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特表2024-516122ヒストン脱アセチル化酵素6阻害剤としての1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物およびこれを含む薬剤学的組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】ヒストン脱アセチル化酵素6阻害剤としての1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物およびこれを含む薬剤学的組成物
(51)【国際特許分類】
   C07D 271/10 20060101AFI20240405BHJP
   C07D 413/04 20060101ALI20240405BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20240405BHJP
   C07D 487/10 20060101ALI20240405BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20240405BHJP
   A61K 31/541 20060101ALI20240405BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20240405BHJP
   A61K 31/4245 20060101ALI20240405BHJP
   C07D 491/107 20060101ALI20240405BHJP
   C07D 487/08 20060101ALI20240405BHJP
   A61K 31/4995 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 1/00 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 19/00 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240405BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240405BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20240405BHJP
   A61K 31/438 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
C07D271/10 CSP
C07D413/04
C07D413/12
C07D487/10
A61K31/5377
A61K31/541
A61K31/454
A61K31/4245
C07D491/107
C07D487/08
A61K31/4995
A61P1/00
A61P3/00
A61P11/00
A61P9/00
A61P17/00
A61P17/06
A61P11/06
A61P25/00
A61P21/00
A61P19/00
A61P25/18
A61P27/02
A61P31/00
A61P35/00
A61P43/00 111
A61P29/00 101
A61P1/04
A61K31/496
A61K31/438
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023562284
(86)(22)【出願日】2022-04-07
(85)【翻訳文提出日】2023-10-10
(86)【国際出願番号】 IB2022053253
(87)【国際公開番号】W WO2022215020
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0046134
(32)【優先日】2021-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514052597
【氏名又は名称】チョン クン ダン ファーマシューティカル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リ,チャンシク
(72)【発明者】
【氏名】オ,ジュンテク
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ヒョソン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヒョンジン マイケル
【テーマコード(参考)】
4C050
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C050AA04
4C050BB02
4C050BB04
4C050CC02
4C050CC04
4C050CC07
4C050CC15
4C050EE02
4C050FF01
4C050GG01
4C050HH04
4C063AA01
4C063BB01
4C063BB09
4C063CC58
4C063CC72
4C063DD10
4C063DD12
4C063DD58
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC71
4C086BC88
4C086CB02
4C086CB03
4C086CB22
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA18
4C086ZA33
4C086ZA36
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA89
4C086ZA94
4C086ZA96
4C086ZB26
4C086ZC20
4C086ZC21
(57)【要約】
本発明は、ヒストン脱アセチル化酵素6(Histone Deacetylase、HDAC)阻害活性を有する新規な構造の1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体、薬剤学的に許容可能な塩、薬剤の製造におけるそれらの使用、それらを含有する薬剤学的組成物と前記組成物を用いた治療方法、および製造方法に関し、選択的なHDAC6阻害活性を有する新規な構造の化合物は、下記化学式Iで表される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩:
【化1】
前記化学式I中、
、LおよびLは、それぞれ独立に、単結合または-(C-Cアルキレン)-であり;
は、-H、-(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-C(=O)-O(C-Cアルキル)、-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cシクロヘテロアルキル)、-アリール、-ヘテロアリール、-アダマンチル、
【化2】
であり、
において、
-(C-Cアルキル)の一つ以上のHは、-Tまたは-OHで置換されていてもよく、
-アリールまたは-ヘテロアリールの一つ以上のHは、それぞれ独立に、-T、-OH、-O(C-Cアルキル)、-OCF、-O-アリール、-NR、-(C-Cアルキル)、-CF、-CFH、-C(=O)-(C-Cアルキル)、-C(=O)-O(C-Cアルキル)、-C(=O)-NR、-S(=O)-(C-Cアルキル)、-アリール、-ヘテロアリール、
【化3】
で置換されていてもよく、ここで、
【化4】
の一つ以上のHは、-T、-(C-Cアルキル)、-CFまたは-CFHで置換されていてもよく、
-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cシクロヘテロアルキル)、-アダマンチル、
【化5】
の一つ以上のHは、それぞれ独立に、-T、-OHまたは-(C-Cアルキル)で置換されていてもよく;
は、-NR、-OR、-ヘテロアリール、
【化6】
であり、
において、
【化7】
の一つ以上のHは、-T、-OH、-O(C-Cアルキル)、-NR、-(C-Cアルキル)、-CF、-CFH、-CN、-アリール、-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-アリールまたは-(C-Cアルキル)-ヘテロアリールで置換されていてもよく、ここで、-アリール、-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-アリールまたは-(C-Cアルキル)-ヘテロアリールの一つ以上のHは、-T、-OH、-CFまたは-CFHで置換されていてもよく;
は、-CTまたは-CTHであり;
、Y、YおよびYは、それぞれ独立に、=CH-、-CHR-、-NR-、-O-、-C(=O)-または-S(=O)-であり;
、YおよびYは、それぞれ独立に、-CH-または-N-であり;
~Zは、それぞれ独立に、NまたはCRであり、
~Zにおいて、
~Zは、同時に3個以上がNであることはなく、Rは、-H、-Tまたは-O(C-Cアルキル)であり;
およびZは、それぞれ独立に、-CH-または-O-であり;
およびZは、それぞれ独立に、=CH-または=N-であり;
は、-NR-または-S-であり;
およびRは、それぞれ独立に、-H、-(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-OH、-(C-Cアルキル)-NR、-アリール、-(C-Cアルキル)-アリール、-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cヘテロシクロアルキル)または
【化8】
であり、
およびRにおいて、
-(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-OHまたは-(C-Cアルキル)-NRの一つ以上のHは、-Tで置換されていてもよく、
-アリール、-(C-Cアルキル)-アリール、-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cシクロアルキル)または-(C-Cヘテロシクロアルキル)の一つ以上のHは、-T、-OH、-O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)、-CF、-CFHまたは-CNで置換されていてもよく、
【化9】
の一つ以上のHは、-T、-OH、-O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)、-CF、-CFH、-CN、-(C-Cヘテロシクロアルキル)、-アリール、-(C-Cアルキル)-アリールまたは-ヘテロアリールで置換されていてもよく;
は、-(C-Cアルキル)、-アリール、-(C-Cアルキル)-アリール、-ヘテロアリールまたは-(C-Cアルキル)-ヘテロアリールであり、
において、
-(C-Cアルキル)の一つ以上のHは、-Tまたは-OHで置換されていてもよく、
-アリール、-(C-Cアルキル)-アリール、-ヘテロアリールまたは-(C-Cアルキル)-ヘテロアリールの一つ以上のHは、-T、-OH、-CFまたは-CFHで置換されていてもよく;
およびRは、それぞれ独立に、-H、-(C-Cアルキル)、-アリールまたは-(C-Cアルキル)-アリールであり、
およびRにおいて、
-(C-Cアルキル)の一つ以上のHは、-Tまたは-OHで置換されていてもよく、
-アリールまたは-(C-Cアルキル)-アリールの一つ以上のHは、-T、-OH、-CFまたは-CFHで置換されていてもよく;
は、-H、-(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-OH、-(C-Cアルキル)-O-(C-Cアルキル)、-C(=O)-(C-Cアルキル)、-C(=O)-O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-C(=O)-O(C-Cアルキル)、-NR、-(C-Cアルキル)-NR、-S(=O)-(C-Cアルキル)、-アリール、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルケニル)-アリール、-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-C(=O)-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cヘテロシクロアルキル)または-(C-Cアルキル)-C(=O)-(C-Cヘテロシクロアルキル)であり、
において、
-(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-OH、-(C-Cアルキル)-O-(C-Cアルキル)、-C(=O)-(C-Cアルキル)、-C(=O)-O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-C(=O)-O(C-Cアルキル)、-NR、-(C-Cアルキル)-NRまたは-S(=O)-(C-Cアルキル)の一つ以上のHは、-Tで置換されていてもよく、
-アリール、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルケニル)-アリール、-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-C(=O)-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cヘテロシクロアルキル)または-(C-Cアルキル)-C(=O)-(C-Cヘテロシクロアルキル)の一つ以上のHは、-T、-OH、-(C-Cアルキル)、-CFまたは-CFHで置換されていてもよく;
は、-Hまたは-(C-Cアルキル)であり;
Qは、-O-または単結合であり;
【化10】
は、単結合または二重結合であり、ただし、
【化11】
が二重結合である場合、Yは、=CHであり;
a~eは、それぞれ独立に、0、1、2、3または4の整数であり、ただし、aおよびbが同時に0であることはなく、cおよびdが同時に0であることはなく;
fは、1または2の整数であり;
Tは、F、Cl、BrまたはIである。
【請求項2】
前記化学式Iにおいて、
、LおよびLは、それぞれ独立に、単結合または-(C-Cアルキレン)-であり;
は、-(C-Cアルキル)、-(C-C12アリール)またはO、NおよびSからなる群から選択される1種以上のヘテロ原子を少なくとも一つ以上含む、-(C-C10ヘテロアリール)であり、
において、
-(C-Cアルキル)の一つ以上のHは、-Tまたは-OHで置換されていてもよく、
-(C-C12アリール)またはO、NおよびSからなる群から選択される1種以上のヘテロ原子を少なくとも一つ以上含む、-(C-C10ヘテロアリール)の一つ以上のHは、それぞれ独立に、-T、-CFまたは-CFHで置換されていてもよく;
は、O、NおよびSからなる群から選択される1種以上のヘテロ原子を少なくとも一つ以上含む、-(C-C10ヘテロアリール)、
【化12】
であり;
は、-CTまたは-CTHであり;
、Y、YおよびYは、それぞれ独立に、=CH-、-CHR-、-NR-、-O-、-C(=O)-または-S(=O)-であり;
、YおよびYは、それぞれ独立に、-CH-または-N-であり;
~Zは、それぞれ独立に、NまたはCRであり、
~Zにおいて、
~Zは、同時に3個以上がNであることはなく、
は、-H、-Tまたは-O(C-Cアルキル)であり;
は、-H、-(C-Cアルキル)、-C(=O)-(C-Cアルキル)または-(C-Cヘテロシクロアルキル)であり;
【化13】
は、単結合または二重結合であり、ただし、
【化14】
が二重結合である場合、Yは、=CHであり;
a~eは、それぞれ独立に、0、1、2、3または4の整数であり、ただし、aおよびbが同時に0であることはなく、cおよびdが同時に0であることはなく;
fは、1または2の整数であり;
Tは、F、Cl、BrまたはIである、
請求項1に記載の化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩。
【請求項3】
前記化学式Iで表される化合物は、
下記化合物1~46からなる群から選択されるいずれか一つである、
請求項1に記載の化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩:
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩を有効成分として含む、薬剤学的組成物。
【請求項5】
前記薬剤学的組成物は、ヒストン脱アセチル化酵素媒介疾患の予防または治療のためのものである、請求項4に記載の薬剤学的組成物。
【請求項6】
前記ヒストン脱アセチル化酵素媒介疾患は、
感染性疾患;新生物(neoplasm);内分泌、栄養および代謝疾患;精神および
行動障害;神経疾患;眼および付属器疾患;循環器疾患;呼吸器疾患;消化器疾患;皮膚および皮下組織疾患;筋骨格系および結合組織疾患;または先天奇形、変形および染色体異常である、請求項5に記載の薬剤学的組成物。
【請求項7】
前記感染性疾患は、プリオン病であり、
前記新生物は、良性腫瘍または悪性腫瘍であり、
前記内分泌、栄養および代謝疾患は、ウィルソン病、アミロイドーシス、または糖尿病であり、
前記精神および行動障害は、うつ病またはレット症候群であり、
前記神経疾患は、中枢神経系を障害する系統萎縮症、神経変性疾患、運動障害、神経障害、運動神経疾患、または中枢神経系の脱髄疾患であり、
前記眼および付属器疾患は、ぶどう膜炎であり、
前記皮膚および皮下組織疾患は、乾癬であり、
前記循環器疾患は、心房細動または脳卒中であり、
前記呼吸器疾患は、喘息であり、
前記消化器疾患は、アルコール性肝疾患、炎症性腸疾患、クローン病、または潰瘍性腸疾患であり、
前記筋骨格系および結合組織疾患は、リウマチ様関節炎、変形性関節症、または全身性エリテマトーデスであり、
前記先天奇形、変形および染色体異常は、常染色体優性多発性嚢胞腎である、請求項6に記載の薬剤学的組成物。
【請求項8】
請求項1~3のいずれか1項に記載の1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩の治療学的に有効な量を投与することを含む、ヒストン脱アセチル化酵素媒介疾患の予防または治療方法。
【請求項9】
ヒストン脱アセチル化酵素媒介疾患の予防または治療における請求項1~3のいずれか1項に記載の1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩の使用。
【請求項10】
