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特表2024-516280PCB基板との柔軟な接続用の基板端コネクタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】PCB基板との柔軟な接続用の基板端コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/71 20110101AFI20240405BHJP
【FI】
H01R12/71
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567903
(86)(22)【出願日】2022-03-17
(85)【翻訳文提出日】2023-12-11
(86)【国際出願番号】 CN2022081470
(87)【国際公開番号】W WO2022233188
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】202110490995.4
(32)【優先日】2021-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518098117
【氏名又は名称】菲尼克斯▲亜▼太▲電▼气(南京)有限公司
【住所又は居所原語表記】No.36 Phoenix Road, Jiangning Economic and Technology Development Zone, Nanjing, Jiangsu Province, 211100 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ダイ、ハイキオン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ファウェイ
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA30
5E223AB26
5E223AB45
5E223AC04
5E223BA01
5E223BA07
5E223BB01
5E223BB12
5E223CB24
5E223CB26
5E223CD01
5E223DA05
5E223DB25
(57)【要約】
本発明は、PCB基板との柔軟な接続に使用できる基板端コネクタを提案する。本発明によれば、両端が開口した絶縁ハウジングと、前記絶縁ハウジングの第1の端部と嵌合して取り付けられるためのロックナットと、前記絶縁ハウジングの第2の端部に差し込み方式で嵌合して取り付けられるためのカバー体とを備え、前記カバー体は、溶接尾端部を有する第1の端子を収容するように構成され、前記カバー体とおよび前記絶縁ハウジングの第2の端部は、嵌合して取り付けられた後に、所定の空間範囲内で軸方向に摺動可能であり、かつ制限可能である基板端コネクタが提案される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端が開口した絶縁ハウジングと、前記絶縁ハウジングの第1の端部と嵌合して取り付けられるためのロックナットと、前記絶縁ハウジングの第2の端部に差し込み方式で嵌合して取り付けられるためのカバー体とを備え、前記カバー体は、溶接尾端部を有する第1の端子を収容するように構成され、前記カバー体とおよび前記絶縁ハウジングの第2の端部は、嵌合して取り付けられた後に、所定の空間範囲内で軸方向に摺動可能であり、かつ制限可能であることを特徴とする基板端コネクタ。
【請求項2】
前記絶縁ハウジングの第2の端部に環状ボスが設けられ、前記カバー体の内側に第1の制限構造が設けられ、前記環状ボスの外側に嵌合する第2の制限構造が設けられ、前記カバー体が前記環状ボスにスリーブして取り付けられた後、前記第1の制限構造と前記第2の制限構造との物理的干渉により、前記カバー体が前記環状ボスから外れるのが阻止されることを特徴とする請求項1に記載の基板端コネクタ。
【請求項3】
前記カバー体の底部が前記環状ボスの頂部に接触するとき、前記第1の制限構造と前記第2の制限構造とは接触していないことを特徴とする請求項2に記載の基板端コネクタ。
