(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】併用療法を使用してB細胞リンパ腫を治療する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/5377 20060101AFI20240405BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240405BHJP
A61K 39/395 20060101ALI20240405BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240405BHJP
A61K 31/573 20060101ALI20240405BHJP
A61K 31/675 20060101ALI20240405BHJP
A61K 31/704 20060101ALI20240405BHJP
A61K 31/475 20060101ALI20240405BHJP
A61K 38/19 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
A61K31/5377
A61P35/00
A61K39/395 T
A61P43/00 121
A61K31/573
A61K31/675
A61K31/704
A61K31/475
A61K38/19
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564449
(86)(22)【出願日】2022-04-20
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 US2022025450
(87)【国際公開番号】W WO2022226003
(87)【国際公開日】2022-10-27
(32)【優先日】2021-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508027464
【氏名又は名称】セルジーン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】CELGENE CORPORATION
(71)【出願人】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL-MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【氏名又は名称】品川 永敏
(72)【発明者】
【氏名】パター,ポーリアナ アウベス
(72)【発明者】
【氏名】プーダーナッド,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ウェイ,シンユー
(72)【発明者】
【氏名】ザルダヴァス,ディミトリオス
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA02
4C084BA44
4C084CA18
4C084DA19
4C084MA02
4C084NA05
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC751
4C085AA14
4C085CC23
4C085DD62
4C085EE03
4C085GG02
4C085GG04
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC73
4C086CB21
4C086DA10
4C086DA35
4C086EA10
4C086GA07
4C086GA09
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA66
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB26
4C086ZC75
(57)【要約】
B細胞リンパ腫を治療、予防又は管理するために、2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩を、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン又はその同等物と組み合わせて使用する方法が、本明細書において提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
B細胞リンパ腫(BCL)を治療する方法であって、それを必要とする被験体に、治療有効量の式(I)の化合物:
【化1】
又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩を、第2の治療剤と組み合わせて投与することを含み、前記第2の治療剤が、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン又はその同等物の組合せである、方法。
【請求項2】
前記BCLが、アグレッシブB細胞リンパ腫(a-BCL)である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記a-BCLが、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記DLBCLが、DLBCL・非特定型(NOS)である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記DLBCLが、胚中心B細胞(GCB)型又は活性化B細胞(ABC)型である、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記a-BCLが、高悪性度B細胞リンパ腫である、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記高悪性度B細胞リンパ腫が、MYC及びBCL2及び/又はBCL6再構成を有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記a-BCLが、縦隔(胸腺)原発大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL)である、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記a-BCLが、皮膚原発DLBCL・下肢型である、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記a-BCLが、未分化リンパ腫キナーゼ陽性(ALK+)大細胞型B細胞リンパ腫である、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
前記a-BCLが、エプスタインバーウイルス陽性(EBV+)DLBCLである、請求項2に記載の方法。
【請求項12】
前記EBV+DLBCLが、EBV+DLBCL・非特定型(NOS)である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記a-BCLが、グレード3b濾胞性リンパ腫(FL)である、請求項2に記載の方法。
【請求項14】
前記a-BCLが、T細胞/組織球豊富型大細胞型B細胞リンパ腫(THRLBCL)、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、形質芽球性リンパ腫、又は原発性滲出液リンパ腫(PEL)である、請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記BCLが、3~5の国際予後指標(IPI)スコアを有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記BCLが、未治療である、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記BCLが、新たに診断された、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記第2の治療剤が、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾンの組合せである、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記第2の治療剤が、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾロンの組合せである、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、及びビンクリスチンが、21日サイクルの1日目に投与され、プレドニゾン又はその同等物が、21日サイクルの1~5日目に投与される、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
リツキシマブが、静脈内又は皮下に投与され;シクロホスファミド、ドキソルビシン、及びビンクリスチンが、静脈内投与され;プレドニゾン又はその同等物が、経口投与される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
リツキシマブが、21日サイクルの1日目に、約375mg/m
2の用量で静脈内に、又は約1400mgの用量で皮下に投与され;シクロホスファミドが、21日サイクルの1日目に、約750mg/m
2の用量で静脈内投与され;ドキソルビシンが、21日サイクルの1日目に、約50mg/m
2の用量で静脈内投与され;ビンクリスチンが、21日サイクルの1日目に、約1.4mg/m
2の用量で静脈内投与され;プレドニゾン又はその同等物が、21日サイクルの1~5日目に、約100mgの用量で経口投与される、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩が、投与される、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
式(I)の化合物の塩酸塩が、投与される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記化合物が、経口投与される、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記化合物が、1日1回(QD)、約0.2mg~約0.6mgの用量で投与される、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記化合物が、1日1回(QD)、約0.2mg、約0.4mg、又は約0.6mgの用量で投与される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記化合物が、
(a)21日サイクルの1~7日目に、約0.2mg QDの用量で;
(b)21日サイクルの1~7日目に、約0.4mg QDの用量で;
(c)21日サイクルの1~10日目に、約0.4mg QDの用量で;又は
(d)21日サイクルの1~7日目に、約0.6mg QDの用量で投与される、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
(i)21日サイクルの1~7日目に、前記化合物を投与すること;(ii)21日サイクルの1日目に、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、及びビンクリスチンを投与すること;及び(iii)21日サイクルの1~5日目に、プレドニゾン又はプレドニゾロンを投与することを含む、a-BCLを治療するための、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
(i)21日サイクルの1~10日目に、前記化合物を投与すること;(ii)21日サイクルの1日目に、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、及びビンクリスチンを投与すること;及び(iii)21日サイクルの1~5日目に、プレドニゾン又はプレドニゾロンを投与することを含む、a-BCLを治療するための、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記方法が、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)又はペグ化顆粒球コロニー刺激因子(peg-G-CSF)を前記被験体に投与することをさらに含む、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
G-CSFが、21日サイクルの5~13日目に投与される一方、前記化合物が、21日サイクルの1~7日目に投与され;又はG-CSFが、21日サイクルの5~13日目に投与される一方、前記化合物が、21日サイクルの1~10日目に投与される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
peg-G-CSFが、21日サイクルの2日目に投与される一方、前記化合物が、21日サイクルの1~7日目に投与され;又はpeg-G-CSFが、21日サイクルの2日目に投与される一方、前記化合物が、21日サイクルの1~10日目に投与される、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記化合物、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン又はその同等物が、1つ以上の21日サイクルで投与される、請求項1~33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記化合物、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン又はその同等物が、6つの21日サイクルで投与される、請求項34に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、全体が参照により本明細書に援用される、2021年4月21日に出願された米国仮特許出願第63/177,639号に対する優先権を主張するものである。
【0002】
B細胞リンパ腫を治療、予防又は管理するために、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン又はその同等物と組み合わせて、2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩を使用する方法が、本明細書において提供される。
【背景技術】
【0003】
癌は、主に、所与の正常組織に由来する異常細胞の数の増加、これらの異常細胞による隣接組織の浸潤、又は悪性細胞の所属リンパ節へのリンパ行性若しくは血液行性の伝播及び転移によって特徴付けられる。臨床データ及び分子生物学的研究により、癌が、前癌性の軽微な変化から開始して、特定の条件下で新生物に進行し得る多段階プロセスであることが示される。新生物病変は、特に、新生物細胞が宿主の免疫監視を回避する条件下で、クローン的に発生し、浸潤、成長、転移、及び異質性の能力の増大を進展させ得る。現在の癌療法は、患者における新生物細胞を根絶するために、手術、化学療法、ホルモン療法及び/又は放射線療法を必要とし得る。癌治療法の最近の進歩は、非特許文献1によって記載される。
【0004】
現在の癌療法は全て、患者にとって重大な欠点を有する。手術は、例えば、患者の健康が原因で禁忌となり得るか、又は患者によって許容されないことがあり得る。さらに、手術では、新生物組織を完全に除去することができないことがある。放射線療法は、新生物組織が、放射線に対して正常組織より高い感受性を示す場合にのみ有効であるに過ぎない。放射線療法はまた、多くの場合、深刻な副作用を誘発し得る。ホルモン療法は、単剤として施されることは稀である。ホルモン療法は、有効であり得るが、多くの場合、他の治療により癌細胞の大部分が除去された後、癌の再発を予防するか又は遅らせるのに使用される。
