(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-15
(54)【発明の名称】線形結合ポート選択コードブックのチャネル状態情報CSI省略を伴う方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04L 27/26 20060101AFI20240408BHJP
H04B 7/0456 20170101ALI20240408BHJP
【FI】
H04L27/26 114
H04B7/0456 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023557240
(86)(22)【出願日】2022-03-15
(85)【翻訳文提出日】2023-10-25
(86)【国際出願番号】 EP2022056620
(87)【国際公開番号】W WO2022194822
(87)【国際公開日】2022-09-22
(32)【優先日】2021-03-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594102418
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツル フェルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシュング エー ファウ
【氏名又は名称原語表記】Fraunhofer-Gesellschaft zur Foerderung der angewandten Forschung e.V.
【住所又は居所原語表記】Hansastrasse 27c, D-80686 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100207837
【氏名又は名称】小松原 寿美
(74)【代理人】
【識別番号】100214640
【氏名又は名称】立山 千晶
(72)【発明者】
【氏名】ラミレディ、ヴェンカテーシュ
(72)【発明者】
【氏名】グロスマン、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ランドマン、マルクス
(57)【要約】
ユーザ機器UEによるチャネル状態情報CSIレポート。受信済CSIレポート構成に基づき、プリコーダベクトルまたは行列のランクインデックスRI送信層のプリコーダ係数の数を決定(402)。RI伝送層のプリコーダ係数を2以上の係数サブセットにグループ化(403)。各係数サブセットは複数のプリコーダ係数を備える。2以上の係数サブセットと、各係数サブセット内のプリコーダ係数と、に所定順序付けを割当(404)。2以上の係数サブセットを、関連する優先レベルを有する2以上のCSIグループに分割(405)。CSIパート1とCSIパート2を備えるCSIレポートを生成(406)。CSIパート1は、固定ペイロードサイズを有しつつ、CSIパート2のペイロードサイズを示す情報を備える。CSIパート2は、2つのCSIグループのうちの少なくとも1つのグループのプリコーダ係数を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいてチャネル状態情報CSIレポートを生成および報告するべく、ユーザ機器(900)によって実行される方法であって、前記方法は、
ネットワークノードからチャネル状態情報CSIレポート構成を受信(401)する工程と、
受信済みの前記チャネル状態情報CSIレポート構成に基づき、プリコーダベクトルまたは行列のランクインデックスRI送信層のプリコーダ係数の数を決定(402)する工程と、
前記ランクインデックスRI送信層の前記プリコーダ係数を、少なくとも2つの係数サブセットにグループ化(403)する工程であって、各係数サブセットは複数のプリコーダ係数を備えている、前記プリコーダ係数をグループ化(403)する工程と、
前記少なくとも2つの係数サブセットへの順序付けと、各係数サブセット内の前記プリコーダ係数への順序付けと、を割当(404)する工程と、
前記少なくとも2つの係数サブセットを、関連する優先レベルを有している2つ以上のチャネル状態情報CSIグループに分割(405)する工程と、
チャネル状態情報CSIパート1およびチャネル状態情報CSIパート2を備えているチャネル状態情報CSIレポートを生成(406)する工程であって、前記チャネル状態情報CSIパート1は固定ペイロードサイズを有しているとともに、前記チャネル状態情報CSIパート2のペイロードサイズを示す情報を備えており、前記チャネル状態情報CSIパート2は2つのチャネル状態情報CSIグループのうちの少なくとも1つのグループのプリコーダ係数を備えている、前記チャネル状態情報CSIレポートを生成(406)する工程と、
前記チャネル状態情報CSIレポートを備えているアップリンク制御情報UCIを、アップリンクULチャネルを介して前記ネットワークノードに送信(407)する工程と、
を備えている、方法。
【請求項2】
前記係数サブセット内の各プリコーダ係数は、2つのインデックス(l,p)に関連付けられており、
第1インデックスであるl=0,…,RI-1は、層インデックスであり、
第2インデックスであるp∈Uは、ポートまたは空間ビームインデックスであり、
U={0,…,P′-1}またはU={0,…,2P′-1}は、ポートまたは空間ビームインデックスのセットである、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記係数サブセット内の各プリコーダ係数は、3つのインデックス(l,p,d)に関連付けられており、
第1インデックスであるl=0,…,RI-1は、層インデックスであり、
第2インデックスであるp∈Uは、ポートまたは空間ビームインデックスであり、
U={0,…,P′-1}またはU={0,…,2P′-1}は、ポートまたは空間ビームインデックスのセットであり、
第3インデックスであるdは、遅延および/またはドップラーインデックス、または遅延およびドップラーインデックスのペアであり、d=0,…,D′-1である、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
U={0,…,P′-1}と、ポートまたは空間ビームインデックスU={0,…,P′-1}に関連付けられた前記プリコーダ係数と、はアンテナポートの2つの偏波に関連付けられている、
請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
U={0,…,2P′-1}と、ポートまたは空間ビームインデックス{0,…,P′-1}に関連づけられている前記プリコーダ係数と、はアンテナポートの第1偏波に関連付けられており、
ポートまたは空間ビームインデックス{P′,…,2P′-1}に関連付けられたプリコーダ係数は、アンテナポートの第2偏波に関連付けられている、
請求項2または3に記載の方法。
【請求項6】
係数サブセットの第l層の前記プリコーダ係数は、Uからの連続ポートまたは空間ビームインデックスの1つのサブセットまたは2つのサブセットに関連付けられている、
請求項2に記載の方法。
【請求項7】
第l層の係数サブセットの前記プリコーダ係数は、全てのD′個の遅延および/またはドップラーインデックス、または遅延およびドップラーインデックスペアに、およびUからの連続ポートまたは空間ビームインデックスの1つのサブセットまたは2つのサブセットに、関連付けられている、
請求項3に記載の方法。
【請求項8】
第l層の係数サブセットの前記プリコーダ係数は、前記アンテナポートの2つの偏波に関連付けられている、
請求項4または5に記載の方法。
【請求項9】
係数サブセットにおける層毎のプリコーダ係数の前記数は、全層にわたるプリコーダ係数の前記数の最大値に依存する、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
各係数サブセットA
iのプリコーダ係数は、多数の係数サブセットA
i={A
i,1,…,A
i,T}にグループ化されており、
各係数サブセットA
i,jは、単一のポートまたは空間ビームインデックスと、アンテナポートの単一の偏波と、係数サブセットA
iに関連する全ての層インデックスと、に関連する前記プリコーダ係数を備えて構成されており、
前記係数サブセットA
i,jは、増加する偏波インデックスに関して順序付けられる、
請求項2記載の方法。
【請求項11】
各係数サブセットA
iの前記プリコーダ係数は、多数の係数サブセットA
i={A
i,1,…,A
i,T}にグループ化されており、
各係数サブセットA
i,jは、全てのD′個の遅延および/またはドップラーインデックスに、またはD′個の遅延およびドップラーインデックスのペアに、単一のポートまたは空間ビームインデックスおよびアンテナポートの単一の偏波に、および、前記係数サブセットA
iに関連する全ての層インデックスに、関連する前記プリコーダ係数を備えており、
前記係数サブセットA
i,jは、増加する偏波インデックスに関して順序付けられており、
同じ偏波インデックスに関連する係数サブセットは、増加するポートまたは空間ビームインデックスに関して順序付けられている、
請求項3に記載の方法。
【請求項12】
各係数サブセットA
i,jの前記プリコーダ係数は、増加するポートまたは空間ビームインデックスに関して順序付けられており、
同じポートまたは空間ビームインデックスに関連する前記プリコーダ係数は、増加する層インデックスに関して順序付けられている、
請求項10に記載の方法。
【請求項13】
各係数サブセットA
i,jの前記プリコーダ係数は、増加する遅延および/またはドップラーインデックスに関して、または遅延およびドップラーインデックスのペアに関して、順序付けられており、
同じ遅延および/またはドップラーインデックスに関連する前記プリコーダ係数は、増加する層インデックスに関して順序付けられている、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
最大または最強の係数の同じ層および遅延および/またはドップラーインデックスに関連する前記プリコーダ係数が、新しい遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスd′=0に関連しており、そして
同じ層インデックスおよび残りの遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに関連する残りの前記プリコーダ係数が、増加する遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに関して、または減少する遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに関して、順序付けられるように、
前記プリコーダ係数は順序付けられている、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
無線通信システムにおいて、ユーザ機器UE(900)によって生成されたチャネル状態情報CSIレポートを受信するべくネットワークノード(1000)によって実行される方法であって、前記方法は、
送信済みのチャネル状態情報CSIレポート構成に基づき、プリコーダベクトルまたは行列のランクインデックスRI送信層のためのプリコーダ係数の数を前記ユーザ機器UEが決定できるようにするためのチャネル状態情報CSIレポート構成を、前記ユーザ機器UE(900)に送信する工程と、
アップリンクチャネルを介して前記ユーザ機器UE(900)から、前記ユーザ機器UEによって生成されたチャネル状態情報CSIレポートを備えているアップリンク制御情報UCIを受信する工程であって、前記チャネル状態情報CSIレポートはチャネル状態情報CSIパート1とチャネル状態情報CSIパート2とを備えており、前記チャネル状態情報CSIパート1は固定ペイロードサイズを有しているとともに、前記チャネル状態情報CSIパート2のペイロードサイズを示す情報を備えており、前記チャネル状態情報CSIパート2は、2つ以上のチャネル状態情報CSIグループのうちの少なくとも1つのグループの前記プリコーダ係数を備えており、前記プリコーダ係数は、少なくとも2つの順序付け済みの係数サブセットに順序付けされる、前記アップリンク制御情報UCIを受信する工程と、
を備えている、方法。
【請求項16】
プロセッサ(910)とメモリ(920)と、を備えているユーザ機器(900)であって、
前記メモリ(920)は、前記プロセッサ(910)によって実行可能な命令を備えており、よって前記ユーザ機器UE(900)は、方法の請求項1~14のいずれか1項に記載の特徴を実行するように動作可能にされている、
ユーザ機器(900)。
【請求項17】
プロセッサ(1010)とメモリ(1020)と、を備えているネットワークノード(1000)であって、
前記メモリ(1020)は、前記プロセッサ(1010)によって実行可能な命令を備えており、よって前記ネットワークノード(1000)は、方法の請求項15に記載の特徴を実行するように動作可能にされている、
ネットワークノード(1000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信の分野に関する。より詳細には、無線通信システムにおけるコードブックベースのプリコーディングのためのアップリンクチャネル情報(アップリンク制御情報UCI)またはチャネル状態情報CSI省略スキーム(オミッション方式)のためのチャネル状態情報(CSI)フィードバック報告に関する。いくつかの実施形態は、ユーザ機器(UE)と、チャネル状態情報CSIレポートのためにユーザ機器UEによって実行される方法と、に関連している。いくつかの他の実施形態は、ネットワークノードと、ユーザ機器UEによって生成されたチャネル状態情報CSIレポートを受信するべくネットワークノードによって実行される方法と、に関連する。
【背景技術】
【0002】
新無線(NR:ニューラジオ)としても知られる第5世代(5G)移動通信システムは、前世代の移動通信システムよりも高いレベルの性能を提供する。5G移動通信は、ダイバース自動車通信、フィードバック付き遠隔制御、ビデオダウンロード、インターネットオブシングス(IoT)デバイス、機械タイプ通信(MTC)デバイスなどのデータアプリケーション、など多様なアプリケーションにユビキタス接続を提供する必要性によって推進されてきた。5G無線技術は、高速化、遅延の短縮、接続性の向上、などいくつかの主な利点をもたらす。第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP(登録商標))は、少なくとも無線アクセスネットワーク(RAN)、コアトランスポートネットワーク(CN)、およびサービス機能、を備えている5Gネットワークアーキテクチャの完全なシステム仕様を提供している。
【0003】
図1は、コアネットワーク(CN)110および無線アクセスネットワーク(RAN)120を備えている、無線通信ネットワーク100の一例の簡略化された概略図を示す。RAN120は、5Gでは基地局gNBと呼ばれる、複数のネットワークノードまたは無線基地局を備えているように示されている。3つの無線基地局gNB1、基地局gNB2、および基地局gNB3が描かれている。各基地局gNBは、カバレッジエリアまたはセルと呼ばれるエリアにサービスを提供する。
図1には、3つのセル121、122、123が描かれており、各々は基地局gNB1、gNB2、gNB3という独自の基地局gNBによってサービスが提供されている。ネットワーク100は、任意の数のセルおよび基地局gNBを備えていることができる。無線基地局またはネットワークノードは、セル内のユーザにサービスを提供する。4GまたはLTEでは無線基地局はeNBと呼ばれており、3GまたはUMTSでは無線基地局はeNodeBと呼ばれ、他の無線アクセス技術ではBSと呼ばれる。ユーザまたはユーザ機器(UE)は、無線端末装置または移動端末装置または据置通信装置である。移動端末装置(モバイルターミナルデバイス)またはユーザ機器UEは、IoT装置、機械タイプ通信MTC装置などである場合もある。IoTデバイスには、無線センサ、ソフトウェア、アクチュエータ、およびコンピュータデバイスが含まれる。これらのデバイスは、携帯装置、自動車、産業機器、環境センサ、医療機器、航空車両などに埋め込むことができるほか、これらのデバイスが既存のネットワークインフラ全体でデータを収集および交換できるようにするネットワーク接続性も備えている。
【0004】
図1に戻ると、各セルにはユーザ機器UEとIoTデバイスが含まれている。セル121の基地局gNB1は、ユーザ機器UE1_121A、ユーザ機器UE2_121B、およびIoTデバイス121Cにサービスを提供する。同様に、セル121の基地局gNB2は、ユーザ機器UE3_122A、ユーザ機器UE4_122B、およびIoTデバイス122Cにサービスを提供している。セル123の基地局gNB3は、ユーザ機器UE5_123A、ユーザ機器UE6_123B、およびIoTデバイス123Cにサービスを提供する。ネットワーク100は、任意の数のユーザ機器UEおよびIoTデバイス、または任意の他のタイプのデバイスを備えていることができる。デバイスはアップリンクでサービング基地局gNB(複数可)に通信しており、基地局gNB(複数可)はダウンリンクでデバイスに通信する。各々の基地局gNB1から基地局gNB3は、例えば、S1インタフェースを介して、各々のバックホールリンク111、121D、122D、123Dを介して、コアネットワークCN120に接続されてもよく、これらのリンクは
図1において「コア」を指す矢印によって概略的に描かれている。コアネットワークCN120は、インターネットなどの1つまたは複数の外部ネットワークに接続されていてもよい。基地局gNB同士は、S1インタフェース、X2インタフェース、または5GにおけるXNインタフェースを介して、各々のインタフェースリンク121E、122E、123Eを介して互いに接続される場合があり、図ではこれら接続は基地局gNBを指す矢印によって描かれている。
【0005】
データ伝送には、物理リソースグリッドが使用されうる。物理リソースグリッドは、様々な物理チャネルおよび物理信号が写像(マッピング)されるリソース要素(RE)のセットを備えて構成されてもよい。例えば、物理チャネルは、ダウンリンク、アップリンク、またはサイドリンクペイロードデータとも呼ばれる、ユーザ固有のデータを搬送する物理ダウンリンク、アップリンク、および/またはサイドリンク(SL)共有チャネル(物理ダウンリンク共有チャネルPDSCH、物理アップリンク共有チャネルPUSCH、物理サイドリンク共有チャネルPSSCH)と、例えばマスター情報ブロック(MIB)およびシステム情報ブロック(SIB)を伝送する物理ブロードキャストチャネル(PBCH)、例えばダウンリンク制御情報(DCI)、アップリンク制御情報(UCI)またはサイドリンク制御情報(SCI)、を伝送する物理ダウンリンク制御チャネル、物理アップリンク制御チャネル、および/または物理サイドリンク制御チャネル(PDCCH、PUCCH、PSCCH)と、を含み得る。アップリンクの場合、物理チャネルはさらに、ユーザ機器UEが同期化されるとともに、マスター情報ブロックMIBおよびマスター情報ブロックSIBを取得すると、ユーザ機器UEがネットワークにアクセスするべく使用する物理ランダムアクセスチャネル(PRACHまたはRACH)を備えている場合がある。物理信号は、参照信号(RS:リファレンスシグナル、基準信号)、同期信号(SS)、などを備えて構成される。リソースグリッドは、時間領域において10ミリ秒のような所定継続時間を有していたり、周波数領域において所定の帯域幅を有していたりする、フレームまたは無線フレームを備えて構成されてもよい。無線フレームは、予め定義された長さを有する所定数のサブフレーム、例えば、1ミリ秒の長さの2つのサブフレームを有していることがある。各サブフレームは、サイクリックプレフィックス(CP)長に応じた数のOFDMシンボルの、2つのスロットを備えていることができる。5Gでは、各スロットは、各々通常のサイクリックプレフィックスCPと拡張サイクリックプレフィックスCPに基づく、14個のOFDMシンボルまたは12個のOFDMシンボルで構成される。例えば、短い送信時間間隔(TTI)を利用する場合や、数個のOFDMシンボルを備えて構成されるミニスロット/非スロットベースのフレーム構造を利用する場合、などのフレームは、より少ない数のOFDMシンボルを備えて構成されることもある。5G新無線NRではスロットアグリゲーションがサポートされているので、データ送信を1つまたは複数のスロットにまたがるようにスケジュールすることができる。スロットフォーマット表示は、OFDMシンボルがダウンリンク、アップリンク、またはフレキシブル、のいずれであるかをユーザ機器UEに通知する。
【0006】
無線通信ネットワークシステムは、直交周波数分割多重(OFDM)システム、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA)システム、またはサイクリックプレフィックスCPの有無にかかわらず他のIFFTベースの信号、例えば離散フーリエ変換DFT-OFDMのような、周波数分割多重を使用する任意のシングルトーンまたはマルチキャリアシステムであってよい。多重アクセス用の非直交波形のような他の波形、例えば、フィルタバンクマルチキャリア(FBMC)、一般化周波数分割多重(GFDM)またはユニバーサルフィルタリングマルチキャリア(UFMC)、が使用されてもよい。無線通信システムは、例えば、LTE-Advancedプロ規格または5Gまたは新無線NR(ニューラジオ)規格に従って、動作することができる。
【0007】
図1に描かれている無線通信ネットワークシステムは、2つの異なるオーバーレイネットワークを有している異種ネットワークであってもよく、各マクロセルが基地局gNB1~gNB3のようなマクロ基地局を備えているマクロセル同士のネットワークと、フェムト基地局またはピコ基地局のようなスモールセル基地局同士のネットワーク(
図1には示されていない)と、を有している。上述した無線ネットワークに加えて、衛星のようなスペースボーントランシーバ、および/または無人航空機システムのようなエアボーントランシーバ、を備えている非地上無線通信ネットワークも存在する。非地上の無線通信ネットワークまたはシステムは、例えば、LTE-advancedpro規格または5Gまたは新無線NR規格に従って、
図1を参照して上述した地上システムとで同様の方法で動作することができる。
【0008】
図1に概略的に描かれているような無線通信ネットワークシステムでは、例えば、LTE、新無線NR、または他の通信システム、に従ってユーザデータレート、リンク信頼性、セルカバレッジ、およびネットワーク容量、を向上させるべくマルチアンテナ技術が使用されることがある。マルチストリームまたはマルチ層伝送をサポートするべく、通信システムの物理層では、線形プリコーディングが使用される。線形プリコーディングは、データの層をアンテナポートに写像するプリコーダ行列によって実行される。このプリコーディングは、ビームフォーミングの一般化と見なすことができる。ビームフォーミングは、データ伝送を、意図された受信機に向けて空間的に指向または集中させる技術である。データを送信アンテナポートに写像するべく基地局gNBで使用されるプリコーダ行列は、チャネル状態情報CSIを使用して決定される。
【0009】
LTEまたは新無線(5G)などの、上述のような無線通信ネットワークシステムでは、ダウンリンク信号は、データ信号と、ダウンリンクDL制御情報(DCI)を含んでいる制御信号と、および、異なる目的で使用される多数(アナンバオブ、数)の参照信号または参照シンボル(RS)と、を伝達する。gNodeB(または基地局gNBまたは基地局)は、いわゆる物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)および物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)または拡張物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH(ePDCCH)を介して、各々データおよびダウンリンク制御情報(DCI)を送信する。さらに、基地局gNBのダウンリンク信号は、LTEの共通参照信号(CRS)、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)、復調参照信号(DM-RS)、および位相追跡参照信号(PT-RS)、を含んでいる1つまたは複数のタイプの参照信号(RS)を備えていることができる。共通参照信号CRSは、ダウンリンクDLシステム帯域幅部分を介して送信されることで、データまたは制御情報を復調するためのチャネル推定値を取得するべくユーザ機器(UE)によって使用される。チャネル状態情報参照信号CSI-RSは、共通参照信号CRSに比べて時間領域と周波数領域の密度を下げて送信されることで、ユーザ機器UEではチャネル推定またはチャネル状態情報(CSI)の取得に使用される。復調参照信号DM-RSは各物理ダウンリンク共有チャネルPDSCHの帯域幅部分のみで送信されることで、ユーザ機器UEによってデータ復調に使用される。基地局gNBにおける信号のプリコーディングには、非プリコーディングチャネル状態情報参照信号CSI-RSやビームフォーミングチャネル状態情報参照信号CSI-RSの報告などの、いくつかのチャネル状態情報参照信号CSI-RS報告メカニズムが使用される。非プリコードチャネル状態情報参照信号CSI-RSでは、チャネル状態情報参照信号CSI-RSポートと、基地局gNBでのアンテナアレイのトランシーバユニット(TXRU)と、の間の1対1の写像が利用される。したがって、非プリコードチャネル状態情報参照信号CSI-RSは、異なるチャネル状態情報参照信号CSI-RSポート同士が同じビーム方向とビーム幅を持つ、セルワイドなカバレッジを提供する。ビームフォーミング/プリコーディングされたユーザ機器UE固有または非ユーザ機器UE固有のチャネル状態情報参照信号CSI-RSの場合、ビームフォーミング動作が単一のアンテナポート上または複数のアンテナポート上に適用されることで、異なる方向同士に高い利得を持つ複数の狭いビーム同士が形成されるので、セル全体をカバーすることはできない。
【0010】
時分割複信(TDD)を採用した無線通信システムでは、チャネルの相互性によって、チャネル状態情報(CSI)が基地局(gNB)で利用可能にされている。しかし、周波数分割複信(FDD)を採用している場合、チャネルの相互性がないので、チャネルはユーザ機器UEで推定されているとともに、推定は基地局gNBにフィードバックされる。
図2は、LTEリリース8に準拠した、コードブックベース再符号化を使用するMIMODL伝送のブロックベースのモデルを示している。
図2は、基地局200(gNB)と、ユーザ機器(UE)202と、および、基地局200とユーザ機器202との間の無線データ通信のための無線チャネルのようなチャネル204と、を概略的に示している。基地局は、複数のアンテナまたはアンテナ要素を有しているアンテナアレイANT
