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特表2024-516435バックエンド伝動装置、医療機器および手術用ロボット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-15
(54)【発明の名称】バックエンド伝動装置、医療機器および手術用ロボット
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/30 20160101AFI20240408BHJP
【FI】
A61B34/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023566909
(86)(22)【出願日】2022-03-03
(85)【翻訳文提出日】2023-10-30
(86)【国際出願番号】 CN2022078980
(87)【国際公開番号】W WO2022227856
(87)【国際公開日】2022-11-03
(31)【優先権主張番号】202110484481.8
(32)【優先日】2021-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523265700
【氏名又は名称】深▲セン▼康諾思騰科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100199819
【弁理士】
【氏名又は名称】大行 尚哉
(74)【代理人】
【識別番号】100087859
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 秀治
(72)【発明者】
【氏名】葉海活
【テーマコード(参考)】
4C130
【Fターム(参考)】
4C130AA13
4C130AA19
(57)【要約】
【課題】本願には、バックエンド伝動装置、医療機器および手術用ロボットが開示される。
【解決手段】バックエンド伝動装置は、第1回動部材と、第2回動部材と、第3回動部材と、第1伝動アセンブリと、第2伝動アセンブリと、を含み、第1伝動アセンブリがそれぞれ第1ケーブル、第2ケーブル、第1回動部材および前記第3回動部材に接続され、第2伝動アセンブリがそれぞれ第3ケーブル、第4ケーブル、第2回動部材および第3回動部材に接続され、第1回動部材は、第1ケーブルと第2ケーブルのうちの一方を引き込むと同時に、第1ケーブルと第2ケーブルのうちの他方を解放するように、回動可能であり、第2回動部材は、第3ケーブルと第4ケーブルのうちの一方を引き込むと同時に、第3ケーブルと第4ケーブルのうちの他方を解放することができるように、回動可能であり、第3回動部材は、第1ケーブルと第2ケーブルのうちの少なくとも一方を引き込みながら、第3ケーブルと第4ケーブルのうちの少なくとも一方を解放したり、第3ケーブルと第4ケーブルのうちの少なくとも一方を引き込みながら、第1ケーブルと第2ケーブルのうちの少なくとも一方を解放したりするように、回動可能である。
【選択図】図3

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1回動部材と、
第2回動部材と、
第3回動部材と、
それぞれ第1ケーブルと第2ケーブルを接続するために使われ、かつそれぞれ前記第1回動部材と前記第3回動部材に接続される第1伝動アセンブリと、
それぞれ第3ケーブルと第4ケーブルを接続するために使われ、かつそれぞれ前記第2回動部材と前記第3回動部材に接続される第2伝動アセンブリと、を含み、
ここで、前記第1回動部材は、前記第1伝動アセンブリを介して、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルのうちの一方を引き込むと同時に、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルのうちの他方を解放することができるように、回動可能に構成されており、
前記第2回動部材は、前記第2伝動アセンブリを介して、前記第3ケーブルと前記第4ケーブルのうちの一方を引き込むと同時に、前記第3ケーブルと前記第4ケーブルのうちの他方を解放することができるように、回動可能に構成されており、
前記第3回動部材は、前記第1伝動アセンブリと前記第2伝動アセンブリを介して、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルのうちの少なくとも一方を引き込みながら、前記第3ケーブルと前記第4ケーブルのうちの少なくとも一方を解放したり、前記第3ケーブルと前記第4ケーブルのうちの少なくとも一方を引き込みながら、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルのうちの少なくとも一方を解放したりすることを実現できるように、回動可能に構成されている、
ことを特徴とするバックエンド伝動装置。
【請求項2】
前記第1回動部材は、第1中心軸線まわりに回動可能であり、前記第2回動部材は、第2中心軸線まわりに回動可能であり、前記第3回動部材は、第3中心軸線まわりに回動可能であり、前記第1中心軸線は、前記第2中心軸線と平行であり、かつ前記第3中心軸線と平行である、
ことを特徴とする請求項1に記載のバックエンド伝動装置。
【請求項3】
前記第1伝動アセンブリは、
前記第1ケーブルを接続するための第1動滑車と、
第1伝動ケーブルであって、前記第1伝動ケーブルが前記第1動滑車を巻き付け、前記第1伝動ケーブルの両端がそれぞれ前記第1回動部材と前記第3回動部材に接続されている第1伝動ケーブルと、
前記第2ケーブルを接続するため第2動滑車と、
第2伝動ケーブルであって、前記第2伝動ケーブルが前記第2動滑車を巻き付け、前記第2伝動ケーブルの両端がそれぞれ前記第1回動部材と前記第3回動部材に接続されている第2伝動ケーブルと、を含み、
ここで、前記第1伝動ケーブルが前記第1回動部材を巻く巻き付け方向は、前記第2伝動ケーブルが前記第1回動部材を巻く巻き付け方向と逆であり、かつ、前記第1伝動ケーブルが前記第3回動部材を巻く巻き付け方向は、前記第2伝動ケーブルが前記第3回動部材を巻く巻き付け方向と同じであり、
前記第1回動部材または前記第3回動部材が回動すると、前記第1動滑車は、前記第1伝動ケーブルによって移動するようになり、前記第2動滑車は、前記第2伝動ケーブルによって移動するようになる、
ことを特徴とする請求項2に記載のバックエンド伝動装置。
【請求項4】
前記第1伝動アセンブリは、第1ガイドホイールをさらに含み、前記第1伝動ケーブルの前記第1回動部材と前記第1動滑車との間に位置する部分が前記第1ガイドホイールを巻き付け、前記第1伝動ケーブルの前記第1ガイドホイールと前記第1動滑車との間に位置する部分と前記第1伝動ケーブルの前記第1動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分とが平行である、
ことを特徴とする請求項3に記載のバックエンド伝動装置。
【請求項5】
前記第2伝動ケーブルの前記第1回動部材と前記第2動滑車との間に位置する部分は、前記第2伝動ケーブルの前記第2動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分と平行であり、かつ前記第1伝動ケーブルの前記第1動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分と平行である、
ことを特徴とする請求項4に記載のバックエンド伝動装置。
【請求項6】
前記第2伝動アセンブリは、
前記第3ケーブルを接続するための第3動滑車と、
第3伝動ケーブルであって、前記第3伝動ケーブルが前記第3動滑車を巻き付け、前記第3伝動ケーブルの両端がそれぞれ前記第2回動部材と前記第3回動部材に接続されている第3伝動ケーブルと、
前記第4ケーブルを接続するための第4動滑車と、
第4伝動ケーブルであって、前記第4伝動ケーブルが前記第4動滑車を巻き付け、前記第4伝動ケーブルの両端がそれぞれ前記第2回動部材と前記第3回動部材に接続されている第4伝動ケーブルと、を含み、
ここで、前記第3伝動ケーブルが前記第2回動部材を巻く巻き付け方向は前記第4伝動ケーブルが前記第2回動部材を巻く巻き付け方向と逆であり、かつ、前記第3伝動ケーブルが前記第3回動部材を巻く巻き付け方向及び前記第4伝動ケーブルが前記第3回動部材を巻く巻き付け方向は、前記第1伝動ケーブルが前記第3回動部材を巻く巻き付け方向及び前記第2伝動ケーブルが前記第3回動部材を巻く巻き付け方向と逆であり、
前記第2回動部材または前記第3回動部材が回動すると、前記第3動滑車は前記第3伝動ケーブルによって移動するようになり、前記第4動滑車は前記第4伝動ケーブルによって移動するようになる、
