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  • 特表-接着剤組成物用の粘着付与剤 図1a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】接着剤組成物用の粘着付与剤
(51)【国際特許分類】
   C09J 201/00 20060101AFI20240405BHJP
   C09J 11/08 20060101ALI20240405BHJP
   C09J 167/02 20060101ALI20240405BHJP
   C08G 63/199 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
C09J201/00
C09J11/08
C09J167/02
C08G63/199
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566715
(86)(22)【出願日】2022-04-25
(85)【翻訳文提出日】2023-12-22
(86)【国際出願番号】 US2022026112
(87)【国際公開番号】W WO2022232009
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】21170900.1
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511118632
【氏名又は名称】ローター・インコーポレイテツド
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】大川内 啓至郎
(72)【発明者】
【氏名】松島 広典
(72)【発明者】
【氏名】ハーゼン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】バッケル ウィーツェ
(72)【発明者】
【氏名】ジャコメッリ ペノン マッシミリアーノ
【テーマコード(参考)】
4J029
4J040
【Fターム(参考)】
4J029AA03
4J029AB01
4J029AC02
4J029AD02
4J029AD03
4J029AE13
4J029BA07
4J029BA10
4J029BB01
4J029BD10
4J029BF07
4J029BF25
4J029CD03
4J029HA01
4J029HB06
4J029JE182
4J029KD02
4J029KE03
4J040DF001
4J040ED031
(57)【要約】
本発明は、接着剤組成物の粘着付与剤としての、(A)水素化ビスフェノール、(B)ジオール、(C)ジカルボン酸又はその無水物からのモノマー繰返し単位を含むポリエステルの使用に関し、ここで、(C)は、(C1)脂肪族ジカルボン酸又はその無水物を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着剤組成物の粘着付与剤としての、(A)水素化ビスフェノール、(B)ジオール、(C)ジカルボン酸又はその無水物からのモノマー繰返し単位を含むポリエステルの使用であって、(C)が、(C1)脂肪族ジカルボン酸又はその無水物を含む、使用。
【請求項2】
前記ポリエステルが、ASTM D465-05(2010)によって決定される際、少なくとも60mgKOH/gの酸価を有し、及び/又はASTM D4274-99によって決定される際、60mgKOH/gのOH価を有し、好ましくは、(A)及び(C)の総量に対する(A)の量が、30~80重量%、好ましくは、35~75重量%である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記ポリエステルが、ASTM D465-05(2010)によって決定される際、少なくとも70mgKOH/gの酸価を有し、又は
前記ポリエステルが、ASTM D4274-99によって決定される際、少なくとも70mgKOH/gのOH価を有し、(A)及び(B)の合計に対する(A)の量が、70重量%未満である、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
(A)及び(B)の合計に対する(A)の量が、少なくとも40重量%であり、(C)に対する(C1)の量が、少なくとも50重量%である、請求項1~3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
前記ポリエステルが、少なくとも70mgKOH/gの酸価を有し、又は
(A)及び(B)の合計に対する(A)の量が、40~70重量%であり、(C)に対する(C1)の量が、少なくとも50重量%である、請求項1~4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
前記ポリエステル中の(A)の量が、前記ポリエステルに対して10~50重量%であり、前記ポリエステル中の(B)の量が、前記ポリエステルに対して10~50重量%であり、前記ポリエステル中の(C)の量が、20~60重量%であり、
