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特表2024-516407構成要素または半仕上製品をクロム層でコーティングするためのデバイスおよび方法
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  • 特表-構成要素または半仕上製品をクロム層でコーティングするためのデバイスおよび方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-15
(54)【発明の名称】構成要素または半仕上製品をクロム層でコーティングするためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   C25D 21/18 20060101AFI20240408BHJP
   C25D 5/18 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
C25D21/18 P
C25D5/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023566412
(86)(22)【出願日】2022-04-26
(85)【翻訳文提出日】2023-11-10
(86)【国際出願番号】 EP2022061036
(87)【国際公開番号】W WO2022229175
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】102021002197.5
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523405203
【氏名又は名称】ファウデーエーハー-ベトリープスフォルシュングスインスティトゥート ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】バン, アンドレアス
【テーマコード(参考)】
4K024
【Fターム(参考)】
4K024AA02
4K024CA01
4K024CB05
4K024GA16
(57)【要約】
本発明は、構成要素または半仕上製品をクロム層でコーティングするためのデバイスに関し、本デバイスは、その中にアノードが存在し、陰極的に接続された構成要素を受容するために好適である、非分割堆積セルを備え、堆積セル内にクロム(II)を含有する電解質溶液が存在し、本デバイスは、電気分解セル内に配置される膜によって、その中にカソードが存在するカソードチャンバと、その中にアノードが存在するアノードチャンバとに分割される、電気分解セルを有し、カソードチャンバは、ラインおよびライン内に配置されるポンプを用いて、堆積セルに接続され、ポンプは、液体をカソードチャンバから堆積セルの中に圧送することができる、および/または液体を堆積セルからカソードチャンバの中に圧送することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成要素(1)または半仕上製品をクロム層でコーティングするためのデバイスであって、前記デバイスは、非分割堆積セル(3)であって、その中にアノード(2)が位置し、陰極的に接続された構成要素(1)または半仕上製品を受容するために好適である非分割堆積セル(3)を有し、クロム(II)を含有する電解質溶液が、前記堆積セル内に位置し、電気分解セル(7)は、前記電気分解セル(7)内に配列される膜(10)によって、その中にカソード(8)が位置するカソードチャンバと、その中にアノード(9)が位置するアノードチャンバとに分割され、前記カソードチャンバは、ラインおよび前記ライン内に配置されるポンプ(5)を介して、前記堆積セル(3)に接続され、前記ポンプ(5)は、液体を前記カソードチャンバから前記堆積セル(3)の中に圧送することが可能である、および/または液体を前記堆積セル(3)から前記カソードチャンバの中に圧送することが可能である、デバイス。
【請求項2】
クロム(III)を含有する液体が、前記カソードチャンバ内に存在する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
基準電極(11)が、前記カソードチャンバ内に提供される、または電解質ブリッジを介して、前記カソードチャンバ内の前記電解質溶液に接続される、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記カソードチャンバは、付加的な帰還ライン(6)を介して、前記堆積セル(3)に接続される、請求項1-3のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
整流器またはパルス電流源またはパルス逆電流源の形態において、電流源(4)が、提供される、請求項1-4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