Tと、コードブック210からデータベクトル208およびプリコーダ行列Fを受信するプリコーダ206と、を備えている。チャネル204は、チャネルテンソル/行列212によって記述されてもよい。ユーザ機器202は、複数のアンテナまたはアンテナ要素を有しているアンテナまたはアンテナアレイANT
Rを介して、データベクトル214を受信する。ユーザ機器202と基地局200との間には、フィードバック情報を送信するためのフィードバックチャネル216が設けられている。リリース15までの3GPP(登録商標)の以前のリリースでは、ユーザ機器UEにおけるチャネル状態情報CSI推定のための複数のダウンリンク参照信号(チャネル状態情報参照信号CSI-RSなど)の使用が、サポートされている。
【0011】
周波数分割複信FDDシステム(リリース15まで)では、ユーザ機器UEで推定されたチャネルは暗黙的に基地局gNBに報告されているので、ユーザ機器UEがフィードバックチャネルを介して送信するチャネル状態情報CSIレポートは、ランクインデックス(RI)、プリコーディング行列インデックス(PMI)、およびチャネル品質インデックス(CQI)(リリース13からはCRI)、を含んでいる。よって、基地局gNBは、プリコーディング行例と、送信するシンボルの変調順序および符号化方式(MCS)と、を決定することができる。プリコーディング行列インデックスPMIとランクインデックスRIとは、コードブックとも呼ばれる行列Ωの事前定義セットからプリコーディング行列を決定するべく使用される。コードブックは、例えばLTEに従って、表の各エントリに行列を持つルックアップテーブルであってもよいので、ユーザ機器UEからのプリコーディング行列インデックスPMIおよびランクインデックスRIは、使用するプリコーダ行列を表のどの行および列から取得するかを決定する。プリコーダとコードブックとは、N1個のデュアル偏波(ポラライズド)アンテナ(合計Nt=2N1個のアンテナ)を持つ1次元ユニフォームリニアアレイ(ULA)を、またはN1N2個の位置にデュアル偏波アンテナ(合計Nt=2N1N2個のアンテナ)を持つ2次元ユニフォームプレーナアレイ(UPA)を、備えた基地局gNB用にリリース15まで設計されている。ユニフォームリニアアレイULAは水平方向(方位角(アジマス)方向)のみの電波制御を可能にされているので、基地局gNBにおける方位角方向のみのビームフォーミングが可能にされているのに対し、ユニフォームプレーナアレイUPAは垂直方向(仰角方向)と水平方向(方位角方向)との両方向の送信ビームフォーミングをサポートするので、フルディメンション(FD)MIMOとも呼ばれる。コードブックは、例えば、フルディメンションFD-MIMOのような巨大アンテナアレイの場合、アレイのアレイ応答ベクトルを使用して空間的に分離された電磁送受信ビーム同士を形成するビームフォーミング重みのセットであってもよい。アレイのビームフォーミング重み(アレイステアリングベクトルとも呼ばれる)は、特定の方向に向かって(または特定の方向から)放射を送信する(または得る)べく、アンテナに供給される信号(またはアンテナから受信される信号)に適用される振幅利得および位相調整である。プリコーダ行列の成分はコードブックから得られるとともに、プリコーディング行列インデックスPMIとランクインデックスRIとは、コードブックを読み込みつつプリコーダを得るべく使用される。ユニフォームリニアアレイULAまたはユニフォームプレーナアレイUPAが信号伝送に使用される場合、アレイステアリングベクトルは、2次元離散フーリエ変換(DFT)行列の列によって記述されることがある。
【0012】
3GPP(登録商標)新無線リリース15のタイプIおよびタイプIIチャネル状態情報CSIレポートスキームで使用されるプリコーダ行列は、周波数領域で定義されているとともに、デュアルステージ構造(すなわち、2つの構成要素のコードブック)を有している。F(s)=F1F2(s),s=0,…,S-1、ここでSはサブバンドの数を表す。Fは太字表記。第1成分は、いわゆる第1段プリコーダF1は、空間コードブックとも呼ばれる離散フーリエ変換ベース(DFTベース)行列から、多数のビームベクトルと、回転オーバーサンプリング係数と、を選択するべく使用される。さらに、第1段プリコーダF1は、サブバンドインデックスsに依存しない広帯域行列に対応しているとともに、アンテナアレイの2つの偏波に対して離散フーリエ変換DFTベースのコードブック行列から選択済みのL個の空間ビームフォーミングベクトル(いわゆる空間ビーム)bl∈C(N1N2×1),l=0,…,L-1を備えている。blの下添え字は小文字エル。Cは白抜き表記。Cのベキ数は詳細にはN1N2×1(壱)。
【0013】
【0014】
第1成分、いわゆる第1段プリコーダF1は、空間コードブックとも呼ばれる離散フーリエ変換ベース(DFTベース)の行列から、多数の空間領域(SD)またはビームベクトル、および回転オーバーサンプリング係数を選択するべく使用される。空間コードブックは、N1N2×N1O1N2O2の次元のオーバーサンプリング離散フーリエ変換DFT行列を備えて構成されており、O1およびO2は各々コードブックの第1および第2次元に関するオーバーサンプリング係数を示す。コードブック内の離散フーリエ変換DFTベクトルは、(q1,q2)、0≦q1≦O1-1、0≦q2≦O2-1サブグループにグループ化されており、各サブグループはN1N2離散フーリエ変換DFTベクトルを備えている、パラメータq1とq2は、各々アンテナアレイの1次元目と2次元目に関する回転オーバーサンプリング係数として示される。
【0015】
第2成分、いわゆる第2段プリコーダF2(s)は、選択済みのビームベクトル同士を結合するべく使用される。つまり、第2段プリコーダF2(s)は、s番目に設定されたサブバンドに対してF1で定義されたビームを選択/結合/共位相化するための選択/結合/共位相化行列に相当する。例えば、ランク1送信とタイプIチャネル状態情報CSIレポートの場合、F2(s)は二重(デュアル)偏波アンテナアレイに対して以下のように与えられる。
【0016】
【0017】
ここで、eu∈CL×1は、1である第u位置を除く全ての位置に、ゼロを備えている。euのこのような定義は、アンテナの偏波ごとにF1の第uベクトルを選択する。さらに、ejδ1(ここで、eのベキ数はjδl)は、アンテナアレイの第2偏波に対する量子化された位相調整である。例えば、ランク1送信とタイプIIチャネル状態情報CSIレポートとの場合、F2(s)は二重偏波アンテナアレイの場合、次のように与えられる。
【0018】
【0019】
ここで、plとejδl,l=0,1,2,…,2L-1とは、各々量子化された振幅と位相のビーム結合係数である。ランクR伝送の場合、F2(s)はR個のベクトルを備えている。Rは伝送ランクを表しており、各ベクトルのエントリは各偏波内で単一または複数のビームを結合するように選ばれる。
【0020】
行列F1およびF2(s)の選択は、チャネル状態情報参照信号CSI-RSなどの参照信号と、チャネル状態の知識と、に基づきユーザ機器UEによって実行される。選択済みの行列は、ランクインデックスRI(ランクインデックスRIはプリコーディング行列のランクを表す)とプリコーディング行列インデックスPMIとの形式でチャネル状態情報CSIレポートに示されているとともに、基地局gNBにおいて次の送信時間間隔のマルチユーザプリコーダの更新に使用される。
【0021】
3GPP(登録商標)リリース15のデュアルステージタイプIIのチャネル状態情報CSI報告の場合、第r送信層のF2=[F2(r)(0),…,F2
(r)(s),…,F2
(r)(S-1)]の列の数が、設定済みのチャネル品質インデックスCQIサブバンドの数Sに依存するように、第2段プリコーダF2(s)はサブバンドベースで計算される。ここでサブバンドは、隣接する物理リソースブロック(PRB)のグループを指す。タイプIIチャネル状態情報CSIフィードバックの欠点は、結合係数をサブバンドベースで報告するためのフィードバックオーバーヘッドが大きいことである。フィードバックのオーバーヘッドはサブバンド数に対してほぼ線形にするので、サブバンド数が多い場合にはかなり大きくなる。
【0022】
リリース15タイプIIチャネル状態情報CSIレポートスキームの高いフィードバックオーバーヘッドを克服するべく、3GPP(登録商標)のRAN#81では、第2段プリコーダF2のフィードバック圧縮スキームを研究することが決定されている。いくつかの寄稿において、離散フーリエ変換DFTベース基底ベクトルの小さなセットを用いて、F2を遅延領域と呼ばれる変換領域に変換すると、F2のビーム結合係数の数が劇的に減少する可能性があることが実証されている。対応する3段(スリーステージ)プリコーダは、3段(すなわち3成分)のF1F2
(r)F3
(r)コードブックである。行列F1によって表される第1成分は、リリース15の新無線NR成分と同一であるとともに、送信層(r)から独立しており、空間コードブックから選択済みの空間領域(SD)基底ベクトルの数(多数、アナンバオブ)を備えている。行列F3
(r)で表される第2成分は、層に依存しており、、遅延コードブックとも呼ばれる離散フーリエ変換ベース(DFTベース)の行列から遅延領域(DD)基底ベクトルの数(多数、アナンバオブ)を選択するべく使用される。第3成分は、行列F2
(r)で表されており、空間コードブックと遅延コードブックから各々選択済みの空間領域SD基底ベクトル同士と遅延領域DD基底ベクトル同士を結合するべく使用される結合係数の数(多数、アナンバオブ)を備えている。
【0023】
ランクR伝送を仮定すると、構成(設定)済みの2N1N2個のアンテナ/チャネル状態情報参照信号CSI-RSポートと、構成済みのS個のサブバンドと、に対する3成分プリコーダ行列またはチャネル状態情報CSI行列は、アンテナポートと第r伝送層との第1偏波に対して次のように表される。
【0024】
【0025】
アンテナポートと第r伝送層との第2偏波については、次のように表される。
【0026】
【0027】
ここで、bu(l=0,…,L-1)は、空間コードブックから選択済みのu番目の空間領域SD基底ベクトルを表している。dd
(r)(d=0,…,D-1)は、遅延コードブックから選択済みの第r層に関連する第d遅延領域DD基底ベクトルを表す。γp,l,d
(r)は、u番目の空間領域SD基底ベクトルと、第d遅延領域DD基底ベクトルと、第p偏波と、に関連する複素遅延領域結合係数を表す。Dは、構成済みの遅延領域DD基底ベクトルの数を表す。α(r)は、正規化スカラーを表す。
【0028】
上記の数式の3成分チャネル状態情報CSIレポートスキームの利点は、プリコーダ行列またはチャネル状態情報CSI行列の結合係数を報告するためのフィードバックオーバーヘッドが、構成済みのチャネル品質インデックスCQIサブバンドの数に依存しなくなる(すなわち、システム帯域幅に依存しない)ことである。そのため、上記の3成分コードブックは、最近、3GPP(登録商標)リリース16のデュアルステージタイプIIチャネル状態情報CSIレポート仕様に採用された。
【0029】
現在の3GPP(登録商標)タイプIおよびタイプIIのチャネル状態情報CSIレポートスキームは、主に周波数分割複信(FDD)システム構成で使用されているので、アップリンク/ダウンリンクチャネルの相互性の特性を利用していない。周波数分割複信FDDシステム構成とは逆に、チャネルの相互性は主に時分割複信(TDD)システムで適用されているので、アップリンクとダウンリンクの伝送に同じキャリアが使用される。基地局(gNB)のアップリンクで実行されるチャネル測定は、ユーザ機器UEからのフィードバックを追加することなくまたは低減して、ダウンリンクビームフォーミングなどのダウンリンク伝送をサポートするべく使用されることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0030】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3734852号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
周波数分割複信FDDシステムでは、アップリンクキャリアとダウンリンクキャリアとの間のデュプレックス距離がチャンネルコヒーレンス帯域幅よりも大きい場合があるので、チャネルの相互性は通常満たされない。周波数分割複信FDDシステムであっても、ユーザ機器UEの支援なしに基地局でチャネル状態情報CSIを取得する既知のアプローチは、チャネル外挿に基づく。そこでは、ダウンリンクチャネルおよび/またはそのマルチパスパラメータは、アップリンクで測定されたチャネル応答(またはそのマルチパスパラメータ)の外挿によって計算されることが想定されている。しかし、測定結果は、特にチャネルのマルチパス成分の位相に関して、そのような外挿が不正確であるだけでなく、不正確な結果につながる虞があることを示している。最近、様々なシナリオにおいて、周波数分割複信FDDシステムにおけるアップリンクとダウンリンクのチャネル応答の空間特性と遅延特性とは強く相関しているので、それゆえチャネルは、マルチパス成分の角度(複数可)と遅延(複数可)に関して部分的な逆数(相互関係がある、レシプロカル)とみなすことができることが判明した。
【0032】
現在のリリース16タイプIIのチャネル状態情報CSIレポートでは、ユーザ機器UEはプリコーダ行列の選択済みビームと遅延に対して、ビームまたはビームフォーミングベクトルのセットと、遅延または遅延ベクトルのセットと、およびプリコーダ係数のセットと、を計算する必要がある。しかしながら、これは、プリコーダの計算の複雑さと、チャネル状態情報CSIレポートのフィードバックオーバーヘッドと、を増大させる結果となる。さらに、ビームと遅延の計算と報告は、限定された解像度を持つコードブックに基づく。すなわち、チャネルのマルチパス成分の角度と遅延の情報は、コードブックによる量子化のため、低下した解像度だけで基地局またはネットワークノードで利用可能にされている。このため、ユーザ機器UEから報告済みのプリコーダ係数を使用する、対応するプリコーディング済みのダウンリンク伝送の性能は、低下する。
【0033】
アップリンク制御情報(UCI)の欠落は、基地局またはネットワークノードからユーザ機器にアップリンク伝送用に提供されるアップリンクリソースが、1つまたは複数のチャネル状態情報CSIレポートのコンテンツ全体を伝送するのに十分ではない場合に発生する。詳細には、基地局またはネットワークノードは、ダウンリンクチャネル(例えば、物理ダウンリンク制御チャネルPDCCH)を介して、1つまたは複数のチャネル状態情報CSIレポートのアップリンク送信のためのリソース割り当てをユーザ機器UEに提供する。アップリンク送信は、物理アップリンク制御チャネルPUCCHまたは物理アップリンク共有チャネルPUSCHを介して、ユーザ機器UEによって実行される場合がある。基地局からユーザ機器に提供されるリソース割り当てが十分ではない場合、ユーザ機器は、アップリンク伝送に使用される1つまたは複数のチャネル状態情報CSIレポートの一部をおよび/または1つまたは複数のチャネル状態情報CSIレポートを、ドロップ(落とす、削除)することができる。例えば、基地局はランク1(ランクインデックスRI=1)のチャネル状態情報CSIレポートにリソースを割り当てるが、ユーザ機器UEは、ランク2の送信を決定するとともに、割り当てられたリソース(例えば、物理アップリンク共有チャネルPUSCHリソース)のサイズよりも大きいサイズのランク2(ランクインデックスRI=2)のチャネル状態情報CSIレポートをレポートする場合がある。
【0034】
このような場合、ユーザ機器UEは、1つまたは複数のチャネル状態情報CSIレポートのチャネル状態情報CSIコンテンツの一部を削除(ドロップ)または省略(オミット)する必要がある。基地局におけるチャネルの角度および遅延の情報に依存するチャネル状態情報CSIレポートスキームでは、チャネル状態情報CSIレポートのためのアップリンク制御情報UCI省略手順は存在しないので、したがって、新しいアップリンク制御情報UCI省略手順が必要とされる。
【0035】
したがって、上述のような既知の解決策には欠点があるので、本開示による本発明はこれらの欠点に対処する。
【課題を解決するための手段】
【0036】
本明細書における実施形態の目的は、アドバンスト(高度な)5Gネットワークなどの無線通信ネットワークにおける、コードブックベースのプリコーディングのためのチャネル状態情報CSIフィードバック報告のための装置および方法を提供することにある。
【0037】
本明細書におけるいくつかの実施形態の態様によれば、無線通信システムにおいてチャネル状態情報CSIレポートを生成および報告するための、ユーザ機器によって実行される方法が提供されており、この方法は以下を備えている。ネットワークノードからチャネル状態情報CSIレポート構成を受信する工程。受信済みのチャネル状態情報CSIレポート構成に基づき、プリコーダベクトルまたは行列のランクインデックス(RI)送信層のプリコーダ係数の数(アナンバオブプリコーダ係数、多数のプリコーダ係数)を決定する工程。ランクインデックスRI送信層のプリコーダ係数を、少なくとも2つの係数サブセットにグループ化する工程。各係数サブセットは、複数のプリコーダ係数を備えて構成される。前記少なくとも2つの係数サブセットに、順序付け(オーダーリング)を割り当てるだけでなく、各係数サブセット内のプリコーダ係数に、順序付けを割り当てる工程。前記少なくとも2つの係数サブセットを、関連する優先レベルを有している2つ以上のチャネル状態情報CSIグループに分割する工程。チャネル状態情報CSIパート1およびチャネル状態情報CSIパート2を備えているチャネル状態情報CSIレポートを生成する工程。チャネル状態情報CSIパート1は固定ペイロードサイズを有しているだけでなく、チャネル状態情報CSIパート2のペイロードサイズを示す情報を備えている。チャネル状態情報CSIパート2は、2つのチャネル状態情報CSIグループのうちの少なくとも1つのグループのプリコーダ係数を備えている。チャネル状態情報CSIレポートを備えているアップリンク制御情報(UCI)を、アップリンク(UL)チャネルを介して、ネットワークノードに送信する工程。これら工程を備えている。
【0038】
本明細書におけるいくつかの実施形態の別の態様によれば、無線通信システムにおいて、ユーザ機器UEによって生成されたチャネル状態情報CSIレポートを受信するべくネットワークノードによって実行される方法が提供されており、この方法は以下を備えている。ユーザ機器UEが送信済みのチャネル状態情報CSIレポート構成に基づき、プリコーダベクトルまたは行列のランクインデックスRI送信層のプリコーダ係数の数(多数、アナンバオブ)を決定できるようにするためのチャネル状態情報CSIレポート構成を、ユーザ機器UEに送信する工程。アップリンクチャネルを介して、ユーザ機器UEから、ユーザ機器UEによって生成されたチャネル状態情報CSIレポートを備えているアップリンク制御情報UCIを受信する工程。チャネル状態情報CSIレポートは、チャネル状態情報CSIパート1およびチャネル状態情報CSIパート2を備える。チャネル状態情報CSIパート1は、固定ペイロードサイズを有しているだけでなく、チャネル状態情報CSIパート2のペイロードサイズを示す情報を備える。チャネル状態情報CSIパート2は、2つ以上のチャネル状態情報CSIグループのうちの少なくとも1つのグループのプリコーダ係数を備える。プリコーダ係数は、少なくとも2つの順序付けられた係数サブセットに、順序付けされる。
【0039】
本明細書におけるいくつかの実施形態の別の態様によれば、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を備えているメモリと、を備えているユーザ機器UEが提供されており、それによって前記ユーザ機器UEは、方法請求項1~14のような、ユーザ機器UEによって実行される動作に関連する詳細な説明において提示される実施形態のいずれか1つを実行するように動作可能または構成される。
【0040】
本明細書における実施形態のさらに別の態様によれば、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を備えているメモリと、を備えているネットワークノードが提供されており、それによって前記ネットワークノードは、少なくとも方法請求項15のような、ネットワークノードに関連する詳細な説明において提示される実施形態のいずれか1つを実行するように動作可能または構成される。
【0041】
ユーザ機器UEの少なくとも1つのプロセッサ上で実行されると、少なくとも前記1つのプロセッサに本明細書で提示される動作(アクション)または方法ステップを実行させる命令を備えている、コンピュータプログラムも提供される。
【0042】
また、ネットワークノードの少なくとも1つのプロセッサ上で実行されると、少なくとも前記1つのプロセッサに本明細書で提示する方法ステップを実行させる命令を備えている、コンピュータプログラムも提供される。
【0043】
コンピュータプログラムを含んでいるキャリアも提供されている。キャリアは、コンピュータ可読記憶媒体、電子信号、光信号、または無線信号、のうちの1つである。
本発明の実施形態によって達成される利点としては、チャネルのマルチパス成分の角度および遅延の情報が基地局で利用可能にされていると仮定した場合、コードブックベースのチャネル状態情報CSIレポートのためのフィードバックオーバーヘッドおよびユーザ機器における計算複雑度を大幅に低減することが提案される。
【0044】
次に、本発明の実施形態を、添付図面を参照してさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図2】LTEリリース8に従ったコードブックベースのプリコーディングを使用する、MIMOダウンリンクDL伝送のブロックベースのモデルを示す図。
【
図3】本明細書で説明する本発明の教示に従って動作し得る送信機と、本明細書で説明する本発明の教示に従って動作し得る複数の受信機と、の間で情報を通信するための無線通信システムの概略図。
【
図4】本明細書のいくつかの実施形態による、ユーザ機器UEによって実行される方法ステップのフローチャート。
【
図5】本明細書における例示的な実施形態による、ローカルポートインデックスに基づくインデックス付けと、第0層および第1層の係数サブセットのプリコーダ係数と、の間の関係を例示する表。
【
図6】本明細書における別の例示的な実施形態による、ローカルポートインデックスに各々基づくグローバルポートインデックスと、第0層の選択済みのプリコーダ係数と、の間の関係を例示する別の表。
【
図7】本明細書におけるさらに別の例示的な実施形態による、ローカルポートインデックスに各々基づくグローバルポートインデックスと、第0層および第1層の係数サブセットの選択済みのプリコーダ係数と、の間の関係を例示する別の表。
【
図8】本明細書における別の例示的な実施形態による、ローカルポートインデックスに各々基づくグローバルポートインデックスと、第0層の選択済みのプリコーダ係数と、の間の関係を例示するさらに別の表。
【
図9】本明細書におけるいくつかの実施形態による、ユーザ機器を示す簡略化されたブロック図。
【
図10】本明細書のいくつかの実施形態による、ネットワークノードを示す簡略化されたブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下では、本明細書に記載の解決策(複数可)をさらに容易に理解できるように、いくつかのシナリオにおいて、例示的な実施形態の詳細な説明を図面と併せて説明する。
本実施形態による発明は、先に説明した欠点に対処するものである。詳細には、チャネルの角度および遅延の情報および/またはマルチパス成分のドップラー成分が基地局またはネットワークノードで利用可能にされていると仮定する。その上で、線形結合ポート選択コードブックに基づくコードブックベースのチャネル状態情報CSIレポートおよびアップリンク制御情報UCIまたはチャネル状態情報CSIの省略のためのフィードバックオーバーヘッドと、ユーザ機器における計算複雑度と、を大幅に低減する方法が提案される。
【0047】
一般に、本明細書の実施形態によって達成されるいくつかの非限定的な例示的効果に従って、基地局gNBまたはネットワークノードにおいて、アップリンクチャネルサウンディング測定によってユーザ機器UEから取得される角度および遅延情報が含まれる。これは、次に、チャネル状態情報参照信号CSI-RSリソースのセットをプリコーディング/ビーム形成するべく使用される。プリコーディング/ビームフォーミングされたチャネル状態情報参照信号CSI-RSリソースは、ユーザ機器UEにおけるダウンリンクチャネル測定およびチャネル状態情報CSI計算に使用される。ユーザ機器UEは、プリコーディング/ビームフォーミングされたチャネル状態情報参照信号CSI-RSのダウンリンク測定値に基づき、設定されたアンテナポートに対する複素プリコーダ係数のセットを計算および報告する。ユーザ機器UEは、設定されたアンテナポートに対するプリコーダ係数のセットを決定するだけである。タイプIIチャネル状態情報CSIレポートとは異なり、プリコーダ行列に対してビームと遅延を計算する必要がない。よって、プリコーダの計算の複雑さと、チャネル状態情報CSIレポートのフィードバックのオーバーヘッドと、を大幅に削減することができる。さらに、チャネルのマルチパス成分の角度と遅延の情報は、基地局(または基地局gNBのネットワークノード)において高分解能で利用可能にされている一方で、コードブックで量子化されずユーザ機器UEから報告されるわけでもない。よって、ユーザ機器UEから報告済みのプリコーダ係数を使用する対応するプリコードダウンリンク伝送の性能は、現在のリリース15またはリリース16のタイプIIチャネル状態情報CSIレポートスキームで達成される性能よりも、大幅に高くなる。
【0048】
一般に、本明細書の実施形態によって達成されるいくつかの非限定的な例示的効果に従って、基地局gNBまたはネットワークノードにおいて、アップリンクチャネルサウンディング測定によってユーザ機器UEから取得される角度情報および遅延情報、ならびに/またはドップラー情報が含まれる。これは、次に、一連のチャネル状態情報参照信号CSI-RSリソースをプリコーディング/ビームフォーミングするべく使用される。プリコーディング/ビームフォーミングされたチャネル状態情報参照信号CSI-RSリソースは、ユーザ機器UEにおけるダウンリンクチャネル測定およびチャネル状態情報CSI計算に使用される。ユーザ機器UEは、プリコーディング/ビームフォーミングされたチャネル状態情報参照信号CSI-RSのダウンリンク測定値に基づき、設定されたアンテナポートの複素プリコーダ係数のセットを計算および報告する。各アンテナポートは、少なくとも1つのビームと1つの遅延および1つのドップラー成分に関連付けられると仮定される。ユーザ機器UEは、設定されたアンテナポートに対するプリコーダ係数のセットを決定するだけである。ユーザ機器UEはタイプIIチャネル状態情報CSIレポートとは異なり、プリコーダ行列のビームと遅延、ドップラー成分を計算する必要がない。よって、プリコーダの計算の複雑さと、チャネル状態情報CSIレポートのフィードバックのオーバーヘッドと、を大幅に削減することができる。さらに、チャネルのマルチパス成分の角度や遅延、ドップラー周波数の情報は、基地局(または基地局gNBのネットワークノード)では高分解能(高解像度)で利用可能にされている一方で、コードブックで量子化されておらずユーザ機器UEから報告されるわけではない。よって、ユーザ機器UEから報告済みのプリコーダ係数を使用する対応するプリコードダウンリンク伝送の性能は、現在のリリース15またはリリース16のタイプIIチャネル状態情報CSIレポートスキームで達成される性能よりも、大幅に高くなる。