好ましくは、(C)に対する(C1)の量が、少なくとも50重量%であり、好ましくは、前記ポリエステルに対する(A)、(B)及び(C)の総量が、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%又は100重量%である、請求項1~5のいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
(A)が、
ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールF(ビス(ヒドロキシフェニル)メタン)、ビスフェノールE(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン)、ビスフェノールB(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン)、ビスフェノールS(ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルプロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-2-フェニルエタン、ビフェノール、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル及びビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトンの水素化物、
好ましくは、ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン)の水素化物からなる群から選択される、請求項1~6のいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
(B)が、分枝状アルキル基又はエーテル基を有するジオールであり、好ましくは、
2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジメチル-2,4-ジメチルペンタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ジメチロールオクタン、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,5-ジオール-2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール及び2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール及び
ポリエチレングリコール(n=1~20)、ポリプロピレングリコール(n=1~20)、ポリテトラメチレングリコール(n=1~20)、及びポリエステルポリオール、
好ましくは、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオールからなる群から選択される、請求項1~7のいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
(C1)が、シクロヘキセン又はシクロヘキサン構造を含み、好ましくは、
1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、3-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、4-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3-メチルヘキサヒドロフタル酸及び4-メチルヘキサヒドロフタル酸それらの無水物、
好ましくは、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸からなる群から選択される、請求項1~8のいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
粘着付与剤及び放射線硬化性組成物を含む放射線硬化性接着剤組成物であって、前記粘着付与剤が、(A)水素化ビスフェノール、(B)分枝状アルキル基又はエーテル基を有するジオール及び(C)ジカルボン酸又はその無水物からのモノマー繰返し単位を含むポリエステルを含むか又はそれらであり、(C)が、(C1)脂肪族ジカルボン酸又はその無水物を含む、放射線硬化性接着剤組成物。
【請求項11】
前記全放射線硬化性接着剤組成物に対する前記粘着付与剤の量が、0.1~50重量%、より好ましくは、1~25重量%であり、前記全放射線硬化性接着剤組成物に対する前記放射線硬化性組成物の量が、50~99.9重量%、より好ましくは、75~99重量%である、請求項10に記載の放射線硬化性接着剤組成物。
【請求項12】
前記放射線硬化性組成物が、アクリルポリマー及び好ましくは、さらに光開始剤及び/又は架橋剤を含み、好ましくは、前記放射線硬化性接着剤組成物が、多くても0.1重量%又は0重量%の着色剤を含む、請求項10又は11に記載の放射線硬化性接着剤組成物。
【請求項13】
前記放射線硬化性接着剤組成物が、400~700nmの波長範囲内において、ASTM-D 1003-95によって決定される、少なくとも80%の発光透過率及び多くても5%のヘイズを有する、請求項10~12のいずれか1項に記載の放射線硬化性接着剤組成物。
