(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】高圧容器用圧力解放装置
(51)【国際特許分類】
F17C 13/04 20060101AFI20240405BHJP
F16K 17/38 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
F17C13/04 301D
F16K17/38 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567133
(86)(22)【出願日】2022-06-07
(85)【翻訳文提出日】2023-11-01
(86)【国際出願番号】 KR2022007992
(87)【国際公開番号】W WO2022270795
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0081458
(32)【優先日】2021-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514295356
【氏名又は名称】ヨンド・アイエヌデー・カンパニー・リミテッド
【住所又は居所原語表記】22,Noksansaneopjung-ro,Gangseo-gu,Busan 46751,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビュン、ジェ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ウー、チョル・ナム
【テーマコード(参考)】
3E172
3H061
【Fターム(参考)】
3E172AA02
3E172AA05
3E172AB01
3E172BA01
3E172BB12
3E172BB17
3E172DA75
3E172EA02
3E172EB02
3E172JA05
3H061AA07
3H061BB08
3H061CC02
3H061CC20
3H061DD02
3H061EA32
3H061EC05
3H061EC18
3H061GG17
(57)【要約】
本発明の高圧容器用圧力解放装置は、高圧容器に装着されるバルブボディーに結合し、高圧容器のガスが流入するガス通路が形成され、ガス通路と連通される空間部が形成される第1ボディー部と、第1ボディー部の空間部に装着され空間部に流入したガスを外部に排出するガス排出口が形成され、空間部と連通されるチャンバーが形成される第2ボディー部と、チャンバーに直線移動が可能に装着され、ガス通路を開閉するピストン部材と、空間部とピストン部材との間に配置され、ピストン部材の後退方向に弾性力を提供するスプリングと、ピストン部材の後方に位置するチャンバーに装着され、周辺温度が設定温度以上になると溶融する可溶合金と、を含み、可溶合金が溶融してチャンバー外部に排出されると、ピストン部材が後退しながらガス通路を開放して迅速にガスを排出することができ、信頼性を向上させることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧容器に装着されるバルブボディーに結合し、高圧容器のガスが流入するガス通路が形成され、前記ガス通路と連通される空間部が形成される第1ボディー部と、
前記第1ボディー部の空間部に装着され、前記空間部に流入したガスを外部に排出するガス排出口が形成され、前記空間部と連通されるチャンバーが形成される第2ボディー部と、
前記チャンバーに直線移動が可能に装着され、前記ガス通路を開閉するピストン部材と、
前記空間部とピストン部材との間に配置され、ピストン部材の後退方向に弾性力を提供するスプリングと、
前記ピストン部材の後方に位置するチャンバーに装着され、周辺温度が設定温度以上になると溶融する可溶合金と、を含み、
前記可溶合金が溶融してチャンバー外部に排出されると、前記ピストン部材が後退しながら前記ガス通路を開放する、高圧容器用圧力解放装置。
【請求項2】
前記第1ボディー部は、前記ガス通路と空間部との間に連通され、前記ガス通路に比べて内径が大きく形成され、前記ピストン部材が挿入密着する円筒形状の密封部を形成する、請求項1に記載の高圧容器用圧力解放装置。
【請求項3】
前記ピストン部材は、前記チャンバー内部にスライド移動可能に挿入されるスライド部と、
