(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】熱ポンプベースの水採取システムおよびその使用方法
(51)【国際特許分類】
B01D 53/06 20060101AFI20240405BHJP
B01J 20/22 20060101ALI20240405BHJP
B01J 20/28 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
B01D53/06
B01J20/22 A
B01J20/28 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565367
(86)(22)【出願日】2022-04-25
(85)【翻訳文提出日】2023-11-17
(86)【国際出願番号】 US2022026153
(87)【国際公開番号】W WO2022232031
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2022-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522319985
【氏名又は名称】ウォーター ハーベスティング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】クオ, デイビッド エス.
(72)【発明者】
【氏名】カプースチン, イービャン
【テーマコード(参考)】
4D012
4G066
【Fターム(参考)】
4D012BA01
4D012CA02
4D012CC20
4D012CD04
4D012CE01
4D012CE02
4D012CF10
4D012CG01
4D012CH06
4D012CK01
4G066AB24B
4G066BA22
4G066BA36
4G066CA43
4G066DA03
(57)【要約】
本明細書に説明されるものは、システムの全体的エネルギー費用を低減させ、水採取サイクル効率を改良する設計を使用して、周辺空気から水を捕捉するための水採取システムならびにそのようなシステムを作製および使用する方法である。本システムおよび方法は、金属-有機骨格等の吸着剤材料を使用し、空気から水を吸着する。本システムおよび方法は、水蒸気の形態においてこの水を脱着させ、水蒸気は、液体水に凝縮され、収集される。液体水は、飲料水としての使用のために好適である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大気水採取システムであって、
圧縮機と、膨張弁と、熱交換器とを含む、熱ポンプであって、前記熱交換器は、高温側と、低温側とを有する、熱ポンプと、
少なくとも1つの吸着剤モジュールを備える、吸着ユニットであって、前記少なくとも1つの吸着剤モジュールは、1つ以上の吸着剤を含有し、前記吸着ユニットは、前記熱ポンプから物理的に分離される、吸着ユニットと、
前記熱交換器の前記高温側に接続され、またはそれに近接近して位置付けられる、脱着チャンバであって、前記脱着チャンバは、平均脱着温度において動作するように構成される、脱着チャンバと、
(i)少なくとも部分的に水で飽和された吸着剤モジュールを前記吸着ユニットから前記脱着チャンバの中に移送し、(ii)前記脱着チャンバ内で少なくとも部分的に脱着された前記吸着剤モジュールを前記吸着ユニットに戻るように移送するように構成される、移送機構と、
前記熱交換器の前記低温側を包含し、またはそれに近接近して位置付けられる、凝縮チャンバであって、前記凝縮チャンバは、平均凝縮温度において動作するように構成される、凝縮チャンバと
を備え、
前記システムは、前記平均脱着温度および前記平均凝縮温度において動作し、(i)前記1つ以上の吸着剤を用いて生成される水の1リットルあたりの最低エネルギーを達成し、(ii)標的脱着率を持続するために脱着温度を十分に高く維持するように構成される、大気水採取システム。
【請求項2】
(i)前記熱交換器の高温側から前記脱着チャンバ内に配置される前記吸着剤モジュールに熱を移送し、(ii)脱着を駆動し、前記脱着チャンバ内の水蒸気のより高い濃度をもたらすために、前記脱着チャンバと関連付けられる少なくとも1つの再循環ファンをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
(i)前記脱着チャンバから前記凝縮チャンバに高温蒸気を移送し、(ii)前記凝縮チャンバ内に残留する水分を前記脱着チャンバの中に戻るように再循環させるために、前記脱着チャンバと関連付けられる少なくとも1つの脱着-凝縮器再循環ファンをさらに備える、請求項1または2のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項4】
前記移送機構は、回転カルーセルまたはロボットアームを備える、請求項1または2のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記熱ポンプシステムはさらに、二次高温側熱交換器を備える、請求項1または2のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記熱ポンプシステムはさらに、1つ以上の制御コンポーネントを備える、請求項1または2のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記システムはさらに、水収集槽を備える、請求項1または2のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
吸着剤モジュールのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの金属-有機骨格を含有する、請求項1または2のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記少なくとも1つの金属-有機骨格は、約25℃において約20%の相対湿度の等温線ステップを有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは、約130℃~約140℃の脱着温度および約85℃~約95℃の凝縮温度において動作するように構成される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの金属-有機骨格は、約25℃において約40%の相対湿度の等温線ステップを有する、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムは、約115℃~約125℃の脱着温度および約85℃~約95℃の凝縮温度において動作するように構成される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの金属-有機骨格は、約25℃において約60%の相対湿度の等温線ステップを有する、請求項7に記載のシステム。
【請求項14】
前記システムは、約100℃~約110℃の脱着温度および約85℃~約95℃の凝縮温度において動作するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
温水から顕熱を回収し、周辺空気を冷却するように構成される、水収集槽に接続され、またはそれに近接して位置付けられる、吸着チラーをさらに備える、請求項1または2のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項16】
大気水採取システムを作製する方法であって、
圧縮機と、膨張弁と、熱交換器とを含む、熱ポンプを提供することであって、前記熱交換器は、高温側と、低温側とを有する、ことと、
前記熱ポンプシステムとは物理的に別個の吸着ユニットを配置することであって、前記吸着ユニットは、少なくとも1つの吸着剤モジュールを含み、前記少なくとも1つの吸着剤モジュールは、1つ以上の吸着剤を含有する、ことと、
脱着チャンバを前記熱交換器の前記高温側に接続し、またはそれに近接近して位置付けることであって、前記脱着チャンバは、平均脱着温度において動作するように構成される、ことと、
(i)少なくとも部分的に水で飽和された吸着剤モジュールを前記吸着ユニットから前記脱着チャンバの中に移送し、(ii)前記脱着チャンバ内で少なくとも部分的に脱着された前記吸着剤モジュールを前記吸着ユニットに戻るように移送するように移送機構を構成することと、
凝縮チャンバを前記熱交換器の低温側に包含し、またはそれに近接近して位置付けることであって、前記凝縮チャンバは、平均凝縮温度において動作するように構成される、ことと
を含み、
前記システムは、前記システムに関する前記平均脱着温度および前記平均凝縮温度において動作し、(i)前記1つ以上の吸着剤を用いて生成される水の1リットルあたりの最低エネルギーを達成し、(ii)標的脱着率を持続するために脱着温度を十分に高く維持するように構成される、方法。
【請求項17】
(i)前記熱交換器の高温側から前記脱着チャンバ内に存在する前記吸着剤モジュールに熱を移送し、(ii)脱着を駆動し、前記脱着チャンバ内の水蒸気のより高い濃度をもたらすように、前記脱着チャンバと関連付けられる少なくとも1つの再循環ファンを構成することをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
さらに、(i)前記脱着チャンバから前記凝縮チャンバに高温蒸気をもたらし、(ii)前記凝縮チャンバ内の残りの水分を前記脱着チャンバの中に戻るように再循環させるように、前記脱着チャンバと関連付けられる少なくとも1つの脱着-凝縮器再循環ファンを構成することをさらに含む、請求項16または17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
回転カルーセルまたはロボットアームとして前記移送機構を構成することをさらに含む、請求項16または17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記熱ポンプ内に二次高温側熱交換器を提供することをさらに含む、請求項16または17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
