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特表2024-516416腫瘍への免疫細胞浸潤を可能にするための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-15
(54)【発明の名称】腫瘍への免疫細胞浸潤を可能にするための方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20240408BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240408BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20240408BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240408BHJP
   A61K 31/337 20060101ALI20240408BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20240408BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240408BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20240408BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240408BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20240408BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240408BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20240408BHJP
   A61P 11/04 20060101ALI20240408BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20240408BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240408BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240408BHJP
   A61P 35/04 20060101ALI20240408BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240408BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20240408BHJP
   C07K 16/18 20060101ALI20240408BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20240408BHJP
【FI】
A61K39/395 D
A61P35/00
A61P37/02
A61P43/00 105
A61K31/337
A61P43/00 121
A61K39/395 N
A61P15/00
A61P1/16
A61P13/08
A61P13/12
A61P1/18
A61P11/00
A61P11/02
A61P11/04
A61P1/02
A61P1/04
A61P17/00
A61P35/04
A61K45/00
A61P37/04
C07K16/18 ZNA
C12N15/13
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566662
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(85)【翻訳文提出日】2023-12-27
(86)【国際出願番号】 CA2021050572
(87)【国際公開番号】W WO2022226623
(87)【国際公開日】2022-11-03
(81)【指定国・地域】
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り データベース上で公開された「AB-16B5 Combined With Docetaxel in Subjects With Metastatic Non-Small Cell Lung Cancer」と称する臨床試験の情報
(71)【出願人】
【識別番号】507196491
【氏名又は名称】アレシア・バイオセラピューティクス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マリオ・フィリヨン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA22
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA341
4C084ZA591
4C084ZA661
4C084ZA671
4C084ZA751
4C084ZA811
4C084ZA891
4C084ZB071
4C084ZB091
4C084ZB211
4C084ZB261
4C084ZC751
4C085AA13
4C085AA14
4C085AA16
4C085CC23
4C085DD62
4C085EE01
4C085EE03
4C086AA01
4C086AA02
4C086BA02
4C086MA02
4C086MA03
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA34
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA67
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZC75
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA09
4H045CA40
4H045DA76
4H045EA20
4H045EA50
4H045FA74
(57)【要約】
本開示は、概して、腫瘍内免疫浸潤を可能にするための、及び/又はがんを有する対象を治療するための方法に関する。本開示の方法は、単剤としての又はドセタキセルとの併用療法での、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントの投与に基づく。そのような使用のための併用療法、医薬、及びキットも提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントをそれの必要性に迫られている対象に投与する工程を含む、腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤を可能にするための方法。
【請求項2】
腫瘍微小環境における免疫細胞の増加をもたらす、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤をもたらすのに十分な用量及び/又は投与間隔で及び/又は治療期間投与される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
対象にドセタキセルを投与する工程も含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ドセタキセルは、腫瘍の化学療法誘導性免疫原性モジュレーションを可能にするのに十分な用量及び/又は投与間隔で及び/又は治療期間投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
腫瘍細胞に対する免疫応答のモジュレーションをもたらす、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
対象は機能的免疫系を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルを含む併用療法を投与する工程を含む、がんを有する対象を治療する方法であって、対象は機能的免疫系を有する、方法。
【請求項9】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルはそれぞれ、腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤、及び/又は腫瘍の化学療法誘導性免疫原性モジュレーションを可能にするのに十分な用量及び/又は投与間隔で及び/又は治療期間投与される、請求項4から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9に示される軽鎖可変領域の相補性決定領域(CDR)を含む軽鎖可変領域、及び配列番号10に示される重鎖可変領域のCDRを含む重鎖可変領域を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号11に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号12に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
抗体又はその抗原結合フラグメントは、クラステリンの結合について、配列番号9に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む抗体と競合することができる、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
原発腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤をもたらす、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
免疫細胞はプラズマ細胞を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
免疫細胞はT細胞を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
T細胞はCD4+ T細胞を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
T細胞はCD8+ T細胞を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
免疫細胞はB細胞を含む、請求項1から18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
治療は腫瘍の壊死をもたらす、請求項1から19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは週1回投与される、請求項1から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは週2回投与される、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは2週間ごとに1回投与される、請求項1から22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは3週間ごとに1回投与される、請求項1から23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは4週間ごとに1回投与される、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
ドセタキセルは毎週1回投与される、請求項4から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
ドセタキセルは2週間ごとに1回投与される、請求項4から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
ドセタキセルは3週間ごとに1回投与される、請求項4から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
ドセタキセルは4週間ごとに1回投与される、請求項4から25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ3mg/kg~およそ20mg/kgの用量で投与される、請求項1から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ6mg/kgの用量で投与される、請求項1から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ9mg/kgの用量で投与される、請求項1から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ12mg/kgの用量で投与される、請求項1から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
ドセタキセルは、およそ60mg/m2~およそ100mg/m2の用量で投与される、請求項4から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
ドセタキセルは、およそ60mg/m2の用量で投与される、請求項4から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
ドセタキセルは、およそ75mg/m2の用量で投与される、請求項4から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
対象は、週1回およそ12mg/kgの用量の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント、及び3週間ごとに1回およそ75mg/m2の用量のドセタキセルで治療される、請求項4から30、33、34、又は36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
対象は、週1回およそ12mg/kgの用量の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント、及び3週間ごとに1回およそ60mg/m2の用量のドセタキセルで治療される、請求項4から30、33、34、又は35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
対象は、週1回およそ9mg/kgの用量の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント、及び3週間ごとに1回およそ75mg/m2の用量のドセタキセルで治療される、請求項4から30、32、34、又は36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
対象は、週1回およそ9mg/kgの用量の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント、及び3週間ごとに1回およそ60mg/m2の用量のドセタキセルで治療される、請求項4から30、32、34、又は35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
対象は、週1回およそ6mg/kgの用量の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント、及び3週間ごとに1回およそ75mg/m2の用量のドセタキセルで治療される、請求項4から30、31、34、又は36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
対象は、週1回およそ6mg/kgの用量の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント、及び3週間ごとに1回およそ60mg/m2の用量のドセタキセルで治療される、請求項4から30、31、34、又は35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
対象は、週1回およそ3mg/kgの用量の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント、及び3週間ごとに1回およそ75mg/m2の用量のドセタキセルで治療される、請求項4から30、34、又は36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
対象は、週1回およそ3mg/kgの用量の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント、及び3週間ごとに1回およそ60mg/m2の用量のドセタキセルで治療される、請求項4から30、34、又は35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは同日に投与される、請求項4から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
抗クラステリン抗体若しくはその抗原結合フラグメント及び/又はドセタキセルは、およそ1時間の時間枠にわたって注入によって投与される、請求項4から45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは基本的に両方とも、基本的に治療期間の経過全体にわたって投与される、請求項4から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
対象は癌腫を有する、請求項1から47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
癌腫は転移性である、請求項1から48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
必要性に迫られている対象は、免疫学的に冷たいとして特徴付けられる腫瘍を有する又は有するので選択される、請求項1から49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
必要性に迫られている対象は、免疫療法に非応答性である、免疫学的に温かい又は熱いとして特徴付けられる腫瘍を有する又は有するので選択される、請求項1から50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
対象は、一次免疫チェックポイント療法の後に進行した癌腫を有する又は有するので選択される、請求項1から51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
対象は、プラチナ含有ダブレット治療及び免疫チェックポイント療法を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する又は有するので選択される、請求項1から52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
対象は、プラチナ含有ダブレット治療及び抗PD1又はPDL-1免疫チェックポイント抗体を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する又は有するので選択される、請求項1から53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
必要性に迫られている対象は、子宮内膜がん、乳がん、肝臓がん、前立腺がん、腎がん、卵巣がん、結腸直腸がん、膵臓がん、肺がん、胃がん、頭頸部がん、甲状腺がん、胆管癌、中皮腫、又は黒色腫を有する、請求項1から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
必要性に迫られている対象は、転移性子宮内膜がん、転移性乳がん、転移性肝臓がん、転移性前立腺がん、転移性腎がん、転移性卵巣がん、転移性結腸直腸がん、転移性膵臓がん、転移性肺がん、転移性胃がん、転移性頭頸部がん、転移性甲状腺がん、転移性胆管癌、転移性中皮腫、又は転移性黒色腫を有する、請求項1から55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
対象は非小細胞肺がん(NSCLC)を有する、請求項1から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
NSCLCは転移性NSCLCである、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
NSCLCはステージIII~IVのNSCLCである、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
対象は乳がんを有する、請求項1から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項61】
乳がんは転移性乳がんである、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
対象は前立腺がんを有する、請求項1から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項63】
前立腺がんは転移性前立腺がんである、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
対象は胃がんを有する、請求項1から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
胃がんは転移性である、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
対象は頭頸部がんを有する、請求項1から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
頭頸部がんは転移性である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
対象は甲状腺がんを有する、請求項1から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項69】
甲状腺がんは転移性である、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
対象は卵巣がんを有する、請求項1から54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項71】
卵巣がんは転移性である、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
対象は、免疫抑制されていない、又は治療前7日以内に免疫抑制薬を受けていない、請求項1から71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
対象は、ドセタキセルを用いた先行治療を受けていない、請求項1から72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
対象は、治療の少なくとも2サイクルの間治療される、請求項1から73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤は生検によって確認される、請求項1から74のいずれか一項に記載の方法。
【請求項76】
腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤はイメージングによって確認される、請求項1から75のいずれか一項に記載の方法。
【請求項77】
治療は、免疫療法による治療に対してより感受性が高い腫瘍をもたらす、請求項1から76のいずれか一項に記載の方法。
【請求項78】
治療は、併用療法の1回又は複数のサイクルの後、免疫療法を投与する工程を含む、請求項1から77のいずれか一項に記載の方法。
【請求項79】
免疫療法は細胞免疫療法を含む、請求項77又は78に記載の方法。
【請求項80】
免疫療法は免疫チェックポイント阻害剤を含む、請求項77又は78に記載の方法。
【請求項81】
対象は、抗クラステリン抗体若しくはその抗原結合フラグメント及び/又はドセタキセル併用治療と合わせて、並行抗がん治療を受けない、請求項1から80のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
対象はヒト対象である、請求項1から81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
およそ3mg/kg~およそ20mg/kgの用量での投与のために製剤化された抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントを含む医薬組成物と、およそ60mg/m2~100mg/m2の用量での投与のために製剤化されたドセタキセルを含む医薬組成物とを含む、併用療法。
【請求項84】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9に示される軽鎖可変領域の相補性決定領域(CDR)を含む軽鎖可変領域、及び配列番号10に示される重鎖可変領域のCDRを含む重鎖可変領域を含む、請求項83に記載の併用療法。
【請求項85】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、請求項83又は84に記載の併用療法。
【請求項86】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号11に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号12に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖を含む、請求項83又は84に記載の併用療法。
【請求項87】
抗体又はその抗原結合フラグメントは、クラステリンの結合について、配列番号9に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む抗体と競合することができる、請求項83から86のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項88】
それの必要性に迫られている対象における腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤を可能にするために使用される、請求項83から87のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項89】
がんを有する対象を治療するために使用される、請求項83から88のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項90】
がんは癌腫である、請求項89に記載の併用療法。
【請求項91】
癌腫は転移性である、請求項90に記載の併用療法。
【請求項92】
必要性に迫られている対象は、免疫学的に冷たいとして特徴付けられる腫瘍を有する又は有するので選択される、請求項83から91のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項93】
必要性に迫られている対象は、免疫療法に非応答性である、免疫学的に温かい又は熱いとして特徴付けられる腫瘍を有する又は有するので選択される、請求項83から92のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項94】
一次免疫チェックポイント療法の後に進行した癌腫を有する又は有するので選択された対象を治療するために使用される、請求項83から93のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項95】
プラチナ含有ダブレット治療及び免疫チェックポイント療法を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する又は有するので選択された対象を治療するために使用される、請求項83から94のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項96】
プラチナ含有ダブレット治療及び抗PD1又はPDL-1免疫チェックポイント抗体を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する又は有するので選択された対象を治療するために使用される、請求項83から95のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項97】
子宮内膜がん、乳がん、肝臓がん、前立腺がん、腎がん、卵巣がん、結腸直腸がん、膵臓がん、肺がん、胃がん、頭頸部がん、甲状腺がん、胆管癌、中皮腫、又は黒色腫を有する対象を治療するために使用される、請求項83から96のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項98】
転移性子宮内膜がん、転移性乳がん、転移性肝臓がん、転移性前立腺がん、転移性腎がん、転移性卵巣がん、転移性結腸直腸がん、転移性膵臓がん、転移性肺がん、転移性胃がん、転移性頭頸部がん、転移性甲状腺がん、転移性胆管癌、転移性中皮腫、又は転移性黒色腫を有する対象を治療するために使用される、請求項83から96のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項99】
非小細胞肺がん(NSCLC)を有する対象を治療するために使用される、請求項83から96のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項100】
NSCLCは転移性NSCLCである、請求項99に記載の併用療法。
【請求項101】
NSCLCはステージIII~IVのNSCLCである、請求項99に記載の併用療法。
【請求項102】
乳がんを有する対象を治療するために使用される、請求項83から98のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項103】
乳がんは転移性乳がんである、請求項102に記載の併用療法。
【請求項104】
前立腺がんを有する対象を治療するために使用される、請求項83から98のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項105】
前立腺がんは転移性前立腺がんである、請求項104に記載の併用療法。
【請求項106】
胃がんを有する対象を治療するために使用される、請求項83から98のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項107】
