(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】駆動ユニットを有するエネルギーチェーン及び駆動ユニットを有するエネルギーチェーンからなるシステム
(51)【国際特許分類】
F16G 13/16 20060101AFI20240405BHJP
H02G 11/00 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
F16G13/16
H02G11/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023564479
(86)(22)【出願日】2022-05-03
(85)【翻訳文提出日】2023-12-08
(86)【国際出願番号】 EP2022061821
(87)【国際公開番号】W WO2022233853
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】202021102371.6
(32)【優先日】2021-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507336499
【氏名又は名称】イグス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】ビラル イルマズ
(72)【発明者】
【氏名】サイモン モリッツ
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ヘルマイ
【テーマコード(参考)】
5G371
【Fターム(参考)】
5G371AA07
5G371BA01
5G371BA07
5G371CA01
5G371CA02
5G371CA04
5G371CA07
(57)【要約】
本発明は、駆動ユニット(9)を有するエネルギーチェーン(1)に関する。エネルギーチェーン(1)は、エネルギーチェーンの長手方向に相互に隣接して相互に対して枢動可能なチェーンリンク(2)を有し、各チェーンリンクは、長手方向に横断する方向に相互に対向する2つの側方部品(3)及び側方部品を相互に接続する横材(4、5)を備える。駆動ユニット(9)は、横材(4、5)の間に係合する径方向突出部(11)を有する駆動可能な駆動ローラー(10)を有する。本発明によると、横材(4)は、チェーンリンク(2)の側方部品(3)に隣接する接続領域に増強領域(7)を有し、その領域において横材は増強される。駆動ローラー(10)は、駆動ローラーの径方向突出部(11)が増強領域の間に係合するように配置及び設計される。本発明はさらに、上記タイプの駆動ユニット(9)を有するエネルギーチェーン(1)及びそのエネルギーチェーン(1)のための収容ユニット(21)からなるシステムに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動ユニット(9)を有して、固定コネクタ領域(24)と可動コネクタ領域(25)の間において電力及び情報伝送ラインを受容及びガイドするためのエネルギーチェーン(1)であって、該エネルギーチェーン(1)はチェーンリンク(2)を有し、該チェーンリンクは、それらの長手方向に相互に隣接し、相互に対して枢動可能であり、チェーンリンクの各々は、前記長手方向に横断する方向において相互に対向する2つの側方部品(3)及びそれらを相互に接続する横材(4、5)を備え、前記駆動ユニット(9)は径方向突出部(11)を有する駆動可能な駆動ローラー(10)を有し、前記径方向突出部はその周方向領域にわたって等間隔で分散されて前記横材(4、5)の間に係合し、
前記横材(4)は、前記チェーンリンク(2)の前記側方部品(3)に隣接するそれらの接続領域において、領域(7)であってそれらの強度が該領域(7)の間に存在する前記横材(4)の部分と比較して増強された領域(7)を有し、前記駆動ユニット(9)の前記駆動ローラー(10)が、前記横材(4)の前記増強された領域(7)の間に前記径方向突出部(11)が係合するように前記エネルギーチェーン(1)に対して配置及び形成された、エネルギーチェーン(1)。
【請求項2】
前記増強された領域(7)は、間にある前記横材(4)の部分と比較して材料補強部を有する、請求項1に記載のエネルギーチェーン(1)及び駆動ユニット(9)。
【請求項3】
前記増強された領域(7)は、間にある前記横材(4)の部分よりも、前記エネルギーチェーン(1)の前記長手方向に関して大きな幅を有しかつ/又は前記長手方向に垂直かつ前記側方部品(3)に平行に延びる方向に関して大きな高さを有する、請求項2に記載のエネルギーチェーン(1)及び駆動ユニット(9)。
【請求項4】
隣接するチェーンリンク(2)の場合に、前記エネルギーチェーン(1)の前記長手方向に相互に隣接して配置された前記増強された領域(7)の間の空間の幾何形状は、前記駆動ローラー(10)に配置された前記突出部(11)の幾何形状に対応する、請求項1から3のいずれか一項に記載のエネルギーチェーン(1)及び駆動ユニット(9)。
【請求項5】
前記空間は、前記エネルギーチェーン(1)の前記長手方向に対して前記駆動ローラー(10)に向かって増加する幅で台形状に形成される、請求項4に記載のエネルギーチェーン(1)及び駆動ユニット(9)。
【請求項6】
前記増強された領域(7)の間に延在する前記横材(4)の部分は、別個の棒状部品として形成され、該棒状部品は隣接する前記増強された領域(7)に接続可能であり、又は接続されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のエネルギーチェーン(1)及び駆動ユニット(9)。
【請求項7】
前記棒状部品は、前記増強された領域(7)に取外し可能に接続可能であり、又は接続されている、請求項6に記載のエネルギーチェーン(1)及び駆動ユニット(9)。
【請求項8】
前記増強された領域(7)は、それらに隣接する前記側方部品(3)に直接隣接する、請求項1から7のいずれか一項に記載のエネルギーチェーン(1)及び駆動ユニット(9)。
【請求項9】
