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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】ドアロック装置及び洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 37/10 20060101AFI20240405BHJP
   D06F 39/14 20060101ALI20240405BHJP
   D06F 37/18 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
D06F37/10
D06F39/14
D06F37/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023565868
(86)(22)【出願日】2022-04-18
(85)【翻訳文提出日】2023-11-07
(86)【国際出願番号】 CN2022087348
(87)【国際公開番号】W WO2022228173
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202110461240.1
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110461313.7
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514114622
【氏名又は名称】青島海爾滾筒洗衣机有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】520148792
【氏名又は名称】海爾智家股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HAIER SMART HOME CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1 Haier Road, Laoshan District Qingdao, Shandong 266101 China
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】趙志強
(72)【発明者】
【氏名】許升
【テーマコード(参考)】
3B165
【Fターム(参考)】
3B165AA01
3B165BA02
3B165CA12
3B165CA15
3B165CB01
3B165CB31
3B165CB32
3B165JM02
(57)【要約】
ドアロック装置及び洗濯機において、ドアロック装置はロックフック機構(3)を含む。ロックフック機構(3)は、ロックフック軸(34)が内部に設けられるロックブラケット(33)と、ロックフック軸(34)周りに同期して回動し、ドアロックを開放又はロックするロックフック部材(31)及び位置規制部材(32)、を含む。ロックブラケット(33)の側壁には、位置規制部材(32)に対応して、ロックフック部材(31)の反転を規制する位置規制連携部(33111)が設けられている。また、ロックフック部材(31)と位置規制部材(32)の間は、方向転換伝動部材(37)を通じて伝動及び連携する。方向転換伝動部材(37)は、ロックフック軸(34)の周方向に沿うロックフック部材(31)の反転変位を、位置規制連携部(33111)に近接する方向へ位置規制部材(32)を移動させる軸方向の変位に変換することが可能である。これにより、位置規制部材(32)を位置規制連携部(33111)に対し係接及び位置規制して、ロックフック部材(31)の反転を規制する。内槽と内槽ドアの間に当該ドアロック装置を取り付けることで、洗濯機が洗浄又は脱水プログラムを行う過程で、内槽の高速回転によりロックフック部材が遠心力の作用で反転し、内槽ドアを開放する結果、深刻な危険事故を誘発するとの事態を有効に回避可能となる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロックフック機構を含むドアロック装置において、
前記ロックフック機構は、
ロックフック軸が内部に設けられるロックブラケットと、
前記ロックフック軸周りに同期して回動し、ドアロックを開放又はロックするロックフック部材及び位置規制部材、を含み、
前記ロックブラケットの側壁には、前記位置規制部材に対応して、ロックフック部材の反転を規制する位置規制連携部が設けられており、前記ロックフック部材と位置規制部材の間は、方向転換伝動部材を通じて伝動及び連携し、
前記方向転換伝動部材は、ロックフック軸の周方向に沿うロックフック部材の反転変位を、前記位置規制連携部に近接する方向へ前記位置規制部材を移動させる軸方向の変位に変換することが可能であり、これにより、前記位置規制部材を前記位置規制連携部に対し係接及び位置規制して、前記ロックフック部材の反転を規制することを特徴とするドアロック装置。
【請求項2】
前記方向転換伝動部材は、
前記ロックフック部材に設けられ、駆動面を有する第1伝動部材と、
第1伝動部材に対応して前記位置規制部材に設けられ、前記駆動面に当接して連携する伝動面を有する第2伝動部材、を含み、
前記駆動面及び/又は前記伝動面には、ロックフック軸の軸方向において高さの変化を有する突出押付部が設けられており、前記ロックフック部材に反転が生じた場合には、前記突出押付部が前記駆動面又は伝動面に押し付けられて連携し、前記位置規制部材をロックフック軸の軸方向に沿って外側へ移動させることを特徴とする請求項1に記載のドアロック装置。
【請求項3】
前記ロックフック部材はロックフック基体を含み、前記方向転換伝動部材は、前記ロックフック基体に固設される第1伝動スリーブを含み、
前記位置規制部材は位置規制基体を含み、前記方向転換伝動部材は、更に、前記位置規制基体に対応して固設される第2伝動スリーブを含み、
前記第1伝動スリーブは、少なくとも一部の端面が傾斜して設けられることで駆動斜面を形成しており、前記第2伝動スリーブの連携端面には、前記駆動斜面に当接して連携する伝動斜面が形成されており、
前記駆動斜面と伝動斜面が連携することで、ロックフック部材の周方向における反転変位を前記位置規制連携部に近接する方向へ前記位置規制部材を移動させる軸方向の変位に変換するくさび機構が形成されることを特徴とする請求項1に記載のドアロック装置。
【請求項4】
前記ロックフック基体及び前記位置規制基体にはロックフック軸孔がそれぞれ開設されており、前記第1伝動スリーブ及び第2伝動スリーブは、前記ロックフック軸孔の外周に沿って設けられるとともに、前記ロックフック軸にそれぞれ覆設され、
好ましくは、前記第1伝動スリーブと前記ロックフック基体は一体的に設けられ、前記第2伝動スリーブと前記位置規制基体は一体的に設けられることを特徴とする請求項3に記載のドアロック装置。
【請求項5】
前記ロックブラケットは、ボトムプレートと、ボトムプレートの両側に対向して設けられる第1支持プレート及び第2支持プレートを含み、
前記位置規制部材は第1支持プレートに近接する側に設けられ、これに対応して、前記位置規制連携部は前記第1支持プレートに設けられ、前記位置規制連携部は、前記位置規制部材の上向きの回動を規制する位置規制当止壁を有し、
好ましくは、前記位置規制連携部は、前記位置規制部材に対応して前記第1支持プレートに設けられる位置規制ボス又は位置規制係接溝であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のドアロック装置。
【請求項6】
前記第1支持プレートと前記位置規制部材の間には位置保持機構が設けられており、前記位置保持機構は、前記ロックフック部材に近接する押力を位置規制部材に付与することで、前記位置規制部材とロックフック部材をしっかりと当接及び連携した状態にし、
好ましくは、前記位置保持機構は、第1支持プレートと位置規制部材の間に圧縮して設けられる第1バネであり、前記第1バネは前記ロックフック軸に覆設され、
より好ましくは、前記第1支持プレートには、前記第1バネを位置規制及び取り付けるための取付凹溝が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のドアロック装置。
【請求項7】
前記ロックフック部材と前記第2支持プレートの間にはロックフックねじりバネが設けられており、前記位置規制部材とボトムプレートの間には弾性支持部材が設けられており、
好ましくは、前記ロックフックねじりバネは前記ロックフック軸に設けられており、前記弾性支持部材は、位置規制部材とボトムプレートの間に接続される第2バネであることを特徴とする請求項5に記載のドアロック装置。
【請求項8】
前記ロックフック基体は、所定の夾角をなして接続される第1基体と第2基体を含み、前記第1基体の端部にはロックフック部が設けられており、前記ロックフック部は密度の大きな金属材料からなり、第2基体の端部にはロックフック押圧プレートが設けられており、
前記位置規制基体におけるロックフック押圧プレートに近接する側の端部には位置規制押圧プレートが設けられており、更に、自動ロック解除機構を含み、前記自動ロック解除機構は動力部材及び伝動部材を含み、前記伝動部材は、動力部材の作用によって、前記ロックフック押圧プレート及び位置規制押圧プレートを同期して押下し、ロックフック部の反転を実現することで、ドアロックを開放することを特徴とする請求項3又は4に記載のドアロック装置。
【請求項9】
更に、ロックフック機構と連携してドアロック装置の開放又はロックを実現するデッドボルト機構を含み、前記デッドボルト機構は、対向して設けられる2つのデッドボルトと、2つのデッドボルトの間に設けられるデッドボルト軸を含み、
更に、取っ手を含み、前記取っ手は取っ手軸を有し、前記取っ手軸にはデッドボルトねじりバネが設けられており、前記デッドボルト及び取っ手は、それぞれ回動可能に取っ手軸に取り付けられ、前記取っ手がデッドボルトと連携してデッドボルト軸を回動させて、ロックフック機構と連携させることでドアロックをロック又は開放することを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のドアロック装置。
【請求項10】
内槽と、内槽の槽口に開閉可能に設けられる内槽ドアを含む洗濯機において、
前記内槽と内槽ドアの間には、請求項1~9のいずれか1項に記載のドアロック装置が設けられており、
好ましくは、前記ロックフック機構は内槽に設けられ、これに対応して、デッドボルト機構は内槽ドアに設けられることを特徴とする洗濯機。
【請求項11】
ロックフック機構を含むドアロック装置において、
前記ロックフック機構は、
ロックブラケットと、
ロックブラケット内に回動可能に設けられてドアロックを開放又はロックするロックフック部材と、
中央部が回動可能に前記ロックブラケットに設けられており、一端が前記ロックフック部材に位置規制されて連携するとともに、他端に被検出端子が設けられている位置検出ブラケット、を含むことを特徴とするドアロック装置。
【請求項12】
