(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】ガスを浄化するための装置、位置決め要素、及びそのような位置決め要素を使用してガスを浄化するための装置を組み立てる方法。
(51)【国際特許分類】
B01D 53/04 20060101AFI20240405BHJP
B01D 53/26 20060101ALI20240405BHJP
【FI】
B01D53/04 110
B01D53/26 230
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567965
(86)(22)【出願日】2022-04-22
(85)【翻訳文提出日】2023-12-11
(86)【国際出願番号】 EP2022060731
(87)【国際公開番号】W WO2022233600
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593074329
【氏名又は名称】アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップ
【氏名又は名称原語表記】ATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100196221
【氏名又は名称】上潟口 雅裕
(72)【発明者】
【氏名】クザン-サン-レミ ジュリアン
(72)【発明者】
【氏名】フォロン ヴァウテル
【テーマコード(参考)】
4D012
4D052
【Fターム(参考)】
4D012CA01
4D012CB13
4D012CK05
4D012CK07
4D012CK08
4D052AA01
4D052CE00
4D052FA01
4D052FA03
(57)【要約】
ガスを浄化するための装置であって、この装置は、浄化されるガスのための入口(3)と浄化されたガスのための出口(4)とを有する少なくとも1つの容器(2)と、容器(2)内に配置され、積み重ねられている2又は3以上の浄化剤のブロック(5)とを実質的に備え、位置決め要素(8)が連続する2つのブロック(5)の間に配置され、位置決め要素は、位置決め要素(8)の両側に少なくとも1つのピン(9)を備え、このピンは、この目的のためにブロック(5)に設けられた開口部(10)に配置され、位置決め要素(8)は、ブロック(5)の外周(11)の中に完全に配置されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを浄化するための装置であって、前記装置(1)は、浄化されるガスのための入口(3)と浄化されたガスのための出口(4)とを有する少なくとも1つの容器(2)と、前記容器(2)内に配置され、積み重ねられている2又は3以上の浄化剤のブロック(5)と、を実質的に備え、
位置決め要素(8)が2つの連続する浄化剤のブロック(5)の間に配置され、前記位置決め要素は、前記位置決め要素(8)の両側に少なくとも1つのピン(9)を備え、前記ピンは、この目的のために前記浄化剤のブロック(5)に設けられた開口部(10)に配置され、前記位置決め要素(8)は、前記浄化剤のブロック(5)の外周(11)の中に完全に配置されている、装置。
【請求項2】
前記位置決め要素(8)は、両側に1又は2以上のピン(9)を有する2又は3以上のスペーサ(13)で構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記位置決め要素(8)の前記スペーサ(13)は、前記浄化剤のブロック(5)の前記周壁(11)に沿って均等に分散配置されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記スペーサ(13)のうちの1つは、2つのブロック(5)の間の中央に配置されている、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記位置決め要素(8)は、両側に2又は3以上のピン(9)を有する1つの環状又はフレーム状スペーサ(12)で構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記環状又はフレーム状スペーサ(12)は、開いたリング形状又はフレーム形状を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記位置決め要素(8)は、各側に1つの中央に位置するピン(9)を有する3又は4以上のアーム(14)を有する円形スペーサ(13)で構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記アーム(14)は、等しい長さを有する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