【請求項14】
第1の部分及び第2の部分を接着させるための方法であって、請求項10~12のいずれか1項に記載の放射線硬化性接着剤組成物を、前記第1の部分及び前記第2の部分と接触させること、及び放射線によって前記放射線硬化性接着剤組成物を硬化させることを含み、好ましくは、前記放射線が、紫外光、電子ビーム、γ線及びX線から選択される、方法。
【請求項15】
第1の部分及び第2の部分を含む物品であって、前記第1の部分及び前記第2の部分が、請求項10~12のいずれか1項に記載の放射線硬化性接着剤組成物を、前記第1の部分及び前記第2の部分と接触させること、及び放射線によって前記放射線硬化性接着剤組成物を硬化させることを含む方法によって互いに接着され、好ましくは、前記放射線が、紫外光、電子ビーム、γ線及びX線から選択される、物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線硬化性接着剤組成物の粘着付与剤としてのポリエステルの使用に関する。本発明はさらに、このような粘着付与剤及び放射線硬化性組成物を含む放射線硬化性接着剤組成物に関する。本発明はさらに、接着剤組成物によって互いに接着される部分を含む物品に関する。
【背景技術】
【0002】
接着剤組成物における粘着付与剤の使用が公知である。公知の粘着付与剤の例としては、ロジン、ロジンエステル、水素化ロジンエステル、純粋なモノマー樹脂、スチレン系樹脂、及び水素化炭化水素樹脂が挙げられる。
【0003】
米国特許出願公開第2005/0182150号明細書には、少なくとも1つの粘着付与剤樹脂及び少なくとも1つの放射線硬化性組成物を含む放射線硬化性接着剤組成物が開示される。粘着付与剤樹脂は、少なくとも1つの芳香族モノマー及び少なくとも1つのアクリレートモノマーからのモノマー繰返し単位を含み、より具体的には、スチレン、アクリル酸、及び2-エチルヘキシルアクリレートから選択される少なくとも1つのモノマーからの繰返し単位を含み得る。米国特許出願公開第2005/0182150号明細書によれば、皮膚感作物質であるというロジンの問題は、記載される粘着付与剤樹脂によって解決される。しかしながら、米国特許出願公開第2005/0182150号明細書の例(表6及び10.1)によれば、粘着付与剤樹脂は、ロジンと同等の接着剤組成物に対する剥離接着力及びループタックを与え、硬化波長において、ロジンより高い紫外線吸収を有する。
【0004】
好ましくは低い紫外線吸収を有し、好ましくは皮膚感作物質でない、接着剤組成物に良好な接着特性を与える粘着付与剤が、当該技術分野において依然として必要とされている。粘着付与剤が、接着剤組成物中の放射線硬化性組成物との良好な相溶性を有することも望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の一目的は、上記の及び/又は他のニーズが満たされる粘着付与剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明は、放射線硬化性接着剤組成物の粘着付与剤としての、(A)水素化ビスフェノール、(B)ジオール及び(C)ジカルボン酸又はその無水物からのモノマー繰返し単位を含むポリエステルの使用であって、(C)が、(C1)脂肪族ジカルボン酸又はその無水物を含む、使用を提供する。
【0007】
本発明はさらに、粘着付与剤及び放射線硬化性組成物を含む放射線硬化性接着剤組成物であって、粘着付与剤が、(A)水素化ビスフェノール、(B)ジオール及び(C)ジカルボン酸又はその無水物からのモノマー繰返し単位を含むポリエステルを含むか又はそれらであり、(C)が、(C1)脂肪族ジカルボン酸又はその無水物を含む、放射線硬化性接着剤組成物を提供する。
【0008】
粘着付与剤として本発明において使用されるポリエステルは、接着剤組成物に良好な接着特性を与え、低い紫外線吸収を有し、皮膚感作物質でない。
【0009】
特開2011225751号公報には、同様のポリエステルが開示されることが注記される。しかしながら、特開2011225751号公報は、10~40重量%のポリエステル、30~75重量%の紫外線硬化性化合物及び5~15重量%の開始剤を含むインクに関し、接着剤組成物に関連しない。本発明において使用される(A)水素化ビスフェノール、(B)ジオール及び(C)ジカルボン酸又はその無水物の好適な例は、参照により本明細書に援用される特開2011225751号公報に記載されている。
【0010】
接着剤組成物がインクと異なることが当業者によって理解されるであろう。インクは、着色剤を必要とし、光学的に透明でない。本発明に係る接着剤組成物は、光学的に透明である。本明細書において使用される際、「光学的に透明」という用語は、400~700nmの波長範囲内で、少なくとも80%、特に、少なくとも90%の発光透過率、並びに多くても5%、特に、多くても2%のヘイズを有する材料を指し得る。発光透過率及びヘイズは、例えば、ASTM-D 1003-95を用いて決定され得る。それはまた、ASTM-D 1003-95によって決定される際、400~700nmの波長範囲内で、多くても1%の不透明度によって定義され得る。本発明に係る接着剤組成物はまた、それが着色剤を実質的に含まないこと、すなわち、接着剤組成物が、多くても0.1重量%又は0重量%の着色剤を含むことによって定義され得る。