1つ以上の制御コンポーネントを前記熱ポンプシステムに接続することをさらに含む、請求項16または17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
水収集槽を前記収集チャンバに結合する結合することをさらに含む、請求項16または17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
前記吸着剤モジュールのうちの少なくとも1つの中に少なくとも1つの金属-有機骨格を含有することをさらに含む、請求項16または17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つの金属-有機骨格は、約25℃において約20%の相対湿度の等温線ステップを有する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
約130℃~約140℃の脱着温度および約85℃~約95℃の凝縮温度において動作するように前記システムを構成することをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つの金属-有機骨格は、約25℃において約40%の相対湿度の等温線ステップを有する、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
約115℃~約125℃の脱着温度および約85℃~約95℃の凝縮温度において動作するように前記システムを構成することをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも1つの金属-有機骨格は、約25℃において約60%の相対湿度の等温線ステップを有する、請求項22に記載の方法。
【請求項29】
約100℃~約110℃の脱着温度および約85℃~約95℃の凝縮温度において動作するように前記システムを構成する、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
水収集槽に吸着チラーを接続し、またはそれに近接して前記吸着チラーを位置付けることをさらに含み、前記吸着チラーは、温水から顕熱を回収し、周辺空気を冷却するように構成される、請求項16または17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
大気水採取システムを使用して周辺空気から水を採取する方法であって、
吸着ユニット内に位置付けられる少なくとも1つの吸着剤モジュールの中に周辺空気を引き込むことであって、前記少なくとも1つの吸着剤モジュールは、前記周辺空気から水を吸着する、ことと、
いったん前記少なくとも1つの吸着剤モジュールが、標的レベルの水および/または吸着率まで飽和されると、前記移送機構を使用して、前記少なくとも1つの吸着剤モジュールを前記吸着ユニットから前記脱着チャンバに移送することと、
前記脱着チャンバ内に位置付けられる前記少なくとも1つの吸着剤モジュールを通して前記熱ポンプの前記高温側を横断して空気/水混合物を移動させ、水脱着を促進することと、
いったん前記脱着チャンバが、標的水濃度を達成すると、高温水蒸気を前記脱着チャンバから前記熱ポンプの前記低温側に移送することと、
随意に、前記脱着チャンバ内の前記少なくとも1つの吸着剤モジュールの吸着水が枯渇するまで、前記方法を繰り返すことと
を含む、方法。
【請求項32】
前記移送機構を使用して、脱着後の前記脱着チャンバ内の前記少なくとも1つの吸着剤モジュールを前記吸着ユニットに移送することをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
(i)前記1つ以上の吸着剤を用いて生成される水の1リットルあたりの最低エネルギーを達成し、(ii)標的脱着率を持続するために脱着温度を十分に高く維持するために、前記システムに関する平均脱着温度および平均凝縮温度において前記方法を実施することをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記熱ポンプの前記低温側にわたって高温水蒸気を移動させ、前記高温水蒸気から水を凝縮させることをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記高温水蒸気から凝縮された前記水を収集することをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
大気水採取システムであって、
高温側と、低温側とを有する、熱ポンプと、
1つ以上の吸着剤を含有する、少なくとも1つの吸着剤モジュールを備える、吸着ユニットであって、前記吸着ユニットは、前記熱ポンプから物理的に分離される、吸着ユニットと、
前記熱交換器の前記高温側に接続され、またはそれに近接近して位置付けられる、脱着チャンバと、
前記熱交換器の前記低温側を包含し、またはそれに近接近して位置付けられる、凝縮チャンバと、
(i)少なくとも部分的に水で飽和された吸着剤モジュールを前記吸着ユニットから前記脱着チャンバの中に移送し、(ii)前記脱着チャンバ内で少なくとも部分的に脱着された前記吸着剤モジュールを前記吸着ユニットに戻るように移送するように構成される、移送機構と
を備える、大気水採取システム。
【請求項37】
前記熱交換器の前記高温側に接続され、またはそれに近接近して位置付けられる、前記脱着チャンバは、前記熱ポンプの前記高温側から前記脱着チャンバ内に配置される前記吸着剤モジュールに熱を移送し、前記1つ以上の吸着剤から水蒸気を脱着させる、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記熱交換器の前記低温側を包含し、またはそれに近接近して位置付けられる、前記凝縮チャンバは、前記1つ以上の吸着剤からの前記脱着水蒸気から水を凝縮させる、請求項37に記載のシステム。
【請求項39】
前記脱着チャンバは、平均脱着温度において動作するように構成される、請求項37に記載のシステム。
【請求項40】
前記凝縮チャンバは、平均凝縮温度において動作するように構成される、請求項39に記載のシステム。
【請求項41】
前記平均脱着温度は、前記1つ以上の吸着剤からの水蒸気の標的脱着率を持続するために脱着温度を十分に高く維持する、請求項39または40のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項42】
前記システムは、前記平均脱着温度および前記平均凝縮温度において動作し、(i)前記1つ以上の吸着剤を用いて生成される水の1リットルあたりの最低エネルギーを達成するように構成される、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
前記システムは、前記平均脱着温度および前記平均凝縮温度において動作し、(i)前記1つ以上の吸着剤を用いて生成される水の1リットルあたりの最低エネルギーを達成し、(ii)標的脱着率を持続するために脱着温度を十分に高く維持するように構成される、請求項41に記載のシステム。
【請求項44】
前記1つ以上の吸着剤からの水蒸気の脱着を駆動し、前記脱着チャンバ内の水蒸気のより高い濃度をもたらすために、前記脱着チャンバと関連付けられる少なくとも1つの再循環ファンをさらに備える、請求項38に記載のシステム。
【請求項45】
(i)前記脱着チャンバから前記凝縮チャンバに高温蒸気を移送し、(ii)前記凝縮チャンバ内に残留する水分を前記脱着チャンバの中に戻るように再循環させるために、前記脱着チャンバと関連付けられる少なくとも1つの脱着-凝縮器再循環ファンをさらに備える、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
吸着剤モジュールのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの金属-有機骨格を含有する、請求項36に記載のシステム。
【請求項47】
前記少なくとも1つの金属-有機骨格は、約25℃において約20%の相対湿度の等温線ステップを有する、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記システムは、約130℃~約140℃の脱着温度および約85℃~約95℃の凝縮温度において動作するように構成される、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記少なくとも1つの金属-有機骨格は、約25℃において約40%の相対湿度の等温線ステップを有する、請求項46に記載のシステム。
【請求項50】
前記システムは、約115℃~約125℃の脱着温度および約85℃~約95℃の凝縮温度において動作するように構成される、請求項49に記載のシステム。
【請求項51】
前記少なくとも1つの金属-有機骨格は、約25℃において約60%の相対湿度の等温線ステップを有する、請求項46に記載のシステム。
【請求項52】
前記システムは、約100℃~約110℃の脱着温度および約85℃~約95℃の凝縮温度において動作するように構成される、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記移送機構は、回転カルーセルまたはロボットアームを備える、請求項36に記載のシステム。
【請求項54】
前記システムはさらに、前記凝縮チャンバに近接して配置される、水収集槽を備える、請求項36に記載のシステム。
【請求項55】
前記脱着チャンバの外側に位置する、1つ以上の周囲空気センサまたは1つ以上の周囲空気湿度センサに結合される、コンピュータをさらに備え、前記コンピュータは、前記システムを囲繞する前記環境の周囲空気温度または周囲空気湿度、およびそれらの組み合わせを測定するように構成される、請求項36に記載のシステム。
【請求項56】
前記コンピュータはさらに、前記脱着チャンバの内側に位置する、1つ以上の温度センサ、または1つ以上の湿度センサ、または1つ以上の空気流センサに結合され、前記コンピュータは、前記脱着チャンバの内側の空気温度、または空気湿度、または空気流、もしくはそれらの組み合わせを測定するように構成される、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記コンピュータはさらに、前記凝縮チャンバの内側に位置する、1つ以上の温度センサ、または1つ以上の湿度センサ、または1つ以上の空気流センサに結合され、前記コンピュータは、前記凝縮チャンバの内側の空気温度、または空気湿度、または空気流、もしくはそれらの組み合わせを測定するように構成される、請求項56に記載のシステム。