胃がんは転移性である、請求項106に記載の併用療法。
【請求項108】
頭頸部がんを有する対象を治療するために使用される、請求項83から98のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項109】
頭頸部がんは転移性である、請求項108に記載の併用療法。
【請求項110】
甲状腺がんを有する対象を治療するために使用される、請求項83から98のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項111】
甲状腺がんは転移性である、請求項110に記載の併用療法。
【請求項112】
卵巣がんを有する対象を治療するために使用される、請求項83から98のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項113】
卵巣がんは転移性である、請求項112に記載の併用療法。
【請求項114】
免疫抑制されていない、又は治療前7日以内に免疫抑制薬を受けていない対象における使用のためのものである、請求項83から113のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項115】
ドセタキセルを用いた先行治療を受けていない対象における使用のためのものである、請求項83から114のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項116】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントを含む医薬組成物、及びドセタキセルを含む医薬組成物は両方とも、基本的に治療期間の経過全体にわたって投与される、請求項83から115のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項117】
対象はヒト対象である、請求項83から116のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項118】
対象は機能的免疫系を有する、請求項83から117のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項119】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ6mg/kgの用量で使用される、請求項83から118のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項120】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ9mg/kgの用量で使用される、請求項83から118のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項121】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ12mg/kgの用量で使用される、請求項83から118のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項122】
ドセタキセルは、およそ60mg/m2の用量で使用される、請求項83から121のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項123】
ドセタキセルは、およそ75mg/m2の用量で使用される、請求項83から121のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項124】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回およそ12mg/kgの用量で使用され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ75mg/m2の用量で使用される、請求項83から118、121、又は123のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項125】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回およそ12mg/kgの用量で使用され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ60mg/m2の用量で使用される、請求項83から118、又は121、又は122のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項126】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回およそ9mg/kgの用量で使用され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ75mg/m2の用量で使用される、請求項83から118、120、又は123のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項127】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回およそ9mg/kgの用量で使用され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ60mg/m2の用量で使用される、請求項83から118、120、又は122のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項128】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回およそ6mg/kgの用量で使用され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ75mg/m2の用量で使用される、請求項83から118、119、又は123のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項129】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回およそ6mg/kgの用量で使用され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ60mg/m2の用量で使用される、請求項83から118、119、又は122のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項130】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回およそ3mg/kgの用量で使用され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ75mg/m2の用量で使用される、請求項83から118、122、又は123のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項131】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回およそ3mg/kgの用量で使用され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ60mg/m2の用量で使用される、請求項83から118、122、又は123のいずれか一項に記載の併用療法。
【請求項132】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントの少なくとも1回の用量を含む1つ又は複数の容器、併用療法における使用のためのドセタキセルの少なくとも1回の用量を含む1つ又は複数の容器、及び必要性に迫られている対象を治療するための使用説明書を含む添付文書を含むキット。
【請求項133】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9に示される軽鎖可変領域の相補性決定領域(CDR)を含む軽鎖可変領域、及び配列番号10に示される重鎖可変領域のCDRを含む重鎖可変領域を含む、請求項132に記載のキット。
【請求項134】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、請求項132又は133に記載のキット。
【請求項135】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号11に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号12に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖を含む、請求項132又は133に記載のキット。
【請求項136】
抗体又はその抗原結合フラグメントは、クラステリンの結合について、配列番号9に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む抗体と競合することができる、請求項132から135のいずれか一項に記載のキット。
【請求項137】
添付文書は、併用療法が、癌腫を有する対象の治療を意図されることを記述する、請求項132から136のいずれか一項に記載のキット。
【請求項138】
癌腫は転移性である、請求項137に記載のキット。
【請求項139】
必要性に迫られている対象は、免疫学的に冷たいとして特徴付けられる腫瘍を有する又は有するので選択される、請求項132から138のいずれか一項に記載のキット。
【請求項140】
必要性に迫られている対象は、免疫療法に非応答性である、免疫学的に温かい又は熱いとして特徴付けられる腫瘍を有する又は有するので選択される、請求項132から139のいずれか一項に記載のキット。
【請求項141】
添付文書は、併用療法が、一次免疫チェックポイント療法の後に進行した癌腫を有する対象の治療を意図されることを記述する、請求項132から140のいずれか一項に記載のキット。
【請求項142】
添付文書は、併用療法が、プラチナ含有ダブレット治療及び免疫チェックポイント療法を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する対象の治療を意図されることを記述する、請求項132から141のいずれか一項に記載のキット。
【請求項143】
添付文書は、併用療法が、プラチナ含有ダブレット治療及び抗PD1又はPDL-1免疫チェックポイント抗体を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する対象の治療を意図されることを記述する、請求項132から142のいずれか一項に記載のキット。
【請求項144】
添付文書は、併用療法が、がんを有する対象の治療を意図されることを記述し、がんは、子宮内膜がん、乳がん、肝臓がん、前立腺がん、腎がん、卵巣がん、結腸直腸がん、膵臓がん、肺がん、胃がん、頭頸部がん、甲状腺がん、胆管癌、中皮腫、又は黒色腫から選択される、請求項132から143のいずれか一項に記載のキット。
【請求項145】
添付文書は、併用療法が、がんを有する対象の治療を意図されることを記述し、がんは、転移性子宮内膜がん、転移性乳がん、転移性肝臓がん、転移性前立腺がん、転移性腎がん、転移性卵巣がん、転移性結腸直腸がん、転移性膵臓がん、転移性肺がん、転移性胃がん、転移性頭頸部がん、転移性甲状腺がん、転移性胆管癌、転移性中皮腫、又は転移性黒色腫から選択される、請求項132から143のいずれか一項に記載のキット。
【請求項146】
添付文書は、併用療法が、非小細胞肺がん(NSCLC)を有する対象の治療を意図されることを記述する、請求項132から143のいずれか一項に記載のキット。
【請求項147】
NSCLCは進行性NSCLCである、請求項146に記載のキット。
【請求項148】
NSCLCはステージIII~IVのNSCLCである、請求項146に記載のキット。
【請求項149】
添付文書は、併用療法が、乳がんを有する対象の治療を意図されることを記述する、請求項132から143のいずれか一項に記載のキット。
【請求項150】
乳がんは転移性乳がんである、請求項149に記載のキット。
【請求項151】
添付文書は、併用療法が、前立腺がんを有する対象の治療を意図されることを記述する、請求項132から143のいずれか一項に記載のキット。
【請求項152】
前立腺がんは転移性前立腺がんである、請求項151に記載のキット。
【請求項153】
添付文書は、併用療法が、胃がんを有する対象の治療を意図されることを記述する、請求項132から143のいずれか一項に記載のキット。
【請求項154】
胃がんは転移性である、請求項153に記載のキット。
【請求項155】
添付文書は、併用療法が、頭頸部がんを有する対象の治療を意図されることを記述する、請求項132から143のいずれか一項に記載のキット。
【請求項156】
頭頸部がんは転移性である、請求項155に記載のキット。
【請求項157】
添付文書は、併用療法が、甲状腺がんを有する対象の治療を意図されることを記述する、請求項132から143のいずれか一項に記載のキット。
【請求項158】
甲状腺は転移性である、請求項157に記載のキット。
【請求項159】
添付文書は、併用療法が、卵巣がんを有する対象の治療を意図されることを記述する、請求項132から143のいずれか一項に記載のキット。
【請求項160】
卵巣は転移性である、請求項159に記載のキット。
【請求項161】
添付文書は、併用療法が、免疫抑制されていない、又は治療前7日以内に免疫抑制薬を受けていない対象の治療を意図されることを記述する、請求項132から143のいずれか一項に記載のキット。
【請求項162】
添付文書は、併用療法が、ドセタキセルを用いた先行治療を受けていない対象の治療を意図されることを記述する、請求項132から161のいずれか一項に記載のキット。
【請求項163】
添付文書は、併用療法が、基本的に治療期間の経過全体にわたる投与のためのものであることを記述する、請求項132から162のいずれか一項に記載のキット。
【請求項164】
がんを有する対象における腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤を可能にするための、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントを含む医薬。
【請求項165】
医薬は、ドセタキセルとの組み合わせでの使用のためのものである、請求項164に記載の医薬。
【請求項166】
対象は機能的免疫系を有する、請求項164又は165に記載の医薬。
【請求項167】
がんを有する対象の治療のための、ドセタキセルとの組み合わせでの使用のための、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントを含む医薬であって、対象は機能的免疫系を有する、医薬。
【請求項168】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9に示される軽鎖可変領域の相補性決定領域(CDR)を含む軽鎖可変領域、及び配列番号10に示される重鎖可変領域のCDRを含む重鎖可変領域を含む、請求項164から167のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項169】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む、請求項164から168のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項170】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号11に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号12に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖を含む、請求項164から168のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項171】
抗体又はその抗原結合フラグメントは、クラステリンの結合について、配列番号9に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む抗体と競合することができる、請求項164から170のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項172】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ10mg/mLの濃度の注射可能な溶液として製剤化されている、請求項164から171のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項173】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ3mg/kg~およそ20mg/kgの用量の送達のための静脈内注入液として製剤化されている、請求項164から172のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項174】
ドセタキセルは、およそ10mg/mL~およそ40mg/mLの濃度の注射可能な溶液として製剤化されている、請求項164から173のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項175】
ドセタキセルは、およそ60mg/m2~およそ100mg/m2の用量の送達のための静脈内注入液として製剤化されている、請求項164から174のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項176】
対象は癌腫を有する、請求項164から175のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項177】
癌腫は転移性である、請求項176に記載の医薬。
【請求項178】
必要性に迫られている対象は、免疫学的に冷たいとして特徴付けられる腫瘍を有する又は有するので選択される、請求項164から177のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項179】
必要性に迫られている対象は、免疫療法に非応答性である、免疫学的に温かい又は熱いとして特徴付けられる腫瘍を有する又は有するので選択される、請求項164から178のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項180】
対象は、一次免疫チェックポイント療法の後に進行した癌腫を有する、請求項164から179のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項181】
対象は、プラチナ含有ダブレット治療及び免疫チェックポイント療法を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する、請求項164から180のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項182】
対象は、プラチナ含有ダブレット治療及び抗PD1又はPDL-1免疫チェックポイント抗体を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する、請求項164から181のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項183】
対象は、子宮内膜がん、乳がん、肝臓がん、前立腺がん、腎がん、卵巣がん、結腸直腸がん、膵臓がん、肺がん、胃がん、頭頸部がん、甲状腺がん、胆管癌、中皮腫、又は黒色腫を有する、請求項164から182のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項184】
対象は、転移性子宮内膜がん、転移性乳がん、転移性肝臓がん、転移性前立腺がん、転移性腎がん、転移性卵巣がん、転移性結腸直腸がん、転移性膵臓がん、転移性肺がん、転移性胃がん、転移性頭頸部がん、転移性甲状腺がん、転移性胆管癌、転移性中皮腫、又は転移性黒色腫を有する、請求項164から182のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項185】
対象は非小細胞肺がん(NSCLC)を有する、請求項164から182のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項186】
NSCLCは進行性NSCLCである、請求項185に記載の医薬。
【請求項187】
NSCLCはステージIII~IVのNSCLCである、請求項185に記載の医薬。
【請求項188】
対象は乳がんを有する、請求項164から182のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項189】
乳がんは転移性乳がんである、請求項188に記載の医薬。
【請求項190】
対象は前立腺がんを有する、請求項164から182のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項191】
前立腺がんは転移性前立腺がんである、請求項190に記載の医薬。
【請求項192】
対象は胃がんを有する、請求項164から182のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項193】
胃がんは転移性である、請求項192に記載の医薬。
【請求項194】
対象は頭頸部がんを有する、請求項164から182のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項195】
頭頸部がんは転移性である、請求項194に記載の医薬。
【請求項196】
対象は甲状腺がんを有する、請求項164から182のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項197】
甲状腺は転移性である、請求項196に記載の医薬。
【請求項198】
対象は卵巣がんを有する、請求項164から182のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項199】
卵巣は転移性である、請求項198に記載の医薬。
【請求項200】
対象は、免疫抑制されていない、又は治療前7日以内に免疫抑制薬を受けていない、請求項164から199のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項201】
対象は、ドセタキセルを用いた先行治療を受けていない、請求項164から200のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項202】
抗クラステリン抗体又は抗原結合フラグメント及びドセタキセルのそれぞれは、基本的に治療期間の経過全体にわたって投与される、請求項164から201のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項203】
請求項164から202のいずれか一項に記載の医薬、又は請求項83から131のいずれか一項に記載の併用療法の少なくとも1回の用量を含む1つ若しくは複数の容器と、必要性に迫られている対象を治療するための使用説明書を含む添付文書とを含むキットであって、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは別個の容器で提供される、キット。
【請求項204】
それの必要性に迫られている対象における腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤を可能にするための、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントの使用。
【請求項205】
それの必要性に迫られている対象における腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤を可能にするための医薬又はキットの製造における、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントの使用。
【請求項206】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、ドセタキセルとの組み合わせで使用される、請求項204又は205に記載の使用。
【請求項207】
対象は機能的免疫系を有する、請求項204から206のいずれか一項に記載の使用。
【請求項208】
がんを有する対象の治療における、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルを含む併用療法の使用であって、対象は機能的免疫系を有する、使用。
【請求項209】
がんを有する対象の治療のための医薬又はキットの製造における、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルの使用であって、対象は機能的免疫系を有する、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、腫瘍内免疫浸潤を可能にするための、及び/又はがんを有する対象を治療するための方法に関する。本開示の方法は、単剤としての又はドセタキセルとの併用療法での、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントの投与に基づく。そのような使用のための併用療法、医薬、及びキットも提供される。
【背景技術】
【0002】
転移性癌の発生に関与する分子メカニズムは、主要な調節因子の同定とともに解明され始めている。増加する証拠は、転移性進化への重要な寄与過程として、腫瘍細胞上皮-間葉(EMT)を指摘する。腫瘍進行の間のEMTの発生は、非侵襲性で且つ非転移性である上皮腫瘍細胞が、原発腫瘍から移動し、周囲組織に侵攻し、血流に入り、最終的に第2の部位に広まり、そこで増殖するのを可能にする。加えて、EMTを起こす上皮がん細胞は、化学療法に対する内因性耐性及び免疫回避を含めた、がん幹細胞(CSC)に非常に類似している挙動を獲得する(Shibueら、2017;Terryら、2017)。
【0003】
がん療法における化学療法剤及び免疫チェックポイント阻害剤等の一次及び二次療法の短期間の有効性にもかかわらず、高い割合の対象が、転移の増加及び低い対象生存率を究極的にもたらす2つの事象である、抗がん剤に対する腫瘍細胞の耐性及び腫瘍始原細胞の生存に起因して、これらの療法に不応性になる。
【0004】
免疫チェックポイント阻害剤に対する耐性の根底にあるメカニズムは様々であり得る。しかしながら、チェックポイント阻害剤は、炎症性腫瘍を生み出す、T細胞によって侵攻されている腫瘍である、いわゆる免疫学的に熱い腫瘍に対して最もよく働くことが一般的に受け入れられている。対照的に、免疫学的に冷たい腫瘍は、これらの腫瘍が未知の理由で認識されておらず又は強い免疫応答を誘発しておらず、それ故T細胞が、腫瘍又はその微小環境に浸透していないため、免疫療法への反応が乏しい。
【0005】
単剤としての先行する一次(first line)免疫チェックポイント阻害剤を受けている患者は、二次(second line)においてプラチナベースの化学療法を与えられる。単剤ドセタキセルは、同時に又は連続的に投与される免疫チェックポイント阻害及びプラチナダブレット化学療法の失敗の後、二次又は三次療法として投与され得る。ほとんどの患者は、免疫化学療法の後に結局は進行することから、及びドセタキセルは、この設定において非常に限定された効力を有することから、新規の療法が緊急に必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】WO2007/030930
【特許文献2】PCT/CA2006/001505
【特許文献3】WO2011/063523
【特許文献4】PCT/CA2010/0001882
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Andrew C.R. MartinによるAntibody Engineering、第2巻、第3章
【発明の概要】
【0008】
本出願者は、AB-16B5等の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントを用いた治療が、腫瘍内免疫浸潤の増加につながるという予想外の発見にたどり着いた。
【0009】
本出願者は、単剤としての又はドセタキセルとの併用療法での、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントの投与に基づく治療を開発した。
【0010】
本開示は、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントをそれの必要性に迫られている対象に投与する工程を含む、腫瘍(例えば、固形腫瘍)微小環境への免疫細胞の浸潤を可能にするための方法を提供する。
【0011】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、必要性に迫られている対象において腫瘍(例えば、固形腫瘍)微小環境への免疫細胞の浸潤を可能にするために、又は腫瘍(例えば、固形腫瘍)微小環境への免疫細胞の浸潤を可能にするための医薬の製造において使用され得る。
【0012】
本開示は、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントをそれの必要性に迫られている対象に投与する工程を含む、がん(例えば、固形腫瘍)を有する対象を治療するための方法を提供する。
【0013】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、がんを有する対象を治療するために、又はがんを有する対象を治療するための医薬の製造において使用され得る。
【0014】
例示的な実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、腫瘍(例えば、固形腫瘍)微小環境への免疫細胞の浸潤をもたらすのに十分な用量及び/又は投与間隔で及び/又は治療期間投与される。
【0015】
本開示の方法は、必要性に迫られている対象にドセタキセルを投与する工程も含み得る。
【0016】
例示的な実施形態において、ドセタキセルは、腫瘍の化学療法誘導性免疫原性モジュレーションを可能にするのに十分な用量及び/又は投与間隔で及び/又は治療期間投与される。
【0017】