請求項1-4のいずれか1項に記載のデバイスを使用して、構成要素(1)または半仕上製品をクロム層でコーティングするための方法であって、
コーティングされることになる前記構成要素(1)または半仕上製品は、前記堆積セル(3)内に存在する前記クロム(II)含有電解質溶液中に浸漬され、
コーティングされることになる前記構成要素(1)または半仕上製品は、陰極的に接続され、前記アノード(2)は、陽極的に接続され、
クロム堆積は、前記陰極的に接続された構成要素(1)または半仕上製品上の液体から、前記堆積セル(3)内で行われ、
前記堆積セル(3)内に存在する前記液体は、前記ラインを介して、前記電気分解セル(7)の前記カソードチャンバの中に圧送される、または前記カソードチャンバ内に存在する前記液体は、前記ラインを介して、前記堆積セル(3)の中に圧送される、方法。
【請求項7】
前記カソードチャンバ内に位置するカソードの電位は、前記カソードチャンバ内に位置する基準電極(11)の補助により、前記カソードチャンバ内で設定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
クロム(III)イオンが、前記カソード(8)において、クロム(II)イオンに還元され、したがって、消費されるクロム(II)イオンが、補充される、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
コーティングが、直流電流を用いて遂行される、またはコーティングが、パルス式電流または間欠的またはパルス式逆電流を用いて遂行される、請求項6-8のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構成要素または半仕上製品をクロム層でコーティングするためのデバイスに関する。さらに、本発明は、構成要素をクロム層でコーティングするための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
装飾用クロム層および硬質クロム層が、クロム(VI)を含有する電解質溶液から、構成要素の上に堆積されることは、実践から周知である。本プロセスにおいて使用されるクロム酸は、有毒性かつ発癌性であり、したがって、EU化学品規制(REACH)の高懸念物質(SVHC)の一覧内に含まれている。本理由のために、クロム(VI)含有電解質溶液をクロム(III)含有電解質溶液で代用するための試みが、長年にわたって行われている。
【0003】
ここでの根本的な問題は、水性電解質溶液中で、クロム(III)イオンと6個の水分子との間に形成される安定した錯体、いわゆるヘキサアクアクロム(III)錯体が、クロム(III)イオンの還元、したがって、クロムの堆積をキネティカルに抑制することである。したがって、ギ酸塩、シュウ酸塩、またはグリシン酸塩等の錯化剤が、通常、電解質溶液に添加される。これらのクロム錯体の形成は、クロムのより高速な堆積を可能にする。
【0004】
クロム(III)イオンの還元の間、最初に、クロム(III)イオンが、クロム(II)イオンに還元され、次いで、クロム(II)イオンが、金属クロムに還元される。クロム(III)イオンのクロム(II)イオンへの還元に伴って、クロム正イオンの電荷、したがって、クロムアクア錯体だけではなく、殆どの他のクロム錯体の安定性もまた、低減される。クロム堆積のキネティック抑制は、したがって、特に、クロム(III)イオンのクロム(II)イオンへの上流還元によって引き起こされる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本背景に対して、本発明は、クロム(VI)化合物を含有する電解質溶液を使用する必要もなく、または少なくともクロム(VI)を含有する溶液の使用を低減させるために、技法的規模で、クロム層を伴う構成要素を提供することを可能にする、デバイスおよびプロセスを作成する目的に基づく。
【0006】
本目的は、請求項1に記載のデバイスによって、かつ請求項5に記載の方法によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項および本明細書に続く説明において定義される。
【0007】
本発明の基本的着想は、クロム(III)イオンのクロム(III)イオンへの還元、および金属クロムへのクロム(III)還元を、その電解質溶液が循環システムを介して互いに交換される、2つの異なる電気化学セル内で遂行することである。
【0008】
