの汚染物質を含む燃焼ヒュームを生成するとき、燃焼ヒュームの一部分をリサイクルすることは、燃焼ヒューム中の汚染物質の経時的な濃度の有害な増加をもたらし、それゆえ選択肢にない。従って、燃焼ヒュームの一部分をリサイクルする上述の解決策は、実際には、分子状酸素でのアルカンタイプ(メタン、プロパンなど)の飽和炭化水素の燃焼によって得られた燃焼ヒュームのような、二酸化炭素と水だけからなり、汚染物質がない燃焼ヒュームでのみ考慮されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の主目的は、分子状酸素(O2)と燃焼ヒュームの少なくとも一部分から得られたガスとを混合することによって得られた酸化剤によって燃料の燃焼を可能にし、かつ燃焼装置に使用される酸化性ガスの品質の良好な制御を可能にする、燃焼装置を含む燃焼システムを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の主題は、酸化性ガスを製造するためのユニット、前記酸化性ガスによって燃料の燃焼を可能にする燃焼装置、燃焼ヒュームを少なくとも一種の冷却液に接触させて除湿されたガス(即ち、凝縮ユニットの入口の燃焼ヒュームより低い絶対湿度を有するガス)を製造することによって、燃焼装置によって製造された燃焼ヒュームを凝縮するために適した凝縮ユニット、凝縮ユニットの出口で除湿されたガスの少なくとも一つのリサイクルされた部分を酸化性ガス製造ユニットに供給することを可能にするリサイクル手段、及び分子状酸素を酸化性ガス製造ユニットに供給することを可能にする、分子状酸素を与えるためのユニットを含む燃焼システムである。酸化性ガス製造ユニットは、分子状酸素と前記除湿されたガスのリサイクルされた部分との混合から生じる酸化性ガスを燃焼装置に供給することを可能にする。燃焼システムはまた、調整ユニットを含み、それは、凝縮ユニットの冷却液の温度を自動的に調整する機能を有する。
【0020】
燃焼システムはまた、以下の技術的特徴(a)及び/又は(b)を有する:
(a)燃焼システムはまた、除湿されたガスのリサイクルされた部分(GDR)における絶対湿度又は相対湿度を測定することを可能にする少なくとも一つのセンサー、及び/又は酸化性ガス(GC)における絶対湿度又は相対湿度を測定することを可能にする少なくとも一つのセンサー、及び/又は燃焼ヒュームにおける絶対湿度又は相対湿度を測定することを可能にする少なくとも一つのセンサーを含み、調整ユニットは、少なくとも除湿されたガスのリサイクルされた部分(GDR)における前記センサーによって測定された絶対湿度又は相対湿度に基づいて、及び/又は少なくとも前記センサーによって酸化性ガス(GC)において測定された絶対湿度又は相対湿度に基づいて、及び/又は少なくとも前記センサーによって燃焼ヒュームにおいて測定された絶対湿度又は相対湿度に基づいて、凝縮ユニットの冷却液の温度を自動的に調整する機能を有し、及び/又は
(b)燃焼装置は、最大の絶対湿度又は相対湿度及び最小の絶対湿度又は相対湿度を規定する操作範囲によって特徴づけられ、調整ユニットは、燃焼装置の前記操作範囲内に酸化性ガス(GC)の絶対湿度又は相対湿度を維持するように凝縮ユニットの冷却液の温度を自動的に調整する機能を有する。
【0021】
凝縮ユニットの冷却液の温度の自動調整は、除湿されたガスのリサイクルされた部分における絶対湿度をそれが酸化性ガス製造ユニット中に導入される前に制御することを可能にする。前記除湿されたガスのリサイクルされた部分の加熱は、除湿されたガスのリサイクルされた部分の温度をそれが酸化性ガス製造ユニット中に導入される前に高め、有利には前記除湿されたガスのリサイクルされた部分の温度をその露点から離れるように動かすことを可能にする。
【0022】
特に、本発明の燃焼システムは、以下の追加の任意選択的な特徴を単独で又は互いに組み合わせて含むことができる:
- 調整ユニットは、除湿されたガスのリサイクルされた部分の絶対湿度又は相対湿度を予め規定された操作範囲内に維持するように凝縮ユニットの冷却液の温度を自動的に調整する機能を有する。
- 調整ユニットは、酸化性ガスの絶対湿度又は相対湿度を予め規定された操作範囲内に維持するように凝縮ユニットの冷却液の温度を自動的に調整する機能を有する。
- 調整ユニットは、燃焼ヒュームの絶対湿度又は相対湿度を予め規定された操作範囲内に維持するように凝縮ユニットの冷却液の温度を自動的に調整する機能を有する。
- 調整ユニットは、凝縮ユニットの冷却液の温度を予め規定された温度に、又は予め規定された温度範囲内に維持するように凝縮ユニットの冷却液の温度を自動的に調整する機能を有する。
- 燃焼システムは、好ましくは燃焼ヒュームからとられるカロリーによって、前記除湿されたガスのリサイクルされた部分を加熱するために適した加熱手段を含む。
- 加熱手段は、燃焼装置の入口における酸化性ガスの温度が予め規定された温度範囲内にあるように、及び/又は燃焼装置の入口における酸化性ガスの温度が酸化性ガスの露点より上であるように、前記除湿されたガスのリサイクルされた部分(GDR)を加熱するために適する。