積み重ねられている前記浄化剤のブロックの最も外側のブロック(5)は、開いている側面に位置決め要素(8)を備え、前記位置決め要素は、片側にこの目的のために設けられた前記浄化剤のブロック(5)の開口部(10)に配置される少なくとも1つのピン(9)を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記位置決め要素(8)は、金属、ポリマーなどの1つの材料、又は材料の組み合わせで作られている、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
ケーシングが、積み重ねられている前記浄化剤のブロック(5)の少なくとも一部の周壁(11)の上に配置されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記浄化剤は、乾燥剤又はデシカントである、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記入口(3)は、圧縮機(7)の出口(6)に接続されている、請求項1から12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
積み重ねられている2つの浄化剤のブロック(5)の間に配置される位置決め要素であって、前記位置決め要素(8)は、前記位置決め要素(8)の両側に少なくとも1つのピン(9)を備え、前記ピンは、この目的のために設けられた前記浄化剤のブロック(5)の開口部に配置することができ、前記位置決め要素(8)は、前記浄化剤のブロック(5)の外周(11)の中に完全に配置されている、位置決め要素。
【請求項15】
位置決め要素を使用してガスを浄化するための装置を組み立てる方法であって、
浄化されるガスのための入口(3)及び浄化されたガスのための出口(4)を有する少なくとも1つの容器(2)を有する装置を準備するステップと、
2又は3以上の浄化剤のブロック(5)を準備するステップと、
1又は2以上の位置決め要素(8)を準備するステップであって、前記位置決め要素(8)は、前記位置決め要素(8)の両側に少なくとも1つのピン(9)を備える、ステップと、
前記少なくとも1つの容器(2)内に浄化剤のブロック(5)を配置するステップと、
前記位置決め要素(8)を前記浄化剤のブロック(5)上に配置し、前記位置決め要素(8)の少なくとも1つのピン(9)が、この目的のために設けられた前記浄化剤のブロック(5)の開口部に配置されるのを保証すると共に、前記位置決め要素(8)が、前記浄化剤のブロック(5)の外周(11)の中に完全に配置されることを保証するステップと、
前記少なくとも1つの容器(2)内において、前記少なくとも1つの容器(2)内に既に配置された前記浄化剤のブロック(5)上に追加の浄化剤のブロックを積み重ねることによって、前記追加の浄化剤のブロック(5)を配置し、依然として露出している前記位置決め要素(8)の前記少なくとも1つのピン(9)が、この目的のために設けられた前記追加の浄化剤のブロック(5)の開口部に配置されるのを保証するステップと、
前記少なくとも1つの容器(2)内に前記浄化剤のブロック(5)の全てが配置されるまで、上記の2つのステップを繰り返すステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスを浄化するための装置に関する。
【0002】
詳細には、本発明は、ガスを浄化するための装置に関し、この装置は、浄化されるガスのための入口と浄化されたガスのための出口とを有する少なくとも1つの容器を備える。
【背景技術】
【0003】
この場合、「ガスを浄化する」とは、浄化されるガスから抽出される別のガス、液体又は別の物質からガスが浄化されることを意味する。
【0004】
容器内には浄化剤が配置される。
【0005】
この浄化剤は、例えば粒状物又は1又は2以上のブロックの形態の構造物質など、さまざまな形態をとることができる。このブロックは、通常、積み重ねられている。
【0006】
浄化剤は、例えば、デシカントとも呼ばれる乾燥剤とすることができ、浄化されるガスは乾燥され、水蒸気は乾燥剤によってガスから分離される。このことは、従来、例えば圧縮機から生じる圧縮ガスの場合に起こり、圧縮ガスは、ユーザに送られる前に水分を除去する必要がある。
【0007】
もちろん、乾燥剤の代わりに別のタイプの浄化剤が使用されることも除外されない。例えば、これは、ガス発生器で典型的に見られるように、ガスを混合ガスから浄化することができる浄化剤とすることができる。
【0008】
従来、浄化剤又は乾燥剤のブロックは、内部にこのブロックが積み重ねられる容器の形状と相補的な形状を有する。
【0009】
