(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-15
(54)【発明の名称】圧縮可能で撓み可能なバルブを備えたニードルレスコネクター
(51)【国際特許分類】
A61M 39/26 20060101AFI20240408BHJP
A61M 39/10 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
A61M39/26
A61M39/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557693
(86)(22)【出願日】2022-04-27
(85)【翻訳文提出日】2023-10-04
(86)【国際出願番号】 US2022026577
(87)【国際公開番号】W WO2022235470
(87)【国際公開日】2022-11-10
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505403186
【氏名又は名称】ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワイン、ジェイソン アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】マンスール、ジョージ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066JJ03
4C066JJ05
4C066JJ10
(57)【要約】
ニードルレスコネクターは、近位端部と、遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延在する内部キャビティーを画定する内側表面とを有するハウジングを含むことが可能である。圧縮可能なバルブは、内部キャビティーの中に配設されることが可能である。圧縮可能なバルブは、ヘッド部分と、ハウジングの中に圧縮可能なバルブを固定するためのフランジ部分と、ヘッド部分とフランジ部分との間に延在する本体部部分とを含むことが可能である。本体部部分は、外部ノッチを含む円筒形状の外側表面を含むことが可能であり、外部ノッチは、円筒形状の外側表面の周囲部の一部分に沿って延在しており、円筒形状の外側表面から半径方向内向きに凹ませられている。本体部部分は、平面的な面をさらに含むことが可能であり、平面的な面は、外部ノッチから遠位に延在し、外部ノッチとフランジ部分との間に配設されている。平面的な面は、円筒形状の外側表面の少なくとも一部分に対して半径方向内向きに凹ませられることが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニードルレスコネクターであって、前記ニードルレスコネクターは、
近位端部、遠位端部、および内側表面を有するハウジングであって、前記近位端部は、前記ハウジングの入口ポートを画定しており、前記遠位端部は、前記ハウジングのベースと連結されるように構成されており、前記内側表面は、前記近位端部と前記遠位端部との間に延在する内部キャビティーを画定している、ハウジングと;
前記内部キャビティーの中に配設されている圧縮可能なバルブであって、前記圧縮可能なバルブは、ヘッド部分、前記ハウジングの中に前記圧縮可能なバルブを固定するためのフランジ部分、および、前記ヘッド部分と前記フランジ部分との間に延在する本体部部分を含む、圧縮可能なバルブと
を含み、
前記本体部部分は、
外部ノッチを含む円筒形状の外側表面であって、前記外部ノッチは、前記円筒形状の外側表面の周囲部の一部分に沿って延在しており、前記円筒形状の外側表面から半径方向内向きに凹ませられている、円筒形状の外側表面と;
前記外部ノッチから遠位に延在し、前記外部ノッチと前記フランジ部分との間に配設されている平面的な面と
を含み、
前記平面的な面は、前記円筒形状の外側表面の少なくとも一部分に対して半径方向内向きに凹ませられている、ニードルレスコネクター。
【請求項2】
前記圧縮可能なバルブは、バルブキャビティーを画定する内部表面と、前記内部表面と前記外側表面との間に画定されている第1の壁部セクションと、前記内部表面と前記平面的な面との間に画定されている第2の壁部セクションとを含む、請求項1に記載のニードルレスコネクター。
【請求項3】
前記外部ノッチは、前記円筒形状の外側表面から前記第2の壁部セクションの中へ半径方向内向きに延在する第1の表面と、前記第1の表面から長手方向におよび遠位に延在する第2の表面と、前記第2の表面から遠位におよび半径方向外向きに延在する傾斜表面とを含む、請求項2に記載のニードルレスコネクター。
【請求項4】
前記圧縮可能なバルブは、長手方向中心軸線を含み、前記傾斜表面の遠位端部と前記長手方向中心軸線との間の半径方向距離は、前記第1の表面の最も半径方向外側の端部と前記長手方向中心軸線との間の半径方向距離よりも小さい、請求項3に記載のニードルレスコネクター。
【請求項5】
前記ニードルレスコネクターは、内部ノッチをさらに含み、前記内部ノッチは、前記内部表面に配設されており、前記平面的な面に向けて前記第2の壁部セクションの中へ半径方向外向きに延在している、請求項2に記載のニードルレスコネクター。
【請求項6】
前記壁部の長さに沿った前記内部ノッチの位置は、前記第2の壁部セクションの長さに沿った前記外部ノッチの位置と少なくとも部分的に重なっている、請求項5に記載のニードルレスコネクター。
【請求項7】
前記ヘッド部分は、前記ヘッド部分の外部に沿って配設されている少なくとも1つのノッチを含む、請求項1に記載のニードルレスコネクター。
【請求項8】
ニードルレスコネクターであって、前記ニードルレスコネクターは、
近位端部、遠位端部、および内側表面を有するハウジングであって、前記近位端部は、前記ハウジングの入口ポートを画定しており、前記遠位端部は、前記ハウジングのベースと連結されるように構成されており、前記内側表面は、前記近位端部と前記遠位端部との間に延在する内部キャビティーを画定している、ハウジングと;
前記内部キャビティーの中に往復運動可能に配設されている圧縮可能なバルブであって、前記圧縮可能なバルブは、ヘッド部分、および、前記ヘッド部分から遠位に延在する本体部部分を含む、圧縮可能なバルブと
を含み、
前記本体部部分は、
カットアウトを含む円筒形状の外側表面であって、前記カットアウトは、前記円筒形状の外側表面に沿って長手方向に延在しており、前記円筒形状の外側表面から半径方向内向きに凹ませられており、前記カットアウトは、傾斜表面を含む、円筒形状の外側表面
を含む、ニードルレスコネクター。
【請求項9】
前記圧縮可能なバルブは、バルブキャビティーを画定する内部表面と、前記内部表面と前記外側表面との間に画定されている第1の壁部セクションと、前記内部表面と前記傾斜表面との間に画定されている第2の壁部セクションとを含む、請求項8に記載のニードルレスコネクター。
【請求項10】
前記カットアウトは、前記円筒形状の外側表面から半径方向内向きに凹ませられる第1の表面を含み、前記傾斜表面は、前記第1の表面から遠位におよび半径方向外向きに延在している、請求項9に記載のニードルレスコネクター。
【請求項11】
前記傾斜表面は、平面的な表面を含む、請求項10に記載のニードルレスコネクター。
【請求項12】
前記圧縮可能なバルブは、前記ハウジングの中に前記圧縮可能なバルブを固定するためのフランジ部分をさらに含み、前記傾斜表面は、前記第1の表面から前記フランジ部分へ延在している、請求項10に記載のニードルレスコネクター。
【請求項13】
前記傾斜表面の対向する側部は、前記第1の表面において互いに離れるように外向きに角度を付けられており、また、前記フランジ部分において互いに向けて内向きに角度を付けられている、請求項12に記載のニードルレスコネクター。
【請求項14】
前記圧縮可能なバルブは、2次カットアウトをさらに含み、前記2次カットアウトは、前記円筒形状の外側表面に沿って長手方向に延在しており、前記円筒形状の外側表面から半径方向内向きに凹ませられている、請求項10に記載のニードルレスコネクター。
【請求項15】
前記2次カットアウトは、前記カットアウトの前記傾斜表面の対向する側部に配設されている、請求項14に記載のニードルレスコネクター。
【請求項16】
ニードルレスコネクターであって、前記ニードルレスコネクターは、
近位端部、遠位端部、および内側表面を有するハウジングであって、前記近位端部は、前記ハウジングの入口ポートを画定しており、前記遠位端部は、前記ハウジングのベースと連結されるように構成されており、前記内側表面は、前記近位端部と前記遠位端部との間に延在する内部キャビティーを画定している、ハウジングと;
前記内部キャビティーの中に往復運動可能に配設されている圧縮可能なバルブであって、前記圧縮可能なバルブは、ヘッド部分、および、前記ヘッド部分から遠位に延在する本体部部分を含む、圧縮可能なバルブと
を含み、
前記本体部部分は、
外部ノッチを含む円筒形状の外側表面であって、前記外部ノッチは、前記円筒形状の外側表面の周囲部の一部分に沿って延在しており、前記円筒形状の外側表面から半径方向内向きに凹ませられている、円筒形状の外側表面と;
崩壊可能なセグメントであって、前記崩壊可能なセグメントは、前記円筒形状の外側表面の前記周囲部の少なくとも一部分に沿って配設されており、前記円筒形状の外側表面から半径方向内向きに凹ませられており、前記崩壊可能なセグメントは、前記外部ノッチに対して遠位に配設されている、崩壊可能なセグメントと
を含む、ニードルレスコネクター。
【請求項17】
前記圧縮可能なバルブは、バルブキャビティーを画定する内部表面と、前記内部表面と前記外側表面との間に画定されている第1の壁部セクションとを含む、請求項16に記載のニードルレスコネクター。
【請求項18】
前記圧縮可能なバルブは、前記ハウジングの中に前記圧縮可能なバルブを固定するためのフランジ部分をさらに含み;
前記本体部部分は、平面的な面をさらに含み、前記平面的な面は、前記外部ノッチから遠位に延在し、前記外部ノッチと前記フランジ部分との間に配設されており、第2の壁部セクションは、前記内部表面と前記平面的な面との間に画定されている、請求項17に記載のニードルレスコネクター。
【請求項19】
前記平面的な面は、前記円筒形状の外側表面の少なくとも一部分に対して半径方向内向きに凹ませられている、請求項18に記載のニードルレスコネクター。
【請求項20】
前記外部ノッチは、前記円筒形状の外側表面から前記第2の壁部セクションの中へ半径方向内向きに延在する第1の表面と、前記第1の表面から遠位におよび半径方向外向きに延在する傾斜表面とを含む、請求項17に記載のニードルレスコネクター。
【請求項21】
前記外部ノッチは、前記円筒形状の外側表面から前記第2の壁部セクションの中へ半径方向内向きに延在する第1の表面と、前記第1の表面から長手方向におよび遠位に延在する第2の表面と、前記第2の表面から遠位におよび半径方向外向きに延在する傾斜表面とを含む、請求項17に記載のニードルレスコネクター。
【請求項22】
前記崩壊可能なセグメントは、前記第1および第2の壁部セクションの外側周囲全体に沿って延在している、請求項21に記載のニードルレスコネクター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、ニードルレスコネクターに関し、とりわけ、軸線方向力を受けるときに、バルブ本体部の一方の側を均一に内向きに歪めさせ、歪められたバルブ壁部の折り畳みオーバーラップ(folding overlap)を最小化することができる可能性のある構造を有するバルブ部材を備えたニードルレスコネクターに関する。