【0049】
本実施形態による発明は、先に説明した欠点にも対処する。詳細には、線形結合コードブックに基づくコードブックベースのチャネル状態情報CSIレポートおよびアップリンク制御情報UCIまたはチャネル状態情報CSIの省略のための、ユーザ機器におけるフィードバックオーバーヘッドを大幅に低減する方法が提案される。
【0050】
一般に、本明細書の実施形態によって達成されるいくつかの非限定的な例示的効果に従って、チャネル状態情報CSIレポートまたはフィードバックを介して、ユーザ機器UEから基地局gNBにおいてまたはネットワークノードにおいて取得される角度情報および遅延情報および/またはドップラー情報が含まれる。チャネル状態情報参照信号CSI-RSのダウンリンク測定値に基づき、ユーザ機器UEは、構成(設定)済みのアンテナポートに対する複素プリコーダ係数のセットを計算および報告しているので、各アンテナポートは、少なくとも1つのビームおよび1つの遅延および/または1つのドップラー成分に関連付けられると想定される。ユーザ機器UEは、角度-遅延-ドップラー領域において、多数のチャネル状態情報参照信号CSI-RSリソースまたは単一のチャネル状態情報参照信号CSI-RSリソースにまたがって、設定されたアンテナポートのプリコーダ係数のセットを決定するので、従来のリリース15およびリリース16のタイプIIコードブックとで比較して、チャネル状態情報CSIレポートのフィードバックオーバーヘッドを大幅に削減することができる。
【0051】
「プリコーディング(precoding)」という用語は「プリコーダ(precoder)」を等しく意味することに注意すべきである。従って、本開示を通じて、プリコーディングとプリコーダは互換的に使用される。
【0052】
「ビーム」という用語は、特定の係数のセットを用いてデバイス(ユーザ機器UEまたは基地局gNB)のアンテナポートで信号をプリコーディング/フィルタリングすることによって達成される、発信信号の空間的に選択的/指向的な送信または受信信号の受信を示すために使用される。プリコーディングまたはプリコーダまたはフィルタリングという言葉は、アナログ領域またはデジタル領域における信号の処理を指す場合がある。所定方向に送信/受信を空間的に向けるべく使用される係数のセットは、或る方向と別の方向とで異なる場合がある。「Txビーム」という用語は、空間的に選択/指向性のある送信を表しており、「Rxビーム」という用語は、空間的に選択/指向性のある受信を表す。送信または受信のプリコーディング/フィルタリングに使用される係数のセットは、「空間フィルタ」という用語で示される。空間フィルタ係数は、送信/受信が空間的に指向される方向を決定するので、「空間フィルタ」という用語は、本書では「ビーム方向」という用語とで互換的に使用される。
【0053】
本発明の例示的な実施形態は、本開示の背景部分で前述したように、基地局のような送信機またはトランシーバと、移動端末または定置端末またはIoTデバイスまたはユーザ機器UEのような通信デバイス(受信機)またはユーザと、を備えている
図1または
図2に描かれているような無線通信システムまたはネットワークにおいて実装され得る。
【0054】
図3を参照すると、基地局または基地局gNBのような送信機200と、基地局200によってサービスを提供されるユーザ機器UEのような複数の通信デバイス202
1~202
nと、の間で情報を通信するための無線通信システムの概略図が描かれている。基地局200およびユーザ機器UE202は、無線リンクのような無線通信リンクまたはチャネル204を介して、通信することができる。基地局200は、1つまたは複数のアンテナANT
T、または複数のアンテナ要素を有しているアンテナアレイ、および信号プロセッサ200aを備えている。ユーザ機器UE202は、1つまたは複数のアンテナANT
R、または複数のアンテナを有しているアンテナアレイ、信号プロセッサ202a
1、202a
n、およびトランシーバ202b
1、202b
nを備えている。基地局200および各々のユーザ機器UE202は、本明細書に記載される本発明の教示に従って動作することができる。
【0055】
本明細書の実施形態によれば、ユーザ機器UEは、無線通信システムにおいて、ユーザ機器UEと無線基地局または基地局gNBとの間のチャネルに関する、または同様に送信機と受信機との間のチャネルに関する、チャネル状態情報CSIレポートを生成するように構成される。チャネルはMIMOチャネルであってもよい。
【0056】
上述の送信機および/または受信機は、以下のうちの1つまたは複数を含み得る。ユーザ機器UE、または移動端末、または固定端末、またはセルラーIoTユーザ機器UE、または車両ユーザ機器UE、または車両グループリーダーGLユーザ機器UE、またはIoT、または狭帯域IoT、NB-IoT、デバイス、またはWiFi非アクセスポイントSTAtion、非AP_STA、例えば、802.11axまたは802.11be、または地上車両、または空中車両、またはドローン、または移動基地局、または道路側ユニット、または建物、またはアイテム/デバイスが無線通信ネットワークを使用して通信することを可能にするネットワーク接続性を備えたその他のアイテムまたはデバイス、例えばセンサまたはアクチュエータ、またはマクロセル基地局、またはスモールセル基地局、または基地局の中央ユニット、または基地局の分散ユニット、またはリレー、またはリモート無線ヘッド、またはAMF(アクセスアンドモビリティ管理機能)、またはSMF(セッション管理機能)、またはコアネットワークエンティティ、またはモバイルエッジコンピューティングエンティティ、または新無線NRまたは5Gコアのコンテキストにおけるネットワークスライス、またはアイテムまたはデバイスが無線通信ネットワークを使用して通信することを可能にする任意の送信/受信ポイント(TRP)であって、アイテムまたはデバイスは、無線通信ネットワークを使用して通信するためのネットワーク接続性を提供される。受信機は、ネットワークノードまたは基地局gNBまたは基地局である場合がある。逆に、送信機は、無線基地局またはネットワークノードまたは基地局gNBと見なすことができるとともに、受信機はユーザ機器UEとして見なすことができる。
【0057】
アップリンク制御情報(UCI)の省略は、アップリンク伝送のために基地局またはネットワークノードからユーザ機器に提供されるアップリンクリソースが、1つまたは複数のチャネル状態情報CSIレポートのコンテンツ全体を伝送するには十分ではない場合に発生する。チャネル状態情報CSIレポートのチャネル状態情報CSIペイロードは、報告されるプリコーダ係数の数(多数)によってユーザ機器UEが制御できる。アップリンク制御情報UCIまたはチャネル状態情報CSIの省略の場合、ユーザ機器UEは、利用可能なアップリンクリソース(例えば、利用可能な物理アップリンク共有チャネルPUSCHリソース)に基づき、1つまたは複数のチャネル状態情報CSIレポートについて報告するプリコーダ係数の数を単純に減らすことができる。しかしながら、このようなプリコーダ結合係数の数の削減は、1つまたは複数のチャネル状態情報CSIレポートに対するプリコーダベクトルまたは行列に関連する全ての基底ベクトル(ベーシスベクトル)であるプリコーダ係数の再計算を必要とするので、追加のユーザ機器UEリソースを占有していることになる。このような追加のユーザ機器UEリソースは、ユーザ機器UEにおいて利用できない場合がある。したがって、アップリンク制御情報UCI省略スキームは、1つまたは複数のチャネル状態情報CSIレポートに対する、プリコーダベクトルまたは行列の再計算を必要とすべきではない。
【0058】
以下では、本開示の詳細な実施形態に続いて、ユーザ機器UEによって実行される主な工程、およびネットワークノードによって実行される工程、が各々示される。
図4は、本明細書の実施形態に従って、無線通信ネットワークにおいてネットワークノード(基地局)にチャネル状態情報CSIレポートを生成(および送信または報告)するべく、ユーザ機器UEによって実行される主な工程を示す。ユーザ機器UEによって実行される工程は、コードブックベースのプリコーダ構造として定義することができる。ユーザ機器UEによって実行される工程は、以下を備えている。
【0059】
ステップ401:ネットワークノードから、チャネル状態情報CSIレポート構成を受信する工程。
一例として、ユーザ機器UEはネットワークノードから上位層(RRCなど)を介してチャネル状態情報CSIレポート構成(コンフィギュレーション)を提供されている。チャネル状態情報CSIレポート構成は、アンテナポートまたはチャネル状態情報参照信号CSI-RSポートの数(多数、アナンバオブ)を示す。アンテナポート、または単にポート、はチャネル状態情報参照信号CSI-RSポートのことである。以下では、アンテナポート、ポート、およびチャネル状態情報参照信号CSI-RSポート、は互換的に使用される。1つまたは複数のアンテナポートは、1つまたは複数の参照信号に関連付けられる。一例として、ユーザ機器UE(または受信機)は、MIMOチャネルを介して無線信号を受信するように構成されている。無線信号は、アンテナポートに関連付けられている1つまたは複数のチャネル状態情報参照信号CSI-RS信号(複数可)などの、1つまたは複数の参照信号を備えている。
【0060】
ステップ402:受信済みのチャネル状態情報CSIレポート構成情報に基づき、プリコーダベクトルまたは行列のランクインデックスRI送信層のためのプリコーダ係数の数(アナンバオブプリコーダ係数、多数のプリコーダ係数)を決定する工程。
【0061】
例示的な実施形態によれば、受信機またはユーザ機器UEは、受信済みの無線信号に基づき、各送信層のためのプリコーディングベクトルまたはプリコーディング行列を決定する。プリコーディングベクトルまたはプリコーディング行列は、MIMOチャネルを介する通信のために予め定義された特性を達成するように、送信機(ネットワークノードなど)で使用される。各送信層のためのプリコーディングベクトルまたは行列は、受信済みの参照信号(単数または複数)に基づき決定されており、少なくとも1つの第1基底(ベーシス)セットと、少なくとも1つの第1基底セットから選択済みの基底ベクトル(ベーシスベクトル)同士を結合するためのプリコーダ係数の数(アナンバオブプリコーダ係数、多数のプリコーダ係数)と、に基づく。あるオプションでは、各送信層のプリコーディングベクトルまたは行列は、受信済みの参照信号に基づき決定されているとともに、単一の(第1)基底セットと、その基底セットから選択済みの基底ベクトル同士を結合するためのプリコーダ係数の数(アナンバオブプリコーダ係数、多数のプリコーダ係数)と、に基づく。別のオプションでは、各送信層のプリコーディングベクトルまたは行列は、受信済みの参照信号に基づき決定されているとともに、第1基底セットと第2基底セットと、および第1と第2基底セットから選択済みの基底ベクトル同士を結合するためのプリコーダ係数の数(アナンバオブプリコーダ係数、多数のプリコーダ係数)と、に基づく。さらに別の選択肢では、各送信層のプリコーディングベクトルまたは行列は、受信済みの参照信号(単数または複数)に基づき決定されているとともに、第1基底セットと第2基底セットと第3基底セットと、第1、第2、および第3基底セットから選択済みの基底ベクトル同士を結合するためのプリコーダ係数の数(アナンバオブプリコーダ係数、多数のプリコーダ係数)と、に基づく。
【0062】
ステップ403:ランクインデックスRI層のプリコーダ係数を少なくとも2つの係数サブセットにグループ化しており、各係数サブセットは1つまたは複数のプリコーダ係数を備えている。
【0063】
例示的な実施形態によれば、各プリコーダ係数は、少なくとも2つのインデックス(l,p)に関連付けられている。第1インデックスであるlは、層インデックスである。第2インデックスであるpは、ポートインデックスである。プリコーディングベクトルまたは行列のランクインデックスRI層のためのプリコーダ係数は、チャネル状態情報CSIレポートにおいて、多数の重複しない係数サブセットA={A0,A1,…,AN-1}にグループ化される。各係数サブセットAiは、多数のポートインデックスに関連付けられたランクインデックスRI層のプリコーダ係数を備えて構成される。
【0064】
ステップ404:複数の係数サブセットに、すなわち2つ以上の係数サブセットに、順序付けを割り当てる。各サブセット内の1つまたは複数のプリコーダ係数に、順序付けを割り当てる。
【0065】
ステップ405:複数の係数サブセットを、関連する優先レベルを有している2つ以上のチャネル状態情報CSIグループに分割する。
例示的な実施形態によれば、複数の係数サブセットにすなわち2つ以上の係数サブセットに対する順序付けと、各サブセット内の1つまたは複数のプリコーダ係数に対する順序付けと、が割り当てられる。複数の係数サブセットは、順序付け(オーダーリング)に関して順序付け(オーダード)されている。各サブセット内のプリコーダ係数は順序付けに関して順序付けされる。複数の係数サブセットは、2つ以上のチャネル状態情報CSIグループに分割またはセグメント化されている。各チャネル状態情報CSIレポートおよび各チャネル状態情報CSIグループは、優先レベルに関連付けられる。いくつかの例では、チャネル状態情報CSIレポート内の係数サブセットの順序付けは、増加する係数サブセットインデックスに関する。
【0066】
ステップ406:チャネル状態情報CSIパート1およびチャネル状態情報CSIパート2を備えているチャネル状態情報CSIレポートを生成する工程である。チャネル状態情報CSIパート1は、固定ペイロードサイズを有しているとともに、チャネル状態情報CSIパート2のペイロードサイズを示す情報を備えている。チャネル状態情報CSIパート2は、2つ以上のチャネル状態情報CSIグループのうちの少なくとも1つのグループのプリコーダ係数を備えている。
【0067】
例示的な実施形態によれば、チャネル状態情報CSIレポートは、選択済みのプリコーディングベクトルまたは行列を、プリコーディング行列インデックスPMIと、プリコーディングベクトルまたは行列のランクインデックスRI層の送信ランクを示すランク識別子またはランクインデックスRIと、の形式で備えている。各チャネル状態情報CSIレポートは、2つの部分を、すなわちチャネル状態情報CSIパート1およびチャネル状態情報CSIパート2を、備えて構成される。チャネル状態情報CSIパート1は固定ペイロードサイズを持つとともに、チャネル状態情報CSIパート2のペイロードサイズを示す情報を備えて構成される。チャネル状態情報CSIパート2は、少なくとも、チャネル状態情報CSIレポートの2つ以上のチャネル状態情報CSIグループのうちの少なくとも1つのグループの選択済みのプリコーダ係数の振幅および位相情報を備えて構成される。
【0068】
ステップ407:アップリンク(UL)チャネルを介して、1つまたは複数のチャネル状態情報CSIレポート(複数可)を備えているアップリンク制御情報(UCI)を、ネットワークノードまたはgNBに送信または報告する。
【0069】
したがって、受信機(またはユーザ機器UE)は、1つまたは複数のチャネル状態情報CSIレポートを生成する。チャネル状態情報CSIレポートは、プリコーディングベクトルまたは行列のプリコーダ係数を備えている2つまたは複数のチャネル状態情報CSIグループのうちの少なくとも1つのチャネル状態情報CSIグループを備えている。受信機は、1つまたは複数のチャネル状態情報CSIレポート(複数可)の形式で、アップリンクチャネルを介して、送信機にフィードバックを報告する。フィードバックは、受信機(またはユーザ機器UE)によって決定された各送信層のプリコーディングベクトルまたはプリコーダ行列を示す。
【0070】
別の例示的な実施形態によれば、ユーザ機器UEによって実行される方法が提供されており、前記方法は以下を備えている。
ネットワークノードから、MIMOチャネルを介して無線信号を受信する工程。無線信号は、1つまたは複数のチャネル状態情報参照信号CSI-RSリソース構成(複数可)に従ったチャネル状態情報参照信号CSI-RS信号(複数可)を備えている。チャネル状態情報参照信号CSI-RS信号は、設定済みの周波数(および/または時間)領域リソースの数(多数、アナンバオブ)にわたって、および1つまたは複数のアンテナポートまたは1つまたは複数のチャネル状態情報参照信号CSI-RSポートにわたって、提供される。
チャネル状態情報CSIレポート構成に基づき、プリコーダベクトルまたは行列のランクインデックスRI送信層のためのプリコーダ係数の数(多数、アナンバオブ)を決定する工程。
ランクインデックスRI層のプリコーダ係数を、少なくとも2つの係数サブセットにグループ化する工程。各係数サブセットは、1つまたは複数のプリコーダ係数を備えて構成される。
複数の係数サブセットに順序付けを割り当てるとともに、各サブセット内の1つまたは複数のプリコーダ係数に順序付けを割り当てる工程。
前記複数の係数サブセットを、関連する優先レベルを有している2つ以上のチャネル状態情報CSIグループに分割する工程。
チャネル状態情報CSIパート1およびチャネル状態情報CSIパート2を備えているチャネル状態情報CSIレポートを生成する工程。チャネル状態情報CSIパート1は固定ペイロードサイズを有しているとともに、チャネル状態情報CSIパート2のペイロードサイズを示す情報を備えている。チャネル状態情報CSIパート2は、2つ以上のチャネル状態情報CSIグループのうちの少なくとも1つのグループのプリコーダ係数を備えている。
アップリンクULチャネルを介して、1つまたは複数のチャネル状態情報CSIレポートを備えているアップリンク制御情報(UCI)を、ネットワークノードに送信または報告する工程。方法はこれら工程を備えている。
【0071】
以下の実施形態では、各チャネル状態情報参照信号CSI-RSまたはアンテナポートのリソースは、ネットワークノードまたは基地局において、空間領域および遅延領域および/またはドップラー領域で、プリコーディングまたはビームフォーミングされると仮定する。したがって、ユーザ機器UEにおけるチャネル状態情報CSIレポートに使用されるプリコーダは、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルとの間の角度と遅延および/またはドップラーの相互性の特性を利用するコードブックに基づく。しかしながら、プリコーダの定式化を備えている以下の実施形態は、空間領域および遅延領域および/またはドップラー領域において、ネットワークノードまたは基地局における非プリコード/非ビームフォーミングアンテナポートまたはチャネル状態情報参照信号CSI-RSに対しても有効である。
【0072】
<チャネル状態情報CSIレポートのためのプリコーダの定式化>
以下のオプション1では、プリコーダは単一のコードブックまたは基底セットと、コードブックまたは基底セットから選択済みの基底ベクトル同士を結合するべく使用される多数のプリコーダまたは結合係数と、に基づく。各基底ベクトルは、チャネル状態情報参照信号CSI-RSまたはアンテナポートの周波数および時間領域リソースのフルセットに関連付けられるか、またはチャネル状態情報CSI測定のためにユーザ機器UEによって使用されるチャネル状態情報参照信号CSI-RSまたはアンテナポートの周波数および時間領域リソースの適切なサブセットに関連付けられる。一部の例では、各基底ベクトルは、チャネル状態情報参照信号CSI-RSまたはアンテナポートの、周波数および時間領域リソースのフルセットに関連付けられる。このような場合、コードブックまたは基底セット内の基底ベクトルの総数は、チャネル状態情報CSI測定のためにユーザ機器UEによって使用されるチャネル状態情報参照信号CSI-RSまたはアンテナポートの数を定義する。
【0073】
<オプション1:単一の基底セットに基づくプリコーダ構造>
実施形態に従って、送信層のためのプリコーディングベクトルは、P個の基底ベクトルからなる第1基底セットから選択済みのP′個の基底ベクトルであって、P′<PまたはP′≦PまたはP′=Pである、P′個の基底ベクトルと、第1基底セットから選択済みの基底ベクトル同士を結合するためのプリコーダ係数のセットと、に基づく。いくつかの例では、上記で説明したように、リソースは、チャネル状態情報参照信号CSI-RSまたはアンテナポートの数PCSI-RSに関連付けられる。いくつかの例では、上記で説明したように、リソースは、P>PCSI-RSとなるように、PCSI-RSのチャネル状態情報参照信号CSI-RSまたはアンテナポートに関連付けられてもよい。そのような場合、第1基底セットの少なくとも1つの基底ベクトルは、チャネル状態情報参照信号CSI-RSまたはアンテナポートのリソースの適切なサブセットに関連付けられてもよい。第l送信層のプリコーディングベクトルまたは行列Wlは、次式で定義される。
【0074】
【0075】
ここで、
W1,lは、第1基底セットから選択済みのP′個の基底ベクトルからなる行列である。
【0076】
W2,lは係数行列である。
bl,pは、第1基底セットから選択済みのP×1(壱)の基底ベクトルである。
b1,l,pは、第1基底セットから選択済みのP×1(壱)の基底ベクトルであり、アンテナポートの第1偏波に関連する。
【0077】
b2,l,pは、第1基底セットから選択済みのP×1の基底ベクトルであり、アンテナポートの第2偏波に関連付けられている。
cl,pは、複素プリコーダ係数または結合係数である。
【0078】
実施形態に従って、第1基底セットの各基底ベクトルは、サイズP×1であるとともに、1である単一の要素を除く全ゼロベクトルによって定義される。第1基底セットは、P×Pの恒等行列によって定義される。パラメータPは、ネットワークノードから上位層を介してユーザ機器に設定または指示される場合がある。Pは、任意の適切な値をとることができ、整数値である。
【0079】
一実施形態によれば、チャネル状態情報CSIレポート構成(設定)は、チャネル状態情報参照信号CSI-RSのまたはアンテナポートの数を示すパラメータPCSI-RSを備えて構成される。ユーザ機器UEは、PCSI-RS個のアンテナポートでチャネル測定を実行することと、ランクインデックスRI伝送層のプリコーダベクトルまたは行列を決定することと、チャネル状態情報CSIレポートにランクインデックスRI伝送層のプリコーダベクトルまたは行列を示すことと、を行なうように構成される。
【0080】
実施形態に従って、パラメータPは、設定されたチャネル状態情報参照信号CSI-RSのまたはアンテナポートの数PCSI-RSに依存することができる。例示的な実施形態では、P=PCSI-RSである。第1基底セットからの各基底ベクトルは、単一のアンテナポートに関連付けられる。例示的な実施形態では、P=PCSI-RS/2である。第1基底セットからの各基底ベクトルは2つのアンテナポートに関連付けられており、2つのアンテナポートは2つの異なる偏波に関連付けられる。いくつかの例では、PCSI-RS/2個のアンテナポートは第1偏波に関連付けられており、PCSI-RS/2個のアンテナポートは第2偏波に関連付けられる。
【0081】
各送信層のプリコーディングベクトルまたは行列は、第1基底セットからのP′個の選択済みの基底ベクトルに基づく。第1基底セットの各ベクトルが異なる偏波の2つのアンテナポートのリソースに関連付けられる場合、選択は偏波共通である。第1基底セットの各ベクトルが単一のアンテナポートのリソースに関連付けられる場合、選択は偏波非依存である。
【0082】
実施形態に従って、チャネル状態情報CSIレポートに示される各プリコーディングベクトルまたは行列は、(例えば、チャネル状態情報参照信号CSI-RSまたはアンテナポートの数PCSI-RSに関して)多数の周波数単位/物理リソースブロックPRBまたは周波数領域サブバンドおよび空間単位にわたって、定義される。
【0083】
実施形態に従って、l(小文字エル)=0,…,ν-1のプリコーディングベクトルまたは行列Wlの列はノルム1(壱。ワン)に正規化されている。νは送信プリコーディングベクトルまたはプリコーディング行列の全体的なランクを示す。
【0084】
以下では、ν≧1となる高ランクのチャネル状態情報CSIレポートを考える。ここで、νはランク、または単にランクインデックスRI値を示しており、チャネル状態情報CSIレポートに示されるプリコーディング行列の層数を示す。プリコーディング行列のν個の層は、層インデックスl=0,1,…,ν-1によって示される。
【0085】
実施形態に従って、プリコーダ定式化のオプション1によるプリコーディングベクトルまたは行列の各プリコーダ係数(振幅および/または位相)は、第1基底セットの基底ベクトルに関連付けられる。さらに、各プリコーダ係数は2つのインデックス(l,p)に関連付けられている。第1インデックスであるlは、層インデックスである。第2インデックスであるpは、ポートインデックスである。p=0,…,P′-1またはp=0,…,2P′-1である。プリコーダ係数選択が偏波非依存である場合、ポートインデックスの範囲はp=0,…,P′-1で定義される一方、プリコーダ係数選択が偏波共通である場合、ポートインデックスの範囲はp=0,…,2P′-1で定義されることに注意されたい。いくつかの例では、層のプリコーダ係数は、サイズP′×1または2P′×1の係数行列W2,lにスタックされる。W2,lのサイズは、第1基底セットのP′個の選択済みの基底ベクトルの選択が偏波非依存であるとき、P′×1である。W2,lのサイズは、第1基底セットのP′個の選択済みの基底ベクトルの選択が偏波共通であるとき、2P′×1である。
【0086】
いくつかの例では、ポートの数P′は層インデックスに依存しており、プリコーダベクトルまたは行列の異なる層に対して異なる場合があることに注意されたい。このような場合、上記で使用されたパラメータP′は、Pl′で置き換えられる。Pl′は、層インデックスlに対する第1基底セットからの選択済みの基底ベクトルの数を示す。層毎の基底ベクトルの数は、上位層を介して(例えば、チャネル状態情報CSIレポート設定を介して)ユーザ機器UEに設定され得るかまたはユーザ機器UEによって選択されているとともに、暗黙的または明示的に(チャネル状態情報CSIレポートの一部として)基地局またはネットワークノードに報告され得る。
【0087】
