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特表2024-516319スライスに基づくセル再選択方法、装置、デバイス及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-12
(54)【発明の名称】スライスに基づくセル再選択方法、装置、デバイス及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/08 20090101AFI20240405BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20240405BHJP
   H04W 28/084 20230101ALI20240405BHJP
【FI】
H04W36/08
H04W48/16 131
H04W28/084
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023568521
(86)(22)【出願日】2021-05-08
(85)【翻訳文提出日】2023-11-07
(86)【国際出願番号】 CN2021092287
(87)【国際公開番号】W WO2022236452
(87)【国際公開日】2022-11-17
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100203105
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 能弘
(72)【発明者】
【氏名】ファン ジャンシェン
(72)【発明者】
【氏名】フー チェ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA04
5K067AA21
5K067EE02
5K067EE10
5K067JJ39
(57)【要約】
本出願では、スライスに基づくセル再選択方法、装置、デバイス及び記憶媒体を提供する。この方法で、ネットワークデバイスが、サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス情報を端末デバイスに伝送し、端末デバイスは、サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス情報に基づいて、最終的なターゲット再選択セルを決定する。本解決策により、セル再選択プロセス中に、端末デバイスは、スライスに対する好み及びニーズに基づいてセル再選択を実行することができ、これにより、スライスの問題による再選択が回避され、端末デバイスのサービス遅延が減少し、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末デバイスに適用されるスライスに基づくセル再選択方法であって、
ネットワークデバイスによって送信されたサービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報を受信するステップと、
前記サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報に従って、ターゲット再選択セルを決定するステップとを含む
ことを特徴とするスライスに基づくセル再選択方法。
【請求項2】
前記サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報に従って、ターゲット再選択セルを決定するステップは、
ターゲットスライス識別子をサポートする評価対象の少なくとも1つの隣接セルに対して、各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に応じて高位から低位の順にセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定するステップと、
隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定されない場合、隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度が同じ少なくとも2つの隣接セルについて、隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に応じて高位から低位の順にセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定するステップと、
隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定されない場合、隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度が同じであり、且つ隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応する優先度も同じ少なくとも2つの隣接セルについて、前記少なくとも2つの隣接セルの周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイントセル再選択評価基準に従ってセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定するステップと、
前記絶対周波数ポイントセル再選択評価基準を満たすセルの数が1より多い場合、同一周波数又は同一優先度周波数ポイントのセル再選択基準に従ってセルをランク付けし、最も高いランクを持つセルを前記ターゲット再選択セルとするステップとを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報に従って、ターゲット再選択セルを決定するステップは、
ターゲットスライス識別子をサポートする評価対象の少なくとも1つの隣接セルに対して、各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に応じて高位から低位の順にセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定するステップと、
隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定されない場合、隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応する優先度が同じ少なくとも2つの隣接セルに対して、各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に従って高位から低位の順にセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定するステップと、
隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定されない場合、隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度が同じであり、且つ隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度も同じ少なくとも2つの隣接セルについて、前記少なくとも2つの隣接セルの周波数ポイントに対応する絶対値周波数ポイントセル再選択評価基準に従ってセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定するステップと、
絶対周波数ポイントセル再選択評価基準を満たすセルの数が1より大きい場合、同一周波数又は同一優先度周波数ポイントのセル再選択基準に従ってセルをランク付けし、最も高いランクを持つセルを前記ターゲット再選択セルとするステップと含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報に従って、ターゲット再選択セルを決定するステップは、
ターゲットスライス識別子をサポートする評価対象の少なくとも1つの隣接セルに対して、各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度の相対的な大きさに従って、隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に値を割り当てるステップと、
各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに対応する値が割り当てられた絶対周波数ポイント優先度に従って、高から低の順にセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定するステップと、
隣接セル周波数ポイントに対応する値が割り当てられた絶対周波数ポイント優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定されない場合、隣接セル周波数に対応する絶対周波数ポイント優先度が同じ少なくとも2つの隣接セルについて、前記少なくとも2つの隣接セルの周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイントセル再選択評価基準に従ってセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定するステップと、
前記絶対周波数ポイントセル再選択評価基準を満たすセルの数が1より大きい場合、同一周波数又は同一優先度周波数ポイントのセル再選択基準に従ってセルをランク付けし、最も高いランクを持つセルを前記ターゲット再選択セルとするステップとを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ターゲットスライス識別子を取得するステップをさらに含み、前記ターゲットスライス識別子は、アクセス層により上位層から直接取得されるか、又は上位層によって提供される複数のスライス識別子から選択される
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ターゲットスライス識別子が、上位層によって提供される複数のスライス識別子の中から前記アクセス層により選択されるものである場合、前記方法は、
前記上位層から前記複数のスライス識別子に対応するスライス優先度情報を取得するステップと、
前記複数のスライス識別子に対応するスライス優先度情報に従って、前記ターゲットスライス識別子を決定するステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記上位層は非アクセス層(NAS)である
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記サービングセル周波数ポイント及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントのうちの任意の周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は、スライス識別子情報を含み、前記スライス識別子情報は、少なくとも1つのスライス識別子を含む
ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記サービングセル周波数ポイント及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントのうちの任意の周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は、前記少なくとも1つのスライス識別子に関連付けられたスライス優先度情報をさらに含む
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記スライス優先度情報は、周波数ポイント粒度又は物理セル識別子(PCI)粒度に従って構成される
ことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
任意の周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報に、スライス優先度情報が設定されていない1つ又は複数のスライス識別子がある場合、スライス優先度情報が設定されていない前記1つ又は複数のスライス識別子に対応するスライス優先度を、最高レベル又は最低レベルに設定する
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて取得される
ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記絶対周波数ポイントセル再選択評価基準には、
高優先度周波数ポイントセル再選択評価基準、
低優先度周波数ポイントセル再選択評価基準、
同一周波数又は同一優先度周波数ポイントのセル再選択評価基準、のうちの少なくとも1つが含まれる
ことを特徴とする請求項2~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定するステップをさらに含む
ことを特徴とする請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定するステップは、
ネットワークデバイスによって送信された第1の指示情報に基づいて、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定し、前記第1の指示情報は、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを指示するために使用されること、
前記端末デバイスの能力情報に従って、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定し、前記能力情報は、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうか指示するために使用されること、
事前構成の合意に基づいて、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定すること、のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1の指示情報は、スイッチ構成情報であるか、又は
前記第1の指示情報は、スライスに基づくセル再選択方法のいずれかを適用するかどうかを指示するために使用される
ことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の指示情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて構成される
ことを特徴とする請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
プリセットイベントに従って、測定条件を満たさないがターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスを開始するステップをさらに含み、前記プリセットイベントには
スライスに基づくセル再選択方法を適用することを決定すること、
前記端末デバイスが一つの新しいセルにキャンプすること、
隣接セル周波数ポイントで前記ターゲットスライス識別子をサポートすること、
現在のサービングセルの測定結果は第1の閾値以下であり、前記第1の閾値はシステムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて取得されること、
既存の測定結果を有する評価対象隣接セルからターゲット再選択セルを決定することができず、測定開始条件は満たさないが前記ターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントが存在すること、のうちの少なくとも1つが含まれる
ことを特徴とする請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記ネットワークデバイスによって送信された第2の指示情報を受信するステップをさらに含み、前記第2の指示情報は、測定条件を満たさないがターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスを、プリセットイベントに従って開始する方法を適用するかどうかを前記端末デバイスに指示するために使用される
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第2の指示情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて構成される
ことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ネットワークデバイスに適用されるスライスに基づくセル再選択方法であって、
サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報を端末デバイスに送信するステップを含む
ことを特徴とするスライスに基づくセル再選択方法。
【請求項22】
前記サービングセル周波数ポイント及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントのうちの任意の周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は、スライス識別子情報を含み、前記スライス識別子情報は、少なくとも1つのスライス識別子を含む
ことを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記サービングセル周波数ポイント及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントのうちの任意の周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は、前記少なくとも1つのスライス識別子に関連付けられたスライス優先度情報をさらに含む
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記スライス優先度情報は、周波数ポイント粒度又は物理セル識別子(PCI)粒度に従って構成される
ことを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
任意の周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報に、スライス優先度情報が設定されていない1つ又は複数のスライス識別子がある場合、スライス優先度情報が設定されていない前記1つ又は複数のスライス識別子に対応するスライス優先度を、最高レベル又は最低レベルに設定する