【請求項58】
前記コンピュータはさらに、
i)前記脱着チャンバおよび前記凝縮チャンバの内側の前記空気温度および前記空気湿度のうちの1つ以上の測定値と、
ii)前記周囲空気温度および前記周囲空気湿度のうちの1つ以上の測定値と
に基づいて、前記システムの動作パラメータを調節するために実行可能な水採取アルゴリズムを含有する、請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
システムであって、
高温側熱交換器と、低温側熱交換器とを有する、熱ポンプと、
1つ以上の吸着剤を含有する、少なくとも1つの吸着剤モジュールを備える、吸着ユニットと、
前記熱交換器の前記高温側に接続され、またはそれに近接近して位置付けられる、脱着チャンバであって、前記吸着剤モジュールは、前記脱着チャンバ内に配置される前記吸着ユニットからの水で少なくとも部分的に飽和される、脱着チャンバと、
前記熱交換器の前記低温側を包含し、またはそれに近接近して位置付けられる、凝縮チャンバであって、脱着の間に発生された前記水蒸気は、前記凝縮チャンバに指向される、凝縮チャンバと、
前記脱着チャンバまたは前記凝縮チャンバの内側に位置する、1つ以上の温度センサ、または1つ以上の湿度センサ、または1つ以上の空気流センサに結合される、コンピュータであって、前記コンピュータは、前記脱着チャンバまたは前記凝縮チャンバの内側の空気温度、または空気湿度、または空気流のうちの1つ以上を測定するように構成される、コンピュータと
を備える、システム。
【請求項60】
前記コンピュータは、前記脱着チャンバおよび前記凝縮チャンバの内側に位置する、1つ以上の温度センサ、または1つ以上の湿度センサ、または1つ以上の空気流センサに結合され、前記コンピュータは、前記脱着チャンバおよび前記凝縮チャンバの内側の空気温度、または空気湿度、または空気流を測定するように構成される、請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
前記コンピュータは、前記脱着チャンバおよび前記凝縮チャンバの外側に位置する、1つ以上の周囲空気センサまたは1つ以上の周囲空気湿度センサに結合され、前記コンピュータは、前記システムを囲繞する前記環境の周囲空気温度または周囲空気湿度を測定するように構成される、請求項59または60のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項62】
前記コンピュータは、
i)前記脱着チャンバおよび前記凝縮チャンバの内側の前記空気温度および前記空気湿度のうちの1つ以上の測定値と、
ii)前記周囲空気温度および前記周囲空気湿度のうちの1つ以上の測定値と
に基づいて、前記システムの動作パラメータを調節するために実行可能な水採取アルゴリズムを含む、請求項61に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本国際特許協力条約特許出願は、それぞれ、本明細書に参照することによって本明細書に組み込まれる、2021年4月27日に出願された米国仮特許出願第63/180,590号の利益を主張する、2022年4月22日に出願された米国非仮特許出願第17/726,996号の継続出願である。
【0002】
(技術分野)
本開示は、概して、水採取に関し、より具体的には、周辺空気から水を採取するための水ハーベスタ、および水ハーベスタを作製する方法、ならびに水ハーベスタを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(背景)
従来、吸着剤を用いて空気から水を採取するプロセスは、3つのエネルギー集約的な段階、すなわち、空気から吸着剤への水蒸気の吸着、吸着剤からの水蒸気の脱着、および脱着水蒸気の液体水への凝縮を含む、水採取サイクルを備える。例えば、吸着段階の間、高湿度環境空気が、脱着(活性化)された吸着剤床を横断して吹送され得る。水の分子が、吸着剤床の多孔質内部を通して拡散し、吸着剤によって吸着された状態になることができる。吸着段階は、吸着剤床が水で完全に飽和された状態になると、完了される。吸着段階に続いて、脱着段階が、吸着剤床を直接または間接的に加熱し、水蒸気を放出することによって開始されることができる。脱着段階は、吸着剤床の水が不飽和化された状態になると、完了される。凝縮段階の間、脱着段階の間に発生された水蒸気が、凝縮チャンバに指向されることができ、そこで、水蒸気は、冷却され、液体水に凝縮する。吸着、脱着、および凝縮の繰り返しのサイクルを通して、吸着剤ベースの水採取は、空気から水を生成するための方法を提供することができる。
【0004】
概して、飽和された吸着剤床から水を放出するための2つの加熱方法、すなわち、第1に、熱源から吸着剤床支持構造、吸着剤床、または吸着剤の表面への直接の熱移送を伴う直接加熱と、第2に、吸着剤床支持構造、吸着剤床、または吸着剤を囲繞する空気を加熱することを伴う間接加熱とが、存在する。直接加熱および間接加熱は両方とも、抵抗加熱を用いて達成されることができる。脱着は、典型的には、吸着剤と関連付けられる水を水蒸気に変化させるための脱着エネルギーに関連する潜熱部分と、吸着剤床支持構造、吸着剤床、または吸着剤のうちの1つ以上を加熱することに関連する顕熱エネルギー部分とを含む、有意なエネルギーを要求する。潜在的に、脱着で費やされたエネルギーは、凝縮段階の間に回収され、次いで、脱着のためにシステムの中に再導入されることができる。概して、抵抗加熱は、脱着で費やされたエネルギーの回収を提供しない。
【0005】
当技術分野で所望されるものは、従来の水採取システムと比較して、水採取サイクルの間のエネルギー費用を低減させ、および/または水生成における効率を改良する、周辺空気から水を採取するための商業的に実行可能な水採取システムである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の開示)
本明細書に提供されるものは、水採取サイクルにおける全体的エネルギー費用を低減させ得、および/または水採取サイクルの間の水生成における効率を改良する、熱ポンプベースの水採取システムである。
【0007】
本発明の実施形態の広範な目的は、熱ポンプシステム、吸着ユニット、脱着チャンバ、移送機構、および凝縮チャンバのうちの1つ以上を備える、大気水採取システムを提供することであり得る。特定の実施形態では、熱ポンプシステムは、圧縮機、膨張弁、および熱交換器のうちの1つ以上を備えることができ、熱交換器は、高温側(典型的には、「凝縮器」)と、低温側(典型的には、「蒸発器」)とを有する。特定の実施形態では、吸着ユニットは、少なくとも1つの吸着剤モジュールを備え、少なくとも1つの吸着剤モジュールは、1つ以上の吸着剤を含有し、吸着ユニットは、必ずしも必要ではないが、熱ポンプシステムから物理的に分離されることができる。いくつかの実施形態では、脱着チャンバは、熱交換器の高温側に接続され、またはそれに近接近して位置付けられることができ、平均脱着温度において動作するように構成されることができる。特定の実施形態では、移送機構は、(i)少なくとも部分的に水で飽和された吸着剤モジュールを吸着ユニットから脱着チャンバの中に移送し、(ii)脱着チャンバ内で少なくとも部分的に脱着された吸着剤モジュールを吸着ユニットに戻るように移送するように構成されることができる。特定の実施形態では、凝縮チャンバは、熱交換器の低温側を包含し、またはそれに近接近して位置付けられることができ、平均凝縮温度において動作するように構成されることができる。前述の特定の変形例では、水採取システムは、本システムに関する平均脱着温度および平均凝縮温度において動作し、(i)1つ以上の吸着剤を用いて生成される水の1リットルあたりの最低エネルギーを達成する、または(ii)標的脱着率を持続するために脱着温度を十分に高く維持する、およびそれらの組み合わせを行うように構成されることができる。
【0008】
本発明の別の広範な目的は、本明細書に説明される大気水採取システムのうちのいずれか1つまたは組み合わせを使用することを含む、周辺空気から水を採取する方法であり得る。特定の実施形態では、本方法は、a)吸着ユニット内に位置付けられ得る少なくとも1つの吸着剤モジュールの中に周辺空気を引き込むことであって、少なくとも1つの吸着剤モジュールは、周辺空気から水を吸着する、ことと、b)いったん少なくとも1つの吸着剤モジュールが、少なくとも部分的に飽和された、または標的レベルの水および/または吸着率まで飽和された状態になると、吸着剤モジュールを吸着ユニットから脱着チャンバに移動させるために移送機構を使用して達成され得る、少なくとも1つの吸着剤モジュールを脱着チャンバに移送することと、c)脱着チャンバ内に位置付けられる少なくとも1つの吸着剤モジュールを通して熱ポンプの高温側を横断して空気または空気/水混合物を吹送し、水脱着を促進することと、d)脱着チャンバが標的水濃度を達成することと協調され得る、高温水蒸気を脱着チャンバから熱ポンプの低温側に移送することと、e)随意に、脱着チャンバ内の少なくとも1つの吸着剤モジュールの吸着水が枯渇した状態になるまで、ステップc)およびd)を繰り返すことと、f)吸着剤モジュールを脱着チャンバから吸着ユニットに移動させるために移送機構を使用して協調され得る、脱着後に脱着チャンバから少なくとも1つの吸着剤モジュールを移送することとを含む。前述の特定の変形例では、本方法は、水採取システムに関する平均脱着温度または平均凝縮温度もしくはそれらの組み合わせにおいて実施され、(i)1つ以上の吸着剤を用いて生成される水の1リットルあたりの最低エネルギーを達成する、または(ii)標的脱着率を持続するために脱着温度を十分に高く維持する、およびそれらの組み合わせを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本願は、本明細書に含まれる付随の図と併せて検討される、以下の説明を参照することによって最も深く理解されることができる。
【0010】
【
図1】