【0005】
化学療法に関して、癌の治療に利用可能な様々な化学療法剤が存在する。癌化学療法剤の大部分は、デオキシリボヌクレオチド三リン酸前駆体の生合成を直接又は間接的に阻害して、DNA複製及び付随する細胞分裂を防止することによって、DNA合成を阻害することによって作用する。非特許文献2。
【0006】
様々な化学療法剤が利用可能であるにもかかわらず、化学療法には多くの欠点がある。非特許文献3。ほぼ全ての化学療法剤は毒性があり、化学療法は、重度の吐き気、骨髄抑制、及び免疫抑制を含む、重大で、多くの場合危険な副作用を引き起こす。さらに、化学療法剤の組合せを投与しても、多くの腫瘍細胞は、化学療法剤に耐性があるか、又は化学療法剤に対する耐性を生じる。実際に、治療プロトコルに使用される特定の化学療法剤に耐性がある細胞は、それらの薬剤が、特定の治療に使用される薬物の機序とは異なる機序によって作用するとしても、他の薬物に耐性があることが判明することが多い。この現象は、多剤(pleiotropic drug)又は多剤(multidrug)耐性と呼ばれる。薬物耐性のため、多くの癌は、標準的な化学療法治療プロトコルに不応性であることが判明するか又は不応性になる。
【0007】
リンパ腫は、正常なリンパ系細胞に由来する広範囲の新生物を表し、非ホジキンリンパ腫(NHL)及びホジキンリンパ腫に分けられる。世界保健機関(World Health Organization)(WHO)分類が、臨床、病理学的、表現型、及び分子特徴に基づいてサブタイプを定義するのに用いられる(非特許文献4)。
【0008】
NHLに罹患した患者のうち、大多数は、アグレッシブB細胞リンパ腫(a-BCL)サブタイプに属する。2016 WHO分類に従って定義される様々な実体が、このカテゴリーに分類される。最も頻度の高いものは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、非特定型(NOS)(胚中心B細胞[GCB]及び活性化B細胞[ABC]タイプを含む);MYC及びB細胞リンパ腫2(BCL2)及び/又はB細胞リンパ腫6(BCL6)再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫;縦隔(胸腺)原発大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL);T細胞/組織球豊富型大細胞型B細胞リンパ腫;皮膚原発DLBCL・下肢型;血管内大細胞型B細胞リンパ腫;未分化リンパ腫キナーゼ陽性(ALK+)大細胞型B細胞リンパ腫;形質芽球性リンパ腫;原発性滲出液リンパ腫(PEL);エプスタインバーウイルス陽性(EBV+)DLBCL、NOS;及びより希少なサブタイプである。グレード3b濾胞性リンパ腫(FL)は、a-BCLに含まれる。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)及び他のa-BCLは、北米及び欧州におけるNHL症例の35%~40%を占める。
【0009】
アグレッシブB細胞リンパ腫を治療、予防及び管理する安全且つ有効な方法に対する大きなニーズが依然としてある。
【0010】
本出願のこの節におけるいずれの参考文献の引用又は特定も、参考文献が本出願の先行技術であることを認めるものと解釈されるものではない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Rajkumar et al.in Nature Reviews Clinical Oncology 11,628-630(2014)
【非特許文献2】Gilman et al.,Goodman and Gilman’s:The Pharmacological Basis of Therapeutics,Tenth Ed.(McGraw Hill,New York)
【非特許文献3】Stockdale,Medicine,vol.3,Rubenstein and Federman,eds.,ch.12,sect.10,1998
【非特許文献4】Swerdlow et al.,Blood 2016,127(20):2375-90
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
B細胞リンパ腫を治療、予防又は管理するために、(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩を、第2の治療剤と組み合わせて使用する方法が、本明細書において提供される。第2の治療剤は、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン又はその同等物の組合せである。一実施形態において、第2の治療剤は、R-CHOPである。
【0013】
特定の実施形態において、B細胞リンパ腫を治療する方法であって、それを必要とする被験体に、治療有効量の式(I)の化合物:
【化1】
又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩を、第2の治療剤と組み合わせて投与することを含み、ここで、第2の治療剤が、R-CHOPである、方法が、本明細書において提供される。
【0014】
特定の実施形態において、B細胞リンパ腫を治療する方法であって、それを必要とする被験体に、治療有効量の式(I)の化合物の塩酸塩を、第2の治療剤と組み合わせて投与することを含み、ここで、第2の治療剤が、R-CHOPである、方法が、本明細書において提供される。
【0015】
一実施形態において、BCLは、アグレッシブB細胞リンパ腫(a-BCL)である。一実施形態において、a-BCLは、新たに診断された及び/又は未治療のa-BCLである。
【0016】
本発明の実施形態は、非限定的な実施形態を例示することが意図される、詳細な説明及び実施例を参照することによって、より十分に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】a-BCLの一次治療のためのR-CHOP-21レジメンに追加された化合物1の用量漸増デザインを示す。
【
図2】a-BCLの一次治療のためのR-CHOP-21レジメンに追加された化合物1の用量拡大デザインを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
定義
特に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。全ての特許、出願、公開出願及び他の刊行物は、全体が参照により援用される。本明細書における用語について複数の定義が存在する場合、特に記載されない限り、この節における定義が優先される。
【0019】
本明細書において使用される際、並びに本明細書及び添付の特許請求の範囲において、不定冠詞「a」及び「an」及び定冠詞「the」は、文脈上明らかに他の意味に解すべき場合を除き、複数並びに単数の指示対象を含む。
【0020】
本明細書において使用される際、「含む(comprising)」及び「含む(including)」という用語は、同義的に使用され得る。「含む(comprising)」及び「含む(including)」という用語は、言及されるように記載される特徴又は成分の存在を規定するものと解釈されるべきであるが、1つ以上の特徴、又はその成分、若しくは群の存在又は追加を除外しない。さらに、「含む(comprising)」及び「含む(including)」という用語は、「からなる(consisting of)」という用語によって包含される例を含むことが意図される。その結果として、「からなる」という用語は、本発明のより特定的な実施形態を提供するために、「含む(comprising)」及び「含む(including)」という用語の代わりに使用され得る。
【0021】
「からなる」という用語は、対象物が、それが構成される記載される特徴又は成分の少なくとも90%、95%、97%、98%又は99%を有することを意味する。別の実施形態において、「からなる」という用語は、達成されるべき技術的効果に不可欠でないものを除き、いずれの他の特徴又は成分も、いずれの後続の記載の範囲からも除外する。
【0022】
本明細書において使用される際、「又は」という用語は、いずれか1つ又は任意の組合せを意味する包含的な「又は」として解釈されるべきである。したがって、「A、B又はC」は、以下:「A;B;C;A及びB;A及びC;B及びC;A、B及びC」のいずれかを意味する。この定義の例外は、要素、機能、工程又は行為の組合せが、何らかの形で本質的に互いに排他的である場合にのみ起こるであろう。
【0023】
本明細書において使用される際、「薬学的に許容される塩」という用語は、無機酸及び塩基並びに有機酸及び塩基を含む、薬学的に許容される非毒性の酸又は塩基から調製される塩を指す。本明細書において提供される化合物の好適な薬学的に許容される塩基付加塩としては、限定はされないが、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛から作製される金属塩、又はリジン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチル-グルカミン)及びプロカインから作製される有機塩が挙げられる。好適な非毒性の酸としては、限定はされないが、酢酸、アルギン酸、アントラニル酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、フロ酸、ガラクツロン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、グリコール酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、フェニル酢酸、リン酸、プロピオン酸、サリチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファニル酸、硫酸、酒石酸、及びp-トルエンスルホン酸などの、無機及び有機酸が挙げられる。他のものが、当該技術分野において周知であり、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th eds.,Mack Publishing,Easton PA(1990)又はRemington:The Science and Practice of Pharmacy,19th eds.,Mack Publishing,Easton PA(1995)を参照されたい。
【0024】
本明細書において使用される際及び特に示されない限り、「立体異性体」又は「立体異性体的に純粋な」という用語は、その化合物の他の立体異性体を実質的に含まない化合物の1つの立体異性体を意味する。例えば、1つのキラル中心を有する立体異性体的に純粋な化合物は、その化合物の反対の鏡像異性体を実質的に含まないであろう。2つのキラル中心を有する立体異性体的に純粋な化合物は、その化合物の他のジアステレオマーを実質的に含まないであろう。典型的な立体異性体的に純粋な化合物は、約80重量%超の化合物の1つの立体異性体及び約20重量%未満の化合物の他の立体異性体、約90重量%超の化合物の1つの立体異性体及び約10重量%未満の化合物の他の立体異性体、約95重量%超の化合物の1つの立体異性体及び約5重量%未満の化合物の他の立体異性体、又は約97重量%超の化合物の1つの立体異性体及び約3重量%未満の化合物の他の立体異性体を含む。化合物は、キラル中心を有することができ、ラセミ体、個々の鏡像異性体又はジアステレオマー、及びそれらの混合物として存在し得る。全てのこのような異性体は、それらの混合物を含め、本明細書において提供される実施形態内に含まれる。
【0025】
このような化合物の立体異性体的に純粋な形態の使用、並びにそれらの形態の混合物の使用は、本明細書において提供される実施形態によって包含される。例えば、特定の化合物の等量又は不等量の鏡像異性体を含む混合物は、本明細書において提供される方法及び組成物において使用され得る。これらの異性体は、不斉合成されるか、又はキラルカラム若しくはキラル分割剤などの標準的な技術を用いて分割され得る。例えば、Jacques,J.,et al.,Enantiomers,Racemates and Resolutions(Wiley-Interscience,New York,1981);Wilen,S.H.,et al.,Tetrahedron 33:2725(1977);Eliel,E.L.,Stereochemistry of Carbon Compounds(McGraw-Hill,NY,1962);Wilen,S.H.,Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions p.268(E.L.Eliel,Ed.,Univ.of Notre Dame Press,Notre Dame,IN,1972);Todd,M.,Separation Of Enantiomers:Synthetic Methods(Wiley-VCH Verlag GmbH&Co.KGaA,Weinheim,Germany,2014);Toda,F.,Enantiomer Separation:Fundamentals and Practical Methods(Springer Science&Business Media,2007);Subramanian,G.Chiral Separation Techniques:A Practical Approach(John Wiley&Sons,2008);Ahuja,S.,Chiral Separation Methods for Pharmaceutical and Biotechnological Products(John Wiley&Sons,2011)を参照されたい。
【0026】
本明細書において提供される化合物が、キラル中心を含み得ることが理解されるべきである。このようなキラル中心は、(R)若しくは(S)配置のいずれかのものであり得、又はそれらの混合物であり得る。本明細書において提供される化合物のキラル中心が、インビボでエピマー化を起こし得ることが理解されるべきである。したがって、当業者は、その(R)形態における化合物の投与が、インビボでエピマー化を起こす化合物の場合、その(S)形態における化合物の投与と同等であることを認識するであろう。
【0027】
光学活性(+)及び(-)、(R)-及び(S)-、又は(D)-及び(L)-異性体が、キラルシントン若しくはキラル試薬を用いて調製され得、又はキラル固定相におけるクロマトグラフィーなどの従来の技術を用いて分割され得る。
【0028】
「互変異性体」は、互いに平衡状態にある化合物の異性体を指す。異性体の濃度は、化合物が見られる環境に依存し、例えば、化合物が固体であるか又は有機溶液若しくは水溶液中にあるのかに応じて異なり得る。例えば、水溶液中で、ピラゾールは、以下の異性体を示し得、これらは、互いの互変異性体と呼ばれる:
【化2】
【0029】
当業者によって容易に理解されるように、多種多様な官能基及び他の構造が、互変異性を示し得、化合物の全ての互変異性体が、本明細書において提供される化合物の範囲内にある。
【0030】
