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特表2024-516354方向調節可能なブレードを有するロータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-15
(54)【発明の名称】方向調節可能なブレードを有するロータ
(51)【国際特許分類】
   F16H 37/06 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
F16H37/06 C
F16H37/06 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023561757
(86)(22)【出願日】2022-04-05
(85)【翻訳文提出日】2023-10-20
(86)【国際出願番号】 IB2022053156
(87)【国際公開番号】W WO2022214956
(87)【国際公開日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】2103485
(32)【優先日】2021-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515004809
【氏名又は名称】アデヴェ テック
【氏名又は名称原語表記】ADV TECH
(71)【出願人】
【識別番号】523380003
【氏名又は名称】アデヴェ プロパルス
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キュリュチェ,アルノー
【テーマコード(参考)】
3J062
【Fターム(参考)】
3J062AA31
3J062AA42
3J062AB01
3J062AC04
3J062AC09
3J062BA12
3J062CG67
3J062CG73
3J062CG83
(57)【要約】
流体ロータが開示され、流体ロータは、ベース(1)上に装着された回転構造体(2、3)であって、ロータ軸の周りの回転構造体の回転に対して振動することができる方向調整可能なブレード(4)のセットを支持する、回転構造体(2、3)と、ロータの中心シャフト(6)とブレードの各々との間のトランスミッションデバイスであって、ブレードの振動を個々に制御することができる、トランスミッションデバイスとを含み、各デバイスは、オフセット枢動軸を有する2つの枢動要素(8、13)を備え、これらの要素のうちの一方はスロット(11a)を有し、他方はスロットと係合するピン(12)を有する。本発明によれば、2つの枢動要素(8、13)は、中心シャフト(6)とブレード(4)との間で互いに係合された要素(7、8、13、15)のセットからなるトランスミッションの中間要素である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ロータであって、前記流体ロータは、ベース(1)上に装着された回転構造体(2、3)であって、ロータ軸の周りの前記回転構造体の回転に対して振動することができる方向調整可能なブレード(4)のセットを支持する、回転構造体(2、3)と、前記ロータの中心シャフト(6)と前記ブレードの各々との間のトランスミッションデバイスのセットであって、前記ブレードの振動を個々に制御することができ、各デバイスが、オフセット枢動軸を有する2つの枢動要素(8、13)を備え、前記要素のうちの一方はスロット(11a)を有し、他方は前記スロットと係合するピン(12)を有する、トランスミッションデバイスのセットと、を備え、前記ロータは、各トランスミッションデバイスの前記2つの枢動要素(8、13)が、前記中心シャフト(6)と前記ブレード(4)との間で互いに係合された要素(7、8、13、15)のセットからなる個々のトランスミッションの中間要素であることを特徴とする、ロータ。
【請求項2】
トランスミッションデバイスの前記要素が、互いに直接係合する歯付き要素(7、8、13、15)であることを特徴とする、請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
オフセット枢動軸を有する前記2つの枢動要素が、前記中心シャフト(6)に堅固に接続された軸方向要素(7)と係合した第1の中間要素(8)と、関連する前記ブレードのフレーム(4a)とともに回転するように拘束された要素(15)と係合した第2の中間要素(13)とを備えることを特徴とする、請求項2に記載のロータ。