ヒストン脱アセチル化酵素媒介疾患の予防または治療のための薬剤の製造における請求項1~3のいずれか1項に記載の1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒストン脱アセチル化酵素6(Histone deacetylase6、HDAC6)阻害活性を有する1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体、その薬剤学的に許容可能な塩;それらの使用、治療用薬剤の製造におけるそれらの使用、それらを用いた治療方法;それらを含有する薬剤学的組成物;および、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞においてアセチル化(acetylation)のような転写後修飾(post-translational modification)は、生物学的プロセスの中で非常に重要な調節モジュールであり、多数の酵素によって厳しく制御される。ヒストン(Histone)はクロマチンを構成する主要なタンパク質であって、これらはDNAが巻かれる軸としての役割をし、DNAの凝縮(condensation)を助ける。また、ヒストンのアセチル化(acetylation)と脱アセチル化(deacetylation)のバランスは、遺伝子発現において非常に重要な役割を果たしている。
【0003】
ヒストン脱アセチル化酵素(Histone deacetylases;HDACs)は、クロマチンを構成するヒストンタンパク質のリジン(lysine)残基のアセチル(acetyl)基を除去する酵素であり、遺伝子サイレンシング(gene silencing)と関連があり、細胞周期の停止、血管形成の抑制、免疫調節、細胞死などを誘導することが知られている(Hassig et al.,Curr.Opin.Chem.Biol.1,300-308(1997))。また、HDACの酵素機能の阻害は、生体内で癌細胞の生存に関連する因子の活性を低下させ、癌細胞の死滅に関連する因子を活性化させることで、癌細胞自らの死滅を誘導することが報告されている(Warrell et al,Natl.Cancer Inst.90,1621-1625(1998))。
【0004】
ヒトの場合、18個のHDACが知られており、酵母(yeast)HDACとの相同性(homology)によって4つのグループ(class)に分類される。まず、zincを補助因子として用いる11個のHDACは、ClassI(HDAC1,2,3,8)、ClassII(IIa:HDAC4,5,7,9;IIb:HDAC6,10)、およびClassIV(HDAC11)の3つのグループに分ける。さらに、ClassIII
(SIRT1-7)の7つのHDACは、zincの代わりにNAD+を補助因子として用いる(Bolden et al.,Nat.Rev.Drug Discov.5(9),769-784(2006))。
【0005】
様々なHDAC阻害剤が前臨床段階または臨床開発段階にあるが、今までに非選択的HDAC阻害剤のみが抗がん剤として知られており、vorinostat(SAHA)とromidepsin(FK228)は、皮膚T細胞リンパ腫(cutaneous T-cell lymphoma)の治療薬として、panobinostat(LBH-589)は、多発性骨髄腫(multiple myeloma)の治療薬として承認されている。しかし、非選択的なHDACs阻害剤の場合、一般的に、高容量でだるさ(Fatigue)や嘔吐(Nausea)などの副作用をもたらすことが知られている(Piekarz et al.,Pharmaceuticals 3,2751-2767(2010))。これらの副作用は、classI HDACsの抑制が原因と報告されており、これらの副作用などにより、非選択的なHDACs阻害剤は、抗がん剤以外の
分野においては薬物の開発に制限を受けてきた(Witt et al.,Cancer
Letters 277,8-21(2009))。
【0006】
一方、選択的classII HDAC阻害の場合、classI HDAC阻害で見られる毒性は表れないという報告があり、選択的HDAC阻害剤を開発すれば非選択的なHDAC阻害による毒性等の副作用を解決でき、選択的HDAC阻害剤は、様々な疾患の有効な治療薬として開発される可能性がある(Matthias et al.,Mol.Cell.Biol.28,1688-1701(2008))。
【0007】
ClassIIb HDACの一つであるHDAC6は、主に細胞質(cytoplasma)に存在し、チューブリンタンパク質を含む多数の非ヒストン(non-Histone)基質(HSP90、cortactinなど)の脱アセチル化に関与することが知られている(Yao et al.,Mol.Cell 18,601-607(200
5))。また、HDAC6は、2つの触媒ドメイン(catalytic domain)を有しており、C末端(terminal)のジンクフィンガードメイン(finger domain)は、ユビキチン化タンパク質(ubiquitinated protein)と結合することができる。HDAC6は、多数の非ヒストンタンパク質を基質として有しているため、癌(cancer)、炎症性(inflammatory)疾患、自己免疫(autoimmune)疾患、神経学的疾患(neurological diseases)、および神経変性疾患(neurodegenerative disorders)など、様々な病気において重要な役割を果たすことが知られている(Santo et al.,Blood 119,2579-2589(2012);Vishwakarma et al.,International Immunopharmacology 16,72-78(2013);Hu et al.,J.Neurol.Sci.304,1-8(2011))。
【0008】
様々なHDAC阻害剤において共通している構造的特徴は、下記vorinostatの構造のようにキャップグループ(Cap group)、リンカーグループ(linker)、および亜鉛結合グループ(Zinc Binding Group、ZBG)で構成されているということである。多くの研究者がキャップグループとリンカーグループの構造的変形を通じて酵素に対する阻害活性や選択性について研究を行った。中でも亜鉛結合グループは、酵素阻害活性と選択性においてより重要な役割を果たしていることが知られている(Wiest et al.,J.Org.Chem.78,5051-5055(2013);Methot et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.18,973-978(2008))。
【化1】
【0009】
前記亜鉛結合グループの殆どは、ヒドロキサム酸(hydroxamic acid)またはベンズアミド(benzamide)であり、このうちヒドロキサム酸誘導体は、強力なHDAC阻害効果を示す反面、低い生物学的利用能(bioavailability)と深刻なオフターゲット作用(off-target activity)の問題がある。ベンズアミドの場合は、アニリン(aniline)を含んでいるため、生体内で毒性代謝物(toxic metabolites)を産生する恐れがある(Wost
er et al.,Med.Chem.Commun.online publication(2015))。
【0010】
よって、癌(cancer)、炎症性(inflammatory)疾患、自己免疫(autoimmune)疾患、神経学的疾患(neurological diseases)、および神経変性疾患(neurodegenerative disorders)などの治療のために、副作用のある非選択的な阻害剤とは異なり、副作用がなく生物学的利用能が改善された亜鉛結合グループを有する選択的HDAC6阻害剤の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開特許公報 WO2011/091213号(2011.7.28公開):ACY-1215
【特許文献2】国際公開特許公報 WO2011/011186号(2011.1.27公開):Tubastatin
【特許文献3】国際公開特許公報 WO2013/052110号(2013.4.11公開):Sloan-K
【特許文献4】国際公開特許公報 WO2013/041407号(2013.3.28公開):Cellzome
【特許文献5】国際公開特許公報 WO2013/134467号(2013.9.12公開):Kozi
【特許文献6】国際公開特許公報 WO2013/008162号(2013.1.17公開):Novartis
【特許文献7】国際公開特許公報 WO2013/080120号(2013.6.6公開):Novartis
【特許文献8】国際公開特許公報 WO2013/066835号(2013.5.10公開):Tempero
【特許文献9】国際公開特許公報 WO2013/066838号(2013.5.10公開):Tempero
【特許文献10】国際公開特許公報 WO2013/066833号(2013.5.10公開):Tempero
【特許文献11】国際公開特許公報 WO2013/066839号(2013.5.10公開):Tempero
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、選択的なHDAC6阻害活性を有する1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩を提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、選択的なHDAC6阻害活性を有する1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩を含む薬剤学的組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、その製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、前記化合物を含む薬剤学的組成物を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、感染性疾患、新生物、内分泌、栄養および代謝疾患、精神および行動障害、神経疾患、眼および付属器疾患、循環器疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、皮膚および皮下組織疾患、筋骨格系および結合組織疾患、または先天奇形、変形および染色体
異常を含むHDAC6活性と関連する疾患の予防または治療のための前記化合物を含む薬剤学的組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、HDAC6活性と関連する疾患の予防または治療用薬剤の製造におけるその使用を提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、前記化合物または前記化合物を含む薬剤学的組成物の治療学的に有効な量を投与することを含むHDAC6活性と関連する疾患の治療方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、ヒストン脱アセチル化酵素6(Histone deacetylase6、HDAC6)阻害活性を有するオキサジアゾール化合物を発見し、これをHDAC6活性と関連する疾患の抑制または治療に用いることにより、本発明を完成した。
【0017】
以下、これについて具体的に説明する。本発明に開示された様々な要素のすべての組み合わせは、本発明の範囲に属する。また、以下に記述される具体的な叙述により、本発明の範疇が限定されるとは言えない。
【0018】
1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物
前記目的から、本発明で提供する化合物は、下記(1)~(3)の通りである。
(1)下記化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩;
【化2】
前記化学式I中、
、LおよびLは、それぞれ独立に、単結合または-(C-Cアルキレン)-であり;
は、-H、-(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-C(=O)-O(C-Cアルキル)、-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cシクロヘテロアルキル)、-アリール、-ヘテロアリール、-アダマンチル、
【化3】
であり、
において、
-(C-Cアルキル)の一つ以上のHは、-Tまたは-OHで置換されていてもよく、
-アリールまたは-ヘテロアリールの一つ以上のHは、それぞれ独立に、-T、-OH、-O(C-Cアルキル)、-OCF、-O-アリール、-NR、-(C
-Cアルキル)、-CF、-CFH、-C(=O)-(C-Cアルキル)、-C(=O)-O(C-Cアルキル)、-C(=O)-NR、-S(=O)-(C-Cアルキル)、-アリール、-ヘテロアリール、
【化4】
で置換されていてもよく、ここで、
【化5】
の一つ以上のHは、-T、-(C-Cアルキル)、-CFまたは-CFHで置換されていてもよく、
-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cシクロヘテロアルキル)、-アダマンチル、
【化6】
の一つ以上のHは、それぞれ独立に、-T、-OHまたは-(C-Cアルキル)で置換されていてもよく;
は、-NR、-OR、-ヘテロアリール、
【化7】
であり、
において、
【化8】
の一つ以上のHは、-T、-OH、-O(C-Cアルキル)、-NR、-(C-Cアルキル)、-CF、-CFH、-CN、-アリール、-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-アリールまたは-(C-Cアルキル)-ヘテロアリールで置換されていてもよく、ここで、-アリール、-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-アリールまたは-(C-Cアルキル)-ヘテロアリールの一つ以上のHは、-T、-OH、-CFまたは-CFHで置換されていてもよく;
は、-CTまたは-CTHであり;
、Y、YおよびYは、それぞれ独立に、=CH-、-CHR-、-NR-、-O-、-C(=O)-または-S(=O)-であり;
、YおよびYは、それぞれ独立に、-CH-または-N-であり;
~Zは、それぞれ独立に、NまたはCRであり、
~Zにおいて、
~Zは、同時に3個以上がNであることはなく、Rは、-H、-Tまたは-O(C-Cアルキル)であり;
およびZは、それぞれ独立に、-CH-または-O-であり;
およびZは、それぞれ独立に、=CH-または=N-であり;
は、-NR-または-S-であり;
およびRは、それぞれ独立に、-H、-(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-OH、-(C-Cアルキル)-NR、-アリール、-(C-Cアルキル)-アリール、-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cヘテロシクロアルキル)または
【化9】
であり、
およびRにおいて、
-(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-OHまたは-(C-Cアルキル)-NRの一つ以上のHは、-Tで置換されていてもよく、
-アリール、-(C-Cアルキル)-アリール、-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cシクロアルキル)または-(C-Cヘテロシクロアルキル)の一つ以上のHは、-T、-OH、-O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)、-CF、-CFHまたは-CNで置換されていてもよく、
【化10】
の一つ以上のHは、-T、-OH、-O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)、-CF、-CFH、-CN、-(C-Cヘテロシクロアルキル)、-アリール、-(C-Cアルキル)-アリールまたは-ヘテロアリールで置換されていてもよく;
は、-(C-Cアルキル)、-アリール、-(C-Cアルキル)-アリール、-ヘテロアリールまたは-(C-Cアルキル)-ヘテロアリールであり、
において、
-(C-Cアルキル)の一つ以上のHは、-Tまたは-OHで置換されていてもよく、
-アリール、-(C-Cアルキル)-アリール、-ヘテロアリールまたは-(C-Cアルキル)-ヘテロアリールの一つ以上のHは、-T、-OH、-CFまたは-CFHで置換されていてもよく;
およびRは、それぞれ独立に、-H、-(C-Cアルキル)、-アリールまたは-(C-Cアルキル)-アリールであり、
およびRにおいて、
-(C-Cアルキル)の一つ以上のHは、-Tまたは-OHで置換されていてもよく、
-アリールまたは-(C-Cアルキル)-アリールの一つ以上のHは、-T、-OH、-CFまたは-CFHで置換されていてもよく;
は、-H、-(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-OH、-(C-Cアルキル)-O-(C-Cアルキル)、-C(=O)-(C-Cアルキル)、-C(=O)-O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-C(=O)-O(C-Cアルキル)、-NR、-(C-Cアルキル)-NR、-S(=O)-(C-Cアルキル)、-アリール、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルケニル)-アリール、-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-C(=O)-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cヘテロシクロアルキル)または-(C-Cアルキル)-C(=O)-(C-Cヘテロシクロアルキル)であり、
において、
-(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-OH、-(C-Cアルキル)-O-(C-Cアルキル)、-C(=O)-(C-Cアルキル)、-C(=O)-O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-C(=O)-O(C-Cアルキル)、-NR、-(C-Cアルキル)-NRまたは-S(=O)-(C-Cアルキル)の一つ以上のHは、-Tで置換されていてもよく、
