IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 4アクティブシステムズ ゲーエムベーハーの特許一覧

<>
  • 特表-自走式ダミー装置の制御システム 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】自走式ダミー装置の制御システム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240405BHJP
【FI】
G08G1/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566972
(86)(22)【出願日】2022-04-29
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 EP2022061557
(87)【国際公開番号】W WO2022229424
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】A60125/2021
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515345366
【氏名又は名称】4アクティブシステムズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フリッツ、マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ハフェルナー、ラインハルト
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA28
5H181BB05
5H181CC14
5H181EE02
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF27
5H181FF33
5H181LL09
(57)【要約】
本発明は、自走式ダミー装置(110)の制御システム(101)に関する。前記システム(101)は、信号を伝送および受信する少なくとも1つの信号伝送ユニット(103)と、少なくとも1つの自走式ダミー装置(110)であって、前記ダミー装置(110)は、信号を伝送および受信するダミー信号装置(111)を有するものと、を備える。信号を伝送するために、前記信号伝送ユニット(103)と、前記ダミー信号装置(111)との間に、複数の信号経路(A、B、C)を設けることができる。制御装置(105、112)は、前記信号経路(A、B、C)の信号品質を示す信号パラメータに基づいて、信号を伝送する前記信号経路(A、B、C)のうちの1つを選択するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走式ダミー装置(110)の制御システムであって、前記制御システムは、
信号を伝送および受信する少なくとも1つの信号伝送ユニットと、
少なくとも1つの自走式ダミー装置(110)であって、
ダミー装置(110)は、信号を伝送および受信するダミー信号装置(111)を有し、信号を伝送するために、前記信号伝送ユニットと、前記ダミー信号装置(111)との間に、複数の信号経路を設けることができるものと、
前記複数の信号経路の信号品質を示す信号パラメータに基づいて、信号を伝送する前記複数の信号経路のうちの1つを選択するように構成されている制御装置(105、112)と、を備える、制御システム。
【請求項2】
前記ダミー装置(110)は、前記ダミー信号装置(111)に連結された前記制御装置(112)を有する、
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記信号伝送ユニットは、前記制御装置(105)を有する移動不可能なユニットである、
請求項1または2に記載の制御システム。
【請求項4】
前記信号伝送ユニットは中央制御基地である、
請求項3に記載の制御システム。
【請求項5】
他の信号伝送ユニット、をさらに有し、
前記信号伝送ユニットと、前記ダミー信号装置(111)との間の前記複数の信号経路のうちの少なくとも1つは、前記他の信号伝送ユニットを介して提供されている、
請求項1又は2に記載の制御システム。
【請求項6】
前記他の信号伝送ユニットは、移動不可能なユニット、特に伝送塔である、
請求項5に記載の制御システム。
【請求項7】
伝送塔である複数の他の信号伝送ユニット、をさらに有し、
前記信号伝送ユニットと、前記ダミー信号装置(111)との間の前記複数の信号経路のうちの1つは、1つまたは複数の伝送塔を介して提供されている、
請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
前記伝送塔のうちの少なくとも1つは、前記複数の信号経路の信号品質を示す信号パラメータに基づいて、信号を伝送する前記複数の信号経路のうちの1つを選択するように構成された他の制御装置(105)を有する、
請求項7に記載の制御システム。
【請求項9】
前記伝送塔は、ダミー装置(110、120、125)の移動が許可されるテスト区域を囲んでおり、
前記制御装置(105)は、前記ダミー装置(110)が前記テスト区域から出たことを検出するように構成されている、
請求項7に記載の制御システム。
【請求項10】
前記テスト区域は、少なくとも1つの交通制御要素、特に信号機装置、交通規則を設定する交通標識、車線標示、および/または交通障害物、を有し、
前記交通制御要素は、前記ダミー装置(110)のための交通規制パラメータ、特に道路情報および/または速度情報を有し、
前記制御装置(105)は、前記制御装置(105)が前記交通規制パラメータに基づいて前記ダミー装置(110)を制御するように前記交通制御要素に連結されている、
請求項9に記載の制御システム。
【請求項11】
前記交通制御要素が配置された可動交通装置、特に可動プラットフォームをさらに有し、
前記制御装置(105)は、前記制御装置(105)が前記交通制御要素、特に位置および/または交通規制パラメータを制御するように前記交通制御要素に連結されている、
請求項10に記載の制御システム。
【請求項12】
可動標示装置、特に可動プラットフォームをさらに有し、
前記可動プラットフォームは、前記車線標示を施すための散布装置を有し、
前記制御装置(105)は、前記制御装置(105)が定義対象の前記テスト区域の交通データに基づいて前記可動標示装置を制御するように前記可動標示装置に連結されている、
請求項10に記載の制御システム。
【請求項13】
可動サービス装置、特に可動プラットフォームをさらに有し、
前記可動プラットフォームは、前記ダミー装置(110)と連結するための連結装置を有し、
前記制御装置(105)は、前記可動サービス装置が前記ダミー装置(110)を連結し搬送するように制御可能であるように、前記可動サービス装置に連結されている、
請求項1又は2に記載の制御システム。
【請求項14】
前記他の信号伝送ユニットは、可動装置、特に、他の可動ダミー装置(120)のダミー信号装置(126)である、
請求項5に記載の制御システム。
【請求項15】
前記信号伝送ユニットは、前記自走式ダミー装置(110)のバッテリを充電する充電ステーションであり、
前記ダミー装置(110)はバッテリを有し、
前記制御装置(105)は、バッテリの充電状態を検査するように構成されており、
前記制御装置(105)は、前記ダミー装置(110)がバッテリを充電するために前記充電ステーションに移動可能であるように、前記ダミー装置(110)を制御するように構成されている、
請求項1又は2に記載の制御システム。
【請求項16】
前記自走式ダミー装置(110)のバッテリを充電する対応した充電ステーションとして構成された複数の信号伝送ユニットをさらに有し、
