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特表2024-516276コンパクトな空間で小さい締付トルクで押上げられるフック緩衝装置の取り付け構造
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  • 特表-コンパクトな空間で小さい締付トルクで押上げられるフック緩衝装置の取り付け構造 図1
  • 特表-コンパクトな空間で小さい締付トルクで押上げられるフック緩衝装置の取り付け構造 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】コンパクトな空間で小さい締付トルクで押上げられるフック緩衝装置の取り付け構造
(51)【国際特許分類】
   B61G 7/10 20060101AFI20240405BHJP
   F16B 37/04 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
B61G7/10
F16B37/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567134
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(85)【翻訳文提出日】2023-10-31
(86)【国際出願番号】 CN2021123698
(87)【国際公開番号】W WO2022247104
(87)【国際公開日】2022-12-01
(31)【優先権主張番号】202110569023.4
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523413080
【氏名又は名称】中車南京浦鎮車輌有限公司
【氏名又は名称原語表記】CRRC NANJING PUZHEN CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 68, North Puzhu Road, Taishan Park, Jiangbei New District Nanjing, Jiangsu 210031, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】王 興文
(72)【発明者】
【氏名】梁 炬星
(72)【発明者】
【氏名】李 康
(72)【発明者】
【氏名】劉 玉龍
(57)【要約】
本発明は、コンパクトな空間で小さい締付トルクで押上げられるフック緩衝装置の取り付け構造に関し、車体構造の取り付け工法孔を貫通するスタッドボルトと、スタッドボルトの第1端に螺設されるナットと、スタッドボルトの第2端に螺設され、且つ周方向に沿っていくつかの軸方向ネジ孔が設置される付勢ナットと、付勢ナットの前記周方向に設置された軸方向ネジ孔にねじ込まれ、頭部が硬質ガスケットを介してフック緩衝装置を当接してそれを車体構造に挟持固定させるいくつかの付勢ネジと、を含む。本発明は、スタッドボルト、ナット、押上げられるナット、いくつかの押上げられるネジを嵌合して使用することにより、スタッドボルトがフック側から車体側へ穿通することを実現し、且つフック緩衝装置側にいくつかの小さいネジ(車体側は小さいキャビティであり、締付トルク操作を印加できない)を締付け、車体側の閉鎖空間が小さいため、ボルトが車体側からフック側へ貫通できないという問題を解決する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体構造(8)の取り付け工法孔(7)を貫通するスタッドボルト(3)と、
スタッドボルト(3)の第1端に螺設されるナット(1)と、
スタッドボルト(3)の第2端に螺設され、且つ周方向に沿っていくつかの軸方向ネジ孔が設置される付勢ナット(5)と、
付勢ナット(5)の前記周方向に設置された軸方向ネジ孔にねじ込まれ、頭部が硬質ガスケット(4)を介してフック緩衝装置(9)を当接してそれを車体構造(8)に挟持固定させるいくつかの付勢ネジ(6)と、を含む、ことを特徴とするフック緩衝装置の取り付け構造。
【請求項2】
前記ナット(1)と車体構造(8)との間に歯形ガスケット(2)が設置される、ことを特徴とする請求項1に記載のフック緩衝装置の取り付け構造。
【請求項3】
前記付勢ネジ(6)は、6つがある、ことを特徴とする請求項1に記載のフック緩衝装置の取り付け構造。
【請求項4】
前記ナット(1)と歯形ガスケットは、一体具である、ことを特徴とする請求項2に記載のフック緩衝装置の取り付け構造。
【請求項5】
前記スタッドボルト(3)がフック側にボス(30)を予め設置する、ことを特徴とする請求項1に記載のフック緩衝装置の取り付け構造。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のフック緩衝装置の取り付け構造により車体構造(8)に固定される、ことを特徴とするフック緩衝装置。