-アリール、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルケニル)-アリール、-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-C(=O)-(C-Cシクロアルキル)、-(C-Cヘテロシクロアルキル)または-(C-Cアルキル)-C(=O)-(C-Cヘテロシクロアルキル)の一つ以上のHは、-T、-OH、-(C-Cアルキル)、-CFまたは-CFHで置換されていてもよく;
は、-Hまたは-(C-Cアルキル)であり;
Qは、-O-または単結合であり;
【化11】
は、単結合または二重結合であり、ただし、
【化12】
が二重結合である場合、Yは、=CH-であり;
a~eは、それぞれ独立に、0、1、2、3または4の整数であり、ただし、aおよびbが同時に0であることはなく、cおよびdが同時に0であることはなく;
fは、1または2の整数であり;
Tは、F、Cl、BrまたはIである。
【0019】
(2)前記(1)において、
前記化学式I中、
、LおよびLは、それぞれ独立に、単結合または-(C-Cアルキレン)-であり;
は、-(C-Cアルキル)、-(C-C12アリール)またはO、NおよびSからなる群から選択される1種以上のヘテロ原子を少なくとも一つ以上含む-(C-C10ヘテロアリール)であり、
において、
-(C-Cアルキル)の一つ以上のHは、-Tまたは-OHで置換されていてもよく、
-(C-C12アリール)またはO、NおよびSからなる群から選択される1種以上のヘテロ原子を少なくとも一つ以上含む-(C-C10ヘテロアリール)の一つ以上のHは、それぞれ独立に、-T、-CFまたは-CFHで置換されていてもよく;
は、O、NおよびSからなる群から選択される1種以上のヘテロ原子を少なくとも一つ以上含む-(C-C10ヘテロアリール)、
【化13】
であり;
は、-CTまたは-CTHであり;
、Y、YおよびYは、それぞれ独立に、=CH-、-CHR-、-NR-、-O-、-C(=O)-または-S(=O)-であり;
、YおよびYは、それぞれ独立に、-CH-または-N-であり;
~Zは、それぞれ独立に、NまたはCRであり、
~Zにおいて、
~Zは、同時に3個以上がNであることはなく、
は、-H、-Tまたは-O(C-Cアルキル)であり;
は、-H、-(C-Cアルキル)、-C(=O)-(C-Cアルキル)または-(C-Cヘテロシクロアルキル)であり;
【化14】
は、単結合または二重結合であり、ただし、
【化15】
が二重結合である場合、Yは、=CH-であり;
a~eは、それぞれ独立に、0、1、2、3または4の整数であり、ただし、aおよびbが同時に0であることはなく、cおよびdが同時に0であることはなく;
fは、1または2の整数であり;
Tは、F、Cl、BrまたはIである、1、3、4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩。
【0020】
本発明において、
【化16】
は、化学式の連結される部分を示すものである。
本発明において、
【化17】
は、単結合または二重結合を示す。すなわち、
【化18】
は、単結合として
【化19】
であるか、または二重結合として
【化20】
であり得る。
【0021】
本発明において、「単結合」は、二つの原子が、結合が形成される一対の電子対を共有する形態の結合を意味する。
【0022】
本発明において、「C-C」(ここで、m、nは、それぞれ独立に、1以上の整数)は、炭素の数を意味し、例えば、「C-Cアルキル」は、炭素数が1~4であるアルキルを示す。
【0023】
本発明において、「アルキル」は、直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基を意味し、例えば、「C-Cアルキル」は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、イソブチルなどを含んでもよい。
【0024】
本発明において、「アルキレン」は、前記で定義されたアルキル(直鎖状または分岐鎖状を全て含む)から誘導された2価の官能基を意味し、例えば、「C-Cアルキレン」は、メチレン(-CH-)、エチレン(-CHCH-)、n-プロピレン(-CHCHCH-)、n-ブチレン(-CHCHCHCH-)などを含んでもよい。
【0025】
本発明において、「ヘテロアリール」は、環中に少なくとも一つ以上のヘテロ原子を有する芳香族官能基を意味し、前記ヘテロ原子は、O、NおよびSからなる群から選択される1種以上を含んでもよい。前記ヘテロアリールは、環中の炭素数が3~10であるものを含んでもよい。ヘテロアリールは、4員以上の環であってもよく、例えば、5員~6員の環であってもよい。例えば、「ヘテロアリール」は、フラン、チオフェン、チアゾール、チアジアゾール、ピロール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、イミダゾール、トリアゾール、トリアジン、ピリダジンまたはピラジンなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0026】
本発明において、「ヘテロシクロアルキル」は、環中に少なくとも一つ以上のヘテロ原子を有する環状アルキルを意味する。前記ヘテロ原子は、O、NおよびSからなる群から選択される1種以上を含んでもよい。前記ヘテロシクロアルキルは、環中の炭素数が3~10であるものを含んでもよい。ヘテロシクロアルキルは、3員以上の環であってもよく、例えば、3員~6員の環であってもよい。例えば、「ヘテロシクロアルキル」は、酸化プロピレン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、アゼチジン、モルホリン、チオモルホリンジオキシド、ピペラジン、ピペリジン、オキサジアゾール、ピロリジンなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明において、Tは、ハロゲン原子を意味し、F、Cl、BrまたはIである。
【0027】
本発明において、薬剤学的に許容可能な塩は、医薬業界で通常用いられる塩を意味し、例えば、カルシウム、カリウム、ナトリウムおよびマグネシウムなどから製造された無機イオン塩;塩酸、硝酸、リン酸、臭素酸、ヨウ素酸、過塩素酸、硫酸などから製造された無機酸塩;酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、シュウ酸、安息香酸、酒石酸、フマル酸、マンデル酸、プロピオン酸、乳酸、グリコール酸、グルコン酸、ガラクツロン酸、グルタミン酸、グルタル酸、グルクロン酸、アスパラギン酸、アスコ
ルビン酸、カルボン酸、バニリン酸、ヨウ化水素酸などから製造された有機酸塩;メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などから製造されたスルホン酸塩;グリシン、アルギニン、リジンなどから製造されたアミノ酸塩;および、トリメチルアミン、トリエチルアミン、アンモニア、ピリジン、ピコリンなどから製造されたアミン塩などが挙げられるが、列挙したこれらの塩によって本発明で意味する塩の種類が限定されるものではない。
【0028】
本発明の化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物の「立体異性体(stereoisomer)」は、部分立体異性体(diastereomer)および光学異性体(enantiomer)を含むものであり、光学異性体は、鏡像異性体だけでなく、鏡像異性体の混合物およびラセミ体の全てを含む。これらの異性体は、従来の技術、例えば、カラムクロマトグラフィーまたはHPLCなどの分割により分離することができる。または、化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物それぞれの立体異性体は、公知の配列の光学的に純粋な出発物質および/または試薬を用いて立体特異的に合成することができる。
【0029】
(3)前記(1)または(2)において、下記表1に示した化合物1~46からなる群から選択されるいずれか一つである、1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩。
【0030】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【0031】
化学式Iの1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物の製造方法
【0032】
化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩は、反応式1~4で表される製造方法によって製造することができ、当業者にとって自明なレベルに変形された製造方法もこれに含まれる。
【0033】
以下、反応式において、X~Xは、順に化学式IのZ~Zとそれぞれ同様であり、それ以外の記号は、反応式で化学式Iと同じ記号で示し、具体的な説明がないものは、化学式Iの定義と同様であるため説明を省いたものである。
下記反応式1~4において、「X」で示した置換基は、脱離基を意味する。
【0034】
下記反応式1~4において、「PG」は、アミン保護基を示し、例えば、PGは、BOC(tert-Butyloxycarbonyl group)であってもよい。
【化21】
【0035】
前記反応式1において、「R」で表される化学式1-1-4の化合物は、化学式Iの定義において1価の置換基であるRに1次または2次アミン基が導入された化合物を意味する。
【0036】
前記反応式1によれば、化学式1-1-1の化合物と化学式1-1-2の化合物とを置換反応させることにより化学式1-1-3の化合物を製造した後、これを化学式1-1-4の化合物および化学式1-1-5の化合物と反応させて化学式1-1-6の化合物を製造する。
前記反応式1により製造される化合物としては、化合物1、2、3、7、35などが挙げられる。
【化22】
【0037】
前記反応式2において、Rは、化学式IでRと定義したものと同様であってもよい。
【0038】
前記反応式2によれば、化学式1-1-3の化合物、化学式1-1-5の化合物および保護基(PG)を含むアミン基が導入されたスピロ化合物を反応させることにより化学式1-2-1の化合物を製造する。その後、保護基を除去して化学式1-2-2の化合物を製造した後、還元的アミン化反応または置換反応により化学式1-2-3の化合物を製造する。
【0039】
前記反応式2により製造される化合物としては、化合物10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、36、37、38、44、45、46などが挙げられる。
【0040】
【化23】
【0041】
前記反応式3において、Rは、
【化24】
であってもよく(ここで、YおよびYは、それぞれ独立に、-N-を示す)、Rは、化学式IでRと定義したものと同様であってもよい。
【0042】
前記反応式3によれば、化学式1-1-3の化合物、化学式1-1-5の化合物および保護基(PG)を含むアミン基が導入されたR化合物を反応させることにより化学式1-3-1の化合物を製造する。その後、保護基を除去して化学式1-3-2の化合物を製造した後、還元的アミン化反応または置換反応により化学式1-3-3の化合物を製造する。
前記反応式3により製造される化合物としては、化合物4、5、39、40、41、42、43などが挙げられる。
【0043】
【化25】
【0044】
前記反応式4によれば、化学式1-4-1の化合物を2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン-2,4-ジスルフィド(Lawesson’s reagent)と反応させて化学式1-4-2または化学式1-4-3の化合物を製造する。
【0045】
または、化学式1-4-2の化合物を1-メトキシ-N-トリエチルアンモニオスルホニル-メタンイミデート(Burgess reagent)と反応させて化学式1-4-3の化合物を製造する。
前記反応式4により製造される化合物としては、化合物6、8、9などが挙げられる。
化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物を含む組成物、その使用、およびそれを用いた治療方法
【0046】
本発明は、前記化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩を有効成分として含む、薬剤学的組成物を提供する。
【0047】
また、本発明は、前記化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩を有効成分として含む、ヒストン脱アセチル化酵素6(Histone deacetylase6)活性と関連する疾患の予防または治療用の薬剤学的組成物を提供する。
【0048】
本発明の薬剤学的組成物は、ヒストン脱アセチル化酵素6を選択的に阻害することにより、ヒストン脱アセチル化酵素6活性と関連する疾患の予防または治療に著しい効果を示す。
【0049】
ヒストン脱アセチル化酵素6(Histone deacetylase6)活性と関連する疾患は、プリオン病などの感染性疾患;良性腫瘍(例えば、骨髄異形成症候群)または悪性腫瘍(例えば、多発性骨髄腫、リンパ腫、白血病、肺癌、大腸癌、結腸癌、前立腺癌、尿路上皮細胞癌、乳癌、黒色腫、皮膚癌、肝臓癌、脳癌、胃癌、卵巣癌、膵臓癌、頭頸部癌、口腔癌または神経膠腫)などの新生物(neoplasm);ウィルソン病、アミロイドーシスまたは糖尿病などの内分泌、栄養および代謝疾患;うつ病またはレット症候群などの精神および行動障害;中枢神経系を障害する系統萎縮症(例えば、ハンチントン病、脊髄性筋萎縮症(SMA)、脊髄小脳失調症(SCA))、神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病)、運動障害(例えば、パーキンソン病)、神経障害(例えば、遺伝性神経障害(シャルコ・マリー・トゥース病)、散発性神経障害、炎症性神経障害、薬物誘発性神経障害)、運動神経疾患(例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS))、または、中枢神経系の脱髄疾患(例えば、多発性硬化症(MS))などの神経疾患;ぶどう膜炎などの眼および付属器疾患;心房細動または脳卒中などの循環器疾患;喘息などの呼吸器疾患;アルコール性肝疾患、炎症性腸疾患、クローン病または潰瘍性腸疾患などの消化器疾患;乾癬などの皮膚および皮下組織疾患;リウマチ様関節炎、変形性関節症または全身性エリテマトーデス(SLE)などの筋骨格系および結合組織疾患;または常染色体優性多発性嚢胞腎などの先天奇形、変形および染色体異常を含み、他にもヒストン脱アセチル化酵素の異常機能に関連する症状または疾患を含む。
【0050】
本発明の薬剤学的組成物は、投与のために、前記化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩に加え、さらに薬剤学的に許容可能な担体を1種以上含んでいてもよい。薬剤学的に許容可能な担体は、生理食塩水、滅菌水、リンゲル液、緩衝生理食塩水、デキストロース溶液、マルトデキストリン溶液、グリセロール、エタノールおよびこれらの成分のうち1成分以上を混合したものを用いてもよく、必要に応じて、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤など、別の通常の添加剤を添加してもよい。また、希釈剤、分散剤、界面活性剤、結合剤および潤滑剤をさらに添加し、水溶液、懸濁液、乳濁液などの注射用剤形、丸薬、カプセル、顆粒または錠剤に製剤化してもよい。したがって、本発明の組成物は、パッチ剤、液剤、丸薬、カプセル、顆粒、錠剤、坐剤などであってもよい。これらの製剤は、当業界で製剤化のために用いられる通常の方法またはRemington’s Pharmaceutical Science(最新版)、Mack Publishing Company,Easton PAに開示されている方法により製剤化してもよく、それぞれの疾患または成分によって様々な製剤として製剤化してもよい。
【0051】
本発明の組成物は、所望の方法に応じて、経口投与または非経口投与(例えば、静脈内、皮下、腹腔内、または局所に適用)してもよく、投与量は、患者の体重、年齢、性別、健康状態、食餌、投与時間、投与方法、排泄率、および疾患の重症度などによってその範囲は様々である。本発明の化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物の1日あたりの投与量は、約1~1000mg/kgであり、好ましくは約5~100mg/kgであり、1日1回~数回に分けて投与してもよい。
【0052】
本発明の前記薬剤学的組成物は、前記化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩のほか、同一または類似した薬効を示す有効成分を1種以上さらに含んでいてもよい。
【0053】
本発明は、前記化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩の治療学的に有効な量を投与することを含むヒストン脱アセチル化酵素6(Histone deacetylase6)活性と関連する疾患の予防または治療方法を提供する。
【0054】
本発明で用いられる「治療学的に有効な量」という用語は、ヒストン脱アセチル化酵素6(Histone deacetylase6)活性と関連する疾患の予防または治療に有効な前記化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物の量を示す。
【0055】
また、本発明は、前記化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩を、ヒトを含む哺乳類に投与して選択的にHDAC6を阻害する方法を提供する。
【0056】
本発明のヒストン脱アセチル化酵素6(Histone deacetylase6)活性と関連する疾患の予防または治療方法は、前記化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物を投与することにより、兆候の発現前に疾病そのものを扱うだけでなく、その兆候を阻害または回避することも含む。疾患の管理において、特定の活性成分の予防的または治療学的用量は、疾病または状態の本性(nature)と深刻度、そして活性成分が投与される経路に応じて様々である。用量および用量の頻度は、個別患者の年齢、体重および反応に応じて様々である。好適な用量・用法は、かかる因子を当然考慮する、当該分野の通常の知識を有する者によって容易に選択できるものである。また、本発明のヒストン脱アセチル化酵素6(Histone deacetylase6)活性と関連する疾患の予防または治療方法は、前記化学式1で表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物と共に、疾患の治療に役立つさらなる活性製剤の治療学的に有効な量の投与をさらに含んでもよく、さらなる活性製剤は、前記化学式Iの化合物と共に相乗効果または補助効果を示すことができる。