図1は、例示的熱ポンプベースの水採取システムの概略図を描写する。
【0011】
【
図2A】
図2Aは、脱着のために脱着/凝縮ユニットの脱着チャンバの中に完全に飽和されたMOFモジュールを連続的に移動させるように構成される、回転カルーセルを含む、例示的熱ポンプベースの水採取システムを描写する。
【0012】
【
図2B】
図2は、吸着ラックと脱着チャンバとの間でMOFモジュールを切り替えるように構成される、多軸ロボットアームを含む、別の例示的熱ポンプベースの水採取システムを描写する。
【0013】
【
図3】
図3は、脱着チャンバ内の「凝縮器」高温側熱交換器とMOFモジュールとの間の熱結合に関する例示的概略図を描写する。
【0014】
【
図4】
図4は、水蒸気凝縮および液体水収集に関する例示的概略図を描写する。
【0015】
【
図5】
図5は、循環空気の温度、湿度、および速度の値が測定される、例示的熱ポンプベースの水採取システムの一部を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(発明を実行するための様式)
以下の説明は、熱ポンプベースの水採取システム(1)、熱ポンプベースの水採取システム(「システム」とも称される)を作製する方法、および熱ポンプベースの水採取システムを使用する方法の例証的実施例を記載する。しかしながら、説明によって提供される熱ポンプベースの水採取システム(1)の実施例が、説明の範疇または範囲を限定することを意図しておらず、代わりに、当業者が本発明の完全な範疇および範囲を作製および使用するために十分な実施例を提供することを意図していることを認識されたい。
【0017】
ここで主として
図1-5を参照すると、提供されるものは、凝縮エネルギーを効果的に回収し、脱着のためにこれを使用するための熱ポンプ(2)を含む、吸着剤ベースの水採取システム(1)である。ある側面では、提供されるものは、本明細書に説明される吸着剤ベースの水採取システム(1)のうちのいずれかを使用する方法である。いくつかの実施形態では、システム(1)は、少なくとも1つの吸着剤材料(5)を含有する1つ以上の吸着剤モジュール(4)を保持する、吸着ラック等の吸着ユニット(3)を含む。空気(6)が、1つ以上の吸着剤モジュール(4)を横断して流動し、その中の吸着剤材料(5)による周辺空気(6)からの水(7)の吸着につながることができる。システム(1)は、特定の実施形態では、カルーセル(8a)(
図2Aの実施例に示されるような)であり得る、またはロボットアーム(8b)(
図2Bの実施例に示されるような)であり得る、移送機構(8)を含む。いったん吸着剤モジュール(4)のうちの1つ以上が、標的レベルおよび/または標的吸着率に到達すると、移送機構(8)は、吸着水を含有する1つ以上の吸着剤モジュール(4)を吸着ユニット(3)からシステム(1)の脱着チャンバ(9)に移動させることができる。いくつかの実施形態では、脱着チャンバ(9)は、1つ以上の吸着剤モジュール(4)を通して熱ポンプ(2)の高温側(12)を横断して空気または空気/水混合物(11)を吹送し、脱着を促進する、再循環ファン(10)を含む。いったん標的水濃度が、脱着チャンバ(9)内で達成されると、特定の実施形態では、システム(1)は、脱着チャンバ(9)内に存在する脱着-凝縮器再循環ファン(13)をオンにし、高温水蒸気(14)を脱着チャンバ(9)から凝縮チャンバ(16)内に包含される、またはそれにより近接近して位置付けられる熱ポンプ(2)の低温側(15)に移送することができる。いくつかの変形例では、システム(1)に関する最適な平均脱着温度および/または平均凝縮温度は、吸着剤材料(5)を用いて生成される水(7)の1リットルあたりの最低エネルギーを達成するように構成されることができ、標的脱着率を持続するために脱着温度を十分に高く保つことができる。吸着剤モジュール(4)の枯渇に応じて、移送機構(8)は、脱着チャンバ(9)から1つ以上の吸着剤モジュール(4)を除去することができ、吸着ユニット(3)の中に戻るように1つ以上の吸着剤モジュール(4)を設置する。吸着剤ベースの水採取システム(1)の実施形態は、増加された水吸着ならびに高温における連続的脱着および凝縮を達成することができる。
【0018】
特定の実施形態では、
図2Aに描写されるように、例示的システム(1)は、1つ以上の吸着剤モジュール(4)を回転させる、カルーセル(8a)を利用する。1つ以上の吸着剤モジュール(4)が脱着されている間、残りの吸着剤モジュール(4)は、高湿度環境空気(6)に暴露されている吸着段階にあり得る。特定の実施形態では、
図2Bに描写されるように、ロボットアーム(8b)が、1つ以上の吸着剤モジュール(4)を吸着ラック(17)から脱着チャンバ(9)に移送するために利用される。再び、
図1を参照すると、特定の実施形態では、熱ポンプ(2)は、高温側(12)と、低温側(15)とを有する、熱交換器(18)を含む。いくつかの変形例では、熱ポンプ(2)は、圧縮機(19)と、膨張弁(20)と、主要「凝縮器」または高温側熱交換器(21)と、二次高温側熱交換器(22)と、「蒸発器」または低温側熱交換器(23)と、高温において動作するように設計される他の制御コンポーネントとを含んでもよい。例えば、特定の実施形態では、「凝縮器」または熱交換器の高温側(21)は、約90℃~約160℃の範囲内の温度において動作するように設定されることができ、「蒸発器」または低温側熱交換器(23)は、約40℃~約95℃の範囲内の温度において動作するように設定されることができる。
【0019】
再び、
図1を参照すると、脱着チャンバ(9)内の「凝縮器」または熱交換器の高温側(21)および凝縮チャンバ(16)内の「蒸発器」または低温側熱交換器(23)は、それぞれ、熱シンク(24a、24b)に結合され、吸着剤モジュール(4)が脱着チャンバ(9)の内外に移動するとき、略一定または一定の温度動作を提供することができる。熱シンク(24a、24b)は、脱着チャンバ(9)および凝縮チャンバ(16)の両方において、金属ブロックまたは高熱質量の任意の他の材料であり得る。これはまた、凝縮チャンバ(16)内の液体水(7)であり得る。
【0020】
システム(1)における熱ポンプ(2)の性能は、概して、以下の方程式によってモデル化されることができる。
【数1】
式中、Wは、圧縮機(19)による作業入力であり、Q
cは、低温側熱交換器(23)から抽出されたエネルギーであり、COPは、性能係数であり、T
hは、高温側熱交換器(21)の温度であり、T
cは、低温側熱交換器(23)の温度であり、fは、システム(1)の実践的設計に基づく実験係数である。いくつかの変形例では、fは、約0.4~約0.6である。低いT
h-T
c値および高いT
c値は、典型的には、熱ポンプ(2)のさらなるエネルギー効率的設計につながる。
【0021】
ある実施形態では、システム(1)およびシステム(1)を使用する方法は、高温側熱交換器(21)と脱着する吸着剤モジュール(4)との間の効果的な熱結合を確実にするように考案されることができる。脱着の間に発生された高温水蒸気(14)は、蒸気が水(6)に凝縮され得る、「蒸発器」または低温側熱交換器(23)を含有する、凝縮チャンバ(16)に指向されることができる。液体水(6)が、次いで、水槽(25)内に収集されることができる。残留する飽和された比較的に低温の水蒸気(7b)は、環境内の過剰な水損失を回避するために、脱着チャンバ(9)の中に戻るように再循環されることができる。
【0022】
いくつかの変形例では、システム(1)はさらに、システム(1)を囲繞する環境の周囲空気温度および/または周囲空気湿度を測定するように適合または構成される、脱着チャンバ(9)および凝縮チャンバ(16)の外側に位置する、1つ以上の周囲空気温度センサ(27)および/または周囲空気湿度センサ(28)に結合される、コンピュータ(26)を含むことができる。コンピュータ(26)は、個別の脱着チャンバ温度および/または湿度ならびに/もしくは凝縮チャンバ温度および/または湿度を測定するために、脱着チャンバ(9)および/または凝縮チャンバ(16)の内側に個別に位置し得る、1つ以上の温度センサ(29a、29b)および/または1つ以上の湿度センサ(30a、30b)および/または1つ以上の空気流センサ(31a、31b)に個別に結合されることができる。脱着チャンバおよび凝縮チャンバセンサ(29a、29b、30a、30b)からの読取値に基づく温度および/または湿度測定値ならびに周囲温度および湿度センサ(27、28)からの読取値に基づく環境温度および/または湿度測定値は、水採取アルゴリズム(31)を実装するコンピュータ(26)の制御下で、システム(1)の動作パラメータを調節するために、例えば、エネルギー使用、水生成、および熱ポンプの動作の観点からシステム(1)の性能を修正するために使用されることができる。
【0023】
任意の好適な吸着剤材料(5)が、本明細書に説明されるシステム(1)および方法の実施形態において使用されることができる。特定の実施形態では、吸着剤材料(5)は、1つ以上の金属-有機骨格(「MOF」)を含むことができる。概して、MOFは、空気(6)から水(7)を採取するために望ましい一意の特性をもたらす。例えば、H. Furukawa et al.,「Water Adsorption in Porous Metal-Organic Frameworks and Related Materials」J. Am. Chem. Soc. 2014, 136, 11, 4369-4381を参照されたい。MOFは、高い吸水率および相対湿度(「RH」)に対する吸水率に関するステップ様特性によって特徴付けられ得る。いくつかの変形例では、MOFを含む、好適な吸着剤材料(5)は、種々の気候に調整され得る、そのような等温線ステップを有する。例えば、第WO2020112899号を参照されたい。等温線ステップは、典型的には、MOF細孔の内部と水分子との間の水素結合に起因する温度の弱関数である。ステップ等温線は、非常に狭い範囲の相対湿度(約3~約5%のRH)におけるMOFによる水捕捉および放出を可能にする。
【0024】