例示的な実施形態において、アンテナポートまたはチャネル状態情報参照信号CSI-RSポートがプリコーディングされていないかまたはビームフォーミングされていない場合、第1基底セットは、恒等行列の代わりに2次元離散フーリエ変換2D-DFT行列によって与えられる。第1基底セットからの各選択済みのベクトルbl,pは、代替的に空間ビームまたは空間ビームベクトルと呼ばれ得る。
【0088】
例示的な実施形態では、アンテナポートまたはチャネル状態情報参照信号CSI-RSポートがプリコーディングされないかまたはビームフォーミングされない場合、アンテナポートまたはチャネル状態情報参照信号CSI-RSポートの偏波毎の第1基底セットからの選択済みの空間ビームベクトルまたは単にベクトルの数bl,pは、L/2またはLのいずれかである。
【0089】
次のオプション2では、プリコーダは、多数(の数、アナンバオブ)の基底ベクトルと、2つの基底セットからの基底ベクトル同士を結合するための多数(の数、アナンバオブ)のプリコーダまたは結合係数と、に基づく。基底ベクトルは、第1基底セットと第2基底セットとから選択される。第1基底セットの各基底ベクトルは、全ての周波数および時間領域リソースに、またはチャネル状態情報参照信号CSI-RSまたはアンテナポートの周波数および時間領域リソースの適切なサブセットに、関連付けられる。第2基底セットの各基底ベクトルは、周波数領域サブバンドの、物理リソースブロック(PRB)の、またはプリコーダユニットの、数N3に関連付けられる。
【0090】
<オプション2:2つの基底セットに基づくプリコーダ構造>
実施形態に従って、伝送層のためのプリコーディングベクトルは、P′個の基底ベクトルと、D′個の基底ベクトルと、プリコーダ係数のセットと、に基づく。P′個の基底ベクトルは、P個の基底ベクトルからなる第1基底セットから選択済みのP′個の基底ベクトルであって、P′<PまたはP′≦PまたはP′=Pである。D′個の基底ベクトルは、D個の基底ベクトルからなる第2基底セットから選択済みのD′個の基底ベクトルであって、D′<DまたはD′≦DまたはD′=Dである。プリコーダ係数のセットは、第1および第2基底セットから選択済みの基底ベクトル同士を結合するためのプリコーダ係数のセットである。
【0091】
各送信層のためのプリコーディングまたはプリコーダベクトルまたはプリコーディング行列は、第1基底セットからのP′個の選択済みの基底ベクトルに基づく。選択は、第2基底セットの各ベクトルが、異なる偏波の2つのアンテナポートに関連付けられている場合には偏波共通である一方、第1基底セットの各ベクトルが、単一のアンテナポートに関連付けられている場合には偏波非依存である。
【0092】
例示的な実施形態では、プリコーダ定式化のオプション2について、第1基底セットから選択される基底ベクトルの数P′は、層インデックスに依存しているので、プリコーダベクトルまたは行列のランクインデックスRI層同士間で異なることがある。このような場合、上記で使用されたパラメータP′はPl′に置き換えられる。Pl′は、層インデックスlに対する第1基底セットから選択済みの基底ベクトルの数を示す。層毎の基底ベクトルの数は、上位層を介して(例えば、チャネル状態情報CSIレポート構成(設定)を介して)ユーザ機器UEに設定することができ、またはユーザ機器UEによって選択されることができるとともに、暗黙的または明示的に(チャネル状態情報CSIレポートの一部として)基地局またはネットワークノードに報告することができる。
【0093】
一実施形態に従って、チャネル状態情報CSIレポートに示される各プリコーディングベクトルまたは行列は、周波数単位/物理リソースブロックPRBの数または周波数領域サブバンド(例えば、サブバンドの数N3に関して)の数にわたって、および空間単位(例えば、チャネル状態情報参照信号CSI-RSの数に関して、またはアンテナポートの数PCSI-RSに関して)の数にわたって、定義される。
【0094】
実施形態に従って、第2基底セットからの各基底ベクトルは、サイズN3×1の離散フーリエ変換DFTベクトルまたは逆離散フーリエ変換IDFTベクトルによって定義される。各離散フーリエ変換DFTベクトルまたは逆離散フーリエ変換IDFTベクトルは、N3個のサブバンドまたは物理リソースブロックPRBまたは周波数単位にわたる線形位相シフトを定義しており、したがって、変換(遅延または時間)領域において遅延値に関連付けられる。第2基底セットは、D個の基底ベクトルを備えて構成されてよいとともに、サイズN3×1のN3個の離散フーリエ変換DFTベースまたは逆離散フーリエ変換IDFTベースのベクトルを備えて構成される基底セットのサブセットである。D<N3である。N3は、ユーザ機器UEに設定されたまたはユーザ機器UEによって報告済みのチャネル状態情報CSIレポートに使用されるサブバンドの、または物理リソースブロックPRBの、または周波数領域単位/構成要素の、数である。DおよびN3は、任意の適切な値を取り得る。
【0095】
一実施形態によれば、ネットワークノードからユーザ機器UEによって受信済みのチャネル状態情報CSIレポート構成(設定)は、パラメータD(第2基底セットのサイズ)を示すことからなる場合がある。第2基底セットの基底ベクトルは、N3個の基底ベクトルからなる基底セットのサブセットである。D<N3である。第2基底セットのD個の基底ベクトルは、N3×N3個の離散フーリエ変換DFTベースまたは逆離散フーリエ変換IDFTベースの行列[a0,a1,…,aN3-1]のD個の離散フーリエ変換DFTベクトルまたは逆離散フーリエ変換IDFTベクトルによって与えられる。
【0096】
実施形態に従って、プリコーディングベクトルまたは行列Wlの列は、l=0,…,ν-1についてノルム1(壱)に正規化されている。ここで、νは、送信プリコーディングベクトルまたはプリコーディング行列の全体的なランクを示す。
【0097】
以下では、ν≧1となる高ランクのチャネル状態情報CSIレポートが考慮される。ここで、νはランク、または単にランクインデックスRI値を示しているとともに、チャネル状態情報CSIレポートに示されるプリコーディング行列の層数を示す。プリコーディング行列のν個の層は、層インデックスl=0,1,…,ν-1によって示される。
【0098】
実施形態によれば、各送信層の送信層のためのプリコーディングベクトルまたはプリコーディング行列は、第2基底セットから選択済みのD′(D′≦D、またはD′<D)個またはD個の基底ベクトルと、第1基底セットから選択済みのP′(P′≦P、またはP′<P)個またはP個の基底ベクトルと、および第1および第2基底セットから選択済みのベクトル同士を結合するためのプリコーダまたは結合係数のセットと、に基づく。プリコーディングベクトルまたはプリコーディング行列Wlは、第l(小文字エル)伝送層の周波数単位/物理リソースブロックPRBまたは周波数領域サブバンドの数(N3)(多数)および空間単位(P)にわたって定義される。いくつかの例では、第l(小文字エル)送信層のためのプリコーディングベクトルまたはプリコーディング行列Wlは、以下によって定義され得る。
【0099】
【0100】
ここで、
W1,lは、第1基底セットから選択済みのP′個の基底ベクトルからなる行列である。
【0101】
W2,lは係数行列である。
Wf,l
Hは、第2基底セットからのD′個、D個、またはD個未満、の基底ベクトルからなる行列である。
【0102】
bl,pは第1基底セットからのP×1ベクトルである。
al,p,dは第2基底セットからのN3×1の基底ベクトルである。
cl,p,dは複素プリコーダ係数または結合係数(コンバイニングエフィシエント)である。
【0103】
実施形態に従って、プリコーダ定式化のオプション2によるプリコーディングベクトルまたは行列の各プリコーダ係数(振幅および/または位相)は、第1基底セットの基底ベクトルおよび第2基底セットの基底ベクトルに関連付けられる。各プリコーダ係数は3つのインデックス(l,p,d)に関連付けられている。第1インデックスlは層インデックスである。第2インデックスpはポートインデックスである。p=0,…,P′-1またはp=0,…,2P′-1である。第3インデックスdは遅延インデックスである。d=0,…,D′-1である。いくつかの例では、層のプリコーダ係数は、サイズP′×D′または2P′×D′の係数行列W2,lにスタックされる。W2,lのサイズは、第1基底セットからのP′個の基底ベクトルの選択が偏波非依存である場合、P′×D′である。W2,lのサイズは、第1基底セットからのP′個の基底ベクトルの選択が偏波共通である場合、2P′×D′である。
【0104】
例示的な実施形態では、D′=Dである。係数行列W2,lの第2次元は、第2基底セットにおける基底ベクトルの総数によって定義される。係数行列の各列は、第2基底セットからの単一の基底ベクトルに関連付けられる。
【0105】
例示的な実施形態では、P′=Pである。係数行列W2,lの第1次元はPまたは2Pである。係数行列の各行は、第1基底セットからの単一の基底ベクトルに関連付けられる。
【0106】
例示的な実施形態において、アンテナポートまたはチャネル状態情報参照信号CSI-RSポートがプリコーディングされないかまたはビームフォーミングされないとき、第1基底セットは、恒等行列の代わりに2次元離散フーリエ変換2D-DFT行列によって与えられる。第1基底セットからの各選択済みのベクトルbl,pは、代替的に空間ビームまたは空間ビームベクトルと呼ばれ得る。
【0107】
例示的な実施形態において、アンテナポートまたはチャネル状態情報参照信号CSI-RSがプリコーディングされていないかまたはビームフォーミングされていない場合、偏波毎の第1基底セットからの選択済みのベクトルbl,pの数は、L/2またはLによって与えられる。
【0108】
<オプション3:3つの基底セットに基づくプリコーダ構造>
実施形態によれば、送信層のプリコーディングベクトルは、P個の基底ベクトルからなる第1基底セットから選択済みのP′個の基底ベクトル(ここで、P′<PまたはP′≦PまたはP′=P)と、D個の基底ベクトルからなる第2基底セットから選択済みのD′個の基底ベクトル(ここで、D′<DまたはD′≦DまたはD′=D)と、E個の基底ベクトルからなる第3基底セットから選択済みのE′個の基底ベクトル(ここで、E′<EまたはE′≦EまたはE′=E)と、第1および第2および第3基底セットから選択済みの基底ベクトル同士を結合するためのプリコーダ係数のセットと、に基づく。
【0109】
各送信層のプリコーディングまたはプリコーダベクトルまたはプリコーディング行列は、第1基底セットから選択済みのP′個の基底ベクトルに基づく。第1基底セットから選択済みの各ベクトルが異なる偏波の2つのアンテナポートに関連付けられている場合、選択は偏波共通である。第1基底セットから選択済みの各ベクトルが単一のアンテナポートおよび偏波に関連付けられている場合、選択は偏波非依存である。
【0110】
例示的な実施形態では、第1基底セットから選択済みの基底ベクトルの数P′は、層インデックスに依存しているとともに、プリコーダベクトルまたは行列のランクインデックスRI層同士間で異なることができる。このような場合、上記で使用されたパラメータP′は、Pl′に置き換えられる。Pl′は、層インデックスlに対する第1基底セットからの選択済みの基底ベクトルの数を示す。層毎の基底ベクトルの数は、上位層を介して(例えば、チャネル状態情報CSIレポート構成を介して)ユーザ機器UEに構成され得るかまたはユーザ機器UEによって選択されており、暗黙的または明示的に(チャネル状態情報CSIレポートの一部として)基地局またはネットワークノードに報告され得る。
【0111】
実施形態に従って、チャネル状態情報CSIレポートに示される各プリコーディングベクトルまたは行列は、多数(の数)の周波数単位/物理リソースブロックPRBまたは周波数領域サブバンド(例えば、多数(の数)のサブバンドN3に関して)および空間単位(例えば、多数のチャネル状態情報参照信号CSI-RSまたはアンテナポートPCSI-RSに関して)にわたって、定義される。
【0112】
一実施形態によれば、第2基底セットからの各基底ベクトルは、サイズN3×1の離散フーリエ変換DFTベクトルまたは逆離散フーリエ変換IDFTベクトルによって定義される。各離散フーリエ変換DFTベクトルまたは逆離散フーリエ変換IDFTベクトルは、N3個のサブバンドまたは物理リソースブロックPRBまたは周波数単位にわたる線形位相シフトを定義しているので、したがって、変換(遅延または時間)領域において遅延値に関連付けられる。第2基底セットは、D個の基底ベクトルを備えて構成されてもよいとともに、サイズN3×1のN3個の離散フーリエ変換DFTベースまたは逆離散フーリエ変換IDFTベースのベクトル(たとえば、オーバーサンプリングされた離散フーリエ変換DFTベースの行列)を備えて構成される基底セットのサブセットである。D<N3である。N3は、ユーザ機器UEに対して設定(構成)されたまたはユーザ機器UEによって報告済みのチャネル状態情報CSIレポートに使用される、サブバンドまたは物理リソースブロックPRBまたは周波数領域単位/構成要素の数である。DおよびN3は、任意の適切な値をとることができる。
【0113】
実施形態に従って、ネットワークノードからユーザ機器UEによって受信済みのチャネル状態情報CSIレポート構成は、パラメータD(第2基底セットのサイズ)を示すことを含み得る。第2基底セットの基底ベクトルは、N3個またはN3Q3個またはN3Q3-1個の基底ベクトルからなる基底セットのサブセットである。D<N3である。Q3はオーバーサンプリング係数を示す。いくつかの例では、第2基底セットのD個の基底ベクトルは、N3×N3離散フーリエ変換DFTベースまたは逆離散フーリエ変換IDFTベースまたは回転されたN3×N3離散フーリエ変換DFTベースまたは逆離散フーリエ変換IDFTベースの行列[a0,a1,…,aN3-1]のD個の離散フーリエ変換DFTベクトルまたは逆離散フーリエ変換IDFTベクトルによって与えられる。いくつかの例では、第2基底セットのD個の基底ベクトルは、オーバーサンプリングされたN3×N3Q3またはN3×N3Q3-1離散フーリエ変換DFTベースまたは逆離散フーリエ変換IDFTベースの行列のD個の離散フーリエ変換DFTベクトルまたは逆離散フーリエ変換IDFTベクトルによって与えられる。
【0114】
実施形態に従って、第3基底セットからの各基底ベクトルは、サイズN4×1の離散フーリエ変換DFTベクトルまたは逆離散フーリエ変換IDFTベクトルによって定義される。各離散フーリエ変換DFTベクトルまたは逆離散フーリエ変換IDFTベクトルは、N4個の時間インスタントにわたって線形位相シフトを定義しており、したがって、変換済みの時間領域においてドップラー値に関連付けられる。第3基底セットは、E個の基底ベクトルを備えて構成されてもよく、サイズN4×1のN4個またはN4Q4個またはN4Q4-1個の離散フーリエ変換DFTベースまたは逆離散フーリエ変換IDFTベースのベクトルを備えて構成される基底セットのサブセットである。E<N4またはE=N4である。N4は、ユーザ機器UEに設定されたまたはユーザ機器UEによって報告済みのチャネル状態情報CSIレポートに使用される、時間インスタント/ドップラー成分の数である。Q4は、オーバーサンプリング係数Eである。N4は、任意の適切な値を取り得る。
【0115】
一実施形態に従って、ネットワークノードからユーザ機器UEによって受信済みのチャネル状態情報CSIレポート構成は、パラメータE(第3基底セットのサイズ)を示すことを含み得る。第3基底セットの基底ベクトルは、N4個の基底ベクトルからなる基底セットのサブセットである。E<N4である。第3基底セットのE個の基底ベクトルは、N4×N4の離散フーリエ変換DFTベースまたは逆離散フーリエ変換IDFTベースのまたは回転されたN4×N4の離散フーリエ変換DFTベースまたは逆離散フーリエ変換IDFTベースの行列[d0,d1,…,dN4-1]の、E個の離散フーリエ変換DFTベクトルまたは逆離散フーリエ変換IDFTベクトルによって与えられる。いくつかの例では、第3基底セットのE個の基底ベクトルは、オーバーサンプリングされたN4×N4Q4またはN4×N4Q4-1DFTベクトルまたは逆離散フーリエ変換IDFTベースの行列のE個の離散フーリエ変換DFTまたは逆離散フーリエ変換IDFTベクトルによって与えられる。
【0116】
実施形態に従って、プリコーディングベクトルまたは行列Wlの列は、l=0,…,ν-1についてノルム1(壱)に正規化されている。ここでνは、送信プリコーディングベクトルまたはプリコーディング行列の全体的なランクを示す。
【0117】
以下では、ν≧1となる高ランクのチャネル状態情報CSIレポートを考える。ここで、νはランクを、または単にランクインデックスRI値を示しているとともに、チャネル状態情報CSIレポートに示されるプリコーディング行列の層数を示す。プリコーディング行列のν個の層は、層インデックスl=0,1,…,ν-1によって示される。
【0118】
実施形態によれば、各送信層の送信層のためのプリコーディングベクトルまたはプリコーディング行列は、第2基底セットから選択済みのD′(D′≦D、またはD′<D)個またはD個の基底ベクトルと、および/または第3基底セットから選択済みのE′(E′≦E、またはE′<E)個またはE個の基底ベクトルと、第1基底セットから選択済みのP′(P′≦P、またはP′<P)個またはP個の基底ベクトルと、および、第1および第2および/または第3基底セットから選択済みのベクトル同士を結合するためのプリコーダまたは結合係数のセットと、に基づく。プリコーディングベクトルまたはプリコーディング行列Wlは、第l伝送層のために、周波数単位/物理リソースブロックPRBまたは周波数領域サブバンドの数(N3)にわたって、および/または時間インスタントの数(N4)および空間ユニット(P)にわたって、定義される。いくつかの例では、第l送信層および第t時間インスタント(瞬間、インスタンス)に対するプリコーディングベクトルまたはプリコーディング行列Wl,tは、次式によって定義され得る。
【0119】
【0120】
ここで、
bl,pは、第1基底セットからのP×1ベクトルである。
al,p,dは第2基底セットからのN3×1基底ベクトルである。
【0121】
【0122】
は、第3基底セットから選択済みの第n4,l,p,d基底ベクトル/時間領域成分の第t成分/エントリ(t=0,1,…,N4-1)である。および
cl,p,d,nは複素プリコーダ係数または結合係数である。
【0123】
例示的な実施形態では、選択済みの遅延の数D′またはDは、ドップラー成分の数E′またはEに等しい。
実施形態に従って、プリコーダ定式化のオプション3によるプリコーディングベクトルまたは行列の各プリコーダ係数(振幅および/または位相)は、第1基底セットの基底ベクトルと、第2基底セットの基底ベクトルと、および第3基底セットの基底ベクトルと、に関連付けられる。各プリコーダ係数は4つのインデックス(l,p,d,n)に関連付けられている。第1インデックスlは層インデックスである。第2インデックスpはポートインデックスである。p=0,…,P′-1またはp=0,…,2P′-1である。第3インデックスdは遅延インデックスである。d=0,…,D′-1である。第4インデックスnはドップラー成分インデックスである。n=0,…,E′-1である。
【0124】
例示的な実施形態では、D′個の選択済みの遅延とE′個のドップラー成分とに対して、各空間ビームまたは選択済みのチャネル状態情報参照信号CSI-RSまたはアンテナポートに対する、プリコーダ係数の数はD′またはE′のいずれかである。各プリコーダ係数は、遅延およびドップラーインデックスのペア(d,n)に関連付けられる。以下、簡単のため、プリコーダ係数cl,p,d,nはcl,p,dで示されている。dは、遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーインデックスペアを示す。
【0125】
以下の実施形態では、各ビームフォーミングまたは非ビームフォーミングチャネル状態情報参照信号CSI-RSまたはアンテナポートに対する遅延およびドップラー成分の数は、D′で与えられると仮定する。
【0126】
いくつかの例では、層のプリコーダ係数は、サイズP′×D′または2P′×D′の係数行列W2,lにスタックされる。W2,lのサイズは、第1基底セットからのP′個の基底ベクトルの選択が偏波非依存である場合、P′×D′である。W2,lのサイズは、第1基底セットからのP′個の基底ベクトルの選択が偏波共通である場合、2P′×D′である。
【0127】
例示的な実施形態では、D′=Dである。次に、係数行列W2,lの第2次元は、第2基底セットにおける基底ベクトルの総数によって定義される。係数行列の各列は、第2基底セットからの単一の基底ベクトルに関連付けられる。
【0128】
例示的な実施形態では、P′=Pである。係数行列W2,lの第1次元は、Pまたは2Pである。係数行列の各行は、第1基底セットからの単一の基底ベクトルに関連付けられる。
【0129】
例示的な実施形態では、プリコーダの定式化のオプション1とオプション2とオプション3について、第1基底セットから選択される基底ベクトルの数P′は層インデックスに依存しているので、プリコーダベクトルまたは行列のランクインデックスRI層同士間で異なることがある。このような場合、Pl′は第l層の基底ベクトルの数を表す。層毎の基底ベクトルの数は、上位層を介して(例えば、チャネル状態情報CSIレポート構成を介して)ユーザ機器UEに設定することも、またはユーザ機器UEによって選択されるとともに暗黙的または明示的に基地局またはネットワークノードに報告されることも、できる。
【0130】
<サブバンドの数:>
実施形態に従って、ユーザ機器UEは、上位層構成パラメータ、
【数10】
としてのチャネル品質インデックスCQIサブバンドの数N
CQIに基づき、第1基底セットN
3の次元を決定するように構成されている。ここで、Q≧1およびQは、ユーザ機器UEによってチャネル状態情報CSIレポートに示される。
【0131】
一実施形態に従って、ユーザ機器UEは、パラメータQと、チャネル品質インデックスCQIサブバンドの数N
CQIと、に基づき
【数11】
として第1基底セットN
3の次元を決定するように構成されている。パラメータQは、ユーザ機器UEに構成される上位層であるか、またはユーザ機器UEに既知であり、例えば、新無線NR仕様において固定される。
【0132】
<アップリンク制御情報UCIの省略>
実施形態に従って、アップリンクリソースまたはアップリンク制御情報(UCI)は、1つまたは複数の縮小サイズのチャネル状態情報CSIレポート(複数可)を含み得る。アップリンク制御情報UCIは、アップリンク制御情報UCIまたはチャネル状態情報CSIパート1およびアップリンク制御情報UCIまたはチャネル状態情報CSIパート2を備えて構成され得る。いくつかの例では、アップリンク制御情報UCIまたはチャネル状態情報CSIパート1は、1つまたは複数のチャネル状態情報CSIレポート(単数または複数)のプリコーダベクトルまたは行列の層毎または全層にわたるプリコーダ(振幅および/または位相)係数の数の表示を備えていることがある。いくつかの例では、アップリンク制御情報UCIまたはチャネル状態情報CSIパート1は、1つまたは複数のチャネル状態情報CSIレポートのランク表示またはランクインデックス(RI)を備えていることができるとともに、チャネル状態情報CSIレポート内のプリコーダベクトルまたは行列の層数を示すことがある。
【0133】
実施形態に従って、ユーザ機器UEは、1つまたは複数のチャネル状態情報CSIレポートのアップリンク送信のために、基地局からアップリンクリソース割り当てを受信するように構成される。ユーザ機器UEは、リソース割り当てのサイズが、チャネル状態情報CSIレポートのコンテンツ全体を伝送するのに十分ではないと判断する場合がある。そのような場合、ユーザ機器UEはチャネル状態情報CSIまたはアップリンク制御情報UCI省略手順を実行することで、アップリンクリソース割り当て内に収まる1つまたは複数の縮小サイズチャネル状態情報CSIレポートを決定することができる。1つまたは複数の縮小サイズチャネル状態情報CSIレポートは、アップリンクチャネルを介して基地局に送信されることがある。
【0134】
一実施形態では、チャネル状態情報CSI省略手順は、1つまたは複数のチャネル状態情報CSIレポートのプリコーダの振幅係数および位相係数または結合係数の一部を削除することに基づく。つまり、ユーザ機器UEは、1つまたは複数のチャネル状態情報CSIレポートの一部を省略するように構成されており、それによって、基地局へのアップリンクチャネルを介した送信のために、1つまたは複数の縮小されたサイズのチャネル状態情報CSIレポートを提供する。
【0135】
実施形態に従って、結合係数またはプリコーダ係数を備えている複数の係数サブセットは、各チャネル状態情報CSIレポートについて、チャネル状態情報CSI省略のために2つ以上のチャネル状態情報CSIグループにセグメント化される。係数サブセットおよびプリコーダ係数に対して、或る順序付けが適用される。係数サブセットは、2つ以上のチャネル状態情報CSIグループにセグメント化または分割される。さらに、各チャネル状態情報CSIレポートおよび各チャネル状態情報CSIグループは、優先レベルに関連付けられることがある。
【0136】
一実施形態では、チャネル状態情報CSIまたはアップリンク制御情報UCIの省略手順は、優先度規則に従って、1つまたは複数のチャネル状態情報CSIグループを、したがって関連するチャネル状態情報CSIレポートのプリコーダベクトルまたは行列の関連する位相および振幅係数を、削除(ドロップ。落とす)することに基づく。したがって、チャネル状態情報CSIまたはアップリンク制御情報UCIの省略の場合、チャネル状態情報CSIレポートに示されるプリコーダベクトルまたは行列の振幅および/または位相係数の一部が、省略される。
【0137】
実施形態に従って、ユーザ機器UEは、チャネル状態情報CSIレポートのペイロードサイズが基地局からのリソース割り当てに適合するまで、優先順位の低いアップリンク制御情報UCIまたはチャネル状態情報CSI省略の場合、チャネル状態情報CSIグループをドロップすることができる。特定の優先度レベルのチャネル状態情報CSIグループを省略する場合、ユーザ機器UEは、その優先度レベルの全てのチャネル状態情報CSIコンテンツを省略することができる。
【0138】
<ゼロではない(非ゼロ)プリコーダ係数の報告>
プリコーダ係数を報告するためのシグナリングオーバーヘッドを削減するべく、P′×1-または2P′×1またはP′×D′-または2P×D′-サイズのプリコーダベクトルまたは行列のサブセットまたは適切なサブセットのみが報告されるとともに、したがってチャネル状態情報CSIレポートに示されてもよい。残りのプリコーダ係数はゼロである(またはゼロに設定される)と仮定されるので、報告されない。報告されるべきKNZ個の非ゼロ係数からなるプリコーダ係数のサブセットは、以下では非ゼロ係数と呼ばれる。さらに、チャネル状態情報CSIレポートは、係数行列における非ゼロ係数の位置を示すためのインジケータを含んでいてもよい。いくつかの例では、そのようなインジケータは、サイズP′×1または2P′×1またはP′×D′または2P′×D′のビットマップによって与えられる。各ビットは係数行列W2,l内のプリコーダ係数に関連付けられる。ビットマップのビットが「1」に設定されると、関連するプリコーダ係数が報告される。ビットマップのビットが「0」に設定されると、関連するプリコーダ係数は報告されず、ゼロとして扱われる。