例示的な実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルの両方はそれぞれ、腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤、及び/又は腫瘍の化学療法誘導性免疫原性モジュレーションを可能にするのに十分な用量及び/又は投与間隔で及び/又は治療期間投与される。
【0018】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、腫瘍を有し又はがんを有し、機能的免疫系を有する対象である。
【0019】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、腫瘍を有し又はがんを有し、適当な臓器及び免疫機能を有する対象である。
【0020】
それ故、本開示は、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルを含む併用療法を投与する工程を含む、がんを有する対象を治療する方法であって、対象は、機能的免疫系又は適当な臓器及び免疫機能を有する、方法を提供する。
【0021】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセル併用療法は、がんを有する対象を治療するために、又はがんを有する対象を治療するための医薬の製造において使用され得、対象は、機能的免疫系又は適当な臓器及び免疫機能を有する。
【0022】
本開示によれば、方法は、腫瘍微小環境における免疫細胞の(存在又は量の)増加をもたらし得る。
【0023】
本開示によれば、方法は、腫瘍微小環境における免疫細胞の活性の増加をもたらし得る。
【0024】
本開示によれば、方法は、腫瘍細胞に対する免疫応答のモジュレーションをもたらし得る。
【0025】
本開示によれば、抗クラステリン抗体若しくはその抗原結合フラグメント又は併用療法は、より少ない免疫不応性腫瘍微小環境をもたらし得る。
【0026】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセル併用療法は、抗腫瘍細胞傷害性T細胞活性の増加を有するより望ましい免疫環境の創出に寄与し得る。
【0027】
本開示によれば、特異的CD8+細胞傷害性T細胞の細胞殺滅活性は、併用療法を用いた治療の後に増強され得る。
【0028】
本開示によれば、方法は、免疫療法による治療に対してより感受性が高い腫瘍をもたらし得る。
【0029】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9に示される軽鎖可変領域の相補性決定領域(CDR)を含む軽鎖可変領域、及び配列番号10に示される重鎖可変領域のCDRを含む重鎖可変領域を含む。
【0030】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有する、又は配列番号9に示されるアミノ酸配列と同一である若しくはそれを含むアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有する、又は配列番号10に示されるアミノ酸配列と同一である若しくはそれを含むアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。
【0031】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号11に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有する、又は配列番号11に示されるアミノ酸配列と同一である若しくはそれを含むアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号12に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有する、又は配列番号12に示されるアミノ酸配列と同一である若しくはそれを含むアミノ酸配列を有する重鎖を含む。
【0032】
本開示によれば、抗体又はその抗原結合フラグメントは、クラステリン(例えば、分泌クラステリン(sCLU)又は腫瘍関連sCLU(TA-sCLU))の結合について、又は配列番号35に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドへの結合について、配列番号9に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む抗体と競合することができる。
【0033】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、Table 9(表9)に示されるCDR、軽鎖及び重鎖可変領域、又は軽鎖及び重鎖のアミノ酸配列を含む。
【0034】
本開示によれば、方法は、原発腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤をもたらし得る。
【0035】
本開示によれば、方法は、腫瘍微小環境へのプラズマ細胞の浸潤をもたらし得る。
【0036】
本開示によれば、方法は、腫瘍微小環境へのT細胞の浸潤をもたらし得る。一部の実施形態において、T細胞はCD4+ T細胞を含む。一部の実施形態において、T細胞はCD8+ T細胞を含む。他の実施形態において、T細胞は、CD4+ T細胞及びCD8+ T細胞の両方を含む。
【0037】
本開示によれば、方法は、腫瘍微小環境へのB細胞の浸潤をもたらし得る。
【0038】
本開示によれば、方法は、腫瘍微小環境へのT細胞及びB細胞の浸潤をもたらし得る。
【0039】
本開示によれば、方法は、腫瘍の壊死をもたらし得る。
【0040】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは週1回投与される。
【0041】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは週2回投与される。
【0042】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは2週間ごとに1回投与される。
【0043】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは3週間ごとに1回投与される。
【0044】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは4週間ごとに1回投与される。
【0045】
一部の実施形態において、ドセタキセルは毎週1回投与される。
【0046】
一部の実施形態において、ドセタキセルは2週間ごとに1回投与される。
【0047】
一部の実施形態において、ドセタキセルは3週間ごとに1回投与される。
【0048】
一部の実施形態において、ドセタキセルは4週間ごとに1回投与される。
【0049】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、例えばおよそ4mg/kg~およそ20mg/kg、およそ5mg/kg~およそ20mg/kg、およそ6mg/kg~およそ20mg/kg、およそ6mg/kg~およそ18mg/kg、およそ6mg/kg~およそ17mg/kg、およそ6mg/kg~およそ16mg/kg、およそ6mg/kg~およそ15mg/kg、およそ6mg/kg~およそ14mg/kg、およそ6mg/kg~およそ13mg/kg、およそ6mg/kg~およそ12mg/kg、およそ7mg/kg~およそ18mg/kg、およそ7mg/kg~およそ17mg/kg、およそ7mg/kg~およそ16mg/kg、およそ7mg/kg~およそ15mg/kg、およそ7mg/kg~およそ14mg/kg、およそ7mg/kg~およそ13mg/kg、およそ7mg/kg~およそ12mg/kg、およそ8mg/kg~およそ18mg/kg、およそ8mg/kg~およそ17mg/kg、およそ8mg/kg~およそ16mg/kg、およそ8mg/kg~およそ15mg/kg、およそ8mg/kg~およそ14mg/kg、およそ8mg/kg~およそ13mg/kg、およそ8mg/kg~およそ12mg/kg、およそ9mg/kg~およそ18mg/kg、およそ9mg/kg~およそ17mg/kg、およそ9mg/kg~およそ16mg/kg、およそ9mg/kg~およそ15mg/kg、およそ9mg/kg~およそ14mg/kg、およそ9mg/kg~およそ13mg/kg、およそ9mg/kg~およそ12mg/kg、およそ10mg/kg~およそ18mg/kg、およそ10mg/kg~およそ17mg/kg、およそ10mg/kg~およそ16mg/kg、およそ10mg/kg~およそ15mg/kg、およそ10mg/kg~およそ14mg/kg、およそ10mg/kg~およそ13mg/kg、又はおよそ10mg/kg~およそ12mg/kg等、およそ3mg/kg~およそ20mg/kgの用量で投与される。一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ6mg/kgの用量で投与される。
【0050】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ9mg/kgの用量で投与される。
【0051】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ12mg/kgの用量で投与される。
【0052】
本開示によれば、ドセタキセルは、例えばおよそ60mg/m2~およそ95mg/m2、およそ60mg/m2~およそ90mg/m2、およそ60mg/m2~およそ85mg/m2、およそ60mg/m2~およそ80mg/m2、およそ60mg/m2~およそ75mg/m2、およそ75mg/m2~およそ95mg/m2、およそ75mg/m2~およそ90mg/m2、およそ75mg/m2~およそ85mg/m2、およそ75mg/m2~およそ80mg/m2、およそ70mg/m2~およそ95mg/m2、およそ70mg/m2~およそ90mg/m2、およそ70mg/m2~およそ85mg/m2、およそ70mg/m2~およそ80mg/m2、又はおよそ70mg/m2~およそ75mg/m2等、およそ60mg/m2~およそ100mg/m2の用量で投与される。
【0053】
一部の実施形態において、ドセタキセルは、およそ60mg/m2の用量で投与される。
【0054】
一部の実施形態において、ドセタキセルは、およそ75mg/m2の用量で投与される。
【0055】
一部の実施形態において、対象は、週1回およそ12mg/kgの用量の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント、及び3週間ごとに1回およそ75mg/m2の用量のドセタキセルで治療される。
【0056】
一部の実施形態において、対象は、週1回およそ12mg/kgの用量の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント、及び3週間ごとに1回およそ60mg/m2の用量のドセタキセルで治療される。
【0057】
一部の実施形態において、対象は、週1回およそ9mg/kgの用量の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント、及び3週間ごとに1回およそ75mg/m2の用量のドセタキセルで治療される。
【0058】
一部の実施形態において、対象は、週1回およそ9mg/kgの用量の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント、及び3週間ごとに1回およそ60mg/m2の用量のドセタキセルで治療される。
【0059】
一部の実施形態において、対象は、週1回およそ6mg/kgの用量の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント、及び3週間ごとに1回およそ75mg/m2の用量のドセタキセルで治療される。
【0060】
一部の実施形態において、対象は、週1回およそ6mg/kgの用量の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント、及び3週間ごとに1回およそ60mg/m2の用量のドセタキセルで治療される。
【0061】
一部の実施形態において、対象は、週1回およそ3mg/kgの用量の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント、及び3週間ごとに1回およそ75mg/m2の用量のドセタキセルで治療される。
【0062】
一部の実施形態において、対象は、週1回およそ3mg/kgの用量の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント、及び3週間ごとに1回およそ60mg/m2の用量のドセタキセルで治療される。
【0063】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは、同日に投与され得る。
【0064】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは、同日に且つ別個に投与され得る。
【0065】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体若しくはその抗原結合フラグメント及び/又はドセタキセルは、およそ1時間の時間枠にわたって注入によって投与され得る。
【0066】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは両方とも、治療期間の経過全体にわたって投与される。
【0067】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは両方とも、基本的に治療期間の経過全体にわたって投与される。
【0068】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは両方とも、治療期間の最初のサイクルの間投与され、次いで両方とも、基本的に治療期間の残りのサイクルの間投与される。
【0069】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは両方とも、治療期間の最初の1、最初の2、最初の3、最初の4、又は最初の5サイクルの間投与され、次いで両方とも、基本的に治療期間の残りのサイクルの間投与される。
【0070】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは両方とも、治療の各サイクルで投与される。
【0071】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、抗クラステリン抗体若しくはその抗原結合フラグメント及び/又はドセタキセル以外の並行治療を受けない。
【0072】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、抗クラステリン抗体若しくはその抗原結合フラグメント及び/又はドセタキセル以外の並行治療を要しない。
【0073】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、必要性に迫られているヒトである。
【0074】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、転移性として特徴付けられる腫瘍を有する対象である。
【0075】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、癌腫を有する対象である。
【0076】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、転移性癌を有する対象である。
【0077】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、免疫学的に冷たいとして特徴付けられる腫瘍を有する又は有するので選択された対象である。
【0078】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、免疫療法に非応答性である、免疫学的に温かい又は熱いとして特徴付けられる腫瘍を有する又は有するので選択された対象である。
【0079】
他の実施形態において、必要性に迫られている対象は、一次免疫チェックポイント療法の後に進行した癌腫を有する又は有するので選択された対象である。
【0080】
更に他の実施形態において、必要性に迫られている対象は、(例えば、同時に又は逐次的に)プラチナ含有ダブレット治療及び免疫チェックポイント療法を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する又は有するので選択された対象である。
【0081】
付加的な実施形態において、必要性に迫られている対象は、(例えば、同時に又は逐次的に)プラチナ含有ダブレット治療及び抗PD1又はPD-L1免疫チェックポイント抗体を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する又は有するので選択された対象である。
【0082】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、クラステリンを発現する又は分泌する腫瘍を有する。
【0083】
例示的な実施形態において、必要性に迫られている対象は、例えば子宮内膜がん、乳がん、肝臓がん、前立腺がん、腎がん、卵巣がん、結腸直腸がん、膵臓がん、肺がん、胃がん、頭頸部がん、甲状腺がん、胆管癌、中皮腫、黒色腫を有し得る。
【0084】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、非小細胞肺がん(NSCLC)を有する対象である。
【0085】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、転移性NSCLCを有する対象である。
【0086】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、ステージIII又はIVのNSCLCを有する対象である。
【0087】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、乳がんを有する対象である。
【0088】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、転移性乳がんを有する対象である。
【0089】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、前立腺がんを有する対象である。
【0090】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、転移性前立腺がんを有する対象である。
【0091】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、胃がんを有する対象である。
【0092】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、転移性胃がんを有する対象である。
【0093】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、頭頸部がんを有する対象である。
【0094】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、転移性頭頸部がんを有する対象である。
【0095】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、甲状腺がんを有する対象である。
【0096】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、転移性甲状腺がんを有する対象である。
【0097】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、卵巣がんを有する対象である。
【0098】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、転移性卵巣がんを有する対象である。
【0099】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、子宮内膜がんを有する対象である。
【0100】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、転移性子宮内膜がんを有する対象である。
【0101】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、肝臓がんを有する対象である。
【0102】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、転移性肝臓がんを有する対象である。
【0103】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、結腸直腸がんを有する対象である。
【0104】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、転移性結腸直腸がんを有する対象である。
【0105】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、膵臓がんを有する対象である。
【0106】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、転移性膵臓がんを有する対象である。
【0107】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、胆管癌を有する対象である。
【0108】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、転移性胆管癌を有する対象である。
【0109】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、中皮腫を有する対象である。
【0110】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、転移性中皮腫を有する対象である。
【0111】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、黒色腫を有する対象である。
【0112】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、転移性黒色腫を有する対象である。
【0113】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、免疫抑制されていない、又は治療前14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2日、若しくは1日以内に免疫抑制薬を受けていない対象である。
【0114】
本開示によれば、必要性に迫られている対象は、ドセタキセルを用いた先行治療を受けていない対象である。
【0115】
本開示によれば、対象は、治療の1回又は複数のサイクルの間治療される。一部の実施形態において、治療の1サイクルはおよそ21日間である。
【0116】
例示的な実施形態において、対象は、治療の少なくとも1サイクルの間治療される。
【0117】
別の例示的な実施形態において、対象は、治療の少なくとも2サイクルの間治療される。
【0118】
付加的な例示的な実施形態において、対象は、治療の少なくとも3サイクルの間治療される。
【0119】
更に付加的な例示的な実施形態において、対象は、治療の少なくとも4サイクルの間治療される。
【0120】
他の例示的な実施形態において、対象は、4回以上、5回以上、6回以上、7回以上、8回以上、9回以上、10回以上、11回以上、12回以上、13回以上、14回以上、15回以上、16回以上、17回以上、18回以上、19回以上、20回以上の治療サイクル治療される又はそれを受ける。
【0121】
一部の実施形態において、治療サイクルは連続的である。
【0122】
一部の実施形態において、治療サイクルは、ある期間(1日~数週間又は数カ月間に及ぶ)中断される。一部の実施形態において、少なくとも1回の治療サイクルが中断される。他の実施形態において、1回を上回る治療サイクルが中断される。他の実施形態において、治療は、医師又は臨床医によって判定されるある特定の期間の後中断される。
【0123】
本開示によれば、腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤は、生検によって確認される。
【0124】
本開示によれば、腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤は、イメージング(例えば、磁気共鳴イメージング)によって確認される。
【0125】
本開示によれば、方法は、単剤としての又はドセタキセルとの併用療法での抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントの1回又は複数のサイクルの後、免疫療法(免疫チェックポイント阻害剤、細胞免疫療法)を投与する工程を含む。
【0126】
一部の実施形態において、免疫療法は細胞免疫療法(CAR-T、TIL等)を含む。
【0127】
一部の実施形態において、免疫療法は免疫チェックポイント阻害剤を含む。
【0128】
一部の実施形態において、方法は、単剤としての又はドセタキセルとの併用療法での、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントの1回又は複数のサイクルの後、イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、又はデュルバルマブを投与する工程を含む。一部の実施形態において、対象は、単剤としての又はドセタキセルとの併用療法での、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントの1回又は複数のサイクルで治療され、その後、彼が以前に受けていない免疫チェックポイント阻害剤で治療される。
【0129】
本開示は、がんを有する対象における腫瘍(例えば、固形腫瘍)微小環境への免疫細胞の浸潤を可能にするための、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントを含む医薬も提供する。
【0130】
一部の実施形態において、医薬は、ドセタキセルとの組み合わせでの使用のためのものである。
【0131】
本開示は、がんを有する対象の治療のための、ドセタキセルとの組み合わせでの使用のための、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントを含む医薬であって、対象は、機能的免疫系又は適当な臓器及び免疫機能を有する、医薬も提供する。
【0132】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ10mg/mLの濃度の注射可能な溶液として製剤化されている。
【0133】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ3mg/kg~およそ20mg/kgの用量の送達のための静脈内注入液として製剤化されている。
【0134】
一部の実施形態において、ドセタキセルは、およそ10mg/mL~およそ40mg/mLの濃度の注射可能な溶液として製剤化されている。
【0135】
一部の実施形態において、ドセタキセルは、およそ60mg/m2~およそ100mg/m2の用量の送達のための静脈内注入液として製剤化されている。
【0136】
本開示は、およそ3mg/kg~およそ20mg/kgの用量での投与のために製剤化された抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントを含む医薬組成物と、およそ60mg/m2~100mg/m2の用量での投与のために製剤化されたドセタキセルを含む医薬組成物とを含む併用療法も提供する。
【0137】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、本明細書に記載されるCDR、可変領域、又は軽鎖及び重鎖を含む。
【0138】
本開示によれば、併用療法又は医薬は、必要性に迫られている対象を治療することにおいて使用される又は治療することにおける使用のためのものである。
【0139】
本開示によれば、併用療法又は医薬は、本明細書に記載されるがんを有する対象を治療することにおいて使用される又は治療することにおける使用のためのものである。
【0140】
一部の例示的な実施形態において、併用療法又は医薬は、癌腫を有する対象を治療することにおいて使用される又は治療することにおける使用のためのものである。
【0141】
一部の例示的な実施形態において、併用療法又は医薬は、転移性癌を有する対象を治療することにおいて使用される又は治療することにおける使用のためのものである。
【0142】
本開示によれば、併用療法又は医薬は、一次免疫チェックポイント療法の後に進行した癌腫を有する又は有するので選択された対象を治療することにおいて使用される又は治療することにおける使用のためのものである。
【0143】
本開示によれば、併用療法又は医薬は、(例えば、同時に又は逐次的に)プラチナ含有ダブレット治療及び免疫チェックポイント療法を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する又は有するので選択された対象を治療することにおいて使用される又は治療することにおける使用のためのものである。
【0144】
本開示によれば、併用療法又は医薬は、(例えば、同時に又は逐次的に)プラチナ含有ダブレット治療及び抗PD1又はPD-L1免疫チェックポイント抗体を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する又は有するので選択された対象を治療することにおいて使用される又は治療することにおける使用のためのものである。
【0145】
一部の例示的な実施形態において、併用療法又は医薬は、非小細胞肺がんを有する対象を治療することにおいて使用される又は治療することにおける使用のためのものである。一部の実施形態において、対象は、転移性NSCLC又はステージIII~IVのNSCLCを有する。
【0146】
一部の例示的な実施形態において、併用療法又は医薬は、乳がん、前立腺がん、胃がん、頭頸部がん、甲状腺がん、又は卵巣がんを有する対象を治療することにおいて使用される又は治療することにおける使用のためのものである。
【0147】