本発明によるデバイスは、その中にアノードが位置し、陰極的に接続された構成要素を受容するために好適である、非分割堆積セルを有する。単一のアノードの代わりに、いくつかのアノードおよび付加的により小さな補助的アノードが、セル内に配列されることができる。これは、特に、構成要素のコーティングの良好な均一性を達成する。堆積セルは、浸漬ボウルであることができる。浸漬ボウルの使用は、単一または複数の部品、またはより多数の部品が、ドラム内またはラック上で浸漬されることを可能にする。しかしながら、堆積セルはまた、その中で材料が、1つまたはそれを上回る垂直、水平、または半径方向に配列されるアノードを通り越して、ボウルを通して通過される、連続的なセルであることもできる。さらに、堆積セルはまた、特に、構成要素とアノードとの間で、電解質溶液の良好な混合を確実にするために、回路内の電解質溶液を圧送するためのリザーバおよびポンプと組み合わせられることもできる。堆積セルはまた、その中で電解質溶液が、アノードと構成要素表面または半仕上製品表面との間で給送される、コーティングセルであることもでき、構成要素または半仕上製品および/またはアノードは、ボウル内に存在しない。本場合では、セルはまた、電解質溶液のためのポンプおよびリザーバと組み合わせられる。
【0009】
本発明は、従来のコーティングセルが、個々の部品をコーティングするためだけではなく、大量生産品および半仕上製品をコーティングするためにも使用され得るという利点をもたらす。大量生産品のコーティングに関して、ラックおよびバレルプロセスの使用が、好ましい。ワイヤ、細片、および管等の半仕上製品のコーティングに関して、連続的なラインが、好ましくは、使用される。本発明はまた、例えば、容器、管、およびボアのための内部コーティングプロセスを用いて遂行されることもできる。ここでは、電解質溶液は、容器または管の中に充填され、アノードが、導入される。
【0010】
堆積セルは、非分割セルである。非分割堆積セルは、その中に液体が位置する空間であり、これによって、空間は、膜によって、膜を介してのみ相互に接続されるサブセルに分割されないことが理解される。
【0011】
堆積セルは、その中にクロム(II)含有物質が溶解される、液体を含有する。使用されるクロム塩に応じて、液体はまた、溶解されたクロム(II)イオンに加えて、塩化物、硫酸塩、硫酸水素塩、フッ化物、ギ酸塩、シュウ酸塩、メタンスルホン酸塩、グリシン酸塩、クエン酸塩、または酢酸塩等の負イオンを含有してもよい。さらに、液体は、水、エチレングリコール、酢酸、ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、またはエチレンカーボネート等の少なくとも1つの溶剤を含有し得る。ある程度まで、特に好ましくは、堆積プロセスの間、特に、クロム(II)イオンが、堆積セルのアノードおいて酸化されるとき、クロム(III)イオンもまた、液体中に存在し得る。さらに、液体は、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、メタンスルホン酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム、およびホウ酸等の1つまたはそれを上回るそれを上回る酸緩衝剤および/または1つまたはそれを上回る伝導性塩、またはアンモニア、グリシン、チオ硫酸塩、ジエタノールアミン、チオ尿素、または尿素等の非荷電錯化剤、およびポリエチレングリコール等の添加剤を含有してもよい。
【0012】
本発明によると、デバイスは、加えて、電気分解セルを有する。電気分解セルは、電気分解セル内に配列される膜によって、その中にカソードが位置するカソードチャンバと、その中にアノードが位置するアノードチャンバとに分割される。
【0013】
電気分解セルは、ボウルとして設計されることができる。好ましい設計では、カソードおよびアノードは、相互からのそれらの距離が、あらゆる場所において同一であり、膜が、略中心に配列されるように、幾何学的に設計および整合される。特に好ましい設計では、カソード、膜、およびアノードは、相互に対して平面平行にされ、2mm~5cmの範囲内の短い距離が、カソードおよび膜とアノードおよび膜との間で選択される。短い距離が選択される場合、カソードチャンバおよびアノードチャンバの両方をフロースルーセルとして設計することが、有利である。本場合では、アノードチャンバ内の電解質溶液はまた、ポンプを用いて循環されてもよい。電解質リザーバがまた、電解質回路内に提供されてもよい。いくつかのセルはまた、組み合わせられ、別個の流入口および流出口を伴うセルスタックを形成し得る。
【0014】
カソードチャンバをアノードチャンバから分離する膜は、好ましくは、負イオン交換体である。しかしながら、正イオン交換体またはダイヤフラムを用いた動作もまた、想定可能である。例えば、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリベンズイミダゾール、フルオロポリマー、またはポリスチレンコポリマーに基づくポリマー主鎖を伴う負イオン交換膜が、使用されてもよい。トリメチルアンモニウム、ピリジニウム、スルホニウム、ホスホニウム、グアニジニウム、イミダゾリウム、またはピペリジニウムが、正イオン官能基として、ポリマー主鎖に結合されてもよい。
【0015】