【0057】
また、本発明は、ヒストン脱アセチル化酵素6(Histone deacetylase6)活性と関連する疾患の治療用薬剤の製造における前記化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩の使用を提供しようとする。薬剤を製造するための前記化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物は、許容される補助剤、希釈剤、担体などと混合してもよく、その他の活性製剤と共に複合製剤として製造されて活性成分の相乗作用を有することができる。
【0058】
本発明の使用、組成物、治療方法で言及された事項は、互いに矛盾しない限り、同様に適用される。
【発明の効果】
【0059】
本発明の前記化学式Iで表される1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩は、選択的にHDAC6を阻害することができ、ヒストン脱アセチル化酵素6(Histone deacetylase)活性と関連する疾患の予防または治療効果に非常に優れている。
【発明を実施するための形態】
【0060】
以下、本発明の理解を助けるために好ましい実施例を示す。しかし、下記実施例は、本発明をより理解しやすくするために提供されるものであって、本発明の範囲がこれらによって限定されるものではない。
【0061】
1,3,4-オキサジアゾールチオカルボニル化合物の製造
実施例1:化合物1の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-フェニルモルホリン-4-カルボチオアミド
【化26】
【0062】
N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)アニリン(0.500g、1.566mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.091mL、6.264mmol)、そしてチオホスゲン(0.268g、2.349mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を0℃で30分攪拌し、モルホリン(0.135mL、1.566mmol)を添加し、室温でさらに18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~30%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.090g、12.8%)を黄色オイルとして得た。
【0063】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.86(dd,J=8.1,1.3H
z,1H),7.80~7.76(m,2H),7.35(t,J=7.9Hz,2H),7.17~7.11(m,3H),7.05(s,0.25H),6.92(s,0.5H),6.79(s,0.25H),5.51(s,2H),3.67(t,J=4.8Hz,4H),3.51(t,J=4.8Hz,4H).;LRMS(ES)m/z449.4(M+1).
【0064】
実施例2:化合物2の合成、N-((5-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-イル)メチル)-N-フェニルモルホリン-4-カルボチオアミド
[ステップ1]N-((5-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-イル)メチル)アニリンの合成
【化27】
【0065】
アニリン(0.294mL、3.221mmol)を0℃でN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)に溶かした溶液に水素化ナトリウム(60.00%、0.193g、4.832mmol)を加え、同じ温度で30分攪拌した。反応混合物に2-(6-(ブロモメチル)ピリジン-3-イル)-5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール(0.934g、3.221mmol)を添加し、室温でさらに3時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に水を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~50%)で精製および濃縮し、所望の表題化合物(0.337g、34.6%)を黄色オイルとして得た。
【0066】
[ステップ2]化合物2の合成
【化28】
【0067】
ステップ1で製造されたN-((5-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-イル)メチル)アニリン(0.186g、0.615mmol)、モルホリン(0.053mL、0.615mmol)、そしてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.429mL、2.461mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶かし、0℃でチオホスゲン(0.106g、0.923mmol)を添加して同じ温度で30分攪拌し、室温でさらに18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~30%)で精製および濃縮し、所望の表題化合物(0.030g、11.3%)を無色オイルとして得た。
【0068】
H NMR(400MHz,CDCl)δ9.26(d,J=2.1Hz,1H)
,8.34(dd,J=8.2,2.2Hz,1H),7.69(d,J=8.2Hz,1H),7.35(t,J=7.9Hz,2H),7.19~7.12(m,3H),7.07(s,0.25H),6.94(s,0.5H),6.81(s,0.25H),5.65(s,2H),3.68(t,J=4.7Hz,4H),3.55(t,J=4.8Hz,4H).;LRMS(ES)m/z432.4(M+1)
【0069】
実施例3:化合物3の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-フェニルモルホリン-4-カルボチオアミド
[ステップ1]N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)アニリンの合成
【化29】
【0070】
アニリン(0.490mL、5.369mmol)を0℃でN,N-ジメチルホルムアミド(20mL)に溶かした溶液に水素化ナトリウム(60.00%、0.322g、8.053mmol)を加え、同じ温度で30分攪拌した。反応混合物に2-(4-(ブロモメチル)フェニル)-5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール(1.552g、5.369mmol)を添加し、室温でさらに3時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に水を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~50%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.550g、34.0%)を白色固体として得た。
【0071】
[ステップ2]化合物3の合成
【化30】
【0072】
ステップ1で製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)アニリン(0.300g、0.996mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.694mL、3.983mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶かし、0℃でモルホリン(0.086mL、0.996mmol)とチオホスゲン(0.172g、1.494mmol)を添加して同じ温度で30分攪拌し、室温でさらに18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~30%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.100g、23.3%)を無色オイルとして得た。
【0073】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.03(d,J=8.3Hz,2H)
,7.55(d,J=8.2Hz,2H),7.33~7.28(m,2H),7.12(t,J=7.4Hz,1H),7.06~7.04(m,2H),7.06(s,0.25H),6.91(s,0.5H),6.78(s,0.25H),3.65(t,J=4.8Hz,4H),3.50(t,J=4.8Hz,4H).;LRMS(ES)m/z431.4(M+1)
【0074】
実施例4:化合物4の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-4-メチル-N-フェニルピペラジン-1-カルボチオアミド
【0075】
[ステップ1]tert-ブチル4-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)(フェニル)カルバモチオイル)ピペラジン-1-カルボキシレートの合成
【化31】
【0076】
化合物3のステップ1で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)アニリン(0.677g、2.247mmol)、tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート(0.419g、2.247mmol)、そしてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.565mL、8.988mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶かし、0℃でチオホスゲン(0.388g、3.370mmol)を添加して同じ温度で30分攪拌し、室温でさらに18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽
出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~30%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.600g、50.4%)を黄色オイルとして得た。
【0077】
[ステップ2]N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-フェニルピペラジン-1-カルボチオアミドの合成
【化32】
【0078】
ステップ1で製造されたtert-ブチル4-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)(フェニル)カルバモチオイル)ピペラジン-1-カルボキシレート(0.600g、1.133mmol)とトリフルオロ酢酸(0.868mL、11.329mmol)を室温でジクロロメタン(20mL)に溶かした溶液を同じ温度で5時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.450g、92.5%、白色固体)。
【0079】
[ステップ3]化合物4の合成
【化33】
【0080】
ステップ2で製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-フェニルピペラジン-1-カルボチオアミド(0.200g、0.466mmol)、ホルムアルデヒド(0.028g、0.931mmol)、そしてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.197g、0.931mmol)を室温でジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.050g、24.2%)を無色オイルとして得た。
【0081】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.05(d,J=8.3Hz,2H)
,7.56(d,J=8.3Hz,2H),7.32~7.28(m,2H),7.12(t,J=7.4Hz,1H),7.04(d,J=7.9Hz,2H),7.04(s,0.25H),6.91(s,0.5H),6.78(s,0.25H),5.52(s,2H),3.69(t,J=4.9Hz,4H),2.28(t,J=5.0Hz,
4H),2.23(s,3H).;LRMS(ES)m/z444.3(M+1).
【0082】
実施例5:化合物5の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-4-(オキセタン-3-イル)-N-フェニルピペラジン-1-カルボチオアミド
【化34】
【0083】
化合物4のステップ2で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-フェニルピペラジン-1-カルボチオアミド(0.200g、0.466mmol)、3-オキセタノン(0.055mL、0.931mmol)、そしてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.197g、0.931mmol)を室温でジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.100g、44.2%)を無色オイルとして得た。
【0084】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.04(d,J=8.3Hz,2H)
,7.55(d,J=8.2Hz,2H),7.32~7.28(m,2H),7.14~7.10(m,1H),7.04~7.02(m,2H),7.04(s,0.25H),6.91(s,0.5H),6.78(s,0.25H),5.51(s,2H),4.62(t,J=6.6Hz,2H),4.52(t,J=6.1Hz,2H),3.70(t,J=4.9Hz,4H),3.44~3.38(m,1H),2.19(t,J=5.0Hz,4H).;LRMS(ES)m/z486.4(M+1).
【0085】
実施例6:化合物6の合成、N-((5-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-イル)メチル)-N-フェニルチオモルホリン-4-カルボチオアミド1,1-ジオキシド
【化35】
【0086】
N-((5-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ピリジン-2-イル)メチル)-N-フェニルチオモルホリン-4-カルボキサミド1,1-ジオキシド(0.200g、0.432mmol)と2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン-2,4-ジスルフィド(Lawesson’s reagent、0.175g、0.432mmol)を110℃でトルエン(20mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した後、温度を室温に下げて
反応を終了した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~30%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.027g、13.0%)を黄色発泡固体として得た。
【0087】
H NMR(400MHz,CDCl)δ9.27(d,J=2.0Hz,1H)
,8.41(dd,J=8.2,2.2Hz,1H),7.62(d,J=8.2Hz,1H),7.41(t,J=7.9Hz,2H),7.28~7.21(m,3H),7.09(s,0.25H),6.96(s,0.5H),6.83(s,0.25H),5.62(s,2H),4.11~4.06(m,4H),2.97(t,J=5.2Hz,4H).;LRMS(ES)m/z480.3(M+1).
【0088】
実施例7:化合物7の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-4-メチル-N-フェニルピペラジン-1-カルボチオアミド
【化36】
【0089】
N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)アニリン(0.200g、0.626mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.218mL、1.253mmol)を0℃でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にチオホスゲン(0.053mL、0.689mmol)を加え、同じ温度で攪拌した。反応混合物に1-メチルピペラジン(0.084mL、0.752mmol)を添加し、室温でさらに18時間攪拌した。反応混合物に飽和塩化ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、4gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~2.5%)で精製および濃縮した後、得られた物質を再びクロマトグラフィー法(SiO plate、20×20×1mm;メタノール/ジクロロメタン=3%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.034g、11.8%)を黄色オイルとして得た。
【0090】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.87(d,J=1.4Hz,1H)
,7.85-7.76(m,2H),7.35-7.28(m,2H),7.15-7.11(m,3H),6.89(t,J=51.7Hz,1H),5.52(s,2H),3.68(t,J=5.0Hz,4H),2.26(t,J=5.0Hz,4H),2.07(s,3H);LRMS(ES)m/z462.3(M+1).
