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特表2024-516414無線通信用のユーザ機器デバイスのエネルギー使用量の管理
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-15
(54)【発明の名称】無線通信用のユーザ機器デバイスのエネルギー使用量の管理
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/72 20210101AFI20240408BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20240408BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20240408BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20240408BHJP
   H04B 1/40 20150101ALI20240408BHJP
【FI】
H04M1/72
H04W52/02
H04W88/02
H04M11/00 302
H04B1/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023566555
(86)(22)【出願日】2022-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-12-12
(86)【国際出願番号】 US2022021550
(87)【国際公開番号】W WO2022231734
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】63/181,464
(32)【優先日】2021-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Google LLC
【住所又は居所原語表記】1600 Amphitheatre Parkway 94043 Mountain View, CA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジビン
(72)【発明者】
【氏名】シュタウファー,エリック
【テーマコード(参考)】
5K011
5K067
5K127
5K201
【Fターム(参考)】
5K011DA29
5K011JA01
5K011KA03
5K067AA43
5K067EE02
5K067EE10
5K067HH21
5K127AA16
5K127BA03
5K127JA06
5K127JA23
5K127JA24
5K127KA01
5K127KA02
5K201AA03
5K201CB15
5K201CC07
5K201CC09
5K201DB06
5K201DB07
5K201EA07
5K201EC08
5K201ED05
5K201EE02
5K201EE13
5K201FB03
(57)【要約】
UEにおける一連の状態に関して、UEに蓄積されたエネルギーの使用量を改善するための技術は、UEと基地局との間の無線データ転送中のUEの蓄積エネルギー使用量の好ましいまたは要求された分配(例えば、無線インタフェース信号処理タスクのためにUEによって利用されるエネルギーの量またはパーセンテージに対する、ベースバンド信号処理のためにUEによって利用される蓄積エネルギーの量またはパーセンテージ)を決定すること、および基地局またはネットワークに対して好ましい分配を通知することとを含む。この通知に基づいて、基地局/ネットワークは、ベースバンド通信方式、パラメータ、および/または値、および/または基地局とUEとの間のデータの無線転送に利用される無線インタフェース通信方式、パラメータ、および/または値を変更することができ、これにより、UEの蓄積エネルギー使用量がより適切に管理され(場合によっては最適化され)、UEでのバッテリ寿命が長くなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器デバイス(UE)において、無線通信のための前記UEのエネルギー使用量を管理するための方法であって、
前記UEの処理ハードウェアが、前記UEと基地局との間のデータの無線転送中に、前記UEによって実行されるベースバンド信号処理と前記UEによって実行される無線インタフェース信号処理との間の前記UEのエネルギー消費量の好ましい分配を決定するステップと、
前記処理ハードウェアが、UEエネルギー消費量の前記好ましい分配の通知を前記基地局に送信するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
前記UEのエネルギー消費量の前記好ましい分配を決定するステップは、前記ベースバンド信号処理中に前記UEによって利用されるソース符号化、ソース復号化、データ圧縮、データ解凍、または他の技術のうちの少なくとも1つに関して、前記UEのエネルギー使用効率の大きさを決定するステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項3】
前記UEのエネルギー消費量の前記好ましい分配を決定するステップは、前記無線インタフェース信号処理中に前記UEによって利用されるチャネル符号化、チャネル復号化、変調、復調、または他の技術のうちの少なくとも1つに関して、前記UEのエネルギー使用効率の大きさを決定するステップを含む、請求項1または請求項2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記UEのエネルギー消費量の前記好ましい分配を決定するステップは、
前記UEと前記基地局との間の1バイトのデータの転送中に前記UEが前記ベースバンド信号処理に必要とする電力量を決定するステップと、
前記UEと前記基地局との間の前記1バイトのデータの前記無線転送中に前記UEが前記無線インタフェース信号処理に必要とする電力量を決定するステップと、
を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記UEの前記処理ハードウェアが、前記UEと前記基地局との間の無線接続の変化、あるいは前記UEのバッテリまたはエネルギー蓄積デバイスに蓄積されるエネルギーの残量の変化のうちの少なくとも一方を検出するステップと、
前記検出された少なくとも一方の変化に基づいて、前記UEによって実行される前記ベースバンド信号処理と前記無線インタフェース信号処理との間のエネルギー消費量の更新された好ましい分配を決定するステップと、
前記処理ハードウェアが、前記更新されたエネルギー消費量の好ましい分配の通知を前記基地局に送信するステップと、
をさらに含む、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記UEと前記基地局との間の前記無線接続の前記変化を検出するステップは、変調符号化方式、チャネル状態、周波数帯域、または無線アクセス技術、または他の無線インタフェース特性のうちの少なくとも1つの変化を検出するステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記UEと前記基地局との間の前記無線接続の前記変化を検出するステップは、周波数帯域、帯域幅、ビームフォーミングの存在、信号対雑音比(SNR)、アップリンクスループット、基準信号の特性、無線インタフェースのチャネルの特性、干渉量、または無線接続に対応する無線アクセス技術(RAT)のうちの少なくとも1つまたは複数の変化を検出するステップを含む、請求項5または請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記UEの中央処理ユニット(CPU)の現在の使用量を決定するステップ、
前記UEのデジタル信号プロセッサ(DSP)の現在の使用量を決定するステップ、
ガーディアンサービスプロセッサ(GSP)の現在の使用量を決定するステップ、
1つまたは複数のタスクによって共有される前記UEの1つまたは複数のメモリの現在の使用量を決定するステップ、
前記UEのパワーレールを監視するステップ、
前記UEのモデムの電力消費量を監視するステップ、または、
前記UEの前記1つまたは複数のメモリに記憶されるエネルギー使用プロファイルにアクセスし、前記エネルギー使用プロファイルが、1つまたは複数のタスクの各異なるセットごとに前記UEにおける1つまたは複数の計算リソースのそれぞれの使用レベルを示す、ステップ、
のうちの少なくとも1つを含めて、前記UEの前記処理ハードウェアが、前記UEにおける前記計算リソースの現在の使用量を決定するステップをさらに含み、
前記UEのエネルギー消費量の前記好ましい分配を決定するステップは、前記UEにおける前記計算リソースの現在の使用量に基づく、
請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記処理ハードウェアが、前記UEのバッテリまたはエネルギー蓄積デバイスに蓄積されるエネルギーの残量が閾値レベルを下回っていることを検出するステップと、
前記バッテリまたは前記エネルギー蓄積デバイスに蓄積されるエネルギーの前記検出された残量に基づいて、前記UEによって実行される前記ベースバンド信号処理と前記UEによって実行される前記無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量の前記好ましい分配の決定を開始するステップと、
をさらに含む、請求項1~請求項8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
UEエネルギー消費量の前記好ましい分配を決定するステップは、
前記UEの主電源に対する接続に基づいて、UEのエネルギー消費量の前記好ましい分配を決定するステップ、
を含む、請求項1~請求項9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記UEエネルギー消費量の前記好ましい分配を決定するステップは、
前記UEから前記基地局へのデータの無線転送に対応する前記UEにより実行される前記ベースバンド信号処理と前記UEにより実行される前記無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量のそれぞれの好ましい分配を決定するステップ、
前記基地局から前記UEへのデータの無線転送に対応する前記UEにより実行される前記ベースバンド信号処理と前記UEにより実行される前記無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量のそれぞれの好ましい分配を決定するステップ、
前記UEと前記基地局との間のデータのダウンリンク無線転送に対応する前記UEにより実行される前記ベースバンド信号処理と前記UEにより実行される前記無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量のそれぞれの好ましい分配を決定するステップ、または、
前記UEと前記基地局との間のデータのアップリンク無線転送に対応する前記UEにより実行される前記ベースバンド信号処理と前記UEにより実行される前記無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量のそれぞれの好ましい分配を決定するステップ、
のうちの1つまたは複数を含む、請求項1~請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記処理ハードウェアが、前記送信された通知に基づいて第1の送信を前記基地局に送るステップ、または、
前記処理ハードウェアが、前記送信された通知に基づいて前記基地局から第2の送信を受けるステップ、
のうちの少なくとも一方をさらに含む、請求項1~請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
無線通信のためのユーザ機器デバイス(UE)におけるエネルギー消費量を管理するためのネットワークエンティティにおける方法であって、
基地局の処理ハードウェアが、前記UEから、前記UEと前記基地局との間のデータの無線転送中に前記UEによって実行されるベースバンド信号処理と前記UEによって実行される無線インタフェース信号処理との間の前記UEのエネルギー消費量の好ましい分配の通知を受信するステップと、
前記処理ハードウェアが、UEエネルギー消費量の前記好ましい分配の前記通知と前記UEおよび前記基地局によって利用される通信方式とに基づいて、前記UEと前記基地局との間の前記データの無線転送中に利用するための1つまたは複数の通信パラメータを決定するステップと、
前記処理ハードウェアが、前記通信方式および前記1つまたは複数の通信パラメータを利用することによって第1の送信を前記UEに送るステップ、または、
前記処理ハードウェアが、前記通信方式および前記1つまたは複数の通信パラメータを利用することによって前記UEから第2の送信を受けるステップ、
のうちの少なくとも一方と、
を含む方法。
【請求項14】
前記UEと前記基地局との間の前記データの無線転送中に前記UEによって実行される前記ベースバンド信号処理と前記UEによって実行される前記無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量の前記好ましい分配の前記通知を受信するステップは、前記UEの1つまたは複数のコンポーネントの1つまたは複数の現在の物理的状態の通知を受信するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記UEの前記1つまたは複数のコンポーネントの前記1つまたは複数の現在の物理的状態は、前記UEのバッテリまたはエネルギー蓄積デバイスに蓄積される残存エネルギーの量、または前記UEの前記1つまたは複数のコンポーネントによって現在生成される熱量のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記UEと前記基地局との間の前記データの無線転送中に前記UEによって実行される前記ベースバンド信号処理と前記UEによって実行される前記無線インタフェース信号処理との間の前記UEのエネルギー消費量の前記好ましい分配の前記通知は、前記ベースバンド信号処理または前記無線インタフェース信号処理のうちの少なくとも一方の要求された複雑さのレベルを含み、
前記UEのエネルギー消費量の前記好ましい分配の前記通知と前記通信方式とに基づいて前記1つまたは複数の通信パラメータを決定するステップは、前記要求された複雑さのレベルに従って前記1つまたは複数の通信パラメータを決定するステップを含む、
請求項13~請求項15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
前記UEと前記基地局との間の前記データの無線転送中に利用するために前記UEおよび前記基地局のための更新された通信方式を取得するステップと、