前記ロックフック部材の端部にはロックフック部が設けられており、前記ロックフック部は、ロック位置と開放位置の間で移動することで、ドアロックを開放又はロックし、
前記位置検出ブラケットは、一端が前記ロックフック部に固定的に接続されるか、前記ロックフック部に位置規制及び接続され、他端に前記被検出端子が設けられており、
前記ロックフック部がロック位置に存在する場合、これに対応して、前記被検出端子は第1位置に存在し、前記ロックフック部が開放位置に存在する場合、これに対応して、前記被検出端子は第2位置に存在し、
好ましくは、前記位置検出ブラケットと前記ロックフック部の間は動作可能に接続されることを特徴とする請求項11に記載のドアロック装置。
【請求項13】
前記位置検出ブラケットは、ブラケット回動軸を介して回動可能にロックブラケットに設けられる回動支柱であり、
前記回動支柱は、前記ロックフック部材と連携する動力端と、被検出端子が設けられた抵抗端を有し、ブラケット回動軸から前記回動支柱の抵抗端までの長さは、ブラケット回動軸から回動支柱の動力端までの長さよりも大きいことを特徴とする請求項11又は12に記載のドアロック装置。
【請求項14】
前記ロックブラケットは、対向して設けられる第1支持プレート及び第2支持プレートを含み、
前記第1支持プレートと第2支持プレートの間にはロックフック軸が設けられており、前記ロックフック部材は、回動可能にロックフック軸に設けられ、前記位置検出ブラケットは、回動可能に第1支持プレート又は第2支持プレートに設けられ、
好ましくは、前記ロックフック部材は、ロックフック軸における第2支持プレートに近接する側に設けられ、前記位置検出ブラケットは第1支持プレートに設けられることを特徴とする請求項11~13のいずれか1項に記載のドアロック装置。
【請求項15】
前記ロックフック部材は、所定の夾角をなして接続される第1基体と第2基体を含み、前記ロックフック部は第1基体の上端部に設けられ、前記第2基体の下端部にはロックフック押圧プレートが設けられており、
前記位置検出ブラケットは第1支持プレートの上方位置に設けられ、
好ましくは、前記第1支持プレートには、前記位置検出ブラケットを退避させるよう取り付けるための退避凹溝が設けられており、前記位置検出ブラケットは、ブラケット回動軸を介して回動可能に前記退避凹溝内に設けられることを特徴とする請求項14に記載のドアロック装置。
【請求項16】
前記ロックブラケットは、更に、前記第1支持プレート及び第2支持プレートの両側に接続される支持ベースを含み、
前記支持ベースのうち前記第1支持プレートに近接する側には収容凹溝が設けられており、前記位置検出ブラケットは、一端が前記ロックフック部材に接続され、他端が前記収容凹溝内に伸入することを特徴とする請求項15に記載のドアロック装置。
【請求項17】
更に、ロックフック機構と連携してドアロック装置の開放又はロックを実現するデッドボルト機構を含み、前記デッドボルト機構は、対向して設けられる2つのデッドボルトと、2つのデッドボルトの間に設けられるデッドボルト軸を含み、
更に、取っ手を含み、前記取っ手は取っ手軸を有し、前記取っ手軸にはデッドボルトねじりバネが設けられており、前記デッドボルト及び取っ手は、それぞれ回動可能に取っ手軸に取り付けられ、前記取っ手がデッドボルトと連携してデッドボルト軸を回動させて、ロックフック機構と連携させることでドアロックをロック又は開放することを特徴とする請求項11~16のいずれか1項に記載のドアロック装置。
【請求項18】
内槽と、内槽の槽口に開閉可能に設けられる内槽ドアを含み、前記内槽と内槽ドアの間には、請求項11~19のいずれか1項に記載のドアロック装置が設けられており、
更に、位置センサを含み、位置センサにより被検出端子の位置を検出することで、ロックフック機構が所定の位置にロックされたか否かを判断することを特徴とする洗濯機。
【請求項19】
前記ロックフック機構は内槽に設けられ、デッドボルト機構は内槽ドアに設けられ、
前記洗濯機は、更に、内槽の外部に同軸に設けられる外槽を含み、前記位置センサは、前記被検出端子に対応して外槽に設けられ、
或いは、前記洗濯機はハウジングを更に含み、前記位置センサは、前記被検出端子に対応してハウジングに設けられ、
好ましくは、前記位置センサはホールセンサ又はリードスイッチであることを特徴とする請求項18に記載の洗濯機。
【請求項20】
請求項18又は19に記載の洗濯機を有する制御方法において、
衣類処理プログラムの実行を開始する前、又は、衣類処理プログラムを実行している最中に、位置センサが起動して被検出端子の位置情報を検出し、制御ユニットにフィードバックするよう制御し、
制御ユニットは、位置センサからフィードバックされた被検出端子の位置情報に基づいて、ドアロック装置がロック状態であるか否かを推定し、ロック状態の場合にはドアロック装置にロック状態を維持させるよう制御し、ロック状態でない場合には、衣類処理プログラムの実行を一時的に停止してユーザに提示するよう制御することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衣類処理機の技術分野に属し、具体的には、ドアロック装置及び洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機は、人々の日常生活において最も広く使用されている家庭用電気製品であり、洗濯の煩わしさから人々を解放し、多大な利便性をもたらしている。特に、孔無し内槽を有するドラム洗濯機は、孔無し内槽の槽口に開放/閉止可能な内槽ドアを取り付けることで、洗浄水を独立して収容可能な内部空間を形成している。こうすることで、洗浄及びすすぎ過程において、洗浄水は内槽内に収容されて、内槽と外槽の間は無水となる。これにより、内槽と外槽の間の汚れの問題が解決されるだけでなく、洗浄用水量の節約にもなるため、消費者から好まれている。
【0003】
孔無し内槽を有するドラム洗濯機の構造的特性から明らかなように、洗浄及びすすぎ過程では、内槽ドアの密封性を維持することが、洗浄水を独立して収容可能な内槽の内部空間を形成するポイントとなる。よって、内槽と内槽ドアの間にはドアロック装置が設けられる。しかし、内槽が高速回転する脱水過程では、ドアロックが遠心力の作用を受けて開放されることで、深刻な危険事故を誘発しやすい。
【0004】
例えば、特許文献1は、洗浄水を独立して収容する洗浄室を有する内槽と、開閉可能に前記内槽の槽口に取り付けられる内槽ドアと、ロックブラケットアセンブリ及びデッドボルトアセンブリを含む内槽ドアロック、を含む洗濯機を提供している。前記ロックブラケットアセンブリは内槽の槽口壁に固定され、前記デッドボルトアセンブリは内槽ドアに固定される。前記デッドボルトアセンブリは、ロックブラケットアセンブリにロックされて連携することで内槽ドアをロックする。前記ロックブラケットアセンブリは、ベース体、ロックフック、ロックブラケットライナー及びロックブラケット接続部材を含む。ロックフックはベース体に設けられる。
【0005】
上記出願に開示されている内槽ドアロックは、ロックフックが回動可能にロックブラケット内に設けられており、且つ、ロックフックが一定の重量を有している。よって、内槽が高速回転している状態で、ロックフックは遠心力の作用により内槽の中心から遠ざかる径方向に反転し、内槽ドアを開放することで深刻な危険事故を誘発し得る。
【0006】
上記に鑑みて、本発明を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】中国特許出願公開第201910767613.0号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消するために、洗濯機の内槽と内槽ドアの間に取り付けられるドアロック装置を提供することである。本発明が提供するドアロック装置は、洗濯機が洗浄又は脱水プログラムを行う過程で、内槽の高速回転によりロックフック部材が遠心力の作用で反転し、内槽ドアを開放することで深刻な危険事故を誘発するとの事態を設置されている位置規制部材及び方向転換伝動部材により有効に回避可能とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0010】
ドアロック装置は、ロックフック機構を含む。前記ロックフック機構は、ロックフック軸が内部に設けられるロックブラケットと、前記ロックフック軸周りに同期して回動し、ドアロックを開放又はロックするロックフック部材及び位置規制部材、を含む。前記ロックブラケットの側壁には、前記位置規制部材に対応して、ロックフック部材の反転を規制する位置規制連携部が設けられている。前記ロックフック部材と位置規制部材の間は、方向転換伝動部材を通じて伝動及び連携する。前記方向転換伝動部材は、ロックフック軸の周方向に沿うロックフック部材の反転変位を、前記位置規制連携部に近接する方向へ前記位置規制部材を移動させる軸方向の変位に変換することが可能である。これにより、前記位置規制部材を前記位置規制連携部に対し係接及び位置規制して、前記ロックフック部材の反転を規制する。
【0011】
更に、前記方向転換伝動部材は、前記ロックフック部材に設けられ、駆動面を有する第1伝動部材と、第1伝動部材に対応して前記位置規制部材に設けられ、前記駆動面に当接して連携する伝動面を有する第2伝動部材、を含む。前記駆動面及び/又は前記伝動面には、ロックフック軸の軸方向において高さの変化を有する突出押付部が設けられている。前記ロックフック部材に反転が生じた場合には、前記突出押付部が前記駆動面又は伝動面に押し付けられて連携し、前記位置規制部材をロックフック軸の軸方向に沿って外側へ移動させる。
【0012】
更に、前記ロックフック部材はロックフック基体を含み、前記方向転換伝動部材は、前記ロックフック基体に固設される第1伝動スリーブを含む。前記位置規制部材は位置規制基体を含み、前記方向転換伝動部材は、更に、前記位置規制基体に対応して固設される第2伝動スリーブを含む。前記第1伝動スリーブは、少なくとも一部の端面が傾斜して設けられることで駆動斜面を形成しており、前記第2伝動スリーブの連携端面には、前記駆動斜面に当接して連携する伝動斜面が形成されている。前記駆動斜面と伝動斜面が連携することで、ロックフック部材の周方向における反転変位を前記位置規制連携部に近接する方向へ前記位置規制部材を移動させる軸方向の変位に変換するくさび機構が形成される。
【0013】
更に、前記ロックフック基体及び前記位置規制基体にはロックフック軸孔がそれぞれ開設されている。前記第1伝動スリーブ及び第2伝動スリーブは、前記ロックフック軸孔の外周に沿って設けられるとともに、前記ロックフック軸にそれぞれ覆設される。好ましくは、前記第1伝動スリーブと前記ロックフック基体は一体的に設けられ、前記第2伝動スリーブと前記位置規制基体は一体的に設けられる。
【0014】
更に、前記ロックブラケットは、ボトムプレートと、ボトムプレートの両側に対向して設けられる第1支持プレート及び第2支持プレートを含む。前記位置規制部材は第1支持プレートに近接する側に設けられ、これに対応して、前記位置規制連携部は前記第1支持プレートに設けられる。前記位置規制連携部は、前記位置規制部材の上向きの回動を規制する位置規制当止壁を有する。好ましくは、前記位置規制連携部は、前記位置規制部材に対応して前記第1支持プレートに設けられる位置規制ボス又は位置規制係接溝である。