【0139】
以下では、プリコーディングまたはビームフォーミングされたチャネル状態情報参照信号CSI-RSまたはアンテナポートを仮定した、ポート選択コードブックについて実施形態を示している。したがって、選択済みのポートの数は、P′または2P′で示される。しかしながら、以下の実施形態は、非プリコードまたは非ビームフォーミングチャネル状態情報参照信号CSI-RSまたはアンテナポートを仮定した、線形結合コードブックに対しても有効である。この場合、選択済みのポートの数(P′)または(2P′)は、空間ビームの数(L)または(2L)に置き換えられるものとする。
【0140】
非プリコードまたは非ビームフォーミングアンテナポートまたはチャネル状態情報参照信号CSI-RSの場合、プリコーダ係数を報告するためのシグナリングオーバーヘッドを削減するべく、L×1-または2L×1またはL×D′-または2L×D′-サイズのプリコーダベクトルまたは行列のサブセットまたは適切なサブセットのみが報告されるとともに、したがってチャネル状態情報CSIレポートに示されてもよい。残りのプリコーダ係数はゼロである(またはゼロに設定される)と仮定されているので、報告されない。報告されるべきKNZ個の非ゼロ係数からなるプリコーダ係数のサブセットは、以下では非ゼロ係数と呼ばれる。さらに、チャネル状態情報CSIレポートは、係数行列内の非ゼロ係数の位置を示すためのインジケータを含んでもよい。そのようなインジケータは、サイズL×1または2L×1またはL×D′または2L×D′のビットマップによって与えられる。各ビットは、係数行列W2,l内のプリコーダ係数に関連付けられる。ビットマップのビットが「1」に設定されると、関連するプリコーダ係数が報告される。ビットマップのビットが「0」に設定されると、関連するプリコーダ係数は報告されず、ゼロとして扱われる。
【0141】
層毎のプリコーダ係数は、層毎に最強プリコーダ係数の振幅と位相が各々1と0に等しくなるように正規化される。その場合、振幅と位相は各々1と0で与えられるので、最強プリコーダ係数を報告する必要はない。ユーザ機器UEは、チャネル状態情報CSIレポートに、最強係数に関連する行インデックスおよび列インデックスを、または最強係数に関連する係数行列W2,lの行インデックスまたは列インデックスを、示すことができる。
【0142】
実施形態に従って、ユーザ機器UEは、チャネル状態情報CSIレポートにおいて、層毎に最強係数に関連付けられた係数行列W2,lの行インデックスおよび列インデックスを、または行インデックスのみを、または列インデックスのみを、示すように構成される場合がある。
【0143】
従って、チャネル状態情報CSIレポートで報告される層毎の非ゼロ係数の数は、KNZ,l-1で与えられる。全ての層に渡ってチャネル状態情報CSIレポートで報告される非ゼロ係数の総数は、ΣlKNZ,l-ランクインデックスRIで与えられる。
【0144】
実施形態に従って、プリコーダ定式化のオプション1に対して、チャネル状態情報CSIレポートは、層毎のP′または2P′個のプリコーダ係数のうち、KNZ,lまたはKNZ,l-1個の非ゼロプリコーダ係数を報告することからなる。ここで、KNZ,lは、層毎の非ゼロプリコーダ係数の数を示している。全層にわたる非ゼロプリコーダ係数の総数は、KNZ=ΣlKNZ,lによって与えられる。
【0145】
実施形態に従えば、プリコーダ定式化のオプション2に対して、チャネル状態情報CSIレポートは、層毎のP′D′または2P′D′個のプリコーダ係数のうち、KNZ,lまたはKNZ,l-1個の非ゼロプリコーダ係数のレポートを報告することからなる。ここでKNZ,lは、層毎の非ゼロプリコーダ係数の数を表している。全層にわたる非ゼロプリコーダ係数の総数は、KNZ=ΣlKNZ,lで与えられる。
【0146】
実施形態に従えば、プリコーダ定式化のオプション3について、チャネル状態情報CSIレポートは、層毎のP′D′または2P′D′個のプリコーダ係数のうち、KNZ,lまたはKNZ,l-1個の非ゼロプリコーダ係数のレポートを報告することからなる。KNZ,lは層毎の非ゼロプリコーダ係数の数を示している。全層にわたる非ゼロプリコーダ係数の総数は、KNZ=ΣlKNZ,lで与えられる。
【0147】
実施形態に従って、(チャネル状態情報CSIレポートに存在する場合)ビットマップ内のビットは、係数サブセットと、係数サブセット内のプリコーダ係数と、で同様に順序付けられる。
【0148】
現在の新無線NR仕様では、サポートされるチャネル状態情報参照信号CSI-RSポートの最大数は32である。前述したオプション1とオプション2のプリコーダの定式化によれば、各層のプリコーダ係数行列のサイズは、各々P′×1または2P′×1と、P′×D′または2P′×D′と、である。P′の値が典型的にはD′(存在する場合)およびランクインデックスRIの値よりも高いので、全てのD′個の遅延および/またはドップラーインデックス(存在する場合)のP′または2P′個のポートインデックス(行)のサブセットに関連するプリコーダ係数は、チャネル状態情報CSI省略の場合に満足できる性能を達成するのに十分であり得る。したがって、P′または2P′またはPl′ポートインデックス(行)のサブセットまたは適切なサブセットに関連するプリコーダ係数は、多数の係数サブセットにグループ化されている。チャネル状態情報CSI省略またはアップリンク制御情報UCI省略の場合、係数サブセット(複数可)に関連する一部または全てのプリコーダ係数は、最後の係数サブセットN-1から順次ドロップまたは破棄し得る。各係数サブセットのプリコーダ係数だけでなく、プリコーダ係数サブセットの順序付けは、層(複数可)に関連する全部または一部の係数がドロップされた結果として性能損失に繋がる虞があるので、プリコーダの性能に大きく影響する。従って、各係数サブセットのプリコーダ係数だけでなく、係数サブセットの順序付けのための特定の順序付けスキームは、省略された場合の性能損失を低減するべく必要である。以下では、係数サブセットとプリコーダ係数との順序付けのための、いくつかのスキーム(方式)を詳細に説明する。
【0149】
<チャネル状態情報CSIレポートにおけるプリコーダ係数のグループ化スキーム(プリコーダ定式化のオプション1)>
実施形態に従って、係数サブセット内の各プリコーダ係数は、少なくとも2つのインデックス(l,p)に関連付けられている。第1インデックスであるl=0,…,RI-1は、層インデックスである。第2インデックスであるp∈Uは、ポートインデックスである。U={0,…,P′-1}またはU={0,…,2P′-1}は、ポートインデックスの集合(セット)である。プリコーディング係数の選択が偏波に依存しない場合、集合UはP′個のポートインデックスからなり、U={0,…,P′-1}で定義される。ここで、ポートインデックスp∈Uに関連するプリコーダ係数は、アンテナポートの第1偏波または第2偏波に関連する。プリコーディング係数の選択が偏波共通である場合、集合Uは2P′個のポートインデックスからなり、U={0,…,2P′-1}で定義される。ここで、ポートインデックスp∈{0,…,P′-1}に関連するプリコーダ係数は、アンテナポートの第1偏波に関連している。ポートインデックスp+P′に関連するプリコーダ係数は、同じアンテナポートの第2偏波に関連する。したがって、ポートインデックス{0,…,P′-1}に関連するプリコーダ係数は、アンテナポートの第1偏波に関連している。ポートインデックス{P′,…,2P′-1}に関連するプリコーダ係数は、アンテナポートの第2偏波に関連する。
【0150】
実施形態S1に従って、プリコーディングベクトルまたは行列のランクインデックスRI層のプリコーダ係数は、チャネル状態情報CSIレポートにおいて、多数の重複しない係数サブセットA={A0,A1,…,AN-1}にグループ化されている。各係数サブセットAiは、多数のポートインデックスに関連付けられたランクインデックスRI層のプリコーダ係数を備えて構成される。係数サブセットの第l層のプリコーダ係数は、Uからの連続ポートインデックスの1つのサブセットに、またはUからの連続ポートインデックスの2つのサブセットに、関連付けられる。
【0151】
実施形態に従って、第1係数サブセットは、アンテナポートの2つの偏波に関連するプリコーダ係数を備えていることができる。
実施形態に従って、各係数サブセットは、アンテナポートの2つの偏波に関連するプリコーダ係数を備えて構成されてもよい。
【0152】
実施形態に従って、第i係数サブセットは、ランクインデックスRI層のプリコーダ係数のサブセットを備えている。第l層のプリコーダ係数は、Bi,lポートインデックス(またはBi,lポートインデックス未満)に関連付けられている。Bi,lポートインデックスは、Uからの連続ポートインデックスのサブセットによって定義されるか、またはBi,lポートインデックスは、Uからの連続ポートインデックスの2つのサブセットによって定義される。
【0153】
いくつかの例では、係数サブセット毎のポートインデックスBi,lの数は、ランクインデックスRI層に対して同一であってもよい。
いくつかの例では、ポートインデックスBi,lの数は、全ての係数サブセットAiに対して同一である。いくつかの例では、ポートインデックスBi,lの数は、係数サブセットAiにわたって非同一である。
【0154】
いくつかの例では、係数サブセット{A
0,A
1,…,A
N-1}は、増加するサブセットインデックスに関して、チャネル状態情報CSIレポートにおいて順序付けられる。
例示的な実施形態では、2P′個のプリコーダ係数がある。P′個のプリコーダ係数は、アンテナポートの第1偏波に関連付けられている。P′個のプリコーダ係数は、アンテナポートの第2偏波に関連付けられている。ランクインデックスRI層のプリコーダ係数は、チャネル状態情報CSIレポートにおいて2つの重複しない係数サブセット(N=2)にグループ化される。第1係数サブセットA
0は、アンテナポートの第1偏波の最初のP′/2個のポートインデックス(p=0,…,P′/2-1)に関連する全てのランクインデックスRI層インデックスのプリコーダ係数と、アンテナポートの第2偏波の最初のP′/2個のポートインデックス(p=P′+0,…,P′+P′/2-1)に関連する全てのランクインデックスRI層インデックスのプリコーダ係数と、を備えて構成されている。第2係数サブセットA
1は、アンテナポートの第1偏波の残りのP′/2個のポートインデックス(p=P′/2,…,P′-1)に関連する全てのランクインデックスRI層インデックスのプリコーダ係数と、アンテナポートの第2偏波の残りのP′/2個のポートインデックス(p=P′+P′/2,…,2P′-1)に関連する全てのランクインデックスRI層インデックスのプリコーダ係数と、を備えて構成される。いくつかの例では、P′=Pであることに注意されたい。いくつかの例では、
図5に示すように、プリコーダ選択は偏波共通である。ランクインデックスRI=2、P′=8である。ポートインデックスの集合UはU={0,…,15}で定義される。第0層と第1層で選択されるポートインデックスは各々{0,1,2,3,4,5,9,10,11,13,14,15}と{0,4,5,8,9,11,13,15}である。各係数サブセットは、両層の各偏波の4つのポートインデックスに関連するプリコーダ係数を備えて構成される。第1係数サブセットA
0は、各々第0層と第1層のポートインデックス{0,1,2,3,9,10,11}と{0,8,9,11}に関連するプリコーダ係数からなる。第2係数サブセットA
1は、各々第0層と第1層のポートインデックス{4,5,13,14,15}と{4,5,13,15}に関連するプリコーダ係数からなる。
【0155】
<グローバルポートインデックスに基づくプリコーダ係数のグループ化>
一実施形態によれば、係数サブセットの各プリコーダ係数は、2つのインデックス(l,p)に関連付けられている。第1インデックスl=0,…,RI-1は層インデックスである。第2インデックスp∈U′はグローバルポートインデックスである。U′={0,…,P-1}またはU′={0,…,2P-1}は、グローバルポートインデックスの集合である。ここで、Pは第1基底セットのベクトルの数を表す。
【0156】
グローバルポートインデックスp∈U′と、ローカルポートインデックスp∈Uと、の間の写像が存在すると仮定する。プリコーディング係数の選択が偏波に依存しない場合、集合U′はP個のポートインデックスからなり、U′={0,…,P-1}で定義される。ここで、ポートインデックスp∈U′に関連するプリコーダ係数は、アンテナポートの第1偏波または第2偏波に関連する。プリコーディング係数の選択が偏波共通である場合、集合U′は2P個のグローバルポートインデックスからなり、U′={0,…,2P-1}で定義される。ここで、グローバルポートインデックスp∈{0,…,P-1}に関連するプリコーダ係数は、アンテナポートの第1偏波に関連している。グローバルポートインデックスp+Pに関連するプリコーダ係数は、同じアンテナポートの第2偏波に関連する。(
図6参照)。
【0157】
実施形態に従って、プリコーダ係数は、(グローバル)2P個のポートインデックスに基づき、複数の係数サブセットにグループ化される。
1つの例示的な実施形態では、2P′またはP′個のプリコーダ係数がある。P′個のプリコーダ係数はアンテナポートの第1偏波に関連付けられている。P′個のプリコーダ係数はアンテナポートの第2偏波に関連付けられるか、またはP′個のプリコーダ係数はアンテナポートの第1および/または第2偏波に関連付けられる。ランクインデックスRI層のプリコーダ係数は、チャネル状態情報CSIレポートにおいて2つの重複しない係数サブセット(N=2)にグループ化される。第1係数サブセットA0は、アンテナポートの第1偏波(0,…,P/2-1)の最初のP/2個のグローバルポートインデックスに関連する全てのランクインデックスRI層インデックスのプリコーダ係数と、アンテナポートの第2偏波(P+0,…,P+P/2-1)の最初のP/2個のグローバルポートインデックスに関連する全てのランクインデックスRI層インデックスのプリコーダ係数と、を備えて構成される。第2係数サブセットA1は、アンテナポートの第1偏波(P/2,…,P-1)の残りのP/2グローバルポートインデックスに関連する全てのランクインデックスRI層インデックスのプリコーダ係数と、アンテナポートの第2偏波(P+P/2,…,2P-1)の残りのP/2グローバルポートインデックスに関連する全てのランクインデックスRI層インデックスのプリコーダ係数と、を備えて構成される。
【0158】
いくつかの例では、
図7に示すように、プリコーダの選択は偏波共通である。ランクインデックスRI=2、P=8、P′=6である。ここで、U′={0,…,15}とU={0,…,11}である。第0層と第1層の選択済みのグローバルポートインデックスは各々{0,1,2,7,8,9,11,12,15}と{0,2,4,6,7,9,13,15}である。P′に基づくインデックス付けによれば、すなわちU={0,…,11}基づくインデックス付けによれば、第0層と第1層の選択済みのポートインデックスは各々{0,1,2,5,6,7,8,9,11}と{0,2,3,4,5,7,10,11}である。第1係数サブセットは、各々、第0層および第1層のポートインデックス{0,1,2,8,9,11}および{0,2,9}に関連するプリコーディング係数からなる。第2係数サブセットは、各々、第0層および第1層のポートインデックス{7,12,13}および{4,6,7,13,15}に関連するプリコーディング係数からなる。
【0159】
例示的な実施形態では、各係数サブセットは、層毎に
【数12】
個のプリコーダ係数からなる。Nは係数サブセットの数である。
例示的な実施形態では、係数サブセットの数Nは2に等しく、第1係数サブセットA
0は、
【数13】
個のプリコーダ係数を備えて構成されている。第2係数サブセットA
1は、残りの
【数14】
個のプリコーダ係数を備えて構成される。いくつかの例では、プリコーダ係数は、増加するポートインデックスに関して、複数の係数サブセットにグループ化される。
【0160】
いくつかの例では、ランクインデックスRI=2である。第0層および第1層のプリコーダ係数の数は、各々P0′=13およびP1′=9である。N=2の場合、第1係数サブセットA0は、各々、第0層および第1層の最初の7個および最初の5個のプリコーダ係数からなる。第2係数サブセットA1は、各々、第0層および第1層の残りの6個および4個のプリコーダ係数からなる。
【0161】
例示的な実施形態において、層毎のプリコーダ係数の数は、全層にわたって選択済みのプリコーダ係数の数の最大値に依存しているので、すなわち、P
m=max(P
l′)、∀l(小文字エル)である。ここで、P
l′は、アンテナポートの偏波毎に選択済みのプリコーダ係数の数を示す。いくつかの例では、係数サブセット毎の層毎のプリコーダ係数の最大数は
【数15】
である。ここでNは係数サブセットの数である。
【0162】
いくつかの例では、係数サブセットの数Nは2に等しい。第1係数サブセットは、層毎に
【数16】
個のプリコーダ係数からなる。第2係数サブセットは、層毎に残りの
【数17】
個のプリコーダ係数からなる。
【0163】
いくつかの例では、N=2、ランクインデックスRI=2である。第0層と第1層のプリコーダ係数の数は各々12と8である。Pm=12である。各係数サブセットは第0層と第1層の6個のプリコーダ係数を備えて構成される。第1層は8個のプリコーダ係数に関連しているので、係数サブセットA0は、最初の6個のプリコーダ係数を備えて構成されている。係数サブセットA1は、残りの2個のプリコーダ係数を備えて構成される。プリコーダ係数は、増加するポートインデックスに関して順序付けされる。
【0164】
いくつかの例では、ランクインデックスRI=2である。第0層と第1層のプリコーダ係数の数は、各々P0′=13とP1′=9である。ここでPm=13である。N=2の場合、第1係数サブセットA0は、第0層と第1層の最初の7個のプリコーダ係数からなる。第2係数サブセットA1は、各々第0層と第1層の残りの6個のプリコーダ係数と2個のプリコーダ係数からなる。
【0165】
いくつかの例では、ランクインデックスRI=2である。第0層と第1層毎のポートインデックスの数は各々P0′=13とP1′=4である。ここでPm=13である。N=2の場合、第1係数サブセットA0は、第0層の最初の7個のプリコーダ係数と、第1層の最初の4個のプリコーダ係数からなる。第2係数サブセットA1は、第0層の残りの6個のプリコーダ係数からなる。
【0166】
<係数サブセットのさらなるグループ化と順序付け>
S1-1と示されるサブ実施形態に従って、各係数サブセットAiのプリコーダ係数は、チャネル状態情報CSIレポートにおいて、多数の係数サブセットAi={Ai,1,…,Ai,T}にさらにグループ化され得る。各係数サブセットAi,jは、アンテナポートの第1および第2偏波に関連するUまたはU′からの連続ポートインデックスの1つのサブセットまたは2つのサブセットと、単一の層インデックスと、に関連するプリコーダ係数を備えて構成される。係数サブセットAi,jは、増加する層インデックスに関して順序付けられる。
【0167】
S1-2と示されるサブ実施形態に従って、各係数サブセットAiのプリコーダ係数は、チャネル状態情報CSIレポートにおいて、多数の係数サブセットAi={Ai,1,…,Ai,T}にさらにグループ化されうる。各係数サブセットAi,jは、単一ポートインデックスおよび単一偏波の係数サブセットAiに関連付けられた全ての層インデックスに関連付けられたプリコーダ係数を備えて構成される。係数サブセットAi,jは、増加するポートインデックスに関して順序付けられる。
【0168】
S1-3と示されるサブ実施形態に従って、各係数サブセットAiのプリコーダ係数は、チャネル状態情報CSIレポートにおいて、多数の係数サブセットAi={Ai,1,…,Ai,T}にグループ化されうる。各係数サブセットAi,jは、単一ポートインデックスおよび単一偏波の係数サブセットAiに関連付けられた全ての層インデックスに関連付けられたプリコーダ係数を備えて構成される。係数サブセットAi,jは、増加する偏波または偏波インデックスに関して順序付けられる。
【0169】
<係数サブセットにおけるプリコーダ係数の順序付け>
以下の例示的な実施形態は、サブ実施形態S1-1に従って、係数サブセットAi,jにおけるプリコーダ係数の順序付けスキームを提案する。
【0170】
実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加するポートインデックスに関して順序付けられる。
実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加するポートインデックスに関して順序付けられている。同じポートインデックスに関連するプリコーダ係数同士は、増加する偏波(ポラライゼーション)または偏波インデックスに関して順序付けられる。
【0171】
いくつかの例では、係数サブセットの数は2つである。2つの係数サブセットA0とA1について、各サブセットは、アンテナポートの第1と第2偏波のP′/2個のポートインデックスに関連付けられる。ランクインデックスRI=2の場合の係数サブセットA0のプリコーダ係数の順序付けは、次のように与えられる。
【0172】
【0173】
実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加する偏波または偏波インデックスに関して順序付けられている。同じ偏波または偏波インデックスに関連付けられたプリコーダ係数同士は、増加するポートインデックスに関して順序付けられる。
【0174】
いくつかの例では、係数サブセットの数は2つである。2つの係数サブセットA0およびA1について、各サブセットは、アンテナポートの第1および第2偏波のP′/2個のポートインデックスに関連付けられる。ランクインデックスRI=2の場合の係数サブセットA0のプリコーダ係数の順序付けは、次のように与えられる。
【0175】
【0176】
以下の実施形態は、サブ実施形態S1-2に従って、係数サブセットAi,jのプリコーダ係数の順序付けスキームを提案する。
実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加する層インデックスに関して順序付けられている。同じ層インデックスに関連するプリコーダ係数同士は、増加する偏波または偏波インデックスに関して順序付けられる。いくつかの例では、係数サブセットの数は2つである。2つの係数サブセットA0とA1について、各サブセットは、アンテナポートの第1と第2偏波のP′/2個のポートインデックスに関連付けられる。ランクインデックスRI=2の場合の係数サブセットA0のプリコーダ係数の順序付けは、次のように与えられる。
【0177】
【0178】
実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加する偏波または偏波インデックスに関して順序付けられている。同じ偏波または偏波インデックスに関連付けられたプリコーダ係数同士は、増加する層インデックスに関して順序付けられる。
いくつかの例では、係数サブセットの数は2つである。2つの係数サブセットA0およびA1について、各サブセットは、アンテナポートの第1および第2偏波のP′/2個のポートインデックスに関連付けられる。ランクインデックスRI=2の場合の係数サブセットA1のプリコーダ係数の順序付けは、次のようになる。
【0179】
【0180】
以下の実施形態は、サブ実施形態S1-3に従って、係数サブセットAi,jのプリコーダ係数の順序付けスキームを提案する。
実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加する層インデックスに関して順序付けられている。同じ層インデックスに関連するプリコーダ係数同士は、増加するポートインデックスに関して順序付けられる。
【0181】
いくつかの例では、係数サブセットの数は2つである。2つの係数サブセットA0とA1について、各サブセットは、アンテナポートの第1と第2偏波のP′/2個のポートインデックスに関連付けられる。ランクインデックスRI=2の場合の係数サブセットA0のプリコーダ係数の順序付けは、次のように与えられる。
【0182】
【0183】
実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加するポートインデックスに関して順序付けられている。同じポートインデックスに関連付けられたプリコーダ係数同士は、増加する層インデックスに関して順序付けられる。いくつかの例では、係数サブセットの数は2つである。2つの係数サブセットA0とA1について、各サブセットは、アンテナポートの第1と第2偏波のP′/2個のポートインデックスに関連付けられる。ランクインデックスRI=2の場合の係数サブセットA0のプリコーダ係数の順序付けは、次のように与えられる。
【0184】
【0185】
一実施形態によれば、非ゼロプリコーディング係数の位置を示すために使用されるチャネル状態情報CSIレポート内のビットマップのビットは、前述のプリコーダ係数の順序付けスキーム(方式)のいずれか1つとで同じ方法で順序付けることができる。
【0186】
<プリコーダ定式化(フォームレーション)のオプション2およびオプション3のチャネル状態情報CSIレポートにおけるプリコーダ係数のグループ化スキーム>
以下、「遅延およびドップラーペアインデックス」という用語と、「遅延およびドップラーインデックスペア」という用語と、は互換的に使用される。
【0187】
<ポートインデックスに関するグループ化>
一実施形態に従って、係数サブセット中の各プリコーダ係数は、3つのインデックス(l,p,d)に関連付けられている。第1インデックスl=0,…,RI-1は、層インデックスである。第2インデックスp∈Uは、ポートインデックスである。U={0,…,P′-1}または{0,…,2P′-1}は、ポートインデックスの集合(セット)である。第3インデックスd=0,…,D′-1は、遅延および/またはドップラーインデックス、または遅延およびドップラーペアインデックスである。プリコーディング係数の選択が偏波非依存である場合、集合(セット)Uは、P′個のポートインデックスからなるとともに、U={0,…,P′-1}で定義される。ここで、ポートインデックスp∈Uに関連するプリコーダ係数は、アンテナポートの第1偏波または第2偏波に関連する。プリコーディング係数の選択が偏波共通である場合、集合Uは、2P′個のポートインデックスからなるとともに、U={0,…,2P′-1}で定義される。ここで、ポートインデックスp∈{0,…,P′-1}に関連するプリコーダ係数は、アンテナポートの第1偏波に関連している。ポートインデックスp+P′に関連するプリコーダ係数は、同じアンテナポートの第2偏波に関連する。したがって、ポートインデックス{0,…,P′-1}に関連付けられたプリコーダ係数は、アンテナポートの第1偏波に関連付けられている。ポートインデックス{P′,…,2P′-1}に関連付けられたプリコーダ係数は、アンテナポートの第2偏波に関連付けられる。