前記処理ハードウェアが、前記更新された通信方式とUEエネルギー消費量の前記好ましい分配とに基づいて、データの無線転送中に利用するための更新された1つまたは複数の通信パラメータを決定するステップと、
前記処理ハードウェアが、前記更新された通信方式と前記更新された1つまたは複数の通信パラメータとを利用することによって、第1のさらなる送信を前記UEに送るステップ、または、
前記処理ハードウェアが、前記更新された通信方式と前記更新された1つまたは複数の通信パラメータとを利用することによって前記UEから第2のさらなる送信を受けるステップ、
のうちの少なくとも一方と、
をさらに含む、請求項13~請求項16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記処理ハードウェアが、前記UEから、前記UEと前記基地局との間の前記データの無線転送中に前記UEによって実行される前記ベースバンド信号処理と前記UEによって実行される前記無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量の更新された好ましい分配の通知を受信するステップと、
前記処理ハードウェアが、前記UEのエネルギー消費量の前記更新された好ましい分配に基づいて、データの転送中に利用するための更新された1つまたは複数の通信パラメータを決定するステップと、
前記処理ハードウェアが、前記更新された1つまたは複数の通信パラメータを利用することによって、第1のさらなる送信を前記UEに送るステップ、または、
前記処理ハードウェアが、前記更新された1つまたは複数の通信パラメータを利用することによって前記UEから第2のさらなる送信を受けるステップ、
のうちの少なくとも一方と、
をさらに含む、請求項13~請求項17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記UEと前記基地局との間の前記データの無線転送中に利用するための前記1つまたは複数の通信パラメータを決定するステップは、ソース符号化、ソース復号化、データ圧縮、データ解凍、または他のタイプのベースバンド信号処理のうちの少なくとも1つに対応する1つまたは複数のパラメータを決定するステップを含む、請求項13~請求項18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記UEと前記基地局との間の前記データの無線転送中に利用するための前記1つまたは複数の通信パラメータを決定するステップは、チャネル符号化、チャネル復号化、変調、復調、または他のタイプの無線インタフェース信号処理のうちの少なくとも1つに対応する1つまたは複数のパラメータを決定するステップを含む、請求項13~請求項19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
請求項13~請求項20のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成される基地局。
【請求項22】
請求項1~請求項12のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されるユーザ機器(UE)。
【請求項23】
先行する請求項のいずれか他の1項と組み合わせた先行する請求項のいずれか1項。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2021年4月29日に出願された「無線通信用のユーザ機器デバイスのエネルギー使用量の管理」という名称の米国仮特許出願第63/181,464号の優先権および利益を主張し、この仮特許出願の開示はその全体が参照により本願に組み入れられる。
【0002】
開示の分野
この開示は、無線通信に関し、より詳細には、ユーザ機器(UE)のエネルギー使用量の管理に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
この文書中で提供される背景の説明は、本開示の内容を一般的に提示することを目的としている。ここに名前が記載されている発明者の研究は、この背景の節に記載されている範囲で、出願時に先行技術として認定されない場合がある説明の態様と同様に、本開示に対して明示的にも黙示的にも先行技術として認められない。
【0004】
有線態様で恒久的な電源に結合される基地局および他のインフラストラクチャコンポーネントとは異なり、ユーザデバイスまたは機器ユニット(UE)のバッテリ電力は限られている。UEは、ベースバンド信号処理および無線インタフェースを介した通信サポート、例えば、無線インタフェース信号処理の両方に関してバッテリ電力を使用することができる。例えば、UEが無線インタフェースを介して基地局からビデオストリームを受信すると、UEは、無線インタフェース通信方式に従って無線インタフェース信号処理(復調やチャネル復号化など)を実行するためにエネルギーを消費し、その後、ベースバンド通信方式に従ってベースバンド信号処理(ソース復号化および任意選択的にデータ解凍)を実行してUEでビデオストリームコンテンツを取得するためにエネルギーを消費する。一般的に言えば、無線インタフェース信号処理をサポートするためにUEが消費するエネルギーの量は、UEの無線およびモデムのエネルギー消費量に相当し、ベースバンド信号処理のためにUEが消費するエネルギーの量は、UEの1つまたは複数のプロセッサ、例えば、中央処理ユニット(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ガーディアン・サービス・プロセッサ(GSP)のエネルギー消費量に相当する。
【0005】
これらのタイプの無線通信タスクにおける蓄積エネルギー消費または使用の効率は、ピコジュール(pJ)当たりに転送されるバイトなど、エネルギー単位当たりに転送されるデータのバイト単位で測定することができる。例えば、ベースバンド信号処理のエネルギー使用効率は、消費されるバッテリエネルギーのピコジュール当たりUEがソース符号化および圧縮できるバイト数に相当し得るが、無線通信におけるUEによる無線インタフェース信号処理の使用量のエネルギー使用効率は、UEが消費するバッテリエネルギーのpJ当たりUEがチャネル符号化および変調できるバイト数に相当し得る。
【0006】
通信システムの様々なコンポーネントは、現在の(例えば、進行中、現在、現在発生している、または当面の)状態(UEの状態、無線インタフェースの特性、ネットワーク性能など)に基づいて異なる通信方式および/または通信パラメータを選択および/またはネゴシエートするため、ベースバンド信号処理をサポートするための、および無線インタフェース信号処理をサポートするためのUEのエネルギー使用効率は、状態が変化するにつれて変化する場合がある。例えば、特定の無線インタフェース特性または状態を検出すると、基地局は、より高いスペクトル効率を達成するために、基地局とUEとの間で利用される無線インタフェース信号処理パラメータを変更または調整することができ、その結果、更新された通信パラメータの対応するセットをUEに送信することができる。更新されたパラメータのUEの使用により、無線インタフェース信号処理に対応するUEのエネルギー使用効率および/またはベースバンド信号処理に対応するUEのエネルギー使用効率が変化し得る。
【0007】
今日、一般に、基地局は、UEのエネルギー使用効率への影響を考慮せずに、この種の変更および/または調整を行なう。したがって、変更/調整された通信方式によりUEが非効率的に(場合によっては不必要に)エネルギーを消費する必要がある場合など、変更/調整はUEのバッテリ寿命に悪影響を与える場合がある。
【発明の概要】
【0008】
概要
この文書に記載された技術は、UEにおける一連の状態に関して、UEと基地局との間の無線データ転送中にUEで蓄積されたエネルギー消費量の好ましい分配(partitioning)(例えば、無線インタフェース信号処理のためにUEによって利用されるエネルギーの量またはパーセンテージに対する、ベースバンド信号処理のためにUEによって利用される蓄積エネルギーの量またはパーセンテージの好ましい分配)を決定するとともに、基地局またはネットワークに対して好ましい分配を通知すること(indicating)によって、UEのエネルギー使用量または消費量を改善する。好ましいUEエネルギー使用分配の通知(indication)に基づいて、基地局および/またはネットワークは、UEへの/からのデータの無線転送に利用されるベースバンド通信方式および/またはそのパラメータ(例えば、ソース符号化、データ圧縮、ソース復号化、データ解凍など)を変更または調整することができ、および/または、基地局および/またはネットワークは、UEへの/からのデータの無線転送に利用される無線インタフェース通信方式および/またはそのパラメータ(例えば、チャネル符号化、変調、チャネル復号化、復調など)を変更または調整することができ、それにより、蓄積されたエネルギー使用量をより適切に管理(場合によっては最適化)し、基地局との無線通信/データ転送のためのUEにおけるバッテリ寿命を延ばす。
【0009】
一般に、UEと基地局との間の無線データ転送に関しては、ベースバンド信号処理を実行するためのUEの蓄積エネルギー消費効率(pJ当たりのバイト)と、無線インタフェース信号処理を実行するためのUEの蓄積エネルギー消費効率(pJ当たりのバイト)とが、異なる動的状態に基づいて変化し得る。例えば、より多くのローカルタスクがUEで実行されてUEのプロセッサやその他の共有コンピューティングリソースを利用するにつれて、無線データ転送中にベースバンド信号処理を実行するためのUEの蓄積エネルギー使用効率が低下する場合がある。別の例では、無線インタフェース上の干渉が減少するにつれて、および/または無線インタフェースの帯域幅が増大するにつれて、無線データ転送中に無線インタフェース信号処理を実行するためのUEの蓄積エネルギー使用効率が高まり得る。一般に、ベースバンド信号処理の複雑さが増大すると、ベースバンド信号処理を実行するためのUEの蓄積エネルギー使用効率が低下し、逆もまた同様である。同様に、無線インタフェース信号処理の複雑さが増すと、無線インタフェース信号処理を実行するためのUEの蓄積エネルギー使用効率が低下し、逆もまた同様である。したがって、UEと基地局との間の無線通信/データ転送に影響を与える状態が変化すると、UEにおけるベースバンド信号処理の蓄積エネルギー使用効率および/またはUEにおける無線インタフェース信号処理の蓄積エネルギー使用効率がそれぞれ変化する場合がある。
【0010】
一般に、読みやすくするために、本文書は、一般に、UEにおいて、例えばUEのバッテリまたは他の適切なエネルギー蓄積デバイスにおいて、蓄積されたエネルギーの使用量、消費量、および効率をそれぞれ指すために、「エネルギー使用量」、「エネルギー消費量」、「エネルギー使用効率」などの用語を使用する。一方、この文書では、UEに蓄積されないエネルギー(外部充電ケーブル、主電源、および/またはその他の適切な外部電源によって提供されるエネルギーなど)を、明示的に「外部」または「外部から提供される」、例えばUEに対して外部と称する。
【0011】
いずれにせよ、この文書で説明される技術は、例えば、ベースバンド信号処理を実行するためのUEのエネルギー使用効率、無線インタフェース信号処理を実行するためのUEのエネルギー使用効率、および/または2つの異なるエネルギー使用効率の相対性または比率に基づいて、UEのエネルギー消費量の好ましい分配を決定することによって、UEの蓄積エネルギー使用量を管理することができる。一例において、ベースバンド信号処理および無線インタフェース信号処理のためのエネルギー使用効率に基づいて、好ましい分配は、ベースバンド信号処理が基地局との無線データ転送中に蓄積されたUEエネルギーの最大20%を利用でき、無線インタフェース信号処理が無線データ転送中に蓄積されたUEエネルギーの最大80%を利用できることを示し得る。例えば、好ましい分配は、無線インタフェース信号処理エネルギー消費量に対するベースバンド信号処理エネルギー消費量の1~4(例えば、1:4)の相対的な重み付けを示し得る。他の例において、好ましい分配は、UEにおけるベースバンド信号処理が、ソース符号化を実行しデータ圧縮を行なわないために必要な最小量のエネルギーを利用するようになっていること、および、UEにおける無線インタフェース信号処理が、UEと基地局との間の無線データ転送のためにエネルギーの任意の残量を利用できることを示し得る。さらに他の例において、好ましい分配は、UEにおける無線インタフェース信号処理が、変調のためにQAMを実行するのに必要な最小量のエネルギーを利用するようになっていること、および、UEにおけるベースバンド信号処理が任意の残りのエネルギー量を利用し得ることを示し得る。勿論、UEの蓄積エネルギー消費量の他の分配も想定し得る。
【0012】
ベースバンド信号処理と無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量の好ましい分配は、動的状態の異なるセットに関して変化することができ、および/または、好ましい相対的な分配は、例えば、状態が変化するにつれて動的に決定することができる。いくつかの実施形態において、UEおよび/または基地局もしくはネットワークは、基地局との無線データ転送のためのUEのエネルギー使用プロファイルを記憶することができ、プロファイルは、それぞれ無線インタフェース通信方式の異なるタイプおよび/またはパラメータと関連付けられる、および/または異なる状態と関連付けられる異なるレベルのベースバンド信号処理複雑性を示し得る。いくつかの実施において、UEエネルギー消費量の好ましい分配は、無線データ転送に関連するUEの全体的な蓄積エネルギー消費量の管理に関連する様々な目標または基準に基づいて決定され得る。例えば、好ましい分配により、UEおよび無線インタフェースに影響を与える状態が変化しても、UEの全体的な蓄積エネルギー消費量を一様、安定、または比較的一定に保つことができる場合がある。他の例では、好ましい分配により、例えば、UEおよび無線インタフェースに影響を与える状態が変化する間、UEが残りのバッテリ寿命を最大限に節約することが可能になり得る。さらに、本文書内で説明される技術は、UEから基地局への制御信号および/またはデータ信号のアップリンクシグナリングと、基地局からUEへの制御信号および/またはデータ信号のダウンリンクシグナリングに関して、異なるエネルギー消費量分配を可能にする。
【0013】
一実施形態において、無線通信のためのUEのエネルギー使用量を管理するためのユーザ機器デバイス(UE)における方法は、UEの処理ハードウェアが、UEと基地局との間のデータの無線転送中に、UEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEのエネルギー消費量の好ましい分配を決定するステップと、処理ハードウェアが、UEエネルギー消費量の好ましい分配の通知を基地局に送信するステップとを含む。
【0014】