- 凝縮ユニットは、冷却液の浴、及び冷却液の浴を通って燃焼ヒュームを動かすことを可能にする注入手段を含む少なくとも一つの凝縮装置を含み、好ましくは、注入手段は、冷却液の浴の表面(S)の下に燃焼ヒュームを注入することを可能にする。
- 燃焼システムは、冷却液に潜在的に捕獲された汚染物質を処理するために、冷却液中に一種以上の処理添加剤を導入するために適する供給装置を含む。
- 燃焼システムは、冷却液のpHを測定するか、又は冷却液中の少なくとも一種の汚染物質の濃度を測定する少なくとも一つのセンサー、及び測定されたpH又は測定された濃度に依存して、冷却液中に一種以上の処理添加剤を自動的に導入するために適する供給装置を含む。
- 前記少なくとも一種の処理添加剤は、塩基、特にNaOH,KOH,Ca(OH)2であるか、又は酸、特に硫酸であるか、又は過酸化水素であるか、又は凝集剤である。
- 燃焼システムは、汚染除去ユニットを含み、汚染除去ユニットは、凝縮ユニットと、除湿されたガスのリサイクルされた部分のリサイクル場所の間に位置され、汚染除去ユニットは、酸化性ガス製造ユニットの入口まで、汚染物質の少なくとも幾らかを除去した除湿されたガスのリサイクルされた部分をリサイクルするように、凝縮ユニットの出口で得られた除湿されたガスに含まれる汚染物質の少なくとも幾らかを除去する機能を有する。
- 燃焼システムは、汚染除去ユニットを含み、汚染除去ユニットは、燃焼装置と凝縮ユニットの間に位置され、汚染除去ユニットは、燃焼ヒュームを凝縮ユニットの入口内に導入させて燃焼ヒュームの汚染物質の少なくとも幾らかを除去するように、燃焼ヒュームが凝縮ユニットを通過する前に燃焼ヒュームに含まれる汚染物質の少なくとも幾らかを除去する機能を有する。
- 汚染除去ユニットは、微粒子、SOx、NOx、酸、重金属、アンモニア、VOCsから選択される一種以上の汚染物質を捕獲するために適する
- 汚染除去ユニットは、汚染物質を除去することになる除湿されたガス又は汚染物質を除去することになる燃焼ヒュームを洗浄液と接触させるために適する少なくとも一つの洗浄装置を含む。
- 洗浄装置は、洗浄液の浴、及び汚染物質を除去することになる除湿されたガス又は汚染物質を除去することになる燃焼ヒュームを洗浄液の浴を通って移動させることを可能にする注入手段を含み、好ましくは注入手段は、汚染物質を除去することになる除湿されたガス又は汚染物質を除去することになる燃焼ヒュームを洗浄液の浴の表面の下に注入させることを可能にする。
- 燃焼システムは、除湿されたガスのリサイクルされていない部分から二酸化炭素(CO2)を捕獲するためのユニットを含む。
【0023】
本発明はまた、上述の燃焼システムによって燃料を燃焼するための方法に関し、燃焼ユニットは、燃料、及び分子状酸素(O2)と、燃焼ヒュームから得られた除湿されたガスのリサイクルされた部分との混合から生じる酸化性ガスを供給される。
【0024】
特に、本発明の燃焼システムは、以下の追加の任意選択的な特徴を単独で又は互いに組み合わせて含むことができる:
- 冷却液の温度は、自動的に調整される。
- 除湿されたガスのリサイクルされた部分は、それが酸化性ガス製造ユニット中に導入される前に加熱される。
- カロリーが、燃焼ヒュームからとられ、カロリーが、除湿されたガスのリサイクルされた部分を、それが酸化性ガス製造ユニット中に導入される前に加熱するために使用される。
- 前記除湿されたガスのリサイクルされた部分は、燃焼装置の入口における酸化性ガスの温度が予め規定された温度範囲内であるように、及び/又は燃焼装置の入口における酸化性ガスの温度が酸化性ガスの露点より上であるように加熱される。
- 燃料は、燃焼装置の出口において、二酸化炭素(CO2)、水蒸気、及び任意選択的に分子状酸素を含む、好ましくはそれらからなる燃焼ヒュームを製造するように選択される。
- 燃料は、炭化水素、好ましくはアルカンタイプの飽和炭化水素(CnH2n+2)である。
- 燃焼装置の出口で製造された燃焼ヒュームは、二酸化炭素(CO2)、水蒸気、任意選択的に分子状酸素、及び一種以上の汚染物質、より好ましくは微粒子、SOx、NOx、酸、重金属、アンモニア、VOCsから選択される一種以上の汚染物質を含む。
- 燃焼ヒュームは、凝縮ユニットを通過するときにそれらの汚染物質の全て又は幾らかを除去されている。
- 燃焼ヒュームは、凝縮ユニットを通過する前にそれらの汚染物質の全て又は幾らかを除去されている。
- 除湿されたガスは、除湿されたガスのリサイクルされた部分が酸化性ガス製造ユニットの入口でリサイクルされる前にその汚染物質の全て又は幾らかを除去されている。
- 二酸化炭素(CO2)は、除湿されたガスのリサイクルされていない部分から捕獲される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の特徴及び利点は、本発明の幾つかの特定の代替実施形態の以下の詳細な記載を読んで、より明らかになるだろう。それらの特定の実施形態は、本発明の限定されない非網羅的でない例によって添付図面を参照して記載される。
