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特表2024-516345エアロゾル生成物品及びそのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-15
(54)【発明の名称】エアロゾル生成物品及びそのシステム
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20240408BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20240408BHJP
   A24D 3/04 20060101ALI20240408BHJP
   A24D 3/08 20060101ALI20240408BHJP
   A24B 15/16 20200101ALI20240408BHJP
   A24B 15/28 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/20
A24D3/04
A24D3/08
A24B15/16
A24B15/28
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554877
(86)(22)【出願日】2023-03-29
(85)【翻訳文提出日】2023-09-07
(86)【国際出願番号】 KR2023004193
(87)【国際公開番号】W WO2023195679
(87)【国際公開日】2023-10-12
(31)【優先権主張番号】10-2022-0041914
(32)【優先日】2022-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ミン キュ
(72)【発明者】
【氏名】ハン、テ ナム
(72)【発明者】
【氏名】リ、チョン ソプ
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ビョン ソン
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B043BB16
4B043BB22
4B043BC11
4B045AA41
4B045AB02
4B045AB08
4B045AB16
4B045BA02
4B045BA05
4B045BA08
4B045BB03
4B045BC15
4B045BC16
4B045BC23
4B045BC24
4B162AA03
4B162AA07
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB23
4B162AC12
(57)【要約】
本開示による一実施形態は、エアロゾル生成物品の内部に外気を導入する前端プラグ、顆粒状のタバコ物質を含むタバコ媒質部、及びタバコ媒質部を中心に、前端プラグと対向する位置に配されるフィルタ部を含み、タバコ物質のpH値は、7~11であるエアロゾル生成物品が開示される。それ以外にも、明細書を介して把握される多様な実施形態が可能である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成物品において、
前記エアロゾル生成物品の内部に外気を導入する前端プラグと、
顆粒状のタバコ物質を含むタバコ媒質部と、
前記タバコ媒質部を中心に、前記前端プラグと対向する位置に配されるフィルタ部と、を含み、
前記タバコ物質のpH値は、7~11である、エアロゾル生成物品。
【請求項2】
前記タバコ物質のpH値は、8~9である、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項3】
前記タバコ媒質部は、
アセテートフィルタ及び紙フィルタのうち少なくとも一つを含み、
前記タバコ物質は、前記アセテートフィルタまたは前記紙フィルタ内に充填される、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項4】
前記タバコ媒質部は、
前記タバコ物質を含む第1セグメントと、
冷却要素を含む第2セグメントと、を含む、請求項3に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項5】
前記冷却要素は、ポリ乳酸(PLA)シートによって形成されるチューブ構造、及び紙によって形成される紙管構造のうち少なくとも一つである、請求項4に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項6】