一実施形態において、無線通信のためのユーザ機器デバイス(UE)におけるエネルギー消費量を管理する方法は、基地局の処理ハードウェアが、UEと基地局との間のデータの無線転送中に、UEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEのエネルギー消費量の好ましい分配の通知を取得するステップと、処理ハードウェアが、UEエネルギー消費量の好ましい分配の通知とUEおよび基地局によって利用される通信方式とに基づいて、UEと基地局との間のデータの無線転送中に利用するための1つまたは複数の通信パラメータを決定するステップとを含む。方法は、処理ハードウェアが、通信方式および1つまたは複数の通信パラメータを利用して第1の送信をUEに送るステップ、または、処理ハードウェアが、通信方式および1つまたは複数の通信パラメータを利用することによってUEからの第2の送信を受けるステップのうちの少なくとも一方をさらに含む。
【0015】
一実施形態において、1つまたは複数の有形の非一時的メモリは、ユーザ機器(UE)のためのエネルギー使用プロファイルを記憶する。エネルギー使用プロファイルは、UEによってサポートされる無線インタフェース信号処理の複雑さの複数のレベルのレベルごとに、UEと基地局との間の無線データ転送中に利用するためのベースバンド信号処理の複雑さのそれぞれのレベルを示す。ベースバンド信号処理の複雑さの各レベルは、ベースバンド信号処理の複雑さの各レベルでベースバンド信号処理を実行するためのUEのエネルギー使用効率のそれぞれの大きさに対応し、無線インタフェース信号処理の複雑さの各レベルは、無線インタフェース信号処理の複雑さの各レベルで無線インタフェース信号処理を実行するためのUEのエネルギー使用効率のそれぞれの大きさに対応する。さらに、エネルギー使用プロファイル内で、ベースバンド信号処理のそれぞれの複雑さのレベルを実行するためのUEのエネルギー使用効率の大きさの増大は、無線インタフェース信号処理の関連する複雑さのレベルを実行するためのUEのエネルギー使用効率の大きさの減少と関連付けられる。UEの記憶されたエネルギー使用プロファイルに基づいて、UEおよび基地局はそれらの間でデータを無線で転送する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】基地局およびユーザ機器(UE)などのデバイスがデータを通信し、本文書で開示される原理および技術の少なくとも一部に従ってUEエネルギー使用量の管理をサポートする、無線通信システムの一例を示す。
図2図1の無線通信システムに含まれる基地局の一例のより詳細なブロック図を示す。
図3】本文書内で開示される原理および技術の少なくとも一部に従って無線通信のためのUEのエネルギー使用量を管理するためのUEにおける方法の一例のフロー図である。
図4】この文書内で開示される原理および技術の少なくとも一部に従ったUEの蓄積エネルギー使用量のプロファイル例である。
図5】本文書内で開示される原理および技術の少なくとも一部に従って無線通信のためのUEのエネルギー使用量を管理するためのネットワーク要素における方法の一例のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
図1は、基地局およびユーザ機器(UE)などのデバイスが通信し、この文書で開示される方法、原理、および/または技術のうちの1つまたは複数に従ってUEのエネルギー使用量の管理をサポートする、無線通信システム100の一例を示す。図1に示すように、システム100は、対応する1つまたは複数の無線アクセス技術(RAT)の1つまたは複数の無線アクセスネットワーク(RAN)をサポートする基地局102を含む。例えば、1つまたは複数のRATは、NRおよび/またはEUTRAを含むことができる。場合によっては、基地局102によってサポートされるRANの少なくともいくつかは、ライセンスのない周波数帯域を利用することができる。図1に示すように、基地局102は、1つまたは複数のそれぞれのコアネットワーク(CN)105に通信接続することができ、それぞれのコアネットワーク(CN)105は、インターネットおよび/または任意の数の他のプライベートまたはパブリックネットワーク108に通信接続する。
【0018】
ユーザ機器(UE)110は、1つまたは複数のタイプのRANを介して無線通信が可能な任意の適切なデバイスであってもよく、基地局102を介して無線通信システム100と通信接続することができる。UE110は処理ハードウェア112を含み、処理ハードウェア112は、1つまたは複数のプロセッサ115(例えば、中央処理ユニット(CPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ガーディアンサービスプロセッサ(GSP)など)、および1つまたは複数のプロセッサ115が読み取るおよび/または実行することができる命令120、122を記憶する1つまたは複数の非一時的な有形のコンピュータ可読メモリ118を含むことができる。特に、命令120は、本文書で開示される方法、原理、および技術のうちの1つまたは複数に従ってUE110のエネルギー使用量を管理するための命令を含む。
【0019】
UE110の例示的な実施において、コンピュータ実行可能命令120は、説明された方法および/または技術の部分のうちの任意の1つまたは複数を実行するために、1つまたは複数のプロセッサ115によって実行可能である。メモリ118は、記載された方法および/または技術の任意の1つまたは複数の部分を実行するために利用され得る、蓄積エネルギー使用プロファイル125および他のデータ128などのデータを記憶し得る。いくつかの実施において、1つまたは複数のプロセッサ115は、コンピュータ実行可能命令120、122を実行して、ファームウェアおよび/または処理ハードウェア112の他の部分と連携して動作し、記載された方法および/または技術の部分のいずれか1つまたは複数を実行する。
【0020】
例示的な処理ハードウェア112は、様々な通信方式を使用することによって、無線インタフェース130を介して基地局(例えば、基地局102)との間でデータを無線で転送するためにUE110が利用するコンポーネントを含む。本明細書で使用される「通信方式」は、一般に、例えば、送信効率を最適化し、UEにおけるおよび無線インタフェース130の動的状態を考慮してソースまたはオリジナルデータの忠実度を維持することを試みるために、UE110と基地局102との間で転送されるようになっているデータに対して実行される処理を指す。一般に、UEおよび基地局は、それらの間でデータを転送するための通信方式および関連パラメータを決定し、到達する。基地局およびUEによって利用される通信方式には、ベースバンド通信方式および無線インタフェース通信方式が含まれ得る。ベースバンド通信方式は、ソース符号化、ソース復号化、データ圧縮、データ解凍などのベースバンド信号処理(例えば、アナログかデジタルかにかかわらず、オリジナルデータ信号に関連する処理)アクティビティ能および/または機能、および/または他のタイプのベースバンド信号処理を含むことができる。無線インタフェース通信方式は、例えば変調、復調、チャネル符号化、チャネル復号化などの無線インタフェース信号処理(例えば、無線インタフェースの搬送波を介してデータが送信される無線周波数(RF)信号に関連する処理)アクティビティおよび/または機能、および/または無線インタフェースの搬送波を介した無線信号の送受信に対応する他のタイプの無線信号処理を含むことができる。例えば、UE110の1つまたは複数のプロセッサ115(例えば、CPU、DSPなど)は、1つまたは複数のベースバンド信号処理アクティビティまたは機能を実行することができ、UE110の1つまたは複数の無線リソース制御(RRC)コントローラ130、モデム132、および無線機135は、無線インタフェース信号処理アクティビティおよび/または機能を実行することができる。
【0021】
一般に、UE110は、主電源(例えば、電力網インフラストラクチャから供給される交流(AC)電力またはいくつかの他の外部電源によって供給される電力であってもよい)への充電ケーブルまたは同様の適切なコネクタを受ける主電源ポート138を含む。主電源ポート138を介して主電源に接続される間、UE110は、主電源によって供給されるエネルギーを消費して、基地局との間でデータを無線で転送することに関連するアクティビティまたは機能を実行するとともに、他の機能およびアプリケーションを実行する。さらに、ポート138を介して主電源に接続されると、UE110は、オンボード(例えば内部)バッテリまたは他の適切なエネルギー蓄積デバイス140に、UE110が主電源から取得するエネルギーの少なくとも一部を蓄積させることができ(例えば、UE110は、バッテリ140を充電することができる)、それにより、UE110が主電源から切断されるときにUE110が消費するためにバッテリ140から電力またはエネルギーがローカルに利用可能となる。
【0022】
図2は、図1の例示的な無線通信システム100に含まれ得る例示的な基地局200のより詳細なブロック図を示す。例えば、例示的な基地局200は、基地局102として実装され得る。図2に示すように、基地局200は、1つまたは複数のプロセッサ205と、コンピュータ実行可能命令210、212を記憶する1つまたは複数の有形で非一時的なコンピュータ可読メモリ208とを含む例示的な処理ハードウェア202を含む。特に、命令210は、本文書で開示される方法、原理、および技術のうちの1つまたは複数に従ってUE(例えば、UE110および/または他のUE)の蓄積されたエネルギー使用量を管理するための命令を含む。この文書では、図1の通信システム100およびUE110を同時に参照しながら、限定を目的とせずに例示目的で図2について説明する。例えば、基地局200は、システム100以外のシステムにおいて、および/またはUE110以外のUEと連携して利用されてもよい。
【0023】
一実施において、コンピュータ実行可能命令210、212は、記載された方法および/または技術の任意の1つまたは複数の部分を実行するために、1つまたは複数のプロセッサ205によって実行可能である。メモリ208は、記載された方法および/または技術の部分のうちの任意の1つまたは複数を実行するために利用されるデータ215、218を記憶する。特に、メモリ208は、この文書で開示される方法、原理、および技術のうちの1つまたは複数に従ってUEの蓄積エネルギー使用量を管理しつつ基地局が利用することができる、1つまたは複数のUEに対応する1つまたは複数の蓄積エネルギー使用プロファイル215を記憶することができる。いくつかの実施において、1つまたは複数のプロセッサ205は、コンピュータ実行可能命令210を実行して、ファームウェアおよび/または処理ハードウェア202の他の部分と連携して動作し、記載された方法および/または技術の任意の1つまたは複数の部分を実行する。
【0024】
基地局200の例示的な処理ハードウェア202は、UE110および/または他のUEとの間でデータを無線で転送するために基地局200が利用するコンポーネントを含む。前述したように、UE110および基地局は、それらの間でデータを転送するための通信方式および関連パラメータを決定し、到達する。通信方式は、ベースバンド信号処理(例えば、アナログかデジタルかにかかわらず、オリジナルデータ信号に関連する処理)および無線インタフェース信号処理(例えば、無線インタフェースの搬送波を介してデータが送信される無線周波数(RF)信号に関連する処理)を含むことができる。例えば、基地局200の1つまたは複数のプロセッサ205(例えば、CPU、DSP、GSPなど)は、ソース符号化、ソース復号化、データ圧縮、データ解凍などのベースバンド信号処理アクティビティまたは機能、および/またはベースバンド信号に対する他のタイプの処理を実行することができる。さらに、基地局200の1つまたは複数の無線リソース制御(RRC)コントローラ220、モデム222、および無線機225は、例えば、変調、復調、チャネル符号化、チャネル復号化などの無線インタフェース信号処理アクティビティおよび/または機能、および/または無線インタフェースの搬送波を介した無線信号の送受信に対応する他のタイプの無線信号処理を実行することができる。
【0025】
例示的な処理ハードウェア202は、基地局200がそれぞれのコアネットワーク(例えば、CN105)と接続して該コアネットワークとの間でデジタル信号を通信するために使用する1つまたは複数のコアネットワークインタフェース230も含む。いくつかの実施形態において、各特定のCNインタフェース230は、単一の異なるタイプのCNのみと接続し、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のコアネットワークインタフェース230のうちの単一のCNインタフェースが、複数のタイプのCNと接続する。さらに、基地局200は主電源への接続部232を含む。一般的に言えば、基地局200は、主電源に(例えば、主電源コネクタ232を介して)継続的に接続され、または主電源への適切なバックアップに継続的に接続される。
【0026】
図3は、本文書内で開示される技術のうちの1つまたは複数に従ってUEのエネルギー使用量を管理するためのUEにおける例示的な方法300のフロー図を示す。例えば、UEは、図1のUE110であってもよく、方法300の少なくとも一部を実行する他のUEであってもよい。以下の方法300の説明は、説明を明確にするため(限定ではない)図1図2を同時に参照する。さらに、いくつかの実施形態において、方法300の少なくとも一部は、本文書内で説明される1つまたは複数の他の方法の少なくとも一部と併せて実行され得る。さらに、いくつかの実施形態において、方法300は、図3に示されるもの以外の1つまたは複数の代替および/または追加のアクションを含む。
【0027】
