IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マックス−デルブリュック−ツェントルム フューア モレキュラーレ メディツィンの特許一覧

特表2024-516379妊婦高血圧腎症を予測するための方法およびキット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-15
(54)【発明の名称】妊婦高血圧腎症を予測するための方法およびキット
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/50 20060101AFI20240408BHJP
   G01N 27/62 20210101ALI20240408BHJP
【FI】
G01N33/50 D
G01N33/50 Z
G01N27/62 V
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023563809
(86)(22)【出願日】2022-04-19
(85)【翻訳文提出日】2023-11-28
(86)【国際出願番号】 EP2022060286
(87)【国際公開番号】W WO2022223542
(87)【国際公開日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】21169229.8
(32)【優先日】2021-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504439274
【氏名又は名称】マックス-デルブリュック-ツェントルム フューア モレキュラーレ メディツィン イン デア ヘルムホルツ-ゲマインシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ヘルゼ・フロリアン
(72)【発明者】
【氏名】ビョークホルト・アナスン・ルイーセ
(72)【発明者】
【氏名】ブシャーン・アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】デーヒェント・ラルフ
【テーマコード(参考)】
2G041
2G045
【Fターム(参考)】
2G041CA01
2G041EA04
2G041FA10
2G041FA23
2G041GA09
2G041HA01
2G041JA05
2G041LA08
2G045AA13
2G045AA25
2G045CA26
2G045DA02
2G045FA34
2G045FA36
2G045FB06
(57)【要約】
本発明は、妊娠の妊娠16週の終わりまでの妊娠ヒト女性対象における妊婦高血圧腎症の、前記対象から得られた血液サンプルからの代謝産物に基づく予測のための方法に関する。本発明によると、前記方法は、以下のステップを含む: -前記サンプル中の以下の代謝産物のレベルを測定すること:14,15-DHET、13-HODE、10,11-EDP、21-HDHAおよび11,12-DHET、および -測定されたレベルに基づいて、前記対象が妊婦高血圧腎症を発症する可能性が高いかどうかを結論付けるステップ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む、妊娠の妊娠16週の終わりまでの妊娠ヒト女性対象における妊婦高血圧腎症の、前記対象から得られた血液サンプルからの代謝産物に基づく予測のための方法:
- 前記サンプル中の以下の代謝産物のレベルを測定すること:14,15-DHET、13-HODE、10,11-EDP、21-HDHAおよび11,12-DHET、および
- 測定されたレベルに基づいて、前記対象が妊婦高血圧腎症を発症する可能性が高いかどうかを結論付けること。
【請求項2】
以下をさらに含む、請求項1に記載の方法:
- 前記サンプルにおける以下の代謝産物のうちの少なく1つ、特に少なくとも5つのレベルを測定すること:
7,8-EDP、16,17-DiHDPA、12,13-DiHOME、11,12-DHET、9,10-DiHOME、5,6-DiHETE;10-HDHA、11,12-EET、15-HETE、7,8-DiHDPA、PGE2、14,15-EET、18-HETE、EODAcis、EODAtransおよび13,14-DiHDPA。
【請求項3】
以下をさらに含む、請求項1または2に記載の方法:
- 11-HETEのレベルを測定すること。
【請求項4】
前記サンプルにおける以下の代謝産物のレベルが測定される、請求項1~3のいずれか1つに記載の方法:14,15-DHET、13-HODE、10,11-EDP、21-HDHAおよび11-HETE;5,6-DiHETE;11,12-DHET;13,14-DiHDPA;12,13-DiHOME;9,10-DiHOME;および18-HETE。
【請求項5】
前記サンプルにおける以下の代謝産物のレベルが測定される、請求項1~3のいずれか1つに記載の方法:14,15-DHET、13-HODE、10,11-EDP、21-HDHAおよび11-HETE;5,6-DiHETE;11,12-DHET;13,14-DiHDPA;12,13-DiHOME;9,10-DiHOME;18-HETE;および14,15-EET。
【請求項6】
sFLT-1および/またはPlGFのレベルが測定される、請求項1~5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
妊娠の第1トリメスター内に実施される、請求項1~6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
代謝産物レベルの測定が、質量分析計を使用して実施される、請求項1~7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