【請求項7】
請求項1~5のいずれか1項に記載のフック緩衝装置の取り付け構造を有する、ことを特徴とする軌道車両。
【請求項8】
請求項2~5のいずれか1項に記載のフック緩衝装置の取り付け構造を用いて固定することは、
フック緩衝装置(9)を車体取り付け箇所に吊り上げるステップ1と、
スタッドボルト(3)は、車体構造(8)の取り付け工法孔(7)及びフック緩衝装置(9)の取り付け孔を貫通し、歯形ガスケット(2)及びナット(1)をスタッドボルト(3)の第1端に螺着するステップ2と、
硬質ガスケット(4)を外側からスタッドボルト(3)の第2端に嵌め、且つ押上げられるナット(5)をスタッドボルト(3)の第2端に螺着し、続いて順次押上げられるネジ(6)を締め、押上げられるネジ(6)をフック緩衝装置(9)の外端面に当接させるステップ3と、
硬質ガスケット(4)と押上げられるナット(5)との間の隙間値が設計範囲内にあることを確認した後、締付マークを作成するステップ4と、を含む、ことを特徴とする軌道車両のフック緩衝装置の取り付け方法。
【請求項9】
ステップ3においてトルクレンチを用いて押上げられるネジ(6)を回し、固定トルクは、約70N.mである、ことを特徴とする請求項8に記載の軌道車両のフック緩衝装置の取り付け方法。
【請求項10】
請求項2~5のいずれか1項に記載のフック緩衝装置の取り付け構造を用いて行うことは、
フック緩衝装置を吊り上げ、それが締結具を解体した後に落下しないように保証するステップ1と、
トルクレンチを採用し、押上げられるネジ(6)を緩め、それを硬質ガスケット(4)から離脱させるステップ2と、
手動で押上げられるナット(5)を緩めて解体するステップ3と、
スタッドボルト(3)を緩め、且つスタッドボルト(3)、ナット(1)及び歯形ガスケット(2)を取り除くステップ4と、
フック緩衝装置を取り外して取り除くステップ5と、を含む、ことを特徴とする軌道車両のフック緩衝装置の取り外し方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にコンパクトな空間で小さい締付トルクで押上げられるフック緩衝装置の取り付け構造に関し、フック緩衝装置の取り付け構造技術の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
フック緩衝装置は、車両同士を互いに係合させて、牽引力や制動力を伝達し、縦衝撃力を緩和するための車両部品である。それは、フック、緩衝器、フックテールフレーム、サブボードなどの部品で構成される一体であり、車底骨格端の牽引梁内に取り付けられる。
【0003】
検索により中国考案特許CN207875667Uにて取り付けボード及びフック取り付け構造を開示し、その取り付けボードの一側面に凹溝が設置され、凹溝は、ナットを収容するために用いられ且つナットの回転を制限することができ、凹溝の底部にボルト取り付け孔が設置されて車体シャーシの限られた取り付け空間内に他の治具を必要とせず、フックを迅速で便利に取り付け及び取り外すことができる。特許は、取り付けボードの凹溝構造に着目して締結具の回転を防止し、小さい取り付け締結トルクを採用することを考慮せず、しかもその後部取り付け空間は、透過領域であり、取り付け操作空間に制限されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、主に上記従来技術における問題に対し、コンパクトな空間で小さい締付トルクで押上げられるフック緩衝装置の取り付け構造を提供し、スタッドボルト及び押上げられるナットの嵌合方式を採用し、コンパクトな操作空間条件でフック緩衝装置の小さい締付トルクの取り付けを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の技術的問題を解決するために、本発明にて提供されるコンパクトな空間で小さい締付トルクで押上げられるフック緩衝装置の取り付け構造は、
車体構造の取り付け工法孔を貫通するスタッドボルトと、
スタッドボルトの第1端に螺設されるナットと、
スタッドボルトの第2端に螺設され、且つ周方向に沿っていくつかの軸方向ネジ孔が設置される付勢ナットと、
付勢ナットの前記周方向に設置された軸方向ネジ孔にねじ込まれ、頭部が硬質ガスケットを介してフック緩衝装置を当接してそれを車体構造に挟持固定させるいくつかの付勢ネジと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
【0007】
本発明は、スタッドボルト、ナット、押上げられるナット、いくつかの押上げられるネジを嵌合して使用することにより、スタッドボルトがフック側から車体側へ穿通することを実現し、且つフック緩衝装置側にいくつかの小さいネジ(車体側は小さいキャビティであり、締付トルク操作を印加できない)を締付け、車体側の閉鎖空間が小さいため、ボルトが車体側からフック側へ貫通できないという問題を解決する。