前記スライド部から延長され、スライド部に比べて外径が小さく形成され、スプリングを支持するスプリング支持部と、
前記スプリング支持部から延長され、スプリング支持部に比べて外径が小さく形成され、密封部に挿入されて密封作用をする密封ロッド部と、を含む、請求項2に記載の高圧容器用圧力解放装置。
【請求項4】
前記密封ロッド部の外径は前記密封部の内径に比べて小さく形成され、密封ロッド部と密封部との間には隙間が形成され、前記密封ロッド部の外面には前記隙間を密封する第1シーリングおよび第2シーリングが装着される、請求項3に記載の高圧容器用圧力解放装置。
【請求項5】
前記可溶合金の面積の1/3がチャンバーに残っている状態であるとき、前記密封ロッド部と密封部の間の隙間を通してガスを排出するように第1シーリングおよび第2シーリングが密封部から離脱する、請求項3に記載の高圧容器用圧力解放装置。
【請求項6】
前記第2ボディー部のガス排出口は、その一側が空間部と連通され、他側は第2ボディー部の後面に形成され、前記第2ボディー部の周り方向に一定間隔で複数個形成される、請求項1に記載の高圧容器用圧力解放装置。
【請求項7】
前記チャンバーには、可溶合金が溶融するとチャンバー外部に排出する溶融物排出口が形成され、前記チャンバーの後方には可溶合金が固体状態であるとき、可溶合金が元の状態を維持するように支持し、可溶合金が液体状態になると通過して溶融物排出口に排出されるようにするフィルター部材が装着される、請求項1に記載の高圧容器用圧力解放装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧ガスが貯蔵された高圧容器に装着され、ガスの流れを制御するバルブアセンブリーに設けられ、火災などによる周辺温度が上昇すると、高圧容器に貯蔵されたガスを外部に排出して高圧容器の爆発を防止する高圧容器用圧力解放装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、水素燃料電池システムの場合、ガスが貯蔵された高圧容器にバルブアセンブリーが設けられ、高圧容器にガスを充填する際にガスの流れを制御し、高圧容器に貯蔵されたガスをガス使用部に供給する際に原料ガスの流れを制御する。
【0003】
このようなバルブは、電気的な信号に応じてガスの流れを精密に制御することができ、水素容器に貯蔵されたガスの圧力を一定に維持しなければならず、水素燃料電池自動車の転倒や火災発生時の高圧容器の爆発を防止しなければならない。
【0004】
したがって、バルブには、火災発生時に周辺温度が上昇すると、高圧容器に貯蔵された高圧のガスを外部に放出する圧力解放装置(PRD:Pressure Relief Device)が設けられる。
【0005】
従来の圧力解放装置は、韓国登録特許第10-0964738号公報(2010年06月10日)に開示されているように、ガスが充填されたガス容器のバルブに結合されるバルブ結合部に可溶合金結合部が設けられ、可溶合金結合部に可溶合金が密封可能に取り付けられ、バルブ結合部にディスクを挿入して可溶合金が高圧によって押されることを防止し、周辺環境の温度が特定温度以上に上昇して可溶合金が溶融すると、圧力によってディスクが破裂してガス容器に貯蔵されたガスを外部に排出してガス容器の爆発を防止する。
【0006】
しかし、このような従来の圧力解放装置は、ディスクと可溶合金のみでガスが排出される通路を密閉する構造であるので信頼性が低下し、ディスクが破裂しながら流路が開放されるが、破裂したディスク破片が流路上にそのまま残っていて流路を塞ぐことになり、これにより、圧力容器内のガス放出時間に差が生じ、迅速な放出が難しいという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、ピストン部材の後面に装着された可溶合金が周辺温度によって溶融すると、ピストン部材が後退しながらガス通路を開放して高圧容器の高圧ガスがガス通路を通して外部に排出されるので、迅速な放出が可能な高圧容器用圧力解放装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、ピストン部材の密封ロッドがガス通路に挿入され、ガス通路を密閉するのでガス通路の密閉性能を向上させることができ、ガス通路によるガス漏れを防止することができる高圧容器用圧力解放装