対象が妊婦高血圧腎症を有するかどうかの決定が、症例および対照の訓練セットにおいて分類アルゴニズムを訓練するステップ、およびそれを、測定された代謝産物レベルに適用するステップを含み、特に、分類方法が、ランダムフォレスト法、サポートベクターマシン(SVM)、またはK-最近傍法(K-NN)、例えば3-最近傍法(3-NN)である、請求項1~8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
血液サンプルから、特に血漿サンプルまたは血清サンプルからの代謝産物に基づく、妊娠ヒト女性対象における妊婦高血圧腎症の予測のための、請求項1~7のいずれか1つに記載の方法の使用。
【請求項11】
特に質量分析法における標準としての使用のための、以下の代謝産物:
14,15-DHET、13-HODE、10,11-EDP、21-HDHAおよび11,12-DHET
のサンプルを含む血液サンプルから得られた代謝産物に基づく、ヒト女性対象における妊婦高血圧腎症の予測のためのキット。
【請求項12】
前記サンプルが、質量分析法において天然に存在する代謝産物との区別を可能にするマーカーを含み、特に前記マーカーが重水素である、請求項11に記載のキット。
【請求項13】
さらに、
- 妊婦高血圧腎症の発症を治療するための説明書、
- エイコサノイドを抽出するための手段または試薬、特に分離カラム、
- クロマトグラフィーカラム、および/または
- 質管理試料
を含む、請求項11または12に記載のキット。
【請求項14】
特に請求項1~9のいずれか1つに記載の方法における、血液サンプルから得られた代謝産物に基づく、ヒト対象における妊婦高血圧腎症の予測のための、前記サンプル中の少なくとも以下の代謝産物のレベルを測定するための手段を含む、請求項11~13のいずれか1つに記載のキットの使用であって、
- 血液サンプル中の14,15-DHET、13-HODE、10,11-EDP、21-HDHAおよび11,12-DHETのレベルを測定するために、14,15-DHET、13-HODE、10,11-EDP、21-HDHAおよび11,12-DHETのサンプルを使用すること、
を含む、前記使用。
【請求項15】
以下を含む、対象における妊婦高血圧腎症の有無の指標となる代謝産物プロファイルを作成するための方法:
- 前記対象から得られた血液サンプルから代謝産物を単離すること、および
- 前記サンプル中の以下の代謝産物のレベルを測定すること:14,15-DHET、13-HODE、10,11-EDP、21-HDHAおよび11,12-DHET。
【請求項16】
以下を含む、妊婦が妊婦高血圧腎症を罹患するリスクを決定するための代謝産物マーカーのセットの使用:
- 前記サンプル中の以下の代謝産物のレベルを測定すること:14,15-DHET、13-HODE、10,11-EDP、21-HDHAおよび11,12-DHET。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、妊娠の妊娠16週の終わりまでの妊娠ヒト女性対象における妊婦高血圧腎症の、前記対象から得られた血液サンプルからの代謝産物(マーカー)に基づく予測のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
妊婦高血圧腎症(Preeclampsia)は、妊娠中の罹患率および死亡率の主な原因である。
【0003】
妊婦高血圧腎症症候群は、妊娠20週以降に初めて高血圧(>140/90mm Hg)を発症し、蛋白尿(>300mg/24時間)を伴うことを特徴とする。
【0004】
全体として、世界中の全妊娠の5~10%が妊婦高血圧腎症を発症し、これは母子における罹患率および死亡率の主要な原因である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、妊婦が妊婦高血圧腎症に罹患する可能性を予測するための手段を提供することである。
【0006】
本発明は、妊婦高血圧腎症のための予測およびスクリーニングのための方法およびキットを提供する。特に、本発明は、対象の血液サンプルの代謝産物プロファイルを作成することを提供し、当該代謝産物プロファイルは、妊娠中の妊婦高血圧腎症の発症の有無の指標となる。本発明はさらに、対象の代謝産物プロファイルを、妊婦高血圧腎症の指標となる1つまたは複数の代謝産物特徴の有無に関して評価することを提供する。
【0007】
本発明者らは驚くべきことに、特定の脂質、すなわち、ヒト体内のいくつかの伝達経路にわたって複雑な制御を発揮するポリ不飽和脂肪酸に由来するシグナル伝達分子であるエイコサノイドを、妊婦高血圧腎症を予測するために使用できることを見出した。本発明者らは、血液サンプル中の特定の代謝産物のレベルを測定することにより、高度な予測値をもって妊婦高血圧腎症の有無の予測が可能になることを見出した。
【0008】
本明細書において、「エイコサノイド」という語句は、アラキドン酸(AA)、リノール酸(LA)、またはエイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸(EPA/DHA)に由来するオキシリピンを含むために使用される。
【0009】
換言すれば、これらの代謝産物の測定は、妊娠しているヒト女性対象から得られた血液サンプル中の、本明細書に挙げられた代謝産物から、特に表1における代謝産物から選択される代謝産物のレベルを測定し、測定されたレベルに基づいて対象が妊婦高血圧腎症を発症するか否かを結論付けることによる、前記対象から得られた血液サンプルに基づく、前記対象が妊婦高血圧腎症を発症するか否かの予測のために必要かつ十分である。
【0010】
一態様において、本発明は、妊婦高血圧腎症の有無の指標となる代謝産物プロファイルを作成するための方法を提供する。代謝産物プロファイルは、対象の血液サンプルから作成される。代謝産物プロファイルにおける代謝産物の数は、高い感度および高い特異度で、妊婦高血圧腎症の将来の有無に関してサンプルをスクリーニングするための使い勝手がよくかつ費用効果の高い手段を提供するように、選択することができる。概して、代謝産物プロファイルは、5個~約21個またはそれを超える代謝産物の、量または濃度(本明細書では「レベル」と呼ぶ)を含む。濃度は、当該方法で使用される体積が既知であるため、測定された量から演繹することができる。