カソードチャンバ内に位置するカソードは、好ましくは、カソード水分解のための高い過電圧によって特徴付けられる、導電性材料から作製される。特に、好適であるものは、銅、鉛、スズ、チタン、鉛-アンチモン合金、または炭素から作製される、カソードである。金属発泡体または炭素タイル等の固体であるが、多孔質でもある電極が、使用され得る。例えば、銅または炭素フリースのコーティングが、想定可能である。例えば、ビスマス、インジウム、鉛、ビスマス-鉛、銀-鉛、金-鉛、または銅-鉛が、好適である。
【0016】
アノードチャンバ内に位置するアノードは、好ましくは、イリジウム混合酸化物でコーティングされる、チタンアノードである。しかしながら、白金めっきチタン、鉛、鉛-アンチモン、炭素、またはステンレス鋼等の他の電極材料もまた、使用されてもよい。アノードチャンバの中に導入される液体は、好ましくは、カソードチャンバの液体と同一の溶剤と、その負イオンが、カソードチャンバの電解質溶液中に存在する負イオンと同じである酸とを含有する。
【0017】
本発明によると、カソードチャンバは、ラインおよびライン内に配置されるポンプを介して、堆積セルに接続され、ポンプは、液体をカソードチャンバから堆積セルの中に、および/または液体を堆積セルからカソードチャンバの中に圧送することが可能である。本発明によると、本発明によるデバイスを用いて遂行され得る方法が、想定可能であり、その中でラインを通した流動の方向は、変更される。本発明による方法は、以下のような方法において遂行され得る。
・第1の動作状態では、液体は、ポンプを用いて、ラインを通して、カソードチャンバから堆積セルの中に運搬される。
・第2の動作状態では、液体は、ポンプを用いて、ラインを通して、堆積セルからカソードチャンバの中に運搬される。
【0018】
本方法は、2つの動作状態のシーケンスから成り得る。しかしながら、液体がラインを通して運搬されない他の動作状態もまた、提供され得る。
【0019】
別の実施形態では、その中に配列されるポンプを伴うラインは、液体を1つの方向において運搬するためにのみ使用される。液体がポンプを用いてラインを通してカソードチャンバから堆積セルの中に運搬される、想定可能な実施形態が、存在する。そのような実施形態では、カソードチャンバは、付加的な帰還ラインを介して、堆積セルに接続され、液体は、帰還ラインを介して、堆積セルからカソードチャンバの中に流動し得る。液体がポンプによってラインを通して堆積セルからカソードチャンバの中に運搬される実施形態が、想定可能である。そのような実施形態では、堆積セルは、付加的な帰還ラインを介して、カソードチャンバに接続され、液体は、帰還ラインを介して、カソードチャンバから堆積セルの中に流動し得る。
【0020】
ラインおよびポンプを介してリザーバに接続される堆積セルに関して、上記に説明される電解質溶液の交換はまた、リザーバと膜セルのカソードチャンバとの間でも行われ得る。
【0021】
ラインはまた、チャネルであってもよい。
【0022】
本発明は、高濃度のクロム(II)イオンが、非分割堆積セル内で維持されることを可能にする。このように、キネティカルに著しく抑制されるクロム堆積が、加速させられ得、堆積セル内のクロム堆積に対する電流要件(キログラム単位で堆積されるクロムの質量あたりのアンペア時単位における電荷量)が、低減される。分割堆積セルが、不要にされることができるため、鎖状成形された部品が、特に、付加的な補助的アノードを使用して、クロム(II)を含有する電解質溶液中でコーティングされ得る。さらに、クロム(II)イオンのより低い酸化電位に起因して、クロム(II)イオンのみが、堆積セルのアノードにおいて、クロム(III)イオンに酸化され、したがって、塩化物の有毒性塩素への酸化を回避するため、塩化物含有電解質溶液もまた、非分割堆積セル内で使用されてもよい。同一の理由のために、クロム(III)イオンのクロム(VI)への酸化もまた、回避される。高パルス電流密度におけるクロム(II)含有電解質溶液からのクロムのパルス電流堆積が、堆積セル内で可能にされることもまた、特定の利点である。本方法が、以前は有毒性クロム(VI)含有電解質溶液からのみ生産され得る、微細に亀裂が入ったクロム層を堆積するためにさえ使用され得ることは、想定可能である。
【0023】
好ましい実施形態では、クロム(III)を含有する液体が、カソードチャンバ内に存在する。クロム(III)含有液体は、クロム(III)イオンを含有する。カソードチャンバ内の液体は、特に、液体が、絶えず交換される場合、堆積セル内の液体と同一の構成物質を含有し得る。クロム(II)イオンの濃度は、カソード電解液中で、わずかにより高くあり得る。さらに、カソード電解液中および堆積セル内のpH(酸濃度)は、異なり得る。
【0024】