前記制御装置(105)は、バッテリを充電するために、前記ダミー装置(110)が複数の充電ステーションのうちの利用可能な充電ステーションへ移動可能となるように、前記ダミー装置(110)を制御するように構成されている、
請求項15に記載の制御システム。
【請求項17】
前記信号パラメータは、信号強度、伝送されるデータのデータサイズ、前記信号伝送ユニットと前記ダミー装置(110)との間の伝送時間の帯域幅、前記信号伝送ユニットの現在地、および前記ダミー装置の現在地からなる群から選択される、
請求項1又は2に記載の制御システム。
【請求項18】
前記自走式ダミー装置(110)は、ダミー構造体を着脱可能に固定することができる可動プラットフォームを有し、
前記ダミー構造体は、特に、人間ダミー、自動車ダミー、自転車ダミー、トラックダミー、動物ダミーおよびバイクダミーからなる群から選択される、
請求項1又は2に記載の制御システム。
【請求項19】
ベース本体は、取付領域と設置領域とを有し、
前記ダミー構造体を取り付けるための取付装置が前記取付領域の取付面に構成されており、
機能要素を前記設置領域に設置可能であり、
前記ベース本体は、衝突車両が前記ベース本体の上を損傷なく走行することができるように薄く形成されている、請求項18に記載の制御システムが備える自走式ダミー装置(110)の有するプラットフォーム。
【請求項20】
前記取付領域の取付厚さは、40mm未満、特に35mm未満、30mm未満、25mm未満、20mm未満、15mm未満、10mm未満であり、および/または、
前記設置領域の設置厚さは、55mm未満、特に50mm未満、45mm未満、40mm未満、35mm未満、30mm未満、25mm未満、20mm未満、15mm未満、10mm未満であり、および/または、
床面上の回転要素の床面載置部と、表面、特に前記設置領域の表面との間のプラットフォームの最大厚さは、55mm未満、特に50mm未満、45mm未満、40mm未満または35mm未満である、
請求項19に記載のプラットフォーム。
【請求項21】
ダミー構造体を可動プラットフォームに取り付けるように、またはダミー構造体を可動プラットフォームから取り外すように構成された構造体取付けステーションをさらに有し、
制御ユニットは、前記ダミー構造体を前記可動プラットフォームに取り付けるように、または前記ダミー構造体を前記可動プラットフォームから取り外すように、前記ダミー装置(110)が前記構造体取付けステーションに対して移動可能であるように前記ダミー装置(110)を制御するように構成されている、
請求項18に記載の制御システム。
【請求項22】
前記ダミー装置(110)は、少なくとも1つのセンサユニットを有する自律走行システムを備え、
前記自律走行システムは、前記センサユニットで測定可能なセンサデータに基づいて前記ダミー装置(110)の移動を制御するように構成されており、
前記制御装置は、選択された信号経路を介して前記ダミー装置(110)の移動を示すデータを提供するように構成されている、
請求項1又は2に記載の制御システム。
【請求項23】
前記センサユニットは、レーダセンサ、位置センサ、傾斜センサ、速度センサ、および加速度センサからなる群から選択される、
請求項22に記載の制御システム。
【請求項24】
自走式ダミー装置(110)の制御方法であって、前記制御方法は、
少なくとも1つの信号伝送ユニットで信号を伝送および受信する段階と、
ダミー装置(110)のダミー信号装置(111)で信号を伝送および受信する段階であって、信号を伝送するために、前記信号伝送ユニットと前記ダミー信号装置(111)との間に複数の信号経路を設けることができる段階と、
前記複数の信号経路の信号品質を示す信号パラメータに基づいて、制御装置(105)によって信号を伝送する前記複数の信号経路のうちの1つを選択する段階と、を有する、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自走式ダミー装置の制御システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車は、特定の交通状況において自動車の運転者を積極的に支援し、事故の危険性を低減するために、運転支援システムをより一層備えるようになっている。例えば、最近の運転支援システムは、自動車のブレーキ機能や操縦に影響を与えることができる。
【0003】
また、自律走行する自動車は、最近の交通区域で使用されており、運転者が自動車の運転挙動に積極的に参加することなく、自動車は特定の交通区域の交通を全自動で進行する。
【0004】
運転支援システムを備えた自動車のテストや、自律走行自動車のテストでは、多数の交通利用者がいる複雑な交通シナリオをシミュレーションする必要がある。テスト車両と、例えば人間のダミーや他のダミー車両のような他の交通パートナーとの間の衝突または衝突に近い状況をシミュレーションするだけではもはや十分ではない。むしろ、例えば人、自転車、および/または自動車など、異なる運動特性を有する多数の異なる交通利用者がいる交通シナリオをシミュレーションする必要がある。実際の複雑な交通状況をシミュレーションする複雑なテストシステムがあって初めて、運転支援システムや自律走行車両に負荷をかけてテストすることができる。
【0005】
複雑な交通状況をシミュレーションするためには、個々の交通利用者間の確実なデータ交換を保証する必要がある。同時に、テストシナリオは頻繁に適合させたり変更したりする必要があるため、複雑な交通状況をシミュレーションするためのテストシステムは、可能な限り簡単かつ迅速に設置可能に構築されていることが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、複雑な交通状況をシミュレーションするテストシステムを提供することである。
【0007】
この課題は、独立請求項の主題に係る自走式ダミー装置の制御システムおよび方法によって解決される。
【0008】
本発明の第1の態様によれば、自走式ダミー装置の制御システムが提供される。このシステムは、信号を伝送および受信する少なくとも1つの信号伝送ユニットと、少なくとも1つの自走式ダミー装置とを、を有する。ダミー装置は、信号を伝送および受信するダミー信号装置を有し、信号を伝送するために、信号伝送ユニットとダミー信号装置との間に複数の信号経路を設けてもよい。システムは、信号経路の信号品質を示す信号パラメータに基づいて、信号を伝送する信号経路のうちの1つを選択するように構成されている制御装置をさらに有する。
【0009】
別の態様によれば、自走式ダミー装置の制御方法が記載される。この方法は、少なくとも1つの信号伝送ユニットで信号を伝送および受信する段階と、ダミー装置のダミー信号装置で信号を伝送および受信する段階と、を有し、信号を伝送するために、信号伝送ユニットとダミー信号装置との間に複数の信号経路を設けてもよい。また、この方法は、信号経路の信号品質を示す信号パラメータに基づいて、制御装置によって信号を伝送するための信号経路のうち1つを選択する段階を有する。
【0010】
本発明に係るシステムは、シミュレーションされた複雑な交通状況の異なる交通利用者間の確実なデータ交換を可能にすることが望まれている。例えば、自走式ダミー装置は、人間の交通利用者をシミュレーションすることができる。また、ダミー装置は、車やバイクなどの自動車をシミュレーションすることができる。ダミー装置は、例えば、複雑な交通状況のシミュレーションを企図した特定の移動方向および移動速度を有してもよい。ダミー装置は自走式であり、すなわちダミー装置は、所望の移動経路に沿って自由に制御可能に移動させることができる。ダミー装置は、例えば自律走行する自動車のシミュレーションの場合、制御基地によって遠隔制御されたり、自ら所望の移動経路を構成したりすることができる。ダミー装置は、例えば、車線操舵補助装置や制動力補助装置などのテスト対象の運転支援システムを有してもよい。さらに、ダミー装置は、例えばダミー装置を自律的に制御する独自の制御装置を有してもよい。これに関して、ダミー装置は、例えばレーダセンサ、位置センサ、または距離センサなど、必要なセンサシステムを搭載してもよい。このシステムによって、異なるダミー設定を有する複数のダミー装置を制御したり、信号交換のためにネットワーク接続したりすることができる。
