(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】エネルギ供給装置
(51)【国際特許分類】
H01R 41/00 20060101AFI20240405BHJP
A47B 67/04 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
H01R41/00 H
A47B67/04 502Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566868
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(85)【翻訳文提出日】2023-12-04
(86)【国際出願番号】 AT2022060141
(87)【国際公開番号】W WO2022226568
(87)【国際公開日】2022-11-03
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク ハグズピール
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA01
3B160AC04
3B160AC05
3B160CA02
3B160CA14
3B160DA23
3B160EB71
(57)【要約】
家具キャビネット(2)と、少なくとも1つの可動の家具部分(5)とを備えた家具(1)に対して、少なくとも1つの電気的な負荷(7)に電気エネルギを供給するエネルギ供給装置であって、エネルギ供給装置は少なくとも1つの電流供給レール(8)を含んでおり、電流供給レール(8)は家具キャビネット(2)に接して、または可動の家具部分(5)に接して配置可能であり、エネルギ供給装置は少なくとも1つの接触接続装置(9)を含んでおり、接触接続装置(9)は少なくとも部分的に、可動の家具部分(5)に接してまたは家具キャビネット(2)に接して配置可能であり、接触接続装置(9)は、少なくとも1つの電流供給レール(8)の導電性の接触接続のために、少なくとも1つのコンタクト要素(10)を有しており、接触接続装置(9)は、接触接続装置(9)を介した、電流供給レール(8)から少なくとも1つの電気的な負荷(7)への電流供給のイネーブル化のために、少なくとも1つの切換可能な負荷切換要素(11)を有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具キャビネット(2)と、少なくとも1つの可動の家具部分(5)とを備えた家具(1)に対して、少なくとも1つの電気的な負荷(7)に電気エネルギを供給するエネルギ供給装置であって、
・前記エネルギ供給装置は少なくとも1つの電流供給レール(8)を含んでおり、前記電流供給レール(8)は前記家具キャビネット(2)に接して、または前記可動の家具部分(5)に接して配置可能であり、
・前記エネルギ供給装置は少なくとも1つの接触接続装置(9)を含んでおり、前記接触接続装置(9)は少なくとも部分的に、前記可動の家具部分(5)に接してまたは前記家具キャビネット(2)に接して配置可能である、エネルギ供給装置において、
・前記接触接続装置(9)は、前記少なくとも1つの電流供給レール(8)の導電性の接触接続のために、少なくとも1つのコンタクト要素(10)を有しており、
・前記接触接続装置(9)は、前記接触接続装置(9)を介した、前記電流供給レール(8)から前記少なくとも1つの電気的な負荷(7)への電流供給のイネーブル化のために、少なくとも1つの切換可能な負荷切換要素(11)を有している、
ことを特徴とする、エネルギ供給装置。
【請求項2】
前記家具キャビネット(2)に対して相対的な前記少なくとも1つの可動の家具部分(5)の移動によって、前記少なくとも1つのコンタクト要素(10)による前記少なくとも1つの電流供給レール(8)の導電性の接触接続が可能である、かつ/または前記少なくとも1つの負荷切換要素(11)が切換可能である、請求項1記載のエネルギ供給装置。
【請求項3】
前記家具キャビネット(2)に対する前記少なくとも1つの可動の家具部分(5)の設定されたまたは設定可能な相対位置への移動によって、好適には、前記少なくとも1つの可動の家具部分(5)の前記移動の終端位置への移動または前記少なくとも1つの可動の家具部分(5)の前記移動の終端位置からの移動によって、前記少なくとも1つのコンタクト要素(10)による前記少なくとも1つの電流供給レール(8)の導電性の接触接続が可能である、かつ/または前記少なくとも1つの負荷切換要素(11)が切換可能である、請求項2記載のエネルギ供給装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの負荷切換要素(11)は少なくとも1つの測定コンタクト(14)を有しており、前記少なくとも1つの測定コンタクト(14)によって、前記コンタクト要素(10)と前記少なくとも1つの電流供給レール(8)との導電性の接触接続が測定可能である、請求項1から3までのいずれか1項記載のエネルギ供給装置。
【請求項5】
前記コンタクト要素(10)と前記少なくとも1つの電流供給レール(8)との前記導電性の接触接続は、前記家具キャビネット(2)に対する前記少なくとも1つの可動の家具部分(5)の設定されたまたは設定可能な相対位置への到達によって、かつ/または前記少なくとも1つの電流供給レール(8)に印加されている電圧の測定によって、前記測定コンタクト(14)によって測定可能である、請求項4記載のエネルギ供給装置。
【請求項6】
前記電流供給レール(8)から前記少なくとも1つの電気的な負荷(7)への電流供給は、前記少なくとも1つの負荷切換要素(11)によって、実質的に電力を用いずにイネーブル化可能である、請求項1から5までのいずれか1項記載のエネルギ供給装置。
【請求項7】
前記エネルギ供給装置は、第1の電気的な負荷(7)のための少なくとも1つの第1の負荷切換要素(11)と、第2の電気的な負荷(7)のための第2の負荷切換要素(11)とを有しており、前記第2の負荷切換要素(11)は、前記第1の負荷切換要素(11)の切換状態に関連して切換可能である、請求項1から6までのいずれか1項記載のエネルギ供給装置。
【請求項8】
前記コンタクト要素(10)と、前記少なくとも1つの負荷切換要素(11)とは、1つの共通の構造ユニット内に配置されている、請求項1から7までのいずれか1項記載のエネルギ供給装置。
【請求項9】