ブロックは、浄化されるガスが流れることができる空洞及び流路などを有する。
【0010】
国際公開第2017/035607号では、このようなブロックは、積み重ねられると、2つのブロックが積み重ねられる位置でブロックの周囲に配置されたシールを使用して、互いに重なり合って固定され、シールは、ブロックの間に延びる内向きに突出したリップを有する。
【0011】
シールは、2つの連続するブロックを重なり合わせてしっかり固定し、突出したリップは、ブロックを互いに離間させる。
【0012】
異なるブロックの上述の空洞及び流路などの幾何学的及び位置が異なるため、一方のブロックが他方のブロックの流路を閉じることができないように、ブロックは、互いに離間させておく必要がある。
【0013】
このような設計の1つの欠点は、突出したリップが、ガスが流れる必要があるブロックの表面のかなりの部分を閉じ、その結果として、ブロックの全容積を使用することができない点である。
【0014】
さらに、シールは、積み重ねられたブロックの外面の全域で粗さ又は凹凸を引き起こす。
【0015】
このことは、積み重ねられたブロックの周壁の周りに配置されるフィルム、テープ又は収縮スリーブのようなケーシングが、上記の粗さの結果として積み重ねられたブロックと極めて良好に接触することができないという欠点を有する。
【0016】
ケーシングとしてのテープの使用は、米国特許出願公開第2016/0236135号明細書に記載されている。
【0017】
ケーシングが周壁に適切に接続できない場合、漏れが発生する可能性がある。このような漏れは、浄化されていない又は不完全に浄化されたガスの漏出を引き起こし、装置から流出する浄化ガスの汚染につながるので、もちろん望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】国際公開第2017/035607号
【特許文献2】米国特許出願公開第2016/0236135号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、上述の欠点及び他の欠点の少なくとも1つを解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明は、ガスを浄化するための装置に関し、この装置は、浄化されるガスのための入口及び浄化されたガスのための出口を有する容器と、容器内に配置され、重ねられている2又は3以上の浄化剤のブロックと、を実質的に備え、位置決め要素が2つの連続する浄化剤のブロックの間に配置され、位置決め要素は、位置決め要素の両側に少なくとも1つのピンを備え、ピンは、この目的のために浄化剤のブロックに設けられた開口部に配置され、位置決め要素は、浄化剤のブロックの外周の中に完全に配置されている。
【0021】
1つの利点は、ピンを有する位置決め要素によって、積み重ねられているブロックを互いにしっかりと固定できることである。
【0022】
ピンがブロック内に突出しているため、ブロックは互いに対してしっかりと固定される、すなわち、ピンによって水平方向で所定の位置に保持される。
【0023】
2つの連続するブロックの間の位置決め要素は、ブロックが垂直方向で互いに距離を保つように、一種のスペーサとして機能する。
【0024】
位置決め要素がブロックの外周の中に配置されるので、積み重ねられたブロックの周壁は完全に平坦であり、積み重ねられたブロックの周りに配置される収縮スリーブは、漏れを防止することができるように、この周壁に完全かつ良好に接触することができる。
【0025】
さらに、スタックの寸法は、位置決め要素の突出部によって半径方向に増大することがないので、装置は、可能な限りコンパクトにすることができる。
【0026】
上記のピンは、様々な方法で設計することができる。ピンは、中空又は中実とすることができる。ピンは、その両端が開くことができ、円筒形、立方体、ピラミッド形など様々な形をとることができる。
【0027】
最も好ましい実施形態では、位置決め要素は、両側に2又は3以上のピンを有する1つのフレーム状スペーサで構成される。
【0028】
この場合、「フレーム状」とは、スペーサがブロックの断面の形状に沿った細いストリップであることを意味する。リング形状は、ブロックの断面が円形であれば円形とすることができるが、長方形又は正方形とすることもできる。
【0029】
従来からブロックが円形断面を有することは知られている。この場合、このような円形のフレーム状又は環状スペーサは、ブロックをその円周の周りで支持することができるが、ピンは、ブロックをしっかりと固定又は保持する。
【0030】
フレーム状スペーサの寸法又は環状スペーサの場合の直径をブロックの寸法又は直径と一致させることにより、フレーム状又は環状スペーサの寸法又は外径が、ブロックの外側寸法又は外径と一致することを保証することができ、ブロックは、その外径に沿って支持されるようになっている。