【0011】
ダミー装置は、信号の伝送および受信が可能なダミー信号装置をさらに有する。また、このシステムは、特にダミー装置へ、またはダミー装置から、対応する信号を伝送および受信できる信号伝送ユニットを有する。
【0012】
信号には、位置に関する情報、移動経路、または信号伝送ユニットとダミー装置との間で交換されるために提供される他の状態情報(例えばバッテリの充電状態)が含まれる。信号は、特に無線で伝送される。制御システムのネットワークは、モバイル通信ネットワークの様式で構築されてもよく、例えば、4Gまたは5G規格で動作してもよい。例えば、システムは、WLAN(Wireless Local Area Network)ネットワークを有してもよく、信号伝送ユニットまたはダミー信号装置は、ネットワークに対応するルータまたはアクセスポイント(Wireless Access Point)を有する。ネットワークは、例えば、IEEE802.11a、b、g、n、acまたはaxなどの規格にしたがって構築され、2.4GHz(ギガヘルツ)から5.0GHz、5.5GHzまたは5.7GHzの間の対応する周波数ブロックで送信してもよい。帯域幅は20MHzから160MHzの間であってよい。特に、ネットワークはメッシュWLANネットワークの様式で構成されてもよい。信号伝送ユニットとダミー信号装置は、WLANコンポーネントを形成し、それに応じて、コンポーネント(基地と衛星)を接続し、共同制御することにより、「メッシュ領域」に存在するダミー装置によって統一されたWLANとして見られ、一定の伝送速度で可能な限り多くのエリアをカバーする受信を保証する、無線ローカルネットワークを形成する。
【0013】
信号伝送ユニットは、例えば、複雑な交通状況を制御する制御信号が生成され、送信されるシステム制御基地や、他の自走式ダミー装置に設置してもよい。
【0014】
従来の自走式ダミー装置の制御システムでは、特に所定の伝送経路や信号経路が定義されている。例えば、ダミー装置は、常に従来の制御基地と直接、または信号増幅器を介して通信することができる。しかしながら、所定の伝送経路は、例えば従来の制御基地と従来のダミー装置との間の信号経路の中断のような現実にある境界条件をまだ考慮していないため、信号交換が中断される危険性がある。
【0015】
自走式ダミー装置を制御する、本発明に係るシステムでは、信号伝送ユニットとダミー信号装置との間に2つ以上の異なる信号経路が提供される。例えば、信号経路は、ダミー装置と信号伝送ユニットとの間に直接的な伝送経路を提供してもよい。また、信号経路は、例えば複数の信号伝送ユニット(信号増幅器(ルータなど))を介するなど、1つまたは複数の中間ユニットを介して生成されてもよい。
【0016】
例えばダミー装置または中央制御基地に設置されている制御装置は、信号伝送に定性的に最適な信号経路を選択するために、本発明にしたがって構成されている。このために、信号の信号品質または伝送品質を示す様々な信号パラメータを使用することができる。例えば、制御装置は、各伝送経路の帯域幅または信号強度を検査し、それに応じて最適な伝送経路を選択することができる。
【0017】
制御装置は、例えば、上述した方法段階を実行可能なプロセッサを有するコンピュータである。言い換えれば、制御装置は、信号パラメータを測定し、または測定されたパラメータデータを処理し、それに基づいて、所定の信号パラメータに基づいて、データ伝送のための信号経路を選択することができる。したがって、本発明に係る方法は、少なくとも部分的に制御装置に実装し、制御装置上で実施することができるコンピュータ実装方法であってもよい。
【0018】
本発明によれば、制御装置は、個々の信号経路の信号品質に基づいて、信号伝送を確実に保証するために、最適な信号パラメータ、例えば伝送速度および信号強度を有する信号経路を選択することができる。ここで、制御装置は信号パラメータの値を恒久的に検査し、信号経路の弱体化や中断が発生した際には、それに応じてより適切な他の信号経路に切り替えることができる。例えば、信号経路に突然信号を遮蔽する障害物が発生した場合、システムは障害物のない伝送を保証する他の信号経路に切り替えられる。したがって、多数の自走式ダミー装置を伴う動的シミュレーション事象が発生した際には、システムのユニット間の信号交換に最適な信号経路を恒久的に選択することができ、確実な信号交換と、それに対応するデータ交換とを保証することができる。
【0019】
また、制御装置は、伝送する信号や情報の種類を分類するように構成されている。例えば、所望の信号を伝送するために、信号経路が高い伝送安全性、長い待ち時間、または高いデータ量を有するかを優先順位付けすることが可能である。例えば、大容量の画像データを伝送する場合、制御ユニットは、高帯域幅または高伝送レートを有する信号経路を選択することができる。伝送される信号が速度に関連する信号であるか、または迅速に伝送されなければならない信号である場合、制御装置は、少なくとも帯域幅は小さいが待ち時間が短いか、またはデータ伝送速度が速い信号経路を選択することができる。
【0020】
他の例示的な実施形態によれば、ダミー装置は、ダミー信号装置に連結された制御装置を有する。例えば、全てのダミー装置は、対応する制御装置を有してもよい。例えば、各制御装置は、それを介して信号経路が形成される無線ネットワークのルータを形成する。例えば、ダミー装置自体の制御装置は、信号パラメータに基づいて適切な信号経路を選択してもよい。例えば、各ダミー装置は、メッシュネットワークの一部をそれぞれ形成する制御装置を搭載している。ダミー装置の制御装置は、いわゆるメッシュマスタとして機能し、信号経路を構成してもよい。
【0021】
他の例示的な実施形態によれば、信号伝送ユニットは、制御装置を有する移動不可能な(定置の)ユニットである。したがって、信号伝送ユニットは、例えば、定置ネットワークノードを構成してもよく、後述するように、例えば、中央基地局または充電ステーションなどの他の機能ユニットを構成してもよい。
【0022】
他の例示的な実施形態によれば、信号伝送装置は中央制御基地である。中央制御基地から、ダミー装置の移動経路およびダミー装置に対応する速度が制御されてもよい。例えば、制御装置は、中央制御基地に組み込まれ、所望のダミー装置に信号を伝送するための適切な信号経路を適宜選択することができる。
【0023】
他の例示的な実施形態によれば、システムは他の信号伝送ユニットを有し、信号伝送ユニットとダミー信号装置との間の信号経路のうちの少なくとも1つは、他の信号伝送ユニットを介して提供されている。例えば、移動経路は、所望のダミー装置に到達するまで、中央制御基地から(他の信号伝送ユニットとしての)複数の伝送塔を介して延びていてもよい。
【0024】
したがって、他の例示的な実施形態によれば、他の信号伝送ユニットは、移動不可能なユニット、特に伝送塔であってもよい。
【0025】
他の例示的な実施形態によれば、システムは、伝送塔である複数の他の信号伝送ユニットを有し、信号伝送ユニットとダミー信号装置との間の信号経路のうちの1つは、1つまたは複数の伝送塔を介して提供されている。
【0026】