前記コンタクト要素(10)は、前記少なくとも1つの電流供給レール(8)の導電性の接触接続のために、ばねコンタクト(15)を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載のエネルギ供給装置。
【請求項10】
前記ばねコンタクト(15)は、旋回可能なばねフィンガ(16)を有している、請求項9記載のエネルギ供給装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの負荷切換要素(11)は、前記少なくとも1つの旋回可能なばねフィンガ(16)の移動によって切換可能である、請求項10記載のエネルギ供給装置。
【請求項12】
前記電流供給レール(8)は、少なくとも2つの導電性のコンタクト面(17)またはコンタクト箇所を有している、請求項1から11までのいずれか1項記載のエネルギ供給装置。
【請求項13】
前記エネルギ供給装置は、前記少なくとも1つの電気的な負荷(7)に電気エネルギを供給するために、少なくとも1つの電圧源(18)、特に直流電圧源および/または交流電圧源を含んでいる、請求項1から12までのいずれか1項記載のエネルギ供給装置。
【請求項14】
前記エネルギ供給装置は充電可能なエネルギ蓄積器(19)を有しており、前記エネルギ蓄積器(19)から、少なくとも前記エネルギ供給装置の負荷切換要素(11)が開放されているときに、少なくとも1つの電気的な負荷(7)に、少なくとも制限された持続時間の間、電気エネルギを供給することが可能である、請求項1から13までのいずれか1項記載のエネルギ供給装置。
【請求項15】
家具キャビネット(2)と、前記家具キャビネット(2)に対して相対的に可動の、特に引出しの形態の少なくとも1つの家具部分(5)とを備えた家具(1)であって、
前記少なくとも1つの家具部分(5)は少なくとも部分的に、前記家具キャビネット(2)の内室内に配置可能であり、前記家具(1)は請求項1から14までのいずれか1項記載の少なくとも1つのエネルギ供給装置を備えている、
家具(1)。
【請求項16】
接触接続装置(9)が、前記可動の家具部分(5)の、前記家具キャビネット(2)の前記内室(3)に面した背壁(6)に配置されている、請求項15記載の家具。
【請求項17】
電流供給レール(8)は、前記内室(3)に面した、前記家具キャビネット(2)の背壁(4)に配置されている、請求項15または16記載の家具。
【請求項18】
前記少なくとも1つの可動の家具部分(5)は、少なくとも1つの電気的な負荷(7)を着脱可能に連結することができる、少なくとも1つの、好適には前記接触接続装置(9)に接して形成されている、インタフェース(20)を有している、請求項15から17までのいずれか1項記載の家具。
【請求項19】
前記家具(1)は、少なくとも1つの電気的な負荷(7)を有している、請求項15から18までのいずれか1項記載の家具。
【請求項20】
前記家具キャビネット(2)内にまたは前記家具キャビネット(2)に接して、少なくとも1つの光源の形態の少なくとも1つの電気的な負荷(7)が配置されており、前記少なくとも1つの光源は、組付け位置に関して、前記少なくとも1つの可動の家具部分(5)の上方に配置されている、請求項15から19までのいずれか1項記載の家具。
【請求項21】
請求項15から20までのいずれか1項記載の家具のための請求項1から14までのいずれか1項記載のエネルギ供給装置を用いて、家具(1)内にまたは家具(1)に接して配置可能な電気的な負荷(7)に電気エネルギを供給する方法であって、
・接触接続の方法ステップにおいて、接触接続装置(9)が少なくとも1つのコンタクト要素(10)によって、少なくとも1つの電流供給レール(8)に導電性に接触接続し、
・イネーブル化の方法ステップにおいて、少なくとも1つの負荷切換要素(11)によって、前記接触接続装置(9)を介した、前記電流供給レール(8)から少なくとも1つの前記電気的な負荷(7)への電流供給のイネーブル化が可能である、
方法。
【請求項22】
家具キャビネット(2)に対する少なくとも1つの可動の家具部分(5)の移動時に、前記家具キャビネット(2)に対する前記少なくとも1つの可動の家具部分(5)の設定されたまたは設定可能な相対位置への到達時に、前記少なくとも1つのコンタクト要素(10)が少なくとも1つの電流供給レール(8)に導電性に接触接続し、これに続いて、前記少なくとも1つの負荷切換要素(11)は、前記接触接続装置(9)を介した、前記電流供給レール(8)から前記少なくとも1つの電気的な負荷(7)への電流供給のイネーブル化を行う、請求項21記載の方法。
【請求項23】
コンタクト測定の方法ステップにおいて、前記コンタクト要素(10)と前記少なくとも1つの電流供給レール(8)との導電性の接触接続を、前記少なくとも1つの負荷切換要素(11)の少なくとも1つの測定コンタクト(14)によって測定する、請求項21または22記載の方法。
【請求項24】
前記コンタクト要素(10)と前記少なくとも1つの電流供給レール(8)との前記導電性の接触接続は、前記家具キャビネット(2)に対する前記少なくとも1つの可動の家具部分(5)の設定されたまたは設定可能な相対位置への到達によって、かつ/または前記少なくとも1つの電流供給レール(8)に印加されている電圧の測定によって、前記測定コンタクト(14)によって測定可能である、請求項21から23までのいずれか1項記載の方法。
【請求項25】
前記エネルギ供給装置は、第1の電気的な負荷(7)のための少なくとも1つの第1の負荷切換要素(11)と、第2の電気的な負荷(13)のための第2の負荷切換要素(12)とを有しており、前記第1の負荷切換要素(11)の切換状態に関連して、前記第2の負荷切換要素(12)の切換を行う、請求項21から24までのいずれか1項記載の方法。
【請求項26】
請求項15から20までのいずれか1項記載の家具(1)内にまたは請求項15から20までのいずれか1項記載の家具(1)に接して配置可能な少なくとも1つの電気的な負荷(7)に電気エネルギを供給するための、請求項1から14までのいずれか1項記載のエネルギ供給装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念記載の特徴を有するエネルギ供給装置、このようなエネルギ供給装置を備える家具、このような家具内にまたはこのような家具に接して配置可能な電気的な負荷に、このようなエネルギ供給装置を用いて電気エネルギを供給する方法、ならびにこのような家具内にまたはこのような家具に接して配置可能な少なくとも1つの電気的な負荷に電気エネルギを供給するための、このようなエネルギ供給装置の使用に関する。