【背景技術】
【0002】
医学的な治療は、静脈内(IV)カテーテルを使用して医療用流体(たとえば、生理食塩溶液または液体薬剤)を患者に注入することを含むことが多く、静脈内(IV)カテーテルは、可撓性のチュービングおよびフィッティング(一般に、「IVセット」と称される)の配置を通して、流体の供給源(たとえば、IVバッグ)に接続されている。特定のニードルレスコネクターが、IVセットにおいて使用される可能性があり、また、自己シール式ポートを有することが可能であり、嵌合する医療器具がそのようなニードルレスコネクターから切り離されるときに、流体の漏出を防止する。追加的に、ニードルレスコネクターは、機械的なバルブ(たとえば、崩壊可能なバルブ)を含むことが可能であり、それは、自己シール式ポートを提供するための、および、IVセットの中の流体のフローを制御するための、可撓性の材料を含む。
【0003】
多くのニードルレスバルブ幾何学形状の性質に起因して、一般に、バルブ部材を開放位置に設置するために軸線方向力を印加するために使用される医療器具(たとえば、嵌合するオス型ルアー)の除去のときに、流体がバルブヘッドの面の上に堆積される。これらのニードルレスバルブでは、バルブヘッドの上に堆積された流体は、時としてバルブ部材から分離し、患者に投与するための流体通路の中へ流入し、それによって、潜在的な血流疾患とともに不安を引き起こすこととなる。
【0004】
背景技術の章において提供される説明は、単にそれが背景技術の章に述べられているかまたは背景技術の章に関連付けられているからといって、先行技術であると見なされるべきではない。背景技術の章は、主題の技術の1つまたは複数の態様を説明する情報を含むことが可能である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のさまざまな実施形態によれば、ニードルレスコネクターは、近位端部、遠位端部、および内側表面を有するハウジングであって、近位端部は、ハウジングの入口ポートを画定しており、遠位端部は、ハウジングのベースと連結されるように構成されており、内側表面は、近位端部と遠位端部との間に延在する内部キャビティーを画定している、ハウジングと、内部キャビティーの中に配設されている圧縮可能なバルブとを含むことが可能である。圧縮可能なバルブは、ヘッド部分と、ハウジングの中に圧縮可能なバルブを固定するためのフランジ部分と、ヘッド部分とフランジ部分との間に延在する本体部部分とを含むことが可能である。本体部部分は、外部ノッチを含む円筒形状の外側表面であって、外部ノッチは、円筒形状の外側表面の周囲部の一部分に沿って延在しており、円筒形状の外側表面から半径方向内向きに凹ませられている、円筒形状の外側表面と、外部ノッチから遠位に延在し、外部ノッチとフランジ部分との間に配設されている平面的な面とを含むことが可能である。平面的な面は、円筒形状の外側表面の少なくとも一部分に対して半径方向内向きに凹ませられることが可能である。
【0006】
本開示のさまざまな実施形態によれば、ニードルレスコネクターは、ハウジングを含むことが可能であり、ハウジングは、ハウジングの入口ポートを画定する近位端部と、ハウジングのベースと連結されるように構成されている遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延在する内部キャビティーを画定する内側表面とを有している。ニードルレスコネクターは、内部キャビティーの中に往復運動可能に配設されている圧縮可能なバルブをさらに含むことが可能である。圧縮可能なバルブは、ヘッド部分と、ヘッド部分から遠位に延在する本体部部分とを含むことが可能である。本体部部分は、カットアウトを含む円筒形状の外側表面を有することが可能であり、カットアウトは、円筒形状の外側表面に沿って長手方向に延在しており、円筒形状の外側表面から半径方向内向きに凹ませられている。カットアウトは、傾斜表面を含むことが可能である。
【0007】
本開示のさまざまな実施形態によれば、ニードルレスコネクターは、近位端部、遠位端部、および内側表面を有するハウジングであって、近位端部は、ハウジングの入口ポートを画定しており、遠位端部は、ハウジングのベースと連結されるように構成されており、内側表面は、近位端部と遠位端部との間に延在する内部キャビティーを画定している、ハウジングを含むことが可能である。ニードルレスコネクターは、内部キャビティーの中に往復運動可能に配設されている圧縮可能なバルブをさらに含むことが可能である。圧縮可能なバルブは、ヘッド部分と、ヘッド部分から遠位に延在する本体部部分とを含むことが可能である。本体部部分は、外部ノッチを含む円筒形状の外側表面であって、外部ノッチは、円筒形状の外側表面の周囲部の一部分に沿って延在しており、円筒形状の外側表面から半径方向内向きに凹ませられている、円筒形状の外側表面を含むことが可能である。ニードルレスコネクターは、崩壊可能なセグメントであって、崩壊可能なセグメントは、円筒形状の外側表面の周囲部の少なくとも一部分に沿って配設されており、円筒形状の外側表面から半径方向内向きに凹ませられている、崩壊可能なセグメントを含むことが可能である。崩壊可能なセグメントは、外部ノッチに対して遠位に配設されることが可能である。
【0008】
先述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的で説明的なものであり、特許請求されているような主題の技術のさらなる説明を提供することを意図しているということが理解されるべきである。また、他の態様も利用され得り、主題の技術の範囲から逸脱することなく変更が行われ得るということも理解されるべきである。
【0009】
以下の図は、実施形態の特定の態様を図示するために含まれており、排他的な実施形態として見られるべきではない。開示されている主題は、本開示の利益を有する当業者に思い付くこととなるように、形態および機能に関して、かなりの修正例、代替例、組み合わせ、および均等物が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】圧縮可能なバルブを含むニードルレスコネクターの斜視図である。
【
図1B】線1B-1Bに沿った
図1の圧縮可能なバルブの折り畳みの断面図である。
【
図2A】本開示のいくつかの実施形態による、圧縮可能なバルブを含むニードルレスコネクターの断面図である。
【
図2B】本開示のいくつかの実施形態による、
図2Aの圧縮可能なバルブの例を図示する斜視図である。
【
図2C】本開示のいくつかの実施形態による、軸線方向力を受けている
図2Bの圧縮可能なバルブを含むニードルレスコネクターの断面図である。
【
図3A】本開示のいくつかの実施形態による、圧縮可能なバルブを含むニードルレスコネクターの断面図である。
【
図3B】本開示のいくつかの実施形態による、軸線方向力を受けている
図3Aの圧縮可能なバルブを含むニードルレスコネクターの断面図である。
【
図4A】本開示のいくつかの実施形態による、圧縮可能なバルブを含むニードルレスコネクターの断面図である。
【
図4B】本開示のいくつかの実施形態による、
図4Aの圧縮可能なバルブの例を図示する図である。
【
図4C】本開示のいくつかの実施形態による、
図4Aの圧縮可能なバルブの例を図示する図である。
【
図4D】本開示のいくつかの実施形態による、
図4Aの圧縮可能なバルブの例を図示する図である。
【
図4E】本開示のいくつかの実施形態による、
図4Aの圧縮可能なバルブの例を図示する図である。
【
図4F】本開示のいくつかの実施形態による、軸線方向力を受けている
図4B~
図4Eの圧縮可能なバルブを含むニードルレスコネクターの断面図である。
【
図5A】本開示のいくつかの実施形態による、圧縮可能なバルブを含むニードルレスコネクターの断面図である。
【
図5B】本開示のいくつかの実施形態による、軸線方向力を受けている圧縮可能なバルブを含む
図5Aのニードルレスコネクターの断面図である。
【
図6A】本開示のいくつかの実施形態による、圧縮可能なバルブを含むニードルレスコネクターの断面図である。
【
図6B】本開示のいくつかの実施形態による、軸線方向力を受けている圧縮可能なバルブを含む
図6Aのニードルレスコネクターの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
下記に記載されている詳細な説明は、主題の技術のさまざまな構成を説明しており、主題の技術が実践され得る唯一の構成を表すことを意図していない。詳細な説明は、主題の技術の徹底的な理解を提供する目的のための具体的な詳細を含む。したがって、寸法は、特定の態様に関して、非限定的な例として提供され得る。しかし、主題の技術はこれらの具体的な詳細なしに実践され得るということが、当業者に明らかになることとなる。いくつかの場合において、主題の技術の概念を曖昧にすることを回避するために、周知の構造およびコンポーネントは、ブロック図の形態で示されている。
【0012】
本開示は、主題の技術の例を含み、添付の特許請求の範囲を限定しないということが理解されるべきである。ここで、主題の技術のさまざまな態様は、特定のしかし非限定的な例にしたがって開示されることとなる。本開示において説明されているさまざまな実施形態は、異なる方式およびバリエーションにおいて実施され得り、また、所望の用途または実装形態にしたがって実施され得る。
【0013】
図1Aは、圧縮可能なバルブを含むニードルレスコネクターの斜視図である。
図1Bは、
図1線1B-1Bに沿った圧縮可能なバルブの折り畳みの断面図である。示されているように、ニードルレスコネクター10は、ハウジング30と、ハウジング30の内部キャビティーの中に配設されている圧縮可能なバルブ20とを含むことが可能である。軸線方向力Fが圧縮可能なバルブ20の上に働かされるときに、圧縮可能なバルブは、複雑な形状へと撓み、圧縮可能なバルブの変形させられた壁部の重大な重なりを伴う。軸線方向力Fが除去されるとき、圧縮可能なバルブ20の変形させられた壁部のこの重なりは、圧縮可能なバルブ20の不均一な戻りまたは膨張に不利に寄与する可能性がある。その理由は、反発する、戻る、または膨張する圧縮可能なバルブ20が、それが軸線方向力Fの前のその元の位置へと反発するか、戻るか、または膨張して戻ることができる前に、(たとえば、
図1Bに図示されているように)特定のセクションにおいて最初に展開しなければならないからである。
【0014】
撓まされたバルブ幾何学形状の有限要素分析は、圧縮可能なバルブ20の歪められた本体部部分が自分自身の上に折り畳まれ、バルブ壁部の重大な重なりを引き起こすことを示している。バルブ壁部の重なりは、ピンチポイントを生成させる可能性があり、ピンチポイントでは、法線力F1およびF2が発達し、法線力F1およびF2は、圧縮可能なバルブ20の撓まされたカラムに起因する圧縮可能なバルブ20の壁部の中の歪みによって引き起こされる内部モーメントMに対抗して作用する。法線力は、内部モーメントMに対抗して作用する際に、不利なことには、軸線方向力Fの印加の前の圧縮可能なバルブの非圧縮状態に圧縮可能なバルブの壁部が自由に膨張して戻ることを妨げる可能性がある。軸線方向力の除去の後に非圧縮状態に戻るために、圧縮可能なバルブ20は、内部モーメントMが圧縮可能なバルブ20のカラムをその元の形状に跳ね返らせることができる前に、オープンスペースに内向きにバルブ壁部を押すことによって自分自身を展開するように最初に作用しなければならない。これは、軸線方向力Fが除去されたときに、圧縮可能なバルブ20が膨張するかまたはその他の方法でその非圧縮状態に戻るために長い時間を要することを引き起こす。