ことを特徴とする請求項23又は24に記載の方法。
【請求項26】
前記サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて送信される
ことを特徴とする請求項21~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記端末デバイスに第1の指示情報を送信するステップをさらに含み、前記第1の指示情報は、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを前記端末デバイスに指示するために使用される
ことを特徴とする請求項21~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の指示情報は、スイッチ構成情報であるか、又は
前記第1の指示情報は、スライスに基づくセル再選択方法のいずれかを適用するかどうかを指示するために使用される
ことを特徴とする請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の指示情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて構成される
ことを特徴とする請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
前記端末デバイスに第2の指示情報を送信するステップをさらに含み、前記第2の指示情報は、測定条件を満たさないがターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスを、プリセットイベントに従って開始する方法を適用するかどうかを前記端末デバイスに指示するために使用される
ことを特徴とする請求項21~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記第2の指示情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて構成される
ことを特徴とする請求項30に記載の方法。
【請求項32】
ネットワークデバイスによって送信されたサービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報を受信するように構成される受信モジュールと、
前記サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報に従って、ターゲット再選択セルを決定するように構成される処理モジュールを備える
ことを特徴とするスライスに基づくセル再選択装置。
【請求項33】
前記処理モジュールは、
ターゲットスライス識別子をサポートする評価対象の少なくとも1つの隣接セルに対して、各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に応じて高位から低位の順にセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定し、
隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定されない場合、隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度が同じ少なくとも2つの隣接セルについて、隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に応じて高位から低位の順にセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定し、
隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定されない場合、隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度が同じであり、且つ隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応する優先度も同じ少なくとも2つの隣接セルについて、前記少なくとも2つの隣接セルの周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイントセル再選択評価基準に従ってセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定し、
前記絶対周波数ポイントセル再選択評価基準を満たすセルの数が1より多い場合、同一周波数又は同一優先度周波数ポイントのセル再選択基準に従ってセルをランク付けし、最も高いランクを持つセルを前記ターゲット再選択セルとするように構成される
ことを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記処理モジュールは、
ターゲットスライス識別子をサポートする評価対象の少なくとも1つの隣接セルに対して、各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に応じて高位から低位の順にセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定し、
隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定されない場合、隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応する優先度が同じ少なくとも2つの隣接セルに対して、各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に従って高位から低位の順にセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定し、
隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定されない場合、隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度が同じであり、且つ隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度も同じ少なくとも2つの隣接セルについて、前記少なくとも2つの隣接セルの周波数ポイントに対応する絶対値周波数ポイントセル再選択評価基準に従ってセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定し、
絶対周波数ポイントセル再選択評価基準を満たすセルの数が1より大きい場合、同一周波数又は同一優先度周波数ポイントのセル再選択基準に従ってセルをランク付けし、最も高いランクを持つセルを前記ターゲット再選択セルとするように構成される
ことを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項35】
前記処理モジュールは、
ターゲットスライス識別子をサポートする評価対象の少なくとも1つの隣接セルに対して、各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度の相対的な大きさに従って、隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に値を割り当て、
各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに対応する値が割り当てられた絶対周波数ポイント優先度に従って、高から低の順にセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定し、
隣接セル周波数ポイントに対応する値が割り当てられた絶対周波数ポイント優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定されない場合、隣接セル周波数に対応する絶対周波数ポイント優先度が同じ少なくとも2つの隣接セルについて、前記少なくとも2つの隣接セルの周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイントセル再選択評価基準に従ってセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定し、
前記絶対周波数ポイントセル再選択評価基準を満たすセルの数が1より大きい場合、同一周波数又は同一優先度周波数ポイントのセル再選択基準に従ってセルをランク付けし、最も高いランクを持つセルを前記ターゲット再選択セルとするように構成される
ことを特徴とする請求項32に記載の装置。
【請求項36】
前記処理モジュールはまた、前記ターゲットスライス識別子を取得するように構成され、前記ターゲットスライス識別子は、アクセス層により上位層から直接取得されるか、又は上位層によって提供される複数のスライス識別子から選択される
ことを特徴とする請求項33~35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項37】
前記ターゲットスライス識別子が、上位層によって提供される複数のスライス識別子の中から前記アクセス層により選択されるものである場合、前記処理モジュールはまた、
前記上位層から前記複数のスライス識別子に対応するスライス優先度情報を取得し、
前記複数のスライス識別子に対応するスライス優先度情報に従って、前記ターゲットスライス識別子を決定するように構成される
ことを特徴とする請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記上位層は非アクセス層(NAS)である
ことを特徴とする請求項36又は37に記載の装置。
【請求項39】
前記サービングセル周波数ポイント及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントのうちの任意の周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は、スライス識別子情報を含み、前記スライス識別子情報は、少なくとも1つのスライス識別子を含む
ことを特徴とする請求項32~38のいずれか一項に記載の装置。
【請求項40】
前記サービングセル周波数ポイント及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントのうちの任意の周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は、前記少なくとも1つのスライス識別子に関連付けられたスライス優先度情報をさらに含む
ことを特徴とする請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記スライス優先度情報は、周波数ポイント粒度又は物理セル識別子(PCI)粒度に従って構成される
ことを特徴とする請求項40に記載の装置。
【請求項42】
任意の周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報に、スライス優先度情報が設定されていない1つ又は複数のスライス識別子がある場合、スライス優先度情報が設定されていない前記1つ又は複数のスライス識別子に対応するスライス優先度を、最高レベル又は最低レベルに設定する
ことを特徴とする請求項40又は41に記載の装置。
【請求項43】
前記サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて取得される
ことを特徴とする請求項32~42のいずれか一項に記載の装置。
【請求項44】
前記絶対周波数ポイントセル再選択評価基準には、
高優先度周波数ポイントセル再選択評価基準、
低優先度周波数ポイントセル再選択評価基準、
同一周波数又は同一優先度周波数ポイントのセル再選択評価基準、のうちの少なくとも1つが含まれる
ことを特徴とする請求項33~35のいずれか一項に記載の装置。
【請求項45】
前記処理モジュールはまた、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定するように構成される
ことを特徴とする請求項32~44のいずれか一項に記載の装置。
【請求項46】
前記処理モジュールにより、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定することは、
ネットワークデバイスによって送信された第1の指示情報に基づいて、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定し、前記第1の指示情報は、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを指示するために使用されること、
前記スライスに基づくセル再選択装置の能力情報に従って、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定し、前記能力情報は、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうか指示するために使用されること、
事前構成の合意に基づいて、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定すること、のうちの少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項45に記載の装置。
【請求項47】
前記第1の指示情報は、スイッチ構成情報であるか、又は
前記第1の指示情報は、スライスに基づくセル再選択方法のいずれかを適用するかどうかを指示するために使用される
ことを特徴とする請求項46に記載の装置。
【請求項48】
前記第1の指示情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて構成される
ことを特徴とする請求項46又は47に記載の装置。
【請求項49】
前記処理モジュールはまた、プリセットイベントに従って、測定条件を満たさないがターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスを開始するように構成され、前記プリセットイベントには
スライスに基づくセル再選択方法を適用することを決定すること、
端末デバイスが一つの新しいセルにキャンプすること、
隣接セル周波数ポイントで前記ターゲットスライス識別子をサポートすること、
現在のサービングセルの測定結果は第1の閾値以下であり、前記第1の閾値はシステムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて取得されること、
既存の測定結果を有する評価対象隣接セルからターゲット再選択セルを決定することができず、測定開始条件は満たさないが前記ターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントが存在すること、のうちの少なくとも1つが含まれる
ことを特徴とする請求項32~48のいずれか一項に記載の装置。
【請求項50】
前記受信モジュールはまた、前記ネットワークデバイスによって送信された第2の指示情報を受信するように構成され、前記第2の指示情報は、測定条件を満たさないがターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスを、プリセットイベントに従って開始する方法を適用するかどうかを前記端末デバイスに指示するために使用される
ことを特徴とする請求項49に記載の装置。
【請求項51】
前記第2の指示情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて構成される
ことを特徴とする請求項50に記載の装置。
【請求項52】
サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報を端末デバイスに送信するように構成される送信モジュールを備える
ことを特徴とするスライスに基づくセル再選択装置。
【請求項53】
前記サービングセル周波数ポイント及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントのうちの任意の周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は、スライス識別子情報を含み、前記スライス識別子情報は、少なくとも1つのスライス識別子を含む
ことを特徴とする請求項52に記載の装置。
【請求項54】
前記サービングセル周波数ポイント及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントのうちの任意の周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は、前記少なくとも1つのスライス識別子に関連付けられたスライス優先度情報をさらに含む
ことを特徴とする請求項53に記載の装置。
【請求項55】
前記スライス優先度情報は、周波数ポイント粒度又は物理セル識別子(PCI)粒度に従って構成される
ことを特徴とする請求項54に記載の装置。
【請求項56】
任意の周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報に、スライス優先度情報が設定されていない1つ又は複数のスライス識別子がある場合、スライス優先度情報が設定されていない前記1つ又は複数のスライス識別子に対応するスライス優先度を、最高レベル又は最低レベルに設定する
ことを特徴とする請求項54又は55に記載の装置。
【請求項57】
前記サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて送信される
ことを特徴とする請求項52~56のいずれか一項に記載の装置。
【請求項58】
前記送信モジュールはまた、前記端末デバイスに第1の指示情報を送信するように構成され、前記第1の指示情報は、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを前記端末デバイスに指示するために使用される
ことを特徴とする請求項52~57のいずれか一項に記載の装置。
【請求項59】
前記第1の指示情報は、スイッチ構成情報であるか、又は
前記第1の指示情報は、スライスに基づくセル再選択方法のいずれかを適用するかどうかを指示するために使用される