【0002】
従来技術において、家具内のまたは家具に接した電気的な負荷のためのエネルギ供給装置が公知である。家具内にまたは家具に接して配置された電気的な負荷への電気エネルギの供給、特に可動の家具部分に接してまたは可動の家具部分内に配置された負荷への電気エネルギの供給は、家具または可動の家具部分の移動によって確立可能である、または中断可能である。この際、突発的に変化する電力消費量によって、家具の電流供給レールに接触接続し得る接触接続装置に、火花区間が不所望に形成されてしまうことがある。このような火花区間では、オープンアークが発生することがあり、これによって、接触接続装置と電流供給レールとの電気的なコンタクトが損傷する恐れがあり、またエネルギ供給および接続された電気的な負荷において障害が生じる恐れもある。
【0003】
本発明の課題は、上述の欠点が発生しないエネルギ供給装置、家具、エネルギを供給する方法ならびにエネルギ供給装置の使用を提示することである。
【0004】
上述の課題は、請求項1記載の特徴を有するエネルギ供給装置、このようなエネルギ供給装置を備える家具、このような家具内にまたはこのような家具に接して配置可能な電気的な負荷に、このようなエネルギ供給装置を用いて電気エネルギを供給する方法、ならびにこのような家具内にまたはこのような家具に接して配置可能な少なくとも1つの電気的な負荷に電気エネルギを供給するための、このようなエネルギ供給装置の使用によって解決される。
【0005】
本発明の有利な実施形態は、各従属請求項において規定されている。
【0006】
エネルギ供給装置は、家具キャビネットと、少なくとも1つの可動の家具部分とを備えた家具に対して、少なくとも1つの電気的な負荷に電気エネルギを供給するのに適している。
【0007】
少なくとも1つの電気的な負荷は、この場合、家具内にまたは家具に接して、特に家具キャビネット内にまたは家具キャビネットに接して、かつ/または可動の家具部分内にまたは可動の家具部分に接して配置されていてよい。家具が複数の可動の家具部分と複数の電気的な負荷とを有していることは、排除されるべきではない。
【0008】
エネルギ供給装置は少なくとも1つの電流供給レールを有していてよく、電流供給レールは家具キャビネットに接して、または可動の家具部分に接して配置可能である。電流供給レールから、少なくとも1つの電気的な負荷に供給するための電流を取り出すことができる。
【0009】
エネルギ供給装置は少なくとも1つの接触接続装置を有していてよく、接触接続装置は少なくとも部分的に、可動の家具部分に接してまたは家具キャビネットに接して配置可能である。
【0010】
この場合に接触接続装置は、少なくとも1つの電流供給レールの導電性の接触接続のために、少なくとも1つのコンタクト要素を有していてよい。この少なくとも1つのコンタクト要素によって、電流供給レールの電流伝導性の接触接続が行われてよい。
【0011】
さらに接触接続装置は、接触接続装置を介した、電流供給レールから少なくとも1つの電気的な負荷への電流供給のイネーブル化のために、少なくとも1つの切換可能な負荷切換要素を有していてよい。
【0012】
基本的には、エネルギ供給装置は互いに別個に形成された複数の接触接続装置を有していてよい。また、エネルギ供給装置は、互いに別個に形成された複数の負荷切換要素を有していてよい。
【0013】
切換可能な負荷切換要素は、実質的に、電流が負荷切換要素を通って流れることができない開放切換状態と、電流が負荷切換要素を通って流れることができる閉成切換状態とを有していてよい。
【0014】
切換可能な負荷切換要素は、たとえば、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタ、光カプラ、サイリスタ、トライアックまたは半導体リレーなどの電子半導体モジュールの形態で構成されていてよい。
【0015】
たとえばコンデンサ、バリスタまたはサプレッサダイオード等の火花消去用の機器を場合によって備えている、たとえばリレーの形態の、リモート操作されるスイッチによる切換可能な負荷切換要素の構成は排除されるべきではない。
【0016】
すなわち、電流供給レールと少なくとも1つの電気的な負荷との間に接触接続装置が配置されており、この接触接続装置が、少なくとも1つのコンタクト要素でもって、電流供給レールに導電性に接触接続することができ、この接触接続装置が、切換可能な負荷切換要素でもって、少なくとも1つの電気的な負荷への電流供給をイネーブル化することができることが想定されていてよい。
【0017】
特に、電流供給レールが、コンタクト要素を介して、切換可能な負荷切換要素の開放切換位置の場合に、接触接続装置によって接触接続可能であることが想定されていてよい。
【0018】
接触接続装置の少なくとも1つのコンタクト要素が電流供給レールに接触接続している場合には、接触接続装置が、電流供給レールの電圧電位を有していてよく、このとき、実質的な電流がコンタクト要素を介して流れることはない。
【0019】
切換可能な負荷切換要素は、接触接続装置による電流供給レールの接触接続が行われた後、電気的な負荷に対する電流供給をイネーブル化することができる。
【0020】
これとは逆に、電流供給レールによる接触接続装置のコンタクト要素のコンタクトが解除される前に、電気的な負荷に対する電流供給の遮断を行うことができる。
【0021】
有利な構成では、家具キャビネットに対して相対的な少なくとも1つの可動の家具部分の移動によって、少なくとも1つのコンタクト要素による少なくとも1つの電流供給レールの導電性の接触接続が可能であってよい、かつ/または少なくとも1つの負荷切換要素が切換可能であってよい。
【0022】
概して、ある負荷切換要素が、別の負荷切換要素に関連して、電気的な負荷に対する電流供給をイネーブル化することが考えられる。
【0023】
電流供給レールとコンタクト要素とのコンタクトは、可動の家具部分の移動によって確立され得る、または中断され得る。択一的に、または同様に、負荷切換要素が、可動の家具部分の移動によって切換可能であってよい。
【0024】
この場合、家具キャビネットに対する少なくとも1つの可動の家具部分の設定されたまたは設定可能な相対位置への移動によって、少なくとも1つのコンタクト要素による少なくとも1つの電流供給レールの導電性の接触接続が可能であってよい、かつ/または少なくとも1つの負荷切換要素が切換可能であってよい。