【0015】
したがって、必要とされるものは、軸線方向力を受けるときに、バルブ本体部の一方の側を均一に内向きに歪めさせ、歪められたバルブ壁部の折り畳みオーバーラップまたは過剰折り畳み(overfolding)を最小化し、それによって、圧縮可能なバルブの応答時間または反発時間を最大化することができる構造を備えた圧縮可能なバルブ設計である。
【0016】
本開示のさまざまな実施形態は、有利には、現在存在するニードルレスバルブよりも改善された構造を有する圧縮可能なバルブを提供し、それは、軸線方向の(圧縮する)力を受けるときにバルブ壁部が歪むかまたはその他の方法で撓むことを可能にし、1)所望のポイントにおいてバルブが開くこと、2)軸線方向力の挿入および除去の全体を通したより均一な流体変位、および、3)軸線方向力が除去されるときの応答速度をより均一にするように、バルブ壁部の重大な重なりのない圧縮可能なバルブの撓まされた形状を実現するようになっている。
【0017】
以下の説明は、開示されているニードルレスコネクターを使用する医師による患者への医療用流体の投与に関するものであるが、この説明は、単に使用法の例に過ぎず、特許請求の範囲を制限しないということが理解されるべきである。
【0018】
図2Aは、本開示のいくつかの実施形態による、圧縮可能なバルブを含むニードルレスコネクターの断面図を図示している。
図2Cは、本開示のいくつかの実施形態による、軸線方向力を受けている
図2Bの圧縮可能なバルブを含むニードルレスコネクターの断面図を図示している。
【0019】
図2Aを参照すると、ニードルレスコネクター100は、ハウジング110と、ハウジング110の中に配設されている圧縮可能なバルブ101とを含むことが可能である。示されているように、ハウジング110は、ハウジング110の入口ポート105を画定する近位端部108と、ハウジング110のベースと連結されるように構成されている遠位端部107とを有することが可能である。いくつかの実施形態において、ハウジング110は、内側表面132をさらに含むことが可能であり、内側表面132は、内部キャビティー115を画定しており、内部キャビティー115は、近位端部108と遠位端部107との間に少なくとも部分的に延在している。いくつかの実施形態において、ハウジング110は、中心長手方向軸線X
1を有する細長い円筒形状の本体部の形態になっていることが可能である。しかし、いくつかの実施形態において、ハウジングは、圧縮可能なバルブ101をその中に収容するように同様に寸法決めされている他のピースまたはパーツの組み合わせから形成されることが可能である。動作時に、流体経路が、たとえば、入口ポート105から内部キャビティー115の中へニードルレスコネクター100を通して、および、ハウジング110の出口ポートを通して確立されることが可能である。本明細書において言及されているように、近位は、ハウジング110の入口ポート105に向かう配向を指し、遠位は、入口ポート105の反対側の、ハウジング110の底部または遠位端部107に向かう配向を指す。
【0020】
示されているように、ハウジング110は、医療器具50(たとえば、オス型ルアー、シリンジ、または、他の同様の医療器具)とインターフェースするための入口ポート105を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、ハウジング110の遠位端部107は、近位端部108と比較して増加した直径を有することが可能であり、1つまたは複数の内部接触タブを含むことが可能である。ニードルレスコネクターの中に組み立てられたとき、1つまたは複数の内部接触タブは、中心長手方向軸線X1に実質的に直交する半径方向の力を、ハウジング110のバルブマウントの上に配置されている圧縮可能なバルブ101のフランジ部分170の上に提供することが可能である。
【0021】
内側表面132およびその中に画定された内部キャビティー115は、入口ポート105の開口部の上部表面からハウジング110の中へ長手方向に延在することが可能である。いくつかの実施形態において、内部シーリング縁部124が、ハウジング110の内側表面132の上に画定されることが可能である。内部シーリング縁部124は、円周方向の縁部であり、組み立てられたニードルレスコネクター100の内部キャビティー115の中に圧縮可能なバルブ101を保持するように構成されることが可能である。動作時に、内部シーリング縁部124は、圧縮可能なバルブ101の1次シール部分140と連動して流体フローの遮断を提供するように構成されることが可能である。
【0022】
図2Bは、本開示のいくつかの実施形態による、
図2Aの圧縮可能なバルブ101の例を図示する斜視図である。
図2Bは、例示的な圧縮可能なバルブ101を単独で図示している。圧縮可能なバルブ101は、ヘッド部分120と、ハウジング110の中に圧縮可能なバルブ101を固定するためのフランジ部分170とを含むことが可能である。圧縮可能なバルブ101は、本体部部分122をさらに含むことが可能であり、本体部部分122は、ヘッド部分120とフランジ部分170との間においてヘッド部分120から遠位に延在している。
【0023】
特定の実施形態において、ヘッド部分120は、カラムセクション128を含み、非活性化状態において(
図2Cに図示されているように、印加された軸線方向力Fが、ヘッド部分120が傾くことを引き起こす前に)圧縮可能なバルブ101の長手方向中心軸線X
2を画定することが可能である。長手方向中心軸線X
2は、圧縮可能なバルブ101の閉鎖状態でハウジング110の中に組み立てられたときに、ハウジング110の中心長手方向軸線X
1に実質的に対応することが可能である。非活性化状態(たとえば、孤立しているか、または、ハウジング110の中にあるが医療器具50によって変位されていない)では、長手方向中心軸線X
2は、(
図2Bに示されているように)圧縮可能なバルブ101のヘッド部分120および本体部部分122を通って長手方向に延在することが可能である。上述の状態において、圧縮可能なバルブ101の本体部部分122は、圧縮可能なバルブ101のヘッド部分120または他の部分と同じ軸線方向中心を有することが可能である。しかし、さらに詳細に下記に説明されているように、活性化状態では(たとえば、医療器具またはシリンジ50を使用して、軸線方向力Fが、圧縮可能なバルブ101に印加されているとき)、圧縮可能なバルブ101の長手方向中心軸線X
2は、圧縮可能なバルブ101が医療器具またはシリンジ50によって活性化させられると、中心長手方向軸線X
1に対して変化および枢動することが可能である。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、圧縮可能なバルブ101のヘッド部分120は、上部表面125を含む上部セクションを有することが可能である。上部セクションは、ニードルレスコネクターハウジング110の入口ポート105とスライド可能におよびシール可能に係合するための円周方向のリップまたは同様の突出部の形態になっていることが可能である。圧縮可能なバルブ101およびハウジング110の組み立てられた構成において、上部表面125は、
図2Aに図示されているように、中心長手方向軸線X
1に対して垂直の平面角度で配向されることが可能である。いくつかの実施形態において、ヘッド部分120は、少なくとも1つのノッチを含むことが可能であり、少なくとも1つのノッチは、ヘッド部分120の外部に沿って、上部セクションに隣接して配設されており、また、上部セクションに対して遠位に配設されている。たとえば、示されているように、ヘッド部分120は、ヘッド部分120のカラムセクション128の外部の対向する側に配設されている第1のノッチ130および第2のノッチ135を含むことが可能である。
【0025】
いくつかの実施形態において、第1のノッチ130および第2のノッチ135は、同じまたは同様の形状を有することが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、第1のノッチ130および第2のノッチ135は、カラムセクション128の中の円弧形状の凹部として構成されることが可能であり、他の実施形態では、第1のノッチ130および第2のノッチ135は、カラムセクション128の中のV字形状のまたは円錐形状の凹部として構成されることが可能である。いくつかの実施形態において、第1のノッチ130および第2のノッチ135は、異なる形状を有することが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、第1のノッチ130は、カラムセクション128の中の円弧形状の凹部として構成されることが可能であり、第2のノッチ135は、カラムセクション128の中のV字形状のまたは円錐形状の凹部として構成されることが可能である。図示されている実施形態において、第1および第2のノッチは、異なる形状を有している。しかし、第1のノッチ130および第2のノッチ135の実装形態は、さまざまな形状およびサイズ(たとえば、それに限定されないが、円弧形の、三角形の、多角形の、または、さまざまな幾何学的な断面形状を有するノッチなど)を含むことが可能であるということが認識されるべきである。
【0026】
しかし、いくつかの実施形態において、カラムセクション128は、ノッチを含まなくてもよいが、その代わりに、第1のノッチ130および第2のノッチ135と同様の様式で動作する、その上に配設された不連続セグメントを有することが可能である。たとえば、ヘッド部分120の一方の側またはそれぞれの側の一部分は、ヘッド部分120の残りの部分とは異なる材料(または、異なる硬度値を有する同じ材料)から形成されることが可能である。
【0027】
本開示のさまざまな実施形態によれば、ヘッド部分120の上部セクションは、圧縮可能なバルブ101の第1のシール部分または2次シール部分129を画定することが可能である。本体部部分122は、本体部部分122の近位端部において、第2のシール部分または1次シール部分140をさらに画定することが可能である。示されているように、1次シール部分140は、2次シール部分129に対して遠位に配設されることが可能である。
【0028】
いくつかの実施形態において、
図2Aおよび
図2Cに図示されているように、本体部部分122は、円筒形状の外側表面164と、バルブキャビティー165を画定する内部表面168と、内部表面168と外側表面164との間に画定された壁部166とを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、円筒形状の外側表面164は、円筒形状の外側表面164の周囲部の一部分に沿って延在する外部ノッチ150を含むことが可能である。とりわけ、示されているように、外部ノッチ150は、円筒形状の外側表面164から壁部166の中へ半径方向内向きに凹ませられることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、外部ノッチ150は、外側円周方向表面164から半径方向内向きに延在する第1の表面152と、第1の表面152から長手方向におよび遠位に延在する第2の表面154とを含むことが可能である。示されているように、外部ノッチ150は、傾斜表面156をさらに含むことが可能であり、傾斜表面156は、第2の表面154から遠位におよび半径方向外向きに延在する。いくつかの実施形態において、傾斜表面156の遠位端部と圧縮可能なバルブ101の長手方向中心軸線X
2との間の半径方向距離D1は、第1の表面152の最も半径方向外側の端部と圧縮可能なバルブ101の長手方向中心軸線X