ブロック302において、方法300は、基地局との間でデータを無線で転送するために、UEの蓄積エネルギー消費量または使用量好ましい分配、例えば、UEによって実行されるベースバンド信号処理のための蓄積エネルギーの使用と、UEによって実行される無線インタフェース信号処理に利用される蓄積エネルギーの使用との間の好ましい分配を決定することを含む。一般的に言えば、好ましい分配により、UEは、例えば、より多くの、および/またはより高い割合の蓄積エネルギーを与えられた状態(ベースバンドか無線インタフェースかどうか)に対するより効率的なタイプの信号処理に向けて割り当て、蓄積エネルギーの消費率を最小限に抑える、蓄積エネルギーの消費率を経時的に分散させるなどによって、UEにおける状態および/またはUEによって検出される状態を考慮して、そのバッテリ寿命および/または蓄積エネルギー消費量を最適化できる。例えば、UEは、UEと基地局との間のデータの無線転送中の無線インタフェース信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさに対する、ベースバンド信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさを決定することができ、UEは、効率の大きさを利用して、好ましい分配を決定することができる。前述したように、蓄積されたエネルギーの使用効率は、UEがバッテリまたは蓄積エネルギーデバイス140によって供給される電力の単位を消費する間にUEが無線で(例えば、基地局との間で)転送できるデータのバイト数、例えば、ピコジュール当たりのバイト、または他の電力単位当たりのバイトに対応する。したがって、ベースバンド信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさは、UEが電力単位を消費している間にUEが(例えば、基地局への/からの無線データ転送中に)ベースバンド信号処理することができるバイト数の大きさを示し、また、無線インタフェース信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさは、UEが電力単位を消費している間にUEが(例えば、基地局への/からの無線データ転送中に)無線インタフェース信号処理できるバイト数の大きさを示す。したがって、いくつかの実施形態において、UEエネルギー消費量の好ましい分配は、蓄積エネルギーのより大きなパーセンテージがより効率的なタイプの信号処理に分配または割り当てられ、その逆も同様であるように、より高いエネルギー使用効率を有する信号処理のタイプ(例えば、ベースバンドまたは無線インタフェース)をより重く重み付けする(または優先する)ことができる。
【0028】
一般に、UEがより多くの量のローカルタスクを実行し、したがってそのプロセッサリソースおよび他の共有コンピューティングリソースのより多くの、またはより高いクロックされた部分を利用してそうするにつれて、無線データ転送中にベースバンド信号処理を実行するためのUEのエネルギー使用効率は低下する。また、一般に、無線インタフェース上の干渉が減少すると、無線データ転送中に無線インタフェース信号処理を実行するためのUEのエネルギー使用効率が向上する。一般的に言えば、ベースバンド信号処理の複雑さが増大するにつれて(例えば、より複雑なソース符号化アルゴリズム、より高いデータ圧縮率、より速いクロック速度など)、ベースバンド信号処理を実行するためのUEのエネルギー使用効率が低下する。同様に、無線インタフェース信号処理の複雑さが増すにつれて(例えば、より複雑なチャネル符号化アルゴリズム、より複雑な変調方式、より多くのマルチパスまたは歪みに対するノイズ低減など)、無線インタフェース信号処理を実行するためのUEのエネルギー使用効率も低下する。したがって、UEと基地局との間の無線通信/データ転送に影響を与える状態が変化し、変化する状態を受け入れるためにベースバンド信号処理方式および/または無線インタフェース信号処理方式が変化すると、UEにおけるベースバンド信号処理の蓄積エネルギー使用効率および/またはUEにおける無線インタフェース信号処理の蓄積エネルギー使用効率がそれぞれ変化し得る。
【0029】
UEは、転送されるデータの忠実度の目標レベルを維持または達成するため、および/または変化する状態を考慮して目標とする全体的な蓄積エネルギー消費レベルおよび/または割合を維持または達成するために、ベースバンド信号処理と無線インタフェース信号処理との間の蓄積エネルギー使用量の好ましい分配を決定する(302)ことができる(および/または決定するように構成され得る)。したがって、UEは、データ忠実度および/または無線データ転送のための蓄積エネルギー消費量の目標レベルを達成および/または維持するための試みにおいて無線インタフェース信号処理の複雑さが比較的低いときにベースバンド信号処理のより高いレベルの複雑さを好んでもよい(およびその逆もまた同様である)。好ましい分配は、データ忠実度および/または蓄積エネルギーの使用量/消費量の目標レベルの維持、それに向けた取り組み、および/または達成に向かう異なるタイプの信号処理の複雑さのレベル間のバランスの変化を反映することができる。例えば、UEのバッテリに蓄えられた残りのエネルギーが特定のレベルまで減少すると、UEは、(例えば、バッテリ寿命を節約するために)ベースバンド信号処理に費やすエネルギーを少なくすることを好んでもよく、したがって、無線インタフェース信号処理のより高いレベルの複雑さ(例えば、無線インタフェースにわたるより高いデータレート)を好んでもよい。別の例では、チャネル上で高レベルの干渉が検出される場合、UEは、より複雑なレベルの無線インタフェース信号処理をサポートするために、より多くの蓄積エネルギーを分配または割り当てることを好んでもよく、ベースバンド信号処理をサポートするために、より少ない蓄積エネルギーを分配または割り当てることを好んでもよい。さらに別の例では、1つまたは複数のデータストリームがsub-6GHzの周波数帯域および6GHzを超える周波数帯域を介して基地局とUEとの間で転送される場合(例えば、sub-6GHzの周波数帯域および6GHzを超える周波数帯域の両方にわたる同じデータストリームの重複送信に起因して、2つの異なるデータストリームがそれぞれsub-6GHzの周波数帯域にわたっておよび6GHzを超える周波数帯域にわたって送信されるデュアル接続に起因して、単一のデータストリームがsub-6GHzの周波数帯域にわたって送信されることから6GHzを超える周波数帯域にわたって送信されることへのまたはその逆への送信の切り替えに起因して)、sub-6GHzの周波数帯域にわたる送信では、UEによる同等の全体的な蓄積エネルギー消費を達成するために、6GHz(例えば、ミリ波、THzなど、帯域幅が広い場合、および/または信号対雑音比(SNR)が6GHz未満帯域と比較して高い場合)を超える周波数帯域において利用されるデータ圧縮のレベルと比較してより高いレベルのデータ圧縮がベースバンド信号処理中に必要になる場合がある。
【0030】
いくつかの実施形態において、UEにおける蓄積エネルギー消費量または使用量の好ましい分配を決定すること(302)は、UEにおける状態および/またはUEによって観測される状態に基づき、蓄積エネルギーのそれぞれの最大量または消費率、および/またはベースバンド信号処理または無線インタフェース信号処理のいずれかにおける蓄積エネルギーのそれぞれの最小量または消費率を決定すること、および、他のタイプの信号処理に向けて蓄積エネルギーの残量または消費率を分配または割り当てることを含む。例えば、UEが主電源に接続されてベースバンド信号処理のための任意の蓄積エネルギーを消費しない場合、UEは、たとえベースバンド信号処理に向けて割り当てられまたは分配された蓄積エネルギーが比較的低いかゼロであっても、また、蓄積エネルギーの残りが複雑さの様々なレベルの無線インタフェース信号処理のサポートに向けて割り当てられまたは分配され得る場合であっても、より高いレベルの複雑さのベースバンド信号処理を好むおよび/または利用する可能性がある。UEと基地局との間のチャネル状態が高品質(例えば、高いSNR、広い帯域幅、アナログビームフォーミングの使用など)である他の例において、UEは、比較的単純な無線インタフェース通信方式をサポートするためのエネルギー量のみを割り当てるまたは分配することを好んでもよく、また、様々なレベルの複雑さのベースバンド通信方式に向けて蓄積エネルギーの任意の残量および/または消費率を割り当てまたは分配してもよい。
【0031】
例示するために、図4は、UEにおいてローカルに、例えばバッテリ140または他のローカルエネルギー蓄積デバイスに蓄積されるエネルギーのUEの使用量に対応するUEの例示的な使用プロファイル400のブロック図を示す。エネルギー使用プロファイル400は、(例えば、外部電源またはエネルギー源によってUEに供給される主電源またはエネルギーとは対照的に)UEにローカルに蓄えられるエネルギーの使用量に対応するため、本文書は、置き換え可能に、UEのエネルギープロファイル400を、UEの「蓄積エネルギー使用プロファイル400」と称する。UEは、図1のUE110であってもよく、または別のUEであってもよい。蓄積エネルギー使用プロファイル400は、図1のシステム100でおよび/または図2の基地局200によって利用され得る。例えば、UEエネルギー使用プロファイル400の少なくとも一部は、UE110のエネルギー使用プロファイル125に含まれてもよく、および/またはUEエネルギー使用プロファイル400の少なくとも一部は、図1の基地局200に格納されるまたは図1の基地局200にアクセス可能なUEのエネルギー使用プロファイル215に含まれてもよい。さらに、実施形態において、UEエネルギー使用プロファイル400は、図3の方法300によっておよび/または図5の方法500によって利用され得る。説明を明確にするために、限定目的ではなく、この文書では、図1および図2を同時に参照しながら、エネルギー使用プロファイル400について説明する。
【0032】
例示的なエネルギー使用プロファイル400は、ベースバンド信号処理のエネルギー使用効率の異なるレベルにわたって比較的一定または安定したレベルでデータの無線アップリンク信号処理のために(例えば、無線インタフェース信号処理と組み合わせたベースバンド信号処理のために)UEに蓄積されるエネルギー消費の合計、全体、または集約された量または割合を維持することにプロファイル400が対応する、アップリンク無線データ転送(例えば、UEから基地局へのデータの送信)に対応する。図4において、図4の矢印402の方向は、UEでベースバンド信号処理を実行するためのエネルギー使用効率の低下を示し、これは、例えば、UEで共有プロセッサリソース、共有メモリリソース、および/または他の共有コンピューティングリソースを利用するUEでのより多くのタスク実行に対応し得る、および/またはUEでの他の計算集約的な状態に対応し得る。したがって、矢印402の方向で、UEにおけるベースバンド信号処理のための蓄積エネルギー使用効率の大きさ(例えば、バイト/pJまたは他の適切な単位で測定される)は低下する。すなわち、矢印402の方向において、UEは、UEから基地局に無線で転送されるようになっているデータセット405のベースバンド信号処理を実行するために、より多くの量のエネルギーを必要とする。したがって、UEにおける計算上の必要性および/または状態の変化を考慮して、無線データ転送のためにUEにおける比較的安定した量または割合の総蓄積エネルギー消費量を維持する(または維持しようと試みる)ために、プロファイル400は、ベースバンド信号処理のためのエネルギー使用効率が(例えば、矢印402の方向で)低下するにつれて対応するベースバンド信号処理の複雑さが低下すると定める。
【0033】
例えば、UEから基地局に送信されるようになっているデータ、例えば、データセット405に適用される、ベースバンド信号処理の目標または最適レベルB(例えば、ソース符号化、データ圧縮、および/または他のタイプのベースバンド信号処理技術の複雑さの目標レベルB)でUEが構成されると仮定する。Bは、例えば、事前定義されまたは設定されてもよく、また、利用される場合にUEで設定された利用可能なベースバンド信号処理ルーチンとアルゴリズムを考慮して最も効率的な方法で且つ想定し得る最大の忠実さでデータを基地局に送信できるようにする、ソース符号化、データ圧縮などのそれぞれの複雑さのレベルに対応してもよい。したがって、この例において、プロファイル400は、ベースバンド信号処理のエネルギー使用効率がより大きい場合には、(例えば、データセット405の)ベースバンド信号処理をBの50%の複雑さレベルになるように定義し(ブロック408a)、ベースバンド信号処理のエネルギー使用効率が低下する場合には、Bの20%の複雑さレベルになるように定義し(ブロック408b)、ベースバンド信号処理のエネルギー使用効率がさらに一層低下する場合には、10%の割合になるように定義する。ベースバンド信号処理408a,408b,408cの各複雑さレベルは、ベースバンド信号処理が実行されるべきそれぞれの所与のまたは所定の複雑さレベルであってもよく、あるいは、ベースバンド信号処理408a,408b,408cの各複雑さレベルは、例えばベースバンド信号処理が超えないようになっているそれぞれの複雑さの最大レベルであってもよい。
【0034】
別の例では、ベースバンド信号処理および無線インタフェース信号処理の両方におけるUEでの蓄積エネルギー消費の全体的な総量または割合の目標がTである場合、エネルギー使用プロファイル400は、ベースバンド信号処理のエネルギー使用効率がより高い場合にはベースバンド信号処理がTの50%以下を消費するようになっており(408a)、ベースバンド信号処理のエネルギー使用効率が低下する場合にはベースバンド信号処理がTの最大20%を消費するようになっており(408b)、ベースバンド信号処理のエネルギー使用効率がより一層低下される場合にはベースバンド信号処理がTの10%以下を消費するようになっている(408c)ことを示し得る。勿論、異なるレベルのベースバンド信号処理複雑さ408a,408b,408c間を区別する他の方法および/または態様が、任意のレベルを含むエネルギープロファイル400によって利用されてもよい。
【0035】
したがって、ベースバンド信号処理におけるエネルギー使用効率が(例えば、矢印402の方向で)低下するにつれて、例示的なプロファイル400は、例えば参照番号408a,408b,408cで示されるように、UEがデータ405のベースバンド信号処理に向けて消費する蓄積エネルギーが少なくなることを示す。したがって、ベースバンド信号処理408a,408b,408cの複雑さのレベルごとに、UEにおける蓄積エネルギーの消費量および/または消費率の対応する残りの部分が、図4に示すように、無線インタフェース信号処理410a,410b,410cのそれぞれの複雑さレベル(例えば、チャネル符号化、変調など)をサポートするために分配され得る。いくつかの実施形態において、無線インタフェース信号処理410a,410b,410cの各それぞれの複雑さレベルは、所与のまたは所定の複雑さレベルであってもよく、あるいは、無線信号処理が超えないようになっている複雑さのそれぞれの最大レベルであってもよい。
【0036】
したがって、図3に戻ると、いくつかの実施形態において、方法300は、任意選択的に、UEが、1つまたは複数の現在の状態(例えば、UEで現在発生している状態、またはUEによって現在検出される状態)を決定または検出すること(305)と、決定された現在のまたは存在する状態に基づいてベースバンドと信号処理との間の蓄積エネルギー使用量の好ましい分配を決定すること(302)とを含む。例えば、UEは、バッテリまたはエネルギー蓄積装置に残っている蓄積エネルギーの現在のまたは存在するレベル、あるいはバッテリまたはエネルギー蓄積デバイスの現在の/存在する予測寿命が閾値レベルまで減少したと決定することができる。UEは、UEの1つまたは複数のコンポーネント(またはUE全体)が過熱している、例えば、1つまたは複数のUEコンポーネントによって生成される熱量が閾値より大きいと決定することができる。これに加えてまたは代えて、UEは、UEと基地局との間の無線データ転送のエネルギー効率(例えば、バイト/pJ)に影響を与える、UEの1つまたは複数の物理コンポーネントの何らかの他の状態の存在または発生を検出することができる。