【0025】
家具キャビネットに対する少なくとも1つの可動の家具部分の設定されたまたは設定可能な相対位置は、好適には、少なくとも1つの可動の家具部分の移動の終端位置への移動または少なくとも1つの可動の家具部分の移動の終端位置からの移動によって与えられていてよい。
【0026】
したがって、たとえば、家具の引出しもしくはフラップもしくは扉の開位置もしくは閉位置への到達時または家具の引出しもしくはフラップもしくは扉の開位置もしくは閉位置からの離脱時に、少なくとも1つのコンタクト要素による電流供給レールの接触接続および/または少なくとも1つの負荷切換要素の切換が行われ得る。
【0027】
少なくとも1つの負荷切換要素は少なくとも1つの測定コンタクトを有していてよく、少なくとも1つの測定コンタクトによって、コンタクト要素と少なくとも1つの電流供給レールとの導電性の接触接続が測定可能であってよい。少なくとも1つの負荷切換要素は、少なくとも1つの測定コンタクトを介して、測定コンタクトと電流供給レールとの接触接続が存在するか否かを検出することができる。これに関連して、負荷切換要素が、設定されたまたは設定可能な切換位置を有していてよい。
【0028】
この場合、コンタクト要素と少なくとも1つの電流供給レールとの導電性の接触接続は、家具キャビネットに対する少なくとも1つの可動の家具部分の設定されたまたは設定可能な相対位置への到達によって、かつ/または少なくとも1つの電流供給レールに印加されている電圧の測定によって、測定コンタクトによって測定可能であってよい。
【0029】
家具キャビネットに対する少なくとも1つの可動の家具部分の設定されたまたは設定可能な相対位置は、好適には、少なくとも1つの可動の家具部分の移動の終端位置への移動または少なくとも1つの可動の家具部分の移動の終端位置からの移動によって与えられていてよい。
【0030】
したがって、たとえば、家具の引出しもしくはフラップもしくは扉の開位置もしくは閉位置への到達時または家具の引出しもしくはフラップもしくは扉の開位置もしくは閉位置からの離脱時に、少なくとも1つのコンタクト要素による電流供給レールの接触接続を検出することができる、かつ/またはコンタクト要素における電圧の印加を測定することができる。電流供給レールにおけるコンタクト要素の接触接続の検出を、実質的に、位置に関連して、かつ/または電圧に関連して行うことができる。
【0031】
電流供給レールから少なくとも1つの電気的な負荷への電流供給は、少なくとも1つの負荷切換要素によって、実質的に電力を用いずにイネーブル化可能であってよい。この際に、負荷切換要素は、電流供給レールから電気的な負荷への電流供給を、実質的に、固有の高い所要電流なしにイネーブル化することができる。特に、負荷切換要素の電圧制御式の切換によってこれを行うことができる。
【0032】
有利な構成では、エネルギ供給装置は、第1の電気的な負荷のための少なくとも1つの第1の負荷切換要素と、第2の電気的な負荷のための第2の負荷切換要素とを有していてよく、第2の負荷切換要素は、第1の負荷切換要素の切換状態に関連して切換可能であってよい。この場合、たとえば、第1の負荷切換要素による、第1の電気的な負荷に対する電流供給レールの接触接続または第1の負荷切換要素による、第1の電気的な負荷に対する電流供給レールの接触接続の中断を検出することができる。第2の負荷切換要素は、これに関連して切換可能であってよい。
【0033】
ここで、第1の電気的な負荷のための第1の負荷切換要素と、第2の電気的な負荷のための第2の負荷切換要素とが、
・同じ家具内にまたは同じ家具に接して
・同じ家具部分内にまたは同じ家具部分に接して
・異なる家具内にまたは異なる家具に接して
・異なる家具部分内にまたは異なる家具部分に接して
配置されていてよい。
【0034】
有利な構成では、少なくとも1つのコンタクト要素と、少なくとも1つの負荷切換要素とが、1つの共通の構造ユニット内に配置されていてよい。
【0035】
コンタクト要素は、少なくとも1つの電流供給レールの導電性の接触接続のために、ばねコンタクトを有していてよい。ばねコンタクトは、たとえば、可動の家具部分のある程度の運動余地を残すことができ、この運動余地内で、コンタクト要素による電流供給レールの接触接続が維持される。
【0036】
この場合、ばねコンタクトは、少なくとも1つの旋回可能なばねフィンガを有していてよい。
【0037】
ばねコンタクトの旋回可能なばねフィンガによって、少なくとも1つの負荷切換要素が、少なくとも1つの旋回可能なばねフィンガの移動によって切換可能であってよい。したがって、たとえばばねコンタクトのばねフィンガは、電流供給レールに当接することができ、これによって、導電性のコンタクトが確立される。この場合、電流供給レールとの接触を維持しながら、旋回可能なばねフィンガを旋回させることができ、この際に、たとえば測定コンタクトの接触接続を行うことができ、負荷切換要素の切換を行うことができる。
【0038】
電流供給レールは、概して、少なくとも2つの導電性のコンタクト面またはコンタクト箇所を有していてよい。一方のコンタクト面またはコンタクト箇所は、他方のコンタクト面またはコンタクト箇所に対して、設定されたまたは設定可能な電圧電位にあってよい。したがって、たとえば、一方のコンタクト面またはコンタクト箇所に供給電圧を印加することができ、また他方のコンタクト面またはコンタクト箇所は回路アースに接続されている。
【0039】
エネルギ供給装置は、概して、少なくとも1つの電気的な負荷に電気エネルギを供給するために、少なくとも1つの直流電圧源および/または少なくとも1つの交流電圧源を含んでいてよい。
【0040】
エネルギ供給装置は充電可能なエネルギ蓄積器を有していてよく、このエネルギ蓄積器から、少なくともエネルギ供給装置の負荷スイッチが開放されているときに、電気的な負荷に、少なくとも制限された持続時間の間、電気エネルギを供給することが可能であってよい。したがって、電気的な負荷に、少なくとも制限された持続時間の間、電流供給レールとの接触接続がなくても、電気エネルギを供給することが可能であってよい。
【0041】
エネルギ供給装置は、種々異なる負荷に電気エネルギを供給することができる。このために、エネルギ供給装置は、電気的な負荷と、場合によっては電圧調整器とを接続するために、種々異なるインタフェースを有していてよい。