2との間の半径方向距離D2よりも小さくなっていることが可能である。
【0029】
本開示のさまざまな実施形態によれば、圧縮可能なバルブ101は、平面的な面160をさらに含むことが可能であり、平面的な面160は、外部ノッチ150から遠位に延在しており、外部ノッチ150とフランジ部分170との間に配設されている。とりわけ、平面的な面160は、傾斜表面156の遠位端部からフランジ部分170の近位端部へ延在する平坦な表面であることが可能である。したがって、図示されているように、平面的な面160は、外側円周方向表面164に対して半径方向内向きに凹ませられることが可能である。
【0030】
いくつかの実施形態において、圧縮可能なバルブ101は、内部ノッチ158をさらに含むことが可能であり、内部ノッチ158は、本体部部分122の内部表面168に配設されており、平面的な面160に向けて壁部166の中へ半径方向外向きに延在している。示されているように、壁部166の長さに沿った内部ノッチ158の長手方向位置は、壁部の長さに沿った外部ノッチ150の長手方向位置と少なくとも部分的に重なることが可能である。
【0031】
内部ノッチおよび外部ノッチならびに内向きに凹ませられた平面的な面を有するバルブ壁部を備えた圧縮可能なバルブ101の上述の構成および構造は、閾値軸線方向力を受けるときに、圧縮可能なバルブの一方の側が、(
図2Cに図示されているように)均一に内向きに歪み、歪められたバルブ壁部166の折り畳みオーバーラップまたは過剰折り畳みを最小化し、それによって、圧縮可能なバルブの応答時間または反発時間を最大化することが可能であるという点において有利である。とりわけ、動作時に、軸線方向力Fが圧縮可能なバルブ101に印加されるときに、圧縮可能なバルブ101は圧縮され、(
図2Aに図示されている)ニードルレスコネクター100のシールされた構成から、下記に説明されているような
図2Cに図示されているシールされていない(開放)構成へ、均一に内向きに歪むことが可能である。
【0032】
動作時に、医療器具50(たとえば、オス型ルアー、シリンジ、または、任意の同様の医療器具)が、ニードルレスコネクター100の入口ポート105の中へ最初に挿入されるとき、軸線方向力Fが、圧縮可能なバルブ101の上に働かされ、第2のノッチ135が折り畳まれるかまたは崩壊することができるようになっており、第1のノッチ130が、開くかまたは膨張することが可能であり、ヘッド部分120の上部セクションが下向きに傾くことができるようになっている。この点において、入口ポート105の中の医療器具50からの流体通路は、ハウジング110の内部キャビティー115を通してハウジング110の出口ポートへ確立されることが可能である。いくつかの実施形態において、軸線方向力Fが、圧縮可能なバルブ101の上に働かされ、外部ノッチ150におけるバルブ壁部166が、バルブキャビティー165に向けて内向きにわずかにお辞儀する(bow)ことができるようになっており、内部ノッチ158におけるバルブ壁部166が、バルブキャビティー165に向けて外向きにわずかにお辞儀することができるようになっている。追加的に、1次シール部分140は、内部シーリング縁部124から分離することが可能である。
【0033】
医療器具50が、圧縮可能なバルブ101の上に軸線方向力Fを働かせ続けるとき、医療器具50は、入口ポート105の中へさらに下降し、また、外部ノッチ150および内部ノッチ158のお辞儀、ならびに、平面的な面160の内向きに凹ませられた構造に起因して、圧縮可能なバルブ101がさらに圧縮されるときに、モーメントM1が、平面的な面160の近位端部の辺りに生成され、それによって、
図2Cに図示されているように、本体部部分122が均一に内向きに歪むことを引き起こす。本体部部分122が平面的な面160において均一に内向きに歪むので、バルブ壁部166の過剰折り畳みおよび/または折り畳みオーバーラップが生じることが防止される。上述の構成は、バルブ壁部166の折り畳みオーバーラップが生じることが防止されるので、問題のあるピンチポイント(そこでは、法線力が伝統的に発達し、法線力は、撓まされたカラムに起因するバルブ壁部の中の歪みによって引き起こされる内部モーメントに対抗して作用し、戻る間にバルブ壁部が自由に開くことを防止する)が、本明細書で説明されているさまざまな実施形態の圧縮可能なバルブ101において生じないという点で、(たとえば、
図1Aに図示されているような)ニードルレスコネクターの現在存在するバルブよりも有利である。有利には、圧縮可能なバルブ101は最小の折り畳みを有しているので、軸線方向力Fの除去のときに、バルブ壁部166は、自由に膨張し、
図1Aの現在存在する圧縮可能なバルブ20と比較して、
図2Aに図示されている非圧縮状態により迅速に戻ることが可能である。
【0034】
図3Aは、本開示のいくつかの実施形態による、圧縮可能なバルブ102を含むニードルレスコネクター200の断面図を図示している。
図3Bは、本開示のいくつかの実施形態による、軸線方向力Fを受けている
図3Aの圧縮可能なバルブ102を含むニードルレスコネクターの断面図を図示している。いくつかの実施形態において、ニードルレスコネクター200の圧縮可能なバルブ102は、外部ノッチ153および平面的な面161の構造においてわずかな差異を伴って、同様の特徴を有することが可能であり、また、構造および機能に関して、ニードルレスコネクターの圧縮可能なバルブ101と同様であることが可能である。たとえば、
図3Aを参照すると、ニードルレスコネクター200は、ハウジング110と、ハウジング110の中に配設されている圧縮可能なバルブ102とを含むことが可能である。ハウジング110は、
図2Aおよび
図2Cのニードルレスコネクター100に関して上記に詳細に説明されており、したがって、その詳細な説明は、ニードルレスコネクター200に関して省略されるものとする。
【0035】
いくつかの実施形態において、内部シーリング縁部124が、ハウジング110の内側表面132の上に画定されることが可能である。内部シーリング縁部124は、円周方向の縁部であり、組み立てられたニードルレスコネクター200の内部キャビティー115の中に圧縮可能なバルブ102を保持するように構成されることが可能である。動作時に、内部シーリング縁部124は、圧縮可能なバルブ102の1次シール部分140と連動して流体フローの遮断を提供するように構成されることが可能である。
【0036】
本開示のさまざまな実施形態によれば、圧縮可能なバルブ102は、ヘッド部分120と、ハウジング110の中に圧縮可能なバルブ102を固定するためのフランジ部分170とを含むことが可能である。圧縮可能なバルブ102は、本体部部分123をさらに含むことが可能であり、本体部部分123は、ヘッド部分120とフランジ部分170との間においてヘッド部分120から遠位に延在している。
【0037】
ヘッド部分120およびフランジ部分170は、
図2Aおよび
図2Cのニードルレスコネクター100に関して詳細に説明されており、したがって、その詳細な説明は、ニードルレスコネクター200に関して省略するものとする。本開示のさまざまな実施形態によれば、圧縮可能なバルブ102は、長手方向中心軸線X
3を有することが可能である。非活性化状態(たとえば、孤立しているか、または、ハウジング110の中にあるが医療器具50によって変位されていない)では、長手方向中心軸線X
3は、圧縮可能なバルブ102のヘッド部分120および本体部部分123を通って長手方向に延在することが可能である。上述の状態において、圧縮可能なバルブ102の本体部部分123は、圧縮可能なバルブ102のヘッド部分120または他の部分と同じ軸線方向中心を有することが可能である。しかし、さらに詳細に下記に説明されているように、活性化状態では(たとえば、医療器具またはシリンジ50を使用して、軸線方向力Fが、圧縮可能なバルブ102に印加されているとき)、圧縮可能なバルブ102の長手方向中心軸線X
3は、圧縮可能なバルブ102が医療器具またはシリンジ50によって活性化させられると、中心長手方向軸線X
1に対して変化および枢動することが可能である。
【0038】
本開示のさまざまな実施形態によれば、ヘッド部分120の上部セクションは、圧縮可能なバルブ102の第1のシール部分または2次シール部分129を画定することが可能である。本体部部分123は、本体部部分123の近位端部において、第2のシール部分または1次シール部分140をさらに画定することが可能である。示されているように、1次シール部分140は、2次シール部分129に対して遠位に配設されることが可能である。
【0039】
いくつかの実施形態において、
図3Aおよび
図3Bに図示されているように、本体部部分123は、円筒形状の外側表面164と、バルブキャビティー165を画定する内部表面168と、内部表面168と外側表面164との間に画定された壁部166とを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、円筒形状の外側表面164は、円筒形状の外側表面164の周囲部の一部分に沿って延在する外部ノッチ153を含むことが可能である。とりわけ、示されているように、圧縮可能なバルブ101の外部ノッチ150と同様に、外部ノッチ153は、円筒形状の外側表面164から壁部166の中へ半径方向内向きに凹ませられることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、外部ノッチ150は、外側円周方向表面164から半径方向内向きに延在する第1の表面151と、第1の表面151から長手方向におよび遠位に延在する第2の表面155とを含むことが可能である。示されているように、外部ノッチ150は、傾斜表面157をさらに含むことが可能であり、傾斜表面157は、第2の表面155から遠位におよび半径方向外向きに延在する。圧縮可能なバルブ101と同様に、傾斜表面157の遠位端部と圧縮可能なバルブ102の長手方向中心軸線X
3との間の半径方向距離D1は、第1の表面151の最も半径方向外側の端部と圧縮可能なバルブ102の長手方向中心軸線X
3との間の半径方向距離D4よりも小さくなっていることが可能である。
【0040】
本開示のさまざまな実施形態によれば、圧縮可能なバルブ102は、平面的な面161をさらに含むことが可能であり、平面的な面161は、外部ノッチ153から遠位に延在しており、外部ノッチ153とフランジ部分170との間に配設されている。とりわけ、平面的な面161は、傾斜表面157の遠位端部からフランジ部分170の近位端部へ延在する平坦な表面であることが可能である。したがって、図示されているように、平面的な面161は、外側円周方向表面164に対して半径方向内向きに凹ませられることが可能である。圧縮可能なバルブ102は、圧縮可能なバルブ101と実質的に同様であることが可能であるが、平面的な面161が外側円周方向表面164から凹ませられているよりも、平面的な面160が外側円周方向表面164からさらに半径方向内向きに凹ませられているという違いを有している。
【0041】
いくつかの実施形態において、圧縮可能なバルブ102は、内部ノッチ158をさらに含むことが可能であり、内部ノッチ158は、本体部部分123の内部表面168に配設されており、平面的な面161に向けて壁部166の中へ半径方向外向きに延在している。示されているように、壁部166の長さに沿った内部ノッチ158の長手方向位置は、壁部166の長さに沿った外部ノッチ153の長手方向位置と少なくとも部分的に重なることが可能である。
【0042】