前記第1セグメントは、前記前端プラグに隣接するように配され、前記第2セグメントは、前記フィルタ部に隣接するように配される、請求項4に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項7】
前記第1セグメントは、前記フィルタ部に隣接するように配され、前記第2セグメントは、前記前端プラグに隣接するように配される、請求項4に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項8】
前記タバコ物質の直径は、0.1mmないし1.2mmである、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項9】
前記タバコ物質の直径は、0.3mmないし0.6mmである、請求項1に記載のエアロゾル生成物品。
【請求項10】
請求項1ないし9のうちいずれか1項に記載のエアロゾル生成物品と、
前記エアロゾル生成物品を収容する収容空間を含むエアロゾル生成装置と、を含むエアロゾル生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顆粒状のタバコ物質を含むエアロゾル生成物品及びそのシステムに係わる。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法を求める需要が増大している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成する方法ではなく、エアロゾル生成装置を利用し、シガレットまたはエアロゾル生成物質を加熱することにより、エアロゾルを生成するシステムを求める需要が増大している。
【0003】
ただし、従来の方式によって生成されたエアロゾル生成物質は、低温の加熱時または非加熱時、ニコチン移行量が低いという問題がある。それにより、最近では、エアロゾル生成物質の物性を変更することにより、エアロゾル生成物質が低温で加熱されたり、加熱されなかったりする場合、ニコチン移行を向上させるための研究が活発に進められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
物性が変更されたエアロゾル生成物質が、エアロゾル生成物品(例:スティック状のシガレット)ではなく、別途の物品でもって提供される場合、ユーザが実際に喫煙をしていない間にも、当該物品から外部に、ニコチンが持続して放出されてしまう。すなわち、物性が変更されたエアロゾル生成物質が、エアロゾル生成物品ではなく、別途の物品でもって提供される場合、当該物品を開封した序盤部対比で、後半部では、ニコチン移行量が顕著に減少してしまう。それにより、当該物品を開封した序盤部と、後半部とにおいて、ユーザが感じる喫煙満足度は、異なってしまう。
【0005】
従って、本開示による多様な実施形態においては、顆粒状のエアロゾル生成物質を含むエアロゾル生成物品及びそのシステムを提供するのである。
【0006】
本開示がなそうとする技術的課題は、前述のところのような技術的課題に限定されるものではなく、以下の実施形態から、他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態におけるエアロゾル生成物品は、エアロゾル生成物品の内部に外気を導入する前端プラグ、顆粒状のタバコ物質を含むタバコ媒質部、及びタバコ媒質部を中心に、前端プラグと対向する位置に配されるフィルタ部を含み、該タバコ物質のpH値は、7~11でもある。
【0008】
一実施形態におけるエアロゾル生成システムは、前記エアロゾル生成物品、及び該エアロゾル生成物品を収容する収容空間を含むエアロゾル生成装置を含むものでもある。
【0009】
課題の解決手段は、上述したところに制限されるものではなく、本明細書全体において、通常の技術者によって類推されうる事項をいずれも含むものでもある。
【発明の効果】
【0010】
本開示の多様な実施形態によれば、タバコ物質のpHを調節することにより、非加熱方式のエアロゾル生成物品のニコチン移行量が増加しうる。
【0011】
また、本開示の多様な実施形態によれば、タバコ物質のpHを調節することにより、当該タバコ物質を含むエアロゾル生成物品の保存及び保管が容易になり、調節されたpH範囲内において、タバコ物質から異臭が生じないことにより、ユーザに改善された喫味感を提供しうる。
【0012】
本開示の効果は、前述のところに限定されるものではなく、後述される構成から類推可能な効果をいずれも含むものでもある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態によるエアロゾル生成システムを図示した図である。
図2】一実施形態による、2個のセグメントを有するタバコ媒質部を含むエアロゾル生成物品を図示した図である。