【請求項4】
トランスミッションデバイスの前記ピン(12)が、前記中間要素のうちの1つ(13)に直接的に装着されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項5】
トランスミッションデバイスの前記スロット(11a)が、前記中間要素のうちの第2の中間要素(8)に取り付けられた要素(11)内に設けられていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項6】
トランスミッションデバイスの前記スロット(11a)が、前記中間要素のうちの第2の中間要素(8)内に設けられていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項7】
前記ブレードの振動の最大振幅を調整するための共通デバイスを備え、このデバイスが、前記第1及び第2の中間要素(8、13)の前記枢動軸間の距離を円周方向に変化させるように、前記ロータ軸の周りを回転することができ、前記トランスミッションの各々の前記第1の中間要素(8)又は前記第2の中間要素(13)の枢動部を有するプレート(10)を備えることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項8】
前記ロータの前記軸と同心であり、前記トランスミッションデバイスを介して前記ブレードのピッチの対応する全体的な変化を引き起こすように角度的に移動可能な、前記ロータの前記中心シャフトを構成する内側シャフト(6)と、前記振幅調整デバイスの前記プレート(10)の角度変位を制御するように回転で調整可能な中間シャフト(5)と、前記ロータの前記回転構造体(2、3)に属する外側シャフト(2)とを備えることを特徴とする、請求項7に記載のロータ。
【請求項9】
前記外側シャフト(2)が、前記プレート(10)と前記トランスミッションデバイス(7~16)とを収容する中空ドラム(3)と、前記ブレード(4)が枢動可能に装着されている壁(3a)とに堅固に接続されていることを特徴とする、請求項8に記載のロータ。
【請求項10】
前記ロータの固定軸シャフト(18)及び前記回転構造体(2、3)が、回転機械の内側要素及び外側要素(19、20)を担持し、前記回転構造体によって担持される前記要素(20)が、前記中心シャフトによって担持される前記要素(19)に対する前記回転構造体の回転の影響下で、前記回転構造体内でエネルギーを生成することができることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のロータ。
【請求項11】
前記回転機械(19、20)が、電気モータ、発電機、及び流体ポンプを含む群に属することを特徴とする、請求項10に記載のロータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、様々な流体用途のための方向調節可能なブレードを有するロータに関する。
【背景技術】
【0002】
特に、国際公開第2014006603(A1)号、国際公開第2016067251(A1)号、及び国際公開第2017168359(A1)号の文書は、典型的にはトロコイド型のブレード運動を伴う、方向調節可能なブレードを有するロータを開示している。
【0003】
これらのロータは、ロータの主軸と、偏心トランスミッションによってそれぞれのブレードに接続された衛星要素との間にトランスミッションのセットを備え、それにより、ロータの回転は、ブレードの振動運動を伴い、動いている流体からエネルギーを生成するか、又は流体を推進する。ロータの重量及び形状因子は、ロータの性能にとって決定的であり得ることが理解される。
【0004】
また、米国特許第4383801(A)号及び米国特許第5324164(A)号の文書から、偏心コレクティブ制御要素の運動のおかげで、振動中のブレードの最大角度変位を修正することを可能にする機構が知られている。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、重量及び/又は形状因子、特に軸方向寸法を低減することができるロータを得ることを目的とする。
【0006】
本発明の第2の目的は、同心コマンドによって、ブレードの振動の最大振幅の変化、並びにロータの配向の変化を実行して、生成された流れの配向を修正すること、又は受け取られた流れの配向の変化に適応することを可能にすることである。