他の例示的な実施形態において、併用療法又は医薬は、転移性乳がん、転移性前立腺がん、転移性胃がん、転移性頭頸部がん、転移性甲状腺がん、又は転移性卵巣がんを有する対象を治療することにおいて使用される又は治療することにおける使用のためのものである。
【0148】
一部の例示的な実施形態において、併用療法又は医薬は、免疫抑制されていない、又は治療前7日以内に免疫抑制薬を受けていない対象において使用される又は対象における使用のためのものである。
【0149】
一部の例示的な実施形態において、併用療法又は医薬は、ドセタキセルを用いた先行治療を受けていない対象において使用される又は対象における使用のためのものである。
【0150】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントを含む医薬組成物、及びドセタキセルを含む医薬組成物は両方とも、治療期間の経過全体にわたって投与される。
【0151】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、本明細書に開示される投薬量で使用される又は投薬量での使用のためのものである。
【0152】
本開示によれば、ドセタキセルは、本明細書に開示される投薬量で使用される又は投薬量での使用のためのものである。
【0153】
例示的な実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回12mg/kgの用量で使用され又は用量での使用のためのものであり、ドセタキセルは、3週間ごとに1回75mg/m2の用量で使用される。
【0154】
例示的な実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回12mg/kgの用量で使用され又は用量での使用のためのものであり、ドセタキセルは、3週間ごとに1回60mg/m2の用量で使用される。
【0155】
例示的な実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回9mg/kgの用量で使用され又は用量での使用のためのものであり、ドセタキセルは、3週間ごとに1回75mg/m2の用量で使用される。
【0156】
例示的な実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回9mg/kgの用量で使用され又は用量での使用のためのものであり、ドセタキセルは、3週間ごとに1回60mg/m2の用量で使用される。
【0157】
例示的な実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回6mg/kgの用量で使用され又は用量での使用のためのものであり、ドセタキセルは、3週間ごとに1回75mg/m2の用量で使用される。
【0158】
例示的な実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回6mg/kgの用量で使用され又は用量での使用のためのものであり、ドセタキセルは、3週間ごとに1回60mg/m2の用量で使用される。
【0159】
例示的な実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回3mg/kgの用量で使用され又は用量での使用のためのものであり、ドセタキセルは、3週間ごとに1回75mg/m2の用量で使用される。
【0160】
例示的な実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回3mg/kgの用量で使用され又は用量での使用のためのものであり、ドセタキセルは、3週間ごとに1回60mg/m2の用量で使用される。
【0161】
本開示は、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントの少なくとも1回の用量を含む1つ又は複数の容器、併用療法における使用のためのドセタキセルの少なくとも1回の用量を含む1つ又は複数の容器、及び必要性に迫られている対象を治療するための使用説明書を含む添付文書を含むキットも提供する。
【0162】
本開示のキットは、本明細書に開示される抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントを含む。
【0163】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、癌腫を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0164】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性である癌腫を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0165】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、本明細書に開示される、必要性に迫られている対象の治療を意図されることを記述する。
【0166】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、一次免疫チェックポイント療法の後に進行した癌腫を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0167】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、(例えば、同時に又は逐次的に)プラチナ含有ダブレット治療及び免疫チェックポイント療法を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0168】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、(例えば、同時に又は逐次的に)プラチナ含有ダブレット治療及び抗PD1又はPD-L1免疫チェックポイント抗体を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0169】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、進行性非小細胞肺がん(NSCLC)、ステージIIIのNSCLC、及び/又はステージIVのNSCLC等、NSCLCを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0170】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、乳がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0171】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性乳がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0172】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、前立腺がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0173】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性前立腺がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0174】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、胃がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0175】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性胃がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0176】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、頭頸部がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0177】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性頭頸部がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0178】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、甲状腺がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0179】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性甲状腺がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0180】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、卵巣がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0181】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性卵巣がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0182】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、子宮内膜がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0183】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性子宮内膜がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0184】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、肝臓がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0185】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性肝臓がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0186】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、結腸直腸がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0187】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性結腸直腸がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0188】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、膵臓がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0189】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性膵臓がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0190】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、胆管癌を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0191】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性胆管癌を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0192】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、中皮腫を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0193】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性中皮腫を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0194】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、黒色腫を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0195】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性黒色腫を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0196】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、免疫抑制されていない、又は治療前7日以内に免疫抑制薬を受けていない対象の治療を意図されることを記述する。
【0197】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、ドセタキセルを用いた先行治療を受けていない対象の治療を意図されることを記述する。
【0198】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、基本的に治療期間の経過全体にわたる(例えば、治療期間を通した)投与のためのものであることを記述する。
【0199】
本開示は、本明細書に開示される医薬の少なくとも1回の用量を含む1つ又は複数の容器と、必要性に迫られている対象を治療するための使用説明書を含む本明細書に開示される添付文書とを含むキットであって、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルが別個の容器で提供される、キットにも関する。
【図面の簡単な説明】
【0200】
図1】4T1肺転移は、免疫リンパ球浸潤を阻止する、免疫学的に「冷たい」ことを示す図である。CD3+及びCD8+ T細胞は、リンパ球浸潤を阻止する、上皮から間葉への移行の結果としての制限的腫瘍微小環境の創出により、4T1肺転移の周辺に存在する。
図2A】16B5抗sCLU mAbを用いたEMTの阻害は、4T1肺転移へのB(B220)及びT(CD3、CD4、CD8)リンパ球浸潤をもたらすことを示す図である。
図2B】単剤としてのAB-16B5で治療された患者のヒト腫瘍生検の写真である。
図3】単剤療法において又はドセタキセルとの組み合わせで、AB-16B5で処理された4T1移植動物における肺結節の数のグラフである。
図4A】単剤療法において又はドセタキセルとの組み合わせで、AB-16B5で処理された動物由来の4T1肺転移は、B及びTリンパ球によって浸潤されることを示す図である。4T1肺転移を、移植後36日目に切開し、フローサイトメトリーによる免疫表現型検査のためにコラゲナーゼ及びヒアルロニダーゼで処理した。
図4B】単剤療法において又はドセタキセルとの組み合わせで、AB-16B5で処理された動物由来の4T1肺転移は、B及びTリンパ球によって浸潤されることを示す図である。4T1肺転移を、移植後36日目に切開し、フローサイトメトリーによる免疫表現型検査のためにコラゲナーゼ及びヒアルロニダーゼで処理した。
【発明を実施するための形態】
【0201】
本開示の更なる範囲、適用可能性、及び利点は、以下で与えられる非制限的な詳細な説明から明白になるであろう。しかしながら、この詳細な説明は、本開示の例示的な実施形態を示すと同時に、添付の図面に関連して、単なる例として与えられることが理解されるべきである。
【0202】
詳細な説明
定義
別様に示されない限り、二量体化ドメインに対して示されるアミノ酸番号付けは、EU番号付けシステムに従う。
【0203】
実施形態を記載する文脈における(とりわけ、特許請求の範囲の文脈における)「a」及び「an」及び「the」という用語、並びに同様の指示対象の使用は、本明細書において別様に示されない又は文脈によってはっきりと矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を網羅すると解釈されるべきである。
【0204】
具体的に記述されない又は文脈から明瞭でない限り、本明細書において使用されるとき、「又は」という用語は、包括的であり、「又は」及び「及び」の両方を網羅すると理解される。
【0205】
本明細書において使用される場合の「及び/又は」という用語は、他方の有無にかかわらず、指定された特質又は成分のそれぞれについての具体的開示と捉えられるべきである。
【0206】
「含む(comprising)」、「有する」、「含む(including)」、及び「含有する」という用語は、別様に記されない限り、非制約的な用語として解釈されるべきである(すなわち、「含むがそれらに限定されない」を意味する)。「で構成される」という用語は、閉鎖的として解釈されるべきである。
【0207】
本開示の目的のための「治療」という用語は、治療的処置及び予防的又は阻止的手段の両方を指す。治療の必要性に迫られている者は、障害を既に有する者並びに障害を有する傾向がある者又は障害が阻止されるべき者を含む。
【0208】
所与の値に関する「約」又は「およそ」という用語は、値の変動が企図されることを意味する。一部の実施形態において、「約」又は「およそ」という用語は、概して、所与の値又は域の±20パーセント以内、±10パーセント以内、±5パーセント以内、±4パーセント以内、±3パーセント以内、±2パーセント以内、又は±1パーセント以内の域を意味するものとする。
【0209】
「治療期間の経過全体にわたって」という表現は、抗クラステリン抗体又は抗原結合フラグメント及びドセタキセルの両方とも、各治療サイクルで投与されることを意味する。
【0210】
「基本的に」という用語は、ほとんどの場合に行われる行為、又はほとんどの場合に生じる状態を特徴付けするために使用される。例えば、「基本的に治療期間の経過全体にわたって」という表現は、抗クラステリン抗体又は抗原結合フラグメント及びドセタキセルの両方とも、各治療サイクルで且つ治療期間全体の間投与されるが、時々、抗クラステリン抗体若しくは抗原結合フラグメント又はドセタキセルのいずれかの投薬、或いはそれぞれの投薬は、意図的に又は非意図的に逸されてもよいことを意味する。
【0211】
対象に関する「機能的免疫系」という用語は、対象の免疫系が、がんによって若しくは医薬によって基本的に影響を受けないこと、又は対象が免疫抑制されていないことを意味する。
【0212】
「適当な臓器及び免疫機能」という表現は、Table 7(表7)において提供されるパラメーターの1つ又は複数を指す。
【0213】
方法及び使用
本開示は、腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤を可能にするための方法を提供する。
【0214】
一部の態様及び実施形態において、方法は、それの必要性に迫られている対象に、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントを投与する工程を含む。
【0215】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、本明細書に記載される単剤として又は併用療法において使用され得る。
【0216】
例えば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、化学療法誘導性免疫原性モジュレーションを生じさせるために等、ドセタキセルとの組み合わせで使用され得る。
【0217】
一部の実施形態において、本開示の方法は、より特に、それの必要性に迫られている対象に、ドセタキセルとの組み合わせで抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントを投与する工程を含む。
【0218】
他の態様及び実施形態において、本開示は、それの必要性に迫られている対象における腫瘍(例えば、固形腫瘍)微小環境への免疫細胞の浸潤を可能にするための、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントの使用に関する。
【0219】
更に他の態様及び実施形態において、本開示は、それの必要性に迫られている対象における腫瘍(例えば、固形腫瘍)微小環境への免疫細胞の浸潤を可能にするための医薬又はキットの製造における、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントの使用に関する。
【0220】
付加的な態様及び実施形態において、本開示は、がん(例えば、固形腫瘍)を有する対象の治療における、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントの使用に関する。
【0221】
更に付加的な態様及び実施形態において、本開示は、がん(例えば、固形腫瘍)を有する対象の治療のための医薬又はキットの製造における、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントの使用に関する。
【0222】
付加的な態様及び実施形態において、本開示は、がん(例えば、固形腫瘍)を有する対象の治療における、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルを含む併用療法の使用に関する。
【0223】
更に付加的な態様及び実施形態において、本開示は、がん(例えば、固形腫瘍)を有する対象の治療のための医薬又はキットの製造における、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルの使用に関する。
【0224】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、がん及び機能的免疫系を有する対象である。
【0225】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、がん並びに適当な臓器及び免疫機能を有する対象である。
【0226】
一部の実施形態において、本開示の方法は、腫瘍微小環境における免疫細胞の(存在又は分量の)増加をもたらし得る。
【0227】
一部の実施形態において、本開示の方法又は使用は、原発腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤をもたらし得る。
【0228】
一部の実施形態において、腫瘍微小環境は、プラズマ細胞等の免疫細胞に浸潤され得る。
【0229】
一部の実施形態において、本開示の方法又は使用は、腫瘍微小環境へのT細胞の浸潤をもたらし得る。
【0230】
一部の実施形態において、本開示の方法又は使用は、腫瘍微小環境へのCD4+ T細胞の浸潤をもたらし得る。
【0231】
一部の実施形態において、本開示の方法又は使用は、腫瘍微小環境へのCD8+ T細胞の浸潤をもたらし得る。
【0232】
一部の実施形態において、本開示の方法又は使用は、腫瘍微小環境へのB細胞の浸潤をもたらし得る。
【0233】
一部の実施形態において、腫瘍微小環境における免疫細胞の非存在又は存在は、腫瘍生検によって確認され得る。
【0234】
他の実施形態において、腫瘍微小環境における免疫細胞の非存在又は存在は、インビボイメージング(例えば磁気共鳴イメージング、例えばJiang X.ら、2020を参照されたい)によって確認され得る。
【0235】
腫瘍微小環境が、免疫細胞によって(とりわけ、リンパ球によって)十分に浸潤されない場合、又は腫瘍微小環境が炎症を起こしていない場合、腫瘍は「免疫学的に冷たい」として特徴付けされ得る。対照的に、腫瘍微小環境への免疫細胞の(とりわけ、リンパ球による)浸潤が観察される場合、又は腫瘍が炎症の兆候を示す場合、腫瘍は「免疫学的に温かい」又は「免疫学的に熱い」として特徴付けされ得る。
【0236】
一般的に、適正な試薬及び/又は装置を備えた、病理学者、技師、訓練を受けた科学者、又は訓練を受けた技術者であれば、腫瘍微小環境における免疫細胞の非存在又は存在を判定することができ得、故に、腫瘍が「免疫学的に冷たい」、「免疫学的に温かい」、又は「免疫学的に熱い」かどうかを評価することができ得る。
【0237】
故に、対象が「免疫学的に冷たい腫瘍」を有するという確認の後で、単剤又は併用療法が投与され得る。
【0238】
加えて、腫瘍微小環境における免疫細胞の検出は、単剤としての又はドセタキセルとの併用療法での抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントを用いた治療が、腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤を有効に可能にすることを明らかにし得る。
【0239】
本開示の方法又は使用は、免疫療法による治療に対してより感受性が高い腫瘍をもたらし得る。それ故、本開示は、単剤としての又はドセタキセルとの併用療法での抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントの1回又は複数のサイクルの後、免疫療法を投与するステップを含む。
【0240】
免疫療法は、例えば免疫チェックポイント阻害剤(抗PD1又は抗PDL-1抗体、抗CTL-A4抗体)及び細胞免疫療法(例えば、CAR-T細胞、TIL)を含む。
【0241】
FDA承認免疫チェックポイント阻害剤の例示的な実施形態は、イピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、及びデュルバルマブを含む。
【0242】
一部の実施形態において、本開示の方法又は使用は、腫瘍細胞に対する免疫応答のモジュレーションをもたらし得る。
【0243】
本開示の方法又は使用は、腫瘍細胞に対する免疫応答の増加をもたらし得る。
【0244】
一部の実施形態において、本開示の方法又は使用は、腫瘍の壊死をもたらし得る。
【0245】
他の態様及び実施形態において、本開示は、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントを投与することによって、がんを有する対象を治療する方法に関する。対象は、機能的免疫系を有し得る。
【0246】
更に他の態様及び実施形態において、本開示は、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルを含む併用療法を投与することによって、がんを有する対象を治療する方法に関する。対象は、機能的免疫系を有し得る。対象は、適当な臓器及び免疫機能を有し得る。
【0247】
一部の実施形態において、本開示の方法又は使用は、治療期間中の並行抗がん治療を要しない。
【0248】
一部の実施形態において、本開示の方法又は使用は、治療期間中の並行抗がん治療を伴わない。
【0249】
本開示によれば、方法又は使用は、およそ3mg/kg~およそ20mg/kgの用量の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントを投与する工程を含む。
【0250】
また、本開示によれば、方法又は使用は、およそ3mg/kg~およそ20mg/kgの用量の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント、及びおよそ60mg/m2~およそ100mg/m2の用量のドセタキセルを投与する工程を含む。
【0251】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは、概して同日に投与される。しかしながら、それらは異なる日に投与されることが可能である。
【0252】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは両方とも、治療期間の経過全体にわたって投与される。一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは両方とも、各サイクルで投与される。
【0253】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは両方とも、基本的に治療期間の経過全体にわたって投与される。一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは、全てのサイクルで投与される。
【0254】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは両方とも、概して各治療サイクルで投与される。しかしながら、抗クラステリン抗体若しくはその抗原結合フラグメント及び/又はドセタキセルの1回又は複数の投薬は、治療に負の影響を与えることなく逸されることが可能である。抗クラステリン抗体若しくはその抗原結合フラグメント及び/又はドセタキセルの1回又は複数の付加的な投薬が、治療に負の影響を与えることなく投与されることも可能である。
【0255】
方法又は使用は、ある期間(例えば、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、少なくとも10週間、1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間、10カ月間、11カ月間、少なくとも6カ月間、少なくとも10カ月間、少なくとも1年間、1サイクル、2サイクル、3サイクル、4サイクル、5サイクル、6サイクル、7サイクル、8サイクル、9サイクル、10サイクル、少なくとも10サイクル)、治療(単剤又は併用療法)を中断する工程も伴い得る。治療はその後再開され得る。
【0256】
一部の実施形態において、少なくとも1回の治療サイクルが中断される。
【0257】
他の実施形態において、1回を上回る治療サイクルが中断される。
【0258】
一部の実施形態において、中断は1日~1週間続く。一部の実施形態において、中断は1日~2週間続く。一部の実施形態において、中断は1日~3週間続く。一部の実施形態において、中断は1日~1カ月間続く。一部の実施形態において、中断は1日~2カ月間続く。一部の実施形態において、中断は1日~3カ月間続く。一部の実施形態において、中断は1日~4カ月間続く。一部の実施形態において、中断は1日~5カ月間続く。一部の実施形態において、中断は1日~6カ月間続く。一部の実施形態において、中断は1日~6カ月間を上回る期間続く。
【0259】