【0008】
小さいネジは、小さい締付トルクを採用し、それが発生したいくつかの押上げられる力が硬化ガスケットに作用し、強い挟着力を実現し、しかもこのいくつかの押上げられる力は、スタッドボルトに1つの同じ大きさの引張力を合成して発生し、フック緩衝装置の取り付けを実現し、従来構造がボルトを採用してフック側から車体側へ穿通し、ボルトの根元部に大きい締付トルクを印加する必要があることによる根元部の応力集中問題を解決する。
【0009】
スタッドボルトがフック側にボスを予め設置し、小さいレンチで当該ボスを利用してスタッドボルトを解体し、フック緩衝装置の取り外しを完了させることができる。
【0010】
また、本発明は、さらにフック緩衝装置を保護することを要求し、請求項1~5のいずれか1項に記載のフック緩衝装置の取り付け構造により車体構造8に固定されることを特徴とする。
【0011】
本発明は、さらに軌道車両を保護することを要求し、請求項1~5のいずれか1項に記載のフック緩衝装置の取り付け構造を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明のフック緩衝装置の取り付け概略図である。
図2】本発明のフック緩衝装置の取り付け構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面と結び付けて解釈的に説明する。
【0014】
本実施例のコンパクトな空間で小さい締付トルクで押上げられるフック緩衝装置の取り付け構造は、
車体構造8の取り付け工法孔7を貫通し、フック側にボス30が予め設置されるM36スタッドボルト3と、
ナット1であって、スタッドボルト3の第1端に螺設され、ナット1と車体構造8との間に歯形ガスケット2(ナット1と歯形ガスケットは、一体品の形式を採用することもできる)が設置されるナット1と、
スタッドボルト3の第2端に螺設され、且つ周方向に沿っていくつかの軸方向ネジ孔が設置される付勢ナット5と、
付勢ナット5の前記周方向に設置された軸方向ネジ孔にねじ込まれ、頭部が硬質ガスケット4を介してフック緩衝装置9を当接してそれを車体構造8に挟持固定させる6つの付勢ネジ6と、を含むことを特徴とする。
【0015】
機能原理は、以下のとおりである。
-->M36のスタッドボルト3を採用し、押上げられるナット5と押上げられるネジ6で構成して締付け、
-->押上げられるネジ6を締めることにより、押上げられる力(軸方向)が発生し、この押上げられる力が硬質ガスケット4に直接作用する。各押上げられるネジ6の摩擦直径が小さく、採用される締付トルクも小さいが、いくつかの押上げられるネジ6の押上げられる力が合成して押上げられるナット5に反作用され、さらにスタッドボルト3に大きな反作用力を形成し、
-->押上げられるネジ6の押上げられる力、スタッドボルト3の反方向作用力が共に、硬質ガスケット4及びフック緩衝装置、車体の接続面に必要な挟着力が発生し、
-->歯形ガスケット2を採用し、フック緩衝装置の取り付け締付の緩み止めを保証する。
【0016】
本実施例のフック緩衝装置の取り付け構造を用いて軌道車両のフック緩衝装置の取り付けを行うことは、
フック緩衝装置9を車体取り付け箇所に吊り上げるステップ1と、
スタッドボルト3は、車体構造8の取り付け工法孔7及びフック緩衝装置9の取り付け孔を貫通し、歯形ガスケット2及びナット1をスタッドボルト3の第1端に螺着するステップ2と、
硬質ガスケット4を外側からスタッドボルト3の第2端に嵌め、且つ押上げられるナット5をスタッドボルト3の第2端に螺着し、続いて順次押上げられるネジ6を締め、押上げられるネジ6をフック緩衝装置9の外端面に当接させるステップ3であって、ステップ3においてトルクレンチを用いて押上げられるネジ6を回し、固定トルクは、約70N.mであるステップ3と、
硬質ガスケット4と押上げられるナット5との間の隙間値が設計範囲内にあることを確認した後、締付マークを作成するステップ4と、を含む。
【0017】
軌道車両のフック緩衝装置の取り外し方法は、
フック緩衝装置を吊り上げ、それが締結具を解体した後に落下しないように保証するステップ1と、
トルクレンチを採用し、押上げられるネジ6を緩め、それを硬質ガスケット4から離脱させるステップ2と、
手動で押上げられるナット5を緩めて解体するステップ3と、
スタッドボルト3を緩め、且つスタッドボルト3、ナット1及び歯形ガスケット2を取り除くステップ4と、
フック緩衝装置を取り外して取り除くステップ5と、を含む。
【0018】
上記実施例以外に、本発明は、さらに他の実施形態を有することができる。等価置換又は同等変換を採用して形成された技術的解決手段は、いずれも本発明の要求の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0019】
1 枕梁
2 床連結梁
3 波形床
4 側梁
5 締結具
図1
図2
【国際調査報告】