ことを特徴とする請求項58に記載の装置。
【請求項60】
前記第1の指示情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて構成される
ことを特徴とする請求項58又は59に記載の装置。
【請求項61】
前記送信モジュールはまた、前記端末デバイスに第2の指示情報を送信するように構成され、前記第2の指示情報は、測定条件を満たさないがターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスを、プリセットイベントに従って開始する方法を適用するかどうかを前記端末デバイスに指示するために使用される
ことを特徴とする請求項52~60のいずれか一項に記載の装置。
【請求項62】
前記第2の指示情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて構成される
ことを特徴とする請求項61に記載の装置。
【請求項63】
プロセッサ、メモリ、及びインタラクティブインターフェースを備え、
前記メモリはコンピュータ実行命令を格納し、
前記プロセッサは、前記メモリに格納されているコンピュータ実行命令を実行して、請求項1~20のいずれか一項に記載のスライスに基づくセル再選択方法を前記プロセッサに実行させる
ことを特徴とする端末デバイス。
【請求項64】
プロセッサ、メモリ、及びインタラクティブインターフェースを備え、
前記メモリはコンピュータ実行命令を格納し、
前記プロセッサは、前記メモリに格納されているコンピュータ実行命令を実行して、請求項21~31のいずれか一項に記載のスライスに基づくセル再選択方法を前記プロセッサに実行させる
ことを特徴とするネットワークデバイス。
【請求項65】
コンピュータ実行命令が記憶されており、前記コンピュータ実行命令がプロセッサによって実行されるとき、請求項1~20のいずれか一項に記載のスライスに基づくセル再選択方法が実現される
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項66】
コンピュータ実行命令が記憶されており、前記コンピュータ実行命令がプロセッサによって実行されるとき、請求項21~31のいずれか一項に記載のスライスに基づくセル再選択方法が実現される
ことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項67】
処理モジュール及び通信インターフェースを備え、
前記処理モジュールは、請求項1~20のいずれか一項に記載のスライスに基づくセル再選択方法を実行するように構成されている
ことを特徴とするチップ。
【請求項68】
処理モジュール及び通信インターフェースを備え、
前記処理モジュールは、請求項21~31のいずれか一項に記載のスライスに基づくセル再選択方法を実行するように構成されている
ことを特徴とするチップ。
【請求項69】
コンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるとき、請求項1~20のいずれか一項に記載のスライスに基づくセル再選択方法が実現される
ことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項70】
コンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるとき、請求項21~31のいずれか一項に記載のスライスに基づくセル再選択方法が実現される
ことを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の実施例は、通信技術に関し、特に、スライスに基づくセル再選択方法、装置、デバイス及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、人々が速度、遅延、高速モビリティ、エネルギー効率に対する追求、及び将来の生活におけるサービスの多様性と複雑性を踏まえ、第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project、略して3GPP(登録商標))の国際標準化団体は、第5世代のモバイル通信(Fifth Generation、略して5G)の開発に着手している。5Gの主な適用シナリオは、拡張モバイルブロードバンド(Enhanced Mobile Broadband、略してeMBB)、超高信頼性低遅延通信(Ultra Reliable Low Latency Communications、略してURLLC)、及び大規模マシンタイプ通信(Massive Machine Type Communications、略してmMTC)である。
【0003】
上記の適用シナリオのいずれかの具体的な実装では、端末デバイスは、位置の移動又はサービスニーズに従ってセルの選択又は再選択を実行することができ、ネットワークデバイスは、周波数ポイントを構成する際に、周波数ポイントの優先度情報を構成することもできる。従来技術では、端末デバイスがセル選択/再選択を行う際、端末デバイスが選択したセルが適切なセル基準(S基準)を満たす場合、端末はそのセルにキャンプインすることを選択してセル選択を完了することができる。再選択のターゲットセルが適切なセル基準を満たし、且つ絶対周波数ポイント優先度に基づいて定義された再選択基準条件を満たす場合、端末は上記の条件を満たす対応するセルに再選択し、セル再選択を完了する。
【0004】
しかしながら、既存のセル再選択方法では、端末デバイスが関心のあるスライス情報が考慮されていないため、端末デバイスは、再選択されたセルが、当該端末デバイスが関心のあるスライス情報をサポートしていることを保証できず、関心のあるスライスサービスを開始するために、端末デバイスはセル再選択プロセス又はネットワークデバイスのリダイレクションプロセスの再開始に依存する必要がある場合があり、これは追加のサービス遅延を引き起こし、端末デバイスのエクスペリエンスに役立たない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の実施例は、スライスに基づくセル再選択方法、装置、デバイス及び記憶媒体を提供する。これは、従来技術において端末デバイスが関心のあるスライス情報を考慮せずにセル再選択を行い、セルの再度の再選択又はネットワークデバイスのリダイレクションなどによって引き起こされるサービス遅延の増加の問題を解決するために使用される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様では、本出願の実施例は、端末デバイスに適用されるスライスに基づくセル再選択方法を提供することができ、前記方法は、
ネットワークデバイスによって送信されたサービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報を受信するステップと、
前記サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報に従って、ターゲット再選択セルを決定するステップとを含む。
【0007】
第2の態様では、本出願の実施例は、ネットワークデバイスに適用されるスライスに基づくセル再選択方法を提供することができ、前記方法は、
サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報を端末デバイスに送信するステップを含む。
【0008】
第3の態様では、本出願の実施例は、スライスに基づくセル再選択装置を提供することができ、前記装置は、
ネットワークデバイスによって送信されたサービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報を受信するように構成される受信モジュールと、
前記サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報に従って、ターゲット再選択セルを決定するように構成される処理モジュールを備える。
【0009】
第4の態様では、本出願の実施例は、スライスに基づくセル再選択装置を提供することができ、前記装置は、
サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報を端末デバイスに送信するように構成される送信モジュールを備える。
【0010】
第5の態様では、本出願の実施例は、端末デバイスを提供することができ、前記端末デバイスは、
プロセッサ、メモリ、及びインタラクティブインターフェースを備え、
前記メモリはコンピュータ実行命令を格納し、
前記プロセッサは、前記メモリに格納されているコンピュータ実行命令を実行して、第1の態様に記載のスライスに基づくセル再選択方法を前記プロセッサに実行させる。
【0011】
第6の態様では、本出願の実施例は、ネットワークデバイスを提供することができ、前記ネットワークデバイスは、
プロセッサ、メモリ、及びインタラクティブインターフェースを備え、
前記メモリはコンピュータ実行命令を格納し、
前記プロセッサは、前記メモリに格納されているコンピュータ実行命令を実行して、第2の態様に記載のスライスに基づくセル再選択方法を前記プロセッサに実行させる。
【0012】
第7の態様では、本出願の実施例は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することができ、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、コンピュータ実行命令が記憶されており、前記コンピュータ実行命令がプロセッサによって実行されるとき、第1の態様に記載のスライスに基づくセル再選択方法が実現される。
【0013】
第8の態様では、本出願の実施例は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供することができ、前記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体には、コンピュータ実行命令が記憶されており、前記コンピュータ実行命令がプロセッサによって実行されるとき、第2の態様に記載のスライスに基づくセル再選択方法が実現される。
【0014】
第9の態様では、本出願の実施例は、チップをさらに提供することができ、前記チップは、処理モジュール及び通信インターフェースを備え、前記処理モジュールは、第1の態様に記載のスライスに基づくセル再選択方法を実行するように構成される。
【0015】
第10の態様では、本出願の実施例は、チップをさらに提供することができ、前記チップは、処理モジュール及び通信インターフェースを備え、前記処理モジュールは、第2の態様に記載のスライスに基づくセル再選択方法を実行するように構成される。
【0016】
第11の態様では、本出願の実施例は、コンピュータプログラム製品を提供することができ、コンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるとき、第1の態様に記載のスライスに基づくセル再選択方法が実現される。
【0017】
第12の態様では、本出願の実施例は、コンピュータプログラム製品を提供することができ、コンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるとき、第2の態様に記載のスライスに基づくセル再選択方法が実現される。
【0018】
本出願の実施例によって提供されるスライスに基づくセル再選択方法、装置、デバイス及び記憶媒体は、前記方法において、ネットワークデバイスが、サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス情報を端末デバイスに伝送し、端末デバイスは、サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス情報に基づいて、最終的なターゲット再選択セルを決定する。本解決策により、セル再選択プロセス中に、端末デバイスは、スライスに対する好み及びニーズに基づいてセル再選択を実行することができ、これにより、スライスの問題による再選択が回避され、端末デバイスのサービス遅延が減少し、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本出願の実施例又は従来技術における技術的実装をより明確に示すために、以下に、実施例又は従来技術の説明に使用する必要がある図面を簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は本出願の実施例の一部であり、当業者であれば、創造的な努力をすることなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
図1】本出願によって提供されるスライスに基づくセル再選択方法の適用シナリオの概略図である。
図2】本出願によって提供されるスライスに基づくセル再選択方法の実施例1のフローチャートである。
図3】本出願によって提供されるスライスに基づくセル再選択方法の一例を示すフローチャートである。
図4】本出願によって提供されるスライスに基づくセル再選択方法の別の一例のフローチャートである。
図5】本出願によって提供されるスライスに基づくセル再選択装置の実施例1の概略構造図である。
図6】本出願によって提供されるスライスに基づくセル再選択装置の実施例2の概略構造図である。
図7】本出願によって提供される端末デバイスの実施例の概略構造図である。
図8】本出願によって提供されるネットワークデバイスの実施例の概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本出願の実施例の目的、技術的解決策及び利点をより明確にするために、以下に本出願の実施例の図面と併せて、本出願の実施例の技術的解決策を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は本出願の実施例の一部であり、すべてではない。本出願の実施例に基づいて、創造的な努力をすることなく当業者によって得られる他のすべての実施例は、本出願の保護範囲に属する。
【0021】
本出願の実施例の明細書、特許請求の範囲、及び上述の図面における「第1」、「第2」などの用語は、類似の対象を区別するために使用されており、必ずしも特定の順序を説明するために使用されるわけではない。このように使用されるデータは、例えば、本明細書に記載される本出願の実施例が、本明細書に図示又は記載される順序以外の順序で実施できるように、適切な状況下で交換可能であることを理解されたい。さらに、「含む」及び「有する」という用語、並びにそれらの変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図しており、例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又はデバイスは、必ずしも明示的に列挙されていないステップ又はユニットに限定されるわけではなく、明示的に列挙されていない、又はこれらのプロセス、方法、製品、又はデバイスに固有ではない他のステップ又はユニットが含まれる場合がある。
【0022】
現在の既存技術において、第5世代のモバイル通信(Fifth Generation、略して5G)の主な適用シナリオは、拡張モバイルブロードバンド(Enhanced Mobile Broadband、略してeMBB)、超高信頼性低遅延通信(Ultra Reliable Low Latency Communications、略してURLLC)、大規模マシンタイプ通信(Massive Machine Type Communications、略してmMTC)である。
【0023】
eMBBは依然として、マルチメディアコンテンツ、サービス、及びデータへのユーザーのアクセスを目的としており、そのニーズは急速に成長している。一方、eMBBは屋内、都市部、農村部などのさまざまなシナリオで導入される可能性があるため、機能と要件も大きく異なるため、一般化することはできず、特定の導入シナリオと組み合わせて詳細に分析する必要がある。URLLCの一般的な適用には、産業オートメーション、電力オートメーション、遠隔医療業務(手術)、交通安全保証などが含まれる。mMTCの一般的な特徴には、高い接続密度、小さなデータ量、遅延の影響を受けないサービス、モジュールの低コスト、長い耐用年数などが含まれる。
【0024】
5Gネットワーク環境においてエアインターフェースシグナリングを削減し、無線接続及びデータサービスを迅速に復元するために、新しい無線リソース制御(Radio Resource Control,RRC)状態、即ちRRC_INACTIVE状態が定義されている。この状態は、RRC_IDLE及びRRC_CONNECTED状態とは異なる。
【0025】
アイドル状態(RRC_IDLE):モビリティはユーザー機器(User Equipment,略してUE)に基づくセル選択及び再選択であり、ページングはCNによって開始され、ページングエリアはCNによって設定される。基地局側にはUE ASコンテキストがない。RRC接続がない。
【0026】
接続状態(RRC_CONNECTED):RRC接続があり、基地局とUEにUE ASコンテキストが存在する。ネットワーク側は、特定のセルレベルでUEの位置を知っている。モビリティはネットワーク側で制御されるモビリティである。ユニキャストデータは、UEと基地局の間で伝送できる。
【0027】
非アクティブ状態(RRC_INACTIVE):モビリティはUEベースのセル選択及び再選択であり、CN-NG-RANの間に接続があり、UE ASコンテキストがある基地局上に存在し、ページングが無線アクセスネットワーク(Radio Access Network,略してRAN)によってトリガーされ、RANベースのページングエリアはRANによって管理され、ネットワーク側はRANのページングエリアレベルに基づいてUEの位置を知る。
【0028】
周波数ポイントの優先度
ネットワークデバイスが周波数ポイントを構成する場合、同時にこの周波数ポイントの優先度情報を構成することができる。周波数ポイント優先度は、絶対周波数ポイント優先度とも呼ばれる。絶対周波数ポイント優先度の値は0、1、2、3、4、5、6、又は7で、0は最も低い優先度を表し、7は最も高い優先度を表し、周波数ポイント優先度の設定を多様化するため、規格では0~7の各値に小数点以下の値を関連付けることが規定されており、小数点以下の値の範囲は{0.2、0.4、0.6、0.8}であり、絶対周波数ポイント優先度の組み合わせは、整数と小数の組み合わせで合計40通りある。
【0029】