図3A】一実施形態によるエアロゾル生成物品のX-X’線に沿って長手方向に獲得された断面図である。
図3B】一実施形態によるエアロゾル生成物品のX-X’線に沿って長手方向に獲得された断面図である。
図3C】一実施形態によるエアロゾル生成物品のX-X’線に沿って長手方向に獲得された断面図である。
図4】一実施形態によるタバコ媒質部の断面図を図示する図である。
図5】他の実施形態によるタバコ媒質部の断面図を図示する図である。
図6】一実施形態によるエアロゾル生成物品のpHによるニコチン移行量に係わるグラフを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本実施形態で使用される用語は、本開示における機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それらは、当分野に携わる技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本開示で使用される用語は、単なる用語の名称ではなく、その用語が有する意味と、本開示の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0015】
明細書全体において、ある部分がある要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の要素を除くものではなく、他の要素をさらに含むものでもあるということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それらは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によって具現されうる。
【0016】
明細書全体において、「タバコ物質」は、タバコ植物に由来する成分を含む全ての形態の物質を意味しうる。例えば、該タバコ物質は、タバコ粒子またはタバコ粉末(powder)でもある。
【0017】
明細書全体において、「エアロゾル生成物品」は、ユーザが吸煙するのに使用される物品を意味しうる。例えば、該エアロゾル生成物品は、エアロゾル生成装置によって直接燃焼されるシガレット、加熱する必要がない非加熱方式のシガレット、または低温で加熱して使用されるシガレットでもある。
【0018】
本明細書で使用される「第1」または「第2」のように、序数を含む用語は、多様な要素についての説明に使用されうるが、該要素は、用語によって限定されるものではない。該用語は、1つの要素を他の要素から区別する目的に使用される。
【0019】
以下においては、添付図面を参照し、本開示の実施形態につき、当該技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。本開示は、前述の多様な実施形態のエアロゾル生成装置において具現可能な形態に実施されるか、あるいはさまざまに異なる形態に具現されて実施されるが、ここで説明される実施形態に制限されるものではない。
【0020】
以下においては、図面を参照し、本開示の実施形態について詳細に説明する。
【0021】
図1は、一実施形態によるエアロゾル生成システムを図示した図面である。
【0022】
図1を参照すれば、エアロゾル生成システム300は、エアロゾル生成物品100及びエアロゾル生成装置200を含むものでもある。一実施形態において、エアロゾル生成装置200は、エアロゾル生成物品100を収容する収容空間を含むものでもある。また、エアロゾル生成装置200は、液状物質を含む別途の構成要素(例:カートリッジ210)を含むものでもある。
【0023】
一実施形態において、エアロゾル生成物品100は、前端プラグ110、タバコ媒質部120及びフィルタ部130を含むものでもある。具体的には、前端プラグ110、タバコ媒質部120及びフィルタ部130は、エアロゾル生成物品100の長手方向に順次に配列されうる。また、図1に図示されている構成要素以外にも、他の汎用的な構成要素が、エアロゾル生成物品100にさらに含まれるものでもある。
【0024】
一実施形態において、前端プラグ110は、エアロゾル生成物品100の内部に外気を導入しうる。本開示において、エアロゾル生成物品100が非加熱式エアロゾル生成物品である場合、前端プラグ110は、別途の構成要素(例:液状物質を含むカートリッジ210)が加熱されることによって生成されるエアロゾルを外気としてエアロゾル生成物品100の内部に導入しうる。このとき、前記別途の構成要素に含まれるものでもある液状物質は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。