一部の実施形態において、方法又は使用は、1回又は複数のサイクルの抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセル併用療法で必要性に迫られている対象を治療する工程、並びにその後、単剤としての抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントで対象を治療する工程を伴い得る。
【0260】
一部の実施形態において、方法又は使用は、単剤としての抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントで必要性に迫られている対象を治療する工程、並びにその後、1回又は複数のサイクルの抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセル併用療法で対象を治療する工程を伴い得る。
【0261】
本開示によれば、方法又は使用は、それの必要性に迫られている対象における癌腫の治療のためのものである。
【0262】
本開示によれば、方法又は使用は、それの必要性に迫られている対象における転移性癌の治療のためのものである。
【0263】
一部の実施形態において、がんは非小細胞肺がん(NSCLC)である。例示的な実施形態において、がんは、ステージIII~IVのNSCLC等、転移性NSCLCである。
【0264】
一部の実施形態において、がんは乳がんである。例示的な実施形態において、がんは転移性乳がんである。
【0265】
一部の実施形態において、がんは前立腺がんである。例示的な実施形態において、がんは転移性前立腺がんである。
【0266】
一部の実施形態において、がんは胃がんである。例示的な実施形態において、がんは転移性胃がんである。
【0267】
一部の実施形態において、がんは頭頸部がんである。例示的な実施形態において、がんは転移性頭頸部がんである。
【0268】
一部の実施形態において、がんは甲状腺がんである。例示的な実施形態において、がんは転移性甲状腺がんである。
【0269】
一部の実施形態において、がんは卵巣がんである。例示的な実施形態において、がんは転移性卵巣がんである。
【0270】
投薬量、治療レジメン、及びスケジュール
抗クラステリン抗体
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤をもたらすのに十分な用量で投与される。
【0271】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントの用量は、治療上有効で且つ安全な用量である。
【0272】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤をもたらすのに十分な投与間隔で投与される。
【0273】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤をもたらすのに十分な治療期間投与される。
【0274】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤をもたらすのに十分な用量、投与間隔で、及び/又は治療期間投与される。
【0275】
本開示の例示的な実施形態によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは週1回投与される。
【0276】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは週2回投与される。
【0277】
本開示の更に別の例示的な実施形態によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは週3回投与される。
【0278】
本開示の更なる例示的な実施形態によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは2週間ごとに1回投与される。
【0279】
本開示の更に更なる例示的な実施形態によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは3週間ごとに1回投与される。
【0280】
本開示の付加的な例示的な実施形態によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは4週間ごとに1回投与される。
【0281】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ3mg/kg~およそ20mg/kgの用量で投与される。
【0282】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ3.0mg/kgの用量で投与される。
【0283】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ4.0mg/kgの用量で投与される。
【0284】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ5.0mg/kgの用量で投与される。
【0285】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ6.0mg/kgの用量で投与される。
【0286】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ7.0mg/kgの用量で投与される。
【0287】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ8.0mg/kgの用量で投与される。
【0288】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ9.0mg/kgの用量で投与される。
【0289】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ10.0mg/kgの用量で投与される。
【0290】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ11.0mg/kgの用量で投与される。
【0291】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ12.0mg/kgの用量で投与される。
【0292】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ13.0mg/kgの用量で投与される。
【0293】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ14.0mg/kgの用量で投与される。
【0294】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ15.0mg/kgの用量で投与される。
【0295】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ16.0mg/kgの用量で投与される。
【0296】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ17.0mg/kgの用量で投与される。
【0297】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ18.0mg/kgの用量で投与される。
【0298】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ19.0mg/kgの用量で投与される。
【0299】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ20.0mg/kgの用量で投与される。
【0300】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、およそ3mg/kg~およそ20mg/kgの用量で投与される。
【0301】
本開示によれば、ヒト化16B5は、およそ4mg/kg~およそ20mg/kgの用量で投与される。
【0302】
本開示によれば、ヒト化16B5は、およそ5mg/kg~およそ20mg/kgの用量で投与される。
【0303】
本開示によれば、ヒト化16B5は、およそ6mg/kg~およそ20mg/kgの用量で投与される。
【0304】
本開示によれば、ヒト化16B5は、およそ6mg/kg~およそ18mg/kgの用量で投与される。
【0305】
本開示によれば、ヒト化16B5は、およそ6mg/kg~およそ17mg/kgの用量で投与される。
【0306】
本開示によれば、ヒト化16B5は、およそ6mg/kg~およそ16mg/kgの用量で投与される。
【0307】
本開示によれば、ヒト化16B5は、およそ6mg/kg~およそ15mg/kgの用量で投与される。
【0308】
本開示によれば、ヒト化16B5は、およそ6mg/kg~およそ14mg/kgの用量で投与される。
【0309】
本開示によれば、ヒト化16B5は、およそ6mg/kg~およそ13mg/kgの用量で投与される。
【0310】
本開示によれば、ヒト化16B5は、およそ6mg/kg~およそ12mg/kgの用量で投与される。
【0311】
本開示によれば、ヒト化16B5は、およそ7mg/kg~およそ12mg/kgの用量で投与される。
【0312】
本開示によれば、ヒト化16B5は、およそ8mg/kg~およそ12mg/kgの用量で投与される。
【0313】
本開示によれば、ヒト化16B5は、およそ9mg/kg~およそ12mg/kgの用量で投与される。
【0314】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、およそ3.0mg/kgの用量で投与される。
【0315】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、およそ4.0mg/kgの用量で投与される。
【0316】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、およそ5.0mg/kgの用量で投与される。
【0317】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、およそ6.0mg/kgの用量で投与される。
【0318】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、およそ7.0mg/kgの用量で投与される。
【0319】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、およそ8.0mg/kgの用量で投与される。
【0320】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、およそ9.0mg/kgの用量で投与される。
【0321】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、およそ10.0mg/kgの用量で投与される。
【0322】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、およそ11.0mg/kgの用量で投与される。
【0323】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、およそ12.0mg/kgの用量で投与される。
【0324】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、およそ13.0mg/kgの用量で投与される。
【0325】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、およそ14.0mg/kgの用量で投与される。
【0326】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、およそ15.0mg/kgの用量で投与される。
【0327】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、およそ16.0mg/kgの用量で投与される。
【0328】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、およそ17.0mg/kgの用量で投与される。
【0329】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、およそ18.0mg/kgの用量で投与される。
【0330】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、およそ19.0mg/kgの用量で投与される。
【0331】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、およそ20.0mg/kgの用量で投与される。
【0332】
ドセタキセル
本開示によれば、ドセタキセルは、腫瘍の化学療法誘導性免疫原性モジュレーションを可能にするのに十分な用量で投与される。
【0333】
一部の実施形態において、ドセタキセルの用量は、治療上有効で且つ安全な用量である。
【0334】
本開示によれば、ドセタキセルは、腫瘍の化学療法誘導性免疫原性モジュレーションを可能にするのに十分な投与間隔で投与される。
【0335】
本開示によれば、ドセタキセルは、腫瘍の化学療法誘導性免疫原性モジュレーションを可能にするのに十分な治療期間投与される。
【0336】
一部の実施形態において、ドセタキセルは、腫瘍の化学療法誘導性免疫原性モジュレーションを可能にするのに十分な用量及び/又は投与間隔で及び/又は治療期間投与される。
【0337】
本開示の例示的な実施形態によれば、ドセタキセルは毎週1回投与される。
【0338】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、ドセタキセルは2週間ごとに1回投与される。
【0339】
本開示の更に別の例示的な実施形態によれば、ドセタキセルは3週間ごとに1回投与される。
【0340】
本開示の更なる例示的な実施形態によれば、ドセタキセルは4週間ごとに1回投与される。
【0341】
本開示の更なる例示的な実施形態によれば、ドセタキセルは5週間ごとに1回投与される。
【0342】
本開示の更なる例示的な実施形態によれば、ドセタキセルは6週間ごとに1回投与される。
【0343】
本開示によれば、ドセタキセルは、およそ60mg/m2~およそ100mg/m2の用量で投与される。
【0344】
本開示によれば、ドセタキセルは、およそ60mg/m2~およそ95mg/m2の用量で投与される。
【0345】
本開示によれば、ドセタキセルは、およそ60mg/m2~およそ90mg/m2の用量で投与される。
【0346】
本開示によれば、ドセタキセルは、およそ60mg/m2~およそ85mg/m2の用量で投与される。
【0347】
本開示によれば、ドセタキセルは、およそ60mg/m2~およそ80mg/m2の用量で投与される。
【0348】
本開示によれば、ドセタキセルは、およそ60mg/m2~およそ75mg/m2の用量で投与される。
【0349】
本開示によれば、ドセタキセルは、およそ70mg/m2~およそ75mg/m2の用量で投与される。
【0350】
一部の実施形態において、ドセタキセルは、およそ60mg/m2の用量で投与される。
【0351】
一部の実施形態において、ドセタキセルは、およそ65mg/m2の用量で投与される。
【0352】
一部の実施形態において、ドセタキセルは、およそ70mg/m2の用量で投与される。
【0353】
一部の実施形態において、ドセタキセルは、およそ75mg/m2の用量で投与される。
【0354】
一部の実施形態において、ドセタキセルは、およそ80mg/m2の用量で投与される。
【0355】
一部の実施形態において、ドセタキセルは、およそ85mg/m2の用量で投与される。
【0356】
一部の実施形態において、ドセタキセルは、およそ90mg/m2の用量で投与される。
【0357】
一部の実施形態において、ドセタキセルは、およそ95mg/m2の用量で投与される。
【0358】
一部の実施形態において、ドセタキセルは、およそ100mg/m2の用量で投与される。
【0359】
組み合わせ及び医薬
本開示は、一部の態様及び実施形態において、がんを有する対象における腫瘍(例えば、固形腫瘍)微小環境への免疫細胞の浸潤を可能にするための、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントを含む医薬を提供する。
【0360】
一部の実施形態において、医薬は、ドセタキセルとの組み合わせでの使用のためのものである。
【0361】
更に他の態様及び実施形態において、本開示は、がんを有する対象の治療のための、ドセタキセルとの組み合わせでの使用のための、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントを含む医薬を提供する。
【0362】
本開示は、他の態様及び実施形態において、およそ3mg/kg~およそ20mg/kgの用量での投与のために製剤化された抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントを含む医薬組成物と、およそ60mg/m2~100mg/m2の用量での投与のために製剤化されたドセタキセルを含む医薬組成物とを含む併用療法を提供する。
【0363】
一部の実施形態において、併用療法又は医薬は、腫瘍(例えば、固形腫瘍)微小環境への免疫細胞の浸潤を可能にすることにおける使用のためのものである。
【0364】
他の実施形態において、併用療法又は医薬は、がんを有する対象を治療することにおける使用のためのものである。
【0365】
更に他の実施形態において、併用療法又は医薬は、がん及び機能的免疫系を有する対象を治療することにおける使用のためのものである。
【0366】
更に他の実施形態において、併用療法又は医薬は、がん並びに適当な臓器及び免疫機能を有する対象を治療することにおける使用のためのものである。
【0367】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルはそれぞれ、腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤及び/又は腫瘍の化学療法誘導性免疫原性モジュレーションを可能にするのに十分な用量で投与される。
【0368】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルはそれぞれ、腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤及び/又は腫瘍の化学療法誘導性免疫原性モジュレーションを可能にするのに十分な投与間隔で投与される。
【0369】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルはそれぞれ、腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤及び/又は腫瘍の化学療法誘導性免疫原性モジュレーションを可能にするのに十分な治療期間投与される。
【0370】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルはそれぞれ、腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤及び/又は腫瘍の化学療法誘導性免疫原性モジュレーションを可能にするのに十分な用量、投与間隔で及び/又は治療期間投与される。
【0371】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回およそ12mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ75mg/m2の用量で投与される。
【0372】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回およそ12mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ60mg/m2の用量で投与される。
【0373】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回およそ9mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ75mg/m2の用量で投与される。
【0374】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回およそ9mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ60mg/m2の用量で投与される。
【0375】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回およそ6mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ75mg/m2の用量で投与される。
【0376】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回およそ6mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ60mg/m2の用量で投与される。
【0377】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回およそ3mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ75mg/m2の用量で投与される。
【0378】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、週1回およそ3mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ60mg/m2の用量で投与される。
【0379】
併用療法において又は医薬において使用される抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、本明細書に記載されるとおりである。
【0380】
例えば、併用療法において又は医薬において使用される抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9に示される軽鎖可変領域の相補性決定領域(CDR)を含む軽鎖可変領域、及び配列番号10に示される重鎖可変領域のCDRを含む重鎖可変領域を有し得る。
【0381】
例示的な実施形態において、併用療法において又は医薬において使用される抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するCDRL1、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するCDRL2、配列番号3に示されるアミノ酸配列を有するCDRL3を含む軽鎖可変領域、及び配列番号4に示されるアミノ酸配列を有するCDRH1、配列番号5に示されるアミノ酸配列を有するCDRH2、配列番号6に示されるアミノ酸配列を有するCDRH3を含む重鎖可変領域を有し得る。
【0382】
別の例示的な実施形態において、併用療法において又は医薬において使用される抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するCDRL1、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するCDRL2、配列番号3に示されるアミノ酸配列を有するCDRL3を含む軽鎖可変領域、及び配列番号35に示されるアミノ酸配列を有するCDRH1、配列番号36に示されるアミノ酸配列を有するCDRH2、配列番号37に示されるアミノ酸配列を有するCDRH3を含む重鎖可変領域を有し得る。
【0383】
更に別の例示的な実施形態において、併用療法において又は医薬において使用される抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号7に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号8に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を有し得る。
【0384】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号7に示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号8に示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。
【0385】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。
【0386】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9に示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。
【0387】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号11に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号12に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖を含む。
【0388】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号11に示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号12に示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する重鎖を含む。
【0389】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回12mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回75mg/m2の用量で投与される。
【0390】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回12mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回60mg/m2の用量で投与される。
【0391】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回9mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回75mg/m2の用量で投与される。
【0392】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回9mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回60mg/m2の用量で投与される。
【0393】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回6mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回75mg/m2の用量で投与される。
【0394】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回6mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回60mg/m2の用量で投与される。
【0395】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回3mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回75mg/m2の用量で投与される。
【0396】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回3mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回60mg/m2の用量で投与される。
【0397】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回およそ3mg/kg~およそ20mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ60mg/m2~およそ100mg/m2の用量で投与され、両方とも、基本的に治療期間の経過全体にわたって投与される。
【0398】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回およそ4mg/kg~およそ18mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ60mg/m2~およそ100mg/m2の用量で投与され、両方とも、基本的に治療期間の経過全体にわたって投与される。
【0399】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回およそ5mg/kg~およそ16mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ60mg/m2~およそ100mg/m2の用量で投与され、両方とも、基本的に治療期間の経過全体にわたって投与される。
【0400】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回およそ6mg/kg~およそ15mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ60mg/m2~およそ100mg/m2の用量で投与され、両方とも、基本的に治療期間の経過全体にわたって投与される。
【0401】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回およそ6mg/kg~およそ12mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回およそ60mg/m2~およそ100mg/m2の用量で投与され、両方とも、基本的に治療期間の経過全体にわたって投与される。
【0402】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回12mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回60mg/m2の用量で投与され、両方とも、基本的に治療期間の経過全体にわたって投与される。