【0007】
この目的のために、流体ロータが提案され、流体ロータは、ベース上に装着された回転構造体であって、ロータ軸の周りの回転構造体の回転に対して振動することができる方向調整可能なブレードのセットを支持する、回転構造体と、ロータの中心シャフトとブレードの各々との間のトランスミッションデバイスのセットであって、ブレードの振動を個々に制御することができ、各デバイスが、オフセット枢動軸を有する2つの枢動要素を備え、これらの要素のうちの一方がスロットを有し、他方がスロットと係合するピンを有する、トランスミッションデバイスのセットと、を備え、ロータは、各トランスミッションデバイスの2つの枢動要素が、中心シャフトとブレードとの間で互いに係合された要素のセットからなる個々のトランスミッションの中間要素であることを特徴とする。
【0008】
このロータの有利であるが任意選択の態様は以下の通りである。
トランスミッションデバイスの要素は、互いに直接係合する歯付き要素である。
オフセット枢動軸を有する2つの枢動要素は、中心シャフトに堅固に接続された軸方向要素と係合された第1の中間要素と、関連するブレードのフレームとともに回転するように拘束された要素と係合された第2の中間要素とを備える。
トランスミッションデバイスのピンは、中間要素のうちの1つに直接的に装着される。
トランスミッションデバイスのスロットは、以下に取り付けられた要素内に設けられており、トランスミッションデバイスのスロットは、中間要素のうちの第2の中間要素に形成される。
ロータは、ブレードの振動の最大振幅を調整するための共通デバイスを備え、このデバイスは、ロータ軸の周りを回転することができ、トランスミッションの各々の第1又は第2の中間要素の枢動部を有するプレートを備え、第1及び第2の中間要素の枢動軸間の円周方向の距離を変化させる。
ロータは、ロータの軸と同心であり、トランスミッションデバイスを介してブレードのピッチの対応する全体的な変化を引き起こすように角度的に移動可能な、ロータの中心シャフトを構成する内側シャフトと、振幅調整デバイスのプレートの角度変位を制御するように回転で調整可能な中間シャフトと、ロータの回転構造体に属する外側シャフトとを備える。
外側シャフトは、プレート及びトランスミッションデバイスを収容する中空ドラムと、ブレードが枢動可能に装着される壁と、に堅固に接続されている。
ロータの固定軸シャフト及び回転構造体は、回転機械の内側要素及び外側要素を担持し、回転構造体によって担持される要素は、中心シャフトによって担持される要素に対する回転構造体の回転の影響下で、回転構造体内でエネルギーを生成することができる。
回転機械は、電気モータ、発電機、及び流体ポンプを含む群に属する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の他の態様、目的及び利点は、非限定的な例として添付図面を参照して与えられる、本発明の好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読むことにより、より明らかになるであろう。図面は以下の通りである。
図1】本発明によるロータの全体を上から見下ろした斜視図である。
図2】ロータの軸方向断面図であり、特に1つのブレードの運動機構を示す。
図3】ブレードの振動の最大振幅を調整するためのロータのサブアセンブリの底面から見た斜視図である。
図4】構造の一部及びロータの運動機構の要素の上から見下ろした斜視図である。
図5】ロータの運動機構に関与する要素のみを上から見下した斜視図である。
図6】ブレードの振動の最大振幅を調整するための2つの異なる位置における運動機構の要素を示す平面図である。
図7図2と同様の図であり、ロータの回転部分内でエネルギーを発生させることを可能にする改良を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
序論において、本発明は、複数のブレードにそれぞれ関連付けられた複数の偏心トランスミッションに基づいて方向調整可能なブレードを有するロータの形状因子及び/又は重量の低減を可能にすることを目的とする。本発明の第2の目的は、ブレードのピッチ(それらの「中立」配向に対する振動の最大振幅)の調整の最適化を可能にすることである。
【0011】