【0042】
電気的な負荷は、たとえば無線送信器、光源、家具駆動装置、電源またはプレートウォーマを含んでいてよい。
【0043】
1つの構成では、たとえば可動の家具部分が引出しとして構成されている場合には、引出しが閉じられているときに、エネルギ供給装置によって電気的な負荷のエネルギ蓄積器が充電され得る。
【0044】
家具キャビネットと、家具キャビネットに対して相対的に可動の、特に引出しの形態の少なくとも1つの家具部分とを備えた家具にも特許請求がなされ、少なくとも1つの家具部分は少なくとも部分的に、家具キャビネットの内室内に配置可能であり、家具は上述したような少なくとも1つのエネルギ供給装置を有している。
【0045】
可動の家具部分は、特に引出し、家具の扉または家具のフラップとして構成されていてよい。
【0046】
接触接続装置は、可動の家具部分の、家具キャビネットの内室に面した背壁に配置されていてよい。たとえば、接触接続装置は、引出しの背壁に配置されていてよい。
【0047】
電流供給レールは、家具キャビネットの内室に面した、家具キャビネットの背壁に配置されていてよい。電流供給レールは、たとえば、家具キャビネットの内室に面した、家具キャビネットの背壁において、高さ延在方向に沿って延在していてよい。
【0048】
このような配置では、たとえば、引出しの背壁に配置された接触接続装置が、引出しを閉じた際に、家具キャビネットの背壁に配置された電流供給レールに接触接続する、もしくは引出しを開けた際に、コンタクトが解除されることが想定されていてよい。
【0049】
少なくとも1つの可動の家具部分は、少なくとも1つの電気的な負荷を着脱可能に連結することができる少なくとも1つのインタフェースを有していてよい。たとえば、このようなインタフェースは、差込接続部、USBバスシステムまたは無線エネルギ伝送用のインタフェースの形態で存在していてよい。
【0050】
1つの構成では、家具が少なくとも1つの電気的な負荷を有していてよい。このような電気的な負荷は、たとえば無線送信器、照明機器、家具駆動装置、またはプレートウォーマおよびカップウォーマによって形成されていてよい。照明機器は、家具キャビネット内にまたは家具キャビネットに接して配置されていてよく、また可動の家具部分内にまたは可動の家具部分に接して配置されていてよい。
【0051】
1つの構成では、家具キャビネット内にまたは家具キャビネットに接して、少なくとも1つの光源の形態の少なくとも1つの電気的な負荷が配置されていてよく、少なくとも1つの光源は、組付け位置に関して、少なくとも1つの可動の家具部分の上方に配置されていてよい。上述のような第1の負荷切換要素および第2の負荷切換要素が存在している場合には、たとえば可動の家具部分の移動時に、光源がオンまたはオフされてよい。
【0052】
上述のような家具のための上述のようなエネルギ供給装置を用いて、家具内にまたは家具に接して配置可能な電気的な負荷に電気エネルギを供給する方法についても特許請求がなされる。
【0053】
ここで、接触接続の方法ステップにおいて、接触接続装置が少なくとも1つのコンタクト要素によって、少なくとも1つの電流供給レールに導電性に接触接続してよい。
【0054】
イネーブル化の方法ステップにおいて、少なくとも1つの負荷切換要素によって、接触接続装置を介した、電流供給レールから少なくとも1つの電気的な負荷への電流供給のイネーブル化が可能であってよい。
【0055】
ここでは有利には、家具キャビネットに対する少なくとも1つの可動の家具部分の移動時に、家具キャビネットに対する少なくとも1つの可動の家具部分の設定されたまたは設定可能な相対位置への到達時に、少なくとも1つのコンタクト要素が少なくとも1つの電流供給レールに導電性に接触接続することができる。これに続いて、たとえば継続的な移動または電子的もしくは機械的な回路によって、少なくとも1つの負荷切換要素は、接触接続装置を介した、電流供給レールから少なくとも1つの電気的な負荷への電流供給のイネーブル化を行うことができる。
【0056】
エネルギ供給装置のある負荷切換要素が、別の負荷切換要素の切換によって、接触接続装置を介した、電流供給レールから少なくとも1つの電気的な負荷への電流供給のイネーブル化を行うことが考えられる。
【0057】
有利な構成では、コンタクト測定の方法ステップにおいて、コンタクト要素と少なくとも1つの電流供給レールとの導電性の接触接続を、少なくとも1つの負荷切換要素の少なくとも1つの測定コンタクトによって測定することができる。
【0058】
有利な構成では、コンタクト要素と少なくとも1つの電流供給レールとの導電性の接触接続は、家具キャビネットに対する少なくとも1つの可動の家具部分の設定されたまたは設定可能な相対位置への到達によって、かつ/または少なくとも1つの電流供給レールに印加されている電圧の測定によって、測定コンタクトによって測定可能であってよい。
【0059】
測定コンタクトは、家具キャビネットに対する可動の家具部分の相対位置を検出する、かつ/またはコンタクト要素における電圧の印加を測定することができる。
【0060】
家具キャビネットに対する少なくとも1つの可動の家具部分の設定されたまたは設定可能な相対位置は、好適には、少なくとも1つの可動の家具部分の移動の終端位置への移動または少なくとも1つの可動の家具部分の移動の終端位置からの移動によって与えられていてよい。
【0061】
有利な構成では、エネルギ供給装置は、第1の電気的な負荷のための少なくとも1つの第1の負荷切換要素と、第2の電気的な負荷のための第2の負荷切換要素とを有していてよく、第1の負荷切換要素の切換状態に関連して、第2の負荷切換要素の切換を行うことができる。
【0062】
ここで、たとえば、コンタクト測定の方法ステップにおいて、第1の負荷切換要素による、第1の電気的な負荷に対する電流供給レールの接触接続または第1の負荷切換要素による、第1の電気的な負荷に対する電流供給レールの接触接続の中断を検出することができる。これに関連して、第2の負荷切換要素が、イネーブル化の方法ステップにおいて切り換えられてよい。
【0063】
家具内にまたは家具に接して配置可能な少なくとも1つの電気的な負荷に電気エネルギを供給するための、上述したようなエネルギ供給装置の使用に対しても特許請求がなされる。
【0064】
本発明の実施例を図に即して検討する。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【