【0011】
本明細書において使用される際の「粘着付与剤」という用語は、接着剤組成物に粘着性を付与するか又は粘着性を所定の所望のレベルに増加させるか、又は剥離接着力を修正するのに有用な組成物を意味する。ASTM D-1878-1Tは、「別の表面に直接接触すると測定可能な強度の結合を形成することを可能にする材料の特性」として粘着性を定義している。
【0012】
本明細書において使用される際の「放射線硬化性組成物」という用語は、化学線及び/又は電離放射線に曝露すると硬化可能な組成物を意味する。「放射線」という用語は、本明細書において、紫外線などの化学線及び電子の放射によって生成される電離放射線又は中性子、α粒子などの高加速核粒子を含むように使用される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1a】x軸が、230~300の波長(nm)であり、y軸が、0.00~2.00の吸光度であるグラフである。
【0014】
図1b】x軸が、230~300の波長(nm)であり、y軸が、0.00~2.00の吸光度であるグラフである。
【0015】
図1c】x軸が、230~300の波長(nm)であり、y軸が、0.00~2.00の吸光度であるグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(A)水素化ビスフェノール
【0017】
水素化ビスフェノールの好適な例としては、ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールF(ビス(ヒドロキシフェニル)メタン)、ビスフェノールE(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン)、ビスフェノールB(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン)、ビスフェノールS(ビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン)、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-メチルペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-2-メチルプロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)ブタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-2-フェニルエタン、ビフェノール、ビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル及びビス(4-ヒドロキシフェニル)ケトンの水素化物が挙げられる。
【0018】
水素化ビスフェノールのさらなる好適な例としては、本明細書に記載される水素化ビスフェノールの例のエチレンオキシド及びプロピレンオキシド付加物が挙げられる。
【0019】
好ましくは、水素化ビスフェノールは、ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン)の水素化物である。
【0020】
好ましくは、ポリエステル中の(A)の量は、ポリエステルに対して、10~50重量%、好ましくは、25~40重量%である。
【0021】
(B)ジオール
【0022】
好ましくは、ジオールは、分枝状アルキル基又はエーテル基を有するジオールである。
【0023】
分枝状アルキル基を有するジオールの好適な例としては、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール(ネオペンチルグリコール)、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジメチル-2,4-ジメチルペンタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ジメチロールオクタン、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,5-ジオール-2,5-ヘキサンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、2-ブチル-2-エチル-1,3-プロパンジオール及び2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオールが挙げられる。
【0024】
エーテル基を有するジオールの好適な例としては、ポリエチレングリコール(n=1~20)、ポリプロピレングリコール(n=1~20)、ポリテトラメチレングリコール(n=1~20)、及びポリエステルポリオールなどのポリエーテルポリオールが挙げられる。
【0025】
好ましくは、ジオールは、ネオペンチルグリコールである。
【0026】
好ましくは、ポリエステル中の(B)の量は、ポリエステルに対して、10~50重量%、好ましくは、10~35重量%である。
【0027】