本明細書に記載のロータは、国際公開第2014006603(A1)号、国際公開第2016067251(A1)号及び国際公開第2017168359(A1)号の文書に記載されているように、ロータの回転中にブレードの角度オフセットの原理を、例えば、国際公開第2017168359(A1)号に記載されているような偏心回転要素にピン/スロット結合を使用することによって、異なる配置で採用している。
【0012】
より具体的には、この結合は、ロータの中心シャフトからそれぞれのブレードに進む運動連鎖、ここでは歯車列の中間結合として設けられる。
【0013】
更に、本説明は、船舶推進ユニット(居住型又は非居住型)に対して行われ、本発明は、方向調整可能なブレード、特にトロコイド型ブレードを有するロータの全ての用途を対象とすることが理解される。
【0014】
ピッチ調整が実施される場合、有利には、スロット付き要素の枢動のためのカセットタイプの可動支持体によって行われる。ロータの本体に対するカセットの角度制御は、ブレードに対向する推進ユニットの領域に現れる制御軸を介して行われる。一実施形態によれば、このカセットは、カセットとロータの本体との間に装着された電気ジャッキ、油圧ジャッキ又は空気圧ジャッキによって制御することができる。この実施形態の欠点は、異なるジャッキを制御するために回転継手を使用する必要があることである。
【0015】
図面、特に最初に図1を参照すると、推進用途の場合にウェル内に装着されるように設けられた固定又はベース支持体1は、ロータの主軸2を回転可能に支持し、主軸2は、ドラム3に堅固に接続される。複数のブレードが、それぞれの軸を中心に回転可能でありながら、ドラム上に装着される。ここでは、ブレードの3つのフレーム4aのみが示されており、これらのフレームは、この場合、断面が長方形であり、ブレードは、好ましくは、これらの補強材上に取り外し可能な方法で通される。ブレード4のうちの1つのみが破線で示されている。ここでは、ロータの軸の周りに互いに対して120°で規則的に離間された3つのブレードが存在するが、この数は任意の数であってもよい。
【0016】
ブレードのピッチを制御するためのシャフト5は、主軸2と同時に回転し、機構(図示せず)は、ブレードのピッチを調整するために主軸2に対するこのシャフト5の角度位置をわずかに修正することを可能にする。
【0017】
方向制御シャフト6は、流れの方向を直接的にかつ360°の範囲にわたって方向付けることを可能にし、シャフト6の回転制御は、各ブレードの挙動の対応する回転を引き起こす。方向転換が行われないとき、シャフト6は同じ位置に留まる。垂直軸推進用途においてロータの上方に配置されたシャフト6の駆動デバイスは、ここでは示されていないが、例えば、ケーブル制御、歯車列、ベルトなどを用いて実現することができ、オートマトン又は手動制御によって制御されるアクチュエータによって駆動される。当業者であれば、適切な解決策を選択する方法を知っており、例えば、船外機の配向からインスピレーションを得ることである。
【0018】
(エネルギー回収のために使用されるロータの場合、シャフト6は、ヨー軸の等価物となり、流体の方向に従うようにブレードを配向させることを可能にする)。
【0019】
図2は、ロータの主軸2を支持する支持体1を示しており、ロータは、それが堅固に接続されているドラム3を回転させる。
【0020】
制御シャフト6の下部領域は、適切なタイプ(直線、螺旋状、ヘリンボーン、遊び補償など)のピニオン7に堅固に接続される。このピニオン7は、ピッチ制御シャフト5とともに回転するように拘束されたディスク状プレート10上に装着された枢動軸9の周りを回転する別のピニオン8と係合している。シャフト5及びプレート10はともにピッチ制御カセットを形成する。
【0021】
ピニオン8は、典型的にはディスク形状の要素11に堅固に接続されており、要素11には、直線状又は曲線状のスロット11aが形成されている。スロット11a内では、別のピニオン13に堅固に接続されたピン又はローラ12が、その上に偏心して装着されて摺動することができる。ピニオン13は、ドラム3の下部に堅固に接続された枢動軸14の周りを枢動する。ピニオン13は、対応するブレードのフレーム4aに堅固に接続されたピニオン15と噛み合い、この補強材は、ドラム3のベース3aに堅固に接続された貫通軸受を形成する部分16においてその枢動を構成する、ピニオン15の下方の上部を備える。
【0022】