ことを特徴とする請求項3~5のいずれか1項に記載のバックエンド伝動装置。
【請求項7】
前記第1動滑車は、第1軸を介して第1動滑車ベースに回転可能に接続され、前記第1動滑車ベースは前記第1ケーブルを接続するために使われ、前記第2動滑車は、第2軸を介して第2動滑車ベースに回転可能に接続され、前記第2動滑車ベースは前記第2ケーブルを接続するために使われ、前記第1軸は、前記第2軸と平行であり、かつ前記第1中心軸線と平行であり、および/または、
前記第3動滑車は、第3軸を介して第3動滑車ベースに回転可能に接続され、前記第3動滑車ベースは前記第3ケーブルを接続するために使われ、前記第4動滑車は、第4軸を介して前記第4動滑車ベースに回転可能に接続され、前記第4動滑車ベースは前記第4ケーブルを接続するために使われ、前記第3軸は、前記第4軸と平行であり、かつ前記第1中心軸線と平行である、
ことを特徴とする請求項6に記載のバックエンド伝動装置。
【請求項8】
前記第2伝動アセンブリは、第2ガイドホイールをさらに含み、前記第4伝動ケーブルの前記第2回動部材と前記第4動滑車との間に位置する部分は、前記第2ガイドホイールを巻き付け、前記第4伝動ケーブルの前記第2ガイドホイールと前記第4動滑車との間に位置する部分と前記第4伝動ケーブルの前記第4動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分とが平行である、
ことを特徴とする請求項6または7に記載のバックエンド伝動装置。
【請求項9】
前記第3ケーブルの前記第2回動部材と前記第3動滑車との間に位置する部分は、前記第3ケーブルの前記第3動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分と平行であり、かつ前記第4伝動ケーブルの前記第4動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分と平行である、
ことを特徴とする請求項8に記載のバックエンド伝動装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のバックエンド伝動装置を備える、
ことを特徴とする医療機器。
【請求項11】
請求項10に記載の医療機器を備える、
ことを特徴とする手術用ロボット。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2021年4月30日に出願された「バックエンド伝動装置、医療機器と手術用ロボット」という第202110484481.8号の中国特許出願を引用しており、引用によって前記特許が本願に組み込まれている。
【0002】
(発明の分野)
本願は、医療機器技術分野に関し、具体的にバックエンド伝動装置、医療機器と手術用ロボットに関するものである。
【背景技術】
【0003】
ロボット支援低侵襲手術では、ロボットの末端に接続された手術器具は、人体表面の傷口または自然な穴を通って人体に入り、人体内の組織を操作する。このような手術器具は、主にフロントエンドに位置し、手首機構に取り付けられたアクチュエータまたはツール(例えば手術鉗子、剪断ツールまたは焼灼ツール)と、フロントエンドに複数の自由度運動を提供する手首機構と、機器のバックエンドからフロントエンドまで延びるメインパイプと、機器のバックエンドの動力と伝動装置とで構成されている。フロントエンドアクチュエータと手首機構は、通常それに固定された複数本のケーブルによって駆動され、これらのケーブルが手術器具のメインパイプ内を貫通し、バックエンドの動力と伝動装置によって駆動される。
【0004】
手術鉗子とその他のグリップまたは剪断系ツールの場合、手首機構は、通常、ピッチ運動、ヨーイング、グリップという3つの自由度を実現する必要があり、ロボットのバックエンドが持つ余分な自由度に組み合わせて、手術操作を完成させるために必要な運動を実現することができる。手首機構の具体的な実施形態によって、必要な駆動ケーブルの数も異なり(例えば、4本または6本)が必要である。通常、手首機構の各関節の広範囲運動(例えば-90°~90°)を実現するために、手首機構にケーブルをガイドするための余分な滑車を追加設置する必要があるが、余分な滑車などの部品を追加することは、手術機器フロントエンドの小型化を阻害する。また、より多くのケーブルを使用すると、機器の寸法とコストを増やすことになる。
【0005】
従来の4本ケーブル手首を駆動するバックエンド伝動装置は、コンロッドまたはスイングアームの揺動によって2本のケーブルの解放と他の2本ケーブルの締め付けを実現し、ひいては手首のピッチ運動を実現している。この方式を使用すると、ピッチ角の変化に伴い、締め付けと解放のケーブル長が等しくないため、ケーブルの伸縮性の変化を招き、ケーブルが緩みすぎて、隙間が生じて精度を下げたり、ケーブルが締まりすぎて、摩擦抵抗が大きくなりすぎて摩耗を速めたりする問題が生じるおそれがある。この問題を避けるために、ピッチ関節の回転角範囲を制限することができるが、これはツールの機能に影響する。また、このような機構を使用する場合、バックエンドモータの出力端の回転角と手首のピッチ角とは非線形の関係にあり、正確な位置制御を実現するために、余分な標定作業が必要となり、余分な作業量を増やしている。
【発明の概要】
【0006】
簡略化された一連の概念は、本発明の概要部分に導入され、これは、具体的な実施形態にさらに詳しく説明する。本願の概要部分は、保護を請求する技術案の主要な特徴および必要な技術的特徴を限定しようとすることを意味するものではなく、ましてや保護を請求する技術案の保護範囲を決定しようとすることを意味するものでもない。
【0007】
本願の各種の実施例によれば、バックエンド伝動装置が提供され、
第1回動部材と、
第2回動部材と、
第3回動部材と、
それぞれ第1ケーブルと第2ケーブルを接続するために使われ、かつそれぞれ前記第1回動部材と前記第3回動部材に接続される第1伝動アセンブリと、
それぞれ第3ケーブルと第4ケーブルを接続するために使われ、かつそれぞれ前記第2回動部材と前記第3回動部材に接続される第2伝動アセンブリと、を含み、
ここで、前記第1回動部材は、前記第1伝動アセンブリを介して、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルのうちの一方を引き込むと同時に、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルのうちの他方を解放することができるように、回動可能に構成されており、
前記第2回動部材は、前記第2伝動アセンブリを介して、前記第3ケーブルと前記第4ケーブルのうちの一方を引き込むと同時に、前記第3ケーブルと前記第4ケーブルのうちの他方を解放することができるように、回動可能に構成されており、
前記第3回動部材は、前記第1伝動アセンブリと前記第2伝動アセンブリを介して、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルのうちの少なくとも一方を引き込みながら、前記第3ケーブルと前記第4ケーブルのうちの少なくとも一方を解放したり、前記第3ケーブルと前記第4ケーブルのうちの少なくとも一方を引き込みながら、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルのうちの少なくとも一方を解放したりすることを実現できるように、回動可能に構成されている。
【0008】
本願実施例のバックエンド伝動装置によれば、バックエンド伝動装置が例えば手首機構の4本の駆動ケーブルに接続されることにより、手首機構とバックエンド伝動装置とが協働して作動するようになり、駆動ケーブル(即ち第1ケーブル、第2ケーブル、第3ケーブルおよび第4ケーブル)を引き込んだり解放したりすることで、手首機構のピッチ運動、ヨーイングおよびグリップを実現する。このような駆動方式のもとで、構造が簡単であり、伝動が正確であり、回動部材と手首機構のピッチ、ヨーイングとグリップの角度が線形関係にあり、手首機構の上記角度が大幅に変化したとしても、駆動ケーブルの等長解放および/または引き込みを確保することもできる。
【0009】
一実施例では、前記第1回動部材は、第1中心軸線まわりに回動可能であり、前記第2回動部材は、第2中心軸線まわりに回動可能であり、前記第3回動部材は、第3中心軸線まわりに回動可能であり、前記第1中心軸線は、前記第2中心軸線と平行であり、かつ前記第3中心軸線と平行である。
【0010】
一実施例では、前記第1伝動アセンブリは、
前記第1ケーブルを接続するための第1動滑車と、