【請求項4】
前記第1の制限構造は、前記カバー体の内側の制限突起であり、前記第2の制限構造は、前記環状ボスの外側の制限凹部であり、前記カバー体を前記環状ボスにスリーブして取り付けられた後、前記制限凹部は、前記制限突起を受け入れ、前記制限凹部内で前記制限突起の軸方向移動を許容することを特徴とする請求項2に記載の基板端コネクタ。
【請求項5】
前記環状ボスに第1のガイド構造が設けられ、前記カバー体に嵌合する第2のガイド構造が設けられ、第1のガイド構造と第2のガイド構造の協働により、前記カバー体と前記絶縁ハウジングの軸方向の相対摺動を許容するが、周方向の相対回転を制限することを特徴とする請求項2に記載の基板端コネクタ。
【請求項6】
前記第1のガイド構造はガイド溝であり、前記第2のガイド構造はガイド柱であることを特徴とする請求項5に記載の基板端コネクタ。
【請求項7】
前記第1の端子の溶接尾端部は扁平形状であり、前記第1の端子の溶接尾端部の幅が前記第1の端子の差込本体よりも大きく、前記カバー体の中央部には端子ジャックが設けられ、前記端子ジャックには、前記第1の端子の差込本体の取付ガイドを補助し、前記第1の端子の端部の溶接尾端部の挿入深さを制限するためのピンガイド及び制限構造が設けられることを特徴とする請求項1に記載の基板端コネクタ。
【請求項8】
前記端子ジャックに第1の段差構造が設けられ、前記第1の端子の溶接尾端部に第2の段差構造が設けられ、前記第1の段差構造と前記第2の段差構造とが互いに協働して前記第1の端子の抜け止め機能を果たすことを特徴とする請求項7に記載の基板端コネクタ。
【請求項9】
前記基板端コネクタは、前記絶縁ハウジング内に取り付けされた導電スリーブを備え、前記導電スリーブの一端は前記第1の端子の差込本体と嵌合して接続するために用いられ、前記導電スリーブの他端は嵌合するコネクタ内の端子と接続するために用いられることを特徴とする請求項1に記載の基板端コネクタ。
【請求項10】
前記導電スリーブは、スリーブの内壁とスリーブの第1の端子に挿入される差込本体との間に摺動電気接続を確立するための弾性連結部材が内部に設けられることを特徴とする請求項9に記載の基板端コネクタ。
【請求項11】
前記弾性連結部材は、クラウンバネ、トーションバネ、ワイヤバネ、キャッチ爪、又は、スパーリングであることを特徴とする請求項10に記載の基板端コネクタ。
【請求項12】
前記絶縁ハウジングの第1の端部は、前記基板端コネクタにおける嵌合するコネクタに差し込まれる一端に対応することを特徴とする請求項1に記載の基板端コネクタ。
【請求項13】
前記絶縁ハウジングは、前記取付パネルの一方の側に位置決めされて前記取付パネルの位置決め孔を貫通するために用いられ、前記ロックナットは、前記取付パネルの他方の側で前記絶縁ハウジングをロックするために用いられることを特徴とする請求項1に記載の基板端コネクタ。
【請求項14】
装置ハウジングと、PCB基板と、請求項1-13のいずれか一項に記載の基板端コネクタとを備え、前記PCB基板が前記装置ハウジング内に位置し、前記基板端コネクタの第1の端子の溶接尾端部がPCB基板に溶接されるためであり、前記基板端コネクタの絶縁ハウジングが装置ハウジングのパネルに取り付けるためである請求項1に記載の光起電力インバータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板端コネクタのハウジングに関し、特にPCB基板との柔軟な接続に使用でき、装置内のPCB基板と装置表面の実装パネルとの異なる間隔に適応できる基板端コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
光起電力インバータ(PV inverter)は、光起電力太陽光パネルが生成した直流電圧を電力網の希望する周波数を満たす交流電流(AC)に変換するために使用されている。電気コネクタは、インバータと電力網との間の配線に使用できる。
【0003】