内部ノッチ158および外部ノッチ153ならびに内向きに凹ませられた平面的な面161を有するバルブ壁部を備えた圧縮可能なバルブ102の上述の構成および構造は、軸線方向力を受けるときに、圧縮可能なバルブ102の一方の側が、(
図3Bに図示されているように)均一に内向きに歪み、歪められたバルブ壁部166の折り畳みオーバーラップまたは過剰折り畳みを最小化し、それによって、圧縮可能なバルブの応答時間または反発時間を最大化することが可能であるという点において有利である。とりわけ、動作時に、軸線方向力Fが圧縮可能なバルブ102に印加されるときに、圧縮可能なバルブ102は圧縮され、(
図3Aに図示されている)ニードルレスコネクター200のシールされた構成から、下記に説明されているような
図3Bに図示されているシールされていない(開放)構成へ、均一に内向きに歪むことが可能である。
【0043】
動作時に、医療器具50(たとえば、オス型ルアー、シリンジ、または、任意の同様の医療器具)が、ニードルレスコネクター200の入口ポート105の中へ最初に挿入されるとき、軸線方向力Fが、圧縮可能なバルブ102の上に働かされ、第2のノッチ135が折り畳まれるかまたは崩壊することができるようになっており、第1のノッチ130が、開くかまたは膨張することが可能であり、ヘッド部分120の上部セクションが下向きに傾くことができるようになっている。この点において、入口ポート105の中の医療器具50からの流体通路は、ハウジング110の内部キャビティー115を通してハウジング110の出口ポートへ確立されることが可能である。いくつかの実施形態において、軸線方向力Fが、圧縮可能なバルブ102の上に働かされ、外部ノッチ153におけるバルブ壁部166が、バルブキャビティー165に向けて内向きにわずかにお辞儀することができるようになっており、内部ノッチ158におけるバルブ壁部166が、バルブキャビティー165に向けて外向きにわずかにお辞儀することができるようになっている。追加的に、1次シール部分140は、内部シーリング縁部124から分離することが可能である。
【0044】
医療器具50が、圧縮可能なバルブ102の上に軸線方向力Fを働かせ続けるとき、医療器具50は、入口ポート105の中へさらに下降し、また、外部ノッチ153および内部ノッチ158のお辞儀、ならびに、平面的な面161の内向きに凹ませられた構造に起因して、圧縮可能なバルブ102がさらに圧縮されるときに、モーメントM2が、平面的な面161の近位端部の辺りに生成され、それによって、
図3Bに図示されているように、本体部部分123が均一に内向きに歪むことを引き起こす。本体部部分123が平面的な面161において均一に内向きに歪むので、バルブ壁部166の過剰折り畳みおよび/または折り畳みオーバーラップが生じることが防止される。上述の構成は、バルブ壁部166の折り畳みオーバーラップが生じることが防止されるので、問題のあるピンチポイント(そこでは、法線力が伝統的に発達し、法線力は、撓まされたカラムに起因するバルブ壁部の中の歪みによって引き起こされる内部モーメントに対抗して作用し、戻る間にバルブ壁部が自由に開くことを防止する)が、圧縮可能なバルブ102において生じないという点で、(たとえば、
図1Aに図示されているような)ニードルレスコネクターの現在存在するバルブよりも有利である。有利には、圧縮可能なバルブ102は最小の折り畳みを有しているので、軸線方向力Fの除去のときに、バルブ壁部166は、自由に膨張し、
図1Aの現在存在する圧縮可能なバルブ20と比較して、
図3Aに図示されている非圧縮状態により迅速に戻ることが可能である。
【0045】
図4Aは、本開示のいくつかの実施形態による、圧縮可能なバルブ103を含むニードルレスコネクター300の断面図を図示している。
図4B、
図4C、
図4D、および
図4Eは、本開示のいくつかの実施形態による、
図4Aの圧縮可能なバルブ103の例を図示している。
図4Fは、本開示のいくつかの実施形態による、軸線方向力Fを受けている
図4B~
図4Eの圧縮可能なバルブ103を含むニードルレスコネクター300の断面図を図示している。
【0046】
図4Aを参照すると、ニードルレスコネクター300は、ハウジング110と、ハウジング110の中に配設されている圧縮可能なバルブ103とを含むことが可能である。ハウジング110は、
図2Aおよび
図2Cのニードルレスコネクター100に関して上記に詳細に説明されており、したがって、その詳細な説明は、ニードルレスコネクター300に関して省略されるものとする。
【0047】
いくつかの実施形態において、内部シーリング縁部124が、ハウジング110の内側表面132の上に画定されることが可能である。内部シーリング縁部124は、円周方向の縁部であり、組み立てられたニードルレスコネクター300の内部キャビティー115の中に圧縮可能なバルブ103を保持するように構成されることが可能である。動作時に、内部シーリング縁部124は、圧縮可能なバルブ103の1次シール部分140と連動して流体フローの遮断を提供するように構成されることが可能である。
【0048】
本開示のさまざまな実施形態によれば、圧縮可能なバルブ103は、ヘッド部分120と、ハウジング110の中に圧縮可能なバルブ103を固定するためのフランジ部分170とを含むことが可能である。圧縮可能なバルブ103は、本体部部分127をさらに含むことが可能であり、本体部部分127は、ヘッド部分120とフランジ部分170との間においてヘッド部分120から遠位に延在している。
【0049】
ヘッド部分120およびフランジ部分170は、
図2Aおよび
図2Cのニードルレスコネクター100に関して詳細に説明されており、したがって、その詳細な説明は、ニードルレスコネクター300に関して省略するものとする。本開示のさまざまな実施形態によれば、圧縮可能なバルブ103は、長手方向中心軸線X
4を有することが可能である。非活性化状態(たとえば、孤立しているか、または、ハウジング110の中にあるが医療器具50によって変位されていない)では、長手方向中心軸線X
4は、圧縮可能なバルブ103のヘッド部分120および本体部部分127を通って長手方向に延在することが可能である。上述の状態において、圧縮可能なバルブ102の本体部部分127は、圧縮可能なバルブ103のヘッド部分120または他の部分と同じ軸線方向中心を有することが可能である。しかし、さらに詳細に下記に説明されているように、活性化状態では(たとえば、医療器具またはシリンジ50を使用して、軸線方向力Fが、圧縮可能なバルブ103に印加されているとき)、圧縮可能なバルブ103の長手方向中心軸線X
4は、圧縮可能なバルブ103が医療器具またはシリンジ50によって活性化させられると、中心長手方向軸線X
1に対して変化および枢動することが可能である。
【0050】
本開示のさまざまな実施形態によれば、ヘッド部分120の上部セクション125は、圧縮可能なバルブ102の第1のシール部分または2次シール部分129を画定することが可能である。本体部部分127は、本体部部分127の近位端部において、第2のシール部分または1次シール部分140をさらに画定することが可能である。示されているように、1次シール部分140は、2次シール部分129に対して遠位に配設されることが可能である。
【0051】
いくつかの実施形態において、
図4B~
図4Eに図示されているように、本体部部分127は、円筒形状の外側表面164と、バルブキャビティー165を画定する内部表面168と、内部表面168と外側表面164との間に画定された壁部166とを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、円筒形状の外側表面164は、円筒形状の外側表面164に沿って長手方向に延在するカットアウト159を含むことが可能である。とりわけ、カットアウト159は、円筒形状の外側表面164から半径方向内向きに凹ませられている第1の表面151と、第1の表面151から遠位におよび半径方向外向きに延在する傾斜表面169とを含むことが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、傾斜表面169は、第1の表面151の最も半径方向内向きの端部から延在することが可能である。したがって、傾斜表面169の近位端部は、傾斜表面169の遠位端部よりもさらに半径方向内向きに配設されることが可能である。
【0052】
本開示のさまざまな実施形態によれば、傾斜表面169は、平面的な表面であることが可能であり、平面的な表面は、第1の表面151の最も半径方向内向きの端部から遠位に延在しており、第1の表面151とフランジ部分170との間に配設されている。とりわけ、傾斜表面169は、第1の表面151の最も半径方向内向きの端部からフランジ部分170の近位端部へ延在する平坦な表面であることが可能である。したがって、図示されているように、傾斜表面169の近位端部は、外側円周方向表面164に対して半径方向内向きに凹ませられることが可能である。
【0053】
いくつかの実施形態において、カットアウト159は、くさび形状のまたは円錐形状のカットアウトであることが可能である。たとえば、
図4Bおよび
図4Eに図示されているように、傾斜表面169は、第1および第2の対向する側部162および163を含むことが可能であり、それらは、第1の表面151において互いに離れるように外向きに角度を付けられ、フランジ部分170の近位端部において互いに向けて内向きに角度を付けられることが可能である。
【0054】
本開示のさまざまな実施形態によれば、圧縮可能なバルブ103は、2次カットアウト176および177をさらに含むことが可能であり、2次カットアウト176および177は、円筒形状の外側表面164に沿って長手方向に延在しており、円筒形状の外側表面164から半径方向内向きに凹ませられている。示されているように、2次カットアウト176および177は、カットアウト159の傾斜表面169の対向する側部に配設されることが可能である。
【0055】
平面的な傾斜表面169を備えた内向きに凹ませられたカットアウト159を有する圧縮可能なバルブ102の上述の構成および構造は、軸線方向力を受けるときに、圧縮可能なバルブ103の一方の側が、(
図4Fに図示されているように)均一に内向きに歪み、歪められたバルブ壁部166の折り畳みオーバーラップまたは過剰折り畳みを最小化し、それによって、圧縮可能なバルブ103の応答時間または反発時間を最大化することが可能であるという点において有利である。とりわけ、動作時に、軸線方向力Fが圧縮可能なバルブ103に印加されるときに、圧縮可能なバルブ103は圧縮され、(
図4Aに図示されている)ニードルレスコネクター300のシールされた構成から、下記に説明されているような
図4Fに図示されているシールされていない(開放)構成へ、均一に内向きに歪むことが可能である。
【0056】
動作時に、医療器具50(たとえば、オス型ルアー、シリンジ、または、任意の同様の医療器具)が、ニードルレスコネクター300の入口ポート105の中へ最初に挿入されるとき、軸線方向力Fが、圧縮可能なバルブ102の上に働かされ、第2のノッチ135が折り畳まれるかまたは崩壊することができるようになっており、第1のノッチ130が、開くかまたは膨張することが可能であり、ヘッド部分120の上部セクションが下向きに傾くことができるようになっている。この点において、入口ポート105の中の医療器具50からの流体通路は、ハウジング110の内部キャビティー115を通してハウジング110の出口ポートへ確立されることが可能である。いくつかの実施形態において、軸線方向力Fが、圧縮可能なバルブ103の上に働かされ、カットアウト159におけるバルブ壁部166が、バルブキャビティー165に向けて内向きにわずかにお辞儀することができるようになっている。追加的に、1次シール部分140は、内部シーリング縁部124から分離することが可能である。