【0011】
第2の態様において、前記方法は、妊婦高血圧腎症を予測するための方法を提供する。この態様では、前記方法は、対象の血液サンプルにおける少なくとも5種の代謝産物のレベルを測定することによって代謝産物プロファイルを作成することを含み、そのような代謝産物のレベルが妊婦高血圧腎症の有無の指標となる。前記代謝産物は、表1に列挙されるものであってもよく、そのようなプロファイルの例示的なセットは、本明細書において、例えば図面において開示されている。当該方法はさらに、妊婦高血圧腎症の指標となる代謝産物の特徴の有無に関してプロファイルを評価して、それによって対象が妊婦高血圧腎症を発症するかまたは発症しないかを結論付けることを含む。
【0012】
具体的には、本発明の方法は少なくとも以下のステップを含む:表1に列挙された代謝産物から選択されるサンプル中の少なくとも5種の代謝産物の存在量を測定するステップ、および測定されたレベルに基づいて、対象が妊婦高血圧腎症を有するか否かを結論付けるステップ。代謝産物のレベルを測定することは、血液サンプルから血清または血漿を調製すること、および質量分析法を使用して代謝産物のレベルを測定することを含み得る。あるいは、代謝産物レベルを決定するための他の方法を用いてもよい。
【0013】
より具体的には、本発明は、一態様において、妊娠16週の終わりまで、好ましくは妊娠の第1トリメスター内の妊娠ヒト女性対象における妊婦高血圧腎症の、前記対象から得られた血液サンプルからの代謝産物に基づく予測のための方法に関する。例えば、本発明の方法は、妊娠12週に実施することができる。前記方法は、対象を健康な女性と妊婦高血圧腎症の(peeclamptic)女性に分類することを可能にする。
【0014】
「妊娠16週の終わりまで」という語句は、妊娠の妊娠1週から妊娠16週の終わりまでの妊娠の期間を指す。特定の実施態様において、前記方法は、妊娠の第1トリメスターにおいて、すなわち妊娠の妊娠1週から妊娠12週の終わりまでにおいて使用される。前記方法は、妊娠4、5または6週から妊娠12、13、14、15または16週まで使用することもできる。
【0015】
一実施態様において、前記方法は以下のステップを含む:
- サンプル中の以下の代謝産物のそれぞれのレベルを測定するステップ:14,15-DHET、13-HODE、10,11-EDP、21-HDHAおよび11,12-DHET、および
- 測定されたレベルに基づいて、対象が妊婦高血圧腎症を発症する可能性が高いかどうかを結論付けるステップ。
【0016】
代謝産物14,15-DHET、13-HODE、10,11-EDP、21-HDHAおよび11,12-DHETは表1に列挙されている。
【0017】
発現プロファイルを構成するかまたは発現プロファイルに含まれる代謝産物の素性および/または組み合わせを表1に開示する。特定の実施態様において、表2および/または表3に列挙される代謝産物のレベルの測定が、前記方法に含まれ得る。
【0018】
【表1】
【0019】
本発明の方法の特定の実施態様では、表1の5つのマーカーに対する追加のマーカーのレベルが測定される。
【0020】
前記方法の特定の実施態様において、以下の代謝産物の少なくとも1つ(1つ、2つ、3つまたは3超)のレベルが表1の代謝産物に加えて、サンプル中で測定される:
7,8-EDP、16,17-DiHDPA、12,13-DiHOME、11,12-DHET、9,10-DiHOME、5,6-DiHETE;10-HDHA、11,12-EET、15-HETE、7,8-DiHDPA、PGE2、14,15-EET、18-HETE、EODAcis、EODAtransおよび13,14-DiHDPA。これらのマーカーを表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】
前記方法の好ましい実施態様では、表1に列挙されたマーカーに加えて、表2の代謝産物のうちの5つまたは5超(6、7、8、・・・16個)のレベルがサンプル中で測定される。
【0023】
ある特定の実施態様では、表1に列挙される代謝産物および任意選択的に、表2に列挙される代謝産物のうちの1つまたは複数に加えて、表3に列挙される代謝産物が測定される。
【0024】
【表3】
【0025】
本発明の方法の特定の実施態様において、代謝産物のレベルは同時に測定される。他の実施態様では、代謝産物のレベルは連続的に測定される。他の実施態様において、特定の前記代謝産物のレベルは同時に、すなわち群ごとに測定され、一方、群は連続的に測定される。
【0026】
本発明の方法の特定の実施態様では、追加の代謝産物が測定される。そのような追加の代謝産物は、任意のエイコサノイドであり得る。
【0027】
本発明の方法の特定の実施態様では、表2に列挙される代謝産物および場合により他の代謝産物、例えば表3に列挙される他の代謝産物に加えて、表3に示される11-HETEのレベルがサンプルにおいて追加的に測定される。
【0028】
本発明の方法の特定の実施態様では、追加的な代謝産物が測定される。そのような追加の代謝産物は、任意のエイコサノイドであり得る。
【0029】
本発明の方法の好ましい実施態様は、本願を通して、特に図面において開示されている。
【0030】
本発明の1つの好ましい実施態様において、前記方法は以下のステップを含む:
- サンプル中の表1に列挙された代謝産物(14,15-DHET、13-HODE、10,11-EDP、21-HDHAおよび11-HETE)のレベルを、表2のマーカーの以下の選択物と一緒に測定するステップ:5,6-DiHETE;11,12-DHET;13,14-DiHDPA;12,13-DiHOME;9,10-DiHOME;18-HETE、および
- 測定されたレベルに基づいて、対象が妊婦高血圧腎症を発症する可能性が高いかどうかを結論付けるステップ。
【0031】
別の好ましい実施態様において、前記方法は以下のステップを含む:
- サンプル中の表1に列挙された代謝産物(14,15-DHET、13-HODE、10,11-EDP、21-HDHAおよび11-HETE)のレベルを、表2のマーカーの以下の選択物と一緒に測定するステップ:5,6-DiHETE;11,12-DHET;13,14-DiHDPA;12,13-DiHOME;9,10-DiHOME;18-HETE;14,15-EET、および
- 測定されたレベルに基づいて、対象が妊婦高血圧腎症を発症する可能性が高いかどうかを結論付けるステップ。
【0032】
特定の実施態様では、表1のマーカーおよび場合により本明細書に記載されるような追加のマーカーに加えて、血管新生マーカー濃度可溶性fms様チロシンキナーゼ1(sFlt-1)(配列番号1~9)および/またはマーカー胎盤増殖因子(PlGF)(配列番号10~12)のレベルが測定される。これは、本発明の方法の精度をさらに高める。
【0033】
これらのマーカーsFlt-1およびPlGFのレベルは、本技術分野で知られているように、質量分析法または定量的免疫アッセイを使用して決定することができる。
【0034】
特定の実施態様において、前記方法は、血液サンプルから、特に血清または血漿からのエイコサノイドの単離を含む。単離に関して、固相カラムの形態の分離カラムをエイコサノイドの抽出のために使用することができる。
【0035】
前記方法の特定の実施態様において、代謝産物レベル(および場合により他のマーカー)の測定は、質量分析計を使用して実施される。特に、質量分析計を、逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)と組み合わせて使用することができる。
【0036】
特定の実施態様では、当業者に知られているような、トリプル四重極質量分析計(TQMS)、すなわち、直列で2つの四重極質量分析器(衝突誘起解離のためのセルとして働くために、それらの間に高周波四重極(radio frequency-only quadrupole)を有する)を含むタンデム質量分析計を、本発明の方法に使用することができる。
【0037】
本発明は、妊婦高血圧腎症の予測のための、以下にさらに記載されるように訓練される体外診断用試験システム(IVD:in-vitro diagnostic test system)を提供する。例えば、対象が妊婦高血圧腎症を有するかまたは発症するかどうかを決定するために、妊婦高血圧腎症陽性および陰性サンプルに関して参照代謝産物レベルを決定する。代謝産物を、症例と対照を含む訓練サンプルの適切なセットにおいて、および妊婦高血圧腎症の状態に関する適切な臨床情報を用いて、適切な質管理手段を適用し、ならびに、検出がまだなされない試験サンプルの適切なセットにおいて、定量的に測定することができる。代謝産物に関するそのような定量的値および訓練サンプルのための臨床データを用いて、分類子を訓練し、試験サンプルに適用して、妊娠中の妊婦高血圧腎症の将来の存在または非存在の確率を計算することができる。
【0038】
2つまたはそれを超えるクラスまたは群間でサンプルを分類するための様々な分類スキームが知られており、これらには以下が含まれるが、これらに限定はされない:ナイーブベイズ、サポートベクターマシン、最近傍法、決定木、ロジスティクス、人工ニューラルネットワーク、およびルールベース型スキーム。さらに、複数のモデルからの予測を組み合わせて、全体的な予測を生成することができる。従って、分類アルゴリズムまたは「クラス予測子(class predictor)」を、サンプルを分類するために構築することができる。適切なクラス予測子を生成するための方法は、「R. Simon, Diagnostic and prognostic prediction using gene expression profiles in high-dimensional microarray data, British Journal of Cancer (2003) 89, 1599-1604」で総説が記載されている。
【0039】
この文脈において、本発明は、少なくとも5種の代謝産物を含む、上述の妊婦高血圧腎症の予測において訓練される体外診断用試験システム(IVD)を教示し、これは、症例と対照を含む訓練サンプルの適切なセットにおいて、妊婦高血圧腎症の状態に関する適切な臨床情報を用いて、適切な質管理手段を適用し、ならびに、検出がまだなされるべきでない試験サンプルの適切なセットにおいて、定量的に測定することができる。代謝産物に関するそのような定量的値およびサンプルを訓練するための臨床データが与えられると、分類子を訓練し、試験サンプルに適用して、妊婦高血圧腎症の存在または非存在の確率を計算することができる。
【0040】
本発明の方法において、いくつかの代謝産物分子のレベルは、相対的または絶対的な方法で決定されるが、代謝産物レベルの絶対的測定が好ましい。前記レベルは、該当する場合、他の個人のレベルと比較されるか、または多変量定量的閾値と比較される。
【0041】
対象が妊婦高血圧腎症を発症するか否かの結論は、好ましくは、分類アルゴリズムに基づいて到達され、当該アルゴリズムは例えば、当技術分野において知られているようなランダムフォレスト法、サポートベクターマシン(SVM)、またはK-最近傍法(K-NN:K-nearest neighbor method)、例えば3-最近傍法(3-nearest neighbor method)を使用して開発することができる。
【0042】
本発明の方法の特定の実施態様において、対象が妊婦高血圧腎症を有するかどうかの決定は、症例および対照の訓練セットにおいて分類アルゴニズムを訓練するステップ、およびそれを測定された代謝産物レベルに適用するステップを含む。
【0043】
本明細書に記載される代謝産物のレベルの決定は、定量的方法を用いて血液サンプルから実施される。例えば、代謝産物レベルは、質量分析法によって測定することができる。
【0044】