【0025】
例えば、前記別途の構成要素に含まれるものでもある液状物質は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤またはビタミン混合物を含むものでもある。該香料は、メントール、ペパーミント、スぺアミントオイル、各種果物香成分などを含むものでもあるが、それらに制限されるものではない。該香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供しうる成分を含むものでもある。該ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち少なくとも一つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、該液状物質は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含むものでもある。
【0026】
一実施形態において、前端プラグ110は、酢酸セルローストウによって形成されるアセテートフィルタ、及び紙によって形成される紙フィルタのうち一つを含むものでもある。このとき、前端プラグ110が酢酸セルローストウによって形成されるアセテートフィルタを含む場合、前端プラグ110は、香味を発生させるように作製されうる。
【0027】
例えば、前端プラグ110がアセテートフィルタを含む場合、該アセテートフィルタに香味物質が含まれる加香液が噴射され、前記加香液が塗布された別途の繊維が、アセテートフィルタ内部に含まれるものでもある。他の例を挙げれば、前端プラグ110がアセテートフィルタを含む場合、該アセテートフィルタは、香味物質を含むカプセルを含むものでもある。
【0028】
該香味物質は、メントールを含むものでもあるが、それに制限されるものではない。
【0029】
例えば、該香味物質は、シナモン、セージ、ハーブ、カモミール、ウィンターヘイ(winter hay)、甘茶、ラベンダー、ベルガモット、レモン、オレンジ、桂皮、ジャスミン、生姜、バニラ、スペアミント、ペパーミント、アカシア、コーヒー、セロリ、白檀、ココアのような植物性香料を含むものでもある。
【0030】
他の例を挙げれば、該香味物質は、麝香(musk)、龍涎香(ambergris)、シベット(civet)、カストリウム(castoreum)のような動物性香料を含むものでもある。
【0031】
他の例を挙げれば、該香味物質は、ゲラニオール、リナロール、アネトール、オイゲノールのようなアルコール類化合物でもある。該香味物質は、バニリン、ベンズアルデヒド、アニスアルデヒドのようなアルデヒド類化合物でもある。該香味物質は、酢酸イソアミル、酢酸リナリル、プロピオン酸イソアミル、酪酸リナリルのようなエステル類化合物でもある。
【0032】
一実施形態において、タバコ媒質部120は、顆粒状のタバコ物質を含むものでもある。このとき、顆粒状のタバコ物質は、約0.1mmないし約1.2mmの直径を有しうる。さらに望ましくは、顆粒状のタバコ物質は、約0.3mmないし約0.6mmの直径を有しうる。
【0033】
一実施形態において、該タバコ物質は、多様な種類のタバコ粒子を含むものでもある。
【0034】
例えば、該タバコ粒子は、タバコ葉断片、タバコ茎、及び/またはタバコ処理中に生じたタバコ微粉でもある。該タバコ粒子は、粉砕されたタバコ葉断片、粉砕された再構成タバコなどを含むものでもある。例えば、該タバコ粒子は、フルキュアード微粉(flue-cured powder)、バーレー微粉(burley powder)、ファイアキュアード微粉(fire-cured powder)、サンキュアード微粉(sun-cured powder)及びエアキュアード微粉(air-cured powder)のうち少なくとも1つのタバコ粉末を含むものでもある。
【0035】
一実施形態において、該タバコ物質は、該タバコ物質のpHをアルカリ側に調節するpH調節剤を含むものでもある。
【0036】
例えば、該pH調節剤は、炭酸カリウム(KCO)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、及びそれらの混合物のうち少なくとも一つを含むものでもあるが、それらに 制限されるものではない。該pH調節剤を介し、タバコ物質のpHをアルカリ側に調節することにより、エアロゾル生成物品100は、別途の加熱要素によって直接加熱されないにしても、低温で十分な量のニコチンを移行しうる。
【0037】
一実施形態において、該タバコ物質は、該pH調節剤を介してpH値が調節されうる。例えば、該タバコ物質のpH値は、約7~約11でもある。さらに望ましくは、該タバコ物質のpH値は、約8~約9でもある。