【
図1】
図1は、本発明の燃焼装置の第一の特定の代替実施形態の概略図である。
【
図2】
図2は、
図1の燃焼システムの凝縮ユニットに使用されることができる交換器の特定の代替実施形態を概略的に示す。
【
図3】
図3は、凝縮前に燃焼ヒュームの一部分のリサイクルを実施する本発明の燃焼装置の第二の特定の代替実施形態を概略的に示す。
【
図4】
図4は、燃焼ヒュームが凝縮ユニットを通過するときに燃焼ヒュームからの汚染物質の除去を実施する、本発明の燃焼装置の第三の特定の代替実施形態の概略図である。
【
図5】
図5は、除湿されたガスが酸化性ガス製造ユニットの方にリサイクルされる前に凝縮ユニットの出口における除湿されたガスからの汚染物質を除去するためのユニットを使用する、本発明の燃焼装置の第四の特定の代替実施形態の概略図である。
【
図6】
図6は、燃焼ヒュームが凝縮ユニット中に導入される前に燃焼ヒュームからの汚染物質の除去を実施する、本発明の燃焼装置の第五の特定の代替実施形態の概略図である。
【
図7】
図7は、
図5又は
図6の燃焼システムの汚染除去ユニットに使用されることができる洗浄装置の特定の代替実施形態を概略的に示す。
【
図8】
図8は、熱交換器を使用して燃焼ヒューム中のカロリーの幾らかを除去し、これらのカロリーを使用して除湿されたガスのリサイクルされた部分を加熱する、本発明の燃焼装置の第六の特定の代替実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、以下のものを含む、本発明の燃焼システムの第一の代替実施形態を概略的に示す:
- 操作において供給手段2によって燃料Cを供給される燃焼装置1;
- 操作において燃焼装置1に酸化性ガスGCを供給することを可能にする、酸化性ガスGCを製造するためのユニット3;
- 燃焼装置1によって製造された燃焼ヒュームFを凝縮するために適する凝縮ユニット4;
- 凝縮ユニット4の出口で得られた除湿されたガスGDの少なくとも一つのリサイクルされた部分GDRを酸化性ガス製造ユニット3に供給することを可能にするリサイクル手段5;
- 分子状酸素を酸化性ガス製造ユニット3に供給する、分子状酸素を与えるためのユニット6;
- 調整ユニット7。
【0027】
酸化性ガス製造ユニット3は、操作において、凝縮ユニット4の出口で得られた前記除湿されたガスGDのリサイクルされた部分GDRと、ユニット6によって与えられた純粋な分子状酸素(O2)との混合から生じる酸化性ガスGCを製造することを可能にする。
【0028】
分子状酸素を与えるためのユニット6は、いかなる公知のタイプのものであってもよく、例えば低温工学によって分子状酸素を製造するためのユニット、及び/又は水の電気分解によって分子状酸素を製造するためのユニットであってもよい。分子状酸素を与えるためのユニット6は、その場で分子状酸素を製造するように設計されるのではなく、別の場所で前もって製造された分子状酸素を貯蔵するための手段を単に備えるだけでもよい。
【0029】
燃焼装置1は、一般的に、燃焼室における前記酸化性ガスGCによる燃料Cの酸素燃焼を可能にし、この燃焼から生じる熱エネルギーは、例えば加熱設備(図示せず)において流体を加熱するために限定されない態様で熱供給を必要とするいかなるタイプの用途においても本発明に従って熱交換可能に使用されることができる。この燃焼装置は、同様に本発明によればボイラー、炉などであってもよい。
【0030】
凝縮ユニット4の出口で得られた除湿されたガスGDのリサイクルされた部分GDRの製造ユニット3の入口でのリサイクルは、それ自体公知の方法で、酸化剤として純粋な分子状酸素からのみ実施された酸素燃焼反応と比較して、燃焼装置1における酸化燃焼反応をより良く制御し、燃焼装置1における燃焼温度を有意に低下することを可能にする。
【0031】
本発明の文脈において、燃料Cは、用途によって大きく異なってもよく、場合に応じて固体、液体、又は気体形態であってもよい。
【0032】
酸化性ガスGCによる燃焼Cの燃焼反応は、燃焼ヒュームFを生成し、その組成は、使用される燃料に依存する。
【0033】
図1の特定の代替実施形態は、二酸化炭素(CO
2)及び水蒸気の形の水(H
2O)、及び任意選択的に分子状酸素からなり、かつ汚染物質、例えばSOx,NOx又は酸タイプの汚染物質を欠いている燃焼ヒュームを生成する燃料Cで操作するために特に適している。
【0034】
従って、限定されない網羅的でない態様では、
図1の燃焼システムに使用される燃料Cは、例えばいずれかのタイプの炭化水素、例えば油もしくは天然ガスから誘導される従来の炭化水素、又はシェールガスもしくは油、瀝青頁岩もしくは砂、石炭ガス、生物ガス、合成ガスなどから誘導される特殊な炭化水素であることができる。
【0035】
例えば、燃料Cがアルカンタイプの飽和炭化水素(C
nH
2n+2)であるとき、装置中の燃焼反応は、知られている:
【0036】
凝縮ユニット4は、凝縮ユニット4の入口の燃焼ヒュームFより低い絶対湿度を有する除湿されたガスGDを生成するように、これらの燃焼ヒュームFを冷却液Lと接触させることによって燃焼装置1によって製造された燃焼ヒュームFを凝縮するために適している。
【0037】
凝縮ユニット4は、一般的に、燃焼ヒュームを冷却液Lと直接接触させることを可能にする、いかなるタイプの交換器も含むことができ、冷却液Lの温度は、燃焼ヒュームFに含まれる水の少なくとも幾らかを凝縮するように、燃焼ヒュームの温度より低い。
【0038】
図2に示された好ましい代替実施形態では、この交換器40は、冷却液Lの浴401、及び冷却液Lの浴の表面Sの下に燃焼ヒュームFを導入するために適する注入手段403を含む囲い400を含む(
図2)。
【0039】
これらの注入手段403は、特にファン又はコンプレッサー403f、及び吸入開口403bを例えばその上方部403cに含むダクト403aを含むことができる。注入ダクト403aの下方部403dは、冷却液Lの浴401に浸漬され、冷却液Lの浴401に浸漬された放出開口403eを含む。
【0040】
操作において、ファン又はコンプレッサー403fは、燃焼装置1の出口で燃焼ヒュームFを吸引し、入口開口403bを介してそれらを注入ダクト403中に導入することを可能にする。これらの燃焼ヒュームFは、放出開口403eを介して注入ダクト403から逃避し、従って冷却液Lの浴401中に冷却液Lの浴401の表面Sの下に強制的に導入され、液体浴の表面Sに上昇し、上述の除湿されたガスGDの形の囲い400の放出開口400aを介して囲い400から逃避する。
【0041】
冷却液Lの温度TLは、常に交換器40の入口の燃焼ヒュームFの温度TFより低く、好ましくは燃焼ヒュームの露点より低い。
【0042】
ガスの絶対湿度(g水/kg乾燥空気)は、キログラムで表示される容積中の乾燥気体の質量に対する所定の容積のガス中に存在する水蒸気のグラム数を表わす。その値は、ガスの温度が変動しても一定のままであるが、ガスの露点より大きいままである。
【0043】
ガスの相対湿度(%で表示)は、水蒸気の分圧と水蒸気の飽和圧力の間の比であることも注意される。
【0044】
冷却液Lの浴401を通過している間、燃焼ヒュームFは、冷却液Lと接触するときに凝縮を受け、凝縮ユニット4の出口の除湿されたガスGDの絶対湿度が凝縮ユニット4の入口の燃焼ヒュームFの絶対湿度より小さくなる。
【0045】
除湿されたガスGDの絶対湿度と燃焼ヒュームFの絶対湿度の間の差は、特に燃焼ヒュームFの温度TFと冷却液Lの低い温度TLの間の差に依存する。燃焼ヒュームFの温度TFと冷却液Lの温度TLの間の温度差ΔT(ΔT=TF-TL)が大きいほど、除湿されたガスGDの絶対湿度は、燃焼ヒュームFの絶対湿度と比較して低くなる。
【0046】
冷却液Lの浴401を出ると、除湿されたガスGDの相対湿度は、他方で高くなり、ある操作条件では飽和に近いか、又は飽和に到達し、即ち100%相対湿度になりうる。
【0047】
別の変形例では、ファン又はコンプレッサー403fは、注入ダクト403に接続され、この注入ダクト403の吸入開口403bを通して燃焼ヒュームFを流すことによって燃焼ヒュームFを注入ダクト403中に導入するために使用される。
【0048】
別の代替実施形態では、凝縮ユニット4は、互いに次々と装着された複数の交換器40を含むことができる。
【0049】
本発明は、
図2に示されたタイプの交換器40の使用に限定されない。他の代替実施形態では、燃焼ヒュームFの凝縮のための交換器40は、例えば国際特許出願WO2016/071648又は国際特許出願WO2020/030419に記載されたタイプのものであることができ、又は冷却液Lが燃焼ヒュームFと接触するように冷却液Lを噴射することによって操作する交換器であることができる。
【0050】
燃焼ヒュームFを冷却液Lに接触させることによって燃焼ヒュームの凝縮のために使用される交換器のタイプにかかわらず、調整ユニット7は、凝縮ユニット4の冷却液Lの温度TLを自動的に調整するために適している。
【0051】
特に、
図1を参照すると、冷却液Lの温度の自動調整を行なうためには、燃焼システムは、以下の湿度センサーの少なくとも一つを含むことが好ましい:
- 除湿されたガスのリサイクルされた部分GDRにおける(絶対又は相対)湿度を測定する測定信号S1を送出するセンサーC1;
- 燃焼装置1中に導入される燃焼ガスGCにおける(絶対又は相対)湿度を測定する測定信号S2を送出するセンサーC2;
- 燃焼装置1の出口の燃焼ヒュームにおける(絶対又は相対)湿度を測定する測定信号S3を送出するセンサーC3。
【0052】
この代替実施形では、調整ユニット7は、一般的に、少なくともセンサーC1,C2又はC3の少なくとも一つによって測定された(絶対又は相対)湿度に基づいて凝縮ユニット4の冷却液Lの温度TLを自動的に調整するように設計される。
【0053】