本発明の方法において使用される血液サンプルは、例えば、全血サンプル、血清サンプルまたは血漿サンプルであり得る。代謝産物は通常、特定の体積の全血、血清または血漿から固相カラム抽出によって単離される。特定の実施態様では、血清または血漿サンプルが使用される。特定の実施態様において、代謝産物は、固相カラム抽出血漿または血清によって単離される。
【0045】
本発明の方法の特定の実施態様において、前記方法は、5つまたはそれを超えるマーカー、特に5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21個またはそれを超えるマーカーを使用する。前記方法の特定の実施態様では、少なくとも5個、少なくとも6個、少なくとも7個、少なくとも8個、少なくとも9個、少なくとも10個、少なくとも11個、少なくとも12個、少なくとも13個、少なくとも14個、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも25個または少なくとも30個のマーカーが使用される。
【0046】
対象が妊婦高血圧腎症を発症する可能性が高いことを示す測定されたレベルに応答して、妊婦高血圧腎症を阻害または予防するために有効な量で抗妊婦高血圧腎症薬を投与することができる。
【0047】
代謝産物の測定されたレベルに基づく方法において、対象が妊婦高血圧腎症を発症する可能性が高いかどうかが結論付けられた場合、対象は医師によって治療され得る。治療の1つの選択肢は、対象へのアセチルサリチル酸(ASA、Aspirin(登録商標))の適切な用量での投与であり得る。例えば、1日当たり100mgのASAを投与することができる。投与は、妊娠16週前に開始することができるが、それより後にまたはそれよりも早く投与することもできる。薬剤はまた、カルシウム補給剤(calcium supplementation)、または高血圧を治療するための薬剤を含み得る。
【0048】
別の態様において、本発明は、妊娠の妊娠16週の終わりまでの妊娠ヒト女性対象における妊婦高血圧腎症の、血液サンプルから、特に血漿サンプルまたは血清サンプルからの代謝産物に基づく予測のための、本発明に記載される方法の使用に関する。
【0049】
本発明はまた、少なくとも表1に列挙されたマーカーの濃度を測定することを含む、妊娠の第1トリメスターにおける妊婦における妊婦高血圧腎症のリスクを決定するためのマーカーの使用に関する。このような方法は、インビトロ(体外)で行われる。
【0050】
特定の態様において、本発明は、対象の血液サンプルにおける代謝産物のレベルを検出するためのキットを対象とし、ここで、この「プロファイル」が、前記対象が妊婦高血圧腎症を発症するか否かの結論を可能にする。別の態様において、本発明は、妊婦高血圧腎症と関連する代謝産物、特に本明細書に記載の代謝産物の検出を可能にする標準に関する。
【0051】
別の態様において、本発明は、少なくとも表1に列挙されたマーカーのレベルを測定するための手段を含む、血液サンプルから得られた代謝産物に基づく、ヒト女性対象における妊婦高血圧腎症の予測のためのキットに関する。
【0052】
前記キットは、質量分析法における使用のための標準として、表1の少なくとも1つの化合物を含み得るかまたは含有し得る。前記標準は、本発明の方法の定量的再現性を確実にするために使用することができる。
【0053】
特定の実施態様において、前記キットは、質量分析法における使用のための標準として、表1の1、2、3、4または5つの化合物を含むかまたは含有する。
前記キットはまた、質量分析法における使用のための標準として、表2および/または表3の少なくとも1つの化合物を含み得る。
【0054】
表1、2および/または3の標準化合物の溶液は通常、重量測定法で調製され、不活性ガス、例えばアルゴン下で密封される不活性化ガラスアンプル中に供給される。濃度は通常、独立して調製された較正標準との比較によって検証される。
【0055】
特定の実施態様において、前記キットはまた、血液から、特に血液サンプルからの血清または血漿からエイコサノイドを単離するための少なくとも1つの固相カラムを含むかまたは含有することができる。
【0056】
別の態様において、本発明は、少なくとも表1に列挙されたマーカーのレベルを測定するための手段を含む、血液サンプルからの代謝産物に基づく、ヒト対象における妊婦高血圧腎症の予測のための、そのようなキットの使用に関する。前記キットは、本明細書に記載されるような、妊婦高血圧腎症を予測するための方法において使用することができる。前記キットは、妊婦高血圧腎症の発症を治療するための説明書を含んでもよい。
【0057】
前記キットはまた、クロマトグラフィーカラムおよび/または質管理試料を含んでもよい。
【0058】
特定の実施態様において、前記標準は、表1、表2および/または表3に列挙されるマーカーであり、これは、測定すべきサンプルのマーカーからそれを区別できるように標識され、その結果、前記標準は、質量分析計においてサンプルに対して同時に測定することができる。特定の実施態様において、前記標準は、表1、表2および/または表3に列挙されるマーカーであり、それは、同位体標識され、特に、表1、表2および/または表3に列挙されるマーカーであり、それは、同位体標識される。
【0059】
特定の実施態様において、前記標準は重水素化されており、それは、水素原子の代わりに1つまたは複数の、特に1つの重水素原子を含有する。
【0060】
別の態様において、本発明は、本明細書に記載のような、妊婦高血圧腎症の予測のための方法を実施するための質量分析計の使用に関する。
【0061】
別の態様において、本発明は、以下を含む、対象における妊婦高血圧腎症の有無の指標となる代謝産物プロファイルを作成するための方法に関する:
- 対象から得られた血液サンプルから代謝産物を単離すること、および
- サンプル中の以下の代謝産物のレベルを測定すること:14,15-DHET、13-HODE、10,11-EDP、21-HDHAおよび11,12-DHET。
【0062】