【0031】
その結果、非常に安定したスタックを実現することができる。
【0032】
さらに、フレーム状スペーサは、半径方向に非常に細く設計することもでき、ブロックの非常に限られた表面のみがフレーム状スペーサによって塞がれるようになっている。
【0033】
さらに、このようなフレーム状スペーサは、ブロックが互いに対して傾くことも防止する。
【0034】
両側に少なくとも2つのピンを設けることにより、ブロックは、積み重ねられたブロックの軸方向に平行な軸に沿って互いに対して回転することができない。
【0035】
実用的な実施形態では、フレーム状スペーサは、開いたフレーム形状を有する。
【0036】
これは、フレームが、好ましくは限定された距離にわたって中断されていることを意味する。
【0037】
これは、結果として積み重ねられたブロックの安定性を損なうことなく、ブロックの表面のさらに少ない部分が塞がれるという利点を有する。
【0038】
しかしながら、本発明によれば、位置決め要素がフレーム状スペーサを有する必要はない。
【0039】
結局のところ、位置決め要素は、両側に1又は2以上のピンを有する任意形状の2又は3以上のスペーサで構成することができる。
【0040】
スペーサを適切に位置決めすることにより、安定したスタックを作ることができる。
【0041】
さらに、スペーサが塞ぐ表面は、このようにして非常に限定された状態にすることができる。
【0042】
スペーサによって塞がれる流路及び空洞などが少ないほど、ブロックの容積をより多くガスの浄化に使用することができる。
【0043】
実用的な実施形態では、積み重ねられている浄化剤のブロックの最も外側のブロック、すなわち、最も上側のブロック及び最も下側のブロックは、開いている側面に位置決め要素を備え、位置決め要素は、片側にこの目的のために設けられたブロックの開口部に配置される少なくとも1つのピンを備える。
【0044】
従って、このような位置決め要素は、上記の位置決め要素と同一であるが、片側にのみピンを備える。
【0045】
また、本発明は、積み重ねられている2つの浄化剤のブロックの間に配置される位置決め要素に関し、この位置決め要素は、位置決め要素の両側に少なくとも1つのピンを備え、このピンは、この目的のために設けられた浄化剤のブロックの開口部に配置することができ、位置決め要素は、浄化剤のブロックの外周の中に完全に配置されている。
【0046】
さらに、本発明は、位置決め要素を使用してガスを浄化する装置を組み立てる方法に関し、この方法は、
浄化されるガスの入口及び浄化されたガスの出口を有する少なくとも1つの容器を有する装置を準備するステップと、
2又は3以上の浄化剤のブロックを準備するステップと、
1又は2以上の位置決め要素を準備するステップであって、位置決め要素は、位置決め要素の両側に少なくとも1つのピンを備える、ステップと、
少なくとも1つの容器内に浄化剤のブロックを配置するステップと、
位置決め要素を浄化剤のブロック上に配置し、位置決め要素の少なくとも1つのピンが、この目的のために設けられた浄化剤のブロックの開口部に配置されるのを保証すると共に、位置決め要素が、浄化剤のブロックの外周の中に完全に配置されることを保証するステップと、
少なくとも1つの容器内において、少なくとも1つの容器内に既に配置された浄化剤のブロック上に追加の浄化剤のブロックを積み重ねることによって、追加の浄化剤のブロックを配置し、依然として露出している位置決め要素の少なくとも1つのピンが、この目的のために設けられた追加の浄化剤のブロックの開口部に配置されるのを保証するステップと、
少なくとも1つの容器内に浄化剤のブロックの全てが配置されるまで、上記の2つのステップを繰り返すステップと、
を含む。
【0047】
本発明の特徴をより良く示すために、本発明によるガスを浄化するための装置、位置決め要素、及びそのような位置決め要素を使用してガスを浄化するための装置を組み立てる方法の複数の好ましい実施形態は、添付図面を参照しながら、例示的かつ非限定的に以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図2】
図1にF2で示した部分の実用的な実施形態を示す。
【
図3a】
図1及び2の位置決め要素の実用的な実施形態を示す。
【
図3b】
図1及び2の位置決め要素の実用的な実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1に概略的に示されるガスを浄化するための装置1は、実質的に、浄化されるガスの入口3と浄化されたガスの出口4とを有する容器2を備える。
【0050】
図には1つだけの容器2が示されているが、装置1が、複数の容器2を備えることは除外されない。