他の例示的な実施形態によれば、伝送塔のうちの少なくとも1つは、信号経路の信号品質を示す信号パラメータに基づいて、信号を伝送する信号経路のうちの1つを選択するように構成された制御装置をさらに有する。したがって、例えば、信号経路は、ダミー装置自体または中央基地局によって構成されるだけでなく、信号パラメータの検査が信号経路の各ネットワークノードで行われ、信号経路の他のコースを適合させることができる。例えば、伝送塔が制御経路の信号パラメータを検査する対応する制御装置を有していると、例えば2つの隣接する信号塔の間で障害物が発生した場合など、特定の信号パラメータが変化した場合に、変更された信号経路を使用して信号を伝送することができる。したがって、各時点で最適な信号経路が選択されるように、信号経路が動的に適合される。
【0027】
他の例示的な実施形態によれば、伝送塔は、ダミー装置の移動が許可されるテスト区域を囲んでおり、制御装置は、ダミー装置がテスト区域から出たことを検出するように構成されている。テスト区域では、所望の交通シミュレーションが実行される。言い換えれば、テスト区域では、複雑な交通状況を適宜シミュレーションするために複数のダミー装置が移動することができる。例えば、テスト塔は、ダミー装置からの受信信号に基づいてダミー装置の位置を決定するように構成されている。テスト区域は、いわゆる仮想フェンスによって区切られてもよい。仮想フェンスの内側の領域はテスト可能であり、仮想フェンスの外側の領域は、ダミー装置が仮想フェンスを越えた場合にダミー装置が停止される立入禁止区域であるしたがって、ダミー装置がテスト区域から出たことを検知し、これに基づいて、例えば位置アラームを作動させることができる。
【0028】
他の例示的な実施形態によれば、他の信号伝送ユニットは、可動装置、特に、他の可動ダミー装置のダミー信号装置である。
【0029】
したがって、例えば、各ダミー装置自体がそれ自体信号伝送ユニットを構成することによって、少数の信号増幅器または伝送塔なしで、または少数の信号増幅器または伝送塔によって、広範囲のテスト区域を形成することができる。信号伝送ユニットによって、信号はさらに伝送される前に適宜増幅される。また、信号経路の信号パラメータを使用して、信号の転送が可能かどうか、信号が確実かつ完全に次のネットワークノードに到着するかどうかを判断することができる。したがって、例示的な実施形態では、複数の可動ダミー装置は信号伝送のために互いに連結される可動ネットワークノードを構成することができ、それに応じて信号経路を形成することができる。
【0030】
他の例示的実施形態によれば、信号伝送ユニットは、自走式ダミー装置のバッテリを充電する充電ステーションである。ダミー装置はバッテリを有する。制御装置は、バッテリの充電状態を検査するように構成されている。また、制御装置は、ダミー装置がバッテリを充電するために充電ステーションに移動可能であるように、ダミー装置を制御するように構成されている。バッテリの充電状態に関する信号は、例えば、ダミー装置自体の制御装置または中央基地局の制御装置によって処理することができる。ダミー装置のバッテリの充電状態が低下し、特定の限界値まで低下した場合、制御装置は充電ステーションへの移動経路を作成することができる。充電ステーションでは、ダミー装置を再充電することができる。
【0031】
後述するように、自走式ダミー装置は、ダミー構造体をベース本体のその上側(特に固定領域上)に着脱可能に固定することができるベース本体を有する可動プラットフォームを備える。
【0032】
他の例示的な実施形態によれば、ベース本体は、プラットフォームの外部から自由にアクセス可能な、またはプラットフォームの外部から誘導的に連結可能な、少なくとも2つの電気的または誘導的接触面を有する。接触面は、例えば、プラットフォームの充電式バッテリセルによって、通電式または誘導式に接続され、2つの電気的または誘導式の接触面は、特に、定置式充電ステーションの接点との摺動接点を一方に設けることができるように構成されている。例えば、プラットフォームは充電ステーションに入り、ある充電位置でプラットフォームの摺動接点と充電ステーションの摺動接点との間に電気的接触を確立することができる。また、プラットフォームの表面下または床面の近くに配置され、外部から自由にアクセスできない電気接触面を構成してもよい。プラットフォームは、例えば、誘導充電ステーションの充電位置に移動することができる。したがって、プラットフォームのバッテリセルは、誘導充電によって充電することができる。
【0033】
プラットフォームは、極めて平坦に構成することができる。例示的な実施形態によれば、ベース本体は、取付領域と設置領域とを有し、ダミーを取り付けるための取付装置が取付領域の取付面に構成されており、機能要素(例えば、制御装置、信号伝送ユニット、レーダセンサ、位置センサまたは駆動ユニットなど)を設置領域に設置することができる。ベース本体は非常に薄いため、衝突車両がベース本体の上を損傷なく走行することができる。
【0034】
また、ベース本体は非常に薄いため、プラットフォームは、対応する平坦な開口部(スリット)を有する極めて平坦な充電ステーションに進入して充電することができる。充電ステーションは平坦に設計されているため、テスト対象の車両のセンサシステムからはほとんど見えず、したがって誤った測定を引き起こすことはない。充電ステーションの平坦な開口部により、充電ステーションの充電領域も汚染から保護される。
【0035】
例示的な実施形態によれば、プラットフォームは、取付領域における取付厚さと、設置領域における設置厚さとを有する。取付厚さは40mm未満、特に35mm未満、30mm未満、25mm未満、20mm未満、15mm未満、10mm未満であり、設置厚さは、例えば55mm未満、特に50mm未満、45mm未満、40mm未満、35mm未満、30mm未満、25mm未満、20mm未満、15mm未満、10mm未満である。床面上の回転要素の床面載置部と、表面、特に設置領域の表面との間のプラットフォームの最大厚さは、55mm未満、特に50mm未満、45mm未満、40mm未満または35mm未満である。
【0036】
したがって、プラットフォームは、均一な段差のない表面を有してもよく、段差のある表面を有してもよい。例えば、ベース本体は、段差を有してもよく、特に、床面と設置領域の表面との間の設置厚さ、特に30mm、25mm、20mm、15mm、10mm、または5mmは、床面と取付領域の表面との間の取付厚さよりも小さい。
【0037】
他の例示的な実施形態によれば、システムは、自走式ダミー装置のバッテリを充電する対応した充電ステーションとして構成された複数の信号伝送ユニットを有する。制御装置は、バッテリを充電するために、ダミー装置が複数の充電ステーションのうちの利用可能な充電ステーションへ移動可能となるように、ダミー装置を制御するように構成されている。例えば、各充電ステーションは、充電ステーションの占有状態を示す対応する信号を制御装置またはダミー装置に送信することができる。例えば、ダミー装置が充電を必要とすると判断された場合、次の段階では、充電ステーションが占有されているか空いているかを判断することができる。その後、制御装置は、ダミー装置のバッテリの充電が可能であるように、空いている充電ステーションへのダミー装置の移動経路を決定する。
【0038】
また、制御装置は、充電対象のダミー装置の代用として、フル充電された他のダミー装置を作動させ、シミュレーション対象の交通状況において充電対象のダミー装置の代用として統合してもよい。したがって、ダミー装置を充電する必要があるにもかかわらず、シミュレーション対象の交通状況を中断する必要はなく、代替のダミー装置でシミュレーションを継続することができる。
【0039】
ダミー装置は、例えばチタン酸リチウムバッテリの形態の電気エネルギー蓄積を使用する。チタン酸リチウムバッテリの特性は、充電時間が短いこと(フル充電まで5分)、放電/充電サイクルの回数が多いこと(少なくとも10万回)などである。このような特性はテスト区域での使用に適しており、テストシナリオ間には、次のシナリオを編成したり、ダミー装置の準備をしたりするための数分間が常に存在する。この時間の間、ダミー装置は、テスト区域にある少なくとも1つの充電ユニットで充電することができる。衝突または衝突に近い状況をテストするシステムのこの特徴は、システムのメンテナンスに必要な時間が最小限に低減されるとシステム全体の機能が向上するため、特に有用である。
