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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2024-04-15
(54)【発明の名称】マルチルーメンカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 31/00 20060101AFI20240408BHJP
【FI】
A61M31/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023567234
(86)(22)【出願日】2022-05-03
(85)【翻訳文提出日】2023-12-26
(86)【国際出願番号】 US2022072077
(87)【国際公開番号】W WO2022236263
(87)【国際公開日】2022-11-10
(31)【優先権主張番号】63/183,738
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ピック、アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】フレドリクソン、ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】コンドン、ダニエル
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA05
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD02
4C066FF01
(57)【要約】
送達デバイスは、患者の体管腔内に挿入されるように構成されたシースを備えてもよい。シースは、近位端と、遠位端と、近位端から遠位端までシース内に延在する第1のチャネルと、近位端から遠位端までシース内に延在する第2のチャネルとを有してもよい。第1のチャネル及び第2のチャネルの総断面積は、シースの総断面積の50%超であってもよい。デバイスはまた、シースの近位端にハンドルを備えてもよく、ハンドルは、第1のポートと第1のチャネルとの間、及び第2のポートと第2のチャネルとの間に連通をもたらすように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端と、遠位端と、前記近位端から前記遠位端までシース内に延在する第1のチャネルと、前記近位端から前記遠位端まで前記シース内に延在する第2のチャネルとを有する前記シースであって、前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルの総断面積が前記シースの総断面積の50%超である、前記シースと、
前記シースの前記近位端にあるハンドルであって、第1のポートと前記第1のチャネルとの間、及び第2のポートと前記第2のチャネルとの間に連通をもたらすように構成される、前記ハンドルと
を備える、送達デバイス。
【請求項2】
前記第1のチャネルは、(1)前記第2のチャネルの近位端から遠位端まで延在する少なくとも1つの第1の平面と、(2)前記第2のチャネルの前記近位端から前記遠位端まで延在する第1の側面開口部とによって規定される、請求項1に記載の送達デバイス。
【請求項3】
前記第2のチャネルが、(1)前記第2のチャネルの前記近位端から前記遠位端まで延在する少なくとも1つの第2の平面と、(2)前記第2のチャネルの前記近位端から前記遠位端まで延在する第2の側面開口部とによって規定され、前記第1のチャネル及び前記第2のチャネルがルーメン間壁によって分離される、請求項1又は2に記載の送達デバイス。
【請求項4】
前記第1の側面開口部は、各々が半径方向内向き及び半径方向外向きに撓むように構成された第1のフランジ及び第2のフランジを分離する、請求項2に記載の送達デバイス。
【請求項5】
前記第1のチャネル内に管をさらに備え、空間が、前記第1の平面と前記管の外面との間に規定される、請求項2に記載の送達デバイス。
【請求項6】
前記シースが内側シースであり、前記送達デバイスが、
前記内側シースを取り囲む外側シースであって、少なくとも部分的に環状の空間が前記外側シースと前記内側シースとの間に規定される前記外側シースをさらに備える、請求項1に記載の送達デバイス。
【請求項7】
前記外側シースが、前記内側シースに対して回転する、請求項6に記載の送達デバイス。
【請求項8】
前記外側シース及び前記内側シースは、前記外側シースの内面と前記内側シースの外面との間で、前記シースの前記近位端から前記遠位端まで部分的に又は全体的に延在する1つ以上のコネクタによって共に連結される、請求項6に記載の送達デバイス。
【請求項9】
前記内側シースは、少なくとも部分的に環状の空間が前記内側シースを完全に取り囲むように、前記外側シースの内面と前記内側シースの外面との間の1つ以上のリブによって前記外側シース内の中心に配置される、請求項6又は7に記載の送達デバイス。
【請求項10】
複数のリブは、前記内側シースの回転が所定の角度に制限されるように、前記外側シースの前記内面及び前記内側シースの前記外面から交互に突出する、請求項9に記載の送達デバイス。
【請求項11】
前記内側シースが、前記シースの前記近位端から前記遠位端まで延在するルーメン間壁によって分離された少なくとも2つのチャネルを規定する、請求項6~10のいずれか一項に記載の送達デバイス。
【請求項12】
少なくとも部分的に環状のチャネルと連通する前記ハンドルの第3のポートをさらに備える、請求項6~11のいずれか一項に記載の送達デバイス。
【請求項13】