【0403】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回9mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回75mg/m2の用量で投与され、両方とも、基本的に治療期間の経過全体にわたって投与される。
【0404】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回9mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回60mg/m2の用量で投与され、両方とも、基本的に治療期間の経過全体にわたって投与される。
【0405】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回6mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回75mg/m2の用量で投与され、両方とも、基本的に治療期間の経過全体にわたって投与される。
【0406】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回6mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回60mg/m2の用量で投与され、両方とも、基本的に治療期間の経過全体にわたって投与される。
【0407】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回3mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回75mg/m2の用量で投与され、両方とも、基本的に治療期間の経過全体にわたって投与される。
【0408】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントはヒト化16B5であり、週1回3mg/kgの用量で投与され、ドセタキセルは、3週間ごとに1回60mg/m2の用量で投与され、両方とも、基本的に治療期間の経過全体にわたって投与される。
【0409】
一部の実施形態において、対象が、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルの両方を受けた後およそ7日間の期間後に、治療サイクルは完了したと見なされる。
【0410】
例えば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルの両方が毎週投与される場合、治療サイクルは7日間であると見なされる。
【0411】
例えば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントが毎週投与され、ドセタキセルが2週間ごとに投与される場合、治療サイクルは14日間であると見なされる。
【0412】
例えば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントが毎週投与され、ドセタキセルが3週間ごとに投与される場合、治療サイクルは21日間であると見なされる。
【0413】
一部の例示的な実施形態において、1回の治療サイクルはおよそ21日間である。
【0414】
一部の例示的な実施形態において、基本的に全ての治療サイクルはおよそ21日間である。
【0415】
一部の例示的な実施形態において、各治療サイクルはおよそ21日間である。
【0416】
本開示によれば、対象は、故に、21日ごとに新たな治療サイクルを受け得る。
【0417】
本開示によれば、対象は、少なくとも1回の治療サイクルを受け得る。
【0418】
本開示によれば、対象は、少なくとも2回の治療サイクルを受け得る。
【0419】
本開示によれば、対象は、少なくとも3回の治療サイクルを受け得る。
【0420】
本開示によれば、対象は、少なくとも4回の治療サイクルを受け得る。
【0421】
本開示によれば、対象は、4回以上の治療サイクルを受け得る。
【0422】
本開示によれば、対象は、少なくとも5回の治療サイクルを受け得る。
【0423】
本開示によれば、対象は、少なくとも6回の治療サイクルを受け得る。
【0424】
本開示によれば、対象は、少なくとも7回の治療サイクルを受け得る。
【0425】
本開示によれば、対象は、少なくとも8回の治療サイクルを受け得る。
【0426】
本開示によれば、対象は、少なくとも9回の治療サイクルを受け得る。
【0427】
本開示によれば、対象は、少なくとも10回の治療サイクルを受け得る。
【0428】
本開示によれば、対象は、少なくとも11回の治療サイクルを受け得る。
【0429】
本開示によれば、対象は、少なくとも12回の治療サイクルを受け得る。
【0430】
本開示によれば、対象は、少なくとも13回の治療サイクルを受け得る。
【0431】
本開示によれば、対象は、少なくとも14回の治療サイクルを受け得る。
【0432】
本開示によれば、対象は、少なくとも15回の治療サイクルを受け得る。
【0433】
本開示によれば、対象は、少なくとも16回の治療サイクルを受け得る。
【0434】
本開示によれば、対象は、少なくとも17回の治療サイクルを受け得る。
【0435】
本開示によれば、対象は、少なくとも18回の治療サイクルを受け得る。
【0436】
本開示によれば、対象は、少なくとも19回の治療サイクルを受け得る。
【0437】
本開示によれば、対象は、少なくとも20回の治療サイクルを受け得る。
【0438】
本開示によれば、対象は、20回を上回る治療サイクルを受け得る。
【0439】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ1時間の時間枠にわたって注入によって投与される。
【0440】
一部の実施形態において、ドセタキセルは、およそ1時間の時間枠にわたって注入によって投与される。
【0441】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは、同日に投与される。
【0442】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは、別個に投与され得る。
【0443】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは、逐次的に投与され得る。
【0444】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、およそ1時間の時間枠にわたって注入によって投与され、ドセタキセルは、その後、およそ1時間の時間枠にわたって同日に注入によって投与される。
【0445】
一部の実施形態において、ドセタキセルは、およそ1時間の時間枠にわたって注入によって投与され、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、その後、およそ1時間の時間枠にわたって同日に注入によって投与される。
【0446】
本開示によれば、併用療法又は医薬は、癌腫を有する対象に使用され得る。
【0447】
本開示によれば、併用療法又は医薬は、転移性癌を有する対象に使用され得る。
【0448】
一部の実施形態において、併用療法又は医薬は、転移性非小細胞肺がん(NSCLC)又はステージIII~IVのNSCLC等、NSCLCを有する対象に使用され得る。
【0449】
例示的な実施形態において、併用療法又は医薬は、乳がん、前立腺がん、胃がん、頭頸部がん、甲状腺がん、又は卵巣がんを有する対象に使用され得る。
【0450】
例示的な実施形態において、併用療法又は医薬は、転移性乳がん、転移性前立腺がん、転移性胃がん、転移性頭頸部がん、転移性甲状腺がん、又は転移性卵巣がんを有する対象に使用され得る。
【0451】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントを含む医薬組成物、及びドセタキセルを含む医薬組成物は両方とも、基本的に治療期間の経過全体にわたって投与される。
【0452】
抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント
本開示は、単独(単剤)での、又はドセタキセル等、免疫原性モジュレーションを誘導する化学療法薬との組み合わせでの、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントの使用に関する。
【0453】
一部の実施形態において、本開示の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、上皮から間葉への移行を阻害し得る。
【0454】
一部の実施形態において、本開示の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、ヒトクラステリンのβ-サブユニットのC末端部分のアミノ酸421及び443に結合し得る(配列番号35、第WO2007/030930号の下で公開されたPCT/CA2006/001505、及び第WO2011/063523号の下で公開された国際出願第PCT/CA2010/0001882号を参照されたく、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる)。
【0455】
一部の実施形態において、本開示の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、ヒトクラステリンのβ-サブユニットのC末端部分のアミノ酸421及び443内に含まれるエピトープに結合し得る(配列番号35、第WO2007/030930号の下で公開されたPCT/CA2006/001505、及び第WO2011/063523号の下で公開された国際出願第PCT/CA2010/0001882号を参照されたく、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる)。
【0456】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、本開示の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントのCDRを含む。
【0457】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、クラステリン(例えば、分泌クラステリン(sCLU)又は腫瘍関連sCLU(TA-sCLU))の結合について、又は配列番号35に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドへの結合について、本開示の抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントと競合することができる抗体又はその抗原結合フラグメントである。
【0458】
一部の実施形態において、CDRは、当業者に公知の方法を使用して特定され、それは、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、Andrew C.R. MartinによるAntibody Engineering、第2巻、第3章に概説される。
【0459】
特定の実施形態において、全てのCDRは、最もよく使用される定義であるKabat定義(Wu及びKabat、1970)を使用して特定される。
【0460】
特定の実施形態において、全てのCDRは、これらは抗原との相互作用に参加する残基であることから、抗体の親和性を改変するために突然変異誘発を実施することを望む人々にとっておそらく最も有用である接触定義(contact definition)(MacCallumら、1996)を使用して特定される。
【0461】
特定の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9に示される軽鎖可変領域の相補性決定領域(CDR)を含む軽鎖可変領域、及び配列番号10に示される重鎖可変領域のCDRを含む重鎖可変領域を含む。
【0462】
一部の例示的な実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するCDRL1、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するCDRL2、配列番号3に示されるアミノ酸配列を有するCDRL3を含む軽鎖可変領域を含む。
【0463】
一部の例示的な実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号4に示されるアミノ酸配列を有するCDRH1、配列番号5に示されるアミノ酸配列を有するCDRH2、配列番号6に示されるアミノ酸配列を有するCDRH3を含む重鎖可変領域を含む。
【0464】
一部の例示的な実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号35に示されるアミノ酸配列を有するCDRH1、配列番号36に示されるアミノ酸配列を有するCDRH2、配列番号37に示されるアミノ酸配列を有するCDRH3を含む重鎖可変領域を含む。
【0465】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するCDRL1、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するCDRL2、配列番号3に示されるアミノ酸配列を有するCDRL3を含む軽鎖可変領域、及び配列番号4に示されるアミノ酸配列を有するCDRH1、配列番号5に示されるアミノ酸配列を有するCDRH2、配列番号6に示されるアミノ酸配列を有するCDRH3を含む重鎖可変領域を含む。
【0466】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するCDRL1、配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するCDRL2、配列番号3に示されるアミノ酸配列を有するCDRL3を含む軽鎖可変領域、及び配列番号35に示されるアミノ酸配列を有するCDRH1、配列番号36に示されるアミノ酸配列を有するCDRH2、配列番号37に示されるアミノ酸配列を有するCDRH3を含む重鎖可変領域を含む。
【0467】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号7に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号8に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。
【0468】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号7に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号8に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。
【0469】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号7に示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号8に示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。
【0470】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、クラステリン(例えば、分泌クラステリン(sCLU)又は腫瘍関連sCLU(TA-sCLU))の結合について、又は配列番号35に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドへの結合について、配列番号7に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号8に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む抗体と競合することができる。
【0471】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。
【0472】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。
【0473】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号9に示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。
【0474】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、クラステリン(例えば、分泌クラステリン(sCLU)又は腫瘍関連sCLU(TA-sCLU))の結合について、又は配列番号35に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドへの結合について、配列番号9に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号10に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む抗体と競合することができる。
【0475】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号11に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号12に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖を含む。
【0476】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号11に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号12に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖を含む。
【0477】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号11に示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号12に示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する重鎖を含む。
【0478】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、クラステリン(例えば、分泌クラステリン(sCLU)又は腫瘍関連sCLU(TA-sCLU))の結合について、又は配列番号35に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドへの結合について、配列番号11に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号12に示されるアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体と競合することができる。
【0479】
他の特定の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号15に示されるアミノ酸配列を有するCDRL1、配列番号16に示されるアミノ酸配列を有するCDRL2、配列番号17に示されるアミノ酸配列を有するCDRL3を含む軽鎖可変領域を含む。
【0480】
一部の例示的な実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号18に示されるアミノ酸配列を有するCDRH1、配列番号19に示されるアミノ酸配列を有するCDRH2、配列番号20に示されるアミノ酸配列を有するCDRH3を含む重鎖可変領域を含む。
【0481】
一部の例示的な実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号38に示されるアミノ酸配列を有するCDRH1、配列番号39に示されるアミノ酸配列を有するCDRH2、配列番号40に示されるアミノ酸配列を有するCDRH3を含む重鎖可変領域を含む。
【0482】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号15に示されるアミノ酸配列を有するCDRL1、配列番号16に示されるアミノ酸配列を有するCDRL2、配列番号17に示されるアミノ酸配列を有するCDRL3を含む軽鎖可変領域、及び配列番号18に示されるアミノ酸配列を有するCDRH1、配列番号19に示されるアミノ酸配列を有するCDRH2、配列番号20に示されるアミノ酸配列を有するCDRH3を含む重鎖可変領域を含む。
【0483】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号15に示されるアミノ酸配列を有するCDRL1、配列番号16に示されるアミノ酸配列を有するCDRL2、配列番号17に示されるアミノ酸配列を有するCDRL3を含む軽鎖可変領域、及び配列番号38に示されるアミノ酸配列を有するCDRH1、配列番号39に示されるアミノ酸配列を有するCDRH2、配列番号40に示されるアミノ酸配列を有するCDRH3を含む重鎖可変領域を含む。
【0484】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号21に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。
【0485】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号21に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。
【0486】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号21に示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。
【0487】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、クラステリン(例えば、分泌クラステリン(sCLU)又は腫瘍関連sCLU(TA-sCLU))の結合について、又は配列番号35に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドへの結合について、配列番号21に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号22に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む抗体と競合することができる。
【0488】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号23に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号24に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。
【0489】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号23に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号24に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。
【0490】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号23に示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号24に示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む。
【0491】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、クラステリン(例えば、分泌クラステリン(sCLU)又は腫瘍関連sCLU(TA-sCLU))の結合について、又は配列番号35に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドへの結合について、配列番号23に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖可変領域、及び配列番号24に示されるアミノ酸配列を有する重鎖可変領域を含む抗体と競合することができる。
【0492】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号25に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号26に示されるアミノ酸配列と少なくとも80%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖を含む。
【0493】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号25に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号26に示されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を有する重鎖を含む。
【0494】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、配列番号25に示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号26に示されるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有する重鎖を含む。
【0495】
一部の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、クラステリン(例えば、分泌クラステリン(sCLU)又は腫瘍関連sCLU(TA-sCLU))の結合について、又は配列番号35に示されるアミノ酸配列を含むポリペプチドへの結合について、配列番号25に示されるアミノ酸配列を有する軽鎖、及び配列番号26に示されるアミノ酸配列を有する重鎖を含む抗体と競合することができる。
【0496】
更に他の特定の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、Table 9(表9)に列挙される抗体又はその抗原結合フラグメントのCDR、可変領域、又は全鎖アミノ酸配列を含む。16B5、21B12、20E11、11E2、及び16C11として特定される抗体のアミノ酸配列は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2006年9月13日に出願され、第WO2007/030930号の下で2007年3月22日に公開された国際出願第PCT/CA2006/001505号に開示される。マウス16B5、ヒト化16B5、マウス21B12、及びヒト化21B12のアミノ酸配列は、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、2010年11月24日に出願され、第WO2011/063523号の下で2011年6月3日に公開された国際出願第PCT/CA2010/001882号に開示される。
【0497】
更に更なる特定の実施形態において、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントは、Table 9(表9)に列挙される抗体又はその抗原結合フラグメントの1種又は複数と競合することができ得る。
【0498】
対象
本明細書に開示される単一及び併用療法は、概してヒト対象に投与される。
【0499】
本開示の一部の態様及び実施形態において、必要性に迫られている対象は、がんを有する対象である。
【0500】
本開示の他の態様及び実施形態において、必要性に迫られている対象は、がんを有し、機能的免疫系を有する対象である。
【0501】
本開示の更に他の態様及び実施形態において、必要性に迫られている対象は、がん並びに適当な臓器及び免疫機能有する対象である。
【0502】
一部の例示的な実施形態において、対象は、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント単剤と合わせて、並行抗がん治療を受けない。
【0503】
一部の例示的な実施形態において、対象は、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセル併用療法と合わせて、並行抗がん治療を受けない。
【0504】
一部の例示的な実施形態において、対象は、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント単剤と合わせて、並行抗がん治療を要しない。
【0505】
一部の例示的な実施形態において、対象は、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセル併用療法と合わせて、並行抗がん治療を要しない。
【0506】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は癌腫を有する。
【0507】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は転移性癌を有する。
【0508】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は非小細胞肺がん(NSCLC)を有する。
【0509】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は転移性NSCLCを有する。
【0510】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象はステージIII~IVのNSCLCを有する。
【0511】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は乳がんを有する。
【0512】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は転移性乳がんを有する。