前記増強された領域(7)は、それらに隣接する前記側方部品(3)に一体に成形される、請求項8に記載のエネルギーチェーン(1)及び駆動ユニット(9)。
【請求項10】
前記増強された領域(7)は、締結手段によってそれらに隣接する前記側方部品(3)に取外し可能に接続可能であり、又は接続されている、請求項8に記載のエネルギーチェーン(1)及び駆動ユニット(9)。
【請求項11】
前記駆動ユニット(9)の前記駆動ローラー(10)は、その端面に配置され、回転固定した態様で相互に接続され、その各々が前記径方向突出部(11)を有する2つの円盤状部品(12、13)を有し、一方の円盤状部品(12)の前記突出部(11)は、その一方の面において、前記エネルギーチェーン(1)の前記長手方向に相互に隣接する前記増強された領域(7)と協働し、他方の円盤状部品(13)の前記径方向突出部(11)は、その他方の面において、前記エネルギーチェーン(1)の前記長手方向に相互に隣接する前記増強された領域(7)と協働する、請求項1から10のいずれか一項に記載のエネルギーチェーン(1)及び駆動ユニット(9)。
【請求項12】
前記駆動ローラー(10)は、その外向き端面の少なくとも一方において、前記突出部(11)を越えて径方向に延在し、対象面において前記駆動ローラー(10)と協働する前記チェーンリンク(2)の前記側方部品(3)に張り出す環状フランジ(15)を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載のエネルギーチェーン(1)及び駆動ユニット(9)。
【請求項13】
前記駆動ユニット(9)は、前記エネルギーチェーン(1)の前記駆動ローラー(10)とは反対側に、少なくとも1つの回転可能に取り付けられたローラー(17)を有し、該ローラーは、前記駆動ローラー(10)と協働する前記チェーンリンク(2)に接して前記駆動ローラー(10)と係合して前記チェーンリンクを保持する、請求項1から12のいずれか一項に記載のエネルギーチェーン(1)及び駆動ユニット(9)。
【請求項14】
前記横断する方向に相互に対向する2つのローラー(17)が設けられ、該ローラー上で、前記チェーンリンク(2)の側方に対向する前記側方部品(3)が転動可能である、請求項13に記載のエネルギーチェーン(1)及び駆動ユニット(9)。
【請求項15】
前記駆動ローラー(10)が前記駆動ユニット(9)のハウジング(16)上又はハウジング(16)内に回転可能に取り付けられ、一方又は両方のローラー(17)が、前記エネルギーチェーン(1)の前記駆動ローラー(10)とは反対側に、前記ハウジング(16)上又はハウジング(16)内に回転可能に取り付けられて配置された、請求項13又は14に記載のエネルギーチェーン(1)及び駆動ユニット(9)。
【請求項16】
駆動の観点において前記駆動ローラー(10)に動作可能に接続されたギア機構(20)が、前記ハウジング(16)の1つの面に配置された、請求項15に記載のエネルギーチェーン(1)及び駆動ユニット(9)。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載のエネルギーチェーン(1)及び駆動ユニット(9)、並びに前記エネルギーチェーン(1)のための収容ユニット(21)からなるシステムであって、
前記エネルギーチェーン(1)の少なくとも1つの部分が前記収容ユニット(21)に渦巻の形態で巻取り可能とされ、前記エネルギーチェーン(1)の前記固定コネクタ領域(24)は渦巻状巻取り部の内側に静止配置され、前記可動コネクタ領域(25)は前記収容ユニット(21)の開口(26)を通じて延在する前記エネルギーチェーン(1)のラン(28)上に配置され、前記駆動ユニット(9)は、前記開口(26)を通じて前記収容ユニット(21)から延出する前記ラン(28)と協働する、システム。
【請求項18】
前記渦巻状巻取り部は、相互に距離をおいて配置された2本の巻取りシャフト(22、23)を有し、前記渦巻状巻取り部は、偏向領域(29)及びそれらを相互に接続する前記エネルギーチェーン(1)のランからなる、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記2本の巻取りシャフト(22)及び(23)の間の距離の変化をもたらして前記エネルギーチェーン(1)の巻取り及び/又は巻出しに強制的態様で寄与する装置は、前記2本の巻取りシャフトの間には設けられない、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記収容ユニット(21)は収容ハウジング(27)を有し、該収容ハウジング(27)及び/又は前記エネルギーチェーン(1)の前記偏向領域(29)は、前記巻取りシャフト(22、23)の周囲に、前記2本の巻取りシャフト(22、23)を結ぶ線に平行に相互に対して可動のガイド要素(30)を有し、該ガイド要素によって又はガイド要素において、前記エネルギーチェーン(1)の前記偏向領域(29)は、格納及び巻取り時並びに伸展及び巻出し時に摺動的態様でガイド可能となり、当該ガイド要素は、その過程において、前記2本の巻取りシャフト(22、23)の間の距離のそれぞれの変化に追従する、請求項18又は19に記載のシステム。
【請求項21】
前記ガイド要素(30)は前記巻取りシャフト(22、23)を中心として周囲に配置された半円形チャネル(31)として形成され、前記エネルギーチェーン(1)の前記偏向領域(29)は摺動的態様でガイドされ、前記半円形チャネルはリンク状構成要素部品(32、33)に配置され、該構成要素部品(32、33)が、前記巻取りシャフト(22、23)を結ぶ線に平行に可動となるように配置された、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記ガイド要素が部品として、特に曲線状バーとして、形成され、該曲線状バーは前記エネルギーチェーン(1)の前記偏向領域(29)内に浮動して配置され、前記偏向領域(29)を径方向内向き及び外向きに安定化させる、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記収容ハウジング(27)は側方領域を有し、該側方領域は前記偏向領域(29)に平行であり、渦巻状の巻取り部の内側で相互に直接対向して前記偏向領域(29)の間に延在する前記エネルギーチェーン(1)のラン(37)を支持及びガイドするためのガイド手段(36)を有する、請求項20から22のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項24】