好ましい実施形態では、基準電極が、カソードチャンバ内に提供される。本基準電極はまた、カソードチャンバの外側に位置してもよい。本場合では、基準電極の電解質溶液は、毛細管、いわゆるハーバルギン毛細管を介して、カソードチャンバ内の電解質溶液に接続されることができる。カソードチャンバ内の毛細管の開口部は、好ましくは、カソード表面のすぐ近傍に位置付けられる。好適な基準電極は、銀-塩化銀電極、塩化第1水銀電極、硫酸鉛電極、または硫酸水銀電極を含む。
【0025】
好ましい実施形態では、デバイスは、コーティングされることになる構成要素に電気的に接続され得、これを用いて電位が、構成要素に印加されることができる、コネクタを有する。コネクタは、例えば、端子であってもよい。堆積プロセスに応じて、電気接触はまた、構成要素のためのレセプタクルを伴うラックを介して(ラックプロセス)、ドラム内の放電電極を介して(ドラムプロセス)、連続的なプロセスにおける電流ローラを介して、滑り接触または他の接触型放電電極を介して行われ得る。
【0026】
好ましい実施形態では、デバイスは、第1の極と、第2の極とを有する(第1の)電流または電圧源を備える。好ましい実施形態では、堆積セルのアノードは、第1の電圧源の第1の極に電気的に接続される。好ましい実施形態では、コーティングされることになる構成要素に接続されることができ、構成要素に電位を印加するために使用されることができる、コネクタが、提供され、コネクタは、第1の電圧源の第2の極に電気的に接続される。
【0027】
好ましい実施形態では、デバイスは、第1の極と、第2の極とを有する、第2の電流または電圧源を備える。好ましい実施形態では、アノードチャンバのアノードは、第2の電圧源の第1の極に電気的に接続される。好ましい実施形態では、カソードチャンバのカソードは、第2の電圧源の第2の極に電気的に接続される。
【0028】
構成要素をクロム層でコーティングするための本発明による方法は、
・コーティングされることになる構成要素が、本発明によるデバイスの堆積セル内に存在するクロム(II)含有液体中に浸漬されることと、
・コーティングされることになる構成要素が、陰極的に接続され、アノードは、陽極的に接続されることと、
・クロム堆積が、陰極的に接続された構成要素上の液体から堆積セル内で行われることと、
・堆積セル内の液体が、ラインを介して、カソードチャンバの中に圧送される、またはカソードチャンバ内の液体が、ラインを介して、堆積セルの中に圧送されることと、
を提供する。
【0029】
堆積セルのアノードにおいて、クロム(II)正イオンは、クロム(III)正イオンに酸化されることができる。好ましい実施形態では、堆積セル内で、クロム(II)正イオンが消耗され、クロム(III)正イオンが豊富にある電解質溶液は、カソードチャンバの中に圧送され得る。電解質溶液の一定の液体流および間欠的な供給または送出の両方が、適用可能である。好ましい実施形態では、液体流、すなわち、交換される液体の分量は、堆積セル内のクロム(II)イオンの濃度が、電気分解セルのカソードチャンバ内のものよりもわずかにのみより低くあるように寸法指定され得る。
【0030】
電気分解セル内のクロム(III)正イオンの還元に関して、カソードのカソード電位が、測定され、基準電極に対して調節されてもよい。カソード電位は、セル電圧または電流を制御することによって調節され得る。したがって、カソード電位は、クロム(III)イオンをクロム(II)イオンに還元するために十分に小さく、電気分解セルのカソード上へのクロム堆積を回避するために十分に大きく設定されることができる。
【0031】
出発材料として使用されるクロム塩に応じて、正イオン交換膜または負イオン交換膜を使用することが、適切であり得る。これは、電解質循環システム内で、電解質濃度およびpHを一定に保つこと、またはアノードにおける有害性物質への酸化を回避することをより容易にする。クロム(III)イオンおよびクロム(II)イオンは、通常、鎖化クロム正イオンとして、溶液中に存在する。クロム正イオンに結合される負イオンの数および電荷数に応じて、錯体の電荷は、正、中性、または負である。クロム(II)およびクロム(III)錯体が、完全にまたは主として、正荷電である場合、負イオン交換膜が、アノードチャンバの中へのクロムイオンの移送を防止または最小限にするために使用されることができる。クロム錯体が、主として、負荷電イオンとして存在する場合、正イオン交換膜もまた、使用され得る。塩化物含有出発塩が、使用されない場合、ダイヤフラム電気分解セルもまた、膜電気分解セルの代わりに使用されてもよい。負イオンおよび正イオン交換膜によって3つのチャンバに分割される、膜電気分解セルを使用することもまた、可能性として考えられる。カソードチャンバ、アノードチャンバ、および電極を伴わない中心チャンバを伴う、3チャンバセルは、カソードチャンバの電解質溶液の負イオンが、アノードチャンバ内のアノードに到達することが可能ではなく、それらが、有毒性物質に酸化され得る場合、好適である。例えば、カソードチャンバの電解質溶液の塩化物は、それらが、アノードチャンバ内のアノードに到達する場合、有毒性塩素ガスに酸化される。これは、その中心チャンバが、負イオン交換膜を用いてカソードチャンバから分離され、中心チャンバが、正イオン交換膜を用いてアノードチャンバから分離される、3チャンバセルを用いて回避されることができる。このように、塩化物は、負イオン交換膜を通過して、中心チャンバの中に通過し得るが、アノードチャンバの中へのそれらの移送は、正イオン交換膜の使用によって、ほぼ完全に回避される。