【0040】
他の例示的な実施形態によれば、信号パラメータは、信号強度、伝送されるデータ/信号のデータサイズ、信号伝送ユニットとダミー装置との間の伝送時間の帯域幅、信号伝送ユニットの現在地、およびダミー装置の現在地からなる群から選択される。
【0041】
他の例示的な実施形態によれば、自走式ダミー装置は、ダミー構造体を着脱可能に固定することができる可動プラットフォームを有する。ダミー構造体は、特に、人間ダミー、自動車ダミー、自転車ダミー、トラックダミー、動物ダミーおよびバイクダミーからなる群から選択される。また、ダミー構造体は、後述する交通規制要素や、標示装置や散布装置を表す場合もある。
【0042】
可動プラットフォームは、例えば、対応するローラまたは車輪と、対応する駆動装置とを有する。また、例えばダミー信号装置や制御装置などの他の機能要素をプラットフォームに統合してもよい。ダミー構造体の形状は、所望のダミー体を再現する。例えば、ダミー体は、人間、自転車、自動車の形状をとることができる。特に、ダミー体は、衝突または交換の際にダミー体をプラットフォームから取り外せるように、プラットフォームに交換可能または着脱可能に取り付けられている。
【0043】
他の例示的な実施形態によれば、システムは、ダミー構造体を可動プラットフォームに取り付けるように、またはダミー構造体を可動プラットフォームから取り外すように構成された構造体取付けステーションを有する。制御ユニットは、ダミー構造体を可動プラットフォームに取り付けるように、またはダミー構造体を可動プラットフォームから取り外すように、ダミー装置が構造体取付けステーションに対して移動可能であるようにダミー装置を制御するように構成されている。
【0044】
説明した実施形態により、ダミープラットフォームは、異なる種類のダミー構造体を柔軟に備えることができる。例えば、第1のシミュレーション段階では、プラットフォームは人間ダミー構造体を有してもよい。シミュレーションの間、プラットフォームは、例えば、構造体取付けステーションに操縦され、そこで、人間ダミー構造体が取り外され、例えばダミー車などの他のダミー構造体をプラットフォーム上に配置することができる。その後、ダミー車を搭載したプラットフォームを再び使用して交通状況をシミュレーションし、それに応じて所望の移動経路に沿って制御することができる。したがって、ダミー装置としての複数のプラットフォームを用いて、異なる交通状況を迅速、自動的かつ柔軟に生成することができる。
【0045】
他の例示的な実施形態によれば、ダミー装置は、少なくとも1つのセンサユニットを有する自律走行システムを備え、自律走行システムは、センサユニットで測定可能なセンサデータに基づいてダミー装置の移動を制御するように構成されている。制御装置は、選択された信号経路を介してダミー装置の移動を示すデータを提供するように構成されている。
【0046】
したがって、ダミー装置の自律走行システムは、交通シミュレーションにおける移動経路を柔軟に変更し、適合させることができる。例えば、赤信号が発生している信号機では自動的に停止することができる。また、例えば、人間のダミーをシミュレーションした他のダミー装置が自律走行システムを搭載したダミー装置の車線を横切った場合、ダミー装置は横断歩道で停止することができる。対応するデータまたは信号は、対応するダミー信号装置を介して2つのダミー装置間で交換されるか、または確実に選択された信号経路に沿って中央基地局へ伝送される。
【0047】
他の例示的な実施形態によれば、センサユニットは、レーダセンサ、位置センサ、傾斜センサ、速度センサ、および加速度センサからなる群から選択される。
【0048】
本発明は、自走式ダミー装置の制御システムを説明する。このシステムは、衝突テストまたは衝突に近い状況のテスト中にテスト対象物またはダミー構造体を支持するための可動プラットフォームを有するダミー装置を備える。ダミー構造体は、センサ検知のための物理的特性(可視光および不可視光の範囲、ならびに静止および移動レーダ特性、例えばマイクロドップラ効果)が、実際のテスト対象物(人間、車両など)の特性と一致する物体である。実際のテスト対象物は、例えば、複雑な交通状況の典型的な交通利用者である。例えば、人、自転車やスクータに乗った人、犬、イノシシ、シカなどの動物、車、バン、トラックなどの車両をテスト対象とすることができる。
【0049】
本システムはテスト区域で使用される。例えば、テスト区域は、対応する道路や歩道を有する平坦面を備える。テスト対象物は、例えば少なくとも1つの動力式回転(移動)要素によって駆動されるプラットフォームによって支持される。また、プラットフォームは対応する操舵システムも有する。ダミー装置は、交通シミュレーションの全計画が実行される中央制御センタから制御することができる。(制御)信号は、信号経路を介してリアルタイムでプラットフォームに送信される。プラットフォームは、ダミー信号装置として、制御センタ、ネットワークノード(メッシュノード)、および他のプラットフォームと通信するための無線トランシーバを含んでもよい。ダミー装置は、正しいコースまたは移動経路を追跡するために、少なくとも1つのアンテナを有するGPSモジュールをさらに含んでもよい。システムを設置する際、移動経路のコースパラメータを検出するために、例えば第2のGPSアンテナを使用してもよい(例えばDGPS)。
【0050】
例示的な実施形態によれば、テスト区域は、少なくとも1つの交通制御要素、特に信号機装置、交通規則を設定する交通標識、車線標示、および/または交通障害物を有する。交通制御要素は、ダミー装置のための交通規制パラメータ、特に道路情報および/または速度情報を有する。(例えば中央制御センタとして存在する)制御装置は、制御装置が交通規制パラメータに基づいてダミー装置を制御するように、交通制御要素に連結されている。
【0051】
道路情報には、例えば、駐車禁止、屈折許可または屈折禁止、(例えば欠陥車両による)立入禁止区域または横断歩道が含まれ、そこからダミー装置の対応する制御情報を生成することができる。例えば横断歩道の場合、ダミー装置は先に進む前に、一定時間停止することができる。また、例えば駐車禁止の場合には、ダミー装置の停止を禁止することができる。したがって、ダミー装置をテスト区域内で実際の交通利用者のように制御することができる。ここで、制御装置は、上述したように、テスト区域内の全ての交通利用者(すなわち、他の全てのダミー装置や、例えば後述する可動交通装置、標示装置、サービス装置)を制御する中央制御センタなどの中央制御ユニットであってよい。さらに、対応する速度情報が交通規制パラメータとして提供される。速度情報は、例えば所定の走行速度と、例えばダミー装置が「赤」に切り替わった信号を通過したい場合の一定の停止指示と、を有する。
【0052】
このように、交通制御要素および制御ユニットへの対応する連結により、複雑な交通状況をシミュレーションするための、実際の非常に複雑なテスト区域を提供することができる。1つまたは複数のダミー装置は、交通制御要素に応じて所定の方法で制御することができ、これにより、特に移動する人や、車両やバイクなどの移動対象物を、実際の交通の流れの中でシミュレーションすることができる。したがって、例えば、自律走行特性および対応する運転支援システムを備えた車両のテストのために、実際の非常に複雑な交通状況がシミュレーションされる。
【0053】
他の例示的な実施形態によれば、システムは、交通制御要素が配置された可動交通装置、特に可動プラットフォームを有する。制御装置は、制御装置が交通制御要素、特に位置および/または交通規制パラメータを制御するように、交通制御要素に連結されている。