【0057】
医療器具50が、圧縮可能なバルブ103の上に軸線方向力Fを働かせ続けるとき、医療器具50は、入口ポート105の中へさらに下降し、また、内向きに凹ませられたカットアウト159および平面的な傾斜表面169のお辞儀に起因して、圧縮可能なバルブ103がさらに圧縮されるときに、モーメントM3が、平面的な傾斜表面169の近位端部の辺りに生成され、それによって、
図4Fに図示されているように、本体部部分127が均一に内向きに歪むことを引き起こす。本体部部分127が平面的な傾斜表面169において均一に内向きに歪むので、バルブ壁部166の過剰折り畳みおよび/または折り畳みオーバーラップが生じることが防止される。上述の構成は、バルブ壁部166の折り畳みオーバーラップが生じることが防止されるので、問題のあるピンチポイント(そこでは、法線力が伝統的に発達し、法線力は、撓まされたカラムに起因するバルブ壁部の中の歪みによって引き起こされる内部モーメントに対抗して作用し、戻る間にバルブ壁部が自由に開くことを防止する)が、圧縮可能なバルブ103において生じないという点で、(たとえば、
図1Aに図示されているような)ニードルレスコネクターの現在存在するバルブよりも有利である。有利には、圧縮可能なバルブ103は最小の折り畳みを有しているので、軸線方向力Fの除去のときに、バルブ壁部166は、自由に膨張し、
図1Aの現在存在する圧縮可能なバルブ20と比較して、
図4Aに図示されている非圧縮状態により迅速に戻ることが可能である。
【0058】
図5Aは、本開示のいくつかの実施形態による、圧縮可能なバルブ104を含むニードルレスコネクター400の断面図を図示している。
図5Bは、本開示のいくつかの実施形態による、軸線方向力を受けている圧縮可能なバルブ104を含む
図5Aのニードルレスコネクター400の断面図を図示している。
図5Aを参照すると、ニードルレスコネクター400は、ハウジング110と、ハウジング110の中に配設されている圧縮可能なバルブ104とを含むことが可能である。ハウジング110は、
図2Aおよび
図2Cのニードルレスコネクター100に関して上記に詳細に説明されており、したがって、その詳細な説明は、ニードルレスコネクター400に関して省略されるものとする。
【0059】
いくつかの実施形態において、内部シーリング縁部124が、ハウジング110の内側表面132の上に画定されることが可能である。内部シーリング縁部124は、円周方向の縁部であり、組み立てられたニードルレスコネクター400の内部キャビティー115の中に圧縮可能なバルブ104を保持するように構成されることが可能である。動作時に、内部シーリング縁部124は、圧縮可能なバルブ104の1次シール部分140と連動して流体フローの遮断を提供するように構成されることが可能である。
【0060】
本開示のさまざまな実施形態によれば、圧縮可能なバルブ104は、ヘッド部分120と、ハウジング110の中に圧縮可能なバルブ104を固定するためのフランジ部分170とを含むことが可能である。圧縮可能なバルブ104は、本体部部分127をさらに含むことが可能であり、本体部部分121は、ヘッド部分120とフランジ部分170との間においてヘッド部分120から遠位に延在している。
【0061】
ヘッド部分120およびフランジ部分170は、
図2Aおよび
図2Cのニードルレスコネクター100に関して詳細に説明されており、したがって、その詳細な説明は、ニードルレスコネクター400に関して省略するものとする。本開示のさまざまな実施形態によれば、圧縮可能なバルブ104は、長手方向中心軸線X
5を有することが可能である。非活性化状態(たとえば、孤立しているか、または、ハウジング110の中にあるが医療器具50によって変位されていない)では、長手方向中心軸線X
5は、圧縮可能なバルブ104のヘッド部分120および本体部部分121を通って長手方向に延在することが可能である。上述の状態において、圧縮可能なバルブ104の本体部部分121は、圧縮可能なバルブ104のヘッド部分120または他の部分と同じ軸線方向中心を有することが可能である。しかし、さらに詳細に下記に説明されているように、活性化状態では(たとえば、医療器具またはシリンジ50を使用して、軸線方向力Fが、圧縮可能なバルブ104に印加されているとき)、圧縮可能なバルブ104の長手方向中心軸線X
5は、圧縮可能なバルブ104が医療器具またはシリンジ50によって活性化させられると、ハウジング110の中心長手方向軸線X
1に対して変化および枢動することが可能である。
【0062】
本開示のさまざまな実施形態によれば、ヘッド部分120の上部セクションは、圧縮可能なバルブ104の第1のシール部分または2次シール部分129を画定することが可能である。本体部部分123は、本体部部分123の近位端部において、第2のシール部分または1次シール部分140をさらに画定することが可能である。示されているように、1次シール部分140は、2次シール部分129に対して遠位に配設されることが可能である。
【0063】
いくつかの実施形態において、
図5Aおよび
図5Bに図示されているように、本体部部分121は、円筒形状の外側表面164と、バルブキャビティー165を画定する内部表面168と、内部表面168と外側表面164との間に画定された壁部166とを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、円筒形状の外側表面164は、円筒形状の外側表面164の周囲部の一部分に沿って延在する第1の外部ノッチ142を含むことが可能である。とりわけ、示されているように、外部ノッチ142は、円筒形状の外側表面164から壁部166の中へ半径方向内向きに凹ませられることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、外部ノッチ150は、外側円周方向表面164から半径方向内向きに延在する第1の表面143と、第1の表面143から遠位におよび半径方向外向きに延在する傾斜表面144とを含むことが可能である。圧縮可能なバルブ101と同様に、傾斜表面144の遠位端部と圧縮可能なバルブ104の長手方向中心軸線X
5との間の半径方向距離D5は、第1の表面143の最も半径方向外側の端部と圧縮可能なバルブ102の長手方向中心軸線X
3との間の半径方向距離D6よりも小さくなっていることが可能である。
【0064】
本開示のさまざまな実施形態によれば、圧縮可能なバルブ104は、平面的な面171をさらに含むことが可能であり、平面的な面171は、外部ノッチ142から遠位に延在しており、外部ノッチ142とフランジ部分170との間に配設されている。とりわけ、平面的な面171は、傾斜表面144の遠位端部からフランジ部分170の近位端部へ延在する平坦な表面であることが可能である。したがって、図示されているように、平面的な面171は、外側円周方向表面164に対して半径方向内向きに凹ませられることが可能である。
【0065】
いくつかの実施形態において、圧縮可能なバルブ104は、内部ノッチ158をさらに含むことが可能であり、内部ノッチ158は、本体部部分121の内部表面168に配設されており、平面的な面171に向けて壁部166の中へ半径方向外向きに延在している。示されているように、壁部166の長さに沿った内部ノッチ158の長手方向位置は、壁部166の長さに沿った外部ノッチ142の長手方向位置と少なくとも部分的に重なることが可能である。
【0066】
1つまたは複数の可動パーツを伴うコネクター(たとえば、ニードルレスコネクター)は、コネクターの中の流体体積の変位を結果として生じさせることが可能である。流体体積の変位は、プラスであることもまたはマイナスであることも可能である。ニードルレスコネクターの中の流体体積の変化は、(軸線方向力Fが印加されて医療器具がハウジング110の中へ挿入されるときの)1次シール部分140の上方の体積の変化と、バルブが崩壊するときのバルブキャビティー165の体積の変化との差として決定されることが可能である。医療器具の挿入の間の任意のポイントにおいて、1次シール部分140の上方の体積の変化と、バルブキャビティー165の体積のへんかとの間の差は、変位される流体がプラスであるかまたはマイナスであるかを決定することとなる。
【0067】
【0068】
上記の表1は、1次シール部分140の上方の体積(シールの上方の体積)の変化、および、バルブキャビティー165の体積の変化(dV内部)が、崩壊可能なセグメント172を備えないニードルレスコネクターの中の医療器具50のさまざまな挿入深さにわたってどのように変化し得るかということの例示的な図示である。たとえば、表1に図示されているように、最初の0.050インチの挿入深さに関して、1次シール部分140の上方の体積の変化とバルブキャビティー165の体積の変化との間の差は、プラスの流体変位を生み出すことを予期される。医療器具がさらに挿入され、0.05インチの挿入深さを超えるとき、バルブチャンバーは、次いで、1次シール部分140の上方の体積が増加するよりも速い速度で、上記に説明されているようにバックルおよび圧縮し始めることが可能である。したがって、医療器具の0.05インチの挿入深さの後に、1次シール部分140の体積の変化とバルブキャビティー165の体積の変化との間の差は、マイナスの流体変位を生み出すことを予期される。
【0069】
図5Aおよび
図5Bに図示されている本開示のさまざまな実施形態は、1次シール部分140の体積の変化とバルブキャビティー165の体積の変化との間の差が医療器具の挿入の全体を通して均一なマイナスの流体変位を生み出して維持することを予期される構成を有利に提供することを対象としている。したがって、1次シール部分140の体積の変化とバルブキャビティー165の体積の変化との間の差は、さらに詳細に下記に説明されているように、医療器具の除去の全体を通して均一なプラスの流体変位を有利に生み出して維持することを予期される。
【0070】
本開示のさまざまな実施形態によれば、
図5Aおよび
図5Bに図示されているように、圧縮可能なバルブ104の本体部部分121は、円筒形状の外側表面164の周囲部の少なくとも一部分に沿って延在する崩壊可能なセグメント172をさらに含むことが可能である。崩壊可能なセグメント172は、円筒形状の外側表面164から半径方向内向きに凹ませられることが可能である。いくつかの実施形態において、崩壊可能なセグメント172は、外部ノッチ142に対して遠位に配設されることが可能である。たとえば、示されているように、崩壊可能なセグメント172は、フランジ部分170の近位端部にも対応し得る本体部部分121の遠位端部に配設されることが可能である。
【0071】
崩壊可能なセグメント172は、軸線方向力Fが圧縮可能なバルブ104のヘッド部分120に印加されるときに、崩壊可能なセグメント172が半径方向内向きに崩壊し、それによって、圧縮可能なバルブ104の下向きの(すなわち、遠位)変位および/または垂直方向のクラッシュ/圧縮を引き起こすように構成されることが可能である。したがって、崩壊可能なセグメント172の下向きの崩壊に起因して、本体部部分121は、
図5Bに図示されているように、内向きに歪む前に、最初に垂直方向にクラッシュ/圧縮することが可能である。本体部部分121の上に崩壊可能なセグメント172を有する圧縮可能なバルブ104の構成は、医療器具50の初期挿入の間により均一なマイナスの変位を達成するのに有利である。そして、これは、軸線方向力Fの除去のときのより均一なプラスの体積変位を可能にし、それによって、