【0037】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の現在のまたは存在する状態を決定または検出すること(305)は、ベースバンド信号処理のためのUEのエネルギー使用効率に影響を与え得る、UEで発生する1つまたは複数の状態を検出または決定することを含むことができる。例えば、UEは、バッテリまたはエネルギー蓄積デバイスに残っている蓄積エネルギーの現在のレベルが所定の閾値レベル未満に低下したと決定することができ、および/または、UEは、UEが主電源に接続されたまたは主電源から切断されたと決定することができる。UEは、例えばUEの電力レール(例えば、CPU、DSP、GSPなどのための電力レール)を監視することによって、UEの1つまたは複数の共有計算リソース(例えば、プロセッサ、メモリなど)の現在のまたは存在する負荷または他のリソース使用状態が所定の閾値を超えて増大したと決定することができる。これに加えてまたは代えて、UEは、例えば、現在実行中のタスクの数、タイプ、および/または識別情報などを監視することによって、より大きな割合の共有リソースを利用する特定のタスクまたはタスクの特定の組み合わせがUEにおいて現在実行中であると決定することができる。勿論、UEは、UEの蓄積エネルギー使用効率に影響を与え得る他の追加または代替の状態を検出および/または決定することができる。検出されたまたは決定された状態に基づいて、UEは、ベースバンド信号処理アクティビティ408a,408b,408cの対応するレベルを決定することができ(例えば、その記憶されたエネルギープロファイル400にアクセスすることによって、またはリアルタイムでまたはオンザフライで計算または決定することによって)、それにより、実施形態では、UEの蓄積されたエネルギー消費量の好ましい分配を決定する。
【0038】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の現在のまたは存在する状態を決定または検出すること(305)は、無線インタフェース信号処理のためのUEのエネルギー使用効率に影響を与え得る、および/またはUEと基地局との間の無線インタフェースを介した無線信号送信に影響を与え得る1つまたは複数の状態を検出または決定することを含む。例えば、UEは、例えば無線インタフェースに対応するモデムおよび/またはトランシーバの電力レールを監視することによって、無線インタフェースを介した送信に関連する現在のまたは存在する負荷が所定の閾値を超えて増大したと決定定することができる。UEは、周波数帯域、帯域幅、ビームフォーミングの存在、SNR、アップリンクスループット、基地局によって送信される基準信号の特性(例えば、復調基準信号、チャネル状態情報基準信号、サウンディング基準信号など)、チャネルの特性および/または状態、変調符号化方式、干渉量、無線アクセス技術(RAT)などの、現在のまたは現在発生している無線インタフェース特性を検出することができる。勿論、UEは、無線インタフェース信号処理のためのUEの蓄積エネルギー使用効率に影響を与え得る他の追加または代替の状態を検出することができる。検出または決定された状態に基づいて、UEは、ベースバンド信号処理アクティビティ08a,408b,408cの対応するレベル4を決定することができ(例えば、その記憶されたエネルギープロファイル400にアクセスすることによって、またはリアルタイムまたはオンザフライで計算または決定することによって)、それにより、UEの蓄積エネルギー消費量の好ましい分配を決定する。例えば、無線インタフェースに対応する検出または決定された現在の状態は、無線信号送信の十分な忠実度を維持するために、無線インタフェース信号処理410a,410b,410cの複雑さの特定のレベルに影響を与えまたは決定することができ、また、UEは、蓄積エネルギープロファイル400を利用して、無線インタフェース信号処理410a,410b,410cの特定のレベルにおけるベースバンド信号処理408a,408b,408cの複雑さの対応するレベルを決定する。
【0039】
勿論、プロファイル400は、信号処理複雑さのレベル408,410以外の情報、または信号処理複雑さのレベルに加えられた情報を使用することによって、ベースバンド信号処理と無線インタフェース信号処理との間の蓄積エネルギー使用量の分配を示し得る。例えば、いくつかの実施形態では、UEにおける1つまたは複数の現在の(例えば、現在発生している)計算状態の異なるタイプおよび/または組み合わせに関して、プロファイル400は、無線インタフェース信号処理の複雑さのそれぞれのレベルを示し得る。これに加えてまたは代えて、プロファイル400は、UEによって観測される1つまたは複数の現在の(例えば、現在発生している)無線インタフェース状態の異なるタイプおよび/または組み合わせに関して、ベースバンド信号処理の複雑さのそれぞれのレベルを示し得る。いくつかの実施において、プロファイル400は、異なる実行タスクまたは実行タスクの異なる組み合わせにおけるベースバンド信号処理の複雑さのそれぞれのレベルを示してもよく、および/または、プロファイル400は、異なる無線インタフェース特性または無線インタフェース特性の異なる組み合わせにおける無線インタフェース信号処理の複雑さのそれぞれのレベルを示してもよい。いくつかの実施において、プロファイル400は、UEによってサポートされる通信方式ごとに、ベースバンド信号処理の複雑さのそれぞれのレベルおよび/または無線インタフェース信号処理の複雑さのそれぞれのレベルを示してもよい。いくつかの形態において、プロファイル400は、UEに示される異なる物理的状態(例えば、バッテリ残量または寿命、1つまたは複数のコンポーネントの過熱など)に関してベースバンド信号処理の複雑さのそれぞれのレベルおよび/または無線インタフェース信号処理の複雑さのそれぞれのレベルを示してもよい。プロファイル400は、これに代えてまたは加えて、必要に応じて、1つまたは複数の他のタイプの適切な通知を利用することができる。一般的に言えば、プロファイル400は、UEにおける、UEによって検出される、および/またはUEによって観測される1つまたは複数の状態の異なるセットに関して、ベースバンド信号処理の複雑さのそれぞれのレベル、および/または無線インタフェース信号処理の複雑さのそれぞれのレベルを示し得る。
【0040】
さらに、UEは、必要に応じて、アップリンク無線データ転送のための総エネルギー消費量の異なる目標レベルに関して、異なる蓄積エネルギー使用プロファイル400を利用することができる。例えば、UEは、異なるレベルまたは量の残存蓄積エネルギーに関して、または異なるバッテリ寿命に関して、異なる使用モードに関して、異なるタイプのデータコンテンツなどに関して、異なる蓄積エネルギー使用プロファイル400を利用することができる。
【0041】
さらに、UEは、ダウンリンク無線データ転送(例えば、基地局からUEへのデータの送信)に関して、異なる蓄積エネルギー使用プロファイル400を利用して、ベースバンド信号処理のエネルギー使用効率の異なるレベルにわたって比較的一定または安定したレベルで、データの無線ダウンリンク信号処理のために(例えば、無線インタフェース信号処理と組み合わせたベースバンド信号処理のために)UEに蓄積されるエネルギーの消費の合計、全体、または集約された量または割合を維持することができる。アップリンク無線データ転送における蓄積エネルギー使用プロファイルと同様に、異なるプロファイルは、無線ダウンリンクデータ転送におけるUEによる全体の蓄積エネルギー消費量の異なる目標レベルに対応し得る。
【0042】
方法300のいくつかの実施形態において、UEは、蓄積エネルギープロファイル400に何らアクセスすることなく、蓄積エネルギー消費量の好ましい分配を決定する(302)ことができる。例えば、(UEまたは無線インタフェースにおいて)1つまたは複数の現在発生している状態を決定または検出する(305)際、UEは、例えば、検出または決定された1つまたは複数の状態に基づき、ベースバンド信号処理と無線インタフェース信号処理との間のUEの蓄積エネルギー消費量または使用量の分配を例えばリアルタイムまたはオンザフライで決定する(302)または計算することができる。
【0043】
実際に、いくつかの実施形態において、(例えば、UEで発生しているおよび/またはUEによって観測される無線インタフェースの)1つまたは複数の状態を検出または決定する(305)ことは、(例えば、蓄積エネルギー使用プロファイル400を使用することによってまたは使用しないことによって)蓄積エネルギー使用量の好ましい分配の決定(302)をトリガすることができる。例えば、UEは、UEのバッテリまたはエネルギー蓄積デバイスに蓄積されたエネルギーの残量が異なるより低い所定のレベルに低下するたびにエネルギー使用量の更新された好ましい分配を決定する(302)ようにトリガされてもよい(所定の各低レベルは、より積極的な蓄積エネルギー節約に対応し得る)。UEは、特定のタイプのタスクがUEで実行されているときに、CPUおよび/またはDSPの負荷が特定の閾値を超えるときに、モデムによって消費される電力が所定の閾値を超えるときに、UEが所定の閾値または無線インタフェースの他の状態を超えるSNRを検出するときに、基地局が通信方式および/または関連する通信パラメータ(例えば、ベースバンド信号処理および/または無線インタフェースに関して)の変更を示すときなどに、エネルギー使用量の好ましい分配を決定する(302)ようにトリガされてよい。
【0044】
ブロック308において、方法300は、UEエネルギー消費量の好ましい分配の通知を基地局および/またはネットワークに送信することを含む。例えば、UEは、ベースバンド信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさの通知、無線インタフェース信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさの通知、信号処理のタイプ間の好ましい分配のパーセンテージ、比率、またはその他の適切な通知、ベースバンド信号処理中にUEが消費することを好むまたは要求する最大電力量の通知(例えば、転送されたデータのバイト当たり)、無線インタフェース信号処理中にUEが消費することを好むまたは要求する最大電力量の通知(例えば、転送されたデータのバイト当たり)、1つまたは複数のベースバンド信号処理技術における好ましいまたは要求される複雑さレベル、1つまたは複数の無線インタフェース信号処理技術における好ましいまたは要求される複雑さレベル、および/または、ベースバンド信号処理における消費される電力と無線インタフェース信号処理における消費される電力との間のUEの好ましい分配の別の適切な通知のうちの少なくとも1つを送信することができる。UEは、RRC(無線リソース制御)メッセージ、MAC(媒体アクセス制御)制御要素などの任意の適切なメッセージまたはフィールドを介して、好ましい分配の通知を基地局に送信する(308)ことができる。いくつかの実施形態において、UEは、基地局がUEのエネルギー使用プロファイル400のローカルコピーを記憶できるように、その記憶されたエネルギー使用プロファイル400を基地局に送信する(308)ことができる。
【0045】
一般的に言えば、基地局またはネットワークは、スペクトル効率を最適化するように構成され、この目的のために、一般に、ネットワークにわたってより良いスペクトル効率を達成するために、より高いレベルの複雑さのベースバンド信号処理を利用するようにUEに指示することができる。例えば、ブロック310において、UEは、基地局から、UEがデータを基地局との間で送受信する間に使用するようになっている無線インタフェースおよび/またはベースバンド通信方式および/または対応する通信パラメータの通知を受信することができる(例えば、接続手順中または他の時点で)。しかしながら、前述したように、基地局またはネットワークによって示される通信方式および通信パラメータに対応するベースバンド信号処理の複雑さのレベルは、UEのバッテリ寿命に悪影響を与える可能性がある。したがって、UEに蓄積される残りのエネルギーの管理を最適化するために、基地局から通信方式および/または通信パラメータを受信する(310)ことに応じて、UEは、ベースバンド信号処理と無線インタフェース信号処理との間のUEの蓄積エネルギー使用量のより最適な好ましい分配を決定する(302)ことができ(例えば、1つまたは複数の蓄積エネルギープロファイル400を利用することによって、および/または現在のまたは存在する状態に基づいて1つまたは複数の好ましい分配をオンザフライで計算または決定することによって)、また、UEは、好ましい分配の通知を基地局またはネットワークに送信する(308)。基地局またはネットワークは、UEの好ましい分配の通知を受信すると、UEの優先傾向を(少なくとも部分的に)受け入れるようにその初期分配を調整することができ、それにより、UEがその蓄積エネルギー使用量をより適切に管理および節約できるようにする。
【0046】
図5は、本文書内で開示される技術のうちの1つまたは複数に従ってUEにおけるエネルギー使用量を管理するためのネットワーク要素における例示的な方法500のフロー図を示す。例えば、UEは、図1のUE110であってもよく、または別のUEであってもよい。実施形態では、基地局(基地局102,200など)は、方法500の少なくとも一部を実行することができる。これに加えてまたは代えて、実施形態では、コアネットワーク(コアネットワーク105など)が方法500の少なくとも一部を実行することができる。以下の方法500の説明では、説明を明確にするため(限定ではなく)、図1図4を同時に参照する。さらに、いくつかの実施形態において、方法500の少なくとも一部は、方法300など、本書内で説明される1つまたは複数の他の方法の少なくとも一部と共に、および/または蓄積エネルギープロファイル400などの1つまたは複数の蓄積エネルギープロファイルと共に実行され得る。さらにまた、いくつかの実施形態において、方法500は、図5に示されるもの以外の1つまたは複数の代替のおよび/または追加のアクションを含む。
【0047】
ブロック502において、方法500は、基地局の処理ハードウェアが、UEと基地局間のデータの無線転送中にUEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEのエネルギー消費量の好ましいまたは要求された分配の通知を取得することを含む。基地局は、例えば、最初にUEと基地局との間の接続を確立する間にUEによって送られる送信を介して、および/または図3のブロック308に対応するUEによって送られる送信を介して、UEからUEの好ましい分配の通知を取得してもよい。これに加えてまたは代えて、基地局は、基地局のメモリに記憶されたUEのエネルギープロファイル、例えば、基地局200のメモリ208に記憶された蓄積エネルギー使用プロファイル215のうちの1つにアクセスすることによって、UEの好ましい分配の通知を取得することができる。実際に、いくつかの実施形態において、基地局は、異なる個別のUE、異なるUEのモデル、または異なるUEの製造業者に対応する複数のエネルギー使用プロファイル215を記憶することができる。