第1伝動ケーブルであって、前記第1伝動ケーブルが前記第1動滑車を巻き付け、前記第1伝動ケーブルの両端がそれぞれ前記第1回動部材と前記第3回動部材に接続されている第1伝動ケーブルと、
第2軸まわりに回動可能であり、前記第2ケーブルを接続するため第2動滑車と、
第2伝動ケーブルであって、前記第2伝動ケーブルが前記第2動滑車を巻き付け、前記第2伝動ケーブルの両端がそれぞれ前記第1回動部材と前記第3回動部材に接続されている第2伝動ケーブルと、を含み、
ここで、前記第1伝動ケーブルが前記第1回動部材を巻く巻き付け方向は、前記第2伝動ケーブルが前記第1回動部材を巻く巻き付け方向と逆であり、かつ、前記第1伝動ケーブルが前記第3回動部材を巻く巻き付け方向は、前記第2伝動ケーブルが前記第3回動部材を巻く巻き付け方向と同じであり、
前記第1回動部材または前記第3回動部材が回動すると、前記第1動滑車は、前記第1伝動ケーブルによって移動するようになり、前記第2動滑車は、前記第2伝動ケーブルによって移動するようになる。
【0011】
一実施例では、前記第1伝動アセンブリは、第1ガイドホイールをさらに含み、前記第1伝動ケーブルの前記第1回動部材と前記第1動滑車との間に位置する部分が前記第1ガイドホイールを巻き付け、前記第1伝動ケーブルの前記第1ガイドホイールと前記第1動滑車との間に位置する部分と前記第1伝動ケーブルの前記第1動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分とが平行である。
【0012】
一実施例では、前記第2伝動ケーブルの前記第1回動部材と前記第2動滑車との間に位置する部分は、前記第2伝動ケーブルの前記第2動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分と平行であり、かつ前記第1伝動ケーブルの前記第1動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分と平行である。
【0013】
一実施例では、前記第2伝動アセンブリは、
前記第3ケーブルを接続するための第3動滑車と、
第3伝動ケーブルであって、前記第3伝動ケーブルが前記第3動滑車を巻き付け、前記第3伝動ケーブルの両端がそれぞれ前記第2回動部材と前記第3回動部材に接続されている第3伝動ケーブルと、
第4軸まわりに回動可能であり、前記第4ケーブルを接続するための第4動滑車と、
第4伝動ケーブルであって、前記第4伝動ケーブルが前記第4動滑車を巻き付け、前記第4伝動ケーブルの両端がそれぞれ前記第2回動部材と前記第3回動部材に接続されている第4伝動ケーブルと、を含む。
【0014】
一実施例では、前記第3伝動ケーブルが前記第2回動部材を巻く巻き付け方向は前記第4伝動ケーブルが前記第2回動部材を巻く巻き付け方向と逆であり、かつ、前記第3伝動ケーブルが前記第3回動部材を巻く巻き付け方向及び前記第4伝動ケーブルが前記第3回動部材を巻く巻き付け方向は、前記第1伝動ケーブルが前記第3回動部材を巻く巻き付け方向及び前記第2伝動ケーブルが前記第3回動部材を巻く巻き付け方向と逆であり、
前記第2回動部材または前記第3回動部材が回動すると、前記第3動滑車は前記第3伝動ケーブルによって移動するようになり、前記第4動滑車は前記第4伝動ケーブルによって移動するようになる。
【0015】
一実施例では、前記第1動滑車は、第1軸を介して第1動滑車ベースに回転可能に接続され、前記第1動滑車ベースは前記第1ケーブルを接続するために使われ、前記第2動滑車は、第2軸を介して第2動滑車ベースに回転可能に接続され、前記第2動滑車ベースは前記第2ケーブルを接続するために使われ、前記第1軸は、前記第2軸と平行であり、かつ前記第1中心軸線と平行であり、および/または、
前記第3動滑車は、第3軸を介して第3動滑車ベースに回転可能に接続され、前記第3動滑車ベースは前記第3ケーブルを接続するために使われ、前記第4動滑車は、第4軸を介して前記第4動滑車ベースに回転可能に接続され、前記第4動滑車ベースは前記第4ケーブルを接続するために使われ、前記第3軸は、前記第4軸と平行であり、かつ前記第1中心軸線と平行である。
【0016】
一実施例では、前記第2伝動アセンブリは、第2ガイドホイールをさらに含み、前記第4伝動ケーブルの前記第2回動部材と前記第4動滑車との間に位置する部分は、前記第2ガイドホイールを巻き付け、前記第4伝動ケーブルの前記第2ガイドホイールと前記第4動滑車との間に位置する部分と前記第4伝動ケーブルの前記第4動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分とが平行である。
【0017】
一実施例では、前記第3ケーブルの前記第2回動部材と前記第3動滑車との間に位置する部分は、前記第3ケーブルの前記第3動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分と平行であり、かつ前記第4伝動ケーブルの前記第4動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分と平行である。
【0018】
本願の各種の実施例によれば、医療機器がさらに提供され、上記のいずれかの実施例に記載のバックエンド伝動装置を備える。
【0019】
本願の各種の実施例によれば、手術用ロボットがさらに提供され、上記の実施例に記載の医療機器を備える。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本願の下記の図面は、ここでは本願の一部として本願を理解するために使われる。図面では、本願の原理を説明するための本願の実施例およびその説明を示している。図面の中で、
図1図1は、本願の実施例における手術用ロボットの構造を示す図である。
図2図2は、図1における手術用ロボットの局所構造を示す図であり、その中で手首機構、第1ケーブル、第2ケーブル、第3ケーブルと第4ケーブルを示している。
図3図3は、図1における手術用ロボットの別の局所構造を示す図であり、その中でバックエンド伝動装置、第1ケーブル、第2ケーブル、第3ケーブルと第4ケーブルを示している。
図4図4は、図1における手術用ロボットのバックエンド伝動装置の局所構造を示す図である。符号の説明
【0021】
100:手術用ロボット 110:メカニカルアーム
111:アーム 120:医療機器
130:手首機構 131:近位端治具
132:遠位端治具 133:アクチュエータ
134:グリップ爪上顎 135:グリップ爪下顎
136:第1ピン軸 137:第2ピン軸
140:メインパイプ 141:第1ケーブル
142:第2ケーブル 143:第3ケーブル
144:第4ケーブル 150:バックエンド伝動装置
151:第1回動部材 152:第2回動部材
153:第3回動部材 156:第1動滑車
157:第2動滑車 158:第1伝動ケーブル
159:第2伝動ケーブル 161:第1軸
162:第2軸 163:第1ガイドホイール
164:第3動滑車 165:第4動滑車
166:第3伝動ケーブル 167:第4伝動ケーブル
168:第3軸 169:第4軸
171:第2ガイドホイール 172:ベースプレート
173:第1回動軸 174:第2回動軸
175:第3回動軸 176:第3ガイドホイールセット
177:第5軸 178:第3ガイドホイール
181:第1動滑車ベース 182:第2動滑車ベース
183:第3動滑車ベース 184:第4動滑車ベース
A1:第1中心軸線 A2:第2中心軸線
A3:第3中心軸線
【発明を実施するための形態】
【0022】
下記の説明では、本願をより徹底的に理解させるために、多くの具体的なディテールを示している。しかし、本願の実施形態がこれらのディテールの1つまたは複数を必要とすることなく実施できることは、当業者にとって明らかなことである。その他の例では、本願の実施形態と混同することを避けるために、当該技術分野で周知されているいくつかの技術的特徴について、説明していない。
【0023】
本願の実施形態を徹底的に理解させるために、下記の説明で詳しい構造を提案する。明らかなように、本願の実施形態の実施は、当業者が熟知する特別なディテールに限定されない。なお、本願で引用された「第1」と「第2」などの序数詞は、単なる標記するためのものであり、特定の順序などという他の意味を一切持っていない。また、例えば、「第1部材」という用語自体は、「第2部材」の存在を示唆せず、「第2部材」という用語自体は「第1部材」の存在を示唆しない。本願で使用された用語「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」および類似の表現は、説明するためのものであり、限定するものではない。
【0024】