【0015】
更に、前記第1支持プレートと前記位置規制部材の間には位置保持機構が設けられている。前記位置保持機構は、前記ロックフック部材に近接する押力を位置規制部材に付与することで、前記位置規制部材とロックフック部材をしっかりと当接及び連携した状態にする。好ましくは、前記位置保持機構は、第1支持プレートと位置規制部材の間に圧縮して設けられる第1バネである。前記第1バネは前記ロックフック軸に覆設される。より好ましくは、前記第1支持プレートには、前記第1バネを位置規制及び取り付けるための取付凹溝が設けられている。
【0016】
更に、前記ロックフック部材と前記第2支持プレートの間にはロックフックねじりバネが設けられている。前記位置規制部材とボトムプレートの間には弾性支持部材が設けられている。好ましくは、前記ロックフックねじりバネは前記ロックフック軸に設けられている。前記弾性支持部材は、位置規制部材とボトムプレートの間に接続される第2バネである。
【0017】
更に、前記ロックフック基体は、所定の夾角をなして接続される第1基体と第2基体を含む。前記第1基体の端部にはロックフック部が設けられている。前記ロックフック部は密度の大きな金属材料からなる。第2基体の端部にはロックフック押圧プレートが設けられている。前記位置規制基体におけるロックフック押圧プレートに近接する側の端部には位置規制押圧プレートが設けられている。更に、自動ロック解除機構を含む。前記自動ロック解除機構は動力部材及び伝動部材を含む。前記伝動部材は、動力部材の作用によって、前記ロックフック押圧プレート及び位置規制押圧プレートを同期して押下し、ロックフック部の反転を実現することで、ドアロックを開放する。
【0018】
更に、ロックフック機構と連携してドアロック装置の開放又はロックを実現するデッドボルト機構も含む。前記デッドボルト機構は、対向して設けられる2つのデッドボルトと、2つのデッドボルトの間に設けられるデッドボルト軸を含む。また、取っ手を更に含む。前記取っ手は取っ手軸を有する。前記取っ手軸にはデッドボルトねじりバネが設けられている。前記デッドボルト及び取っ手は、それぞれ回動可能に取っ手軸に取り付けられる。前記取っ手がデッドボルトと連携してデッドボルト軸を回動させ、ロックフック機構と連携させることでドアロックをロック又は開放する。
【0019】
加えて、本発明の別の目的は、洗濯機を更に提供することである。前記洗濯機は、内槽と、内槽の槽口に開閉可能に設けられる内槽ドアを含む。前記内槽と内槽ドアの間には上記のドアロック装置が設けられている。好ましくは、前記ロックフック機構は内槽に設けられ、これに対応して、デッドボルト機構は内槽ドアに設けられる。
【0020】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0021】
1.本発明で提供するドアロック装置には、位置規制部材が追加されている。前記位置規制部材とロックフック部材がロックフック軸周りに同期して回動した場合にのみドアロックの開放又はロックが可能となり、前記位置規制部材と前記ロックフック部材が同期して押下された場合にのみドアロックの開放を実現し得るため、安全性及び信頼性がより高くなる。
【0022】
且つ、本発明は、更に、ロックフック部材と位置規制部材の間に方向転換伝動部材も設けている。前記方向転換伝動部材は、ロックフック軸の周方向に沿うロックフック部材の反転変位を、前記位置規制連携部に近接する方向へ前記位置規制部材を移動させる軸方向の変位に変換することが可能である。これにより、前記位置規制部材を前記位置規制連携部に対し係接及び位置規制して、前記ロックフック部材の反転を規制する。よって、ロックフック部材が異常な外力の作用を受けると反転してドアロック装置を開放するとの事態を生じ、関連の危険事故を誘発するとの課題が有効に回避される。
【0023】
2.本発明では、洗濯機の内槽と内槽ドアの間に上記のドアロック装置を取り付けることで、洗濯機が洗浄又は脱水プログラムを行う過程で、内槽の高速回転によりロックフック部材が遠心力の作用で反転し、内槽ドアを開放する結果、深刻な危険事故を誘発するとの事態を有効に回避し得るとともに、全洗濯過程における内槽の密封効果も保証する。
【0024】
3.本発明で提供するドアロック装置は、自動ロック解除機構を含む。前記自動ロック解除機構は、動力部材及び伝動部材を含む。前記伝動部材は、動力部材の作用によって、ロックフック押圧プレート及び位置規制押圧プレートを同期して押下し、ロックフック部の反転を実現することで、ドアロックを開放する。動力部材により前記伝動部材を駆動してロックフック押圧プレート及び位置規制押圧プレートを同時に押下することでドアロックの自動開放を実現し得るため、制御が容易で効率がよく、自動化度合が高くなる。
【0025】
且つ、本発明で提供するドアロック装置は、取っ手を手動で操作することでも、前記ロックフック機構からのデッドボルト機構の離脱が実現されて、前記ドアロック装置が開放される。よって、自動ロック解除機構に機能喪失等の想定外の状況が生じた場合に内槽ドアを開放できなくなるとの事態の発生を有効に回避できる。ユーザは、自動ロック解除機構によりドアロックを開放可能であるとともに、手動で操作する方式でも内槽ドアを開放可能なため、ユーザの使用体験がより良好となる。
【0026】
加えて、本発明が解決しようとする技術的課題は、従来技術の瑕疵を解消するために、更に、位置検出ブラケットが設けられているドアロック装置を提供することである。前記位置検出ブラケットは、一端が前記ロックフック部材に位置規制されて連携するとともに、他端に被検出端子が設けられている。位置検出ブラケットの作用によって、前記ロックフック部材の位置にわずかな変化が発生したときに、被検出端子の端の変位は数倍増大される。これにより、前記位置センサがロックフック部材の位置をより容易に識別可能となり、ドアロック装置が所定の位置にロックされたか否かを更に正確且つ効率よく判断可能となるため、洗濯機の運転時の安全性が確実に保証される。
【0027】
上記の技術的課題を解決するために、本発明で採用する技術方案の基本思想は以下の通りである。
【0028】
ドアロック装置は、ロックフック機構を含む。前記ロックフック機構は、ロックブラケットと、ロックブラケット内に回動可能に設けられてドアロックを開放又はロックするロックフック部材と、中央部が回動可能に前記ロックブラケットに設けられており、一端が前記ロックフック部材に位置規制されて連携するとともに、他端に被検出端子が設けられている位置検出ブラケット、を含む。
【0029】
更に、前記ロックフック部材の端部にはロックフック部が設けられている。前記ロックフック部は、ロック位置と開放位置の間で移動することで、ドアロックを開放又はロックする。前記位置検出ブラケットは、一端が前記ロックフック部に固定的に接続されるか、前記ロックフック部に位置規制及び接続され、他端に前記被検出端子が設けられている。前記ロックフック部がロック位置に存在する場合、これに対応して、前記被検出端子は第1位置に存在する。また、前記ロックフック部が開放位置に存在する場合、これに対応して、前記被検出端子は第2位置に存在する。好ましくは、前記位置検出ブラケットと前記ロックフック部の間は動作可能に接続される。
【0030】
更に、前記位置検出ブラケットは、ブラケット回動軸を介して回動可能にロックブラケットに設けられる回動支柱である。前記回動支柱は、前記ロックフック部材と連携する動力端と、被検出端子が設けられた抵抗端を有する。ブラケット回動軸から前記回動支柱の抵抗端までの長さは、ブラケット回動軸から回動支柱の動力端までの長さよりも大きい。
【0031】
更に、前記ロックブラケットは、対向して設けられる第1支持プレート及び第2支持プレートを含む。前記第1支持プレートと第2支持プレートの間にはロックフック軸が設けられている。前記ロックフック部材は、回動可能にロックフック軸に設けられる。前記位置検出ブラケットは、回動可能に第1支持プレート又は第2支持プレートに設けられる。好ましくは、前記ロックフック部材は、ロックフック軸における第2支持プレートに近接する側に設けられ、前記位置検出ブラケットは第1支持プレートに設けられる。
【0032】
更に、前記ロックフック部材は、所定の夾角をなして接続される第1基体と第2基体を含む。前記ロックフック部は第1基体の上端部に設けられ、前記第2基体の下端部にはロックフック押圧プレートが設けられている。前記位置検出ブラケットは第1支持プレートの上方位置に設けられる。好ましくは、前記第1支持プレートには、前記位置検出ブラケットを退避させるよう取り付けるための退避凹溝が設けられている。前記位置検出ブラケットは、ブラケット回動軸を介して回動可能に前記退避凹溝内に設けられる。
【0033】
更に、前記ロックブラケットは、前記第1支持プレート及び第2支持プレートの両側に接続される支持ベースも含む。前記支持ベースのうち前記第1支持プレートに近接する側には収容凹溝が設けられている。前記位置検出ブラケットは、一端が前記ロックフック部材に接続され、他端が前記収容凹溝内に伸入する。
【0034】
更に、ロックフック機構と連携してドアロック装置の開放又はロックを実現するデッドボルト機構も含む。前記デッドボルト機構は、対向して設けられる2つのデッドボルトと、2つのデッドボルトの間に設けられるデッドボルト軸を含む。
【0035】
更に、取っ手を含む。前記取っ手は取っ手軸を有する。前記取っ手軸にはデッドボルトねじりバネが設けられている。前記デッドボルト及び取っ手は、それぞれ回動可能に取っ手軸に取り付けられる。前記取っ手がデッドボルトと連携してデッドボルト軸を回動させ、ロックフック機構と連携させることでドアロックをロック又は開放する。
【0036】
加えて、本発明の別の目的は、更に、内槽と、内槽の槽口に開閉可能に設けられる内槽ドアを含む洗濯機を提供することである。前記内槽と内槽ドアの間には上記のドアロック装置が設けられている。
【0037】
また、更に、位置センサを含み、位置センサにより被検出端子の位置を検出することで、ロックフック機構が所定の位置にロックされたか否かを判断する。
【0038】
更に、前記ロックフック機構は内槽に設けられ、デッドボルト機構は内槽ドアに設けられる。前記洗濯機は、更に、内槽の外部に同軸に設けられる外槽を含む。前記位置センサは、前記被検出端子に対応して外槽に設けられる。或いは、前記洗濯機はハウジングを更に含み、前記位置センサは、前記被検出端子に対応してハウジングに設けられる。好ましくは、前記位置センサはホールセンサ又はリードスイッチである。
【0039】
本発明の別の目的は、更に、上記の洗濯機を有する制御方法を提供することである。当該制御方法では、衣類処理プログラムの実行を開始する前、又は、衣類処理プログラムを実行している最中に、位置センサが起動して被検出端子の位置情報を検出し、制御ユニットにフィードバックするよう制御する。制御ユニットは、位置センサからフィードバックされた被検出端子の位置情報に基づいて、ドアロック装置がロック状態であるか否かを推定する。そして、ロック状態の場合にはドアロック装置にロック状態を維持させるよう制御し、ロック状態でない場合には、衣類処理プログラムの実行を一時的に停止してユーザに提示するよう制御する。