【0048】
例えば、基地局は、UEの蓄積エネルギープロファイル215のコピーを(例えば、ネットワークから無線インタフェースを介して最初にUEと接続する際、設定時などに)事前に取得していてもよく、受信されたプロファイル215をそのメモリ208に記憶していてもよい。したがって、UEによって示されたUEの識別通知(例えば、UEのデバイスモデルおよび/またはUEによって基地局に送信されるUECapabilityInformationまたは他の適切なメッセージに含まれ得る他の識別情報)に基づいて、基地局は、UEに対応する特定の蓄積エネルギー使用プロファイル215にアクセスするまたは蓄積エネルギー使用プロファイル215を検索することができる。状況によっては、UEは、UEで現在発生している、またはUEによって観測されている状態のそれぞれの通知(例えば、UEのバッテリまたはエネルギー蓄積デバイスに残っているエネルギー量、UEの1つまたは複数のコンポーネントによって生成される熱量、および/またはUEによって基地局に送信されるUECapabilityInformationまたは他の適切なメッセージに含まれ得るUEの1つまたは複数のコンポーネントの他のタイプの物理的状態)を基地局にさらに供給する。UEの識別通知、およびUEから受信した現在のまたは存在する状態の任意の通知に基づいて、基地局は、UEに対応する蓄積エネルギー使用プロファイルを利用して、UEの好ましい蓄積エネルギー使用量分配を決定することができる。
【0049】
ブロック505において、方法500は、処理ハードウェアが、UEエネルギー消費量の好ましい分配の通知と、UEおよび基地局によって利用される通信方式とに基づいて、UEと基地局との間のデータの無線転送中に利用するための1つまたは複数の通信パラメータを決定することを含む。例えば、ブロック505において、方法500は、ソース符号化/復号化、データ圧縮の量またはレベルなどに対応するものなど、ベースバンド通信方式に関連する1つまたは複数の通信パラメータおよび/または通信パラメータ値を決定することができる。これに加えてまたは代えて、ブロック505において、方法500は、変調、チャネル符号化などに対応するものなど、無線インタフェース通信方式と関連付けられる1つまたは複数の通信パラメータおよび/または通信パラメータ値を決定することができる。いくつかの実施形態では、ブロック505において、方法500は、UEの蓄積エネルギー利用の好ましい分配に基づいて、UEと基地局との間のデータ転送のために異なるベースバンドおよび/または無線インタフェース通信方式が全て利用されるべきであると決定することができる。
【0050】
したがって、ブロック505において、方法500は、基地局が、UEによって示された好ましい分配に基づいて、および基地局によって検出および/または決定された他の条件に基づいて、ベースバンド信号処理および/または無線インタフェース信号処理のそれぞれの所定のレベルを決定することを含むことができ、また、基地局は、ベースバンド信号処理および/または無線インタフェース信号処理の所定のレベルに基づいて、1つまたは複数の通信パラメータおよび/または通信パラメータ値を決定することができる。状況によっては、所定の複雑さのレベルは、UEによって示された好ましい分配と一致する、または好ましい分配に従ってもよい。状況によっては、複雑さの所定のレベルは、UEによって示される好ましい分配とは異なってもよく、そのため、複雑さのレベルが変更されてもよい。
【0051】
決定する(505)ことに基づき、ブロック508において、基地局およびUEが以前に確立したものから通信パラメータに変更がない場合、方法500は、決定された通信パラメータおよび/または通信パラメータ値を利用することによってUEに送信を送る(510)こと、および/または、例えばデータのベースバンド信号処理におけるおよび/または無線インタフェース信号処理における所定の複雑さのレベルに従って、決定された通信パラメータおよび/または通信パラメータ値を利用することによってUEから送信を受けことを含んでもよい。一方、ブロック508において、1つまたは複数の通信パラメータが、基地局およびUEが以前に確立した通信パラメータに関して変更された場合、基地局は、UEおよび基地局の両方がそれらの間でデータを転送のために一貫したベースバンド信号処理および一貫した無線インタフェース信号処理を利用するようにデータを送受信する(510)前に決定された通信パラメータおよび/または通信パラメータ値の通知をUEに送信する(512)ことができる。したがって、基地局とUEとの間の無線データ転送中に、UEは、UEの好ましい分配に対応するベースバンド信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさ以上の効率で、ベースバンド信号処理のためにエネルギーを消費することができ、および/または、UEは、UEの好ましい分配に対応する無線インタフェース信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさ以上の効率で、無線インタフェース信号処理のためにエネルギーを消費することができる。
【0052】
重要なことに、ベースバンド信号処理と無線インタフェース信号処理との間のUEの蓄積エネルギー使用量の好ましい分配は、基地局またはネットワークがUEの優先傾向を厳密に遵守するべく通信方式、パラメータ、および/またはパラメータ値を変更しなければならないことを必ずしも決定付けるわけではない。すなわち、基地局は、状況によっては、UEの好ましい分配に従って(例えば、完全に従って)通信パラメータおよび/または値を決定することができる。他の状況では、基地局およびネットワークが基地局および/またはネットワークの全体にわたる無線インタフェースリソース使用量(実際に、スペクトル、ネットワーク負荷などの他のリソース使用量)についてより広い視野を持っているため、基地局は、部分的にUEの好ましい分配に従って通信パラメータおよび/または値を決定することができ、したがって、ネットワーク全体の性能および/またはスペクトル効率を目標閾値レベルに維持するための通信方式および/またはパラメータを決定または選択することができる。しかしながら、例えば、現在知られているシステムのように、基地局/ネットワークがUEの優先傾向を全く考慮しないのではなく、基地局/ネットワークがUEの優先傾向にある程度適応することによっても、UEにおける蓄積エネルギーの管理が改善され、それにより、UEのバッテリ寿命が長くなる。実際に、現在の基地局および/またはネットワークの状態を考慮して、UEの好ましい分配に厳密に従うことが適切であると基地局が決定し、基地局がそのようにUEに指示する場合、基地局とUEとの間の無線データ転送508は、UEでの蓄積エネルギー使用量を最適化する。
【0053】
例示的なシナリオを使用して説明するために、図1図5を同時に参照しながら、UEおよび基地局(例えば、UE110および基地局102)は、特定のRATを介して接続手順を開始する。接続手順の一部として、UEおよび基地局は、UEと基地局の間でデータを転送するために両者によって利用されるようになっている変調符号化方式(MCS)に到達する。アップリンク送信およびダウンリンク送信に対して異なるMCSが想定し得る。UE(例えば、ブロック302による)および/または基地局(例えば、ブロック502による)は、(状況によっては、305で検出された1つまたは複数の状態に基づいて、またはUEによって)UEの蓄積エネルギー消費量の好ましい分配を決定することができる。UEの好ましい分配に基づいて(および、場合によっては、基地局および/またはネットワークの状態および/またはリソース使用量に基づいて)、基地局は、UEと基地局との間のデータの転送中に利用するための1つまたは複数の通信パラメータおよび/または通信パラメータ値を決定する(505)とともに、決定されたパラメータおよび/または値をUEに示す(508)。例えば、基地局は、接続のための無線インタフェースおよびベースバンド通信方式の両方を維持し、そのそれぞれのパラメータ値を調整するだけでよい。別の例では、基地局は、無線インタフェース通信方式を維持し、関連する無線インタフェース通信方式パラメータの一部の値を調整することができ、また、ベースバンド通信方式の一部を変更することもできる。別の例では、基地局は、ベースバンド通信方式を何ら変更することなく、無線インタフェース通信方式を変更することができる。
【0054】
例示的なシナリオを続けると、UEおよび基地局がそれらの接続を確立してその接続を介してデータを転送した後のある時点で、UEは、蓄積エネルギー使用量の好ましい分配に影響を与える状態の発生を検出する(305)ことができ、あるいは、UEは、基地局から、1つまたは複数の変更された無線インタフェースおよび/またはベースバンド通信パラメータの通知を受信する(310)ことができる。したがって、UEは、蓄積されたUEエネルギー消費量の更新された好ましい分配を決定し(302)、更新の通知を基地局に送信する(308)ことができる。基地局では、基地局がUEの更新された好ましい分配を受信する(502)と、基地局は、UEの好ましい分配および現在の(例えば、現在発生している)基地局および/またはネットワークの状態を考慮して任意の通信パラメータおよび/または通信値を更新する必要があるか否かを評価することができる。少なくともいくつかの通信パラメータおよび/またはパラメータ値への更新が必要であると基地局が決定する(ブロック505、ブロック508のYESの区間)場合、基地局は、更新をUEに通信し(512)、更新された通信パラメータおよび/または値を使用して、送信をUEに送信し続け(510)、および/またはUEから送信を受信する(510)。
【0055】
例示的なシナリオをさらに続けると、UEと基地局との間の接続の存続期間中のある時点で、基地局は、例えば、基地局無線インタフェース機器の性能および/または状態に基づいて、無線インタフェースリソース使用量に基づいて、ネットワークからの情報などに基づいて、1つまたは複数の無線インタフェース通信方式、パラメータ、および/またはパラメータ値の変化を決定する(515,505)ことができる。変更された通信パラメータに基づいて(例えば、ブロック508のYES区間)、基地局は、そのような変更をUEに示し(512)、それにより、UEは、更新を受信し(310)、それに応じて更新された好ましい分配の通知で応答する(302,308)ことができる。これに加えてまたは代えて、基地局が1つまたは複数の無線インタフェース通信方式、パラメータ、および/またはパラメータ値の変化を決定する(515)と、基地局は、UEの好ましい分配(例えば、基地局のメモリ208に記憶されたUEのエネルギープロファイル215を介した)および現在の基地局および/またはネットワークの状態を考慮して、任意のベースバンド通信パラメータおよび/または通信値を更新する必要があるか否かを評価することができる。少なくともいくつかのベースバンド通信パラメータおよび/またはパラメータ値を更新すべきであると基地局が決定する場合(505)、基地局は、更新をUEに通信する(512)とともに、変更された無線インタフェース通信方式、パラメータ、および/またはパラメータ値を使用して、および更新されたベースバンド通信パラメータおよび/または値を使用して、UEに送信を送り続け、および/またはUEから送信を受信し続ける(510)。
【0056】
したがって、上で実証したように、本文書内で開示される方法および技術は、無線データ転送中のUEの蓄積エネルギー使用量を管理するための既知の技術に優る大きな利点を与える。現在開示されている方法および技術では、基地局がベースバンド信号処理に向けて蓄積エネルギーリソースを消費するため、および/または無線インタフェース信号処理に向けて蓄積エネルギーリソースを消費するためのUEの優先傾向または要求を考慮するため、システムは、UEの蓄積エネルギー使用量を管理することができ、これにより、UEのバッテリ寿命が長くなり、場合によっては、UEの蓄積エネルギー使用量が最適化される。さらに、UE蓄積エネルギー使用量の管理は、UEで発生する、および/またはUEによって検出される異なる状態に適応可能または応答することができる。さらにまた、システムは、UEにおける状態および/または無線インタフェースの状態が変化しても、蓄積エネルギーのUEの使用量を比較的一定または安定したレベルに維持しようとし得る。
【0057】
以下のさらなる考慮事項が、前述の議論に適用される。
本開示の技術が実装され得るユーザデバイスまたはユーザ機器(UE)(例えば、UE110)は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、モバイルゲームコンソール、販売時点情報管理(POS)端末、健康監視デバイス、ドローン、カメラ、メディアストリーミングドングルまたはその他のパーソナルメディアデバイス、スマートウォッチなどのウェアラブルデバイス、ワイヤレスホットスポット、フェムトセル、またはブロードバンドルーターなどの無線通信が可能な任意の適切なデバイスであり得る。さらに、場合によっては、ユーザデバイスは、車両のヘッドユニットまたは先進運転支援システム(ADAS)などの電子システムに組み込まれてもよい。さらにまた、ユーザデバイスは、モノのインターネット(IoT)デバイスまたはモバイルインターネットデバイス(MID)として動作することができる。タイプに応じて、ユーザデバイスには1つまたは複数の汎用プロセッサ、コンピュータ読み取り可能なメモリ、ユーザインタフェース、1つまたは複数のネットワークインタフェース、1つまたは複数のセンサなどが含まれ得る。
【0058】
本開示では、特定の実施形態が、ロジックまたは多数のコンポーネントまたはモジュールを含むものとして説明される。モジュールは、ソフトウェアモジュール(例えば、非一時的機械可読媒体に記憶されたコード)またはハードウェアモジュールであり得る。ハードウェアモジュールは、特定の操作を実行できる有形のユニットであり、特定の態様で構成または配置され得る。ハードウェアモジュールは、特定の動作を実行するために(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または特定用途向け集積回路(ASIC)などの専用プロセッサとして)永続的に構成される専用の回路またはロジックを含むことができる。ハードウェアモジュールは、特定の動作を実行するためにソフトウェアによって一時的に構成されるプログラマブルロジックまたは回路(例えば、汎用プロセッサまたは他のプログラマブルプロセッサ内に含まれるような)を含むこともできる。ハードウェアモジュールを専用の永続的に構成された回路に実装するか、一時的に構成された回路(例えばソフトウェアによって構成)に実装するかの決定は、コストと時間を考慮して決定される場合がある。
【0059】