【0054】
可動交通装置は、特に、交通制御要素を、特に着脱可能かつ交換可能に取り付けることができる可動プラットフォームを有する。可動交通装置は、例えば、上述のダミー装置とすることができ、ダミーの代わりに、交通規制要素がプラットフォーム上でダミー構造体として調整される。可動交通装置は、交通制御要素を交通装置に着脱可能に連結することができる、機械的および/または磁気的連結装置をさらに有してもよい。したがって、テスト区域またはテスト区域内の交通ルートを柔軟に変更し、適合させることができる。例えば、異なるテストサイクルの間で、交通制御要素としての信号機装置の数および信号機装置の現在地を変更することができるため、テスト区域用の変更されたテスト設定を柔軟に調整することができる。さらに、制御ユニットは、例えば信号機の位相または電子交通標識が表示される交通標識を変更することによって、交通制御要素を適宜制御することができる。
【0055】
他の例示的な実施形態によれば、システムは、可動標示装置、特に可動プラットフォームを有し、この可動プラットフォームは、車線標示を施すための散布装置を有する。制御装置は、定義対象のテスト区域の交通データ(すなわち、道路ルート、信号機の配置、交通規則/標識、駐車ゾーンなど)に基づいて標示装置を制御するように、標示装置に連結されている。可動標示装置は、特に、散布装置を特に着脱可能かつ交換可能に取り付けることができる可動プラットフォームを有する。可動標示装置は、例えば、ダミー構造体として上述したダミー装置を表すことができ、ダミーの代わりに、散布装置がプラットフォーム上でダミー構造体として調整される。散布装置は、例えば、対応する着色物質を有し、地表に対応する車線標示を塗布または散布することができる。塗料は一時的に塗布することもでき、すなわち、限られた時間だけ地面に車線標示を表示するために、所定時間後に分解する塗料を選択することもできる。
【0056】
上述した可動標示装置により、例えば、道路ルート、交差点、および横断歩道や駐車ゾーンなどの他の交通ゾーンを柔軟に表示または変更できる、適合可能で柔軟なテスト区域を定義することができる。したがって、所望の自律走行車両をテストするために、テスト区域のテスト設定を迅速に変更しながら実施することができる。
【0057】
他の例示的な実施形態によれば、システムは、可動サービス装置、特に可動プラットフォームを有し、この可動プラットフォームは、ダミー装置と連結するための連結装置を有する。制御装置は、サービス装置がダミー装置を連結し搬送するように制御可能であるように、サービス装置に連結されている。したがって、サービス装置は、例えば、可動ダミー装置のような欠陥のある非可動要素をサービス装置に連結し、適宜テスト区域内またはテスト区域外の所望の位置に移動させることができる牽引サービスを提供する。連結装置は、例えば、把持ユニットを用いた機械的なものでも、磁気連結を提供するための磁気的なものでもよい。特に、ダミー装置とテスト対象車両との間で衝突が発生した場合、サービス装置は、対応する欠陥部品または衝突したダミー装置を、テスト区域内またはテスト区域外の指定された保護区域に搬送することができる。その間に、無傷のダミー装置が故障した欠陥ダミー装置に代替可能である。
【0058】
このように、制御ユニットは、一方では、全てのダミー装置と、それに対応する全ての交通利用者(歩行者、自転車、スクータ運転者、自動車)の移動シーケンスを、あらかじめ定義された移動シーケンスで制御できるように構成されている。例えば、制御ユニットは、全ての交通利用者を割り当てられたスタート位置に配置することができる。テスト対象車両がテストを開始すると、制御ユニットによって全ての交通利用者が起動され、事前に定義された動作シーケンスが開始されるため、テスト区域で実際の重要な交通シナリオをシミュレーションすることができる。
【0059】
信号伝送ユニットまたはダミー信号装置は、例えば無線トランシーバモジュールとして、中央制御基地またはネットワークノードを含む異なる信号経路を介してテスト区域内の他の信号伝送ユニットと通信するように適合されている。このように、情報は基地局とプラットフォームの間だけでなく、プラットフォームとネットワークノードの間でも伝送される。適切な信号経路の選択は、事前に定義された信号パラメータに基づいて行われる。例えば、通信は、信号パラメータとして最小待ち時間の原則にしたがって機能する。すなわち、情報は、時間的に最も短い経路を有する信号経路を介して伝送される。
【0060】
例えば、テスト区域の長さは2キロメートルとすることができる。中央基地局は一方の端にあり、ダミー装置はもう一方の端に対して中央にある。端点では、他のダミー装置がコマンドを待つ。端点のダミー装置は基地局にアクセスできない可能性があるため、情報または信号は、中央のダミー装置を経由して、またはテスト区域に沿って配置された複数のネットワークノード(例えば信号塔)を経由して、他端のダミー装置に到達することができる。他の例として、テスト区域内の信号経路や電波を遮断するバリアを挙げることができる。バリアの背後にあるダミー装置は、例えばネットワークノード間のうちの少なくとも1つの他のダミー装置を経由して信号経路を定義することにより、間接的に利用可能である。
【0061】
システムは、ネットワークノードに接続され、位置誤差を計算する追加入力部として機能するGPS局システム(特にDGPSタイプ)をさらに含む。各ダミー装置は、基地局から送信される制御信号を無効にして、遠隔操作を使用して人間のオペレータが直接手動で操作することができる。
【0062】
本明細書で説明する実施形態は、本発明の可能な実施形態の限定的な選択に過ぎないことに留意されたい。したがって、個々の実施形態の特徴を適切な方法で組み合わせることが可能であるため、当業者にとって、複数の異なる実施形態が、本明細書において明示された実施形態と共に開示されていることが明らかであるとみなされる。特に、本発明のいくつかの実施形態は、装置請求項と共に記載され、本発明の他の実施形態は、方法請求項と共に記載される。しかしながら、明示的に別段の記載がない限り、発明の主題の1つのタイプに属する特徴の組み合わせに加えて、本発明の主題の異なるタイプに属する特徴の任意の組み合わせも可能であることは、本願を読めば当業者には直ちに明らかになるであろう。
【0063】
以下に、本発明の他の説明およびより良い理解のために、添付の図面を参照して実施例を詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】本発明の例示的な実施形態に係る、複数の可動ダミー装置を備えるテスト区域の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図中の同一または類似の構成要素には、同一の参照数字が付されている。図中の表現は概略的なものである。
【0066】
図1は、本発明の例示的実施形態に係る、複数の可動ダミー装置110、120、125を備えるテスト区域106の概略図である。自走式ダミー装置110を制御する本発明に係るシステム101は、信号を伝送および受信する少なくとも1つの信号伝送ユニット103と、少なくとも1つの自走式ダミー装置110と、を有し、ダミー装置110は、信号を伝送および受信するダミー信号装置111を有する。信号伝送ユニット103とダミー信号装置111との間には、信号を伝送するための複数の信号経路A、Bを設けてもよい。制御装置105、112は、信号経路A、Bの信号品質を示す信号パラメータに基づいて、信号を伝送するための信号経路A、Bのうちの1つを選択するように構成されている。
【0067】