図1】家具の1つの構成の背面斜視図を示す図である。
【
図2】
図1に対する断面図の側面図および詳細図を示す図である。
【
図3】家具の1つの構成の別の背面斜視図を示す図である。
【
図4】
図3に対する断面図の側面図および詳細図を示す図である。
【
図5】接触接続装置および電流供給レールの1つの構成の詳細図を示す図である。
【
図6a】接触接続装置の1つの構成の詳細図を示す図である。
【
図6b】接触接続装置の1つの構成の詳細図を示す図である。
【
図7a】ばねコンタクトの1つの構成の詳細図を示す図である。
【
図7b】ばねコンタクトの1つの構成の詳細図を示す図である。
【
図8a】電流供給レールとばねコンタクトとの接触接続の詳細図を示す図である。
【
図8b】電流供給レールとばねコンタクトとの接触接続の詳細図を示す図である。
【
図8c】電流供給レールとばねコンタクトとの接触接続の詳細図を示す図である。
【
図9a】エネルギ伝送装置の1つの構成を使用するための概略的な回路図を示す図である。
【
図9b】エネルギ伝送装置の1つの構成を使用するための概略的な回路図を示す図である。
【
図10】別の負荷切換要素に関連した負荷切換要素の回路の概略図を示す図である。
【0066】
図1は、家具キャビネット2と、家具キャビネットの内室3内に部分的に配置された、引出しの形態の可動の家具部分5とを備えた家具1の1つの構成の背面斜視図を示している。家具1は、図示の構成では、背面側に、家具キャビネット2の高さ延在方向に沿って延在する電流供給レール8を有している。可動の家具部分5の背壁6には、コンタクト要素10を備えた接触接続装置9が配置されている。
【0067】
図2には、
図1に示した家具1の断面図の側面図および詳細図が示されている。引出しの形態の可動の家具部分5が、部分的に家具キャビネット2の内室3内に配置されていることがここで見て取れる。引出しの形態の可動の家具部分5には、インタフェース20を介して接触接続装置9に接続された電気的な負荷7が配置されている。部分Aの詳細図から見て取れるように、コンタクト要素10を備えた接触接続装置9は、家具キャビネット2の背壁4に取り付けられた電流供給レール8から離間して位置しており、したがってコンタクト要素10と電流供給レール8との導電性の接続は存在していない。
【0068】
図3は、
図1に示した家具1の構成の背面斜視図を示しており、ここでは、家具キャビネットの内室3内に配置された、引出しの形態の可動の家具部分5が、家具キャビネット2に対して相対的に、家具部分5の閉位置に対応する、移動の終端位置に動かされている。
【0069】
図4の断面図の側面図から見て取れるように、ここでは、接触接続装置9は、コンタクト要素10によって電流供給レール8に接触しており、これによって、コンタクト要素10と電流供給レール8との導電性の接続が生じている。
【0070】
図5には、接触接続装置9と、図示した構成において2つのコンタクト面17を有している電流供給レール8との詳細図が示されており、ここでは視線方向は、
図4に関連して、内室3から背壁4の方向に向けられている。
【0071】
図6aおよび
図6bには、接触接続装置9の1つの構成の詳細図が示されている。接触接続装置9は、ハウジング21に旋回可能に支持された2つのばねコンタクト15を有しており、これらのばねコンタクト15には、電流供給レール8のコンタクト面17の接触接続のために、それぞれ1つのコンタクト要素10が配置されている。ばねコンタクト15は、たとえば、可動の家具部分5のある程度の運動余地を残すことができ、この運動余地内で、コンタクト要素10による電流供給レール8の接触接続が維持される。
【0072】
図6bならびに
図7aおよび
図7bならびに
図8a~
図8cの断面図から見て取れるように、ばねコンタクト15は、ばねコンタクト15に旋回可能に支持されたばねフィンガ16を有している。
【0073】
ばねコンタクト15およびばねフィンガ16はそれぞれ、たとえば旋回運動をリセットするための、ばねの形態の蓄力器を有していてよい。
【0074】
図示の構成において、接触接続装置9のばねコンタクト15は、測定コンタクト14も有している。
【0075】
接触接続装置9が可動の家具部分5に配置されている場合、家具キャビネット2に対して家具部分5が相対運動する際に、接触接続装置9はコンタクト要素10でもって、電流供給レール8のコンタクト面17に接近することができる。
【0076】
図8aから
図8bへの移行において示されているように、この場合、たとえば接触接続の方法ステップにおいて、接触接続装置9は、少なくとも1つのコンタクト要素10でもって、少なくとも1つの電流供給レール8に導電性に接触接続することができる。
【0077】
相対運動がさらに進行すると、
図8bから
図8cへの移行において示されているように、測定コンタクト14は、たとえばコンタクト測定の方法ステップにおいて、コンタクト要素10に導電性に接触接続することができ、測定コンタクト14はまた、少なくとも1つの電流供給レール8に導電性に接触する。択一的な構成では、測定コンタクト14は、たとえば、コンタクト要素10と電流供給レール8との接触接続後に、測定コンタクト14による電流供給レールの接触接続が行われるように、コンタクト要素10に対して空間的にオフセットされて配置されていてよい。
【0078】
図9aおよび
図9bには、家具1のエネルギ伝送装置の1つの構成を使用するための回路図が概略的に示されている。
【0079】
図9aでは、電流供給レール8のコンタクト面17が、直流電圧源の形態の電圧源18によって接触接続される。接触接続装置9(ここでは詳しく図示せず)のばねコンタクト15のコンタクト要素10は、電流供給レール8と導電性に接続されている。
【0080】
負荷切換要素11は、図示の構成では、例示的に、切換要素としての電界効果トランジスタによって構成されており、負荷切換要素11の切換状態は、開放されたスイッチおよび閉成されたスイッチによってシンボリックに示されている。
【0081】
エネルギ供給装置は、図示の構成ではコンデンサの形態のエネルギ蓄積器19も有している。エネルギ蓄積器19は、負荷切換要素11の切換位置に関連せずに、少なくとも制限された持続時間の間、電気的な負荷7にエネルギを供給することができる。
【0082】