いくつかの変形例では、MOFは、MOF-303、すなわち、HPDCが1H-ピラゾール-3,5-ジカルボキシレートであるAl(OH)(HPDC)、CAU-10、すなわち、IPAがイソフタル酸であるAl(OH)(IPA)、MOF-801、すなわち、Zr6O4(OH)4(フマル酸)6、MOF-841、すなわち、Zr6O4(OH)4(MTB)6(HCOO)4(H2O)2、フマル酸アルミニウム、すなわち、Al(OH)(フマル酸)、MIL-160、すなわち、FDAが2,5-フランジカルボキシレートであるAl(OH)(FDA)、MIL-53、すなわち、TPAがテレフタル酸であるAl(OH)(TPA)、またはリン酸アルミニウム、すなわち、AlPO4-LTAである。いくつかの変形例では、MOFは、約0.5nm~約1nmまたは約0.7nm~約0.9nmの範囲内の細孔サイズを有する。ある変形例では、MOFは、親水性細孔構造を有する。ある変形例では、MOFは、酸および/またはアミン官能基から成る親水性細孔構造を有する。ある変形例では、MOFは、可逆的な水吸着を可能にする一次元チャネルを有する。本明細書に説明されるMOFの任意の組み合わせ、または他のMOF、もしくは水吸着/脱着が可能な吸着剤もまた、使用されてもよい。いくつかの実施形態では、MOFは、基質または支持体への接着のためにその性質を改良するために、バインダと混合されることができる。
【0025】
他の変形例では、上記に説明される高い吸水能力ならびに等温線ステップを有する他の吸着剤(5)が、本明細書に説明されるシステムおよび方法において使用されてもよい。他の好適な吸着剤(5)は、例えば、上記に説明される性質を有する、ある分子篩(一実施例として、微細孔ゼオライトであるSAPO-34(CAS番号1318-02-1))およびあるゼオライトを含んでもよい。
【0026】
吸着剤材料(5)(上記に説明されるMOFを含む)における水脱着率および空気中の飽和蒸気圧の値は、温度に伴って指数関数的に増加する。他方、比脱着エネルギーは、温度に伴って減少する。これらの3つの因子は全て、高温における脱着プロセルの設計に有利である。しかしながら、より高い脱着温度は、吸着剤材料(5)、吸着剤材料(5)の内側の水(7)、支持構造、再循環空気(7)、および水蒸気からのより高い顕熱ペナルティを受ける。凝縮温度は、脱着高温水蒸気(14)の露点を下回る必要がある。より多くの水(7)が、より低い凝縮温度を伴う低温側熱交換器(23)を通した単回の通過において凝縮されることができるが、熱ポンプのCOP値は、Th-Tcの増加およびTcの減少に伴ってより低くなる。その結果、水採取システム(1)に関する脱着および凝縮温度は、所与の吸着剤材料(5)を用いて生成される水の1リットルあたりの最低エネルギーを達成するために調節されることができる。
【0027】
再び、主として
図2Aを参照すると、回転カルーセル(8a)が、完全に飽和されたMOF含有吸着剤モジュール(4)を脱着のために脱着チャンバ(9)の中に連続的に移動させる、システム(1)の別の実施例が、描写される。いったんMOF吸着剤モジュール(4)が、脱着チャンバ(9)の中に移動すると、これは、加熱され、高温水蒸気(14)として水(7)を放出する。同時に、他のMOF吸着剤モジュール(4)は、それらを横断して吹送される高湿度空気(6)に暴露され、吸着を開始することができる。脱着完了に応じて、位置付け制御を伴うモータ(32)が、カルーセル(8a)を回転させ、脱着チャンバ(9)から外に脱着された吸着剤モジュールまたはMOF吸着剤モジュール(4)を移動させ、飽和されたMOF吸着剤モジュール(4)が脱着チャンバ(9)に進入することを可能にする。
【0028】
図2Bを参照すると、多軸ロボットアーム(8b)(または他の自動化機構)が、吸着ラック(17)と脱着チャンバ(9)との間のMOF吸着剤モジュール(4)の切替を取り扱う、システム(1)の別の実施例が、描写される。MOF吸着剤モジュール(4)が脱着チャンバ(9)内で十分に脱着されるとすぐに、これは、ロボットアーム(8b)によって除去され、吸着ラック(17)の中に戻るように設置されることができる。新しい完全に吸着されたMOF吸着剤モジュール(4)が、ロボットアーム(8b)によって積込され、脱着チャンバ(9)の中に設置されることができる。コンピュータおよび水採取アルゴリズム(31)が、各モジュールの脱着および吸着ステータスを追跡するために使用されることができる。
【0029】
ここで主として
図3を参照すると、概略図が、脱着チャンバ(9)内の「凝縮器」高温側熱交換器(21)とMOF吸着剤モジュール(4)との間の熱結合を図示する。脱着チャンバ(9)は、断熱壁(32)を用いて環境から熱的に隔離される。再循環ファン(10)が、十分に吸着されたMOF吸着剤モジュール(4)が脱着チャンバ(9)の中に設置されると、温度を上昇させるために、高温側熱交換器(21)を横断して空気(6)を吹送する。高温側熱交換器(21)を横断して吹送されることによって加熱された本空気(6)は、次いで、MOF吸着剤モジュール(4)の温度を上昇させ、吸着水(7)を放出するために、MOF吸着剤モジュール(4)を横断して吹送されることができる。MOF吸着剤モジュール(4)から放出された高温水蒸気(14)の一部は、次いで、少なくとも1つのMOF吸着剤材料(5)の温度を所望の動作脱着温度まで上昇させ続けるために、再循環ファン(10)によって高温側主要熱交換器(21)に戻るように循環されることができる。MOF吸着剤モジュール(4)からの高温水蒸気(14)の一部は、凝縮のために凝縮チャンバ(16)に指向されることができる。MOF吸着剤モジュール(4)の出口における蒸気条件(RHおよび温度値)に応じて、再循環および脱着率は、所定のアルゴリズム(31)を使用して、可変速度の再循環ファン(10)空気流を用いて調節されることができる。目標は、熱交換器の一定のエネルギー負荷を達成し、より効率的な凝縮収率のために水蒸気の高水分含有量を維持することである。高温側熱交換器(21)とMOF吸着剤モジュール(4)との間の熱結合はまた、熱交換器およびMOF吸着剤モジュール(4)の物理的接触によって改良されることができる。
【0030】
図2A、2B、および3は、システム(1)におけるMOF吸着剤モジュール(4)の特定の実施形態を図示するが、他の好適な吸着剤モジュール(4)も、本明細書に説明されるシステム(1)の他の変形例において使用され得ることを理解されたい。
【0031】
ここで、主として、水蒸気(14)凝縮および液体水(7)収集に関する例証的概略図を描写する、
図4を参照する。そのような実施形態では、凝縮チャンバ(16)は、熱的に断熱された壁(32)(または凝縮チャンバ断熱の他の様式)内に封入されることができる。高温水蒸気(14)が、脱着チャンバ(9)から配管され、「蒸発器」低温側熱交換器(23)を通して通過され、高温水蒸気(14)が冷却され、露点に到達することに応じて水(7)が凝縮することを可能にすることができる。排気は、より低温の空気/水混合物(11)を脱着チャンバ(9)の中に戻るように搬送する。熱シンク(24b)が、水凝縮のための所望の動作温度を維持するために、低温側熱交換器(23)に熱的に結合されることができる。液体水(7)が、低温側熱交換器(23)のフィンから滴下することができ、下方の水収集槽(25)内に収集されることができる。脱着-凝縮器再循環ファン(13)が、脱着チャンバ(9)と凝縮チャンバ(16)との間で高温水蒸気(14)および排気されるより低温の空気/水混合物(11)を制御および再循環させるために使用されることができる。
【0032】
ここで、主として、上記に説明されるように、循環空気の温度、湿度、および速度の値が測定され得る、システム(1)の特定の実施形態の例証的実施例のコンポーネントを描写する、
図5を参照する。高温側熱交換器(21)および低温側熱交換器(23)の温度もまた、測定されることができる。これらの測定値に基づいて、コンピュータ(26)は、水採取アルゴリズム(31)の実行によって、熱交換器(21、22、23)毎のエネルギー負荷を査定することができる。いくつかの変形例では、システム(1)におけるコンピュータ(26)は、システム(1)内に含まれる熱交換器(21、22、または23)毎にほぼ一定のエネルギー負荷を維持し、脱着および凝縮プロセスのための所望の温度を達成するために、再循環ファン(10、13)のファン速度を変更することによって、空気流率を調節するようにプログラムされてもよい。
【0033】
圧縮機の電力入力
【数2】
、低温側熱交換器のエネルギー負荷
【数3】
、ならびに主要および二次熱交換器に関して別個に
【数4】
によって表される高温側熱交換器のエネルギー負荷との間で取得され得る熱ポンプエネルギー平衡は、以下のように表されることができる。
【数5】
R. SonntagおよびC. V. Wylen「Introduction to Thermodynamics Classical and Statistical」2
nd ed., John Wylie and Sons, 1982を参照されたい。
【0034】
圧縮機作業入力は、圧縮機設計および動作条件に基づいて、一定である。いくつかの変形例では、脱着のために回収された凝縮熱の大部分を再生利用するために、本システムは、以下を設定するように構成される。
【数6】
【0035】
したがって、高温側熱交換器(21)のエネルギー負荷は、低温側熱交換器(23)のものに等しい。一部の電力入力は、二次高温側熱交換器(22)によって環境に放散されることができる。
【0036】
高温側熱交換器(21)構成は、高温側熱交換器によって放散されるエネルギーに等しいはずである、流入および流出する空気流に起因するエネルギー「利得」を考慮することによってモデル化され得る。
【数7】
式中、
【数8】
は、場所bにおける空気/水蒸気混合物の質量流率であり、C
pbは、場所bにおける比熱容量であり、T
bは、場所bにおける温度であり、
【数9】
は、場所aにおける空気/水蒸気混合物の質量流率であり、C
paは、場所aにおける比熱容量であり、T
aは、場所aにおける温度である。T
bは、標的化された熱交換器設計を伴う高温側熱交換器(21)の動作温度である、T
hにほぼ等しいはずである。質量流率は、熱交換器の空気密度、空気速度、および断面積を使用して推定されることができる。最初に、完全に吸着された吸着剤モジュール(4)(例えば、MOF吸着剤モジュール)が、脱着のために脱着チャンバ(9)の中に移動されると、T