前記ハンドルは、近位ハンドル部分及び遠位ハンドル部分を含み、前記内側シースは前記近位ハンドル部分に固定され、前記外側シースは前記遠位ハンドル部分に固定され、係止機構は、前記近位ハンドル部分が前記遠位ハンドル部分に対して回転し、前記内側シースが前記外側シースに対して回転するように、前記近位ハンドル部分を前記遠位ハンドル部分に連結する、請求項6、7、及び9~12のいずれか一項に記載の送達デバイス。
【請求項14】
前記近位ハンドル部分はフランジを含み、前記遠位部分は、前記近位ハンドル部分を前記遠位ハンドル部分に連結するために前記フランジの近位に1つ以上の突出部を含み、各突出部は、対応する可撓性ポストと一体であり、各可撓性ポストは、前記フランジの上を延在するために撓むように構成され、前記突出部が前記フランジの近位にある前記ハンドルの空間に進入することを可能にする、請求項13に記載の送達デバイス。
【請求項15】
前記シース内で前記近位端から前記遠位端まで延在する第3のチャネルをさらに備え、前記第1のチャネル、前記第2のチャネル、及び前記第3のチャネルの総断面積は、前記シースの総断面積の75%超である、請求項1~14のいずれか一項に記載の送達デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の様々な態様は、一般に、治療薬、流体、又は医療機器の送達のための医療デバイスに関する。本開示の実施例は、標的治療部位への加圧流体及び治療薬の複数の部分の内視鏡送達のための医療デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
治療/手術中、及び/又は手術前及び手術後に、体内の標的治療部位に薬剤を送達して、特に胃腸(GI)管の内視鏡及び切開外科処置中又は処置後に、それらの部位を組織分解から保護する必要がある。GI管の内視鏡及び切開外科的処置の例としては、結腸切除、肥満手術、食道切除、胃バイパス術、及びスリーブ胃切除術などが挙げられる。処置は、穿孔、手術後漏出、又は管の他の創傷をもたらし得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示の態様は、特に、治療/手術中、及び/又は手術前及び手術後に体内の標的治療部位に薬剤を送達するためのデバイス及び方法に関する。本明細書で開示される態様の各々は、他の開示される態様のいずれかに関連して記載される特徴のうちの1つ以上を含み得る。
【0004】
本開示のある態様によると、送達デバイスは、近位端と、遠位端と、近位端から遠位端までシース内に延在する第1のチャネルと、近位端から遠位端までシース内に延在する第2のチャネルとを有する、シースを備えてもよい。第1のチャネル及び第2のチャネルの総断面積は、シースの総断面積の50%を超える。送達デバイスはまた、シースの近位端にハンドルを備えてもよい。ハンドルは、第1のポートと第1のチャネルとの間、及び第2のポートと第2のチャネルとの間に連通をもたらすように構成されてもよい。
【0005】
送達デバイスは、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。送達デバイスの第1のチャネルは、(1)第2のチャネルの近位端から遠位端まで延在する少なくとも1つの第1の平面と、(2)第2のチャネルの近位端から遠位端まで延在する第1の側面開口部とによって規定されてもよい。第2のチャネルも同様に規定されてもよい。第1のチャネルと第2のチャネルとは、ルーメン間壁によって分離されてもよい。側面開口部は、第1のフランジと第2のフランジとを分離する。第1のフランジ及び第2のフランジは、半径方向内向き及び半径方向外向きに撓むように構成されてもよい。送達デバイスは、第1のチャネル内に管を備えてもよく、空間が、第1の平面と管の外面との間に規定される。送達デバイスは、内側シースと、内側シースを取り囲む外側シースとを含有してもよく、少なくとも部分的に環状の空間が、外側シースと内側シースとの間に規定される。外側シースは、内側シースに対して回転可能であってもよい。外側シース及び内側シースは、外側シースの内面と内側シースの外面との間でシースの近位端から遠位端まで部分的に又は全体的に延在する1つ以上のコネクタによって互いに連結されてもよい。内側シースは、少なくとも部分的に環状の空間が内側シースを完全に取り囲むことができるように、外側シースの内面と内側シースの外面との間にある1つ以上のリブによって外側シース内の中心に配置されてもよい。複数のリブは、内側シースの回転が所定の角度に制限されるように、外側シースの内面及び内側シースの外面から交互に突出してもよい。内側シースは、シースの近位端から遠位端まで延在し得るルーメン間壁によって分離された少なくとも2つのチャネルを規定し得る。送達デバイスはまた、少なくとも部分的に環状のチャネルと連通しているハンドルの第3のポートを備えてもよい。ハンドルは、近位ハンドル部分と、遠位ハンドル部分とを含んでもよく、内側シースは、近位ハンドル部分に固定されてもよく、外側シースは、遠位ハンドル部分に固定されてもよく、係止機構は、近位ハンドル部分が遠位ハンドル部分に対して回転してもよく、内側シースが外側シースに対して回転してもよいように、近位ハンドル部分を遠位ハンドル部分に連結してもよい。近位ハンドル部分はフランジを含んでもよく、遠位部分は、近位ハンドル部分を遠位ハンドル部分に連結するためにフランジの近位に1つ以上の突出部を含んでもよく、各突出部は、対応する可撓性ポストと一体であってもよく、各可撓性ポストは、フランジの上を延在するために曲がるように構成され、突出部がフランジの近位にあるハンドルの空間に進入することを可能にしてもよい。送達デバイスは、シース内で近位端から遠位端まで延在する第3のチャネルをさらに備えてもよく、第1のチャネル、第2のチャネル、及び第3のチャネルの総断面積は、シースの総断面積の75%超であってもよい。
【0006】