【0091】
実施例8:化合物8の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-7-メチル-N-フェニル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボチオアミド
【0092】
[ステップ1]N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-フェニル-7-アザスピロ[3.5]ノ
ナン-2-カルボチオアミドの合成
【化37】
【0093】
tert-ブチル2-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)(フェニル)カルバモイル)-7-アザスピロ[3.5]ノナン-7-カルボキシレート(0.110g、0.193mmol)と2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン-2,4-ジスルフィド(Lawesson’s reagent、0.117g、0.289mmol)を110℃でトルエン(10mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した後、温度を室温に下げて反応を終了した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.077g、82.1%)を褐色オイルとして得た。
【0094】
[ステップ2]化合物8の合成
【化38】
【0095】
ステップ1で製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-フェニル-7-アザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボチオアミド(0.077g、0.158mmol)、ホルムアルデヒド(0.010g、0.317mmol)、そしてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.067g、0.317mmol)を室温でジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.035g、44.2%)を白色固体として得た。
【0096】
H NMR(400MHz,CDCl)7.88(d,J=8.0Hz,1H),
7.73~7.72(m,2H),7.39~7.38(m,3H),7.05(s,0.25H),6.98~6.97(m,2H),6.92(s,0.5H),6.79(s,0.25H),5.72(s,2H),3.26~3.22(m,1H),3.10~2.90(m,2H),2.67(s,3H),2.40~2.24(m,2H),2.06~2.02(m,4H),1.76~1.74(m,4H).;LRMS(ES)m/z501.5(M+1).
【0097】
実施例9:化合物9の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オ
キサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-フェニルピリジン-4-カルボチオアミド
【0098】
[ステップ1]N-(4-(2-(2,2-ジフルオロアセチル)ヒドラジン-1-カルボニル)-2-フルオロベンジル)-N-フェニルピリジン-4-カルボチオアミドの合成
【化39】
【0099】
N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-フェニルイソニコチンアミド(0.414g、0.976mmol)と2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3,2,4-ジチアジホスフェタン-2,4-ジスルフィド(Lawesson’s reagent、0.592g、1.463mmol)を110℃でトルエン(10mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した後、温度を室温に下げて反応を終了した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.14g、31.3%)を褐色オイルとして得た。
【0100】
[ステップ2]化合物9の合成
【化40】
【0101】
ステップ1で製造されたN-(4-(2-(2,2-ジフルオロアセチル)ヒドラジン-1-カルボニル)-2-フルオロベンジル)-N-フェニルピリジン-4-カルボチオアミド(0.140g、0.305mmol)と1-メトキシ-N-トリエチルアンモニオスルホニル-メタンイミデート(Burgess reagent、0.109g、0.458mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に混合し、マイクロ波を照射して150℃で30分加熱した後、温度を室温に下げて反応を終了した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~40%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.060g、44.6%)を褐色オイルとして得た。
【0102】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.39(d,J=5.8Hz,2H)
,7.94~7.71(m,3H),7.20~7.11(m,5H),7.06(s,0.25H),6.99~6.94(m,2H),6.94(s,0.5H),6.80(s,0.25H),5.88(s,2H).;LRMS(ES)m/z441.4(M+1).
【0103】
実施例10:化合物10の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4
-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-6-メチル-N-フェニル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【0104】
[ステップ1]tert-ブチル6-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)(フェニル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートの合成
【化41】
【0105】
N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)アニリン(0.500g、1.566mmol)、tert-ブチル2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートヘミオキサレート(0.457g、0.940mmol)、チオホスゲン(0.132mL、1.723mmol)、そしてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.546mL、3.132mmol)を室温でジクロロメタン(5mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=10%~70%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.433g、49.4%)を橙色オイルとして得た。
【0106】
[ステップ2]N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-フェニル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミドの合成
【化42】
【0107】
ステップ1で製造されたtert-ブチル6-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)(フェニル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(0.433g、0.774mmol)とトリフルオロ酢酸(0.415mL、5.416mmol)を室温でジクロロメタン(5mL)に溶かした溶液を同じ温度で5時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.340g、95.6%、黄色固体)。
【0108】
[ステップ3]化合物10の合成
【化43】
【0109】
ステップ2で製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-フェニル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.150g、0.326mmol)とホルムアルデヒド(38.00% solution、0.036mL、0.490mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.138g、0.653mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、4gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.107g、69.2%)を淡黄色オイルとして得た。
【0110】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.95(t,J=7.6Hz,1H)
,7.87(dd,J=8.1,1.5Hz,1H),7.68(dd,J=9.9,1.5Hz,1H),7.34-7.32(m,2H),7.28-7.24(m,1H),7.13-7.10(m,2H),6.91(t,J=51.7Hz,1H),5.63(s,2H),3.74(brs,4H),3.18(s,4H),2.22(s,3H);LRMS(ES)m/z474.4(M+1).
【0111】
実施例11:化合物11の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-6-(オキセタン-3-イル)-N-フェニル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化44】
【0112】
化合物10のステップ2で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-フェニル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.150g、0.326mmol)と3-オキセタノン(0.029mL、0.490mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.138g、0.653mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、4gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~2.5%)で精製および濃縮した後、得られた物質を再びクロマトグラフィー法(SiO、4gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=50%~100%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.062g、36.8%)を淡
黄色固体として得た。
【0113】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.94(t,J=7.6Hz,1H)
,7.87(dd,J=8.1,1.4Hz,1H),7.67(dd,J=9.9,1.4Hz,1H),7.35-7.31(m,2H),7.29-7.26(m,1H),7.13-7.11(m,2H),6.91(t,J=51.7Hz,1H),5.63(s,2H),4.63(t,J=6.6Hz,2H),4.37(t,J=5.9Hz,2H),3.84-3.80(m,5H),3.26(s,4H);LRMS(ES)m/z516.5(M+1).
【0114】
実施例12:化合物12の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(2,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【0115】
[ステップ1]N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-2,4-ジフルオロアニリンの合成
【化45】
【0116】
2,4-ジフルオロアニリン(0.500g、3.873mmol)、2-(4-(ブロモメチル)-3-フルオロフェニル)-5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール(1.189g、3.873mmol)、そして炭酸カリウム(1.070g、7.745mmol)を50℃でアセトニトリル(20mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した後、温度を室温に下げて反応を終了した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、40gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~30%)で精製および濃縮し、表題化合物(1.100g、80.0%)を白色固体として得た。
【0117】
[ステップ2]tert-ブチル6-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)(2,4-ジフルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートの合成
【化46】
【0118】
ステップ1で製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-2,4-ジフルオロアニリン(0.843g、2.373mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.653m
L、9.491mmol)、そしてチオホスゲン(0.704g、2.373mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶かした溶液を0℃で30分攪拌し、tert-ブチル2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートヘミオキサレート(0.577g、1.186mmol)を添加して室温でさらに18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~50%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.200g、14.2%)を無色オイルとして得た。
【0119】
[ステップ3]N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(2,4-ジフルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド2,2,2-トリフルオロアセテートの合成
【化47】
【0120】
ステップ2で製造されたtert-ブチル6-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)(2,4-ジフルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(0.084g、0.141mmol)を室温でジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.084g、97.7%、黄色オイル)。
【0121】
[ステップ4]化合物12の合成
【化48】
【0122】
ステップ3で製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(2,4-ジフルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド2,2,2-トリフルオロアセテート(0.084g、0.138mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.024mL、0.138mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.058g、0.276mmol)、そしてホルムアルデヒド(0.008g、0.276mmol)を室温でジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を同じ温度
で18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~30%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.020g、28.5%)を黄色オイルとして得た。
【0123】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.01(t,J=7.6Hz,1H)
,7.87(dd,J=8.1,1.2Hz,1H),7.67(dd,J=9.9,1.2Hz,1H),7.07~7.01(m,1H),7.04(s,0.25H),6.92(s,0.5H),6.92~6.82(m,2H),6.79(s,0.25H),5.55(s,2H),3.84(s,4H),3.41(s,4H),2.34(s,3H).;LRMS(ES)m/z510.5(M+1).
【0124】
実施例13:化合物13の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【0125】
[ステップ1]N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-3,4-ジフルオロアニリンの合成
【化49】
【0126】
3,4-ジフルオロアニリン(0.500g、3.873mmol)、2-(4-(ブロモメチル)-3-フルオロフェニル)-5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール(1.189g、3.873mmol)、そして炭酸カリウム(1.070g、7.745mmol)を50℃でアセトニトリル(20mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した後、温度を室温に下げて反応を終了した。反応混合物に水を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、40gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~30%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.880g、64.0%)を白色固体として得た。
【0127】
[ステップ2]tert-ブチル6-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)(3,4-ジフルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートの合成
【化50】
【0128】
ステップ1で製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-3,4-ジフルオロアニリン(0.756g、2.128mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.483mL、8.512mmol)、そしてチオホスゲン(0.631g、2.128mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶かした溶液を0℃で30分攪拌し、tert-ブチル2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートヘミオキサレート(0.518g、1.064mmol)を添加して室温でさらに18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~50%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.200g、15.8%)を無色オイルとして得た。
【0129】
[ステップ3]N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド2,2,2-トリフルオロアセテートの合成
【化51】
【0130】
ステップ2で製造されたtert-ブチル6-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)(3,4-ジフルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(0.140g、0.235mmol)とトリフルオロ酢酸(0.180mL、2.351mmol)を室温でジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.140g、97.7%、黄色オイル)。
【0131】
[ステップ4]化合物13の合成
【化52】
【0132】
ステップ3で製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド2,2,2-トリフルオロアセテート(0.140g、0.230mmol)、N,N-ジイソプロピルエ
チルアミン(0.040mL、0.230mmol)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.097g、0.459mmol)、そしてホルムアルデヒド(0.014g、0.459mmol)を室温でジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~30%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.060g、51.3%)を黄色オイルとして得た。
【0133】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.93~7.88(m,2H),7.
72(d,J=10.2Hz,1H),7.14(dd,J=18.0,8.9Hz,1H),7.05(s,0.25H),7.01~6.96(m,1H),6.94(s,0.5H),6.88~6.86(m,1H),6.79(s,0.25H),5.56(s,2H),4.00~3.70(m,4H),3.36(s,4H),2.36(s,3H).;LRMS(ES)m/z510.5(M+1).
【0134】
実施例14:化合物14の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(3-フルオロフェニル)-6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【0135】
[ステップ1]N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(3-フルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミドの合成
【化53】
【0136】
tert-ブチル6-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)(3-フルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(0.500g、0.893mmol)とトリフルオロ酢酸(0.479mL、6.254mmol)を室温でジクロロメタン(5mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.361g、93.7%、黄色固体)。
【0137】
[ステップ2]化合物14の合成
【化54】
【0138】
ステップ1で製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサ
ジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(3-フルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.100g、0.218mmol)とホルムアルデヒド(38.00% solution、0.024mL、0.326mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.092g、0.435mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、4gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~5%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.038g、36.9%)を白色固体として得た。
【0139】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.04(d,J=8.2Hz,2H)
,7.54(d,J=8.2Hz,2H),7.32-7.26(m,1H),7.05-6.79(m,4H),5.55(s,2H),3.83(brs,4H),3.25(s,4H),2.27(s,3H);LRMS(ES)m/z474.7(M+1).
【0140】
実施例15:化合物15の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(3-フルオロフェニル)-6-(オキセタン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化55】
【0141】
化合物14のステップ1で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(3-フルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.100g、0.218mmol)と3-オキセタノン(0.021mL、0.326mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.092g、0.435mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、4gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~2.5%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.046g、41.0%)を淡黄色固体として得た。
【0142】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.03(d,J=8.2Hz,2H)
,7.53(d,J=8.2Hz,2H),7.33-7.27(m,1H),7.05-6.79(m,4H),5.55(s,2H),4.65(t,J=6.7Hz,2H),4.40(t,J=5.9Hz,2H),3.87(brs,4H),3.66-3.63(m,1H),3.30(s,4H);LRMS(ES)m/z516.7(M+1).
【0143】
実施例16:化合物16の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(3-フルオロフェニル)-6-イソ
プロピル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化56】
【0144】
化合物14のステップ1で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(3-フルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.100g、0.218mmol)とアセトン(0.024mL、0.326mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.092g、0.435mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~5%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.028g、25.7%)を白色固体として得た。
【0145】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.03(d,J=8.2Hz,2H)
,7.54(d,J=8.1Hz,2H),7.31-7.26(m,1H),7.05-6.79(m,4H),5.55(s,2H),3.83(brs,4H),3.22(s,4H),2.23-2.15(m,1H),0.90(d,J=6.0Hz,6H);LRMS(ES)m/z502.7(M+1).