好ましくは、ポリエステル中の(B)の量は、ポリエステル中の(A)の量より少ない。
【0028】
(C)ジカルボン酸又はその無水物
【0029】
ジカルボン酸又はその無水物は、(C1)脂肪族ジカルボン酸又はその無水物を含む。
【0030】
好ましくは、(C1)は、シクロヘキセン又はシクロヘキサン構造を含有する。
【0031】
(C1)の好適な例としては、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、3-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、4-メチル-1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3-メチルヘキサヒドロフタル酸及び4-メチルヘキサヒドロフタル酸それらの無水物が挙げられる。
【0032】
好ましくは、(C1)は、1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸である。
【0033】
好ましくは、(C)は、(C1)からなる。或いは、(C1)は、(C2)芳香族ジカルボン酸又は無水フタル酸などのその無水物をさらに含み得る。(C2)の存在が、硬化波長において、より低い接着特性並びにより高い紫外線吸収をもたらすことが分かった。
【0034】
(C)に対する(C1)の量は、50重量%未満、例えば50重量%未満及び少なくとも10重量%、少なくとも20重量%、少なくとも30重量%又は少なくとも40%であり得る。しかしながら、好ましくは、(C)に対する(C1)の量は、少なくとも50重量%、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも99重量%又は100重量%である。好ましくは、(C)に対する(C2)の量は、50重量%未満、40重量%未満、30重量%未満、20重量%未満、10重量%未満、5重量%未満又は1重量%未満である。
【0035】
好ましくは、ポリエステル中の(C)の量は、ポリエステルに対して、20~60重量%、好ましくは、30~50重量%である。
【0036】
好ましくは、ポリエステル中の(C)の重量は、ポリエステル中の(A)の重量より大きい。好ましくは、ポリエステル中の(C)の重量は、ポリエステル中の(B)の重量より大きい。好ましくは、ポリエステル中の(C)の重量は、ポリエステル中の(A)の重量及びポリエステル中の(B)の重量の合計より小さい。
【0037】
好ましくは、(A)及び(C)の総量に対する(A)の量は、30~80重量%、より好ましくは、35~75重量%である。
【0038】
好ましくは、(A)及び(B)の合計に対する(A)の量は、多くても70重量%、より好ましくは、30~65重量%である。これは、接着剤組成物中の他の成分との特に良好な相溶性をもたらす。
【0039】
好ましくは、(A)及び(B)の合計に対する(A)の量は、少なくとも40重量%である。これは、接着剤組成物の高い接着特性をもたらす。
【0040】
ポリエステルを調製するための他の化合物
【0041】
本発明に従って使用されるポリエステルは、(A)、(B)及び(C)からのモノマー繰返し単位からなり得る。或いは、本発明に従って使用されるポリエステルは、(A)、(B)又は(C)と異なる化合物からのモノマー繰返し単位をさらに含み得る。好ましくは、(A)、(B)及び(C)の量の合計は、ポリエステルの90~100mol%である。
【0042】
ポリエステル中の(A)、(B)、(C)の量が、ポリエステルを調製するために使用されるモノマーの総量に対する、ポリエステルを調製するために使用される(A)(B)、(C)のそれぞれの量を意味することが理解されるであろう。
【0043】
本発明に従って使用されるポリエステルは、直鎖状又は環状であり得る、一価アルコール、二価アルコール、三価又はより高級のアルコールからのモノマー繰返し単位をさらに含み得る。
【0044】
本発明に従って使用されるポリエステルは、一塩基酸及び多塩基酸(脂肪族多塩基酸及び芳香族多塩基酸)などの酸化合物からのモノマー繰返し単位をさらに含み得る。
【0045】
ポリエステル
【0046】
好ましくは、本発明に従って使用されるポリエステルは、少なくとも1.3の、(A)、(B)及び(C)の合計におけるOH基対COOH基のモル比を有する。これは、放射線硬化性組成物との良好な相溶性をもたらす。好ましくは、OH基対COOH基のモル比は、多くても1.9である。ある実施形態において、本発明に従って使用されるポリエステルは、多くても0.7の、(A)、(B)及び(C)の合計におけるOH基対COOH基のモル比を有する。
【0047】
好ましくは、本発明に従って使用されるポリエステルは、少なくとも60mgKOH/gの酸価を有する。より好ましくは、本発明に従って使用されるポリエステルは、ASTM D465-05(2010)に従って決定される、少なくとも70mgKOH/g、少なくとも80mgKOH/g、少なくとも100mgKOH/g又は少なくとも120mgKOH/gの酸価を有する。
【0048】
このような高い酸価は、接着剤組成物中の他の成分との良好な相溶性及び良好な接着特性をもたらすことが分かった。
【0049】