本開示の別の態様によれば、送達デバイスは、ハンドルに連結された外側シースと、外側シースによって取り囲まれた内側シースであって、内側シースと外側シースとの間に少なくとも部分的に環状のチャネルを規定し、内側シースがハンドルに連結されている内側シースと、少なくとも部分的に環状のルーメンと連通し得るポートとを備え得る。
【0007】
送達デバイスは、以下の特徴のうちの1つ以上を含んでもよい。追加のポートは、追加のポートが内側シースのそれぞれのチャネルと連通し得るように、内側シースの2つのチャネルのそれぞれに取り付けられてもよい。ハンドルは、近位ハンドル部分と遠位ハンドル部分とを備えてもよく、内側シースは、近位ハンドル部分に固定されてもよく、外側シースは、遠位ハンドル部分に固定されてもよく、係止機構は、近位ハンドル部分が遠位ハンドル部分に対して回転してもよく、内側シースが外側シースに対して回転してもよいように、近位ハンドル部分を遠位ハンドル部分に連結してもよい。近位ハンドル部分はフランジを含んでもよく、遠位部分は、近位ハンドル部分を遠位ハンドル部分に連結するためにフランジの近位に1つ以上の突出部を含んでもよい。
【0008】
本開示の別の態様によれば、送達方法は、送達デバイスの遠位端を治療部位に近接して配置することと、同時に、シースの第1のチャネルを通って薬剤の第1の部分を治療部位に近接して送達することと、シースの第2のチャネルを通って薬剤の第2の部分を治療部位に近接して送達することと、シースの第3のチャネルを通って加圧流体を治療部位に近接して送達することとを含んでもよく、加圧流体は、治療部位への送達のために薬剤の第1の部分と第2の部分とを混合する。第1、第2、及び第3のチャネルの総断面積は、シースの総断面積の25%超であってもよい。
【0009】
開示される実施形態の追加の目的及び優位点は、一部は以下の説明に記載され、一部は説明から明白になるか、又は開示される実施形態の実施によって習得され得る。開示された実施形態の目的及び優位点は、添付の特許請求の範囲で特に指摘される要素及び組み合わせによって実現され、達成される。
【0010】
前述の一般的な説明及び以下の詳細な説明は両方とも、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求される本開示を限定するものではないことを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本開示の例示的な態様を示し、説明とともに本開示の原理を説明する。
図1】本開示の態様による、医療デバイスの斜視図である。
図2】本開示の態様による、図1の医療デバイスのシースの長さの一部分の斜視断面図である。
図2A】本開示の態様による、管が挿入された、図2のシースの長さの一部分の斜視断面図である。
図3】本開示の態様による、シースの長さの一部分の斜視断面図である。
図4】本開示の態様による、シースの長さの一部分の斜視断面図である。
図5】本開示の態様による、シースの長さの一部分の斜視断面図である。
図6】本開示の態様による、シースの長さの一部分の斜視断面図である。
図7】本開示の態様による、医療デバイスの斜視図である。
図7A】本開示の態様による、図7の医療デバイスの一部分の斜視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の態様は、複数部分薬剤を含む薬剤を対象(例えば、患者)内の標的組織部位に送達するためのデバイス及び方法を含む。標的組織部位での複数部分薬剤の適用により、例えば、さらなる組織分解からそれらの部位を保護することができる。このような複数部分薬剤の送達のための現在のデバイス及び方法は、限定されている。有効な治療選択肢及び機器がないため、標的治療部位に薬剤を適用して、それらの部位をさらなる組織分解から保護する必要がある。特定の予防剤は、硬化し得るか、又は標的組織に付着したままであり得るために、複数の部分を必要とし得る。送達される多くの薬剤はまた、感光性硬化(すなわち、光硬化)等の二次的硬化手段が実施されない限り、カテーテル内で潜在的に硬化する場合がある。薬剤を送達するためのカテーテルはまた、それらの中で硬化する薬剤に起因して、著しい詰まりの問題を有し得る。本開示のいくつかの態様では、送達デバイスは、薬剤の第1の部分、薬剤の第2の部分、及び加圧流体を送達デバイスの第1、第2、及び/又は第3のルーメン内に送達する、マルチルーメンチューブを含む。薬剤送達ルーメンの形状及び/又は断面積は、例えば、送達ルーメン内で硬化又は閉塞することなく、十分な体積の薬剤部分が部位に送達されることを可能にする。加圧流体、例えばガスは、送達デバイスの遠位にある治療部位で薬剤を混合することを助ける。送達デバイスは、カテーテル、スコープ(内視鏡、気管支鏡、胃鏡、尿管鏡、十二指腸鏡、結腸鏡等)、チューブ、又はシースであってもよく、体管腔又はルーメン、例えば、自然開口部を通ってGI管に挿入される。開口部は、例えば、鼻、口、又は肛門であってもよく、配置は、食道、胃、十二指腸、大腸、又は小腸を含むGI管の任意の部分であり得る。また、GI管、任意の他の自然開口部又は体管、又は身体切開を介して到達可能な他の体管腔又は器官内への送達及び配置も可能である。
【0013】
次に、本開示の態様を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。可能な限り、同一又は類似の部分を参照するために、図面を通して同一又は類似の参照番号が使用される。用語「遠位」は、デバイスを患者に導入するときに使用者から最も遠い部分を示す。対照的に、用語「近位」は、デバイスを対象内に配置するときにユーザに最も近い部分を示す。本明細書で使用される場合、用語「含む」、「含んでいる」、又はそれらの任意の他の変形は、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、又は器具が、必ずしもそれらの要素のみを含むわけではなく、明示的に列挙されていない他の要素、又はそのようなプロセス、方法、物品、又は器具に固有の他の要素を含み得るように、非排他的な包含を対象とすることが意図されている。用語「例示的」は、「理想的」ではなく「例」の意味で使用される。本明細書で使用される場合、用語「約」、「実質的に」、及び「およそ」は、述べられた値の+/-10%以内の値の範囲を示す。