【0146】
実施例17:化合物17の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
[ステップ1]N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-4-フルオロアニリンの合成
【化57】
【0147】
4-フルオロアニリン(1.000g、8.999mmol)と水素化ナトリウム(60.00%、0.378g、9.449mmol)を0℃でN,N-ジメチルホルムアミド(30mL)に溶かした溶液に2-(4-(ブロモメチル)-3-フルオロフェニル)-5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール(2.902g、9.449mmol)を添加し、室温で18時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、24gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=5%~20%)で精製および濃縮し、所望の化合物(1.360g、44.8%)を黄色固体として得た。
【0148】
[ステップ2]tert-ブチル6-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)(4-フルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートの合成
【化58】
【0149】
ステップ1で製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-4-フルオロアニリン(1.000g、2.965mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.549mL、8.895mmol)を0℃でジクロロメタン(30mL)に溶かした溶液にチオホスゲン(0.227mL、2.965mmol)を加え、同じ温度で攪拌した。反応混合物にtert-ブチル2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートヘミオキサレート(0.866g、1.779mmol)を添加し、室温でさらに18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=10%~30%)で精製および濃縮し、所望の化合物(1.220g、71.2%)を淡黄色固体として得た。
【0150】
[ステップ3]N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミドの合成
【化59】
【0151】
ステップ2で製造されたtert-ブチル6-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)(4-フルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(1.220g、2.112mmol)とトリフルオロ酢酸(1.132mL、14.785mmol)を室温でジクロロメタン(50mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.964g、95.6%、淡黄色固体)。
【0152】
[ステップ4]化合物17の合成
【化60】
【0153】
ステップ3で製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.100g、0.209mmol)とホルムアルデヒド(38.00% solution、0.023mL、0.314mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.089g、0.419mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、4gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~5%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.037g、35.9%)を白色固体として得た。
【0154】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.95(t,J=7.5Hz,1H)
,7.88(d,J=8.1Hz,1H),7.68(d,J=9.9Hz,1H),7.10-7.08(m,2H),7.07-6.79(m,3H),5.60(s,2H),3.78(brs,4H),3.20(s,4H),2.23(s,3H);LRMS(ES)m/z492.7(M+1).
【0155】
実施例18:化合物18の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化61】
【0156】
化合物17のステップ3で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.100g、0.209mmol)とアセトン(0.023mL、0.314mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.089g、0.419mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、4gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~5%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.030g、27.6%)を淡黄色固体として得た。
【0157】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.94(t,J=7.6Hz,1H)
,7.87(d,J=8.1Hz,1H),7.68(d,J=9.9Hz,1H),7.10-7.06(m,2H),7.02-6.79(m,3H),5.59(s,2H),3.72(brs,4H),3.19(s,4H),2.20-2.17(m,1H),0.86(d,J=6.2Hz,6H);LRMS(ES)m/z520.7(M+1).
【0158】
実施例19:化合物19の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-6-(オキセタン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化62】
【0159】
化合物17のステップ3で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.100g、0.209mmol)と3-オキセタノン(0.020mL、0.314mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.089g、0.419mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、4gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~2.5%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.016g、14.3%)を白色固体として得た。
【0160】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.96(t,J=7.6Hz,1H)
,7.88(d,J=8.1Hz,1H),7.69(d,J=9.9Hz,1H),7.12-7.08(m,2H),7.04(d,J=8.1Hz,2H),7.01-6.79(m,1H),5.60(s,2H),4.64(t,J=6.6Hz,2H),4.39(t,J=5.9Hz,2H),3.83(brs,4H),3.75-3.62(m,1H),3.27(s,4H);LRMS(ES)m/z534.6(M+1).
【0161】
実施例20:化合物20の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
[ステップ1]N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-4-フルオロアニリンの合成
【化63】
【0162】
4-フルオロアニリン(1.000g、8.999mmol)と水素化ナトリウム(60.00%、0.378g、9.449mmol)を0℃でN,N-ジメチルホルムアミド(30mL)に溶かした溶液に2-(4-(ブロモメチル)フェニル)-5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール(2.732g、9.449mmol)を添加し、室温で18時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、24gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=5%~20%)で精製および濃縮し、所望の化合物(1.510g、52.6%)をピンク色固体として得た。
【0163】
[ステップ2]tert-ブチル6-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)(4-フルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートの合成
【化64】
【0164】
ステップ1で製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-4-フルオロアニリン(1.000g、3.132mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.637mL、9.396mmol)を0℃でジクロロメタン(50mL)に溶かした溶液にチオホスゲン(0.360g、3.132mmol)を加え、同じ温度で攪拌した。反応混合物にtert-ブチル2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートヘミオキサレート(0.914g、1.879mmol)を添加し、室温でさらに18時間攪拌した。反応混合物にN-炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=10%~40%)で精製および濃縮し、所望の化合物(1.200g、68.5%)を黄色固体として得た。
【0165】
[ステップ3]N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミドの合成
【化65】
【0166】
ステップ2で製造されたtert-ブチル6-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)(4-フルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(1.200g、2.144mmol)とトリフルオロ酢酸(1.149mL、15.010mmol)を室温でジクロロメタン(15mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.948g、96.2%、淡黄色固体)。
【0167】
[ステップ4]化合物20の合成
【化66】
【0168】
ステップ3で製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.100g、0.218mmol)とホルムアルデヒド(38.00% solution、0.024mL、0.326mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.092g、0.435mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、4gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~5%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.051g、49.5%)を白色固体として得た。
【0169】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.03(d,J=8.1Hz,2H)
,7.53(d,J=8.1Hz,2H),7.05-6.79(m,5H),5.54(s,2H),3.77(brs,4H),3.24(s,4H),2.26(s,3H);LRMS(ES)m/z474.6(M+1).
【0170】
実施例21:化合物21の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化67】
【0171】
化合物20のステップ3で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.100g、0.218mmol)とアセトン(0.024mL、0.326mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.092g、0.435mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、4gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~5%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.037g、33.9%)を白色固体として得た。
【0172】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.03(d,J=8.1Hz,2H)
,7.53(d,J=8.2Hz,2H),7.05-6.79(m,5H),5.54(s,2H),3.85(brs,4H),3.33(brs,4H),2.48-2.47(m,1H),0.95-0.89(m,6H);LRMS(ES)m/z502.7(M+1).
【0173】
実施例22:化合物22の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-6-(オキセタン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化68】
【0174】
化合物20のステップ3で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.100g、0.218mmol)と3-オキセタノン(0.021mL、0.326mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.092g、0.435mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、4gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~2.5%)で精製および濃縮し、所望の化合物(
0.069g、61.5%)を白色固体として得た。
【0175】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.03(d,J=8.0Hz,2H)
,7.53(d,J=8.1Hz,2H),7.05-6.79(m,5H),5.55(s,2H),4.68(t,J=6.7Hz,2H),4.42(t,J=5.9Hz,2H),3.85-3.72(m,5H),3.38(s,4H);LRMS(ES)m/z516.7(M+1).
【0176】
実施例23:化合物23の合成、N-(3,4-ジクロロフェニル)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【0177】
[ステップ1]tert-ブチル6-((3,4-ジクロロフェニル)(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートの合成
【化69】
【0178】
3,4-ジクロロ-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)アニリン(0.930g、2.396mmol)、チオホスゲン(0.184mL、2.396mmol)、そしてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.252mL、7.188mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶かした溶液を0℃で30分攪拌し、tert-ブチル2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートヘミオキサレート(0.583g、1.198mmol)を添加して室温でさらに18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、40gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~30%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.280g、18.6%)を黄色オイルとして得た。
【0179】
[ステップ2]N-(3,4-ジクロロフェニル)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド2,2,2-トリフルオロアセテートの合成
【化70】
【0180】
ステップ1で製造されたtert-ブチル6-((3,4-ジクロロフェニル)(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(0.275g、0.438mmol)とトリフルオロ酢酸(0.335mL、4.376mmol)を室温でジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.275g、97.8%、黄色オイル)。
【0181】
[ステップ3]化合物23の合成
【化71】
【0182】
ステップ2で製造されたN-(3,4-ジクロロフェニル)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド2,2,2-トリフルオロアセテート(0.150g、0.233mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.041mL、0.233mmol)、ホルムアルデヒド(0.014g、0.467mmol)、そしてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.099g、0.467mmol)を室温でジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を同じ温度で12時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.100g、79.0%)を無色オイルとして得た。
【0183】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.90~7.87(m,2H),7.
72(d,J=9.8Hz,1H),7.41(d,J=8.6Hz,1H),7.26(d,J=2.3Hz,1H),7.05(s,0.25H),6.98(dd,J=8.6,2.4Hz,1H),6.92(s,0.5H),6.79(s,0.25H),5.55(s,2H),3.87~3.73(m,4H),3.41(s,4H),2.34(s,3H).;LRMS(ES)m/z542.2(M+1).
【0184】
実施例24:化合物24の合成、N-(3,4-ジクロロフェニル)-N-(4-(5
-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-6-(オキセタン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化72】
【0185】
化合物23のステップ2で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(3,4-ジクロロフェニル)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド2,2,2-トリフルオロアセテート(0.150g、0.233mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.041mL、0.233mmol)、3-オキセタノン(0.027mL、0.467mmol)、そしてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.099g、0.467mmol)を室温でジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を同じ温度で12時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.100g、73.3%)を無色オイルとして得た。
【0186】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.90~7.89(m,2H),7.
73(d,J=10.0Hz,1H),7.42(d,J=8.5Hz,1H),7.28~7.27(m,1H),7.05(s,0.25H),6.99(dd,J=8.5,2.3Hz,1H),6.92(s,0.5H),6.79(s,0.25H),5.57(s,2H),4.69~4.63(m,2H),4.48~4.45(m,2H),3.94~3.89(m,4H),3.67~3.61(m,1H),3.29(s,4H).;LRMS(ES)m/z584.3(M+1).
【0187】
実施例25:化合物25の合成、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【0188】
[ステップ1]tert-ブチル6-((3-クロロ-4-フルオロフェニル)(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートの合成
【化73】
【0189】
3-クロロ-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-4-フルオロアニリン(1.000g、2.690mmol)、チオホスゲン(0.206mL、2.690mmol)、そしてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.406mL、8.071mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶かした溶液を0℃で30分攪拌し、tert-ブチル2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートヘミオキサレート(0.654g、1.345mmol)を添加して室温でさらに18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、40gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~30%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.650g、39.5%)を黄色オイルとして得た。
【0190】
[ステップ2]N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド2,2,2-トリフルオロアセテートの合成
【化74】
【0191】
ステップ1で製造されたtert-ブチル6-((3-クロロ-4-フルオロフェニル)(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(0.680g、1.111mmol)とトリフルオロ酢酸(0.851mL、11.110mmol)を室温でジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.680g、97.8%、黄色オイル)。
【0192】
[ステップ3]化合物25の合成
【化75】
【0193】
ステップ2で製造されたN-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド2,2,2-トリフルオロアセテート(0.262g、0.419mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.073mL、0.419mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を室温で30分攪拌し、ホルムアルデヒド(0.025g、0.837mmol)とトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.177g、0.837mmol)を添加して同じ温度でさらに18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.150g、68.1%)を無色オイルとして得た。
【0194】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.93~7.88(m,2H),7.
72(d,J=10.0Hz,1H),7.22(dd,J=6.3,2.5Hz,1H),7.12(t,J=8.5Hz,1H),7.05(s,0.25H),7.01~6.97(m,1H),6.92(s,0.5H),6.79(s,0.25H),5.55(s,2H),3.92(s,4H),3.39(s,4H),2.32(s,3H).;LRMS(ES)m/z526.6(M+1).
【0195】
実施例26:化合物26の合成、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【0196】
[ステップ1]tert-ブチル6-((3-クロロ-4-フルオロフェニル)(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートの合成
【化76】
【0197】
3-クロロ-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-4-フルオロアニリン(0.950g、2.686mmol)、チオホスゲン(0.206mL、2.686mmol)、そしてN,N-ジイソプロピ
ルエチルアミン(1.403mL、8.057mmol)をジクロロメタン(20mL)に溶かした溶液を0℃で30分攪拌し、tert-ブチル2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートヘミオキサレート(0.653g、1.343mmol)を添加して室温でさらに18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、40gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~30%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.853g、53.5%)を黄色オイルとして得た。
【0198】
[ステップ2]N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド2,2,2-トリフルオロアセテートの合成
【化77】
【0199】
ステップ1で製造されたtert-ブチル6-((3-クロロ-4-フルオロフェニル)(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(0.853g、1.436mmol)とトリフルオロ酢酸(1.100mL、14.359mmol)を室温でジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去した後、得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.853g、97.7%、黄色オイル)。
【0200】
[ステップ3]化合物26の合成
【化78】
【0201】
ステップ2で製造されたN-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド2,2,2-トリフルオロアセテート、そしてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.097mL、0.554mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を室温で30分攪拌し、ホルムアルデヒド(0.033g、1.109mmol)とトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.235g、1.109mmol)を添加して同じ温度でさらに18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮
物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.220g、78.1%)を無色オイルとして得た。
【0202】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.04(d,J=8.1Hz,2H)
,7.51(d,J=8.1Hz,2H),7.16(dd,J=6.3,2.5Hz,1H),7.10(t,J=8.5Hz,1H),7.05(s,0.25H),6.95~6.91(m,1H),6.92(s,0.5H),6.79(s,0.25H),5.50(s,2H),3.86~3.73(m,4H),3.51(s,4H),2.40(s,3H).;LRMS(ES)m/z508.5(M+1).