好ましくは、本発明に従って使用されるポリエステルは、ASTM D4274-99に従って決定される、少なくとも60mgKOH/gのOH価を有する。より好ましくは、本発明に従って使用されるポリエステルは、ASTM D4274-99に従って決定される、少なくとも70mgKOH/g、少なくとも80mgKOH/g又は少なくとも90mgKOH/gのOH価を有する。このような高いOH価は、接着剤組成物中の他の成分との良好な相溶性をもたらすことが分かった。
【0050】
ある好ましい実施形態において、ポリエステルは、ASTM D4274-99に従って決定される少なくとも70mgKOH/gのOH価を有し、(A)及び(C)の合計に対する(A)の量は、70重量%未満である。このようなポリエステルは、接着剤組成物中の他の成分との特に良好な相溶性を有する。
【0051】
ある好ましい実施形態において、(A)及び(C)の合計に対する(A)の量は、少なくとも40重量%であり、(C)に対する(C1)の量は、少なくとも50重量%である。このようなポリエステルは、特に良好な接着特性を有する。
【0052】
接着剤組成物
【0053】
本発明はさらに、本明細書に記載されるポリエステルを含む粘着付与剤及び放射線硬化性組成物を含むか又はそれからなる放射線硬化性接着剤組成物を提供する。
【0054】
好ましくは、全放射線硬化性接着剤組成物に対する粘着付与剤の量は、0.1~50重量%、より好ましくは、1~25重量%である。
【0055】
放射線硬化性接着剤組成物中の粘着付与剤は、ポリエステルからなり得、又は粘着付与剤として公知の1つ以上の化合物をさらに含み得る。好ましくは、全放射線硬化性接着剤組成物に対するポリエステルの量は、0.1~50重量%、より好ましくは、1~25重量%である。
【0056】
好ましくは、全放射線硬化性接着剤組成物に対する放射線硬化性組成物の量は、50~99.9重量%、より好ましくは、75~99重量%である。
【0057】
放射線硬化性組成物
【0058】
放射線硬化性組成物の好適な例が、参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2005/0182150号明細書に記載されている。
【0059】
好ましくは、放射線硬化性組成物は、アクリルポリマーを含む。
【0060】
アクリルポリマーは、ホモポリマー、コポリマーの両方、及びターポリマーを含む。コポリマーは、ランダム、ブロック又はグラフトであり得る。
【0061】
アクリルポリマーは、メチルアクリレート、アクリル酸、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、n-ヘキシルアクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、エチルヘキシルアクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、n-ヘプチルアクリレート、n-ヘプチルメタクリレート、2-メチルヘプチル(メタ)アクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、イソ-ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシルアクリレート、イソデシルメタクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリルメタクリレート、ラウリルアクリレート、トリデシルアクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、クロトン酸アルキル、酢酸ビニル、マレイン酸ジ-n-ブチル、マレイン酸ジオクチル、アセトアセトキシエチルメタクリレート、アセトアセトキシエチルアクリレート、アセトアセトキシプロピルメタクリレート、アセトアセトキシプロピルアクリレート、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、アリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n-ヘキシルアクリレート、n-ヘキシルメタクリレート、2-エトキシエチルアクリレート、2-エトキシエチルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、イソデシルアクリレート、2-メトキシアクリレート、2-メトキシメタクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、2-フェノキシエチルアクリレート、2-フェノキシエチルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、カプロラクトンアクリレート、カプロラクトンメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、1-アリルオキシ-2-ヒドロキシルプロピル(hydroylpropyl)スルホン酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されるアクリルモノマーからの繰返し単位を含み得る。