前記駆動ユニット(9)の前記ハウジング(16)が、前記駆動ユニット(9)の前記開口(26)の前記領域において、特に前記エネルギーチェーン(1)の前記長手方向に延在する脚部(19)のタブ状領域によって、前記収容ハウジング(27)に締結された、請求項20から23のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動ユニットを有して、固定コネクタ領域と可動コネクタ領域の間において電力及び情報伝送ラインを受容及びガイドするためのエネルギーチェーンに関する。そのエネルギーチェーンはチェーンリンクを有し、チェーンリンクはそれらの長手方向に相互に隣接し、相互に対して枢動可能であり、チェーンリンクの各々が、長手方向に横断する第1の方向に相互に対向する2つの側方部品及びそれらを相互に接続する横材を備える。駆動ユニットは径方向突出部を有する駆動可能な駆動ローラーを有し、径方向突出部はその周方向領域にわたって等間隔で分散されて横材間に係合する。
【0002】
本発明はさらに、上記のタイプの駆動ユニットを有するエネルギーチェーン及びエネルギーチェーンのための収容ユニットからなるシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
エネルギーチェーンと協働する上記のタイプの駆動ユニットは、現行技術により知られている。特に、より長く重いエネルギーチェーンの場合、それらは、エネルギーチェーンを駆動してその駆動を支持するように作用する。しかし、そのような公知の駆動ユニットの可能な用途は、クロスバーに作用する駆動ローラーの径方向突出部からの大きな力に起因して制限されることがある。これは、特に、エネルギーチェーンのより長い領域が収容ハウジング内に格納されてそこに巻き取られるアプリケーションに当てはまる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の課題は、特により長く重いエネルギーチェーンの移動及びチェーン自体が巻き付く収容ハウジングへのエネルギーチェーンの導入に関して、上記のタイプの駆動ユニットを有するエネルギーチェーンの可能な用途を拡張することである。
【0005】
課題は、本出願の請求項1の特徴の組合せによって本発明に従って達成される。冒頭に記載したタイプの駆動ユニットを有するエネルギーチェーンについて、横材が、チェーンリンクの側方部品に隣接する横材の接続領域において、領域であってそれらの強度がそれらの領域間に存在する横材の部分と比較して増強された領域を有し、駆動ユニットの駆動ローラーは、横材の増強された領域間に径方向突出部が係合するようにエネルギーチェーンに対して配置及び形成されることが規定される。
【0006】
駆動ローラーの径方向突出部がその間に係合する横材は、エネルギーチェーンの第1の横断方向及び長手方向に垂直に延びる第2の横断方向に向くエネルギーチェーンの面の領域に配置され得る。したがって、増強された領域を有する横材は、エネルギーチェーンの駆動ローラーに向く面に配置される。エネルギーチェーンの、この面とは反対側の領域において、側方部品も、側方部品に接続する領域における増強された領域の強度を有さない更なる横材によって相互に接続され得る。第2の横断方向が鉛直に延在する空間におけるエネルギーチェーンの構成の場合には、上側横材及び下側横材が関与する。そして、駆動ローラーの径方向突出部は、エネルギーチェーンの上方又は下方のそれらの構成に応じて、上側横材又は下側横材と協働する。
【0007】
本発明に係る解決手段の結果として、チェーンリンクの横材は、単にチェーンリンクの安定性を保証するそれらの通常の設計において、それらの増強端部領域間の部分に形成可能であり、その部分の領域におけるエネルギーチェーンの内側にラインのための制限されない受容空間を与え得る。それらの部品について、横材の増強端部領域は、それら領域がチェーンを搬送するための駆動ローラーの径方向突出部によって載荷される場合に大きな力が吸収されることを可能とする。
【0008】
より長く重いエネルギーチェーン及び上記のアプリケーションの場合であっても、エネルギーチェーンと協働する単一の駆動ローラーで充分となり得る。
【0009】
特に、横材の増強された領域が、その間にある横材の部分と比較して材料補強部を有することが規定され得る。
【0010】
材料補強部は、エネルギーチェーンの長手方向における、より大きな幅及び/又は長手方向に垂直かつ側方部品に平行に向けられたより大きな高さを有する増強された領域からなり得る。さらに又はあるいは、対象領域における補強インサートも考えられる。対象領域は、その間にある横材の部分における材料よりも高い強度の材料からなっていてもよい。
【0011】
隣接チェーンリンクの場合に、エネルギーチェーンの長手方向に相互に隣接して配置された増強された領域間の空間の幾何形状は、駆動ローラーに配置された突出部の幾何形状に対応し得る。
【0012】
特に、上記空間は、チェーンの長手方向に駆動ローラーに向かって増加する幅で台形状に形成され得る。そのような空間の幾何形状及びこの幾何形状に対応する突出部の幾何形状は、チェーンの長手方向に相互に隣接する横材の増強された領域間の空間における駆動ローラーの径方向突出部の摺動的かつ低摩擦の係合を可能とする。
【0013】
増強された領域間に延在する横材の部分は、別個の棒状部品として形成可能であり、それは隣接する増強された領域に接続可能であり、又は接続されている。特に、この横材の設計では、エネルギーチェーンに使用されている通常のクロスバーが、駆動ローラーなしでも、増強された領域間に挿入されて横材を形成可能である。
【0014】