一つの変形例では、調整ユニット7は、センサーC1,C2,C3のうち単一のセンサーによって測定された(絶対又は相対)湿度のみに基づいて凝縮ユニット4の冷却液Lの温度TLを自動的に調整するように設計される。
【0054】
別の変形例では、調整ユニット7は、センサー1,C2,C3のうち少なくとも二つのセンサーによって測定された各(絶対又は相対)湿度に基づいて凝縮ユニット4の冷却液Lの温度TLを自動的に調整するように設計される。
【0055】
別の変形例では、調整ユニット7は、三つのセンサー1,C2,C3によって測定された(絶対又は相対)湿度に基づいて凝縮ユニット4の冷却液Lの温度TLを自動的に調整するように設計される。
【0056】
この調整ユニット7による冷却液Lの温度の自動調整は、酸化性ガスGCを生成するためにユニット3の入口の除湿されたガスGDのリサイクルされた部分GDR中の絶対湿度を制御して自動的に調整することを可能にする。冷却液Lの温度TLを高めることによって、絶対湿度は、除湿されたガスGDのリサイクルされた部分GDRにおいて増加される。冷却液Lの温度TLを低めることによって、絶対湿度は、除湿されたガスGDのリサイクルされた部分GDRにおいて減少される。
【0057】
センサーC1を使用すると、冷却液Lの温度TLの自動調整は、例えば酸化性ガスGCを生成するためのユニット3の入口の除湿されたガスGDのリサイクルされた部分GDRの(絶対又は相対)湿度THを、予め規定されかつ燃焼装置1に適合しうる操作範囲(THmin;THmax)(THmin<TH<THmax)内に維持するように実施されることができる。この操作範囲は、燃焼装置1の特徴に従ってケースバイケースで規定される。
【0058】
センサーC2を使用すると、冷却液Lの温度TLの自動調整は、例えば燃焼装置1の入口の酸化性ガスGCの(絶対又は相対)湿度THを、予め規定されかつ燃焼装置1に適合しうる操作範囲(THmin;THmax)(THmin<TH<THmax)内に維持するように実施されることができる。この操作範囲は、燃焼装置1の操作特徴に従ってケースバイケースで規定される。
【0059】
センサーC3を使用すると、冷却液Lの温度TLの自動調整は、例えば燃焼装置1の出口の燃焼ヒュームFの(絶対又は相対)湿度THを、予め規定されかつ燃焼装置1に適合しうる操作範囲(THmin;THmax)(THmin<TH<THmax)内に維持するように実施されることができる。この操作範囲は、燃焼装置1の操作特徴に従ってケースバイケースで規定される。
【0060】
特に、酸化性ガスGCを生成するためのユニット3の入口の除湿されたガスGDのリサイクルされた部分GDRの(絶対又は相対)湿度THは、製造ユニット3によって製造された酸化性ガスGCの特徴に対して有意な影響を有し、特に酸化性ガスGCの(絶対又は相対)湿度及び酸化性ガスGCの露点に対して有意な影響を有する。
【0061】
冷却液Lの温度TLの自動調整は、酸化性ガスGCの(絶対又は相対)湿度を、燃焼装置1に適合しうる操作範囲内に維持するように実施されることが好ましく、この操作範囲は、燃焼装置1の製造業者によって与えられることができるか、又は燃焼装置1の使用者によって決定されることができる。
【0062】
特に、上述の操作範囲(THmin;THmax)は、酸化性ガスGCの(絶対又は相対)湿度の上述の安定性を得るためにケースバイケースで規定されるだろう。
【0063】
図1を参照すると、燃焼装置はさらに、除湿されたガスGDのリサイクルされた部分GDRを加熱することを有利に可能にする加熱手段8を含み、それは、操作において、除湿されたガスGDのリサイクルされた部分GDRの温度を、それが酸化性ガスGCを生成するためのユニット3中に導入される前に上昇させることを可能にする。
【0064】
この加熱手段8は、例えば電気ヒータのようなエネルギー源によって供給される加熱装置8Aであることができる。
【0065】
この除湿されたガスGDのリサイクルされた部分GDRの温度の上昇は、特に燃焼装置1における酸化性ガスGCの凝縮の危険を減少し、好ましくは回避し、燃焼装置1の壁上の有害なサビの形成を経時的に制限するように、除湿されたガスGDのリサイクルされた部分GDRが酸化性ガスGCを製造するためのユニット3中に導入される前に、除湿されたガスGDのリサイクルされた部分GDRの温度をその露点から離すように動かす目的を有する。
【0066】
特に、例えば燃焼装置1の入口の酸化性ガスGCの温度が予め規定された温度範囲内、特に燃焼装置1について推奨される範囲内にあるように、及び/又は燃焼装置1の入口の酸化性ガスGCの温度が酸化性ガスGCの露点より上であるように、除湿されたガスGDのリサイクルされた部分GDRに対して要求される温度増加をケースバイケースで規定することは、当業者次第である。
【0067】
この加熱手段8は、除湿されたガスGDのリサイクルされた部分GDRの相対湿度が高いときに特に有用であり、実際には凝縮ユニット4が
図2に示されたタイプの装置を使用するときにより一層有用である。