本明細書において提供される化合物が、原子の1つ以上において非天然の割合の原子同位体を含有し得ることにも留意すべきである。例えば、化合物は、例えばトリチウム(3H)、ヨウ素-125(125I)、硫黄-35(35S)、若しくは炭素-14(14C)などの放射性同位体で放射性標識されていてもよく、又は重水素(2H)、炭素-13(13C)、若しくは窒素-15(15N)などで同位体濃縮されていてもよい。本明細書において使用される際、「アイソトポログ」は、同位体濃縮された化合物である。「同位体濃縮された」という用語は、その原子の天然の同位体組成以外の同位体組成を有する原子を指す。「同位体濃縮された」はまた、その原子の天然の同位体組成以外の同位体組成を有する少なくとも1つの原子を含有する化合物を指し得る。「同位体組成」という用語は、所与の原子について存在する各同位体の量を指す。放射性標識された及び同位体濃縮された化合物は、治療剤、例えば、癌治療剤、研究用試薬、例えば、結合アッセイ試薬、及び診断薬、例えば、インビボ造影剤として有用である。化合物の全ての同位体変種は、放射性であるか否かにかかわらず、本明細書において提供される化合物の範囲内に包含されることが意図される。ある実施形態において、化合物のアイソトポログが、本明細書において提供され、例えば、アイソトポログは、重水素、炭素-13(13C)、及び/又は窒素-15(15N)濃縮された化合物である。本明細書において使用される際、「重水素化」は、少なくとも1つの水素(H)が重水素(D又は2Hによって示される)で置換された化合物を意味し、すなわち、化合物は、少なくとも1つの位置において重水素が濃縮されている。
【0031】
立体組成又は同位体組成から独立して、本明細書において提供される各化合物が、本明細書において提供される薬学的に許容される塩のいずれかの形態で提供され得ることが理解される。同様に、同位体組成が、本明細書において提供される各化合物の立体組成から独立して変化し得ることが理解される。さらに、同位体組成は、それぞれの化合物又はその塩に存在するそれらの元素に限定されるが、他の場合、それぞれの化合物の薬学的に許容される塩の選択から独立して変化し得る。
【0032】
示される構造とその構造の名称との間に矛盾が存在する場合、示される構造に重きを置かれることが留意されるべきである。
【0033】
本明細書において使用される際及び特に示されない限り、「治療する」という用語は、障害、疾患若しくは病態、又は障害、疾患、若しくは病態に関連する症状の1つ以上の、全体的若しくは部分的な緩和、又はそれらの症状のさらなる進行若しくは悪化を遅らせるか若しくは停止させること、又は障害、疾患、若しくは病態それ自体の原因を軽減若しくは根絶することを意味する。
【0034】
本明細書において使用される際及び特に示されない限り、「予防する」という用語は、障害、疾患若しくは病態の全体的若しくは部分的な発生、再発若しくは拡大を遅らせ、及び/若しくはなくす方法;被験体が障害、疾患、若しくは病態に罹患するのを防ぐ方法;又は被験体が障害、疾患、若しくは病態に罹患するリスクを低下させる方法を意味する。
【0035】
本明細書において使用される際及び特に示されない限り、「管理する」という用語は、特定の疾患若しくは障害に罹患していた患者におけるそのような疾患若しくは障害の再発を防止すること、疾患若しくは障害に罹患していた患者が寛解状態を保つ時間を延長すること、患者の死亡率を低下させること、及び/又は管理される疾患若しくは病態に関連する症状の重症度の低下若しくは回避を維持することを包含する。
【0036】
本明細書において使用される際及び特に示されない限り、化合物に関連する「有効量」という用語は、障害、疾患若しくは病態、又はそれらの症状を治療、予防、又は管理することが可能な量を意味する。
【0037】
本明細書において使用される際及び特に示されない限り、「共投与」及び「と組み合わせて」という用語は、特定の期限なしに、同時に、並行して又は連続して、1つ以上の治療剤(例えば、本明細書において提供される化合物及び別の抗BCL剤、抗癌剤又は支持療法剤)の投与を含む。一実施形態において、薬剤は、細胞内若しくは患者の身体内に同時に存在するか、又はそれらの生物学的若しくは治療効果を同時に発揮する。一実施形態において、治療剤は、同じ組成物中又は単位剤形にある。別の実施形態において、治療剤は、別個の組成物中又は単位剤形にある。
【0038】
本明細書において使用される際及び特に規定されない限り、本明細書において提供される「治療剤」は、単一の治療剤に限定されず、それは、特定の実施形態において、1つ以上の異なる治療剤の組合せであり得る。1つ以上の治療剤は、本明細書に記載されるように互いに組み合わせて投与され得る。本明細書において使用される際及び特に規定されない限り、「治療剤」は、「治療的療法」と同義的に使用され得、治療物質に限定されない。例えば、治療剤は、放射線療法又はCAR-T療法などの癌治療であり得る。
【0039】
「周期的療法」は、本明細書に記載される投与期間及び任意に本明細書に記載される休止期間を含む、レジメン又は療法を指す。
【0040】
本明細書において使用される際の「投与期間」という用語は、被験体に、本明細書に記載される化合物又は組成物が連続して又は積極的に投与される期間を指す。
【0041】
本明細書において使用される際の「休止期間」という用語は、被験体に、本明細書に記載される化合物又は組成物が投与されない(例えば、治療の中断)期間を指す(投与期間の後であることが多い)。特定の実施形態において、「休止期間」は、単剤が被験体に投与されない又は特定の化合物を用いて治療が中断される期間を指す。このような実施形態において、第2の治療剤(例えば、前の投与期間に投与された化合物又は組成物と異なる薬剤)が、被験体に投与され得る。
【0042】
本明細書において使用される際及び特に示されない限り、「被験体」という用語は、限定はされないが、ウシ、サル、ウマ、ヒツジ、ブタ、ニワトリ、シチメンチョウ、ウズラ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ又はモルモットなどの動物、一実施形態において、哺乳動物、別の実施形態において、ヒトを含む動物を含む。
【0043】
癌に関連して、阻害は、特に、疾患進行の阻害、腫瘍成長の阻害、原発腫瘍の減少、腫瘍関連症状の軽減、腫瘍分泌因子の阻害、原発若しくは二次腫瘍の出現の遅延、原発若しくは二次腫瘍の発生の遅延、原発若しくは二次腫瘍の発生の減少、疾患の二次的影響の重症度の遅延若しくは低下、腫瘍成長の停止及び腫瘍の退縮、無増悪期間(TTP)の増加、無増悪生存率(PFS)の増加、全生存率(OS)の増加によって評価され得る。本明細書において使用される際のOSは、治療開始から何らかの原因による死亡までの時間を意味する。本明細書において使用される際のTTPは、治療開始から腫瘍進行までの時間を意味し;TTPは、死亡を含まない。一実施形態において、PFSは、治療開始から腫瘍進行又は死亡までの時間を意味する。一実施形態において、PFSは、化合物の第1の投与から疾患進行の最初の発生又は何らかの原因による死亡までの時間を意味する。一実施形態において、PFS率は、カプラン・マイヤー推定量を用いて計算される。無症候生存率(EFS)は、治療開始から何らかの治療の失敗(疾患進行、何らかの理由による治療中断、又は死亡を含む)までの時間を意味する。一実施形態において、全奏効率(ORR)は、奏効を得る患者のパーセンテージを意味する。一実施形態において、ORRは、完全及び部分奏効を得る患者のパーセンテージの合計を意味する。一実施形態において、ORRは、最良効果≧部分奏効(PR)である患者のパーセンテージを意味する。一実施形態において、奏効期間(DoR)は、奏効を得てから再発又は疾患進行までの時間である。一実施形態において、DoRは、奏効≧部分奏効(PR)を得てから再発又は疾患進行までの時間である。一実施形態において、DoRは、奏効の最初の実証から疾患の進行の最初の実証又は死亡までの時間である。一実施形態において、DoRは、奏効≧部分奏効(PR)の最初の実証から疾患の進行の最初の実証又は死亡までの時間である。一実施形態において、奏効までの時間(TTR)は、化合物の第1の投与から奏効の最初の実証までの時間を意味する。一実施形態において、TTRは、化合物の第1の投与から奏効≧部分奏効(PR)の最初の実証までの時間を意味する。極端には、完全な阻害は、本明細書において予防又は化学的予防と呼ばれる。これに関して、「予防」という用語は、臨床的に明らかな癌の発生を完全に防止するか又は臨床前に明らかなステージの癌の発生を防止することのいずれかを含む。悪性細胞への転換の防止又は前癌状態の細胞から悪性細胞への進行を停止させるか若しくは食い止めることも、この定義によって包含されることが意図される。これは、癌を発生するリスクがある被験体の予防的治療を含む。
【0044】
特定の実施形態において、NHLの治療は、表1~3に示される奏効及びエンドポイント定義を用いて、悪性リンパ腫のための国際ワークショップ基準(International Workshop Criteria for Malignant Lymphoma)(Cheson et al.,J.Clin.Oncol..2014,32(27):3059-3068を参照)及びフルオロデオキシグルコース-ポジトロン放出型断層撮影法(FDG-PET)スキャン解釈のためのドーヴィル基準(Deauville Criteria for fluorodeoxyglucose-positron emission tomography(FDG-PET)scan interpretation)(Itti et al.,Eur.J.Nucl.Med.Mol.Imaging,2013,40(9):1312-20;Meignan et al.,Leuk Lymphoma,2014,55(1):31-37)(「Lugano基準」)によって評価され得る。
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
特定の実施形態において、安定又はその欠如は、患者の症状の評価、身体検査、例えば、FDG-PET(フルオロデオキシグルコースポジトロン放出型断層撮影法)、PET/CT(ポジトロン放出型断層撮影法/コンピューター断層撮影法)スキャン、MRI(磁気共鳴イメージング)脳/脊椎、CSF(脳脊髄液)を用いてイメージングされた腫瘍の視覚化、眼科検査、硝子体液サンプリング、網膜写真、骨髄評価及び他の一般的に認められている評価方法などの、当該技術分野において公知の方法によって決定され得る。
【0050】
「支持療法剤」という用語は、別の治療剤による治療による副作用を治療、予防又は管理する任意の物質を指す。
【0051】
本明細書において使用される際、及び特に規定されない限り、「約(about)」及び「約(approximately)」という用語は、組成物の成分の用量、量、若しくは重量パーセント又は剤形に関連して使用されるとき、規定の用量、量、若しくは重量パーセントから得られるものと同等の薬理学的効果を生じることが当業者によって認識される用量、量、若しくは重量パーセントを意味する。一実施形態において、「約(about)」及び「約(approximately)」という用語は、これに関して使用されるとき、規定の用量、量、若しくは重量パーセントの30%以内、20%以内、15%以内、10%以内、又は5%以内の用量、量、若しくは重量パーセントを想定している。
【0052】
化合物
一実施形態において、本明細書において提供される方法に使用される化合物は、下式の(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン:
【化3】
又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩である。(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオンは、本明細書において「化合物1」とも呼ばれる。
【0053】
一実施形態において、本明細書において提供される方法に使用される化合物は、下式の(R)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(本明細書において「化合物2」と呼ばれる):
【化4】
又はその互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩である。
【0054】
一実施形態において、本明細書において提供される方法に使用される化合物は、下式の2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン(本明細書において「化合物3」と呼ばれる):
【化5】
又はその互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩である。
【0055】
一実施形態において、化合物1が、本明細書において提供される方法において使用される。一実施形態において、化合物1の互変異性体が、本明細書において提供される方法において使用される。一実施形態において、化合物1のアイソトポログが、本明細書において提供される方法において使用される。一実施形態において、化合物1の薬学的に許容される塩が、本明細書において提供される方法において使用される。一実施形態において、化合物1の塩酸塩が、本明細書において提供される方法において使用される。一実施形態において、化合物1の一塩酸塩が、本明細書において提供される方法において使用される。化合物1の特定の塩及び多形形態が、全体が参照により本明細書に援用される米国特許出願第17/075,359号明細書に記載されている。
【0056】
一実施形態において、化合物2が、本明細書において提供される方法において使用される。一実施形態において、化合物2の互変異性体が、本明細書において提供される方法において使用される。一実施形態において、化合物2のアイソトポログが、本明細書において提供される方法において使用される。一実施形態において、化合物2の薬学的に許容される塩が、本明細書において提供される方法において使用される。一実施形態において、化合物2の塩酸塩が、本明細書において提供される方法において使用される。
【0057】
一実施形態において、化合物3が、本明細書において提供される方法において使用される。一実施形態において、化合物3の鏡像異性体が、本明細書において提供される方法において使用される。一実施形態において、化合物3の鏡像異性体の混合物が、本明細書において提供される方法において使用される。一実施形態において、化合物3の互変異性体が、本明細書において提供される方法において使用される。一実施形態において、化合物3のアイソトポログが、本明細書において提供される方法において使用される。一実施形態において、化合物3の薬学的に許容される塩が、本明細書において提供される方法において使用される。一実施形態において、化合物3の塩酸塩が、本明細書において提供される方法において使用される。
【0058】
本明細書において提供される化合物の合成及び特定の使用が、米国特許出願公開第2019/0322647 A1号明細書及び同第2020/0325129 A1号明細書、並びに米国特許出願第17/075,496号明細書、同第17/075,523号明細書、及び同第17/075,125号明細書に記載され、これらのそれぞれの全体が参照により本明細書に援用される。
【0059】
治療及び予防の方法
一実施形態において、BCLを治療、予防又は管理するために、(S)-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-((2-フルオロ-4-((3-モルホリノアゼチジン-1-イル)メチル)ベンジル)アミノ)イソインドリン-1,3-ジオン、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩を、第2の治療剤と組み合わせて使用する方法が、本明細書において提供される。一実施形態において、第2の治療剤は、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン又はその同等物の組合せである。
【0060】
一実施形態において、BCLを治療する方法であって、それを必要とする被験体に、治療有効量の式(I)の化合物:
【化6】