【0203】
実施例27:化合物27の合成、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-6-(オキセタン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化79】
【0204】
化合物26のステップ2で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド2,2,2-トリフルオロアセテート(0.320g、0.526mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.092mL、0.526mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を室温で30分攪拌し、3-オキセタノン(0.062mL、1.053mmol)とトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.223g、1.053mmol)を添加して同じ温度でさらに18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.188g、70.3%)を無色オイルとして得た。
【0205】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.05(d,J=8.1Hz,2H)
,7.53(d,J=8.1Hz,2H),7.19(dd,J=6.3,2.4Hz,1H),7.10(t,J=8.5Hz,1H),7.05(s,0.25H),6.96~6.92(m,1H),6.92(s,0.5H),6.79(s,0.25H),5.52(s,2H),4.65(t,J=6.6Hz,2H),4.40(t,J=5.8Hz,2H),3.86~3.75(m,4H),3.67~3.61(m,1H),3.29(s,4H).;LRMS(ES)m/z550.4(M+1).
【0206】
実施例28:化合物28の合成、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-6-イソプロピル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化80】
【0207】
化合物25のステップ2で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド2,2,2-トリフルオロアセテート(0.254g、0.406mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.071mL、0.406mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を室温で30分攪拌し、アセトン(0.024g、0.812mmol)とトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.172g、0.812mmol)を添加して同じ温度でさらに18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.160g、71.2%)を無色オイルとして得た。
【0208】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.93~7.88(m,2H),7.
72(d,J=10.0Hz,1H),7.22(dd,J=6.3,2.4Hz,1H),7.14~7.09(m,1H),7.05(s,0.25H),7.01~6.97(m,1H),6.92(s,0.5H),6.79(s,0.25H),5.50(s,2H),3.95~3.84(m,4H),3.42(s,4H),2.49~2.42(m,1H),0.98~0.96(m,6H).;LRMS(ES)m/z554.7(M+1).
【0209】
実施例29:化合物29の合成、N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-6-イソプロピル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化81】
【0210】
化合物26のステップ2で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド2,2,2-トリフルオロアセテート(0.325g、0.535mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.093mL、0.535mmo
l)をジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を室温で30分攪拌し、アセトン(0.032g、1.069mmol)とトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.227g、1.069mmol)を添加して同じ温度でさらに18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.199g、69.4%)を無色オイルとして得た。
【0211】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.04(d,J=8.1Hz,2H)
,7.53(d,J=8.1Hz,2H),7.17(dd,J=6.2,2.2Hz,1H),7.08(t,J=8.7Hz,1H),7.05(s,0.25H),6.94~6.92(m,1H),6.92(s,0.5H),6.79(s,0.25H),5.52(s,2H),3.91~3.74(m,4H),3.18(s,4H),2.20~2.16(m,1H),0.88(d,J=6.2Hz,6H).;LRMS(ES)m/z536.4(M+1).
【0212】
実施例30:化合物30の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【0213】
[ステップ1]tert-ブチル6-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)(3,4-ジフルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートの合成
【化82】
【0214】
N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-3,4-ジフルオロアニリン(1.000g、2.965mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.549mL、8.895mmol)を0℃でジクロロメタン(50mL)に溶かした溶液にチオホスゲン(0.341g、2.965mmol)を加え、同じ温度で攪拌した。反応混合物にtert-ブチル2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートヘミオキサレート(0.866g、1.779mmol)を添加し、室温でさらに18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=10%~40%)で精製および濃縮し、所望の化合物(1.080g、63.1%)を黄色固体として得た。
【0215】
[ステップ2]N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミドの合成
【化83】
【0216】
ステップ1で製造されたtert-ブチル6-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)(3,4-ジフルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(1.080g、1.870mmol)とトリフルオロ酢酸(1.002mL、13.089mmol)を室温でジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.864g、96.8%、淡黄色固体)。
【0217】
[ステップ3]化合物30の合成
【化84】
【0218】
ステップ2で製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.100g、0.209mmol)とホルムアルデヒド(38.00% solution in water、0.023mL、0.314mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.089g、0.419mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、4gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~5%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.030g、29.1%)を白色固体として得た。
【0219】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.02(d,J=8.1Hz,2H)
,7.51(d,J=8.0Hz,2H),7.08(q,J=9.3Hz,1H),7.01-6.78(m,3H),5.51(s,2H),3.82(brs,4H),3.21(s,4H),2.23(s,3H);LRMS(ES)m/z492.7(M+1)
【0220】
実施例31:化合物31の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-イソプロピル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化85】
【0221】
化合物30のステップ2で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド(1.000g、2.094mmol)とアセトン(0.234mL、3.141mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.888g、4.189mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~5%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.029g、2.7%)を白色固体として得た。
【0222】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.04(d,J=8.4Hz,2H)
,7.53(d,J=8.4Hz,2H),7.10(q,J=9.0Hz,1H),7.05-6.80(m,3H),5.52(s,2H),3.84(brs,4H),3.18(s,4H),2.20-2.15(m,1H),0.89(d,J=6.9Hz,6H);LRMS(ES)m/z520.8(M+1).
【0223】
実施例32:化合物32の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-(オキセタン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化86】
【0224】
化合物30のステップ2で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)ベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.100g、0.209mmol)と3-オキセタノン(0.020mL、0.314mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.089g、0.419mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~2.5%)で精製および濃縮し、所望の
化合物(0.034g、30.4%)を白色固体として得た。
【0225】
H NMR(400MHz,CDCl)δ8.05(d,J=8.4Hz,2H)
,7.53(d,J=8.4Hz,2H),7.14(q,J=9.0Hz,1H),7.06-6.80(m,3H),5.53(s,2H),4.68(t,J=6.7Hz,2H),3.89-3.70(m,5H),3.38(s,4H);LRMS(ES)m/z534.6(M+1).
【0226】
実施例33:化合物33の合成、6-アセチル-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化87】
【0227】
化合物13のステップ3で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド2,2,2-トリフルオロアセテート(0.159g、0.261mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.091mL、0.522mmol)、そして塩化アセチル(0.028mL、0.391mmol)を室温でジクロロメタン(20mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~70%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.100g、71.3%)を無色オイルとして得た。
【0228】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.92~7.90(m,2H),7.
73~7.71(m,1H),7.20~7.10(m,1H),7.05(s,0.25H),7.03~6.98(m,1H),6.92(s,0.5H),6.92~6.89(m,1H),6.79(s,0.25H),5.57(s,2H),4.16~3.80(m,8H),1.82(s,3H).;LRMS(ES)m/z538.5(M+1).
【0229】
実施例34:化合物34の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-6-(オキセタン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化88】
【0230】
化合物13のステップ3で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド2,2,2-トリフルオロアセテート(0.186g、0.305mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.053mL、0.305mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を室温で30分攪拌し、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.129g、0.610mmol)と3-オキセタノン(0.044g、0.610mmol)を添加して同じ温度でさらに18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.100g、61.4%)を無色オイルとして得た。
【0231】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.92~7.89(m,2H),7.
71(dd,J=9.9,1.4Hz,1H),7.20~7.12(m,1H),7.05(s,0.25H),7.03~6.95(m,1H),6.92(s,0.5H),6.89~6.82(m,1H),6.79(s,0.25H),5.56(s,2H),4.64(t,J=6.7Hz,2H),4.40(dd,J=6.6,5.2Hz,2H),4.00~3.80(m,4H),3.65~3.60(m,1H),3.29(s,4H).;LRMS(ES)m/z552.5(M+1).
【0232】
実施例35:化合物35の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-カルボチオアミド
【化89】
【0233】
化合物13のステップ1で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-3,4-ジフルオロアニリン(0.330g、0.929mmol)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.485mL、2.787mmol)、そしてチオホスゲン(0.107g、0.929mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を0℃で30分攪拌し、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタンヘミオキサレート(0.134g、0.464mmol)を添加して室温でさらに18時間攪拌し
た。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~70%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.100g、21.7%)を無色オイルとして得た。
【0234】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.94~7.88(m,2H),7.
74~7.71(m,1H),7.17(dd,J=18.2,8.7Hz,1H),7.05(s,0.25H),7.02~6.97(m,1H),6.93(s,0.5H),6.91~6.87(m,1H),6.80(s,0.25H),5.57(s,2H),4.67(s,4H),3.92(s,4H).;LRMS(ES)m/z497.5(M+1).
【0235】
実施例36:化合物36の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3-フルオロフェニル)-6-メチル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【0236】
[ステップ1]tert-ブチル6-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)(3-フルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートの合成
【化90】
【0237】
N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-3-フルオロアニリン(1.000g、2.965mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.033mL、5.930mmol)を0℃でジクロロメタン(30mL)に溶かした溶液にチオホスゲン(0.309mL、3.261mmol)を加え、同じ温度で攪拌した。反応混合物にtert-ブチル2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレートヘミオキサレート(0.866g、1.779mmol)を添加し、室温でさらに18時間攪拌した。反応混合物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、24gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=10%~60%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.560g、32.7%)を淡黄色オイルとして得た。
【0238】
[ステップ2]N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3-フルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミドの合成
【化91】
【0239】
ステップ1で製造されたtert-ブチル6-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)(3-フルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボキシレート(0.560g、0.970mmol)とトリフルオロ酢酸(0.520mL、6.787mmol)を室温でジクロロメタン(6mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.420g、90.7%、黄色固体)。
【0240】
[ステップ3]化合物36の合成
【化92】
【0241】
ステップ2で製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3-フルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.100g、0.209mmol)とホルムアルデヒド(38.00% solution in water、0.023mL、0.314mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.089g、0.419mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、4gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~5%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.008g、7.8%)を淡黄色固体として得た。
【0242】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.94~7.88(m,2H),7.
71(d,J=10.2Hz,1H),7.34~7.29(m,1H),7.05~6.79(m,4H),5.61(s,2H),3.84(brs,4H),3.23(s,4H),2.26(s,3H);LRMS(ES)m/z492.2(M+1).
【0243】
実施例37:化合物37の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3-フルオロフェニル)-6-イソプロピル-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化93】
【0244】
化合物36のステップ2で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(
5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3-フルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.100g、0.209mmol)とアセトン(0.023mL、0.314mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.089g、0.419mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、4gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~5%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.006g、5.5%)を淡黄色固体として得た。
【0245】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.94~7.87(m,2H),7.
71(dd,J=9.9,1.3Hz,1H),7.33~7.27(m,1H),7.05~6.79(m,4H),5.61(s,2H),3.80(brs,4H),3.20(s,4H),2.22~2.19(m,1H),0.88(d,J=4.8Hz,6H);LRMS(ES)m/z520.4(M+1).
【0246】
実施例38:化合物38の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3-フルオロフェニル)-6-(オキセタン-3-イル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化94】
【0247】
化合物36のステップ2で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3-フルオロフェニル)-2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.100g、0.209mmol)と3-オキセタノン(0.020mL、0.314mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.089g、0.419mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、4gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~2.5%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.004g、3.6%)を淡黄色固体として得た。
【0248】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.94~7.88(m,2H),7.
72(dd,J=10.0,1.3Hz,1H),7.35~7.29(m,1H),7.05~6.79(m,4H),4.66(t,J=6.7Hz,2H),4.42~4.41(m,2H),3.88~3.67(m,5H),3.32(s,4H);LRMS(ES)m/z534.3(M+1).
【0249】
実施例39:化合物39の合成、(1S,4S)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(4
-フルオロフェニル)-5-メチル-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【0250】
[ステップ1]tert-ブチル(1S,4S)-5-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)(4-フルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボキシレートの合成
【化95】
【0251】
化合物17のステップ1で製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-4-フルオロアニリン(1.000g、2.965mmol)とN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.549mL、8.895mmol)を0℃でジクロロメタン(30mL)に溶かした溶液にチオホスゲン(0.227mL、2.965mmol)を加え、同じ温度で攪拌した。反応混合物にtert-ブチル(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボキシレート(0.705g、3.558mmol)を添加し、室温でさらに18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、24gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=10%~40%)で精製および濃縮し、所望の化合物(1.120g、65.4%)を淡黄色固体として得た。
【0252】
[ステップ2](1S,4S)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボチオアミドの合成
【化96】
【0253】
ステップ1で製造されたtert-ブチル(1S,4S)-5-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)(4-フルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボキシレート(1.120g、1.939mmol)とトリフルオロ酢酸(1.039mL、13.573mmol)を室温でジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.780g、84.2%、黄色固体)。
【0254】
[ステップ3]化合物39の合成
【化97】
【0255】
ステップ2で製造された(1S,4S)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.150g、0.314mmol)とホルムアルデヒド(38.00% solution in water、0.034mL、0.471mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.133g、0.628mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、4gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~5%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.070g、45.3%)を白色固体として得た。
【0256】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.89~7.82(m,2H),7.