ダミー装置110、120、125は、複雑な交通状況をシミュレーションすることを企図した特定の移動方向および移動速度を有してもよい。ダミー装置110、120、125は自走式であり、すなわちダミー装置110、120、125は自由に制御可能な方法で、所望の移動経路に沿って移動させることができる。ここで、ダミー装置110、120、125は、例えば、ダミー装置110、120、125として自律走行する自動車をシミュレーションする場合に、制御基地108によって遠隔制御されるか、あるいは、それ自体で所望の移動経路A、B、Cを設定することができる。ここで、ダミー装置110、120、125は、例えば、車線操舵補助装置や制動力補助装置などのテスト対象の運転支援システムを有してもよい。さらに、ダミー装置110、120、125は、例えば、ダミー装置110、120、125を自律的に制御するための独自の制御装置を有してもよい。これについて、ダミー装置110、120、125は、レーダセンサ113、位置センサ114、距離センサなどの所要のセンサシステムを搭載していてもよい。
【0068】
ダミー装置110、120、125はそれぞれ、信号の伝送および受信が可能なダミー信号装置111、121、126を有する。また、システム101は、特にダミー装置110、120、125との間で対応する信号を伝送および受信できる信号伝送ユニット103を有する。
【0069】
信号には、信号伝送ユニット103とダミー装置110、120、125との間で交換するために提供される位置に関する情報、移動経路、または他の状態情報(例えばバッテリ充電状態)を含んでもよい。
【0070】
図1に示すように、信号伝送ユニット103は、例えば、複雑な交通状況を制御するための制御信号が生成および送信される中央制御基地108に設置されてもよいし、他の自走式ダミー装置120、125に設置されてもよい。
【0071】
本発明に係るシステム101では、複数のシステム構成要素がネットワークノードとして機能するように、複数のシステム構成要素間に信号伝送部102を設けてもよい。自走式ダミー装置110を制御するための本発明に係るシステム101では、信号伝送ユニット103のうちの1つと、ダミー信号装置111、121、126との間に、2つ以上の異なる信号経路A、B、Cが提供される。例えば、信号経路Bは、ダミー装置120と信号伝送ユニット103、例えば制御基地108との間に直接的な伝送経路を提供することができる。さらに、信号経路Aは、1つまたは複数の中間ユニット104、例えば信号増幅器(例えばルータなど)としての複数の伝送塔104を介して生成されてもよい。
【0072】
例えば、制御装置112、122、127を対応するダミー装置110、120、125に設置してもよく、および/または制御装置105を中央制御基地に設置してもよい。本発明によれば、制御装置105、112、122、127は、信号を伝送するのに定性的に最適な信号経路A、B、Cを選択するように構成されている。このために、信号の信号品質または伝送品質を示す様々な信号パラメータを使用することができる。例えば、制御装置105、112、122、127は、各伝送経路A、B、Cの帯域幅または信号強度を検査し、それに応じて最適な伝送経路A、B、Cを選択することができる。制御装置105、112、122、127は、信号パラメータを決定または測定し、あるいは測定されたパラメータデータを処理し、それに基づいて、所定の信号パラメータに基づいて、データ伝送に適した信号経路A、B、Cを選択する。
【0073】
例えば、全てのダミー装置110、120、125は、対応する制御装置112、122、127を有してもよい。例えば、ダミー装置自体の制御装置112、122、127は、信号パラメータに基づいて適切な信号経路A、B、Cを選択してもよい。例えば、各ダミー装置110、120、125は、それぞれメッシュネットワークの一部を形成する制御装置112、122、127を搭載している。ダミー装置110、120、125内の制御装置112、122、127は、いわゆるメッシュマスタとして機能し、信号経路を設定することができる。
【0074】
信号伝送ユニット103は、制御装置105を構成する中央基地局108または伝送塔104のような、移動不可能な(静止した)ユニットを形成することができる。したがって、信号伝送ユニット103は、例えば、静止したネットワークノードを形成することができる。
【0075】
中央制御基地局108から、ダミー装置110、120、125の移動経路A、Bおよびダミー装置110、120、125の対応する速度を制御することができる。制御装置105は、例えば、中央制御基地108に組み込まれ、それに応じて、所望のダミー装置110、120、125に信号を伝送するための適切な信号経路A、Bを選択することができる。
【0076】
信号伝送ユニット103と、ダミー信号装置111、121、126との間に、さらに複数の信号伝送ユニット103を介して信号経路A、B、Cを提供してもよい。例えば、移動経路A、Bは、中央制御基地108から(他の信号伝送ユニット103としての)複数の伝送塔104を経由して、所望のダミー装置110、120、125に到達するまで延びていてもよい。
【0077】
伝送塔104のうちの少なくとも1つは、信号経路A、B、Cの信号品質を示す信号パラメータに基づいて、信号を伝送するための信号伝送部102または信号経路A、B、Cのうちの1つを選択するように構成された他の制御装置105をさらに有してもよい。したがって、例えば、ダミー装置110、120、125自体または中央基地局108によって信号経路A、B、Cを設定することが可能なだけでなく、信号経路A、B、Cの各ネットワークノードで信号パラメータを検査し、信号経路A、B、Cの他のコースを適合することができる。伝送塔104が、例えば、制御経路A、B、Cの信号パラメータを検査する対応する制御装置105を有する場合、特定の信号パラメータが変化した場合、例えば、2つの隣接する信号塔104の間で障害物が発生した場合、変更された信号経路A、B、Cを使用して信号を伝送することができる。したがって、信号経路A、B、Cが動的に適合され、各時点で最適な信号経路A、B、Cが選択される。
【0078】
各ネットワークノード(node)またはその制御装置105は、異なる近傍に複数の接続(信号経路A、B、Cのいわば経路部分)を同時に確立することができる。この冗長性により、まず故障の確率が低減される。制御装置105やノードに障害が発生しても、ネットワーク全体には影響がなく、これらの個々の箇所のみが影響を受ける。また、信号経路A、B、Cは待ち時間(=信号パラメータとしての待ち時間)に基づいて選択されてもよい。信号経路A、B、Cの始点から目的点までの(時間的に)最短経路が計算される。各制御装置105またはノードは、その直接的な近傍にデータを送信するためのコスト(待ち時間)を認識している。信号経路A、B、Cの始点から目的点までのデータ伝送には、信号経路A、B、Cの総コスト(例えば伝送時間、データレートなど)が決定的に重要である。したがって、ノードは、最も低いコスト(最も低い待ち時間)を持つ直接的な近傍を伝送に使用せず、より高いコスト(より高い待ち時間)を持つ直接的なノードを伝送に使用することがあるが、信号経路A、B、Cの方が全体として安価である。
【0079】
伝送塔104は、ダミー装置110、120、125の移動が許可されるテスト区域106を画定し、制御装置105、112、122、127は、ダミー装置110、120、125がテスト区域106から出たことを検出するように構成されている。テスト区域106では、所望の交通シミュレーションが実行される。言い換えれば、複数のダミー装置110、120、125は、複雑な交通状況を適宜シミュレーションするために、テスト区域106内を移動することができる。例えば、テスト塔104は、ダミー装置110、120、125からの受信信号に基づいて、ダミー装置110、120、125の位置を決定するように構成されている。
【0080】