棒状部品は、増強された領域に取外し可能に接続可能であり、又は接続されていてもよい。これにより、横材が、チェーン内へのラインの容易な配置及びチェーンからのラインの除去のために開放可能となる。棒状部品及び増強された領域は、棒状部品の端面において及び増強された領域の自由端において、例えば、引掛け手段によって相互に接続可能であり、又は接続されていてもよい。あるいは又はさらに、棒状部品のための旋回接続部は、相互に対向する2つの増強された領域の少なくとも一方の自由端に設けられ得る。
【0015】
増強された領域は、好ましくは、それらに隣接する側方部品に直接隣接する。
【0016】
実施形態では、増強された領域は、それらに隣接する側方部品に一体に成形されてもよい。
【0017】
代替の実施形態では、増強された領域は、締結手段によって、それらに隣接する側方部品に取外し可能に接続可能であり、又は接続されていてもよい。この場合、増強された領域は、例えば、外側から側方部品を貫通するネジによって側方部品に螺合可能な別個の構成要素部品として形成される。
【0018】
駆動ユニットの駆動ローラーは、その端面に配置される2つの円盤状部品を有し得る。2つの円盤状部品は回転固定した態様で相互に接続され、その各々は径方向突出部を有する。ここで、一方の円盤状部品の突出部は、その一方の面において、エネルギーチェーンの長手方向に相互に隣接する増強された領域と協働し、他方の円盤状部品の径方向突出部は、その他方の面において、エネルギーチェーンの長手方向に相互に隣接する増強された領域と協働する。
【0019】
2つの円盤状部品は、シャフトによって相互に接続可能であり又は接続されていてもよく、シャフト上では、円盤状部品が、特にいずれもハブを介して、回転固定した態様で配置される。
【0020】
駆動ローラーは、その外向き端面の少なくとも一方において、突出部を越えて径方向に延在して対象面においてチェーンリンクの側方部品に張り出す環状フランジを有し得る。好ましくは、駆動ローラーの両外向き端面は、いずれもそのような環状フランジを有する。上述した2つの円盤状部品が駆動ローラーに対して設けられる場合、それらはそれぞれそれらの外向き端面にその環状フランジを有する。駆動ローラーの外向き端面における2つの環状フランジは、チェーンの長手方向に横断して作用する力の場合に、環状フランジによって載荷されるエネルギーチェーンのチェーンリンクに対してわずかな遊びで、駆動ローラーの位置を安定させる。
【0021】
駆動ユニットは、エネルギーチェーンの駆動ローラーとは反対側に、少なくとも1つの回転可能に取り付けられたローラーを有していてもよく、それにより、駆動ローラーと協働するチェーンリンクは駆動ローラーに接してそれと係合して保持されたままとなる。ローラーの軸は駆動ローラーの軸に平行に配置され、結果として、駆動ローラーと協働するエネルギーチェーンのチェーンリンクは、わずかな遊びでローラー上を転動できる。駆動ユニットは、協働する構成要素部品を有する。
【0022】
好ましくは、横断方向において相互に対向する2つのガイドローラーが設けられ、ガイドローラー上で、チェーンリンクの側方に対向する側方部品が転動可能である。このために、チェーンリンクの側方部品は、それらの側方面に垂直にかつエネルギーチェーンの長手方向に延在する狭面を有していてもよく、狭面は、チェーンの長手方向に相互に隣接する側方部品の狭面とともに、概ね連続する転動面を形成する。
【0023】
駆動ローラーは駆動ユニットのハウジング上又はハウジング内に回転可能に取付け可能であり、一方又は両方のローラーはエネルギーチェーンの駆動ローラーとは反対側にあるハウジング上又はハウジング内に回転可能に取り付けられて配置可能である。ハウジング上又はハウジング内に対する少なくとも一方のローラーの取付けは、駆動ローラーの回転軸の方向にわずかな遊びを有して、駆動ユニットの協働する構成要素部品の、より小さな許容偏差を補償し得る。
【0024】
駆動ユニットのハウジングは、エネルギーチェーンの側方外側に配置された2つの脚部を有していてもよく、その間に、駆動ローラー及び少なくとも1つのガイドローラーが回転可能に取り付けられる。
【0025】
駆動の観点において駆動ローラーに動作可能に接続されたギア機構が、ハウジングの1つの面に配置され得る。
【0026】
上述した特徴を有するエネルギーチェーン及び駆動ユニット並びにエネルギーチェーンのための収容ユニットからなる本発明に属するシステムについて、以下のことが規定される。エネルギーチェーンの少なくとも1つの部分が収容ユニット内に渦巻の形態で巻取り可能とされ、渦巻状巻取り部は、相互に距離をおいて配置された2本の巻取りシャフトを有していてもよく、エネルギーチェーンの固定コネクタ領域は渦巻状巻取り部の内側に静止配置され、可動コネクタ領域は収容ハウジング内で開口を通じて延在するエネルギーチェーンのラン上に配置され、駆動ユニットは、開口を通じて収容ハウジングから延出するエネルギーチェーンのランと協働する。
【0027】
可動コネクタ領域に隣接するエネルギーチェーンのランが収容ユニット内に移動されると、巻取りシャフトの相互からの距離は最小距離から最大距離に変化する。一方、ランが収容ユニットから外に移動されると、巻取りシャフトの相互からの距離はそれらの最大距離からそれらの最小距離に変化する。
【0028】
好適な設計によると、2本の巻取りシャフト22及び33の間の距離の変化をもたらしてエネルギーチェーン1の巻取り及び/又は巻出しに強制的態様で寄与する装置は、2本の巻取りシャフトの間には設けられない。巻取りシャフト間の距離の変化は、収容ユニットの外部に延びるランに作用する駆動力のみによってもたらされる。
【0029】
収容ハウジング及び/又はエネルギーチェーンの偏向領域は、巻取りシャフト周囲に、2本の巻取りシャフトを結ぶ線に平行に可動のガイド要素を有し得る。そのガイド要素によって又はそのガイド要素において、エネルギーチェーンの偏向領域は、格納及び巻取り時並びに伸展及び巻出し時に摺動的態様でガイド可能となり、そのガイド要素は、その過程において、2本の巻取りシャフトの間の距離のそれぞれの変化に追従する。
【0030】