【0040】
上記の技術方案を用いることで、本発明は従来技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0041】
本発明が提供するドアロック装置は、位置検出ブラケットを含む。前記位置検出ブラケットは、中央部が回動可能に前記ロックブラケットに設けられており、一端が前記ロックフック部材に位置規制されて連携するとともに、他端に被検出端子が設けられている。位置検出ブラケットの作用によって、前記ロックフック部材のロックフック部の位置にわずかな変化が発生したときに、位置検出ブラケットの被検出端子の端の変位は数倍増大される。これにより、前記位置センサがロックフック部材の位置をより容易に識別可能となり、ドアロック装置が所定の位置にロックされたか否かを更に正確且つ効率よく判断可能となるため、検出の精度が向上し、洗濯機の運転時の安全性が確実に保証される。
【0042】
以下に、図面を組み合わせて、本発明の具体的実施形態につき更に詳細に述べる。
【0043】
図面は、本発明の一部として、本発明の更なる理解のために用いられる。また、本発明の概略的実施例及びその説明は本発明の解釈のために用いられるが、本発明を不当に限定するものではない。なお、言うまでもなく、以下で記載する図面は実施例の一部にすぎず、当業者であれば、創造的労働を要さないことを前提に、これらの図面から更にその他の図面を得ることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
図1図1は、本発明の実施例における内槽、内槽ドア、ドアロック装置の部分図である。
図2図2は、本発明の実施例における取っ手を省略したあとの内槽、内槽ドア、ドアロック装置の部分図である。
図3図3は、本発明の実施例における図2のA-A方向の断面図である。
図4図4は、本発明の実施例における図3のB-B方向の断面図である。
図5図5は、本発明の実施例における取っ手を省略したあとの内槽、内槽ドア、ドアロック装置の部分斜視図である。
図6図6は、本発明の実施例におけるロックフック部材からロックブラケットを省略した概略構造図である。
図7図7は、本発明の実施例におけるロックフック機構の一角度の概略構造図である。
図8図8は、本発明の実施例におけるロックフック機構の別の角度の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
説明すべき点として、これらの図面及び文字記載は何らかの方式で本発明の構想の範囲を制限するとの意図ではなく、特定の実施例を参照して当業者に本発明の概念を説明するためのものである。
【0046】
本発明における実施例の目的、技術方案及び利点をより明瞭とすべく、以下では、本発明の実施例にかかる図面を組み合わせて、実施例の技術方案につき明瞭簡潔に述べる。なお、以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を制限するものではない。
【0047】
以下に、実施例を組み合わせて、本発明につき更に詳細に説明する。
【実施例1】
【0048】
図1図8に示すように、本実施例は、主として、従来のドアロック装置のロックフック機構3は、異常な外力の作用を受けると反転してドアロック装置を開放するとの事態を生じ、関連の危険事故を誘発する、という課題を解決するためのものである。
【0049】
図3図7を組み合わせて、本実施例は、ロックフック機構3を含むドアロック装置を提供する。前記ロックフック機構3は、ロックフック軸34が内部に設けられるロックブラケット33と、ロックフック部材31及び位置規制部材32、を含む。前記ロックフック部材31と位置規制部材32は2つの独立した部材であり、円周方向において位置規制されることで、前記ロックフック軸34周りに同期して回動し、ドアロックを開放又はロックする。前記ロックブラケット33の側壁には、前記位置規制部材32に対応して、ロックフック部材31の反転を規制する位置規制連携部3311が設けられている。また、前記ロックフック部材31と位置規制部材32の間は、方向転換伝動部材37を通じて伝動及び連携する。図6図8を組み合わせて、前記方向転換伝動部材37は、ロックフック軸34の周方向に沿うロックフック部材31の反転変位を、前記位置規制連携部3311に近接する方向へ前記位置規制部材32を移動させる軸方向の変位に変換することが可能である。これにより、前記位置規制部材32を前記位置規制連携部3311に対し係接及び位置規制して、前記ロックフック部材31の反転を規制する。
【0050】
本実施例で提供するドアロック装置には位置規制部材32が追加されている。前記位置規制部材32とロックフック部材31がロックフック軸34周りに同期して回動した場合にのみドアロックの開放又はロックが可能となり、前記位置規制部材32と前記ロックフック部材31が同期して押下された場合にのみドアロックの開放を実現し得るため、安全性及び信頼性がより高くなる。
【0051】
且つ、本実施例では、更に、ロックフック部材31と位置規制部材32の間に方向転換伝動部材37も設けている。前記ロックフック部材31が反転傾向を有したときには、前記方向転換伝動部材37が、ロックフック軸34の周方向に沿うロックフック部材31の反転変位を、前記位置規制連携部3311に近接する方向へ前記位置規制部材32を移動させる軸方向の変位に変換することが可能である。ロックフック部材31は、前記位置規制部材32を押圧して前記位置規制連携部3311に近接する方向へ移動させることで、前記位置規制部材32を前記位置規制連携部3311に対し係接及び位置規制する。これにより、前記ロックフック部材31は反転を継続できなくなるため、ロックフック部材31が異常な外力により開放されるとの事態の発生が有効に回避される。
【0052】
前記位置規制部材32と前記ロックフック部材31は、周方向において位置規制されて、周方向において同期して回動する。これにより、前記位置規制部材32が位置規制及び固定された場合には、前記ロックフック部材31も回動を継続できなくなるため、前記ロックフック部材31の反転を規制するとの目的を達成可能となる。
【0053】
更に、一実施形態において、前記方向転換伝動部材37は、前記ロックフック部材31に設けられ、駆動面を有する第1伝動部材と、第1伝動部材に対応して前記位置規制部材32に設けられ、前記駆動面に当接して連携する伝動面を有する第2伝動部材、を含む。前記駆動面及び/又は前記伝動面には、ロックフック軸34の軸方向において高さの変化を有する突出押付部が設けられている。前記ロックフック部材31に反転が生じた場合には、前記突出押付部が前記駆動面又は伝動面に押し付けられて連携し、前記位置規制部材32をロックフック軸34の軸方向に沿って外側へ移動させて、前記位置規制連携部3311内に係接及び位置規制する。
【0054】
設置する突出押付部をカム機構に類似するよう形成することで、第一に、ロックフック部材31と位置規制部材32の円周方向における位置規制を実現可能となる。第二に、前記ロックフック部材31に反転傾向が生じた場合、前記突出押付部はロックフック軸34の軸方向において一定の高さの変化を有しているため、前記位置規制部材32を軸方向に沿って外側へ移動させて、前記位置規制連携部3311内に進入及び係接させることが可能となる。
【0055】
上記の方案において、前記駆動面と前記伝動面の双方に前記突出押付部を設けてもよいし、少なくとも一方の連携面に前記突出押付部を設けてもよい。
【0056】
或いは、別の実施形態において、図5図8に示すように、前記ロックフック部材31はロックフック基体を含み、前記方向転換伝動部材37は、前記ロックフック基体に固設される第1伝動スリーブ313を含む。また、前記位置規制部材32は位置規制基体を含み、前記方向転換伝動部材37は、更に、前記位置規制基体に対応して固設される第2伝動スリーブ321を含む。前記第1伝動スリーブ313と第2伝動スリーブ321の端面は当接して連携する。
【0057】
更に、図6図8に示すように、前記第1伝動スリーブ313は、少なくとも一部の端面が傾斜して設けられることで駆動斜面3131を形成しており、前記第2伝動スリーブ321の連携端面には、前記駆動斜面3131に当接して連携する伝動斜面3211が形成されている。また、前記駆動斜面3131と伝動斜面3211が連携することで、ロックフック部材31の周方向における反転変位を前記位置規制連携部3311に近接する方向へ前記位置規制部材32を移動させる軸方向の変位に変換するくさび機構が形成される。前記駆動斜面3131と前記伝動斜面3211は、平坦な傾斜壁面であってもよいし、一定の弧度を有する傾斜壁面であってもよい。
【0058】
第1伝動スリーブ313の駆動斜面3131と第2伝動スリーブ321の伝動斜面3211が伝動及び連携することで、ロックフック部材31の反転変位を位置規制連携部3311に近接する方向へ位置規制部材32を移動させる軸方向の変位に変換可能となるだけでなく、周方向において前記位置規制部材32とロックフック部材31を位置規制することも可能となる。これにより、位置規制部材32とロックフック部材31は周方向において一定の規制力を有することになり、ロックフック軸34周りにおけるこれらの同期回動が実現される。
【0059】
具体的に、一実施形態において、前記第1伝動スリーブ313は第1半連携筒を含み、前記第2伝動スリーブ321は、第1半連携筒に適合して連携する第2半連携筒を含む。前記第1半スリーブと第2半スリーブは、周方向において接合されることで完全な筒状構造を形成する。前記第1半連携筒は、第1周方向端壁面と、第1周方向端壁面の両側に接続される第1軸方向端壁面を含む。前記第2半連携筒は、第2周方向端壁面と、第2周方向端壁面の両側に接続される第2軸方向端壁面を含む。また、前記第1軸方向端壁面と第2軸方向端壁面が当接して密着する。
【0060】
更に、前記第1軸方向端壁面は、前記ロックフック部材31側から前記位置規制部材32に近接する方向へ徐々に傾斜するよう設けられる駆動斜面3131である。第1軸方向端壁面の傾斜方向は、ロックフック部材31の反転方向と逆向きである。また、これに対応して、前記第2軸方向端壁面は、前記位置規制部材32側から前記ロックフック部材31に近接する方向へ徐々に傾斜するよう設けられる連携斜面である。第2軸方向端壁面の傾斜方向は、ロックフック部材31の反転方向と同一方向である。前記連携斜面は、前記駆動斜面3131に当接して連携する。上記のように設けることで、ロックフック部材31が反転時に前記位置規制部材32を外側へ移動させられるよう有効に保証可能となり、その結果、前記位置規制部材32を位置規制連携部3311に対し係接及び位置規制可能となる。
【0061】