図1に示すように、本願の実施例は、バックエンド伝動装置150、医療機器120および手術用ロボット100を提供している。手術用ロボット100は、移動可能に設置されたメカニカルアーム110と、メカニカルアーム110に取り付けられた医療機器120と、を含み、医療機器120が上記のバックエンド伝動装置150を含む。当技術分野で知られているように、医療機器120は、多くの機能を実現することができ、様々な形状と大きさの手術鉗子またはグリッパ、針駆動装置、ハサミまたは焼灼ツールを含むが、これらに限定されない。
【0025】
図1に示すように、手術用ロボット100は、主に、ベース180と、ベース180の上端に回動可能に設けられた少なくとも1つのメカニカルアーム110と、メカニカルアーム110の対応するポートに取り付けられた医療機器120と、を含む。図1には、例示的にメカニカルアーム110が1つだけ示されており、このメカニカルアーム110は、首尾が接続されたアーム111を含み、かつこれらのアーム111が回動可能に設けられている。メカニカルアーム110が複数ある場合、各メカニカルアーム110の対応するポートにはいずれも医療機器120が取り付けられる。医療機器120の交換または修理を容易にするために、医療機器120とメカニカルアーム110は、取り外し可能に接続されている。メカニカルアーム110に取り付けられた医療機器120は、具体的な医療プログラムに選択的に使用されたり、医療プログラム中に必要な臨床機能を提供するために変更されたりすることができる。
【0026】
メカニカルアーム110のドッキングポートは、通常、医療機器120の操作に機械的動力を提供する駆動モータを含む。ドッキングポートは、例えばドッキングポートにある機器のタイプを識別し、機器のパラメータを取得するために、医療機器120に接続された電気的インターフェースを含んでもよい。
【0027】
医療機器120は通常、バックエンド伝動装置150と、バックエンド伝動装置150から延びるメインパイプ140と、メインパイプ140の遠位端にある手首機構130と、を含む。手首機構130に接続された駆動ケーブル(具体的に、第1ケーブル141、第2ケーブル142、第3ケーブル143および第4ケーブル144)及び導電体は、延びてメインパイプ140を通って、バックエンド伝動装置150に接続されることができる。バックエンド伝動装置150は、上記の駆動ケーブルから駆動モータのモータ駆動軸までの機械的接続を提供し、駆動ケーブルの動きと張力を制御することで、手首機構130を操作する。メインパイプ140は、中空のものであり、リジッドであってもよいし、フレキシブルであってもよい。
【0028】
図2に示すように、手首機構130は、近位端治具131と、遠位端治具132と、アクチュエータ133と、を含む。遠位端治具132は、第1ピン軸136を介して近位端治具131に回転可能に接続され、手首機構130のピッチ運動を実現する。アクチュエータ133は、グリップ爪上顎134とグリップ爪下顎135と、を含み、グリップ爪上顎134とグリップ爪下顎135が第2ピン軸137を介して遠位端治具132に回転可能に接続され、手首機構130のグリップとヨーイングを実現する。一実施例では、第2ピン軸137は、第1ピン軸136に対して垂直である。
【0029】
第1ケーブル141と第2ケーブル142は、アクチュエータ133のグリップ爪下顎135に巻き付けられるように接続され、つまり、第1ケーブル141と第2ケーブル142は、連続的な一体構造のケーブルがグリップ爪下顎135を巻き付けて形成されることができる。第3ケーブル143と第4ケーブル144は、アクチュエータ133のグリップ爪上顎134に巻き付けられるように接続され、つまり、第3ケーブル143と第4ケーブル144は、連続的な一体構造のケーブルがグリップ爪上顎134を巻き付けて形成されることができる。第1ケーブル141、第2ケーブル142、第3ケーブル143および第4ケーブル144は、アクチュエータ133、遠位端治具132および近位端治具131のガイド通路(図示せず)の硬い表面に沿って延び、かつメインパイプ140を通って延びてバックエンド伝動装置150に戻る。例えば、ガイド通路は、断面がU字型または半円型の溝であってもよい。
【0030】
図2に示すように、第3ケーブル143と第4ケーブル144を等長で引き込むと同時に、第1ケーブル141と第2ケーブル142を等長で解放することで、遠位端治具132は、近位端治具131に対して第1ピン軸136まわりに時計回りに回転し、手首機構130のピッチ順方向運動を実現する(図2を参照)。同様に、第1ケーブル141と第2ケーブル142を等長で引き込むと同時に、第3ケーブル143と第4ケーブル144を等長で解放することで、遠位端治具132は、近位端治具131に対して第1ピン軸136まわりに反時計回りに回転し、手首機構130のピッチ逆方向運動を実現する。
【0031】
第4ケーブル144を引き込みながら、第3ケーブル143を等長で解放することで、グリップ爪上顎134は、遠位端治具132に対して第2ピン軸137まわりに時計回りに回転する(図2のヨーイング1を参照)。同様に、第3ケーブル143を引き込みながら、第4ケーブル144を等長で解放することで、グリップ爪上顎134は、遠位端治具132に対して第2ピン軸137まわりに反時計回りに回転する。第2ケーブル142を引き込みながら、第1ケーブル141を等長で解放することで、グリップ爪下顎135は、遠位端治具132に対して第2ピン軸137まわりに時計回りに回転する(図2のヨーイング2を参照)。同様に、第1ケーブル141を引き込みながら、第2ケーブル142を等長で解放することで、グリップ爪下顎135は、遠位端治具132に対して第2ピン軸137まわりに反時計回りに回転する。グリップ爪上顎134とグリップ爪下顎135の運動の組み合わせによってアクチュエータ133のヨーイングとグリップ運動を実現することができる。これについて、後で詳しく説明する。
【0032】
図3図4に示すように、バックエンド伝動装置150は、主に、第1回動部材151と、第2回動部材152と、第3回動部材153と、第1伝動アセンブリと、第2伝動アセンブリと、第1回動軸173と、第2回動軸174と、第3回動軸175と、ベースプレート172と、を含む。第1回動軸173、第2回動軸174および第3回動軸175は、それぞれベースプレート172に回動可能に取り付けられ、かつそれぞれ対応する駆動モータに接続されるために使われる。第1伝動アセンブリ、第2伝動アセンブリは、いずれもベースプレート172に取り付けられている。ベースプレート172は、駆動モータに対応したインターフェースを備え、医療機器120を正しく取り付けた時に、第1回動軸173、第2回動軸174および第3回動軸175が駆動モータに安定的に接続され、回転運動の伝達を実現できることを確保する。
【0033】
理解できるように、手術用ロボット100は、少なくとも3つの駆動モータを含むことができ、ここで、3つの駆動モータがそれぞれ第1回動軸173、第2回動軸174および第3回動軸175に接続されている。第1回動軸173、第2回動軸174および第3回動軸175は、互いに平行に設けられ、かつ、第1回動軸173、第2回動軸174および第3回動軸175は、ほぼ三角形に配列されている。なお、第1回動軸173、第2回動軸174および第3回動軸175の配列形式は、本実施形態に限定されず、第1回動軸173、第2回動軸174および第3回動軸175は、必要に応じて、直線的に配列されてもよい。第1回動軸173は、第1回動部材151に固定的に接続され、第2回動軸174は、第2回動部材152に固定的に接続され、第3回動軸175は、第3回動部材153に固定的に接続され、これによって、それぞれ第1回動部材151、第2回動部材152および第3回動部材153の回動を駆動する。本実施形態では、第1回動部材151、第2回動部材152および第3回動部材153は、キャプスタンである。
【0034】
第1伝動アセンブリは、それぞれ第1ケーブル141と第2ケーブル142を接続するために使われ、かつそれぞれ第1回動部材151と第3回動部材153に接続される。第1伝動アセンブリは、主に、第1動滑車156と、第2動滑車157と、第1伝動ケーブル158と、第2伝動ケーブル159と、を含む。第1動滑車156は、第1軸161を介して第1動滑車ベース181に回転可能に接続され、第1動滑車156は、第1軸161まわりに回転可能であり、第1ケーブル141は、第1動滑車ベース181に接続されている。第2動滑車157は、第2軸162を介して第2動滑車ベース182に回転可能に接続され、第2動滑車157は、第2軸162まわりに回転可能であり、第2ケーブル142は、第2動滑車ベース182に接続されている。