ソフトウェアで実装される場合、この技術は、オペレーティングシステム、複数のアプリケーションによって使用されるライブラリ、特定のソフトウェアアプリケーションなどの一部として提供され得る。ソフトウェアは、1つまたは複数の汎用プロセッサ、または1つまたは複数の専用プロセッサによって実行され得る。
【0060】
本開示を読むと、当業者は、本開示で開示される原理を通じて、無線リソース制御非アクティブ状態にあるユーザ機器の取り扱いを強化するためのさらに追加の代替の構造的および機能的設計を理解し得る。したがって、この文書は特定の実施形態および用途を図示および説明するが、開示される実施形態は、開示される正確な構造および構成要素に限定されない。当業者には明らかな様々な修正、変更、および変形が、添付の特許請求の範囲で定義される思想および範囲から逸脱することなく、開示された配置、動作および方法および装置の詳細において行われ得る。
【0061】
以下の例のリストは、本開示によって明示的に企図される様々な実施形態を反映する。
例1.無線通信のためのUEのエネルギー使用量を管理するためのユーザ機器デバイス(UE)における方法であって、UEの処理ハードウェアが、UEと基地局との間のデータの無線転送中にUEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEのエネルギー消費量の好ましい分配を決定するステップと、処理ハードウェアが、UEエネルギー消費量の好ましい分配の通知を基地局に送信するステップとを含む方法。
【0062】
例2.UEのエネルギー消費量の好ましい分配を決定するステップは、UEと基地局との間のデータの無線転送中の無線インタフェース信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさに対するベースバンド信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさを決定するステップを含む、例1の方法。
【0063】
例3.UEエネルギー消費量の好ましい分配の通知を基地局に送信するステップは、ベースバンド信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさの通知、または無線インタフェース信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさの通知のうちの少なくとも一方を送信するステップを含む、例1または例2のいずれかの方法。
【0064】
例4.UEのエネルギー使用効率の大きさは、UEによって消費される電力の単位当たりに転送されるデータのバイト単位で示される、例2または例3のいずれかの方法。
【0065】
例5.ベースバンド信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさは、ソース符号化、ソース復号化、データ圧縮、またはデータ解凍のうちの少なくとも1つにおけるUEのエネルギー使用効率の大きさを含む、例2~例4のいずれか1つの方法。
【0066】
例6.無線インタフェース信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさは、チャネル符号化、チャネル復号化、変調、または復調のうちの少なくとも1つにおけるUEのエネルギー使用効率の大きさを含む、例2~例5のいずれか1つの方法。
【0067】
例7.UEと基地局との間のデータの無線転送中のベースバンド信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさを決定するステップは、UEと基地局との間の1バイトのデータ(a byte of data)の転送中にベースバンド信号処理のためにUEにより必要とされる電力量を決定するステップを含み、UEと基地局との間のデータの無線転送中の無線インタフェース信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさを決定するステップは、UEと基地局との間の1バイトのデータの無線転送中に無線インタフェース信号処理のためにUEによって必要とされる電力量を決定するステップを含む、例2~例6のいずれか1つの方法。
【0068】
例8.UEの処理ハードウェアが、UEと基地局との間の無線接続の変化、または、UEのバッテリまたはエネルギー蓄積デバイスに蓄積されたエネルギーの残量の変化のうちの少なくとも一方を検出するステップと、検出された少なくとも一方の変化に基づき、ベースバンド信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の更新された大きさ、または無線インタフェース信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の更新された大きさのうちの少なくとも一方を決定するステップと、処理ハードウェアが、ベースバンド信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の更新された大きさ、または無線インタフェース信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の更新された大きさのうちの少なくとも一方の通知を基地局に送信するステップとをさらに含む、例2~例7のいずれか1つの方法。
【0069】
例9.UEと基地局との間の無線接続の変化を検出するステップは、変調符号化方式、チャネル状態、周波数帯域、無線アクセス技術、または別の無線インタフェース特性のうちの少なくとも1つの変化を検出するステップを含む、先行する例の方法。
【0070】
例10.UEと基地局との間のデータの無線転送中にUEエネルギー消費量の好ましい分配の通知を送信するステップは、UEと基地局との間のデータの無線転送中に利用するためのベースバンド信号処理の複雑さの好ましいレベルの通知を送信するステップを含む、先行する例のいずれか1つの方法。
【0071】
例11.UEと基地局との間のデータの無線転送中にUEエネルギー消費量の好ましい分配を決定するステップは、UEにおける1つまたは複数の状態に基づき、UEと基地局との間のデータの無線転送中にUEエネルギー消費量の好ましい分配を決定するステップを含む、先行する例のいずれか1つの方法。
【0072】
例12.UEエネルギー消費量の好ましい分配を決定するステップは、ベースバンド信号処理におけるUEエネルギーの最大割り当て、または無線周波数信号におけるUEエネルギーの最大割り当てのうちの少なくとも一方を決定するステップを含む、例11の方法。
【0073】
例13.UEエネルギーの最大割り当ては、UEに蓄積されたエネルギーの最大パーセント割り当てである、例12の方法。
【0074】
例14.UEにおける1つまたは複数の状態は、UEの1つまたは複数の物理コンポーネントの状態、UEにおけるリソース使用状態、またはUEによって検出される無線インタフェース特性のうちの少なくとも1つを含む、例11~例13のいずれか1つの方法。
【0075】
例15.UEの処理ハードウェアが、1つまたは複数の状態のうちの少なくとも1つを検出するステップをさらに含む、例11~例14のいずれか1つの方法。
【0076】
例16.1つまたは複数の状態のうちの少なくとも1つを検出するステップは、UEおよび基地局によって利用される無線インタフェースの少なくとも1つの現在の特性を検出するステップを含む、例15の方法。
【0077】
例17.無線インタフェースの少なくとも1つの現在の特性を検出するステップは、周波数帯域、帯域幅、ビームフォーミングの存在、信号対雑音比(SNR)、アップリンクスループット、基準信号の特性、無線インタフェースのチャネルの特性、干渉量、または無線アクセス技術(RAT)のうちの1つまたは複数を検出するステップを含む、例16の方法。
【0078】
例18.UEにおける1つまたは複数の状態のうちの少なくとも1つを検出するステップは、UEで実行している1つまたは複数のタスクに基づいてUEにおける計算リソースの現在の使用量を決定するステップを含む、例15~例17のいずれか1つの方法。
【0079】
例19.UEにおける計算リソースの現在の使用量を決定するステップは、UEの中央処理ユニット(CPU)の現在の使用量、UEのデジタル信号プロセッサ(DSP)の現在の使用量、ガーディアンサービスプロセッサ(GSP)の現在の使用量、または1つまたは複数のタスクによって共有されるUEの1つまたは複数のメモリの現在の使用量のうちの少なくとも1つを決定するステップを含む、例18の方法。
【0080】
例20.UEにおける計算リソースの現在の使用量を決定するステップは、UEの電力レールを監視するステップ、またはUEの1つまたは複数のメモリに記憶されたエネルギー使用プロファイルにアクセスするステップのうちの1つまたは複数を含み、エネルギー使用プロファイルは、1つまたは複数のタスクの異なるセットごとに、UEにおける計算リソースのうちの1つまたは複数のそれぞれの使用レベルを示す、例18または例19のいずれかの方法。
【0081】
例21.処理ハードウェアが、UEのバッテリまたはエネルギー蓄積デバイスに蓄積されたエネルギーの残量が閾値レベル未満であることを検出するステップと、バッテリまたはエネルギー蓄積デバイスに蓄積されたエネルギーの検出された残量に基づいて、UEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量の好ましい分配の決定を開始するステップとをさらに含む、先行する例のいずれか1つの方法。
【0082】
例22.UEのバッテリまたはエネルギー蓄積デバイスに蓄積されたエネルギーの異なる残量に対応する複数の閾値レベルが前記閾値レベルを含み、方法は、バッテリまたはエネルギー蓄積デバイスに蓄積されたエネルギーの残量が他の閾値レベル未満であることを検出する際に、
処理ハードウェアが、UEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量のそれぞれの好ましい分配の、他の閾値レベルに対応するそれぞれの決定を開始するステップと、処理ハードウェアが、UEのUEエネルギー消費量のそれぞれの好ましい分配の通知を基地局に送信するステップとをさらに含む、例21の方法。
【0083】
例23.UEエネルギー消費量の好ましい分配を決定するステップは、主電源へのUEの接続に基づいてUEエネルギー消費量の好ましい分配を決定するステップを含む、先行する例のいずれか1つの方法。
【0084】
例24.UEのエネルギー消費量の好ましい分配を決定するステップは、UEのモデムの電力消費量を監視するステップ、またはUEの電力レールを監視するステップのうちの少なくとも一方を含む、先行する例のいずれか1つの方法。
【0085】
例25.UEのエネルギー消費量の好ましい分配を決定するステップは、UEから基地局へのデータの無線転送に対応するUEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量のそれぞれの好ましい分配を決定するステップ、基地局からUEへのデータの無線転送に対応するUEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量のそれぞれの好ましい分配を決定するステップ、UEと基地局との間のデータのダウンリンク無線転送に対応するUEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量のそれぞれの好ましい分配を決定するステップ、またはUEと基地局との間のデータのアップリンク無線転送に対応するUEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量のそれぞれの好ましい分配を決定するステップのうちの1つまたは複数を含む、先行する例のいずれか1つの方法。
【0086】
例26.UEと基地局との間のデータの無線転送中にUEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量の好ましい分配の通知を送信するステップは、UEにおける状態の異なるセットに対応するUEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量の複数の異なる好ましい分配のプロファイルを送信するステップを含む、先行する例のいずれか1つの方法。
【0087】
例27.処理ハードウェアが、送信された通知に基づいて基地局に第1の送信を送るステップ、または、処理ハードウェアが、送信された通知に基づいて基地局からの第2の送信を受けるステップのうちの少なくとも一方をさらに含む、先行する例のいずれか1つの方法。
【0088】
例28.先行する例のいずれか1つの方法であって、
UEと基地局との間のデータの無線転送中にUEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量の好ましい分配を決定するステップは、データの無線転送中の無線インタフェース信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさに対するデータの無線転送中のベースバンド信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさを決定するステップを含み、
送信された通知に基づいて基地局に第1の送信を送るステップは、UEが、第1の送信を送る最中に、データの無線転送中のベースバンド信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさ以上の効率で第1の送信のベースバンド信号処理におけるエネルギーを消費するステップを含み、
送信された通知に基づいて基地局から第2の送信を受けるステップは、UEが、第2の送信を受ける最中に、データの無線転送中のベースバンド信号処理におけるUEのエネルギー使用効率の大きさ以上の効率で第2の送信のベースバンド信号処理におけるエネルギーを消費するステップを含む、
方法。
【0089】
例29.方法は、処理ハードウェアが、基地局から、UEと基地局との間のデータの無線転送のベースバンド信号処理の所定の複雑さの通知を受信するステップをさらに含み、ベースバンド信号処理の複雑さの所定のレベルは、送信された通知に基づいて基地局によって決定され、
送信された通知に基づいて基地局に第1の送信を送るステップは、ベースバンド信号処理の複雑さの所定のレベルに従って第1の送信を基地局に送るステップを含み、送信された通知に基づいて基地局から第2の送信を受けるステップは、ベースバンド信号処理の複雑さの所定のレベルに従って基地局から第2の送信を受けるステップを含む、例27または例28のいずれかの方法。
【0090】
例30.UEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量の好ましい分配の通知を送信するステップは、ベースバンド信号処理の複雑さの好ましいレベルの通知を送信するステップを含み、基地局から受信されるベースバンド信号処理の複雑さの規定レベルは、UEによって示されるベースバンド信号処理の複雑さの好ましいレベルである、例29の方法。