【0188】
実施形態S2に従って、プリコーディングベクトルまたは行列のランクインデックスRI層のプリコーダ係数は、チャネル状態情報CSIレポートにおいて、多数の重複しない係数サブセットA={A0,A1,…,AN-1}にグループ化されている。各係数サブセットAiは、D′個の遅延および/またはドップラーインデックスまたはD′個の遅延およびドップラーインデックスペア(D′≦D)のプリコーダ係数と、多数のポートインデックス(ポートインデックスの数)に関連付けられたランクインデックスRI層と、を備えて構成される。係数サブセットの第l層のプリコーダ係数は、Uからの連続ポートインデックスの1つのサブセットに、またはUからの連続ポートインデックスの2つのサブセットに、関連付けられている。
【0189】
実施形態に従って、第1係数サブセットは、アンテナポートの2つの偏波に関連するプリコーダ係数を備えて構成され得る。
一実施形態に従って、各係数サブセットは、アンテナポートの2つの偏波に関連するプリコーダ係数を備えて構成され得る。
【0190】
実施形態に従って、第i係数サブセットは、ランクインデックスRI層のプリコーダ係数のサブセットと、D′個の遅延および/またはドップラーインデックスまたはD′個の遅延およびドップラーインデックスペアと、を備えて構成される。第l層のプリコーダ係数は、Bi,lポートインデックス(またはBi,lポートインデックス未満)に関連付けられている。Bi,lポートインデックスは、Uからの連続ポートインデックスのサブセットによって定義されるか、またはBi,lポートインデックスは、Uからの連続ポートインデックスの2つのサブセットによって定義される。
【0191】
いくつかの例では、係数サブセットごとのポートインデックスBi,lの数は、ランクインデックスRI層について同一であってもよい。
いくつかの例では、ポートインデックスBi,lの数は、全ての係数サブセットAiについて同一である。いくつかの例では、ポートインデックスBi,lの数は、係数サブセットAiにわたって非同一である。
【0192】
いくつかの例では、係数サブセット{A0,A1,…,AN-1}は、増加するサブセットインデックスに関して、チャネル状態情報CSIレポートにおいて順序付けられる。
【0193】
例示的な実施形態では、2P′個のプリコーダ係数がある。P′個のプリコーダ係数はアンテナポートの第1偏波に関連付けられている。P′個のプリコーダ係数はアンテナポートの第2偏波に関連付けられる。ランクインデックスRI層のプリコーダ係数は、チャネル状態情報CSIレポートにおいて2つの重複しない係数サブセット(N=2)にグループ化される。第1係数サブセットA0は、アンテナポートの第1偏波(p=0,…,P′/2-1)の最初のP′/2個のポートインデックスに関連する全てのランクインデックスRI層インデックスと全ての遅延および/またはドップラーインデックスとのプリコーダ係数と、アンテナポートの第2偏波(p=P′+0,…,P′+P′/2-1)の最初のP′/2個のポートインデックスに関連する全てのランクインデックスRI層インデックスと全ての遅延および/またはドップラーインデックスとのプリコーダ係数と、を備えて構成される。第2係数サブセットA1は、アンテナポートの第1偏波(p=P′/2,…,P′-1)の残りのP′/2個のポートインデックスに関連する全てのランクインデックスRI層インデックスと全ての遅延および/またはドップラーインデックスのプリコーダ係数と、アンテナポートの第2偏波(p=P′+P′/2,…,2P′-1)の残りのP′/2個のポートインデックスに関連する全てのランクインデックスRI層インデックスと全ての遅延および/またはドップラーインデックスとのプリコーダ係数と、を備えて構成される。いくつかの例では、P′=Pであることに注意されたい。
【0194】
いくつかの例では、プリコーダ選択は偏波共通である。ランクインデックスRI=2、P′=8、D′=2である。ポートインデックスの集合(セット)UはU={0,…,15}で定義される。第0層と第1層の選択済みのポートインデックスは各々{0,1,2,3,4,5,9,10,11,13,14,15}と{0,4,5,8,9,11,13,15}である。各係数サブセットは、4つのポートインデックスと、両層の各偏波の全ての遅延および/またはドップラーインデックスと、に関連するプリコーダ係数を備えて構成される。第1係数サブセットA0は、各々第0層と第1層のポートインデックス{0,1,2,3,9,10,11}と{0,8,9,11}に関連するプリコーダ係数からなる。第2係数サブセットA1は、各々第0層と第1層のポートインデックス{4,5,13,14,15}と{4,5,13,15}に関連するプリコーダ係数からなる。
【0195】
<グローバルポートインデックスに基づくグルーピング(グループ化)>
一実施形態によれば、係数サブセット内の各プリコーダ係数は2つのインデックス(l,p,d)に関連付けられている。第1インデックスであるl=0,…,RI-1は層インデックスである。第2インデックスであるp∈U′はグローバルポートインデックスである。ここで、U′={0,…,P-1}またはU′={0,…,2P-1}はグローバルポートインデックスの集合(セット)である。d=0,…,D′-1は遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスである。ここで、Pは第1基底セットのベクトルの数を表す。グローバルポートインデックスp∈U′とローカルポートインデックスp∈Uとの間のマッピング(写像)が存在することが仮定される。プリコーディング係数の選択が偏波に依存しない場合、集合U′はP個のポートインデックスからなるとともに、U′={0,…,P-1}で定義される。ここで、ポートインデックスp∈U′に関連するプリコーダ係数は、アンテナポートの第1偏波または第2偏波に関連する。プリコーディング係数の選択が偏波共通である場合、集合U′は2P個のグローバルポートインデックスからなるとともに、U′={0,…,2P-1}で定義される。ここで、グローバルポートインデックスp∈{0,…,P-1}に関連するプリコーダ係数はアンテナポートの第1偏波に関連しており、グローバルポートインデックスp+Pに関連するプリコーダ係数は同じアンテナポートの第2偏波に関連する(
図8参照)。
【0196】
例示的な実施形態では、2P′個のプリコーダ係数があり、P′個のプリコーダ係数はアンテナポートの第1偏波に関連付けられており、P′個のプリコーダ係数はアンテナポートの第2偏波に関連付けられる。ランクインデックスRI層のプリコーダ係数は、チャネル状態情報CSIレポートにおいて2つの重複しない係数サブセット(N=2)にグループ化される。第1係数サブセットA1は、アンテナポートの第1偏波(p=0,…,P′/2-1)の最初のP′/2個のポートインデックスと全ての遅延および/またはドップラーインデックス、または全ての遅延およびドップラーペアインデックスとに関連する全てのランクインデックスRI層インデックスのプリコーダ係数と、アンテナポートの第2偏波(p=P′+0,…,P′+P′/2-1)の最初のP′/2個のポートインデックスと全ての遅延および/またはドップラーインデックス、または全ての遅延およびドップラーペアインデックスとに関連する全てのランクインデックスRI層インデックスのプリコーダ係数と、を備えて構成される。第2係数サブセットA2は、アンテナポートの第1偏波(p=P′/2,…,P′/2-1)の残りのP′/2個のポートインデックスと全ての遅延および/またはドップラーインデックス、または全ての遅延およびドップラーインデックスのペアとに関連する全てのランクインデックスRI層インデックスのプリコーダ係数と、アンテナポートの第2偏波(p=P′+P′/2,…,2P′-1)の残りのP′/2個のポートインデックスと全ての遅延および/またはドップラーインデックスとに関連する全てのランクインデックスRI層インデックスのプリコーダ係数と、を備えて構成される。いくつかの例では、P′=Pであることに注意されたい。
【0197】
1つの例示的な実施形態では、2P′またはP′個のプリコーダ係数がある。P′個のプリコーダ係数はアンテナポートの第1偏波に関連付けられている。P′個のプリコーダ係数は、アンテナポートの第2偏波に関連付けられている。またはP′個のプリコーダ係数は、アンテナポートの第1および第2偏波に関連付けられる。ランクインデックスRI層のプリコーダ係数は、チャネル状態情報CSIレポートにおいて2つの重複しない係数サブセット(N=2)にグループ化される。第1係数サブセットA1は、アンテナポートの第1偏波(0,…,P/2-1)の最初のP/2個のポートインデックスと全ての遅延および/またはドップラーインデックス、または全ての遅延およびドップラーペアインデックスに関連する全てのランクインデックスRI層インデックスのプリコーダ係数と、アンテナポートの第2偏波(P+0,…,P+P/2-1)の最初のP/2個のポートインデックスと全ての遅延および/またはドップラーインデックスまたは全ての遅延およびドップラーペアインデックスに関連付けられた全てのランクインデックスRI層インデックスのプリコーダ係数と、を備えて構成される。第2係数サブセットA2は、アンテナポートの第1偏波(P/2,…,P-1)の残りのP/2個のポートインデックスと全ての遅延および/またはドップラーインデックスまたは全ての遅延-ドップラーペアインデックスに関連する全てのランクインデックスRI層インデックスのプリコーダ係数と、アンテナポートの第2偏波(P+P/2,…,2P-1)の残りのP/2個のポートインデックスと全ての遅延および/またはドップラーインデックスまたは全ての遅延およびドップラーインデックスペアに関連する全てのランクインデックスRI層インデックスのプリコーダ係数と、を備えて構成される。ここで、Pは、第1基底セットの基底ベクトルの基底インデックスの総数を示す。
【0198】
<係数サブセットのグループ化>
サブ実施形態S2-1に従って、各係数サブセットAiのプリコーダ係数は、チャネル状態情報CSIレポートにおいて、多数の係数サブセットAi={Ai,1,…,Ai,T}にさらにグループ化され得る。各係数サブセットAi,jは、アンテナポートの第1および第2偏波に関連するU′またはU′からの連続ポートインデックスの1つのサブセットまたは2つのサブセットに、ランクインデックスRI層および単一の遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに、関連するプリコーダ係数を備えて構成される。係数サブセットAi,jは、増加する遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに関して順序付けられる。
【0199】
サブ実施形態S2-2に従って、各係数サブセットAiのプリコーダ係数はさらに、チャネル状態情報CSIレポートにおいて、多数の係数サブセットAi={Ai,1,…,Ai,T}にグループ化されうる。各係数サブセットAi,jは、アンテナポートの第1偏波および第2偏波に関連するU′またはU′からの連続ポートインデックスの1つのサブセットまたは2つのサブセットに、全ての遅延および/またはドップラーインデックスまたは全ての遅延およびドップラーペアインデックスに、および単一層インデックスに、関連するプリコーダ係数を備えて構成される。係数サブセットAi,jは、増加する層インデックスに関して順序付けられる。
【0200】
サブ実施形態S2-3に従って、各係数サブセットAiのプリコーダ係数はさらに、チャネル状態情報CSIレポートにおいて、多数の係数サブセットAi={Ai,1,…,Ai,T3}にグループ化されうる。各係数サブセットAi,jは、係数サブセットAiに関連する全ての層インデックスに、単一偏波の単一ポートインデックスの全ての遅延および/またはドップラーインデックスまたは全ての遅延およびドップラーペアインデックスに、関連するプリコーダ係数を備えて構成される。係数サブセットAi,jは、増加するポートインデックスに関して順序付けられている。同じポートインデックスに関連する係数サブセット同士は、増加する偏波インデックスに関して順序付けられる。
【0201】
サブ実施形態S2-4に従って、各係数サブセットAiのプリコーダ係数はさらに、チャネル状態情報CSIレポートにおいて、多数の係数サブセットAi={Ai,1,…,Ai,T3}にグループ化されうる。各係数サブセットAi,jは、係数サブセットAiに関連する全ての層インデックスに、単一偏波の単一ポートインデックスの全ての遅延および/またはドップラーインデックスまたは全ての遅延およびドップラーペアインデックスに、関連するプリコーダ係数を備えて構成される。係数サブセットAi,jは、増加する偏波インデックスに関して順序付けられている。同じ偏波インデックスに関連する係数サブセット同士は、増加するポートインデックスに関して順序付けられる。
【0202】
<係数サブセットにおけるプリコーダ係数の順序付け>
以下の例示的な実施形態は、サブ実施形態S2-1に従って、係数サブセットAi,jにおけるプリコーダ係数の順序付けスキームを提案する。
【0203】
一実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加する層インデックスに関して順序付けられている。同じ層インデックスに関連するプリコーダ係数同士は、増加するポートインデックスに関して順序付けられる。
【0204】
一実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加する層インデックスに関して順序付けられている。同じ層インデックスに関連するプリコーダ係数同士は、増加するポートインデックスに関して順序付けられている。同じポートインデックスに関連する係数同士は、増加する偏波または偏波インデックスに関して順序付けられる。
【0205】
いくつかの例では、係数サブセットの数は2である。2つの係数サブセットA0およびA1について、各サブセットのプリコーダ係数は、第1および第2偏波のP′/2個のポートインデックスに関連付けられる。ランクインデックスRI=2,D′=2の場合の係数サブセットA1のプリコーダ係数の順序付けは、次のように与えられる。
【0206】
【0207】
実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加する偏波インデックスに関して順序付けられている。同じ偏波インデックスに関連するプリコーダ係数同士は、増加する層インデックスに関して順序付けられている。同じ層インデックスに関連する係数同士は、増加するポートインデックスに関して順序付けられる。
【0208】
いくつかの例では、係数サブセットの数は2つである。2つの係数サブセットA0およびA1について、各サブセットは第1および第2偏波のP′/2個のポートインデックスに関連付けられる。ランクインデックスRI=2,D′=2の場合の係数サブセットA1のプリコーダ係数の順序付けは、次のように与えられる。
【0209】
【0210】
一実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加するポートインデックスに関して順序付けられている。同じポートインデックスに関連するプリコーダ係数同士は、増加する層インデックスに関して順序付けられる。
【0211】
一実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加するポートインデックスに関して順序付けられている。同じポートインデックスに関連するプリコーダ係数同士は、増加する偏波インデックスに関して順序付けられている。同じ偏波インデックスに関連する係数同士は、増加する層インデックスに関して順序付けられる。
【0212】
いくつかの例では、係数サブセットの数は2つである。2つの係数サブセットA0およびA1について、各サブセットは第1および第2偏波のP′/2個のポートインデックスに関連付けられる。ランクインデックスRI=2,D′=2の場合の係数サブセットA1のプリコーダ係数の順序付けは、次のように与えられる。
【0213】
【0214】
一実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加する偏波インデックスに関して順序付けられている。同じ偏波インデックスに関連付けられたプリコーダ係数同士は、増加するポートインデックスに関して順序付けられている。同じポートインデックスに関連付けられた係数同士は、増加する層インデックスに関して順序付けられる。
【0215】
いくつかの例では、係数サブセットの数は2つである。2つの係数サブセットA0およびA1について、各サブセットは第1および第2偏波のP′/2個のポートインデックスに関連付けられる。ランクインデックスRI=2,D′=2の場合の係数サブセットA1のプリコーダ係数の順序付けは、次のように与えられる。
【0216】
【0217】
以下の例示的な実施形態は、サブ実施形態S2-2に従って、係数サブセットAi,jのプリコーダ係数の順序付け(オーダーリング)スキームを提案する。
一実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加するポートインデックスに関して順序付けられている。同じポートインデックスに関連するプリコーダ係数同士は、増加する遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに関して順序付けられる。
【0218】
一実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加するポートインデックスに関して順序付けられている。同じポートインデックスに関連するプリコーダ係数同士は、増加する偏波インデックスに関して順序付けられている。同じ偏波インデックスに関連するプリコーダ係数同士は、増加する遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに関して順序付けられる。
【0219】
いくつかの例では、係数サブセットの数は2つである。2つの係数サブセットA0およびA1について、各サブセットは第1および第2偏波のP′/2個のポートインデックスに関連付けられる。ランクインデックスRI=2,D′=2の場合の係数サブセットA1のプリコーダ係数の順序付けは、次のように与えられる。
【0220】
【0221】
一実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加する偏波インデックスに関して順序付けられている。同じ偏波インデックスに関連付けられたプリコーダ係数同士は、増加するポートインデックスに関して順序付けられている。同じポートインデックスに関連付けられたプリコーダ係数同士は、増加する遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに関して順序付けられる。
【0222】
いくつかの例では、係数サブセットの数は2である。2つの係数サブセットA0およびA1について、各サブセットは第1および第2偏波のP′/2個のポートインデックスに関連付けられる。ランクインデックスRI=2,D′=2の場合の係数サブセットA1のプリコーダ係数の順序付けは、次のように与えられる。
【0223】
【0224】
一実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加する遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに関して順序付けられている。同じ遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに関連するプリコーダ係数は、増加するポートインデックスに関して順序付けられる。
【0225】
一実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加する遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに関して順序付けられている。同じ遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに関連するプリコーダ係数同士は、増加する偏波インデックスに関して順序付けられている。同じ偏波インデックスに関連するプリコーダ係数同士は、増加するポートインデックスに関して順序付けられる。
【0226】
いくつかの例では、係数サブセットの数は2つである。2つの係数サブセットA0とA1について、各サブセットは第1と第2偏波のP′/2個のポートインデックスに関連付けられている。ランクインデックスRI=2,D′=2の場合の係数サブセットA1のプリコーダ係数の順序付けは、次のように与えられる。
【0227】
【0228】
一実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加する遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに関して順序付けられている。同じ遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに関連するプリコーダ係数同士は、増加するポートインデックスに関して順序付けられている。同じポートインデックスに関連するプリコーダ係数同士は、増加する偏波インデックスに関して順序付けられる。
【0229】
いくつかの例では、係数サブセットの数は2つである。2つの係数サブセットA0とA1について、各サブセットは第1と第2偏波のP′/2個のポートインデックスに関連付けられている。ランクインデックスRI=2,D′=2の場合の係数サブセットA1のプリコーダ係数の順序付けは、次のように与えられる。
【0230】
【0231】
以下の例示的な実施形態は、サブ実施形態S2-3に従って、係数サブセットAi,jのプリコーダ係数の順序付けスキームを提案する。
一実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加する層インデックスに関して順序付けられている。同じ層インデックスに関連するプリコーダ係数同士は、増加する遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに関して順序付けられる。
【0232】
いくつかの例では、係数サブセットの数は2つである。2つの係数サブセットA0とA1について、各サブセットは、第1と第2偏波のP′/2個のポートインデックスに関連付けられている。ランクインデックスRI=2,D′=2の場合の係数サブセットA1のプリコーダ係数の順序付けは、次のように与えられる。
【0233】
【0234】
一実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加する遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに関して順序付けられている。同じ遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに関連するプリコーダ係数同士は、増加する層インデックスに関して順序付けられる。
【0235】
いくつかの例では、係数サブセットの数は2つである。2つの係数サブセットA0とA1について、各サブセットは、第1と第2偏波のP′/2個のポートインデックスに関連付けられている。ランクインデックスRI=2,D′=2の場合の係数サブセットA1のプリコーダ係数の順序付けは、次のように与えられる。
【0236】
【0237】
以下の例示的な実施形態は、サブ実施形態S2-4に従って、係数サブセットAi,jのプリコーダ係数の順序付けスキームを提案する。
実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加する層インデックスに関して順序付けられている。同じ層インデックスに関連するプリコーダ係数同士は、増加する遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに関して順序付けられる。
【0238】
いくつかの例では、係数サブセットの数は2つである。2つの係数サブセットA0およびA1について、各サブセットは第1および第2偏波のP′/2個のポートインデックスに関連付けられる。ランクインデックスRI=2およびD′=2に対する係数サブセットA1のプリコーダ係数の順序付けは、次のように与えられる。
【0239】
【0240】
一実施形態に従って、各係数サブセットAi,jのプリコーダ係数は、増加する遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに関して順序付けられている。同じ遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延およびドップラーペアインデックスに関連するプリコーダ係数同士は、増加する層インデックスに関して順序付けられる。
【0241】
いくつかの例では、係数サブセットの数は2つである。2つの係数サブセットA0およびA1について、各サブセットは第1および第2偏波のP′/2個のポートインデックスに関連付けられる。ランクインデックスRI=2およびD′=2に対する係数サブセットA1のプリコーダ係数の順序付けは、次のように与えられる。
【0242】
【0243】
一実施形態に従って、非ゼロプリコーディング係数の位置を示すために使用されるチャネル状態情報CSIレポート内のビットマップ内のビットは、前述のプリコーダ係数順序付けスキーム(方式)のうちのいずれか1つとで同じ方法で順序付けされ得る。
【0244】
<プリコーダ定式化のオプション2とオプション3におけるFDインデックスの順序付け>
最強係数の基底ベクトルインデックス(第2基底セットから)に関連するプリコーダ係数は、他の基底ベクトルインデックスに関連する残りのプリコーダ係数よりも、有意に多くのエネルギーを運ぶ。したがって、これらのプリコーダ係数は、プリコーダの性能に大きく影響するので、残りのプリコーダ係数(より低い優先度を有している)よりも高い優先度を有していることができる。優先順位の高いプリコーダ係数(最強係数の基底ベクトルインデックスに関連するプリコーダ係数)がチャネル状態情報CSI省略の発生時に省略されないようにするべく、優先順位の最高プリコーダ係数は、チャネル状態情報CSIレポートにおいてプリコーダ係数がグループ化またはパック化される先頭に、配置される。例えば、チャネル状態情報CSI省略の場合、ユーザ機器UEは、チャネル状態情報CSIレポートから、優先順位の低い
【数36】
個のプリコーダ係数を削除しつつ、チャネル状態情報CSIレポートから優先順位の高い