旋回可能なばねフィンガ16の形態のコンタクト要素10は、切換可能な負荷切換要素11の入力側22に接続されている。測定コンタクト14は、切換可能な負荷切換要素11の制御入力側24に接続されている。ここでは概略的にかつ例示的に光源によって構成されている電気的な負荷7が、切換可能な負荷切換要素11の出力側23に接続されている。
【0083】
図示の構成では、負荷切換要素11は、少なくとも1つの電流供給レール8に印加されている電圧を測定コンタクト14によって測定することによって、コンタクト要素10と少なくとも1つの電流供給レール8との導電性の接触接続を測定するように構成されている。切換可能な負荷切換要素11の制御入力側24に電圧が印加されている場合に、負荷切換要素11は、たとえばイネーブル化の方法ステップにおいて、接触接続装置9を介した、電流供給レール8から少なくとも1つの電気的な負荷7への電流供給のイネーブル化を行うことができてよい。
【0084】
ばねコンタクト15のばねフィンガ16が電流供給レール8に当接した後、
図9aから
図9bへの移行におけるように、電流供給レール8との接触を維持しながら、旋回可能なばねフィンガ16を旋回させることができ、この際に、測定コンタクト14は、既に電圧を導いているばねフィンガ16と接触接続し、これによって、負荷切換要素11を切り換えることができ、電気的な負荷7に電気エネルギを供給することができる。
【0085】
図8および
図9の順序を逆にすると、電気的な負荷7への電気エネルギの供給の調整された遮断を行うことができる。
【0086】
図示されたのとは異なり、測定コンタクト14が、電流供給レール8への接触接続装置9の接触接続後に負荷切換要素11を切り換える、位置に関連するスイッチの形態で構成されていてもよい。
【0087】
図10では、電気的な負荷7が無線送信器の形態で構成されており、この無線送信器は、負荷切換要素11の切換位置に関連して無線信号を送信することができる。図示されているように、電流供給レール8からの、無線送信器の形態の電気的な負荷7のエネルギ供給が中断された後、電気的な負荷7に、少なくとも制限された持続時間の間、エネルギ蓄積器19から電気エネルギを供給することができる。電流供給レール8からのエネルギ供給の中断を、電気的な負荷7自体によって、または開放位置に切り換えられた負荷切換要素11との通信によって検出することができる。このような中断は、たとえば、可動の家具部分5の移動によって、たとえば引出しを開ける際に生じ得る。
【0088】
無線信号は、無線受信器の形態の別の電気的な負荷7によって受信されてよく、この無線受信器は、別の負荷切換要素12を、図示されているように、たとえば照明機器の形態の電気的な負荷7に電気エネルギを供給することができる閉成切換位置へ切り換える。この場合、無線受信器の形態の電気的な負荷7に、別の負荷切換要素12の切換位置に関連せずに電気エネルギを供給することができる。
【符号の説明】
【0089】
1 家具
2 家具キャビネット
3 内室
4 家具キャビネットの背壁
5 家具部分
6 家具部分の背壁
7 電気的な負荷
8 電流供給レール
9 接触接続装置
10 コンタクト要素
11 負荷切換要素
12 負荷切換要素
13 電気的な負荷
14 測定コンタクト
15 ばねコンタクト
16 ばねフィンガ
17 コンタクト面
18 電圧源
19 エネルギ蓄積器
20 インタフェース
21 ハウジング
22 入力側
23 出力側
24 制御入力側
【手続補正書】
【提出日】2023-12-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具キャビネット(2)と、少なくとも1つの可動の家具部分(5)とを備えた家具(1)に対して、少なくとも1つの電気的な負荷(7)に電気エネルギを供給するエネルギ供給装置であって、
・前記エネルギ供給装置は少なくとも1つの電流供給レール(8)を含んでおり、前記電流供給レール(8)は前記家具キャビネット(2)に接して、または前記可動の家具部分(5)に接して配置可能であり、
・前記エネルギ供給装置は少なくとも1つの接触接続装置(9)を含んでおり、前記接触接続装置(9)は少なくとも部分的に、前記可動の家具部分(5)に接してまたは前記家具キャビネット(2)に接して配置可能である、エネルギ供給装置において、
・前記接触接続装置(9)は、前記少なくとも1つの電流供給レール(8)の導電性の接触接続のために、少なくとも1つのコンタクト要素(10)を有しており、
・前記接触接続装置(9)は、前記接触接続装置(9)を介した、前記電流供給レール(8)から前記少なくとも1つの電気的な負荷(7)への電流供給のイネーブル化のために、少なくとも1つの切換可能な負荷切換要素(11)を有している、
ことを特徴とする、エネルギ供給装置。
【請求項2】
前記家具キャビネット(2)に対して相対的な前記少なくとも1つの可動の家具部分(5)の移動によって、前記少なくとも1つのコンタクト要素(10)による前記少なくとも1つの電流供給レール(8)の導電性の接触接続が可能である、かつ/または前記少なくとも1つの負荷切換要素(11)が切換可能である、請求項1記載のエネルギ供給装置。
【請求項3】
前記家具キャビネット(2)に対する前記少なくとも1つの可動の家具部分(5)の設定されたまたは設定可能な相対位置への移動によって、好適には、前記少なくとも1つの可動の家具部分(5)の前記移動の終端位置への移動または前記少なくとも1つの可動の家具部分(5)の前記移動の終端位置からの移動によって、前記少なくとも1つのコンタクト要素(10)による前記少なくとも1つの電流供給レール(8)の導電性の接触接続が可能である、かつ/または前記少なくとも1つの負荷切換要素(11)が切換可能である、請求項2記載のエネルギ供給装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの負荷切換要素(11)は少なくとも1つの測定コンタクト(14)を有しており、前記少なくとも1つの測定コンタクト(14)によって、前記コンタクト要素(10)と前記少なくとも1つの電流供給レール(8)との導電性の接触接続が測定可能である、請求項
1記載のエネルギ供給装置。
【請求項5】
前記コンタクト要素(10)と前記少なくとも1つの電流供給レール(8)との前記導電性の接触接続は、前記家具キャビネット(2)に対する前記少なくとも1つの可動の家具部分(5)の設定されたまたは設定可能な相対位置への到達によって、かつ/または前記少なくとも1つの電流供給レール(8)に印加されている電圧の測定によって、前記測定コンタクト(14)によって測定可能である、請求項4記載のエネルギ供給装置。