【0035】
第1伝動ケーブル158は第1動滑車156を巻き付け、第1伝動ケーブル158の両端がそれぞれ第1回動部材151と第3回動部材153に接続されている。第2伝動ケーブル159は、第2動滑車157を巻き付け、かつ第2伝動ケーブル159の両端がそれぞれ第1回動部材151と第3回動部材153に接続されている。具体的には、第1伝動ケーブル158と第2伝動ケーブル159は、第1回動部材151に対する巻き付け方向が逆であり、かつ第3回動部材153に対する巻き付け方向が同じである。第1回動部材151または第3回動部材153が回動すると、第1動滑車156は、第1伝動ケーブル158によって移動するようになり、第2動滑車157は、第2伝動ケーブル159によって移動するようになる。
【0036】
第1伝動アセンブリは、第1ガイドホイール163をさらに含み、第1伝動ケーブル158の第1回動部材151と第1動滑車156との間に位置する部分が第1ガイドホイール163を巻き付け、第1伝動ケーブル158の第1ガイドホイール163と第1動滑車156との間に位置する部分と第1伝動ケーブル158の第1動滑車156と第3回動部材153との間に位置する部分とが平行であり、第1伝動ケーブル158の第1ガイドホイール163と第1動滑車156との間に位置する部分と第1伝動ケーブル158の第1動滑車156と第3回動部材153との間に位置する部分との線速度の絶対値が等しくなり、つまり、第1伝動ケーブル158の第1動滑車156の両側に位置するケーブルの線速度の絶対値が等しくなる。第2伝動ケーブル159の第1回動部材151と第2動滑車157との間に位置する部分は、第2伝動ケーブル159の第2動滑車157と第3回動部材153との間に位置する部分と平行であり、かつ第1伝動ケーブル158の第1動滑車156と第3回動部材153との間に位置する部分と平行であり、つまり、第2伝動ケーブル159の第2動滑車157両側に位置するケーブルの線速度の絶対値は等しい。第1ガイドホイール163は、定滑車であってもよい。当業者は、第1伝動ケーブル158と第2伝動ケーブル159をガイドするように、必要に応じて、他のガイドホイールを追加してもよいことを理解できる。
【0037】
第1回動部材151は、第1中心軸線A1まわりに回動可能に構成されており、これによって、第1伝動アセンブリを介して、第1ケーブル141と第2ケーブル142のうちの一方を引き込むと同時に、第1ケーブル141と第2ケーブル142のうちの他方を解放することができ、グリップ爪下顎135は、遠位端治具132に対して第2ピン軸137まわりに時計回りまたは反時計回りに回動することができる。一実施例では、第1軸161は、第2軸162と平行であり、かつ第1中心軸線A1と平行である。
【0038】
具体的には、第3回動部材153が動かないまま、駆動モータによって第1回動軸173が第1回動部材151を反時計回りに回転させるように駆動すると、第2伝動ケーブル159が引き込まれ(即ち第1回動部材151に巻き付けられる)と同時に、第1伝動ケーブル158が等長で解放され、つまり、第2ケーブル142が第2動滑車157を介して引き込まれると同時に、第1ケーブル141が第1動滑車156を介して等長で解放され、これによって、グリップ爪下顎135が遠位端治具132に対して第2ピン軸137まわりに時計回りに回転することを実現する(図2のヨーイング2参照)。第3回動部材153が動かないまま、駆動モータによって第1回動軸173が第1回動部材151を時計回りに回転させるように駆動すると、第1伝動ケーブル158が引き込まれ(即ち第1回動部材151に巻き付けられる)と同時に、第2伝動ケーブル159が等長で解放され、つまり、第1ケーブル141が第1動滑車156を介して引き込まれると同時に、第2ケーブル142が第2動滑車157を介して等長で解放され、これによって、グリップ爪下顎135が遠位端治具132に対して第2ピン軸137まわりに反時計回りに回転することを実現する。
【0039】
図3図4に示すように、第2伝動アセンブリは、それぞれ第3ケーブル143と第4ケーブル144を接続するために使われ、かつそれぞれ第2回動部材152と第3回動部材153に接続される。第2伝動アセンブリは、第3動滑車164と、第4動滑車165と、第3伝動ケーブル166と、第4伝動ケーブル167と、を含む。第3動滑車164は、第3軸168を介して第3動滑車ベース183に回転可能に接続され、第3動滑車164は、第3軸168まわりに回転可能であり、第3ケーブル143は、第3動滑車ベース183に接続されている。第4動滑車165は、第4軸169を介して第4動滑車ベース184に回転可能に接続され、第4動滑車165は、第4軸169まわりに回転可能であり、第4ケーブル144は、第4動滑車ベース184に接続されている。
【0040】
第3伝動ケーブル166は、第3動滑車164を巻き付け、第3伝動ケーブル166の両端がそれぞれ第2回動部材152と第3回動部材153に接続されている。第4伝動ケーブル167は、第4動滑車165を巻き付け、第4伝動ケーブル167の両端がそれぞれ第2回動部材152と第3回動部材153に接続されている。具体的には、第3伝動ケーブル166と第4伝動ケーブル167は、第2回動部材152に対する巻き付け方向が逆であり、かつ、第3回動部材153に対する巻き付け方向が第1伝動ケーブル158と第2伝動ケーブル159の第3回動部材153に対する巻き付け方向と逆である。第2回動部材152または第3回動部材153が回動すると、第3動滑車164は第3伝動ケーブル166によって移動するようになり、第4動滑車165は第4伝動ケーブル167によって移動するようになる。
【0041】
第2伝動アセンブリは、第2ガイドホイール171をさらに含み、第4伝動ケーブル167の第2回動部材152と第4動滑車165との間に位置する部分は、第2ガイドホイール171を巻き付け、第4伝動ケーブル167の第2ガイドホイール171と第4動滑車165との間に位置する部分と第4伝動ケーブル167の第4動滑車165と第3回動部材153との間に位置する部分とが平行である。第3ケーブル143の第2回動部材152と第3動滑車164との間に位置する部分は、第3ケーブル143の第3動滑車164と第3回動部材153との間に位置する部分と平行であり、かつ第4伝動ケーブル167の第4動滑車165と第3回動部材153との間に位置する部分と平行である。第2ガイドホイール171は、定滑車であってもよい。当業者は、第3伝動ケーブル166と第4伝動ケーブル167をガイドするように、必要に応じて、他のガイドホイールを追加してもよいことを理解できる。
【0042】
第2回動部材152は、第2中心軸線A2まわりに回動可能に構成されており、これによって、第2伝動アセンブリを介して、第3ケーブル143と第4ケーブル144のうちの一方を引き込むと同時に、第3ケーブル143と第4ケーブル144のうちの他方を解放することができ、グリップ爪上顎134は、遠位端治具132に対して第2ピン軸137まわりに時計回りまたは反時計回りに回転することを実現する。一実施例では、第3軸168は、第4軸169と平行であり、かつ第2中心軸線A2と平行である。
【0043】
具体的には、第3回動部材153が動かないまま、駆動モータによって第2回動軸174が第2回動部材152を反時計回りに回転させるように駆動すると、第4伝動ケーブル167が引き込まれ(即ち第2回動部材152に巻き付けられる)と同時に、第3伝動ケーブル166が等長で解放され、つまり、第4ケーブル144が第4動滑車165を介して引き込まれると同時に、第3ケーブル143が第3動滑車164を介して等長で解放され、これによって、グリップ爪上顎134が遠位端治具132に対して第2ピン軸137まわりに時計回りに回転することを実現する((図2のヨーイング1を参照)。第3回動部材153が動かないまま、駆動モータによって第2回動軸174が第2回動部材152を時計回りに回転させるように駆動すると、第3伝動ケーブル166が引き込まれ(即ち第2回動部材152に巻き付けられる)と同時に、第4伝動ケーブル167が等長で解放され、つまり、第3ケーブル143が第3動滑車164を介して引き込まれると同時に、第4ケーブル144が第4動滑車165を介して等長で解放され、これによって、グリップ爪上顎134が遠位端治具132に対して第2ピン軸137まわりに反時計回りに回転することを実現する。
【0044】
バックエンド伝動装置150は、第3ガイドホイールセット176(図4参照)をさらに含み、第3ガイドホイールセット176は、互いに平行な2つの第5軸177と、この2つの第5軸177にそれぞれ回転可能に設けられた2つの第3ガイドホイール178と、を含む。第3ガイドホイール178は、定滑車であってもよい。