【0032】
本発明はまた、亜鉛-クロムまたはクロム-鉄電着等のクロムを含有する合金の電着にも適用されることができる。加えて、鉄を電気めっきする、または鉄を含有する合金をめっきするために使用されてもよい。本方法はまた、ガルバニッククロムおよび鉄の抽出または食塩水からのこれらの金属の復元のためにも使用されてもよい。本目的のために、電解質溶液は、溶剤中に適切な金属塩を含有するべきである。
・亜鉛-クロム堆積の場合:少なくとも1つの付加的な亜鉛を含有する塩が、要求される。
・クロム-鉄堆積の場合:加えて、少なくとも1つの第1鉄塩。
・鉄堆積の場合:少なくとも1つの第1鉄塩が、クロム含有物質の代わりに使用されなければならない。
・第1鉄合金:クロム含有物質の代わりに、少なくとも1つの第1鉄塩および合金相手の塩が、使用されなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明は、単に本発明の例示的実施形態をより詳細に図示する、図面を参照して、下記に説明される。
【0034】
図1図1は、本発明による、デバイスの概略描写である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
クロムめっきされることになる構成要素1は、クロム(II)イオンを含有する電解質溶液中で、電流源4および堆積セル3内のアノード2を用いて陰極的に接続され、したがって、クロム堆積が、行われる。鎖化クロム正イオンとしてほぼ排他的に存在する、クロム(II)およびクロム(III)イオンは、例示的実施形態では、それぞれ、Cr2+およびCr3+イオン(正イオン)としてのみ、簡略化された形態において示されている。堆積セル内および電気分解セルのカソードおよびアノードチャンバ内の電解質溶液の負イオンもまた、含まれていない。
【0036】
クロムめっきされることになる構成要素1上では、クロム(II)イオンの金属クロムへの還元(式1)、および二次反応(式2)として、水素の解放を伴う水の還元が、優先的に行われる。
【化1】
【0037】
堆積セル3のアノード2において、主として、容易に酸化されるクロム(II)イオンが、クロム(III)イオンに酸化される(式3)。
【化2】
【0038】
クロム塩は、以下の式4)に従って、クロム(II)またはクロム(III)塩として、電気分解セル7内の電解質溶液に添加され、クロム(III)正イオンは、分割電気分解セル7のカソード8において、クロム(II)正イオンに還元される。
【化3】
【0039】
電気分解セル7のカソードチャンバからの電解質溶液は、ラインを介して、ポンプ5を用いて、堆積セル3に移送され、そこから、帰還ライン6を介して、電気分解セル7のカソードチャンバに帰還される。反応1)および3)のために要求されるクロム(II)正イオンの濃度は、電解質溶液の連続的または反復的な再循環によって、堆積セル3内で維持されることができる。クロムがカソード8において堆積されないことを確実にするために、電圧源12の電圧Uzは、カソード8と基準電極11との間の電圧差Uが、クロム(III)をクロム(II)に還元するために好適な標的電圧に対応するが、金属クロムには対応しないように制御されなければならない。そのような電圧制御の実行可能性は、式1)における反応の標準電位が、-0.913Vであり、式3)における反応のものが、-0.41Vにすぎないという事実から生じる。
【0040】
電気分解セル7内の膜10は、正イオンまたは負イオン交換膜であることができる、または単純なダイヤフラムが、使用される。クロム塩の選択に応じて、正イオンまたは負イオン交換膜を使用することが、適切であり得る。例えば、硫酸クロム(III)が、出発材料として使用される場合、硫酸クロム(III)とともに供給される硫酸負イオンが、負イオン交換膜を用いて電解質回路から除去される、すなわち、アノードチャンバに移送されるため、負イオン交換膜を使用することは、道理にかなう。このように、電解質濃度は、硫酸クロムの一定の補充にかかわらず、一定に保たれることができる。同時に、クロム正イオンは、負イオン交換膜によってほぼ完全に留保され、アノード9におけるクロム正イオンの有毒性クロム(VI)への酸化が、回避される。電気分解セル7のアノードチャンバ内のアノード9において、水が、以下の式5)に従って、酸素の解放および酸濃度の増加を伴って酸化されることができる。
【化4】
【0041】