【0068】
図2は、本発明の限定されない例として、調整ユニット7の特別な代替実施形態を示す。この特定の代替実施形態において、調整ユニット7は、交換器40の冷却液Lの温度を変更することを可能にする冷却装置70、交換器40の囲い400の浴401中の冷却液Lの温度を測定する測定信号S4を送出する少なくとも一つの温度センサーC4、温度測定信号S4から及び湿度測定信号S1,S2,S3の少なくとも一つから冷却装置70を自動的に制御するために適する電子処理ユニット71を含む。
【0069】
電子処理ユニット71は、例えばプログラム可能な自動操作タイプの、プログラム可能な電子処理ユニットであることができ、それは、冷却液Lの温度の自動調整を実施するようにプログラムされる。
【0070】
特に、電子処理ユニット71は、予め規定された関数f[Tset=f(S1)又はTset=f(S2)又はTset=f(S3)又はTset=F(S1;S2)又はTset=f(S1;S3)又はTset=f(S2;S3)又はTset=f(S1;S2;S3)]によって湿度測定信号S1,S2,S3の少なくとも一つから少なくとも一つの変動可能な設定温度Tsetを自動的に計算し、燃焼システムが安定された操作(安定状態)にあるとき、信号S4によって測定された温度が設定温度Tsetに実質的に等しいように、冷却装置70を自動的に制御するように、設計され、特にプログラムされることができる。
【0071】
電子処理ユニット71はまた、予め規定された関数fによって湿度測定信号S1,S2,S3の少なくとも一つから変動可能な設定温度範囲(Tmin;Tmax)を自動的に計算し、燃焼システムが安定された操作(安定状態)にあるとき、信号S4によって測定された温度が設定温度範囲(Tmin;Tmax)内に維持されるように冷却装置70を自動的に制御するように、設計され、特にプログラムされることができる。
【0072】
特に、限定された態様では、特に
図2の特定の代替実施形態では、冷却装置70は、例えばプレート交換器タイプの交換器701を含み、交換器701は、ポンプ701bによって冷却液Lを閉鎖された態様で循環することができる第一ループ701a、及びポンプ701dによって熱伝達流体を閉鎖された態様で循環することができる第二ループ701cを含み、第二ループ701cには、熱伝達流体を冷却するための手段702がさらに与えられる。この第二ループ701c中を循環する熱伝達流体は、二つの液間の非接触式熱交換によって第一ループ中を循環する冷却液Lを冷却することを可能にする。
【0073】
操作において、冷却液Lの浴401は、燃焼ヒュームFの液の浴401の通過中に燃焼ヒュームFからカロリーを受けとり、それは、液Lの浴401dの温度を上昇させることに貢献する。電子処理ユニット71は、冷却液Lを十分に冷却し、信号S4によって測定された温度を設定温度Tsetに実質的に等しい値に維持するか、又は信号S4に測定された温度を設定温度範囲(Tmin;Tmax)内に維持するように、上述の設定温度Tset又は上述の設定温度範囲(Tmin;Tmax)、及び液浴L中で測定された温度(信号S4)に従って、制御信号SC1及びSC2のそれぞれによってポンプ701b及び701dを個々に自動的に制御する。
【0074】
より簡単な代替実施形態では、設定温度Tset又は設定温度範囲(Tmin;Tmax)は、燃焼装置に適応されることによってケースバイケースで予め規定され、調整ユニット7においてパラメータとして入力されることができる。この場合において、湿度センサーC1,C2及びC3は、必要ない。
【0075】
図1を参照すると、除湿されたガスGDのリサイクルされていない部分GDNRは、少なくとも一つのCO
2捕獲ユニット10によって処理され、CO
2捕獲ユニット10は、除湿されたガスGDのリサイクルされていない部分GDNRに含まれる分子状酸素及び水の全てを除去することによってCO
2を捕獲することをそれ自体公知の方法で可能にする。捕獲された分子状酸素はまた、ユニット6によって供給される分子状酸素の消費を減少するために、酸化性ガスGCを生成するためのユニット3中に注入することができる。
【0076】
除湿されたガスGDのリサイクルされていない部分GDNRが汚染物質を含まないとき、CO2捕獲操作は、SOx,NOx、酸などの汚染物質を含有するガスにおけるCO2捕獲と比較して容易である。
【0077】
図3は、装置が凝縮ユニット4の上流に、酸化性ガスGCを生成するためのユニット3の入口の燃焼ヒュームFの部分FR、即ち凝縮ユニット4において除湿されなかった燃焼ヒュームFの部分FRをリサイクルすることを可能にするリサイクル手段5′を含む点で、
図1の燃焼システムとは異なる燃焼システムの第二変形例を示す。
【0078】
図4は、二酸化炭素(CO
2)及び水(H
2O)、及び任意選択的に分子状酸素だけからなる燃焼ヒュームFを生成する燃料Cで操作するために使用されるだけでなく、二酸化炭素(CO
2)、水(H