また、信号伝送ユニット111、121、126を備えるダミー装置110、120、125は、各ダミー装置110、120、125がそれ自体の信号増幅を生成するため、信号増幅器または伝送塔104がなくても、またはその数が少なくても、広いテスト区域106を可能にすることができる。信号伝送ユニット111、121、126を用いて、転送前に信号を適宜増幅することができる。
【0081】
テスト区域106は、少なくとも1つの交通制御要素、特に、信号機装置151、交通規則を設定する交通標識154、車線標示109、および/または交通障害物をさらに有する。交通規制要素は、ダミー装置110、120、125のための交通規制パラメータ、特に道路情報および/または速度情報を有する。(例えば、中央制御センタまたは制御基地108として存在するか、またはダミー装置110上の分散型制御装置112として存在する)制御装置105は、制御装置105が交通規制パラメータに基づいてダミー装置110、120、125を制御するように、交通制御要素に連結されている。
【0082】
道路情報から、制御装置105は装置110、120、125に対応する制御情報を生成する。したがって、例えば横断歩道では、ダミー装置110、120、125は一定時間停止してから進行する。
【0083】
システム101は、可動交通装置150、特に交通制御要素が配置されている可動プラットフォームをさらに有する。制御装置105は、制御装置105が交通制御要素、特に位置および/または交通規制パラメータを制御するように、交通制御要素に連結されている。可動交通装置150は、特に、交通制御要素が、特に着脱可能かつ交換可能に取り付けられている可動プラットフォームを有する。可動交通装置150は、例えば、上述のダミー装置110、120、125とすることができ、ダミーの代わりに、交通規制要素がプラットフォーム上で調整される。可動交通装置150は、それに応じて、他のダミー信号装置152と、例えば、他の局所的な制御装置153と、を有し、これらにより、可動交通装置150の位置決めに関して、および交通制御要素の状態データに関して、対応する制御信号を伝達することができる。
【0084】
こうして、テスト区間106やテスト区間106の交通ルートを柔軟に変更し、適合させることができる。例えば、信号機装置151の数および信号機装置151の位置は、異なるテストサイクル間で変更することができるため、テスト区域106の変更されたテスト設定を柔軟に調整することができる。
【0085】
システム101は、可動標示装置155、特に、車線標示109を塗布するための散布装置156を有する可動プラットフォームをさらに有する。制御装置105は、制御装置105が定義されるテスト区域106の交通データに基づいて標示装置155を制御するように、標示装置155に連結されている。特に、可動標示装置は、散布装置156が特に着脱可能かつ交換可能に取り付けられている可動プラットフォームを有する。散布装置156は、対応する車線標示109を地表に塗布または散布することができる対応する着色物質を有する。
【0086】
したがって、例えば、道路ルート、交差点、および例えば横断歩道や駐車ゾーンのような他の交通ゾーンを、テスト区域106の地面に柔軟に表示することができる。
【0087】
また、システム101は、自走式ダミー装置110、120、125のバッテリを充電するための充電ステーション130を有する。ダミー装置110、120、125はバッテリを有する。制御装置105、112、122、127は、バッテリの充電状態を検査するように構成されている。さらに、制御装置105、112、122、127は、ダミー装置110、120、125がバッテリを充電するための充電ステーション130に移動可能であるように、ダミー装置110、120、125を制御するように構成されている。バッテリの充電状態に関する信号は、例えば、ダミー装置112、122、127自体の制御装置によって、または中央基地局106の制御装置105によって処理することができる。
【0088】
例えば、システムは、自走式ダミー装置110、120、125のバッテリを充電するための複数の充電ステーション130を有する。制御装置105、112、122、127は、バッテリを充電するために、ダミー装置110、120、125が複数の充電ステーション130のうちの利用可能な充電ステーション130に移動可能であるように、ダミー装置110、120、125を制御するように構成されている。例えば、各充電ステーション130は、充電ステーションの占有状態を示す対応する信号を制御装置105、112、122、127に送信することができる。例えば、ダミー装置が充電を必要としていると判断された場合、次の段階では、充電ステーション130が占有されているか空いているかを判断することができる。そして、制御装置105、112、122、127は、ダミー装置110、120、125のバッテリの充電が可能となるように、空き充電ステーション130へのダミー装置110、120、125の移動経路を決定する。
【0089】
また、システム101は、ダミー構造体をダミー装置110、120、125の可動プラットフォームに取り付けるように、または可動プラットフォームから取り外すように構成された構造体取付けステーション140を有する。制御ユニットは、ダミー構造体を可動プラットフォームに取り付けるように、または可動プラットフォームから取り外すように、ダミー装置110、120、125が構造体取り付けステーション140に移動可能であるように、ダミー装置110、120、125を制御するように構成されている。ダミー構造体は、例えば、人間ダミー、自動車ダミー、自転車ダミー、トラックダミー、動物ダミー、バイクダミー、交通規制要素または散布装置156である。
【0090】
したがって、ダミープラットフォームは、異なるタイプのダミー構造体を柔軟に備えることができる。例えば、第1のシミュレーション段階では、プラットフォームは人間ダミー構造体を有してもよい。シミュレーションの間、プラットフォームは、例えば、構造体取付けステーション140に操縦され、そこで、人間ダミー構造体が取り外され、例えばダミー車などの他のダミー構造体がプラットフォーム上に配置される。その後、ダミー車を備えたプラットフォームを再び使用して交通状況をシミュレーションし、それに応じて所望の移動経路に沿って操縦することができる。
【0091】
システム101は、ネットワークノードに接続され、位置誤差を計算する追加入力部として機能するGPS局システム107(特にDGPSタイプ)をさらに含む。各ダミー装置は、例えばGPS位置センサ114を含んでもよい。同時に、位置センサ114によって測定されたGPSデータを補正するために、GPS局システム107への接続を確立してもよい。
【0092】
補足的に、「含む」は他の要素または段階を排除するものではなく、「eine」または「ein」は複数を排除するものではないことに留意されたい。また、上述の実施例のいずれかを参照して説明した特徴または段階は、上述の他の実施例の他の特徴または段階と組み合わせて使用してもよいことに留意されたい。特許請求の範囲における参照符号は、限定とみなされるものではない。
【符号の説明】
【0093】
101 システム、102 信号伝送部、103 信号伝送ユニット、104 伝送塔、105 制御装置、106 テスト区域、107 GPS局システム、108 中央制御基地、109 車線標示、110 ダミー装置、111 ダミー信号装置、112 制御装置、113 レーダセンサ、114 位置センサ、120 ダミー装置、121 ダミー信号装置、122 制御装置、125 ダミー装置、126 ダミー信号装置、127 制御装置、130 充電ステーション、140 構造体取付けステーション、150 可動交通装置、151 信号機装置、152 他のダミー信号装置、153 制御装置、154 交通標識、155 可動標示装置、156 散布装置
A、B、C 信号経路
図1
【国際調査報告】