【0062】
アクリルコポリマーは、アクリルモノマーを極性共重合性モノマーと共重合させることによって生成され得る。このような極性共重合性モノマーの例としては、シアノアルキルアクリレート、アクリルアミド、置換アクリルアミド、N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタム、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン及びフタル酸ジアリルが挙げられる。極性共重合性モノマーの量は、例えば、アクリルコポリマーの0~50重量%、好ましくは、1~30重量%であり得る。アクリルモノマーの量は、例えば、アクリルコポリマーの50~100重量%、好ましくは、70~99重量%であり得る。
【0063】
好ましくは、放射線硬化性組成物に対するアクリルポリマーの量は、少なくとも75重量%、より好ましくは、80~99.9重量%、より好ましくは、90~99.5重量%である。
【0064】
放射線硬化性組成物中の他の成分
【0065】
放射線硬化性接着剤組成物は、光開始剤及び/又は架橋剤をさらに含み得る。
【0066】
好適な光開始剤の例としては、アルデヒド、例えばベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、及びそれらの置換誘導体;ケトン、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン及びそれらの置換誘導体;キニン、例えば、ベンゾキノン、アントラキノン及びそれらの置換誘導体;チオキサントン、例えば、2-イソプロピルチオキサントン及び2-ドデシルチオキサントン;及び特定の発色団置換ビニルハロメチル-sym-トリアジン、例えば、2-4-ビス-(トリクロロメチル)-6-(3’,4’-ジメトキシフェニル)-sym-トリアジンが挙げられる。
【0067】
好ましくは、放射線硬化性組成物に対する光開始剤の量は、0.05~6.0重量%、より好ましくは、0.1~2.0重量%、より好ましくは、0.5~1.5重量%である。
【0068】
好適な架橋剤の例としては、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-p-メトキシスチリル-s-トリアジン及び米国特許第4,329,384号明細書、及び同第4,330,590号明細書(参照により本明細書に援用される)に開示される発色団置換ハロメチル-s-トリアジンなどの置換トリアジンが挙げられる。他の有用な架橋剤としては、限定はされないが、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、1,2-エチレングリコールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、及び1,12-ドデカンジオールジアクリレートなどの多官能性アルキルアクリレートモノマーが挙げられる。
【0069】
好ましくは、放射線硬化性組成物に対する架橋剤の量は、0.05~25重量%、より好ましくは、0.1~10重量%である。
【0070】
好ましくは、アクリルポリマーを含む放射線硬化性組成物は、紫外光反応性、無溶剤であり、多くても-32℃のTg及び120℃における多くても24000mPa・sの粘度を有する。
【0071】
アクリルポリマー及び光開始剤を含む放射線硬化性組成物は、市販されている。市販の放射線硬化性組成物の例としては、BASF製のacResin(登録商標)、例えばacResin(登録商標)A 204UVが挙げられる。
【0072】
放射線硬化性組成物は、強化剤、難燃剤、発泡剤、可塑剤、油、酸化防止剤及び充填剤からなる群から選択される少なくとも1つの添加剤をさらに含み得る。放射線硬化性組成物は、着色剤を実質的に含まない。
【0073】
接着された部分を有する物品
【0074】
本発明はさらに、第1の部分及び第2の部分を接着させるための方法であって、本発明に係る放射線硬化性接着剤組成物を、第1の部分及び第2の部分と接触させること、及び放射線によって放射線硬化性接着剤組成物を硬化させることを含む方法を提供する。
【0075】
本発明はさらに、第1の部分及び第2の部分を含む物品であって、第1の部分及び第2の部分が、本発明に係る放射線硬化性接着剤組成物を、第1の部分及び第2の部分と接触させること、及び放射線によって放射線硬化性接着剤組成物を硬化させることを含む方法によって互いに接着される、物品を提供する。
【0076】
好ましくは、放射線は、紫外光、電子ビーム、γ線及びX線から選択される。
【0077】
好ましくは、紫外光は、約100nm~約400nm、好ましくは、220nm~280nm、好ましくは、255nmの範囲の有効紫外線波長を有する。
【0078】
好ましくは、放射線は、約1メガラッド(Mrad)~約30Mradの範囲の量の電子ビーム放射線である。
【0079】
好ましくは、第1の部分及び/又は第2の部分は、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリプロピレン、織布、不織布、金属、金属箔、紙、ガラス、セラミック、及びこれらの材料の1つ以上の積層体を含む複合材料からなる群から選択される材料で作製される。