【0014】
本開示の実施例は、大腸(結腸)、小腸、盲腸、食道、胃腸管の任意の他の部分、及び/又は任意の他の適切な患者の解剖学的構造(本明細書では「標的治療部位」と総称する)の様々な医療処置及び/又は治療部分を実施するためのデバイス及び方法に関し得る。本明細書に記載される様々な例は、単回使用又は使い捨て医療デバイスを含む。ここで、上述され、添付の図面に示される本開示の例を詳細に参照する。可能な限り、同一又は同様の部分を示すために、図面全体を通して同一の参照番号が使用される。
【0015】
図1は、本開示の例に従った医療デバイス10(例えば、薬剤送達デバイス)を示す。医療デバイス10は、近位端11及び遠位端13を含む。ハンドル16及びポート18、24及び26は、近位端11にあるか又は近位端11に隣接している。シース12は、ハンドル16の遠位端からデバイス10の遠位端13まで延在する。本明細書に記載される医療デバイス10の構造のいずれも、あるポリマー、ゴム、プラスチック等を含む、生体適合性材料製であり得る。
【0016】
依然として図1を参照すると、近位ポート18、24、及び26は、シース12(本明細書でさらに記載される)のルーメン(チャネル)へのアクセスを可能にする。ポートは、薬剤、ガス、流体などの供給源に結合するように構成され、さらに、デバイスがデバイス10に入り、シース12内に挿入するためのアクセスを提供することができる。このような薬剤、ガス、又は流体の供給源は、当技術分野で既知である任意の適切な供給源であり得る。このような供給源は、1つ以上の薬剤容器(例えば、シリンジ、キャニスターなど)を含み得る。代わりに、1つ以上のデバイス、例えば、カテーテル、スネア、鉗子、把持器、撮像デバイス、又は当技術分野で既知の任意の他の内視鏡器具が、ポート及びそれらのそれぞれのシースルーメンを通って挿入され得る。薬剤、ガス、流体などの供給源とポート18、24、及び26との間の結合は、例えば、接着剤、熱収縮、スナップ嵌め結合、ねじ連結、圧着結合、ルアー結合などであり得る。結合は、恒久的であってもよいし、取り外し可能であってもよい。1つ以上の薬剤容器の各々は、可撓性シース12のそれぞれのルーメンから分散可能な薬剤成分を含み得る。ポート18、24、及び26は、ハンドル16内の複数のルーメン(図示無し)及び複数のシースルーメンと連通している。
【0017】
ハンドル16は、ポート18、26及び24とシース12との接合部である。実施形態では、ハンドル16は、複数のポートを含む、及び/又は取り囲むことができ、当技術分野で知られている様々な薬剤の供給源及びデバイスへのそれらのアクセス及び結合を可能にする。ハンドル16は、各ポート18、24、及び26の遠位端に固定されるように構成され得る。複数の薬剤容器が、ポート18、24、及び26のうちの1つ以上の近位端に取り付けられ得る。これらの結合は、例えば、接着剤、熱収縮、スナップ嵌め結合、ねじ連結、圧着結合などを介することができる。ハンドル16は、ポート18、24、及び26とシース12の複数のルーメンとの間に連通をもたらし、また、複数のポートからシース12の複数のルーメンへの複数のデバイスのアクセスをもたらす。ハンドル16は、ポート18、24、及び26からシース12への薬剤、ガス、流体などの供給を制御するために、当技術分野で知られている任意のアクチュエータを含むことができる。これらのアクチュエータは、トリガ、ボタン、スイッチ、空気制御、又は当技術分野で知られている他の方法を含むことができる。実施形態では、デバイス10は、ハンドルを含まず、代わりに、いかなる介在構造も有さずに、シース12のルーメンにつながり、それと連通するポート18、24、及び26を有する。
【0018】
シース12は、体内の部位にアクセスし、蛇行した解剖学的構造を横切るのに十分な長さ及び可撓性を有するチューブである。ルーメン14、20、及び22は、シース12の近位端から遠位端までシース12を通って延在する。ルーメン14、20、及び22は、図1に示すように、シース12の遠位面で開口している。ルーメン14、20、及び22は、互いに実質的に平行であり、その結果、ルーメン14、20、及び22の長手方向の軸線は、実質的に平行である。シース12は、3つのルーメン14、20、及び22を含むことに限定されず、より多くのルーメン又はより少ないルーメンを含み得る。シース12は、シース12の近位端でハンドル16に結合され、ハンドル16を通ってポート18、24、及び26からルーメン14、20、及び22へのアクセスを可能にする。特に、ポート18はルーメン14へのアクセスを可能にし、ポート26はルーメン22へのアクセスを可能にし、ポート24はルーメン20へのアクセスを可能にする。
【0019】
ルーメン14は、シース12の近位端から遠位端まで延在する、完全に囲まれたルーメン(シース12のいくつかの部分によって全側面が完全に包囲される)である。ルーメン14は、円形の断面形状を有するが、そのような形状に限定されず、シース12の遠位面で開口している。ポート18とハンドル16とルーメン14とは連通している。複数の囲まれたルーメン14は、シースの断面領域に含まれてもよく、対応するポートを有してもよい。ルーメン14の内壁は、ルーメン14を通って挿入される任意の薬剤又はデバイスに対する摩擦を低減するために、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)等の生体適合性材料で裏打ちされ得る。実施形態では、ルーメン14は、加圧流体(例えば、二酸化炭素ガス)がそこを通過するように構成される。