2O)、任意選択的に分子状酸素、並びに例えば限定されないが、SOx(硫黄酸化物)及び/又はNOx(窒素酸化物)及び/又はHCl(塩化水素)及び/又はHF(フッ化水素)タイプの酸、及び/又はアンモニア及び/又は微粒子及び/又は重金属などの様々な汚染物質を多かれ少なかれ含む燃焼ヒュームFを生成する燃料Cで操作するためにも好適である、燃焼システムの第三変形例を示す。この燃料Cは、例えばバイオマス又は固体の回収燃料から得られる。
【0079】
燃焼ヒュームFにおけるこれらの汚染物質の存在は、二酸化炭素(CO2)及び水(H2O)だけからなる燃焼ヒュームと比較してCO2の捕獲を複雑にする。
【0080】
図4を参照すると、燃焼システムは、それが少なくとも一つの処理添加剤又は複数の異なる処理添加剤の混合物を含み、かつ調整ユニット7によって、例えば上述の電子処理ユニット71によって、制御信号SC3で制御される凝縮ユニット4に供給ポンプ91又は均等物を介して接続される、タンク90を含む供給装置9をさらに含む点で
図1のものとは異なる。
【0081】
この装置9は、操作において、調整ユニット7によって制御される態様で、一種以上の処理添加剤を凝縮ユニット4の冷却液L中に添加することを可能にする。
【0082】
処理添加剤は、様々な形態で、特に液体、乾燥粉末又は溶液の形であることができ、燃焼ヒュームFに潜在的に含まれる汚染物質のタイプに適応される。
【0083】
処理添加剤は、凝縮ユニット4の冷却液Lに含まれる汚染物質の少なくとも一つのタイプと接触して反応させて前記汚染物質を中和することができるように選択される。
【0084】
限定されない網羅的でない例として、燃焼ヒュームFがSOx(硫黄酸化物)、HCl(塩化水素)及び/又はHF(フッ化水素)タイプの酸などの酸汚染物質を潜在的に含むとき、処理添加剤は、特にNaOH,KOHのような塩基であってもよく、又は水酸化カルシウムCa(OH)2であってもよい。
【0085】
燃焼ヒュームFがNOx(窒化酸化物)の汚染物質を潜在的に含むとき、処理添加剤は、特にNaOH,KOHのような塩基であってもよく、又は水酸化カルシウムCa(OH)2もしくは過酸化水素(H2O2)であってもよい。
【0086】
燃焼ヒュームFが、溶液中でアンモニア水溶液(NH4OH)のような塩基性pHを有する溶液を生成するアンモニアのような汚染物質を潜在的に含有するとき、処理添加剤はまた、例えば硫酸(H2SO4)のような酸であってもよい。
【0087】
燃焼ヒュームFがVOCs(揮発性有機化合物)を潜在的に含有するとき、処理添加剤は、凝集剤であってもよい。
【0088】
好ましくは、燃焼システムは、少なくとも一つのセンサー(C5)(
図4)を含み、それは、冷却液LのpH又は冷却液L中の少なくとも一つのタイプの汚染物質の濃度を測定する測定信号S5を送出する。
【0089】
調整ユニット7は、例えば冷却液LのpHが7に最も近いように、又は例えば冷却液L中の処理添加剤の濃度ができるだけ低く、特に予め規定された最大しきい値より低いように、センサーC5によって測定された処理添加剤のpH又は濃度に依存して、冷却液L中への処理添加剤の添加を自動的に調整するように、制御信号SC3によってポンプ91を自動的に制御するように設計される。
【0090】
操作において、燃焼ヒュームFが例えば、網羅されないが、SOx(硫黄酸化物)及び/又はNOx(窒化酸化物)、及び/又はHCl(塩化水素)及び/又はHF(フッ化水素)タイプの酸、及び/又はアンモニア及び/又は微粒子及び/又は重金属などの種々の汚染物質を多かれ少なかれ、凝縮ユニット4中の冷却液Lと接触している時間中に含むとき、特にそれらが
図2に示された凝縮ユニット4の冷却液Lの浴401を通過するとき、汚染物質は、捕獲されることが有利であり、好ましくはもし適切なら冷却液L中で中和され、それは、凝縮ユニット4の出口においてその汚染物質の少なくとも幾らかを十分に除去した除湿されたガス(GD)を得ることを可能にする。これは、酸化性ガスGCを生成するためのユニット3の入口で過剰に多い量の汚染物質をリサイクルすることを回避する。
【0091】
別の変形例では、異なる処理添加剤を含有しかつ調整ユニット7によって並列に制御される複数の供給装置9を使用することも可能である。
【0092】
図5は、燃焼システムの第四変形例を示し、それは、汚染除去ユニット9Aをさらに含む点で
図1のものとは異なり、それは、この代替実施形態では凝縮ユニット4と除湿されたガスGDのリサイクルされた部分GDRのリサイクル場所の間に位置される。
【0093】
この汚染除去ユニット9Aの機能は、汚染物質の少なくとも幾らかを除去され、好ましくは汚染物質の十分な量を除去され、かつCO2、水蒸気の形のH2O、及び任意選択的に分子状酸素から主になる、除湿されたガスのリサイクルされた部分GDRを酸化性ガス製造ユニット3の入口までリサイクルするように、凝縮ユニット4の出口で得られた除湿されたガスGDに含まれる汚染物質の少なくとも幾らか、好ましくは十分な量を除去することである。
【0094】