さらに別の態様において、本発明は、サンプル中の以下の代謝産物のレベルを測定することを含む、妊娠の第1トリメスター内に、妊婦が妊婦高血圧腎症を罹患するリスクを決定するためのマーカーのセットの使用に関する:14,15-DHET、13-HODE、10,11-EDP、21-HDHAおよび11,12-DHET。
【0063】
sFlt-1のヒトタンパク質配列は、配列番号1~9として開示される。この遺伝子の、9個の転写物(スプライスバリアント)、198個のオルソログ、および54個のパラログが知られている。
【0064】
PlGFのヒトタンパク質配列は、配列番号10~13として開示される。この遺伝子の、8個の転写物(スプライスバリアント)、225個のオルソログおよび4個のパラログが知られている。
【実施例
【0065】

本発明者らは、リノール酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸およびアラキドン酸に由来する81個の遊離循環エイコサノイドを、コホート研究(計100例、50症例、対照50例)において妊娠12週に採取した血清中で、Triple-Quad-Tandem質量分析によって測定した。妊婦高血圧腎症表現型は異質性であり、主に軽度の遅発性疾患であった。回帰木アプローチを用いて、予測モデルに、sFlt-1およびPlGFと組み合わせた標準的な臨床変数のみを含むモデルと比較して、臨床データ、血管新生マーカーおよびエイコサノイド代謝産物を組み入れた。
【0066】
本明細書において、「エイコサノイド」という語句は、アラキドン酸(AA)、リノール酸(LA)、またはエイコサペンタエン酸およびドコサヘキサエン酸(EPA/DHA)に由来するオキシリピンを含むために使用される。代謝産物は、ホスホリパーゼA2(PLA2)媒介放出後にシクロオキシゲナーゼ(COX)、リポキシゲナーゼ(LOX)、シトクロムP450(CYP)酵素により、または自動酸化により生成される。魚および魚油誘導体からのEPA/DHAによる強化食は、心臓保護効果を促進することが知られている。
【0067】
第1トリメスターにおける妊婦高血圧腎症を予測するための回帰木アプローチにより、特にそれを臨床データ、母体血圧およびsFlt-1/PlGFと組み合わせた場合に、良好な予測値が実証された;感度56、特異度94、AUC 78。しかしながら、エイコサノイド代謝産物の使用は、回帰木アプローチの全体的なパフォーマンスを大幅に上昇させた。感度71、特異度99、AUC 87。
【0068】
材料及び方法
対象および特徴付け
症例対照研究は、前向き集団ベースのOdense Child Cohort、すなわち、デンマークのオーデンセで2010年1月1日から2012年12月31日の間に新たに妊娠した女性を含むコホートにネストされた。全ての参加者が書面によるインフォームド・コンセントを与えた。当該研究はヘルシンキ宣言に従い、南デンマーク地域科学倫理委員会(Regional Scientific Ethical Committee for Southern Denmark)により承認された(no.S-20090130)。
【0069】
妊娠初期および後期(メジアン:妊娠12週および妊娠29週)からの縦断的な血清サンプルを、52人の妊婦高血圧腎症の女性および51人の健康な妊娠から含め、血液サンプリング時の在胎齢、ボディマス指数、出産歴、双胎妊娠および喫煙状態をマッチさせた。妊婦高血圧腎症の基準は、滅菌尿ディップスティックでの蛋白尿に関して少なくとも+1を伴って、妊娠20週以降の高血圧(>140/90 mmHg)が繰り返し測定されることであった。より重症のサブタイプ(亜分類)がさらに定義された;妊娠34+0週の前に発症する早期発症PE(EPOE)、および妊娠37+0週の前の早期産を伴う妊婦高血圧腎症(PreEOPE)。
【0070】
エイコサノイド測定
このHPLC/MS/MSに基づく方法(Lipidomix,ドイツ)は、基質AA、LAまたはEPA/DHAに由来する全てのCOX、LOX、CYPおよび自動酸化生成遊離エイコサノイドを含んでいた。エイコサノイドを、350μlの血清からのVarian Bond Elute Certify II固相カラム抽出によって単離した。抽出物を、高分解能HPLC Agilent 1200と組み合わせたTriple-Quad-Tandem質量分析Agilent 6460(Agilent Technologies, Santa Clara, CA)によって分析した。
【0071】
血管新生因子測定
BRAHMS sFLT-1 and PIGF KRYPTOR免疫アッセイに関する測定を、Andersen et al., 2016に記載されるように、完全自動KRYPTOR compact Plus system(KRYPTOR PlGF and KRYPTOR sFLT-1;Thermo Fisher Scientific)で実施した。
【0072】
統計的手法
全ての定量的変数をガウス分布について試験した。記述統計量は、適宜、平均およびSDまたはメジアンおよび25th/75thパーセンタイルである。群間差をt検定またはWilcoxon検定により検定した。時間差については、ペアワイズ検定を適用した。臨床パラメータと代謝産物との間の相関を、Spearman順位相関により分析し、相関ヒートマップにプロットした。診断値を決定するために、受信者動作特性(ROC)曲線とロジスティック回帰を適用した。ベースモデルとして、sFLT-1およびPlGFを含めた。次いで、このモデルを、各代謝産物によって別々に拡張した。次いで、モデル適合を有意に改善する代謝産物を最終多変量モデルに入れた。ベース対最終モデルの曲線下面積(AUC)を片側有意性検定によって比較した。ロジスティック回帰による疾患群の予測は、予測子ユニット当たりの線形のリスク増加の仮説をもたらし、閾値効果またはU字型リスクを決定することができない。従って、非線形閾値に基づく分類アプローチとしての回帰木を含めた。このアプローチでは、代謝産物の事前選択は適用されなかった。全ての分析は、R version 3.3.1で行った(R Core Team 2016: A language and environment for statistical computing R Foundation for Statistical Computing, Vienna, Austria; https://www.R-project.org/)。