【0020】
図2は、図1のシース12の長さの一部分の断面を示す。シース12は、シース12の全長に沿って断面が同一又は類似であってもよい。ルーメン20は、シース12の近位端から遠位端まで延在する。対応するポート24とルーメン20との間は連通している。ルーメン20は、平坦な表面42、46、湾曲した表面34、36、40、44、及び48、及び側面開口部28によって規定される。ルーメン20の断面積は、シース12の断面積の約4分の1(1/4)を占めるが、その比率は限定されず、ルーメンを追加してもよく、又は小さくしてもよく、及び/又はルーメンの大きさが調節されてもよい。ルーメン20の断面積は、例えば、薬剤がチューブ68の内側を詰まらせることなく通過することを可能にするのに十分な内径のチューブ68(本明細書でさらに記載する)を受け入れるように最大化され、一方で、十分な構造的完全性及び蛇行する体管腔に沿った通過性のためにシース20の十分な材料を残す。ルーメン14、20、及び22の総断面積は、シース12の総断面積の少なくとも50%であり、特定の実施形態では、シース12の総断面積の約3分の2から少なくとも約4分の3である。
【0021】
表面34及び40、並びに表面36及び48は、シース12の外側表面の一部分とともに、2つのフランジ29及び31を規定する。フランジ29及び31は開口部28の縁部に配置されている。フランジ29及び31は、可撓性であり、その結果、これらは、ルーメン28の中へ半径方向内向きに、及びシース12の半径方向外向きに曲がることができる。側面開口部28は、フランジ29及び31の可撓性と組み合わせて、ルーメン20の断面積が、チューブ68の挿入及び配置のために拡張することを可能にする。加えて又は代わりに、ルーメン20の内壁は、ルーメン20の長手方向の軸線に沿って挿入されるチューブの摩擦を低減するために、ePTFEなどの生体適合性材料で裏打ちすることができる。側面開口部28は、フランジ29、31がそれぞれ内側及び外側に曲がるときに、ユーザがチューブ68を挿入又は除去することを可能にするように構成される。フランジ29、31は、ルーメン20の全長に延在する。フランジ29及び31の表面34及び36は、それぞれ、図2Aに示すように、チューブ68の曲率に一致する曲率半径を有することができる。
【0022】
ルーメン20は、他の表面の中でも、互いに対してある角度で配向され、湾曲表面44によって分離される、2つの平坦表面42、46によって規定される。平面42、46はルーメン20の内壁を形成し、シース12の全長にわたって延在する。表面42、46の平面形状は、図2Aに示すように、チューブ68がルーメン20内に挿入されるとき、円形チューブ68とそれらの表面42、46との間に空間を生成する。湾曲表面40、48はまた、チューブ68とルーメン20を規定する表面との間に空間を生成する。
【0023】
ルーメン22は、ルーメン間壁32によってルーメン20から分離されており、ルーメン20の鏡像であり得る。しかし、ルーメン22は、同じ幾何学的形状を有することに限定されない。例えば、ルーメン22は、大きさ及び形状を変えることができる。追加のルーメン間壁によって分離されることにより、2つのルーメン20、22より多くてもよい。ルーメンの数は、特に、シース12の断面積及び材料に依存する。例えば、シース12の材料及び複数の壁は、複数のルーメン及び/又はシースが崩壊することを防止するために十分な構造的支持をもたらす必要がある。加えて、ルーメン間壁32は、ルーメン20、22が形状を変化させることを防止するために十分な厚さ及び剛性を有するべきであるが、他の実施形態では、ルーメン20、22のうちの少なくとも1つにおいて、チューブを含む、より大きいデバイスを収容するために、ある程度の可撓性を有することができる。
【0024】
図2Aに示すように、チューブ68、70はそれぞれ、円形断面形状と、ルーメン20、22の空間をチューブ68のルーメンから分離するための複数の薄い壁とを有することができる。チューブ68、70は、楕円形、三角形などの代替的な断面形状であってもよく、又はチューブ68、70内の追加の空間が詰まりを低減することを可能にするルーメンとしての正確な断面形状であってもよい。さらに、ルーメン20、22に異なるチューブを挿入することができる。例えば、ルーメン20に円形のチューブを挿入することができ、ルーメン22に三角形のチューブを挿入することができる。チューブ68、70は、ハンドル16を通って対応するポート24、26においてユーザによって挿入され得るか、又は側面開口部28、30を介してルーメン内に挿入され得る。代わりに、医療デバイス10は、ルーメン20、22にそれぞれ予め装填されたチューブ68、70の一方又は両方を含むように製造され得る。チューブ68、70は、送達される薬剤又はデバイスのための経路を提供することができる。そのようなデバイスは、カテーテル、スネア、把持具、鉗子、又は当技術分野で既知の他の内視鏡器具を含むことができる。
【0025】
本開示の態様は、デバイス10を使用する方法を含む。そうするために、ユーザは、最初に、薬剤及び/又は加圧流体の供給源をポート18、24、及び26のうちの1つ以上に取り付けてもよい。代わりに、このような供給源は、ハンドル16内に含まれてもよく、そしてすでにルーメン14、20、及び22と連通していてもよい。次に、使用者は、自然開口部を通してシース12の遠位端を、GI管に挿入し得る。開口部は、例えば、鼻、口、又は肛門であってもよく、配置は、食道、胃、十二指腸、大腸、又は小腸を含むGI管の任意の部分であり得る。GI管、任意の他の自然開口部又は体管、身体切開を介して、又は内視鏡又はシース等の送達デバイスを通して、到達可能な他の体管腔又は器官内に送達及び配置することも可能である。所望の部位がアクセスされると、ユーザは、薬剤及び/又は加圧流体がルーメン14及び/又はチューブ68、70を通って流れることを可能にするために、ハンドルを作動させてもよい。一実施形態では、加圧流体はルーメン14を通って流れ、薬剤の2つの別々の部分はそれぞれチューブ68及び70を通って流れる。流体及び薬剤部分は、ルーメン14及びチューブ68、70の遠位端を出て、標的治療部位で混合され、組織に付着する。代わりに、ユーザは、ルーメン14、チューブ68、70、又はルーメン20、22を使用して、任意の他の診断及び/又は治療器具を挿入し得る。