ガイド要素は、巻取りシャフトを中心として周囲に配置された半円形チャネルとして形成可能であり、その半円形チャネル内でエネルギーチェーンの偏向領域は摺動的態様でガイドされ、その半円形チャネルはリンク状構成要素部品内に配置可能である。これらの構成要素部品の少なくとも1つは、巻取りシャフト間の距離の変化を可能とするために、巻取りシャフトを結ぶ線に平行に可動となるように配置される。
【0031】
他の実施形態では、ガイド要素は、例えば、曲線状バーなどの部品として形成可能であり、それはエネルギーチェーンの偏向領域内で浮動して配置され、偏向曲線を径方向内向き及び外向きに安定化させる。
【0032】
収容ハウジングは側方領域を有していてもよく、それは偏向領域に平行であり、偏向領域間に延在するエネルギーチェーンのランを支持及びガイドするためのガイド手段を有する。
【0033】
駆動ユニットのハウジングは、可動コネクタ領域に隣接するエネルギーチェーンのランがそれを通じて外向きに延在する収容ハウジングの開口の領域において、例えば、エネルギーチェーンの長手方向に延在する脚部のタブ状領域によって、収容ハウジングに締結可能である。ただし、駆動ユニットも、収容ハウジングに対する固定接続なしに開口から延出するエネルギーチェーンのランの領域に配置され得る。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は第1の実施形態の斜視図であり、エネルギーチェーンの2つの隣接するチェーンリンク及びそれらと協働する駆動ユニットを示す図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すチェーンリンク及び駆動ユニットの構成要素部品の分解図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すチェーンリンク及び駆動ユニットを上方からの上面図である。
【
図5】
図5は第2の実施形態の斜視図であり、エネルギーチェーンの2つの隣接するチェーンリンク及びそれらと協働する駆動ユニットを示す図である。
【
図6】
図6は、
図5に示すチェーンリンク及び駆動ユニットの構成要素部品の分解図である。
【
図7】
図7は、
図5に示すチェーンリンク及び駆動ユニットを上方からの上面図である。
【
図9】
図9は、ハウジング内に配置された駆動ユニットの斜視図である。
【
図10】
図10は、
図9に示す、ハウジング内に配置された駆動ユニットの端面図である。
【
図11】
図11は、収容ユニットに接続された駆動ユニットの側面図である。
【
図16】
図16は、側方構成要素部品が断面において部分的に除去された
図14に示すシステムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下に、駆動ユニット及びその駆動ユニットが設けられた収容ユニットを有する本発明に係るエネルギーチェーンの実施形態を、図面を参照してより詳細に説明する。
【0036】
それらの長手方向に相互に隣接するエネルギーチェーン1の2つのチェーンリンク2を
図1~8に示す。それらの長手方向に横断する方向に延びる軸周りに相互に対して枢動可能なチェーンリンク2の各々は、横断方向に相互に対向する2つの側方部品3並びに2つの側方部品を相互に接続する横材である上側横材4及び下側横材5を有する。
【0037】
上側横材4は、チェーンリンクの安定性を保証する従来のクロスバー6、及びクロスバー6がその間に配置された増強された領域7から構成される。クロスバー6を領域7に接続するのに使用される接続手段は、エネルギーチェーンの通常のチェーンリンクのクロスバー6と側方部品3との間の従来の接続手段と同様に設計される。検討する実施形態では、接続手段は、上側クロスバー6が外部から、すなわち、
図1、2、4、5、6及び8を見ると、増強された領域7とともにロック可能となる引掛け手段からなる。
【0038】
増強された領域7は、通常のクロスバーとして形成されて間にある上側横材の部分と比較して材料補強部を形成し、その材料補強部は、それらが、クロスバー6よりも、エネルギーチェーン1の長手方向に関して大きな幅を有しかつ長手方向に垂直かつ側方部品3に平行な方向に関して大きな高さを有するということからなる。いずれも、領域7は、クランプの形状で形成される。
【0039】
図1~4に示す第1の実施形態では、それぞれのクランプが、例えば、
図2に示すネジ8によるなど、締結手段によってそれぞれ隣接する側方部品3に取外し可能に接続される。一方、
図5~8に示す第2の実施形態では、クランプとして形成された増強された領域7が、隣接する側方部品3に一体に成形される。
【0040】
図1~8から分かるように、エネルギーチェーン1の長手方向に相互に隣接するチェーンリンク2の側方部品3は、交互の内側タブ及び外側タブからなる。内側タブ及び外側タブの代わりに、2つの実施形態のそれぞれの横材が設けられたエネルギーチェーン1は、屈曲側方部品も有し得る。
【0041】
2つの実施形態の
図1~4及び
図5~8によると以下のように、エネルギーチェーン1のチェーンリンク2と協働する駆動ユニット9は駆動ローラー10を含み、それはその周方向領域にわたって等間隔で分散された径方向突出部11を有する。突出部11は、エネルギーチェーン1の長手方向に相互に隣接する増強された領域7間の空間に係合するように形成される。駆動ローラー10は2つの円盤状部品12及び13を有し、それらは軸方向に相互に離隔し、回転固定した態様で相互に接続可能であり、そこには径方向突出部11が配置されている。ここで、一方の円盤状部品12の突出部11は、その一方の面において、エネルギーチェーン1の長手方向に相互に隣接する増強された領域7と協働し、他方の円盤状部品13の径方向突出部11は、その他方の面において、エネルギーチェーン1の長手方向に相互に隣接する増強された領域7と協働する。
【0042】
2つの円盤状部品12、13はシャフト(
図1~8には不図示)によって相互に接続され、シャフト上では、ハブ14を介して、回転固定した態様で配置される。
【0043】
第1の実施形態の
図1、2及び4並びに第2の実施形態の