【図面の簡単な説明】
【0073】
図1 A 選択されたマーカーの階層的定義、および分類の段階的最適化のためのカットオフ値を含む、21個のマーカーの決定木。下部のボックスは、割り当てられた診断、正しい分類の相対頻度、および当該枝に割り当てられた総母集団の%を含む、決定木の各枝の最終分類を表す。
B(上):最終分類のためのバイオマーカーの重要性;各マーカーは決定木において2回以上使用され得るので、これは木の階層と同一ではない。(下):決定木によって与えられる連続アウトカム確率の感度および特異度についてのROCプロット。最適カットオフは、対角線からの最大距離を計算することによって両方を最適化するように選択される。
図2 A 選択されたマーカーの階層的定義、および分類の段階的最適化のためのカットオフ値を含む、20個のマーカーの決定木。下部のボックスは、割り当てられた診断、正しい分類の相対頻度、および当該枝に割り当てられた総母集団の%を含む、決定木の各枝の最終分類を表す。
B(上):最終分類のためのバイオマーカーの重要性;各マーカーは決定木において2回以上使用され得るので、これは木の階層と同一ではない。(下):決定木によって与えられる連続アウトカム確率の感度および特異度についてのROCプロット。最適カットオフは、対角線からの最大距離を計算することによって両方を最適化するように選択される。
図3 A 選択されたマーカーの階層的定義、および分類の段階的最適化のためのカットオフ値を含む、19個のマーカーの決定木。下部のボックスは、割り当てられた診断、正しい分類の相対頻度、および当該枝に割り当てられた総母集団の%を含む、決定木の各枝の最終分類を表す。
B(上):最終分類のためのバイオマーカーの重要性;各マーカーは決定木において2回以上使用され得るので、これは木の階層と同一ではない。(下):決定木によって与えられる連続アウトカム確率の感度および特異度についてのROCプロット。最適カットオフは、対角線からの最大距離を計算することによって両方を最適化するように選択される。
図4 A 選択されたマーカーの階層的定義、および分類の段階的最適化のためのカットオフ値を含む、18個のマーカーの決定木。下部のボックスは、割り当てられた診断、正しい分類の相対頻度、および当該枝に割り当てられた総母集団の%を含む、決定木の各枝の最終分類を表す。
B(上):最終分類のためのバイオマーカーの重要性;各マーカーは決定木において2回以上使用され得るので、これは木の階層と同一ではない。(下):決定木によって与えられる連続アウトカム確率の感度および特異度についてのROCプロット。最適カットオフは、対角線からの最大距離を計算することによって両方を最適化するように選択される。
図5 A 選択されたマーカーの階層的定義、および分類の段階的最適化のためのカットオフ値を含む、16個のマーカーの決定木。下部のボックスは、割り当てられた診断、正しい分類の相対頻度、および当該枝に割り当てられた総母集団の%を含む、決定木の各枝の最終分類を表す。
B(上):最終分類のためのバイオマーカーの重要性;各マーカーは決定木において2回以上使用され得るので、これは木の階層と同一ではない。(下):決定木によって与えられる連続アウトカム確率の感度および特異度についてのROCプロット。最適カットオフは、対角線からの最大距離を計算することによって両方を最適化するように選択される。
図6 A 選択されたマーカーの階層的定義、および分類の段階的最適化のためのカットオフ値を含む、15個のマーカーの決定木。下部のボックスは、割り当てられた診断、正しい分類の相対頻度、および当該枝に割り当てられた総母集団の%を含む、決定木の各枝の最終分類を表す。
B(上):最終分類のためのバイオマーカーの重要性;各マーカーは決定木において2回以上使用され得るので、これは木の階層と同一ではない。(下):決定木によって与えられる連続アウトカム確率の感度および特異度についてのROCプロット。最適カットオフは、対角線からの最大距離を計算することによって両方を最適化するように選択される。
図7 A 選択されたマーカーの階層的定義、および分類の段階的最適化のためのカットオフ値を含む、14個のマーカーの決定木。下部のボックスは、割り当てられた診断、正しい分類の相対頻度、および当該枝に割り当てられた総母集団の%を含む、決定木の各枝の最終分類を表す。
B(上):最終分類のためのバイオマーカーの重要性;各マーカーは決定木において2回以上使用され得るので、これは木の階層と同一ではない。(下):決定木によって与えられる連続アウトカム確率の感度および特異度についてのROCプロット。最適カットオフは、対角線からの最大距離を計算することによって両方を最適化するように選択される。
図8 A 選択されたマーカーの階層的定義、および分類の段階的最適化のためのカットオフ値を含む、13個のマーカーの決定木。下部のボックスは、割り当てられた診断、正しい分類の相対頻度、および当該枝に割り当てられた総母集団の%を含む、決定木の各枝の最終分類を表す。
B(上):最終分類のためのバイオマーカーの重要性;各マーカーは決定木において2回以上使用され得るので、これは木の階層と同一ではない。(下):決定木によって与えられる連続アウトカム確率の感度および特異度についてのROCプロット。最適カットオフは、対角線からの最大距離を計算することによって両方を最適化するように選択される。
図9 A 選択されたマーカーの階層的定義、および分類の段階的最適化のためのカットオフ値を含む、12個のマーカーの決定木。下部のボックスは、割り当てられた診断、正しい分類の相対頻度、および当該枝に割り当てられた総母集団の%を含む、決定木の各枝の最終分類を表す。