又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)を、第2の治療剤と組み合わせて投与することを含み、ここで、第2の治療剤が、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン又はその同等物の組合せである、方法が、本明細書において提供される。特に規定されない限り、「式(I)の化合物」及び「化合物1」は、本明細書において同義的に使用される。
【0061】
一実施形態において、BCLを予防する方法であって、それを必要とする被験体に、治療有効量の化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)を、第2の治療剤と組み合わせて投与することを含み、ここで、第2の治療剤が、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン又はその同等物の組合せである、方法が、本明細書において提供される。
【0062】
一実施形態において、BCLを管理する方法であって、それを必要とする被験体に、治療有効量の化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩)を、第2の治療剤と組み合わせて投与することを含み、ここで、第2の治療剤が、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン又はその同等物の組合せである方法が、本明細書において提供される。
【0063】
特定の実施形態において、BCLは、アグレッシブB細胞リンパ腫(a-BCL)である。一実施形態において、アグレッシブB細胞リンパ腫は、2016 WHO分類に従って決定される(全体が参照により本明細書に援用される、Swerdlow et al.,Blood 2016,127(20):2375-90)。
【0064】
ある実施形態において、BCLは、縦隔(胸腺)原発大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL)である。
【0065】
ある実施形態において、BCLは、皮膚原発DLBCLである。ある実施形態において、BCLは、皮膚原発DLBCL・下肢型である。
【0066】
ある実施形態において、BCLは、未分化リンパ腫キナーゼ陽性(ALK+)大細胞型B細胞リンパ腫である。
【0067】
ある実施形態において、BCLは、濾胞性リンパ腫(FL)である。ある実施形態において、BCLは、グレード3b濾胞性リンパ腫(FL)である。
【0068】
ある実施形態において、BCLは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)である。一実施形態において、DLBCLは、DLBCL・非特定型(NOS)である。一実施形態において、DLBCLは、胚中心B細胞(GCB)型である。一実施形態において、DLBCLは、活性化B細胞(ABC)型である。
【0069】
ある実施形態において、BCLは、高悪性度B細胞リンパ腫である。一実施形態において、高悪性度B細胞リンパ腫は、MYC再構成を有する。一実施形態において、高悪性度B細胞リンパ腫は、BCL2再構成を有する。一実施形態において、高悪性度B細胞リンパ腫は、BCL6再構成を有する。一実施形態において、高悪性度B細胞リンパ腫は、MYC及びBCL2及び/又はBCL6再構成を有する。本明細書において使用される際及び特に規定されない限り、「MYC及びBCL2及び/又はBCL6再構成」を有する高悪性度B細胞リンパ腫は、高悪性度B細胞リンパ腫が、MYC再構成並びにBCL2及びBCL6再構成のいずれか又は両方を有することを意味する。一実施形態において、高悪性度B細胞リンパ腫は、MYC及びBCL2再構成を有する。一実施形態において、高悪性度B細胞リンパ腫は、MYC及びBCL6再構成を有する。一実施形態において、高悪性度B細胞リンパ腫は、MYC、BCL2、及びBCL6再構成を有する。
【0070】
ある実施形態において、BCLは、エプスタインバーウイルス陽性(EBV+)DLBCLである。一実施形態において、EBV+DLBCLは、EBV+DLBCL・非特定型(NOS)である。
【0071】
一実施形態において、BCLは、T細胞/組織球豊富型大細胞型B細胞リンパ腫(THRLBCL)である。一実施形態において、BCLは、血管内大細胞型B細胞リンパ腫である。一実施形態において、BCLは、形質芽球性リンパ腫である。一実施形態において、BCLは、原発性滲出液リンパ腫(PEL)である。
【0072】
国際予後指標(IPI)スコアは、重要な予後予測手段である。5つの臨床的特徴(年齢、乳酸脱水素酵素[LDH]、節外部位の数、アン・アーバーステージ、及び米国東海岸癌臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group)[ECOG]パフォーマンスステータス)が、患者を以下の4つのリスクカテゴリーに分類するのに使用される:低リスク(0~1つのリスク因子)、低-中程度のリスク(2つのリスク因子)、高-中程度のリスク(3つのリスク因子)及び高リスク(4~5つのリスク因子)。他の予後因子としては、起始細胞などのリンパ腫細胞の表現型又は分子特徴、ダブルヒット及び二重発現、並びに腫瘍微小環境に関連する因子が挙げられる。
【0073】
一実施形態において、BCLは、高リスクアグレッシブB細胞リンパ腫である。一実施形態において、BCLは、高リスクアグレッシブB細胞リンパ腫である。一実施形態において、BCLは、3~5の国際予後指標(IPI)スコアを有する。一実施形態において、BCLは、3のIPIスコアを有する。一実施形態において、BCLは、4のIPIスコアを有する。一実施形態において、BCLは、5のIPIスコアを有する。
【0074】
一実施形態において、BCLは、未治療である。一実施形態において、BCLは、未治療アグレッシブB細胞リンパ腫である。一実施形態において、BCLは、未治療DLBCL、NOS(GCB及びABC型を含む)である。一実施形態において、BCLは、MYC及びBCL2及び/又はBCL6再構成を伴う未治療高悪性度B細胞リンパ腫である。一実施形態において、BCLは、未治療PMBCLである。一実施形態において、BCLは、未治療皮膚原発DLBCL・下肢型である。一実施形態において、BCLは、未治療ALK+大細胞型B細胞リンパ腫である。一実施形態において、BCLは、未治療EBV+DLBCL、NOSである。一実施形態において、BCLは、未治療グレード3b濾胞性リンパ腫である。
【0075】
一実施形態において、BCLは、新たに診断された。一実施形態において、BCLは、新たに診断されたアグレッシブB細胞リンパ腫である。一実施形態において、BCLは、新たに診断されたDLBCL、NOS(GCB及びABC型を含む)である。一実施形態において、BCLは、MYC及びBCL2及び/又はBCL6再構成を伴う新たに診断された高悪性度B細胞リンパ腫である。一実施形態において、BCLは、新たに診断されたPMBCLである。一実施形態において、BCLは、新たに診断された皮膚原発DLBCL・下肢型である。一実施形態において、BCLは、新たに診断されたALK+大細胞型B細胞リンパ腫である。一実施形態において、BCLは、新たに診断されたEBV+DLBCL、NOSである。一実施形態において、BCLは、新たに診断されたグレード3b濾胞性リンパ腫である。
【0076】
一実施形態において、本明細書において提供される化合物(例えば、化合物1、又はその薬学的に許容される塩(例えば、塩酸塩))が、BCLの一次治療として、本明細書において提供される第2の治療剤と組み合わせて投与される。
【0077】
一実施形態において、本明細書において提供される方法において使用される第2の治療剤は、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン又はその同等物の組合せである。
【0078】
特定の実施形態において、第2の治療剤は、R-CHOPである。本明細書において使用される際及び特に規定されない限り、R-CHOP療法は、一連のリツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン(又はプレドニゾロンなどの同等物)を用いた化学療法を指す。特定の実施形態において、R-CHOP療法は、数か月にわたる治療の一連のいくつかのサイクルとして与えられる。特定の実施形態において、R-CHOPの各サイクルは、21日(3週間)であり、ここで、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、及びビンクリスチンが、21日サイクルの1日目に投与され、プレドニゾン(又はプレドニゾロン)の5日の過程はまた、21日サイクルの1~5日目に開始される。
【0079】
一実施形態において、プレドニゾンは、本明細書において提供される方法において投与される。一実施形態において、プレドニゾンの同等物が、プレドニゾンの代わりに投与される。一実施形態において、プレドニゾロンが、投与される。一実施形態において、プレドニゾンのコルチコステロイド同等物が、投与される。一実施形態において、プレドニゾンのコルチコステロイド同等物が、(例えば、便宜上、サイクルの1日目に)静脈内投与される。
【0080】
特定の実施形態において、第2の治療剤は、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾンの組合せである。
【0081】
特定の実施形態において、第2の治療剤は、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾロンの組合せである。
【0082】
特定の実施形態において、ドキソルビシンは、リポソームドキソルビシンでない。
【0083】
リツキシマブは、抗CD20モノクローナル抗体である。一実施形態において、リツキシマブは、医師の判断に従う量で投与される。一実施形態において、リツキシマブは、現地で承認されたラベル又は調製、投与、及び保存情報のための薬学マニュアルに従って投与される。一実施形態において、リツキシマブは、RITUXAN(登録商標)のラベルに従って投与される。一実施形態において、リツキシマブは、約375mg/m2/日の用量で投与される。一実施形態において、リツキシマブは、約1400mg/日の用量で投与される。一実施形態において、リツキシマブは、21日サイクルの1日目に投与される。一実施形態において、リツキシマブは、静脈内投与される。一実施形態において、リツキシマブは、静脈注射によって投与される。一実施形態において、リツキシマブは、静脈内注入によって投与される。一実施形態において、リツキシマブは、皮下投与される。一実施形態において、リツキシマブは、皮下注入によって投与される。
【0084】
一実施形態において、リツキシマブは、21日サイクルの1日目に約375mg/m2/日の用量で静脈内投与される。一実施形態において、リツキシマブは、21日サイクルの1日目に約1400mg/日の用量で皮下投与される。
【0085】
一実施形態において、シクロホスファミドは、医師の判断に従う量で投与される。一実施形態において、シクロホスファミドは、現地で承認されたラベル又は調製、投与、及び保存情報のための薬学マニュアルに従って投与される。一実施形態において、シクロホスファミドは、CYTOXAN(登録商標)のラベルに従って投与される。一実施形態において、シクロホスファミドは、NEOSAR(登録商標)のラベルに従って投与される。一実施形態において、シクロホスファミドは、約750mg/m2/日の用量で投与される。一実施形態において、シクロホスファミドは、21日サイクルの1日目に投与される。一実施形態において、シクロホスファミドは、静脈内投与される。一実施形態において、シクロホスファミドは、静脈注射によって投与される。一実施形態において、シクロホスファミドは、静脈内注入によって投与される。
【0086】
一実施形態において、シクロホスファミドは、21日サイクルの1日目に約750mg/m2/日の用量で静脈内投与される。
【0087】
一実施形態において、ドキソルビシンは、医師の判断に従う量で投与される。一実施形態において、ドキソルビシンは、現地で承認されたラベル又は調製、投与、及び保存情報のための薬学マニュアルに従って投与される。一実施形態において、ドキソルビシンは、ADRIAMYCIN(登録商標)のラベルに従って投与される。一実施形態において、ドキソルビシンは、RUBEX(登録商標)のラベルに従って投与される。一実施形態において、ドキソルビシンは、約50mg/m2/日の用量で投与される。一実施形態において、ドキソルビシンは、21日サイクルの1日目に投与される。一実施形態において、ドキソルビシンは、静脈内投与される。一実施形態において、ドキソルビシンは、静脈注射によって投与される。一実施形態において、ドキソルビシンは、静脈内注入によって投与される。
【0088】
一実施形態において、ドキソルビシンは、21日サイクルの1日目に約50mg/m2/日の用量で静脈内投与される。
【0089】
一実施形態において、ビンクリスチンは、医師の判断に従う量で投与される。一実施形態において、ビンクリスチンは、現地で承認されたラベル又は調製、投与、及び保存情報のための薬学マニュアルに従って投与される。一実施形態において、ビンクリスチンは、ONCOVIN(登録商標)のラベルに従って投与される。一実施形態において、ビンクリスチンは、約1.4mg/m2/日の用量で投与される。一実施形態において、ビンクリスチンは、2.0mg/日の最大量で投与される。一実施形態において、ビンクリスチンは、21日サイクルの1日目に投与される。一実施形態において、ビンクリスチンは、静脈内投与される。一実施形態において、ビンクリスチンは、静脈注射によって投与される。一実施形態において、ビンクリスチンは、静脈内注入によって投与される。
【0090】
一実施形態において、ビンクリスチンは、2.0mg/日の最大量で、21日サイクルの1日目に約1.4mg/m2/日の用量で静脈内投与される。
【0091】
一実施形態において、プレドニゾン又はその同等物は、医師の判断に従う量で投与される。一実施形態において、プレドニゾン又はその同等物は、現地で承認されたラベル又は調製、投与、及び保存情報のための薬学マニュアルに従って投与される。一実施形態において、プレドニゾン又はその同等物は、DELTASONE(登録商標)のラベルに従って投与される。一実施形態において、プレドニゾン又はその同等物は、約100mg/日の用量で投与される。一実施形態において、プレドニゾン又はその同等物は、21日サイクルの1~5日目に投与される。一実施形態において、プレドニゾン又はその同等物は、静脈内投与される。一実施形態において、プレドニゾン又はその同等物は、静脈注射によって投与される。一実施形態において、プレドニゾン又はその同等物は、静脈内注入によって投与される。一実施形態において、プレドニゾン又はその同等物は、経口投与される。一実施形態において、プレドニゾン又はその同等物は、食物とともに経口投与される。一実施形態において、プレドニゾン又はその同等物は、食物を伴わずに経口投与される。
【0092】
一実施形態において、プレドニゾンは、21日サイクルの1~5日目に約100mg/日の用量で経口投与される。一実施形態において、プレドニゾンは、21日サイクルの1日目に静脈内に及び21日サイクルの2~5日目に経口で、約100mg/日の用量で投与される。一実施形態において、プレドニゾロンは、21日サイクルの1~5日目に約100mg/日の用量で経口投与される。一実施形態において、プレドニゾロンは、21日サイクルの1日目に静脈内に及び21日サイクルの2~5日目に経口で、約100mg/日の用量で投与される。
【0093】
一実施形態において、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、及びビンクリスチンは、21日サイクルの1日目に投与され、プレドニゾン又はその同等物は、21日サイクルの1~5日目に投与される。