更に、前記第1伝動スリーブ313及び第2伝動スリーブ321を直接的に半筒状構造として設けることで、第1半連携筒及び第2半連携筒を形成してもよい。或いは、前記第1伝動スリーブ313及び第2伝動スリーブ321が、ロックフック基体及び位置規制基体にそれぞれ接続される円筒基部を更に含み、前記円筒基部に第1半連携筒及び第2半連携筒がそれぞれ突設されていてもよい。
【0062】
本実施例で提供するドアロック装置において、前記方向転換伝動部材37は、ロックフック部材31と位置規制部材32の間に設けられるカム機構又はくさび機構とすることができる。カム機構又はくさび機構を用いて、ロックフック部材31の周方向における反転変位を前記位置規制連携部3311に近接する方向へ前記位置規制部材32を移動させる軸方向の変位に変換することで、構造がシンプルとなり、実現しやすくなる。
【0063】
更に、前記ロックフック基体及び前記位置規制基体にはロックフック軸孔がそれぞれ開設されている。前記第1伝動スリーブ313及び第2伝動スリーブ321は、前記ロックフック軸孔の外周に沿って設けられるとともに、前記ロックフック軸34にそれぞれ覆設される。当然ながら、前記第1伝動スリーブ313及び第2伝動スリーブ321は、その他の任意の位置に設けてもよい。
【0064】
好ましくは、図6図8に示すように、前記第1伝動スリーブ313と前記ロックフック基体は一体的に設けられ、前記第2伝動スリーブ321と前記位置規制基体は一体的に設けられる。前記第1伝動スリーブ313と前記ロックフック基体、及び、前記第2伝動スリーブ321と前記位置規制基体は、一体的に射出成形する方式で一体的に設けてもよい。この場合、その他の接続構造又はその他の接続方式で接続して固定する必要がないため、製造及び組み立て効率が向上し、構造が簡略化される。
【0065】
更に、図1図5図7図8に示すように、前記ロックブラケット33は、ボトムプレート333と、ボトムプレート333の両側に対向して設けられる第1支持プレート331及び第2支持プレート332を含む。前記位置規制部材32は第1支持プレート331に近接する側に設けられ、前記ロックフック部材31は第2支持プレート332に近接する側に設けられる。前記位置規制部材32と前記第1支持プレート331の間には隙間が備わっており、前記ロックフック部材31と前記第2支持プレート332の間には隙間が備わっている。これにより、前記位置規制部材32及びロックフック部材31の正常な回動への干渉が回避される。
【0066】
更に、図5図7図8に示すように、前記位置規制連携部3311は、前記位置規制部材32に対応して前記第1支持プレート331に設けられている。前記位置規制連携部3311は、前記位置規制部材32の上向きの回動を規制する位置規制当止壁33111を有する。前記ロックフック部材31が遠心力の作用を受けて反転傾向を有したときには、第1伝動スリーブ313の駆動斜面3131と第2伝動スリーブ321の伝動斜面3211が連携することで、前記位置規制部材32を前記第1支持プレート331に近接する方向へ移動可能とする。これにより、前記位置規制部材32は押圧されて位置規制連携部3311内に押し込まれる。そして、前記位置規制当止壁33111が前記位置規制部材32の上方に係接して位置規制することで、前記位置規制部材32の上向きの回動を規制する。また、前記第1伝動スリーブ313と第2伝動スリーブ321は周方向において一定の規制力を有するため、ロックフック部材31も反転を継続不可能となる。
【0067】
ロックフック部材31の端部のロックフック部3111は密度が大きく、重量も大きいため、遠心力の作用でロックフック部材31を外側に反転させ得る。しかし、ロックフック部材31の反転運動と、駆動斜面3131及び伝動斜面3211の斜面の連携によって、第1支持プレート331に向かう方向への位置規制部材32の直線運動が実現されて、前記位置規制部材32が前記位置規制連携部3311内に進入するか、位置規制部材32の一部が前記位置規制連携部3311内に進入する。これにより、位置規制部材32は運動不可能となり、更に、ロックフック部材31に反作用することで、ロックフック部材31の反転を継続不可能とする。
【0068】
好ましくは、前記位置規制連携部3311は、前記位置規制部材32に対応して前記第1支持プレート331に設けられる位置規制ボス又は位置規制係接溝である。
【0069】
一実施形態において、図5図7図8に示すように、前記位置規制連携部3311は第1支持プレート331に設けられる位置規制ボスである。前記位置規制ボスは、第1支持プレート331における前記位置規制部材32に近接する側壁面に突設される張り出しである。前記位置規制ボスの下壁面は、ロック状態時の位置規制部材32の天井壁の高さよりもやや高くなっている。前記位置規制ボスの下壁面は、前記位置規制当止壁33111を形成する。前記位置規制部材32は位置規制ボスの下方に押し込まれ、前記位置規制当止壁33111が位置規制部材32の上方を遮ることで、前記位置規制部材32の上向きの反転を規制する。これにより、位置規制部材32は運動不可能となり、更に、ロックフック部材31に反作用することで、ロックフック部材31を反転運動し得ないよう規制するとの目的を実現する。
【0070】
別の実施形態において、前記位置規制連携部3311は第1支持プレート331に設けられる位置規制係接溝である。前記位置規制係接溝は、第1支持プレート331における前記位置規制部材32に近接する側壁面に設けられる凹溝である。前記位置規制係接溝の上天井壁は、ロック状態時の位置規制部材32の天井壁の高さよりもやや高くなっており、下底壁は前記ロック状態時の位置規制部材32の底壁の高さよりも低くなっている。前記位置規制係接溝の上天井壁は、前記位置規制当止壁33111を形成する。前記位置規制部材32は位置規制係接溝内に押し込まれ、前記位置規制当止壁33111が位置規制部材32の上方に位置することで、前記位置規制部材32の上向きの反転を規制する。これにより、位置規制部材32は運動不可能となり、更に、ロックフック部材31に反作用することで、ロックフック部材31を反転運動し得ないよう規制するとの目的を実現する。
【0071】
更に、図6図8に示すように、前記第1支持プレート331と前記位置規制部材32の間には位置保持機構が設けられている。前記位置保持機構は、前記ロックフック部材31に近接する押力を位置規制部材32に付与することで、前記位置規制部材32とロックフック部材31をしっかりと当接及び連携した状態にする。位置保持機構を設けることで、前記第1伝動スリーブ313と第2伝動スリーブ321との連携面をしっかりと当接及び連携した状態にすることが可能となる。これにより、両者が周方向において互いに規制し合えるよう保証することで、両者の同期回動を実現可能としつつ、ロックフック部材31の反転を規制するために一定の作用力を付与することも可能とする。
【0072】
好ましくは、前記位置保持機構は、第1支持プレート331と位置規制部材32の間に圧縮して設けられる第1バネ322である。前記第1バネ322は前記ロックフック軸34に覆設される。前記位置保持機構にバネ構造を採用することで、コストが低くなり、実現しやすくなる。
【0073】
より好ましくは、前記第1支持プレート331には、前記第1バネ322を位置規制及び取り付けるための取付凹溝が設けられている。前記第1バネ322は、一端が前記取付凹溝内に位置規制及び取り付けられ、他端が位置規制部材32に当接する。
【0074】
第1バネ322の作用により、第1伝動スリーブ313の駆動斜面3131と第2伝動スリーブ321の伝動斜面3211がしっかりと連携することで、周方向において位置規制部材32とロックフック部材31が位置規制され、周方向に一定の規制力を有することになる。これにより、両者はロックフック軸34周りに同期して回動し、ドアロックを開放又はロックせねばならなくなる。
【0075】
更に、前記ロックフック部材31と前記第2支持プレート332の間にはロックフックねじりバネ38が設けられている。ロックフックねじりバネ38を設けることで、ロックフック部材31がロック位置に維持されるよう保証可能となる。
【0076】
更に、図5図7に示すように、前記位置規制部材32とボトムプレート333の間には弾性支持部材が設けられている。設置されている弾性支持部材は、垂直方向において前記位置規制部材32を支持する作用を奏する。これにより、前記位置規制部材32は、垂直方向において前記ロックフック部材31の高さと一致可能となり、第2伝動スリーブ321が第1伝動スリーブ313に当接及び連携可能となる。
【0077】
好ましくは、前記ロックフックねじりバネ38は前記ロックフック軸34に設けられている。前記ロックフックねじりバネ38は、一端が前記ロックフック部材31に接続され、他端が前記第2支持プレート332に接続される。また、前記弾性支持部材は、位置規制部材32とボトムプレート333の間に接続される第2バネ324である。
【0078】
より好ましくは、前記第2バネ324は、位置規制部材32とボトムプレート333の間に接続される圧縮コイルばねである。圧縮コイルばねを設けることで、位置規制部材32の復元をより良好に実現可能となる。
【0079】
更に、図3図6に示すように、前記ロックフック基体は、所定の夾角をなして接続される第1基体311と第2基体312を含む。前記第1基体311の端部にはロックフック部3111が設けられている。前記ロックフック部3111は密度の大きな金属材料からなる。遠心力の作用により、ロックフック部材31は、端部のロックフック部3111の密度の大きさに起因して外側へ反転する。しかし、設置されている方向転換伝動部材37によって、位置規制部材32が外側へ移動して位置規制連携部3311内に進入する。位置規制連携部3311は、前記位置規制部材32の上向きの回動を規制する位置規制当止壁33111を有するため、前記ロックフック部材31の反転の規制が実現される。
【0080】
更に、第2基体312の端部にはロックフック押圧プレート3121が設けられている。また、前記位置規制基体におけるロックフック押圧プレート3121に近接する側の端部には位置規制押圧プレート323が設けられている。前記ロックフック押圧プレート3121及び位置規制押圧プレート323は、水平に設けられる平坦な押圧プレートである。
【0081】
図1及び図2に示すように、更に、自動ロック解除機構5を含む。前記自動ロック解除機構5は、動力部材及び伝動部材を含む。前記伝動部材は、動力部材の作用によって、前記ロックフック押圧プレート3121及び位置規制押圧プレート323を同期して押下し、ロックフック部3111の反転を実現することで、ドアロックを開放する。
【0082】
前記動力部材は、外槽6又はハウジングに固定的に設けられる駆動モータ51であり、前記伝動部材は押圧ロッド52である。駆動モータ51の作用によって、押圧ロッド52がロックフック押圧プレート3121及び位置規制押圧プレート323を同期して押下した場合にのみ、ロックフック部材31の外側への反転が実現されて、ドアロック装置を開放可能となる。また、内槽ドア2と内槽1の前に弾性部材を設けるか、内槽ドア2のヒンジ箇所にねじりバネを設けて、内槽ドア2を自動的に弾性で開放させる。
【0083】