B(上):最終分類のためのバイオマーカーの重要性;各マーカーは決定木において2回以上使用され得るので、これは木の階層と同一ではない。(下):決定木によって与えられる連続アウトカム確率の感度および特異度についてのROCプロット。最適カットオフは、対角線からの最大距離を計算することによって両方を最適化するように選択される。
図10 A 選択されたマーカーの階層的定義、および分類の段階的最適化のためのカットオフ値を含む、11個のマーカーの決定木。下部のボックスは、割り当てられた診断、正しい分類の相対頻度、および当該枝に割り当てられた総母集団の%を含む、決定木の各枝の最終分類を表す。
B(上):最終分類のためのバイオマーカーの重要性;各マーカーは決定木において2回以上使用され得るので、これは木の階層と同一ではない。(下):決定木によって与えられる連続アウトカム確率の感度および特異度についてのROCプロット。最適カットオフは、対角線からの最大距離を計算することによって両方を最適化するように選択される。
図11 A 選択されたマーカーの階層的定義、および分類の段階的最適化のためのカットオフ値を含む、10個のマーカーの決定木。下部のボックスは、割り当てられた診断、正しい分類の相対頻度、および当該枝に割り当てられた総母集団の%を含む、決定木の各枝の最終分類を表す。
B(上):最終分類のためのバイオマーカーの重要性;各マーカーは決定木において2回以上使用され得るので、これは木の階層と同一ではない。(下):決定木によって与えられる連続アウトカム確率の感度および特異度についてのROCプロット。最適カットオフは、対角線からの最大距離を計算することによって両方を最適化するように選択される。
図12 A 選択されたマーカーの階層的定義、および分類の段階的最適化のためのカットオフ値を含む、9個のマーカーの決定木。下部のボックスは、割り当てられた診断、正しい分類の相対頻度、および当該枝に割り当てられた総母集団の%を含む、決定木の各枝の最終分類を表す。
B(上):最終分類のためのバイオマーカーの重要性;各マーカーは決定木において2回以上使用され得るので、これは木の階層と同一ではない。(下):決定木によって与えられる連続アウトカム確率の感度および特異度についてのROCプロット。最適カットオフは、対角線からの最大距離を計算することによって両方を最適化するように選択される。
図13 A 選択されたマーカーの階層的定義、および分類の段階的最適化のためのカットオフ値を含む、8個のマーカーの決定木。下部のボックスは、割り当てられた診断、正しい分類の相対頻度、および当該枝に割り当てられた総母集団の%を含む、決定木の各枝の最終分類を表す。
B(上):最終分類のためのバイオマーカーの重要性;各マーカーは決定木において2回以上使用され得るので、これは木の階層と同一ではない。(下):決定木によって与えられる連続アウトカム確率の感度および特異度についてのROCプロット。最適カットオフは、対角線からの最大距離を計算することによって両方を最適化するように選択される。
図14 A 選択されたマーカーの階層的定義、および分類の段階的最適化のためのカットオフ値を含む、7個のマーカーの決定木。下部のボックスは、割り当てられた診断、正しい分類の相対頻度、および当該枝に割り当てられた総母集団の%を含む、決定木の各枝の最終分類を表す。
B(上):最終分類のためのバイオマーカーの重要性;各マーカーは決定木において2回以上使用され得るので、これは木の階層と同一ではない。(下):決定木によって与えられる連続アウトカム確率の感度および特異度についてのROCプロット。最適カットオフは、対角線からの最大距離を計算することによって両方を最適化するように選択される。
図15 A 選択されたマーカーの階層的定義、および分類の段階的最適化のためのカットオフ値を含む、6個のマーカーの決定木。下部のボックスは、割り当てられた診断、正しい分類の相対頻度、および当該枝に割り当てられた総母集団の%を含む、決定木の各枝の最終分類を表す。
B(上):最終分類のためのバイオマーカーの重要性;各マーカーは決定木において2回以上使用され得るので、これは木の階層と同一ではない。(下):決定木によって与えられる連続アウトカム確率の感度および特異度についてのROCプロット。最適カットオフは、対角線からの最大距離を計算することによって両方を最適化するように選択される。
図16 A 選択されたマーカーの階層的定義、および分類の段階的最適化のためのカットオフ値を含む、5個のマーカーの決定木。下部のボックスは、割り当てられた診断、正しい分類の相対頻度、および当該枝に割り当てられた総母集団の%を含む、決定木の各枝の最終分類を表す。
B(上):最終分類のためのバイオマーカーの重要性;各マーカーは決定木において2回以上使用され得るので、これは木の階層と同一ではない。(下):決定木によって与えられる連続アウトカム確率の感度および特異度についてのROCプロット。最適カットオフは、対角線からの最大距離を計算することによって両方を最適化するように選択される。
図17 バイオマーカーのサブサンプルの全ての可能な組み合わせについての精度(正しい分類の%)。赤線は、所与の数のバイオマーカーについてのメジアン精度を示す。
図18 選択されたマーカーの階層的定義および分類の段階的最適化のためのカットオフ値を含む、表1のマーカーおよび11-HETEを有する決定木。下部のボックスは、割り当てられた診断、正しい分類の相対頻度、および当該枝に割り当てられた総母集団の%を含む、決定木の各枝の最終分類を表す。
B(上):最終分類のためのバイオマーカーの重要性;各マーカーは決定木において2回以上使用され得るので、これは木の階層と同一ではない。(下):決定木によって与えられる連続アウトカム確率の感度および特異度についてのROCプロット。最適カットオフは、対角線からの最大距離を計算することによって両方を最適化するように選択される。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16A
図16B
図17
図18A
図18B
【配列表】
2024516379000001.app
【国際調査報告】