【請求項6】
前記電流供給レール(8)から前記少なくとも1つの電気的な負荷(7)への電流供給は、前記少なくとも1つの負荷切換要素(11)によって、実質的に電力を用いずにイネーブル化可能である、請求項
1記載のエネルギ供給装置。
【請求項7】
前記エネルギ供給装置は、第1の電気的な負荷(7)のための少なくとも1つの第1の負荷切換要素(11)と、第2の電気的な負荷(7)のための第2の負荷切換要素(11)とを有しており、前記第2の負荷切換要素(11)は、前記第1の負荷切換要素(11)の切換状態に関連して切換可能である、請求項
1記載のエネルギ供給装置。
【請求項8】
前記コンタクト要素(10)と、前記少なくとも1つの負荷切換要素(11)とは、1つの共通の構造ユニット内に配置されている、請求項
1項記載のエネルギ供給装置。
【請求項9】
前記コンタクト要素(10)は、前記少なくとも1つの電流供給レール(8)の導電性の接触接続のために、ばねコンタクト(15)を有している、請求項
1記載のエネルギ供給装置。
【請求項10】
前記ばねコンタクト(15)は、旋回可能なばねフィンガ(16)を有している、請求項9記載のエネルギ供給装置。
【請求項11】
前記少なくとも1つの負荷切換要素(11)は、前記少なくとも1つの旋回可能なばねフィンガ(16)の移動によって切換可能である、請求項10記載のエネルギ供給装置。
【請求項12】
前記電流供給レール(8)は、少なくとも2つの導電性のコンタクト面(17)またはコンタクト箇所を有している、請求項
1記載のエネルギ供給装置。
【請求項13】
前記エネルギ供給装置は、前記少なくとも1つの電気的な負荷(7)に電気エネルギを供給するために、少なくとも1つの電圧源(18)、特に直流電圧源および/または交流電圧源を含んでいる、請求項
1記載のエネルギ供給装置。
【請求項14】
前記エネルギ供給装置は充電可能なエネルギ蓄積器(19)を有しており、前記エネルギ蓄積器(19)から、少なくとも前記エネルギ供給装置の負荷切換要素(11)が開放されているときに、少なくとも1つの電気的な負荷(7)に、少なくとも制限された持続時間の間、電気エネルギを供給することが可能である、請求項
1記載のエネルギ供給装置。
【請求項15】
家具キャビネット(2)と、前記家具キャビネット(2)に対して相対的に可動の、特に引出しの形態の少なくとも1つの家具部分(5)とを備えた家具(1)であって、
前記少なくとも1つの家具部分(5)は少なくとも部分的に、前記家具キャビネット(2)の内室内に配置可能であり、前記家具(1)は請求項
1記載の少なくとも1つのエネルギ供給装置を備えている、
家具(1)。
【請求項16】
接触接続装置(9)が、前記可動の家具部分(5)の、前記家具キャビネット(2)の前記内室(3)に面した背壁(6)に配置されている、請求項15記載の家具。
【請求項17】
電流供給レール(8)は、前記内室(3)に面した、前記家具キャビネット(2)の背壁(4)に配置されている、請求項
15記載の家具。
【請求項18】
前記少なくとも1つの可動の家具部分(5)は、少なくとも1つの電気的な負荷(7)を着脱可能に連結することができる、少なくとも1つの、好適には前記接触接続装置(9)に接して形成されている、インタフェース(20)を有している、請求項
15記載の家具。
【請求項19】
前記家具(1)は、少なくとも1つの電気的な負荷(7)を有している、請求項
15記載の家具。
【請求項20】
前記家具キャビネット(2)内にまたは前記家具キャビネット(2)に接して、少なくとも1つの光源の形態の少なくとも1つの電気的な負荷(7)が配置されており、前記少なくとも1つの光源は、組付け位置に関して、前記少なくとも1つの可動の家具部分(5)の上方に配置されている、請求項
15記載の家具。
【請求項21】
請求項
15記載の家具のための請求項
1記載のエネルギ供給装置を用いて、家具(1)内にまたは家具(1)に接して配置可能な電気的な負荷(7)に電気エネルギを供給する方法であって、
・接触接続の方法ステップにおいて、接触接続装置(9)が少なくとも1つのコンタクト要素(10)によって、少なくとも1つの電流供給レール(8)に導電性に接触接続し、
・イネーブル化の方法ステップにおいて、少なくとも1つの負荷切換要素(11)によって、前記接触接続装置(9)を介した、前記電流供給レール(8)から少なくとも1つの前記電気的な負荷(7)への電流供給のイネーブル化が可能である、
方法。
【請求項22】
家具キャビネット(2)に対する少なくとも1つの可動の家具部分(5)の移動時に、前記家具キャビネット(2)に対する前記少なくとも1つの可動の家具部分(5)の設定されたまたは設定可能な相対位置への到達時に、前記少なくとも1つのコンタクト要素(10)が少なくとも1つの電流供給レール(8)に導電性に接触接続し、これに続いて、前記少なくとも1つの負荷切換要素(11)は、前記接触接続装置(9)を介した、前記電流供給レール(8)から前記少なくとも1つの電気的な負荷(7)への電流供給のイネーブル化を行う、請求項21記載の方法。
【請求項23】
コンタクト測定の方法ステップにおいて、前記コンタクト要素(10)と前記少なくとも1つの電流供給レール(8)との導電性の接触接続を、前記少なくとも1つの負荷切換要素(11)の少なくとも1つの測定コンタクト(14)によって測定する、請求項
21記載の方法。
【請求項24】
前記コンタクト要素(10)と前記少なくとも1つの電流供給レール(8)との前記導電性の接触接続は、前記家具キャビネット(2)に対する前記少なくとも1つの可動の家具部分(5)の設定されたまたは設定可能な相対位置への到達によって、かつ/または前記少なくとも1つの電流供給レール(8)に印加されている電圧の測定によって、前記測定コンタクト(14)によって測定可能である、請求項
21記載の方法。
【請求項25】
前記エネルギ供給装置は、第1の電気的な負荷(7)のための少なくとも1つの第1の負荷切換要素(11)と、第2の電気的な負荷(13)のための第2の負荷切換要素(12)とを有しており、前記第1の負荷切換要素(11)の切換状態に関連して、前記第2の負荷切換要素(12)の切換を行う、請求項
21記載の方法。
【請求項26】
請求項
15記載の家具(1)内にまたは請求項
15記載の家具(1)に接して配置可能な少なくとも1つの電気的な負荷(7)に電気エネルギを供給するための、請求項
1記載のエネルギ供給装置の使用。
【国際調査報告】