本実施例で提供するドアロック装置は、自動ロック解除機構5を含む。前記自動ロック解除機構5は、動力部材及び伝動部材を含む。前記伝動部材は、動力部材の作用によって、ロックフック押圧プレート3121及び位置規制押圧プレート323を同期して押下し、ロックフック部3111の反転を実現することで、ドアロックを開放する。動力部材により前記伝動部材を駆動してロックフック押圧プレート3121及び位置規制押圧プレート323を同時に押下することでドアロックの自動開放を実現し得るため、制御が容易で効率がよく、自動化度合が高くなる。
【0084】
更に、図1図5に示すように、ロックフック機構3と連携してドアロック装置の開放又はロックを実現するデッドボルト機構4も含む。前記デッドボルト機構4は、対向して設けられる2つのデッドボルト41と、2つのデッドボルト41の間に設けられるデッドボルト軸42を含む。また、取っ手43を更に含む。前記内槽ドア2には、前記取っ手43を取り付けるための取っ手溝47が設けられている。前記取っ手43は取っ手軸44を有する。前記デッドボルト41及び取っ手43は、それぞれ回動可能に取っ手軸44に取り付けられる。前記取っ手軸44にはデッドボルトねじりバネ45が設けられている。前記デッドボルトねじりバネ45は、一端が前記取っ手43に接続され、他端が前記デッドボルト41に接続される。前記取っ手43がデッドボルト41と連携してデッドボルト軸42を回動させ、ロックフック機構3と連携させることでドアロックをロック又は開放する。
【0085】
内槽ドア2が閉止されたあとは、取っ手43を持ち上げて、前記デッドボルト軸42を前記ロックフック機構3内に進入させてから手を緩めればよい。これにより、デッドボルトねじりバネ45の作用で前記デッドボルト軸42がロックフック部材31に掛止されて、ドアロック装置のロックが実現される。また、内槽ドア2を開放したい場合には、同様に、前記取っ手43を持ち上げ、前記デッドボルト軸42を下向きに回動させてロックフック部3111から離脱させることで、手動でのロック解除が実現される。
【0086】
本実施例で提供するドアロック装置は、取っ手43を手動で操作することでも、前記ロックフック機構3からのデッドボルト軸42の離脱を実現し、前記ドアロックを開放することが可能である。よって、自動ロック解除機構5に機能喪失等の想定外の状況が生じた場合に内槽ドア2を開放できなくなるとの事態の発生を有効に回避できる。ユーザは、自動ロック解除機構5によりドアロックを開放可能であるとともに、手動で操作する方式でも内槽ドア2を開放可能なため、使用体験がより良好となる。
【0087】
加えて、本発明の別の目的は、洗濯機を更に提供することである。前記洗濯機は、内槽1と、内槽1の槽口に開閉可能に設けられる内槽ドア2を含む。前記内槽1と内槽ドア2の間には上記のドアロック装置が設けられている。
【0088】
好ましくは、前記ロックフック機構3は内槽1に設けられ、これに対応して、デッドボルト機構4は内槽ドア2に設けられる。当然ながら、前記ロックフック機構3が内槽ドア2に設けられ、これに対応して、前記デッドボルト機構4が内槽1に設けられてもよい。
【0089】
前記取っ手43が内槽ドア2に設けられる場合には、内槽1に設けられる場合よりも大幅に操作しやすくなる。従って、本実施例では、ロックフック機構3を内槽1に取り付けて、デッドボルト機構4を内槽ドア2に設けることが好ましい。
【0090】
本実施例では、洗濯機の内槽1と内槽ドア2の間に上記のドアロック装置を取り付けることで、洗濯機が洗浄又は脱水プログラムを行う過程で、内槽1の高速回転によりロックフック部材31が遠心力の作用で反転し、内槽ドア2を開放する結果、深刻な危険事故を誘発するとの事態を有効に回避し得るとともに、全洗濯過程における内槽1の密封効果も保証する。
【0091】
好ましくは、図3に示すように、前記内槽1と内槽ドア2の間には、更に、内槽1の密封効果を更に保証する内槽ドアシール部材7が設けられている。
【実施例2】
【0092】
図1図8に示すように、本実施例は、実施例1をベースとして、主に、所定の位置にロックできないとの事態を生じやすく、関連の危険事故を誘発するという従来のドアロック装置における課題を解決するためのドアロック装置を提供する。
【0093】
図3図5及び図8に示すように、本実施例は、ロックフック機構3を含むドアロック装置を提供する。前記ロックフック機構3は、ロックブラケット33と、ロックブラケット33内に回動可能に設けられてドアロックを開放又はロックするロックフック部材31と、位置検出ブラケット8を含む。前記位置検出ブラケット8は、中央部が回動可能に前記ロックブラケット33に設けられており、一端が前記ロックフック部材31に位置規制されて連携するとともに、他端に被検出端子82が設けられている。
【0094】
更に、図3図5に示すように、ロックフック機構3と連携してドアロック装置の開放又はロックを実現するデッドボルト機構4も含む。前記デッドボルト機構4は、対向して設けられる2つのデッドボルト41と、2つのデッドボルト41の間に設けられるデッドボルト軸42を含む。また、取っ手43を更に含む。前記取っ手43は取っ手軸44を有する。前記デッドボルト41及び取っ手43は、それぞれ回動可能に取っ手軸44に取り付けられる。前記取っ手軸44にはデッドボルトねじりバネ45が設けられている。前記デッドボルトねじりバネ45は、一端が前記取っ手43に接続され、他端が前記デッドボルト41に接続される。前記取っ手43がデッドボルト41と連携してデッドボルト軸42を回動させ、ロックフック機構3と連携させることでドアロックをロック又は開放する。
【0095】
本実施例で提供するドアロック装置は、取っ手43を手動で操作することでも、前記ロックフック機構3からのデッドボルト軸42の離脱が実現されて、前記ドアロックが開放される。よって、自動ロック解除機構5に機能喪失等の想定外の状況が生じた場合に内槽ドア2を開放できなくなるとの事態の発生を有効に回避できる。ユーザは、自動ロック解除機構5によりドアロックを開放可能であるとともに、手動で操作する方式でも内槽ドア2を開放可能なため、使用体験がより良好となる。
【0096】
上記の方案では、位置検出ブラケット8を設けることで、ロックフック部材31が所定の位置にロックされたか否かの判断を実現可能とする。前記ロックフック部材31が開放位置に対応するよう存在している場合、前記ドアロック装置は開放状態となる。また、前記ロックフック部材31がロック位置に存在している場合、前記ドアロック装置はロック状態となる。前記位置検出ブラケット8は、中央部が回動可能にロックブラケット33に設けられており、一端がロックフック部材31に位置規制されて連携するとともに、他端に被検出端子82が設けられている。前記ロックフック部材31の位置が変化するときには、対応する前記被検出端子82の位置も相応に変化し得る。よって、被検出端子82の位置を検出することで、ロックフック部材31が所定の位置にロックされたか否かを判断可能であり、ドアロック装置が所定の位置にロックされないとの事態が回避されるため、洗濯機の運転の安全性が向上する。
【0097】
更に、図3図5に示すように、前記ロックフック部材31の端部にはロックフック部3111が設けられている。前記ロックフック部3111は、ロック位置と開放位置の間で移動することで、ドアロックを開放又はロックする。
【0098】
具体的に、内槽ドア2が閉止されたあとは、取っ手43を持ち上げて、前記デッドボルト軸42を前記ロックフック機構3内に進入させてから手を緩めればよい。これにより、前記デッドボルトねじりバネ45の作用で前記デッドボルト軸42がロックフック部材31に掛止されて、ドアロック装置のロックが実現される。前記ロックフック部材31は、デッドボルト軸42の掛合力の作用でロック位置に維持される。また、内槽ドア2を開放したい場合には、同様に、前記取っ手43を持ち上げ、前記デッドボルト軸42を下向きに回動させてロックフック部3111から離脱させることで、手動でのロック解除が実現される。ロックが解除されると、前記ロックフック部材31は、ロックフックねじりバネ38の作用で上向きに回動して開放位置に維持される。
【0099】
更に、図5及び図8に示すように、前記位置検出ブラケット8は、一端が前記ロックフック部3111に固定的に接続されるか、前記ロックフック部3111に位置規制及び接続され、他端に前記被検出端子82が設けられている。前記ロックフック部3111がロック位置に存在する場合、これに対応して、前記被検出端子82は第1位置Z1に存在する。また、前記ロックフック部3111が開放位置に存在する場合、これに対応して、前記被検出端子82は第2位置Z2に存在する。
【0100】
一実施形態において、前記位置検出ブラケット8は、前記ロックフック部材31に接続及び固定可能であり、例えば、ネジ等の接続部材により固定してもよい。好ましくは、前記位置検出ブラケット8と前記ロックフック部3111の間は、例えばヒンジ接続のように動作可能に接続される。前記位置検出ブラケット8と前記ロックフック部材31の間を動作可能な接続方式で接続すれば、固定的に直接接続する場合に前記位置検出ブラケット8に発生する横力の影響が回避される。或いは、前記位置検出ブラケット8と前記ロックフック部3111の間は、可撓性の接続方式により接続及び固定され、例えば、牽引索等の可撓性接続部材により接続及び固定してもよい。
【0101】
別の実施形態において、前記位置検出ブラケット8と前記ロックフック部材31の間は、位置規制により連携する方式で位置規制及び接続される。即ち、前記位置検出ブラケット8と前記ロックフック部材31の間に実質的な接続は存在しない。前記位置検出ブラケット8の端部は、前記ロックフック部3111の下方に当止可能である。或いは、前記ロックフック部材31には位置規制収容溝が設けられており、前記位置検出ブラケット8の端部は前記位置規制収容溝内に位置規制される。
【0102】
例えば、前記ロックフック部3111の側部に、一方の側に位置規制開口が設けられた球状の位置規制収容溝を設置し、前記位置検出ブラケット8の端部に、前記球状の位置規制収容溝内に位置規制される球状の位置規制部が設けられており、前記球状の位置規制部が前記球状の位置規制収容溝内に位置規制されてもよい。
【0103】
更に、前記位置検出ブラケット8は、ブラケット回動軸81を介して回動可能にロックブラケット33に設けられる回動支柱である。前記回動支柱は、前記ロックフック部材31と連携する動力端と、被検出端子82が設けられた抵抗端を有する。ブラケット回動軸81から前記回動支柱の抵抗端までの長さは、ブラケット回動軸81から回動支柱の動力端までの長さよりも大きい。上記のように設計することで、前記ロックフック部材31にわずかな変位変化が発生した場合に、位置検出ブラケット8は、被検出端子82が設けられた抵抗端に大きな変位変化を発生させられる。このことは、被検出端子82の位置の検出に都合がよく、前記ドアロック装置が所定の位置にロックされたか否かを正確に判断可能となる。
【0104】