【0045】
この4つの第3ガイドホイール178は、それぞれ第1ケーブル141、第2ケーブル142、第3ケーブル143および第4ケーブル144をガイドすることができ、第1ケーブル141の第3ガイドホイールセット176と第1動滑車156との間に位置する部分と第1伝動ケーブル158の第1動滑車156と第3回動部材153との間に位置する部分とが平行であり、かつ、第2ケーブル142の第3ガイドホイールセット176と第2動滑車157との間に位置する部分と第2伝動ケーブル159の第2動滑車157と第3回動部材153との間に位置する部分とが平行であり、第3ケーブル143の第3ガイドホイールセット176と第3動滑車164との間に位置する部分と第3伝動ケーブル166の第3動滑車164と第3回動部材153との間に位置する部分とが平行であり、第4ケーブル144の第3ガイドホイールセット176と第4動滑車165との間に位置する部分と第4伝動ケーブル167の第4動滑車165と第3回動部材153との間に位置する部分とが平行である。これにより、第1回動部材151と第3回動部材153の第1ケーブル141と第2ケーブル142に対する線形組み合わせの駆動を実現し、第2回動部材152と第3回動部材153の第3ケーブル143と第4ケーブル144に対する線形組み合わせの駆動を実現することができる。
【0046】
本実施形態では、第1回動軸173と第2回動軸174の回動を制御することで、アクチュエータ133のヨーイングとグリップ運動を実現することができる。
【0047】
具体的には、第3回動軸175が動かないまま、第1回動軸173と第2回動軸174が等角度で反時計回りに回動する時、即ち第1回動部材151と第2回動部材152が等角度で反時計回りに回動する時、グリップ爪上顎134とグリップ爪下顎135がいずれも時計回りに回転し、アクチュエータ133が順方向のヨーイング(図2を参照)を実現する。第3回動軸175が動かないまま、第1回動軸173と第2回動軸174が等角度で時計回りに回動する時、即ち第1回動部材151と第2回動部材152が等角度で時計回りに回動する時、グリップ爪上顎134とグリップ爪下顎135がいずれも反時計回りに回転し、アクチュエータ133が逆方向のヨーイング(図2を参照)を実現する。
【0048】
第3回動軸175が動かないまま、第1回動軸173が反時計回りに回動しながら、第2回動軸174が等角度で時計回りに回動する時、即ち第1回動部材151が反時計回りに回動しながら、第2回動部材152が等角度で時計回りに回動する時、グリップ爪下顎135が時計回りに回動し、グリップ爪上顎134が反時計回りに回動し、アクチュエータ133のグリップ動作(図2を参照)を実現する。第3回動軸175が動かないまま、第1回動軸173が時計回りに回動しながら、第2回動軸174が等角度で反時計回りに回動する時、即ち第1回動部材151が時計回りに回動しながら、第2回動部材152が等角度で反時計回りに回動する時、グリップ爪下顎135が反時計回りに回動し、グリップ爪上顎134が時計回りに回動し、アクチュエータ133のグリップ解放動作を実現する。
【0049】
第3回動部材153は、第3中心軸線A3まわりに回動可能に構成されており、これによって、第1伝動アセンブリと第2伝動アセンブリを介して、第1ケーブル141と第2ケーブル142のうちの少なくとも一方を引き込みながら、第3ケーブル143と第4ケーブル144のうちの少なくとも一方を解放したり、第3ケーブル143と第4ケーブル144のうちの少なくとも一方を引き込みながら、第1ケーブル141と第2ケーブル142のうちの少なくとも一方を解放したりして、手首機構130のピッチ運動を実現する。一実施例では、第1中心軸線A1は、第2中心軸線A2と平行であり、かつ第3中心軸線A3と平行である。
【0050】
本実施形態では、第3回動部材153が回動する時、第1伝動アセンブリと第2伝動アセンブリを介して、第1ケーブル141と第2ケーブル142を等長で引き込みながら第3ケーブル143と第4ケーブル144を等長で解放したり(即ち第3回動部材153回転中に第1ケーブル141と第2ケーブル142の第1回動部材151に巻き付けられた長さが第3ケーブル143と第4ケーブル144の解放された長さと等しい)、第3ケーブル143と第4ケーブル144を等長で引き込みながら第1ケーブル141と第2ケーブル142を等長で解放したり(即ち第3回動部材153の回転中に第3ケーブル143と第4ケーブル144の第2回動部材152に巻き付けられた長さが第1ケーブル141と第2ケーブル142の解放された長さと等しい)することで、手首機構130のピッチ運動を実現することができる。
【0051】
具体的には、第1回動軸173と第2回動軸174が動かないまま、駆動モータで第3回動軸175が第3回動部材153を反時計回りに回転させるように駆動すると、第1伝動ケーブル158と第2伝動ケーブル159が等長で解放されると同時に、第3伝動ケーブル166と第4伝動ケーブル167が等長で引き込まれ、即ち第1ケーブル141と第2ケーブル142が等長で解放されると同時に第3ケーブル143と第4ケーブル144が等長で引き込まれ、これによって、手首機構130のピッチ順方向運動を実現する。同様に、第1回動軸173と第2回動軸174が動かないまま、駆動モータによって第3回動軸175が第3回動部材153を時計回りに回転させるように駆動すると、第1伝動ケーブル158と第2伝動ケーブル159が等長で引き込まれると同時に、第3伝動ケーブル166と第4伝動ケーブル167が等長で解放され、即ち第1ケーブル141と第2ケーブル142が等長で引き込まれると同時に、第3ケーブル143と第4ケーブル144が等長で解放され、これによって、手首機構130のピッチ逆方向運動を実現する。
【0052】
本実施形態では、第1回動部材151、第2回動部材152および第3回動部材153の回動が第1動滑車156、第2動滑車157、第3動滑車164および第4動滑車165を介して第1ケーブル141、第2ケーブル142、第3ケーブル143および第4ケーブル144に伝達されるため、第1ケーブル141、第2ケーブル142、第3ケーブル143および第4ケーブル144の移動距離(即ち引き込みまたは解放の長さ)は、それに対応して第1伝動ケーブル158、第2伝動ケーブル159、第3伝動ケーブル166および第4伝動ケーブル167の移動距離の半分のみであり、入力側から出力側への2:1の減速比を実現したことに相当する。したがって、駆動モータの減速機にヒステリシス誤差がある場合、または、第1回動軸173、第2回動軸174および第3回動軸175と駆動モータとの接続部にヒステリシス誤差がある場合、これらのヒステリシス誤差がフロントエンドの手首機構130に与える影響は、半分になり、手首機構130の運動精度を向上させる。
【0053】
本願の実施例におけるバックエンド伝動装置によれば、バックエンド伝動装置が例えば手首機構の4本の駆動ケーブルに接続されることにより、手首機構とバックエンド伝動装置とが協働して作動するようになり、駆動ケーブル(即ち第1ケーブル、第2ケーブル、第3ケーブルおよび第4ケーブル)を等長で引き込んだり解放したりすることで、手首機構のピッチ運動、ヨーイングおよびグリップを実現する。このような駆動方式のもとで、構造が簡単であり、伝動が正確であり、回動部材と手首機構のピッチ、ヨーイングとグリップの角度が線形関係にあり、手首機構の上記角度が大幅に変化したとしても、駆動ケーブルの等長解放および/または引き込みを確保することもできる。
【0054】
特に別途定義されていない限り、本明細書で使用された技術用語および科学用語は、当業者が通常理解している意味と同じである。本明細書で使用された用語は、具体的な実施目的を説明するためのものであり、本願を限定することを意図するものではない。本明細書で使われている「設置」などの用語は、ある部材を別の部材に直接取り付けられることを示す場合もあれば、ある部材が中間部材を介して別の部材に取り付けられることを示す場合もある。本願の一実施形態で説明された特徴は、他の実施形態に適用されないか、または別途説明がない限り、単独または他の特徴と組み合わせて他の実施形態に適用されることができる。
【0055】
本願は、上記の実施形態によって説明されたが、上記の実施形態は例示と説明を目的とするためのものであり、本願を説明された実施形態の範囲内に限定することを意図するものではない。当業者であれば、本願の示唆に基づいて、さらに多くの変形および修正を行うことができるが、これらの変形および修正が、いずれも本願の特許請求の範囲に含まれる。