【0513】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は前立腺がんを有する。
【0514】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は転移性前立腺がんを有する。
【0515】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は胃がんを有する。
【0516】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は転移性胃がんを有する。
【0517】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は頭頸部がんを有する。
【0518】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は転移性頭頸部がんを有する。
【0519】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は甲状腺がんを有する。
【0520】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は転移性甲状腺がんを有する。
【0521】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は卵巣がんを有する。
【0522】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は転移性卵巣がんを有する。
【0523】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は子宮内膜がんを有する。
【0524】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は転移性子宮内膜がんを有する。
【0525】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は肝臓がんを有する。
【0526】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は転移性肝臓がんを有する。
【0527】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は結腸直腸がんを有する。
【0528】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は転移性結腸直腸がんを有する。
【0529】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は膵臓がんを有する。
【0530】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は転移性膵臓がんを有する。
【0531】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は胆管癌を有する。
【0532】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は転移性胆管癌を有する。
【0533】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は中皮腫を有する。
【0534】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は転移性中皮腫を有する。
【0535】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は黒色腫を有する。
【0536】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は転移性黒色腫を有する。
【0537】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、免疫学的に冷たいとして特徴付けられる腫瘍を有する又は有するので選択される。
【0538】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、免疫療法に非応答性である、免疫学的に温かい又は熱いとして特徴付けられる腫瘍を有する又は有するので選択される。
【0539】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、一次免疫チェックポイント療法の後に進行した癌腫を有する又は有するので選択される。
【0540】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、プラチナ含有ダブレット治療及び免疫チェックポイント療法を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する又は有するので選択される。
【0541】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、同時に又は逐次的に投与されたプラチナ含有ダブレット治療及び免疫チェックポイント療法を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する又は有するので選択される。
【0542】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、プラチナ含有ダブレット治療及び抗PD1又はPDL-1免疫チェックポイント抗体を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する又は有するので選択される。
【0543】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、プラチナ含有ダブレット治療、及びイピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、又はデュルバルマブを用いた先行治療に失敗している癌腫を有する又は有するので選択される。
【0544】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、同時の又は逐次的なプラチナ含有ダブレット治療及び抗PD1又はPDL-1免疫チェックポイント抗体を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する又は有するので選択される。
【0545】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は免疫抑制されていない。
【0546】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、治療前14日、7日、6日、5日、4日、3日、2日、又は1日以内に免疫抑制薬を受けていない。一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、治療前にコルチコステロイドを受けていてもよい。
【0547】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、ドセタキセルを用いた先行治療を受けていない。
【0548】
一部の実施形態において、必要性に迫られている対象は、治療の少なくとも2サイクルの間治療される。
【0549】
キット
本開示は、一部の態様及び実施形態において、本明細書に開示される医薬の少なくとも1回の用量を含む1つ又は複数の容器、及び必要性に迫られている対象を治療するための使用説明書を含む添付文書を含むキットを提供する。
【0550】
他の態様及び実施形態において、本開示は、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメントの少なくとも1回の用量を含む1つ又は複数の容器、併用療法における使用のためのドセタキセルの少なくとも1回の用量を含む1つ又は複数の容器、及び必要性に迫られている対象を治療するための使用説明書を含む添付文書を含むキットを提供する。
【0551】
本開示によれば、抗クラステリン抗体又はその抗原結合フラグメント及びドセタキセルは別個の容器で提供される。
【0552】
本開示によれば、抗体又はその抗原結合フラグメントは、本明細書に記載されるとおりである。
【0553】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、癌腫を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0554】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性癌を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0555】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、一次免疫チェックポイント療法の後に進行した癌腫を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0556】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、プラチナ含有ダブレット治療及び免疫チェックポイント療法を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0557】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、同時に又は逐次的に投与されたプラチナ含有ダブレット治療及び免疫チェックポイント療法を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0558】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、プラチナ含有ダブレット治療及び抗PD1又はPDL-1免疫チェックポイント抗体を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0559】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、同時に又は逐次的に投与されたプラチナ含有ダブレット治療及び抗PD1又はPDL-1免疫チェックポイント抗体を用いた先行治療に失敗している癌腫を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0560】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、同時に又は逐次的に投与されたプラチナ含有ダブレット治療、及びイピリムマブ、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、セミプリマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、又はデュルバルマブを用いた先行治療に失敗している癌腫を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0561】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、非小細胞肺がん(NSCLC)を有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0562】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、進行性NSCLCを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0563】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、ステージIIIのNSCLCを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0564】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、ステージIVのNSCLCを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0565】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、乳がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0566】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性乳がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0567】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、前立腺がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0568】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性前立腺がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0569】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、胃がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0570】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性胃がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0571】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、頭頸部がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0572】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性頭頸部がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0573】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、甲状腺がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0574】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性甲状腺がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0575】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、卵巣がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0576】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、転移性卵巣がんを有する対象の治療を意図されることを記述する。
【0577】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、免疫抑制されていない、又は治療前14日、7日、6日、5日、4日、3日、2日、若しくは1日以内に免疫抑制薬を受けていない対象の治療を意図されることを記述する。
【0578】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、ドセタキセルを用いた先行治療を受けていない対象の治療を意図されることを記述する。
【0579】
一部の実施形態において、添付文書は、併用療法が、基本的に治療期間の経過全体にわたる又は治療期間を通した投与のためのものであることを記述する。
【実施例
【0580】
(実施例1)
非臨床的薬物動態
AB-16B5(ヒト化16B5)の薬物動態を、Sprague-Dawleyラット及びアカゲザルにおける単回及び反復投薬調査において検討した。概して、注入の開始直後に、ピーク血清AB-16B5濃度に達した。ラットにおいて、24時間にわたるAB-16B5全身曝露は、用量比例的様式で、増加する用量レベルとともに増加した。1日目から26日目の反復投薬後に全身曝露のおよそ70%の増加があり、それは、AB-16B5の排出半減期及び投薬間隔と一致している。サルにおいて、AB-16B5全身曝露は、用量比例的様式よりも全般的に大きく、増加する用量レベルとともに増加した。反復投薬に関して、それが週1回又は週2回投与されたかどうかにかかわらず、AB-16B5への全身曝露の顕著な違いはなかった。Cmaxの観点から薬物蓄積の証拠はなく、一方でAUC0-72に関してより低い程度の蓄積が観察された。興味深いことに、アカゲザルにおけるAB-16B5の単回用量投与の後、sCLU血清濃度は、投薬後に有意に減少した。sCLU濃度は、概して3~5日後にそれらのベースラインレベルに戻った。AB-16B5を用いた投薬直後のsCLU濃度の並行した減少は、抗原シンク(antigen-sink)現象と一致している。
【0581】
(実施例2)
非臨床的毒性
Sprague-Dawleyラットにおいて、AB-16B5(ヒト化16B5)の週1回の投与は、いかなる処理関連の臨床的兆候、又は体重、食料消費、眼科学、臨床病理学、臓器質量のいかなる処理関連の変化ももたらさなかった。同様に、処理関連の肉眼的変化はなかった。最小限のリンパ球過形成の非常に低い発生が、高用量群からの動物の腸間膜リンパ節(2/20)及び下顎リンパ節(1/20)に認められた。この微視的所見は、28日間の回復期間後のいかなる回復動物においても見られず、完全な可逆性を示した。この所見は、これら2種の領域的リンパ節におけるAB-16B5によるわずかな抗原刺激を反映している可能性が最も高い。それ故、無毒性量(No Observable Adverse Effect Level)(NOAEL)は100mg/kg/投薬であると判定された。
【0582】
アカゲザルにおいて、AB-16B5の週1回の投与は、顕在的毒性のいかなる兆候ももたらさなかった。全ての用量レベルの動物において、AB-16B5の注入の間に催吐の出現はほとんど観察されなかった。体重、眼科学、心電図記録法、及び臓器質量に関して観察される処理関連の効果はなかった。平均白血球数のわずかな減少が、60mg/kg(雄のみ)及び100mg/kg(雄及び雌)で見られた。平均アルブミン、グロブリン、A/G、及びリンレベルのわずかな変化も、20、60、及び/又は100mg/kgで見られた。AB-16B5に潜在的には関連するものの、これらの変化は微量であり、可逆的であり、用量-応答関係性を欠如しており、いかなる組織病理学的相関因子とも関連しなかった。その結果として、それらは、毒物学的に重大であると見なされなかった。肝細胞空胞形成が、100mg/kgで投薬された2匹の動物(1匹の主要及び1匹の回復動物)の肝臓に認められた。この所見とAB-16B5を用いた処理との関係性は、低い発生率が理由で及びこの所見は自然発生的に生じることが公知であるため、不明確なままである。臨床病理学(肝臓酵素)及び臓器質量(肝臓質量)相関因子の非存在下で、この所見は、適応変化であり有害でないと見なされた。それ故、NOAELは100mg/kg/投薬であると判定された。
【0583】
加えて、組織交差反応性調査を行って、ヒト、アカゲザル、及びSprague-Dawleyラット組織由来の凍結組織とのAB-16B5の潜在的交差反応性を判定した。2及び10μg/mLにおけるAB-16B5染色が、ヒト、アカゲザル、及びSprague-Dawleyラット組織パネルにおけるいくつかの組織要素において観察された。しかしながら、この調査において調べられた組織のいずれにおいても膜染色は観察されず、オフターゲット結合に起因した潜在的な毒物学的懸念の欠如を支持した。
【0584】
(実施例3)
フェーズI臨床調査
AB16B5(ヒト化16B5)の安全性及び忍容性を査定するファースト・イン・ヒューマンフェーズI試験を、先行療法に不応性になっており、公知の療法から恩恵を受けそうにない、組織学的に又は細胞学的に確定された進行性固形悪性腫瘍を有する対象において行った(臨床試験登録番号:NCT2412462)(Ferrarioら、2017)。AB-16B5を、フェーズ1単一施設非盲検用量漸増調査(AB-16B5-101)に登録された15人の対象において投与した。
【0585】
調査中に査定されたAB-16B5の用量レベルは、1.5、3.0、6.0、9.0、及び12.0mg/kgであった。用量漸増を、2種の用量漸増スキーム;加速度的用量漸増スキーム及び標準的用量漸増スキームを使用して実施した。1人の対象のみが、プロトコールのとおり最初の2つのコホートのそれぞれに登録された(加速度的用量漸増スキーム)。最後のコホート(12mg/kg)を、プロトコールのとおり少なくとも6人の対象に拡大した。
【0586】
対象は、治療の各サイクルの1、8、及び15日目に週1回60分間のIV注入によってAB-16B5を受けた。治療の1サイクルは、21日間で構成された。
【0587】
対象特徴
AB-16B5で治療された対象の大多数は女性であり(15人のうち10人の対象、67%)、平均対象年齢は61歳であった(域:32~79歳)。対象集団に見出される最も多いがん診断は、乳房、結腸直腸、前立腺、及び甲状腺であった(それぞれ2人の対象、13%)。他の腫瘍タイプは、それぞれわずか1人の対象に見出され(7%)、子宮内膜、胃、肺、卵巣、膵臓、軟部組織肉腫、及び外陰黒色腫を含んだ。
【0588】
調査回数
14人の対象(93%)は、少なくとも2サイクルの治療(域:2~17サイクル)を受けた。1人の対象(対象004)は、17サイクルの治療を完了した。この対象は、サイクル1からサイクル7まで6mg/kgのAB-16B5を受け、用量は、その後9mg/kgまで漸増した。13人の対象(87%)は、疾患進行に起因して調査を中止し;2人の対象は、有害事象に起因して中止した(対象004は、グレード3の気管支閉塞を有し;疾患進行と関連付けられる、対象011は、グレード3の胆道閉塞を有する)。コホート12mg/kgにおける対象011は、治験責任医師によってAB-16B5の1回の投薬の後に中止され、新たな対象によって置き換えられた;しかしながら、対象011は、RECIST評価可能集団に含まれなかった。RECIST評価可能集団において受けられたサイクルの平均数は4.4サイクルであった。
【0589】
安全性プロファイル
60分間のIV週1回注入として与えられたAB-16B5の投与は、最高12mg/kgまでの用量で安全であり且つ忍容性良好であった。用量制限毒性は観察されなかった。
【0590】
合計167件のAEが報告された。それらのAEの中で、167件のうち68件のAEは、AB-16B5に関連しており(もしかしたら、たぶん、又は間違いなく)、12件(12)はグレード3~5のものであった。
【0591】
最も高頻度に報告されたAE(全ての因果関係)は、吐き気、腹痛、背部痛、嘔吐、悪寒、呼吸困難、便秘、及び掻痒であった。
【0592】
これらのAEの発生率において、用量関連傾向はなかった。AB-16B5に関連して最も高頻度に報告されたAEは、吐き気、掻痒、頭痛、及び発疹であった。薬物関連AEの発生率において、用量関連傾向はなかった。薬物関連AEは、主にグレード1又は2のものであった。
【0593】
8人の対象によって報告されたグレード3~5の12件のAEがあった。それらのうちの2件のみがAB-16B5に関連した(グレード3の注入関連反応及びグレード3の発疹)。調査において2件の死亡が報告された(対象004及び014)。両症例において、死亡は、疾患の進行と関連付けられた。
【0594】
15人のうち合計5人(33%)の対象は、6件のSAEを報告した。全てのSAEは、AB-16B5と無関係と見なされた。2人の対象(13%)は、有害事象に起因して調査を中止した;対象004(グレード3の気管支閉塞;疾患進行と関連付けられる)及び対象011(グレード3の胆道閉塞)。
【0595】
抗腫瘍活性及び最良総合効果(Best Overall Response)
RECIST評価可能集団における最良総合効果(BOR)が、下のTable 1(表1)に提示される:
【0596】
【表1】
【0597】
この集団における最良総合効果は、8人の対象(57%)に関して安定(stable disease)(SD)、及び6人の対象(43%)に関して進行(progressive disease)(PD)であった。4回以上のサイクル続くAB-16B5治療は、臨床的有益性を示唆し得た。
【0598】
治療の間に進行していた対象の大多数は、新たな病変の出現に起因して進行したことが注目された。実際、対象003、007、008、009、013、014、及び015に対する最終査定時の腫瘍応答は、標的病変における安定、しかし新たな病変の出現が理由の非標的病変における進行と一致していた。この所見は、AB-16B5の作用のメカニズムと一致している。実際、新たな病変は、間葉から上皮への移行の結果として、大部分が上皮表現型の腫瘍細胞を含有する。それ故、これらの新たな病変は、それらは、AB-16B5への曝露を限定する化学療法又は低酸素症等のEMT促進条件に曝露されていないことから、低量のTA-sCLUを含有する。
【0599】
AB-16B5-101:薬力学
腫瘍生検を、標準的用量漸増の間に収集して、腫瘍内のAB-16B5の存在を検討した。合計4件の治療前及び5件の治療後の腫瘍生検が分析に適切であった。これらの治療後腫瘍生検は、サイクル2の15日目の投薬後(サイクル2の15日目~サイクル2の18日目)に収集された。生検部位は、肝臓(n=2)、リンパ節(n=2)、膀胱、皮膚、及び外陰であった。
【0600】
【表2】
【0601】
全ての治療前腫瘍生検は、AB-16B5の存在に対して陰性であり、一方で分析された全ての治療後腫瘍生検においてAB-16B5の存在が確認された。このことは、AB-16B5がTA-sCLUに優先的に結合すること、及び腫瘍が潜在的に重要な貯蔵所であり得ることを裏付ける。
【0602】
免疫組織化学調査を、ペアになった腫瘍生検に対して行って、AB-16B5を用いた治療が、上皮表現型の再取得と関連付けられるかどうかを判定した。4件の評価可能なペアになった腫瘍生検の中で、2件の症例が、E-カドヘリン発現の増加を示し(対象006及び007)、そのうちの1件は、ビメンチン発現の喪失と組み合わせられた(対象007)。1件の症例(対象013)は、治療前生検において強い上皮特徴を示し、それは、AB-16B5治療を用いて変化しなかった。
【0603】
【表3】
【0604】
AB-16B5-101:薬物動態
AB-16B5に関する血漿PKパラメーターを、Phoenix WinNonlinを用いたノンコンパートメント解析(NCA)を使用して、サイクル1の最初の投薬及びサイクル2の最初の投薬の後の濃度-時間プロファイルから導き出した。
【0605】
サイクル1で、AB-16B5 Tmax中央値は、用量レベルにわたって同様であった。平均Cmax及びAUC0-tは、用量とともに増加した。この増加は、3.0~12.0mg/kgの用量域にわたって用量比例的であるように見えた。AB-16B5終末相は、<20.00%の全体的残存値を有して十分に特徴付けられた。終末相の特徴付けは、他の用量で観察されたものと比較した場合、12.0mg/kgで改善された。平均T半分は、1.5、3.0、及び6.0mg/kg用量レベルで同様であったが、9.0及び12.0mg/kg用量レベルでわずかにより高かった。
【0606】
サイクル2で、AB-16B5 Tmax中央値は、用量レベルにわたって同様であり、値は1.00~1.08hに及んだ。平均Cmax及びAUC0-tは、用量とともに増加した。この増加は、3.0~12.0mg/kgの用量域にわたって用量比例的であるように見えた。サイクル2のAB-16B5終末相は、<15.00%の全体的残存値を有して十分に特徴付けられた。終末相の特徴付けは、より低い用量で観察されたものと比較した場合、9.0mg/kg及び12.0mg/kgで改善された(<1.00%)。平均t1/2は、1.5mg/kg~6.0mg/kgの用量域にわたって同様であり、一方で平均T半分は、9.0及び12.0mg/kg用量レベルでわずかにより高かった。
【0607】
サイクル1及びサイクル2の間で、AB-16B5の有意な蓄積は観察されなかった。
【0608】
薬物動態パラメーターの概要は、Table 4(表4)に提示される。
【0609】
【表4】
【0610】
腫瘍バイオマーカー
いくつかの十分に立証された循環バイオマーカーを評価して、療法に対する応答をモニターした。それらは、CA 15-3、CA-125、CA 19-9、CEA、LDH、及びPSAを含んだ。
【0611】
概して、腫瘍バイオマーカーレベルは経時的に増加し、それは疾患進行と相関した。興味深いことに、CEAのレベルは、わずかな患者において安定なままであった又は減少した。
【0612】
結論
患者は、1~53回の週1回の投薬(中央値:9回の投薬)を受けた。最も高頻度に報告された、治療下で出現した有害事象(TEAE、全ての因果関係)は、吐き気、腹痛、背部痛、嘔吐、悪寒、便秘、及び掻痒であった。AEのほとんどはグレード1又は2のものであった。≧グレード3のAEの中で、2件のみ(グレード3の注入関連反応及び発疹)が、AB-16B5に関連すると判断された。任意の患者に対する治療の最初のサイクルの間、用量制限毒性は特定されず、5件の深刻なAEが報告され(敗血症、発熱、呼吸困難、腹腔内出血、及び主気管支閉塞)、そのうちのいずれも、調査治療に関連すると判断されなかった。全ての用量レベルにわたるPK分析は、AB-16B5への全身曝露が用量比例的様式で増加することを裏付けた。腫瘍部位におけるAB-16B5の存在は、治療後腫瘍溶解物が生成され得る全5患者(pt)において確認された。ペアになった腫瘍生検におけるバイオマーカー分析は、2患者におけるAB-16B5を用いた治療後のE-カドヘリン発現の増加によって分かるように、EMT阻害の証拠を提供した。進行性胃がんを有するこれら2患者の一方において、これは、ビメンチン発現の喪失も伴った。この患者は、臨床的有益性を有する安定(SD)を有し、24週間治療を続けた。濾胞性甲状腺がんを有する別の患者は、ほぼ1年間SDを有した。
【0613】
AB-16B5の週1回の注入は、最高12mg/kgまで忍容性良好である。腫瘍組織に関する初期の相関調査は、ヒトにおける腫瘍環境の分子モジュレーションの証拠を提供する。
【0614】
(実施例4)
腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤に対するAB-16B5の効果