絶対周波数ポイント優先度は、システム情報又は専用シグナリングを通じて設定することができる。専用シグナリングによって設定される周波数ポイント優先度は、有効期間に関連付けられ、有効期間内では、専用周波数ポイント優先度は、システム情報によってブロードキャストされる公共周波数ポイント優先度を常にカバーする。有効期間が切れると、端末デバイスは公共周波数ポイント優先度のみを使用できる。
【0030】
端末デバイスによるセル選択/再選択のルール
セルの選択:
端末デバイスによって選択されたセルが適切なセル基準(S基準)を満たす場合、端末はそのセルにキャンプインすることを選択してセル選択を完了することができる。
【0031】
セルの再選択:
再選択のターゲットセルが適切なセル基準を満たし、且つ絶対周波数ポイント優先度に基づいて定義された再選択基準条件を満たす場合、端末デバイスは上記の条件を満たす対応するセルに再選択し、セル再選択を完了する。
【0032】
上記の絶対周波数ポイント優先度に基づいて定義される再選択基準(絶対周波数ポイントセル再選択評価基準とも呼ばれる)には、以下の3種類が含まれる。
【0033】
- 高優先度周波数ポイントセル再選択基準;
- 同一優先度周波数ポイントのセル再選択基準又は同一周波数再選択基準で、R基準とも呼ばれる;
- 低優先度周波数ポイントセル再選択基準。
【0034】
スライス概念の紹介
ネットワークスライスは、サービス指向のリソースカプセル化の概念である。ネットワークスライスは、ネットワークスライス選択アシスタント識別子(Network Slice Selection Assistant Identity,NSSAI)によって一意に識別され、リソース構成のタイプにも対応する。異なるコアネットワークは、要件に応じて異なるタイプのネットワークスライスをサポートできる。LTE(Long Term Evolution)システムの登録とは異なり、端末デバイスはネットワーク内であるスライスを使用する前にそのスライスを登録する必要があり、端末デバイスは、前記スライスの登録が成功した後にのみ、前記スライスに対応するセッション確立プロセスを開始することができる。スライス登録プロセスでは、端末デバイスが登録を要求したNSSAI情報(Request NSSAI)がメッセージ5を通じてアクセスネットワーク側に伝えられ、端末が一度に最大8つのS-NSSAI(Single NSSAI)情報を登録するように制限される。コアネットワークは、端末デバイスの加入情報、端末デバイスのRequest NSSAI、ローカルにサポートされるスライス情報、及びローカルポリシーに従って、端末デバイスのAllowed NSSAI及びRejected NSSAIを生成する。
【0035】
端末デバイスも、事前に設定されるか、コアネットワークからConfigured NSSAIを取得し、この設定は、公衆陸上移動体ネットワーク(Public Land Mobile Network,PLMN)に固有である。端末デバイスに設定されたあるPLMNにConfigured NSSAIが設定されていない場合は、Default NSSAI情報が使用される。
【0036】
新しい無線(New Radio,NR)システムのコアネットワークは、1つのスライスが1つのS-NSSAI識別子に対応し、1つのS-NSSAI識別子がスライスタイプ識別子(Slice/Service Type,SST)とスライス区別識別子(Slice Differentiator,SD)から構成されることを定義し、ここで、スライスタイプ識別子SSTは8ビットを占有し、必ず表示する必要があり、スライス区別識別子SDは24ビットを占有し、オプションである。
【0037】
現在のNRシステムでは、セル再選択方法は、端末デバイスが関心のあるスライス情報が考慮されていないため、端末デバイスは、再選択されたセルが、当該端末デバイスが関心のあるスライス情報をサポートしていることを保証できず、関心のあるスライスサービスを開始するために、端末デバイスはセル再選択プロセス又はネットワークデバイスのリダイレクションプロセスの再開始に依存する必要がある場合があり、これは追加のサービス遅延を引き起こし、端末デバイスのエクスペリエンスに役立たない。
【0038】
上記の既存の問題に対応して、本出願は、スライスに基づくセル再選択方法を提供する。この解決策では、端末デバイスがセル再選択を実行するとき、まず、サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報を取得し、次に、スライス関連情報に基づいてセル再選択を行うことで、スライスが考慮されていないためにセル再選択プロセスを再度実行する必要がなくなり、端末デバイスのサービス遅延が低減される。
【0039】
図1は、本出願によって提供されるスライスに基づくセル再選択方法の適用シナリオの概略図である。図1に示すように、この解決策は主にあらゆる端末デバイスに適用される。ネットワークデバイスは、何らかの構成情報やスライス関連情報を送信したり、スライスに基づくセル再選択方法を採用するかどうかを端末デバイスに指示することが使用できる。
【0040】
具体的には、この解決策は、ネットワークデバイス及び端末デバイスという2つの実行エンティティに関し得る。ネットワークデバイスは、UE端末デバイス(又は通信端末、端末)と通信するデバイスであり、アクセスネットワークデバイス又はコアネットワークデバイスであってもよい。
【0041】
前記ネットワークデバイスは、特定の地理的エリアに通信カバレッジを提供することができ、そのカバレッジエリア内に位置する端末デバイスと通信することができる。オプションとして、前記ネットワークデバイスは、グローバル移動通信システム(Global System for Mobile Communications,GSM(登録商標))システム又は符号分割多元接続(Code Division Multiple Access,CDMA)システムの基地局(Base Transceiver Station,BTS)、又はWCDMA(登録商標)システム内の基地局(NodeB,NB)、又はロングタームエボリューション(Long Term Evolution,LTE(登録商標))システムの進化型基地局(Evolutional Node B、eNB、又は eNodeB)、又はクラウド無線アクセスネットワーク(Cloud Radio Access Network,CRAN)の無線コントローラ、或いは、前記ネットワークデバイスはモバイルスイッチングセンター、中継局、アクセスポイント、車載デバイス、ウェアラブルデバイス、ハブ、スイッチ、ブリッジ、ルータ、5Gネットワークのネットワーク側デバイス、又は将来進化の公衆陸上移動体ネットワーク(Public Land Mobile Network,PLMN)におけるネットワークデバイス、又は衛星サービスを提供する基地局などであり得る。
【0042】
端末デバイスには、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks,PSTN)、デジタル加入者線(Digital Subscriber Line,DSL)、デジタルケーブル、直接ケーブル接続などの有線回線を介して接続された端末デバイスが含まれるが、これに限定されず、及び/又は別のデータ接続/ネットワーク、及び/又はセルラーネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network,WLAN)、DVB-HネットワークなどのデジタルTVネットワーク、衛星ネットワーク、AM-FM放送送信機などの無線インターフェースを介して接続された端末デバイス、及び/又は通信信号を受信/送信するように設定された別の端末の装置、及び/又はモノのインターネット(Internet of Things,IoT)デバイスも含まれる。無線インターフェースを介して通信するように設定された端末デバイスは、「無線通信端末」、「無線端末」又は「モバイル端末」と呼ばれてもよい。モバイル端末の例としては、衛星又は携帯電話が含まれるが、これらに限定されず、セルラー無線電話にデータ処理、ファクシミリ、及びデータ通信機能を組み込むことができるパーソナル通信システム(Personal Communications System,PCS)端末;無線電話、ポケットベル、インターネット/イントラネットアクセス、Webブラウザー、メモ帳、カレンダー、及び/又は全地球測位システム(Global Positioning System,GPS)受信機を含むことができるPDA;及び従来のラップトップ及び/又はパームトップ受信機、又は無線電話トランシーバーを含む他の電子装置が含まれる。アクセス端末、ユーザーユニット、ユーザーステーション、モバイルステーション、移動局、リモートステーション、リモート端末、モバイルデバイス、ユーザー端末、端末、無線通信デバイス、ユーザーエージェント、又はユーザー装置を指すことができる。アクセス端末は、携帯電話、コードレス電話、セッション開始プロトコル(Session Initiation Protocol,SIP)電話、ワイヤレスローカルループ(Wireless Local Loop,WLL)ステーション、パーソナルデジタルアシスタント(Personal Digital Assistant,PDA)、無線通信機能を備えたハンドヘルドデバイス、コンピューティングデバイス又は無線モデムに接続された他の処理デバイス、車載デバイス、ウェアラブルデバイス、5Gネットワークにおける端末、又は将来進化のPLMNにおける端末デバイスなどであってよい。
【0043】
図1に示されるシナリオに基づいて、本出願によって提供されるスライスに基づくセル再選択方法を、いくつかの特定の実施例を通じて以下に詳細に説明する。
【0044】
図2は、本出願によって提供されるスライスに基づくセル再選択方法の実施例1のフローチャートである。図2に示すように、スライスに基づくセル再選択方法は、具体的には次のようなステップを含む。
【0045】
S101:ネットワークデバイスによって送信された、サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報を受信する。
【0046】
このステップにおいて、端末デバイスは、現在のサービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報をネットワークデバイスから取得することができる。
【0047】
ある具体的な実装で、端末デバイスは、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じてネットワークデバイスから、サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報を取得することができる。
【0048】
具体的には、サービングセル周波数ポイント又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントのいずれか1つに関して、周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は少なくともスライス識別子情報を含み、前記スライス識別子情報は具体的には少なくとも1つのスライス識別子を含む。
【0049】
オプションで、ある具体的な実装で、サービングセル周波数ポイント又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイント内の任意の周波数ポイントについて、周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は、少なくとも1つのスライス識別子に関連付けられたスライス優先度情報をさらに含む。
【0050】
オプションで、別の具体的な実装で、前記スライス優先度情報は、周波数ポイント粒度又は物理セル識別子(Physical Cell Identity,PCI)粒度に従って構成される。
【0051】
具体的な実装で、スライス優先度情報は、スライス識別子情報内の1つ又は複数のスライス識別に対応するスライス優先度を含むことができる。スライス優先度情報が、すべてのスライス識別子に対応するスライス優先度を含むことも可能であり、また、スライス優先度情報が、スライス識別子情報内の1つ又は複数のスライス識別子に対応するスライス優先度のみを含むことも可能であり、この解決策はこれを限定しない。
【0052】
端末デバイスのセル再選択プロセス中に、いずれかの周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報において、1つ又は複数のスライス識別子にスライス優先度情報が設定されていないことが判明した場合、スライス優先度情報が設定されていない前記1つ又は複数のスライス識別子に対応するスライス優先度は、最高レベル又は最低レベルに設定されてもよい。
【0053】
S102:サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報に従って、ターゲット再選択セルを決定する。
【0054】
このステップでは、端末デバイスは、当該周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報を取得した後、前記サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報に従ってセル再選択を実行することができ、最終的にターゲット再選択セルを決定する。
【0055】
端末デバイスがスライス関連情報に基づいて行うセル再選択には、複数の実現方法が含まれる。以下に、具体的な再選択方法を例を挙げて説明する。
【0056】
第一の方法
1回目の再選択評価において、端末デバイスは、ターゲットスライス識別子をサポートする評価対象の少なくとも1つの隣接セルに対して、各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に応じて高位から低位の順に再選択評価を行うことで、唯一のターゲット再選択セルを決定することができる。
【0057】
唯一のターゲット再選択セルが、隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に従って決定された場合、セル再選択プロセスは終了し、そうでない場合は、2回目の再選択評価が実行される。
【0058】
2回目の再選択評価において、隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定されない(即ち、1回目の再選択評価プロセスで一つのターゲット再選択セルを一意に決定できない)場合、隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度が同じ少なくとも2つの隣接セルについて、隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に応じて高位から低位の順にセル再選択の評価を実行することで、唯一のターゲット再選択セルを決定する。
【0059】
唯一のターゲット再選択セルが、隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に従って決定された場合、前記セル再選択プロセスは終了し、そうでない場合は、3回目の再選択評価が実行される。
【0060】
3回目の再選択評価において、隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定されない(即ち、2回目の再選択評価プロセスで一つのターゲット再選択セルを一意に決定できない)場合、隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度が同じであり、且つ隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応する優先度も同じである少なくとも2つの隣接セルについて、前記少なくとも2つの隣接セルの周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイントセル再選択評価基準に従ってセル再選択評価を行うことで、唯一のターゲット再選択セルを決定する。
【0061】
絶対周波数ポイントセル再選択評価基準に従って唯一のターゲット再選択セルが選択された場合、前記セル再選択プロセスは終了し、このようなルールに従って選択されたセルの数がまだ2つ以上である場合は、もう一度再選択評価を実行する必要がある。
【0062】
4回目の再選択評価において、絶対周波数ポイントセル再選択評価基準を満たすセルの数が1より多い場合(つまり、前記絶対周波数ポイントセル再選択評価基準を満たすセルがまだ少なくとも2つある場合)、同一優先度周波数ポイントのセル再選択基準又は同一周波数再選択基準(R基準とも呼ばれる)に従ってセルがランク付けされ、最も高いランクを持つセルがターゲット再選択セルとなる。
【0063】
第二の方法
1回目の再選択評価において、端末デバイスは、ターゲットスライス識別子をサポートする評価対象の少なくとも1つの隣接セルに対して、各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に応じて高位から低位の順にセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定する。
【0064】
唯一のターゲット再選択セルが、隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に従って決定された場合、前記セル再選択プロセスは終了し、そうでない場合、2回目の再選択評価プロセスに進む。
【0065】
2回目の再選択評価において、隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定されない場合(即ち、1回目の再選択評価プロセスで一つのターゲット再選択セルを一意に決定できない場合)、隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応する優先度が同じ少なくとも2つの隣接セルに対して、各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に従って高位から低位の順にセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定する。
【0066】
隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に従って、唯一のターゲット再選択セルが決定されると、前記セル再選択プロセスは終了し、そうでない場合、3回目の再選評価プロセスに進む。