【0038】
該pH調節剤を介し、該タバコ物質のpHがアルカリ側に調節されるほど(すなわち、タバコ物質のpH値が増大するほど)、タバコ物質のニコチン移行量は、だんだんと増加しうる。すなわち、エアロゾル生成物品100が非加熱方式のエアロゾル生成物品である場合、タバコ物質のpHがアルカリ側に調節されなければ(すなわち、タバコ物質のpHが弱酸性に近ければ)、低温において、ニコチンが放出される速度が遅く、移行されるニコチンの量が少なくなってしまう。それにより、ユーザの喫煙満足度は、阻害されうる。
【0039】
ただし、タバコ物質のpH値が高ければ、エアロゾル生成物品100が保管される間、タバコ物質からニコチンが持続して放出され、その後、エアロゾル生成物品100が実際に使用されるとき、実質的なニコチン移行量が減少しうる。
【0040】
また、タバコ物質のpH値が過度に高ければ、エアロゾル生成物品100から異臭が生じ、ユーザが感じる喫味感が阻害されうる。それにより、エアロゾル生成物品100が非加熱方式のエアロゾル生成物品である場合、タバコ物質のpH値が、約7ないし約11において、さらに望ましくは、約8ないし約9において、ニコチンの移行量、及びユーザの喫煙満足度が改善されうる。それに係わる具体的な説明は、図6で後述する。
【0041】
一実施形態において、該タバコ物質は、該タバコ物質の全体的な粒径及び気孔度などを調節するためのバインダを含まないのである。
【0042】
例えば、該タバコ物質が、該タバコ物質の原料の混合段階、押出段階(例:湿式押出方式または乾式押出方式)、及びその後の回転板を介する球形化段階を介して製造される場合、前述の一連の段階を介し、タバコ物質の顆粒の粒径、気孔度などが調節されうる。すなわち、顆粒状のタバコ物質の製造において、バインダを省略しても、顆粒の粒径、気孔度などを調節することができるので、本開示によるタバコ物質の製造において必要とする材料が減り、製造コストを節減させることができる。
【0043】
一実施形態において、タバコ媒質部120は、酢酸セルローストウによって形成されるアセテートフィルタ、及び紙によって形成される紙フィルタのうち少なくとも一つを含むものでもある。
【0044】
例えば、タバコ媒質部120がアセテートフィルタ及び紙フィルタのうち少なくとも一つを含む場合、前記フィルタ内部に、顆粒状のタバコ物質が充填されうる。このとき、タバコ物質は、フィルタ内部に、約2mg/mmないし約8mg/mmが充填されうる。さらに望ましくは、該タバコ物質は、フィルタ内部に、約4mg/mmないし約6mg/mmが充填されうる。
【0045】
タバコ媒質部120に含まれるタバコ物質のpHが、pH調節剤を介してアルカリ側に調節される場合、低温においてタバコ物質から放出されるニコチン量が増加しうる。それにより、アセテートフィルタ及び紙フィルタのうち少なくとも一つにつき、pHが調節されたタバコ物質を充填する方式でもって、タバコ媒質部120が製造される場合、該タバコ物質から放出されたニコチンは、アセテートフィルタまたは紙フィルタによって吸収されるか、あるいはアセテートフィルタまたは紙フィルタにおいて維持されうる。従って、放出されたニコチンのエアロゾル生成物品100の外部への放出が防止されうる。それに係わる具体的な説明は、図4及び図5で後述する。
【0046】
一実施形態において、フィルタ部130は、タバコ媒質部120を中心に、前端プラグ110と対向する位置に配されうる。フィルタ部130は、タバコ媒質部120から生成されるエアロゾルを含む主流煙に含まれる物質のうち少なくとも一つを濾過しうる。
【0047】
一実施形態において、フィルタ部130は、多様な形状に具現されうる。例えば、フィルタ部130は、円筒状ロッドでもあり、内部に中空(hollow)を含むチューブ型ロッドでもある。または、フィルタ部130は、リセス(recess)型ロッドでもある。
【0048】
一実施形態において、フィルタ部130は、酢酸セルローストウによって形成されるアセテートフィルタ、及び紙によって形成される紙管フィルタのうち一つを含むものでもある。このとき、フィルタ部130が、酢酸セルローストウによって形成されるアセテートフィルタを含む場合、フィルタ部130は、香味を発生させるように作製されうる。
【0049】
例えば、フィルタ部130がアセテートフィルタを含む場合、該アセテートフィルタに香味物質が含まれる加香液が噴射され、また前記加香液が塗布された別途の繊維がアセテートフィルタ内部に含まれるものでもある。他の例を挙げれば、フィルタ部130がアセテートフィルタを含む場合、該アセテートフィルタは、香味物質を含むカプセルを含むものでもある。フィルタ部130に含まれうる香味物質は、前端プラグ110に含まれうる香味物質と同一でもあり、類似してもいる。