光起電力インバータの内部端子の増加に伴い、配線用ワイヤハーネスの本数も増加する。光起電力インバータハウジング内のワイヤハーネスの本数が多すぎると、組立や使用に不便をきたすことがある。一つの解決方案は、インバータ内でPCB基板を使用し、まず、光起電力インバータハウジング内の各種端子をPCB基板に接続し、PCB基板に引出端子を溶接し、その後、光起電力インバータハウジングに取り付けられた基板端コネクタと引出端子を使用して電気的接続を確立することである。
【0004】
実際には、光起電力インバータハウジングパネルとPCB基板間の間隔公差の範囲が大きいため、基板端コネクタ内部の導電部品とPCB基板間に柔軟な接続が必要である。従来の設計は通常、蛇行バネ又は軟銅列の接続方案を採用しているが、上記の方案は基板端コネクタの中の導電部品とPCB基板との間の引張力の問題を完全に解決することができず、引出端子のPCB基板溶接点には依然としてわずかに力がかかる場合がある。また、上記の方案はコストが高く、通流能力が小さいという問題にも直面している。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、装置表面の取付パネルと装置内のPCBとの間に柔軟な接続を提供できる新規な基板端コネクタ部品を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の一態様によれば、両端が開口した絶縁ハウジングと、前記絶縁ハウジングの第1の端部と嵌合して取り付けられるためのロックナットと、前記絶縁ハウジングの第2の端部に差し込み方式で嵌合して取り付けられるためのカバー体とを備え、前記カバー体は、溶接尾端部を有する第1の端子を収容するように構成され、前記カバー体とおよび前記絶縁ハウジングの第2の端部は、嵌合して取り付けられた後に、所定の空間範囲内で軸方向に摺動可能であり、かつ制限可能である基板端コネクタが提案される。
【0007】
上記基板端部コネクタにおいて、前記絶縁ハウジングの第2の端部に環状ボスが設けられ、前記カバー体の内側に第1の制限構造が設けられ、前記環状ボスの外側に嵌合する第2の制限構造が設けられ、前記カバー体が前記環状ボスにスリーブして取り付けられた後、前記第1の制限構造と前記第2の制限構造との物理的干渉により、前記カバー体が前記環状ボスから外れるのが阻止される。
【0008】
上記基板端コネクタにおいて、前記カバー体の底部が前記環状ボスの頂部に接触するとき、前記第1の制限構造と前記第2の制限構造とは接触していない。
【0009】
上記基板端コネクタにおいて、前記第1の制限構造は、前記カバー体の内側の制限突起であり、前記第2の制限構造は、前記環状ボスの外側の制限凹部であり、前記カバー体が前記環状ボスにスリーブして取り付けられた後、前記制限凹部は、前記制限突起を受け入れ、前記制限凹部内で前記制限突起の軸方向移動を許容する。
【0010】
上記基板端コネクタにおいて、前記環状ボスに第1のガイド構造が設けられ、前記カバー体に嵌合する第2のガイド構造が設けられ、第1のガイド構造と第2のガイド構造の協働により、前記カバー体と前記絶縁ハウジングの軸方向の相対摺動を許容するが、周方向の相対回転を制限する。
【0011】
前記基板端コネクタにおいて、前記第1のガイド構造はガイド溝であり、前記第2のガイド構造はガイド柱である。
【0012】
上記基板端コネクタにおいて、前記第1の端子の溶接尾端部は扁平形状であり、前記第1の端子の溶接尾端部の幅が前記第1の端子の差込本体よりも大きく、前記カバー体の中央部には端子ジャックが設けられ、前記端子ジャックには、前記第1の端子の差込本体の取付ガイドを補助し且つ前記第1の端子の端部の溶接尾端部の挿入深さを制限するためのピンガイド及び制限構造が設けられる。
【0013】
上記基板端部コネクタにおいて、前記端子ジャックに第1の段差構造が設けられ、前記第1の端子の溶接尾端部に第2の段差構造が設けられ、前記第1の段差構造と前記第2の段差構造とが互いに協働して前記第1の端子の抜け止め機能を果たす。
【0014】