図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-11-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1回動部材と、
第2回動部材と、
第3回動部材と、
それぞれ第1ケーブルと第2ケーブルを接続するために使われ、かつそれぞれ前記第1回動部材と前記第3回動部材に接続される第1伝動アセンブリと、
それぞれ第3ケーブルと第4ケーブルを接続するために使われ、かつそれぞれ前記第2回動部材と前記第3回動部材に接続される第2伝動アセンブリと、を含み、
ここで、前記第1回動部材は、前記第1伝動アセンブリを介して、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルのうちの一方を引き込むと同時に、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルのうちの他方を解放することができるように、回動可能に構成されており、
前記第2回動部材は、前記第2伝動アセンブリを介して、前記第3ケーブルと前記第4ケーブルのうちの一方を引き込むと同時に、前記第3ケーブルと前記第4ケーブルのうちの他方を解放することができるように、回動可能に構成されており、
前記第3回動部材は、前記第1伝動アセンブリと前記第2伝動アセンブリを介して、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルのうちの少なくとも一方を引き込みながら、前記第3ケーブルと前記第4ケーブルのうちの少なくとも一方を解放したり、前記第3ケーブルと前記第4ケーブルのうちの少なくとも一方を引き込みながら、前記第1ケーブルと前記第2ケーブルのうちの少なくとも一方を解放したりすることを実現できるように、回動可能に構成されている、
ことを特徴とするバックエンド伝動装置。
【請求項2】
前記第1回動部材は、第1中心軸線まわりに回動可能であり、前記第2回動部材は、第2中心軸線まわりに回動可能であり、前記第3回動部材は、第3中心軸線まわりに回動可能であり、前記第1中心軸線は、前記第2中心軸線と平行であり、かつ前記第3中心軸線と平行である、
ことを特徴とする請求項1に記載のバックエンド伝動装置。
【請求項3】
前記第1伝動アセンブリは、
前記第1ケーブルを接続するための第1動滑車と、
第1伝動ケーブルであって、前記第1伝動ケーブルが前記第1動滑車を巻き付け、前記第1伝動ケーブルの両端がそれぞれ前記第1回動部材と前記第3回動部材に接続されている第1伝動ケーブルと、
前記第2ケーブルを接続するため第2動滑車と、
第2伝動ケーブルであって、前記第2伝動ケーブルが前記第2動滑車を巻き付け、前記第2伝動ケーブルの両端がそれぞれ前記第1回動部材と前記第3回動部材に接続されている第2伝動ケーブルと、を含み、
ここで、前記第1伝動ケーブルが前記第1回動部材を巻く巻き付け方向は、前記第2伝動ケーブルが前記第1回動部材を巻く巻き付け方向と逆であり、かつ、前記第1伝動ケーブルが前記第3回動部材を巻く巻き付け方向は、前記第2伝動ケーブルが前記第3回動部材を巻く巻き付け方向と同じであり、
前記第1回動部材または前記第3回動部材が回動すると、前記第1動滑車は、前記第1伝動ケーブルによって移動するようになり、前記第2動滑車は、前記第2伝動ケーブルによって移動するようになる、
ことを特徴とする請求項2に記載のバックエンド伝動装置。
【請求項4】
前記第1伝動アセンブリは、第1ガイドホイールをさらに含み、前記第1伝動ケーブルの前記第1回動部材と前記第1動滑車との間に位置する部分が前記第1ガイドホイールを巻き付け、前記第1伝動ケーブルの前記第1ガイドホイールと前記第1動滑車との間に位置する部分と前記第1伝動ケーブルの前記第1動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分とが平行である、
ことを特徴とする請求項3に記載のバックエンド伝動装置。
【請求項5】
前記第2伝動ケーブルの前記第1回動部材と前記第2動滑車との間に位置する部分は、前記第2伝動ケーブルの前記第2動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分と平行であり、かつ前記第1伝動ケーブルの前記第1動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分と平行である、
ことを特徴とする請求項4に記載のバックエンド伝動装置。
【請求項6】
前記第2伝動アセンブリは、
前記第3ケーブルを接続するための第3動滑車と、
第3伝動ケーブルであって、前記第3伝動ケーブルが前記第3動滑車を巻き付け、前記第3伝動ケーブルの両端がそれぞれ前記第2回動部材と前記第3回動部材に接続されている第3伝動ケーブルと、
前記第4ケーブルを接続するための第4動滑車と、
第4伝動ケーブルであって、前記第4伝動ケーブルが前記第4動滑車を巻き付け、前記第4伝動ケーブルの両端がそれぞれ前記第2回動部材と前記第3回動部材に接続されている第4伝動ケーブルと、を含み、
ここで、前記第3伝動ケーブルが前記第2回動部材を巻く巻き付け方向は前記第4伝動ケーブルが前記第2回動部材を巻く巻き付け方向と逆であり、かつ、前記第3伝動ケーブルが前記第3回動部材を巻く巻き付け方向及び前記第4伝動ケーブルが前記第3回動部材を巻く巻き付け方向は、前記第1伝動ケーブルが前記第3回動部材を巻く巻き付け方向及び前記第2伝動ケーブルが前記第3回動部材を巻く巻き付け方向と逆であり、
前記第2回動部材または前記第3回動部材が回動すると、前記第3動滑車は前記第3伝動ケーブルによって移動するようになり、前記第4動滑車は前記第4伝動ケーブルによって移動するようになる、
ことを特徴とする請求項に記載のバックエンド伝動装置。
【請求項7】
前記第1動滑車は、第1軸を介して第1動滑車ベースに回転可能に接続され、前記第1動滑車ベースは前記第1ケーブルを接続するために使われ、前記第2動滑車は、第2軸を介して第2動滑車ベースに回転可能に接続され、前記第2動滑車ベースは前記第2ケーブルを接続するために使われ、前記第1軸は、前記第2軸と平行であり、かつ前記第1中心軸線と平行であ
ことを特徴とする請求項6に記載のバックエンド伝動装置。
【請求項8】
前記第3動滑車は、第3軸を介して第3動滑車ベースに回転可能に接続され、前記第3動滑車ベースは前記第3ケーブルを接続するために使われ、前記第4動滑車は、第4軸を介して前記第4動滑車ベースに回転可能に接続され、前記第4動滑車ベースは前記第4ケーブルを接続するために使われ、前記第3軸は、前記第4軸と平行であり、かつ前記第1中心軸線と平行である、
ことを特徴とする請求項6に記載のバックエンド伝動装置。
【請求項9】
前記第2伝動アセンブリは、第2ガイドホイールをさらに含み、前記第4伝動ケーブルの前記第2回動部材と前記第4動滑車との間に位置する部分は、前記第2ガイドホイールを巻き付け、前記第4伝動ケーブルの前記第2ガイドホイールと前記第4動滑車との間に位置する部分と前記第4伝動ケーブルの前記第4動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分とが平行である、
ことを特徴とする請求項に記載のバックエンド伝動装置。
【請求項10】
前記第3伝動ケーブルの前記第2回動部材と前記第3動滑車との間に位置する部分は、前記第3伝動ケーブルの前記第3動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分と平行であり、かつ前記第4伝動ケーブルの前記第4動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分と平行である、
ことを特徴とする請求項に記載のバックエンド伝動装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載のバックエンド伝動装置を備える、
ことを特徴とする医療機器。
【請求項12】
請求項11に記載の医療機器を備える、
ことを特徴とする手術用ロボット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本願実施例のバックエンド伝動装置によれば、バックエンド伝動装置が例えば手首機構の4本の駆動ケーブルに接続されることにより、手首機構とバックエンド伝動装置とが協働して作動するようになり、駆動ケーブル(即ち第1ケーブル、第2ケーブル、第3ケーブルおよび第4ケーブル)を引き込んだり解放したりすることで、手首機構のピッチ運動、ヨーイングおよびグリップを実現する。このような駆動方式のもとで、構造が簡単であり、伝動が正確であり、回動部材の回転角及び手首機構のピッチ、ヨーイングまたはグリップの角度が線形関係にあり、手首機構の上記角度が大幅に変化したとしても、駆動ケーブルの等長解放および/または引き込みを確保することもできる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