【0080】
本発明が、独立請求項単独で又は本明細書に記載される特徴の任意の可能な組合せと組み合わせて規定される主題に関し、特に好ましいのは、請求項中に存在する特徴のそれらの組合せであることが注記される。したがって、本発明に係る組成物に関する特徴の全ての組合せ;本発明に係る方法に関する特徴の全ての組合せ並びに本発明に係る組成物に関する特徴及び本発明に係る方法に関する特徴の全ての組合せが、本明細書に記載されることが理解されるであろう。
【0081】
「含む」という用語が、他の要素の存在を除外しないことがさらに注記される。しかしながら、特定の成分を含む生成物/組成物の説明が、これらの成分からなる生成物/組成物も開示することも理解されるべきである。これらの成分からなる生成物/組成物は、生成物/組成物の調製のためのより簡単でより経済的な方法を提供することから有利であり得る。同様に、特定の工程を含む方法についての説明が、これらの工程からなる方法も開示することも理解されるべきである。これらの工程からなる方法は、より簡単でより経済的な方法を提供することから有利であり得る。
【0082】
値が、パラメータの下限及び上限について言及される場合、下限の値及び上限の値の組合せによって形成された範囲も開示されることが理解される。
【0083】
ここで、本発明は、以下の実施例によって説明されるが、これらに限定されるものではない。
【実施例
【0084】
ポリエステルの調製
【0085】
実施例1~2
【0086】
撹拌器、水分離器を含む還流冷却器、及び温度計を備えた四つ口フラスコ中に窒素ガスを吹き込みながら、ビスフェノールA(2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン)(HBA)、ネオペンチルグリコール(NPG)及び1,2,3,6-テトラヒドロフタル酸(THPA)を、その中で混合して、6時間にわたって230℃で脱水縮合に供した。HBA、NPG及びTHPAの重量比が、表1に示される。ポリエステルが得られた。
【0087】
比較実験3
【0088】
このプロセスは、HBAを加えず、使用される化合物の重量比が異なることを除いて、実施例1と同一であった。
【0089】
比較実験4
【0090】
このプロセスは、フタル酸をTHPAの代わりに使用し、使用される化合物の重量比が異なることを除いて、実施例1と同一であった。
【0091】
様々な特性が、得られたポリエステルについて測定された。
【0092】
酸価が、ASTM D465-05(2010)に従って決定された。
【0093】
ヒドロキシル価が、ASTM D4274-99に従って決定された。
【0094】
相溶性
【0095】
得られたポリエステル及びアクリルポリマー(acResin 204UV)を含む放射線硬化性接着剤組成物を、100℃で、20:80の重量比で混合した。続いて、混合物を室温に冷却し、その透明度を、視覚的に検査した。それが透明である場合、ポリエステルが放射線硬化性接着剤組成物と相溶性である(Oで示される)ことが決定される。それが透明でない場合、ポリエステルが、放射線硬化性接着剤組成物と相溶性でない(Xで示される)ことが決定される。
【0096】
接着特性
【0097】
得られたポリエステル及びアクリルポリマー(acResin 204UV)を含む放射線硬化性接着剤組成物を、20:80の重量比で混合した。混合物を酢酸エチル(50%の溶液)に溶解させた。
【0098】
溶液をPET基板にコートし、110℃で、オーブン中で乾燥させた。乾燥されたコーティングの重量は、80g/mであった。1インチ×7インチの小片を、コートされた基板から作製し、UV-C(74mJ)で硬化させた。
【0099】
標準的な表面からのせん断に対する耐性(SSに対するせん断)は、FINAT FTM-8に従って決定された。
【0100】
ループタックは、FINAT-9に従って決定された。
【0101】
剥離は、FINAT-1に従って決定された。
【0102】
【表1】
【0103】
本発明に係るポリエステル(実施例1及び2)が、アクリルポリマーとの良好な相溶性及び良好な接着特性を有することが理解され得る。比較例3のポリエステルは、劣った相溶性を有する。比較例4のポリエステルは、低い接着特性を有する。
【0104】
同じ特性が、Foral 85(高度水素化ウッドロジンのグリセロールエステル)について測定された。接着特性は、本発明に係るポリエステルより劣っていた。
【0105】
同じ特性が、acResin 204UVについて測定された。接着特性は、本発明に係るポリエステルよりかなり劣っていた。
【0106】
紫外線吸収
【0107】
紫外線吸収が、ポリエステル1及びポリエステル2(以下に示される構造)及びForal 85について測定された。
【0108】
ポリエステル1
【化1】
【0109】
ポリエステル2
【化2】
【0110】
ポリエステル1、ポリエステル2及びForal 85についての紫外線吸収スペクトルが、それぞれ図1(a)、1(b)及び1(c)に示される。本発明に係るポリエステル1が、紫外線波長において非常に低い吸収を有することが理解され得る。
図1a
図1b
図1c
【国際調査報告】