上記基板端コネクタにおいて、前記基板端コネクタは、前記絶縁ハウジング内に取り付けされた導電スリーブを備え、前記導電スリーブの一端は前記第1の端子の差込本体と嵌合して接続するために用いられ、前記導電スリーブの他端は嵌合するコネクタ内の端子と接続するために用いられる。
【0015】
上記の基板端コネクタにおいて、前記導電スリーブは、スリーブの内壁とスリーブの第1の端子に挿入される差込本体との間に摺動電気接続を確立するための弾性連結部材が内部に設けられる。
【0016】
上記基板端コネクタにおいて、前記弾性連結部材は、クラウンバネ、トーションバネ、ワイヤバネ、キャッチ爪、又は、弾片である。
【0017】
上記基板端コネクタにおいて、前記絶縁ハウジングの第1の端部は、前記基板端コネクタにおける嵌合するコネクタに差し込まれる一端に対応する。
【0018】
上記基板端部コネクタにおいて、前記絶縁ハウジングは、前記取付パネルの一方の側に位置決めされて前記取付パネルの位置決め孔を貫通するために用いられ、前記ロックナットは、前記取付パネルの他方の側で前記絶縁ハウジングをロックするために用いられる。
【0019】
本発明の一態様によれば、装置ハウジングと、PCB基板と、上記した基板端コネクタとを備え、前記PCB基板が前記装置ハウジング内に位置し、前記基板端コネクタの第1の端子の溶接尾端部がPCB基板に溶接されるためであり、前記基板端コネクタの絶縁ハウジングが装置ハウジングのパネルに取り付けるためである光起電力インバータ装置が提案される。
【0020】
本発明によって実現される有益な効果は、少なくとも、基板端コネクタの絶縁ハウジングとカバー体との間を所定の空間範囲内で軸方向に摺動および制限することによって、基板端コネクタが取付パネルとPCB基板との間の異なるピッチに適応するようにし、PCB基板溶接端子とコネクタ内部の導電部品との軸方向に柔軟な接続を実現し、大きな許容差を許容することを含む。このような柔軟な許容差接続を実現することにより、基板端コネクタ内の導電部品がPCB基板溶接点に加える引張力の問題がさらに解決される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の実施例による基板端コネクタの爆発概略図を示す。
図2図2は、本発明の実施例によるカバー体の概略図を示す。
図3図3は、本発明の実施例によるカバー体とピン端子との組み合わせ体の概略図を示す。
図4図4は、本発明の実施例によるカバー体とピン端子との組合せ体の断面図を示す。
図5図5は、本発明の実施例によるカバー体とピン端子との組合せ体の他方向に沿った断面図を示す。
図6図6は、本発明の実施例による基板端コネクタの絶縁ハウジングと導電スリーブとの組み合わせ体の断面図を示す。
図7A図7Aは、本発明の実施例によるカバー体とピン端子との組み合わせ体、および絶縁ハウジングと導電スリーブとの組み合わせ体の概略図を示し、ガイド柱構造を示す。
図7B図7Bは、本発明の実施例によるカバー体とピン端子との組み合わせ体、および絶縁ハウジングと導電スリーブとの組み合わせ体の別の視野角の概略図を示し、ガイド溝構造を示す。
図8図8は、カバー体とピン端子との組み合わせ体と、絶縁ハウジングと導電スリーブとの組み合わせ体とを嵌合して取付状態の断面図を示す。
図9A図9Aは、本発明の実施例による基板端コネクタの取付概略図を示す。
図9B図9Bは、本発明の実施例による基板端コネクタの取付概略図を示す。
図10A図10Aは、PCB基板と取付パネルとの異なる間隔条件で本発明の実施例による基板端コネクタの取付状況を示す。
図10B図10Bは、PCB基板と取付パネルとの異なる間隔条件で本発明の実施例による基板端コネクタの取付状況を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下の説明では、各実施例を参照して本発明を説明する。しかしながら、各実施形態は、1つまたは複数の特定の詳細なしに、または他の代替および/もしくは追加の方法、材料または部品とともに用いて実施され得ることを認識すべきである。他の場合には、本発明の各実施例の態様を不明瞭にしないように、公知の構造、材料、または操作は示されず、詳細に説明されない。同様に、特定の量、材料、および構成は、本発明の実施例の完全な理解を提供するために、説明目的で記載されている。しかしながら、本発明は、特定の詳細なしに実施することができる。さらに、添付図面に示された実施例は、例示的な表現であり、必ずしも比例して描かれているわけではないことが理解されるべきである。