【0050】
一実施形態において、前端プラグ110及びフィルタ部130のうち一つは、香味物質を含むものでもある。
【0051】
例えば、前端プラグ110が香味物質を含むカプセルを含むか、あるいは香味物質が含まれた加香液が塗布された繊維を含む場合、フィルタ部130は、香味物質を含まないのである。すなわち、前端プラグ110に香味物質が含まれれば、フィルタ部130は、酢酸セルローストウによって形成されたリセス型ロッドを含むか、あるいは紙によって形成された紙管を含むものでもある。
【0052】
他の例を挙げれば、フィルタ部130が香味物質を含むカプセルを含むか、あるいは香味物質が含まれた加香液が塗布された繊維を含む場合、前端プラグ110は、香味物質を含まないのである。すなわち、フィルタ部130に香味物質が含まれれば、前端プラグ110は、酢酸セルローストウによって形成されたアセテートフィルタを含むか、あるいは紙によって形成された紙管を含むものでもある。
【0053】
エアロゾル生成物品100は、円筒形状に製造されうる。そのような場合、エアロゾル生成物品100の長さは約、20mmないし約60mmでもある。例えば、前端プラグ110の長さは、約5mmないし約15mmでもあり、タバコ媒質部120の長さは、約10mmないし約30mmでもあり、フィルタ部130の長さは、約5mmないし約15mmでもある。ただし、エアロゾル生成物品100、及びそれを構成する要素の長さは、それらに限定されるものではなく、製造社の設計により、多様に変更されうる。
【0054】
図2は、一実施形態による2個のセグメントを有するタバコ媒質部を含むエアロゾル生成物品を図示した図面である。図3Aないし図3Cは、一実施形態によるエアロゾル生成物品のX-X’線に沿って長手方向に獲得された断面図である。
【0055】
図2を参照すれば、エアロゾル生成物品100は、前端プラグ110、タバコ媒質部120及びフィルタ部130を含むものでもある。図2においては、前端プラグ110が紙によって形成される紙フィルタ(例:紙管)を含み、フィルタ部130が、香味物質が含まれたカプセル132を含むアセテートフィルタを含むように図示されているが、それに制限されるものではない。他の実施形態において、前端プラグ110は、香味物質が含まれたカプセル132を含むアセテートフィルタを含むものでもあり、フィルタ部130は、酢酸セルローストウによって形成されたリセス型ロッドを含むものでもある。
【0056】
一実施形態において、タバコ媒質部120は、互いに異なる要素をそれぞれ含む2個のセグメントを含むものでもある。例えば、タバコ媒質部120の第1セグメント140は、タバコ物質122を含むものでもあり、第2セグメント150は、冷却要素126を含むものでもある。このとき、冷却要素126は、チューブフィルタ及び紙管フィルタのうちいずれか一つに該当し、エアロゾル生成物品100の吸引抵抗は、冷却要素126を介して低減されうる。
【0057】
図2及び図3Aを参照すれば、タバコ物質122を含む第1セグメント140は、タバコ媒質部120の区画Aに配され、冷却要素126を含む第2セグメント150は、タバコ媒質部120の区画Bに配されうる。従って、前端プラグ110を介して導入された外気は、第1セグメント140のタバコ物質122から放出されたニコチンのような成分と混合された後、第2セグメント150及びフィルタ部130に順次に進むことになる。
【0058】
図2及び図3Bを参照すれば、冷却要素126を含む第2セグメント150は、タバコ媒質部120の区画Aに配され、タバコ物質122を含む第1セグメント140は、タバコ媒質部120の区画Bに配されうる。従って、前端プラグ110を介して導入された外気は、第2セグメント150の冷却要素126を介して温度が低くなった後、第1セグメント140及びフィルタ部130に順次に進むことになる。
【0059】
このとき、第1セグメント140は、顆粒状のタバコ物質122が紙フィルタ124に充填されることによって製造されうるが、それに制限されるものではない。第1セグメント140は、顆粒状のタバコ物質122がアセテートフィルタに充填されることによっても製造されるが、それに係わる具体的な説明は、図4及び図5で後述する。
【0060】
他の実施形態において、タバコ媒質部120は、同一要素を含む2個のセグメントを含むものでもある。例えば、タバコ媒質部120の第1セグメント140a及び第2セグメント140bは、それぞれタバコ物質122を含むものでもある。
【0061】