硫酸クロムが、本方法のためのクロム塩として使用される場合、アノードチャンバ内に硫酸を導入することが、得策である。その時、アノードチャンバ内で発生された硫酸が、クロム含有電解質溶液のpHを調節するために使用されることができる。クロム塩に加えて、ギ酸塩、グリシン酸塩、またはシュウ酸塩等の錯化剤、および他の添加剤が、コーティング電解質に添加されることができる。
【0042】
クロム層のパルス式電流堆積はまた、コーティングセル内でも可能である。本目的のために、パルス電流源またはパルス逆電流源が、単に、直流電流源4の代わりに使用されなければならない。間欠的またはパルス電流逆転を伴うクロム堆積もまた、本デバイスを用いて遂行されることができる。
図1
【手続補正書】
【提出日】2023-12-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成要素(1)または半仕上製品をクロム層でコーティングするためのデバイスであって、前記デバイスは、非分割堆積セル(3)であって、その中にアノード(2)が位置し、陰極的に接続された構成要素(1)または半仕上製品を受容するために好適である非分割堆積セル(3)を有し、クロム(II)を含有する電解質溶液が、前記堆積セル内に位置し、
前記デバイスは、電気分解セル(7)を備え、前記電気分解セル(7)は、前記電気分解セル(7)内に配列される膜(10)によって、その中にカソード(8)が位置するカソードチャンバと、その中にアノード(9)が位置するアノードチャンバとに分割され、
前記膜(10)は、負イオン交換膜であり、
前記カソードチャンバは、ラインおよび前記ライン内に配置されるポンプ(5)を介して、前記堆積セル(3)に接続され、前記ポンプ(5)は、液体を前記カソードチャンバから前記堆積セル(3)の中に圧送することが可能である、および/または液体を前記堆積セル(3)から前記カソードチャンバの中に圧送することが可能である、デバイス。
【請求項2】
クロム(III)を含有する液体が、前記カソードチャンバ内に存在する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
基準電極(11)が、前記カソードチャンバ内に提供される、または電解質ブリッジを介して、前記カソードチャンバ内の前記電解質溶液に接続される、請求項1または2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記カソードチャンバは、付加的な帰還ライン(6)を介して、前記堆積セル(3)に接続される、請求項1-3のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
整流器またはパルス電流源またはパルス逆電流源の形態において、電流源(4)が、提供される、請求項1-4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
請求項1-4のいずれか1項に記載のデバイスを使用して、構成要素(1)または半仕上製品をクロム層でコーティングするための方法であって、
コーティングされることになる前記構成要素(1)または半仕上製品は、前記堆積セル(3)内に存在する前記クロム(II)含有電解質溶液中に浸漬され、
コーティングされることになる前記構成要素(1)または半仕上製品は、陰極的に接続され、前記アノード(2)は、陽極的に接続され、
クロム堆積は、前記陰極的に接続された構成要素(1)または半仕上製品上の液体から、前記堆積セル(3)内で行われ、
前記堆積セル(3)内に存在する前記液体は、前記ラインを介して、前記電気分解セル(7)の前記カソードチャンバの中に圧送される、または前記カソードチャンバ内に存在する前記液体は、前記ラインを介して、前記堆積セル(3)の中に圧送される、方法。
【請求項7】
前記カソードチャンバ内に位置するカソードの電位は、前記カソードチャンバ内に位置する基準電極(11)の補助により、前記カソードチャンバ内で設定される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
クロム(III)イオンが、前記カソード(8)において、クロム(II)イオンに還元され、したがって、消費されるクロム(II)イオンが、補充される、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
コーティングが、直流電流を用いて遂行される、またはコーティングが、パルス式電流または間欠的またはパルス式逆電流を用いて遂行される、請求項6-8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
構成要素(1)または半仕上製品をクロム層でコーティングするためのデバイスの使用であって、前記デバイスは、
非分割堆積セル(3)であって、前記非分割堆積セル(3)は、その中にアノード(2)が位置し、陰極的に接続された構成要素(1)または半仕上製品を受容するために好適であり、クロム(II)を含有する電解質溶液が、前記堆積セル内に位置する、非分割堆積セル(3)と、