本実施例で提供するドアロック装置は、上記の設計を採用することで、前記ロックフック部材31のロックフック部3111の位置にわずかな変化が発生したときに、位置検出ブラケット8の被検出端子の端の変位が数倍増大される。これにより、前記位置センサがロックフック部材31の位置をより容易に識別可能となり、ドアロック装置が所定の位置にロックされたか否かを更に正確且つ効率よく判断可能となるため、検出の精度が向上し、洗濯機の運転時の安全性が保証される。
【0105】
更に、図3図5図7図8に示すように、前記ロックブラケット33は、対向して設けられる第1支持プレート331及び第2支持プレート332を含む。前記第1支持プレート331と第2支持プレート332の間にはロックフック軸34が設けられている。前記ロックフック部材31は、回動可能にロックフック軸34に設けられる。前記位置検出ブラケット8は、回動可能に第1支持プレート331又は第2支持プレート332に設けられる。
【0106】
好ましくは、前記ロックフック部材31は、ロックフック軸34における第2支持プレート332に近接する側に設けられ、前記位置規制部材32は、ロックフック軸34における第1支持プレート331に近接する側に設けられる。また、前記位置規制部材32は位置規制基体を含む。前記位置規制基体は、一定の厚さを有する長尺プレート状構造を有している。前記位置規制基体は、初期状態において横向きに設けられる。前記ロックフック部材31は、所定の夾角をなして接続される第1基体311と第2基体312を含む。前記第2基体312は水平方向に沿って外側へ延伸しており、前記第1基体311は斜め上向きに延伸している。第1基体311と第2基体312の間の夾角は90°よりも大きい。
【0107】
好ましくは、図5図7図8に示すように、本実施例における前記位置検出ブラケット8は第1支持プレート331に設けられている。前記第2支持プレート332は前記ロックフック部材31に近接しているため、前記位置検出ブラケット8を第2支持プレート332に設けた場合には、位置検出ブラケット8の長さが制約される。これにより、位置検出ブラケット8の長さが過度に短くなった場合には、被検出端子82の位置の変化を正確に検出することができず、ドアロックがロックされたか否かを正確に判断できなくなる。
【0108】
前記第1支持プレート331は、第2支持プレート332よりもロックフック部材31からの距離がやや遠いため、位置検出ブラケット8も相対的にやや長めに設けることができる。位置検出ブラケット8の長さをやや長めに設けることで、被検出端子82の位置の変化をより正確に検出可能となり、ドアロックがロックされたか否かを更に正確に判断可能となる。本実施例における前記位置規制基体と第2基体312は同一の高さ位置に存在する。前記位置規制基体の上方には、前記位置検出ブラケット8の運動を避け得る退避空間が形成されているため、前記位置検出ブラケット8の運動への干渉が回避される。
【0109】
更に、図3図5図7図8に示すように、前記ロックフック部3111は、第1基体311の上端部に設けられる。また、前記第2基体312の端部にはロックフック押圧プレート3121が設けられている。前記位置検出ブラケット8は、回動可能に第1支持プレート331の上方位置に設けられる。前記ロックフック部3111がロック位置と開放位置の間で移動する際には、対応する前記位置検出ブラケット8のうち磁性体が設けられている第2端の位置にも相応の変化が発生する。よって、前記位置検出ブラケット8の第2端における被検出端子82の位置を検出することで、ドアロック装置が所定の位置にロックされたか否かを推定可能である。
【0110】
好ましくは、図8に示すように、前記第1支持プレート331には、前記位置検出ブラケット8を退避させるよう取り付けるための退避凹溝3201が設けられている。前記位置検出ブラケット8は、ブラケット回動軸81を介して回動可能に前記退避凹溝3201内に設けられる。退避凹溝3201を設けることで、第一に、前記位置検出ブラケット8の収容及び取り付けを実現可能となり、前記位置検出ブラケット8が前記第1支持プレート331の外側に突設されてその他の部材の設置に影響及び干渉するとの事態が回避される。第二に、前記退避凹溝3201は、前記位置検出ブラケット8の運動のために十分な退避空間も提供する。
【0111】
具体的には、図6図8に示すように、前記第1支持プレート331は、底部に位置する第1支持基部を含み、前記第2支持プレート332は、底部に位置する第2支持基部を含む。前記ロックフック軸34は、第1支持プレート331の第1支持基部と第2支持プレート332の第2支持基部の間に固定的に設けられる。前記ロックフック軸34は、前記第1支持基部と第2支持基部を貫通しており、両側がそれぞれ止め輪35とピン36により位置規制及び固定される。
【0112】
前記第1支持プレート331は、更に、前記第1支持基部に接続される支持柱を含む。前記支持柱は前記第1支持基部の外側に設けられ、前記支持柱と前記第1支持基部の間にL字型の段差が形成されている。前記支持柱には張り出しが設けられている。前記張り出しと前記支持柱及び前記第1支持基部の間には、前記退避凹溝3201が共同で形成されている。前記退避凹溝3201内に位置する支持柱には、前記ブラケット回動軸81が固定的に設けられている。前記位置検出ブラケット8は、回動可能に前記ブラケット回動軸81に設けられる。
【0113】
上記の方案では、退避凹溝3201を設けることで、第一に、前記位置検出ブラケット8を退避させるよう取り付けることが可能となり、前記位置検出ブラケット8の運動のために十分な退避空間が提供される。第二に、設置される張り出しによって、前記位置検出ブラケット8の上向きの運動の限界位置を規制することも可能となる。
【0114】
更に、図5に示すように、前記ロックブラケット33は、前記第1支持プレート331及び第2支持プレート332の両側に接続される支持ベース334も含む。前記支持ベース334のうち前記第1支持プレート331に近接する側には収容凹溝3341が設けられている。前記位置検出ブラケット8は、一端が前記ロックフック部材31に接続され、他端が前記収容凹溝3341内に伸入する。前記支持ベース334は内槽ドア2に固定される。
【0115】
本実施例は、更に、内槽1と、内槽1の槽口に開閉可能に設けられる内槽ドア2を含む洗濯機を提供する。前記内槽1と内槽ドア2の間には上記のドアロック装置が設けられている。また、更に、位置センサを含む。位置センサにより被検出端子82の位置を検出することで、ロックフック機構3が所定の位置にロックされたか否かを判断する。
【0116】
更に、前記ロックフック機構3は内槽1に設けられ、デッドボルト機構4は内槽ドア2に設けられる。図1に示すように、前記洗濯機は、更に、内槽1の外部に同軸に設けられる外槽6を含む。前記位置センサは、前記被検出端子82に対応して外槽6に設けられる。或いは、前記洗濯機はハウジングを更に含み、前記位置センサは、前記被検出端子82に対応してハウジングに設けられる。
【0117】
好ましくは、前記位置センサはホールセンサ又はリードスイッチである。前記被検出端子82は、位置検出ブラケット8の抵抗端に設けられる磁性体である。前記磁性体は、磁石等の磁性部材としてもよい。
【0118】
本実施例は、更に、上記の洗濯機を有する制御方法を提供する。当該制御方法では、衣類処理プログラムの実行を開始する前、又は、衣類処理プログラムを実行している最中に、位置センサが起動して被検出端子82の位置情報を検出し、制御ユニットにフィードバックするよう制御する。
【0119】
制御ユニットは、位置センサからフィードバックされた被検出端子82の位置情報に基づいて、ドアロック装置がロック状態であるか否かを推定する。そして、ロック状態の場合にはドアロック装置にロック状態を維持させるよう制御し、ロック状態でない場合には、衣類処理プログラムの実行を一時的に停止してユーザに提示するよう制御する。また、ドアロックが所定の位置にロックされていないと判断された場合には、ユーザに注意を促すとともに、衣類処理プログラムの実行を一時的に停止するよう制御する。これにより、更に深刻な危険事故が誘発されるのを回避して、洗濯機の運転時の安全性及び信頼性を向上させる。
【0120】
図3図5図8に示すように、前記デッドボルト軸42がロックフック部材31内に進入すると、前記位置検出ブラケット8のうち被検出端子82が設けられている端部が第2位置Z2から第1位置Z1への作動を実現可能となる。外槽6に設けられているホールセンサ又はリードスイッチは、被検出端子82を検出することで、内槽ドア2が所定の位置にロックされているか否かを判定する。そして、内槽ドア2がロックされていないか、所定の位置にロックされていないと判断された場合には、速やかにユーザに注意を促すことで、内槽ドア2がロックされていないために関連の危険事故の発生が誘発されるとの事態を回避する。
【0121】
本実施例で提供するドアロック装置は、追加した位置検出ブラケット8によって、ドアロック装置がロック及び開放される際のロックフック部材31の変位を増大させることができる。よって、位置センサによりいっそう検出されやすくなり、検出の精度が確実に保証されるため、洗濯機の安全性やユーザの健康及びユーザエクスペリエンスが極めて大きく向上する。且つ、前記位置検出ブラケット8は、構造がシンプルで、製造コストが低く、使用及び普及が容易である。
【0122】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明を何らかの形式に制限するものではない。本発明については好ましい実施例によって上記のように開示したが、本発明を限定するとの主旨ではない。本発明の技術方案を逸脱しない範囲において、当業者が上記で提示した技術内容を用いて実施可能なわずかな変更或いは改変は、同等に変形された等価の実施例であって、いずれも本発明の技術方案の内容を逸脱するものではない。また、本発明の技術的本質に基づいて上記の実施例に加えられる任意の簡単な修正、同等の変形及び改変は、いずれも本発明の方案の範囲に属する。
【符号の説明】
【0123】
1 内槽
2 内槽ドア
3 ロックフック機構
31 ロックフック部材
311 第1基体
3111 ロックフック部
312 第2基体
3121 ロックフック押圧プレート
313 第1伝動スリーブ
3131 駆動斜面
32 位置規制部材
3201 退避凹溝
321 第2伝動スリーブ
3211 伝動斜面
322 第1バネ
323 位置規制押圧プレート
324 第2バネ
33 ロックブラケット
331 第1支持プレート
3311 位置規制連携部
33111 位置規制当止壁
332 第2支持プレート
333 ボトムプレート
334 支持ベース
3341 収容凹溝
34 ロックフック軸
35 止め輪
36 ピン
37 方向転換伝動部材
38 ロックフックねじりバネ
4 デッドボルト機構
41 デッドボルト
42 デッドボルト軸
43 取っ手
44 取っ手軸
45 デッドボルトねじりバネ
47 取っ手溝
5 自動ロック解除機構
51 モータ
52 押圧ロッド
6 外槽
7 内槽ドアシール部材
8 位置検出ブラケット
81 ブラケット回動軸
82 被検出端子
Z1 第1位置