【0023】
図1は、本発明の実施例による基板端コネクタの爆発概略図を示す。図1に示すように、基板端コネクタ100は、ロックナット1と、シールガスケット2と、絶縁ハウジング3と、導電スリーブ4と、クラウンバネ5と、抜け止めリング6と、カバー体7、およびピン端子8から構成することができる。その中で、基板端コネクタ100は、パネルに取付可能なコネクタを指す。例えば、光起電力システムにおける光起電力インバータ装置において、基板端コネクタ100を光起電力インバータ装置ハウジングに取り付ける場合には、その装置ハウジングのいずれかの面が基板端コネクタ100の取付パネルとなる。この意味で、基板端コネクタ100は、装置端コネクタとも呼ばれる。
【0024】
ピン端子8は、PCB基板に溶接するための尾端部を有する。したがって、ピン端子8は、溶接端子とも呼ばれる。ピン端子8の他端は、カバー体7の対応するジャックに挿入して、溶接端子組合せ体を形成することができる。この組み合わせ体の関連構造については、図2図5を参照して以下で説明する。
【0025】
図2は、本発明の実施例によるカバー体7の概略図を示す。図3は、本発明の実施例によるカバー体7とピン端子8との組み合わせ体の概略図を示す。図4は、本発明の実施例によるカバー体7とピン端子8との組合せ体の断面図を示す。図5は、本発明の実施例によるカバー体7とピン端子8との組合せ体の他方向に沿った断面図を示す。図4図5の断面は、異なる角方向に沿って切り取られている。図3図5に示すように、ピン端子8は、カバー体7の一端からカバー体の対応するジャックに挿入することができる。ピン端子8の溶接尾端部81は扁平形状であり、この溶接尾端部81の幅がピン端子8の前部の差込本体82よりも大きい。カバー体7の中央部には端子ジャック71が設けられ、前記端子ジャック71には、ピン端子8の差込本体81の取付ガイドを補助し且つピン端子8の溶接尾端部81の挿入深さを制限するためのピンガイドおよび制限構造72が設けられる。一例として、ピンガイドおよび制限構造72は、図4に示すように、軸方向に漸次収縮する制限穴であってもよい。また、図5に示すように、端子ジャック71に停止段差75が設けられ、前記ピン端子8の溶接尾端部81に停止段差85が設けられ、停止段差75と停止段差85とが互いに協働してピン端子8の抜け止め機能を果たす。
【0026】
図6は、本発明の実施例による基板端コネクタの絶縁ハウジング3と導電スリーブ4との組み合わせ体の断面図を示す。図7Aは、本発明の実施例によるカバー体7とピン端子8との組み合わせ体(すなわち、溶接端子の組み合わせ体)、および絶縁ハウジング3と導電スリーブ4との組み合わせ体の概略図を示し、ガイド柱構造722も示す。図7Bは、本発明の実施例によるカバー体7とピン端子8との組み合わせ体、および絶縁ハウジング3と導電スリーブ4との組み合わせ体の別の視野角の概略図を示し、ガイド溝構造322も示す。図8は、カバー体7とピン端子8との組み合わせ体、及び絶縁ハウジング3と導電スリーブ4との嵌合装着状態の断面図を示す。
【0027】
図7A及び図8を参照すると、絶縁ハウジング3の一端に環状ボス32が設けられ、カバー体7の内側に第1の制限構造73が設けられ、環状ボスの外側に嵌合する第2の制限構造35が設けられ、カバー体7が環状ボス32にスリーブして取り付けられた後、第1の制限構造73と第2の制限構造35との物理的な干渉により、カバー体7が環状ボス32から外れるのが阻止される。一方、図8に示すように、カバー体7の底部が環状ボス32の頂部に接触すると、第1の制限構造73と第2の制限構造35とは接触しない。この絶縁ハウジング3とカバー体7の構造により、両者が嵌合して取付後に所定の空間範囲内で軸方向に摺動可能であり、かつ制限可能である。
【0028】