図2及び図3Cを参照すれば、タバコ物質122を含む第1セグメント140aは、タバコ媒質部120の区画Aに配され、タバコ物質122を含む第2セグメント140bは、タバコ媒質部120の区画Bに配されうる。一実施形態において、第1セグメント140aは、タバコ物質122がアセテートフィルタに充填されることによって製造され、第2セグメント140bは、タバコ物質122が紙フィルタに充填されることによって製造されうる。
【0062】
ただし、それらは、一実施形態に過ぎず、それらに制限されるものではない。他の実施形態において、第1セグメント140aは、タバコ物質122が紙フィルタに充填されることによって製造され、第2セグメント140bは、タバコ物質122がアセテートフィルタに充填されることによって製造されうる。また、第1セグメント140a及び第2セグメント140bは、タバコ物質122がアセテートフィルタに充填されることによっても製造され、紙フィルタに充填されることによっても製造される。
【0063】
図4は、一実施形態によるタバコ媒質部の断面図を図示する。
【0064】
図4を参照すれば、エアロゾル生成物品(例:エアロゾル生成物品100(図1))のタバコ媒質部120aは、紙フィルタ124、及び紙フィルタ124に充填されたタバコ物質122を含むものでもある。例えば、紙フィルタ124は、紙がくるくる巻かれた形態を有するように形成され、巻かれた紙間の間隔に、タバコ物質122が充填されうる。
【0065】
一実施形態において、タバコ媒質部120aは、紙フィルタ124内部に、約2mg/mmないし約8mg/mmが充填されうる。さらに望ましくは、タバコ媒質部120aは、紙フィルタ124内部に、約4mg/mmないし6mg/mmが充填されうる。
【0066】
例えば、タバコ媒質部120aが、図3Aまたは図3Bにおけるタバコ媒質部のように、タバコ物質122によって構成される1個のセグメントを含み、1個のセグメントの長さが、約5mmないし約15mmである場合、タバコ媒質部120aは、約20mgないし約90mgのタバコ物質122によって充填されうる。
【0067】
他の例を挙げれば、タバコ媒質部120aが、図3Cにおけるタバコ媒質部のように、タバコ物質122によって構成される2個のセグメントを含み、2個のセグメントの長さが、約10mmないし約30mmである場合、タバコ媒質部120aは、約40mgないし180mgのタバコ物質122によって充填されうる。
【0068】
一実施形態において、紙フィルタ124は、滑らかな表面を有する紙がくるくる巻かれた形態に製造されうる。ただし、それに制限されるものではなく、他の実施形態において、紙フィルタ124は、表面の粗さが特定値以上である紙または巻縮された(crimped)紙がくるくる巻かれた形態にも製造される。
【0069】
一実施形態において、紙フィルタ124は、約5mmないし約15mmの横長、及び約100mmないし約150mmの縦長を有する紙がくるくる巻かれた形態に製造されうる。ただし、それに制限されるものではなく、製造社の設計により、紙の大きさは、多様に変更されうる。
【0070】
一実施形態において、タバコ物質122は、顆粒状でもあり、前記顆粒の直径は、約0.1mmないし約1.2mmでもある。さらに望ましくは、前記顆粒の直径は、約0.3mmないし約0.6mmでもある。タバコ物質122の直径が約0.1mmないし約1.2mm範囲内に含まれ、さらに望ましくは、約0.3mmないし約0.6mm範囲内に含まれる場合、タバコ媒質部120aに対する製造容易性が増大しうる。
【0071】
すなわち、タバコ媒質部120aの製造にあたり、紙がくるくる巻かれた形態の紙フィルタ124を製造すると共に、タバコ物質122が紙フィルタ124に充填される場合、タバコ物質122の直径が、約0.1mmないし約1.2mm範囲内に含まれ、さらに望ましくは、約0.3mmないし約0.6mm範囲内に含まれてこそ、紙フィルタ124内に安定して充填されうる。
【0072】
一実施形態において、pH調節剤を介し、タバコ物質122のpHがアルカリ側に調節されることにより、タバコ物質122は、加熱要素によって加熱される温度(例:約200℃以上)対比で、実質的に低い温度(例:約25℃ないし約120℃)でニコチンを放出しうる。このとき、タバコ物質122から放出されたニコチンが、紙フィルタ124によって吸収されることにより(または、紙フィルタ124により、タバコ物質122からニコチン放出が抑制されることにより)、エアロゾル生成物品(例:エアロゾル生成物品100(図1))の保存安定性が向上されうる。
【0073】
図5は、他の実施形態によるタバコ媒質部の断面図を図示する。
【0074】