一実施例では、前記第3伝動ケーブルの前記第2回動部材と前記第3動滑車との間に位置する部分は、前記第3伝動ケーブルの前記第3動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分と平行であり、かつ前記第4伝動ケーブルの前記第4動滑車と前記第3回動部材との間に位置する部分と平行である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
本願の下記の図面は、ここでは本願の一部として本願を理解するために使われる。図面では、本願の原理を説明するための本願の実施例およびその説明を示している。図面の中で、
図1図1は、本願の実施例における手術用ロボットの構造を示す図である。
図2図2は、図1における手術用ロボットの局所構造を示す図であり、その中で手首機構、第1ケーブル、第2ケーブル、第3ケーブルと第4ケーブルを示しており、右矢印はケーブルの引き込みを示し、左矢印はケーブルの解放を示している
図3図3は、図1における手術用ロボットの別の局所構造を示す図であり、その中でバックエンド伝動装置、第1ケーブル、第2ケーブル、第3ケーブルと第4ケーブルを示している。
図4図4は、図1における手術用ロボットのバックエンド伝動装置の局所構造を示す図である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】
100:手術用ロボット 110:メカニカルアーム
111:アーム 120:医療機器
130:手首機構 131:近位端治具
132:遠位端治具 133:アクチュエータ
134:グリップ爪上顎 135:グリップ爪下顎
136:第1ピン軸 137:第2ピン軸
140:メインパイプ 141:第1ケーブル
142:第2ケーブル 143:第3ケーブル
144:第4ケーブル 150:バックエンド伝動装置
151:第1回動部材 152:第2回動部材
153:第3回動部材 156:第1動滑車
157:第2動滑車 158:第1伝動ケーブル
159:第2伝動ケーブル 161:第1軸
162:第2軸 163:第1ガイドホイール
164:第3動滑車 165:第4動滑車
166:第3伝動ケーブル 167:第4伝動ケーブル
168:第3軸 169:第4軸
171:第2ガイドホイール 172:ベースプレート
173:第1回動軸 174:第2回動軸
175:第3回動軸 176:第3ガイドホイールセット
177:第5軸 178:第3ガイドホイール
180:ベース 181:第1動滑車ベース
182:第2動滑車ベース 183:第3動滑車ベース
184:第4動滑車ベース A1:第1中心軸線
A2:第2中心軸線 A3:第3中心軸線
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
メカニカルアーム110のドッキングポートは、通常、医療機器120の操作に機械的動力を提供する駆動モータの出力端を含む。ドッキングポートは、例えばドッキングポートにある機器のタイプを識別し、機器のパラメータを取得するために、医療機器120に接続された電気的インターフェイスを含んでもよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
図2に示すように、手首機構130は、近位端治具131と、遠位端治具132と、アクチュエータ133と、を含む。遠位端治具132は、第1ピン軸136を介して近位端治具131に回転可能に接続され、これにより、遠位端治具132の近位端治具131に対する回転によって手首機構130のピッチ運動を実現する。アクチュエータ133は、グリップ爪上顎134とグリップ爪下顎135とを含み、グリップ爪上顎134とグリップ爪下顎135が第2ピン軸137を介して遠位端治具132に回転可能に接続され、これにより、グリップ爪上顎134とグリップ爪下顎135の遠位端治具132に対する回転によって手首機構130のグリップとヨーイングを実現する。一実施例では、第2ピン軸137は、第1ピン軸136に対して垂直である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
第3伝動ケーブル166は、第3動滑車164を巻き付け、第3伝動ケーブル166の両端がそれぞれ第2回動部材152と第3回動部材153に接続されている。第4伝動ケーブル167は、第4動滑車165を巻き付け、第4伝動ケーブル167の両端がそれぞれ第2回動部材152と第3回動部材153に接続されている。具体的には、第3伝動ケーブル166と第4伝動ケーブル167は、第2回動部材152に対する巻き付け方向が逆であり、かつ、第3回動部材153に対する巻き付け方向が第1伝動ケーブル158と第2伝動ケーブル159の第3回動部材153に対する巻き付け方向と逆である。第3伝動ケーブル166と第4伝動ケーブル167は、第3回動部材153に対する巻き付け方向が同じである。第2回動部材152または第3回動部材153が回動すると、第3動滑車164は第3伝動ケーブル166によって移動するようになり、第4動滑車165は第4伝動ケーブル167によって移動するようになる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
第2伝動アセンブリは、第2ガイドホイール171をさらに含み、第4伝動ケーブル167の第2回動部材152と第4動滑車165との間に位置する部分は、第2ガイドホイール171を巻き付け、第4伝動ケーブル167の第2ガイドホイール171と第4動滑車165との間に位置する部分と第4伝動ケーブル167の第4動滑車165と第3回動部材153との間に位置する部分とが平行である。第3伝動ケーブル166の第2回動部材152と第3動滑車164との間に位置する部分は、第3伝動ケーブル166の第3動滑車164と第3回動部材153との間に位置する部分と平行であり、かつ第4伝動ケーブル167の第4動滑車165と第3回動部材153との間に位置する部分と平行である。第2ガイドホイール171は、定滑車であってもよい。当業者は、第3伝動ケーブル166と第4伝動ケーブル167をガイドするように、必要に応じて、他のガイドホイールを追加してもよいことを理解できる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
バックエンド伝動装置150は、第3ガイドホイールセット176(図4参照)をさらに含み、第3ガイドホイールセット176は、互いに平行な2つの第5軸177と、各第5軸177において回転可能に設けられた2つの第3ガイドホイール178と、を含む。第3ガイドホイール178は、定滑車であってもよい。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
本実施形態では、第3回動部材153が回動する時、第1伝動アセンブリと第2伝動アセンブリを介して、第1ケーブル141と第2ケーブル142を等長で引き込みながら第3ケーブル143と第4ケーブル144を等長で解放したり(即ち第3回動部材153の回動中に第1ケーブル141と第2ケーブル142が引き込まれる長さ第3ケーブル143と第4ケーブル144解放された長さと等しい)、第3ケーブル143と第4ケーブル144を等長で引き込みながら第1ケーブル141と第2ケーブル142を等長で解放したり(即ち第3回動部材153の回動中に第3ケーブル143と第4ケーブル144が引き込まれる長さ第1ケーブル141と第2ケーブル142解放された長さと等しい)することで、手首機構130のピッチ運動を実現することができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
本願の実施例におけるバックエンド伝動装置によれば、バックエンド伝動装置が例えば手首機構の4本の駆動ケーブルに接続されることにより、手首機構とバックエンド伝動装置とが協働して作動するようになり、駆動ケーブル(即ち第1ケーブル、第2ケーブル、第3ケーブルおよび第4ケーブル)を等長で引き込んだり解放したりすることで、手首機構のピッチ運動、ヨーイングおよびグリップを実現する。このような駆動方式のもとで、構造が簡単であり、伝動が正確であり、回動部材の回転角及び手首機構のピッチ、ヨーイングまたはグリップの角度が線形関係にあり、手首機構の上記角度が大幅に変化したとしても、駆動ケーブルの等長解放および/または引き込みを確保することもできる。
【国際調査報告】