様々な回転要素は、任意の適切な軸受を使用することによって装着され、軸受は、詳細には説明されないが、標準化された形態で図2に示される。
【0023】
ここでは、ロータが360°回転した後にトランスミッションがその元の位置に戻るように、様々な噛み合いピニオンの歯の数によって決定される全トランスミッション比が1に設定されることが特定される。
【0024】
一実施形態では、ピニオン7、8、13、及び15は、同じ数の歯を有し、この数はまた、有利には、ロータ上のブレードの数の倍数であり、これは、主軸の周りのブレードの分布に正確に対応するトランスミッションデバイスの角度分布を確実にする。
【0025】
ロータの主軸2に対する最大振幅を有する制御シャフト5の角度位置を修正することによって、ピニオン8及び13のそれぞれの回転軸間のミスアライメントが、それらの枢動部9、14によって画定されて、円周方向に実行されることが理解されるであろう。
【0026】
これらの軸が組み合わされると、ピニオン8は、スロット11a及びピン12を介して、ピニオン13を駆動し、その結果、それらは一緒に均一に移動する。
【0027】
ここでは全てのピニオンが同じ数の歯を有するので、ピニオン15の絶対配向はロータの回転中に一定のままであり、したがって、対応するブレードは一定の絶対配向を保持し、設計は、この状況において、ブレードの各々がこの同じ一定の絶対配向を有するようなものであることが理解されよう。
【0028】
カセット10がシャフト5に作用することによって回転されるとき、ピニオン8及び13の枢動部9及び14は、円周方向に互いにオフセットされ、ピニオン8及び13の運動機構における周期的な角度オフセットを生成し、その結果、ロータの回転中に前述の一定の配向のいずれかの側でブレード4の振動を生成する。
【0029】
各ブレードには、同じトランスミッション機構が設けられ、これらの機構は、トロコイド型のブレードの運動を生成するように構成され、実際の運動機構は、スロット11aの形状によって、及びピニオン8及び13の枢動軸間の偏心度によって決定される。したがって、この偏心が大きいほど、ブレードの振動の振幅が大きくなる。
【0030】
更に、方向制御シャフト6が回転すると、ピニオン7が回転し、したがって、様々なトランスミッション機構が、シャフト6に加えられた角度ギャップに正確に対応する角度ギャップでブレード4を再配向させる。
【0031】
振動を生成するスロット/ピンアセンブリは、例えば、仏国特許出願公開第2003668号の図6A図6Cを参照して説明されているような遊び補償機構を備えることができ、その内容は参照により本明細書に組み込まれることに留意されたい。
【0032】
既に示したように、スロット11aは、設計中に、ブレードの交互運動の運動機構が、スロットが直線状である場合に対応する略正弦波状の展開に対して任意に変化することができるように、直線状又は曲線状であってもよい。
【0033】
図3は、ブレードの振動の最大振幅を調整するためのカセットを形成するアセンブリを示す。それは、ピニオン8及びスロット11要素11aの枢動を担持するプレート10に堅固に接続された制御シャフト5を示す。また、この図では、方向制御ピニオン7が、スロット要素11とともに回転するように拘束されたピニオン8の各々と係合されていることが分かる。ここで、スロットは、製造及びアセンブリを容易にするために外側に開いているが、両端で閉じることもできる。
【0034】
図4では、ドラム3の下部プレート3aが、ブレードのフレーム4aとともに回転するように拘束されたピニオン15と、ドラムのベース3aに形成されたブラインド軸受17に装着されたピン又はローラ12を支持するピニオン13とを支持していることが分かる。
【0035】
図5は、3つのブレードの各々について説明した運動連鎖のアセンブリを示しており、様々な支持要素は示されていない。
【0036】
図6の左側では、カセット10の位置は、ピニオン8及び13の回転軸が整列するような位置である。その結果、説明したように、ブレード4は、一定の絶対配向で互いに平行に配向されたままである。振動の振幅は0である。
【0037】
図6の右側では、カセット10の位置は、ピニオン8、13の回転軸が円周方向にオフセットされるような位置である。したがって、運動機構は、ロータの回転中にトロコイド型の法則を説明することによってブレードが振動するようなものである。ピニオン8、13の回転軸間の距離が大きいほど、この振動の振幅は大きくなる。