図7Aおよび図7Bにさらに示すように、第1の制限構造73は、カバー体7の内側の制限突起735であり、第2の制限構造35は、環状ボス32の外側の制限凹部325であり、カバー7が環状ボス32にスリーブして取り付けられた後、制限凹部325は、制限突起735を受け入れ、制限突起735の制限凹部325内の軸方向移動を許容する。
【0029】
さらに図2図7Aおよび図7Bに示すように、カバー体7にはガイド柱72が設けられている。ガイドポスト72は、カバー体7の側壁から内側に突起722を形成しており、この突起と絶縁ハウジング3の環状ボス32上のガイド溝322と協働する。ガイド柱72とガイド溝322との協働により、カバー体7と絶縁ハウジング3とが差し込んだ後、軸方向の相対摺動は可能であるが、両者の円周方向の回転を制限する。
【0030】
図6および図8に示すように、基板端コネクタ100は、絶縁ハウジング3内に取り付けられた導電スリーブ4を備え、導電スリーブ4の一端はピン端子8の差込本体82と嵌合して接続するために用いられ、導電スリーブ4の他端は嵌合するコネクタ(図示せず)中の端子と接続するために用いられる。導電スリーブ4は、スリーブ4の内壁とスリーブに挿入されるピン端子8の差込本体82との間に摺動電気接続を確立するための弾性連結部材が内部に設けられる。図1では、前記弾性連結部材はクラウンバネ5として示されている。弾性連結部材は、キャッチ爪、弾片、トーションバネ、ワイヤバネ等であってもよいことが当業者には理解されよう。
【0031】
図9A及び図9Bは、本発明の実施例による基板端コネクタの取付概略図である。図示のように、ロックナット1を含まない基板端コネクタ100の組み合わせ体は、溶接方式でPCB基板920に固定することができ、その後、当該アセンブリは取付パネル910に取り付けられ、パネルの他端でロックナット1によって固定される。
【0032】
図10Aおよび図10Bは、PCB基板920と取付パネル910との異なる間隔条件で本発明の実施例による基板端コネクタの取付状況を示す。図10A図10BのPCB基板920と取付パネル910の間隔を比較すると、図10Bの方が間隔が大きいことがわかる。カバー体7と絶縁ハウジング3とを嵌合して取り付けた後、所定の空間範囲内で軸方向に摺動可能であり、かつ制限可能であり、ピン端子8の差込本体82が導電スリーブ4内で摺動可能であるため、基板端コネクタ100は、PCB基板920上の溶接点に引張力を発生させることなく、図10(b)の取付条件に適合することができる。
【0033】
上記実施例では、溶接端子の例としてピン端子8を用いたが、溶接尾端部を有する他の形態の端子もあることが理解される。
【0034】
上記実施例では、シールガスケット2と抜け止めリング6とを示したが、シールガスケットと抜け止めリングの使用の有無及びその具体的な形態は、本発明の限定を構成しないことが理解される。
【0035】
上記の実施例では、溶接端子の溶接位置としてPCB基板を用いたが、溶接端子の溶接位置は、他の形態や名称の部品であってもよいことが理解される。
【0036】
基本的な概念について上述したが、明らかに、上記の開示は、当業者にとっては単なる一例としてのものであって、本出願を限定するものではない。ここでは明記されていないが、当業者は、本願に様々な補正、改良、および修正を加えることができる。このような補正、改良、および修正は、本出願において提案されているので、本出願の実施形態の精神および範囲に属する。
【符号の説明】
【0037】
部分図面の記号:
100 基板端コネクタ;1 ロックナット;3 絶縁ハウジング;4 導電スリーブ;5 クラウンバネ;6 抜け止めリング;7 カバー体;71 端子ジャック;72 ピンガイド及び制限構造;75 停止段差;8 ピン端子;81溶接尾端部;82 差込本体;85 停止段差;722 突起;322 ガイド溝;32 環状ボス;73 第1の制限構造;35 第2の制限構造;735 制限突起;325 制限凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
【国際調査報告】