図5、6及び8によると以下のように、エネルギーチェーン1の長手方向に相互に隣接する増強された領域7の間の空間の幾何形状は、円盤状部品12及び13に配置された突出部11の幾何形状に対応する。特に、チェーンリンク2が伸展して整列された場合、その空間は、エネルギーチェーン1の長手方向に対して駆動ローラー10に向かって増加する幅の台形状幾何形状を有する。これに対応して、径方向突出部11は、同様に、エネルギーチェーン1の長手方向に対して径方向外向きに減少する幅で台形状に形成される。
【0044】
2つの実施形態との関連で
図1~4及び
図5~8によると、さらに以下のように、突出部11を有する2つの円盤状部品12及び13の各々は、それらの外向き端面に、エネルギーチェーンの長手方向に相互に隣接する領域7の間に突出部11が係合する場合に対象外側面においてチェーンリンク2の側方部品3を部分的に覆う環状フランジ15を有する。
【0045】
2つの実施形態の
図1~4及び
図5~8の状態でチェーンリンク2において底部に配置された下側横材5は、通常のクロスバーとして形成され、従来の締結手段によって横断方向に相互に対向する側方部品3に締結可能であり、又は側方部品3に一体に成形される。下側横材5と側方部品3の間の締結手段は、対応して短い従来のクロスバー6と上側横材4の増強された領域7との間の締結手段に対応する。
【0046】
図9及び10によると以下のように、駆動ローラー10は、駆動ユニット9のハウジング16内に回転可能に取り付けられる。エネルギーチェーン1の駆動ローラー10とは反対側には2つのローラー17が配置され、それらはハウジング16に回転可能に取り付けられ、駆動ローラー10と協働するエネルギーチェーン1のチェーンリンク2が駆動ローラー10に接してそれと係合して保持されるようにする。横断方向に相互に対向するチェーンリンク2の側方部品3は、ローラー17上に転動可能にガイドされる。このために、側方部品3は、それらの側方面に垂直にかつエネルギーチェーン1の長手方向に延在する狭面18を有し、その狭面18は、エネルギーチェーン1の長手方向に相互に隣接する側方部品3の狭面18とともに、ローラー17のための概ね連続する転動面を形成する。
図9によると以下のように、2つのローラー17は、駆動ローラー10の回転軸の方向にわずかな遊びで取り付けられる。
【0047】
駆動ユニット9のハウジング16は、エネルギーチェーン1の側方外側に配置された2つの脚部19を有し、その間に駆動ローラー10及びローラー17が回転可能に取り付けられる。
【0048】
駆動の観点において駆動ローラーに動作可能に接続されたギア機構20が、ハウジング16の1つの面に配置される。
【0049】
上述したエネルギーチェーン1及び駆動ユニット9並びにエネルギーチェーン1のための収容ユニット21からなるシステムの実施形態を
図11~17に示す。エネルギーチェーン1を収容ユニット21に収容する目的のため、エネルギーチェーン1の少なくとも1つの部分は、収容ユニット21内に渦巻の形態で巻取り可能であることが規定される。
図13に示すように、渦巻状巻取り部は、相互に距離をおいて配置された2本の巻取りシャフト22及び23を有する。エネルギーチェーン1の固定コネクタ領域24は、巻取りシャフト22におけるエネルギーチェーン1の巻取り部の内側に静止配置される。エネルギーチェーン1の可動コネクタ領域25は、収容ユニット21の収容ハウジング27の開口26を通じて延在するエネルギーチェーン1のラン28上に配置される。駆動ユニット9は、エネルギーチェーン1の下方で開口26を通じて収容ハウジング27から延出するラン28と協働する。
【0050】
図11~17は、収容ハウジング27内に最大範囲まで格納されたエネルギーチェーン1の状態を示す。ここで、巻取りシャフト22及び23の間の距離も、同様に最大となっている。
【0051】
図13の左側に示す巻取りシャフト22は収容ハウジング27内で静止配置されるが、
図13の右側に示す巻取りシャフト23は、エネルギーチェーン1が収容ハウジング27の開口26から延出される場合に、設計に基づいて巻取りシャフト22及び23の間の最小距離に達するまで、静止巻取りシャフト22に向かって移動可能である。巻取りシャフト22及び23の周りに半円形に延在する偏向領域29がほとんど相互に隣接する場合に、2本の巻取りシャフト22及び23の間の最小距離に達する。この状態では、エネルギーチェーン1は、最大長で収容ユニット21から延出される。
【0052】
エネルギーチェーン1が、それを収容ユニット21に収容する目的のために、収容ハウジング27内に開口26を通じて格納される場合、相互に対向するエネルギーチェーン1の偏向領域29並びに結果として2本の巻取りシャフト22及び23は、巻取りシャフト22及び23の間の最大距離で
図13に示す状態に達するまで、駆動ユニット9によってラン28にかかる圧力によって再度相互から引き離される。
【0053】
2本の巻取りシャフト22及び23の間の距離の変化をもたらしてエネルギーチェーン1の巻取り及び/又は巻出しに強制的態様で寄与する装置は、2本の巻取りシャフト22及び23の間には設けられない。実施形態によると、巻取りシャフト22及び23の間の距離の変化は、収容ユニット21の外部に延びるラン28に作用する駆動力のみによってもたらされる。
【0054】
図13によると、さらに以下のように、エネルギーチェーン1をガイドするために、ガイド要素30は、巻取りシャフト22及び23の周囲のその偏向領域29に設けられ、そのガイド要素によって、エネルギーチェーン1はその偏向領域29において摺動的態様でガイド可能となり、2本の巻取りシャフト22及び23の間の距離のそれぞれの変化に追従する。ガイド要素30は巻取りシャフト22及び23を中心としてその周囲に配置された半円形チャネル31として形成され、半円形チャネル31内でエネルギーチェーン1の偏向領域29が摺動的態様でガイドされ、半円形チャネル31はリンク状構成要素部品32及び33内に配置される。
【0055】
巻取りシャフト23の周囲に半円形に延在するチャネル31を受容するリンク状構成要素部品33は、巻取りシャフト22及び23の間の距離の変化を可能とするために、巻取りシャフト22及び23を結ぶ線に沿って可動となるように配置される。