【0026】
図3は、シース112の例示的な実施形態の長さの一部分の断面図を示す。シース112は、以下に記載する点を除いて、図1図2、及び図2Aのシース12と同一である。シース112は、3つの閉じたルーメン114、120、及び122(シース12の部分によって全ての側面が完全に取り囲まれている)から構成される。ルーメン114は、図1図2及び図2Aのルーメン14と同一である。ルーメン120は、湾曲表面140、144、148、150及び平面142、146によって完全に囲まれている。これらの表面は、シース112の全長にわたって延在する。壁132を含むシース112の複数の内壁は、ルーメン114、120、及び122を通して挿入される管又はデバイスのための支持を提供する。平面142、146及び湾曲面144は、図1の平面42、46及び湾曲面44と同一である。湾曲面150は、図1~2Aの側面開口部28を有する代わりに、ルーメン120を完全に包囲する。ルーメン120の三角形状は、追加の空間を生成し、医師が治療器具又は診断器具を挿入又は利用することを可能にする。ルーメン120の複数の内壁は、ルーメンを通って挿入される任意の薬剤又はデバイスに対する摩擦を低減するために、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)等の生体適合性材料で裏打ちされ得る。ルーメン120の断面積は、シース112の断面積の約4分の1(1/4)を占めるが、その比率は限定されず、ルーメンを追加してもよく、又は小さくしてもよく、及び/又はルーメンの大きさが調節されてもよい。ルーメン120の断面積は、例えば、薬剤が詰まることなくルーメン120を通過することを可能にするように最大化され、一方で、十分な構造的完全性及び蛇行する体管腔に沿った通過性のためにシース120の十分な材料を残す。ルーメン114、120、及び122の総断面積は、シース12の総断面積の少なくとも50%であり、特定の実施形態では、シース112の総断面積の約3分の2から少なくとも約4分の3である。
【0027】
図4は、例示的なシース212の長さの一部分の断面図を示す。シース212は、外側シース203及び内側シース204を含む。外側シース203及び内側シース204の各々は、大きさ、形状、及び材料が異なり得る。例えば、2.8mm~4.2mmの作用チャネルを有する内視鏡とともに使用するために、シース203の外径は、約0.090インチ(2.29mm)~0.155インチ(3.94mm)であってもよく、シース203の内径は、約0.076インチ(1.93mm)~0.141インチ(3.58mm)であってもよく、内側シース204の外径は、約0.066インチ(1.68mm)~0.136インチ(3.45mm)であってもよく、ルーメン208及びルーメン210の各々の面積は、約0.0017インチ(0.0432)~0.0062インチ(0.157mm)であるか、又は2.8mm~4.2mmの作用チャネルとともに使用するために好適な任意の他の寸法である。ルーメン208の断面積は、シース212の断面積の約3分の1(1/3)を占めるが、その比率は限定されず、ルーメンを追加してもよく、又は小さくしてもよく、及び/又はルーメンの大きさが調節されてもよい。ルーメン202、208、及び210の総断面積は、シース212の総断面積の少なくとも50%であり、特定の実施形態では、シース12の総断面積の約3分の2から少なくとも約4分の3である。シース212の全使用可能面積は、内視鏡作用チャネルの断面積の少なくとも約25%であるが、ルーメンの大きさを調節することができるので、その比率は限定されない。加えて、シース203、204のそれぞれは、(図示するように)円形外周及び円形内周を有することができるが、代わりに、楕円形、三角形、長方形等を含む、他の幾何学的形状を有することができる。外側シース203は、シース204の外面をシース203の内面に固定する構造を有していないという点で、内側シース204から独立している。加えて、それらの使用の少なくともいくつかの方法において、シース203及び204は、シース203、204の長さの一部又は全部に沿って互いに接触しない。外側シース203の内面及び内側シース204の外面は、シース203、204を分離する環状ルーメン202を規定する。シース203、204の表面は、環状ルーメン202を通って挿入される任意の薬剤又はデバイスに対する摩擦を低減するために、ePTFE等の生体適合性材料で裏打ちされることができる。
【0028】
内側シース204は、ルーメン間壁206によって分離された2つのルーメン208、210から構成される。内側シース204を構成するルーメン及びルーメン間壁の数、大きさ、及び形状は様々であってよい。例えば、シース204は、(図示するように)2つの半円形のルーメン、3つのルーメン間壁によって分離された3つの三角形のルーメン、又は複数のルーメン間壁によって分離された様々な形状の同じのより多くのルーメンを規定することができる。内側シースを構成するルーメンの数は、内側シース204の材料強度及び断面積に依存し得る。例えば、材料は、シースが潰れるのを防止するのに十分な構造的支持をもたらす必要がある。加えて、ルーメン間壁206は、ルーメン208、210が内側シース204の長さ全体にわたってそれらの形状を保持することを可能にするのに十分な厚さでなければならないが、いくつかの実施形態では、ルーメン間壁206は、1つ以上のルーメン208、210の形状がルーメン208、210を通って延在する薬剤(複数可)又はデバイス(複数可)の量又は大きさを収容することを可能にするように可撓性であってもよい。内側シース204内の複数のルーメンは、ルーメン208、210を通って挿入される任意の薬剤又はデバイスに対する摩擦を低減するために、ePTFE等の生体適合性材料で裏打ちされることができる。