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の高圧容器用圧力解放装置は、高圧容器に装着されるバルブボディーに結合し、高圧容器のガスが流入するガス通路が形成され、前記ガス通路と連通される空間部が形成される第1ボディー部と、前記第1ボディー部の空間部に装着され、前記空間部に流入したガスを外部に排出するガス排出口が形成され、前記空間部と連通されるチャンバーが形成される第2ボディー部と、前記チャンバーに直線移動が可能に装着され、前記ガス通路を開閉するピストン部材と、前記空間部とピストン部材との間に配置され、ピストン部材の後退方向に弾性力を提供するスプリングと、前記ピストン部材の後方に位置するチャンバーに装着され、周辺温度が設定温度以上になると溶融する可溶合金と、を含み、前記可溶合金が溶融してチャンバー外部に排出されると、前記ピストン部材が後退しながら前記ガス通路を開放することを特徴とする。
【0010】
前記第1ボディー部は、前記ガス通路と空間部との間に連通され、前記ガス通路に比べて内径が大きく形成され、前記ピストン部材が挿入密着する円筒形状の密封部を形成することができる。
【0011】
前記ピストン部材は、前記チャンバー内部にスライド移動可能に挿入されるスライド部と、前記スライド部から延長され、スライド部に比べて外径が小さく形成され、スプリングを支持するスプリング支持部と、前記スプリング支持部から延長され、スプリング支持部に比べて外径が小さく形成され、密封部に挿入されて密封作用をする密封ロッド部とを含んでもよい。
【0012】
前記密封ロッド部の外径は前記密封部の内径に比べて小さく形成され、密封ロッド部と密封部との間には隙間が形成され、前記密封ロッド部の外面には前記隙間を密封する第1シーリングおよび第2シーリングを装着することができる。
【0013】
前記可溶合金の面積の1/3がチャンバーに残っている状態であるとき、前記密封ロッド部と密封部の間の隙間を通してガスを排出するように第1シーリングおよび第2シーリングが密封部から離脱することができる。
【0014】
前記第2ボディー部のガス排出口は、その一側が空間部と連通され、他側は第2ボディー部の後面に形成され、前記第2ボディー部の周り方向に一定間隔で複数個形成することができる。
【0015】
前記チャンバーには、可溶合金が溶融するとチャンバー外部に排出する溶融物排出口が形成され、前記チャンバーの後方には可溶合金が固体状態であるとき、可溶合金が元の状態を維持するように支持し、可溶合金が液体状態になると通過して溶融物排出口に排出されるようにするフィルター部材を装着することができる。
【発明の効果】
【0016】
上述したように、本発明の高圧容器用圧力解放装置は、ピストン部材によってガス通路が密閉され、可溶合金が周辺温度によって溶融すると、ピストン部材がスプリングの弾性力およびガスの圧力によって後退しながらガス通路を開放するのでガスの迅速な放出が可能で、ガス放出に対する信頼性を向上させることができる。
【0017】
また、ピストン部材の密封ロッドがガス通路に挿入されガス通路を密閉するので密閉性能を向上させることができ、ガス通路によるガス漏れをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態による圧力解放装置の断面図である。
【
図2】本発明の一実施形態による圧力解放装置の作動状態図である。
【
図3】本発明の一実施形態による圧力解放装置の作動状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して本発明による実施例を詳しく説明する。また、以下の図面において、構成要素の大きさや形状などは説明の便宜および明確性のために誇張されたものである。また、本発明の構成および作用を考慮して特に定義された用語は使用者、運用者の意図または慣例により異なることができる。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態による圧力解放装置の断面図である。
【0021】