【0051】
容器2内には、この場合5個の複数の浄化剤のブロック5が配置され、これらのブロックは積み重ねられている。
【0052】
この場合、ブロック5は円筒形のデザインである。ブロックは、梁状又は立方体状のデザインであることも可能である。
【0053】
図1に示されているように、入口3は、この場合、本発明では必須ではないが、圧縮機7の入口6に接続されている。
【0054】
上述の浄化剤は、この場合、本発明では必須ではないが、デシカントとも呼ばれる乾燥剤である。
【0055】
装置1は、圧縮機7の圧縮ガスを乾燥させる。
【0056】
しかしながら、本発明は、例えば、大気圧又は準大気圧又は真空下で、別の汚染ガスからガスを浄化するために使用することもできる。
【0057】
位置決め要素8は、2つの連続するブロック5の間に配置されている。
【0058】
上記の位置決め要素8の目的は、ブロック5が動くことができないように互いに対して位置決め又はしっかり固定することである。さらに、これは、ブロック8を互いから距離Aに保つためのスペーサとしても機能する。
【0059】
上記の位置決め要素8の正確な又は厳密な実施形態は様々とすることができるが、これらの共通点は、位置決め要素8が、その両側に少なくとも1つのピン9を備え、このピンが、この目的のために設けられたブロック5の開口部10に配置され、位置決め要素8が、ブロック5の外周又は周壁11の中に完全に配置されている点である。
【0060】
【0061】
ブロック5の開口部10は、ブロック5の流路又は空洞などによって形成することができる、又は上記のブロック5に特別に配置することができる。上記の流路及び空洞などは、
図2に点線で示されている。
【0062】
ピン9の形状は様々とすることができる。上述したように、上記のピン9は様々なデザインが可能である。ピン9は中空又は中実とすることができる。ピン9はその両端が開くことができ、円筒形、立方体、ピラミッド形など、様々な形をとることができる。
【0063】
図1に示されるように、位置決め要素8は、2つの最も外側のブロック5上で、この最も外側のブロック8の、他のブロック5から外方に面する側に設けられている。
【0064】
位置決め要素8aは、片側にのみ少なくとも1つのピン9を備え、このピン9は、この目的のために設けられたそれぞれのブロック5の開口部10に配置されている。位置決め要素8aは、ブロック5の外周又は周壁11の中に完全に配置されている。
【0065】
上記の位置決め要素8aは、最も外側のブロック5が容器2の壁と接触しないように、容器2内の積み重ねられたブロック5の位置決めを保証する。
【0066】
位置決め要素8は、1つの材料、例えばアルミニウムのような金属で、又はポリマーから、又はそのような材料の組み合わせで作ることができる。
【0067】
図3a及び3bでは、
図1及び2からの位置決め要素8が含まれている。
【0068】
位置決め要素8は、この場合、両側に2つのピン9を有する1つの環状スペーサ12で構成される。
【0069】
この場合、環状スペーサ12について述べるが、本発明は、もちろんこれに限定されるものではない。ブロック5が例えば立方体状であれば、スペーサ12は正方形のフレーム形状を有することになる。
【0070】
環状スペーサ12の直径Dは、ブロック5の直径に対応し、その外径は、
図2から明らかに分かるようにブロック5の外径に一致する。
【0071】
ブロック5が立方体状である場合、フレーム状スペーサの寸法はブロック5の寸法に対応し、フレーム状スペーサの外径寸法はブロックの外径寸法に一致する。
【0072】
環状スペーサ12は、その半径方向において比較的細いデザインであり、ブロック5の限られた表面のみが環状スペーサ12によって覆われるようになっている。
【0073】
ブロック5が積み重ねられる場合、環状スペーサ12は、いずれの場合にもブロック5上に配置される。
【0074】
ピン9は、この場合、この目的のために設けられた開口部10に配置される。
【0075】
その後、次のブロック5は、その開口部10が環状スペーサ12の露出したピン9上に配置される。
【0076】
ピン9により、ブロック5は、その下にあるブロック5と自動的に正しく位置合わせされる。
【0077】
また、環状スペーサ12は、次のブロック5がその下にあるブロック5から距離Aにあることを保証することになるので、ブロック5は互いに接触せず、従って、空洞及び流路などを閉鎖しないことが可能である。さらに、各ブロック5の間の相互距離は、ガスが一方のブロック5から他方のブロック5へ流れる場合にガスを再分配できるようにするためにも必要である。
【0078】
積み重ねられている浄化剤のブロック5の少なくとも一部の周壁11の上に、収縮スリーブ又はテープ又はフィルムのような他のケーシングが配置されることは除外されない。