【0038】
したがって、特に信頼性の高い機構が得られる一方で、特に軸方向(歯車列のための2つの平面のみを伴う)及び半径方向(ブレードの取付け点に対して内部に向かう偏心の移動を伴う)においてコンパクトであり、重量が低減される。更に、ブレード(カセット10)の振動振幅を調整するための機構は、直径を小さくすることができる。
【0039】
上述した本発明は、多くの変形及び変更の主題とすることができる。
-第1に、ピニオン8とスロット付きディスク11とを単一部品として組み合わせることが可能であり、軸方向の寸法の低減及び重量の低減に更に寄与する。
-直接係合しているピニオン7、8及び13、15の対は、それぞれのノッチ付きチェーン又はベルトによって接続されたローラの対によって置き換えることができ、それは、結果として生じる運動学的反転が重複し、したがって動作しないことが観察されたからである(要素8、11、13のみが上述したものとは反対方向に回転する)。
-スロット11a/ピン12の協働は逆にすることができ、ピン12はピニオン8によって担持され、スロット付きディスク12はピニオン13とともに回転するように拘束される(又はスロットはそのピニオンに一体化される)。
【0040】
図7は、図1図6の発明に適用可能な別の発明、並びに方向調整可能なブレードを有するロータの任意の他の実装形態を示す。本発明は、コレクタ又は他の回転継手を使用する必要なく、ロータ自体の構造内、ここではドラム3の内部でエネルギー(電流、又は加圧された油圧流体又は空気圧流体)を生成することができ、したがって、いかなる故障、摩耗、及びメンテナンスの必要性の問題も回避することからなる。
【0041】
この目的のために、ロータは、方向制御シャフト5内に、ベース1に対して固定されたシャフト18を備える。
【0042】
このシャフトの下部領域には、発電機のロータを形成するように意図され、好ましくは磁石からなる回転要素19が取り付けられている。
【0043】
1つ以上の巻線からなるこの同じ発電機のステータ20は、ロータ19と同心になるようにドラム3のベース3aに取り付けられる。
【0044】
流体ロータ、したがってそのドラム3が固定シャフト18に対して回転している間、電気モータのステータ20がそのロータの周りを回転し、それによって巻線に電流が発生することが理解されよう。流体ロータの回転部分においてこのようにして形成された電気エネルギーは、適切な場合には、1つ又は複数のバッテリに蓄積され、センサ又はアクチュエータなどの回転部分に設置された任意の電気部材に供給することができる。
【0045】
一実施形態では、それは、ブレードとそれぞれ関連付けられ、それらのピッチを流体ロータの回転に応じて変化させるように意図されたN個の回転アクチュエータを含んでもよく、図1図6を参照して説明されたようなトランスミッションは、そのような場合にはもはや必要ではない。これらのアクチュエータの制御信号は、例えば、適切な送信/受信回路を用いた無線送信によって、又は搬送電流によって伝達することができ、この場合、電気モータのロータ19は、信号を伝達する1つ又はいくつかの巻線からなる。
【0046】
別の可能性によれば、ロータ内で利用可能な電気エネルギーは、例えば、電気モータ又は1つ以上のジャッキを使用して、最大振動振幅調整デバイスのプレート10を移動させるために使用することができる。
【0047】
別の実施形態では、発電機を形成するロータ19/ステータ20アセンブリは、液圧ポンプ又は空気圧ポンプによって置き換える(又は補充する)ことができ、その場合、加圧流体からなるエネルギーの消費部は、それに応じて適合される。
【0048】
更に、上述のトランスミッション機構及び上述のような現場でのエネルギーの生成とは独立して、3つの同軸シャフト、すなわち、ロータの動作方向を調整するために角度的に移動可能な内側シャフト6と、振動振幅の調整デバイスのプレートの角運動を制御するために回転で調整可能な中間シャフト5と、ロータを固定ベース1に対して回転させる外側シャフトとを備え、有利であるが任意選択的に、外側シャフトが中空ドラムに堅固に接続されているロータ構造は、プレート及びトランスミッションデバイスを収容する中空ドラムを備え、その壁にブレードが枢動可能に装着されている。これらの3つのシャフトは、異なる内部/中間/外部配置で配置することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】