aは、低いが、脱着プロセスの間に急速に加熱される。システム(1)は、方程式(6)に従って脱着再循環ファン速度(10)を増加させ、一定の
【数10】
を維持する。
【0037】
二次高温側熱交換器(22)に関するエネルギー平衡は、以下のように表されることができる。
【数11】
式中、h
sは、熱移送幾何学および空気流の関数である、二次高温側熱交換器(22)の熱移送係数であり、A
sは、熱交換器のフィンの面積であり、T
fは、環境温度である。システム(1)は、環境温度が変化するにつれて一定のエネルギー放散率を維持するために、二次高温側熱交換器(22)を横断する空気流の率を調節する。
【0038】
低温側熱交換器におけるエネルギー負荷の顕熱および潜熱部分の両方が、凝縮プロセスのために考慮される必要がある。
【数12】
式中、
【数13】
は、場所dにおける空気/水蒸気混合物の質量流率であり、C
pdは、場所dにおける比熱容量であり、T
dは、場所dにおける温度であり、ρ
dは、場所dにおける空気密度であり、
【数14】
は、場所dにおける絶対湿度であり、
【数15】
は、場所eにおける空気/水蒸気混合物の質量流率であり、C
peは、場所eにおける比熱容量であり、T
eは、場所eにおける温度であり、ρ
eは、場所eにおける空気密度であり、
【数16】
は、場所eにおける絶対湿度であり、H
fgは、凝縮温度における水の潜熱である。T
eは、標的化された熱交換器設計を伴う低温側熱交換器温度にほぼ等しいはずである。
【0039】
いくつかの変形例では、システム(1)は、流入および流出する空気/水蒸気混合物の温度および湿度値が変化するにつれて低温側熱交換器(23)に関する一定のエネルギー負荷を維持するために、脱着-凝縮再循環ファン(13)速度を調節する。
【0040】
再び、主として
図5を参照すると、本発明の特定の実施形態を使用する方法は、吸着ユニット(3)内に位置付けられる少なくとも1つの吸着剤モジュール(4)の中に周辺空気(6)を引き込むことであって、少なくとも1つの吸着剤モジュール(4)は、周辺空気(6)から水(7)を吸着する、ことと、いったん少なくとも1つの吸着剤モジュール(4)が、標的レベルの水(7)および/または吸着率まで飽和されると、移送機構(8、8a、8b)を使用して、少なくとも1つの吸着剤モジュール(4)を吸着ユニット(3)から脱着チャンバ(9)に移送することと、脱着チャンバ(9)内に位置付けられる少なくとも1つの吸着剤モジュール(4)を通して熱ポンプ(2)の高温側(12)を横断して空気/水混合物(11)を移動させ、水脱着を促進することと、随意に、脱着チャンバ(9)内の少なくとも1つの吸着剤モジュール(4)の吸着水が枯渇するまで、本方法を繰り返すことと、移送機構を使用して、脱着後の脱着チャンバ内の少なくとも1つの吸着剤モジュールを吸着ユニットに移送することとのうちの1つ以上を含むことができる。
【0041】
特定の実施形態では、本方法はさらに、(i)1つ以上の吸着剤を用いて生成される水の1リットルあたりの最低エネルギーを達成し、(ii)標的脱着率を持続するために脱着温度を十分に高く維持するために、本システムに関する平均脱着温度および平均凝縮温度において本方法を実施することを含むことができる。
【0042】
特定の実施形態では、本方法はさらに、高温水蒸気(14)を脱着チャンバ(9)から熱ポンプ(2)の低温側(15)に移送することと、該高温水蒸気から水を凝縮させることと、該高温水蒸気から凝縮された水を収集することとのうちの1つ以上を含むことができる。
【0043】
(実施例)
本開示される主題は、限定としてではなく、本発明の実施形態の例証的実施例として提供される、以下の実施例を参照することによってより深く理解されるであろう。
【0044】
(実施例1)
(脱着および凝縮温度)
実施例は、水採取システム(1)において使用される脱着および凝縮温度を説明する。モデルは、反復手順を使用した。最初に、モデルは、システム(1)の初期脱着および凝縮温度を設定した。吸着剤の等温線ステップに基づいて、脱着チャンバ内の絶対湿度が、所与の脱着温度において既知であった。凝縮収率は、脱着チャンバ内の水蒸気の相対湿度および温度が既知である場合、所与の凝縮温度に関して計算されることができる。熱ポンプ(2)の効率は、f=0.6と仮定する方程式2を用いて算出されることができ、ひいては、作業入力は、方程式1を使用して計算される。脱着および凝縮エネルギーに加えて、モデルはさらに、吸着剤、吸着剤の内側の水、空気、および蒸気を加熱するために要求される顕熱値を考慮した。モデルはまた、再生利用された水蒸気(11)の温度および本システムの規定された合計水採取収率を考慮した。したがって、採取される水(7)の1リットルあたりのシステムエネルギー消費は、所与のMOF吸着剤材料(5)を用いた脱着および凝縮温度の関数として近似された。動作条件は、2つの変数(脱着および凝縮温度)を変動させることによって取得されることができる。下記の表1を参照されたい。
【表1】
【0045】
表1は、3つのタイプのMOF吸着剤材料(5)に関する脱着および凝縮温度を示す。25℃において20%の相対湿度(RH)の等温線ステップを伴う乾燥タイプMOFを含有する水ハーベスタは、約136℃の脱着温度および約90℃の凝縮温度において動作することができる。RH40%の等温線ステップを伴う中程度のMOFは、それぞれ、約117℃および約91℃の脱着および凝縮温度を要求する一方、RH60%の等温線ステップを伴う高湿度MOFは、それぞれ、約107℃および約92℃における脱着および凝縮温度を要求する。
【0046】
表1は、高温熱ポンプ(2)の利用が、高温熱ポンプが高温側熱交換器(21)に関して約90℃~約160℃において動作し、低温側熱交換器(23)に関して約40℃~約95℃において動作することを前提として、ハーベスタ水(7)の1リットルあたりの最低エネルギー消費を達成するために要求され得ることを示す。
【0047】
前述から容易に理解されることができるように、本発明の基本的概念は、様々な方法で具現化されてもよい。本発明は、水採取システム(1)および最良モードを含むそのような水採取システムを作製および使用するための方法の多数かつ様々な実施形態を伴う。
【0048】
したがって、説明によって開示される、または本願に付随する図または表に示される、本発明の特定の実施形態または要素は、限定であることを意図しておらず、むしろ、本発明によって一般的に包含される多数かつ様々な実施形態またはその任意の特定の要素に関して包含される均等物の例示であることを意図している。加えて、本発明の単一の実施形態または要素の具体的説明は、可能性として考えられる全ての実施形態または要素を明示的に説明しない場合があり、多くの代替が、説明および図によって暗示的に開示される。
【0049】
装置の各要素または方法の各ステップが、装置用語または方法用語によって説明され得ることを理解されたい。そのような用語は、所望される場合、本発明が享受する暗示的に広範な範囲を明示的にするために代用されることができる。一実施例としてであるが、方法の全てのステップが、ある作用、その作用を行うための手段、またはその作用を引き起こす要素として開示され得ることを理解されたい。同様に、装置の各要素は、物理的要素またはその物理的要素が促進する作用として開示され得る。一実施例としてであるが、「水ハーベスタ」の開示は、明示的に議論されるかどうかにかかわらず、「水採取」の行為の開示を包含するように理解されるべきであり、逆に、「水採取」の行為の開示が存在する場合、そのような開示は、「水ハーベスタ」およびさらには「水採取のための手段」の開示を包含するように理解されるべきである。各要素またはステップに関するそのような代替用語は、説明に明示的に含まれるように理解されるものである。
【0050】
加えて、使用される各用語に関して、本願におけるその利用がそのような解釈と矛盾しない限り、一般的な辞書の定義が、Random House Webster’s Unabridged Dictionary, second edition(各定義は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に収録されるような各用語に関する記述に含まれるように理解されるべきであることを理解されたい。
【0051】
本明細書の全ての数値は、明示的に示されるかどうかにかかわらず、用語「約」によって修飾されると仮定される。本発明の目的のために、範囲は、「約」1つの特定の値から「約」別の特定の値として表され得る。そのような範囲が、表されるとき、別の実施形態は、1つの特定の値から他の特定の値を含む。端点による数値範囲の列挙は、その範囲内に包含される、全ての数値を含む。1から5の数値範囲は、例えば、数値1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5等を含む。範囲のそれぞれの端点が、他の端点に関連して、および他の端点から独立しての両方において、有意であることをさらに理解されたい。値が、先行詞「約」の使用によって近似値として表されるとき、特定の値が、別の実施形態を形成することを理解されたい。用語「約」は、概して、当業者が、列挙される数値と同等である、または同一の機能もしくは結果を有すると見なすであろう数値の範囲を指す。同様に、先行詞「実質的に」は、全体的にではないが、大まかに、同一の形態、様式、または程度を意味し、特定の要素は、当業者が同一の機能または結果を有すると見なすであろう構成の範囲を有するであろう。特定の要素が、先行詞「実質的に」の使用によって近似値として表されるとき、特定の要素が、別の実施形態を形成することを理解されたい。
【0052】
また、本発明の目的のために、用語「a」または「an」実体は、別様に限定されない限り、その実体のうちの1つ以上を指す。したがって、用語「a」または「an」、「1つ以上」、および「少なくとも1つ」は、本明細書に同義的に使用されることができる。
【0053】
さらに、本発明の目的のために、用語「結合される」またはその派生語は、実施形態に応じて、間接的に結合される、結合される、直接結合される、接続される、直接接続される、または統合されることを意味し得る。
【0054】