Z2 第2位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-03-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロックフック機構を含むドアロック装置において、
前記ロックフック機構は、
ロックフック軸が内部に設けられるロックブラケットと、
前記ロックフック軸周りに同期して回動し、ドアロックを開放又はロックするロックフック部材及び位置規制部材、を含み、
前記ロックブラケットの側壁には、前記位置規制部材に対応して、ロックフック部材の反転を規制する位置規制連携部が設けられており、前記ロックフック部材と位置規制部材の間は、方向転換伝動部材を通じて伝動及び連携し、
前記方向転換伝動部材は、ロックフック軸の周方向に沿うロックフック部材の反転変位を、前記位置規制連携部に近接する方向へ前記位置規制部材を移動させる軸方向の変位に変換することが可能であり、これにより、前記位置規制部材を前記位置規制連携部に対し係接及び位置規制して、前記ロックフック部材の反転を規制することを特徴とするドアロック装置。
【請求項2】
前記方向転換伝動部材は、
前記ロックフック部材に設けられ、駆動面を有する第1伝動部材と、
第1伝動部材に対応して前記位置規制部材に設けられ、前記駆動面に当接して連携する伝動面を有する第2伝動部材、を含み、
前記駆動面及び/又は前記伝動面には、ロックフック軸の軸方向において高さの変化を有する突出押付部が設けられており、前記ロックフック部材に反転が生じた場合には、前記突出押付部が前記駆動面又は伝動面に押し付けられて連携し、前記位置規制部材をロックフック軸の軸方向に沿って外側へ移動させることを特徴とする請求項1に記載のドアロック装置。
【請求項3】
前記ロックフック部材はロックフック基体を含み、前記方向転換伝動部材は、前記ロックフック基体に固設される第1伝動スリーブを含み、
前記位置規制部材は位置規制基体を含み、前記方向転換伝動部材は、更に、前記位置規制基体に対応して固設される第2伝動スリーブを含み、
前記第1伝動スリーブは、少なくとも一部の端面が傾斜して設けられることで駆動斜面を形成しており、前記第2伝動スリーブの連携端面には、前記駆動斜面に当接して連携する伝動斜面が形成されており、
前記駆動斜面と伝動斜面が連携することで、ロックフック部材の周方向における反転変位を前記位置規制連携部に近接する方向へ前記位置規制部材を移動させる軸方向の変位に変換するくさび機構が形成されることを特徴とする請求項1に記載のドアロック装置。
【請求項4】
前記ロックフック基体及び前記位置規制基体にはロックフック軸孔がそれぞれ開設されており、前記第1伝動スリーブ及び第2伝動スリーブは、前記ロックフック軸孔の外周に沿って設けられるとともに、前記ロックフック軸にそれぞれ覆設され、
好ましくは、前記第1伝動スリーブと前記ロックフック基体は一体的に設けられ、前記第2伝動スリーブと前記位置規制基体は一体的に設けられることを特徴とする請求項3に記載のドアロック装置。
【請求項5】
前記ロックブラケットは、ボトムプレートと、ボトムプレートの両側に対向して設けられる第1支持プレート及び第2支持プレートを含み、
前記位置規制部材は第1支持プレートに近接する側に設けられ、これに対応して、前記位置規制連携部は前記第1支持プレートに設けられ、前記位置規制連携部は、前記位置規制部材の上向きの回動を規制する位置規制当止壁を有し、
好ましくは、前記位置規制連携部は、前記位置規制部材に対応して前記第1支持プレートに設けられる位置規制ボス又は位置規制係接溝であることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のドアロック装置。
【請求項6】
前記第1支持プレートと前記位置規制部材の間には位置保持機構が設けられており、前記位置保持機構は、前記ロックフック部材に近接する押力を位置規制部材に付与することで、前記位置規制部材とロックフック部材をしっかりと当接及び連携した状態にし、
好ましくは、前記位置保持機構は、第1支持プレートと位置規制部材の間に圧縮して設けられる第1バネであり、前記第1バネは前記ロックフック軸に覆設され、
より好ましくは、前記第1支持プレートには、前記第1バネを位置規制及び取り付けるための取付凹溝が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のドアロック装置。
【請求項7】
前記ロックフック部材と前記第2支持プレートの間にはロックフックねじりバネが設けられており、前記位置規制部材とボトムプレートの間には弾性支持部材が設けられており、
好ましくは、前記ロックフックねじりバネは前記ロックフック軸に設けられており、前記弾性支持部材は、位置規制部材とボトムプレートの間に接続される第2バネであることを特徴とする請求項5に記載のドアロック装置。
【請求項8】
前記ロックフック基体は、所定の夾角をなして接続される第1基体と第2基体を含み、前記第1基体の端部にはロックフック部が設けられており、前記ロックフック部は密度の大きな金属材料からなり、第2基体の端部にはロックフック押圧プレートが設けられており、
前記位置規制基体におけるロックフック押圧プレートに近接する側の端部には位置規制押圧プレートが設けられており、更に、自動ロック解除機構を含み、前記自動ロック解除機構は動力部材及び伝動部材を含み、前記伝動部材は、動力部材の作用によって、前記ロックフック押圧プレート及び位置規制押圧プレートを同期して押下し、ロックフック部の反転を実現することで、ドアロックを開放することを特徴とする請求項3又は4に記載のドアロック装置。
【請求項9】
位置検出ブラケットと、前記位置検出ブラケットの中央部が回動可能に前記ロックブラケットに設けられており、一端が前記ロックフック部材に位置規制されて連携するとともに、他端に被検出端子が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のドアロック装置。
【請求項10】
前記ロックフック部材の端部にはロックフック部が設けられており、前記ロックフック部は、ロック位置と開放位置の間で移動することで、ドアロックを開放又はロックし、
前記位置検出ブラケットは、一端が前記ロックフック部に固定的に接続されるか、前記ロックフック部に位置規制及び接続され、他端に前記被検出端子が設けられており、
前記ロックフック部がロック位置に存在する場合、これに対応して、前記被検出端子は第1位置に存在し、前記ロックフック部が開放位置に存在する場合、これに対応して、前記被検出端子は第2位置に存在し、
好ましくは、前記位置検出ブラケットと前記ロックフック部の間は動作可能に接続されることを特徴とする請求項に記載のドアロック装置。
【請求項11】
前記位置検出ブラケットは、ブラケット回動軸を介して回動可能にロックブラケットに設けられる回動支柱であり、
前記回動支柱は、前記ロックフック部材と連携する動力端と、被検出端子が設けられた抵抗端を有し、ブラケット回動軸から前記回動支柱の抵抗端までの長さは、ブラケット回動軸から回動支柱の動力端までの長さよりも大きいことを特徴とする請求項又は10に記載のドアロック装置。
【請求項12】
前記ロックブラケットは、対向して設けられる第1支持プレート及び第2支持プレートを含み、
前記第1支持プレートと第2支持プレートの間にはロックフック軸が設けられており、前記ロックフック部材は、回動可能にロックフック軸に設けられ、前記位置検出ブラケットは、回動可能に第1支持プレート又は第2支持プレートに設けられ、
好ましくは、前記ロックフック部材は、ロックフック軸における第2支持プレートに近接する側に設けられ、前記位置検出ブラケットは第1支持プレートに設けられることを特徴とする請求項11のいずれか1項に記載のドアロック装置。
【請求項13】
前記ロックフック部材は、所定の夾角をなして接続される第1基体と第2基体を含み、前記ロックフック部は第1基体の上端部に設けられ、前記第2基体の下端部にはロックフック押圧プレートが設けられており、
前記位置検出ブラケットは第1支持プレートの上方位置に設けられ、
好ましくは、前記第1支持プレートには、前記位置検出ブラケットを退避させるよう取り付けるための退避凹溝が設けられており、前記位置検出ブラケットは、ブラケット回動軸を介して回動可能に前記退避凹溝内に設けられることを特徴とする請求項12に記載のドアロック装置。
【請求項14】
前記ロックブラケットは、更に、前記第1支持プレート及び第2支持プレートの両側に接続される支持ベースを含み、
前記支持ベースのうち前記第1支持プレートに近接する側には収容凹溝が設けられており、前記位置検出ブラケットは、一端が前記ロックフック部材に接続され、他端が前記収容凹溝内に伸入することを特徴とする請求項13に記載のドアロック装置。
【請求項15】
更に、ロックフック機構と連携してドアロック装置の開放又はロックを実現するデッドボルト機構を含み、前記デッドボルト機構は、対向して設けられる2つのデッドボルトと、2つのデッドボルトの間に設けられるデッドボルト軸を含み、
更に、取っ手を含み、前記取っ手は取っ手軸を有し、前記取っ手軸にはデッドボルトねじりバネが設けられており、前記デッドボルト及び取っ手は、それぞれ回動可能に取っ手軸に取り付けられ、前記取っ手がデッドボルトと連携してデッドボルト軸を回動させて、ロックフック機構と連携させることでドアロックをロック又は開放することを特徴とする請求項14のいずれか1項に記載のドアロック装置。
【請求項16】
内槽と、内槽の槽口に開閉可能に設けられる内槽ドアを含み、前記内槽と内槽ドアの間には、請求項9~15のいずれか1項に記載のドアロック装置が設けられており、
前記ロックフック機構は内槽に設けられ、これに対応して、デッドボルト機構は内槽ドアに設けられることを特徴とする洗濯機。
【請求項17】
内槽と、内槽の槽口に開閉可能に設けられる内槽ドアを含み、前記内槽と内槽ドアの間には、請求項15のいずれか1項に記載のドアロック装置が設けられており、
更に、位置センサを含み、位置センサにより被検出端子の位置を検出することで、ロックフック機構が所定の位置にロックされたか否かを判断することを特徴とする洗濯機。
【請求項18】
前記ロックフック機構は内槽に設けられ、デッドボルト機構は内槽ドアに設けられ、
前記洗濯機は、更に、内槽の外部に同軸に設けられる外槽を含み、前記位置センサは、前記被検出端子に対応して外槽に設けられ、
或いは、前記洗濯機はハウジングを更に含み、前記位置センサは、前記被検出端子に対応してハウジングに設けられることを特徴とする請求項17に記載の洗濯機。
【請求項19】
請求項17又は18に記載の洗濯機を有する制御方法において、
衣類処理プログラムの実行を開始する前、又は、衣類処理プログラムを実行している最中に、位置センサが起動して被検出端子の位置情報を検出し、制御ユニットにフィードバックするよう制御し、
制御ユニットは、位置センサからフィードバックされた被検出端子の位置情報に基づいて、ドアロック装置がロック状態であるか否かを推定し、ロック状態の場合にはドアロック装置にロック状態を維持させるよう制御し、ロック状態でない場合には、衣類処理プログラムの実行を一時的に停止してユーザに提示するよう制御することを特徴とする方法。
【国際調査報告】