【0094】
一実施形態において、リツキシマブは、静脈内又は皮下に投与され;シクロホスファミド、ドキソルビシン、及びビンクリスチンは、静脈内投与され;プレドニゾン又はその同等物は、経口投与される。
【0095】
一実施形態において、リツキシマブは、21日サイクルの1日目に、約375mg/m2の用量で静脈内に、又は約1400mgの用量で皮下に投与され;シクロホスファミドは、21日サイクルの1日目に、約750mg/m2の用量で静脈内投与され;ドキソルビシンは、21日サイクルの1日目に、約50mg/m2の用量で静脈内投与され;ビンクリスチンは、21日サイクルの1日目に、約1.4mg/m2の用量で静脈内投与され;プレドニゾン又はその同等物は、21日サイクルの1~5日目に、約100mgの用量で経口投与される。
【0096】
一実施形態において、本明細書において提供される第1の治療(例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩などの予防剤又は治療剤)は、被験体への本明細書において提供される第2の治療剤の投与の前(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間前)に投与される。
【0097】
一実施形態において、本明細書において提供される第1の治療(例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩などの予防剤又は治療剤)は、被験体への本明細書において提供される第2の治療の投与と同時に投与される。
【0098】
一実施形態において、本明細書において提供される第1の治療(例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩などの予防剤又は治療剤)は、被験体への本明細書において提供される第2の治療剤の投与の後(例えば、5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、4時間、6時間、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、8週間、又は12週間後)に投与される。
【0099】
一実施形態において、本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、約0.2mg~約0.6mg/日の用量で投与される。一実施形態において、化合物は、約0.2mg~約0.4mg/日の用量で投与される。一実施形態において、化合物は、約0.4mg~約0.6mg/日の用量で投与される。
【0100】
一実施形態において、本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、1日1回約0.2mg~約0.6mgの用量で投与される。一実施形態において、化合物は、1日1回約0.2mg~約0.4mgの用量で投与される。一実施形態において、化合物は、1日1回約0.4mg~約0.6mgの用量で投与される。
【0101】
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、又は約0.6mg/日の用量で投与される。特定の実施形態において、化合物は、約0.2mg/日の用量で投与される。特定の実施形態において、化合物は、約0.3mg/日の用量で投与される。特定の実施形態において、化合物は、約0.4mg/日の用量で投与される。特定の実施形態において、化合物は、約0.5mg/日の用量で投与される。特定の実施形態において、化合物は、約0.6mg/日の用量で投与される。
【0102】
特定の実施形態において、本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、1日1回約0.2mg、約0.3mg、約0.4mg、約0.5mg、又は約0.6mgの用量で投与される。特定の実施形態において、化合物は、1日1回約0.2mgの用量で投与される。特定の実施形態において、化合物は、1日1回約0.3mgの用量で投与される。特定の実施形態において、化合物は、1日1回約0.4mgの用量で投与される。特定の実施形態において、化合物は、1日1回約0.5mgの用量で投与される。特定の実施形態において、化合物は、1日1回約0.6mgの用量で投与される。
【0103】
一実施形態において、式(I)の化合物、又はその薬学的に許容される塩が、投与される。一実施形態において、式(I)の化合物の塩酸塩が、投与される。
【0104】
一実施形態において、本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、経口投与される。一実施形態において、本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、少なくとも6時間続く一晩絶食後に投与される(例えば、約8oz又は240mlの水とともに午前中に)。一実施形態において、被験体は、化合物が投与された後少なくとも2時間、食物又は他の薬物摂取を控える。
【0105】
一実施形態において、本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、7日間、その後、残りの14日間にわたって、1日1回投与される。一実施形態において、化合物は、10日間、その後、残りの11日間にわたって、1日1回投与される。
【0106】
一実施形態において、本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、21日サイクルの1~7日目に投与される。一実施形態において、化合物は、21日サイクルの1~10日目に投与される。一実施形態において、化合物の投与期間の後、21日サイクルの残りの日数で化合物を休止する。
【0107】
一実施形態において、本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、21日サイクルの1~7日目に、1日1回約0.2mg~約0.6mgの用量で投与される。一実施形態において、化合物は、21日サイクルの1~7日目に、1日1回約0.2mgの用量で投与される。一実施形態において、化合物は、21日サイクルの1~7日目に、1日1回約0.3mgの用量で投与される。一実施形態において、化合物は、約21日サイクルの1~7日目に、1日1回0.4mgの用量で投与される。一実施形態において、化合物は、21日サイクルの1~7日目に、1日1回約0.5mgの用量で投与される。一実施形態において、化合物は、21日サイクルの1~7日目に、1日1回約0.6mgの用量で投与される。一実施形態において、化合物の投与期間の後、21日サイクルの8~21日目に化合物を休止する。
【0108】
一実施形態において、本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、21日サイクルの1~10日目に、1日1回約0.2mg~約0.6mgの用量で投与される。一実施形態において、化合物は、21日サイクルの1~10日目に、1日1回約0.2mgの用量で投与される。一実施形態において、化合物は、21日サイクルの1~10日目に、1日1回約0.3mgの用量で投与される。一実施形態において、化合物は、21日サイクルの1~10日目に、1日1回約0.4mgの用量で投与される。一実施形態において、化合物は、21日サイクルの1~10日目に、1日1回約0.5mgの用量で投与される。一実施形態において、化合物は、21日サイクルの1~10日目に、1日1回の約0.6mg用量で投与される。一実施形態において、化合物の投与期間の後、21日サイクルの11~21日目に化合物を休止する。
【0109】
一実施形態において、アグレッシブB細胞リンパ腫(a-BCL)を治療するための方法であって、(i)21日サイクルの1~7日目に、化合物1、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)を投与すること;(ii)21日サイクルの1日目に、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、及びビンクリスチンを投与すること;及び(iii)21日サイクルの1~5日目に、プレドニゾン又はプレドニゾロンを投与することを含む、方法が、本明細書において提供される。一実施形態において、a-BCLは、DLBCL(例えば、DLBCL、NOS(GCB及びABC型を含む)である。一実施形態において、a-BCLは、高悪性度B細胞リンパ腫(例えば、MYC及びBCL2及び/又はBCL6再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫)である。一実施形態において、a-BCLは、PMBCLである。一実施形態において、a-BCLは、皮膚原発DLBCL・下肢型である。一実施形態において、a-BCLは、ALK+大細胞型B細胞リンパ腫である。一実施形態において、a-BCLは、EBV+DLBCL(例えば、EBV+DLBCL、NOS)である。一実施形態において、a-BCLは、グレード3b濾胞性リンパ腫である。一実施形態において、a-BCLは、未治療である。一実施形態において、a-BCLは、新たに診断された。一実施形態において、a-BCLは、高リスクa-BCL(例えば、3~5のIPIスコアを有する)である。
【0110】
一実施形態において、アグレッシブB細胞リンパ腫(a-BCL)を治療するための方法であって、(i)21日サイクルの1~10日目に、化合物1、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)を投与すること;(ii)21日サイクルの1日目に、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、及びビンクリスチンを投与すること;及び(iii)21日サイクルの1~5日目に、プレドニゾン又はプレドニゾロンを投与することを含む、方法が、本明細書において提供される。一実施形態において、a-BCLは、DLBCL(例えば、DLBCL、NOS(GCB及びABC型を含む)である。一実施形態において、a-BCLは、高悪性度B細胞リンパ腫(例えば、MYC及びBCL2及び/又はBCL6再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫)である。一実施形態において、a-BCLは、PMBCLである。一実施形態において、a-BCLは、皮膚原発DLBCL・下肢型である。一実施形態において、a-BCLは、ALK+大細胞型B細胞リンパ腫である。一実施形態において、a-BCLは、EBV+DLBCL(例えば、EBV+DLBCL、NOS)である。一実施形態において、a-BCLは、グレード3b濾胞性リンパ腫である。一実施形態において、a-BCLは、未治療である。一実施形態において、a-BCLは、新たに診断された。一実施形態において、a-BCLは、高リスクa-BCL(例えば、3~5のIPIスコアを有する)である。
【0111】
一実施形態において、アグレッシブB細胞リンパ腫(a-BCL)を治療するための方法であって、(i)1日1回21日サイクルの1~7日目に、約0.2mgの用量で、化合物1、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)を経口投与すること;(ii)21日サイクルの1日目に、約375mg/m2の用量で静脈内に、又は約1400mgの用量で皮下に、リツキシマブ投与すること;(iii)21日サイクルの1日目に、約750mg/m2の用量で、シクロホスファミドを静脈内投与すること;(iv)21日サイクルの1日目に、約50mg/m2の用量で、ドキソルビシンを静脈内投与すること;(v)21日サイクルの1日目に、約1.4mg/m2の用量で、ビンクリスチンを静脈内投与すること;及び(vi)21日サイクルの1~5日目に、約100mg/日の用量で、プレドニゾン又はプレドニゾロンを経口投与すること(プレドニゾン又はプレドニゾロンの1日目の静脈内投与が許容される)を含む、方法が、本明細書において提供される。一実施形態において、a-BCLは、DLBCL(例えば、DLBCL、NOS(GCB及びABC型を含む)である。一実施形態において、a-BCLは、高悪性度B細胞リンパ腫(例えば、MYC及びBCL2及び/又はBCL6再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫)である。一実施形態において、a-BCLは、PMBCLである。一実施形態において、a-BCLは、皮膚原発DLBCL・下肢型である。一実施形態において、a-BCLは、ALK+大細胞型B細胞リンパ腫である。一実施形態において、a-BCLは、EBV+DLBCL(例えば、EBV+DLBCL、NOS)である。一実施形態において、a-BCLは、グレード3b濾胞性リンパ腫である。一実施形態において、a-BCLは、未治療である。一実施形態において、a-BCLは、新たに診断された。一実施形態において、a-BCLは、高リスクa-BCL(例えば、3~5のIPIスコアを有する)である。
【0112】
一実施形態において、アグレッシブB細胞リンパ腫(a-BCL)を治療するための方法であって、(i)21日サイクルの1~7日目に、1日1回約0.4mgの用量で、化合物1、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)を経口投与すること;(ii)21日サイクルの1日目に、約375mg/m2の用量で静脈内に、又は約1400mgの用量で皮下に、リツキシマブ投与すること;(iii)21日サイクルの1日目に、約750mg/m2の用量で、シクロホスファミドを静脈内投与すること;(iv)21日サイクルの1日目に、約50mg/m2の用量で、ドキソルビシンを静脈内投与すること;(v)21日サイクルの1日目に、約1.4mg/m2の用量で、ビンクリスチンを静脈内投与すること;及び(vi)21日サイクルの1~5日目に、約100mg/日の用量で、プレドニゾン又はプレドニゾロンを経口投与すること(プレドニゾン又はプレドニゾロンの1日目の静脈内投与が許容される)を含む、方法が、本明細書において提供される。一実施形態において、a-BCLは、DLBCL(例えば、DLBCL、NOS(GCB及びABC型を含む)である。一実施形態において、a-BCLは、高悪性度B細胞リンパ腫(例えば、MYC及びBCL2及び/又はBCL6再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫)である。一実施形態において、a-BCLは、PMBCLである。一実施形態において、a-BCLは、皮膚原発DLBCL・下肢型である。一実施形態において、a-BCLは、ALK+大細胞型B細胞リンパ腫である。一実施形態において、a-BCLは、EBV+DLBCL(例えば、EBV+DLBCL、NOS)である。一実施形態において、a-BCLは、グレード3b濾胞性リンパ腫である。一実施形態において、a-BCLは、未治療である。一実施形態において、a-BCLは、新たに診断された。一実施形態において、a-BCLは、高リスクa-BCL(例えば、3~5のIPIスコアを有する)である。
【0113】