図1Aの現在存在する圧縮可能なバルブ20と比較して、圧縮可能なバルブがより迅速に跳ね返り、
図5Aに図示されている非圧縮状態まで膨張することを可能にする。
【0072】
追加的に、内部ノッチ158および外部ノッチ142ならびに内向きに凹ませられた平面的な面161を有するバルブ壁部を備えた圧縮可能なバルブ104の上述の構成および構造は、軸線方向力Fを受けるときに、圧縮可能なバルブ104の一方の側が、(
図5Bに図示されているように)均一に内向きに歪み、歪められたバルブ壁部166の折り畳みオーバーラップまたは過剰折り畳みを最小化し、それによって、圧縮可能なバルブの応答時間または反発時間を最大化することが可能であるという点において有利である。とりわけ、動作時に、軸線方向力Fが圧縮可能なバルブ102に印加されるときに、圧縮可能なバルブ104は圧縮され、(
図4Aに図示されている)ニードルレスコネクター400のシールされた構成から、下記に説明されているような
図4Bに図示されているシールされていない(開放)構成へ、均一に内向きに歪むことが可能である。
【0073】
動作時に、医療器具50(たとえば、オス型ルアー、シリンジ、または、任意の同様の医療器具)が、ニードルレスコネクター400の入口ポート105の中へ最初に挿入されるとき、軸線方向力Fが、圧縮可能なバルブ104の上に働かされ、第2のノッチ135が折り畳まれるかまたは崩壊することができるようになっており、第1のノッチ130が、開くかまたは膨張することが可能であり、ヘッド部分120の上部セクションが下向きに傾くことができるようになっている。この点において、入口ポート105の中の医療器具50からの流体通路は、ハウジング110の内部キャビティー115を通してハウジング110の出口ポートへ確立されることが可能である。いくつかの実施形態において、軸線方向力Fが、圧縮可能なバルブ104の上に働かされ、外部ノッチ142におけるバルブ壁部166が、バルブキャビティー165に向けて内向きにわずかにお辞儀することができるようになっており、内部ノッチ158におけるバルブ壁部166が、バルブキャビティー165に向けて外向きにわずかにお辞儀することができるようになっている。追加的に、1次シール部分140は、内部シーリング縁部124から分離することが可能である。
【0074】
医療器具50が、圧縮可能なバルブ104の上に軸線方向力Fを働かせ続けるとき、医療器具50は、入口ポート105の中へさらに下降し、また、外部ノッチ142および内部ノッチ158のお辞儀、ならびに、平面的な面171の内向きに凹ませられた構造に起因して、圧縮可能なバルブ102がさらに圧縮されるときに、モーメントM4が、平面的な面171の近位端部の辺りに生成され、それによって、
図5Bに図示されているように、本体部部分121が均一に内向きに歪むことを引き起こす。本体部部分121が平面的な面171において均一に内向きに歪むので、バルブ壁部166の過剰折り畳みおよび/または折り畳みオーバーラップが生じることが防止される。上述の構成は、バルブ壁部166の折り畳みオーバーラップが生じることが防止されるので、問題のあるピンチポイント(そこでは、法線力が伝統的に発達し、法線力は、撓まされたカラムに起因するバルブ壁部の中の歪みによって引き起こされる内部モーメントに対抗して作用し、戻る間にバルブ壁部が自由に開くことを防止する)が、圧縮可能なバルブ104において生じないという点で、(たとえば、
図1Aに図示されているような)ニードルレスコネクターの現在存在するバルブよりも有利である。有利には、圧縮可能なバルブ104は最小の折り畳みを有しているので、軸線方向力Fの除去のときに、バルブ壁部166は、自由に膨張し、
図1Aの現在存在する圧縮可能なバルブ20と比較して、
図5Aに図示されている非圧縮状態により迅速に戻ることが可能である。
【0075】
図6Aは、本開示のいくつかの実施形態による、圧縮可能なバルブ106を含むニードルレスコネクター500の断面図を図示している。
図6Bは、本開示のいくつかの実施形態による、軸線方向力Fを受けている
図6Aの圧縮可能なバルブ106を含むニードルレスコネクターの断面図を図示している。いくつかの実施形態において、ニードルレスコネクター600の圧縮可能なバルブ106は、本体部部分123の構造における修正を伴って、同様の特徴を有することが可能であり、また、構造および機能に関して、ニードルレスコネクターの圧縮可能なバルブ102と同様であることが可能である。たとえば、
図6Aを参照すると、ニードルレスコネクター500は、ハウジング110と、ハウジング110の中に配設されている圧縮可能なバルブ102とを含むことが可能である。ハウジング110は、
図2Aおよび
図2Cのニードルレスコネクター100に関して上記に詳細に説明されており、したがって、その詳細な説明は、ニードルレスコネクター500に関して省略されるものとする。
【0076】
いくつかの実施形態において、内部シーリング縁部124が、ハウジング110の内側表面132の上に画定されることが可能である。内部シーリング縁部124は、円周方向の縁部であり、組み立てられたニードルレスコネクター500の内部キャビティー115の中に圧縮可能なバルブ106を保持するように構成されることが可能である。動作時に、内部シーリング縁部124は、圧縮可能なバルブ102の1次シール部分140と連動して流体フローの遮断を提供するように構成されることが可能である。
【0077】
本開示のさまざまな実施形態によれば、圧縮可能なバルブ106は、ヘッド部分120と、ハウジング110の中に圧縮可能なバルブ106を固定するためのフランジ部分170とを含むことが可能である。圧縮可能なバルブ106は、本体部部分123をさらに含むことが可能であり、本体部部分123は、ヘッド部分120とフランジ部分170との間においてヘッド部分120から遠位に延在している。
【0078】
ヘッド部分120およびフランジ部分170は、
図2Aおよび
図2Cのニードルレスコネクター100に関して詳細に説明されており、したがって、その詳細な説明は、ニードルレスコネクター500に関して省略するものとする。本開示のさまざまな実施形態によれば、圧縮可能なバルブ106は、長手方向中心軸線X
6を有することが可能である。非活性化状態(たとえば、孤立しているか、または、ハウジング110の中にあるが医療器具50によって変位されていない)では、長手方向中心軸線X
6は、圧縮可能なバルブ106のヘッド部分120および本体部部分123を通って長手方向に延在することが可能である。上述の状態において、圧縮可能なバルブ106の本体部部分123は、圧縮可能なバルブ106のヘッド部分120または他の部分と同じ軸線方向中心を有することが可能である。しかし、さらに詳細に下記に説明されているように、活性化状態では(たとえば、医療器具またはシリンジ50を使用して、軸線方向力Fが、圧縮可能なバルブ106に印加されているとき)、圧縮可能なバルブ106の長手方向中心軸線X
6は、圧縮可能なバルブ106が医療器具またはシリンジ50によって活性化させられると、ハウジング110の中心長手方向軸線X
1に対して変化および枢動することが可能である。
【0079】
本開示のさまざまな実施形態によれば、ヘッド部分120の上部セクションは、圧縮可能なバルブ106の第1のシール部分または2次シール部分129を画定することが可能である。本体部部分123は、本体部部分123の近位端部において、第2のシール部分または1次シール部分140をさらに画定することが可能である。示されているように、1次シール部分140は、2次シール部分129に対して遠位に配設されることが可能である。
【0080】
いくつかの実施形態において、
図6Aおよび
図6Bに図示されているように、本体部部分123は、円筒形状の外側表面164と、バルブキャビティー165を画定する内部表面168と、内部表面168と外側表面164との間に画定された壁部166とを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、円筒形状の外側表面164は、円筒形状の外側表面164の周囲部の一部分に沿って延在する外部ノッチ153を含むことが可能である。外部ノッチ153は、
図3Aおよび
図3Bのニードルレスコネクター200に関して上記に詳細に説明されており、したがって、その詳細な説明は、ニードルレスコネクター500に関して省略されるものとする。
【0081】
本開示のさまざまな実施形態によれば、圧縮可能なバルブ102は、平面的な面161をさらに含むことが可能であり、平面的な面174は、外部ノッチ153から遠位に延在しており、外部ノッチ153とフランジ部分170との間に配設されている。したがって、図示されているように、平面的な面174は、外側円周方向表面164に対して半径方向内向きに凹ませられることが可能である。
【0082】
いくつかの実施形態において、圧縮可能なバルブ106は、内部ノッチ158をさらに含むことが可能であり、内部ノッチ158は、本体部部分123の内部表面168に配設されており、平面的な面174に向けて壁部166の中へ半径方向外向きに延在している。示されているように、壁部166の長さに沿った内部ノッチ158の長手方向位置は、壁部166の長さに沿った外部ノッチ153の長手方向位置と少なくとも部分的に重なることが可能である。
【0083】
図5Aおよび
図5Bの実施形態と同様に、
図6Aおよび
図6Bに図示されている本開示のさまざまな実施形態は、1次シール部分140の体積の変化とバルブキャビティー165の体積の変化との間の差が医療器具50の挿入の全体を通して均一なマイナスの流体変位を生み出して維持することを予期される構成を有利に提供することを対象としている。したがって、1次シール部分140の体積の変化とバルブキャビティー165の体積の変化との間の差は、さらに詳細に下記に説明されているように、医療器具の除去の全体を通して均一なプラスの流体変位を有利に生み出して維持することを予期される。
【0084】
本開示のさまざまな実施形態によれば、
図6Aおよび
図6Bに図示されているように、圧縮可能なバルブ106の本体部部分123は、壁部166の外側周囲173全体に沿って延在する崩壊可能なセグメント172をさらに含むことが可能である。崩壊可能なセグメント172は、壁部166から半径方向内向きに凹ませられることが可能である。いくつかの実施形態において、崩壊可能なセグメント172は、外部ノッチ153に対して遠位に配設されることが可能である。たとえば、示されているように、崩壊可能なセグメント172は、フランジ部分170の近位端部にも対応し得る本体部部分123の遠位端部に配設されることが可能である。
【0085】
崩壊可能なセグメント172は、軸線方向力Fが圧縮可能なバルブ106のヘッド部分120に印加されるときに、崩壊可能なセグメント172が半径方向内向きに崩壊し、それによって、圧縮可能なバルブ106の下向きの(すなわち、遠位)変位および/または垂直方向のクラッシュ/圧縮を引き起こすように構成されることが可能である。したがって、崩壊可能なセグメント172の下向きの崩壊に起因して、本体部部分123は、
図6Bに図示されているように、内向きに歪む前に、最初に垂直方向にクラッシュ/圧縮することが可能である。本体部部分123の上に崩壊可能なセグメント172を有する圧縮可能なバルブ106の構成は、医療器具50の初期挿入の間により均一なマイナスの変位を達成するのに有利である。そして、これは、軸線方向力Fの除去のときのより均一なプラスの体積変位を可能にし、それによって、