図5を参照すれば、エアロゾル生成物品(例:エアロゾル生成物品100(図1))のタバコ媒質部120bは、アセテートフィルタ125、及びアセテートフィルタ125に充填されたタバコ物質122を含むものでもある。例えば、アセテートフィルタ125は、複数の酢酸セルローストウ127によって形成され、複数の酢酸セルローストウ127間に、タバコ物質122が充填されうる。
【0075】
一実施形態において、タバコ媒質部120bは、アセテートフィルタ125内部に、約2mg/mmないし約8mg/mmが充填されうる。さらに望ましくは、タバコ媒質部120bは、アセテートフィルタ125内部に、約4mg/mmないし6mg/mmが充填されうる。
【0076】
一実施形態において、アセテートフィルタ125は、モノデニール(mono denier)が9.0で、トータルデニールが25,000であり、断面の形態がY字形である複数の酢酸セルローストウによって構成されうるが、それに制限されるものではない。
【0077】
一実施形態において、タバコ物質122は、顆粒状でもあり、前記顆粒の直径は、約0.1mmないし約1.2mmでもある。さらに望ましくは、前記顆粒の直径は、約0.3mmないし約0.6mmでもある。タバコ物質122の直径が、約0.1mmないし約1.2mm範囲内に含まれ、さらに望ましくは、約0.3mmないし約0.6mm範囲内に含まれる場合、タバコ媒質部120bに対する製造容易性が増大しうる。
【0078】
すなわち、タバコ媒質部120bの製造にあたり、複数の酢酸セルローストウ127が結合され、アセテートフィルタ125を製造すると共に、タバコ物質122がアセテートフィルタ125に充填される場合、タバコ物質122の直径が、約0.1mmないし約1.2mm範囲内に含まれ、さらに望ましくは、約0.3mmないし約0.6mm範囲内に含まれてこそ、アセテートフィルタ125内に安定して充填されうる。
【0079】
一実施形態において、pH調節剤を介し、タバコ物質122のpHがアルカリ側に調節されることにより、タバコ物質122は、加熱要素によって加熱される温度(例:約200℃以上)対比で、実質的に低い温度(例:約25℃ないし約120℃)でニコチンを放出しうる。
【0080】
このとき、タバコ物質122から放出されたニコチンが、アセテートフィルタ125によって吸収されることにより(または、アセテートフィルタ125により、タバコ物質122からニコチン放出が抑制されることにより)、エアロゾル生成物品(例:エアロゾル生成物品100(図1))の保存安定性が向上しうる。
【0081】
図6は、一実施形態によるエアロゾル生成物品のpHによるニコチン移行量に係わるグラフを図示する。
【0082】
図6を参照すれば、エアロゾル生成物品(例:エアロゾル生成物品100(図1))が非加熱方式のエアロゾル生成物品である場合、前記エアロゾル生成物品100に含まれたタバコ物質(例:タバコ物質122(図3Aないし図3C))のpHが上昇するほど、エアロゾル生成物品100のニコチン移行量が増加するということが分かる。すなわち、タバコ物質122のpHが7以上である場合、低温条件において、エアロゾル生成物品100からニコチンが移行され始めるということが分かる。ユーザに有意なニコチン量を提供するためには、タバコ物質122のpHが8以上であることが望ましいのである。
【0083】
タバコ物質122のpH値が増大するほど、タバコ物質122から移行されるニコチン量が増加するが、タバコ物質122から過度に多量のニコチンが放出されうるので、エアロゾル生成物品100の保存及び保管の側面で不利にもなる。また、タバコ物質122のpH値が10以上である場合には、エアロゾル生成物品100から異臭が発生しうる。
【0084】
従って、エアロゾル生成物品の保存性及び保管性、異臭発生防止、及びユーザの喫煙満足度の側面において、タバコ物質122のpH値は、8~9範囲内に含まれることが望ましいのである。
【0085】
本実施形態と係わる技術分野において、通常の知識を有する者であるならば、前述の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態に具現されうるということを理解しうるであろう。従って、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されなければならない。発明の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての差異は、発明に含まれているものと解釈されなければならないのである。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
【国際調査報告】