一実施形態において、アグレッシブB細胞リンパ腫(a-BCL)を治療するための方法であって、(i)21日サイクルの1~7日目に、1日1回約0.6mgの用量で、化合物1、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)を経口投与すること;(ii)21日サイクルの1日目に、約375mg/m2の用量で静脈内に、又は約1400mgの用量で皮下に、リツキシマブ投与すること;(iii)21日サイクルの1日目に、約750mg/m2の用量で、シクロホスファミドを静脈内投与すること;(iv)21日サイクルの1日目に、約50mg/m2の用量で、ドキソルビシンを静脈内投与すること;(v)21日サイクルの1日目に、約1.4mg/m2の用量で、ビンクリスチンを静脈内投与すること;及び(vi)21日サイクルの1~5日目に、約100mg/日の用量で、プレドニゾン又はプレドニゾロンを経口投与すること(プレドニゾン又はプレドニゾロンの1日目の静脈内投与が許容される)を含む、方法が、本明細書において提供される。一実施形態において、a-BCLは、DLBCL(例えば、DLBCL、NOS(GCB及びABC型を含む)である。一実施形態において、a-BCLは、高悪性度B細胞リンパ腫(例えば、MYC及びBCL2及び/又はBCL6再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫)である。一実施形態において、a-BCLは、PMBCLである。一実施形態において、a-BCLは、皮膚原発DLBCL・下肢型である。一実施形態において、a-BCLは、ALK+大細胞型B細胞リンパ腫である。一実施形態において、a-BCLは、EBV+DLBCL(例えば、EBV+DLBCL、NOS)である。一実施形態において、a-BCLは、グレード3b濾胞性リンパ腫である。一実施形態において、a-BCLは、未治療である。一実施形態において、a-BCLは、新たに診断された。一実施形態において、a-BCLは、高リスクa-BCL(例えば、3~5のIPIスコアを有する)である。
【0114】
一実施形態において、アグレッシブB細胞リンパ腫(a-BCL)を治療するための方法であって、(i)21日サイクルの1~10日目に、1日1回約0.4mgの用量で、化合物1、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)を経口投与すること;(ii)21日サイクルの1日目に、約375mg/m2の用量で静脈内に、又は約1400mgの用量で皮下に、リツキシマブ投与すること;(iii)21日サイクルの1日目に、約750mg/m2の用量で、シクロホスファミドを静脈内投与すること;(iv)21日サイクルの1日目に、約50mg/m2の用量で、ドキソルビシンを静脈内投与すること;(v)21日サイクルの1日目に、約1.4mg/m2の用量で、ビンクリスチンを静脈内投与すること;及び(vi)21日サイクルの1~5日目に、約100mg/日の用量で、プレドニゾン又はプレドニゾロンを経口投与すること(プレドニゾン又はプレドニゾロンの1日目の静脈内投与が許容される)を含む、方法が、本明細書において提供される。一実施形態において、a-BCLは、DLBCL(例えば、DLBCL、NOS(GCB及びABC型を含む)である。一実施形態において、a-BCLは、高悪性度B細胞リンパ腫(例えば、MYC及びBCL2及び/又はBCL6再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫)である。一実施形態において、a-BCLは、PMBCLである。一実施形態において、a-BCLは、皮膚原発DLBCL・下肢型である。一実施形態において、a-BCLは、ALK+大細胞型B細胞リンパ腫である。一実施形態において、a-BCLは、EBV+DLBCL(例えば、EBV+DLBCL、NOS)である。一実施形態において、a-BCLは、グレード3b濾胞性リンパ腫である。一実施形態において、a-BCLは、未治療である。一実施形態において、a-BCLは、新たに診断された。一実施形態において、a-BCLは、高リスクa-BCL(例えば、3~5のIPIスコアを有する)である。
【0115】
一実施形態において、本方法は、被験体に成長因子を投与することをさらに含む。一実施形態において、成長因子は、予防目的で(例えば、被験体が好中球減少症(例えば、グレード3/4好中球減少症、長期の重度の好中球減少症、発熱性好中球減少症)を発生するのを予防するために)投与される。一実施形態において、成長因子は、治療目的で(例えば、好中球減少症を発生した被験体における好中球減少症(例えば、グレード3/4好中球減少症、長期の重度の好中球減少症、発熱性好中球減少症)を治療又は管理するために)投与される。一実施形態において、本方法は、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)又はペグ化顆粒球コロニー刺激因子(peg-G-CSF)を被験体に投与することをさらに含む。
【0116】
一実施形態において、G-CSFは、21日サイクルの5~13日目に投与される。一実施形態において、peg-G-CSFは、21日サイクルの2日目に投与される。
【0117】
一実施形態において、G-CSFは、21日サイクルの5~13日目に投与され、本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、21日サイクルの1~7日目に投与される。一実施形態において、G-CSFは、21日サイクルの5~13日目に投与される一方、本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、21日サイクルの1~10日目に投与される。
【0118】
一実施形態において、peg-G-CSFは、21日サイクルの2日目に投与され、本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、21日サイクルの1~7日目に投与される。一実施形態において、peg-G-CSFは、21日サイクルの2日目に投与される一方、本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、21日サイクルの1~10日目に投与される。
【0119】
一実施形態において、本方法は、抗血栓予防を被験体に投与することをさらに含む。一実施形態において、本方法は、中枢神経系(CNS)病変のための髄腔内(intrathecal)(IT)予防を被験体に投与することをさらに含む。
【0120】
別の実施形態において、患者におけるLugano奏効基準によって決定される際、完全奏効、部分奏効、又は安定を得るための方法であって、有効量の本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)を、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン又はその同等物の組合せと組み合わせて、BCLを有する患者に投与することを含む、方法が、本明細書において提供される。別の実施形態において、患者における全生存率、無増悪生存率、無症候生存率、無増悪期間、又は無病生存率の増加を得るための方法であって、有効量の本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)を、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン又はその同等物の組合せと組み合わせて、BCLを有する患者に投与することを含む、方法が、本明細書において提供される。別の実施形態において、患者における全生存率の増加を得るための方法であって、有効量の本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)を、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン又はその同等物の組合せと組み合わせて、BCLを有する患者に投与することを含む、方法が、本明細書において提供される。別の実施形態において、患者における無増悪生存率の増加を得るための方法であって、有効量の本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)を、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン又はその同等物の組合せと組み合わせて、BCLを有する患者に投与することを含む、方法が、本明細書において提供される。別の実施形態において、患者における無症候生存率を得るための方法であって、有効量の本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)を、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン又はその同等物の組合せと組み合わせて、BCLを有する患者に投与することを含む、方法が、本明細書において提供される。別の実施形態において、患者における無増悪期間の増加を得るための方法であって、有効量の本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)を、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン又はその同等物の組合せと組み合わせて、BCLを有する患者に投与することを含む、方法が、本明細書において提供される。別の実施形態において、患者における無病生存率の増加を得るための方法であって、有効量の本明細書に記載される化合物、例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)を、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン又はその同等物の組合せと組み合わせて、BCLを有する患者に投与することを含む、方法が、本明細書において提供される。一実施形態において、BCLは、a-BCLである。
【0121】
医薬組成物及び投与経路
本明細書において提供される化合物は、カプセル剤、マイクロカプセル、錠剤、顆粒剤、散剤、トローチ、丸剤、坐薬、注射剤、懸濁剤、シロップ、貼付剤、クリーム、ローション、軟膏、ゲル、スプレー、液剤及び乳剤などの、製剤の従来の形態で、経口で、局所的に又は非経口で被験体に投与され得る。好適な製剤は、従来の有機又は無機添加剤、例えば、賦形剤(例えば、スクロース、デンプン、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、グルコース、セルロース、タルク、リン酸カルシウム又は炭酸カルシウム)、結合剤(例えば、セルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリプロピルピロリドン、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、スクロース又はデンプン)、崩壊剤(例えば、デンプン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム又はクエン酸カルシウム)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク又はラウリル硫酸ナトリウム)、香味剤(例えば、クエン酸、メントール、グリシン又はオレンジ粉末)、防腐剤(例えば、安息香酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、メチルパラベン又はプロピルパラベン)、安定剤(例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム又は酢酸)、懸濁化剤(例えば、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン又はステアリン酸アルミニウム)、分散剤(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、希釈剤(例えば、水)、及び基剤ワックス(例えば、カカオ脂、白色ワセリン又はポリエチレングリコール)を用いて、一般に用いられる方法によって調製され得る。医薬組成物中の化合物の有効量は、所望の効果を発揮し得るレベル;経口及び非経口投与の両方についての単位投与量で約0.001mg/kg(被験体の体重)から約1mg/kg(被験体の体重)であり得る。
【0122】
本明細書において提供される化合物は、経口投与され得る。一実施形態において、経口投与される場合、本明細書において提供される化合物は、食事及び水と共に投与される。別の実施形態において、本明細書において提供される化合物は、水又は果汁(例えば、リンゴ果汁又はオレンジ果汁)中に分散され、液剤又は懸濁剤として経口投与される。一実施形態において、本明細書において提供される化合物は、被験体が食事を供給されるときに投与される。一実施形態において、本明細書において提供される化合物は、被験体に高脂肪及び/又は高カロリー食が供給されるときに投与される。一実施形態において、本明細書において提供される化合物は、被験体にFDA標準の高脂肪高カロリーの朝食が供給されるときに投与される。一実施形態において、本明細書において提供される化合物は、被験体が絶食しているときに投与される。一実施形態において、本明細書において提供される化合物は、被験体が少なくとも8時間一晩絶食した後に投与される。一実施形態において、本明細書において提供される化合物は、食物とともに又は食物を伴わずに投与される。
【0123】
本明細書において提供される化合物はまた、皮内に、筋肉内に、腹腔内に、経皮的に、静脈内に、皮下に、鼻腔内に、硬膜外に、舌下に、大脳内に、膣内に、経真皮的に、直腸内に、粘膜に、吸入によって、又は耳、鼻、眼、若しくは皮膚に局所的に投与され得る。投与方法は、医療従事者の裁量に任され、部分的に、医学的状態の部位によって決まり得る。
【0124】
一実施形態において、さらなる担体、賦形剤又はビヒクルなしで本明細書において提供される化合物を含有するカプセル剤が、本明細書において提供される。別の実施形態において、有効量の本明細書において提供される化合物及び薬学的に許容される担体又はビヒクルを含む組成物であって、薬学的に許容される担体又はビヒクルが、賦形剤、希釈剤、又はそれらの混合物を含み得る、組成物が、本明細書において提供される。一実施形態において、組成物は、医薬組成物である。
【0125】
組成物は、錠剤、チュアブル錠、カプセル剤、液剤、非経口液剤、トローチ、坐薬及び懸濁剤などの形態であり得る。組成物は、投与単位中に、1日用量、又は1日用量の好都合な割合を含有するように製剤化され得、投与単位は、単一の錠剤又はカプセル剤又は好都合な体積の液体であり得る。一実施形態において、液剤は、水溶性塩から調製される。一般に、組成物は全て、医薬品化学において公知の方法に従って調製される。カプセル剤は、本明細書において提供される化合物を、好適な担体又は希釈剤と混合し、適切な量の混合物をカプセル剤に充填することによって調製され得る。通常の担体及び希釈剤としては、限定はされないが、不活性粉末状物質、例えば、多くの異なる種類のデンプン、粉末セルロース、特に、結晶性及び微結晶性セルロース、糖、例えば、フルクトース、マンニトール及びスクロース、穀粉及び同様の食用粉末が挙げられる。
【0126】
錠剤は、直接圧縮、湿式造粒、又は乾式造粒によって調製され得る。これらの製剤は、通常、希釈剤、結合剤、滑沢剤及び崩壊剤並びに化合物を組み込む。典型的な希釈剤としては、例えば、様々なタイプのデンプン、ラクトース、マンニトール、カオリン、リン酸カルシウム又は硫酸カルシウム、塩化ナトリウムなどの無機塩及び粉砂糖が挙げられる。粉末セルロース誘導体も有用である。典型的な錠剤結合剤は、デンプン、ゼラチン及びラクトース、フルクトース、グルコースなどの糖などの物質である。天然及び合成ゴムも好都合であり、これには、アカシア、アルギネート、メチルセルロース、ポリビニルピロリジンなどが含まれる。ポリエチレングリコール、エチルセルロース及びワックスも、結合剤として働き得る。
【0127】