図1Aの現在存在する圧縮可能なバルブ20と比較して、圧縮可能なバルブ106がより迅速に跳ね返り、
図6Aに図示されている非圧縮状態まで膨張することを可能にする。
【0086】
追加的に、内部ノッチ158および外部ノッチ153ならびに内向きに凹ませられた平面的な面174を有するバルブ壁部を備えた圧縮可能なバルブ106の上述の構成および構造は、軸線方向力を受けるときに、圧縮可能なバルブ106の一方の側が、(
図6Bに図示されているように)均一に内向きに歪み、歪められたバルブ壁部166の折り畳みオーバーラップまたは過剰折り畳みを最小化し、それによって、圧縮可能なバルブの応答時間または反発時間を最大化することが可能であるという点において有利である。とりわけ、動作時に、軸線方向力Fが圧縮可能なバルブ106に印加されるときに、圧縮可能なバルブ106は圧縮され、(
図6Aに図示されている)ニードルレスコネクター500のシールされた構成から、下記に説明されているような
図6Bに図示されているシールされていない(開放)構成へ、均一に内向きに歪むことが可能である。
【0087】
動作時に、医療器具50(たとえば、オス型ルアー、シリンジ、または、任意の同様の医療器具)が、ニードルレスコネクター500の入口ポート105の中へ最初に挿入されるとき、軸線方向力Fが、圧縮可能なバルブ106の上に働かされ、第2のノッチ135が折り畳まれるかまたは崩壊することができるようになっており、第1のノッチ130が、開くかまたは膨張することが可能であり、ヘッド部分120の上部セクションが下向きに傾くことができるようになっている。この点において、入口ポート105の中の医療器具50からの流体通路は、ハウジング110の内部キャビティー115を通してハウジング110の出口ポートへ確立されることが可能である。いくつかの実施形態において、軸線方向力Fが、圧縮可能なバルブ102の上に働かされ、外部ノッチ153におけるバルブ壁部166が、バルブキャビティー165に向けて内向きにわずかにお辞儀することができるようになっており、内部ノッチ158におけるバルブ壁部166が、バルブキャビティー165に向けて外向きにわずかにお辞儀することができるようになっている。追加的に、1次シール部分140は、内部シーリング縁部124から分離することが可能である。
【0088】
医療器具50が、圧縮可能なバルブ106の上に軸線方向力Fを働かせ続けるとき、医療器具50は、入口ポート105の中へさらに下降し、また、外部ノッチ153および内部ノッチ158のお辞儀、ならびに、平面的な面174の内向きに凹ませられた構造に起因して、圧縮可能なバルブ106がさらに圧縮されるときに、モーメントM5が、平面的な面174の近位端部の辺りに生成され、それによって、
図6Bに図示されているように、本体部部分123が均一に内向きに歪むことを引き起こす。本体部部分123が平面的な面174において均一に内向きに歪むので、バルブ壁部166の過剰折り畳みおよび/または折り畳みオーバーラップが生じることが防止される。上述の構成は、バルブ壁部166の折り畳みオーバーラップが生じることが防止されるので、問題のあるピンチポイント(そこでは、法線力が伝統的に発達し、法線力は、撓まされたカラムに起因するバルブ壁部の中の歪みによって引き起こされる内部モーメントに対抗して作用し、戻る間にバルブ壁部が自由に開くことを防止する)が、圧縮可能なバルブ106において生じないという点で、(たとえば、
図1Aに図示されているような)ニードルレスコネクターの現在存在するバルブよりも有利である。有利には、圧縮可能なバルブ106は最小の折り畳みを有しているので、軸線方向力Fの除去のときに、バルブ壁部166は、自由に膨張し、
図1Aの現在存在する圧縮可能なバルブ20と比較して、
図6Aに図示されている非圧縮状態により迅速に戻ることが可能である。
【0089】
本開示は、任意の当業者が本明細書で説明されているさまざまな態様を実践することを可能にするために提供されている。本開示は、主題の技術のさまざまな例を提供しており、主題の技術は、これらの例に限定されない。これらの態様に対するさまざまな修正例は、当業者に容易に明らかになることとなり、本明細書で規定されている一般的な原理は、他の態様にも適用され得る。
【0090】
単数形でのエレメントへの言及は、具体的にそのように述べられていない限り、「唯一の」を意味することを意図しているのではなく、「1つまたは複数の」を意味することを意図している。具体的にそうでないことを述べられていない限り、「いくつかの」という用語は、「1つまたは複数の」を指す。男性の代名詞(たとえば、彼の)は、女性および中性(たとえば、「彼女の」および「その」)を含み、その逆もまた同様である。見出しおよび小見出しは(それらがある場合には)、単に便宜のために使用されており、本発明を限定しない。
【0091】
「例示的な」という言葉は、「例または図示としての役割を果たす」ということを意味するように、本明細書で使用されている。「例示的な」として本明細書で説明されている任意の態様または設計は、必ずしも、他の態様または設計を上回る好適なまたは有利なものとして解釈されるべきではない。1つの態様では、本明細書で説明されているさまざまな代替的な構成および動作は、少なくとも均等物であると考えられ得る。
【0092】
本明細書で使用されているように、一連の項目に先行する「の少なくとも1つ」という語句は(項目のいずれかを分離するために「または」という用語を伴う)、リストのそれぞれの項目ではなく、全体としてリストを修飾する。「の少なくとも1つ」という語句は、少なくとも1つの項目の選択を必要とするのではない。むしろ、この語句は、項目のうちの任意の1つの少なくとも1つ、および/または、任意の組み合わせの少なくとも1つ、および/または、項目のそれぞれの少なくとも1つを含む意味を許容する。例として、「A、B、またはCの少なくとも1つ」という語句は、Aのみ、Bのみ、もしくは、Cのみ;または、A、B、およびCの任意の組み合わせを指すことが可能である。
【0093】
「態様」などのような語句は、そのような態様が主題の技術に必須であるということ、または、そのような態様が主題の技術のすべての構成に適用されることを暗示しているのではない。ある態様に関する開示は、すべての構成、または、1つもしくは複数の構成に適用することが可能である。ある態様は、1つまたは複数の例を提供する場合がある。ある態様などのような語句は、1つまたは複数の態様を指す可能性があり、その逆もまた同様である。「実施形態」などのような語句は、そのような実施形態が主題の技術に必須であるということ、または、そのような実施形態が主題の技術のすべての構成に適用されることを暗示しているのではない。ある実施形態に関する開示は、すべての実施形態、または、1つもしくは複数の実施形態に適用することが可能である。ある実施形態は、1つまたは複数の例を提供する場合がある。そのような実施形態という語句は、1つまたは複数の実施形態を指す可能性があり、その逆もまた同様である。「構成」などのような語句は、そのような構成が主題の技術に必須であるということ、または、そのような構成が主題の技術のすべての構成に適用されることを暗示しているのではない。構成に関する開示は、すべての構成、または、1つもしくは複数の構成に適用することが可能である。ある構成は、1つまたは複数の例を提供する場合がある。そのような構成という語句は、1つまたは複数の構成を指す可能性があり、その逆もまた同様である。
【0094】
1つの態様では、別段の記述がない限り、本明細書(以下に続く特許請求の範囲を含む)において記述されているすべての測定値、値、レーティング、位置、大きさ、サイズ、および他の仕様は、概算であり、正確ではない。1つの態様では、それらは、それらが関連する機能、および、それらが関連する技術分野において慣習的な機能と一貫する合理的な範囲を有することを意図している。
【0095】
開示されているステップ、または、プロセスにおける動作、または方法の特定の順序または階層は、例示的なアプローチの図示であるということが理解される。実装形態の好みまたはシナリオに基づいて、ステップ、動作、またはプロセスの特定の順序または階層は再配置され得るということが理解される。ステップ、動作、またはプロセスのうちのいくつかは、同時に実施され得る。いくつかの実装形態の好みまたはシナリオにおいて、特定の動作が実施されてもよくまたは実施されなくてもよい。ステップ、動作、またはプロセスのうちのいくつかまたはすべては、ユーザーの介入なしに、自動的に実施され得る。添付の方法の請求項は、サンプル順序において、さまざまなステップ、動作、またはプロセスのエレメントを提示しており、提示されている特定の順序または階層に限定されることを意味していない。
【0096】
当業者に知られているか、または、当業者に後に知られることになる、本開示の全体を通して説明されているさまざまな態様のエレメントに対するすべての構造的なおよび機能的な均等物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれており、特許請求の範囲によって包含されることを意図している。そのうえ、本明細書で開示されているものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に提供されたものであることを意図していない。請求項のエレメントは、そのエレメントが「のための手段(means for)」という語句を使用して明示的に記載されていない限り、または、方法の請求項の場合には、そのエレメントが「のためのステップ(step for)」という語句を使用して記載されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定の下で解釈されるべきではない。そのうえ、「含む(include)」または「有する」などの用語が使用されている範囲において、そのような用語は、請求項の中の移行句として用いられるときに「含む(comprise)」が解釈されるように、「含む(comprise)」という用語と同様の様式で、包括的であることを意図している。
【0097】
発明の名称、背景技術、発明の概要、図面の簡単な説明、および、本開示の要約は、これによって本開示に組み込まれており、制限的な説明としてではなく、本開示例示目的の例として提供される。特許請求の範囲または意味を限定するものとして使用されることとならないという理解の下で、それは提出される。加えて、詳細な説明において、説明は例示目的の例を提供しているということ、および、本開示を合理化する目的のためにさまざまな特徴がさまざまな実施形態において一緒にグループ化されているということが理解され得る。この開示の方法は、特許請求されている主題が、それぞれの請求項の中に明示的に記載されているものよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、以下の特許請求の範囲が反映するように、本発明の主題は、単一の開示されている構成または動作のすべての特徴よりも少ないものにある。以下の特許請求の範囲は、これによって詳細な説明の中へ組み込まれており、それぞれの請求項は、別個の特許請求されている主題として自立している。
【0098】
特許請求の範囲は、本明細書で説明されている態様に限定されることを意図しているのではなく、特許請求の範囲の文言と一貫する完全な範囲を与えられており、すべての法的な均等物を包含することを意図している。それにもかかわらず、請求項のいずれも、米国特許法第101条、第102条、または第103条の要件を満たすことができない主題を包含することを意図しておらず、それらはそのように解釈されるべきでもない。
【国際調査報告】