【数37】
個のプリコーダ係数を保持することができる。ここで、K
NZはプリコーダ係数または非ゼロ係数の総数を示す。したがって、以下の実施形態で提案されるように、チャネル状態情報CSIレポート内のプリコーダ係数を、それらの新しい遅延インデックスに関してグループ化することが有利である。
【0245】
一実施形態によれば、同じ層インデックスl(l=0,…,RI-1)と遅延および/またはドップラーインデックスd(d=0,…,D-1またはd=0,…,D′-1)に関連するプリコーダ係数は、インデックスlに関連付けられた参照遅延および/またはドップラーインデックスdr∈{0,…,D-1}またはdr∈{0,…,D′-1}に関して、チャネル状態情報CSIレポート内の予め定義された規則またはパターンに従って、順序付けられるかまたはグループ化される。
【0246】
実施形態に従って、最大または最強係数の層インデックスおよび遅延および/またはドップラーインデックスとで同じ、層インデックスであるlおよび遅延および/またはドップラーインデックスであるdrに関連付けられたプリコーダ係数は、順序付け済みのプリコーダ係数が新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=0に関連付けられるように順序付けられる。この場合、参照遅延および/またはドップラーインデックスdrは、最大または最強係数に関連付けられた遅延および/またはドップラーインデックスによって定義される。
【0247】
例示的な実施形態では、プリコーダ係数または遅延および/またはドップラーインデックスは、モジュロ演算d′=(d-dr)modDに関して順序付けられている。ここでd′は(モジュロ演算後の)新しい遅延および/またはドップラーインデックスである。drは、最大または最強の係数に関連付けられた参照遅延および/またはドップラーインデックスである。層インデックスと、最大または最強係数とで同じ遅延および/またはドップラーインデックスと、に関連付けられた順序付きプリコーダ係数は、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=0に関連付けられることに注意されたい。
【0248】
いくつかの例では、D=4の場合、d=0,1,2,3であって、第l層(小文字エル)の場合、最大または最強の係数の遅延および/またはドップラーインデックスはdr=1(壱)である。上記の順序付けによれば、遅延および/またはドップラーインデックスdr=1に関連するプリコーダ係数は、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=0に関連付けられている。遅延および/またはドップラーインデックスd=0に関連するプリコーダ係数は、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=3に関連付けられる。遅延および/またはドップラーインデックスd=2に関連するプリコーダ係数は、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=1に関連している。遅延および/またはドップラーインデックスd=3に関連するプリコーダ係数は、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=2に関連する。
【0249】
例示的な実施形態では、プリコーダ係数または遅延および/またはドップラーインデックスは、以下のように順序付けられる。すなわち、最大係数または最強係数とで同じ層インデックスおよび同じ遅延および/またはドップラーインデックスに関連するプリコーダ係数が、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=0に関連付けられるとともに、同じ層インデックスおよび残りの遅延および/またはドップラーインデックスに関連する残りのプリコーダ係数が、増加する遅延および/またはドップラーインデックスまたは減少する遅延および/またはドップラーインデックスに関して順序付けられるようにである。
【0250】
いくつかの例では、D=4の場合、d=0,1,2,3であって、第l層の場合、最大または最強の係数の遅延および/またはドップラーインデックスは、dr=1である。上記の順序付けによれば、遅延および/またはドップラーインデックスdr=1に関連するプリコーダ係数は、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=0に関連付けられている。遅延および/またはドップラーインデックスd=0に関連するプリコーダ係数は、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=1に関連付けられる。遅延および/またはドップラーインデックスd=2に関連するプリコーダ係数は、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=2に関連している。遅延および/またはドップラーインデックスd=3に関連するプリコーダ係数は、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=3に関連する。
【0251】
いくつかの例では、D=4の場合、d=0,1,2,3であって、第l層の場合、最大または最強の係数の遅延および/またはドップラーインデックスはdr=1である。上記の順序付けによれば、遅延および/またはドップラーインデックスdr=1に関連するプリコーダ係数は、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=0に関連付けられている。遅延および/またはドップラーインデックスd=3に関連するプリコーダ係数は、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=2に関連付けられる、遅延および/またはドップラーインデックスd=2に関連するプリコーダ係数は、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=3に関連している。遅延および/またはドップラーインデックスd=0に関連するプリコーダ係数は、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=4に関連する。
【0252】
一実施形態に従って、第2基底セットの基底ベクトルのセットに関連する層毎のプリコーダ係数は、基底ベクトルの基底インデックスfに関して順序付けられる。いくつかの例では、基底インデックスfに関連するプリコーダ係数は、モジュロ演算ft=(f-fr)modN3に関して順序付けられている。ここでft∈{0,…,N3-1}は、(モジュロ演算後の)新しい基底インデックスである。frは、最大または最強係数に関連する参照基底インデックスである。最大または最強係数とで同じ層と遅延に関連付けられた順序付きプリコーダ係数は、新しい基底インデックスft=0に関連付けられることに注意されたい。
【0253】
いくつかの例では、D=4であって、f=0,1,11,12であって、N3=13であって、第l層の場合、最大または最強係数の基底インデックスはfr=1である。上記の順序付けに従って、基底インデックスf={0,1,11,12}に関連するプリコーダ係数は、新しい基底インデックスft={1,0,10,11}に写像される。
【0254】
一実施形態によれば、新しい基底インデックスft=0に関連付けられたプリコーダ係数は、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=0に写像(マップ)される。
【0255】
一実施形態によれば、ft=0以外の新しい基底インデックスftのプリコーダ係数は、N3遅延の特定の順序付けに従って、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′に写像される。
【0256】
【0257】
いくつかの例では、D=4の場合、ft={1,0,11,12}であって、第l層の場合、最大または最強の係数の基底インデックスはfr=1である。上記の順序付けに従って、新しい基底インデックスft={1,0,11,12}に関連付けられたプリコーダ係数は、次のように新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′={0,1,2,3}に写像される。
【0258】
遅延ft=0に関連するプリコーダ係数は、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=0に関連付けられている。遅延ft=12に関連するプリコーダ係数は、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=1に関連付けられている。遅延ft=1に関連するプリコーダ係数は、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=2に関連付けられている。遅延ft=11に関連するプリコーダ係数は、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′=3に関連付けられる。
【0259】
一実施形態によれば、チャネル状態情報CSIレポートは、参照遅延および/またはドップラーインデックスを示す表示を備えている。いくつかの例では、参照遅延および/またはドップラーインデックスを示すインジケータは、
【数39】
ビットインジケータまたは
【数40】
ビットインジケータによって与えられる。ここで、D′≦Dである。
【0260】
実施形態に従って、少なくとも2つの係数サブセットへのプリコーダ係数のグループ化と、および各係数サブセット内の係数サブセットおよびプリコーダ係数の順序付けと、は遅延および/またはドップラーインデックスdの代わりに、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′に基づく。
【0261】
ユーザ機器UEによって実行される前述の処理または方法ステップを実行するべく、ユーザ機器UEも提供される。
図9は、ユーザ機器UE900を示すブロック図である。ユーザ機器UE900は、プロセッサ910または処理回路または処理モジュールまたは、プロセッサまたは手段910と、受信回路または受信モジュール940と、送信回路または送信モジュール950と、メモリモジュール920と、送信回路950および受信回路940を含み得るトランシーバ回路またはトランシーバモジュール930と、を備えている。ユーザ機器UE900は、少なくともネットワークノードとの間で信号を送受信するためのアンテナ回路を備えているアンテナポートシステム960をさらに備えている。アンテナポートシステム960は、前述のようにビームフォーミングを採用する。
【0262】
前述のように、ユーザ機器UE900は以下の工程を実行するように構成される。ネットワークノードからチャネル状態情報CSIレポート構成を受信する工程。受信済みのチャネル状態情報CSIレポート構成に基づき、プリコーダベクトルまたは行列のランクインデックス(RI)送信層のプリコーダ係数の数(多数、アナンバオブ)を決定する工程。ランクインデックスRI送信層のプリコーダ係数を、少なくとも2つの係数サブセットにグループ化する工程。各係数サブセットは、複数のプリコーダ係数を備えて構成される。前記少なくとも2つの係数サブセットに順序付けを割り当てるとともに、各係数サブセット内のプリコーダ係数に順序付けを割り当てる工程。前記少なくとも2つの係数サブセットを、関連する優先レベルを有している2つ以上のチャネル状態情報CSIグループに分割する工程。チャネル状態情報CSIパート1およびチャネル状態情報CSIパート2からなるチャネル状態情報CSIレポートを生成する工程。チャネル状態情報CSIパート1は固定ペイロードサイズを有しているとともに、チャネル状態情報CSIパート2のペイロードサイズを示す情報を備えている。チャネル状態情報CSIパート2は、2つのチャネル状態情報CSIグループのうちの少なくとも1つのグループのプリコーダ係数を備えている。チャネル状態情報CSIレポートを備えているアップリンク制御情報(UCI)を、アップリンク(UL)チャネルを介して、ネットワークノードに送信または報告する工程。これら工程を実行する。
【0263】
ユーザ機器UE900によって実行される追加の動作はすでに説明されているので、再度繰り返す必要はない。
ユーザ機器UE900は、ビームフォーミング技術をサポートする4GまたはLTE、LTE-A、5G、アドバンスト5G、またはそれらの組み合わせ、を備えている任意の無線アクセス技術に属することができる。プロセッサとメモリとを備えているユーザ機器UEは、プロセッサによって実行可能な命令を備えている。それによってユーザ機器UE900は、先に説明したユーザ機器UEに関連する実施形態のいずれか1つを実行するように動作可能にされているかまたは構成される。
【0264】
処理モジュール/回路910は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、などを備えており、「プロセッサ」と呼ばれることがある。プロセッサ910は、ネットワークノードおよびその構成要素の動作を制御する。メモリ(回路またはモジュール)920は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、および/またはプロセッサ910によって使用され得るデータおよび命令を記憶するための別のタイプのメモリ、を備えている。一般に、1つまたは複数の実施形態におけるネットワークノードは、本明細書に開示される実施形態のいずれかにおける動作を実行するように構成される固定またはプログラムされた回路を備えていることが理解されるであろう。
【0265】
少なくとも1つのそのような実施例では、プロセッサ910は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、ASIC、FPGA、または、処理回路内に存在するかまたは処理回路にアクセス可能な非一過性の(非一時的な)コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータプログラムからコンピュータプログラム命令を実行するように構成された他の処理回路を備えている。ここで、「非一過性」とは、必ずしも永続的または不変の記憶を意味するものではなく、ワーキングメモリまたは揮発性メモリへの記憶を備えている場合もあるが、この用語は、少なくともある程度の永続性の記憶を意味する。プログラム命令の実行は、ユーザ機器UEに関する本開示に開示された動作を実行するように処理回路を特別に適合または構成する。さらに、ユーザ機器UE900は、追加の構成要素を備えて構成されてもよいことが理解されよう。
【0266】
ネットワークノードによって実行される前述の処理または方法ステップを実行するべく、ネットワークノード(またはgNB)も提供される。
図10は、ネットワークノード1000の例示的なブロック図である。ネットワークノード1000は、プロセッサ1010または処理回路または処理モジュールまたはプロセッサまたは手段1010と、受信回路または受信モジュール1040と、送信回路または送信モジュール1050と、メモリモジュール1020と、送信回路1050および受信回路1040を含み得るトランシーバ回路またはトランシーバモジュール1030と、を備えている。ネットワークノード1000は、少なくともユーザ機器UEとの間で信号を送受信するためのアンテナ回路を備えているアンテナシステム1060をさらに備えている。アンテナポートシステム1060は、前述のようにビームフォーミングを採用する。ネットワークノード1000によって実行される動作については既に説明した。ネットワークノード1000は、送受信点(トランスミッタおよびレシーバポイント:TRP)と見なすこともできる。
【0267】
処理モジュール/回路1010は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などを備えており、「プロセッサ」と呼ばれることがある。プロセッサ1010は、ネットワークノードおよびその構成要素の動作を制御する。メモリ(回路またはモジュール)1020は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、および/またはプロセッサ1010によって使用され得るデータおよび命令を記憶するための別のタイプのメモリ、を備えている。一般に、1つまたは複数の実施形態におけるネットワークノードは、本明細書に開示される実施形態のいずれかにおける動作を実行するように構成される固定またはプログラムされた回路を備えていることが理解されるであろう。
【0268】
少なくとも1つのそのような例では、プロセッサ1010は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSP、ASIC、FPGA、または、処理回路内に存在するかまたは処理回路にアクセス可能な非一過性の(非一時的な)コンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータプログラムからのコンピュータプログラム命令を実行するように構成された他の処理回路、を備えている。ここで、「非一過性」とは、必ずしも永続的または不変の記憶を意味するものではなく、ワーキングメモリまたは揮発性メモリへの記憶を備えている場合もあるが、この用語は、少なくともある程度の永続性の記憶を意味する。プログラム命令の実行は、本開示に開示された動作を実行するように処理回路を特別に適合または構成する。さらに、ネットワークノード1000は、追加の構成要素を備えて構成されてもよいことが理解されよう。
【0269】
ネットワークノード1000は、ビームフォーミング技術をサポートする4GまたはLTE、LTE-A、5G、高度5G、またはそれらの組み合わせ、を備えている任意の無線アクセス技術に属することができる。ネットワークノード1000は、プロセッサと、プロセッサによって実行可能な命令を備えているメモリと、を備えている。それによってネットワークノード1000は、ネットワークノード(またはgNB)に関連する本開示で提示される主題のいずれか1つを実行するように動作可能にされているかまたは構成される。
【0270】
前述のように、ネットワークノード1000は、以下の工程を実行するように構成される。送信済みのチャネル状態情報CSIレポート構成に基づき、ユーザ機器UEがプリコーダベクトルまたは行列のランクインデックスRI送信層のためのプリコーダ係数の数(多数、アナンバオブ)を決定することを可能にするためのチャネル状態情報CSIレポート構成を、ユーザ機器UEに送信する工程。アップリンクチャネルを介して、ユーザ機器UEから、ユーザ機器UEによって生成されたチャネル状態情報CSIレポートを備えているアップリンク制御情報UCIを受信する工程。チャネル状態情報CSIレポートは、チャネル状態情報CSIパート1とチャネル状態情報CSIパート2とを備えている。チャネル状態情報CSIパート1は、固定ペイロードサイズを有しているとともに、チャネル状態情報CSIパート2のペイロードサイズを示す情報を備えている。チャネル状態情報CSIパート2は、2つ以上のチャネル状態情報CSIグループのうちの少なくとも1つのグループのプリコーダ係数を備えている。プリコーダ係数は、少なくとも2つの順序付け済みの係数サブセットに順序付けされる。
【0271】
ネットワークノードによって実行される機能および動作に関する追加の詳細は、既に説明されているので、再度繰り返す必要はない。
本開示において説明される実施形態のいくつかの利点は、既に説明されたように達成されている。これには、チャネルのマルチパス成分の角度および遅延の情報が基地局またはネットワークノードで利用可能にされていると仮定して、コードブックベースのチャネル状態情報CSIレポートのためのユーザ機器UEにおけるフィードバックオーバーヘッドおよび計算複雑度を大幅に低減することが含まれる。もう1つの利点は、チャネル状態情報CSI報告の待ち時間を短縮できることである。
【0272】
本明細書全体を通して、「一例」または「例示的」という言及は、例に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性、が本技術の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通じて様々な場所で「一例として」または「例示的な」という語句が登場しても、必ずしも全てが同じ実施形態を指すわけではない。
【0273】
本開示全体を通じて、「comprise」(備える)または「comprising」(含む)という語は、非限定的な意味、すなわち「少なくともからなる」という意味で使用されている。本明細書では特定の用語が使用される場合があるが、これらは、一般的かつ説明的な意味だけに使用されているので、限定を目的とするものではない。本明細書における実施形態は、LTEまたは4G、LTE-A(またはLTE-Advanced)、5G、アドバンスド5G、WiMAX、WiFi、衛星通信、テレビ放送等、を備えている任意の無線システムにおいて適用され得る。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいてチャネル状態情報CSIレポートを生成および報告するべく、ユーザ機器(900)によって実行される方法であって、前記方法は、
ネットワークノードからチャネル状態情報CSIレポート構成を受信(401)する工程と、
受信済みの前記チャネル状態情報CSIレポート構成に基づき、プリコーダベクトルまたは行列のランクインデックスRI送信層のプリコーダ係数の数を決定(402)する工程と、
前記ランクインデックスRI送信層の前記プリコーダ係数を、少なくとも2つの係数サブセットにグループ化(403)する工程であって、各係数サブセットは複数のプリコーダ係数を備えている、前記プリコーダ係数をグループ化(403)する工程と、
前記少なくとも2つの係数サブセットへの順序付けと、各係数サブセット内の前記プリコーダ係数への順序付けと、を割当(404)する工程と、
前記少なくとも2つの係数サブセットを、関連する優先レベルを有している2つ以上のチャネル状態情報CSIグループに分割(405)する工程と、
チャネル状態情報CSIパート1およびチャネル状態情報CSIパート2を備えているチャネル状態情報CSIレポートを生成(406)する工程であって、前記チャネル状態情報CSIパート1は固定ペイロードサイズを有しているとともに、前記チャネル状態情報CSIパート2のペイロードサイズを示す情報を備えており、前記チャネル状態情報CSIパート2は2つのチャネル状態情報CSIグループのうちの少なくとも1つのグループのプリコーダ係数を備えている、前記チャネル状態情報CSIレポートを生成(406)する工程と、
前記チャネル状態情報CSIレポートを備えているアップリンク制御情報UCIを、アップリンクULチャネルを介して前記ネットワークノードに送信(407)する工程と、
を備えて
おり、
前記係数サブセット内の各プリコーダ係数は、3つのインデックス(l,p,d)に関連付けられており、
第1インデックスであるl=0,…,RI-1は、層インデックスであり、
第2インデックスであるp∈Uは、ポートまたは空間ビームインデックスであり、
U={0,…,P′-1}またはU={0,…,2P′-1}は、ポートまたは空間ビームインデックスのセットであり、
第3インデックスであるdは、ドップラーインデックス、または遅延およびドップラーインデックスのペアであり、d=0,…,D′-1である、
方法。
【請求項2】
U={0,…,2P′-1}と、ポートまたは空間ビームインデックス{0,…,P′-1}に関連づけられている前記プリコーダ係数と、はアンテナポートの第1偏波に関連付けられており、
ポートまたは空間ビームインデックス{P′,…,2P′-1}に関連付けられたプリコーダ係数は、アンテナポートの第2偏波に関連付けられている、
請求項
1に記載の方法。
【請求項3】
第l層の係数サブセットの前記プリコーダ係数は、全てのD′遅延および/またはドップラーインデックス、または遅延およびドップラーインデックスペアに、およびUからの連続ポートまたは空間ビームインデックスの1つのサブセットまたは2つのサブセットに、関連付けられている、
請求項
2に記載の方法。
【請求項4】
第l層の係数サブセットの前記プリコーダ係数は、前記アンテナポートの2つの偏波に関連付けられている、
請求項
2に記載の方法。
【請求項5】
係数サブセットにおける層毎のプリコーダ係数の前記数は、全層にわたるプリコーダ係数の前記数の最大値に依存する、
請求項
1に記載の方法。
【請求項6】
各係数サブセットA
iの前記プリコーダ係数は、多数の係数サブセットA
i={A
i,1,…,A
i,T}にグループ化されており、
各係数サブセットA
i,jは、全てのD′遅延および/またはドップラーインデックスに、またはD′遅延およびドップラーインデックスのペアに、単一のポートまたは空間ビームインデックスおよびアンテナポートの単一の偏波に、および、前記係数サブセットA
iに関連する全ての層インデックスに、関連する前記プリコーダ係数を備えており、
前記係数サブセットA
i,jは、増加する偏波インデックスに関して順序付けられており、
同じ偏波インデックスに関連する係数サブセットは、増加するポートまたは空間ビームインデックスに関して順序付けられている、
請求項
1に記載の方法。
【請求項7】
各係数サブセットA
i,jの前記プリコーダ係数は、増加する遅延および/またはドップラーインデックスに関して、または遅延およびドップラーインデックスのペアに関して、順序付けられており、
同じ遅延および/またはドップラーインデックスに関連する前記プリコーダ係数は、増加する層インデックスに関して順序付けられている、
請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
最大または最強の係数の同じ層および遅延および/またはドップラーインデックスに関連する前記プリコーダ係数が、新しい遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延とドップラーペアインデックスd′=0に関連しており、そして
同じ層インデックスおよび残りの遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延とドップラーペアインデックスに関連する残りの前記プリコーダ係数が、増加する遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延とドップラーペアインデックスに関して、または減少する遅延および/またはドップラーインデックスまたは遅延とドップラーペアインデックスに関して、順序付けられるように、
前記プリコーダ係数は順序付けられている、
請求項
1に記載の方法。
【請求項9】
無線通信システムにおいて、ユーザ機器UE(900)によって生成されたチャネル状態情報CSIレポートを受信するべくネットワークノード(1000)によって実行される方法であって、前記方法は、