【0029】
図7は、シース212と共に使用される例示的なハンドル500の斜視図を示す。ハンドル500は、ハンドル部分502、504、及びポート522を含む。ハンドル部分502は、ハンドル近位端501にあるか、又はそれに隣接する。ハンドル部分504は、ハンドル部分502の遠位端に取り付けられる。
【0030】
図7Aは、ハンドル500の断面図を提供する。内側シース204は、ハンドル部分ルーメン532を通ってハンドル部分502の遠位端から近位端まで延在する。ハンドル部分502は、接着剤、線間嵌合、オーバーモールディングプロセスなどによって内側シース204の外面に固定されるように構成されてもよい。複数の薬剤容器を、例えば、接着剤、熱収縮、スナップ嵌め結合、ねじ連結、ルアー結合、圧着結合などによって、内側シース204の近位端に取り付けられた追加のポートに取り付けることができる。代わりに、複数のポートが、ハンドル部分502の近位端に取り付けられてもよく、内側シース204の複数のルーメンと連通することができる。
【0031】
ハンドル部分502上のポート522は、薬剤、ガス、流体などの供給源に接続するように構成され、ポートルーメン530を介して環状ルーメン202へのアクセスをもたらす。このような薬剤、ガス、又は流体の供給源は、当技術分野で既知である任意の適切な供給源であり得る。ポートルーメン530の長手方向の軸線は、ハンドル部分ルーメン532及び内側シース204の長手方向の軸線に対して直角であるが、その角度関係は限定されない。ハンドル部分ルーメン532は、ハンドル部分502の近位端から遠位端まで延在している。ハンドル部分ルーメン532は、近位端及び遠位端で開口している。ハンドル部分502は、ポート522から環状ルーメン202への薬剤、ガス、流体などの供給を制御するために、当技術分野で知られている任意の複数のアクチュエータを含むことができる。これらのアクチュエータは、トリガ、ボタン、スイッチ、空気制御、又は当技術分野で知られている他の方法を含むことができる。代わりに、ポート522及び複数のアクチュエータは、ハンドル部分504上に構成されることができる(本明細書でさらに記載される)。ハンドル部分502は、カラー510、フランジ512、及び平面520をさらに含む。これらの構造は、ハンドル部分504をハンドル部分502に結合するのに役立つ。
【0032】
カラー510は、ハンドル部分502の残りの部分から遠位に延在し、大きさ及び形状を変えることができる。例えば、カラー510は、円形、長方形、又は任意の他の所望の形状である断面形状を有することができる。カラー510は、ハンドル部分ルーメン532の一部を規定する。フランジ512は、カラー510の近位にあり、また、ハンドル部分ルーメン532の一部を規定する。フランジ512は、ハンドル部分504のハンドル部分502への取り付けを容易にする。フランジ512は、環状かつ円錐形状であり、幅寸法は遠位方向にテーパ状である。延在部516は、フランジ512の近位にある。延在部516はまた、ハンドル部分ルーメン532の一部を規定し、ハンドル部分504のスナップ形体524がフランジ512とハンドル部分502の近位部分との間で係止するための環状の空間をもたらす。平面520は、スナップ形体524の近位端のための停止部をもたらす。
【0033】
ハンドル部分504は、遠位湾曲面528と、ハンドル部分ルーメン534と、カラー空洞505と、シール空洞506と、各々が突出部526を有する複数のスナップ形体524とから構成される。湾曲面528は、ハンドル部分504の遠位端を規定する。湾曲面528は、図示するような円錐形状に限定されず、大きさを変えることができる。例えば、外面は長方形又は三角形であってもよい。ハンドル部分ルーメン534は、ハンドル部分504の中心を通って延在する。ハンドル部分ルーメン534は、近位端及び遠位端で開いており、ハンドル部分502が組み立てられたときにハンドル部分ルーメン532と連通する。外側シース203は、例えば、接着剤、オーバーモールディングプロセスなどを使用して、ハンドル部分ルーメン532に取り付けられる。カラー空洞505は、ハンドル部分502のカラー510を受容する。カラー空洞505の大きさ及び形状を、ハンドル部分502の所望の取り付け方法に応じて変更することができる。例えば、カラー空洞505は長方形であり、円形カラー510を受容することができる。代わりに、カラー空洞505は、カラー510と同一の幾何学的形状であることができる。これらの構成要素は、接着剤、圧入法などを使用して共に組み合わせることができる。
【0034】
シール空洞506は、ゴム又は他の適切な材料で作られたOリングであり得るシール508を保持する。シール508は、ポートルーメン530を通ってハンドル部分ルーメン534に流入する加圧流体がハンドル502から漏出しないように、カラー510とカラー空洞505との間に気密シールを形成する。シール508及びシール空洞506は、大きさ及び形状を変えることができる。
【0035】