図6は、燃焼システムの第五変形例を示し、それは、汚染除去ユニット9Bをさらに含む点で
図1のものとは異なり、それは、この代替実施形態では、燃焼装置1と凝縮ユニット4の間に位置される。この汚染除去ユニット9Bの機能は、汚染物質の少なくとも幾らかを除去され、好ましくは汚染物質の十分な量を除去され、かつCO
2、水蒸気の形のH
2O、及び任意選択的に分子状酸素から主になる燃焼ヒュームF′を凝縮ユニット4の入口に導入するように、燃焼ヒュームFに含まれる汚染物質の少なくとも幾らか、好ましくは全てを凝縮ユニット4に通過させる前に除去することである。
【0095】
図7は、汚染除去ユニット9A(又は9B)の特定の実施形態を示す。
【0096】
この特定の実施形態では、汚染除去ユニット9A又は9Bは、洗浄装置90を含み、それは、一般に、除湿されたガスGD又は燃焼ヒュームFに含まれる汚染物質の少なくとも幾らかを洗浄液中で捕獲するように、汚染物質を洗浄液で除去されることになる除湿されたガスGD又は汚染物質を洗浄液で除去されることになる燃焼ヒュームをいかなる手段によっても接触させることを可能にするいかなるタイプの交換器からなってもよい。
【0097】
図7に示された好ましい代替実施形態では、この洗浄装置9A(又は9B)は、洗浄液902の浴901、及び洗浄液902の浴901の表面Sの下に汚染物質を除去することになる燃焼ヒュームF又は汚染物質を除去することになる除湿されたガスGDを導入するために適する注入手段903を含む囲い900を含むタイプの洗浄装置であることが好ましい。
【0098】
これらの注入手段903は、特にファン又はコンプレッサー903f、及び吸入開口903bを例えば上方部903cに含むダクト903aを含むことができる。注入ダクト903aの下方部903dは、洗浄液902の浴901に浸漬され、洗浄液902の浴901に浸漬された放出開口903eを含む。
【0099】
操作において、ファン又はコンプレッサー403fは、吸入開口903bを介して、燃焼装置1の出口で汚染除去されることになる燃焼ヒュームF又は凝縮ユニット4の出口で汚染除去されることになる除湿されたガスGDを注入ダクト903中に吸引して導入することを可能にする。汚染除去されることになる除湿されたガスGD(又は燃焼ヒュームF)は、放出開口903eを介して注入ダクト903から逃避し、従って洗浄液902の浴901中に洗浄液902の浴901の表面Sの下に強制的に導入され、液浴の表面Sに上昇し、汚染除去された除湿されたガスGD(又は汚染除去された燃焼ヒュームF)の形で囲い900の放出開口900aを介して囲い900から逃避する。
【0100】
別の変形例では、ファン又はコンプレッサー903fは、注入ダクト903に接続され、注入ダクト903の吸入開口903bを通して流すことによって汚染除去されることになる除湿されたガスGD又は汚染除去されることになる燃焼ヒュームFを導入するために使用されることができる。
【0101】
洗浄装置90を通過するとき、汚染物質は、洗浄液902の浴901に捕獲される。
【0102】
洗浄液902の浴901は、全処理中、同じであってもよく、又は処理中、洗浄液902の浴901に捕獲された汚染物質の濃度を低く保つために汚染されていない洗浄液で自動的に更新されることができる。
【0103】
洗浄液902は、水又は水溶液であってもよい。
【0104】
洗浄液902はまた、一種以上の処理添加剤を含んでもよく、
図4の変形例について前に記載されているように、処理添加剤を供給するための少なくとも一つの装置を備えることができる。
【0105】
別の代替実施形態では、汚染除去ユニット9A(又は9B)は、互いに並んで装着された複数の洗浄装置9A(又は9B)を含んでもよい。
【0106】
別の代替実施形態では、汚染除去ユニット9A(又は9B)は、乾式汚染除去処理を実施するように設計されてもよい。
【0107】
図8は、加熱手段8が熱伝達流体が循環するエンタルピーループ80を含むガス/ガス交換器タイプの熱交換機8Bを含む点で
図1のものとは異なる燃焼装置の代替実施形態を示す。この熱交換器8Bは、除湿されたガスGDのリサイクルされた部分GDRに対して希望の温度上昇を、それが酸化性ガスGCを生成するためのユニット3中に導入される前に得るために、燃焼ヒュームFからカロリーの少なくとも幾らかをとり、それらを除湿されたガスGDのリサイクルされた部分GDRに伝達することを可能にする。
【0108】
この熱交換器8Bを含む加熱手段8はまた、
図1,3,4,5及び6の変形例について上述した加熱手段8に加えて又はその代わりに使用されることができる。
【0109】
しかしながら、本発明の文脈において、
図1,3,4,5,6及び8の加熱手段8は、任意であることができ、燃焼装置は、それらを潜在的にそれらを含まない。
【0110】
本発明の別の変形例では、燃焼装置はまた、かかる加熱手段8を含んでもよく、冷却液Lの温度の自動調整を持たない。
【0111】
しかしながら、好ましくは燃焼装置は、調整ユニット7及び加熱手段8をともに含む。
【国際調査報告】