【0056】
リンク状構成要素部品32及び33は、偏向領域29に平行に配置された収容ハウジング27の側壁34の間に配置される。リンク状構成要素部品33は、側壁34の内側に配置されたガイド装置35によって摺動的態様で変位可能にガイドされる。
【0057】
側壁34の内側において、ガイド手段36が、偏向領域29の間に延在するエネルギーチェーン1の渦巻状巻取り部の内側対向ラン37を支持及びガイドするためにさらに設けられる。
【0058】
図16に示す正面側壁34を除去した収容ハウジング27が明らかにするように、リンク状構成要素部品32及び33のチャネル31(ここでは不図示)はサイドプレート38及び39の間に配置される。
図16及び17において除去された収容ハウジング27の側壁34のように、静止したリンク状構成要素部品32に属するサイドプレート38は開口40を有し、固定コネクタ領域24からエネルギーチェーン1を通じてガイドされるラインが開口40を通じて収容ハウジング27から出現可能となる。さらに、収容ハウジング27の溝に係合するその突出部が配置されるサイドプレート39上で、可動のリンク状構成要素部品33のためのガイド装置35は
図16及び17に従う。
【0059】
図9及び10に示すとともに駆動ローラー10、駆動ローラー10と協働するチェーンリンク2及びローラー17を含むハウジング16は、
図11、14及び15に示すように、
図9に示すとともにエネルギーチェーン1の長手方向に延在するタブ状脚部41によって、その開口26の領域において、収容ハウジング27に締結可能である。特に
図15によると以下のように、脚部41は、収容ハウジング27へのネジ締結部のための、鉛直方向に延在する長穴42を有する。長穴42によって、駆動ユニット9は、収容ハウジング27に対して鉛直方向に調整可能となる。
【符号の説明】
【0060】
1 エネルギーチェーン
2 チェーンリンク
3 側方部品
4 上側横材
5 下側横材
6 クロスバー
7 領域
8 ネジ
9 駆動ユニット
10 駆動ローラー
11 突出部
12 円盤状部品
13 円盤状部品
14 ハブ
15 フランジ
16 ハウジング
17 ローラー
18 狭面
19 脚部
20 ギア機構
21 収容ユニット
22 巻取りシャフト
23 巻取りシャフト
24 固定コネクタ領域
25 可動コネクタ領域
26 開口
27 収容ハウジング
28 ラン
29 偏向領域
30 ガイド要素
31 チャネル
32 リンク状構成要素部品
33 リンク状構成要素部品
34 側壁
35 ガイド装置
36 ガイド手段
37 ラン
38 サイドプレート
39 サイドプレート
40 開口
41 脚部
42 長穴
【手続補正書】
【提出日】2024-01-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動ユニット(9)を有して、固定コネクタ領域(24)と可動コネクタ領域(25)の間において電力及び情報伝送ラインを受容及びガイドするためのエネルギーチェーン(1)であって、該エネルギーチェーン(1)はチェーンリンク(2)を有し、該チェーンリンクは、それらの長手方向に相互に隣接し、相互に対して枢動可能であり、チェーンリンクの各々は、前記長手方向に横断する方向において相互に対向する2つの側方部品(3)及びそれらを相互に接続する横材(4、5)を備え、前記駆動ユニット(9)は径方向突出部(11)を有する駆動可能な駆動ローラー(10)を有し、前記径方向突出部はその周方向領域にわたって等間隔で分散されて前記横材(4、5)の間に係合し、
前記横材(4)は、前記チェーンリンク(2)の前記側方部品(3)に隣接するそれらの接続領域において、領域(7)であってそれらの強度が該領域(7)の間に存在する前記横材(4)の部分と比較して増強された領域(7)を有し、前記駆動ユニット(9)の前記駆動ローラー(10)が、前記横材(4)の前記増強された領域(7)の間に前記径方向突出部(11)が係合するように前記エネルギーチェーン(1)に対して配置及び形成された、エネルギーチェーン(1)。
【請求項2】
前記増強された領域(7)は、間にある前記横材(4)の部分と比較して材料補強部を有する、請求項1に記載のエネルギーチェーン(1
)。
【請求項3】
前記増強された領域(7)は、間にある前記横材(4)の部分よりも、前記エネルギーチェーン(1)の前記長手方向に関して大きな幅を有しかつ/又は前記長手方向に垂直かつ前記側方部品(3)に平行に延びる方向に関して大きな高さを有する、請求項2に記載のエネルギーチェーン(1
)。
【請求項4】
隣接するチェーンリンク(2)の場合に、前記エネルギーチェーン(1)の前記長手方向に相互に隣接して配置された前記増強された領域(7)の間の空間の幾何形状は、前記駆動ローラー(10)に配置された前記突出部(11)の幾何形状に対応する、請求項1から3のいずれか一項に記載のエネルギーチェーン(1
)。
【請求項5】
前記空間は、前記エネルギーチェーン(1)の前記長手方向に対して前記駆動ローラー(10)に向かって増加する幅で台形状に形成される、請求項4に記載のエネルギーチェーン(1
)。
【請求項6】
前記増強された領域(7)の間に延在する前記横材(4)の部分は、別個の棒状部品として形成され、該棒状部品は隣接する前記増強された領域(7)に接続可能であり、又は接続されている、請求項1から
3のいずれか一項に記載のエネルギーチェーン(1
)。
【請求項7】
前記棒状部品は、前記増強された領域(7)に取外し可能に接続可能であり、又は接続されている、請求項6に記載のエネルギーチェーン(1
)。
【請求項8】
前記増強された領域(7)は、それらに隣接する前記側方部品(3)に直接隣接する、請求項1から
3のいずれか一項に記載のエネルギーチェーン(1
)。
【請求項9】
前記増強された領域(7)は、それらに隣接する前記側方部品(3)に一体に成形される、請求項8に記載のエネルギーチェーン(1
)。
【請求項10】
前記増強された領域(7)は、締結手段によってそれらに隣接する前記側方部品(3)に取外し可能に接続可能であり、又は接続されている、請求項8に記載のエネルギーチェーン(1