【0067】
3回目の再選択評価において、隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定されない場合(即ち、2回目の再選択評価プロセスで一つのターゲット再選択セルを一意に決定できない場合)、隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度が同じであり、且つ隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度も同じ少なくとも2つの隣接セルについて、前記少なくとも2つの隣接セルの周波数ポイントに対応する絶対値周波数ポイントセル再選択評価基準に従ってセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定する。
【0068】
前記絶対周波数ポイントセル再選択評価基準を満たすセルが1つだけある場合、つまりターゲット再選択セルが一意に決定された場合、前記セル再選択プロセスは終了し、そうでない場合は、次の再選択評価プロセスが必要である。
【0069】
4回目の再選択評価において、前記絶対周波数ポイントセル再選択評価基準を満たすセルの数が1より大きい場合(即ち、前記絶対周波数ポイントセル再選択評価基準を満たすセルがまだ少なくとも2つある場合)、同一優先度周波数ポイントのセル再選択基準又は同一周波数再選択基準(R基準とも呼ばれる)に従ってセルがランク付けされ、最も高いランクを持つセルが前記ターゲット再選択セルとなる。
【0070】
第三の方法
端末デバイスは、ターゲットスライス識別子をサポートする評価対象の少なくとも1つの隣接セルに対して、各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度の相対的な大きさに従って、隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に値を割り当てる。各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに対応する値が割り当てられた絶対周波数ポイント優先度に従って、高から低の順にセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定する。
【0071】
隣接セル周波数ポイントに対応する値が割り当てられた絶対周波数ポイント優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定された場合、前記セル再選択プロセスは終了し、そうでない場合は、絶対周波数ポイント優先度に基づいて定義された再選択基準に従ってセル再選択を実行する必要がある。具体的には次のように実装できる。
【0072】
唯一のターゲット再選択セルが、隣接セル周波数ポイントに対応する値が割り当てられた絶対周波数ポイント優先度に従って決定されない場合、隣接セル周波数に対応する絶対周波数ポイント優先度が同じ少なくとも2つの隣接セルについて、前記少なくとも2つの隣接セルの周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイントセル再選択評価基準に従ってセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定する。
【0073】
前記絶対周波数ポイントセル再選択評価基準を満たすセルの数が1より大きい場合、同一優先度周波数ポイントのセル再選択基準又は同一周波数再選択基準(R基準とも呼ばれる)に従ってセルがランク付けされ、最も高いランクを持つセルが前記ターゲット再選択セルとなる。
【0074】
第3の方法を採用してセル再選択を行うプロセスにおいて、この解決策は実質的に、各周波数ポイントに対応するターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に基づいてセル選択を実行することであることを理解されたい。だたし、実装プロセスでは、絶対周波数ポイント優先度に従ってセル選択を実行する前に、各隣接セル周波数ポイントにおいてターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度の相対的な大きさに従って、各隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に値を割り当てることで、各隣接セル周波数ポイントは新しい絶対周波数ポイント優先度を取得する。
【0075】
この解決策の具体的な実装で、各隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度の値を割り当てるために、周波数ポイントの元の絶対周波数ポイント優先度を、この周波数ポイント上のターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に直接置き換えることができ、周波数ポイント上のターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に従ってソート又は相対的な優先度を決定することもできるが、この実装では限定されない。
【0076】
上記の方法のいずれにおいても、絶対周波数ポイントセル再選択評価基準には以下の少なくとも1つが含まれることを理解されたい。
【0077】
高優先度周波数ポイントセル再選択評価基準;
低優先度周波数ポイントセル再選択評価基準;
同一周波数又は同一優先度周波数ポイントセル再選択評価基準、R基準とも呼ばれる。
【0078】
上記のセル再選択スキームはすべて、スライス関連情報に基づくセル再選択であり、いずれの方法においてもターゲットスライス識別子を適用する必要がある。端末デバイスにとって、ターゲットスライス識別子を実際に適用する前に、このターゲットスライス識別子を決定する必要がある。
【0079】
この解決策のある具体的な実装では、端末デバイスは、アクセス層(Access Stratum,AS、AS層とも呼ばれる)から前記ターゲットスライス識別子を取得することができ、前記ターゲットスライス識別子はAS層によって上位層から直接取得されるか、又は上位層によって提供された複数のスライス識別子からAS層によって選択される。
【0080】
オプションで、上位層は非アクセス層(Non-Access Stratum,NAS)であってもよいし、NAS層とも呼ばれる。
【0081】
具体的には、ターゲットスライス識別子が、上位層によって提供される複数のスライス識別子の中からAS層によって選択されるものである場合、前記端末デバイスは、複数のスライス識別子に対応するスライス優先度情報も上位層から取得する必要があり、次に、複数のスライス識別子に対応するスライス優先度情報に従って、ターゲットスライス識別子を決定する。
【0082】
この実施例で提供されるスライスに基づくセル再選択方法では、各セルの周波数ポイントに対応するスライス関連情報がネットワークデバイスを介して取得され、その後、スライス関連情報に基づいてセル再選択が実行される。即ち、端末デバイスは、スライスの好み及びニーズに基づいてセル再選択を実行することができ、これにより、スライスの問題による再選択が回避され、端末デバイスのサービス遅延が減少し、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【0083】
前述の実施例に基づいて、端末デバイスは、セル再選択を実行するときにスライスに基づくセル再選択方法を使用するかどうかを事前に決定する必要がある。具体的には、端末デバイスは、以下の方法のうちの少なくとも1つにより、スライスに基づくセル再選択方法を使用するか否かを決定することができる。
【0084】
第1の方法では、図3は、本出願により提供されるスライスに基づくセル再選択方法の一例を示すフローチャートである。図3に示すように、前記スライスに基づくセル再選択方法はさらに以下のステップを含む。
【0085】
S201:ネットワークデバイスは、第1の指示情報を端末デバイスに送信する。
【0086】
S202:ネットワークデバイスによって送信された第1の指示情報に基づいて、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定する。
【0087】
このスキームでは、ネットワークデバイスは第1の指示情報を端末デバイスに送信し、端末デバイスはネットワークデバイスによって送信された第1の指示情報を受信し、次に、ネットワークデバイスによって送信された第1の指示情報に基づいてスライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定し、前記第1の指示情報は、スライスに基づくセル再選択方法を適用するか否かを指示するために使用される。
【0088】
前記第1の指示情報は、スイッチ構成情報であり、即ち、スライスに基づくセル再選択方法を適用するか否かを直接指示する。
【0089】
或いは、前記第1の指示情報は、スライスに基づくセル再選択方法のいずれかを適用するかどうかを指示するために使用され、前記第1の指示情報が、特定のスライスに基づくセル再選択方法を適用することを端末デバイスに指示する場合、端末デバイスは、対応するスライスに基づくセル再選択方法を適用し、そうでないと、前記第1の指示情報が現れない場合、又は前記第1の指示情報の値が有効なスライスベースのセル再選択方法を指さない場合、端末デバイスはスライスベースのセル再選択方法を適用しない。
【0090】
ネットワークデバイスは、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて端末デバイスに前記第1の指示情報を構成することができるが、このスキームでは限定されない。
【0091】
オプションで、前記第1の指示情報がシステムブロードキャストメッセージによって搬送される場合、前記システムブロードキャストメッセージは、SIB1、SIB2、SIB3、SIB4、又はSIB5のいずれか1つであり得る。
【0092】
第2の方法では、端末デバイスは、自身の能力情報に従って、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定することができ、前記能力情報は、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを指示するために使用される。
【0093】
第3の方法では、事前構成の合意に基づいて、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかが決定される。このスキームにおいて、端末デバイスは、プロトコル又は工場設定の取り決めに従って、前記スライスに基づくセル再選択方法を適用するか否かを決定してもよい。
【0094】
前述の実施例のいずれかの具体的な実装では、端末デバイスがスライスに基づいてセル再選択を実行する必要がある場合、測定結果を取得するためにサービングセル及び/又は少なくとも1つの隣接セルを測定する必要があり、その後、スライス関連情報に基づいてセル再選択を実行することができる。
【0095】
一般的に、端末デバイスは、セル測定条件を満たした後、各セルを測定する必要があるが、このスキームでは、スライスに基づくセル再選択方式を適用できるように、測定条件を満たさないがセル測定プロセスをトリガーできるプリセットイベントが構成される。
【0096】
即ち、端末デバイスにとって、測定条件は満たさないが、ターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスは、プリセットイベントに従って開始することができ、ここで、プリセットイベントには次の少なくとも1つが含まれる。
【0097】
(1)スライスに基づくセル再選択方法を適用することを決定する(即ち、測定条件は満たされないが、端末デバイスがスライスに基づくセル再選択方法を適用することを決定している場合、セル測定をアクティブに実行できる);
(2)端末デバイスは新しいセルにキャンプする;
(3)隣接セル周波数ポイントで前記ターゲットスライス識別子をサポートする;
(4)現在のサービングセルの測定結果は第1の閾値以下であり、前記第1の閾値はシステムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて取得される;
(5)既存の測定結果を有する評価対象隣接セルからターゲット再選択セルを決定することができず、測定開始条件は満たさないが前記ターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントが存在する。
【0098】
上述の5つのプリセットイベントのうち、1つ又は複数のイベントが発生したら、測定条件が満たされない場合セル測定を実行することができる。
【0099】
オプションで、上記のイベントは組み合わせて使用することができる。例えば、イベント(3)とイベント(4)は組み合わせて使用され、イベント(4)とイベント(5)は組み合わせて使用され、本出願はこのようなイベントの組み合わせを制限しない。
【0100】
イベント(1)~(4)はすべて前提条件であり、即ち、セル再選択プロセスの前に、これらのイベントが発生した場合、セル測定が実行されて測定結果が得られることを理解されたい。その後、スライス関連情報と測定結果に基づいてセルの再選択が実行される。イベント(5)は異なり、事後条件で、つまり、セル再選択のプロセスにおいて、既存の測定結果を有する評価対象隣接セルからターゲット再選択セルを決定できないことがわかり、ターゲットスライス識別子をサポートできる他の隣接セル周波数ポイントが存在する場合、これらの隣接セルに対してセル測定を実行することができ、測定結果に従ってセル再選択をさらに実行することができる。
【0101】
このスキームの具体的な実装では、前述のプリセットイベントを使用してセル測定をトリガーするかどうかをネットワークデバイスによって構成することができる。例えば、図4は、本出願によって提供されるスライスに基づくセル再選択方法の別の例のフローチャートである。図4に示されるように、前記スライスに基づくセル再選択方法はさらに以下のステップを含む。
【0102】
S301:ネットワークデバイスは、第2の指示情報を端末デバイスに送信する。
【0103】
S302:端末デバイスは、第2の指示情報に従って、測定条件を満たさないがターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスを、プリセットイベントに従って開始するかどうかを決定する。
【0104】
このスキームでは、端末デバイスは、前記ネットワークデバイスによって送信された第2の指示情報を受信し、前記第2の指示情報は、測定条件を満たさないがターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスを、プリセットイベントに従って開始する方法を適用するかどうかを前記端末デバイスに指示するために使用される。
【0105】
このスキームの具体的な実装では、前記第2の指示情報がシステムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて構成されることを理解されたい。
【0106】
要約すると、本出願によって提供されるスライスに基づくセル再選択方法では、端末デバイスは、セル再選択を実行するときにターゲットスライス識別子を決定し、関連するスライス関連情報をネットワークデバイスから取得する必要があり、これに基づいて、セルの測定結果、スライス関連情報、及びターゲットスライス識別子に基づいてセル再選択評価が実行され、最終的にターゲット再選択セルが決定される。これにより、端末デバイスによって選択されたセルがスライス情報を考慮していないために関心のあるスライスのサービスをサポートしていないという問題が効果的に回避され、セル再選択又はリダイレクションプロセスの再開始を回避し、サービス遅延を低減し、ユーザエクスペリエンスを向上させる。
【0107】
前述の各実施例に基づいて、このスキームに含まれる以下のいくつかのプロセスを、具体的な実施例を通じて詳細に説明する。
【0108】
1.端末デバイスは、ターゲットスライス識別子を決定する;
2.サービングセル周波数ポイント及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報;
3.具体的なセル再選択スキーム;
4.前記スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定する;
5.プリセットイベントに従って、測定開始条件を満たさないが前記ターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスを開始する。
【0109】
1.端末デバイスは、ターゲットスライス識別子を決定する
ターゲットスライス識別子は、端末デバイスのAS層によって上位層から直接取得されるか、又は前記ターゲットスライス識別子は、上位層によって提供される複数のスライス識別子から前記端末デバイスのAS層によって選択される。
【0110】
モード1:ターゲットスライス識別子は、前記端末デバイスのAS層によって上位層から直接取得される。このモードで、端末デバイスのAS層は、上位層から前記ターゲットスライス識別子を直接取得する。
【0111】
モード2:ターゲットスライス識別子は、端末デバイスのAS層が上位層によって提供される複数のスライス識別子から1つを選択することによって取得される。
【0112】
モード2のある実装では、端末デバイスのAS層によって上位層から取得された複数のスライス識別子情報は、いずれもスライス優先度情報と関連付けられない。このとき、端末デバイスは、実装に基づいて、上位層によって提供される複数のスライス識別子から1つをランダムに選択してターゲットスライス識別子とする。
【0113】
モード2の別の実装では、表1に示すように、端末デバイスのAS層によって上位層から取得された複数のスライス識別子にはスライス優先度情報が関連付けられている。
【0114】
【表1】
【0115】
表1に示すように、上位層がスライス識別子情報を提供する場合、そのスライス識別子情報に関連付けられたスライス優先度情報も提供し、各スライス識別子情報に関連付けられたスライス優先度情報は、同じであっても異なっていてもよいし、上位層によって提供される一部のスライス識別子情報が関連付けられたスライス優先度情報を持たないことも許容される。このとき、スライス優先度情報が関連付けられていないスライス識別子のスライス優先度情報が最も高い、又は最も低いと考えられる。