Balb/cマウスに、第4乳房脂肪体において5×105個の4T1細胞を同所的に移植した。動物は、週3回IP生理食塩水処理を受けた。原発腫瘍を、移植後16日目に外科的に除去した。動物を36日目に屠殺し、肺を切除した。組織をパラホルムアルデヒド中で固定し、パラフィン包埋のために処理した。組織切片を、抗マウスCD3、抗マウスCD8、及び抗マウスB220抗体でプローブした。シグナルを、ホースラディッシュペルオキシダーゼとコンジュゲートされた特異的二次抗体を用いて明らかにし、ヘマトキシリン及びエオシンで対比染色した。図1に提示される結果は、4T1肺転移が、腫瘍へのB及びTリンパ球の浸潤を阻止する免疫学的に冷たい微小環境を生み出すことを示す。輪郭を描かれた領域は、CD3及びCD8 Tリンパ球が、EMTの結果として、腫瘍周辺に制限されることを示す。
【0615】
4T1腫瘍を持つ動物を、10mg/kgでの週3回のIPでAB-16B5抗体(マウス16B5)で処理した。原発腫瘍を、移植後16日目に外科的に除去した。動物を36日目に屠殺し、肺を切除した。組織をパラホルムアルデヒド中で固定し、パラフィン包埋のために処理した。組織切片を、抗マウスCD3、抗マウスCD8、及び抗マウスB220抗体でプローブした。シグナルを、ホースラディッシュペルオキシダーゼとコンジュゲートされた特異的二次抗体を用いて明らかにし、ヘマトキシリン及びエオシンで対比染色した。図2Aに提示される結果は、CD3及びCD8 T細胞で密に浸潤された、より少なく且つはるかに小さい肺転移があったことを示す。16B5処理腫瘍におけるプラズマ細胞浸透の証拠もあった。
【0616】
故に、AB-16B5は、免疫能力があるマウスにおける腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤を可能にする。AB-16B5は、より温かい腫瘍環境を生み出して、腫瘍に対する強い免疫応答を刺激するための、新たな治療の道となり得る。
【0617】
並行して、単剤としてのAB-16B5で治療された患者のヒト腫瘍生検を分析した(図2B図2E)。転移性甲状腺がんを有する患者から及び手術不可能な転移性胃がんを有する患者から獲得された針生検を切片化し、ヘマトキシリン及びエオシンで染色した。肺に転移性の甲状腺がんを有する患者からの治療中(on-treatment)生検を、AB-16B5を用いた第2のサイクルの治療後に獲得した。図2Bに示されるように、基本的に全ての腫瘍フラグメントは壊死性であった。呈示されたフラグメントの端に沿って、リンパ形質細胞性浸潤物が観察された。壊死に伴う赤血球溢出をいくらか反映する壊死エリアの内側に、ヘモジデリンが蓄積されたマクロファージが観察された(示されず)。図2Cは、見出される呈示された同じ患者由来の腫瘍フラグメントの端に沿った、形質細胞から構成される血管周囲浸潤物を示している。転移性胃がん症例からの治療前生検の分析は、びまん性低分化型胃がん(印環細胞)によって浸潤された胃粘膜のいくつかのフラグメントを示した。呈示されたフラグメントは、主として急性好中球浸潤物を有する壊死の病巣を示した。図2Eは、3つの腫瘍フラグメントから構成される、AB-16B5を用いた治療の第2のサイクル後に獲得された治療中生検を示している。より大きなフラグメントは、正常な表面胃粘膜で構成され、小さなフラグメントは、混合好中球及び単核免疫細胞浸潤物によって浸潤された。
【0618】
(実施例5)
腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤に対するAB-16B5及びドセタキセルの併用療法の効果
マウス16B5を使用した、AB-16B5単剤療法又はAB-16B5及びドセタキセルの組み合わせを用いた治療時の免疫応答の程度を試験するために、免疫能力があるマウスがんモデルを選択した。
【0619】
それぞれが10匹の雌Balb/cマウスで構成される5つの群を、本調査に割り当てた(下のTable 5(表5)を参照されたい)。全ての動物は、第4鼠径部乳腺において4T1マウス乳癌細胞の皮下移植を受けた。処理は、移植の日(1日目と規定される)に始まった。群1(Gr. 1)からの動物は、調査の継続期間の間、週2回の生理食塩水ビヒクル対照のIP処理を受けた。群2(Gr. 2)からの動物は、IP投与による5週間週1回の10mg/kgのドセタキセルを受けた。群3(Gr. 3)からの動物は、2週間週1回の10mg/kgのドセタキセル、及び5週間週2回の10mg/kgのAB-16B5を受けた。群4(Gr. 4)からの動物は、それぞれ5週間の処理の経過にわたって、週1回の10mg/kgのドセタキセル、及び週2回の5mg/kgの16B5を受けた。群5(Gr. 5)からの動物は、5週間週2回のAB-16B5を受けた。36日目に原発腫瘍を切除し、37日目に動物を屠殺し、肺の表面の肉眼で確認できる転移性結節の数をカウントした。
【0620】
【表5】
【0621】
図3に提示される結果は、群4及び群5からの動物の肺が、生理食塩水対照処理マウスよりも少ない転移性肺結節を含んだことを示している。なお、ドセタキセルを用いた単剤療法において処理されたマウスは、生理食塩水対照群と同じくらい多くの転移性肺結節を有した。16B5との組み合わせでの、2週間のドセタキセルを用いた処理は、群1及び群2におけるよりも少ない転移性肺結節につながったが、処理に対する応答は、群4及び群5におけるほど広範囲ではなかった。任意の他の群におけるよりも、結節が検出され得ないより多くの動物が群4にいた。これらの結果は、AB-16B5単剤療法、又はドセタキセルとの併用療法が、免疫能力があるマウスにおいて転移性侵攻を有効に阻害することを示唆する。これらの結果は、処理の経過全体にわたってAB-16B5及びドセタキセルを投与することが好ましくあり得ることも示唆する。
【0622】
移植後16日目に切除された原発腫瘍を、コラゲナーゼ及びヒアルロニダーゼで処理し、免疫細胞を、抗CD45抗体でコートされた磁気ラテックスビーズを使用した陽性選択によって精製した。精製された細胞を、IL2及びIL7を補給された培養培地を含有する小さなペトリ皿に移して、表現型分析を実施した。群1及び群2の動物から取り出された原発腫瘍に、非常に少ないCD45+が存在することが見出された。対照的に、群3、群4、及び群5の動物から取り出された腫瘍に、より多くの免疫細胞があった。
【0623】
ドセタキセル(DTX 5W)を用いた、4T1腫瘍細胞を移植されたマウスの処理は、相対的に効果がなかった。4T1腫瘍は、ドセタキセルを含めた多くの化学療法剤に対する耐性を引き起こす、EMTが高いシグネチャーを持つ。2週間のドセタキセルを用いた及び5週間の16B5を用いたマウスの処理は、もしかしたらドセタキセルへの腫瘍の一過性曝露が、腫瘍の耐性の増加をもたらしたため、単剤療法における16B5を用いた処理ほど有効ではなかった。5週間のドセタキセルと16B5との組み合わせは、最も有効な治療レジメンであると証明された。ドセタキセルによって引き起こされるシェディングされた(shed)抗原の増加及びEMTの阻害の組み合わせは、単剤療法における16B5と比較して、この群におけるより少ない肺転移につながる免疫応答の増加をもたらした。
【0624】
単剤療法におけるAB-16B5、及びAB-16B5とドセタキセルとの組み合わせは、故に、免疫能力があるマウスにおける腫瘍微小環境への免疫細胞の浸潤を可能にする。これらの結果は、原発腫瘍が、AB-16B5単剤療法又は併用療法による影響を受け得ることも示唆する。
【0625】
(実施例6)
腫瘍浸潤リンパ球の特徴付け
Balb/cマウスに、第4乳房脂肪体において5×105個の4T1細胞を同所的に移植した。動物は、週1回の腹腔内(IP)ドセタキセル10mg/kgとの組み合わせで、週2回のIP AB-16B5(マウス16B5)10mg/kg(群15:動物1501、1502、及び1503)、又は週2回のIP AB-16B5 10mg/kg(群25:動物)を受けた。原発腫瘍を、移植後16日目に外科的に除去した。動物を36日目に屠殺し、肺を切除し、目に見える各肺転移を慎重に切開した。もしある場合には、目に見える各転移性結節を切除し、腫瘍浸潤リンパ球プロトコールの急速な拡大のために処理した。転移性結節を2~3mm端の小片に切片化し、それを、FBS、IL2、IL7、ITS(1,000U/mL IL2、2.0ng/mL IL7、及び1×インスリン-トランスフェリン-セレンカクテル(Gibco社41400-045))を補給された培養培地を含有する24ウェルプレートにおいて個々に成長させた。
【0626】
培養下で3週間後、100,000個の細胞を、リンパ球培養物のそれぞれから取り出し(6種の培養物は、群15からの3匹の動物及び群25からの3匹の動物に相当する)、100,000個の4T1腫瘍細胞とともに、培養下に置いた。一晩の共培養の後、ELISAによるINFγ定量のために、上清を回収した。
【0627】
4T1細胞の存在下におけるリンパ球培養物からのINFγ分泌の結果は、肺転移性結節から単離されたリンパ球が、高いレベルでINFγを分泌し、最も高いレベルはドセタキセル-16B5群において観察されたことを示す(Table 6(表6)を参照されたい)。これらの結果は、抗sCLU 16B5 mAbを用いたEMTの阻害が、腫瘍へのTリンパ球の浸潤を可能にする「温かい」腫瘍微小環境の生成に寄与することを裏付ける。
【0628】
【表6】
【0629】
リンパ球を、抗CD3及び抗CD28モノクローナル抗体で刺激した。各ドナー動物由来のリンパ球をプールし、CD45(リンパ球共通抗原)、CD3、CD4、CD8、及びCD19(B細胞バイオマーカー)に対する抗体を用いたフローサイトメトリー分析のために処理した(図4A及び図4B)。結果として生じた単一細胞調製物を、まずそれらのサイズに関して選択して、免疫細胞に相当するものを選択した。それらをFSC/SSCプロットで更にゲートにかけて、死細胞及び残屑を除外した。次いで、フローサイトメトリーを、CD45、CD3、CD19、CD3、CD4、及びCD8に対する抗体を用いて実施した。CD45に対して陽性の免疫細胞を、CD3及びCD19(P3)に関してゲートにかけた。CD3+細胞を、CD4及びCD8(Q1-LR)に関して更にゲートにかけた。
【0630】
結果は、両群に関して、CD45+細胞の80~90%の細胞生存率を示した。群15からのCD45+細胞(図4A)は、40.2%~55.0%のCD19細胞、及び14.0%~21.1%のCD3+細胞を含んだ。CD3+細胞は、63.7%~66.5%のCD4+ T細胞、及び20.6%~27.0%のCD8+ T細胞を含んだ。群25からのCD45+細胞(図4B)は、14.0%~35.0%のCD19細胞、及び21.3%~42.0%のCD3+細胞を含んだ。CD3+細胞は、47.5%~67.8%のCD4+ T細胞、及び25.9%~41.1%のCD8+ T細胞を含んだ。
【0631】
再度、これらの結果は、原発腫瘍が、AB-16B5単剤療法又は併用療法による影響を受け得ること、及び腫瘍細胞の浸潤が、免疫能力があるマウスにおけるAB-16B5単剤療法又は併用療法の両方において生じることを示唆する。
【0632】
故に、AB-16B5を用いて腫瘍T細胞浸潤を増強することは、腫瘍を、チェックポイント阻害剤を用いた又は細胞免疫療法を用いた免疫療法に対してより感受性が高い状態にし得る。
【0633】
(実施例7)
フェーズII臨床調査
本出願者は、転移性非小細胞肺がんを有する以前に治療された対象において、ドセタキセルと組み合わせられた抗クラステリン抗体の使用を評価する。
【0634】
このフェーズII調査は、同時に又は逐次的に投与されたプラチナ含有ダブレット治療及び抗PD1又はPDL-1免疫チェックポイント抗体を用いた治療に失敗した40人の転移性非小細胞肺がん患者を採用する。全ての採用された患者は、3週間ごとに1回75mg/m2の用量のドセタキセルと組み合わせられた、週1回の12mg/kgの用量のAB-16B5(本明細書においてヒト化16B5と称される)を受けた。
【0635】
目的
本調査の主目的は、AB-16B5及びドセタキセルの組み合わせを受けた対象において、RECIST 1.1により客観的奏効率(objective response rate)(ORR)を判定することである。
【0636】
本調査の別の主目的は、AB-16B5及びドセタキセルの組み合わせを受けた対象において、RECIST 1.1により客観的奏効率(ORR)を判定することである。
【0637】
本調査の更に別の主目的は、AB-16B5及びドセタキセルの組み合わせの安全性及び忍容性を判定することである。
【0638】
本調査の副次的目的は、AB-16B5及びドセタキセルの組み合わせを受けた対象において、RECIST 1.1により臨床的有益率(完全奏効(CR)、部分奏効(PR)、及び安定(SD))を判定することである。
【0639】
本調査の別の副次的目的は、AB-16B5及びドセタキセルの組み合わせを受けた対象において、RECIST 1.1により奏効期間(duration of response)(CR及びPR)を判定することである。
【0640】
本調査の更に別の副次的目的は、AB-16B5及びドセタキセルの組み合わせを受けた対象において、RECIST 1.1により安定期間(duration of stable disease)を判定することである。
【0641】
本調査の更なる副次的目的は、AB-16B5及びドセタキセルの組み合わせを受けた対象において、RECIST 1.1により無増悪生存期間(progression free survival)(PFS)を判定することである。
【0642】
本調査の別の副次的目的は、AB-16B5及びドセタキセルの組み合わせを受けた対象において、全生存期間(overall survival)(OS)を判定することである。
【0643】
本調査の更に別の副次的目的は、この対象集団におけるAB-16B5の薬物動態を判定することである。
【0644】
本調査の探索的目的は、腫瘍生検における、上皮から間葉への移行(EMT)バイオマーカー、免疫細胞バイオマーカー、及び免疫チェックポイントに対するAB-16B5及びドセタキセルの組み合わせの効果についての探索的薬物動態評価を実施することである。
【0645】
本調査の探索的目的は、進行を超えた治療(treatment beyond progression)を追求する対象において、iRECISTを使用して疾患応答を評価することである。
【0646】
調査デザイン
調査は、同時に又は逐次的に投与されたプラチナ含有ダブレット治療及び抗PD1又はPDL-1免疫チェックポイント抗体を用いた治療後に疾患進行を経験したことがある、転移性非小細胞肺がんを有する以前に治療された対象における、ドセタキセルとの組み合わせでのAB-16B5についての非盲検シングルアーム多施設フェーズII試験である。およそ40人の対象がこの試験に登録され、1日目の3週間ごとに1回75mg/m2の用量のドセタキセルと組み合わせられた、1、8、及び15日目の週1回12mg/kgの用量のAB-16B5を受ける。治療の1サイクルは、21日間(3週間)で構成される。AB-16B5及びドセタキセル組み合わせの安全性プロファイルを、治療の1サイクルを完了した最初の8人の対象を用いて、安全性導入期間の間に調べる。
【0647】
対象を、放射線イメージングを用いて6週間ごとに評価して、客観的奏効率(ORR)及び無増悪生存期間(PFS)の判定のために、固形腫瘍における奏効評価基準(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)(RECIST) 1.1基準を使用して、治療に対する応答を査定する。無益な分析を行って、無効な治療への対象曝露を最小限に抑える。ペアになった腫瘍生検(治療前及び治療中)を、全ての対象において収集する。有害事象を、調査を通してモニターし、NCI有害事象共通用語規準(Common Terminology Criteria for Adverse Events)(CTCAE)に従って重症度について格付けする。疾患進行の証拠(RECIST 1.1に従って規定される)、許容できない重症度の治療関連有害事象、中止の対象要請又は更なる治療が対象の最善でないという治験責任医師の判定があるまで、調査治療は継続する。治験責任医師が、対象は臨床的に安定であると見なした場合、進行を超えた治療が許可される。毒性に起因してドセタキセルを中止しなければならない対象は、AB-16B5を用いた治療を継続する。
【0648】
安全性導入期間
1日目の3週間ごとに1回75mg/m2の用量のドセタキセルと組み合わせられた、1、8、及び15日目に週1回投与される12mg/kgの用量のAB-16B5についての安全性プロファイルを、治療の1サイクルを完了した最初の8人の対象を用いて、安全性導入期間の間に調べる。AB-16B5の用量を縮小する決定は、修正された毒性確率区画法(modified toxicity probability interval method)(mTPI)2を使用してなされ得る。
【0649】
治療された最初の8人の対象における最初のサイクルの間に、3件以下の用量制限毒性(DLT)が観察される場合、調査治療は許容されると見なされる。
【0650】
これらの目的のために、DLTは、療法のサイクル1の間に生じるグレード≧3の非血液学的毒性として規定される。加えて、以下の血液学的毒性がDLTと見なされる:
・>7日間のグレード≧4の好中球減少症又は血小板減少症
・出血を伴うグレード≧3の血小板減少症
・グレード≧3の発熱性好中球減少症
【0651】
はっきりと且つ議論の余地なく疾患進行に起因している又は外的原因に起因している毒性は、DLTと見なされるべきではない。加えて、以下の非血液学的毒性は、DLTと見なされるべきではない:
・適した支持的ケアを用いて<7日以内にグレード≦1に戻る、グレード3の関節痛又は筋肉痛
・適した支持的ケアを用いて<72時間以内にグレード≦1に戻る、グレード3の吐き気、嘔吐、又は下痢
・<7日間続くグレード3の倦怠感
・72時間未満続き且つ臨床症状を伴わない、グレード3の電解質異常
・膵炎の症状又は臨床徴候を伴わない、グレード3のアミラーゼ又はリパーゼ上昇
【0652】
治療された最初の8人の対象において、3件を上回るDLTが観察される場合、AB-16B5の縮小が実施される。
【0653】
そのような場合、次の3人の対象は、1日目の3週間ごとに1回75mg/m2の用量のドセタキセルと組み合わせられた、1、8、及び15日目に週1回投与される9mg/kg AB-16B5のAB-16B5で治療される。これら3人の対象における最初のサイクルの間に、0又は1件のDLTが観察される場合、9mg/kg用量のAB-16B5は許容されると見なされる。
【0654】
1件を上回るDLTが観察される場合、6mg/kgへのAB-16B5の最終的縮小が実施され、安全性プロファイルは、上で記載される同じ過程を使用して評価される。
【0655】
組み入れ基準
調査に登録される対象は、以下の組み入れ基準を満たす:
・インフォームドコンセントに署名した日に≧18歳の年齢を有する対象(男性又は妊娠していない女性)。
・(ステージIII~IV)非小細胞肺がん(NSCLC)の組織学的に又は細胞学的に確定された診断を有し、RECIST 1.1によって規定される少なくとも1つの測定可能な病変を有する対象。
・同時に又は逐次的に投与された抗PD1又はPDL-1免疫チェックポイント抗体及びプラチナ含有ダブレット治療を用いた治療後に疾患進行を経験したことがある対象。
・EGFR又はALK遺伝子における標的可能なドライバー変異を有し、利用可能な標的療法に失敗した後に試験に許可され、同時に又は逐次的に投与された抗PD1又はPDL-1免疫チェックポイント抗体及びプラチナ含有ダブレット治療を用いた治療後に疾患進行を経験したことがある対象。
・下のTable 7(表7)に示される適当な臓器及び免疫機能を有する対象:
【0656】
【表7】
【0657】
・生検の禁忌を有しない、生検に適した腫瘍病変を有する対象。
・≦2の米国東海岸癌臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group)(ECOG)パフォーマンスステータスを有する対象。
・少なくとも3カ月の平均余命を有する対象。
・最も近いがん治療から生じた毒性効果からグレード1未満に回復している対象。対象が大手術を経た又は放射線療法を受けた場合、彼らは、合併症及び/又は毒性から回復している。
・調査治療の最初の投薬前72時間以内に陰性の尿検査又は血清妊娠検査を有する妊娠可能な女性対象。尿検査が陽性である又は陰性として確定され得ない場合、血清妊娠検査が要されるであろう。血清妊娠検査は、適格性があるべき対象に対して好ましくは陰性であるべきである。
・生殖能がある対象(男性及び女性の両方)は、調査を通して且つ調査薬の最後の投薬後の最高90日間、避妊の極めて有効な方法を進んで実践する。禁欲は、これが対象の通常の生活様式である場合には許容される。
・女性対象は、彼らが、以下のもののいずれかとして規定される外科的不妊の病歴又は閉経後状態の証拠を有する場合、妊娠可能と見なされない:
○≧45歳の年齢及び2年間を上回る期間月経を有していない。
○子宮摘出及び卵巣摘出なしで<2年間無月経、並びにスクリーニング時に閉経後域の卵胞刺激ホルモン(FSH)値。
○子宮摘出、卵巣摘出、又は卵管結紮の後。文書化された子宮摘出又は卵巣摘出は、実際の処置の診療記録で又は超音波によって確認されなければならない。卵管結紮は、実際の処置の診療記録で確認されなければならない。
【0658】
組み入れ基準は、臨床試験のみの目的のためのものであり、治療のための承認薬の限定と見なされるべきではないと本明細書において理解されるべきである。
【0659】
除外基準
調査に登録される対象は、以下の除外基準を満たす:
・AB-16B5を用いた先行療法を受けたことがある対象。
・NSCLCの治療に対するドセタキセルを用いた先行療法を受けたことがある対象。
・治験剤の又は治験装置を使用した調査に現在参加しているところである、又は調査治療の最初の投薬前21日以内に参加している対象。21日間ウィンドウは、抗新生物治験剤の最後の投薬又は抗新生物意図を有する治験装置の最後の使用を使用して算出されるべきである。
・調査治療の最初の投薬を受ける前3週間以内に任意の抗がん治療若しくは2週間以内に放射線療法を受けている、又は有害事象からグレード1以下に回復していない対象。脱毛症を有する対象は、参加する適格性がある。
・試験中に、任意の他の形態の全身性又は限局性抗新生物療法を要すると予想される対象。これは、別の作用物質又は放射線療法を用いた維持療法を含む。
・調査治療の最初の投薬前7日以内に>10mg/日のプレドニゾン(又は等価物)の投薬、又は任意の他の形態の免疫抑制薬を受けている対象(ドセタキセルの治療前及び/又は治療後のコルチコステロイドは許可される)。
・強いCYP3A4阻害剤(例えば、ケトコナゾール、イトラコナゾール、クラリスロマイシン、アタザナビル、インジナビル、ネファゾドン、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、テリスロマイシン、及びボリコナゾール)を用いた治療を要する対象。弱いCYP3A4阻害剤を用いた代替治療があり、無作為化前に彼らが進んで変える場合、対象は含まれ得る。対象が、強い阻害剤から弱いCYP3A4阻害剤に変えることに同意する場合、強い阻害剤は、調査治療の最初の投薬の少なくとも7日前に終了されなければならない。
・進行性である又は積極的治療を要する別の悪性腫瘍を有する対象。例外は、皮膚の基底細胞癌、皮膚の扁平上皮癌、又は上皮内子宮頸がんを含む。
・既知の活発な中枢神経系転移及び/又は癌性髄膜炎を有する対象。以前に治療された脳転移を有する対象は、彼らが、調査治療の最初の投薬前少なくとも2週間臨床的に安定である場合、彼らが、新たな又は増大する脳転移の証拠を有しない場合、及び彼らが、調査治療の最初の投薬前7日以内に>10mg/日のプレドニゾン(又は等価物)の投薬を受けていない場合、参加してもよい。
・臨床的に重大なECG異常を有する対象。
・調査治療の最初の投薬前30日以内に、生ワクチンを受けている又は受けるであろう対象。
・ヒト免疫不全(HIV)の既知の病歴を有する対象。
・活動性B型又はC型肝炎感染症を有する対象。
・抗生物質療法を要する活動性感染症を有する対象。
・ここ1年以内にアルコール又は他の物質乱用の既知の病歴を有する対象。
・ポリソルベート80とともに製剤化されたドセタキセル又は薬物に対する既知の過敏症を有する対象。
・試験の結果を混乱させ得、試験の全継続期間の対象の参加を妨げ得る、任意の病状の病歴若しくは現在の証拠、療法、又は検査値異常を有する対象、或いは試験に参加することが対象の最善ではない場合。
・治療を行う治験責任医師の意見において、安全性又は調査手順の順守に影響を与え得る医学的、社会的、又は心理社会的因子を有する対象。
・AB-16B5の最後の投薬又はドセタキセルの最後の投薬の90日後まで、試験の計画継続期間内に、妊娠している若しくは授乳している、又は受胎する若しくは子どもの父親となることが予想されている対象。
【0660】
除外基準は、臨床試験のみの目的のためのものであり、治療のための承認薬の限定と見なされるべきではないと本明細書において理解されるべきである。
【0661】
調査治療
調査薬、用量、及び投与の様態
AB-16B5
AB-16B5は、がん関連EMTの阻害のための、sCLUを標的にするヒト化IgG2モノクローナル抗体である(ヒト化16B5)。AB-16B5は、10.0mg/mLのタンパク質濃度で10mLバイアル中に提供される。AB-16B5は、pH6.0のクエン酸塩緩衝溶液中に製剤化される。AB-16B5バイアルは、2~8℃で直立して保管される。
【0662】
対象は、1(ドセタキセル注入の前)、8、及び15日目に、週1回60分間のIV注入によってAB-16B5を受けるであろう(注入条件の薬学マニュアル(Pharmacy Manual)を参照されたい)。AB-16B5の用量は、安全性導入期間の間に判定されるであろう。
【0663】
注入関連反応を経験する対象は、デキサメタゾン等のコルチコステロイドで治療されるであろう。抗ヒスタミン薬及びアセトアミノフェンも、適していると考えられる場合に使用され得る。
【0664】
AB-16B5に関連した注入反応を阻止するための前投薬は、最初は利用されないであろう。注入関連反応を経験したことがある対象は、以下のように前投薬されるであろう:
・グレード1(軽度):後続の投薬時に前投薬なし
・グレード2(中等度):AB-16B5注入の前日にデキサメタゾン8mg PO BID、及びAB-16B5注入の30~60分前にアセトアミノフェン650mg PO及びジフェンヒドラミン25~50mg PO
・グレード3(重度)及びグレード4(致死的):対象は、AB-16B5を用いた更なる治療から中止されるであろう
【0665】
調査の間の任意の時点で、臨床的に重大な注入関連反応が複数の対象において観察される場合、治験責任医師は、全ての新たな対象に対して前投薬を遂行することを、治験依頼者と一致して決定し得る。
【0666】
ドセタキセル
ドセタキセルは、1日目に3週間ごとに1回60分間のIV注入によって75mg/m2の投薬量で投与されるであろう。ドセタキセルは、承認された製品ラベル/承認基準(monograph)のとおりに調製され且つ投与されるであろう。
【0667】
全ての対象は、病院の標準的実践のとおりにコルチコステロイドを前投薬されるべきである。静脈溢出及び偶発的漏出は、病院の標準的実践に従って対処されるべきである。
【0668】
治療継続期間
治療の1サイクルは、21日間(3週間)で構成されるであろう。
【0669】
疾患進行の証拠、許容できない毒性、対象が調査治療の中止を要請する、又は治験責任医師が、更なる治療は対象の最善ではないと感じるまで、調査治療は継続するであろう。毒性に起因してドセタキセルを中止しなければならない対象は、AB-16B5を継続するであろう。
【0670】
治験責任医師が、対象は臨床的に安定であると見なした場合、進行を超えた治療が許可されるであろう。現場による臨床的判断決定は、下で規定されるように、対象の臨床的安定性に基づくべきである:
【0671】
臨床的安定性は、以下のように規定される:
・検査値の悪化を含めた、疾患の臨床的に重大な進行を示す症状及び兆候の非存在
・ECOGパフォーマンスステータスの減退なし
・疾患の急速な進行の非存在
・緊急の代替的な医学的介入を要する、極めて重要な解剖学的部位における進行性腫瘍(例えば、脊髄圧迫)の非存在
【0672】
臨床的に不安定と考えられる任意の対象は、PDの最初の放射線学的証拠時に試験治療から中止されるべきである。
【0673】
安全性導入後の調査治療、用量低下
AB-16B5用量低下
AB-16B5にもしかしたら、たぶん、又はおそらく関連すると判断される任意のグレード≧3の有害事象を経験し且つ治療中止を要しない対象は、1用量レベル分のAB-16B5の低下を有するべきである(下のTable 8(表8))。
【0674】
治療は、グレード≦1への有害事象の回復後にのみ、より低い用量で再開されるであろう。
【0675】
【表8】
【0676】
毒性のために元のAB-16B5用量が低下されている対象は、再漸増されないであろう。
【0677】
ドセタキセル用量低下
ドセタキセルに関連すると判断される、発熱性好中球減少症、1週間を上回る期間の<500個細胞/mm3の好中球、重度の若しくは累積的な皮膚反応、又は他のグレード≧3の非血液学的毒性のいずれかを経験する対象は、毒性の解消まで治療を控えられるべきであり、次いで60mg/m2で再び始められるべきである。対象の病状に基づき、AB-16B5を用いた治療は、この期間の間継続してもよい。
【0678】
グレード≧3の末梢神経障害を発症する対象は、ドセタキセルを中止されるべきである。
【0679】
本明細書に記載される実施形態及び実施例は例示的であり、特許請求の範囲を限定することを企図されない。代替策、改変、及び均等物を含めた前述の実施形態の変形形態は、特許請求の範囲によって包含されることが本発明者らによって意図される。本出願に列挙される引用は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0680】
参考文献
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【表9-1】
【0682】
【表9-2】
【0683】
【表9-3】
【0684】
【表9-4】
【0685】
【表9-5】
【0686】
【表9-6】
【0687】
【表9-7】
【0688】
【表9-8】
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4A
図4B
【配列表】
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【国際調査報告】