滑沢剤は、錠剤及びパンチが型に付着するのを防ぐために、錠剤製剤に必要であり得る。滑沢剤は、タルク、マグネシウム及びステアリン酸カルシウム、ステアリン酸及び硬化植物油のような滑りやすい固体から選択され得る。錠剤崩壊剤は、湿潤したときに膨潤して錠剤を崩壊させ、化合物を放出する物質である。それらとしては、デンプン、粘土、セルロース、アルギン及びガムが挙げられる。より具体的には、例えば、トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、木材セルロース、粉末状天然スポンジ、カチオン交換樹脂、アルギン酸、グアーガム、柑橘類パルプ及びカルボキシメチルセルロースが、ラウリル硫酸ナトリウムと同様に使用され得る。錠剤は、香料及びシーラントとしての糖で、又は錠剤の溶解特性を変性するための膜形成保護剤で被覆され得る。組成物はまた、例えば、製剤中でマンニトールなどの物質を使用することによって、チュアブル錠として製剤化され得る。
【0128】
本明細書において提供される化合物を坐薬として投与することが望ましい場合、典型的な基剤が使用され得る。カカオ脂が、従来の坐薬基剤であり、これは、ワックスの添加によって、その融点をわずかに上昇させるように変性され得る。特に、様々な分子量のポリエチレングリコールを含む水混和性坐薬基剤が、広く使用されている。
【0129】
本明細書において提供される化合物の効果は、適切な製剤化によって遅延又は持続され得る。例えば、本明細書において提供される化合物の徐溶性ペレットが、調製され、錠剤若しくはカプセル剤中に、又は徐放性埋め込み型デバイスとして組み込まれ得る。この技術は、いくつかの異なる溶解速度のペレットを作製し、カプセル剤にペレットの混合物を充填することも含む。錠剤又はカプセル剤は、予測可能な期間にわたって溶解に耐えるフィルムで被覆され得る。本明細書において提供される化合物を、それを血清中に徐々に分散させる油性又は乳化ビヒクル中に溶解又は懸濁させることによって、非経口製剤でさえ長時間作用性にすることができる。
【0130】
化合物1の特定の医薬組成物及び製剤が、全体が参照により本明細書に援用される米国特許出願第17/075,447号明細書に記載されている。
【0131】
本明細書において提供される方法は、患者の年齢にかかわらず、患者を治療することを包含する。ある実施形態において、被験体は、18歳以上である。他の実施形態において、被験体は、18、25、35、40、45、50、55、60、65、又は70歳超である。他の実施形態において、被験体は、65歳未満である。他の実施形態において、被験体は、65歳超である。
【0132】
治療される疾患の状態及び被験体の病態に応じて、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩が、経口、非経口(例えば、筋肉内、腹腔内、静脈内、CIV、嚢内への注射若しくは注入、皮下注射、又はインプラント)、吸入、鼻腔内、膣内、直腸内、舌下、又は局所(topical)(例えば、経皮若しくは局所(local))投与経路によって投与され得る。化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩が、単独で又は好適な投与単位で、各投与経路に適切な、薬学的に許容される賦形剤、担体、補助剤及びビヒクルと一緒に製剤化され得る。
【0133】
一実施形態において、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、経口投与される。別の実施形態において、化合物1の化合物、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、非経口投与される。さらに別の実施形態において、化合物1の化合物、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、静脈内投与される。
【0134】
化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、例えば、単回ボーラス注射、又は経口カプセル剤、錠剤若しくは丸剤などの単回用量として;又は例えば、長時間の持続注入又は長時間の分割ボーラス用量など、長時間をかけて送達され得る。本明細書に記載される化合物は、例えば、患者が安定若しくは寛解を生じるまで、又は患者が疾患進行若しくは許容できない毒性を生じるまで、必要に応じて反復して投与され得る。
【0135】
化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、1日1回(QD)投与されるか、又は1日2回(BID)、1日3回(TID)、及び1日4回(QID)などの複数回の1日用量に分割され得る。さらに、投与は、連続的(すなわち、連続した日数の間毎日、又は毎日)、間欠的、例えば、周期的(すなわち、数日、数週間、又は数か月の休薬を含む)であり得る。本明細書において使用される際、「毎日(daily)」という用語は、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)などの治療用化合物が、それぞれの日に1回又は2回以上、例えば、一定期間にわたって投与されることを意味することが意図される。「連続的」という用語は、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)などの治療用化合物が、少なくとも7日間~52週間途切れることなく毎日投与されることを意味することが意図される。本明細書において使用される際の「間欠的な」又は「間欠的に」という用語は、規則的な間隔又は不規則な間隔のいずれかで停止及び開始することを意味することが意図される。例えば、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)の間欠的な投与は、1週間当たり1~6日間の投与、周期的な投与(例えば、連続する2~8週間の毎日の投与、その後、最大1週間の投与なしの休止期間)、又は1日置きの投与である。本明細書において使用される際の「周期的(cycling)」という用語は、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)などの治療用化合物が、毎日又は連続的に、ただし休止期間を伴って投与されることを意味することが意図される。
【0136】
ある実施形態において、投与の頻度は、約1日1回の投与から約1か月に1回の投与の範囲である。特定の実施形態において、投与は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日置きに、週に2回、週に1回、2週間に1回、3週間に1回、又は4週間に1回である。一実施形態において、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、1日1回投与される。別の実施形態において、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩が、1日2回投与される。さらに別の実施形態において、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、1日3回投与される。さらに別の実施形態において、化合物1、又はその鏡像異性体、鏡像異性体の混合物、互変異性体、アイソトポログ、若しくは薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、1日4回投与される。
【0137】
一実施形態において、本明細書において提供される方法は、1つ以上の21日の治療サイクルで、治療有効量の化合物1、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)の投与を含む。別の実施形態において、本明細書において提供される方法は、21日サイクルの1~10日目に、治療有効量の化合物1、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)の投与を含む。別の実施形態において、本明細書において提供される方法は、21日サイクルの1~14日目に、治療有効量の化合物1、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)の投与を含む。
【0138】
一実施形態において、化合物1、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、10日間、その後、残りの11日間にわたって1日1回投与される。一実施形態において、化合物1、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)が、14日間、その後、残りの7日間にわたって1日1回投与される。
【0139】
一実施形態において、本明細書において提供される方法は、(i)第1の21日サイクルの1日目に開始して、10日間、その後、残りの11日間にわたって1日1回のサイクルで、本明細書において提供される化合物(例えば、化合物1、又はその薬学的に許容される塩、例えば、化合物1の塩酸塩)を投与すること;及び(ii)本明細書に記載されるサイクルで、本明細書において提供される第2の治療剤を投与することを含む。
【0140】
一実施形態において、本明細書において提供される方法は、(i)第1の21日サイクルの1日目に開始して、14日間、その後、残りの7日間にわたって1日1回のサイクルで、本明細書において提供される化合物(例えば、化合物1、又はその薬学的に許容される塩、例えば、化合物1の塩酸塩)を投与すること;及び(ii)本明細書に記載されるサイクルで、本明細書において提供される第2の治療剤を投与することを含む。
【0141】
本明細書に記載される治療サイクルは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、又はそれ以上のサイクルにわたって反復され得る。特定の場合、本明細書に記載される治療サイクルは、1~約24サイクル、約2~約16サイクル、又は約2~約6サイクルを含む。特定の場合、本明細書に記載される治療サイクルは、1~約4サイクルを含む。ある実施形態において、治療有効量の化合物1、又はその薬学的に許容される塩(例えば、化合物1の塩酸塩)、及び/又は本明細書において提供される第2の治療剤(例えば、リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びプレドニゾン又はその同等物の組合せ)が、1つ以上の21日サイクル(例えば、6つの21日サイクル)にわたって投与される。特定の場合、周期的療法は、いくつかのサイクルに限定されず、療法は、疾患進行まで続けられる。サイクルは、特定の場合、本明細書に記載される投与期間及び/又は休止期間を変更することを含み得る。
【実施例】
【0142】
以下の実施例は、限定としてではなく、例示として示される。
【0143】
実施例1:第1b相臨床試験
R-CHOP-21と組み合わせた、化合物1の最大耐用量を決定し、その安全性及び忍容性、薬物動態及び予備的有効性を評価するための第1b相、非盲検、グローバル、多施設、用量決定、無作為化用量拡大試験が、未治療の、高リスク(IPI3~5)、アグレッシブB細胞リンパ腫を有する被験体について行われる。
【0144】
適応
新たに診断されたアグレッシブB細胞リンパ腫(a-BCL)を有する被験体は、試験に適格である。
【0145】
目的
パート1についての主要目的:未治療の、高リスク(IPI3~5)、a-BCLを有する被験体における、R-CHOP-21と組み合わせた化合物1の最大耐用量(MTD)及び/又は推奨第2相用量(RP2D)を規定するため。
【0146】
パート2についての主要目的:未治療の、高リスク(IPI3~5)、a-BCLを有する被験体における、R-CHOP-21と組み合わせたRP2Dにおける化合物1に関連する安全性及び忍容性をさらに評価するため。
【0147】
パート1についての副次的目的:
・未治療の、高リスク(IPI3~5)、a-BCLを有する被験体における、R-CHOP-21と組み合わせた化合物1の安全性及び忍容性を決定するため。
・未治療の、高リスク(IPI3~5)、a-BCLを有する被験体における、R-CHOP-21と組み合わせた化合物1の薬物動態(PK)を特性評価するため。
・未治療の、高リスク(IPI3~5)、a-BCLを有する被験体における、R-CHOP-21と組み合わせた化合物1の予備的有効性を評価するため。
【0148】
パート2についての副次的目的:
・未治療の、高リスク(IPI3~5)、a-BCLを有する被験体における、R-CHOP-21と組み合わせた化合物1の予備的有効性を評価するため。
・未治療の、高リスク(IPI3~5)、a-BCLを有する被験体における、R-CHOP-21と組み合わせた化合物1の薬物動態(PK)を特性評価するため。
【0149】
探索的目的:
・化合物1のPKを安全性プロファイル、臨床活性、及び薬力学(PD)バイオマーカーと相関させるため。
・未治療の、高リスク(IPI3~5)、a-BCLを有する被験体における、化合物1のR-鏡像異性体のPKを評価するため。
・細針吸引によって、腫瘍におけるCRBN基質分解速度に対する、化合物1の用量、曝露、及び応答の関係を調べるため。
・末梢血におけるCRBN基質分解速度に対する、用量、曝露、及び応答の関係を調べるため。
・免疫表現型検査によって、末梢免疫細胞集団に対する、化合物1の用量、曝露、及び応答の関係を調べるため。
・化合物1の応答又は再発に対する、腫瘍細胞におけるタンパク質発現、遺伝子発現又はゲノム異常の相関を評価するため。
・化合物1の治療及び応答又は再発に対する、腫瘍微小環境の免疫細胞組成物におけるベースライン及び変化の相関を評価するため。
・循環腫瘍DNA(ctDNA)レベルの変化及び突然変異並びに放射線学的及び代謝的奏功とのその相関を調べるため。
・リンパ腫の治療のために化合物1を投与される被験体に対する重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の影響を評価し、衛生当局の要請を裏付けるため。
・バイオマーカー及び有効性エンドポイントの相関を調べるため。
【0150】
試験デザイン
この試験は、2つのパートからなる第1b相試験として設計される:a-BCLの一次治療のための標準的なR-CHOP-21レジメンに追加される化合物1の用量漸増(パート1);及びa-BCLの一次治療のための標準的なR-CHOP-21レジメンに追加される化合物1のRP2D(パート2)における拡大。
【0151】
パート1(用量漸増)は、最大で6サイクルにわたって標準用量のR-CHOP-21とともに投与される場合の化合物1の最大耐用量(MTD)及び/又は推奨第2相用量(RP2D)及びスケジュールを規定するためのものである。パート1は、標準用量のR-CHOP-21及び漸増用量の化合物1で治療される約18人の被験体を含む(
図1)。パート1は、調整された毒性確率間隔-2(mTPI-2)デザインを用いて行われる。用量制限毒性(DLT)は、最初の2つの治療サイクル中にMTD/RP2Dを決定するために評価される。
【0152】
パート2(用量拡大):RP2Dが、パート1において化合物1について確立された後、試験の対応するパート2が開始される。約20人の被験体が登録され、化合物1及びR-CHOP-21組合せアームに無作為に分けられる(
図2)。
【0153】
試験は、医薬品規制調和国際会議(International Council for Harmonisation)(ICH)医薬品の臨床試験の実施の基準(Good Clinical Practices)(GCP)に従って行われる。
【0154】
試験集団
約38人の被験体が、試験に登録される(パート1に18人及びパート2に20人)。
【0155】
被験体は、3~5のIPIスコアを有するa-BCLの、治験責任医師に評価された診断を有さなければならない。18歳以上の被験体(男性又は女性)は、NHLのLugano分類(Cheson,2014)に従って少なくとも1つの測定可能な病変を有さなければならず、十分な骨髄、肝臓、及び腎臓機能を有さなければならない。
【0156】
試験の長さ