【0116】
端末デバイスは、スライス優先度情報に従って、上位層によって提供される複数のスライス識別子から1つを選択してターゲットスライス識別子とする。
【0117】
例示的に、前述の上位層はNAS層であってもよい。
【0118】
本出願では、スライス識別子の意味:スライス識別子は、S-NSSAI/NSSAIのセットを表すスライスグループ識別子、又は標準S-NSSAI識別子のSST部分、又は標準のS-NSSAI識別子のSD部分、又は標準S-NSSAI/NSSAI識別子に基づいてアルゴリズムマッピング後の識別子。
【0119】
2.サービングセル周波数ポイント及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報
端末デバイスがセル再選択を実行するとき、ターゲットスライス識別子をサポートする評価対象の少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントをターゲット周波数ポイントセットとして処理することができ、ターゲット周波数ポイントセット内の各周波数ポイントによってサポートされるスライス関連情報は、少なくともスライス識別子情報を含み、前記スライス識別子情報は少なくとも1つのスライス識別子を含む。
【0120】
オプションで、ターゲット周波数ポイントセットの各周波数ポイントによってサポートされるスライス関連情報は、前記少なくとも1つのスライス識別子に関連付けられたスライス優先度情報をさらに含む。このとき、前記スライス優先度情報は、周波数ポイント粒度又はPCI粒度に従って構成されてもよい。
【0121】
【表2】
【0122】
表2に示すように、各隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス識別子が3つである例を説明する。本出願は、各隣接セル周波数ポイントに実際に関連付けられたスライス識別子の数を制限しない。このとき、同一隣接セル周波数ポイントにおける同一スライス識別子のスライス優先度は一意であるため、周波数ポイント粒度に応じてスライス優先度情報が構成されると考えられる。
【0123】
【表3】
【0124】
表3に示すように、各隣接セル周波数ポイントに3つのPCIが関連付けられている例を説明する。本出願は、各隣接セル周波数ポイントに実際に関連付けられるPCIの数を制限しない。1つのPCIは、1つのスライス関連情報に関連付けられ、前記スライス関連情報は、1つ又は複数のスライス識別子と、1つ又は複数のスライス識別子に関連付けられたスライス優先度情報とを含み、各スライス識別子は、1つのスライス優先度情報に関連付けられる。このとき、同じ隣接セル周波数ポイントにある任意のPCIにおける同じスライス識別子のスライス優先度は一意であるが、同じ隣接セル周波数ポイントにある異なるPCI間の同じスライス識別子のスライス優先度は必ずしも一意ではないため、スライス優先度情報は、PCI粒度に従って構成されると考えられる。
【0125】
注1:表2と表3の両方において、隣接セル周波数ポイントに関連付けられた一部のスライス識別子が、対応する関連付けられたスライス優先度情報が構成されないことが許容される。このとき、優先度情報が構成されていない一部のスライス識別子に対応するスライス優先度を最高レベル又は最低レベルとして決定することができる。
【0126】
注2:ターゲット周波数ポイントセット内の各周波数ポイントによってサポートされるスライス関連情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じてネットワークデバイスから取得される。
【0127】
注3:サービングセル周波数ポイントに対応するスライス関連情報を取得するプロセスは、表2又は表3のプロセスと同様であり、ここでは繰り返さない。
【0128】
3.具体的なセル再選択スキーム
実施例1によれば、端末デバイスがスライスに基づいてセル再選択を行う方法は少なくとも3つあることが分かり、以下に3つの方法を例を挙げて説明する。
【0129】
方法1は、実施例1における第1の方法の特殊なケースに対応し、各周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報がスライス識別子情報のみを含む場合、以下の仮定が与えられる:
端末デバイスのターゲットスライス識別子はスライス識別子1であり;
サービングセル周波数ポイントはF1であり、絶対周波数ポイント優先度は4であり、サポートされるスライスは{スライス識別子1、スライス識別子2、スライス識別子3}であり;
隣接セル周波数ポイントF2、絶対周波数ポイント優先度は6であり、サポートされるスライスは{スライス識別子1、スライス識別子2、スライス識別子3}であり;
隣接セル周波数ポイントF3、絶対周波数ポイント優先度は6であり、サポートされるスライスは{スライス識別子2、スライス識別子3}であり;
隣接セル周波数ポイントF4、絶対周波数ポイント優先度は2であり、サポートされるスライスは{スライス識別子1、スライス識別子2、スライス識別子3}であり;
隣接セル周波数ポイントF5、絶対周波数ポイント優先度は5であり、サポートされるスライスは{スライス識別子1、スライス識別子2、スライス識別子3}である。
【0130】
セル再選択評価の準備段階:プリセットイベントに従って、測定開始条件を満たさないが前記ターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスを開始することを考慮しない場合、F1がサービス周波数ポイントであり(ルールに従って常に測定される)、F2、F3及びF5は高優先度の周波数ポイントであるため(ルールに従って常に測定される)、既存の技術要件によれば、セル再選択評価の準備段階では、F1~F3及びF5に配置されているセルの測定結果のみを測定可能であり、隣接セル周波数ポイントF4は低優先度の周波数ポイントであるため、測定されない。
【0131】
1回目の再選択評価:各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に従って高位から低位の順にセル再選択評価が順次実行される。1回目の再選択評価の後、F2とF3のセルが優先的に評価され、唯一のターゲット再選択セルを決定できないため、2回目の再選択評価が必要である。
【0132】
2回目の再選択評価:1回目の再選択評価プロセスで1つのターゲット再選択セルを一意に決定できない場合、隣接セル周波数ポイントに対応する同じ絶対周波数ポイント優先度を有する少なくとも2つの隣接セルについて、各隣接周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度の高位から低位の順にセル再選択評価を順番に実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定する。F3はターゲットスライス識別子(スライス識別子1)をサポートしていないため、F3の測定で得られたセルは除外され、残りとしてF2のセルが優先的に評価される。F2に対応する絶対周波数ポイント優先度は高優先度であるため、高優先度周波数ポイントセル再選択評価基準に従って評価する必要がある。セルが高優先度周波数ポイントセル再選択評価基準条件を満たす場合、そのセルがターゲット再選択セルとして決定され、そうでない場合は、F2のセルは除外される。
【0133】
F2上のセルが除外された後、1回目の再選択評価プロセスに戻り、次にF5上のセルを評価する必要があり、これを唯一のターゲット再選択セルが決定され、セルの再選択が完了するまで繰り返される。
【0134】
方法2は、実施例1における第1の方法に対応する。各周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報が、スライス識別子情報及び少なくとも1つのスライス識別子に関連付けられたスライス優先度情報を含む場合、以下の仮定が与えられる:
端末デバイスのターゲットスライス識別子はスライス識別子1であり;
サービングセル周波数ポイントはF1で、絶対周波数ポイント優先度は4であり、サポートされるスライス関連情報は{{スライス識別子1、スライス優先度3}、{スライス識別子2、スライス優先度4}、{スライス識別子3、スライス優先度5}}であり;
隣接セル周波数ポイントF2、絶対周波数ポイント優先度は6であり、サポートされるスライス関連情報は{{スライス識別子1、スライス優先度3}、{スライス識別子2、スライス優先度4}、{スライス識別子3、スライス優先度5}}であり;
隣接セル周波数ポイントF3、絶対周波数ポイント優先度は6であり、サポートされるスライス関連情報は{{スライス識別子1、スライス優先度2}、{スライス識別子2、スライス優先度3}、{スライス識別子3、スライス優先度4}}であり;
隣接セル周波数ポイントF4、絶対周波数ポイント優先度は6であり、サポートされるスライス関連情報は{{スライス識別子2、スライス優先度4}、{スライス識別子3、スライス優先度5}}であり;
隣接セル周波数ポイントF5、絶対周波数ポイント優先度は2であり、サポートされるスライス関連情報は{{スライス識別子1、スライス優先度4}、{スライス識別子2、スライス優先度5}、{スライス識別子3、スライス優先度6}}である。
【0135】
セル再選択評価の準備段階:プリセットイベントに従って、測定開始条件を満たさないが前記ターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスを開始することを考慮しない場合、F1がサービス周波数ポイントであり(ルールに従って常に測定される)、F2~F4は高優先度の周波数ポイントであるため(ルールに従って常に測定される)、既存の技術要件によれば、セル再選択評価では、F1~F4に配置されているセルの測定結果のみを測定可能である。F5は低優先度の周波数ポイントであるため、測定されない。
【0136】
1回目の再選択評価:各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に従って高位から低位の順にセル再選択評価が順次実行される。1回目の再選択評価の後、F2~F4のセルが優先的に評価され、唯一のターゲット再選択セルを決定できないため、2回目の再選択評価が必要である。
【0137】
2回目の再選択評価:1回目の再選択評価で唯一のターゲット再選択セルを決定できない場合、隣接セル周波数ポイントに対応する同じ絶対周波数ポイント優先度を有する少なくとも2つの隣接セルについて、隣接周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度の高位から低位の順にセル再選択評価を順番に実行する。前記評価プロセスでは、セルの周波数ポイントが前記ターゲットスライス識別子をサポートしていること、及び、前記ターゲットスライス識別子をサポートしている周波数ポイントにおいて前記ターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度が最も高いことの両方を満たす場合に、再選択評価が優先的に行われる。F3において前記ターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度は最高ではなく、F4は前記ターゲットスライス識別子(スライス識別子1)をサポートしていないため、F3とF4で測定されたセルは今回では除外され、F2上のセルが優先的に評価される。唯一のターゲット再選択セルを決定できる場合は、セル再選択プロセスを終了し、F2で唯一のターゲット再選択セルを決定できない場合は、3回目の再選択評価が必要である。
【0138】
3回目の再選択評価:隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度が同じで、且つ隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応する優先度も同じ少なくとも2つの隣接セルについて、前記少なくとも2つの隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイントセル再選択評価基準に従ってセル再選択評価を実行する。このプロセスでは、F2に対応する絶対周波数ポイント優先度が高優先度であるため、高優先度周波数ポイントセル再選択評価基準に従って評価する必要があり、セルが高優先度周波数ポイントセル再選択評価基準の条件を満たす場合、前記セルがターゲット再選択セルとして決定され、そうでない場合、F2のセルは除外される。
【0139】
F2周波数ポイントにおいて、高優先度周波数ポイントセル再選択評価基準の条件を満たすセルがまだ2つ又は2つ以上あると判定された場合、さらに4回目の再選択評価が必要となる。
【0140】
4回目の再選択評価:同一優先度周波数ポイントセル再選択基準又は同一周波数再選択基準(R基準とも呼ばれる)に従って、F2周波数ポイント上のセルがランク付けされ、最も高いランクを有するセルをターゲット再選択セルと決定する。
【0141】
この例では、2回目の再選択評価の後、隣接セル周波数ポイントF2で測定されたセルのみが残るため、3回目の再選択評価中にF2も除外されると、2回目の再選択評価を再度実行し、ターゲットスライス識別子に対応する優先度が2番目に高い隣接セル周波数ポイントF3で測定されたセルに対して再選択評価を実行し、以降のステップが繰り返され、唯一のターゲット再選択セルが選択され、セル再選択が完了するまで、同様に実行される。
【0142】
方法2に示されるセル再選択プロセスでは、一般的な考え方は、まず、隣接セルの絶対周波数ポイント優先度に従ってターゲットセル再選択を実行し、次に、隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に従ってセル再選択評価をさらに実行し、最後に、絶対周波数ポイントセル再選択評価基準を用いてさらにセル再選択評価を行う。これは、実施例1における第1の方法に属する。
【0143】
方法3は、実施例1における第2の方法に対応し、各周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報が、スライス識別子情報及び少なくとも1つのスライス識別子に関連付けられたスライス優先度情報を含む場合、以下の仮定が与えられる:
端末デバイスのターゲットスライス識別子はスライス識別子1であり;
サービングセル周波数ポイントはF1で、絶対周波数ポイント優先度は4であり、サポートされるスライス関連情報は{{スライス識別子1、スライス優先度3}、{スライス識別子2、スライス優先度4}、{スライス識別子3、スライス優先度5}}であり;
隣接セル周波数ポイントF2、絶対周波数ポイント優先度は6であり、サポートされるスライス関連情報は{{スライス識別子1、スライス優先度4}、{スライス識別子2、スライス優先度4}、{スライス識別子3、スライス優先度5}}であり;
隣接セル周波数ポイントF3、絶対周波数ポイント優先度は6であり、サポートされるスライス関連情報は{{スライス識別子1、スライス優先度2}、{スライス識別子2、スライス優先度3}、{スライス識別子3、スライス優先度4}}であり;
隣接セル周波数ポイントF4、絶対周波数ポイント優先度は6であり、サポートされるスライス関連情報は{{スライス識別子2、スライス優先度4}、{スライス識別子3、スライス優先度5}}であり;
隣接セル周波数ポイントF5、絶対周波数ポイント優先度は3であり、サポートされるスライス関連情報は{{スライス識別子1、スライス優先度4}、{スライス識別子2、スライス優先度5}、{スライス識別子3、スライス優先度6}}である。
【0144】
セル再選択の準備プロセス:プリセットイベントに従って、測定開始条件を満たさないが前記ターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスを開始することを考慮する場合、F1はサービス周波数ポイントであり(ルールに従って常に測定される)、F2~F4は高優先度の周波数ポイントであり(ルールに従って常に測定される)、F5は低優先度の周波数ポイントであるが、ターゲットスライス識別子をサポートするため、プリセットイベントに従って測定をトリガーでき、既存の技術要件によれば、セル再選択評価では、F1~F5に配置されているセルの測定結果を測定できる。
【0145】
1回目の再選択評価:各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に従って高位から低位の順にセル再選択評価を順次実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定する。ターゲットスライス識別子をサポートする少なくとも1つの隣接セルについて、スライス優先度の高位から低位の順に順番に評価を実行して再選択セルを決定し、1回目の評価の後、残りの隣接セル周波数ポイントF2及びF5についてさらなる評価が実行される。具体的には、F4はターゲットスライス識別子をサポートしておらず、F3はターゲットスライス識別子をサポートしているが、そのターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度がサービングセルにおけるスライス優先度よりも低いため、F3~F4の周波数ポイントは除外される。1回目の再選択評価の後、周波数ポイントF2とF5のセルが優先的に評価される。唯一のターゲット再選択セルを決定できないため、2回目の再選択評価が必要である。
【0146】
2回目の再選択評価:隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応する優先度が同じである少なくとも2つの隣接セルについて、各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に従って高位から低位の順にセル再選択評価を順番に実行することで、唯一のターゲット再選択セルを決定する。具体的には、F5の絶対周波数ポイント優先度は3であり、F2の絶対周波数ポイント優先度6よりも低いため、F5で測定されたセルを一時的に除外し、F2のセルを優先的に評価できる。唯一のターゲット再選択セルを決定できる場合は、セル再選択プロセスを終了し、F2で唯一のターゲット再選択セルを決定できない場合は、3回目の再選択評価が必要である。
【0147】