送信済みのチャネル状態情報CSIレポート構成に基づき、プリコーダベクトルまたは行列のランクインデックスRI送信層のためのプリコーダ係数の数を前記ユーザ機器UEが決定できるようにするためのチャネル状態情報CSIレポート構成を、前記ユーザ機器UE(900)に送信する工程と、
アップリンクチャネルを介して前記ユーザ機器UE(900)から、前記ユーザ機器UEによって生成されたチャネル状態情報CSIレポートを備えているアップリンク制御情報UCIを受信する工程であって、前記チャネル状態情報CSIレポートはチャネル状態情報CSIパート1とチャネル状態情報CSIパート2とを備えており、前記チャネル状態情報CSIパート1は固定ペイロードサイズを有しているとともに、前記チャネル状態情報CSIパート2のペイロードサイズを示す情報を備えており、前記チャネル状態情報CSIパート2は、2つ以上のチャネル状態情報CSIグループのうちの少なくとも1つのグループの前記プリコーダ係数を備えており、前記プリコーダ係数は、少なくとも2つの順序付け済みの係数サブセットに順序付けされる、前記アップリンク制御情報UCIを受信する工程と、
を備えて
おり、
前記係数サブセット内の各プリコーダ係数は、3つのインデックス(l,p,d)に関連付けられており、
第1インデックスであるl=0,…,RI-1は、層インデックスであり、
第2インデックスであるp∈Uは、ポートまたは空間ビームインデックスであり、
U={0,…,P′-1}またはU={0,…,2P′-1}は、ポートまたは空間ビームインデックスのセットであり、
第3インデックスであるdは、ドップラーインデックス、または遅延およびドップラーインデックスのペアであり、d=0,…,D′-1である、
方法。
【請求項10】
プロセッサ(910)とメモリ(920)と、を備えているユーザ機器(900)であって、
前記メモリ(920)は、前記プロセッサ(910)によって実行可能な命令を備えており、よって前記ユーザ機器UE(900)は、方法の請求項1~
8のいずれか1項に記載の特徴を実行するように動作可能にされている、
ユーザ機器(900)。
【請求項11】
プロセッサ(1010)とメモリ(1020)と、を備えているネットワークノード(1000)であって、
前記メモリ(1020)は、前記プロセッサ(1010)によって実行可能な命令を備えており、よって前記ネットワークノード(1000)は、方法の請求項
9に記載の特徴を実行するように動作可能にされている、
ネットワークノード(1000)。
【手続補正書】
【提出日】2023-03-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいてチャネル状態情報CSIレポートを生成および報告するべく、ユーザ機器(900)によって実行される方法であって、前記方法は、
ネットワークノードからチャネル状態情報CSIレポート構成を受信(401)する工程と、
受信済みの前記チャネル状態情報CSIレポート構成に基づき、プリコーダベクトルまたは行列のランクインデックスRI送信層のプリコーダ係数の数を決定(402)する工程と、
前記ランクインデックスRI送信層の前記プリコーダ係数を、少なくとも2つの係数サブセットにグループ化(403)する工程であって、各係数サブセットは複数のプリコーダ係数を備えている、前記プリコーダ係数をグループ化(403)する工程と、
前記少なくとも2つの係数サブセットへの順序付けと、各係数サブセット内の前記プリコーダ係数への順序付けと、を割当(404)する工程と、
前記少なくとも2つの係数サブセットを、関連する優先レベルを有している2つ以上のチャネル状態情報CSIグループに分割(405)する工程と、
チャネル状態情報CSIパート1およびチャネル状態情報CSIパート2を備えているチャネル状態情報CSIレポートを生成(406)する工程であって、前記チャネル状態情報CSIパート1は固定ペイロードサイズを有しているとともに、前記チャネル状態情報CSIパート2のペイロードサイズを示す情報を備えており、前記チャネル状態情報CSIパート2は2つのチャネル状態情報CSIグループのうちの少なくとも1つのグループのプリコーダ係数を備えている、前記チャネル状態情報CSIレポートを生成(406)する工程と、
前記チャネル状態情報CSIレポートを備えているアップリンク制御情報UCIを、アップリンクULチャネルを介して前記ネットワークノードに送信(407)する工程と、
を備えており、
各プリコーダ係数は、
4つのインデックス(l,p,d
,n)に関連付けられており、
第1インデックスである
lは、層インデックスであり、
第2インデックスである
pは、ポートまたは空間ビームインデックスであり
、
第3インデックスであるdは、遅
延インデックスであり、
第4インデックスであるnは、ドップラー成分インデックスである、
方法。
【請求項2】
l=0,…,RI-1であり、
p=0,…,P′-1またはp=0,…,2P′-1であり、
d=0,…,D′-1であり、
n=0,…,E′-1であり、
D′は遅延および/またはドップラー成分の数、または遅延とドップラーインデックスペアの数であり、
E′はドップラー成分の数である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
プリコーディングベクトルまたは行列のランクインデックスRI層の前記プリコーダ係数は、多数の重複しない係数サブセットA={A
0
,A
1
,…,A
N-1
}にグループ化されており、
各係数サブセットA
i
は、D′個の遅延およびランクインデックスRI送信層に関連するプリコーダ係数と、多数のポートインデックスと、を備えて構成されている、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各係数サブセットA
i
の前記プリコーダ係数はさらに、多数の係数サブセットA
i
={A
i,1
,…,A
i,T3
}にグループ化されており、
各係数サブセットA
i,j
は、係数サブセットA
i
に関連する全ての層インデックスと、単一の偏波の単一のポートインデックスの全てのドップラーインデックスと、に関連する前記プリコーダ係数を備えて構成されている、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記係数サブセットA
i,j
は、増加する偏波インデックスに関して順序付けられており、
同じ偏波インデックスに関連する係数サブセット同士は、増加するポートインデックスに関して順序付けられている、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
各係数サブセットA
i,j
の前記プリコーダ係数は、増加する層インデックスに関して順序付けられており、
同じ層インデックスに関連する前記プリコーダ係数同士は、増加するドップラーインデックスに関して順序付けられている、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
各係数サブセットA
i
の前記プリコーダ係数はさらに、多数の係数サブセットA
i
={A
i,1
,…,A
i,T
}にグループ化されており、
各係数サブセットA
i,j
は、アンテナポートの第1および第2偏波、ランクインデックスRI
層、および単一のドップラーインデックス、に関連する連続ポートインデックスの1つのサブセットまたは2つのサブセットに関連する前記プリコーダ係数を備えて構成されている、
請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記係数サブセットA
i,j
は、増加するドップラーインデックスに関して順序付けられている、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
各係数サブセットA
i
の前記プリコーダ係数はさらに、多数の係数サブセットA
i
={A
i,1
,…,A
i,T
}にグループ化されており、
各係数サブセットA
i,j
は、アンテナポート、ランクインデックスRI
層、および単一の遅延インデックス、の第1および第2偏波に関連する連続ポートインデックスの1つのサブセットまたは2つのサブセットに関連するプリコーダ係数を備えて構成されている、
請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記係数サブセットA
i,j
は、増加する遅延インデックスに関して順序付けられている、
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
各係数サブセットA
i,j
の前記プリコーダ係数は、増加するポートインデックスに関して順序付けられており、
同じポートインデックスに関連する前記プリコーダ係数同士は、増加する層インデックスに関して順序付けられている、
請求項8または10に記載の方法。
【請求項12】
前記係数サブセットは、増加するサブセットインデックスに関して順序付けられる、
請求項2に記載の方法。
【請求項13】
第l層の係数サブセットの前記プリコーダ係数は、アンテナポートの2つの偏波に関連付けられている、
請求項2に記載の方法。
【請求項14】
少なくとも2つの係数サブセットへの前記プリコーダ係数のグループ化と、
前記係数サブセットと各係数サブセット内の前記プリコーダ係数との順序付けと、
は遅延インデックスdの代わりに新たな遅延インデックスd′に基づく、
請求項1に記載の方法。
【請求項15】
伝送層のためのプリコーディングベクトルは、
P個の基底ベクトルを備えている第1基底セットから選択済みのP′個の基底ベクトルと、
D個の基底ベクトルを備えている第2基底セットから選択済みのD′個の基底ベクトルと、
E個の基底ベクトルを備えている第3基底セットから選択済みのE′個の基底ベクトルと、ならびに、
第1および第2および第3基底セットから選択済みの基底ベクトル同士を結合するためのプリコーダ係数のセットと、
に基づく、
請求項2に記載の方法。
【請求項16】
D′=Dである、
請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記プリコーダ係数または前記遅延インデックスは、モジュロ演算d′=(d-d
r
)modDに関して順序付けられており、
d′は、モジュロ演算後の新しい遅延インデックスであり、
d
r
は、最大または最強係数に関連する参照遅延インデックスである、
請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第2基底セットからの各基底ベクトルは、N
3
個のサブバンドまたは物理リソースブロックPRBまた
は周波数単位にわたって定義された離散フーリエ変換DFTまたは逆離散フーリエ変換IDFTベクトルであるとともに遅延値に関連付けられている、
請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記第3基底セットからの各基底ベクトルは、N
4
個の時間インスタントに
わたって定義された離散フーリエ変換DFTまたは逆離散フーリエ変換IDFTベクトルであるとともにドップラー値に関連付けられている、
請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記第1基底セットは2次元離散フーリエ変換2D-DFT行列によって与えられており、
各基底ベクトルは、空間ビームまたは空間ビームベクトルと呼ばれる、
請求項15に記載の方法。
【請求項21】
前記第2基底セットの基底ベクトルのセットに関連する層毎の前記プリコーダ係数は、前記基底ベクトルの基底インデックスfに関して順序付けられている、
請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記基底インデックスfに関連する前記プリコーダ係数は、モジュロ演算f
t
=(f-f
r
)modN
3
に関して順序付けられており、
f
t
∈{0,…,N
3
-1}は新しい基底インデックスであり、
f
r
は、最大または最強の係数に関連付けられた参照基底インデックスである、
請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記新しい基底インデックスf
t
=0に関連する前記プリコーダ係数は、前記新しい遅延インデックスd′=0にマッピングされている、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
f
t
=0以外の新しい基底インデックスf
t
に関連する前記プリコーダ係数は、次式のN
3
遅延の特定の順序に従って、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′にマッピングされている、
【数1】
請求項22に記載の方法。
【請求項25】
層の前記プリコーダ係数は係数行列内にスタックされており、
前記チャネル状態情報CSIレポートは前記係数行列内の非ゼロ係数の位置を示すためのインジケータを備えており、
前記インジケータはビットマップによって与えられ、
前記ビットマップの各ビットは、前記係数行列内のプリコーダ係数に関連付けられている、
請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記ビットマップ内の前記ビットは、前記係数サブセットと前記係数サブセット内の前記プリコーダ係数とで同様に順序付けられる、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
無線通信システムにおいて、ユーザ機器UE(900)によって生成されたチャネル状態情報CSIレポートを受信するべくネットワークノード(1000)によって実行される方法であって、前記方法は、
送信済みのチャネル状態情報CSIレポート構成に基づき、プリコーダベクトルまたは行列のランクインデックスRI送信層のためのプリコーダ係数の数を前記ユーザ機器UEが決定できるようにするためのチャネル状態情報CSIレポート構成を、前記ユーザ機器UE(900)に送信する工程と、
ランクインデックスRI送信層の前記プリコーダ係数を、少なくとも2つの係数サブセットにグループ化する工程であって、各係数サブセットは複数のプリコーダ係数を備えている、前記プリコーダ係数をグループ化する工程と、
前記少なくとも2つの係数サブセットへの順序付けと、各係数サブセット内の前記プリコーダ係数への順序付けと、を割当する工程と、
前記少なくとも2つの係数サブセットを、関連する優先レベルを有している2つ以上のチャネル状態情報CSIグループに分割する工程と、
アップリンクチャネルを介して前記ユーザ機器UE(900)から、前記ユーザ機器UEによって生成されたチャネル状態情報CSIレポートを備えているアップリンク制御情報UCIを受信する工程であって、前記チャネル状態情報CSIレポートはチャネル状態情報CSIパート1とチャネル状態情報CSIパート2と、を備えており、前記チャネル状態情報CSIパート1は固定ペイロードサイズを有しているとともに、前記チャネル状態情報CSIパート2のペイロードサイズを示す情報を備えており、前記チャネル状態情報CSIパート2は、2つ以上のチャネル状態情報CSIグループのうちの少なくとも1つのグループの前記プリコーダ係数を備えており、
各プリコーダ係数は、
4つのインデックス(l,p,d
,n)に関連付けられており、
第1インデックスである
lは、層インデックスであり、
第2インデックスである
pは、ポートまたは空間ビームインデックスであり
、
第3インデックスであるdは、遅
延インデックスであり、
第4インデックスであるnは、ドップラー成分インデックスである、
方法。
【請求項28】
プロセッサ(910)とメモリ(920)と、を備えているユーザ機器(900)であって、
前記メモリ(920)は、前記プロセッサ(910)によって実行可能な命令を備えており、よって前記ユーザ機器UE(900)は、方法の請求項1~
26のいずれか1項に記載の特徴を実行するように動作可能にされている、
ユーザ機器(900)。
【請求項29】
プロセッサ(1010)とメモリ(1020)と、を備えているネットワークノード(1000)であって、
前記メモリ(1020)は、前記プロセッサ(1010)によって実行可能な命令を備えており、よって前記ネットワークノード(1000)は、方法の請求項
27に記載の特徴を実行するように動作可能にされている、
ネットワークノード(1000)。
【手続補正書】
【提出日】2023-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおいてチャネル状態情報CSIレポートを生成および報告するべく、ユーザ機器(900)によって実行される方法であって、前記方法は、
ネットワークノードからチャネル状態情報CSIレポート構成を受信(401)する工程と、
受信済みの前記チャネル状態情報CSIレポート構成に基づき、プリコーダベクトルまたは行列のランクインデックスRI送信層のプリコーダ係数の数を決定(402)する工程と、
前記ランクインデックスRI送信層の前記プリコーダ係数を、少なくとも2つの係数サブセットにグループ化(403)する工程であって、各係数サブセットは複数のプリコーダ係数を備えている、前記プリコーダ係数をグループ化(403)する工程と、
前記少なくとも2つの係数サブセットへの順序付けと、各係数サブセット内の前記プリコーダ係数への順序付けと、を割当(404)する工程と、
前記少なくとも2つの係数サブセットを、関連する優先レベルを有している2つ以上のチャネル状態情報CSIグループに分割(405)する工程と、
チャネル状態情報CSIパート1およびチャネル状態情報CSIパート2を備えているチャネル状態情報CSIレポートを生成(406)する工程であって、前記チャネル状態情報CSIパート1は固定ペイロードサイズを有しているとともに、前記チャネル状態情報CSIパート2のペイロードサイズを示す情報を備えており、前記チャネル状態情報CSIパート2は2つのチャネル状態情報CSIグループのうちの少なくとも1つのグループのプリコーダ係数を備えている、前記チャネル状態情報CSIレポートを生成(406)する工程と、
前記チャネル状態情報CSIレポートを備えているアップリンク制御情報UCIを、アップリンクULチャネルを介して前記ネットワークノードに送信(407)する工程と、
を備えており、
各プリコーダ係数は、4つのインデックス(l,p,d,n)に関連付けられており、
第1インデックスであるlは、層インデックスであり、
第2インデックスであるpは、ポートまたは空間ビームインデックスであり、
第3インデックスであるdは、遅延インデックスであり、
第4インデックスであるnは、ドップラー成分インデックスである、
方法。
【請求項2】
l=0,…,RI-1であり、
p=0,…,P′-1またはp=0,…,2P′-1であり、
d=0,…,D′-1であり、
n=0,…,E′-1であり、
D′は遅延の数であり、
E′はドップラー成分の数である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
プリコーディングベクトルまたは行列のランクインデックスRI層の前記プリコーダ係数は、多数の重複しない係数サブセットA={A
0,A
1,…,A
N-1}にグループ化されており、
各係数サブセットA
iは、D′個の遅延およびランクインデックスRI送信層に関連するプリコーダ係数と、多数のポートインデックスと、を備えて構成されている、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各係数サブセットA
iの前記プリコーダ係数はさらに、多数の係数サブセットA
i={A
i,1,…,A
i,T}にグループ化されており、
各係数サブセットA
i,jは、アンテナポート、ランクインデックスRI層、および単一の遅延インデックス、の第1および第2偏波に関連する連続ポートインデックスの1つのサブセットまたは2つのサブセットに関連するプリコーダ係数を備えて構成されている、
請求項
3に記載の方法。
【請求項5】
前記係数サブセットA
i,jは、増加する遅延インデックスに関して順序付けられており、
各係数サブセットA
i,jの前記プリコーダ係数は、増加するポートインデックスに関して順序付けられており、
同じポートインデックスに関連する前記プリコーダ係数同士は、増加する層インデックスに関して順序付けられている、
請求項
4に記載の方法。
【請求項6】
前記係数サブセットは、増加するサブセットインデックスに関して順序付けられる、
請求項
3に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも2つの係数サブセットへの前記プリコーダ係数のグループ化と、
前記係数サブセットと各係数サブセット内の前記プリコーダ係数との順序付けと、
は遅延インデックスdの代わりに新たな遅延インデックスd′に基づく、
請求項
2に記載の方法。
【請求項8】
伝送層のためのプリコーディングベクトルは、
P個の基底ベクトルを備えている第1基底セットから選択済みのP′個の基底ベクトルと、
D個の基底ベクトルを備えている第2基底セットから選択済みのD′個の基底ベクトルと、
E個の基底ベクトルを備えている第3基底セットから選択済みのE′個の基底ベクトルと、ならびに、
第1および第2および第3基底セットから選択済みの基底ベクトル同士を結合するためのプリコーダ係数のセットと、
に基づく、
請求項
2に記載の方法。
【請求項9】
D′=Dであり、
前記プリコーダ係数または前記遅延インデックスは、モジュロ演算d′=(d-d
r)modDに関して順序付けられており、
d′は、モジュロ演算後の新しい遅延インデックスであり、
d
rは、最大または最強係数に関連する参照遅延インデックスである、
請求項
8に記載の方法。
【請求項10】
前記第2基底セットからの各基底ベクトルは、N
3個のサブバンドまたは物理リソースブロックPRBまたは周波数単位にわたって定義された離散フーリエ変換DFTまたは逆離散フーリエ変換IDFTベクトルであるとともに遅延値に関連付けられており、
前記第3基底セットからの各基底ベクトルは、N
4個の時間インスタントにわたって定義された離散フーリエ変換DFTまたは逆離散フーリエ変換IDFTベクトルであるとともにドップラー値に関連付けられている、
請求項
8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1基底セットは2次元離散フーリエ変換2D-DFT行列によって与えられており、
各基底ベクトルは、空間ビームまたは空間ビームベクトルと呼ばれる、
請求項
8に記載の方法。
【請求項12】
前記第2基底セットの基底ベクトルのセットに関連する層毎の前記プリコーダ係数は、前記基底ベクトルの基底インデックスfに関して順序付けられており、
前記基底インデックスfに関連する前記プリコーダ係数は、モジュロ演算f
t=(f-f
r)modN
3に関して順序付けられており、
f
t∈{0,…,N
3-1}は新しい基底インデックスであり、
f
rは、最大または最強の係数に関連付けられた参照基底インデックスである、
請求項
10に記載の方法。
【請求項13】
前記新しい基底インデックスf
t=0に関連する前記プリコーダ係数は、前記新しい遅延インデックスd′=0にマッピングされており、
f
t=0以外の新しい基底インデックスf
tに関連する前記プリコーダ係数は、次式のN
3遅延の特定の順序に従って、新しい遅延および/またはドップラーインデックスd′にマッピングされている、
【数1】
請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
層の前記プリコーダ係数は係数行列内にスタックされており、
前記チャネル状態情報CSIレポートは前記係数行列内の非ゼロ係数の位置を示すためのインジケータを備えており、
前記インジケータはビットマップによって与えられ、
前記ビットマップの各ビットは、前記係数行列内のプリコーダ係数に関連付けられている、
請求項
1に記載の方法。
【請求項15】
前記ビットマップ内の前記ビットは、前記係数サブセットと前記係数サブセット内の前記プリコーダ係数とで同様に順序付けられる、
請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
無線通信システムにおいて、ユーザ機器UE(900)によって生成されたチャネル状態情報CSIレポートを受信するべくネットワークノード(1000)によって実行される方法であって、前記方法は、
送信済みのチャネル状態情報CSIレポート構成に基づき、プリコーダベクトルまたは行列のランクインデックスRI送信層のためのプリコーダ係数の数を前記ユーザ機器UEが決定できるようにするためのチャネル状態情報CSIレポート構成を、前記ユーザ機器UE(900)に送信する工程と、
ランクインデックスRI送信層の前記プリコーダ係数を、少なくとも2つの係数サブセットにグループ化する工程であって、各係数サブセットは複数のプリコーダ係数を備えている、前記プリコーダ係数をグループ化する工程と、
前記少なくとも2つの係数サブセットへの順序付けと、各係数サブセット内の前記プリコーダ係数への順序付けと、を割当する工程と、
前記少なくとも2つの係数サブセットを、関連する優先レベルを有している2つ以上のチャネル状態情報CSIグループに分割する工程と、
アップリンクチャネルを介して前記ユーザ機器UE(900)から、前記ユーザ機器UEによって生成されたチャネル状態情報CSIレポートを備えているアップリンク制御情報UCIを受信する工程であって、前記チャネル状態情報CSIレポートはチャネル状態情報CSIパート1とチャネル状態情報CSIパート2と、を備えており、前記チャネル状態情報CSIパート1は固定ペイロードサイズを有しているとともに、前記チャネル状態情報CSIパート2のペイロードサイズを示す情報を備えており、前記チャネル状態情報CSIパート2は、2つ以上のチャネル状態情報CSIグループのうちの少なくとも1つのグループの前記プリコーダ係数を備えており、
各プリコーダ係数は、4つのインデックス(l,p,d,n)に関連付けられており、
第1インデックスであるlは、層インデックスであり、
第2インデックスであるpは、ポートまたは空間ビームインデックスであり、
第3インデックスであるdは、遅延インデックスであり、
第4インデックスであるnは、ドップラー成分インデックスである、
方
法。
【請求項17】
プロセッサ(910)とメモリ(920)と、を備えているユーザ機器(900)であって、
前記メモリ(920)は、前記プロセッサ(910)によって実行可能な命令を備えており、よって前記ユーザ機器UE(900)は、方法の請求項1~1
5のいずれか1項に記載の特徴を実行するように動作可能にされている、
ユーザ機器(900
)。
【請求項18】
プロセッサ(1010)とメモリ(1020)と、を備えているネットワークノード(1000)であって、
前記メモリ(1020)は、前記プロセッサ(1010)によって実行可能な命令を備えており、よって前記ネットワークノード(1000)は、方法の請求項1
6に記載の特徴を実行するように動作可能にされている、
ネットワークノード(1000
)。
【国際調査報告】