スナップ形体524は、ハンドル部分504の近位に面する平面536から近位に延在する。各スナップ形体は、ポスト525及び半径方向内向き突出部526から構成される。ポスト525は、突出部がフランジ512上で半径方向外向きに曲がって撓むことを可能にする。突出部526は、フランジ512の近位側の所定位置に係止され、ハンドル部分504をハンドル部分502に接合する。係止は恒久的であっても一時的であってもよい。複数のスナップ形体524の大きさ、形状、及び数は限定されない。例えば、ハンドル504は、2つ以上のスナップ形体524を有することができる。複数のスナップ形体524はまた、互いに対して大きさ及び形状が異なり得る。複数のスナップ形体524はさらに、ハンドル部分502、504が互いに対して回転することを可能にするが、互いに対して並進することを可能にしない。例えば、ハンドル部分502は時計回りに回転することができ、一方、ハンドル部分504は静止して保持されるか、又は反時計回りに回転されるか、又はその逆である。代わりに、ハンドル部分502、504は、カラー510上への圧入、コルク及びねじ設計など、当技術分野で知られている任意の他の方法を使用して取り付けることができる。
【0036】
図7~7Aのデバイスは、図1のデバイス10と同様に使用される。そうするために、ユーザは、最初に、環状ルーメン202につながるポート522に加圧流体源を取り付け、内側シース204の複数のルーメンにつながる複数のポートに複数の薬剤源を取り付けることができる。次に、使用者は、自然開口部を介して、シース212の遠位端をGI管に挿入し得る。開口部は、例えば、鼻、口、又は肛門であってもよく、配置は、食道、胃、十二指腸、大腸、又は小腸を含むGI管の任意の部分であり得る。GI管、任意の他の自然開口部又は体管、身体切開を介して、又は内視鏡又はシース等の送達デバイスを通って、到達可能な他の体管腔又は器官内に送達及び配置することも可能である。所望の部位にアクセスされると、ユーザは、ハンドル500又は薬剤及び加圧流体の供給源に連結された他のアクチュエータを(任意の既知の好適なアクチュエータを介して)作動させ、薬剤部分及び加圧流体が、シース204の複数のルーメン及びシース203と204との間の環状の空間202を通って流動することを許容することができる。流体及び薬剤部分は、シース212の遠位端を出て、標的治療部位で混合し、組織に付着する。ユーザは、処置中にシースの遠位端を所望の向きに操作するように、ハンドル部分504とは独立してハンドル部分502を回転させることができる。
【0037】
図6は、外側シース403及び内側シース404を有するシース412の例示的な実施形態の長さの一部分の断面図を示す。内側シース404は、図4の内側シース204と同一である。外側シース403は、以下に記載する点を除いて、図4の外側シース403と同一である。リブ406、408、410は、外側シース403の内面から半径方向内向きに突出し、外側シース403の一部分又は全長にわたって延在する。代わりに、リブ406、408、及び410は、内側シース404の外面から突出し、内側シース404の一部分又は全長にわたって延在することができる。リブ406、408、及び410は、内側シース404に対する支持を提供する。リブ406、408、及び410はまた、内側シース404を外側シース403から離間させ、かつそれと同心に保つ。リブはまた、リブが突出する表面を交互に変更することができる。例えば、リブは、外側シースの内面から突出することができ、第2のリブは、内側シースの外面から突出することができ、それにより、内側シース404及び外側シース403が互いに連結されるとき、複数のリブは、所定の角度で回転に対する止め具として作用するように当接することができるので、複数のリブは、内側シースがシースの長手方向の軸線に沿って自由に回転することを防止する。図6の実施形態は、ハンドル500(上述)と共に使用することができる。
【0038】
図5は、シース312の例示的な実施形態の長さの一部分の断面図を示す。シース312は、以下に記載する点を除いて、図4のシース212と同一である。シース312において、内側シースと外側シースとの間の環状ルーメンは、2つのコネクタ308、310によって2つの半環状ルーメン302、314に分離される。そのようなコネクタが2つ以上あってもよく、そのようなルーメンを追加することができる。複数の半環状ルーメンは、内側シース304によってルーメン316、317から分離されている。この実施形態は、上述したハンドル500と共に使用することができる。そうするために、外側シース312の近位長さは、上述した方法のいずれかを使用して、削り取られるか、又は他の方法で除去され、ハンドル部分502に取り付けられてもよい。しかし、ハンドル部分502、504は、シース312が使用される場合、互いに対して独立して移動可能ではない。
【0039】
前述のシステム、デバイス、アセンブリ、及び方法のそれぞれは、薬剤の1つ以上の成分を治療部位に送達することによって、治療部位を保護及び/又は治療するために使用されてもよい。薬剤を部分的に送達するための複数のルーメンを有する医療デバイスを提供し、ルーメンから複数の薬剤を分注した後に複数の成分を混合することによって、侵襲的外科処置及び/又はカテーテルの早期硬化及び詰まりに関連する既知の問題が回避される。従って、医師は、全体的な処置時間を短縮し、処置の効率を向上させ、及び/又は胃腸(GI)管の内視鏡及び切開外科処置から生じ得る穿孔、手術後漏出、又は他の創傷を治療するための他の器具/デバイスの限定された能力によって引き起こされる対象の身体への不必要な害を回避し得る。
【0040】
本開示の範囲から逸脱することなく、開示されたデバイス及び方法において様々な修正及び変更が行われ得ることが当業者には明らかであろう。本開示の他の態様は、本明細書の考察及び本明細書に開示された特徴の実施から当業者には明らかであろう。本明細書及び実施例は例示的なものに過ぎず、本開示の真の範囲は以下の特許請求の範囲及びその均等物によって示されることが意図されている。
図1
図2
図2A
図3
図4
図5
図6
図7
図7A
【国際調査報告】