3回目の再選択評価:前記少なくとも2つの隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイントセル再選択評価基準に従ってセル再選択評価が実行される。このプロセスでは、F2に対応する絶対周波数ポイント優先度が高優先度であるため、高優先度周波数ポイントセル再選択評価基準に従って評価する必要があり、セルが高優先度周波数ポイントセル再選択評価基準の条件を満たす場合、前記セルはターゲット再選択セルとして決定され、そうでない場合、F2のセルは除外される。
【0148】
F2周波数ポイントにおいて、高優先度周波数ポイントセル再選択評価基準の条件を満たすセルがまだ2つ又は2つ以上あると判定された場合、さらに4回目の再選択評価が必要となる。
【0149】
4回目の再選択評価:同一優先度周波数ポイントセル再選択基準又は同一周波数再選択基準(R基準とも呼ばれる)に従って、F2周波数ポイント上のセルがランク付けされ、最も高いランクを有するセルをターゲット再選択セルと決定する。
【0150】
この例では、2回目の再選択評価の後、周波数ポイントF2で測定されたセルのみが残るため、
3回目の再選択評価中にF2も除外されると、2回目の再選択評価を再度実行し、絶対周波数ポイント優先度がより低いF5で測定されたセルに対して再選択評価を実行し、以降のステップが繰り返され、唯一のターゲット再選択セルが選択され、セル再選択が完了するまで、同様に実行される。
【0151】
方法3に示されるセル再選択プロセスでは、一般的な考え方は、まず、隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度の順序に従ってセル再選択評価を順番に実行し、次に、隣接セル周波数ポイントの絶対周波数ポイント優先度に従ってターゲットセル再選択を実行し、最後に絶対周波数ポイントセル再選択評価基準を使用してさらにセル再選択評価を実行するが、これは実施例1の第2の方法に属する。
【0152】
方法4は、実施例1における第3の方法に対応する。各周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報が、スライス識別子情報及び少なくとも1つのスライス識別子に関連付けられたスライス優先度情報を含む場合、以下の仮定が与えられる:
端末デバイスのターゲットスライス識別子はスライス識別子1であり;
サービングセル周波数ポイントはF1で、絶対周波数ポイント優先度は3であり、サポートされるスライス関連情報は{{スライス識別子1、スライス優先度3}、{スライス識別子2、スライス優先度4}、{スライス識別子3、スライス優先度5}}であり;
隣接セル周波数ポイントF2、絶対周波数ポイント優先度は6であり、サポートされるスライス関連情報は{{スライス識別子1、スライス優先度4}、{スライス識別子2、スライス優先度4}、{スライス識別子3、スライス優先度5}}であり;
隣接セル周波数ポイントF3、絶対周波数ポイント優先度は6であり、サポートされるスライス関連情報は{{スライス識別子1、スライス優先度2}、{スライス識別子2、スライス優先度3}、{スライス識別子3、スライス優先度4}}であり;
隣接セル周波数ポイントF4、絶対周波数ポイント優先度は6であり、サポートされるスライス関連情報は{{スライス識別子1、スライス優先度3}、{スライス識別子2、スライス優先度5}}である。
【0153】
セル再選択評価の準備段階:プリセットイベントに従って、測定開始条件を満たさないが前記ターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスを開始することを考慮しない場合、F1がサービス周波数ポイントであり(ルールに従って常に測定される)、F2~F4は高優先度の周波数ポイントであるため(ルールに従って常に測定される)、セル再選択評価では、F1~F4に配置されているセルの測定結果を測定でき、現在F2~F4の絶対周波数ポイント優先度は同じであるが、異なってもよいし、このスキームでは制限されない。
【0154】
このスキームは、前のいくつかの例のスキームとは異なり、実装ステップは、ターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に従って絶対周波数ポイント優先度に値を割り当てること、及び値が割り当てられた絶対周波数ポイント優先度に従ってセル再選択を実行すること、という2つのステップに分けることができる。
【0155】
再選択評価ステップ1:ターゲットスライス識別子をサポートするF1~F4について、サービングセル周波数ポイント及び/又は隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度の相対的な大きさに従って、サービングセル周波数ポイント及び/又は隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に値を割り当てる。
【0156】
値を割り当てた後のF1~F4の絶対周波数ポイント優先度は次のとおりである:
サービングセル周波数ポイントF1、絶対周波数ポイント優先度は3であり;
隣接セル周波数ポイントF2、絶対周波数ポイント優先度は4であり;
隣接セル周波数ポイントF3、絶対周波数ポイント優先度は2であり;
隣接セル周波数ポイントF4、絶対周波数ポイント優先度は3である。
【0157】
或いは、値を直接割り当てる代わりに、値を割り当てた後の絶対周波数ポイント優先度の相対的な大きさを取得する。値を割り当てた後は、隣接セル周波数ポイントF2の絶対周波数ポイント優先度>隣接セル周波数ポイントF4の絶対周波数ポイント優先度=サービングセル周波数ポイントF1の絶対周波数ポイント優先度>隣接セル周波数ポイントF3の絶対周波数ポイント優先度。
【0158】
再選択評価ステップ2:値を割り当てた後の各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に従って、高から低の順序でセル再選択評価を順番に実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定する。
【0159】
値を割り当てた後の絶対周波数ポイント優先度の高から低の順序に基づいてターゲット再選択セルを決定する場合、以下のように少なくとも1回のセル再選択評価が必要である。
【0160】
1回目の再選択評価:F3及びF4の値を割り当てた後の絶対周波数ポイント優先度はF2の値を割り当てた後の絶対周波数ポイント優先度よりも低いため、F3及びF4の周波数ポイント上のセルは除外される。まず、値を割り当てた後の絶対周波数ポイント優先度が最も高いF2周波数ポイント上のセルが評価される。
【0161】
このプロセスでは、F2に対応する絶対周波数ポイント優先度は高優先度であるため、高優先度周波数ポイントセル再選択評価基準に従って評価する必要があり、セルが高優先度周波数ポイントセル再選択評価基準の条件を満たす場合、前記セルがターゲット再選択セルとして決定され、そうでない場合、F2のセルは除外される。
【0162】
F2周波数ポイントにおいて、高優先度周波数ポイントセル再選択評価基準の条件を満たすセルがまだ2つ又は2つ以上あると判定された場合、さらに2回目の再選択評価が必要となる。
【0163】
2回目の再選択評価:同一優先度周波数ポイントセル再選択基準又は同一周波数再選択基準(R基準とも呼ばれる)に従って、F2周波数ポイント上のセルがランク付けされ、最も高いランクを有するセルをターゲット再選択セルと決定する。
【0164】
この例では、ステップ2の1回目の後、隣接セル周波数ポイントF2上で測定されたセルに対して優先的に再選択評価が実行され、F2上で唯一のターゲット再選択セルを決定できない場合、前記ステップ2における1回目の再選択評価プロセスを繰り返すことができ、値を割り当てた後の絶対周波数ポイント優先度が2番目に高い隣接セル周波数ポイントF4で測定されたセルに対して再選択評価を実行し、以降のステップが繰り返され、唯一のターゲット再選択セルが選択され、セル再選択が完了するまで、同様に実行される。
【0165】
方法4に示されるセル再選択プロセスでは、一般的な考え方は、まず、ターゲットスライス識別子をサポートするスライス優先度に従って、隣接セル周波数ポイントの絶対周波数ポイント優先度に値を再割り当て、値を割り当てた後、隣接セル周波数ポイントの絶対周波数ポイント優先度に従ってターゲットセルの再選択が実行され、最後に絶対周波数ポイントセル再選択評価基準を使用してさらなるセル再選択評価が実行される。これは、実施例1における第3の方法に属する。
【0166】
4.前記スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定する(このプロセスはオプションのプロセスである)
前述の実施例のいずれかで提供されたスライスに基づくセル再選択方法の場合、端末デバイスはまず前記スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定する必要がある。具体的には、以下の方法のうち少なくとも1つを用いて決定することができる:
ネットワークデバイスによって送信された第1の指示情報に基づいて、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定し、前記第1の指示情報は、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを指示するために使用される;
前記端末デバイスの能力情報に従って、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定し、前記能力情報は、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを指示するために使用される;
事前構成の合意に基づいて、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定する。
【0167】
ここで、端末デバイスが前記第1の指示情報に基づいてスライスに基づくセル再選択方法を適用するか否かを決定する場合、前記第1の指示情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて構成されてもよい。
【0168】
事前構成の合意に基づくとは、プロトコルのデフォルト方式に従って決定することを意味する。つまり、ネットワークデバイスは端末デバイスに明示的な構成情報を提供する必要がない。
【0169】
5.プリセットイベントに従って、測定開始条件を満たさないが前記ターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスを開始する(このプロセスはオプションのプロセスである)
端末デバイスはプリセットイベントに従って、測定開始条件を満たさないが前記ターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスを開始することができ、前記プリセットイベントは、以下のイベントのうちの少なくとも1つを含む:
スライスに基づくセル再選択方法を適用することを決定する;
端末デバイスは一つの新しいセルにキャンプする;
隣接セル周波数ポイントで前記ターゲットスライス識別子をサポートする;
現在のサービングセルの測定結果は第1の閾値以下であり、前記第1の閾値はシステムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて取得される;
既存の測定結果を有する評価対象隣接セルからターゲット再選択セルを決定することができず、測定開始条件は満たさないが前記ターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントが存在する。
【0170】
具体的な実装では、プリセットイベントに従って測定条件が満たされたときに隣接セル測定をトリガーする方法を使用するかどうかは、ネットワークデバイスの指示を通じて決定することができる。具体的には、ネットワークデバイスは、第2の指示情報を端末デバイスに送信することができ、端末デバイスはネットワークデバイスによって送信された第2の指示情報を受信し、前記第2の指示情報は、前記プリセットイベントに従って、測定開始条件を満たさないが前記ターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスを開始する方法を適用するかどうかを端末デバイスに指示するために使用され、前記第2の指示情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて構成される。
【0171】
上述の各実施例に基づいて、本出願はスライスに基づくセル再選択方法を提供する。この方法により、端末デバイスは自身のスライス好み及びニーズに基づいてセル再選択を実行できるため、端末サービスの遅延が減少し、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【0172】
図5は、本出願により提供されるスライスに基づくセル再選択装置の実施例1の概略構造図である。図5に示されるように、前記スライスに基づくセル再選択装置10は、受信モジュール11と処理モジュール12を含む。
【0173】
受信モジュール11は、ネットワークデバイスによって送信されたサービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報を受信するように構成されている。
【0174】
処理モジュール12は、前記サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報に従って、ターゲット再選択セルを決定するように構成されている。
【0175】
この実施例で提供されるスライスに基づくセル再選択装置は、前述の方法実施例における端末デバイス側の技術的解決策を実行するために使用され、その実装原理と技術的効果は同様で、セル再選択を実行するときにスライス関連情報が考慮されるので、端末デバイスのサービス遅延が減少し、ユーザエクスペリエンスが向上する。
【0176】
前記スライスに基づくセル再選択装置10のある具体的な実装では、前記処理モジュール12は具体的に、以下のように構成される。
【0177】
ターゲットスライス識別子をサポートする評価対象の少なくとも1つの隣接セルに対して、各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に応じて高位から低位の順にセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定する;
隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定されない場合、隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度が同じ少なくとも2つの隣接セルについて、隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に応じて高位から低位の順にセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定する;
隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定されない場合、隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度が同じであり、且つ隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応する優先度も同じである少なくとも2つの隣接セルについて、前記少なくとも2つの隣接セルの周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイントセル再選択評価基準に従ってセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定する;
前記絶対周波数ポイントセル再選択評価基準を満たすセルの数が1より多い場合、R基準に従ってセルがランク付けされ、最も高いランクを持つセルを前記ターゲット再選択セルとする。
【0178】
オプションで、前記スライスに基づくセル再選択装置10の別の具体的な実装では、前記処理モジュール12は具体的に、以下のように構成される。
【0179】
ターゲットスライス識別子をサポートする評価対象の少なくとも1つの隣接セルに対して、各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に応じて高位から低位の順にセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定する;
隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定されない場合、隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応する優先度が同じ少なくとも2つの隣接セルに対して、各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に従って高位から低位の順にセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定する;
隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定されない場合、隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度が同じであり、且つ隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度も同じ少なくとも2つの隣接セルについて、前記少なくとも2つの隣接セルの周波数ポイントに対応する絶対値周波数ポイントセル再選択評価基準に従ってセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定する;
前記絶対周波数ポイントセル再選択評価基準を満たすセルの数が1より大きい場合、R基準に従ってセルがランク付けされ、最も高いランクを持つセルを前記ターゲット再選択セルとする。
【0180】
オプションで、前記スライスに基づくセル再選択装置10の別の具体的な実装では、前記処理モジュール12は具体的に、以下のように構成される。
【0181】
ターゲットスライス識別子をサポートする評価対象の少なくとも1つの隣接セルに対して、各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたターゲットスライス識別子に対応するスライス優先度の相対的な大きさに従って、隣接セル周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイント優先度に値を割り当てる;