高圧容器用バルブアセンブリーは、ガスが充填された高圧容器の入口に装着され、複数のバルブが備えられるバルブボディーと、バルブボディーに設けられ、手動で流路を開閉する手動バルブ(Manual Valve)と、バルブボディーに設けられ、電気的な信号に応じて流路を自動開閉するソレノイドバルブと、バルブボディーに設けられ、車両事故などによる火災発生時に周辺温度が上昇すると高圧容器内のガスを外部に放出して高圧容器が爆発することを防止する圧力解放装置(Pressure Relief Device)を含む。
【0022】
このような本実施形態による高圧容器用バルブアセンブリーは、水素燃料電池車両に設けられ、水素原料の流れを制御するために主に用いられ、水素燃料電池車両以外に、高圧ガスを充填および供給するいかなるシステムにも適用可能である。
【0023】
圧力解放装置は、バルブボディーに装着され、高圧容器と連通されガスが流入するガス通路12が形成され、ガス通路12と連通される空間部14が形成される第1ボディー部10と、第1ボディー部10の後方に装着され、空間部14を密封し、空間部に流入したガスを外部に排出するガス排出口22が形成され、空間部14と連通されるチャンバー24が形成される第2ボディー部20と、チャンバー24に直線移動が可能に装着され、ガス通路12を開閉するピストン部材30と、ピストン部材30の後方側チャンバー24に装着され、周辺温度が設定温度以上になると溶融してピストン部材30を後退させる空間を確保する可溶合金40と、を含む。
【0024】
第1ボディー部10は、バルブボディーにねじ結合される外面に雄ねじ部52が形成され、ガス通路12が貫通できるように形成されて高圧容器のガスが流入し、ガス通路12の下側にガス通路12に比べて内径が大きく形成され、ピストン部材30の密封ロッド部36が挿入されて密着する密封部54が形成される。そして、密封部54は空間部14と連通している。
【0025】
第2ボディー部20は、第1ボディー部10の空間部14に挿入され、第1ボディー部10の内面と第2ボディー部20の外面には相互にねじ結合するねじ結合部56が形成され、空間部14と連通するチャンバー24の内面にはピストン部材30がスライド移動可能に配置される。そして、ガス排出口22は、一側は空間部14と連通し、他側は第2ボディー部20の後面に形成され、第2ボディー部20の周り方向に一定間隔で複数個形成され、空間部14に流入したガスを第2ボディー部20の後方を通して外部に排出する。
【0026】
第2ボディー部20の後面には、中央が内側方向に入った凹形状の凹部46が形成され、凹部46の周り方向に一定間隔で複数のガス排出口が外部に露出するように形成されている。
【0027】
チャンバー24の後方には、チャンバー24に配置される可溶合金40が溶融するとチャンバー24の外部に排出される溶融物排出口42が形成され、チャンバー24の後方には、可溶合金40が固体状態である時には可溶合金40が元の状態を維持するように支持し、可溶合金40が液体状態になると通過して溶融物排出口42に排出するフィルター部材44が装着される。
【0028】
フィルター部材44は金属材質のネット形状であり、チャンバー24の後面に配置され、可溶合金40が変形しないように支持する役割を果たし、可溶合金40が溶融して液体状態になると液体状態の可溶合金40が通過する構造を有する。
【0029】
第2ボディー部20の後方にはガス排出口22を防ぎ、ガス排出口22を通じて異物が流入することを防止する栓部材60が取り付けられ、栓部材60は、第1ボディー部10に固定される連結帯62により連結され、栓部材60がガス排出口22から分離される時に離脱することを防止する。このような栓部材60は、ガス排出口22を通じて排出されるガスの圧力によって第2ボディー部20から分離される。
【0030】
ピストン部材30は、チャンバー24の内面にスライド移動可能に挿入されるスライド部32と、スライド部32から延長され、スライド部32に比べて外径が小さく形成され、スプリング70が巻き取られ、支持されるスプリング支持部34と、スプリング支持部34から延長され、スプリング支持部34に比べて外径が小さく形成されて密封部54に挿入され密封作用をする密封ロッド部36と、を含む。
【0031】
スライド部32の外面には、空間部14の内部に流入したガスがピストン部材30の後方への逆流を防止する逆流防止Oリング64が装着される。スプリング70は、その一端はピストン部材30のスプリング支持部34に支持され、他端は空間部14の内面に支持され、ピストン部材30の後退方向に弾性力を付与する。
【0032】