【0091】
例31.UEにより実行されるベースバンド信号処理とUEにより実行される無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量の好ましい分配の通知を送信するステップは、ベースバンド信号処理の複雑さの好ましいレベルの通知を送信するステップを含み、基地局から受信されるベースバンド信号処理の複雑さの所定のレベルは、UEによって示されるベースバンド信号処理の複雑さの好ましいレベルとは異なる、例29の方法。
【0092】
例32.無線通信のためのユーザ機器デバイス(UE)におけるエネルギー消費量を管理するためのネットワークエンティティにおける方法であって、
基地局の処理ハードウェアが、UEと基地局との間のデータの無線転送中にUEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEのエネルギー消費量の好ましい分配の通知を取得するステップと、
処理ハードウェアが、UEエネルギー消費量の好ましい分配の通知と、UEおよび基地局によって利用される通信方式とに基づいて、UEと基地局との間のデータの無線転送中に利用するための1つまたは複数の通信パラメータを決定するステップと、
処理ハードウェアが、通信方式および1つまたは複数の通信パラメータを利用することによって第1の送信をUEに送るステップ、または、処理ハードウェアが、通信方式および1つまたは複数の通信パラメータを利用することによってUEからの第2の送信を受けるステップのうちの少なくとも一方と、
を含む方法。
【0093】
例33.UEと基地局との間のデータの無線転送中にUEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量の好ましい分配の通知を取得するステップは、UEエネルギー消費量の好ましい分配の通知をUEから受信するステップを含む、例32の方法。
【0094】
例34.UEと基地局との間のデータの無線転送中にUEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量の好ましい分配の通知を取得するステップは、UEの1つまたは複数のコンポーネントの1つまたは複数の現在の物理的状態の通知を受信するステップを含む、例32または例33のいずれかの方法。
【0095】
例35.UEの1つまたは複数のコンポーネントの1つまたは複数の現在の物理的状態は、UEのバッテリまたはエネルギー蓄積デバイスに蓄積された残存エネルギーの量、またはUEの1つまたは複数のコンポーネントによって現在生成される熱量のうちの少なくとも一方を含む、例34の方法。
【0096】
例36.UEと基地局との間のデータの無線転送中にUEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量の好ましい分配の通知を取得するステップは、UEの蓄積エネルギー使用量のプロファイルにアクセスするステップを含み、UEの蓄積エネルギー使用プロファイルが基地局のメモリに記憶される、例32~例35のいずれか1つの方法。
【0097】
例37.処理ハードウェアが、UEから蓄積エネルギー使用プロファイルを取得するステップと、蓄積エネルギー使用プロファイルを基地局のメモリに記憶するステップとをさらに含む、例36の方法。
【0098】
例38.UEの蓄積エネルギー使用プロファイルは、UEによってサポートされる複数の通信方式の通信方式ごとに無線インタフェース信号処理の複雑さの1つまたは複数のそれぞれのレベルの通知を記憶する、例36または例37のいずれかの方法。
【0099】
例39.UEの蓄積エネルギー使用プロファイルは、UEの1つまたは複数の物理的状態に対応するベースバンド信号処理の複雑さの1つまたは複数のそれぞれのレベルの通知を記憶する、例36~例38のいずれか1つの方法。
【0100】
例40.UEと基地局との間のデータの無線転送中にUEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEのエネルギー消費量の好ましい分配の通知は、ベースバンド信号処理または無線インタフェース信号処理のうちの少なくとも一方の要求された複雑さのレベルを含み、UEエネルギー消費量の好ましい分配の通知と通信方式とに基づいて1つまたは複数の通信パラメータを決定するステップは、要求された複雑さのレベルを変更するステップと、変更された複雑さのレベルに従って1つまたは複数の通信パラメータを決定するステップとを含む、例32~例39のいずれか1つの方法。
【0101】
例41.UEと基地局との間のデータの無線転送中にUEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEのエネルギー消費量の好ましい分配の通知は、ベースバンド信号処理または無線インタフェース信号処理のうちの少なくとも一方の要求された複雑さのレベルを含み、UEのエネルギー消費量の好ましい分配の通知と通信方式とに基づいて1つまたは複数の通信パラメータを決定するステップは、要求された複雑さのレベルに従って1つまたは複数の通信パラメータを決定するステップを含む、例32~例39のいずれか1つの方法。
【0102】
例42.UEと基地局との間のデータの無線転送中に利用するためのUEおよび基地局における更新された通信方式を取得するステップと、処理ハードウェアが、更新された通信方式とUEエネルギー消費量の好ましい分配とに基づいて、データの無線転送中に利用するための更新された1つまたは複数の通信パラメータを決定するステップと、
処理ハードウェアが、更新された通信方式および更新された1つまたは複数の通信パラメータを利用することによって第1のさらなる送信をUEに送るステップ、または、処理ハードウェアが、更新された通信方式および更新された1つまたは複数の通信パラメータを利用することによってUEから第2のさらなる送信を受けるステップのうちの少なくとも一方と、
をさらに含む、例32~例41のいずれか1つの方法。
【0103】
例43.例32~例42のいずれか1つの方法であって、
処理ハードウェアが、UEと基地局との間のデータの無線転送中にUEによって実行されるベースバンド信号処理とUEによって実行される無線インタフェース信号処理との間のUEエネルギー消費量の更新された好ましい分配の通知を取得するステップと、
処理ハードウェアが、UEのエネルギー消費量の更新された好ましい分配に基づいて、データの転送中に利用するための更新された1つまたは複数の通信パラメータを決定するステップと、
処理ハードウェアが、更新された1つまたは複数の通信パラメータを利用することによって第1のさらなる送信をUEに送るステップ、または、処理ハードウェアが、更新された1つまたは複数の通信パラメータを利用することによってUEからの第2のさらなる送信を受けるステップのうちの少なくとも一方と、
をさらに含む方法。
【0104】
例44.UEエネルギー消費量の更新された好ましい分配の通知を取得するステップは、処理ハードウェアが、UEエネルギー消費量の更新された好ましい分配の通知をUEから受信するステップを含む、例43の方法。
【0105】
例45.UEと基地局との間のデータの無線転送中に利用するための1つまたは複数の通信パラメータを決定するステップは、ソース符号化、ソース復号化、データ圧縮、データ解凍、または他のタイプのベースバンド信号処理のうちの少なくとも1つに対応する1つまたは複数のパラメータを決定するステップを含む、例32~例44のいずれか1つの方法。
【0106】
例46.UEと基地局との間のデータの無線転送中に利用するための1つまたは複数の通信パラメータを決定するステップは、チャネル符号化、チャネル復号化、変調、復調、または他のタイプの無線インタフェース信号処理のうちの少なくとも1つに対応する1つまたは複数のパラメータを決定するステップを含む、例32~例45のいずれか1つの方法。
【0107】
例47.例32~例46のいずれか1つの方法を実行するように構成される基地局。
例48.ユーザ機器(UE)におけるエネルギー使用プロファイルを記憶する1つまたは複数の有形の非一時的メモリであって、エネルギー使用プロファイルが、UEによってサポートされる無線インタフェース信号処理の複雑さの複数のレベルのレベルごとにUEと基地局との間の無線データ転送中に利用するためのベースバンド信号処理の複雑さのそれぞれのレベルを示し、
ベースバンド信号処理の複雑さの各レベルは、ベースバンド信号処理の複雑さの各レベルでベースバンド信号処理を実行するためのUEのエネルギー使用効率のそれぞれの大きさに対応し、
無線インタフェース信号処理の複雑さの各レベルは、無線インタフェース信号処理の複雑さの各レベルで無線インタフェース信号処理を実行するためのUEのエネルギー使用効率のそれぞれの大きさに対応し、
エネルギー使用プロファイル内で、ベースバンド信号処理の複雑さのそれぞれのレベルを実行するためのUEのエネルギー使用効率の大きさの増大は、無線インタフェース信号処理の複雑さの関連するレベルを実行するためのUEのエネルギー使用効率の大きさの減少と関連付けられ、
UEおよび基地局は、それらの間で、UEの蓄積エネルギー使用プロファイルに基づいてデータを無線で転送する、
1つまたは複数の有形の非一時的メモリ。
【0108】
例49.UEがエネルギー使用プロファイルを記憶する、例46の1つまたは複数の有形の非一時的メモリ。
【0109】
例50.UEは、UEによって検出される1つまたは複数の状態に基づいて、エネルギー使用プロファイルの少なくとも一部を決定する、例48または例49のいずれかの有形の非一時的メモリ。
【0110】
例51.UEによって検出される1つまたは複数の状態は、UEにおけるリソースの使用量、UEの1つまたは複数のコンポーネントの状態、またはUEと基地局とを通信接続する無線インタフェースの特性のうちの少なくとも1つを含む、例50の1つまたは複数の有形の非一時的メモリ。
【0111】
例52.UEは、エネルギー使用プロファイルの少なくとも一部を伴って構成される、例48~例51のいずれか1つの1つまたは複数の有形の非一時的メモリ。
【0112】
例53.基地局がエネルギー使用プロファイルを記憶する、例48~例52のいずれか1つの1つまたは複数の有形の非一時的メモリ。
【0113】
例54.基地局がUEからエネルギー使用プロファイルの少なくとも一部を取得する、例53の1つまたは複数の有形の非一時的メモリ。
【0114】
例55.基地局は、異なるUEにそれぞれ対応する複数のエネルギー使用プロファイルを記憶する、例53または例54のいずれかの非一時的メモリ。
【0115】
例56.基地局は、UEのエネルギー使用プロファイルの更新を受信するとともに、受信した更新に基づいてUEの蓄積エネルギー使用プロファイルを変更する、例53~例55のいずれか1つの1つまたは複数の有形の非一時的メモリ。
【0116】
例57.基地局は、UEと基地局との間のデータの無線転送中に利用するための1つまたは複数の通信パラメータを決定し、この決定は、UEのエネルギー使用プロファイルの内容と、UE、基地局、または基地局を含む通信ネットワークのうちの1つまたは複数における1つまたは複数の状態とに基づき、基地局は、UEと基地局との間のデータの無線転送中に1つまたは複数の通信パラメータを利用する、例48~例56のいずれか1つの1つまたは複数の有形の非一時的メモリ。
【0117】
例58.ベースバンド信号処理の複雑さの各レベルは、ソース符号化、ソース復号化、データ圧縮、またはデータ解凍のうちの少なくとも1つの複雑さのそれぞれのレベルに対応する、例48~例57のいずれか1つの1つまたは複数の有形の非一時的メモリ。
【0118】
例59.無線インタフェース信号処理の複雑さの各レベルは、チャネル符号化方式、変調方式、チャネル復号化方式、または復調方式のうちの少なくとも1つの複雑さのそれぞれのレベルに対応する、例48~例58のいずれか1つの1つまたは複数の有形の非一時的メモリ。
【0119】
例60.エネルギー使用プロファイルは、
UEと基地局との間のアップリンク無線データ転送中に利用するためのベースバンド信号処理の複雑さの1つまたは複数のそれぞれのレベル、および無線インタフェース信号処理の関連する複雑さのレベル、
UEと基地局との間のダウンリンク無線データ転送中に利用するためのベースバンド信号処理の複雑さの1つまたは複数のそれぞれのレベル、および無線インタフェース信号処理の関連する複雑さのレベル、
UEから基地局への無線データ転送中に利用するためのベースバンド信号処理の複雑さの1つまたは複数のそれぞれのレベル、および無線インタフェース信号処理の関連する複雑さのレベル、または
基地局からUEへの無線データ転送中に利用するためのベースバンド信号処理の複雑さの1つまたは複数のそれぞれのレベル、および無線インタフェース信号処理の関連する複雑さのレベル、
のうちの少なくとも1つを示す、例48~例59のいずれか1つの1つまたは複数の有形の非一時的メモリ。
【0120】
例61.UEのエネルギー使用効率のそれぞれの大きさは、UEによって消費される電力単位当たりの転送されるデータのバイト単位で示される、例48~例60のいずれか1つの1つまたは複数の有形の非一時的メモリ。
【0121】
例62.無線データ転送中に、ベースバンド信号処理の複雑さの各レベルおよび無線インタフェース信号処理の複雑さの関連するレベルを実行するためにUEによって消費されるエネルギーの総量は、UEのエネルギー使用プロファイルによって示されるベースバンド信号処理のそれぞれの複雑さのレベルにわたって比較的一定のままである、例48~例61のいずれか1つの1つまたは複数の有形の非一時的メモリ。
【0122】
例63.先行する例の1つまたは複数の有形の非一時的メモリであって、
無線データ転送中にベースバンド信号処理の複雑さの各レベルおよび無線インタフェース信号処理の複雑さの関連するレベルを実行するためにUEによって消費されるエネルギーの総量は、UEによって消費される第1の総エネルギー量であり、UEのエネルギー使用プロファイルが第1のエネルギー使用プロファイルであり、1つまたは複数の有形の非一時的メモリは、無線データ転送中に、UEの第2のエネルギー使用プロファイルによって示されるベースバンド信号処理の複雑さの各レベルおよび無線インタフェース信号処理の複雑さの関連するレベルを実行するためにUEによって消費される第2の総エネルギー量に対応するUEの第2のエネルギー使用プロファイルをさらに記憶する、
1つまたは複数の有形の非一時的メモリ。
【0123】
例64.1つまたは複数の有形の非一時的メモリを含む、例48~例63のいずれか1つの基地局。
【0124】
例65.1つまたは複数の有形の非一時的メモリを含む、例48~例63のいずれか1つのUE。
【0125】
例66.例1~例31のいずれか1つの方法を実行するように構成されるユーザ機器(UE)。
【0126】
例67.先行する例のいずれか他の1つと組み合わせた先行する例のいずれか1つ。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】