)。
【請求項11】
前記駆動ユニット(9)の前記駆動ローラー(10)は、その端面に配置され、回転固定した態様で相互に接続され、その各々が前記径方向突出部(11)を有する2つの円盤状部品(12、13)を有し、一方の円盤状部品(12)の前記突出部(11)は、その一方の面において、前記エネルギーチェーン(1)の前記長手方向に相互に隣接する前記増強された領域(7)と協働し、他方の円盤状部品(13)の前記径方向突出部(11)は、その他方の面において、前記エネルギーチェーン(1)の前記長手方向に相互に隣接する前記増強された領域(7)と協働する、請求項1から
3のいずれか一項に記載のエネルギーチェーン(1
)。
【請求項12】
前記駆動ローラー(10)は、その外向き端面の少なくとも一方において、前記突出部(11)を越えて径方向に延在し、対象面において前記駆動ローラー(10)と協働する前記チェーンリンク(2)の前記側方部品(3)に張り出す環状フランジ(15)を有する、請求項1から
3のいずれか一項に記載のエネルギーチェーン(1
)。
【請求項13】
前記駆動ユニット(9)は、前記エネルギーチェーン(1)の前記駆動ローラー(10)とは反対側に、少なくとも1つの回転可能に取り付けられたローラー(17)を有し、該ローラーは、前記駆動ローラー(10)と協働する前記チェーンリンク(2)に接して前記駆動ローラー(10)と係合して前記チェーンリンクを保持する、請求項1から
3のいずれか一項に記載のエネルギーチェーン(1
)。
【請求項14】
前記横断する方向に相互に対向する2つのローラー(17)が設けられ、該ローラー上で、前記チェーンリンク(2)の側方に対向する前記側方部品(3)が転動可能である、請求項13に記載のエネルギーチェーン(1
)。
【請求項15】
前記駆動ローラー(10)が前記駆動ユニット(9)のハウジング(16)上又はハウジング(16)内に回転可能に取り付けられ、一方又は両方のローラー(17)が、前記エネルギーチェーン(1)の前記駆動ローラー(10)とは反対側に、前記ハウジング(16)上又はハウジング(16)内に回転可能に取り付けられて配置された、請求項1
3に記載のエネルギーチェーン(1
)。
【請求項16】
駆動の観点において前記駆動ローラー(10)に動作可能に接続されたギア機構(20)が、前記ハウジング(16)の1つの面に配置された、請求項15に記載のエネルギーチェーン(1
)。
【請求項17】
請求項1から
3のいずれか一項に記載のエネルギーチェーン(1
)、並びに前記エネルギーチェーン(1)のための収容ユニット(21)からなるシステムであって、
前記エネルギーチェーン(1)の少なくとも1つの部分が前記収容ユニット(21)に渦巻の形態で巻取り可能とされ、前記エネルギーチェーン(1)の前記固定コネクタ領域(24)は渦巻状巻取り部の内側に静止配置され、前記可動コネクタ領域(25)は前記収容ユニット(21)の開口(26)を通じて延在する前記エネルギーチェーン(1)のラン(28)上に配置され、前記駆動ユニット(9)は、前記開口(26)を通じて前記収容ユニット(21)から延出する前記ラン(28)と協働する、システム。
【請求項18】
前記渦巻状巻取り部は、相互に距離をおいて配置された2本の巻取りシャフト(22、23)を有し、前記渦巻状巻取り部は、偏向領域(29)及びそれらを相互に接続する前記エネルギーチェーン(1)のランからなる、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記2本の巻取りシャフト(22)及び(23)の間の距離の変化をもたらして前記エネルギーチェーン(1)の巻取り及び/又は巻出しに強制的態様で寄与する装置は、前記2本の巻取りシャフトの間には設けられない、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記収容ユニット(21)は収容ハウジング(27)を有し、該収容ハウジング(27)及び/又は前記エネルギーチェーン(1)の前記偏向領域(29)は、前記巻取りシャフト(22、23)の周囲に、前記2本の巻取りシャフト(22、23)を結ぶ線に平行に相互に対して可動のガイド要素(30)を有し、該ガイド要素によって又はガイド要素において、前記エネルギーチェーン(1)の前記偏向領域(29)は、格納及び巻取り時並びに伸展及び巻出し時に摺動的態様でガイド可能となり、当該ガイド要素は、その過程において、前記2本の巻取りシャフト(22、23)の間の距離のそれぞれの変化に追従する、請求項1
8に記載のシステム。
【請求項21】
前記ガイド要素(30)は前記巻取りシャフト(22、23)を中心として周囲に配置された半円形チャネル(31)として形成され、前記エネルギーチェーン(1)の前記偏向領域(29)は摺動的態様でガイドされ、前記半円形チャネルはリンク状構成要素部品(32、33)に配置され、該構成要素部品(32、33)が、前記巻取りシャフト(22、23)を結ぶ線に平行に可動となるように配置された、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記ガイド要素が部品として、特に曲線状バーとして、形成され、該曲線状バーは前記エネルギーチェーン(1)の前記偏向領域(29)内に浮動して配置され、前記偏向領域(29)を径方向内向き及び外向きに安定化させる、請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記収容ハウジング(27)は側方領域を有し、該側方領域は前記偏向領域(29)に平行であり、渦巻状の巻取り部の内側で相互に直接対向して前記偏向領域(29)の間に延在する前記エネルギーチェーン(1)のラン(37)を支持及びガイドするためのガイド手段(36)を有する、請求項2
0に記載のシステム。
【請求項24】
前記駆動ユニット(9)の前記ハウジング(16)が、前記駆動ユニット(9)の前記開口(26)の前記領域において、特に前記エネルギーチェーン(1)の前記長手方向に延在する脚部(19)のタブ状領域によって、前記収容ハウジング(27)に締結された、請求項2
0に記載のシステム。
【国際調査報告】