【0079】
上記の収縮スリーブは、好ましくは、ポリオレフィンのようなガス透過性の低い弾性材料からなる。
【0080】
位置決め要素8は、ブロック5の外周又は周壁11の中に完全に配置されるので、収縮スリーブは、適用されると、ブロック5のどこにでもぴったりと適合することができる。
【0081】
装置1の動作は非常に簡単であり、以下の通りである。
【0082】
圧縮機7によって圧縮されたガスは、容器2を介して入口3に達する。
【0083】
圧縮ガスは乾燥剤のブロック5を通過し、その結果、ガス中に存在する水分は乾燥剤に吸収される。
【0084】
乾燥したガスは、出口4を通って容器2を出る。
【0085】
位置決め要素8を使用してこのような装置1を組み立てるには、以下の方法が適用される。
【0086】
この方法は、少なくとも1つの容器2、複数の浄化剤のブロック5、及び複数の位置決め要素8を有する装置1からスタートする。
【0087】
最初に、ブロック5の1つを容器2内に配置し、その後、位置決め要素8の1つをこのブロック上に配置する。
【0088】
この場合、1又は複数のピン9が、この目的のために設けられたブロック5の開口部に確実に配置されることに留意する。
【0089】
この場合、位置決め要素は、ブロック5の外周11の中に完全に収まることになる。
【0090】
その後、次のブロック5を容器2内に既に存在するブロック5の上に積み重ねることによって容器2内に配置する。
【0091】
この場合、位置決め要素8の露出したままの1又は複数のピン9が、この目的のために設けられた次のブロック5の開口部に確実に配置されることに留意する。
【0092】
次の位置決め要素8及びブロック5を、全てのブロック5が容器2内に配置されるまで、容器2内に同様に配置する。
【0093】
【0094】
図4には、環状スペーサ12が開いた環状である変形例が示されている。このような方法で、環状スペーサ12によって覆われるブロック5の表面がさらに少なくなる。
【0095】
フレーム状スペーサの場合、このスペーサは、同様に、開いたフレーム形状を有することができ、フレームは、ある距離にわたって中断される。
【0096】
図5では、位置決め要素8は、両側に1つのピン9を有する3つのスペーサ13で構成される。
図6の変形例では、各スペーサ13は両側に2つのピン9を有する。
【0097】
位置決め要素8のスペーサ13は、いずれの場合も、ブロック5の周壁11に沿って均等に分散配置されている。
【0098】
図7は、形状の選択に関して大きな自由度があることを示すために、スペーサ13の形状をT字形に変更した別の変形例を実例として示す。
【0099】
図8及び9では、位置決め要素8は、ブロック5の周壁11に沿って均等に分散配置された4つのスペーサ13で構成される。
【0100】
スペーサ13は、目下、ピン9の寸法と同程度の大きさであり、各スペーサ13は、両側に1つのピン9を備えている。
【0101】
加えて、
図9では、スペーサ13は、2つのブロック5の間の中央に配置されており、これは、このスペーサ13がブロック5の中央に配置されていることを意味する。
【0102】
これは、ブロック5の中央が支持されるのを保証し、ブロック5の外周11が他の4つのスペーサ13上に置かれる際に、ブロック5が撓んで変形するのを防止する。
【0103】
最後に、
図10は、この場合、各側に1つの中央に位置するピン9を有する、4つのアーム14を有する円形スペーサ13で構成される位置決め要素8を示す。
【0104】
3又は5以上のアーム14を設けることも可能である。
【0105】
この場合、上記のアーム14は等しい長さを有する。
【0106】
図3aから10に示される実施例は、位置決め要素8又は位置決め要素8のスペーサ12、13を様々な様式でデザインできることを示している。
【0107】
しかしながら、これらの全ては、位置決め要素8の両側に少なくとも1つのピン9を備え、このピンがこの目的のために設けられたブロック5の開口部10に配置され、位置決め要素8がブロック5の外周11の中に完全に配置されるという条件を満たす。
【0108】
位置決め要素8の上記の全ての変形例は、変更すべきところは変更して位置決め要素8aにも適用できることは明らかである。
【0109】
本発明は、例示的に説明され、図示された実施形態に限定されるものではなく、本発明によるガスを浄化するための装置、位置決め要素、及びそのような位置決め要素を使用してガスを浄化するための装置を組み立てる方法は、本発明の範囲から逸脱することなく、全ての変形例で実現することができる。
【符号の説明】
【0110】
2 容器
3 入口
4 出口
5 浄化剤のブロック
8 位置決め要素
9 ピン
10 開口部
11 外周
【国際調査報告】