加えて、本発明の目的のために、2つ以上のコンポーネントに言及するときの用語「統合される」は、コンポーネントが、(i)一体構成物、モノリシック構成物、または統一された全体を提供するために一体化され得る、または(ii)一体構成物、モノリシック構成物、または統一された全体として形成され得ることを意味する。換言すると、コンポーネントは、一体的に形成されることができ、単一の完全な部品またはユニットを構成するように、または単一の完全な部品またはユニットとして協働するように、および部品またはユニットの完全性を破壊することなく、容易に分解されることができないように、ともに接続されることを意味する。
【0055】
したがって、本出願人は、少なくとも、i)本明細書に開示および説明される水ハーベスタのそれぞれ、ii)開示および説明される関連する方法、iii)これらのデバイスおよび方法のそれぞれの類似する、同等の、およびさらには暗示的変形例、iv)示される、開示される、または説明される機能のそれぞれを遂行するそれらの代替実施形態、v)開示および説明されるものを遂行することが暗示的であるような、示される機能のそれぞれを遂行するそれらの代替設計および方法、vi)別個かつ独立した発明として示される、各特徴、コンポーネント、およびステップ、vii)開示される種々のシステムまたはコンポーネントによって向上される用途、viii)そのようなシステムまたはコンポーネントによって生産される、結果として生じる製品、ix)実質的に、本明細書の上記に説明され、付随の実施例のうちのいずれかを参照して説明されるような方法および装置、x)開示される前述の要素のそれぞれの種々の組み合わせおよび並べ替えを請求するように理解されるべきである。
【0056】
本特許出願の背景の節は、該当する場合、本発明が関連する事業分野の文言を提供する。本節はまた、本発明が導かれる技術状況についての情報、問題、または懸念を関連付ける際に有用である、ある米国特許、特許出願、公開、または請求される発明の主題の言い換えを組み込む、または含有し得る。本明細書に引用される、または組み込まれる任意の米国特許、特許出願、公開、文言、または他の情報が、本発明に関する従来技術として認められるように読み取られる、解釈される、またはそのように見なされることを意図していない。
【0057】
本明細書に記載される請求項は、該当する場合、本発明の本説明の一部として、参照することによって本明細書に組み込まれ、本出願人は、そのような請求項のそのような組み込まれた内容の全てまたは一部を請求項またはその任意の要素もしくはコンポーネントのうちのいずれかまたは全てを裏付ける付加的説明として使用する権利を明確に留保し、本出願人はさらに、必要に応じて、そのような請求項またはその任意の要素もしくはコンポーネントの組み込まれた内容の任意の部分または全てを説明から請求項(または逆もまた同様である)に移動させ、本願によって、またはその任意の後続出願もしくは継続、分割、もしくは一部継続出願によって、保護が求められる事項を定義する権利、または任意の国もしくは条約の特許法、規則、または規制の任意の利益、それらに準ずる料金の減額を得る権利、またはそれらに準拠する権利を明確に留保し、参照することによって組み込まれるそのような内容は、その任意の後続の継続、分割、もしくは一部継続出願またはそれについての任意の再発行もしく延長を含め、本願の係属中全体を通して存続するものとする。「~を備える」等の非制限的移行句に続く要素は、代替では、本明細書の説明部分に明示的に示されるかどうかにかかわらず、「本質的に、~から成る」または「~から成る」等の制限的移行句を用いて請求され得る。
【0058】
加えて、本明細書に記載される請求項は、該当する場合、さらに、本発明の限定された数の好ましい実施形態の割当および境界を説明することを意図し、本発明の最も広範な実施形態または請求され得る本発明の実施形態の完全な列挙として解釈されるものではない。本出願人は、上記に記載された説明に基づいて、さらなる請求項を任意の継続、分割、または一部継続出願、もしくは類似する出願の一部として展開するいずれの権利も放棄しない。
【0059】
(項目1)
大気水採取システムであって、
圧縮機と、膨張弁と、熱交換器とを含む、熱ポンプであって、上記熱交換器は、高温側と、低温側とを有する、熱ポンプと、
少なくとも1つの吸着剤モジュールを備える、吸着ユニットであって、上記少なくとも1つの吸着剤モジュールは、1つ以上の吸着剤を含有し、上記吸着ユニットは、上記熱ポンプから物理的に分離される、吸着ユニットと、
上記熱交換器の上記高温側に接続され、またはそれに近接近して位置付けられる、脱着チャンバであって、上記脱着チャンバは、平均脱着温度において動作するように構成される、脱着チャンバと、
(i)少なくとも部分的に水で飽和された吸着剤モジュールを上記吸着ユニットから上記脱着チャンバの中に移送し、(ii)上記脱着チャンバ内で少なくとも部分的に脱着された上記吸着剤モジュールを上記吸着ユニットに戻るように移送するように構成される、移送機構と、
上記熱交換器の上記低温側を包含し、またはそれに近接近して位置付けられる、凝縮チャンバであって、上記凝縮チャンバは、平均凝縮温度において動作するように構成される、凝縮チャンバと
を備え、
上記システムは、上記平均脱着温度および上記平均凝縮温度において動作し、(i)上記1つ以上の吸着剤を用いて生成される水の1リットルあたりの最低エネルギーを達成し、(ii)標的脱着率を持続するために脱着温度を十分に高く維持するように構成される、大気水採取システム。
(項目2)
(i)上記熱交換器の高温側から上記脱着チャンバ内に配置される上記吸着剤モジュールに熱を移送し、(ii)脱着を駆動し、上記脱着チャンバ内の水蒸気のより高い濃度をもたらすために、上記脱着チャンバと関連付けられる少なくとも1つの再循環ファンをさらに備える、項目1に記載のシステム。
(項目3)
(i)上記脱着チャンバから上記凝縮チャンバに高温蒸気を移送し、(ii)上記凝縮チャンバ内に残留する水分を上記脱着チャンバの中に戻るように再循環させるために、上記脱着チャンバと関連付けられる少なくとも1つの脱着-凝縮器再循環ファンをさらに備える、項目1または2のいずれか1項に記載のシステム。
(項目4)
上記移送機構は、回転カルーセルまたはロボットアームを備える、項目1または2のいずれか1項に記載のシステム。
(項目5)
上記熱ポンプシステムはさらに、二次高温側熱交換器を備える、項目1または2のいずれか1項に記載のシステム。
(項目6)
上記熱ポンプシステムはさらに、1つ以上の制御コンポーネントを備える、項目1または2のいずれか1項に記載のシステム。
(項目7)
上記システムはさらに、水収集槽を備える、項目1または2のいずれか1項に記載のシステム。
(項目8)
吸着剤モジュールのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの金属-有機骨格を含有する、項目1または2のいずれか1項に記載のシステム。
(項目9)
上記少なくとも1つの金属-有機骨格は、約25℃において約20%の相対湿度の等温線ステップを有する、項目8に記載のシステム。
(項目10)
上記システムは、約130℃~約140℃の脱着温度および約85℃~約95℃の凝縮温度において動作するように構成される、項目9に記載のシステム。
(項目11)
上記少なくとも1つの金属-有機骨格は、約25℃において約40%の相対湿度の等温線ステップを有する、項目8に記載のシステム。
(項目12)
上記システムは、約115℃~約125℃の脱着温度および約85℃~約95℃の凝縮温度において動作するように構成される、項目11に記載のシステム。
(項目13)
上記少なくとも1つの金属-有機骨格は、約25℃において約60%の相対湿度の等温線ステップを有する、項目7に記載のシステム。
(項目14)
上記システムは、約100℃~約110℃の脱着温度および約85℃~約95℃の凝縮温度において動作するように構成される、項目13に記載のシステム。
(項目15)
温水から顕熱を回収し、周辺空気を冷却するように構成される、水収集槽に接続され、またはそれに近接して位置付けられる、吸着チラーをさらに備える、項目1または2のいずれか1項に記載のシステム。
(項目16)
大気水採取システムを作製する方法であって、
圧縮機と、膨張弁と、熱交換器とを含む、熱ポンプを提供することであって、上記熱交換器は、高温側と、低温側とを有する、ことと、
上記熱ポンプシステムとは物理的に別個の吸着ユニットを配置することであって、上記吸着ユニットは、少なくとも1つの吸着剤モジュールを含み、上記少なくとも1つの吸着剤モジュールは、1つ以上の吸着剤を含有する、ことと、
脱着チャンバを上記熱交換器の上記高温側に接続し、またはそれに近接近して位置付けることであって、上記脱着チャンバは、平均脱着温度において動作するように構成される、ことと、
(i)少なくとも部分的に水で飽和された吸着剤モジュールを上記吸着ユニットから上記脱着チャンバの中に移送し、(ii)上記脱着チャンバ内で少なくとも部分的に脱着された上記吸着剤モジュールを上記吸着ユニットに戻るように移送するように移送機構を構成することと、
凝縮チャンバを上記熱交換器の低温側に包含し、またはそれに近接近して位置付けることであって、上記凝縮チャンバは、平均凝縮温度において動作するように構成される、ことと
を含み、
上記システムは、上記システムに関する上記平均脱着温度および上記平均凝縮温度において動作し、(i)上記1つ以上の吸着剤を用いて生成される水の1リットルあたりの最低エネルギーを達成し、(ii)標的脱着率を持続するために脱着温度を十分に高く維持するように構成される、方法。
(項目17)
(i)上記熱交換器の高温側から上記脱着チャンバ内に存在する上記吸着剤モジュールに熱を移送し、(ii)脱着を駆動し、上記脱着チャンバ内の水蒸気のより高い濃度をもたらすように、上記脱着チャンバと関連付けられる少なくとも1つの再循環ファンを構成することをさらに含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
さらに、(i)上記脱着チャンバから上記凝縮チャンバに高温蒸気をもたらし、(ii)上記凝縮チャンバ内の残りの水分を上記脱着チャンバの中に戻るように再循環させるように、上記脱着チャンバと関連付けられる少なくとも1つの脱着-凝縮器再循環ファンを構成することをさらに含む、項目16または17のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