電気分解セル(7)であって、前記電気分解セル(7)は、前記電気分解セル(7)内に配列される膜(10)によって、その中にカソード(8)が位置するカソードチャンバと、その中にアノード(9)が位置するアノードチャンバとに分割される、電気分解セル(7)と
を備え、
前記膜(10)は、正イオン交換膜またはダイヤフラムであり、
前記カソードチャンバは、ラインおよび前記ライン内に配列されるポンプ(5)を介して、前記堆積セル(3)に接続され、前記ポンプ(5)は、液体を前記カソードチャンバから前記堆積セル(3)の中に圧送することが可能である、および/または液体を前記堆積セル(3)から前記カソードチャンバの中に圧送することが可能である、使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
本発明はまた、亜鉛-クロムまたはクロム-鉄電着等のクロムを含有する合金の電着にも適用されることができる。加えて、鉄を電気めっきする、または鉄を含有する合金をめっきするために使用されてもよい。本方法はまた、ガルバニッククロムおよび鉄の抽出または食塩水からのこれらの金属の復元のためにも使用されてもよい。本目的のために、電解質溶液は、溶剤中に適切な金属塩を含有するべきである。
・亜鉛-クロム堆積の場合:少なくとも1つの付加的な亜鉛を含有する塩が、要求される。
・クロム-鉄堆積の場合:加えて、少なくとも1つの第1鉄塩。
・鉄堆積の場合:少なくとも1つの第1鉄塩が、クロム含有物質の代わりに使用されなければならない。
・第1鉄合金:クロム含有物質の代わりに、少なくとも1つの第1鉄塩および合金相手の塩が、使用されなければならない。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
構成要素(1)または半仕上製品をクロム層でコーティングするためのデバイスであって、上記デバイスは、非分割堆積セル(3)であって、その中にアノード(2)が位置し、陰極的に接続された構成要素(1)または半仕上製品を受容するために好適である非分割堆積セル(3)を有し、クロム(II)を含有する電解質溶液が、上記堆積セル内に位置し、電気分解セル(7)は、上記電気分解セル(7)内に配列される膜(10)によって、その中にカソード(8)が位置するカソードチャンバと、その中にアノード(9)が位置するアノードチャンバとに分割され、上記カソードチャンバは、ラインおよび上記ライン内に配置されるポンプ(5)を介して、上記堆積セル(3)に接続され、上記ポンプ(5)は、液体を上記カソードチャンバから上記堆積セル(3)の中に圧送することが可能である、および/または液体を上記堆積セル(3)から上記カソードチャンバの中に圧送することが可能である、デバイス。
(項目2)
クロム(III)を含有する液体が、上記カソードチャンバ内に存在する、項目1に記載のデバイス。
(項目3)
基準電極(11)が、上記カソードチャンバ内に提供される、または電解質ブリッジを介して、上記カソードチャンバ内の上記電解質溶液に接続される、項目1または2に記載のデバイス。
(項目4)
上記カソードチャンバは、付加的な帰還ライン(6)を介して、上記堆積セル(3)に接続される、項目1-3のいずれか1項に記載のデバイス。
(項目5)
整流器またはパルス電流源またはパルス逆電流源の形態において、電流源(4)が、提供される、項目1-4のいずれか1項に記載のデバイス。
(項目6)
項目1-4のいずれか1項に記載のデバイスを使用して、構成要素(1)または半仕上製品をクロム層でコーティングするための方法であって、
コーティングされることになる上記構成要素(1)または半仕上製品は、上記堆積セル(3)内に存在する上記クロム(II)含有電解質溶液中に浸漬され、
コーティングされることになる上記構成要素(1)または半仕上製品は、陰極的に接続され、上記アノード(2)は、陽極的に接続され、
クロム堆積は、上記陰極的に接続された構成要素(1)または半仕上製品上の液体から、上記堆積セル(3)内で行われ、
上記堆積セル(3)内に存在する上記液体は、上記ラインを介して、上記電気分解セル(7)の上記カソードチャンバの中に圧送される、または上記カソードチャンバ内に存在する上記液体は、上記ラインを介して、上記堆積セル(3)の中に圧送される、方法。
(項目7)
上記カソードチャンバ内に位置するカソードの電位は、上記カソードチャンバ内に位置する基準電極(11)の補助により、上記カソードチャンバ内で設定される、項目6に記載の方法。
(項目8)
クロム(III)イオンが、上記カソード(8)において、クロム(II)イオンに還元され、したがって、消費されるクロム(II)イオンが、補充される、項目6または7に記載の方法。
(項目9)
コーティングが、直流電流を用いて遂行される、またはコーティングが、パルス式電流または間欠的またはパルス式逆電流を用いて遂行される、項目6-8のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】