密封ロッド部36の外径は密封部54の内径に比べて小さく形成され、密封ロッド部36と密封部54との間には隙間が存在することになり、このような隙間を密封するために密封ロッド部36の外面には、第1シーリング72および第2シーリング74が装着される。このように、密封ロッド部36は円棒状であり、密封部54は円筒形態に形成され、密封ロッド部36が密封部54に挿入されるとガス通路12が密閉され、密封ロッド部36の外面に第1シーリング72および第2シーリング74がそれぞれ装着され、ガスの漏れを未然に防ぐことができる。
【0033】
つまり、従来のバルブの場合、スプリングの弾性力またはガスの圧力によって密封ロッド部の端部が密封部の端部に密着し、この場合、スプリングが変形するかまたは外部の衝撃によって密封ロッド部が密封部から離脱する恐れがある。これに対して、本実施例によるバルブ構造は、密封ロッド部が密封部に挿入された状態で配置され、外部衝撃やスプリングの弾性力に関係なしに密封性能を維持することができる長所がある。
【0034】
可溶合金40は、ピストン部材30の後方に位置するチャンバー24に装着され、その前面はピストン部材30の後面に接触し、その後面はフィルター部材44に接触してピストン部材30が後退しないように支持して密封ロッド部36が密封部54に挿入された状態を維持するようにし、周辺温度が上昇すると溶融して外部に排出されるとチャンバー24の後方に空間が残ることになり、これにより、ピストン部材30が後退しながらガス通路12を開放する。
【0035】
以下、このように構成された本発明の一実施形態による高圧容器用圧力解放装置について説明する。
【0036】
図2および
図3は、本発明の一実施形態による高圧容器用圧力解放装置の作動状態図である。
【0037】
正常作動状態の場合、ピストン部材30の密封ロッド部36が密封部54に挿入され、ガス通路12を密閉してガスの排出を遮断する。この時、密封部54は円筒形状であり、密封ロッド部36は円棒状からなり、円筒形状の密封部54に円棒状の密封ロッド部36が挿入されて密封作用を行うので、衝撃やその他外部要因によって密封ロッド部36が密封部54から離脱することを未然に防止することができ、ガス通路12によるガスの排出を遮断することができる。
【0038】
そして、火災や事故などによって周辺温度が上昇すると可溶合金40が溶融して溶融物排出口42を通じて排出され、これにより、可溶合金40が排出される量だけチャンバー24の内部に空間が形成され、したがって、ピストン部材30がスプリング70の弾性力およびガスの圧力によって後退する。
【0039】
この時、
図2に示すように、チャンバー24の内部に可溶合金40の一部が残っている状態でも密封ロッド部36の第1シーリング72および第2シーリング74は、密封部54から離脱して密封ロッド部36と密封部54の間の隙間を通してガスが空間部14の内部に流入し、空間部14に流入したガスは、ガス排出口22を通じて外部に排出される。可溶合金40の全体の面積の1/3がチャンバー24に残っているときから隙間を通してガスを排出することが好ましい。
【0040】
つまり、可溶合金40が全部溶融するまで一定時間が必要となり、可溶合金40が全部溶融するまでの時間の間、ガスの排出が遅れてガスの排出が迅速に行われない問題があるが、本実施形態では可溶合金40が一定値程度溶融したときからガス通路12を開放してガスを排出しているので、ガスの排出を迅速に行うことができる。
【0041】
そして、
図3に示すように、時間が経過して可溶合金40が全部溶融するとピストン部材30は完全に後退した状態となり、したがって、密封部54から密封ロッド部36が完全に分離し、ガス通路12が開放されるとガスが空間部14に流入し、ガス排出口22を通じて迅速に外部に排出することができる。
【0042】
以上、本発明を特定の好ましい実施例を例に挙げて説明したが、本発明は前記実施例に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲内で当該発明の属する技術分野で通常の知識を有する者によって様々な変更および修正が可能であることが理解できる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、水素燃料電池システムなどの高圧ガス容器に適用可能である。
【国際調査報告】