回転カルーセルまたはロボットアームとして上記移送機構を構成することをさらに含む、項目16または17のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
上記熱ポンプ内に二次高温側熱交換器を提供することをさらに含む、項目16または17のいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
1つ以上の制御コンポーネントを上記熱ポンプシステムに接続することをさらに含む、項目16または17のいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
水収集槽を上記収集チャンバに結合する結合することをさらに含む、項目16または17のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
上記吸着剤モジュールのうちの少なくとも1つの中に少なくとも1つの金属-有機骨格を含有することをさらに含む、項目16または17のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
上記少なくとも1つの金属-有機骨格は、約25℃において約20%の相対湿度の等温線ステップを有する、項目23に記載の方法。
(項目25)
約130℃~約140℃の脱着温度および約85℃~約95℃の凝縮温度において動作するように上記システムを構成することをさらに含む、項目24に記載の方法。
(項目26)
上記少なくとも1つの金属-有機骨格は、約25℃において約40%の相対湿度の等温線ステップを有する、項目23に記載の方法。
(項目27)
約115℃~約125℃の脱着温度および約85℃~約95℃の凝縮温度において動作するように上記システムを構成することをさらに含む、項目26に記載の方法。
(項目28)
上記少なくとも1つの金属-有機骨格は、約25℃において約60%の相対湿度の等温線ステップを有する、項目22に記載の方法。
(項目29)
約100℃~約110℃の脱着温度および約85℃~約95℃の凝縮温度において動作するように上記システムを構成する、項目28に記載の方法。
(項目30)
水収集槽に吸着チラーを接続し、またはそれに近接して上記吸着チラーを位置付けることをさらに含み、上記吸着チラーは、温水から顕熱を回収し、周辺空気を冷却するように構成される、項目16または17のいずれか1項に記載の方法。
(項目31)
大気水採取システムを使用して周辺空気から水を採取する方法であって、
吸着ユニット内に位置付けられる少なくとも1つの吸着剤モジュールの中に周辺空気を引き込むことであって、上記少なくとも1つの吸着剤モジュールは、上記周辺空気から水を吸着する、ことと、
いったん上記少なくとも1つの吸着剤モジュールが、標的レベルの水および/または吸着率まで飽和されると、上記移送機構を使用して、上記少なくとも1つの吸着剤モジュールを上記吸着ユニットから上記脱着チャンバに移送することと、
上記脱着チャンバ内に位置付けられる上記少なくとも1つの吸着剤モジュールを通して上記熱ポンプの上記高温側を横断して空気/水混合物を移動させ、水脱着を促進することと、
いったん上記脱着チャンバが、標的水濃度を達成すると、高温水蒸気を上記脱着チャンバから上記熱ポンプの上記低温側に移送することと、
随意に、上記脱着チャンバ内の上記少なくとも1つの吸着剤モジュールの吸着水が枯渇するまで、上記方法を繰り返すことと
を含む、方法。
(項目32)
上記移送機構を使用して、脱着後の上記脱着チャンバ内の上記少なくとも1つの吸着剤モジュールを上記吸着ユニットに移送することをさらに含む、項目31に記載の方法。
(項目33)
(i)上記1つ以上の吸着剤を用いて生成される水の1リットルあたりの最低エネルギーを達成し、(ii)標的脱着率を持続するために脱着温度を十分に高く維持するために、上記システムに関する平均脱着温度および平均凝縮温度において上記方法を実施することをさらに含む、項目32に記載の方法。
(項目34)
上記熱ポンプの上記低温側にわたって高温水蒸気を移動させ、上記高温水蒸気から水を凝縮させることをさらに含む、項目33に記載の方法。
(項目35)
上記高温水蒸気から凝縮された上記水を収集することをさらに含む、項目34に記載の方法。
(項目36)
大気水採取システムであって、
高温側と、低温側とを有する、熱ポンプと、
1つ以上の吸着剤を含有する、少なくとも1つの吸着剤モジュールを備える、吸着ユニットであって、上記吸着ユニットは、上記熱ポンプから物理的に分離される、吸着ユニットと、
上記熱交換器の上記高温側に接続され、またはそれに近接近して位置付けられる、脱着チャンバと、
上記熱交換器の上記低温側を包含し、またはそれに近接近して位置付けられる、凝縮チャンバと、
(i)少なくとも部分的に水で飽和された吸着剤モジュールを上記吸着ユニットから上記脱着チャンバの中に移送し、(ii)上記脱着チャンバ内で少なくとも部分的に脱着された上記吸着剤モジュールを上記吸着ユニットに戻るように移送するように構成される、移送機構と
を備える、大気水採取システム。
(項目37)
上記熱交換器の上記高温側に接続され、またはそれに近接近して位置付けられる、上記脱着チャンバは、上記熱ポンプの上記高温側から上記脱着チャンバ内に配置される上記吸着剤モジュールに熱を移送し、上記1つ以上の吸着剤から水蒸気を脱着させる、項目36に記載のシステム。
(項目38)
上記熱交換器の上記低温側を包含し、またはそれに近接近して位置付けられる、上記凝縮チャンバは、上記1つ以上の吸着剤からの上記脱着水蒸気から水を凝縮させる、項目37に記載のシステム。
(項目39)
上記脱着チャンバは、平均脱着温度において動作するように構成される、項目37に記載のシステム。
(項目40)
上記凝縮チャンバは、平均凝縮温度において動作するように構成される、項目39に記載のシステム。
(項目41)
上記平均脱着温度は、上記1つ以上の吸着剤からの水蒸気の標的脱着率を持続するために脱着温度を十分に高く維持する、項目39または40のいずれか1項に記載のシステム。
(項目42)
上記システムは、上記平均脱着温度および上記平均凝縮温度において動作し、(i)上記1つ以上の吸着剤を用いて生成される水の1リットルあたりの最低エネルギーを達成するように構成される、項目41に記載のシステム。
(項目43)
上記システムは、上記平均脱着温度および上記平均凝縮温度において動作し、(i)上記1つ以上の吸着剤を用いて生成される水の1リットルあたりの最低エネルギーを達成し、(ii)標的脱着率を持続するために脱着温度を十分に高く維持するように構成される、項目41に記載のシステム。
(項目44)
上記1つ以上の吸着剤からの水蒸気の脱着を駆動し、上記脱着チャンバ内の水蒸気のより高い濃度をもたらすために、上記脱着チャンバと関連付けられる少なくとも1つの再循環ファンをさらに備える、項目38に記載のシステム。
(項目45)
(i)上記脱着チャンバから上記凝縮チャンバに高温蒸気を移送し、(ii)上記凝縮チャンバ内に残留する水分を上記脱着チャンバの中に戻るように再循環させるために、上記脱着チャンバと関連付けられる少なくとも1つの脱着-凝縮器再循環ファンをさらに備える、項目44に記載のシステム。
(項目46)
吸着剤モジュールのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの金属-有機骨格を含有する、項目36に記載のシステム。
(項目47)
上記少なくとも1つの金属-有機骨格は、約25℃において約20%の相対湿度の等温線ステップを有する、項目46に記載のシステム。
(項目48)
上記システムは、約130℃~約140℃の脱着温度および約85℃~約95℃の凝縮温度において動作するように構成される、項目47に記載のシステム。
(項目49)
上記少なくとも1つの金属-有機骨格は、約25℃において約40%の相対湿度の等温線ステップを有する、項目46に記載のシステム。
(項目50)
上記システムは、約115℃~約125℃の脱着温度および約85℃~約95℃の凝縮温度において動作するように構成される、項目49に記載のシステム。
(項目51)
上記少なくとも1つの金属-有機骨格は、約25℃において約60%の相対湿度の等温線ステップを有する、項目46に記載のシステム。
(項目52)
上記システムは、約100℃~約110℃の脱着温度および約85℃~約95℃の凝縮温度において動作するように構成される、項目51に記載のシステム。
(項目53)
上記移送機構は、回転カルーセルまたはロボットアームを備える、項目36に記載のシステム。
(項目54)
上記システムはさらに、上記凝縮チャンバに近接して配置される、水収集槽を備える、項目36に記載のシステム。
(項目55)
上記脱着チャンバの外側に位置する、1つ以上の周囲空気センサまたは1つ以上の周囲空気湿度センサに結合される、コンピュータをさらに備え、上記コンピュータは、上記システムを囲繞する上記環境の周囲空気温度または周囲空気湿度、およびそれらの組み合わせを測定するように構成される、項目36に記載のシステム。
(項目56)
上記コンピュータはさらに、上記脱着チャンバの内側に位置する、1つ以上の温度センサ、または1つ以上の湿度センサ、または1つ以上の空気流センサに結合され、上記コンピュータは、上記脱着チャンバの内側の空気温度、または空気湿度、または空気流、もしくはそれらの組み合わせを測定するように構成される、項目55に記載のシステム。
(項目57)
上記コンピュータはさらに、上記凝縮チャンバの内側に位置する、1つ以上の温度センサ、または1つ以上の湿度センサ、または1つ以上の空気流センサに結合され、上記コンピュータは、上記凝縮チャンバの内側の空気温度、または空気湿度、または空気流、もしくはそれらの組み合わせを測定するように構成される、項目56に記載のシステム。
(項目58)
上記コンピュータはさらに、
i)上記脱着チャンバおよび上記凝縮チャンバの内側の上記空気温度および上記空気湿度のうちの1つ以上の測定値と、
ii)上記周囲空気温度および上記周囲空気湿度のうちの1つ以上の測定値と
に基づいて、上記システムの動作パラメータを調節するために実行可能な水採取アルゴリズムを含有する、項目57に記載のシステム。
【国際調査報告】