各隣接セルの隣接セル周波数ポイントに対応する値が割り当てられた絶対周波数ポイント優先度に従って、高から低の順にセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定する;
隣接セル周波数ポイントに対応する値が割り当てられた絶対周波数ポイント優先度に従って唯一のターゲット再選択セルが決定されない場合、隣接セル周波数に対応する絶対周波数ポイント優先度が同じ少なくとも2つの隣接セルについて、前記少なくとも2つの隣接セルの周波数ポイントに対応する絶対周波数ポイントセル再選択評価基準に従ってセル再選択評価を実行して、唯一のターゲット再選択セルを決定する;
前記絶対周波数ポイントセル再選択評価基準を満たすセルの数が1より大きい場合、R基準従ってセルがランク付けされ、最も高いランクを持つセルを前記ターゲット再選択セルとする。
【0182】
前述の任意の実施例に基づいて、前記処理モジュール12はさらに、以下のように構成される。
【0183】
前記ターゲットスライス識別子を取得し、前記ターゲットスライス識別子は、前記AS層によって上位層から直接取得されるか、又は上位層によって提供される複数のスライス識別子から選択される。
【0184】
オプションで、前記ターゲットスライス識別子が、上位層によって提供される複数のスライス識別子の中からAS層によって選択されるものである場合、前記処理モジュール12はさらに、以下のように構成される。
【0185】
前記上位層から前記複数のスライス識別子に対応するスライス優先度情報を取得する;
前記複数のスライス識別子に対応するスライス優先度情報に従って前記ターゲットスライス識別子を決定する。
【0186】
オプションで、前記上位層はNASである。
【0187】
オプションで、前記サービングセル周波数ポイント及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントのうちの任意の周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は、スライス識別子情報を含み、前記スライス識別子情報は、少なくとも1つのスライス識別子を含む。
【0188】
オプションで、前記サービングセル周波数ポイント及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントのうちの任意の周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は、前記少なくとも1つのスライス識別子に関連付けられたスライス優先度情報をさらに含む。
【0189】
オプションで、前記スライス優先度情報は、周波数ポイント粒度又はPCI粒度に従って構成される。
【0190】
オプションで、任意の周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報に、スライス優先度情報が設定されていない1つ又は複数のスライス識別子がある場合、スライス優先度情報が設定されていない1つ又は複数のスライス識別子に対応するスライス優先度を、最高レベル又は最低レベルに設定する。
【0191】
オプションで、前記サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて取得される。
【0192】
オプションで、前記絶対周波数ポイントセル再選択評価基準には、以下の少なくとも1つが含まれる:
高優先度周波数ポイントセル再選択評価基準;
低優先度周波数ポイントセル再選択評価基準;
同一周波数又は同一優先度周波数ポイントセル再選択評価基準。
【0193】
オプションで、前記処理モジュール12はさらに、以下のように構成される。
【0194】
スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定する。
【0195】
オプションで、前記処理モジュール12によってスライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定することは、以下のうちの少なくとも1つを含む:
ネットワークデバイスによって送信された第1の指示情報に基づいて、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定し、前記第1の指示情報は、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを指示するために使用される;
前記スライスに基づくセル再選択装置の能力情報に従って、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定し、前記能力情報は、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうか指示するために使用される;
事前構成の合意に基づいて、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを決定する。
【0196】
オプションで、前記第1の指示情報は、スイッチ構成情報であり、又は
前記第1の指示情報は、スライスに基づくセル再選択方法のいずれかを適用するかどうかを指示するために使用される。
【0197】
オプションで、前記第1の指示情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて構成される。
【0198】
オプションで、前記処理モジュール12はさらに、以下のように構成される。
【0199】
プリセットイベントに従って、測定条件を満たさないがターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスを開始し、ここで、プリセットイベントには次の少なくとも1つが含まれる:
スライスに基づくセル再選択方法を適用することを決定する;
前記端末デバイスは一つの新しいセルにキャンプする;
隣接セル周波数ポイントで前記ターゲットスライス識別子をサポートする;
現在のサービングセルの測定結果は第1の閾値以下であり、前記第1の閾値はシステムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて取得される;
既存の測定結果を有する評価対象隣接セルからターゲット再選択セルを決定することができず、測定開始条件は満たさないが前記ターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントが存在する。
【0200】
オプションで、前記受信モジュール11はさらに以下のように構成される:
前記ネットワークデバイスによって送信された第2の指示情報を受信し、前記第2の指示情報は、測定条件を満たさないがターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスを、プリセットイベントに従って開始する方法を適用するかどうかを前記端末デバイスに指示する。
【0201】
オプションで、前記第2の指示情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて構成される。
【0202】
前述の実施例で提供されるスライスに基づくセル再選択装置は、前述の方法実施例における端末デバイス側の技術的解決策を実行するために使用され、その実装原理及び技術的効果は同様であるため、ここでは繰り返さない。
【0203】
図6は、本出願により提供されるスライスに基づくセル再選択装置の実施例2の概略構造図である。図6に示すように、前記スライスに基づくセル再選択装置20は、処理モジュール21と送信モジュール22とを含む。
【0204】
処理モジュール21は、関連情報を取得し、関連する構成を実行するように構成される。
【0205】
送信モジュール22は、サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報を端末デバイスに送信するように構成される。
【0206】
オプションで、前記サービングセル周波数ポイント及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントのうちの任意の周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は、スライス識別子情報を含み、前記スライス識別子情報は、少なくとも1つのスライス識別子を含む。
【0207】
オプションで、前記サービングセル周波数ポイント及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントのうちの任意の周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は、前記少なくとも1つのスライス識別子に関連付けられたスライス優先度情報をさらに含む。
【0208】
オプションで、前記スライス優先度情報は、周波数ポイント粒度又はPCI粒度に従って構成される。
【0209】
オプションで、任意の周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報に、スライス優先度情報が設定されていない1つ又は複数のスライス識別子がある場合、スライス優先度情報が設定されていない1つ又は複数のスライス識別子に対応するスライス優先度を、最高レベル又は最低レベルに設定する。
【0210】
オプションで、前記サービングセル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報及び/又は前記少なくとも1つの隣接セル周波数ポイントに関連付けられたスライス関連情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて取得される。
【0211】
オプションで、前記送信モジュール22はさらに以下のように構成される:
前記端末デバイスに第1の指示情報を送信し、前記第1の指示情報は、スライスに基づくセル再選択方法を適用するかどうかを端末デバイスに指示するために使用される。
【0212】
オプションで、前記第1の指示情報は、スイッチ構成情報であり、又は、
前記第1の指示情報は、スライスに基づくセル再選択方法のいずれかを適用するかどうかを指示するために使用される。
【0213】
オプションで、前記第1の指示情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて構成される。
【0214】
オプションで、前記送信モジュール22はさらに以下のように構成される:
前記端末デバイスに第2の指示情報を送信し、前記第2の指示情報は、測定条件を満たさないがターゲットスライス識別子をサポートする隣接セル周波数ポイントの測定プロセスを、プリセットイベントに従って開始する方法を適用するかどうかを前記端末デバイスに指示するために使用される。
【0215】
オプションで、前記第2の指示情報は、システムブロードキャストメッセージ又は専用シグナリングを通じて構成される。
【0216】
前述の実施例で提供されるスライスに基づくセル再選択装置は、前述の方法実施例におけるネットワークデバイス側の技術的解決策を実行するために使用され、その実装原理及び技術的効果は同様であるため、ここでは繰り返さない。
【0217】
図7は、本出願により提供される端末デバイスの実施例の概略構造図である。図7に示すように、端末デバイス100は
【0218】
プロセッサ111、メモリ112、及びインタラクティブインターフェース113を含む。
【0219】
前記メモリ112はコンピュータ実行命令を格納する;
前記プロセッサ111は、前記メモリ112に格納されているコンピュータ実行命令を実行して、前記プロセッサ111に前述の実施例におけるスライスに基づくセル再選択方法を実行させる。
【0220】
図8は、本出願により提供されるネットワークデバイスの実施例の概略構造図である。図8に示すように、ネットワークデバイス200は
【0221】
プロセッサ211、メモリ212、及びインタラクティブインターフェース213を含む。
【0222】
前記メモリ212はコンピュータ実行命令を格納する;
前記プロセッサ211は、前記メモリ212に格納されているコンピュータ実行命令を実行して、前記プロセッサ211に前述の実施例におけるスライスに基づくセル再選択方法を実行させる。
【0223】
前述のいくつかの実施例で、端末デバイス又はネットワークデバイスは単純な設計であり、本出願の実施例は、デバイス内のプロセッサ及びメモリの数を制限せず、前述の実施例では、説明のための例として数1を使用しているだけである。
【0224】
上述の端末デバイス又はネットワークデバイスのある具体的な実装では、メモリ、プロセッサ、及びインタラクティブインターフェースは、バスで接続されるか、又は他の方法で接続され得る。
【0225】
オプションで、メモリはプロセッサ内に統合されてもよいし、プロセッサの外部に設けられたメモリであってもよい。
【0226】
さらに、本出願で提供される端末デバイス又はネットワークデバイスには、通信インターフェースなどの他の装置も含まれるが、このスキームでは限定されない。
【0227】
本出願の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体も提供し、前記コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータ実行命令が記憶されており、前記コンピュータ実行命令がプロセッサによって実行されるとき、前述の方法実施例のいずれかにおける端末デバイス側の技術的解決策が実装される。
【0228】
本出願の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体も提供し、前記コンピュータ可読記憶媒体にはコンピュータ実行命令が記憶されており、前記コンピュータ実行命令がプロセッサによって実行されるとき、前述の方法実施例のいずれかにおけるネットワークデバイス側の技術的解決策が実装される。
【0229】
オプションで、上述のプロセッサはチップであってもよい。
【0230】
本出願の実施例は、処理モジュール及び通信インターフェースを含むチップをさらに提供し、前記処理モジュールは、前述の方法実施例のいずれかにおける端末デバイスの解決策を実装する。
【0231】
本出願の実施例は、処理モジュール及び通信インターフェースを含むチップをさらに提供し、前記処理モジュールは、前述の方法実施例のいずれかにおけるネットワークデバイスの解決策を実装する。
【0232】
さらに、上述の任意のチップは、記憶モジュール(例えば、メモリ)をさらに含み、記憶モジュールは命令を記憶するために使用され、処理モジュールは記憶モジュールに記憶されている命令を実行するために使用され、記憶モジュールに記憶されている命令の実行により、処理モジュールは前述の方法実施例のいずれかにおける解決策を実行する。
【0233】
本出願の実施例は、コンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品をさらに提供し、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、前述の方法実施例のいずれかにおける端末デバイス側のスライスに基づくセル再選択方法を実装する。
【0234】
本出願の一実施例は、コンピュータプログラムを含むコンピュータプログラム製品をさらに提供し、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、前述の方法実施例のいずれかにおけるネットワークデバイス側のスライスに基づくセル再選択方法を実装する。
【0235】
本出願の実施例はさらにプログラムを提供し、前記プログラムがプロセッサによって実行されるとき、前述の方法実施例のいずれかにおける端末デバイス側の解決策を実装する。
【0236】
本出願の実施例はさらにプログラムを提供し、前記プログラムがプロセッサによって実行されるとき、前述の方法実施例のいずれかにおけるネットワークデバイス側の解決策を実装する。
【0237】
本出願で提供されるいくつかの実施例において、開示されたデバイス及び方法は他の方法で実装され得ることを理解されたい。例えば、上で説明したデバイスの実施例は、単なる例示にすぎない。例えば、前記モジュールの分割は論理的な機能分割に過ぎない。実際の実装では、複数のモジュールを組み合わせたり別のシステムに統合したり、一部の機能を無視したり実行しないなど、他の分割方法が存在する可能性がある。別の点では、図示又は説明される相互結合又は直接結合又は通信接続は、いくつかのインターフェースを介することができ、モジュールの間接結合又は通信接続は、電気的、機械的、又は他の形式であり得る。
【0238】
上記の任意のデバイスの具体的な実装において、プロセッサは中央処理ユニット(Central Processing Unit,CPU)であってもよいし、他の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor,DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit,ASIC)などであってもよいことを理解されたい。汎用プロセッサはマイクロプロセッサであってもよいし、前記プロセッサは任意の従来のプロセッサなどであってもよい。本出願で開示される方法のステップは、ハードウェアプロセッサによって直接実行することも、プロセッサ内のハードウェアモジュールとソフトウェアモジュールの組み合わせによって実行することもできる。
【0239】
上記の方法実施例を実装するためのステップのすべて又は一部は、プログラム命令の関連ハードウェアによって完了することができる。前述のプログラムは、読み取り可能なメモリに格納することができる。前記プログラムが実行されると、上述の方法実施例を含むステップが実行される。前述のメモリ(記憶媒体)には、読み取り専用メモリ(read-only memory,ROM)、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ(magnetic tape)、フロッピーディスク(floppy disk)、光ディスク(optical disc)、及びそれらの任意の組み合わせが含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】