75(dd,J=10.2,1.3Hz,1H),7.13~7.08(m,2H),7.13~6.79(m,3H),5.64(d,J=15.9Hz,1H),5.31(d,J=3.4Hz,1H),4.94(s,1H),3.35~3.30(m,2H),2.79~2.74(m,3H),2.33(s,3H),1.85(d,J=10.0Hz,1H),1.57(dd,J=10.0,1.5Hz,1H);LRMS(ES)m/z492.4(M+1).
【0257】
実施例40:化合物40の合成、(1S,4S)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-5-イソプロピル-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化98】
【0258】
化合物39のステップ2で説明した方法と同様の方法によって製造された(1S,4S)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.150g、0.314mmol)とアセトン(0.035mL、0.471mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.133g、0.628mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残
留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、4gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~5%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.087g、53.3%)を淡黄色固体として得た。
【0259】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.89~7.82(m,2H),7.
76(d,J=9.6Hz,1H),7.13~7.09(m,2H),7.06~6.80(m,3H),5.61(d,J=15.9Hz,1H),5.33(d,J=15.8Hz,1H),4.91(s,1H),3.64(s,1H),3.37(s,1H),3.04~3.02(m,1H),2.72~2.70(m,2H),2.49(s,1H),1.87(d,J=9.1Hz,1H),1.60(d,J=10.1Hz,1H),0.92~0.88(m,6H);LRMS(ES)m/z520.4(M+1).
【0260】
実施例41:化合物41の合成、(1S,4S)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-5-(オキセタン-3-イル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化99】
【0261】
化合物39のステップ2で説明した方法と同様の方法によって製造された(1S,4S)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(4-フルオロフェニル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.100g、0.209mmol)と3-オキセタノン(0.020mL、0.314mmol)を室温でジクロロメタン(4mL)に溶かした溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(0.089g、0.419mmol)を添加し、同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した後、プラスチックフィルターで濾過して固体残留物および水溶液層を除去し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、4gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=50%~90%)で精製および濃縮し、所望の化合物(0.068g、60.9%)を白色固体として得た。
【0262】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.89~7.85(m,2H),7.
75(d,J=10.5Hz,1H),7.12~7.08(m,2H),7.05~6.79(m,3H),5.58(d,J=15.7Hz,1H),5.34(d,J=15.7Hz,1H),4.97(s,1H),4.67~4.63(m,2H),4.49~4.44(m,2H),3.87~3.81(m,1H),3.32(s,1H),3.12~3.09(m,2H),2.75(d,J=8.4Hz,1H),2.70~2.69(m,1H),1.80(d,J=10.0Hz,1H),1.57(d,J=10.0Hz,1H);LRMS(ES)m/z534.4(M+1).
【0263】
実施例42:化合物42の合成、(1S,4S)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-5-メチル-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプ
タン-2-カルボチオアミド
【0264】
[ステップ1]tert-ブチル(1S,4S)-5-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)(3,4-ジフルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボキシレートの合成
【化100】
【0265】
実施例13のステップ1で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-3,4-ジフルオロアニリン(1.000g、2.815mmol)、チオホスゲン(0.216mL、2.815mmol)、そしてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.716mL、9.852mmol)をジクロロメタン(30mL)に溶かした溶液を0℃で30分攪拌し、tert-ブチル(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボキシレート(0.558g、2.815mmol)を添加して室温でさらに18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、40gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~30%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.460g、27.4%)を黄色オイルとして得た。
【0266】
[ステップ2](1S,4S)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボチオアミドの合成
【化101】
【0267】
ステップ1で製造されたtert-ブチル(1S,4S)-5-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)(3,4-ジフルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボキシレート(0.460g、0.772mmol)とトリフルオロ酢酸(0.591mL、7.723mmol)を室温でジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。表題化合物にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.350g、91.5%、無色オイル)。
【0268】
[ステップ3]化合物42の合成
【化102】
【0269】
ステップ2で製造された(1S,4S)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.168g、0.339mmol)、ホルムアルデヒド(0.020g、0.678mmol)、そしてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.118mL、0.678mmol)を室温でジクロロメタン(20mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.110g、63.7%)を無色オイルとして得た。
【0270】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.88(dd,J=8.0,1.6H
z,1H),7.81~7.75(m,2H),7.15~7.05(m,1H),7.02(s,0.25H),7.01~6.97(m,1H),6.92(s,0.5H),6.91~689.00(m,1H),6.79(s,0.25H),5.62(d,J=15.9Hz,1H),5.21(d,J=16.0Hz,1H),4.96(s,1H),3.47~3.45(m,2H),2.88~2.80(m,3H),2.38(s,3H),1.94(d,J=10.4Hz,1H),1.64(d,J=10.2Hz,1H).;LRMS(ES)m/z510.8(M+1).
【0271】
実施例43:化合物43の合成、(1S,4S)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-5-(オキセタン-3-イル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボチオアミド
【化103】
【0272】
化合物42のステップ2で説明した方法と同様の方法によって製造された(1S,4S)-N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-カルボチオアミド(0.126g、0.254mmol)、3-オキセタノン(0.030mL、0.509mmol)、そしてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.089mL、0.509mmol)を室温でジクロロメタン(20mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.088g、62.7%)を無色オイルとして得た。
【0273】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.89~7.76(m,3H),7.
15~7.05(m,1H),7.02(s,0.25H),7.00~6.97(m,1H),6.92(s,0.5H),6.91~6.87(m,1H),6.79(s,0.25H),5.53(d,J=15.8Hz,1H),5.29(d,J=15.8Hz,1H),4.96(s,1H),4.65(dd,J=13.8,6.7Hz,2H),4.48~4.41(m,2H),3.84~3.81(m,1H),3.81(s,1H),3.25~3.00(m,2H),2.78~2.75(m,2H),1.82(d,J=10.1Hz,1H),1.61(d,J=27.1Hz,1H).;LRMS(ES)m/z552.8(M+1).
【0274】
実施例44:化合物44の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2-メチル-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-7-カルボチオアミド
【0275】
[ステップ1]tert-ブチル7-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)(3,4-ジフルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレートの合成
【化104】
【0276】
化合物13のステップ1で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-3,4-ジフルオロアニリン(1.000g、2.815mmol)、チオホスゲン(0.216mL、2.815mmol)、そしてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.716mL、9.852mmol)をジクロロメタン(30mL)に溶かした溶液を0℃で30分攪拌し、tert-ブチル2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレート(0.637g、2.815mmol)を添加して室温でさらに18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、40gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~30%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.600g、34.2%)を黄色オイルとして得た。
【0277】
[ステップ2]N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-7-カルボチオアミドの合成
【化105】
【0278】
ステップ1で製造されたtert-ブチル7-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)(3,4-ジフルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボキシレート(0.600g、0.962mmol)とトリフルオロ酢酸(0.737mL、9.621mmol)を室温でジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.500g、99.3%、無色オイル)。
【0279】
[ステップ3]化合物44の合成
【化106】
【0280】
ステップ2で製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-7-カルボチオアミド(0.216g、0.413mmol)、ホルムアルデヒド(0.025g、0.825mmol)、そしてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.144mL、0.825mmol)を室温でジクロロメタン(20mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.100g、45.1%)を無色オイルとして得た。
【0281】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.87(dd,J=8.0,1.4H
z,1H),7.81(dd,J=10.3,1.4Hz,1H),7.73(t,J=7.7Hz,1H),7.14~7.10(m,1H),7.05(s,0.25H),6.97~6.93(m,1H),6.93(s,0.5H),6.85~6.83(m,1H),6.80(s,0.25H),5.38(s,2H),3.75~3.55(m,4H),3.36(s,4H),2.56(s,3H),1.72~1.69(m,4H).;LRMS(ES)m/z538.7(M+1).
【0282】
実施例45:化合物45の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロ
フェニル)-2-(オキセタン-3-イル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-7-カルボチオアミド
【化107】
【0283】
化合物44のステップ2で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-7-カルボチオアミド(0.185g、0.353mmol)、3-オキセタノン(0.041mL、0.707mmol)、そしてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.123mL、0.707mmol)を室温でジクロロメタン(20mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.035g、17.1%)を無色オイルとして得た。
【0284】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.89~7.87(m,1H),7.
82~7.80(m,1H),7.75~7.71(m,1H),7.17~7.12(m,1H),7.06(s,0.25H),7.02~6.94(m,1H),6.93(s,0.5H),6.89~6.87(m,1H),6.80(s,0.25H),5.38(s,2H),4.97~4.93(m,2H),4.70~4.67(m,2H),4.35~4.25(m,1H),3.80~3.40(m,8H),1.72~1.69(m,4H).;LRMS(ES)m/z580.9(M+1).
【0285】
実施例46:化合物46の合成、N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-7-メチル-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボチオアミド
【0286】
[ステップ1]tert-ブチル2-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)(3,4-ジフルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-7-カルボキシレートの合成
【化108】
【0287】
化合物13のステップ1で説明した方法と同様の方法によって製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-3,4-ジフルオロアニリン(1.000g、2.815mmol)、チオ
ホスゲン(0.216mL、2.815mmol)、そしてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.716mL、9.852mmol)をジクロロメタン(30mL)に溶かした溶液を0℃で30分攪拌し、添加して室温でさらに18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、40gカートリッジ;酢酸エチル/ヘキサン=0%~30%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.230g、13.1%)を黄色オイルとして得た。
【0288】
[ステップ2]N-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボチオアミドの合成
【化109】
【0289】
ステップ1で製造されたtert-ブチル2-((4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)(3,4-ジフルオロフェニル)カルバモチオイル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-7-カルボキシレート(0.230g、0.369mmol)とトリフルオロ酢酸(0.282mL、3.688mmol)を室温でジクロロメタン(10mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物を減圧下で溶媒を除去して得られた濃縮物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。得られた物質にさらなる精製を加えずに、そのまま使用した(0.150g、77.7%、無色オイル)。
【0290】
[ステップ3]化合物46の合成
【化110】
【0291】
ステップ2で製造されたN-(4-(5-(ジフルオロメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル)-2-フルオロベンジル)-N-(3,4-ジフルオロフェニル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-カルボチオアミド(0.139g、0.266mmol)、ホルムアルデヒド(0.016g、0.531mmol)、そしてN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.092mL、0.531mmol)を室温でジクロロメタン(20mL)に溶かした溶液を同じ温度で18時間攪拌した。反応混合物に水を注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで水分を除去した後濾過し、減圧下で濃縮した。濃縮物をカラムクロマトグラフィー法(SiO、12gカートリッジ;メタノール/ジクロロメタン=0%~10%)で精製および濃縮し、表題化合物(0.060g、42.0%)を黒色オイル
として得た。
【0292】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.95~7.88(m,2H),7.
72(dd,J=10.0,1.4Hz,1H),7.13(dd,J=18.2,8.8Hz,1H),7.05(s,0.25H),7.02~6.97(m,1H),6.92(s,0.5H),6.90~6.87(m,1H),6.79(s,0.25H),5.57(s,2H),3.80~3.20(m,4H),2.60~2.40(m,4H),2.32(s,3H),1.74(t,J=5.4Hz,4H).;LRMS(ES)m/z538.7(M+1).
【0293】
本発明の化合物の活性の測定および分析プロトコル
実験例1.HDAC酵素活性の阻害の確認(in vitro)
1.実験方法
HDAC1 Fluorimetric Drug Discovery Assay
Kit(Enzolifesciences:BML-AK511)とHDAC6 human recombinant(Calbiochem:382180)を用いて、試験物質のHDAC酵素阻害能を測定した。HDAC1 assayは、100nM、1000nM、10000nM濃度で処理し、HDAC6 assayは、0.1nM、1nM、10nM、100nM、1000nM濃度で処理した。試料を処理した後、37℃で60分反応させ、Developerを処理して37℃で30分反応させた後、FlexStation3(Molecular device)を用いてfluorescence intensity(Ex390nm、Em460nm)を測定した。最終的な結果値は、GraphPad Prism4.0プログラムを用いてそれぞれのIC50値を計算した。
【0294】
2.実験結果
前記実験方法により得られたHDAC酵素活性阻害の検索結果を表2に示す。
【0295】
【表2-1】
【表2-2】
【0296】
前記表2に記載の通り、HDAC1とHDAC6の活性阻害試験の結果から、本発明のチオカルボニル化合物、その立体異性体またはその薬剤学的に許容可能な塩は、HDAC1に対して優れた選択的HDAC6阻害活性を示すことを確認した。
【国際調査報告】