試験は、登録された全ての被験体についてのスクリーニング、治療及びフォローアップ期間からなる。
【0157】
試験全体の予測期間は、53か月であり、これは、パート1についての約12か月及びパート2についての12か月プラス5か月の治療プラス24か月のフォローアップの登録期間を含む。
【0158】
試験の終了は、治療後のフォローアップを完了する最後の被験体の最後の来院の日付、又はプロトコルにおいて予め指定される、一次、二次及び/又は探索的分析のために必要とされる最後の被験体からの最後のデータ点の受領日のいずれか遅い方の日付として定義される。
【0159】
試験治療
化合物(塩酸塩として提供される)は、経口投与用のカプセル剤として供給され、この試験のための治験薬(IP)として適切に表示される。化合物1のカプセル剤は、計画された投与日に経口(QD)投与される。化合物1は、少なくとも6時間続く一晩絶食後、約8oz又は240mlの水とともに午前中に投与されなければならない。被験体は、各午前中の投与後少なくとも2時間、食物又は他の薬物摂取を控えなければならない。
【0160】
試験治療は、以下の表4に示されるように、R-CHOP-21の6つの21日サイクル(1日目に、静脈内(IV)又はSCリツキシマブ、ドキソルビシン、ビンクリスチン、及びシクロホスファミド;1日目~5日目に毎日のプレドニゾン又はプレドニゾロン)を含む。他のアントラサイクリンは、ドキソルビシンの代わりに用いることはできない。リポソームドキソルビシンは許容されない。プレドニゾンが入手できない国では、現地の同等のコルチコステロイドを代わりに用いることが許容される。便宜上、サイクルの1日目に、経口でなく静脈内にコルチコステロイドを投与することも許容される。
【0161】
【0162】
R-CHOP-21に加えて、経口投与される化合物1の以下の用量及びスケジュールが、試験内に評価される:
・DL1:0.4mg、1~7日目
・DL2a:0.6mg、1~7日目
・DL2b:0.4mg、1~10日目
・DL-1:0.2mg、1~7日目
【0163】
投与レベル2a又は2bに漸増する決定は、投与レベル1からの臨床及びPK/PDデータに基づく。
【0164】
投与レベル2a及び2bは、サイクル当たり同様の総用量の化合物1を送達し、一方は、より多い用量がより短い間隔で送達され、他方は、より少ない用量がより長い期間にわたって分散される。化合物1のIP投与の初日は、サイクルの1日目と見なされる。
【0165】
投与の中断及び減少は、試験全体にわたって許容される。患者内の用量漸増が、この試験において許容されない。毒性の管理のための用量調整が、許容される。
【0166】
強制的な顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)が、5日目~13日目に投与され、又はペグ化顆粒球コロニー刺激因子(peg-G-CSF)が、各サイクル中の2日目に投与される。抗血栓予防は、この試験において全ての被験体のために必須である。
【0167】
高リスクの被験体では、中枢神経系(CNS)病変の髄腔内(IT)予防が、制度的な慣行に従って投与される。
【0168】
【0169】
【0170】
【0171】
主要な有効性評価の概説
・米国東海岸癌臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group)(ECOG)パフォーマンスステータスを含む身体検査。
・全血球計算。
・コンピューター断層撮影法(CT)-スキャン及び/又はフルオロデオキシグルコース-ポジトロン放出型断層撮影法(FDG-PET)-CTスキャン。
・骨髄評価:生検、吸引。
【0172】
主要な安全性評価の概説
・バイタルサイン及び静脈血栓塞栓症(VTE)モニタリングを含む完全な身体検査。
・臨床検査評価(血液学、血液化学)。
・妊娠検査/カウンセリング。
・併用薬及び手順。
・有害事象(AE)。
【0173】
統計的方法
試験のパート1部分における各アームについて、mTPI-2デザイン(Ji Y et al.,Clin Trials,7(6):653-63(2010);Ji Y et al.,J Clin Oncol,31(14):1785-91(2013);Guo W et al.,Contemp Clin Trials,58:23-33(2017))が、用量漸増を導くために適用される。約18人の被験体が、化合物1及びR-CHOP-21組合せアームに登録される。被験体の数は、(DLTの発生に基づいて)試験される投与レベルの数に依存し、概算値を超え得る。
【0174】
MTDに対するDLTの目標毒性率は、0.25である。被験体は、各投与レベルについての9の最大試料サイズで、≧3のサイズの群に登録される。化合物1の最初の投与レベルは、R-CHOP-21と組み合わせて、最初の7日間に投与される0.4mgである。事前ベータ(1/3、1/3)及び許容される毒性確率間隔(0.2、0.3)を用いるmTPI-2アルゴリズムが、その後の投与レベルを推奨するために適用される。事前ベータ(1/3、1/3)は、毒性率の最尤推定値が、およそ事後中央値(posterior median)であるという意味で「ニュートラル」である(Kerman J、http://arxiv.org/abs/1111.0433v1(2011))。
【0175】
推奨用量は、分析の時点で観察される毒性プロファイルの臨床評価を用いて積分される。被験体の安全性を保護するために、安全性評価委員会(Safety Review Committee)(SRC)が、用量漸増プロセスを監視し、各投与レベルの決定を評価した後、それが割り当てられる。SRCは、mTPI-2によって推奨される用量と無関係に、投与レベルの割り当てに関して治験依頼者に勧告を行い得る。
【0176】
適格基準
被験体は、試験に登録されるために以下の基準を満たさなければならない:
1.被験体は、インフォームドコンセント用紙(ICF)に署名した時点で18歳以上である。
2.被験体は、任意の試験に関連する評価/手順が行われる前に、ICFを理解し、それに自発的に署名しなければならない。
3.被験体は、治験来院スケジュール及び他のプロトコル要件を進んで遵守し、遵守することが可能である。
4.被験体は、十分な組織が、トランスレーショナルリサーチのために診断的腫瘍/リンパ節生検(ICF署名前の6か月以内から)から入手可能でない限り、コア針生検又は切開/切除生検を進んで受ける。
5.被験体は、2016 WHO分類に従って、以下を含む、デノボ、未治療、a-BCLの診断を(現地評価に従って)組織学的に確認した:
a.びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、NOS(胚中心B細胞[GCB]及び活性化B細胞[ABC]型を含む);
b.MYC及びBCL2及び/又はBCL6再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫;
c.縦隔(胸腺)原発大細胞型B細胞リンパ腫(PMBCL);
d.皮膚原発DLBCL・下肢型;
e.未分化リンパ腫キナーゼ陽性(ALK+)大細胞型B細胞リンパ腫;
f.エプスタインバーウイルス陽性(EBV+)DLBCL、NOS;
g.グレード3b濾胞性リンパ腫(FL)。
6.被験体は、6サイクルのR-CHOP-21免疫化学療法による導入療法のための適切な候補であると見なされる(治験責任医師評価に従って)。
7.被験体は、≧3(高-中程度又は高リスク)の国際予後指標(IPI)スコアとして定義される高リスク疾患を有する。
8.被験体は、Lugano分類(Cheson,2014)によって定義される際、コンピューター断層撮影法(CT)又は磁気共鳴イメージング(MRI)によって、FDG集積サブタイプの少なくとも1つのFDG集積病変及び1つの2次元に測定可能な(>1.5cmの最長径)疾患によって定義される測定可能な疾患を有さなければならない。
9.被験体は、0、1、又は2の米国東海岸癌臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group)(ECOG)パフォーマンスステータスを有する。
10.被験体は、以下の検査値を有さなければならない:
a.7日間(peg-G-CSFの場合、14日間)成長因子によるサポートなしで、絶対好中球数(ANC)≧1.5×109/L又は実証された骨髄病変(>50%又は腫瘍細胞)の場合、≧1.0×109/L;
b.ヘモグロビン(Hb)≧8g/dL;
c.7日間輸血なしで、血小板数(PLT)≧75×109/L又は実証された骨髄病変(>50%又は腫瘍細胞)の場合、≧50×109/L;
d.アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(AST/SGOT)及びアラニンアミノトランスフェラーゼ/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(ALT/SGPT)≦2.5×正常上限(ULN)。リンパ腫による実証された肝臓病変の場合、ALT/SGPT及びAST/SGOTは、≦5.0×ULNでなければならない。
e.ジルベール症候群(その場合、≦5.0mg/dl(86μmol/L))の場合を除いて、血清総ビリルビン≦2.0mg/dL(34μmol/L);
f.腎疾患における食事の修正(MDRD)式を用いて、≧50mL/分の推定血清中クレアチニンクリアランス。
11.全ての被験体は、以下でなければならない:
a.試験薬が潜在的な奇形のリスクを有し得ることを理解しなければならない。
b.試験治療中、投与の中断中及び試験治療の最後の投与後少なくとも28日間、献血を控えることに同意しなければならない。
c.試験薬を他人と共有しないことに同意しなければならない。
d.臨床試験における被験体のための化合物1避妊計画のための避妊プログラムにおいて定義される全ての要件に従うことに同意しなければならない。
12.女性は、試験参加中及び化合物1の中断後少なくとも28日間、及び承認されたリツキシマブ製品/処方情報に従って、授乳を控えることに同意しなければならない。
13.妊娠の可能性がある女性(FCBP^)*は、以下でなければならない:
a.試験治療を開始する前に治験責任医師によって確認される2つの陰性の妊娠検査を有さなければならない。女性は、試験の間、及び試験治療の終了後に、継続的な妊娠検査に同意しなければならない。これは、被験体が、異性との性的接触を完全に避けた場合*であっても適用される。
b.異性との性的接触を完全に避ける*ことに同意する(これは毎月調査されなければならず、ソースが文書化されなければならない)又は2つの形態の避妊を使用すること、及びそれらに準拠することが可能であることに同意しなければならない:IPを開始する前の28日間、試験治療中(投与中断を含む)、並びに化合物1の最後の投与後少なくとも28日間及びリツキシマブの最後の投与後12か月間のいずれか長い方で、中断しない、1つの非常に有効な、及び1つのさらなる有効な(バリア)避妊手段。
14.男性被験体は、以下でなければならない:
a.完全な禁欲*を実施するか(これは毎月調査されなければならず、ソースが文書化されなければならない)又は精管切除術が成功していたとしても、試験に参加している間、投与の中断中及び化合物1、又はリツキシマブの最後の投与後少なくとも90日間のいずれか長い方で、妊婦若しくは妊娠の可能性がある女性との性的接触中にコンドームを使用することに同意しなければならない。
b.試験治療中、投与の中断中、及び化合物1又はリツキシマブの最後の投与後少なくとも90日間のいずれか長い方で、精子の提供を控えることに同意しなければならない。
^FCBPは、1)ある時点で初潮を達成しており、2)子宮摘出若しくは両側卵巣摘出を行っておらず、又は3)連続少なくとも24か月間にわたって自然に閉経後でなかった(すなわち、前の連続24か月間のいずれかの時点で月経があった)女性である(癌治療後の無月経は、妊娠の可能性を除外しない)。
*完全な禁欲は、これが被験体の好ましい及び通常の生活様式に沿っている場合に許容される。周期的禁欲法(例えば、カレンダー法、排卵法、症状体温法、排卵後法)及び膣外射精は、許容される避妊法でない。
【0177】
除外基準
以下のいずれかの存在が、被験体を登録から除外する:
1.被験体は、何らかの重大な医学的状態、活動性感染(疑われる若しくは確認されたSARS-CoV-2を含む)、検査所見の異常、又は被験体が試験に参加できなくなり得る精神疾患を有する。
2.被験体は、被験体が試験に参加しようとした場合、被験体に許容できないリスクを負わせる、検査所見の異常の存在を含む何らかの病態を有する。
3.被験体は、試験からのデータを解釈する能力を混乱させる何らかの病態を有する。
4.被験体は、リンパ腫の何らかの他のサブタイプを有する。
5.被験体は、リンパ腫による実証された又は疑われる中枢神経系(CNS)病変を有する。
6.被験体は、医学的管理にもかかわらず、≧グレード2(NCI CTCAE v5.0)の持続性の下痢又は吸収不良を有する。
7.被験体は、≧グレード2(NCI CTCAE v5.0)の末梢神経障害を有する。
8.被験体は、慢性全身性免疫抑制療法又はコルチコステロイド(例えば、最後の14日以内に10mg/日を超えないプレドニゾン又は同等物)を受けており;吸入又は局所コルチコステロイドの継続的な使用は許容される。
9.被験体は、以下のいずれかを含む心機能障害又は臨床的に重大な心疾患を有する:
a.マルチゲートによって決定される際、左室駆出率(LVEF)<45%
b.収集スキャン(MUGA)又は心エコー図(ECHO);
c.心不全(ニューヨーク心臓協会(New York Heart Association)クラスIII又はIV);
d.スクリーニング時の臨床的に重大な異常な心電図(ECG)所見;
e.開始する前の≦6か月の不安定狭心症又は心筋梗塞;
f.ペースメーカーによって軽減されない、持続性の又は制御できない心室性不整脈又は心房細動又は心伝導異常。
10.被験体は、化合物1を開始する前の≦2週間に大手術を受けており;被験体は、最近の手術の何らかの臨床的に重大な影響から回復していなければならない。
11.被験体は、錠剤の嚥下困難を引き起こす何らかの病態を有する。
12.被験体は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に対する既知の血清反応陽性又はヒト免疫不全ウイルス(HIV)による活動性ウイルス感染を有し;
13.被験体は、既知の慢性活動性B型肝炎(ウイルスDNA陽性とともにB型肝炎表面抗原[HBsAg]陽性及び/若しくはB型肝炎コア抗体[抗HBc]陽性)又はC型肝炎(治療を必要とする血清学陽性及び/又は肝臓損傷の証拠を有する)感染を有し;
14.被験体は、≧3年間疾患がない場合を除き、他の悪性腫瘍の病歴を有し;≧3年間の期限における例外は、以下の病歴を含む:
a.限局性非黒色腫皮膚癌;
b.頸部の上皮内癌;
c.乳房の上皮内癌;
d.前立腺癌(腫瘍結節転移[TNM]病期分類システムに従ってT1a又はT1b)又は治癒目的で治療された前立腺癌の偶発的組織学的所見。
15.被験体は、強力なCYP3A4/5調節剤による現在の治療を有する。
16.被験体は、活性物質又はマウスタンパク質、又はリツキシマブの他の賦形剤のいずれかに対する過敏性を有する。
17.被験体は、CHOPレジメンの任意の成分に対する既知の過敏性を有する。
18.被験体は、サリドマイド、ポマリドミド、又はレナリドミドに対する既知のアレルギーを有する。
【0178】
多くの参考文献が引用されており、これらの開示内容は、全体が参照により本明細書に援用される。
【0179】
上述される実施形態は、単に例示的であることが意図され、当業者は、単なる日常的な実験を用いて、特定の化合物、材料、及び手順の多くの均等物を認識し、又は確認することができる。全てのこのような均等物は、本発明の範囲内であると見なされ、添付の特許請求の範囲によって包含される。
【国際調査報告】